コブラ「俺が魔法少女ぉ?」キュゥべえ「そうだよ!」 (492)

コブラ「おいおい。俺は少女って言われるほど若くないぜ」

キュゥべえ「いや、そこじゃないよね。ツッコミどころは」

コブラ「とりあえずパスだ。そんなに暇じゃねぇんだ」

キュゥべえ「そんな!君にはスゴい才能があるんだよ!」

コブラ「へっ、俺にセンスがあるのは認めるがね」

キュゥべえ「もし契約してくれたらどんな願いでも1つだけ叶えてあげるよ!」

コブラ「願いね…。そんなものはないね!!」

キュゥべえ「えっ!?」

コブラ「欲しいものは自分で手に入れる。それが俺だ」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466507319

コブラ「とりあえずこの話は無しだ」

キュゥべえ「そうかい。君なら最強の魔法少女になれると思うんだけど」

コブラ「そんなことしなくたって俺は最強さ」

キュゥべえ「そっか。まぁ正直に言うと僕も不本意ではあったんだ」

キュゥべえは踵を返すとコブラを一瞥した。

キュゥべえ「こんな筋肉モリモリマッチョが魔法少女になるのは見るに耐えない」

コブラ「…」

キュゥべえ「でも、君ほどの素質のある存在ははじめてだよ」

コブラ「消えな」

キュゥべえ「また来るよ」

コブラ「おかしなやつがいるもんだぜ」

コブラは見滝ヶ原の夜景を眺めながらそう呟いた。

コブラ「さて、行くか」

投げ捨てられた葉巻から真上に煙が立ち上る。

コブラは、風のない穏やかな夜空を眺め、宇宙に想いを馳せた。

今頃、いつまでも帰らぬコブラにレディはカンカンに怒っているだろう。

コブラ「怒った顔も素敵だぜ。レディ」

虚空にそう呟くとおもむろに立ち上がった。

コブラ「サイコガンの修理も済んだことだ」

コブラが地球に来たのは理由はこれである。

サイコガンを、その産みの親である不知火鉄心に修理してもらうためだ。

コブラ「少しくらい羽を伸ばすくらいはいいだろう。…なんだ!?」

先ほどとは違う景色

禍々しく歪む空間

コブラはいつの間にかそのただ中にいた。

コブラ「ここは…?」

おかしな造形の人形が立ち並ぶ回廊にコブラはいた。

周囲に人の気配はない、が。

コブラ「悪趣味な遊園地だぜ。客も来ないわけだ」

明らかに人ではない何かの気配はする。

それは時折笑い、時折悲鳴をあげた。

コブラ「こういう場所を楽しめるヤツは二種類いるね」

コブラ「頭のネジが外れたやつか…、もしくは」

突如、飾られていた人形が動きだし、コブラの背後から襲いかかった。

コブラ「従業員さ!」

振り向きざまに繰り出された拳をまともに受け、人形は木っ端微塵に吹き飛んだ。

コブラ「大人ひとり分の入園料さ。釣りはいらんよ」

コブラは奥の灯りが見える方へ歩きだした。

奥には広いホールがあった。

その中央には、小さな女の子の人形が椅子にちょこんと座っている。

コブラ「なるほど、メインアトラクションらしい」

その人形は少し体を浮かせると、手を挙げた。

すると、コブラの周囲に巨大な分度器やコンパスといった文房具が現れた。

コブラ「…なに!?」

続けざまに人形は腕を降り下ろす。

と、同時に文房具がコブラに向け一直線に襲いかかった。

ドドドドドっ!

すさまじい轟音と共に粉煙がもうもうと立ち込める。

人形「…」

文房具は再び空中に浮遊した。

「残念だったなぁ!」

人形「!?」

空中からコブラが落下してくる。

その左手には、鈍く光るサイコガン。

「くらいな!」

閃光がホールを包み、人形は跡形も無く消し去った。

「お人形遊び場とっくに卒業したんだよ」

コブラが着地すると同時に、景色は元に戻っていた。

コブラ「いったいなんだったんだ。…ん?」

コブラは足元にある黒い物体に気づいた。

コブラ「これは…」

???「待ちなさい!」

コブラ「…何か用かい?お嬢ちゃん」

マミ「あなた…一体何者なの?」

そこにいたのはマスケット銃を構えた金髪の少女

コブラ「銃を下ろしな」

マミ「動かないで!」

コブラ「美人の命令なら聞くが…」

と、呟くやいなや、コブラのサイコガンはマミの銃を貫いていた。

コブラ「まだ若いな。あいにくロリコンじゃない」

マミ「ひっ…」

コブラ「おっと怖がらせるつもりは無いんだ。俺みたいなイケメンに銃をつきつけられた経験は無いかい?」

マミ「ひぃ…」

コブラ「無いわな」

マミ「あなた、どうやって魔女を…」

コブラ「魔女…」

マミ「もしかして…魔法少女?」

コブラ「今日はやけに少女と間違われるな。そんなに若くみえるかい?」

マミ「いや年齢の問題じゃ…」

コブラ「とにかくこんな時間にうろつくもんじゃないぜ。ロリコンが目覚める時間だ」

そういうと、コブラはサイコガンを収めた。

マミ「で、でも魔法少女でもなければ魔女を倒すことは…」

コブラ「俺は不死身の男『コブラ』だぜ。そんなものに負けたりしない」

マミ「ま、待ちなさい!」

コブラ「あばよ!!10年後にまた会おう。その時は火星のデートにご招待するぜ!」

コブラは、そう言い残すと闇の中に消えていった。

マミ「なんだったのかしら…」

マミ「グリーフシードも置いていったし…」

マミはグリーフシードを拾い上げると、消えゆく背中を見つめた。



キュゥべえ「危険な因子の登場だね」



これは、どんな鬱展開すらもぶち壊すフラグブレイカーコブラによるまどかマギカハッピーエンドSSであるーッッ!!!

【見滝原中学校】

かずこ「目玉焼きは半熟と完熟!どっちがベストなんですか!?はい!なかざわくん!」

なかざわ「ええ!?えーと…どっでもいいと思います」

かずこ「その通り!あなたたちは!目玉焼きの焼き加減に拘るような男と付き合ってはなりませんよ!特に男性諸君…」

さやか「またダメだったみたい…」

まどか「ふふふっ」

かずこ「次に!転校生を紹介します!」

さやか「そっちが次かよ~」

かずこ「じゃあどうぞ!」

たなびく黒髪が視線を奪う

ほむら「暁美ほむらです。よろしく」

かずこ「続けて!どうぞ!」

ハガネのような肉体が教室の視線を奪う。

「ヒュー!!」

「すげぇ肉体だ!!」

「こりゃあ見物だぜ!!」

コブラ「コブラだ。よろしく」

かずこ「では、皆さん!仲良くね!」



ほむら「何かがおかしい…」

ほむら(確か前回もワルプルギスの夜を倒せなくて、時間逆行したはず…)

ほむら(いつもなら転校生は私だけ)

ほむら(このあと、私は女の子に囲まれて、気分が悪い振りをして、まどかを連れ出す)

ほむら(それがこれまで繰り返してきた『結果』であり『未来』)

ほむら(確かそのはず…なんだけど)

横目で隣を見るとあからさまに中学生ではない筋肉モリモリの制服がピチピチおっさんがいる。

コブラ「よう」

ほむらは挨拶を華麗にスルーすると、再び思考を巡らせた。

ほむら(あれ?なんか間違えた?)

ほむら(よくわからないけど…)

ほむら(歯車が狂ってる…色んな意味で)

ほむら「ごめんなさい。気分が悪いんだけど…(本気)」

まどか「えっ、そうなの。じゃあ保健室に」

コブラ「俺も行こう」

ほむら「え゛」

コブラ「なに、女の一大事とあっちゃあ黙っておけなくてね」

ほむら「結構よ」

まどか「そ、そんな言い方、ひどいよ…。コブラくんも心配してくれてるんだし…。」

ほむら「ま、まどか。そんなつもりは…」

コブラ「じゃあOKだな」

ほむら「ぐぬ…」

まどか「じゃあ行こう!」

【廊下】

ほむら「確かこっちよね」

まどか「えっ?詳しいね」

ほむら「…」

まどか「あのさ…名前、カッコいいよね」

ほむら(きたわね。またいつものパターン)

まどか「コブラくん」

コブラ「よく言われるよ」

ほむら(…)

ほむら(そっちかぁぁぁ!!!)

まどか「やっぱりね。怖いけど強そうだよね」

コブラ「あぁ、毒ヘビとはよく言ったもんさ」

ほむら(うるさい黙れ)

ほむら(ええい、もう!)

ほむら「私はほむらでいいわ!」

まどか「え、うん!分かった。私もまどかでいいよ」

ほむら「まどか、あなたは人生って尊いと思う?」

まどか「え?」

コブラ「人生が尊いかって?少なくともタダより安いことはないだろうさ」

まどか「ええと…」

ほむら「家族や友達を大事にしてる?」

コブラ「もちろん!人類皆家族。だから女性は大切にしてるさ」

まどか「うん…多分…」

ほむら「本当に?」

コブラ「あぁ!神に誓おう。誓える神はいないがね」

まどか「ほ、ほむらちゃんどうしたの…」

ほむら「もし本当なら、今とは違う自分になろうと思わないことね」

コブラ「変わらんよ。俺は不死身だぜ」

まどか「…」

ほむら「さもなくば、あなたは全てを失うこととなる」

コブラ「失ったら取り戻せばいい。簡単なことさ」

ほむら「うるさぁぁぁいい!!!」

コブラ・まどか「!!?」ビクッ

【放課後:ショッピングモール】

さやか「まどかぁこのCDどうかな」

まどか「うーん。恭介くんなら喜ぶんじゃないかな?」

さやか「べべべ別に恭介のために買うんじゃないだから!///」

まどか「ふふふ、顔真っ赤だよ」

さやか「もう!」

(助けて)

まどか「?」

さやか「ん?どうしたの?」

まどか「よくわからないけど…声が」

さやか「声?」

(助けて…まどか!)

(色んな意味で助けて!)

まどか「呼んでる…」

まどかは店内を抜け出すと走り出した。

さやか「ちょっと!まどか!」

【ショッピングモール:工事区域】

まどか「確か、こっちの方から…」

音をたてて崩れる天井

落ちてきたのは白い小動物であった。

キュゥべえ「はぁ…はぁ…」

まどか「ひ、ひどい」

キュゥべえ「た、助けて」

まどか「一体何が…」

キュゥべえ「宇宙海賊…」ガクリ

まどか「え?なに?」

「そいつから離れろ!」

まどか「だれ!?」

「当ててみな!ハワイ旅行をプレゼントするぜ!」

まどか「コブラくん?」

コブラ「簡単すぎたな。ハワイ旅行は無しだ」

まどか「え、ズルい」

コブラ「悪いな。古い思いではなるべく捨てるようにしているのさ」



ほむら「…」

まどか接触前にキュゥべえを殺そうとしたらコブラが先にバトってたので出るに出れない

まどか「なんで、こんなひどいことするの…」

コブラ「なに、勧誘が酷くてな。迷惑広告お断りのチラシを渡してたのさ」

まどか「わけがわからないよ…」

キュゥべえ「わけがわからないよ…」

コブラ「これに懲りたら別の客を探すんだな」

キュゥべえ「うう、仕方ないね。じゃあ君はどうだい?」

まどか「え?」

キュゥべえ「僕と契約して

ほむら「やめなさい!」

まどか「ほ、ほむらちゃん」

ほむら「そいつの言葉に耳を傾けてはダメよ」

コブラ「そうだぜ。どうせなら俺に賭けてみないか。倍率1倍の大本命さ。ただし1銭も儲からんがね」

ほむら「…こいつの言葉にも耳を傾けてはダメ」

コブラ「冷たいねぇ」

ほむら「やかましい」

さやか「あんたらなにやってんのさ!」

さやか「まどかには指一本触れさせないんだから!逃げるよまどか!」

空間が歪む

まるで、現実が虚構であるかのようにうねり、のたうつ。

結界が生まれる。

さやか「なんだこれ!非常口は!」

まどか「な、何かいる!」

さやか「私たち悪い夢でも見てるんだよね!?」

使い魔が周囲を囲んだ。

そして、まどかとさやかに襲いかかった。

その時である

「覚ましてやるぜ。残念ながら、目覚めのキスをするのはこのサイコガンだがな!」

閃光が三筋、四筋とまどかたちの目前を通過し、使い魔を貫いた。

すると、周囲の景色は元に戻り、そこにはダンゴ鼻の筋肉モリモリマッチョがいた。

さやか「た、助けてくれたの?」

コブラ「女性は助けろってママから言われててね」

まどか「危なかったぁ」

マミ「あれ…終わってる」

まどか「だれ?」

マミ「巴マミです」

コブラ「10年後はまだ先のはずだぜ」

マミ「ひっ、また出た」


キュゥべえ「遅いよマミ」

【2話】

マミ「一仕事片付けられちゃった…」

マミは項垂れてそう呟いた。

マミ「魔女は逃げたみたいだけど、仕留めたいならすぐ追いかけなさい…」

コブラ「追わんさ。女ならまた会える」

ほむら「私が用があるのは…」

コブラ「俺かい?」

ほむら「ちがう」

マミ「と、とりあえず今日は帰ったら?」

マミはコブラを恐る恐る横目で見やると、訴えるようにほむらに懇願した。

マミ「お互いトラブルとは無縁でいたいでしょう(意味深)」

ほむらは察すると、闇に消えていった。

さやか「ふぅ」

まどか「はぁー」

キュゥべえ「遅いよマミ」

マミ「ごめん…」

キュゥべえ「危うく殺されるところだったよ。コブラ」

コブラ「どうして俺の名を?」

キュゥべえ「宇宙海賊コブラを知らないわけないさ。死んだと聞いていたけれど」

コブラ「ほう、詳しいな。海賊ギルドの手合いか?」

キュゥべえ「やつらと一緒にしないでほしいね。あれはエネルギーを無駄遣いする宇宙の敵さ」

マミ(なんの話かしら…)

まどか(よくわかりません…)

まどか「あなたが私を呼んだの?」

キュゥべえ「そうだよ。鹿目まどか、それと美樹さやか」

さやか「なんで私たちの名前を…?」

キュゥべえ「僕、君たちにお願いがあってきたんだ」

まどか「お、お願い…?」

キュゥべえ「僕と契約して魔法少女になってよ!」

コブラ「断る」

キュゥべえ「ちょっと君は黙っててよ」

キュゥべえ「僕は、君たちの願い事をなんでも叶えてあげるよ」

さやか「え、本当に!?」

まどか「願い事って?」

キュゥべえ「なんだって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげるよ」

コブラ「待ちな」

キュゥべえ「え?」

コブラは葉巻をくわえると火をつけた。

暗がりの中に、怪しげにコブラの顔が映し出される。

まどか「ひっ」

さやか「怖いよ…あんた」

コブラ「よしといたほうがいいぜ。あんな連中と戦うなんざ」

マミ「…」

コブラ「おうちでママとクッキーでも作ってるのがお似合いさ」

まどか「じゃ、じゃあコブラくんが戦うのはいいの?危ないと思うんだけど…」

コブラ「…」

コブラ「クッキー作るよりよっぽど似合ってるだろ」

【マミの家】

マミ「独り暮らしだから気にしないで」

マミは、そういってケーキを並べ、紅茶を淹れはじめた。

さやか「いやー、めっちゃうまいっすよー」

まどか「ほんとほんと」

マミ「ありがとう」

コブラ「おかわり」

マミ「え」

コブラ「悪いね。燃費が悪いんだ」

マミは自分の分を差し出すと、取り直してまどかとさやかを見た。

マミ「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事ではないものね。ある程度の説明はしとかなきゃって思って」

マミはソウルジェムを机の上に置いた。

マミ「これがソウルジェム、キュゥべえに選ばれた女の子が契約で生み出す宝石よ」

マミ「魔力の源であり、魔法少女の証でもあるのよ」

さやか「質問」

キュゥべえ「なんだい?」

さやか「なんでコブラを魔法少女にしようとしたの?」

まどか「少女じゃ…ないよね」

コブラ「だよな。そんなに若くはない」

キュゥべえ「それはね」

マミ「…」

キュゥべえ「僕にも分からない」

キュゥべえ「とりあえず、めちゃくちゃすごい素質があるんだ」

まどか「素質…?」

キュゥべえ「本当だったら第2性徴期の女の子が適任なんだ」

キュゥべえ「て言うか今まで女の子としか契約してないんだけどさ」

キュゥべえ「僕もハッキリ言って驚愕してる」

キュゥべえ「今までの常識を覆す存在だよ。彼は」

キュゥべえ「本来だったらあり得ない事象だからね」

キュゥべえ「よほどの因果を孕んだ存在でもなければこうはならない」

キュゥべえ「主人公補正の塊のような存在なんだ」

キュゥべえ「君たちの言いたいことは分かるよ。どう考えても魔法少女にしたくない男No.1だ」

キュゥべえ「筋肉モリモリだし、ニヒルな決め台詞をフリフリのスカートを着たあの団子鼻に呟かれた日には目も当てられない」

キュゥべえ「今まで魔法少女を楽しみにしてきた方々に対する冒涜だよ冒涜!」

まどか(すごい早口になってる…)

マミ(キュゥべえも嫌ではあるんだなぁ)

キュゥべえ「でも素質はあるんだよ…」

コブラ「安心しろよ。なんないから」

キュゥべえ「君がとびきりの美少女だったら…本当に悔いが残るよ」

まどか「私たちにはなんで声をかけたの?」

キュゥべえ「それなりに才能があったから」

さやか「雑だなオイ」

キュゥべえ「彼がダイヤモンドなら君はまぁニッケルくらいかな。価値的に」

さやか「それってすごいのか…?」

キュゥべえ「まどかはタングステンくらいかな」

まどか「わけがわからないよ…」

マミ(鹿目さんの才能はかなりすごいはずなんだけど…コブラさんはそれ以上なの…?)

