祥鳳「6月6日は漣ちゃんの誕生日ですね…」 (25)



瑞鳳「そろそろ祥鳳の誕生日だね」 漣「キタコレ!」の続き
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漣進水日記念に。

※シリアス注意。

※若干のキャラ改変&史実ネタ注意。



過去作
漣「6月1日は祥鳳さんの誕生日」
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暁「暁はレディーだから、恐竜なんて怖くないもん!」 提督「ほほう・・・」
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提督「11月7日は曙の誕生日か・・・」漣「キタコレ!」
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曙「11月17日は潮の誕生日か…」 加賀「私も…」
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6月3日 日本某所の新幹線内…



提督「あ、スジャー○アイスくださーい」」

店員「はい、300円になります」

提督「あざーす。ほれ祥鳳」

祥鳳「ありがとうございます…♪」パク

提督「おいしい?」」

祥鳳「はい!」モグモグ



祥鳳「提督…、あーん♥」

提督「お、おう…♥」パク

祥鳳「提督、おいしいですか?」

提督「あぁ。おいしいよ祥鳳」

祥鳳「ふふ。良かった…♪」ニコ

提督「たまには、ふたりっきりというのもいいもんだな」

祥鳳「はい…♥ でも提督、あのこと忘れちゃダメですよ?」

提督「ああ、わかってるさ。でも今は…」スリスリ

祥鳳「んもう…。提督ったら…」ポッ



???「なーにイチャついてるのよ、このクソ提督…」

提督「ウェ!?(;0w0) 曙、いつの間に後ろの席に!?」

潮「私も… お邪魔してます…」

朧「朧もいます」

祥鳳「み、みんな…!?」

曙「このクソ提督! ま~た祥鳳さん連れ出してイヤラしいことでもしようってんでしょ!?」

提督「違うもーん、漣の誕生日プレゼント買いに来たんだもーん、ねぇ祥鳳?」

祥鳳「そっ、そうです…ね…」///

曙「…そうなの?」

提督「そうなんです」

潮「…そうなんですか」ニッコリ

提督「お前らこそ、何しに来たんだよ?」

曙「決まってんでしょ? クソ提督が祥鳳さんに変なことしないか、監視するためよ!」

潮「え? みんなで漣ちゃんの誕生日プレゼント、買いに行こうって…?」

曙「ハッ、ハァァァ!? な、何言ってんのよ潮!?」

提督「ほほう…」

曙「な、な、なんであたしがあんなエセメイドなんかに、わざわざプレゼント買ってあげなきゃいけないのよ!?」

朧「え? 曙が最初に日本まで行って買いに行こうって言ったよね?」ニヤニヤ

曙「違うのっ! 違うったらぁぁ!!」///

祥鳳「曙ちゃん、電車の中で騒いじゃダメよ」

曙「あ、すみません…。…ってちがうっ!」

朧「曙は本当に漣が好きだねー」ニヤニヤ

曙「だから違うって! い、いつもお世話になってるから! 仕方なくなんだからね!」

祥鳳「ふふ…」

曙「や、やだ。笑わないでよ祥鳳さん…」

祥鳳「そうですね。私も、漣ちゃん大好きです…!」

朧「そう言えば、漣と祥鳳さんって仲良いですよね」

祥鳳「えぇ」

曙「しかもお姉様とか呼んでるし…。やっぱりアレですか? 珊瑚海で一緒だったから?」

祥鳳「ううん。それもあるけど、それだけじゃないの…」

潮「しょ、祥鳳さん…。その話は…」

祥鳳「ううん、いいの。曙ちゃん達には聞いておいてもらいたいから…」


祥鳳「私が、前の鎮守府から捨てられて、ショートランドに転属されたって話はしましたっけ?」(※過去作参照)

