佐天「牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力かぁ」 (59)

フィクションです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465011270

初春「佐天さん!能力者になったって本当ですか!?」

佐天「…うん。まぁ…そうみたい…」

初春「よかったですね!おめでとうございます!それで一体どんな能力だったんですか?」

佐天「『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力』だって…」

初春「……はい?」

佐天「牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力だよ…」

初春「…え、えっと…それって一体どういう…」

佐天「私が知りたいぐらいだよ…」

初春「あ、あの。佐天さ

佐天「フフフ……笑っておくれよ初春。やっと目覚めた能力がこんなへんちくりん能力だったグズな私をさ……」

初春「そんなこと!と、とりあえず試してみましょうよ!私、牛乳買ってきます!」

佐天「じゃあ試すよ。初春。……えい!」

初春「…特に変わった感じはないですね。じゃあ、早速コップに注いでみますね」

トクトク

初春「…」

トクトクトク

初春「……」

佐天「どう?初春」

トクトクトクトク

初春「………」

初春「…………わかんないです」

佐天「え?」

初春「違い…全然…わかんないです……」

佐天「…………そう」

佐天「ありがとう。初春。ちょっと死んでくる」

初春「ま、待ってください佐天さん!きっと私が鈍感なだけで、他の人なら!」

佐天「そうだね。普段、牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らすことが出来ればなぁと思ってる人には神能力だよね。ハハハ」

初春「多分レベルが上がればもっと大きな違いが!」

佐天「2割?2割になるの?負担を2割減らせるの?じゃあレベル5になったら牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を5割減らせるのかぁ」

初春「あぅ…」

佐天「御坂さんにも勝てるかなぁ。あ、路地裏で不良に絡まれたら助けてあげるね。牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を5割減らす能力で。ふふふ…」

初春「佐天さん…」

黒子「あらお二人とも」

美琴「何があったの?暗い顔して」

初春「白井さんに御坂さん…」

佐天「…実は私、レベル1になりまして」

黒子「あらあら!おめでとうございます!」

美琴「一体どんn「牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力です」


黒子・美琴「………え?」

佐天「……」

黒子・美琴「……」


黒子「ユニークな能力ですわね!筋力操作系でしょうか!ね!お姉さま!」

美琴「そ、そうね!佐天さんらしい優しい能力ね!」

佐天「私らしいですか。そうですね。役たたずな能力ですよね…」

美琴「そんなことないわ!ちゃんと色々と役にたつ能力よ!?」

佐天「どんな場面で?」

美琴「……ぎ、牛乳を注ぐ時とか……」

佐天「…」

初黒美「…」

佐天「今日はもう帰りますね…」

初春「佐天さん…」

数日後

黒子「佐天さん、今日も姿を見せませんでしたわね…」

初春「電話も留守電にしか繋がらないし…やっぱり警察に「うーいーはーーるっ!」バサッ

初春「きゃ!さ、佐天さん!?」

佐天「おお!しましま!さすが初春!わかってるね!」

黒子「佐天さん!一体どこにいたんですの!?心配したんですのよ!」

佐天「いやー、ご心配おかけしてすいません!実はスカウトを受けて忙しくって」

初春「スカウト?」

佐天「うん。あれから牛乳メーカーの人から電話があってさ、是非力を貸してください!って言われてさー」

初春「牛乳メーカー…」

佐天「しょうがないから渋々!嫌々!私の超忙しい過密スケジュールの合間をぬって協力してたってわけ!」

黒子「佐天さん。笑みが抑えきれてませんですの」

初春「でも大変じゃないですか?牛乳1つ1つにやるの」

佐天「いや、なんか大本のタンクに向かって使っても効果があるみたい」

黒子「ますます訳のわからない能力ですの・・・」



こうして発売された『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』は売れに売れた

禁書「とーま!晩御飯のシチュー作るの手伝うんだよ!」

上条「大丈夫か?無理しなくていいぞ?」

禁書「大丈夫!この『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』なら私でも楽に持てるんだよ!」

上条「そうか。ありがとな」ナデナデ

禁書「えへへ///」



打ち止め「やっぱり『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』は持ちやすいねってミサカはミサカは長ゼリフを喋ってみたり」

