京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」全国編 (918)

▼ご注意▼

 1.百番煎じの京太郎スレ

 2.キャラ崩壊&ご都合主義

 3.>>1の独自解釈による設定

 4.元々安価スレの予定だっため、ぶつ切り&描写薄

 5.麻雀素人による酷い闘牌描写

 6.チョロイン

 7.京太郎主観

以上のことを許容できない方はブラウザバックをオススメします


前スレ
京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編 - SSまとめ速報
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8月1週  

行動1回目  疲労度10

7.誰かと出かける  衣

        44       怪我    
        01~20     失敗   
        21~50     普通  
        51~80     成功   
        81~98    大成功 
        ゾロ目・77  超成功  

 1d100=60  成功  5の倍数 回復+1


 合宿が終わって数日、合宿では部屋に籠って椅子に座りっぱなしだったから、まだ体が凝っているような錯覚がある。

 そのため、俺はいつも通りというか、母親から頼まれたお遣いついでに体を解すための散歩に励んでいた。

 今日のコースは川沿い。閑静な住宅街からも少し外れた、程よい大きさの川。

 せせらぎと反射される陽光、時たま跳ねる銀の魚。熱風に近い空気にじっとりと汗が浮かぶ。

 そんな夏に相応しい情景の中を進んでいると、川縁に立つ見覚えのある姿を見つけた。


「衣さん」

「……ぬ、きょーたろーか」


 涼し気なワンピースに麦わら帽子、いつものカチューシャは帽子の中だろうか。

 小柄な体を覆わんほどの豊かな金の髪が風に揺れる。川面に向けられたままの瞳が思考の波に揺蕩っている。

 合宿では随分と楽しそうにしていたのだが、何かあったのだろうか。


「ふふっ、心配してくれるのは嬉しいがなきょーたろー。衣は大丈夫だぞ」

「そう……ですか? それならいいんですが」

「まあ、なに、簡単なことなのだ。確かに欝々と思索の海に沈んでいたが、きょーたろーと逢ってそれも晴れた。

 衣は、負けた。敵などいないとすら思っていたのだが二度も負けた。

 ああ、言うな。満月でなかったからだというのは確かにその通りではある。だがそれは力に溺れていたからこそ。

 だから気付かなかった。衣は孤独であると、父様母様に逝かれてしまい天涯孤独であると思い込んだ。

 でも、違うのだな。龍門渕では確かに蔵に押し込められたりもしたとも。換気用の窓にも鉄格子が嵌められ、時折覗く月を見るだけだった。

 しかし透華がそこから衣を出してくれた。まさに解衣推食。そして塞ぎこんでいた衣に人との関わりを作ってくれたのだ。

 一……純……智紀……それに歩やハギヨシ。そうだ、四鳥別離の果てには金蘭の契りたるものがあった。

 そうしてサキやケイ、ノノカ、きょーたろーとも逢えた。衣は、とっくの昔に孤独などではなかった。

 きょーたろーとサキ、ケイに驕りを掃ってもらってようやく気付けた……。こんなに幸せなことは他にない!

 父様母様に胸を張って言える、衣は今、幸せだって!」


 衣さんの感じていた寂しさ、辛さ、苦しさ苛立たしさ。それも麻雀を通しての出会いが払拭させた。

 それを知り、俺は顔がにやけそうだった。自分がその一助になったのだという誇らしさ、少女を幸せにできたのだという照れ。

 だからだろう、衣さんの挙動に全く反応できなかったのは。


「だから、これはお礼だよきょーたろー」




                              チュッ




「ほへ?」

「クククっ、また今度な、きょーたろー!」


 頬に柔らかい感触を受け、呆然としている俺をその場に残し、

 衣さんはいつの間にか現れていたリムジンに乗り込んで颯爽と立ち去って行ったのだった。

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∨:|        {∧ Ⅶ从=ミx \! z≠=‐|  |,イ  .!:::/

 Ⅵ          \乂」    ,         !  ! |   }∧
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                | !  /    `¨i´    |  |⊥._ / / ∧
                | ! r―rア'´ ̄ ̄!    !   |    ̄`ヽ ∧
                | ! |  .||  `ー.、   r―|   |      |/ ∧


天江衣の好感度が大きく上がった
一定以上の好感度時に出かけるを選択したため、絆を獲得
必然力がかなり上がった


評価

天江衣:きょーたろーか。我が背に相応しい覇気よ! →きょーたろーといると気分が良い!

行動2回目  疲労度8

7.誰かと出かける  美穂子

        44        怪我    
        01~20     失敗    
        21~50     普通   
        51~80     成功    
        81~98     大成功   
        ゾロ目     超成功    

 1d100=27  普通


 衣さんに頬にキスされしばし呆然としていた俺だが、夏の暑気は我を取り戻すのに十分だった。

 あまりの暑さに太陽を恨めし気に一瞥した俺は、少し歩いてからコンビニでお茶を買い水分を補給した。

 そうしてやっと人心地ついた俺は目的の駅前までたどり着いた。

 そこで今度もまた見覚えのある金髪……。違うのは片目を閉じた、豊満な肢体を持っている点。

 そう、風越女子高校麻雀部主将、福路美穂子さんだ。しかし様子がおかしい。誰かに絡まれているというわけではない。

 ただ何かを探しているようで、きょろきょろと地面や物陰を覗き込んでいる。

 ここは男の見せどころだ。颯爽と助けて見せればポイント高いんじゃなかろうか。

 そんな下衆なことを考えるも表情には出さず、無難に声をかけることに成功した。


「福路さん、どうかしましたか?」

「え? あ、須賀君。奇遇ね。その、買い物メモを落としてしまって……。確かこの辺だったはずなのだけど」

「メモですか。風も少しありますし、見つけるのは難しいのでは……。あ、でも電話なりで家の方に聞けばいいんじゃ」

「そう思ったのだけどなぜか壊れてしまって」


 そう言ってチラリと福路さんが視線をやった先にはコードが滅茶苦茶になって白煙を上げている公衆電話。

 携帯電話は持っていないのかを聞こうとするとジャケットの内ポケットから差し出されたらくらくケータイ。

 よくよく見れば液晶が完全にバグっている……。何をどうすればこんなことになるのか。


「私が使おうとすると電気製品がおかしくなってしまうのよ。部でも触らないでくださいって懇願されてしまうくらいで」


 ちゃんと使えればみんなの負担も減らせるのに、と残念そうな福路さんである。


 咲の迷子癖もそうだが、麻雀が強い人にはオカルトじみた欠点があるものなのだろうか。

 思えば桃子の影の薄さもそうだ。……とはいえ憩さんや絃さんにそういった何かがあると感じたこともないのだが。

 そんな益体の無いことは今は置いておくとして。福路さんが使うのがマズイなら俺が使えばいいのではないだろうか。

 そう思いついた俺は早速そう提案した。遠慮する福路さんに強引に押し切り、連絡先を聞き出し俺の携帯電話でかける。


『もしもし、こちら風越女子学園麻雀部女子寮です。どのようなご用件でしょうか』


 どうやら女子寮の番号だったらしい。ここで俺が話してもいいがそれでは拗れそうだ。

 声をかけたくらいで壊れることもないだろうし、マイクをオンにして福路さんに応答してもらうことにした。


「寮監さんですか? 福路です。実は――」


 こうして無事に必要なものを確認することができ、買い物自体も問題なく完了した。

 いや、むしろ福路さんに食材の目利きやオススメの商品を教えてもらったりでいつもよりお得に買えたくらいだ。

 おかげで渡されたお金がいくらか余ってしまった。このままちょろまかして小遣い代わりにもらってしまおうか。


「今日はありがとうございました、福路さん。おかげで随分と助かりました――ん?」


 礼を言おうと福路さんを見やると、その福路さんはどこか一点をじーっと見つめている。

 その視線を追ってみると、どうやらゲームセンターに向いている。

 電気製品と相性が悪い福路さんではああいう施設を利用することも難しいのだろう。

 何かやりたいものがあってもできない、というのは寂しいことだ。だが、幸いなことに今は俺が隣にいる。

 場合によっては手助けできる可能性があるのだ、聞くだけ聞いてみることにした。


「福路さん、福路さん、どうかしました?」

「……え? あ、ごめんなさい須賀君。えっと」

「ゲーセンのほう見てましたよね。何かやりたいゲームとかあるんですか?」

「えっと、ゲームじゃなくて……あのぬいぐるみが、ちょっといいなって」


 そこまで距離があるわけでもなし、目を凝らして見ると確かにUFOキャッチャーに大きめのぬいぐるみが鎮座しているのが見えた。

 ……俺の感覚が正しければ、いわゆるぶさカワ系のゆるキャラ、だろうか。

 意外な気もするが福路さんの母性を思えば逆に腑に落ちる気もする、そんなぬいぐるみ。


「あれ……ですか? UFOキャッチャーなら俺でもできるかもですし、せっかくだから寄っていきましょう!」

「悪いわ。須賀君もお遣いの帰りなのに……」

「いいんですって! 実は福路さんのおかげで渡された金がちょっと余ったんです。

 駄賃としてもらっちゃおうかと思ってたんですけど……そんなせこいことするよりここでお礼に使う方がこのお金も喜ぶってもんです!」


 俺はそう言って福路さんを引っ張るようにゲーセンに向かう。

 実を言えばUFOキャッチャーはそこまで得意ではないのだが、まあ3,4クレジットもあればどうにかなるだろう。

「む、難しいぞ……これ」


 威勢よく挑戦したはいいものの、既に500円玉を2枚使い切った。これはさすがに格好悪いぞ。

 既に余った分は使い切り、次に入れるのは自分の小遣い。いよいよ失敗するわけにはいかない。

 そう思ってコインを投入し、操作ボタンを押そうとすると背後から衣さんに匹敵するようなプレッシャー。思わず手が止まり振り返る。

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「――押して」

「え、あっはい」ポチ


 異様な雰囲気の福路さんの指示に逆らうことはせず、素直に従う。

 合宿の対局時もそうだったが普段閉じている右目を見開き真剣そのものだ。

 かなり集中しているらしく、俺はボタンを押したり離したりするだけでいいからその目をしっかり観察できる。


「――そこで離して。……押して――そこで止めて」ウィーン……ゴトッ

「あ、取れた」


 そうして福路さんの目が左右別の色であることに気付いたところで、

 ワンコイン分のクレジットを使い切る形で見事お目当ての60cmほどの大きさのぬいぐるみが景品受け取り口に転がり込んだ。

「ありがとう、須賀君!」


 そしてそれまでの雰囲気から一転、片目を閉じるのも忘れて輝くような笑顔を見せる福路さん。実に可愛らしい。

 しかし、これだけで終わるのも芸が無い。せっかくゲーセンに男女カップルで入ったのだし、定番のプリクラくらいはしておきたい。


「い、いえ。お手数おかけしました……。あの、せっかくゲーセン入ったんですし、あれ撮っていきませんか?」


 俺はそう言って少し奥にあるプリクラコーナーを指さす。

 福路さんはそこが何のコーナーか分かっていないようで首をかしげている。

 なので写真を撮ることができるものだと説明し、次はいつ二人きりで会うか分からないからなどと言いくるめて誘うことに成功した。


「中は静かなのね」


 俺が選んだのはよくあるのれん仕切りのタイプではなく、筐体が外部から隔絶される個室タイプのもの。

 当然色々なサウンドが混ざり合うゲーセン内部の喧騒からも解放される、遮音性の高い空間。

 そんな筐体を選んだのは何も下心故ではない。福路さんに言った通り、次にいつ二人きりになれるか分からない。

 だからこの機会に聞きたいことを聞いてしまおうという魂胆なのだ。


「そういえば福路さんって瞳の色が左右で違うんですね」


 俺はプリクラの操作を進めながらおもむろにそう切り出した。福路さんは驚いたような顔をしてすぐに辛そうな表情になった。


「……ごめんなさい、こんなの気持ち悪いわよね?」

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          ,.': :': :  /: : / /: :,.l: : ,、: :'v : : : :'v: :'v ハ
        ハ,': : : :./: : / .,': :/ |: :.|ハ: : l: :l: : : :'v: :', ハ

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   小   |: :|: :,: :|l,: : |,cうz==ミ      {トッリ ,ノハ:|: :|
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        |:| | |: :| |l リ :リ > 、      ,.<「 l.: :|: |: :|
        l从小、{「「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |: :|
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 泣きそうな声でそう言い、福路さんは筐体から出ようとする。さすがに唐突過ぎただろうか。

 しかしそうでなければのらりくらりと逃げられてしまうに違いない。

 2年とはいえ人生の先達、麻雀の腕も思えば駆け引きで真っ向からどうにかできるとは思えないのだ。

 だから俺は福路さんの腕を掴み、強引に止める。久さんとの一件を経て、俺の傲慢さは増したのかもしれない。


「言い方が悪かったですね……。単純に気になっただけなんです。普段から閉じている目がどうなのか。

 そうしたら綺麗な碧眼でしょう? もったいないなって」

「綺麗……? 本当にそう思うの」


 我ながら強引な話運びだと思うが、こういうのは勢いが大事だ。このまま押してしまおう。

 何より小難しく考えるより、素直な気持ちを出す方が好きなのだ。だから本音で語りかける。

 だから一瞬の間も無くすんなり言葉が出るのだ。


「はい。透き通るようで、神秘的で……福路さんをより魅力的に感じさせる目だと思います」

「……本気なのね。私の目を綺麗って言ってくれたのはあなたで二人目よ」


 二人目。福路さんの最初の人に思わず嫉妬した。恋人でもないのに、そんな自分の心の動きに動揺する。ああ、なんて傲慢な。


「その人が羨ましいです。その人は福路さん心にずっといられる」

「ふふっ。上埜さん……久がその人よ?」

「え、久さんが」

「ええ。インターミドルのときに一度だけ対局したことがあるの。その時も何度か両目を開いていたから」


 そういえば久さんの高校以前の話は聞いた覚えがない。上埜と竹井で苗字も変わっているし色々とあったのだろう。


「そうだったんですか。……そういえば、俺との合宿での対局ではずっと両目開けてましたけど良かったんですか?」

「それだけ必死だったのよ?」

「じゃあそのぬいぐるみを取るときも?」

「そ、そうよ? いいじゃない欲しかったんだもの! それにね、須賀君なら目の色で私のことをイジメたりなんてしないって信じてたから」


 混ぜっ返した俺に向かって少しむくれながらも、甘えるような声音で信じていると言う。

 天性の男殺しではないだろうか。思わず襲い掛かりそうになるのを抑えた俺の理性は殊勲賞ものだと褒めてほしい。

 そんな俺の内心を知ってか知らずか、遠い目をして福路さんは語ってくれる。


「久にこの瞳を綺麗だって言われて、すごく救われたの。

 お父さんとお母さんが私のことで喧嘩したのも一度や二度じゃなかった。

 だから極力人目に触れないように右目を閉じる癖がついてしまったのだけれど。

 それまでずっと瞳の色のことで良いことなんて無かったけど、綺麗と言ってくれる人もいるんだって」


 やはり人と違うというのは苦労があるのだろう。イジメも受けていたのだろうし、両親からの愛情もどれだけ受けられたのか。

 合宿で見せてもらった家事の腕前などは、そんな状況を生きるために身に着いたものなのかもしれない。


「どうしてかしら。こんなこと今まで誰にも話したことなかったのに……。須賀君にはつい色々言ってしまうの」

「じゃあ、これで俺も福路さんの初めての人、ですかね? いいんです、俺が聞いたんですから。

 美人に頼られるのは男冥利に尽きますから」

「美人だなんて、そんな」

「福路さんいえ、美穂子さんは美人ですよ。俺が保証します!

 声も透き通っていて耳に心地いいですし、顔は言うまでも無く整っていてスタイルはおっぱいも大きいし

 お尻も肉付き良さそうで柔らかそうでそれでいてウェストは引き締まっている抱き心地の良さそうな体、

 内面だって優しく包むような母性があって気配りもできる……。男にとって理想の女と言っても過言じゃないです。

 目の色だってそうですよ。優し気な面差しにアクセントを加えて神秘的でさえある、福路美穂子という女性をより魅力的にしています。

 今すぐにでも押し倒してしまいたいくらい――おっと、失言ですすみません」

「はぅ……須賀君がそんな風に思っていたなんて……」


 俺の暴走気味の品評を受け顔を真っ赤にして俯いてしまう美穂子さん。言い過ぎただろうか。

 だが全て本音なのだ。この人を美人でないと言う男など信用ならないくらいに。

 そして俺はそんな美穂子さんの目をまだ見ていたいと思ってしまっている。だから顎に手を添えて強引に上を向かせた。

 驚いた美穂子さんは両目を見開き頬を赤らめている。蕾のように窄まった可憐な唇が誘うように艶めかしい。

 後は野となれ山となれ、俺はそのまま美穂子さんの両目を見つめながら唇を――






                     チュッ              カシャッ





 見開かれていた目がさらに広がり硬直している。

 俺はそれを無視して軽く唇を離した後一瞬の間を置いて強引にその口を蹂躙するようにこじ開けていく。

 少しでも隙間を埋めようとフリーだった片腕を美穂子さんの腰に回し引き寄せる。

 その間美穂子さんは特に抵抗もせず、むしろ俺の胸元を掴むように服を握りしめてくる。

 漏れる吐息と零れる水音がいやに静かな密室内に響く。その間も機会音声のカウントダウンが何度か繰り返され、記録されていく。

 そうして十数分が経ち、美穂子さんも応じるように舌を絡めだした頃。壊れていたはずの彼女の携帯電話が鳴りだした。

 そこでお互い我に返り唇を離す。唾液の橋が名残惜しそうに引かれた。

 潤んだ瞳で俺を見上げる美穂子さんの青い眼が艶めかしい。

 数コールの間に瞳は濁ったまま息を整えた美穂子さんは電話に出る。


「もしもし、華菜? ……ええ、ええ、大丈夫よ。きょ――須賀君と偶然会ったから軽く休憩していたの。

 え? うーん、そうね。それなら駅までお願いするわ。ええ、それじゃあ」プツッ


 電話を切り大きくため息を吐いた美穂子さん。タイミングが良いのか悪いのか、

 時計を確認すればそろそろ筐体を出なければ怪しんだ店員が中を確認しに来るかもしれない時間だ。

 興奮冷めやらぬままに写真受け取り口から全てのプリクラを回収して俺は呟く。

「もっと見ていたかったな」

「夏が終わればいくらでも時間はあるわ。この瞳はあなたを見るための瞳だって、分かったから」


 母性を透かした、女としての彼女が圧倒的な存在感を持って俺の前にいる。

 美穂子さんは三年だ。夏が過ぎればいよいよ進路を確定させるだろう。

 まさか自分のせいでその進路を歪めたりしないかとも思うが、それも今は先送りだ。

 彼女の口元をハンカチで拭い、手を取って俺は駅まで送っていったのだった。

      |  ! ! i |   |_,.. -‐|弋T下、\ヽ_八  | i
      |  | | i {   l ヽ -|=-`ー一'⌒´   \! |
      |  | l 、 ヽ.  ヽ 〆二ニ==ミx.     ||
.    八 { {ヽ \ \Y´ _彡ヘ::::::::ヽ `ヽ    ||
        \ヽ\\,ン⌒ 、     、:::::ハ   \ ||
        \r'`′   li\    ヾ:::::(_,  ′! l   !
                |i  ヽ     \ノハ   ||   !
                |i  }     ン'′  ||   !
                |i  ノ     / / / / ||   !
                l:/               | l   i
                |:\          |l   i
                |i  \         ||   !
                |i   ヽ.__ ノ       ! !    !
                ||       ヽ     ||    !


福路美穂子の好感度が上がった
一定以上の好感度時に出かけるを選択したため、絆を獲得
技量が上がった


評価

福路美穂子:なぜかしら、胸が苦しいの →この瞳、あなたのものだから

行動3回目  疲労度7

7.誰かと出かける  絃

        44       怪我    
        01~20     失敗    
        21~50     普通    
        51~80     成功    
        81~98    大成功    
        ゾロ目・77  超成功    

 1d100=92 大成功


「――ッ!?」


 遠のいた意識が戻り、俺は目を覚ました。そんな俺の視界は絃さんの顔で占められている。

 俺が目を覚ましたことに絃さんは当然気付き、舌なめずりをしながら陶酔した瞳で俺を見つめてくる。

 いったいどういう状況なのか。俺は少し記憶を過去に飛ばした――――


「それじゃ、また明後日に駅でですよーぅ!」


 東京に向けて出発する日を二日後に控えた俺達は、

 いつものようにあの雀荘で練習をした後に慰労会というか決起会というか、とにかく全国大会頑張るぞパーティを行ったのだ。

 5人だけのこじんまりとした食事会、とでも言った形ではあったが。

 そうして駅で別れ各々の帰路へと着いたのだ。

 俺はと桃子の家は同じ方向にあるから当然、二人きり。

 いつも通りに桃子の家まで送り、俺は引き返す形で自宅への数分の距離を歩いていた……はずだ。

 辿れる記憶は家のドアノブに手をかける直前で途絶えている。

 そしてそんな俺の前、前? いや、手首や足首に妙な圧迫感がある。動かそうとするとジャラリという重い音。

 気付いてみれば自分の体の上には柔らかな重量感もある。つまり、目の前の絃さんは俺の上に圧し掛かっているのだろう。

 そして俺の手足は手錠か何かで拘束されている……?

 俺がようやく状況を察したのだろうとみた絃さんが、熱い息を漏らしながら笑みを深めた。


「お目覚めね、京太郎さん。あなたが今どういう状態なのかは察しがついているでしょう。

 優しいわたしはもう少し詳しく教えてあげるわね?

 今京太郎さんは、わたしの寝室のベッドの上で手足を縛られているわ、裸で。

 大丈夫、ちゃぁんと室温は調整しているから風邪をひくようなこともないわ。

 桃子があなたを尾行していたけど、それもわたしの奇門遁甲で撒いておいたから助けなんて来ないわ。

 ああ、ああ、心配なんていらないわ。そろそろ熟したようだから今日明日いっぱいあなたを食べようと思っているだけなのだから。

 インハイ制覇はわたしも目標にしているもの、それをふいにしたりはしないわ。

 だから安心して、わたしと快楽の園に身を浸しましょう……?」

~数時間後~

 夜もとっぷりと暮れ、深夜の0時を回った頃である。

 そう、時間が分かるということは俺は今自由なのだ。

 改めて部屋を見回すと、香炉や短冊形の紙、赤いインクが満たされた墨壺。

 他にも中華風のインテリアが多々見受けられる。とはいえ時計などは見当たらない。

 ならばなぜ時間が分かるかと言えば、服や荷物を取り戻したことで携帯電話が使えるからだ。

 あの後、序盤は身動きも取れないことで絃さんの猛攻にあっさりと陥落した俺だが、

 美穂子さんとの逢瀬が中途半端だったこともあり残弾は十分に蓄えられていたのだ。

 色々と大人びたことを言っていた絃さんだが、結局のところ処女であった。

 自分でもどうかと思うが俺は高校生になってからそれなりに経験を重ねてきた。

 つまり実戦経験のない相手に負けるほど柔ではなかった、ということだ。

 途中で言葉巧みに拘束を外させ、その後は自分の体力をなるべく温存したまま絃さんを攻めまくった。

 それはもう、部屋に合わないような西洋風のベッドがぐちゃぐちゃになるくらいに。

 絃さんには申し訳ないが、さすがにゆっくり休む時間もなしではインハイを戦い抜ける気がしない。

 両親や桃子たちに心配をかけるのも嫌だ。なので閉じ込められるわけにはいかないのだ。

 結局絃さんを籠絡した俺は、虚ろな目をしてだらしなく口や脚を開いている体液で酷いことになっている状態を

 ぬるめに暖めた濡れタオルで拭い、綺麗にしてから俺自身もシャワーを浴びた。

 そうしてから書置きを残し、最後に口づけを落としてから自宅に戻ったのだった。




 ――なお家では涙で顔がぐちゃぐちゃの桃子と、苦笑いをしている両親が迎えてくれた。


「そういえば京太郎、本当に宿は大丈夫なのか?」


 桃子をあやしていると、父さんがそんなことを聞いてきた。

 俺が麻雀で全国出場というのを新聞で知ったときは両親ともに大層驚いていたものだ。

 父さんはコーヒーを噴き出すくらいに。

 母さんは俺が部活以外の何かを始めて色々やっていることには気付いていたようで、

 それが麻雀だということには驚いていたが案外どっしりと構えていた。

 だから合宿後にGoTADホテルの宿泊券を預けたときにもやはり驚いていた。

 いや、父さんが東京に行くときに定宿にしていた、というのを知ったときには俺もびっくりしたのだが。

 そして初めて、宿の手配を進めてくれていたことも知った。それもチーム全員分だ。

 とはいえやはりどこも満室だったりグレードに比べてぼったくり気味に値を吊り上げていたりで確保までは至っておらず。

 キャンセル料などが発生することがなかったのは幸いだった。


「この前見せたろ? 龍門渕さんに気に入られたみたいでさ。そうはいってもクジで当てたようなもんだから貸し借りは無しだぜ」

「それならいいが……。とはいえ宿だけあっても自由が利かないだろう。口座に東京での生活費としてそれなりに振り込んでおくからな」


 そう言ってくれる。親のありがたみを改めて感じる。金で感じるというのも卑しい気がするが……。

 しかし両親ともにこの話をするときは嬉しそうなのだ。

 会社では鼻高々で、取引先からも祝われたのだとか。それだけでなく新規契約も取れたと。

 京太郎様様、と父さんは言っていた。少しは恩返しになったと思えば悪い気はしない。

 母さんもご近所さんや趣味サークルなどで色々あったらしく、上機嫌。

 そろそろ桃子も泣き止んできた。いよいよ全国が目前。いっそう気合が入った一日になった。




霜崎絃の好感度がぐーんと上がった
霜崎絃の好感度が一定以上時に出かけるを選択したため、絆を獲得
直感がわずかに上がった


評価

霜崎絃:美味しく育ててあげる →わたしはあなたの虜だわ

行動4回目  疲労度6

8.インターネット  1d100=55 3人選択

   由暉子・洋榎・咏
 4d100=16・100・25・42

 由暉子ゾロ目でボーナス

 01~32   失敗
 34~65   普通
 67~89   成功
 90~98  大成功
 ゾロ目

1d100=52  普通


 東京出発前日、俺は荷物をまとめて時間が余っていた。

 ということで早速ネットで暇つぶしをすることに。

 おなじみのネトマサイトに手が伸びたのも当然だろう。

 とはいえ結果は散々だった。同卓したラーマヤーナさんが大爆発。

 わっかんねーさんを除く、天王寺の新星さんと俺は飛びで終了。

 いくらなんでも役満二連続ツモはどうにもならなかった……。

8月1週終了。


須賀京太郎
属性 :O
技量 :A79→S82
直感 :S86→S87
必然力:A77→S81
・スキル
【焼牌入魂炉】 (出雲八雲+一牌入魂)
 その打牌は一打ごとに魂を焼き入れする如く。燃え盛る炉を彷彿とさせる打ち筋。
(効果A)
 判定を+30。
(効果B)
 【威圧感】系統のスキル効果を受けない。
(効果C)
 打点を+3。
(効果D)
 判定値1位で和了に成功した場合、流局を無効にして1翻として和了する。
 ただし符数は半減せずに判定する。
 また符が足りずに流局の場合は30符として計算し翻数は通常の判定で計算する。
(効果D)
 ドラが筒子の場合、判定と打点をその筒子の数字の半分の段階だけ上昇させる。

【野獣の眼光】
 惹かれるは男の性。
(効果A)
 対局者が巨乳の場合、判定値を-10。
(効果B)
 対局者が貧乳の場合、判定値を-5。
 ただし打点は+1。

【百鬼の太刀】なきりのたち
 呼び起された新たな力。未だ完全ではない。
 い)ドラが索子
 ろ)聴牌・和了判定が共に2位以上だった局の次局
 は)親番
  以上のいずれかの条件を満たした場合に発動。
(効果A)
 判定を+10。
(効果B)
 ドラが八索の場合、跳満以上を強制ツモ和了。
(効果C)
 聴牌・和了判定のいずれかで82・85・88が出た場合、
 満貫以上を強制ツモ和了。
(効果D)
 このスキルは一切の干渉を受けない。

8月2週  全国大会 団体


「さて、皆いるわね?」


 そう言って点呼を始めたのは久さんだ。

 長野からの出場なのだからと、俺達は清澄と風越と一緒の新幹線で向かうことにしたのだ。

 ちなみに風越からは池田さんと吉留さんの二人が美穂子さんの随行として来ている。

 コーチの久保さんは後々合流するのだそうで。

 清澄は特に顧問の先生がついてきているわけでもないし、俺達だって南浦プロがいるわけではない。

 つまり大人が一人もいない状態である。

 悪ぶっていても面倒見がいい久さんが音頭を取ることになったのも自然な流れであった。


「みんないるわよ、久」

「ありがと美穂子。――それじゃ、いざ東京!」


 美穂子さんがさりげなくサポートしつつ、無事東京へと向かうことができたのだった。

                         〈  '" `〈_,,/ ,rー─ l、
                         |    l '゙、,/ _,,、 }
                             l    ノ   `-!゙'ヽ /
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.                          〉ヽ 、    /
                          /      ̄y"
               _ _         /        /
            ,,..:::"::::::::::::::::::::゙ ヽ   /        /
             /;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:,/        /
           //::::::::::::;::::;彡;::::::::::::::::::/      /
        ,:"::::::;へ;:// メル乂::i:::y'         /
       ,/'i:::/;:;/Χ    ` ゙ \;V       /
      ,l゙ レ'::::;/,.__/ ゙   , -─ t/         /  ___
      | |::::/:l" ̄ヾ     __ i         ソ /     \
      | l;:/:::| " "      '' ̄~V       / l       さ  l
         ゙'i;ッl   _ ' _ " "/     /   |  出  あ   |
        /::\  レ   丿 ,イハ     ,〈  <   発  !  |
       (/l:::i::/:::>、_ー _,,.r"i ∧   /ヘヽ  |  よ       |
         ヾN/ ./、| /.//ハ ヘ, / / 〉 .|.  ぉ      .|
         .r「'/ i i / /  l/ ヽ. ∨//   .l   !       l
       〈 ,〃 l/ /   .∧   \,〉〆     \ ___ /


「案外早かったっすねぇ」

「そやねぇ。大阪からだとリニアがあるからもっと早いですけどねーぇ」

「東京―長野間はまだリニア開通してないものね……。青函トンネルを補強しての東京―札幌ラインが去年だったかしら」

「博多と北海道が陸路で3時間、だったっけ」

「美穂子には朗報よね」

「キャプテンが乗ったら飛行機が落ちるかもだし!」

「華菜!?」


 東京駅につき、皆それぞれに感慨深げに周囲を見回している。和やかな雰囲気。

 みんな新幹線内でも楽しそうにしていた。

 ……俺は和や桃子に胸を押し付けられるわ久さんや憩さんに撫でまわされるわ、

 絃さんが足を組むときに見せつけてくる脚のラインに際どい下着などで理性との戦いで手一杯であった。

 数絵や美穂子さんは恥ずかしそうにちらちらと俺を見てくるくらいだったが、その恥じらいもまた良し。

 美穂子さんはお重に大量のお弁当を作ってきていたし、和も手作り弁当を俺に差し出してきた。

 それを見た桃子達はしまったというような顔をし、恨めし気に見てくるものだから一口ずつ貰うはめになった。

 餌付けされる雛鳥もかくや、という光景だったろう。咲や染谷先輩、池田先輩の呆れたような視線が胸に刺さった。

 ともあれ自身の幸福ぶりを思い知らされる旅路であった。


「……ここからはまたライバルだね、京ちゃん」


 俺が幸福地獄を思い返していると、咲が話しかけてきた。

 別チームである以上、確かにあの旅路も呉越同舟のようなもの。

 咲たちの実力はいやというほど知っているし、合宿でさらに一皮むけていたようなのだ。

 全国制覇を目指す上では有数の強敵。油断など欠片もできない。


「咲。ああ、1位抜けのみの1回戦では当たらないことだけ祈っておくぜ」

「お姉ちゃん……白糸台と当たるまでは全部倒すよ」ゴッ

三三三三ニ≠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三=\
三三三ニ≠三三三三三三三_,.-、 f=|´|三三三三三三三三ニf!三三三r‐‐ュ、
三三ニ≠/三三三三ニ_,..-'´   | | |_,.!: : : : : : : : : : : : : : : : :| {: : : : / ィ ヘ \

三三/|//三三三r‐'´    _,..-! |:`¨:__,..--レ' ̄~7: : : :\: : : ヽヽ: :(='==! ̄!=\/
三r-、/ヘfー‐、: : :|  _,..-'´: : : | |: : ::j  | |;  /: : : : :__,ヽ::ノ! } }: : :==キ fニニ、ハ
ニニフ rュ、) f! !_fl: レ'´: : : : : _,..'  |: : : |__j--7 /、: : : :{ f´:!.ヽ`¨ro': :=r==、 r、_ィ=ニハ
ニァ=f |=ノ===、¨: : : :__,.-‐'´   |: : : |: : : ゝ≠}. .:i!ト、ゝ、'⌒V__ノ: : :=、=キ=、| i! /ニハ

ニ: / ,. r、_) v く: : : :/_     _,..: :': : : :|ヽⅥj.. :i!l. ..:i!:.:!(   (: : : : ::=ゝノレ'=| iK三ニヽ
ニゝ'^|_|__,ィ ヘ、__ァ: : : :!  ,..: :'!: : : : : : : ::! Ⅵ|.. :!|. :.:i!_.jゝ‐、 ノ::r、: : :|`¨rュネ| f!ヽ三ニ
ニi:、___コ`ヽ=、:Ⅶ|: ::レ': : : ::|: : : : : : :i: !..::..Ⅵ_j レ'リ´ |: ムノ/ |/ ∨: |__,=、__j__j=='三ニ

三ヽ=テ= {‐‐': :Vj: : : : : : : : ト.:.、: : : : !: i..::...Ⅵ斗≠リ㌣!. /卞、≧j: : : : :∧三三ニr、ヽ

三!: : {ゝ' }: : : : :Ⅵ: : : : : : : :!、..、 、: : :ハ: !::..::!| フセイ: : _:ソハ  心 |: : : :∧三三三ハ
三: 、__ノ_ノ: : : : : :Ⅵ、: : : : : : ト、 \、: : 、:|  レ' i! i、ゝ'_ノ |  ソ. |: : :/ |三三三|ハ
三ニ` ̄=、r=、: : : : Ⅵ\: : : : :',..:...::::\: : 、    ゝ、 `  ノノ // ,:/  /三三=|ⅵハ
三三} /:.| /: : : : :.ヽゝ'\: : : :\.: \`ヽ     `¨ ¨    / |  /三三三|  リ
三三|_/: :|_/: 、丶、: : :ヽ‥'`ー  ヽ                  .レ'三=ト三リ
三ハr=、 r=、、: :\\ゝ: : 、::'     `                 /三≠V∨/
三!、ゝ': :ゝ'\`ヽ:\ :.: ̄`        ,              ∧三≠ |/
Ⅵl \三三∧:: :: :.,:'            `             / /ノ


 咲から漏れ出した強大なプレッシャー。相変わらずムラがあるが本気の咲は計り知れない。


「つっても咲は大将のままだろ? そうなるとお姉さんじゃなくて淡と当たることになるが、いいのか?」

「大星さん……。負けられないよ、京ちゃんにだって……!」


 咲はやはり、お姉さん――宮永照さんとの再会を期しているのだろう。

 俺も淡に会うために、来たのだ。似て非なる目的だが、共に叶う目があるのは良かった。

 だがだからこそ、その障害となるなら互いに食って食われる関係ということだ。

 いや、咲からはそれ以外にも何か淡に含むところがありそうな雰囲気。

 ……咲がお姉さんと仲違いしたのはたしか淡と出会った頃だった気もする。

 ちょっとした喧嘩が淡の存在によって決定的な溝になった、のだろうか?

 咲とお姉さんの間に何があったのか、宮永家に何があったのかを知らない俺には想像すらできない。

 とはいえそれは考えてもどうしようもないことだ。立ちはだかると言うのなら――


「言うじゃねーか。俺は長野予選の頃よりも更に練習積んできたからな、簡単にはやらせねーって」

「ふふ、楽しみだね京ちゃん」ニコリ


      /      /  /|   | |    ヽ       \
.       /  /  / / / |  |. |   | |   |   ', ヽ    ∧
     /  /  /./ / |  | |   | _|L.--|.,,,_  |  |   :l ',
     /  /  |  ト|_,r|''´|`:|   |  |\ | `ト| :|    | :|
    /   |   | ィ| |─ト :|ヽ  | / ̄V|  | :| |   |  |
    /   |   レ´| \|_\|  ト、. |::::彡三=、 :| ./ / /   !
   /彡イ |    ト| 彡 ─ヾ:\|::::\::::/,'⌒ヽ \/ / /   |、
.      |  ヽ  ゝ///;'⌒',ヽ:::::::::::::::::::::|:!::::::::::!:| ||イレ' |  ハ!
.      |   ト、 || | ';::::::::!:|::::::::::   ヾ、;;;;;;;ノ  |/ ハ  / |
.      |    ハ, \:::ヾ.;;;;;...'   ,          ハ /  /
.      | /ヘ ヽ..ハ                  ハ// /
        /    \トハ      ー_,ア     ノ'´//
               |ゝ、           //イ/
              |人> ._       <:| / /
                \|\|  ー<   :|´
                     |        :|> 、
                   /|       /   \


 咲の笑顔を怖いと思ったのは、これが初めてだった。



 そうして咲たちと別れ、俺たちチーム須賀は東京での寝床、龍門渕帝都ホテルのスイートルームにいる。

 龍門渕帝都ホテル――GoTADホテルは150メートル30階建てで、スイートルームは25階から上である。

 龍門渕さん達が宿泊するロイヤルスイートルームは29階と30階をワンフロアずつ占めている。

 このくらいの高さの建物なら1階当たり4メートルほどあるものなのだが、そう考えると30メートルほど高い。

 これはスイートルームクラス以上のフロアの高さがそれ以下のフロアと違うため、らしい。

 防音はもちろん各階の間に色々な設備を備え、災害時のシェルターとしても機能させられる。

 などということが部屋に置いてあったパンフレットに書いてあった。

 ちなみにスイートルームはワンフロアに5部屋あるようだ。つまりこの28階はチーム須賀が占有していることになる。

 29,30階は衣さんと龍門渕さん達、その世話役やボディガードが詰めるとはハギヨシさんの言葉である。

 さすがに大財閥のお嬢様御一行ともなればそれくらいの大集団になるか。

 そんなことに思いを馳せつつ部屋を見回す。はっきり言ってかなり広い。

 マンションで4LDKと言ったところか? 風呂はスイッチを入れると窓の外が見える絶景付き。

 リビングのような前室にはシアタールームと最新映画まで取り揃えたラインナップ。

 ベッドルームはマスターベッドルームのほかに二つ。残り一部屋は重厚な机や書棚(もちろん中身入り)を備えた書斎。

 現代の一国一城の夢を実現したかのような感じだろう。

 自宅でも一階分だけではここまで広くないわけで、少し落ち着かない。

 そんな風に平静でなかったせいか、反応が遅れた。


「京ちゃー~~ん!」ポフッ


 桃子だ。声と息遣い、そして押し付けられたおっぱいの感触で分かる。


「やっぱり部屋の間取りは同じだわ」

「向きの問題で多少の差はあるでしょうけれど、構成が同じなのは当然ですね」

「京ちん、荷物はまだ置いとらへんの?」


 続々と集まる仲間たち。インハイの開催を間近に控えていても皆コンディションは良好。頼もしい限りだ。


「さっさと荷物片付けて色々見て回りましょーぅ!」


 組み合わせ抽選式は、明日。そしてその翌日から一日四試合ペースで進行する。

 勝ち抜くほどに長丁場になるが、俺達なら必ず駆け上れるはずだ。やってやるさ!

組み合わせ表

  Aブロック      Bブロック
第一シード:白糸台  第二シード:臨海  
第三シード:千里山  第四シード:永水



 1    2    3    4    5    6    7    8

 ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓
 1    2    3    4    5    6    7    8
  ―――      ―――     ―――      ―――
 M1 白糸台  M2 千里山  M3  臨海    M4  永水
   A       B       C       D   
         


  A1位   A   B2位     C1位   B   D2位
    ―――――――         ―――――――  
  C2位   A   D1位     A2位   B   B1位



             AA1位   BB1位
               ―――――
             AA2位   BB2位


 結局あの後、俺たちはホテル内の施設や周辺の地理を確認してからなぜか俺の部屋で眠ることになった。

 桃子や憩さん、絃さんはまだしも数絵まで同じベッド(クイーンサイズだった)で、というのは意外だった。

 とはいえみんなも移動の疲れがあったのだろう、何事も無く夢の世界に旅立った……はずだ。

 なにせ俺が意識を手放した頃に聞こえていた寝息は2,3だったので。

 結局翌朝6時には示し合わせたように皆が起き出し各々の部屋に戻り身支度を整え、いよいよ抽選会場へと出発した。

 ちなみに食事はスイートルームの宿泊客用に別にあるV.I.Pホールでビュッフェ形式。

 とはいえ普通のものとは違い、出来合いのモノが並べられているのではなく適宜目の前で調理される。

 そして別に調理されたからと取る必要はなく、やっぱりやめた、となればすぐに下げられる。

 俺としてはさすがにもったいないのではないかとも思うが……他の宿泊客はなんら疑問に思っていない様子だったし、

 桃子達も特に気にしていなかった。いや、数絵だけはややばつの悪そうな表情をしていたが。

 とにかくどれもこれも素材は一級品で調理人の腕もそこらの店ではお目にかかれないほどの一流。

 ヨーロッパの貴族なんかはこんな生活をしていたのか、と絶望的な想いに囚われた俺は悪くないはずだ。

 閑話休題。

 そんなカルチャーショックを受けながらも俺は皆に誘導されやってきた抽選会場――東京卓戯館というらしい、場所。

 インハイ麻雀の試合会場でもある。

 イカサマ防止用、テレビ中継用の録画設備を整えた対局場を最大20室抱えた大規模会場。

 インハイでは個人戦のときでないとフル稼働はしないが、

 使われない部屋はその分、控室やパプリックビューイング用の観戦場として機能する。

 それでは個人戦時はそういったものが無いのかというと、そうではない。

 単純に団体戦のほうが学校単位での応援団などがいるために必要数が多いというだけだ。

 そんな数絵の解説を聞きながら、俺たちは出場校の入場・整列が終わるのを待っている。

 部活単位での参加ではないために中途半端な順番で入場させられたためにかなり手持無沙汰なのだ。

 場所が悪いためか、前年度王者の白糸台は俺からは見えない。

 優勝旗を持って真っ先に入場しているはずなのだが。

 俺は軽く息を吐き、式次第を改めて確認する。


 まずはこの入場式と、選手宣誓。連覇中のチームもいるしディフェンディングチャンピオンもいる。

 宮永照のことだ。咲のお姉さんでもある。彼女が選手宣誓を行う。その後に抽選会が始まる。

 この抽選会だが、要は参加52チームの命運が決まる組み合わせ抽選をするのである。

 この52チームだが、東京大阪愛知こそ2地区に別れているが基本的に各都道府県毎に1チームが代表となる。

 そして前年度と今年度の成績を参考にシードを与えられるチームも存在する。

 今年のインハイでは王者白糸台・春高準優勝の千里山・傭兵軍団臨海女子・神域永水女子の4校。

 シード校は準々決勝からの出場となる。そのための52という中途半端な数字だ。

 麻雀である以上、試合1つに必要なのは4校。

 ただそれならばシードを考慮しない場合でも32か64が妥当なところ。

 もっとも準々決勝からは上位2校抜けとなる。

 またその準々決勝に進めるのは、1回戦で1位抜けした12チームとシード校。

 しかし各都道府県だけでは東京大阪愛知の増枠を含めても50チームにしかならない。

 この50にはシード4校も含まれるのだから実際は46チームとなる。

 12チームは1位抜けなのだから、2回戦目に必要なチーム数は48+シード4枠。2枠分足りていない。

 そう、ここで出てくるのが”連盟推薦枠”なのだ。今年は清澄を含む2校がそれに当たる。

 野球で昔あったという21世紀枠とかいうものと似たようなもの、らしい。

 話を戻そう。

 つまり俺達48チームが抽選するわけなのだ。ちなみに淡のいる白糸台はAブロック。

 最速で戦うなら1番か2番を引いて、勝つ必要がある。


 そんな風に考えているうちに、いつの間にか入場も選手宣誓も終わっていた。

 しまった、咲のお姉さんがどんな人なのか見ておこうと思っていたのに。

 そんな思いが顔に出ていたのだろう、隣にいた数絵と桃子に呆れ顔をされてしまった。

 仕方がないから、抽選番が回ってくるまで今度は試合日程について思い出すことにする。

 ちなみに俺がクジを引くことになっている。憩さんか絃さんに、と遠慮したのだが押し切られてしまった。

 ……日程。これは以前にも触れた通り基本的には1日4試合ずつ、だ。

 半荘10回を4試合を1日で行うのは難しいと思われるだろうが、そこはさすがの大規模会場。

 時間をずらしつつ4箇所で試合が行われるので平気なのだ。

 1番から12番卓まで4試合ずつ、まず3日。

 そうしてそれぞれの勝ち残り達とシード校のABCD卓で、1日。

 準決勝前に1日休養日を挟みさらにその上位2校ずつを振り分けてAA卓とBB卓の2試合で1日。

 最後は決勝戦で1日の、計7日間に亘る戦い。

 俺は既に決勝まで勝ち抜ける気でいる。我ながらこれは傲慢すぎるだろう。

 だが、この高揚感は抑えようがない。真剣勝負を前にした秘められた闘志に空気が震えている。

 個人戦を考えれば、やはり予選4日と休養日1日、そして本選が2日の7日間。

 14日間の長丁場。今から突っ走っていては保たないかもしれない。それでも震えるのだ。


『清澄高校、5番です』


 そうこうしているうちに、久さんが壇上でクジを引き終わっていた。

 久さんはなかなか緊張しているようで、表情が硬い。やっぱりあの人でも緊張するんだと思うと、俺も肩の力が抜けた。

 そろそろ出番だ、舞台袖に向かおう。


「須賀京太郎さんですね? 次ですから、お急ぎください」


 舞台袖に入ると、スタッフさんに急かされてしまった。確かにかなり悠長にしすぎたようだ。

 ぱらぱらと枠は埋まっているが、全部の番卓に空きがある状態。

 舞台では俺の前の少女がクジを終え、司会進行役の男性に番号の書かれたボールを渡している。

 スタッフさんに促され、俺は袖からライトアップされた舞台に足を踏み出した。

 瞬間、それまであった悲喜交々のどこか和やかにさえ思える雰囲気は霧消した。

 刺々しい視線が全周囲から刺さる。異物を見つけ、敵意を剥きだしにしている。

 そう、俺はこの抽選会場でも数少ない男。スタッフや観客にも1割くらいは男性がいるからだ。

 だが彼らは選手ではない。俺は彼女たちの敵としてこの場にいる、唯一の男なのだ。

 それが嫌でも分かる。侮る視線や馬鹿にしたような雰囲気。

 陰湿ないじめの現場の空気はこんなものなのかもしれない。

 ――無論この程度で怯むわけがない。

 視線を向ければこちらを心配そうに視線を泳がせている久さん。

 クジを引いているときよりもよほど一大事のような様子だ。

 そして選手列のほうを見れば心強い仲間たちと、ライバル。

 いつものようににっこり笑顔の憩さん。

 他人には見咎められないからと腕を振り上げている桃子。

 心配そうだが信頼のこもった視線を寄越す数絵。

 この程度で怖気づくの、と挑発的な絃さん。

 一歩一歩、俺は抽選玉の入った箱に歩みを進める。

 好戦的な笑みを浮かべそれを見る染谷先輩。

 絶対負かす、と叫んでいる優希。

 頬を赤らめさせ、胸元で手を組んでいる和。

 京ちゃんなら大丈夫、と安心した様子の咲。

 そして――そしておろおろとチームメイトを気にしながらも俺を見上げる、淡。

 そう、淡だ。俺と桃子はこいつと一緒にいるためにここまで来た。

 箱の前で立ち止まり、一度淡を見る。視線があった。

 俺はその視線を一度切り、一呼吸。そして箱の中に手を入れた。

 邪魔はさせない。半年前の俺ではあいつを満足させてやれなかった。

 でも今は違う。だから掴んだボールを持ったまま、確信をもって淡に突きつけるように腕を伸ばした。


『……須賀、――1番です』


 そのアナウンスに1番卓に決まっていた高校が俄かに騒ぎ出した。

 耳を澄まさなくても分かる。ラッキーだとか1回戦は楽勝だとか、そんなことを言っているのだろう。

 そんな声を聞いた淡は、その騒ぎの元をキッと睨みつける。

 隣にいる眼鏡をかけた巨乳の学生に宥められても、まだそれをやめない。

 心配するな。大丈夫なんだ。俺は一人でもないし、強くだってなった。だから――


「淡……大星淡! すぐ行くから待ってろ!!」


 雑音など斬り裂いて俺の声は淡に届く。驚いたようにその豊かな金の髪を翻してこちらを見た。

 だから俺は不敵にと笑ってやるんだ。


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'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
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       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
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/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////


               「俺はお前に勝つからな!」


姫松:41 新道寺:90 阿知賀:21 宮守:32 
須賀:96 有珠山:56 清澄:37 モブ:12


1:須賀 2:新道寺 3:有珠山 4:姫松 
5:清澄 6:宮守  7:阿知賀 8:モブ


須賀  新道寺 有珠山 姫松  清澄  宮守 阿知賀 鹿老渡
 ↓     ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓
 1     2    3    4    5    6    7    8
  ―――       ―――     ―――      ―――
 M1 白糸台   M2 千里山  M3  臨海    M4  永水
   A           B         C         D   
         


  A1位   A   B2位     C1位   B   D2位
    ―――――――         ―――――――  
  C2位   A   D1位     A2位   B   B1位



             AA1位   BB1位
               ―――――
             AA2位   BB2位

~連盟所属高校用宿舎食堂~

『ツモ。清一色二盃口ツモで8000オール』

『き、決まったーッ! 霜崎選手、倍満ツモで宇気郷高校を飛ばして1回戦突破です!』


「霜崎絃、容赦ないのぅ」

「結局京ちゃんは出番ありませんでしたね」


 ここは清澄高校が割り当てられた宿舎の食堂である。

 そこで清澄高校一同はインハイ第一日の第一試合、チーム須賀の試合を観戦していたのだ。

 インハイでは試合二時間前にオーダー表を提出し、そこで初めてオーダーが確定する。

 もっともそれはほとんど形骸化したルールであり、

 県予選と本大会でオーダーを変える高校が1年に1校あるかどうかであった。

 そんなルールに則り、チーム須賀は先鋒と大将を入れ替えて本大会に臨んでいる。

 つまり次鋒から副将に変更はなく、霜崎絃が試合を終わらせたということは

 大将の須賀京太郎の出番が一切なかったということであるのだ。


「そりゃぁね、憩が満遍なく削って」

「数ちゃんが前半で見極めた調子の悪い高校を狙い撃ちだじぇ」

「そして桃子さんが追い打ちをかけて集中攻撃」

「霜崎さんがトドメ、だもんね」

「エッグい布陣じゃのぅ、ほんまに」


 彼女たちの言う通りの試合運びで、1位抜けの初戦が終了したのだ。

 昨年度ベスト8である龍門渕高校を大差で破っての出場を果たしたチーム、当然の結果と言えるだろう。


 ちなみに久や和が名前呼びであるが、須賀京太郎の与り知らぬところで彼と情を通じた面々が何やら話し合いをした成果だったりする。


『いやらしい!』

『はい、霜崎選手は得意の出和了りではなくあえてのツモ和了で攻めていました』

『でも、優しい!』

『えっと、ロンされての飛びは責任やトラウマがはっきりしてしまうから、あえてのツモ縛りをしていた、のでしょうか?』

『ッ! ……しょうがない!』

『ツモ和了は止めようがないから運と実力が足りなかっただけと』

『圧倒的!』

『そうですね。須賀チームは終始他校を寄せ付けない試合ぶりでした。

 次鋒の南浦選手こそ東場での放銃が数回ありましたが、それ以外では放銃もなく満貫を何度も和了していました』


「……やっぱり数絵には悪いけど、狙い目よね」

「うー、数ちゃんは私と正反対だからな!」

「そうだね。背もそこそこ高いし胸もある――」

「咲ちゃん酷いじぇ!?」

「ゆーきも南場は狙われますよ? しっかり守らないと」

「ま、そういうことだからまこの責任重大よ?」

「わしか! いや、そうじゃな。あいつらにリベンジするにゃあ、取れるところで取らんと」


 決意を新たにして歩む少女たち。まだ彼女たちの夏は始まったばかりである――

~翌日、GoTADホテル京太郎の部屋~

『ロン! タンヤオトイトイで3900よ』

『第二日第一試合、これにて終了いたしました。二回戦進出は清澄高校、18万3600点。

 観海寺高校を中堅戦で飛ばしての快勝です』

『ベリーストロングですね。しかしテレビジョンの前の皆さまにはややディスアポインタな結果かもしれません』

『そうですね。注目の原村選手は副将ですから、お披露目前での終了です』

『ハハッ、彼女のバストはアバンダントですから男性は特にお好きでしょう』

『……私の口からはなんとも』

『キュートorビューティーな女子高生のシリアスゲームというのがセールスポイントの一つでは?』

『確かにそうですが、それをはっきり言ってしまうのは……』

『ソーリー。失言だったようですね。ではまず試合の総括から――』

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       ,                  ヽ    ハ  ',
       /     / / !          ',    , ハ
       / /    ./ / /|        |!    ',    '   !   
     l' /{     ,' ,イ/__!__      !__  |   |     ノーウェイノーウェイ
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     /ヾ    {___|/   lヽ    /!/__   __|    |  |、 \
     ' /\    >_二ニ x,,\ _/  z ニ二__<   | ,' \ ヽ
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  〃     |   l ヽヘソ      ヽヘソ !     !      ヽヽ
  /        !    |',      '        |     |       ヽ}
        |    八      _       /!   /
        |   / .>     !_ヽ    イ|  /
        | |レ   / ,>     ィ'"|_ `.!//
        |/  ./-''" / | ¨:::   |ハ !\\

               , イ ヽl_  _,,/  ヽ  ` ゙
              イ   ,ハ_ヘ     }<
         > '"  {   /////〉    l   ゙ <
      > ''"      l  / {//// \  j       ゙ <


「戒能良子プロ、やったっけ? なんやあけすけな人やねーぇ」

「和はもう無垢なる天使ではないわ。目立つ容姿なのだから言われても当然だわ」

「さすがに次の解説者はまともな人なんじゃないかしら」

「ま、どうでもいいっすよそんなこと。清澄の試合も終わりまったっすし、私達は明後日の対策をしないと」

「明日、いよいよ淡とか」


 数絵たちが色々と感想を述べているのを桃子が制し、皆の気合を入れなおす。

 そう、俺たちは無事に一回戦を突破していよいよ二回戦が明後日に迫っているのだ。

 2番卓での勝者は下馬評通り、新道寺女子高校。白糸台始めシード校対策は県予選後から進めていた。

 だから自然と新道寺の対策に比重が置かれることになる。


「そやね、ごめんですよーぅ。

 ……ちゅーことで新道寺の牌譜はもうみんな読みましたかーぁ?」

「はい、もちろん」


 そう答えたのは数絵だ。真面目な数絵だから既に昨日の夜には確認済みだっただろう。


「ウチと白糸台と新道寺と……明日決まるっすけど評判通りなら千代水っすか」

「そうね。千代水は中堅までなかなかの打ち手を並べているらしいけど、副将以降は穴だって話よ」

「わたしと京太郎さんでいくらでも畳めるわ」

「一方の新道寺は白糸台対策で大将に行くほど強い選手にしとるらしいですよーぅ」


 そうして早速みんなが新道寺の研究を始める。モニターには県予選での対局の様子が流れている。

 いよいよなんだ。自然と手に力がこもる。逸りすぎるのは良くないが抑えようがない。

 まだまだ俺も未熟なんだと自覚し、思わず苦笑いをしてしまう。

 それに気付き桃子が怪訝そうに首を傾げた。

 何でもないと首を振り、画面とみんなの声に集中する。

 俺と桃子の目的はここで一旦達成されるが、憩さんたちはそうではないのだ。

 俺とチームを組んでくれた恩は必ず返してみせる。そのためにも、勝つぞ!

