女「私の友は淫夢厨」 (65)

私の最も親しい友人。


生まれる前から、家族ぐるみで付き合いをしている。

小学校、中学校は勿論、高校も一緒。別のクラスになったことはない。


運動は私の方が一枚上手。勉強は向こうが二枚上手。

見た目においては向こうが何枚も上手。

遠くから見ればキラキラしてるし、近くに寄ればほのかに甘い香りが漂う。

男にも、女にも好かれるような、そんなヤツ。



そんな彼女の一つの欠点。

それは。


女「……友、おはよ」

友「おはよ↑ございます↓」


何かにかこつけて淫夢語録を連発する

重度の淫夢厨ってこと。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453559606

女「あのさ、友」

友「ん? どしたー?」

女「……いい加減、日常生活であの、例の言葉遣いやめない?」

友「例の? ……なんのこったよ?(すっとぼけ)」

女「それだよ、今の」

友「淫夢語録のこと? やだよぉ!」

女「何で」

友「だって使ってて面白いし、日常生活に紛れ込んでても違和感ないじゃん」

女「いや、違和感ありまくりだから……それにさ、その淫夢語録っていうの」
 「元ネタって男同士の、その……アレなんでしょ」

友「ん、ホモビだよ」

女「少しは言うのためらってよ……友ってそんなBLとか、興味あったっけ」

友「ないです。 でもさぁ、なんか淫夢って……あ、ここではバビステ34だけじゃなくてコートとかアクシードを含めるとするよ」

女(知らないよ……)

友「淫夢って、なんかホモビ感がないって言うか……一種のギャグみたいな感じで見れるんだよね」
 「動画サイトとか行けばフツーにみられるしさ」

女「うーん、そうかもしれないけど」

友「女もさぁ、毛嫌いせずに見てみればいいじゃん! すっごい面白いんだから」

女「いや、私はいいよ……」

友「えー、勿体な。 人生1145141919倍くらい損してるよソレぇ……」

女「……損してて結構です」

友「はぁ~……(クソデカため息)」

女「そんなビデオ見るか見ないかで損する人生なんて嫌」

友「あっ……そうだよ(便乗)」

女「……」

女「あのさ、カッコ何とか~って言うのやめない? すごくわずらわしい」

友「普通に話してたらそれこそ語録にならないからね、しょうがないね」

女「語録にしなくていいじゃん! カッコ何たら~って言わなくても通じるじゃん!」

友「通ずるっ!」

女「うざっ……」

女(はぁ……なんでこうなっちゃったかなぁ)

女(昔はフツーに話してたのに……高校入ったころからだっけ)

女(なーんか言葉の端々に違和感を覚え始めて……)

女(耐え切れず、話し方おかしくない? って聞いてみたら)

友『あ、これ。 淫夢語録だよ』

女(あの時の友のさわやかな顔は忘れられないなぁ……)

女(日に日にそのゴロクとやらは増えていき)

女(今やほとんどの会話にそれが混じる始末)

女(仮に、万一。この言葉を知っている人が友の会話を聞いていたとしたら……)

女(考えただけで怖気が走るよ)

女(まず私も確実に仲間だと思われるよね……)


友「~♪」

女「……フツーにしてればただの美人なのに……」

友「え? TDN?」

女「……はぁ」

ギャル「友ぉ、女ぁ、オッスオッスゥ~♪」

友「あっ! ギャル子ぉ、オッスオッス!」

女「……おはよ」

ギャル「お。女……なんか朝っぱらから疲れてない?」

女「ん、まぁね……」

友「水泳の練習ゥ……で疲れたんだよね?」

ギャル「え、そうなん? ストイックぅ~……ダイエットでもしてんの?」

女「いやいや、水泳なんてやってないから……ダイエットもしてない」

ギャル「まぁ確かに女ってダイエットの必要ないくらいには細いよね」

友「こんな女も昔は太ってたんだよ!」

ギャル「え、それマジなん!?」

友「生まれたときは3643.64グラムくらいあったもんね」

ギャル「ちょ、それって元気に生まれてきただけじゃん!」

女「……」

女(確かに日常生活になじんではいる……かもしれないけど)

