提督「艦娘が一人もいないけど、寂しくない」 (105)


【提督室】

提督(この鎮守府に着任して、早くも2ヶ月が過ぎようとしている)

提督(初めは戸惑うことが多かった業務も、ようやく慣れてきた気がする)

提督「…ふう、大規模な作戦も当分ないようだし、しばらくはゆっくりできるかもしれないな」

ヲ級「…」コトッ

提督「あぁ、ありがとう。いただくよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447841624


提督「あぁ"~うまい、君の入れるお茶は美味しいなぁ」

提督「自分で入れるお茶と何が違うのか…」

ヲ級「…」

提督「温度とか時間?なるほど、通りで美味しいはずだ」

ヲ級「…」

提督「それに…?」


<コンコンッ、ガチャッ


ヌ級「…」

提督「おお、お帰り。どうだった、他の鎮守府との演習は?」

ヌ級「…」

提督「やっぱ艦娘との演習は練度の上がり方が違うか、今後も増やしていこう」

提督「しかし、こうして他の鎮守府と演習できる日が来るとはなぁ…」

提督「これも皆の頑張りのおかげだよ、ありがとう」

ヌ級「…」ペコッ

提督「あぁ、ゆっくり休んでくれ」

ヲ級「…」

提督「…?どうした、何か落ち込んでいるみたいだが」

ヲ級「…」

提督「?」


<バタンッ

ロ級「…!」

提督「おお、そんなに慌ててどうしたんだ?」

ロ級「…」

提督「海岸に誰か倒れてる?」

ロ級「…!」

提督「そうだな、とにかく行ってみよう」


【鎮守府 海岸】

駆逐棲姫
http://download1.getuploader.com/g/sssokuhouvip/84/445x590x5c94962babe1cc10f6edd93a.jpg


提督「!、この子は…」

駆逐棲姫「…」

イ級「…!」

提督「あぁ、おそらく深海棲艦だな。それもかなり人型…鬼や姫クラスか?」

提督「しかしひどい怪我だ…特に足の損傷が激しい、とにかく応急措置を…」

駆逐棲姫「…クッ」

提督「!、大丈夫か?」

駆逐棲姫「…ッ」ガチャッ

イ級「!」


駆逐棲姫「…ドウシテジャマヲスルノ?」

イ級「…」

駆逐棲姫「…テイトク?ナカマ?ナニヲ…イッテ…」

駆逐棲姫「…ッ」

提督「待て、動かない方が…」

駆逐棲姫「チカヅクナ!!」

提督「…」


ヲ級「…」

提督「いや、ここは俺に任せて欲しい」

ロ級「…?」

提督「彼女は泊地棲姫とは違うし、彼女が何かしたという情報もないだろう?」

ヲ級「…」


提督「大丈夫だ、話せばきっと分かってくれる」

イ級「…!」

提督「君も、下がっていてくれ」

イ級「…」

提督「…」

イ級「…」スッ

提督「ありがとう」

提督「皆も、手を出さないでくれ」

提督「俺がなんとかする」

駆逐棲姫「…」


駆逐棲姫「クルナ!」


平凡な俺が提督になれたのは、動物の言葉が分かるという特技のおかげだ
「もしかしたら深海棲艦の言葉も分かるかもしれないな」そう笑った上官の気まぐれで、俺は提督になった


駆逐棲姫「クルナ…」


もっとも、上官も本気で言った訳ではなく、人数あわせのためにたまたま俺が採用されただけのことだ
そして俺を待っていたのは、誰もいない鎮守府に、海域を解放できなければ無償労働という、無理難題


駆逐棲姫「…コナイ、デ」


そんな俺を助けてくれたのは…


駆逐棲姫「…!」


一応これの続きです
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提督「新しく着任したけど誰もいない」
提督「新しく着任したけど誰もいない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447071073/)