強制遭遇  憧

 01~32   失敗
 34~65   普通
 67~89   成功
 90~98   大成功
 ゾロ目    超成功


1d100=28  失敗


――インハイ会場――

 意気込んではみたものの、結局牌譜の検討自体はすぐに終わってしまった。

 なぜなら俺達の次の相手はずっと研究してきて今更な白糸台、

 強豪としてマーク済みの新道寺の二校がいるからだ。

 鳥取代表の千代水こそ初見だったが、あいにく大将はこれといって特徴のない選手。

 龍門渕さんやあの雀荘の常連さん達が提供してくれた県予選のデータを見るくらいしかできず、

 またそれで十分な相手だ。

 改めて新道寺の鶴田選手の研究をしても良かったのだが、どうも白水選手とリンクする形でオカルトが発動するんだとか。

 そうなると絃さんがどれだけ抑えてくれるか次第だし、その部分で絃さんは立派に仕事を果たしてくれるに決まっている。

 つまり俺一人だけ時間が浮いてしまった。

 ということで俺は今インハイ会場に来ている。

 一回戦は出場する前に終わり、その後は他校を応援するにしても清澄や永水は別日。

 なので皆と一緒にすぐにホテルに帰ってしまったのだ。

 何を言いたいかというと、俺はまだインハイという状況、雰囲気を味わえていないということだ。

 ではせっかく浮いた時間が出来たのだから、とやってきたわけだ。

 なにせGoTADホテルからは電車で15分ほどであるからして。東京って凄い。

 そんな益体も無いことを考えながらふらふらと会場内を歩いていると、

 いつの間にか選手控室のある区画まで迷い込んでしまっていた。

 清澄は早々に試合を終えてしまい、6番卓が絶賛試合中。

 7番卓は開始までやや間がありそろそろ選手が控室入りするかもしれない時間帯だ。

 トラブルになっても困る。引き返そう。

 そう判断してちょうど空いてきた小腹を満たそうと飲食店区画へと足を向けると、

 聞き覚えのある可憐な声と初めて聴く声が会話している音が聞こえてきたではないか。


「あれは……和と優希と……誰だ?」

                     ---------ミ
                 . : ´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
                   /: : : : : : : : : : : : : : : \ : : : \
             / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\

                /: : :/: : : : :.:| : : : : : :|: : : : : : : : :ヽ : : 〈_トミ
            /: : : i : : : : : :|: : : : : : |ヽ: :|: : |、: l: ∨: /:|ヽ、`ヽ
           _.′: : :l: : : |: : ∧: : : :.:.|||',__|_|: i|: :|/: ′:'.\: \
          / i: : : : :l: : :_レ┼‐、: : : :ТТ「:i|l: l|: :|: : /: |: :i  ヽ : ヽ
.          / /^|: : :| : l/: |\|  \: :| |/x|/=ミl|: :|/: : |: :|  ‘, : :‘,
         / /  |: i: | :!\lx==ミ   \|  ノ::::ハ 》: :レヘ: :.:|: :|   i: : : :',
.       /:.,′ |八:l\ト、《 ノ::::ハ       乂_ン |:.:|  }:.:.l : |   |: : : : ',
       /: :′   |: | : : ∧  乂_ン  ,   ::::::::::: |:.:l /.: :| : |   |: : : : :i
.      /: :    |:|: : 人 ′::::::::::           |:.:|ィ: : :.:| :|   |: : : : :|
      ′: |     l: :|: : : : ゙ト',               /|: ′ : : l: : |   |: : : : :|
     i: : : |     |: :| : : : : |个 .     (_ )   /:.:|/: : __: :|: : |    |: : : : :|
     |: : : |     / 八: : : :!l : :>-      イ : : : :|:/_ヽ_l    |: : : : :|
     l: : :|  /: : : : >、 : \ : : : : /|   ̄   ト、.: : :|{:::{ r‐く_/>┐|: : : : :|
     |: : : l   /: : : : / ヽ: : : :マニ‐/ \     l ∧___l乂>-、  ̄⊂V: : : : /
     |: : :! /: : : : /   ∧ : : ヽ, |   .>┐ /へ 寸: :`:Tヽ\    ヽ: :.:/
     |: : : :∨: : : : :|   /∧:.: :∧|_/ i ∨ // >',: : : :| `ト \____ノ: /
     |i\: : \: : : :|   \ ∧: : :∧ ゝ―-ミ∨/ ̄ ̄|: : :! 「{   「、/


 思わずそう独り言ちた。確かに清澄の試合終了は12時半ほどで、昼食には程よい時間だった。

 そして今は14時前。ランチを摂っていたにしても少し遅い時間。それに久さんや咲、染谷先輩は周りにいない。

 どういう状況なのだろうか。


「? あ、京太郎くんっ」パァッ

      l:..  / . : : : : : :/ l: : :.l.:|! : :.l: : :ヽ: :.',: : : :V:    :,ノ:..  |
      |:.. /  , : : : : : : / : |:jl: :|.:|| : :.ト、: : :ト、:ハ:.:.: :j!:   く/⌒  ,ノ
     〉: ,′ /: : / l: : /|:__:|:||: :|小、孑代汁仆|l|:. :||:   .:j|:.   〈
     く:. i  /: :.:,':.厶rj´|l : |从.:| ヽ \| ∨从|l|:. :|L _/⌒ヽ /
      |:. | :,'j: :.:.j|:.:||: :l 八_」_ \    ィf乏[うメ、|: :从: :/  ヽ.-r'
     L l :l | l: :|| 八,ィ圻圷、         {ト _jハ.}}:∧|:.:.:|    } ',
.      Ⅵ,| |:.从 { {{゙ {ト、_jハ        弋jy沙 /  i: :.:レi⌒jレ'´〉
       / 八::{:.:\  Vj沙′          ,,,,、   i: : :.:.:|:.:|:.:.|
        厶__/ \:.|ハ  ,,,、     '             ,′:.:.:.:|:.:|:.:.l
          | :.:.:l:.:ヽ',              /7 / : : l .:l:.:.l
          |   ::l:.:.l八        r_ヽ     .イ/ /: : : ,′l.:. l
          |  ::l:.:.l:.:.:{丶.           ,.イ|'/ / : : :/ : :.l:.:.:l
          |  ::|:.:.|:.:.:ヽ:.:.:.:> .、_,. <  / / : :./ :.:.: :l:.:.:l
          |  ::|:.:.ト、:.:.:.:\:.:.:.ヽ}   _,../ / : :./ |:.:.:.: :l:.:.:l
.       /´}   :|:.:lト、\:. : :\__」 _/  . ′..: :.:.:.∧ |:.:.:.:.:.l:.:.:l
      ,x‐く ̄∨ .:|:.:l| \,_,>'"´   /  :.:.:.:.:.:, ′\: :.:.:.l:.:.:l
  ,. ‐く \ ヽ ∨:|:.:ll.   / /  /  : : :.:.:;/ ̄\ ヽ:.:.|: :.l
. 厶ヘ、ヽ     ∨: l| / /  /  : :.:.:.;.'′    ヽ. ∨:.:.:l



 声が聞こえたのだろうか……? 距離もそれなりにあり、とても聞こえそうにないのだが。

 それはともかく、和がそのサイドテールを揺らしてこちらに小さく手を振っている。

 ここで他人の振りをしたらどうなるだろう、という悪戯心も湧くがさすがにそれは心が痛い。

 素直に応じて呼ばれることにした。


「よう和。二日ぶりくらいか。優希も」

「開会式では顔を見ただけですし、71時間ぶりです」


           _/: : : : : :/ : : : : : : : : : : : \
        . : :´_],,] : : /: : : : : : : : : : : : : : : ヽ

.        /: // /: :|: : : :| : /: : : : : : : : : : : : : : : :.
.      /: : / /: :| : :|: :\|: :|: :\/:.: : :/ :│: : : : :.
     /: : /  : : | : :|: : : :|: :|_:/ :メ:/ /.: :/| : |: : : |
     .': : /   | : : | : :|:/⌒|: :{⌒刃ト/ / : / 七 |: : : |
.    ': : :|   | : : | : :|{{ `|: :| ヒン 厶イ刄|/│/: ′
    | : : |   /: : ;゙|: : i ゝ |: :| 、、     ヒン'イ.:|乂/:|
    | : : | .: : : /│ : i 介i|: :|.   __  ' /7i| :|ハ ∨
    | : : {/:/: :/: ∧.: :〈\i|: :|\_‘ー´ ィ77(|.:ハ }:│
    |: : :.∨:∠二二: : :∨j|: :| ∧ ̄Ⅵニニ7:/丿|:│
    | : : : ∨レ―\∧ : :Ⅵ:人,_ ∨: 〈   {厶_ }:│
    ∧: : : : ゙.|    \\: \i:iマ⌒|\∧/}} }Ⅳ /
.   /: ∧: : : : :\       ヽ: }:i: \|i:i∧ {{   ∨
  /: /|: :\i : |\}      \}人 ニニ|ン゚ノ|       〉

「えっと、和? この人は……?」

「あ、二人とも。紹介しますね。須賀京太郎くんです。私と同じ清澄高校の生徒で」


                 __
             . : :´: : : : : : : : :`: .
              /: : : : : : : : : : : : : : : : \
           .´: :/: /: : : :∧: : :ヽ: : : : : ヽ
         /: : / : :/ : : : / ヽ : : ヽ: : :',: :ハ

           /: : :,': : /: : : /,′ }:i: : : !: : : i: : :';\
        ': !: : !: _ハ:{: : ハ!   }ハ: :_:レ: :}}: : : ! : ヽ
        {:i: : :{: :/Tニヽ {!   jイ:ノハハハノ : !:}: :ヽ:ヽ
        i:ハ: :ハ: i/ん:ハ`   ゙ん:ハヽi: :i :ハ}i: : : ヽヽ

           iハ: ハゝ 辷ソ    辷ソ "ハ:レ: ノ: : : : ヽ:ヽ
             /人 !       '       /.ィ:}: : : : : : : ハ:.}
             {:{  ', "" r――┐ "" ′V}: : : : : : : } }:}
          {:{  ゝ,  ヽ  ノ   イ  ∧: : : : : : :/:/
            ,ヾく: ̄::i:::::ェ- --ェ彡!: ̄::::ハ}: : : : : //
.           /:::i:::::::::::::ヽ\::YY:/:丿::::::::´::ハ} : : : //
         /:::::::へ┐::::::\:::l l::::/::::::::::::::::j:::V : ノ
         ノ:::/ヽ‐二>、:::::::::`:l l:´:::::::::::::::::::V:::::Vノ
      ノ::ィ::ヽ::`<´,.)::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::!:::::::ハ

       /::/:::\:ヽヽ:::フ::::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::}::::::::::ヽ

「思い出した! 確か唯一の男子だったよね?」


 和と優希に声をかけると、和がやけに正確な時間を提示してきた。

 その様子に、和がそれまで会話していた二人組の一人、薄赤茶色というか、

 茶色がかったピンク色というかの髪をした今風のいかにも遊んでいそうな少女が

 若干引きながらも見知らぬ男の素性を訊ねてきた。

 そうしていざ紹介を始めるとなぜか紺色のジャージの上着だけを来た活発そうな茶髪をポニーテールにした少女が遮る。

 奔放というかなんというか。

 しかしおかげで俺も思い出した、確か雑誌の特集記事で見覚えがある二人である。


「そうらしいな。二人は……高鴨穏乃さんと新子憧さん、でいいのかな」

「っ、な、なんで名前……」

「憧、まだ男の子苦手なんですね」


 あからさまに警戒するように身を引いた新子さんを見て、和は懐かしそうにやや遠い目をしている。

 いつか和が話していた小学校時代に出来た麻雀友達とは彼女たちだったのだろうか。


「雑誌で見たんですよ。インハイ特集で紹介されてたんです。阿知賀女子、美少女揃いのチームって」


  判定   3d100=45・45・84
  憧追加判定 1d100=77

  穏乃:普通   和:普通   優希:成功   憧:超成功



「あはは! 私が美少女って、そんなお世辞言っても何も出ないよー?」ゴソゴソ


 高鴨さんはそう笑いながらポケットをごそごそと探り、何かを見つけたのか手を引き抜いてこちらに差し出してきた。

                     _
                   / 二>───
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        ト、: \!    |:i .斗‐┼!: :l   jノ人|:.:.`ト、:.|. . .. ..| |
        个x: : :|: : :. イト、人_∧\!   __ |: :/|:i!:.|: : :. :.| |
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 //   .: : : : : :./^ヽ∨iト、三>   .,,_ . <ニ.|.:./
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      .: : : : :/       'vヘニ>─ ┴く/ x─‐‐く |
|| i!   : : : : :′   ⌒ヽ V´ ,       Y /      v
リ |   : : : : :レ'        ∨ ({        i !     i!


「はい、高鴨堂印の特製最中だよ!」

「え、ああ、ありがとう」


 二人もいる? と和と優希に聞き、渡している高鴨さん。どこから突っ込めばいいのか……。

 その服装からなのか、いつも和菓子を持ち歩いているのか。

 一方優希は最中をもらい、でかしたぞ犬! と俺を褒めている。

 ……和は拗ねたように唸っているが俺は何も見ていない、見ていないのだ。


 そして新子さんだが。

                -‐…‐-
            /: ∪: : : : : : : : : : :`丶、

           /.: : :/: : : :|: : : : : : \: : :ヽ-
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         |:| ||'/ : |/ , <       \:ノ: : ∧ ,: :′
         |:|/{: : : :/ゝイ ∨\      \\: :∨:/

「び、美少女って。確かにお洒落には気を遣ってるし化粧だってしてるもの。
 そうやって褒められるのは悪い気はしないわよ。でもそんないきなり口説くなんてどうしよう私狙われてる?
 ダメよ憧。和の反応を見なさい。あからさまにこの男のことを好きですって顔してるじゃない。
 親友と恋の鞘当とかとんでもないわ。せっかく久しぶりに会えたのに早々に喧嘩なんて。
 でもどうしようなんかドキドキしてきちゃった。こんな感覚初めてでどうすればいいのかわかんないよ。
 お姉ちゃんこういうときどうすればいいの」


 ぶつぶつと小声で狼狽していらっしゃる。そしておもむろに爆弾を投下した。


「和ってその人とその、付き合ってるの?」

          /             \
           ,′       ヽ       ヽ
         i| i    i i l|  i!  i ! i   i
         l| { i  i i__!>!へ}_i_ ! ! !  !}
         | Vヽ ̄V/ /レ / レ ̄ / 〃
         |   !<チ牙'    テ示ト7 /イ′
         |l   ! `¨´ 、、、、、、`¨´ 7´イ.|
         ||   、 """"" ' """"'/!'  |│
          l l    iゝ    ^   イ !   | |
           ハ!   レ'二1`  ´ト7ヽ!!  | ヽ
        / !   | ヽ     /   |   !_ ヽ
       /7  /  ヽ   /   |   | `ヽ
      / _/  /  - 、 ヽ /   , -!   ! 、   l
        !//  /       _ソ /   ヽ  ヽ`ヽ、i
      /  /   /    / /      〉ヽ ヽ ヽ
      {   {{  〈     , ′ /      / / \ 〉 ',〉

「ふぇ!? ちちち、違います! そりゃそうなれたらいいなって思ってますけど……。

 別のチームだから一緒に居られる時間も少なくて京太郎くんのチームメンバーも強敵ですからなかなか」

「そ、そうなんだ。和がここまでべた惚れだなんて。でも確かによく見てみれば結構イケメン?

 麻雀だって全国に出てきたんだからそれなりよね? 実はかなりの優良物件なのかも」


 などと仰っておられる。こうなってしまうと男の身では割り込みようがない。

 助けを求めて優希と高鴨さんに視線を向けてみるも、二人は和菓子の美味しさで意気投合し、

 今度はタコスを奢るじぇなどと言って食談義に花を咲かせている。

 しばし所在なく佇んでいると話が済んだのか、場がお開きの雰囲気。


「和、片岡さん。準決勝か決勝かは分からないけど……一緒に麻雀打とうね!」

「えっと、須賀君もその、決勝で会いましょう」


 そう言って俺と彼女たちの嵐のような邂逅は終わったのだった。

強制遭遇  宥


1d100=54   普通


 あの後俺は和と優希に誘われて阿知賀の試合を一緒に観戦した。

 雑誌の触れ込みに偽りはなく、その全員が間違いなく美少女であった。

 和と優希にじゃれつかれつつの観戦であったために色々と危ういところであったが、

 どうにか自制することに成功したのだ。

 そうして時刻はもう20時。和たちを宿舎の玄関まで送り届けた俺は、ホテルへの帰路に着いていた。


「さ、寒い……」ガクガクブルブル

                    ___
                 〃    ´      `丶、 ヾ
               /: : : : : : : : : \: : : :ヽ
              /: :/: :│: : : : :ヽ : : : : : : :.
              : :/:/l: :|: : :|ヽ: : : :│: : : : :.
            {{ |: i: ト匕|\:ト-\|: :ト | : :| :| {
              } |八{{ ̄ `}}_{{ ̄`}|: :「 | : :| :|  }}
                 |汁===介===1|: :|ノ| : :|リ      プルプル
                 |: |} -〈┼‐ .:}}: :|ノー弌
                 |:个ー‐_ァ==≦l : |_______}、
                 |i人___    _リ: :厂 ̄__}\
                /{ ̄   ‐‐==厶イ__彡⌒ヽ : \
            {   {: :\_______彡 i :|/{{   }\:ハ {
           }}  ∨: 人__∧人__| : i :| {{/  |∨} : } }}
.                |八_/  {   | : i :| /{{  | 〈/
              /l〃l{  o}   \乂/ i{ リ   \
         }   //イ 八   {、    /  }} ,゙|    \
         {{ /〃 |  ヽ oヘ   / /{{/│     \ {


 その道すがら、やたらともこもこした服を着ていながらも寒い寒いと言って震えている何かを発見してしまった。

 時間帯が悪いのか、なぜか人通りがぴたりと止んでいる。

 これはマズイと思った俺は足早に通り抜けることを決意した……のだが。


「さむ――? ……あったかそう」

            ___ _

         . .<: : : : : : : : : : > .
       . : ; : : : : : : ; : : : : : : : 、: : \
     /:/ : /: : : : :i: : : : : :i: : : :ヽ: : :ヽ
   ./;/: : ; /: : : : : i!: : : : : :i!: :、: : ヽ: : : :,
  ,: :/:': : : :l:1: : : : : : !i: :、Lゝ:ヾ : i: : : :,: : :∧

  /:/:f: ; : -+イ;/、: : : :!ヽ: :! \: ヾj: : : :l: : : : :i
  }!': :|:ハ: : /V  ヽ: : :{  ,,x≠z;、」|: : : |: : : : :|
  Y: : v:| ,x≠;、   \;f 〃"   jii! |: : : |: : : : :|
  ,}: : : :i 〃  }ii!     ヾx,zX;タ |: : : |: : : : :|
  |: : : :,! ヾZzシ             .|: : : |: : : /;!
  |: : :;ノ  ,,              ''   |: : : | : ;/:/
  |: : :ヽ        o       _ .,|: : ://: :ゝz, .―.、
  |: : :| .> _ _.γy-γ_У_   /:}: ;/": : : : : : : : :<
  ヾ: :{  〉: : 「ノ  7  _〉   ヽ.Y: /; :{ ; : : : : : : : : : : 1
   ヾ{: :ノ: : /   「 介、   ゝ{へ: ゝ\: : }ヽ: :} ̄ ゙
     7: :〈    ノ  。 \   ソ       <V


 ロックオンされた。思わず硬直してしまったのが運の尽き。

 その何かがそれまでの様子からは想像できないほどの素早さで俺を真正面から拘束してきた。
 
 そして気付いてしまったのだ。――柔らかい!


 良く見てみればこの真夏に考えられないほどの厚着をした若い女性である。

 しかしその厚着の上からでも分かる大きな胸、バスト、おっぱい。

 あれか、露出狂ならぬ着込み狂の痴女なのか?


「はぅぅ~、あったかい。すごくあったかーい」


 そう言いながら俺の体にその豊満な体を擦りつけてくるのだ。

 先ほどまで堪能していた和を思い出し、危険な状態へと移行しつつある。

 はぁはぁと熱い吐息を漏らしながら胸や足を擦りつけてくる美女。実にけしからん。


「あ、お姉ちゃぁ~~~ん! ……って誰!?」

「あ、玄ちゃん……。あったかいの」

「そっかー。ってダメだよ知らない男の人にそんな……、そこの人!」

「は、はい?」


                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
              /    . . . . . . . . . . . .   \
         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ

        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,

          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
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.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧

「お姉ちゃんのおもちは素晴らしいでしょう!?」

「Yes,it is!」


 突然現れた、目の前の女性を姉と呼ぶ黒髪の少女。

 最初の内は至極真っ当なことを言い、俺は不審者としてお縄に着くのかとすら覚悟したのだが。

 とんでもないことを聞いてきた、大声で。思わず英語で返答するくらいに動転してしまったではないか。


「――はっ! そうだ、お姉ちゃん待たせてごめんね。おかげでリフレッシュできたよ」

「そっか……? あ、え、わ、私なんで男の人にこんな体をっ?」グラッ

「え、ちょ、危なッ」


 妹(?)に話しかけられ我を取り戻したのか、状況の異常さを認識して慌てて体を離そうとした女性がバランスを崩す。

 当然のごとく、密着されていた俺が一番距離が近いのだから助けるのに適している。

 しかし体勢が悪かったのだ。どうにか手を伸ばして掴めたのはいい。俺も踏ん張って倒れなかった。

 そう、体勢や距離が悪かったのだ。

 俺が伸ばした手で掴んだのは、女性の臀部。むんずと鷲掴み。

 そしてバランスをとるために動かした手が思わず掴んだのは、女性の右胸。がっしりと搾り上げるように鷲掴み。


「ひゃんっ」

「お姉ちゃんっ!?」


 どうしてこうなった。お、俺は悪くねェ! 役得だが俺のせいじゃないッ!


「――その揉みテク……お兄さんもおもちに導かれし者だね」

「え、なにそれは」
 
「うんうん、皆まで言わずとも分かってるよ同志! でも今は語り合うには時間が悪いのです。

 これ、私の連絡先だからよろしくね!」

「あぅ、えっと、その、私も……。またあったかくして、ね?」


 そうして一方的に俺に連絡先を押し付けて、拒否する間もなく二人は去っていった。

 世の中おかしなことだらけだと思い知らされた出来事であった……。

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. 人- 、ゝ: : : : : : : ∧l. ヽ: : : : |    ` ー- 、         /::::|: : : :∧
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──- 、_ゝ: : : : : : : ::∧ ゝ: : :ヽ          `ー' ___ ノ: : ::/: |

⌒ヽ、   `ヽ: : : : : : : ∧ヽ\: ヽ                ./: : :/: : |
     \  ∧: : : : : : : ∧.  \ゝ 、             ./: : :/: : : !
      \  \: : : : : : :∧   `    ー- 、       /ノ:イ: : : : |
       ヽ  \: : : : : : ∧,r-、       ` ー>-、__ ' ´ノ: : : : : リ
        ヽ  〉、: : : :r´ _/`>-、     r.{  r‐ヽ、/: : : : : :∧
         〉//  \::{ / , r'´ ,r'⌒、   {.{ ./ / ̄ `ヽ、: : / ヽ
         //    .Y/ ' ´ ̄ ̄ ` ヽ 〈  .| し/ ./  / ̄` ∨  ヽ
         //    /´          ヽ .∧ { ./ / r‐-  .ト、  }
        .//}    .{            |. ! `ゝゝ.(_/ ヽ  }).ヽ  l
       // j    |            |- !     ` ー-- '´  |  .l
      _ノ/ j    .!            ! |            |  ゝ
      ノ  l     }            | ヽ            |、  ヽ


評価

新子憧:なんでだろ、でも和が信用してる人なら……

高鴨穏乃:友達の友達は友達だ!

松実宥:あったかい人?

松実玄:彼は同志かもしれないのです


須賀  新道寺   有珠山  姫松     清澄   宮守    阿知賀  鹿老渡
  ―――        ―――        ―――        ―――

千代水 白糸台   越谷 千里山   根獅子  臨海    鬼籠野  永水
    A           B            C           D  



 インハイ第四日、午前九時。それが準々決勝A卓の開始時刻だ。

 卓を囲むのは、俺達チーム須賀と第一シードの白糸台、

 2番卓を勝ち抜いた強豪新道寺、そして9番卓を下馬評通りに勝ち残った千代水。


『テレビの前の皆さまおはようございます。

 午前九時ちょうどから、第71回全国高校生麻雀大会団体戦準々決勝A卓の模様をお送りします。

 実況は私、佐藤裕子と』

『解説は私、瑞原はやりが担当するよっ☆』

            /              __
        /            .  ´        `  :、
      __∧__    (⌒ヽ .:'    ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/  ̄ ̄)
      `i,.、i´    ゝ /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: f⌒ヽ  /
               /廴/ .:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.: ト、_,ノ ⌒ヽ
              / .:{ / .:.:.:.:/⌒  :.:.\.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.\  ト-イ.:\
          / イ人{.:.|.:.:.: |   \:.:.:.\.:.:.:.:.:.:|.:.:.:|`¨´ У.:.::.:.:.
            /// .:.:ハ`|人≫=ミ、  `¨≫=ミ、 .:!.:.: |.:.:.:.| i.:.:.:.:.:.:.|
        ///.:.:.:.:.:.|.:l: 〉{ んハ     ん ハ Y}-、l.:.:.: | |.:.:.:.:.:.:.|
        〃 { .:.:.:.:.:.|.:| ハ 弋rソ    弋_rソ :|:|ん} .:.: | |.:.:.:.:.:.:.!
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『……まずは出場する各校のオーダーからご紹介します。

 シードの白糸台高校は先鋒宮永照(三年)、次鋒弘世菫(三年)、中堅渋谷尭深(二年)、

 副将亦野誠子(二年)、大将大星淡(一年)。言わずと知れた西東京代表』


『宮永照ちゃんが入学してから破竹の五連覇達成中のチャンピオンだね☆

 今年は去年から三人メンバーを変えてるけど、中核の照ちゃんとアシストの菫ちゃんはそのままだから侮れないよっ。

 特に大将の大星淡ちゃんは他家と比べて配牌が良いことが多いし、ダブルリーチを掛けた場合の和了率がすごいんだ☆

 二年生の二人も和了率が高かったり役満率が高かったりで特徴的な打ち筋だよ☆』


『ありがとうございます。大星選手と言えば、抽選会での一幕はずいぶんと話題になりました』


『あー、須賀君の勝利宣言とそれに応える淡ちゃんの笑顔だねっ! 青春って感じで眩しかったなぁ』


『瑞原プロは10年前に51回大会に出場されておられました』


『めっ、だよ?』ゴッ


『ひっ……あ、はい。申し訳ございませんでした』


『分かればよろしい★』ニッコリ


『えー、次はこちらも強豪、新道寺女子高校。福岡代表です。

 先鋒は花田煌(二年)、次鋒安河内美子(三年)、中堅江崎仁美(三年)、

 副将白水哩(三年)、大将鶴田姫子(二年)となっております』


『――新道寺高校と言えば理沙ちゃんの出身高校としても有名だね☆

 新道寺高校は去年の夏と今年の春、白糸台の照ちゃんに完封される形で負けちゃった。

 だから今回は対照ちゃんシフトを意識したオーダーを組んだみたいだよ☆

 先鋒は他家との連携が上手い子を置いて流すことに専念、

 次鋒は打ち方が柔軟な美子ちゃんで菫ちゃんの狙いを躱す。

 そうして中堅から稼いで巻き返すっていう作戦かなー?

 特に副将の哩ちゃんと大将の姫子ちゃんは特別な絆があるみたい☆

 二人が同じ試合で戦う時は一人で戦うよりもずっといい結果を残すみたいだよっ。

 ……でも、敵は白糸台だけじゃない、ってことを忘れてるんじゃないかな★』


『麻雀は基本的に4人で打つものですが、白糸台を意識しすぎて足元を掬われる……ということでしょうか』


『うんっ、そうなっちゃうかもしれないね☆』


『なるほど。続いて千代水高校です。鳥取代表の古豪。

 先鋒は岩美望(三年)、次鋒は米子涼(三年)、中堅は鳥部綿南(二年)、

 副将は須佐世利(一年)、大将は倉吉梨佳(二年)というオーダーです』


『鳥取と言えばはやりの出身である島根のお隣さんだねっ。

 だから個人的にはちょっと応援してるんだけど……。

 この学校は中堅まで実力者を並べての逃げ切り戦術を選んだみたい☆

 後ろの二人は来年以降を見据えての配置なのかもしれないね☆

 ただ副将の世利ちゃんからは妙な気配を感じるんだけど……はやりにはよくわからないや☆』


『最後は注目のチーム須賀。高校の代表としてではなく部活外参加制度を利用して結成されたチームです。

 部活外参加制度は普通であれば麻雀部のない高校の生徒などが利用するものなのですが……。

 先鋒は荒川憩(二年)、次鋒は南浦数絵(一年)、中堅は東横桃子(一年)、

 副将は霜崎絃(三年)、大将は須賀京太郎(一年)。嵐を呼ぶと評判の長野代表です』


『須賀君と桃子ちゃんは清澄高校の出身なんだよね☆ テレビの前のみんなもこれにはびっくりかな?

 だから今回の大会には清澄高校出身選手が7人もいるってことになるんだよっ。

 去年の衣ちゃんといい、長野って怖いところだね☆

 そしてやっぱり気になるのは須賀京太郎君っ。インハイ無差別級史上初めての本大会レギュラー男子高校生っ!

 男子選手ってなるとどうしても30歳までは女子選手に劣ると思われがちだし、

 実際にこれまでのインハイエキシビションや若手プロ交流戦でもその通りの結果なんだ☆

 ……だからってみんながみんなその枠に収まるとは限らないんだよっ! 須賀君は男の子たちの希望の星かもしれないね☆』


『須賀選手と言えば先ほど大星選手の件で触れましたが、あの挑戦状は大胆不敵でした』


『そうだね~☆ でもでも、須賀君はそれをできるだけの実力があるんじゃないかなっ?

 長野予選決勝では1試合3役満なんていう離れ業をやっているし、あの天江衣ちゃんも須賀君のことは認めているみたいだよ☆

 なにより……憩ちゃんと絃ちゃんがわざわざ地元を離れてまでチームを組んでるってことはすごいことなんだよ☆』


『確かに、高校生で寮の無い場所に行ってまで組んでいる、というのはなかなかできることではないですね』


『んふふ~☆ はやりは須賀君たちとは戦いたくないかな☆』


『瑞原プロにそこまで言わせるチーム……その真の実力がいよいよヴェールを脱ぎます。

 皆さまどうかお見逃しなく。これより先鋒戦、スタートです』


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「春ぶりですねーぇ、宮永さん」


 憩がいつも通りの笑顔を浮かべて、そう話しかける。

 その声に応じ、照は足を止めゆっくりと振り返って答えた。


「……荒川憩。どうして長野から?」

「なんとなく、ですよーぅ♪ ふふっ、実は京ちんに惚れたから、言うたら本気にしますーぅ?」


 照の言葉は至極当然の疑問であった。憩が長野で出場した、と聞いた誰もが思った疑問。

 そしてそれに答えた憩の言は非常に軽やかなもの。

 しかし超常的な洞察力を備える照には、卓についておらずともその言葉に紛れもない本気さを聞き取ることは造作もなかった。

 そして憩も照が“京ちん”という単語にどう反応するかを見ていた。

 とはいえ憩が期待していたような含みのある反応ではなかったのだが。


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          /:: :: :/|:: :: :',:: |::' :: | x灰幵ミz、 \{    {::    ::} .!:/|:: /::|
            /-‐ '´.|:: :: :ヽ|::ヽ::| { {::   ::}         辷__ノ /´ ,':/:: :|
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「須賀君……。彼の源泉は見通せなかった」


「……? 京ちんと卓についたことあるんですかーぁ?」


 宮永照は同卓したものの心を盗み見る。そうして知ったことを礎に、相手を蹂躙する魔物。

 その魔物に愛する男が穢されようとしていたなど、憩に許せることではない。

 一気に空気が張りつめ、今にもスパークしそうな刺々しさが増していく。

 しかしそれを切り裂くように闖入者が現れた。


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        Vハ (oノ__           | :| : : 、: : l: :| :l l |l     }| V : ,| |l: : : : : :}: :|    _jL
         `´ 〈:辷'-、      , . -┤:| :l l |ヾ:ト∧刈_ |!     }|_,レ仏}ルイ : : l :├-. 、`l「
               `¨^}ノ_   / : : ; :l: :V{:Ν ァfチ艾ミト     }ノィfチ艾不ノィ:ノ/: l:|、: : : \
                  ⌒))イ: : : : / 从: 刈 1 r‐{::::}刈        r‐{::::}刈 } 7ノ: /}' ヽ : : : \
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                {: : : : : : : : : : : ̄:二:フ , , ,      ,     , , , \_: ̄: ̄: : : : : : : : : : }
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                     `ヾ\_         、     ヽ _ ノ     ノ          _∠:>'
                       ` ̄           >         <           ̄´
                                   _!      |__
                                    /ヽ廴   __,レヘ
                        ___, <   , ヽ._ト、   ヽ

                       /      ヽ    /  | ∨    〉ー---=ヽ

「すばら! 個人戦1位2位の方々と卓を囲めるとは実に有意義な経験です!」


 紫色の髪を二つ結びにまとめ逆立てるようにしている少女、花田煌。

 その顔には喧嘩は良くない、と書かれているよう。


「あんたよくそんなこと言えるね。アタシは今から憂鬱」

                         ___
                       ー~:: : : : : : :.: ̄  、
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              リ Vl ,' /   l´            l: :ノ,-ゝ- . ,'
                ii i ゛        ゛   ,' V ´  .) : :ilj
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           /:: : :/::: : : : : :',', i,, 。.ノ  ノー     i .l .`i  .',:: : :`ヽ_,;⌒i
          ,.':: : :/ : :,: :。: :--ー’ ノ   `ヽ     -- ソ∨ ∧ : :,--,>,' i
          ,':: : :/ ., ,'´    ノ /      .',       `ヽ 、_/  .' .i   、___ 。
         .,':: : :/ ./ i    ノ //         リ ノ    , ´   \i.      i`ヽー------
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        l : :,.' /,。・´  ,'         X     ,' .l        i     .,'  `ヽ.’、
         , ・ ' ´    ,.'        ノ        i l        l       /    ヽ ',
       ,。'  .,'     ,'    。 ・ ´       Vi .l      j´~ ̄~`/      ', i
      , .´        ,' .,。 ・ ´              Vi       Y´   ..,' `,
   . , ′        ○             ,   〉i     ,-' /   .../:: :∧
   ∧ `,       / ,'           , ´   .l .i.l  , ´ /    ,'::: : :∧

   i  l.i      ./.,'.j               ′  .  ',l l ',  . //    ,': : : : : :i
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   ' , .i       ',            |      ソ  .,'        リ  l:: : :l
    ヽ、       ' ,          ,'     ノゝ ,,'      リ  i:: : :l

        ` 、      丶           ノ   , '´ / `ヽ     ノ  ノ: :ノ
         ` ー--┬ ´゚ー-、___,,,,--ー´   /i     ヾ   ノ  ,' /
             i  i ll              へ i 、    _ノ   i j
               ,' .| .l                / ∧    /
           /   | l                 '   ∧ ̄ ̄´


 そうしてもう一人、二回戦A卓を囲むもう一校である千代水高校の先鋒、岩美望だ。

 青黒い髪をかき上げ、着崩したYシャツの胸元をパタパタと扇ぐ。

 そんな彼女に機先を制された憩が憤懣やるかたない気持ちの矛先を向ける。

 なにせこの四人の中では最も胸が大きかったので。


「酷いわぁ。何も取って食べたりはせえへんのに」

「まあまあ、笑顔ですよ! 麻雀は楽しく打ちませんと、幸運の女神さまに嫌われてしまいますから!」


 再び悪くなりそうな空気を一喝して見せる煌。照もその流れに乗る。


「……新道寺さんの言う通り。――さあ、始めよう」


 もっとも名前までは覚えていない。照にとってほとんどの同年代雀士は取るに足らないのだから。


「よろしくお願いします」「よろしゅうお願いしますーぅ」「よろしくお願いします!」「よろしくー」


荒川憩
属性 :O
技量 :A
直感 :A
必然力:A
・スキル
【ラックトランスフュージョン】金
 失われた運気を回収し、自らに注入していく異能の力。
 他家が和了する度に発動。
(効果A)
 和了判定値を+5。
(効果B)
 打点を+1。
(効果C)
 親で連荘した場合、連荘するごとに上昇した分が2段階ずつ戻る。

【鎮静の笑顔】銀
 凄惨な現場でも冷静に、患者を安心させるための微笑みを忘れない。
 聴牌判定値が1位の場合、他家のスキル効果を受けない。

【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。

【威圧感】
(効果A)
 他家の判定を-10。
(効果B)
 スキル効果による特殊和了を行うごとにさらに他家の判定を-5。
(効果C)
 跳満以上を和了した次の局、他家の判定を-10。

【逆境○】
 東風の場合は東四局、半荘の場合は南三局以降に効果発動。
 1位でない限り判定を+10。

【尻上がり】
 南場の間、判定を+10。




花田煌
属性 :O
技量 :D
直感 :D
必然力:D
・スキル
【不屈】銀
 どんなにつらくとも折れない不屈の心。
 自身の点数が0以下になるときに発動。
 その原因を無効にして全員ノーテン流局させる。

宮永照
属性 :O
技量 :S
直感 :B
必然力:A
・スキル
【照魔鏡】金
 東一局0本場を和了せずに経過した場合に発動可能。
(効果A)
 次局以降、自身の直感を相手のスキルの数×3プラスする。
(効果B)
 相手の金以下のスキル効果を無視する。
 虹スキルの場合は自身が受ける聴牌・和了阻害効果を半減する。

【連続和了】銀
 聴牌に成功した場合に発動可能。
(効果A)
 聴牌・和了判定を+80。
 ただし和了するごとにスキル補正値は10ずつ低下する。
(効果B)
 和了に成功した場合、1回目の和了点が基準点となる。
 ただしこの打点は満貫以下とする。
(効果C)
 2回目以降の和了時、基準点を上回る打点とならなければ和了に失敗する。
 失敗した場合はノーテン扱いとなる。
(効果D)
 効果Cが発動した場合、スキル補正を-10することで
 本来の打点から1段階ずつ上昇させることができる。
 この効果で規定打点を上回った場合は和了に成功したものとする。
(効果E)
 跳満まで到達した場合、聴牌に成功していたら強制ツモ和了。
(効果F)
 効果Eが発動した場合、効果Aは失われる。
(効果G)
 効果Eが発動するまで打点は満貫未満となる。

【金剛環】虹
 自身のスキルを解除することで発動できる。
(効果A)
 自身のスキルを解除し続けた局数×2翻で強制和了。
(効果B)
 チャージ中に和了を放棄した場合、その局加算されるチャージ分は+2となる。
 放棄した和了の打点が満貫以上だった場合は+3となる。



岩美望
属性 :D     58
技量 :C
直感 :A
必然力:B
・スキル
なし



照:7個分アップ



望・憩・照・煌  の順

1半荘目

東一局  ドラ:四筒

 挨拶と共に、対局が開始された。そうして賽がふられ、配牌が終わる――瞬間。

 勘のいいものは一様に違和感を覚え、当事者である憩などは強烈な不快感に襲われた。


憩(ッ! 来ましたねーぇ。ほんま、これやから宮永照は嫌いやねん。

  人の心にずけずけと土足で入ってきよるんやもん)


 しかし照がこの鏡を使ったということはこの局は見に回ったという証左でもある。


憩(つまりここが攻め時ですーぅ! あんまウチを舐めんで欲しいわ――)

憩「ロン! タンピンイーペードラドラで8000ですーぅ」


望  92000
憩 108000
照 100000
煌 100000



東二局  ドラ:一索

望(マジっすか、絶好の機会が……)

煌(さすが荒川さんですね。全国個人2位。おかげで宮永さんを流すのは楽かも)

憩(……宮永さんはまだ来てへんのかな? いつもなら6巡目ならとっくに始まっとるはずやけど。

  せやけど来てへんのやったらチャンスですーぅ!)

憩「ツモ! 白トイトイで2600オール!」


望  89400
憩 115800
照  97400
煌  97400

東二局一本場  ドラ:發

煌(おお! 宮永さんが動かないことが多い東一局に続いて二局目も)トン

照「ロン。タンヤオ一盃口の1本場で2300」


望  89400
憩 115800
照  99700
煌  95100


東三局  ドラ:九筒

『……始まっちゃったね☆』

『始まりましたね。試合と、チャンピオンの連続和了がついに始まりました。

 圧倒的な速さで徐々に打点を上げていく和了を繰り返す、同卓者の絶望を煽るようなスタイルです』

『うーん、それはちょっと言い過ぎだと思うけど』


照「ツモ。トイトイのみ、1000オール」

         /.::/.: :,'.: :: ;:;イ:: :: ::i:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
.        /.::/.: :: i:: :: ::i/i:: :: ::i!iハ:: :: ::i:: :: :: :: ::::.
.       /.: /.: :: :/.: :: :i.:::i!:: :: :i i:ハ:: :: i!:: :: :: :: ::::.
       /.: /.: :: ::i!:: :: ::!::::i!:: :: iィ!厂ヽ:: :ii:::i:: :: i:: :::.
     .:::.: ::!i:: :: i:i:!:: :i::!::::.ハ:: ::i:::ヽ茫弐::ゝ:!:: :: :i:: :i::.

    .:::::.: :::i!i:: ::イ:i:i:: ii::!::::::: ヽ::!゛゛:::.-・゙'ヽ!i!ヾ:: ::!:: :. :.

.   .:::: ::: イ !:: :/i:!ハ:: ハi::   ' ヽ      i/i:!:: :!:: :::. :.
   .:::::/  !/!:::!::i:ハヽヽ            /'i::!:i:::i:i:: ::. :.
       /.::ヽi:: !':: ::ヽ     , ‐ -    /.: :i:: ::!ハ:!:: :::. :.
     /.: :: :: .: :: :: :: ::>    ´     ,イ:: /.: :::i:: :!i:: :::  :.
    / .: :: /.: :: /.: :/.: ::>     / !:/.: :: ::i:: ::i!:: ::   ::
  / .: ::イ.: :: ::/.: :: :/.: :/ ヤ  `     / ヽ:: :: :i:: :::i:: ::  .:
 /   .::: /.: :: :/.: :: ::/.::ノ 乂 }     /iヽ } `ヽ:: :: }:: .: .::
/  .::  /イ:: :/.::;; -゙ ニ  ヘ } ヽ   .: :: :::}   ヽ;;_ノ.::

  .::  { !ィ 二         ヘ   ヽ  .: :: :;;}      ニー._
  .::   / ヽ ヤ:.         ヘー-、  .: ::':: :}     〃/ ヽ
     /   ヽヤ:.         ヘ _ - ‐ 、::}     〃/  .ハ
.    /    ィ  ヽヤ::.        ヘ    :: }     〃/     ヽ


望  88400
憩 114800
照 102700
煌  94100

東三局一本場  ドラ:白

『せっかくだからここで先鋒の選手を紹介しながら見ていこっか☆

 まずは王者、宮永照ちゃん♪ 1年生の頃から国内で活躍して個人団体連覇中だから言わずもがな、かな?

 でもテレビの前のみんなには分からない人もいるかもだし、気にせずゴー☆ ゴー☆ だよ!

 さて、宮永照ちゃん。白糸台の三年生で、さっきも言ったけど高校生になってから公式大会で連勝中だよ☆

 そんな照ちゃんのスタイルは、圧倒的な速度での、そして徐々に打点を上げていく連続和了☆

 和了るほどに打点を高く吊り上げていくんだよね。

 何かジンクスみたいなものなんだろうけど、他家はじりじりと削られる形になるから辛いみたい★

 とにかく強い、ってことだよ☆』


憩(……宮永さん、前局で無理矢理打点を上げたのが響いてるんかな?

  今局は手が重そうですーぅ。ならウチが黙ってるわけにはいかへんよね――)

憩「ロン! チャンタドラドラの1本場は8000ですーぅ!」

煌「すばっ!?」


望  88400
憩 122800
照 102700
煌  86100

東四局  ドラ:八索

『次は今和了った荒川憩ちゃん☆ 憩ちゃんは去年のインハイ個人2位なんだ☆

 そんな憩ちゃんだけど、元々は北大阪地区の出身なんだけど……今回は長野からの出場だね☆

 彼女のスタイルはオーソドックスで逆境に強いタイプ☆ 不利なほど燃える、って感じかな?』


照「ロン。七対子のみで1600」


望  88400
憩 122800
照 104300
煌  84500


南一局  ドラ:七索

『次は新道寺女子の花田煌ちゃん☆

 今さっき放銃しちゃったけど、照ちゃんが速いから安牌も分からなくて回避は難しいんだよね☆

 5月放送の“牌のお姉さんと楽しく麻雀”で触れたように、序盤は河を参考にできないからね☆

 煌ちゃんは……他の三人と比べると技術はまだまだかな。勘もそこまで鋭くない。

 でも精神的にタフみたいだから、照ちゃんを凌ぐための捨て駒なのかも★

 あんまり好きなオーダーの組み方じゃないんだけど、時にはそういう方法も必要なのは否定できないのが哀しいよ』


照「ロン。七対子赤1で3200」


望  88400
憩 122800
照 107500
煌  81300

南二局  ドラ:一索

『最後は千代水高校の岩美望ちゃん☆

 この子はクセが無い真っ直ぐな打ち方をするね☆

 勘もいいしツモもなかなかのなかなか、普通ならエースとして十分活躍できる実力だよ☆』

『普通なら、ですか?』

『そうなんだよね~。この卓には高校最強格の選手が二人もそろってるから、

 普通に強いってだけだと焼け石に水かも☆

 彼女の頑張り次第で試合の趨勢が決まると言っちゃってもいいかもしれないね☆

 テレビの前のみんなも、普通に強い雀士と牌に愛されている雀士との違いをしっかりと見ておいてね★』


 瑞原はやりの解説というか寸評は、当然ながら隔絶された対局室の選手たちには届かない。

 しかし、奇しくも彼女のこぼした……牌に愛されているという事実の一端をまざまざと見せつける。


照「リーチ」

望(ダブリー!? そんなん何待ちかなんてわかるわけないじゃん! ……とりあえず、これっ)タンッ

照「ロン。ダブルリーチ一発、タンヤオ一盃口で8000」


 照の右腕に、風が渦巻き始めた。

         ,..: ' ´ ̄Τ ̄`丶、

         /: : : : : : : : : : : : : : :\
       /: : : : /:..:::::..:::::... ::... :... : :`、
      ./ ./::i::|::::/::i::::::::::::::::::::、::..、:: !
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      i ::/!::|:::|::|:::::|:::ハ:::::::::::i:|::::::|::::::|:.!
    i:.:/ |:::|、|::|:::::|::| !|:::::::i:::i|:::::i|::::::!:|

    !/  |::::{ 、!ハ:::!| ヾ::::|i::| |:/i:::/:::!
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    r、<´ ̄ ヽ:::、:リ `ー--イ/w/::/
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 /  !  \、   `ヾニー-ニ/  ソ  /∧|
(    \ !ヾ、   `、   /     /イ  ゙、
. ヽー‐-、  ヽ! ヾ、、  ヽ /   /イ ノ   i


望  80400
憩 122800
照 115500
煌  81300

あ、ダブリー一発だと人和……人和は無しってことでおなしゃす!

南三局  ドラ:二索

憩(まずいですねーぇ。宮永さんの親で、あの腕の荒ぶり……)

煌(ダブリーでしかも役付きですか……。とんでもない。そして何やら不穏な雰囲気ですよ。

  宮永さんの牌譜でよく見られるアレが思い出される)

望(ん? 風……。ここ密室で空調も管理されてるはずなんだけど)


 配牌が完了した時点で、既に物理的な現象まで引き起こしている宮永照の右腕。

 荒川憩も牌に愛された子の一人ではある、それでも同じかそれ以上に愛された相手の力は止めようがない。

 4巡目、照がおもむろに卓の向かって右端を左腕で掴む。

                           _,....::―:::...
                         ,..:'´::::::::::::::::::::::\
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            /:        ...::::/    |:::::i:::::丶   \_   \
          r{\::.     :::: .:{     }::::::|ヽ:::::i       ` 、_.  \
            /::::\ィー-ァ--‐イコ〕     /:::::/  }::::i        ` .、  ヽー-、
         /::    ̄ ̄ ̄Y´  |  <_;::-‐'   |::::|          ` 、__゙、
       /          メ -‐へ、       i:::::i


 そうしてから渦巻く風を伴った右腕を山に伸ばし、ツモ。

         ____\    \:::::::::::::::::{    \
      __>::::::::::::::::::..     \::::::::::::::.    \             }\
      \:::::::::::::::::::::::::::::::::::...    \::::::::::.     \   \       ,  , /\
       \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..   \:::::l \     \   \ヽ/⌒7  ′ ′  ,         |      li\
        /::::: -‐/ ̄ ̄ ̄/ ̄\  \}  }\     \   } ∨ /   ∧ ,  ′ /{ }\   | \   l|  \
      / /  /      /     y'⌒ヽ\人::/\    \_}/ ,/ ̄ / ∧   ∨,√|   \_}  \__}   \
   _ -‐    /   -‐       /  /../ / ̄ ̄ ̄\    ∨  }  ′/ ∧  | ∨ l|   }i
-‐         //           {  ,.../  {       \   |  |  |  / i|   |  l ll|   |li
、        /           \/l  l...|  |          ∨ |  |  |                   ii|    i|
 丶     ,′    >‐-      八 ll...|  |___        |   l|  |  |l    ill|   |  l ll|   |lli    ii|    i|
   \    | -‐      {.:.:ト---≠ ┴ァ‐- {/ ̄  ‐-  __|   l|  |  |li                      ii|
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    ̄\.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.`ー‐‐.:.:.:.:.:/,/ ̄ ̄\ト、 }   \         ′リ    l| |′ l |       \从,/   | /
      \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ,/       ̄ `ー-  _〉                 リリ   リ′             }′
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.       |.:              |  |
      〈/〉-‐=ニ二ニ=-- _,,| ∧

       }ニ=-  ̄ ̄ ̄ -=ニ=- _〉
       〈  }           ̄「\

照「ツモ。面前一盃口小三元で6000オール」


 回転しながら引き寄せられたツモ牌が、倒された手牌の脇でぴたりと止まった。


望  74400
憩 116800
照 133500
煌  75300

南三局一本場  ドラ:南

「「「「ノーテン」」」」


望  74400
憩 116800
照 133500
煌  75300



南四局流れ二本場  ドラ:六索

憩(相変わらずエグいわーぁ。満貫まで持っていかれたら次のツモは止められへん)

望(跳ツモの直後からは一気に鈍るのだけが救いだよほんと。親ッ跳ねとか痛いってもんじゃないけどさあ)

煌(さて……宮永さんは今回は聴牌していない気配。調子が悪いのでしょうか。

  荒川さんは聴牌こそしていても待ちが良くなさそう……?

  親は私。でも、私の役割は宮永さんのような突出した怪物から少しでも多くの点棒を残すこと。

  欲張ろうものなら奪われる点棒が増えるだけ……。ここは崩して半荘を終わらせましょう)トン

憩「聴牌ですーぅ」

「「「ノーテン」」」


望  73400
憩 119800
照 132500
煌  74300

2半荘目

東一局  ドラ:一索

照「リーチ」

憩(! やられたっ!)

照「ツモ。リーチ一発ツモ、中で2000・3900」


望  69500
憩 117800
照 140400
煌  72300


東二局  ドラ:九筒

望(うえっ、親ッ被り)


『宮永選手後半開始早々の一発ツモ! 圧倒的な速度からのツモ和了はさすがの一言ですね』

『そうだね~☆ ただ、彼女のジンクス的にあまり高い打点を和了るとその後が少し苦しいかも☆』


煌「すばら! 聴牌です」

「「「ノーテン」」」

望  68500
憩 116800
照 139400
煌  75300


東三局流れ一本場  ドラ:三筒

憩(宮永さん、また調子よく和了ってくれはりますねーぇ。せやけど……今回はウチのが速い!)

憩「ツモですーぅ! 白混一色ドラの1本場で2100・4100!」

望  66400
憩 125100
照 135300
煌  73200

東四局  ドラ:三索

 憩が照の連続和了を止め、安どのため息を一つ。しかしそれは油断というものだ。

 この程度で止めきれるなら、同卓者全員から最大限の対策をされながらも連覇を成すことなどできるはずがないのだから。


照「ロン。東一盃口ドラ2で8000」


望  58400
憩 125100
照 143300
煌  73200



南一局  ドラ:五索

憩(くっ、確かにあの程度で止まるようならチャンピオンは続けられませんよねーぇ!

  また腕の竜巻が溜まってるようやし、止め切れんわッ)

                                 ____
                            . : : : : : : : : : : : : : : : . .
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                   /: : : : : i| : i:|i |Nトミ V |i: :.|:|i\_: 」L:|: : : : :|

                      ̄ ゙̄"ア从 : 弃忝ミメ、 八: 「[[  \. :Ν: : /: |
.                      /:/: :ハ乂V)ツ    \扞弃不)/.; : //: :.
        __                 /:/: :/: ∧          V)ツ 仏イ/|: : :.
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   |il|/ /{__,リ.       // : /: :/ : :|::::::父: 、 `¨’    イ::::i|::::: i |i: : : : :,
   | /  `´       //厶: /: :/-|i : |i」L辿」:::}iト __,,  (:::::::|i::::i|::::: i |i : : | :.′
   |il|   /        { ア^|/| : {゙ |i : |i     〈     ん:: :::|i::::i|::::: i |i : : | :.:. ,
   |il| /(/  /       /  |i | : {゙ |i : |i    ∧    {  \:::::i|::::: i |i : : | :.:. ′
   |i//   ,/     //   乂\:\ \:,      ←‐ ミト   ``丶: i |i : : ;  } ;
   `¨    //    //         〉、      ‘ _    }.      リ仏: :.′ } }
.     /〉  // -‐  /          /∧\       ‘,\  }       //   /
  ∠//〉.//{   〈     -‐=ミ    //ハ:i:i:i: .、   ‘, }  ′    //∧
.     〈/.//  \ ___〉, /  ____ \   /  }i:i:i:i:i:\.   ‘, /    /i; / ,∧
.     //       (_/    \ | /   ``丶、i:\  ‘,′  /i:i://|., /  ,         , /
.      〈/.       ノ  ,. ‐ァァ〈 √,     、 \x<⌒ヽ/ -=≦:i:i:i:i//; /   }     / /
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     \\   ,   ;′  , // / / / /     \   \\丶 、i「 /  //,,  /// /
       '\\、\ i{    // / / /         \  \__  \___  ,/ //   /
        \   \、,  i{ {i  i{ i{ __」     、_,   `、\ \)\____) /′/   /
           \   \ i{ {ir冖 乂  \___、  \\ `、,__>、 \_)       /      -‐
          \,\    \ \ \  丶\ `、 .\ \  \___}        //ニ=‐ -‐
       {三三三三三三三三三三三三三三}  }‐三\ \三三三三三三三三三三三三}

照「ツモ。面前清一色で3000・6000」


望  52400
憩 122100
照 155300
煌  70200

南二局  ドラ:三索

『宮永選手の和了が留まるところを知りません! またも跳満をツモり追い縋る荒川選手を突き放します!』

『さすがは照ちゃんだねー♪ 彼女ならプロでも即戦力だよ☆

 ……でも、それは照ちゃんだけじゃないからね★』


 何度も和了し稼いでも、それ以上に和了られ自分以上に稼がれる。

 そんな相手はどれほどの幸運なのだろうか。そして他者が幸運であればあるほど、

 抱えきれない運はその手から零れ落ちる。人の身では全てを得るなど不可能なのだから。

憩(――ウチは自分以外の誰かの幸せを願っとる。そしてそのおこぼれに与るんや。

  これまでもそうして生きてきたし、これからだってそう生きる。つまり――)


 俯くように顔を伏せていた憩のおとがいが持ち上げられる。

 そうして現れるのは満面の笑みだ。身の回りのツキは、巡り巡って彼女に山と積もる。

 笑顔の中に秘められた冷ややかな光を照は捉えられただろうか。

 憩にそれを知る由はない。だって結果は変わらないのだから。

 トン、っと照が自らに不要な牌を河へ置く。彼女が粛々と前に進むために。

 知らず知らず取り落とした大事なものに気付かず。

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憩「ロン、ですよーぅ。タンヤオイーペードラドラで11600!」


望  52400
憩 133700
照 143300
煌  70200

南二局一本場  ドラ:七索

『ほ、放銃! チャンピオンが放銃しました!』

『そりゃあ照ちゃんも人間だもの、放銃することだってあるよ。

 とはいえ1万点以上の点数を振り込むことは滅多にない珍しいことだけどね☆

 確か……ここ1,2年は跳満以上を放銃したことがないんじゃなかったかな?』

『そんな王者宮永照から値千金の11600直取り! いやあ、さすがは個人2位ですね!』


 はやりが裕子のテンションに苦笑いを漏らす頃、対局室では淡々と照が和了を続ける。

 憩の感慨など歯牙にもかけず、強者として動揺などせず。鳴いて手を更に加速。


照「ロン。チャンタドラの1本場で2900」

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望  52400
憩 133700
照 146600
煌  67300


南三局  ドラ:四萬

煌(うっ、まずい。和了もできずATMのように点を……。

  しかも宮永さんの親番、子での始動からですと連続和了の制限が一気に緩和されて)トン

照「ロン。タンヤオ三暗刻で7700」


望  52400
憩 133700
照 154300
煌  59600


南三局一本場  ドラ:發

照「ツモ。面前純チャン一盃口の1本場で4100オール」キュルッ


望  48300
憩 129600
照 166600
煌  55500

南三局二本場  ドラ:八索

 滾る風。暴れ出しそうな腕。それを支えるために左腕で卓を掴み、右腕が奔る。

                          ――― 、      /;';';';';/
               ______/\;';';';';';';';';' \    /;';';';';/
                 /;';';';';';';';';';';';' ;' ;';';';';';\;';';';';';';';';';';';';';/;';';';';/
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.     ((// -‐ァ\;' \/.     |       V)炒`. \{‐ァ'≦芹トリ /}/}  ∧{.: : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.|
.      (// // }; ; lリ       l / l圦   :::::::::::::::::....V)炒 //__,ノ / {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
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                          {/   ̄\  \                           ,
                          /        ∨  ∧         __ -‐               ′
                         /         ∨  ∧  __ -ヘ ̄.: : : : : :.‐-  _            ,
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照「ツモ。面前一盃口チャンタドラ2で2本場は6200オール」


『止まらない、宮永照が止まりません。本日3回目の跳満ツモ!

 2位との差を6万点にまで広げました』


望  42100
憩 123400
照 185200
煌  49300

南三局三本場  ドラ:西

憩(宮永さんはやっぱ強いなーぁ。今のウチでもまだ手が届かへん、まさに怪物やわ。

  それでも人間と変わらない、集めたツキを全て抱えきって使い切るなんてことはできひん。

  せやからウチにだってチャンスは来ますーぅ。だって、京ちんが一緒にいてくれるんやから!)

憩「リーチ! ――一発ツモ! リーチ一発ツモ清一色の3本場は4300・8300ですーぅ!」



望  37800
憩 140300
照 176900
煌  45000


南四局  ドラ:西

望(倍ツモとか、宮永相手にやれるってなんなのよ……。やっぱ全国トップクラスは人外魔境!?)

煌(すばら、実にすばらです! かく言う私は既に5万5千点を失い……。同学年だというのに情けない。

  うん? 宮永さんは……随分と安い気配。私の仕事は、少しでも多くの点棒を後ろの皆さんに託すこと。

  であれば迷う必要などありませんね!)タンッ

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照「ロン。タンヤオのみ、1000」

望  37800
憩 140300
照 177900
煌  44000


『注目の先鋒戦、たった今終了いたしました。


 1位は王者白糸台。宮永選手はさすがの試合運びで

 前半を+32500、後半を+45400の合計+77900点で当然ながら区間トップ。


 2位はチーム須賀。荒川選手が貫禄の2位です。

 前半を+19800、後半を+20500の合計+40300点。


 3位は大きく落としました新道寺。花田選手はだいぶ苦戦しました。

 前半を-25700、後半を-30300の合計-56000点。


 4位はこちらも大苦戦の千代水。岩美選手は放銃こそ少なかったのですが親被りなどを多く受けました。

 前半を-26600、後半を-35600の合計-62200点です。


 解説の瑞原プロ、この先鋒戦でどうでしたか?』



『はーい。やっぱり宮永照ちゃんの強さが際立ってたね。

 荒川憩ちゃんも直撃を取ったりで食いついてはいたけど、点数から分かる通りに一歩及ばずだったよ。

 最高打点で言えば憩ちゃんが倍満で上回ったけれど、コンスタントに跳満をツモられちゃうとそれくらいじゃ全然追いつけなかった。

 20回の和了中14回も取られちゃったら当然とも言えるんだけど。

 それでも和了回数で2倍以上の差をつけられながらも3万7600点差で抑えた、と褒めるべきかも。

 照ちゃんの1和了当たりの平均獲得点は7607点、一方の憩ちゃんは10100点。

 1.33倍以上の和了回数を和了られちゃったら追いつけないのも仕方ないからね☆

 ……? あ、ごめんね、数字があるとつい平均とか出しちゃって。


 先鋒戦の総括だったよね。

 そんな二人に対して望ちゃんと煌ちゃんは焼き鳥で終わっちゃったのは残念だけど実力の差ってとこかな☆

 放銃回数だけで見れば望ちゃんが3回で煌ちゃんが7回、あと照ちゃんが1回、だけど

 最終的な点数を見ると逆になっているからいくら守っても和了れないとダメ、というのが分かるかな。

 照ちゃんの和了速度は尋常じゃないけど、それを凌いで和了れる雀士じゃないと荷が重いってこと☆

 憩ちゃん以外にもそういう子が今回の大会で見つかるといいね☆』



『ありがとうございました。既に休憩時間もほとんど終わり、いよいよ次鋒戦が間近です。

 チャンネルはそのままでお願いしますね』

――須賀控室――

「憩さん、お帰りなさい」「お疲れ様です」「おかえり憩」「お疲れ様っす」

「ただいまですよーぅ」


 憩さんが戻ってきた。端から見ていても激戦だったのだ、当事者たる憩さんの疲労は相当だろう。

 心なしか顔に疲れが見えるし、憩さん自身も自覚があるのかおどけるようにしつつも疲れを吐露した。


「いやぁ、しんどかったわーぁ。宮永さんは相変わらずの強さで……。4万点くらいリードされてしもた」


 憩さんは何やら責任を感じているようだが、違うのだ。

 そもそも宮永照が先鋒だと分かった時点で、ある程度のリードを許すこと自体は長野にいた頃からずっと話し合ってきた。

 その上でどう巻き返すか。次鋒からの出来次第になる、と。だから絃さんは諭すように言う。


「まあ予定通りだわ」

「そうっすね。憩さんでもここまで苦戦するというのは衝撃っすけど……」

「それでもあとは私達の仕事よ。私達は5人で戦っているのだから」

「だな。数絵の言う通り。それにマイナスどころか4万のプラスじゃないっすか。

 これで勝てなきゃ俺らの責任ですよ」

「せやろか?」

「せやせや、っすよ。ってことで数ちゃん責任重大っすね!」


 俺達の言葉で少しは気が晴れたのか、表情が和らいだ。

 そんな憩さんの様子を見て、桃子が数絵に豪速球を投げ込む。


「私!? いや、確かに次は私だものね」


 突然の送球にたじろいだ数絵だが、気を張っていたからだろうすぐに平静を取り戻した。


「相手はシャープシューター弘世菫だわ」

「つっても数絵なら序盤さえ凌げばどうとでもなるだろ?」


 それでも相手はディフェンディングチャンピオン。意識してしまったのかやや強張っている。

 だから俺は軽い調子で笑い飛ばした。信頼する仲間なのだ、そうそう後れを取るわけがない、と。


「……ふぅ。そうね。京太郎が信じてくれているんだもの、やってみせるわ」

「ふふっ。じゃあ数絵ちゃん、後お願いしますねーぇ!」

「はい。行ってきます」


 真面目な数絵らしいキリッとした表情を取り戻し、数絵は戦場へと足を向けた――

――白糸台控室――

「ただいま」

「「お疲れ様です」」「おかえりテルー!」「想定の範囲内だな、照」


 照の帰りに二年生二人は礼儀正しく、淡は天真爛漫に、菫は冷静に迎えた。

 尭深がお茶の準備を終えて注ぐ頃には、淡がソファに腰掛けた照にお菓子を渡しながらじゃれついていた。


「荒川憩、分かってたけど面倒」

「えー? 結局テルのぶっちぎりじゃん!」


 照はそんな淡を受け流しつつ、対局を振り返っていた。

 荒川憩の力は自身の連続和了とはあまり相性が良くない。

 照としては鏡で明らかにしても底が見通せない荒川憩は不気味で苦手な相手なのだ。

 結局大きく稼ぎ勝っているのだから、そんな本音を言っても誰も信じはしない。

 照自身がそれを分かっているので淡を窘める程度に留めるのだが。


「淡。須賀との差は4万点ない。誠子も十分な強さだけど……相手は霜崎絃だから」

「先輩、私だって虎姫の一員です。最低でも淡に繋ぐくらいはやってみせます」

「亦野、相手は霜崎だけじゃなく、新道寺の白水もいる。お前は防御が薄いからな」

「弘世先輩……」


 照がセーフティリードではないと言い、後輩の中でも特に防御に定評の無い誠子を心配する。

 無論誠子とて自覚はあるが黙ってはいられなかった。虎姫なのだから、と。

 しかし菫が追い打ちをかけるように言い募り、悲しそうな目をして項垂れる誠子である。

 すかさず同学年の尭深がフォローし、むしろ不安なのは自分だと庇ってすらみせた。


「誠子ちゃんなら大丈夫だよ。むしろ私の相手のほうが問題かも」

「たかみ先輩の相手はモモだったっけ。確かに大変そー」

「牌譜を見てもなんで和了れているのか、なんで放銃しないのかがさっぱりな選手だな」


 淡は桃子との対局経験があるのだから当然その特性を知っている。

 菫に問い質されて先日知っている限りのことは話してもいる。

 それでも菫は納得がいっていなかったようで、自分の対戦相手ではないにも関わらず気にしていたようだ。


「……あの子は私と淡に近いかも。たぶんすれ違ったことはあると思うけど、匂いだけで姿は見れなかった」

「モモはステルスだから! 淡ちゃんもたまに直撃されてびっくりしたもん」

「淡ちゃんの絶対安全圏を突破できる実力者、ってことだよね」


 照が桃子のオカルトの強力さを示唆し、淡も同調する。

 その様子に尭深は本気で心配になってきたようで現在1位のチームとは思えないほど表情が暗い。

 そうなってしまえば先輩であり部長でもある菫は安心させるように振る舞う。

 一種の様式美なのかもしれない。


「それは厄介だが……安心しろ尭深。私が撃ち落としてやるさ」

「そうだね。頑張って菫」


 他の一同も弘世先輩が言うなら大丈夫だ、と見送りにかかる。

 そんなチームメイトに一度笑いかけると、射手たる少女は神妙な表情を作り、控室を出るのだった。


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               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
               |::::::::::. V_ノ        l:::::/|:::::::|
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               |::::::::::|::::::::::Τ    ∨|:::::::|:::::::|
               |::l:::::::|:::/У     り:::::: l―┴ 、
               |::|:: 斗{/-、 , -/|::::::::::|   /-、
            ┌‐  ̄    |´ ̄ ̄/  :|::::::::::|--//
               ∧  \    |  /    .::::::::::///    |
              { `ト  \   l /   . -=/:::::::/´ /     {
           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
          /  /\二二ニ、∠二ニ= i::::|::::::|         }

            /  /   >‐〈ニニ/ニニ\ |::∧::::|    \__/  /
.          ∨ {  /二ニ/¨¨゙\ニニニl/、∨|  l「 ̄ ̄ ̄ `く
           ∨--/二ニ/  }  `¨¨¨¨¨   /{ニニニニニニニ |
              } 厶=イ    〉          /::|_ ┬―‐┬v'
          /__}     {         /::::::`¨|   :|¨′

「ああ、行ってくる」


ということで今日はここまででー

ご覧いただきありがとうございました
前スレに引き続きお楽しみいただければ幸いです

そろそろ始めていきまする

って安価スレじゃないからこういうのいらないっすね


『さて次鋒戦が始まろうとしています。瑞原プロ、それぞれの選手紹介をお願いします』


『はいはい、お任せあれ☆ それじゃ順位順に紹介していくね☆

 まずは白糸台の弘世菫ちゃん。シャープシューターとも呼ばれるロン和了が得意な選手だよ☆

 麻雀はツモ和了よりロン和了のほうが確率的に多いんだけど、それでも狙った相手から和了るっていうのはかなり難しいんだ☆

 そんな難しいことが得意、といえば菫ちゃんの凄さは伝わるかな?