さやか「そもそも魔女ってなんなのさ」

キュゥべえ「それは…」

コブラ「呪われた存在さ。人を魅了してやまない。大事なものを奪っていくのさ…」

コブラはニヤケながら天井を見上げて呟いた。

キュゥべえ「なんだろう。間違ってないけど、多分君は違う魔女を想像してるよね」

さやか「エッチなのか!?」

まどか「えっ、エッチなのは良くないよさやかちゃん…」

マミ「こらこら何を言ってるの」

キュゥべえ「ほら余計な誤解を生んだ」

コブラ「余計じゃない誤解なんて聞いたことないぜ」

キュゥべえ「屁理屈だよそれは」

マミ「とにかく、魔女との戦いは危険と隣り合わせなの」

まどか「マミさんはそんな危険なものと戦ってるんですか…?」

マミ「そう、命懸けよ」

マミ「だからあなたたちも真剣に選んだ方がいい」

マミ「キュゥべえに選ばれたあなたたちはどんな願い事でも叶えることができるわ」

マミ「でもそれは死と隣り合わせなの」

コブラ「この宇宙にはそんなスリルがいっぱいあるんだ」

まどか「コブラくん…」

さやか「コブラ…」

コブラ「行くかい?狭い船だが宇宙を又にかけた海賊稼業。給料はスリルで払おう」

マミ「話をすり替えるのやめていただけるかしら」

マミ「そこで提案なんだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

まどか「ええっ!?」

さやか「えっ!」

マミ「魔女との戦いがどういうものか見てからでも遅くないと思うの」

マミ「その上で、魔法少女になるかどうか決めればいいと思うわ」

コブラ「良いだろう」

マミ「え…」

コブラ「任せな」

マミ「いやちょっと…」

コブラ「夜遊びだろう。俺も混ぜろ」

マミ「ええ~」

コブラ「素敵なワルツを教えてやるぜ」

キュゥべえ「まぁ君なら生身でも楽勝だろうね」

まどか「コブラくんがいれば安心だね~」

さやか「モチのロンでしょ~」

マミ「わ、私の先輩としての威厳が…」

【翌日:学校】

さやか「ねぇまどか、願い事考えた?」

まどか「まだ、決められなくって…」

コブラ「願いがない方が幸せなのさ」

さやか「やっぱり私たちって幸せバカなのかなぁ…」

まどか「コブラくんは願い事とかあるの?」

コブラ「無いね。願う暇があるなら自分で奪いに行くさ」

キュゥべえ「君くらいの実力があるものならそう言うだろうね」

キュゥべえ「でも、皆がそうなんでも実現できるわけじゃない」

キュゥべえ「だから僕はそういう力の無い存在の希望になりたいんだ」

コブラ「まるで天使だな」

キュゥべえ「お祈りは欠かさずしといて正解だろう?」

コブラ「あぁ、あいにく俺は祈るには左手がなくてね」

コブラは義手を外すと祈るように合わせてみせた。

キュゥべえ「不心得者の鑑だね。君は」

コブラ「お互い神様なんて信じてない口だろうに」

コブラ「おいでなすったぜ」

ほむらがあらわれた。

その眼差しはまどかからキュゥべえへと憎しみをこめて推移した。

その眼差しに困惑したまどかは助けを求める不安顔で周囲を見渡した。

マミ(大丈夫)

コブラ「俺がついてる」

まどか「コブラくん…」

マミ(え、ちょっと、また見せ場取られた)

さやか「なに?昨日の続き?」

ほむら「いいえ、そのつもりは無いわ」

ほむら「そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけど、今更それも手遅れだし」

キュゥべえ「…」

コブラ「俺か」

キュゥべえ「なんでそうなるのなかな」

ほむら「…まぁ、あながち間違ってないけど」

ほむら「とりあえず、忠告が無駄にならないよに祈ってるわ」

まどか「ほむらちゃん…」

【放課後:市街】

マミ「じゃあ、魔法少女体験コース第1段、張り切っていってみましょうか」

さやか・まどか・コブラ「おー」

マミ「準備はいい?」

さやか「とりあえずこんなものを…」

さやかは金属バットを取り出した。

マミ「そういう覚悟で来てくれると助かるわ」

コブラ「俺はこいつで十分だ」

左手の義手を外すと鈍色のサイコガンを構えてみせた。

マミ「十分ね…むしろ私いらないね…」

まどか「私は…」

まどかはノートを差し出した。

さやか「うわー」

まどか「とりあえず衣装だけ考えておこうと思って」

そこには、ピンク色の衣装を身に纏うまどかが拙く描かれていた。

マミ「意気込みとしては十分ね」

まどか「それとね!」

まどかはページを捲った。

そこには、黒を基調としたフリフリの衣装を身に纏うコブラが拙く描かれていた。

まどか「どうかな!」

コブラ「いいと思うぜ。これを着こなせるのは俺か、マリリン・モンローくらいだ」

マミ「意気込みとしては十分ね」

さやか「マミさんそれヤケですよね」

マミはソウルジェムを手のひらに乗せた。

マミ「近いわね…」

ソウルジェムが妖しく輝く。

さやか「マミさん!あれ!」

ビルの屋上に人影が見える。

まどか「女の人…?」

そう思うや否や、人影はビルから飛び降りた。

マミはそれを確認すると同時に駆け出した。

すると、リボンが意思みるみるうちに伸び、女性を捕らえ

ようとしたそのとき

コブラ「よっと」

コブラが女性をしっかりと抱きしめ着地した。

マミ「…」

キュゥべえ「またおいしいところ取られたね」

マミ「ちょっと黙っててくれるかしら」

特に乳ネタ使ってないのにおっぱい談義になっててワロタ

12時頃から書き始めますわ

申し訳ない
急用できて書けなくなりました

すまんね
コブマギ始まるよ

【結界内】
マミ「今日こそ逃がさないわよ」

マミはそう言うと、さやかの金属バットに触れた。

すると、金属バットは瞬く間にきらびやかなこん棒へと形を変えた。

さやか「う、うわぁーぁ」

ほむら「すごい…」

マミ「気休め程度だけどね」

コブラ「じゃあ俺はこれを…」

まどかは手渡された物の重さに驚愕した。

両手の平に収まらないそれはコルトパイソン77マグナム。

鈍く光るその芸術的なまでの攻撃性は、まどかの理解を超えていた。

まどか「なにこれ…」

コブラ「お守りさ。宇宙一危険なやつだがね」

まどか「あ、ありがとう」

キュゥべえ「まぁ撃った瞬間にまどかの肩から指先までの間接はもれなく脱臼か骨折だろうね」

まどか「ええ~!?」

マミ「と、とりあえず私かコブラさんから離れないでね」

薔薇の蔦が生い茂る。

まるで、庭園のようだ。

その禍々しさを覗けば、の話だが。

キュゥべえ「頑張って!もうすぐ結界の最深部だ」

マミ「見て、あれが魔女よ」

さやか「うう…グロい」

まどか「あんなのと戦うんですか?」

マミ「大丈夫!負けるもんですか」

魔女はこちらに気付くと、薔薇の蔦をこちらに飛ばしてきた。

マミはそれを軽くいなすと、スカート中からマスケット銃を無数に取り出し、そして撃った。

マミ(今日こそは!)

正確に蔦を撃ち落としつつ、魔女の頭上へ登り詰める。

軽やかなステップはまるで演舞のよう。

マミ「今日こそは先輩らしいところ見せるんだから!」

マミの周囲を銃が踊る。

指揮者のごとく、手を振ると、銃は一斉に火を吹いた。

魔女は痛みにのたうち回ると、今までに無い量の蔦を吐き出し、マミを絡めた。

マミ「惜しかったわね」

リボンが蔦を切り裂くと、マミは宙空を舞いながら巨大な銃を構えた。

否、それはもはや火砲と呼ぶに相応しい。

マミ「ティロ・フィナ

バォォン!

マミ「れんん!?」

とてつもない銃声が耳をつんざいた。

横目を振ると、まどかがコルトパイソンを構えたまま腰を抜かしている。

そして、パイソンの銃声からは煙が立ち上っていた。

コブラ「いい狙いだ」

マミ「コブラさん!鹿目さんに危険なことさせないでくれるかしら!」

コブラ「そういうな。この子はお前さんを助けたんだぜ」

マミ「え?」

振り替えると、魔女の額に拳ほどの穴が穿たれていた。

しばらくして、魔女は苦しむように身をよじると、小さくしぼみ、消えた。

マミ「ええ~」

キュゥべえ「信じられないよ」

さやか「ウソ!まどかスゴい!」

まどか「うぅ~。手が痛いよぉ」

景色が元に戻った。

グリーフシードが床でころりと半回転すると、その場に静止した。

マミ(今回は大人しいと思ったら…)

マミ「また…」

マミ(また、コブラさんに見せ場取られた…)

コブラ「ガンマンのセンスがあるぜ」

まどか「そんなセンスいらないよ~」

マミ「これがグリーフシード。魔女の卵」

マミは力の無い目で語ると、グリーフシードを指先で弾いた。

さやか(や、やさぐれとる)

キュゥべえ「マミ、そんなにクサクサしてると穢れ溜まっちゃうよ」

マミ「ふん、だ」

まどか「そ、それって危ないんじゃないかなぁ(棒読み)」

まどかの精一杯の空気の読みっぷりに心をほだされたマミは微笑みを返して、振り返った。

マミ「このままだったら安全よ。むしろ役に立つものでもある」

マミはそう言うと、自分のソウルジェムをグリーフシードに押し当てた。

さやか「わぁ、キレイになった」

マミ「グリーフシードはソウルジェムの穢れを取り除いてくれるの。これで魔力も全回復よ!」

まどか「コブラくんにも使えたりしてね」

さやか「サイコガンは魔力使ってそうだもんね~」

コブラ「俺が使ったらグリーフシードとやらがパンクしちまうぜ。なにせ、汚れるようなことはほとんどやったからな」

キュゥべえ「全く冗談じゃないのが笑えないよね」

マミ「それと!」

マミは、グリーフシードを入り口の暗がりに投げつけた。

まどか「え?」

暗がりから人影が伸びる。

暁美ほむらは投げつけられたグリーフシードを手のひらで遊ばせながら、ゆっくりと歩を進めた。

マミ「あと一回くらいは使えるはずよ」

ほむら「あなたの獲物よ。あなたが使えばいい」

ほむらはグリーフシードを投げ返した。

コブラ「おっと」

何故か、自分の方に飛んできたグリーフシードをコブラは難なくキャッチした。

ほむら「…」

コブラ「…」

ほむら「…ま、魔法少女は貴方みたいな存在が相応しい」

コブラ「ことわる。俺は人間の女専門でね」

マミ「…帰ったら?」

ほむら「帰るわ」

さやか「感じわる~」

まどか(そうかなぁ。なんかマミさんと息が合ってるような気が…)

ほむら(コントロールミスった…)

ほむら(いや、引き寄せられたというの?)

ほむら(間違いなく、彼はキーパーソン)

ほむら(とりあえず、コントロールミスはうまく取り繕えたみたいね)




キュゥべえ「さっきの絶対マミを狙ってたよね」

マミ「あ、やっぱりそうなのね」

さやか「あのスローイングじゃダメダメっすよ~」

コブラ「俺が元プロベースボーラーじゃなかったら取れなかったぜ」

まどか「こ、コブラくんプロ野球選手だったんだ。スゴいね」

さやか「なにいってんの。こいつ私たちと同級生だよ」

キュゥべえ「純粋にも程があるよ」

さやか「本当、まどかったら」

キュゥべえ「いや、君だよ君」

さやか「え?」

【廃墟:入口】

女性「ここ…あれ、私は?やっやだ、私、なんで、そんな、どうして、あんな、ことを…!」
コブラ「大丈夫さ。君は飛ぼうとしただけさ。俺の胸にな」

女性「え…あ…」

コブラ「なに、着地は大成功だぜ。しっかり俺の腕のなかにいる」

女性「は、はい…///」 キュン

さやか「一件落着、って感じかな」

まどか「うん」

マミ「なんでやねん」




まどか「叶えたい願いごととか、私には難しすぎて、すぐには決められないけれど」

まどか「でも、人助けのためにがんばるマミさんの姿は、とても素敵で」

まどか「こんな私でも、あんな風に誰かの役に立てるとしたら、それはとっても嬉しいなって、思ってしまうのでした」




キュゥべえ「なんか今までの流れを考えての発言だとしたらイヤミに聞こえてしまうのは何故だろうね」

【3話】

【公園】

深夜、人気は無い。

マミは噴水の前まで歩み出た。

ほむら「分かってるの?」

ほむら「あなたはコブラとかいう訳のわからない男に出番も尊敬も奪われてる」

ほむら「そして、他の二人を魔法少女に誘導してる」

マミ「彼らはキュゥべえに選ばれたのよ」

ほむら「あなたは二人を魔法少女に誘導してる」

マミ「それが面白くないわけ」

ほむら「ええ。迷惑よ。特にコブラ」

マミ「そう、あなたも気付いてたのね。コブラさんの素質に」

ほむら「彼だけは、契約させる訳にはいかない」

マミ「自分より強い相手は邪魔者ってわけ?」

ほむら「いえ…」

マミ「…」

ほむら「見た目…」

マミ「…魔法少女の尊厳が地に墜ちるわ」

ほむら「まぁ、ほっといてもなりはしないと思うんだけど」

マミ「とりあえずキュゥべえにはキツく言っておくわ」

ほむら「このままだと…」

ほむら(まどかが…)

マミ(先輩としての威厳が…)

ほむら・マミ(奪われる気がする…)

【病院】

さやか「はぁ…お待たせ」

まどか「あれ?上条くんには会えなかったの?」

さやか「うん、なんだか都合悪いみたいでさ…。失礼しちゃうよね~」

まどか「ん?さやかちゃん!あれ!」

さやか「ん?なんだ?」

キュゥべえ「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」

さやか「ウソ!なんでこんなところで!」

キュゥべえ「危険だ!早く逃げないと!」

さやか「まどか、マミさんの携帯の番号聞いてる?」

まどか「え?ううん」

さやか「マズッたなぁ。まどか先行ってマミさん呼んできて。私はこいつを見張ってる」

キュゥべえ「無茶だよ!マミの助けが間に合うかどうか…」

さやか「放っておけないよ。こんな場所で」

キュゥべえ「…まどか、先に行ってくれ。僕はさやかについていく」

キュゥべえ「マミならここまで来ればテレパシーで僕の位置が分かる」

まどか「私、すぐ呼んでくる!」

さやか「あ、コブラも呼んできて」

まどか「あ、もうLINEで呼んだよ」

キュゥべえ(マミ、もう手遅れなレベルで君は信用されてないかも)

【数刻後】

マミ「ここね」

マミ(キュゥべえ状況は?)

キュゥべえ(まだ大丈夫。孵化する気配はまだないよ)

まどか(さやかちゃん、大丈夫?)

さやか(へいきへいき!退屈過ぎて居眠りするところだったわ)

キュゥべえ(なるべく静かに来てくれるかい)

マミ(分かったわ。ところで…)

キュゥべえ(なんだい?)

マミ(コブラさんはいるかしら?)

キュゥべえ(え?まだ来てないけど)

マミ(よし、今日こそは…いいところ見せるわ!)

キュゥべえ(仲間は多い方がいいと思うけどなぁ)

マミ(ふふふ、カッコいい先輩カッコいい先輩)

キュゥべえ(こじらせてるなぁ)

まどか「間に合って良かった」

マミ「無茶しすぎって言いたいところだけど、今回は冴えた手だったわね」

まどか「あっ…」

まどかは足を止めた。

視線の先には暁美ほむらが立ちふさがっている。

マミ「何か用かしら」

ほむら「今回の獲物は私が狩る。あなたは手を引いて」

マミ「そうはいかないわ。キュゥべえと美樹さんを迎えに行かないと」

ほむら「その二人の安全は私が保証する」

マミ「…たい」

ほむら「え?」

マミ「私はコブラさんに勝ちたい!」

ほむら「!!」

マミ「通して」

ほむら(こ、この覚悟!今まで繰り返し見てきた「巴マミ」とは違う!)