エレ速のコメに考察があって、内容が私の考え通りで嬉しかったです


【提督室】

提督「いやぁ、何とかなって良かった良かった」

イ級「…!」

提督「まぁまぁ、終わり良ければなんとやらだ。無事解決したんだから問題な…」

ヲ級「…」

提督「はいすみませんでした。今後は自重するので許してください」

ヲ級「…」

ヲ級「…っ」

提督「…ごめんな」

提督「そして…ありがとう、信じてくれて」ポンッ


イ級「…!…!」

提督「あぁ、お前もありがとな」ナデナデ

ロ級「…」

提督「よしよし、心配かけたな」ギュッ

ロ級「…」ポロッ

提督「あぁ泣かないでくれぇ、もうしないからぁぁ!!」


【ドック】

提督「やぁ、気分はどうだい?」

駆逐棲姫「…」

提督「大体の怪我は治ったみたいだけど…君の足は治る見込みがあまりないそうだ」

提督「でも安心してくれ、今うちの優秀な軽巡が作っている艤装があれば、歩ける…というかホバー移動?ができるらしいぞ」

提督「完成したらぜひ君に…」

駆逐棲姫「…アノ」

提督「?」

駆逐棲姫「ホントニ、ココニイテモ…イイノ?」


提督「あぁ、もちろんだ。ここは大本営公認の深海棲艦がいる鎮守府だからな」

提督「うちに所属するなら、君の安全は俺が保障しよう」

駆逐棲姫「イヤダトイッタラ?」

提督「回復するまでうちにいて、それからいつでも元の海域に帰っていいよ」

駆逐棲姫「…ホンキデイッテイルノ?」

提督「うん、君の好きにしたらいい」

駆逐棲姫「…」


【提督室】

提督「…というわけで、今日からこの子も俺たちの仲間だ」

提督「皆仲良くしてやってくれ」

駆逐棲姫「…」ペコッ

提督「人型の駆逐艦はこれで3人目だな、2人とも色々と教えてやってくれ」

イ級「…!」

ロ級「…」


イ級「…?」

駆逐棲姫「…」

提督「なんだ、お前ら知り合いなのか?」

イ級「…」

イ級「…!」

駆逐棲姫「…イエ、ヒトチガイカト」

提督「ま、どっちにしろ何か困ったら相談し合ってくれ、俺だと解決できない問題もあるだろうしな」

ロ級「…」

提督「そうそうそういう…うん、まぁ頼むよ」


【珊瑚諸島沖周辺海域】

提督「――ってことがあってさ、それであの子がうちにいるわけ」ザザーン

ハ級「…」

提督「でもどこかの海域を守っていたわけじゃないらしくてね、記憶が曖昧らしい」

提督「どこかの海域から生まれた子なのか、あるいは…」

ハ級「…?」

提督「…いや、なんでもない」


ハ級「…」

提督「…ん?あれって…もしかして艦娘か?」

ハ級「…?」

提督「ほら、あそこにいるの…間違いない。しかも雲龍型か?すげぇ、本物だよ」

ハ級「…」

提督「なぁちょっと挨拶…ってうぉぉおお!!」

提督「ちょ、どこ行くんだ!てかスピード出し過ぎて波ががががぼぼぼぼ」

提督「しぬ!しぬうううう!!!」ガボボボオ


提督「ゲホッ…あああ、鼻が」

ハ級「…」

提督「な、なぁ…どうしたんだ?急にこんなところまで来るなんて」

ハ級「…」

提督「やきもちか?」

ハ級「…!」

提督「なら謝らないとな、ごめんごめん」ポンポン

ハ級「…!…!」

提督「はっは、照れるな照れがががぼぼぼぼぼぼ」


【脱衣所】

提督「塩が…塩分が…」

提督「早く風呂に入ろう…うん」


<ガラッ


駆逐棲姫「…?」


提督「あぁ、やっぱお前らも入ってたのか」

イ級「…!」

提督「うん、嬉しいのは分かったから前隠そうか」

ロ級「…」

提督「待て、お前は髪を洗え」

ロ級「…」

提督「めんどくさがるな、人型になったからには我慢してくれ」

ロ級「…」

提督「分かった、俺が洗ってやるよ」

ロ級「…♪」

駆逐棲姫「…ン?」


駆逐棲姫「…オカシイ、ゼッタイ」

提督「すまんすまん、あいつらが人型になる前から一緒に入ってたからさ、その癖で」

駆逐棲姫「…」

提督「それよりどうだ、少しは慣れてきたか?」

駆逐棲姫「…マダ、アマリ」

提督「そっか、まぁゆっくり馴染んでいけばいいよ」

提督「ここにいるのは皆、深海棲艦なんだからさ」


駆逐棲姫「カワッタヒト」

提督「そうだなぁ、提督としては失格かもな」

駆逐棲姫「…でも」

提督「ん?」

駆逐棲姫「タブン、アナタハイイヒト」

提督「…」

提督「どうだろうね」

駆逐棲姫(それに、あの時…)

駆逐棲姫(武器を持って構えている私を、あなたは抱きしめてくれた)

駆逐棲姫(あの時、私は…)


