八幡「どうも~チャラ男八幡でーす♪」雪乃「」 (150)

八幡「ちょりーっす! 雪乃ちゃん何しけた面してんのー?」

雪乃「」

八幡「ああ俺? 俺ちょーゴキゲン! なぜかって!?」




八幡「チャラ男は! 可愛い女の子がいるだけでゴキゲン!!」キリッ




雪乃「」

八幡「チャラチャラチャラチャラチャラチャラおー」チャラチャラ

※本編ではもう少し真面目です。



チャラ男芸人慶様知らない人はオリラジのチャラいの想像して下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388632272

八幡のクラス

三浦「隼人まじイケメン!」

葉山「そんなことないよ。お年寄りを助けるのは当然だからね」ニコッ

戸部「っか~、隼人君マジぱねぇわ~」

大和「………」ウンウン



――ガラッ!!



八幡「ちょりーーーす! おはグッドモーニン!!」ヤァヤァ



一同「」

八幡「なんだよー、みんなテンションサゲポヨ~♪」

一同「」

葉山「比、比企谷君、どうしたんだい?」

葉山(もしかして僕がもっとクラスに溶け込むように押したから……)

八幡「隼人っちちょりーす!」

葉山「ちょ、ちょりーす///」

海老名「あ、あの葉山君が比企谷君に赤面させられている!! 下剋上! 下剋上!!」プッシャァ~

三浦「ヒキオのテンションたけーwww」



八幡「ねぇねぇ、そこの可愛いお姉さん♪」ビシッ



三浦「え、あ、あーしのことっ!?///」

三浦(そ、そんなっ、ヒキオごときに!!)ドキドキ

八幡「君きゃわいいねぇ♪ どう、トゥナイト僕ちんとデートに行っちゃわナイト!?」

三浦「う、うん……///」



一同「「なん、だと……」」



放課後 奉仕部

雪乃「ねぇ、由比ヶ浜さん」

結衣「………な、何かな」ワクワク

雪乃「さっきから何をわくわくしてるのかしら?」

結衣「え、べ、別にわくわくしてないし!」

結衣(あのヒッキーとゆきのんが出会ったらどんな面白いことが!)

八幡「うーっす……」ガララッ



結衣「なん、だと……?」ガタ



雪乃「あらヒキギミ君にしては早いじゃない」

八幡「俺は心の中ではいつも積極的なんだよ」

結衣「………」

雪乃「持って生まれたDNAがあなたをヒッキーたらしめてるのね」

八幡「おいおい、それはいささか俺の両親に失礼じゃないか?」

雪乃「大丈夫よ。あなたが人から生まれたなんて思ってないから」

八幡「俺は何者だよ……」



結衣「ヒッキーーーー!!」



八幡「!?」ビクッ

八幡「な、なんだよ大声出すなんてビッチらしくない」

結衣「ビッチ言うなし! って、それより、今日のテンションはどうしたん!?」

八幡「今日のテンション?」

結衣「ほら、ちょりーっすって」

八幡「ちょりーす?」

雪乃「由比ヶ浜さん。この男がそんな面白い発言三回目の人生でできるわけないじゃない」

八幡「俺っていつの間に転生してたんだ……」

結衣「やってたんだもん!! 優美子に〝君きゃわいいねぇ♪”って言ってたんだもん!」

八幡「おいおい、由比ヶ浜……お前とうとう脳みそが溶けきったのか……?」

結衣「私の脳みそは最初から溶けてないし!」

雪乃「由比ヶ浜さん。今日の所は家に帰ってバファリン飲んで寝た方がいいわ」

結衣「ゆきのんまで!」ガーン

八幡「まぁ、バファリンの半分は優しさ、つまり何の効果もないってことだが、お前の脳みそならその程度で効くだろ」

結衣「二人ともバカ――――!!」ダダダッ

翌日 八幡のクラス


一同「………」ビクビク

葉山「怯えてるね」

戸部「そりゃそうっしょ。またあのテンションが来ると思ったら……」

結衣(やっぱりみんな知ってる! バファリン飲んでも覚えてたもん!)

三浦「………///」

海老名「優美子?」

三浦「ん?」ポーッ///




――ガラッ!!




一同「!!」ビクゥッ







八幡「おはグッチョリっすモーニング娘!」チャラチャラ


一同「」




八幡「ドゥしたのみんな~、もっとテンションアゲ☆アゲで行こうぜ~☆」

戸部「ひ、ヒキタニ君、マジどうしたん?」

八幡「翔ちゃんテンションマジ低いねー☆ そんなんじゃ女の子が逃げちゃわナイト」

戸部「」




三浦「は、八幡! ぐっちょりっすモーニン!」カァ///




一同「!?」キョウガク

八幡「おーっ、優美子ぐっちょりっすモーニング!」イェイイェイ

葉山「ゆ、優美子!?」

三浦「あーし、八幡の事マジソウルリスペクトしちゃった!」テヘヘ///



一同(何があったんだ……)



結衣(やっぱり八幡は変わった……)

放課後 奉仕部

結衣「だからほんとにヒッキーが変なんだって!」

雪乃「比企谷君が変なのは前世からよ」

八幡「俺の前世を知ってるのか雪ノ下」ガラッ

結衣「ヒッキー!」

雪乃「もちろん。前世はミジンコの足でしょ?」

八幡「俺生き物ですらないの!?」

結衣「そんなのどーでもいいよっ!!」

二人「「!?」」ビクッ



結衣「………」ハァハァ



八幡「ど、どうした由比ヶ浜、更年期障害か?」

結衣「そんな年じゃないし! ヒッキー何でここに来るとテンション低いの!?」

八幡「はぁ?」

雪乃「由比ヶ浜さんはあなたがチャラチャラしてるって信じて疑わないのよ。確かにあなたの魂は虫よりも軽いけれど」

八幡「五分の魂はどこへ行ったんだよ」

結衣「………」



結衣「ヒッキーのばかぁ」ホロリ



二人「「!?」」

八幡(おいおい、泣き出したぞ)

雪乃(どう考えてもあなたのせいじゃない。屋上か富士の樹海にいって詫びてきたら?)