ほむら(コブラの出現が、結果として成長を促したというの!?)

マミ「行くわ」

ほむら「分かったわ。健闘を祈る」

マミは親指を立てるとほむらに向けた。

すると、ほむらも親指を立て返した。

まどか(やっぱ仲良いなぁ)

まどか「あの、マミさん」

マミ「なぁに」

まどか「私、願い事いろいろ考えてみたんですけど」

マミ「決まりそうなの?」

まどか「私、誰かの助けになれるようになりたいんです」

まどか「だから、魔法少女になれたら、私の願い叶っちゃうんです」

まどか「こんな自分でも、誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから」

マミ「大変だよ…痛いし、怖いし、恋をしている暇だって…」

まどか「それでも私、コブラくんに憧れてるんです…」

マミ「え?」

マミ「ごめんなさい。よく聞こえなかった」

マミ「もう一回言ってくれるかしら」

まどか「マミさんです…」

マミ「憧れるほどのものじゃないわよ…私」




ほむら(い、言わせたわ)

ほむら(完全に強制してる…)

マミ「本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?」

まどか「え…あ、はい、まぁ私なんかでよかったら」

マミ「参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ。やっぱり私ダメな子だ」

ほむら(ほんとにダメな子っぽい…)

マミ「でもさ。せっかくなんだし、願いごとは何か考えておきなさい」

まどか「せっかく…ですかねぇ、やっぱり」


マミ「契約は契約なんだから、ものはついでと思っておこうよ」

まどか「いやぁ…その…」

マミ「じゃあ、こうしましょう。この魔女をやっつけるまでに願いごとが決まらなかったら、その時は、キュゥべえにコブラさんを消してもらうように頼みましょう」

まどか「へ!?」

マミ「そう。まるで霧のように消えるがごとく…」

まどか「ふぇ」

マミ「それで、みんなでパーティするの」

まどか「マミさん落ち着いてください…」

マミ「はっ!?」

まどか「はぃ…」

キュゥべえ「マミ!グリーフシードが動き始めた!孵化が始まる。急いで!」

マミ「オッケー、わかったわ。今日という今日は速攻で片付けるわよ」

菓子がうず高く盛られたホールに出た。

使い魔が蠢きマミを囲む。

マミ「体が軽い…」

召喚された銃が意思を帯びたように飛翔する。

マミ「こんな気持ちで戦うのは初めて」

マミ「もう、何も怖くない」

魔女は周囲の菓子よりも高いところに鎮座している。

マミは銃を両手で握ると、魔女が座る椅子を薙ぎ倒した。

虚を付かれた魔女はフラフラと浮遊すると壁際に逃げた。

しかし、マミの魔弾はそれを逃さない。

至近に弾着する魔弾を受けて、魔女は力なく地面に伏した。

ほむら(この流れ、やはりいつもと『変わらない』!)

ほむら「それ以上は!」

ほむらは確信にも似た不安を声に出さずにはいられなかった。

今まで何百と見てきたマミの死

高確率で死に至るこの瞬間

コブラの出現で油断していたのは間違いなくほむら自身であった。

さやか「よっしゃぁ!」

マミ「悪いけど、これで決めさせてもらうわ!!」

リボンが魔女を捕らえ、宙空で捕縛した。

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

大口径の魔力が射出される。

そして、魔女を撃ち抜く。

マミ「あっ…」

吐き出されたのは魔女であった。

ほむらはここから先の結末を知っている。

ほむら(やはり…変えられないのね)

マミが喰われんとする


その時である。



「変えられるさ!」

閃光がホールを横断する。

マミ「きゃぁぁ!」

魔女が振り返る間もなくその後頭部に大きな穴ができた。

コブラ「間に合ったぜ!どうやら最高のタイミングらしい!」

さやか「コブラ!」

まどか「コブラくん!」

マミ「あ、あ…」

マミは腰から砕けるようにへたりこむと、わなわなと震えてだした。

マミ「た、助かったっていうの…」

コブラは、まだ立てずにいるマミを抱きかかえると耳元で囁いた。

コブラ「まだ、死ぬのは早いぜ。火星のデートは予約済みさ」

マミ「こ、コブラさん…私…あなたのことを…」

マミは目に涙を浮かべた。

コブラは、指先で流れる涙を払った。

コブラ「おっと、そこまでだ。かわいいままでいた方が得だぜ。特に美人はよ」

マミ「うう、うわぁぁぁん」

まどか「コブラくん…」

コブラ「よう、時間通りだろ。」

まどか「…うん!」

まどかは満面の笑みを浮かべた。



ほむら(かわいい…)

ほむら(じゃなかった)

ほむら(この男、今までのパターンを打ち破った)

ほむら(まどか非契約ルートの場合、巴マミは高確率でここで死ぬ)

ほむら(因果が変わったというの…?)

誤字だけど、

マミは~(中略)~震えてだした。

何を出したんですかねぇ(ゲス顔)

ほむら「命拾いしたわね、貴女達」

ほむらはそういうと、コブラの腕の中で泣きじゃくるマミを指差した。

ほむら「目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるって、そういうことよ」

まどか「もし…コブラくんが助けに来なかったら」

さやか「マミさんは…」

ほむら「間違いなく死んでいたわ」

まどか「…」

まどかは身震いすると、口をつぐんだ。

ほむら「これに懲りたら魔法少女になろうだなんて思わないことね」

キュゥべえ「暁美ほむら。それを決めるのは彼女たちだよ。余計な口を挟まないでもらいたいね」

ほむら「あなたは黙っていなさい。この期に及んで、まだ彼女たちに魔法少女になる意志があると思って?」

キュゥべえ「さやか、まどか…」

さやか「…」

まどか「…」

二人は俯いたままなにも話さない。

【4話:学校】

まどか「何か…違う国に来ちゃったみたいだね」

さやか「知らないんだよ、誰も。」

まどか「私たちの知らないところでも、誰かが戦って死んでるのかな…」

さやか「マミさんほどの人でも、ギリギリやってるんだもん。やっぱそうでしょ…」

まどか「うん…」

さやか「まどかはさ、今でもまだ、魔法少女になりたいって思ってる?」

まどか「ん…」

まどかは地面を眺めた。

そこには否定が見て取れる。

さやか「やっぱ、そうだよね…うん。仕方ないよ」

まどか「虫が良すぎるよね…。でも無理」

まどかは自分を抱き締めるように腕を組むと、静かに震えた。

まどか「でも、私、いつ死ぬか分からないなんて、怖いよう。嫌だよう」

さやか「まどか…」

まどか「私は…コブラくんみたいになれない」

キュゥべえ「いや、そこはならなくていいと思うよ。筋肉的に」

さやか「マミさん…大丈夫かな」

キュゥべえ「だいぶまいってたからね。でも、あのあとコブラが慰めてたみたいだから大丈夫じゃないかな」

まどか「これからもこのまちを守ってくれるのかな…」

さやか「コブラとマミさんがコンビを組めば楽勝でしょ!」

キュゥべえ「それこそ虫が良すぎると思うけどな」

まどか「やっぱ…そうだよね」

さやか「また、死ぬような目に合ってください。とは言えないよね…」

キュゥべえ「君たちが契約して、チームを組めばより安全に魔女退治ができると思うけど…」

まどかとさやかは無言のまま目を逸らした。

キュゥべえ「そうか、君たちの気持ちは分かったよ。巻き込んですまなかった。」

キュゥべえ「じゃあ…これで」

まどか「ごめんなさい。…私、弱い子で」



ほむら(明るい展開だったからノリで魔法少女になるかと懸念してたけど…大丈夫のようね)

ほむら(一応釘指しといて正解だったわ)

ほむら(そういえば、巴マミは今日も欠席ね…大丈夫かしら)

【マミの家】

コブラ「さて、そろそろ帰るかな」

マミ「えっ…」

カシャン!

マミはティーポットを落とすとその場に立ちすくした。

コブラ「おっと、違うんだ。誤解だ。この口はたまに嘘をつくんだ。たまにね」

マミ「そうよね。びっくりしちゃった。その…あのね」

コブラ「なんだい?」

マミ「ずっと…この家にいてもいいのよ」

コブラ「…嬉しい話なんだが」

マミ「嬉しい!?嬉しいって言ってくれるのね。そうと決まればパーティしなきゃ」

コブラ「え、いや」

マミの耳に声は届いていないようだ。

マミは奥に行くと、大きなケーキを運んできた。

コブラ「こりゃ、大きいな。まるでウェディング…」

コブラはそこまで言うと、口を閉じた。

マミ「はい。あーん」

コブラ「え、遠慮しとくよ。ママに自分のことは自分でやれって言われてるんだ」

マミ「食べてくれないの…?」

マミは上目遣いでコブラを見るとあからさまに悲しそうな目をした。

コブラ「女性からのプレゼントは甘んじて受けとれとも言われてる」

コブラはケーキを口にすると苦笑いを浮かべた。

マミ「部屋はどこを使ってもいいから…」

コブラ「…」

マミ「ずっと一緒に…」

コブラ(レディ…地球の魔女はちょっと手強いぜ)

なんか同じネタのスレ出来ててワロタ

どうすっぺか続けるべきか

あっちげえな

昔(2012年)に誰かがやってたやつか

うーむ不覚

すまんの
今週はちょっと忙しい

いろいろアドバイスありがとう
書くことは継続します!

でもちょっと思ったのは

情報を保存したり共有する技術がますます進化した未来の子供たちは、その情報飽和社会の中で自分自身の固有情報を見出だすことができるのだろうか…

自分自身がすべて真似事のように感じられる。一挙手一投足のすべてに前例がある。まるで如来の手のひらで転がされる孫悟空のように。

外部記憶情報の保存技術の向上は将来的に情報飽和を招き、可能性という概念を破壊し、人から個性を奪うかもね。

別にハードディスクとか本とかぶっ壊せって話じゃないよ。いつかそういうふうに人が個性を模索できなくなった時に人類のカタストロフィもありそうって話。

あひゃひゃひゃひゃ

みんな情報の海に溺れて模倣の波に個を奪われればいいのだ!

ふう。あれ…ここは…どこだ?