曙「そうだったっけ…?」

潮「朧ちゃんと曙ちゃんはまだ、その頃ショートランドに着任してませんでしたからね。七駆は漣ちゃんと私だけでした」

祥鳳「あの頃、私は誰も信じられませんでした…。『あの時』のこともあって、仲間なんて、いなくたっていいって…。そう思ってました…」

曙「あの時? ってなによ…?」

潮「曙ちゃん、アレだよ…。アレ…」

曙「…! あぁ…。珊瑚海海戦ね」

祥鳳「あの頃のことね、思い出したの。私、というか軍艦の『祥鳳』の記憶かな…」

曙「…」

祥鳳「私ね、艦娘になってから知ったの。『祥鳳』がどんな風に扱われたか」

曙「…」

祥鳳「みんなのために戦い、盾となったのに、誰にも顧みられず、誰にも悼まれなかった。だから、一時期ね、だれも信じられなくなったの…」※

朧「…」

祥鳳「だから、もう仲間なんていらないと思っていた。せめて戦い抜いて、また海に還ろうって」


※悲しいことに祥鳳の慰霊碑は存在しないのです…。
ちなみにオーストラリアの教会に祥鳳とレキシントンを悼むステンドグラスが飾られています。


あの日から、誰も信じない。そう心に誓っていた。

そんな時、この鎮守府で出会ったのが漣ちゃんだった。

「祥鳳さん! お久しぶりです!」

漣? あぁ、珊瑚海で一緒だったっけ。

最初はそのくらいの認識しかなかった。

出会って以降、彼女は私に付きまとうようになってきた。

「祥鳳さん、出撃ですか~? 漣もご同行します!」

「元気な朝(゚∀゚)キタコレ!! おはようございます、祥鳳さん!」

「祥鳳さん、このマシュマロ、ウマウマですよ! おすそ分けしてあげます!」

出撃をすれば後を追いかけ、演習に出れば自ら的になろうとする。

出撃がない時はやたらと私に絡んでくる。

正直、最初は鬱陶しかった。

なんでこの子は私に関わろうとするの?

ただ史実で一緒だっただけ。それだけじゃない。


もういい。仲間なんていらない。

辛いことなんてもう思い出したくない。

でも提督もそんな彼女を止めようとはしなかった。

何度抗議しても「いいから仲良くしてやれ」の一点張りだった。




気が付いたら私は一人だけで戦うようになっていた。まるで珊瑚海のときのようだった。

ほかの空母とも足並みを揃えられず、ただ一人で敵を撃退していた。

でもどれだけ戦いには勝てても、嬉しくなかった。心は晴れなかった。

隼鷹さんや龍驤さんからは苦い顔をされ、軽巡や重巡からも避けられ、少しずつ孤立し始めた。

次第に私は一人でいる時間が多くなった。

そんな時でさえも、漣ちゃんは私に付きまとってきた。

「祥鳳さん、そんな顔してたら幸運が逃げてしまいますぞ~!」

どれだけ私が一人でいようとしても、あの子は私に声をかけ続けてきた。

今思えば、あれはあの子なりの優しさだったんだと思う。

でもあの時の私には、それがわからなかった。

自分のことしか見えていなかった。



そんなある日、提督に出撃を命じられた。

「次の海域は漣と出撃してもらう」

その日は新しい海域だった。

いつものように私達空母が対空能力に乏しい敵を蹂躙し、傷ついた敵を重巡や軽巡らが仕留める。

簡単な話だと思っていた。

でも、その日は違った。

敵艦隊に空母ヲ級がいた。

今までとは違う、私と同じように艦載機を放つ敵。ヌ級とはワケが違う強さだった。

ヲ級によって艦載機達を尽く撃ち落とされ、私は呆然と立ち尽くした。

「うそ、そんな…?」

反撃手段がなくなった私に、敵艦載機が襲いかかった。

だめ、沈む…。また、また、あの時と同じだ…。

恐怖に怯え、思わず私はうずくまった。

その時だった。


あの子があの小さな体で私を庇った。

漣ちゃんはボロボロになり、盾となって爆撃をその身に受けた。

「な、なんで…!?」

傷つきながら、あの子は微笑んだ。

「もう、あの時みたいに、ひとりで、沈ませたりなんか、しないですから…」

その時ようやく気付いた。

そうだったんだ。あの子は、ずっと悔やんでいたんだ。

あの時、私を守れなかったことを。

だから、ずっと私を励まそうとしていたんだ。

それなのに、私は…!