 去年は照ちゃんの前でのオーダーだったけど、今年は照ちゃんの後でのオーダー。

 東京地区大会でも見られたけど、2位を狙って勢いを殺ぐとかいっそ4位を狙って試合を終わらせるか。

 そんな柔軟な戦術を採れるんだよ☆

 照ちゃんが1位で次鋒に回すのは既定路線だろうから、本当の試合はこの次鋒戦からかも☆

 

 次はチーム須賀の南浦数絵ちゃん。数絵ちゃんはマスターズクラスで活躍されている南浦聡プロのお孫さん☆

 熟練した渋い打ち回し、状況を読んでの追い上げ。そういった通好みの打ち方をみっちり仕込まれたみたい。

 前半は大人しいけど、南場に入ると一気に燃え上がるのが特徴だよ☆

 そんな数絵ちゃんを次鋒にオーダーするのはちょっとリスキーだと思うけど、先鋒の憩ちゃんをチーム皆が信頼してる証拠かな?

 そんな数絵ちゃんだから、ここでの成績次第で以降の試合展開を決定づけることもあるかも☆

 
 お次は3位の新道寺、安河内美子ちゃんだね。

 新道寺高校は、次鋒から順に強くなっていくようなオーダーを組んだらしいよ☆

 だから美子ちゃんは新道寺麻雀部で4番目に強いってことになるんだけど、全国で戦えるだけの実力者と言えるね☆

 美子ちゃんの特徴は、打ち筋を何パターンも持ってる柔軟さかな。

 相手に合わせてスタイルを変幻自在に対応させる、そんな打ち手だね。

 とはいっても良子ちゃん――戒能良子ちゃんね――ほど洗練されてはいないんだけど。

 そこはプロと学生の差、ということで納得してもらうしかないかな☆


 最後は4位の千代水高校から、米子涼ちゃん。この子は強いよ☆

 特徴のないオーソドックスな打ち手なんだけど、それだけに技量は高校生でも指折りなんだ☆

 勘も良いし、突出した点はないけど隙もない、お手本みたいな子だね☆

 全国でのエースクラスはみんなこのくらいは打てる、っていう子だからテレビの前のみんなはしっかり見ておくといいかも☆』

『ありがとうございました。……それでは次鋒戦、いよいよスタートです』



「「「「よろしくお願いします」」」」


南浦数絵
属性 :O
技量 :B
直感 :C
必然力:B
・スキル
【南風の神】銀
 スロースターターな運気を溜めることで後半の場を制す打法。
(効果A)
 場決めコンマに-50。
(効果B)
 南場の間、判定値を+40。
(効果C)
 聴牌順位1位の場合は和了判定値を+20し打点を+2する。
(効果D)
 リーチをかけて和了した場合、裏ドラが2枚以上乗る。
(効果E)
 東場の間、判定を-5。


安河内美子
属性 :D
技量 :C
直感 :C
必然力:D
・スキル
【守備信頼感】
(効果A)
 放銃判定値を+15。
(効果B)
 自身が放銃するとき、打点を-1。

【安定感○】
 判定コンマを20以下の場合は20、80以上の場合は80として計算する。



弘世菫 
属性 :D 
技量 :A

直感 :B
必然力:B
・スキル
【安定感○】
 判定コンマを20以下の場合は20、80以上の場合は80として計算する。

【シャープシューター】金 (狙い撃ち+キレ◎+選牌眼)
 難度の高い狙い撃ちを可能とする高い技量を称えた二つ名。
(効果A)
 素の聴牌コンマで2位以上のとき、和了判定値を+20する。
(効果B)
 このスキルが発動中に和了に成功した場合、任意の対象から出和了りできる。
 ただしこのスキル効果でロン和了する場合、最高打点は倍満となる。



米子涼
属性 :O      53
技量 :S
直感 :B
必然力:C
・スキル
なし




涼・美子・菫・数絵  の順

1半荘目

東一局  ドラ:七萬

美子(想定通りっちはいえ、削られしゅぎったい。ここは私が踏ん張らんといけんっち)

菫(優先標的は南浦数絵だ。3位4位を狙ってもいいが、この2回戦からは2位まで抜ける。

  ならば大将まで引きずり出して実力を見極める必要がある……)ギロッ

数絵(白糸台の標的は……やはり私ね。特に東場の私では凌ぐのは難しい。

   南入するまでは我慢よ、数絵)

涼「辛気臭いねぇ。せっかくの大舞台、麻雀は楽しまないと損だっての――ツモ。

  トイトイのみで1300オール!」


涼   41700
美子  42700
菫  176600
数絵 139000



東一局一本場  ドラ:二筒

涼「チッ。こりゃダメそ」

数絵(随分とあけすけな人。この程度で惑わされるつもりもないけれど)


「「「「ノーテン」」」」


涼   41700
美子  42700
菫  176600
数絵 139000



東二局流れ二本場  ドラ:九萬

数絵(よし、聴牌。次辺り引けそうな気がする)タンッ

涼「んー…… チャッ しゃーなし。ツモ。ツモのみの2本場で600・1000」


涼   43900
美子  41700
菫  176000
数絵 138400

東三局  ドラ:九萬

美子(やられた。安いばってん速か)

菫(和了られたが、いずれも安い。捨ておいても問題ないな。

  ……南浦の筋もだいたい読めてきた。そろそろ詰めていくか)タンッ

涼「お? 余所見するならもらうかんね。ロン、チートイドラで3200!」


涼   47100
美子  41700
菫  172800
数絵 138400



東四局  ドラ:北

菫(チッ。……まあいい。この手なら狙いを付けつつ高めが期待できる――)ギュッ

菫「リーチ」

数絵(リーチ! それにこの悪寒、狙われている……? 

   私の不要牌に寄せつつ狙うなら平和などの順子系で攻めるはず。

   とはいえ読めなければそれが分かっても……安牌がない)トン


                 /_ ̄`::ヽ_ ゚           マ /////ヌ ム

             / ̄::::´ ̄ヽ:::::::::::゚ヽ`ヽ          マ    ム ム
                /::::ア:::::::::::::::::::\:::゚::::::\::::::、         マ  //r v≦オ{
            //::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::ハ:::::::.         _ゝュ/八_j≠‐'
               ア::::::::::::::::::::::::::::::i:::::ハ:::: ....i:::::l::i       ィf 」ム__jムハ
           / :::::!:::::::!::::::::';:::::::::::゚:::::i!:::::::::::|:::::i:::.        Y  三三. ム
             '  ...i::::::::iハ::::::ヽ::::::゚ィz::i::::::::::::i::::::::::i       ⌒ヾ 「 マ ム
          i..:::::::l:::::::::};> ´ 7マ tji::::::::::::|:::::::::::!         {_リ  ハ  ム
           L::::」:;:ィハテj    ゞ'´!:;::::::::::j j::::::::|          マ Vハ  ム          _ ―rォ
           |:::::::::::ハ ゞ'        j:L;!/ /:!:::::::!           マ Vハ_ム __  ―=   ̄ ̄
           |:::::::::::::ハ  `        ィ{::::l::::::::|        r≠キ /////ハ―=   ̄ ̄
           |::::::::::::::::ム   ゚ `   イ  {::::::i::::::::|__ ―=  ̄ ヾ=<///`ー―
           j> ´ ̄ ̄ `ヽ,_, _ ―=7  ̄ ̄_\_    >-、  マ///[ ヽ
     -ー  ̄ ̄       ヾ{` 〉≦ ̄ ̄ /:::::::/ィ ̄ ア7⌒7 ̄  7{   ヽ マ//  イ
   /        _z、__ ヽ_)/ /  /:::::::/   イ/ /  仁ニニ{! ; > __)イ  / ヽ
   {        ,ィ T     ハ` ´ /=≠ /:::::/|    リ /  「≦'==ヘ!    |八_ ィ    {
   `ヾ _ イ | !     { |   /  / ィ/::::ム|    { !  !r―ニ二{.   i/(_  イ  ノ
      ` ヽj j! !      i八  ! /゚ /{::/ニi|    ム 、   マニニニ人  |!_( _  ィ {
          ̄ ̄>、   个ミ丶{ /  /゚j/ニニム    ム≧ュ_ゝ=キ  ´ ̄ L≧ュ__ イ
           /::::::`ヽ  j }`ヾj/ ムニ゚ニニ八     了/::::::::::::i      j了 ///|
            /::::::::::::::::7  ゝア ムニニ.゚ニニヽ    !::::::::::::::::::::|     h! /////{
            /::::::::::::::::/ /イ⌒ ムニニニニ゚ニニュ、 人:::::::::::::::::::i     人丶///ハ

菫「ロン。リーチ一発純チャン三色平和一盃口で16000!」ヒュンッ

数絵「うっ」ドスッ


『おっと、これは非常に痛い直撃!』

『数絵ちゃんはちょっと迂闊だったねー。チャンタ系で順子多め、ってところまでは読めてたみたいだけど、

 それで中張牌じゃなくてヤオチュー牌を切っちゃうのは反省点だゾ☆』


涼   47100
美子  41700
菫  188800
数絵 122400

南一局  ドラ:北

美子(しゃしゅのにやる)

涼(狙い撃ちで倍満とか、やっべーな!)ヒュゥッ♪

菫(ふっ。この程度で終わらせると思うなよ?)ギロッ

数絵(……倍満はさすがに痛いわね。これより痛いのかしら? っいえ、いったい何を考えてるのかしら!

   おかげで落ち着いてしまったというのが癪だわ。それに、南入してしまえばこっちのもの)

数絵「ツモ。ツモのみで300・500」


涼   46600
美子  41400
菫  188500
数絵 123500



南二局  ドラ:南

数絵「リーチ」

菫(安い、安すぎるな。さすがに一年では流すのが精いっぱいということか?)トン

数絵(安い、と思っているのでしょうね。だからって迂闊よ――)

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ヽ::::::::::::::::|::||:ト     `、 `ヽ、                           /::::::

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::::::;;;;;;`、;;ノノ    `、       `ー--、......____,,,....,、、‐''     ,/::/:::::::/:/

二,,,、、_z      `、                           ,,,/:::::ク::::://
::::゙l::::|ト ハ       `、                      ,,,//::::::;":;;/ /
:::人::ハ::::::`、        ヽ                ,,,,,,,, ∠ニニ=== _ク/
::::::::Y::::\:::`、        `ヽ、,,,,,,,,         ,,,,,,/:::::::/::::ハ::::::::/
                    ゙゙゙゙゙゙゙'''''''''''゙゙゙゙゙゙゙

数絵「ロン! リーチ一発、南混一色ドラ3で16000!

   歯牙にもかけてないつもり? 南場は私のステージよ」ゴッ


涼   46600
美子  41400
菫  172500
数絵 139500

南三局  ドラ:七索

『南浦選手、見事な倍満返しです』

『菫ちゃんのお株を奪う勢いだねっ☆ ただ今のは菫ちゃんが油断しすぎだったかなあ』


美子(負けてられんけん)

美子「リーチ」

涼(む、もう安牌ない。……他も差し込むにはちょっと怖い感じだ。南無三!)タンッ

美子「ロン。リーチタンヤオ三色ドラ2で12000」

 <  /   /         /          ヽ、  } ',
   .冫   ./      ,ィ ./   !        !    . ヽ,/i  i
   /   /    /// .l   !      .l! .',  .ト、.i/i  l
  /  , イ   / l/  l   l,,イ    .!ト,,!_ | .', i/!  l
  / / ,'  /   l  l  l,, -‐''! jハ    i i !  厂 ! ! l   !
 ,'/  ,' ,ィ´    l ,.l-‐''.l\ l.    ':,  ! |/j∠  lハノl   !
    ,'/ l     l  ト{\{  ≧ミ   ヽノ イ,ィo:.ミヽ、l l  !
       l     l\i /,.ィ::O:ヽ `      { {:::::)}  ,l l   .l
       .l     l___''  { {::::::}}  r==ュ  乂ー'.ノ  l} !   l
       l     i-{  乂ー' ノ  .ノ   ヽ、_ _,,. イ l   !
          ',     ', ヽ、  ̄ /    ',       l  !  l
        .',     ',   ̄ ̄             l  ! ,'
        .',     ',         __ .、     イ / .,'
          ', 、   ',::..       ´     /.ノ .//
          ヽ{\  \:::>::...       イl/j/´
           ` \(\ヾ /, }≧  ー'  |\

涼   34600
美子  53400
菫  172500
数絵 139500

南四局  ドラ:四索

数絵「リーチ」


 数絵の背を押すように、暖かな風が吹いているような錯覚がその場を包む。

 三人ともに感じる、嫌な予感。このままではまずいと直感が囁く。


涼「チー!」シャッ

涼(これでツモ順もズレる、一発も消せた。上々だろ)

数絵「甘い。言ったはずよ? 南場は私のステージ。

    !: : : //::::::/: ::::::/:::::::::i::::::::::|ヽ::::::ヽ:::ヽ:.. 、ヽ
   丶/!: i:::: ::/   i  :: :!::  |:| ゙、:. ヽ :ヽ 、.i
      /: .i::::::::i:::::::::::!:::/::::/:::::::i::!   i:|::::::i::::::::i:::::i |
    /: : : i:::::::::|::::::::::|::/::::/!:::://ノ  |:|::::/::::::/:::::ハ!
.   / : : : λ:::::|:::::::::: /i∠ミ、/ノ   ナi:/ハ!/::::/
   \__/:::::、/,!::::::::::if/'´;;::i゙     f´;;::iY i::/
        |::::::{ i| :::::::::| ゝ;;;;ン     ゙、;;ン i::::|
        |::::::ヽ|::::::::::|             !::::|
        |::::::::::|::::::::::|          `     /:::::|
        |:!::::::::|::::::::::i\    - -   /:::::::::|
       |!:::::::::|::::::::::|| `...._      / |:::::::::|
      !::::::::::|::::::::::リ    `ーr‐'"´  |:::::::::|
       |:::::::::::!::::::::::|       |、ヽ    |:::::::::|
      ノ-‐'"´|::::::::|i|       | ヽ \ |:::::::::|

   ツモ。リーチツモ南チャンタ一盃口で6000オール!」


涼   28600
美子  47400
菫  166500
数絵 157500



南四局一本場  ドラ:九萬

数絵(さあ、まだまだ行きましょう!)トン

菫「ロン。あまり調子に乗られてはな。一気通貫ドラの1本場は2900」トスッ

.i.::.::.::{.::.::!.::.::.::.}::.}!::.::.i}::.::.:}i::.::.:.',:.ハ
.!.;:.::.::{.::.::i:i:.::.::.}!::}i::.::.}i:リ::.}i::.::.::.::,ハ
{.::.::.::.{.,i;;;;!};;;;;;;;}!;;} !;;_}ェz-チ}::.::.::.:i:ハ

.i.}.:',.::ヽ乍示勿    ゞ=゙'チ.::.::.::.:.i}从
.ヾ!',.',.:::ヾー ´        i::.:i::.:i;;;i゙
 }.i.:;ヾ;:.ゝヽ   丶    ハ;;i尤リ!
 i:.}.ヾ,,ヽヾ、     ‐ -  イ::.::!::.ii}i
. i::}::.:l:.::.:::.::}>:..  _. .: '.:{.::.::.:i::.i}::!
  !::i::.:!i'´`ヾー 、::. , '.: ./、::.::.::.:i.!::!
. {::.i::.:{  ::.. i≡ヾ   :.iノメ.ヾ、::i.i::i
,メi:::i : !   :i.:  :.ゝ  i./:. ヽ,冫i::i
//i:::.!/ヽ、  !ヾ、: : :ゝ、. }ゝ : .i ノリ从ゝ、
//i:::::!///ヽ、! ヾ、 ::〈 .iノ.:}. i }/////i//ヽ

/、 i::::i/////ヽ  ヾヤ三廾} i.}/////i///ハ
/.ヽi::::i、 /////ヽ  .ヾ≡=} i.!////冫///y

涼   28600
美子  47400
菫  169400
数絵 154600





『次鋒戦前半、終了いたしました。意地と意地がぶつかりあうような一幕がありましたね』

『そうだねえ。みんな若い★』

『……。休憩の後、後半スタートです。CMのあともチャンネルはそのままでお願いしますね♪』

2半荘目

東一局  ドラ:九萬

数絵(調子は悪くないのだけれど……たぶん、また狙われている)トン

菫「ロン。タンヤオ三色で3900」トスッ


涼   28600
美子  47400
菫  173300
数絵 150700



東二局  ドラ:二筒

数絵(今はまだ我慢ね)

菫(開始よりも点を減らし、着実に差を詰められてしまっている。存外、やる)

涼「蚊帳の外は寂しいねぇ。リーチ」

美子(……私だけやなくみんな聴牌できておらん。止められんけん)

涼「ツモ! リーチメンタンピンドラで2000・4000!」


涼   36600
美子  43400
菫  171300
数絵 148700



東三局  ドラ:六筒

                                               「!
                                                /⊥x‐-. .、__
                                             }>'´ ゚。: : ‘,: `: .、
                                              /: : : : : :゚ : : : ! : : : : :.
                                            ′ : : : : !: : : i : : : : : :
                                         /|_:_:_:_:i!_:_:}: : :|: : : : : |

                                          / ./} r‐┬|: : :| : : : : :|
                                          ! }ノ 廴ノ ,: : :__! : : : : : |
                                           } 八      ̄ ノ : : : : :|
                                         _}__:|_≧=r‐┬─ |: : : : : : :!
                                  _____`弋__|__|_|  |   | : : : : : !
                                  ` ────‐r‐ミ:  || 「 `ー‐!_:_:_:_:_:_/
                                           \_}  || |     ト、 ヽ
                                          ‘,゚。|| }───‐{ ヽ )
                                             ‘, { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄}三
                                                ‘,/  ̄ ̄ ̄ ̄‘, ̄
                                            }」≧‐r----r‐彳
                                             廴リ   廴リ

菫「ロン。タンヤオ平和で2900」

菫(私は須賀の勢いを殺すことに注力すればいい)


涼   36600
美子  43400
菫  174200
数絵 145800

東三局一本場  ドラ:一筒

『弘世選手、またも南浦選手を狙い撃ちです』

『菫ちゃんの今回の役割は、たぶん大将まで出させての情報収集だろうからね☆

 そうなると現在2位の数絵ちゃんを集中狙いして勢いを止めておきたい、ってことかな』

『なるほど。弘世選手は既に準決勝や決勝を見据えてのプレイングをしている、と』

『そういうことだね☆ ここら辺の意識は連覇中っていう自負があるからできることかも☆

 でも、あんまり先を見過ぎていると足元が疎かになっちゃうんだよね★』


涼「私も意地ってもんがあるからね。ツモ。白東混一色ツモの1本場で2100・4100!」


涼   44900
美子  41300
菫  170100
数絵 143700




東四局  ドラ:八萬

涼(うーん、届かないかな。聴牌維持しつつオリ傾向で)

菫(点数的に問題にはならないが、それでも調子は狂わされる……)

数絵(みんな手が重い? なら、ここはオリに徹して聴牌は崩しましょう)ニヤリ


「「「聴牌」」」

数絵「ノーテン」


涼   45900
美子  42300
菫  171100
数絵 140700

南一局  ドラ:北

数絵(さて、ここで、攻める!)

数絵「リーチ!」チャッ


 千点棒を放る数絵。吸い込まれるように溝にホールインワン。

 数絵の表情は無自覚に怪しい笑みを形作る。確信があるのだ、和了すると。

 配牌時点で一向聴、ドラ暗刻。ここで攻めずにいつ攻めるのか。


菫(……笑っている? 他の二人はオリるようだ。私も続くか? しかし、それは)トン 打:白

数絵「ロン!」


『あちゃ、菫ちゃんリーチ直後の字牌切りは迂闊過ぎだよ~』


数絵「リーチ一発北三色ドラ3で16000!」


 密室に風が吹き荒ぶ。


涼   45900
美子  42300
菫  155100
数絵 156700



南二局  ドラ:南

『逆転! ここで白糸台が捕まり2位に転落しました!』


菫(マズイ、今のはとんでもなくマズイぞ)

美子(……しゃしゅのに動揺しゅるか。牌が乱れとう)


数絵「聴牌」

「「「ノーテン」」」


涼   44900
美子  41300
菫  154100
数絵 159700

南三局流れ一本場  ドラ:六萬

涼(ひゃ~、倍満とか私が振ってたら試合終了だったよ)

涼「お、それロン! 三色のみの1本場で2900」


涼   47800
美子  38400
菫  154100
数絵 159700



南四局  ドラ:三萬

数絵(手なりで進めていたら聴牌してしまったけど……安いわね。どうしようかしら)

美子(うーん、分からん)トン

数絵(出ちゃったか。まあ、拾っておいてもいいわよね?)

数絵「ロン。七対子のみで2400。……続行で」


涼   47800
美子  36000
菫  154100
数絵 162100



南四局一本場  ドラ:八索

菫(ははは、欲張ったか一年! しかしこれは仕方ない。南場が得意だというなら尚更、稼ぎ足りないだろうからな)

涼「欲張るねぇ。ま、おかげで楽しかったよ南浦ちゃん。ロン! チャンタドラ2の1本場で8300、お疲れ!」


涼   56100
美子  36000
菫  154100
数絵 153800

『えー、次鋒戦終了いたしました。後半途中、一時順位が入れ替わりましたがオーラスで元鞘。


 1位は変わらず白糸台で154100点。

 弘世選手は前半を-8500、後半を-15300の合計-23800点でした。


 2位はチーム須賀で153800点。

 南浦選手は前半を+14300、後半を-800の合計+13500点でした。


 3位は千代水で56100点。

 米子選手は前半を-9200、後半を+27500の合計+18300点で区間トップ。


 4位は新道寺で36000点。

 南浦選手は前半を+3400、後半を-11400の合計-8000点でした。


 いかがでしたでしょうか、瑞原プロ』



『うーん、そうだねぇ……最後の数絵ちゃんはちょっと迂闊すぎたね☆


 涼ちゃんは打点はそこまで高くなかったけど、この二半荘で和了回数はトップ。

 それは卓についている数絵ちゃんも分かってたはずで、つまり涼ちゃんの調子がいいって分かってた。

 それに菫ちゃんにもずっと狙われてたからね☆

 最後に欲張らず和了り止めを選択していればトップでバトンを渡せたんだけど……。そこが残念な点かな☆

 それでも数絵ちゃんは南場10局中5回も和了していて平均打点も8000点を超えてるから、

 やっぱり調子に乗っちゃうのも仕方ない出来だったんだよね~☆

 そこをしっかりコントロールできるようになればさらに一段上に進める、って感じかな?


 あとはぁ……菫ちゃんもちょっと中途半端になっちゃったね。

 狙い撃つためには聴牌を維持したかったんだろうけど、その結果オリれなくて放銃に追い込まれる、

 ってことが何度かあったのが残念かも。


 最後は美子ちゃん。この卓内では実力が一段低かったかな。

 その分聴牌や和了が遅れて結果的に跳満和了の得点だけじゃ守り切れなかった感じ☆

 菫ちゃんも失点で言えば相当だけど、これ自体は研究されてる前年度優勝校だから仕方ない★』



『ありがとうございました。

 白熱のトップ争い。中堅戦で大きな動きはあるのか!? 乞うご期待です』

――須賀控室――

「ただいま戻りました」

「お疲れ数絵」「お疲れ様ですーぅ」「お疲れ様っす」「お疲れ様」

「すみません、最後の最後に捲られてしまって」


 控室に戻ってきた数絵は開口一番謝罪した。最後に続行を選択し、見事満貫を放銃したことを気に病んでいるのだろう。

 俺達はそんなこと気にしていないのだが、真面目な数絵のことだから自力ですぐ切り替えるというのは苦手なのだ。

 だから俺は軽く茶化すようにして慰めることにした。


「弘世さんに倍満直撃されたときはヒヤヒヤしたけど、きっちり盛り返してるんだから上々だって」

「そやね。次の渋谷尭深はオーラスの役満率が高いけど、必ず役満で和了れる言うわけやなさそやし」

「桃子なら先に和了ってしまうことも可能なはずよ」

「そういうことっす。私の後ろにはさらに絃さんと京ちゃんがいるっすからね!」


 皆もそれに続き、むしろ次があるのだから大丈夫だと目を逸らさせる方向のようだ。仲間を信頼しろ、ということでもある。


「おうよ。だからあの程度のミスは気にすんな」

「……ありがとう」


 そんな俺達の気持ちが伝わったか、強張っていた数絵の表情もふんわりと解けて可愛らしく笑顔を浮かべてくれる。

 やっぱり美人は笑っていてこそだ。


「さって、数ちゃんの憂い顔が晴れたところで私は行くっすよー」


 そうしていると、桃子の出場時間が近づいてきていた。

 既に準備を整えていたようで、すっくと立ち上がり体を捻るように軽いストレッチをして解している。


「モモ、応援してるからな」


 当たり前のことだが、改めて言葉にしておくことは大切だ。それを聞いた桃子は軽く目を見張り、そして朗らかに笑う。


「ふふっ。京ちゃんが応援してくれるなら百人力っすね。行ってくるっす!」

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『お昼の11時30分、いよいよ中堅戦となります。

 瑞原プロ、各校の選手紹介をお願いします』


『はーい☆

 それじゃまずは白糸台の渋谷尭深ちゃんから☆

 尭深ちゃんはオーラスに高い手を和了する確率がとっても高い子だよ☆

 でも何かジンクスがあるみたいで、それ以外の局は攻めっ気が薄いのが欠点かな。


 お次は須賀の東横桃子ちゃん☆

 桃子ちゃんはとっても影が薄いの☆ そのことで色々嫌な目にも遭ってきたらしいけど、

 今では大切な人のおかげで幸せなんだ、って言ってたよ☆』



『大切な人……それは』



『ダメだゾ☆ 女の子の秘密だからね~☆

 それで打ち方の特徴だけど、影の薄さを磨いて麻雀に活かしてるみたい。

 注目されなければ表情や雰囲気から手を読まれるってことを避けられるからね☆


 次は3位の千代水、鳥部綿南ちゃん☆

 ワタナちゃんは上手さと運で言えば望ちゃんや涼ちゃんには劣るんだけど、聴牌にこぎつける天性の勘があるんだ☆

 それだけじゃなくて一人聴牌かな、と思った時の思い切りの良さも魅力的☆

 情熱的な打牌は可能性を感じさせる、将来が楽しみな子だね☆


 最後は新道寺の江崎仁美ちゃん☆

 オーソドックスな打ち手だけど、不利な局面で力を発揮する逆境が得意なタイプだよ☆』



『ありがとうございました。それでは中堅戦、スタートです』

東横桃子(恋人特殊)
属性 :O
技量 :B68
直感 :A70
必然力:A70
補正値:43
・スキル
【神出鬼没】
 影の薄さを極め、帰る場所を見つけたことで覚醒した異能の力。
 異能に身を委ねても必ず見つけてもらえる愛の力。
 彼女は常にどこにでもいてどこにもいない。
(効果A)
 自らよりも必然力の低い他家に放銃しない。
(効果B)
 聴牌・和了判定値を+30。
(効果C)
 和了形がロンのとき、和了判定値をさらに+20。
(効果D)
 和了を放棄することで、次の局に満貫以上の和了が確定する。
 この際の和了における和了形・出先を自由に決定できる。
(効果E)
 和了連続放棄の回数が増える度に確定和了の打点が+1されていく。
(効果F)
 聴牌に成功した場合、聴牌コンマを反転した数値分を和了判定値に50まで加算する。


江崎仁美
属性 :D
技量 :D
直感 :D
必然力:D
・スキル
【なんもかんも政治が悪い】
 ミスを責任転嫁して開き直る強い(?)心。
(効果A)
 自身が不利な状況で判定コンマを+20。
(効果B)
 放銃した場合、打点を-2。

渋谷尭深
属性 :O
技量 :D
直感 :C
必然力:B
・スキル
【ハーベストタイム】銀
 因果応報の異能力。第一打牌がオーラスの配牌で結実する。
 オーラスまでの経過局数に応じて効果が変動。
(効果A)
 聴牌・和了判定値を-10。
(効果B)
 聴牌判定値を(局数-6)×10上昇、和了判定値を(局数-6)×10上昇。
(効果C)
 局数が7~8のとき、打点を+2翻。9~10のとき、打点を+3翻。
 11のとき、打点を+4翻。12~13のとき、打点を+5翻。
(効果D)
 オーラスまでの経過局数が14のとき、天和地和人和を強制和了。
(効果E)
 連荘になった場合、14局の場合は1局、それ以下の局数の場合は
 2局に1ずつ仕込みが減少していく。
(効果F)
 オーラス時には効果Aを無視する。
(効果G)
 このスキル効果は原則無効化されない。




鳥部綿南 
属性 :D        54
技量 :A
直感 :D
必然力:C
・スキル
【アベレージヒッター】
(効果A)
 聴牌判定を+20。
(効果B)
 和了判定を+15。
(効果C)
 打点が流局である場合、一度だけ再判定する。
 ただしこのとき再判定された打点は満貫未満になる。

【チャンス◎】
(効果A)
 リーチをかけたとき、和了判定を+20し打点も+2する。
(効果B)
 一人聴牌のとき、和了判定を+20し打点を+2する。効果Aと重複する。

【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。




桃子・尭深・仁美・綿南  の順

1半荘目

東一局  ドラ:六筒

モモ(さて、どう動くっすかね。事前のデータを見る限りではオーラス以外の渋谷尭深は警戒に値しないっすけど)

尭深(まずは一蒔き。オーラスまであまり失点しなければいいよね)トン

仁美「ロン。東チャンタで3900」


桃 153800
尭 150200
仁  39900
綿  56100


東二局  ドラ:北

モモ(む、悩んでる間に和了られたっすね。今回は……待ちが悪すぎて無理かも)


モモ&尭深「「聴牌」」

仁美&綿南「「ノーテン」」


桃 155300
尭 151700
仁  38400
綿  54600


東二局一本場  ドラ:二索

モモ&尭深「「聴牌」」

仁美&綿南「「ノーテン」」


桃 156800
尭 153200
仁  36900
綿  53100


東二局二本場  ドラ:三筒

綿南(よくないな。渋谷尭深は局が嵩むほどオーラスでの和了率と打点が上がる。

   無理矢理にでも和了って流すべきだ)

仁美(……鳥部やったか、安いん張っちるな)トン

綿南「! ロン。タンヤオのみの2本場で1600」


桃 156800
尭 153200
仁  35300
綿  54700

東三局  ドラ:八筒

モモ(張ったはいいっすけど、ツモのみのゴミ手っすね。ここは和了らずに忍ぶっすよ)

綿南「ロン。一気通貫のみで1000」


桃 156800
尭 153200
仁  34300
綿  55700


東四局  ドラ:一索

モモ(うひゃぁ、九種九牌……。いっそ国士狙ってみるのもアリっすかね)

綿南(また安手……。ダメだ、これを和了っても渋谷のオーラス次第ではむしろマイナス。崩そう)


「「「「ノーテン」」」」


桃 156800
尭 153200
仁  34300
綿  55700



南一局流れ一本場  ドラ:一萬

モモ(変なことしたせいで和了りが遠のいた気が……。もっかい仕込み直しっす)

尭深「聴牌」

「「「ノーテン」」」


桃 155800
尭 156200
仁  33300
綿  54700

南二局流れ二本場  ドラ:西

モモ(さて、また連荘されても面倒っすからね。お覚悟――)

尭深(ここまでは順調。でもまだ大三元は仕込めてないから)トン

モモ「ロン! っすよ。メンタンピンイーペードラの2本場は8600!」


桃 164400
尭 147600
仁  33300
綿  54700


南三局  ドラ:七索

モモ(……ツモっちゃったっすね。どうするか……。いいや、和了っちゃおう)

モモ「ツモ! トイトイのみで700・1300!」


桃 167100
尭 146900
仁  32000
綿  54000


南四局  ドラ:五筒

尭深(東横さん、本当に気付いたら和了られてるって感じだ。でも……オーラスなら関係ないよね。

   蒔かれた種は芽吹き、結実する――ハーベストタイム!)

                         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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                 /  /:::::/:::l::::l:::l八{_ 从:::::::l:| ___ }从:人リ::::::|
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                    \:八:{::::::::.、    ‘='  ー=≠彡仏イ
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                        \{⌒_}  --   {__
                        /~\__ノ     乂_ `丶
      _         __  -‐      ‘,        }
     ⌒ヽ: : : :.―――<\\         ‘ー- __   _,|      \
        ∨: : : : : : : : : : \\\        { ̄    `丶 /       //〉
        ∨: : : : : : : : : : : :\\\       { ̄ ̄〉  __,/       //∧
.        _人: : : : : \: : : : : : :\\\      ‘, /´ /        // ∧
    /: : : : : \: : : : : \: : : : : : :\\\     ∨   ,/      /// / ,∧
   /´ ̄ ̄\: : :.\: : : : : : ---: : }: :.\\\    ∨ ∠ニニニニニ /:/ ∨ / ∧
          ̄ ̄{\:_:_:_:_:_彡ヘ:.{: : : : \\  ̄ ̄ ∨  . . -‐=彡: : / ̄ ∨
            ∨   /    \: : : : : :≧===‐ ┼‐==≦:_:_:_:_/    ∨
              \__{     \: : : : : : : : : :}/\: : : :\         }
              {-- 八      \: : : : : : /7:l: : }: : : : : }       八

尭深「ツモ。……小三元ツモで2000・4000」


桃 165100
尭 154900
仁  30000
綿  50000


『中堅戦前半が終了いたしました。渋谷選手は役満を和了りませんでしたね』

『局数は十分だったと思うけど、あまりいい手が引けなかったみたいだね~。

 桃子ちゃんと綿南ちゃんも聴牌してたし、和了れないよりは、って選択かな☆』

『なるほど。実際に僅かとはいえプラスに戻しましたし、妥当な判断だったのかもしれませんね。

 CMの後は後半戦。お見逃しなく』


『中堅戦前半が終了いたしました。渋谷選手は役満を和了りませんでしたね』

『局数は十分だったと思うけど、あまりいい手が引けなかったみたいだね~。

 桃子ちゃんと綿南ちゃんも聴牌してたし、和了れないよりは、って選択かな☆』

『なるほど。実際に僅かとはいえプラスに戻しましたし、妥当な判断だったのかもしれませんね。

 CMの後は後半戦。お見逃しなく』

2半荘目

東一局  ドラ:東

モモ(さて、聴牌。……でも渋谷さんから出そうにないんすよねぇ。それにザンク程度では)トン


『おっと、東横選手ツモりましたが見逃すようですね』

『これは悪手だね☆ ちょっと他家を侮りすぎ。見えないんだからしょうがないけど……』


綿南(これは天祐。配牌時点で小三元。そしてついに大三元が揃った。この流れなら当然、次に引くのは――)

  fヾ:.:.:l:.i:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./  ./:.:/ /           !:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:':.:.:.:.:.:イrく.
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  | l:.:.:!:.!:.:.:.:.:/}:.:.:.:.:.:/、   ./:.:/ /          ,.斗" }i:.:./:./:.: ィ:.:.:!  .l
___キ .!:.r‐キ:.:.:/=j:.:.:/=ミ≧x/:.:/       _,.<=≠=ミ!:.片:/- .、:l   !___
:.:.:∧.!:.\l:.:./ 〈.|:./ じ{::}`!`ミ!:./≧´   `≦ 彡ィ' じ{::}`!¨j://ァ  /)ノ:! /:.:.:.:.:.:
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:.:.:. イ|:.:.:.:!"ゝ.    ー――    ノ イ ̄ヽ ゝ   ――一   /.イ:.:.:.:.! `i>.:.:
'´| :| !:.:.:.圦  ミx____..イ/ ::!   ヾミx _____..イ//:.:.:.:.:.! .!   i
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 :  ! l:.:.:.:.:|     ゝ::                 、    イ    |:.:.:.:l  .′ ′
 ミ :、 .!:.:.:.:.|     ∨>、     --- ―― ‐一 "´   ///    .|:.:.:.'  /   /
  ヽ ヾ:.:.:.:.ト、    V∧\               / //     !:./ ./   /

綿南「私の当たり牌だよなァ! ツモ! 大三元で8000・16000!」

モモ「えっ!?」

                   ______
                 ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..、
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          |:! !::::::|:::::::|::::::::|::|/ /`¨    .|-!';:::!:::::|:::::::::l::::::|::!
         |! ヽ::::トレ::|斗イ/ / }     _| ';|::l:::!:::://::::/:/

桃 149100
尭 146900
仁  22000
綿  82000

東二局  ドラ:八萬

モモ(役満親被りは痛いってレベルじゃないっすよ!

   ……とはいえ点差を考えれば千代水と新道寺は飛ぶかどうかくらいしか気にしなくてもいいっす。

   淡ちゃんと京ちゃんを戦わせてあげたいっすから。それでも積極的に狙わないってだけっすけど!)

モモ「ロン! イッツ―イーペーピンフドラドラで8000!」


桃 157100
尭 138900
仁  22000
綿  82000


東三局  ドラ:五萬

『挫けず白糸台狙いを継続するみたいだね☆』

『東横選手も弘世選手のような狙い撃ちの名手なのでしょうか?』

『うーん、見逃すと次局以降に良い手が入って、それが取りたい相手の不要牌を上手く待てるものになる……のかな?

 暗殺者みたいだね☆』

『物騒な例えですね。しかし、東横選手が新道寺高校を狙わない理由は何かあるのでしょうか』

『抽選会での一幕は知ってるよね? だから須賀君と淡ちゃんを同卓させたいんじゃないかな』

『それはその、言いにくいのですが……』

『あ、手抜きってわけじゃないと思うよ? 須賀君たちとしてもきちんと白糸台の実力を確認しておきたいんだと思う☆

 多少狙ったくらいじゃ3位以下になるとも思ってないのかも』


仁美(この点はまずいちゃ。攻めるにも守るにも中途半端やけん……)トン

尭深(……タンヤオのみとはいえ、和了るべき? 新道寺は聴牌してなさそうだし、しても崩すかも。だったら)

尭深「ロン。タンヤオのみで1000」


桃 157100
尭 139900
仁  21000
綿  82000

東四局  ドラ:三筒

綿南(意外だな。安手なら聴牌維持で見逃すだろうと思っていたんだけど。

   まあいいさ。役満のおかげでようやく2位の背が見えてきたんだ。ここは攻める――)

綿南「通らば――」

モモ「通さないっすよ。ロン! 純チャンのみで5200っす!」


桃 162300
尭 139900
仁  21000
綿  76800



南一局  ドラ:六索

モモ(ふむ、配牌は良かったっすけど……ツモが完全に裏目でちぐはぐっすね)

綿南(くっ、なぜあんな見え見えの手に私は振り込んだ? 油断したとでもいうのか!)タンッ

尭深「ロン。七対子ドラ2で6400」


桃 162300
尭 146300
仁  21000
綿  70400



南二局  ドラ:西

綿南(チッ! いや、落ち着け。ここで焦ってはせっかく縮めた差が水の泡だ。

   幸い須賀は私を狙う気はないようだ。新道寺はとにかく点が欲しいだろうからお構いなしだろうけど……。

   でもまだ聴牌にたどり着いてないはず。だったら仕掛けて取り返すのみ!)

綿南「リーチ!」

モモ(あれは……まずいっすね。渾身、って感じっすよ。桑原桑原)

尭深(っ! 安牌がない。……通って)トン

綿南「ロンだ! リーチ一発西ドラ3……裏は無しで12000!」


桃 162300
尭 134300
仁  21000
綿  82400

南三局  ドラ:六筒

『今のは気持ちの入った良い和了だったよ☆

 尭深ちゃんは気を付けないとこのままずるずると捕まっちゃうかも?』


綿南「ロン! チャンタのみで2600!」


桃 162300
尭 131700
仁  21000
綿  85000


南四局  ドラ:二筒

尭深(くぅっ! でも、仕込みは万端です。スロットは最低だけど白と中は対子、發は刻子で揃えられた。

   さあ、ハーベストタ――)

「甘いっすよねぇ」

              ....-―…―-..
            /:::::::::::::::::::::::::::::\

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            _/:::::::::l::::::::::::!::::::l::::::::::::::::::::::\
           ノ、!::|::|::::{\::::::|;ハ::}:::::::::::::::::::::::::::ヽ
         lヽ)l::|::|:::|:l テ刈 ヽ:::ヽヽ:::::::::::::ヽ:::!
         |人ヾ!从ノ  ゞ'|!  ト:::::V:::::\::::::::\
           /   /\__  |!   ノ|\:::::\:::\::::::::\
        /   ,:::!|::ヽ. |! '    {ヽ:::::::l:::::::ヽ:::::::::ヽ
          /   /::::!|::::::`二ニ1   У}:::「7::::ト 、::l:::::::',
       , '   ム-‐ ´|「.:.:.:_/' _,.. /.:.从!/}/´ ヽ\ハ::!
     /     ノ  _| {{!.:.:./○>'.:.:.:._:.ノ=- ヽ 〉.:.\
      |    /}} /  ヽミ|/-=フ/      /.:.:.:.:.:.:\
      |  _,. -}},イ -=,.ィ }-{ ヽ   }     l ム.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
     `¨ \/ム  /  /ニ=}  Уニニミ  / {   ̄ ̄ ̄`
            ヽ}  ハ-イヽ/二ニニミ`ヽ}/
               } /= __ ヽ/   ヽヽ /
             |' -=ニニ/   /-∨

尭深「え?」

モモ「二度もやらせるわけないっすよ? ロン。リーチ一発タンピンドラで8000。人和じゃないのが心残りっす」

   ,′.:.:/.:.!.:.:.:.|.:.:!.:.:.|.:.:.|.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.|    }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!
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   |.:/!.:.:.:ハ.:.:|.:.|:/: : : :/ |`: . 、         , .イ: :|! :.|: :/.:.:.:.:.:.:/.:./--、

桃 170300
尭 123700
仁  21000
綿  85000


『中堅戦、終了いたしました。なんと順位が入れ替わり、王者が1位を明け渡しました!


 1位はチーム須賀で170300点。

 東横選手は前半+11300、後半+5200で合計+16500点となりました。


 2位は白糸台高校、123700点。

 渋谷選手は前半+800、後半-31200で合計-30400点となりました。


 3位は大きく伸びて千代水高校、85000点。

 鳥部選手は前半-6100、後半+35000で合計+28900点となり区間トップ。


 4位は残り点数が厳しくなってまいりました新道寺高校、21000点。

 江崎選手は前半-6000、後半-9000で合計-15000点となりました。


 中堅戦の総評をお願いします、瑞原プロ』



『はい☆ やっぱり尭深ちゃんの失点が大きかったね。

 前半のオーラスは和了りこそしたけど満貫止まりで、後半は読まれちゃったのかむしろ満貫放銃。

 自分の中のルーチンを守るのはリズムを作る上で大事なんだけど、それに頼り過ぎているとこうなっちゃう、って見本かな★


 それは桃子ちゃんにも言えることだね。結果だけを見れば悪くないんだけど、

 後半の東一局、見逃しをしなければ役満の親被りは避けられたからね☆

 親被りの16000点がなければ収支でもトップだったから、ここは反省点だゾ☆


 そして綿南ちゃん。綿南ちゃんは良い麻雀してたね☆

 前半こそ揮わなかったけど、後半はなかなか良かったよ☆

 役満和了で浮き足立っちゃったのは減点だけど、放銃してまた持ち直したから帳消しかな?


 最後は仁美ちゃんだけど……安手に差し込んだりとテクニカルな動きも見せてくれたけど、

 それでツキを逃しちゃったのかも。開幕で3900を先制して以降は和了もできなかったねー。

 放銃回数も4回とちょっと多めだから、残念だけど当然の結果になっちゃった☆』



『ありがとうございました。

 中堅戦も終わり2位争いが荒れる予感を湛え、副将戦へと移行します。

 王者は持ち直すのか! あるいは失陥してしまうのか!? お見逃しなく!』

――須賀控室――

「ただいまっすー」

「おかえりモモ」「おかえりですーぅ」「おかえりなさい」「おかえり」

「役満親被りはやっちまったな、モモ」


 そーっと帰ってきた桃子に、俺達は気にせずそう声をかけた。

 変に気にしているようなら笑い飛ばしてしまえば桃子も気が楽だろうからだ。

 桃子はぼっちだったからか、他人の機微に聡いところがある。だからそんな空気を察したのだろう素直に話題に乗ってきた。


「うっ、で、でもさすがに役満は読めないっすよ」

「瑞原プロがダメ出ししてたわよ?」

「ひぇっ、わ、私の体は京ちゃんだけのものっすからね!?」

「いや、嬉しいけどなんでそうなるんだ……?」


 素直にプレイングミスを認めた桃子に追撃する数絵。そんな数絵の追撃に桃子はなぜか過剰反応を示した。

 俺だけの桃子、男としては非常に胸が熱くなる言葉だが、どうしてそんな言い方をするのか理解が追いつかない。


「モモちゃんは瑞原プロに牌のお姉さん候補としてロックオンされてたみたいやしねーぇ」

「私は京ちゃんと一緒にいられればいいんすよ! だから芸能界とか嫌っす、汚っさんにおべっか使うとか無理!」

「いや、さすがに枕営業強制は……」


 理解できていない俺を見かねた憩さんが言葉を足すように言う。

 確かに合宿中、瑞原プロが桃子や和、美穂子さんにそんな誘いをかけていた覚えはある。

 半ば本気の勧誘であったとは感じていたが……それでも桃子の発言は飛躍しすぎじゃないか?


「芸事の世界は醜い人の欲望が渦巻いているわ。

 瑞原はやりは賢しいもの、遠回りこそ近道だと理解していたわ。

 でも賢しくもなく意思もないのであれば、黒い沼に呑まれるのがオチだわ」


 首をひねった俺に今度は絃さんが追い打ちをかけてくる。

 瑞原プロを呼び捨てにしているのもそうだが……芸能界の何を知っているのか。

 前々から発言が意味深で大物感を覚えさせる上から目線ではあったが、18歳の女の子であるはずだ。

 眉をひそめてしまった俺を見た絃さんはふっと表情を和らげ、淫靡な雰囲気を漏れさせて俺の手を取る。


「くふっ、安心して頂戴京太郎さん? わたし達はあなたの女なのだから。

 ……それじゃ、行ってくるわ。京太郎さんの歩く道はわたしが均してあげる。クフフフフ」

――白糸台控室――

「申し訳ありませんでした」


 尭深が深々と腰を曲げ、頭を下げる。それを困ったように見る照と菫。

 淡は我関せずといった自由さでスティックチョコをポリポリと齧っていて、誠子はやや心配げに三人を見ている。


「……お前に謝られたら私も堂々とはしていられないんだがな」


 そういう菫も2万4千点ほどの失点をしているのだ。尭深は3万点。結果にそれほど大きな差はない。


「東横さんの実力も肌で分かった。2位以内で終わらせてしまえば次の機会もある」

「モモ? やっぱ尭深じゃあれは躱せないよねー」

「淡、残るは亦野とお前だけなんだからあまり気を緩めるんじゃない」

「えー? スミレは心配性すぎ!」

「先輩をつけろと言ったろ?」

「2万点も取られた部長なんて知らないよーだ」

「」ブチッ


 照が尭深を諭すがそれを淡が混ぜっ返す。そしてそれを注意する菫だが聞き耳持たない淡。

 白糸台高校チーム虎姫のいつもの日常風景。

 安心感すら覚える光景に自然と尭深の表情も緩む。

 それを見て誠子も安心したように息を吐く。


「誠子、相手は霜崎絃だけど……誠子ならやれるはず。頑張って」


 弛緩した空気の中で不意の照からの激励。油断していた誠子は鼻の奥にツンとしたものを感じた。

 憧れの先輩から直接の激励を受けたのだ、これで気合が入らないなど、嘘だ。


                 、、_,/(ィ-―ァ
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            /ィ   ,.、,、、  、    \
            /...;、;リ'"  ` ヽiヽ:.、:.:.:.:.:.. ヽ
            /;.:リ'           jハ:.:.:.:.:.:.:!、
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           | !、i< ('::i゙     ´Lン'゙ |^ }:i:N
               、!               /ル
                 i   ′      ,:‐'/
                  丶   ‐--   ,.:V′
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                      〕´     |-.、
              _,...-‐''/7   __/   `丶、_
           rrr''"    i   ′/        >>、
          λi:!      |   /         //  ヽ
          / ヽヾ、     |  /    ,,:=='"イ

「――はい、先輩。白糸台レギュラーの実力……しっかと見せつけてきますよ!」


『ついに2回戦A卓も折り返しを過ぎ、副将戦が開始されようとしています。

 瑞原プロ、見所をお教えいただけますか?』



『そうだねー、先に紹介からしちゃおっか。


 まずはトップに立った須賀の霜崎絃ちゃんから☆

 絃ちゃんは去年は千葉から出場してたねー☆ でも今年は長野から♪

 ミステリアスな美人さんだけど、打ち方もなかなかに不思議なんだ。

 理牌が独特で、何かそこにジンクスを持ってそうな感じ☆

 そして絃ちゃんはロン和了が得意みたいで、ノってくるとかなり妖艶な感じになるんだよね~。

 全国でも十分エース格としてやっていける実力者だから、この副将戦は彼女の動向が鍵かも☆


 次は2位の白糸台、亦野誠子ちゃん☆

 誠子ちゃんは三回副露すると高確率で和了する、っていうことが多い選手だね☆

 ただ多くの副露をするってことは手牌が晒されて読まれやすいってことでもあるから……

 さらに打点も下がらないようにするには役が絞られて難しい打ち方だよ☆

 研究もされてるだろうからなかなか厳しい戦いを強いられちゃうね。


 3位の千代水、須佐世利ちゃん☆

 世利ちゃんは……うーん。妙な威圧感がある子だね。槓をすると槓ドラが乗りやすいみたいだね☆

 その分手に刻子や槓子を作るように待つからこの子も役が限られて読まれやすいかも?

 盛り返した千代水がどこまで頑張れるか、これが見所だよ☆


 最後は4位の新道寺、白水哩ちゃん☆

 哩ちゃんは普通に強いよ☆ たまに自分で飜縛りをしてる感じだから、何かジンクスがあるんだろうね☆』



『ありがとうございました。副将戦、ついにスタートです』

霜崎絃
属性 :O
技量 :B
直感 :B
必然力:A
・スキル
【キレ◎】
 自身の和了形がロンの場合、判定を+20し打点を+2する。

【奇門遁甲:石兵八陣】
(効果A)
 他家の判定コンマを-10。
(効果B)
 自身の素の判定コンマに1が含まれ、
 かつ他家の素の判定コンマに6が含まれる場合はその他家から直撃を取る。
(効果C)
 効果Bが発動するためには、聴牌成功かつ和了判定値が3位以上でなければならない

【邪仙術:人頭桃】
 他家からロン和了するたびに全ステータスが+5されていく。



白水哩
属性 :D
技量 :A
直感 :B
必然力:C
・スキル
【アベレージヒッター】
(効果A)
 聴牌判定を+20。
(効果B)
 和了判定を+15。
(効果C)
 打点が流局である場合、一度だけ再判定する。
 ただしこのとき再判定された打点は満貫未満になる。

【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。

【エース○】
 エースとしてオーダーされている場合に発動。
 判定を+10。

【リザベーション:縛】
 オカルトの域にまで達した強い絆。
 翻数を指定して聴牌判定時に発動できる。
(効果A)
 指定した翻数×10だけ聴牌・和了判定値をマイナスする。
(効果B)
 この状態で和了に成功した場合、指定した翻数の打点で和了する。
(効果C)
 効果Bでの和了を鍵として【鶴田姫子】に託す。

亦野誠子
属性 :O
技量 :D
直感 :C
必然力:C
・スキル
【ピンチ×】赤
 放銃判定を-10し、放銃した場合にその打点を+1。

【対リーチ×】赤
 他家がリーチをかけた場合、自身の判定を-10。

【キレ×】赤
 自身の和了形がロンの場合、判定を-10し打点を-1する。

【守備難】赤
(効果A)
 放銃判定値を-15。
(効果B)
 自身が放銃するとき、打点を+1。

【浮沈の見極め】銀
 三副露後に間を置いて必ず当たりを引ける異能力。
 自身の素の聴牌コンマが2位以上のときに発動できる。
(効果A)
 和了判定値を+30。
(効果B)
 聴牌コンマで自身と自身以下の他家との差が35~50以上の場合、強制和了。
 ただし差が30~35の場合は2翻、36~50の場合は1翻打点が下がる。
(効果C)
 効果Bによって打点が下がったときに0翻以下になった場合、
 和了不能となり和了権が他家に移動する。




須佐世利
属性 :D        88
技量 :B
直感 :D
必然力:G
・スキル
【威圧感】
(効果A)
 他家の判定を-10。
(効果B)
 スキル効果による特殊和了を行うごとにさらに他家の判定を-5。
(効果C)
 跳満以上を和了した次の局、他家の判定を-10。

【四牌】赤
(効果A)
 自身の判定を-5。放銃判定をさらに-10。
(効果B)
 自身がリーチをかけた場合、和了判定を-10。
(効果C)
 ただし“槓が関係するスキル”を所持している場合、効果ABが反転する。

【厄寄せ】黒
(効果A)
 自身がリーチをかけた場合、和了判定を-10。
(効果B)
 効果Aが発動中に和了に成功した場合、槓ドラを丸々乗せる。打点を+4翻。
(効果C)
 効果Aが発動中に他家にロンになるゾロ目が出ている場合、槍槓となり放銃する。





世利・誠子・哩・絃  の順

1半荘目

東一局  ドラ:白

誠子(霜崎絃と白水哩……。強敵だが、私だって白糸台で宮永先輩のチームに選ばれたんだ。

   倒してみせる)

絃「ツモ。トイトイのみで500・1000」


世  84000
誠 123200
哩  20500
絃 172300


東二局  ドラ:八索

哩(こぎゃん点差、なんぼ私と姫子っちしても厳しか。

  やけんちょこっとばってん仕込まなかっち――リザベーション3!)キュッ

        -‐…‐-ミ
    / . : : : : : : : : . ヽ
  〃 . : : : : : : : : :.\ : . \                                                      ] [
  / . : : ト 、: : : : : :. :.\ : : :.                                                 |ロ|
 .' . : : 八  \:.ヽ从,xzっ=、::.                                                 ] [
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 |八: : : .\\ゝ   ″.:.:.   i /i人从/ ___ ノ . : : -───く                             ] [
 |:.:..ヽ:.:..ヽ:.:,xz=   '    从/VV//⌒≧: : : : : : : : : : : : : : : : :.\                             |ロ|
 |: : : :.\、C".:.:.:.   ,r‐ ∠ニハし'   ´    `ヽ___< ̄ ̄ `ヽ)                            ] [
 | : : : : : i ミt、      ∠ニニニア、⌒         ∨7=- _`ヽ                                 |ロ|
 |:.i: :. :. :.|    ≧=≦くニニニアニア=-   _     ∨7=-  ̄ ̄ ̄ `ー─-------/\                    ] [
エ:.:i: : :. :.ハエエエエア `"´  ̄ \ニニニニニ「レアニニニニニニ二二\     __/  /て                    |ロ|
  {:.i: : : :. :.\,≦/            \ニニ/, 〈ニニニニニニニニニニニニニ\ ̄ ̄ {  {ー=彡'ニニ{               ] [
  |八: : : : : : .\{´  `ヽ'.         `ー'^'┴=ニニニニニニニニニニニニニ>     {ニニニニニニ/=-  _            |ロ|
  |  \: : : : : : :.>    八                    \ノノ           /{  {ニニ三三j         =-   _         ] [
  |   \ト、__>  ,xニヘ              O\      /   廴ノニニニ△/                }\人从|ロ|人,ィ
  |             \〃´   >一           〃  \__∠__彡'ニニニニ{                     /ニニ=┘ _〈
                 \     ` _                   ∨ニニニニ=‐-  _ニニニニ}                   /ニニニニニニ〉_
                 \     \`ヽ }          ∨ニニニニニニニニ=‐r=/                 /ニニニニニニ7
                 \〉    ⌒\∨ , -=ニ>        ∨ニニニニニニニニ/V                 /ニニニニニニ7
                    {       \マ´          ∨ニニニニニニニ/ニ=‐-  _           ,ニニニニニニ〃
                      \{         ヽ           ∨>ニニニニ/、       ニ=‐-    _   {ニニニニニニ{
                       \      ヽ            /∨ニニ=‐v   \            〃 Lニニニニニニj__
                       \     ハ      / ∠ニニニ7       \           ⌒ヽ    ̄ ̄ (
                       \ 人从人ヾヘ  / ∠ニニニニ/           \           Y⌒Y⌒Y⌒ヽ
                         _)     ∠ニニニ、__∠ニニA__ノ              \
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                                  LLLヲ        ` 、                    \

哩「くぅっ……ツモ! 面前三色で1000・2000!」


世  83000
誠 121200
哩  24500
絃 171300

東三局  ドラ:東

                   /: : :/: |: :|: :|: !: : : : : ,'!: |: |: |:|: :.|:'; :!
                   i: : : :|: :ハ: ! i.:|:.ト; : : :./ !/i;.'i :l:,l: :.ト、',:i
                   | ; : :|;|:|-|:廾:トヾヽ: :/ /'ナナナハノi|ー-,トi
                   |:|: : : N,ィ=朴、:::..ヽ|   ''テ=メ、イ;.:':/ |
                   |:|: ; : `i弋_,!..       .廴,_ノ ´ !:./.:| |
                   |:|: |: : :|::..              ハ:.!: | |
.                  i:.|: |: l: |::.       ′      / ,!:|: :!」
           ィ'|       |:.|: |: |: !:::..   ー‐_‐,ァ    //: :!: | |
         /| |      ! |: |: :! |ヽ、:         /´!: : : !:.! |

  __ ,. 、    | ,l |      i: ト、|: :| :!: :!;ゝ、      ,イ: : : :!: : : :!:.! |
._/ / /`メ-、 」,ハ| |__/',   !:/ ヽ !.:|: :|!: i ` ー-ー ´ |: !: : : :|: : : : !:! |
/ / / / f´メ-^' ヽ、  i  .i/    \!: |: :|       !: |: : : :!: : : : :!ド
         {_'>-、, ,./  | /  ,、   \ノ         !: !: : : |: : : : : !!
         ! `> ,// ̄i  !/  ハ: iヽ、  ヽ ____ヽ、: :.|: : : : : :!!
      / / レ//  ,!    /´|: |: : `!ヽ、 __,.. -ー '´__ ゝY、_: : : :!!
      イ /  //-、'´ |   /   !: !: : : !            | |  ` ー- 、
|  _,. -=彳 ヽ//  ヽ  !  /    |: |: : : |             | |       〉、
ィ'    /ソ   ド   ヽ ト '"    l人: ヽ|            //    ,  / |
    / イ   _!     !       | |\;.!           //      ! /  !