女(……けど……)

女「……ウザッ」ボソッ

ギャル「あっごめん。 うざかった?」

女「あっいや! 違う違う! ギャル子に対して言ったわけじゃないから!」

女(……実害はないのかもしれない。私がただただウザいと思うだけで)

女(友だって一応、使う場所はわきまえているみたいだ)

女(私と話すときは全力で語録を使ってくるけど)

女(ギャル子や、そのほかのクラスメイトと話す時は比較的おとなしい)

女(先生や店員さんと話すときなんかは全く使わないし)

女(むしろ言葉遣いが丁寧だ、と……言われることの方が多い)

女(おかげで、教師からの評判はすこぶるいい)

女(こいつ実は家でホモビ見てますよーなんて言ったらどんな反応をするだろう。言わないけど)

女(まぁ信じないだろうな。ただ友が優秀なのを嫉妬して、陥れようとしていると思われるだけ)

女(それくらいには、評価されている人)

女(だからこそ、私は……私と接するときも、そうであってほしいと思う)

女(誇らしい、友人であってほしいって……昔の)

女(自慢の親友だったあのころに戻ってほしいって……)

―――――放課後


友「ぬわああああああん疲れたもおおおおおおおん……」

女「……帰ろう、友」

友「じゃあ俺、ギャラ貰って帰るから(棒読み)」

女「ギャラなんて発生しないでしょ、学生に……」

友「まぁ、そうなんだけどさ! ギャラ貰ってもいいくらい毎日頑張ってるってことの例えなんじゃない(適当)」

女「……まぁ、頑張ってるのは認めるけど」

女「っと……ありゃ」

友「おっ、どうしました?」

女「ごめん、宿題のノート忘れてた。 悪いけど、先に昇降口行って待っててもらえる?」

友「はいはい、あんまり待たすんじゃないゾ☆」

女「分かってるよ!」

女「はぁ、はぁ……」

「~あれさぁ……じゃない?」

「だよねー、わかるぅー」

女「ん?」
 (……まだだれか残ってたんだ)

女(でも聞いたことない声……他のクラスの子もいるのかな)

