凛「プロデューサーに冷たくする?」 (188)

凛「え、どういう事?いきなり何言ってるのちひろさん」

ちひろ「まぁまぁ、とりあえず話を聞いてください凛ちゃん。あと振り上げた椅子を下ろして下さい」

ちひろ「今更だとは思うんですけどね、上の方から釘を刺されてしまいまして」

ちひろ「担当アイドル達と仲が良いのは悪いことではないが、些か度が過ぎてはいないか、って」

凛「何を今更」

ちひろ「全くです」

凛「…そういう話って、プロデューサーの方にするのが普通じゃない?」

ちひろ「一応上からこういう注意を受けた、とは伝えたんですけどね。「前向きに検討します」って」

凛「検討する気が無い人の常套句だね」

ちひろ「と、言うわけなので今後お願いしますね」

凛「うん、話は分かったよ。絶対嫌だけど」

ちひろ「ありがとう。他の娘達にもお話しておきますから…」

ちひろ「…はい?」

凛「絶対嫌」

ちひろ「いや、嫌じゃなくて、注意されたんですってば」

凛「嫌っ」

ちひろ「凛ちゃん」

凛「絶対にNO」

ちひろ「お願い1レス目で終わっちゃう」

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ありす「はい?どういうことですか?」

ちひろ「まずは落ち着いて話を聞いてねありすちゃん。あと振り上げたタブレットを下ろして。角当てられると痛そう」

ありす「……はぁ、まあ経緯は把握しましたが、今更なお話ですね」

ちひろ「まったくです」

ちひろ「でも、上からそういう注意を受けてしまったので今後はプロデューサーさんとの接し方をもう少し抑え目にお願いね」

ありす「はい、わかりました。真っ平御免ですけど」

ありす「あと橘です」

ちひろ「ありがとうありすちゃん」

ちひろ「…って、はい?」

ありす「橘です」

ありす「ちひろさんの言いたい事は理解しました。その点に関してはわかりました。ですがそれを承諾するかどうかは別問題です」

ちひろ「あ、ありすちゃん?」

ありす「橘です」

ありす「プロデューサーは待ってくれるとは言ってくれましたが、この事務所には隙あらばプロデューサーにちょっかいをかける輩がいるので油断出来ません」

ちひろ「いやいや、だからそういうのが問題視されてるんだって…」

ありす「とにかくお話は分かりました。ですがお断りです」

ちひろ「ありすちゃん」

ありす「橘です。お話は以上ですよね?では失礼します。急がないとプロデューサーのお膝が取られてしまいますから」スタスタ

ちひろ「ありすちゃんちょっと待って!そういう争奪戦が問題なのありすちゃん!ありすちゃーんカムバーック!」

ちひろ「駄目だ…どいつもこいつも聞く耳持ちやしねぇ」

ちひろ「まゆちゃんやゆかりちゃんに到っては説明してる途中から祟り神様みたいな目になっちゃうし」

ちひろ「芳乃ちゃんなんて話を切り出そうとしただけで事務所の中庭に落雷が起きたし」

ちひろ「…仕方ない、予定通りプランβでいきましょう」


----------------------------------------------------------------------

P「おはようございます」ガチャッ

ちひろ「おはようございますプロデューサーさん。出勤姿なんて珍しいですね」

P「はっはっはっ、流石にたまには家に帰りますよ。ぶっちゃけ事務所に寝泊りする割合のほうが遥かに多いんですけどねぇ」

ガチャッ

凛「おはようございます…」

ちひろ「あ、おはようございます凛ちゃん」

P「おー、おはようしぶりん。早いな」

凛「…」チラッ

凛「」プイッ

P「…あれ?」

ちひろ「どうしたんですか、プロデューサーさん」

P「いや、心なしか凛が……いや、なんでもないです」

P「さ、仕事仕事。社畜は働くでごぜーますよ」カタカタカタカタカタカタ

ちひろ(…出だしは好調、といったところでしょうか…?)チラッ

P「どうしたんですかちひろさん、鳩がアトミックバズーカ食らったような顔して」カタカタカタカタカタカタ

ちひろ「ああ、今日も寒くなりそうだなぁ、なんてつい考えちゃってました」

P「冷えそうですよねぇ……あ、企画書出来上がったんで行って来ますね」ガタッ

ちひろ「えっ早っ!い、いってらっしゃい…」

ちひろ(…さて、大変なのはこれからなんですよねぇ…)

