幸子「カワイイボクと見えないあの子」 (49)

輝子「…新しいユニットか…?」

幸子「ええ、小梅さんと輝子さんがナイトエンカウンターで活躍してるので」

輝子「…余ったふたりで活動しようって事か…でも大丈夫か?…自分で見えないって言っちゃってるぞ?」

幸子「ボクもさっき小梅さんのお友だちに提案されたのでなんとも…」

輝子「ああ…あの子ちゃんからの提案か…あいつはしょっちゅう無茶言い出すからな…」

まゆ「・・・あの、ジョークですよね?」


このSSには下記の要素が含まれてます

・キャラ崩壊
・設定捏造
・差別的表現
・反社会的表現
・反倫理的表現
・142'sは4人組
・菜々さんは17歳

上記が許容できない方は御清覧を控えることをお勧めします。

また
輝子「今日はトモダチに仲間を紹介しにきたよ」
輝子「今日はトモダチに仲間を紹介しにきたよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435729817/)
幸子「うちに帰るとまゆさんが全裸でベッドに座ってた」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1460255897
と世界観を共有しています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1471530136

まゆ「お二人の話を聞いてるとまるであの……小梅ちゃんの守護霊的な人…?からユニットのお誘いがあったように聞こえたんですが」

輝子「フヒヒ…違うぞまゆさん…」

まゆ「そ、そうですよね、私の勘違

輝子「フヒヒヒヒ…あれは守護霊じゃなくて…悪霊だ…フヒヒ」

まゆ「 」

幸子「まあ他人のプライベート盗撮したり他人のケータイで500連ガチャ回すような人は悪霊以外の何者でもないですね」

輝子「フヒヒ・・・請求見た小梅ちゃんの眼も回してたな・・・」

まゆ「そ、そんなのに関わってて大丈夫なんですか!?」

幸子「何言ってるんですか、まゆさんいつも小梅さん経由でボクやプロデューサーさんの写真貰ってるでしょ?」

まゆ「そんな…まゆが知らないうちに悪霊に魂を売ってたなんて…」

ピコーン

新しい友だちとトークしよう!

