【ガルパン】軍神放浪記 (547)

・独自設定あり

・リボンの武者のキャラも登場予定なので、未読の方は注意してください

・若干キャラ崩壊があるかもしれません

第62回戦車道全国大会決勝戦

BAKOM シュパッ!

「黒森峰フラッグ車走行不能!よって、プラウダ高校の勝利!」

まほ「っ…」

みほ「……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457105214

西住家

しほ「…貴女も、西住流の名を継ぐ者なのよ。西住流は何があっても前に進む流派、強き事、勝つことを尊ぶのが伝統」

みほ「…でも、お母さん…」

しほ「犠牲なくして、大きな勝利を得ることは出来ないのです」

みほ「…ぁぁ…」

まほ「……」

みほ「…っ」

ダッ

まほ「…あっ、みほ…」

しほ「…ほっておきなさい」

まほ「ですが…」

しほ「…撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れなし。鋼の掟、鉄の心。それが西住流。私は今まであなた達をそうやって育ててきたはずよ。けど、みほは今回その掟を破った。西住の名を背負うものとしてそれがどれだけ重大な事か分かるわね?」

まほ「はいっ…」

しほ「……あの時のみほの心境は分からなくも無い。だけどね、家元の娘として許させることではないわ。きつくあたってしまったかもしれないけど、あの娘が今後西住流で生きていくためには必要な事よ。…気持ちの整理がつくまで一人にしておきなさい」

まほ「…分かりました(後で、やさしく慰めてあげよう)」

夕方、近くの川原

みほ「……グズッ」

「あんたのせいで、10連覇が…」「何にやってるのよ、副隊長なのに!」

みほ(…やっぱり、私のした事間違ってたのかな…だけど、あの時助けなきゃ、赤星さんたちは…)

♪~♪~

みほ「…ん?」

ミカ「やぁ、君も風に流れてきたのかい?」(ポロロン)

みほ「…えっ?」

みほ(えっ、誰?この人…でも、どっかで会ったような…)

ミカ「…隣いいかな?少し羽を休めたいんだ」

みほ「えっ、は、はいっ」

ミカ「……」(ポロロン)

みほ(…気まずい。だけど、何かやさしい音…)

ポロローン

みほ(何か安心する音色だなぁ…グズッ、落着いてきたらまた涙が…)

ミカ「泣きたいときは思い切り泣いた方がいい」

みほ「…えっ」

ミカ「…人生は平和な時ばかりじゃ無い、時には辛いときもある。…泣くことは弱いことじゃ無い、強い意志を持っていたから泣けるんだ。無理に強がって我慢すると、いざ泣きたいときに泣けなくなるだろ?」

みほ「グズッ…うわぁぁぁぁ」

みほ「…グズッ」

ミカ「落着いたかな?」(ポロロン)

みほ「…はいっ」

ミカ「…君がした事が正しかったのかは私は分からない。だけど、本能にしたがって行動する事は悪いことばかりじゃない」

みほ「…試合見てたんですか?」

ミカ「…風の向くままにね」

みほ「…あの時私は助けたかったんです、仲間を。だけど、そのせいで負けてしまって…皆も、お母さんも間違ってたって…だから、私どうしたらいいか分からなくなって…」

ミカ「…気にしなくてもいいんじゃないかな?他人の悲しみを理解できない人が非難するなんておかしなことじゃないかい?」


みほ「……えっ?」

ミカ「大切なのは、自分が大事だと思ったときに決断できる事さ。それの判断が正しかったのかを決めるのは後からでも遅くないんじゃないかな?間違っていたとしても、失敗から学べばいい。人は失敗する生き物だからね」

みほ「……」

ミカ「それに、何かに挑戦する時に失敗はつき物さ。それが今回はたまたまあたっただけさ」

みほ「は、はいっ」

ミカ「…皆、西住流という型にこだわりすぎて周りが見えてないだけさ、人は、型に嵌った生き方じゃなくて自然に生きるほうが大事だよ」

みほ「…型に囚われない生き方…」

ミカ「…自分の本能にしがって一人で歩いてみるのもいい事さ。もし、一人で歩いてみたいなら旅する事をお勧めするよ」

みほ「…旅ですか?」

ミカ「…時には風に乗って流れていくのもいいものさ」(ポロロン)

みほ「えっ、あ、あの…どこへ行くんですか?」

ミカ「…行く先なんて分からない。風しだいさ…」

みほ「えっ…あっ…行っちゃった…」

……

ミカー、ドコー?

みほ「…型に囚われない生き方かぁ」

みほ「…そういえば昔お姉ちゃんも…」


まほ(回想)「…自分だけの戦車道を見つけなさい」

みほ「…私だけの戦車道…」

ミカ(回想)「…型に嵌った生き方じゃなくて自然に生きるほうが大事だよ」

みほ「…見つけに行ってみようかな」

今回はここまで

ミカさん書くのって難しいですね

夜 西住家

しほ「zzz…」

まほ「zz…ミホォ…ムニャムニャ…」

みほ「……」

ガサゴソ

みほ(日用品って、とりあえず一週間分ぐらいあれば足りるかなぁ)

みほ「…とりえずこのぐらい持っていけば大丈夫かな。お金もこれだけあれば当分は何とか…」

ベットの上のボコ「……」

みほ「じゃあね…本当に正しいのか、これで答えが見つかるのか分からないけど…私は見てみたいの。あの人が言っていた型にとらわれない世界を、西住流の型の外から…だから、行くね」(ナデナデ)

まほの部屋の前

まほ「…zzz」

みほ「…さようなら、お姉ちゃん…」

みほ「…勢いで出てきちゃってけど、どうしようかな…」

ヒュゥゥ

みほ「…今晩は風がすごい…風」

ミカ(回想)「行き先なんて分からない…風次第さ」

みほ「…とりあえず風が吹いてる方に行ってみようかな…えっと、こっちかな」

テクテク

みほ「わっ」(コケッ)

みほ「…駅かぁ」

カンカンカンカン

みほ「…もう始発電車の時間…大荷物纏めて、近くで見つかると大変だし…よしっ」

駅の近く

ミカ「ふぁぁ…おやっ」

みほ「……」

ミカ「…行っておいで…風の向くまま気の向くままにね…型から出て生きることはいいことさ」

西住家

pipipi

まほ「うーん、朝か…。さて…」

バターン!

まほ「!!(ビクッ)な、何の音だ!?…居間の方から聞こえたみたいだが…」

居間

しほ「……」(チーン)

まほ「お、お母様!?い、いったい何が…ん?」

西住流に囚われない世界を見てきます。さようなら みほ

まほ「……」

バターン!

夕方

まほ「…はっ」

しほ「気がついたようね」

まほ「私は何を、確かおきたらでかい音がして…置手紙が…置手紙!み、みほー!」

しほ「…これは忌々しき事態よ」

まほ「何をしているんですか?は、早く警察に…」

しほ「待ちなさい」

まほ「えっ?」

しほ「…ことが公になってしまっては西住流の名に傷がつくわ。先日の全国大会の後のこの一件。ただの家出扱いですまなくなる可能性もあるわ」

まほ「で、ですが…」

しほ「…いじめだ何だのと疑われて、家に捜査が入れば困るのはあなたじゃないの?ベットの下とか…(ボソッ)」

まほ「警察なんかに頼っている時間がもったえない!私たちでみほを連れ戻しましょう」

しほ「えぇ、それが最善の策ね(まさか、家出するなんて、お母さん叱りすぎちゃったかしら…どうしましょう)」

その頃

駅員「切符をお預かりします」

みほ「はいっ」

駅員「…はい、結構です。どうぞ~」

みほ「…とりあえず、ずっと電車を乗り継いできたけど、どの変だろう?」

グゥ~

みほ「あっ///…とりあえず何か食べようかなぁ。えっと、お財布は…あれ?」

みほ「あれ、あれ!?…うそっ、お財布どこかで落としちゃった…ど、どうしよう…」

アタフタ

みほ(家に帰ろうにも、切符買うお金ないし…。そうだ、電話して…駄目だ…携帯は家に置いて来ちゃったんだ…公衆電話から…って、お金ないんじゃ電話できないよ…)

オロオロ

「君、大丈夫かい?」

みほ「えっ?」

男A「困っているみたいだけど?」

男B「俺らでよきゃ相談に乗るぜ」

みほ「えっと…」

男B「おい、怖がってるぞ」

男A「あっ、急に声をかけたりして悪かったね」

みほ「い、いえっ」

男B「仕事終わって駅にきたら、こんな時間に入り口で君が慌ててたから心配になってね」

みほ「あ、ありがとうございます」

男B「…なるほど。お財布をねぇ…」

男A「それは大変だな。どこに落としたとか心あたりあるのかい?」

みほ「…たぶん前の駅だと思うんですけど…戻ろうにもお金もう無いし、電話も…」

男B「うーん。よしっ、分かった。俺たちが貸してあげよう」

みほ「ふえっ!?い、いやっ。見ず知らずの人に借りるなんて悪いですよ」

男A「こんなところで困っている娘を見捨てるわけにはいかないよ。袖振り合うのも何とかって言うだろ?」

みほ「で、ですけど…」

男B「けど、ここでこのままって訳にもいかないだろ?別に高利貸しみたいに利子取ろうとか悪い事は考えてないから大丈夫だよ。連絡先を教えるから後から返してくれれば、こっちは問題ないよ」

みほ「ありがとうございます…」

グゥ~

みほ「あっ///」

男A「そうか、お金が無いから食事もしてないんだね。そうだ、俺たちもまだなんだけどせっかくだし一緒にどうかな?」

男B「この近くに美味しい飯屋があるんだ」

ガヤガヤ

女子高生A「遅くなっちゃったね」

女子高生B「本当ね。大会の癖に運営してる連中の仕切りが悪いのよ。もう、早くしないと電車無くなっちゃうよ。今日中に学園艦に戻んなきゃいけないのに」

女子高生C「でも、最後までミス無く当てるなんて、さすが姫だよね」

女子高生D「…動かぬ的に射るのだ…当然だ…ん?」

男A「そうと決まれば行こうか。ささ」

男B「いやー、腹減ったな」

みほ「わっ…そんな押さなくても大丈夫ですから」

男A&B「…」(ニヤッ)

女子高生D「……」

女子高生C「ん?…姫、どうしたの?」

人気の無い路地裏

みほ「…どんどん奥に進んでるんですけど、こんな所にお店があるんですか?」

男A「……」

みほ「あのー…きゃあっ」

男B「…ヘヘヘッ」

みほ「…えっ?な、何するんですか!?」

男A「…こっちだってこの不景気の中、貴重なお金を貸してあげるんだから、それなりの対価が無いとねぇ」

男B「…ほいほいついて来るなんて、君もばかだねぇ」

みほ「ひっ…」(ビクッ)

男A「怖がらなくても大丈夫だよ。殺したりとか痛めつけたりなんて乱暴なことはしないから。ちょっと、楽しい事するだけだよ」

男B「ヘヘヘッ…」カチャカチャ

みほ「…ぁ…ぁ…」(ガタガタ)

男A「君もすぐに気持ちよくなるだろうから心配要らないよ…」

みほ(だ、だれか助けて…)

男B「…ぐへっ」

ドサッ

男A「なっ?!」

「…この下郎が」

みほ「…ふえっ」

男A「な、何だ!?お前は?!」

鶴姫しずか「…可憐な少女相手にずいぶんと下種な事をしているようだな。貴様それでも、武士の血を引くものか?!」

男B「ちっ…油断したけど女じゃねぇか。しかも一人」

男A「あぁ、しかもなかなかの上玉だ。こいつももらってやるぜ。へへっ、威勢がいいのは結構だが、一人で乗り込んでくるとは馬鹿なやつだ」

しずか「…この外道が!成敗してくれる!」

男A「成敗だとよ。将軍様にでもなったつもりかよ」ゲラゲラ

男B「テレビの見すぎじゃねぇの…」

シュパッ!パラッ(男の衣服が肌蹴る音)

男B「えっ…」

しずか「……」チャキッ

男A「えっ…」

男B「ま、まじ…」(ダラダラ)

しずか「覚悟はよいか?」

チャキッ(暗闇に光る刃)

男A&B「ひ、ひぃー!た、助けてー」


しずか「…口ほどにも無い奴らじゃ。日本男児が聞いて呆れる」

みほ「……」

しずか「…お主、怪我は無いか?」

みほ「…は、はいっ」

しずか「…立てるか?」(手を差し出す)

みほ「…た、助かった…」

バタン(気絶)

しずか「!!お、おい、しっかりいたせ」

今回はここまでです。
次回については、前作のエピローグも案をまとめながら書いてるんで未定です
次は、前作のエピローグとあわせて投稿予定です

みほ「…うーん…」

しずか「…気がついたか?」

みほ「…えっ…わぁぁ」

しずか「そう驚くな、安心いたせ。お主が倒れたので家へ運んだのだ」

みほ「そうだ…私、襲われそうになって…あ、あの、助けてくれてありがとうございました!」

しずか「…当然の事をしたまで。気にするな」

みほ「…そんなことないです。あそこで助けてくれなかったら、私どうなってたか…」(ガタガタ)

しずか「…ここは私の家だ。襲ってくるような輩はおらん。安心いたせ」

ギュっ

みほ「…あっ///」

しずか「……」

↑すいません、酉入れ忘れてましたが>>1です

しずか「…落ち着いたか?」

みほ「…は、はいっ…あっ///」

ぐぅ~

しずか「…フッ。落着いたら腹が減ったのか?…こんな時間だ、客人にこんな物しか出せぬが」

みほ「おにぎり…」

しずか「…空腹なのだろ?遠慮せずとも、食せ…腹が減っては戦はできぬ」

みほ「…い、いただきます」

ガツガツ

みほ「…(おいしい)」

みほ「…ご、ご馳走様でした」

しずか「フフッ。中々良い食いっぷりだったな。そんなに空腹だったのか?」

みほ「うぅ///」

しずか「…食事は動物としての本能だ、何を恥かしがる必要がある?それに、この場には私たちしか居らぬ」

みほ「…で、でも初対面の人にいきなり…」

しずか「…そう言えば名を名乗って居なかったな。鶴姫しずかだ」

みほ「…に、西住みほです」

しずか「…みほか。良い名だな」

みほ「そ、そうですか?」

しずか「あぁ、良い名前だ…。時にお主、あのような場所で下種な連中に絡まれるなど、一体どうしたのだ?」

みほ「…あっ、実は…」

……

しずか「…なるほど」

みほ「…はいっ、勢いで出てきたまでは良かったんですが、お金をなくしてしまって…」

しずか「だから、春でも売って足しにしようとでもしていたのか?良くは知らぬ///」

みほ「ふえっ!?ち、違いますよ!そ、そういうのは犯罪ですから!」

しずか「そ、そうか…」

みほ「…びっくりした」

しずか「…しかし、無一文となるとこの先如何するのだ?」

みほ「それは…」

しずか「……」

じすか「…袖振り合うのも多少の縁という、しばらくは家に居ても良いぞ?」

みほ「えぇ!?わ、悪いですよ。助けてもらって、ご飯までいただいたのに、その上さらにご厄介になるなんて…」

しずか「…ふむ、飯がというなら、一宿一飯の義理を返してもらわねばな」

みほ「えっ…」

しずか「幸いにも、我が家は造り酒屋だ。働き口はあるぞ?」

みほ「えぇー!」

しずか「…そうと決まれば明日から働いてもらうぞ、家のものには話はつけておく」

みほ「えっ、い、いやっ、あのー」

しずか「出て行ったところで、無一文ではどうにもならんぞ?」

みほ「うっ…」

しずか「それに、困っている者を無一文でほっぽり出す訳にも行かん、別に悪いようにはせん」

みほ「……は、はいっ」

今回はここまでです

翌日

しずか「では徳蔵、頼むぞ」

徳蔵「はい、お嬢様」

みほ「よ、よろしくお願いします!」

徳蔵「ではみほ様、こちらへ」

みほ「は、はいっ」

みほ(しずかさんの家、造り酒屋って言ってたけど…何やるんだろう?まさか、お酒作るのかな?私未成年なのに…問題にでも…)

