【安価】勇者が冒険するようです (323)


まったり進行

展開によってはR-18あり

遅筆

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453193695


王「おお! 勇者よ、よく来てくれたな!」

勇者(そう、威厳だけは立派で王座でふんぞりがえってる老人がわめいている)

王「このたびのふれは聞いておろう! 魔王の勢力が拡大しているのだ!」

勇者(それはもとからだ、そして、軍隊を碌に育ててないあんたのせいでもある)

王「なんと嘆かわしいことに無辜の民が犠牲になるのはワシも耐えられん!」

勇者(それは税が減れば、それだけ、アンタの食べるものが貧層になるからだろ? 豚よりも肥えてるけど)

王「よって貴殿を勇者に任命し、魔王討伐を命ずる!」

勇者(帰りたい……)

王「なに、伝説の勇者の血をひく貴殿ならば、容易かろう」

勇者(昨日まで万屋の丁稚奉公の使用人に何を根拠にいってんだ。たまたま人身御供に使われただけだ)






執政官「いや、すまんな、こうして王都まで来てくれて。地方から来るのも一苦労であったろうに」

勇者(王のクソ長々しい話が終わってみれば、今度は痩せこけた執政官の話が始まった……)

執政官「王のご気分も優れないことが多くてな、こうして……」

勇者(そうして執政官は視線をそらし、言葉にしない。けどわかってる。何が言いたいことくらい)ハァ


勇者(俺は生贄だ)


勇者(伝説の剣をもって、人々を光で照らし、闇を討ち払う――そんな存在が勇者と言われた存在、だけど、最近の勇者の意味合いは違う)

勇者(最近の野生動物の魔物化と魔国の驚異の高まり、そのせいで軍の派遣が追い付かず、治安が悪化した)

勇者(軍をもっと拡張すればいいんだろうけど、王は各諸侯の圧力に屈してそれをしない――睨まれて、豪遊する金と妾を減らされるのが嫌だからだ)

勇者(だから使い勝手のいい便利屋を作り出した、数年に一度、もしくは王が気が向いたらふれを出す、各地方を回って、厄介な用事を押し付ける存在を)

勇者(つまり適当に選んだ勇者様――この場合は俺だ)ハァ


勇者(俺のバカ……親方にお前にぴったりの仕事があるなんて言われて、ホイホイいったら奴隷専用の鎖で繋がれて勇者さま、なんて)ハァ

勇者(逃げたら国中のお尋ね者になって縛り首になるって有名な勇者になるとか……)

執政官「……どの! 勇者どの! 聞いているのですか!?」

勇者「あ、すいません」ペコッ

執政官「まぁ、気持ちはわかります。貴方様と同じように十年前に勇者に命じられ、生きているものはおらないのですから」ハァ

勇者(この人も苦労してんだなぁ)

執政官「で、勇者殿に、授けるものが三つあります」

勇者(俺にとっては、死刑宣告書、一枚だけどな)

ちょっと 急用


執政官「一つはもう授けましたが、勇者であることの証、『ゆうしゃのうでわ』です」

勇者(装備したら外れないこの腕輪のことか)ジャラ

執政官「こののろい……ゲフンゲフン、ゆうしゃのうでわは装備者を守護する加護が付与されております」

勇者(いま呪いっていった!呪いっていったぞこのおっさん!)

執政官「それとギルドの証明書、これをもっていれば各ギルドの施設が利用可能となります」つ証明書

勇者「(証明書ってか、組合の符号っぽいな、木でできたアクセサリーか。これは役にたちそうだ)……どうも」ゴソゴソ

執政官「それと、最後にこれが武器になります」コロコロコロ

勇者(……そうしておれに見せたのは、三つの球だ。大きさはそこらの露天で売ってそうな、小さなガラス球。それが赤、蒼、黄色、三色ある)

勇者「……武器? 俺にはただの硝子球にしか」

執政官「ええ、これはただの硝子球。しかし……」


勇者(そうして、執政官が懐から別の赤の硝子球を手にした。と、煙をあげ、硝子球を握っていた手には、小型剣が握られている)

勇者「……これは」

執政官「これは武器球といいまして、魔術で武器を情報化したものです。これを握りつぶすことにより、武器を顕現させることができるのです」

勇者「へぇ、便利なもので」

執政官「それだけではありません、これはある武人が使用していた武器を武器球にしたものです」

勇者「つまり、中古ひ――」

執政官「話は最後まで聞いてください。確かに中古品ではありますが、それぞれの経験が付与されています」

勇者「経験が付与?」

執政官「ええ、まだ試作品ではありますが、子供であっても経験が付与された武器球を顕現させることにより、その武具を纏っていた武人の経験をある程度、付与させることができるのです」

勇者「……つまり、俺でも達人級の腕前に……」

執政官「いえ、あくまでもこれらは試作品、せいぜい武器の使い方が覚えられる程度でしょうが。それと、複数個使用すると、武器の情報が混乱し、廃人となる可能性もあるので、一つが限度です」

勇者(そうして、俺に三つの球を見せる。つまり、この中から選べ、か)


執政官「赤は長剣の武器になっております。これは中堅ギルドの冒険者たちが使用しているものと変わりありませんが、使い勝手なら一番でしょう」

勇者(なるほど、確かに剣ならオードソックスで、冒険者たちもよく使ってたな。『どうのつるぎ』とこないところもいい)

執政官「蒼は大盾、身を守ることに関しては随一ですが、攻撃に転じても使用可能な、大盾です。しかし、移動速度は遅く、また小回りも効きません」

勇者(少々、使い勝手は悪いが、しかし、身を守るならこれだな。攻撃にも使えるってのが利点でもある)

執政官「最後の黄色は、槍となってます。これは技術が付与されてはいますが、それでも日々の鍛錬は必須。しかし、あらゆる面で応用が効きます」

勇者(うーん、鍛錬が必須、か。どんな鍛錬が必要なのか気になるが、戦場では幅を利かせそうだな)


執政官「どれを、お選びになりますか?」


勇者「俺は――」

↓1 A赤の球をくれ(長剣)
   B蒼の球にしよう(大盾)
   C黄の球を選ぶ(槍)


勇者「俺は、黄の球を選ぶ」

俺は黄色の球に手を伸ばした。黄色の球はほんのわずかに力を込めただけで砕け散った。

そうして、手に握りしめるものは硝子球だったものからいつの間にか、俺の背丈と比べると肩ほどの高さがある槍が握りしめられていた。
穂先は鋭く直刃であり、握りしめた柄は黄色に塗られていた。

――と、この武器の使い方と戦術が流れ込んでくる。

誰かの知識が流れ込むのは不気味な感覚だったが、それでも便利なものだ、と感心した。

執政官「どうですかな? 武器の調子は?」

勇者「悪くない」

と、いうか、気にいった。


執政官「では、このあとご予定は決めていますかな?」

勇者「いや、特には」

執政官「なら、ギルドにいってみるといいでしょう。駆け出しの冒険者に向いている地方やダンジョンの情報も入るかもしれません」

勇者(どっかの肥えた老人より有能だな)

執政官「それと、運がよければパーティを組むこともありえますから」

勇者「パーティか」

執政官「ええ、仲間を募るのも……いえ、なんでもありません」

勇者(なぜか執政官は気の毒そうに視線をそらした……嫌な予感がする)

執政官「あと、旅に必要な準備金をわずかですが、渡しましょう。ついてきてください」

勇者「……ところで、しゃべり方変わりましたね」

執政官「これが素です」






――ギルド・王都支店――

勇者(遊ぶなら三日で使い果たしてしまうスズメの涙のような準備金をもらって、ギルドにきてみたはいいものの……)ウーン

<<ヒソヒソ

<<ヒソヒソ

勇者(俺が勇者だと知るなり、てか、腕輪の所為で勇者だって一目でばれるんだが、勇者だと知ってだれもよってこない)

勇者(試しに受付で、それらしい情報をもらおうとしたら……)


受付嬢『貴方にぴったりのクエスト? その辺の村にでも突撃したらいいんじゃないですかね?』


勇者(これ以上ないほど同情的な眼で、しかし、害虫を見るかのような眼で見られたな)ハァ

勇者(依頼書も、上級魔族討伐やら、ドラゴン討伐やら、向かう道中で死にそうなものばかりだし)

勇者(それでも諦めずにパーティを組もうと、パーティ募集の所にいって募集書の所にいったら)


冒険者A『君、勇者? ごめん、間にあってるんだ』

冒険者B『ああ、勇者、君、勇者なの? ごめんパーティがさっき一杯になっちゃって』



勇者(……仕方ないから、なけなしの金を払ってパーティを組もうと依頼書出したが、二時間経って、いまだにゼロだ)ハァ

勇者(しかたない、依頼書を下げれば返金されるから、今日は撤退するか)スゴスゴ


――パーティ募集掲示板前――

勇者(しっかし、観察しててわかったが、二時間もあれば殆どパーティ結成依頼書なんて埋まるんだがな)ハァ

勇者(それを、俺が勇者ってわかった途端、すぐに逃げていく)

勇者(こんな若造……っても、17だが、そんな若輩がリーダーってのがまずいのか)ウーン

勇者(くそ、やっぱり、俺が勇者なんて貧乏くじ引いたのが間違いじゃないか)

依頼書<マッシロ

勇者「……やっぱりなにか、ダメなんだか」ハァ


依頼書を片手に悩んでいる。

なにがダメなのか、点でわからん。俺は実績もないが汚点もないはずだ、それとここは駆け出し冒険者であってるはず。
なのに、なにも依頼がこない。

溜息をついたところで好転するなんて思ってないが、付かずにはいられない。と、その時、後から誰かがぶつかってしまう。

いらだっていたこともあり、むっときてそいつに文句をいってやろうと振り向いた。

と、そこには、

↓1
  A 俺よりも背の小さな、てか、灰色の髪に灰色のヴェールをかぶって僧服を着た子供(女)がいた。
  B 俺と同い年くらいの、娼婦みたいに露出度の高い格好女がいた。
  C 俺より幾分年は上、上等な黒のドレスを身にまとった黒の長髪の女がいた。



振り返った先にいたのは、やたら露出の、セックスアピールの激しい女だった。

上は白のコルセットの一枚に、スカートが正面から二つに切り裂かれたように真っ二つになって、もろに白の下着が見れている。
それにガーターベルトをつけただけ、という露出狂のような格好だ。

これがブスだったら好きなように言えるのだが、俺と同じくらいの顔だちが悪くないだけに余計におしいと思ってしまう。

多分、上流冒険者を相手にする娼婦なのか、思わず見とれてしまう。

と、女は小首をかしげ、俺を見る。

??「どうしたの?」

勇者「あ、いや、おれは……」


言葉がでない。なんて取り繕うべきかわからない。そうしてアタフタしてると、女は俺のもっているものを見つけたようで

??「仲間、探してるの?」

そう尋ねた。


勇者「ああ、そうだけど……」

??「なってあげようか?」

勇者「え?」

??「だから仲間になってあげようか?」

勇者(そして、俺にギルド証明書を提示する)

??→暗殺者「私は暗殺者、こうみえてもギルドの人間だよ」

唐突な申し出に、俺は

A 頷く

B 首を横に振った

下2

今日はここまで


――俺は首を横に振った。

仲間になってもいい、確かにこの提案は渡りに船、だろう。だが、

勇者「俺が誰だか知ってるのか?」

そう質問を投げかけると、暗殺者は首をかしげ、

暗殺者「? 駆け出しの冒険者でしょ? だから私がパーティを組んでもいいんだけど」

勇者「俺が勇者でも?」

持っていたパーティ募集、依頼書を見せる。

そうして、驚いたように俺を見た。


暗殺者「うっそ、勇者なの?」

勇者「ああ、残念なことに、勇者になって一日目だ」コクン

暗殺者「なら、どうりでパーティが集まらないわけだ」ウンウン

勇者「……その理由を尋ねても?」

暗殺者「いいよ、その代り、お酒、おごってくれない? 仕事終わりの一杯、飲みたいのよ」


ふむ……。

視線をずらし、壁にかかっている飲食物の料金表をみる。
前に聞いたことがあるが、暗殺者やら死霊使いなど、死に携わるものは高価な清酒を仕事終わりに飲むらしい。

清酒は東洋の酒、つまり、とても高価だ。

懐もそれほど潤ってない、むしろ、寒い。執政官から準備金として渡された金が全財産だ。

A いいぞ、おごってやる。

B だめだ、こっちも厳しい状況でな

↓1


勇者「いいぞ、おごってやる」

暗殺者「やった! ラッキー!」♪

勇者(しばらくは極貧、いや、野宿かな?)ハァ

暗殺者「なにしてるのよ、早く飲みましょう!」コッチコッチ

勇者「そうせかすな」ヤレヤレ





――食堂――

暗殺者「いや、アンタ見かけによらず太っ腹ね~」ゴクゴク

勇者「なにが?」

暗殺者「いや~、確かにおごって、って言ったのはこっちだけど、清酒、おごってくれるなんて思わなくて」ゴクゴク

勇者「暗殺者なら命をやり取りする、その後に穢れを清めるために飲む酒なら、清酒だろ?」クビ カシゲ

暗殺者「あ、それ迷信よ、基本そういうのって仕事終わりに終わらせるし、それにお酒ならなんでもいいって、前に組んでたサムライが言ってたわ」

勇者「……マジかよ」アタマ ゴンッ

暗殺者「あははっ! 民間伝承信じるようじゃこのギョーカイで長生きできないわよ、新人勇者くん♪」

勇者「肝に銘じるさ、殆ど手持ちがなくなったが」ヤレヤレ


暗殺者「いいじゃないいいじゃない! アンタ勇者なんだし、ギルドの宿泊施設にただで泊まれて、ご飯だって無料なんだしね」ゴクゴク

勇者「……それも初耳だ」

暗殺者「あら? 受付嬢に教えてもらわなかったの?」

勇者「邪険にされて追い払われた」

暗殺者「ああ~、確かに、ギルドからしてみれば勇者を泊めてもお金、落ちないし、クエストやっても仲介料取れないしね~」

勇者「仲介料?」

暗殺者「しらない? 仲介料ってのは……」

勇者「それは知ってる。元々はそういったことをしてた。仲介料が取れないってのは……」

暗殺者「なるほど、そっちね。勇者は選ばれた存在で、基本村の御厄介を解決する存在」

暗殺者「だからギルドが絡んでも冒険者じゃなくて勇者が解決ってことで、ギルドは村に仲介料返さなきゃいけないのよ」

勇者「そりゃ、嫌われるな」


暗殺者「で、更に勇者の衣食住のうち、食住はギルドの支部がある場所なら面倒見なくちゃいけないの」

暗殺者「だから、ギルドからしてみれば厄介者以外なにものでもないってわけよ、勇者様」ウインク

勇者「……よくそんなお荷物を、商魂たくましいギルドが請け負ったな」

暗殺者「その辺は王との密約があるって噂だけど、知らないわ……って、しゃべりすぎたようね」ハッ

暗殺者「受付嬢がすごい顔でにらんでるし」

受付嬢「」ジーッ

暗殺者「周りはうるさいし」

<<ヒソヒソ

<<ヒソヒソ

勇者「……」

A すまん

B 俺は謝らないぞ

↓1


勇者「すまん……」

暗殺者がしゃべりすぎた、そういって俺も気が付く。周りの声が俺たちを叱責するかのように囁き合ってることに。

俺は勇者、つまり招かれざる客だってことは理解できた。そんな奴と親しげに、受付嬢が隠そうとしてた事実を洗いざらいぶちまけた暗殺者を見る目なんて考えるまでもない。

だから、素直に謝罪し、頭を下げた。

しかし、暗殺者は片手をふって、清酒を傾けながら、


暗殺者「気にしない気にしない! これくらいどうってことなって!」

暗殺者「大体義務と権利は別物、別物。最小の義務で納めて最大限権利を利用しないと人生は損だらけよ」♪

勇者「お気楽だな」ハァ

暗殺者「アンタが辛気臭いだけよ、人生は楽しまないと」ウインク

勇者「……」ジーッ

暗殺者「どしたの? 今度はじっとみて?」

勇者「だから、そんな娼婦みたいな格好で男もひっかけ廻して……」

暗殺者「あたしは処女だから!」//

<<ヒソヒソ

<<ヒソヒソ

勇者「……女がそんなこというもんじゃないぞ、はしたない」

暗殺者「いやいや、アンタの所為だしね!」//


暗殺者「で?」コホン

勇者「?」

暗殺者「気を取り直して聞くけどさ、お酒をおごったってことは、なにか尋ねたいことあったんでしょ?」

暗殺者「何が気になるの?」

勇者(あ、そういや、そうだった……)