P「さてどうしよう。デスクワークがもう終わってしまったぞ」テクテク

P「営業回りにでも行くかな……お、あの後姿は」

P「おーい、みくー」

みく「……」クルッ

P「おはようみく。どうした、いつもの無駄な元気が無いぞ?」

みく「おはようございます、プロデューサーさん」ペコッ

みく「何かご用でしょうか?」

P「……え、いや、ただ見かけたから挨拶しただけなんだけ、ど…」

みく「そうですか。…すいません、これからレッスンなので失礼しますね」ペコッ

みく「では」スタスタ

P「…」

P「……」


P「誰だアイツ」

ありす「プロデューサー」

P「うぉっ!ビックリした……いつの間に背後に」

ありす「おはようございます」

P「ああ、おはよう橘さん。なぁ、何か今日みんなの様子が…」

ありす「すみませんが、通路の真ん中でボーッと立っていられると通りにくいので端に寄ってもらえませんか?」

P「えっ?あ、ああ、ごめんごめん」

ありす「…」スッ

P「あ、ちょ、ちょっと橘さん?」ガシッ

ありす「…っ!」キッ

ありす「…何か?」

P「え……い、いや…」

ありす「用が無いなら、失礼します」バッ スタスタ

P「…」

P(まるで親の仇でも見るかのような目で…)

P「…何かしたっけ、俺……」

P(うーむ…凛もみくも橘さんも様子がおかしいな…また晶葉の珍発明か、はたまたハスハスの怪しいクスリか、ゴルゴム千川の企みか…)

P(…特に身に覚えが無いしなぁ…単に機嫌が悪いだけかもな、うん)

P「おっと、そろそろ時間か。幸子をスタジオに送るって約束だったもんな」



輝子「フヒ…さ、さっちゃんなら…もう、ひ、一人で行った…」

P「は?昨日あれだけ「カワイイボクの送迎を任されるなんて名誉は末代まで誇れる自慢ですよ!」とかウザ絡みしながら頼んできてたクセに」

P「幸子も何か様子がおかしいな……なぁ輝子、何か知らないか?」

輝子「し、知らない……あ、あと、あんまり、近づかないで…」ススッ

P「…輝子?」

輝子「ま、マイフレンド達が待ってるんだ…も、もう行くからな…」

P「…」

P(ちょっと手を伸ばしただけで、まるで怯えたようにビクって震えて…)

P(…)

P「俺、やっぱ何かしたのかなぁ…」

P「とりあえず幸子にメールしておくか」カチカチ

P「…」

P「……」

P「おかしい。普段なら2分以内には返信くるのに」

P(よく見たら、俺のデスクの下もさっぱり綺麗になってる)

P(いつもなら森久保とか輝子とか森久保とか森久保が居ついて足も入らない状態なのに…)

P「はぁ…足が伸ばせて使いやすいなぁ」ギシッ

P「…」

P「…使いやすいのに、何でちょっと寂しいんだろうなぁ…」ギコギコ

P「…」カタカタカタカタカタカタカタカタ

P(やっべ、仕事超はかどるわ…普段どれだけアイドル達にちよっかいかけてたんだ俺)カタカタカタカタ

ちひろ「プロデューサーさん、私の机の上の書類知りませんか?」

P「ああ、今やってるところです」カタカタカタカタ

ちひろ「ちょっ」

P「もう直ぐ終わるんでモバコインでも数えててくださいな」カタカタカタカタ

ちひろ(うっわぁ、効果抜群じゃないですかぁ……)

ちひろ(若干、プロデューサーさんの目のハイライトが薄くなってきている気がするのは考えないようにしましょう)

まゆ「ただいま戻りましたぁ」ガチャッ

晴「うぃーっす」

ちひろ「おかえりなさいまゆちゃん、晴ちゃん」

P「おかえり二人とも」

P(まゆに晴…どちらもこの事務所きってのちょろ娘だけど……)