「あ、そういえばさぁ、このクラスに友、だっけ? って言う子いるじゃん」

「あー、うん、いるよ。 友がどしたー?」

女「!」

「なんかさ、あの子のしゃべり方って独特じゃない?」

「あ、わかるかもー。あんまり気にしてなかったけど」

「で、それがどうかした?」

「噂なんだけど、あの話し方って」

「なんか男同士の、エロ動画? みたいなのから来てるんだって」

「……え? それマジ?」

「冗談っしょ?」

「男同士とかやばくない?」

「マジマジ! なんかハゲてるおっさんがぁ……爬虫類みたいなのを」

「うっわー! それキモくない!?」

「イケメン同士のだったら見れるかもしんない」

「えっ、お前そういうの好きなんかよー!!」

「いや、ちがっ、そういう意味で言ったんじゃねーよ!」

「アハハハハ!!」


女「……」

―――――


女「……」

友「あっ! ……んもぉ、待ちくたびれてイライラしたぜぇ!」

女「……ごめん、ノートどこにしまったか忘れちゃって」

友「自分のしまったノートの場所さえも覚えてないなんて、全く困ったもんじゃい」

女「……」

友「……?」
 「あ、そうだ(唐突) この辺にぃ、上手いクレープ屋の屋台、来てるらしいっすよ」

友「じゃけん今日夜い

バァン!!
下駄箱『痛ッ!!(イケボ)』

友「ひっ!」

女「……」

友「……お、女……?」

女「もうさ、いい加減……」

女「その話し方やめにしない?」

友「え、えっ……? 女、どうしたの……?」

女「聞いててほんとイライラする」

女「毎日毎日さ、そんなわけわかんない言葉遣いされてるこっちの事情も考えてよ」

女「私は普通に友と話ししたいのに」

女「友は好き勝手語録とかいう汚い言葉使ってさぁ」

女「私の言葉がアンタに届いてるか……これ、もう私にはわかんないよ」

友「あっ……うぅ……」ジワッ

女「……」

女「その言葉をやめるか」

女「それが出来なければ……


「二度と私に話しかけないで」


友「ご、ごめっ……」

女「ごめん、今日は一緒に帰る気分じゃない」

友「……待ってよ……待ってっ……」




下駄箱『……ねーもうほんと痛い……痛いにょ……』

次の日。

友は学校に来なかった。

先生は体調不良って言ってた。

本当に風邪とかを引いているのなら、私のところにメールを寄こす……はずだから

(友は風邪などの体調不良で休んだことは無いので本当にメールを寄こすのかはわからない)

きっと、別の理由で休んだのだろうと思う。

まぁ、何で学校に来なかったか、なんて、見当はつくけれど。

ちょっと私が強く言ったからって、今までの無遅刻無欠席を無駄にするなんて、バカバカしい。


女「……」

ギャル「友、体調不良なんてめずらしー。昨日そんな感じ全然なかったんだけどなー」

女「……そういう時もあるんじゃない?」
 「明日はいつも通り来るでしょ、きっと」

ギャル「そーだといいけど」

女「……はぁ」


私は、友のためを思って、昨日、ああ言ったんだ。

間違ったことは、してない。後ろめたく思う必要なんてない。

友の、今まで見たこともないような悲しげな表情が脳裏に焼き付いて離れない自分に。何度もそう言い聞かせた。

さらに翌日の朝。私がギャル子に言った事は正しかった。

友はいつも通り、我が家の前で、笑顔で、寝ぼけ眼をこする私を待っていた。


女「……友」

友「女、おはよ! あっ! 後ろ髪はねちゃってるよー、ちゃんと直したの?」

女「ん、いや……時間なかったから」

友「ふふ、女って寝坊助だもんね。髪直す時間があるなら寝る、って感じ?」

友「学校着いたら直してあげるね」

女「……ありがと」


こういうやり取り……なんだか久しぶりかもしれない。

語録が出てこない、中学生のころの私達みたいな……。


指摘されて気になった後ろ髪を、手で押し付ける私の耳に

友は顔を近づけて小声で言った。


友「……おとといは、ごめんね」

女「!」

友「女がどう思ってるかって、良くわかった」
 「だいぶ、嫌な気持ちにさせちゃってたんだね」

女「ん……」

友「もう、語録は使わないよ」
 「だから。……だからね? 今まで通り。私と一緒にいてくれる?」

女「それはっ」
 「……当たり前じゃん。そんなの」

友「ふふ、ありがとっ! それじゃ、学校に行こっ!」

女「……うん」


やっぱり、語録なんて使わない方が素敵だ。


「友ー、女ー、おっす!」

友「おはよう! 朝練おつかれさまー」

「さんきゅー!」

「おいテメーっ! 何友ちゃんに声かけてもらってんだ!」


この子の隣に居られることが、誇らしく思える。


「友、前のテストは学年で唯一満点だったらしいね! なかなかやるじゃん!」

友「偶然ですよ! ヤマが当たっただけ、みたいな」

「謙遜も上手いんだからな~……お前みたいな後輩ばっかりだったら良かったんだが……」

「ちょっと、先輩! なんで私を見ながら言うんですか!?」

友「あははっ!」


これが私が望んでた、彼女の姿。あり方なんだ。

……

友「――女、女ってば! 聞いてるー?」

女「っ! ……ご、ごめん、聞いてなかった」
 「何?」

友「だからー、駅前にプリンの専門店ができたんだって! そこの濃厚卵のとろけるカスタードプリンが絶品って評判なの!」

女「そうなんだ」

友「ご存知かとは思いますが、私、プリンが大の好物でして」
 「……今日の放課後、良ければ……なんだけどぉ……」

女「……一緒に買いにいこっか」

友「――っ! うん! ありがとー、女っ!」




……これで良かったのかよ?

女(良かったに決まってる)

なんで彼女が語録を使わないことを望んでいた?