世利「うふっ、リーチです」


 千代水の副将、須佐世利が妖しげに笑いリーチを宣言したその瞬間。

 既に晒されている槓子が突如色を失ったように錯覚した。

 槓ドラとして丸々乗っている、和了れば満貫が確定している手。

 枯れるように失われた色はその不気味さを際立たせ否応なく警戒させられる。

 絃は背筋に走った怖気を鬱陶しそうに振り払うと、改めて須佐世利を眺めた。


絃(良くない気だわ。

  わたしが言えたことじゃないのだけど……京太郎さんに会わせてはいけないと勘が言ってるもの)

世利「ツモです。リーチツモドラ4で3000・6000……ふふふ」


世  95000
誠 118200
哩  18500
絃 168300

東四局  ドラ:五筒

絃(……アレは早めに潰しておくべきだと思うのだけど、それでもここで固執するのも良くないわ。

  リーチもできるけど、崩して流しましょう。幸い誰もわたしの陣から抜け出てはいないのだから)


哩「聴牌」

「「「ノーテン」」」


世  94000
誠 117200
哩  21500
絃 167300


南一局流れ一本場  ドラ:北

誠子(ここまで和了がないのは私だけじゃないか。……今は二副露、あと一回鳴ければ――)

誠子「! ポン!」シャッ


 三回目の副露と共に、誠子の目に映る卓上は様変わりする。

 山から流れる清らなかな川と四人の釣り人。揺らめく水面はその奥を見通すことを妨げる。

 しかしそれで焦ってはいけないのだ。釣りとは気息を整え、魚に合わせること。

 それができれば――


誠子「ツモ! 白トイトイの1本場は1700・3300!」


世  90700
誠 123900
哩  19800
絃 165600

南二局  ドラ:一萬

絃(今のは……呂子牙!? まずいわ。もしもそうであるなら、今の陣では――)トン

誠子「――ロン! 純チャン三色で11600だ!」

                ,  -──‐-  ,
             ,  '´ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ
          ,   :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
        / :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ

       / :: :: :: :::i :: :: :: :: :: :: ::| :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: '、

.       / :: :: :: :: ∧ :: :: :: :: :: :: |:: :: :: :i: :: :: :: :: ',:: :: :: ::',
        ' :: :: :: :: :::! |:: ::i :: :: :: :::|:: :: :: :|:: :: :: :: :: |:: :: :: :::'
      ,' :: :: :: :: :: :|  l:: ::!, :: :: :: :!:: :: :: :|:: :: :: :: :: |:: :: :: :::|
     ,:: :: :: :: :: :i:::|  ' ::| \ :: ::|::i, :: :: |:: :: :: :: :: | :: :: :: :|
    ,':: :: :: :: :::|:l :|    ',|  \/リヽ, :/| :: :: :: :: ::| :: :: :: :!
    ! :: :: :: :: ::|リ',|     、__ - x=V、|:: :: :: :: :: |_:: :: :: :!
    , :: :: :: :: :: :! _`ニ´      ん:::::iヽ!:: :: :: :: :: ! ', :: :: |
    |::i :: :: :: :: ::',{´iテチ,      辷_ノ |:: :: :: :: ::i:! }:: :: :!
    |::!',:: i:: :: :: ::, 弋_ノ         .| :: :: : :: :| / :: :: ::|
    リ ヽ:|:: :|: :: ヽ            !:: :: :: :: :!´:: :: :: ::|
      '!ヽ,|:: :: :: i     '         |:: :: :: :: :|:: :: :: :: :|
        | :: :: :::! u    __,      |:: :: :: :: :! :: :: :: :::|
        |:: :: :: :::\     ̄    ,!:: :: :: :: | :: :: :: :: |

        |:: :: :: : ::: :: ` .. 、   ,  '´ | :: :: :: ::|、:: :: :: :::|
        |:: :: :: i :: :: :: :: :: :>-,.´   /|:: :: :: :: | `.─.┴-─‐ 、
        |:: :: :: |、:: :: :: :/!  ヽ_/  |:: :: :: :: |          '.,
        |:: :: :: |_ヽ-‐/ //f├,.   ! :: :: :: ::!    /      ,
        |:: :: :: |  / /// イ.ト ',   |:: :: :: :: |   /       |
      /´! :: :: ::! /./// / | | ', l /.! :: :: :: ::!  /          !
      /   |:: :: :: | ヽ l_ヽ'_/  | |__!.| |:: :: :: :: | ./            |

世  90700
誠 135500
哩  19800
絃 154000


南二局一本場  ドラ:二索

誠子(っし! やってやったぞ! これで4万2700点差が1万8500点差……いけるッ!)

絃(やってくれる……! いつもいつも我が覇道の邪魔をッ)ゴッ

哩(む、悪くはなかの鍵ば姫子ん託しゅんは難しいか)

哩「ツモ。メンタンピンイーペードラの1本場は2100・4100!」


世  88600
誠 131400
哩  28100
絃 151900

南三局  ドラ:四筒

「「「「ノーテン」」」」


世  88600
誠 131400
哩  28100
絃 151900


南四局流れ一本場  ドラ:東

哩(ツモっちしもた。しゃあない)

哩「ツモ。ツモのみの1本場は500・800」


世  88100
誠 130900
哩  29900
絃 151100

――須賀控室――

「絃さん、白糸台に直撃されたとき珍しく焦ってたな」

「そやねーぇ。あんだけ焦った絃ちゃん見たのは久しぶりかもしれへん」

「親番での和了を見逃ししているし、何か考えがあるのでは?」

「絃さんはあれで京ちゃんにべた惚れっすからね。大将戦に回すための演出っすかねぇ」

「かもなぁ。ま、このまま終わるような絃さんじゃないか」




『副将戦前半が終了いたしました。亦野選手が意地を見せましたね』

『絃ちゃんがあれだけ感情を出すのは珍しいんだけど、何かあったのかも?

 それでもこのまま終わるようじゃ全国で名を馳せるなんてできないから、お楽しみに、だね☆』

『なるほど。いよいよクライマックスが近づいてまいりました副将戦後半、始まります』

2半荘目

東一局  ドラ:西

哩(前半はいまり鍵ば残してやれんかったけん、ちょこっとこまめちゃんばしゅるっちもやろう)ギュルン

哩「リーチ! …………ロン! リーチタンヤオ赤2で7700!」


世  80400
誠 130900
哩  37600
絃 151100


東二局  ドラ:四筒

哩「ロン! 三色のみで2000!」

               ,. : :´          `: : 、
            ./                `ヽ
        ,.:                     :.
        ,.:゙ ,      |  |             ),
       ./ /         |  |             / ハ
      厶ニ| i     l   |  |
.     「 ̄ | l     ト,| |  |
.       i   | |   _,以 || 「二ニ=‐- ..,,_
     |   l,斗<  .| i |`||
      |  ∧ | j云ニL」ノ .|├=Y⌒ヽ
     .从  .从 jI八::rⅱ || ヾ   }
.      ヾ:、  ハ   ,)ヅ ||       ./
          `ト己   .:::::: ノイ    ,.イ     \
         | .ノ           :' 从       \  jI斗┐
         | ,心、             `ヽ   ___(   |
        ||| 心r_;          ,.厶=孑ヘ\ ├ヘ,_|
            || |!.心、  ,.。o心,  ´    _,,.⊥、L| |
         ! |[レ' `i´  rく    /     `ヽ|
            ! ;||     r 1 :|   /        ∨
.            ! 小|    ,ハ|| /           ∨
          ! |     _|///|/               ∨
           !|     /  / /              ___∨
            弋   厶イ/            /////∧
                / //             ////////∧
             / ./          \////////// ∨
            ./ ./        ヽ  \///////   ∨

哩(姫子、私っちん絆だけではたわんかもしれんけんの、姫子ならやれるはずやけん!

  そいでも一本でもえらいたくさんの鍵、渡しゅから!)


世  80400
誠 128900
哩  39600
絃 151100

東三局  ドラ:八萬

誠子(さすがは白水哩……。だからって舐められては白糸台の名が泣く!)

誠子「ロン! 三回鳴かなきゃ和了れないってわけじゃない、白混一色ドラで8000!」


世  80400
誠 136900
哩  31600
絃 151100


東四局  ドラ:六筒

絃(さすがに点を減らしすぎたわ。後ろに京太郎さんがいるという安心感に、溺れていたんだわ。

  わたしらしくもない……だからここではオリてなんてやらない)

誠子(ほんとに調子が良い。これで弘世先輩も少しは見直してく――)トン

絃「ロン。きちんと返してもらうわ。二盃口ドラドラで12000……ククッ」


世  80400
誠 124900
哩  31600
絃 163100



東四局一本場  ドラ:九索

誠子(くっ、油断していた……。だがまだ)

絃「リーチ」

誠子(こっちを見た? 狙われている気がする。でも既に二副露していて安牌もない。崩すか?

   ……とりあえずこれで)タンッ

                      __
                 , -‐ .. ´ :: :: :: ::` ' .. .. 、
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            / :: :: :: :: :: :: :: / :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: '.. 、
             / :: :: :: :: :: :: :: :: / :: :: :: :: :: :: ::/ :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
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         |:: :: :: :: :: :: i  .!:: :: :: ::\ :: |.  ミニニニ    、_,l:: :://
         | :: :: :: :: :: ::ヽ  | :: :: :: :: | ヽ,!            `i:: /!´
         | :: :: :: :: :: :: ::ヽ_', :: :: :: : l            ヽ.|::,'
         |:: :: :: :: :: :: :: :: :::i:: :: :: :: :!            '/,'
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         |:: :: :: :: ::,/     ',:: :: :: ::,`ヽ,| .iヽ,ヽ :: ::!,:: :: ' :|
         |:: :,  '´  ',    ' :: :: :: i   .! .|/ .|、, :|.', :: ::',i
      , -‐ ´      ヽ     ', :: :: ::l   | .|ヽ | ',`' , :: ::ヽ
    , '            .',   !:: :: :: '  i  .|,>-‐,  , :.', :: :: ',‐-、
   ,        `ヽ,     i    ',: :: :: :',´| ¨´ ,.└ヽ,', ヽ :: :ヽ ヽ
   |          ヽ  ヽ_   ! :: :: ::', i  /  ノ'、 i  | :: :: l   i
   |            、   `'ヽ|:: :: :: :i .',   / , .| /  | :: :: i  |

絃「ロン。リーチ一発一盃口平和ドラで1本場は12300。手玉ね」


世  79400
誠 112600
哩  31600
絃 176400

東四局二本場  ドラ:九筒

『霜崎選手、かなり悪い顔してますね』

『そうだねー☆ 離したツキを取り戻した感じ☆ でもそう甘くないのが麻雀だよ★』


哩「リーチ!」

絃(……先に行かれたわ。仕方ないわね)

   _ _            〃 /:/     / .: .: .: .: .: .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
   {/〃7        {{ /:/   / /.: /.: .: .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′
  __)  人_         ∨/   イ  {/\\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:′
  `ー<::/ ⌒≫x、  }iレ'′.:\:〃.: .: /:У.:/j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!
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       / .: .: .: .: /.: .: .: /⌒ Ⅳir庁冬、....|.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.八 .:.:.:.:.:.::|
      /.:.:./.: .:/.: .: .: /     } 乂ソ  ...|.:|.:./.:.:.:/.:/.:ハ :.:.:.:.:.:}
     ″:/⌒/.: .: イ:〃 、     八 ,,     ..{/|.:.:./|/γ⌒) :.:.:. ノ__
     {     /:/   }/   \     、  ′  ...,,j/........._,. くヒマく、 /
          {′   ′      ヽ /   _へ ` =ヽ....... イ´ 〉   \}.:∨
                      〉   /  介ー=:≦   /       、:.:〉
                       .′  ⌒〔 ⌒ハ   /       〉ーx
                   {    人  ≫|_,/        /
                   |     /::::::>'′        /

哩「ロン! リーチ一発清一色ドラ……裏2で2本場は24600!」


世  54800
誠 112600
哩  56200
絃 176400

南一局  ドラ:六筒

 再び卓上の景色が変わり、川のせせらぎを思わせる幻聴が絃を襲う。


絃(分かっていれば不意など衝かれないわ、太公望!)


 絃の喝破した通り、誠子の垂れた釣り糸に大きな力がかかった。


誠子(なんとしても取り返す、それが私の麻雀だからッ)カンッ

                 、、_,/(ィ-―ァ
             ≦゙        ` ヽ、
            /ィ   ,.、,、、  、    \
            /...;、;リ'"  ` ヽiヽ:.、:.:.:.:.:.. ヽ
            /;.:リ'           jハ:.:.:.:.:.:.:!、
             i;.:.|  _     ,.=-   iハ!:.:.:.:.:!、
               iハ:.:! __`ニ  ´ ‐_,...、  |:.:.:.:.:.i`
           | !、i< ('::i゙     ´Lン'゙ |^ }:i:N
               、!               /ル
                 i   ′      ,:‐'/
                  丶   ‐--   ,.:V′
                     `丶 _  _,..::'   !
                      〕´     |-.、
              _,...-‐''/7   __/   `丶、_
           rrr''"    i   ′/        >>、
          λi:!      |   /         //  ヽ
          / ヽヾ、     |  /    ,,:=='"イ

誠子「カン! ――ツモ! 三槓子トイトイドラ6赤1で6000・12000だ!」


世  42800
誠 136600
哩  50200
絃 170400


南二局  ドラ:八筒

世利(なん、なの? 10万点まであと少しだったのに気付いたらこんな!)

絃「ツモ。純チャンのみで1300・2600」


世  41500
誠 134000
哩  48900
絃 175600

南三局  ドラ:南

絃(千代水にもう龍脈は向かない。新道寺も間に合わないでしょう。

  ……なら狙うのは一人だわ)ニタァ

誠子(っ! この寒気、霜崎絃! ど、どれが当たり牌なんだ? スジに頼るしか)トン

絃「ロン。南ドラ3で8000」


世  41500
誠 126000
哩  48900
絃 183600



南四局  ドラ:南

誠子(役牌ドラなんて、見落としていた……)

哩(姫子んためにえらく稼ぐ必要があったんに、これの限界か。しゅまなか姫子)

絃(最後にもうひと齧り、と思ったのだけど……ダメね。それでもわたしの勝ち)

「「「「ノーテン」」」」


世  41500
誠 126000
哩  48900
絃 183600

『副将戦終了いたしました!


 1位は変わらずチーム須賀。

 霜崎選手は前半-19200、後半+32500の合計+13300点です。


 2位は同じく白糸台高校。

 亦野選手は前半+7200、後半-4900の合計+2300点です。


 3位は入れ替わりまして新道寺女子高校。

 白水選手は前半+8900、後半+19000の合計+27900点で区間トップです。


 4位は大きく沈んで千代水高校。

 須佐選手は前半+3100、後半-46600の合計-43500点です。


 いやはや、白水選手が大活躍でしたね』



『うーん、点数だけ見るとそうなんだけど……

 ゲームの行く末をコントロールしてたのは絃ちゃんと誠子ちゃんだったかな☆


 前半では絃ちゃんは余裕を持って誠子ちゃんを泳がせていたんだけど、予想外に直撃されてちょっとムキになってたかも☆

 後半では持ち直してきっちりプラスに持っていったのはさすが、ってとこだねー。


 誠子ちゃんは惜しかったね☆

 打点の低くなりやすい打ち方のはずなんだけど、実は総得点と平均打点ではこの卓でトップ。

 それでもこの点数っていうのは防御に課題がある、ってことだよ☆

 鳴きを多用するから場の流れをかき乱すんだけど、それでも他家に大きな手をツモされてたりするから

 いわゆる無駄鳴きになっちゃってることが多いのかも。そして無駄に手を晒すと読まれやすいから……。

 厳しいことを言ったけど、放銃回数は二半荘で4回だからちょっと多いかな、ってくらい★

 振り込んだ点数がそれだけ大きかったってことなんだよね☆

 その辺を改善できると打点が悪いときでも安定してつなぎ役になれると思うよっ!


 世利ちゃんは……三倍満に振り込んじゃったのが運の尽きだったねー。

 後半は焼き鳥でもあったし、そもそも前半も跳満1回しか和了れてない。

 これじゃどうしようもなかったかも★ まだ1年生だから来年以降に期待、かな☆


 最後に哩ちゃん☆ 哩ちゃんの調子に大将の姫子ちゃんが大きく影響されるくらい仲が良いんだよね。

 だからこの点差で3万点の稼ぎだと……だいぶ厳しいかも。

 和了回数自体は多いけど僅差だったし、同格の相手が並ぶ全国で大きく突出するのは難しかったね☆』



『ありがとうございました。次が泣いても笑ってもクライマックス! 準決勝に進むのはどこだ! お見逃しなく』

――須賀控室――

「戻ったわ」

「お疲れ様です絃さん」「お疲れ様です」「お疲れ様ですよーぅ」「お疲れ様っす」

「前半は肝が冷えましたよーぅ?」


 控室に戻ってきた絃さんをからかうように憩さんがにやりと笑いかけた。

 絃さんはそれを受けてわざとらしく表情を作り、嘆いてみせる。


「フィッシャーという二つ名だからといって呂尚とは思っていなかったわ……」

「呂尚……太公望っすか?」

「太公望と言えば確かに、釣り師の代名詞ですね」

「つっても後半は狙い撃ってましたよね」

「残影だもの、不意を打たれただけだわ。種が割れてしまえば後はわたしの術中」


 太公望と言えば古代中国の偉人、有名な軍師のことだ。

 さすがに封神演義のほうではない……よな?

 そうなると絃さんは妲己に――いや、やめておこう。

 絃さんから一瞬殺気のような恐ろしい視線を感じたのも気のせいのはずだ。

 とにかく、どうやら絃さんのオカルトは白糸台の亦野さんと相性が悪かったようだ。

 それも相性が悪いと分かってさえいれば対処のしようはある、ということか。

 そのあたりが数絵や桃子、俺と違って場数を踏んでいる経験の差。見習わなければいけない。


「そんなことより京太郎さん、道は作ったわ」

「いよいよ淡ちゃんとっすね」

「大星淡……予選ではあまり使っていなかったようだけど、とんでもないわね」

「こっちは配牌が五向聴、向こうはダブリーで槓ドラ丸乗せ。えっぐいわーぁ」


 俺が一人頷いていると、絃さんが可憐な笑みとともに俺にバトンを預けてきた。

 そう、いよいよ淡との再会。電話でもメールでもない、対面となる。

 淡と本気で麻雀をしたことはない。

 淡には気に入られていたが、それでも俺の前でオカルトをそこまで全開にはしていなかったように思う。

 淡は他人と違うことで嫌な目にあったのだろう、桃子と似たような。

 涙無く泣いていた淡に話しかけたときから分かっていたことなのだ。

 普段は強がっているが、それは怖いからなんじゃないか。

 そんな淡とようやく、真正面から向き合う機会を得たのだ。


「あはは……。ま、なんとかしますよ。ダブリーかけたらあいつ、すぐ和了るってことは滅多にないんで」

「先に和了ってしまえばいいだけっすよね。……ってそれが難しいから厄介なんすけど」

「幸いみんながリードを作ってくれたから、点は気にせず流すの念頭におけばいけますよ」

「京太郎さんなら勝つわ」

「そやね。役満でも受けへんかったら2位以内は確実やし……気楽になーぁ?」

「当たり前です。みんなと一緒に全国制覇、やるならここで躓けないですから!」


 みんなからの信頼が俺の背を押してくれる気がする。

 一人じゃここまで来れなかっただろう。感謝してもしたりないくらいだ。

 だから自信を持って踏み出そう。一歩一歩確実に前へ。

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                   / イ  / /| 弐_ V | /   __}/   _ヽ
                     | / , :  ー':, ∨/   イ乎(_ ヽV |
                    ∨ {/ '   / /      Vzソ   V}
                    {   、                 リ
                         ∧   `
                        、
                         ∧ `
                         |l∧      ̄         <
                          「´∧           ´
                        .:'//>--==≦ゞ
                      ////////\        /
                       /////// /   ∧
                        {/////〈/{   / |      //,


「――行ってきます!」

「「「「いってらっしゃい」」」っす」

うーん、キリがいいので今日はここまででー

後は大将戦だけなんですけど時間が微妙なので。

お読みいただきありがとうございました。

新道寺のセリフがおかしな感じですみませんでした、もう少しの間ご辛抱ください。

そろそろ始めますー

1レスごとの間隔ってどれくらいがいいんでしょうかね?

書き溜めをコピペするスタイルなのでAAを探す時間がなければ25秒刻みでもできなくはないんですけどもw

――A卓対局室――

 対局室の扉を押し開け、いよいよ全国での初対局となる場に踏み入った。

 室内には既に新道寺と千代水の選手――鶴田姫子と倉吉梨佳――が雀卓の椅子に座っていた。

 二人ともに神妙な表情で目を閉じ、集中を高めているようだ。

 卓上の席決め用の字牌で既に開かれているのは西と北。

 俺は手近にあった牌を裏返し、東を引いた。なんとなく幸先のいい席だと思う。

 俺が一人頷き椅子に掛けようと思ったその時、圧倒的な威圧感を放つ少女が部屋の扉を両腕で押し開けたことを察した。

 ゆっくりと振り返り、その姿を確認する。

 端正な容貌に、抜けるような白い肌。豊かに波打つ髪は金糸を思わせる繊細で豪奢な色。

 どこか周囲を見下すような傲岸な笑みを唇に乗せ、自信を漲らせた所作は目を引いてやまない。

 以前はさほどでもなかったスタイルも、俺の知らない三ヶ月の間によくぞここまでと言いたくなるほどに育っている。

 それが――大星淡だ。

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        r;='"´//i: : : ://ーメ<_      ! /__,..」:! : | : |  ヽ,
       リ / !イ: : : ハ! .,ィ=≧ミ、    ,/._,∠二/!|: : !: :|   ノ
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   i: :r―ー-‐'"/: :!: i:.丶.i ヒ二⊥  ,/ /ヲ-:!/ ;! :/:/リ

.    |: |       ノィー|: |‐-‐'゙、 """     レ′ / /: /://
 ー=ノノー---< ,.┤ |:.|    \     '     _ノ/: :/、
  '" `ヽ、: : :/  ! |:|     iー- 、` ´ _,..-‐'/: :/   ̄/7ヽ,
        \/   ゙、 !|     |    ̄,.:'.;"´: :/     // /ヽ
          /     ゙、゛、    |_  //;.イ´     //    ゙、
        /  ヽ  ヽヾ    ト、 ` i / ̄/     //       |
    r'"´      \  ト、、   ! フノ―/    /// i      |
.    ゙、.           |`i:、゛、.   i'"´   /   //::::/ i...:;    ヽ
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     |、ヽ       λ |:::::::\\! / //:::::::::::/ ̄ノ           l

「……キョータロー、久しぶり」キリッ


 きょろきょろと室内を窺うように見回していた淡は満足したのか、キリッとした表情で俺に声をかけてきた。

 そんなキャラじゃないだろう、とツッコむのもいいが、ここはあえてノるべきか。


「おう、淡。……相変わらずの美少女っぷりだな」

「そーゆーのはモモに言ってなよ。ま、ありがと」


 言葉はすげなく躱されたが、俺が軽く突き出した拳に淡は拳をぶつけてお互いにやりと笑う。

 とはいえあっさり流されてしまったのは何か悔しい気がするので、さらに突っかかってみよう。


「美少女っぷりは相変わらずだが体の方は変わったなぁ。4月にはもっと薄かったのに」


 淡の胸をじっと見ながらそう言ってみる。すると淡は胸を手で隠すように抱き、ジト目で睨んできた。

 ぎゅっと抑えられたことでその柔らかさを想像させるように形が変わった胸元は実に扇情的だ。


「ほんと、キョータローっておっぱい好きだよねー」

「だなー。好きなもんは好きなんだししょうがない」

「……清澄追い出されたのってそれが理由じゃないの? 確かおっぱいおっきいのいたよね。はら……はなむら?」


 呆れたようなほっとしたような微妙な表情の淡。

 俺は気にせず堂々と好きだと言い切った。男で嫌いな奴もそうそういないだろうし、普通だ。

 そんな俺をからかうような口調で、その実少し心配そうな目をしている。

 そういう優しい所をもっと表に出せば淡を疎む奴も減るだろうに。

 もったいないという思いとそんな淡を独り占めしているような満足感。

 そんな歪んだ気持ちを出さないように気を付けながら話を終わらせにかかる。


「原村和な。確かに眼福だったけど、それが理由じゃねーよ。俺が弱かっただけだ」

「そんなか弱いキョータローがこの淡ちゃん様に勝てるって本気で思ってるわけ?」

「当たり前だろ? それをこれから証明してやるってんだ。惚れても知らねーかんな!」

「もう……や、いいや。まあ見せてよね。この私に挑むだけの力。

                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \

           ,          /         \
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         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕

 もし口だけだったら――捻り潰してあげるから!」


『第71回インハイ準々決勝A卓大将戦がついに始まろうとしています。

 チーム須賀が大きくリードしている状況です。

 そんな大将戦ですが、須賀京太郎選手と大星淡選手、何やら親し気に会話していたようですが』



『あはは……。まあ男の子だもんね☆ ま、それはともかく紹介していくよ☆

 まずは須賀京太郎君から♪

 須賀君はこの年頃の男子選手としては飛びぬけて強いよ☆

 県予選の牌譜を見ても分かるけど、防御型ではない、完全な攻撃型の選手。

 しぶとく和了を目指してもぎ取っていくスタイルだね☆

 呑み込みも速いから、今年の4月から本格的に始めたばかりだって聞いても信じられないよねー。

 点数も余裕があるし、伸び伸び打てるだろうから活躍間違いなしかも☆


 次は大星淡ちゃん☆

 照ちゃんの登場から連覇中の白糸台で1年生ながらレギュラーに選ばれたわけだけど、

 第二の宮永照、後継者って言われてるくらいに強いんだよ☆

 淡ちゃんと同卓するとみんな配牌があまり良くないって言うんだ。

 一方の淡ちゃんは向聴数が少ないから、

 照ちゃんの作ったリードを活かして速攻で試合を終わらせちゃうってスタイルで予選は戦ってたみたい。

 それだけじゃなさそうなんだけど……はやりにはよくわからないや☆


 新道寺の鶴田姫子ちゃんにいってみよー☆

 姫子ちゃんは哩ちゃんとすごく仲良しらしいんだよね☆

 だからなのか、哩ちゃんの調子次第で姫子ちゃんの出来も大きく左右されるみたい。

 だからと言って哩ちゃんの調子が悪いからって弱いなんてことは全然ないんだけどね☆

 さすがに名門で大将を任されるのは伊達じゃない、ってことかな☆


 最後は千代水の倉吉梨佳ちゃん☆

 梨佳ちゃんは……普通の子だよ★

 これまでは先鋒からの三人が作ったリードを守り切っての逃げ切りって形が多かったんだけど、

 今回は稼がないといけないから真価が問われる一戦になると思うよ☆』



『ありがとうございました。

 起家は場所通り、須賀選手に決まったようです。

 ベスト16の一角が決まる注目の大将戦、スタートです』

須賀京太郎
属性 :O
技量 :S82
直感 :S87
必然力:S81
補正値:35.83+16.2=52.0
・スキル
【焼牌入魂炉】 (出雲八雲+一牌入魂)
 その打牌は一打ごとに魂を焼き入れする如く。燃え盛る炉を彷彿とさせる打ち筋。
(効果A)
 判定を+30。
(効果B)
 【威圧感】系統のスキル効果を受けない。
(効果C)
 打点を+3。
(効果D)
 判定値1位で和了に成功した場合、流局を無効にして1翻として和了する。
 ただし符数は半減せずに判定する。
 また符が足りずに流局の場合は30符として計算し翻数は通常の判定で計算する。
(効果D)
 ドラが筒子の場合、判定と打点をその筒子の数字の半分の段階だけ上昇させる。

【野獣の眼光】
 惹かれるは男の性。
(効果A)
 対局者が巨乳の場合、判定値を-10。
(効果B)
 対局者が貧乳の場合、判定値を-5。
 ただし打点は+1。

【百鬼の太刀】なきりのたち
 呼び起された新たな力。未だ完全ではない。
 い)ドラが索子
 ろ)聴牌・和了判定が共に2位以上だった局の次局
 は)親番
  以上のいずれかの条件を満たした場合に発動。
(効果A)
 判定を+10。
(効果B)
 ドラが八索の場合、跳満以上を強制ツモ和了。
(効果C)
 聴牌・和了判定のいずれかで82・85・88が出た場合、
 満貫以上を強制ツモ和了。
(効果D)
 このスキルは一切の干渉を受けない。

鶴田姫子
属性 :O
技量 :A
直感 :B
必然力:B
・スキル
【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。

【エース○】
 エースとしてオーダーされている場合に発動。
 判定を+10。

【リザベーション:解】
 オカルトの域にまで達した強い絆。
(効果A)
 【白水哩】が【リザベーション:縛】を成功させた局で発動できる。
 鍵となった和了の2倍の翻数での和了が確定する。
(効果B)
 【白水哩】と同じ場風でスタートする。


倉吉梨佳
属性 :D         92
技量 :F
直感 :D
必然力:C
・スキル
なし

大星淡(特殊)
属性 :O
技量 :B
直感 :B
必然力:S
・スキル
【闇煌希淡】虹 
(効果A)
 他家の聴牌コンマを-15、和了コンマを-20。
(効果B)
 聴牌を確定し、自身の和了コンマを+(聴牌コンマの一桁目-5)×5する。
(効果C)
 効果ABにより自身の和了判定値が1位の場合、強制和了。
 ダブル立直ドラ4の跳満が確定する。
 なお、和了コンマ35を超える他家が居ない場合はツモとなる。
(効果D)
 最低打点が跳満となる。
 ただし他家からのドラ妨害効果があった場合は2翻以上となる。
(効果E)
 発動中は常にリーチ状態。

【四牌】赤
(効果A)
 自身の判定を-5。放銃判定をさらに-10。
(効果B)
 自身がリーチをかけた場合、和了判定を-10。
(効果C)
 ただし“槓が関係するスキル”を所持している場合、効果ABが反転する。

【あの日の絆創膏】虹
 幼い頃にもらった絆創膏。孤立を免れた絆の証。
 任意のタイミングで発動可能。
(効果A)
 【闇煌希淡】を解除する。
(効果B)
 【須賀京太郎】との絆の強さ分、判定値をプラスする。
(効果C)
 自身が敗色濃厚なとき、聴牌が確定する。
(効果D)
 効果Cによって聴牌するとき素の聴牌コンマが1位or85以上の場合、
 逆転に必要な和了形と役となる。
(効果E)
 効果Dが発動したときに和了コンマで1位の場合、強制和了。




京太郎・淡・姫子・梨佳  の順

淡のダブリーはよく分かんないっすよねぇ

最後の山の直前の角、というのと船Qの推測した270度……まあ、このスレではこう解釈しました、ということでご勘弁を

1半荘目

東一局  ドラ:西

淡「キョータロー、最初っから全力でやったげる! せいぜい足掻いて見せてよ!

  リーチ!」


『大星選手、開幕ダブルリーチ! 他家は配牌五向聴スタートでいきなりの聴牌です。

 これはいきなり大星選手の和了になるか!?』


淡(出目は7で最速。確かにキョータローは強くなってるみたいだけど……

  五向聴からリーチを警戒しながらじゃ間に合わないよ!)

姫子(ダブリー警戒しなのらや間に合わんけんッ)タンッ

京「――ポン!」シャッ   Σ西西西


 京太郎のおもむろな鳴き。それはツモ牌を37枚残した状態でのことだった。


淡(あーッ!? 角まであと一枚だったのに! ピンポイントすぎだよキョータロー!)タンッ


 最後の山牌直前の角、淡はそこでカンをするつもりだったのだ。

 そうすればすぐにでも和了できる。それが淡の力であるのだから。

 しかしそれをずらされてしまえば、後は運任せ。むしろやや分が悪いかもしれない。


淡(ま、しょうがないよねー。そうそう簡単に和了っても面白くないし。

  ずらすだけならまぐれで亦野センパイがやることも無くはないもん。

  もうすぐ海底だし……ラッキーだったねキョータ――っ!)ゾクッ

                       ___/ ̄ ̄\_
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                 {∧          「ノ|/}/イ
                '  、       | /`/ } '
                   } ∧     /イ   /
                   |' ,} \__/イ__ /
                   |ニニニ=-〈
                 /7ニニニニニニ=- ,,_
                 /二|ニニニニニニニニニニ=-
              -ニニニ|ニニニニニニニニニ/ニニ|
              |∧ニニニ|二ニニニニニニニ/二ニニ∧
              |=∧|ニニ:|二二ニニニニ\ニ/二ニニニ∧
              |=二|ニニ:|二二二二ニニニ∨二二二二∧
             r''=二:|ニニ:|二ニニニニニニ',ニニニニニ/
.              ノニ二:∧ニニV二二ニニニニニ',ニニニニ∧
             /ニニニ∧ニニVニニニニニニニ',二ニニニニ|
         /ニニニ二∧ニニV二二二ニニニニ',ニニニニ|

           /ニニ二二/   、ニニV二二二ニニニi二二二 ∧
.          /ニニ二二/     \二Vニニニニニニ|ニニニニ∧


 勝ち誇った表情を浮かべようとしてその途中で走った悪寒。

 その悪寒は淡の顔を固めるに十分な衝撃であった。

 ゆっくりと、油の切れた人形のようなぎこちなさでその悪寒の元に顔を向ける淡。

 蕾のような唇から、思わず言葉が零れる。

淡「キョー……タロー……?」


 須賀京太郎。彼は最後のツモ牌を切ろうと手にしている淡に語り掛ける。


京太郎「淡、ハンドに限らないけどさ、スポーツでそこそこ以上になるには馬鹿じゃダメなんだよ」

淡「何を」

京太郎「別に成績云々じゃねーけど、記憶力だけはないとダメなんだ。

     そうじゃないと戦術とかサインとか覚えられないからな。

     ……何を言ってるか分かんねーか? ま、そうだろうな。お前にとっちゃ日常だった。

     そう、お前は俺の前で何度もソレを見せてくれた。あの時の俺には何が何だかなんて分からなかったさ。

     でも今は違う。完全に分かってなんていないけど、少しは分かってるんだよ」ゴッ


 宮永照以外からは久しく感じさせられたことのない、危機感、焦燥感。

 自らが今虎口の上にいるのだと理解させられるような、死の予感。

 それでも淡は手にした牌を河に放たなければならない。

 だってリーチをかけているから。

/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
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京太郎「――ロン。混一色ドラ3河底撈魚で18000!」


京 202600
淡 107000
姫  48900
梨  41500

東一局一本場  ドラ:二筒

『い、一閃! 須賀選手の河底狙い撃ちが決まりました! 王者白糸台、これは痛い失点です!』

『須賀君はこれがあるから最後まで気が抜けないんだよねー☆』


淡(狙ってやったっていうの!? ……ふ、ふふふふふっ! やるじゃんキョータロー! いいよ、もっと私を熱くさせて!)

淡「リーチ!」

京太郎「またダブリーかよ、懲りねーなぁ」

淡「ふんっ。あんなまぐれで勝った気になるのは早すぎるんじゃない?」

京太郎「くっははははは! 早くなんかねーよ。リーチだ!」

淡「え……?」


 それは淡と淡の力を知るものにとってはありうべからざる宣言。

 淡の絶対防御の力、それによって配牌は五向聴より良くなることなど無い、はずなのだ。

 今はまだ二巡目。物理的に有りうるはずがない。しかし――

                            , 、。s≦ニニム
                       ====ノ /ニニニニニニ}───
                    _,  ´ ̄\__ .イニニニニ/
                    > ´ イ⌒',   `ヽニニニ{
              _ - ´       |    ハニニム
                 _>   ' ,/  、 } , : | ハニニニニニ=--
                  /⌒/ | | _/| ∨ / l|  |}ニニニニニニニニニ=-
                /   { |゙ト、| / /}ィリ|n  |ニニニニニニニニニニニニニニ=-zzzzzx
                   ̄ィ , 从沁∨'/炒 } リ ハ!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≫
                   { /从  ,     ム从ニニニニニニニニニニニニニニニニ{ニニニニニニニヽ
                     /\ -‐ イ「ニニニニニニニニニニニア¨¨¨¨ ̄⌒寸ニニニニニニニニ\
                       `ヾ. ≧≦ /ニニニニニニニニニニニ,'        寸ニニニニニニ,=ミニヽ
                     {_ヽ /ニニニニニニニニニニニ,'            ヾニニイ/`Yニニム
                   _      `寸ニニニニニニニニニニア            lア゙ { 〈〉'〈ニニニ}
                  `寸≧s。    ィニニニニニニニニニニ{           _-" ::::',:::`¨´ー‐=ニ}
                      /ニニニニ=-,=ニニニニニニニニニニニニ{        __, イ ヽ:::::::ヽ:::::::ゝ┐ }!
                  マニイ´ヾニニニニニニニニニニニニニニニ〉         乂___.イ‐ヽ=-⌒ヽ:::::::{´. /
                 //////}ニニニニニニニニニニニニニニム                    ‘,:::ゝ' ',
                 _,,ィ///////>ニニニア//-==ニニニニニニム                 〈::::/ /
              /////////////ア///////////.寸ニニニ{                   /]ゝィ
              ,イ/////////////ア///////////////寸ニi〉                {__/
.          ,イ/////////////>'////////////////}ニア゙
.         /////////////ア´ {{////////////////ニア
.         ,イ////////ニ=-     寸////////////イ¨´
      ,イ///////イ´         マ/////////ア´
.     /ゞ===イ´           マ/////アイ
      ム:::::::::::::::::}              {:::::::::::::リ
   く::::::::::::/¨¨´.               {:::::::::::/
    ¨¨¨                     ゞ─'゙

京太郎「ツモ! リーチ一発ツモにタンドラで1本場は4100オール!」


京 215900
淡 101900
姫  44800
梨  37400

東一局二本場  ドラ:六索

淡(絶対安全圏が……。でも、まだ、まだ負けてないんだから……!)

淡「リーチ!」

京太郎(チッ! 今回は出目も悪い、ツモも間に合いそうにない)

姫子(なんて勢い……。ばってんおかげで差は縮まった。ここで攻める!)

梨佳(うぅっ、ぜ、全然向聴数が落ちないよ……)ウルッ


淡「まったく、高校100年生の淡ちゃんでもちょーっと焦ったよ!

  でも毎回私を阻めるわけないもんね。カン!」


 京太郎たちも今回ばかりは鳴くこともできず、淡の角カンをなす術なく見送る。

 そうなれば当然。


淡「ツモ! ダブリーツモの槓裏4で2本場は3200・6200っ!」


京 209700
淡 114500
姫  41600
梨  34200

東二局  ドラ:五筒

淡「リーチ!」

京太郎(……この局は確か白水さんが3飜で和了した局だったか?

    なら無理に攻める必要もないか。振り込まないようにだけ気を付けて、っと)

姫子(開始時点では7万8100。でも今は7万2900。ちょこっとだけど差は縮まった。

   先輩っちん絆の後押ししとってくれる。鍵、使わしぇてもらいます!)

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       乂从ト:.:.:.:.:.:.:.::}            〈(;;ン゙ ///.:.:.:.:.:.:lヽ:゙、
           \∧:./      r-   ` `Y/ノ/ l.:.:.:.:.:.:l }:.}
             / ̄>x \   乂 _)>    /:.:.:.:/  i.:.:.:.:.:.:l ノ:ノ
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        /       ヽ   メ、ノ:.:_:./ノ    }:.:.j:.:.l
       \/         Y O {/メ ̄     、_ /:.ノ }.:j
        ∨           l\ノ\}         ̄  ノノ
          ∨         ヾ::L             /
            ∨            〈::::::}
          ∨      / /  ヾ┤
              ∨ミx/ //    ヾx、
                ∨/ /         V゙、
               V/          V゙、
               ∨         }::ハ

姫子「ツモ! 面前三色一盃口ドラ2で3000・6000!」


京 206700
淡 107500
姫  54600
梨  31200

東三局  ドラ:一筒

淡「むー。リーチ!」

姫子(これで5万2900差! ……千代水の点もまだあっけん。拾わしぇてもらう)

姫子「ロン! 清一色のみで12000!」

          /    /     /  /     /         \
       /    /    ,/  /  、//  ,/ /   |       \
.    _人_, / /    /   ,  /  / /\   / / l     |   |  ||     ,         _
.   `Y´/ /    /   / /  / / / /\/ //        |   |  ||    ′      ,ノ /
 _人_  / /    /  / /  / / |l // /∨/    !    ∧  l|  リ    |      └1_|
 `Y´/ ,    /  / /  / /_,|/ l / /∧   |   / } / | ∧    | |         _
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/ //   /{ |  l|  |  l|' {{ {:.:{:.:_):十i     /  / __/__,,ノ' / リ`  / ,
 //     /| |  l|  |  l| 八乂:.:.:.:.:.:丿   / /  ー=≦苧ミx, /   /  ′       l7
 /  / ,/八|  l|  |  l|   ` `¨¨´     /    /:.。:(_,ハ  ∨  ./ / ,′       o
   / / //|  l|  |  l|  l\l\l         {:.:{:._)十} / / / ′ +
  / / / {/∧  l|  |\l|             /   乂:.:.:.:.:.ノ 厶   ,/ /  _人_
/ / イ   ∨∧ il| l∧       /           `¨¨´ /   ,/ /|   `Y´
  \川川川川川川川/       |      \    l\l\l/   / / l|
―‐三            三\          /        / // / 八
  二   し  イ     二      ` --           ..イ/ // / \\
  三   ん   ケ    三    \         -=≦/|  /  {\  \_____彡'
  二   ど   て   二    /  ----=≦/    /l 人     |  \  \
  三    |   ん    三   /      / /  /  l|\ \   人       \ ̄ ̄\
  二   じ   じ    二 /         /  イ'ー―┬..┬ 、 \   \  |___}\    \
  三   っ  ゃ   三            / / l|    |::::::|  |  }\   \}     }\   }
  二  !! ん.   二           /  l|    |::::::|  |  }  \     ̄ ̄ ̄ノ  }  /
  三          三

  /川川川川川川川\

京 206700
淡 106500
姫  67600
梨  19200



東三局一本場  ドラ:九萬

姫子(3万8900点! 役満、は厳しかばってん倍満2回なら……)


 急接近した点差。姫子はこの親で稼ごうと逸る。そしてそれは、冷静さを欠いたことに他ならない。

 戦場での油断は最も恐るべき行為だというのに。


淡「カン――ロン」

姫子(しまっ)

淡「ダブリー裏4の1本場で12300」


 怪物はその迂闊さを嗤った。


京 206700
淡 118800
姫  55300
梨  19200

東四局  ドラ:一索

梨佳(う、うぅ……! 親だし頑張らないと)トン

京太郎「あ、それロンです。三色のみで2000。淡のおかげで千点棒1本もおまけでつくな」


京 209700
淡 117800
姫  55300
梨  17200


南一局  ドラ:二萬

淡「リーチ。……キョータロー、私がリーチマシーンとか思ってない?」

京太郎「そこまでは思ってないけど……結局あんま回収できてないじゃん」

淡「カン。ムッカー! そんな京太郎には親被りをプレゼントだかんね!?

  ――ツモ! 宣言通りのダブリー裏4で3000・6000なんだから!」

京太郎「うえっ、またかぁ。何度被せる気だよ」

淡「何度でも! 鈍感なキョータローだから何度やったって懲りないでしょ?

  そんなだからモモがいるのにドーテーなんだよ!」


 あまりの言われように京太郎もさすがに黙っていられず、窘めにかかる。


京太郎「え、違うけど。つーか女の子がそういうこと言っちゃダメだろうが。

     しかもカメラで撮ってるんだぞ? 対局室内の会話も電波に乗るんだったよな」

            -‐==‐-
         ´            `
      /             ヽ

     / ,      !   :  |   |     i
.    / |i  , ‐‐i|  .:ト、_|‐‐ |  :i|  |
    l :/:|i  | |/八 .:|     | |  :i|  |
    |/ :〔!|  N ○ \|  ○ |ノ  ,リ
.   〔 八! l圦 ,,   '   ,, l //  |
       N |  .  v ァ  . ∨/  .:|
        ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′  八
       ノ厂| l  〔,   / / `丶、 `

      /∧ i| |  「⌒ / /  /∧
    / イ′ j ト、∧  / ′´ .イ
   :'  /    | |\ハヒ/| |ニニ/   〉    :
  /  ノ〈    i i   >ニ| |  ´y'    !     |
  .' /   〉  / j / ノ<i| |  〔___!   ト、〕
. 〔′|  `ー‐'  ///  | |  i| Υ─|  | .′


 しかし京太郎の返答に淡は硬直した。

 桃子が傍にいるのだから、もしかしたらとは思っていたのだ。

 他のチームメンバーも自身には劣るが美人揃いであると認めている。

 しかし、しかし。淡はどうしてもそうだとは思いたくなかったのである。

 それが脆くも崩れ去ったのだ、動揺もするというもの。


淡「……え? あ、相手は誰!? 不潔! 変態! えっち!」

京太郎「理不尽だ……」

姫子「破廉恥たい」


 新道寺控室からはお前が言うなと言う声が聞こえたとか聞こえなかったとか……。


京 203700
淡 129800
姫  52300
梨  14200



南二局  ドラ:東

淡「……リーチ」ブスッ

京太郎(うへぇ、怒ってらっしゃる……)トン

姫子「ロン! チートイドラ2で6400」


京 197300
淡 128800
姫  59700
梨  14200

南三局  ドラ:八索

淡「リーチ」

京太郎(まだ怒ってる……。ま、いいか。俺も今回は配牌で聴牌だからな。

     やっぱりドラが八索だと特に調子が良い――)

           ̄7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.
            /イ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.{
          _/_:::::::::::::::::::::::::::::O:::::::::::::::::::|!
.         ̄´ {∧ . :::::O:::::::::::::::::::::::::::::::ト\
            {从.ハ::::::::::::::::::::::::::::::::ミ`
              ' ;.v   ァ::::::::::::マ_

京太郎「ツモ。發混一色面前ドラドラで3000・6000」


京 210300
淡 124800
姫  53700
梨  11200



南四局  ドラ:南

淡(また、絶対安全圏が破られてる……! それでも私の全力はこのやり方だからっ)

淡「リーチ!」


 淡のダブルリーチ。今回は順調に最後の角まで達し――


淡「カン!」


 しかしそうして捨てた嶺上牌を京太郎が拾う。


京太郎「っと、それポンだ――ツモ。W南ドラ3赤1で3000・6000」


京 223300
淡 120800
姫  50700
梨   5200


『大将戦前半終了いたしました。千代水が風前の灯火です。

 このまま須賀と白糸台が通過を決めるのか、あるいは新道寺が巻き返すか。


 現在午後2時16分。大将戦後半開始まで11時より並行して開始されたB卓の様子を速報としてお伝えします。

 準々決勝B卓はシード校千里山女子・越谷女子・姫松・有珠山の4校の対局です。


 現在中堅戦までを終え、1位は千里山で189200点。

 先鋒で園城寺選手、中堅で江口選手が躍動しました。


 2位は姫松高校で149700点。先鋒は僅かにマイナス、次鋒は真瀬選手が区間トップ。

 中堅で愛宕洋榎選手が役満を和了したものの江口選手には稼ぎ負けています。


 3位は越谷女子で41600点。次鋒までは2位でしたが中堅で水村選手が愛宕選手に役満を放銃し一気に転落。


 4位は有珠山で19500点。先鋒から3万・2万・3万と失点を重ね崖っぷちです。


 なお準々決勝C卓は14時30分からのスタートとなっております。


 ……お時間のようです。A卓の決着はどうなるのか、最後までお見逃しなく!』

2半荘目

東一局  ドラ:四萬

淡「リーチ!」

姫子(こん局は先輩の和了った局やけん――)ゾクッ

                   -‐…‐-ミ     _人人__
                _人ノ/. : : : : : : : : : . ヽ  __)  (_
              _ノ  〃У: { ; :{ :廴Ⅵ〃ヾ.  _)  (_
              __,) // : { ィ≦: : ≫=ミ、|: : : .\`YY´
              _)  ノ :/ :Yr'ハ ⌒`辷リ j: : : :\`ヽ  n_00
              `て(/ /. .:ハ.ゞ゚'   ""` 从: : : : ヽノ  |┌‐┘
               //{ : : イ:.ハ'"" tっ   /j从: : : : }   L.二コ
                {ハ: :( ヽ从≧ッ。 イ |;从ハハ 从ノ   n_00
                  ⌒ヽ_ . イ{j rイ`ァー .ノ′    |┌‐┘
               〃 γ   { V>≦/  〃ハ    L.二コ
                ″ i ,   ∨ニア   ! /   '.   r─┐
                    }/   /ニア     v     i   く,勹|
                  {7  〃=7     マ二二|    く_ノ
                  {{ ∧,イ        }   ',   __
                  i:! ム く}        ハ    ′ └┘/7
                  リ/Уア        / 〈     ,   <ノ
              -‐=ニニ彡'´|ヽ      〈  〈   ′
           ∠ニニ二/ノ io|ヽ       〈   Y    ,
            `¨二=‐- 、  j,人 \   fニニ、  〈    ′ヾ
              . -‐γ´三ニ=-  _      ハ  〈   ,  }}
         〃 〃ニニ仁ニニニニニニニ`ヽマミ 八  '.   ′
         ″ ニ二二{ニニニニニニニマニニ}》 〉<ヽ }   ハ
          ∠ニニニニマニニニニニニニマニフ ∨ / トj 〈 `ー- 'ヽ
          Щニニニニニ寸ニニニニニニア   ∨ij !  「jヽ__..イ
         ニニニニニ}=寸ニニニニニ     辷ノ      j」」」
          ニニニニニ `ー寸ニニニニニ=-‐ ´
             ニニニニニ   寸ニニニニ
             ニニニニニ    寸ニニニ
              ニ二二      寸ニニニ
               ニニニニ     寸ニニ
            ニニニニ         寸ニニ、
               :ニニ二       寸ニニ、
                ニニニ          寸ニ=

京太郎「リーチ」

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 後半の半荘が開始され、淡は変わらず開幕リーチを選択。しかしこの局は姫子のリザベーションが発動する――はずであった。

 だが無情にも姫子と哩の絆の結晶を阻むように、視えるものには卓が何重もの垣根で覆われているのが分かっただろう。

 姫子が戦慄する本能に従い目を向けたその先で、男の刃が振るわれた。


京太郎「ツモ。リーチ一発ツモ混一色で6000オール。これで終わりだ」


京 242300
淡 113800
姫  44700
梨  - 800


『け、決着! 開始数巡での決着です! 須賀選手が跳満をツモり千代水の5200点を無情にも削り切りました!

 ……どうでしたか、瑞原プロ』


『あ、あはは……。これはやっぱり前見た時より強くなってるなぁ。

 ……あ、大将戦の総評だったね☆ でもその前に一応収支のまとめをお願い裕子アナ☆』


『は、はい。

 1位は須賀で242300点。

 須賀選手は前半+39700、後半+19000の合計+58700点で区間トップです。


 2位は白糸台高校で113800点。

 大星選手は前半-5200、後半-7000の合計-12200点です。


 3位は新道寺女子高校で44700点。

 鶴田選手は前半+1800、後半-6000の合計-4200点です。


 4位は千代水高校で-800点は飛びです。

 倉吉選手は前半-36300、後半-6000の合計-42300点です』


『それじゃ、まずは大将戦の総評だね☆

 最初はトップの須賀京太郎君☆

 収支を見ただけでも分かると思うけど、圧倒的だったねぇ。

 1回放銃しちゃったけど、そもそもの打点がむっちゃくちゃ高かったから問題にもならなかったね☆

 1和了あたりの得点平均は15000点、親跳か子倍って打点だから……咏ちゃんも褒めてくれるかもな高火力だね☆

 結局淡ちゃんから直撃を取ったのも須賀君だけだし、これで男子選手だからと見くびる人は居なくなったんじゃないかな?

 次からが正念場なのかもね☆』


『次は2位の大星淡ちゃん☆

 和了回数は12局中で3回だから十分な回数だし、打点だって全部跳満だからすごいんだけど……。

 須賀君に全部持っていかれちゃったね☆

 毎回ダブルリーチをしてたから和了れなかった9回分のリー棒9000点もちょっと痛いかも☆

 自信満々なのはいいんだけど、そこから相手に合わせて引き出しを多くできればさらに一歩進めるんじゃないかな☆


 3位の鶴田姫子ちゃん、いってみよー☆

 姫子ちゃんは淡ちゃんをだいぶ警戒していたのもあって、須賀君よりも2歩3歩遅れちゃってた。

 哩ちゃんが前半ではあまり調子が良くなかったというのも運が悪かった……かな?

 強敵を相手に自力でどうにかできるようにならないとダメだからただの運とも言えないけどね★

 それに後半の東一局は須賀君が和了ったから……そういうこともあるのが麻雀☆

 収支では2位だけど結局マイナスだし、ちょっと褒められないかな☆


 最後は倉吉梨佳ちゃん☆

 うーん、まだまだ未熟だねー。ツモ和了が多い対局だったから放銃回数こそ多くないけど、

 それは姫子ちゃんが2位の淡ちゃんを狙っていたからっていう要素もあるから★

 千代水は来年大変なんじゃないかな? また来年も全国で見れればいいんだけどね☆』


『ありがとうございました。続いて試合全体の講評をお願いできますか?』


『はーい☆ まずは収支ランキングを見てみようか☆』


 収支ランキングA

  1位 宮永照     +77,900   11位 鶴田姫子    - 4,200

  2位 須賀京太郎  +58,700   12位 安河内美子  - 8,000

  3位 荒川憩     +40,300   13位 大星淡     -12,200

 
  4位 鳥部綿南    +28,900   14位 江崎仁美    -15,000

  5位 白水哩     +27,900   15位 弘世菫     -23,800

  6位 米子涼     +18,300   16位 渋谷尭深    -30,400

  7位 東横桃子    +16,500   17位 倉吉梨佳    -42,300

  8位 南浦数絵    +13,500   18位 須佐世利    -43,500

  9位 霜崎絃     +13,300   19位 花田煌     -56,000
  
 10位 亦野誠子    + 2,300   20位 岩美望     -62,200



『先鋒で白糸台は3万7600点リードしたんだけど、そのリードも次鋒戦でほぼ消化されちゃったんだよね。

 その後も中堅戦では大きく巻き返されて4万6600点のリードを奪われちゃった。

 副将戦で一時的に追い縋ったんだけど……結局突き放されてそのまま大将戦が終わっちゃった感じ☆


 新道寺は先鋒での失点が最後まで響いちゃったかなぁ。

 そうはいっても最終的に6万9100点の差があったから結局届いてないんだけど。

 でも先鋒だけじゃなくて、副将の哩ちゃん以外はマイナス収支だから……これじゃ勝てないのは当然だよ。


 先鋒での苦戦は千代水にも言えるねー。

 後ろ二人が不安だったから前三人で稼げるだけ稼がないとダメだったんだけど、

 その一番手で大きな大きなマイナスだからプランが完全に狂っちゃった。


 でも最終的にはこの一言に集約されるかな、チーム須賀無茶苦茶強いよっ☆

 特に憩ちゃんと須賀君はとんでもないね☆ 照ちゃんだけじゃとても抑えられないから……、

 チーム須賀の優勝もあり得るかも! ってこれは始まる前にも言ったかな?

 はやりの見立て通りだったってことだね~☆☆☆』



『ありがとうございました。

 皆さま準々決勝A卓はご覧の結果となりました。

 喜びに湧く者、悲嘆にくれる者。

 高校生たちの真剣勝負によって織り成されるドラマをお楽しみいただけましたでしょうか。

 本日の当局の第71回全国高校生麻雀大会中継は終了です。

 実況は私佐藤裕子と』

『解説は瑞原はやりで』

『『お送りしました』  明日も見てね☆』

準々決勝終了後

行動1回目

強制イベント  誰かと出かける  淡 

        44       怪我   
        01~20     失敗  
        21~50     普通  
        51~80     成功  
        81~98    大成功 
        ゾロ目・77  超成功 

        1d100=94 大成功


 対局が終わった。ゲームのキャッチコピーであったように最後の一撃は切ないものだ。

 俺が感慨深さに目を閉じ溜息を一つ吐き、改めて周囲を見渡した。

 新道寺の鶴田さんは溢れる嗚咽と涙を手で必死に拭っている。

 千代水の倉吉さんは呆然自失といった風情。全国で、必死に繋いだ点を吹き飛ばされたら当然の反応か。

 そしてあの淡ですら今にも泣きだしそうな気配で俯いている。長い髪が影になって表情は窺えないが。

 そんな光景を作りだしたのは結局は俺であり、そうであるならばここで何かを言うべきではないだろう。

 だから俺はありがとうございました、とだけ残し席を立った。




 そうして対局室を後にし控室へ向かう道すがら、抑えきれない喜びがふつふつと漏れてくる。

 きっと俺の顔は今気持ち悪い感じで中途半端ににやけているだろう。

 誰もいない通路で良かったとしみじみ思う。だがこれも仕方ないことなはずだ。

 だって、あの淡に勝ったのだ。いつも麻雀では傲慢なまでに他者を見下し、蹂躙していた淡を。

 好きなもので自分よりもずっと上だった相手に追いつき、追い越す。

 これほど痛快で嬉しいことはそうそうない。

 そんな思いを噛み締めていたからか、俺は背後から駆け寄ってくる足音に気付くのが遅れた。

 気付いた時には既に遅く、トスっという重いと言うほどでもない衝撃にしがみつかれていた。


「……淡か?」


 背後で肯定するような気配。間違えるはずが無かった。

 今年の三月末まではしょっちゅう会っていた淡。

 桃子ほどではなかったが、淡も気安くスキンシップを取ってくる少女だったのだ。

 いくらスタイルが変わり背中に感じる柔らかさが暴力的なまでに増していようとも。

 俺は迷った。先程の対局室で見た淡は最初に出会った頃の淡にどこか似ていたからだ。

 振り向いてしまっていいのかどうか。


 立ち止まった俺は背中に鼻をすするような音とじんわりと熱い湿り気を感じた。

 やはり悔しかったのだろうか。それはそうだろうなと自分で納得する。

 俺もハンドボールで完敗した時などは悔しくて涙が出たものだ。

 だが悔しいと思えるならば大丈夫。

 だって悔しいとすら思えず、相手との絶対的な差を納得してしまうことだってあるのだから。

 俺はそうして数秒間悩んだ末に、振り向くことにした。

 体を動かそうとすると淡がイヤイヤするように顔を擦りつけてきたが、強引に振り向く。

 そしてすぐに淡を抱きしめてその頭を胸に押し付けてやった。

 そうすると一瞬驚いたように硬直した淡が、決壊したように泣きだした。

 顔を押し付けているからか、それとも意地か。声はうーうーと唸るようなものだけ。

 俺はそんな淡の長く艶やかな髪を撫でつけ、背中を軽くトントントンと叩く。


 そうしてどれくらい経ったか、十分はかかっていないがそれなりに時間が過ぎた頃にようやく淡は落ち着いた。

 自分から身体を少し離し、その顔を俺に見せる。涙の跡が残り、目も赤い。鼻水の跡だって見える。


「落ち着いたか? 勝った俺が言うのは嫌味かもしれないけどさ、やっぱ負けたら悔しいもんな。

 麻雀では本格的に始めるまで負けて当然って感じであんま悔しくなかったけど、

 俺もハンドの時はやっぱ負けたら悔しかったよ。だからあんま気に……淡?」


 悔しいなら泣いても当然だし気にするな、そう宥めようと思った俺だが、どこか上の空な様子で俺をぼうっと見つめている淡。

      ∧  ト、\ヽ   ヽ 
  /ハ/  } |ヽ , -‐ !  l 
 ハ_」/   .|  | /Vり  l  | 
ィチ∨_ ̄`|  l ィ巧ミ< |  | 
 |ァ豸坏| ソ ' i  } 〉| !  
 l〈 {  j レ'   -‐'' リ 八    
 ト `  ̄     '  "" ノ ハゝニニ二
 ヽ ""   △    ノ人\ヽ   
.\\ゝ        /     } \\
\ \ ヽ ー- r i, --  / \ヽ! \

  \ } }-、  r‐/ /   \  ヽ!ヽ 
ヽ.  ト j !` ̄ / /      \  | }


 あまりに反応が無いため俺は言葉を止めてしまった。心配になったというのもある。

 そうして見ていると、淡はその焦点を合わせて何かを言おうと口を開いては躊躇して閉じるということを繰り返す。

 普段闊達な淡にしては珍しい、どころか初めて見るような態度に俺はじっと待つことを選んだ。

 そうしてその目を揺れる淡の目に合わせていると、淡は一度目を閉じて深呼吸。

 目を開いた淡は何かを決意したような色を纏っていた。


「決勝でまたやろ? 次は負けないから!」


 顔を拭ってそう言った淡は常の獰猛な笑みを浮かべていた。それに応えずして何が友か。


「おう、待ってる」


 そのまま数瞬、不意に緊張感が緩む。淡が一瞬顔を背けたからだ。

 なんだろうと思い淡が顔を向けた方向に目線をやった直後、俺の両頬をふわりと何かが包んだ。


「えっ――」チュッ


 その感触に目を正面へと戻した時には淡の顔がぐんとアップに。唇を襲う柔らかでいて少し湿った感覚。

 一秒くらいか、固まっていた俺を置き去りに淡は朗らかに笑いながら駆けだしていったのだった。


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
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   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .


大星淡との絆を獲得
必然力がわずかに上がった


評価

大星淡:キョータロー? 好きだよ →大好きっ♪


というところで書き溜めが尽きたのでここまでですー

また1ヶ月程度お待ちいただくことになるかな、と

何か質問やら言いたいこと等ございましたらどしどし言ってやってくださいませ

それでは、お読みいただきありがとうございました!

今回もちょーよかった
分割して投稿してくれてもいいんじゃよ
その都度感想もかきやすいし

>>179
前スレ終了後から書き溜めたのが今回投下した分なのです

ですのである程度分割するとしても時間がかかってしまい……申し訳ない

リッツ遅筆とか思ってましたけど牌譜まで考えるなら1局に半年くらいはかかっておかしくないよなー、と思った次第でw

途中体調崩したりしてるので1か月後がちょっと怪しいです……

ということでお茶を濁す程度ですが更新しますー

――須賀控室――

「ただいま帰りました!」

「お帰りなさいっす!」「お帰りですよーぅ♪」「お帰りなさい」「お帰りなさい京太郎さん」


 控室に入った俺をわざわざ立ち上がって迎えてくれる仲間たち。

 淡にキスされたことがやや後ろめたいがどうにか表には出さないように努める。

 そうしていると桃子がにやりと笑って言葉を発した。


「圧倒的だったっすねぇ、あの淡ちゃん相手に」

「ま、記憶頼りとはいえだいぶ研究したからな。モモだって覚えてる範囲で協力してくれただろ?

 それに憩さんと絃さん、数絵もさ。俺一人の勝利じゃない、皆がいたからこそだ」


 一瞬ドキリとしたが、淀みなく返せたはずだ。なにより本音でもあるから不自然なところはないに違いない。


「京ちんは謙虚やねーぇ」

「褥での京太郎さんとは別人みたいだわ」

「ちょっ、絃さん!」

「そ、そう……京太郎って夜は……」


 何かを思いながらうんうんと頷く憩さん。混ぜっ返すようにからかってくる絃さん。

 そしてそれを聞いてたじろいでいる数絵。いつも通りの日常に癒される思いだ。


「ふふっ。数ちゃんの妄想は置いといて。お弁当食べるっすよね?」

「ああ、試合前は軽く食べただけだったから。試合が終わったと思うとだいぶお腹が空いたように感じる」

「麻雀は頭を使いますからねーぇ。おべんと食べながら清澄の応援でもしましょーぅ♪」

「あ、そうでしたね。今はもう午後三時ですか」

「14時半スタートだからそろそろ先鋒の前半が終わる頃ね。

 片岡さんは私と逆で先行逃げ切りタイプだから少し心配」

「まあ優希だって遊んでたわけじゃないんだ。全国でも通用するレベルだってことは俺達がよく知ってる」


 そう言って、俺は桃子が作ってきた弁当を受け取りながらテレビのチャンネルを合わせた。


『ツモ! タンドラで500・1000だじぇ!』

『清澄の片岡選手、前半オーラスで意地の2飜ツモです。原点に戻しました』

『清澄のタコスガールはプリシーディングゲティングスタイルですから、この和了りはグッドです』

『これにて前半戦は終了。

 現在1位は臨海女子の辻垣内選手。10万6300点。

 2位は宮守女子の小瀬川選手。10万3800点。

 3位は清澄の片岡選手。10万100点。

 4位は根獅子女子の対馬選手。8万8900点。

 まずは静かな立ち上がりとなりました。引き続き準々決勝C卓をお楽しみください』



「ちょうど前半の終わりだったか。優希頑張ってるじゃん」

「辻垣内って言えば去年3位のあの辻垣内っすよね?」

「そやねぇ。その辻垣内智葉さんで間違いないですーぅ」

「まだ様子見、と言った風だわ。それでも十分凌いでいるんじゃない」


 少し安堵したような数絵と、お手並み拝見と目を眇めた絃さん。

 そんな絃さんの言葉。つまり様子見を止めたら……。一抹の不安を残す。

 そしてその不安は見事に実現してしまった。


『ロン。メンタンピンドラドラ、8000』『ツモ、メンタンチートイで1600・3200』
『ロン。イッツー清一色ドラで16000』『ツモ。トイトイのみ、1本場で900・1700』
『ロン。三色同刻のみ、5200』


『先鋒戦終了いたしました。後半は前年度個人3位の辻垣内選手が大爆発で大きく差を広げました。

 1位は臨海女子は辻垣内選手。14万6400点。

 2位は変わって清澄は片岡選手。9万7600点。

 3位は宮守女子は小瀬川選手。9万6100点。

 4位は根獅子女子は対馬選手。5万9900点』


『辻垣内選手がセブンタイムスの和了とトップですね。片岡・小瀬川両選手はスリータイムス。

 対馬選手はワンタイム。しかし対馬選手は放銃もメニータイムスですからこれだけの差になってしまいました。

 個人3位はノットミアショウということでしょう』



「優希の出来は悪くなかったんだけどなぁ」

「全国トップクラスともなれば、悪くないという程度では届かないってことね」

「まあまだ2位っすよ。うちだって次鋒終わりまでは2位だったっすからね!」

「清澄の次鋒は染谷さんですねーぇ」

「彼女の力には生半な支配力では書き換えられてしまうわ」

「染谷先輩と、次にも久さんがいますからね。心配なのは咲だけど、案外どうにかなるかな」


 そんな俺の楽観は裏切られることなく、次鋒の染谷先輩は大活躍だった。


『ロォン! 四暗刻で32000!』
『ツモじゃぁ! 緑一色で16000オール!』


『え、えー、次鋒戦終了いたしました。染谷選手が大大大爆発。

 1位は清澄の染谷選手。7万3300点を稼ぎ17万900点としました。

 2位は臨海女子のハオ選手。2万8100点を失い11万8300点です。

 3位は宮守女子のウィッシュアート選手。1万4800点を失い8万1300点。

 4位は根獅子女子の島原選手。3万400点を失い2万9500点となりました』


『染谷選手、ベリーストロングでしたね。グラッシーズをキャストオフしてから一気にエクスプロード。

 ハオ選手もウィッシュアート選手も完全にトスドゥアバウトされてしまいました。

 とはいえさすがはアジアジュニア銀メダリストでもありました。

 前半で役満を放銃し、後半でも親役ツモを受けながらロスを3万点以内にサプレッシングしたのは見事と言えます。

 満貫なども和了っていましたから。

 それはウィッシュアート選手にも言えることですね。

 ネームレスペインターでしたが、岩手県予選での活躍はフロックではないと示したと言えます』



「うはぁ、染谷先輩すっげ」

「京ちゃんも県予選では3回役満和了ってたっすから、そう思われてたんじゃないっすかね」

「えっ」

「あはは。京ちんが化け物でもウチらは愛してますから気にせんでなーぁ?」

「えっ」

「ま、まあ……ほら、次は竹井さんよ。応援しましょう?」

「その前に、15分の休憩の間にホテルに戻りたいわ」

「そうっすね、久先輩なら最初の方を見逃しても大丈夫っす」


 ショックに打ちひしがれる俺を引っ張り、チーム須賀一行は卓戯館を後にするのだった。


「遅いですわ!」

「えっ」「龍門渕さんがなぜここに?」


 引っ張られてだいぶ意識が浮上してきた頃、入り口で懐かしい声を聞いた。

 その声に視線を向けるとそこには波打つ金の髪を持ち自信満々な立ち姿をした女性。

 押しも押されぬ日本の大富豪、龍門渕財閥御令嬢龍門渕透華さんとその御一行である。

 ちなみにその背後にはででんという擬音を伴っていそうなリムジンと、

 ひっそりと佇んでいる執事服の涼し気な美丈夫。相変わらずのハギヨシさんである。


「ころもも個人戦は出場できるからな!」

「ボク達は透華と衣の付き添い……ってそれが聞きたいんじゃないよね。

 近くまで来たついでに、試合を終わった須賀君たちを迎えに行くって聞かなくて」

「一時間待ち」

「智紀!」

「ははは、ま、そういうこった。車ん中にテレビあるからホテルに帰るまでの間も観戦できるぜ」


 つまり衣さんと龍門渕さんが個人戦出場のために早めに東京に出てきたと。

 そして何かの用があって卓戯館の近くに来ていたので、試合の終わった俺達を迎えに来てくれていた、ということらしい。

 しかし、一時間待ったということはつまり次鋒戦開始あたりから待っていてくれたのだろうか。

 悪いことをしたと思う気持ちと連絡をくれればよかったのにという気持ちでいっぱいだ。

 沢村さんの暴露に悲鳴を上げた龍門渕さんが可愛らしかったからなんでもいいか。


「きょーたろー、腑抜けている場合ではないぞ! そんなではころもの椅子にしてやるからな!」


 そして衣さん。ほっぺチューとはいえまったく意識しないというわけにもいかない。

 天真爛漫に笑っている姿はやはり魅力的である。

 ともかく、俺達は促されるままにリムジンへと乗り込むのだった。


「それにしても、どうやってホテルまで帰るつもりだったんですの?」

「どうって、電車と徒歩でですけど」


 龍門渕さんが清澄の試合中継をモニターに表示するよう指示しながらそんなことを聞いてきた。

 そして気を取り直した俺がそれに答えた。一般人として当然の行動のことをだ。


「言ってくだされば送迎用の運転手も用意いたしましたのに」

「いえ、電車でも20分もあればつきますから」

「20分……案外短いんですのね」


 龍門渕さんの好意はありがたい。

 というかホテルの部屋に置いてあったルームサービス案内にも書いてあった記憶はある。

 しかしさすがにインハイ会場にリムジンで乗り付けるというのは気後れするものがあったのだ。

 それに運転手と車の貸し出しは一日当たり20万円~ という値段だった。

 それならタクシーを借りた方が財布にも優しい。


「萩原さんの運転だからこの車は15分でつける……」

「ハギヨシだからな!」


 そうなのだ。俺達が電車を選んだ最大の理由がそれだ。

 観客や出場校の関係者も車で来場する人は少なくない。

 そうなると必然、会場周辺は渋滞しやすくなる。

 東京なら会場周辺に限らずピークタイムに渋滞が発生するくらいは十分ありうるのだ。

 その点電車ならば乗り込んでさえしまえばそうそう遅れることも無い。

 ハギヨシさんならば15分で着けるというが、普通の運転手なら30分程度はみておかなければ危うい。

 下手をすれば45分かかっても着かないかもしれない。


 そんなことを言っていると車内に取り付けられた大型モニターに試合の様子が大写しになった。


『中堅戦が開始されます。注目はやはり臨海女子、欧州の歌姫、風神の雀明華選手でしょうか』

『イグザクトリィ。欧州での統一プロ規格はテニスのポイント制にイミテイトです。

 ですからランカーだったということはアトリィスト、一年間はステイボーアクティビティを示したということになるのです』


 ちょうど始まるところであったようで、東一局の配牌が進められていた。

 俺達も一斉にそれに注目する。俺達としては明後日の対戦相手が決まる戦いであるし、

 龍門渕さん達にとっては来年、あるいはさらにその先。

 いや、1月にあるニューイヤージュニアワールドクラシックで日本代表として、

 戦うかもしれない相手になるのだ。世界のレベルを計るにはうってつけの選手。

 自分たちの未来の目標に立ちふさがる強敵の一人。注目しないわけがない。

 そんな視線は当然対局室に届くわけもなく、対局は進められていく。

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ヒュッ『ツモ! 中三色ツモドラドラで3000・6000よ!』パシンッ


「うわぁ、全国でもあのツモり方するんだ……」

「? 目立ってよろしいではないですか。……はっ、私が目立てないのでやっぱり駄目ですわ!」


 国広さんが呆れたようにこぼし、龍門渕さんは問題ないとおおらかだ。

 マナーは最悪のツモだけど、確かにあれは格好いいのだ。悪待ちで雀明華から満直を奪ったりもしている。

 久さんはそうして前半を順調に消化した。


「前半は終わり。今のうちに車を降りよう」

「あら、いつの間にか着いておりましたのね」


 そう、気付けば車は既にホテルの地下駐車場だ。

 ハギヨシさんの運転テクニックが素晴らしいのか、加減速はもちろんカーブやブレーキのGも感じなかった。

 それでいておそらく15分で到着させたというのだからとんでもない。ハギヨシさんマジパネェ。


「それでは参りましょう」

「「「「「?」」」」」

「さて、私たちのお部屋にレッツゴー、ですわ!」


 車を降りた俺達をどこかへ誘おうと声を上げた龍門渕さんに、5人で揃って首を傾げた。

 そうしていると行き先が宣言される。……龍門渕さんたちのお部屋だそうで。


「お夕飯はまだ食べておられませんわよね?

 それでしたら私たちのお部屋で一緒にいただきましょう。

 喫飯中にテレビを見るのはお行儀がダメダメですけれど、私が許可いたしますわ!」


 あれよあれよと話は進み、思考が回復した頃には既に龍門渕さんの部屋の中であった。

 俺達の泊まっている部屋も十二分にグレードは高いはずなのだが……

 それとすら隔絶した贅沢な部屋だと一目でわかってしまう。

 調度品一つとっても嫌味にならないさりげない存在感を放ち、

 それでいてしっかり目を向ければ高級品であることを如実に感じさせる。

 広さもとんでもない。もしかしたらワンフロア全てをぶち抜いているのではなかろうか。

 促されるままに円卓に着くと、その中央に立体映像が浮かび上がる。


「ホロモニターっすか……。確か来年に一基500万円で市販されるって発表された」

「我がGAD電機技研からの発売ですわね。

 皆さんのお泊りになっているスイートルームにも標準で設置してあるはずですわよ?」

「あはは、気付かんかったわーぁ」


 あっけらかんと言い放たれた情報に、さすがの憩さんも笑顔が硬い。


「女性の部屋に上がるってことであった緊張感がなんかもう吹き飛びましたよ……」

「あら、意外とシャイな面をお持ちですのね」

「そりゃまあ、龍門渕さんといい皆さんお綺麗ですから」

「突然の口説き」

「いやあ、こうやってハーレム作り上げてってんのか? 俺でもここまでじゃねーぞ」

「――――」

「透華、透華! びっくりしたからって固まってないで。ほら、試合始まってるよ」

「ふむ、さすがはきょーたろー。万の女神と情を通じたという大国主命が如き言行だ」


 思わず口にした言葉が予想外の反応を引き出してしまった。

 桃子達はどこか遠くを見るような目をしているし、ハギヨシさんは微笑ましいものを見るよう。

 一方で龍門渕さんは顔を真っ赤にして口をぱくぱくと動かしている。

 言われ慣れているだろうに初心すぎる反応ではなかろうか。少し心配になる。悪い男に騙されなければいいのだが。

 そんな俺達を斟酌せず無情にも試合は進んで行く。


『ロン! チャンタ混一色で8000!』


『おっと竹井選手、ダマ聴の鹿倉選手に満貫を放銃! どことなく険しい表情で竹井選手を睨んでいますね』

『先程もアブトゥルーシヴなツモをアテンションしていましたから、マナーを重視しているのでしょう』


『ツモです。西三暗刻ドラ3で3000・6000です』


『雀選手の跳満ツモで終局です。この和了で雀選手は区間トップとなりました。

  やはりランカーだけあり安定した強さでしたね。


 1位は清澄の竹井選手。1万3200点を失い15万7700点となりましたが依然トップ。


 2位は臨海女子の雀選手。1万5200点を稼ぎ13万3500点と伸ばしました。


 3位は宮守女子の鹿倉選手。7500点を稼ぎ8万8800点。


 4位は根獅子女子の松浦選手。9500点を失い2万点ジャストです』


『全体的に和了がディスパースしましたね。

 それでも前半と後半で松浦選手と竹井選手が失点役を押し付けられる形となりましたから、

 上手く放銃を減らせた雀選手と鹿倉選手がプラスに収めました』


 食事をゆっくりと摂っている間に、中堅戦は終わった。

 久さんは前半はそこそこ上手くいっていただけに悔いの残る展開だったのではないだろうか。


「久先輩は大丈夫っすかね?」

「順位は落としていないから、問題ないんじゃない?」

「問題なのは雀明華ですわ。私が取り寄せたデータと比べても明らかに打ち筋が鈍らでしたもの」

「つまり、手を抜いてたってことか?」

「手の内を隠すのは勝ち抜き戦では当然だわ」

「卓の力量に合わせて抑えてた感じやったねーぇ」


 結果よりも手抜きされたことのほうが久さんには屈辱だろう。

 しかし、それをモチベーションにしてリベンジのために奮起する、ということもありうる。

 夜にでも軽くメールをしておくべきかもしれないな。


「ま、あの人なら次の試合までには持ち直すんじゃない?」

「そうですわね。……いよいよ次は原村和ですか」



『皆さまこんばんわ。時刻は18時30分になろうとしています。

 男性諸氏お待ちかね! いよいよ副将戦は原村和の登場です!』

『彼女はキュートですから。本人は麻雀も含めなかなかクールらしいですけどね』


「……」ギリィ


 モニターの向こうでは和のプロフィールやこれまでの経歴が紹介されている。

 中には隠し撮りと思しき映像もあったが……。

 そんな和の目立ちっぷりに当然龍門渕さんは嫉妬している。

 もはや言葉も無く、歯ぎしりだけである。

 周りは皆苦笑するより他ない。和には負けるが龍門渕さんも相当の美形だ。

 特にいわゆる冷やし透華と言われる状態の龍門渕さんはその威圧感と存在感が浮き彫りとなり、

 いっそ妖艶さすら感じさせる冷厳な女主人を思わせるのだ。

 俺にMっ気があったらすっかり魅了されていたかもしれないくらいに。


『! ろ、ロン! 国士無双で48000!』


『あ、ああっと! 原村選手、臼澤選手の役満に振り込んでしまいました!』

『それでも表情を変えていないのはさすが、です』


『リーチ――ロン。リーチ一発清一色で24000です』


『親倍で返しました原村選手。狙いすましたかのような鋭い一撃でした』

『ノータイムでの打牌が上手くプレッシャーになっていました。

 ぬいぐるみとそれに乗っかるバストも視覚的には相当効果的かもしれません』



 開幕こそ親の役満に直撃してしまった和だったが、それ以降は倍満や満貫を幾度も和了り、

 前半を終える頃にはマイナスを1万点未満にまで抑えてみせた。

 つまりは4万点弱を稼いだということだ。この平常心は俺には真似できない、和の強さだろう。


「まだ後半がありますわ! のどっちがこの程度でへこたれるわけがありません!」


 などと龍門渕さんさえ応援している。……のどっちという愛称で呼ぶほどの仲だったろうか?

 俺の疑問が解決されることも無く、試合はそのまま後半戦を迎える。


『ツモ。タンヤオトイトイ三色ドラ2で3000・6000です』

『リーチ。――――ツモ。リーチ發混一色ツモドラ……裏2で4000・8000です』



『副将戦終了いたしました!

 1位は清澄の原村選手。

 親の役満を放銃しましたが最終的には2300点を稼ぎ16万点とプラスで終了しました。

 2位は臨海女子のダヴァン選手。1万9700点を失い11万3800点です。

 3位は宮守女子の臼澤選手。1万5000点を稼ぎ10万3800点。見事区間トップ。

 4位は根獅子女子の長崎選手。2400点を稼ぎ2万2400点となりました』

『最終的な結果を見るとダヴァン選手がマイナスをサステインした形ですが、

 開幕の48000点を抜きにしてみるとインディード、臼澤選手も3万3000点のマイナスです。

 一方原村選手はそうなれば5万点のプラス。こうしてリヴィールすると、原村選手の稼ぎっぷりが分かります。

 そもそも役満に振り込むというのがケアレスだとも言えますが……そこをクリアできればかなりの選手になりますよ』


「ふぅ、最初はどうなることかと思ったけど、やっぱ和は強いな」

「そうっすねぇ。あのおっぱいは脅威っす」

「そやねーぇ」「確かに」「京太郎さんの好みど真ん中だわ」

「……そっちなの? そっちの話なの? 俺麻雀の話してたよね!?」


 真面目に感想を漏らしてみればこの弄られっぷりだ。口で勝つのは無理がある……。

 ちなみに龍門渕さんはこの一連の会話中、顔を赤くして聞いていないふりをしていた。

 ちらちらと気にしている風であったので、それを見た国広さん達がクスクスと笑っている。


「はあ……。とにかく、次が大将戦だな」

「サキの出番だ」

「気合十分だったっすから、問題ないっすよ。点差も十分あるっすから」


 そう、咲は怖いくらいの気迫だった。

 空回りしないかとか、やりすぎないかとか。むしろそっちが心配なくらいである。

 それも数分後には分かることなのだが……。




『いよいよ準々決勝C卓も最後、大将戦が始まります』



『根獅子女子の大将、諫早選手はガードの上手い選手ですから飛び終了はまずないでしょう。

 しかし残念ながらパワースタイルではないので逆転は厳しいでしょうね。


 そして2位を争う臨海女子のヴィルサラーゼ選手と宮守女子の姉帯選手。


 ヴィルサラーゼ選手については詳しく触れるまでもなく、ジュニア選手権で頭角を現したホープ。


 姉帯選手は昨年まで実業団でコーチをなさっていた熊倉トシマスターズプロの見出した魔物とのことです。

 岩手予選では追っかけリーチで狙い撃つトリッキーな打ち方を駆使してメイクアパイルしたようです。


 そしてトップの宮永選手ですが……チャンピオンの宮永照選手と同じ苗字ですね。

 ザットアサイド、宮永選手は槓を多用する選手です。そして嶺上開花での和了率がとても高い。


 どうなるにせよインタレストな試合になることでしょう』


『リーチ……ロン。リーチ純チャンドラの、裏1枚で12000だよ』


「咲……? 今、臨海の子が何かしたっぽいな」

「ああ。彼奴は察するに自らの運命を好きな機会に上下できるとみえる」

「調整したタイミングなら絶対に聴牌できる、いう感じですねーぇ」

「それだけではなさそうだわ。最低でも満貫手が来る、そういう流れを操作しているもの」

「世界ジュニア選手権での牌譜を見ましたが、2万5千点持ちでは序盤に集中して和了って飛ばす、という戦術を選んでいたようですわ」

「団体戦では満貫4回直撃させても飛ぶかどうか怪しいですよ」

「……そこが攻略の鍵、っすね」


 たったの数局見ただけで瞬く間に解明されていくネリー・ヴィルサラーゼのオカルト。

 頼もしすぎる仲間たちだ。個人戦では彼女たちが敵として立ちはだかることになる……。

 今から恐ろしくなってくる。俺のことも既に研究済みなのだろうから。



『先生には温存しろって言われてるけどー、それじゃ勝てないよねっ。

 我が手我が口我が牙は紅く赫い……。――ツモ、三色赤3で2000・4000♪』


「な、なんか厨二っぽい口上っす」

「いやまあ、うん。カッコイイんじゃないかな?」

「手牌には赤ドラと萬子が中心でしたわね」

「赤口……六曜の力を使うか、山女め」

「ちゅーことは追っかけリーチは先負ってことですかーぁ」

「それなら先勝や友引に大安、仏滅もあるはずだわ」

「先勝はダブリーあたりかしら。友引は単騎待ちとか?」

「大安はやばそうだね。逆に仏滅なんかはオカルトにありがちなリスクかも」


 俺と桃子が言い合っているうちに、憩さんたちがすらすらと解析してしまう。

 合っているかどうかはともかくとして……そういった取っ掛かりの有無は対オカルト雀士では重要なのだ。

 俺だって索子がドラでなければ手は遅いし、それを補う筒子での加速もあるがそれをすると必然的に絶一門状態に近づく。

 高めを狙う時は清一色や混一色になりがちなのは憩さんや衣さんに指摘されている。

 今は意識して散らすようにしているのだが……強敵を相手にしたら小手先の誤魔化しがどこまで通じるか。


『リーチ』

『追っかけるけどー。リーチ♪』


 そうしているうちに予言されていた追っかけリーチ、先負を発動する姉帯さん。

 ヴィルサラーゼさんは相手の特徴を知らずに卓に臨んでいるのだろうか?


『ロン! リーチ一発白チャンタで12000!』


『背向のトヨネ、ついに逆転です! ヴィルサラーゼ選手手痛い放銃~!』




「手札を隠そうとしすぎて宮永咲の支配を躱しきれていないわ」

「咲が何かしてるんですか?」

「サキの悪い癖だ。プラマイゼロを志向しているのか……誘導して他家に和了を譲っている気配がある」



 全部倒す、と言っていたはずなのだが……。




『前半戦終了いたしました。熾烈な2位争いの結果宮守女子が一時2位に浮上するも

 直後に差し返されて元の順位に戻りました。しかしその点差は1300点と僅差!

 いよいよ目の離せない戦いになって参りました!』



 この段になって、俺達はようやくデザートまでを完全に食べ終わった。

 コース料理だったので一皿ごとに10分15分とかかったからだ。

 味自体もとてもよく、しっかり堪能させてもらった。


『先んずれば人を制す、リーチ!』

『――人を制した程度であまり調子に乗らない方がいいよ、ロン。12000』



「やっぱりありましたねーぇ、先勝」

「発動に失敗すると逆撃を受けるみたいだわ」

「何にせよ、これで趨勢は決まりましたわね」


 透華さんがそう断じた。他のみんなも同意見のようで……。

 俺としてはまだ諦める局面でもないと思うのだが言い出せる空気ではない。

 そして――


『ぼっちじゃないよー、ツモ! 1本場で600・1100!』


『ヴィルサラーゼ選手、前局に責任払いで宮永選手から受けた跳満が致命傷か!

 姉帯選手のツモ和了でついに、ついに逆転! 600点差ですが逆転です!』



「おお! やっぱ諦めたらダメじゃないですか! ここで逆転はすごいですよ!?」

「あはは、京ちんはそれでええ思いますーぅ」


 憩さんの意味深な苦笑い。どういうことだ。

 そんな俺の疑問はすぐに解消されてしまった。



『聴牌だよ』『うぅっ、ノーテン……』

『これはシーソーゲームです! 600点差が2400点差となって立ちはだかります!』

『……ゲームセットですね』

『え?』


                   -=ニ二ニ          ニ二二二二二二二
                 二二二二  二二        二二ニ  ニ二二二

                     ニ二二二   ニ二  ニ二二ニ           ニ二二
                 ̄    ____       ̄ニ二二ニ  ニニ       二二
             ニ二ニ   ニ二二二二二ニ     二二ニ ニニ      二二
              ニ二         ┐  ̄ニ二二二二ニ=  ニ二 二ニ     二二
                    /::::/       ̄ニ二二二ニ  ニ   ニ    ニ二二
               /  /::::::::/...-―≠ニア{    ̄ニ二ニ  ニ二ニ     ニ二
                   /{ /::::::::::::::::::::::::::::::::-=<.. 二ニ  二ニ ニニニ ニ   ニ二
             二{::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::-=く:::::\二ニ ニ二  二二二二  二ニニ
               二二〉::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\⌒    ニ   ニ二二ニ  二ニニ=
               二/:/:::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\二ニ ニ   二二ニ   ニニ=
               /:::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.⌒丶ニ __二二二二ニ   ニ=
           ⌒i::|:::|:::::|::|:::::::::|:::|::::::::|::::::::: |::::::|乂__ /: :.:|二二ニニ   =
ニ             ニ二|::|:::|:::l:|::|::::l:l::|:::|::::::l:|::::l:::: |:l::l:| ̄/: : : : |二二ニニ     ニ
二.            二|::|:::|:::l:|::l::::l:l::|:::l\从:::l:::: |:l::l:l/: : : : : :/二二ニ  二二二
ニニ            二|从:|::从八从乂{´廴}乂::::从劜: : : : : :./二二二二二ニ 二ニ=-
 ニニ.          二二)イ::圦     ,     ∧/----: : :__:_/二二二二二ニ  二二ニ=
   二ニ= =ニ二 ニ=  二}//> . - . イ:::::: : : : :/´ ̄∨ ̄ ̄\二ニニ    二二ニニ
=ニ二二ニ  二二二 ___∠{: : : : : :| ̄ _」::: : : : :./    l|     | |__     二二二ニ
  ニニニ   ニニニ //   ∧: : : : :.ー―.:: : : :/} ___ }   リ リ    =ニ二二二ニニ
   二ニ=  =ニニニ ノノ   \{ {\: : : :.  .: : :/ニ/ l/ ̄\__彡'--  、  \ニニニ=
=ニ二二ニ 二二 { {      ̄ハニ、:_:_,:.//ニニ/   |ニニニニニニニニニニニ二\   \ニニニ
二ニ  ニ二 二=/\   ___/二|`ー ‐┼┼≦___} -=ニ三三三三ニ=-  \   \二
ニニ   二二ニ/   / ̄ ̄ 二八   ,{三三三三三三三≫  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`   \
ニニ  二  ´   /二ニ  =ニ二二}    \三ニ=- ̄{ ̄ ̄    =ニ二二ニ==   \
ニニ:/   /  二ニ ニニニニ|     \三三三ニ=- __    -=ニ二二二ニ
二/    /二ニ= =二 二二ニ _|     /≧=====┬=ニ三三三ニ=- ニニニニニニニ
. /   =ニニ二二  二二二ニニ/ {廴___/´  / ̄ ‘,     ___ .... . -――-
/ /ニニニ二二二二____. .: ::|  \     ___/  --- ‘,  /: : : : : : : :./::}:_:_:_/::
,/ニニニ:/ ̄ ̄/: : : : : /: : :人    ̄ ̄   /: :|: :\: : ̄: : : : : : : : : :/::/: : /::::::




                    『――カン』



 モニター越しでも分かる、プレッシャー。

 咲の目は酷く冷たく感じられた。



『ツモ。ツモチャンタ嶺上開花の1本場は2100・4000』



『しゅ、終局! 宮永選手の嶺上開花で根獅子がついに持ち点を失い飛び終了です!


 これによって1位は清澄高校。

 宮永選手は1万7300点を稼ぎ17万7300点と区間トップで終了しました。


 2位は臨海女子高校。

 ヴィルサラーゼ選手は2100点を失い11万1700点です。


 3位は宮守女子高校。

 姉帯選手は7400点を稼ぎ11万1200点。


 4位は根獅子女子高校。

 長崎選手は2万2600点を失い-200点と飛びです』





「咲は最後なんであんな和了りを……?」

「落とすなら臨海のほうが後々楽だったはずっすけど」

「流れ的に宮守は臨海に抑えられ始めていたわ」

「無粋ではある。しかし……介錯するのも武士の情け」

「それでもあれだけ泣かれてしまうと……」


 衣さん達の言うことももっともなのだが、数絵の言葉も無視できない事実だ。

 モニターには戒能プロの試合総評をバックに、姉帯さんがわんわんと泣いている。

 俺よりも高いだろう身長をした人だが、その様は年端もいかぬ少女を思わせる様子だ。

 敵だったかもしれないとはいえ、さすがに同情を禁じ得ない。


「京太郎さん? 可哀想だと思っているでしょうけど……負ければわたしたちがああなるわ」


 絃さんの言葉が重く響く。

 インハイの団体戦は、負けたら終わり。

 個人ならよほどのマイナスでなければ1回2回なら取り返すチャンスはある。

 しかし団体は違うんだ。絃さんは三年生。俺達5人で戦える夏は、今だけ。

 敗者の憂き目を胸に刻み、俺達は龍門渕さんに会食の礼を述べてから部屋に戻ったのだった。


須賀  新道寺   有珠山  姫松     清澄   宮守    阿知賀  鹿老渡
  ―――        ―――        ―――        ―――

千代水 白糸台   越谷 千里山   根獅子  臨海    鬼籠野  永水
    A           B            C           D       


       須賀    A   有珠山     清澄   B   阿知賀
        ―――――――         ―――――――  
       臨海   A    永水      白糸台   B   千里山



                AA1位   BB1位
                  ―――――
                AA2位   BB2位


8月2週


行動2回目 準決勝までの休養日

強制遭遇。 白望・洋榎・怜竜華・由暉子・咏

 01~32    失敗(?)
 34~65    普通
 67~89    成功
 90~98   大成功
 ゾロ目    超成功

9d100=97・74・28・54・77・67・31・81

  白望  大成功  ・ 洋榎  成功  ・ 怜   超成功  ・ 竜華  成功 
 由暉子  失敗    ・ 咏   成功




『皆さまおはようございます。○×ニュースが朝7時をお知らせいたします。

 それでは早速最初のニュースです。

 可憐な女子高生たちの白熱した戦いが繰り広げられる全国高校生麻雀大会。

 昨日ついにベスト8が決定しました――』


 朝、俺は起きて身支度を整えながらテレビを点けていた。

 やはりというか、和のビジュアルが話題になっている。

 しかしそれだけではない、俺達が次に戦う有珠山高校の真屋選手も大きく紹介されていた。

 それは二回戦の収支ランキングを見れば納得だ。

準々決勝収支ランキング

    
 1位 真屋 由暉子  +95,400   41位 清水谷 竜華   - 2,600
    
 2位 宮永 照     +77,900   42位 安芸 雨      - 2,900
    
 3位 染谷 まこ    +73,300   43位 小瀬川 白望   - 3,900
    
 4位 江口 セーラ   +61,200   44位 鶴田 姫子    - 4,200

    
 5位 須賀 京太郎  +58,700   45位 上重 漫      - 5,500
    
 6位 薄墨 初美    +53,900   46位 船久保 浩子   - 5,600
    
 7位 神代 小蒔    +52,200   47位 安河内 美子   - 8,000
    
 8位 高鴨 穏乃    +47,700   48位 松浦 紫苑    - 9,500

    
 9位 辻垣内 智葉  +46,400   49位 狩宿 巴      -10,600
    
10位 愛宕 洋榎    +42,300   50位 大星 淡      -12,200
    
11位 荒川 憩     +40,300   51位 竹井 久      -13,200
    
12位 松実 宥     +29,000   52位 新子 憧      -13,400
    
13位 鳥部 綿南    +28,900   53位 エイスリン・W  -14,800

    
14位 白水 哩     +27,900   54位 江崎 仁美    -15,000
    
15位 園城寺 怜    +26,700   55位 桧森 誓子    -16,800

    
16位 鳴門 藍子    +23,000   56位 世羅 雅      -17,900
    
17位 石戸 霞     +18,900   56位 龍宮 いろは   -18,900

    
18位 米子 涼     +18,300   58位 メガン・D     -19,700

    
19位 松実 玄     +17,700   59位 諫早 花音     -22,600
    
20位 東横 桃子    +16,500   60位 江田島 蓉子   -23,400
    
21位 宮永 咲     +17,300   61位 弘世 菫      -23,800
    
22位 雀 明華     +15,200   62位 瀬戸 風音     -24,000
    
23位 臼沢 塞     +15,000   63位 ハオ 慧宇    -28,100

    
24位 佐々野 いちご +14,700   64位 宇津木 玉子   -28,400
    
25位 南浦 数絵    +13,500   65位 渋谷 尭深     -30,400
    
26位 霜崎 絃     +13,300   66位 島原 貞子     -30,400
    
27位 末原 恭子    +12,900   67位 岩舘 揺杏     -31,000
    
27位 真瀬 由子    +12,900   68位 鷺森 灼      -32,100
    
29位 新井 ソフィア  +11,500   69位 本内 成香     -32,700
    
30位 獅子原 爽    +10,700   70位 勝浦 羽美     -33,100
    
31位 滝見 春     + 8,300   71位 対馬 舞      -40,100
    
32位 鹿倉 胡桃    + 7,500   72位 倉吉 梨佳     -42,300
    
33位 姉帯 豊音    + 7,400   73位 一条 天      -43,200
    
34位 浅見 花子    + 2,600   74位 須佐 世利     -43,500
    
35位 長崎 夜々    + 2,400   75位 尾道 由美     -45,900
    
36位 原村 和     + 2,300   76位 花田 煌      -56,000
    
36位 亦野 誠子    + 2,300   77位 愛宕 絹恵     -61,400
    
38位 二条 泉     + 1,300   78位 岩美 望      -62,200
    
39位 ネリー・V    - 2,100   79位 水村 史織     -72,500

    
40位 片岡 優希    - 2,400   80位 八木原 景子   -83,900


 そう、真屋選手は宮永照を上回る収支を記録したのだ。

 ルックスも、背はかなり小さいのに和に劣らぬ爆乳っぷり。

 有珠山自体が北海道での代表校インタビューからずっと“打倒 瑞原はやり!”と息巻いている。

 つまり牌のお姉さんの座を狙っている、のだろうか。

 あるいはアイドル雀士としての人気を奪おうということか?

 その辺は試合後に受けているインタビューを見ても良く分からなかった。

 いや、獅子原選手や岩舘選手は由暉子をアイドルとして売り出すのだ、と主張していたのだが。

 当の本人があまり乗り気には見えなかったのだ。

 なにか、無理矢理やらされているような雰囲気を感じた。

 俺と会ったばかりの桃子や淡に通ずる雰囲気。

 やっと出来た友達に嫌われたくない、見放されたくない。そのために少々嫌なことでも受け入れてしまう。

 そんな危うい状態に見えた。

 絃さんの言葉が思い出されるのだ。意思なき覚悟では沼に呑まれるだけ、と。

 他人事ながら心配になってしまう。しかしそれは傲慢なのかもしれない。

 赤の他人の俺には何もできないし、俺が受けた印象がそもそも間違っているかもしれないのだから。

 そういえば今日の休養日は珍しく俺は一人きりだ。

 数絵は南浦プロの付き添いで何やらあいさつ回りをさせられるらしい。

 桃子と憩さんは応援に来た親族の相手で拘束される。

 絃さんだけは分からないが……息吹を浴びに行く、と言っていた。

 どこかに行くというのであれば俺がついて行かない限りは離れるということだ。

 そんなわけで、今日一日はホテル周りを中心に色々歩き回ってみるつもりだ。

 麻雀は好きだが、元々運動部だったせいかたまに体を動かさないと鈍ってしまう気がして落ち着かないのだ。


ということでここまでですー

清澄の闘牌部分はアンケートにお答えいただいた皆様のご意見を受け、このようなダイジェストとなりました

もし希望があるようなら敗退が決定した原作校のステータスとかも貼りますのでよろしければどうぞ

それではここまでお読みいただきありがとうございました。またしばしお待ちくださいませ

乙~
姫松が落ちたか~姫松と鹿老渡のステは見てみたいです

>>212
あー、鹿老渡はちゃちゃのんしか作ってないのです。それ以外はさすがに想像すらできないので……申し訳ないです

なのでちゃちゃのんのを載せますー


佐々野いちご     →佐々野いちご(イベント後)
属性 :D        属性 :D
技量 :B63      技量 :B67
直感 :D48      直感 :C56
必然力:C50      必然力:B60
補正値:35       補正値:39
・スキル
【人気者】銀
(効果A)
 公式戦などの公開されている局面で判定を+10。
(効果B)
 1位でない場合、判定を+10し打点を+1。

【そんなん考慮しとらんよ……】
 公式戦などの公開されている対局で大物手(倍満以上)を放銃した場合、泣く。

作ってないとはいってもモブとして設定した分は当然あるのですが、名前とかも適当なのでちょっとねw

以下姫松です


上重漫          →上重漫(イベント後)
属性 :O        属性 :O
技量 :E32      技量 :D40
直感 :D49      直感 :C56
必然力:C50      必然力:C55
補正値:29       補正値:33
・スキル
【爆発】
 場を取り巻く環境によって爆発力が変動する不安定な力。
 聴牌・和了判定で共にゾロ目もしくはその前後のコンマを出した場合に発動。
 対局者の必然力によって効果が変動する。
(効果A)
 D以下のみの場合、効果なし。
 C以上の者がいる場合、打点を+1する。
 B以上の者がいる場合、和了判定値を+5・打点を+2する。
 B以上の者が複数いる場合、和了判定値を+10・打点を+3する。
 A以上の者がいる場合、和了判定値を+15・打点を+4する。
 A以上の者が複数いる場合、和了判定値を+20・打点を+6する。
 S以上の者がいる場合、聴牌が確定し和了判定値を+30、最低打点が満貫となる。
 S以上の者が複数いる場合、聴牌が確定し和了判定値を+40、最低打点が跳満となる。
(効果B)
 素の聴牌コンマが4位のときは発動しない。
(効果C)
 このスキルでの打点上昇では三倍満以上にはならない。
 また満貫以降の上昇には+2ずつ必要となる。
(効果D)
 聴牌判定値を+10。

  ↓

【爆発】(上記に効果Eを追加)
(効果E)
 3段階目以降の効果が発動している場合、自身の和了は流局しない。

【爆風ターボ】
 恩人である末原恭子の教えにより火力に拘泥することをやめ速度を重視した。
 【爆発】発動中に使用可能。
(効果A)
 【爆発】で上昇する打点ランク×5だけ和了判定値に加算。
(効果B)
 和了した場合の打点が満貫以上の場合、自由に打点を下げられる。
(効果C)
 効果Bで下降させた打点ランク×5だけ和了判定値を上昇させる。
 この効果を使用して和了する場合、打点は満貫以下となる。

真瀬由子        →真瀬由子(イベント後)
属性 :D        属性 :D
技量 :C57      技量 :B67
直感 :D48      直感 :C56
必然力:C50      必然力:C55
補正値:33       補正値:38
・スキル
【守備信頼感】
(効果A)
 放銃判定値を+15。
(効果B)
 自身が放銃するとき、打点を-1。

【安定感○】
 判定コンマを20以下の場合は20、80以上の場合は80として計算する。



愛宕洋榎        →愛宕洋榎(イベント後)
属性 :D        属性 :D
技量 :A76      技量 :S80
直感 :B68      直感 :A76
必然力:B60      必然力:A70
補正値:43       補正値:47
・スキル
【ささやき戦術】
(効果A)
 自身がリーチをかけられる場合、他家の和了判定値を-10。
(効果B)
 他家がツモ和了する場合、打点を-1。

【エース○】
 エースとしてオーダーされている場合に発動。
 判定を+10。

【広角打法】
(効果A)
 聴牌に成功した場合、判定値を+15。
(効果B)
 打点を+2。

【安定感○】
 判定コンマを20以下の場合は20、80以上の場合は80として計算する。

【守備職人】
(効果A)
 放銃判定値を+25。
(効果B)
 自身が放銃するとき、打点を-2。
(効果C)
 他家が満貫以上をツモ和了する場合、打点を-1。


次の戦いにはダヴァンに板仲間がいるな
オーダーが変わらなければ

愛宕絹恵        →愛宕絹恵(イベント後)
属性 :D        属性 :D
技量 :C55      技量 :B65
直感 :C56      直感 :B64
必然力:C50      必然力:C55
補正値:33       補正値:38
・スキル
【ブロック○】
 自身を対象に取ったロン系スキル発動時に発動。
 その効果を無効にする。

  ↓

【ゴールセーバー】
 自身を対象に取ったロン系スキル発動時に発動。
(効果A)
 その効果を無効にする。
(効果B)
 聴牌に成功していた場合、自身がスキル発動者からロン和了する。



末原恭子        →末原恭子(イベント後)
属性 :D        属性 :D
技量 :B67      技量 :A72
直感 :C56      直感 :B60
必然力:C55      必然力:B65
補正値:38       補正値:42
・スキル
【守備信頼感】
(効果A)
 放銃判定値を+15。
(効果B)
 自身が放銃するとき、打点を-1。

【安定感○】
 判定コンマを20以下の場合は20、80以上の場合は80として計算する。

【対オカルト○】
 オカルト属性の相手と対局するとき、判定を+10する。

  ↓
(【対オカルト○】を削除し以下の二つを追加)

【人間の意地】
 天才ではないただの人間の精一杯。
(効果A)
 オカルト属性の相手と対局するとき、判定を+10する。
(効果B)
 対局者に必然力がA以上のオカルト属性がいる場合に発動。
 判定値を+15。
 素の聴牌・和了コンマ共に1位である場合、自身が受けるスキル効果を無効にする。

【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。

宮守のステも見てみたいです

お願いします

姫松はこんな感じでした

末原さんと漫は2回戦を突破していればイベントをこなした、ということで右側のステータスになっていたのですが……残念


>>216
一応劇中でも触れていますが、原則他校はオーダー変更はしてきません
京ちゃんたちも先鋒と大将を入れ替えた以降は変更する理由も無いのでしない可能性が高いです

>>218
はいさいお任せあれ!

小瀬川白望       →小瀬川白望(イベント後)
属性 :O        属性 :O
技量 :B64      技量 :A72
直感 :B62      直感 :A72
必然力:B65      必然力:B60
補正値:39       補正値:42
・スキル
【妖:マヨヒガ】銀
 時に人を惑わせ、時に幸運をもたらす異界の邸宅。
 聴牌判定が5の倍数のとき発動。
(効果A)
 自身の判定値を+30。
(効果B)
 放銃しない。
(効果C)
 自身の打点+3。

  ↓
(以下を追加)

【遠野の小楽土】
 身の内にこの世のものと思えぬ蓄えを持つ安寧の地。
 チーム戦にオーダーされた場合に発動。
 チームメンバーの打点を+1。


エイスリン・ウィッシュアート  →エイスリン・ウィッシュアート(イベント後)
属性 :O             属性 :O
技量 :F20           技量 :E28
直感 :E37           直感 :C50
必然力:A75           必然力:S80
補正値:28            補正値:35
・スキル
【妖:ドリームペインター】銀
 自らの希望を雀卓と言うキャンバスに描き上げる。
(効果A)
 聴牌コンマor聴牌判定値がゾロ目の±1の場合でも、聴牌に成功する。
 この場合はリーチにはならない。
(効果B)
 効果Aによって聴牌した場合、打点を下降させることで5ずつ和了値を増加できる。
(効果C)
 効果Bによって和了に成功した場合、流局しない。
(効果D)
 このスキルは他家のスキルを優先する。

  ↓

【妖:ドリームペインター】金
 自らの希望を雀卓と言うキャンバスに描き上げる。
(効果A)
 聴牌コンマor聴牌判定値がゾロ目の±1の場合、聴牌に成功する。
(効果B)
 効果Aによって聴牌した場合、打点を下降させることで5ずつ和了値を増加できる。
(効果C)
 効果Bによって和了に成功した場合、流局しない。


鹿倉胡桃         →鹿倉胡桃(イベント後)
属性 :O         属性 :O
技量 :C56       技量 :B64
直感 :C55       直感 :B62
必然力:C50       必然力:C55
補正値:33        補正値:37
・スキル
【妖:座敷童】
 屋敷に住み付き主人に幸運をもたらす童女姿の妖怪。
(効果A)
 リーチをかけない。
(効果B)
 聴牌に成功したとき、和了判定値を+20する。
(効果C)
 和了コンマで3位以下のとき、自身の放銃判定値を+30。
(効果D)
 自身との絆を持つものと同チームにオーダーされた場合、
 自身含むチームメンバーの判定値を常時+5。
(効果E)
 同チームに【小瀬川白望】がいる場合、さらに判定値を+5。




臼沢塞          →臼沢塞(イベント後)
属性 :O         属性 :O
技量 :B68       技量 :A76
直感 :B61       直感 :B68
必然力:C50       必然力:B60
補正値:36        補正値:41
・スキル
【道祖神:塞ノ神】
 他者救済を掲げる地蔵菩薩の化身の一つ。旅路の行く末を司る。
 対象を取って任意に使用可能。
 使用のたびに対象と自身の必然力/5の差分+1ずつ体力を失う。
 なお初期体力は12とする。
(効果A)
 対象の和了を無効にする。
(効果B)
 効果Aによって和了が無効にされたとき、
 和了判定値2位が1位と20以内の判定値でない場合、流局する。

【補助具:増強のモノクル】
 目や視線を通して発動する異能の力を増幅することができる片眼鏡。
 装着者のスキルの最終発動コストを-1する。

【対オカルト○】
 オカルト属性の相手と対局するとき、判定を+10する。

【対エース○】
 エースと呼ばれるほどの強者と対局する場合に発動。
 判定を+10。

姉帯豊音         →姉帯豊音(イベント後)
属性 :O         属性 :O
技量 :B60       技量 :B64
直感 :A75       直感 :S80
必然力:A75       必然力:S85
補正値:45        補正値:50
・スキル
【妖:山姫】
 山奥に棲むとされる黒づくめの美女。人の生き血を啜るという。
(効果A)
 男性との絆を持っている場合、その絆の強さに応じて判定コンマを上昇させる。
(効果B)
 このスキルを持つ者は【六曜】が使用可能となる。

【六曜】
 様々な力を内包した山女としての側面が垣間見える力。
 各条件を満たした場合に発動可能。
 対象を取って発動するものの場合、自身を上回る必然力の対象に対しては
 その差分だけ素の判定コンマで上回っていなければ発動に失敗する。

(効果A)先勝
 自身がリーチをかけられる場合に発動可能。
 素の判定コンマが99・00のとき、天和or地和で強制和了。
 素の判定コンマがゾロ目の場合、ダブルリーチ一発ツモ+αで強制和了。
 つまり3翻の打点上昇で和了。
 また、素の和了コンマで1位であれば強制和了。
 ただし素の和了コンマが56~75の場合は自身が放銃する。

(効果B)友引
 自身の素の判定コンマに1が含まれる場合に発動可能。
 強制ツモ和了する。ただしリーチ可能状態の場合は発動できない。

(効果C)先負
 他家がリーチをかけた際に自身もリーチできる状態もしくはその±1のコンマである場合に発動できる。
 自身もリーチをかけた状態となり、リーチをかけた他家から出和了りする。
 その際の打点判定をさらに1翻上昇させる。
 ただし自身の和了判定値が3位以下の場合は発動に失敗し、逆に放銃する。

(効果D)仏滅
 自身の判定コンマで40が出た場合に発動。倍満以上を放銃する。

(効果E)大安
 和了判定コンマの一桁目と二桁目の合計が6の倍数かつ
 他の六曜スキルが発動しなかった場合に発動。
 役満を和了する。

(効果F)赤口
 ドラが赤い牌であった場合に発動。
 聴牌順位2位以上であれば打点に+4翻して強制ツモ和了する。

こんな感じです

補正値50以上というのが魔物の条件だったりします

ただ豊音は強制和了を多く持っているので補正値をやや低くなるようにしています

宮守は普通に強くしたんですけど……くじ運が悪かったです

乙です!
やっぱり面白い!

>>224
そう言っていただけると励みになります。ありがとうございます


越谷失点激し過ぎィ

>>232
おぅっふ、申し訳ないです。越谷大将の八木原景子の点数ミスってますね……

本来はマイナス21,000点です。なので59位になり、以降1つずつ順位がずれます。

マイナス8万になってるのは飛び無しで最後までやった場合の点数でした。

まあ、その場合は爽が後先あまり考慮せずにカムイを使って役満叩きこんでるのでむべなるかな、なのですがw

まだ準決勝書き終っていないのでおためごかしですが、投下していきますー

>>210からの続きです


 そうして街に繰り出した俺だが、想像以上に人の数が多い。

 今日は金曜日、つまり平日だ。その朝方だというのに長野では催し事でもないとみられない程の人波。

 しかしそれも当たり前の話だったとしばらくして知れた。

 人の流れに逆らわずに歩いていると、どうやらイベントスペースのようなものに辿りついたからだ。

 出店のようなものが広場に開かれ、醤油の焦げるいい匂いや肉が焼ける匂いなどが漂っている。

 朝を軽く済ませた男子高校生の身として、ちょうど小腹の空いてきた時間帯であった。

 早速何か食べようときょろきょろと当たりを見回す。


「お姉ちゃん、さすがに食べすぎやって」

「うっさいわ。こんなん食べなやっとれんやろ」


  愛宕姉妹判定 1d100=96  大成功
  洋榎追加判定 1d100=08  失敗


 ちょうど串カツの屋台近くまで来たときに聞こえてきた声。

 その声に何となしに視線を向けると、二人の少女が気まずげにしていた。


 薄茶桃色の髪をポニーテール気味にアップでまとめた垂れ目の少女と、

                              -‐ 、
                             _ _/: : :._ハ
                       ,. :'": : : : : : : : : `ヽ

                        _,../: : : : : : : : : : : : : : :\
               _,,   -‐: :'"´/: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
          !I    /; :'-ァ'´: : : :,;イ : : : : : : ;ィ: : : : : : i: : : : : : `ト\
          ||.    /:./ /: : : : : :./: : : : \/ .i i: : : :ハ.|\/: : : :i.  )
          ||    {.:/ ,': : : : / ./ ;ィ: :. :ハ l.\!ハ: : | リ/`ヽ: : : :}
          ||   {'  {: : : ::;'  .{: :i.|l: : i x=テ芹 \i 斧テ=x! : : ノ
          ||       ';: : : :i.   `ヾリ\i 乂り    乂:ソ.厶イ
          ||i;,,      \: :i       从     '     i/ |
          ||::し/,      `ヾ、    //. 丶   (⌒)    ノ i:.|
          || イ,;/,;          {:i     > .__,,  イ  i.:i
  ゙ii;ヾ;;,,,.vV;:|  i/;// ,//;..,     リ, --‐i   `i__,ィ´\//_
\゙ミi;,,;' ヾ  ! /;:;''/ ,,/.  .-‐‐  ´   ! ハ   .ト、,ハ  ,i/  `ヽ
  \V  \    イ イ ∠.._         |   `ー=ニテXく ̄   ヽ  \
ヾ   \           彡| /\      i     //i.|. } }    | 〉 \___
≧;;,,_           ,/し/ ,___ \   /  _,,_,, . 斗‐_つ     V    \ `ヽ
<            :.≦=--    ̄ ̄ `''"´  -‐ -‐'ァ⊃    }!       }
-==>          ≦=---.     _,, 、_     ‐- - チ_)     八       /\
=≦_          <.       ≦    .i  ̄` ー - ‐'′      /.  \_ -<.    \

 青紫陽花色の長い真っ直ぐな髪をした眼鏡で巨乳の少女だ。

      /                  \
                       \

    /   /                \  ヘ
    ,'   ./     /´゙`\         ',
            /     \           }
    ,  ,'    , '           \          i
         ,             ' 、     }
   ! ,'  /`` ー‐丶    -- '"  ∨    !  |
   ! {  ,' __  __      _,,,   __V       |
   , ,」z=f"徒笈㍉、      ,。s===、ニミ、  ,'
   ,〈::{/卞 { .::ij:: } ヾxzzzイ/ { .::ij::. リ }:::} 7

   ', V', ,乂ッ,ノ  ノノー‐、ヘ 弋ュ,少 /::/     i|
   ハ ヾミュ___  彡"    ` ミx,__ _彡",' 7  ,'  i
       ',  ̄      ’     ̄    ハ7  ,'
     V .ハ                 从  .7!  ',
     V. 入   r ~ ~ ーvォ  //   仆、  V
     __,V   >  `  --  ' イ } /   7   >s。、
   ∨   V    Y´ >ォ __, イ   ハ           \
   , '    }   i!   {         / ',   {       i!  ヘ
  .〈     }   i}    ヽ     ノ  ヘ   i       ノ
  i}    ノ   7    /⌒ヽ_ イ \  ヘ  !    |      ヘ
  /_,,,/     ,'   /ミュ、   } 彡、 ヽ {    i/

 その見覚えのある気がする二人の顔に、注文した品を待つ間に記憶を探る。

 そうしていると、今は機嫌が悪そうな方と目が合った。見計らったかのような瞬間に相手が誰なのかを俺は思い出した。


「愛宕洋榎」「あんたァ……須賀京太郎」


 思わずこぼした俺と、そんな俺を忌々し気に見て舌打ちをした愛宕さん。

 そんな少女と俺を困惑してちらちらと見ているのは妹の愛宕絹恵さんだろう。


 串カツを受け取り金を払い、俺はどうしてものかと思案する。

 別にお互いを認識したからと言って何かアクションを起こす必要はない……はずだ。

 しかも愛宕姉のほうはかなりの不機嫌。触らぬ神に祟りなしともいうのだ、このまま見なかったことにするのがベストだと思う。

 しかし、妹さんの居た堪れない様子がどうにも気にかかる。

 愛宕絹恵さんはスタイルも良く美人、ここで恩を売って格好をつけておくのもいいかもしれない。

 そんな下心もあり、それだけでもなく、これからも麻雀に関わるのなら一応は先輩とも言える人なのだから

 挨拶をしておいたほうが礼儀的にもいいだろうと自分に言い訳をしながら近寄ることにした。


「えっと、はじめまして。須賀京太郎です。愛宕洋榎さんと愛宕絹恵さんですよね?」

「……フンッ。そや。うちが元天王寺の綺羅星こと愛宕洋榎や」

「お姉ちゃんがすみません。私が絹恵です。よろしゅうな。

 お姉ちゃんは私が不甲斐ないばっかりにちょっと機嫌が悪うて……勘忍な」

「絹は悪うない。麻雀なんやから勝敗は秋の運や。

 うちがエースやっちゅうのにセーラに稼ぎ負けとる時点で言い訳も何もできん」


 挨拶した俺に不機嫌さを隠さずぶっきらぼうに応じた愛宕さん。

 そしてそれを取り成す妹さん。妹さんのフォローによって愛宕さんの不機嫌の理由もおおよそ分かった。

 確か妹さんは真屋由暉子に釣瓶打ちにされて大失点し、有珠山に逆転されてしまったのだったか。

 その結果、同様に撃ち落とされていた越谷女子が大将で飛ばされてしまった。

 大将の末原恭子さんも必死に巻き返しを図り、実際に飛び終了の前局までに二連続和了で1万点差にまで迫っていた。

 つまり大将戦までにあと2万点ほど稼げていれば状況が変わっていた可能性が高い。

 そして愛宕さんは4万点強を稼いだが、同卓した江口セーラ選手は6万点を稼いでいる。

 やってやれないことではなかった、と目の前で証明されてしまった形なのだ。

 それ故に、気持ちの整理が付けられないのかもしれない。


 実際、俺が同じ立場だったら悔しくて1週間はのたうち回っていると思う。

 失点したチームメイトを詰るのは簡単だ。そうすればその瞬間だけは悔しさも紛れるかもしれない。

 だがそれは結局、自己嫌悪となって帰ってくる。安易な逃げ道。

 愛宕さんはそんな低きに流れるのを良しとしない、強い精神力を持っているということに他ならない。


「須賀は新道寺と白糸台を相手にして5万8千稼いどる。男子やからって舐めとった自分が情けなあて……」


 実力を見抜けなかった、それだけ自身の勘が鈍り、腑抜けていたと思っているようだ。

 実際勝ち残っている俺には何を言っても嫌味になりそうな話題だ。

 ……ならばいっそ、悪役になりきってみるのもアリだろうか?