聞きたいこと

A なぜパーティが集まらないのか

B この業界で生き抜くコツ

C 貴女について教えてくれ

D 自由安価

↓2


勇者「なぜパーティが集まらないのか教えてくれ」

暗殺者「ん? それなら簡単よ。さっきも言った通り勇者って基本厄介な用事を解決する便利屋だけど、勇者がいるパーティは自動的に勇者さまに組み込まれるの」

勇者「組み込まれる?」

暗殺者「そ、リーダーだろうがなかろうが、勇者様がいるってだけでそのパーティは勇者様ご一行様になって、ギルドに仲介料は入らず、報酬金もアイテムも解決したさきの心しだいってわけね」

暗殺者「一回二回ならいいけど、流石に日々生きていくにはもうけもないと」

暗殺者「だから、勇者がいるパーティはご遠慮願いたいってことよ」

勇者「……なるほど、そいつは嫌だ」

暗殺者「ただし、勇者とパーティを組めば勇者が受けてるギルドの恩恵も受けられるわ。それが利点ね」

勇者「ふむ」

暗殺者「ほかに質問は?」

【聞きたいこと】 残り2回


A パーティは何人組めるか?

B この業界で生き抜くコツ

C 貴女について教えてくれ

D 自由安価

↓2


勇者「貴女について教えてくれ」

暗殺者「あらあら~ オネエサンに興味持っちゃったかしら~ でもザンネーン! あと五年経ってから出直してね」ウフフー

勇者「……酔っ払いが。見た目の年、そんなに変わんねえだろうが」イラッ

暗殺者「そんなに怒んないでよ、冗談よ冗談!」

暗殺者「で、私について聞きたいって、そうね、クラスはさっきも言った通り『暗殺者』……っていってもモンスター専門だけどね」

勇者「モンスター専門?」

暗殺者「そ! 人間とかを標的にするんじゃなくて、モンスターを相手にするの、早い話がサポート系の職業ね」

暗殺者「前衛の人が敵と戦ってる時、背後に回り込んだりして殺すのよ」

勇者「……じゃあなんでそんな格好なんだよ?」

暗殺者「決まってるじゃない、動きやすいからよ!」ドヤッ!

勇者「……」

暗殺者「なに?」

勇者「いや、なんでも」

【聞きたいこと】 ラスト!


A パーティは何人組めるか?

B この業界で生き抜くコツ

C 他にギルドでの勇者の特権は?

D 自由安価

↓2


勇者「俺でもパーティを組んでくれそうな人物のあてはあるか?」

暗殺者「……難しい質問ね」

暗殺者「正直、こればっかりは私にもわからないってのが正しい所ね」

暗殺者「でも、そうね、強いて言うなら」ウーン

暗殺者「騙すようで悪いけど、使命感の塊みたいな『教会』の聖職者や聖騎士を仲間にするとか」

暗殺者「もしくは勇者と組んで名を売りだしたい連中がいる『修練場』や『ダンジョン』に潜って機会を探すとかしかないでしょうね」

暗殺者「少なくても、私の知り合いにアンタの仲間になってくれそうな奴はいないわね」ウンウン

勇者「難しいか」

暗殺者「こればっかりはしょうがないわ。でも、一回や二回なら私も組んでもいいわよ?」


勇者「……でも、さっきまでの口ぶりは勇者と組めないって」

暗殺者「感じがしただけよね? もうひとつ、このギョーカイの鉄則よ、思いこみ厳禁! それは頭に刻みなさい」

暗殺者「一緒にずっと組むってのは御免だけど、このお酒、本当にいいものだったし、私が騙したようで気が悪いってのが正直なのよ」

暗殺者「だから一回か二回ぐらいなら組んであげてもいいわよ」

暗殺者「夜になったらこのギルドの『掲示板前』にいるだろうから、声をかけなさいな」ニコッ

勇者「ああ、その時は組んでくれ」

暗殺者「って、もうこんな時間ね~ 夜更かしはお肌の天敵だし、もう寝ることにするわ~」フワア

勇者「ああ、もうそんな時間か」

暗殺者「部屋ならそこの受付にいえば部屋の鍵もらえるだろうから、あとは頼むわ」

勇者「いろいろと助かった」

暗殺者「最後に教えるけど、お礼を素直にいえるのはいい冒険者の証拠……アンタ勇者だったわね」

勇者「だな」

暗殺者「とにかく、おやすみなさーい」テ ヒラヒラ






――ギルド宿泊施設・勇者の部屋――

勇者「ふぅ」ドサッ

勇者(ベッドはそこそこ、てか、ベットしかない部屋か、まぁ寝れるだけましか)ハァ

勇者(しかし、色々とあったな、明日はどこか回ってみるのも……)コンコン

勇者「……窓から?」

勇者(窓に一羽の鳩が止まってる。と、足に手紙がついていた)

勇者「手紙? 誰からだ?」ヒョイット


『勇者殿へ
 言い忘れましたが、修練を重ねるごとに槍は強化され、進化していきます。
 ですので、日々の鍛錬を忘れないように           
                             執政官より』


勇者「筆まめってか、なんであの人、俺の居場所知ってんだ?」キモチワル

勇者「ま、槍の修練は忘れんさ、この槍、なんでか手になじんでるしな」ブオン

勇者「……やることねえし、寝るか」





――朝・ギルド受付――

勇者「さて、朝になったはいいが」

<<ヒソヒソ

勇者「やっぱりこの疎外感はどうにかしたいな」ハァ

勇者「さて、どうすっかな」アタマ ポリポリ





A 修練場にいって槍の鍛錬でもするか

B 教会にいって仲間でも探すかな?

C とりあえず、受付嬢にアタック!

↓2

急用のため、今日はここまで

安価をとっていたら↓1でお願いします。


――鍛錬だな

背中越しに槍を確認する。

俺が背負っている槍。年代物で、一目で前の持ち主は相当に使いこんだと見える。
だが、俺はまだこの槍を俺の物としていない。そもそも、手にはなじむがこれを振ったことなどない。

そのために鍛錬は必須だろう。

今まで戦場など出たことのない俺だが、武器を己の得物としない限り明日はないことなどわかっている。

だから、冒険者のための修練場に足を向けた。





――修練場――

勇者(といっても、何を始めたらわからん)

勇者(壁には鍛錬で使用できるメニュー表があった。だけど……)ジーッ

勇者(なにを選んだらいいかさっぱりだ)ハァ

勇者(周りはうるさく、聞けるような雰囲気ではないな)

<<ヒソヒソ

勇者(どうしたものか……)


勇者(ん?)チョンチョン

??「何を迷ってるんだ?」

勇者(振り返れば、ごついおっさんがいた。てか、でけえな、このおっさん)「あ、いや、こういったものを見るの初めてで」

??「……初めてか」

勇者「ええ、そうです」

??「得物は槍だな、ならば、武器のステータスを確認して決めればいい」

勇者「武器のステータス?」

??「ギルド証明書に組まれた魔術だ。証明書を額に押し付ければ見える」

勇者「……ありがとうございます」

??「バトルマスターとして当然のことだ、礼には及ばん」

勇者「バトルマスター?」

??「ここの管理者だ、ではな」スタスタ


バトルマスターと名乗る、俺の二倍ほどの身長はあるおっさんは行ってしまった。
背は筋肉の鎧に覆われ、ひときわ異彩を放っている後姿が印象的だ。

ともかく、教えてもらった方法を試すため、さっそく証明書を額に押し付ける。

と、頭に情報が浮かんでくる。

『ステータス』

レベル 【基礎】
きりさく 3/5
はらう 3/5
つく 3/5
特殊 3/5

……余計にわからない

多分、この基礎、というのは基礎レベル、ということで、その下のきりさくや特殊、それとこの数字はなんだろうか?

もう一度説明を求めようとバトルマスターを探すが、どこにもあの巨体がいない。

仕方ない。とりあえず、壁にかかったメニュー表で初心者むけと書かれたものを選ぶ。

俺が選択できそうなのは、二種類。
それで選ぶのは、

A 木人訓練

B 対決訓練

↓1


――木人訓練にしよう。

なんだか、オリエント的な良さがある訓練のような気がする。

善は急げ、さっそくいってみるか。





――木人訓練場――

勇者(……木人訓練場はすぐに見つかる、てか、すぐそばにあった。だが、)

勇者「薪を天井からつってるだけじゃねえか……」

勇者(俺も丁稚奉公時代、対モンスター訓練場が解放されていたからコロッセオは知ってる)

勇者(だが、花形のコロッセオとは対照的に人気のない一角にひっそりとあった木人訓練場)

勇者(そこは薪が天井から吊らされているだけだ)

勇者(無料、と書かれていたが、確かにこれは無料だ)

勇者「しかし、やるしかねえな」ハァ


しかし、これは突いただけで薪がさらに細かくならないか、不安だ。

そう思い、槍先で試しに突いてみた。

――と、

勇者「ぶおっ!!」

後頭部に衝撃が襲いかかる。

後頭部を押え、痛みに耐えながら痛みが引くのを待つ。
そして、後ろを向くと、薪がぷらぷらと回っていた、いや、気付かぬ間に、薪が四方八方に展開し、囲まれていた。

勇者「……」

試しに、もう一度、近くの薪を突いてみる。
今度は、慎重に、だ。

木が揺れる。その木が別な木にぶつかり、あたりの薪が揺れていく。

そうして、

――左膝裏と、胸に衝撃が襲う。

展開も予測もできない。しかし、これでも避けたのだ。


目で追っていた頭を叩くはずだった薪が虚しく揺れている。

それを回避したら、膝裏と胸だ。予測していなかった。

いってええ……

痛みが引いて、立ち上がった。

やめるか。この訓練は痛みがひどい。

だけど、すぐに気が付く。

周りが薪に囲まれている。みっちりとだ。

一歩、踏み出す。
脛が木に触れた。

そして、今度は額に薪が当たる。

と、木に字が書かれていることに気がついた。


額を押えて、それを読むと

『初心者冒険者へ
この訓練は一度はじめれば簡単にはやめられない。
なぜなら、一本の木に触れればそれは十本に増えるからだ

帰りたかったら100Gを払うか、薪を全て切り刻み、避け続けろ!
切る限り薪は増えない                   』

……とんだ罠が待ち受けていた。

周りを改めて見回す。この木を避け続けなければいけない。

100G払えばいいんだろうが、そんなはした金も昨日おごってつかってしまった。

やらかした。
だけど、後悔は先に経たない。





勇者「くそおおおおおおおおおおおお!!」

切る、裂く、突く、払う。

その度に薪は切りくずを空中に撒き散らしながらバラバラになっていく。

だが、

「いて!!いて!! いててててッ!!」

5本切れば、一本当たり、その度に10本増えていく。

もちろん減らない、減るわけがない。


無論、収穫はある。

最初、振るうだけでもつらかったというのに、振るうたびに槍が手になじんでいく。

この槍がどれだけの長さであり、どの間合いが的確か、そして、どのように振るえば威力ができるのか、把握していく。

しかし、それ以上に、

勇者「ちょ、ちょっと、休憩……」ゼェゼェ

荒い息を整えながら、座り込んだ。
体力の消耗が予想以上だ。

まだ、30分も経っていないのに、木を避け、槍を振るうのは重労働だ。

いきなり実践にでなくてよかった。これで出ていれば体力が消耗し、死んでいただろう。


勇者「しかし、どうするかな?」

あたりを見回すと、木は増えている。
恐ろしいほど、囲まれた。

この木をどうするか? それを思案する。

と、視線を感じた。

この部屋の片隅、そこに顔を向ければ、

A 金色に輝く手甲を両手に纏った少女がいた。
B 紫色のフードをかぶり、蹲る女がいた。
C 俺より幾分年は上、上等な黒のドレスを身にまとった黒の長髪の女がいた

ごめんない

↓2で


俺より年は二三上、だろう。この場に似合うはずもない、上等な、それこそ上層階級、貴族のパーティにでも参加するのがふさわしい黒のドレスを纏った女がいた。

壁に寄りかかり、腰まである黒髪に、上質な色気を纏う女だった。
紅を塗っているのか、血のように唇が赤く、それがまた、ぞくぞくと背筋を這い上がる衝動を抑えられなかった。

疲れなど忘れ、思わず見惚れていた。

と、女が笑う。口角をつりあげ、嗤った。

俺をみて笑ったのだと気が付く。

その笑みは、人を馬鹿にした笑みだと気が付くのに、そう時間はかからなかった。


勇者「なんですか?」ムスッ

??「……」ニタニタ

勇者「用がないなら、見てないでどっかいってください。俺はこれを……」

??「破壊、だろう?」

勇者「ええ、全て毀さなきゃいけないんです。ですから、見てられると」

??「不快、かい?」

勇者「はい、不快以外の何物でもないので、どっかいってください」シッシッ


??「そう邪険にするではない、若き勇者よ」

勇者「……俺が誰なのか知っているのならなおさら、冷やかしはもう十分なんで」ムスッ

??「なんじゃ、せっかく妾(わらわ)が汝に知恵を授けてやろうと思っておったのに」ハァ

勇者「はい?」

??「妾が汝に知恵を授ける、といっているのだが?」

A ……その方法は?

