男「誰だお前」 女神「女神」(173)

男「まじか」

女神「まじ」

男「突然現れたなしかし」

女神「そうね、君からすれば」

男「前から実はいました的な?」

女神「いました」

男「そうか」

女神「そう」

男「なんか、用?」

女神「いや別に」

男「あそう。じゃあ、どっかいって」

女神「え?いや」

男「えぇ……」

女神「なんで指図するの?女神なんだけどこっち」

男「だって俺の部屋に不法侵入してる側だろそっち」

女神「神に人間の法律なんて関係ないに決まってるでしょ」

男「モンスター女神だなおい」

女神「というか、君が悪いんだよ」

男「なんでやねん」

女神「突然君が私のこと視えるようになっちゃったのが悪い」

男「視えるようになっちゃったか」

女神「誰って言われていきなりでビックリしすぎてつい普通に女神って言っちゃった側の憤慨もちょっとは考えてよ」

男「憤慨したのかよ」

女神「うん、普通バラしちゃダメだし。というか視えちゃダメだし」

男「あ、ダメなんだ」

女神「ダメ」

男「じゃあ見つかったらどうすんの普通」

女神「幽霊のフリしたって先輩は言ってた」

男「神の癖に先輩いんのかよ」

女神「そりゃいるわよ。君たち人間が大勢いるように、女神も男神もいっぱいいるに決まってるでしょ」

男「決まってたのか」

女神「というかよくマンガとかアニメとかの設定であるじゃない、複数女神」

男「そこらへん興味ないもので」

女神「話にならないわね」

男「なんか俺が悪いみたいになってるけど」

女神「そうね」

男「話変えていい?」

女神「なに」

男「なんでここいるの君」

女神「いちゃ悪い?」

男「良い悪いの話ではなくて、目的ありきで来たんじゃねぇのかよ」

女神「目的は君の観察」

男「観察して何になるんだよ」

女神「何にもならない」

男「は?」

女神「知らないわよ私は上司から君を観察するように言われて来ただけだもの」

男「上司?」

女神「そう、私の前にこの地域を見守っていた女神」

男「交代制なのかよ、笑うわ」

女神「笑うな」

男「で、上司命令の真意はなんなんだ」

女神「考えてるところよ」

男「俺みたいな平凡なサラリーマンどこにでもいると思うが」

女神「そのとおり」

男「なんか力に目覚めるのか?女神視えるようになったし」

女神「いやぁ……ないんじゃないかな」

男「ないのかよ。ちょっとだけ期待したこの気持ちどうしてくれる」

女神「知らないわよ」

男「はぁ……」

女神「あ。あれじゃない?もうすぐ死ぬとか?」

男「縁起悪すぎる事言うなよ。ぶっ飛ばすぞ」

女神「だってそれぐらいしか考えられない」

男「なんなの?死神にジョブチェンジしたの君」

女神「してないけど、女神も成長すると死神みたいな事するようになるんだよね」

男「え゛」

女神「だから、多分君死ぬんだと思う。そのうち」

男「テンションさがるわそれ」

女神「っていうのは冗談で」

男「君がいうと冗談かそうじゃないか分からん、取り敢えずムカつく」

女神「まぁ私のこと視えるって事は何かあるのよきっと」

男「あそう」

女神「引き続き観察は続行するから、気にしないでいてくれると」

男「この状況で気にしないでいれるのって仏陀ぐらいじゃないか」

女神「だよね」

男「まぁ、とりあえず。俺につきまとう気満々なのは分かった」

女神「本音はつきまといたくはないわよ?」

男「本音とかはどうでもいい。とりあえず憑くんだろ俺に」

女神「女神を怨霊扱いしないでよ、気分悪いわ」

男「明日も仕事だし寝ていい?」

女神「無視かい」

男「おやすみ」

女神「はぁ……変な人」

男「存在自体変な奴に言われたくない」

女神「普通もっと動揺するとかないわけ?これから暫く君は私に観察されるんだよ?」

男「オナニーしてる時はそっとしておいてくれると」

女神「そういう着地で落ち着くのが意味が分からないのよ」

男「なるようになれ、って奴だ。取り敢えず俺の生活リズムの邪魔はするな」

女神「分かってるわよ」

男「ならいい」

女神「はぁ……というか私はどこで寝ればって寝てるし」

女神「…………」

女神「……変な人間だわ」

ここまで

信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)

