モバP「痛くなければ覚えませぬ」 (373)

若干特殊な内容になっておりますのでご注意ください。

尚、本編はシグルイとは一切関係ありません。

目の前には書類、書類、書類の山…。

日中、アイドルの付き添いで現場に出ていたしわ寄せだ。
一日でもこれだけ溜まってしまう。

企画書、稟議書、履歴書、見積書、請求書、企画書、領収書、進捗表、履歴書、企画書…種々様々。
目を通し上司の書類トレーへ、目を通し修正して再出力、目を通して経理へ回覧…。

事務所にただ一人残り、片っ端から書類を千切っては投げ、千切っては投げ(イメージ)。
うおォン俺はまるで人間書類処理機だ、なんてな。

でもまぁノってきた。
このペースなら終電までには余裕で終わるなぁ。
と見通しが立ったので一息つこうかなと気を緩めたのだが…











「おつかれさま。働き者ね、頭が下がるわ」



P「ひぃっ!!??」ドキィッ


その絶妙なタイミングで背後から、それも耳元で声を掛けられ、完全に一人だと思い込んでいたこともあり心臓が止まるかと思うほど驚いた。


「…ずいぶんな反応ね。せっかく一人寂しく労働にいそしむあなたを労いに来たのに」

P「か、奏かぁ。驚かせないでくれよ…」ドキドキ


振り向くとそこには担当アイドルである速水奏が立っていた。
まだ、心臓の鼓動は正常には戻らない。


奏「そんなつもりはなかったのだけれど…。Pさんが集中し過ぎなのよ」

奏「あぁ、でもこんなにたくさんの書類を前にすれば、そうでなければ立ち行かないのかしらね」

奏「ともかく改めて、おつかれさまPさん。いつも私たちのためにありがとう」

P「おつかれさま奏。だけどこれは俺の仕事だから礼には及ばないよ」

奏「ストイックなところは素敵だけれど、感謝は素直に受け取っておくものよ? ふふっ」

奏「頑張ってくれているあなたのためにコーヒー買ってきたの。集中するのは結構だけれど息抜きも必要だと思わない?」


ナイロン袋に入った缶コーヒーを取り出し微笑みながら顔の横で軽く振る奏の仕草はそのままCMにも使えそうなほど絵になっていた。いやしかし缶コーヒーは奏のイメージとは少しズレるか…。
奏はなんとなく瓶だな。瓶となるとコーヒーではなく…


奏「…Pさん、メリハリって言葉知ってる?」

P「あ、すまない…。ちょうど俺も休憩しようかと思っていたところなんだ。コーヒーありがとう」

奏「さ、ソファで休憩しましょ」

ソファに腰を下ろしふと壁掛け時計に目をやるともう23時になろうかというところだった。
23時…。びっくりしたことで思いつくのが遅れたが、高校生であれば夢の中にいるのが推奨されるような時刻だ。


P「奏、こんな時間になぜ事務所に来たんだ? 今日の仕事は21時まででそのあともタクシーで直帰するように伝えていたはずだが?」


向かいではなく隣に座ってきた奏に目を合わせないまま質問する。

奏「だからあなたを労いに来たのよ」


見目麗しいアイドルが労ってくれるなど本来なら望外の喜びと言っても良いのだが、それもやはり時と場合に依る。
それに加えて奏は「要注意人物」なのだ。
ひょっとしたら自意識過剰と言われてしまうかもしれないが。
…ただの自意識過剰であったならどんなに簡単か。


P「感心しないな…。奏はまだ高校生なんだぞ? たしかに仕事で夜遅くまで拘束することはあってそれは本当に申し訳ないと思っているが、それでもだからこそ高校生として最低限の休息を取れるように配慮しているんだ」

P「しかも、こんな時間の事務所に来るなんて。俺しか残っていないような事務所にのこのこやって来るなんて、危機感があまりにも無さすぎるんじゃないか?」

奏「…あなたしかいないからきたのよ」ボソッ

P「ん? なんだ?」


かなり際どい言葉を必死に冷静に聞こえていないふりをした。


奏「…なんでもないわ」

奏「大人びてみせなくちゃいけない仕事ばかりやらせるくせに、こんなときは子供扱いするのね。矛盾してるわ」


それは実に痛いところであるが…


P「矛盾は百も承知だ。ただお前が何かひどい目に遭ったりせず安全でいられることはなによりも大事なんだ」

奏「…今日ここで何が起こったって、私はそれをひどいことだなんて思わないのに」

P「ん? なんだって?」

奏「…っ」キッ


奏の大きな瞳に睨まれると実に迫力がある。
たしかにさっきのは自分でも白々しかったと思うが。


奏「…いいわ。子供らしくわかりやすく言ってあげる」


そして完全に失策だったようだ。まずい奏の目が座っている…。


P「いや、待て奏。いい、わかった、俺が悪かった」

奏「いいえ、待たないわ」

















奏「…好きよPさん」




P「ぁ…」

決定的な言葉に思考がショートする。
強引にでも奏の言葉を遮った方がいいのか、それとも最後まで聞いてうまくごまかした方がいいのかわからない。
そもそも手遅れであるような気がするし、それに最早ごまかせるものでもないかもしれない。


奏「今日この時間にここに来たのはあなたしかいないと分かっていたから。さっき聞こえてたでしょ?」

P「れ、冷静になれ…」

奏「冷静よ? 少なくともPさんよりは」

奏「…もっと言えばあなたに手を出してもらいたくて、あなたと二人きりになれるここに来たわ」

P「っ…」

奏「本当にあなたには感謝してるの。見たこともない素敵な世界を見せてくれて」

P「それは、奏の力だ…」

奏「半分はね。でももう半分はやっぱりPさんのおかげよ。私が一番輝ける仕事を取ってきてくれたり、自分でも知らなかった一面に光を当ててくれたり…。
 たぶん他のプロデューサーでは無理だったと思うわ」

P「……」

奏「それに、あなたは下衆な視線を送って来るクラスメイトやタレントや俳優とは違う。
 あなたはちゃんと私の内面も見てくれている。それとも…ただ私のルックスがあなたの好みではないのかしら?」

P「いやっ、そんな……ことは…ない……」


あまりにも見当違いな奏の考えに咄嗟に本心が顔を出してしまった。まずいまずい完全に奏のペースだ…。


奏「ふふっ。嬉しいわ。本当に…」

奏「きっとあなた以上の男性はいないわ。だからあなたが好き。単純明快でしょ?」

奏「Pさん……あなたの答えを聞きたいわ」


吸い込まれそうなほど美しい瞳をまっすぐ向けられる。
この2つの宝石の前じゃとてもじゃないが嘘はつけそうにない…。


P「か…奏…。俺とお前はプロデューサーとア「Pさん」


俺の言葉を遮るように奏が話し始める。


奏「私は子供らしいから、子供でも納得できるように答えてね? 変なごまかしや単なる先延ばしはきっと理解できないわ」

P「ぐっ……」

奏「本心を聞かせて。本心であればそれがどちらでも私は納得するわ」

奏「あ、そうね……別に言葉でなくてもいいわよ」

P「?」

奏「ん……」


奏が俺の方へ体を向け目を瞑り、キス待ちの構えになった。
このポーズはこれまでにも何度もされてきたがいずれも俺をからかうための冗談めいたものであった。
しかし今回の奏は本気らしい。
主導権を握っているかに見える奏もその実、緊張しているようで頬は見たことがないくらいに朱が差し、唇もかすかに震えている。


……
………
…………無理だ。

どうシミュレートしても奏にキスする結末になってしまう。
だって仕方ないよ、俺だって奏大好きだもん。
嘘つけない、ごまかしダメ、先延ばしダメなんて、もう他にないよ…。
あ!「答えは沈黙」というのは…ダメだろうなぁ。
「沈黙ということはOKということね」ってなるよ絶対。
どうしたらいい!?この緊縛にも似た状況を打破できる妙手ないのかい!?



ずっと奏のキス顔を見つめていたら意思とは関係なくキスしてしまいそうだったので、
どうにか目を逸らしソファ前に置かれたローテーブルに目をやった。テーブルに置かれ
たままになっていたあるものに目が留まる。きっと誰かが食べ切ったあとに捨て忘れた
のだろう。あぁ、懐かしいなぁ。子供の頃、コレをアレしたらすげー笑えたなぁ……。
あ、やるか…? やってみるか? 奏に? 絶対奏はやったことないだろ。こんなこと
したらもう今日のことなんてぶっとんでしまうんじゃないか? 奏ももしかしたら考え
直してくれるかも。もっとも俺の首もぶっとんでしまうかもしれないが…。いや、それ
は確かに嫌だが今はもうこの思いつきを奏にやってみたくてたまらなくなっている。
…奏怒るだろうなぁ。でもコレをアレされた奏がどんな感じになるのか興味あるなぁ。
いや、あくまで交渉材料としてね?

そうして俺はテーブルの上に無造作に投げ出されていた赤色のソレ、通称みかんネットにひそかに手を伸ばした。

そして入れ口を十分に広げ振りかぶり……






ず ぽ っ !

奏「ふぇ!?」







奏の美しい顔に一気に被せてしまった。









奏「へっ!? はっ…!?」フゴフゴ

圧迫祭り絶賛開催中……っ!








あわわわわ…。

P「ごくり…」

奏「Pひゃ、ん…な、にをひ、たの…? 目が…開けられなひわ……」

奏「こへ…スツォッキング…? いえ、網たひつ…? なに…これ…どこから…? 何なの…?」


ネットの圧迫感で瞼があげられないらしく、頭を飲み込んだみかんネットをペタペタと触り、その感触から網タイツと勘違いしたようだ。
惜しい! いや、本来下半身に履くものである網タイツをこのタイミングで頭に被せられたなどという発想自体出てこないのが普通かもしれないので、そこは奏の客観的判断力と柔軟な思考の融合を称賛しても良いだろう。
さすが奏だ…。




…。

……あぁ。

………やってしまった。



ネットに圧迫された奏の顔は見るも無残。
鼻は潰れ、頬はネットに引きずられ下に垂れ、髪は散らかしたように顔にへばりついている。
このネットの下に美女の顔があると分かる人間は皆無だろう。
この圧迫顔から元の美しい顔を想像することは人間業ではない。
そもそも美女にこんな罰当たりなことをするなんて常軌を逸している。


あぁ…まじでやっちまったなぁ…。





しかし……

奏「えっ? ほんとうに…えっ、なっ、なんなの?」

P「……」ゾクゾクッ


状況がまったくわからず、あたふたとする奏のぶちゃいくな顔を見ていると胸の奥がズキズキするようなあまりよろしくない類の快感が沸いたことを認めなくてはならないだろう…。
なんだろうこの感情…。

おそらく俺しか見たことがない、しかももう二度と見ることはできないだろう奏の無様な姿。
それを凝視する。
そこで文明の利器の存在を思い出す。
慣れた手つきでスマートフォンを取り出しカメラアプリ起動。


カシャ♪


静かな事務所に無慈悲な撮影音が鳴り響いた。


奏「P、ひゃん…? 何を撮っているの…?」


カシャ♪  カシャ♪


響く電子音。


奏「だから! 何をしているの!?」


明らかに怒気を孕んだ問いかけに答えてやることにする。言葉で、ではなく…。


むんず  ずるぅ


奏「んっ!?」


ネットの先端を上へ5センチほど引っ張ると、予想通りそれにつられて奏の瞼が開いたのでスマホの画面を見せてやった。

奏「ぃゃ…なひよ…これわたひ…? なんのつもり…なの…ひょ…」フルフル


あ、ネットを引き上げたから今度は頬が引き上げられて…しかも最悪なことに鼻がブタっ鼻ぽっくなっている。
さらに昏い興奮を覚えた。
残したい、この感動。


カシャ♪


奏「や、や…めへ…やめへぇ……」


カシャ♪ カシャ♪ カシャ♪


奏「やめなさい!!!」グイッ


声を荒げて奏が被せられていたみかんネットをはぎとってしまった。
顔にネットの跡はついていないが、髪はそうもいかずせっかくビシッと決まっていた髪型は崩れ後れ毛があっちにもこっちにもある。
だからかもしれないが、怒りに凄む奏もいつもの迫力がない。


奏「なんなのよ!? なにがしたいの!?」

P「奏、俺はやはりお前の想いには答えられない」

奏「えぇ!? はぁぁ!?」



奏「えっ…………」

奏「やっぱり私じゃダメなのね……」シュン

P「いや! 違うそうじゃない。 『応えられない』ではなく『答えられない』だ。OKともNOとも答えられないということだ」

奏「なによ…それ…納得できない…」

P「俺たちの関係の始まりはプロデューサーとアイドルだ。それが大前提だ。その前提を反故にするようなことは俺にはできない。
そしてお前もアイドルでいる間は特定の誰かに表立って愛情を注ぐというようなことはしてはいけない。
だから俺に『好き』だなんて言うのもだめだ。それはそれが許される時までずっと秘めておくべきものだ」

奏「な…とく…できない…」

P「そういうルールだ。アイドルになる前に伝えたはずだな?」

P「そして…それでも尚、ルールを破ろうというのなら、俺だってルールを破る…」

奏「な、なによ…?」


スマホを3回ほどタップして画面を見せつける。

LINEのとあるグループにさっきの圧迫顔の写真をあと1タップで送信できる状態になっている。
グループのメンバーは、俺、速水奏、城ヶ崎美嘉、そして、宮本フレデリカ、塩見周子、一ノ瀬志希。俺とLiPPSの連絡用のグループだ。


P「ルールを破ろうとするような悪い子には罰を与えなくてはいけない。
 まだこの話題を続けようというのなら、このグループにさっきの写真をぶち込む…」



奏「…」



奏「………」



奏「ひぃぃぃ!!!??」ブルルッ

この罰の恐ろしさを正しく認識した奏の顔が一気に青くなった。
美嘉はともかく、フレデリカ、周子、志希にこんな写真が渡ろうものならどれだけいじられてどこまで拡散されるか…。
もし俺の恥ずかしい写真が万が一この三人に渡ったとしたら…想像するだに恐ろしい…。


奏「だ、だめっ…そんなの家から出られなくなる……っ」ガタガタ

P「こんな汚い手を使うしかない俺をいくらでも罵ってくれていい。だから俺との関係についての話はすべての筋を……奏?」

奏「だ、だめよっ…もう日本じゃ生きてきけないわ……」ガタガタ


青くなったまま身震いしている奏に俺の声は届いていないようだ…。


奏「ダメよ…Pさんっ…お願い写真を消して…っ」ガバッ


奏が俺のスマホに飛びついてくる。
やばい完全に正気を失っている…。


P「いやっ、待てっ!送らない!送らないから!!危ない!押しちゃう!!」

奏「いやぁぁぁ!だめよ!!押さないでぇ!!!」グイィ

P「押さないって!!!!だ、大丈夫!!嘘だって!!こいつらに渡すわけないって!!!」

奏「だめぇぇえ!!! やめてぇぇぇぇぇええ!!!」グイィィ

P「ほんとに!!送らないからぁっ!!! 奏ぇ!!! 俺の話を聞けぇぇぇ!!!」

奏「いやぁぁぁあぁぁ!!!」グイィィィィイイ

P「やめろぉぉぉぉ!!!!」







   ぽちっ……




P奏「「あっ」」











LINEの薄青の背景に奏のみかんネット顔が表示される。



奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!」

響き渡る奏の絶叫。近隣のビルから通報されてもおかしくない声量だ。

そしてすぐさま既読が1つ付く。


  ぽーん♪


美嘉【これ奏? どゆこと???】



奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!!」


そしてまた絶叫。


奏「はぁ、はぁ…み、美嘉?…まだ美嘉だけ…まだ美嘉なら…消さなきゃ…消さなきゃ…早く…っ」

P「か、奏…」


うわ言のように呟きながら俺のスマホを取り上げて震える手でフリックとタップを繰り返す奏だが、たしかLINEの写真は…。


奏「け、消せるのはこの端末だけぇぇぇぇええぇ!!???」

奏「いやあああぁぁぁぁぁああ!!!!!!!」


そして気付けば既読があっという間に「4」となっていた。
つまり全員に見られたことになる…。


奏「あああぁぁぁぁぁあ゛あ゛!!!!!!!!!」


 ぽーん♪ ぽーん♪ ぽーん♪



周子【これは大変なことになってますねぇフレデリカさん】


フレデリカ【大変キョーミ?深いって感じ? 一ノ瀬さんはいかがしるぶぷれ?】


志希【にゃはは~~~】












ぽーん♪




志希【みんなに知らせなきゃ(使命感)】













奏「ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!」

これまでの人生でぶっちぎりで一番の絶叫が耳をつんざいた。
ちなみに5位までは全部ついさっき聞いたものだ。

絶叫し終わった後も微動だにせず、携帯を見つめ続けている奏から何か空気が漏れ出るような音がする…。
顔をのぞき込むとそれはなんかもう奏っぽい誰かだった。
我ながら酷い言い草であるが…。


奏「かひゅっ、かひゅ、かひゅ……」


奏「かひっ……」ビクッ



奏「」グタリ



叫び過ぎの酸欠からかショックからか現実逃避からか、奏は意識を手放してしまったようだ。
ソファに横たえて乱れた髪を撫で整えてやるが、表情は悪夢をみているように険しい。

こんなことにするつもりなんてなかったんだが…過ぎたことはもうどうしようもない。
この痛みによって奏が意識改革してくれることを切に願う。


俺と奏のスマホからはメッセージの受信を知らせる電子音が鳴り続けている。






P「ふ~~~……」


P「さて、退職届書こうか」

速水奏 編 終わり

次の話は明日投下予定です。

ふぅ…

なんて可哀想な事をしたんだこのPは悪魔か…

うーん、こういうプレイと考えれば、Rになるのか……?

ちゃんとフォローするシーンが後で追加されてそこんとこがR-18なんですねわかります(強要)

うーん。控え目に言って最高かな。

素晴らしく紳士的で興奮します

堕ちるところまで堕ちたらもう怖いものなんてないやん
気絶するなんて奏には失望したよ

フレデリカ志希周子がやってもちょっとハジケたおふざけの範疇
美嘉がやるとLippsのいじられポジなので許容範囲
奏の場合はイメージ崩壊にしかならないという恐怖

参考画像早く

R…あれ?

始めます。
尚、各話のモバPは同一人物とは限りません。

…………
……


鼻をくすぐるような良い匂いがする…

心地の良いかすかな音がしている…

それに左半身がなんだか温かい…まるで…


ん?
俺は今何をしているんだ?


たしか…事務所でずっと書類仕事をしていて…
他のスタッフはみんな帰ってしまって…
だったらのんびりやるかと一旦休憩しようとソファに深く腰を下ろして…

なるほど、そのまま寝てしまったのか。


意識が覚醒し始めてようやく目をひらく気力が湧いてきたがまだ視界はかすんだままだ。


良い匂いのする方、心地よい音がする方、つまり温かな感触のある左方に目を凝らすとぼんやりと人の輪郭が見える。
その人影はじぃっとして動かないが周期的に手のあたりだけが動き、それに伴って心地の良い音…これは本のページをめくる音だ…がした。

P「あぁ…文香か……」

文香「……」ペラッ


俺の呼びかけは読書中の鷺沢文香には届いていないようだ。
その集中力には感心するが…。


P「文香、近いぞ?」

文香「……」ペラッ


俺と文香が座るソファは4人が余裕をもって座れるほど大きいもので、しかも向かい側にももう一つ同じソファが設置されているというのに、
文香は俺の体の左側面と触れ合うほど近くに座っていた。
俺が休憩し始めた時には確かに文香はいなかったので、あとから来た文香がわざわざ俺のすぐ隣に腰かけたことになるが、一体どういうつもりなのだろう。


P「文香、近いって。おーい、文香!」

文香「……」ペラッ

P「ってこれも聞こえないのか…? すごいな」


数メートル先の人にもはっきりと聞こえるような声量で呼びかけたのに、読書に没頭している文香は気付くことができないらしい。

周りの声が耳に入らないほどの集中力というのは往々にして称賛されるものだが、このレベルまで来てしまうと最早危ういと言わざるを得ない。
仕事の時刻になっても気付かなかったり、カフェテラスで読書中に居眠り運転の車が向かってきたり、電車などで痴漢に良い的にされたり…。

読書するときにはもっと周りに注意を払うか、自室などのそもそも何の危険もないような場所を選ぶようにと再三にわたって文香には伝えていたのだが、相変わらずのようだ。

しかも今日などは夜も遅く俺しか残っていない事務所にわざわざ来て、それもわざわざ俺の隣に座ってこんなに無防備を晒しているなんて、本当にどういうつもりなんだ…。

こんなの、文香のそういう性質を知っている人間にとってはいたずらを誘っていると思われても仕方ないぞ?


P「……」

文香「……」ペラッ


そういうわけで…これから俺がすることは文香が読書中どれほど周りが見えなくなっているのかをプロデューサーとして把握しておくためであるし、
また同時に文香にその危うさを身をもって学習してもらうためである。


P「……」スッ

つぃぃぃ さわ…さわ…

文香「………」ペラッ


手始めに文香の艶髪に触れてみた。
当然この程度では文香にとってはそよ風と変わらないのだろう、なんの反応もない。

P「本当に綺麗な髪だ…これで特別な手入れしてないってんだから羨ましがられるのもやむなしだよなぁ…」サワサワ


早くも目的を忘れ、見た目通りの素晴らしい手触りをつい愉しんでしまう。

まさにシルクのような髪だ。
髪の暖簾に指先を突きいれてみるとなんの引っかかりもなく入り込み、手櫛をかけようとするも「するん」と
一切の抵抗なく髪先まで通ってしまったのでそもそも手櫛の必要は全くないのだろう。

しかもサラサラのくせにフワフワとした柔らかさもあって、髪先の束を手のひらで持ち上げてみると歪さのかけらもない
優しい曲線を描いた後で蛍光灯の安っぽい光をまったく別次元の輝きに変換してみせてからハラハラと元通りになった。

うむ、キューティクル・モイスチャ―ともに良し。


文香「…………」ペラッ

P「それに文香といえば…」


くいっ


P「この瞳だなぁ。ほんとうに吸い込まれそうだ…」


文香「…………」




文香「……」ペラッ

前髪を上げるとどこか海の青さを連想させるような瞳があった。


P「はぁ……」ジー

文香「…………」ペラッ

P「文香の瞳はずっと見ていたくなるなぁ…。はぁ……」ジーー

文香「…………」


文香「…………」



文香「…………ぁ」ペラッ


冗談抜きで本当にずっと見ていられるのだが、それで文香の読書が終わってしまっては検証ができなくなってしまうので断腸の思いで視線を外した。
その先にあったのは文香のトレードマークといってもよいヘアバンドだった。


P「文香のヘアバンド…」

文香「…………」ペラッ


P「好き」

文香「…………///」

P「だけどたまには……あれ? ヘアバンド外したところ見た記憶が…無いな…」

P「外してみるか…? いやでも流石に気付くか…?」


P「うーん…」

文香「………」ペラッペラッ

P「あ、読むスピードが速くなってる。ということは集中も深まっているということか…。もしかしたら気付かないんじゃ…?」


   ぐいっ


ヘアバンドの縁の指を掛けて少しずつ後ろへずらしていくと、あるところで手櫛と同じように「するん」と抜けてソファに落ちた。

文香は…?

文香「………………」ペラッ

P「あちゃーほんとに気付かないのかぁー。これはいよいよ危ないぞ~」


P「ん?」

P「すんすん…めっちゃ良い匂いがする…どこから…?」

文香「………?」

P「すんすん…あ、ヘアバンドがかかってた髪のところからかぁ。バンドで温められてたのが解放されたからかな」

文香「………」ペラッ

P「あぁ、すごい良い匂い…。これで安物のシャンプーって嘘だろ…」

文香「………」

P「すんすん……あぁ…」


P「……直接嗅いでも大丈夫だよな…?」

文香「………!?」ピクッ

P「ん?」

文香「………///」ペラッ


検証とは関係なくなってしまうが、良い匂いを胸いっぱいに吸い込みたいという欲求に逆らえそうにない。
でも残業代もでないのにこんな夜遅くまで働いているし、偶々転がり込んできた幸運をモノにしないのは
寧ろ神様の采配に逆らっているようできっとそれは良くないことなので、つまりはこの僥倖を噛みしめたところで
誰も俺を咎めることなどできるはずがない。

よし、OK。


文香の髪ギリギリまで鼻を近づけ…




P「すぅ~~~~~~はぁ~~~~~~~」


文香「ぁぁ………/////」





P「………」






P「OH MY GODESS……」ゾクゾクゾクッ

文香「………/////」


胸を満たしてくれた期待以上の幸福感に小躍りしてしまいそうなほどだった。
こんなの、鼻をうなじに突っ込んで思いっきり嗅いだら一体どうなってしまうんだろう…?

どうなってしまうんだろう…?
どうなってしまうんだろう…?
……どうなってしダメダメダメ!流石にダメ!

もしこの検証中に文香が気付いたとしても、直接肌に触れていなければなんとでも言い訳できるけど、さすがに鼻を押し付けてたりなんかしたら完全にアウトだ。

ダメだめだめだめだめ……。
うん、もう大丈夫。

変な気はもう大丈夫、うん。



P「ふぅーーー、ふぅーーふぅー………よし!」

文香「………?」ペラペラ


P「あ、そういやヘアバンド外した文香をちゃんと見てなかったな…う~~んと……?」

文香「………/////」



P「うわぁ~~~」



P「こりゃだめだぁ~~~」


文香「ぇ………」


文香「………………」ウルウル…



P「ヘアバンド取ったら前髪がサイドに流れて文香の綺麗な瞳がどこからでもはっきり見えてまうやん…」

P「こんなの街に出ようもんなら、ナンパやスカウトが殺到して1ミリだって進めんへんで…」

P「これほどの女神、悔しいが俺のプロデュース能力ではまだ扱いきれへん。
 ストーカーを増やすだけ増やして文香を危険にさらすことになるに決まっとる…」

P「すまん文香、きっとすぐにこの姿の文香にもスポットライト当てたるからな…」


文香「…………////////」



P「あ、あまりの衝撃で関西弁が出てもうたわ…。ん゛ん゛ん゛…よし、戻った」


P「それにしても文香の集中力はどうなってるんだ…。さすがに肩を強く叩けば気付くだろうが、
 痴漢がそんな触り方をするわけないし、きっと触れるか触れないかいや触れてる、というような微妙なラインを攻めてくるはずだ…」

P「かといって検証とはいえ俺がそれをやったら御用も御用…むむむ…」


P「ソフトタッチ…直接触れず…合法的な……」

文香「…………???」ソワソワ




P「あ!」


悪魔的でも圧倒的でもないけどどれかといえば犯罪的かもしれないけど丁度いい思いつきが下りてきた。


P「たしか…このあたりに…」


ごそごそと壁際のキャビネットの引き出しを漁る。
少し前に事務所内で流行ったものの、そのあまりのアレさに一瞬でブームが去ってしまったといういわくつきの器具を探す…。


P「あ、あった…」ニタァァァ

文香「………?」


おっと、思わずゲスい笑みを漏らしてしまった。
しかしコレを使ったことがある人間ならば誰だってニヤつくだろう。
この器具の威力を知っている者ならば誰でも…。


緩いカーブを描いた針金を束にしただけの重量50グラムにも満たない見た目は至って簡素な器具。
ちなみに針金の先端には肌を優しく擦るための小さな丸い素材が接着されている。


P「これはヘッドスパワイヤー…」

文香「!?」ビクッ


P「ゆえにこれはマッサージである…」



文香の良い匂いがほのかに立ち上ってきている頭頂部に狙いを定める。

そしてゆっくりと丁寧に十数本のワイヤ―の先端のポッチを文香の頭皮に挿入するように押し込んだ。






   し ゅ る ん ♪




文香「んひっ♥」ブルッ







P「ん?」

文香「ぁ……」



P「あぁ、やっぱりこれは文香も気付いたかなぁ? 
 もし気付いたんならこの検証ももうここできっぱりと終わりにしないとなぁ…」


文香「………/////」プルプル


文香「………」


文香「……」ペラッ




P「なん……だと……!?」



   しゅこん♪ しゅるん♪ するん♪


文香「んんぅ♥ ぅひっ♥ あひっ♥」ペラッペペペラッブルルルペラッ


P「なんてこった…。ワイヤーの刺激は確かに感じているのに、読書をやめないだなんて…。
 もしかして読書中の文香の精神と肉体は完全に分離されているのか…!?」


   しゅる♪ しゅこここ♪ しゅるん♪


文香「んっ♥ ぐぅぅ♥ ふぁぁっ♥」


P「肉体を置き去りにして精神だけを本の世界に…。
 だからこんなふうに、こんなふうにしても!はぁ、はぁ……
 口がだらしなく開いて鼻の穴をヒクヒクさせているのも、下品な喘ぎ声も、単なる肉体の反射反応でしかなく、
 ゆえにそれが精神に伝達されることはない…だとォ?」

  しゅぴゅん♪ しゅるるん♪ しゅこ♪しゅこ♪しゅこここ♪


文香「んぃぃ♥ もぉ♥ んぁ♥ だぇ♥」ブルブルブルッ


P「こんなの痴漢に好きにして下さいって言ってるようなもんじゃないか!?」シュコシュコン

文香「んあっ♥ んんぁっ♥」


P「これはやばいぞ! 本格的に対策を考えないと文香が! 文香が暴漢に手籠めにされてまう!」シュコココッコココ

文香「あっ♥ あっ♥ あっ♥」ヒクッヒクッ




P「………」




P「なんてな♪」


文香「ふぁ?」ブルブル



P「文香、手止まってるぞ?」


文香「ぁ!? ……」ペラッペラッ




P「ふん…まだ続ける気か…」


文香「……」ペラッペラッペラペラ

P「文香の意図はよくわからないが…今日みたいに俺しかいないような事務所に来てあまつさえ俺のすぐ隣に座るなんて…、そんな不用心なことするんじゃないぞ?」

文香「……」ペラッ


P「男と触れ合うことがあまりなかった文香にはよくわからないかもしれないが、そういうのは普通好きな男を落とすためにやるもんだ」

文香「……」ペラッ


P「いくら俺でも勘違いするところだったぞ?」

文香「……勘違いじゃ 『しゅこん♪』 んひっ♥」ブルッ



P「文香みたいな可愛くて綺麗でおとなしい女の子なんてな、悪い男の手にかかったらあっという間に食べられちゃうんだぞ?」


  しゅるん♪

文香「はひっ♥」


P「わかるか? 身も心もズタボロのドロドロにされて…」


  しゃこん♪

文香「ぅぁっ♥」


P「もしかしたらドラッグなんかも使われて頭バカにされて…」


  しゅこしゅこ♪

文香「ふぁ~♥」


P「涙も鼻水も唾液もだらしなく垂れ流したアヘ顔を写真に撮られて…」


  しゃっこん♪ しゃっこん♪

文香「ふぅぅ♥ んぁぁぁん♥」


P「それを使って一生脅され続けることになるんだ…」



P「わかったか?」

文香「はっ♥ はひぃ♥」

P「そうか、なら良いんだ。それはそうと……」


  しゅこん♪ しゅこん♪ しゅるるん♪

文香「あひゃぁんん♥」


P「コレ…気に入ったか?」

文香「ふっ♥ ふぁぁい♥」


P「キモチイイか?」

文香「きひぃ♥ きもひいいれすぅ♥」


P「もっとしてほしいか?」

文香「んはぁい♥ もっろひてぇぇ♥」



P「ははは…よし」


  しゅるん♪ しゅるしゅりゅしゅるるる♪ しゅこん♪

文香「ふぁっ♥ ぁぁあ♥ あっ♥ あっ♥」








P「文香って結構欲しがりなんだな……」




P「この……」













P「スケベが」ボソッ










文香「!?」




文香「あっ♥ あっ♥ ふあぁん♥♥♥」ビクンッ



P「あ……」


つい調子に乗ってひどいことまで言ってしまった。
俺の悪い癖だ…。

文香は何かを耐えるように体を震わせている。
傷つけてしまったのかもしれない…。


P「文香…その…ごめん」

文香「ふ、ぅぅぅ……」ブルブルブル


文香「……」プルプル



文香「ぁ…Pさん…お目覚めでしたか…」プルルッ

P「ふ、文香?」


文香「すみま…せん。 私…本を読んでいると……んはぁ♥ 周りが見えなくなってしまうので…
 もしかしたら…Pしゃんのこと…無視してしまっていたかもしれません…」

P「いや…うん…そうだね…?」


文香「ぁ…ちょっと…はぁん、はぁ♥はぁ♥ お花摘みに行って…きますね……」スック

P「お、おう…」



ふらつきながら立ち上がり事務所外のトイレへ向かう文香の後ろ姿を見送る。


ついさっきまで文香が座っていた場所を見ると何かに濡れているように見えなくもなかったが、
それは曖昧なままにしておくことにしておく方が何かと良いような気がしたので調べるようなことはあえてしなかった。


鷺沢文香 編 終わり

次の話は明日投下予定です

乙乙

さすが座るセックスさん
おつ

いいぞー

この変なノリ好きだわ

>座るセックス

そんな呼び方が…

R…Rだ!やった!

始めます

まってた




「は~い、おっけーで~す」


ADの間の抜けた一言は放送に必要な撮影がすべて終了したことを意味している。


「ふ~終わった~お疲れ~」 「お疲れ様です」 
「お疲れさまー」 「どう?飲み行く?」 「おっ、いいっすねぇ~」


スタジオのセット中央に配置されたソファに腰かけた出演者たちは(撮影中もかなりリラックスしていたように見えたが
)一気にプライベートモードに切り替わり、この後の予定を立て始めていた。
現在は午後7時、飲みに行くには丁度いい時間だろう。


「ねぇ、キミも一緒にご飯食べに行かない?」 「スタッフさんたちもいるからさ」 
「んん~どうしよっかにゃー…あっ」


久々に担当アイドルが出演するテレビ番組の撮影現場に顔を出すことができ、その子が自分の仕事を卒なくこなしているのを確認できた。
そして今日のこのスタジオ内で営業をかけるべき人間は……いないようだ。
となるともうここには用はない。
そう思ってスタジオを後にしようとしたのだが。


「ごめんね~この後予定があったの忘れてた~♪」 「あぁ~…、なるほどね。頑張ってね!」 
「ありがとーじゃね~♪」




「ぷ~ろでゅ~さ~!」


自分のことを呼ばれ振り向いた瞬間、胸部に鈍い衝撃が走った。



P「うぐっ!?」


「にゃはは~! 何も言わず帰ろうとするってどういうことかにゃ~!?」グリグリ

P「す、すまん、志希。お疲れ様…」


担当アイドルである一ノ瀬志希が俺の胸に飛び込みがてら頭突きをかまし、そのまま頭をぐりぐりとしてくる。


志希「久しぶりに現場に来てくれたのにね~~~うにゃ~~~!!」グリグリ

P「ちょ…志希、やめなさい…」


衆人環視の中、ほとんどアイドルに抱き着かれているようなものであるから変な汗がジワリと滲み出るのを感じた。


志希「なんでぇ~ キミはぁ~ あたしの現場にぃ~ 来てくれないのかにゃ~!?」グリグリ

P「いや、まって志希ほんとに! 人が見てるからっ!」


気付けばスタジオ内に残る人たちの視線が俺と志希の二人に注がれていた。
ただ不思議なのはそれがゴシップ的なモノを見る視線ではなく…なんというか生温かい視線というか…。


志希「ふっふっふ~~残念だったね~。このスタジオの人たちはみんなあたしの味方だよ~。ロクに現場に来ないようなナマケモノには発言権も拒否権も無いのだぁ~♪」

P「へ? はぁっ?」

志希「だから大人しくしてるよーに!わかったかなー? ハスハス~♪」グリグリ

P「ちょ、やめっ!? 嗅ぐな! くすぐったい!」


クスクスと、いや、ニヤニヤとした笑みを浮かべながらスタッフの人たちが各々の作業を再開し始めた。
どうやらパパラッチの類の心配はいらないようであるがどうにもばつが悪い。

大きく「お疲れ様でした」と言い放ち、しがみつき続ける志希を引きずるようにしてどうにかスタジオから出ることに成功した。


P「志希、おい、志希! もういいだろう、もういいだろう!?」

志希「ありり? スタジオから出ちゃったか~」

志希「ふぅ~~とりあえず充電かんりょー♪」


そう言ってようやく志希は離れてくれた。
志希の頭が擦り付けられていた胸のあたりから彼女の匂いが立ち上って来たのが分かった。
やれやれ…。


志希「改めてお疲れさまー♪」

P「あぁ、お疲れ様。撮影良かったぞ」

志希「まぁねー。それにしても一体どういう風の吹き回しかな? 最近めっきりあたしの現場には来てくれなくなってきたのに。
キミが来てるって分かってたらもっと頑張ったのにな~」

P「いや、そこは常に頑張ってくれよ…」

志希「ジョーダン、ジョーダン♪ にゃはは~」

P「たのむぞ?」

P「…それがなぁ、この局で予定してた打ち合わせが急にキャンセルになってしまって手持無沙汰でな、丁度志希の番組撮影やってるの思い出して見にきてみたんだ」

志希「んん~~? やることないから暇つぶしに見に来たってことかな~? それはさすがの志希ちゃんでも怒っちゃうぞぉ~?」


いつも通りの軽い口調だが微かにではあるが確かに怒気を孕んだ声に内心ひやっとしてしまう。
そもそも馬鹿正直に言わなくてもよかったかもしれないが…志希に変に取り繕ってもごまかせる気がまったくしないのだ。


P「本当にすまん! これからはできるだけ同行するようにするから許してくれ…」

志希「うん、許す♪ なんちゃって~にゃはは~」


志希の声のトーンが一転して元の軽快さに戻る。


志希「『ダダ』っていうのをこねてみただけだよ♪ キミも大変だもんねぇ~」

自由奔放が服を着ているようなイメージを持たれている志希であるが、それは彼女の一面でしかない。
好き勝手やっているように見えて自分の仕事はきっちりこなしているし、どう振る舞えば自分の魅力を出せるかも十分に理解している。
そのギャップはギフテッドである志希特有のメリハリのつけ方なのだろう。

だが最近はその志希の能力に甘えてしまい、一人で現場に赴いてもらうことが増えてしまっていた。


志希「でも~だからこそ~こういうときくらい好きにハスハスさせてもらうからね~♪」ダキッ


言いつつ、折角引きはがした志希がまた抱き着いてきてしまった。今度は腕にであるが…。
普段の奔放さから多少のスキンシップは「キャラ」ということで大目に見てきたが最近は少々過剰に感じることも多くなってきている。


P「志希、そういうのはちょっと減らそうって言ってるよな?」

志希「いいの、いいの~♪ さっ、プロデューサーも事務所に帰るんでしょ? 
 あたしも連れてって欲しいな~♪」

P「あぁもう…。俺は飯をどこかで食べるような余裕は時間的にも金銭的にもないからな?」

志希「いいよ♪ あたしもキミと同じコンビニ飯で構わないから♪」

P「う~ん、年頃のアイドルがそれでいいのか…?」

みく「なんだか今日は食品添加物をたっぷり味わいたい気分なんだ♪」グイッ

P「はいはい、わかったよ」


撮影終わりのくせにまだ元気満々な志希に駐車場に停めた社有車まで引きずられていく羽目になるのだった。

―――――
―――
――


志希「じゃああたしはあっちでオベンキョーするから。プロデューサーもお仕事頑張るよーにー♪」


実に粗末な晩御飯を一緒に済まし一服したところで志希がそう言い立ち上がった。


P「事務所に用があるって、勉強しに来たのか? 自分の部屋でやればいいのに」

志希「たまには気分を変えたくてね~。はぁい、あたしのことはいいから、キミもさっさと労働に勤しむのだ~♪」

P「はいよ。あまり遅くなる前に帰るんだぞ?」

志希「……」

P「?」

志希「はいは~い♪ さあやるにゃ~」


会議室に向かう志希の後ろ姿を見送る。
アイドルには学生が多いので会議室は業務に使われていないときに限り自習室として使っていいことになっている。
もっとも、志希のする勉強とは学生の域をはるかに超えたものであるのだろうが。
…凡人にはよくわからない。


事務所を見渡せばいつもより活気のある雰囲気を感じた。
…今日は金曜日か。
そうだよな花金くらいスパッと仕事片づけて明日知らずの飲みに繰り出したいよな。

悲しいかな俺には縁遠い話である。
それでも今日ぐらいは最終帰宅者になるのは避けたいものだ…。


P「…」

同僚P「…」


同じく最終帰宅常連の同僚Pと目が合う。


P・同僚P「「ふっ…」」ニヤッ


今日は俺の方が先に帰ってやるぞという不敵な笑みの応酬。


絶対同僚Pなんかに負けたりしない!

―――――
―――
――


同僚P「おつかれちゃーーーーーん!!!!」

P「…」イラッ

同僚P「戸締りと消灯の確認よろしくねーーーーん!!!」

P「ウス…」イライラッ


汚い笑みを浮かべながら事務所のドアをくぐる同僚Pに心の中で中指を立てる。
あの野郎、勝ち誇ってたけど僅差だからね僅差。
俺だってあとはこのメールを送信すれば終わりだからね。
さっき掛かってきた電話を同僚Pがなかなか取らないから俺が仕方なく代わりに取った所為だからね。
もうほら、これで、これで、あ、添付ファイル忘れずに、これで…。


P「送信っ、と…」

P「ふぅ………見回りして帰ろ」


同僚Pには勝てなかったが午前様は避けられそうだ…。
自席から立ち上がりまずは事務室内の窓の施錠を確認して、最終帰宅時の確認シートにマークする。
資料室、給湯室も同様にチェックし、会議室を確認しようとしたのだが…。


P「電気ついてるな…」


ドア下の隙間から光が漏れ出ている。
電気の付けっ放しなどがあった場合は確認シートにその旨を書いておかなければならないから面倒だ…まったく誰だ消さずに帰った奴は…。

気怠さが増したのを感じながら会議室のドアを開くと、美少女と目が合った。
天才美少女、一ノ瀬志希。


P「はっ? え? なんでいる?」

志希「あっ! もぉ~~遅いよ~! いつもこんな時間まで働いてるなんて感心を通り越して少し引くにゃ~」


まるで俺がこうして会議室のドアを開けるのを待っていたかのような言い草だ。

両腕を上げて一伸びしてから、机の上に広げていた論文…うわなんだこれ英語びっしりで目がチカチカする…あれなんか英語ですらない…と筆記用具を鞄に仕舞い始めた。

P「え? ずっと勉強してたのか?」

志希「そうだよ~。…ん? 勉強するって言ったよね?」

P「言ってたけど…こんな時間まで会社にいるなんて…」

志希「?」


状況がよくわかっていないらしい志希に軽い眩暈を覚えた。


P「あのなぁ…今日はたまたま俺が最後だったけど、もし他の奴が見回りしてたらソイツとこんな時間にこの狭い会議室で二人きりになってたんだぞ? 
 万が一があるかもとは思わないのか?」

志希「にゃはは~『たまたま』なんて白々しいんじゃにゃいかな~♪ ソレ♪」

志希が俺の左手にある確認シートを指さす。

志希「ここ最近ほとんどキミのサインだったよ? それって最後に会社を出る人が書くんだよね? 
 きっと今日もキミだと予測…するまでもないかな♪」


改めてシートを見てみると確かにここ一か月はほとんど俺の名前が並んでいた。
極たまに同僚P。


P「いや、でもなぁ…今日は同僚Pが最後の可能性も十分あったんだぞ? それこそ10分の差しかなかった」

志希「にゃはは~ザブトンイチマイ~♪ でも同僚Pさんだったとしても、あの人なら心配ナッシン。
 ああ見えて小さな犯罪も犯せないゼンニンと性向判断済みだよ~♪」

P「ったく、心理学だかなんだかわからんが、十代の小娘がアラサーのオッサンの内面を語ってたら痛い目みるぞ? 
 男が誰の目もない密室で女と二人きりになったときにどう動くかなんて当人にしかわからんわ。
 それに魔が差すってこともあるし」

志希「それでも大丈夫♪ もしものときにはこの志希ちゃん特性の暴漢撃退用のスプレーが火を噴くぜー♪ 
 あ、火は出ないよ?」


そのスプレーの中身の効果はえげつないんだろうが、果たしてその時になって冷静に使えるのか?
しかも密室だったら自分も吸い込む危険もある。
あくまでそれが必要になるような状況を未然に回避するよう努力することが一番大切だ。

P「はぁ…。志希、これからは会社に残るのは俺がいるときだけにするんだぞ?」

志希「は~い♪」


自分で言いながらどこか違和感を感じる…? 
その原因は客観的になってみるとすぐにわかった。


P「魔が差すかもしれないのは俺も一緒か……あっ…」

志希「……」


本来であればわざわざ口に出すべきではないことをつい言ってしまったのは気安い志希だからか…。


志希「にゃはは~♪ プロデューサー、志希ちゃん襲うっちゃうの~?」ニヤニヤ


そして失言を聞き逃してくれるほど志希の耳は悪くないらしい。


P「い、いやっ…そんなことはしない! 不安にさせるようなことを言ってすまん! 言葉の綾というか…失言だった」

志希「な~んだ、つまんないの~♪ せっかくスプレーのテストができると思ったのに~♪」


どうやら冗談っぽく受け取ってくれたようで一安心……?