B 結構だ、間にあってる

↓1


いけすかない女、それがこの女の俺の評価だ。
こいつ、人の苦しむ姿をみて楽しむサディストと、俺の経験が告げていた。

だが、

勇者「……その方法は?」

これ以上体力を消耗してもろくなことにならず、未来永劫薪を切り刻むのに終始して俺の旅は終わりだ。
よって、助力を乞うことにした。

女はさらに笑いをこらえるように肩をすくめ、

??「よかろう、汝に秘策を授けよう」

そして、女は口を開く。

その口から、どんな方法が飛び出すのか、期待したが、聞こえたのは、歌だった。


??「♪~」

美しい歌。それが俺の感想。
見た目と違い、歌声は天使のように、澄んだ歌声。
この状況から打開する策を聞きたかったのに、歌が飛び出したことに少し苛立ちが湧きあがりそうになる。

しかし、

??「♪~」

女の歌声は美しく、聞き惚れてしまった。





勇者「……」パチパチパチパチ

??「ふふっ、妾の歌声はそれほどにまで美しかったか?」

勇者「ああ、最高だった」

??「それは上々」

勇者「……だが、この歌がなんに」

??「汝、鈍いな」

勇者「は?」

??「……わからぬか?」ハァ

勇者「だから、なにが」ハッ

??「気がついたようだな」フフッ


勇者「怪我が、治ってる」

??「それだけではないぞ、今の汝ならばどこから薪が襲ってきてもそれを見極めることが可能だろう」

??「そして、槍を振るう膂力は今までにないほどに疲れを知らぬことだ」

勇者「つまり、今の歌声は」

??「そうさ、ヒーリングヴォイス、いや、ヒーリングソングというべきか?」クククッ

勇者「あんた、いったい?」

??→歌姫「妾は歌姫、なに、ただの暇人よ」

歌姫「それより、早く、槍を振るわぬと効力が切れるぞ?」

勇者「あ」ハッ

歌姫「早くせよ」フフフッ

勇者「お、おう!」ザッ





それからのことは素晴らしいの一言だ。

槍を振るえば木がまとめて木屑に変わり、突けば何本もの木が突かれて消えていく。
俺を狙う木が次々と襲いかかるが、それは俺が目で耳で、肌で気が付く。

十分もしないうちに、

勇者「終わった……」

あれほどあった木が、もう無くなってしまった。

そうして、ぱちぱちと、柏を打つ音が聞こえた。


歌姫「よくやった、と褒めるべきなのだろうが、まだ甘いな」フム

歌姫「妾の歌を耳に入れたならば、槍の一振りで喪失させなければならないぞ」フフン

勇者「……無茶いうな、初めて俺は槍を振るったんだぞ」ハァハァ

歌姫「息が切れていることでもまだまだよ、精進せよ」

勇者「それは、まぁ、そうだな」ウン

歌姫「ところで、汝よ、証明書がひかっておるぞ」

勇者「あ、本当だ」ピカピカ

歌姫「ふむ、精進の証が現れているようだな」

勇者「精進の証?」

歌姫「百聞は一見にしかず、それを額に当ててみよ」

勇者「?」ヒタイニ


『ステータス』

レベル 【基礎】
きりさく 3/5
はらう 3/5
つく 3/5
特殊 3/5

『追記 +1 可能』

勇者「プラスいち?」

歌姫「ステータスのうち、一つに追加することが可能、ということよ」

歌姫「汝ならばまだ【基礎】であろうが、項目の全てのポイントを満たせば次のレベルに進化、可能だな」フム

勇者「へぇ……」

歌姫「それで、どれにポイントを加算するのだ?」

勇者「ああ、俺は……」

A きりさく
B はらう
C つく
D 特殊

↓1


勇者「特殊にするか」

歌姫「ほう、特殊か、珍しいな」

勇者「そんなに珍しいのか?」

歌姫「ああ、本来ならばこの世界は寸分たがわない実力によって決まる」

歌姫「だが、特殊は【コンマ】という神の采配によって決まるのだと言われ、特殊が高ければその分、その祝福もあるのだと言われているな」

勇者「へぇ……」

『ステータス』

レベル 【基礎】
きりさく 3/5
はらう 3/5
つく 3/5
特殊 4/5 up!


歌姫「なんじゃ、汝、知らずにあげたのか?」

勇者「そうだが?」

歌姫「――」ジーッ

勇者「なんだ?」

歌姫「汝は面白いな」ククッ

勇者「なんだ、いきなり?」

歌姫「ふふっ」カツカツカツ

勇者「……なんだ、行くのか?」

歌姫「汝を気にいった、また何かあれば、妾が来よう」カツカツカツ

勇者「な、なんだ、突然」

歌姫「『修練場』に用があれば来い、汝の力添えをしよう」カツカツカツ

勇者「あ、おい!」

歌姫「なんじゃ?」

A 歌、ありがとうな、おかげでクリアできた

B 力添えって……?

↓1


勇者「――歌、ありがとうな、おかげでクリアできた」

歌姫「ふっ、本来ならば妾の歌は安くない」カツカツ

歌姫「汝は運が良いな」

勇者(そういって、歌姫はでていった。ふと床に何かが転がっている)

勇者「……8900G、クリアの報酬金か?」





勇者(このあと、バトルマスターに聞いたのだが、これはクリアできない前提で作られているそうだ。なんでも、あきらめが肝心だと思い知らせるためらしい)

勇者「……つまり、これは諦めた連中の金か」

勇者(ともかく、俺は金を手に入れた。それが今回の報酬か?)


勇者「さて、昼だが、昼はどうするか?」

【昼の行動】

A 道具屋にでもいくか、旅の必要品でも揃えよう

B 昨日言われたし、仲間集めに教会にでもいってみるか

C やることなし 部屋で昼寝でもしよう

↓1


勇者(ふと、思い出したことがある。昨晩、暗殺者に言われたことだ)

――暗殺者「騙すようで悪いけど、使命感の塊みたいな『教会』の聖職者や聖騎士を仲間にするとか」

勇者(教会にいってみるか、王都の教会はでかいと聞くし、ちょうどいい相手が見つかるかもしれないな)





勇者(といっても、どれにするか)ウーン

勇者(ギルドでもらった地図には、この王都には3つの教会があると書かれていたな)

勇者(上流階級の住む東地区にある教会は教育院を兼ねた教会であり、神学徒たちが多く通っているとのことだ。使命にあふれた奴ならここだな)

勇者(逆にスラム街にある西地区の教会は布施院、救護院を兼ねている……ただ、ギルド出身者が多く、ギルドの証明書が役に立つかもしれない)

勇者(ちょうど中間地点の中央区の大教会はこれと言って特色のないものの、歴史が古く、その分、多くの秘術を蓄えているとも書いてあるな)

勇者(さて、どれにするか)

A 東地区の教会

B 西地区の教会

C 中央区の教会

↓1


寝落ち、すみません。




勇者(中央区の教会にするか……)

勇者(確かに東地区は高級区、エリートの教会だ。そんな連中がキャリア捨てるわけねえし)

勇者(西地区は逆に貧困区、金のたねにならねえ話に乗るとは思わないな)ポリポリ

勇者(さて、決まればいくか……)






――王都 中央通り――

<<ワイワイガヤガヤ

勇者(しかし、今まで考えなかったが流石に王都、物と人が集まってるな)スタスタ

勇者(と、いってもここを楽しめる日はこねえだろうけどな)ハッ

勇者(いや、考えるのはよそうか、虚しくなるだけだ)ハァ

??「あの、すみません」オドオド

勇者「あ?」フリカエリ

【誰がいた?】

A いかにも田舎者、な、でかい荷物を背負った爺さんがいた

B ヴェールをかぶった小柄な女がいた

↓1 


いかにも、田舎からでてきました、といわんばかりにでかい荷物を背負った爺さんがいる。

勇者「なにか用で?」

爺さん「あ、はい、勇者、さまですよね?」オドオド

勇者「そうですけど? もしかしてサイン?」

爺さん「い、あ、そうじゃなくて、その、道案内を」オドオド

勇者「道案内?」

爺さん「え、あ、その、田舎からでてきて道に迷ってしまって」オドオド

勇者(つまり、道案内してくれってことか、便利屋じゃねえんだけどな)ハァ

A いいぞ、どこに行きたいんだ?

B 断る。暇じゃないんだ。

↓1


――いいか、別に急ぐ旅でもない。

勇者「いいぞ、どこに行きたいんだ?」

爺さん「あ、ありがとうございます。実は……」





――道具屋――

勇者「爺さん、ここでいいのか?」

爺さん「は、はい。息子がこの店を開いてまして、それで……」

勇者「はいはい、わかったよ。ともかく、もう迷うなよ」バイバイ

爺さん「あ、はい、ありがとうございました。あの……」

勇者「? なんだ?」

爺さん「なにか、入用でしたら、息子にいっておきます。安くするようにお願いしておきます」オドオド

勇者「なんだ爺さん、押し売りもやるのかい?」

爺さん「い、あ、そういうわけじゃ」アタフタ

勇者「はいはい、冗談だ冗談。期待せずに頼むよ」

爺さん「は、はい、お願いします」





――中央区 大教会――

勇者「さて、教会についたもののどうやって入るものか……」ウーン

勇者(流石に仲間になってくださいなんていうのは、不躾、てか、不審者以外の何物でもないな)ウーン

勇者(かといって、お祈りにきた、ってのも、俺、基本的に神さまに頼ることなかったし)ウーン

勇者(お布施、だろうか? 懐は暖かいが、しかし無駄金使うってのも、考えものだな)ハァ

勇者(いっそ、勇者として加護を受けにきた、か、見学させてくれってのもありか?)フム

勇者(さて、どうするか?)

【どうする?】

A お祈り(加護)を受けにきた

B お布施しにきた(金額も) 現在 8900G

C 仲間を探しに

D 自由安価

↓1


――お布施がいいな。実に単純明快、そして、怪しくない理由だ。

金額は400Gにするか。あんまり多くても悪目立ちするし。

財布から金をとりだして、教会の門の前に立つ。
大きな門だ。元々は銅でできていたのだろうが、酸化し黒く変色している。それが一層、歴史の重みを感じさせた。

ゆっくりと、門を押す。ぎぎぎと門が鳴りながら開かれていった。



教会の中は静謐に包まれていた。
荘厳、一言でいえば、この言葉で足りる。

ステンドグラスが光をいれ、大きく天上をくりぬかれて、その空間そのものが祈りの場であることを強調する。

俺も、神に祈ることが少ないが、それでも何かを感じさせるようだった。

と、中央の礼拝堂に一人の修道服を纏った女性がいる。

【自由安価 その女性の特徴は?】

↓2


??「なによ? こんな所に勇者がなんのよう?」

勇者「おいおい、それが来た人間に対する第一声かよ……」

??「厄介事しか持ち込まない勇者以外なら歓迎なだけよ!」

勇者「それもそうか」

??「はぁ、今回の勇者も早死にしそうね」

勇者(室内は薄暗い、だから近づかないとわからなかったが、僧服を纏った小柄な女、てか、子供がいた)

勇者(ヴェールをかぶっていても裾から銀髪の髪がこぼれている、顔立ちは悪くない、あと五年ほど経てば町の男がほっとかないような少女だった)

??「なにじろじろ見てんのよ!」ツンツン

勇者(ただ、この性格を直さないかぎり、もてねえな、こいつ)

勇者「ああ、少し寄付をしたい。だから大人はいるか? できるだけ偉い奴がいい」

??「突然現れてそんな要望通るわけないでしょうが! 少しは物事を考えないな!」

勇者「アポイント取れねえよ、これでも忙しい身だしな」

??「嘘ね、忙しいならそもそも寄付なんてしないわ、時間も金も余ってる道楽もののすることなんですし」


勇者「頭回るな、お前さん」

??→光僧侶「当たり前よ、こう見えてもここを任されてるんですからね、冷やかしならオトコワリ。あと、私には光僧侶って名前があるの!」

勇者「自己紹介されてなかったからな」ヘラヘラ

光僧侶「むかつく奴ね、あんたもてないわよ」

勇者「残念、どういうわけか、もて期はきてるさ、美人二人に声をかけてもらったばかりだ」ハン

光僧侶「むかつくわ、やっぱ」イライラ

勇者「で、布施をしたいんだが、いいか?」

光僧侶「いいわよ、もらえるものはもらっとくわ」ズイッ

勇者「お前にやるんじゃないんだがな」チャリンチャリン

光僧侶「おんなじよ、どうせそのお金で買った物が私たちの利益になるんですし」マイド

勇者「うわ、布施をしたこと、猛烈に後悔してきた」

光僧侶「で? なにが望みよ」

勇者「あ?」

光僧侶「ただで勇者が布施するわけないじゃない、あんたは布施をしたから、一応力になってあげてもいけど?」



【どうする?】

A 正直に言う

B はぐらかす

↓1


――正直に言おう。

こいつ、頭だけは回る。
下手にはぐらかしたところで碌な結果を見ないことだろうし、逆に全てぶちまけた方が助力が得られるかもしれない。

勇者「実はな……」





光僧侶「クズね。あんた、ドクズだわ」

勇者「はっきり言うな」

光僧侶「だってそうじゃない、下心はあるだろうなとは思ってたけど、そんな仲間が欲しいからお布施をするなんて罰が当たるわよ」

勇者「それは重々承知だ。だがな、俺だってあてもない、ツテもない、信頼もない、そんな切羽詰まった状況にならなきゃ、こんなことしねえよ」

光僧侶「どうだか? あんたみたいなクズ、女を襲って孕ませることぐらいしか考えてないんじゃない?」ハンッ

勇者「おい、おれはどれだけ屑で鬼畜なんだ?」

光僧侶「だったら最初からお布施しないことね、そう思われても仕方ないことしてるって自覚ある?」

勇者「ぐっ」

光僧侶「ま、アンタの罪は主に裁かれるからいいとして、そうね」ウーン

勇者(あ、デジャウ)


光僧侶「それだったら教皇庁に言った方がいいわね、聖騎士の管理運営はあいつらがやってるし」

勇者「また面倒癖え寄り道か」ハァ

光僧侶「仕方ないじゃない、ぶっちゃけ、ノラ聖騎士探した方がいいわよ」

勇者「ノラ聖騎士?」

光僧侶「今の教会のあり方についていけなくなった奴らね、聖気取りのバカも大勢いるけど、中には立派な奴もいるって感じよ」

勇者「……ああ、巡礼とかする騎士のことか」

光僧侶「そ、あとは、シスターとかだけど、旅についていけそうなのはこの教会にあたししかいなくて、あとは老シスターが運営してるから無理ね」

勇者「まだ無駄足か」

光僧侶「そ、だからさっさと帰って」

??「まちなさい」

勇者「あ?」ダレダ

光僧侶「!!」ビクウッ


??「こんちには、ゆうしゃさま」ヨボヨボ

勇者「(また老いぼれのばあちゃんがきたな)こんにちは、ばあちゃん。あんたも礼拝かい?」

光僧侶「ば、馬鹿!! この方は!」アタフタ

??「いいんだよ、光僧侶、貴方は少し、黙ってなさいな」



急用。一旦中断

あと、要望とか進め方に改善して欲しい点があったらバンバン書きこんでください。

飯テロ……香辛料ありまくりの世界観にしてダンジョン飯でもやりますかね?