まゆ「ちひろさん、今日この後私何かスケジュール入ってますかぁ?」

ちひろ「えっと、まゆちゃんは今日はさっきの収録で終わりですね。あ、晴ちゃんももう上がりですよ」

P(…スケジュールなんて普段は俺に聞いてくるのにな。むしろ人のスケジュール表をいつの間にかコピーしている事すらあるってのに)カタカタカタ

P「あー…、そろそろ昼だし、2人ともよかったら外に食べにでもいくか?」

まゆ「…」ジロッ

晴「…」チラッ

P(う゛っ…、声をかけた途端二人揃って表情が消えたんですけど…)

まゆ「…ごめんなさい。プロデューサーさんとは、ちょっと…」

晴「俺もパス。ありすでも誘ってくるわ」スタスタ

まゆ「あ、私も凛ちゃん達誘うことにしましょうかぁ」スタスタ

P「…」

ちひろ「プロデューサーさん、大丈夫ですか?」

P「…ちょっとお花摘みにいってまいります」ガタッ

ちひろ「えっ?あ、はい。ごゆっくり…」




P「うぉぉぉぉぉぉ…!」キリキリキリキリ

P(まゆが「プロデューサーさん」って、「プロデューサーさん」って…)

P(晴もまゆも、あんな冷たい目で……何なんだ、俺本当に何かしたか?)

P「うぐっ…、ヤバい、何も喰ってないのに吐きそう……ってかこのままだと血でも吐きそうだ…」キリキリキリキリ

P(デスクワークはかどりすぎて数日先の分まで終わっちまった…)

P(このままだと本当に吐血しかねん、気分転換にちょっとフラつこう…)

P(…ああ、そう言えばまだ昼飯食ってなかったな…)

P「…」

P(事務所のカフェはやめておこう…外にいくか)



P「あ」

美嘉「…」ジロッ

莉嘉「…」ジロリ

P「ぐ、偶然だな。お前達も昼飯か?」

美嘉「まぁ、そうだけど…それが何?」

P(うぐっ…!い、胃に、胃に響く…美嘉の聞いたことも無いような冷たい声が…)キリキリ

莉嘉「…お姉ちゃん、もう行こ?」

美嘉「そうだね、せっかく久しぶりに莉嘉とランチだったのに…」ボソッ

P「」キリキリキリキリ

P「そ、そんな慌てて出て行かなくても…。何なら昼ぐらい奢るぞ?なぁ」

美嘉「いいって、そういうの。…ほら行くよ莉嘉」

P「ちょ、ちょっと待てって…」

バンッ!

P「…っ!」ビクッ

美嘉「…莉嘉、やめな。気持ちはわかるけどさ」

莉嘉「だって…」チラッ

美嘉「いいから、お店の迷惑になるでしょ」スタスタ

莉嘉「…はぁ~い」スタスタ

P「…」

P(……俺も出るか)

P(もはや、胃が飯を受け付ける状態では無くなってるっぽいし…)キリキリキリ

P(凍りつくような美嘉の視線と声色、莉嘉のあの見たくないものを見てしまったかのような眼差し…)

P(…富士の樹海ってここからどれぐらいで行けるのかなぁ…)

いい感じにほのぼのしてきたところで寝るどす

P(…結局飯食えなかったな…)

P(まあ、食べてもまともに胃が受け付けてくれるか怪しいけどな…)キリキリ

P(…胃薬でも買ってきたほうがよかったかな)

P「戻りましたー」ガチャッ

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん」

薫「あっ」ビクッ

みりあ「っ」キュッ

P「…」

P「2人も戻ってきてたのか」

みりあ「あ、え、えっと…」

薫「ダメだよっ、みりあちゃん」グイッ

P「か、薫…?」

薫「おつかれさまです、プロデューサーさん。薫たちもう行きますね」

薫「ほら、みりあちゃん行こっ?」

みりあ「あ、うん…」

P「あ、ちょっ、みりあ!」

みりあ「っ!?」ビクッ

P「あっ…」

薫「みりあちゃん!ほらっ」グイッ タタッ

みりあ「…っ」タタッ

P(…他人行儀な薫と、怯えるみりあ、か…)

P(…キツい。年少組からああいう態度されるのは特にキツい…)キリキリ

ちひろ「だ、大丈夫ですか?」

P「大丈夫だ、問題ない」

P「がふっ」ゴフッ

ちひろ「全然大丈夫そうに見えないんですけど!」

P「大丈夫です…すいません、ちょっとトイレに」

ちひろ「あ、はい。どうぞごゆっくり…」

ちひろ「…」

ちひろ「順調、かしらね…」ボソッ


P「ゲホッ、ゲホッ!」

P「うぉぉ…胃が空っぽなのにものすごい吐き気がする…」

P(多分、もう胃に穴空いてるんじゃねえか、俺…)