「なんだ、姫松のエースも案外たいしたことないんですね」

「あ?」ギロッ

「でも安心です。これなら個人戦でもだいぶ楽になりそうで。ライバルの脱落は歓迎ですから」


 あからさまな挑発だ。愛宕さんはその挑発に――乗った。

 いや、鋭く睨んでから一度歯を食いしばり瞬きをした。

 その一瞬で冷静さを取り戻して俺の見え見えの意図を見抜いたのだろう。

 しかしそれでもあえて受けた。おそらく、奮い立つために。


「よう、言うた。――須賀ァ、必ず吠え面かかせたるからな!」ダッ

「え、お姉ちゃん!? あ、須賀君ありがとうな。縁があったらまた会おなー!」タッタッタッ


 愛宕さんは捨て台詞を残して駆けだし、それを見た妹さんは慌てて追おうとするも俺を見て礼を述べてから走り出した。

 余計なお世話だったかもしれないが、自己満足に浸るくらいは許されるだろう――



愛宕洋榎の好感度がぐぐーんと上がった
愛宕絹恵の好感度がぐーんと上がった


評価

愛宕洋榎:生意気な一年や、勝ったるわ!

愛宕絹恵:お姉ちゃんを励ましてくれてありがとう、須賀君


 小腹を満たした俺は再び当てもなく街を彷徨い歩いていた。

 大通りから離れるとがらりと雰囲気が変わるのは散歩していて実に楽しい。

 ふと時計を見ればそろそろ昼時、駅に戻ろうかと思い歩を進めていると――


「ね? あなた可愛いからいい宣伝になると思うんですよ。ぜひ協力してもらえない?」

「えっと、私みんなを探してて……」

「大丈夫大丈夫! すぐ、1時間もあれば済むから!」


 聞こえてきた問答が気になり路地を覗いてみると、そこにいたのは今朝ニュースで見たばかりの顔。

 インハイ二回戦での収支一位を記録したニュースター候補、真屋由暉子だ。

 どこかおどおどした様子で、そんな少女を数人の男女が囲むようにして迫っている。

 どういう状況か分からないが明らかに困っているのは見て取れる。

 ……愛宕さんに先ほど言った、ライバルが減るのは歓迎、というのは当然挑発するための方便だ。

 真屋さんは明日の準決勝の対戦校の選手。

 油断できる相手などではないが、それでも不本意な形で勝利したところで面白くない。

 なにより和に比肩するほどの爆乳だ。それだけでも俺が首を突っ込む理由として十分。


「おーい、ユキ! こんなとこに居たのかよ……探したぜ」

「え?」

「いいからさっさと来いって。明日の準備もあるってのに」


追加判定 1d100=64  普通


                      -‐ ━━ ‐-
                  /  /. . . .    . . \
                   . ./: : : : :/ : : : : : : : : : . .
                / . : /. :./ : ∠|: : : :./: : : : : : : :.
                  / : : / : /l: :/  |: : :./ |: : : : |: : : :
              / : : / : /抖午ミ八_/ 八:.: : :.| :l: : :

                / : : /.:.:.:l/{ Jh^`  午ミX : | :|: : :
.               / .:/ l´l:.:| 乂_,ソ     { Jh^Y: :|: : :|
.              ⌒7 : :人l:.:|  〃   '  乂ソ '从:|: : :|
              / : : .:.:.:l从      -、      /): 八:.:.|
                / : :.:/ .:/ / \   `¨     人 /:. :∨
            / : :.:/ .:/ / : :ノえト .__....-=≦:.:.:/:.:.|: :|
              / : :.:/__厶斗 ´|  `L∧:.:_|:.:.:|/:.:.: | : :
          / .:/  | l......... |  /:i:i:i:l\\j:.:.:.: : : : : :

            / .:/    | l......... |/,\:i:iノ\〉.. `┬ 、: : : :.
          / .:/  \ ,| |..Χ..........’ 「i:i:, |........... ', 丶 : : :.
.        /.:/ :/ /⌒ 人[.......\.......∨:i:i:i:i|..............', ∧:. : :
     / /': /        /⌒\........... ∨:i:i:i|..............// {:. : :|
..   / / /: 〈  ___  /'    \.........∨:i:i|.........../ \ \:.|

 真屋さんは混乱している。それはそうだろう。

 見知らぬ男がやけに馴れ馴れしく話しかけてきて、さらには腕を掴んで強引に連れ去ろうとしているのだから。


「ちょっと、あなた何なの!? この子は私達とお話してるとこなんだけど!?」

「あ? オバサンは黙ってろよ。ツレをどうしようが俺の勝手だろォが!

 おら、行くぞユキ」

「ふぇっ? あ、……はい。行きましょうか京くん」


 追い縋ろうとする男女を威嚇した俺。そんな俺が助け出そうとしていることを察したのか、真屋さんも演技に乗ってきてくれた。

 ユキと呼ばれた瞬間呆けたような顔をしたがすぐに取り繕い、腕を掴むどころか絡めてきた。

 その様子にさすがの不審な男女達も諦めたのか角を曲がる頃には追いかけてきていなかった。




「えっと、ありがとうございました」

「いや、いいって。こっちこそ馴れ馴れしくして悪かった。ごめん」


 しばしそのまま歩いて人通りのある広場までやってきてから、俺達は演技を止めて謝罪し合った。

 腕を絡めている間はおっぱいが押し付けられて実に役得であったのだ、むしろ感謝したいくらい。



「それにしてもノッてくれて助かったよ真屋さん」

「……はい。須賀君は悪い人ではない、と神のお告げがあったので」


 俺が真屋さんと言った時、少し悲しそうな顔をしたのが印象に残る。

 しかし、神のお告げとは……。


「有珠山高校はミッション系ですので」


 怪訝な表情が出ていたのだろう、真屋さんがそう補足してくれた。

 なるほど、つまり電波なお方ではないと。しかしそうなると結局は勘なのではなかろうか。

 そう訊ねると真屋さんは目を逸らして神のお告げ、と繰り返した。

 ……まあ、真屋さんは9万点も稼いでのけたのだ。そんな人の勘と言われれば信じるのも悪くないだろう。

 そんな風に折り合いをつけると、何やら可笑しくなってきた。

 二人してくすりと笑みをこぼし合う。

 そんな柔らかな雰囲気に水を差すように、真屋さんから携帯のコール音。


「あ……。すみません、みんなからです」

「そういえば探してたんだっけ? いいよ、ここらでお開きだ。明日は俺達が勝つぜ?」

「……負けません」


 寂しそうな真屋さんの目。俺はそんな目を見なかったフリをしてその場を後にしたのだった。



真屋由暉子の好感度が上がった


評価

真屋由暉子:須賀君、ですか……


 真屋さんと別れた俺は、昼食をどうしようかと悩んでいた。

 するとちょうど近くにデパートがあることに気付いたのだ。

 デパ地下で見繕うか、上階のレストランスペースで探すか……。

 いずれにしろ悪くなさそうな閃きだ。少しワクワクしながら俺はデパートに入ったのだが――



「――須賀京太郎」

「え?」
                         イ/

                    > '"  /
                  /   ,, - ''"‐‐-  ,,_       ,
                 /!   = 、        ` ‐-- ''"/
                -(   ´   ヽ、 ̄` -      彡
             / ゝ-   ,,      ー--  ニ==彡

            イ  /  /   ヽ         -= ヽ、 __
           (〃 イ     イ   "'' - ,,       ヽ ヽ -=`
           イ   ,'   ,' l  丶    `"''<"''<  }      >
         / /    /! !  ,  !   ヽ ,,     ヽ  ) /"' -‐<
         ( /  // !  l    、  \~"''<  ヽ ./     ヽ、
          {  /〃  il  ̄  三 \ゝ - ,,斗= ミ ヽ} ヽ  }\ 、`
           ゝ { ヽ l}/弐芯示    ´ 以:゚:リ/ l }  l/ 丶) ヽ)
            j   、!  ゝ‐ '       `¨´  ' / 丶  ヽ
            / l   lヽ',       '     '''  ,' '   } ',   }
           / l     、           /   / / /〃
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               `  ̄  _..>     < j _ ´
                 , ': : ノ: :ハヾ≧≠彡...ハ: : :`: ヽ..._
                 γ´| : : : : / : :|.: : l: : :|: : :|..._i  ,.::/: : : : :.ヽ
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               |:::.′:.′: :./: : : /.: : : ′:::.}: : : l: : : : :ヽ : : : : :′
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 エレベーターではなくエスカレーターで上階に向かうことを選んだ俺は、

 ちょうどスポーツ用品の陳列されたフロアで唐突に声を掛けられた。

 声のした方向を見やると、女性用水着を扱う店のほど近くにあるベンチにダルそうにもたれている白髪の美女だ。

 櫛をあまり通していないのか少しぼさぼさとした艶のある白髪に整った容貌、そして服の上からでも分かる肉付きの程よさ。

 全身で発する気怠い雰囲気が妙な塩梅でなんとも目が惹かれる。



「えっと、確か宮守女子の……小瀬川さん、でいいですか?」

「そう。……京太郎はきょーだよね。私はlazy」


 まさかの身バレである。ネット麻雀でのハンドルネームをなぜ知っているのか。

 いや、lazyさんと言えば確か対局した経験があったはず。目の前の美女がそうなのか。


「どうして……」

「牌譜。……あと雰囲気。ダルくないから」


 要するにネトマで何度か対局した際の牌譜と俺の普段の牌譜を照らし合わせて特定した、のだろうか。

 さらに雰囲気、小瀬川さん曰くダルくない雰囲気が決め手だった、と。


「なるほど。なんか凄いっすね」

「うん」


 それきり会話自体は途切れてしまったが、無視されているわけではなさそうだ。

 共通の話題……麻雀のことでも話そうかと思ったが、昨日敗退したばかりの小瀬川さんに振って良い話題か躊躇する。

 どうしたものかと思っていると、小瀬川さんがこちらをじっと見つめていることに気が付いた。


「あー、何か飲みます? 俺買ってきますよ」

「自分で選ぶ。……連れて行って」


 たぶん喉でも乾いたのだろうと思ってそう問いかけたのだが、当たりだったようだ。

 しかし小瀬川さんは立ち上がるわけでもなく、俺に向けて両腕を伸ばした姿勢。

 ダルいとかダルくないとか言っていたし、これはつまり俺に背負っていけということなのだろう。

 そうなれば当然その胸が俺の背中で押しつぶされるわけで、感触も楽しめる。

 魅力的なおねだりに拒絶する気も起きず、俺は促されるままに小瀬川さんを背負った。



「ん。やっぱりダルくない」


 エレベーターホールにあった自販機で適当にジュースを買い、元居たベンチに戻ってくると

 そんなことを小瀬川さんが耳元で囁いた。

 それからやけに甘えてくるような空気を感じるのだが、どうにも距離感が掴みづらい人だ。

 美人でスタイルも良いのだから男としての本能が刺激されて困ってしまう。


  宮守一行判定 4d100=91・49・12・74
  エイスリン:大成功  胡桃:普通  塞:失敗  豊音:大成功 
  白望追加判定 1d100=66  特殊イベント



 しかしそんな俺を救うかのように、

 試着室のカーテンがドアが開かれて中から赤毛のお団子頭な腰のくびれが見事な女性が顔をのぞかせた。


「シロー? ちょっと見てほしいんだけ、ど……!?」

                         __
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        ヒ⌒レ'i/(     / _,厂 ム/⌒ー'了
      / てォ ( ヽ   // j   /      | i  '´i`ヽ、
     /    ヾュ   Y) レイ  rく⌒      iヘ!   /   `ヽ、
     !      ^! ノ Y _,f‐'"           l |  /      \
     ',      `ーァ八          ヽ^ト、/         \
      ',    _,.ィ''"´  `ヽ、、      ,、_∠イj!
      ヽ /          `丶、 _ -'"´  /
       `!                   /


 確か臼澤塞さん、だったか? C卓では収支5位にランクインした実力者。

 そんな彼女が、無防備にかなり際どいラインの水着を見せつけるようにして立っていた。

 そこはかとないエロスを感じさせるその艶姿に思わず目が釘付けになってしまう。

 そうして見ていると、小瀬川さんが俺の腕に身体を押し付けてきたことでようやく意識が戻る。


「あー、大胆ですけどスタイルが良いですからとてもお似合いですよ」

「~~っ!?」バタン


 とりあえず褒めてみたのだが、臼澤さんは顔を真っ赤にして ――顔だけでなく胸元もだったが――試着室に慌てて戻ってしまった。


「シロ?」「シロー、ちゃんと待ってるよね?」「どうかな、似合ってる?」


 にやりと笑っている小瀬川さん。

 どうしたものかとため息を漏らしたところで三人の女性が臼澤さんとは違いポーズを取っていないが試着室から現れた。

 白い肌に金の髪をしたスレンダーな少女がエイスリン・ウィッシュアートさんだろう。

 フリルのついた可愛らしいピンクの水着がいいコントラストになっていて本人の容姿を引き立てている。

                       入、.:.:.:.:.:.:ヽ.:.入 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:入 、  ’,.:.:.:.:.::
        .            /   >ミ.:.: /    ≧ ー≠= <\ \\  \.:.:.:.:
                   /   |.  |.:. Yl | ll \   |l\  | ハ l|  )    ー=
        .           ′  |   !.: ∧ .| 斗- |\ リ _)ノイ  リ'
                    | | {   Ⅵ |l { 从 八 }/ /心∨ ∧
                    | |〃    八 \x云ミ)'   V)リ'∨ ∧
                   |  | |l l \ \l\/ん 刈    `~.::.‘, \
                  l  | |l | | \ \{{乂),ツ     `    }\  \
                  l  | |l | |_//\  \\.:::::.   ┐ /  \  \
                 ,′ | リ | /::){/ ̄\  \\  ` =' ∧\  \  }
                    ′ l/  |‘イ个ー=ニ=┬  \\____∧ ‘,\  )ノ
                  / /  {   l| | l|  | l lト  _} }/( l| l ll l |l/
                { {  |   l| | l|  | | l|    |厂 ヽ)ハ八リリ ノ'
                 八八  l  从 l|八  乂乂ー=ミ 丶、
                   )八 ( ./∨  \廴_彡'    ヽ.::{
                     )V                Y ヽ. /yヽ
                        l             人 Y ニニ
                       |   }   l        ′ 丶r ミ {
                       |  ',.  |       ./    ヽ ノ
                       |   八  ′     /      ',
         __            l|   V       /          :.
      ,. : : ´_ : : : :≧=ュ __ イ j    V      /      _ 从
.     /γ´     ミ: :.> ゚///// 入 __ V    ∧     /////
    /: :′        V.//////ノ ///////    ∧入= 彡////ノ


 なぜかスケッチブックを持っているが……。

 そしてウィッシュアートさんよりも更に幼い、黒髪のおかっぱ少女。鹿倉胡桃さんだろうか。

 その体躯に見合ったワンピースタイプの水着……ではなくなんとビキニだ。

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   V::::::ハ ≧三ミゝ ノノ  "´ん//ハ` i::::::!::::::::::::j

    i:::i::::ヘ〃ト//心        弋 ‐フ  |:::::!:::::::::ハ}
    ハ::V:::ヘ \ヒフ         ̄   }::::j:::::::://
    i V::::::::ハ      '     ""   ィ:::/:::/
     i V::::::::ハ  U       ,    /:!://
       Vト>>     `     イ ̄ レ
        V     >┬‐ ´    i
        ,ィ‐|ー-ァ7''´ }       \
  .    /    //ー-、       //` ー- 、

      i    //    ´ ̄ ̄ ̄/:/      ',
  .    i   j ノ::{         //       i
  .   i  //::::\ィ、, -、   ,ノ:::{  y     l

     i ./: : : : :,ィ'/ ィゝj、-‐´: : ::l   l     l
     i  i : : : :/     --}: : : : : : :i.  l      l
    i  {: : / ー´、 `ヽ.フ : : : : : : ヽ./.l     l


 布面積はそこまで少ないわけでもないために犯罪チックではない。

 最後は俺よりも高いだろう背をした、姉帯豊音さんだ。

 小瀬川さんほどではないがメリハリのあるスタイル。その長い髪と同じ黒いパレオビキニ。

 大人っぽいはずなのに雰囲気はやけに幼い気がする。



「……ダレ?」「確か須賀、じゃなかった?」「熊倉先生に見せられたビデオに出てたよー! そだ、サインください!」


 水着のはずなのにどこからともなく色紙とペンを取り出した姉帯さん。

                       ____

                      ´       `
                    /            \
                 /-―=ニ二二ニ=―-   ┌∧
                 /-‐======‐-...    { ∧__
                //:::l::::::|::::::::::::|::::|:::l::::::::::`ト└ヘ_r、_}
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.         〈_i_ノ}_ノニフ´) |八:从、Vリ  \{ Vリノ::::/:::l:::|:::::|\\_と_/´ヽ_
        {      _/    }:::| ,,, ′   \ ,,,|:::/::::::l:::|:::::||  ̄l |_/_/_/_ }
.         }   /´      /::人         ) l/|::::::::l:::|:::::|:.   〈 `>'´   /
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 俺はどこか遠い目をしながらサインをした、と思う。


「それにしても皆さんお似合いですね。

 ウィッシュアートさんは水着と肌の色がマッチしていて可愛らしさが引き立てられて天使みたいですし、

 鹿倉さんは大胆ですけどそれがセクシーで大人っぽいです。

 姉帯さんはスタイルが強調されていてとっても魅力的だと思いますよ」


 と、とりあえず褒めてみた。桃子達からも褒められて嫌な女はいない、と常々言われている。

 そうすると、三人ともに満更でもなかったのか少し頬を染めてから試着室に引っ込んでしまった。

 ミスったか?

 それにしても眼福、だろう。そういえば小瀬川さんはどんな水着を買うのだろうか。



「小瀬川さんは――」

「名前で呼んで」

「え、あっはい。……白望さんはどんな水着を買われるんです?」

「普通の……ちょいタンマ。

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7~ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j

             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_

            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /

                                 ――――これにする」

「あんた何言ってんの!? こ、こんな紐みたいなの絶対ダメだから!」


 なぜか名前呼びをねだられたので従ったのだが、それで正解だったらしい。

 初対面の男に無防備過ぎではないだろうか。非常に理性を削られる。

 そして興味本位で購入する水着を聞いたのだが、タンマと言ってから数分の間長考して手に取ったのは……スリングショット。

 乳首と股間を隠すだけの紐水着。重ねて理性ががりがりと削れていく。

 しかしそんな白望さんを叱りつけるように、一度は試着室に籠った臼澤さんが私服に着替えて飛び出してきた。

 これにはグッジョブと言うしかないだろう。

 スリングショットを身に着けた白望さんを見たい気持ちはあるが、

 海水浴かプールに行くかは知らないがどちらにしろその場に俺はいないのだ。

 俺は見れず、その場にいる男たちが得をするだけであるのだからここは俺も止めた方が良かったかもしれない。

 そんな醜い独占欲を俺が抱いた瞬間、白望さんが艶めかしい呻き声を漏らして体を捩った。

 人の目が無ければどうなっていたことか……。


 そんな俺をジト目で一瞥した臼澤さんだが、ふいっと視線を逸らして白望さんに説教を始める。

 そろそろ昼食にしたい時間でもあるし、こちらに火の粉がかかるのも勘弁願いたい。

 なのでお暇することにした。


「あー、それじゃ、俺はこの辺で失礼しますね。個人戦でまた」

「……京太郎、また」ギュッ


 最後に俺の掌を包むように掴んだ白望さん。柔らかな手の感触以外にもがさがさとした、紙の感触。

 その場を離れて確認すればどうやら白望さんの連絡先が書かれたメモ、だと思われる。



 ――後日俺の携帯の画像フォルダにどんな写真が増えたのかは言うまでもないだろう。


                \ー―――‐`         }
                  \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
                 /⌒    /     /    Y^ ,
               ー=≠       /           |   ',
              ./     /      / /         \_
              /     /     / / /        /      Y´
          /  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
             | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
            八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
              / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
             {  | \、_jノ  , ,     、 ,, ,   ∨
                \八    〕ト     ._   .人  i|\).\
                    ,. -)/.\从..> .´_  _)..イ.::::::..)ノ:: / .::::\
                 /        ハ     ├… ⌒\:::::::::::ー=ミ、
                  .′     \   }            ':::::\:::::::::::>ー-、
              i          \     /          ':::::::::ヽ::::f=ー-  :.
                 ,|   ノ        /         .:  ':::::::::|::::{=ー- 、 }
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   .\  / イ\::::::::`::ー≧=-‐ ´     ` ー----=彡::::::/:::::::::\ /::}::|
     \  ノー‐\::::::::::::::{              /:::::/|:::::::::::::ー=彡':::|
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小瀬川白望の好感度がぐぐぐーんと上がった
エイスリン・ウィッシュアートの好感度が大きく上がった
鹿倉胡桃の好感度が少し上がった
臼澤塞の好感度がわずかに上がった
姉帯豊音の好感度が大きく上がった


評価

小瀬川白望:落ち着く……ダルくない

エイスリン:ソーグッド!

鹿倉胡桃:破廉恥!

臼澤塞:見られた……最悪!

姉帯豊音:良い人だよ


 昼食を堪能し、気分転換もしっかりできた。

 気付けばそろそろ16時、ホテルに戻るのにもちょうどいいくらいの時間になっていた。

 しかし、俺は何か惹かれるものがあり近くの公園に足を向けていた。

 自分でも何故かは分からないが、そうしたほうが良い予感がしたからだ。

 そうして向かった公園は、日本庭園やイングリッシュガーデンなどが整備された閑静な場所。

 東京は、イメージされる光景とは違い存外緑が多い。

 代々木公園や明治神宮ほどではないが、この公園もそんな東京を形作る一角だ。

 途中で買ったお茶を片手に英国式庭園区画をぶらついていると、ふらついている少女を見つけた。

 酒に酔っているような千鳥足ではなく、貧血などで意識が朦朧としているようなふらつき方だ。

 俺は直感に従ってその少女の方へ近づく。そしてその直感は正しかった。

 いよいよぐらりと崩れるように倒れそうになった少女に大急ぎで駆け寄り、どうにか受け止めることに成功したからだ。


「大丈夫ですか、もしもし、大丈夫ですか」

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..  /----=ニ二.:: : : : : : : : : : :\从::::::::l≧=--------‐┬=≦>-/::::::: l::::::::: l:::::::::l::::|: : ニ=-

  二/ /二二二二二ニ===ニ二ニ==\/           /::::::::::::::::/:::::: : :l::::::::: l:::::::::|)ノ: : : : : : :\
/ニ/ /二二二二二二二ニ二二二二′           /:::::::::::::: /::::::::::::::l::::::::: l:::::::/: : : : : : :/ ̄|
 lニ/ /二二二二二二ニニニ二/    /            /:::::::::::::: /::::::::::::::: l::::::::: l::::/: : : : : :/: : : :.:|

 とりあえず支えながら声掛けをしてみるが、呻き声が返ってくるだけで明瞭な返事はない。

 英国庭園区画は高い生け垣によって迷路のようになっている区画だが、ここに来るまでに何度か飛び跳ねて道を確認していたのだ。

 ちょうどこの近くに屋根付きの東屋があったのを見ていた。

 もっとも、背の低い子供でもなければ屋根のおかげで別に飛び跳ねずとも見つけられるのだが。

 なのでひとまずそこへ運ぶことにする。支えた体勢から背負いなおすのは揺れが大きい。

 そのため、俺はお姫様抱っこのようにして運ぶことにした。



 そうして東屋に辿りついた俺は少女をベンチに寝かせた。

 生憎ハンカチくらいしかもっていないので枕になるようなものはなく、首が少し辛そうだ。

 ……無いよりはマシだろう、そう思って俺は膝枕をすることにした。

 そうすることでようやく、少し表情が和らいだように見える。もしかしたら自己満足の勘違いかもしれないが。

 そんな風に観察してようやく気付いたことがある。この少女の名前だ。

 おそらく、千里山女子の先鋒、園城寺怜さんではないだろうか。

 儚げな烏の濡羽色のショートボブ。体つきは、抱きかかえた感触からすると案外肉付きが良い。

 そして病弱だという噂。特徴は見事に合致しているし、携帯で調べてみればすぐに分かるだろう。

 そうして考えながらつい膝に乗せた頭を撫でていると、どうも園城寺さんが目を覚ましたようだ。


「――んっ……? あー、……誰やったっけ」


  追加判定  1d100=76
   怜  成功


「はじめまして、須賀京太郎です。とりあえずお茶でもどうぞ、飲みかけで申し訳ないですが」

「おー? ありがとうな。んっ」


 目を覚ましたとはいえまだあまり意識が明瞭でないのか、無防備だ。

 ひとまず水分を補給させてみようと提案し了承を得たので、少し頭を傾けてペットボトルを口に寄せてやる。

 するとこくりこくりと小さく喉を動かして飲み下していった。その様は実に艶めかしい。

 先程の白望さんの体の感触を思い出してしまう。

 飲み終えた園城寺さんは、頭の座りが悪いのか位置を整えようと俺の内股をまさぐる。

 その行為でついに俺は限界を迎えた。思えばインハイが始まってからはタイミングが無く、

 桃子達にお願いすることはおろか自分で処理することもできていなかったのだ。

 そんな状態で色々なアピールを受け、刺激を受け……。卓上遊戯とはいえ戦いの渦中。

 高校生という盛んな時期であることも重なりこれまでよく保ったほうだ。そう自分に言い訳する他ない。


「ん? これは……溜まっとる、いうやつやな。しゃーないなー。

                   _人_/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                 Y/ :::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::\:::::::::::::::::::::.   
                 /:::/::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ:::\ :::|:::::::::::::::::::::.

                 :::/::::::| ::::| :|::::::::::/|   \__ヽ|::::::::::::::::::::::
                 |::i| ::|:::|`ト|/| ::::/|斗テ气宀〉>|::::::::::::::::::::::|
                 |::i| ::|斗テ气{/   辷_ソ / |::::::::::::::::::::::|
                 |:: V从 辷ソ          |::::::::::::::::::::::|
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                 |:::::i从     \/        .ィ|::::ii::::::::::::::::|
                 |:::::ii::个           ,イ<:|::::ii :::::::::i:::,゙
                 ∨八 |\:::\>‐r‐ ´ /   |/入::::::/|/
                    \ :::\ >'´   |¨¨¨7      |/\

 私がそんなんさせてもうたんやし……、介抱してくれた礼っちゅうことでちょちょいと抜いてあげよか?

 なんやろ、おっぱいでも見せればええ?」ニヤリ


 それまでの茫洋とした表情が一変、挑発的な笑みを口元に浮かべてそんなことを言ってくる。

 冗談、からかいだと分かってはいても思わず生唾を飲みこんでしまった。

 しょうがないのだ、実際溜まってしまっていて、美少女が性感帯を刺激しながらである。

 実際園城寺さんは既に襟を締めるボタンをゆっくりと外して見せていた。

 首元の肌など夏場であればありふれている。そのはずなのに目が離せない色香があった。

 園城寺さんの目を真っ直ぐ見つめ、俺はその首元に手を滑らした。

 そうして右手で頬を撫で、親指で唇をなぞる。軽く目を瞠り硬直する少女。

 その隙に腕を滑らせ、さっとブラウスの第二、第三ボタンを外した。

 そうしてからゆっくりと今度は意識せざるを得ないように、肌を愛撫しながら右手を首元に戻した。

 さすがにそろそろ我慢するのも辛い。俺からの反撃はここまでにしないと

 男子高校生をからかったことを後悔するだけでは済まないようなところまで行ってしまう可能性すらある。

 園城寺さんのためにも、ここで引いてくれれば良いのだが。


「あっ……ぅ……お、女は度胸やって……!」プチッ


 俺の願いもむなしく、顔を赤くしながらも園城寺さんは小さく呟いてぎゅっと目を瞑ると一気にブラウスのボタンを全て外してしまった。

 露わになったレース仕立てのパステルブルーなブラジャー。

 産毛一つない輝く腹と引き締まったくびれのある腰、女を感じさせる鎖骨。

 気付いた時には、俺はその肌を確認するかのようにしっかりと手を這わせていた。


「んっ、ふふっ、こしょばいわ」


 その言葉で俺はようやくわずかばかりの理性を取り戻した。


「はっ、すみません」

「あん、やめてまうん? 小さい頃から病弱やったから、少し仲良うなった子はみんな私を女として見てくれへんねん。

 やから君が、須賀君が私で興奮してくれてちょっと嬉しかったんやで?

 麻雀に青春掛けたんは後悔しとらんけど、それでもこういうことに興味ないわけやあらへんから……」キュィン

                     __
                  '"      `  、

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      ./- "´..:::::::::::::::::::::::::::::::::/\::::::::::\ ヽ::::::::::: ヽ    ~  、
     ./´" /::::::::::::::::::::::::::::::::::/   \::` :::::ヽ :::::::::::::::::::、   ヽ ヽ
     "   l:::::/{::::::::::::::://       \ .l`、i:::::::::::::::::::: :ヽ、 、  ヽ
        {::/ ./:::::::.メ、∠、    _ -‐  ̄ l::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ`ヽ .、
        l' / ::::::ヽ,、一、     ─‐‐ヽ、 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::: } ヽ }
         / ./:::::::i ( {:。:.     i::。::ヽ/ `l 、ヽ::::::::::::::::::::::::::::: }
        ./ /:::::::::::::l ゝ-'     ゝ ''    ′ .ヽ:::::::::::::}ヽ、 1 }
        {./ :::::::::::::.l              ′  /:::::::::::::::: i } }/
        l{.{:::::、::::i{:::::l   `         、_/:::::::::λ }
          〈::l{ .{ lλ:ヽ    t ュ     /lλi '"}/ .}/
          V N 〈{.\.:::ゝ _  _  <  {"`'  "
            ヽ `  `' ` ` "_.}     ゝ‐"ヽ、__ -' ' " ` ヽ、
               -‐ _ - '"./      〉      〃/ー _  \
              { {{    ../    ./     /' /        ヽ
              .{ .{{    ./-ー '"/     /' /'~ 'ヽ
               l {{   / ''" /     /' / /   ヽ
               l.{{   /   /     /-'"{  /     \


 訥々とこぼされた言葉には、からかいの欠片など一つも感じられなかった。

 ただただ、園城寺さんが今思っていることをそのまま言葉にしている。そう直感した。

 つまり、据え膳だ。鴨が葱を背負って目の前で鍋の用意を整えているような状態だ。


「な? 自分で言うのもなんやけど、私は見た目もそこそこやで?

 手ェ出したからって束縛する気もあらへん。犬に噛まれた思て」


 真剣な表情の園城寺さんが、俺の膝に跨りスカートをたくし上げる。

 肌蹴たブラウスから覗くブラジャーと、同じ色合い拵えの薄水色のショーツ。

 ここまでされて何もしないのは男が廃る、とはいえ場所が問題だ。


「園城寺さんの気持ちはありがたいですし、大変魅力的なんですけど……場所がですね」

「場所……? あー、確かにここやと丸見えやな」

「生け垣と透き通しで遠くからじゃ見えませんけどね。

 だから、団体戦が終わったら改めて、というのはダメですか?」


 ホテルのベッドの上だったらとっくに襲っているだろう確信はある。

 しかし園城寺さんは初めてのようなのだ、ロマンチックにとは言わないがアブノーマルなのは気が引けてしまう。

 そんな風に俺がヘタレてまごついていると、園城寺さんは何を誤解したのか悲しげに問う。


 ア  ヽ    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\/ ̄ \
 カ  |  / .:.:/:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:ヽ:.:.:.:/  :

 ン   |  .:.:.:.′:.:.′.:.:.:.:.:.:.| ヽ: |:.:.:.:|   :  |
 か   | |:.:.:.:.:.:/:.:.;.:.:.:.:.ー┼─:.:|:.:.:.:|   :
 な   | |:.::|:.斗イ:/:.:.:/:. /  Ⅳ:.: 八 _  ノ
 ?   | |:.:.|:.:.:|:.:/}:.::/7/ィ云斥、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

    く |:.:.|:テ云芹    廴 ソ 》:.:.:.\:.:.:.:.:.

ー─イ ̄  :.:.::.:.《 廴ソ     =¨´|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.{\
       ,:.:.:.::.:.  =  ′     j:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
       ィ:.|:.:圦     _ _   /}/:.:.:.:ノ:.:.:.:.:.
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      八:|:.{{\:.\:.:>-イ .// ̄)/⌒ll

           \/  |i /     __|
            /   /    /   \

「私そんなに魅力ないん?」


 俺はそれを否定する言葉を紡ごうとしたが、それではダメだ。

 そう、園城寺さんはこれまで随分と過保護にされてきたらしいではないか。

 つまりここで彼女を思いやった行動をしてもそれは響かない、届かない。

 壊れ物を扱うようにではなく、むしろ壊れるくらいに強引にしてほしいのだ。

 だからたとえアブノーマルな野外での行為であっても、むしろ望むところなのかもしれない。

 それすらも俺の独りよがりかもしれないが、いい。俺はそうなのだと思い切ることにした。

 だからといって初めての女性と野外で、というのは俺自身があまり気乗りしない。

 どうせなら抱いた女には俺との情事は良い想い出であってほしいという我儘な感情があるからだ。

 だから、ひとまずお茶を濁すことにしよう。


「んむっ!? んあっ  んぅっ   ぷはっ ぁぅ」


 膝上に跨る園城寺さんの腰を引き寄せ、強引に上を向かせてから貪るように口付けた。

 最初の内はわざと息継ぎをさせづらいように唇だけでなく口内を蹂躙するように深く。

 酸素を奪って何も考えられないように。

 驚き、しかしその中にどこか歓喜を湛えたような見開かれた瞳。

 自らが貪られていることに気付きながら進んで差し出すように、抑えた腰は勃起した逸物に擦りつけるように動かされている。

 それを確認した俺は腰から手を離して少女の輪郭を確認するように頬まで滑り上げ一度キスを止める。


「園城寺さん」

「怜」

「え?」

「こないな時くらい、名前で呼びや」

「――怜」

「なんや、京♪」

「今日は最後までしないから」


 体を重ねている相手。確かに苗字で呼ぶのは距離が感じられてしまう。

 だからリクエスト通りに怜と呼び捨てる。その上で俺は言い切った、今日は最後までしない、と。

 先程よりは軽いが、やはり不満そうな顔をする。とはいえ不満だけではない、ほっとするような色も見えた。

 俺が理性を感じさせないような激しいキスをしたことで、自分に魅力が無いわけではないと思ったのかもしれない。

 だが俺の言葉はまだ終わりじゃない。


「俺は個人戦が終わってもしばらく東京に残る。だからその時に怜が倒れるまで、いや倒れても犯す。

 こんな場所じゃ俺が満足できそうにないんだ。だから場所を改めてしっかり味わわせてくれないか」

「むぅ。……まあ、ええよ。高校最後の夏やし、麻雀もちゃんとやりたいとは思ててん。

 京がうちのファーストキスを強引に奪ったのも怜ちゃんの魅力故だと思えば我慢できひんこともないしな。

 ……でも京のここは苦しそうやから、私が楽にしたげよか♪」


 ひとまず納得してくれた――と思ったのだが。怜は互いの股間を刺激していると分かりやすいように大きく腰を動かす。

 そうしてから俺の肩を掴むようにしていた腕をおもむろに下ろし、ズボンのベルトを外しにかかった。

 俺は止めようと思えば止められたのだが、実際問題理性の限界だった。

 白魚のような手が下着を下ろして逸物を掴むがされるがまま、むしろ怜のブラジャーを外してその乳頭に吸い付いた。

 最後まで、最後までしなければセーフ! 俺の理性はそんな言葉を残してフェードアウトしたのだった。


~一時間後~

「やっぱり美味しいもんと違うなぁ」ゴックン

「そりゃまあ、食べ物でも飲み物でもないですからね」

「ソーセージに例えられたりするやん。うちの喉は京のボロニアソーセージにぐっちょんぐっちょんに犯されてもーた……」ヨヨヨ


 怜がそんな風に泣き真似をしながらもてきぱきとお互いの唾液やら体液やらを拭き取っていく。

 最初の内は俺が怜を圧倒してイラマチオしたりクリトリスを責め抜いて絶頂させたりとやりたい放題だったのだが、

 途中から慣れたのか、怜も攻勢に回ってきていたのだ。

 適切に締め付けたりバキュームしたりと、とても初めてとは思えない技巧を披露してくれた。

 おかげで俺もこの1時間で3,4回達していた。……怜は数えていないが倍はいっているはず。


「んー? なんや初めてとは思えんみたいな顔しとんなぁ。正真正銘、私の初めては全部京やで?

 それにしてはテクが凄かった思とるんやろけど……そこは企業秘密や♪

 まあ、京がアナログの時を持っとったし……血だって心臓から心臓までちゃあんと一巡するしな」

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      |'  |:,r=、:、:'/::::_:ノ >、 r<´   7イ:::/;'  /-  、 i!
          /   ` `ヽ.、 ノ、 `ヾ >、  //:':::;'  ハヽ   li!
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      /二ニゝ       //「|:トヽ、7/:::::::::::| .,'l     |
    r'´-‐ 、\       ,.チ/|| |:| \'./|::::::::::::|.,' |      |

 悪戯っぽく笑う怜。情を通じ合ったからなのかもしれないが、雑誌やネットの画像で見るのとは比較にならないほど魅力的だ。

 彼女の周りにいた男共が紳士だったことに俺は感謝すべきだろう。


「しかし京はおっぱい好きやなぁ。赤ちゃんでもあないちゅうちゅう吸わんのと違う?」

「乳首で軽くイってた怜に言われてもな……。まあそれだけ怜がエロくて可愛かったってことで勘弁してくれ」


 汚れを拭きおわり今度は服を整えている怜が改めて、という具合に俺のおっぱいへの執着をからかってきた。

 言われるまでもなく自覚していることではある。男だから当然だ、と開き直っているくらいだ。


「そ、そんなん言うなら私の喉で気持ちよさそうにしてた京も可愛かったで?

 しかしおっぱい大好きなら私より竜華のほうが好みかもしれへんな」

「竜華……大将の清水谷さんか」


 乳首で絶頂まで達するというのが普通ではない、ということは怜も知っているようで。

 それを誤魔化すように攻撃してきたが俺はあっさりと躱す。

 それにしてもなぜ今清水谷さんの話を始めたのだろう。確かに巨乳で肉付きも良さそうな健康的清楚美少女ではあるが。


「せやせや。監督に言われてた用事ももう終わっとるはずやし……

 京と会う前に待ち合わせ場所指定しといたからそろそろ来るはずなんやけど」


 怜がそう言ったのを見計らったかのようにコール音が鳴った。


「噂をすれば、やな。……おー、竜華ー? 今はえっと」チラッ

「公園のイギリス庭園区画です」

「ちゅーことらしいで。うん、分かった。ほな噴水のとこでな」


 つまりそろそろ清水谷さんと合流する時間だったから話に出した、ということだろうか。

 時間も17時を過ぎて日が傾きつつある頃合いだ。ホテルに戻らないと夕食を一人で食べるはめに陥りかねない。

 俺にとっても良い時間ということで、怜を送ることにしよう。

 そう思って俺は立ち上がり、手を差し出した。ちなみに俺の服もいつの間にか怜が綺麗に整えていた。


「噴水ってこの公園の入り口広場のところだよな? 送るよ怜」

「頼むわ京。ちゅーてもアレやで、呼び捨ては二人っきりのときだけにしてや」

「そうですね。変に勘繰られたら園城寺さんに迷惑がかかりそうですし」

「むぅ、まだええ。竜華見つけるまでは恋人気分でいさせてーな」


 そう言って拗ねながら俺の手を取った怜。拗ねる姿も可愛いが言わないでおこう。


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     __|二ニ=-‐¬i:.:::::::::::::::| \        /__〉   !.::::::i:::::|:::i|   ̄ミへ、
   ,,へ へ        |i:.:::::::::::::::|  \        '   |     !.::::::i:::::|:::i|    j j / \
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                        「怜ぃー!」タタタタッ







 合流場所についてみれば間を置かずにそう声を上げながら駆けよってくる人影。

 艶やかで長い黒髪を靡かせ胸を揺らしながら軽快に走る姿は溌剌としているが清楚さを損なわずどこか上品さすら漂わせている。

 確か春高出場選手人気投票(非公式)では5位以内に入っていた、とネットで見た気がする。

 その人気も頷ける。


「そない叫ばんでも……恥ずいわ」


 そう言いながらも声に合わせて軽く手を振っている園城寺さん。いい友達なのだろう。

 そしてその際に絡めるようにしていた手を離した。これから次に逢うまではライバル同士に戻ったということだ。


「散歩してくる言うて出ていってから連絡つかへんし……心配したんやで。

 ……ところでそちらの方は? ――須賀京太郎くんやったっけ」

「はい。須賀京太郎です。お初にお目にかかります」


  追加判定  1d100=99
   竜華  超成功


「私がちょーっとクラッときた時に助けてくれたんよ。恩人やで」

「そうなんか。うちの怜がご迷惑おかけしたようでえらい

「そういえばまだきちんとお礼しとらんかったわ。須賀君お礼受け取り」

すみませんでした――」バサァッ


 お礼はもう受け取ったとかいらないとかそんなことを言う暇すら無かった。

 園城寺さんはしっかりと目を伏せて頭を下げて礼を述べている清水谷さんの隣に音も無く近寄り、

 無造作に清水谷さんのスカートの裾を両手で引っ張り上げた。


    /..........::::::::::::/ |:::ハ::::::::::::::ハ:::::::::::::::::..ノヽ..∧

.   /....../...::::::::::/ :|::|  \:::::斗-、:::::::::::::::::::::::i:: ∧
    '....../..{:::::::::〃:{ 弋{  〃ヽ::::廴 \:::::::::::::::: |::::::∧
   i...../...::|::::::::ト-|:{  \  ぅ 斗=ミ、 i:::::::::::::::::|::::/::∧
   |... 7..::|::::::::| |:{_     ヽィ乏)::::ハ 入:::::::::::φ::::::/::∧
   |ハ:::::::::ヽr ::y 弌       弋辷ツ ′ 〉::::::::/::::::::i::/::∧
   |{ i::::::::::∧〃_)::ハ        `     _厶ィ:::ハ:::::::|::::/::∧
   |{弋:::::〈:::ハ ゞ -'' 、      :::::::::::    ´   }::::::|:::::::/::∧
   `  >へ::i :::::::::         u     /:::::::|:::::::::/::∧
         }.:.       -‐- 、        rー ':::::::::::|:::::::::: /::∧
         |.∧    V_ ノ     イ:::::|:::::::::::|::::::::::::::/::∧
         |...:::ゝ          /  |::::::|:::::::::::|::::::::::::::: /::∧
         |...::::::::>      <   八::: |:::::::::::|::::::::::::::::::::::::::\_
         |...:::::::::::::i::::::::::`¨ハ        〉:|:::::::::::|/ ̄ ̄ ̄〃 へ ^ヽ
         |...:::::::::::::|::::::::::::::::::〉      /::::|:::::::::::|     // ⌒ヽ.∧
         |...:::::::::::::|__//     _/{:::::|:::::::::::|   //     V∧
       r―|...:::::::::::/    ./---、 ' ./ {:::::|:::::::::::|_彡 '          V∧
.      ∧ { |...::::::::/     // ̄ ̄ 7  |:::::|:::::::::::|=-  /         V
.     / } ト|::::::::/     〃      /  |:::::|:::::::::::|  ./  /        V
「  」「  」

                    _,.. -- 、__, 、___
              ⌒> ´  ´  ヽ  `ヽ、
                _,.   ´  ,  , 、   | 、 、 ヽ
                ̄7  / / 从  、 |  |  |  :.
                 /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
                 ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ
                   、 └―┘ ィ/∨
                  「¨>-- rく「 ̄ }

             , ------ ∨_」   :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
               ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
                {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////

 絶句であった。怜だけがしたり顔でにやついている。

 時間が止まったように固まった俺と清水谷さんをしり目に、怜が俺に声をかけた。


「ほら須賀君、こういうときは褒めたらなあかんで? 褒められて嫌がる女はおらへんからなー」


 そんなわけがあるか! と怒鳴れたらどれだけ楽だったか……。

 俺の身長はそこそこ高い。そして地毛ではあるが金髪である。

 そんな奴が怒鳴ったらどう見え、どう思われるか。

 本人に怖がられるだけならまだいい。

 だがもし他に見ている人がいて、俺が恐喝でもしていると誤解されたらチームメイトに迷惑がかかってしまうではないか。

 そんな可能性に思い至ってしまえば怒鳴るなどの攻撃的行為に出られるわけがないのだ……。

 事ここに至っては開き直って園城寺さんの唆しに乗る方がまだマシではないか。

 奇妙に時間が引き伸ばされたような感覚で頭がおかしな回り方をした俺はそう結論づけてしまった。


「――そうですね。まず清水谷さんはとてもお綺麗です。

 長く真っ直ぐな黒髪は艶やかで思わず触れてみたくなる魅力がありますし、

 目元は温かそうな懐の深さを感じさせて男女問わず惹きつけるでしょう。

 鼻梁も通っていて口元も蕾があるかのような愛らしさ。

 またスタイルもメリハリがあって素晴らしいです。

 胸もお尻も豊かでありながら腰はくびれを見て取れる程度に引き締まっていて傾城の美姫のようです。

 そんな男を惑わす色香を備えながらも下着は純白。

 それも安物ではないだろうしっかりとした布地に丁寧な刺繍が施されていてこだわりを感じさせます。

 適当に選んだわけではない、しっかりと自身の魅力を理解して引き出せるような心遣いは貞淑さを強く意識させて高嶺の花を演出して。

 しかし同時に目に入る太股は下着に劣らぬ真白さで柔らかさを見せつけるような絶妙な細さ。

 崩れてしまわぬかと躊躇させながらも一歩踏み込みたいと思わせ蠱惑する、官能的ですらあります。

 それでいてくすみや傷の無い脚は健康的で活力を存分に見せつける……女性としてこの上ない魅力に満ちて。

 美しいとしか言えない自分の語彙が呪わしいほど、綺麗ですよ竜華さん」


 とりあえず感じたままを素直に言語化することに成功した。

 しっかりと目を見つめてそう語っていると、固まっていた清水谷さんはぷるぷると震え始めみるみるうちにその顔を紅く染めていく。

 そんな清水谷さんを見ているとようやく混乱が収まってきたのか頭が冷えてきた。

 ……とんでもなく失礼なことをしてしまったのではないだろうか。

 初対面の女性のパンツを見て、それを含めて言葉を尽くして褒めちぎる。どんな変態か。

 謝るべきか迷っている俺と、ジト目で俺を見る園城寺さん。

 そんな状況も清水谷さんがどもりながらもどうにか言葉を発することで解決する。


「そ、そんな言われたら怒れへんやんか。うぅ、恥ずかしい……。

 パンツ見られただけやなくてこれでもかと褒められるとか、何が起こっとるんや……。

 それを嫌やない思とる自分が一番訳分からん……。

 なんやの、うちどないしてしもたん?

 こないなってもうたらもう、お嫁に行けへんっ」


 ……どういうことなの。思えば桃子を見つけて以降、やたらと女子に好かれやすく嫌われにくくなった気がするのだ。

 自分でもこれはダメだろうと分かるくらいの対応をしても滅多に嫌われない。

 逆に我ながらあれは見事だった、と思うような時は目に見えて好意的に受け取られる。

 しかしそんな不可思議なことも今回ばかりは感謝してもしきれない。

 あんな変態的なことをしたにも関わらず嫌悪されなかったのだ、ラッキーなんてレベルじゃない。

 俺がそうやって現実逃避をしていたのが悪いのか、園城寺さんは追撃の手を緩めなかった。


「お嫁に行きたいんやったら須賀君にもろてもらえばええ。ウチもついてお得やで♪」

「あ、あは、ははは……。ま、まあご縁があればということで」


 気付いたことがある。園城寺さんは時たま一人称を私とうちで変えているようなのだが、

 ウチと言っている時はだいたいはからかっている時なのだ。

 だから今のもからかいだ、と思いたかった。……本気の目であったが。

 逃げの一手を打つ以外に俺にできることはないのだ。

 いくら桃子や絃さんが何人増えようが構わない、という嘘のような甘言を囁いてくれているとはいえ、

 だからこそ彼女たちの与り知らぬところで手を出してしまうのは気が咎めるのだ。

 もしやそれが目的か? 俺は気付かぬうちにしっかり飼いならされている……?

 まあ、いい。いつまでもそんな男にとっての楽園が続くとも限らないが謳歌してしまっている以上は

 いずれ来るしっぺ返しも覚悟して受け入れるしかないのだから。


「まったく、ええ加減にせえよ怜!」ペシン

「あいたっ。…………せやな。冗談やで京。ちゅーことで電番交換してーな」

「なにがちゅーことでやねん。ま、まあせっかくやしな。

 華の女子高生ライフで男の子の番号一つも知らんいうのは寂しすぎるし」

「あ、はい。それじゃ」


 清水谷さんが園城寺さんにツッコミを入れて場の雰囲気はだいぶ和んだ。和んだのだ。

 そして唐突な連絡先交換要求である。清水谷さんもなんやかんや言ってそれに乗ってしまった。

 与り知らぬところでどうのと考えはしたが、それでも美人の連絡先を入手するというのは心が躍るもので。

 お互いに交換してどうにか和やかに俺達は別れたのだった。

 また決勝で会おう、とエールを送り合って――



園城寺怜の好感度がぐぐぐーんと上がった
清水谷竜華の好感度がぐぐぐーんと上がった

 
評価

園城寺怜:色男やわ。私のこと好きになってくれるやろか?

清水谷竜華:うぅ、もうお嫁に行けへんっ


――インターハイ団体戦6日目・準決勝――

「さて、いよいよ準決勝ですよーぅ!」

「京ちゃん、今日は試合開始前の8時30分に実況解説担当のプロアナコンビの取材があるっすから、少し早めに出るっすよ」


 ということなのだ。ちなみに今日の実況解説は、俺達AA卓は三尋木咏プロと針生えりアナ。

 咲達のBB卓は小鍛治健夜プロと福与恒子アナのふくすこコンビである。

 俺達以外は既に昨日のうちに突撃インタビューは終わっているのだが……。

 スケジュール管理をするマネージャー的存在はおろか学校という監督責任組織すら背後にいないせいかもしれない。

 その辺りはあまり有効に利用されてこなかった制度を活用している弊害だ。出場できている以上は文句を言える筋合いでもない。


「今日の対戦相手は臨海女子と有珠山、そして永水女子ね」

「悪いけれど、薄墨初美の裏鬼門はわたしには防げないわ」

「マジっすか、絃さん」

「ええ。わたしは常に影響を広げられるけれど……

 薄墨初美の方角支配は機会を制限することで一点特化型の強力な支配力を獲得しているわ。

 だから申し訳ないのだけど、副将ではある程度失点すると思って頂戴」


 思わず俺達1年三人組は息を呑んでしまった。

 普段あれだけ堂々としている絃さんが自身の敗北を断言している、異様な状況。

 薄墨初美、裏鬼門と絃さんは言っていたか。

 そうなると奇門遁甲という人間の方向感覚を狂わせる絃さんの術とは相性が最悪なのかもしれない。

 そして問題なのはそれだけではない。


「臨海のダヴァン選手もいますしねーぇ」

「去年のインハイで金髪アンテナさんがしてやられた人っすよね」

「それだけじゃないわ。9万点稼いだ真屋由暉子もいる」


 桃子と数絵の指摘の通りだ。ただでさえ相性の最悪な相手がいる中でさらに強敵と対峙する必要がある。

 これぞ全国大会なのか。


「臨海と言えば先鋒の極道さんは憩さんと戦える人っす」

「それを言ったら神代小蒔だって侮れないわ」

「モモ、憩さんなら大丈夫だって。それよりお前の相手は欧州ランカーだろ?」

「私は歌姫さん一人だけが相手っすから。余裕ではないっすけど、どうとでもするっす」


 そう自信満々に言い切る桃子。勢いよく胸を張ったせいでその胸に携えた二つの白桃が揺れた。

 思わず視線が吸い寄せられる。

 それを見て数絵が不機嫌そうに呟く。


「私のことは心配してくれないの? 相手はアジアジュニアの銀メダリストなのだけど」

「ああ、すまんすまん。でも数絵はきっちりやってくれると信じてるからな!」

「っ……ずるいわ、そんな言い方されたら勝って見せるしかないじゃない。ふふっ」


 そんな数絵との会話に嫉妬したのか、微笑む数絵を横目に憩さんが冷ややかに切りつけた来た。


「そやね。心配なのはむしろ京ちんかもしれへんなーぁ」

「うっ……確かに」

「相手は未だ底の見えぬ獅子原爽」

「そしておっぱいお化けの石戸霞」

「極めつけは世界ジュニア優秀選手賞受賞のネリー・ヴィルサラーゼ」

「全員が全員、ウチらでも勝てるか際どい魔物ですよーぅ?」


 嗜虐的な微笑みを口元に湛えた憩さん。言われてみればその通りではある。だが。


「俺だってここまで来れる男です。絶対とは言いませんが、それでも勝ちます。

                          みんなで優勝台に並ぶ、そう決めましたから!」

「ふぅ。京ちんはあっついわーぁ。でもそんな京ちんだから惚れたいうことですよーぅ♪」

「そうだわ。わたしが傅く男が戦場で死する道理がないわ」

「御爺様が認めた人ですもの、私の想いは京太郎と共に歩むわ」

「京ちゃんあるところにステルスモモ在り、っすよ! 嫌だって言われても絶対離れてやらないっすから♪」


 皆でそう笑い合った。何か決戦前のような空気だがまだ準決勝、通過点に過ぎない。

 俺達ならやれる、そう信じて進めば必ず前へ行けるのだ。


というところで今回はここまでですー

京ちゃんたちの試合描写自体は書き終えているのですが、事後処理はまだでして……

それではここまでお読みいただきありがとうございました

何か質問等ございましたらどしどしどうぞ


方言は上手く再現できず毎度申し訳ないっす。ダヴァンはじめ臨海勢もちょっと微妙かもしれませんがご寛恕を……

乙です
質問じゃないけど塞さんの名字白沢じゃなかったけ?

女性陣チョロすぎてやばい

>>270
oh……沢の字でしたね。申し訳ありませんでした

乙です

面白い……すげえ面白いんだけどハーレム&短期決戦志向が強すぎて御都合主義感がヤバい
もっとじっくり目に進めるか攻略対象を多少絞ってみるのは如何か

読者様な感想で申し訳ない

>>276
いえいえ、そういう感想もありがたいのです

短期決戦(攻略)なのは単純にダイスの目がおかしなことになってるんですわ

失敗=1 普通=2 成功=3 大成功=5 超成功=8  という上昇値で、

15以上になってからデートすると攻略完了になるのですが……ピンポイントでゾロ目が出るというね……(遠い目)

あと私はハーレムが好きなので、嬉々としてダイス神のお告げを受け入れたせいでもありますがw


麻雀部分もダイスは全部そのままなので、これはもう自分にはどうしようもなく……

まあインハイ終了でスレも終了なので、京ちゃんのステータス自体はそこそこ上がりやすくしてたんです

ただテストプレイにあたってほぼ最適な鍛練を行った結果スキルが……想定外に……

>>277
ダイスなら仕方無いな(迫真)

冗談はともかくこんな批判まがいの感想に答えて貰って感謝です
あくまでちょっと気になった程度なので気にせず好きなように進めて下さい
その為の非安価でしょうし

なんのかんの言いつつ続き楽しみに待ってます

>>278
なんというか、当初予定では清澄勢&チームメイトと長野勢のうち合計で5,6人くらいしか攻略できないだろう、という見込みだったのです

コミュ機会にテコ入れをしたとはいえ、全国編で他校キャラを複数人攻略できるはずがなかったんですけどねぇ

まあ怜等の微エロが書けたから良しとしうことでどうかおひとつ

俺としては良いぞもっとやれ・・いやもっとやってくださいお願いしますって感じ

>>281
エロ(?)いれた場合はあんまり反応する方が居られないのであんま評判良くないのかな、

と思っていたのですが喜んでいただけているようで良かったです。ありがとうございます。


ポケモンスレも今日の更新終わったみたいなので自分も投下していきますー

>>278
ご都合主義についての補足というかなのですが、劇中でも幾度か触れている通り京ちゃんのオカルトの源泉は素戔嗚尊と大国主命です

素戔嗚尊は征服神でもありますし、最古の和歌にある通り妻を物理的に囲うくらいヤンチャというかな神様です

また大国主命は6柱の妻女神を得、180柱もの子神を儲けたという逸話もちです。パない神様っす

そう言う点が麻雀強い女性たちに影響しやすい、という裏設定だったりします

8月2週  準決勝

――第71回全国高校生麻雀大会会場・東京卓戯館――

「△○テレビの針生えりです。今日はよろしくお願いしますね」

「知ってるだろうけど三尋木咏だよん。いや~高校生は若いねい」


 俺達は今、インハイ会場の控室に居る。時刻は8時過ぎだ。

 そこでインハイ恒例となった試合前突撃インタビューを受けることになったのだ。

 だいたい8時30分から25分ほどのインタビューが生放送される。

 準決勝まで残った実力あるチームの意外な一面が見れる、と人気のあるプログラムである。

 一人5分ほどのインタビューがなされ、場合によっては複数人を交えた質問がされる。

 試合を控えた俺達としてはあまり歓迎したくないのだが、プロを目指す人であればこういうことは日常茶飯事であるため

 実際に受ける高校生たちにも予行演習みたいなものだと割と好意的に受け取られている。

 インタビュアーは大抵の場合そのチームが出場する試合の実況解説コンビが担当するため、他人事ながら移動などが大変そうだと思う。


  追加判定 1d100=69  成功


「しっかし両手どころじゃないねい。花に囲まれてるじゃないか」

「まったくです。マスコミとしては快進撃を続けるチームの恋愛事情なども気になるのですが」

「みんな魅力的ですから」


 誰かが何かを言う前に俺はそう素っ気なく答えた。

 ハンドボールで俺も一応は国別ジュニア代表の候補として合宿や試合に帯同したことがある。

 もっとも俺はレギュラークラスではなかったが。

 しかし蚊帳の外に近い場所であるからこそ、マスコミの下衆さが良く見えたのだ。

 期待のエースがいたのだ、見た目も良く才能だって日本ではさほど人気のない競技としては十分以上にある。

 人気が無い故に全国ネットレベルのマスコミは来ていなかったがそれでも2,3人は付いていた。

 そしてその記者たちに張りつかれたことでエースは練習時間を削られ、それを補うためにコンディショニングを誤ってしまった。

 大怪我こそしなかったが体調不良で活躍などできるはずもなく。

 しかし報道では――ネットニュースで小さく報じられただけだ――天狗になっていただとか遊び回っていただとか

 それはもう、現場を見ていた選手としては憤慨ものの無責任な記事であった。

 それ以来、俺はマスコミというものを軽蔑するようになってしまった。

 目の前の針生アナウンサーはどうか知らないが、女子アナと言えば芸能人や業界関係者とのスキャンダルでよく取り沙汰される人種だ。

 油断していい相手ではないだろう。


 そんな俺には関係なく、インタビュー自体は順調に進んだ。


「須賀選手は男子選手ですが実際どうなんでしょう?」
「やっぱり身近に男性がいると色々とあるのでは?」
「恋愛などでトラブルになったことは?」


 などと言う質問もされていたが……全員が全員、バッサリと切り捨てていた。


「私は京ちゃんのことを愛してるっすから」


 などという桃子の爆弾発言もあった。それに対して憩さん達も負けじと発言していたが些細なことだろう。

 むしろ針生アナをドン引きさせていたくらいだからまあ、大丈夫なはずだ。

 そうしてついに俺の番が回ってきた。


「それではいよいよ注目の大会唯一の男子選手、須賀京太郎さんに質問させていただきます。

 ここまでの対局、どのように感じられていますか?」

「ここまでと言ってもみんなのおかげで先日の2回戦が初対局でしたから、なんとも」

「はっはっは! そりゃそうだ。今のはえりちゃんの質問が悪いねい。

 しっかし落ち着いてる。ネット麻雀ではもっとあたふたしてる印象だったんだけどねい」

「確かにネット麻雀はたまにやらせていただいていますが、三尋木プロと卓を囲んだことはない気が……」

「ふふん。そりゃプロが野良試合でガチるわけないっしょ?

