?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」 (541)

咲×?を投下するスレ

宮永咲がメイン、百合である、雑談はSS投下の邪魔にならない程度に

ルールは以上ですので気軽に参加してみて下さい。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443349062

まずてめえが書けやボケ

咲「衣……さん」

衣「咲、来たか」

咲「うん、お待たせ。もう夜は寒いね」

衣「だが今の方が清らかに澄んだ月を見る事が出来る」

咲「じゃあ衣、さんは冬が一番好きなんだ」

衣「冬は寒い」

咲「あはは……うぅ、ちょっと寒いかも」

衣「薄着ではないか」

咲「一応、マフラーだけは借りたんだけどね。隣いいかな?」

衣「まだ寒いだろう。衣の毛布に入ると良い」

咲「本当に?ありがとう……えへへ、ぬくぬくで気持ち良いや……」

衣「衣も一人の時よりも温かくなってきた」

咲「今日は誘ってくれてありがとう。お月見なんて久しぶりだよ」

衣「衣は今まで独り静かに月を眺めるのが好きだった」

衣「だが気の置けない友と眺めるのはどのような違いがあるのだろうと思ったんだ」

咲「そうなんだ……どうだった?」

衣「そうだな……」

衣「玉炯然として常よりも静なり、憂き心無くして友に鼓する」

衣「嘗て此地にて臨みし景は、故く山中月を憶えり」

衣「積日澱む海底、佳人に浄めらるるは即ち也」

衣「独り見は酌して煢煢たるが、共に眺むるは万金に傑れる」

衣「隣る将に語らんとする花影、新月に優れざらん哉」

衣「我が慶福愈盛に、明鏡を残し天に戯る」

衣「……といったところだ」

咲「う、うん…………うん」

咲「…………ごめん、あんまり分からなかった」

衣「あっ、当たり前だ!理解されると…………恥ずかしい」

咲「あはは……でも、何となく分かったかな」

咲「多分私も同じ気持ちだよ」

衣「そ、そうか……」

咲「今日は一日ありがとう、すごく楽しかったよ」

衣「衣も咲と過ごせたことが嬉しいよ。忘れ得ない記憶として老境に入っても追想することだろう」

咲「そんなに嬉しかったの?」

衣「……衣は今まで孤独という幻影の檻に自らを閉じ込め怯える心を強さと思い込んでいた」

衣「衣の心は絶望と醜悪なる悪心娼嫉の泥濘で満たされていた」

衣「それを開闢し光と希望満ちる世界にしてくれたのは咲だ」

衣「最早、黄泉国に再び凋落することは無いだろう」

衣「あの日以来、ここまで一日を楽しいと思うことは無かった……咲」

衣「咲は衣の人生を良いものにしてくれた、大恩人だ。何物にも代え難い、最初の友達だ」

咲「……私にとっても、衣ちゃんは大切な友達だよ」

衣「……ありがとう、咲」

咲「うん……」

衣「願わくば……またこうして二人で月を眺め、親交を深めたい……良いだろうか」

咲「もちろん、こちらこそよろしくお願いします」

衣「ありがとう……今宵の月はいつにも増して綺麗だ」

咲「中秋の名月……綺麗だね」

衣「……」

咲「……」

衣「……もし」

衣「何か……自分一人ではどうにも出来ない事があれば」

衣「衣は何時何処からでも、必ず加勢に行くぞ……黄泉比良坂、三千世界の果てまでも」

咲「ふふっ、ありがとう」

衣「信じていないな……まあいい。その時が来たら分かるだろう」

咲「あんまりそんな状況にはなりたくないけど……頼りにしてるよ」

衣「そういえば、一月後は咲の誕生日だと聞いたが」

咲「うん、そうだよ」

衣「ならばその日は、またここで、今度は皆で咲の誕生日を祝うというのは……」

咲「本当に?嬉しいな」

咲「でもその日は、家でやることになってるんだ」

衣「そうか……」

咲「うん……お父さんと二人きりだけどね」

衣「……」

咲「……あ、それじゃあ、今度は私の家に来るのはどうかな?」

衣「咲の家に?」

咲「うん。二人だけだと寂しいし……友達が来たらお父さんも喜んでくれると思うから」

咲「どうかな」

衣「い、行くっ!必ず!万難を排して参じよう!」

咲「もっと気軽でいいんだよ……」

衣「今から楽しみだ」

咲「うん、そうだね」

―――――
咲「そろそろ寝ようか」

衣「うん……」

咲「歩ける?こっちだよ」

衣「んー……」



咲「それじゃあおやすみ」

咲「……明日、起きる頃には私は帰ってるから」

咲「またね、衣ちゃん」

衣「……ちゃんではない」

咲「え、寝たんじゃ……」

衣「横になったら、些かは目が冴えてしまった……咲」

咲「なに……?」

衣「衣をあまり子供扱いしないでくれ……衣はこれでも咲より年嵩なのだ」

咲「……ごめんなさい」

衣「確かに見た目は幼子だし、小学生ともよく間違われる」

衣「だがこれでも高校生だ……大きな悲しみも同じくらいの喜びも人より経験した」