P「…はぁ」

P「薫やみりあ達にまで避けられてるとは…気が付かないうちに何かやらかしたのか?」

P「…」

P「……「また」、やらかしたのかな、俺…」


P(…いかん、事務所に戻るのが若干怖くなってきた…)

P(そうも言ってられないんだけどね、仕事あるし……よし、覚悟完了。いくぜ!)ガチャッ

ちひろ「あ、戻ってきましたね。大丈夫ですか?」

P「ええ、まぁ…」

楓「…」チラッ

千秋「…」チラリ

P(すいませんやっぱり大丈夫じゃないかもしれません…)キリキリ

千秋「酷い顔ね…仮にもプロデューサーともあろう人が、アイドルの前で見せる顔かしら」

P「…すまん」

千秋「別に謝らなくてもいいわよ。…もういいわ。用は済んだ事だし、長居は無用ね」

P「千秋……。…楓さん…?」

楓「…」フイッ

P(こっちは目も合わせてくれないか…言葉を交わしてくれる分千秋のほうがマシなのかな)キリキリ

千秋「じゃあ、収録に行ってくるわ。くれぐれも迎えになんか来たりしないで頂戴ね」

P「ああ、分かった。気をつけるよ」

楓「…」ハァ

P「…」

P(千秋は分かりやすく攻撃的だな……でも、すれ違いざまに露骨にに溜息つかれるのもキくんですけどね…)

ガチャッ バタンッ

P(…前言撤回。大人組でもこれはキツいっす)

P「…あ、そう言や週末飲みにって楓さんに誘われてたんだっけ…」

P「……一応、追いかけて聞くだけ聞いてようか」

バァンッ!

P「っ!」ビクッ

P(えっ、何?廊下から凄ぇ音したんだけど…)

P(…)

P(追いかけないほうが、いいよなぁ…)

ちひろ「大丈夫ですかプロデューサーさん、顔色凄く悪いですよ?」

P「あ~…、すいません、胃薬とかありません?」

ちひろ「スタドリならあるんですけど」

P「ですよねぇ」

P「…はぁ」

ちひろ「プロデューサーさん、お疲れみたいですね」

P「まあ、流石にちょっと…。…ちひろさん、今日のみんな様子がおかしくないですか?」

ちひろ「そんなことは無いと思いますけど。みんないつも通りですよ?」

P(そりゃまあ、ちひろさんには、ね)

P「変なこと聞きましたね、忘れてください」

ちひろ「…?」

程よくマッタリした雰囲気になってきたので寝るどす

--------------------------------
P「…」カタカタカタカタカタカタカタカタ

P「うし、終わった」

P(もうこんな時間か…結局一日中あの調子だったな…)



未央「ごめん、仕事の話じゃないなら行っていい?」

加蓮「…気分悪くなるからさ、あんまり近づかないでくれるかな」

杏「え~…何か用?飴げるからって、いいよ別に」

きらり「すいません、ちょっと急いでますので」

雪美「………嫌っ」

時子「生意気に人間様の言葉を吐くんじゃないわよ豚の分際で」

瑞樹「わかりたくもないわ」

菜々「ウサミン星の規則でプロデューサーさんとお仕事以外でお話するのは、ちょっと…」

こずえ「こないでぇー…」



P(生まれて初めて自分の心が折れる音を聞いたわ)

P(何なんだろ、本当に。新手のドッキリか何かなのかな…)

P(それとも…)


-…嘘吐き-


P(……)

P(いかん、思い出さないようにせねば)

P「願わくば、明日になったら元通りになってくれてるといいんだけど…」

P「おはようごぜーますー」ガチャッ

ガタッ

P「…」

ちひろ「あ、おはようございますプロデューサーさん」

P「おはようですちひろさん」

P(…願いは虚しく、か…)チラッ

凛「…」ジロッ

卯月「…」ソワソワ

幸子「…」ギリッ

P(俺が来た途端に露骨に空気変わったなぁ…)

P(睨まれてたり、あからさまに居心地悪そうな顔されたり、挙句の果てには歯軋りですか、はしたないですよ輿水さん)