徳蔵「みほ様?」

みほ「は、はいっ!」

徳蔵「これを」

みほ「竹箒…」

徳蔵「まずは屋敷周りの掃き掃除を…手始めに玄関からお願いいたします」

みほ「えっ!?こ、この広いお家全部ですか!?」

徳蔵「そうですが、何か?」

みほ「……」

1時間後

みほ「お、終わりました…」

徳蔵「…こちらとこちらに取残しがございます」

みほ「えっ…」

徳蔵「もう一度お願いたします」

みほ「……」

更に一時間後

徳蔵「綺麗になりましたな。では、次は庭の方のお掃除を…」

みほ「きゅ、休憩とかは…」

徳蔵「休憩時間は1時間後でございます。お嬢様から手伝いをして頂くからには他の従業員の方と同じように接するよう申し使ってございますから」

みほ「そんなー」

みほ「はぁ…やっと終わった」

徳蔵「お疲れ様でございます。お昼をまたいでしまいましたが、本日は初日でございますから大目に見ましょう。明日からは半日で終わらせていただきますよ」

みほ「は、半日ですか!?」

徳蔵「はい。では、お昼にいたしましょうか。食事が済みましたら、午後は作業のお手伝いの方をしていだきます」

みほ「……」

午後

「…こっち手伝ってくれー」

みほ「は、はいっ!」

「…倉庫からお米持ってきて」

みほ「は、はいっ!」

「…違うよ、こうやって持ってて」

みほ「すみません…」

……その夜

みほ「……」(チーン)

しずか「大丈夫か?」

みほ「うぅ…疲れた…」

しずか「まだ初日だぞ、しっかり致せ」

みほ「…こんなの毎日やってるなんて、皆すごいね」

しずか「対価を得るというのは楽なことでは無いぞ」

みほ「そ、そうだね…」

しずか「明日に支障が出ると困ろう。ほれ、横になれ。マッサージでもしてやる」

みほ「えっ。いや、流石に悪いよ…あっ、ちょ、ちょっと///」

翌朝

みほ「ふあぁー。まだ、眠いよぉ…」

徳蔵「おはようございます。本日もお掃除からよろしくお願いします」

みほ「は、はいっ…」

サッ サッ 

みほ「ここは終わりかな…えっと、次は…あれ?こんなところに倉庫があったんだ」

みほ(言われてないけど、やったほうがいいのかな?)

ガラガラ

みほ「…ちょっと暗い…わっ」

何か長く伸びているものにぶつかりそうになるみほ

みほ「あ、危なかった…何で竿みたいのがこんなところに…えっ、これって砲身?」

今回はここまで
続きは来週になると思います
では、4DX見てきます

みほ「これの砲身は、日本の九五式?いやっ、違う…九七式装甲車テケ」

しずか「…詳しいなお主」

みほ「…あっ、しずかさん」

しずか「…ここは掃除をせんでもよい。ご覧の通り物置としか使っておらぬ」

みほ「…物置?そんなところに何でテケ車が。も、もしかして…せ、戦車道を?」

しずか「かつて戦車趣味に興味を持った数奇者が先代におってな。その名残だ」

みほ「じゃあ、今はもう使ってないの?」

しずか「今この屋敷に戦車趣味を持つ者は居らぬ」

みほ「ほっ…」

しずか「何を安心しておる?」

みほ「えっ、い、いやっ…そのー、戦車に乗ることになったらどうしようかと…」

しずか「…戦車に興味があるのか?」

みほ「あっ、そういうわけじゃ…」

しずか「…戦車道の話をするのであれば出て行ってもらうぞ。私は道がつく物はすかん」

みほ「い、いやっ。別に戦車道をやりたいって訳じゃ…」

ズキッ

みほ(…あれ、何で?…戦車道なんて嫌になったのに、何で、少し心が痛むの…)

しずか「…なら、今のうちに生半可な気持ちは捨てるのだな」

みほ「えっ?」

しずか「少し、残念そうな顔をしてるが…戦車というものは甘くは無い。鉄の棺おけの中で、生きながらにして松明のごとく燃やされてしまうかもしれぬ」

みほ「……」

しずか「…乙女のたしなみなどと言っておるが、あまり今の戦車道なんてものに淡い気持ちを持たぬことだな」

みほ「…っ」

しずか「…徳蔵が次の仕事があると探しておったぞ。早く掃除を終わらせて行くのだな」

みほ「…(何で、どうして…戦車道なんて嫌になったはずなのに…どうして、心が苦しんだろう…)」

厨房

調理係「出来たよ。これ、仕込み場まで持ってて」

みほ「…あっ、はいっ」

調理係「重いから気をつけてね」

みほ「……えっ?お、重い…わっ、わっ」

ガチャ-ン

調理係「あぁ、何やってるの!?まったく、ドジなんだから」

みほ(頭から味噌汁)「す、すみません」

みほ「はぁ…」

徳蔵「お疲れの様ですが、大丈夫でございますか?」

みほ「…えっ?あっ、はい…」

徳蔵「お疲れのようでしたら、無理をならずとも…」

みほ「い、いえっ。大丈夫です!」

徳蔵「左様でございますか…では、ひとつお使いをお願い致したいのですが」

みほ「…このお酒を届ければいいんですよね?」

徳蔵「はいっ。こちらの住所の方までお届けをお願いします」

みほ「…えっ、でもこの住所学園艦の外じゃあ…」

徳蔵「内地まではうちの者がお送りいたします故、大丈夫でございます」

みほ「…学園艦の外…」

しずか「一人では不安か?」

みほ「い、いえっ。そういう訳じゃぁ…」

しずか「…仕方ない。まだあのような輩が居るかも知れぬ。私も一緒に行こう」

みほ「えっ?」

徳蔵「お嬢様?」

しずか「…本日の稽古事はすべて終わっておる。よいであろう?」

お得様「毎度毎度、ありがとうございます」

みほ「いえっ。それでは、失礼します」

しずか「…終わったようだな。では、帰るぞ」

みほ「う、うん…」

テクテク

しずか「……」

みほ「……」

しずか「…朝方の話、まだ気に留めて居るのか?」

みほ「えっ?」

しずか「戦車の話だ」

みほ「……」

しずか「…お主の気持ちを折ってしまったようだが、私が言ったことは…」

「どいて、どいてー!」

VOOOO

しずか&みほ「えっ?」

みほ「きゃあっ」

VOOO

TKSクルー「すいませーん!」

VOOOO

L6クルー「逃がすなー、追えー!」

BARM

みほ「び、びくりしたぁ…なんでこんなところに戦車が…」

ガヤガヤ

しずか「ん?」

「いいぞー!」「行け!行け!」「やっつけろー」

しずか「一体、なんの騒ぎだ?」

みほ「これってもしかして…」

しずか「おい」

ギャラリー「ん?」

しずか「つかぬ事を聞くが、これは一体何事だ?」

ギャラリー「あぁ、お嬢さんたちは見るの初めてかい?これは、強襲戦車競技って奴だよ」

しずか「タンカスロンとな?」

みほ「やっぱり…話でしか聞いたこと無かったけど、これが…」

今回はここまでです

自分は作者殿ではないが
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ちなみにこのスレが前日譚なので、時系列は後になる。

>>1です
今作はあんこう物語シリーズとは、別物として書いてますので、繋がりはありません

失礼しました。
あんこう物語の前日譚だと思い込んでました。
とはいえ、未読の方は必見

しずか「知っておるのか?」

みほ「…噂ぐらいしか聞いたこと無いんだけど…。確か、10トン以下の戦車を使う以外は規定が無かったような、それ以外はほとんど自由だった気が」

ギャラリー「そうさ。公式な試合と違って主催者がいるわけじゃ無い…いわば野良試合だからねぇ。何でもありよ。何が起きるか分からないから、見てて面白いんだよ」

しずか「ほぉ」

ギャラリー「姉ちゃん達、初めてなら気をつけなよ。観客もどこで見てても自由だけど、怪我とは自己責任だからな。おっ、いいぞー!」

VOOO BARM

みほ「…あ、危なそうだからもう行こう…徳蔵さんを待たせるのは…」

「…生ぬるい」

みほ「…えっ?」

ヤイカ「…あのTKS、何故あそこで手を出さない」

みほ「…えっ。でも、あのタイミングで撃ったら危ないような…」(ボソッ)

ヤイカ「…今何て?」(キッ)

みほ「ひっ」(ビクッ)

しずか「連れが、何か失礼な事を申したようだな。申し訳ない。私たちもタンカスロンなる物は初めて見るゆえ、良く知らないのだ。すまなかった」

みほ「す、すみませんでした!」

ヤイカ「ふんっ…貴方、危ないだかって言ったわよね?」

みほ「えっ…は、はいっ」

ヤイカ「安全が如何しただなんてのは公式戦のルール、所詮はスポーツよ」

みほ「スポーツ?」

ヤイカ「戦車道なんて安全なルールに法った戦い方しかできない。だからお遊戯と一緒なのよ」

しずか「ほぉ…」

ヤイカ「そんなぬるい考えた方じゃ、この戦車強襲競技じゃ生き残れない。だけど、その腑抜けた考え方に染まりきっている」

みほ「腑抜けたなんて、そんな…」

ヤイカ「そんなんじゃ、本当の戦車戦では生き残れない」

しずか「本当の戦車戦?」

ヤイカ「そうよ…お遊戯じみたことじゃなく…」

BAKOM

ギャラリー「おっ、いいぞ!後一押しだ」

ヤイカ「チッ…何て無様な…見ていられないわ…ウシュカ、帰るわよ」

ウシュカ「はい」

ヤイカ「…貴方いい目をしてるわね。今度会う機会が教えてあげるわ、闘争あふれる本当の戦車戦を」

みほ「……」

しずか「…本当の戦車戦…面白いではないか」

今回はここまでです

ティーガー(P):88mm/56
4号(H相当):75mm/48
3号突撃砲(F):75mm/48
ヘッツァー:75mm/48
4号(F2相当):75mm/43
3式:75mm/38
M3:75mm/31
4号(D):75mm/24
B1bis:75mm/17

考えたらバレー部以外全部75mm以上持ってるな

しずかの部屋

みほ「…ごめんなさい」

しずか「…やはり無理か?」

みほ「ごめんなさい。戦車にはやっぱり乗れない…」

しずか「覚悟が足らないか?…覚悟が無い者を無理に…」

みほ「…そうじゃないの」

みほ「…戦車に初めて乗るから怖いんじゃない…乗ったことあるから…経験があるから…いやなの…」

しずか「何?」

みほ「…私…小さい頃からずっと戦車道やっていて…それで……」

しずか「…それで、助かったのか?」

みほ「…うん。Ⅲ号のみんなは助かったんだけど…私が離れたせいで、撃たれて負けて…みんなから攻められて…」

しずか「……」

みほ「…それで、戦車が嫌になって…ひとりになりたくて…ここまで来たの…だけど、戦車道なんか嫌なのに…もう、戦車に乗りたくは無いのに、さっきの人が言ってったこと聞いたら…胸の置くが苦しくなって…余計にわからなくなって…」

ダキッ

しずか「…お主はよくやった。何も気にする必要は無い…」

みほ「えっ?」

しずか「…仲間を見捨てるような輩に批判する権利なぞ無い。道を外れて何が戦車道だ…」

みほ「…しずか…さん…ぐずっ」

しずか「…そのような考えでおるから、戦車道なるものが廃れるわけだ…」

しずか「…それにみほの心はまだ死んではおらぬようだな」

みほ「えっ?」

しずか「…戦車を嫌だといいながら、本当は嫌いになりきれておらぬだろう?」

みほ「…っ」

しずか「…武人は戦場に立ってこそ本望なり。お主もそうであろう?」

みほ「…わ、わたしは…」

今回はここまでです

今晩は。最近更新できずに申し訳ありません。
更新をしようとは思ってたんですが、今月下旬にリボンの武者の4巻が出るとのことだったので、4巻が出てから続きを書こうかと思っております。
楽しみにしている方、申し訳ありませんがもう少しお待ちください

翌日

みほ「……」

しずか「…どうした?」

みほ「…うん、まだちょっと踏ん切りがつかないというか…」

しずか「一度やると決めたのならしっかり致せ。そんな事では戦場では生きて行けぬぞ」

みほ「…う、うん」

しずか「…では、行くぞ」

みほ「…よ、よしっ」

しずか「……どうやって動かすのだ?」

みほ「えっ?」

みほ「…どうやってって、戦車の動かしかた分からないの?」

しずか「…言っただろう。私は道がつくものは好かぬ」

みほ「……」

しずか「…戦車道を嗜んで来たお主であれば分かるのであろう?どうするのだ?」

みほ「……(幸先不安だ…)」

ガチャッ

みほ「…うわっ…大分動いてないみたい。とりあえず、エンジンをバラしてメンテナンスしないと…中も古いグリス拭いてグリスアップしなきゃ…後は…」

しずか「結構かかるのだな」

みほ「…とりあえず、エンジンかな。しずかさん。整備に使えるような工具ってある?」

しずか「工具か。徳蔵に聞いてみるか」

ガチャ ガチャ

みほ「…思ったより状態はいいみたい…後は…」

しずか「……」

みほ「……よしっ、このくらい整備出来れば…ん?ムカデ?」

しずか「武田軍団使番「百足衆」が使った旗印ぞ」

みほ「武田軍団?百足衆?」

しずか「何っ!?武田軍団を知らんと申すのか?」

みほ「あっ…(変なスイッチが入ったかも…)」

しずか「…よいか、武田軍団は…甲斐の国の…ペラペラ…」

みほ「……」

30分後

しずか「…その時代についに百足衆が編成されるわけなのだが…聞いておるのか?」

みほ「……う、うん…」(ぐったり)

しずか「…それで、我が家の祖はそこに連なるらしい」

みほ「……へぇ、由緒正しいんだね…」

しずか「うむ」

みほ「…(ムカデかぁ…あんまり可愛くないけど…)よしっ、じゃあ動かしてみようか」

しずか「…そうだな」

みほ「…ムカデさんチーム、行きます」

しずか「…」

コケっ ガン!