御坂妹「牛乳を常飲する私たちにはありがたいですねと健気な努力をしていることをアピールしてみます」

一方通行「お前らそんなに牛乳すきだったか?」

打ち止め「お姉さまの壁を越えるには努力を惜しまないよってミサカはミサカはお姉様のDNAに悪態をついてみたり」



黒子「うぅ…この『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』なら痺れた私でも楽に持てますの」

美琴「あんたが朝からセクハラかますからいけないんでしょうが」

黒子「いえ、お姉様の成長具合を確かめようと…まったくお変わり無いようで安心ですの」

美琴「もう一発くらわせるわよ」



固法「『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』のおかげで余計な負担がかからなくて仕事が捗るわ」



小萌「『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』のおかげで今日もセンセー元気いっぱいです!」

佐天「ついにきちゃったかぁ・・・私の時代」

初春「何言ってんですか佐天さん・・・」

美琴「でもほんとにすごいわよ。お店でも品薄な状態だって」

初春「そうですね。ネットでもこんなに評判が・・・・・・え?」カタカタ

佐天「ん?どうしたの初春」

初春「い、いえ!なんでもないです」サッ

佐天「ん~~?あやしいなぁ~。さてはエッチなサイトでも~?」

初春「いえ!ほんとにたいしたことじゃ」

佐天「見せてみろ~~!」ガバッ

初春「あっ!!」

『なんか前より内容量少なくなってね?』

『やっぱり?俺もそんな気がしてた』

『計ってみた。少なくなってる。900mlになってる』

『マジで?一割少なくなって『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』って詐欺じゃない?』

『しかも値段据え置き』



佐天「なにこれ・・・」

初春「きっとなにかの間違いですよ!ネットは怪しい情報も多いし・・・」

佐天「そ。そうだよね!そんなことあるわけ…」


しかし、この情報は瞬く間に広がり社会問題となっていった

「次のニュースです。連日問題となっている『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』についてメーカーは協力者の能力に原因があるとの見解を-」


佐天「・・・・・・」カチカチ


『で、その詐欺能力者の氏名はマダー?』

『一般人で未成年だから公表しないらしいよ』

『マジかよ。こんだけの問題起こしておいてだんまりかよ』

『親のしつけがなってないんじゃないの?私だったらちゃんと謝罪するけど』


初春「佐天さーん。ご飯買ってきましたよー。って!何見てるんですか!」

佐天「あ・・・初春…」

初春「こんなの気にしちゃダメですからね!ただ騒ぎたいだけな人達なんですから!」

佐天「うん・・・」


佐天「初春・・・私ね…本当に人を騙す気なんかなくて……メーカーの人もなにも言ってなくて…私…私……」

初春「わかってますよ佐天さん…!」ギュッ

美琴「どう?佐天さん、ちゃんとご飯食べてくれた?」

初春「少しは…でも、それより精神状態が心配で…『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力』にこんな欠点があったなんて」