八幡(どっちみち自害ルートですか……)

結衣「ねぇヒッキー……チャラチャラしてよぉ」

八幡「あ、ああ」

結衣「ほんとっ!」パァッ

八幡「お、おう……」

八幡「僕はちゃらいですよー(棒)」

雪乃「……チャラいというよりは生きてるのが不思議ね」

八幡「俺は生命の神秘か。ちょっとボケただけじゃねぇか」

雪乃「更年期障害かしら?」

八幡「かぶせ上手いね~」

雪乃「?」

結衣「!!」

八幡「しまっ……」

結衣「やっぱり! やっぱりぃ!!」

八幡「……パリパリ何言ってんだ由比ヶ浜。ぱりんこ食いたいのか?」

結衣「違うし! おいしいけど!」

雪乃「今日も依頼人が来そうにないし、由比ヶ浜さんの調子が戻らないみたいだし解散にしましょう」

結衣「うぅ……絶対ヒッキー変だよぉ…」

八幡「………」

いったんここまで。

離れます。

翌日 放課後 奉仕部


雪ノ下「今日は依頼人が来るわ」

結衣「ほんと!?」

八幡「はぁ、やっとかよ」

結衣(もしかしたら、奉仕部のメンバーにだけいつも通りで、他の人にはチャラいヒッキーなのかも!)


――ガラッ!!


戸塚「ちょ、ちょりーす、ちゃらお彩加でーす」モジモジ///




八幡「天使だ。天使が現れた」

戸塚「あ、あれぇ? なんで八幡は朝とテンション違うの!?」

結衣「!!」

雪乃「………」

八幡「な、何言ってるんだ? 俺はいつも通りニヒルでクールなハードボイルドな八幡だろ」アセアセ

戸塚「え、えー……そんなぁ」

八幡「で、どうしたんだ戸塚?」

戸塚「あ、あのね、僕はテニスで強くなりたいんだ!」

雪乃「またなの?」

戸塚「う、うん……あれから色々やってるけどなかなかうまくいかなくて…」

八幡「戸塚は可愛いから仕方ないな」ウンウン

結衣「ヒッキーきも」

八幡「き、き、き、きもてぃ……っ」ビクッ

結衣「あーーーっ!」

戸塚&雪乃「!!?」ビクッ

八幡「急に大声出して何言ってんだ由比ヶ浜。とうとう喉チンコまでビッチになったか?」

結衣「もうそれセクハラで訴えれるよ!?」

雪乃「それで、どうしたの?」

結衣「今、ヒッキーが変なこと言おうとした!」

八幡「は? なんで俺が変なこと言わなきゃならないんだよ」

雪乃「由比ヶ浜さん。残念だけれど、あの人の変と変じゃないの境界線は私には分からないの」

八幡「おい、俺が統合失調症の人みたいじゃないか」

戸塚「八幡! そういうこと言ったらダメだよ!」プンプン

八幡「ちょっと待て、俺がけなされることは良いのか……」

雪乃「とりあえず明日のお昼休みテニスコート集合ね」

翌日 お昼休み テニスコート


八幡「とう」パシッ

戸塚「はいっ」パシッ

由比ヶ浜「ヒッキー前より上達してない!?」

八幡「器用だからな」ヨッ

戸塚「あわわっ!」ダッ

八幡「あ、すまん」


――コロコロコロ。


葉山「やぁ、僕達も入れてくれないかな」

八幡「また出たよ」

葉山「あれ? 普通のヒキタニ君……」

八幡「俺は某戦闘民族か……」

戸塚「つか、マジテニスやりてーっしょ」

三浦「……う、うん、そうだね///」モジモジ



雪乃「」カランカラン



結衣(あ、ゆきのんが優美子のキャラに声を失ってる)

三浦「で、でも、八幡君の邪魔になるならあーしは遠慮しよっかなーなんて……」モジモジ

雪乃「は、八幡君……」ガクガクブルブル

結衣「ゆきのん……気持ちはわかるよ…」

葉山「じゃあ、こうしよう! 僕とヒキタニ君で



どっちが面白いか勝負だ!」




八幡「お前……脳みそ沸騰したんじゃないか?」ドンビキ

葉山「あ、あれぇ? 朝は面白いが一番って言ってたじゃないか……」

三浦「隼人マジ空気読めし」ジトーッ

戸塚「で、でも、八幡の面白いとこみたいなぁ」キラキラ



八幡「よし、やろうか葉山」




葉山「えっ」

三浦「わーい、八幡君頑張ってぇ(はぁと)」

雪乃「世界線間違えたかしら……」ガンガンガン

結衣「テニスのポール硬いから! 頭打ちつけちゃだめーー!」

ギャラリー<ワイワイ

戸部「隼人君がネタやるってことで、皆集まってきたっしょ。隼人君マジ人気モノ!」

葉山「ははっ、恥ずかしいなぁ」

八幡「お前が先行だろ、早くやれよ」

葉山「あ、ああ」



葉山(相手はあの比企谷くんだ。どんなラフプレーをしてくるか分からない。こうなったら僕が!)




葉山「どうもーっ、チャラ男芸人の隼人でぇす☆」イェイイェイ

一同「」

雪乃「………」ドンビキ

チャラ山「ちゃーらー♪ へっちゃらー♪」イェイイェイイェイ

一同「」

チャラ山「隼人はー、この前の正月にー、関西に遊びに行ったんだけどー、道に迷ってる人がいたんだー」

戸塚「うんうん」コクコク

八幡(真面目に聞く戸塚マジ天使)

チャラ山「そしたらー、迷子の人がどないしよーどないしよーっていうから、僕はどないしたんですか? って声かけたんですね? そしたら……

どないは関西人のもんやから使わんとってぇえええ!! って怒られました!!




はい、ここドバイ!!」ビシッ




一同「……えっ」

八幡(お前それ……おい…ごーじゃす……)

チャラ山「ちゃーらー☆ へっちゃらー☆」

戸部「」

大和「」

大岡「」

落ち込み山「」ズーン

戸部「で、でも、ヒキタニ君がそれ以上滑るかも知れないっしょ」

大和「そうだそうだ」

大岡「葉山君の勇気に感動した!」

葉山「……次は君の番だ比企谷君……」

八幡「ちっ……」スクッ

雪乃「次面白くないネタやったら本当に拳が飛ぶわよ」

八幡「お前の直接的なツッコミってマジで怒ってるときじゃねぇか……。まぁせいぜい頑張るわ」




結衣「ゆきのん、これで最近のヒッキーが見えるよ」

雪乃「私はもう見たくないのだけれど」

結衣(ヒッキーは人と感性が違う。なら、いつものチャラ芸しかない!)