P「とにかく! 志希は天才と言っても体はただの女の子なんだから! 男に対しての危機感は常に持っているように!」

志希「体は女の子って……な~んかや~らし~♪」


あくまで茶化してくるスタイルに多少の苛立ちが募る。


P「志希、危機感。OK?」

志希「おーけーおーけー。あいむおーけー♪」


本当にわかってるのか…?
志希が顔の横でOKサインを作りながら立ち上がった。
どうやら会話の間に片づけは終わったらしい。

志希「見回りまだあるんだよね? あたしも一緒に行く~♪」

志希「それと…」

P「わかってる、マンションまで送ってやるから」

志希「やったあ♪ お礼としてこのスプレー要る?」

P「結構です」

志希「あっはい」

志希「…にゃはは~! さぁ見回りレッツゴー」


とはいえもうそんなに残ってはいないのだが。



志希「ここで最後?」

P「そうだな」


そう言って見回り最後の部屋、仮眠室のドアを開いた。



がちゃり



残念ながら慣れ親しんだ仮眠室である。
吊りカーテンで仕切られた3台の簡素なベッドとサイドテーブル、そして毛布を収納した棚と洗面台があるだけの部屋。
しかし志希は初めて入ったらしく興味津々のようだ。


志希「へぇ~♪ キミもここで寝ることあるんだよね?」

P「あぁ、よく使うなぁ」

志希「どのベッド使うの?」

P「う~ん、大抵一番奥のかな」

志希「あそこかぁ~……ううぅ~うにゃ~ん♪」バッ


   ぎ し っ


志希が助走をつけて奥のベッドに飛び込むと静かな部屋にベッドの軋む音が響いた。
そして何が楽しいのかベッドの上でゴロゴロと転がっている。

…自分がスカートを穿いていることを忘れているらしく、スカートの裾はめくれ上がり肌触りのよさそうは太ももはまぶしく、
パンツは…普通に見えてしまっているぞ、おい…。


P「ちょっとおい、パンツ! 見えてる!」

志希「いいの、いいの~♪」

いいことなど一つもないというのに尚もベッドを転げていたかと思うとうつ伏せの状態で止まり、志希のゆっくりとした呼吸音が聞こえてきた。
どうやら深呼吸をしているらしい。
艶のあるピンク色の生地を丸見えにしたまま…。
あぁ頭が痛くなってきた…。


志希「んんん~~~? 全然キミの匂いしないよ!? なんで~?」

P「そりゃ掃除のおばちゃんが毎日シーツ替えてくれてるに決まってるだろ。嫌だろ?オッサンの匂いがしたら。眠れるものも眠れん」

志希「あたしはキミの匂い好きなんだけどにゃあ~」

志希「あ、お菓子が置いてある! 食べていいのかにゃぁ…?」


自由すぎる…。
サイドテーブルの上に未開封の菓子箱があった。
そういえば昨日俺が出先で貰ったモノだ。無くしたと思っていたがここに置き忘れてたのか。


P「それ俺のだ。志希にやるよ」

志希「やったぁ♪ ありがとね~♪ お礼にこのス」

P「結構です」

志希「あっはい♪」


ばりっと音を立てて菓子箱が開かれる。


P「え? ここで食べるのか?」

志希「誰かさんが遅くまでお仕事してたから、なんだか小腹が空いてきちゃってね~」

P「というかこんな時間にお菓子って女の子的にどうなんだ?」

志希「ん~……カロリー計算しゅーりょー♪ 明日の朝食とレッスン量で調整可能で~す」

志希「ほら、キミも入り口に突っ立ってないで、一緒に食べよ? これから車の運転するんだから休憩しておくべきだよ♪」


一人だったら特に気にしないが志希を乗せるとなる万が一があってはいけないから確かに少し休憩しておいた方が良いだろう。
ポンポンとベッドのマットレスを叩く志希に促されるまま、彼女の隣に腰かけた。


志希「もぐもぐ…美味しい♪ あたしはやっぱりきのこ派だな~。チョコとスナックの食感が絶妙だね♪ プロデューサーは?」

P「俺は…どっちでもいいけど、どちらかと言えばたけのこの方かな」

志希「えぇ~そうなんだ!? キミならきのこの良さを分かっていると信じてたのに…」

志希「じゃあ、これいらないよね?」

P「いるわ」


きのこの山の箱に手を伸ばそうとしたところで志希から待ったがかかった。


志希「はい、すとーっぷ♪ 食べたいなら…」

志希「はい、あ~ん♪」


志希がきのこを一粒つまんで俺の口元に差し出してきた…。
よくあるアレである。
が、俺はそれを無視して、自分で菓子箱から一粒つまみ出して口に運んだ。
うん、これはこれで美味いんだよなぁ。


志希「無視だとぉ~♪」

P「もう一個もらおう」


再び菓子箱に手を伸ばそうとしたのだが、志希はそれを自分の背後に隠してしまった。


志希「ダメ~♪ キミはこれ。はい、あ~ん」


そして性懲りもなくあ~んを強制してくる。


P「え、嫌だよ、普通に食べたい」

志希「アイドルからの貴重なあ~んだよ~? うりうり~♪」

志希「あ、これはもしかして恥ずかしいのかにゃ~? あ~んされるのは初めてだったかにゃ~? 
 それなら恥ずかしくてできないのも当然だにゃ~♪」


十中八九ただの煽りであるが、まぁそこまで言うのなら乗ってやろう。


P「はいはい、じゃあ良いよ?」

志希「にゃは♪ はい、あ~ん♪」

P「んあ~むぐ……。もぐもぐ」


まぁ俺もいい大人ですし? 女の子からのあーんぐらい? 経験ないわけじゃないし?


志希「へぇ…これぐらいじゃバイタル変わらないんだぁ。見直したよ♪」

P「ふふん…」


どうだこれくらなんともないんだからな、と内心勝った気分でいたのだが。


志希「じゃあ、これはどうかにゃ…?」


そう言うとスナック部分を唇で咥え、チョコの部分をこちらに差し出してきた。


志希「ん~~♪」

P「ちょっ…!?」ドキッ

志希「どひたの~? たへないの~?」ニヤニヤ

P「っ……」


志希は間違いなく俺の反応を楽しんでいる…。
俺が慌てるのを見たいだけだ。
志希の思い通りにさせたくないのであればその口からあーんを受け取ればいいだけの話であるが、そんなことできるはずもない。
取ろうとしたら確実に唇同士が触れてしまうだろう。
状況的には完全に俺の負けであるのはわかるが、やめてくれと言うのも負けを認めているようで言いたくない。
ただ窮するのみであった。


志希「にゃはは~顔真っ赤~♪ 志希ちゃんご満悦~~♪」


また、ぎしっ、という音を立ててベッドに寝転んだ。
仰向けになってニヤニヤしている。俺の困る顔の映像を脳内で反芻でもしているのだろうか…?


十代の小娘に小馬鹿にされるというのは……正直イライラする…。
今日はいつになく志希に振り回されているからか、普段は微笑ましく見ていられる彼女のニヤケ顔がすごくイライラする…。
キスをせがむような行為、二人きりの仮眠室でベッドに寝そべるという行為、胸元の開いたボタン、いまにも見えそうなパンツ……。
何もわかっていない志希にすっごくイライラする。






……こんなの俺じゃなかったらとっくに襲っている。



あれだけ言ったのに分かっていない。
それとも自分は襲われても撃退できると本気で思っているのだろうか。
また俺が注意しても結局は馬耳東風、そして他の男に対しても同じように振る舞う…?


志希「~~♪」ニヤニヤ


だめだ。
絶対にだめだ。
志希にはその危うさをなんとしても理解してもらわないと。

……仕方がない。
多少強引なやり方になってしまうが言葉でダメなら体で理解してもらうしかない。


P「……」ゴソッ


一度深呼吸をし、ゆっくりとした動作で革靴を脱ぐ。
ベッドに膝をつくと小さく軋む音が鳴り、それと同時に志希の見開かれた目と合った。
天才に思考する暇は与えない。
素早くしかし必要以上に触れないように志希の上半身に馬乗りになり志希の顔を見下した。


志希「ぁ……」


志希のキョトンとした顔は貴重だ。
こうしてみるとただの可憐な美少女で、急激に罪悪感が襲ってきたがそれは無視することにした。


P「…どうだ志希、逃げられるか?」


体を落とし、志希の腹に軽く体重をかけながら尋ねてみた。


志希「にゃ、は、は……ちょっと、むりっぽいかな……」

P「そうか…、撃退スプレーはどうした?」

志希「……鞄の中」

P「わかったか? 俺がその気になればお前なんて簡単に襲えるってことだ」

志希「……っ」

P「これに懲りたらあまり男を…って志希?」

志希「…っ…ふ……ふふっ」

志希「……にゃ~~はははは~~♪」

P「お、おい志希…?」


突然笑い出した志希に今度は俺の方がキョトンとしてしまう。


志希「にゃは、にゃはは♪……ごめんねぇ~だってキミの行動があんまりにも予想通りだったからさ~♪」

P「え…?」

志希「キミをわざとユーワクすればあたしに怖い目をみせようとしてくると思ってたんだよね~♪ 
 馬乗りになってくるのもばっちし的中♪」

P「…」

志希「にゃはは~♪ 大丈夫だよプロデューサー♪ 危機感でしょ? 最初からわかってるって~♪」

志希「最近はキミとあんまりじゃれあえないからその補充だよ♪」

P「……」

志希「んでさぁ~、もうそろそろどいてくれない? お腹少し苦しいんだ♪」


ぶちり、という音が俺の脳内に響いたような気がした。
だめだ、冷静に冷静に……。
わざと誘惑した、すべてお見通しでした、だと…?
イライライライラ。
男をこんなにコケにして…、わかってない。
全然わかってない…。
あぁ、だめだめ冷静に……。


志希「それで、またキミの可愛い赤面顔を……ってあり?」

志希「あ、あれぇー……あたしの計算ではキミは赤面しながら急いであたしの上からどいてくれるはずなんだけど……志希ちゃん間違っちゃった…?」


もしコイツが男だったらもうとっくに手が出ていただろうが、さすがに女の子、それも飛び切りの美少女だ。
馬鹿にされたぐらいで暴力をふるうのはいくらなんでもあり得ない。
しかしコイツには一度痛い目を実際に見てもらう必要があるらしい。

さぁ、どうすればいいか…。

深呼吸すると頭に上った血が幾分薄まったような気がして視界が開ける。
視界の端にはお菓子の箱、その中にはまだたくさんの小さなきのこが残っている。
志希はそれが好きだと言っていたなぁ…。


P「志希…今度は俺が食べさせてやるよ。ほら、あーん」

志希「え…な、なんで…?」


不穏な空気を感じ取ってか志希の顔から笑みが消えた。
こんな風に察しがいいところは本当に志希らしいと感心する。
が、今はそれすらも俺を苛立たせた。


P「はぁ? 好きなんだろコレ? ほらぁ」

志希「むぐっ!?」


半開きになっていた口に問答無用で菓子を突っ込むと彼女の目が驚愕の色に染まった。
志希が目をパチクリさせる様はちょっとだけ気の毒に思えたが、まだまだ足りない。


P「まだまだあるぞ? ほら口開けろ」

志希「もぐっ…!? ま、まっへ! いらないよぅ!」


菓子を押し込もうとした俺の腕が志希の両手に阻まれたのですかさずその両手を絡めとり、一瞬だけ腰を浮かせ股下に押し込んだ。
俺の股下から出ているのは志希の胸と顔だけ。
完璧なマウントの完成だ。


志希「やっ、だめっ、離してよぉ~」


志希は必死に体をよじってこの状態から逃れようとしているようだが、その抵抗は女に生まれなくて本当に良かったと心から思えるほどに非力だった。


志希「ふぎゅっ!?」


股下を潜り抜けようと足先の方へずれていくのを止めるのと同時に志希の口を開くために左手で志希の頬をつかみ無理矢理口を開かせる。
こんなアヒル顔でさえ可愛いくて…なぜかそれもまた苛つく。


P「何個入るかなぁー。にーこ、さんこ、よんこ…」

志希「ふむっ!? ふぅぅん゛ん゛っ!?」ブンブン


顔を左右に振ってイヤイヤしているが、まだ入るに決まっている。
唇と歯の隙間から見えるすでに入れたきのこ菓子を人差し指で奥に押し込むと、案の定スペースが空いた。


志希「んぐぅぅぅっ!?」

P「ごーこ、ろっ……こ、なぁ~なぁ~…こ! ん~~限界かな?」


本当はもっと入りそうだが志希が非協力的なのでこんなものだろうか。

P「ほら、もぐもぐして」グイッグイッ


志希の顎を手で押して咀嚼の手伝いをしてやる。


志希「も゛…ぐ、もぐ…んぐ…う゛……」

志希「んん゛…んごく…」

志希「ぷおでゅーさぁ…んぐ…こわい…よぉ…んごく……もうやめよぉ…?」


今更何を言っているのか…。


P「志希、怖いだろう? 男を舐めてると怖い目に遭うんだぞ?」

志希「ぅ…んぐ…ぅん…」コクリ


志希が素直にうなずくのはこの荒療治の成果だろう。


P「でも俺で良かったなぁ、他の男だったら絶対に襲われてもっと怖い目に遭ってたぞ?」


頬の盛り上がりが減ってきたのでまた食べさせようと菓子箱をまさぐり一粒つまみ出すと、志希がぎょっとした表情を見せた。


志希「やっ…また…?」

P「あぁ、まただ。残ってるだろ? お残しは許しまへんで~ってか、ははっ」

志希「やだぁ…なんで…? もうわかったって言ってるのに…。なんの意味があるの…?」

P「ほらぁ、泣き言はいいから口開けろ~?」グイッ

志希「ひっ!? んごぁ…っ!?」


また志希の頬を握り強制的に開口させる。
さっき食わせた分はもう腹の中のようだ。
よしよし。


P「七個までは一気にいくぞ?」

志希「ふぅぅぅ゛ん゛!??? 」


一個、二個、三個……七個。
とりあえず、少なくともこれだけ入るのはもう分かっているからハイペースにつっこんでやった。


志希「んん゛ん゛ん゛……ふっぐぅ…う゛ぅ゛…」


こちらを見つめる志希の目はどこか虚ろに見える。
頬をリスみたいに膨らませ、しかも生気を失った表情なのにやはり可愛い。
くそっ!
苛つくイラつくイラつくイラつくっ!!


P「あと、一個いけるか…?」

志希「んんん゛~~~~!!!」ブルブル


聞き分けなくイヤイヤする志希を軽く抑え込んで八個目を押し込むと、どうやらそれが限界らしかった。

箱の中には残り二個のきのこの山…。
あともう少しだというのに…。
志希にはもう入らないか…?


志希「ん゛っ…んふ~~んふ~~っ」


と、そこで口呼吸を禁じられた志希の荒い鼻息が耳に入った。
志希のしゅっとした鼻もこのときばかりは小鼻をヒクつかせながらどうにか体内に酸素を取り入れようとしている。


鼻。


鼻かぁ…。


残り二個のうち一個を志希の口元に近づける。
そうすると志希は怯えにも似た表情を見せたが、口の上を素通りさせると一瞬安堵の色が浮かんだので、その油断の隙をついてきのこのスナックの部分を志希の左側の鼻の穴に挿入した。


   ずにゅっ♪


志希「ふむっ!?」

志希「ふ…ぐ……?」


志希の時間が止まっている。
めったなことでは思考することをやめない天才も、度重なる無意味な…いや無意味じゃない、志希を教育するためだ、本当だ…度重なる特異な状況に脳の処理機能がフリーズしてしまったらしい。

しかし…これはまた……。



P「んふっ…」


P「ふふ…はははは…」


なんて顔だよ、ははは。
さすがにアイドルでも鼻に異物を突っ込んだら可愛くなくなるのな、あはははは。

そうだ記念…じゃなくて教育記録として残しておこう。


   ぱしゃり♪


志希「……ふ」

志希「ふぅ゛ぅ゛ぅ゛~~~~~~~」ジタバタ


カメラのシャッター音に志希の思考が回復したようで…まぁ回復したところで体をよじることしかできないのだが。


P「片鼻じゃあ苦しいだろう? ほら、よく噛んで飲み込もう? ははっ」グイグイッ

志希「んに゛ぁ!? んむっ!んぐっ…んく…」


咀嚼することを失念していた志希を手伝ってやると、口内でグズグズになっていたらしい八個のきのこの山はほどなく嚥下された。


志希「んぷぁ…」

志希「な、なんで? なんなのこれぇ…こんなの襲われた方が…あたしキミになら……」


   ずにっ♪


志希「ふな゛ぁ!?」ビクッ


口内の圧迫感がなくなり安心した隙をついて最後の一個を右側の鼻の穴に差し込んだ。


   ぱしゃり♪


アイドルとしてという以前に女の子として致命的な様を写真に収めたこの時点で、いつの間にか志希に対する苛立ちは霧散していた。
今はもう俺の下でフルフルと小動物のように震えている志希がたまらなく愛らしく見える。


志希「なんえ゛なんえ゛なんえ゛りはいれきらいりはいれきらいいみふめひいみふめひ……」


志希が極まった鼻声で何事かを呪文のように呟く。
その目の焦点はどこにあるのか曖昧だ。
その愛らしい視線を俺に向けたくて、両穴のきのこをそのスナック部分で鼻の内壁をノックするようにグリグリしてやった。


志希「んお゛ぉ゛!?」



志希「ん゛あ゛…やめへ…ごめんなさい…もうや…へ、へ、へ…」








志希「へぷちっ」



   ぽろん……コロコロ…











世にも可愛らしいくしゃみの勢いで左側のきのこの山が鼻からすっぽ抜け、志希の胸の上に転がった。

志希「ぁ……」


さっきまで志希の鼻穴におさまっていて、くしゃみによって発射されたソレには当然のようにぬめりのありそうな透明な液体が付着していた。


この可愛らしい志希の鼻水…。
嫌悪感は微塵も感じない。
意識せずともその濡れ菓子に手が伸びてしまう。


志希「ぷろ…でゅーさー…? それ…どうするの…? まさか、だよね…」

P「?」


志希が何を言っているのかわからない。
こんなのどうするかなんて決まっている。
そんな分かり切ったことをいちいち質問するなんて志希らしくないなぁ。

こんなオイシソウナものタベルに決まってるだろ?


P「ん、ぱく」

志希「あっあっあ…えへ? えへ…?」

P「もぐ、もぐ…うん、美味いな…」

志希「ひっ、ひっ、ひあっ!? うぁっ!? はっ!? え!? ひっぃぃっ!?」


志希の口から出るのは意味をなさない空気が抜けるような音。

P「こっちももらおうかな…」グニグニ

志希「ひぐぅ!?」


右穴に残ったきのこを突っ込み直し、内壁に擦り付けてから引っこ抜いた。


   ずるぅぅ♪


P「あ、なんか付いてきた」

志希「ひっ!? ひっ、ひひひっ、だめだめだめだよっ、あひっ」


黄色だか透明だかよくわからない塊のような粘液のようなアイドルから出てくるものにしてはえげつないレベルのものを引き連れてスナックが出てきた。


P「ん、あむ…うんイケるイケる」

志希「いひっ、ひひっ♪いひひひ♪りかいりかいできなぁーいいいいい♪あひひひひ♪」


壊れたような笑い方をする志希の目には涙が溜まっている。

なんだっけ?
何をしてたんだっけ?
危機感のない志希への教育だ。
そうだそうだ。

男に馬乗りになられて好き放題にされる怖さも分かってくれたようだな。



P「志希、男のことをあんまり甘く見てると痛い目に遭うんだぞ? 分かったな?」

志希「はいはいはーーい♪ いひひひひひ志希ちゃんりょーかいだよー♪あはははははっひひひ♪」

P「事務所に遅くまで残るときは俺がいるときだけにするんだぞ?」

志希「はぁ~い!いひっ♪ キミがいるときだけ~あはっははは♪」

P「よし、じゃあ帰るか」

志希「帰る帰るーいひひっ♪」




なぜか酔漢のように足腰が立たなくなってしまった志希を彼女のマンションまで送り届けるのはなかなか骨だった。

一ノ瀬志希 編 終わり

次の話は明日投下予定です

レベル高いわ

乙乙
なんか途中猫が紛れ込んでたような気が…

>>79
うぎゃぁーー!! 死にたい……

おいおい……新たな目覚めを感じたわ……腹の奥がむず痒いっす

これはいいスレを見つけた

すごく……なんというか…でも悪くないような…

まあ、単純に素晴らしいよな
久しぶりに爽やかな気分になれるss

>>1の守備範囲広すぎィ!
次はどんなネタが来るのか想像もできねぇ

始めます



…………
……



何かいい香りがする…

吸い込めば吸い込むほど体に力が漲ってくるようないい香り…

視界は停止した砂嵐…
これは…目を閉じているからか…

そうか俺は事務所のソファで仮眠をとっていたんだ…
まだ目は…開きたくないなぁ…
だってソファの寝心地がこんなに良くて、この程よい硬さの枕は温かくて…それにすごくいい匂いがするし…



枕…?

枕なんてあったっけ…?


P「ぅ……?」


「ぁ…Pさん…お目覚めですか…?」


P「ぇ?」

目と鼻の先からの距離からの予期せぬ問いかけに反射的に目が開く。

視界の左側は柔らかそうな膨らみに遮られているが、右目からその声の主の顔を確認することができた。


P「あ…え? 美優さん…?」


仰向けに寝ていた俺の顔を心配そうにじぃっと見つめていた女性は三船美優だった。
つまりこの後頭部の柔らかな感触は彼女の膝枕らしい。


P「あっ、す、すいません!起きますっ」


寝起きでまだ不自由な体に鞭打ち、急いで起き上がろうとしたのだが…。


美優「あっ、いいんです。Pさんもお疲れでしょうからもう少しこのままで…」


美優さんの手が優しく俺の額と瞼に添えられて、起き上がろうとした初動を制されてしまう。
美優さんの手はひんやりと冷たく…本人は冷え性を辛がっていたが…俺にはとても心地よく、彼女の言葉に抵抗する気を削ぐのに十分な威力だった。


P「ぅ…すみません…みっともないところをお見せして…」

美優「そんなふうに思うわけ、ありません…。
私がアイドルとしてやっていけているのはPさんがこんな夜遅くまで頑張ってお仕事してくれているからなんですから…」

P「…ありがとうございます美優さん。ではもう少しだけいいですか…?」

美優「はい…いくらでも…」


了解が得られ安心して膝枕に体重をかけると首筋に感じる美優さんの体温は生々しく、今日の彼女の装いは彼女にしては短めのスカートであったことを思い出してしまった。
どきり、という胸の高鳴りを努めて無視する…。

P「あ…今何時ですか? それにどうして美優さんは事務所に…?」

美優「今は…24時になったところですね…。さっきまでこの近くで留美さんたちとお酒を飲んでまして…。
帰りに会社の前を通ったらまだ電気がついていたので、もしかしてまだPさんがいらっしゃるんじゃないかと寄っちゃいました」


普段より柔和な表情で微笑む彼女の頬は、よく見るとほのかに朱が差していることがわかった。
24時か…そういえば事務所の電気はこの一画しか点いておらず、周囲も静まり返っている。


美優「もしかしてこれからまだお仕事されるんですか…?」

P「いえ、今日はもう仕事は残っていません。少し疲れが溜まっていたので帰る前に30分だけ仮眠するつもりだったんですが…。
思ったよりも長く寝てしまっていたようです」

美優「……」ジーー

美優「たしかに…目の下にクマが見えます…」ジー

P「み、美優さん…っ、ちょっと…近いです…」


鼻と鼻の頭がくっつきそうなぐらい近づいて、俺の顔をまじまじと見つめる美優さんに心拍数が一段上がったのが分かった。
しかも頭を美優さんで取り囲まれるようなこの体勢に加え、お酒で体温も上がっているらしく、濃密な彼女の香りが鼻腔を満たし、思考が濁りそうになる。
緊急回避とばかりに視線を美優さんからずらすと、ソファ前に置かれたローテーブルの上に、見慣れない小さな電気製品らしきものが稼働しているのに気が付いた。


P「あ、コレ…もしかしてアロマディフューザーってやつですか?」

美優「はい…。少しでもPさんの疲れが取れればと、使わせていただきました…」


美優さんは趣味でアロマを嗜んでいるというのは聞いていたが、実際に見ることは初めてだった。
可愛らしい形をしたディフーザーはうっすらとした照明を点けながら、その上部からミストを排出している。
意識して深呼吸してみると、胸奥をつつく美優さんの匂い以外に南国を想起させるような甘い香りがあることに気付くことができた。

…なんだか元気が湧いてくるような香りはこれだったのかな…?

P「これはなんていうアロマですか?」

美優「え? え、えぇと…なんだったかしら……」

P「?」


歯切れ悪く顔を逸らした美優さんの視線の先には小さな小瓶。
これはアロマの容器か…。
テーブルの端に置かれていたが手を伸ばせばこの体勢でもなんとか届いた。


美優「ぁっ……」


小瓶に貼られたラベルの文字。
これがアロマの内容物だろう。


P「イランイラン…っていうんですか?」

美優「そ、そうでしたイランイランでした…」

P「へぇ、初めて聞きました。まぁそもそもアロマのことはほとんど知らないんですけどね」

P「で、どういう効果があるんですか?」


単なる興味本位からの簡単な質問。
アロマを趣味にする人にとってはその効能など把握していて当然だろう。
それでも美優さんはやはりどこか都合の悪いことを聞かれているかのように表情が曇っている。


美優「ぇ…ぇぇと…ストレス…の軽減…? それと…安眠? ……です」

P「あぁ~なるほど。だから寝すぎちゃったのかなぁ…、アロマってすごいですね」

美優「そ、そうなんですよ。アロマって正しい使い方をすればちゃんと生活を彩ってくれるんです。
もしよろしければPさんにもお教えしますよ…?」

P「えぇ、是非ともお願いしま」


   ぴぴぴぴぴぴ♪


P・美優「「 !? 」」

ゆったりとした雰囲気が突然の電子音で遮られる。
これは携帯のアラーム音だ。
眠りこけないように仮眠を取る前にあらかじめ設定しておいたのだったか…。


P「すいません、目覚ましのアラームです」

美優「あぁ、そうでしたか…。少し驚いちゃいました…」


起き上がろうかと思ったが、頭に添えてくれている美優さんの手が心地よくて…まだ離れたくなくて…、
失礼ながら寝たままの姿勢で携帯をスラックスのポケットから取り出し、アラームを解除した。


P「解除…っと」ピッ


そして携帯を手に取っているその流れで何の気なしにとあるワードを入力しタップした。



【検索】イランイラン



検索して出てきた候補の一番上のページをとりあえず開く。


P「ぇ…?」


気になる記述があったので、他の2、3の候補も流し読む。


P「……………」

美優「Pさん…?」

P「へぇ…イランイラン…イランイランですか……」

美優「え…? あ…っ!?」


俺が何をしていたのかようやく気付いたらしく美優さんの体が小さく一度震えた。
頭に触れていた手は強張り、やっと起き上がる意欲がわいてきた。




   ぎしっ


上体を起こし美優さんの隣に座る。


P「イランイランの効能…ストレス軽減と安眠でしたか…。他には…?」


自分でも意地悪な質問をしていると思う。


美優「え…えぇと…ごめんなさい忘れちゃ…」

P「いえ、知ってますよね? というかどこ見てるんですか?こっち向いてくださいよ?」


ついさっき心拍数の上昇を抑えようと美優さんと目を合わせるのと避けた自分が言うのも説得力に欠けるなぁとは思うが、
そこを指摘できるほどの余裕は彼女には無いらしい。

美優さんの頬に手を添えこちらを向かせると、その目は誰かに助けを求めるように泳ぎ、唇もあうあうと震えていた。

嘘のつけない彼女の逃げ場をさらに狭めてやる言い方をしてやる。


P「美優さん、知らないならそれでいいんですけど…知ってるのに言わないとか、嘘を言ったりはしないでほしいなぁ…?」

美優「っ……」


彼女の怯えるような目、それでいて上気した頬に言いようのないドロリとした熱が腹の底にたまるような感覚がある。


美優「イランイランの効能は……ストレス軽減と…安眠……それと…」

P「それと?」

美優「ぅ………こ、こうようかん…。高揚感です…っ」


当たり障りのない言い方を思いついたつもりのようで、そうはっきりと言い放った。
もし仮に本当にそれでお茶を濁せると考えているとしたら……途端に美優さんがとても可愛らしく見えてきた。
と、それと同時に悪戯心に火が付いた。


P「高揚感?よくわかりませんねぇ。どういう高揚感なんですか?もうちょっとわかりやすくお願いできますか?」

美優「ぅっ………」


顔は真っ赤、目にうっすらと涙を溜めて、恨めしそうな視線を送って来る美優さんは本当に愛らしい。

あぁ…いつもの大人な美優さんはどこにいったのだろう。

P「ふ……」フリフリ

美優「うぅぅ~~~」


トドメに検索画面が表示されている携帯を見せつけながら懺悔を促す。
『ほら、ネタは上がってるんだよぉ』という奴だ。


美優「う……」

美優「さいいん……」

P「さいいん…?」

美優「催淫っ、効果がっ、あります……っ」


湯気が出るのではと心配になるくらいに赤い顔をして、なにか吹っ切れたような美優さんが声を裏返しながらそう言った。



ここまでは罪の告白。
ここからは罰の時間。
罰がなければきっと罪を繰り返す。
だから罰は必要。



P「さいいん…ってどういう字を書くんですか?」

美優「~~~っっ、Pさぁん……もう許してくださいぃぃ……」

P「え?だめですよ? ほら教えてくださいよ。俺にアロマのこと教えてくれるんでしたよね? 美優さんが俺に対して使ったアロマのこと教えてくださいよぉ」

美優「ううう~~ひどいぃぃ~~」


美優さんはついに羞恥に耐えられなくなりうつむきながら震え始めてしまった。
普通であれば罪悪感を感じてしまう光景かもしれないが、儚いながらもなぜか意地悪したくなる雰囲気を纏う三船美優のそれには胸の高鳴りを禁じ得ない。


美優「みっ、淫らを…催す…と書きます……」

絞り出すような呟き。

P「ん~~難しいなぁ。それってどういう意味なんですか?」


そしてそれに対しての無慈悲の上乗せ。


P「わかりやすく教えてください? さいいん?されるとどういう気分になるのか」

美優「ぅぅ……わかってるくせに…いじわるです……」

P「ほら、教えてください」

美優「ぇ…えっちな…気分になります…」

P「……イランイランの効果は男女に共通なんですか?」

美優「は、はい…どちらにとっても…その…気分が高まります…」

P「で、もし男と女が一対一でいて両方がエッチな気分になったら、その後どうなるんですか?」

美優「……ぁ…ぁぅ…ぁぁぅ……」


目が回るというのはこういう状態のことをいうと辞書に載せたいくらいの良い表情を美優さんは見せてくれた。

『罰』はこれくらいにしてあげようか。



P「……」



P「あはははっ……」


美優「ぁぅ……ぇ……?」

P「ははっ、まぁおそらくは酔っぱらった川島さんあたりが、こうすれば俺をからかえるとか言って美優さんをそそのかしたんですよね? 分かっていますよ?」

美優「ぇ…ぃゃ…ちが…」

P「ん?」

美優「い、いえっ……そ、そうです……カワシマサンゴメンナサイ…」ボソッ

P「でも…いくらお酒が入って羽目を外してしまったとしても、こんなのはいくらなんでも軽率じゃないですか? 美優さん?」

美優「ぅ……おっしゃる通りです…」シュン


まるでイタズラがばれて叱られている子供のようだ。


P「他に誰もいないような場所でこんなことして…、俺じゃなかったら勘違いして襲ってますよ?」

美優「ぅぅぅ………」シューーン


二十歳を超えた大人にもなれば人の言いうことを真摯に受け止められないかたくなな人間も多くなってくるが、得てしてそういう人間の成長は期待できない。
喜ばしいことに美優さんはどうやらそちら側の人間ではないらしい。
となれば俺が伝えることはちゃんと美優さんに響くわけで…。


P「まったく…もし、美優さんが襲われた場合どんな悲惨なことになるか教えてあげましょうか?」

美優「え…?」


美優さんにはもっと警戒心を持ってもらうために男の怖さを教えてあげるべきだと俺は思う。

P「まず男は襲うとなったら美優さんを押し倒すでしょうね。そう…こんな風にっ」グイッ

美優「あっ」ドサッ


美優さんには完全に不意打ちだったようで、肩を軽く押しただけでソファに押し倒すことができた。
ソファの柔らかいひじ掛けを枕にして仰向けとなった美優さんの顔のすぐ横に手を着き覆いかぶさるようにして彼女の顔をのぞき込む。
が、必要以上に彼女に触れてしまわないように細心の注意を払っている。


美優「えっ!? P…さん……?」

P「びっくりして対応できなかったでしょう? そういうものです。でもこうなるともう逃げるのはむずかしいですよ? 
普通は美優さんのお腹に馬乗りになって身動きは完全に封じ込められちゃいますからね。今はそんなことはしませんが」

美優「は、はい…そうですか……」

P「で、こうなるとまず美優さんはどこを触られると思いますか?」

美優「えっ? ど、どこを…?」

美優「……む、胸ですか…?」

P「なるほど。そういう奴もいると思います。が、大多数はまず美優さんの唇を狙うと思います」

美優「そ、それって…」

P「はい、キスされちゃいます」

美優「きっ…ぅぅ………」


戻りかけていた顔色がまた色づき始める。


P「だんだんと燃え上っていくような恋人同士のキスなんかじゃなく、美優さんの唇と口内を一方的に貪るような暴力的なキスです」

美優「そ、そんな……」

P「上唇も下唇も前歯も奥歯も歯茎も舌もベロベロ舐められて唾液でべちゃべちゃにされちゃいます。
唇がしびれて感覚が無くなってくるくらいの長い時間キスし続けられるでしょうね」

美優「あ、あぁぁ…うそ……」

P「頭もぼうっとしてきて、いったいいつまで続けるんだろうだなんてことしか考えられなくなる頃…おや、キスがやみました」

美優「んっ、はぁ…やっと……」

P「涙で歪んで見えるその男の顔は、それでもまだすぐにキスできるくらい近くにあって…
あれ?よく見ると口をもごもごとしてますね。何してると思いますか?」

美優「ぇ…わ、わかりません…」

P「……と、ぼんやりしていたらまたキスされてしまいます。でもそれまでのキスとは少し違う。
口内を貪ってくるような激しさがない。なんでだろう?と思っていたその瞬間!」

美優「……」ゴクリ


P「どろり……口に生温かい液体が注ぎ込まれる感覚に鳥肌が立ちます」

美優「まさか……」

P「はい、流れ込んできたのは男の唾液です。さっきもごもごしてたのは口の中の唾液を集めていたんですね」

美優「あ、あぁ………」

P「考えるより早く体が勝手に吐き出そうと顔を横に向けようとします。
ですがそれをソイツが許すわけもなく、頬をがっしりとつかまれて全く首は動かせません」

美優「え、えぇっ…どうすればいいんですか…?」

P「残念ながらどうにもなりません。男は美優さんが唾液を飲み込むまで頬を離しませんし、
たとえ上を向いたまま口の端から吐き出したとしても、今度はさらに多くを流し込まれるだけです」

美優「そんなぁ……」

P「それにあんまりまごついていると男は拳を握って…暴力をふるうぞと脅してくるかも」

美優「ひっ!…い、いや……っ」


P「…恐怖に支配されて仕方がなく飲み込みます。喉を落ちていく気持ちの悪い粘液。
普段飲み食いしているときは全く気にならないのにこういうときだけ妙に鮮明に感じてしまいます」

美優「うっ……」ピクン

P「一度飲んでしまえば二度三度と流し込まれ飲み込まされ、男にされるがまま。
そのころにはもう抵抗するのは無理だと諦めているんじゃないですか?」

美優「あぅ…そうかも…しれません……」

P「ぼんやりとして動きの鈍くなった美優さんを見て、男は次のステージに進みます。次は胸です」

美優「っ……」


そう言いながら俺はソファから下り、仰向けになったままの美優さんの横の床に膝をついた。


P「ソイツはとにかく胸を触りたいという衝動からまずは服の上から揉んでくるでしょう。ぐにぐにと乱暴にまさぐられます」

美優「やっ……」

P「でもそれはすぐ終わります。だって服の上からより直に触った方が気持ちいいですから。
強引に服を脱がされ、下着もはぎ取られ…美優さんの生の胸にまじまじと視線が注がれます。
隠そうとする両手は簡単に絡めとられてネクタイで後ろ手に縛られてしまいました」

美優「ゃぁ…見ないでぇ…恥ずかしい…っ」


P「ひとしきり視姦した後は当然触るんですが、今度は服の上からの時とは違いゆっくりと、優しく。
それどころか触れているのか微妙なほどのソフトタッチです」


言いつつ手のひらを美優さんの胸に近づけた。


美優「んっ………♥」

P「膨らみの外側からゆっくり…じっくり…羽が撫でるように…ソフトに…円を描きながら中心に近づいていく指先の感触」

美優「ふぁ…んっ…ジンジンしま…すぅ…♥」

P「安心してください、俺は触れてませんよ?」

美優「ぅそ……? たしかに感じるの、にぃっ……♥」ピクン


美優さんの体が本当に何かを感じたかのように小さく震えた。
俺の指先の体温をじんわりと胸で感じ取っているのだろうか?
いやそんな馬鹿な。ただの思い込みだろう。


P「気付けばもう指先が描く円は小さくなり、突起の周りの肌の色が濃くなるエリアに差し掛かろうとしています」

美優「ぁっ…ゃぁん…」

P「このエリアの大きさはどれくらいかな…?一円玉くらい?五百円玉くらい?それとも牛乳瓶の底くらい…?」

美優「そんなに…大きくありま…せんっ」

P「……」

美優「じゅ…十円玉くらいです……」カァァ


別に答えなくてもいいのに律儀だ。


P「その十円玉ほどの領域を指先でカリカリ…カリカリ…一番真ん中の突起にはまだ触れずカリカリ…カリカリ…」

美優「ふっ…くっ…こんなに、焦らすなんて……」

P「十円玉がピカピカになるんじゃないかというくらい撫でまわした後にようやく突起への刺激に入るわけですが…
どう触られるでしょうか? これまでと同じように優しく?それとも強く?」

美優「おねがいします…優しく…してぇ…」

P「これまでの焦らすような触り方でテンションが限界にまで高まってとても敏感になったそこは…
残念ですが…指先で『きゅっ!!!』っと潰されちゃいました。こんな風に」


美優さんの目の前で、人差し指と親指で目に見えない肉豆を潰して見せる。


美優「ひぃぃあああんん!!!??」ビクン


指の間が狭くなるのに同調して美優さんが嬌声を上げた。
もちろんさっきから彼女の体には一切触れていないのだが…美優さんの感受性はかなり高いようだ。


P「美優さん? そんな風な色っぽいうめき声を出してたらソイツの手は余計強くなっちゃいますよ?」

美優「そ、んなぁ…だめです…むぐっ……」


これ以上声を漏らさないように美優さんが両手で口を覆ったが、それはダメですよ美優さん。何故ならば…。


P「今の美優さんは両手を後ろで縛られていることになっているんですよ? なので今は…手は頭の後ろで組んでおきましょうか」


彼女の手を取って頭の後ろにもっていくと、俺の言いつけ通りに頭の後ろで組んでくれた。
そうすると、呼吸が荒くなっていることもあり、まるで腹筋運動の最中のようにも見える。

美優「ぁぁ…声…でちゃう……」

P「頑張って耐えてくださいね? 声を出したら男を興奮させるだけですからね?」

美優「は、はい…耐えてみせます…っ」

P「……」クニクニ

美優「ぅぁん…っ♥」

P「くすっ…」

美優「ぁ……」カァァ


P「……とまぁ、指で摘ままれて美優さんの意思とは関係なく硬度を増した突起ですが、きっとそれは見るからに美味しそうでしょう。
というわけで胸の感触を指で愉しんだ後は口でも味わいたくなるものです」

美優「ぁ…だめ……」フルフル

P「唾液で濡れた舌を胸全体に擦り付けます。柔らかい膨らみを舌で押し込んで変形させてみたり、
色違いの十円玉を舌先でなぞったり、舌の腹で突起のコリコリを愉しんだり…もう胸はべちゃべちゃです」

美優「はぁ、はぁっ…んぁ…」


P「もしかしたら歯形が付いちゃうくらい強く噛まれたりもするかも…だってこれは恋人同士の行為じゃなくて、美優さんは乱暴な男に襲われているんですから…」

P「かぷっ…って…」

美優「…痛っ……」ビクン


P「襲われていることへの恐怖と、肌を晒している恥ずかしさと、柔肌に歯が食い込む痛みと…
なのに確かに感じる甘い快感と……美優さん…あなた本当は襲われるのを愉しんでませんか?」

美優「襲われてるのに…そ、そんなわけ…ないで…す……っ」

P「そうですか…ならいいんです…」

P「キスをした。胸も味わった。となるともうアソコに行くんじゃないかと思います。美優さんアソコってどこか分かりますか?」

美優「アソコって…き、聞かないでください…っ」


答えるのを拒否すること自体が知っていることの証明なのに…。
その通り、彼女の視線は自分のアソコに注がれていた。


P「そうですね…ココ、ですね」スッ

美優「あっ! P、Pさん…ソコは…だめぇ……」


美優さんの言葉には耳を貸さず、彼女の下腹部を1センチの距離をあけて手で覆った。


美優「くっ…ぁぁ……んっ♥」

P「スカートもパンツもすぐにはぎ取ってしまって、一気に突き立てるというルートが普通かもしれませんが…時に美優さん、経験はありますか?」

美優「ふぇ…? け、けいけん…? えっ、経験ですか…っ?」

P「あ、答えたくなければ答えなくてもいいです。…美優さんの担当プロデューサーとしては把握しておきたいですが…」

美優「………ぅ」

美優「……………ま、まだ…です……やだっ恥ずかしい……」カァァァ



P「なんてことだ………………」





P「はっ!? いぇ、何も恥ずかしがることなどありません!! アイドルとしてこれ以上の武器はありませんからね!! 
 それにその…俺は美優さんがまだ、ということを知ることができただけでなんていうか、最高に幸せな気分です! 
 神様に感謝したいぐらいですよ!!」


美優「え、えっ…そ、そうですか…それは良かった、です…?」


P「でも、そうなると一気にいくのはちょっと躊躇われるかな…う~ん、でも襲っているならそんな気は使わないか…? う~~む」

美優「…Pさん? 何を悩まれているんですか…?」

P「えぇとですね…もし初めてならかなり痛いと思うんですけど、それだとできるだけ準備をしておいてなるべく痛みが少ないようにした方が美優さんにとってだけでなく男にとってもいいのかなと。
 あまりの痛みに泣きまくられると流石に萎えちゃうかもしれませんからね。
 う~んでも、襲うような男だったら気にしないか…?いやでも……」


状況が定まらず思考が空転する。
どちらでも良いといえば良いのであるが…。


美優「あの…もしPさんなら…どうしますか…?」

P「えっ? 俺ですか…? って、俺が襲うっていう前提がまず無いですが…」

美優「そっ、その前提は…一旦置いておいて…」

P「そういうことであれば、なるべく美優さんの痛みを減らすようにするに決まってますね」

美優「ぁ……♥」


美優「じゃ、じゃあ今回はその…なるべく痛くない方のケースでいいんじゃないでしょううか…?」

P「むむむ…。美優さんがそうおっしゃるなら、そうしましょうか…」

美優「はい…お願いしますね…Pさんならどうするか、教えてください…♥」


P「ん、では…。スカートとパンツを脱がされて、もう完全に一糸まとわぬ姿になってしまった美優さんですが、ついに股に手を触れられてしまいます。
 しかし、思ったほどの湿りは感じない。そこで美優さんがまだ経験がないということを聞き出して納得し、それならばと気持ちよくなれるように手伝ってやろうと男が言います」

美優「Pさん…優しい……」


P「…美優さん、勘違いしてはいけませんよ? 美優さんを気持ちよくしてやろう、なんていうのは優しさでもなんでもないですからね? 
 これは単にもう絶対に美優さんを手籠めにできるという確信からの余興であり、あなたをより乱れさせるための布石なんですから」

美優「は、はい…分かりました…」

P「そこで襲い始めてから頭に上りっぱなしだった血がいくらか冷め、ぐったりとした美優さんを改めてねっとりと視姦します。
 美優さんの美しい体…まだ味わっていない個所がたくさんあるじゃないか…」

P「髪、おでこ、鼻、頬、顎、耳、首、うなじ、鎖骨、肩、腕、手、腋、腹、太もも、膝、脛、脚指、足裏、ふくらはぎ、背中、尻…」

美優「………」ゴクリ


P「そのすべてにキスをして、舌を這わせ、噛みつき、美優さんの美しい体を汚していきます」

美優「ぁ……♥」


P「男に触れられるたびに嫌悪感がこみ上げてくるでしょうね。
 体中に塗りたくられた男の唾液はしばらくすると乾いてくれますが、そうなると臭いを放ち始めます。美優さんも自分の体から発しているとは信じたくないほどの悪臭です」

美優「P、さん……」ピクピク


P「男自身もその唾液の臭いに気付き…下ごしらえはもうここまでにしよう…。
 さあ、湿りはどうだろうか…?」

美優「はぁ、はぁ、んっ……」


P「嫌悪感と不快感しかなくても、あれだけ執拗にやらしく刺激されればこうなるのも無理はありません。
 だから仕方ないんですよ、美優さん? 襲われているのに、ここをこんなにグズグズにしてしまっても…」

美優「ぃゃぁ……これぇ…ほんとに…♥」

P「もうこれ以上湿らせる必要はない。
 そこで男は服を脱ぎ捨て、その象徴が美優さんの目の前に…それを美優さんの大事なトコロの入り口に当てがって…」

美優「ぁ、ぁぁ……」


P「美優さん? このまま入れちゃっていいんですか? 何か忘れていませんか?」

美優「ぇ…?」


美優「…ぁっ、ひ、にん…しないと…」

P「そうですねぇ。でも、聞いてくれると思いますか?」

美優「ぅ……で、でも…できちゃう……」

P「大丈夫、中には出しませんから。これで出来たなんて話は一度だって聞いたことがありません。
 美優さんは聞いたたことあります?無いですよね? 外で出せば良いだけなんです。
 だから、このままでも大丈夫ですよ?」