まゆ「あれ、誰でしょう?」

ピコーン

アノコ『代 金 払 っ て る の に 商 品 受 け 取 れ な い の っ て 詐 欺 だ よ ね ?』

まゆ「     」

輝子「だ…大丈夫かまゆさん?」

まゆ「ま、まままままま、まゆのケータイに!」

輝子「フヒヒ…とりあえず幸子を離してやってくれないか?…完全に首キマっちゃってるから…」

幸子「  」キュウ

まゆ「きゃ、幸子ちゃん!?」

幸子「ケホ、ケホ、もう、ボクに何かあったらどうするんですか!」

まゆ「ご、ごめんなさい…」

幸子「ボクにもしものことがあったら毎晩あなたの枕元に立って文句いってあげますからね!」

まゆ「……」

幸子「ちょっと良いかもとか思わない!」

ピコーン

アノコ『チッ』

幸子「そこ舌打ちしない!」

まゆ「あの…さっきから私達のことが見えてるように話してますが、もしかしてここに居ます?」

ピコーン

アノコ『いるよー』

幸子「今まゆさんの後ろですね」

まゆ「きゃあ!」

輝子「幸子ちゃん…見えてるのか…?」

幸子「いえ、ただ最近気配でどの辺にいるのかぐらいはわかるようになりました」

ピコーン

アノコ『幸子の進化は止まらない!』

まゆ「お、脅かさないでください!」

幸子「なんでもいいですけどいちいちボクに飛び付くの止めてくれませんか?まゆさんの胸が豊満なのはわかりましたから」

まゆ「で、できればもう少しこのままでいいですか、本当の心霊体験は初めてなものなので」

輝子「フヒヒ…初心霊体験が友だちの友だちとの対談って貴重な体験だな…」

まゆ「そういえば幸子ちゃんもこういうの駄目な人じゃありませんでしたか?」

幸子「ええ、でも彼女とは短い付き合いではありませんし」

輝子「フヒヒ…私はまだちょっと苦手かな…」

ピコーン

アノコ『(´・ω・`)』

ピコーン

アノコ『やっほー!話すのは初めてだよね!小梅さんのお友だちことあの子ちゃんだよー』

ピコーン

アノコがスタンプを送信しました

まゆ「あ、あの、えーっと」

ピコーン

マユ『初めまして、小梅さんと一緒にアイドルをさせてもらってます、佐久間まゆといいます』

ピコーン

アノコ『知ってるよー』

ピコーン

アノコ『あと返事はメッセージじゃなくていいよー』

まゆ「…やけに気さくな方ですね」

輝子「フヒヒ…向こうからしたら初対面じゃないしな」

幸子「今日小梅さんはロケですが一緒じゃなくて良いんですか?」

ピコーン

アノコ『今回は新幹線で移動だからね、私の分の切符ないからお留守番』

輝子「律儀だなぁ…見えないんだから勝手に乗ってもバレないのに…」

ピコーン

アノコ『新幹線で立ちっぱなしってキツいじゃん?』

ピコーン

アノコ『足 無 い ん だ け ど ね』

まゆ「う、うわぁ」

幸子「ね?悪霊でしょ?」

まゆ「ところであなたはどこから送信してるんですか?」

ピコーン

アノコ『幽霊に不可能などないのだ!』

幸子「プロデューサーさんが小梅さんのお友だち用に契約してるケータイからですね、さっきからプロデューサーさんの机の上で勝手に光ってるやつです」

ピコーン

アノコ『やーんサッチーのいけずぅ』

まゆ「え?わざわざ幽霊のためにケータイを?」

幸子「本体はボクのお下がりですけどね」

輝子「さっき言った500連ガチャ事件で…小梅ちゃんからケータイの使用権とられちゃってね…」

幸子「1週間ぐらいプロデューサーさんの耳元で延々囁き続けて強引に契約させたそうです」

まゆ「ガチの悪霊じゃないですか!」

ピコーン

アノコ『でもキッズフィルター掛かってるんだよ?課金もできないしケチだよねー』

幸子「毎月30連までは回させてくれてるじゃないですか」

輝子「まぁ…30連じゃなぁ…」

ピコーン

アノコ『だよね!だよね!』

まゆ「…1回お坊さん呼んで除霊してもらったほうがいいんじゃないですか?」

輝子「フヒヒ…それよりケータイごとSCPとして財団におしつけたほうが」

ピコーン

アノコ『ヤメロ!ヤメロォ!』

幸子「そんなことしなくても御経を詠んであげれば」

ピコーン

アノコ『生意気言って本当に申し訳ありませんでした今後身の丈に合わない発言はなるべく控えますので何卒ご容赦を』

輝子「…急に大人しくなったな…」

幸子「以前半分くらい吹っ飛ばしたことがありましたから」

輝子「なにやってるんだ…」

幸子「ちゃんと小梅さんの許可とりましたよ」

輝子「なにしたんだよ…」

ピコーン

アノコ『結構まじめな心霊番組で小梅ちゃんの前でひたすら真顔でひげダンスをね』

輝子「よく半分で許してくれたな」

まゆ「幸子ちゃん御経詠めるんですか?」

幸子「写経やってると覚えますよ」

ピコーン

アノコ『違うんですよそうなんですよ!』

ピコーン

アノコ『アイドルユニットの話なんですよ!』

幸子「その話覚えてたんですね」

輝子「そういえばそんな話だったな…」

幸子「でも小梅さんのお友だちさんは

ピコーン

アノコ『まった!』

幸子「はい?」

ピコーン

アノコ『その小梅さんのお友だちさんっての止めてよ』

ピコーン

アノコ『これから一緒にユニット組むってのに他人行儀過ぎるじゃん』

ピコーン

アノコ『それに私は幸子ちゃんとも友達だよ?』

幸子「えぇ…」

ピコーン

アノコ『その反応ガチでヘコむからやめて』

