雪ノ下「由比ヶ浜さんを泣かせてしまった」 (13)

由比ヶ浜「ひどいよゆきのんあんなことするなんて」グスッ

雪ノ下「あ、えと、こんなことになるなんて思わなくて…」

由比ヶ浜「出てってよもう!」

雪ノ下「でも」

由比ヶ浜「出てって!」

雪ノ下「え、ええ、わかったわ」バタン

八幡「まぁ雪ノ下も悪気があったわけじゃないと思うぞ?」

由比ヶ浜「わかってるよそんなの。でも泣いちゃって…どうしたらいいかわからなくてきつく当たっちゃった…」

八幡「とは言え悪いのは雪ノ下だ、お前がそんな風に思うことはないさ」

由比ヶ浜「ありがとヒッキー。ゆきのんのこと見てきてあげてくれないかな?私はもう大丈夫だから」

八幡「でも」

由比ヶ浜「いいから、ゆきのんも今きっと困ってる。でも私が行ってもどうにもならないから。ね?」

八幡「おう、じゃすぐ戻ってくるから」バタン




八幡「雪ノ下」

雪ノ下「あら比企谷くん。由比ヶ浜は?私最低ね」

八幡「あいつもお前が本気であんなこと言ったとは思ってないけどつい泣いちゃってどうしたらいいかわからなくなった、だとよ」

雪ノ下「そうなのね、でも私ひどいこと言ったわ」

八幡「まぁそれは否定できないな」

雪ノ下「ええ、こんな最低女もう奉仕部にいてはいけないわね」

八幡「いやそこまでじゃないだろ、ってかその反省を俺に対しても向けてくれればありがたいんだが」

雪ノ下「え?私はあなたにひどいことを言った覚えなんてないのだけれど。事実を述べているだけよ?」

八幡「まぁその調子なら大丈夫だな。さ、戻るぞ。あいつも待ってる」

雪ノ下「あの、私彼女にきちんと謝らなくてはいけないわ。だから手紙を書きたいの。先に行っててくれるかしら?すぐに行くから」

八幡「そこまでしなくてもいいと思うけど…おまえがそうしたいんならそうしろ、おれは部室にいるから」

雪ノ下「ええ」




八幡「おう由比ヶ浜」ガラッ

由比ヶ浜「ゆきのんは?」

八幡「あぁ反省してたよ。何でも手紙を書いて謝りたいんだとさ。だからもうちょい待ってやってくれ」

由比ヶ浜「そうなんだね。うん、わかった」

八幡「お前はもう大丈夫なのか?」

由比ヶ浜「うん、わたしも迷惑かけちゃったね。ごめんね?」

八幡「気にするな」

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雪ノ下「入るわよ?」ガラッ

由比ヶ浜「ゆきのん…」

雪ノ下「その、あなたに謝りたくて…て、手紙を書いてきたんだけれど聞いてくれるかしら?」

由比ヶ浜「うん、わかった」

雪ノ下「なら読むわね」



今回、私、雪ノ下雪乃は、部活中に部員であり、友達である由比ヶ浜結衣さんに不快な思いをさせてしまい深く謝罪致します。
まず、私が由比ヶ浜サイドが誹謗中傷だと訴える行為を働いた経緯を説明しますと、部活中に由比ヶ浜さんが床に落ちたゴミを拾おうとした際、由比ヶ浜さんのお尻がいやらしく動いたもので、私は、そこで、アラっと思ってしまい、「やはりあなたは淫乱ド腐れクソビッチなのね」と言ってしまいました。
以前から雪ノ下家で「あなたの部活仲間のあの女、どうもいやらしい雰囲気があるわね。あなたも付き合いを考えなさい」という話があったのです。
私が由比ヶ浜さんに暴言を吐いてしまった事は紛れもない事実であります。
しかし、由比ヶ浜結衣といえば一般的にどスケベなイメージがあるという事も事実であります。
よって、ここは一つ喧嘩両成敗という事で、水に流して頂けないかと思っている所存でございます。