美優「そ、そうなんですか…? Pさんがそうおっしゃるなら……」


P「……」


P「……ぐじゅ、という音を立てて男のモノが美優さんの肉を掻き分けてめり込んでいきます。
 たっぷりと濡れいていたので抵抗はほどんどありません」

美優「ぅぁぁ…Pさんっ……♥」


P「それでも、少し入ったところに何か引っかかるところがありました。
 どうやらそれが初めての証拠らしい……男の腰に力が入りました」

美優「はぁ、はぁ……」



P「ぶちぶちぶち……」

美優「んぁぁぁっ!?」ビクンッ

P「その痛みがどれほどのものかなんて分かりません。個人差が激しいものでありますし。
 激痛を感じる人もいれば、大して痛みを感じない人もいるでしょう。
 もしかしたら軽い痛みの後すぐに気持ちよくなれるような人もいるかもしれませんね」

美優「ぁぁ…Pさん、のが……Pさん、Pさん、Pさん……♥」ブルブル


P「初めての刺激に震える美優さんに遠慮するような男ではありません。
 男自身を更に美優さんの中へ中へと押し込んでいきます。
 美優さんの奥でごつんという壁に当たるのを男が感じ取り…そこからはひたすら前後運動が始まります」


P「まだ痛みに耐えている美優さんなどお構いなしに、自分の快楽のためだけに腰を動かし続けます。
 ぱんぱんぱんぱん、と間抜けな音が美優さんと男の接合点から響きます。
 …美優さん、知ってますか? 本当に『ぱんぱん』って音がするんですよ? 
 いえ、たっぷり濡れていたらもっと酷い音だってしちゃいます」

美優「ゃぁ…そんな…っ、やらしぃ……♥」


P「尚も腰を振り続けます。腰をがっしりと掴んで奥に叩きつけるようにしたり、
 ふるふると震える胸を揉みしだきながらしたり、美優さんに覆いかぶさって抱きしめてキスしながらしたり…
 美優さんは痛みなのか快感なのか自分でもわからない大きな刺激に頭の中をぐちゃぐちゃにされて、抵抗らしい抵抗はもう…
 いえ抵抗するという考え自体もう浮かんできません」

美優「ぁぁだめ…Pさん…Pさぁ…んっ♥」

P「おや、男の腰の動きが止まりました。そして入ったまま棒を軸に美優さんの体を回転させ、うつ伏せにされてしまいます。
 でも腰は雌豹のようなカーブを描いて膝立ちの男の腰と繋がっています。
 いわゆるバックですね。…この体勢は、効きますよ?」

美優「んっ……」ゴクリ


P「向き合っていた時には擦れなかったところが擦れ、さらに深いところまで抉られて、しかもその勢いはこれまでよりもずっと強い。
 それも当然、さっきまでは動いていたのは男の腰だけでしたが、この体勢は男だけでなく美優さんの腰も前後に動かせるんですから。
 ほとんど二倍の勢いで腰と腰、それと、棒と壁がぶつかり合うことになるわけです」

美優「ぅ…そ……」


P「美優さんの大事なトコロの奥の一番大切なお部屋を男の一番汚い部分で乱暴に『どんどん』ってノックされちゃうんですよ? 
 …想像できます?」

美優「ふぁぁ……そ、んな…壊れちゃう……♥」


P「どずん、と。さっきまでとは全くレベルの違う衝撃が美優さんを貫きます。
 それは下腹部だけじゃなく、背骨と脳髄も一緒に貫かれたと錯覚するほど。初めての美優さんは一発でノックアウトでしょうね。
 体の自由はなくなり嵐が過ぎるのをじっと待つようにただ震えていることしかできません。
 それなのに男は美優さんの腰を掴んで自分の腰の動きとは正反対のタイミングで前後に動かして、与え得る最大の刺激を美優さんに与えてきます」


P「ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん…」

美優「ひっ…ぐぅぅぁああん♥」

P「ふと、美優さんの顔を見てみれば…嗚呼、止め処なくあふれてくる涙と鼻水と唾液で汚れ表情筋も引き攣って、
 いつもの穏やかで綺麗な顔の面影はどこにもありませんでした。
 これを見てしまうと最早男にとって美優さんは不可侵だったアイドルでもなんでもなく、ただの『入れれば気持ちのいい肉のオモチャ』のように思えてきて…
 俺は必死に腰を振ってやってるのにお前はアンアン呻くだけかよ、と身勝手な思考をするかもしれません」スッ

美優「そっ、んな…ひど、いぃぃいいん……っ♥」


P「そういえば、肉がほぐれてきたからか締りも最初のキツさと比べると物足りなくなく感じる。
 『やっぱりそうだ、手を抜きやがって…、ほら、しっかり締めろ!』」

美優「そんな…どうやって……むり…ですぅ……」


P「…業を煮やした男が、手を振り上げ勢い良く振り下げた次の瞬間、大きな乾いた音が響きました」



P「ばちん!」

美優「ひぐっ!?」ビクン



P「…と、いう音は美優さんのお尻が叩かれた音です。手のあとがくっきりと残るくらい強く叩かれた痛みが、
 ぼやけていた美優さんの意識を一気に覚醒させ、それと同時に意思とは無関係にアソコが縮み上がるようにして男のモノをぎゅっと締め付けます」


P「ぎゅっとしたところにズボズボとされると鮮烈な刺激が美優さんの脳を溶かして…でもそれだとアソコの力が抜けてきて…また、ばちん!」

美優「ふっ、ぐぅうぅう……♥」ピクピク


P「抜き差ししては叩いて、叩いては抉って、押し付けながら叩いて…
 お尻の痛みさえもただのジンジンという感覚としか感じなくなるころには、美優さんの頭は完全に壊れて動物のような呻き声をあげているんじゃないですかね」

美優「も…やめ…てぇ……」ピクピク

P「バックも十分愉しんだし、そろそろか……と、男がまた美優さんを動かし、初めと同じ向き合う体勢になりました。
 美優さんのドロドロになった顔を見ながら男が下卑た笑みを浮かべ、腰を突き入れます。…ぐじゅっ!」

美優「あぁぁぁん゛♥」


P「『気持ちいいのか?美優?』男が訊ねてきます」

美優「……んっ」


P「『気持ちいいのかって訊いてんだろうが!』」

美優「ひっ…!? や、やめて……そんなこと、訊かないでください……」


P「『おら、気持ちいいって言え!ほら!言え!言え!』」


P「男は言葉に合わせて激しく腰を動かしてきます。これはおそらく美優さんが言うまで続きます。
 だから言えばこの激しい腰遣いもひょっとしたら収まるかも…」

美優「くっ…ぁ…………」

美優「ぅ…き、もち…いいです……」


P「『あぁん!? 何言ってっか聞こえねぇぞ!?』より一層激しくぶつかる腰…」

美優「きっ、きもちいいですっ! きもちいい、キモチイイ!」


P「男が満足げにニヤつきながら腰の動きを緩めました。……どうですか? 言葉にしてみたら何か変わりませんか?」

美優「…ぅそ……ぃや…これほんとに……っ」


P「男の腰の動きがまた早まっていきます。ぱちゅんぱちゅんぱちゅん…」

美優「ゃ…んはぁ♥ きもち…いいっ♥」


P「『どこが気持ちいいんだ!?おら、言ってみろ!』」

美優「んっ、あ、アソコがっ…気持ちいいですっ…♥」


P「『何が気持ちいいんだ!?』」

美優「P、さんのぉ…お、おひ…んひ…んぁっ♥」



P「……」

P「……美優さん、その男をよく見てください。ほら、よく見て…。ソイツ何か持っていませんか…?」


バックのくだりあたりからずっと取り出して美優さんに向けていた携帯を振って見せてみる。


美優「へ? ぇ? 何…それ…? 何してるんで……っ!?」


トロけて朱の差していた頬が一瞬で青くなる。


美優「ぅそ…さっきの撮られて……?」


P「美優さん…残念ながらこれでもう一生この男に脅され続けることになりましたよ?」

美優「ぃゃ…ぅそ…ぅそ…」ガタガタ


P「美優さんの裸、繋がっているところ、襲われて気持ちよがるヘンタイだって宣言しているところも、
 男のがキモチイイって白状しちゃったところも全部全部撮られちゃいました。
 このデータをチラつかされると、朝だろうが夜だろうが家だろうが外だろうが男に命令されればどこでも股を開かなくてはならなくなりましたよ?
 もうこうなると普通の幸せなんて絶対手に入りません。その後の人生はずっとその男に骨までしゃぶりつくされるだけのものです…」

美優「ゅ、ゆるして…ゆるしてください…ゆるしてください…っ」



P「こんなに良いオモチャ、手放すと思いますか?」

美優「おねがい…ゆるしてぇ……」




P「……だめでしょうね」

美優「ぅ…ふぐっ……ぅぅぅ~~~」

P「最低な男にとっては美優さんの涙だって興奮材料でしかありません。より苛烈に美優さんの中を抉ってきます」

美優「ぃゃぁ…もうゆるして…んはぁっ♥ ゆるしてぇ…♥」


P「激しくぶつかり合う腰と腰…男の息遣いも激しいものになってきました。
 腰の動きはどこかぎこちなく、それでも力いっぱいに我武者羅に打ち付けてきます。
 男も呻き声を上げ始めました…男の絶頂が近いようです」

美優「んはぁっ…早く、抜いて……っ」


P「耳を貸さずより一層激しさを増す動き…。美優さん、抵抗できますか?」

美優「くっ…ら、らめぇ…力はいらな…ぃ…」


P「男は力の限り腰を動かし、肩で息をし、目は血走って……美優さんの腰をがっちりと掴んで奥の奥まで突き入れました。
 敏感であれば一瞬膨張するのを感じ取れるかもしれません。そして……」

美優「ぅそ…外で…出すって言ったの…にぃ…っ!?」





P「……出ました」

美優「ぃやぁああああ~~~~♥♥♥」ビクビクッ



P「奥で弾ける感覚が美優さんのお腹を汚していきます。美優さんの中にジクジクと広がっていく男の体温…。
 たっぷりと出し引き抜いた後、濁った液があふれ出してきたところを記念とばかりにまた動画に収められました」



美優「ゃ…もう…撮らないで……♥」ピクピク




P「と」



P「いう感じですね。男を勘違いさせるようなことをしちゃうとこんなことになりかねないんです。
 分かりましたか、美優さん?」



脳内でこれまでのおさらいをしているのだと思うが、ソファに仰向けになったまま、目を閉じて手を胸の前で組みフルフルと体を震わせている美優さんは、やはりとてもいじらしく可愛らしい。


美優「は、ぁい…♥ よくわかりました、Pさん…♥ たいへんなことになるんれすねぇ…♥」


P「では、ちょっと長くなってしまいましたが帰りましょうか? 立てますか?」

美優「ぁ…まっへ、いまPしゃんに、さわられたら……!」


寝そべる美優さんを起こしてあげようと手を取ってあげたのだが…。


美優「ふぁ、あっ、あっ、あっ……んあっ♥♥♥」ビクン

P「? 美優さん、もしかして風邪ですか? 今日は暖かくして寝てくださいね?」


P「ほら、車まで肩、お貸しますよ」

美優「うぁ、あぅ、あっ、だめっ…たれちゃう…たれちゃうぅ……っ♥♥♥」




プルプルと震え続ける美優さんを半ば背負うような形で事務所を後にした。

三船美優 編 終わり

次の話は明日投下予定です

違う……こう……違うんだけど……素晴らしい
おつ

いいな……本当にイイ……楽しくエロいってやっぱ最高やな!

やってないのにこの臨場感

チンビン神

イランイランってすごい

言葉責めなんてチャチなもんじゃねえ…

こんなドSの変態野郎を遣わしてくださいまして有難う御座います

Pの構成力も流石だが、美優さんの感受性豊かな妄想力半端ないな…

明日になったぞはよせい

始めます

待ってた




きぃ


と遠慮がちな音を立てて事務所のドアが開かれた。


「P…いる…?」


猫一匹がちょうど通れそうなドアの隙間から問い掛けとともにひょっこりと顔を出したのは佐城雪美だった。


P「お、雪美か。お疲れ様。仕事の報告か?」


雪美「うん…」


トコトコと一直線に俺のデスクに駆け寄る雪美を見て、いつものように椅子を引いて俺と机の間にもう一人分のスペースを作った。


雪美「ん…」


雪美も慣れたもので、俺の膝の上に横に座り背中に腕を回して抱き着くまでの動きに無駄がない。


P「それで、仕事は上手くいったか?」

雪美「うん…だいじょうぶ…」

P「よしよし、それは何よりだ。えぇと…今日の雪美の同伴者は誰だったっけか…」


雪美に限らず年少のアイドルについては一人で現場に行かせるということは勿論なく、
マネージャーも兼任している俺かもしくは共演する大人のアイドルが同伴しているのだが、それは誰だったか…。
その人からも雪美の様子を聞いておかないとな…。


P「あっ」


今思い出した。
もし仮に覚えていたのならば雪美を膝に乗せるようなことはしなかっただろう。

体中の汗腺が一気に開いていくのを感じる。


P「ゆ、雪美?すまんが膝から下りてくれないか…?」

雪美「まだ…だめ…。まだPに…撫でてもらってない…」

P「あああ、後で。後で撫でてやるからな? だから今は下りて? な?」

雪美「……」ギュッ


俺の切なるお願いは雪美に受け流されてしまったようで、俺の背中に回した彼女の腕の力がむしろ強くなってしまった。
こんなにも俺に懐いてくれているいたいけな少女を強引に引きはがすことなど無理だ…。
だが、こうしてこのままホンワカしていると…幼い少女とホンワカしているところをアノ人に見られると、その直後に全くホンワカできない状況に陥ってしまうのは確実。


P「雪美ぃ、頼むよ…。でないと…」





「でないと、どうなるのかな? Pくん?」



P「ひぃっ!?」



手遅れだった…。

一体いつの間に忍び寄っていたのか?
すぐ背後から投げかけられたその声は、字面としては軽やかなのだろうがその実、問答無用の重い響きがあった。

視界に細腕が映ったと思った瞬間その腕が視界を塞ぎ…。



   ぎし……っ!!!


P「ぐぁっ!!?」


俺の顔面に絡みついた腕がウインチにつながったワイヤーロープのように頭蓋骨を締め上げ始める。
自分で意識するよりも咲に絡みついた腕に降伏のタップを繰り返していた。


P「さ!早苗さん!! まっ、てぇ!ぐぅぅぅぅ!!!」


タップ!
タップ!
タップ!してる!!
タップ!してるのに!!
片桐早苗のヘッドロックは一向に解かれる雰囲気はない!
骨が軋むような音が脳内に響いているのは錯覚だろうか?


早苗「こんなにぃ、ちっちゃな子をぉ、膝にのっけてぇ、何のつもりかなぁ~♪」


  ぎしっ、ぎちっ、ぎちっ、みしっ


フレーズに合わせて腕の力に緩急がつけられる。
その度に俺の口からは言葉にならない呻き声が情けなく漏れ出た。


早苗「女の子とそんなに触れ合いたいならぁ~、お姉さんが抱きしめてあげちゃう♪」ギュゥゥゥ

P「ぎぃいいいいっ!!!!?」


ウインチのモーターの回転数が更に上がる。
ふん♪ふん♪という早苗さんの掛け声とともに腕が絡みついている方とは逆側の頬辺りに若干の柔らかさを感じ…ない…感じない!
痛いだけだ!!

目を覆われて真っ暗なはずの視界に火花が走っている。
気付けばタップする手さえも動かせなくなっていた。


早苗「ん~? もうギブアップ~? 情けないなぁ~♪」

激痛が何故か消えた。
何故だ?
あ、放してくれたのか。

そういうことか。
そうだよな、当たり前だ。


P「うっ…、ぐ……っぅ…」


まだギシギシ鳴っている頭を振り目を開くと、心配そうにのぞき込む雪美の顔があった。


雪美「P…かわいそう…まだ痛い…?」

P「ぅ…いや、もう大丈夫だ。心配いらないよ」


まだ残る痛みを努めて無視して平静を装うが、どれだけ繕えているかははなはだ疑問だ。


雪美「…いたいのいたいの、あっ…」グイッ

早苗「ほぉ~ら、雪美ちゃんもいつまで乗ってるの。そういうのダメっていつも言ってるでしょ?」

早苗さんが雪美を抱きかかえ俺の膝から下した。

早苗「Pくんもこんなちっちゃな子を膝に乗っけてニヤニヤしてんじゃないわよ! いい加減にしないとタイホするわよ~」

P「はい…。申し訳…ありません…」


雪美はこう見えてかなり強情なところがあるから膝に乗せないとロクに話してくれないし、そもそもこんな小さな子に抱き着かれたところで何か邪な気持ちを持つわけない。
だがその辺りのことをいくら早苗さんに訴えたところで理解してもらえるとは思えないし、ひょっとしたら言い訳するなと更なる折檻が待ち構えているかもしれないので敢えては言わない。
だが…。


P「あの、早苗さん…。最近その…俺へのシメ方がキツくなってるような気がするんですが…?」


彼女からの折檻の痛みが日に日に増していっているのはおそらく気のせいではない。
以前は痛いながらもまだ早苗さんの豊満な胸の感触にドキドキする程度の余裕はあったのだが、最近は痛みの方が絶望的なまでに圧倒的だった。


早苗「え~? そんなことないわよ~? 仮にそうだとしても、そもそもPくんがちゃんとしてればあたしもそんなことやったりしないんだから♪」

P「うっ……だとしても、さっきのは流石に痛すぎます! 頭を潰されるかと思いましたよ…」

早苗「あはは、な~に言ってんのよ♪ あんなので頭が潰れるわけないでしょ。頭蓋骨って結構丈夫なんだから♪ 
 それに、あたしは限界はちゃんとわかってるから。怪我させたことなんてこれまでもないでしょ?」

P「それは…そう、ですが…」


とはいえ頭蓋骨が粉砕する直前まで痛めつけられても困るが…。


早苗「んも~細かい男はモテないぞ? ほらほら、こんなことより仕事の報告! この後、久しぶりに女子会すんのよ♪ 
 さっさと報告終わらせて行かなくちゃ」

P「あぁ、もう…お願いしますよ…ほんとに…」

早苗「はいは~い♪」


P「…はい、では報告をお願いします」


――――
―――
――



誰もいなくなった事務所で書類作りを続ける。
あの後、早苗さんに深酒しないよう注意してから見送り、雪美を駅まで送ってからはずっとPCに向かっている。
そして同僚も一人帰り二人帰り…自分しかいない事務所というのは昼間の騒がしさが嘘のように静まり返り、だからこそ書類仕事に関してはこの時間からが本番だ。

誰にも邪魔されずに企画案を入念に練ることがでk…


  がちゃ! ばたーーん!!!


P「!!??」ドキッ


突然ドアが激しく開かれる音が響き俺の心臓を縮み上がらせた。
なんだ!? 
強盗か!?
こんな事務所にたいした現金なんて置いてないぞ……!?


P「……」ゴクリ


デスク上に積み上げられた書類の陰から侵入者に気付かれないようにドアを見やると、姿を現したのは強盗にしては小柄で……というかあれは……。








早苗「あははははーーーー!!! Pーーーくーーーん!!! やってるーーー?!!」





夜の事務所の雰囲気にまったくそぐわない大声を出しながら入室してきたのは、一目見て酒に酔っていると分かる顔色の早苗さんだった。

早苗「お! いた~♪ んん~? そんなとこで何してんの~??」

P「い、いえ…ペンを落としたので拾っていただけです…」


強盗から隠れようと机の脇に膝をついていたのだが、誤魔化して立ち上がる。
ビックリして損した…。
というか、こんな時間の強盗なら静かに入ってくるか。ははは…。


P「飲み会はもう終わりですか? 早苗さんは明日オフなのできっと朝までコースだろうと思っていたんですが…」

早苗「もう~聞いてよ~。瑞樹ちゃんたちとそのつもりで飲んでたんだけど、急に医者との合コンに呼ばれたとか言って他のみんな引き連れて行っちゃったのよ~。
 薄情だと思わない?」


アイドルが合コンて…。
いや、『瑞樹さんたち』といえばアノあたりの層の人たちか…。
となるとアイドルとはいえ彼女らの男女関係に外野が口を挟むのは野暮だろう。


P「そ、そうですか…。早苗さんは行かなくてよかったんですか?」

早苗「あたしが行くと人数合わなくなっちゃうらしくてね~」

早苗「それに…『アンタは必要ないだろ』って……」チラッ

P「?」


P「いやまぁ、大人の方たちのソウイウコトについては会社としては干渉しない方針ですが、合コンに参加しないでいただけるならそれに越したことはありませんので…。
 それにしても事務所には何をしに来たんですか?」


早苗「……」



早苗「はぁ……」

P「?」



早苗「Pくん、ウチまで送ってってくんない?」


あぁ…そういう…。


P「え? 終電はまだ先ですよね?」


もし早苗さんの家が俺の家と同じ方面にあるのなら終電の有無に関わらずまったく構わないのだが、生憎と正反対の位置関係にある。
以前、終電を逃してしまった彼女を送っていった時には結構な時間がかかったのを思い出した。
だから電車があるうちは自力で帰ってもらいたいのだが…。


早苗「いや~あのね? お酒に酔って足元がフラフラしちゃってね~? これじゃ帰れないわ。だから、おねが~い♪」


さっきまで確かだった足取りをわざとらしくフラつかせながらそう言う彼女に、少なからず苛立ちを感じてしまう。
そのお酒だって自分が好きで飲んでいたのだろうに…。
だが、ここで無下に断ると後がこわい。
仕事前にへそを曲げられるのも嫌だし、早苗さんならば直接的な暴力に訴えてくる可能性もある。
つまり彼女にお願いされた時点で、はじめっから俺に拒否権はありはしないのだ。
はぁ…。


P「はい、わかりましたよ…。ただし、あと30分は待ってください。キリのいいところまでやっておきたいので」

早苗「やたっ♪ ありがとPくん♪ じゃ、あっちで待ってるからね~~♪」


ソファのある方へ向かう彼女の後ろ姿を見送ると、またため息を漏らしてしまった。


――――
―――
――



急ピッチで書類を作成する。
早苗さんのことだ、30分といったら20分くらいで痺れを切らしてくるに決まっている。
そうなった彼女に付き合っていると余計時間がかかることは明らかなので、さっさと終わらせてしまおう。


P「……」カタカタカタカタカカタ

P「……」カタカタカタカタカカタ

P「……」カタカタ…スン…


微かなアルコールの香りが鼻をくすぐる。

ほら来た…。


早苗「どう~? もう終わる? お姉さん待ってるの飽きちゃった~♪」

P「……はい。ちょうど終わったところです…」


背後から声をかけてきた早苗さんに振り返りもせずそう答え、PCのシャットダウンボタンをクリックした。


P「ふぅ……」ノビーー

早苗「お疲れ様♪ 頑張ったキミにはお姉さんがハグのご褒美をあげよう♪」


気付けばすぐ後ろにまで近づいていた早苗さんの言葉に、早苗さんが言ったのでなければ純粋に嬉しかっただろう言葉に、数時間前の痛烈な記憶が思い起こされた。


P「!? ちょっと、まっ!??」


デジャヴ。
彼女の腕に視界を奪われその数瞬後に…。



   みしみしみしっ……!!!

P「ぎっ!?」

振りほどく間もなくヘッドロックが開始されてしまった。
いつもに比べればまだそれほどでもない締め付けであるが、最早顔面にしっかりと食い込み、逃げるというよりかは許してもらうという選択肢の方が現実的である。


P「…っ!!!??」


まだ締める力がそれほどでもないのは確かだが…何故か、早苗さんの体に押し付けられている右側のこめかみが異常なほど鋭く痛み始めた。


P「いっぃぃいいいいいったぁあああ…っ!!!??」


非常事態を伝えようと出した声は自分が出すつもりだったものよりもずっと大きかった。
それにしても何なんだこの痛みは!?


早苗「なによ、大げさに痛がっちゃって。まだちっとも力入れてないわよ?」

P「な!! なにか! こめかみがぁっ!!」

早苗「…私に抱きしめられるのがそんなに嫌なの? なんでよ…」

P「お!ぐぅぅううう!? おねがいしま!! やめっ!!」

早苗「なによなによ! ……えいっ!!」


   ぎぎゅぅぅぅぅ!!!


P「~~~~~~~っっ!!!!!!」


あ、わかった。
コレ、ブローチだ。
今日女子会だからって普段よりおめかしした早苗さんの胸元についてたブローチだ。
その固い突起部分がおれのこめかみを押しているんだ。
さっき強まった締め付けで角がさらに俺の頭に食い込んで食い込んで食い込んでえええええええい
たいいたいだああああああいいいいいかどととおおおおほねねねえええがあああああこすれてええ
えええええええああああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やめろおおおお゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」ジタバタッ


早苗「ひゃっ!?」

無我夢中で顔面にへばりつく腕を振り払う。
何か叫び声のようなモノをあげていたかもしれないが必死すぎて何が何だかわからない。
目をパチクリさせている早苗さんと目が合った。


P「はぁ~はぁ~……くっ……!?」ズキッ


そうだ、こめかみ!
何か刺さってないか!?
もし何か頭に刺さっていたとしたらそもそもこんな思考自体浮かばないのだろうが、確かめるのが少しこわい…。
それほどまでにさっきの痛みは激しかった。


   ぬるっ


P「痛ぅ……っ」ズキズキッ


まだ痛む右のこめかみに恐る恐る触れてみると、流石に何かが刺さっているということはなかったが、ぬるりとした感触があった。


P「血……?」


指先が赤くなっている。
しかしそれは出血というほどのものではなく、どちらかというと滲み出るという方が近い。
別の指で二度三度触ってみると付着する血の量はみるみる少なくなった。
とりあえず一安心だろう…。


早苗「あっ…ブローチ……」


今頃気付いたらしい。
ため息が出そうになる。
怒りを通り越して呆れてきた…。
もう早く帰りたい。
ああ帰ろう。
帰って酒でもあおって忘れてしまおう。


早苗「ごっ………ごめんねぇ~おねぇさん、ブローチしてるの忘れてた~…。あはは…」

P「はぁ…」

早苗「ぁ…。まだ…痛む…?」

P「……もう、いいです……。早く帰りましょう」


まだ何か言いたそうな彼女を置いて鞄手に取り、事務所のドアに向かっていく。

早苗「ちょ、ちょっと待ちなさいよ…」グイ


ドア近くの簡易的な応接スぺ―スの前で彼女に腕を掴まれ強引に彼女の方を向かせられた。


早苗「これは…皮一枚がめくれただけね…ほっ…」

早苗「ごめんごめん~♪ あんまり痛がるからちょっと驚いちゃったじゃないの♪」


やめろ…。


早苗「こんなの全然大したことないじゃない♪ 血だってもう止まってるし」


やめてくれ…。


早苗「お詫びにおねぇさん直々に絆創膏貼ってあげよっか?」


せっかく一回りして忘れていた怒りが、彼女の自己中心的な能天気さに沸々と蘇ってきてしまう。


P「…要りません。さ、帰りましょう」


このつっけんどんな態度は自分でも大人げないとは思うが、今の俺にはこれが精一杯だ。


早苗「ま、待ちなさいって! あたしも謝ってるでしょ!?」

P「だからもういいですって。早く帰らせてください」


ったく、何がしたいんだこの人は…?
もういいって言ってるのに、蒸し返してどうすんだよ!?

構わずドアノブに手を掛けようとしたのだが…。


早苗「ふ、ふんだ…。ちょっと血……血が出たくらいでそんなに怒っちゃって…」


ほんとうにやめてくれ…。


早苗「それにあんなに大声だしちゃって…。な、情けないんだから……」


ああ…やめてくれやめてくれそれ以上言わないでくれ…。
それ以上言うなら俺だって流石に……。





早苗「これくらいでヘソ曲げちゃって…。う…器がちっちゃいんじゃないのっ?」



  ぶちっ

という音が聞こえた。
それは比喩的な意味ではないし、かといって脳の血管が切れた音なんかじゃない。
その音は顎の筋肉から響いた。
歯を食いしばり緊張した顎の筋肉のひしめく音だったのだと思う。

ともあれ、その音をきっかけにしてか言い訳にしてか、俺はキレた。



早苗「ぇ? ちょ?」


くるりと振り返り、たじろいだ彼女の肩を押す。
もう一度押す、彼女は後退する。
そして…。


早苗「あっ!?」


  どさっ!


応接スペースのソファが背後にあると気付かずに後ろに下がろうとした彼女は座面に倒れこんだ。
そこですかさず上半身に馬乗りになってやった。


早苗「えっ!? ちょっと!?」ジタバタ


臨戦態勢の彼女ならばこんな不覚を取ることはなかっただろう。
しかし飲酒による判断力と身体能力の低下に加え、俺がこんな手段に出るということは全く想定していなかったのだと思う。
もしかしたら罪悪感に思考リソースが割かれていたのかも。

ともかく完全に虚を突くことができた結果がこれである。


早苗「うそっ!? なんで…っ!?」ジタバタ


だとしても、倒れこんだ先が道場の畳ならば素人の俺から逃れることなど容易だったろう。
だが倒れこんだのは合皮のソファ。
彼女の必死の動きはウレタンの弾力に吸収され、合皮素材の滑りの悪さは彼女の衣服に絡みつき筋力を効率的に疲弊させる。
しかも彼女の腹に体重をかけると座面ごと沈み込み、その拘束をより強固なものにすることができた。

早苗「はぁ、はぁ、ふっ!…はぁ、はぁ!」ジタバタ


ブリッジして俺を跳ね除けようとするテクニックもここでは無意味だった。
場所が悪すぎるしウエイトの違いもある。
それにアルコールの所為もあるのだろうが目に見えて息切れしてきた。


早苗「やっ!? はなっ、して!」


抜けられないとなればまだ自由になる両腕で何か良からぬことを企てるだろう。
そう予想した俺は、あらかじめ彼女の両腕も体の下に収めることにした。
焦らず丁寧に一本ずつ。
手首を掴んでみれば、いつものあの乱暴はどこから来るのか不思議に思えるくらい細くて、力だってやっぱり男の俺からすれば大したことなくて、技が使えなければ所詮こんなものかと拍子抜けしてしまう。


早苗「くっ………なによ?」


抜け出すのは不可能と判断したらしい早苗さんは動くのをやめて俺を睨みつけた。


P「……」


なんだろう…。
俺だって何か考えがあってやったわけではない。
カッとなってやってしまっただけだ。
……たしかにこれからどうすればいいのだろう。
これではただ押し倒しただけだ。
だが…。


早苗「な、なんなのよ…っ!?」


語気荒く威嚇するような彼女であるが、よく見ると唇はかすかに震えているし、瞳にはいつもの余裕がない。
つまりこれは虚勢を張っているだけなんていうことは誰にだって分かる。
これは、一矢報いたといってもいいのではないだろうか…?
男としてはなんとも情けないが、彼女が武闘派の元婦警であることを考慮すれば上々といってもいいだろう。
そう思い至った頃には、こめかみの痛みが気にならなくなる程度に溜飲も下がっていた。
多少の冷静さを取り戻してみればなぜあんなにも頭に血が上ってしまったのか不思議で、自嘲の失笑さえこぼしてしまいそうだ。


P「フッ……」

早苗「なっ!?」


あらら、こぼしてしまった…。

それに呼応するように何故か早苗さんの顔が赤くなっていく。
ひょっとしたら、無様に組み敷かれた自分のことを笑われたと勘違いしているかもしれない。

まぁいい。
もうどいてあげよう。


と、思ったのだが…。

早苗「な、にニヤついてるのよ…? まさか、これで勝ったつもりじゃないでしょうね…っ?」

P「は? 何を…?」


この期に及んで勝ちとか負けとか、何を言い出すんだこの人は?
いつ俺とあんたが勝負を始めたというんだろうか?


早苗「なんとか言いなさいよ!?」


本当に意味が分からない。
もしかしてこれが体育会系というやつなのだろうか?
それとも脳筋?

なんだろう、なんかこう……



P「……」


早苗「だっ、だから! 黙ってるんじゃないわよ!?」


なんかこの人を見てると本当に……


早苗「ほら! 来なさいよ!? まだ勝負はついてないんだから!」






イライラする……




たぶんこれはずっと前から感じていたこと。
でも自分の担当アイドルに対して抱いちゃいけない黒い感情。
だからずっと気付かないふりをしてた感情。


ムカつく…。


減らず口がムカつく。
根性論なところがムカつく。
気に食わないことがあるとへそを曲げるところがムカつく。
譲歩しないところがムカつく。
無茶言ってくるところがムカつく。
平気で暴力ふるってくるところがムカつく。


まだどうでもいいことを喚いている。
こっちは必死でこの嫌な感情を押し殺そうとしているのに、ずっとギャーギャー喚いている。
ムカつく。
一体何がしたいの?
ほんとにやめてほしい。
もうやめて。
その口閉じて。
たのむよ。
たのむ…。

…。

でないと。
でないと…。
俺本当に…。

やめて。

やめて。

やめて、やめて、やめて、やめて。




やめて…









早苗「ほら!殴ってみなさいよ!?」


P「……」イラッ








   ぱぁあん!!









「あっ!」
「えっ?」




口からひょっこり出たような短い言葉は、どっちがどっちの口から出たのか分からない。
ただ確実なのは、ぶったのは俺でぶたれたのは早苗ということだ。

頬を打ち振りぬいたまま硬直した右手を見つめていた視線を正面に戻すと、早苗は左頬をぶたれ顔の向きが変わったまま硬直していた。
その顔もゆっくりと正面にもどり魂の抜けたような彼女と目を合わせた。
早苗の顔には驚愕が貼りついていたが、たぶん俺もそうだろう。


早苗「な……」


いくら煽られたとはいえ、女性に手を上げるなどという禁忌を犯してしまった自己嫌悪が沸き起こる
一秒前―――――もし仮にそこで早苗が言った言葉が、殴ってみろと煽った張本人の早苗の言葉が、
『やればできるじゃないの』だとか『痛い』だとかいう言葉であったならば、俺は本当に自己嫌悪に
苛まれ今日のことをすべて平謝りし明日からもこれまでと同じように彼女の尻に敷かれながら、
それも已む無しとそれなりに上手くやれていたのではと思うが、まあそうではなかった。



ぽかんとした早苗の表情がみるみるうちに憤怒の色を帯びていき…。


早苗「なんてことするのよ!!!!」

早苗「女に手を上げるなんてどういうつもりなの!!!!!」


烈火の勢いで数秒前の自分の言葉と矛盾することを平気で言い放った。

事情はどうあれ、コンテクストはどうあれ、社会通念上は女に手を上げた俺に激怒するというこの女の反応は普通なのだろう。

しかし常識がどうとかで全ての道理が通るならこの世に犯罪など存在しない。
犯罪の背景にだってきっとやむにやまれぬ事情だってあるのだ。



……あるんだって痛感した。


やっちまった俺だって悪いよ?
でもこの女だって無茶苦茶じゃねぇか!


ここに至っての早苗の矛盾は俺の罪悪感を綺麗さっぱり吹き飛ばし…。






   ぱしーん!!


早苗「あぅっ!?」






俺の胸の内の色を真っ黒く染めてしまった。

P「はぁ、はぁ、はぁ……」


一度ならず二度までも女性をぶってしまった。
もう『つい』だなんていう言葉は使えない。
ほんの一瞬のことだったのに超えてはいけない『境界』を遥かに超えてしまったような感覚がある。

引き返せない…。

いや…この女に対してはもう引き返したくもない。
こんな女には付き合っていられない。
もうどうにでもなってしまえ…。



早苗「だっ、から…なにす」


  ぱしん!

早苗「くっ!?」


P「はぁ……はぁ……」

早苗「いいかげんに…っ」


  ぺしん!

早苗「んぁっ!?」




  ぱちん! ぱちん! ぺしん
  ぱしっ ぱちんっ! ぱしん!

早苗「んっ!? はぁ!? ちょ!? やっ!?」




P「ふぅ……ふぅ……」



   ぱんっ! ぱしん ぱちん!
   ぺし! ぴしっ! ぺちん!

早苗「ぁっ、ぃっ、ぅあっ、いやっ、まっ、まっ……」


P「……」




   ぱしんっ! ぱちん ぱしっ!

早苗「…、……、……」プルプル


P「……」




大人しくなるまで、左右代わりばんこにビンタを続けてやった。

初めの2回のビンタ以外はほとんど手首のスナップだけのヌルイものである。
響く音はどれもノロい。言うなれば不発のビンタと言ってもいい。
ゆえに、すでに20発ほどをお見舞いしているが早苗の頬にはうっすらと赤くなっている程度の変化しかない。



P「なぁ…あんた…ふざけてるのか…?」

早苗「な、なにがy」


   ぱしん!

早苗「あぅっ」


P「何がって、わからないのかよ?」


   ぱちん!

早苗「ぃやっ」


P「俺はもういいって言ってんのに、グダグダ抜かしやがって」


   ぱしん

早苗「う…っ」


P「挙句の果てにマウント取られても負けてないとか言うわ…」


   ぱちん!

早苗「んくっ」


P「殴れって言ってほんとに殴られたら逆切れするわ…」


   ぺちん

早苗「んぁ!」


P「意味わかんねーんだ、よっ!」


   ぴしゃっ!

早苗「んきゅっ」


P「おら! 負けてねーならほら! 抵抗して見せろ!? あぁ!?」


   ぱん! ぱん! ぱしん ぱちん!

早苗「ふぁっ、ゃっ、やめっ、ぁあ…っ!」




早苗「ちょ、ちょっと…待って…落ち着いて…」


はぁ~!?
落ち着いて、だぁ~!?
な~に上からモノ言ってんだこのアマ!?


P「待つかよ! おら! くらえ!」


   ぱちん ぱちんっ!

早苗「ぃっ!? あっ!?」


P「てめーは! 俺がやめてって言って! やめたことあんのかよ!?」


   ぱん! ぴちっ

早苗「ぁっ……」


P「なにが、けがはさせない、だよ!?」


   ぱちん!

早苗「ぅ…っ」


P「頭から血でたんですけど!?」


   ぱちっ!

早苗「まっ!?」



P「はぁ、はぁ、はぁ………すぅ~~~~~はぁ~~~~~~」


一度大きく深呼吸して、早苗の顔を観察する。


早苗「ぅ…く……」ビクビク


いくら緩いビンタといえども、もう何度ぶったかわからない早苗の頬はついに腫れてきてしまった。とはいえ、明日のオフ一日ですっきり治ってしまう程度だろう。

痛みはそれほどでもないくせにうっすらと涙を溜め始めているのは、精神的なダメージを食らっているということだろう。
ふん、いい気味だ…。
見てみろよ、目にいつもの力強さがねぇぞ。
ははは……手段はちょっとアレだったがあの早苗の心を折ってやった…。
その事実に腹の下の方からどす黒い熱が体中に広がっていく。

あぁ…最悪だ…。
なんでこんなに……。

最悪だ……。
とにかく最悪だ……。



P「さいあくだ……」

早苗「……?」ビクッ


最悪だ。
だが、まだ止められない。
本当に最悪だ…。
俺は……。


P「すぅ~~はぁ~~」



第二ラウンドだ。

P「おい!」


  ぱん!

早苗「ひっ!?」


P「おい!こら!」


  ぱち! ぱちん!

早苗「いやぁっ、もういやぁ!」


P「いやじゃ、ねぇよ! おら! 聞いてるのか!?」


  ぱしっ! ぴちっ ぱすっ!

早苗「ぅ! はくっ!? き、聞いてる!」


P「んだよ、聞こえてるんだったらさっさと言えや!」


  ぱちんっ!

早苗「んあぅ!」


P「いっつもよ~、死ぬほどヘッドロックかましやがってよ~、なんなんだよ!?」

早苗「ぇえっ? は、なに? なにが」


  ぱぁん!

早苗「ぅっ!?」


P「わかんねぇのかよ!? 年少組の頭撫でただけでセクハラとか言って、暴力ふるいやがって! どういう物の見方したらそうなんだよ!?」


  ぴしゃん!

早苗「んぁっ!」


P「ことあるごとに暴力…。そんなに人に暴力ふるうのが好きか!? そんなに俺が痛がるのが面白いか!?」

早苗「ぇ…っ? ぃや!? ちがっ!」

P「あぁん!? 何が違うんだよ!? 俺がさっき頭抉られてるときもニヤつきながらやってたんだろうが!?」


  ぱちっ!

早苗「ぅぁっ……でっ、でも違うの……っ」


P「…ほんとに意味わかんねぇ…」



と、そこでようやく唐突にこの女の俺への暴力の理由の答えが分かった。



…実を言うともうずっと前から気付いていたような気もする。
ただ俺がそれを認めたくなかっただけだ…。

しかしそう考えられればこの人の行動にも筋が通る…。


どうにかこうにかやっていけばいつかは認めてもらえるだろうって…そんな考えは甘かったんだな…。
そうやって先延ばしし続けた結果がこれじゃ…。
ははは、また最悪だよ…。





P「……そうか…嫌いなのか…そうか…ははは…そういうことだったのか……」

早苗「ぇ…な、なに…?」










P「……俺のことが嫌いなのか…」

早苗「…………ぇ?」







P「あぁ…そうだよな……俺みたいな使えないプロデューサーは嫌だから…だから早く辞めさせるために…ははは…そうか…ははは……」

早苗「え…嘘でしょ? じょ、冗談よね…?」



図星を突かれてびっくりしました?
酷い顔してますよ…ははは、ケッサクだ……。
でもほんとは当てちゃ駄目だったんですよね…?
そこは…ごめんなさい…。
しかも俺はとんでもないピエロだったわけだ…。


P「ははは…ごめんなさい…早苗さん…あなたの意図に気付けなくて…ずるずると担当にしがみついて……」

早苗「や、やめて…冗談でもそんなこと言わないで……」


いつかは認めてもらうんだと必死にやってきたのはすべて無駄だったわけだ。
無駄どころかなかなか辞めない俺に業を煮やして折檻を強めていく始末。
ははは…おれの仕事ってなんだったんだろう……。

ついさっきまでの怒りが嘘のように消え、途轍もない脱力感が襲ってきた。
そうだよな…。
あんだけ痛めつけられてなんで気付けなかったんだろう…。
きっと面と向かって「あんた嫌い」だなんて言ったら角が立つから、ああやって担当変えてほしいっていうサインを必死に出してくれてたのに…。


早苗「うそ…そんな…嫌ぁ……あたしのやってきたことって…そんなふうに…?」ブルブル

P「ごめんなさい…ごめんなさい…もう明日からは大丈夫ですから…俺、もう消えますから……」


早苗「いや…嫌、嫌イヤっ!」


早苗「Pくん! お、お願いよ! あたしの話を聞いて!」


すべてがクリアになった今、何の話をしようというのだろうか?


早苗「あたしが…Pくんを嫌いだなんて…そんなの絶対ないよ!」

P「……いえ…もういいんですって……」



早苗「…きなの……」

P「…?」





早苗「……すきなの!!!」

P「…え?」




目に限界まで溜まった涙をついに零しながら彼女が発したのは思いもよらない言葉だった。

早苗「あたしは…Pくんが好きなの! いつもPくんにちょっかい出してたのは意識してもらいたかったからなの…っ! 
 でもあたしガサツで短気で…いっつも空回りして……」

早苗「これまでたくさん痛いことしちゃったけど……ごめん…ごめんねぇ…っ」

早苗「Pくんにこれまでしてきたこと…もう許してもらえないかもしれないけど……。
 でも…でもお願いよぉ…私がキミのこと嫌いだなんて…そんな風にだけは思わないでぇ……ぅぅぅぅ……」



い…意味がわからない…。
この人は何を言っているんだ…。

は?

真逆…?

