凛「2つの果実」 (24)

私の心に木がある

その気にはいろんな果実がある

その中でも届かない所に2つの果実がある

その果実は取りたくても絶対に取れない

分かってるけど取りたくなる

私は一つの果実を無理やり取りに行こうとした

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455200233

「おはようございます」

「おはよう」

プロデューサーは誰にでも優しい、ごく普通のことかもしれない

けどアイドルとしての活動が始まり異性の人と交流する機会がすごく減った

それは別にいいけどそうなるとやけに1人の男性を意識してしまう

私の周りには女の子しかいないから

「ねぇ、プロデューサー」

「なんでしょうか?」

プロデューサーはどんなに忙しくても私の話を聞いてくれる

とても優しく、その時間が大好きだ

今日は思い切って聞いてみよう

「アイドルってさ...」

「恋愛ってしたらダメなのかな?」

普通は血相を変えて怒るかもしれない、けど私はそれでも嬉しい

「は、はぁ///」

なんであんたが照れてんのよ

「わ、私個人はいいと...思います」

意外な答えだった

アイドルに恋愛は御法度、そんなことをしたらファンのみんなを裏切る、みんなを裏切ることになる

けどプロデューサーの考えは違うらしい

「確かにみんなの事や渋谷さんのことを考えてその様なことはあまり好ましくないですが」

「それは仕方ないことですし、皆さんもそのような事を考えているようで」

やっぱり私だけじゃなかったんだ

少し安心するけど1部不安になった

「じゃあその告白する人が私より年上で...それで...」

流石に展開を飛ばしすぎた

けどここまで言ったら今更無かったことにするとモヤモヤして嫌だ

「プ、プロデューサーならどうなのかな」

プロデューサーが固まる

「まさか、私ですか」

「流石にここで違うなんて言うわけないでしょ?」

「は、はぁ...」

驚いて何も言えない

この見た目でここまで反応されるとさらに愛おしく感じる

「とても言いにくいのですが私は...」

「渋谷さんとそのような関係になることはできません」

「...そうよね、変なこと言ってごめん、それじゃあ」

恥ずかしくて、悲しくて今すぐにも泣きそうだった

今すぐ出ていきたかった

私がアイドルだから、なのかな?

こんなに私を締め付けるアイドルにならならない方がよかった

「待ってください!」

「...」

「確かに私は渋谷さんとお付き合いすることはできません」

「ですが、あなたの悩みを解決はできるかもしれません、少しですが」

こんな時まで優しいんだね、当然のことなんだろうけど

けど今の私には本当にあたたかい、勿体ない

「じゃ、じゃあさ」

「あなたを嫌いにさせて」

自分でも何を言ってるのかわからないけどこれでいいのかもしれない

所詮実らないもの、なかったことにすればいい

「私はあなたを支えます」

いつもの表情で私に言った

「やっぱり優しいんだね」

帰ろうとしたら卯月が相談があると話しかけられた

他の人に聞かれたくない話だと言われ、私は家に連れてきた

「すみません、急につきあわせてしまって」

「いいよ、どうしたの?」

「はい...実は...」

最近の卯月はあまり集中できていないように思える

多分そのことだろうと思った

「私、好きな人ができてしまったかもしれないんです...」

驚いた、卯月にそんな質問をされるとは思ってもいなかった

「プロデューサーに相談しても気まづくなったので結局最後まで言えなかったんだけど...」

プロデューサーが言ってたことは卯月のことなのかと思い、私だけじゃないとわかり少しホッとした

「実は私もプロデューサーに同じ話をしたの」

「凛ちゃんもですか?」

「うん、プロデューサーに相談して私の意見に肯定してくれたの」

「けど、その人には振られちゃった」

「凛ちゃんの告白を断る人...いるんですね」

「けど、いいの」

「その人には嫌って貰うことにしたの」

「そうしたら私も彼のことを嫌いになれるから」

「ふーん、そうなんですか...」

私がそういうと卯月は立ち上がった

卯月の口は塞がれた

塞いだのは...私の口だった

卯月が私の唇に、歯に、舌に...

卯月の匂いが、汗が、涎が、私をおかしくしていく

「やめて!」

「キャッ!」

「ど、どうして...」

「だって、凛ちゃんが言ったじゃない」

「相手の人が好きなら、嫌いになって貰えばいい、そしたら私も嫌いになれるって」

「ど、どういうことよ」

「私、凛ちゃんのことが好きなの」

「みんなのことを考えてくれて、未央ちゃんに優しくて、私のことを支えてくれる凛ちゃんが」

「好きなの、好きすぎるの、毎日あなたを見ると胸が高鳴るの」

「だから、私のことを好きになって、それか...嫌いになって」

「...」

卯月は告白を告げると服を脱ぎ始めた

卯月の手首のあたりには何かで切った跡があった、昨日まではなかった傷跡

「この傷ですか、凛ちゃんが好きな証拠です」

「どうして...」

「言ってるじゃないですか、好きなんです」

「見ててください、凛ちゃんのことが好きだってことを証明します」

卯月はそういうと笑顔で自分のことを慰め始めた

部屋が汗と卯月の匂いが混ざり生臭い匂いにになり、卯月から発せられる音で気分が悪くなってきた

「凛ちゃん♡...凛ちゃん♡」

私は我慢が出来なくなり、その場で戻してしまった

「凛ちゃん、大丈夫?」

訳がわからない、頭が回らない

「やっぱり気持ち悪いですよね、けど仕方ないんです」

「私がこんな風になったのは凛ちゃんにも責任があります」

「凛ちゃんが魅力的すぎたんだから」

吐瀉物で汚くなった私の服を卯月は脱がし始めた

抵抗しようにも体が動かない

「フフフ...やっぱり綺麗ですね、凛ちゃんって♡」

卯月は私の体を舐めまわす

顔を、お腹を、胸を...

気持ち悪いはずなのに、段々と快楽に変わっていく

「...卯月」

「凛ちゃん、いいよね?」

声にならない声を出して、卯月に体を委ねる

もうこうなった私はどうすることも出来なくなっていた...

「あっ、凛ちゃんまた水浸しにしちゃったのね」

「ご、ごめんなさい!」

「もぉ、仕方ないですね」

「私がいなかったら何にもできないんですから」

「けど、可愛いです」

「ありがとうごさいます...

「ご主人様!」

「もぉ、やめてくださいよぉ」

「みんなの前ではやめてね」

「はい!」

「おいで、綺麗にしてあげますから」

木から2つの果実が落ちてきた

けどその果実は欲しかった果実とは変わっていた

実らないはずの果実に変わっていた

落ちた瞬間に私は泣いてしまった

熟しすぎた果実、取ってしまった果実は元には戻れない

その果実には名前があった

恋...友情...

~fin~

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