由比ヶ浜「」
八幡「」

雪ノ下「ど、どうかしら?許して貰えるかしら?」

由比ヶ浜「出てけ」

雪ノ下「え?」

由比ヶ浜「出てけって言ってんだろ!」

雪ノ下「でもわたし謝罪を…」

八幡「ま、まぁまぁ由比ヶ浜、雪ノ下も人に謝るなんて経験が無かったんだよだからなれてないんだ、な?そうだろ?」

雪ノ下「ええ、わたしきちんと謝罪をするのは生まれて初めてよ」

由比ヶ浜「とりあえず出てってもらえる?」

雪ノ下「え、ええ」バタン

雪ノ下「何がいけなかったのかしら…」

八幡「正直驚いたな」

由比ヶ浜「怒りより先に驚きがきたよ」

八幡「無理もない」

由比ヶ浜「でも謝るの初めてだったんだね」

八幡「みたいだな」

由比ヶ浜「わたしまた追い出しちゃった」

八幡「まぁいいんじゃねぇの?お前は悪くねぇよ」

由比ヶ浜「ゆきのんの様子見てきてあげてくれないかな?」

八幡「また俺が?」

由比ヶ浜「やっぱり迷惑だよね。ごめんね?」

八幡「いや俺はいいけど、お前は大丈夫なのか?」

由比ヶ浜「うん、なんか悲しみとか怒りも超えて特に何も感じないって感じかな」

八幡「そっか、それじゃ」バタン





雪ノ下「あら比企谷くん、また来たのね」

八幡「おう。ところでさっきのは謝罪のつもりか?」

雪ノ下「ええ」

八幡「あれは謝罪というより煽りにいってたぞ」

雪ノ下「わたし謝罪ってしたことないものだから…」

雪ノ下「今度はきちんと書けるわ。今回のことを反省して」

八幡「また謝罪文をかくのか?」

雪ノ下「学習能力には自信があるわ。だてに学年トップじゃないもの」

八幡「軽口をたたけてるようなら心配してそんだったな…」

雪ノ下「心配?」

八幡「あぁ。あいつに否定されてへこんでるんじゃないかと思ったけど杞憂だったみたいだ」

雪ノ下「あなたに心配されるなんて私も落ちたものね。じゃあ書き終わったらまた行くわ」

八幡「ほんとに大丈夫なんだろうな?」

雪ノ下「ええ、任せて」

八幡「そんなに頼りない任せてをお前の口から聞くとはな」

八幡「おう由比ヶ浜」ガラッ

由比ヶ浜「ゆきのんは?」

八幡「また手紙を書くってさ。今回の反省を踏まえて今度こそはちゃんとするって」

由比ヶ浜「そっか、また手紙…書くんだね」

八幡「おれも正直心配だ」

由比ヶ浜「大丈夫だよゆきのんなら同じ失敗を2回もしないよ。だって学年トップだし」

八幡「雪ノ下も同じようなこと言ってたぞ」

由比ヶ浜「やっぱり私たち気が合うんだね!ゆきのんはやく戻ってこないかなー」


雪ノ下「ごめんなさい待たせてしまって」ガラッ

雪ノ下「さっきはごめんなさい、初めてで勝手がわからなくて」

雪ノ下「でも今度は大丈夫よ」

雪ノ下「なら読むわね」

まず謝罪の前に、なぜ私があのようなことを言ってしまったのか?その経緯を説明させて頂きます。 最近はお金を払って女子高生に罵倒してもらうようなビジネスもあるようです。
よってお金を受け取らず、しかも私が清楚なお嬢様JKだということを考えれば、あれくらいの暴言はOKだろうと、安易な考え方をしてしまい、あのような行為をとってしまいました。
それに伴い、私が由比ヶ浜さんに悪態をついた時の由比ヶ浜さんの表情は、 まんざらでもないというどスケベな顔をしていたので、「アラ、いいですねえ」の波が
何度も押し寄せて来ちゃって、 最終的にはお尻を足で踏みつけるという結果となってしまいました。
つまり、今回の一件を風俗に例えるならば、 本番がなしのお店で興奮し、本番を強要してしまったみたいな事であり、決して罪悪感があった訳ではないので、
示談という形で穏便に処理して頂きたいと思っている所存であります。