意味がわからない…。





P「は……な、んで…意味が分からない……」

早苗「不器用なのに頑張ってくれるPくんが好き! こんなあたしにも優しいPくんが好き!」

P「え…?」


早苗「あたしの無茶に付き合ってくれるPくんが好き! わがままを聞いてくれるPくんが好き!」


早苗「飲みすぎないように注意してくれるPくんが好き! いつも見守ってくれているPくんが好き!」


早苗「お願い…信じてぇ……Pくんが好きなのぉ……」


早苗「Pくんのことが…嫌いだなんて思われるのは耐えられないよぉ……ぐすっ、うぅ…っ」




早苗の慟哭のような告白に頭が真っ白になる。
目がかすむ…息が苦しい…喉が粘つく…。




P「じ、自分に都合の良いことばっかりですね…。思い通りになる男ならだれでもいいんじゃないですか…?」


俺がひねり出した言葉は存外酷い。


早苗「ぁ……そ、そうよね…。でも、もういいの。もうわがまま言わない…無茶しない…暴力もふるわない…。
 そ、それにね? あたしみたいのと付き合ってだなんて…い、言わない…よ? め、めんどくさいこと、なんて…ないよ?」


早苗「でも…お願い…。あ、あたしを…Pくんの傍に置いて…? 傍にいさせてくれるだけでいいの……。
 あたしから…は、離れていかないで…。他のヤツらみたいに…み、み、見捨てないで…?」

P「ふ、ふざけるなよ……っ!そんなの…そんなの…っ!! それに…っ!」


ジンジンとうずいている両手と彼女の腫れた両頬を交互に見る。

もう、とっくに超えちゃいけないラインを越えてしまっている。



早苗「た、叩いたことは気にしなくていいよ…? あたし、これまでもっと酷いことしてきたもんね? 
 な…なんならもっと叩いていいよ?」



早苗「気の済むまで…いいよ…?」クイッ




唇はだけじゃなく肩まで震わせているくせに、ぶちやすいように顎を差し出しやがって…。
こんなの見え透いた強がりだ……。

こんなの…。




P「……」スッ

早苗「んっ……」ブルブル



彼女の頬に触れると…腫れた頬は明らかに熱を持っていて、これからもっと腫れてくることが簡単に予想できた。






あぁ…俺はなんてことを……。


俺がもっとこの人のことをちゃんと見ていればこんなことには……。






早苗の上から下りそのまま床に膝と手を着く。
とてもじゃないがしばらく立てそうにない。





P「ごめんなさい…ごめんなさい…俺はなんて酷いことを…ごめんなさい…」




視界はぐちゃぐちゃ。
頭の中もぐちゃぐちゃ。




その頭が優しい何かに包まれる。



早苗「ん~ん…。Pくんは何も悪くないよ…? 素直になれなかった馬鹿なあたしが悪いの…おねぇさんなのにほんとバカだよね……」




彼女の腕と胸がこんなに温かかったことを俺はこのとき初めて気付いた。

片桐早苗 編 終わり

書き溜めは以上になります

続きをどうぞ

これからはその後のお話しに入ろうと思うのですが、誰からにしましょうか?
尚、完全にR18指定になる見込みです。


安価↓1

楓さん

早苗

みゆさんがいい

ってその後ならそもそも楓さんいねーじゃん!早苗さんでいいよねうん

早苗様

早苗さん把握です。

とは言ったものの、書き上がるまで一週間程度を目安にしてお待ちください。

おっつおっつ

やったぜおっつおっつ

誰からってことは全員分やるのか
やったぜ

照れ隠しも度が過ぎると只の暴力にしかならないのがよく分かる話だった

たまらんな
待ってる

>>165
最近は暴力系ツンデレも減ったけど、それが一因だろうね。
特に某モップとか……

基本的に男側が脳天気でそういうのをされてもしょうがないと思う状況だったり故意なのが前提なのに
暴力だけが残って女側がただの嫌な奴になっちゃったりしてるとええー…ってなるからね

暴力系ヒロインが流行ったのも過去の話か……

理由があっての暴力なら納得もできるけど理不尽な暴力は不愉快
男が女を殴ったら問答無用で非難される
女なら男に何してもいいのかよと

ちんちん

かいかい

片桐早苗 後編

始めます




あたしだってわかってんのよ?
自分がトップアイドルになれる器じゃないってのは。

公務員辞めてアイドルになるって親に話したら…あんなに怒ったとこ初めて見たわ…。それに友達からは苦笑いされるわ、署の連中には白い目で見られるわ…まぁ、当然の反応よね。

第一、アイドルなんて世界に飛び込むにしては歳が…ね?
いや、瑞樹ちゃんや礼子さんや志乃さんは良いの!大丈夫!全然アイドルよ!トップアイドル余裕よ!
…あくまであたし。あたしに限っての話。
あたしはニュースキャスターでもないし、お二人みたいにフェロモンムンムンでもないし、ただの婦警だったわけ。
それに警察官なんてカジノディーラーとかサーファーと比べたら地味なイメージでしょ? 地味なのよ…。
残念ながらモデル体型でもない。おっぱいには自信あるけど…92あるけど…。
ん? 心ちゃん…? ん~~~あの子は…ぱ、パッションよ! あのアイドルにかけるパッション! パッションがあればなんでもできる!ってね。テヘ☆ 

と、まぁ例外は置いといて……あたしはどうしたってイロモノなのよ。

28歳のチビで巨乳で童顔の元婦警の酒飲み。
あ~、自分で言ってて悲しくなるくらいイロモノね……。

もちろん分かってたわよ。
自分でも分かってたし、親にも、友達にも、同僚にも言われた。
じゃあなんでそれでもアイドルになったかっていうと……警察が…つまらなくなった…。
いや、警察の仕事自体は素晴らしいと今でも思ってるわよ?
つまんなくなったっていうのは、その…署内の空気っていうか、あたしを取り巻く空気っていうか…なんで結婚しないの?っていう空気が…。
わかるわよね!? うんうん。
まったく外野がうっさいのよ!
良い人がいればとっとと結婚して寿退社でもなんでもしてやるってーの!
署内にはそんなイイオトコはいなかったってーの!
セクハラよ! ったく、今思い出してもムシャクシャするわね…。


……

とね…それだけじゃなくて…いや、それも少し関係あるんだけど…。
…ぶっちゃけるとね?
アイドルになって箔を付けたらイイオトコが寄って来るんじゃないかって期待してたの…。

…あたしはこんなおっぱいだし、たぶんアイドルの前にグラビアが付く方のアイドルになるんだろうなって思ってたんだ。
掃いて捨てるほどいるグラドルのうちの一人。

…でも、腐ってもアイドル。

一山いくらのグラドルでも素人にとっては高嶺の芸能人で…しがない公務員よりかはイイオトコをゲットできる可能性があるんじゃないかって。
そんな打算があったの……。
あははは…今から思うと酷すぎよね~~ホントどうかしてたわ…。


でね、テキトーにグラドルやってテキトーなところで男作って辞めちゃうか、なんて打算を腹に秘めながら…彼と出会ったの。


も~びっくりしたわね!
開いた口が塞がらなかった!

開口一番、『トップアイドル目指して頑張りましょう』だなんて…。
アンタあたしの履歴書に目ぇ通した?っていきなりタメ口きいちゃったわ。
そしたら『読みました、そして実際にお会いしてイケると確信しました。片桐さん!トップアイドル目指しましょう』って、ものすごいキラキラした目で言うのよ…。
アンタ、結構若く見えるけど…そう確信できる根拠って何?って聞いたら『勘です!』って。
ほんと笑っちゃう…。
その後もこっちが恥ずかしくなるくらいずっとあたしの色んなところ褒めてくんの!もう褒め殺しよ!
もしそれを街角にいるナンパ男なんかが言ってきても真に受けたりしないんだけど、彼の真っすぐな目で、打算なんか感じない目で、懇切丁寧に褒められちゃうと、なんだかほんとうにそうなんじゃないかって気になってきちゃって…。
ええそうよ、あたしは乗せられやすいわよ…。


そんなわけで半分ノリで表面上はトップ目指してがんばろーってあたしのアイドル人生はスタートしたの。
でもやっぱり半分は、隙あらばイイオトコ捕まえてさっさと辞めてやるってね…あはは…。


グラビアの仕事はあるにはあったけど思ってたよりずっと少なくて…彼が相当気を使ってくれてたみたいなんだ
。露出は手っ取り早く人気を得るには良いけど、上手くやらないと『そういう色』がついちゃうからここぞという時しかやらせないってね。

レッスンしてライブしてガラガラで…でもその次は少し増えてて、その次はもっと増えてて…。
しかもCD出しちゃったり、深夜だけどTVにも出ちゃったりして。

あたしみたいなの売り出すためにアイツどれだけ頑張ったんだろ……。

しばらくたって気付いたの。
あれ?これアイドルじゃん?あたし普通にアイドルやってるじゃん?え、こんなに楽しくて良いの?アイドルめちゃくちゃ楽しい!

で…そんな風に思えるようになってた頃にはもう彼のことが好きになってた…。
収入はパッとしない。ルックスもまぁ…世間的には…普通なのに…。
顔を見ながらだとまともに喋れなくなるぐらい好きになっちゃってて……あたしの口から出てくるのはいつも冗談ばっかり…はぁ……。
自分としてはスキンシップで必死にアピールしてたつもりなのにそれは……はぁぁぁぁぁぁぁ~~~あの頃のあたしをシメたい~~~~~はぁぁぁ~~~~……。


ぅぅ………。





で…、彼とすごく揉めた日があって…………。



翌日はオフでずっと冷…寝てたんだけど結局一日では…気分が戻らなくて…マスクして出勤したの。
そしたら彼ったらあたしを見るなりそれはもう辛そうな…親が死んだんじゃないかってくらいの表情になって…。
できることならキミが気にすることなんて何もないんだよって駆け寄って抱きしめてあげたかった。
でもその時はさすがにそこまではできなくて…気まずく目をそらすしかなかったの。
その日の彼はほんとに見ていられなかったなぁ…。
顔色は死人みたいだったし、体は震えてたし、喋り方が所々変で…年少組に敬語使ったりね。明らかにまともな精神状態じゃなかった。


だから彼がポカをやらかしたのはきっとその日。


ミスが発覚したのは一週間後だったけどね。
その日に返信すべきメールを読み飛ばして放置しちゃったみたいで、いい加減おかしく思った先方さんが連絡とってきてくれて分かったんだって。
一週間遅れたせいでウチの会社にとっては実入りの少ない仕事になったらしいの。
でもたまに誰かがやるミス。始末書かいて反省したらもう忘れていいレベル。あ、忘れちゃダメか。
ミスが発覚したときの彼の落ち込み様はヒドくてねぇ…。一週間たってだいぶマシになってきてたのが死人に逆戻り。
でもそのミスの原因を作ったのはそもそもあたしだったから…一人だけで辛そうにしてる彼をどうしても放っておけなかったんだ…。


何でもいい。
彼の辛い気持ちを少しでも和らげられるなら何でもいい。
何かをしてあげたい…。


気が付いたら息を切らして彼のマンションのインターホンを押してた。


無茶しないって言っておきながらこれも相当な無茶よね~。でもその時のあたしはそんな風には考えられなかったなぁ~。




え? 下心?






……あったに決まってるでしょ!



―――――
―――
――


目の前に立ったPくんが怒りのこもった目であたしを見ている。
突然訪問したあたしを追い返そうとしたPくんをどうにか言いくるめて半ば強引に彼の部屋に入り込んだのだから当然か…。


Pくんの部屋は久しぶり。
でも、ずっと前にここで飲み会するために他の子たちと押しかけたときと変わらない殺風景な部屋だった。
どこに座ろうかと一瞬悩んでえいやとベッドに腰かけたんだけど、Pくんは立ったままあたしを『何しに来やがったんだ?』と責めるように睨んでいる。
好きな人に睨まれてるのは正直心が痛むけど、さっきまで事務所にいた時の意気消沈した顔を見ているよりかはずっとマシだった。


早苗「け、結構元気そうだね…?」

P「っ!?」

P「………」ションボリ

早苗「ごっ、ごめん!冗談よ冗談! そ、それより座ったら…?」


また辛そうな表情になった彼を立たせておけなくて、あたしの座るマットレスをポンポンと叩くと、彼は何も言わず座ってくれた。


早苗「…あのね……メール見落としたのってあたしのせいだよね…?」

P「え…?」

早苗「あたしがあの日マスクしていったから…Pくんはまた余計に罪悪感感じて…それで頭がいっぱいになっちゃって、
 たまたまその日に来たあのメールに気付けなかったんだよね?」

P「……」

早苗「だったらあたしのせいだよ…。ほとんど治ってたのにこれ見よがしにマスクなんてしちゃって…
 それでPくんがどう感じるかなんてまったく考えられてなかったあたしのせい…」

P「…たしかにあの日、早苗さんの頬を思ったよりも傷つけてしまったんだって気付いてしまって…冷静さを失っていたから見落としたんだと思います…。
 だけど、それはそもそも俺が早苗さんをぶったから…。
 だからやっぱり俺のせいなんです…っ!」


ほんとに真面目だなぁ…。


早苗「じゃあ、Pくんがあたしを叩きたくなるくらいに怒らせたあたしのせいよね? 
 これまで何度もヘッドロックしてきたあたしのせいよね?」

P「ぅ……。いや……原因なんて関係ない…。気付くべきことに気付けなかった…それが許せないんです…
 真面目なだけが取り柄だったのに…」


早苗「はぁ? Pくんの良いところなんて他にもたくさんあるでしょ?」

P「ないですよ…」

早苗「あたし達のことを第一に考えてくれてる、優しい、礼儀正しい、仕事が丁寧、ソツがない、頑張り屋、体力がある…」

P「ぇ……」

早苗「あと…そだ!仕事相手のスタッフさんからだって評判良いよ? 『アイツは信頼できるヤツだー』って何度も聞いたことあるし」

P「ぁ…ぅ……」


早苗「それに…このあたしがす、す……好きに!なるくらいなんだから!自信持ちなさいよ!」


口をパクパクさせながら信じられないものを見たというような表情のPくんの目をじっと見つめる。
あ! そういえばアノ日以来Pくんの顔をちゃんと見たのは初めてだ…。
あぁ~前に比べて頬コケてんじゃないの? しっかり食べてんのかしら?


P「あっ、あんたは…またそんなことを言って……っ」

早苗「もう始末書書いて反省もしたんでしょ? それにやっぱり原因はあたしなんだから、そんなに自分を責めないでよ…
 あたしのせいでPくんが辛そうにしてるだなんて…サイテーの気分よ…」

P「で、でも……」


あぁやっぱりPくんは筋金入りの真面目くんだわ…これはもう覚悟を決めたわ…。


早苗「それでも…」

早苗「それでもまだ自分を責めるっていうなら…あ、あたしだってPくんを慰めちゃうんだから!」

P「え…?どういう…?」


ベッドから立ち上がって、今度はあたしがPくんの前に立つ。
いつもの感じでやっちゃわないように気を付けながらゆっくりと両手を彼の後頭部に回して、そして彼の頭を優しく胸に抱きしめた。



も~~当たって砕けろよ!


P「ちょ!? なにを!?」


Pくんが痛くならないように、でもすぐに振りほどかれてしまわないぐらいの力を腕に籠める。
似たようなことはこれまで幾度となくやってきたっていうのに、目的が別というだけで急に心臓が内側から胸を叩き始めた。


早苗「Pくんが辛い思いをしてるなら…あたしはそれを和らげてあげたい…」

早苗「…ねぇPくん? キミを慰めるためにあたしにできること…ないかな…?」

P「あ、あんた…。何言ってるのか分かってるのか…?」

早苗「大人だもん…わかってるよ…」

P「くっ……あんたって…本当にバカなんじゃないか…っ!?」


ズイブンな言い様だわね…。
でもこれまでみたいに思ってることを変にオブラートに包まれるよりかはずっと良い。
むしろ…なんていうか…Pくんの率直な気持ちを伝えてくれるだけですごく嬉しい…。
バカって言われて嬉しいなんて可笑し~~あははは~~ははは………。


早苗「うんそうだよ? あたし、バカだから…こんな風なやり方しか思いつかなくてごめんね…?」

早苗「あ、あたしなんか…Pくんの憂さ晴らしに…つ…使ってくれたらいいの。それでたとえ少しの間だけでもPくんの気持ちが晴れるならあたしは嬉しいの…」

P「そ、そんな……」


あ~胸が痛いくらいにドキドキいってる。
これPくんにも伝わってるんじゃないかしら…?
あああああ~恥ずかしい…!
折角、こんなことなんでもないっていう大人の雰囲気出すつもりだったのにぃ!
こんなにビビッてちゃPくんにめんどくさい女だって思われちゃうぅ…。


早苗「安心して…? か、彼女面なんてしない、から……。都合のいい女って…そう利用してもらえるだけで…ほ、ほんとに嬉しいんだから…」



P「くっ…いい加減に…っ!」グイッ


早苗「あっ」



  どさっ


背中に腕を回したPくんに揺り動かされたと思ったらそのままベッドに引き倒されちゃった…。
またこの格好だね…。
でも前と違うのは、あたしに抵抗する気はまったくなくて…Pくんは怒ってるってよりは悲しそうな顔をしてるってことかな…。


P「はぁ、はぁ、はぁ……あ、あんたは…っ! 俺はあんなひどいことをあんたにしたのに! なんであんたは…っ! 俺が怖くないのか!?」

早苗「怖くないよ? だってPくんが好きだもん。好き。好き…っ。好きなPくんになら何されたっていいの…っ!」

P「くっ…またそんなことを…っ。くそ、くそぉ……っ、なんであんたは……」

P「もう知らないからな…っ!どうなっても知らないからな…っ!!」

早苗「いいよ…? 好きなだけ…好きなようにして…?」


P「はぁ、はぁ!はぁ!…っ」グイッ

早苗「あぁんっ」


Pくんがカーディガンとブラウスを一気にたくし上げようとしたけれど、ブラウスが胸に引っかかってしまった。
そしたらボタンを一個一個外していって…ほんと律儀…。
すぐにブラウスを完全に開かれちゃって…あぁ良かった、今日のブラは良い方のブラだったわね…。

三秒くらいブラを見つめたらPくんが背中とベッドの間に手を入れようとしたから、あそうか、と思って上体を少し上げてあげたらすぐに『ぷちっ』てホックを外されちゃった。


早苗「ぁ…見られちゃう…Pくんに見られちゃう…」ドキドキ


おっぱいに乗っかっただけの状態になったブラをPくんが上へずらしてしまうと、外気に触れた一瞬の解放感のあとで、猛烈な恥ずかしさが襲ってきた。


P「……ゴクリ」ジーーーー

早苗「ゃ…そんなにマジマジ見ないでぇ……」ドキドキ


いくら自慢のおっぱいといえど人に見られるのは恥ずかしい。それが好きな人になら尚更。

ちなみにあたしは今も結構鍛えてるからおっぱいにも張りがあって、仰向けになっても横にだらしなく広がるようながっかり巨乳なんかじゃない。



P「うわ…ほんとにデカい…」スッ

Pくんの手がおっぱいに触れる。


  ふに ふに さわっ さわわっ

早苗「んっ……」


ついさっきまでは荒かったPくんの呼吸は気付けば落ち着いていて、それと同じく触り方も落ち着いていた。
撫でるようにさするようなくすぐるような触り方……。


早苗「ん…ふっ…も、もっと強くしてもいいんだよ…?」

P「……」


あたしの提案はPくんに届いたんだろうか?
提案? いや、お願い?
これまで寝た男どもはみんな好き勝手揉みまくるばかりで、こんなに優しく触られたことなんかなかった。
だからかな?さっきからPくんの指先からよくわからない感覚がピリピリきてる。


早苗「ふぁ…っ」ゾクッ


え?何これ…?おっぱいってこんなにピリピリするもんだったけ…?
胸の奥の大事なトコロをカリカリと引掻かれてるみたいで体を捩らずにはいられないんだけど!


早苗「お、お願い…っ。もっと強く…して…その触り方…だめ…っ」ゾクゾクッ

P「ぇ……いいんですか? じゃあ…」

ぐにぃっ もにぃぃ むにゅうっ

早苗「んぁぁぁ!!???」ビクン


知らない感覚に耐えられなくて……これまでされたことがあるのと同じように強くされれば知ってる感覚で安心できるかと思ってたんだけど…。


P「…あれ? すみません、痛かったですか?」

早苗「んくっ…! い、痛かったわけじゃないわ…」

P「ならいいんですが…。痛かったら言ってくださいね?」


  むにゅ もにゅにゅ ぐにゅぅ

早苗「ふぁぁっ、んんっふぅぅぁ…っ」ゾクゾク


なんで!? 
これまで揉まれたときはこんな感じしなかったよ!?
いつも胸を圧迫されるような感じか、ただ痛いかどっちかだったのに!
まるであたしの内側を直接ぐりぐり~って掴んでるみたいなゾクゾクした感覚が渦巻いてる。

何これ?ほんとに知らない…!



  もにゅぅぅぅ むにゅぅぅぅ

早苗「ふぁああっ…んっ、しっ、知らない…っ。こんなのっ知らない…っ!」ビクビク

P「あれ? もしかして早苗さんって…処女ですか?」


早苗「はぁぁ? んっ、あぅっ」


は? あたしが処女ですって!? この経験豊富なあたしが!?


早苗「そ…んなぁ…はぁんっ…わけないでしょ…!?」

P「だって、おっぱい触られるの初めてなんでしょ?」

早苗「はぁ!? 何回も触られたことある、んんはぁ、わよぉ!」

P「でもこんなの知らないって…」

早苗「わ、かんないのよ! いつもは痛いだけとかで…ふぁぁんっ」

P「おっぱいが気持ち良く感じたことないんですか…?」

早苗「ど、どういうこと…? んくっ…おっぱいなんて男が触りたいだけのもんでしょ…?」


P「あ~~~……」


なによ、その顔は? まるで気の毒な人を見るようなその顔はなんなのよ?







P「早苗さんって愛撫も満足にできないようなろくでなしとしか男と付き合ったことないんですねぇ……」













早苗「……………………………は?」









P「それに意外とこっちの経験値も少ないみたいだし…」











早苗「は?…え?…………は?」

ちょ、ちょっと待って! Pくん何言ってるの? 
すごく勘違いしてない? 
いや、ろくでなしは何人か…って結構いたけど…あたしが経験値少ないですって?

 は?


早苗「いや、いや、いやいやいやいや……。け、経験豊富だし。何人もの男と寝てきたし」

P「え、でもおっぱいで感じるの初めてなんですよね?」


  むにゅぅぅう

早苗「ぅぁんっ」ビクッ


P「こんなに感度良いのに感じたことないなんて、そりゃもうこれまでの男がヘタクソだったんですよ。おっぱいだって力任せに揉んでただけじゃないですか?」


  むにゅ むにゅぅぅ

早苗「ぅあ、ぅあっ」ビクビク


P「そんなヤツらと何回ヤったって経験値上がりませんよ? あ……一応聞いときますけど…イッたことってありますよね?」

早苗「はぇ……? イクのって男でしょ…?」


P「うわぁ……まじかぁ………」


ちょっとやめて!その憐れむような目やめてよ!





P「……可哀想」


早苗「な、なんですって!? あたしのどこが可哀想だっていはぁぁぁんっ!?」ビクッ


Pくんの手が激しさを増して動き始めた。
でもそれは力任せとかじゃなくてマッサージみたいな動きで…あたしの反応に合わせて変化して…あたしを効果的に弱らせるところを的確に突いてくる。


  ぎゅぅ~~ にゅ! にゅぅう♪ もみゅ♪

早苗「ふぐっぅぅう! ぅああっ! くぁあぁっ」ブルブル


P「まぁいいや…やることは結局同じですから…」

早苗「うぁっ!? まっ、まって! なんかおかしいの! おっぱいが、おっぱいがぁ……っ!」


気付けばおっぱいの先っぽは見たこともないくらいにピンと立ってて…。

あぁ…Pくん、口を開けて…それどうするつもり? 
ねぇ? 嘘でしょ? 
今おっぱいがおかしなことになってるのに、その先っぽをか、噛まれちゃったら……っ!!!



P「んぁ~ぁむっ」


  かみっ♪

早苗「うぁぁぁぁああっ!!!」ビクビクッ


P「ん? もうイっちゃいました? 感度良すぎでしょ…」


胸の先っぽの小さな豆みたいなのがなんで…なんでこんなに……っ!?


P「じゃあ、こっちも……ぁ~」

早苗「ぅあ…まっへ…今やばい…」


  かぷっ♪ じゅずずずずっ♪ 

早苗「はぁぁぁああんんっ!!??」ビクビクッ


今度は噛むだけじゃなくて口に含まれて熱い舌で転がされて吸われて、また噛まれて、強く噛まれて…
それは全部これまでもされたことあったのに、そのときは痛いだけで嫌だったのに、今は痛いのさえも……っ!


早苗「ふぁぁ…うぁぁ…っっ」


あれ?あたし今どこ見てるんだろ?天井の隅見てる?なんで?そんなのよりあたしのおっぱいがどうなってるのか見なきゃ。
これ以上Pくんに好き勝手されたらなんだか大変なことになる気がするから……っ。


P「よし…こうして…両方一気に……」


Pくんが左右のおっぱいを寄せるようにして乳首同士をくっつけて、そこに狙いを定めてる。
あ、ダメだこれ。
片側ずつでアレなんだから両方一緒なんてこれ絶対ダメだ。


早苗「ぁ…だぇ…そぇ…だぇだよ……」ヒクヒク



あ~声が出ない。
でも、ほら見てPくん。あたし辛そうな顔してるでしょ?
それやるともっと辛くなるんだよ?だから、それやめよ?


P「気持ちよさそうな顔しやがって……ぁ~~むぐっ」

早苗「ら、らめ……っ」


  くにゅっ♪ くりゅっ♪ ずずずっ♪ れちゅっぅぅぅうぅ♪

早苗「ひぁぁぁあああああああんんんっ!!!???」ビクンッ


Pくんの口がの中が動き始めたと思ったら、背中にスタンガン押し当てられたみたいに勝手に胸が浮いて、視界がチカチカと明滅を繰り返してる。
胸の先っぽの小さなポッチを舐められただけなのに全身に電流流されたみたいになるのっておかしいでしょ!
は?これ一体何なの!?


P「早苗さん? それがイクっていうヤツですよ? 気持ち良いでしょ?」

早苗「ぅ…? これが…いく……?」


この頭が真っ白になるようなのが、イクってこと?
それに、さっきからピリピリしたりゾクゾクしたりジンジンしたりズクンズクンじたりアソコからどぷどぷしてるのが、キモチイイ…?
息切れして頭クラクラして体は震えて体の奥の芯を揺さぶられてるのに病みつきになりそうなこの感覚……これが……。

あ~~そうなんだぁ~~~。
こりゃ初めてだわ……。
なんで、これもっと早くに知れなかったんだろな~。
あたしすっごい損してたみたい。
さっきPくんが可哀想って言ったのその通りだわ…。


P「早苗さん…」

早苗「ぅぁぃ…な、に……?」ブルブル

P「おっぱい気持ちよかった?」

早苗「ぅ………」


これに正直に答えたら、これまでのあたしの経験値が全部まやかしだったことを認めることになる…だから…。


早苗「うん……おっぱいきもひよかったよぉ…♥」


…だって、気持ちよかったんだもん……っ!


P「ん…。素直でよろしい」スッ


Pくんの手があたしの頭を撫でる。
たったそれだけのことなのにフワフワとした感覚が大きくなって、胸ももっとあったかくなった。




P「よい、しょっと…」グイッ

早苗「あっ」


ベッドの端に中途半端に押し倒されていたのを、ほとんど抱きかかえられるようにしてベッドの真ん中まで動かされてしまった。
Pくんがいつも使ってる枕を頭の下に敷いてもらうと、Pくんの匂いが鼻をくすぐってなんだか嬉しい。


P「ほんとにいいんですね?」


真剣な顔でPくんが曖昧に問いかけてくる。
何が?なんて言わない。
この後ナニするなんてわかり切ってるもの。


早苗「うん……いいよ…?」

P「……」ゴクッ


Pくんがスカートを脱がしにかかったので、ジッパーを下げ終えたところで腰を浮かせてあげると簡単にはぎ取られ、そのままストッキングも脱がされる。
これであたしはショーツ一枚…。
これもさっさと脱がしてくれたらいいのに、Pくんは舐めるような視線をショーツに注いでいる。


P「早苗さんって…可愛い下着履いてるんですね。ちょっと意外です…」スッ

早苗「ふぁ…っ」ピクッ


Pくんがあたしの鼠蹊部あたりをショーツの生地を指の背で撫でる。
いいでしょうが!ピンクのフリフリがついたのを履きたい時だってあるわよ!
そりゃあもっとスゴイのだって持ってるけどね…?

指の背がショーツの輪郭をなぞっていく。
それが進むたびにジクジクとした感覚があたしの真ん中に集中していって…今はそれがどういうことにつながるのか何となく分かってしまうので、少し怖い…。


P「腰、浮かせてもらえますか?」

早苗「……っ」ドキドキドキ


気付けはPくんはショーツを脱がそうとしていたのに、あたしは呆けてて、言われてようやく腰を上げる。


  ずるっ……にちゃぁぁぁあ♪

早苗「やぁ…っ!? うそっ!?」


P「あ…すっごい糸引いてる。ねぇほら早苗さん糸引いてますよ?」


Pくんがショーツと股の間に引かれた透明な糸を見せつけてくる。
こんな意地悪なことをされても何故か胸は高鳴りっぱなしなのが不思議でしかたない。


早苗「ゃっ…見ないでぇ……っ」ゾクゾク


P「ん……、これはもうすごいことになってるな…」スッ


  ぐじゅっ♪

早苗「んあぅっ!?」ビクッ


Pくんの右手指があたしの大事なトコロを隠すようにぴったりとくっつけられると、聞いたことのないやらしい水音が響いた。
ロクに触られていないのになんでこんなに濡れてるのか全然意味が分かんない。


  にゅぷ♪  ぐぷっ♪ ぐじゅじゅぐ♪

早苗「んはぁああっ」ビクビクッ


ただ、アソコに乗っけた手を左右に動かしているだけなのに、暴力じみた快感が全身を痺れさせてくる。
ほんとになんなのよこれ~~やばいよぉぉ~~。


  ぬるんっ♪

早苗「ふわぁぁああっ!?」ビクンッ


撫でるだけかと思ったら指が中に滑り込んできて、それでまた背筋に電流が走った。
一体何本入れたのよ!?って見てみたら中指一本だけ。たったの一本で電流が走ったらしい…。


P「十分すぎるな……ちゅぷ…んぐ…」


そう言ったPくんは早々に指を抜き、あぁぁぁ…な、舐めるなぁぁぁっ!……自分のベルトに手をかけて、スラックスと下着を一気に脱ぎ捨てた。


早苗「ぁ……」ドキドキドキ


もしPくんのモノが中指よりも細かったら安心できたんだけど、やっぱりそうじゃなくて…。
いや、これまでの男にはそういうのもいたからひょっとしてと思ったんだけどね。
もっと大きいのを持ったヤツもいたけど、そのときには指を入れられても何も感じなかったし、ソレを入れられても圧迫感が辛いだけだった。
だ、だから…指一本で電流が走る今は…どうなっちゃうのかほんとに怖い……。


P「…これまでで何番くらいの大きさ?」


なんてこと聞くのよ!?


早苗「そ、そうね…3番目くらいじゃないかな…?」


あたしも答えてんじゃないわよっ!


P「そっか、残念」


全く残念そうに見えないのはこれからあたしをひーひー言わせる自信があるからじゃないでしょうね…?
そう思うとなんだか嘗められた気がして黙っていられなくて…。


早苗「い、1番大きかったのはすごかったわよ…? お腹やぶけちゃうかと、思うくらいだったんだから…。
 でも、Pくんぐらいのなら…だ、大丈夫かな…」


つい強がりを言ってしまう。
あぁ~あ…やめとけばよかったのに…。


P「へぇ……」


そして、いつのまにか取り出していたスキンを被せてその先っぽをあたしのアソコに当てがった。


  くちゅっ♪

早苗「ぅあっ……」ゾクッ


もうそれだけでさっきの強がりがどっかに行ってしまって…。


早苗「ぁ、あっ、あっ…で、でも…久しぶりだから…っ。や、優しくお願い…ね?」


はぁ、みっともな~~。
でもお姉さんの必死のお願い…聞いてくれるよね?





P「……」








P「だ~~めっ」グッ








  どちゅっっっ!!!!

早苗「う゛っ!!!!!??????」ビクンッ



初め何が起こったかわからなかったの。
股を思いっきり蹴り上げられたような重い熱が腰辺りに溜まってて、さっきまで全部見えてたPくんのおちんちんがもう見えなくなってるのに気付いて、あぁあたし終わったなって思った。
これからコレを何度も何度も繰り返されるんだって。
あ、腰の熱がちょっとずつ上へ向かってる…。
脊髄を通ってあたしの脳を目指してる。
これが脳に到着したらそれがあたしの終わりの始まり。
だから止めなくちゃいけないんだけど、どうやってとめるのかわか

早苗「んはぁあああああああ゛あ゛っ!!!???」ビクンビクンッ



  ばちゅっ! ぱちゅん♪ ばちゅん♪

早苗「うぎゅぅぅぅっ!? ひああああああんん!?」ビクッビクッ


知らない知らない知らないよぉ!
こんなの知らない!
熱がどんどん大きくなって体中に広がって脳みそ溶かしてる!?
Pくんの腰が一回ぶち当たるたびにあたしの口から変な叫びが出てくる。
Pくんを止めないとあたしが終わっちゃうのにもう体の自由が利かないの!


早苗「らぁ!らめぇ!! おね!がひ!ゆる!しへぇぇえ!!!」ゾクゾクゾク

P「くっ…すっげ絡みついてくる…っ」


  ぼちゅっ♪ ぶちゅんばちゅ!! ぱすん♪

早苗「うぁあああああ゛ん゛!!!!」ビクビク


Pくんの手が、あたしの腰を掴んでた手が離れたと思、、、ったらっ、おっぱい掴んでっ、ぎゅ
うぅぅ~~ってつつつ掴んで、あたしのおっぱいはPくんが腰振るための取っ手じゃないのにぃ
ぃぃいい、もぎゅぅぅぅって掴んで、おっぱい変な形になるくらいこねこねされても胸の奥とア
ソコがきゅぅぅぅ~~~ってなってPくんあたしのドロッドロの顔じーって見て楽しいの?あた
しのアソコでPくんも気持ちよくなってくれてたらうれちいけどどうかなぁ?おちんちんがずぼ
ってなるのといっしょに乳首きゅって、乳首きゅってされたら頭がもっともっとバカになちゃって……っ!


  ぱん!ぱん!ぱちゅん!! もにゅ~~~♪ ぱちゅっ!!

早苗「ひぅぅぅっ! ひぃぃぃぃぅ! いいぃいいううううぅぅ!!!」ビクッビクッ



うあああ…♥ なんていうんだっけこれ?

頭がバカになってフワフワして真っ白になるやつ♥ あ、真っ白って言ってもセーシじゃないからね? 
ちゅき♥ちゅき♥ 昨日までは男しかないと思ってたやつ♥ めちゃくちゃに気持ちいやつ♥ アレ来る♥ 
なんていったっけ? アレ来るよぉ♥ あ、そだ、アレだぁ~♥ 来る♥来る♥来るっ♥



  ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!!

早苗「イ゛っくぅぅぅぅうっ♥♥♥」ビクンッビクンッ


P「はぁ、はぁ! あっ気持ちよさそうにイキましたね? じゃあ、俺ももう…っ!」



  ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!

早苗「ぁだめぇっ♥ 今だめだってぇぇぇっ♥ またイクのぉ♥ イクイクイ゛グっ♥♥♥」ビクンッ



  ……………どくんどくんどくっ!!!

早苗「ぅああ゛あ゛っびくびくしてる……っ♥」


P「~~~~っく……」ビクッ





………頭真っ白………。
脳の血管が何本か切れたんじゃないのコレ…。
あ、Pくんなぁにそのだらしない顔~?
ぶっさいく~。あはは~。
でも、気持ちよさそう~。












……バカなあたしでもPくんの役に立てたかなぁ…?




早苗「はぁ、はぁ、はぁ……Pくん…元気でた…?」

P「っ……」


あぁ…折角気持ちよさそうだったのに思い出させるようなこと言っちゃたかな…。


早苗「ぁっ、ごめ」

P「ふっ……」

早苗「?」

P「ふふっ…ははは……はははっ!」

早苗「ぇ……?」

P「ははっ…いや、すみません…早苗さんが自分を経験豊富だと思い込んでたのがおかしくて…あははは! 
 もうどうでもよくなっちゃいましたよ。はははは!!」

早苗「は? 思い込んでたってどういうことよ!? あたしは本当に……」


と、いつもみたいに売り言葉に買い言葉で返そうと思ったんだけど、P、Pくんが笑ってて…っ、
ずっと辛そうな顔してたPくんが笑ってて…、もうあたしには見せてくれないんじゃないかってずっと不安だった笑顔を見せてくれて……!!!!


早苗「あ…あだしは……っ…ひぐっ…っぐぅ…ほ、ほんとに゛ぃ! けいげん!ううう゛っ!! ほうふ! うっう~~~うぅぅぅぅ~~~~ぐすっ」

P「さ、早苗さん…っ!?」


あぁっ、やっと笑ってくれたPくんがギョッとしてる! 
なに泣いてんだあたし! バカか!? 
ほら笑顔笑顔!



早苗「ぅぅ……む゛り゛~~~~う゛あ゛~~~~~ん゛っ!!! もうあだしっ!ひぐっ!!
 Pくんにわらっでぼらえないっておぼっててぇ~~~ずっと…ずっとぉぉぉ!!!ふぐっ!!ごわかっだの゛ぉ゛ぉ~~~~」

P「早苗さん……」

早苗「よがっだよぉ~~~P゛ぐんがぁ~~ずびっ…げんきでで~~~よがっだよぉ~~~
 わらってぐれで~~~うれじいよぉ~~~~」


だめだ…嬉しすぎて気持ちが全然抑えらんない…。
涙だけならまだいいんだけどこれ鼻水めっちゃ垂れてるわ~~しまらないわ~~。


早苗「P~ぐ~ん゛…ひぐっ…めいわぐかぼしれないげどぉ~あだじぃ~Pぐんのことずぎでいでいいでずがぁ~~~? 
 ずぎでいざぜでぐでるだけでい゛い゛の゛ぉ~~ぐすっ…あだじのいっぼうづうごうでい゛い゛の゛ぉ~~」



P「そ、そんなの……」






P「ダメに決まってるだろ!!!」







早苗「う゛っ………」ビクッ





早苗「あ゛~゛~゛~゛~゛ん゛!!!」

早苗「P゛ぐん゛に゛ぎょ゛ぜづざれ゛だぁ゛~゛~゛~゛!!」

早苗「あだじも゛う゛む゛り゛~゛~゛~゛じぬ゛~゛~゛~゛~゛っ!!!!!」


P「は!? いや違う!! 一方通行なんてダメだからな!!! お、俺だって…早苗さんのこと……っ!!!」


早苗「え゛???」


P「あんたは! 卑怯だ! あんなに酷いことした俺をまだ好きとか言って!! それにこんな慰めてくれて!! こんなのオチないわけないだろう!!!」



早苗「あ゛え゛???」






P「俺だって早苗さんのことが好きなんだよ!!!!



早苗「え゛? あ゛? え!!!???」




P「言っとくけど、慰めてもらったからじゃないからな!? 早苗さんと初めて会った時からずっと好きだったんだからな!? 
 めちゃくちゃ可愛いし! サバサバしてて一緒にいて楽しいし、自由奔放なところに憧れてたんだよ!」



早苗「え゛? え? まじ…?」


P「でもプロデューサーだから気持ち抑えつけて、あんたに認めてもらえるようになるまでは絶対に出しちゃいけないって…
 そしたらあんなことしちゃって…俺の汚いところぶちまけて全部終わったって思ってたのに…なんであんたはまだ俺のことを好きって…っ!?」


早苗「そんなの……大好きなんだからしょうがないじゃないっ!」



P「っ! 大好きって…っ!? …言っとくけど俺の方が好きだからな!!」





早苗「え?」







早苗「は?」









早苗「はぁ!!!???」クワッ




早苗「あたしの方が好きに決まってるでしょが!!! あたしPくんに殴られたのにまだ全然好きなぐらい好きなんですけど!? 
 ちょっと血が出たからってキレたのはどこの誰よ!?」

P「はぁ!? あれめっっっっちゃくちゃ痛いんだぞ!? しかもこれまで何百回ヘッドロック耐えてきたと思ってるんだよ!? 
 普通だったら三回目でバチコーンやられてるからな!? あんたが好きじゃないとこんなに我慢できなかったからな!? 
 ったく、ロクな恋愛してこなかったくせによく言うわ! どうせ一発か二発ヤったらフラれてたんだろうよっ!」


早苗「なっ!!!??? ぐっ……ぎぎぎぃいい゛い゛い゛……」

P「え~!? まじぃ!? 図星ぃぃ!? そんなヤツのいう好きなんてほんとかどうだか! はははっ!!」

早苗「はぁ~~~!? あんたのこと考えるだけで胸があったかくなって幸せな気持ちになるのが好きって以外になんなのよ!?」

P「はぁ~~~!? そんなの俺だって一緒です~。あんただけじゃありません~」

早苗「あんたって言うのやめてください~。あたしには早苗っていう名前があるんです~」

P「おっ出た、早苗お得意の話題逸らし」

早苗「はぁ!? っていうか呼び捨てすんな! あたしは年上よ!?」

P「はん! お前なんか呼び捨てで十分だよ。早苗!早苗ぇぇ!!」

早苗「つーかアンタ!あたしに対してアタリ強くなってない!?」

P「決めたもんね! お前に対してはもう遠慮しないって!!!」

早苗「はぁ!? 望むところよ! あたしだってあんたにだけは全部ぶちまけてやるんだから!!」

P「いいよ! ぶちまけてみろよ! 俺はぜってぇ受け止めて見せるからな!?」

早苗「あ~~!! 言ったな!? 男に二言はないんだからね!!」



P「いい加減その減らず口……っ」

早苗「ぁ……」ドキッ



訳の分からない言い合いに白熱してたらいつの間にかPくんの顔が目の前にあって、鼻先同士が触れ合うくらい近くにあって…つい目を瞑ってしまった。




早苗「んぐ♥…あむちゅぅ…れろぁんんぷじゅずうう…っ♥♥♥」ゾクゾクッ



記念すべき二人の初めてのキスなのにPくんは一気に舌をねじ込んできて、しかもあたしの口の中を自分のモノにしていくようなねっとり丹念でやらしいキス…。
舌同士を抱き合わせるとPくんのこれまでの気持ちが伝わってくるような気がして、熱い涙が頬を伝った。



P「んぐ…はぁ…はぁ…早苗さん…ごめん…ありがとう……。俺も早苗さんのことが好きなんだ……っ!」

早苗「ぃやっ早苗って呼び捨てにしてっ!」


P「早苗…好きだ…」

早苗「Pくぅん……あたしも好き♥ 好き♥ 好きぃ♥ 好きぃぃ~~~~♥」


P「俺絶対にもう早苗を泣かせないから…っ!」

早苗「うん!…うんっ!………ぐすっ」

P「あ、あぁ…言ってるそばから…」アタフタ

早苗「うぅぅ~嬉し泣きはいいのぉ~~」





早苗「それより…もっとキスしてぇ~~♥♥♥」








早苗「……ってキスしてたら、お腹が窮屈になってきてなんで?と思って見てみたらずっと入ったまんまだったのがまた大きくなってきてたの! 
 こっちはもう体中痺れてすぐイっちゃうから無理だって言ってるのに、彼ったら嬉しそうにまた動き始めて……
 あんときはホントに三途の川が見えたわ~~」






早苗「……って、みんな聞いてる!?」














礼子「へぇ………」ニヤニヤ

志乃「フフフ………」ニヤニヤ

瑞樹「ちょ……………/////」

留美「ゴクリ……………/////」

美優「アワワワ……………///////////////」

楓「」





瑞樹「早苗ちゃん…何があったのか洗いざらい喋りなさいとは言ったけど……そんなことまで克明に言わなくていいの!! 
 見てみなさいよ楓ちゃんなんか気を失って…」


美優「い、いえ…」ミャクハカリ

留美「この子、死んでるわ……」


瑞樹「楓ちゃん!?」




礼子「それにしても夜のPに興味が湧いたわ…一度貸しなさいよ」

早苗「だっめぇ!! いくら礼子さんでもそれだけはダメーーーー!!!」ガバッ

志乃「早苗ちゃん…? 冗談よ? フフフ…」

早苗「え? あ……//////」

瑞樹「Pくんが絡むと冗談も通じなくなる、と……これはPくんにも突っ込むとおもしろ…げふん…彼からも事情聴取する必要がありそうね!」

早苗「え゛!? そ、それはダメ…ほんとにダメ…っ! 誰にも内緒にするって約束したのに、喋ったのバレたら…バレたら……」

瑞樹「バレたら…?」







早苗「すっごい折檻されちゃう……♥♥♥」ポッ









礼子志乃瑞樹留美美優「……」イラッ










礼子「瑞樹、呼び出して」

瑞樹「イエス!マム!」トルルルルルッ

早苗「あ~~!! ダメ~~~~~っ!!!」

片桐早苗 後編  終わり

乙、こうなると美優さんは何されたのか気になりますねえ


美優編が気になる…

期待もしくは予想を裏切るモノになってしまったのではと思っています…。
こんなのでもよければもうしばらくお付き合いいただきたく。

次は美優さんです。

ふざけんなよ一言言わせろコラ









お前最高かよ
期待通りどころか期待以上なので、この調子で頑張って下さい

はぁ~マジホントはぁ~

なんか元気出たよ 俺もムスコも幸せだ


素晴らしい次回も楽しみにしてる

早苗さんとのシチュの中でも最高の組み合わせでござった

チンポビンビンですよ神

大人の純愛はいいもんだ

ところでこのPって全員同一人物?

>>29に書いてある

喧嘩する(意味深)ほどナカが良い(直球)って事だな

三船美優 後編

始めます




●REC







美優『………』



美優『…………』キョロキョロ



美優『……………』ソワソワ



―――もう撮ってますよ?


美優『えっ』ビクッ

美優『言ってくださいよ、もぅ……//////』



―――じゃあ…まずは自己紹介してもらえますか?

美優『あの……必要ありますか…?』


―――まぁまぁ…。気分ですよ、気分。
   はいどうぞ。

美優『…三船美優です。……19××年2月25日生まれ。岩手県出身…』


―――続けて?

美優『血液型はAB型。身長は165センチ…た、体重は……』


―――………。


美優『よっ……46キロ…です…////』


―――恥ずかしがることないですよ? むしろ痩せすぎなくらい。

美優『そ、そうでしょうか……』


―――3サイズは?

美優『ぇっ…それもですかぁ…?』


―――………。


美優『……上から…85、ろ、59…85…です……/////』


―――あれ? 手元の資料によると……。

美優『そっ、それは…古いデータですね…っ。最近計ったら変わってたんです! ほ、本当ですよ…?』


―――そうですか。気にすることないのに…。

美優『ぅ、ぅぅ……』



―――乳輪の大きさは?

美優『はぃっ?』ビクッ


―――にゅうりんの、おおきさ、は?

美優『え…ちょ………////////』


―――………。


美優『くぅ……じゅ、十円玉くらいです……//////』


―――………そうだったっけなぁ~~?

美優『十円玉ですっ!』


―――…まぁいいや。
   美優ちゃんはお仕事何してる人?


美優『み、美優ちゃん…っ?/////』

美優『…ア、アイドルをしています……』


―――へぇ~~アイドルかぁ! わかる~~めっちゃ美人だもん!


美優『い、いえっ! 私なんてそんな……っ////////』


―――ご謙遜を~♪
   でも、アイドルがこんなことしていいの? これから何するか…知ってるよね?


美優『………は、はい…。P…か、監督さんが絶対にバレないから大丈夫だって……』


―――ははは…美優さんもノってきましたねぇ…。


美優『//////』


―――今日はなんでビデ……ん~~…AVに出ようと思ったの?


美優『え、えーぶ……//////』


美優『…か、監督さんが…カメラが回ってる前で、その…スルと……き、気持ちいいからって……////////』


―――……美優ちゃん、気持ちいいこと好きなんだ?

美優『…は、はい……//////』


―――エッチ、好きなんだ?

美優『えぇ…っ? ぃゃ…ぁの……///////』


―――あれ? エッチ、気持ちよくない?

美優『ぃぇ…………気持ちいいです………//////』


―――あぁ、良かった…。
   だったら?