まゆ「ところで…あの子ちゃんのお名前は?」

ピコーン

アノコ『私はあの子ちゃんだよー?』

幸子「いえ、そうでなくて生前の本名のことですよ、たしかニュースでは…

ピコーン

アノコ『ちょっと待った!』

幸子「なんですか?」

ピコーン

アノコ『こないだ私の遺体みつかったじゃん?』

輝子「ああ…雨の散歩の時だな…」

ピコーン

アノコ『ちょうどその日に私の姪っ子が産まれててね、パパママがけじめ付けるために私の名前付けちゃったのよ』

ピコーン

アノコが画像を送信しました

まゆ「あら、かわいらしい赤ちゃんですね!」

ピコーン

アノコ『でしょでしょ!今度一緒に見に行く?』

幸子「いや、ボクたち完全に他人ですし」

輝子「フヒヒ…あの子ちゃんの友だちとか言ったら…たぶんパトカーか黄色い救急車で帰宅だな…」

ピコーン

アノコ『てなわけで死んだ身内がおんなじ名前名乗るって縁起悪いじゃん』

ピコーン

アノコ『それにライブなんかで私の本名なんか使ってみなさいよ』

ピコーン

アノコ『「娘を玩具にするな!」ってウチのパパママが事務所に乗り込んでくるよ?』

輝子「フヒヒヒヒ…そりゃそうだ…端から見たら死んだ人間の名前勝手に使って商売してるようにしかみえないな…」

まゆ「あの子ちゃんは[あの子は実在しないと思われてる]と思ってるんですか?」

ピコーン

アノコ『当たり前じゃん』

ピコーン

アノコ『お化けなんてなーいさ♪お化けなんてうーそさ♪』

幸子「ならあなたはなんなんですか」

輝子「じゃあ戒名とかはないのか?」

まゆ「戒名名乗るアイドルってすごく斬新過ぎませんか?」

ピコーン

アノコ『うちのパパママ、戒名も全部暗記してるんだよねー』

幸子「そりゃ自分の娘の名前ですからね」

ピコーン

アノコ『それに戒名って仏様に弟子入りするための名前じゃん?』

ピコーン

アノコ『成仏も転生もせずふらふらしてるのに戒名なんて名乗ってたらきっとお釈迦様に助走つけてぶん殴られるよ』

ピコーン

アノコ『きっと立川辺りからママチャリ乗って飛んでくるよ』

輝子「お前本当に20年前に死んだのか?」

続きはまた後ほど

ピコーン

アノコ『だからやっぱりみんな知ってる[あの子]のほうが使いやすくていいのよー』

ピコーン

アノコ『プロフィールも[あの子]で登録してるしね』

まゆ「プロフィール?」

輝子「あの子ちゃんは…うちのアイドル…だからな…」

幸子「彼女はこのプロダクションに登録されたアイドルですからね、サイトにもちゃんとプロフィールがあるんですよ」

ピコーン

アノコ『ジョーク記事扱いだけどね』

まゆ「この事務所、やたら個性的な方が集まってると思いましたがまさか幽霊まで居るとは」

幸子「軽犯罪に片脚突っ込んでる人まで居ますからね」

名前:あの子
属性:Cool(体温が)
年齢:享年14歳
誕生日:命日とおんなじ
星座:うみへび座
身長:142㎝
体重:0㎏
B:輝子ちゃんより大きい
W:幸子ちゃんより細い
H:小梅ちゃんとおんなじくらい
利き手:左
出身地:三途の川原
趣味:盗撮

まゆ「まじめなプロフィールじゃないんですね」

ピコーン

アノコ『142'sのマスコットキャラみたいなものだからね』

ピコーン

アノコ『いろいろぼかしてるんだよー』

まゆ「[趣味:盗撮]ってプロフィールに入れて大丈夫なんですか?」

ピコーン

アノコ『裁けるもんなら裁いてみろ!死刑だって恐くないぜ!』

まゆ「死んでますからね」

輝子「フヒヒ…彼女は自分のTwitterでうちのアイドルのプライベートショット流してる…」

幸子「ちゃんとプロデューサーさんの監修のもとでですがね」

まゆ「幽霊がTwitterをやる時代が来るなんて…」

ピコーン

アノコ『たまに小梅ちゃんのも代理でつぶやいてるよー』

輝子「ゴーストの……ゴーストライター………フヒヒヒヒヒヒヒ…」

幸子「今のは聞かなかったことにします」

まゆ「プライベートショットってどんなものなんですか?」

ピコーン

アノコ『最近一番リツイートが多かったのがこれだよー』

ピコーン

@anokoさんのツイート(https://twitter.com/[編集済])をチェック

『幸子「はじめまして、輝子さんと一緒にお仕事させてもらってます、輿水幸子と申します」 

幸子「輝子さんとはプライベートでも仲良くさせいただいてますのであなた・・・達?とも仲良くできればと思います」 

きのこ「・・・」 

幸子「よろしくお願いしますね!」 』

幸子「さて、この世に思い残すことはありませんね?」

ピコーン

アノコ『まて、落ち着け、ちゃんとプロデューサーの検閲を通った動画だよ!』

輝子「…ぶほっ…クククク…ヒヒヒヒヒ…」

幸子「笑うなキノコ」

まゆ「これ…以前小梅さんに見せてもらったものじゃ…」

幸子「…あの子さん?」

ピコーン

アノコ『はい』

幸子「今からあなたのアップロードしたデータをすべてチェックします」

ピコーン

アノコ『((°∇°;))』



『幸子「まゆさん、これ美味しいですよ」アーン 

まゆ「ちょ、ちょっと幸子ちゃん」 

幸子「いいじゃないですか、そのための個室のあるお店なんですから」 

まゆ「そ、そうですか?それじゃあ」アーン 

まゆ「んー!ホントに美味しいですこれ!」 

幸子「これで間接キスですね」パク 

まゆ「!!!」ガタッ! 