女(語録なんて使ってたら、友はいつか……嫌われるかもしれない。もう遅いかも。ホモビデオの言葉なんて汚いし、気持ち悪いよ)

女(使わない方が、良いに決まってる。彼女は誰にだって、好かれていなくちゃいけない誰よりも素敵な人だから)

彼女のためを思って、使わないでって言ったの?

女(友のためを思って言ったんだよ)

彼女の気持ちを考えたことはあるの?

女(いつだって考えてる。誰よりも考えてるって、胸を張って言える)

本当ォ?

女(本当だよ)

嘘だよ。いつだってお前は自分のことばっかり考えてる。

自分の理想を押し付けてるだけでしょ。誇れる彼女を隣に置いておきたいだけなんでしょ。

女(違う……)

ハハァ……(愛想笑い) あの時、他のクラスの奴らの話を聞いて思ったんだろ?

友が嫌われるかもしれないって。そうしたら、自分も嫌われるかもしれないってよ。

女(違う……!!)

お前もうすうす勘付いているんだろ?

友のお前に対する様子が、いつも通りのようで、いつもとは全く違うって。

それでいてそれは、友がお前意外に対してとってきた、いつも通りの態度だってことをさ。

長年一緒にいたお前なら「すげぇよ、簡単簡単」って感じでわかるよな?