 県予選での打ち筋も合わせてかるぅく調べさせてもらったよん。んで……だいぶ変わった打ち方するみたいだね」ニヤリ


 俺がマスコミを嫌っているとはいってもそれを殊更前面に押し出すほどではない。

 なので自然体で対応していると三尋木プロは実に楽しげだ。

 そしてなんと俺はネトマで三尋木プロと対局したことがあったのだとか。

 やたらと強い人と卓を囲んだことは確かにあるが……そのうちの一人だったのかもしれない。

 そんな風に妙な親近感を覚えて油断してしまった俺に、三尋木プロはずばりと斬り込んできた。

 たかが一選手、とまで自分を貶めるつもりは毛頭ないが……それでも驚いた。

 三尋木プロからすれば俺は実力を示している貴重な若い男子選手に過ぎないはず。

 そんな風に思っていたから、わざわざこんな探りを入れるほどに研究をしていると考えてもいなかったのだ。

 それが実際はどうだ。バサッと持っている扇子を口元で開き、吊り上げた口角の半分を隠している。

 視線は獲物を見定めようかという鋭く油断のない光。

 思わず手を握り締めると滑りを感じた。背筋もじっとりと寒気がする。これがプロの圧力……。


「たまたま、でしょう。俺はハンドボールをしていたので一筒の柄は懐かしく感じるんですよ。

 だからつい手に残したくなっちゃうんです。そういう癖は良くないとは分かってるんですけどね」


 俺は苦笑いしながらそう告げる。韜晦したのだ。


 そんな俺を見て三尋木プロの目はすっと細められた――が次の瞬間にはけらけらと笑い謝罪してくる。


「くっ、ははは! いやあ、すまないねい。そういう癖は悪くないけど、分かりやすいと狙われちゃうぜ?」

「でしょうね。今年まではまだ通じてくれるかな、と思いたいですけど……。

 それでも来年以降はそんな簡単じゃないでしょうから気を付けようと思います。ご指摘胸に刻みます、三尋木プロ」

「ほお。来年以降も麻雀続けるつもりってことかい。そりゃめでたい。めでたいついでにアラサー連中もらってやってくれないかい、須賀」


 自分でも自覚している弱点なのだ。オカルトに頼りがちということは普通よりも読みやすいということ。

 高校レベルまではそれで通じるのかもしれないが……大学、実業団、プロリーグに海外大会。

 まだまだ上のレベルがある。そして臨海女子には日本の高校レベルで収まらない打ち手が揃っている。

 俺達にだって憩さんは間違いなくプロ即戦力クラスだと言える人がいる。そんな相手を敵に回すには俺はまだまだ未熟だ。

 三尋木プロは一見した印象とは違って油断ならない人だが、忠告はありがたく受け取ろう。


 と思っていた所に爆弾を放り投げてくる……。

 なぜか女子プロ雀士は年齢に反して若い見た目であることが多い。

 それだけでなくやたらと美人なことも多い。トッププロと呼ばれる人達は例外なく美女揃い。

 だからと言って、言い方は悪いが俺は女に不自由していないというありがたい状況なのだ。

 情を通じ合っていない状態では答えようもない。


「え。……いや、そういうことは当人の意思が重要ですから俺からはなんとも言えませんよ」

「そうかい? 君は見た目も良いし実力も見所がある。小鍛治さんでもなければ十二分に釣り合いが取れると思うんだけどねい」

「こんなこと言ってますけど、この人も彼氏とかいないので今度デートでもしてあげたらどうですか須賀さん。

 そして是非その様子を△○テレビで取材させていただければ」

「ははは、人の恋路を邪魔する烏は馬に蹴られたほうがいいと思いますよ」


 困惑する俺に惜しそうにする三尋木プロ。そして混ぜっ返す針生アナ。

 その混ぜっ返し方が気に喰わないものだったのでつい冷たい対応をしてしまった。


「くくっ。良い気迫。うん、須賀なら準決勝、決勝もしっかり活躍できるだろうさ。この咏さんが太鼓判を押したげるよん」


 だがその言葉をどう解釈したのか。三尋木プロがエールを送ってくれた。

 プロに認められるというのも悪い気はしない。尚更負けられないな。


「ありがとうございます。――優勝して見せますよ、ここまで来たんですから」


『テレビをご覧の皆さまおはようございます。

 休養日を挟み、いよいよ佳境に入ったインターハイ麻雀団体戦の準決勝A卓の模様をお送りしていきます。

 実況は私針生えり、解説は三尋木咏プロが担当します。よろしくお願いします三尋木プロ』


『はいよろしく』


『準決勝A卓は台風の目・チーム須賀、ダークホース・有珠山高校、

 黒船・臨海女子高校、神域・永水女子高校の4チームが対局します。

 チーム須賀は先鋒・荒川憩、次鋒・南浦数絵、中堅・東横桃子、副将・霜崎絃、大将・須賀京太郎。

 有珠山高校は先鋒・本内成香、次鋒・桧森誓子、中堅・岩舘揺杏、副将・真屋由暉子、大将・獅子原爽。

 臨海女子高校は先鋒・辻垣内智葉、次鋒・ハオホェイユー、中堅・雀明華、副将・メガン・ダヴァン、大将・ネリー・ヴィルサラーゼ。

 永水女子高校は先鋒・神代小蒔、次鋒・狩宿巴、中堅・滝見春、副将・薄墨初美、大将・石戸霞。

 早速ですが各チームの特徴などをお教え願えますか、三尋木プロ』

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『おっけーだよん。と言いたいけど時間もないし各チームの総評と先鋒の紹介だけにしとこうかねい』


『まずは2回戦A卓トップ通過の須賀から。

 ま、総合力では今年の出場校でも1,2を争うねい。全員が全員強い、攻撃型のチーム。

 そんで先鋒の荒川憩。まあ言わずもがな。個人二位の看板は伊達じゃないってこったね。

 
 次はB卓2位通過の有珠山。

 まあ、後ろ二人がめっちゃ強いって感じ? 副将まで繋げればワンチャンあるかも、しらんけど。

 そんなわけで先鋒の本内成香は上手く凌ぐのが仕事だねい。

 失点を3万点以内に抑えられれば合格点。


 C卓2位通過の臨海。

 ネットじゃ課金デッキとか金満チームとか色々言われてるらしいねい。

 そんな中で一人日本人の先鋒は辻垣内智葉。

 わっかんねーけど無課金ガチャから出た最高レアカード的な感じ。

 前年度個人三位なんだから強いのはみんな知ってるだろうけど。

 荒川憩がいるから雪辱を晴らしたいところなんじゃねーの。


 最後はD卓トップ通過の永水。

 ……まあでかい。わかんねーけどデカい。男ならみんな好きなんじゃねーの、しらんけど。

 戦法としては先鋒が稼いで次鋒中堅が流し、副将でトドメを刺しにかかる。

 それでも相手が生き残るなら大将がシャットアウト。分かりやすいけどだから強いチームだよん。

 先鋒の神代小蒔はお姫様らしいよん。つってもそんなの関係なく強いときは強いんだけどねい。

 ま、むらっ気が強すぎてどうなるかわっかんねー。神代の出来次第でこの試合はだいぶ変わるんじゃねーかなー』


『……ありがとうございました。途中から何か適当になってませんでしたか?』


『だってディレさんが巻きでって』


『あっ。……えー、時刻は9時ちょうど。いよいよ準決勝A卓先鋒戦が始まります!』



本内成香
属性 :D
技量 :E
直感 :E
必然力:D
・スキル
なし


辻垣内智葉
属性 :D
技量 :S
直感 :A
必然力:B
・スキル
【安定感◎】
 判定コンマを35以下の場合は35、75以上の場合は85として計算する。

【威圧感】
(効果A)
 他家の判定を-10。
(効果B)
 スキル効果による特殊和了を行うごとにさらに他家の判定を-5。
(効果C)
 跳満以上を和了した次の局、他家の判定を-10。

【エース○】
 エースとしてオーダーされている場合に発動。
 判定を+10。

【キレ◎】
 自身の和了形がロンの場合、判定を+20し打点を+2する。

【対オカルト○】
 オカルト属性の相手と対局するとき、判定を+10する。

【抜き打ち】銀
 研ぎ澄まされた集中力は一瞬の隙をも過たず斬り捨てる。
(効果A)
 自身の素の聴牌・和了コンマが共に1位の場合、ロン和了する。
(効果B)
 効果Aによって和了したときに聴牌・和了コンマが共に4位の者が存在した場合、
 その者から満貫以上で出和了りする。

【鞘当】金
 他家をけしかけ、利用する戦術。
(効果A)
 【威圧感】を受けているかつ自身より技量の低い他家の聴牌・和了判定値を±20。
(効果B)
 和了を放棄して和了順位3位に譲渡できる。
 この場合、放銃者を自身より技量値が低い者から自由に選出できる。

神代小蒔
属性 :O
技量 :E
直感 :D
必然力:C
・スキル
【六女仙:姫巫女】虹
 天孫から続くいと貴き血筋の結実した姫。神に愛された子。
(効果A)
 【石戸霞】が生存しているとき、自身が受けるデバフ効果を肩代わりさせる。
(効果B)
 【天孫降臨】を使用可能とする。

【天孫降臨】虹
 い)東場の聴牌コンマで10の倍数を出す
 ろ)南場の聴牌コンマで5の倍数を出す
 は)自身の持ち点を30%以上減らした状態で聴牌コンマで4の倍数を出す
 に)敗色濃厚状態で他家が和了した次の局
 ほ)2位以下でオーラスを迎える
  い)~ほ)のいずれかの条件を満たした場合に発動する。

 へ)1位に返り咲きかつ2位以下と1万点以上の点差がある
 と)3局発動状態が続いた
 ち)倍満以上の和了をした
 り)終局した
  へ)~り)のいずれかの条件を満たした場合は解除される。

(効果A)
 自身の判定を+60。
 さらに発動した際の聴牌コンマの3分の1を和了コンマに加算。
(効果B)
 打点が満貫以上になる。
(効果C)
 和了コンマがゾロ目の場合、強制和了。
(効果D)
 聴牌コンマが00の場合、役満強制和了。
(効果E)
 跳満以上には放銃しない。

【威圧感(特殊)】
 【天孫降臨】が発動中のみ効果を発揮。
(効果A)
 他家の判定を-10。
(効果B)
 スキル効果による特殊和了を行うごとにさらに他家の判定を-5。
(効果C)
 跳満以上を和了した次の局、他家の判定を-10。





小蒔・憩・智葉・成香  の順

1半荘目

東一局  ドラ:六筒

憩「聴牌ですーぅ」

「「「ノーテン」」」


小蒔  99000
憩   103000
智葉  99000
成香  99000



東二局流れ一本場  ドラ:七索

『始まりました準決勝、まずは静かな滑り出し』


憩「ロン。中のみの1本場で2300ですよーぅ」

小蒔「あぅっ」


小蒔  96700
憩   105300
智葉  99000
成香  99000



東二局二本場  ドラ:一筒

小蒔(うぅ、欲張ってしまいました。今回はツモが良くないです……)

智葉「リーチ――ロン。リーチ一発平和、2本場は4500」


小蒔  92200
憩   105300
智葉 103500
成香  99000

東三局  ドラ:六索

憩(うーん、やられてしもた。とはいえ今回は悪くあらへんし……)

憩「リーチですーぅ」

小蒔(荒川さんのリーチ……。無理をしてもう二回も放銃してしまっていますから、ここはオリですっ)

                          ___
                       ..::.::.::.::.::.::.::.::.::.`丶、

                      /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\
                    /.::.::.::.::.::.::.::.  イ:.::.::.::.::.::.::.:.::.
                   .::.::.::.::.::.::.::/  |::丶.::.::.::.::.::.::.:.

                    |::.::.::.::.:_::/     \{\ .::.::.::.::.:|
                    |.::.::.::./|/`丶     /\ ::.::.::|
                  _,,..、¬冖づ庁外、   斗劣、ハ::.::.|
                   / ヘ. } し小 うソ ノー{ うソ/ /:/|/
                     /  _,-Уy个ー   ゚   ゚ ー- =行
                    ノ  八‐:、    ′   厶|
              丿  ´__/  \丶、  ‐‐    イ |/
              /    / ______〕: |> _. イ、_______
                /    //二ニァ¬ア_]       |¬r<二,¨¨ ̄\
            /   /´ ̄/ /  〔∧     〕 ∧   | ̄ ̄\〉
                    /     |      |--  --|   |   |  \ \
              /    /    [ │     マ¨¨¨¨¨ア  |   |    ヽ  \

                     智葉「……リーチ」


 智葉の追っかけリーチ。眼鏡をくいっと指で押し上げる様はまさに不遜である。

 そしてその仕草を見た憩は自らの失策を悟ってしまった。


智葉「ロン。リーチ一発、平和で7700だ」ニヤリ


小蒔  92200
憩    96600
智葉 112200
成香  99000


東三局一本場  ドラ:一筒

憩(……やってくれますねーぇ。さすがに辻垣内さんは一筋縄ではいかへんか。

  きっちり、お返しせんとあきません。まずは――)

憩「ツモ! 面前チャンタ一盃口ドラドラの1本場は3100・6100!」


小蒔  89100
憩   108900
智葉 106100
成香  95900



東四局  ドラ:北

智葉(チッ。やはり7700程度では臆すはずもない、か。

    むしろこちらの流れを吸われたか、聴牌にも届かないとは)

憩「聴牌」

「「「ノーテン」」」


小蒔  88100
憩   111900
智葉 105100
成香  94900



南一局流れ一本場  ドラ:西

成香(うー、蚊帳の外って感じですっ。でも今回はいけそう――)トン

憩「ロン。チャンタドラドラの1本場で8000ですーぅ」


小蒔  88100
憩   119900
智葉 105100
成香  86900



南二局  ドラ:六索

智葉「聴牌」

「「「ノーテン」」」


小蒔  87100
憩   118900
智葉 108100
成香  85900

南三局流れ一本場  ドラ:一筒

憩(しくったわーぁ。狙いすぎて裏目ってしもた。……せやから今回は素直に)

憩「ロン。タンヤオ一盃口で1本場は2300ですよーぅ」

小蒔  84800
憩   121200
智葉 108100
成香  85900


南四局  ドラ:五索

小蒔(あぅ……前半ももう終わりなのにビリです……。負けたくないですっ。でも、このままじゃ――)カクン


『おや、神代選手……居眠りですか?』

『えりちゃん、よぉっく見てみな。確かにふらふらと覚束ない感じだけど、目は薄く開かれてる。

 雰囲気的にいわゆるトランス状態ってやつなんじゃね、しらんけど』


智葉(来たか、神代小蒔。近くで見るのは一年ぶりだが……気を抜けば気圧されそうな威圧感があるな)

憩(うっ、急に雰囲気が変わって危ない感じですねーぇ。このプレッシャーは宮永さんや天江さんにも匹敵しとる。

  幸い神代さんの親やあらへんし、慎重に行きましょーぅ)

成香(? 何か、皆さん様子が変……? どうかしたのでしょうか)トン


 一人場の空気を察することも無く、無造作に差し出された牌。

 それは神への供物か。本内成香の家業を考えれば、まさにうってつけであった。

 血肉を捧げ、神を言祝ぐ。異教の神へ帰依していようと――

                    -――-
                  / . : : : : : : : . \
                     / : :::::::::::::::::::: : : : : \
                  ′:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|:ハ
               ,' :::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::|八
              ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::从

                {::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::,イ
                乂::::::::,,ィ´`ゝ、::::::::::ノノ
                 只 }   {只
                ,':::ノ ィ==ミヽ:::ヽ
                 /. ̄       ̄ `゙丶
.                ∧             /\
              / ',             /   ∧
                /   {.            /   { ',
            /.   {.           { ,   ∨ 〉
             j{    {           〉 '    ∨
             ハ    ∨        /  |     ‘,
         /.     ∨//____/__/_|    /,

          /.         |ニニニニニニニ|   / |

           小蒔(?)『ロン。満貫』


小蒔  92800
憩   121200
智葉 108100
成香  77900


『前半戦終了いたしました。幾度か流局までもつれましたが……あまり時間が経っていませんね』


『さすがに準決まで残る子たちだからねい。点数のやり取りも比較的おとなしい範囲だから、

 長考どころか5秒くらいでみんな切りだしてる。それでも実力通りの推移になるのが面白いっちゃ面白い』


『ほぼ下馬評通りの先鋒戦、後半はこのままかそれとも荒れるのか。CMの後もお楽しみに』

2半荘目

東一局  ドラ:七萬

成香(配牌で二向聴、素敵です!)

成香「――リーチします!」


小蒔&憩「「ノーテン」」

智葉&成香「「聴牌」」


小蒔  91300
憩   119700
智葉 109600
成香  78400



東二局流れ一本場  ドラ:六筒

成香(ダメでしたっ)トン

智葉「……、ロン。タンヤオのみの1本場で1300」


小蒔  91300
憩   119700
智葉 111900
成香  77100



東三局  ドラ:五筒

智葉(神代も荒川も聴牌しているようだ。満貫までは届かないが……私も聴牌。

    安手だったが逃さず拾ったのは正解だったか、流れが私に来ている――)

智葉「ツモ。七対子ツモ赤1で3200オール」


小蒔  88100
憩   116500
智葉 121500
成香  73900


東三局一本場  ドラ:七索

「「「「聴牌」」」」


小蒔  88100
憩   116500
智葉 121500
成香  73900


東三局二本場  ドラ:九萬

憩「ポン」

智葉(最初が一萬、二副露目がドラポン……。荒川ならば清老頭もありうるか?

    そうでなくとも清一色か、安かろうとチャンタ。さすがに満貫以上に振り込みたくはない。

    癪だがオリよう。無理する局面でもない)トン

憩(――と考えてくれてるやろか。いややわーぁ、実は聴牌すらしてへんのに)


憩&智葉「「ノーテン」」

小蒔&成香「「聴牌」」

                      . .-――-. .
                   . . ´: : : : : : : : : : : : .`: .

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              .: :八:ヽ::| r㌃⌒`            ムイ }:::: : :ヽ
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           /: : ::/:::::::::>-、    (    ノ   イ:::::l::::l:::::::::ヾ:\
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            ∠::::  イ::∧:::::::ト、:::≧=r--  1:::::::::/レ' .V
                   /  \:{ ヾr‐ァ'     トヘ/
                  ___/  \ __ /   \_____
               /      \  /ー一ヘ   /     ハ
               ハ        \/     }/ ̄}    /
                 i  ヽ                }      }
                |   У                 } ∨   .|
                 ′ /                   }  }::..   {

小蒔  89600
憩   115000
智葉 120000
成香  75400



東四局流れ三本場  ドラ:七萬

憩「ロン。チートイのみの3本場で2500ですーぅ」

成香「ぅっ……はい……」チャラッ


小蒔  89600
憩   117500
智葉 120000
成香  72900

南一局  ドラ:南

智葉(チッ! ブラフにまんまとかかって流れを逸した!

    やはり温存したまま勝てるほど甘い相手ではない、か……)

小蒔「……」カクン


憩「聴牌ですーぅ」

「「「ノーテン」」」


小蒔  88600
憩   120500
智葉 119000
成香  71900


南二局流れ一本場  ドラ:八萬

憩(っ! 神代さん、また“入った”ようやね。

  せやけど前半オーラスの時に比べれば気配が弱いですーぅ。それに――ウチが親やから一手速い!)

憩「ツモ! 純チャン三色ツモドラで1本場は6100オール!」


小蒔  82500
憩   138800
智葉 112900
成香  65800


南二局二本場  ドラ:西

憩(ふぅ。たぶんさっきの局はギリギリでしたねーぇ。同巡で神代さんがツモってたはずや。

  とはいえ今局は無理がたたってもうたかな。神代さんも相変わらずやし……オリや)

智葉(逸した流れは簡単には戻らない。ここは我慢だ)

成香(うーん、荒川さんも辻垣内さんも素敵です。私も頑張らないと!)トン

小蒔(?)『ロン。満貫』


小蒔  91100
憩   138800
智葉 112900
成香  57200


南三局  ドラ:八筒

『おや、神代選手一瞬起きましたがすぐに寝てしまいましたね』

『えりちゃんえりちゃん、寝てたら麻雀はできねーって。

 しかし二度寝たぁ、よっぽど負けたくないんだねい、しらんけど』


小蒔(?)『ツモ。満貫』


小蒔  99100
憩   136800
智葉 108900
成香  55200



南四局  ドラ:二筒

成香(あうぅ、カモにされてる気がします! ……こ、これなら平気かな?)トン

                        /.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::\

                        /...:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                      .:.:.:.:/.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.:..
                        /.:.:.:/.:.:.:.:/l:::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ.:.:.:
                     l.:.:.:/.:.:.:.:/  |:::::::::::::::::::::::::::l:::::.:.:.l.:.:.|
                     |八{.:.:.fレ'\ |.:.:/j.:.:.:.:/i.:.:.::|:::::.:.:.l.:.:.|
                  ,...---ミ  //∧.:ハ_〉ぅ `l.:.:{/.:.:.:,'斗―|.:.:.:.:.リ.:.:′
             / ̄ ̄⌒>=弍犲ハ 斧ミメ乂: 彡イ ./::/.:.:.:.:/.:/
              /      /   ` ̄`} `''’    f斧ミメ::イ/./:}
                        _  -―へ    '   `''”.∠/// /
                 / /  / . 个   ー     <r<  /
                   /  .{  / j i  { ¨¨´/'  /j:「 \
              r'⌒   |  //  |  ヾ  〃_彡リ |  ヽ
      / ̄` ー--rヘ {    乂〃.   ヽ/ ̄/ ̄ ̄`7 /   ∧
     /       /⌒ヽ __/        У /   /Y   ./
    /       /     У /      ./ /      ト、 /   〉
.   /    r'  ̄    / /  {      / /       } V    厂ヽ
  厶斗- '  __彡  /  乂   / /        /  ト---<ソ⌒
 ./               /      }ト、/ /         /   〉
こ{              /        }三ニ=--   --=≦    /     }

                 小蒔(?)『ロン。満貫』


小蒔 107100
憩   136800
智葉 108900
成香  47200


『先鋒戦終了いたしました。

 トップは須賀で136800点。

 荒川選手は前半+21200、後半+15600で合計+36800点とし区間トップです。


 2位は臨海女子で108900点。

 辻垣内選手は前半+8100、後半+800で合計+8900点です。


 3位は永水女子で107100点。

 神代選手は前半-7200、後半+14300で合計+7100点です。


 4位は有珠山で47200点。

 本内選手は前半-22100、後半-30700で合計-52800点です。


 いかがでしたか三尋木プロ』


『やー、実力通りって感じだねい。とはいえ何も言わないってのはテレビ局の偉い人に怒られちゃうからてきとーに言ってくよん。


 まずは1位の荒川憩。

 和了回数も6回とトップで、その和了も結構テクニカルだった。

 小さく出和了りすることで周囲を牽制しながら他家の大物手を流しつつ、

 自分の大役はきっちりツモってのける。理想的な進め方だったと言える。

 1回だけ放銃してるのが残念だけど、相手が置物じゃない以上はしゃーなし。


 次は2位の辻垣内智葉。

 荒川憩が気を逸らした瞬間を狙い撃ったのが見事だったねい。

 それも含めて前半はプラン通りに進められたんじゃないかね、しらんけど。

 その分後半にツキを失ったのが痛かったんじゃねーかなー。それでもマイナスに落ちずに踏み止まったのはさすが。

 身近に目標と出来る同年代の海外の強者達がいるんだ、これからも伸びてほしいよ。


 んじゃ3位の神代小蒔。

 前半はだいぶもたついてたのが惜しかったねい。

 後半も南入するまではぱっとしなかったけど……最後の方は取り戻すように爆発した。

 波があるが当たれば宮永照にも匹敵する、という噂は伊達じゃないってことさね。

 もっと安定感が出れば名実ともにエースを張れるんだけどねい……。来年どうなるかを注目したいよ。


 最後は4位、本内成香。

 試合前に言ってたけど、面子的にも3万点までの失点で抑えられれば上出来だったんだが……。

 5万点強取られちまった一人沈みになってしまったねい。これに関しては力不足としか言いようがない。

 チームが後半に巻き返すオーダーを組んでいるのを差っ引いてももうちょっと頑張ってほしかったところだね』



『ありがとうございました。須賀が一歩抜きでた先鋒戦。ここからどう転がるのか。注目の次鋒戦、間もなく開始です』


――須賀控室――

「ただいまですよーぅ!」

「おかえりなさいっす」「おかえりなさい憩さん」「おかえり憩」「おかえりなさい」


 憩さんが控室に戻ってきた。その表情はいつもの笑顔である。

 滑り出しは上々、残る山場は絃さんが事前に苦戦すると予言した副将戦と俺の大将戦くらいか。


「結構余裕な結果だったっすね」

「せやねーぇ。でもたぶんやけど、辻垣内さんは手ェ抜いてたん違うかな」

「そうだわ。辻垣内智葉にしては温かったわ」

「確かに、憩さんに次ぐ前年度3位という触れ込みの割にはだいぶ点差がついたわね」

「3万点弱なら十分ありうるんじゃ?」

「京ちゃんは去年の夏はテレビとか見てなかったっすから仕方ないっすね……。

 去年のインハイ個人戦、宮永照・憩さん・辻垣内智葉・湯佐こずえ。

 俗に言う決勝卓っすけど、その中でも宮永照と憩さんの間にははっきり差があったっす。

 でも憩さんと辻垣内智葉はそこまで大きな差はなかったっすよ、見てる限りはっすけどね」


 そういうことらしい。だがそれで勝てるという思い上がりは絶対にへし折ってやる。


「先鋒が手を抜いた、ってことはそれ以降もその可能性があるかな……。まあ、それなら二回叩き潰してやるまでだ」


 そんな俺の苛烈なセリフに皆驚いた表情を浮かべたが、それも一瞬のこと。

 揃いも揃って好戦的な笑みを表した。頼もしい女たちである。


「ふふっ。それなら……さっさと済ませてしまいましょ――行ってきます!」


 数絵が立ち上がり、髪を払って颯爽と対局室へと向かっていった。

南浦数絵(イベント後)
属性 :O
技量 :B
直感 :C
必然力:B
・スキル
【南風の神】銀
 スロースターターな運気を溜めることで後半の場を制す打法。
(効果A)
 場決めコンマに-50。
(効果B)
 南場の間、判定値を+40。
(効果C)
 聴牌順位1位の場合は和了判定値を+20し打点を+2する。
(効果D)
 リーチをかけて和了した場合、裏ドラが2枚以上乗る。
(効果E)
 東場の間、判定を-5。


桧森誓子
属性 :D
技量 :D
直感 :D
必然力:C
・スキル
【チャンス○】
(効果A)
 リーチをかけたとき、和了判定を+10し打点も+1する。
(効果B)
 一人聴牌のとき、和了判定を+10し打点を+1する。効果Aと重複する。


ハオ・ホェイユー(手加減)
属性 :D
技量 :B
直感 :B
必然力:B
・スキル
【安定感×】赤
 判定コンマを30以下の場合は01、80以上の場合は100として計算する。

【闘志】
(効果A)
 公式戦などの重要な局面で判定を+10。
(効果B)
 【威圧感】の効果を受けない。

【華式打法】
 中国麻雀という日本や世界とやや違う打ち筋で対局者を翻弄する。
(効果A)
 リーチをかけない。
(効果B)
 ただし和了判定値を+30する。
(効果C)
 リーチをかけられる判定値かつ聴牌コンマで1位の場合、打点が満貫以上となる。
(効果D)
 効果Cの状態かつ和了コンマが1位である場合、打点が【国士無双】となる。




狩宿巴
属性 :O
技量 :C
直感 :C
必然力:C
・スキル
【六女仙:散華の巫女】
 祓いを担当する巫女の一人。刹那に咲き散る花に瘴気を移し祓う。
(効果A)
 判定コンマを20以下の場合は25、80以上の場合は85として計算する。
(効果B)
 他家がスキルを発動した時、素の判定コンマ全てで自身が上回っている場合はそのスキルを無効にする。



巴・ハオ・数絵・誓子  の順

1半荘目

東一局  ドラ:四索

数絵「リーチ」

『さて始まりました次鋒戦。12巡目にして南浦選手のリーチ。これはどうなんでしょうか三尋木プロ』

『ま、あたしらには手牌が見えちゃってるからねい。でも……卓についてる子たちには怖いリーチに見えてるんじゃね?』


数絵「聴牌」

「「「ノーテン」」」


巴  106100
ハオ 107900
数絵 138800
誓子  46200



東二局流れ一本場  ドラ:三筒

『リーチを警戒した結果他三人は見事にオリちまったね。ま、ちょうどいいし選手紹介もやっちゃおうか。

 まずこの南浦数絵だ。この子は……藤田靖子プロは知ってんね?

 靖子ちゃんほど極端じゃないが、後半追い上げ型の選手だよん。南入してからが強いんだ。

 ……そんな奴が開幕でリーチをかけてきた、わっかんねーけど怖く見えたんだろね。

 前局三人がオリたのはそのせいなんじゃねーかな?』

『南浦選手は自身の特性を研究されていることを前提にブラフを張った、ということですか?』

『そゆこと。――そんでそういう果敢な攻めは運を引き寄せることがあるんだよねい』ニヤリ


数絵「ツモ。メンタンドラ2の1本場は2100・4000」


巴  104000
ハオ 103900
数絵 148000
誓子  44100

東三局  ドラ:三筒

誓子(惑わされた……。やっぱり全国は楽じゃないよね。なおさら私が頑張って爽達に繋げないと!)

誓子「ツモ。メンタンピン三色同順で2000・4000です!」


巴  102000
ハオ 101900
数絵 144000
誓子  52100



東四局  ドラ:八索

『次は今さっき和了った桧森誓子で。

 まあこの子は普通だねい。小学生の頃に地元の小規模大会で入賞経験があるらしいよん。

 そこから順調に育ってるなら全国出場者の平均くらいにはなってるんじゃね、しらんけど。

 ……チャンスとみたら躊躇わず攻めに出る肝の据わった一面もあるっぽい。

 見た目は清楚な金髪ちゃんなんだけど、ギャップ萌えってやつ?』


数絵(特にマークしていなかったけど、実力はちゃんとあるわけね。

    まあ、私は南入させてからが勝負。東場でチッチーは出来過ぎだったもの。

    だから安くても和了るわよ――)

数絵「ツモ。タンドラで500・1000」


巴  101500
ハオ 101400
数絵 146000
誓子  51100

南一局  ドラ:三索

誓子(この配牌からなら行けるはず……)

誓子「リーチ」

数絵「リーチ」


『おっと、南浦選手が桧森選手を追っかけリーチ』


数絵「ロン。リーチ南ドラで5200。南場でやらせるわけにはいかないのよ」

           /|   __
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        -─……─‐-: : `∧

     /: : : : : : : : : : : : : : : : :.\:.
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  :' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.,:.:.:ハ

  ′: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∨:.l
 |: : : :i: : l / l!: : : ト、 : : : :ト、 : : : : |:.::.,

 |: : : :|: : |'   |: : : :|'´\: : |‐-: :}: :|i.:.::.,
 |: : : :|\|'⌒ | l: : :|   \|  ∨: :八:.:.:.,
 ' : : : |:l   __ 乂 : :|  ,イ示冬、〉:/ ミ:.:.:.:.,
 |l: : : |:l_ ,竹冬、\|  .乂:ン / }::|  〉:.:.:.:..

. 八: : :|:l〃乂ン/ ̄`ー─‐‐′|::|〉/.:.:.:.:.:..`、

   \{:|i:ハー‐"  '     u r|::| '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
     |:| 人"     __     ,イ_}∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:..\
    ':}         ‘ ′ ...:  |八:∧:::|.:.:.:.:.:.:.:.ト、.:.:..
            >-<::   /  〉-}/|.:.:.:.:.:.:.:.| \|
           / ∧::   /  /  \.:.:.:.:.:.:.|   }

巴(放銃したのは私だけど、なんかとばっちりを受けた気分……)

巴   96300
ハオ 101400
数絵 152200
誓子  50100

南二局  ドラ:七索

『南浦選手が競り勝ちましたね』

『本人が言ってる通り、南場に強いこだわりがあるっぽいねい。

 わかんねーけど、桧森ちゃんの勇敢さが裏目に出ちゃったんじゃね。

 ……ついでだし狩宿巴の紹介もしちゃおうか。

 そもそもが永水女子ってのは先鋒の神代ちゃん、副将のロリっ子、大将の超おっぱいが軸のチーム。

 次鋒と中堅はその三人がいかに活躍できるか場を整える役目なんだよねい。

 そんな次鋒に座ってる巫女眼鏡ちゃんは去年もだったけど、堅実なタイプだよん。

 だからさっきみたいな放銃は滅多にしないんだけど……気圧されたのか。わかんねー』

『超……!? それに巫女眼鏡って。三尋木プロ、開会式では狩宿選手だけは制服でしたよ?』

『今は巫女服じゃん。だからおっけーなんじゃねしらんけど』


ハオ(……配牌は私としては最高だったのですが、一巡の差で先行されましたか。

    札を隠した私とならば対等。ならば今局は仕込みに徹させてもらいましょう)


「「「聴牌」」」

誓子「ノーテン」


巴   97300
ハオ 102400
数絵 153200
誓子  47100

南二局一本場  ドラ:七索

誓子(ツモが来ない……? 裏目ばかり)

数絵(……風向きが変わった? ツモがちぐはぐ。オリるにしてもハオ・ホェイユーの打ち筋が読めない)トン

ハオ「和ー……ロン、です。チンイーソー、1本場は12300」


巴   97300
ハオ 114700
数絵 140900
誓子  47100


南二局二本場  ドラ:三索

ハオ「ツモ。清龍……メンゼンイッツーで2本場は2200オール」


巴   95100
ハオ 121300
数絵 138700
誓子  44900


南二局三本場  ドラ:東

『ハオ選手連続和了! 勢いが止まりません』

『中国麻雀でも清一色系は高いからね。ちょうどいいしハオ・ホェイユーちゃんの紹介といこうか。

 ホェイユーちゃんは名前から分かる通り、中国からの留学生だよん。

 臨海女子がスカウトしてるってことでお察しだけど、この子も当然世界レベルでの経験がある。

 アジアジュニア大会では銀メダルを獲得している、つまり同年代ではアジアで二番目に強いってことだねい。

 まあ、小学生の頃に国内ではチャンピオンだったって話だけど。

 そんな子がなんで二位に甘んじたかっていうと……どうやらルールの違いに対応できなかったみたいだね、わかんねーけど。

 南二局1本場の和了は清一色、中国でも日本でも、世界でも同じ和了役だねい。

 そんで2本場のは清龍、日本で言えば一気通貫。中国麻雀のルールでは16点役だから

 それ単独でもチッチーか満貫に相当するんだけど……イッツーは4点相当の面前2飜役だからかなり損してることになるねい。

 まさにこの部分がホェイユーちゃんがアジアジュニアで二位に甘んじた理由。

 とはいえ中国麻将へのこだわりを捨てたら魅力も半減、ジレンマだねい、しらんけど』


数絵(好き放題やってくれる……! 他の二人は呑まれてしまっている。なにより、南場で譲るものですかッ!)

数絵「ツモ! チートイツモドラで3本場は1900・3500よ!」


巴   93200
ハオ 117800
数絵 146000
誓子  43000


南三局  ドラ:五筒

『南浦選手、意地を見せるチートイツモでハオ選手の親を止めました』


ハオ(……どこまで力を出しましょうか。世界ジュニアを考慮すれば奥の手は晒せませんし)

数絵「考え事? 手を抜いたままなら飛ばすわよ、リーチ――ツモ。

    リーチ一発ツモチャンタ……裏2で6000オール!」


巴   87200
ハオ 111800
数絵 164000
誓子  37000


南三局一本場  ドラ:八萬

『さすがに舐められたままじゃ終われないって感じだねい。熱いのは嫌いじゃないぜい。とはいえ――』


誓子「ロン。純チャンのみの1本場で4200です」


巴   87200
ハオ 111800
数絵 159800
誓子  41200



南四局  ドラ:三萬

数絵(しくじったッ! でも、今回は一騎打ち……。負けてなるものですか!)

ハオ「和ー……ツモです。七対混幺九――メンゼンホンロートーチートイツで2000・4000」


巴   85200
ハオ 119800
数絵 157800
誓子  37200

『次鋒戦前半終了いたしました。ハオ選手を抑える形で南浦選手が気を吐いています。続いての後半もお見逃しなく』


2半荘目

東一局  ドラ:九萬

「「「「ノーテン」」」」


巴   85200
ハオ 119800
数絵 157800
誓子  37200



東二局流れ一本場  ドラ:六索

ハオ「和ー。ロンです。七対……1本場で2700」


巴   85200
ハオ 122500
数絵 155100
誓子  37200


東二局二本場  ドラ:五索

数絵(くっ、東場で親に放銃するなんて最悪の失点の仕方を……!)

誓子(……南浦さん、集中が途切れた? 南入したいなら通行料くらいは構わないでしょう?)

誓子「ロン。タンヤオ平和一盃口ドラ2で2本場は8600です」


巴   85200
ハオ 122500
数絵 146500
誓子  45800


東三局  ドラ:三索

ハオ「――槓」ゴッ

数絵(っ! 何、このプレッシャーは。ハオ・ホェイユーが何かをしようとしている?)

ハオ「槓。……槓です」シャッ

巴(三槓子確定……。鳴かずに四暗刻を目指されるよりはマシだけれど)

ハオ「和ー、ツモです。サンカン……ツ、トイトイで2000・4000」


巴   83200
ハオ 130500
数絵 142500
誓子  43800



東四局  ドラ:北

数絵(マズイわ、通行料にしても取られ過ぎている……。これでは前半ほどの稼ぎは難しいかも)

誓子「ツモ。W東發で2000オールです」


巴   81200
ハオ 128500
数絵 140500
誓子  49800



東四局一本場  ドラ:西

ハオ「和ー、ツモです。……メンゼンタンヤオピンフの1本場で800・1400」


巴   80400
ハオ 131500
数絵 139700
誓子  48400

南一局  ドラ:六索

『ハオ選手、あまり高い手ではありませんでしたが……』

『ありゃ中国麻雀なら三色三歩高そこにタンピンと不求人、おまけに全帯五も乗るから倍満相当の手だよん。

 こういうところを克服しないと世界ルールではなかなか結果が残せない、ってことだねい。

 全帯五なんて満貫相当の役なのに日本や世界じゃタンヤオに過ぎない。無論一盃口やらトイトイやらが複合することはありうるけど』


誓子「リーチ」

巴(この手なら……黙って満貫、リーチで跳満。裏が乗れば倍満も。

  南浦さんはハオさんを意識しているはず。だったら巡目が浅い間なら見逃すかも。

  桧森さんもリーチしているけど……こっちはブラフの安手だと思うし)

巴「リーチ」


 巴はリーチ棒をはめ込みながら、ちらりと数絵を見やる。するとばっちりと視線がぶつかった。そして数絵はそんな巴を見て、にやりと口角を上げる。


数絵「リーチ」


 数絵のリーチ宣言。その瞬間に巴は悟ってしまった、誰が和了るのかを。

 巴は祈るようにツモ、自身の和了牌でないことを確認し勘が間違っていなかったことを受け入れた。

 そしてこのツモ切りが数絵の当たり牌でないことを願いながら河に置く。

 数絵は動かない。

 そしてハオのツモ。ハオ自身も数絵の手の危険さには気付いている。しかしチャンタ系であることしか読めていない、浅い巡目であった。

 侮っている故か、やってきた字牌を少し躊躇しながらも河に捨てる。その瞬間卓上に暖かな風が吹き、三人の頬を撫でた。

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数絵「――ロン。リーチ一発中西混一色チャンタ……裏2で24000!」



巴   79400
ハオ 107500
数絵 165700
誓子  47400

南二局  ドラ:白

『三倍満直撃! これは大ダメージ必至です!』

『いいリーチだったねい。あれは裏が乗ることを確信してたんじゃね、しらんけど。

 待ちを字牌で統一してたからチャンタだと読まれていても躱しづらいのも良かった』


ハオ(っさすがに侮りすぎました。冷静にならなければ)トン

巴「ロン。七対子ドラドラで6400」


巴   85800
ハオ 101100
数絵 165700
誓子  47400


南三局  ドラ:南

『追撃のチートイ、これで臨海女子は一気に原点付近まで転落。3位の永水女子も影を踏める位置です』

『……やっべー。眠れる獅子か虎の尾を踏んじまったねい』

『え?』


巴(やった! このまま進めてはるるが上手く流してくれればはっちゃんが捲ってくれる)


 喜ぶ巴、だがハオは一瞬歯を食いしばり瞑目、その後明らかに存在感が変わる。

 数絵はその様子に思わず息を呑んだ。今のハオ・ホェイユーは、危険だ。


ハオ「こんなところで無様を晒すわけにはいかないのです。
          ___
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         从:/:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./二二二ニ=-、
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          八:l:.:|:/´ ̄Ⅵ:.:.:.|:.:.:.:.:.伝ミ `ヽ |:.:.:.:.:/::/::/
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           }:.:l:.::/ 、      ‐┘    /ソ'::::::::::|:|
           ノノ}:/              、∧:::::::::|:|
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            }: : : : : ゚。: : ゚。\
             /: : : : : : :゚。: : ゚。: \__
          / /: : : : : : : : :゚。: : ゚。: :∧`ヽ
.         / /: : : : : : : : : : :゚。: : ゚。: :∧
       / /: : : : : : : : : : : : :゚。: : ゚。: : i」 |

    和ー、ツモです。国士無双、8000・16000」


巴   77800
ハオ 133100
数絵 149700
誓子  39400

南四局  ドラ:四索

ハオ(ふぅ、このくらいなら平気でしょう。札の一枚に過ぎませんから)

数絵(……隙があれば役満、か。さすがに世界の一線で戦える雀士なだけあるわね。

    だからって私が怯むわけではないのだけど――)

数絵「リーチ!     ツモ! リーチツモ純チャン一盃口――裏2で4000・8000よ!」


巴   73800
ハオ 129100
数絵 165700
誓子  31400


『次鋒戦後半、終了いたしました。


 1位は須賀で165700点。

 南浦選手は前半+21000、後半+7900で合計+28900点でした。


 2位は臨海で129100点。

 ハオ選手は前半+10900、後半+9300で合計+20200点でした。


 3位は永水で73800点。

 狩宿選手は前半-21900、後半-11400で合計-33300点でした。


 4位は有珠山で31400点。

 桧森選手は前半-100000、後半-5800で合計-15800点でした。


 次鋒戦、どうでしたか三尋木プロ』



『桧森ちゃんがそこそこの回数和了していてかつ放銃無しなのに収支でマイナスってので分かると思うけど、高めのツモ和了が多い試合だったねい。

 和了回数自体も全体で19回、一方全体の放銃は8回。ツモ率が6割近い。

 これは防御を意識した卓で多い傾向だけど、そんな中で3万点近く稼いだ南浦ちゃんは見事だった。

 決勝まで進出すればホェイユーちゃんもある程度本気で打つだろうし、楽しみなんじゃね』



『ありがとうございました。

 次鋒戦も終わり準決勝は中盤の中堅戦に移ります。この後もお楽しみに!』


――須賀控室――

「ただいま戻りました」

「お疲れ数絵」「おかえりですよーぅ」「おかえりなさいっす」「おかえりなさい」


 控室に戻ってきた数絵だが、表情が硬いというか、不満げだ。

 3万点近く稼いだのだから十分だと思うのだが……。


「十分な活躍だったけど、不満そうだな」

「……それはまあ、手を抜かれたんだもの。それなのに役満を和了られては」


 気になったら悩むよりも、ということで訊いてみれば相手の手抜きのせいだったようで。

 確かに公式試合での舐めプレイをされればムカつくのも当然だ。

 しかしそこは気配りのできるチームメイト達である、即座に宥めにかかった。


「手を抜いたことを後悔させたげればええんやない?」

「三位以下に落としてしまうのが一番だわ」

「えへへ、私達後続の責任重大っすね!」


 そう言って桃子が俺に唐突に抱きついてきた。避ける暇もない見事な不意打ちだ。

 そうしてしばし抱きついたままの桃子だったが、そっと離れる。


「さて、京ちゃん分も充電したっすし――アサシンモモの暗殺術をお見せするっすよ!

 それじゃ行って来るっす」

「え、おお、行ってらっしゃい」


 俺でもすーっと消えていくように見えるほどのステルスっぷりで去っていった桃子。

 ……なにか妙なテンションだったようだけど、大丈夫だろうか。少し心配になってしまった。


ということで今日はここまででー

お読みいただきありがとうございました。

何か質問やご意見等ありましたらどしどしどうぞ。


中国麻雀は全然分からないのでほんとてきとーっす。マジすんませんっした……


次は何時になるかなー

>>325
京ちゃんたちの試合は書き終っているので明日……の予定です

麻将てきとうってわりに結構しっかり調べてそうな感じだけどな。いちおつ
チカセン前半で10万点失点してたら試合終わってるじゃんという野暮な突っ込み入れつつ姫様のスキルの


 【石戸霞】が生存しているとき、自身が受けるデバフ効果を肩代わりさせる。

霞さん死ぬ展開がありそうで怖いぞこれ

>>327
おぅふ、気付いてませんでした……1万点の失点っす。

霞さんは……うん。バトル物なら死ぬプロット組みますねw

細かいがメンタンピン三色をツモったらハネマンですなー

>>332
三色同順なら面前2飜でセーフのはずっす。というか平和複合なので同順しか無理ですな

メンタンピンのメンはリーチの意味なので、リーチ、タンヤオ、ピンフ、三色、ツモで6ハンでありんす
と言うか同コウも2ハンでありんす。食い下がりがないだけでありんす

>>334
マジっすか。これまでずっとメン=面前清自摸和だと思ってました……なのでかなりのミスがあったことになります、申し訳ございませんでした

うーむ、ここまでミス多いと闘牌ものとは口が裂けても言えないっすね。まとめられないのはあまりににわかだったからかぁ。

理由が分かってすっきりしました、ご指摘ありがとうございました。

あと細かいことついでにタンヤオイーベーは(普通は)30符だから2600は2900だね。
苻計算はちょっと難しいからさっきはスルーしたけど、基本的に面前ならピンフ以外は30か40苻。

>>336
>>300のところですかね? 一応子の30符2翻のつもりで2000の1本場は2300としたのですが……

それと使用してる打点表の関係で咲さん以外は20符・25符・30符40符50符のみで計算しています

平和ツモは数が少ないですけどねw 25符と50符は飜数がひとつズレる程度なので描写上は都合の良い方で採用していますが

ポケモンスレが中断の間だけ再開するっすよー


『皆さまこんにちわ。時刻は午前11時32分、間もなく準決勝A卓中堅戦が開始されます。

 解説の三尋木プロ、中堅戦に出場する選手の紹介をお願いできますか』


『はいよ。順位順にやってくからね。

 まずは東横桃子。この子は気ィ抜くと見失うくらい影が薄いんだよねい。

 その存在感の薄さが卓上でも発揮されてんのかね、わかんねーけどやたら放銃が少ない。

 大胆に攻めても放銃を全然しないから手の進みも速くなるし練って火力を上げやすくもある。

 まさにステルスって感じだねい。一部ではステルスモモって呼ばれてるんだと。


 次は雀明華。言わずもがなの欧州の若き歌姫、風神ミョンファと呼ばれる欧州ランカー。

 世界ランカーじゃないのは欧州では20位以内に入ったけど世界では60位止まりだからだよん』


『ちなみに三尋木プロは世界12位です』


『えりちゃん、そこで挟まれるとちと恥ずい。

 ま、まああたしは12位なわけだけど。世界麻雀連盟のランクはポイント制。

 獲得ポイントはヨーロッパとアメリカの認定大会は1.2倍、アジアの認定大会は0.8倍されっちまう。

 そんな状態で60位では、ってことだねい。とはいえそれも理由はある。

 まだ学生だから住んでいたフランスと近場のイギリス・ドイツ・イタリア・スペインの大会にしか出ていなかったんだよねい。

 加えて歌手としても活動していたから他の麻雀に専念している選手に比べると出場大会数が半分くらい。

 にもかかわらず上位ランカーに名を連ねた実力は本物。本気を出せば相当の強者。

 ……とはいえインハイルールではトラッシュトークはセーフでも歌うのはアウトだから。

 ミョンちゃんの本領は発揮されないのがちょっと残念かもね、しらんけど。


 んじゃ滝見春。この子はすんごい甘党なのかね、わかんねーけど局の合間によく黒糖をかじってるよん。

 鹿児島は黒糖が有名だし、地元大好きっ子なのかもしんねー。

 それはさておき、打ち方はあんまりあたし好みじゃないねい。

 鳴いて安手の早和了り、安手への差し込み差し込ませ。とにかく半荘を手早く畳もうとする。

 永水のオーダーでは副将に超火力の薄墨初美がいるから、ってことが大きいんだろうけど。

 ……こういう打ち方は下手打つとカモにされるからオススメできねー。


 最後は岩舘揺杏。揺れる杏でユアンってのはなかなか変わった読み方だねい。

 打ち方の特徴は特になし。オーソドックスって言や聞こえはいいけど、そういうのが強みになるのは地力があってこそ。

 須賀も臨海も敵の実力を見るためにあんまり有珠山を狙わないだろうから、それに上手く紛れられるかってとこかね、しらんけど』



『ありがとうございました。ロサンゼルス東南トーナメント銅メダリストの三尋木プロの解説でした。中堅戦、スタートです』

岩舘揺杏
属性 :D
技量 :E
直感 :E
必然力:D
・スキル
なし



雀明華(手加減)
属性 :O
技量 :B
直感 :B
必然力:A
・スキル
【風神――ヴァントゥール――】虹
 風を操る異能の力。
(効果A)
 和了判定値を+30。
(効果B)
 西家のとき、打点を+2翻する。
(効果C)
 西家のとき、和了判定値をさらに+30。
(効果D)
 西家のとき聴牌・和了コンマが1位の場合、打点が【四暗刻】になる。
(効果E)
 打点判定で1翻は確定する。

【捧げ歌】金
 優れた歌唱の才能による讃美歌に牌は応える。
 歌うことができる状況でのみ発動可能。
(効果A)
 自身の判定コンマを+30。
(効果B)
 打点を満貫以上にする。




滝見春
属性 :O
技量 :C
直感 :C
必然力:C
・スキル
【六女仙:風化の巫女】
 祓いを担当する巫女の一人。流るるものは不浄を祓う。
 他家が満貫以上を和了するときに自身が聴牌判定値2位以上の場合に発動可能。
(効果A)
 自身の和了判定値が3位以上かつ和了権がない他家の和了判定値との差分が15以内であるとき、
 差し込みを受けることができる。ただしこの場合の打点は2翻以下となる。
(効果B)
 他家がリーチをかけて和了に至った場合、打点を-1翻。
 ただしこのスキル効果では流局させられない。



桃子・明華・揺杏・春  の順

1半荘目

東一局  ドラ:一萬

桃子(この手はツモれて500オールのクズ手っすね……。

    他の人達も似たり寄ったり、ここは仕込みに入った方がいいっす)


「「「「ノーテン」」」」


桃 165700
明 129100
揺  31400
春  73800


東二局流れ一本場  ドラ:

桃子(外人さんの親。連荘されても面倒っすから――)

                ____   ___
               / ̄>―‐`´    \
             /  /        \   \
                /                \
                  /     /   ∧  ',    \
              /,    / / l     ',  }    l\\
             //   - /l/^ l|   | -l ,∧    l| |\\
.           //  ′   /-l- j|   | -l/l ∧   l\  \\
          l | {   |斤苧i从  :|,斤苧ミ l   | |\  )ノ
           八{ 八  八 ヒ)ソ  \:{_ ヒ_)ソ^》  | | |  \
           \ i\从|\    ,   、、、、/  /}ノ |   }
              /   人 u    _     フィ^   l|   ノ
               /   / /个ト ../)´ '/)、.. イ  | |   ,
           /   / / //⌒// ///-- .  | |   ′
.           /   / / (∨/_,ノ// /)  `゙丶|    ,
          /   //:    ∨   └ /∨   ∨
.         /   /       |    /  ∨   //\   \
.       /  /二ニ=-    l    /\   |  //ニニ \   \
     / / {二ニニニニニニ |   /___Y⌒V/二二ニ \   \
    / /   {二二二二}ニ'  /二ニニ|  ∨二\二ニ、 \   \
.   //    /{二二二二l/   ,二二二|   ∨二ニ∨二〉  \   \
   {{    / {二二二二′  ,ニニニニニ|   ∨二ニ∨/    \   \

                明華「……?」

桃子「ロンっす! トイトイ白ドラ2で1本場は8300!」


桃 174000
明 120800
揺  31400
春  73800

東三局  ドラ:西

桃子(今、こっちを見てたっすか……? まさか)トン

春(位相のずれた人がいるからやりづらい。差し込むにしろ差し込ませるにしろ、見えなければ)トン

明華「ロン。北ドラ3で8000です♪」


桃 174000
明 128800
揺  31400
春  65800


東四局  ドラ:

桃子(さすがに風神と呼ばれるだけあるっすね。自風とドラ西を確保してお手軽に満貫に乗せたっすか。

    そして外人さんの得意の西家。確か西家のときは四暗刻の和了率が高め、らしいっす。

    さすがに放銃せずとも役満ツモされたら痛い。前局の仕込みを早速使わせてもらうっす)

                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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.            ,:::::::::/::::::/:::/::::/::::::::/:::::/:::::∧::: !:::::::::::::::::::::::l::::::!
           /:::::::/:::::〃::/::::::|:::::::/:::::/::::::/ !::::!:::::::::::::::::::::::l::::::!
           .′:::::|:::::::l:|:::|::::::::|:::l//:::/::::::/ |::|:::|:::::::::::::::::::l::::::!
           |::::::::::|:::::::l:|:::|l:::::::|:::l/l::::|:::::::i  __!::::!:::!::: !:::::::::::::!:::::|
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       |/   \/: : : : : /: : :/ ∧    /厶厶イ: :/: : : : : \
              /: : : :/:/: : : :i /_∧__ /   /: : : /: : : : : : : : :\
          /: : : : i:/: : : : :|/イ:i:i:i:∧   /: : : /: : : : :/: : : : : :∧

            /: :/: : :/: : : : : :| |:i:i:i:l:∧ /: : : : /: : : : :/: : : : : : : : :i

           桃子「ロン! 中チャンタドラで8000っす!」

明華「……なるほど」


桃 182000
明 120800
揺  31400
春  65800

南一局  ドラ:五筒

桃子(……不穏っすね。憩さんクラスの相手には通じないことも度々あるっすから、もしかしたら外人さんにも通じない可能性が?

    とはいえスタイルを変えるのは。破られてから考えるっすよ)

明華「ロン。W南で2600です♪」


桃 182000
明 123400
揺  31400
春  63200


南二局  ドラ:

桃子「ロンっす。タンピンイーペー三色で8000!」


桃 190000
明 115400
揺  31400
春  63200


南三局  ドラ:四萬

桃子(よしよし、ちゃんと通るっすね。じゃ、また仕込んで次を――)


 桃子が警戒を緩め、それでも目立たぬように場に溶け込もうと打牌した直後。

 場にふんわりと、柔らかでいて無視できない圧迫感のある風が舞う。


明華「ツモ。北ドラで500・1000です♪」


桃 189500
明 117400
揺  30400
春  62700

南四局  ドラ:南

桃子(くっ、間に合わなかったっす。そして外人さんの西家……。放銃しなければ御の字っすかね)トン


 桃子は失念していたのだ。開幕で明華が桃子を一瞥していた気配のことを。

 そして今この場には、緩やかにだが確実に風が吹いていることも。

 明華の顔に獲物を前にした肉食獣の笑顔が浮かんでいたことも。

                 ,...:'.´へ\ ,..-、____

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      /-‐'"_イ .//λ { i′-、!j__.,,  } / _!.`トjハ  }、 i | 、 i
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      { /   // レ//^|! | |         :::ヽ=,、/ 人.| }ハ.!  リ
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     i:! / / ! V //!|. i|   !  `V    ハ 、!||  リ                         f:| .|. ||
     ゝ' / / \V/ |.| .| |\  `ー-'′   ノ  i  iリ                           i:i | ||
   / / __./_  )メ .!.| .! !. ` 、_    ,..イ  i  i  |                       i: i ! | .!
 / /,.::┴\\、 ̄ヽ!| トi |    `T ´|  |   i  i  |                      ./:      |
'" / /::  '" ::.\\、 | | .i !、    〈-、 |  |  i   i  |                           /:       i}
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ヽ/  _,..-‐''"´        ,.リ'" ||     ヽ ヽ' ̄ ̄\   :.:.`rー-.、             /    /
./,..:'"          / ノ   リ      ヽ 丶    ヽ  :/  ::::::i          /       /
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  / ,..イ /    /ハ:::::. ..::           |  `i 、`'" .ハ、_>、          /
/ / ノ/    / !::::::::::            i  | |iイ . | |\\      /
./  //     i! .ノ:...                i. | /  i!゙、 ゙、 \\_,.ィ′
   //       |/:::::               リ .! /   ハ ゙、 ゙、  \ ヽ ゙、
    i !     /::::: ー===、         ○ } V   / |.| ゙、 ゙、 | \ 丶゙、-、
    ! |    /:::::::                  /   !   / | |  ゙、  ゙、 !   ヽ! ト、丶
.   | .|  /:::::::::               /    | /   ! |   ゙、  ゙、!    ゙、 ゙、 \\
   | | ノ:7ー--、             /      V /  ! .!   ゙、   !    ゙、 i  \\
   | !/:::/::  / \          / ヽ         V  | |    ゙、  |     i .|    ヽ丶
   |/:::/   /   7ヽ、      /   丶       ゙、  | |    ゙、.|    | |     ヽ丶

       明華「ロン♪ ――四暗刻で32000です♪」


桃 157500
明 149400
揺  30400
春  62700


『中堅戦前半、終了いたしました。舞うように刺す東横選手をついに風神が捉え四暗刻直撃。

 3万6600点差が8100点差まで詰まりました。トップ争いがいよいよ熾烈になり後半に突入します』

                .  ´ ::  ̄ :: `  .
              /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

             . ' .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ
            / .::::::::::::::::::::::::::::::::: ト、: 、.::::::::::ヽ
             . . :::::::::::::::::::::::i ::::: i ::| ヽ::ヽ.::::::::::: .
              l.:::::::::!i:::!::::! :: l ::::: l::::!  i::::i :::::::::::::i
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              |:i::::::ル:1j八: i::!::::::::i::リ  ノ リ::: l::::::::|
              |:l::::i:{ル' 芹K从.:::::ル' ,ィ芹 く!:::::|::::::::|
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           从::リ::ハ """   .   ""|"l|::::::|:::::从
          厂: : :「∧         j リ|::::::|::/⌒ヽ

            i : : : :.|: : i\  r== -っ / ノ:::::リ: : : : : .
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            |: : : : : : :/: : : : : 「 Ⅴ/\: : j: : :〉: : : : : :|
            |: : : : : : :\: : : :∧:::::| : : :∨: :./: : : : : : :|

2半荘目

東一局  ドラ:一萬

桃子(やられたっす……! 見えてるっすかね、やっぱり。……それでもこれは止めさせないっすよ!)

                   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
               /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ

                 /::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
               /::::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::!:::::::!
              /::::;ィ:::::::/:::::::::!::::::::::::::::::|:::::!:::!:::::!:::::::|
            /::://:::::::/:::|:::::::|:::::|::::::::::::L:::|:::|:::::|:::::::;
         /::〃 /:::::::/::::::}::/‐弋:|:::l::l::::|-!::!:/:::/:::::::;

           /イ  ./:::::〃:::::::lイ圷ミヽ::!:ト、:!行心/:::!:::::j
           !{   /:::/:::::::::::ハ弋ツ  ヽ   弋ツ'!::/::::/
         ゝ   !:/::::::::::::::::::::!..:..:..   ,   /ィ77::::::/
          ヽ !}:/!::::::::::::::::::ゝ.    ,ィ7///!-:メ、
             l:ハト、:ヽ:;ィ´.:.:.}`>././イ-",.イ/}'.:.:.:.:.`.:...、
              /.:.:.:|:.:.:.:.:.:! ヽ}     /:';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ

              /.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.ハ  !    /.:.:.∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
             /.:.:.:.:.:.:.:.:.7.:.:.:.:.:/!/.:ヽ  メ、.:.:.:.:/.:.:.:.:/:.:.:.:.;
           |.:.:.:.\.:.:.:.:.:`.:.-/.:/.:.:.ヽ::''::!:{.:ヽイ.:.:..::/.:.:.::./

           |::.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:/.:/.:.:、.:.:.:.:.7イ.:.:.<.:.:.:.:V.:.::::../

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              ∨:::.:.\.:.!.:.;イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:;:;{.:.:./.:.`.:-:'.!:::./
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             ∨.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:ヽ.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.}
             ∨.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.○}.:.:.:.:.:.:.:.:/.:./:!

               ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.::::::::!:::::::_:;イ.:.:.:.:/
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    桃子「リーチ。――ロンっす! リーチ清一色、裏1で24000!」


桃 181500
明 149400
揺  30400
春  38700


東一局一本場  ドラ:三索

春(そんなっ!?)