男「…………」

女神「…………おはよう」

男「え」

女神「え?」

男「あ…………ぁぁ、はいはい」

女神「うわ、忘れられてた」

男「いや、勘違いしてるぞ」

女神「なにが?忘れてたでしょう。昨日のこと、私のこと」

男「まだ思い出してないから」

女神「…………」

男「……だれ?」

女神「女神だってば!!」

男「……………………………………………………あぁ、思い出した」

女神「信じられない、普通忘れる?女神との邂逅だよ?忘れるもの?」

男「うるさい女神だ」

女神「変な人間だ」

男「……しょうゆ取って」

女神「……これ?」

男「それソース」

女神「それいっつも食べてるよね」

男「卵かけご飯?」

女神「そう」

男「そうか?」

女神「そうよ」

男「まぁ、簡単だし美味いからな」

女神「おいしいの?」

男「やらんぞ。ふざけるな」

女神「何も言ってないでしょ。気分悪いわ」

男「仕事行こ」

女神「…………」

男「ついてくるのか?」

女神「観察できないじゃない」

男「俺以外には見えてないのか?」

女神「そうね」

男「完全にか」

女神「そうよ?」

男「わかった。さ、行こうっと」

女神「?」

男「あー疲れた。ただいま我が家よ」

女神「ちょっと!!!」

男「なんだ?」

女神「うーわっ!反応した!やっぱり聞こえてたんだ!うわーさいてー」

男「は?」

女神「完全に無視してたでしょうが!私が話しかけても!」

男「当たり前だろ、バカかお前は」

女神「まっっったく人が周りにいないところでも無視してたじゃない!なにあれ!さいてー」

男「カメラとかマイクとか何かあるかもしれんだろ」

女神「なかったわよ!私分かるものそういうの」

男「俺はわかんないだろうが」

女神「じゃあ私が今は話しても大丈夫だって合図出せば話してくれたわけ?」

男「いやまだお前の事信用してないし無理」

女神「なっ!?」

男「なんだ。文句あるか?嫌なら帰れ」

女神「…………こんのぅ」

女神「せんぱいぃ…………」

男「お?」

女神「なんでこの人間観察しなくちゃいけないんですかぁ?もう帰りたいです」

男「念話的な奴かそれ。便利だなおい」

女神「え?どこがいやって、全部ですけど」

男「大声にしなくても聞こえてるわ」

女神「変わって下さいよぅせんぱいぃ」

男「いや誰も来なくていいぞ」

女神「え?だめ!?なんでですかぁ…………あっちょっとまっ!……」

男「切られてやんの、笑うわ」

女神「笑うな!」

男「キレてる。女神キレてるなう」

女神「…………この人間きらい」

男「…………」

女神「…………」

男「…………うま」

女神「…………」

男「さ、行くか」

女神「…………」

上司「この書類なんだがね、変更してくれないか」

男「どこをですか?」

上司「えーと、3ページから7ページ」

男「○○さんと連絡を取り合って修正という感じで」

上司「そうそう、2時間でできるか?」

男「できます」

上司「頼む」

男「わかりました」

女神「…………」

上司の上司「どうだ」

上司「男に頼みましたが2時間で大丈夫だと」

上上司「そうか、男というのは?」

上司「まだ4年目ですが、仕事はできます」

上上司「そうか。お気に入りか?」

上司「ええ」

上上司「わかった。頑張れと言っといてくれ」

上司「分かりました」

女神「…………」

同僚「男ーそれなんだ?」

男「書類の手直しだとよ、先方が突っぱねたとこをこっちの主張と折衷案提示してみろとさ」

同僚「○○さん?」

男「そうそう」

同僚「俺あのおっさん嫌いだわーくそうぜぇもんイチイチよ」

男「めんどくせぇけど知識はあるぞあの人。勉強になる」

同僚「ふーん、話変わるけど今日飲みいかね?」

男「いいぞ」

同僚「合コンなんだが」

男「いいぞ」

同僚「いいのかよ」

男「誘っといてなんだよ」

同僚「そうだけどそれ終わんの?」

男「終わらせる」

同僚「んじゃ終わったらでいいからこいよ」

男「場所は?」

同僚「駅前の居酒屋。ビルの3階」

男「わかった」

女神「…………」

女神「ねぇねぇ」

男「……」

女神「今誰もいないしマイクとかカメラとかもないから!」

男「……」

女神「はぁ…………合コン行くの?」

男「……」

女神「頷きはいいんだ…………えーと、今日お持ち帰りとかしちゃうの?」

男「……」

女神「いやぁそれならお邪魔かなぁってさ」

男「メシなに食えるかな、楽しみ楽しみ」

同僚「それでさぁこいつがそのときよー」

「えー?ほんと?やばい」

同僚「そうなんだよーなぁ男」

男「んぁ?」

「あはは!男くんさっきから食べてばっかりなんだけど」

男「うまいぞこれ。食べる?」

「いらないから」

男「ほい」

女神「だめだこりゃ」

男「あーーー疲れた」

女神「合コン向いてないよきみ」

男「メシ食いに行っただけだしな」

女神「可愛い子いたじゃん、斜め前の子とか」

男「彼氏いるぞあの子」

女神「え?そうなの」

男「というか、俺の横の奴と正面の子が仲良くなるための合コンだからなあれ」

女神「そうなの!?」

男「他は俺含め全員サクラ」

女神「…………」

男「なに」

女神「仲間想いだったりするの?きみ」

男「腹減ってただけだぞ」

女神「そこは仲間想いだって言えばいいじゃない」

男「んー、まぁ仲間想いかは知らんが」

女神「なに」

男「横の奴は良い奴だからお付き合い出来ればいいよなぁとは思うぞ。応援してる」

女神「ふーん」

男「風呂入る」

女神「あそう」

男「覗くな」

女神「覗かないから」




女神「ふーん……」

男「ねよ」

女神「ねぇねぇ」

男「寝るっつってんだろ」