えーと、次は5話か
ちょい書き貯めるから暫しまたれい

【5話:帰り道】

まどか「あ…」

ほむら「忠告を聞き入れてくれたのね」

まどか「うん…」

ほむら「巴マミの運命は変わったわ」

まどか「えっ…」

ほむら「訪れるはずの死が回避された」

まどか「な、なんでそんなこと…」

ほむら「でも、それは死を先延ばしにしたに過ぎない」

まどか「あの結界の中で…一人ぼっちで」

ほむら「魔法少女の最期なんてそんなものよ」

ほむら「誰にも気付かれずに忘れ去られても仕方のないことだわ」

まどか「私は覚えてる!マミさんのことだって…」

ほむら「そう言ってもらえるだけ巴マミは幸せね」

まどか「コブラくんのことだって!助けてくれたこと忘れないもん!」

ほむら「それは忘れなさい」

まどか「え?」

【病院】

さやか「何聞いてるの?」

恭介「…復活の巨人イデオン」

さやか「ああ、たいらいさお?素敵な曲だよね」

恭介「さやかはさ、僕を苛めてるのかい?」

さやか「え…?」

恭介「何で最近持ってくるのが古いアニソンばっかなんだよ!」

さやか「ご、ごめん」

恭介「嫌がらせなのかい!?」

さやか「き、気に入らなかったかな?これは?」

さやかは鞄からまだ封を切っていないCDを取り出した。

恭介「…えーと、炎のさだめ?」

さやか「…これはむせるよ。ヤバイくらい」

恭介「人の話聞いてないよね!」

さやか「ご、ごめん!これは?」

さやかはさらに封を切っていないCDを取り出した。

恭介「乾いた大地…?クラシックかな?」

さやか「いや、ザブングルのエンディング曲なんだけどさ。オープニングよりも名曲だと思うんだよね」

恭介「串田アキラの曲は全部弾けるよ…」

さやか「また、聞きたいな」

恭介「でももうダメなんだ」

さやか「え…?」

恭介「もう、演奏はあきらめろってさ。奇跡や魔法でもなければ…」

さやか「…あるよ」

さやか「奇跡も魔法もあるんだよ」

【廃工場】

さやかが病院を出てから数刻後、仁美を追っていたまどかは工場にいた。

工場長「俺はダメなんだ…もう」

液体がバケツに注がれる。

容器には、混ぜることでガスを発生させる旨の警告がしたためてある。

まどか「ダメ…それはだめっ!」

仁美「邪魔をしてはいけませんわ。あれは神聖な儀式ですの」

まどか「だって!ここにいるみんな死んじゃうよ!」

仁美「あらぁ素晴らしいことじゃないですかぁ」

まどか「仁美ちゃん!」

注がれた液体に、さらに別の液体が注がれる。

まどか「あ…ああ」

仁美「生きている体なんて邪魔なだけですわ…あら?」

液体に変化はない。

工場長「…おかしいな」

「残念だったなぁ」

工場長「誰だ!?」

マッチョなその男は、暗がりから歩み出るとバケツを持ち上げた。

まどか「コブラくん!」

コブラ「薬品は残念ながら入れ換えさせてもらった」

コブラはバケツの中身を勢いよく飲み干した。

まどか「!?」

コブラ「安心しな。毒じゃない。ただ、乙女が飲むと危険だぜ」

コブラはそう言い放つとバケツを宙に投げ、サイコガンで撃ち抜いた。

コブラ「貴様が混ぜたのはウォッカとオレンジジュース。『スクリュードライバー』の出来上がりだぜ」

まどか「すごい…!」

コブラ「こういう夜にはピッタリな代物さ!」

工場長「お、おのれ!」

工場長の背後が歪む。

結界が周囲の人々を飲み込んだ。

そこは自我が境界を無くし、漂う無重力空間。

使い魔が嘲るように、撹拌し、弄ぶ。

まどか「わ、わぁ」

コブラ「ぐっ…」

まどか「こ、コブ・ラ…くん」

コブラ「お、俺の記憶を…読むな!」

まどかは辛うじて感覚の残る右手でコブラに触れた。

すると、コブラの記憶が逆流してまどかに伝わってきた。

コブラが愛し、コブラを愛した女達。

見渡す限り星の輝きで満たされた銀河。

冒険というスリルの中で繰り返される出会いと別れ。

まどか「こんな、悲しい気持ちになっても危険なところに自分から行くの…?」

コブラ「それが宇宙海賊『コブラ』さ!」

サイコガンはすでに抜かれていた。

なにもないはずの空間に銃口が向けられる。

コブラ「警告を無視したのはお前だ!人の思い出に立ち入るには罰を受ける覚悟が必要なんだぜ!」

閃光が一筋。

打ち砕かれた虚無の空間は、ひび割れ、魔女の断末魔を響かせた。

古びた工場が辺りに復元する。

まどかは、コブラには星空とコンクリートが似合うと密かに納得した。

コブラ「悪いな、俺は案外ナイーブでシャイなんだ」

まどか「カッコいい…」



さやか「あれ…終わってる」

仁美「あれ?ここは…?」


まどか「さやかちゃん?」

さやか「まさかデビュー戦お預けかぁ」

コブラ「悪いな。役者が違うのさ」

さやか「コブラに言われたら敵わないなぁ」

まどか「も、もしかして魔法少女になったの?」

さやか「うん…ちょっとね」

まどか「でも…」

コブラ「なっちまったもんはしょうがないさ」

さやか「ありがと…コブラ」



マミ「コブラさぁん」

まどか「あ、マミさん」

マミ「もう!全然帰ってこないと思ったら!」

さやか「ま、マミさんその格好は…」

ピチピチの黄色タイツに身を包んだマミは息を整えると満面の笑みを称えた。

マミ「宇宙海賊マミ…!なんちゃって」テヘ

キュゥべえ「うわなんだいそれひどいや」

【展望台】

杏子「マミがくたばったって聞いたけど違うじゃん!」

キュゥべえ「悪いけど、マミは健在さ。…いや、まあ死んだって言えばある意味死んだけど」

杏子「何それ、よくわかんない」

キュゥべえ「とりあえず、帰った方がいいよ」

杏子「でもさぁ、こんな絶好の狩り場、あんな筋肉モリモリのヤツに捕られるのは癪だもんね」

キュゥべえ「…え?」

杏子「アイツも魔法少女なんだろ?腕がビームライフルになるなんてイカしてるじゃん」

キュゥべえ「ちょ、ちょっと待って」

杏子「マミの獲物も大分奪ってるみたいだし、アイツを倒せばいいんだろ!」

キュゥべえ「ちょっと待ってってば。コブラは魔法少女じゃない」

杏子「はぁ!?アイツ魔女を一撃で倒してたじゃん!魔法少女に決まってるでしょ!しらばっくれんなし!」

キュゥべえ「勘弁してもらいたいな!」

杏子「!」

キュゥべえ「確かに才能は認めるよ!才能は!」

キュゥべえ「でもね!こっちにだって選ぶ権利とプライドがあるんだよ」

キュゥべえ「魔法少女はプリプリの未発達美少女じゃなきゃダメなの!」

キュゥべえ「僕だって好きで頭を下げてる訳じゃないんだよ!」

キュゥべえ「積み重ねられた歴史を覆す存在だよ彼は!」

杏子「きゅ、キュゥべえ…?」

キュゥべえ「…あ、すまない。言語機関に障害が発生したようだ」

【病院】

さやか「調子はどう?」

恭介「おかしなところがなくて変なくらいさ」

さやか「そう。足のリハビリは?」

恭介「うん。続けてるよ。順調さ」

さやか「手はもう動くんだよね?」

恭介「ああ、さやかが言ったように本当に奇跡や魔法もあるみたいだよ」

さやかは恭介の笑顔をうっとりと眺めた。

時折視線があうと恥ずかしそうに目をそらす姿は、生娘そのものであった。

コブラ「時間だぜ」

さやか「あ、もうそんな時間か」

恭介「だれ?」

さやか「コブラ、急に出てきたらびっくりするでしょ」

コブラ「コブラだ。呼び捨てでいい」

恭介「は、はい」

自分の2倍以上はありそうな手を差し出されて、恭介は恐々としてしまった。

辛うじて差し返した手を握られると、感動にすら包まれる力強さだ。

恭介「…わぁ」

コブラ「どうだい、俺と少し風に当たりに行かないかい?」

恭介「…い、行きます」

さやか「あ、なんかいい流れ奪われてる気がする」

【病院:屋上】

恭介「とうさん」

父「すまない。これを捨てることはできなかった」

父はそう言ってバイオリンを手渡した。

さやか「怖がらなくていいんだよ」

恭介「…」

コブラ「どんなに時間が経っても体が覚えてるはずだぜ。特にエモノの使い方はよ」

恭介は無言で頷くと、弦に弓を当てた。

爽やかな風に旋律が乗る。

コブラ「ほう」

目をつぶれば、町を包むのは闇。

孤独な影。

さやかの脳裏に浮かぶのはコブラ。

男という名の物語。

さやか「っておい」

コブラ「いい曲だ」

恭介へ周囲の人々から拍手がもたらされた。

恭介「…ありがとう」

さやか「なんか腑に落ちないぞ」

杏子「ふぅん。アイツね」

キュゥべえ「本当に彼と事を構えるつもりかい?」

杏子「瞬殺っしょ。それとも何?アンタ文句でもあるわけ?」

キュゥべえ「すべてが君の思い通りにいくと思わないことだね」

杏子「はぁどういうことさ?」

キュゥべえ「彼の体を見てくれ」

杏子「ハガネみてーだな」

キュゥべえ「それだけじゃない。左手はサイコガン。弾切れもせず、威力も高い」

杏子「魔法少女…じゃないんだよな。なんでそんなやつが魔女を?」

キュゥべえ「分からないよ」

杏子「ふーん」

キュゥべえ「とりあえず言えることは、彼は極めつけのイレギュラーだ。宇宙でもとっておきのね」

杏子「へっ、上等じゃない。退屈過ぎても難だしね」

キュゥべえ「いや、結構本気でやめといた方がいいと思うな」

【深夜:さやか自宅前】

マンションのエントランスからさやかが出ると、そこにはまどかがいた。

さやか「まどか…」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「(マミさんが完堕ちして役に立たないから)パトロール行ってくるね」

まどか「一人で…平気なの?」

さやか「マミさんも一人でやってたんだし、それくらいはね」

まどか「あの、私役に立たないけど…でも、邪魔にならないところまで一緒に行っていいかなぁ」

さやか「頑張りすぎじゃない?」

まどか「ごめん…めいわくだよね」

さやか「ううん。すごく嬉しい」

まどか「さやかちゃん」

さやか「邪魔なんかじゃない。心強いよ。絶対守るから」

まどか「うん!」


【木陰】

キュゥべえ「出て行かないのかい?」

コブラ「あまりにも健気でね。涙が止まらなかったのさ」

キュゥべえ「君みたいな筋肉ゴリラでも、ああいうのに感動したりするんだね」

コブラ「覚えときな。ゴリラだってバナナ食ってるだけじゃないんだぜ」

やっと日曜日だぜ…

【路地裏】

さやか「ここだ」

キュゥべえ「これは使い魔のものだね」

さやか「楽に越したことないよ」

キュゥべえ「あれだ!」

虚空に笑い声がこだまする。

怪しげな乗り物に乗り、宙を舞うそれはまさに狂気そのものだ。

使い魔「キャッキャッ」

さやか「コブラは手出ししないでね」

コブラ「ああ」

コブラは葉巻に火をつけると、腕を組んで関与しない意思を示した。

まどか「あ、あのコブラくん」

コブラ「なんだい?」

まどか「未成年がタバコ吸っちゃダメだよ」

キュゥべえ「君はまだ彼が同級生だとおもっているのかい!?」

コブラ「これは葉巻さ」

キュゥべえ「まあ、その返しは中学生そのものだ」

さやか「こらー戦いには集中しろー」

さやか「は、はやい!」

使い魔の俊敏な動きにさやかはついていくことが出来ずにいた。

コブラ「…」

その様子を見ていたコブラは吸殻を静かに弾いて、使い魔に当てた。

使い魔「ギャッ」

さやか「もらった!」

使い魔の首筋に刃が触れる。

ギャイン!

しかし、つぎの瞬間には、真紅の槍がさやかの剣を弾いていた。

さやか「え!?」

使い魔「ギャア!」

まどか「ああ!逃げちゃう!」

杏子「おいおい。使い魔なんて倒すなよ!グリーフシード落とさないんだからさ!」

まどか「だ、誰?」

キュゥべえ「杏子…」

杏子「アンタ卵生む前の鶏シメてどうすんのさ!」

コブラ「こいつのことか?」

コブラの足の下にはぐったりと頭を垂れる使い魔がいた。

杏子「あー!マジでもったいねー!」

さやか「あーもう手出ししないでって言ったのに」

コブラ「出したのは足さ」

キュゥべえ「屁理屈だよそれは」

杏子「ウゼェ」

杏子「超ウゼェ」

杏子は手にした槍を振り回し、切っ先をコブラに向けた。

杏子「アンタ、魔法少女でもないのに余計なことするんじゃないよ」

コブラ「余計なことってのはこういうことかい?」

コブラは使い魔を踏み潰すと、腰に手を当てて、杏子を見下ろした。

杏子「見下してんじゃないよ!このボンクラぁ!」

杏子は槍の柄でコブラの頬を強かに打った。

続けて、捻転された腰の反動が生み出す後ろ廻し蹴りがコブラの背中に炸裂する。

打撃をモロに受けたコブラが壁に打ち付けられた。

杏子「ふん。これに懲りたら2度とここいらをうろつかないことだね」

コブラ「痛…!美少女のやることじゃないな」

杏子「な、全治3ヶ月分くらいはかましてやったのに…!?」

コブラ「今なら、ターミネーターだって言ったら信じそうだな…」

コブラはフラりと立ち上がると不敵な笑みを浮かべた。

杏子「マジウゼェ…」

杏子は槍を構えて突進した。

それも尋常ではない迅さで。

コブラ「おっと」

コブラは辛うじてそれを避けた。

杏子「チャラチャラ踊ってんじゃないよ!」

コブラ「ワルツはお嫌いかい?じゃあタンゴだ。ほれ」

杏子「黙れ!」

杏子の渾身の一撃がまた1つ、また1つとかわされていく。

さやか「うわーすごっ」

まどか「こ、コブラくん大丈夫かな」

キュゥべえ「心配するなら杏子のほうを心配した方が良いような気がするけど…」

痺れを切らすように降り下ろされた槍の刃がコブラの左手にめり込んだ。

杏子「!?」

違和感。

人の肉を切ったことは無いとはいえ、この質感は想像の範疇を超えていた。

うち据えた両手は微かに痺れを感じている。

杏子「な、なにを隠してやがる」

コブラは、槍の刃を利用して勢いよく左手を『外す』と、そのままサイコガンを杏子の額に当てた。

コブラ「これが、パーティーのクラッカーに見えるかい?」

杏子「う、うわ…」

コブラ「女を殴る趣味は無いぜ。特に美少女はな」

コブラはサイコガンをより強く押し付けた。

コブラ「ただ、殴らないだけで、殺すことは出きるんだぜ」

杏子「ひ…ぁ」

まどか「コブラくん!」

コブラ「冗談さ。もうこれ以上夢に出てくる女は増やしたくないからな」

キュゥべえ「まったく…恐ろしい戦闘力だね」

さやか「スゴすぎてついていけそうもないよ~」

キュゥべえ「彼レベルの魔法少女なんてそうそういないよ。変に自信を失わないでほしいな」

杏子「く、クソ。マミよりもずっとヤベェじゃねぇかコイツ」

キュゥべえ「だからやめといた方がいいって言ったのに」

杏子「…見滝原はもうコイツのテリトリーなのか?」

コブラ「あいにく興味はない」

杏子「マミはいったい何をやってやがんだ」



「コブラさぁん」



コブラ「俺は帰らせてもらう。急用を思い出したんでな」

まどか「えっ?あ、行っちゃった…」

マミ「コブラさんは!?」

相変わらずの黄色いピチピチのタイツ。

今回は魔力で作ったのであろうサイコガン風の魔銃が腕に装着されている。

杏子「うわひでぇなんだこれ!?」

マミ「あら佐倉さん」

杏子「びっくりするくらいひどいセンスだな!」

マミ「あら、久しぶりに会ったと思ったらひどいのね!」

まどか(ああ…)

さやか(私たちじゃ言えない事を…)

キュゥべえ「代わりに言ってあげようか?」

さやか・まどか「やめて…」

すまぬ…

めっちゃ忙しいお…

ふはは休暇だ休暇!
ちくしょうめ!

誰も見てなくてもまだかいてやるぜハハハ

彼氏彼女の事情(アニメ版)見ながら書くから遅くなったらすまぬ

【路地裏】

ほむら(…)

ほむら(出遅れた…)

ほむら(とりあえずまたもやまどかは魔法少女にならなくてすんだようね)

ほむら(でも、あの目…)



まどか「コブラくん…」



ほむら(ダメだわ)

ほむら(惚れてるメスの目になりかけてる)

ほむら(せっかくまどかが魔法少女にならない流れがキテる)

ほむら(その流れは絶やしたくはない…しかし!)

ほむら(まどかを宇宙海賊にするわけにはいかない)

杏子「…とりあえず今日は帰るわ」

さやか「ちょっと待ちなさいよ!」

さやかは剣を抜くと切っ先を杏子に向けた。

マミ「よしなさい。美樹さん」

さやか「あなたでは何度やっても彼女を倒すことはできないわ」

さやか「…そんな!」

マミ「ソウルジェムを見なさい」

さやか「うわ…濁ってる」

キュゥべえ「そんな状況じゃ、まともに魔法も使えないだろう」

マミ「グリーフシードは?」

さやか「ありません…」

キュゥべえ「今日のところは僕のを貸してあげよう」

杏子「過保護なこったな」

キュゥべえ「初心者だからね」

さやかはグリーフシードをソウルジェムに当てながら、悔しそうに歯軋りした。

マミ「彼女は余分にグリーフシードを持ってるのよ」

杏子「基本だよキホン」

キュゥべえ「それに才能もある」

杏子「まぁーな」

キュゥべえ「まぁ、今コブラに負けたけどね」

杏子「うるせーな!なんなんだあいつは」

キュゥべえ「宇宙海賊。イレギュラー。そして最強の魔法少女『候補』さ」

杏子「その話は展望台で聞いた…」

キュゥべえ「じゃあもう激しく語らなくていいね」

杏子「うん」

さやか「やっぱコブラって魔法少女の才能も凄いんだなぁ」

杏子「生身で魔法少女とやりあえるだけでも十分ヤバいだろ」

キュゥべえ「そこなんだよね不思議なのは」

まどか「え?」

キュゥべえ「そこまで因果的に強い存在がこの地球に来れるハズは無いんだよ…ねぇ暁美ほむら」

ほむら「気付いていたのね」

杏子「なんだテメェ」

キュゥべえ「イレギュラーさ。もう一人のね」

ほむら「確かに彼は不測の存在だわ。私も初めて見るタイプ」

キュゥべえ「呼び込んだのは君かい?」

ほむら「さあ。どうかしらね」

キュゥべえ「君の謎と関係していると思うけどね」

ほむら「余計な詮索はしないことね」

マミ「そうよコブラさんは正真正銘の私の味方なんだから!」

ほむら「ほんとにイレギュラーだわ…こんなヒドイことを」

ほむらは嗚咽を漏らすと後退りした。

マミ「そんなにヒドイかしらこれ…」

キュゥべえ「自覚が無かったのかい!?」

あ、間違えた

その通りです

無責任なことしてすまん
忙しくて手がつけられん
今週中に書く

あ、すまん
日曜も今週だと思ってた

仕事は午前中で終わったから洗濯しながら書くよ

【屋上】

杏子「…今度はなんだい?」

ほむら「この街をあなたに任せたい」

杏子「どういう風のふきまわしよ?」

ほむら「魔法少女には貴方みたいな子がふさわしい」

杏子「もとよりそのつもりだけどさ。マミとかあの女はどうするのさ」

ほむら「海賊コスプレ女なんて目じゃ無いわ。美樹さやかも取るに足らない」

杏子「コブラは」

ほむら「あなたは手を出さなくていい。私が対処する」

杏子「一体何が狙いだ?」

ほむら「2週間後にワルプルギスの夜がくる」

杏子「なぜわかる」

ほむら「それは秘密。ともかく、そいつを倒せれば私はここをでていく。あとはあなたの好きにすればいい」

杏子「ほーん。確かに二人なら倒せるかもね」

杏子「でも、コブラに加勢してもらったほうが早いんじゃないの?」

ほむら「あの男は危険すぎる」

杏子「でも仲間にすればいい」

ほむら「そう簡単に行くといいけどね」

キュウべえ「ダメだね。昨日の使い魔の痕跡は無くなってしまった」

まどか「ねぇ…さやかちゃん。このまま魔女退治を続けてたらまたあの子に会うんじゃないかな…」

さやか「だろうね…」

まどか「だったらちゃんと話して仲直りした方がいいんじゃないかなぁ」

まどか「でないとまた喧嘩になっちゃうよ…」

さやか「まどかにはあれが喧嘩に見えたんだね」

まどか「え?」

さやか「あのこは私の事を殺すつもりだったよ。私もね」

まどか「そんな…っ」

さやか「話し合いでどうにかなる相手じゃないよ」

まどか「そんなのやっぱりダメだよ…。ねぇコブラくん…」

コブラ「プレゼントを持っていって許してくれるような相手には見えなかったがね」

まどか「そんな…」

コブラ「しかし、そう思ってた女が案外コロリと落ちるもんさ。宇宙の七不思議だな」

まどか「なんか求めてた答えと違う気がする…」

コブラ「それも宇宙の七不思議さ」

【恭介の家】

さやか「はぁ…」

さやか「お前は…!」

杏子「会いもしないで帰るのかい」

杏子「キュウべえから聞いたよ。あんた契約でこの家の子を助けたんだろ?」

杏子「たった一度の願い。下らねぇことに使っちゃってさ」

さやか「お前に何が分かる!」

杏子「分かってねぇのはそっちだバカ!」

杏子「魔法は自分のために使うもんなんだよ!」

杏子「それを他人のために使ったってろくなことにならねぇんだよ!」

さやか「!?」

杏子「せっかく魔法を使えるんだからさぁ!うまいこと男をオトせばいいだろ!」

杏子「そいつの手足をもいで、あんた無しには一生生きられない身体にしてやればいいんだよ!」

さやか「あんた…!」

「女の子が物騒なことを言うのは好きじゃないね」

杏子「!?」

さやか「コブラ…」

コブラ「特に美少女はな」

杏子「で、出やがった」

コブラ「悪いな。顔も耳も良いんでね」

杏子「お、おい場所帰るぞ」

【歩道橋】

さやか「コブラ!絶対邪魔しないでよね!」

コブラ「あいよ」

杏子「助けは要らないって?舐められたもんだね」

まどか「待ってさやかちゃん!」

杏子「…ウゼェのにはウゼェのが付いてくるんだな」

コブラ「こんな健気な子にそういうこと言うもんじゃないぜ」

杏子「お前に言ったんだよ!」

ほむら「努めて同意するわ」

杏子「暁美ほむら…」

ほむら「この子たちに手を出してほしくないって言ったつもりなんだけど」

杏子「チッ。でも向こうはやる気だぜ」

さやか「…!」

ほむら「なら私が相手になるわ」

まどか「…!ごめんさやかちゃん!」

さやか「あっ…!」

まどかはさやかの手からソウルジェムを奪い取ると、遠くに投げ捨てた。

さやか「まどか!なんで…」

まどか「だって、…だって!」

キュウべえ「ひどいことをするなぁ」

まどか「でも…」

キュウべえ「君は友達を投げ捨てたんだよ」

まどか「…え?」

ゴトリ

鈍い音。

さやかは文字通り電源を失ったように地に伏した。

と、同時にほむらは姿を消した。

まどか「さやかちゃん!」

キュウべえ「君たち程度の魔法少女なら100メートルが限界だろうね」

まどか「キュウべえ、何を言ってるの…」

キュウべえ「君たちの身体は今やただのハードウェアさ。魔女と戦うには生身の身体なんて邪魔なだけさ」

杏子「な、なんだと」

まどか「じゃあ…さやかちゃんは」

キュウべえ「君が今投げたじゃないか」

まどか「あ、あたし…そんな!」

「大事な落とし物はこれかい?」

街灯に照らされた巨体が少女の胸元にそっとソウルジェムを置いた。

さやか「…はっ!?」

コブラ「お目覚めかい。王子さまのキスもたまには効くだろう」

さやか「は、はぁ!?き、キスぅ!?」

コブラ「冗談だよ」

キュウべえ「お優しいことで」

杏子「どういうことか説明してもらおうか」

キュウべえ「さっき言った通りさ。君たちの身体はもはや形だけのもの。本体はソウルジェムさ」

杏子「じょ、冗談だろ…」

キュウべえ「嘘はつかないよ」

間違えた

杏子「どういうことか説明してもらおうか」

キュウべえ「さっき言った通りさ。君たちの身体はもはや形だけのもの。本体はソウルジェムさ」

杏子「じょ、冗談だろ…」

キュウべえ「嘘はつかないよ」

杏子「なんだそれ…聞いてねぇ」

キュウべえ「聞かれてないからね」

杏子「それじゃあ私たちゾンビみたいなもんじゃねぇか…」

キュウべえ「悪い取り方をしてほしくないな。すごい便利な身体なんだよ」

まどか「ひどいよ…そんなのあんまりだよ」

キュウべえ「君たちのこだわりは理解できないよ」

コブラ「まぁ貴様らには分からんだろうさ。インキュベーダー」

キュウべえ「…」

まどか「そ、そういえばほむらちゃんは!?」

キュウべえ「そういえば見ないね」

【街道】

ほむら(誤算だった)

