男子「烏天狗ねぇ……」烏天狗「ふふん、恐れ戦けー! です!」 (33)

基本ほのぼのだけど詐欺

書き溜めはしない方向

亀更新

他に現在
男「妖怪?」妖狐「用かい!」
を書いていますので二つとも更新がゆっくりになりますがご了承を。

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男子「………………」

俺は今、目の前の地獄にたいしてできる行動も出来ず、ただ時間が過ぎ去って行くのを傍観するしかなかった。

こんな奇想天外なことがあるのだろうか、と何度も自分に問うたが、勿論俺自身そんなこと知らないので答えようがない。

彼女「とにかく!! 今度こそ嘘偽り無く本当のことを教えなさい!!」

男妹「そうです! こんな非常識が許される筈ありません! 不潔です兄さん!」

「だから私は怪しい者じゃ無いんですってばぁ~!」

朝から……頭が痛い。

特に某かあった訳ではないんだ。

起きたら隣に全裸の女がいて、昨夜の記憶がぶっ飛んでいて、それを彼女と妹に目撃されたっていう。

それなんてエロゲと言いたくなる気持ちは分かるんだが、俺の場合そんなギャグ補正だけじゃ許されない立場にいたから言葉もない。

かなりのブラコンで、俺に女を近付けさせない且つ20までに彼女がいなかったら私が一生そばにいる、という過激な発言をつい一ヶ月程前まで毎日のように言っていた狂喜の妹。

そしてそんな妹をあの手この手でかわし、将来的には俺を二人で共有するということで停戦条約を結んだ狂喜の彼女。

この二人を前にして、俺が他の女とベッドで良いことしていたなんて誤解をされれば、一寸の人権しか持たない俺は死刑宣告を予定されたようなものだ。

誤解を解かなければ……とは思うんだが否定材料が見つからない。

なにせ記憶がないんだから。

否定のしようも無いのだ。

男妹「兄さん! 兄さんの童貞は私のものって彼女さんとも約束していたんですよ!? どうして浮気なんてしたんですか!」

おーい妹よ、俺とお前は血の分けた兄弟なんだからあまり過激な発言は本当に控えてくれないかなぁ。

俺が高校に入学した辺りから急にイッちゃった妹よ、あの可愛かったお前はどこにいったんだ。

いや元々イッてたけど笑顔で巧妙に隠していたのかも知れない。

彼女「そうよ! 男子君の処女は私が貰うって約束だったのに!」

彼女に関しては割りと最初からイッてたのでもう気にしないことにした。

さて本題だ。

そもそもこの全裸の美少女は誰だ?

男子「……あの、お名前は」

烏天狗「烏天狗って言いますです!」

男子「あ、ご丁寧に」
彼女「はぁぁぁ!? どこの誰とも知らない相手に処女童貞一夜でアロホモラ!? どんだけガバガバなんですかねぇ!」

男子「待て待て! 俺の処女は奪われないに決まってるだろ痛くないし!」
男妹「ならその杖でアロホモラしたんですか!? 不潔です浮気者です汚ならしい!」

男子「ハリーを汚すな! アロホモラ婬猥な言葉に聞こえるだろ!」

烏天狗「私は烏天狗! 昨日あなたに助けてもらったので、恩返しに来ました! です!」

男子「恩返し? 助けた? え」
妹「助けたお詫びにおめでたですか!? もういい絶縁です絶縁! 絶縁して放り出されて貧困に苦しんだ兄さんを優しく迎え入れます!」

男子「すっげー甘い!」

彼女「身ぐるみ全部剥ぐから覚悟することね!」

男子「無一文よりもそっちのがキツいわ! 貧困に喘ぐ前に警察に捕まるわ!」

ダメだ……聞く耳持ってくれない……俺だって烏天狗ちゃんが誰か知らないのに……。

大体昨日助けたってなんだよ……俺は昨日大怪我してる烏を見つけて……。

それで色々してて夜遅くなって……?