「「無理して笑ってる」」



友「……え?」

女「……」

友「無理して……えっ? ど、どうしたの……?」

女「ごめん、友……ちょっと、来てもらってもいい?」

友「えっ、何? わっ!」グイッ

―――――屋上↑


友「ねぇ、女、次の授業始まっちゃうよ? なんで今、屋上なの……?」

女「……」

友「……女? どうし 「ごめんなさい」

友「へ……?」

女「友、ごめん。 今、友に辛い思い、苦しい思いさせてるよね。きっと」

友「辛い……思い? えっ、ちょっと……よくわかんないよ、女」
 「突然、どうしたの?」

女「今日、友、朝からずっと……今まで、無理して笑ってるよね」

友「えっ……」

女「わかるよ、私。伊達に生まれたときから、友と一緒にいるわけじゃない」

女「友って辛いときも、疲れてるときも、周りに私以外の誰かが居る時は、いっつも無理して笑ってた」

女「それは、きっと……友が、周りに迷惑をかけないようにって」

女「そして、周りの期待に応えようとしての……笑顔なんだよね」

友「……」

女「そんな友も、私に対しては、悲しい顔も、苦しい時の表情も。 本当の笑顔も……さらけ出してくれてた」

女「でも今日は違う。 私に対しても、辛いときに無理してする笑顔になってた……」

女「それはきっと、おととい、私があんなことを言っちゃったからなんだよね……?」

女「私が押し付けた、理想の友にならなきゃいけないって、考えさせちゃったから……だから」


友「――ねぇ、女?」

友「もう、良いの。もう、女の気持ちは十分伝わったよ」

友「女が誰よりも、私のことを見ててくれてるってことも」
 「私のことを考えてくれてるってことも」

女「……」グズッ

友「……私もね、少し調子に乗っちゃってたかなって、一昨日女に怒られたときに思った」

友「女なら、私のわがままもなんでも許してくれちゃうかなって、考えてたんだ」

友「淫夢語録ってね、すごくくだらなくて……自分で言っててバカバカしくなる部分もあるの」

友「でも、うわべだけの……その場を取り繕うための私の言葉よりは、ずっと、素敵に思えた」


友「自分の好きなように言って、内輪で、バカみたいに盛り上がって……」

友「互いに分かりあってる人達同士での、大げさに言うと暗号のようなものみたいに感じられた」

友「それを使って女と話してるときって、女と私だけが分かる……なんていうか、秘密の会話みたいだなって」

友「自己満足だけどね! そう。そう思ってたんだ……」

女「……そっか」

友「……うん」

友「えへへっ、でも改めて考えてみると あほくさ いよね! ホモビの言葉なんかつかっちゃってさぁ……」

女「……」

女「……そう、でも……ない、かもね」

友「えっ?」

女「友が、私と秘密を共有するために使ってたって……思ったら」

女「そんな、悪い気は……しないかなって」

友「……」

女「うん、だから……別に……」

女「語録、使っても……良いよ」

友「ほ、ほんと……?」

女「……」コクッ

女「……でもっ!」

友「な、なに?」

女「私と二人だけの時にしか、言っちゃ……駄目だから」

友「――! 女ぁ……!」

女「……っ」フイッ

友「……女って結構嫉妬深いよね!」

女「しっ……! 違うってば!」

友「何が違うんだか、私は理解に苦しむねっ!(ペチペチ」

女「~~っ! 友っ!!」

友「あはははっ!」

女「……ふふっ」



?「……お~、いいねぇ! すごいねぇ?」

「まァた、人間界に干渉したんですか?」

?「まぁ面白いからね、しょうがないね(諦観)」

?「それに今回は、直接人間の前に顕現して干渉したわけじゃない」

?「事実に気づいているはずの彼女の本心に、働きかけただけなんだから、平気でしょ?」

「そうかもしれませんが……上はこのことをどう思うか」

?「もし上に今回のことがばれて、問題にされたとしても」

?「その時はSSKさんに頼んでちょっとワッーってやって、パパッとイって、オワリッ!」

?「だからダイジョウブだって安心しろよぉ~」

「まぁ、そうかもしれませんけどォ~~……彼女は貴方の信者でもないのに」

?「ま、いいじゃない。 人の幸せを手助けすることの何が問題だっての?」

?「幸福を祈るってことが罪だってそんなバカな話あってはいけないでしょ」

「……」

?「よっし、じゃあここはもうあれだからよぉ。あっち見に行くかぁ。行こうぜ。よしっ行くぞ」

「……ハハァ(畏敬)」

―――――


ギャル「んやぁ~~ん! 友ぉ! 無事復活したんだねぇ!」

友「うん! おかげさまでだいぶ元気になりました!」

女「……ってか、ギャル子あんた……昼からの登校なの?」

ギャル「いやぁ寝坊しかけたわマジ」

女「しかける、の定義を教えてほしいわ」

ギャル「昨日なんか女が心配して心配して……私がフォローするのも大変だったんだから」

友「え~、そうだったのぉ! 心配かけてごめんね?」

女「別にそんな……ギャル子言い方が大げさだっての」

ギャル「そうかなぁ~あながち間違ってないと思うけどなぁ」

女「……ったく、適当ばっかり言って……」

友「……あっ、そうだ」

友「ねぇ、女」

女「ん、何?」

友「……んふふっ」ズイッ

女「ちょ、友……近っ」


友「……私ね、女のことが好きなんだよ!」ボソッ


女「……ふぁっ!!??」



End

~後日談①~


なんやかんやあって付き合うことになった二人。


友「ねぇ女~、今度の土曜日さぁ、うちに来ない?」

女「行っていいんなら、お邪魔しようかな」

友「いいよ、来いよ!」

友「オトゥーサン……もママーッ! もいないから泊まってもいいよ!」

女「そうなんだ、じゃあそうし……」

女(あれっ、待てよ……私達って今付き合ってるんだよね……?)

友「あ~日曜日楽しみだなぁ~♪」

女(……付き合って初めてのお泊り……)

女(……)

女「お、お泊り……//」

友「……?」

―――――土曜日

ブロロロロ.....ブロロロロ......

セミ兄貴「」

犬「ワンワン、ワン!」



女(お泊り当日が来ちゃった……)

女(ヤバイ、どうしよう。 緊張してる、自分でもびっくりするくらいに)

女(いや、付き合ってから初めてとはいえ、今まで何回も互いの家に泊まってきたんだ)

女(別にそんなドキドキするようなことでも……)

女(……)

女(い、一応綺麗な下着を……//)


女(よ、よし……忘れ物なし)

女(仮に忘れ物してても5分しないで取りに行ける……!)

女「い、いざぁ……♀」


ピィィィンポォォォォォォン(ねっとり)

友「はぁ~~~い……」

ガッチャゴンッ!