衣「出会うこと、別れること、また出会うこと……どんなものをも受け入れる度量はある」

咲「……」

衣「衣は咲と一時別れるともすぐに交歓することが出来ると知っているんだ」

衣「それに……」

咲「……」

衣「咲は……衣と二人を結ぶ糸は……どんなに細くとも、微かにも見えずとも、形は変わるとも」

衣「夜空の月のように確かに在る」

咲「……」

咲「そう……だね」

咲「元気が出たよ……強いなあ」

衣「衣は、お姉さんだからな……」

咲「でも、やっぱり少し寂しいから……起きるまでこのまま……」

衣「うんっ……」

――――――――――

と、こんなところで


【咲×?】玄「おもちは妹産に限る!」【百合】
【咲×?】玄「おもちは妹産に限る!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358809872/)

【咲×?】寄ってらっしゃい見てらっしゃい咲SSの時間だよ【百合】
【咲×?】寄ってらっしゃい見てらっしゃい咲SSの時間だよ【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377085288/)

に引き続き3スレ目となりました

前回は変則的で新しい手法が試されましたが、今回はリクエストも受け付ける全員参加型というのが基本方針のようです

書き手だけでなく、読む人も自分の思う咲さんの良さを引き出せる相手やシチュエーションを提供して頂き全体として盛り上がってほしいと思います

もちろん書くのは初めてという方も気軽にどうぞ、24時間受け付けておりますので!


タイトルは前スレの>>974さんに依りました、ありがとうございます

それでは愛し愛される咲さんを


ちなみに季節ネタをやりたいがために一週間も待たせたのは正直すまないと思っている

投下します
社会人設定のゆみ咲同棲ものです

自分でも珍しいと思いつつ、家に帰ってから特に何をするでもなくぼうっとしていた。

するとその様子が気になったのか。

夕飯の食器の片付けをしていた咲がエプロンを外しながら訊ねてきた。

咲「ゆみさん、何かありました? 何だかぼんやりしてますけど……」

ある意味当然だろうその問いかけに、しかしゆみは苦笑を浮かべる。

ゆみ「いや、特に何か事件があったわけじゃないんだが……何だか疲れたな、って」


そう。特に大きな出来事があったわけではない。

朝、会社に行って。

仕事が早いと上司に褒められ、ミスをした部下はやんわり叱りつけた。

自分の仕事を果たした、それだけの一日だ。

それなのにゆみは何故か疲れていた。

咲「そうですか……放っておいてほしいですか?それとも腕によりをかけて甘やかしてほしいですか?」

恋人のその言葉に、ゆみは顔を上げた。

ゆみ「甘やかしてくれるのか?」

咲「はい、精一杯務めさせていただきます」

ゆみ「……具体的には?」

咲「ひとまず、豆から挽いたとっておきのコーヒー入れてあげます」

その答えに、ゆみはプッと小さく吹き出した。

ゆみ「それは……確かに、とっておきだな」

咲「でしょう?」

ゆみ「普段は面倒くさがってインスタントで済ますのに」

咲「そうです。私にしては結構な甘やかしです」

そんなふうにドヤ顔をするものだから、ゆみはつい自然と笑っていた。

咲のことで悩むことは決して少なくない。

だけど、こんな咲だからゆみは癒されるし、彼女とずっと一緒にいたいと思うのだ。

ゆみ「……じゃあ、お願いするか」

咲「はい。しばらくお待ちください」

咲はキッチンに引っ込むと、やがて二つのマグカップを持って慎重な足取りで戻ってきた。

二人で選んだ、イニシャルの入ったお揃いのマグカップだ。

咲のカップからは甘い香りがする。

が、ちらっと覗いた限り、手を抜いて作ったのだろう。

ココアがちゃんと溶けてない。

一方、ゆみに渡されたコーヒーは、確かにいつもよりずっといい香りがする。

うっかり、そんなところに咲の気遣いと愛を感じてしまった。

ゆみ「ふふ。私は咲にずいぶん甘やかされているな」

咲「普段は私の方が甘やかされてますからね、たまにはお返しです」

ゆみ「そうかな?」

咲「そうですよ。だってゆみさん、私のココアいつもすごく丁寧に淹れてくれるじゃないですか。全然ダマになってないの、凄いです」

いかにも感心してますというように言うので、ゆみはつい脱力した。

ゆみ「咲が私の愛を感じるのはそういうときなのか?」

咲「そうですけど」

ゆみ「……そうなのか」

咲「だって、ゆみさんだって今私の愛を感じてるでしょう?」

ゆみ「………それはそうだが」

今度は咲が楽しそうに笑う。

咲「いつも甘やかされてるなとは思ってますよ。だからたまには、ゆみさんも私に甘えてくれていいんです」

ゆみ「……咲」

咲「疲れてるときは、私に寄りかかってください」

これ飲み終わったら膝枕でもしてあげましょうか?