幸子「ちょっと、そんなにびっくりすることないじゃないですか」 

まゆ「だ、だって幸子ちゃんがいきなり変なこと言い出すから」 

幸子「間接キスでこれだと」ガタッ 

幸子「直接キスしたらどうなっちゃうんでしょうかね」ジリジリ 

まゆ「ちょ、ちょっと幸子ちゃんまって」 

まゆ「~~っ」 』


幸子「………」

ピコーン

アノコ『ほ、ほら、こっちもプロデューサーさんの許可もらって貼ってるし』

幸子「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色…」

あの子「ぎゃああぁぁぁぁ!!」

ピコーン

アノコ『川の向こうで私を轢き殺したオッサンが手を振ってた』

輝子「…そういえばどっかに沈めたんだっけ…?」

まゆ「見られた…プロデューサーさんに見られた…」

幸子「どうりで最近ボクとまゆさんの関係がどうこうとよく聞かれるわけですよ」

輝子「フヒヒヒヒ…それは幸子ちゃんが一目をはばからずイチャコラしてるからじゃないかな…」

ピコーン

アノコ『ダイジョーブダイジョーブ!みんな百合営業程度にしか思ってないよー』

幸子「安易な百合営業は反感を買うだけですよ」

まゆ「もう駄目です…おしまいです…まゆは生きてられません…」

輝子「まゆさん…プロデューサーさんのこと諦めたんじゃないのかよ…」

ピコーン

アノコ『ComeHere!ComeHere!』

幸子「黙れ悪霊」

続きはまた今度

まゆ「……!…………!!」ビクッ!ビクッ!

幸子「カワイイボクがそばに居るのにぶつくさぶつくさとプロデューサーさんがどうのこうの呟いてるのに腹が立ちました」

輝子「だからって…ベロ入れてチューはやり過ぎだと思うぞ…てゆーか…なんでそんなに手慣れてるんだ…?」

幸子「まゆさんの絡みが鬱陶しい時や身の危険を感じた時は毎回こうやって黙らせてます」

輝子「…ふらふらしてるまゆさんも解らないが…幸子ちゃんが頑なにノンケを主張して譲らないわけも…よく解らない…」

ピコーン

アノコ『完全に14歳の女の子のやることじゃねーな』

幸子「あなたがさっき撮った写真を流出させた場合命がないと思ってください」

ピコーン

アノコ『バレてたか』

輝子「…最初から命は無いがな…」

輝子「で…具体的にユニット組んでお前は何をするんだ…?」

ピコーン

アノコ『そりゃ一緒にうたって踊ったり幸子ちゃんとコントやったり』

幸子「言っときますがボクは貴方の立ち位置がわかるだけでどんなポーズとってるのかも何を喋ってるのかも解りませんよ?」

まゆ「そ…そうなんですか…?」

輝子「おお…復活した…」

まゆ「まゆにだって耐性は付いてるんです」

幸子「小梅さんかプロデューサーさんがいないと彼女とはこうして筆談でしかコミュニケーションは取れません」

まゆ「プロデューサーさんには見えてるんですか?」

輝子「…このプロフィールの似顔絵描いたの…プロデューサーだしな…」

幸子「かなりダメ出しもらってましたけどね」

まゆ「小梅ちゃんじゃ駄目だったんですか?」

ピコーン

アノコ『小梅ちゃんに頼むぐらいなら楳図か○お先生に頼むよー』

幸子「そんな予算降りませんよ」

まゆ「でも幸子ちゃんに見えないならユニットは難しいんじゃありませんか?」

ピコーン

アノコ『幸子ちゃんなら1週間も一緒に活動してれば小梅ちゃんレベルまで成長しそうじゃね?』

まゆ「そうでしょうか…」

輝子「可能性は…あるな…スカイダイビングも落下してる間に狙った場所に降りられるようになったし…コツを掴むのは得意だからな…現に今もあの子ちゃんの位置を特定できるんだし…」