「ごめんなさい、ごめんなさい…!」

その日、私は久しぶりに泣いた。

涙が漣ちゃんの周りにこぼれ落ち、海につぎつぎと波紋を作った。



漣ちゃんが大破し、やむなく私達は撤退、作戦は失敗した。

「ごめんなさい、提督! 私が身勝手なことをしたせいで…! 漣ちゃんまであんな怪我を…!」

作戦後、私は提督に何度も何度も詫びた。私が処罰されるのはいい。でも、あの子には責任を負わせたくなかった。

「顔を上げろ。みんな無事ならいい」

提督はそんな私を許してくれた。

「よし、おしりぺんぺん100回で許してやる」と言ってくれた。

直後、怪我で動けなかったはずの漣ちゃんがライダーキックを放ち、提督が気絶して結局うやむやになったけど。



それから、私は提督と漣ちゃん、ふたりのことが好きになった。

もうひとりじゃない。こんなに私を大切に思ってくれる人がいてくれた。

そう思うことで、私はみんなに優しくなれるようになった。

少しずつだったけど、漣ちゃんが励ましてくれたおかげで明るくなれたし、みんなとも仲良くなれた。

漣ちゃんと提督がいてくれたから、私は辛い過去を受け止めることができた。



曙「そんなことが…」

祥鳳「それからかな。あの子と仲良くなったのは」

潮「そうでしたね…」

祥鳳「漣ちゃんは、私にもう一度人を信じることを教えてくれた、大切な人なの」

曙「…」

祥鳳「それに、あの子と一緒にいると、楽しいの」

潮「そうですね、漣ちゃんはいつもみんなを明るくしてくれます」

朧「うん、ちょっとわかるかも…」

曙「まぁ、あいつがいないと静か過ぎて退屈だからね」

祥鳳「…曙ちゃんも、漣ちゃんが大好きなのね」

曙「だから違うって! そういう意味じゃないから!」/// 

提督「そうかそうか」ニヤニヤ

曙「笑うなクソ提督! あとニヤニヤすんなキモい!」



6月6日 ショートランド鎮守府・・・


漣「あー、暇ですよ瑞鳳さ~ん…」

瑞鳳「はいはい、卵焼き焼いてあげよっか?」

漣「もー食べ飽きたっすぅ~。お姉様も曙ちゃんもいねーし、退屈です~(´-ω-`)」

瑞鳳「まぁ曙ちゃん達もいるから変なことはしないと思うけど…。たぶん…」



瑞鳳「そう言えば気になったんだけど」

漣「なんじゃラホイ?」

瑞鳳「漣ちゃんってさ、なんで祥鳳のことお姉様って呼んでるの?」

漣「ほ、ほほう…」

瑞鳳「気になったから。綾波ちゃんや曙ちゃん達はそんな風に呼ばないのに」

漣「そ、それは自分が『おねえちゃん♥』って呼べないから、ヤキモチですか~?(;-∀-)」

瑞鳳「なっ…! ちっ、違うもん! 気になっただけだもん!」///

漣「ま、まー。瑞鳳さんには秘密にしときますわ~ <(゚ε゚)>」

瑞鳳「なによ、教えてくれたっていいじゃない!」

漣「ダメです~。これは漣とお姉様の、ふたりだけのすてきな秘密です~!」

瑞鳳「ぐぬぬ…! なにそれ…」

漣「教えてなんかやらないですもん! ベー!」

瑞鳳「むむむ…。教えなさいよ~! じゃないとくすぐるわよ~!」

漣「ふふ~ん、漣は口が堅いから無理ですよーだ!」

瑞鳳「喰らえ、瑞鳳流くすぐりの刑~!」コチョコチョ

漣「あは、アハッハハハハ! ちょwww やめてwww 死ぬからwww」



漣(あの人をお姉様と呼んでる理由なんて…。恥ずかしくて言えるわけないじゃないですか…)


