男「過去に帰れるだと?」(19)


目が覚めたら目の前に女の子が立っていた。

男「何だ!?」

女「過去に帰りたくない?」

男「は?」

女「過去に帰れる能力をあげる」

男「何言って・・・」

女「まぁまぁ話を聞いて」


女の子は俺の前に座り話し出す。

女「さぁ、高校3年生男さん、能力の説明です」

男「なんで俺の事知って・・・」(不法侵入だけど可愛いから問題ない)

女「まず帰りたい時をこのノートに書きます」

男「何だ、ただのノートじゃないか」

女「違うよ。そしたらその時に帰る事ができるのです」

男「それだけで?信じられない」

女「じゃあ試しに帰りたい時、時間、書いてください」

男「えー・・・じゃあ一昨日の昼、1時 と」

女「何があった時です?」

男「抜き打ちテストが うああああああ!?」


目を開けるとそこは教室だった。

女「はい、つきました」

男(ちゃんとテスト中・・・)

男「おい、君がこんなとこ居たら周りが不思議がるんじゃ・・・」ヒソ

女「私は男さん以外誰にも見えてないし、声も聞こえてません」

男(そう・・・って、このテスト・・・本当に一昨日の)

女「さ、解いて」


一昨日の時間のまま、俺は家に帰った。

男「じゃあ今日の俺・・・未来の俺がいないままってことになるよな」

女「タイムスリップした時間に帰ればいいんです。同じようにノートを使って」

男「じゃあ、今・・・一昨日の俺って今どこ?」

女「女々しい男ですねぇ、一時的に消えてます」

男「え」

女「貴方が未来に帰った時、その一昨日の男さんは蘇ります」

女「消えてる間の記憶は現実とギャップが無いようなものに作り変えられます」


説明を聞いても分かりにくかった。どうやら俺は馬鹿ならしい。

男「え・・・」

女「まぁあまり深く考えないで、どうします?帰りますか?」

男「とりあえず帰ろう」

男「明後日、朝7時・・・」

女「ところで私が何者か聞かないんですか?」

男「あぁ、そうそう聞きたかったんだよ うあああああああ!!」


目をあけるとちゃんと〝今日〟だった。

男「君は何者・・・」

女「私の正体・・・は」

男(ゴクリ)

女「ひみつでーす」

男「あぁ、そ  現実の人には見えないって、人間じゃないよなぁ」

女「まぁ、そうかな。」

男「とりあえず今日は休みだし、このノートで遊ばしてもらおうか」

女「どうぞどうぞ」

男「このノート使い切ったらどうなる?」

女「それは私にも分からないんですよ」

男「ふぅん」


どの時へ帰ろう。

男「と、言っても俺の人生そんなにいいとこないしな・・・」

女「過去の失敗をどうにかするのは?」

男「失敗もたいして・・・」

男「あ、先週見忘れたテレビ番組見に行こう」

女「書いて」

男「おぉ」カキカキ

女「なんの番組?」

男「いや、まぁ・・・うあああああああ!!」


目を開けると先週の深夜に戻っている。

男「テレビつけなきゃ・・・って、そういえばさ」

女「はい?」

男「ずっと俺のそばにいるの?」

女「はい、そのノートの所有者からは離れられ・・・」

男「ごめん、30分だけ部屋から出ててくれないかな・・・」

女「え?」

男「お願い・・・」

女「ごめんなさい、出来ないんです。すぐそばにいないと・・・」

男「・・・俺のプライバシーないじゃん」

女「私はそういう事気にしませんし、言いふらさないので・・・」

男「本当に?」


女の子は はい と答えて俺を見つめた。

男「じゃあ、せめて後ろ向いてて・・・」

女「いえ、それも・・・所有者を常に見てないと・・・」

男「一体どうなるのさ」

女「監視不足状態の判定をされ、私の存在が消されるのです」

男「監視不足状態?」

女「・・・」

男「君は一体何者なんだ」

女「私は・・・未来から来た者なんです」


女の子は俺の前に座り話始めた。

女「未来では過去に行く技術が開発され、こうして過去の特定の生物と関われるようになります」

男「特定って・・・なんで俺を選んだの?」

女「・・・なんとなく」

男(なんとなくって)

女「そして特定の人間と触れ合い、歴史を学んだりするのが主な目的です」

女「未来の情報をリークして悪用しようとしたり、歴史を大きく捻じ曲げようとすれば」

女「私達未来人に埋め込まれているチップが反応し、未来に強制的に帰らされ、罰せられます」

男「じゃあ俺の過去を変えたりしたら君は・・・」

女「残念ながら・・・あなたの過去を変えても歴史は大きく変わりません」

男「あ、そう」


女の子はさらに続けた。

男「じゃあ監視不足で存在が消されるってのは」

女「監視不足はもっとも危険な行為とされています」

女「知らぬ間になんらかの過去を変えられ、それを未来人が把握できていないということは」

女「未来で大きな問題となるのです」

男「でも、俺は歴史を変えられない人間なんじゃ・・・」

女「例えば、例えばですけど、男さんが私の知らぬ間に殺人をしたとましょう」

男「しないよ・・・」

女「・・・わかってますよ。そしてその被害者が将来の総理大臣だったとでもなれば」

女「もちろん歴史は変わるのです」

男「俺を信用してくれ」

女「信用はしてますよ、でも決まりなんです・・・」


これから俺の一人の時間がなくなると思うとゾッとした。

女「監視不足は大罪にあたるので、チップが反応しだい、未来に帰れることなくその場で存在を消されるのです」

男「未来怖すぎる」

女「まぁ、普通にすごしていれば大丈夫です」

男「それにしてもなんでそんな危険と隣り合わせしながらも、俺にこのノートを?」

女「このノート・・・私が作ったんです」

男「えっ」

女「このノートが過去でも使えるのかどうか試したくて」

男「たまたま俺が選ばれたのか」


諦めよう。と俺は決めた。

女「さ、テレビみないんですか?」

男「いや、君には見せられない番組だからね、帰ろう」

女「何で・・・私気にしませんよ」

男「正確にはその番組を見ている俺を見せられな・・・」

女「・・・」

男「 よし、かけた」

女「・・・私、そういうの見ても平気ですよ」

男「え  うああああああああ!!」

圭子「シャーロット?」

シャーロット「はい!」

シャーロット「お久しぶりですね!」

ガーデルマン「カトー少佐、このフロイラインは?」

圭子「ええ、ティーゲルの試作車の試験の時一時期私達の部隊に居たのよ」

シャーロット「シャーロット・リューダー少佐です!」

ガーデルマン(リューダー……)

ガーデルマン「エルスント・ガーデルマン少佐だ」ニッコリ

ガーデルマン「失礼だが、君は第501重戦車大隊じゃないのかね?」

シャーロット「ええ、ですが、腕が認められて、近衛に召し抱えられました」ニコリ

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