八幡「はい、どうもー、今回はピンでやらしてもらいます比企谷八幡です、よろしくー」ペコリペコリ



結衣「あっっっっっっれぇ?」クビカシゲ

八幡「いつもならね、隣に相方がいて何でやねん何でやねん言うて殴り合ってるんですけども、今回は一人なんでほっぺた腫れずに助かりますわー」

一同<どっwww

八幡「おいおい、こんなんで笑ってたら千葉県民の笑いの沸点が低い思われてまうでー。ただでさえ千葉県なんて千葉けんなっていうダジャレ以外にもあるわボケっ! 千葉なめんなリスペクト千葉やっちゅーねん!」

一同<どっwww

八幡「なんや今日のお客さんはえらい笑ってくれて嬉しいなー。僕みたいなベテランが出ると、大体の人がこんな顔(ひきつった顔)でぶぇへへっ、って笑うんですけどねぇ。あ、君はまさにその笑い方やねー練習したん?」

一同<どっwww



結衣「な、何これ……」

雪乃(内容が面白いか面白くないかより……)

二人((なんで彼(ヒッキー)がベテランお笑い芸人ぶってることを容認してるの!?)かしら!?)



八幡「はい、一発ギャグやりまーす。千葉県、柴犬、アキレス腱!!」ビシッ

一同<しーん……

葉山(よしっ、受けなかった!!)

八幡「あれー? さっき考えたネタはウケて何で16年間コトコトしっかり煮込んだネタは受けへんのん?」


一同<どっwww


葉山「」

八幡「どうも、ありがうございましたー」ペコリ


一同<はーちまーん♪


八幡「………」ニコッ

一同<キャーーー(はぁと)



八幡「ふーっ、どうだ? 勝負は」

結衣「………」ボウゼン

雪乃「………」アゼン

戸塚「千葉県柴犬アキレス腱!」ビシッビシッ

八幡(うわ、靴紐結ぶような体勢で何度も俺のネタやってる今死んでも悔いねーわー)

葉山「……負けたよ」

八幡「えっ、俺の勝ちなのか?」

葉山「優美子が笑いすぎて呼吸困難に陥ってるんだ。どちらが勝ったかは一目瞭然だろう」

三浦「」ピクピク

戸塚「それじゃあ!」



葉山「ああ、八幡。お前がナンバーワンだ!」






八幡「は? なんで俺がナンバーワンな訳? 俺は戸塚のテニス向上のためにいるんだけど?」



葉山「」

戸塚「はちまーん♪」ギュッ

八幡「お、おい、このまま連れて帰っちゃうぞ」

雪乃「もう付いていけないわ」フラフラ

結衣「ゆきのーん!!」タタタッ




八幡「………」チラッ




戸塚(あれ? 八幡の様子が……)

翌日 八幡のクラス


一同「………」ソワソワ

葉山「………」ワクワク

三浦「………」コウフンッ




―――ガラッ!




一同「!!」





八幡「ちょりーーーっす! チャラ男八幡ただいま登校ふーーーーっ♪」

一同「ぐっちょりっすモーニーング!!」

八幡「それじゃあ? それじゃあ? チャラ男写メ写メ行ってみよう!」

一同「チャラ男写メ写メ行ってみよう!」





―――パシャッ!!





八幡「………」

葉山「八幡マジ写真うつりいいねー」

八幡「は? お前、なになれなれしい態度とってんの? 怖いんだけど?」

葉山「えっ……」

一同「えっ……」

八幡「………」スッ



――イヤホンを取り出す八幡。



三浦「は、八幡どうしたん? 機嫌悪いん?」ムギュッ

八幡「そう思うなら離れてもらいませんかねぇ」

八幡(マジおっぱいの圧力に負けそうですから)

三浦「………」グスッ

葉山「ちょっと来い比企谷!」

結衣「私も行く!!」

奉仕部部活

葉山「比企谷!!」ブンッ

八幡「くっ……」ドサッ

結衣「隼人君乱暴はダメだよ!」

雪乃「どうしたのかしら?」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「たまたま忘れ物を取りに来ただけなのだけど……」

葉山「比企谷……お前、何がしたいんだよ……」

八幡「………」



葉山「俺達はお前と仲良くなれて嬉しかったんだぞ!!」



八幡「っ!!」

雪乃「比企谷君。どう考えてもあなたのしてることは裏切り行為よ」

結衣「ヒッキー……」



八幡「分かってんだよ……裏切ってることくらい…」プルプル



葉山「えっ……」

八幡「だけどな……




小町が死にかけてる時にお前らと笑っていられるかよ!!」




三人「「!!?」」

八幡「この間、小町はガン宣告されたんだ……もちろん、最初は俺達だけだった。でも、あいつはすぐに察したよ。ああ、俺が演技が下手くそだからな」

葉山「………」

八幡「小町がな、いつもいつも説教してくるんだ。



ごみぃちゃんは友達がいないから心配だ。私は安心して夜も眠れないって」



結衣「ヒッキー……」

八幡「だから俺は……“クラスメイトは皆俺を慕ってるんだぞ”って嘘をついた。もちろん信じてくれなかったさ。はは、日ごろの行いって奴だな」

雪乃「………」

八幡「だから俺は言ってやったんだ。“お前に俺達の集合写真を見せてやる”ってな」

結衣「……ぐすっ…」

八幡「だが、俺はどうしたらそれが撮れるか分からなかった。ぼっちの俺が頼んだって、誰も心から笑ってくれない。



そんな時テレビに出てたのが、チャラ男芸人の慶だった」



少し離れます。

もちろん最初は俺達だけだったって、どういう意味だ?

俺達だけ=小町以外の家族
八幡の違和感をすぐに察して小町は自分が癌だと気がついた

>>52>>57の通りです。急いでてわけわかめになってごめんちゃい。

驚愕の続きー

八幡「俺は、すぐに慶さんに会うために慶応大学へ走った。……けど、慶さんは慶応にはいなかった。当然だ。慶さんは慶応の学生じゃない。もぅまぢむり。しかし、俺は諦めなかった」


回想


エンタの女神さま

慶「ちゃらおーーけぃ~♪」

やらせ女達<ワーワーッ





慶「……くそっ」

慶(俺の本当にやりたい笑いはこんなのじゃない!)ブンッ



――がちゃっ



八幡「しつれがっ」ゴンッ




 MAXコーヒー。それが俺と慶さんとの出会いだった。




慶「だ、大丈夫か!」

八幡「ええ、大丈夫です」ダラダラ

慶(こいつ、額から血が出てるのに気にもせず……)

八幡「慶さん! 俺を弟子にしてください!」

慶「なんだって!?」

八幡「俺はどうしても、クラスの人気者にならなくちゃいけないんです!」

慶(そんな理由でこいつ……っ)ガッ

八幡「ぐっ」



慶「笑いってのはなぁ! そんな己の利欲のためにやっていいもんじゃねぇんだよ!」ブンッ



八幡「ぐはっ!」ボキッ

慶「笑いってのは、常に他人、目の前のお客さん、友達、彼女、そして家族を笑わせるためにあるんだよ!!」

八幡「!!」

慶「……分かったら帰れ。今夜は二本撮りなんだ」

八幡「……それを聞いてなお帰れるかよ」グググッ

慶(こいつっ、足が折れてるのに!!)