美優『ぅぅっ……え、えっち…すきです…//////////』


―――あはっ!
   美優ちゃん、見かけによらずスケベなんだね。

美優『うぅ…っ。Pさん意地悪ですぅ……/////////』


―――……初エッチはいつかな?

美優『ぁ……四か月前です……』


―――あら~~、初体験が26歳? 結構遅かったんだねぇ~。

美優『い、言わないでください…っ。恥ずかしい…///////』


―――いやいや、ずっと大切にしてきたっていうのはとっても良いことだと思うよ!!
   相手は…誰かな?

美優『え、ええと…』ジーー

美優『私のプロデュースをしてくれている人で…とても素敵な人です』


―――あ~~めちゃくちゃ嬉しい………。
   美優ちゃんみたいな美人さんの初めてを貰えたそのプロデューサーは間違いなく世界で一番の幸せ者だね!


美優『Pさん…ふふふ……///////』


―――初エッチしたときのシチュエーションは?

美優「あ…あの日は…P、プロデューサーさんと事務所に戻る際にゲリラ豪雨に遭遇してしまって…たまたまプロデューサーさんのお家が近くにあったので非難させてもらったんです…」


―――あぁ~~そういうパターンね。
   手を出したのはどっちから?

美優「ぁ、あの……ぷ、プロデューサーさんの方から……//////」


―――……………へぇ。


美優「…っ」


―――……じゃあ~…美優ちゃんの性感帯はどこかな?

美優『え…? せ、せいかん…たい…って?』


―――触られて気持ちいいところですよ。

美優『……P、Pさんに触られたらどこでも……///////////』


―――………あ~やばい。カメラとかどうでもよくなりそう…。

美優『…?』



―――……はっ。
   じゃ、じゃあ、好きな体位は?

美優『ぁ……ふ、普通の……向き合ってるのが……//////』


―――正常位ね。どういうところが好きなの?

美優『ぇ、えぇと……好きな人の顔が見えて…抱きしめ合ったり…き、キスしながらできるところが……////////』


―――あ~わかる~~。

美優『で、ですよね…っ/////』


―――あ、そういえば初キスも初エッチの時なんですよね?

美優『え? ぁ……』



美優『…………』ソワソワ



―――み、美優さん……?

美優『は、はい…初めてのキスも初体験のと…』


―――美優さん……正直に教えてください。

美優『ぅ………』




美優『……前の会社で働いていたとき…せ、先輩社員の方と……』



―――…………………………は?




美優「つ、付き合ってたわけじゃないんですっ! 忘年会の時に酔っぱらっていたその人に半ば無理矢理……っ」




―――…………………………は?



美優「でもっ、一瞬でしたし…ほんとうに唇が一瞬触れたぐらいだったったんですっ」


美優「次の日にはその人は忘年会の記憶をすべて失っていましたし、私も犬に噛まれたと………Pさん…?」





   ごとん がささっ




ユルセナイ…ユルセナイ… Pサン? カメラオイテドウシタンデスカ? フザケンナヨ… エ?

ミユサンハゼンブオレノモノダッテ ミユサンノハジメテモゼンブオレノモノダッテオモッテタノニフ ザケンナヨ…
P、Pサン? ミユサンノクチビルニホカノオトコノダエキガツイテタナンテ フザケンナヨ… Pサン アレハジコデベツニカウントシナクテモ
ミユサンガ!!! ムボウビダカラ!!! ソンナコトニナルンデスヨ!!! ゴッゴメンナサイ ユルセナイ!!!
Pサン! オチツイテクダサイ! コレガオチツイテイラレマスカ!!! ミユサンガヨゴサレタンデスヨ!!!??? コンナノタエラレナイ!!!!
P、Pサン!! マッテオチツイングァプレロンプチュゥゥゥッァアハァァッァンンッ ハァハァハァハァ!!! ズジュジュジュジュジュアプッンバァッ
ハァハァハァハァ!! P,Pシャン オチチュゥゥゥウウウアハアアンレオレロンプグプッ ハァハァハァハァ!!! P,Pヒャン…
ハァハァミユサンクチアケテクダサイヨ エ? クチアケテッテ!! ングァアア!!?? ンッ トロ~~~ ング!?
ミユサンマダノンジャダメデスヨ? モットモットイッパイタメテウガイシテショウドクシテモラウンデスカラ ンンン~~~~!!??
ン、モゴモゴ トロ~~~ ンァァ~~ トロ~~~ マダマダタメマスカラ! ンンンン~~~~~ッ
トロ~~ クソッ クチガカワイテキタ! モゴモゴ ペッ!!! ンンエ!!!??? ペッ!! ング プッ!! ペッ!!! ペッ!!!!
ンフ~~ンフ~~~ンフ~~~ ペッ!!! ペッ!! アッ ゴメンナサイミユサン カオニカケチャイマシタ コレモユビデスクッテクチエ…
ンフ ンブ ンブブ… ウワ~~ミユサンノクチイッパイニオレノダエキガ ミユサン? ソレデウガイシテクダサイ ンンン~~~~ !!??
ホラヤッテ ンンン ガラガラ ガラガラガラ ウワッアワダッテ グロ… ガラガラガラ…
ウガイハモウイイデス ンバ? ツギハソレデクチヲススイデクダサイヨ グジュグジュッテ ハミガキシタアトニヤルミタイニ
ンブ グジュグジュグジュ ソウソウ グチュグチュグジュグユ…
アア~~クチビルキュットシメテリスミタイニホホフクラマシテミユサンカワイスギル グジュグジュグジュ♪ キレイニナリマシタカ?
ンン~~~ アレ? マダデスカ? ンン コクコク グジュグジュグジュ クパァ レロ~~レロ~~♪
エッロォ ダエキダマリノナカヲミユサンノシタガデタリシズンダリ モゴモゴ~~グジュグジュグ ンフフフ♪
モウマンゾクシマシタカ? コクコク ジャア ノンデクダサイ ン ゴク ゴク
オレノダエキガミユサンノウドヲトオッテイク… クソッ チンポイテェ ンフ ゴクッ ゴクリ ゴクッ ゴクン! ンハァァァ~~~
ゼンブノメマシタカ? ンア~~ レロレロ♪ シタノウラニモナニモノコッテナイナ… Pヒャン…? コレレショウロク レキマヒタヨネ?
…ウチガワハイイデス…デモ…… エッ? ンチュアプクアブッ ハァハァ クチビルノショウドクモシナイト
ハァハァ Pヒャン シテェ ワタシノクチビル ショウドクシテクダシャンチュゥゥゥアア クチビルスッテェ~~ンッチュチュチュチュッアブンクレロォ~~~
ハァハァハァハァ!!!! Pシャン! モット! モット!! ムチュ~~~ヌチュチュゥゥゥゥlヌァレロオオオンアハァァァ!! チュ!チュチュ!!
ミユサン! オレノシタスッテ!! ンア~~ン! チュゥゥゥ!! ハァァン Pヒャンノシタオイシィレス ハァムゥ~~
ハァハァハァ!!! ミユサンモシタダシテ!! ンベェ~ ンヒッ!!?? ンハ!!アアアア!!ウフグヒィイング!!
ハァハァハァ!!! クソッ クチビルショウドクデキタキガシネェ!!! ゼンゼンタラネェ!!!
P、Pヒャン オネガイ モットオネガイシマス! Pヒャンイガイノキスナンカワスレテシマウクライニ!! モットハゲシイキスヲクダサイ!!!
ワカッテマスヨ! ン~~チュゥゥハァァ Pヒャン スキッ チュッチュゥゥゥ レロン プチュゥゥゥ~~~~~………






一時間後





―――はぁ、はぁ、はぁ……美優さんの初キスの相手は?

美優『んぁぐ……♥ Pしゃん♥ Pしゃんれすぅ~~♥ 唇が触れたくらいじゃキスにならないんですぅ♪ 
んちゅ、あんぐぷちゅぅぅ♥』


―――んぐっ…美優さん、キス好き?

美優『はぁい♥ キス好きですぅ♥ Pしゃんとのキス大好きですぅ♥ あ、ゃぁん、カメラ近い…♥』


―――ははは、ほんとに可愛いな…。ほら舌出して?

美優『はぁい♥ んぇぇ♥』


ちゅぅ♪ ちゅぅぅううう♪ ずじゅじゅじゅ♪

美優『んふ♥ んふっ♥ んふぅぅぅうんっ♥』ブルブル


―――どこ触られても気持ちいいって言ってたけどほんとかなぁ~。


つん つんつん♪ さわわっ♪

美優『ゃっ♥ 脇腹だめぇぇ~~♥♥』



―――ははっ、逃げるな~~。

美優『うふぅっ!? ふぁああっ♥ だっ、ほんとにだぇえ♥♥♥』ビクッビクッ


―――うりうりうり~~♪ うりうり!!

美優『だめっ!! ほんとに!! だめぇええ!! ぁああっ!?』


  さわさわさわ♪ ぐりぐりっぃ♪

美優『あああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!!??』ビクビクンッ


―――…………やべ、やりすぎた?


美優『ん、くぅっん……っ!!!』ビクッ…ビクッ…


美優『…ん……ふぅぅ……はぁ…はぁ…はぁ……』グテーー


―――体預けてくれちゃってぇ……。

―――上、脱がすか…。はい、ばんざーい。よい…しょ…。

美優『んぁっ』


―――ブラも…ホック外して……ぺらりっ。


  ふるん♪

美優『ぁ……おっぱい……』


―――あ~~もぉ~~~美乳~~~。


さわさわ♪ ゆさっ♪ゆさっ♪

美優『ふ…っ、うぅはぁぁん…♥』


―――ぽよんぽよんいってますよ、美優さんっ?

美優『んぁん…♥ 遊ばないでくださいぃ♥♥』


―――遊びじゃなくて、ガチ愛撫ならいいの?

美優『ぇ、そ、そんなの………』




美優『は、はい………////////』


むにゅぅぅぅぅっ♪ くりっくりりっ♪

美優『んあっ♥ あぁぁっ♥♥』ビクッ


―――あ、そだ…美優さんの乳輪…。どうですか~テレビの前の皆さん~。乳輪のサイズ分かりますかぁ~~?

美優『あっ、そんな近くでっ? 恥ずかしいっ/////』


―――ん~~? 俺の目がおかしいのかな……? 五百円玉を取り出して…っと。


ぴとっ♪

美優『ひゃん!? 冷たっ!?』ピクン


―――…あれあれ~? 美優さん? これ…どう思います…?

美優『ぇ…? ぁれ…? ぅそ……っ!?』

―――ぴったりじゃないですかぁ?

美優『な、んで…? まえ見たときは…確かに…』


―――十円玉って嘘だったんですかぁ~?

美優『ちがっ…! P、Pさんが…っ!Pさんがたくさん…触るから…っ!』

―――え~~ほんとかなぁ~~?
   でも……だからって、触るのやめないですよ?

美優『え…あ…っ』


―――はぁむっ! ちゅぅぅぅうううれろっ♪

美優『ひあぅううっ!?』


―――んぱっ♪ いや…むしろもっと大きくしてやる…っ!
   れろっろろちゅぱあぁぁっ!!きゅりぃっ♪

美優『ふぅぅぅっ!? ぅぅぅぅああんっ!!』


―――だらしなくてスケベな乳輪と乳首にしてっ! 俺以外に見せる気なんて、絶対!起きなくしてやるっ!!
   かみゅううっ!! ぎりっ♪ ぎりりりぃぃぃ♪ ぢゅううぅぅううううっ♪

美優『やぁ!? そんなぁ♥ ヒドイぃい!?? うきゅうぅっ♥』ビクン


―――は? 何が酷いんですか!? 
   美優さんのおっぱい、俺にしか見せませんよねぇ!?
   なら良いじゃないですか!?


  ぎゅっ!!!! ぎゅぅぅぅ~~~!! ぐり!! ぐりぃぃ!!

美優『つ!!? つよす……ぎっ!!?? っくあああああ!!!???』ビクッビクッ


―――こんなに強く潰してるのに……美優さん、気持ちいいんでしょ…?

美優『うぅうう~~~っ!!! きっ、きもち!! いいで……すっ♥』ビクン


―――ははっ……こんなのでも気持ちいいなんて…ほんとにアナタは……っ。

美優『ぅぁっ!? イ゛っ!? いだい…のが…き、キモチイイ…っ♥』ビクンッ


―――勘違いしないでくださいね? アナタみたいな変態、俺以外には相手されないんですからね!?


  ぎゅちぃ! くりっ♪ くりっ♪

美優『はっ!はひっ!! Pしゃんだけ!! わらひにはっ!! Pしゃんだけっ♥♥♥』ビクッビクッ


―――……わかってればいいんです。

美優『ぅ………は、はひぃ………♥』プルプル






がささっ がちんっ♪



P『よし、これで固定できたか? こっからは両手が使えないとな…』


美優『ん…ふ……』


P『あらら、美優さんもう出来上がってますねぇ…。パンツ脱がせますね~って、うわこれもうぐっちゃぐちゃだ…』


にちゃあ~~♪

美優『はぁ……んんっ♥』


P『すぅ~~~はぁ~~~……すっげぇメスの匂い…めちゃチンポにクルわぁ~』

美優『ゃぁっ…嗅いじゃ、だめですぅ~~♥』


はぷっ♪ べちょっ♪ ずじゅじゅじゅじゅ!!

美優『ひぃぃぃぃあっ!?』ビクン


  れろ~~~♪ れろんっ♪ ぷちゅ♪ じゅずず♪

美優『ふぅあああ!? す、吸わないでぇえ……っ♥』グッ


P「あぁもう…手、邪魔です…頭の裏で組んでててくださいよ…おい、脚閉じんなって」ガバッ

美優『はううっ……//////』


P『……ほんとに、美優さんは………』ゴクリ


ずずずっ!! ぬちょ♪ ぬちょ~♪

美優『はぁぁ!? し、舌…入って……るっ♥』


P『みふはん、みへまふか~? おへのひた、はひってまふほ~~』


  ぬぐぅ♪ にゅぎゅ~~♪ ぷちゅるっ!

美優『んぁっ、ひっ、ひあぁっん♥』ブルッ


P『いくらでも出てくるな…、よし……っと』グイイー

美優『んあっ……//////』

(読み辛い…)


P『美優さん? まんぐり返しされる気分はどうですか~?』

美優『ゃああ~~~//////』


P『こうしないと美優さんのスケベ汁でシーツ汚しちゃいますからね? 恥ずかしいならスケベ汁止めてください』

美優『ぅ…む、り…ですぅ……』


ぺちゅっ♪ ぱちゅっ♪ ……くぷっ♥

美優「ぅあっ、あっ…くっぅあっ…♥」ヒクッヒクッ


P『あはっ、おまんこ手ではたかれてもマン汁出てるっ!』

P『じゃ指入れましょうか…』


つ ぷ っ ♪

美優『ぅぃっ♥♥』ブルッ


くちゅくちゅっ♪

美優『んひっ……ひぁぁん♥♥』ヒクッ


P『まだ指先だけなのにもう涎垂らして…先が思いやられますよ……』


にゅぐぐ…

美優『ふぁぁぁぁぁっ!?』ビクッ


P『あ~~美優さんのまんこが中指に吸い付いてる…熱っ』


ぐぷっ♪ ぐちゅぅ♪ ぐにゅいっ♪

美優『うぐっ……っいいいいああああっあっ♥』ビクッ


にゅる♪ ぐぷっ♪ ぐちゅぅ♪ きゅぷっ♪

美優『っ~~~~~~♥♥』ビクッビクッ


P『美優さ~ん? これチンポじゃないですよ? そんなにまんこ締め付けても何も出ませんよ~? ははっ』

美優『んにぃぁ……っ、か、躰が…勝手に…っ♥』




  ぐにゅ…ぐちゅ…ぐにっ……


P『……ん…この辺だったかな……?』

美優『ぁ……っ!? …らめっ♥ そこ、らめれしゅっ♥♥』


ぐりりっ!!

美優『うっぎぃぃぃいいっ♥♥♥』ビクンッ


P『あはは…美優さんはGスポ突かれるとすぐだな…』



美優『う゛あ゛っ……いく…イク……っ♥』ブルブル

P『おっと…』


   にゅるん♪

美優『ぅあっ……な、なんで…抜いて……?』


P『美優さん…。指でイクのとチンポでイクの、どっちがいいですか?』

美優『ぇ……?』

P『ここで指でお手軽にイってしまうのか、それとも…我慢して我慢してそのあとで指よりもずっと太いチンポでガツンとイクのか…どっちがいい?』


美優『ぁ………』ゴクリ


P『どっち…?』


美優『ぉ……ぉちん…ちん……//////』

P『あはっ。わかりました…。じゃあ、もう少し我慢しましょうね?』


ずにゅっ♪

美優『ふあぁっ!?』


P『あと五回…我慢しましょうか。イキそうになったら言ってくださいね? 手マン止めますから』

美優『…ぁぇ…ご、かい……?』


ぐじゅ♪ ぐじゅっ ぐじゅっ!

美優『ふぅううう゛う゛う゛っ゛!!??』


P『ぁ、うっかりイッたら今日はもうお終いですから』


美優『ぇあっ!? むっ…むり……っ!!??』




にゅぐん♪ ぬりゅりゅっっ!! ぐちょっ♪

美優『ひぃぃいいいっ!? いくいくイク…っ!?』


P『よし、休憩…っと』ピタッ


美優『ぁぅっ…ぁぅっ…』ヒクヒク


美優『む…むぃ…ごかいも…すんろめなんて……っ』



P『ふ……』ニヤニヤ




にゅっるん!!!

美優『はあああああっ!!!???』



ぐぷぅっ!! ぐちゅん! ぐりゅりゅん!!

美優『はぁっ~~~~!!?? にっ…にほ…ん……っ!!??』



ぐっちぃぃ♪ じゅぷん♪ ぐじゅぐじゅぐじゅ!!

美優『ぐぅぅぅあああああっ!? いっ!! イクっ!! いくっ!!!』ビクビクッ


P『……』ピタッ




美優『~~~~~~~っはぁあああっ!!!???』




美優『イ゛っ……おね…がい…Pしゃ……イガせてく……』


   ぐぷっ!! じゅぷ! じゅぷ! じゅぷぷ♪

美優『ひっいいいいいいいいい゛゛い゛い゛く゛い゛く゛イ゛グっ!!!!???』



P『はぁ、はぁ………』ピタッ



美優『ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!』



美優『あだま! あだまおかしくなりゅ!!!! むりでしゅ!!!Pしゃん!!!もうイカせてくだしゃい!!!!』




P『っ……美優さん……』



美優『P…しゃぁん……っ!』ブルブル






P『………がんばれっ♪』

美優『ぁ…………っ』ブルッ



ぐりっ! ぐりりっ♪ ぐりりり~~♪

美優『あ゛っあ゛あ゛あ゛っ………じーすぽ……っだええええっ!!!???』ガクッガクッ



ぐりっ♪ ぐりん! ぐりぐりぐりっ!!

美優『お゛っお゛っ~~~~いぐっ!いぐっ!イグッ……!!』 ブルブルブル



P『うはっ…すっげぇ声……』ピタッ



美優『~~~~いやぁああああ゛あ゛あ゛!!!! く゛る゛う゛!! く゛る゛う゛う゛う゛う゛!!!!』ブンブン


P『頭振り乱して…イケないのがそんなに辛いんですね……。でも、あと一回ですよ…?』ニタァ



美優『う゛あ゛ん゛っ゛! む゛り゛!む゛り゛でしゅ!!』



P『ははっ、ここまできたんだからチンポでイキましょうよ…』スッ


美優『むっ………む゛り゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛……っ!!』





つぷっ♪ くちゅ…くちゅちゅ……

美優『お゛っ、あ゛っ、あ゛っ……』ビクッビクッ



……ぐちゅぅぅぅうううぐりぐりぐりぐりじゅぽじゅぽぐちゅっ!!!!

美優『あ゛ぎぃぃぃぃぃぃいい゛い゛い゛!! い゛ぐっ!イ゛ぐっ!!イ゛グッ!!』ガクッガクッ



P『よし…これを耐えたらチンポですよ…?』ピタッ ヌルン



美優『ああああ……っ!! ちんぽ……チンポ…っ!!!』ブルブル



美優『~~~~ぅぁ……っ!? ぅそ゛…っ!? だ…め……っ!!??』ブルブル


美優『ぅぁっ、ぅあっ、うあっ!?』ブルブル


美優『あっ、あっ、あっ……イク……』

P『あれ? 美優さんイっちゃうんですか? イったらチンポ無しですよ?』



美優『ぅっぎぃぃぃぃぃいいい……っ!!!???』ブンブンブン



P『あははっ、なんて顔してんですか美優さん! 歯食いしばって、鼻の穴ぴくぴくして、白目むきかけですよ?』


美優『はっ、はっ、はっ……んひ~~っ、んひ~~っ!!』ブルブル



P『……ぁ、そういえばぁ、今日まだクリ触ってなかったな……』


美優『ぅ…ひ……P…さん…イ゛ま…ら゛め゛……』ブルブル

P『ええ。もちろん触ったりはしませんよ? だから……』





P『ふぅ~~~』


美優『あ゛ぐぅっ!!?? ~~~~っ゛い゛、い゛き゛……だ、め゛……』ブルブル










美優『ぁ………………っ』ビクンッ




P『あ………』




美優『イクイクイクイクイクイクイク………っ』


P『あちゃぁ~~』




美優『あ、イク、いくイクイクイクいくいくあ、いくいくいく……っ』プルプル


美優『いくっ、イクっ、こんなのでぇっ! いやぁああ!!  イクっ!! いくイクイクイクっ!!』ブルブルブル






美優『イ゛グ~~~~~゛~゛~゛っ゛!!!!!????』ビクン!!!





P『あ~~あ……』



美優『ぁ…ぁぁあ……いくっ……んぁっ…イグ……っ!』ブルブル


美優『………くっ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ』




P『指ならまだしも…何も入ってない状態でイクなんてもったいない……』


美優『ぅ…はぁ…はぁ…はぁ……あの…Pさん……』

P『………五分休憩したらシャワー浴びてください。延長になる前にホテル出ましょう』

美優『ぁ……まっ……Pさん…っ』

P『はい?』



美優『P、Pさんは…その…出さなくて…いいんですか…?』

P『いや、もう今日はいいです…。気分じゃなくなっちゃいました』

美優『でっ、でも…こんなに苦しそう……』サワッ

P『だから美優さん…もういいですって……』

美優『わ、私、頑張りますからっ。Pさんは…じっとしてくれてれば気持ちよくしてあげますから……っ』




美優『…あぁぁはむっ……ずずずっ、じゅぞぞぞぞ……れろむちゅぅぅぅっ』

P『……っく』ブルッ



美優『んぐっ、じゅぽっ……んはぁ、はぁ……Pひゃん…わらひのクチ、きもひいいれすか…?』



美優『んっ……あむちゅ、れおろちゅぅんぐんぐちゅぽ……っ』


P『美優さん…』

美優『はむ…んちゅ……?』


P『いつも言ってるでしょ…?』

美優『ンも゛……?』


P『フェラチオするときは…チンポにキスしてからだって……っ!』ガシッ

美優『ふむぐ…っ!?』



ぷちゅ♪ ぬろぉぉぉ ずちゅっ!!

美優『おごおお゛お゛お゛っ゛!?』



ずろぉぉ~~♪ ずちん♪ ぬろぉぉ♪ ずちゅん!!

美優『うげっ!?うごぇええ゛!!??』ビクン



P『それに…気持ちよくしてあげるとか言って、ほんとは自分が入れてもらいだけだろがっ?』


ずちゅん! ぐりぐりぐり~~~!!

美優『う゛っ!? うげっ! ううう゛う゛う゛げげっ!?』ブルブル



P『俺をダシに使いやがってっ! ほんとに! スケベな!! 女だっ!!』



ずちゅん! ずちゅん! ずちゅん!!!

美優『ふっ~~゛~゛~゛~゛~゛っ!!???』ブルブルブル



P『おい、吐くなよ? 吐いたらほんとに終わりだぞ?』


ぬるんっ♪

美優『~~~がはっ!! うぇぇぇ…んぷっ!!!?』ガシッ



P『…両手で口を塞いで……そんなにヤリたいのか……?』




美優『んぐ……っ! ゴク、ゴクっ……んぶぅ~~~~~んぶぅ~~~~~んふぅ~~~』ブルルッ




美優『んふ~~んふ~~んふ~~……』



P『………』ジーーー




美優『ぉ……おねがいします……』



P『……』



美優『P、さん……入れ……』

P『あ、美優さん。もしお願いするんでしたら、とびきり下品なヤツが良いと思いますよ? もしかしたら、俺の気分も変わるかも…』


美優『そ、んな……ぅぅっ…………』




美優『………』ゴクッ










美優『Pさんの…お…ぼっきおちんぽ……美優の…卑しいめ…めすぶたまんこにっ、生ハメして……ざぁめんっ、どぴゅどぴゅしてください………っ///////////////』







P『……………』ゴクッ


美優『ぅっ……うぅ~~~//////』









P『……70点』

美優『ぇ………?』


P『笑顔で、指でまんこ開きながらだったら100点だったのに……』

美優『そ……そんな……』



P『でも…合格です』

美優『ぇ……?』




P『ほら、ハメハメしちゃいますよ?』

美優『ぁ…? ぇ…? ぅあ……っ!?』




ぴとぉ……ぐぐっ……

P『ほらほら、生ちん入っていきますよ~~』

美優『んぁっ、んああっ!? まっ、心の、じゅ準備が……!!』



にゅぐぐ……

美優『ふっ、ふっ、ふぁっ……っ!? ち、ちんぽ…っ、入ってくりゅ……っ!!!』








P『……やっぱ、まどろっこしいわ』



ずちょっっっ!!!!!

美優『お゛っ!?』ビクンッ





美優『お゛っ! お゛っ! お゛っ!』ビクビクビク



美優『お゛っぐぅぅぅぅぅぅぅうう゛う゛う゛っ!!!???』ビクンッ






P『ははっ、メス豚らしいひでぇアクメだな』



P『おい、最初からマジでいくからまんこしっかり締めとけよ』

美優『ん゛ぁ゛っ゛……! あぃ…あい…しめまひゅ……♥』ヒクヒク





  ぱちゅ!! ぱちゅん!! ぱん! ぱん! ばちゅん!

美優『はぐぅぅうぅううああっ♥♥』ビクンッ



P『おら、ちんぽ気持ち良いか!? イッてんのか!?』

美優『はぃぃぃいっ!! ちんぽっ♥ キモチイイっ♥♥ ずっとイッてまひゅっ♥♥』



ぱちゅんぱちゅん! ぱちゅっずちゅん!! ぶちゅんじゅぶ♪

美優『はぁっぁああんん♥♥ イクイクイクっ♥♥♥』ブルブルブル



P『くそっ…! いっつも俺を誘惑しやがって! アンタとヤリ始めてから、四六時中勃起しっぱなしだ!!』



ずちゅんぱちゅんぱちゅっ!! ぱんぱんぱちゅん!!

美優『ごめっ、ごめんなしゃい♥♥ イグっ♥ イグっ♥ イグイグ~~~っ♥♥』ビクッビクッ



P『なぁにが、俺から手ぇ出しただよ!! いくら雨に濡れたからって! 男の部屋に簡単に上がってんじゃねぇよ!!』



ぱんっぱんっぱちゅんっ!! ぱすんっ♪ ぱちゅっじゅちゅずっちゅっ!!!

美優『はぁぁっ♥♥ くぅぅぅううああ゛あ゛ん゛ん゛っっっ♥♥』ビクビクッ




P『はじめっから! 俺に! 手ぇ出させるつもりだったんだろが! おら!正直に言ってみろ!!』



ぱんっぱんっぱんっ!!! ぱんっぱんっ!! ぱんっ!ぱんっ!

美優『しょっ、しょうでしゅ♥ Pしゃんにぃ♥ えっちひてもらうつもりれしたぁ♥ ぅあっまたイ゛ク゛っ♥♥』



P『ははっ、やっぱりそうだった! 俺を誘惑するわ、挙句にセックス覚えてたった4か月でハメ撮りしたいなんて!! こんの、エロ豚がっ!!』


ぱちゅんんんん!! ぶちゅんんんんっ!!

美優『ふっぎぃいぃ゛い゛ぃ゛♥♥ ぇ゛あ゛!? は、め……きゃ、きゃめ…らぁ!!?? ゃぁぁっ!!、撮りゃれて……っ!!??』




P『は!? 今頃なぁに言ってんだ!? イキ過ぎて忘れてたかっ!? お前がクソ淫語でチンポせがんだのも、このアクメ顔もぜぇんぶ撮られてんぞ!!』


美優『や゛ぁ゛ぁ゛~゛~゛~゛っ゛!!?? だぇぇぇ゛ぇ゛っ!! こんなの撮りゃないえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛っ゛!!!』


P『くぁっ!!?? 締ま……っ!!??』




P『嫌とか言いながらイキまくりじゃねぇかっ! 撮られて興奮するとかなんてアイドルだよっ! AVアイドルデビューするか!? あぁん!!??』




   ばちん!!ぷちゅんんっ!!ぱんんんっ!!!

美優『ぃゃぁぁぁっ!! い゛や゛イ゛ヤ゛ァァァァ!!!』ビクッビクッ




P『くそっ、くそぉ……、ほんとはこんなこと……っ!』



美優『ぅあぁ゛~゛~゛~っ!! んぐぁ……♥ P…ひゃん……っ、きひゅ…きひゅしへ……♥ おねらぃしまひゅ……きしゅ……♥』

P『くっ………おら、口開けろ…っ!』



美優『あ゛ぁ゛~゛~゛ぁんぐっ♥ んちゅぅぅううんぷっ♥♥ へぁあんむ…はぁぁんっ…ぐちゅあぷちゅるっぅぐぷ♥♥♥』


美優『ふわぁぁ゛ぁ゛~゛~゛♥ しぁわへぇぇぇえええ~……っ♥♥』ブルブルブルッ




P『ぐ……っ!! おい!メス豚ぁ!! イクぞ!クソまんこ締めろやっ!!』





  ずっちゅんんんっ♪

美優『ひぃぃぃい゛い゛ん゛っ゛♥♥ しめましゅ♥♥ くそまんこしめましゅぅ♥♥』





  ぱちゅんぱちゅんぱんぱんぱんっ!! ぱちゅん!!ぱちゅん!!!
  ぱちゅんんんんっっ!!!!

美優『んあっ!んああああっ!!?? んぎぃぃいぃぃいいいいあああ゛あ゛あ゛っ♥♥♥』ビクンッ





P『くぁ……っ!!』ブルッ



  …………




美優『あ゛~゛~゛~゛~゛~゛~゛~゛♥♥♥』ヒクヒク




美優『Pしゃんの♥ ざぁめん…♥ あちゅいれす……♥♥♥』サスサス











P『……っく……はぁっ、はぁっ、はぁっ…………』ズルンッ




美優『ぅぁっ……♥ ぅぁん……♥♥』ヒクヒク




P『…………』ゴクッ


美優『…んぁっ♥……P、Pしゃん…そこは……』


P『はぁ~はぁ~はぁ~』グリグリ


美優『そこは…っ! 今日は……だめですっ……準備してな……』ヒクヒク

P『ん、れろぉ…ぷちゅぅっれろん……っ』


  にゅる……

美優『ぁ…っ!? だ、だめ…指入れないでくださ……っ♥!!』ビクビクッ


  にゅる♪ ぐりっ♪ ぐりり♪

美優『ぅぁ……っ、ほんとうに……だめ♥……お腹が……っ!!』



  ぐるるるるるるるる!!

美優『ぁぁぁ…っ!?』


P『………』


  にゅるん♪

美優『ゃっ!? 今抜かないでくださいぃっ!!』



  ぎゅるるるる!!

美優『はぅぅぅっ!!??』ビクッ


美優『ぉ、ぉねがいします…Pさん……指を…入れてください…栓を……っ!!』



  ぐるうるううううう!!!

美優『ぅああああっ!? は、はやくっ!!お願いしますから…っ!!』ビクッ


P『しょうがないなぁ…』


  にゅぐぐぐ……

美優『くはぁぁぁ……っ♥』ヒクッ



美優『こ、このまま…お手洗いまで……お、お願いします……』



P『………』



  ぎしっ


美優『ゆっ、ゆっくり……ゆっくりお願いします…っくぁ…はぁぁ♥』



  ぎゅるるるっるる!!!

美優『ひぃっ………♥♥』ブルルッ







ンハァハァハァ アトスコシ オテアライマデ… ギィ エ? Pサンソッチハヨクシツ…

P、Pサン! トイレニ! トイレニイカセテ!! ミユサンハコッチデスルンデスヨ? ハ、ハィ…? イ、イッタイナニヲ…?
ダストコロミセテクダサイヨ エ? イヤ、チョット…Pサン? ジョ、ジョウダンデスヨネ? ホンキデスケド?
ナ、ナンデェ!! ダメソンナノ!! トイレニ!! トイレニイカセテクダサイ!!! ダメデスッテ ミユサンハオレノメノマエデダップンスルンデス
イヤ…イヤ… ミユサン ダレカノマエデダシタコトアリマスカ? エ…? ソ、ソンナノアルワケナイデス…
アァ ヨカッタ ジャァ オレガミユサンガウンチスルトコロヲミルハジメテノニンゲンナンデスネ ウ、ウソ…デスヨネ…?
ダカラホンキデスッテ イッ、イヤッ…ユルシテッ!! オネガイシマスユルシテクダサイッ!! ソレダケハッ!!
ダメデス ユルシマセン ミユサンノハジメテハゼンブオレガモラウッテキメタンデス イヤ…イヤァ…オネガイシマス!! トイレニ!!
ギュルルルルルルルッ ウアァッ!! ダ、ダメ…ホントニ…ハアヤク…ッ!! アッ!! Pサン!! ユビヌカナイデェッ!!
ホラ、ホラァ、ダシテ? ウッ…グッ オナカ、オ、オサナイデェ…… グルルルルルル ハァァァァァ!!!
モゥ、ダメッ… ア、ミユサン コウモンガモリアガッテキマシタヨ? ウァッ、ウァッ、ウァッ… ア、ヒライタ…
アッ ブリリリリリリリ!!!! ボトトトトンッ イヤアアアアアアアアアァァッ!!!!
アハッ!! デタ!! ヤッタ ミタゾ!! オレガハジメテミタ!! ブビビビビビッ ボトトトッ
ヒッイィィィィィイイアアア!!!??? ミユサ~ン スゴイリョウデスネェ? ヤメテェ!!! ミナイデクダサイ!!!! ワタシノウンチミナイデェェェェエ!!!
ブヒッブビビッブッブッ ボト…ピチャン…    ウウッ…ヒック…ヒック…
ミユサン ナクヒツヨウナンテナイデスヨ? ミユサンハ ウンチシテテモトッテモカワイインデスカラ ヒック…ヒック…
ア… ショロロロロロロロ アハハ ミユサン ナニヤッテンデスカ ベツニオシッコハシナクテイインデスヨ?
ウゥゥ~~~~~ヒック…グスッ ア、ソダ セッカクオシッコスルナラ…コウスレバ…ット
ヤッ!? モチアゲナイデェ!? ショロロロロ ホラ、ミテクダサイヨ ミユサンノオシッコガウンチニカカッテマスヨ? ハハハ、ヒドイニオイダ ハハハ クッサ~~
イ、イワナイデ ヒック ク、クダサイ~~~ヒック…ウゥ… ヤッベ マジチンポハレツシソウ ミユサン クチマンコカシテクダサイ
オ、オネガイシマス…セメテソウジヲシテカラ… ダカラオソウジフェラデスヨ ホラクチアケテ? ングゥゥ!?
アァ~~ヤッパミユクチマンサイコ~~ グプッ!? ングゥゥゥゥ!!?? ンズフッ ハプグゥゥ!!?? アァモウダメダ ソッコーイクワ、イク、イク、イクッ!!!
フンンングウゥゥ!!?? ノンデ、ミユサン ノンデ オレノザーメン! ング…グ……ンゴク チュゥゥゥゥゥ!!
クアッ!? ス、スワレル!!! チュウウウウ ンハァ、ハァ、ハァ… アァ~~ミユサン…ナンテイトオシイ……
ンアプチュゥ!? P,Pサン!? イマPサンノノンダトコロデスヨ!? ハァ、ハァ、ハァ ソンナノドウデモイイデス! ミユサントキスガシタインデスヨ!!!
ンパッチュレロッ P、Pサン…ハムチュゥンレロズフン…ハァ、ハァ、ハァ チュ ハァ、ハァ、ハァ… チュ、チュッ ハァ、ハァ…ソウジ、シマショウカ
ア、ゼンブオレガヤルノデ ミユサンハオシリダケシャワーデナガシテベッドデマッテテクダサイ ソ、ソンナ ワタシガッ
イイノ! オレガヤリマス! ホラオシリダシテ キレイキレイシマショウネ~ アッ、Pサンッ! ジャアアアァァァァァ
アアッ!? ヨシ… コンナモノカナ? ジャミユサンハデテテクダサイ エッ? ホントニ?
イイノ イイノ ゼンブオレガヤリマスッテ ウゥ…デハ オネガシマス… ギィ
ジャアアァァァァァァァァアァァァァクソァァァマタヤッァァァァチマタヨァァァァッァァァ…





  ふらふら…… ぎしっ




美優『………』



美優『っ……………』プルプル…




美優『……あああ゛あ゛あ゛あ゛~~~~~~』ジタバタジタバタ



美優『見られちゃったぁ~~~、Pさんに見られちゃったぁ~~~』シジタバタジタバタ



美優『もぉ~~~Pさんの変態変態変態へんた~~~~いっ!』ジタバタジタバタ




美優『ぅぅ……ぅわぁぁぁぁ~~ん』ジタバタジタバタ



美優『ぅわぁぁぁぁあああああ゛あ゛あ゛~゛~゛ん゛』ジタバタジタバタ






美優『ぅぅぅ………』プルプル



美優『ぅ……』



美優『………』





美優『でも………』





美優『好きです………♥』


美優『はぁ~~…♥』






  ギィ


P『戻りました……』

美優『ぁ………』


P『っ…………』


美優『?』



P『…………美優さん、いつも酷いことしてすみません…っ』

美優『ぇ…?』



P『もっと優しくしたいと思っているのに美優さんを前にするといつもドス黒い劣情が……ほんとに自己嫌悪です……』

   【バッテリー容量が残りわずかです】
   【今すぐ充電してください】

美優『そ、そんな…気にしなくて…いいんですよ?』

P『で、でも…っ』


美優『わ、私……Pさんに酷いことされるの……ヒドイことされると……胸が苦しいくらいに…』

P『ぁ……』


美優『気持ちよくて……//////』


P『ぁえ?』


美優『Pさんに身も心もめちゃくちゃにされるの…もう病みつきなんです……♥』


P『はい…っ?』


美優『ぁっ、やだ……っ。私ったら何を…///////』

P『は……はい……』



美優『だから…Pさんのしたいようにしてくれて…いいんですよ?』


P『………』ゴクリ


美優『……///////』




P『じゃぁ…あの…もう一回、いいですか…?』


美優『は、はい……』



美優『今度はうしろのほ…………ブツン――――――――ッ










三船美優 後編  終わり

一人称視点を期待していた人がいたとしたらすみません…。

次は誰がいい、という希望はありますか?

奏ちゃんお願いします!

みやもと

でしてー

楓さんやろ

文香を……どうか……後編を……

すみません。書くのは上の続きですので…。
次は奏にします。

>>220
だが、愚息には効果覿面だ(前屈み)

まあ確かに半角カタカナはちょっと読みにくかったかなww
本文がそれ以上にドエロくて文句ないんだけどww

前回から一週間経ってしまいましたが、あと数日かかりそうです。
とりあえずご報告まで…。

>>248
おけまってる

とてもまってる

頑張れ

報告があるととても安心するわ

速水奏 後編

始めます



番組MC「それにしてもグループ名といい曲名といい、みんなのキスにまつわるお話をお聞きしたいところなんですが…誰に聞こうかなぁ~」


そう言ってバラエティ番組のMCが私たち五人に値踏みするような視線を投げかけてきた。きっと誰に話を振るのが一番おいしくなるのかを考えているのだろう。でもこういうとき餌食になるのは誰なのかなんてこの場の全員が知っている。


美嘉「ぅっ……」


だから可愛そうな子羊であるところの城ヶ崎美嘉に緊張が走った瞬間はカメラはばっちりと収められただろう。MCの考えるふりからもうコントは始まっているのだ。


MC「ん~、美嘉ちゃん!」

美嘉「は、はひ!?」ビクッ

MC「カリスマギャルの美嘉ちゃんはキスもしまくりだろうけど、これまでで一番すごかったキスってどんなの?」

美嘉「はぇ!? そ、そうだねぇ……///」


MCからの情け容赦のない質問にたじろぐ美嘉に早くもスタジオの各所からクスクスという笑いがこぼれ始める。


美嘉「これまでで…い、いちばんスゴかったのは……//////」


みるみる内に顔が赤くなる美嘉と呼応するように笑いの輪は広がり、それと同時に美嘉への注目も集中してくる。


美嘉「…た、たくさんありすぎてわかんないやぁ…あ、あはは……////////」チラチラ


恥ずかしさの限界らしい美嘉が助けを求める視線を私に送って来る。こんなに可愛らしい子に頼られるなんて本当に役得ね。できればもう少し愛でていたい気もするけど…。


奏「ふふっ。未成年のアイドルにこんなこと聞くなんて、MCさんってイケナイ人…」

MC「ん?」

美嘉「かなでぇ~…」

奏「それよりも…折角隣に座っているのに私を無視して他の子に声を掛けるなんて失礼しちゃうわね…」ズイッ

MC「か、奏ちゃん…っ!?」


MCにぐいっと近づき、あと数センチで鼻が触れ合うところでMCの目を見つめると、意外にも彼の目は泳いでいた。あら、結構ウブなのね…。


奏「私でよければキスのこといくらでも教えてあげるわよ? でも、ココじゃなんだから…セットの裏、行く?」

MC「おっほ………」ゴクリ

美嘉への好奇の視線は何処へやら、別の意味でスタジオがざわつき始めた。
スタジオの空気も変えられたし、こんなものだろうか。あとはお決まりのフレーズを言えばオチが付く。


奏「ふふっ、なんてn 周子「いや~ん♪ 奏ちゃんダイタ~ン♪」


珍しく大人しくしていた周子が私の言葉を塗りつぶす。


フレデリカ「あは~ん♪ 奏ちゃんおっとな~♪」

志希「うふ~ん♪ 奏ちゃんせっくし~♪」


フレデリカ、志希が同じように続いた。
何の内容も意味もないコメントだけれど…。



ど っ !!!



スタジオに爆笑が沸き起こる。


MC「うははは!! なにやってんのよ~三人とも~!! 可愛いのが台無しやん!! 何それ!? ははは!!」


爆笑の理由は周子フレ志希が両手で頬肉を上へ押し上げるように顔を挟んでいたるら。いわゆる変顔を披露しているのだ。口はアヒルのようになっているし、目だってつり上がってしまっていて、髪型を隠されればそれぞれ誰だかわからないほどの変顔。
ただの変顔と言ってしまえばそれまでだけれど、アイドルが見せていい顔の限度を遥かに超えてしまっている。


周子「え~? これ可愛くなーい?」

MC「可愛いっちゅうかおもろいで! いや自分ら唐突すぎやろ!?」


そう、唐突。この場のほとんどがそう思っただろう。
いきなり変顔をしてみせた意味も分からないだろう。
分かるわけがない。
だってその変顔はおそらく…。


志希「あれぇ~おかしいにゃ~♪ 奏ちゃんのは可愛かったのにね~♪」

奏「っ…!」ドキッ

MC「え? 何々? 奏ちゃんもやるの!?」


やっぱりこの変顔の元は私のアレなのね…。
それにこのタイミングで披露したのもただカメラの前で私をイジるため…。
他の意図なんてこの三人には、ない…。


……。


あああーーー!
この子たちは!
テレビの収録中になんてことするのよ!?