烏天狗「はうあう……お二人が怖いのですねー……私は本当に昨日助けられただけなのですがー……」

男子「待て待ていやいや待て待て落ち着け時に落ち着け。ええと……俺が昨日助けたのは、烏一匹だよ?」

烏天狗「はい! その節はお世話になりました! 普通の烏に感付かれて攻撃されたのですよー!」

感付かれて……ほわ?

え、なにこの子怖い。

烏天狗「いやー、烏の生活って大変で大変で……つい気が緩んだ時に……」

男子「ちょ……ちょっと待てぇぇぇ!!! お前何者だよ!?」

烏天狗「昨日あなた様に助けられた烏ですってばー! その節はありがとうございましたー!!」

男子「どういたしましてー!? マジっすか!?」

烏天狗「ほらこれ! これが証拠です!」ぼふんっ

男子「わー! 羽が生えたー!?」

妹「お、お化けー!?」

彼女「ちょっと可愛い……」

あっ、そっちも良いんですね……。

烏天狗「とにかく! そろそろ烏生活も限界かなーって思ってたので、あなた様へのご恩返しも含めて、これからよろしくお願いするのですよー!」

……つまりあれか。

所謂妖怪ってやつか。

ニャンコ先生みたいな。

男子「がぁぁぁぁ!!!!! またかよ!!! 苦節17年! 頭のイカれた妹と尻ばっか狙う彼女にも負けず努めて普通な生活を心掛けてたってのに神様ってのは人を選びやがってんのか!? リアル妹に欲情なんてしねぇし俺は尻穴を開城するつもりもねぇんだよ!!! これ以上厄介事を増やすんじゃあない!!」

妹「……ふーん」

彼女「へぇー……」

怖いけど無視! 怖いけど無視!! 怖いけど無視!!!

烏天狗「なんとも涙を誘う魂からの叫びですねー。でもご主人! 私が来たからにはもう安心なのですよー!」

男子「お前が悩みの根元だ!! 恩返しなら帰ってくれることが一番の恩返しかなぁ!」

しゅんとしてしまう烏天狗。

これは妹と彼女がよく使う手だ、甘さにつけ込んだ罠。

もう騙される日々とはgood-bye。

烏天狗「ごめんなさいなのです……ご主人に……恩返し……ひっく……」

男子「さぁさっきまでの幻想とはサヨナラBYE-BYE、俺はお前と旅に出るぜ!」

烏天狗「本当ですか!? わーい!」

この幻想を誰かぶっ殺してくれぇぇぇ……!!!

いったんここまで。

それでは失礼します

あぁ、ちょっと状況理解に時間がかかったけど
キモウト(笑)と猟奇的な彼女(笑)と鴉天狗女か、納得
…駆け落ちしたほうが良いかもな?カラステングは仲間意識が強いらしいが…下手打ったら始末されそ
あ、これマズイ、前虎後狼っすわ、どこにも逃げ場ないパターン
だがそれが良い

烏天狗「改めまして……私は烏天狗! 皆さん天狗はご存知ですよね?」

天狗……某ゲームのせいで早くてウザくて新聞屋ってイメージしかない。

あと風を起こせたりする。

彼女「所謂妖怪の類いよね? 風起こしたりして、人間に悪さするっていう」

烏天狗「あっあっ、そういうのもいますけど、私たちは人間に基本的には危害を加えません! そりゃ人間が憎くないと言えば嘘になりますけど……でもご主人は良い人間ですから!」

俺そこまでのことした覚え無いけどなぁ……。

男妹「確かに兄さんは人並み外れたお人好しです。普通道端に烏が倒れていても汚いと言って見捨てると思いますから」

確かに汚いかも知れないけどさぁ……一寸の虫にも五分の魂だよ?