それは、とある夏の暑い日のことでした。まあショートランドはいつも暑っ苦しいですけどね。

「お姉さま、今日も蒸し暑くて漣くたばっちまいそうでぇす・・・!」

暑さにやられた漣はついつい本音を口に出してしまいました。

「お姉さま・・・? 漣ちゃん、それって私のこと?」

「あっ・・・!」

しまった。

これだけは何があっても胸の内に秘めておこうとしていた言葉だったのに。つい暑さにやられて口が滑ってしまいました。

「い、いえあのその、これはその・・・、綾波お姉さまがいらっしゃるかと勘違いしちゃいまして・・・!」

漣は必死に取り繕おうとしました。

『あの時』も、『今』も、祥鳳さんにはお世話になりっぱなしでした。

秘書官の仕事でも、戦闘でも、強く優しかった。艦載機の爆撃で戦場を制圧し、お料理も美味しい。

ちょっと子供っぽくて天然でヤキモチ焼きだけど、誰よりも優しく素敵な女性。

私にできないことをたくさんできる人。

いつの日か、そんな彼女に憧れ、胸の内で「おねえさま」と呼んでる自分に気づきました。

でも、そう呼ぶことは控えていたのです。


彼女には大切な妹さんがいる、漣がでしゃばってはいけない。

なにより、『あの時』彼女を看取ることしかできなかった漣にはそう呼ぶ資格はない。


そう思って、我慢し続けていたのに、このザマであります。

漣は自分が恥ずかしくて堪りませんでした。


そう思って、我慢し続けていたのに、このザマであります。

漣は自分が恥ずかしくて堪りませんでした。

「べっ、別に祥鳳さんをその、おねえさまと呼びたかったわけではなくて、あの、その・・・!」

「漣ちゃん」

「はっ、はひぃぃ!!」

思わず緊張して、身体が固まってしまいました。

「もう一回、おねえさまって呼んで」

「へっ・・・?」

私、意外な言葉に目を丸くしました。

「私ね、漣ちゃんがずっと妹だったらなって思ってたの。だから、嬉しかったよ」

「で、でも・・・。漣、祥鳳さんのことをまも・・・」

言いかけた言葉は、あの人の指で「めっ」とされて遮られてしまいました。

「いいのよ。今、漣ちゃんがこうして傍で支えてくれるから。私、幸せだよ」

「ふ、ふぇぇぇ…」

その時、漣は恥ずかしながら泣いてしまいました。

祥鳳さんに妹のように思ってもらえるって言ってもらえたのが、こんなに嬉しかったなんて予想外でした。


「ほら。もう一回、お姉さまって呼んで?」

促され、渋々口を開きました。

「し、祥鳳お姉さま・・・・」

頬を染め、彼女の瞳を見つめて言った。

「ふふ、漣ちゃんかわいい・・・!」

祥鳳さんにギュッと抱きしめられました。

やわらかくて、あったかかったです。

「妹なんだから、お姉ちゃんにいっぱい甘えていいのよ?」

「は、離してくだせ~! 漣は子供じゃねーですぅ~!」

でも、こんなに暑いのに、祥鳳さんに、お姉さまに、いつまでも抱きしめてもらいたかったのでした。




瑞鳳「ほらほら~、」コチョコチョ

漣「あは、アハハハハハハwww ほんとwww やめてwww しぬwwww しぬwww」



提督「ただいまー!」ガチャ

漣「お、お帰りなさいませご主人様、祥鳳お姉様! ア~ンドゆかいななかまたち♪」

曙「誰がゆかいななかまたちよ!」プンスカ


提督「はい漣、誕生日おめでとう。これ俺からのプレゼント」

つダブルドライバー&ジョーカーメモリ

漣「(゜д゜) ご主人様、何これ?」

提督「何って、仮面ライダーダブル変身セットだけど?」
漣「…」カチッ


\ジョーカー!/


漣「調子に乗ったので、ぶっ飛ばしますね!」ジョーカーエクストリーム!!!


提督「ぐはぁっっ!!」バタン

曙「…だからやめとけって言ったのよ、クソ提督」

漣「ハァ…、ほんとウチのご主人様はダメダメですね。まぁ受け取ってあげますけど」

祥鳳「あはは…」



祥鳳「はい、漣ちゃん。お誕生日おめでとう。これ、私からの誕生日プレゼント」


つうさぎのぬいぐるみ


漣「お、お姉様から直々に、プレゼントですか!? ありがとうございます!」

祥鳳「気に入ってもらえた?」

漣「もちろんですとも!」

祥鳳「そう、なら良かったです!」

瑞鳳(いいなぁ…)

祥鳳「漣ちゃん、これからも、ずっとそばにいてね!」

漣「えへへ… もちろんですぅ…!」ニッコリ

潮(漣ちゃん嬉しそうだな…)


曙「こ、これはあたし達七駆からよ…」


つ苺ケーキ


漣「おおっ! ケーキ(゚∀゚)キタコレ!! しかも"We love Sazanami"って! (゚д゚)メチャウマ」

曙「か、勘違いしないでよね! 潮と朧がどうしてもって言うから、しかたなくなんだからね!」///

潮「そうだね」ニコニコ

朧「そうだね」ニヤニヤ

漣「そうですか~(・∀・)」ニヤニヤ

曙「うっ、うるさいわよ! ほら、さっさと誕生日会始めるわよクソ提督!」///

提督「おう…!」


一同「漣ちゃん、誕生日おめでとう!」



おしまい

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