八幡「俺は、愛する妹の願いを叶えるために慶さんから勉強を教わるんだぁあああ!」

慶「愛する………妹…」


慶の回想

妹「もう、お兄ちゃん! またそんな髪形にして」

慶「い、いいじゃねぇか。ペガサスのように盛るんだ!」

妹「そんなのが流行ると思ってるの!?」

慶「チャラ男は! 常に自分が流行の中心!」バッバッ

妹「……ふふっ、もうやだー」





慶「妹ーーーーっ!」

医者「羽田の飛行機にはねられて……即死です」

慶「俺は、俺はお前を笑わせるために!! そのために芸人になったのに!!」ポロポロ


~~~


慶(そんな妄想をした日もあったっけな……)

八幡「……だから、お願いします。俺を…弟子に……して…」ドサッ

慶「おい、お前! お前ぇええええええ!!」


<ピーポーピーポー



 それからというもの、俺と慶さんは最高のコンビだった。


慶「どうもーチャラ男芸人でーす」

八幡「………」

慶「君テンション低うぃ~ねぇ!」

八幡「……うす」


通行人<どっwww


慶「それじゃあ、チャラ男パラパラいってみよっ!


 ちゃらちゃらちゃらちゃらちゃらちゃらおー、はい!」


八幡「ちゃら! ちゃら! ちゃら! ちゃ「ちょっと硬うぃ~よぉ!」


通行人<どっwww




 俺が妹に見られたくないと言ったら、慶さんは道の端で通行人に向けて笑いを提供しようと言ってくれた。

 最初は俺が足を引っ張って皆笑ってくれなかったけど、しばらくしたら、俺の中でくすぶっていた笑いの才能が燃え盛った。



八幡「僕の膝があげぽよ~↑」


通行人<どっwww


慶「………」


 慶さんは、ある日俺にこんなことを教えてくれた。


慶「八幡、お前は笑いに種類があると思うか?」

八幡「笑いに……ですか?」

慶「いいから答えろよ」

八幡「俺は……ないと思います」

慶「なんでだ?」

八幡「だって、どんな状況であれ笑いは笑いだ。料理が料理であるように、受け手のコンディションは違えど、笑いと言うジャンルは変わることがない」

慶「……ふっ」

八幡「馬鹿にしてるんすか?」

慶「いや、俺もお前みたいに思ってた時期があったよ」

八幡「慶さんも?」

慶「自分の中にある確かな笑いってやつ?」トントン


 慶さんは胸に拳を二度トントンと当てた。いつもはチャラけてるのに、こういうときはカッコ良い。


慶「俺達はそれを皆に届けるのが仕事だ。だから受けなかったら笑いが悪いんじゃねぇ、俺が悪いんだって」

八幡「ちがうんすか?」

慶「ちげーよ。全然ちげー。こっちが笑いを取ろうとネタをした時、



 本当に相手のことを考えてるか?」



八幡「っ……」ドキッ

慶「お前は通行人の一人一人の状況を見てるか? 急いでる人、静かにして欲しい人、男の人が苦手な人、様々な人が通っていた。それを考えたことがあったか?」

八幡「……ない、です」

慶「エンタの女神様はな、笑いを提供する場じゃない。


“ここで笑えばあなたも立派な視聴者ですよー”と言いくるめる場所だ」


八幡「……それで、最近の慶さんは…」

慶「気付いていたか。そうだ。俺はもうエンタを見限ろうと思う」

八幡「そんなっ! まだまだ行けますよ!」

慶「だから、いけるいけないの問題じゃねーンだよ」スパーッ



 慶さんがたばこを吸うとき、それは“何かを決心してる時”だった。



慶「八幡。お前は幸せ者だな」

八幡「えっ」

慶「どんだけあの道路で受けなくてもよ、テレビに出なくても、極論で言えばどんなに面白くなくてもよ、




小町ちゃんが笑えば、それで全部ちゃらおーけぃなんだろ?」




八幡「!!」

慶「俺は……俺にはもう…」

八幡「慶さん!」

慶「良いんだ。俺のことは良いんだ。それより、あれ、お前の友達じゃないのか?」

八幡「俺に友達なんていま「ヒキオ!!」

慶「ははっ、ヒキオだってよ。お前の芸名ヒキオでどうだ!」ドンッ

八幡「うわっっと」ヨタヨタ

三浦「何やってんだよヒキオ」

八幡「………」


 俺は、何も言えなかった。

 三浦と言う人間を知らなかった……いや、“知ろうともしなかったから”だ。

慶「分かるかヒキオ! お前がぼっちを人のせいや自分のせいにしてる間に、沢山の人間がお前のことを考え、行動しているんだ! それを理解しない限りお前に小町ちゃんを笑わせることはできねーぞ!」

八幡「俺は……」クッ

三浦「なぁ、どうしたん? あーしに言ってみ?」

八幡「三浦……」ポロポロ



 そして、俺は、初めて、生まれて初めて“ありのままの自分”を“理解してもらおう”とした。



八幡「と言う訳なんだ……」

三浦「………」

八幡「ど、どうでも良いよな。こんな話……」

三浦「……ぐすっ…」ポロポロ

八幡「!?」

三浦「なんでっ……何で相談してくれなかったんだ馬鹿」ギュッ

八幡「っ///」

慶「ひゅーっ」

三浦「そりゃ、あーしらはヒキオのことを何も考えてないように見えたかもしれない。でも、事実今までヒキオのことを真剣に考えたことなんてなかった」

八幡「っ……」

八幡(そりゃそうだよな……俺なんか…)スッ

三浦「ヒキオ! あーしの目を見ろ!」グイッ

八幡「っ!」

三浦「なんでヒキオのことを考えたことがなかったか分かるか!


ヒキオがあーしらを避けてたからだろ!」


八幡「!!」

慶(八幡。人は思った以上に他人を見ているんだぞ……)

三浦「もしヒキオが一回でもあーしらに近づいてきてくれたら、そりゃ受け入れるかどうかは分かんないけどさ、


 ヒキオのこと、真剣に考えてたと思うよ」ニコッ



 泣き腫らして化粧のとれた三浦の顔は、今まで見た家族以外の誰の笑顔よりも愛おしかった。

 それは、三浦が“俺のために向けてくれた笑顔”だから。

 そして、俺が“三浦の笑顔が誰に向けたものかを考えた”からだった。



 その日から、俺のファン一号は不動のものとなった。



 

病院

小町「やっはろーお兄ちゃん」