ほむら(まさかまどかがあんな行動をとるなんて)

ほむらはソウルジェムを追っていた。

投げ出されたソウルジェムは先行するトラックの荷台に乗ってしまったように見えた。

そのトラックまで、時間停止を繰り返し、徐々に近づいていく。

ほむら(この事実は美樹さやかに到底耐えられるものではないわ)

ほむらは走行するトラックに飛び付くと、幌を幌を伝い荷台に躍り出た。

ほむら「あら?」

ほむらは辺りを探った。

しかし、ソウルジェムは見当たらない。

ほむら「間違えた?」

振り向いて目を凝らして見ると、歩道橋の上ではさやかが立ち上がっている。

ほむら「…」

泣きじゃくるまどかがさやかを抱き締めると、コブラが被さるように二人を抱き抱えた。

ほむら「あの男…」

ほむらの顔が飛ぶように後方へ流れる街灯に晒される。

点滅するように垣間見える形相は不必要と化した徒労にただただ呆然とする少女のそれであった。

ほむら「骨折り損だわ」

トラックは街の闇に吸い込まれるように消えていった。

ほむらを乗せて…。

さやか「私たちを騙してたのね」

キュウべえ「人聞きの悪いことを言わないでほしいな」

キュウべえ「少しでも安全に戦えるようにとの配慮だよこれは」

さやか「余計なことを…!」

キュウべえ「じゃあ君は槍で刺された痛みが分かるのかい?」

さやか「あっ!うぅ!」

さやかは膝を付いた。

脇腹が焼けるように熱い。

キュウべえ「これが本来の死の痛みだよ」

コブラ「やめろ」

コブラはサイコガンを抜くと、キュウべえの額に突き付けた。

キュウべえ「君もどうだい?宇宙海賊は危険と隣り合わせだろう?」

コブラ「あいにく、もとから不死身なんでね」

キュウべえ「そうかい。まぁその気になったら声をかけてよ!」

キュウべえはそう言うとさやかを痛めつけるのをやめた。

さやか「っつ、はぁ!」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「なんで…。なんで私たちをこんな目に…!」

キュウべえ「君たちが願ったからさ。実際、奇跡は起こったろう?」

コブラ「余計なオプションも付いてな」

ほんまにすまん
クソスレと言われても仕方がない

【街角】

さやか「こんな身体になっちゃって…私、どんな顔して恭介に会えばいいのかな…」

杏子「しけた顔してんじゃねぇぞ、ボンクラ」

さやか「あんた…」

杏子「面貸しな」



【廃教会】

杏子「あんたは後悔してるのかい?こんな身体になっちゃってさ」

さやか「私は…」

コブラ「俺はしてないぜ」

杏子「ど、どこから湧いてきやがったんだよ…」

コブラ「見ろよ」

コブラは左腕を外すとサイコガンをちらつかせた。

コブラ「生の腕は無くなっちまった」

さやか「どうして…?」

コブラ「なぁに、友達とじゃれあったのさ」

さやか「辛くないの…?」

コブラ「どうだろうな。不便だと思ったことは無いが、血が通ってないのは少し不安かもしれん。…だがな」

さやか「…?」

コブラ「心が通ってる。さやかのこの身体みたいにな」

コブラはさやかと杏子の肩をがっしりと掴むと強くウインクしてみせた。

さやか「…そ、そうだよね!あたし、なに落ち込んでんだろ!ガラじゃないよね!」

さやかは、一生懸命笑顔を浮かべた。

さやか「ありがとうコブラ!あたしは後悔しないよ。こんな身体になったことを!」

杏子「いやこれからあたしが回想するイイとこなんだけど…」

【学校】

仁美「上条くん大分元気になったんですね」

さやか「そうだね」

視線の先には、友人に囲まれる恭介がいる。

身体を蝕む病魔を取り払ったのは、いたいけな少女の願いだと露知らずに、彼は微笑んでいた。

まどか「さやかちゃんは行かなくていいの?」

さやか「私はいいよ…」

仁美「さやかさん。実は大事な話がありますの」

さやか「え?」

仁美「ここだと人に聞かれますわ」

さやか「何さ、かしこまって…」

仁美「とりあえず、放課後になったら駅前のショッピングセンターに一緒に行きましょう」

さやか「いいけど…」

3【ショッピングセンター】

さやか「それで、話って?」

仁美「実は恋の相談ですわ」

さやか「え?」

仁美「私…さやかさんとまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」

仁美はさやかを真っ直ぐ見つめている。

その目をさやかは見つめ返せない。

仁美「私、以前から上条恭介さんのことをお慕いしていましたの」

さやか「…そ、そうなんだ。恭介も隅に置けないなぁ」

仁美「そこで1つ問題が発覚しました」

さやか「え?」

仁美「上条くんは『ある人』をお慕いしているそうです」

さやか「だ、誰?」

仁美「私も誰かは分かりません。ただ、日本人離れした巨躯と、ハンサムとは言えない3枚目の金髪の中年男性と」

さやかの顔から血の気が失せていく。

あからさまな特徴はあの男に直結せざるを得ないから。

仁美「これは入院してた病院でも有名な話だそうです…」

仁美「その胸の高鳴りを恋と気付くまでに時間はかからなかった、と」

さやか「ひ、仁美。落ち着いて考えて相手は男よね」

仁美「ええ」

さやか「それは…ないんじゃない?」

仁美「ご本人に…聞きに行きますか?」

さやか「…」

あり得ない。

そう思えないのは、相手がコブラだからだろうか。

さやかと仁美は拭いきれない不安を背負い恭介宅に向かった。

【恭介宅】

恭介「やぁ、さやかじゃないか」

さやか「ごめんこんな時間に」

恭介「いいよ。なにか用かい?」

さやか「あのさ、変なこと聞くようだけど…」

仁美「上条くんはホモなんですか!」

さやか「そんな聞き方があるかい!」

恭介「や、はは。そんな」

さやか「だ、だよね」

恭介「…恋愛に性別は関係ないだろう」

恭介は遠くを見つめている。

さやか「お、おいおい」

恭介「この前、さやかと一緒に来たあの人。逞しい肉体、深く響く野沢那智ボイス…」

恭介は握りこぶしを胸に押し当てると苦しそうに吐き出した。

恭介「あの人は僕の理想なんだ。はじめはあの人のようになりたいと思ってたけど、徐々に…」

さやか「じょ、徐々に…?」

恭介「好きになってしまったんだ」

仁美「はぅ…」

仁美は額に手を当てたまま卒倒した。

さやか「ひ、仁美!」

恭介「あの人になら…」

さやか「…え?」

恭介「抱かれてもいい」

さやかは額に手を当てたまま卒倒した。

【さやか宅】

さやか「まどか…」

まどか「付いていっていい?さやかちゃんに一人になってほしくないの」

さやか「あんたは優しいね。あたしなんて大した価値もないのに」

まどか「そんなこと…」

さやか「あたしね、今日後悔しそうになっちゃった。仁美を助けなければ良かったって一瞬思っちゃった」

さやか「それにね、殺してやりたいと本気で思ったの。コブラを」

まどか「えぇ!?」

さやか「まどか、どうしよう…。コブラに恭介を取られちゃうよ」

まどか「い、言ってることがさっぱりわからないよ…っ」

さやか「でも、私何も出来ないよ。だってあたし死んでるもん。ゾンビだもん…」

まどか(は、話が通じてない…)

さやか「こんな身体でキスしてなんて言えない…抱き締めてなんて…」

まどか(わけが分からないよ…)

さやか「ありがと、ごめんね」

まどか「う、ううん!いいの!」

さやか「もう大丈夫。さぁ魔女を倒しに行こう」

まどか(どうしよう、さやかちゃんおかしくなっちゃったのかな…)

本当にすまん
ちょっと忙しいのが続いてる
スキを見て書き貯めるようにはしてる

明日かきまふ

うおおお!

ちょっと野暮用少し遅れる

すまんお酒は飲みすぎちゃダメだな

迎え酒しながら書くね

6

【雑ビル屋上】

ほむら「黙って見てるなんて意外ね」

杏子「今回はちゃんと魔女を倒してるからさ」

ほむら「そんな理由であなたが獲物を譲るなんてね」

杏子「ん?あのバカ手こずりやがって…」

ほむら「心配しなくても、やつがいるわ」


パァン

乾いた破裂音。

銃声が放たれたパイソンの銃口からは煙が立ち上る。

コブラ「よう。苦戦してるようだな!」

ビルの谷間に差し込んだ月明かりがコブラを写し出した。

さやか「あんた…」

コブラ「おっかない顔してるぜ。こんな夜に似合わない」

さやか「消えてよ。誰が助けてほしいっていったのさ」

コブラ「おおこわ。二等兵の目になってるぜ。怖いもの全部敵って目だ」

さやか「…バカにしてるならさ。相手になってよ」

さやかは剣をコブラの喉元に突きつけると暗い瞳で睨み付けた。

コブラ「よせよ。怪我するぜ」

さやか「誰がするか!」

コブラ「俺がだよ」

さやかは袈裟斬りにコブラを切りつけると、力強く蹴飛ばした。

コブラはビルに叩きつけられた。

ビルに二筋三筋のヒビが走る。

フラりと立ち上がったコブラは、ファイティングポーズをとって見せた。

さやか「…バカにしてるの!?」

コブラ「殴ってすむなら殴れよ」

さやか「あんた、あんたみたいなのに…なんで恭介が…」

コブラ「殴られる理由は…ないはずさ。多分。いや、星の数くらいはあるかもな」

さやか「黙れ!」

さやかが振りかぶると無数の剣が翔んだ。

まるで指揮に呼応するように。

コブラ「…っ!!」

「待ちなさい!」

魔弾が浮遊する剣を次々と捉えた。

さやか「なにさ、なんなのさ!」

マミ「コブラに手出しはさせないわ」

さやか「邪魔しないでよ…マミさん」

マミ「邪魔?勘違いしないで。これは指導よ」

さやか「は?」

マミ「後輩指導。学校でも魔法少女としてもね」

さやか「へぇ…じゃあよろしくお願いしますよ。先輩っ!」

さやかはクラウチングスタートの姿勢を取ると、顔を上げた。

視線の先のマミはピチピチのタイツの隙間から無数の拳銃を取り出している。

さやか「キモい格好しやがって…!」

さやかの脚が地から浮いた。

と、同時にさやかの姿が消えた。

数瞬、遅れて飛んできた銃弾がかつてさやかがいた場所を貫いた。

マミ「速いわね!」

魔弾の装填はすでに完了していた。

銃口がさやかを追う。

さやか「さすが…!」

弾着は煙をあげてさやかに迫る。

照準は確実に近づきつつある。

さやかは壁づたいに走り抜けると壁を蹴った。

距離を詰める。

さやかの逃げ道はそこにしかなかった。

しかし、そこにこそさやかの利がある。

マミ「接近戦は苦手なんだけど…!」

銃身と握把を強く握ると銃床をさやかに向けた。

さやかは切っ先を強く突きだした。

触れた床尾部と剣の刃が火花をあげて交差する。

二人の身体は密着して、激しいつばぜり合いとなった。

マミ「理由を聞いてなかったわね」

さやか「あたしは、あたしは…!」

マミ「…!?」

さやか「こんな思いをするために、魔法少女になったわけじゃない…」

マミ「…美樹さん」

さやか「…こんなホモホモしい展開のために魔法少女になったわけじゃない!」

さやかは弾かれるように飛び退いた。

さやか「あははは、慣れると痛みなんて無くなってくんだね」

まどか「さやかちゃん…」

さやかの肩口から血が滴る。

が、暫くしてかき消えるように傷は消えた。


まどか「もう、もうやめて…」

すまん本当にすまん
師走忙しい
明日かく

ぎゃー今日がおわっちまう
まだ家帰れてねーべや

すみません
予定変更します
明日書きます
自分勝手なことしてすみません

コブラを担ぐマミは視線をさやかに向けた。

マミ「何があったか知らないけど、ひどい顔ね」

さやか「…」

マミ「生きている意味なんて無いって顔」

さやか「…」

マミは隣のビルに跳躍した。

マミ「まるで魔女ね」

さやか「そうね…そうかもね…」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「希望なんてもうない…」

まどか「さやかちゃん…大丈夫?」

さやか「まどか…帰ろうか」

まどか「う、うん…」

さやか「ちょっと肩かして…」

疲労感が体から抜けない。

傷の回復スピードも格段に落ちている。

まどか「だ、大丈夫?」

さやか「ちょっと目眩がね」

まどか「ねぇ、どうしてコブラくんにひどいことしたの?マミさんにも…」

さやか「なんでだろう…本当になんでだろうね」

まどか「…」

さやか「あんなことしても何も変わらないのにね」

まどか「後で謝りにいこう」

さやか「いや、いい。これで良かったんだよ」

まどか「そんな…」

さやか「もう、何も元通りにならない」

まどか「そ、それじゃさやかちゃんのためにならないよ」

さやか「あたしのためにって何?」

まどか「…!?」

さやか「こんな姿になった私のためって…なによ」

さやかは身体をまどかから突き放すと、まどかをにらみ据えた。

さやか「今のあたしは魔女を殺すしかない、ただの石ころよ。それ以外の価値なんてない」

まどか「そ、そんな」

さやか「じゃああんたが代わりに魔女を殺してくれるの?」

まどか「…!!」

さやか「なにもしないくせに心配してるつもりになんてならないで」

雨脚が強まってきた。

ずぶ濡れの二人の距離は離れていく。

遠く遠く。

まどか「…」

【屋上】

ほむら「ワルプルギスの出現予測範囲はここよ」

杏子「なんでそんなことがわかんだよ」

ほむら「統計よ」

杏子「統計って…どうやって?前に来たなんて話聞いたことがねーぞ」

ほむら「…」

杏子「はぁ、だいたいさ。二人でなんとかなんのか?」

ほむら「それはやってみなきゃ分からないわ。試してみる価値はある」

杏子「1回しかないのにそんな適当でいいのかよ」

ほむら「そうね。1回しかないならね」

杏子「…?」

ほむら「気にしないで」

杏子「つーかどうせならよー、マミやさやかに助け求めたらどうよ」

ほむら「美樹さやかはともかく、巴マミは不味いわ」

杏子「は?」

ほむら「あの宇宙海賊に助けられるわけにはいかない」

杏子「それこそ強力な助っ人だと思うけどなあ」

ほむら「だめよ」

杏子「変なとこ意固地だよなぁ」

ほむら「彼はイレギュラーなのよ」

ほむら(そう、イレギュラー)

ほむら(今まで繰り返してきて、初めての異物)

ほむら(彼の存在が私たちに大きく影響を及ぼしてる)

ほむら(特にまどかに)

ほむら(まどかがああも男に媚びるメスの目になっているのは初めて見た…)

ほむら(羨ましい…)