提督「…そろそろ上がるか、手伝うよ」

駆逐棲姫「…イイ、です」

提督「遠慮するな、艦娘なら無理だが君たちなら運べるよ」

駆逐棲姫「ソウイウノジャ…」

提督「よいしょっと、やっぱ軽いなぁ、しっかり食べろよ?」ザパッ

駆逐棲姫「…ハ、ハズカシイ、カラ」

提督「照れるな照れるな、はっは…ん?」

ヲ級「…」


提督「どうした、君も風呂か?」

ヲ級「…」スッ

駆逐棲姫「え?…あっ」

提督「あぁ、運んでくれるのか?別にいいのに」

ヲ級「…」

提督「?」

駆逐棲姫「…」


【提督室】

重巡ネ級
http://dl1.getuploader.com/g/sssokuhouvip/85/444x768xd273d702b1e6c7b181c8a4a8.jpg

提督「スマホが欲しい?」

ネ級「…!」

提督「確かに一部の潜水艦の子達に買ったけど、良く知ってるな」

ネ級「…?」


提督「あぁもちろんいいぞ、機種はどうするんだ?」

ネ級「…」

提督「俺のと同じ奴?別にいいけど、ちょっと前のモデルだぞ?どうせなら一番新しいやつを…」

ネ級「…!」

提督「そうか?まぁお前がいいならそれでいいか」

ネ級「…」


提督「…ふぅ、今日の分は終わりかな」

ヲ級「…」

提督「おう、お疲れ。悪いな今日も手伝ってもらって」

ヲ級「…」

提督「はは、そうだな」

提督「…そういえばさ、前の作戦の時に言いたいことがあるって言ってたよな?」

ヲ級「…!」


提督「あの時先に言えっていったのに、結局言わないで行くんだからな…気が気でなかったよ」

ヲ級「…」

提督「それじゃ、そろそろ教えてもらおうか?」

ヲ級「…」

ヲ級「…」

提督「…そんなに言いにくいことなのか?」


~♪

提督「っと、すまん返信させてくれ」

ヲ級「…、…?」

提督「あぁ、そうだよ。前に買ってあげたんだ」

提督「おかしなやつでさ、最新のモデルじゃなくて俺と同じ機種のスマホが良いって言ってきてな」

ヲ級「…!」

提督「ま、こうして頻繁に俺に連絡しているあたり、気にいってくれてるとは思うからいいけどさ」

ヲ級「…」

提督「ん、お前も欲しくなったのか?じゃあ機種は…(ry」


【提督室】

戦艦レ級
http://dl6.getuploader.com/g/sssokuhouvip/86/374x469xb3a08295f2cde0e747e8718d.jpg

提督「目から炎を出したい?」

レ級「!」

提督「あー、そういやあいつら出してる時あるよな」

イ級「…!!」ドーン

ヲ級「…」

提督「まぁ練度もカンスト出前だしな、目から炎も出るか」


レ級「…!」

提督「んーそうだな、地道に演習やらするしかないと思うけど…」

提督「せっかくだから他の鎮守府に遊びに行って、艦娘に相手でもしてもらうか」

レ級「…!」

提督「…あ、これ皆には内緒な。流石に大人数で行くと後で問題になりそうだし」


【舞鶴鎮守府】

提督「というわけでやってきました、舞鶴鎮守府…通称舞鎮」

提督「ここの提督殿には既に了解を取っているから、好きに回っても問題はないそうだ」

レ級「…!」

提督「うん、その砲塔はまだ閉まっててくれるかな?危ないから」

提督「…さて、まずは世界水準を軽く超えているっていう優秀な軽巡がいるらしいから、その人に会いに行こうか」

レ級「…!」


提督「いやー(遠征で)忙しい中時間を取ってくれてありがとう」

天龍「ったく、しょうがねーな…少しだけだぞ?」キラキラ

提督「うん、時間は取らせないよ」

天龍「ならいいけどよ…それで、オレに相手して欲しいって言う命知らずはどこのどいつだ?」ウズウズ

提督(演習できるのが嬉しいいんだろうなぁ、いっつも遠征ばかりらしいし)

提督(そうだというのにあのビックマウス、相当優秀な艦娘に違いない)

レ級「…!」

天龍「…誰だお前?駆逐艦か?」

提督「いや、戦艦なんだこの子」


天龍「はー?この見た目でか、分かんねぇもんだな」

天龍「まぁいい、このオレと戦うこと…後悔させてやるぜぇ!」

レ級「…」

レ級「…?」

提督「ん?あぁ、全力でぶつかってこい」b

レ級「…!」ニコッ


提督「…さ、さて、次は戦艦に相手してもらうことになっているが、どこにいるのか」

レ級「…?」

提督「そりゃ強いだろ、同じ戦艦だしな」

提督「…ただ、次は航空戦なしな」

レ級「…!」

提督「うん、頼むよ」


長門(航空戦を行う戦艦…まさかと思ったが、本当にレ級がいるとはな)

提督「お、おお!あなたはもしや戦艦長門では?」

長門「え?あ、あぁ…そういうあなたは、客人の提督か」

提督「はい!この度は演習の時間を割いて頂き、ありがとうございます!」

長門「それはこちらとしてもありがたかったのだが…その、後ろにいるのは」

提督「はい!今回皆さんの胸を借りにきた子です、ほら挨拶して」

レ級「…!」

提督「も、もう少し丁寧な言葉でだな…あの戦艦長門だよ?」


長門「!、あなたは…レ級の言葉が分かるのか?」

提督「え?あ、はい!完璧ではないですが、ほとんどは」

長門「で、ではMS諸島沖まで単身で壊滅させた提督という噂は…本当なのか?」

提督「いやいや、壊滅なんてしてませんよ。俺がしたのは船でお願いをしに行っただけです」

長門「お、お願い?」

提督「はい、皆困ってるから海域を解放してくれないかー?って」

長門「」


提督「もちろん断ってくる子もいますが、ならうちの鎮守府に来ないかって誘ったら大抵上手くいきますね」

長門「で、では…レ級以外にも?」

提督「えぇ、たくさん深海棲艦が所属しています。皆いい子ですよ、俺なんかを慕って、戦ってくれてる」

長門「…」

提督「ま、俺の話はこの辺にして…演習、お願いできますか?」

長門「…いいだろう。サーモン沖での雪辱、ここで果たさせてもらう!」

レ級「…!」


提督「いやぁ流石ビックセブンといった戦いっぷりだったな」

レ級「…!」

提督「え、こんなんじゃ満足できないって?」

提督「うーん、そうなるともう艦隊を相手に戦うしかないな」

レ級「…!」

提督「それでいいのか?ならまぁ…適当に声かけてみるか」


ビスマルク「たった一艦が相手?随分と舐められたものね」

武蔵「いや、やつは私達を相手にできる実力の持ち主だ」

ビスマルク「そうなの?とてもそのようには見えないけれど…」

大和「…昔、レ級単体と長門さん率いる艦隊が戦った際、砲撃戦に入る前に撤退を余儀なくされたそうです」

ビスマルク「…へぇ、やるじゃない」

赤城「慢心、ダメ、絶対」

加賀「赤城さん、落ち着いて」

赤城「…そ、そうね。あの時とは…違うものね」

北上「ま、なるようになるでしょ。いっくよー」


レ級「…」


提督「おおー、なんか良く分からないけど凄いことなってるな」

提督「しかしあの戦艦、魚雷が撃てるのか…すごいな」

提督「いくらあいつでも流石にこれはきついか?」

提督「…ん?」


【おや、レ級の様子が…?】


ビスマルク「はー、はー…やった?」

北上「それ、生きてるフラグだから…」

武蔵「…!」


レ級「…」

レ級「…」ニヤァァ


大和「…っ、来ます!」

赤城「…あの目」

加賀「赤?いえ…あの色は、まさか」


<シャッ、シャッ、シャッ

クリティカァル!!

<ドゴォォン、ドゴォォン

クリティカァル!!、クリティカァル!!

(ry


提督「良かったなぁ、目から炎出て」

レ級「…!」

提督「この肉じゃがも上手いし、いくらでも食べられそうだ」


赤城「慢心…ダメ」パクパク

加賀「赤城さん…」パクパク


提督「…流石にあの量は無理だが」

レ級「…」パクパク

提督「ま、来て良かったな」

レ級「…!」


舞鶴提督「資材返せ(またおいで)」

ビスマルク「次は必ず勝つわ!首を洗って待ってなさい」

長門「今度はゆっくり遊びに来るといい、その時にまた話を聞かせてもらうぞ」


提督「皆さんありがとー、また来ます!」

レ級「…」ノシ


【提督室】

提督「…」

ヲ級「…」

提督「…そりゃ、いきなり強くなったらバレるよな」


イ級「…」キャッキャ

レ級「…」キャッキャ


提督「いや、決して艦娘を間近で見たいとかそういう気持ちはなくて…」

提督「いや、その…」

提督「ごめん、ちょっとはありましたぁぁぁぁああああ!!!」


以上です、依頼出してきます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月29日 (日) 01:45:35   ID: lUkN9z75

こういうの良いな

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