烏にだって適用されて然るべきだろ。

男妹「……にしても兄さん、またですか」

男「俺に言うなよ……俺だって望んでやってる訳じゃないんだから……」

烏天狗「また、ですか? どういう意味です?」

男妹「兄さんは生まれてからこれまで……正確には小学校低学年の時より、異常な人や事に巻き込まれやすい体質なんです。なんせその時、私が兄さんに惚れました。もうガチ惚れでした。その時からいつ兄さんの貞操奪ってやろうかって必死です」

男子「あーあーきーこーえーなーいー」

無駄な現実逃避をする。

あの頃の妹がそんなだったとか本気で認めたくない。

あの兄として俺を好いていると思い込んでいたそれが男女の情愛だったとか考えるだけで喉から手が出そう。

彼女「ちなみに私は実はガチレズ。男の子になんてまるっきり興味ないし私の処女は可愛い女の子にあげるって決めてるの。妹ちゃんも候補の一人よ」

男妹「丁重に返上させていただきます」

烏天狗「うわー……」

男子「やめてその心から出たかのようなそれ! マジ傷付き!」

烏天狗「人間の世も業深しですねー。あれ、でもじゃなんでご主人を?」

彼女「男子くんは特別。だってかっこいいし、私のために命捨てる覚悟までしてくれたから」

本気で死ぬかと思ったあの事件な……今じゃ懐かしい話だ。

まさか細菌テロが起きた場所から彼女を助けることになるとは思わなかった。

男妹「それと宇宙人にも会ったことあるんですよ、兄さん。実験用って言って連れ去られそうになったのを自力で突破して、その宇宙人の一人と淡い恋をして……今思い出すだけでもムカつき度半端ないです」

男子「だからあれはそういうんじゃないんだって……彼女すごい良い子だったし……」

男妹「兄さんを自分の星に連れていくのを断られたときの「このままでは終わらんぞー!」という叫びは、最後にスカッとさせられましたね」

本気で終わらなそうだから深く考えてなかったのに思い出しちゃった……。

あれから三年経った今でも時おり俺にだけ見える流れ星のようなものが見えるってのに……。

彼女「あとクトゥルフって知ってるかしら?」

烏天狗「え? あ、はい、知ってます。人間が作ったお話の中の登場キャラクターですよね?」

彼女「そのクトゥルフに遭遇したことがあるのよ、男子くん」

烏天狗「えっ!?」

新鮮な反応だな、いやこれが正しいんだろうけど。

男子「とはいっても、クトゥルフってそこまで怖いものじゃなかったよ。ずっと昔に人を驚かしたことがあるのを根に持たれて今みたいに伝わった、と本人に聞かされたし。妖怪と一緒で、害もいれば友もいるって感じだった」

烏天狗「そうなんですか……」

男子「『僕はどんな顔でも自由自在さ。さぁ、どの僕を抱く?』ってからかわれたこともあったから、イタズラ好きなのはまちがいないんだけどね」

彼女「…………だって、どうする?」

男妹「…………言わないでおきましょう」

何かヒソヒソと聞こえるが、この場合聞かない方が吉だ。

俺もそろそろいい加減学んだんだ……。

男子「そういうわけで、俺は今さら妖怪だろうが太古の武将だろうがクローン人間だろうが超能力者だろうが宇宙人だろうがクトゥルフ生物だろうが……つまり何が出てきても「またか!」と叫ぶことしかできないって訳だ」