奏「そ、そんなこと…するわけないじゃ…」ドキドキ

フレデリカ「えっとねぇ! 奏ちゃんのはスゴイんだよ~♪ 髪もハチャメチャな感じになっ」

奏「フレちゃんっ!!!?」ガバッ


MC「か、奏ちゃん…?」

奏「はっ!?」

周子フレ志希「♪~~~」ニコニコ

美嘉「あ、はは……」


MCの表情を見る限り私は相当な剣幕だったようね…。
はぁ…率直に言って帰りたいわ……。
でも歌の披露もできるテレビ番組……帰るなんて暴挙、できるはずない。

冷静に、冷静に…LiPPSのリーダーとして…あぁ…リーダーなのになんでこんなことに…こういうのは美嘉の領分なのにぃ~~!
お願いよ……もう何もしないで…。


奏「……ふ、ふふふ……」

MC「奏ちゃん? どしたの…?」


奏「私はよく分からないのだけど、あの変顔は三人のブームらしいの。そう、それだけ。ただそれだけのことなの。他に何の意味も理由も原因も元ネタもないの。メンバーが変なことしてごめんなさいね? グループのリーダーとして謝るわ。 え? もちろん私はやらないし、やったこともないわよ? ええ、本当よ?」

MC「は、はい…」


奏「そ、そんなことよりMCさん? 時間、おしてるんじゃなかったかしら?」

MC「あっ、そうですね…。それじゃ歌の方、いきましょっか……準備おねがいしまーす」


集中とは程遠い状態なのに、それなりのパフォーマンスができるのはレッスンの成果かしらね…。

はぁ……。



―――――
―――
――



フレデリカ「奏ちゃん! 今日もとっても面白かったよー♪ じゃねー♪」


そう言ってフレデリカが周子、志希と一緒に事務所から出ていく。


美嘉「奏も大変だね…。でもアタシは味方だからっ! …あの三人相手じゃ助けてあげられないけど……」


でしょうね。


奏「気持ちだけでも嬉しいわ。……はぁ」

美嘉「でも…奏のテンパった顔も新鮮で良かったよ? じゃ、また明日ね★」

奏「ぅっ……また明日……」


ドアを出ていく美嘉の後ろ姿を見送る。

ただでさえ神経を使うテレビ出演なのにあの三人に振り回され、心身ともにクタクタに疲れ果ててしまった。
もうしばらくソファに座っていたい…。


…。

あの日、私の無様な写真がLiPPS内に出回ったときには走馬燈が浮かんだけれど、それ以降も表面上は変わらずアイドルを続けられている。
表面上は。

周子フレ志希にかかれば日本はおろか地球の裏側まで拡散されるのではないかと数日間は気が気でなかったが、実際にはLiPPSの外には出回らなかった。
あの三人も人の子だったということだろうか。
……。
世界中に知らせるよりも自分たちだけで秘密を握って、私を自分たちだけのオモチャにしたほうが愉しいから、だなんて考えていないと信じたい………。


奏「はぁ……」


あれからというものLiPPS内での私のヒエラルキーは地に堕ちてしまった。
どのくらい堕ちたかというと美嘉に気を使われる程に…というのは流石に失礼ね…。
イジられるというのがこんなに心を掻き乱すものだったなんて…美嘉、アナタのこと尊敬するわ…。


でも…。

失ってしまったものは大きいけれど、得たモノもある。

一つだけだけれど、とても大きなモノ…。



  がちゃり


「あれ? 奏? まだ帰ってなかったのか」


さっき美嘉が出ていったドアから私たちのプロデューサーが入ってきた。
手には栄養ドリンク。もう定時は過ぎているだろうに、まだ仕事を続けるつもりらしい。


奏「あ、Pさん…。もう少し休んでから帰ろうかなって。Pさんはこれからもお仕事みたいね」

P「あぁ、でも今日はそんなに長くはかからなさそうだけどな」

P「……」キョロキョロ

奏「今事務所には私たち以外には誰もいないわ。だから…」


Pさん。
LiPPSのプロデューサー。
私のプロデューサー。
そして…。


奏「隣に座ったら?」

P「あ、あぁ…」ギシッ


そして、私の恋人。



私の恋路も人生もすべて終わってしまうと思ったあの日から数日、私は完全に引きこもった。
レッスンも仕事もすべてキャンセル。
生きる気力がなくなっていたのだから仕方がないわよね? 
対外的には病欠ということになっていたのだけれど。
プロデューサーが訪ねてきたのは引きこもって三日目のことだった。なんで初日に来ないのよ…。
しかも励ましに来たのならまだしも、傷つけた責任を取って退職する、だなんて。
あれほど頭に血が上ったのは生まれて初めてだったわ…。


女の子に途轍もない恥をかかせて気まずくなったら『はいさよなら』なんて許さない。
もし責任を取りたいなら他に方法があるでしょ。そうよ。私をキズモノにしたんだからアナタが責任をもって私を貰いなさいよ。
それも嫌っていうなら全部アナタのせいにして死んでやる。
どうなのよ。どっちにするのよ。


……。
思い返すだけでも恥ずかしくて死にそうになるわね…。
あんなにみっともない女、頭の軽い人向けの恋愛映画にだってそうそう出てこないんじゃないかしら。
今までそういう場面がなかっただけで、実は私ってヒステリックなのかも…。


そういうわけで結果として…過程には問題しかなかったけれど…Pさんは私の恋人ということになったのでした。

でも、メデタシメデタシとはならなかったのよね……。



奏「……」ジーー

P「? な、なに…?」


何度か試してそれでも失敗していることを性懲りもなくまた試そうとしている。
だって、もしかしたら今回は大丈夫かもだなんて甘い期待が捨てられないのよ…。


奏「…今日はとっても疲れたの。誰かさんの所為でね? あ、この誰かってあの三人のことじゃないわよ?」

P「お、俺の所為ですね……」

奏「もとはと言えばね。だから疲れを取るの手伝ってもらえないかしら?」

P「え…?」

奏「労ってほしいの。でも私たちは恋人同士だから…恋人らしいなやり方でよ?」

奏「ん……」


Pさんに向かって目を閉じ唇を差し出す。
直後に彼の息をのむ微かな声が聞こえた。


P「っ…」


Pさんの上体が近づいてくるのがソファのクッションの沈み方で想像できる。
一日働いた彼の匂いがありありと感じられる距離にまで近づいている。
吐息が空気を震わせるのも感じられる。
ほら、もう少しよ。もう少しで触れ合うわ…。
お願い、このまま……。


だけど……。




P「……んふっ」


あぁ…また……。


P「んふふっ……」

奏「P、さん…?」

P「いっ、いやごめん……なんでも…んふっ…ない……」


目を開けると締まりのない顔をした恋人の顔。
流石にこの顔のままキスはされたくない。


…。


…また失敗。



奏「も、もういいわ……」ヒクヒク


あ、瞼が痙攣してる。


P「んふふっ…いや、つい…すまん…どうしても思い出しちまう…んふっ…」


体を震わせながら笑いを押し込めようとする恋人を眺めるのは本来であればそれなりに微笑ましいシーンだと思うのだけれど、それとはまったく正反対の黒い感情がフツフツと湧き出そうになっている。

彼曰く、私の顔を間近で見るとあのみかんネット顔を思い出してしまう、らしい。

もう一か月以上前のことなのに未だに尾を引いているなんてどれだけ衝撃だったのよ!?
このやり取りも一体何度目かわからない。
まさかずっと続いたりしないわよね…?


折角念願の恋人同士になれたと思っていたのに、この事情のため一向に先に進まない。
こんなニヤケ顔がファーストキスだなんて絶対嫌。


はぁ…。


…どうしてこんなことになっているのかしら。

私が一体何をしたっていうのよ。

アイドルが恋愛しちゃだめ?
そうかもね?
でもだからって、プライドをズタズタにされなくちゃいけないの?
Pさんも忘れるつもりあるのよね?



P「っく…あはは……っ!」


まだ笑ってるし…。


P「んふっ! だ、だめだっ! あはははは!」

奏「…」イラッ

P「きょ、今日の! 周子たち! あはは! い!一瞬ヒヤッとしたわ! 奏も、大変だったな!! はははははっ!」

奏「……」ブチッ


大変だったな、ですって!? 他人事みたいに!

もういいわ。
決めた。
ちょうど明日はオフね。


奏「Pさん…。今日はアナタのところに泊まるわ」

P「あはは…っ。ん? そうか? まぁいいけど…」


彼の部屋に泊めてもらうのは初めてじゃない。
プロデューサーとしての職業意識からか男女の仲を深めることに積極的ではないらしいPさんは、最初こそ私を招くのを渋っていたけど、彼の部屋でもさっきと同じことが起こって色っぽいことが起こりそうにないと見るや、そのハードルは一気に下がったらしい。
…好都合よ。
せいぜい今日も何も起こらないだろうって、高をくくっているがいいわ。


奏「先に帰って待ってるから、できるだけ早く帰ってきてね?」

P「先に寝ててもいいぞ?」

奏「せっかく恋人のウチに泊まるんですもの、おやすみぐらいは言いたいわ」

P「そうか…。わかった、22時までには帰るよ」

奏「ん。丁度いいわね…」


奏「じゃあ、お先に失礼します♪」

P「あぁ、お疲れ様。気をつけて帰れよ~。……んふっ」




笑っていられるのも今の内なんだから!!!!



―――――
―――
――



奏「Pさん? 起きてる? Pさん?」

P「…むにゃ……」

奏「寝てるわよね~……?」ゴクリ


寝室でまだ少し調べものをするというPさんにおくすり入りの飲み物を差し入れした10分後、リビングに敷いてもらった来客用の布団から抜け出し静かに彼の寝室のドアを開くと、ベッドで睡眠を貪るPさんがいた。
布団もかぶらず電気も付けっ放しということは、ちょっと横になった途端に眠りに落ちてしまったというところだろう。
流石は志希ちゃん製…ありがとう。
…久しぶりにあの子に感謝した気がするわね。


枕元に近づき顔をのぞき込むとやはり完全に寝入っているようだ。
そこでさっきディスカウントストアで購入しておいたモノの一つ使うことにする。


革手錠。


簡単に手に入るようなモノだから作りは安っぽいし、男の人が本気で暴れたらたぶん壊れちゃうけど…暴れないわよね? 
というか手錠が壊れるくらい暴れられたらいくらなんでもショックだわ…。

慎重にPさんの右手首を掴み手錠をはめて施錠。そして一度ベッドの支柱をくぐらせてから左手首にはめて施錠。
これでPさんはバンザイの状態で拘束できた。


奏「…」ゾクッ


あぁ、私ったらイケナイことしてるわ…。
でもPさんをどんどん私のモノにしているような妙な高揚感があって止める気にはならない。

Pさんの顔のすぐ近くに腰を下ろし、彼の顔を撫でる。


P「ん…んが……」


男の人らしい適度に凸凹した肌。
あら? Pさんの髭ってこんなに濃かったかしら? もしかして一日でこうなるの? 
ふふっ。髭ってこんなに硬いのね。でもこのざらつき嫌いじゃないかも…。

普段は絶対にさせてくれないから撫でるだけでも愉しい。
左耳から出発して指先で顎の輪郭をなぞりながら右耳の耳たぶの弾力を確かめる。

悪戯心で耳の穴に指を優しく入れてみたらPさんくすぐったそうにイヤイヤしちゃって…逃げちゃだめよ? うりうり♪
前髪を上げてみれば初めてちゃんと見るおでこ…意外と広いおでこね…これ禿げてるんじゃないわよね?
これはまだ普通の範疇よね…? 
でも…オールバックにしてもイイかも…。


奏「……」ジーー


こんな風に間近でPさんのニヤケ顔以外を見るのは久しぶりで、つい見つめてしまう…。
目を閉じてるのが残念だけれど…。


奏「……///」


別に普通の顔。道行く人の半分はたぶん彼よりもハンサムだわ。
そんな程度の顔。
なのに…。
なんで、そんな顔を見ているだけで心臓の鼓動が早まるのかしら…。


奏「っ…」


こんなのおかしいわ!
私がこんなにドキドキするのに、この人なんて緊張どころかヘラヘラニヤニヤしっぱなし!

私が凄んで見せればクラスメイトだって教師だって芸能人ですら目を逸らすのに! 
アナタだって少し前までそうだったでしょうが! 

それなのに! 
私をキズモノにしたアナタがなんで一番ヘラヘラしてしてるのかしら!?

こんな理不尽絶対にゆるせないわ…。


奏「……ぇぃ」キュッ

P「ふごっ……」ピクッ


憎たらしい彼の鼻をつまむ。
鼻呼吸を封じられてもじもじと体を震わせ始める。

ふふっ、人の気も知らないで惰眠を貪る人なんてこうしてやればいいのよ。
最近私のことを見縊ってるみたいだけど、アナタなんて私の指先一つでこうなんだから…♪


奏「ふふ…♪」キュッ キュッ

P「ふぐ…っ」モゾモゾ



P「……んが? ぇ…奏?」


奏「あ」


あ。やりすぎちゃった。
キョトンとしたPさんとばっちり目が合う。


P「え? なに? なんで奏? なに?」

奏「あっ…あっ……」


状況が掴めていない彼と失敗して頭が真っ白になる私。


P「あれ? 腕? あれ!? なにこれ!?」


Pさんが腕が動かせないことにが気付き、代わりに下半身を動かそうとし始めたところで私の思考が復活する。
ああ、このままじゃだめよ、逃げられちゃうわ、動きを封じないと。


奏「じ、じっとしてっ」ノシッ

P「か、奏!? ちょ!?」


Pさんの腹部に馬乗りになり、彼の動きを制する。
寝起きの彼にはまだ力が入らないらしく、私の体重でも動きをなんとか止められた。
そしてすかさず、傍らにあったもう一つのアイテム、アイマスクをPさんにかぶせる。


P「ん!? ちょっと!奏! なんのつもりだ!?」


視界を塞いでやると途端に彼の動きは小さくなった。
できれば使いたくなかったけど、買っておいて良かったわね…。


奏「ど、どう? まだいつもみたいに私のこと笑える?」

P「へ? 何を…?」


奏「アナタって本当にヒドイ人ね…。原因を作った張本人のくせにみんなと一緒に私をバカにするなんて…」

奏「どうなの? ほら? いつもみたいに笑えば?」

P「奏!? 待て、落ち着いてくれ!」

奏「落ち着いてないのはPさんの方でしょ?」

奏「恋人なのに…私の顔で笑うってどういう嫌がらせなのよ…?」

P「そ、それは…」


奏「近づくたびにニヤニヤして…人をバカにして!! 私の気持ちを弄んで!! ふざけないでよ!!」

P「は、話しを聞いてくれ奏!」

奏「…だから決めたの……。行くとこまで行く…。無理矢理になっちゃうけど、もう知らない。全部やってやるわ……っ」

P「はぁ!? 行くとこまでって…え? 待て待て待て…っ!!」


下でPさんはまだ何か喚いているけれど、もうPさんの気持ちなんて知らない。
私の気持ちを踏みにじってバカにしてコケにしたんだから当然の報いよね。
顔をPさんの唇に近づける。


P「か、奏! 待つんだ! ちょっと! まずは落ち着いて話しをっ!?」


あぁ、言い終わると唇をキュッと結んじゃって…これからキスされるって思ってるのね?
そうよ?するわよ?そんなふうに口を閉じても無駄なのに、バカね。


奏「…するわよ?」

P「ま、待てって…っ!!」

奏「…ほ、ほんとうに…するわよ…?」ゴクリ

P「奏ぇ! お前は本当に話を聞かないな!?」


いざやるとなると、胸がきゅうぅぅっと締め付けられるような切ない気持ちが襲ってきた。
口からは心臓が飛び出そう。
でも、このもどかしい気持ちにはもう何秒も耐えられない…。



奏「っ………」ドキドキドキ


P「ま、まてぇ! んん~~~」グイグイ






  ちゅ………


奏「!!?」



唇と唇の触れ合いはほんとに微かなものだけれど、その小さな接触点は異常なほど敏感になっていて、ただの柔らかい感触以上のモノがぎゅんぎゅんと流れ込んでくる。
ソレは唇を通り抜け首筋を撫で背筋を震わせた。


奏「ん…ふ………っ」ゾクゾク

P「んん゛~゛~゛~゛」


女の子の頬にするのとは全くの別物…。

好きな男性にするというだけでこんなにも違うなんて…! 
ほんとに唇? 
こんなにキモチいいのがただの唇? 
Pさんの唇?



奏「はぁ、はぁ…やっぱり唇よね……んっ」


  ちゅ♪

奏「ふぅっ…はぁ、んちゅ……っん、ふぅ…んっ…♥」

奏「ふふっ…すごいわ…Pさん? 私、アナタとキスしてるわよ? んっ…はぁ、はぁ…んっ、ちゅっ……はぁ、はぁ…これほんとにすごい……んっ♥」

P「んむっ……か、かなでぇ……」


奏「昨日まで…んっ…ずっと…ずっと! アナタとキスしたくて…んっ♥ はぁはぁ…でもできなかったのに…んちゅっ♥……今ではこんなに…んっ…こんなに…んんっ♥ しちゃってる……んっ♥」


唇を触れさせれば触れさせるだけ胸と首筋と下腹部に甘い快感が走る。
でもそれとは同時にキスすればするほど、更に物足りなくなってくる。
気付けば、より大きな刺激を欲しがるみたいに唇をPさんの顔に擦り付けるようにしてしまっていた。


奏「んん~~む♥ はぁはぁ…んふっ♥ んむっ…ちゅっ♥ ぁぁもうほんとにキモチイイ…こんなにキモチいいなら…んぁむっ…もっとはやくに、ちゅっ、すればよかったぁんんっ♥」

P「ん…くぅ……な、なんてことを……はぁはぁ……っ」

奏「あぁ…Pさん…んっ♥ 私のキスはどう? んちゅ♥ はぁ、はぁ、ん~ちゅ♥ 気持ち悪かったら言ってね…? んっ♥」

P「ぐっ………はぁ、はぁ…っ」

奏「んふっ…何も言わないってことは、んっ…Pさんも気持ちいいのよね? んちゅ♥ とっても…んっ…嬉しいわ、ふむっ♥」


もっと欲しい。
もっとPさんが欲しい。
荒々しく呼吸をするPさんの赤い口内が目に留まる。
テラテラとした艶のある口内…舌……。
そうね…キスって唇だけじゃなかったわね…。
唇だけでも気持ちよすぎて頭から抜けてたけれど舌でするキスもあったわよね…。


奏「ん、はぁ、はぁ、はぁ…んれぇ~……」


試しに口を大きく開き舌を突き出してみる。
Pさんの口の中まで届くかしら…?
でもいきなり口の中に入れるのはちょっと怖いからまずは…。


奏「……れろ♪」

P「ん゛ん゛っ!?」ビクッ


Pさんの唇を舐めてみる。
舌で感じるPさんの唇のぷにっとした感触は何故か『美味しい』という感覚に変換された。
これも凄そうね…。Pさんの口内に入れちゃえ♪


奏「ん…んちゅ…れろ…れろぉ…?」

P「ふぅぐ……んぐぅぅっ」

奏「ん、はぁ、はぁ…口閉じちゃって…私の舌を入れないつもり…? Pさんがそのつもりなら……んちゅぅぅ♥ れろぷちゅぅ♥」

P「ふむんんん゛~゛~゛~゛~゛!!??」


口内に入れてくれないのなら、それ以外を徹底的に舌で舐めてやるわ。


奏「はぁむ♥ れろ~ちゅぅ♥ じゅずずず……べぇろんぷちゅ♥」

奏「はぁ、はぁ…Pさん? 口を開けてくれないなら…んちゅ♥…いつまでだって舐め続けるわよ? れろぉっ♥」


唇を舌でなぞって啜って私の唾液をまぶしていく。
唇を甘噛みしたまま引っ張って歯の間を唇の肉が滑っていくのを愉しむ。
それでも口を開けないから、指で唇をつまんで裏返して、無防備に晒された唇の裏側と歯茎に丹念に舌を這わしてやる。
Pさんの目が見えてなければこんなに大胆に、はしたなくなれるなんて…アイマスク買っておいて良かったわね♪


P「ふぅぁあ……んくっ……」ピクピク

奏「強情ねぇ…Pさんも気持ちいいんでしょ? ……んちゅ♥」

P「くぁ…っ」ビクッ

奏「ほぉら、やっぱり…ふふっ。こんなに体震わせちゃって…。我慢は毒よ?」


どうにかPさん自身に口を開かせたい…。
そこで、体をべったりとPさんの上半身に押し付け、胸を意識して押し当てて、彼の耳元に口を寄せてお願いしてみる。


奏「ねぇ…Pさんの口の中舐めさせてよ…。んっ♥ Pさんはただ口を開いてくれるだけで良いの。
 あとは全部私がやるから…。んちゅっ♥ まだ私舌使うの下手かも、れろっ♥ しれないけど…
 んっ、はぁぁぁ、一生懸命、はぁむっ♥ 丁寧に舐めるから…だから…ね?」

P「ふっ…ぐぅっ……はぁ、はぁ…っ」ビクビク

奏「んれぇ~~~~んぐ♥ れろっれろっ♥ じゅちゅうぅぅ♥」

P「んぐぁぁぁぁああ゛あ゛~゛~゛」ブルブル


Pさんの耳の穴目がけて舌を突っ込んでグリグリ押し込んで垂れた唾液を啜ってやると、彼のとってもイイ声が聞こえて胸がジクジクとときめく。


P「ぅ、ぁぁぁ……」


耳舐めをやめてもPさんのだらしなくなった口元は戻らずに半開きのまま。ふふっ、やったわ♪
でも逆の耳もしてあげないと可哀想よね?


奏「……あむっん♥ んちゅぱっ♥ れるぅれろんぷっ♥ んぐっ♥」

P「あああ゛あ゛あ゛あ゛~゛~゛~゛~゛」ビクビクッ


もうPさんの口は開きっぱなし。それだけじゃなく口の端から唾液も垂れちゃってる。


奏「耳、Pさんの弱点なのね? またしてあげるからね? ふふふ♥」

奏「じゃあ口、そのままにしておいてね…?」

P「うぁ…だ、だめだぁ…か、なでぇ……」

奏「ん~~~~~はぷっ♪」

奏「んれろ…んぐっ…ちゅううう♥ れろぉん♥」


ぐちゅぐちゅといういやらしい水音が頭の中で反響している。
Pさんの口内は熱くて、粘ついていて…中に入れているだけでも十分気持ちいい。
それを動かせば殊更に。


奏「んぶっ…♥ なにこれぇ…んぷちゅぅ♥ んふっ♥ すごっ…んじゅんふっ♥」ゾクゾク


舌の届く限り深いところまで舐め、思いつく限りの方法で舌を動かす。
Pさんの口から啜った唾液を飲み込むと脳が溶けそうなほどにクラクラする。
どうせ口の中のことは誰にも見えないのだし、本能が命令する通り夢中になって舌を動かす。


奏「おね、がひ…Pひゃんも…んぐぅ♥ ひたぁ…ぷちゅるぅ♥ うごかひてぇ…」

P「んぐぅぅぅ~~~」ブルブル


もうPさんの口は閉じなくなっていたけど、それだけ。
私を拒むことはしなくても受け入れてくれることもない。
Pさんにも舌を動かしてもらえたらきっともっと素敵なのに、下顎側にへばりついてじっとしている彼の舌を誘うようにノックしてみても結局絡まってくれなかった…。
残念…。


奏「ん♥ はぁ、はぁ、はぁ…♥ なによ…それで抵抗しているつもり…? ふん…いいわよ…だったら次よ……」

P「んっ…はぁ、はぁ……?」

上体を起こし、馬乗りのまま足先の方へお尻を滑らせていく。
Pさんの腰を越え、太ももを越え、膝の辺りで止まる。
そして、Pさんの部屋着であるハーフパンツに手を掛ける。
その股のあたりは異様なほどに盛り上がっていた。
さっきお尻で感じた異物はこれだったのね…。


P「は!? 奏! 待て! お前正気かっ!?」

奏「っ……」ドキドキ


Pさんの言葉は無視してハーフパンツをずり下げていく。
腰の部分のゴムが盛り上がりに引っかかると、Pさんが辛そうな顔をしたのでゴムに指を掛けて解放してあげたら…。


  ぶるんっ!

奏「ぇっ!?」


下着も一緒にずらしてしまっていたらしく、Pさんの性器のビジョンが不意打ちで目に飛び込んできた。


奏「わ、わ、わっ!?」

P「ちょーーーー!!!??」


勢いよく飛び出してきたPさんのモノは保健体育の教科書で見ていたものとは似て非なるモノだった。
合っているのは棒状であるということぐらい。
なんというか…ところどころ卑猥すぎる……。


奏「ゎぁ……」ドキドキドキ


毛むくじゃらの股間から伸びたソレは子供の手首くらいの太さがあって、怒っているように血管が浮き出ている。
触れずとも硬いことが分かるソレはずっとヒクヒクと震えていて、なんだかここだけ別の生き物みたい。
それに上の方の肌の感じが切り替わっているところはグロテスクだし、先端の小さな穴近くは濡れていてなんだかいやらしく見えるし…!
一番気になるのが、先端の赤黒くなっているところの胴回りが一層太くなっていること。なによこれ?理解できないわ…。

だって女の子のアソコに入れるモノだったら、そうなっていて良いことなんて一つもないじゃない? 
こんな出っ張りがあっても奥に入りにくくなるだけでしょう? 
なのになんで…これじゃまるで女の子のお腹の中をグチャグチャにするためのモノじゃないの!


でも…。

でも、こんなに凶悪なモノから全然目を離せない。
釘付けにされてしまっている…。
さっきからズキズキしているのは胸だろうか下腹部だろうか。


奏「……」ゴクッ

P「か、奏! 今ならまだ引き返せるっ。もうこんなこと止めるんだ!」


未だにPさんは私が引き下がると思っているのかしら?
だとしたら私のことを甘く見過ぎよ。


奏「ふ…ふふ……」ドキドキ


奏「やめろだなんて口では言ってるけれど…こ、こっちのPさんはそうは言ってないみたいよ…?」

P「くっ……」

奏「キスだけでこんなにしちゃって…。欲情したのよね?」

P「ち、ちがう…。ただの生理反応だ…っ」

奏「あら…その生理反応が欲情ってことじゃないの?」


  つん♪ つんつん♪ ……ぎゅ♪

P「くっ!?」ピクッ

奏「ん……っ。見た目通りの硬さね。それに太い……」ドキドキ


思い切って握ってみると、ソレは筋肉の塊のように固く、太く、そして熱かった。
手に籠める力に緩急をつけるとそれと呼応してPさんの息遣いが情けなく変わる。
散々私をコケにしてきた彼を弄んでやるのは気分が良い…。

先端の穴にはいつの間にか透明な雫がぷっくりと溜まっていて、何の気なしに触れてみると、指との間に透明な糸を引いた。


奏「これ…? すごくヌルヌルしてるわ……あぁ、そういうものなのね……」


このヌルヌルしたものは女の子のアソコからも出てくる。
つまりは同じ目的のためなのだろう。


奏「たしか…こうやるのよね…?」ドキドキ


  こし♪ こし♪

P「はぁっ…!? くぅっ…!」ビクッ


指で作った輪っかで優しく擦ってあげると、Pさんが気持ちよさそうに呻きペニスの硬度がさらに増したのを感じた。
見た目は凶悪なくせに優しく触れるだけで涙を流すこの子のギャップに気付くと、一転して可愛らしく思えてくる。
Pさんの喘ぎとセットだから尚更ね…。


奏「ねぇ? キモチイイの?」

P「や、やめるんだ奏ぇ……」ピクピク

奏「ふふふっ……」


彼に余裕がなくなっている今が好機。


  すっく  ぐいっ  ぱさっ

P「んぁ…?」


素早く立ち上がり一気にショートパンツごと下着を脱ぎ捨て、また腰を下ろす。
おそらく5秒ほどの出来事で、Pさんに逃げる隙を与えない。


P「か、奏…お前もしかして…今……」


今気付いてももう遅いわよ?
それに、こっちはもう…。


奏「あぁ…やだわ…触ってもないのに…」ゾクゾクッ

キスだけでこんなになってしまうなんて。
触れて確かめてみるまでもなく、たっぷりの愛液でいやらしくテカっている。
Pさんのペニスの濡れが可愛く見えるぐらいのひどい濡れ方をしたヴァギナ。
吸い取る布が無くなった今、早速一筋の愛液がベッドにシミを作ってしまった。


奏「んっ……」ズリズリ


Pさんの膝に乗せたお尻を少しずつずらしながらペニスを目指す。


P「この感触…っ!? 待て待て待て…っ!」ジタバタ

奏「あ、暴れないで…っ! はぁ、はぁ、はぁ…」ズリズリ


そして…。


  くちゅ…♪

奏「あっ…♥」ゾクッ


彼と私の性器がキスした。
彼の裏側に私のヒダを乗せると下品な水音が響いてしまいドキッとしてしまう。


  くちゅっ♪ ぷちゅぅ♪

奏「んっ…ふぁ…♥」


愛液越しのPさんはただ触れているだけでもじわじわと気持ち良い。
だから、その上を滑らせれば味わったことのない程の快感が背骨に響くのも当たり前で、理性のタガがまた一つ外れてしまったような気がした。


奏「はぁっ…んぁぁ…っ♥」ヘコヘコ


一瞬目的を忘れてしまい、ただ目先の快楽を求めてPさんのペニスに膣口を擦り付ける。
股の下にある彼のペニスが私の腰の動きで見えたり見えなくなったり。
その度にPさんが可愛い声を聞かせてくれる。
彼の上を5往復もすればもうペニスは私の愛液でテラテラのドロドロ…。
自分の体液で恋人を汚すという行為に申し訳なさを感じる一方でその100倍大きな征服感にまた下腹部が熱くなる。


奏「ぁぁ…こんなに汚しちゃって…ごめんなさいね…? でも…んっ♥ これからに必要なことだから…」

P「ぅぁ…はぁ、はぁ…かなでぇ~…お願いだ…やめてくれぇ……」ピクピク

奏「まだそんなこと言って…。でもPさんの体は…とっても期待しちゃってるわよ? ふふっ…」


奏「……ん」クイッ


  ぐぷぷっ♪


Pさんの長さ分だけ腰を上げて、赤黒い先端を私の入り口にあてがうと一際やらしい水音が響いた。
ようやくここに至った嬉しさと期待感と恐怖感の綯交ぜになった感情が全身の毛穴をことごとく開いていく。


奏「はぁ、はぁ、はぁ…! あぁ…あぁぁ…っ!!」ドキドキドキ

P「か、かなでぇ! おねがいだ! せめて、せめてコンドームを…っ!!」

奏「こ、ん……?」


あ…。避妊具のことよね…?
そんな準備はしてこなかったけど…。


P「ベッドの引き出しに入ってる! せめて…使ってくれ…っ!!」

奏「……」


Pさん…なんで準備してあるのかしら?
もしかして私のために準備してくれてたの?
もしそうなら感激しちゃうんだけど…。

……。

ふふっ…。違うわよね?
大方、昔の女と使ってたものの残りでしょ?
そんなものを使おうだなんてふざけるのも大概にして…。



それになにより…。




奏「初めての相手が『ゴム』だなんて…そんなの絶対に御免だわ……っ!!」





ぐぷちゅっ!!



奏「ぁぁっ!!??」ビクッ


P「ぅくっ!!?? か、かなでぇ……っ!!?」

腰を沈める。
いえ、沈めようと思ったのだけれどすぐに引っかかって止まってしまった。
まるで壁にぶつかったように…。
中にはすんなりと入る子もいるって聞いたことがあったけど、どうやら私はその類ではなかったらしい。

指以外入れたことなんてないからここから先は完全に未知の領域なのに、壁を軽く押してみた『感じ』から一つだけ確実なことがある…。


奏「くぅ…あぁ…これ…きっとすごく……」ゾワッ


ダメよ。
ここにきて弱気なんてダメ…。
もしここで日和りでもしたらまたPさんに馬鹿にされちゃう…っ!
覚悟を決めて体を支える脚の力をゆっくりと抜く。


  みちっ…みちぶちぶちっ

奏「はぁぁぁああ………っ!!!」


Pさんが私の一番弱いトコロをこじ開けて千切っていく。
ついさっき蕩けるような快感を与えてくれたPさんのペニスだけど、それと比べると悪夢のような激しい痛みに思わず悲鳴じみた呻き声を出してしまう。
さっき私を怯ませたエラみたいに張り出した部分が必要以上にエグってくるのが恨めしい…。


  ぶちぶちっ…ずむっ……

奏「うっ…くぅぅぅ……ぅあっ!!」


Pさんのがほとんど見えなくなる頃にお腹の奥で鈍い当たりを感じて、それでようやく一段落したことに気付いた。


P「ぁぁ…かなで…かなで……」


Pさんは微動だにせず、うわ言のように私の名前を呼んでいる。


奏「ぐぅっ……ふ、ふふふ……Pさん…? 私…Pさんとつながっちゃたわ…。わかるわよね…?」

P「ぅぅ……な、んてことを……」


奏「いったいどんな顔してるのかしら…?」グイッ


いい加減Pさんの顔が見たくなったのでアイマスクを外してあげると、困惑しているような瞳が私の顔と股間を行ったり来たりした。


P「ぁぁ…もう…ばかやろう……」

奏「い、いつもみたいに、笑える? ほら…わ、笑ってみなさいよっ?」

P「っ……!」

奏「ふ、ふふっ…いっ、いい気味だわ…っ。女の子に…れ、レイプされた気分はどう? 
 担当アイドルの処女膜を破った気分は? ほ、ほら…Pさんのぺ、ペニスでこんなに血が出ちゃってるわよっ?」

P「ぅっ、くっ………」


Pさんの力ない表情を見ると私の中の黒い感情が溢れ出して、彼を虐める言葉が口をついて出てしまう。


奏「こうなったのも全部…あ、アナタの所為なんだから…っ! じごう…じ、とく…なのよっ!? 
 だからっ! だ、か…ら………っ!?」

P「……?」


でもそれはただの憂さ晴らしで、八つ当たり…。
責任転嫁をしてみたところで自己嫌悪はちゃんとやってきて、頭の熱を否応なく冷ましてしまう。
そうなると意識の隅に追いやっていた下腹部の痛みが激しく主張しはじめ、もう無視したままでいるのは無理だった。


奏「ぅ…ぁぁぁぁ……っ!? いっ……」

P「か、奏…?」




奏「………………痛い」

奏「ぁぁ…Pさん……痛い…痛いわ…」

奏「初めてって…こ、こんなに痛いのね……涙が出そうよ……はぅぅ…っ!」ビクッ


灼けた鉄の棒を入れられているような錯覚さえする熱く重い痛みが指先までをも痺れさせる。
こんな痛み、好きな人じゃないと絶対に耐えられない…。
Pさんにはみっともない姿を見せたくないという一心で叫びたいのを我慢しているけれど、遂には体を起こしているのさえも億劫になりPさんの上半身にへたり込んでしまった。


P「奏…だ、大丈夫か…?」

奏「はぁ、はぁ……ご、ごめんなさい…んあぁっ!……し、しばらく…このままでいさせて…」


頬で感じるPさんの胸板…。彼も体中にじっとりと汗をかいていて、そのしっとりとした感触が今は心地よく感じられる。
もしPさんに抱きしめてもらえればさらに気も紛れるのだけれど、手錠を外すことはまだできない。


P「奏…お前の気持ちはよくわかった…。もう笑ってはぐらかしたりしないって約束する。
 だから…今日はもうこれで終わりにしよう?」

奏「はぁ……んっ、はぁ、はぁ…」

P「痛いんだろう? 別の日に仕切り直しにしよう?」


痛みという観点からはとても魅力的な提案だと思うわ。
でもPさんの本意が別のところにあるなんてバレバレよ?
この期に及んで、そういう大人らしいズルさは気に入らないわね…。



  ぐぷっ ぱちゅ……

奏「あぁっ!? ぐぅぅ…っ!」ビクッ

P「かっ、奏っ!?」


腰を少しだけ上げてからまた下すと、せっかく落ち着き始めていた痛みが鮮烈さを取り戻した。
体のそこここにまだ痺れを感じてるから腰だけを動かすなんて器用なことはできそうにない。
全身を揺するようにしてPさんのペニスを数センチ分だけ扱くのが限界みたい
。呻き声を上げながらのそのそと体を揺すってる姿なんて、みっともないことこの上ないのだけれど他にやりようがないのだから仕方がない。


  ぱちゅ… くちゅん… くぷ… 

奏「うっ…!? くぅぅぅぁぁ……っ!」

P「ま、待て! 奏ぇ! う、動くなぁ!!」

奏「んっぐぅぅっ! ふっぁぁぁああっ!!」ヘコッヘコッ

P「お願いだ! どいてくれっ! じゃないと…っ!」


じゃないと…何なのかしら?
それってペニスの引っかかる感じが大きくなったことと関係あるのかしら? ふ、ふ、ふっ。


  ぷちゅっ… ぱちゅっ♪ ぱちゅん♪

奏「くっぅぅぅ…っ!!」

P「あぁ…っ!? くそっ…! 奏……ごめんな……」


あ…もしかして来ちゃうのかしら?
でもPさんは謝る必要なんてないのよ?

私がしたいようにしているだけなんだから…。

いいのよ? ほら…ほら……。






P「スゥ~~ハァ~~………」






P「ふんっ!!!」







   ぱ ち ゅ ん っ !!!!





奏「う゛っ゛!!!!????」ビクンッ





完全な不意打ち。
Pさんから出てくるものの熱さを感じ取れるかも、と集中していたところにPさんからの強烈な突き上げをくらってしまう。
ブリッジのように突き出された彼の腰に押し上げられて膝がベッドから浮いてしまった。


奏「かっ………っ!!!???」パクパク


完全に許容量を超えた刺激に視界が霞む。
お腹の底から何かがせり上がってくるようで呼吸もまともにできない。


  ぬろぉっ!!

奏「はぁぁっっっ!!??」


跳ね上がったPさんの腰が一気に下げられるが、私の股間は硬直してしまい浮いたまま。
彼の腰がベッドに着いたとき、ペニスの先端部分のみがまだ膣に収まっていた。


P「くっ…だめか…っ! もっと…強くっ!!」


  ぱぁんんんっっっ!!!!

奏「ひぃぃぃっ!?!!?!」ビクンッ


再度突き上げられ、またすぐに引き抜かれる。
今度は危うく膣から抜けそうだった。


P「くそっ…あと少しか!!?」


Pさんの意図が掴める。
なんて乱暴な人なのよ……。
おちんちんを抜くためにこんなことするなんて…。
こんなヒドイこと…さっきまで処女だった女の子にしていいことじゃない…っ!!


P「かなでぇ!! 早くどくんだ! でないともっと強くなるぞ!?」

奏「ぐぅぅっ!? だっ、だめぇ……っ! 絶対に…どかないからっ!」

P「はぁっ!? お前っ!? くっ…このっ!!」


  ぶちゅんっ!! ぱちゅんんん!!

奏「んんん゛ん゛ん゛っ゛っ゛!!!??」ビクビクッ


Pさんに押し上げられないように、麻痺しかけの膝と腰に喝を入れて彼の腰を抑え込む。
ベッドのスプリングを使った彼の突き上げは激しいけれど、それでも私の重心を腰に乗せると跳ね上げるのは難しいらしい。
ただしそれと引き換えに、私のオンナノコの内臓がどんどんと灼け爛れていくイメージが脳裏に浮かぶ。


  ぱちゅん!! ぱずんっ!! ぷちゅんん!! ばちゅん!

奏「ぐぅぅ!!? はぁぁぁあうううううっ!!???」


ベッドと私の股間の間をPさんの腰がドリブルのように暴れまわる。


奏「P、Pさんお願いよ…ももももうやめてぇ…とっても痛いの……っ!!!」

P「やめてほしいなら! ふっ!! 早くどいてくれよぉっ!!? ふんっ!!!」


  ぱんんんっ!!! ぱんんんっっ!!

奏「いあああ゛あ゛あ゛っ゛!! しっ!! しぬぅぅっ……!!!??」ブルブルッ


17年間大切に守ってきた性器がズタボロにされていく。
大好きな人にズタボロにされていく。よりによって? 幸いにも?

下半身の感覚はもうとっくにない。
熱い痛いの感覚さえも薄れてきて、でも勿論平気なわけなくて、大音量の警告音が頭の中に鳴り響いて吐き気がしている。
『この刺激から一刻も早く逃れてください』という警告を無視し続けている代償の吐き気。

きっと涙が溢れ出て、頬は引き攣って、口なんか歪んで開いて、舌も出しちゃって…。
そんな醜い顔をPさんに見られているのがとっても恥ずかしいのに、自分の意思ではもう表情も変えられないみたい。


  ぱちゅんんっ!! ばちゅっ!!

奏「う゛ぶぅぅ~~~っ!!!」

P「くああああっ!!?? くそぉっ!!??」


しまいには変な声まで出しちゃって…。
もしかして呻き声を変えてみればこの刺激が和らぐかもなんてオカルトじみたアイデアに縋りついちゃった。そんなわけないのに。


P「ああああもうぅぅl!!! ヤバいからぁっ!!」


  ぱずんっっ!! ぱぁぁん!!

奏「うあ…………あぅ………っ」ヒクヒク

P「はぁっ……あ、ああ゛あ゛~゛~゛~゛~゛……あ゛っ゛………」


叫び声さえ出せなくなって本当に死ぬのかもなんて思った頃、Pさんの腰の動きが急停止する。
彼は聞いたこともない情けない声を出しながら目を見開いているが、その焦点は合っていなかった。
あぁ、出ちゃうのね、この苦行もやっと終わりなのね。
それに気付くと、一気に腰と脚の力が抜けてしまい糸が切れたみたいにへたり込んでしまった。



  ぐちゅっ!!

奏「はぅ……っ!?」ブルッ

P「っ!!!」ビクンッ




  ぶるぶるぶる……っ!!
  どぴゅぅ~~~♪ びゅるるるる~~~♪

奏「ふぁぁ……お、奥に……」ゾクゾクッ


ジンジンと激しく疼く膣にPさんの熱がまき散らされる。
彼の精液が膣内の傷口に滲みてまた痛んだけれど、それはさっきまでの身を焼くような痛みと比べると甘い快感とさえ感じられた。


  びゅぅぅ…… ぶぴ…… ひくっひくっ…

奏「んっ……はぁ、はぁ……」クタァ

P「うっ……あぁ……やっちまったぁ………」


Pさんの精液が出きったことを感じるともう体を起こしてはいられなくなり、Pさんの上半身に倒れこんでしまった。


P「あぁ…なんてことを……奏ぇ…分かってるのか…?」

奏「……大丈夫よ。今日は確か安全日だから……」

P「いや、そういうことじゃなくて…っ!」

奏「ど、どうしても…欲しかったのよ……初めての時くらい良いでしょ…っ?」

P「お、お前なぁ…。折角こうならないように笑って誤魔化してたのに……。はぁ……」


心底呆れたというようなPさんのため息…。


奏「……?」

P「奏、そろそろ手錠外してくれないか?」

奏「べ、別にいいけど…。私を追い出したりしないでね…?」


ちゃちな鍵を使うと簡単に手錠は外れてしまった。
自由になったPさんの両手が私に迫り……。


  ぎゅうぅぅぅ……

奏「ふぁ………っ♥」ゾクゾクッ



P「そんなことするわけないだろ。お前を抱きしめたかったんだよ…」

P「ったく…せめて高校卒業するまでしないつもりだったのに中出しまでさせやがって…。一度タガが外れたらもう我慢できないぞ?」


Pさんの腕の力が強まり呼吸がしづらくなる。
でも全身の感覚があやふやな今はそれくらい強くが丁度いい……。


奏「あぁ…そういう…ことだったのね……言ってくれれば良かったのに……」

P「さっきあれだけ話を聞けって言ってただろう……」

奏「そ、そうだったかしら……?」

P「おい……」ジトーー

奏「で、でももう我慢なんてしなくていいわよ? 私だって我慢しないから…。ふふっ」

P「はぁ……もういいや……。それに、その言葉だけでもう……」


  ムクムク……!