女「お、おはよ」

友「あー、女くんようこそ! どうぞどうぞ入って」

女「お、じゃましますっ!」

友「靴脱いで上がって」

女「い、いくら緊張してても靴履いたまま上がるわけないでしょ……!」

友「え?」

女「い、いや、なんでもない……気にしないで」

女(そう、これはあくまで……お泊り。うん、べつにそういうことを目的として泊まるわけじゃないから……)

女「平常心……平常心」

友「……???」

友「じゃあリビング行ってて、私おもみももとか用意してくるから」

女「う、うん分かった」
 (盛大に噛んでるけど、友も緊張してるのかな……)

友「アイスティーでいい? それともオレンジジュース?」

女「あ、アァィスティーで!」

友「かしこまっ!(prpr)」


―――――


友「お~い女お待たせ~……っととと」プルプル

女「わ、大丈夫? そんなにトレーに乗せて……危ない危ない」

友「ごめんね、ありがと」

女「それにしてもお菓子たくさんお皿に盛ったね……」

友「たくさん食べてねおかわりもあるから」

女「まぁご飯食べられないなんてことにはならないくらいにね」


―――――


友「お、お菓子は……もう十分堪能したよ……」

女「言わんこっちゃないんだから、もう」

―――――


友「この人が出てる本編が面白くってねー!」

女「ふーん、そうなんだ……」

女(相変わらずサムネイルが茶色だ……)

友「えへへ、それでこっちがね……」

女「……ふふ」
 (楽しそうだし、まぁ良いか……)


―――――


友「女さ、お腹へんないすかぁ?」

女「んー、まぁまぁ、空いてきたかも」

友「ですよねぇ!」
 「……じゃあ一緒にいなりつくろうねぇ(ねっとり)」

女「いなり寿司? うーん、良いけど……」
 「油揚げあるの?」

友「あっ! ……ピザでも良いかな、宅配の奴」

女「だいぶジャンル違うね? 良いけどさ」

友「ピザ美味しかったね」

女「なんかジャンキーなものばっかり食べてる気がする……」

友「歯磨いたらお風呂入ってさっぱりしましょうよー!」

女「うん、そうだね」

友「洗いっこしよう!」キラキラ

女「え゛。一緒に入るの!?」

友「いっつもそうだったじゃん!」

女(え~~~~~……////)
 「そ、そうかもしれないけど! 洗いっことかそういうのは! む、むりぃ……もぉ」

友「あっ、そっかぁ……」シュン

女(そんな子犬みたいな顔されたってさぁ……///)



―――――


女(なんだかんだで結局一緒に入るっていう……)

友「髪洗っちゃうね」

女「う、うん、わかった……」
 (だめだ、一緒に入るだけでもドキドキする)ブクブク

友「~♪」ワシャワシャ

女「……」

女「……」チラチラ

女(相変わらず友ってスタイルいいよね……私も肉とかはついてないけど……)

友「ラットゥギャーザラットゥギャーザふんふんふんふふ~ん……♪」ボイン、フヨンフヨン

女(ああ^~///)

女「――って何考えてんの私!!!」

友「えっ何何、何?」

(リスポーン地点)

友「アッツゥー!」
 「ビール!ビール!」

女「まだ未成年でしょうが」

友「お風呂上りにビールとか飲んでみたいよねぇ」

女「そんなおっさんみたいな事を……」

友「飲めるようになったら付き合ってね!」

女「……あっ」
 (それって、大人になってもずっと一緒にってことかな……)

女「……///」

友「まぁ今は牛乳で我慢しよっ」

女「そ、そだね……///」


―――――


<ティーディーエヌ、TDNです!

女「……? てぃーでぃーえぬ……?」

友「ふぁ……んー、ちょっと眠いかな(状況分析)」

友「女、そろそろ寝よ……?」

女「!!!」ビックゥ
 「あっ、う、うん! そうだね!!」

女(つっ、ついに来てしまった……! この流れは……!)

友『私のベッドで寝る? いいよ……』

友『ふふ、近いね……//』

友『あ、そうだ。ねぇ女?』

友『さっきお風呂入ってるとき私のことチラチラみてたよね?』

いや見てないよ……

友『嘘つけ♪ ……絶対みてたぞv』

なんで見る必要なんか……

友『……見たい?』

え!?