幸子「ボクは天才ですからね!」フフーン

輝子「フヒヒ…流されやすいぶん…流れを読んだり波に乗るのが得意なんだろうな…」

まゆ「バラエティーでは宝具レベルの武器ですね」

輝子「でも…幸子ちゃんに見えるようになったらそれこそ仕事がなくなるぞ…?」

まゆ「どうゆうことですか?」

輝子「…あの子ちゃんの今の主な仕事は…うちの所属アイドルの広報なんだ…」

輝子「特に…うちの稼ぎ頭の幸子ちゃんのプライベートは…あの子ちゃんのTwitterのメインコンテンツだからな…」

ピコーン

アノコ『正直今もかなりキツい』

まゆ「菜々さんのプライベートでもいいんじゃないですか?幸子ちゃんとおなじくらいあの人も人気ありますよね?」

幸子「そういえば菜々さんの写真ほとんどありませんね、たしか菜々さんには見えてませんでしたよね?」

ピコーン

アノコ『ほ、ほら…菜々ちゃんのは…ね?』

幸子「…あぁ、そうですね」

輝子「たしかに…菜々さんのはなぁ……」

まゆ「な、何か問題があるんですか?」

ピコーン

アノコ『へたすりゃウサミン星が消し飛ぶ』

まゆ「そんなに!?」

幸子「ボクたちが頑張らないとウサミン星は菜々さんに簡単に滅ぼされてしまうんです」

ピコーン

アノコ『幸子ちゃんのガードが強化された今、私がこの事務所で生き残るにはステージに立つしかないのよー』

幸子「で、なんでボクなんですか?素直に小梅さんと組めばいいじゃないですか」

ピコーン

アノコ『小梅ちゃんだと完全にイニシアティブ取られちゃうのよー』

輝子「幸子ちゃんにも…生殺与奪権握られてるがな…」

まゆ「その上幸子ちゃんが見えるようになったら完全にアドバンテージ失いますよね」

輝子「もはやユニット組むどころか…幸子ちゃんに怯えて過ごさなきゃな…」

ピコーン

アノコ『((((゜д゜;))))』

幸子「なんでボクがあの子さんを消したがってることになってるんですか?」

続きは週末頃に

輝子「フヒヒ…違うのか?…自分のイメージを破壊しかねない悪霊だぞ?」

幸子「イメージなんてボクからあふれ出す魅力の一部にすぎません、それにまゆさんとの関係なんてまゆさんのTwitter見ればダダ漏れなんですし」

まゆ「あの…そんなにまるわかりでしょうか…」

ピコーン

アノコ『控えめに見積もっても9割以上幸子ちゃんの話しかしてないね』

輝子「プロデューサーの検閲がない分…かなり際どいつぶやきもあるな…」

まゆ「あうぅ…」

幸子「それはともかくとして、あの子さんはウチにはなくてはならない存在なんです」

幸子「この世間体で進退が決まる世界でカメラを自由に操るポルターガイストがどれほど恐ろしい存在だと思います?」

ピコーン

アノコ『そっちの面ではあんまり活躍したくないんですけど…』

輝子「まあ…この零細プロダクションが自由に動けるのは…少なからずあの子の力は関わってるよな…」

まゆ「え…このプロダクションそんなに悪辣なんですか?」

ピコーン

アノコ『142'sが堂々と活躍してる時点で察して欲しい』

幸子「もちろんプロデューサーさんの手腕やボクのカワイさの力もありますが、あの子さんの情報力が凶悪な武器になってることは事実です」

まゆ「まゆ…なんだか急に恐くなってきました…」

幸子「この世界でポッと出のプロダクションが生き残るためには手段を選んでられませんよ」

輝子「フヒヒ…それにこのプロダクションのアイドルは未成年ばっかりだしな…ヘタをすれば残りの人生全部ぶっ壊されかねない…」

幸子「身内を守るためにも交渉手段は多い方がいいんです」

ピコーン

アノコ『他人の人生気にしてたら自分達が生き残れないなんて世の常なのよー』

まゆ「まゆはなんにもわかってなかったんですね…」

幸子「まゆさんは一生知らなくて良い世界です」

幸子「ボクはこのプロダクションが業界トップになれば自然とトップアイドルになれるように立ち回ってますからね」

幸子「あの子さんはボクにとっても大切な仲間なんですよ」

まゆ「…なんだか幸子ちゃんがあの子ちゃんを道具にしか見てないように聞こえます」

幸子「信頼関係なんて全部損得勘定に依るもののですよ」

輝子「フヒヒ…愛や…友情に理由を求めたくないのはわかる…でも…ちょっとあやふやすぎるんだ…根拠から目を逸らすと…簡単に騙されちゃう…」

幸子「ボクは輝子さんや小梅さんにとって利用価値があると信じてますからお二人を仲間だと自信をもって言えます」

幸子「そしてボクがお二人に頼ってるので彼女たちにも仲間だと思ってもらえてると信じてます」