みほ「!?だ、大丈夫ですか!?」

しずか「…痛た…」

みほ「だ、大丈夫?」

しずか「…む、ムカデさんとは…ず、随分と拍子抜けだな…」

みほ「そうかな?…女の子なんだら、せめて名前だけでもと思ったんだけど、ダメかな?」

しずか「そ、そうか…みほがそこまで言うのなら//」

みほ「よかったぁ」(ニコッ)

しずか「…っ//」

みほ「どうしたの?」

しずか「…何でもござらん…それより、私は戦車というものに関して良くは知らぬ。お主に操縦を任せたいのが、できるのだろうな?」

みほ「えっ!?操縦…」

しずか「…出来ないのか?」

みほ「出来なくは無いんだけど…私、操縦は苦手で…」

しずか「……」

みほ「…あんまり自身が…えっ」

ギュッ

しずか「…苦手な事は誰にでもあろう。だが、目を背けていては何も変わらん…自信を持て…心配するな。失敗したとて、誰も笑う者はここにはおらん」

みほ「……」

みほ「…ふーっ。よ、よしっ。」

カチッ VOVOVOVOVO

みほ「…かかった」

しずか「…屋敷の入口までは誘導いたす。ついてまいれ」

みほ「…落ち着いて、ゆっくりとクラッチをつなげば…うっ」

ガタガタガタ

みほ「九七式ってこんなクラッチ高いんだ…」

しずか「…大丈夫か?」

みほ「…う、うん。ゆ、ゆっくりもう一度…」

BROOOO 

みほ「…ふうっ。な、何とか道まで出れた」

しずか「…では、参ろう。…何でも北富士戦車道演習場なる場所で、戦車を動かせると聞いたが」

みほ「そうだね。戦車を動かして練習するならそこが一番近いかな」

しずか「…では、参るぞ!前へ」

みほ「…パンツァーフォー」

BROOOO ガガガガガガ

みほ「…ギア硬いな…3速ってここだよね」(シフトレバーを見る)

しずか「…!!お、おいっ、ぶつかる!」

みほ「えっ!?わぁっ」

ギャッ プスン…(エンスト)

みほ「…あ、危なかった」




BROOOO 

みほ「えぇい」

ガコッ

みほ「入った…後はゆっくりと繋いで…」

ガタガタ

しずか「大分揺れてるが大丈夫なのだろうな?」

みほ「ごめんなさい。クラッチ繋ぐのが早かった見たい…だけど、感覚を掴んできたから大丈夫…だと思う」

BROOOO

戦車道連盟北富士演習場

BROOO…

みほ「つ、ついたぁ…」

しずか「…最初はどうなる物かと思ったが。まずはご苦労であったな」

みほ「……」

しずか「どうした?」

みほ「…うわぁぁ、富士山だぁー」

しずか「…そういえば、国は九州の方だったな。初めてか、富士山を見るのは?」

みほ「うん。大きいなぁ…」

しずか「…普段から見慣れていると別になんとも思わんのだがな」

みほ「いつも見れてばそうかもしれないけど、今まで写真でしか見たことなかったから。すごいなぁ」

しずか「…そうか」

みほ「うん」

しずか「夏の富士も良いが、富士山は冬の方が私は好きだな。冬場の寒さは堪えるが、ダイヤモンド富士の美しは良いな」

みほ「へぇー。なんかロマンチックだね」

しずか「そ、そうか?」

みほ「うん。他にも、何かあるの?」

しずか「他?うむ、そうだな…」

VOOOOOO

しずか「…ん?」

「ふーっ、やっと着いたわね」「戦車での移動は疲れるわね」

みほ「テトラーク軽戦車…どこの学校かな」

テトラーククルーA(以下クルー)「ん?見ない顔ね」

みほ「えっ…えっと…」

クルーA「新顔かしら?」

しずか「お初にお目にかかる。手前どもは先日戦車を始めたばかりの新参者ゆえ、ここに来たのも初めてなのだ」

クルーA「あら、そう。残念だけど、今日は帰りなさい」

みほ「えっ?」

クルーB「おどきなさい。そこは御姐様が使うのよ」

みほ「えっ?でも、予約があるなんて書いてなかったですけど…」

クルーA「私たちははるばるここまでやってきたのよ。その苦労を無駄にする気?」

みほ「えっ、そんな事言われても…で、でも空いてるスペースありますし、予約とかしてないんじゃ早いもの勝ちじゃぁ…」

クルーA「そんな豆戦車で一台で私たちの練習の邪魔をする気?」

みほ「豆戦車って、テトラークも似たようなものじゃぁ…」

クルーB「おんなじ軽戦車でも品が違いますのよ」

しずか「ふむ、なる程…この様な連中がおるようだから戦車道なるお遊戯が廃れるわけか」

クルーA「なっ!?下品ですって?私たちはこう見えてもあのセンt…」

「聞き捨てなりませんわね!」

みほ「えっ?」

クルーA「御姐様!」

「戦車道は乙女の嗜みと言われていますわ。それを下品だなんて、失礼じゃありません事?」

しずか「ほう、お主がそちらの大将か」

ローズヒップ(当時中学生)「いかにも、私が聖グロリアーナのアールグレイ様にお仕える円卓の騎士の一人、ローズヒップですわ」(憧れて勝手に言ってるだけです)

みほ「うわぁ…(なんか、中二病っぽい子が出てきた)」

しずか「ほう、騎士と申すか」

ローズヒップ「いかにも、私たちはアールグレイ様を狙う不届き者からお守りするために、日夜戦っておりますのよ」

みほ「えっ?でも、グロリアーナって中等部なかった様な…」

クルーA「学校など関係無いですわ。私たちはアールグレイ様から直々の命を受けておりますのよ」

※:ローズヒップたちは地元の戦車道の名門もグロリアーナに憧れいるだけです。直々の命は当時の副隊長(次期隊長)の悪いジョークをまに受けただけです

ローズヒップ「騎士たるもの日々の鍛錬が大切ですわ。ですから、こうやって日夜鍛錬に励んでおりますのよ」

しずか「ほう、見事だな」

みほ「そうかな…」

クルーA「今日も騎士としての稽古に参りましたの。そこをどいて下さるかしら?」

クルーB「新参者の練習に付き合っている余裕なんて無いんですのよ」

みほ「……」

しずか「フハハッハ」

クルーA「な、何がおかしいのよ?」

しずか「我らがするのは戦車道など婦女子の暇つぶしではござらん」

クルーB「暇つぶしすって!?」

ローズヒップ「何で名古屋の名物が関係あるんですの?グロリアーナは名古屋じゃなく横浜ですわ!」

クルーA「御姐様、ひつまぶしじゃ無くて暇つぶしです」

しずか「…私たちがやるの戦なり」

みほ「戦車強襲競技でしょ!ややこしい言い方はやめたほうがいいよ」

しずか「汝等がその気なら相手になっても良いぞ。動かぬ的を撃つのではつまらんからな」

みほ「えっ、ちょ、ちょっと…ろくに練習もしてないのに、そんな急に…」

ローズヒップ「よろしいですわ!」

みほ「えぇー!?」

ローズヒップ「私たちに手袋を投げるとはいい度胸ですわ!アールグレイ様の騎士としての実力を存分にお見せ致しますわ」

しずか「…面白い」(ニヤッ)

みほ「そんな、いきなり無茶だよ…」

今回はここまでです

みほ「今日は練習のつもりだったから、燃料だってあまり…それに弾だって練習用の弾が少ししか…」

しずか「心配いたすな。西洋の騎士は馬での一騎討ちを好むと言う。ならば、こちらも騎馬で当たらねば非礼にあたろう」(シャキン)

ローズヒップ達「いっ!」

みほ「違うから!戦車での勝負だからね!…てか、刀なんてどこから…」

しずか「護身用の脇差だが」

みほ「だめー!そんなの持ってたら捕まるから!」

みほ「と、とにかく今日は無理だよ。試合やるには十分な状態じゃ無いし」

しずか「そ、そうか…」(鞘に刀を収める)

ローズヒップ「危うくちびるかと思いましたわ…」

一同「えっ?」

ローズヒップ「お、おほん!騎士に手袋を投げておいて支度すら出来ないとはいいご身分でございますわね」

みほ「……」

クルーA「…ですが、私たちも今日はそんなに弾薬があるわけじゃございません」

クルーB「それも訓練用の模擬弾では、当たりの判定が難しいのでは?」

ローズヒップ「そうですわね…そちらも準備できていないようでございますし、改めて週末に決闘を申し込ませていただきますわ。それでどうかしら?」

しずか「…いいだろう。その果し状、確かに受け取ったぞ!」

みほ「そんな大げさな…」

ローズヒップ「そうと決まれば早速訓練ですわ!行きますわよ、クランベリー…」

しずか「…お待ち致せ!」

ローズヒップ「なんですの?」

しずか「改めて、御名を頂戴したい!身共は盾無高校、鶴姫しずかと申す!」

ローズヒップ「聖グロリアーナ女学院アールグレイ様の騎士、ローズヒップですわ!」

ローズヒップ「貴女方、高校生でしたのね。そのような変わった口調ですので、てっきり同年代かと思いましたわ」

しずか「…くくっ、お主も似た者同士であろう」

クルー一同(変わってるって自覚はあったんだ、この人…)

しずか「では、各々方後ほど、行くぞ」

BROOOOO

みほ「大丈夫?あの子達は違うみたいだけど、聖グロリーナは戦車道でも名門校の一角。その人たちに教えられてるとなると油断できない相手だよ」

しずか「弱者を一方的に虐めて何になるのだ?我が全てを燃やす様な相手と相見える事こそ武人の本懐であるぞ」

みほ「そんな事言っても、練度も戦車の性能も相手の方が…」

しずか「それに、一度してみたかった也、「犬追物」を!」

みほ(しずかさんの気合は十分だけど…テケとテトラークじゃ向こうの方が火力も機動力も有利な上に、恐らくチームプレーでくるはず。こっちは単独な上に、ほぼ素人…まともに勝負したら勝ち目なんて…)

しずか「…ほ…みほ!」

みほ「えっ、は、はいっ!」

しずか「…練習を始めたいのだが、何からやれば良いのだ?」

みほ「…じゃあ、とりあず射撃の訓練から始めましょう。どんな強力な大砲でも命中できなければ意味がありません」

しずか「…うむ、承知致した…一つ聞きたいのだが」

みほ「なんですか?」

しずか「…先ほどみほを呼んだとき、エンジンの音が大きい故中々声が届かったかのだが、どうすれば良いのだ?」

みほ「…本来ならインカムとか通信機を使った方がいいんですが、今はそんな物ないので、足で合図してください」

しずか「足で?」

みほ「うん。操縦手の肩を蹴ったりして方向を合図するの」

しずか「ほう、随分と攻撃的なやり方だな」

みほ「…そのぐらいしないと戦車の中じゃ指示が伝わらないから。射撃訓練場まで行く間に練習してみましょう。まっすぐ進むから、思うように指示して見て」

しずか「承知致した」

みほ「じゃあ、行きます」

BROOOO

BROOO

みほ(ふうっ、何とかこのテケにも慣れてきてかも…)

しずか「とりあえず、指示をしてみるか」

スルッ

みほ「!!ひっ」(ビクッ)

しずか(ゆっくり減速して、次を左)

しゅるっ ツーッ

みほ「ひゃっ!(蹴って指示って言ったのに…あっ///ちょっと、そんな所…)あぁ///」

ギャッ

しずか「如何致した?」

みほ「もっと蹴飛ばすとか簡単でいいから。そんなあっちこち触られたらくすぐったいよ」

しずか「そ、そうか?だが、足で指示しろと言ったのはみほであろう?」

みほ「肩を蹴飛ばすとか簡単でいいから、あんなの毎回やられたらおかしくなりそう///」

しずか「???」

射撃訓練場

VOOOO ギャッ

みほ「…はぁ、はぁ…つ、着いたぁ」

しずか「大分息が上がっておるが、大丈夫か?」

みほ「う、うん…(しずかさんのせいだよ、あんな指示の仕方されたら…もう普通の操縦出来なくなっちゃいそう…)」

しずか「…では、鍛錬を始めるぞ。みほ、戦車を出せ」

みほ「えっ?い、いきなり行進間射撃する気なの!?」

しずか「停まったまま的に弾を射るなどただの的あてに過ぎん…せめてこちらが動かねばつまらん」

みほ「で、でも…停止間で射撃をして見ないとことには…」

しずか「構わぬ。出せ」

ツーッ

みほ「ひゃ、ひゃいっ」

BROOOOO

VOOO 

しずか「装填」

ガシャッ

みほ(少し速いかな?初めてならもう少し落としたほうが狙いやすいかも)

BROOOO

しずか「!!」

みほ(あっ…このまま進んだら前方の地形の影響を受けるかも…少し左へ」

しずか「ふっ。よいぞ、そのまま…そのまま…」

VOOOOO DOM BAKOM

みほ「命中した!?初めてなのに…すごい」

しずか「…砲と矢、違いはあれどただの的あて…所詮はつまらんお遊戯に過ぎん」

みほ「お、お遊戯…」

しずか「…先ほどの戦車の操りは見事であった。まるで私の手足の如くだったぞ」

みほ「そんな、大げさだよ。私は経験があるから…」

しずか「騎馬武者は武者と馬の息が合ってこそ初めて兵となるのだ。それを人馬一体と言う」

みほ「へぇー。でも、確かに戦車もクルー同士の連携が無いと機能しないし。同じだね…あれ、でも戦車は人馬一体には多いような…」

しずか「…このテケなら折りよく我ら2人しか居らん」

みほ「あっ、確かにそうだね…あれ、でもしずかさんが車長って事は…」

しずか「そのとおりだ、みほ。今日から戦車を操り我が馬となれ」

みほ「えっ!?う、馬?!」

木の陰

木陰からムカデチームを伺う人影「……」

今回はここまでです
次は明後日ぐらいになると思います

みほ「今日は練習のつもりだったから、燃料だってあまり…それに弾だって練習用の弾が少ししか…」

しずか「心配いたすな。西洋の騎士は馬での一騎討ちを好むと言う。ならば、こちらも騎馬で当たらねば非礼にあたろう」(シャキン)

ローズヒップ達「いっ!」

みほ「違うから!戦車での勝負だからね!…てか、刀なんてどこから…」

しずか「護身用の脇差だが」

みほ「だめー!そんなの持ってたら捕まるから!」

↑すいません誤爆しました。

乙です
もし、出逢ったのがアンツィオだったら普通に混ぜてくれそうだよな・・・

ペパロニ「だったらうちと一緒にやればいいっすよ!ね、ドゥーチェ?」
アンチョビ「おい!ペパロニ、おまえなぁ・・・と、いうわけでペパロニの意見に反対の奴はいるか?」
アンツィオ生「「「いいよ~♪」」」