奉仕部部長・雪ノ下雪乃


由比ヶ浜「」
八幡「」

雪ノ下「きちんと伝わったかしら、私の想い」

由比ヶ浜「うん、伝わったよ」

雪ノ下「なら私奉仕部にいてもいいのね?これからも友達でいてくれるのね?」

由比ヶ浜「は?」

雪ノ下「えっ?」

由比ヶ浜「おまえもう出てけ、んで二度と来んな」

八幡「おれも今回ばかりは擁護できねぇ」

雪ノ下「そんな…わかったわ」バタン

八幡「すごかったな」

由比ヶ浜「うん、最悪の場合を想定してたけど」

八幡「それをはるかに超えてきたな」

由比ヶ浜「でもやっぱり初めの暴言とかは悪気はないってのは事実みたいなんだね」

八幡「みたい…だな」

由比ヶ浜「ゆきのんの言うとおりオンビンニ処理、したほうがいいのかな?」

八幡「意味分かって言ってるか?」

由比ヶ浜「うーん、なんとなくだけど、あんまり事が大きくならないように、みたいな感じ?」

八幡「まぁだいたいそんな感じだ」

由比ヶ浜「ゆきのんのとこ行ってあげてよ。もう手紙とかいいから普通に戻ってきてって伝えてきてほしいな」

八幡「おまえはそれでいいのか?あんな言われようだったのに」

由比ヶ浜「なんか馬鹿らしくなってきちゃった」

八幡「そっか、ならいつも通りに戻るか」

由比ヶ浜「うん!」

八幡「じゃああいつも連れ戻してくるよ」ガラッ

雪ノ下「あら比企谷くん、またまたきたのね」

八幡「あぁもう手紙とかいいから戻ろう」

雪ノ下「えっ、でも」

八幡「もういいんだと。それにお前に謝罪なんて似合ってねぇよ」

雪ノ下「そうね、私みたいな最低女に謝られても迷惑よね」

八幡「そうじゃねぇよ。おまえはいつも凜としてていつも正しいんだ。それでいいんだよ」

雪ノ下「比企谷くん…//」

八幡「も、戻るぞ…//」


雪ノ下&八幡「ただいま」ガラッ

由比ヶ浜「おかえりっゆきのんっ!ひっきー!」

由比ヶ浜「ってちょっと待て待て待て待てぇえいい!!


由比ヶ浜「おかしいよ!」

由比ヶ浜「なんで二人仲良く手つないじゃってんの?私がいないところで何があったの?え?」

雪ノ下「それは…その」モジモジ

由比ヶ浜「いやもじもじすんなよ!おかしいよ!あんな暴言吐いて!謝罪と称してまた暴言吐いて!また謝罪と称してまたまた暴言吐いて!あげくのはてに私のいないところで恋を育んじゃって!おかしいよ!」

雪ノ下「こ、恋なんてそんな//」

由比ヶ浜「いやいや照れてる場合じゃねぇよ!なんなんだよもう!こんなのおかしいよ!私帰る!」

雪ノ下「あっ、ちょっとまって!今週末デートに行くのだけれど経験無くて、その、おすすめとか教えてくれないかしら」

由比ヶ浜「この後に及んでまだそんなことぬかすか!」

由比ヶ浜「ゆきのんには淫乱ド腐れクソビッチなんて言われたけど私だってデートなんて経験無いよ!」

由比ヶ浜「やっぱり定番はディスティニーランドじゃないかな!ゆきのんパンさん好きだし!」

由比ヶ浜「でもシーズンによってすごく混むときもあるから初デートにはおすすめできないかも!」

由比ヶ浜「それと閉園あたりは駅がすごく混むから時間ずらして帰った方がいいよ!いくらデートが楽しくても帰り道で台無しなんて悲しいしね!」

由比ヶ浜「それじゃ私もう帰るから!」バタン

雪ノ下「あんなに親身になって教えてくれるなんてやはり由比ヶ浜さんは私の親友ね」

八幡「あぁそうだな」

平塚「やぁおまえら、さっき由比ヶ浜がスキップして帰って行ったんだが何か知らないか?」

雪ノ下「由比ヶ浜さんが?」

平塚「あぁ、話しかけても上の空だったぞ」

雪ノ下「それは、えっと…」モジモジ

八幡「話してもいいか、雪乃//」

雪ノ下「ええ、八幡//」

八幡「かくかくしかじか」

平塚「そんなことがあったのか。それならあんなに嬉しそうなのも無理はない。友人の恋が実るのは嬉しいことだからな」

雪ノ下&八幡「えへへ//」

平塚「だが自分以外の人間の恋が実っても喜ぶ人ばかりではないということも覚えておけよ、比企谷」

八幡「え、あの、グハァッ


FIN

作者です
昨日も似たようなの書きましたが、トリップというものを知らなくて名無しだったんですが付けてみました

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