女神「きみの上司が君のこと褒めてたよ」

男「え?」

女神「書類やってたでしょ。あれで」

男「あそう」

女神「もう少し何かリアクションないの?褒められて嬉しいとか」

男「出来ることをやってるだけだし、俺があれを出来るように教育してくれたのは上司だからな」

女神「…………」

男「だから、別に褒められるような事じゃない。仕事だ」

女神「…………嬉しくはない?」

男「嬉しい」

女神「嬉しいんじゃない!」

男「嬉しいが、君に報告されるのはいやだ」

女神「なんでよ」

男「褒められるときは直接褒められるようじゃないと。信頼してもらえると嬉しいからな」

女神「…………」

男「わかる?」

女神「盗み聞きして報告してくるのは嫌って事?」

男「それもあるし、褒められるとかなら別に聞かなくても態度で示してくれるさ上司なら」

女神「そういうものなの」

男「働いたことは?」

女神「…………」

男「よかれと思って言ってくれたのは分かるから、そこはありがとう」

女神「……君って、変な人間ね」

男「捻くれてるか?」

女神「分からないけれど、変な芯が通ってそう」

男「そうか。まぁたまにメンドクサイ変人と言われることはある」

女神「なにそれ笑う」

男「笑うな」

女神「笑うわよそんなの」

男「そうか」

女神「そうよ」

男「…………まぁいいや」

女神「寝るの」

男「寝る」

女神「おやすみなさい」

男「おやすみ」

女神「…………働く、かぁ」

ここまで

男「……」

女神「おはよう」

男「質問がひとつ」

女神「答えられるものなら」

男「睡眠欲あるのか君」

女神「5日に1度ぐらいかしら」

男「燃費いいな。プリウスかよ」

女神「気分の悪い例えありがとう」

男「さて、行くか」

女神「今日はスーツじゃないのね」

男「休みにスーツ着るバカいるのかよ」

女神「どこへ?」

男「クリーニング店の後散髪の後食料調達の後昼寝」

女神「あそう」

男「そう」

女神「また外では無視?」

男「俺が悪い奴みたいだなその言い方」

女神「別に。そういうつもりはないけれど」

男「さみしいのか、俺が外で反応しないのは」

女神「違うし……ただ」

男「なんだ」

女神「…………なんでもない」


男「あそう」

女神(初めての人間との意思疎通なんだし、別にいいじゃないの周りに誰もいない状況なら…………)

男「? 行くが」

女神「ここにいても?」

男「観察業務とやらに支障がないならいつもついてこなくていいぞ」

女神「ないから行って。さっさと」

女神「はぁ」

上司女神「ため息をつくな」

女神「! び、びっくりしました」

上女神「どうだ」

女神「観察ってただ見てるだけでいいんですか?」

上女神「そうだが、会話しているな」

女神「視えるらしくて」

上女神「この世界に50人もいない稀有な人間の証」

女神「疑うわけではありませんが、本当に彼が?

上女神「我々が人間との意思疎通を通じて人間界への影響力を与える事が可能なのだ」

女神「………………」

上女神「納得していない顔だな」

女神「ピンと来ませんね」

上女神「力が特に強く、同年代をすっ飛ばしてのし上がった君が?」

女神「はい」

上女神「何も感じないか?彼から」

女神「はい。……ただ」

上女神「なんだ?」

女神「変に自分の筋を通す人間だろうなぁとは感じています」

上女神「君に対してもか」

女神「はい」

上女神「それはそれは…………興味深い」

女神「え?」

上女神「分からないか」

女神「……申し訳ありません」

上女神「君は女神の中でも私達最上位の者の次に高位な存在だ」

女神「?」

上女神「普通そういう存在と人間が遭遇し、言葉を交わすと人間は直ぐにあてられる」

女神「あてられる、とは」

上女神「我々の存在を本人の意識とは関係なしに、上と認識。崇拝するようになってしまうのだよ」

女神「そうなのですか?」

上女神「実際にこの世界に存在している我々を認識出来る人間のうち、あてられていないのは」

女神「何人ですか?」

上女神「彼だけだ」

女神「!」

上女神「まぁまだ彼は我々を認識出来るようになって数日。これからあてられていくのかもしれない」

女神「私を崇拝するようになると?」

上女神「今までの前例を鑑みる限りはその可能性が高いが」

女神「分からないのですね?」

上女神「ああ、今までの人間は全員もって1日で我々を上と認識した」

上女神「それを利用して人間界に干渉する術として来たわけだが」

女神「認識され、会話を交わし数日経ちましたが態度に変化はないどころか信用されてません」

上女神「ああ。君の日々の観察結果を見ながら天界は大騒ぎになっているのだよ」

女神「け、結構適当に報告していますが、そんなに大勢の注目を浴びているのならば今後は」

上女神「いやいい、今まで通りの報告の仕方で構わない」

女神「そう、ですか?」

上女神「いい。もっと彼と会話を続けたまえ」

女神「はぁ」

上女神「そろそろ行く。彼が帰って来てしまう」

女神「質問というか確認ですが」

上女神「なんだ」

女神「本当に全世界でこの日本にいる彼だけが?」

上女神「そうだ。もう行く」

女神「……はい」

男「ただいま」

女神「……おかえり」

男「ん」

女神「スッキリしたのね」

男「そうだな」

女神「食料は何を?」

男「袋の中を見ろ、いちいち言うの面倒だ。というか冷蔵庫に入れるの手伝え」

女神「……聞いても?」

男「なんだよ」

女神「自分が世界でただ1人の特別な存在だったら、どうする?」

男「よし終わり」

女神「聞いているの?」

男「聞いてたが、意味が分からない上につまらない質問だから無視した」

女神「答えて」

男(目が真剣だ、なんだこいつ)