明華「ふふっ、ロン。南ドラの1本場で2300」

揺杏「うわっ、ついにかー。ここまで置物だったししゃーないなー」


桃 181500
明 151700
揺  28100
春  38700

東二局  ドラ:八筒

明華「リーチです♪」


『おっと、雀選手がリーチです。確かに手自体は倍満も見える良手ですが……』

『ミョンちゃんは自風を手に集めるからそれを使った攻防の自在さが強みだからねい。

 防御を捨てるんだからよほどの確信があったんだろうけど……』


桃子「ロンっす! 純チャンドラで8000」


桃 190500
明 142700
揺  28100
春  38700


東三局  ドラ:六萬

明華(やはり今の状態では完全には捉えられませんね……。

    他家を狙って付け入る隙を与えない方がいいでしょうか?)

明華「ロン。北ドラで2000です♪」


桃 190500
明 144700
揺  28100
春  36700


東四局  ドラ:五萬

春(だめっ、狙われてる……!)トン

明華「ロン。西ドラ2赤1で7700です♪」


桃 190500
明 152400
揺  28100
春  29000

南一局  ドラ:六筒

春(これ以上の失点は、まずい。無理に動かずオリに徹する……)


「「「「ノーテン」」」」


桃 190500
明 152400
揺  28100
春  29000


南二局流れ一本場  ドラ:六筒

明華(ニンジャさんが来るでしょうから、そろそろ気を付けないとです)トン

            ,/: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
         //: :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :’

         /: :l:./: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'
       .  ',: |/:./: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : | : : : l: : : : : : : : : ',
         ヽ': : : : : : : : : : :/: : /: : : : l : : : : : : ! : : : |: : : : : : : : : :',

          ' イ : : : : : : : : /: : :l: : : : : l : : : : : : |: : : : l : : : : l : : : : }
          { l : : : !: : : ::!/―: ト : : //!: : : : : :/.!: : : : !_: : :!: : : !: !
          { |: : : :| l : : l | | : ll : : 〃/ : : : : 斗.}  ̄/:|: : : : :!: : : l ,'
           ー-': --:' └ -' /‐- !:_:_:_:/ /l:_:_/i/:/: : : l/: ://

            V: : : :| .Z竓芸ミx       x=芯ミ、/_:_:_:/:_://
           /:|: : : :l弍 {  o :!ヾ    ィf o  灯》: : : T

           ヽ!: : : :|   廴 _ ノ      弋 _ ソ 〃 : : : !
            .l: : :∧    , ,         ¨   ./ : : :
           /!: : : | ヽ         '       / : : : ,'
          /´ .|: : : :! ._\     __       イ: : : :,'
             l: : : ! /ヽ .\    ´ .'     < |: : : : ,'
             ',: : :!   ヽ   ヽ ___   <     !: : : :,'
        ,, -''"" .', : !   \     /| ヽ\-、 | : : :/
     > '"   ヽ  ',: !',     ヽ    .!  ヽヾ Y: : :/
    /"     ヽ ヽ | ',:| ',     ヽ   .|   } ヽ :l : /
    /        \ |  !. ',     ヽ   !   !   l::/ \

        春「! ロン。白ドラ2の1本場で4200」


桃 190500
明 148200
揺  28100
春  33200

南三局  ドラ:二索

明華(いけませんね。気付いていない演技をしつつというのは無理がありましたか。

    実力も大体読めましたし、そろそろ終わらせてしまいましょう)

明華「ツモ。北のみで300・500です♪」


桃 190200
明 149300
揺  27600
春  32900


南四局  ドラ:

桃子「ロンっす。チートイタンヤオドラドラで8000!」


桃 198200
明 141300
揺  27600
春  32900


『中堅戦終了いたしました。


 1位は須賀で198200点。

 東横選手は前半-8200、後半+40700で合計+32500点でした。


 2位は臨海で141300点。

 雀選手は前半+20300、後半-8100で合計+12200点でした。


 3位は永水で32900点。

 滝見選手は前半-11100、後半-29800で合計-40900点でした。


 4位は有珠山で27600点。

 岩舘選手は前半-1000、後半-2800で合計-3800点でした。


 中堅戦、いかがでしたか三尋木プロ』


『そうだねい……モモちゃんがちょっと迂闊だったかな。

 西家のミョンちゃんは世界上位でも通用するレベルだから、それに無警戒だった前半はちょっちいただけない。

 とはいえ後半には修正して狙い撃ったから及第点かね、しらんけど。

 ミョンちゃんはさすが、ってとこだ。二半荘通してずっとモモちゃんに狙われてたけど凌いだ。

 役満を直撃させてすらいるからねい。今大会だとモモちゃんの放銃は初じゃね?

 県予選で龍門渕の中堅相手にも1回やられてたから本選ではってことだけど。

 ま、相手のミスを前提にした戦術は外れると痛い目見るってことだねい。

 黒糖ちゃんは残念だったね。臨海としては飛ばす気がないから有珠山は避けてたからその分のしわ寄せがあった。

 一矢は報いたがそこまで。地力をしっかりつけて来年出てきてくれればいいんだけど。

 ユアンちゃんは……厳しいことを言うけど蚊帳の外だったねい。

 全国で戦うには不足。頑張ってるのは分かるんだけど、それで肯定されるほど甘い世界じゃないよん』


『ありがとうございました。

 1位と2位が定まったかに見える準決勝A卓。

 2回戦B卓で奇跡の大逆転を決めた真屋由暉子はまた爆発するのか、注目の副将戦をお見逃しなく』

――須賀控室――

「ただいまっす」

「おう、おかえりモモ」「おかえりですよーぅ」「おかえりなさい」「おかえりなさい桃子」


 どこか浮かない顔の桃子。やはり前半オーラスでの役満直撃が響いているのだろう。


「雀さん、確実にモモちゃんのこと見えてましたねーぇ」

「……やっぱそうっすよね。その割には私の狙い撃ちを避けなかったっすけど」

「桃子の暗撃は仕込みさえできればプロでも躱せないはずだわ」

「そうね。あの雀荘の人達も、モモの奇襲だけはどうしようもなかったみたいだし」


 やはり自身のステルスを破られたことを気にしていたようだ。

 しかし防御は破られても攻撃までは破られていない。

 桃子の伏撃は分かっていても準備を整えさせてしまえば躱しようがないのだ。

 認識を歪められているというか、俺ですら桃子の姿かたちは見えていても手と河だけが見えなくなる。

 明らかに異質な異能。そんな異能のおかげで桃子と出会えたのだから痛し痒しなのだが。


「ま、モモを見逃さないのなんて俺くらいのもんだ」

「それはおっぱいの話っすよね京ちゃん。麻雀では普通に喰らってるじゃないっすか」

「うぐっ、それはほら、なあ?」


 痛いところをツッコまれ言葉に窮する。助けを求めるように周りを見るも、目を逸らされるか冷たい視線か。

 とても助けが得られる状況ではなかった。


「ふふっ、いいっすいいっす。京ちゃんに愛されてるのは分かってるっすからねー」


 桃子も表情を明るくし、にひひと笑って流した。

 それを見て絃さんが席を立つ。


「京太郎さんの愛はわたし達も呑み込んでくれる懐の広いものだわ……。

 綺麗にまとまったところで、行って来るわ。京太郎さん、後はよろしく」


 いつもの傲然とした態度は鳴りを潜め、どこか儚げですらある。

 絃さんの言っていた通り、これから赴く戦いは彼女にとって相性があまりに悪いもの。

 飛びさえしなければ俺が捲ってみせるという思いもある。

 なによりどんな結果だろうと俺達が絃さんを責めることなどないだろうから、気楽に楽しんで打ってきてくれると良いのだが……。


『皆さまこんにちは。準決勝A卓副将戦の模様をお送りしていきます。

 解説は引き続き三尋木咏プロです』


『はいはい、よろしく。それじゃお仕事するかね。

 1位の須賀から、霜崎絃だね。

 この子は理牌に癖がある。山と河、それと四人の手牌を何かに見立ててるらしいんだけど。

 風牌が重要な役割を果たしてる、んじゃねーかなしらんけど。

 なんにせよ実力は全国でも一線級。それでも火力があるタイプではないから今回の卓は厳しそうだねい。


 次は2位の臨海、メガン・ダヴァン。

 去年も出場してるアメリカ出身の雀士。特に目立った大会入賞記録があるわけじゃないけど、

 臨海の監督は世界でもトップクラスの麻雀大国ドイツ出身のアレクサンドラ・ヴィントハイムだからね。

 世界ランク5位だったこともあるヴィントハイム女史の眼鏡に適った逸材ということを考慮すれば実力に疑問符は付かない。

 前年度の準決勝では須賀と同じ長野ブロックの龍門渕に苦杯を舐めさせたのもこの子だ。

 追っかけリーチからの和了率が並外れているのも見逃せないね。

 それ以外にも奥の手は持ってるっぽい。2回戦でも真屋由暉子の爆走を止めるために何度か札を切ってたよん。


 3位の永水から、薄墨初美。

 この子はいいね、あたしは好きだよこういう子。とにかく北家での役満和了率が高い、超火力型。

 東北を刻子で揃えた場合は四喜和を聴牌してると思っていいってくらい。まさに裏鬼門の子鬼って感じだねい。

 風牌を多用する傾向があるから、かみ合い方次第では霜崎ちゃんと薄墨ちゃんのどっちかがぼろぼろになるかもねい。


 最後は4位有珠山、真屋由暉子。

 まあ、デカいよね。あたしより身長低いのに、デカい。

 打倒瑞原はやり、らしいんだけど……。ルックスだけなら十分ありえんじゃね、しらんけど。

 麻雀の方は2回戦の結果を見ればとんでもないってことは分かる。

 とにかくチャンスに強くて、副将と大将で捲る戦術のオーダーをどうにか成り立たせてる。

 この子でどこまで巻き返せるかが勝敗に直結してるねい。

 今回も大暴れしてくれるかどうかは……ちょっと難しいかもな、わかんねーけど』



『ありがとうございました。

 ちょうどお時間となりまして、副将戦開始されます。

 新たなスターとなるか、注目の真屋由暉子選手の真価が問われる一戦、スタートです』


霜崎絃 (イベント後)
属性 :O
技量 :B
直感 :B
必然力:A
・スキル
【キレ◎】
 自身の和了形がロンの場合、判定を+20し打点を+2する。

【奇門遁甲:石兵八陣】
(効果A)
 他家の判定コンマを-10。
(効果B)
 自身の素の判定コンマに1が含まれ、
 かつ他家の素の判定コンマに6が含まれる場合はその他家から直撃を取る。
(効果C)
 効果Bが発動するためには、聴牌成功かつ和了判定値が3位以上でなければならない

【邪仙術:人頭桃】
 他家からロン和了するたびに全ステータスが+5されていく。



真屋由暉子
属性 :O
技量 :C
直感 :A
必然力:B
・スキル
【ディバインレフト】
 テトラ・クテュス・グラマトンを刻んだ左手は御神の代行者となる。
 1日に1回まで発動可能。
(効果A)
 リーチをかけて和了した場合、裏ドラが最低2枚乗る。
(効果B)
 聴牌が確定する。
(効果C)
 和了判定値を+50。
(効果D)
 最低打点が満貫となる。

【ビーストライト】
 聖字で封じるは内なる獣性。右手に宿るは黙示録の獣。
 6日に1度だけ発動可能。【ディバインレフト】との同時使用は不可能。
(効果A)
 役満を聴牌する。
(効果B)
 和了判定値が4位の場合、強制和了。
(効果C)
 このスキルを発動中は効果B以外では和了できない。

【チャンス◎】
(効果A)
 リーチをかけたとき、和了判定を+20し打点も+2する。
(効果B)
 一人聴牌のとき、和了判定を+20し打点を+2する。効果Aと重複する。

【対オカルト◎】
 オカルト属性の相手と対局するとき、判定を+20する。

【逆境○】
 東風の場合は東四局、半荘の場合は南三局以降に効果発動。
 1位でない限り判定を+10。

メガン・ダヴァン(手加減)
属性 :O
技量 :B
直感 :A
必然力:D
・スキル
【Duel!】
 アメリカンとしての矜持。
 誰かがリーチをかけた場合に対象を取って発動可能。
(効果A)
 聴牌判定値に+30。
(効果B)
 自身と相手の和了コンマを比較し、高い方が低い方からロン和了。

【ウェスタンリボルバー】
 愛銃は信用を裏切らない。
 【Duel!】発動時に1日に6回まで発動可能。満貫で強制ロン和了。

【Bleak Black】
 光を閉ざすことで這い寄る闇の加護を受ける。
 任意で発動可能。
(効果A)
 聴牌が確定する。
(効果B)
 和了判定値を+50。
(効果C)
 放銃判定値を-50。
(効果D)
 和了コンマが4位の場合、放銃する。
(効果E)
 打点が満貫以上になる。
(効果F)
 このスキルは1週間に6回までしか使用できない。1日1回分ずつ回復する。



薄墨初美
属性 :O
技量 :D
直感 :B
必然力:D(S)
・スキル
【六女仙:悪石の巫女】虹
 太陽を喰らう仮面の神の力を行使する調伏の巫女。
 自身が北家のときに発動。
(効果A)
 聴牌が確定する。
(効果B)
 和了判定値を+20。
(効果C)
 聴牌判定値が2位以上の場合、四喜和を聴牌する。
(効果D)
 聴牌判定値が3位以下の場合、2翻以上の打点になる。
(効果E)
 聴牌判定値が2位以上の場合、和了判定値をさらに+30する。

【合法ロリ】赤
 18歳でありながら童女にしか見えぬ身体に引き摺られたか、意固地になりやすい。
 【六女仙:悪石の巫女】発動中に和了できなかったとき発動。
(効果A)
 親がロン和了可能なコンマである場合、自身の和了コンマの半分を親の和了判定値に加算させることができる。
(効果B)
 効果Aを使用して和了に成功させた場合、放銃者は自身で固定される。


ユキ・絃・初美・メグ  の順

とりあえずは一旦ここまでですー

しばしお待ちをお願いしますー

今の所、京太郎の好感度が高いキャラって誰?

>>358
モモ=憩=和=久≒絃=数絵>美穂子=衣=淡=咲>まこ=優希=透華>小蒔=霞=怜=白望≒竜華>etc

って感じですかねぇ。基本的には身体を重ねたキャラが上位になりやすいです。

透華は色々恩が積み重なってるのでその分高い感じで。

意外にもまこが高いのに驚いた。地味にいる人もすごい

>>361
実は、好感度だけならまこや優希はゾロ目出しまくりな怜竜やシロよりも高いんすよ

まこに至っては淡よりも高いという。

京ちゃんが押し倒せば怒りながらも「しゃあないの、京太郎は。……優しくせぇよ?」みたいに許してくれるくらいには高いです。

久も上位にいるのが驚きwwwwww
前スレで見逃した所があたっけ………?

>>364
ヒッサは京ちゃんが初めて自分から押し倒した相手なんやで(小声)

自分もちょっと暴走して挿入寸前まで書きましたからね、あれはちょっとやりすぎたと反省してます。

怜? ……知らない子ですねぇ。

さて再開しますよーぅ

1半荘目

東一局  ドラ:五萬

メグ(2回戦では暴れられましたが、今回はそう簡単に……)

メグ「リーチデス」

由暉子「……ツモ。タンヤオドラで1000オール」


ユキ  31600
絃  197200
初美  31900
メグ 139300

東一局一本場  ドラ:五萬

メグ(ム、親ですから安手で連荘も当然デスカ)

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   l    八从 : | |    |:.l〕iト  ___    [[      /lノ|:. 八
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      由暉子「左手を使ってもよろしいでしょうか?」


『おっと真屋選手、今回も左手で打つようですね』

『古い人らには左手でのプレイはマナー違反なんていう人もいるけどね、

 チョンボしなけりゃどうでもいいだろうってのが世界での認識だよん。

 世界ランカーにも左利きでやってる人がいるからねい』


 由暉子の希望を他三人は了承し、由暉子は左手でのプレイを開始する。


由暉子「リーチ!」


 順調に向聴数を落とし、ついにリーチを宣言。リーチ棒を取り出す際に左腕を高く掲げた。

 その左手の甲には薄らと文字が光ることに卓上の三人は気付いた。


メグ(前回もあの光る腕を出したら高めの手を張っていマシタネ。ならばこそ、勝負――デュエル!)

メグ「リーチデス!」


 先行してリーチを掛けた由暉子を追いかけるメグのリーチ。

 しかし今の由暉子に生半可な攻撃は逆効果であった。


由暉子「ロン。リーチ一発三暗刻ドラ――裏2の1本場で18300」


ユキ  50900
絃  197200
初美  31900
メグ 120000

東一局二本場  ドラ:中

メグ(やはり力を使っている時のマヤに中途半端な攻撃は無意味デスカ)

絃(さすが、9万点を稼ぐだけの力はあるわ。……今のうちに、少しでも食んでおくべきだわ。

  迂闊に真屋由暉子に挑むのは下策。なら北家でない日喰いを撃っておきましょう)

絃「ロン。純チャンのみで2本場は4500」


ユキ  50900
絃  201700
初美  27400
メグ 120000


東二局  ドラ:六萬

初美(うーん、北家じゃないにしても風が少し変なのですよー)

絃(まずは一口。……これならば――来た)

絃「ロン。W東ドラドラで12000だわ」

由暉子「……はい」チャラッ


ユキ  38900
絃  213700
初美  27400
メグ 120000


東二局一本場  ドラ:一萬

由暉子(さすがに前回のように上手くはいきませんね……。でも、ここで稼がないと!)

由暉子「ツモ。タンヤオ平和一盃口ツモドラの1本場で2100・4100」


ユキ  47200
絃  209600
初美  25300
メグ 117900


東三局  ドラ:八萬

絃(満直程度では止まらない……。わたしの手も決して悪くないわ。

  この手ならリーチをかければ和了れる確信もある。だけど、それがまやかしでわたしにとっての死門であることも分かってしまう)

由暉子「リーチ。――ツモ。リーチ一発ツモ三色の裏2で3000・6000」


ユキ  59200
絃  206600
初美  19300
メグ 114900

東四局  ドラ:六萬

初美(さて、ようやく私の北家ですー。配牌時点で東と北は暗刻。誰かが落とさなくともカンすればいいわけですしー)

絃(! いけない、日喰いは既に手をかけている気配……。

  東と北を流さなければいいはずなのだけど、それでもダメ? 悪寒が酷いわ)

初美「カン! ――もいっこカンですよー」

由暉子(自力で東と北を……!)

    ト、 `ヽ、                                \  \/    \    ´ _,..
    /  `ヽ、`ヽ     ,..-‐:.:.:--、                 ,..-‐/ 丶  `    i    \\  __
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     ゙、::..  ムィ:::!.::::::::i.ー、:{._ ヽィr=-、`'"'!:::::iー | / / /. / .:/ .:::..:i.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;...-イ´i
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                           〈:::::::/y'::::::ハ:::/:::::::::::::::::|::::::::::V:::}::::::::\     /::::::/
                                V::/-‐:┘:レ:::::::::::::::::;:::::|:::::::::::i:/:::::::::::::::〉    /::::::/
                               ̄ー-<__;::ィ´  ̄ |::ノ:::::;::::::|::::::::::::/::.  /::::::/

              初美「ツモ! 小四喜で8000・16000ですよー」


ユキ  51200
絃  198600
初美  51300
メグ  98900

南一局  ドラ:一索

メグ(チッ、ヘビーデスネ。限定的とはいえ役満を何度も和了れるというのはなんどもズルイデス)


由暉子&初美「「聴牌」」

絃&メグ「「ノーテン」」


ユキ  52700
絃  197100
初美  52800
メグ  97400


南一局一本場  ドラ:東

メグ(そろそろ取り返しておきたいデスし、攻めてみマショウ)

メグ「リーチ」

由暉子(……親被りはしないと言っても、下手をすればさらに2万4千点をツモで削られる可能性が。

     ならば臆している場合ではないです)

由暉子「ツモ。トイトイ三色の1本場は4100オール」


ユキ  66000
絃  193000
初美  48700
メグ  92300


南一局二本場  ドラ:二萬

『おや、ダヴァン選手、手牌を伏せて俯いたままツモを進めています。どうしたのでしょうか』


メグ(またネリーに怒られるかもしれマセンが、さすがに減らされすぎましたカラネ。

   あまり使っていて気持ちのイイものではないのデスガ)

メグ「ふむ……。――ロン。純チャン三色、2本場は8600デス」


ユキ  66000
絃  193000
初美  40100
メグ 100900

南二局  ドラ:八萬

由暉子(親が流されてしまいました……。あ、安いですが私の当たり牌……。

     他家がツモる可能性もありますし、それよりはマシでしょうか)

由暉子「ロン。タンヤオのみで1000」


ユキ  67000
絃  193000
初美  40100
メグ  99900


南三局  ドラ:二萬

絃(次はまた日喰いの役満チャンスだわ。強引だけど、攻めてみようかしら)トン

初美「ロンですよー。トイトイドラ3で8000」


ユキ  67000
絃  185000
初美  48100
メグ  99900


南四局  ドラ:西

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初美「今日は絶好調ですねー。ツモ! 大四喜で8000・16000!」


ユキ  59000
絃  177000
初美  80100
メグ  83900


『副将戦前半が終了いたしました。

 薄墨選手が下馬評通りの大暴れで大きく点数を取り戻し2位を猛追しています。

 まずます目が離せない副将戦、後半も間もなくスタートです』

2半荘目

東一局  ドラ:八筒

由暉子(できればトップか2位から直取りしたいのですが……)

由暉子「リーチ」

メグ(ム、先行されてしまいマシタカ。とはいえやることは変わりまセンが)

メグ「リーチデス」

初美(む、むむむ……。せっかく波に乗っていますからー、できれば当たりたくないのですよー)トン

由暉子「ロン。チートイドラ2で9600」


ユキ  69600
絃  177000
初美  70500
メグ  82900


東一局一本場  ドラ:三萬

メグ(マズイデスネ。ここで調子付かせてはどこまで走られるカ……)スッ

初美(メガンさんはまた自分の世界に籠りましたかー。北家でない私ではちょっと読み切れないんですよねー)トン

メグ「ロン。タンヤオ平和二盃口の1本場ハ8300デス」


ユキ  69600
絃  177000
初美  62200
メグ  91200


東二局  ドラ:六索

絃(……。方角を狂わされ過ぎたわ。この局、死門はわたし。生門は真屋由暉子)トン

由暉子「ロン。清一色のみで12000」

ZZZZZZZZZZZZZ\
ZZZZZZZZミア"<><> ̄オi
ZZ二==/ミミ/‐¬¨三三ミ{
ニニニ二lミミミ〈二二二二ミミl
=¬¨´Zlミミミュ、<><>`>‐-、
ZZZZZZlミミミミ}Lニ===ニニ三三ミユ)
ZZ / ̄Vミミミミミリ  `ヾ7-ミZZ「 ̄ ´
ZZ:{ r'/ミミミ/-‐''7lヽ,'
ZZ.`、_lミミミ/  // ヽ、

ZZZ l lミミミ/   `    >
ZZZZl,'ミミミミ、      r'´
ZZZZリミミミ}   -‐,. '゙
ZZZ/ミミミ/ヽ、__./

ZZ/ミミア´l
Z./ミミミ/  l
Zlミミハ`¨¬ー- _
Zヾミミ`ー-..、.  ∧
ZZZl}ヾミミt-ミミt、 ',

ユキ  81600
絃  165000
初美  62200
メグ  91200

東三局  ドラ:六索

初美「あっ……ツモですー。ツモのみで700オール」


ユキ  80900
絃  164300
初美  64300
メグ  90500


東三局一本場  ドラ:北

「「「「ノーテン」」」」


ユキ  80900
絃  164300
初美  64300
メグ  90500


東四局流れ二本場  ドラ:六筒

絃(これは……日喰い以外はノーテンだわ。これでは――)

初美「ツモ! 小四喜で8000・16000! いやー、ほんとに今日は出来過ぎですねー」


ユキ  72700
絃  156100
初美  96900
メグ  74300

南一局  ドラ:白

絃(さすがに、このままでは皆に顔向けできないわ。京太郎さんは溺れさせてくれるだろうけれど。

  でもわたしにだって意地はあるもの。だから――)

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:::::::::::::::Ll::::-‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l_l:::l  ',.l  }::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_:::::::::::l ', l l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l‐-‐.iノ'"l::::::::::::::::::::::::::__:::;; ノ.l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_ `  ̄´  ` __::::::::::::::::::_...,,...ノ       ̄ _,,.. -zェェ‐-  l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ミぇt 、       ̄ ̄ ̄          _,,...ィオ三三;fへ、`、  l:::::::::::::::::::::::::::::l` 、:::::::

ニ::へミ.、                    //チ三三三弋_イ. 丶 l:::::::::::::::::::::::::::::l   ',:::::
三`-イ `、                   / l三三三三三心    l:::::::::::::::::::::::::::::l   i:::::
ニl ̄l l                       にl l三三リ  l l    l:::::::::::::::::::::::::::::l   l::::
‐´ノ7                        弋 `‐-‐´ /リ    l:::::::::::::::::::::::::::::l  ,':::::
ェシ´                         ヾェzzzzェシ.     l:::::::::::::::::::::::::::::l  /:::::::
                                      l:::::::::::::::::::::::::::::l /:::::::::
                                       l:::::::::::::::::::::::::::::レ::::::::::::
  l                         l  |   l     l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                                 !       l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                                    ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                                   / .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    絃「ツモ。白チャンタドラ3で3000・6000だわ」



ユキ  66700
絃  168100
初美  93900
メグ  71300


南二局  ドラ:八萬

由暉子(2位が見えてきました。ここまでくれば、後は爽先輩に任せるだけ……。

     小和了りでも問題ないですね)

由暉子「ロン。三色のみ、2600」


ユキ  69300
絃  168100
初美  91300
メグ  71300

南三局  ドラ:白

絃(オーラスでは日喰いがまた大和了りをするはず。ならば少しでも打ちこんでおくわ)

絃「ロン。白ドラ3、7700」


ユキ  69300
絃  175800
初美  83600
メグ  71300


南四局  ドラ:五索

            /    .:      \
         ―-′|   / ,.     ヽ

      /  ....,  ノ / /    |l  |  |
.     /  / / /|爪/ /__./ :;  |   |  | |!
     ′/  . :/f⌒彡/7  |ヽ/  ハ |  | :从
     |/   /.:/∧ |!Yん弐Ⅳ!//⌒!/}  |/
        . :/| | ∨ 弋炒`   rテミく/  ハ  }!
        | ||! ∧ト  "   ,  炒ノムイ  | /
        |リ    /  \ ー    イ7/|| j!/
          ーイ   />ー 、   / }ノ
       /   `ー-  /  ヽ }ヽ
      /               | | (
.      八   ヽ          | | |\
    r<二ヽ__l!_      | | |  ー――――  、
    ∨        \    {八ト   \ー―    \
     \―――-    \   !\\    \__    \
      〕!      \  \/|::::::\〉  _____    \

初美「さてさてー、これにて店仕舞いの神楽舞ですよー。ツモ! 大四喜で8000・16000!」


ユキ  61300
絃  167800
初美 115600
メグ  55300

『副将戦終了いたしました。


 1位は変わらず須賀。167800点。

 霜崎選手は前半-21200、後半-9200で合計-30400点です。


 2位は大躍進で永水女子。115600点。

 薄墨選手は前半+47200、後半+35500で合計+82700点です。


 3位は持ち直して有珠山。61300点。

 真屋選手は前半+31400、後半+2300で合計+33700点です。


 4位は急落した臨海女子。55300点。

 ダヴァン選手は前半-57400、後半-27600で合計-86000点です。


 いかがでしたか三尋木プロ』



『なんというか、しょうがないって感じだねい。

 ロリ半裸巫女ちゃんが役満を4回もツモ和了しちゃったから、

 親被りしたメグちゃんは32000点分は差っ引いて考えてあげないとちと可哀想だ。

 あるいは全員からさらにマイナス32000を無視して考えてみると……

 絃ちゃんはギリギリプラスに転じるし、由暉子ちゃんもプラス6万5千とかなりの稼ぎになる。

 実際、マイナスの二人は放銃回数は1回と2回で他の面子と比べても少ないんだよ。

 絃ちゃんなんかは得点だけ見ると3万6千点稼いだはずなのにこれだからねい。

 とにかくこの卓は平均火力が高く、そしてツモ和了が多かった。

 全員が1回当たりの打点8000点を上回る高火力卓。

 ちょっとこの卓だけを見て論評はできねーかな。巫女やべぇ、って感じ? しらんけど』



『ありがとうございました。

 いよいよ順位が入れ替わり決勝進出校が分からなくなってまいりましたA卓。

 次は非公式ファン投票1位に輝いた怒涛のバストこと石戸霞と、女性雀士の救性主こと須賀京太郎の登場です。

 皆さまチャンネルはそのままでどうぞ』

――須賀控室――

「戻ったわ」

「おかえり絃さん」「おかえりですよーぅ」「おかえりなさいっす」「おかえりなさい絃さん」

「だいぶ点数を減らしてしまって……ごめんなさい」


 戻ってきた絃さんは開口一番、そう謝罪をした。明日は槍でも振るのかというくらいに珍しい。萎れて謝る絃さんなど初めて見た。

 俺を監禁しようとした後ですらここまでの様子ではなかったというのに。さすがにこれは予想外で、俺達は口々に慰めに掛かる。


「確かに3万取られましたけど、あんなに役満やられたらしょうがないですよ」

「そやね。それに結局2位とは5万点の差がありますーぅ」

「いつでもプラスだったら楽勝過ぎて微妙っすよ」

「相手も強い全国なら当然だと思います」

「そう、ね。ありがとう」


 実際、大幅なリードを保った状態で3万点を失ったくらいは許容範囲内なのだ。

 そう、要は俺が勝てばいいのだから。


「ま、絃さんが気にするっていうなら俺が大将戦でかっ飛ばして来ればいいですよね!」

「京太郎が頼もしければ安心して任せられるわね」

「京ちんは十分強いですよーぅ?」

「京太郎さんのことは信頼しているわ。だから……お願いするわ」


 からかうように追従を述べる数絵。苦笑いして呆れる憩さん。そして申し訳なさそうに見上げてくる絃さん。

 抱いた女に頼りにされて嫌がる男がいるだろうか。だから俺はそれに応えるように笑ってドアを開ける。

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  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
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 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
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/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////

       「もちのロンですよ! っし、それじゃ行ってきますか!」

強制遭遇  霞

 01~32   
 34~65   
 67~89   
 90~98   
 ゾロ目


1d100=41  普通


「須賀選手、試合の意気込みをお聞かせください!」


 控室から対局室に向かう最中、俺はマスコミに追われていた。

 2回戦まではこんなことは無かったのだが、さすがに準決勝ともなれば注目度が段違いらしい。

 しかし、試合直前でこんなことをされては水が差されるとは思わないのだろうか。

 確かに視聴者はこういう情報も知りたがっているのかもしれないが……。

 とはいえ無言で突っ切ってしまうのも印象が悪い。マスコミならば仕返しとばかりにネガティブキャンペーンを張りかねない。

 適当に一言述べ、さっさと振り切ってしまうのが一番いい。

                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


「勝ちますよ。チームのみんなが5万点もリードしてくれた。

                          これで1位抜けじゃなきゃダメでしょう」


 そう言って俺は対局室のドアに辿りつき、さっさと入室した。

 いくらマスコミとはいえ対局室内にまで入ることはできない。

 もし入ろうものならその記者の所属社が取材資格停止となる、らしいからだ。

 いまや麻雀はドル箱コンテンツ。高校生の試合ですら、大規模公式大会であれば安くない放映料が発生するという。

 大人の汚い世界に守られているというのは、なんとも複雑な気分だ。

 そう思って渋い表情をしていたからだろうか、対局室内に一人だけいた先客――石戸霞さんが苦笑しながら声をかけてきた。


「テレビの方たちは強引よね」

「石戸さん。お久しぶりです」

「ええ、お久しぶりね。……あの時はごめんなさいね、きつく当たってしまって」

「……? ああ、気にしないでください。神代さんは無防備で危ういですから。

 ってこういうのは前もやった気が」

「ふふっ、そうかもしれないわね。でも改めて言わなければ私の気が済まなかったの。

 ……須賀君は強い。あの大星淡を打ち負かしたのを見たらそう認めざるを得ないわ」


 そう言って石戸さんは複雑な表情を浮かべた。

 その表情からは、どこか俺を品定めしていたような雰囲気を感じる。

 石戸さんは神代さんの保護者のように振る舞っていたし、そういう役目でも担っているのだろう。

 石戸さんや神代さんは由緒正しい家柄のようだし、付き合う人間についても細かく言われているのかもしれない。

 交友関係にまで口出しされるというのは窮屈そうだが、俺みたいな男が相手では仕方がないのか。

 そこまで考えて違和感を覚えたのは“認めざるを得ない”という言い方だ。

 つまりはお眼鏡に適った、ということだろうか。

 ……もしかしてあれか、良質な種馬を見つけたということか?

 そんな突飛な発想に至った俺は思わず石戸さんの胸に視線を向けてしまった。


「……やっぱりあなたも見るのね」

「え、あ、すみません。……でも石戸さんみたいな美女で、さらに一目で分かるほど特徴的なら見ないなんてのは無理ですよ」


  判定 1d100=67  成功


「――はぁ。なんて言えばいいのかしら、そこまで正直に言われたら怒る気にもなれないわね」

「あはは、すみません。魅力的な人に嘘は吐けない性分でして」


           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
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          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
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           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !

「もう、調子がいいんだから。

 まあいいわ。ちょうど同卓するお二人も来られたようだから。

                     ――後は卓で語りましょう」


 正直に思ったことを告げた俺に対し、やや呆れながらも感心したように吐息を漏らした。

 そんな彼女だが、すぐに柔らかな雰囲気は硬質なものへと変わる。

 そう、今は戦いの秋。ただ麻雀でのみ語るべきなのだ。


「よろしくお願いします!」

獅子原爽
属性 :O
技量 :B
直感 :S
必然力:C
・スキル
【神憑き:五色雲】
 天地創造を司る青黄赤白黒の五つの雲とカムイに憑かれた少女。
 
 聴牌判定値を+20。

 以下の効果を1色につき1回、任意で発動可能。色によって効果が異なる。
 なお1度発動した色は北海道に帰還するまで使用が不可能になる。
 聴牌・和了コンマ共に1位かつ和了コンマ90以上で和了した場合、
 打点が役満となる。

・青
 流れる水こそ生命の源。全員有効牌をツモれなくなる。
 聴牌判定で自身以下の他家は全てノーテンとなる。

・黄
 草木が生い茂り一帯を覆い尽くす。全員のツモが緑の牌のみになる。
 他家の判定値を-30し、自身の聴牌・和了判定値を+30する。

・寿命の支配者(パコロカムイ)
 このカムイは対象の命脈を絶つ。相手に当たり牌を掴ませる。
 対局者の一人を対象にして発動。放銃判定値を0にする。

・ホヤウカムイ(羽蛇)
 このカムイは纏う悪臭で生命を害する。
 他家のスキル効果を最低50%ダウンさせる。
 自身の素の聴牌コンマの下一桁×5だけさらにダウンさせる。
 他家の和了コンマにゾロ目が出た場合、効果終了。

・アッコロカムイ(蛸)
 このカムイは自身の体色である赤で世界を染める。全員のツモが赤い牌のみになる。
 他家の判定値を-30し、自身の聴牌・和了判定値を+30する。
 
【逆境○】
 東風の場合は東四局、半荘の場合は南三局以降に効果発動。
 1位でない限り判定を+10。

ネリー・ヴィルサラーゼ(手加減)
属性 :O
技量 :B
直感 :A
必然力:S
・スキル
【FATALIZER】
 運命奏者。人の運命を繰り紡ぐ者。死を齎す者。
 任意で発動可能。
(効果A)
 聴牌を確定する。
(効果B)
 和了判定値を+50。
(効果C)
 聴牌コンマが3位以上である場合、スキル効果以外では放銃しない。

【ファム・ファタール】
 運命の女、悪女。牌にとってはまさに最愛、他家にとっては災厄となるだろう。

 自身より必然力が低い者が強制和了効果を発動したときに発動。
 強制和了者の聴牌・和了コンマがともに自身より低ければ、その和了を無効にして代わって和了する。

【聖人たれど死に抗うに能わず】
 人はどこまでいっても人である。
 聴牌・和了コンマともに2位以上である場合、打点が満貫以上になる。


石戸霞
属性 :O
技量 :B
直感 :A
必然力:S
・スキル
【六女仙:天倪の巫女】黒
 姫巫女という霊にとっての誘蛾灯ともいうべき存在を守護するための身代わり。
 【神代小蒔】が受けたデバフ効果を全て肩代わりする。

【絶一門:攻撃モード】金
 身に受ける厄を巫力の源として超常的な牌の偏りを起こすオカルト能力。
 任意に発動可能。ただし【絶一門:防御モード】と同半荘中には発動できない。
(効果A)
 他家の判定値を-15。
(効果B)
 自身の判定値を+30。
(効果C)
 自身の最低打点が満貫となり、リーチした場合は最低打点が跳満になる。
(効果D)
 他家が和了した場合の打点が+4。

【絶一門:防御モード】金
 身に受ける厄を巫力の源として超常的な牌の偏りを起こすオカルト能力。
 任意に発動可能。ただし【絶一門:攻撃モード】と同半荘中には発動できない。
(効果A)
 他家の聴牌・和了判定値を-30。
(効果B)
 自身の放銃判定を+50。
(効果C)
 あ)聴牌判定値で1位
 い)和了コンマで2位以上
 う)和了判定値1位との差が15以内
 あ~うの条件を満たした場合、自身が代わって和了する。
(効果D)
 効果Cによって和了する場合の打点は2翻以下となる。
(効果E)
 親の場合は効果C以外での和了はできず、ノーテンで流局する。
(効果F)
 子での和了の場合は強制的に1翻となる。



ネリー・霞・爽・京太郎  の順


『皆さまこんにちは。いよいよ準決勝A卓は大将戦を迎えます。

 前年度人気投票1位と今大会唯一の男子選手、世界ジュニアでの麒麟児、ダークホース。

 この4人が相見える対局室。どうやら石戸選手と須賀選手が言葉を交わしているようです。

 ひとまずこの4人の紹介をお願いできますか三尋木プロ』


『はいはい。今回は4位から紹介していこうかねい。

 ということで獅子原爽だ。

 この子はあれだね、カミツキだ。県大会から何度も窮地からのジャイアントキリングを繰り返して、格上に噛みついてきた。

 永水の神代ちゃんとは違う意味で神懸った打ち方をする。とはいえちょっとツモ運が悪いねい。

 テクニックは高校生としては一流だし、勘はプロ顔負け。その運をどうするかが獅子原ちゃんの勝負って感じだよん。


 次は3位のネリー・ヴィルサラーゼ。

 世界ジュニアでは団体戦でジョージアを予選突破させた立役者。

 個人では6位ながらも金メダルを獲得したイネス・ヴァーグナーを唯一飛ばすという快挙を成し遂げたのも有名かな。

 小鍛治さんが負けたニーマン女史の弟子が揃うドイツ代表から何度も和了った、というだけで実力は言うまでもないよねい。

 家庭の事情かもしれないけど、お金にシビアでスポンサーウケもいい対局を心掛けることが多いらしいよん。

 つまり劇的な展開を好んで演出するきらいがあるみたいだ。強いていうならそういう打ち方が弱点といえば弱点かもしれないねい。


 んじゃ次は2位の巫女おっぱいこと石戸霞。

 なんだ、デカいの一言でいいんじゃね? ……え、ダメ? 

 まあ男はこういうの好きそうだよねい、わかんねーけど。

 麻雀の方は主に防御を得意としてる選手。

 先鋒と副将が稼いだリードを守り切って試合を締める役だよん。

 無論それだけで全国を渡り抜くことは不可能だから、攻撃にも奥の手くらいはあるだろうねい。

 今回は3位に対して5万点のリードがあるから攻撃モードは見れそうにないけど。


 最後は須賀京太郎。

 しぶとい上に火力もなかなか。ロリ巫女の後に見るとちょっと落ちるかもしれないけど、それはあの巫女がとんでもないだけだ。

 単純に強い選手だねい。ただ、ちょっと防御が甘いのが玉に瑕かにゃ。

 その辺も含めてあたしが指導してやりたいとこだけど……はやりさんもつば付けてるらしいんだよねい。

 おっぱい巫女のおっぱいをガン見してるし、はやりさんのが好みなんかね、しらんけど。

 ……コホン。ま、なんにせよ期待したい選手だよん。日本が世界を獲るためにはこういうのが上手く成長してくれないと』


『ありがとうございました。それでは大将戦、スタートです』

1半荘目

東一局  ドラ:七萬

ネリー(どーしよっかな。あんまり後の方に波をまとめるとウスザンが飛んじゃうかもしれないし……。

     適当に、満遍なく和了れる可能性を残そうか。まったく、メグも情けないよね)


 ネリーが不気味に笑いながらも山は削られ、ついには海底牌が目前。

 誰も和了ることなく流局するかに思えた。


ネリー(ダメか。ネリーじゃ届かないよこれ。聴牌維持して次に――)

爽(まっじーな。たぶん私だけノーテンだよね……っと、ラスツモで役無しだけど聴牌じゃん。ラッキー)トン

京太郎「ロン。タンヤオ平和二盃口河底撈魚で12000」

              ―=ミ:....
                 \\
              ――=}: : ヽ__

.       __    /: : : : : : : : : : :/: : : : . .
.    /: : \  /: : :/: : : : : : : :/:: : : : : : :\
   //⌒ヽ: : Y: : :/ : : : : : : :/7:r ヘ: : \ : : :.

   //――|:.: :|:: :/: : : : : : / .::/   ∨: : \ : :.
 /:: : : : :/: /: :.′: : : :/_  ;/  ´ ̄∨: : : : : :.
./: : :{:: :/: : /|: : : : : :x云ミ、/   x=ミ ∨:|: :ハ:.:|
′: : ∨: : : / : :| : : i{ r':c::;l゙     イr'c:;!ヽ:.:|: :| |:.|
{: : : : : ヽ : {  |:.:|:: :/ ∨)ソ    ,  ∨)ソノ i |: ; :.:!
.∨: : : : : : 八 リ从{             ∧:|/  リ
 ∨:: : : : :}:.:.| |: :|、 、     , 、    ム|:.|
.  〉: : : : /: :.| |: :| ヾ:\        ..  //
 /:.:.: :/:.:.: :| 乂{  V: :>  __  イ:|  //
./:: :/ |: : :/     イ: : : |    |: : ト
: /   j : /      ムイ|   / ̄>―――- 、
:{    //           ,く7 /   /        \

              爽「えっ?」


ネリ  55300
霞  115600
爽   49300
京  179800

東二局  ドラ:五萬

霞(さすがね、須賀君。……さっきから私の胸をちらちらと、えっちな男の子にしか見えないのだけど。

  それでもしっかり跳満を和了るのはどういうことなのかしら。

  私には上手く牌も入ってこないからノーテンで終わりそうなのに)

ネリー(そのホーテイは見えてなかったよ……。ウスザンが想定外に弱いんだもんなあ。

     ま、今回はネリーが貰うけどね!)

ネリー「ツモ。純チャン平和ツモで2000・4000」


ネリ  63300
霞  111600
爽   47300
京  177800


東三局  ドラ:五筒

ネリー「ロン。發混一色ドラで8000」

爽「くっ……はい」チャラッ


ネリ  71300
霞  111600
爽   39300
京  177800

東四局  ドラ:三萬

爽(やっぱ使わないとダメか! 五色の雲、天地の礎たる雲よ。我が盟友との契りに約し恵みをもたらさんことを……)

爽「リーチ! ――っし、来た来た。ツモ!リーチツモ混一色で2000・4000だ!」

                 _       |   |
                 \ヽ_-‐=ミ、│  │
                 /_∨:.:.:.:.:.、.:.:.: |  │
               〃.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:\  │

            f ´ ̄ 7:.:.:.:./:.:.:メ、.:.:.:.:.:.:.\}   |
           从   {:.:.::{/{:.:/ _\.:.:.:.:.:|    |__
            ー=∧ .l{:.:.:.{-乂   _,,ヽ.:.:.:|   | \
            /:.∧ l{l:.:.:{ ._,,  ´⌒ }ノ)|`ー─= 7
              /_;/ :ハ八{:.ト⌒`   _ '" 从:|l     /
             {:.:/. Уヽ人''' ∨ .ノ   リ    ./}
             {:/ 〈     >‐ r<_/´}   /.:}
            ノ′  \   ( \ .|_/\_/   _丿
              _, \ >:`ー┘フ      |
              /.: .: .: .:`: 〉:/⌒ ̄ /      .|
            {;/ ̄ ̄ ̄{    .:/     /|
                   {i   \:       /.:{
                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!

               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニⅤニ/

ネリ  69300
霞  109600
爽   47300
京  173800

南一局  ドラ:二筒

ネリー「リーチだよ」


 爽の健闘を嘲笑うかの如く、ネリーは冷たい口調でリーチを宣言した。

 その姿に、卓を囲む3人は理解せざるを得ない。この局を和了るのはネリー・ヴィルサラーゼだと。


ネリー「ツモ。リーチ一発、純チャンツモ……裏乗らずで6000オール」


ネリ  87300
霞  103600
爽   41300
京  167800

南一局一本場  ドラ:八筒

霞(さすがに強いわね、ヴィルサラーゼさん。5万点差があっという間に1万6300点差に……。

  とはいえ防御モードの今は私自身が高い手を和了ることは難しい。それなら他の二人をアシストでもするべきかしら)トン


 気を緩めたというほどのものではなかった。しかし霞が何の気なしに河に投じた牌。

 マットに置き、手を離す瞬間に猛烈な悪寒が霞の体を走る。

                        /:::::::/::::/.::::::::::::::∧::::::::::::::::\
                     /:::/::::/::::/_/:::::::: /l/- 、::::::|:::|::::::::|::.
    _____           /:::/::::::|:::|:|八:::::::://   |::::|l::|::::::::|::::.

   ⌒>――‐ ..、          | /|::::::::|从{-‐)ハ{   _‐从八|::::::/::::::l
   /:::  --- 、::: \         li |::::::l ,斥苅`   ´斥苅ト リ::::/:::::::::|
.  /::/      \:::::|::.       | |::::::::|{ Vソ     V__,ソ 》:: /::::::::::::
  l::/     ____\|:::\_     |::::::::| ´,,  ′   ,,, ` /:::/::::::::::::/
  |:′  /        ̄ ̄  ..   |::::::::l    (⌒ヽ     {::///⌒i:/
  i   /                 ` 、 |:::::八.. -‐  ̄ ̄ ̄  ‐ {:{//__ノ ′
     ′                    \//            `ト、/
     .                  /                 |::::|___
     i                 /                |::::|∨\
     |                     ′               |::::||
                                        八:::. |
                      :                      \|
.       \                |                        ,′
  ――‐ 、\           -、                       /
       / ≧=‐┬ 、_,.∠....___  \
      /     {∠二二二二二二ニ=\            //
    /    _ノ二二二二二二二二二≧=-   ___  -= /
   /     {二二二二/二二二二\二二二\   /  /

 思わずその悪寒に従って顔を向けた、先には――


京太郎「くくっ、油断するなんて余裕を見せたらダメじゃないですか……ロン。


      1p2p3p 1p2p3p 7p8p9p 7p8p 9p9p  ロン:9p

          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
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     清一色二盃口純チャン平和ドラ2で数え役満、1本場は32300!」


ネリ  87300
霞   71300
爽   41300
京  200100

南二局  ドラ:一索

『うはー、えっぐい手を和了るねい』

『こ、この失点は痛いなんて言葉じゃ済みません、致命的な放銃ですッ』


霞(まさか、そんな……。確かに絶一門になっているはず。須賀君の河にも萬子と字牌しか)


ネリ&京「「聴牌」」

霞&爽「「ノーテン」」


ネリ  88800
霞   69800
爽   39800
京  201600


南三局流れ一本場  ドラ:四萬

ネリー(……須賀がどういうつもりか分かんないけど、これならもうウスザン飛ばしちゃってもいいかな?

     スポンサーウケを考えるとまだ早いかな。……でもいくらなんでもそう簡単に飛んだりはしないか)

ネリー「ロン。南三暗刻トイトイドラ3で1本場は16300だよ」


ネリ 105100
霞   69800
爽   23500
京  201600

南四局  ドラ:東

爽(くそッ、カムイを使う隙さえないなんて!)タンッ

京太郎「ロン。東ドラ3で12000」


ネリ 105100
霞   69800
爽   11500
京  213600


南四局一本場  ドラ:東

爽(自力で和了れってんだろ!? 分かってるさ! 化け物どもと比べたらちょっと運が無いとはいえ……

  私は弱いわけじゃないぞ!)

                         -‐= :_: - . .
                             ` 、: : 、
                        . . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、

             ,. 斗=: .、     ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
           /'´  ヽ: :.  /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
         /: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,
.      /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Ⅵ    Ⅳ : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ

               爽「ロンだ! 白混一色で1本場は4200!」


ネリ 100900
霞   69800
爽   15700
京  213600



『大将戦前半終了いたしました。須賀選手の数え役満で2位の永水が失陥!

 順調に稼ぐヴィルサラーゼ選手が3万点強の差をつけ2位に返り咲きました。

 このまま永水は3位に沈むのか。そして有珠山高校は踏み止まることができるのか。

 運命の後半戦、間もなくスタートです』


2半荘目

東一局  ドラ:三筒



霞(守っていては駄目ね。巴ちゃんと春ちゃんには負担をかけたけど……

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    |:::|:::l:::|::::::::::::|:::::l|:::|\::::: l::| 八:::::::::: |:ト、::::::::::::: l::|    ̄ ̄`   l:::|::::: |:::::::::::::::|::::::::::::::|
    |::l|:::l:::|::::::::::::|:::::l|从  \j八 ___,\:::: lノ \:::::::::l::|  _____     |ノ|::::/|::::::::::::::从:::::::::::|
    |::l|:::l:::|::::::::::::|:::::l|  _,,x竓芹苧笄ミ\{    \:::|ノ ァ芹苧苧笄ミx, ノイ ,::::::::::: /:::::::::::::::八
    |::l|:::|八::::::::八:: l|ァ'^´|. :|: : : : l: :l           \    |. :| : : : |: :f癶> ,:::::::::: /::::::/::::/
    |从::l::::::\::::::::\   乂: ー‐: :ノ             乂: ー‐: :ノ    ,:::::::/:::/::::::::/
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                     後半は攻撃モードで!                      )ゴッ


京太郎(……? さっきまでと石戸さんの雰囲気が違うな。大きな岩のようだったのが、今はもっと薄い、刃物のような気配だ。

     つまりこれが憩さん達の言ってた“攻撃モード”ってやつか。

     さっきは筒子や八索を使わないと越えられる気がしなかったけど……今ならイケるぞ――)

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、

  京太郎「ツモ! 一気通貫清一色ツモドラで4000・8000!」


ネリ  92900
霞   65800
爽   11700
京  229600

東二局  ドラ:一萬

霞(先に行かれた……。

  須賀君は筒子の清一色や索子の混一色が来やすい、んだったかしら。

  そういう異能の前では私の絶一門が逆効果になってしまうのね

.            _,.. -- 、__, 、___
            .⌒>.::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ、
.        _,....::::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
           ̄7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.
            /イ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.{
          _/_:::::::::::::::::::::::::::::O:::::::::::::::::::|!
.         ̄´ {∧ . :::::O:::::::::::::::::::::::::::::::ト\
            {从.ハ::::::::::::::::::::::::::::::::ミ`
              ' ;.v   ァ::::::::::::マ_
               ヽ;:::::::::::::::::::::::::

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            :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
          .ノ.::::::::::::::::::○::::::::::::::::::::::::::ィ-、::::::::::::.ヘ
          |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.  ヽ::::::::::::::::..
         ,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/    〉:::::::::::::::ヘ
          /.:::::::::::::::::::::○::::::::::::::::::::,'.    /.:::::::::::::::::/
        ./.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;    ./.:::::::::::::::; '
       /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l   ,.:'::::::::::::::::; '
        /.::::::::::::::::::::::::::○:::::::::::::::::::::| /..::::::::::::::; '
        /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':´:::::::::::::o; '
.      ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::o:;
     /.:::::::::::::::::::::::::::::::○::::::::::::::::::::::::::::::::|`V
    ,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'

    ,'o:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
.   l:o::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l

    .`i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::了
      |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉
      |::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
     ヽ::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
       lJ |::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::|
        |:::::::::::::::::::::::/  ∨.::::::::::::::::::::::::l

                                    ――ヒッ!?)


 霞が京太郎を横目に見ながらその力を分析していた刹那である。

 悪霊や神霊に慣れ親しんだはずの霞ですら怖気に囚われるほどの強烈な圧力を感じた。

 震える唇を抑えながら寒気に耐え、周囲を見回す。

 獅子原爽も霞と同様に圧倒的な何かに怯えるように顔をしかめている。

 特に影響を受けていなさそうなのはネリーと京太郎の二人。



霞(今のは、ヴィルサラーゼさんが? それにしては気配に嵐の気が強すぎる……つまり――)


 霞が気付いたのはギリギリであった。震える指でどうにか安牌だろうという牌を切った。

 爽もそれに続く、本能に根差した逃避。

 渦巻く風の内は不思議と凪ぐもの。

 秋津洲に守られた東ユーラシアではあまり縁がない故に、彼女には気付く素養がなかったのだ。


             ___/ ̄ ̄\_
         ,  ´        <⌒
        ,:'            `ヽ、
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                      \ } ̄´
        '              ,  \
      / ,          |/} ∧ }`ー`

       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /
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        _,.{///////////|

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  京太郎「ロン――国士無双で32000……!」

ネリー「……はぇ?」


ネリ  60900
霞   65800
爽   11700
京  261600

東三局  ドラ:四萬

ネリー(……やってくれる。さすがにちょっと予想外だったよ。運を和了できるほうに寄せた分のしわ寄せかな。

     それが役満放銃っていうのは痛すぎるけど、5千点ならすぐだ。問題ないよ)

爽(やっべー。私も大概なはずなんだけど、全国ってやっべーよ。

  こりゃ本格的に出し惜しみしてる場合じゃない……。アッコロ、ホヤウ!)


 爽の背後から禍々しくも神々しい、羽根を持つ蛇と体色で天を焼くように赤く染める大蛸が現れた。


爽(こっちに来てるのは萬子と索子。ってことは石戸霞には筒子メインで入ってるってことだろ。

  ホヤウの臭気は毒も草木も枯らす祓いの臭い。つまり私の索子はここから枯れる。

  そしてアッコロのおかげで萬子と赤ドラ、中しか手には来ない!)

霞(これは……蝦夷の神? 蛸と蛇ならばアイヌのアッコロカムイとホヤウカムイのはず。

  アッコロカムイは世界を赤に染める蛮神。ホヤウカムイは病を退ける益神ともなられる。

  ……さすがに神格が相手では、それも祓いの神格では私の力はっ)トン

爽「ロンだ! 中混一色ドラで12000!」


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::l:::::l:::l::l l: /l:::/  :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|

::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´   h_刈   |:::::::::::::|
::l:::::|  x≦芹⌒`     辷ソ  |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈           '''  |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^        、     |:::::::::::::|
ー ||                      八::::::::::
`ー:||、             _     /::::::::::::/
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ネリ  60900
霞   53800
爽   23700
京  261600

東三局一本場  ドラ:六筒

霞(うっ、せっかく2位になっていたのに。ひとまずアッコロカムイはお帰りになられたようだけれど、

  ホヤウカムイはまだ御在しあそばされていらっしゃる……。これでは……)

京太郎「ははっ、すっげープレッシャー……! これじゃ上手く力が出ない……ってなるんだろうな?

     でもよ、良く言うだろ。神を殺すのはいつだって、人間だってさ! ポン!」


 京太郎が啖呵を切り、ドラの六筒をポン。だがそれだけで止まるならば啖呵など切るはずがない。


京太郎「カンだ!」シャッ


 次巡で自ら六筒をツモり、加槓。そして王牌へと手を伸ばす――


                            , 、。s≦ニニム
                       ====ノ /ニニニニニニ}───
                    _,  ´ ̄\__ .イニニニニ/
                    > ´ イ⌒',   `ヽニニニ{
              _ - ´       |    ハニニム
                 _>   ' ,/  、 } , : | ハニニニニニ=--
                  /⌒/ | | _/| ∨ / l|  |}ニニニニニニニニニ=-
                /   { |゙ト、| / /}ィリ|n  |ニニニニニニニニニニニニニニ=-zzzzzx
                   ̄ィ , 从沁∨'/炒 } リ ハ!ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≫
                   { /从  ,     ム从ニニニニニニニニニニニニニニニニ{ニニニニニニニヽ
                     /\ -‐ イ「ニニニニニニニニニニニア¨¨¨¨ ̄⌒寸ニニニニニニニニ\
                       `ヾ. ≧≦ /ニニニニニニニニニニニ,'        寸ニニニニニニ,=ミニヽ
                     {_ヽ /ニニニニニニニニニニニ,'            ヾニニイ/`Yニニム
                   _      `寸ニニニニニニニニニニア            lア゙ { 〈〉'〈ニニニ}
                  `寸≧s。    ィニニニニニニニニニニ{           _-" ::::',:::`¨´ー‐=ニ}
                      /ニニニニ=-,=ニニニニニニニニニニニニ{        __, イ ヽ:::::::ヽ:::::::ゝ┐ }!
                  マニイ´ヾニニニニニニニニニニニニニニニ〉         乂___.イ‐ヽ=-⌒ヽ:::::::{´. /
                 //////}ニニニニニニニニニニニニニニム                    ‘,:::ゝ' ',
                 _,,ィ///////>ニニニア//-==ニニニニニニム                 〈::::/ /
              /////////////ア///////////.寸ニニニ{                   /]ゝィ
              ,イ/////////////ア///////////////寸ニi〉                {__/
.          ,イ/////////////>'////////////////}ニア゙
.         /////////////ア´ {{////////////////ニア
.         ,イ////////ニ=-     寸////////////イ¨´
      ,イ///////イ´         マ/////////ア´
.     /ゞ===イ´           マ/////アイ
      ム:::::::::::::::::}              {:::::::::::::リ
   く::::::::::::/¨¨´.               {:::::::::::/
    ¨¨¨                     ゞ─'゙

     京太郎「嶺上ツモ! トイトイドラ4嶺上開花で1本場は3100・6100!」


ネリ  57800
霞   50700
爽   17600
京  273900

東四局  ドラ:二索

『おお、今の和了はかっこよかったねい。お姉さんドキっとしちゃったよ』


爽(マジか!? これまでも強い力で潜り抜けた奴はいたけど、こんな強引に振り払われたのは初めてだぞおい!)

霞(須賀君……やはり彼の力は素戔嗚尊。まだ完全に目覚めてはいないけれど、逆境は英雄の化粧みたいなものだものね。

  そして返してくれたおかげで私も自由に動けるのよ……!)

                        ,,   ¨ ̄ ̄ ̄¨: : : .
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                    { { . .: ..:.:.:{ x==ミ、:.:.{ x==ミ }イ:.:.:. | ツモ!
                   乂从人代 辷リ `⌒  辷リ 刈:.:.:. |
                    |.:.:.:.:.ハ .:.:.:.:.  '   .:.:.:.. ハ:.:.:.:.l  2000・4000です!
                    |.:.:.:.:゙圦    t‐_ァ    ム':.:.: i|
                       i|.:.:.:.:.:.:.:|ゝ.       イ .:.:.:.:. 八
                     八:.:.:.:.:.:.j.:.:.:.:}≧=≦{:.:.:|:.:.:.:.: /:.:...\
                      \__;/ : .;人   ,人: |:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.. \    「厂|
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   ,, -=ニ二ニ==ニニ二三}}二ニ二彡ヘ    \/   j{:.:.{`¨ミメ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:「 }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..`ヽ
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   /ヽ }ニj   γ¨7 /  У       /    /        } ヽ  「ヽ   {ニj /ヽ
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   V¨¨´  ,   ノ / /       /    /              :.ヽ {    、 し{_ノ}
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霞「ツモ。清一色のみで2000・4000」


ネリ  55800
霞   58700
爽   15600
京  269900

南一局  ドラ:七萬

『ここで永水2位を奪い返しました!』


ネリー(まったく、映えるゲームにしてくれるよ……。ネリーが勝つのは当然だけどね)

ネリー「ツモ。タンヤオ平和ツモドラ2で4000オール」


ネリ  67800
霞   54700
爽   11600
京  265900


南一局一本場  ドラ:七索

『ネリー・ヴィルサラーゼ選手譲らない、シーソーゲームです!』


霞(ここまできて、諦めてなるものですか)

霞「ツモ。W南混一色で1本場は2100・4100です」


ネリ  63700
霞   63000
爽    9500
京  263800