再開


光僧侶「――」ムグッ

勇者「……呪文封印系の魔術か?」

??「おや、わかるかい?」

勇者「それぐらいの知識はあるっていいたいが、推測だ。この口やましい子供がいきなり黙るなんてありえねえよ」

光僧侶「」ギロッ

??「おやおや、見る目はあるようだね、上々上々」ウンウン

光僧侶「ムームー!!」ジダバタ

勇者「アンタ、なにものだ? ばあちゃん」

??→司教「司教さ、ここらへんの教会をとりしきってるもんさね」フッフッフッフ

勇者「教会関係者が魔術使ってもいいのか?」

司教「あんしんしな、これは魔術じゃなくて聖術、魔術と対抗するための術さね」

勇者「へー……」

司教「ま、そんな話はどうでもいいんだよ、あんた、仲間が欲しいそうさね」

勇者「ああ、欲しいが」

司教「この子をアンタに預けても私はいいね」

光僧侶「!?」

勇者「この乳臭いガキを? もっといい奴いねえのか?」


司教「高飛車ですぐ心が折れる奴らや、金や出世にしか興味がなくてあんたを不幸な事故で消しちまうような奴でいいなら紹介するよ?」

勇者「うへぇ、そりゃ勘弁だな」

司教「それにこの子はこう見えてもここの聖術を覚え、『光』に関する知識・技術なら申し分ないよ」

勇者「でも、俺、こいつと旅したら背中から斬りつけられそうなんだが?」

司教「それはあんた次第さね、私としては――」

光僧侶「――納得いきません!!」バンッ!!

司教「おやおや、自力で解術したかい? 流石は私の弟子さね、優秀だ」ホウホウ

光僧侶「そんなことをいいたいんじゃないです! 私がこんなドクズと旅しろって言いたいんですか!?」

司教「そうさね、この老いぼれからしたらうるさくてうるさくて、耳に毒しか賄い子供は旅にでも出てほしいさね」

光僧侶「司教!! 真面目に話をしてるんです!!」

司教「ま、そんな簡単に私も手放すのは惜しいね」つ手紙

勇者「? なんだ、ばあさん、この手紙は?」

司教「依頼書さね」

勇者「そうさ、この手紙は近隣の村の魔物被害で、討伐命令が書かれてる」


>>122

誤字訂正

× 勇者「そうさ、この手紙は近隣の村の魔物被害で、討伐命令が書かれてる」



○ 司教「そうさ、この手紙は近隣の村の魔物被害で、討伐命令が書かれてる」


司教「あんたが光僧侶と一緒に、依頼書を達成してきたらこの子を授けるよ」

光僧侶「はぁ!! 頭いかれてんですか、司教!!?」

司教「頭なんぞ、とっくにイカレテルさ。安心をしな、装備は私の貸してやるからさ」

光僧侶「そうじゃなくて!」

勇者「おいばあさん、あんた、俺の実力知っていってるのか?」ペラ

司教「しらんさ、でもあんたは昨日、勇者に任命されたってことは知ってるよ」

光僧侶「!!? それまったくのしろう――」ムグッ

司教「あんたは少し黙ってな、で、なんだい?」

勇者「いや、これの討伐、キメラなんだか、俺の記憶違いじゃなければ、キメラは上級モンスターじゃなかったか?」

司教「そうさ、並みたいていの冒険者じゃ、返り討ちにあっておしまいさね」

勇者「少なくても一日二日でなった奴に任せる依頼じゃねえな」

司教「なに、仲間や道具を頼ってもいいさ、出発期日は二日後、さてどうする?」

勇者「一つだけ、いいか?」

司教「なんだね?」

【なんて声をかける?】

A 光僧侶だけは勘弁してやってくれねえか?

B 別な依頼はないのか?

C 自由安価

↓1


――情報がない。それが俺にとっては致命的だ。

無論知っていることもある。獅子の頭に山羊の胴体、毒蛇の尾をもつモンスター。一匹のキメラの怒りに触れ、一つの町が壊滅したって噂もある。
旅商人の護衛にどうにかできる相手ではなく、あったら死を抱かなければいけない相手。

あまりに知っていることがなかった。

だから、尋ねる・

勇者「この魔物に弱点はあるのか?」

それに、礼拝堂の椅子に腰かけ、思案に暮れた老婆だったが、口を開いた。

司教「あるさ、この魔物の弱点は知っている。こいつは獣の複合体さ」

勇者「複合体?」

俺の疑問に老婆は頷いた。


司教「これは魔界の瘴気を浴びた獣の想念が集まり形となったものさね」

司教「無論、皮は強靭であり、刃を通さず、個体によっては尾から山羊、鶏、蛇の頭が生えていることすらある」

勇者「ああ、それで炎、吐くんだろ?」

司教「それも個体によりけりさ、中には毒や光線を吐きだす奴だっている」

勇者「こええ」

司教「そして、こいつにはありとあらゆる生物の特徴が詰まってる」

司教「東洋には、矛盾という言葉があるが、こいつはそれを表している」

司教「炎に弱い生物の箇所と突いたとしても、炎の中で生きている生物の特徴をもっていることだってある」

勇者「?」

司教「つまり、獅子にめっぽう効く毒で獅子の頭に振りかけても、その毒にめっぽう強い生物を取りこんでいたら獅子の頭であっても効かないのさね」

勇者「勝てねえじゃねえか」

司教「そうでもないんだよ」


司教「結論から言うよ、こいつは『つぎはぎ』なのさね」

勇者「『つぎはぎ』?」

司教「そうさ、この魔物は別々な連中のものを無理やりつなぎ合わせてる。魔力なんて糸で、動物の布切れを縫い合わせている」

勇者「つまり、倒し方は」

司教「無理やりつなぎ合わせているなら、ほどけばいいのさね」

勇者「そのほどき方は?」

司教「そこの光僧侶が知ってるさね、教えてもらいな」

光僧侶「」ビクウウ!!

司教「さて、どうする? 受けるかい? 蹴るかい?」



【依頼を受けるか?】

A 受ける

B 蹴る

↓1


――受けよう。倒し方がわかったなら、上々だ。

勇者「ああ、受けるよ、その依頼」

持っていた羊皮紙の依頼書を見て、頷いた。

と、ゆうしゃの腕輪が光る。そうして、

羊皮紙に紅い文様が浮かび上がった。

司教「ま、あんたが死のうが生きようがいいが構わないが、あの子だけは頼むよ、また後継者を作り出すのは面倒だ」

老婆はそういって、教会の奥に消えていった。

残されたのは、光僧侶と俺だけが教会にいた。





――ギルド宿泊所・勇者 個室――

光僧侶「ありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわありえないわ……」ズーン

勇者「おい、いつまでそうして部屋の隅にうずくまってるつもりだ、辛気臭えよ」ハァ

光僧侶「黙りなさいッ!! もとはと言えば、あんたがうちの教会にこんな面倒事持ち込まなくちゃ、こんな目に遭わずに済んだのよ」キッ

勇者「知らねえよ、俺だってキメラと戦うはめになっちまったし」ハァ

光僧侶「黙りなさい! アンタのは自業自得よ!! 私は完全に被害者以外の何物でもないわっ!」

勇者「でも、そういいつつもお前だってついてきてるだろうが」

光僧侶「追い出されたのよ!! あの婆、あんたも勇者のパーティに入ったんだから、教会に終わるまで帰ってくるな!とかほざいたせいよ!!」

勇者「お前、あのばあさんあんなに恐れてたのに」

光僧侶「ええ! あの婆、いっつもいっつも思いつきで行動するからよ!! 赤ん坊よりも目が離せないの! そして苦情を受けるのはいつも私!! そのおかげでストレス耐性は常人の五倍よ!!」ガー!!

勇者「……苦労してんだな」カタ ポンッ

光僧侶「さわんな! 屑が移る!!」

勇者「やっぱお前いい性格してる、同情して損した」ハァ


光僧侶「で? なにか考えあるの?」

勇者「あ?」

光僧侶「だ・か・ら!! キメラの倒し方よ!! なにか作戦あるの!?」

勇者「いや、それはお前が」

光僧侶「……その方法はあとで教えるわ、でも、私独りじゃ無理だし、アンタの協力がいるけど」ジーッ

勇者「なんだよ?」

光僧侶「あんた弱いし、死にそう……」

勇者「んだとコラ!!」

光僧侶「だから、作戦あるのかって聞いてるの? それがないと方法も始まんないわよ!」

勇者「作戦か……」

A 仲間を集めるか

B とりあえず、その方法を教えろ

C 鍛錬だな

D 自由安価

↓1


勇者「仲間を集めるか」

光僧侶「でも、アンタ、仲間いないからこっちに来たんでしょ? 頭湧いてるわね」ハァ

勇者「ちげえよ、つてはあるってことだ。仲間になってくれそうな奴に心当たりはある」

光僧侶「……だったら早く言いなさいよ! アンタの話、わかりずらいったらありゃいない!!」ウガー

勇者「どっちにしろ怒られるんだな、俺」



【仲間のあて】

A 暗殺者に声をかける

B 歌姫に声をかける

C 二人に声をかける

D 自由安価

↓1


――暗殺者に声をかけよう。

ふと、脳裏に酒を飲んで頬に朱がさした女性の顔が浮かんだ。
あいつだったら戦闘のプロだ。俺なんぞより幾分いい戦闘が取れることだろう。

なにより、一度や二度なら組んでもいいっていっていたことを思い出した。

勇者「そうだな、ある奴に声をかけてみようと思う」

光僧侶「そ、なら早くそいつに話をもっていきましょう! 断られたらこまるし、早く話を進めないと!」

光僧侶がそういって出ていこうとする。

勇者「あ、でもそいつ夜にいるって話で」

ちらりと横目で窓を見れば、まだ日は沈まない。

ドアノブを握っていた光僧侶の手が止まり、真っ赤になって振り返った。

光僧侶「そ、それを早くいいなさいな!!」

理不尽だ。


さて、まだまだ夜まで時間はある。どうするかな?

【夜までどうする?】

A 旅道具を買いに行く。

B 光僧侶と雑談

C 夜まで寝よう

D 自由安価

↓1


――光僧侶と話でもするか。

いまだに部屋の隅で小さくなって、溜息をついてる光僧侶に声をかけた。

勇者「なぁ、おい」

光僧侶「なによ!」ギンッ

そうして、いまだにギラギラと、睨み殺さんとばかりに鋭い視線を受けながらも口を開いた。

【何を話そう?】

A お前ってどんな聖術が得意なんだ?

B あー、趣味とか

C お前と司教の関係は?

D 自由安価

↓1


――なぁ、

とりあえず、そんなありきたりな言葉をかけようとした時、口より先に腹が音を紡ぎ出した。

勇者の腹<<グゥ

……そういや、朝飯にギルドから出されたうっすいパン二枚くって、あと、なんもくってなかったっけ。
どうでもいいことを思い出したが、光僧侶は俺の様子を見て、

光僧侶「…ぷっ」

初めて笑った。

光僧侶「あ、あんた、真面目な顔をしてどんなこと言うのかと思えば」

次第に腹を抱えて、

光僧侶「あっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

大笑いだ。
でも、まぁ、木が逸れたならそれでいいな。


光僧侶の笑い声が収まるまでまち、声をかける。

勇者「ここら辺で安くて美味い飯屋をしらないか?」

下のギルド食堂を利用してもいいが、歓迎されていないから薄いパンが二枚しかでてこないのが落ちだ。

光僧侶「そうね、私もお腹減ったし、なにか食べるのもいいわね」ウン

勇者「おごるぞ?」

光僧侶「当たり前よ、ついてきなさいな」





亭主「はいおまちいい!!」

ドン、とテーブルの上に置かれた料理に空白した。

肉だ。

赤身の肉が大量に鍋の中に投入されていく。大雑把に切り分けた、煉瓦のような肉の塊が、鍋のなかに入っていく。

雑な料理だなってのが俺の第一印象。

光僧侶「? なによ食べないの?」

勇者「いや、食うが、食うけどよ」

ただ、汁もなく、煮込むわけでもなく、鍋で焼かれていく肉の塊にどうしろと?
なんだ、都会では田舎者をこうしていびるのがしきたりなのか?

だったら、今頃昼間に案内した爺さんは息子にいびられていることだろう。


光僧侶「ま、食べないなら私がいい部分もらうからいいけど」

慣れた手つきで、光僧侶は木串を取り出すと、鍋の中で踊り焼ける肉に刺していく。

木串を刺した部分から血が滲み、血玉が鍋で踊っていく。

その奇妙な、風前の灯のような踊りをみている。

と、光僧侶は運ばれてきた、肉が乗っていた大皿に添え物としてあった大きな葉を鍋に入れて、肉にふたをするかのようにかぶせた。

光僧侶「こうすることで、野菜の水分が肉にしみ込んで美味しくなるの」

へぇ、そんな料理方があるのか。

光僧侶「ほら、あんたはボサッとしてないで、これをいれなさい」

渡されたのは、黒の液体が入っている大瓶。

試しにふたを取って匂いを嗅いでみると、甘いようで、すっぱいような、複数の匂いが混ざり合った特別な匂いがした。

勇者「これは?」

光僧侶「ドレッシングよ、なんでもゴマって奴を主に、色々なものを混ぜ込んだもののようね」

勇者「へぇ」

光勇者「これをいれて、煮込めば完成よ」

とりあえず、鍋全体に一周するように入れる。

と、ソースが焦げて、香ばしい香りが鼻をくすぐった。





勇者「あ、うまい」

雑な料理だが、味はよかった。

肉特有の重厚さが、しんなりとした葉野菜にマッチして、しつこくなくない味わいと食感。

そして、それが一緒に煮込んだタレに絡まり、あまじょっぱさが口の中に広がる。

光僧侶「当たり前よ、これが王都の名物なんだから」

たまに血の塊が肉の中に残っているが、それが一層、深い味わいになっていた。

勇者「へぇ、この近くで飼ってる牛か何かか? この肉」

口の中でぱらりとほどけることなく、いつまでも残るような深みがある。

でも、食べたことない、味だ。

ついつい、フォークが進んだ。

何の肉か、少し気になるが、まぁ、よほど変な物じゃないだろう。

いや、たとえ蛇の肉でも俺は食べるぞ、この料理


光僧侶「リザードマンよ」








……ぶっ!!!


光僧侶「うわ! 汚いわね、吐くな! 馬鹿!!」

勇者「いやいやいやいや、この肉リザードマンなのかよ?」

光僧侶「そうだけど、それがどうしたのよ」ハァ?