奏「ぁ…っ!? で、でもっ! 今日はもうダメっ! これ以上したら私死んじゃうわっ!!」

奏「お、お願い抜いて…? また大きくなる前に…っ!」

P「ははっ、分かってるよ……」





私から引き抜かれたPさんのペニスは血と精液と愛液でピンク色…。

私を痛めつけていたモノだけれど無くなれば無くなったで切ない気もした。

初めて感じる唐突な寂しさに彼を見つめると丁度彼も私を見たところだった。





奏「……」

P「……」








何よりも今は―――









「「キスがしたい」」


速水奏 後編  終わり

次は文香です。
たぶん一週間後ぐらいに…。

グッド

>>282
おけまてる

すばらひい

おっつ。
エロイイハナシだなー

鷺沢文香 後編

始めます

読書中の集中力が極限にまで高まるとまるで本当に本の世界に入り込んでしまったように感じられることがあります。

その状態になると、紙に印刷された文字の羅列でしかなかったものがにわかに形を成し色彩を得て音や匂いさえも纏い出し、
ページを繰る意識もなくなり、遂には自分がその物語の主人公と同じ存在になったかのように彼や彼女の人生をありありと
追体験することが可能となります。

通常では体験し得ないことを経験する(正確には経験した気になっているだけですが…)ということの魅力は、
それが例え虚構であったとしても、又数限りない娯楽の溢れる現代にあっても、私を書に向かわせるにはいまだに十分過ぎるほどです。


今もこうしてお気に入りの場所である事務所の隅のソファに座って読書しているのですが、自分自身の集中力の高まりを感じます。

ほとんどの方が帰宅してしまい静まり返っている空間であるというのも本への没入を促してくれる一つの要因でしょう。







  カチャカチャ…ジィィィ……



聞こえるはずのない音が聞こえました。

いつの間にやら私の集中が書を突き抜けていたようです。







また今日の得難い読書体験が始まりました…。





  むわぁぁ……

文香「………」


鼻の粘膜に絡みつくような生温かい臭気は、アンモニアと汗と皮脂とそれに何か恥ずかしいものを混ぜ合わせたかのようです。
匂いの発生源である卑猥な形をしたソレは、その匂いを嗅がせるのが目的とでもいうかのように鼻先を行ったり来たりしています。
もしこんな状態で深呼吸でもしてしまえばその噎せ返るほどの雄の匂い分子を鼻の粘膜に吸収させ、肺に取り込んでしまうことになるでしょう。

主人公の女の子は熱っぽい視線をその男性の象徴に送るばかりでその他の詳しい描写はありませんが、だからといって深呼吸していない理由にはなりません。

ある程度の状況補完は読者に委ねられているものなのです。


文香「スゥゥゥ~~~んっ……」ゾクッ


女の子の恋人である男は普段の柔和な表情から一変し、どこか卑屈な笑みを浮かべて男性器で女の子の唇を軽く擦りました。
それはまるきり口淫をせがんでいる動作なのですが、あえて自分から口に出してお願いしないのは自身のモノが汚れていることを自覚しているゆえの、ひとかけらの良心なのかもしれません。


文香「ん…ちゅ……はむ……」


しかし多少の汚れが何だというのでしょうか?
泥で汚れているわけでなし、恋人から分泌された体液が付着している程度では一切の抵抗を感じません。
もし仮にそれが汚れであるというのであれば、だからこそ口淫で綺麗にすれば良いだけのことです。
口を使って恋人の性器を綺麗にするというのは、食事を摂ったり言葉を発するのと全く同じ範疇の口が持つ役割の一つなのですから。



文香「んぁぁ
んぐぅ…………んれぇぇぇろぉん……」

ともかくまずは根元まで咥え込み、口内を男性器に密着させてからゆっくりと引き出します。
これで竿身の汚れはあらかた取れてしまいます。
しょっぱさやエグみが舌を痺れさせているのがその証拠です。

ですが先端はそうはいきません。
この男のモノは平素は皮に隠れているらしく、そのため汚れもガンコなのです。
先端を丹念に舌で擦るとふやけた皮のようなものがこそげ落ちていくのが分かりました。
汗や尿を溶かし込んだ唾液にそのカスも混ぜ込み…。


文香「……んぐっ」ゴクリ


一気に嚥下してしまいます。


文香「………んぽっ」


一旦口から出して検分してみると、先端は元々の張りと艶に唾液が塗布され黒光りするほど綺麗になっていました。


文香「んっ…ちゅ、ちゅっ…はむぅ…ちゅぅぅ……」


男性器の汚れを取る段階が終わったので次に進みます。
言わずもがな男性器の愛撫です。

まずは親愛と隷属の意思を示すために、男性器への口づけを繰り返します。
先端の尿道口から始め裏筋側にキスをしていきます。皮が縫い目のようになっている箇所に特に念入りにすれば男を喜ばせられることを女の子も知っていました。

顎に睾丸袋が触れる頃に男の顔を見てみると彼はずっとこちらを凝視していたらしく、睾丸にキスをしつつ鼻先で陰毛の硬さを味わっているところを確と見られてしまいました。
意識の外に追いやっていた羞恥に火が付いてしまいましたが、今更やめることなどできません。
いっそのこと開き直り、その後はずっと視線を絡み合わせながら男の分身への口づけを続けました。


文香「……………ちゅ…んぷ……」


男根への口づけ行脚もようやく一周し最後にまた尿道口にキスをすると、ねとりとした透明の糸が唇と先端を繋いでいました。
せっかく出してもらった潤滑油ですから使わない手はありません。
突き出した唇の前でペニスをクリクリと回し、カウパー腺液を唇になすりつけると百を超えるキスで乾燥しかけていた唇に潤いが戻りました。


滑りの良くなった唇で竿を擦り始めます。

愛する人の大切で弱いトコロですから、なるべく柔らかく擦ってあげたい…。
そういう気持ちがあるので、唇をもっと突き出して突き出して…いわゆるアヒル口にして奉仕します

普段は絶対にしないような崩れた表情になってしまうとしても、それが恋人の快感に資するのであれば抵抗感は霧散します。
事実、彼の眼光は鋭さを増し息遣いも荒くなってきていますので、その甲斐はありました。


文香「んぶぅぅ…ぁはむぅ…んぁぁぷぅっ……」


顔を前後左右に振って唇での摩擦を繰り返します。
尿道口にはまた新たな透明の汁がぷっくりとたまっています。

彼の体が微かに震える頻度が増えてきました。
また、こちらを凝視するだけでなく時折何かを我慢するように天を仰いだりもするようになりました。
呼吸は荒くなる一方です。


文香「んっ……?」


意を決したように一度深く呼吸をした男が手を女の子の後頭部に伸ばしました。
その手は女の子の顔の向きを強制的に変え、口がペニスの真正面にくるように抑えています。
そして彼女の口にゆっくりとペニスが近づいて……。

…。

あらかじめ口を開けてパクリと咥えてあげるのも勿論いいとは思いますが、それはいささか普通が過ぎるのでは?
この二人はこうして愛情を確かめ合うのも初めてではないのだし、お互いねっとりとした触れ合いを好んでいることは文脈からも読み取れます。
となればフェラチオの細部にも趣向を凝らしていると考えるのが自然…。

…。

だんだんと近づくペニスに向けて先ほどと同じようにアヒル口を突き出します。
男は困惑したのか一瞬手が止まりましたが、またすぐに力がこめられました。

その瞳には先程までよりも昏い劣情が宿っているように思えます。



  ぶにっ

文香「んむっ…」


ペニスを唇のクッションで受け止めます。
接触後は口を窄める力を強くして口内に入り込もうとする亀頭に抵抗感を与えてみました。
ひょっとするとペニスを口内に入れられるのを拒んでいるように感じられるかもしれませんが、当然そんなことは本意ではありません。


文香「む゛ぐぅっ……………………むゅぅ゛ぅ゛っ」


数瞬は拮抗して見せたのですが、硬さを更に増した男性器に勝てるはずもなく、アヒル口の窄まりの奥へ侵入を許してしまいました。
そこまでくると万が一歯に当たってしまうと事ですから、窄めつつ急いで顎を開きます。
絡みついた唇をものともせずペニスが奥へと入っていきます。

亀頭の艶肌、カリの段差、竿に浮き出た血管の感触をきゅっと閉じた唇で味わうことができました。

嗚呼しかし、ペニスの挿入に硬く結んだ唇が引きずられ巻き込まれてしまい、鼻の下が伸びた下品な表情を晒してしまうことまでは考えが及んでいませんでした。
最愛の人にこの崩れた顔を見られるのはたまらなく恥ずかしいですが、かといって彼以外に見せることなどは…恥辱だとかいう次元の話ではなく不可能です。
つまりは彼にしか見せられないあられもない姿を現に見せてしまっているということでしかないのですが、その倒錯的な独占が何故か胸を締め付けるように熱くしました。

願わくはこの下品顔が彼の興奮を高めるエッセンスにならんことを。


文香「ふぶっ…………んんん゛ん゛っ゛!?」


女の子の鼻が男の腹に触れる直前で亀頭が喉奥の壁に到達してしまいました。
脳内に響いたぐちゅりという淫らな接触音は心地よささえあります。


そしてゆっくりと引き抜かれます。

巻き込まれていた唇が正常に戻っていき安心したのですが、それもほんの束の間、今度は引きずり出されていくことに気付きました。
唇の締め付けの強さはそのまま口内気圧の低さとなり、頬は凹み唇は筒じみた変形をしてしまいます。

自身の顔が赤みを増したのが分かるほどの一段と強い羞恥…。

男はその滑稽とも言うべき表情に息を飲みそれがペニスの熱を更に引き上げてしまったようです。


文香「ん゛ぷぅぅぅ……………んぽっ」


口外に出た雄の象徴が感動に震えるようにヒクヒクと小刻みなお辞儀を繰り返しています。
男の息遣いは一走り終えた後のようでした。

……。

どうやら口を女性器に見立てた疑似的な処女貫通を気に入ってもらえたようです。
もう一度、という男の要望に喜んで唇に処女膜を張ります。


文香「むちゅ…んぐぅぅぅぅ……っ」


勝手知ったる恋人の口性器ということでしょうか?
先程とは比べ物にならない乱暴さで突き入れられた男根が、しかし喉奥を叩くときだけ優しく、男の心遣いを感じられてたまらなく嬉しい。


文香「んぼぉぉぉっ」


引き抜くときはやはり乱暴に。
急激な口内圧の変化に対応できず、酷く聞き苦しい音を出してしまいました。


文香「ふっ……むぅっ……」


そして今度は全部出さず、唇が亀頭に吸い付いているところで止まりました。

引きずり出された唇が最愛の人に視姦されています。
女の子の恥ずかしい顔への無遠慮な視線…雄の嗜虐性に付け狙われてしまうと雌に最早なすすべなどありません。
粘ついた視線がもっと無様を晒せと無言の内に命令してきます。
それならばと、カリの段差に唇を引っ掛けたうえで、一層強く亀頭を吸引した状態で、頭を後方にずらしていきました。


文香「ん゛ぢゅぅぅぅぅぅぅぅっ」


まるで掃除機のような音が口とペニスの接触点から響きます。
しかし……。


文香「んぼぁっ」


ペニスを離したくない気持ちがどれだけ強くても限界があります。

…。

もう一度ですか。
とても気に入っていただけたようです…。


文香「ふむぅっ……ふぐっ……」


喉奥にタッチした
ペニスが後退を始めたので、吸引を強めます。

文香「ちゅぅぅぅぅ……っ」


またこのまま亀頭まで引きずり出すのかと思ったのですが竿身の真ん中を少し過ぎたあたりで止まりました。


文香「ぢゅぅぅぅぅ……?」


そこで男は女の子の後頭部に回していた右手をおもむろに離し……。


文香「ふぶっっっ!!??」


こともあろうか、その手で女の子の引きずり出された唇ごと男性器を握ったのです。

その状態でゆっくりと腰ごとペニスを突き入れます。
そして引き出す時には勢いよく。
突き入れるときには唇が指の輪から逃げやすくなりますので最新の注意を払いながらする必要があるみたいです。


文香「うぶぶぶぶっ!? んぼぼぼっぽぉ!?」

文香「ぶぷぷぷぷぅ…ずぶぅぅんぼぉぁ!?」


女の子にもう自由はありません。
彼女の唇は男のペニスをしごくためだけの肉の玩具に堕とされてしまいました。

男の目は恋人を性欲処理の道具にしてしまっていることに罪悪感を覚えつつもそれを上回る背徳感に興奮が抑えきれない様子。
女の子の息苦しそうな表情さえも今ではペニスへの快感になるばかりで、男の動きと右手の力は強くなる一方です。


文香「んぐぷぅぅぅ……ぶぽぽぽぽぉぉっ」


肉棒の先端からはしょっぱい汁が壊れたように垂れ始めているのが舌先で感じられます。
男の情けない呻き声が聞こえてきました。
それと同時に、男の腰の動きが激しくそして雑になってきています。

唇玩具がカリに乗りかかっているところで急に男の動きが止まりました。
そして……。


  びゅぅぅぅ~~~ぶびゅぅぅぅぅ~~~

文香「ふぅぅんむぐぅぅっ!!???」


パンパンに膨張しきった亀頭の先端から粘ついた雄汁が噴出しています。
あるものは頬肉にかかり、あるものは舌に垂れ、あるものは口蓋垂を揺らしました。


文香「んっ…ぐぷ……っ」


さっきまでギラついていた男の表情が一変してゆるみ切っていることに女の子が気付きます。
また今回も無事恋人に自分で気持ちよくなってもらえたことをに満足と愉悦を覚えました。

口内でヒクついているペニスの尿道口を舌先で突いたり、裏筋を舐め上げて一滴残らず精液を吐き出すお手伝いをしてあげます。


文香「ぢずずっ…ぢゅぅぅぅぅ……」


最後に尿道に残る精液を啜ってあげると男は腰が砕けたように座り込んでしまいました。

その彼に対して、口内に溜まったたっぷりのザーメンを見せつけてから…喉を鳴らし始めたのですが……。


……。


女の子はどうしても飲みきれず、半分以上を吐き出してしまったようです。


……。


……。


なぜそうなってしまうのか私にはよくわかりません。
体調が悪かったのでしょうか?
愛する人が折角口に出してくれたものであればなんとしてでも摂取するのが普通だと思うのですが…。



文香「んくっ…ごくっ……こくっ………んはぁ……」

文香「んぁぁ………」クパァ



……。

おや?

ここは事務所?

ああ、また私は読書に没頭してしまっていたようです。

どうにも納得しかねる個所で集中が切れてしまったのですね…。




ふと気づけは、隣には肩で息をするPさんが座ってらっしゃいました。


文香「けほ………。プロデューサーさん…。お仕事はもうお終いですか?」

P「はぁ、はぁ、はぁ……。あ、あぁ…もう終わったんだが…少し休憩してから帰ろうかなって…。文香は…まだ読書続けるか?」

文香「………。はい…。キリの良いところまで読み進めたいので……」

P「そう…か……」ゴクリ

P「じゃあ…俺待ってるから…終わったら声かけてよ…。送ってくから…」

文香「いつもありがとうございます…。ではもう少しだけ…お付き合いください……」




プロデューサーさんの熱っぽい視線に気付かないふりをして…。

彼の露出したままの男性器を見て見ぬふりをして…。





そうして、私はまた文字の世界で心躍る体験をするのでした。






…………。





と、いう建前なのです。







―――――
―――
――




俺は自分のことを誘惑にはめっぽう強い方だと思ってた。


こんな業界だ。
イケナイ誘惑はいくらでもある。
取引相手から袖の下を贈られたこともあるし、女をあてがわれたこともある。
それに担当アイドルに色目を使われたこともあるし、枕を持ちかけられることもあった。
そしてそのすべてを俺は突っ返し、突っぱね、説教してきた。


だが…。

だが、文香には勝てなかった…。


普段は無口で消極的でおどおどしてる文香が俺と二人きりの時だけはやたらと話しかけてきたリ近づいてきたリ無防備になったり…。
初めは俺の勘違いかと思ったが、やっぱり勘違いじゃなかった。
完全に気付いたのは、文香の頭をガシガシやってたら何か知らん間にイってたあの日。
そんで、それ以降はめっちゃ露骨に誘惑してきやがった。
ソファで休憩してたら隣に座ってくるし、読書始めたら肩を強く掴むまでこっちに気付かないふりするし、何よりも服装をやたらと俺の好みに寄せてきてる。


いくら俺でも女神に誘惑されたらキツイわ。


悶々と過ごしてたところにあのエロい服…。
その日はずっとストールを肩にかけてインタビューやらの仕事してたのに、事務所に俺と文香だけになったとたんにストール取りやがって。
そしたらそしたら、真っ白な胸元と肩が目に飛び込んできて。
こんなんアカン。
こんなに着たら流石にヤバいで自分。
流石に指導や、指導せなアカン。

そんで、文香に近づいたら読書始めててなんぼ呼んでも反応あらへんからやっぱり揺すらんとなってなったんやけど、
そこでいつもやってる習慣が出てもうて肩に手を置いてしもたんですわ。

きっらー光る素肌の肩に。

もうね、すべすべ。
すっべすべのすっべすべ。
産毛どこいったみたいなすべすべやで。

そんでやっぱり文香も気付いとるんよな。
ちっちゃく『ぁ…』なんて可愛らしい声出しよってからに、なんか顔もちょっと赤くなっとったし。

無理やろ?
こんなん無理やろ?

肩に置いた手、そのまま前に滑らせて胸にずっぽしですわ。

カンペキ目も合ったのに読書続けるふりしよるから、ああもうええんやなって。
これもうやるしかないなって。
やってええんやなって。
そうなるやろ普通。

んで、やること一通りやってどうしたもんか考えとったら、あの子ぐちょぐちょになった顔で『あ、いらっしゃったんですね。私読書してると周りが見えなくなってしまうので』って。

ああ、そういうルールねって。
頭の悪い俺でもようやく分かりましたわ。

文香らしいといえばらしいけど、いや、アホやろあの子。
まあ、それ以上にアホでゲスでカスなんが俺やけどな。
アイドルやしプロデューサーやし、文香なりに考えた妥協点がそういう建前なわけな。
実際恋人同士になることを口に出したわけやあらへん。
普段はいっつも通り。

オナニーの延長みたいなもんなんやろか、いやさすがにちゃうか。



ある日、よく見たら読んどるの官能小説やったから、いっぺんその展開の通りにスケベしてみたら、文香エライ乱れてしもて。
俺もめっちゃ興奮してもうて。
それ以来、本の内容をなぞるようなプレイになっとりますねん。
何やコレぇ。


文香にスケベな関係になったんはこれ以上ない幸運やけどな、それでも人間ちゅうのは欲深いもんで、オナニーじゃ我慢できへんようになるもんなんですわ。
それとできれば文香のもっとエロいところを見てみたい。




そんな下衆な考えの元、俺は文香に試しに一冊の本を貸してみたちゅうわけ。




――――
―――
――





プロデューサーさんにお借りした本を持ち直し、またページを繰り始めました。





…。

射精を終えた男と口内を犯された女の子は共にぐったりと肩を寄せ合っていますが、まだどちらの瞳の奥にも劣情の火が燻り続けています。


  ぐちゅ…ぷちゅり……

文香「んぁ…んくっ……」ゾクッ


男の手が女の子の秘部に伸びると、そこはすでにしとどに濡れきっており早速いやらしい水音が響きました。


『今日は良いモノがあるんだ』


そう耳元で囁いた男が女の子の口に指を突き入れ、何か小さなモノを口内に残して指を抜きます。


文香「んぐ……?」


舌上の感触からそれが錠剤であることに気付きましたが、得体のしれないそれを軽々に飲み込むことなどできず、口内で持て余してしまうのは仕方のないことでしょう。


文香「ぇ……これ……?」

『ほら…気持ちよくなるオクスリだよ。飲み込んでごらん…』


副作用も依存性もないから大丈夫。
そんな甘言で唆され男を信じ切っている女の子はその媚薬を飲み込んで………。


文香「こ、これは……んぐっ!?」



媚薬…。
これまでだって変になるくらいの快感があったのに媚薬だなんて。
そんなものを使ってしまったら一体どうなってしまうのでしょうか。
これを飲み込むのはさすがに……。



文香「はぁむ…っ! れろっ、ちゅる…っ。んぐっ…ごく……っ!?」


女の子はその媚薬を男の唾液ごと飲み込まされてしまいました。


文香「ぁ…あぁ……」ゾクゾク


錠剤が通り抜けた食道が熱くなっているのは気のせいでしょうか…?
媚薬はその成分を粘膜に溶け込ませながら食道から胃に入り込み、じわじわと毒のような熱を体中に伝播させているように感じられるのです。


文香「ふっ……くぁぁぁ……っ!」キュンキュン


未知の熱に浮かされ頭がぼやけていく一方で、一度は体中に広がった熱が下腹部に収束していくのが感じられます。
身を捩れば股間から溢れん程に量の増えた愛蜜の水音が体内に響きました。

男の手が再びアソコに伸びます。


  くぷっ♪

文香「はぁぁぁ……っ!?」ビクッ


服の上から触れた指が少し沈んだだけなのに電流のような快感が背を震わせました。
女の子の反応を見るや否や、男はスカートを捲り上げ露わにしたショーツの中に手を差し込みます。
そして、恥丘を手のひらで押さえつけるようにしつつ膣全体に蓋をするように無遠慮に指を沈めました。


  ぐぷぷぅぅっ♪

文香「ふっぁぁぁぁああっ!?」ビクンッ


コレは俺のモノだと言わんばかりの遠慮のなさ…。
慎みも配慮もないその荒々しい触り方にもかかわらず、すっかり出来上がってしまっている女性器には甘く重い快感が走ってしまいます。


  じゅり♪ じゅりりっ♪

文香「ぁぁんっ…くはぁぁぁんんっ!!」ゾクゾクッ


親指以外の四本の指がワイパーのように左右に動いて大陰唇と小陰唇を擦られてしまうと、叫びじみた嬌声を抑えられません。

男は女性器を掴んだ右手は激しく動かしているものの、その目はじぃっと女の子の反応を観察していました。
口の端から涎を垂らしながら悶えている自分の痴態を記憶されているのが恥ずかしい、でもだからといって我慢することは最早不可能なほどの快感。

いえ、もう恥ずかしさなどどうでもよくなってしまいました。

もっとキモチイイが欲しい…愛する人にもっとキモチイイを恵んでもらいたい…それだけ。


  くりっ♪ くりくりっ♪ きゅぅぅ♪

文香「ふぁぁぁああああ゛あ゛っ゛!!??」ガクガクッ


クリトリスが男の指にこねられると、視界が白く染まるほどの快感。
1センチ程度の長さしかないその肉豆をちょっと摘ままれただけで全身をバラバラにされて、あえなくそのまま絶頂を迎えてしまいました。


文香「んぁぁっ! ふぁぁ……っ!!」ヒクッヒクッ


オーガズムの最中にも愛液の分泌は止まりません。
溢れてくるヌメリを指で掬い取り女の子の入り口に塗されました。


  くちっ♪ くぷちゅ♪


男の中指と薬指の先が膣口をの位置を探っています。

いえ…ココのことはもう自分自身よりも男の方が知悉しています。

だからこれは焦らされているのです。
入り口のすぐ隣を押してみたり、入り口に指を触れさせつつ素通りさせたり…。

…催促したい。

早く中をほじって下さい、と。
でも…。

………。

この女の子は…男にお願いして快楽を貪ろうとするほどには卑しくない…ので、そうはしないのですね…。
ですが…で、あれば……。


文香「ふぅぅ…ふぅぅぅ……っ」ヘコッヘコッ


言葉でなくても意思表示できるのでは?

男の指の意地悪から逃げるのではなく寧ろ押し付けていき、あわよくばそのまま膣内に招き入れようとする程度のことをしている可能性は十分あります。
媚薬で頭が茹だって多少のはしたなさは我慢できなくなっているはずなのですから。


  くぷっ♪

文香「ふぁ…! そっ………こぉ……っ!!」ヒクッ


やっと指先が膣口に引っかかり期待に腰が震えました。
男は無言のまま女の子を見つめ『ここに欲しいか?』と問いかけます。


文香「ふぅぅ…ぅぅぅ…っ」コクコク



  にゅぐぷぅぅぅぅ♪

文香「んぐ……っ!!?  んはぁぁぁぁあああっ!!??」ゾクゾクッ


女の子のアソコは二本の指をすんなりと引き込んでしまいました。
すんなりの割にその刺激は途方もなく、内壁の肉が削り取られてしまったと錯覚した次の瞬間、ゾワゾワとした波が体中を痺れさせます。


  くぷっ♪ ぷちゅるっ♪


指の股が股間に当たるところまで挿入された指を愛おしそうに膣肉が抱きしめているのが分かりました。
きゅっきゅっと痙攣するように締め付ける様は、恋人を離したくないと言外に駄々をこねているようで忘れかけていた子供らしい恥ずかしさが頬を朱く染めてしまいます。


  ぬろぉぉ♪ くぷぷぷぅっ♪

文香「ふわぁぁ…っ! んぁぁぁぁ……っ!!」


抜かれまた差し込まれるだけ。
その単純だけれどドロドロの摩擦が、下腹部と脳髄をグツグツに熱くしていきます。
指と膣口の隙間からは愛液が際限なく染み出てきていました。


  ぬちゃぁぁ♪ ぐぷぅぅぅ♪ 


気付けば大股開きになって愛しい人の愛撫を真正面から受け止めていました。
下品というより最早卑猥な恰好をしているのは分かるのですが、太ももで男の指の動きを絶対に邪魔したくないので仕方ありません。


  ……………ぬちっ…ぐち…ぐちぃ……

文香「あっ…はぁぁ~~~……っ!?」


奥まで入ったところで抜き差しの動きが止まったかと思ったのですがそうではなく、指先が何かを探すように天井の肉を少しずつ押しながら出口に向かっています。

彼は穴が開きそうなほど女の子の顔を見ていました。
きっと彼女の反応を具に観察して弱点を探っているのです…。


  くちっ……ぬちぃ……

文香「ぁ…あぁぁ……っ」ゾクゾクッ


ソレがどこにあるのか分かっている本人にとっては着実に近づいていく彼の指の動きは恐怖でしかありません。
女の子を一発でダメにするスイートスポット…。
ただでさえ危ないのに、媚薬を盛られた躰はどうなってしまうのでしょうか…?

嗚呼…もうすぐそこまで…。


  …………ざりっ

文香「はあんっ!!!!???」ビクン


覚悟していたものを軽く超える電流に喘ぎ声が止められませんでした。
その明らかに他と異なる反応を男が見逃してくれるはずもなく、彼の口角が玩具を手に入れた子供のように無邪気に邪悪に歪んでいます。


文香「ぁ…ぁう…ぁぁう………っ」ブンブン


言葉を発するのも忘れて彼に向って横に頭を振ります。

ココはだめですこんなところグリグリされたら大変なことになってしまいますお願いします私を堕とさないでください…。

……。

無言の懇願でしたが、その内容は100%彼に伝わったと感じられました。
だって、彼はウンウンと頷いて優しく微笑んでくれたのですから。


だから安心です……。



  ざりり!! ざりっ!! ぐちゅりりっ!!!

文香「~~~~~~っ!!!!!????」ビクンッ



……。

よくわかりません。

主人公の女の子は助かったはずなのに…。



  ざりぃぃ!! ずちゅ!! ぐりゅりゅ!!

文香「はぁぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ん゛ん゛っ゛!!!!」ビクビクッ



なぜ、こちらの女の子は叫び声を上げているのでしょうか?

女の子の懇願は聞き入れられて、その後は優しく男性器を挿入されて恍惚の中で深く絶頂するはずなのに。

そうなるのがルールだったのに。

それなのにこの女の子は…私?

これは私?

こんなにケモノのような叫びを上げているのが私?



文香「うぐぅぅぅぁあ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ゛!!!??」

  ぐり!! ぐりりりぃぃぃ!!!

文香「ひいっぃいいいいイイイイ!!??」

  ぷしゃ♪ ぷしっ♪


Gスポットを指先でグリグリされるとされただけ私の尿道口から潮が吹き出しています。
その潮はプロデューサーさんの手のひらで跳ね返り、私の腹部に早くも水たまりを成してしまいました。


P「はぁっ、はぁっ……文香……っ!!」グリグリ

文香「はあああん!!?? うあああああんん!!!!??」ガクガク

  ぐじゅぷっ♪ ぷしししっ♪


上の口からは絶叫じみた嬌声が、下の口からは亀裂の入った水道管のように愛液があふれ出しています。
アクメ電流を全身に流されて体の自由が一切ありません。
まるでプロデューサーさんの指先で操られる人形になってしまったようです。


  ぐりゅっ!  ざりゅりゅっ!! ぷしゃっ♪

文香「ふぅぅ~~~ふぅぅぁああああああ゛あ゛あ゛ん゛ん゛ん゛っ゛!!??」

P「うわぁすげぇ…っ! まだ出るのか…!?」


脳の中でプチプチという空恐ろしい音がしています。

このままでは頭がおかしくなると理解できているのに、腰が勝手にプロデューサーさんの手にすり寄っていて…。
どこまでもいやらしい自分が恥ずかしい。


文香「んああぉぉぉおおおっ!!!」

  ぷしっ…ぷし………し………

文香「んおっ……おっ、お゛っ゛…お゛っ゛………」ヒクヒクッ

涙と鼻水とそして潮がすべて出切ってしまった頃、ようやくプロデューサーさんの指が止まってくれました。

私は未曾有のエクスタシーの余韻に躰を震わせながらソファの背にもたれかかり、天井のシミを焦点の合わない目でぼんやりと眺めることしかできません。


  ぐいっ

文香「んっ…ふむあぐ……れぁむぅぐ……ちゅぅぅ……」ゾクッ


肩に回された腕に引き寄せられるとプロデューサーさんに口づけをしてもらえました。
下腹部に溜まった熱がじんわりと広がり、痺れた全身が甘くクールダウンしていきます。




文香「んっ………はぁ、はぁ…な、んで……?」


多少機能を取り戻してきた頭でルールが無視されたことを考えようとします。
とはいえ明確にしたことなど一度もないただの慣例のようなルールでしたが…。

……。

でもたしかに…そのルールは最近ではなんだかもどかしく感じることもあって…。




  ちくりっ

文香「…!?」


左腕のかすかな痛みに視線動かしてみると、彼が私の左腕を上に向け、その肘裏に何か小さな細長いものを触れさせていました。


文香「そ、それは…?」ドキドキ


見ればわかるのに尋ねずにはいられませんでした。

普段見ることがある同種のモノよりもずっと小さいですが、見間違えしようもないその形…。
もう一通り読んでいますからわかるのですが、これが出てくるのは終盤だったはず…。
心のどこかで、そこまではしないだろうと油断しきっていたところへの不意打ちに心拍数が跳ね上がっています。
コレを使われた女の子は快楽を求めるだけの肉奴隷になってしまったことを私は知っているからです…。


P「分かってるだろ…? ただ本と違うのは副作用も依存性もない…ただ気持ちよくなるのを助けてくれるってだけ……」

文香「っ……」ゾクッ


つい十数分前に同じような言葉に唆された結果がさっきの盛大なアクメ…。
ますます大きくなる心臓の鼓動は恐怖によるものでしょうか、それとも……。


P「でも、これは強制はしないよ。……文香は、どうしたい?」



針を静脈に刺したまま私の返答を待つプロデューサーさん。

その注射器にはごくわずかな透明の液体が入っていました…。


文香「はぁ…はぁ………」ゴクリ


私の意思を尊重してくれると彼は言ってくれますが、わざわざ注射器を用意してくるくらいですから、取りも直さず彼自身はそうしたいといういことなのでしょう…。


彼は私を狂わせたい……。


プロデューサーさんの昏い欲望を理解してさえ、私の返答は揺るぎません。

そも、彼がいなければ私など薄暗い部屋の中で孤独に一生を浪費していたに違いありませんから。

穴倉から連れ出して世界のこんなにも素晴らしきを教えてくれたのは彼ですから。

だから私の人生は彼によって始まったようなものですから。



それに…。



歪に肥大化した私の語彙が彼への想いを安易に言葉にすることを許してくれない今、躰を捧げることでしか好意を伝えられないのですから。






文香「お、お願いします……」ドキドキ

文香「私に……オクスリを、ください……っ」ゾクゾクッ

P「………」グッ



押子が媚薬液を針へと流し込んでいきます。
シリンジ内の液体が減っていくのを見ているだけで頭が真っ白に、そしてクラクラに。

そして、すべてが注入されてしまった頃にはもう……。




文香「ぁ」

文香「ぁぁ……」

P「文香…?」





文香「ぁぁぁぁあああああああ~~~~~っ!!!」ゾクゾクゾクッ


腕から入った媚薬が、心臓を経由してぜっ全身にっ……。

も、もう取り返しがつきません。

錠剤の時とは比べ物にならない熱が体の隅々まで犯していく感覚と同時にうなじに悪寒が走りました。


文香「ふっ…! ふぅぅっ……!!??」カチカチ


自分の肩を抱いても収まらない寒気に歯が鳴り始めます。
高所に立たされたように足元の感覚が失われていきそのまま卒倒するのではと思ったところで…。


  ぎゅぅぅぅっ

文香「ふぁぁぁっ!!?」


とても暖かいものに包まれ、それがプロデューサーさんであることが分かった頃、躰に残っていたのは媚薬の熱さえも生温く感じるような途轍もない幸福感でした。


文香「プロデューサーさんっ!! ぷろでゅぅさぁさぁんっっ!!!」ゾクゾクゾクッ


縋りつくように彼を抱きしめるとその倍の力で抱きしめ返してくれる。
だからもっと強く抱きしめたいのに、力がうまく入らなくなっているこの躰が恨めしい…。


文香「ふむっ…ふむちゅぅぅ…んはぁんっ…あむっれろっ…ちゅぷっ♥」


口内に入ってきてくれた彼の舌を必死になってねぶる。
舌を絡め噛んで離したくないって精一杯のわがままをしてみる。
唾液を啜って喉を鳴らして飲み込んで見せれば更にもっと飲ませてくれました。

彼と溶け合っている。
彼の内側を摂取して、私の内側を受け入れてもらう。
たまらない快楽…。

視界の隅に火花が散り始めると、ソレは直ぐでした。


文香「んんっ!? はぁぁあああいいいふぅっ♥♥♥」ビクンッ


それがオーガズムであることに気付くには数秒の時間が必要でした。

性器にも触れずに絶頂を迎えるという初めての経験に、ならば性器ならばどうなってしまうのかという当然の疑問が浮かびます。
しかし、考えるまでもなくその答えは直ぐに出ることになります。


  ぎしっ

文香「ふ………ぁう……♥」ヒクヒク

P「はぁ、はぁ、はぁ……っ!!」


生まれたての子鹿のようになった私をソファに寝かせ、その股の間に入り込んだ彼がその剛直を私の入り口にあてがっていますから。

そして、何かを言う間もなく……。


  ずっにゅぅぅぅぅ♪

文香「はぁぁぁぁぁああああんんん♥♥♥」ビクンッ


簡単に絶頂してしまいました。

そして。

カリが内壁を数センチ分け入るごとに絶頂。
膣の奥を小突かれて絶頂。
そこでじっとしているだけでも絶頂。
キスをもらってまた絶頂。

自分のものとは思えない喘ぎ声が出続けています。



P「あぁ…文香…文香……っ」


プロデューサーさんが私の乱れた髪を優しく撫でつけ、前髪を分けて瞳をじぃっと見つめてくれます。

膣からはぱちゅぱちゅというエッチな音がずっと聞こえています。
その所為でずっとイキ続けていているので、彼から視線がブレてしまいそうになるのを抑え込むのがとても大変です。


文香「ぷろ、でゅぅさぁさん! ぷおでゅぅしゃあしゃんっ!!」ゾクゾクッ


出来ることならば、私のアナタへの想いを伝えたい。
でも、ありふれた言葉を発したところできっと百分の一も伝えられません。
だからせめて彼のことを必死に呼んでいたのですが……。


P「ああっ!! 文香!! 好きだ! 好きだ! 愛してる!!」

文香「はぁぁああっ!? ふわぁぁっぁああんっ!!??」キュンキュンキュン


稚拙で陳腐でチープだと、内心見下していた言葉を彼に贈られ…。


文香「ぅぁぁっ!? う、うそ…こ、こんな…こんなに……っ」ゾクゾクゾク

文香「はぁぁんっ♥♥♥」ビクンッビクンッ


  ぎゅううううう!!

文香「んあっ、あっ、あっ、あっ………♥」ゾクゾク


安い言葉だと思っていたのは私の勘違いだったのでしょうか…?

それとも彼に言ってもらえたから…?

幸せ…。
暴力的な幸せ…。

投げつけられた言葉でこれほどの感情が触発されるなんて……。

今にも胸が張り裂けそうです。

彼に抱きしめられていると、胸の中のドクドクがどんどん大きくなって…。
このままでは弾け飛んで幸福に気が狂ってしまいそうな予感すらあります。



P「文香…あぁ…文香…なんて綺麗なんだ……あぁ…愛してる……」

文香「ふぁぁ♥ はぁぁぁ……♥」キュンキュン



もうだめです。

適切な言葉が見つかるまでは控えようと思っていましたがもう限界のようです。

稚拙でもなんでも、一刻も早くこの気持ちを少しでも自分の中から出さないと破裂してしまいます…っ。



文香「ぁぁ……ぷろでゅぅさぁさぁん………っ」






文香「…………すき」


P「っ!!??」


文香「好き、好きです…私もアナタを愛しています……っ」ゾクゾクッ

P「ぁぁ…文香…文香!!」ギュゥゥゥ

文香「すき、すきっ、好きです…っんちゅぅぅぅはむっ……すきっ、すきっ!」ゾクゾクッ



一度言ってしまったら最後、堰を切ったようにこれまで抑え込んでいた言葉が溢れだし始めました。

胸の中の1%しか伝えられない安直な言葉を平気で投げつけて…。
何度も何度も…臆面もなく何度も何度も……。

こんな恋愛小説……私ならぜったい読みません。


……。


でも。




文香「ああっ!! ぷろでゅうさぁさん!! んっ♥ 愛してますっ! 私はアナタを…あいしていますっ!! れろぉっ♥」

P「んぐっ……俺もだ文香!! あぁ…嬉しい…なんて、気持ちいい……あぁ…文香……っ!!」


変に凝り固まっていた私は頭でっかちのおバカさんだったようです…。

陳腐だとかチープだとかそんなことは関係なく、胸の裡の感情を伝えるのがこんなに素晴らしいことだったなんて…。
こんなに気持ちの良いことだったなんて…。



それでもやはり…。




文香「んぐっ♥ もどかしい…もどかしいんです…っ」

P「…?」


どれだけ繰り返したところで伝え切れないのは事実。
ガス抜きになるかと思った言葉も効果があったように感じたのは一瞬だけで、今ではさらに大きく膨れ上がった激情が胸を食い破ろうとしていました。



文香「はっ…ああっ! アナタのことが愛おしすぎて……苦しい…胸が…弾けてしまいそう、です……っ」



彼への熱く熱くそして熱い想いが身を焼いていきます。



……。



最早発狂を回避するための方法は一つしか思いつきませんでした…。




文香「わ、私を壊して……っ!!」


P「な、なにを…っ?」




文香「お願いします……私を壊してくださいっ! 何も考えられないくらいに……壊してっ!!」


P「ふ、文香……」ゴクリ



文香「わたしを…アナタで……こわしてぇぇ……」


P「くっ……」



  ぎしっ


プロデューサーさんが体を起こし、両手で私の腰をがっしりと掴みました。


文香「あ、あぁ……♥」ゾクッ


ああ良かった…ちゃんと壊してもらえる……。
そんな風に安堵しながら彼の腰が10センチほど引かれるのを眺めました。


……。



ぱぢゅんんんっ!!!

文香「ひぁっ!!!???」ビクンッ


  ぱちゅっ! ばちゅっ!! ぱちゅんん!!

文香「んあああっ!!! ひぃぃぃぃぃいい!!!??」ビクンビクンッ



彼の腰が我武者羅に私の急所に打ち付けられます。
さっき私のGスポットを簡単に探り当て惨めに潮吹きさせた彼とは別人のような必死さ…。
しかし、技巧も優しさもないその乱暴な腰遣いが今は私の福音でした。



  ぱんっ! ぱんっ!! ぱんぱん!!

文香「んんぃぃぃいいイクっ♥♥♥ いくっ♥♥♥ いくぅぅ♥♥♥」ブルブルッ

P「はぁっ!はぁっ!はぁっ!!! ふみかぁあああ!!!」

文香「はぁん♥♥ おねがいしまっ♥ もっ♥ もっとはげしくぅぅっ♥♥」ゾクゾクッ

ぱずんっ!! ぱぢゅんんん!! ぢぽっぉぉ!!!

文香「ああっ!!イイっ♥ こわっ♥れるぅぅぅ♥♥♥」ビクンビクンッ



プロデューサーさんが歯を食いしばって私を見ている。

今の彼の目に映るのは私だけ。

私を壊そうと必死に貪ってくれている。



  ばちゅん♪ ぱちゅんんんっ!!! ぱちゅんん!!

文香「はぁぁあん♥♥ ふぁぁぁああんんん♥♥♥」


P「はぁっ!はぁっ!!! くぅぅ…っ!!??」



プロデューサーさんの顔が一層辛そうになって、彼の限界がもうそこまで来ていることを知りました。

おそらくは、私が壊れるまでその限界を何度も乗り越えてきてくれていたのでしょう。

でも、もう大丈夫です。

きっとそれと同時に私も……。




  ぱちゅん!ぱちゅんっ!ぱちゅん!!


文香「あっ、はぁぁぁっ♥♥♥ だいっじょうぶ、ですぅぅ♥ きてぇ♥ おねがいっ♥ だしてぇ♥♥」


P「くっ!!??」


  ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!!


文香「アナタでぇっ♥♥ よごしてぇぇえええ♥♥♥」


  ぱんんっっっっ!!!!!


文香「ぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛ん゛ん゛♥♥♥」ビクンッ


  どぴゅぅぅぅぅぅ!!! びゅぅ~~~~~っ!!!


文香「んん゛ん゛~゛~゛~゛~゛~゛~゛っ゛♥♥♥」ゾクゾクゾクッ



愛しい人の精液が私の一番大切なトコロを犯しています。


びゅうびゅうと熱い子種をかけられてもう何も考えられません。


頭は真っ白…。


真っ白…。



胸を食い破ろうとしていた荒々しい気持ちは今しばらくの猶予を与えてくれたようです。



彼の力強い脈動が治まる頃、全身を支配していた痺れはそのまま幸福感に意味を変えていました。


…。


息絶え絶えの者同士、縋りつくように抱き合うとようやく一つ分かったような気が…。


一つ…。



おそらく無数にあるうちのまだ一つだけ…。






すべて分かるときが来るとしても、それはきっと数十年先のことなのでしょう。

鷺沢文香 後編 終わり

次が最後で志希です。

あぁ、なんでコレが残っちゃったかなぁ…。

超ガチエロでござった、乙乙

何だこれは……(超笑顔

最後と言わず別のアイドルで前後編書いてくれると嬉しい

>>119
まだイクんじゃねぇぞ

一ノ瀬志希 後編

始めます



若干特殊な内容になっておりますのでご注意ください。



夕方、といってもいい時間帯。

の、ハズなのに…まだ暑すぎーどゆことー♪

せっかく隠れてくれたお日様の代わりに限界まで蓄熱したアスファルトがお仕事終わりのあたしをジリジリと焼いている。
ムワッとした熱気に頭クラクラで、夏の匂いを愉しむ余裕は今はないなー。
隙間なく立ち並ぶビルが風を妨げるから熱気が逃げていかないんだよね。
都市計画の段階でもうちょっとなんとかならなかったのかなぁ…。
責任者出てこーい!


…いやいやそんなのはどうでもいいんだ。


志希「あ……」


カフェの店内で優雅に読書しているおねーさんがいた。
もちろん全然知らない人。
ウィンドウ越しにあたしの視線をクギ付けにしたのはおねーさんのドリンク。
道行く脚は止めないけどね。
氷のたっぷり入った…アイスコーヒーかな?
さっきまでの長いお仕事を終えて、ヘトヘトクタクタカラカラのあたしにはとっても目に毒。
いいなぁーがぶ飲みしたいなー。
でも我慢。
もーちょっとだけ我慢。
ここで飲んじゃったらペラペラ喋りまくったインタビューを水分補給控えめで耐えた意味がなくなっちゃう。

自動販売機の『つめた~い』ってのもトーゼン素通り。
生唾を飲み込もうにも口の中はすっごくネバついてるから、これは二重の意味で飲まない方が良い。
体から水分を追い出してるのとイライラで副交感神経が抑えられて、イイ感じに出来上がってきてる。
うん、狙い通りだね♪



ほらほら、事務所が見えてきた。



  がちゃり


事務所のドアを開いて背伸びしてカレのデスクを見てみる。
いるね~やった♪
こっちに気付いてないしそのまま給湯室へ。


志希「フンフンフフーンフンフフー、シキデリカー♪ なんちて」


熱さでゲンナリ気味だったテンションが一気に上がっちゃった。

コーヒーを敷き詰めたペーパーフィルターに熱湯を注ぐ。

  とぽぽぽぽ♪ 
  とぽぽぽぽ♪

コーヒーが大きく膨らんで縮んで、また膨らませて縮ませて…。
あたしの胸も今そんな感じ。
心臓がゆっくりと強く血を全身に送っていく。
いつの間にか仕事の疲れを忘れちゃってた。
ドーパミンさんいい仕事してますねぇ♪

出来上がった熱いコーヒー液をたっぷりの氷が入ったグラスに注ぎ込む。
バシバシという氷にヒビが入る音が心地良い。


志希「むふふ…♪」


普通ならこれで完成なんだけど、志希ちゃんは更に一手間加えちゃいまーす♪
右見て左見て後ろ見て、誰もいないことを確認して…。


志希「んっ………」


  とろぉ………………


うわっ!? ぶら下がってる! すっごい粘度♪
我慢した甲斐があったよー♪


  ぷつんっ ぽちゃん……


すかさずティースプーンで掬ってみるとほとんどダマみたいなソレはまだコーヒーと溶け合ってなかった。
濃縮されきった粘液はいくらかの弾力を有しているらしくて、スプーンを揺すれば緩いゲルっぽく震えてる。


志希「コレやっばー♪」ドキッ


  ぽちゃん…


改めてグラスに落としてかき混ぜると、すぐにコーヒー溶液に溶け込んでしまった。
でもそれまでの透き通った琥珀色はすこぉしだけ濁ってしまった、ように見える。
大丈夫、バレっこない♪


志希「かーんせーい♪」ペカー


無事完成してしまえばもう口の中をネバつかせておく必要はないから、水道水をがぶ飲みして給湯室を後にした。




志希「お疲れサマー、プロデューサー♪」

P「おぉ、お帰り志希。お疲れ様」


定時を過ぎてもまだまだお仕事真っ最中の彼に声を掛けると、すぐにこちらを振り向いてくれた。


志希「はいただいまー♪ 今日の差し入れだよー♪」

P「待ってました! いつもありがとな!」

志希「今日はね、いつもより頑張って作ったから…美味しいといいなー♪」

P「へぇ、それは期待できるなぁ~。志希が作ってくれるとなぜか美味いんだよな~。材料は同じはずなのに」


グラスを彼に手渡すと何の疑いもせずに口をつけた。


P「ん…ごく、ごく…っ」


せっかくストロー付けてあげてるのに、グラスの縁に口を付けてゴクゴク飲んじゃって。
そんなにあたしの差し入れ待っててくれたんだ♪
いやー嬉しいなぁー♪


P「ぷはぁっ! 美味い!」

志希「にゃははー♪」

P「いやほんとに美味いよ。俺が作ってもこうは出来ないんだよな~。お湯の注ぎ方かなぁ?」

志希「……志希ちゃんのね、アイジョーがたっぷり入ってるんだよ♪」

P「そうか、はははっ。今日のは一段と美味いよ。苦みの中にもほのかな甘みがあるっていうか…ごく、ごく…うん、美味い!」

志希「にゃは……」


ほんと美味しそうに飲むねぇ♪


でもそれ……あたしの唾液入りだよ?

しかもものすごくネバネして濃いヤツ。

そんなのが入ったのを『甘い』だなんて、キミってヘンタイだね♪


P「ん、ごく…ごく…」


ぽっこりした喉仏が動くたびに、彼の体内にあたしの唾液が入り込んでいく。
水分、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アミラーゼ、ラクトフェリン、ムチン、etc.
あ、ネバネバだったからムチン多目かにゃ?
とは言ってもほとんどが水分だけどね。
でも正真正銘あたしの体が分泌した体液。
それが彼の体内に入って、今度は彼の細胞を作る元になる。
んーーーろまんてぃっく♪


  からん♪


彼がラストスパートっぽくグラスの角度を急にしてあおったら氷が鳴って、つい目を向けちゃった。
そしたらなんとまだあたしの溶け残りがいたみたいで、つるん♪って氷を滑ってグラスを滑ってそのまま彼の口の中へ♪


P「んっ、んっ…」


あたしの唾液がダイレクトに彼に…あわわ♪


P「んくっ……。あれ? 最後めっちゃ甘かった…?」

志希「……」ドキドキッ


ニブチンな彼の無邪気な表情に脳下垂体がβエンドルフィンを放出したのを感知する。
この放出量は久しぶりー♪
初めはちょっと入れるだけでドキドキ出来たんだけど、十回もやればそれが普通になっちゃった。
やっぱり毎日同じことしてたら物足りなくなるよね。
麻薬みたいなものだし♪

だから今日は濃度にこだわってみたんだけど、予想通り快感物質の分泌量は過去最高だった。
明日はどうしよっかなー♪


P「…き……し……」

志希「んぇ?」

P「志希? どうしたんだボーっとして…」


ありゃりゃ、脳内麻薬でトリップしてたみたい♪


志希「んーん……明日の差し入れはどうしよっかなーって」

P「お、明日もあるのか! 嬉しいなぁ…ってお前汗すごいな。ちゃんと拭いとけよ?」

志希「あ…ほんとだ」


Tシャツの色が汗で濡れて濃く見えるようになってるのに気付く。
手で額に触れてみたら指先に冷たい汗がじっとりと付いた。
さっきがぶ飲みした水がそのまま出てきたみたい。
汗。
あたしから出てきた汗…。
汗かぁ…。


志希「ふっふー♪ きーめたっ♪」

P「お、何にするんだ?」

志希「それはぁ……明日のお楽しみだよ♪」

P「ははっ、そうか。じゃあ楽しみにしてるな」ニコッ

志希「……おっけー」ゾクッ


彼の屈託のない笑顔に下腹部がジクジクと疼く。
あたしの細胞を摂取させられてるとも知らずに…。
あれ? 志希ちゃんイケナイ子?
でもコレはキミが始めたことなんだからね?