男妹「細かいこともいっぱいあるから、本当に今さらなんですよね」

烏天狗「お辛い目にあわれてきたんですね、ご主人……でももう大丈夫! この烏天狗が来たからには守り抜きますとも!」

男子「…………はは、ありがとう」

思わず遠い目になってしまう。

こう言ってくれて最終的に斬りあった信長、元気かな……。

俺のクローン人間が地下帝国築いていて、俺を守りたいとか言ってたけど、俺に成り代わろうとしてたなぁ……あぁ、日常……。

烏天狗「あれあれあれー!? 遠い目しちゃいましたですー!?」

彼女「守る、とか支える、とかはトラウマ刺激しちゃうから禁止よ。良いわね?」

烏天狗「は、はいなのです!」

男子「……おっと、トリップしてた。ところで烏天狗」

烏天狗「はい! なんでもお申し付けくださいです!」

男子「飛行機とか生身で止められる?」

烏天狗「無理なのです!?」

おやすみなさい


鴉天狗ならカブト

いつまでも全裸で布団の中にいさせるのも悪いので、妹の服を烏天狗に着せることになった。

サイズは中々丁度良かったが胸の部分が小さいと言った烏天狗に、妹は歯軋りさせていた。

男子「……さて……そろそろ学校行くか。烏天狗はどうするんだ?」

烏天狗「あ……着いていっちゃダメです?」

男子「うーん、流石に無理だなぁ」

部外者を学校に連れ込んだとなれば、説教不可避だ。

俺は平穏無事に日常を終えたい。

自分から騒ぎを起こすのは好ましく無いのだ。

烏天狗「ならこれならどうです!?」

と言うと、烏の姿に変わった。

のだが……。

彼女「余計問題になりそうね」

烏はなぁ……。

ということで、啜り泣く烏天狗を家に置いて、三人で家を出る。

「男子ッ! 今日こそ勝負しろ!」

朝からのどかだなぁ……。

超能力者である超男くんが朝の挨拶をしてくれたので、敬意を込めて無視する。

男子「今日も、優しい時間を過ごせそうだ」

男妹「……そうですか?」

男子「そうだよ」

超男「おい! 無視するな!」

無視しないと相手しなきゃならんくなるだろ。

超男ワロタ

超男「そっちがその気なら……喰らえ!」

男子「あちぃ!? 何しやがるテメェ!」

超男「男子が無視するからだろ!」

男子「だからっていきなり炎ぶつけてくんな! 火傷するわ! つーか人に見られたらどうすんだよ!」

超男「いい加減俺のものになる決意を固めたらどうだ!」

あーもぅなんで俺の周りには変態しかいないんだ!?

レズを彼女にしたと思ったらホモにまで狙われる人生って、数奇!

男子「俺はノーマルなんだよ! いい加減理解しろ!」

超男「好きなんだからしかたないだろ! 掘らせろ!」

男子「やだえらく直球!? ちょっと男らしいけど無理!」

どうしてこんなんばかりなんだ俺の周りは……。

誰か助けて……日常を愛する俺に魂の祝福を。

超男「……く……ならせめて手を繋いで登校してくれ……!」

男子「初々しいカップルかよ!? 女になってから出直せ!」

男妹「女なら誰でも良いんですか……?」

男子「やぶ蛇……!」

これ以上ここにいると刺されそうなので、走り出す。

男子「アハハハハ! 誰が一番始めに学校に着けるかな! かけっこだー!!」

超男「一番になれば……付き合えるのか!?」

男妹「それなら私が……!」

彼女「まずは超男くんを殺さないと」

超男「汚らわしい女が俺に触れるな!!」

潰しあいを始めた!

これで安全に登校できる!