女神「…………」

男「特別な存在が何かは知らんが」

女神「うん」

男「俺は自分の考えで行動する。その特別が自分に利があるなら利用、不利なら除外して生きる」

女神「…………」

男「目をパチクリするな。これで質問に答えたことになってるのか?」

女神「いいわ」

男「寝よう」

女神「え?」

男「昼寝」

女神「あ、ああ言ってたわね」

男「邪魔するなよな」

女神「も、もう一つ」

男「なんだよ」

女神「私のことを、崇拝する気はある?」

男「ないし、これからも多分ないだろう」

女神「な、なんでそう断言できるのよ!」

男「だって君変人っぽいし、そもそも崇拝とかやり方分からない」

女神「変人に言われたくないんですけど」

男「昼寝の邪魔すんな」

女神「分かったわよ。大人しくしてる」

男「ならいい」

女神(この人間が…………ねぇ…………)

ここまで

男「…………」

女神「…………」

男「おお、寝てる」

女神「…………」

男「…………」

女神「…………」



ツンツン

女神「んっ」

ツンツン

男「…………触れるのか」

女神「んんっ」

男「寝てる時はうるさくなくていい」

女神「ふぁぁ!?」

男「…………あ?」

女神「ね、寝ちゃってた。人間の横で」

男「寝てたなグースカ」

女神「女神だからイビキかかないんだけど」

男「なんじゃそのアイドルうんこしませんみたいなの」

女神「例えが汚いわね」

男「分かりやすさ重視で」

女神「今何時」

男「時計見ろ」

女神「むー…………夜の2時!?」

男「うるせぇな」

女神「明日、仕事じゃ?」

男「そうだけど?」

女神「寝なくてもいいのかしら?」

男「ちょっとやることがあってな」

女神「パソコン弄って…………仕事してるの?」

男「同僚が風邪引いてるらしくてな」

女神「だから?」

男「明日の会議の司会進行俺になってな」

女神「…………」

男「…………」

女神「間に合うの?」

男「間に合わせないとしょうがないだろ」

女神「大丈夫なの?」

男「大丈夫だったらこの時間までやってねぇよ」

女神「昼寝する時間あったならその時にやればよかったのに、というのは言っちゃダメなのね」

男「風邪引いて寝込んでるって同僚の彼女さんから電話来たのさっきだし」

女神「…………むぅ」

男「まぁ、あいつが作ってた資料は手に入れたしあと1時間ぐらいやれば」

女神「大変だね」

男「まぁな」

女神「話しかけない方がいいかしら」

男「ああ、黙ってろ」

女神「わかった」

男「…………んー」

女神「終わった?」

男「ああ」

女神「お疲れ様」

男「おう」

女神「5時だけど」

男「時間かかっちゃったな」

女神「そうみたいね」

男「…………寝よ」

女神「何時に起きるの」

男「1時間後」

女神「人間的にはまずいのでは?」

男「昼寝したから大丈夫だろ」

女神「それ昨日でしょ」

男「うるせぇな、寝るから黙ってろ」

女神「む」

男「…………」

女神「…………」

男「…………んぁぁ!」

女神「ひゃっ」

男「あーーくっそが、ねみぃ」

女神「お、おはよう」

男「…………おう」

女神「卵かけご飯食べる?」

男「食欲ねぇ」

女神「食べないと頭回らないわよ」

男「そんなときのウィダー」

女神「頑張ってね、今日」

男「言われなくても頑張るさ」

女神「素直に受け取ればいいのに一言多いんだよね君って」

男「頑張らないと同僚の立つ瀬がねぇだろ」

女神「!」

男「…………いこ」

男「本日は我が社の新プロジェクトの説明会へご足労頂き誠に有難うございます」

男「私、今回プロジェクトの説明をさせていただく男と申します、よろしくお願いいたします」

男「それでは、さっそくお手元の資料の2ページをご覧ください」

………………

…………

……

「この部品の調達ルートはどうなっていますか?」

男「その部品につきましては、弊社の関西地方にある工場から補充して対応することになっております」

「補充というが、どのタイミングでどのぐらいの量を持ってこれるんだね?