P(…ここにいてもみんな気分が悪いみたいだし、余所で仕事するかな…)

ちひろ「あれ、プロデューサーさんお出かけですか?」

P「ええ、今日はちょっと外で仕事やろうかと」

ちひろ「そんな事言ってサボッたりしないでくださいね?」

P「はっはっはっ」

ちひろ「ちょっと、否定してくださいよ」

P(ちひろさんだけは今まで通りなんだよなぁ…ちひろさんの仕業か?いやいや、それは考えすぎか)

P「…」チラッ

凛「…」チッ

卯月「っ」ビクッ

幸子「…」ギリギリギリギリ

P(ちょっと視線を向けただけでこの反応か……思春期の娘を持つ父親って、こういう気分なのかな)

P「じゃあ、ちょっと出てきますね」

ちひろ「はい、いってらっしゃい。サボらないでくださいねー」

P「はっはっはっ」

ちひろ「おいだから否定しろよ」


P(…あの空気と視線の中にいつまでもいられる自信が無い…)

P(いつまで続くんだろうな、これ…)

P(1日経っても元に戻らないとは…)

P(でもまあ、そのうち元通りになるだろうし、もう少し頑張るとしよう)

P(…)


P(…元に、戻る……んだよな?)




P(けど、その次の日も、また次の日も、アイドル達の態度は戻らなかった)

P(…元通りって、何なんだろうな…)



P(今日でちょうど1週間目。さすがにそろそろ諦め始めてき始めた…)

P「…」カタカタカタカタカタカタ

ガチャッ

P「っ」ビクッ

ちひろ「おはようございます。…あら、お早いですねプロデューサーさん」

P「ええ、まあ」カタカタカタカタ

ちひろ「また事務所に泊まったんですか?」

P「はは、すいません。キリのいいところで帰ろうとしたんですけどね」カタカタカタカタ

ガチャッ

P「」ビクッ

凛「…おはようございます……」

まゆ「おはようございますぅ」

ちひろ「おはよう、凛ちゃんまゆちゃん。珍しいですね、2人揃ってだなんて」

凛「まあ、そういう日もあるよ、たまにはね」

まゆ「そうですねえ。たまには、ですけど」

P「おはよう、凛、まゆ」

凛「…っ」ビクッ

まゆ「~っ!」ビクンッ

P「…さて、と…。じゃあちひろさん。ちょっと出掛けてきますね」

ちひろ「また外でお仕事ですか?サボらないでくださいね、ホントに」

P「はっはっはっ」

ちひろ「だから否定してくださいってば」

P「じゃあ、2人とも今日も1日頑張ってくれな」スタスタ バタンッ


凛「…ねぇ」

まゆ「…はい」



P「フン フン フフーン フンフフー、 Pレデリカー」スタスタ

P「…あかん、語呂が悪すぎる」

ルキトレ「あ、こんにちはプロデューサーさ…っ!」

P「んっ?ああ、こんにちはルキトレさん。…どうしました。鳩が食べるラー油投げつけられたような顔して」

ルキトレ「あ、えっと…な、何かあったんですか?」

P「…いいえ、どうしたんですか。俺の顔に何かついてます?」

ルキトレ「あ、あの…目、目が…」

P「目?」

P「……何だか、怖がらせちゃってるみたいですね。すいません、失礼しますね」

ルキトレ「あっ、ち、違うんです!プロデューサーさんっ!?」


P(まいったな、トレーナーさん達にも影響出してるみたいだなぁ、俺…)テクテク

P(仕方ない、今日も外で仕事進めるか)

P(さぁて仕事仕事)



P(…何のために、シゴトしてるんだっけ…?)

プロデューサーが悟り始めたところで寝るどす

P「…」カタカタカタカタ」

P「…うし、終わりっと」ッターン

P(いやぁ、仕事はかどりすぎるのも困り者だな……時間余っちまったけど、事務所に戻るのも、なぁ…)

P(…)

P(特に今は必要ないんだけど、営業でもいくか)

P(働かないとな。もっと、もっと仕事しないと…)

P(仕事、仕事しないと……仕事、しごと、しごと、シゴト…)




P(……ダレノタメニ?)