勇者「二足歩行して武器使ってくるタイプの魔物だよな?」

光僧侶「そうだけど、それがどうしたの?」

勇者「びっくりしたわ! ナチュラルになに食わせてんだ!?」

光僧侶「仕方ないじゃない、王都の近くで繁殖してる動物っていったら知能の高い奴しかいないんだし、オークやトロール鍋もあるわよ?」

勇者「……王都こええ」

光僧侶「?」ハテナ





――ギルド・掲示板前――

勇者(あー……えらいもの食っちまったよ)ハァ

光僧侶「しゃきっとしなさい! これから話をするんでしょうが!」

勇者「そりゃ、そうだが」ハァ

??「おや、新人勇者くんじゃないか、どうしたんだい?」

勇者「お、暗殺者、いたのか」

暗殺者「いたわねー、こう見えても忙しく、はないわね」アハハー

勇者「そりゃ悪いな」

光僧侶「勇者、勇者」チョンチョン

勇者「ん? なんだ?」

光僧侶「こいつがアンタの言ってた仲間のつて?」ヒソヒソ

勇者「そうだが、どうした?」ヒソヒソ

光僧侶「痴汝か、高級娼婦の間違いじゃない?」ヒソヒソ

勇者「あー、あれは本人の趣味だ」ヒソヒソ

暗殺者「あれ? もしかしてパーティ組めたの?」

勇者「いや、実は、まだわけありで」

暗殺者「長くなりそうだし、あっちで座ろうか?」




>>113
男割り?

急用

中断
こんな感じでどうでしょうか? 料理難しい

あと、ここを改善して欲しいとか、安価はもっとこうして欲しいとかあったらぜひ

>>150

誤字りました。

オコトワリでお願いします



だけんど他にも誤字脱字が多いぞ


デス安価も在り得ますか?

>>154
すみません、凡ミスが多くて。他にもコロコロ一人称が変わったりして、申し訳ない。

>>155
デス安価になりえることもありますね。その場合は間違った所からリロード、みたいなことを考えております。

再開


暗殺者「あー、そりゃまた大変なことになったわねー」ゴクゴクゴク

勇者「ああ、まったくだ」

暗殺者「で? アタシとパーティ組みたいってわけかしら?」ゴクゴクゴク

勇者「そういうことだ。流石にキメラとこのまま戦うわけにはいかねえな」ハァ

暗殺者「まぁ、組んでもいいっていったのはアタシだしいいわよ」ゴクゴクゴクゴク

勇者「軽いな、キメラは」

暗殺者「上級の魔獣ね、ぶっちゃけ、アタシも勘弁してほしいけど」ウーン

光僧侶「けど、なによ?」

暗殺者「いやー、武勇伝くらいになるかな~って思っちゃったもんでね~」ヤレヤレ

勇者「武勇伝?」

暗殺者「そ、そ! どこそこの奴と戦った~とか云々よりも、『勇者をサポートしてキメラを倒した!』って方が宣伝になるでしょ?」

勇者「確かに、それは」

暗殺者「ま、生き残ればの話だけど、そっちのおチビさんの腕は確かそうだし」

光僧侶「チビっていうな!!」


暗殺者「はっはっは! おっぱいのサイズをアタシぐらいにしてから文句を言いに来なさいな~」ワハハハハッ!

光僧侶「……おっきくなるわ、私だってアンタぐらいになれば」プイッ

暗殺者「ま、その未来は別にどうだっていいけど、準備は?」

勇者「あ? 準備?」

暗殺者「ほらほら、なにもでていって戦うってのがクエストの基礎じゃないわよ? そこのフィールドがどこで、なにが必要で、どんな移動手段をとって、片道に何日かかるとかも考えないと」

勇者「……あ、そっか」

暗殺者「ま、はじめてのクエストだし、その辺は付き合ってあげるわ、光僧侶ちゃんも詳しくないっぽいしね」クスクス

光僧侶「一介の僧侶が旅じたくなんて知るはずないじゃない」プイッ

暗殺者「と、いうわけで、勇者くん、今夜泊めてね?」

勇者「は?」

暗殺者「だってそうじゃない、アタシ朝弱くて起きれないからね~ 困った困った」ゲフウ

勇者「……本当のところは?」

暗殺者「金欠♡」

光僧侶「こいつ、本当に仲間にしても大丈夫なの?」

勇者「俺も人選誤ったかと思ってるよ」





勇者「だが、部屋をそんなにもらえるわけがないか」ハァ

暗殺者「あらあら~ もしかして一つしかもらえなかったの?」

勇者「いや、あらかじめ光僧侶の分も申請していたから二部屋は確保できたが、もう一部屋は用意できないってよ」

光僧侶「それをなんとかするのがアンタの仕事じゃないの?」ジトー

勇者「無茶いうな、あの眼光鋭い受付嬢に申請してきただけでもよくできたと褒められるべきだろうに」ハァ

暗殺者「で? 部屋がどうかしたのかしらね?」

勇者「二部屋はシングルベットだ。誰かが床で寝ることになる」

光僧侶「私は嫌よ、絶対床でなんて寝ないったら!」プイッ

暗殺者「アタシはお酒飲んでるからベット使わせてもらいたいわね~」ウフフッ

勇者(まぁ、それは俺でいいが、問題は誰の部屋の床で寝るかだな)

【どっちの部屋で寝る?】

A 暗殺者の部屋で

B 光僧侶の部屋で

C 自由安価

↓1


――暗殺者の部屋で寝よう。

もしも光僧侶の部屋で寝れば、一晩中ぐちぐち小事言われつづける様が目に見える。

勇者「すまん、暗殺者、お前の部屋で寝かせてくれ」

暗殺者「はいはーい、いいわよ」

光僧侶「ちょ! あんたたち、変なことしないでしょうね?」

暗殺者「あら? 変なことって?」

光僧侶「そ、それはその……」アタフタ

暗殺者「いやー、可愛いわ~、めっちゃ可愛いわ~」ギューット

光僧侶「抱きしめるな! この牛女! 酒臭いったらありゃしないわ!」モガキモガキ

勇者(……不安だ)ハァ





――暗殺者の部屋――

勇者(つっても、なにもすることねえな、部屋の間取りで、俺が床に寝る準備をしなきゃいけないだけだが)

暗殺者「勇者クン、これからシャワー入るけど、覗くなら1000Gかお酒一杯おごりなさいよ~」イソイソ

勇者「安いな、あんたの体!?」

暗殺者「冗談よ、冗談、覗いたらエライことになるだけよ~」

勇者「……一応尋ねるが、なにがエライことになるんだよ?」

暗殺者「勇者クンの勇者の剣がぼろぼろになるわね」クックック

勇者「やめろ、俺の勇者の剣はまだ未使用なんだ」

暗殺者「普通、そういうこと、カミングアウトしないと思うけど」

勇者「この間、お前に処女だって叫ばせた償いのつもりだが?」

暗殺者「ま、それはいいとして、シャワー入ってくるからおとなしくね?」

勇者「おう」


勇者(っていっても、やることないし、暇だな)ボーッ

<<♪~

<<ジャージャー

勇者(てか、あいつ無防備すぎだろ、男がいるのにシャワーって)ハァ

勇者(……………………………………)

勇者(やっぱり暇だな)ハァ



【なにをする?】

A 槍の手入れでもするか

B 体が勝手にシャワー室に……!?

C 依頼書を確認するか

D 自由安価

↓1


B選択 ※修羅ルート突入

――自分のキャラぐらい把握しているつもりだ。

女に興味がないわけがない。人並みにそういったことに興味はあるし、いや、むしろ人より異性に興味があるかもしれない。
子供のころ、春本が道に転がっていたら、誰も見ていないことを確認して拾い上げ、脱兎のごとく家まで持ち帰った者だし、
丁稚奉公時代は公衆入浴場の清掃なんぞ頼まれたら、内心興奮と心拍の上昇を抑えきれず、鼻血を流して綺麗にした浴場を汚し、親方のゲンコツがとんだものだ。

いま、俺の半径10メートル以内で裸の、しかも極上の体と美貌を持つ女がシャワーを浴びている。

普段の俺だったら、どこからか覗けないか、部屋中を探すものだろう。
しかし、それはしちゃいけないことぐらい承知している。

なぜって? ――その女が暗殺者であり、気配を読むことに長けているからだ。

対して俺は、つい昨日、勇者に任命され、今日、槍を振るったばかりの存在、オタマジャクシの足が生え始めた存在にすぎない。
そんなちっぽけな奴が戦闘のプロに挑めばどうなるのか、子供ですら知っている。

だから、俺の最適解は、おとなしく部屋の隅でうずくまって心を無にし、明日に備えることだ。



それくらい、わかっている。






―――わかっていたんだ。





――――俺は、服を脱ぎ、なるべく物音や布がこすれぬようにしていた所だ。




わずかな物音――たとえ、移動の際のわずかに布がこすれる音であっても、高鳴りから生じる心音であっても、全身に血が巡ったために呼吸音であっても、全て、俺の存在を訴える物が敵となる。

故に、俺はそれを少しでも殺さなくてはいけない。

こういうとき、あの武器球は便利だ。
経験が付与されるということは、その心構えも付与されることに違わない。

心を殺す。――たとえ、目の前に暗殺者の纏っていた下着が落ちていても、暗殺者の一糸まとわぬ産まれたままの姿をみても、俺は呼吸を乱すことがなく、観察を続けられるだろう。

勇者になったことは王に恨みを抱いているが、この事だけは感謝するほかない。

さて、心が落ち着き、今なら実行に移せる。

そして、第一歩目が肝心だ。



【どうする?】

A 部屋を把握に努める。

B シャワー室の前まで移動する。

↓1


――部屋の把握に努めよう。

この極秘のことに関して、焦燥と慢心は最大の敵だ。

まずはフィールド(戦場)を把握すべきだろう。

この部屋だが、大きさは縦3メートル、横2メートル四方の面長の部屋にベットが一台、それと物入れの棚が一つ置かれている簡素な部屋だ。
棚は東洋の品で、『タンス』と言うらしいが、蛇足だろうな。

暗殺者は下着やら着換を全てタンスにしまっている。しかし、それには特殊な術がかけられており、俺では到底開くことはできないらしい。

そして、肝心なのは、シャワー室だ。

通路と部屋をつなぐ間に小通路に2メートルほどの空間が存在している。

それはシャワー室と呼ばれる存在であり、今、俺が目指すべきパラダイスだ。

そこから、天女の歌声――もとい、暗殺者の鼻歌と水音が流れている、という状況だ。

覗くなんて、普通は無理だ。なぜなら、入口は一つしかない。

シャワー室と部屋の間に簡易的な脱衣所があるが、入口は一つしかない。
脱衣所の扉の前まで行くことは可能でも、脱衣所に入った途端、ばれる。

さて、普通に考えれば、無理だ、諦めろ、と悪魔がささやき、乗るしかないだろう。





だが、俺は普通じゃない、『勇者』だ。


――諦めるわけにはいかない!!



【どうする?】

A と、いっても方法なんてない、突撃だ!

B いや、諦めるな、まだ方法はあるはずだ!

↓1


――まだ諦めるな、方法はあるはずだ。

簡易な方法に、単純なものに逃げたくなるのは人間の性だ。しかし、逃げるわけにはいかない、俺は、そんな安易なものには逃げない。

だが、扉が一つしかないのも事実だ。
部屋は閉鎖的であり、人間独りだけが利用するために作られている――まして覗くことなどないように出来ている。

壁がもどかしい、この薄壁の向こうでは暗殺者がいるというのに、壁が憎い。

水音と暗殺者の鼻歌が聞こえてくるのが余計にじれったい。

くそ、俺も浴室の壁になれたら――はっ!



【何に気づいた?】

A ……――水!?

B ……――壁!?

↓1


……――壁!?

そうだ、なんだ、壁になればよかったんだ。

俺は勇者、心構えも知っている。心を無にし、俺は壁だと言い聞かせればいい。

そうして、浴室に入れば、なにも問題はなかったんだ。

なんだ簡単な話じゃないか……――!!











――シャワー室――

暗殺者「で? いいたいことは何かしら?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

勇者「はい、すみません」ドゲザー

暗殺者「いやーいきなり驚いたわ~ いきなり入ってきて、俺は壁だー! とかざれほどをほざいたと思ったら、壁にぴったりとくっつくんですもの」

暗殺者「おかげで、思わずタオルで首を絞めちゃッわよ~」ゴゴゴゴゴゴゴッ

勇者「はい、どうもすみませんでした」ドゲザー

暗殺者「だから、今日はそのままの姿勢で寝なさいね~」ゴゴゴゴゴゴッ

勇者「はい、あの、恐れ多くも、暗殺者様、ここ浴室で、水が冷えるんですけど」ドゲザー

暗殺者「あら、よかったじゃない、頭も冷えて一石二鳥ね~ とりあえず、朝までね~」ゴゴゴゴゴゴッ

勇者「はい、わかりました」



【BAD END!!】


やり直しますか?

↓1~3まで多数決


というわけで、やり直し。ただし、残りコンテニュー数 3回

>>175より


――まだ諦めるな、方法はあるはずだ。

簡易な方法に、単純なものに逃げたくなるのは人間の性だ。しかし、逃げるわけにはいかない、俺は、そんな安易なものには逃げない。

だが、扉が一つしかないのも事実だ。
部屋は閉鎖的であり、人間独りだけが利用するために作られている――まして覗くことなどないように出来ている。

壁がもどかしい、この薄壁の向こうでは暗殺者がいるというのに、壁が憎い。

水音と暗殺者の鼻歌が聞こえてくるのが余計にじれったい。

くそ、俺も浴室の壁になれたら――はっ!



【何に気づいた?】

A ……――水!?

B ……――壁!?

↓1


――水

シャワー室から水音が聞こえる。
確かにシャワー室は密閉性が高い、だが、人が出入りする外部との通路が一つしかない、だけだ。

他にもお湯を供給する温水管であったり、流す下水道、そして、湯気を排出する換気窓がある。

これなら、人用の通路を利用しなくても、室内の様子をうかがうこともできるはずだ。

そして、俺が使うべきは、


【なにを使うか】

A 下水道

B 温水管

C 喚起窓

↓1



――下水道を使おう。

確か、下水道から登れば、不可能なことはない。やってやれないことはない――





ドア<<ガチャ

暗殺者「あーいいお湯だったわー」フゥ

<<プーン

暗殺者「で……勇者クン、どうしたの? そんな汚れた格好で」

勇者「クッキー作ろうとして、オーブンが爆発して」プーン

勇者(思えば、下水道に入ることはできても、排水溝の口径考えれば、人通れるはずねえな)フフッ

【END!】


残り二回

――水

シャワー室から水音が聞こえる。
確かにシャワー室は密閉性が高い、だが、人が出入りする外部との通路が一つしかない、だけだ。

他にもお湯を供給する温水管であったり、流す下水道、そして、湯気を排出する換気窓がある。

これなら、人用の通路を利用しなくても、室内の様子をうかがうこともできるはずだ。

そして、俺が使うべきは、


【なにを使うか】

A 下水道

B 温水管

C 喚起窓

↓1


――換気窓だな

確か、部屋からでて共通で使用するトイレにも換気用のダストが通っていた。
あれは各部屋に通じ、それはシャワー室に通じている。それを万屋時代に魔術を利用した空調整備で知っている。

ここの方式も同じものであろうし、それに、壊れやすいものであるから人が通れるように作られている。

ならば、話は早い。そこが俺の通るべき道だろう。

善は急げ、しかし、何か、持ち物は必要だろうか?