男子「……おはよう」

友「やーやー、朝から君たちも元気ですねぇ」

学校にたどり着く頃にはズタボロになった俺。

命からがらたどり着いた自分の席でようやく一息つく。

友「君の厄介な体質には同情を禁じ得ないですなぁ。頑張ってくれたまえ、応援してるよ」

男子「いやというかお前誰だよ」

友「やー僕は友。この科学技術を総結集した装置を使って君の友人という立場を獲得したから、これからよろしく頼む。まさか洗脳装置が効かないとは、たまげたなぁ」

男子「なに然り気無く洗脳してんだ!? やめろ!」

友「だーいじょうぶですよぅ、悪さはもうしませんってぇ」

男子「……で、結局誰なんだ!?」

友「覚えてないのですねぇ、いやー悲しい!」

隈だらけの眼鏡っこで危ないもん作ってる奴に知り合いなんて……。

いや……前にリアルメタルギア作ろうとしてたやつをぶっ飛ばすハメになったことはあったけど……いやまさかね。

友「こうなったら、僕のメタルギアでこの学校を壊して思い出してもらわないと」

男子「やっぱりお前かーい! なにしに来やがったいやマジで!」

友「これでも花の女子高生ですよぉ? そりゃここにいる意味なんて決まってるじゃないですかぁ」

そんな軽いノリで言われてもまったく納得できない。

今日はやけに色んなことが起こりよる……暑いからかな……。

友「さーさー、僕のような天才科学者とクラスメイツになれたんですから、大いにお喜びを! アーハッハッハ!」

男子「騒ぐな! 洗脳解いて出てけ!」

友「そうなるとー……男子さん、あなたを誘拐しなければならないんですねぇ。いやー困った困った困ったけどラッキー!」

話が通じない!

こういうのには常識でぶつかるしかない!

男子「……悪いが、本気で言ってるんだぞ。俺はお前みたいなのはだいっきらいだ。今すぐ出ていけば、事を公にしないから、早く」

友「子供は何人くらい欲しいんでー?」

男子「だ、だから……!」

友「あと僕のこと嫌いとかいう口は塞がないといけないですねぇ! さー改造が捗るぞー!!」

男子「あっちょその機械どこから出した!?」

うにょうにょと触手のような機械が俺を捕まえようと動き出した。

やだなにこれ気持ち悪い。

というか誰もまったく気にしてない!?

科学の力ってすげー!

ここまでにします

明日こちらを久しぶりに更新します

基本的にドタバタハチャメチャ劇場(笑)になる予定です

明日ってなんだよ(真顔)

やたら遅れましたすいません……
続けます

そんな機械を全て殴り壊してから授業を経て昼休み。

友「あーん(ハァト)」

男子「やめろぉ!!」

彼女「やめなさいよちょっと!!!」

俺は友と彼女に揉みくちゃにされていた。

授業中は大人しかった友だが、昼になった途端動き出した。

何が入っているか分かったものじゃない、液体の入った何かを俺の口に突っ込もうとしてきて、それを彼女が止めようとしている。

そしてクラスメートたちは操られているのか、俺の妨害ばかりしてくる。

入り口も塞がれているし、窓からの脱出も無理そうだ。

流石に殴り飛ばして逃げるのも気が引けるしなぁ……。

男子「おい! そろそろみんなを解放しろ! 」

友「これは皆が幸せになるためなのですよぉ。分かりますよねぇ?」

男子「さっぱり分からんって! あのなぁ!」

彼女「いいから離れなさいっての!!!」

男子「ぶべらっ!?」

か、彼女が助けてくれるのは嬉しいが、まったく助けになってない……!

友「邪魔しないでほしいですねぇ……」

友がユラ……と動こうとした時、入口を固めていたクラスメートが吹っ飛んでいった。

そこから……超男が現れる。

超男「男ォ!! 大丈夫か!!! 助けに来たぜ!!!」

来なくていいから……。

超男「テメェだな……男子は俺のもんだ!! 諦めてもらうぜ!!!」

友「ホモですか? 良いですねぇ……その頭がどうなっているのかヒジョーに興味がありますよぉ!!!」

超男「良いぜェ……テメェがその気ならやってやらぁ!!」

彼女「私の男子のことで勝手に話を進めないでくれない!?」

しめた……! 俺のことが視界外になっている……!

入り口の奴らを超男が蹴散らしてくれたおかげで、穴ができた……!