あまり一度に大量生産できる部品ではないだろう、採算は取れるのか?」

男「…………えーと」

「一度この部分について御社が考えるプランをもう一度明示してもらはないとね」

男「わかりました、すぐに弊社の考える調達スケジュールをお伝えします。

資料を別に作成し、明日までにメールで送らせて頂いてもよろしいでしょうか」

「わかりました。それでは他に質問のある方はどうぞ」

……………………

…………

……

男「本日の説明会は以上となります。分かりづらかった箇所もあったと思いますが、

ご不明な点につきましては、必ず質問をして頂けましたら、対応していく所存です。

本日は長時間のご静聴誠にありがとうございました」


女神「…………」

上司「男、お疲れ様」

男「ありがとうございます」

上司「同僚から泣きながら電話来たぞ、資料3割しか出来てないって」

男「インフルエンザだそうです」

上司「よく間に合わせたな」

男「いえ、そんな」

上司「取り敢えず今日の説明会で答えられなかった所に関しては調べて資料にまとめてみろ。

出来たらメールしろ。見てやるから」

男「ありがとうございます。よろしくお願いします」

上司「うむ、ただ明日でいいぞ。ひどい顔だ」

男「そう、ですか?」

上司「もう今日はあがれ」

男「しかし」

上司「なに、1日分の仕事はしたさお前は。最近残業も多いだろう、たまには帰れ」

男「では、お言葉に甘えさせてもらいます。すみません」

上司「帰って彼女に膝枕でもしてもらえ、ははっ」

男「それめっちゃ魅力的ですけれど生憎彼女がですよ」

上司「早く作らんか」

男「ははっ、失礼します」

上司「おう」

女神「…………」

男「…………」

女神「おかえり」

男「ふーーー」

女神「お疲れ様」

男「ねむい」

女神「資料って3割しか出来てなかったの?それであんなに時間かかったの?」

男「忘れた」

女神「説明してるときに激しく質問責めにあってたけどひどいよね、君は臨時で理解度なんてあの人たちと大して変わらないんでしょ」

男「バカ、相手はお客さんだぞ。あれでいいんだよ」

女神「全部見てた側としては納得いかないというかモヤモヤするというか」

男「寝る」

女神「お風呂は?」

男「シャワー浴びとくか」

女神「ごはんは?」

男「食欲ねぇ」

女神「…………大丈夫?」

男「…………」

女神「ちょ、無視してお風呂場行かなくてもいいでしょ」

女神「…………えーと」

男「なにしてんだ」

女神「なにも」

男「膝枕してくれんのか」

女神「いいえ、偶然ここに座りたかっただけ」

男「あそう」

女神「そうよ」

男「枕返せ」

女神「膝枕してあげましょう、頑張ったので」

男「いいです」

女神「え?なんで」

男「寝づらい」

女神「あそう」

男「おう」

女神「一応言ってみるけど」

男「え?」

女神「今まで人類史上女神に膝枕していいという許可を得た人間はいないのよ」

男「で?」

女神「貴重なことなのよ?」

男「だから?」

女神「…………なにも」

男「はよ枕返せ」

女神「むぅ…………」

男「変な奴だ」

女神「君に言われたくない」

男「寝るから話しかけるな」

女神「はいはい」

男「…………」

女神「…………」

天界

上女神「実に興味深い」

「どうした」

「例の人間のところにいる女神のことか?」

上女神「うむ、膝枕しようとしたぞ女神が」

「なに!?」

「あの養成所に13万いた女神の中でトップの美しさを誇り……

「男神達から常に恋文をもらいながらも拒否し続けたあの女神が……

「自分から人間の男に膝枕だと!?」

上女神「実に面白い」

「これは一大事だぞ」

「うむ。いったいどういう事だろう」

「あの人間はなにものなのだ」

上女神「うーむ、今まで女神•男神が人間に対し肩入れすることなどないのだがな」

「なんだろう、あの人間は」

「女神を心を通わせる、人間?」

「しかし我々があの人間を見てもなにも変わらないぞ」

「他の人間と同様心が動かされることはないな」

「うーむ、なんなんだ」

上女神「取り敢えず、あの女神を選んでよかったかもしれん」

「というと?」

上女神「奴は女神の中でも高位な存在、我々と同じくな」

「それは知っているが」

上女神「恋愛感情をしらんのだよ、奴は」

「確かか?」

上女神「ああ、その女神が人間と関わることでどう変化するのか」

「観察対象としてはもってこいか」

上女神「そういうことだ。…………本人は何故自分が膝枕などしようと思ったのか分かっていないはずだ」

「面白いことだ」

上女神「どう変化するのか、見ものだな」

ここまで

男「……」

女神「おはよう」

男「おはよう」

女神「さっき冷蔵庫を見ていたんだけれど」

男「なんで?」

女神「え、暇だったから」

男「早朝に暇だからって冷蔵庫をぼーっと見るってなかなかシュールだな君」

女神「シュールとかいわないでくれる?卵なかったわよ」

男「あれ、切らしてたか」

女神「卵かけごはん食べられないじゃない。どうするの?」

男「そんなときのウィダー」

女神「買ってきましょうか」

男「はい?」

女神「だれがって顔してるから言うけど私が」

男「この世界じゃ透明でしょ君」

女神「まぁ普段は」

男「ん?」