【何を持っていく?】

A 槍

B ギルド証明書

C 部屋の鍵

D 自由安価

↓2


――ギルド証明書だ。

何かあったときのためにいいわけぐらいできるだろうし、それにこれがあれば、どこか、許可を求められた場所にすら入出できる可能性もある。

持っていて、なんら損はない。

荷物をあさり、ギルド証明書をもって部屋をでる。
目指すは男子トイレ、その個室の換気窓が俺のパラダイスへの入り口だ。





勇者「狭いな……」

結論からいえば、俺の侵入は成功したと言ってもいいだろう。

もしも男子トイレの個室を利用したいものがいるなら、残念ながら諦め、他の個室を探す方が無難だし賢明な判断だ。
なぜなら俺が個室にはいないからだ。

一つしかなく、独りしか用をたすことのできない男子トイレに入り、そこから換気通路に入ることが成功した。

だが、狭い。本来、緊急点検のために人がやっと独り、入るだけのスペースが確保されているだけだ。

ましてや、全部屋使用を停止し点検することが想定されて作られている、つまり、稼働中に人が入ることなど、考えてないのだ。

勇者「ぐうう!」

よってすさまじい湯気――熱気が襲う。

このままいれば、蒸しまんじゅうが出来上がる。

【どうする?】

A 考えろ!! パラダイスを――!!

B 証明書でステータスを強化する

↓1


熱気で意識が飛びそうになる。陽炎のごとく、視界が歪む。

ここに浮かぶのは、明確にして濃密な死。

――だが、死ねない、パラダイス(女湯)を見るまでに、本物の極楽に行くわけにはいかない――!!

ゆであがった頭に活をいれ、思い切り、熱い空気を吸い込む。
肺が焼けるように熱い、胸の中に火がついたようだ。

だが、故に冷静になった。

――考えろ、今、手元にあるものを

それは、一個の木彫りのペンダントだった。

そうだ、これしかない――!!

額にペンダントを押し付ける。
見えたのは、俺のステータス、本来ならば、俺の武器を数値化するもの――。

そして、俺の今の武器(得物)といえば、一つしかない

それは――


『ステータス』

名称 すけべ心


レベル 【もはや神】
貪欲性  MAX
探究心  MAX
忍耐   MAX
特殊 4/5

それはもう、証明書が激しく光る。
猛々しい光によって、俺は失明するんじゃないかって危惧するほどの光を放っていた。

だけど、決まっている。

特殊に全ふりする。

そして――




俺の行く手をさえぎり、俺の身体を蝕む風は――――――止んだ。




ふう――。

額にたまった汗をぬぐう。

よかった。俺の最も強いものを武器(得物)にすれば、ポイントがたまり、運である特殊もあげられるのではないか? と思ったが、その通りだった。

大方、皆が使用を一時中断するか、壊れるかしたのだろう。
限界までパラダイスを求める『貪欲性』を持ち合わせ、パラダイスには何があるのか知りたいという『探究心』を養い、そのためにどんな困難にあっても諦めない『忍耐』を持ち合わせていた、俺の勝利だ。

さて、最後の難関だ。

道が二つに分かれている。

どちらからも歌声が聞こえ、何度も何度も曲がったためにどっちの方角が正しいのかわからない。

右か、左か

右からは美しい、完璧な音程の歌声が、

左からは若々しく、みずみずしいようなハミングが、

どっちを覗いても俺の勝利だが、赤の他人であってばれれば、そく縛り首だろう。

これも重要な選択だ。

俺が選ぶのは――



【どっち!?】

A 右

B 左

↓1

こんなの完全に運ゲーじゃん、ヒント無いの?

1

>>204

誰が歌っていたか、その声の質が違うって書きたかったんですけど、そうでした。

もう少し書き足します。

>>205

安価、取っていただいてありがとうございます。
すみませんが、状況説明を追加したいのでもう一度安価取らせて頂いても構いませんか?


ふう――。

額にたまった汗をぬぐう。

よかった。俺の最も強いものを武器(得物)にすれば、ポイントがたまり、運である特殊もあげられるのではないか? と思ったが、その通りだった。

大方、皆が使用を一時中断するか、壊れるかしたのだろう。
限界までパラダイスを求める『貪欲性』を持ち合わせ、パラダイスには何があるのか知りたいという『探究心』を養い、そのためにどんな困難にあっても諦めない『忍耐』を持ち合わせていた、俺の勝利だ。

さて、最後の難関だ。

道が二つに分かれている。

どちらからも歌声が聞こえ、何度も何度も曲がったためにどっちの方角が正しいのかわからない。

右か、左か――選ぶのは、二つに一つだ。

声を聞けばわかるだろう。だが、なぜかどちらも聞いたことのある声だ。しかも、高音で歌っているため、地声がわからない。

だけど、歌の質は違う。



右からは美しい、完璧な音程の歌声であり、聞く者に安らぎを与えるような歌だ。

左からは若々しく、みずみずしいようなハミングが響き、楽しんでいるんだなとわからせる。

どっちを覗いても俺の勝利だが、赤の他人であってばれれば、そく縛り首だろう。

これも重要な選択だ。

俺が選ぶのは――



【どっち!?】

A 右

B 左

↓1

もう少し、安価先のばしますか?

散々引き延ばしてすみませんでした。

今回は一番最初に安価をとっていただいた>>205さんの安価でいきます


――右にいこう。

確かに左の歌声は楽しげだ。だが、楽しいだけだ。もっと人間がリラックスするとき、声も休まるように歌うのではないだろうか?

右の歌声は歌い手のみならず、聞く者全てが休まるように歌われている。


――なにより、この歌の、声の持ち主が気になる。

ローレライという魔物がいるそうだが、俺は誘われることにしてみた。

勇者「よし、行くか」

そうして、全身を小さくまとめながらも、俺は右の通路に舵を切った。


腹ばいになって進む、進む、進む――

一手、前に進み、音をたてぬように、体を全身させる。静まり返ったダストの中で、俺は心音すらもたてぬように、体を進ませていった。

途中、いくつかの換気窓――つまり浴槽が見えた。そのうちの何か所か、使用中であったが、見ないことにする。
獲物は、いかに空腹であり続け、困難を踏破していったのか、それが強靭であり、広大であればあり続けるほど、捕らえた時の喜びもまた、一入だとある高名な狩人の言葉だ。

だから、ひたすら泥水の中をはいずりまわり、最後に牙を立てる。獲物は一回の喜びでいい――

それに俺もあやかろう。

そうして、歌が流れてくる換気窓の場所にまで到達した。

やっとだ。やっと、たどり着いた。

ふと、目がしらに熱いものが込み上げてきた。

しかし、まだだ。俺は、パラダイスの入り口に立ったに過ぎない。

さぁ、扉はここからだ――

【さぁ】

A 扉を開く

B 扉を開く

C 扉を開く

D 扉を開く

↓1


扉を開くことが決定し、ここまで。

眠くて続き書けないんで勘弁してください。

そして、眠気で誤字とキャラがぶれまくりなのも、本当にごめんなさい。

続きはいよいよ皆さんお待ちかねの入浴シーンから!




換気窓は一辺20センチの正方形、覗きこむなら十分の大きさがある。

呼吸を整えた、心音を抑えた。

――そうして、パラダイスの扉をあけた(覗きこんだ)。


それまで通っていたこの換気路は暗所であり、暗がりから煌々しく光射すものを見ると、
目がなれず、立ちくらみのようにわずかに頭痛に似た痛覚が眼球から脳髄に襲っていく。

だが、それもほんの一跨ぎ、人生という膨大な時間に比べ、一瞬に過ぎない。

目も、すぐになれる。

蒸し暑い湯気が顔面を直撃する。だが、構わない。今までの痛みに比べ、わずかな痛痒でしかない。

シャワー室は明るい。符術という東洋の術式によって、昼間のごとく明るく照らされていた。

狭い空間だ。2メートル四方の空間に過ぎない。

だが、その空間の中には工夫が張り巡らされている。

東洋から武者修行や武術を広めるために訪れた冒険者も多く、シャワー室、という名だが、部屋の半分には小さな浴槽も付属されており、湯につかることも可能だ。

どうやら、このシャワー室の利用者は浴槽を利用しているらしく、シャワーは流れっぱなしだが、そちらには人影がいない。
しかし、好都合だ。

上から眺めることになるが、この位置からでは頭頂部しか覗けない。

――ふざけるな

ここまで来たのに、何が悲しくて女の頭頂部を見て満足しなくてはいけないんだ。

どんな変態趣味だ。あいにく、俺は乳尻ふとももが好きな一般男性だ。

だが、湯につかっているということは足を伸ばしている。つまり、好きな箇所が見放題だ。

しかし、ここからだともう少し移動しなくてはいけない。
残念ながら、換気窓の死角になっている。





【どうする?】

A 顔を半分ずらすか

B 体ごと前進、じっくり眺めよう。

↓1


ここは慎重に、だ。

なにも見るだけなら、顔をずらせばいい。ほんの少し、わずかに、ずれればいい。それだけで見える。余計なリスクを背負うことはない。

ずれる。

そうして、俺にパラダイスが開かれた――


最初に見えたのは、足だった。

浴槽に足をのばしているが、ほっそりとした脚線美にあふれている。
透明な、温かい湯の中に溶けてしまうことを危惧してしまうほど、白雪のような肌だ。

きめ細かく、そして、なめらかな、触れば磁器のようにさわりとした手触りなのだろうか? それとも、焼きたてのパンのように、ふわりと肌をくすぐるような手触りなのだろうか? みている俺には判別がつかないが、それでいい。

ゆっくりと視線をあげる。

【どこをみる?】

自由安価

↓1


視線をあげる。

やはり女性の象徴と言えば、胸だろう。

軟らかく、それでいて豊かな実りの象徴。

視線をあげる。そうすれば、へそに行き当たり、そうして、更に視線をあげれば、

豊かに、たわわに実った二つの果実。

――でかい

大きさは子供の頭くらいはある。正直、こんなに立派な物をもっているとは思わなかった。

肌も変わらずきめ細かく、そして、その頂には、二つの薄桃色の華が咲いていた。

それが、お湯に浮いていた。
そう、浮いている。人体は水に沈む重さをもっているとばかり思っていたが、その認識を改めなくてはいけないようだ。

こぼれる水滴が胸にこぼれおち、そうして、お湯の一部となる。

二つの小島が、お湯に浮いていた。



【どこを見る?】あと二回

自由安価

↓1

中断

少し聞きたいのですが、コンテニュー数を減らしてみる回数を増やす選択にしますか?


その時だった。寝ころぶように湯につかっていたが、仰向けからうつぶせになるように、体を移動させる。

一瞬、ばれたのかと心拍が跳ね上がったが、ただ単に体位を変換させたようだ。

水気を吸った髪が湯船の中に広がる。
まるで、雨の雫が落ちるさまを絵画にしたかのように、劣情と欲情が駆り立てられるというよりも、美しいものに浸った陶酔感が湧きあがった。

その中でも、長く、絹のようにしとやかな黒の雫は白の肌に張り付き、淫靡なコントラストを観客に見せる。
だが、観客は俺だけだ。それが、この女を自分の物にしたかのような征服の達成感すらも胸の中にあった。

しかし、その中でも、健康的な、一見すれば、病的な白さにも見る者によっては思い浮かぶだろうが、しかし、健康美にあふれる背面の中で俺が見惚れてしまったのは、細うでを支える肩、その後ろにある肩甲骨だった。

軟らかな体には硬い物がある。
骨だ。

それはどうしようもなく、女の軟らかさのなかにあっても、無粋な硬質を思い描かせる。

――しかし、それを理解できるからこそ、硬堅の美も際立たせる。


普段、衆目に晒されることなどない、肩甲骨。

肌と言う白雪に覆われた軟らかいもののなかにある硬さが、一目でわかる無骨な骨。

だが、黒髪が張り付き、白さとその形の良さを俺に示していた。

――自分の股ぐらがいきり立つのがわかった。

熱を持ってたまりにたまったものを、俺の中に渦巻くものを出してしまいたい。
だが、それをすることはこの光景を汚すことのようにも思えた。




【どこをみる?】ラスト

自由安価

↓1


そうして、今度はまたもとの位置に戻る。
うつ伏せだったが、仰向けに戻っただけのことだが、それだけでも所作が艶に満ちている、いやあふれ出している。

今度は腕をあげ、湯を掬う。そのまま、手を上げ、浴室にばらまいた。
無邪気に、童女のように、無垢のままのように、遊ぶように、水をばらまく。

そのまま、手を頭の腕で組んだ。


――腋が見えた。

今まで人に見えない部位、それも腋だろう。

剃毛しているのか、そこに毛などない。
白い肌が、なやめかしいやわ肌が、あった。

普段、触れることなどなく、不用心にすれば人に見えてしまう部位は、俺にさらけ出されていた。

欲情を抑える。
劣情を堪える。

――湧き上がる、生殖欲を抑え込む。

この女を激情のままに抱きたい。ここからでていき、驚く女を無理やり抱きたい。

そんなどす黒い衝動にかられていく。

それを――



【どうする?】

↓2



――抑える。

ここで獣に、欲情に身を任せれば、誰も喜ぶことはない。悲劇しか生み出さない。

だから、抑える。

荒くなった息を整え、ひどく早くうつ脈が鎮まるまで、俺はそこでじっとしていた。

だが、視線は動かせなかった。
虜になったように、女の奴隷になったかのように、蝋で固められたかのように、俺は女から視線をそらすことは出来なかった。

どれだけ経っただろうか、女は立ち上がり、出ていく。

肌はほんのりと桃色に染まり、髪先から雫が滴り落ちて肌に張り付いていた。

そして、最後に、こちらを横目で、天井を見上げ……

やばい、視線があった。

背筋に冷たいものが流れ、汗が噴き出たが、凍りついたかのように動けない。心拍もひときわ大きく打った後、停止したかのように静かだ。

時間にすれば、ほんの一瞬だったろうが、俺にとって永遠のように感じる体感のなかで、形のよい唇が動く。

「――好色家め」

誰にいうわけでもなく、すぐに正面に向き、皮肉げに笑った。

女――歌姫は体を壁にかかったタオルでふくことなく雫を垂らしながら、シャワー室から出て行った。






――暗殺者の部屋――

<<ガチャ

暗殺者「あー、いいお湯だったぁ」ホカホカ

勇者「……」ボーッ

暗殺者「あら、どうしたの勇者クン、そんな部屋の隅で心ここにあらずって顔しながら三角座りして?」

勇者「――……」ボケーッ

暗殺者「大丈夫? って、聞いてないわね」オーイ

勇者「……」ボーッ

暗殺者「てい!」ボカッ

勇者「……あでっ!」

暗殺者「やっと気がついた? 勇者クン?」

勇者「あ、暗殺者か」サスリサスリ

暗殺者「あ、じゃないわよ、アンタ見たことない顔で、心ここにあらずって顔してたわよ?」

勇者「ああ、そうなのか?」

暗殺者「……」ジーッ

勇者「な、なんだよ」


暗殺者「――ベット、一緒に寝よっか?」

勇者「ブホオオ!!」

暗殺者「ジョーダンよ、ジョーダン」テ ヒラヒラ

勇者「か、からかうんじゃねえ!」ハァハァ

暗殺者「で? 風邪でも引いたの? 具合でも悪い?」

勇者「いや、そういうんじゃ」アタマ ポリポリ

暗殺者「じゃ、少しお話でもする?」

勇者「あ?」

暗殺者「だから、アタシはこのまま寝ようかって思ってたけど、具合、悪そうだし、気がまぎれるだろうから、お話でもしてから寝る? それとも、シャワーでも浴びてさっぱりする?」