黒子「メーカーの人も気がつかなかったですもの…佐天さんが気づかないのも仕方ないですの」


固法「え?それはおかしわ」

黒子「固法先輩?」

固法「工場で生産された牛乳はきちんと品質管理されているはずよ。もちろん重量も一つ一つ正確に調べられるわ」

初春「でも佐天さんは何も言われなかったって…」

固法「確かよ。牛乳に関しては私はもはやプロよ」

美琴「確かに。説得力があります」ジー

黒子「しかしそれではメーカーが佐天さんに嘘をついていることに」

美琴「なんかキナ臭いわね」

初春「そ、そんな…佐天さん、メーカーさんの力になれるってあんなに喜んで…」

固法「それどころか佐天さんは責任を押し付けられた可能性もあるわね…」

初春「…許せない…許せません!佐天さんの気持ちを踏みにじるなんて!」

固法「落ち着いて。まだそうだと決まった訳じゃないわ」

初春「私、メーカーにハッキングして調べてみます…」

黒子「私の前でする気ですの?まだ確かなこともいえないのにさせられませんわ」

初春「大丈夫です。私なら痕跡を残さずにできますから」

黒子「そういう問題では!」

初春「関係ないです。親友が苦しんでるんです。見てるだけなんてできません。たとえ白井さんを敵に回してもです」

黒子「初春…」


美琴「…あー、黒子。ちょっと一緒に佐天さんの様子を見に行こうか。」グイッ

黒子「あっ!ちょっとお姉様!?今はっ」

美琴「いいからいいからー」ズルズル

初春「御坂さん…」

固法「…私もパトロールにでも行ってこようかしら。初春さん、私このまま直帰するから戸締りよろしくね」

初春「皆さん…ありがとうございます…!」



カタカタ

カタカタカタ

初春「うーん。やっぱりたいした情報ないなー。やっぱり私の考えすぎだったのかなぁ……ん?」

初春「なんだろ?ここだけ妙にセキュリティが強化されてる。でもこれくらいなら…」カタカタ

初春「よしいけた。どれどれ~……こ、これは」

佐天「…」

佐天「ハハハ…なんで私っていつもこうなるんだろ…」

佐天「せっかく私なんかの力が役に立つと思ったのに…またこんな…世間に迷惑かけて…ううぅ」



初春「佐天さんは悪くありません!」バン

佐天「え!?う、初春!どうしたのこんな時間に!?」

初春「はぁはぁはぁ。すいません驚かせて。至急知らせたいことがあって。はぁはぁ」

佐天「だ、大丈夫?牛乳のむ?牛乳には体内の血液量を増やす効果があって、その結果として、疲労回復の効果とリラックス効果が…」

初春「そんなのいいですから、とにかく事務所にきてください!」

事務所


黒子「なんですの初春。こんな時間に呼び出して。もし抜け出したのがバレたら…」ガクガクブルブル

佐天「白井さん。牛乳に含まれるビタミンAは皮膚を強くして怪我をしにくくするみたいですよ」

美琴「それで。初春さんなにかわかったの?」

初春「はい。これを見てください」パサッ

佐天「なになに。『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者の選定及び牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者を用いた収益向上計画について』」

個法「なによこれ…」

初春「それには牛乳メーカーの卑劣な計画が書かれていました。内容量の不正を行い、差額で利益をだす」

黒子「そして、軽くなった分を『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力』と称し、不正がバレたら能力者にその責任をおしつける…」

美琴「最低の計画ね」

佐天「牛乳といえば、各ご家庭に必ず1本はある牛の生み出した至高の飲料。短期間でもその利益ははかりしれない…」ゴクリ

ネタバレ
サテンサンは今も無能力者


佐天「って!でもそれはたまたま私が『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力』に目覚めたから成立する話じゃ」

初春「だから…無かったんです……そんな能力……!」

佐天「……え?だ、だって能力測定で……」

初春「メーカーから多額のお金が振り込まれた形跡がありました…それで検査結果が『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力』に偽装されたんです…」

固法「佐天さんは能力にあこがれていて、大きな後ろ盾を持たないただの学生。『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者』にするには最適だったわけね」

佐天「じゃあ…私は『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者』じゃなく…まだ…無能力者…そんな……」


>>37 正解


佐天「初春…私ね、メーカーさんの、小さな子やお年寄りでも持ちやすい牛乳作りをするって言葉を本気で信じてて…力になれればと思って…」

初春「佐天さんは悪くありません!すべては『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』と言ってお値段据え置きで量を減らしたメーカーが悪いんです!」

黒子「その通りですの。私は明日の朝一でこの情報を信頼できる出版社に持ってきますわ。」

センテンススプリング
『本誌独占スクープ!!『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』の真相!!』