輝子「私たちは…菌糸がつながってる訳じゃないからな…相手の考えてることなんて解らない…」

輝子「でもな…私はふたりがいないと…この世知辛い世の中じゃ…たぶん生きていけないだろうし…私もふたりに必要とされてるから…安心してここに居られる…」

幸子「人の絆なんて俗っぽいものです」

幸子「でも俗っぽいものじゃないと信じられないのが人間なんですよ」

まゆ「…そうなのかもしれませんね」

ピコーン

アノコ『じゃあ私に利用価値が間は幸子ちゃんは仲間なんだね』

幸子「あなたがボクに利用価値があると思ってる限りボクはあなたの味方ですよ」

ピコーン

アノコ『じゃあ今晩幸子ちゃんのウチに泊めてもらっていい?』

幸子「それは駄目です」

ピコーン

アノコ『なんでだぁー!』

ピコーン

アノコ『どうしてだよ!そこは一晩中語り明かしてお互いの親睦を深めようって流れじゃん!』

幸子「いや、だってまゆさんまだあなたのこと怖がってますし」

輝子「フヒヒ…むしろ安心できる要素皆無だったしな…」

まゆ「そんなに悪い人じゃないことはわかりましたが…まだ寝てる時も一緒はちょっと…」

ピコーン

アノコ『頼むよぉー小梅ちゃんが帰ってくるまでで良いからさぁー』

輝子「…小梅ちゃんちに帰れない理由があるのか?」

ピコーン

アノコ『実はね……出るんだよ』

幸子「ご自分の姿を鏡で見てみてはいかがですか?」

ピコーン

アノコ『どうしてだよ!そこは一晩中語り明かしてお互いの親睦を深めようって流れじゃん!』

幸子「いや、だってまゆさんまだあなたのこと怖がってますし」

輝子「フヒヒ…むしろ安心できる要素皆無だったしな…」

まゆ「そんなに悪い人じゃないことはわかりましたが…まだ寝てる時も一緒はちょっと…」

ピコーン

アノコ『頼むよぉー小梅ちゃんが帰ってくるまでで良いからさぁー』

輝子「…小梅ちゃんちに帰れない理由があるのか?」

ピコーン

アノコ『実はね……出るんだよ』

幸子「ご自分の姿を鏡で見てみてはいかがですか?」

ピコーン

アノコ『ちがうんだよー本当にヤヴァイのが居るんだよぉー』

幸子「あなたもかなりヤバい霊だとおもいますよ」

ピコーン

アノコ『そんなんじゃなのよ!もう見た目からヤヴァイの!』

幸子「ボクにはあなたの姿すら解らないんですが」

ピコーン

アノコ『わかりやすく言うとリヘナラドールとおちょなんさんとセンチメンタル・小室・マイケル・坂本・ダダ先生がいるの』

輝子「それはヤヴァイな」

まゆ「な、なんでそんなのが小梅ちゃんの家に?」

ピコーン

アノコ『小梅ちゃんが面白がって拾ってくるの』

ピコーン

アノコ『小梅ちゃんがいる間はおとなしいんだけど小梅ちゃんがいないとまるで獲物を見るような眼で私を見るの』

ピコーン

アノコ『助けて幸子ちゃん!このまま帰るとあいつらに犯されちゃう!エロ同人誌みたいに!』

幸子「あなた結構余裕ありますよね?」

ピコーン

アノコ『わかった、じゃあ泊めてくれなくて良いから一緒に小梅ちゃんちで泊まって?』

幸子「嫌ですよそんなところにわざわざ行くなんて!それに家主不在ですし」

ピコーン

アノコ『お願いだよー得意の読経で何とかしてよー』

幸子「小梅さんのお友達を無断で消すなんてできませんよ」

ピコーン

アノコ『さっき私を消そうとしたじゃん!』

菜々「おはようございまーす!」

乃々「ただいま戻ったんですけど…」

輝子「あ…ぼののさん…おかえりなさい…」

まゆ「お疲れさまです」

ピコーン

アノコ『おつにゃーん』

幸子「お疲れさまです乃々さん、それで菜々さんはどうして?今日はオフでしたよね?」

乃々「モリクボのお仕事が…その…ウサミン星の近くの本屋さんでしたので…」

菜々「本屋さんで偶然見かけて、今日は特に用事もないので送って来ちゃいました」

まゆ「ウサミン星の近くの本屋さんってすごくファンタジーな響きですね」

輝子「送って来たって…菜々さん…車持ってたのか?」

菜々「持ってるわけないじゃないですか、ナナは17歳ですよ?免許すらとれません!」

幸子「なら一緒に電車に乗ってきただけですか?」

菜々「フッフッフ、実は菜々、単車は持ってるんです!千葉はやっぱり乗り物がないと不便ですからねぇ、単車なら17歳でも乗れますしね!」

輝子「フヒヒ…この人ぼののさんがぼかしたのに千葉って言っちゃったよ…」

ピコーン

アノコ『単車なんて言葉久々に聞きいたよ』

まゆ「ま、まあ最近はバイクに乗る女子高生の漫画もありますからね」