勇者「――じゃあ」



【どうする?】

A 寝る

B シャワーでもはいる

C 暗殺者と話す

D 自由安価

↓1


勇者「じゃあ、シャワーもらうわ。……心配してくれてありがとな、でも独りになりてぇんだよ」ハァ

暗殺者「そ、じゃあ先に寝てるから、シャワー浴びたら後始末よろしくね」

勇者「そうする。おやすみ」

暗殺者「おやすみなさーい」





<<キュ ジャー

勇者(はぁ……)ボケーッ

勇者(ばれてたとはなぁ)

勇者(てか、間違えてたか、そりゃそうだよな、本職なんだし、鼻歌であっても音程完璧だわなぁ)ハァ

勇者(まぁ、あれだけの手掛かりで判別させる方が無理だよな)ハァ

勇者(いや、そもそも、俺はどうすればいいんだ)





――早朝――

勇者「……」ムクリ

勇者(結局、浅くしか眠れなかったな)

勇者(暗殺者はまだ寝てるし)チラッ

暗殺者「……」グーグー

勇者(時間はまだ早いな。でも二度寝したら寝坊するな)アタマ ポリポリ




【どうする?】

A 散歩でも行くか

B 朝練でもするか

C 槍の手入れでもしよう

D 自由安価

↓1


急用のため中断

ご意見や改善点などありましたら、どんどん意見をください。


――朝の鍛錬でもするか。

確か、修練場は施設を利用するなら日の射しているときだけだが、ただ得物を振るうだけの鍛錬場は休みなしで、照明灯が夜間でもつけっぱなしって話だ。

ぼりぼりと、いまだにゆであがった頭をかきながら着替える。

男の着替えなんて、すぐに終わり、壁にかかっていた槍をもつ――と、脳裏に思い出すのは女の顔。
俺より年は幾分上だが、妙齢との表現が似合う美女。黒髪を無造作に揺らして歩く漆黒のドレスの女――歌姫の顔だった。

確か、修練場にいるっていってたな。
そんなことを思い出す。

そして、昨晩盗み見た歌姫の裸体が脳裏に浮かんだ。

そのことでぼけーっと突っ立ってたが、すぐに我に返った。

あの女、気付いてたが、別にいつもいるわけじゃない、こんな早朝なら、会うこともないだろう。
溜息をつき、速足で修練場に向かった。





――修練場――

勇者「ふっ! はっ! っと!!」ヒュヒュヒュ

勇者「やっ! ぐっ! セイッ!!」ヒュンヒュンヒュン

勇者「――やっ!!!」ドヒュ!

勇者「……こんなもんか」スチャ

勇者(槍を振るうとわずかに頭が軽くなる。いや、体になじんでくるのか?)フム

勇者(ま、どっちにしろ体動かすのはいいことだな、部屋でもんもんゆであがっていくよりマシだ)ハァ

勇者「つっても、中々上がんねえもんだな」

??「なにが上がらんのじゃ?」

勇者「ステータス。この間鍛錬してすぐに上がったから、上がると思ったんだけどな」ムゥ

??「当り前であろう。ステータスの上昇が容易ければ皆、冒険者というものはいなくなる」フフッ

勇者「……槍を振るえばその分体になじんでくるし、上がると思ったんだが」ハァ

??「槍は千変――万変の使い通りがあるか使い手次第よ。故に頭を使い振るう武具であるからな」

勇者「へぇ、そりゃはいじめて――」ハッ

勇者「」フリカエリ

??→歌姫「朝から精が出るな、勇者よ」フファア~

勇者「……いつからそこに?」


歌姫「汝が鍛錬を演舞だが演武だか、わからぬが一心不乱に槍を振るい始めた時から」ニコッ

勇者「最初から居たんじゃねえか」ハァ

歌姫「汝の舞いは優雅だ、妾もそうありたいものだ」フフフッ

勇者「一応、武の型のつもりなんだが」ムムッ

歌姫「それには師が必要だがな。師のない武の型なんぞ、猿真似にも劣るわ」

勇者「――やっぱり頭の知識でやるのは限界があるか」ムウ

歌姫「ところで汝よ、一つ尋ねたき事があるのだが」

勇者「……なんだ?」

歌姫「妾の裸体を見た際、肩の裏骨(肩甲骨)やら腋やら眺めていたが、汝は特殊な性癖をもっておるのか?」

勇者「」ブフォオオ!!





【会話選択】

A いや、胸もしっかりみてたぞ

B そうだ、俺はそういう性癖だ

C な、なんのことやら

D 自由安価

↓2


ばれてる。やっぱりばれてる。
一縷の望みがあった。いや、あの状況で、しかもあの言葉は九分九厘ばれていただろう。
しかし、それでも、もしかして、やたらエロティックな体だったから、自分のことに対して「好色家」との表現を使ったんじゃないかって思った。

だが、幻想など所詮幻想にすぎなかった。

だから、俺が取れる選択肢はただ一つに過ぎない。

槍を壁に立てかけた。

ゆっくりと、正面に歌姫を見据える。

勇者「ご馳走様でした!」

元気に感想を述べ、深深と頭を下げた。
反省や謝罪のためのお辞儀じゃない、ただ、感謝の礼だ。何に対しての礼だろうか?

決まってる。美しい体を見せてもらったことに対しての、全身全霊の感謝を現れだった。


歌姫「なんじゃ、やっぱり汝は特殊性癖をもっておったのか?」

勇者「いや、それは違う。俺は確かに歌姫の脇や肩甲骨をみた。しかし、全てが美しかった。だから、どれに見惚れるとかじゃなくてだな、全てを堪能させてもらった」

勇者「だから、今のは俺が貴方に対しての、もてる限りの最大の感謝だ」

歌姫「――」マジマジ

勇者(……やっぱり縛り首?)アセ ダラダラ

歌姫「……一つ尋ねたいが、妾を抱きたいと思ったか?」

勇者「無論」コクン

歌姫「ならばなぜ抱かなかった? 妾をみて欲情したのだろう?」

勇者「なぜ、知ってる?」

歌姫「あのような獣の息遣いで潜めば、欲情していることくらい妾でなくともわかる」フフッ

勇者「――俺のバカ」

歌姫「して、なぜ欲情を抑え込んだ?」

勇者「それは――」




【会話選択】

A 人として、ダメだろう。

B 俺は童貞だからな。

C 俺もわからん。

D 自由安価

↓2


そんなの決まってる。

勇者「同意の上じゃないとな」

歌姫「なに?」

歌姫は形の良い眉を疑わしげに寄せる。
だけど、その答えなんて当たり前のことをいっただけだ。

勇者「だから、欲情したから抱いた、なんてけものじゃねえんだからよ、大体そういうことって、お互いに同意があってやるんじゃねえのか?」

別に愛し合う必要なんてない。
必要なのは同意だ。夫婦だって互いに抱かれていいとおもって行為に及ぶし、娼婦と客だってそうだろう。

その答えに、しばし呆然と聞いていたようだが、歌姫は我に返ったようで、俺を顔をみる。
そして、

歌姫「くっ……あっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

いきなり笑い始めた。


腹を抱えて笑う。目じりに涙が溜まっていたが、それでも構わず笑う。
朝の修練場に歌姫の笑い声が木霊するが、まったく構わずに笑っていた。

いきなり笑い始めた歌姫を、俺はどうすればいいのかわからず、ただ見ることしかできなかった。
いや、ここでなにかしら出来たら、俺は今ここにいないな。

そうして、どれだけ笑っただろうか。

歌姫は顔をあげ、にやけたまま、目じりの涙をぬぐう。

歌姫「そなたは誠に妾の思い通りにゆかぬ男だな」

勇者「思い通り?」

歌姫「なに、こちらのことだ、気にするな」

ふふっと、思い出したかのように笑う。けど、俺にはなにがなんだか、さっぱりわからん。


歌姫「汝――いや、そなた、暇があれば妾の部屋にでもこい。歓迎するぞ」ツカツカ

勇者「あ、おい!」

<<ツカツカ

勇者「いっちまった……」ポツン

勇者「……なんなんだ、あの人」ハテナ





――集会場――

光僧侶「おっそいわ!!」プンプン

暗殺者「おや、勇者クン、朝練かい? 精が出るのは構わないが食事の時間はまもってチョーダイね」ゴクゴク

勇者「いや、すまん。すこし、ぼんやりしてた」

光僧侶「遅れる奴はみんなそんなこというのよ! だから罰としてアンタの朝飯は私が食べてあげたわ!」

勇者「あ? なに勝手に」イラッ

光僧侶「だいたいアンタがケチすぎるんのよ! 私の分の合わせて薄パン4枚ってどういうこと!? リーダーなんだからしっかりしてよね」プンプン

暗殺者「まぁまぁ、この子、これでも育ちざかりなんだからお腹減ってんのよ。だから勘弁してあげて。パンならアタシの、半分差し上げましょう」ホレッ

勇者「……ま、確かに、もう少しボリュームは欲しいな」モグモグ

光僧侶「肉食わせろ! 肉!!」ウガーッ

勇者「そういや、光僧侶、肉しか食ってねえな」モグモグ

暗殺者「あら? 偏食は駄目だよ、野菜と牛乳も食べないと大きくなるとこならずに、へっこむところがでるだけだよ」ボインボイン

光僧侶「うっさい! 牛女!! 成長期ですぐに追い越してやるんだから今に見てなさい!」ウガーっ


暗殺者「そんな光僧侶チャンは放っておくとして、どうするんだい? 勇者クン」

勇者「あ? なにが?」モグモグ

暗殺者「朝の予定、予備期間、つまり期日は今日までよ。どんなに遅くても出発は明日の朝ね」

暗殺者「だから、時間は貴重よ。勇者クン、食べ終わったみたいだし、すぐに予定をいれましょ?」ネッ

勇者「……なるほど、今日は貴重ってわけか」ゴックン




【朝は何をする?】

A 対キメラ作戦会議

B 明日の旅支度

C 依頼確認

D 自由安価

↓2 


――旅支度だな

勇者「よし、明日の出発の準備だ」

暗殺者「あら? 作戦会議とかまだいいのかしら?」

勇者「それは途中でもできるだろ? そもそも得物なんてひとつしかないんだし」

暗殺者「ん? それもそうね! で、行き先はどこなの? それによって旅の装備を考えないと」

勇者「ああ、キメラの出た場所は――」




【どこにキメラがでた?】

A 神殿   (片道2日)

B 古戦場  (片道3日)

C 遺跡   (片道4日)

D 自由安価(片道何日かも 最長7日)

↓2

今日はここまで。

片道半日で了解です。
では、その地名を↓2でお願いします。おやすみなさい。


勇者「沼地だな、距離はここから半日の場所だ」

依頼書を読むと、その詳細が書かれていた。

この王都から半日、という近場に沼地がある。
近場の村人ですら普段入ることのない瘴気に満ち、昼間ですら薄暗く霧がでている場所を旅の行商が通りかかった際、キメラが確認された、とのことだ。
行商は命からがら逃げ出したが、王都から近場、はまずいとの判断で、すぐさま依頼が出されることとなったらしい。

ちなみに依頼元はかかれておらず、明かされていないが、司教が持ってきたことを考えればこの国のお偉いさんだろう。
お抱えの兵が死ぬのが嫌で依頼を出したか、そんなところだ。


暗殺者「あら、近いわね」

勇者「だから、このクエストが重要ってことだろ?」

暗殺者「でも、それなら、行き帰り合わせて4日分の食糧と簡易寝具が必要ね」ウーン

勇者「ん? なんでだ? 片道半日なら、そんなには」

暗殺者「ええ、行ってかえってくるだけならそんなにはいらないわ。でも、討伐がそんなに早く終わるわけないの。それが上級の獣ならなおのこと」

暗殺者「少なくても、行くだけで半日、そこですぐに戦っても日が暮れてこっちが不利になる。だから、その次の日まで待って戦いはじめるのがベスト」

暗殺者「それと、一日で終わるなんて考えず、ま、時間をかけていいものとも限らないけど、少なくても体力的に戦い続けられても二日が限界ね」

暗殺者「だから、行きに一日、戦いに二日、帰りに半日、もしも動けなくなったときのことを考えて、予備にもう一日分ってことで三日と半日」

暗殺者「――半日を切り上げるとすれば、合計4日がベストよ」

勇者「そんなもんか」ナルホド


光僧侶「沼地ってことはそんなじめじめした所で戦うってことなの?」ゲ

暗殺者「あら、どんなとこでも戦うってのが冒険者のテッソクよ?」

光僧侶「私、冒険者志望じゃないんだけど」ムスッ

暗殺者「ま、そんなややこしい事情は放っておいて、それに沼地ってことは足を取られないように、特殊な靴も用意する必要があるわね」ウンウン

勇者「特殊な靴?」

暗殺者「そ! 泥靴っていって、ぬかるみに足を取られないような、滑り止めがつけられた靴のこと」

勇者「ああ、確かに沼地って泥があるしな」

暗殺者「と、いうわけで、準備するならそういったことものも集めなきゃいけないわ」

勇者「だな」コクコク

暗殺者「で? どうするの? みんなかたまって準備する? それともバラバラになって必要なものを買うように役割分担する?」



【買いものはどうする?】

A 皆一緒に

B ばらばらに行動

C 二手にわけて買いだし(そのさい、組み合わせも)