八幡「ああ、今日も元気そうだな」

小町「やー、そうでもないんだよねー。最近小町の髪の毛どんどん抜けちゃってさぁ」

八幡「っ!!」


慶『八幡! お前が辛い顔をするときは、“小町ちゃんが辛い時だ”!!』


八幡「ふ、ふーん、大変だな。どれ」ナデナデ

小町「ちょ、や、やだ/// 髪の毛少ないんだから恥ずかしいよぉ」

八幡「だからどうした。俺は、お前の頭なら何でも愛せるよ」

小町「……ごみぃちゃんのばか」スッ

八幡「お、おい……///」

小町「ちょっとだけ、寄りかからせて」

八幡(なんて……軽いんだ…)グッ

小町「ねぇごみぃちゃん」

八幡「不燃物か可燃物か」

小町「もちろん、小町の宝物入れに入れるゴミだよ。あ、今の小町的にぽいんごほっごほっ」

八幡「お、おい! 小町!!」

小町「だ、大丈夫。大丈夫だから!」

八幡「あ、ああ……」

小町「それで、どうなの? 皆は嫌々ながら集合写真撮ってくれそう?」

八幡「何言ってんだ。いつでも最高の笑顔で撮ってくれるけど、一人インフルエンザで休んでんだよ」

小町「ふーん、まぁ、もう少しだけ待ってあげるよ」



 もう少しだけ。

 もう少しだけ二度寝させて。もう少しだけゲームさせて。もう少しだけ漫画読んでから勉強しよう。

 そんなもう少しだけが……こんなに、こんなにも重たいなんて……。



八幡「心配するな小町。お兄ちゃんは、世界一のお兄ちゃんだってとこ証明してやるからな」

小町「……うん、今の小町の中のお兄ちゃんポイント最高値だよ」エヘヘ

八幡「じゃあ、そろそろ行くな」

小町「あ……、あ、うん…」

八幡「………」ガラッ


廊下


八幡「ぐっ……あぁああ…うぅ…」ポロポロ



 俺は、一人、泣いた。

 泣いて、泣いて、……決心した。



八幡(小町、お前一人を死なせはしない…)

とある夜。


三浦「はぁ!? 絶対無理だし!」

八幡「決めたんだ」

慶「どうしたんだ?」

三浦「慶さん! ヒキオが目的を果たしたら小町ちゃんと一緒に死ぬって!」

慶「………そうか」

八幡「……うす」

三浦「なんで納得してんだよ!」

慶「……いや、納得してねぇ。ほんとなら殴ってでも止めてぇよ」ポロポロ

八幡「慶さん……」


慶「だけどなぁ、こいつが大切な者のために決めたことなら、俺達は笑って送り出してやろうや!!」


三浦「……っ」

八幡「三浦……すまん。俺はお前のために何もできない」

三浦「やだ……やだやだ。あーしは何がなんでも止めるから…」

慶「八幡!!」スッ

八幡「!?」



慶「ラブホ代だ。もってけ」



 その日、俺と三浦は朝までカラオケでチャラヘッチャラを歌った。俺も三浦も、性欲なんて汚れたものに縛られたくなかったからだ。



回想終わり


八幡「そして、今日……目的は果たせた」

結衣「ウゥ・・・…ひっきー…」ポロポロ

葉山「………っ」ポロポロ

雪乃「………」プルプル

八幡「葉山、確かにお前の言いたいことは分かる。いや、最近になって分かるようになった」

葉山「比企谷……」

八幡「だけどな……、俺は……もう、



この世に未練を残したくねぇんだよ……」ポロポロ



結衣「ヒッキー!」ギュッ

葉山「比企谷!!」ギュッ

雪乃「…………………」ナデナデ

結衣「ふふっ、ヒッキーまじキモい笑顔」

八幡「うっせー」

葉山「結衣はどの角度でも可愛いね」

結衣「うわ、隼人君マジでたらしだし」

雪乃「由比ヶ浜さんの嫌いなタイプね。そして私の」

葉山「ははは、手厳しいな……」

八幡「………」




八幡「こういう風に、笑いあえる未来もあったんだな」




結衣「ぞんなごと……いわないでよぉ…」ポロポロ

葉山「ぐっ……」ポロポロ

雪乃「比企谷くん……」

八幡「な、なんだよ。今更嫌味とかいうなよ」

雪乃「いいえ、そんなことは言わないわ」スッ

八幡「何だよそれ」



雪乃「私達……お友達に、なりましょう…」ポロポロ



八幡「ぐっ……」プルプル




 俺は、その細くて壊れそうな手を、しっかりと握った。

 これが、雪ノ下との最初で最後の握手になるのかと思うと、溢れた涙で雪ノ下の顔が見えなくなった。




放課後。校門の外。


八幡「……よし」

三浦「……よしじゃねーし」

八幡「三浦……」

三浦「あーしに挨拶もなしで言っちゃうん?」

八幡「……わりぃ」

三浦「あーあ、やっぱ無理やりにでもセックスしとくんだった!」

八幡「ちょ、おまっ、他の生徒がいるだろ!」アセアセ

三浦「あれ? これから死にに行く人に何の関係があるん?」ニヤニヤ

八幡「ぐっ……」

三浦「なぁヒキオ。



 それが、相手のことを考えるってことだ」



八幡「三浦……」

三浦「もう今更止めやしないけどさ。……小町ちゃんが望むことをしてあげろよ」ギュッ

八幡「……ああ」




 ここで、青洲ラブコメならシリアスな展開にありがちなキスをかわしてさよならをするのだろうけど、俺達はただ抱き合って、……それで離れた。



三浦「あーしのファーストキス。将来超自慢できるかもよ?」

八幡「……お前とキスなんてしたら、


 俺の青春ラブコメが間違っちまうだろ」


三浦「……ほんと、バカ」

病院 小町の病室の前



八幡「………」


 心臓の鼓動がでかすぎて小町は俺がいることに気づいてるんじゃなかろうか。


八幡「……入るぞ」

小町「………」コヒューコヒュー


 呼吸器の付いた小町は、俺の知ってる元気だけが取り柄の最高の妹ではなく、今にも壊れそうなガラスの人形のように繊細さをはなっていた。


八幡「小町、約束の写真だぞ」

小町「………」クイクイ

八幡「ん? 先生を呼ぶのか」

小町「………」クイクイ


 小町は、頷く気力もないのか、人差し指を二度頷かせた。俺はすぐに医者を呼ぶ。


医者「……分かった。だけど、少しだけだからね」

八幡「な、何を?」

医者「……呼吸器を、外します」

八幡「!?」