菜々「ナナはナウな女子高生ですからね!流行には敏感なんです!」

幸子「と、ところで菜々さんはどんなバイクに乗ってるんですか?ボクは以前お仕事でヤマハのYZ125Xに乗ったことがありましたが」

菜々「ナナのはFZX750ですよ、試験場の試験車が使いやすくておんなじの買っちゃいました!」

幸子「」

輝子「」

まゆ「」

菜々「あれ、どうしたんですか?」

乃々「あの…750って…中型2輪の免許じゃ乗れなかった気がするんですけど…」

菜々「やだなぁナナだってわかってますよ!ちゃんと試験場で限定解除もしてます!こうみえてもナナ、運動神経には自信あるんですから!」

輝子「…………な?滅ぶだろ?」

幸子「ウサミン星は我が社の大事な資産ですからね」

まゆ「私たちが護らなきゃ…」

ピコーン

アノコ『ウサミンの騎士』

4thライブの準備でだいぶ空いてしまった
次も結構遅れるかも

菜々「そういえば誰かとお話してたみたいですけど、もしかしてあの子ちゃんまた置いてきぼりになっちゃったんですか?」

ピコーン

アノコ『クズPの野郎がチケット取り忘れちゃったの』

菜々「もう、中学生の女の子が人に向かってクズなんていっちゃ駄目ですよ?」

まゆ「…菜々さんも普通に話せるんですね」

幸子「菜々さんは見えてませんけどね」

輝子「フヒヒ…あっさり信じたときは…驚いたけどな…」

菜々「宇宙人が居るんですから幽霊がいたって不思議じゃないですよ」

森久保「超能力者やサンタクロースを…実際に見てるとオカルト否定が…ばかばかしく見えるんですね…」

ピコーン

アノコ『菜々さんお願い!うちに怖いオバケがいて一人で帰れないの!今晩泊めて!』

菜々「いいですよ」

まゆ「軽っ!」

輝子「大丈夫か?…それ…けっこうな悪霊だぞ…?」

菜々「昨日今日知った間柄でもありませんし、それに一人じゃ心細いのはナナにもよくわかりますよ」

幸子「菜々さん忘れてるかもしれませんが、その人菜々さんの実年齢より年上ですよ?」

菜々「じ、実年齢!?や、やだなぁもう!ナナは生まれたときから永遠の17歳ですから!それに仏さんの歳を数えるのはあまり良くないんですよ」

幸子「まあ…菜々さんがいいならボクも止めませんが…」

菜々「一人で誰もいない部屋に帰るってけっこうつらいんです、実際のウサギは寂しくても死なないらしいですけど…」

まゆ「あの……私でよければいつでも遊びに行きますよ?」

とりあえずここまで

翌日、事務所にて

小梅「…それじゃあ…あの子は菜々さんの…家に…?」

幸子「はい、もうそろそろ一緒に出勤してくるとおもいますよ」

輝子「フヒヒヒ…幽霊が…オバケが怖いって…フヒヒ…なんかのギャグかな…フヒヒヒヒヒヒ…」

まゆ「でも家に知らない人が集まってるって考えるとやっぱり怖いとおもいます」

小梅「…あの子は無事だったんだね…」

輝子「フヒ!?」

小梅「今朝…うちに戻ったら……部屋が荒らされててね……」

幸子「まさか空き巣ですか!?」

小梅「ううん…違うよ……人の死体は無かったし…」

まゆ「空き巣が命を落とすような家ってなんなんでしょうか……」

幸子「………『人』の死体は?」

小梅「うん…二人分のタベカケの怨念と……アイアンメイデンみたいなのが……」

輝子「……共食いしちゃったのか…」

まゆ「それって大丈夫なんですか?」

小梅「…大丈夫じゃ…なかったとおもうよ……たぶん生きてる人も食べられると思う…」

輝子「…それアカンやつや…フヒヒヒ」

まゆ「ま、まだ小梅ちゃんちに居るんですか?」

小梅「ううん…いないよ…?」

まゆ「え…まさか外に出ちゃったんですか!?」

小梅「…出会い頭に襲って来たから………消しちゃった…」

まゆ「……は?」

輝子「フヒヒヒ…とんだ身の程知らずも居たもんだ…フヒヒヒヒヒヒ」

幸子「力を付けて気が大きくなったんでしょうね」

まゆ「なんでお二人はそんな反応なんですか?」

輝子「まぁ…小梅ちゃんだし…フヒヒヒ」

幸子「小梅さんですからねぇ…」

小梅「…処理できない子を
……うちにいれたりしないよ……?」

まゆ「……えぇぇ…」

菜々「こちらコードネームAB7!地球に潜入成功しました!」

幸子「おや、噂をすれば」

輝子「フヒヒヒ…今日はやたら元気だな……フヒヒヒヒヒヒ」

菜々「今朝は久々にすっきり起きられました!やっぱりお客さんがいると身が引き締まりますね!」

幸子「そういうものなんですか?」