『『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者』は被害者だった!!』

『問われる牛乳メーカーのモラル!!』

『ネット民平謝り!!』



『お前らは『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす能力者』さんにごめんなさいしないといけないよね』

『俺は最初から牛乳メーカーが怪しいと思ってたよ』

『俺がいくら言っても、お前らは全く聞く耳持たなかったよな。ごめんなさい。』

初春「疑いが晴れてよかったですね」

黒子「牛乳メーカーの株価も、あの不祥事で下落が止まらないらしいですし」

固法「それもあるけれど、メーカーは紙パックの原料を少なくする為に、横幅も5㎜小さくしていたらしいわ。」

固法「各家庭の冷蔵庫の牛乳ポケットはあの幅を計算に入れて設計されている。そして各ユーザーもそれを想定して牛乳の鎮座する場所を決めているのよ」

固法「その約束されたサイズを変更するということは、ユーザーの牛乳生活様式《ミルクライフスタイル》に悪影響を与える」

固法「結局、牛乳メーカーは人々の牛乳魂を見誤ったのよ」


初・黒「……はい」

上条宅


上条「うーん。やっぱり無いみたいだな。右手が反応しない」

佐天「あちゃー。覚悟はしてたけどやっぱり無能力でしたか…」

一方通行「こっちの反射もダメだな」

美琴「悪いわね。つき合わせて」

打ち止め「お姉様が困ってるなら当然だよ!ってミサカはミサカは露骨にポイントを稼いでみる」

御坂妹「そうです。私達は皆お姉様の力になりたいと思っています。という体でドサクサにまぎれて彼の家に上がりこみます」

上条「今回は災難だったな。まあ能力ならいつか目覚めるさ」

佐天「いえ、能力のことは残念なんですけど、それよりも色んな人を騙してしまったのが…良かれと思ってしたことなんですけど…」

上条「…………」

禁書「とーま。コーヒーいれたんだよ!」

上条「おっ!気が利くな!ありがとなインデックス」ナデナデ

禁書「えへへ///」

上条「……確かにさ、『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』というのは詐欺っぽかったかもしれないしモラルとしてどうかと思うけど…」

上条「でも、そんなに悪い事ばかりでもなかったんじゃないかな。」

佐天「え?」

上条「『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』は幻想だったとしても、それで得られた笑顔は本物だからさ」

佐天「上条さん…」

上条「それに、あれからインデックスもよく家事を手伝ってくれるしな」ナデナデ

禁書「えへへ///とーま。レディの頭をそんなに撫でるもんじゃないんだよ///」ナデリナデリ


美琴「……ちょっとお茶うけのケーキ買ってくるわ」

御坂妹「洗い物とかあったらやります。とお姉様のチョロさに呆れつつポイントを稼ぎます」

初春「佐天さん。あの…まだ落ち込んでますか?」

佐天「ううん。もう大丈夫だよ。初春達が支えてくれたしね」


佐天「私、自分を見失ってたんだと思う。みんなより劣ってるって考えて焦って…」

初春「劣ってなんていないです!」

佐天「うん。わかってるよ初春。本当に大事なのは『牛乳を注ぐときの腕の筋肉の負担を一割減らす牛乳』と同じで外見じゃなくく中身が大事なんだよね!中身が!!」

初春「佐天さん!」ギュッ

佐天「初春ー!…………ん?」

初春「はい?」


佐天「初春、いつもよりスカート短くない?」

初春「あ……。あ、あの白井さんが『スカートをめくるときの腕の筋肉の負担を一割減らす格好』をしていけって…」

佐天「え!じゃあこれ据え膳!?合法!?」

初春「だ、だめです!もう元気になったので違法です!犯罪です!」ダッ

佐天「あー!待てーーー!うーいーはーるーー!」

おわりです。
ありがとうございました。
最初に書きましたけどフィクションです。現実に似た商品があっても全く関係ないです。

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