↓1


勇者「全員でいくか」

暗殺者「あらいいの? それだと時間が」

勇者「別にかまわない。むしろ、なにが必要になったかすぐにわかるしいいだろ」

光僧侶「そうね、どっかの誰かが無駄遣いしそうだから監視にももってこいね!」フンッ

勇者「じゃ、とりあえず、道具屋からいくか」



今日、少ししかできてませんがここまで


――道具屋――

亭主「へいらっしゃい!」

勇者「こんにちは」カランカラン

暗殺者「どーもー」カランカラン

光僧侶「はぁ……」カランカラン

亭主「おや、美人二人お連れとはうらやましいね、旦那」

暗殺者「あらやだ、美人だなんて~」オホホ

光僧侶「私はこの女みたいに痴汝っていわれるのは遺憾よ」」ツンツン

勇者「……性格がこんなんでもか?」ハァ

亭主「苦労してるね、旦那」

勇者「だったら、同情してなにか負けてくれ」

亭主「こっちも商売だ。それはできんよ」

勇者「それもそうだな」ハァ


暗殺者「なら、早く見るもの見て、買うものかっていきましょうか?」

光僧侶「ええ、いつまでくっちゃべってる気かしら!? この男は」プンプン

亭主「やっぱり苦労してるね、旦那」カタ ポンッ

勇者「……我ながら慣れてきたのが恐ろしいな」

亭主「で? どれにするかい?」

勇者「……すまん、何分こうした店は初めてで、旅やクエストの際のメニュー表はあるか?」

亭主「あ、冒険者かい? 旦那」

勇者「なんだと思ったんだ?」

亭主「地方から出てきてさっそく美人局につかまった田舎者A」

光僧侶「だれが美人局よ!!」ドカッ

勇者「ああ、言うの忘れたが、そのガキは怒りっぽいから気をつけろ、もう遅いが」

亭主「……いうの遅いよ、旦那」バタリ




【どれをみる?】

A 薬草

B 罠

C 食糧

D 特殊器具

↓2
 


勇者「食料をみせてくれ」

暗殺者「4日分ですからね、結構いるわよ」

光僧侶「コスパ気にして変なもん買わないでよね?」ギロッ

勇者「そういうこと、店員の前でいうなよ」

光僧侶「」プイッ

亭主「食料だね、これがメニュー表だよ」



『食糧一覧』

・食糧ブロック(5日分) ――50G

・簡易食糧  (5日分) ――100G

・保存食糧  (5日分) ――200G

・栄養食糧  (5日分) ――300G


勇者「色々とあるんだな」

暗殺者「冒険者も増えてるしね。それだけ食べるものの種類も増えてるってことよ。まぁ、値段がいいのは栄養価がいいってだけで、味は大差ないけど」

光僧侶「そうね、これ全部、味気ないのばっかりね、他にないの? 肉とか」

亭主「あるけど、冒険者だろ? だったら旅先で瘴気に満ちたところ入ると腐ることだってあるし、お勧めはできないね」

光僧侶「……美味しい食事もできないなんて」ハァ

亭主「で? どれにするかい? クエスト初心者だったら、一番安い食糧ブロックがお勧め」

勇者「ふむ……」



【どれにする?】 現在8500G


A どれか選択

B まだ他のもみせてくれ

C 自由安価

↓1


勇者「とりあえず食料はいいから、他のもみせてくれ」

亭主「ああ、いいよ」





【どれをみる?】

A 薬草

B 罠

C 特殊器具

↓2

決まったところで。すみません。急用のため、ここまで

平日はまとまった時間取れなくてすみません


勇者「――この特殊器具っていうのはなんだ?」

亭主「ああ、それは一部のクラスの連中が使うもののことさ」

光僧侶「一部のクラス? なによそれ?」

亭主「たとえば『錬金術師』だったりすれば化学薬品が必要だろう、だからそういうののことだけど、冒険者共通のものをみせるわ」ゴソゴソ

亭主「はいよ、共通はこんなもんだね」


『特殊器具 一覧』  ()は説明

・調合器具(一部のアイテムを合成する。それによって強力な効果をもつ薬類を作り出すこと可能) 3000G

・高級研磨用品(武具の手入れする道具類 主に【ナイフ】類を手入れすることが可能)      5000G

・料理器具(食材が手に入ればクエスト途中であっても料理可能。ただし味は食材と腕次第!)   9000G

・医療道具(簡易的な医療道具一覧 しかし、特殊スキルが必要) 12000G


光僧侶「うっそ、料理器具ってこんなにするの? 料理つくれないじゃない」ワナワナ

勇者「てか、どれも高いな」

暗殺者「そうね、だから簡易食糧なんてものがつくられるんですし、その辺は仕方ないわね」ウンウン

亭主「で? どうするんだい? あんたらには無用の長物っぽいけど?」


【どうする?】

A 別なものをみせてくれ(どれを見るのかも>>287から選択)

B 自由安価

↓1


勇者「じゃ、薬草を頼む……ん?」

<<カランカラン

<<オーイ、アレデキテルカ?

亭主「あ、らっしゃーい!!」

亭主「すまん、別な客が来ちまったから」アタマ ポリポリ

暗殺者「いいわよ、メニュー表もらえれば。むしろありがとね、親切なおじさん」ニコッ

亭主「ごめんなー、じゃ、これメニュー表な」ダッシュ

光僧侶「いいの? あんた、メニュー表もらうだけで?」ケゲン

暗殺者「ダイジョーブダイジョーブ、こう見えてもこの中じゃ、一番の本業よ!大船に乗ったつもりでいなさいって」ニコッ

光僧侶「不安だわ」ハァ

勇者「ま、そのメニュー表を俺にも見せてくれ」

暗殺者「結構、品ぞろえいいわね、この店」ハイッ

『薬草』

・身体薬草 50G 100G 150G 200G

・精神薬草 150G 200G 250G 300G

・解毒草 150G

・目薬草 200G

勇者「……解説頼む」パタン

暗殺者「諦めるの早いわね、いいけど」


暗殺者「じゃ、なにから聞きたいかな?」

勇者「じゃ、上から順々に頼んでもいいか?」

暗殺者「いいわよ~、とりあえず身体薬草だけど、これはその名の通り、傷を負った場合の薬草ね。おもに裂傷なんかの患部に張れば傷が綺麗になるの」

勇者「それは知ってるが、この料金の違いはなんだ?」

光僧侶「効果の違いよ。いいものはそれだけ早く治るってこと」

勇者「……お前知ってるのか?」

光僧侶「救護院で働けば覚えるわ」フンッ

暗殺者「うん、光僧侶チャン大正解ね。身体薬草はその通り。精神薬草も光僧侶ちゃんの方が詳しいかもね」

勇者「? それはな」

光僧侶「この中じゃ、私しか使わないからに決まってるじゃない」ハァ

勇者「俺と暗殺者は使わない?」

光僧侶「そうよ、それともアンタ、聖術か魔術使えるの?」ギロッ

暗殺者「こういう子は使うたびに精神が摩耗しちゃうのよ」アタマ ポンポン

光僧侶「頭をなでるなッ!」

暗殺者「いいじゃない、髪の毛サッラサラなんだしねー」ナデナデ

光僧侶「ああ、うっとうしいい!!」シャー


暗殺者「それで、話は戻るけど、肉体行使と同じように精神をすり減らすとうまく術が使えなくなっちゃうの」

勇者「……それ大丈夫なのか?」

光僧侶「アンタに心配される……」

暗殺者「大丈夫大丈夫、ま、寝るか休めば自然と回復するわ」

勇者「そうなのか」ホッ

光僧侶「アンタに心配される筋合いはないわ」フンッ

暗殺者「でも、クエスト中にそうなったら危険以外の何物でもないから、こうして精神を回復させる草があるわけよ」

勇者「へぇ」

暗殺者「値段が高いほど、効果も期待できるわ」


暗殺者「それで、解毒草だけど……ま、わかるでしょ?」

勇者「ああ、毒が噴出してたり、モンスターが毒をもってるからな」

暗殺者「あたりよ、これは解毒のものなの。今回は沼地だし、使うことはないでしょうけど、一応買っておくのをオススメするわ」

勇者「ああ、了解だ」

暗殺者「で、最後の目薬草なんだけど、これは目薬って書いてあるけど、主に嗅覚を強化する薬草よ」

勇者「嗅覚?鼻をか?」

暗殺者「ええ、鼻をよくしてどこに獲物がいるのかを探り当てるのね、なくてもいいけど、クエストが段違いになるわ」

勇者「へぇ」

暗殺者「で? 以上になるけど、もう少しみる? それとも買うもの決める?」



【どうする?】

A 買う(何を何個かも)

B わなを見る

C 自由安価

↓1


勇者「じゃあ、最後の罠をみるか」

光僧侶「だったら最初から全部見ればよかったじゃない!」ガー

勇者「いや、そんなに金がないと思ってな」

暗殺者「まぁまぁ、見ればいいじゃないの」ホラッ

『わな』

・トラバサミ 200G

・毒肉    300G

・落とし穴  1000G

・閃光弾   400G

勇者「……まぁ、一般的な奴か」フム

暗殺者「ただ、キメラ相手にこれで効くの、閃光弾と落とし穴くらいね」

光僧侶「意味ないわね、これ!」

勇者「ま、キメラがどんな奴かもわかってないしな」ハァ

暗殺者「で? どれを買うか決まったかしら?」



【何を買う?】

現在 8500G

自由安価

↓1


勇者「じゃあ……」




<<マイドアリー

勇者「けっこうしたな」

合計2650G 現在5850G

光僧侶「そんなこといって、ケチって死ぬのはごめんだからね」シャリシャリ

暗殺者「そうね~ ケチればケチるだけその分苦戦するのはあたしたちだもんね~」シャリシャリ

勇者「お前ら二人、何食ってんだ?」

光僧侶・暗殺者「「林檎」」シャリシャリ

勇者「おまえら、まさか、それ、盗んで……」

光僧侶「人聞きの悪いこと言うな! くれたのよ、なんでもじいちゃんのお礼とかいって」シャリシャリ

暗殺者「勇者クンでしょ? お人よしっぽいし。いいことするものね~」シャリシャリ

勇者「……俺の分は?」

光僧侶・暗殺者「「ない」わよ」

勇者「………」


暗殺者「で? このあとどうするの? 買うものかったし、お昼もこうして食べたし」

勇者「いや、おれ食ってねえんだが」

光僧侶「食べなかったあんたが悪いわ」

勇者「おい」イラッ

暗殺者「ま、それはおいおい考えるとして、どうする? 午後は? 出発は明日ですし、時間は無駄に使えないわよ?」

勇者「はぁ……じゃあ」




【午後の予定】

A 対キメラ作戦会議

B 旅支度(二回目)

C 自由安価

↓1


暗殺者「じゃ、ついでに符術屋によってきましょうか?」

勇者「……符術屋ってあれか? 紙で簡単に発動できる魔術のことだよな? よく施設整備とかに使われる」

暗殺者「ソウヨー。それが旅にないとしょっちゅうモンスターと会っちゃったりするから欲しいわね」ウン

光僧侶「外道の術じゃない」ボソッ

暗殺者「そりゃ教会の教えからしたらね~」

勇者「……光僧侶、お前、追い払う術とか使えないのか?」

光僧侶「使えるわ。あったり前じゃない」フフン

勇者「じゃあそれを……」

暗殺者「ダメよ。光僧侶チャンは重要な戦力なんですからね」

勇者「あ? それがどういう関係が」

暗殺者「確かにそれを使うのは低燃費でしょうし、光僧侶チャンが術を張った方がいいものが使えるけど」

暗殺者「いきなり襲われてその時疲れてバテバテーってなっても魔物は待ってくれないのよ~」

勇者「あ、そっか」

光僧侶「……大丈夫よ、私が疲れてても」

暗殺者「ダメダメ!帰りの分も合わせて買った方がお買い得ですし、買っちゃいましょうね」

光僧侶「私の力が信じられないわけ?」ギロ

暗殺者「いいえ~信じてるわ~」メソラシ

<<ギャーギャー


勇者(符術か……)

【符術屋に行きますか?】

A 行く

B いかない

↓1


勇者「――符術屋にいくぞ」

光僧侶「はぁ!! アンタも私の力を信じないわけ!?」ギロリ

勇者「そういうことじゃねえよ、少しでもお前の負担が減らせればそれでいいだろうが」ハァ

光僧侶「だから私は大丈夫だって――」

勇者「俺たちの負担にもなんだよ。お前が疲れてたことが俺と暗殺者を殺してもいいのか?」ギロッ

光僧侶「――ぐっ」

暗殺者「そうよー、誰かの我がままが全員コロコロしちゃうことだって十分ありうるわ。それでアタシたちを殺したい~ってなら話は別だけど?」

勇者「だとさ、どうする? 光僧侶?」

光僧侶「~~勝手にしなさい! その代り、私は死んでも符術屋なんていかないわよ!!」ツカツカ

勇者「あ、おい! どこにいくんだ!」

光僧侶「ギルドに先に戻ってる!!」ツカツカツカ

勇者「なんだありゃ?」

暗殺者「複雑な年頃なのよ~ それより早くいきましょいきましょ!」





――符術屋――

<<ガヤガヤワイワイ

勇者「といっても、わかんねえんだけどな」ハァ

暗殺者「簡単よ、そこでどんな目的で欲しいかを考えればすぐにお目当ての品が手に入るわ」

勇者「お目当ての品?」

暗殺者「今回は道中モンスターと会わないことを目的にしてるし、それに夜間、寝る際のモンスター侵入さえ、防げればいいの」

暗殺者「だから、動物避けの、剥がせば発動する符術が4日分――四枚と、行きと帰りで二枚って所ね」

勇者「なるほど、値段の違いとかは」

暗殺者「あるわ。といっても、移動中の奴だけ。一番安い奴だと小型モンスターと会うのは防ぐけど、中型は無理。大型は暴風雨みたいなものだからどんな符でも無理」

つ符

暗殺者「でも、小型といえど、完全には防いでくれない。せいぜい会いづらくしてくれるくらいね~。値が張れば、それが会いづらくはしてくれるし、群に会うこともなくなるわ」

勇者「なるほど」フム

暗殺者「で、夜間は一枚50G、これはどれも同じね。移動中のは一番安い奴で、500G、次にいい奴で1000G、この辺なら、確実に会わなくしてくれる奴なら2000G」

暗殺者「行きと帰りの符、どうする? 勇者クン」



【札の種類】

A 500G

B 1000G

C 2000G

D 組み合わせる。

↓1


勇者「一番安い奴でいいと思うが、異論は?」

勇者(どうせ、完全に防いでくれないそうだし)

暗殺者「ないわ。勇者クンが決めたならそれでいいわよ~」

勇者「投げやりだな」

暗殺者「だって、所詮会うときは会うし、会わないときは会わないですもん」フフッ

勇者「ちなみに会ったことあるのか?」

暗殺者「ゴブリンとオークに襲われたときはあるわね」

勇者「……それ大丈夫なのか?」





【このあとの予定】

A 対キメラ作戦会議

B 自由安価

↓1

一時中断

もしかしたら今日はこれで終わりかも
安価だったら↓


――勇者部屋――

勇者「と、いうわけで、これから第一回キメラ対策会議をはじめます」

暗殺者「いえーい」ドンドンパフパフ

光僧侶「フンッ!」フイッ

勇者「……はぁ、気分が乗らないのはこちらも同じだから、無視してやっていきます」

暗殺者「それがいいわね」ウンウン

光僧侶「……」ギロッ

勇者「ま、無視して進めるが、わかってるのは……」

・多くの動物を宿したモンスターである

・しかしつなぎ目だらけだからそれを解けば分解する

・場所は沼地

勇者「これくらいか」


暗殺者「ぶっちゃけ、詰んでるわね、今回」

勇者「俺もうすうす気づいている事実を指摘するな、気が重い」ハァ

暗殺者「だって、正面からぶつかったら終わりよ、これ」

勇者「正面から?」ハテ

暗殺者「それはこのパーティを確認すればいいわよね、光僧侶チャン?」

光僧侶「……なんで私に聞くのよ?」ギロッ

暗殺者「だって、貴方、初めてじゃないでショ?」ニコッ

勇者「はじめてじゃない?」ン?

光僧侶「……そっちは聞くな、ええ、じゃあ言うわ。ここには前衛はれるのかしかいないのよ」

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