医者「彼女の意思を尊重してのことです」



 小町の意思。

 俺は、何も言えず何もできず、医者が小町の残り少ない命のろうそくに息を吹きかける行為をただただ見ていることしかできなかった。

 呼吸器から解放された小町は、小さく息を吸い込み、そして、多少弱弱しいながらも、いつもの口調で、



「ごみぃちゃ…ん、や……はろー…」



 相変わらず、世界一可愛い俺の妹だった。



 

汗と涙で視界が滲んでキーボードを打ちこめないので風呂入ってきます!

出てきたら、終わりまで一気に行きます!

ただいまーラストスパートー。

八幡「相変わらず八重歯がキュートだな我が妹よ」ナデナデ

小町「やだキモい」

八幡「……ほれ」

小町「見ない」

八幡「!!」


 意外だった。

 いや、違う。

 俺は、心のどこかで小町の一生を“綺麗なもの”にしようとしていたのだ。

 小町は泣かない。

 小町は弱音をはかない。

 小町は笑って、旅立つ。

 まただ。

 俺は、ここにきて、小町との約束、小町のための進化、小町のための人生、



 全て“小町のため”という言葉を利用して、自分の人生を美談で終わらせようとしていたのだ。



小町「だって……見たら…、もう、小町――







 生きる目的、なくなっちゃうじゃん。





八幡「あ……」ガクッ


 俺は……何も言えなかった。

 小町は、弱音をはきたかったのだ。

 小町は、死にたくないと叫びたかったのだ。

 小町は、お兄ちゃん行かないでと言いたかったのだ。

 小町は、なんで自分だけと人生を嘆きたかったのだ。



 それを、俺が……“壊した”。



 ダメな兄貴だから。

 ダメな兄貴を持った妹だから。

 ダメな兄貴を持った妹だから……最後まで頑張らなくちゃ。



八幡「小町ぃいいいいい!!」



 俺は、気付いたら土下座をしていた。



小町「ごみぃちゃん……下の方に…かくれ…たら……みえない…よ」

八幡「すまん! 本当にすまん!! 俺が! 俺が!!」

小町「何言ってるのか……分からないよ…」ハァハァ

八幡「小町!?」

小町「はぁはぁ……んっ…」


 呼吸が乱れ、顔を苦痛にゆがませる。


八幡「小町! 小町!!」


 必死に呼びかけるも、全く届かない。


小町「おに……いちゃん…どこ…」


 棒のように細くなった腕が、俺を求めてゆらゆらと揺れる。


八幡「ど、どうすれば……」


 医者だ。

 医者を呼んで何とかしてもらわなければ……。

 はやく、はや――。


八幡「え………」


 彼は、いつものように頭を盛りに盛って。

 彼は、いつものように顔を黒く染めて。

 彼は、いつものように誰かを笑わせるために。


 この病室へと現れた。


慶「ぐっちょりっすモーニング!」ヨッ



八幡「慶……さん」

慶「なんだよ、しけた面すんなって! お前もチャラ男だろ!?」

八幡「………」

慶「いや、違う。



 お前も、“人を笑わせるプロ”だろ」



八幡「!!」

八幡「でも! 小町が!!」

小町「はぁはぁ……」

慶「八幡、俺はずっとお前に言うべきかどうか迷っていたことがある」

八幡「えっ!?」



慶「笑いはな……病を治すんだ」



八幡「!!」

慶「まぁまだ完ぺきに立証された訳じゃないけどな。でも、俺は確かにあると思う」

八幡「笑いが……病を治す…」

慶「それにお前には愛もある」トントン

八幡「慶さん……」



慶「やってみろよ。奇跡って奴を起こして見せな」ニッ



八幡「はいっ!!」



 失敗したら、非常識だと罵られるかもしれない。

 両親は俺を殴るかもしれない。

 皆は俺を変人扱いするかもしれない。

 何もかも失うかもしれない。



八幡「……けど、俺は…」




 






 小町以外、何も要らない。





 

八幡「はいどーもー! ぼっち芸人の八幡でーす! はい、ぼっち☆」イェイ

小町「………」

八幡「と言う訳でねー、今から小町のために一人漫才する訳ですけど、どうですか聞き手の気持ちとしては」

小町「………」

八幡「って、喋れないよねー!」アチャーッ

小町「………」

八幡「それじゃあ、そんな小町ちゃんのために、面白いコントを用意しました!



 ショートコント、“こんな病院は間違っている”」



八幡「いやー、風邪ひいちゃったなぁ、でもここってすげー病院だからすぐ治るって聞いたんだよなー。何がスゲーんだろうなぁ」

小町「………」

八幡「何なに? 最初に、重要事項を記入してください? ふんふん」

慶「………」

八幡「えっと、最初に質問は……“死んでも文句を言わない”って、重要すぎるわっ! なんで風邪ごときで命のサインしなきゃいけないんだよ!」

小町「………」

八幡「続きまして


 ショートコント“ラブレター”」


八幡「いやー、ラブレター貰っちゃったようれしいなぁ」ビリビリ

小町「………」

八幡「なになに? 死んでも文句言わないってさっきの病院じゃねぇかこれ!」

小町「………くすっ」


八幡&慶「!!」


八幡「続きまして


ショートコント“死んでも文句言わない”って何回病院かぶせんだよ!」


小町「あはっ、あははっ!」

八幡「はは、はははっ!」ポロポロ

慶「ははは!」ポロポロ




 それは、もはや奇跡と言うよりは“何かの間違い”に近い部類の現象。



小町「ごみぃちゃん! 早く行こうよー!」

八幡「ちょっと待てよ。てかお前、ほんとよくウチの学校来れたな」

小町「へへーん、愛の力ですよ」

八幡「……たく」



 医者でも説明ができなかった“小町の回復”。

 それは、九割九分“小町自身の奇跡”が起こしたこと。




 しかし俺も、小町も、そうは思っていない。




小町「いやー、お兄ちゃんに愛されて小町は幸せですなー。あ、今の小町的にポイント高い!」

八幡「ああ、そうだな」

結衣「ヒッキー! 小町ちゃーん! やっはろー!」