菜々「そりゃ朝ごはん用意してお客さんを起こしてあげなきゃいけませからね!一人だと簡単に済ませちゃいますから」

まゆ「あ、それわかります。気持ちよさそうな寝顔って元気を貰える気がしますよね」

菜々「さすがに寝顔はみられませんでしたけどね」



小梅「……あの子が…薄くなってる……」

菜々「え!?ナナ、なんかマズイことしちゃいました?」

あの子「違うよ……とてもうれしかったの……」

輝子「……しゃ、しゃべったぁぁ……フヒヒ」

小梅「……お別れなの……?」

あの子「…こんなになっちゃってもう20年になるけど…やっぱり家族が恋しくなることもあったんだ…」

あの子「私が居なくなって、パパもママもとても悲しんでたけど…」

あの子「弟が生まれたり妹が結婚したり孫ができたりして楽しいことがいっぱいあってだんだん悲しむ暇がなくなっててね」

あの子「とてもいいことだし私にとっても嬉しいことだけど…やっぱり思っちゃうんだ…もうこの人たちは私のパパやママじゃ居られないんだって」

まゆ「…そんなこと……」

あの子「当たり前なんだけどね、いつまでも死んだ人のことなんて考えてられないし、ずっとめそめそされても私も困っちゃうもん」

あの子「だから嬉しかったんだ、机に私の分のお茶にごはんがよそってて、一緒にお風呂で背中を流すふりまでしてくれて、布団を並べて寝るまでお話して」

あの子「菜々さんは私が見えてないのに、私が居るって信じてくれたんだ」

菜々「なに言ってるんですか、同じ事務所の仲間じゃないですか!」

あの子「うん…ありがとう…」

あの子「でもね…やっぱり私の居場所はもう無いんだなって…せっかくの私のためのごはんも食べられないし、お風呂に入ってもあふれるお湯は一人分、布団に入ってもいつまでたったって暖かくならない」

あの子「…私はもう居ないんだよ……」

小梅「………そっか…

まゆ「そんなことありません!!」

あの子「……まゆちゃん…」

まゆ「あの子ちゃんと話したのは昨日が初めてだし今も少し怖いです。でもあなたが居ないなんてことはありません!」

まゆ「昨日お話した履歴だってまゆの携帯に残ってますし、あなたが撮った写真だってたくさんあるじゃないですか!?」

あの子「…やっぱりまゆちゃんは優しいね」

まゆ「まゆはもっともっとあなたと仲良くなりたいしあなたのことを知りたい!」

あの子「ありがと、でもそれはこれから出会う人としようよ…」

あの子「……私は出会わなかった昔の人だからね」

小梅「……まだ大丈夫なの…?」

あの子「そろそろキビシいかな…ごめんね…小梅ちゃんとも話したいことたくさんあったんだけど…」

小梅「…いいよ…私は…ずっと一緒だから…解かってる…」

あの子「そっか…じゃあ行くね」

小梅「うん…じゃあね…」

まゆ「まって!」

小梅「………行っちゃったよ…」

まゆ「……そんな…まだ…まだ会ったばっかりじゃないですか……」




幸子「…それじゃあボクはレッスンの時間ですので」

まゆ「………え?」

まゆ「ちょ、ちょっと、いくらなんでも淡白すぎませんか?」

幸子「まあ、明日には戻ってきてるでしょうしね、打ち合わせもありますし」

まゆ「はい?打ち合わせ?」

幸子「昨日話したでしょ?『カワイイボクと見えないあの子』の企画ですよ」

幸子「プロデューサーさんからゴーサイン貰ったのでいろいろ準備しないと」

まゆ「え?え?でもあの子ちゃんは……」

幸子「言ったでしょ?あの子は悪霊だって」


輝子「フヒヒ…しかし菜々さん…端から見たらたぶんただの危ない人だったんじゃないのか?フヒヒヒ」

菜々「まあ事情を知らない人から見れば『寂しくっておかしくなった人』には見えたかもしれませんね」


まゆ「……」

小梅「あの…まゆさん……」

まゆ「…………なんですか…?」

小梅「これ…今回が初めてじゃないんだ………」

まゆ「     」

まゆは無言のまま自分の携帯電話を事務所の床に叩きつけた。

床に散らばった液晶の破片と歪んだふ筐体を見つめる彼女の顔を確かめられる者は居なかった。

翌朝、何食わぬ顔で出勤してきた見えないはずのあの子の顔面に、まゆは数分の狂いもなく綺麗なドロップキックを叩き込んだ

以上で投稿を終了します

SSA一日目はLVでしたが
人は理解の及ばないものに直面すると立ち尽くすことしか出来ないんだと実感しました

ご清覧ありがとうございました

参考資料
彼女が霊感バリバリすぎてヤバイ

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