女神「視えるようにできなくはなかったり……するのよね実は」

男「あ、そうなの」

女神「ただ、女神だから相当な緊急事態じゃないと使ってはいけない能力であり、許可制なの」

男「そりゃ女神やら男神やらがいきなり増えまくったら人口爆発必至だもんな」

女神「着眼点がズレてないそれ」

男「そうか」

女神「そうよ」

男「ということは」

女神「許可はもらってあるわ」

男「だれに」

女神「上司に」

男「あそう」

女神「そう」

男「で、緊急事態ってなに」

女神「たまごがない」

男「たしかに」

女神「というわけで」

男「!」

女神「これで普通の人にも視えるようになったわ」

男「髪が黒いぞ」

女神「そうよ」

男「肌が白いぞ」

女神「そうね」

男「身長高いぞ、モデルか」

女神「171にしてみたわ」

男「胸がでかい」

女神「……そこ見てどうするの」

男「失礼」

女神「とにかくこれで、適応完了」

男「んじゃ卵買ってきてくれ」

女神「来てよ一緒に」

男「……話を戻そうか」

女神「え?なに」

男「君そうなったのは」

女神「たまごを買うため」

男「それに俺がついて行ったら君いてもいなくても一緒でしょ。視えるようにする能力使う意味ないでしょ」

女神「……」

男「……」

女神「…………」

男「スーパーって入った事あるのか?」

女神「ないわ」

男「本当に?……じゃあ物の買い方はわかるのか?金の使い方は?」

女神「学校では習ったわ、実践したことはないわ」

男「だろうね」

女神「……一緒に来てほしいんだけど」

男「はぁ」

スーパー

ラッシャッセー

男「……」

女神「……ちょっと手を、いいかしら」

男「え、いや」

女神「いいから」

男「汗半端ねぇなおい、冬の朝だぞ」

女神「うるさい」

男「ランニング帰りのOLかお前は」

女神「うるさいって言ってるでしょう」

男「はぁ」

女神「あった!卵」

男「そうな」

女神「ど、どれがいいのかしら」

男「ひとつ質問だが」

女神「なに」

男「お前俺に付き添ってたわけだよな、俺の最近の日々」

女神「そうね」

男「スーパー行ってたよな何回も俺」

女神「……」

男「見てれば大体わかるよな、金の払い方とか社会システムもろもろ」

女神「……」

男「なんだ?早朝スーパーデートかこれは」

女神「ち、ちがう!」

男「んじゃなんだよ」

女神「……笑わない?」

男「なんだ」

女神「その、外の人間の普通の感じで、外で……会話とかその」

男「ああ」

女神「……」

男「なるほど」

女神「……」

男「……」

女神「……」

男「はやく卵取れよ、帰ってメシって仕事だぞおれ」

女神「そ、そうね!これでいい?」

男「いいからはよ」

260エンニナリヤース アジャジャシター


男「持て」

女神「いいわよ」

男「得意げになるな」

女神「なってない」

男「そうか」

女神「そうよ」

男「24時間営業だが朝6時っつっても結構人いるもんなんだな」

女神「そう……ね」

男「なんだよ」

女神「いえ、なんだか見られてるような」

男「そうか?」

女神「その、この状態になると人間の視線には敏感になって」

男「あそう、大変だな。能力解除すれば?」

女神「こんなところで解除したら」

男「軽くホラーだな」

女神「……でしょう」

男「……はぁ」

女神「……」 ブルブル

男「こっちこい」 グイッ

女神「え」

男「袋かせ、んで能力解除。はい」

女神「!」

男「……どうだ」

女神「だいじょうぶ」

男「緊急事態以外使っちゃだめだわそりゃ、そんなに人の視線にぞわぞわするんなら」

女神「……実は初めて使ったの。私なら大丈夫だと思ったんだけど」

男「なんなんだよその自信は」

女神「だって君がいる……とその、大丈夫かなって。何でそう思ったのかは、わからないけれど」

男「俺は寒い日のほっかいろか」

女神「例えが微妙ね」

男「そうか」

女神「そうよ」

男「てか普通に会話してるな、まずい」

女神「大丈夫よ人いないわよここ。カメラもないわ。……ってやっぱり無視なのっ!?」

男「さ、帰ってっさっさとメシって仕事」

ここまで

同僚「男ーーーーー!!すまんかったぁぁぁぁ」

男「インフルはしゃーない」

同僚「それでもかたじけない」

男「武士かお前は」

同僚「腹きりしちゃう?やっちゃう?」

男「やっちゃわねーわ、しぬしぬ」

同僚「死ぬな。それはごめんだわ」

男「急に冷静になるな笑うわ」

同僚「あははっ、とにかく本当に助かった。ありがとう」

男「彼女さんにちゃんと礼言っとけ」

同僚「言った言った」

男「ならいい……あと話変わるようで変わらないんだが」

同僚「ん?」


男「お前がやるはずだった会議で質問されてさ。何箇所か」

同僚「え?まじか、早く回答しなきゃ」

男「質問された内容と、一応俺なりに調べてみた結果をまとめたのを上司に送れって言われて送ったメールをお前にも流しといた」

同僚「神!!」

男「確認しといてくれ、あとは知らん」

同僚「知らんと言いつつちゃんと付き合ってくれる男素敵!抱いて!」

男「しょうがねぇなぁ一晩だけだぞ」

同僚「おお気持ち悪い」

男「おう鳥肌たったわ」

同僚「今度なんか奢らせて」

男「お、まじすか。頼むわ」

女神「……ふふっ」

男(?)