ほむらはその視線が自分に向けられるのを想像した。

杏子「お、おい。よだれが垂れてるぞ」

ほむら「おっと、失敬」ジュルリ

キュウべえ「やぁお揃いで」

杏子「何しにきやがった」

キュウべえ「どうやら面白い話をしてるみたいだからね」

ほむら「あなたに話すことなんてないわ」

キュウべえ「そう言わず教えて欲しいな。どうやってワルプルギスの出現を予期したのか」

ほむら「…」

キュウべえ「ふぅん。だんまりかい。まぁいいさ」

ほむら「それだけ?」

キュウべえ「いやなに、君たちに忠告しようと思ってさ」

杏子「?」

キュウべえ「美樹さやか、あの子に注意した方がいい。穢れきったソウルジェムが呪いを生んでいる」

ほむら「…そう」

キュウべえ「あのままだと…。君なら分かるよね」

ほむら「…ええ。話はそれだけ?」

キュウべえ「ああ。あとは任せたよ」

杏子「ヤバイことになりそうだな…」

ほむら「そうね」

ほむら(コブラ、あなたの影響力なんてその程度ということよ)

ほむらは絶望ともとれる無表情を天に向けると、深くため息をついた。

くりぼっちだから今日の夜書く

【街路】

恭介「志筑さんって帰る方向こっちなんだっけ?」

仁美「いえ、違いますわ」

恭介「じゃあどうして…」

仁美は恭介の行く手を阻むように正対すると、真っ直ぐ恭介を見つめた。

恭介「な、なんだい?」

仁美「まだ、あのおじ様をお慕いしているのですか?」

恭介「…悪いかい?」

恭介は目線を地面に反らした。

仁美「気の迷いは誰にでもあります」

恭介「僕は本気だよ」

仁美「男性は男性を好きにはなりません」

恭介「でも、僕は…」

仁美「…」

恭介「それでも好きになってしまったんだ!」

恭介は走り出した。

仁美はその背中を目で追うと、小さくため息を着いた。

仁美「上条くんをそこまでにさせる御人とは一体どのような人なのでしょう…」

「失礼、道を訪ねたいんだが」

仁美「はい?」

振り替えると、そこには壁のように大きな金髪の中年男性がいた。

口には葉巻をくわえ、優しい微笑みを讃えている。

仁美「え、あ…どちらに行きたいのですか?」

外国の人だろうか。

初めての経験にしどろもどろになりつつも、丁寧な口調が崩れないよう注意した。

「なに、喫煙所を探していてね」

仁美「え、と…そこの角のコンビニなら吸えると思います」

「悪いね」

愛らしいタレ目が仁美を凝視する。

仁美「な、なにか?」

「悩んでいる目だ。それも…恋だな」

図星。

顔にあからさまに出ているだろうか。

仁美は顔を赤らめると、すぐさま俯いた。

「おっと、悪いことしたな。まさか大当たりかい?」

仁美「よ、余計なお世話です!」

「良ければ相談に乗ろうか?」

仁美「お断りします!」

「そうかい。道案内のお礼に恋の魔法を教えてやろうと思ったんだがな」ハハハ

仁美「まほう…?」

「そうさ、君みたいな悩める少女を笑顔にする魔法さ」

仁美「な、なんなんですか…」

「それは…」

仁美「それは?」

「素敵な場所で、大胆にやるのさ」

仁美「?」

「全ての銀河が見渡せるような漆黒の宇宙の真ん中で、誰よりも熱烈にな」

仁美「そんな場所、見滝原市にはありません」

「そうかい。ならいつか連れてってやるさ」

仁美「え?」

「なぁに、お代は道案内と、君の笑顔でいい」

仁美は、まるで口説かれてるような気分になってきた。

しかし、上条に手痛く扱われたあとにこうも優しくされると、不思議と悪い気はしない。

思わず笑みがこぼれてしまう。

仁美「うふふ」

「おっと、先払いかい」

仁美「あ、いえ、これは…」

再び顔が赤く熱くなる。

視線の先には金髪の筋肉モリモリマッチョの全身赤タイツでタレ目な外人が夕日に照らされてる。

思わず惚れてしまいそうなくらい絵になる光景だと仁美は思ってしまった。

それは多分、錯覚なのだろうと思い直そうとした。

しかし、鼓動は高鳴るばかりだ。

仁美「…」

「さて、俺も一服したら行くかな」

仁美「どこへ?」

「どうやらまだ助けが必要な女の子がいるらしいんでね」

そういうと、その外人はヒラヒラと手を振りながら、コンビニの方へ向かって行った。

仁美「あ、あの、お名前は」

「俺かい?俺の名は…」

彼は立ち止まり、顔だけを仁美に向けると、にやけながらこう言った。

「コブラさ!」

仁美「コブラさん…」

少女は体の火照りが何なのかを理解してはいない。

しかし、それはまさしく上条を見つめているときと同質のそれであることは紛れもない事実なのだ。

仁美「また、どこかで…」

乙ぅ!

・・・ところで仁美ちゃん、コブラくんとクラスメイトだよね?

>>312
まぁ正直書き終わってからやっちまったと思いました
反省はしてます後悔はしてません

週末のどこかで書くから落ちないでくれたのむ

とりあえず社畜って嫌だなぁと思いました

【電車内】

「言い訳などさせるべきではない」

「女など所詮道具にすぎない」

ホスト「いやー、本当、女は人間扱いしちゃダメっすね~」

「迂闊に用いると裏切る可能性すらある」

ホスト「まぁ顔殴るぞって脅せば、大概黙りますもんね」

「その程度か?」

ホスト「え?」

「俺ならば、皮を剥いで晒す」

ホスト「け、結構エグいこと言いますね…。あんまりやり過ぎると仕返しとか怖そう…」

「心配ない。俺の身体は特殊偏光ガラスで出来ている」

ホスト「特殊…変態?え?」

さやか「ねぇ、さっきの話だけど」

「ん?」

さやか「女って道具なの?」

さやか「心を込めてやったことも認めてくれないの?」

さやか「命がけでやったことにも応えてくれないの?」

さやか「ねぇ、教えてよ。でないとあたし…」

さやかのソウルジェムからどす黒い何かが溢れ出てくる。

それはさやかの身体を伝うように全身を蝕みはじめた。

「口の聞き方を知らんようだな」

男は立ち上がった。

こちらを向いた顔が街灯で照らされる。

しかし、そこにはおよそ、人の顔と呼べるものは無かった。

さやか「!?」

さやかは驚きのあまり後退りし、口に手を当てた。

金色の顔面に緑色の眼球。

「驚いたか。失礼なヤツだ」

ホスト「そうだそうだ!この人はなぁ、見滝原市No.1ホスト…」

男は、上着を脱ぎ捨てた。

透き通る身体は、逞しい金の骨格を讃えている。

さやか「な、なんなのこいつ」

ホスト「その名も『水瀬晶(みずせしょう)』さん!通称『クリスタルボーイ』さんだ!」

さやか「わ、訳がわからないけど、ヤバイことは分かる…」

さやかは男の右手を見た。

二股の巨大な鈎づめは鋭利に輝いている。

「時に貴様」

反応が一瞬遅れた。

さやかは魔法少女に変身する間もなく、先ほどの鈎づめに捕らえられた。

さやか「がはっ、ぐぅぅ」

「左手が銃の男を知らないか」

さやか「ひ、左手…?」

クリボー「そうだ。ついでに言えば金髪のマッチョで背丈は貴様の2倍弱位の男だ」

知っている。

間違いなく心当たりはある。

大事なものを奪ったアイツ。

到底許せぬアイツを。

さやか「…」

クリボー「む、心当たりがありそうだな」

クリボー「わざわざホストなどに身を堕として、ヤツの好きな女の話を聞いて回った甲斐があった」

さやか「うん…知ってるよ」

クリボー「ほう、ヤツは、コブラはどこにいる」

さやかは恭介の顔を想像した。

もはや手に入らないその笑顔も、やはり愛しい。

そして、それがコブラの不幸により壊されることは遺憾であった。

さやか「そこまでは言わない」

クリボー「ほう…」

さやか「だって、あたしの大事な恭介の大事な人だもん」

さやかは、自分の発した言葉に涙した。

思うまいとする言葉を口にした。

その事実が少女を深く深く傷つけた。

クリボー「ならば貴様に利用価値などない」

さやか(あぁ、まさか魔女じゃなくて、こんなワケの分かんないやつに殺されちゃうんだ)

さやか(これも魔法少女の運命なのかな)

さやか(教えてよ…コブラ)



「待ちな」



暗がりに人影が見える。

クリボー「やはり来たか」

「その子はすでに俺がデートの予約ズミでね」

さやか「コブラ…」

またも目から大粒の涙がこぼれた。

しかし、これは、多分嬉しいんだと少女は思った。

クリボー「女のピンチならすぐに来ると思っていた」

コブラ「そういうことするからおたくはモテないんだぜ」

クリボー「減らず口を…」

さやか「コブラ…」

コブラ「よう、探したぜ。クリスタルボーイよ、男の勝負がしたいんだろう?離せよ」

クリボー「ふん」

さやかは解き放たれるやいなや、コブラに駆け寄った。

さやか「ごめん!あたし、あんたにたくさん酷いことしたのに…」

コブラ「よせよ、過ぎたことは気にすると身体に毒だぜ」

逞しい身体が優しくさやかを抱きよせる。

さやか「本当に…ごめん」

赤いタイツに涙の染みが広がる。

コブラ「なぁに、いいってことよ」

クリボー「再会の挨拶は済んだか」

コブラ「ああ、これが終わったら続きをするさ」

クリボー「残念ながら貴様はここで死ぬ。この列車の終着駅は地獄だ」

コブラはさやかを2、3度 撫でると、クリスタルボーイを見据えた。

コブラ「もちろん、降りるのはお前だけだがな!」

さやか「あぶない!」

仕掛けたのはクリスタルボーイであった。

伸びた右腕の鈎づめがコブラに真っ直ぐ飛ぶ。

コブラ「見え透いてるんだよ!」

さやかを抱き抱えたままコブラは伏せた。

ゴガァン!!

大きな破壊音。

隣の車両まで開いた大きな穴が威力を物語っている。

さやか「す、すごい」

クリボー「流石だな」

コブラ「なぁに、長年の仲だ。一晩限りの女より分かりやすい」

クリボー「では、これはどうかな」

クリスタルボーイは右腕勢いよく戻すと、鈎づめをコブラに向けた。

コブラ「また腕を伸ばすわけじゃあるまい」

クリボー「なぁに長年の仲だ。同じ手が通用するとは思っていない」

コブラ「…避けろさやか!」

クリボー「遅い!」

右腕に内蔵されたビームガン。

そこから放たれたのは数発の強大なエネルギーを内包した光弾。

一度だけ使っているのを見たことがあったが…

これの威力はその時の比では無い!