凛「…」

まゆ「…」

ちひろ「どうしんですか、二人ともそんなグッタリしちゃって」

凛「…よくもまぁ、いけしゃあしゃあと…」

まゆ「まゆ達、いつまでこんなこと続けないといけないんですかぁ…?」

ちひろ「仕方ないですよ。上から警告を受けてしまったんですから」

ちひろ「凛ちゃん達は今はもう立派な人気アイドルなんです。プロデューサーさん相手とは言え、特定の異性と過度に親しくしたりスキンシップが激しくなったりするのはスキャンダルになりかねませんからね」

凛「だからって、ここまでしなくても…」

まゆ「Pさんとお話したいです…Pさん、Pさん…」

ちひろ「我慢してください。どこから見られているか分からないんですから」

凛「…私、あんなプロデューサーの顔見た事ないよ…」

まゆ「まゆもですよぉ……最近夢にも見ます、Pさんのあの悲しそうな目……うぅ~…お、お腹が…」キリキリ

Pさん独立すればよくね?アイドル達ごっそり付いてきそうだけど

でも上からの指示をこなしてるだけだからちひろは別に悪くないんだよな…

悪魔「一緒にしないでほしい」

凛「でも、絶対おかしいよね…昨日の今日で突然「冷たくしろ」なんてさ。理不尽というよりもう無茶苦茶だよ」

ちひろ「上からのお達しですから、理不尽な事もありますよ」

凛「それにしてもだよ、こんなプロデューサーへの嫌がらせみたいな…あんまりじゃない?」

ちひろ「今度問題になったらクビにされかねませんからね、プロデューサーさん。…プロデューサーさんのことを大切に思ってくれているのなら、今はもう少し我慢していてもらえませんか?」