そんなこんなで、気付かれないように教室から出て、学食に行くのもあれなので、校舎裏に逃げ込んだ。

はぁ……腹減った……。

相談する相手もいない俺。

もうもしかしたらこの場所から逃亡するしか無いのかもしれない。

逃げた先でなにか一騒動起こるかも知れないが、あるいはこの場所と俺の関係が最悪すぎて、こんなことにまでなっているのかも知れない。

もう何年も頑張ってきたけど、そろそろ新しい道を模索するべきなんだ。


と思って学校から脱走して自転車を走らせること15分ほど。

まっすぐ進んでた筈なのに何故か学校に戻ってくる始末だ。

おまけに「神はいっている。ここからは逃げられないと」と脳内に響き渡る声まであるんなら、運命には抗えないということなのだろう。

神様お願いだ、俺に苦行を課す理由を教えてくれ。

男子「戻りたくないな……」

最強女「悪いが、ここから先は一方通行だ」

男子「……お、おどろかすなよ! びっくりしたぁ!」

ゆらりと俺の首を掴む最強女を振りほどこうとしたが、勝てるわけがない。

彼女こそは地上最強母の娘……喧嘩の仲裁をしようとして(弾けとんだが)以来とてつもない勢いで目をつけられた。

最強女「お前が逃げようとしてたからな。お前に気づかれない早さで向きを変えるのには苦労したぞ」

男子「一瞬突風に煽られたような気がしたけどお前のせいかよ!?」

最強女「まぁな」ドヤァ

こいつ……。

男子「なんで邪魔したんだよ……」

最強女「別に? あぁ安心しろよ、あの友とかいうやつはとっちめておいたし、洗脳も解かれてるぜ」

男子「そ、それは嬉しいけどさ。でも」

最強女「男なら逃げるなッッッッ!!!」

男子「っっっっっ……!!!」ビリビリ

あまりの迫力に喉がなる。

だが引くわけにはいかないんだ!

男子「これは逃げじゃない! 開拓だっ!!!」

最強女「開拓?」

男子「そうだ。俺だって馬鹿じゃない……もう何年も頑張ってみたさ。だがその度に裏切られて来たっっ! 空から女の子が降ってきたり宇宙空間に放り出されたり!! 俺はな……このままここにいるだけじゃない、新天地を求める段階に入ったんだよ!」

最強女「お前……」

男子「……そうだ。俺は……もう今までの俺じゃない! 流されるままスルーし続ける段階は終わったんだ! それこそ最大の逃げだということに気付いた! さぁ! そこを退いてくれ!!」

最強女「ふ……そうか。ならもうなにも言わん。邪魔して悪かったよ」

言いくるめ成功かよ!

このまま逃げきれる!

俺は晴れて……自由だ!

最強女「また厄介ごとに絡まれるだろうからな。俺も着いていってやるよ」

厄介ごとの極致みたいな奴がついてくるってよー!

烏天狗「話は聞かせてもらったのですよー!」ボンッ

あっー!!

最強女「さっきから気配がすると思ったが……これか」

烏天狗「私は男子様に救われた身……この命尽き果てるまでお供致しますです!」

男子「いや俺そこまで大したことしてないからぁー! 怪我してたのを治してあげただけだからぁー!」

脱兎!

俺の身体は空を飛んでそのまま新天地へと向か

最強女「知らなかったのか?」

烏天狗「魔王からは」

最烏「逃げられない」ガシッ

はっやつっよ

もがいても最早脱出不可能!

俺の冒険は終わった……。


今だから言うが、俺はアニメのキャラクターのキョンが嫌いだ。

いや、嫌いになったというべきかもしれない。

奴は俺の天敵だ。

悲しみを忘れるために行った映画館、奴は俺の前で日常を捨て去った。

その時から奴は俺の敵になった。

あいつのことは仲間だと思っていたんだ。

無理矢理非日常のなかに叩き落とされて、それでもなんだかんだと付き合い、なんとか騙し騙し日常を送っている奴だと、信じていた……。

烏天狗「早速どこにいくです!?」

最強女「俺の隣が世界で一番安全な場所だぜ、安心しろ」

こんな日常を望んでる奴なんているわけねーだろうが!!!

馬鹿かキョン!!!

お前なんて絶交だ!!!

こんなものしか書けなくて放置してたら忘れてました。
バキを読み込んでいたのは不正解でした……

次回、世界遊行編、始まります(多分)

まつ

a

( ゚д゚ )

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