>>ヒラコー画
野上先生、『セーラー服と重戦車』でインテグラ(許可済み)を出したぐらい交流有りますからね

翌日

しずか「…今日も鍛錬とゆこうか」

みほ「…練習したいのは山々だけど、燃料とか弾薬とか大丈夫なの?」

しずか「何がだ?無くなったら足せば良いこと…」

みほ「足すって言ってもタダじゃ無いんだよ。試合もするのに余分な費用なんてどこから…」

しずか「…資金か…やはり、春を売って足しにするか?///」

みほ「ふえっ!?」

みほ「だ、ダメだからそういうのは!…それに、その位の資金じゃ足らないよ」

しずか「そうか、世知辛いのぅ…」

みほ「…とりあえず一試合分ぐらいはギリギリ残ってるから、今回は大丈夫だと思うよ。…それに、ずっとやるかもわからないんだし、資金面の話は後々にしよう」

しずか「そうか」

みほ「戦車はそんなに動かせないけど、試合の為にできることをしましょう」

しずか「うむ」

……

一部の方々「ちっ、折角のチャンスが」「ホッ、汚されずに済んでよかったぁ…」「ホッ…でも、少しばかり惜しいであります」

しずか「ハアッ!」

ドドド

みほ「わっ、きゃっ…」

しずか「大丈夫か?しっかり掴まっておれ。落たら骨折ものぞ」

みほ「出かけたいとは言ったけど、まさか馬で行くなんて」

しずか「動かせる乗り物が無かったのだ。我慢致せ。ハアッ!」

しずか「…ドゥ!…ここで良いのか?」

みほ「う、うん…はぁ、怖かった」

しずか「安心致せ。こいつはよほどの事でもない限り暴れはせん」

みほ「…でもすごいね。本当にしずかさんの言うとおりに動くんだね」

しずか「これぞ人馬一体ぞ。みほも我が馬としてこの程度は期待したい」

みほ「えぇ!?このぐらいって…」

……

しずか「行くぞ、みほ!ハアッ!」

みほ「うん」

バカラッ バカラッ

しずか「本丸へ突っ込む。行けっ、みほ!」

ドカッ(足で合図)

……

みほ「……(ちょ、ちょっとくらいなら悪くないかな…)」

しずか「…で、こんなところへきてどうするのだ?」

みほ「ふえっ!?」

しずか「…大丈夫か?」

みほ「あっ、ご、ごめんなさい。えっと、相手から連絡があって、次の試合はここで行うことになったの」

しずか「ほぉー。ここで行うと」

みほ「うん。だから、試合前に下見しようと思って」

しずか「ふむ…孫子曰く、兵とは國の大事なり。 死生の地、存亡の道、察せざるべからざる也…孫子の計編だな」

みほ「そうだね。作戦を練るのは部屋で地図を眺めながらでも出来るけど、実際の地形とかの状況は見ないとわからないから…」

しずか「うむ。時に天と地は強力な味方ともなろうが、うまく利用できないのであれば強大な敵となろう」

みほ「そうだね。それに今回は数と性能では向こうの方が上。こっちが有利な条件で戦わないと。その為は地形地物の利用が重要になってくるから」

しずか「…さすがだな。世が世なら、みほは良い軍師となっていたであろう」

みほ「そんな、大げさだよ…(あの時も、事前の偵察をしっかりやっていればあんな事には…)」

みほ「…やっぱり」

しずか「うむ、しっかりとした土質だな。これなら雨が降ろうともぬかるむ心配は無いようだな」

みほ「平原地帯で機動力のある敵との撃ち合いなんて自殺行為…やっぱり森林地帯で待ち伏せしたほうが…でも、相手の数が不明…複数で回り込まれたら咄嗟の機動力に欠けるかも…うーん…」

しずか「…ん?」

VOOOOOO

「着きましたわ!」

みほ「あっ…隠れて!」

しずか「何っ?…わっ」(ガサッ)

ローズヒップ「全員いますわね?」

「はいっ」

クルーA「でも、いいんですの?試合会場で練習だなんて」

ローズヒップ「使っちゃダメなんて書いて無いんだから大丈夫ですわ!…タブン」

ローズヒップ「それに、全員で練習するとなると広い場所じゃ無いと無理ですわ。円卓の騎士は12人いて初めて揃うんですのよ」

クルーB「でも、戦車は6両ですけどね…」

ローズヒップ「細かいことを気にしていてはいけませんわ。アールグレイ様に笑われてしまいますわよ」

クルーC「戦車は車体と砲塔で別れているんだから、上と下別々で考えればちょうど12ですわ」

一同「おぉー!」

みほ「……」

ローズヒップ「行きますわよ!」

BROOOO DOM DOM

ローズヒップ「2号車何をやっておりますの。そんなとろこにいては邪魔ですわ。3号車、クランベリーは後退なさい。あぁー4号車、打ち合わせの違いますのよ!そこはまっすぐですわ」

BRRRO DOM

みほ「うーん、隊長の彼女は頑張ってるみたいだけど、チーム無いでうまく連携が取れてない見たいね…うまく分散した時に各個撃破が出来れば勝てるかも。でも、問題は数か…」

みほ「6対1…その上平原がメインの地形じゃぁ、物量で来られたら少し不利…」

しずか「不利でも善戦した例などいくらでもあろう。土屋昌恒の如く片腕で刻んでくれようぞ」

みほ「それはちょっと無理な気が…」

しずか「どうやら犬追物のつもりが、虎子取りになってしまったようだな。フハハハ愉快愉快」

みほ「そんな楽観的に言われても…(でも、例え虎であっても、こっちは1両でやるしか無い…この状況でいかに有利戦うかの算段を考えないと)」

しずか「これは戦車道にあらず。存分に暴れてくれようぞ」

今回はここまでです

みほ「うーん…今日の練習の状況見ても、あの地形ではやっぱり機動戦がやりやすい。テケとテトラークの最高速度の差は20km。今日の様子を見ても相手は機動戦が得意…複数できたらあっという間に包囲される。正面切っての戦いは自殺行為もいいところかぁ…」

ペラッ

みほ「…装甲は最大でも14mm…テケでもこの位の装甲なら800m位からでも撃破出来るから、やっぱり森林地帯で待ち伏せして撃ったら移動を繰り返してフラッグ車をやれるチャンスを待つべきかな…でもテケの機動性でそこまでうまくやれる自信がないし…うーん…でも、単独となるとゲリラ戦を仕掛けて削って行くのが有効かな。そうなると最初に隠れるのに適してるのは…」

カリカリ

しずか「……」(弓矢の手入れ)

ピンッ!

しずか「…ローズヒップとやら、明日狙うはそなたの首よ」(ニヤッ)


翌日 試合会場

みほ「いよいよかぁ…いい、作戦はさっき示したとおり待ち伏せで…あれ?しずかさん?」

……

みほ「さっきまでいたのに…どこ行ったの!?」

BROOOOO

みほ「あっ…」

ローズヒップ「おはようございますですわ!!」

みほ「お、おはようございます(朝から元気だなぁー)」

寝落ち?

ローズヒップ「今日は騎士道精神で正々堂々勝負ですわ」

みほ「あっ、はいっ。今日はよろしくお願いします」

握手

みほ(とは言っても、グロリアーナの言うことには裏があるから気をつけろってお姉ちゃんも言ってたし…下手に油断しないほうがいいのかな?)

ローズヒップ「ところで、私に手袋を投げた方はどこに行かれたんですの?」

みほ「あっ、そういえばしずかさんは…しずかさん、どこですかー?」

しずか「応っ!」

>>254
はい、寝落ちしてました。すいません

しずか「見参!」

ローズヒップ「…はっ?」

みほ「…えっ?」

しずか「待たせたの、皆の衆」

一同「……」

みほ「な、なんですかその格好は?」

テトラーククルー達「クスクス…なんですのあの古めかしい格好は」

みほ「…何で戦国時代みたいな格好を…確かに、軽戦車なら騎馬っぽいけど…」

しずか「…合戦に挑むのであればこの程度は当然であろう」

みほ「そ、それに弓矢なんて持って何をする気なの?人狙うのはダメだよ!」

しずか「弓は兵器。居るのは奴らの戦車なり!」

クルー一同「なっ」

クルーA「ローズヒップ様、よろしいんですの!?」

ローズヒップ「素晴らしいですわ!」

クルー一同「えっ?」

ローズヒップ「まさしく侍!私に手袋を投げるだけの事はありますわね。こんな事なら私も鎧を持ってくればよかったですわ」

クルー一同「えっ!?」

みほ(この人も大概だな…)

ギャラリー席

観客A「今回は無名同士みたいだけど、片方は名門グロリアーナの息がかかった連中が6両かぁ」

観客B「こんなのやる前から決着付いてるようなもんじゃ無いか?軽戦車同士とはいえ、無謀もいいとこだぜ」

観客

↑すいません。誤爆しました

ギャラリー席

観客A「今回は無名同士みたいだけど、片方は名門グロリアーナの息がかかった連中が6両かぁ」

観客B「こんなのやる前から決着付いてるようなもんじゃ無いか?軽戦車同士とはいえ、無謀もいいとこだぜ」

観客A「だけど、これは何でもありのタンカスロンだぜ。あの赤い九七式の連中がどんな事するか見ものだな」

観客B「そうか?ワンサイドゲームで終わっちまうだろ。今日は見るのよすかな」

ギャラリー席の外れ

ダージリン「…始まるようですわね。戦車強襲競技だなんて、野蛮な種目ですこと」

アールグレイ「何事も見る前からの否定は良くないわよ、ダージリン」

アールグレイ「普段私の騎士と言っているぐらいですもの。下衆な戦いはしないんじゃ無いかしらね?」

ダージリン「所詮は遊びですわ。ヘタをしたらグロリアーナの名に傷がついてしまうかもしれませんのに、宜しいんですの?」

アールグレイ「あの子達は、まだうちの生徒じゃ無い。どうとでもできるわ。それに、その遊びだったあの子達を変に焚きつけたのはどなただったかしらね?」

ダージリン「うっ…あ、あら。そろそろ試合開始のようですわ」

アールグレイ「…そう」(紅茶をすする)

森の中

みほ「とりあえず、この付近で偽装して敵の出方を見ます。相手は恐らくスピードを生かした機動戦術を取ってくると思う。二両コンビでの三個チームでの偵察、攻撃、援護か、三方向からの包囲か…。相手の出方がわからない以上下手な発砲は避けてください。落ち着いて相手のフラッグ車を撃破出来るチャンスを伺いいます」

しずか「……」

平原地帯

ローズヒップ「いよいよですわ!参りますわよ」

「試合開始!」

ローズヒップ「全車前進!」

しずか「…百足衆の初陣なり。参る!」

今回はここまでです

BROOOO

ローズヒップ「相手は森の中に居るはずですわ。散開して囲みわすわよ」

ダージリン「数で包囲する作戦に出たようですわね」

アールグレイ「この場合相手が取りやすいのは隠れての待ち伏せ。それに対してローズヒップは6倍の車両数で包囲。普通にやれば負ける要素の無い戦いね」

ダージリン「ここで動かなければテトラークの速度的にも包囲が完了してしまう。もはや袋の鼠ですわ。これ以上は見ていても面白く無いんじゃありませんか?」

アールグレイ「油断大敵よ。これは戦車道にあらず、戦車強襲競技。最後まで何が起こるか分からなくてよ」

木の陰

しずか「……」

シュッ

みほ「えっ!?」

隊長車クルー「!?あの煙は」

ローズヒップ「自分で位置を晒すなんて馬鹿じゃありません事!?」

隊長車クルー「ですが、チャンスではありません事?」

ダージリン「明らかな挑発行為ですわね。これでは相手の待ち伏せという有利を自ら崩したような物」

アールグレイ「そうね。だけどローズヒップ達の包囲網もまだ完全に形にはなってない。今なら逃げるチャンスはあるわ。相手はこの戦い方を自ら否定した。さぁ、これからどうするのかしらね?」

みほ「何やってるの!?これじゃあ相手に位置がバレちゃう。待ち伏せの意味が…」

しずか「我がやりたいのはかくれんぼに非ず。合戦が望みなり」

みほ「だ、だからって勝手な事しないでくださいよ。何かあるなら最初に言ってください!」

しずか「うっ…す、すまん…」

みほ「…はぁ…これからどうしよう」

しずか「……」

隊長車クルー「隊長、どういたします?」

ローズヒップ「作戦変更ですわ。右翼の3,4号車はそのまま回り込んで後ろからケツを叩いて差し上げなさい!左翼の5,6号車は包囲を中止。そのまま煙のところまで直進。退路を塞がれた敵はこっちへ出てくるしかなくなる。そこを私たちで仕留めてみせますわ」

一同「了解!」

VOOOOO

3号車「4号車近いわ。警戒なさい」

4号車「えぇ。分かってますわ」

みほ「…本気なの?さっきも言ったけどこれはフラッグ戦だから、全部倒す必要は無いんだよ?」

しずか「…あぁ。構わぬ」

みほ「はぁ…(でも、ここは思うように戦わせて見て戦車道の難しさを分からせた方がいいかな)分かりました。あなたの指示に従います」

しずか「…かたじけない…では、参るぞ」

今回はここまでです

VOOO

3号車「…このあたりに居るはずだわ。警戒なさい」

しずか「……」

シュッ

4号車クルー「!!いたっ。敵発見しました!逃げるようですわ!追跡します」

ローズヒップ「了解ですわ!こちらに誘い込まずとも5,6号車とはさんでしまいなさい」

VOOOO

しずか「…用意」

4号車「この先にはすぐ味方が居るはずですわ。一気に追い込みますわ…えっ!?」

しずか「……」(ニヤッ)

BARM BAKKOM シュパッ!

4号車「なっ…」

3号車クルー「何でこっちに…はっ。早く撃ちなさい」

砲手「い、今撃ったら4号車が射線に…」

しずか「…喰らい付け」

みほ「…えぇい」

VOOOO

3号車クルー「つ、突っ込んできますわ。よ、よけなさい!」

GASYAN

3号車クルー「きゃっ」

BARM BAKKOm

しずか「……まずは2つ」

ローズヒップ「ま、マジですの!?」

観客席

「おぉーっ」

ダージリン「あの状況で後ろの2両をやるだんて。まるで殲滅戦…はっ、相手はもしや」

アールグレイ「えぇ、おそらく相手はテトラークを全部狩るつもりのようね」

5号車クルー「隊長、次はどうしたら?」

ローズヒップ「こっちから増援を送りますわ。体制を立て直してもう一度包囲なさい」

みほ「はぁ…はぁ…」

3号車クルー「そんな…」

しずか「……」(ニヤッ)

みほ(…いくら何でも無茶だよ。こんな戦い方…)

しずか「……来るか」

VOOOO

みほ「来た…包囲するつもり?なら、急いで離脱…」

VOOOO

しずか「!!止まれ」

グイッ

みほ「えっ!?」

ギャッ

BARM BAKOM

5号車クルー「外しましたわ!次ですわ、次!」

みほ「な、何するの!?」

しずか「今止まらねば当たっておったぞ」

みほ「目と判断はよかったけど、今のはぎりぎりでかわせたよ。包囲されそうな状況で止まるなんて自殺行為だよ」

VOOOOO

6号車「いいですわ。そのまま囲んでしまいなさい」

みほ「…まずい」

みほ「…くっ」

しずか「……」

6号車「…攻撃用意」

みほ(…やられる)

BAKOM シュパッ!