小町「やっはろー結衣さん!」

三浦「ヒキオーーー!」ギューッ

八幡「は、離れて……」

三浦「えぇ、良いじゃん!」ギューッ

小町「だめです! そこは小町のポジションです! ……あ、でも反対は一名様空いてますよ?」

三浦&結衣「!!」ダッ

雪乃「おはよう比企谷君」ギュッ

三浦&結衣「ああっ!!」ガーン



 中学生のころ、将来自分は巨乳の図書委員が本棚の上から落ちてきたり、

 ショートカットのスパッツ少女が“スパッツだから大丈夫だ”とスカートをめくったり、

 イチゴ柄のパンツをはいた黒髪ロングの転校生に抱きつかれたりするものだと思っていた。


 それが、自分の青春ラブコメだと信じて疑わなかった。


 けれど、


小町「小町は一度死んだ身なので、お兄ちゃんと結婚しても良いってお父さんが許可くれたんです!」


 俺と結婚する気満々の妹と、


三浦「それじゃあーしは愛人でいいや。身体だけの関係」


 セックスする気満々の女王様と、


雪乃「あら、それじゃあ私は法律を変えて第二夫人にでもなろうかしら」


 本当に法律を変えてしまいそうな変わり者と、


結衣「うー、じゃあ私はペットになる!」


 巨乳の天然猪突猛進女に囲まれた生活を送っている。



八幡「うーむ」








「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」







完?

終わりです!

やっぱあ―し様が一番や!!


 夏休み。

 人は言う(幻聴)。

「お前はぼっちだからやること変わらないよな」

 あーはいはい。そうですか。



 んな訳あるかボケ!!



 お前らはぼっちの苦労を何一つ知らないし、分かろうともしていない。

 トップカーストが近くの席に座るだけで内心ドキドキしてること。

 休憩中はなるべく周囲に迷惑をかけないように寝たふりをすること。

 クラスメイトと目があったら、その先を見ている振りをして誤魔化すこと。



 学校は勉強以外のことを学ぶところだ。



 ああ、確かにその通りですよ。

 俺は学校に通って色々なことを学んだ。

 親友という言葉は虚構と同意義であること。

 凡人の努力は天才の潤滑油であること。

 そして何より、


 青春という言葉は人生を無駄にする。ということ。



 第二章『 白い雲のように 』



 


 夏休み。

 歴史でも類を見ないくらいの奇跡で病状を回復させた小町は、比企谷家で療養することとなった。

 両親は仕事であるため、世話は俺がすることとなった。まぁ、それ以外にもいろいろと理由あってのことだが。


「いやー、お兄ちゃんは役得だね~。こんな可愛いJCの身体を好き勝手にいじくれるんだから」


 おいおい、誤解されるような言い方をするな。俺は何の他意もなくただ身体を拭くだけなのに。だけなのに。


「それにしても細いな、つまようじみたいだ」

「もう、そんな言い方したらお兄ちゃんポイント低い!」

「ああ、すまんすまん。あまりに魅力的でつい照れ隠ししちゃったよてへ」

「……お兄ちゃん…小町……魅力的?」


 言葉は照れているように聞こえるが、その表情は暗い。

 骨と皮だけの小町の腕は女性として何一つ魅力を兼ね備えてはいないからだ。

 それでも俺は間髪いれず、


「ああ、魅力的過ぎて勃起しそう」

「ごみぃちゃん!」


TV<腐った魚クソヤロウ

TV<どっwww


「………」

「この人って面白いよねー」

「ああ、有吉さんか?」

「知り合いなの?」

「慶さんのね」

「へー、有名なんだぁ」

「昔はCDを出したり世界中を旅させられたりすごいテレビ出てたんだぞ」

「ふーん」


TV<あいつらクソヤロウだなっww

TV<どっwww


「………」

「お兄ちゃん……」

「ん?」

「この人のスタイルってお兄ちゃんの得意分野じゃない?」

「………」



 俺の夏休みの予定はDVD観賞と動画漁りに決まった瞬間だった。



二学期。

結衣「久しぶりヒッキー!」

八幡「おう、久しぶりだなクソビッチwww」

結衣「なっ!?」

八幡「ん? どうした?」

結衣「な、なんでもない……」

結衣(ヒッキーってあんな笑い方する人だっけ……)

三浦「ヒキオ久しぶり」

八幡「ああ、久しぶりだな」

三浦「夏休み小町ちゃんのお世話だっていうから連絡控えたけど、今日からはいっぱい相手してもらうからねー」

八幡「でたよww 人の予定を勝手に決める奴ww」

三浦「?」カチン

八幡「さ、教室行こうぜ」

三浦&結衣「「……???」」

教室

八幡「………」

葉山「比企谷君久しぶり」

八幡「ああ」

葉山「もう、あのノリはしないのかい?」

八幡「おいおい、勘弁してくれよ。慶さんみたいに面白い人だから良いんだよ」

葉山「……そうか」

八幡「……?」

八幡(案外早く引いたな…)

戸塚「八幡! 久しぶり!」

八幡「彩加、結婚しよっか」

戸塚「ふぇぇ!?」

クラスメイト「「!?」」ガタッ

八幡「冗談だよ冗談ww」

戸塚「そ、そっかぁ、そうだよねぇ」アハハ

クラスメイト(あの人が冗談を……)

ロングホームルーム


八幡「なん……だと…?」

平塚「比企谷ー、ロングホームルームで寝る奴が悪いんだぞー。まぁお前ならうまくやれるだろ」



文化祭実行委員 比企谷八幡



八幡「………」





葉山「相模さんが適役だよね」

一同<相模さんだなー

相模「え、そ、そうかな///」

八幡「でたww めんどくさいのたらい回しwww」

相模「う、ウチやってみる!」

一同<パチパチパチ

放課後。文化祭会議。


めぐり「それじゃあ、まずは実行委員長を決めようかと思うだけど……あ、雪ノ下さん?」

雪乃「………」ペコリ

めぐり「やっぱり陽乃先輩の妹さんだね!」

雪乃「………」

めぐり「それじゃあ、実行委員ちょ「やりません」