友『いいよ……女が見たいって言うなら……//』プチプチ


女(的な! 的なね~~~///)

女「……ん?」

友「あ、女はベッドで寝ていいよ」

友「布団干しておいたんだー、今日いい感じに晴れてたしね、ほっかほかだよ!」

友「私は布団で寝るから」

女「えっ」

友「あ、気にしなくていいよ! 女はお客さんなんだし」

女「え、でも友だけ床に寝かせるってのは」

友「えっいいからいいから。遠慮しないでよ!」

友「それにほら、私のベッド狭いんだよね、それ一番いわれてるから」

友「私って結構寝相悪いから朝起きてどっちかが“堕ちたな”ってなってるのも嫌だしね」

女「あっ」

友「それじゃおやすみなさい♪」

女「あ」

女「……お、おやすみ」

女(……そりゃうだよね。今日ってただのお泊りだし)

女(付き合って日が浅いし)

女(付き合って初のお泊りでそういう……恋人っぽい流れになること、フツーないよね)

女(まぁ世の中の他のカップルの事情なんてわかんないけど。調べたこともないし)

友「……」

女(っていうかそういう風になるであろうと思っていろいろ準備してきた私って)

女(……うわっなんか恥ずかしい)

女(そういや今日一日中変なテンションだったかも……)

友「……」モゾッ

女(だって付き合い始めてから友が前以上に可愛く見えるようになったんだもん)

女(……誰に対して言い訳してるんだろこれ……)

女(友に変な風に思われてないよね)

女(不審に思われてたらショックだなー……)

女(だめだ、これ以上考えるとどんどんネガティブになる気がする……寝よ、寝よっ)モフッ

友「……」ギシッ

女「……んぇ?」

                /           /        \    ___
                 .′       /            Y´       `丶、_   __
             ;       //    /        | |//      \ __《~レ二≫
              |      ∠ .;    /:    /    |: /      ー≪二(O≪
                ,      /!    .:  -‐∧:  /: リ7: :/、 |   |ア   《/\》
            /,     / :. |     :|: /|/  |::./:. / |: ∧: : | : /       ∧
              //  /   ⌒ .::.|     :|/ ,___彡 レ仏イ |/二\iУ         | : ∧
.             //  /   .::.::.: |:    |\\\ 乂    ̄`ヽ//      │:  |
            /   .::/   .::.::.::.:j|:    |      /  ///: : :       人:  |
         ,  .::.::.:: /.::.::.::.::. /|:    |             / : : :       /: : : :  |
        , .::.::.::.::/.::.::.::.::.::.::/ :|:    ト     ,イ      ; : : :     /{ : : : : :|: |
          /.::.::.:._. -―=ニ二/\|::.    |/[厂:.:ト  ..,,_  | : : : : : : :イ:彡ヘ: : : : : : ,゙
       / ::.::/   \.  \ 八|.::.   |  | ::.::.| : : : ∧  |/| : :/{_;/   ' : : : : /
      .::.::.:/           〈 ∧.:: |.::|  |/|.:リ :/|/|.: :'.  |∠ ̄ `>┐  ∨|/
        |::.::;゙               ∨ 人∧:|_iトく ]人/__,厶イ∨ ̄   / 人_
        |::.::|           \_ 〈\_,ハ|〈 ̄∨ 广¨| 〉 ∧          \
        |/|:|         〉 /   〈∧   「 /   [∧〈/ハ /         \
        |:|         \∨  \  \ 〈∧| ∨  _/[_∧〈/}/  //    /∧
※イメージ映像

女「」

友「えへへっ……//」
 「改めておやすみっ!」

女「」

友「~♪」

女「」

女「」

友「~」


―――――


友「……」スヤスヤ

女「」

女「」




女「」




~一人は幸せなキスをして一日を終了~

       ヾシヾ⌒シヾ-‐ヽ

     ー丿          ヾヽ
    シ              ,,,α
  ξ          ゞシヾ"  ヽ         ,,,....,,,、、...,,,....,,