コブラ「くっ!」

床、壁、コブラを追うように弾着する。

コブラ「さ、さすがにヤバイぜ」

穿たれた穴から満月が見える。

車体は繋がっているのが不思議なくらいに破壊されてしまった。

クリボー「起きろコブラ。まともに当たってはいないはずだ」

瓦礫の下からコブラが這いずり出てきた。

コブラ「まったく。オープンカーとは洒落てるじゃないか」

クリボー「気が利いているだろう」

コブラ「ついでに美女とシャンパンを頼もうか」

クリボー「そのサービスは地獄の悪魔に頼むといい」

クリスタルボーイはコブラの首を掴むと、おもむろに持ち上げた。

クリボー「俺ができるサービスなんてこれくらいなものだ」

そのまま床に開いた穴にコブラを押し付けた。

どうやらこのまま落とすつもりらしい。

コブラ「くっ、ぐぉぉ」

クリボー「安心しろ。落ちたくらいでは死なないだろうからな。先に…」

コブラ「なんだ?ママに電話でもさせてくれるのか?」

クリボー「首を切り落としてから、レーザーで身体を穴だらけにしてやる」

コブラ「そのサービスにチップは払えないぜ!」

クリボー「ふっ、貴様の命で釣りがくる。…っ!」

透明な身体は吹き飛ぶと、頭から瓦礫に突っ込んだ。

さやか「大丈夫!?」

コブラ「悪いな」

さやかに斬り飛ばされたクリスタルボーイは、まるで何事も無かったように起き上がった。

さやか「全力で切ったんだけど…」

クリボー「残念だが、その程度ではこの特殊偏光ガラスに傷ひとつつくことはない」

さやか「コブラ、ヤバくない?」

コブラ「…」

珍しく黙るコブラこそ、クリスタルボーイの強さを物語っている。

さやか「サイコガンは…?」

クリボー「それが効かないのはそいつが一番知っているはずだ」

コブラ「ヤツに光線兵器は効かない」

さやか「物理…物理ならいけるのよね?」

コブラ「良くないことを考えてる顔だぜ」

さやか「あたしの剣に魔力をありったけ込めて一点集中させれば…」

コブラ「そのためにヤツの懐に飛び込むのか?自己犠牲は聖書の中だけにしてくれ」

さやか「コブラが助けてくれるんでしょ?」

さやかは不敵な笑みを浮かべた。

そして、剣を突き出すと残りの魔力を込めた。

コブラ「…女の尻は好きだが、他人の尻を拭くのは好きじゃないんだがね」

さやか「はぁ」

さやかは冗談を聞き流すと、クリスタルボーイに向かって走り出した。

袈裟斬り。

逆袈裟。

右薙ぎ。

唐竹割。

クリボー「速いな。しかし、」

傷ひとつついていない。

さやか「くっ」

関節などの可動する部分でさえ、見た目の柔らかさ以上に歯が立たない。

クリボー「いつまでも遊びに付き合うわけにはいかない」

クリスタルボーイはさやかの襟首を左手で掴むと、すかさず持ち上げた。

さやか「う、あ…」

魔力は底を尽きかけている。

クリボー「残念だが、女でも容赦なく殺させてもらう」

さやか「…」

残りの僅かな気力がさやかの身体を突き動かした。

剣の切っ先をクリスタルボーイの左肩にコツンと当てる程度だが。

クリボー「悪足掻きもここまでだな」

コブラ「いいや。まだだぜ!」

クリボー「なに!」

コブラはサイコガンを構えている。

クリボー「サイコガンは効かん!お前では俺を倒せん!」

コブラ「知ってるさ!お前を倒すのは間違いなくさやかだ!」

サイコガンから光線が放たれた。

車内を一直線に通過する光。

それはさやかの剣の柄頭を直撃すると激しい閃光を辺りに散りばめた。

痛烈な閃光とともに、割れるような破壊音が車内に響いた。

コブラ「女を大事にしないからそういうことになるんだぜ」

立ち尽くすクリスタルボーイの左上半身は粉々に砕けていた。

足元には、さやかが息も絶え絶えに伏している。

クリボー「なるほど、剣をサイコガンで撃ち出したか」

コブラ「どうする?続けるかい?」

クリボー「俺がやめると思うか」

コブラ「思わんね」

クリボー「貴様一人ならこの右腕で十分だ!」

クリスタルボーイは飛ぶようにコブラに接近すると鈎づめを振り回した。

コブラはそれをすんでの所で避けた。

そして、力一杯、拳を透明な腹部に打ち立てた。

コブラ「うぉぉ!」

クリボー「むっ!」

失われた左上半身から全身にヒビが走る。

そして、音を立てて崩壊が始まった。

クリボー「な、なんだと!この完璧な身体が…!うぉぉ!」

呆気ないほど一瞬で、クリスタルボーイはその場に粉々に崩れ去った。

コブラは形の残った鈎づめを車外に蹴飛ばした。

コブラ「な、降りるのはお前だっただろ」

鉤爪(かぎづめ)とはこう書く
おつ

>>349
あら恥ずかしい
忠告ありがとうございます

普段の生活で間違えないように気を付けるわ

【駅】

暖かい。

身体の痛みが抜けていく。

混濁した意識が晴れていく。

「よう、気がついたかい」

徐々に開けてくる視界には厚い胸板が映った。

さやか「…?」

おかしい。

確かに、魔力を使い果たしたはず。

真っ黒なソウルジェムの中で、穢れが自我を覆い尽くすのを感じたはずだ。

それは「死」であり、「生誕」であると直感で感じたはず。

さやか「生きてるの?」

コブラ「さぁな、天国かもしれん。なにせイケメンに抱かれてるんだ」

さやか「地獄じゃん…」

コブラ「酷いな」

さやかは視線を床に落とした。

グリーフシードが10個ほど転がっている。

さやか「…ありがとう」

コブラ「その笑顔でお釣りがくるさ」

さやかはコブラの胸板に顔を埋めると、聞こえないようにそっと呟いた。

さやか「恭介が好きになっちゃうのもしょうがないかもね…。あたしだってこんなことされたら…」

コブラ「えっ?」

さやか「何でもない!」

少女は、はねのけるように飛び上がると笑顔でそう応えた。

先ほど合流した杏子は不満そうに口を尖らせた。

杏子「なんだ、結局このゴリラに助けられたのか」

さやか「まぁね」

キュウべえ「さすがだね。まるで奇跡だ」

コブラ「奇跡を起こすのは得意なんでね」

コブラは葉巻に火を灯した。

まどか「ほんとに、ほんとに良かった…!!」

まどかは先程からさやかに抱きついたまま離れない。

キュウべえ「それだけのグリーフシード。よく見つけたね」

コブラ「モテるんだ」

キュウべえ「どうやらそのようだね」

コブラ「なんだ、らしくない「返し」だな」

キュウべえ「魔女を引き寄せてる。でなきゃこんなに魔女と会わない」

コブラ「何が言いたい。悪口か?」

キュウべえ「トラブルメーカーなんだよ。君は」

コブラ「なんだ、誉めるなよ」

【番外編・ホストクラブ】

女「クリちゃんいる~」

担当「はい、クリちゃんご指名で~す」

ホスト一同「ありがとうございまぁ~す!」

あからさまに羽振りのいい女は、案内を無視すると飛び跳ねるように奥の座席に向かって行った。

「よく来たな」

女「もー毎週金曜はクリちゃんの日だもん~!」

ホストA「めぐみさん俺は?」

女「あんたはオマケ」

ホストA「冷てぇー!」

クリボー「なにを飲むんだ?」

女「ワイン!」

クリボー「は?」

女「ウッソー!寅さん(トラディション約130万円)入れちゃう!」

クリボー「はい!寅さんオーダー貰いましたぁ!」

ホスト一同「ホントにホントにありがとぅ~す!」

担当「クリボーさんのコール入りまぁす!」

クリボー「今日も来ました!」

ホスト一同「ハイハイ!」

クリボー「またまた来ました!」

ホスト一同「ナニナニ!?」

クリボー「素敵な!」

ホスト一同「ステキナ!」

クリボー「姫様~からの贈り物!」

ホスト一同「トラトラトラ~のトラディション!」

クリボー「そしたら行くよ!魂込めて!」

ホスト一同「一世一代寅さんコール!」

クリボー「こんな透けてる私の身体!」

女「クリちゃんいいぞー!」

クリボー「あなたのお酒で隅の隅まで!」

ホスト「透けてすーけて!奥の奥まで!」

クリボー「愛でまみれて満たされていきます!」

ホスト「ハイハイ!ハハハイ!ハイハイハイハイ!」

クリボー「一生一生みんなでみんなで!」

ホスト「金が尽きるまで!」

クリボー「愛させて!頂きます!」

ホスト「イェイ!」

歌い終わると、クリスタルボーイは2つのグラスになみなみと酒をついだ。

そして、女の耳元で囁いた。

クリボー「終電までには帰るんだな。でないと…」

女「バカ…。帰る先なんて決まってるわ…」

座席に落ち着いたクリスタルボーイは、ヘルプに来た新人に酒を継がせた。

クリボー「今日はあまり飲んでいないようだが」

女「クリちゃんが言ってた…、コブラって男のことなんだけど」

クリボー「なにか分かったか?」

女「やはり見滝原にいるわ。詳細は社の連中に調べさせてる」

クリボー「ほう、よくやった」

女「ご褒美のキスもしてくれないのね」

クリボー「客に媚びるつもりはない」

女「そんな風に冷たいクリちゃんも好き…」

クリボー「やはり酒が足りないようだな」

クリスタルボーイは空になったグラスを取ると、鈎爪で器用にボトルを持ち上げた。

そして、なみなみとグラスに酒をついだ。

女「なーに持ってんの!なーに持って!」

ホスト一同「飲みたいかーら持ってんの!」

クリボー「な、ぬかった…」

女「帰ったらまだ一緒に飲むんだし…いいでしょ?」

クリボー「…」

ホスト一同「のーんでのんでのーんでのんでのんで!のーんでのんで」

クリスタルボーイは一気にグラスを空けるとグラスを高く掲げた。

女「クリちゃんかっこいー!」

見滝原の夜は深い。

ネオンの灯りは闇の帳に足をとられた者の道標なのかもしれない。

【番外編…完】

三連休で書きまする

よっしゃまだアディショナルタイムだな

第10話

【学校】

かずこ「じゃあ自己紹介してもらえるかしら」

ほむら「暁美ほむらです」

かずこ「はい!拍手ー!そこの空いてる席に座ってもらえるかしら」

ほむら「はい」

幾度と繰り返して来た光景。

代わり映えのないその会話は、まるでテープを再生するかのようにも聞こえる。

しかし、今回はノイズがはいったようだ。

かずこ「実は転校生はもう1人います」

ほむら「え?」

かずこの案内に導かれて来たのは小柄な少年だった。

かずこ「自己紹介してもらえるかしら?」

少年「メンドクセェ…」

かずこ「な、なんですと…?」

少年「名前は範馬刃牙。とりあえずよろしく」

少年は教室を見渡すと一言呟いた。

刃牙「親の都合で1ヶ月ばかりこの学校に世話になるよ」

ほむら(どこにでもいるありふれた不良少年ってとこかしら…)

【休み時間】

ほむら「鹿目さん、保健室に連れてってもらえるかしら」

まどか「あ、うん。わ、分かった!」

刃牙「俺も案内してもらっていいかな」

まどか「え、う、うん、いいよ…」

まどかの顔から恐怖が滲み出ている。

久しく見ないステレオタイプな不良少年への対応が分からないのだ。

それでも明るく努めようとするまどかの優しさに気付いたのか、刃牙は優しげに笑顔を見せた。

刃牙「いや、あはは。ちょっと肘を擦りむいちゃってさ」

まどか「あ、そうなんだ!じゃあ、早く行こう」

【廊下】

ほむら「確かこっちよね」

まどか「えっ?詳しいね」

ほむら「…」

まどか「あのさ…名前、カッコいいよね」

ほむら(きたわね。またいつものパターン)

まどか「刃牙くん」

刃牙「はじめて言われたよ」

ほむら(…)

ほむら(そっちかよ!!!)

まどか「やっぱりね。怖いけど強そうだよね」

コブラ「へぇ、見る目あるねぇ。ケンカには自信があるぜ」

ほむら(うるさい黙れ)

あ、間違えた
コブラ→刃牙

あ、ごめんなさい本人です

過去回想の一部で別のクロスやろうと思ったけど、余計そうならやめます

あ、もう4レスくらいでささっと終わらそうと思ってました

いやいや、貴重な意見で本当に嬉しい
他の人の視点を得られるのは偉大だと思います
そんで本当に遅筆で申し訳ない
案外暇がない

あーなるほど
いきなり始まるのもオツかなと思ったけどダメぽい

26日の夜に書きますね

………………



まどか「刃牙くん!逃げて!」

小悪魔の凶刃が刃牙を貫いた。

かのように見えた…ッッ!!

ほむら「なっ…」

刃牙「遅いネェ…」

まどか「し、白羽取り…!?」

刃牙「暴力ってのはさ。こうやるんだぜッッ!」

掌底が小悪魔の顎に炸裂。

脳を揺さぶられた小悪魔はその場で悶絶している。

キュウべぇ「顎への的確な打撃…。ヤるねぇ」

刃牙「セッ!」

水月に止めのつま先が刺さる。

小悪魔「ーッ!」

キュウべぇ「徹底的だね…。君こそ魔法少女にふさわしいよ」




………………………

…………………


マミ「あっ…」

お菓子の魔女は口を広げて、マミに、襲いかかった。

「油断ハヨクナイ」

お菓子の魔女「!?」

噛みついた感触は間違いなく乙女の柔肌ではなかった。

例えるならそれは、「鋼鉄」ッッ!!

違和感はそれで終わらない。

「柔ラカイナ…。マルデ弾力ガナイ」

眼前に立つ男性の口から吐き出されたのは、間違いなく魔女の一部だった。

マミ「ジャックさん!」

キュウべぇ「バイティングだね…。歯は人体で最も鋭利で凶悪な凶器だ」

さやか「く、詳しいね」

ジャック・ハンマー「サァ魔法ノ時間ダ」

ジャックは小瓶から異常な量の薬物を摂取した。

顔色がみるみる代わり、筋肉が隆起していく。

キュウべぇ「彼も魔法少女だったんだね」

さやか「いや、違う。絶対違う」

………………………




芸術家の魔女「…」

使い魔が二人の男性を取り囲んでいる。

まどか「二人とも逃げて!!」

「言われてますよ、お養父さん」

「バァーカ言ってんじゃねぇ、克巳よ」

マミ「普通の人じゃ使い魔は倒せないわ」

克巳「ですって」

独歩「俺は善良な一般市民だぜ?」

使い魔の一匹が独歩に襲いかかった。

独歩はそれを穏やかな開き身でかわした。

そして、水月、人中に打突を与えたのちに指が埋まるほど深く目を突いた。

使い魔「ギャ、ギャァァ!!」

克巳「善良な一般市民ね…」ククッ

独歩「おい、なに笑ってんだ」

克巳「いやぁ、善良な市民の鑑ですよ。でも、僕の方がもっとね…」

克巳の背後から使い魔が飛びかかった。

克巳は華麗な転身で身を翻した。そして

パン!

乾いた破裂音。

使い魔の腹部は克巳の正拳が貫いている。

克巳「もっと善良な市民ですよ。「一般的な」ね」

独歩「よく言うぜオメェ」

克巳「どうです?こんな雑魚よりあの凱旋門もどきわ壊しに行きません?」

独歩「おいおい…」ニンマリ

克巳「ダメですか?」

独歩「そんな楽しそうなことやらないわけネェだろうよ」


まどか「ま、マミさん。私たち多分いらない…」

マミ「そ、そうね」


……………………

……………………


委員長の魔女「~ッ!!」

本部「一教だな。肘が決まった」

委員長の魔女「ガァ!」

本部「小手を取られたな。無駄な動きが仇を為したな」

委員長の魔女が宙を回転する。

本部「天地返し。自身の力で回転力は上乗せされる」

そして、そのまま地面に突き落とされた。

本部「破魔崩しだ。あれでは立てはしまい」

一人の老人が魔女の亡骸からひょっこり立ち上がった。

本部「お見事です。渋川先生」

渋川「なぁに、あんなしょんべん臭いのに負けるかよ」

キュウべぇ「合気だね、相当な達人とお見受けするけど」

渋川「お、話の分かるネコじゃねぇか」

キュウべぇ「僕と契約して魔法少女になってよ」

渋川「…なっちゃおっかな」

本部「先生…」


…………………

……………………

杏子「チキンウィングアームロックッッ!!」

銀の魔女「ぐわぁぁぁ!」

銀の魔女はすかさずはねのける。

しかし、それに呼応するように腹部へタックルがぶつかる。

そして、そのまま魔女は持ち上げられた。

杏子「バックブリーカー!?いや、これはッッッッ!」

魔女の膝と顎が完璧にホールドされる。

脇腹と腰に激痛がはしる。

杏子「アルゼンチンバックブリーカーだァァ!!」

銀の魔女「~~~~~~ッッ!!!!」

杏子「魔女、すかさずタップ!」

カンカンカン!!

杏子「ここでゴング!決まったぁぁ!!」

杏子「鮮やかにして残酷!シンプルにして強力!」

杏子「イ・ガ・リ!イ・ガ・リ!イ・ガ・リ!」

猪狩「シャァ!」



……………………

…………………


キュウべぇ「僕と契約して魔法少女になってよ!」

烈「断る!」

キュウべぇ「なんでさ」

烈「貴様らの言う「魔法少女」なるものは中国拳法、こと少林寺においては200年前に通過しているッッ!!!!」

キュウべぇ「―!!?」

烈「遡ること清王朝末期、フリルの着いた民族衣装を纏った少女に魔導を習わしたことに起因する」

烈「それを見た光緒帝が「良見時々魔法少女的制服」と言ったのはあまりにも有名だ」

キュウべぇ「どういう意味だい?」

烈「魔法少女は見飽きたという意味だ…」

キュウべぇ「そ、そんなじゃあ日本の萌え文化は…」

烈「戦後70年でそこまでたどり着いたことは評価しよう。しかし…ッッ」

烈「もはや時代遅れの萌え文化なのだッッ!!!!」

キュウべぇ「~~~ッッ!!!!」


………………………

……………………


ほむら「く、やはりワルプルギスの夜には勝てないの…?」

「脆弱だ」

キュウべぇ「勇次郎…」

勇次郎「戦略において、最早禁じ手とも言うべき時間停止能力」

勇次郎「それをもってしても倒せないとは」

勇次郎「脆弱と言う他無い」

ほむら「う、うるさい!」

勇次郎「所詮、魔法など子供だまし。力なき幼子が使うオモチャだ」

勇次郎「現に見ろ。貴様のこの綺麗な手を」

ほむら「…ッ!」

勇次郎「直接的接触など知らぬ、玉のような肌」

勇次郎「貴様、こんな手で…」

ほむら「…」

勇次郎「こんな手で人が殺せると思ったかッッ!!!!愚か者がッッ!!!!」

ほむら「~~~ッッ!!!!」


………………………

…………………


ワルプルギスの夜から、赤い焔が吐き出された。

勇次郎「…」

勇次郎はそれを無抵抗で受け止めると、後方のビルに叩きつけられた。

勇次郎「摂氏800℃と言うところか…」

勇次郎「並みの皮膚ならば火傷どころではすまんな」

勇次郎「しかし…効かねぇ」

ほむら「あ、圧倒的タフネス…」

勇次郎「貴様らの言う魔法など所詮この程度と言うことだ!」

勇次郎「力を得ることを怠りッ!妥協しッッ!!あげく否定しッッッ!!」

勇次郎「追い求めたまさに「非力」の象徴ッッ!!それが「魔法」ッッ!!!」

勇次郎「勝てる訳もねぇ」

勇次郎はワルプルギスの夜に近づくと、静かに手を広げた。

勇次郎「見せてやろうッッ!!!!貴様ら落伍者が憧れた肉体による究極の破壊をッッ!!」

体がゆっくり捻れていく。

拳はまるで絹糸を織るように厳かに握られていく。

蓄積されたパワー。

しかし、ほむらの目を惹いたのは…


ほむら「お、鬼の顔…ッッ!!!」

……………………


当時のことを暁美ほむらはこう語る。

ほむら「ええ、あのワルプルギスがね、吹き飛んだんですよ」

ほむら「はい、何倍も体格差のある魔女をですよ。はい、殴って…」

ほむら「すごい衝撃でしたよ。ほら、あのビル倒れてるでしょ。あれがぶつかったビル」

ほむら「ショック…でしたね。だってRPG食らってもびくともしないんですよ」

ほむら「そんなのを…人が殴って吹っ飛ばすなんて考えられます?」

ほむら「あ、ちょっとタバコ吸っていいですか…?」

ほむら「ふぅ」

ほむら「…」

ほむら「怖くはなかったですよ。ただ、なんて言うのかなぁ憧れ?とか恐怖を全部混ぜたような…」

ほむら「あ、そうそうそれです。イフ!…「畏怖」ってはじめて感じたなぁ…」




……………………

コブラくんの方はクリボー倒したから、もうイベントが無くなってしまったのか・・・

…………………

キュウべぇ「まさか1人で倒したあげく、穢れまで飲み込むとは…」

キュウべぇ「圧倒的だね」

キュウべぇ「まさにハッピーエンドだ」

ほむら「ハッピーエンド…」

ほむら「そうね、食あたりしそうなレベルのね」

キュウべぇ「納得してないのかい?」

ほむら「どんなハッピーエンドでもまどかが魔法少女になった時点でNOよ」

キュウべぇ「手厳しいね。でも、まるで君の言い様は…」

ほむら「…」

キュウべぇ「やり直せるような言い方じゃないか」

ほむら「ええ、そうよ。御名答」

キュウべぇ「さよならかな」


ほむら「そうね。また『会いましょう』」

キュウべぇ「ああ、いい加減諦められるといいね」

ほむら「次は空手でも試してみるわ」

キュウべぇ「そうかい」


ほむらの盾が展開する。

目映い光がほむらを包むと、そこにほむらの姿はなかった




……………………


回想は終わる。

>>423

申し訳ありません
息抜きがてら回想書いたら自分で面白くなって調子に乗ってしまいました

ここからコブラです

今週中(日曜日含む)に終わらせます

第11話

【とあるバー】

キュウべぇ「時間遡行者、暁美ほむら」

ほむら「…」

バーテンがほむらの目の前にグラスを差し出した。

キュウべぇ「なるほど、合点がいったよ。君のことを知らなかったのも頷ける」

ほむら「…」

ほむらはグラスに満たされた白濁した液体を少量だけ口に含み、飲み込んだ。

キュウべぇ「そして、どうやら何度も繰り返してるようだね。それこそ、10や20できかないぐらいの数を」

ほむら「…」

ほむらは小さくため息をつくと、キュウべぇを小さく睨み付けた。

キュウべぇ「鹿目まどかの高い資質も君が原因だろう?」

ほむら「それは…っ」

二の句が継げない。

キュウべぇ「君が時間を超える度に彼女、そして、様々な関係物の因果が強くなる」

キュウべぇ「それは同時に魔法少女としての因子をも深く強くするようだ」

ほむらはグラスを不機嫌そうに傾ける。

すると、氷が音をたてて回転した。

キュウべぇ「それだけですむなら話が早い。しかしね」

キュウべぇの前にもグラスが置かれた。

キュウべぇ「どうやら螺旋状に絡んだ因果がまるでブラックホールのように他の因果を吸い寄せる」

ほむら「…!」

キュウべぇはグラスに満たされた白濁した液体を少量舐めた。

キュウべぇ「経験があるんじゃないかな?まるでコミックヒーローみたいな連中に乱入されたことが」

ほむら「…あるわ」

キュウべぇ「だろうね」

キュウべぇ「君が繰り返せば繰り返すほど、鹿目まどかは強くなるよ」

キュウべぇ「それだけじゃない」

キュウべぇ「より強い因果も引き寄せることになる」

キュウべぇ「例えば、もうわかっていると思うけど…」

「内緒話かい?混ぜてもらおうか」

キュウべぇ「噂をすれば、だ」

ほむら「コブラ…」

コブラ「バーテンよ。コイツらと同じものを頼むぜ」

バーテン「かしこまりました」

コブラ「少しライムを垂らしてな」

コブラ「で、なんだい?恋のお悩みかい?俺は専門家だぜ」

ほむら「失敗するほうのかしら?」

コブラ「失礼なやつだな。そのとおりだよ」

キュウべぇ「年中発情期だ。相当敗けが込んでるんじゃないかな」

コブラ「本当に失礼なやつらだな」

ほむら「でも、あなたに助けられるかしら」

コブラ「誰を?」

ほむら「あなたの回りにいる娘達よ」

コブラ「さぁどうだろうな。関わった女は大概死んでる」

ほむら「笑えないジョークね」

コブラ「ジョークなもんか。隣で最後まで寝れたやつなんてアーマロイドくらいなもんさ」

ほむら「セクハラも込み、最低だわ」

キュウべぇ「やれやれ、僕はもうおいとまするよ」

ほむら「私も帰らせて貰うわ」

コブラ「なんだ、連れないな。アルコールには女が付き物だが」

コブラはバーテンが差し出したグラスを受けとると、すぐさま喉に流し込んだ。

コブラ「~!!?」

コブラ「ミルクじゃねぇか!」

ほむら「未成年だもの。当たり前でしょ」

【まどか宅】

アナウンサー『モノレール爆破事件の続報です…』

アナウンサー『先日の爆破事件を受け、見滝原署に捜査室が設置され、テロの可能性も踏まえた本格的な捜査が開始されました』

アナウンサー『亡くなったとの証言のあった水瀬晶さんに戸籍等が確認されなかったことから』

アナウンサー『指定暴力団との関わりも懸念されています』

アナウンサー『唯一の生存者であるホストクラブ従業員の男性の意識が回復したものの、依然錯乱したままであり…』



まどか「うふふ」

絢子「やべぇ事件だなぁ。…何笑ってるんだ?」

まどか「え?いやぁ平和だなって」

絢子「おいおいこんな事件があったのに…」

まどか「そうなの?でも、みんな仲直りできたからさ~」

絢子「中学生のケンカと比べられてもねぇ」

まどか「うふふ」

…………………


まどか「みんな仲良くできればいいね~」

キュウべぇ「それが君の願いかい?」

まどか「うーん、どうだろ?」

キュウべぇ「今のところ君だけが魔法少女じゃないからねぇ」

キュウべぇ「戦隊モノで言うなら赤、青、黄、黒が揃ってる」

キュウべぇ「君のピンクが必要なんじゃないかなぁ」

ほむら「変な誘惑しないで貰えるかしら」

キュウべぇ「おっと、見付かっちゃったね」

ほむら「『今回』は魔法少女に成る必要なんて無いわ」

キュウべぇ「その言い方だと、以前まで大分死んでたみたいだね」

ほむら「…」

キュウべぇ「図星かい?まぁ君もこの人数でワルプルギスに負ければ諦めもつくだろう」

ほむら「余計なお世話よ」

キュウべぇ「せいぜい頑張るといいよ」

ほむら「消えなさい」

キュウべぇ「じゃあね鹿目まどか、暁美ほむら」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「まどか、魔法少女になんて絶対になってはダメよ…」

【ほむらの部屋】

まどか「これがワルプルギスの夜?」

浮遊するディスプレイに逆さまの魔女が表示される。

まどか「ずっとここで準備してきたんだね」

ほむら「そうよ」

まどか「1人で倒せないくらい強い魔女なんだよね…」

まどか「でも、みんなで力を合わせれば絶対に勝てるよね」

ほむら「ええ、もちろんよ」

まどか「あのさ…相談なんだけどさ」

ほむら「なに?」

まどか「私も魔法少女になってみんなと戦いたいなぁ…って」

ほむらの表情が険しくなる。

握りしめた拳は血の気を失っていく。

ほむら「なぜあなたは、分かってくれないの…」

まどか「確かに4人で戦えば勝てるかもしれない」

まどか「でも、もしかしたら誰か死んじゃうかもしれないんだよね?」

ほむらは俯いたまま喋らない。

まどか「私はいつもみんなに守ってもらってばっかりで、何もできなくて…」

まどか「そんなのは嫌なの。私もみんなの力になりたい。誰も傷ついて欲しくない」

まどか「それができる力が欲しいの」

ほむら「何度も…」

ほむら「何度も言ってきたわ!前回も、前々回も!あなたを魔法少女にしないために!」

ほむら「やり直してもやり直してもあなたはいつも通り自分を大切にしない!」

ほむら「私の気持ちだけがどんどん先に行って、あなたは変わらない!」

まどか「ほ、ほむらちゃん」

ほむら「絶対に守ってみせるわ。あなたを魔法少女になんてさせない…」

まどか「じゃ、じゃあコブラくんに頼んで宇宙海賊にしてもらえばみんなと戦えるよね…?」

ほむら「そういう問題じゃない!」

まどか「!?」ビクッ

…………………

学者「雷雲がかなり集まってます。異常気象ですよこれは」

学者「緊急避難警報を発令しましょう」

…………………

タツヤ「キャンプいくのー?」

絢子「そうだよ~」

タツヤ「わーい」

まどか「さやかちゃん、杏子ちゃん、マミさん…ほむらちゃん」

【ビルの屋上】

ほむら「来るわ」

杏子「本当に来やがったな」

マミ「とんでもない魔力ね」

さやか「ほ、ほんとに勝てるのかよ~」

ほむら「…絶対に勝つわ」

ほむら「必ず決着をつけてやる…!」

ああぁぁぁ明日書きます

あかん書いてる暇ない…
日を改めます


………………

【市民ホール】

絢子「おい、どこ行くんだ」

まどか「ママ…。私…友達を助けに行かないと」

絢子「そんなものは消防署に任せろ」

まどか「私でなきゃダメなの」

絢子「てめぇだけの命じゃ無いんだ!勝手なことするんじゃねぇ」

まどか「分かってる!!…分かってるの。ママやパパが私のことどれくらい大事にしてくれたか」

絢子「だったら…!」

まどか「でも、それと同じくらい何度も何度も大切にしてくれた人がいるの」

まどか「何度も何度も繰り返して私を守ろうとしてくれた人が…」

絢子「お前じゃなきゃダメなんだな。じゃあ私もつれていけ」

まどか「ダメなの!私以外にできないの!」

絢子「…ヘマしねぇな?騙されてる訳じゃないな?」

まどか「うん」

絢子「でも、お前1人で…」

「話は聞かせて貰ったぜ」

絢子が振り替えると、そこには金髪の大柄な外人が立っていた。

絢子「は?…へ?」

「俺にまかせな。保護者というにはちょっと危険な男だがね」

絢子「誰…?」

まどか「コブラくん…」

絢子「知り合い!?」

………………

【市街】

魔弾が空を縫うように飛ぶ。

時折、刄閃が瞬く。

マミ「暁美さん!」

ほむらは合図に呼応すると、時間を止めた。

空間が停止する。

さやか「き、切っても切ってもキリがないよ!」

杏子「諦めるんじゃねぇ!」

魔法少女たちの足にはマミのリボンが結びつけられている。

停止した時間は「共有」されていた。

ほむら「退いて!」

あらかじめ用意されていた迫撃砲が堰を切るように砲煙をあげた。

打ち上げられた放物線は導かれるように魔女へ跳び、宙空で時間を失った。

ほむら「くらいなさい…!」

動き出した時間が魔弾を突き動かす。

弾着の噴煙が魔女を包んだ。

ワルプルギス「イャァァア!!アハハハ!」

さやか「効いてない…っ!」

杏子「化け物かよ…」


杏子「聞いてたよりもずっと強ぇーじゃんよ!」

ほむらはきゅうべぇの話を思い返した。

纏められた因果。

ならば、ワルプルギスが「前回」より強くなることも例外では無いのだ。

ほむら「誤算だわ」

4人がかりでも傷ひとつつかない存在にまで昇華している可能性は十分考えられた。

ほむら「だからと言って…」

ほむらは対戦車ロケット筒を担いだ。

諦めると言う選択肢はだいぶ前の今頃に捨てていた。

ほむら「やられるわけにはいかない」

マミ「当然ね」

さやか「当たり前っしょ」

杏子「負ける趣味はないっつーの」

決心は固まった。

しかし、

杏子「って、おい…」

ほむら「な…」

所詮は意思でしかない。

圧倒的超質量のビルが宙に浮く。

ワルプルギス「キャハハハハ」

…………

気が付くと、周囲は瓦礫の山だった。

ほむら「……くっ」

差は歴然であった。

4人の魔法少女という切り札をもってしても敵わない。

ほむら「みんなは…?」

杏子「ここだぜ…」

杏子の肩から止めどなく血が流れる。

杏子「ニセモンの身体でも痛いもんはやっぱ痛いんだな」

ほむら「他の二人は?」

杏子「マミはあっちで気を失ってる。さやかは意識はあるけど、もう身体を直すだけの魔力が残ってない」

ほむら「絶望的ね」

そのとき、大きな魔力の反応がほむらたちを揺さぶった。

杏子「…見つかった!」

また、ダメだった。

しかし、落ち着いてはいた。

どうせ、また同じ日常を繰り返すだけの話だ。

どうしてこうも諦めることばかり上手くなってしまったのだろうか。

自問自答は空を切った。

瓦礫の隙間から浮かび上がる橋が見える。

ほむら「壮観ね」

杏子「いってる場合か!」

どうやらここまでのようだ。

毎度恒例の後悔と怒りがほむらの瞼を熱くする。

ほむら「1度くらい…」

頬を一筋の涙が伝う。

ほむら「私の願いを叶えてよ」

十分な高さまで浮いた悪意はほむらたちに向いた。

絶望するにはいい高さだ。

ほむらは目を瞑って、盾に触れた。

そのとき、


「まかせな!ご注文の流れ星だぜ!」


一筋の光が橋を弾き飛ばした。

杏子「な、なんだ!?」

ああ、そうだ。

おせっかいなのが今回はシナリオに組み込まれてた。

そう、あれは




ほむら「あれは、紛れもなくヤツだわ」

こんしゅうかきます

明日休み頂いてたから曜日感覚間違えてましたw
今日は日曜なんですな

すみません勘違いしました
酒入れてしまったんで、明日かきます

光線は浮かび上がった橋に2、3個の赤い穴を開けた。

それは暫くすると轟音を上げて爆発した。

ワルプルギス「!?」

ワルプルギスの夜は理解できない。

四散し、地面に落ちる橋の残骸も

爆炎に浮かぶシルエットの存在も

コブラ「若い娘に嫉妬かい」

ワルプルギス「キャハハハハ!」

コブラ「やぁひどいな」

ほむら「…来なくても良かったのに」

そう言いつつも、ほむらの顔は笑顔で綻んだ。

コブラ「若い娘が集まるパーティーがあるって聞いてきたんだが…ここかい?」

ほむら「そうよ」

ほむらは立ち上がると、ワルプルギスを見据えた。

ほむら「生憎、シャンパンは無いけど」

空には無数の鉄骨が浮かび上がっている。

杏子「な、なんだよあれ」

コブラ「天気予報は…」

ほむら「今日は雨よ」

鉄骨が降り注ぐ。

まるで、豪雨だ。

コブラ「予報通りだ!傘を持ってくれば良かったぜ!」

ほむら「…っ!」

避けるだけで精一杯だ。

ふと、他の魔法少女の事が頭をよぎる。

杏子は大丈夫だろうが、他の二人は…。

コブラ「安心しな!ここにいる!」

男の小脇には二人の少女が項垂れている。

ほむら「さすがね」

コブラ「パーティーは女の子と踊るもんさ」

鉄骨が荒々しく突き刺さるアスファルト。

砂ぼこりは雨と風ですぐさま収まりを見せた。

コブラ「催し物にしちゃハデ過ぎないか」

ほむら「主役に言って欲しいわね」

ワルプルギスの夜は直も奇声をあげている。

まるでコブラの来襲を喜んでいるようだ。

マミ「ん…」

さやか「…え?あれ?」

コブラ「やぁお目覚めかい?」

マミ「こ、コブラ!」

さやか「なんでここに」

コブラ「招待状を貰ってね」

ほむら「…キュウべえ」

キュウべえ「そんなに睨まないで貰えるかな」

キュウべえは隠れていたまどかと共に這い出てきた。

キュウべえ「まぁ大方の予想通り大敗北だね。コブラを呼んだのは大正解だろう?」

ほむらは一瞬怒ったような顔を見せた。が、溜め息を着くと真顔に戻った。

ほむら「そうね。助かったわ」

キュウべえ「で、どうするんだい?コブラ」

コブラ「…」

コブラはワルプルギスを眺めた。

コブラ「ありゃバリアの類いか?」

キュウべえ「そう、それもうんと強力なヤツさ」

まどか「…どうするの?」

コブラ「ああいうのは中から壊すのがオツなのさ」

杏子「それが出来れば苦労しねーって」

コブラ「アテがあるのさ」

コブラは通信端末を取り出した。

コブラ「……やぁレディ。久しぶり。いや、悪かったって…」

通話口から怒号が聞こえる。どうやら若い女性のようだ。

コブラ「あぁそうだ。頼むぜ。すぐだ」

コブラは溜め息を着くと通信端末をしまった。

ほむら「…どうなの?」

コブラ「ああ、すぐに来るぜ」

さやか「何が?」

コブラ「タートル号さ!」

「それ」は異常な速さで飛来し、異常な早さで制止した。

まさに「ピタリ」という表現が確実なほどに。

コブラ「定刻通りだ」

『何ヵ月も帰らないと思ったら、若い子に囲まれて…、随分いい趣味になったじゃない!コブラ!』

コブラ「レディ…彼女らだって立派な「レディ」なんだぜ」

宇宙船から拡声器を通じて聞こえる女性の声は美しさと怒気を含んでいた。

マミ「あの方は…?」

さやか「もしかして…彼女?」

コブラ「秘密さ」

少女らは納得したような、しないような顔を見せた。

レディ『あの大きな彼女は?』

ワルプルギスはこちらに意を介する事なく破壊を繰り広げている。

コブラ「口説いてる最中さ」

『じゃあ私は彼女にシールドを最大出力で発生させたタートル号をぶつければ良いのね』

コブラ「スーパーブラスターも頼むぜ!」

レディ『了解よ!』

タートル号の周囲にエネルギーが発生する。

キュウべえ「素晴らしいエネルギーだ。いい値段するんじゃないかな?」

コブラ「戦艦が買えるぜ」

キュウべえ「そうかい。まぁワルプルギスの夜にぶつかれば無事で済まないだろうけど。保険に入ってることを願うよ」

コブラ「…」

コブラが冷や汗をかいているその横で、少女らは悶々とした表情を浮かべた。

マミ「…」

さやか「…」

まどか「…」

それは、幼い彼女らが知ってか知らずか、初めて抱く嫉妬の情念であった。

ほむら「…まどか」

彼女もまた、湧き出る嫉妬を胸に感じていた。


とたんに大きな衝突音。

目を向けると、タートル号はその機体をワルプルギスの夜にぶつけていた。

レディ『コブラ!タートル号はもう限界よ!あとは自分で格好つけなさい!』

レディの激励とともに、タートル号はスーパーブラスターを照射する。

バリアが波打ち、轟音を発した。

そして、音をたてて崩れ去る。

コブラ「さすがレディだぜ。美味しいとこを残しといてくれる!」

タートル号が悲鳴にも似た破壊音をあげている。

ほむら「今なら…!」

杏子「ああ、やれるさ!」

さやか「頼むよコブラ!」

コブラは親指を立てると、左手の義手を抜き去った。

レディ『コブラ、忘れてないわね!』

コブラ「ああ、もちろんさ!」

魔法少女たちはそうするのが当たり前であるかのように、コブラに寄り添った。



レディ『サイコガンは、心で撃つのよ!』

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年01月04日 (水) 15:07:04   ID: 3PaxVPzs

なかなか面白い!思わず( ^∀^)

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