キミがあたしの鼻○ソをあんなに美味しそうに食べるから…。
あたし気付いちゃったんだ♪
自分の一部がキミの中に入っていくと脳から気持ちいいのがドパドパ出てくることに♪
いちおー試しにフレちゃんやスタッフさんで対照実験してみても(ごめんね♪)ドキドキのオーダーは2、3個下がっててつまんなーい。
やっぱりキミじゃないとだめみたい♪
だから良いよね?
キミは美味しく飲めて、あたしは気持ちよくなって…誰も損してないもんね?


志希「じゃあ今日はもう帰るー。プロデューサーお仕事頑張ってねー♪」

P「あぁ、ありがとな。志希も気を付けて帰れよ」

志希「はいはーい♪」


彼に手を振って廊下に出てまっすぐお手洗いへ。
もちろん多機能トイレの方。
脳内麻薬の余韻が残っているうちにスルと凄いんだよね♪
我慢しようとしても声が出ちゃうくらいに…。



いえーい!

ハッスル♪ ハッスル♪


――――
―――
――


ベテトレ「いや、一ノ瀬がそれでいいなら構わないが…暑くないのか?」

志希「暑いよー? でもだいじょーぶ♪」


この季節、レッスン場のエアコンの効きはイマイチ。
そんなところへ冬に着るような長袖長パンツのスポーツウェアで現れれば、さすがのベテトレさんも怪訝な視線を送ってきた。
ちなみに長袖のウェアの中のTシャツは綿100%となっておりまーす♪
水分たっくさん吸うよー♪


志希「ジブン、今日はとにかく汗をかきたい気分なんす♪」


冗談ぽく言いながら2L入りのスポーツドリンクを見せる。


ベテトレ「そ、そうか…。キミの考えることはよくわからんな…」

ベテトレ「だが、ストイックなのは嫌いじゃない。関係なくビシバシいくからな!」ニヤッ

志希「望むところー♪」



………。



ベテトレ「ふぅ…今日はここまで。水分補給とストレッチ、しっかりしておくように」

志希「はひぃ、はひぃ……」ペコリ…


颯爽と立ち去るベテトレさんに最後の力を振り絞って礼をする。

頭クラクラー♪
体ぐしょぐしょー♪
襟口からムワムワー♪

ムワムワ?


志希「……」クンクン

志希「わぉ……♪」ゾクッ


Tシャツが汗を吸ってー乾いてーまた吸って―吸って―乾いて―吸って―って繰り返して何層も積み重なったきっついスメル♪
あたし的にはこれもアリだけど、女の子的には落第の匂いになっちゃってるかも―♪


志希「なんか重ーい♪」


更衣室でTシャツを脱いだら、ぐっしょり濡れたそれはもう別物。
素早くジップロックに入れて、用意しておいたまだ冷たい保冷材で包んでバッグの中へ。
変に雑菌繁殖させちゃいけないからね。



よーし、さっさとシャワー浴びて事務所にレッツゴー♪



給湯室でジップロックからひんやりとしたTシャツを取り出すと生臭さが漂った。
折り畳まれたそれを更に筒状に丸めて、プロデューサー用のグラスの上で絞ると…。


  ぴちゃぴちゃぴちゃっ!!


志希「にゃははー多すぎー……」ドキドキ

完全な透明、ではない液体がグラスの三分の一ほど溜まっちゃった。
唾液だったら何吐き分かなぁ…?
グラスの上部を手で扇いでみたけど、ほとんど匂いは感じない。


志希「……?」クンクン


直接嗅いでみても大した匂いはしなくなっちゃっててなんだか残念。
温度と表面積の関係かな?


志希「塩っぽさを活かすには…コレっ! 志希ちゃん飲みかけのスポーツドリンク~~♪」


  とぽぽぽぽっ♪ とぽぽっ♪


薄く白濁しているスポーツドリンクを注ぐと、あたしの汗は完全に同化してしまったみたい。


志希「氷を入れてーぐるっとかき混ぜてー♪」

志希「かーんせーい♪」ペカー


材料に使ったTシャツをバッグに押し込んで彼の元へ向かう。
心臓はもうドキドキしっぱなしだし、脳みそからは早速お汁が漏れ始めてる♪



志希「ぷーろでゅーさー♪」

P「おっ、レッスンお疲れ!志希。そんで、その手に持ってるのは…?」

志希「もっちろん今日の差し入れ―♪ 自信作だよっ♪」

P「へぇ~って…これは…スポーツドリンク…?」

志希「そだよー。志希ちゃん製ポ○リスウェット」


ある意味、本物でーす♪


P「意外だが…なるほど、水分補給は大事だよな!」

志希「うんうん♪ これなら汗かいて失っちゃったミネラルもそっくりそのまま補給できちゃうんだから…♪」

志希「ささっ、ぐいっといっちゃってよー♪」

P「よっしゃー。……何気に志希の差し入れが一日の愉しみになってるなぁ~」


グラスを彼に手渡すといつも通り喉を鳴らして飲み始めた。


P「んぐっ、ごくっ、ごくっ……」

志希「あはぁ……♪」ゾクゾクッ


十回以上にわたって少しづつ唾液を飲ませてたのが何だったのかってくらい簡単にゴクゴク飲んじゃってる。
これまでの累計を軽く超える量のあたしの体液が入ってるのに!


志希「……いっき、いっき、いっき♪」

P「んぐっ? ごくっ、ごくっ!」


早く飲んで?
あたしの汗全部飲んで?
それで感想聞かせて?
そしたらすぐにトイレに駆け込んでお愉しみタイムだから♪
もう胸と下腹部が…ってぼかすのはやめよっと♪ オマンコがきゅんきゅんしちゃって、早く弄りまわしたいんだ♪


P「んくっ、ずずっ……ぷはぁっ!」

P「ってコールやめろよ! サラリーマンはそれやられると飲んじまうんだからっ」

志希「ね? 味は? 味はどうだった? 美味しかった?」

P「え? 美味しかったぞ? あ、でも普通のポ○リとちょっと違う気が…どこかしょっぱいというか辛いとというか…」

P「あ! 志希…これ…もしかして……」

志希「っ……!」ドキドキッ


え、何? もしかして、何? バレちゃった…!?
ジクジクっていう快感が恐怖か羞恥かのドキドキに一気に塗りつぶされる。


P「もしかして……タバスコ入れた?」

志希「ぁぇ…?」

P「だから微妙に辛いんだろ?」

志希「そっ…そうなんだぁ~……」

志希「さ、さっすがプロデューサー!ご名答! 食欲増進効果があるんだよ♪」


にゃはは~バレるわけないか~♪


P「やっぱり……ポ○リにタバスコってお前なぁ…。でも、ポ○リって俺には甘ったるすぎるからこっちのが好きかな~」

志希「…え?」ゾクッ

志希「キミ…こっちのポ○リの方が美味しいの…?」

P「ん? あぁ、俺にはな。ゴクゴク飲めたぐらしだし」

志希「あぁ~~そうなんだぁ~~。あたしのポ○リの方が美味しかったんだぁ~~……」ズクンズクン

P「志希?」

志希「ぷ、プロデューサー。あたしもう帰るねっ? じゃお仕事頑張ってねっ」



バッグを鷲掴みにして足早に立ち去る。

背中からの間の抜けた『お疲れ~』に反応する余裕は今はありまセーン♪



いつもの個室トイレに駆け込む。


  がららら~~がちゃん


志希「はぁ、はぁ、やばっ♪ やっばー♪」ドキドキ


手荷物棚にバッグを投げ置いて、ショーツを脱ぎ捨てるとついさっき履き替えたはずなのにもうシミで汚れちゃってた。
蓋を閉じた便座に腰かけてスカートをたくし上げて、お股をぱかぁーってするとしっとり濡れたおけ毛が目に入る。


志希「わはー♪ すっごい濡れてるー♪ こーりゃ、きーもちいいぞー♪」ドキドキッ


膣口から流れ出る愛液をクリトリスに塗りたくって中指でこねくり回しちゃおう。
今日はクリイキなのだー♪


  くちっ くちゅくちゅっ♪


志希「ふぁっ♪ きっくぅーー♪」ゾクゾク

志希「プロデューサー…んっ、あたしのポカリ美味しいだってぇ…あんっ♪」

志希「あたしの汗がたっぷり入った方がっ…はぁん♪ 美味しいんだって…っ! ぅぁっ♪」


  くちゅくちっくちゅくにぃっ♪


志希「んっ~~はぁん♪ やっば、きもちいいっ♪」

志希「んはぁん……っ♪ そ、んなに…ぁふっ♪ あたしの汗が…っ美味しいならっ♪ いくらでも飲ませてあげるよ…っ♪」ゾクゾクッ

志希「キミの為にいくらでも汗かいてあげるぅぅぅんっ♪」


  くにっ くにっ くにににっ♪


志希「ぅっっっ♪ はぁぁん……っ♪ シャツに染み込んだぁ…汗もぉ…ぱんてぃーにぃ染み込んだ汗もぉ…ぜぇ~んぶぅぅんんんっ♪ 絞って……あっ♪ 飲ませてあげるーーんっ♪」


志希「んあんっ♪ あっ! 直接のんでも…はぅっ♪ いいよぉー♪ 志希ちゃんの肌をぺろぺろしてぇ…くぅぅん♪ ちょくせつぅぅ舐めとってもぉぉぉはぁぁぁふぅっ♪ いいよぉーー♪」


  くちゅぷ きゅぷっ くちくちっ♪


志希「んあっ! それイイっ♪ そうしよぉ? ねぇ? んっふっ♪ そうしよぉぉ?」

志希「キミにはぁああん♪ あたしの汗あげるからぁぁん♪ その代わりにぃぃっ! キミの唾液あたしに塗りつけてっ♪ んっ!」

志希「きっとぉ…っ♪ すっごい匂いになるよぉぉ♪ んあぁぁ~~~やばい♪ やばいーーーっ♪」ゾクゾクッ


  きゅっ きゅぅぅぅっ きゅにっ♪


志希「ぅはっ♪ くるっ♪ きちゃうっ♪ んあはぁぁっ♪」

志希「ねぇおねがぁぁぁいい♪ 志希ちゃんのことぉ…んあんっ♪ もっと、たべてぇぇ……っ♪ うあっ!」

志希「やっば!! キタっ! すっごいのキタっ♪ くるくるくるっ♪」ゾクゾクゾクッ


  きゅぅぅぅぅ! ぎゅにゅぅぅぅぅっ!!


志希「ふぁぁぁぁぁあああんんんっっっっ!!!!」ビクンッ


背筋に流れた電流で背骨が強制的にエビ反っちゃう。
脚もピーンって跳ね上げて伸ばしちゃって、体内時計が止まったみたいに動けない。
足先がプルプルしながら下がっていって床を踏むところまでいってようやく呼吸もできてなかったことに気付いた。


志希「んはぁぁぁぁっぁああっ!!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ、はぁ……っ」ヒクヒク

志希「んぁぁ~~~オナニーサイコ~~~♪」ブルブル


志希「んっ………」ブルルッ


志希「………」


志希「ふひーーーあたまスッキリ―♪」ノビー



脱力した体に血を巡らせるように一度伸びをしてみたらなんだかお尻が気持ち悪い。
なんと!便座の蓋に志希ちゃんのえっちなお汁がたっぷりこぼれてるー♪
ささっとティッシュで拭いちゃえー♪


  にちゃぁぁ


志希「わーお! ねばーりスゴーイ♪ はーずかちー♪」

志希「………」ネバーー


ティッシュと蓋の間にかかったネバネバを見て、とってもイケナイアイデアがどかーん!


志希「………コレ…やっちゃう…?」ドキドキッ


明日はアク○リアスでいこっかなーって思ってたけど、一度思いついちゃったらもう止まれないかもっ!!


志希「だってジュースっていうもんねー♪ 案外普通かもー♪」ドキドキッ





志希「…………にゃはぁ……」ゾクッ



かーえろっと♪


――――
―――
――



志希「ぷーろでゅーさー♪」

P「ん? 志希…? 今日はオフじゃなかったけ?」

志希「やー、そうなんだけどねー♪ キミに差し入れするのが癖になっちゃったから、来ちゃった♪」

P「癖…?って日課って意味か…」


ううん、癖だよ?
キミにあたしの一部を入れて興奮するのが癖になっちゃったんだよ?
それとも依存症かにゃ?


P「俺としては嬉しいが…、しっかり休むのも仕事の内だぞ?」

志希「だいじょーぶだいじょーぶ♪ この癖…日課も休むための一環なんだから。キミが美味しそうに飲んでくれるのを見ると……あたしもよく眠れるんだー♪」

P「よくわからんが、そういうことなら…まぁいいか。それで、今日の差し入れってのは…?」

志希「今日はまだ作ってないよ♪ ちょっと時間がかかりそうだから、その前にキミがしばらく事務所にいるのを確認しとこうと思ってね♪」

P「あぁ、そういうことならもう夕方だし、この後はずっと事務所で書類仕事だから大丈夫だよ」

志希「よかったー♪ じゃあ30分くらいでできるから待っててねー♪」

P「30分って…。ははは、一体何作るんだよ?」

志希「今日は……フレッシュジュースだよ?」ドキドキッ

P「おぉ、生絞りってやつか!」


そうそう、志希ちゃんの生絞りエキス配合♪


志希「…じゃあ、お楽しみあれー♪」

P「あぁ、いつもありがとうな~」




事務室を出て向かう先は給湯室、ではなくていつものおトイレ♪


  がらがらがら~~~がちゃん♪


志希「じゃあ~~絞っちゃおうかなっ志希ちゃんエキスー♪」ドキッドキッ


バッグから手のひらサイズの小瓶を取り出してキャップを回し外す。
中身は当然空っぽ。


志希「どれだけ溜まるかにゃあ…?」


ショーツを脱ぎ捨てると…もう濡れてるー♪


志希「んんっ…今朝からずっとこのこと考えてたからねっ♪ もったいなーい♪」


便座の蓋に腰かけてセルフプレジャー開始!


  くちゅ…


志希「わぁぁ…もうべちゃべちゃー♪ 志希ちゃんの下のお口だらしなーい♪」ゾクゾクッ


  くちゅぅ…ぬるっ♪


まずは膣口を中指で撫でてみるつもりが、引っかかりもなく中に滑り込んじゃった。


志希「んっ……ふぁぁ……っ」ビクンッ


中指が全部入っちゃったのを抜いたら…。


  ぬぷっ…とろぉぉぉ♪


志希「わぁお! 指てっかてかー♪」

志希「これを…瓶の縁になすりつけて…っと♪」


  ぐにぐに……つぅぅー……


瓶の内壁に愛液が一筋の跡を残しながら落ちていったけど、底に到達できるだけの量はなかったみたい。


志希「んん~~思ったより時間かかるかな…? よぉーし、がんばるぞぉ♪」


  ぷちゅっ ぬるんっ ちゅぷっ ぬるん♪


志希「んっ、はぁぁ……っ ぷろでゅーさー? 志希ちゃんね? 今オナニーしてるよぉ?
ぁんっ…キミにぃ…あたしのラブジュースぅ、飲んでもらうためにぃっ♪」

志希「もうっ…さいきんはぁ…キミをオカズすることばっかり考えちゃうっ♪」

志希「キミのこと、はんっ…考えながらオマンコいじいじするとねぇ…すっごいんだよっ♪ んぁん…っ」

志希「脳みそから、んんっ…快感物質どっぱどぱでぇ…あたまバカになってぇ…アヘアヘでぇぇぇんんんっ! いくらでもオナれちゃうのぉぉ♪」ブルブル


  にゅぐ にゅるっ にゅくくくっ


志希「キミがぁ…あたしを美味しそうに飲んでくれたときなんか…はぁぁぁっ……それだけで軽くイっちゃてるんだからぁぁぁんっ」

志希「ほら見てぇ…もうこんなに溜まっちゃったよ? いい? もうちょっと出していい? んはぁ……っ」

志希「いいよねぇぇ~? 昨日のぉぉっ、汗はぁぁぁんっ、もっと多かったからねぇぇぇんっ♪」


  ぬちぃっ にゅるんっ ぬぐんっ


志希「もし…ふぁっ、あたしの愛液飲まされるってぇぇんっ、知ったら怒るぅ? それともぉぉんっ、喜んでくれるっ? んはぁぁぁっ」

志希「おねがぁぁいいっ、あたしのオマンコ汁のんでぇぇっ♪」

志希「志希ちゃんのオマンコ美味しいって言ってぇぇぇんっ♪」

志希「んはぁぁん……っ、あぁ…っ! イキそぉ……!?」ピクンッ

志希「んくぅぅ~~~っ!! まだだめぇ……」ゾクゾクゾクッ

志希「本イキはぁぁあんっ、飲んでもらってからがぁぁ…いいのぉ……っ」ブルブル

志希「んっはぁ、はぁっ、はぁ、はぁ……」


大きなオーガズムの波をなんとかやり過ごせたみたい。
あたしは美味しいものは後に取っておくタイプなのだー♪
瓶を見てみるとトロリとしたのが結構溜まってた!
昨日の昨日の汗よりかは少ないけれど、ツーフィンガーくらいは溜められたかなぁ?
量は負けるけど…。



志希「……」クンクン


志希「……………すご」ゾクゾクッ


昨日とは比べ物にならない濃密な匂いに、思わず気絶しそうだよ!


志希「にゃははー♪ これイケるかにゃ~~?」ドキドキ


やればわかるさコノヤロー?

時間を見てみたら…う~ん、ちょうど30分経っちゃってるね♪
瓶に蓋をして、衣服を正して給湯室へ!



今日はリンゴのフレッシュジュースにしたいと思いまーす!


志希「たしか…ここにジューサーが……あ、あったー♪」


リンゴをサイコロサイズくらいに切って、ジューサーに投入!スイッチオン!出来上がりぃ!30分どころか3分だね!

彼のグラスに注いでから……志希ちゃんのラブジュースを、どばー♪
氷を入れて、かろんかろん♪


志希「かーんせーい♪」ペカー

志希「……」ドキドキ


やばーい♪よくわかんないけどやばーい♪

すっごく興奮するー♪ ぁやばまたイキそー♪ だめだめ、我慢の子!

……。

おっけー、イっクぞー!!



志希「プロデューサー、お待たせ―♪」

P「お、待ちくたびれたぞ~?」


志希「ごめんね♪ 思ったより白熱しちゃってさー♪」

P「いや冗談だ。差し入れがもらえるだけで万々歳だよ」

志希「んっふふー。そう言ってもらえれば作った甲斐があるねぇ♪ はい今日は志希ちゃん特製、リンゴのフレッシュジュースだよー♪」

P「おぉ! リンゴジュースか、大好きだよ!」

志希「あ、ほんと? キミのお口に合うと…良いなぁ……」ゾクッ


志希「どうぞーー♪」

P「いただきますっ。ごくっ……ごくっ……」


あぁ~~またゴクゴク飲んじゃって~♪
あたしのことそんなに信頼してるんだね!
裏切ってごめんねぇ♪
あたしなんてキミにオマンコ汁飲ませて興奮してるヘンタイなのにね!


P「んくっ………志希…これ…………」

志希「ど、どしたの……?」ドキッ


これ以上ないくらい怪訝な顔…。
もしかして自分のだから匂いとか気にならなかっただけで他の人には丸わかりだった!?


P「これ……めちゃくちゃ美味い!」

志希「ぅぁ…♥」ゾクゾクッ


やば……。


P「なんだろう…確かにリンゴジュースなんだけど、こんなの飲んだことない! 甘さに深みがあるっていうか…」

志希「ぁぅっ…んぁぅ……っ♥」

P「口当たりもどこかとろみがあって濃厚で…まさにしぼりたて生120%って感じだよ!」

志希「んっ、はぁ、はぁっ……♥」


す!ご!い!
脳みそどっぱどっぱ! お股もどっぱどっぱ!
あ~~~早くおトイレ駆け込みたーーいな♪

でもまだ半分以上残ってるぅ~~~♪
ほ~ら、いっき、いっき、いっき♪


志希「あ、あのね…っ! 志希ちゃんのジュースは鮮度が命だからさ! はやく…全部飲み切ってほしいんだっ♪」ドキドキドキ

P「ん? そうなのか? もっと味わって飲みたいが、そういうことなら…んぐっ、ごくっ…」


志希「はぁ、はぁ…スゴ…ノンデル…シキチャンノジュ‐ス」

P「ごくっ………ぷはぁっ! うん! 美味い!!」

志希「やたっ…全部…全部…飲んでくれた…♥」ゾクゾクッ


そこで思いついて、携帯取り出しボイスレコーダー録音開始!


志希「ねぇねぇ! 美味しかったぁ? はぅ…志希ちゃんのジュース♪」

P「え…? なんでボイスレコーダー?」

志希「い、いいのいいのっ! キミの飲みたて…んっ…ほやほやの感想を次回に活かすためだよぉ♪」

P「そう…? いやぁ、ほんとに美味かったよ? これまでのどのリンゴジュースよりも美味しかった」

志希「んぁっ…志希ちゃんのジュースぅ…美味しかったぁ?」

P「? あぁ、志希が作ってくれたリンゴジュース、美味しかったよ?」

志希「ああんっ、リンゴ、要らない。もう一度、言って?」

P「はぁ…? 志希が作ってくれたり…ジュース美味しかったよ…?」

志希「むむむっ……おねがい!りぴーとあふたーみー!」

志希「志希ちゃんの、ジュース、美味しかったよ! はいドゾー!」

P「は、いや、なに? まぁいいけど…」

P「……志希のジュース、美味しかったぞ」

P「これでいいか? ……ん? 志希…?」

志希「んっ…ふっ……♥」ゾクゾクゾクッ

志希「おっ、おーけぇ…おぉけぇ…くぅっ♥」

P「お前…体震えて…? 風邪か?」

志希「だっ、だいじょぶ! でもっ…ちょっと…おっ…おトイレ! イってくるねっ?」ドクンドクンッ

P「ぁ…。そうか…我慢してたのか…。デリカシー無くてすまん…」

志希「志希ちゃん…そのままイクから…じゃなくてぇ…帰るから…ぁんっ…じゃぁね…ぅっ」

P「おうおう、わかったから早く行ってこいって。…オフなのにありがとうな」

志希「ぅん、イクね…っ? イって…くるねっ?」


トボトボとおトイレへ向かう!
歩く刺激なんかでイっちゃわないように注意して進めぇー♪
あ、これ見ようによってはホントにおしっこ我慢してるように見えるかもー♪


  がらがらがら~~~がちゃん♪


志希「ううぅ……うにゃぁぁぁ♪ やっばいにゃぁぁ~~♪ これやっばいにゃぁぁ~~♪」ゾクゾクッ

志希「わーお! おぱんちゅ濡れまくりー♪ 替え持ってきた志希ちゃんエラーい♪」


  ずるん べちゃ!


志希「わーお! オマンコ濡れまくりー♪ って当たり前―♪」
  

  ぐじゅっ! にゅぷちゅ!


志希「んひっ…ぐぅぅぅっ♥」ブルッ

志希「や、やばっ…ズルズルだぁっ♪ 指三本…かんたんに…ふくっん…♥」


  ぐじゅ! ぐじゅん! ぐぷちゅん!


志希「ふぐぅっ♥ こ、これイイっ!! 指中に入れてぐじゅぐじゅぴすとんしてっ…はぁうぅん♥ 手のひらでぇんっ…クリクリ叩くのイイよぉぉぉ♥」ビクッビクッ

志希「んはぁぁ♥ イク♥ おっ…これイクっ♥ 簡単にイッちゃう……♥」

志希「イっっっ~~~~~くぅぅぅっ!!!」ビクンッ

志希「んんん………っ! はぁ、はぁ、はぁ~~~きもてぃ~~♥」ブルブル

志希「んあ……」

志希「……キミの録音………タップタップーっと」


  『志希のジュース、美味しかったぞ』


志希「うにゃぁああっ♥」ゾクッ


  『志希のジュース、美味しかったぞ』


志希「うはぁっ、んあっ、あっ、あっ、イっ……」

志希「んんぅぅぅぅんんんんっ♥」ビクンッ

志希「にゃは…にゃはは……」

志希「のーませちゃったーのーませちゃったーんくっ…志希ちゃんのらぶじゅーすぅぅん…のーませちゃったぁぁんっ♥」


志希「んっ…志希ちゃんのオメコ汁ぅ…入ってるリンゴジュースがぁぁんっ……一番おいしいなんて……うーれしーいにゃ~♪」

志希「だったらぁぁん♪ オメコ汁だけ飲んでみる~? ねぇ、のんでぇ? キミに飲んでもらえるならぁぁぁんっ♥ いくらでもオマンコいじいじして出してあげゆ~~っ♪」

志希「のんで? ねぇ~~の~んでぇ~~? 直接のんでぇぇぇ~~?」

志希「それでぇぇんんっ!! くっ、クリちゃんもぉ…一緒にナメナメしてぇぇ~~?」


  くりゅっ! くにににっ!


志希「こんな! ふうに! いっぱい! 舌でぇぇ! グリグリ! してぇぇ!!」

志希「んはぁぁんん!! すごっ!! どんどん! きもひよくなるぅぅぅ♥」

志希「んはぁ! はぁぁぁん!! あぁ! おっきいのくりゅ! ふぅっ! あうぅぅ!!」ゾクゾクッ


  『志希のジュース、美味しかったぞ』


志希「んおぉぉぉ………っ!!??」ブルブルブルッ


  『志希のジュース、美味しかったぞ』
  『志希のジュース、美味しかったぞ』
  『志希のジュース、美味しかったぞ』


志希「ふにゃぁぁぁぁぁあああああああんんん!!!!!」ビクンビクンッ


  ぷしっ♪ ぷしゃっ♪ ぷしししっ♪


志希「んはっ! んひぃ……っ! んっ…♥」

志希「……あひひひぃ♪ 志希ちゃん…クジラにひぃぃんっ…なっひゃったぁ♪」ブルブル


アタマが完全にバカになっちゃってるー♪
快感が凄すぎて脳細胞にも悪影響かも?
でもそんなのどーでもいー♪
こんなにキモチよかったらお釣りで豪邸が建っちゃうから♪


  しょろろ♪ ちょろろろろ♪ しょろろ~~~~♪


志希「んっ…ひゃぁぁ…おもらししちゃったよぉーー♥」ボーー


弛緩した下半身からおしっこがジョバーって!
便座の蓋を薄黄色にしつつ、便器を伝ってタイル床へ♪
見る見るうちに水溜りの出来上がり♪ あ、おしっこ溜まり?


志希「にゃ、はは……多いにゃぁ……んっ」ブルブル


  ちょろろ………


最後の一滴まで出し切って、溜まっちゃったおしっこをぼけーっと観察。
これ掃除大変だなぁ~。
モップ必要だなぁ~。
愛液くらいの量だったら簡単なのになぁ~。
愛液溜めるのにあれだけ時間かかったのに、おしっこなら一瞬かぁ~。
これコップ一杯分くらいあるかなぁ~。

………。
いやいや、それはさすがに……。


志希「…………」ドキドキッ


だっておしっこだよ?
唾液や汗や愛液はちゃんとした役割のあるとっても大事な体液。
でも、おしっこは…。
これいらなーい♪って体から排泄されるゴミだよ?

……。
え、うそ…。
あたし…だから良いって…ゴミだから良いって思っちゃってる…?


志希「………」ドキンッドキンッドキンッ


ごめんねぇ…プロデューサー。
こんなにヘンタイな娘、気持ち悪いよねぇ…。
ごめんねぇ…。
ほんとに、ごめんねぇ…♥


――――
―――
――


ドラフトの稼働音も気にならなくなるくらいの長い時間ずっと見続けてる。
ガスバーナーで熱せられた枝付きフラスコ。
その枝から冷却用の水につけられた試験管に一滴、また一滴。
簡単な蒸留の実験。
こんな単純な実験をするの何年ぶりかなぁ~。
すぐ隣にある自分のマンションに帰りもせず、一晩中この実験室で結果の分かり切った実験を続けてる。


志希「………」


色、透明…。
匂い、無し…。
pH、ほぼ中性…。


精製された液体はただの水。
何度繰り返してもただの水。
元は薄黄色のあたしのおしっこでも、ちょっと一手間加えれば簡単に水になっちゃう。
とはいえ、絶体絶命のサバイバル状態でもなければ、これを進んで飲む人はそうそういない。
でも組成上は何の変哲もない水だから、内緒で飲み物の中に混入してしまえば絶対に誰も気付けない。
昨日までおしっこだった水を誰かに飲ませることなんて簡単…。


志希「でもにゃあ~……」


そんなのじゃ足りない…。
あたしにとっては、元が何だろうが今水ならそれはただの水なのだ。
元はどうあれただの水を飲ませたところで、きっともう興奮なんてできっこない。


ちらりと、さきほど作ってみたカクテルを見る。
おしっこ:リンゴジュース=5:5 のカクテル。

匂いはたぶん…普通のリンゴジュース。
味は…わかんにゃい♪


やっぱり…こっち、だよねぇ…?


――――
―――
――



出した直後から雑菌が発生し始めちゃうからスピード勝負。
給湯室でジュース作っておいて、おトイレで瓶に出して、給湯室で混ぜ合わせて、はいゴクゴク、ってやってもらうしかない。


  ちょろろ…ちょろろろん♪


志希「はぁ、はぁ、はぁ…っ」ドキッドキッドキッ


これをキミに飲ませると思うだけでただの排泄がオナニ―みたいに気持ちいい。
あ、ラブジュースもトロリしてるー♪ 今はキミはいらないのよー♪


志希「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


要らない分はおトイレにさよならしてー♪
臆病な志希ちゃんは10%から始めることにしたのー♪

瓶に蓋をして急いで給湯室に向かえー!


そしてぇ!オレンジのフレッシュジュースにぃ!だばー♪ かろんかろん♪


志希「かんせいっ♪」ペカー



キミの元へ急げー!




志希「プロデューサー!飲んで!これ飲んで!!」

P「はぇ!? 志希!? いきなり何!?」


志希「おねがい! 早く飲んで! んっ…はぁ!はぁ…!」ドキンッツドキンッ

P「えぇ!? あ、今日の差し入れ? って、そんなに息切らしてどうした?」

志希「そっ、そんなのはイイからぁ! おねがいぃぃ! 早くぅぅ!飲んでぇぇ!」

P「ちょ…!? いや、飲むけどさ…。ありがとな?」


志希「のんで…あたしの…のんでぇ……」バクンッバクンッ

P「……ん、今日はオレンジジュースか…ごくっ…ごくっ……」

志希「ぁ……ぁははぁぁぁ………♥」ゾクゾクゾクッ

P「ごくっ…。うん、今日のも美味いなぁ…ただ……」

志希「な、なに!? ただ、何っ!?」ドキンドキンッ

P「ただ、少し酸味が強いかなぁ…。こういうのもたまには良いけど…ごく、ごくっ…」

志希「あは…はは…酸味…? あはっ…それきっと……っ! あはぁぁ♥」ゾクゾクッ


P「んぐっ…ごくっ………うん! でもやっぱ美味いな!」

志希「ぅぁうっっっ♥」ビクンッ



志希「ヤ、ヤッタァ…オイシイッテ…シキチャンノオイシイッテ……っ!」ゾクゾクゾクッ


志希「カ、カエルネ…シキチャンカエルネ…オトイレイッテカラカエルネ…ジャアネ…」ボソボソ



P「ん? 帰るのか? お疲れ様。今日もありがとな~」



  がらがらがら~~~がちゃん♪


志希「うあああああああんんんん!!!」ビクン

志希「やばいやばいやばい!! バカになるばかになっちゃうぅぅぅう!!!」


  ぐじゅっ!ぐじゅ!!じゅちゅううう!!!


志希「志希ちゃんのおしっこ、おしっこ♪おしっこ! 飲ませちゃった!飲ませちゃったぁぁぁっ♥」

志希「志希ちゃんの排泄物! ゴミ! キミに飲ませちゃったぁぁ♥」

志希「ひっぃぃぃ!! きもちいい!!! くりちゃんキモチイイ!!」

志希「じーすぽ♥ じーすぽぉ♥ おっ♥ おぉぉっ♥」ヒクヒクッ


  ぐりぐりぐりっ♪


志希「ほぉぉぉおおおおお゛お゛っ♥♥♥」ビクンッ


  ぷしっ♪ ぷしししゃ♪


志希「すごぉぉいい♪ やばいぃぃん! イケぇるんだぁぁぁん! んはっ♥」

志希「おしっこ、飲ませられるんだぁ! やった! やった! やったぁ♥」

志希「ごめんねぇ! ぷろでゅーさーごめんねぇ!! うはぁぁん♥ もっとのませちゃうねぇ!」


  ぐじゅぐじゅっ♪ ぷししっ♪ ぐじゅっ!


志希「はひぃぃいいぃん!! んあっ、イック、イックぅあああイクゥぅぅうん♥♥♥」ビクンビクンッ










……。




でもぉー実験でもなんでも、ずっと順調にはいかないよねー♪

げんなりー♪


――――
―――
――



P「んんっ!!??」

志希「はぁっ!はぁっ! ど、どしたの…っ?」


P「志希、正直に言うが…これはちょっと酸っぱすぎる……」

志希「えぇ…? う、うそ…」

志希「ニジュッパーセントナノニ…モウダメナノ…?」

P「もしかしたら、使ってる果物が傷んでるのかもなー?」


P「まぁ、最後まで飲むけど…ぐびっ…んんっやっぱ酸っぱ苦い…っ!」


志希「ソンナ…オイシクナインダ…ダメダァ……ドキドキガドコカニイッチャタヨ……」



志希「プロデューサー…志希ちゃん帰るね…」

P「ん? そうか…。悪くなってる果物を掴んじゃうこともあるさ。気にすんなって!」

志希「あはは…。そうですね…あはは…」



んーーーーー!



溶液でなんとかなる…?


酸っぱくて苦いのをごまかせるような…。


酸っぱくて苦みもある…グレープフルーツとか?




あ! フラボノイド!



アンモニア臭さも消せる!

これだぁーー!



――――
―――
――



P「んぐっ……うん!美味い!」

志希「あっ、あっ……はぅぅっ♥」ゾクゾクッ


P「普通のグレープフルーツジュースとはどこか違う酸味と苦み…深いコクみたいな…」


P「ぐびっ…ぐびっ……うまぁ~。……ん? 志希?」

志希「んぁへ? ろひたの…? ふぁぁっ♥」ブルルッ

P「おまえ…やっぱり風邪ひいてないか…?」

志希「らいじょぶ…らぃじょぶぅぅぅ♥ んふぅっ♥」ビクン

P「……?」ゴクゴク







わーい!
20%クリアー♪


――――
―――
――



P「ん…? 今日もグレープフルーツか? いや全然OKだ」


P「ごくっ………ごくっ…………」


P「………んん~~。ちょっと酸っぱいなぁ~……んん~~~飲めなくはないけど…んん~~~」


志希「がーーーん!?!?」


P「ごくっ……うん……前のめっちゃくちゃおいしいリンゴのフレッシュジュースとかと比べるとなぁ~どうしてもなぁ~……ぐびっ」


志希「お、おっけぇ……作り方もう少し考えてみるねぇ……」






おー!のー!
30%リジェクトー!!






コレが限界、なのかにゃあ……?


――――
―――
――




志希「桃娘?」


藁にも縋る思いでグーグル先生に聞いてみたら、ずっと下の方に見慣れない単語をはっけーん♪
ざっと目を通しただけだけどこんなのきっと創作だよー!
どうやって昔の中国で一年中桃を収穫するのさ!?

……。

でも…。
食べ物が体臭に影響することは証明されてるし…。
数時間前に食べた物に近い匂いがおしっこからするっていうのはよくあること…。


志希「………」






そんなわけで、その日から志希ちゃんの食事はすべてフルーツになったのでした!


桃、メロン、スイカ、ブドウ、さくらんぼ、リンゴ、オレンジ、イチゴ、ブルーベリー、パイナップル、梨、キウイ、マンゴー、etc.
旬のものからそうじゃないのまで、お取り寄せお取り寄せー♪

あまーい!
あますぎるー!
糖尿病リスクやばーい♪


でも!


果物生活三日目を過ぎたころからとってもいい匂いがし始めたの!
志希ちゃんの体から!
それにおしっこもなんだか花の香りみたいなー♪
それもどんどん濃くなってく♪

そしてぇぇ!


30%クリアー!
40%クリアー!
50%クリアー!
60%クリアー!
70%クリアー!
80%クリアー!
90%クリアー!


一日10%ずつおしっこ濃度上げていって…。





ついに!

十日目ぇ!!!


――――
―――
――



体がだるい。
頭がぼーっとする。
体を引きずるように事務所へ向かってまーす。
果物だけってやっぱり無茶だにゃあ…。

夜ももう遅いから人の顔も良く分からないはずなのに、周りの人みんながあたしのことを見てくる。
アイドルだってバレてるわけじゃない……ってことは、そんなに匂いしてるのかなぁ?
あたしの鼻はもう麻痺しちゃってるみたいでもうよくわからないからざんねーん♪



事務所到着ー♪
ドアを静かにちょっとだけ開けて…あ、やっぱりもうキミだけだよね?
今日は絶対に他の人がいちゃいけないから、良かったよー♪


給湯室でショーツを脱ぎ捨てて、彼のグラスにいつもみたいにちょろろろん♪
うわぁ…果樹園みたいな匂いだぁ…♪
ぬるいジュースは美味しくないから氷を入れちゃう。
でもね、この氷、特別製なんだよ?
今朝、出したのを凍らせておいたモノなんだ♪
だからコレはカンペキに100%あたしのおしっこ…。
あ…またイっちゃった♥
今朝から何回目かな…?


  くちゅぷ……


おもちゃそうちゃーく♪
今日は…もう最後にするの♪
ぜーんぶ終わりにしちゃう♪
どんなことになるのかなぁ~♪
あぅっ……またイったー♪



志希「ぷろでゅーさー?」


P「んんっ!? 志希!? こんな時間にどうした!?」

P「ってお前、顔赤いぞ? フラフラしてるし、体調悪いんじゃ…!?」


あたしを見て驚いたプロデューサーが近寄って来る。
もう23時回ってるから、しょうがないかなぁ♪
そういえば、ちょっと前にキミに叱られたときもこのくらいの時間だったっけ?


P「おいおい、だいじょう…………っ!?」


あたしまであと3歩ってところで彼が止まる。
今度は彼がフラフラしてるよー♪


志希「どう…したの…?」

P「いや…お前……ここ数日……匂いが……」

志希「あたし…クサイ……?」

P「いやっ! そんなわけないっ! むしろ…逆だよ……」

志希「良い匂い…?」

P「……あぁ。近くで嗅いだら……おかしくなってしまいそうなくらい……」

志希「にゃ、はは~~、うれしいにゃぁ~~……」


残り3歩はあたしが埋めちゃった。
プロデューサーはあたしと初めて会ったときみたいに、どぎまぎしてる♪
ああ~そういうキミも久しぶりにいいなぁ~♪


志希「んっ♥」ビクッ


って、またイっちゃた♪


志希「はぁい♪ 今日の…差し入れだよ♪ んぐっ…」

P「あ、あぁ……ありがとう……」

志希「今日もね…ミックスジュースなんだけど…今日が最後なんだ♪」

P「そ、そうか……最近、特に忙しくなってきたからな…。俺は残念だけど仕方ないよな……」


そういう意味じゃないけどね…♪


志希「さ、飲んで……?」ドキドキドキッ

P「じゃあ…いただくよ……」


P「おぉ……今日は一段と匂いがすごいな……これだけで、とてつもなく甘いのがわかる……花束に顔を突っ込んでるみたいだ……」

志希「ぅぁ……っ」ゾクッ



P「……ごくっ」



P「!!!???」



P「ごくっ! ごくっ!! ごくっ!!」



志希「あ、あぁぁぁ……っ」ブルブルブルッ

P「ぷはっ!! なっ!? なんだこれぇ!!??」

志希「うぁあっ♥ ど、どう? 志希ちゃんの……美味しい?」ドッキンドッキンドッキン

P「こんなに美味い飲み物…っ! 飲んだことないぞっ!! ごくっ!ごくっ!」

志希「あっ、ああっ、あっ、あっ、あああっ♥」ビクッビクッ


一心不乱にあたしのおしっこを飲んで、美味しいって言ってくれて…『ばきーーーん!!!』って、あたしの頭の中で変な音が聞こえちゃった♪


志希「ね、ねぇ……ぷろでゅーさー…。これ…スイッチ入れてくれないかな?」

P「ん? なに…これ……?」


手のひらに収まるプラスチック製品を手渡す。


P「これ……まさか……いや……」

志希「おねがぁぁい! ね? ここのぉ…んぅっ…ボタン押すだけだから……んくぅっ♥」

P「し、志希………?」

志希「ね? 志希ちゃんのお願い。ねぇ? 押して? はぁぅっ……押して、志希ちゃんを楽にして?」ゾクゾクゾクッ

P「いや…まさかな………………?」ポチッ


   ぶるるるるるるるるっ!


志希「んひぃぃぃいいい♥♥♥」ビクンッ

P「はぁ!!?? 志希!? え!? うそだろ!? これほんとに!!??」

志希「だっ!! だめぇ!! と…めないれぇぇぇぇ!!!」ブルブルブルッ

P「お、おい……っ!?」

志希「ね、えぇっぇ♥ ぷろでゅぅさぁ……ごめんねぇ…志希ちゃん悪い子なのぉ♥」

志希「そ、そのぉ…差し入れ……志希ちゃんのおしっこなんだよぉ? はぁあぁん♥」

P「はぁ!?」

志希「ごめんねぇ…ごぉっ…めんねぇ♥ はぅぅぅんっ♥」

P「は? こ、これが……おしっこ……? は? こんなに美味いのに……そんなわけ…ないだろ…?」

志希「おしっこなのぉ♥ キミにあたしのおしっこ飲んでもらいたくてぇぇええんっ!! 美味しくなるようにぃぃぃ!! 果物ばっかり食べてたんだよぉ…? んんんっ♥」

志希「気持ち悪いよねぇ…? こんなヘンタイ…んはぁ♥ 気持ち悪いよねぇ…?」

P「は……へ……え……?」

志希「怒ったよねぇ…? 志希ちゃんに仕返ししたいよねぇ? いいよぉ♥ 仕返ししていいよぉ♥」

P「は…………?」

志希「このねぇ…っ、ローターのねぇ…? んっふっっ♥ つまみをぉぉおん♥ 一番んん♥ つよくすれば……か、簡単に仕返しできるよぉぉんんんっ♥」

志希「おっ、女の子が…イキ狂うところ……見たくないぃぃ? キミにぃぃ♥ ヤられたらかんぜんにぃ…イっちゃうよぉ? すごいイキ方、しちゃうよぉぉ♥」


P「…………」


志希「し、仕返ししてくれたらぁぁぁぁん♥ 志希ちゃん…きっキミにあげちゃうっ! 志希ちゃんをキミの好きにしていいよぉ?」

志希「アヘアヘしてるところ…動画に撮ってもいいしぃぃぃれいぷしちゃっても……いいからぁぁん♥」

志希「ねぇぇぇん♥ いいでしょぉぉ? んんんんっ♥ 志希ちゃんに仕返しぃしてぇぇぇん♥」

P「は…おまえ………ほんとに………」






P「………っ」グリンッ

志希「ぁ♥」




彼の手がクイっと動いて、見てみればつまみが最後まで回されてて……!


   ぶるるっるうっるつうつつつるるるるるうるううううっ!!!!!


志希「あぐぅぅぅぅううううぅぅ゛ん゛ん゛ん゛♥♥♥」ビクンッビクンッガクッ



100万ボルトが全身を駆け巡って、耐えられず膝から崩れ落ちちゃった♪



志希「あがっ♥…………っかひっ………♥♥♥」ブルブルブルッ



床に這いつくばりながら彼を見上げると…。


P「……ごくっ、ごくっ」



残りをぜーんぶ美味しそうに飲み干しちゃってて♪

グラスを空けた彼の手がアタシに迫ってくるー♪






それからそれからー♪

志希ちゃんはこれまでの全部をそっくりそのまま仕返しされちゃったのでした♪






めでたしーめでたしー♪

一ノ瀬志希 後編 終わり

以上になります。
お付き合いいただきありがとうございました。
何かしら感じてもらえたら幸いです。

最後の一線というか
まさかゼリー来るんじゃ・・・って身構えてたからなくてよかった

乙!
所で これまでの全部をそっくりそのまま仕返しされちゃったのでした♪の部分の描写はどうしたのかな?

色々と強烈だった

なんか今までの四人は普通だったのに最後で、数年に一度レベルのものを読んだ気がする
お疲れ様でした

最高や…


おっきい方じゃなくて良かった


最高や!

おっきいほうでもええんやで

フルーツ漬けのPか…

なんでだろうエロさよりもむしろ笑いが出たぞ?
最高に楽しかったおつ!

乙。
最後の最後でぶっ飛びすぎてて
やべえよ、やべえよ……

そんなぶっ飛んでないだろ
おつおつ

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