6号車クルー「えっ!?」

しずか「…今のは?」

「…じっと見ているのも耐え難いね」

VOOOO

みほ「あれは、BT-2!?一体どこの誰?」

今回はここまでです

VO0OOO


5号車車長「援軍!?そんなの聞いてませんわ…」

みほ「!!…早い。あの動きは」

「…トゥータ」

BARM BAKKOM シュパッ

5号車車長「なっ…」

ガチャッ

ミカ「…無事かい?旅人さん」

みほ「やっぱり…どこかで見たことあると思ってたら…」

みほ「戦車の動きを見てまさかと思ったけど、継続高校の…」

しずか「…どこの何者かは存ぜぬが、これ以上の助太刀は不要なり!これ以上我らの獲物に横から手を出すのであれば首盗人同然!」

みほ「ちょ、ちょっと…」

ミカ「…助太刀をしたつもりは無いよ。私はただ、零れ落ちた物を本来の場所へ返しに来ただけさ。ほら」

みほ「…おっと…あっ、私のお財布!」


みほ「…よかったぁ、中身もちゃんとある(あれ?こんな入れておいたっけかな?)あっ、ありがとうございます!」

ミカ「…二人の健闘を祈ってるよ」(ポロローン)

VOOOO

みほ「…あっ、あのー…行っちゃた…もう!あんな言い方するからだよ」

しずか「……」

しずか「…こたびの戦は武士と騎士の一騎討ちなり。下手な助太刀は不要なり」

みほ「…不要なりって、そんな言い方酷いよ!戦車道はチームワークが大事なのに」

しずか「これは戦車道にあらず、戦車強襲競技、戦なり」

みほ「だからって、せっかく助けてくれた人にあんな言い方は…」

BAKOM

みほ&しずか「!!」

2号車「発見しました!相手は1両、フラッグ車が単独です!」

ローズヒップ「見つけましたわ!先ほどは邪魔が入ったようですが、相手は今は単独。この隙にやっつけますのよ!」

VOOO BARM BARM

みほ「くっ…とりあえず今はこの状況から抜け出さないと。続きは終わってからだね…」

しずか「…承知」

みほ(勇猛かもしれないけど、危険を冒すような戦い方をしていたらいつか私みたいな目にあう。しっかり戦車道がどんなものかわかってもらわないと)

しずか(戦車道なる、道の上を歩いてるだけは戦にあらず。戦場には道など引いてはおらぬぞ)

今回はここまでです

BARM

ローズヒップ「やっつけますのよ。」

みほ「左右から挟むつもり…ここは一旦後退したほうが…」

しずか「…否、敵に背を向けるような事などせず!…相手の大将の首元へ飛び込め」

みほ「……」

BARM

みほ「くっ…」

しずか「…挟まれるぞ」

みほ「(後退するにはもう遅い)えぇーい、こうなったら」

VOOOO

2号車車長「!!隊長車に突っ込む気?させませんわ!やっつけなさい」

砲手「あっ…隊長車が射線に…」

2号車車長「何ですって!?」

ローズヒップ「一騎打ちをしたいというわけですわね、面白いですわ!いざ、尋常に勝負!」

しずか「ローズヒップとやら、そなたの首、頂戴いたす!」

UEEEN 

しずか「……」

ローズヒップ「……」

VOOOO

ローズヒップ「今ですわ!」

しずか「……」

BARM BAKKOM!

シュパッ! 

しずか「…なっ」

みほ「…やられた…」

シュパッ!

ローズヒップ「……マ、マジですの…」

しずか「…相打ちか」

みほ「……いやっ、違う…」

しずか「…馬鹿を申すな。確実しとめはしたぞ」

みほ「…確かに、あたってるけど。私たちの砲身の向きからだと、命中したのはあそこだよ」

みほが指差す先、宝塔に残る兆弾の跡

じずか「なっ…」

ローズヒップ「えぇ!?で、では…この車体の撃破跡は…」

二号車車長「……」(ガタガタ)

「試合終了、両車同時撃破つき、この試合引き分け!」

しずか「……くっ、何と後味の悪い結果…」

みほ「……」

ローズヒップ「くっ…なんてザマですの」

メイン会場

ローズヒップ「私の事を撃つとはどういうつもりですの!?」

2号車車長「もう、申し訳ありません」

ローズヒップ「あの状況で撃てば私に当たるとは思いませんでして!?」

2号車車長「グズッ…」

しずか「……」

ローズヒップ「私を撃つような人がチームにいるだなんて、冗談ではありませんわ!金輪際、戦車には…」

しずか「……」

ローズヒップ「な、何ですの!?」

しずか「喝!」

ローズヒップ「うっ…」

今回はここまです

ローズヒップ「な、何ですの?私たちの問題に口を挟まないでくださる?」

しずか「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり!」

ローズヒップ「えっ?人がお城の石垣??」

「…人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり…戦国時代の武将、武田信玄の言葉ですわね」

ローズヒップ「…そ、そのお声は」



アールグレイ「ご機嫌よう、皆様」

ローズヒップ「ア、アールグレイ様!ご、ご機嫌ようですわ!!」

アールグレイ「…クスッ。相変わらず、元気が宜しいですわね。ローズヒップ」

ローズヒップ「は、はいっ!」

アールグレイ「フフッ…」

しずか「…そなたが、総大将也か?」

アールグレイ「総大将?フフッ、先ほどの武田信玄の言葉といい、古めかしい表現がお好きですのね。聖グロリアーナ女学院、戦車道チーム隊長、アールグレイですわ」

ダージリン「…同じく、副隊長、ダージリンですわ」

しずか「…鶴姫しずかと申す」

アールグレイ「…しずかさんですわね。以後お見知りおきを」

しずか「…うむ」

アールグレイ「…先ほどの言葉、信玄公のお言葉…」

ダージリン「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりですか?」

アールグレイ「…どれだけ堅固な城でも、人を蔑ろにしたら滅びる…」

しずか「如何にも、それが其方達の戦車道也や?」

アールグレイ「その通りですわね。仲間なくして、チームは成り立ちませんもの。チームメイトを蔑ろにするのは良くないですわね」

ローズヒップ「アールグレイ様!ですけど、彼女は私を撃ちましたのよ!」

しずか「如何にも、主君に手を挙げるなど言語道断の所業なり」

ローズヒップ「そうですわ!」

しずか「…謀反であるなら打ち首も同然の所業なり。されど、この度の所業は謀反なりや?」

アールグレイ「…悪気があって貴方を撃ったと本当に思ってまして?」

ローズヒップ「…それは…」

2号車車長「…申し訳ありません…」

2号車車長「…隊長車を撃ってしまう危険があるのは分かっておりました…ですが、もし撃たずにローズヒップ様がやられてしまったらと思ったら、じっとしているなど…出来なくて…うぅ…ですけど、あの時撃たなかったら…この試合には…うぅ…本当に申し訳ありませんでした…」

ローズヒップ「……」

しずか「…忠誠心ある者を蔑ろにすれば、そなたの城は崩壊なり」

アールグレイ「…悪気があったのでは無く、貴女を守ろうとしての行動をした…今回は悪い結果になってしまったけれど。人生に失敗はつきものよ。私も幾重もの失敗を経て、今がある。貴女達はまだ歩き始めたばかり、これからでは無くて?」

ローズヒップ「……」

ローズヒップ「…感情的に怒ってしまって悪かったですわ。私を助けようとして行動してくれたのには感謝致しますわ」

2号車車長「…隊長…」

ローズヒップ「…だけど、私を撃ったのは許せませんわ」

2号車車長「……」

ローズヒップ「次はちゃんと当てなさい。そうでないと、一生許しませんわよ!」

2号車車長「…ローズヒップ様…」

ローズヒップ「帰ったら練習ですわ!この程度ではまだアールグレイ様の騎士としては程遠んですのよ!」

一同「はいっ」

アールグレイ「…クスッ。いい騎士の皆様で頼もしいですわ。その調子で頑張りなさい」

ローズヒップ「ありがとうでございますわ!」

アールグレイ「…行きましょうか、ダージリン」

ダージリン「…えぇ」

アールグレイ「…貴女の試合中々面白かったですわ…」

しずか「…うむ」

アールグレイ「…けど、船頭多くして山に登らないようになさいね」

みほ「……」

今回はここまでです

小話

ダージリン「…先ほどの言葉、すぐに武田信玄公のお言葉とお分かりにならましたわね。流石ですわ」

アールグレイ「…隊長たるもの、過去の名将から学ぶのも大切な事。あなたももっと勉強なさい。偉業をなした方が残した言葉というのは結構深いものよ」

ダージリン「…偉人の言葉…格言?」

アールグレイ「えぇ…格言は少し違う気も…」(フラッ)

ダージリン「!!お、御姐様?大丈夫ですか?」

アールグレイ「えぇ…ちょっと、立ちくらみがしただけよ。貧血かしら?」

ダージリン「…酔っ払ってらしゃるのです。常々、紅茶に入れるブランデーは香り付け程度にして下さいと、言っておりますのに」

鶴姫酒造

しずか「…良いぞ、そのまま退がれ」

VOOOO

みほ「……」

しずか「…よいぞ。止まれ」

VOOO

しずか「!!何をやっておる、止まらぬか!」

みほ「…はっ」

ギャッ



しずか「…もう少しで壁を破壊致すところであったぞ」

みほ「……」

しずか「如何致した?体調でも崩したのか?」

みほ「…ねぇ…」

しずか「…ん?」

みほ「…今日の試合の事なんだけど…」

しずか「…その事か…」

みほ「……やっぱりあんな戦い方は良くないと思うの…」

しずか「……」

みほ「…確かにタンカスロンは重量規定以外は何でもありだけど…だからって無理に危険な道を行くことは無いんじゃないかな?」

しずか「…優しいのだな」

みほ「…そうかな?」

しずか「…だが、戦車強襲競技は戦車道に非ず。合戦の地に道など引いては居らぬ」

みほ「…確かに私がやってきた戦車道とタンカスロンやり方に違いはあるけど、タンカスロンだって、戦車道と同じルールに則った競技であることは変わり無いのに…」

しずか「…元を正せば同じかもしれぬが、だが、戦車強襲競技の規定は重量のみ…他に規定が無いと言うのであるならば、安全などと言うものにこだわりすぎておっては、戦では勝てぬ」

みほ「……」

しずか「…合戦の地において安全な場所などござらぬ…」

一時間程度空きます



みほ「……」

しずか(回想)「…安全などと言うものにこだわりすぎておっては、戦では勝てぬ」

しほ(回想)「…犠牲なくして、大きな勝利を得ることはできないのです」

みほ「…はぁ…(…何で…無理して危ない真似をする事無いのに…)」

みほ「…私が間違ってるのかな…」


みほ「……」

「…そこに居るのは何方ですか?」

みほ「…あっ」

徳蔵「…みほ様でしたか」

みほ「…徳蔵さん」

徳蔵「もう、夜も大分更けました。そろそろお休みになられた方が、宜しいかと」

みほ「…そ、そうですね…」

みほ「……」

徳蔵「…何やら気分がすぐれないご様子ですが、どこかお体の具合でもよろしく無いのですかな?」

みほ「い、いえっ。そんな事ないですから」

徳蔵「……しずかお嬢様の事ですかな?」

みほ「……」

徳蔵「…しずかお嬢様を悪く思わないで下さい」

徳蔵「…しずかお嬢様があのようになられたのは、この徳蔵のせいなのです」

みほ「…えっ?」

徳蔵「この徳蔵、経営に忙しいご主人様に変わりまして、お嬢様をお育て申し上げてまいりました。鶴姫酒造の跡取りとして相応しいお方にはなられましたが…ただ、女の子らしい趣味に殆ど興味を持たず、元々私めの趣味であった戦国物ばかりに…」

みほ「…そうだったんですね」

徳蔵「当然の如く同年代のご友人というものもおらずでして…同年代でのご友人としてはみほ様が初めてでして」

徳蔵「…それ故に、同年代のご友人と接するのに慣れていらっしゃらないのです」

みほ「…別に、普段一緒に話したりするのはいんです。だけど…」

徳蔵「…本日の事ですな。お嬢様は、あのような趣味ゆえ戦というものに憧れが強いのであります」

みほ「…様子を見てれば分かりました。試合の時、しずかさんとても生き生きしてたから」

徳蔵「左様でございますか」

みほ「…だけど、いくらタンカスロンでも強引なやり方は良くないと思います…」

みほ「…確かに重量以外は何でもありかもしれないけど、タンカスロンも競技の一つ、戦争じゃ無いんです。戦うことが好きなのであれば否定はしませんけど、危険な道を進んで行くなら、いつか私みたいな目に遭うかもしれません…それがタンカスロンで起こったらと思うと…」

徳蔵「…お嬢様の事をご心配してくださるとは、ありがたきこと」

みほ「…だけど、しずかさんは…」

徳蔵「…お嬢様も悪気があっての事では無いのです。恐らく、初めて試合というものに望まれた故、まだ不慣れなのでございます」

みほ「…はいっ。多分そうなんだと思います…」

みほ「…もっと戦車道を理解して貰えればいいんですけど…」

徳蔵「深く考えずとも、お二人でよく話し合えば良いだけのこと」

みほ「私もそうしたいんですけど…話す機会が無くて…」

徳蔵「…お嬢様もそれは承知されているかと。先程も申しましたが、お嬢様にはご友人と呼べる方が今まで居らなかった故に、素直に向き合えないのでございます。今一度お二人でしっかりと話せばきっと互いに理解を得られるかと」

みほ「……」

徳蔵「…お嬢様の事をよろしくお願いいたします。お二人が理解し合えれば、きっと良いものとなりましょう」

みほ「……」

壁の向こう

しずか「……」

今回はここまでです

しずかの部屋

みほ「……」

しずか「…どこへ行っておった?」

みほ「……中々寝付けなかったら、ちょっと風でも浴びようかと思って…」

しずか「…そうか」

みほ「……」

しずか「……なぜ、安全志向にこだわる?」

みほ「……」

しずか「……取り扱を間違えれば危険な物を扱う故か?」

みほ「……それは基本だけど、そうじゃないの…」

しずか「…では何故ゆえだ?」

みほ「……っ…それは…」


みほ「…あの時、助けに向かったんだけど……私の戦車がフラッグ車だから負けちゃって…」

しずか「…その沈んずだ者達は助かったか?」

みほ「…うん、何とか無事だったんだけど……それが原因で負けたって責められて…お母さんにも…」

しずか「…そのような事があったのか」

みほ「……だけど、そのままだったら皆今頃……」

すいません、出かけなきゃ行けなくなったので中途半端ですがここまでです
次は月曜ぐらいになってしまいます

しずか「…お主は、周囲にその様な言われをされ、助けた事を後悔しておるのか?」

みほ「…えっ?そんな事は無いよ。ただ、あの時私は助けったかったの、仲間を…」

しずか「…我、事において後悔をせず…お主が納得しておるのであればよいでは無いか」

みほ「……」

しずか「……戦車道なるお遊戯が廃れる訳だ」

みほ「…えっ、今なんて…」

しずか「…戦場は千変万化にて、かねて定めたることの違うことあるものなれば、手筈の違うところに任せて、よく働くをもって肝要とす。定めたるところの違へば、それに当惑して狼狽するにより、大なる負にもなり、穢き首尾にもなるものなり。…お主達が負けたのは強者達が取り決めた物に執着しておった結果であろう」

みほ「……」

しずか「…それ故、大敗をきしたのであろうが、お主は兵を救ったのだ。戦において情けに敵味方もござらん、それは後悔などする必要はないであろう?」

みほ「…う、うん」

しずか「…規定はあれど、戦車道も戦と同じ也。古き伝統とやらを守るだけでは勝てぬ」

みほ「……そうかもしれない…」

しずか「…ん?」

みほ「…わ、私も西住流家元の家計だから、お姉ちゃんと一緒に西住流を守ろうと頑張ってきたけど…最近はそれで本当にいいのかな?って少し思うようになってた…伸び悩んでるだけだって言われたけど…そうじゃ無いのかったのかもしれない…」

しずか「……ふっ」

しずか「…戦場に道など引いておらぬ。それ故に道というのは自分で拓くもの也。拓くからにはどのように進もうが当人の自由であろう。みほも、好きなように引けばよい」

みほ「…うん!」

しずか「…よい笑顔だ」

みほ「…ありがとう、しずかさん。少し楽になったかも」

しずか「…ふむ」

みほ「……あ、あの…」

しずか「如何致した?」

みほ「…えっと…武士は豪勇だけではいけない。臆病で味付けする必要がある、だっけ?…今日の試合はしずかさんの好きなように戦ってもらったけど、攻撃一篇みたいなやり方は少しよく無いかもしれないよ?」

しずか「…ぬっ。お、お主中々やるな」

みほ「クスッ…そうかな?」

今回はここまでです

こんばんは。
申し訳ありませんが、後二週間程更新できそうにありません。お待ちいただいてる方も居るかとは思いますが、もうしばらくお待ち下さい

時間できたので再開します

VOOOO

しずか「…左だ」

みほ「…スットプ」

しずか「…何故だ?大将の首を狙うのであれば左の道こそ最短なり」

みほ「…確かにフラッグ戦はいかにして相手のフラッグ車を叩くかけど。最短となるとあそこの茂みの近くを通らないとならないでしょ。豆戦車クラスの車高が低い車両がアンブッシュするには最適。ある程度の重量がある軽戦車ならいいかもしれないけど、テケみたいな軽装甲の車両だと20mmクラスでかなりの脅威になるし、撃たれなくても無線で報告されたら奇襲の意味がなくなっちゃう」

しずか「…くっ、見落としたようだ…情けない」

みほ「…じゃあ、もう一回始めから」

VOOOO

しずか「……」

みほ「……次の指示は?」

しずか「……」

みほ「…ど、どうするの?このままだと敵がいるど真ん中突っ切ることになるよ?」

しずか「…構わぬ。押せ!」

みほ「…えっ?」

VOOOO

しずか「……」(ニヤッ)

みほ「…今真中突っ切ったのは何で?あそこを突破してもあの方向にフラッグ車はいないよ?」

しずか「…我々が通った後を見てみろ」

みほ「???」

しずか「…この的(敵車両のつもり)とこの的…こやつが我を撃つならばどのようになる?」

みほ「…射線がかぶってる…あのままだとこの前の試合みたいにフレンドリーファイアーの危険性が…!!まさかそれを狙って?」

しずか「…正々堂々が由とも限らず…戦においては敵を謀ばかり、その隙を突く…時には詭道も必要なり」

みほ「…戦場の摩擦…」

みほ「…だけど、それはそれで危ないよ。リスクが高すぎるからあまり得策とは言えないけど…」

しずか「……お主のやさしさであるな…無論、いつも有効というわけではござらん。だが、優しさだけでは勝てぬぞ?」

みほ「…そ、それはそうだけど」

しずか「…時には修羅の道を進む覚悟も必要なり」

みほ「……」

みほ「……優しく時には厳しくってことかな?」

しずか「…そうなるのであろうか?みほがそのように感じるのであればそうでよいのでないか?」

みほ「う、うん」

しずか「…では、参ろう。まだ、時間は残っておるぞ。もう一度」

VOOOO

しずか「…次は撃って良いのだな?」

みほ「…うん。次は射撃訓練も兼ねるから。実弾使うから安全には気をつけてね」

しずか「…心得た」

みほ「…(射撃地点はここをまっすぐ進んで行けばいいけど…。もし実際の試合だったら、相手が動きを読めるような人だったら待ち構えられる危険が高い…時には厳しく行くべきかな?」

VOOOO

しずか「…?!的はこっちではござら…ほう、そういう事か。面白い」

VOOOO

みほ「…もうじきポイントに付きます。ここから一気に加速して飛び出します、丘を越えてジャンプしたら着地と同時に発砲してして下さい」

しずか「…心得た。丘を飛び側面から奇襲するとは考えたな。危険な賭けであるというのによく決断致したな」

みほ「…時には厳しく行く時も必要じゃなかったの?だけど、着地の時の衝撃には注意してね」

しずか「…フッ。心得た……行くぞ」

みほ「……PANZER VOR!」

VOOOOO

みほ「……ポイントまでもう少し」


しずか(最高速で突っ込め)

スルッ(しずかの足)

みほ「!!ひ、ひゃぅ///」

ガタガタ

しずか「お、おいっ、いかが致した?」

みほ「わっ…おっと、あっ…」

VOOOOM

みほ「…しまった。つ、つかまって!」

VOOOO DON!

みほ「きゃっ」

しずか「くっ…!!(カチッ)」

BARM

しずか「…しまった。不覚」

ギャッ

みほ「…はぁ、はぁ…」

しずか「……」

みほ「……もう!急にいつもと違う指示の仕方しないでよ。びっくりしたでしょ?!」

しずか「…うっ、すまん…」(シュン)

みほ「あっ…えっと、足で指示するのはそのーわ、悪くないんだけど///も、もう少し優しく…」

「こぉぉぉらー!」

みほ&しずか「!!」

みほ「な、なにっ!?」

ガサッ

頭から寸胴をかぶった人「今撃ったのはどこのどいつだー!?」

みほ「ひ、ひいっ!で、でたー」

しずか「…物の怪の類か!?」(チャキッ)

頭から寸胴をかぶった人「…あれ?何で周りが真っ暗なんだ?おっかしーな、昼飯作ってたはずだったのに」

「姐さん。頭から鍋かぶってますよ、ほら」

スポッ

ペパロニ(パスタまみれ)「なんだー、どおりで真っ暗だと思ったぜ」

みほ「あ、あのー…」

ペパロニ「はっ、そうだ!やいやい!今撃ったのはお前らか?あん?!」

みほ「えっと、そのー」

しずか「…すまぬ。私が誤って撃ってしまった」

みほ「しずかさん…」

ペパロニ「どうしてくれんだよ!?お前らが変なとこ撃つから見てみろ!お昼のパスタをどーしてくれんだよ!?」

アンツィオ生徒たち「……」(鋭い視線)

みほ「あぅ…」

しずか「……」

ペパロニ「このおとしまえはどうつけてくれんだ?あん?」

みほ「ぅぅ…えっと、そのー」

しずか「……すまなかった」

ペパロニ「謝ってすんだら警察いらねーんだよ」

しずか「…兵糧は戦においては兵に次いで必要な物…その大事な兵糧を破壊したとならば謝罪ですむものではござらん…かくなる上は…」(チャキッ)

みほ「えぇ!?」

しずか「…この場において切腹いたす故…」

みほ「やめて!私がちゃんと操縦できなかったのが悪かったから、しずかさんのせいじゃないから」

ペパロニ「ちょ、ちょっ、いや、そこまでしなくても」(オロオロ)

「待て待て!」

ガシッ

しずか「えーい、放せ。このままでは示しがつかん」

アンチョビ「確かにアンツィオにとってパスタは命の次に大事からこいつらが怒るのもわかるが、演習場の中でちゃんと確認もせずにパスタを茹でたこっちにも非はある。何もそっちが一方的に悪いわけじゃない」

しずか「……」

ペパロニ「……」

アンチョビ「…はぁ、はぁ。けがはないか?」

みほ「えっ、は、はいっ」

アンチョビ「お前らも大丈夫か?火傷とかしてないか?」

ペパロニ「大丈夫っす!」

アンチョビ「そうか…。まったく、演習場じゃ戦車道以外にもタンカスロン競技者とかいて危険だから、よく他に動いている奴らが居ないか確認してからやれとあれほど言っただろ」

ペパロニ「すいません、姐さん…」

アンチョビ「…まったく。あぁ、全身パスタまみれじゃないか。早く着替えてこい。こんな季節でも油断すると風邪ひくぞ」

ペパロニ「わっかりました」

ダッ

みほ「あ、あのー本当にすいませんでした」

しずか「…面目次第もない…」

アンチョビ「…百発百中なんて滅多にあるわけじゃないからな、外したりするのは仕方ない。それに、安全確認せずにこんなところで食事の準備をしてたこっちにも非はある」

みほ「ですけど…」

アンチョビ「そうだな。万が一ずれていたら大惨事になってただろな。そうなってたら腹切りぐらいじゃ済まなかったぞ?」

みほ「……」

アンチョビ「…でも、今回は大事にならずにすんでよかったじゃないか…誰も死んでない、誰も傷ついてないんだ。そう気を落とすな」

みほ「あ、ありがとうございます」

しずか「…本当にすまなかった」

アンチョビ「うんうん」

アンツィオ生徒「だけど、ドゥーチェ。うちらのパスタはどうするんですか!?」

アンチョビ「また茹でれば済むが…パスタをめちゃくちゃにした責任は取ってもらわないとなぁ」

みほ「……」

しずか「……」

アンチョビ「…うーん。あの九七式がお前たちの戦車か」

みほ「は、はいっ」

アンチョビ「ずいぶんと奇抜な色だな、あんなマーク見たことないが、どこの学校だ?」

しずか「…我々は戦車道にあらず」

アンチョビ「…戦車道じゃない?…だと、タンカスロンの方か?」

しずか「…いかにも」

アンチョビ「タンカスロンかぁ…よし、なら、戦車でやらかしたことは戦車で責任を取ってもらおうか」

今回はここまでです
次回については未定です

数日後

VOOOO

アンチョビ「…おっ、来たな」

みほ「お、おはようございます」

アンチョビ「おはよう、諸君。今日はいい天気だな」

しずか「……雲ひとつござらん。見事なまでの快晴だな」

みほ「…それで、今日はいったい何をすれば?」

アンチョビ「…今日は私が総帥となってから、初めて練習試合をする事になったのだ」(ビシッ)

ペパロニ「カッコいいっす、ドゥーチェ!」

みほ「へ、へぇー、そうなんですね。(今の時期、全国大会も終わって次の世代に隊長の座を譲ったりする時期だから当然か)」

アンチョビ「その名誉ある最初の試合にお前たちを招待してやる」

みほ「…えっ?」

ペパロニ「おぅ、お前ら!ドゥーチェの心意気に感謝しろよ。」

みほ「それってあの…」

しずか「…要するに我らに助太刀を頼むというわけであるな」

アンチョビ「…ま、まぁ。そういう言い方もあるな…じゃなかった、この間の件の尻拭いのチャンスを与えてやる」

ペパロニ「そうだそうだ!汚名挽回のチャンスくれたんだぞ、ありがたく思え」

アンチョビ「それを言うなら、名誉挽回だ!」

みほ「で、でも…援軍を頼みたいってのは間違えないんですね…」

アンチョビ「…ま、まぁ、そうなるな…」

アンチョビ「本来ならこんな事しなくても何とかなるとは思うんだが…全国大会直後で資金がカツカツで…初めてのタンカスロンルールだからよく分からなくて…あの、そのー」

しずか「……」

みほ「…あっ、そういう…」

アンチョビ「んっ、ともかく!今回の試合でともに戦うことでこの間の件はチャラにしてやるんだ、しっかり働いてもらうぞ」

しずか「…うむ、助太刀と言うのは悪い気はせぬ、よかろう。頼まれたからには存分に暴れてくれよう」

みほ「よろしくお願いします」

アンチョビ「あぁ」

ペパロニ「戦車道が無いから、タンカスロンやってるような素人連中がどこまでやれるか見ものだぜ」

みほ「…し、素人…」

しずか「……」

ペパロニ「そう心配すんなって、うちらにはドゥーチェが居るんだ、泥舟に乗ったつもりで着いてきな」

しずか「……ほう、大将がそのようなすぐ沈むような船に乗っておるなど、お主等も大した事無いのであろうな」

ペパロニ「あんだと!?」

アンチョビ「落ち着け、ペパロニ」

ペパロニ「だけど、ドゥーチェ、こいつらドゥーチェの事を…」

アンチョビ「お前が大船と泥舟を間違えたからだろ」

ペパロニ「ありゃ?」

アンチョビ「まったく…。だが、勘違いはするな!アンツィオは決して弱くない…じゃなかった、強いって事をな」(ビシッ)

しずか「…あ、あぁ…」

ペパロニ「…それにしても遅いっすねー」

みほ「そういえば、今日の試合する相手って?」

アンチョビ「まだ予定の時間まではある、そう焦るな。もうじき来るだろう、子馬にまたがって、イタリア仕込の帽子に羽を刺した帽子をかぶってな」

しずか「??」

みほ「…子馬?イタリア仕込?…ぁ…」

VOOOO

アンチョビ「…おっ、来たか」

しずか「…ほう、随分と西洋かぶれなやつ等だな」

みほ「…M22軽戦車にM3スチュアート。テケの37mmじゃちょっと厄介かも…」

イメージBGM:Yankee Doodle

ケイ「お待たせー、待たせちゃったわね」

アンチョビ「いやっ、まだ集合時間前だ。それより、今日は試合を受けてくれて感謝する」

ケイ「こっちこそ。今日はよろしくね。本当はちゃんと公式の戦車道ルールで試合したかったんだけど、上級生がまだうるさくって、アンツィオ相手にはこれで十分だなんて言って、こんな形になっちゃて…本当にごめんなさい。戦車道は下手に見下したりせずにフェアにやる物なのに」

アンチョビ「いやっ、こっちとしてはむしろこうなった方があまり負担にならずに助かったかも知れんな。まぁ、何だ、こんな形になってしまったが今日は、正々堂々勝負しよう」

ケイ「OK.こちらこそよろしくね。ん?そっちの二人は?」

みほ「…あっ」

アンチョビ「我がアンツィオのチームメイトだ」

サンダース生徒A「チームメイト?随分格好が違うけど?」

サンダース生徒B「ほかの学校が一緒とかいいのかしら?」

みほ「うぅ…」

アンチョビ「それはだな…」

ケイ「うーん、いんじゃない?別に公式の試合じゃないんだし。多いほうが試合も面白いんじゃない」

サンダース生徒「…隊長がそう言うならしょうがないですけど」

ケイ「じゃあ決まりね。今日はよろしくね、サンダース大学付属高校のケイよ」

しずか「…楯無高校、鶴姫じずかと申す」

ケイ「しずかね、OK。よろしくね」

みほ「…み、みほです」

ケイ「…(この子、どっかで見たような…まぁ、いいわ)みほ、今日はよろしくね。こんな形になっちゃったけど、戦車道を忘れないでフェアに行きましょう」

みほ「…は、はいっ」

しずか「……」

今回はここまでです

みほ「…4対4、数の上では同等だけど、火力も装甲も相手の方が倍以上…」

ペパロニ「戦いは火力じゃ無い、オツムの使い方だぜ」

みほ「……(…なんだろう、すごい危ない匂いがする)」

アンチョビ「まぁ、こちらにもまだ策はある」

アンツィオ生徒「ドゥーチェ、準備できました!」

しずか「……随分とでかい銃だな」

みほ「対戦車ライフルだなんて、いいんですか?」

アンチョビ「試合形式はタンカスロンルールだ。レギュレーション的には問題は無いんだろ?」

みほ「そうですけど…」

アンチョビ「…正直なところ、CVの8mm機銃じゃ喧嘩になら無い。少しでも火力UPが出来るならそれに越した事はないだろ?」

みほ「えぇ…」

ペパロニ「でも、お金無くて1丁しか買えなかったじゃ無いっすか」

アンチョビ「貧乏だから仕方ない…じゃなかった!あえてだ。全部装備したら火力は上がるかもしれんが、機動性が落ちるだろ。CVは機敏で小回りが効くのがいいんだからな」

サンダース陣地

ケイ「…全車準備はいい?」

サンダース生「OKです…」

ケイ「ん?何か不満かしら?」

サンダース生「…アンツィオなんて弱小校相手の練習試合なんて。別に断れば良かったのに…今日練習じゃなかったら…」

ケイ「そうやって、相手を見下すのは良くないわ!試合は何が起きるか分からないのよ。そうやって油断してると痛い目見るわよ」

サンダース生「…はーい」

しずか「…それで戦い方は如何致す?」

アンチョビ「そうだな…しかし、意外だな。もっと出しゃばって来るのかと思ってたが」

しずか「本日はうぬらの学校の戦、こちらは助太刀だ。助太刀する身で口を挟むのはよろしくないであろう?」

アンチョビ「そうか、なら遠慮なく命令させてもらうからな」

しずか「御意」

アンチョビ「頼りにしてるぞ」

短いですが、ここまでです

>>1です
しばらく放置状態で申し訳ありません。
公私共に忙しく書く気力が薄れてました。後、忙しい中勢いで書いた部分もあってこの先をどうしようか悩んでる部分もありまして、もしかしたら書き直すかもしれませんが、更新はもう少しお待ちください

お久しぶりです。
やっと落ち着いてきたんで、再開します

みほ「…それで、作戦はどうするんですか?」

アンチョビ「…敵で一番厄介なのは、隊長車でもあるM3だ。だからそれを最優先で叩く」

ペパロニ「…どうやってっすか?突っ込んでガチンコで撃ち合うんすね!」

しずか「…ふむ。敵の総大将との一騎打ちこそ、戦の醍醐味であるな」

みほ「…M3だけじゃ無くてM22だっているのに、正面切って撃ち合ったりしたらこっちが持たないよ…」

アンチョビ「彼女の言うとおりだ。力任せに殴りあうのが戦車道じゃない。いいか、戦いってのはここ(頭を指差す)の使い方だ」

GOOOOO

サンダース生A(M22車長)「…こちらC(チャーリー)異常なし」

サンダース生B(同砲手)「あぁー、なんかやる気起きないわね~」

サンダース生A「そうね。公式な試合でもない上に、相手はアンツィオと聞いた事もない高校の戦車が1両とかね~。なんか拍子ぬけよね~」

VOOOOOOOO

サンダース生C(操縦手)「…!!車長、前方より銃撃です」

サンダース生A「早速現れたわね」

VOOOOO

サンダース生C「あっ、逃げる」

サンダース生A「全速前進、追跡するわよ」

サンダース生C「了解」

サンダース生A「相手は豆戦車よ、恐るに足らないわ。姿が見えたら各自に仕留めなさい」

サンダース生B「了解」

VOOOO

サンダース生A「消えた?どこに隠れた…」

サンダース生B「あっ、居ました!」

サンダース生A「停止、攻撃用意」

サンダース生B「それで、隠れたつもりなんて甘いわ。発射」

VORM BAKKOM

サンダース生B「やった…何!?粉々に吹き飛んだ?」

サンダース生A「看板ですって!?じゃあ、相手はどこに…」

DOM BAKKOM

シュパッ!

サンダース生A「…なっ…」

しずか「……まず1騎…」(ニヤリ)

ペパロニ「やった、成功したっす、ドゥーチェ!」

アンチョビ「上手くいくのか心配だったが、あの程度の看板でも上手く配置すればそれなりの効果は発揮できそうだ」

みほ「まさか、欺瞞作戦を取るなんて」

アンチョビ「別にルールに反した事はしてないんだ。問題ないだろ」

しずか「…戦においては、古来より敵を欺く行為は行われておる。…あまり、騙し打ちするというのはよい者ではないが…」

アンチョビ「まぁ、まともにやりあえるんだったら、派手に撃ち合いたいところだが、そんな火力はこちらには無いからな。時にはこういう戦いも必要だ。言っただろ。戦いはここの使い方だってな」

みほ「そうですけど…。何回も同じ戦法が通用するか…」

アンチョビ「次は別の方法を取るさ…看板は為にし持ってきただけだから、あれしかないからな」

サンダース生A「こちらチャーリー、やれました」

サンダース生D「whats!?」

ケイ「大丈夫?」

サンダース生A「大丈夫です」

ケイ「無事ならOKよ。……まったく、見下したりするからそういうことになるのよ」

サンダース生A「……すいません…隊長」

今回はここまでです

アンチョビ「移動するぞ」

VOOOOOOO

ガヤガヤ

みほ「…ギャラリーがこんなところにまで」

アンチョビ「タンカスロンの観覧は自己責任だ。だから、こうやって近くで見ようとするやつらもたまに居るんだ」

ペパロニ「それにしても今日は多いっすね~。ちょっと、邪魔だな」

アンチョビ「…なんかあったら大変だ。迂回しよう」

ガヤガヤ

「…ん?何やら騒がしいな。はて?今日は、何かありましたかな」

VOOOO

ガヤガヤ

「…ん?何やら騒がしいな。はて?今日は、何かありましたかな」

ギャラリー「えっ?あぁ、タンカスロンの試合だよ。ほら、キタキタ」

VOOOO

楯無高校教頭「…戦車?ほう、このあたりでも戦車道をやっているのところがあるとは。!?あ、あれは一学年の鶴姫しずかじゃないか!彼女が何故に?…それに、もう一人の娘は?…うちの生徒では無いようだが、どこかで見た様な気が」

VOOOO 

ケイ「…もうじき接敵するかもしれないわ。左右の警戒を厳になさい」

BAKOM

サンダース生D「こちらB(ブラボー)九時方向より攻撃!九七式です」

サンダース生E「あれさえやっつければ、怖いものないわ。見てなさい、一撃で仕留めてあげる」

VOOOO

サンダース生E「あっ、逃げる」

サンダース生D「逃がすか、おえー」

VOOOO

みほ「…食いついて来た」

しずか「…行くぞ、首尾はよいな」

VOOOOO

サンダース生E「もらった」

しずか「……」(足で左旋回を合図)

ギャッ

サンダース生E「今更避けたって無駄…」

PAN! PAN! GAN! GAN! シュパッ!

サンダース生D「…えっ、ばかな…どこから」

ペパロニ「…よっしゃ!どんなもんよ」

横の茂みから僅かに銃身だけをのぞかせているCV33

サンダース生D「…そんな…九七式は囮?…くっ、やられた…」

サンダース生F「…二号車まで。ちっ、なんとしてもやっつけるのよ。ファイア!」

VOOOO

ギャラリー「…おっ、こっち来るぞ。避けろ、避けろ」

みほ「すいません、どいてください」

サンダース生G「で、でもいま狙ったらギャラリーにも」

サンダース生F「速度が落ちてる今がチャンスよ!大丈夫よ、自己責任で見てるんだからもし、怪我しても向こうの責任よ。早く撃ちなさい」

UEEEN

みほ「えっ、まさかこの撃つき!?」

しずか「……」

DARM

BAKKOM 

しずか「…っ」

みほ「……やられ…て無い?じゃあ、今のは?」

サンダース生F「……なっ」(シュパッ!)

砲口から発射炎をあげるM3

ケイ「……」


アンチョビ「…なっ、M3が友軍を撃っただと?」

サンダース生F「なっ、隊長。どういうつもりですか!?」

ケイ「…試合終了よ。…私たちの負けよ」

しずか「…何っ?」

アンチョビ「…何を言ってる?隊長車は無事だぞ」

後方地域

サンダース生F「隊長、なんで私を撃ったんですか?!」

ケイ「……」

サンダース生F「…私たちが…まだ、貴女を隊長だって認めてないから…手柄を上げさせないために、わざと撃ったんですね…」

ケイ「…別に、貴方たちが私を隊長だって思ってくれなくても、それは構わないわ。私は、隊長になってまだ経験は浅いし、前と隊長と私とじゃ考え方も全然違うもの…そりゃ、貴女達が嫌ってもしょうがないと思う…。それは、私が努力して認められるようになればいいだけの話よ」

サンダース生F「じゃあ、なんで撃ったんですか?」

ケイ「…あなたが、戦車道を外れたことをしようとしたからよ」

ケイ「確かに、戦車道だって武道だもの、勝ち負けは大切よ。だけどね、戦車道は戦争じゃ無い。ルールには書いてないからって何をやっても許される訳じゃ無いわ!」

サンダース生F「…そうですけど。けが人が出る危険はありましたけど。あそこで撃てば確実に仕留めれてました。九七式さえ倒せれば、勝てたのに…」

ケイ「そうね…。だけど、けが人を出すような真似までして試合に勝ってうれしいかしら?」

サンダース生F「うっ…」

ケイ「…確かに、前の隊長は勝ちにこだわってた…こだわり過ぎてたわ。私だって、試合をやる以上は勝ちたいわ…。だけどね、どんなことをしてまで無理に勝とうとは思わないわ…。そんな試合をして楽しい?」

サンダース生一同「……」

ケイ「負けたっていいじゃない。別に戦争と違って死ぬわじゃないんだから、次の時また頑張ればいいんだもの。勝ちばかりこだわって戦車に乗っても。疲れるだけだもの。せっかくみんなで、乗るなら楽しくいかなきゃ」

サンダース生F「……隊長」

ケイ「OK,OK。あんまりしょんぼりしないの。次は負けないように頑張ればいいんだから」

サンダース生F「はいっ!」

ケイ「…ごめんなさい。なんか、中途半端になっちゃって」

アンチョビ「いやっ、構わないさ。うちらも欺瞞作戦とかやってしまった訳だし。お互い様かもな」

ケイ「次は、正々堂々勝負しましょう」

アンチョビ「あぁ、楽しみにしてるぞ」

みほ「…楽しくかぁ」

しずか「……」

その頃 楯無高校

校長「本当かね?」

教頭「…はいっ、気になって調べてみたんですが、間違えありません。あれは、戦車道名門の西住流の次女の西住みほに間違えありません」

校長「そんな娘が、なぜうちの鶴姫君と一緒に戦車になんか」

教頭「…わかりませんが、今年の試合で黒森峰が負けたせいで、追い出されたとかですかね?」

校長「うーむ。だが、もしそうだとしたら、これはチャンスかもしれないな。わが校の娘と戦車道名家の娘が一緒にいるというのわ。うまくわが校に招きいれれば…」

教頭「戦車道はわが校では、もう何年の前にやめてしまってるのですが…」

校長「もう一度復活されば良いではないか。先月、戦車道の世界大会が我が国に決定して以降、文科省は戦車道を活性化させようと大慌てで動いている。新たに始める学校には国から援助しても良いと言ってくれているんだ。そこで、そんな名門の娘をわが校に迎え入れて戦車道を始めれば」

教頭「なるほど。国から援助がもらえる上、うまくいけばわが校の知名度も飛躍的に向上いたしますな」

校長「その通り。しかも、相手はあの西住流の娘だ。一気にほかの学校と肩を並べる強豪校になるかもしれぬ」

教頭「そうなれば、わが校は安泰。我々もウハウハですな」

「「ハッハッハハ」」

翌日

しずか「…校長自ら我が家に訪れるとはこれ如何に…」

みほ「…なんだろうね。あっ、私掃除の時間だから行くね」

……

校長「…こんにちは」

徳蔵「これは、校長先生。本日はこちらまでご足労いただきまして。こちらへ」

しずか「校長先生。本日は一体いかがなされましたか?」

みほ「……」

サッ サッ

「…ぜひとも、彼女を…西住みほさんをわが校に…」

しずか「何っ?」

みほ「ふぇっ!?」

校長「彼女は戦車道の名門、西住流の娘なんだよ。そんな娘をわが校に招きいれる事が出来るのなら、わが校は一気に無名校から戦車道の名門校へ早変わりも可能だ。これは、君たち生徒にとっても悪い話ではないのではないかな?」

しずか「…ふむ」

みほ「……」

しずか「…悪くはない話ですね」

校長「そう思うだろう。だから、ぜひとも君に彼女を説得してもらいたのだが」

しずか「…ですが、生憎と彼女は今、内地へ配達に出て不在ゆえ、戻り次第になりますが」

校長「いつごろ戻るんだね?早くしなくては、外でスカウトされてしまったりしたら」

みほ「…えっ?」

しずか「…わかりました。徳蔵、みほを迎えに行ってくれぬか」

徳蔵「…!わかりました、お嬢様」

徳蔵「…みほ様、お早く」

みほ「あ、あのー」

徳蔵「…詳しい事情はお送りしながらお話しますゆえ、お荷物を早くお纏めください」

みほ「…は、はいっ」

……
徳蔵「準備はよろしいですか。裏に車を用意しましたゆえ、お早く」

みほ「はいっ、今行きます…わっ」(コケっ)

ガッシャーン!

しずか「!?」

校長「何だ!?今の音は!?」

みほ「…イタタタ」

徳蔵「お怪我はございませんか!?」

校長「一体、何の騒ぎです…き、君は」

みほ「あっ…」

校長「西住みほさんじゃ無いですか。もう戻られたとは、お話が早い。是非とも我が校へ…」

みほ「えっと…」

「ゆけ、みほ!」

みほ「す、すいません!」

校長「あっ、ちょっと、待ってくださいー!」

みほ「…はぁ、はぁ」

校長「ちょっと、待ってください!お話だけでも…」

みほ(ダメ、追いつかれちゃう)

校長「うおっ」(ドテッ)

通行人「すいません。大丈夫ですか?」

校長「どこを見てあるいるんだね!気を付けたまえ!」

通行人「すいません…。あの、急いでいたようでしたが…」

校長「はっ、しまった!西住さんー!」(ダッ)

通行人「……次の風に乗るときが来たようだね」(ポロローン)

BROOO

徳蔵「みほ様」

みほ「徳蔵さん」

徳蔵「お乗りください。港までお送りいたします」

BROOO

しずか「…大丈夫か?」

みほ「…しずかさん。あのー」

しずか「…別れの時のようだな」

みほ「……」

しずか「…お主と共に、まだ戦場を駆けたかったが…このような事態になってしまっては、家に置いておく訳にもいかぬ」

みほ「…そうだね」

しずか「……」

しずか「……ぞ」

みほ「えっ?」

しずか「…様々なことがあったが、おぬしと戦えて楽しかったぞ」

みほ「うん。無茶苦茶な事もあったけど、しずかさんと一緒に戦車に乗って、私も西住流としての戦車道以外も見ることができて楽しかったよ」

しずか「…そうか」(ニコッ)

連絡船発着場

しずか「…いよいよお別れだな」

みほ「うん」

しずか「…これからどうするのだ?」

みほ「…どこへ行くかは分からないけど…だけど、もっと見て見たいな、色んな戦車道を」

しずか「…そうか。お主はお主の道を歩むか」

みほ「…そうかな」

しずか「…いずれまた、どこかの戦場で合うのかもしれぬな」

みほ「…次は敵同士かもね」

しずか「…お主が私と対峙するのか…面白い、我の敵として不足ない」

みほ「…私もです。私がいなくても、無茶な戦いはしちゃダメだからね」

徳蔵「船が出ますぞ。お早く」

しずか「…達者でな」

みほ「…今までありがとうございました。さようならー」

みほ「よいしょ。どこへ行こう…」

♫~♪~

みほ「ん?」

ミカ「やぁ、またあったね…旅人さん」

みほ「あっ、継続高校の…」

ミカ「…見つかったかな?君の歩む道は?」

みほ「…まだ、分かりません。だけど…いつか、きっと自分の道を見つけることはできると思います」

ミカ「…フフッ、そうかい。なら、新しい風に身を任せて行くといい。今日はいい風だよ」

みほ「(風かぁ…こっち向きに吹いてるから、こっちへ行けばいいのかな?)ありがとうございます。それじゃあ」

去っていくみほ

ミカ「……人の風に乗っていくのも楽では無いね」

……

運転手「…ありがとうございました」

みほ「…とりあえず、近くのバス停からバスに乗ったのはいいけど、ここどこだろう…」(うたた寝して気がついたら山の中)

みほ「…とりあえず、どこか近くの街にでも行かないと…」

テクテク

みほ「……疲れた…ちょっと休もう。よいしょ」

……ゴ…ゴゴ…

みほ「…えっ?」

「…ャァァァァァ…と、止まってー」

みほ「えっ?」

VOOOOO

みほ「うわぁぁぁ」

GASYAAAN

「痛た…皆さん、大丈夫ですの?」

「…はいっ、何とか大丈夫です」

「…うぅっ、まさか地盤が緩まっていたなんて…」

みほ「…うぅ…」

「えっ?」

みほ「…イタタ…」(避けようとして泥だらけ)

「きゃぁ、大変。大丈夫ですか?」

みほ「は、はいっ。あぁ、泥だらけ…」

「私たちのせいで、どうしましょう…エクレール様」

エクレール「下に人がいらしたんて…うっ、い、胃が…」(ズキズキ)

今日はここまで

マジノ女学園

ザーッ

エクレール「…お着替えは、こちらにおいておきますわね」

みほ「…あ、ありがとうございます」

エクレール「……はぁ…」

「…何かお悩みかしら?」

エクレール「マドレーヌ様」

マドレーヌ「そんな深刻そうな顔をして、今度は、一体何をしたのかしら?」

エクレール「その、えっとー…」

ガチャっ

みほ「…あ、あの…ありがとうございました」(マジノ制服)

エクレール「あっ…」

マドレーヌ「あら?貴女は?」

マドレーヌ「初めてお会いするようだけれど、貴女のような生徒は、我が校にいらしたかしら?」

みほ「ふえっ、あ、えっとー」

エクレール「マドレーヌ様、これは…申し訳…」

マドレーヌ「クスッ、冗談よ。既に報告は受けているわ。エクレールが迷惑をかけてしまったようで、申し訳ないわね。隊長として、お詫びするわ」

エクレール「うっ…」(ズキズキ)

みほ「い、いえっ。そんな迷惑だなんて…」(アタフタ)

マドレーヌ「クスッ。面白い方ね。お詫びと言うわけではないのだけれど、一緒にティータイムでもどうかしら?」

みほ「あっ、は、はいっ」

エクレール「では、早速お支度を!」

マドレーヌ「私がやるから大丈夫ですわ。貴女は、汚してしまった彼女の洋服を早く綺麗にしてあげなさい」

エクレール「は、はいっ…」

マドレーヌ「…おまちどう様」

みほ「ありがとうございます…あっ、マカロン」

マドレーヌ「そんなにマカロンがお好きなのしから?」

みほ「あっ、うぅ///」

マドレーヌ「どなたにも好き嫌いはあるもの。別に恥ずかしがる事ではないわ」

みほ「♪~♪~」(モグモグ)

マドレーヌ「マカロンをそんなに笑顔で食べるだなんて、相当お好きなのね。こちらも、どうかしら?」

みほ「ありがとうございます」

マドレーヌ「…クスッ。もっとお堅い方だと思っていましたのに、意外とかわいらしいのですね。西住みほさん?」

みほ「!?ゴホッ、ゴホッ…」

マドレーヌ「!!だ、大丈夫?!」

みほ「ゴホッ、な、何で…名乗ってないのに…」

マドレーヌ「戦車道を嗜む者として、西住流くらい知っていて当然ではなくて?エクレールは気づいていないようだけれどね」

みほ「あぅ…」

マドレーヌ「改めて、ご挨拶申し上げるわ。マジノ女学園戦車道隊長、マドレーヌですわ」

みほ「…に、西住みほです…」

マドレーヌ「…このような形で西住流の方とお会いするとは思いませんでしたわ」

みほ「……」

マドレーヌ「…事情は察しておりますわ。連絡するようなことは致しませんから、安心なさい」

みほ「……あ、ありがとうございます」

マドレーヌ「…その代わりという訳ではないのだけれど、私と少しお話しないかしら?」

みほ「えっ、は、話ですか?」

マドレーヌ「えぇ…貴女のお母様…西住しほ様が築き上げられた伝統を守って戦車道を続けてきた貴女になら、この気持ちを理解していただけると思いまして…」

エクレール「…一体、何を話されているのかしら?」

ガレット「貴女もまた厄介事を持ち込んでくれたわね」

エクレール「あら、ガレット」

ガレット「どこの方だか存じては無いけれど、勝手に学園に招いたりして」

エクレール「……」

今回はここまでです

乙です

さて、みほは保守的なマジノにどんな風を吹き込むのか
みほをストー・・・もとい見守ってるミカもまた登場して欲しいなぁ

ちょっと気になったんですが、エクレールの胃痛が始まったのは隊長になってからでは?

>>507
胃痛は確かに隊長になってからですが、胃痛キャラ?以外にエクレールさん、特徴が…なので、胃痛描写入れてます

番外編?まほとミカ

みほ家出当日

まほ「みほー!みほー!」

ダッ ダッ

まほ「…はぁ、はぁ…みほ、一体どこへ…」

♪~♪~

まほ「ん?」

まほ「…君は、確か継続高校の」

ミカ「…やぁ。君も風に乗って旅立ちたくなったのかな?」

まほ「…風など吹いてないが?」

ミカ「……」

まほ「……」


まほ「そんな事より、みほ…私の妹を見なかったか?前に会ったことはある筈だが」

ミカ「…知ってるさ」

まほ「何っ!?どこだ、どこに居るんだ?!」(ユサユサ)

ミカ「…あわあわ…ゆすればいってものでも…」

ドサッ

まほ「…ん?なっ、このぼこ柄の財布は」

ミカ「……」

まほ「なぜ、貴様がみほの財布を持ってるんだ?!みほは、どこだ?!」

ミカ「…お財布が語りかけてきたのさ、私を使ってくれって…」

まほ「…減らず口を叩いて、お母様に反逆人としてあそこの木に吊るされるか、私に真実を語って鉄拳で済ませるか、選ばせてやろう。みほはどこだ?」

ミカ「…言う、言いますから。その振り上げた右手を下ろしてもらえるかな?」

まほ「…それは、お前の回答次第だ。みほはどこへ行った?」

まほ「…余計な事を吹き込んでくれたな!」

まほ「…余計な事を吹き込んでくれたな!」

ミカ「…彼女に道を示してあげただけさ。歩くかどうか決めるのは彼女自身が決めたこだろう」

まほ「……」(グッ)

ミカ(な、殴られる…)

まほ「……」

ミカ「……」

まほ「……」(拳を収める)

ミカ「…な、殴らないのかい?」

まほ「…こんな事態にしてくれた、お前を殴り飛ばしてやりたいが…この事態に…少しホッとしている自分が居るのも事実だ…」

ミカ「……えっ?」

近くの食堂(夕方な上、立ち話もなんなので移動)

まほ「…撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れなし。鉄の掟、鋼の心、それが西住流。私もみほも今までそれを守ってきた。これからも私はそれを変える気はない」

ミカ「……」(モグモグ)

まほ「黒森峰でもそれは変わらない。指揮官の号令の下、一矢乱れず勝利を得るために進む。隊長を頭脳としたら、各隊員は手足のように命令されたことに対して、忠実に動いてな」

ミカ「…あの、パンツァーカイルのそろい方は真似できないね。だけど、綺麗にそろえることもいい事とは限らないんじゃないかな?」

まほ「……そうだな」

まほ「…芸術品のように綺麗な形であるが故に、一箇所にでもひずみが生じるとその価値を失う。今回のみほを見ているとそうだった…」

ミカ「……」

まほ「…今回あのような結果に終わったが、今回出なくてもいつかは、このような結果を迎えるかと心の憶測では一抹の不安を持っていた」

ミカ「…彼女への慰めのつもりかい?」

まほ「…そうかもしれない。だが、みほには西住流にはないものがある」

ミカ「……」

まほ「

ミカ「…無いものかい?」

まほ「…あぁ、みほには型に囚われない自由さがある。小さい頃はそれに振り回されたりしたが…。だが、西住流として、黒森峰の戦車道の戦い方がそれを許さなかった…。合わないピースを無理に押し込んでいれば、ひずみが生じる。それが今回の一件だ」

ミカ「…妹想いだね」

まほ「…そうか?妹を気遣うのは姉として当然だと思うが?…だが、私も家元の娘、国際強化選手に指定されたこともある身だ。今まで古今東西いろんな選手と手合わせして来たんだ。その位は見ていて分かる」

ミカ「さすがだね…」(モグモグ)

まほ「…だから、みほには、自分の新しい道を見つけてほしい。黒森峰でも西住流でもない自分の戦車道をな」

ミカ「…人生において進むべき道は一本ではないからね」

まほ「…あぁ、こんな事態になってしまったが、みほが自分で道を開こうとしていることに対しいて少しホッとしているのかもしれない」

ミカ「……そうだね」

店員「お待たせしました」

まほ「……お前、まだ食うのか?」

ミカ「…旅するには力が必要だからね」(モグモグ)

まほ「…人の金だと思って…」

店員「ありがとうございました~」

ミカ「…ご馳走様だね」

まほ「…こいつめ…。いいか、飯を食わせてやったんだ。必ずみほに返すんだぞ!」

ミカ「…分かっているよ。それで、返したら連れ戻せばいいのかな?」

まほ「……いやっ」

まほ「…すぐには連れ戻さなくていい。みほが自分で選んだ道だ、それを無理に戻すような事はしたくない。だが、このような事態を招いた責任は取ってもらう」

ミカ「…せ、責任?」

まほ「…そうだ。みほが危ない事に巻き込まれないように、後ろからついていって、それとなく助けてくれ」

ミカ「…また、難しいことをいうね」

まほ「なら、夕飯代を払ってもらうかな?」

ミカ「…喜んで協力しよう」

まほ「頼んだぞ」

ミカ「…分かったよ」

まほ「……待て。みほの財布を貸せ」

ミカ「……」(財布を渡す)

まほ「…一人とはいえ、何かと出費はかさむだろうからな。そんなに多くはないが…」

ミカ「…そんなに普段から持ち歩く事に意味があるとは思えない(震え声)」

まほ「…お母様には内緒だ。いいか、しっかり頼むぞ。もし、抜いたりしてみろ。木に吊るして、アハト・アハトの的にするぞ」

ミカ「わ、分かってるさ」

まほ「…これは私の連絡先だ。みほにあったあら、2日一回は私に様子を報告してくれ。じゃあ、気をつけてな」

こうして、ミカはみほの行く先に出没?するのであった

今回はここまでです

マドレーヌ「…西住さんは、我が校の戦車道についてどう思うかしら?」

みほ「あっ、みほでいいです。あまり、苗字で呼ばれるのは…」

マドレーヌ「わかりましたわ、みほさんでいいかしら?」

みほ「はいっ。それで、えっとマジノ女学園の戦車道は…私も直接試合はした事がないから、はっきりとは言えませんけど、防御一編な戦術だったような…」

マドレーヌ「そのとおりよ。重戦車たるB1を中心とした防御陣形を取り、相手を迎え撃つ。それがマジノの戦車道ですわ」

みほ「編成を見れば確かに、それが得策だと思います…ただ…」

マドレーヌ「ハッキリと言っていただいて構いませんわ。素直な意見を聞いてみたいの」

みほ「…周りの戦車の火力を考えると、火力が万全とは言えません…それに、フランス戦車は互いの通信機能にも制限がある…これでは、不意に強襲されたら、簡単に突破される恐れがある…突破されたら、機動力に欠ける重戦車では簡単に…」

マドレーヌ「……」

みほ「はっ、すいません」

マドレーヌ「あやまらなくても良いですわ…。今までの試合結果がそれを物語っておりますもの」

マドレーヌ「だけど、それが我がマジノの伝統、その伝統を守って勝つ。それが我が校の戦い方ですわ。闇雲に勝ち負けにこだわるものではありませんわ」

みほ「……」

マドレーヌ「…だけれど、みなが皆そう思っている訳ではありませんわ…」

みほ「えっ?」

マドレーヌ「…特にあの娘を見ていると…」

すいません。短いですが今回はここまでです

みほ「…あの娘?」

エクレール「……」(ジーっ)

みほ「…あっ、さっきの…」

マドレーヌ「…よほどこちらが気になるみたいですわね」

みほ「あ、あの人が何か?」

マドレーヌ「彼女は私が今まで目にかけてきた子。マジノにおいての実力は確かなものですわ。だけれど…」

みほ「…実力があるから、試合に勝てないのが嫌なんですね」

マドレーヌ「そのとおりですわ。あの娘はそれゆえ今のマジノの戦いに不満を持っているの」

みほ「…勝てない不満…」

マドレーヌ「今まで負けるということに縁があまりない、みほさんには難しいのかもしれませんけれど…」

みほ「……」

マドレーヌ「…あっ、ごめんなさい。気に障ったかしら?」

みほ「えっ、あっ、大丈夫です…えっと、それで」

マドレーヌ「マジノ女学院の戦車道は強固な防御を徹底した堅さから成り立っていますわ、陣を張り守りを固めるそうすることにより相手に攻め入る隙を与えない…だけれど…」

みほ「…防御一編だから、一箇所でも突破されたら総崩れ…」

マドレーヌ「…えぇ、そうね。アルデンヌの森から攻め込まれたように一箇所でも穴ができてしまえば強固な防衛線も何の意味もなさなくなってしまいますわね」

みほ「…そこまで言うのであれば、何で戦い方を代えれば…」

マドレーヌ「…マジノ伝統の防御戦術。それを守るのも私たちの役目ですわ…それに、わが校の戦力を見て何か思わないかしら?」

みほ「マジノの戦力…あっ…そうか…」

マドレーヌ「どうかしら?」

みほ「…防御戦術主眼の戦車ばかり…これじゃあ防御戦以外の戦術は…」

マドレーヌ「…そう、我が校の戦車はマジノの伝統ありきの編成。ほとんどの戦車が機動戦を想定していない…私も気づいたときはショックでしたわ」

みほ「……」

マドレーヌ「だから、私も防御戦術を変えるということはしなかった…だけど、あの娘は違う、そんな気がするわ」

みほ「だけど、マジノで防御以外の戦術だなんて、そう簡単には…」

マドレーヌ「…そうね。今まで積み上げた伝統を崩すのは容易なことではないわ…けれど…」(みほに目をむける)

みほ「???」

今回はここまで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年12月26日 (火) 10:11:31   ID: xcb2GOc5

外伝もそうだが途中で飽きて書かなくなったのは残念だ

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