女神「嬉しそうだったわね」

男「なにが」

女神「同僚さん。君が自分をかばってくれて」

男「かばうも何も会社の仲間だ、当然だろう」

女神「でも、嬉しいものなんじゃないの相手からすれば」

男「それはまぁ、知らんが」

女神「君がされたら嬉しいでしょう?」

男「嬉しい」

女神「やっぱりそうじゃない!」

男「まぁ、結果よければすべてよし……ケホッ」

女神「どうしたの」

男「別に」

女神「……ごはん食べないの?」

男「うーん……ケホッ……食欲ない」

女神「大丈夫?」

男「うーん?まぁ寝る」

女神「…………」

友達の女神「はーい」

女神「あ、私だけど」

友女神「おお!ひっさびさじゃんこの有名人」

女神「え?なにが」

友女神「あんたの報告書こっちで全国放送のニュースになってるからね」

女神「はぁ!?」

友女神「みんなあんたが早朝スーパーデートしたことももう知ってるわよ」

女神「んなっ!?あれ今日の昼の報告書だけど」

友女神「すぐに放送されるからねぇ」

女神「なんてこと……」

友女神「あんたにラブレター送った男神たちなんて、人間の不幸を願う会を結成して女神の任務を終わらせろとかデモ行進してるんだよ?」

女神「人間って彼のこと?だめよ!」

友女神「任務を終わらせることよりまず人間の心配か、あんたも変わったね」

女神「ぅ」

友女神「人間に惚れたの?ぶっちゃけ」

女神「いや、別に恋愛感情とか……その、わかんないし」

友女神「男神と付き合った事ってないわよね」

女神「うん」

友女神「それは男神に恋愛感情は抱かなかったってことだよね」

女神「まぁ、そうなるかな」

友女神「今人間の男に対して抱いてる感情、気持ちは今まで味わったことある?」

女神「…………」

友女神「どうなの?」

女神「……わからないのよ、ただ」

友女神「ただなに」

女神「ただの観察対象の人間……というよりは、彼……『男』という人間という感じで見てるというか」

友女神「それ、何が違うの」

女神「わからないわよっ!この話は終わりにしましょう。それより」

友女神「もうーなに?」


女神「病気になったっぽいんだけど」

友女神「人間が?」

女神「そう。どうしたらいいの?こういうとき」

友女神「膝枕すれば?昔男神たちに懇願されてたじゃない、生涯一度でいいからって」

女神「それはその……思い出してこのあいだやってみたけど、却下された」

友女神「あ、そういえばニュースになってたわ。あの報道でデモ激化したんだった」

女神「どういうことなのよ……」

友女神「とにかくえーと、女神。あんたの仕事は?」

女神「この人間……男の観察」

友女神「そう、観察」

女神「観察」

友女神「干渉じゃない。わかるわね?」

女神「わかってるわよ!で、でも!」

友女神「なに」

女神「ほらっ!私たちは人間を導いていく存在とも言えるじゃない」

友女神「まぁ、人間よりはいろいろ世界の仕組みを知ってはいるけど……つまり?」

女神「導いていくって事は、看病?すべきかなって」

友女神「はぁ……」

女神「……間違ったことを言っているかしら」

友女神「いいえ」

女神「でしょう?」

友女神「でも、友達としていうけど」

女神「なに」

友女神「その人間は私たち女神にあてられない唯一無二の存在の可能性がある」

女神「!……ええ」

友女神「そういう存在に干渉していくっていうのは、その……上層部は推進してるわけだけどさ」

女神「……」

友女神「ぶっちゃけ、あんた使って実験してるようなもので、私としては」

友女神「はやくやめさせたいんだよね」

女神「……」

友女神「まぁ、あんたに何かあるとは思ってないし。報告書を見る限りじゃその人間、いい奴そうなイメージは今のところ持ってる」

女神「う、うん。でしょう?」

友女神「この私の見解は今のこっちの大多数の認識と同じ、でも今後どんな事態が起こるかわからない」

女神「……」

友女神「心配なんだよ、私たちは」

女神「でも……私は、今はこの人間が心配なのよ」

友女神「!」

女神「とにかく、元気になってほしいじゃない。そういうのってこの人間じゃなかったとしても私は思うと、思うわ」

友女神「その思いの強さがほかの人間に対してのものと同じかどうか……でしょ」 ボソッ

女神「なに?小声すぎて」

友女神「いいわ、とりあえず看病してあげな」




女神「切れた」

女神「……えーと」

男「……」ケホッ

男「あれ?あいつ」

女神「起きたのね」

男「あ、いた」

女神「いるわよ」

男「風邪引いたっぽいから出ていけ」

女神「なんで?」

男「うつるぞ」

女神「女神は人間の病にはかかりません」

男「そうか、幽霊みたいなもんだからなこっちじゃ」

女神「幽霊違うんですけど」

男「静かにしろよ頭に響く」

女神「……大丈夫」

男「大丈夫に見えるなら大丈夫、そうじゃないなら大丈夫じゃない」

女神「だめそう」

男「ははっ……今何時だ!?」

女神「え?えーと7時」

男「やっべ行かなきゃ」

女神「え!?仕事!?だめよ」

男「なんでだよ」ケホッ

女神「だめ」

男「だからなんで」

女神「体調悪いんだから、家で安静にしておかないと」

男「正論だがサラリーマンにはそうもいかんときもある」

女神「インフルだったらどうするの?同僚さんがかかってたんだから可能性あるじゃない」

男「……」

女神「……」

男「ふむ……」 

女神「……家にいればいい」



男「もしもしー、男ですお疲れ様ですおはようございます。あの、すみませんちょっと今日朝病院へ行ってもよろしいですか?