凛「……それはさ、いつまで続くの?」

凛「…このままだとさ、プロデューサーがどうにかなっちゃいそうだよ…ちひろさんだって見たでしょ?さっきのあのプロデューサーの顔…あの目…」

ちひろ「…」

凛「何なの?事務所の偉い人達はプロデューサーに何か恨みでもあるの?」

ちひろ「…」

凛「こんなのただのパワハラじゃない。そもそもプロデューサー自身にはこの事伝えないの?おかしくない?」

まゆ「凛ちゃん」

凛「まゆだっておかしいって思うでしょ?どうしてこんな事しなくちゃならないのか教えてよ!」

ちひろ「それは…」

凛「答えてよ、ちひろさん!」

ちひろ「…っ」


まゆ「…Pさんには前科があるから、ですよね…?」

凛「……は?」

ちひろ「…」

まゆ「Pさんは過去にも、一部のアイドルと過度に親しくしている事を問題視されて、担当を外された事があるんですよね」

まゆ「プロデューサー業から身を引くか、その女性を取るか。そんな選択を突きつけられて…Pさんは、結局ブロデューサーでいることを選んだ」

まゆ「…ですよねぇ、ちひろさん?」

なんで同じ轍を踏んどるんや
無能か上層部

ちひろ「よく知っていますね。…その件は緘口令が敷かれていた筈ですけど」

まゆ「Pさんの事を色々知りたかったですから、頑張って色々調べたんですよぉ…?」

まゆ「当時のお相手のアイドルさんは人気絶頂だったので事務所もスキャンダルの種になりかねないとPさんとの関係を危険視していたらしいですねぇ」

まゆ「でも、かと言ってPさんを安易にクビには出来なかった。優秀ですもんねぇ、Pさん。事務所としてもどちらも稼ぎ頭、出来れば2人とも残しておきたかった」

まゆ「でも、このまま2人を組ませておく事も出来ない。だから、Pさん自身に言わせたんですよね…」

まゆ「「貴女とはもう一緒に仕事をすることが出来ない」、って。自分は貴女より仕事を取りました、って」

凛「…何それ。……そんなの会社の勝手じゃない」

ちひろ「…当然ですよ。会社と言うのは利益を得ることが目的なんですから」

ちひろ「社員というのはね、凛ちゃん。いつだって会社の都合のいいように動かされるものなんですよ」

ちひろ「そこに個人の感情や都合なんていうものは重要ではないんです」

凛「…そんなのって…」

まゆ「…」

まゆ「…続けますねぇ?」

まゆ「…その後、お相手だったアイドルさんは別の人が担当になって、今でもご活躍中の人気有名女優になってるそうです」

まゆ「一方のPさんは上から突然担当を外された事で当時は事情を知らない周囲からは「踏み台にされた」だの「役不足だった」だの色々揶揄されていたそうですねぇ」

まゆ「事情を知っている人達からからすら「裏切り者」なんて言われていたそうじゃないですかぁ…」

まゆ「…まぁ、こういう事があったので「また」、以前のような事になるんじゃないかと危惧されているんでしょう?」

まゆ「確かに勝手なお話ですよねえ?商品を育てるだけ育てさせて、売値がつきそうになった途端に害虫扱いでポイ、なんですから」

まゆ「尤も、事務所としては当然の判断なんでしょうし、それほど大したお話という訳でもありませんけどね」

まゆ「ですけど、そのときの当事者さんは、一体どんな気持ちだったんでしょうかねぇ……」

>>134

それだけ優秀だったんだろ。1人で200人近いアイドルを担当出来るバケモノがそうそういないだろ

まゆ「…とまぁ、まゆが知っているのはこれぐらいですねぇ」

まゆ「この業界ならよく聞くようなお話ですよねぇ。特に重い過去だという訳でも、ドラマチックだという訳でもないですし」

まゆ「…ただ」

まゆ「あまり、気持ちのいいお話じゃあないですよねぇ…?」

ちひろ「…」

凛「…本当なんだ?まゆの言った事って」

ちひろ「ええ、事実ですよ」

ちひろ「プロデューサーさんは仕事はとことん出来る人ですからね。上層部は今度は少数のアイドルの担当ではなく、もっと大勢の、それこそ1人で担うには無茶じゃないかという人数のアイドルの担当をさせることにしたんです」

ちひろ「今度また同じ問題が起こっても、その時には十分稼ぎになる人気アイドルが何人も育っているだろう」

ちひろ「事務所の上の方々はそんないい加減な考えだったようですよ。流石に私も雑すぎて呆れましたけど」

凛「…それが、今の私達、って事?」

ちひろ「ええ。そして案の定、凛ちゃんもまゆちゃんも、それに他のみんなも今では大人気アイドルになったじゃないですか」

ちひろ「事務所としては既に十分すぎる利益が得られているんです」


ちひろ「だから、今度こそプロデューサーさんをクビしても何の問題も無いんですよ」

ぶっこわれギャグしか書かないからアワアワしてるどす。親愛度薬Pはほんと尊敬するわ…
今日も仕事だ寝るざんす。丸1日ぐらい布団から出ないで過ごしたい…

ちひろについては上層部にPに話すなとか圧力かけられてるんじゃね?
仮に話してもその場のみで終わったらまたやりかねないからわざと話さず自然体で様子見てるとかさ
アイドルたちにもこれで少しはPとの付き合い方を考えるくらいにはなるみたいな考えがあるとか(目反らし)

とか思ったらPを犠牲にしてもお釣りが来るくらいの利益があるからポイ捨てのためかよ

何かPの過去がまゆの言う通りよくある話レベルなのが個人的には良いな

「女は信用出来ない」みたいにファンタジーレベルの痛過去かと構えてたよ

>>119
もうひとつはなんてやつ?

>>145
モバP「アイドルたちに嫌われた」みたいなやつじゃないかな

つまりプロデューサーを辞めさせる為の上層部からの悪質な嫌がらせなのか…

アイドル達にやらせたのは加害者にして辞めさせないようにするためか?
チッヒの立ち位置がまだわからんが

民度「みーんみんみーんwwwwwwwwwwwwww」

モバP「うるせー死ね」

民度「お前が死ぬんやで」

モバP「グェー死んだンゴ」

エタ決定だな
割と楽しんでたけど流石に外野が喚きすぎ
書く気無くなるだろ
「アイドルに嫌われた」の方もエタったし

外野のせいでこのスレ終了に300ペリカ

治安悪すぎ 象の※欄といい勝負だな

追い込まれたPが「ピー」して

凛「プロデューサーを冷たくする」

ってオチではあるまいな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月12日 (月) 11:27:30   ID: OZFJXYi0

ご民度死ね

2 :  SS好きの774さん   2018年01月06日 (土) 06:30:55   ID: meqeFQVs

シリアスな展開にすると粗が目立つからなあ
冷たくするって言っても、別に嫌ってるレベルで邪険にする必要ないじゃん
アイドル側もそれで茶を濁せるし
都合の良い都合の悪い展開って感じ

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