  !           彡       ヽ:::     ..i'´.        ヾ'''、、、,,,
   シ          彡       ,j:::   ..,/ヾ,            ヽ
   !シ         ,,彡       :シ  ,;''''   ヾ   ,___       ヽ
    j  ,-‐-、   i    ッ三ミ:;j i、'  j-‐    `, , ‐'' = )       ヽ:

     し { !⌒- ヽ! j     ‐-‐'j ヽ、...'       '  .,_//,        !;::
     ヾ丶`-'  ! !        {__,__,!'         -‐' ヾ       ノ:::
      ,ヾ  '  、       ,'  ....,)        ::     ヽ     ノ::::::
 _...-‐‐'''´ :::            ´::(      _... ´       ヽ    /:::::::
        ::              ! .... -‐´           ヽ   /:::::     __,....,,-‐-、
 ::::.       ヽ   !......:-‐ー、 ,,,,,,;;;ヽ __ ...-‐、     ::     `ヽ-、___,--/'´ ,、   , `ヽ、
            !:::,´´´´´:::::`"""´:::::::::::::::;;;;;;;;ヽ、    ;::           ヽ-‐' !  ./   iヽ
                         ::::::::::::;;;;;;;;i   ;::   ;      __,,,    `、丿 ./  )
           ::::             ´´´::::-´::ヽ:::  l::  ;    -‐´  ..,;;;;    ヽノ、  /
           ::::              /´      !::  j::                `´
※イメージ映像差分

~後日談②~


女(仲良くなるには相互理解が必要だと聞く)

女(つまり友と仲良くなるためには淫夢語録をマスターする必要があるってこと……)

女(かつて友は言いました。淫夢語録は暗号だと、私達の秘密の会話だと)

女(私ももっと秘密を共有したい)


女(見るのは勇気が要るけれど……友との絆を深めるためなら……)


女(この動画かな?)

「いやぁスイマセーン」

女(あれ、外国の人)

「あぁん、最近だらしねぇな♂」

女(意外と汚くはない……かな)

「あっは、ごっちそう」

女(裸でキャンプって……)

「オッチャーン」

女(あっかわいい)

女(……意外と見れるもんだね)フム

―――――翌日


友「はいおはよぉ~っ」

女(友が来た! 私の勉強の成果を披露する時! ……いざぁ♀)

女「どうも、友さん……」

友「ファッ!?」

女「寒いのう、ヤス……」

友「……」

女「学校いくぞオラァ!」

友「申レN」

女「え?」

友「申レN」フイッ


女「……あ、あれ?」

女「……」

女「あぁん、なんで?」

女(良く調べてみたら私が昨日見た奴はレスリングとかいうやつらしい)

女(淫夢が好きな人の中には、レスリングを認めない人もいるとか……)

女(友はそっち派だったみたい)

女(まぁ、これでまた一つ、理解が深まったと思う……)

女(……)

女(今日は友、ちょっと不機嫌だったな……明日はプリン買っていってあげようかな)



女(よっし、それじゃあ改めて、今日は淫夢ってやつを見よう)

女(この動画かな?)カチカチ

『アナル地獄』

女「」

女(ちょっと刺激が強い、強いね……違う奴を見よう、これとか……)カチ

『残虐縄調教』

女「」

女「……」カチカチ

『監禁72時間』

女「」

『糞喰漢』

『課長こわれる』

『かけてください3』

『一気通貫』

女「」



女「」

――――翌日


友「女、オッスオッス!」

女「……」

友「……あれ、女? どうしたの、元気ないね?」

女「……」

友「……女?」

ガシッ

友「ひっ!」

女「……ごめん、私には……」

女「私には理解できませんでした……!!」ポロポロ

友「えっ、な、何が……?」

女「ひぐっ、ぐす……うぇぇぇ」

友「ちょ、何泣いてんの!? だ、大丈夫!?」



後々事情を知った友は

トラウマを背負った女とともに、初心者でも比較的入りやすい、『働く男の尻叩き』を視聴したという


~女は徐々に淫夢に浸食されて終了~


終わりっ、閉廷! 以上!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom