男「隣、座っていいかい」姫「……は?」 (10)


姫「ちょっと、誰ですか貴方は」

男「んー? 男って言うんだけどね、無職のおっさんだよ」カタン

姫「無礼な……一体どこの平民がここへ!」

男「平民?」

男「……あー、その格好はアンタお姫様か何かかい」

男「俺、汚いかな」

姫「……」



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姫(よく考えてみれば、この男……どうやってこの中庭に侵入したのでしょう)

姫(思わず取り乱してしまいましたが、何て事はありませんね)ふぅ

姫「男さん、ここは一般の民は立ち入りを禁じているのですよ」

男「お? そうだったのか」

姫「ええ、だから私が城の出口まで案内して差し上げますわ」

男「ありがとうなぁ、助かるよ」

姫「ふふ」ニッコリ

男「こっちはこれから職探しって所だったからな、神羅カンパニーもアバランチのせいでメチャメチャだしさ」

姫「……はい?」



衛兵「姫様、その者は誰ですか?」

姫「城に迷い込んでしまったようなの、城下町までの道を教えてあげてくれる?」

衛兵「はっ!」

衛兵(……?? こんな服装の男が通ったなら直ぐに気づくと思うんだが……いつの間に)

男「結構広いなぁ、昔に任務で来たどっかの国とかより綺麗だし」


姫「それでは御機嫌好う、男さん」

男「おー、またな」

姫(もう会いませんわよ)

男「ん、待った!」


姫「……何でしょう?」

男「実はここに来てから少し混乱してな、その時に俺のヘルメット落としたみたいでなぁ」

姫「…ヘル……メッ?」

男「兜みたいな物だよ、バイザー付きの」

男「見かけたら拾っといてくれよ! また明日来るからよ」

姫「はぁ、見つけましたら衛兵にお渡ししておきますね?」

男「おう! ありがとな!」

衛兵「コラ、姫様に対しての言葉遣いがなってないぞ貴様」


姫(兜……先程はどこかの国に行っていた風に言っていたから、旅の戦士か何かかしら)


────────── ・・・



姫(今朝は変な人に読書の邪魔をされてしまいましたね)

姫(紅茶の時間を終えたら、また中庭に行きましょうか)


メイド「姫様、今朝お話された兜なのですが、こちらでしょうか」カチャッ


姫「我が国で採用している物とは違いますね、恐らくそれでしょう」

姫「私から衛兵に渡します、ありがとうメイド」

メイド「あ、あと……姫様」

姫「なに?」

メイド「件の男とは、何者ですか? ……兵士長が事によっては指名手配すると」

姫「なっ、何故です? あの男は確かに私に対して無礼ではありましたがそこまでしなくとも……!」

メイド「いえ……この兜、落ちていたのは姫様のお部屋なのです」

メイド「しかもお部屋の中は滅茶苦茶に荒れていて……もしかしたら泥棒なのでは、と」

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