  はい、少しだけ頭痛と咳が……はい、たぶん大丈夫だとは思いますが、はい……すみませんーはい、失礼しますー」

男「よし」

女神「……」

男「おろおろすんな目障り」

女神「病院行くのね」

男「そのあと仕事だ」

女神「どれだけ仕事命なのよ」

男「どうしても明日までにやらなきゃいけない書類作成があるんだよ」

女神「同僚さんに頼めばいいじゃない」

男「自分でどうしても出来ない状態になるまでは自分でやるに決まってるだろ」

女神「で、でも」

男「うるさいな、病院行く」

女神「…………」

医者「どうされました」

男「すみません、少し頭痛がひどくて、あと咳が」

医者「38度あるじゃないか!ひどいね、頭ガンガンするでしょう。大丈夫?」

男「大丈夫です」

医者「インフルじゃなさそうだけれど…………うーん、会社へ言って休ませてもらっては?」

男「いえ、点滴とかありますか?」

医者「そりゃあるが君」

男「帰ったらちゃんと寝ますので、お願いします」

医者「……」


女神「……」

同僚「男、具合悪いんだって?大丈夫かよ」

男「ああ」

同僚「無理しすぎるとやばいって、俺代わるよ」

男「いや、ありがとう。気持ちだけ。てか代わるとしてもお前こっちのプロジェクト何も知らんだろ」

同僚「そらそうだけどよ……あ、上司さんは?」

男「出張中」

同僚「あちゃ」

男「内容把握してるのこの会社で今俺だけだしまぁ、何とかする」

同僚「一応上司に言っとけよ今の状況と進捗、区切り区切りでよ。ホウレンソウだろ」

男「わかってる」

女神「…………」

男「ふっーー」 カタカタ

女神「今、どれぐらいできたの?」

男「……」

女神「ねぇ」

男「……」

女神「ピース?」

男(あほかこいつは)

女神「あ!2割ってことね……ごめん」

男「はぁ……」 カタカタッ

女神「…………」

6時間後

同僚「まだやってんのか?」

男「ああ、今8割」

同僚「明日の午後からだろ会議、明日の午前にやればいいんじゃないか?」

男「上司に見せて添削してもらわないと」

同僚「うーん……でもよ」

男「大丈夫だ、朝一出来る量までになったら帰るからよ」

同僚「……」

男「はやく帰って彼女さんと楽しめ、彼女さんの誕生日だろ」

同僚「……無理はすんなよまじで」

男「へい」

女神「……」

2時間後

男「……」 タンッ

男「…………ん」

女神「終わった?」

男「……」

女神「よかった、じゃあ早く帰りましょう」

男「……」

女神「車運転できる?大丈夫?もう会社君しかいないよ」

男「……」

女神「……どうした、の?」



バタッ

女神「え!!ちょ、ちょっと!?ねぇ!」

男「……げんかい」

女神「だ、だめよここで寝たら!え、ええとええと…………ああもうっ!」



女神「ね、ねぇ」 ユサユサ

男「……」

女神「……」 ソッ

女神(ひどい熱だわ…………なんとかしないと)

男「……」

女神「……こうなったら」

男「なに、すん」

女神「うるさいわね、静かにして……なさい」

男「重いだろ、やめろ」

女神「いいから、車まで行けばこっちのもの……なんだから」





女神「さぁ帰ってきたわよ!!」

男(こいつ、運転できるのかよ車)

女神「免許はないけれど警察につかまらなくてよかったわね」

男「後先考えて行動してほしいもんだ」

女神「それはこっちのセリフよ。さぁ寝て」

男「車で横になってたからちょっとは回復した。服脱いで汗ふくからどけ」

女神「私が拭く」

男「はずかしいなぁ」

女神「棒読み演技してる場合じゃないでしょう、ほらっ!」

男「おかんかよ」

女神「静かにしてなさい」

男「前は自分でやる」

女神「うん」

女神「ほら寝て、ちゃんと目覚ましはセットしてあげたわよ」

男「おう」

女神「あと何かいるものは?」

男「ない」

女神「本当に?」

男「ない」

女神「なら……いいけ、ど」

男「……かなり長時間能力解除してたよな」

女神「なに、が」

男「運転しなきゃだからな、人の通りの多い場所ばっかり通って帰るからなルート的に」

女神「……」

男「体調悪くなったのか」

女神「大丈夫よ」

男「本当か」

女神「なんで?」

男「え」

女神「なんで自分がそんなに体調悪いときに、私のことを心配するの?」


男「……」

女神「……」

男「しらねぇよ」

女神「……寝てよ」

男「寝る」

女神「しっかり、治してよ。はやく」

男「ああ。今日はありがとう」

女神「別に」

男「ありがとう」

女神「……どういたしまして」

男「本当に、大丈夫なんだな?」

女神「大丈夫だから!わたしは」

男「……そりゃ」

女神「……」

男「よか、った…………」 スゥ

女神「!」







女神「私……は……」

上女神「おい、許可時間を越えての能力使用はだめだろう」

女神「すみません」

上女神「次はないぞ」

女神「はい」

上女神「……といいたいところだが、報告書は見た」

女神「え?」

上女神「次がないかどうかは、自分で決めろ」

女神「…………」

上女神「人間はどうだ」

女神「自分が本当に辛い時にも、他人の心配を、会社への迷惑をかけないようにだったり、同僚さんのことだったり、私のことだったり」

上女神「興味深いか?」

女神「……はい」

上女神「そうか」

女神「私は、いつまでこの仕事を?」

上女神「まだだ。終わりたいか?」

女神「いえ……逆……です」




上女神「そうか」

女神(私……どうして……こんなに……)

ここまで

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