めぐり「……実行いい「やりません」

めぐり「あう……」



相模「ウチやってみようかな……」ハイ



八幡「出たよww 計画もないのにやってみようとか思う奴www」

めぐり「それじゃあ、えっと……」

相模「相模です。相模南」

めぐり「相模さん。それじゃあお願いしますね!」

相模「は、はいっ!」

これとりあえず小町の体の方は大丈夫になってるの?

相模「あ、あの……ウチ、こういうの初めてで何かとご迷惑をかけるかもしれませんが、この文化祭を通して成長出来たらなーなんて思ってます」

一同<パチパチパチ

相模「………///」





相模「う、ウチすごい恥ずかしい事言ったかも///」

ゆっこ「えー、そんなことないよぉ」

遥「すごいよかったよー」

八幡「………」

>>130 ガン自体は奇跡でなんとかなりました。衰弱を夏休み期間になんとかしたので、今はほぼ元気な小町ちゃんです。

奉仕部 部室

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「………」

八幡「なぁ雪ノ下」

雪乃「ごめんなさいそれは無理」

八幡「そっかーそうだよなぁ」

結衣「えっ?」

結衣(今の伝わったの!?)

八幡「じゃあさー雪ノ下ー」

雪乃「ごめんなさいそれも無理」

八幡「そりゃそうか」

結衣「!?」

結衣(えぇ!?)

雪乃「文化祭の間、奉仕部は休部します」

八幡「ああ」

結衣「えぇ!?」

結衣(そ、そりゃ私も当分出れないって言おうとしたけど、なんか二人だけ言葉の伝導率高くない!?)

八幡「たとえ上手かwww上田かww」

結衣「えっ!?」



―――がらっ



相模「あのー、ここが奉仕部ですかー?」

八幡「ごめんなさいそれは無理」

相模「そうですよね……」トボトボ

結衣「え、えぇ!?」

雪乃「何を勝手に拒否してるのキョヒタニ君」

八幡「それ中々可愛いな」

雪乃「冗談は顔だけにして」

相模「あ、あのぉ……」

雪乃「ああ、えーっと何だったかしら」

相模「あのね、実は――」

雪乃「つまり、奉仕部で文化祭の成功をサポートしてほしいと」

相模「ウチ1人だったら自信ないし、皆に迷惑かけたくないっていうかぁ」

八幡「お前はすでに迷惑振りまいて冬の新潟みたいになってることに気付けww」

雪乃「………いいわ」

結衣「ゆきのん!?」

相模「やった!」

八幡「………」イライラ



八幡怒り心頭度 15%



短いですがいったんここまで。

有吉さんの空気芸難しすぎだぜ!

ひなだお
おいたんにいっぱい中出しされたお
そらねーたんが泣いてたお
みうねーたんも泣いてたお
おいたんは土下座してたお
ひなたちバラバラに引き取られるみたいだお
パトカーも来てたお
ひなは疲れたから寝うお
おやすみだお

>>146
パクってんじゃねえよ


[ひなの日常だお(fullバージョン)]


ひなだお
おいたんにいっぱい中出しされたお
そらねーたんが泣いてたお
みうねーたんも泣いてたお
おいたんは土下座してたお
ひなは疲れたから寝うお
おやすみだお

ひなだお
朝起きたらみうねーたんが中出しされてたお
そらねーたんがこわれたお
みうねーたんのおま○こもこわれたお
ひなは今から保育所にいくお
おいたんは上機嫌だお

ひなだお
保育所から帰ってきたお
そらねーたんが中出しされてたお
みうねーたんも中出しされてたお
ひなも中出しされたお
おいたんは4Pだって言ってたお

ひなだお
おいたんと4Pしてたら叔母さんがきたお
叔母さんが警察をよんだお
おいたんが捕まったお
そらねーたんが泣いてたお
みうねーたんも泣いてたお
ひなも泣いてたお

ひなだお
おいたんはもういないお
そらねーたんは全寮制の学校に
みうねーたんは伯父さん家に
ひなは叔母さんに引き取られたお
もう二度とおいたんに会えないと言われたお

ひなだお
股間が疼くお
そらねーたんも
みうねーたんも
疼くって言ってたお

「「「おいたん(おじさん)(おにいちゃん)、早く帰ってきて(お)!!!!!」」」


[ひなの日常だお(fullバージョン)]


ひなだお
おいたんにいっぱい中出しされたお
そらねーたんが泣いてたお
みうねーたんも泣いてたお
おいたんは土下座してたお
ひなは疲れたから寝うお
おやすみだお

ひなだお
朝起きたらみうねーたんが中出しされてたお
そらねーたんがこわれたお
みうねーたんのおま○こもこわれたお
ひなは今から保育所にいくお
おいたんは上機嫌だお

ひなだお
保育所から帰ってきたお
そらねーたんが中出しされてたお
みうねーたんも中出しされてたお
ひなも中出しされたお
おいたんは4Pだって言ってたお

ひなだお
おいたんと4Pしてたら叔母さんがきたお
叔母さんが警察をよんだお
おいたんが捕まったお
そらねーたんが泣いてたお
みうねーたんも泣いてたお
ひなも泣いてたお

ひなだお
おいたんはもういないお
そらねーたんは全寮制の学校に
みうねーたんは伯父さん家に
ひなは叔母さんに引き取られたお
もう二度とおいたんに会えないと言われたお

ひなだお
股間が疼くお
そらねーたんも
みうねーたんも
疼くって言ってたお

「「「おいたん(おじさん)(おにいちゃん)、早く帰ってきて(お)!!!!!」」」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月08日 (水) 05:34:40   ID: UzXG210O

あーしの口調がなんか変
一番とか言ってる割に理解が浅いな

2 :  SS好きの774さん   2015年05月22日 (金) 07:01:47   ID: pMlg1uYt

なぜ俺ガイルには荒らしが沸くのか.......

3 :  SS好きの774さん   2016年08月27日 (土) 23:02:06   ID: a4yW0Rov

薄いな

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