そんなことを言う咲に、ゆみは気がつけばいつも通りの調子で微笑んでいた。

ゆみ「せっかくなら、ソファーの上よりベッドの中でとびっきり甘やかしてほしいな」

咲「疲れてるんじゃないんですか? まったく、ゆみさんは付き合ってみたら予想外にエッチでしたよね。……いいですけど」

いいのか、とゆみはちょっと目を丸くしたけれど。

心の底では咲なら許してくれるだろうと確信していたのも事実だ。

ゆみ(そういうところが、実はいつもおまえに甘えているんだよ。咲)

こっそりと思うのは、口にするのは少し気恥ずかしいからで。

しかし、その分のお礼はベッドの中と、日頃のココアで。

今はまず、咲が甘やかしてくれたコーヒーを味わう時だった。


カン!

いやええ話やで!乙

お題か…照に勝つにはこのままじゃ駄目だ!って思った咲が長野個人戦一位のキャップか全国二位の憩に弟子入りする話をば

投下します

週に一回は必ず足を運んでいる図書館に入れば、顔見知りの少女が座って本を読んでいた。


咲「沢村さん?」

智紀「……あ。宮永さん」


呼びかければ本から顔を上げて、智紀が視線を合わせてきた。


咲「すみません、読書の邪魔をしてしまいましたね」

智紀「いや、別に構わない。何度も読んだことのあるものだから」


軽い謝罪に帰ってきた言葉に少し驚く。


咲「沢村さんって、何回も本を読み返したりするんですね」

智紀「好きな物は何度でも見たくなるから。……意外?」

咲「あ、はい。何でも合理的に、能率的に行うタイプだと思ってましたので」

智紀「読み深めれば、登場人物の心情などがより理解できていい」

咲「そうですね。それは同意します」

智紀「それより、宮永さんが持っているその本はなに?」

咲「あぁ、これは少しマイナーな洋書です」

智紀「宮永さんがそういう物を読んだりするのが意外」

咲「普段はあまり読まないんですけど、翻訳された物が見つからなくて仕方なく……」

咲「でも英語が苦手なので辞書片手だと読むのに時間がかかってしまって、疲れちゃって全然進まないんですよ」


あまり有名でない作家の物だから仕方ないのだが、隠れた名作だと個人的に思う。

翻訳されればもう少したくさんの人にも知ってもらえると思うのだが。


智紀「……げる」

咲「え?」


ボソリと智紀が何か呟いた。

うまく聞き取れずに聞き返す。


智紀「英語。私は得意だから……教えてあげる」

咲「え、いいんですか?」

智紀「その代わり、宮永さんのオススメの本を見繕ってほしい」

咲「は、はい。分かりました」

智紀に促されて隣の席に腰掛ける。


咲「あの……」

智紀「なに?」

咲「ありがとうございます」

智紀「……このぐらい、どうってことない」


にこりと微笑みかけながら頭を下げると、智紀は少し照れたようにそっぽを向いた。



週に一度、休日の図書館で。

ふたり身を寄せ合って一冊の本を読む姿が見られるようになったのは、もう少し先の話。


カン!

咲智はわりと波長が合いそうだと思います
お目汚し失礼しました

短いですが久咲をば。

久「ピンクカーネーション」

咲「赤いキク」

久「あら、嬉しいことを言ってくれるわね。…アネモネ」

咲「赤いバラ」

久「ふふ。…白いツツジ」

咲「え…?」

久「悪い?///」

咲「い、いえ///なら…紫のライラック」

久「ふふっ。同じだったなんて嬉しいわね」

咲「…パンジー」

久「言われなくても、ね…。キキョウ」

咲「///」



まこ「あいつらは何をやっとるんじゃ?」

優希「お互いに告白しあってるらしいじょ~」

和「ああ、花言葉ですか」


カン

※補足

・ピンクカーネーション

「熱愛」

・赤いキク

「あなたを愛します」

・アネモネ

「君を愛す」

・赤いバラ

「あなたを愛します」

・白いツツジ

「初恋」

・紫のライラック

「初恋」

・パンジー

「私を思って」

・キキョウ

「永遠の愛」

ロリ咲のよ



ぽつぽつ


理沙「……」


理沙「……」


とんとん


幼咲「……」


理沙「?」


幼咲「はいって?」つ傘


理沙「……」


幼咲「はいって!」


ーー
ーーーー
ーーーーーーーー



すたすた


理沙「……」

幼咲「……」


すたすた


理沙「……」

幼咲「……」


くいくい


理沙「?」

幼咲「こっち!」


ざはー


車「ぶーん」


幼咲「!」

理沙「!」


びしょびしょ


幼咲「えへへ」

理沙「……」


ーー
ーーーー
ーーーーーーーー


野依家


幼咲「ばいばい!」

理沙「……」


ぐい


幼咲「?」

理沙「……」


ちゅ


幼咲「!」

理沙「…ご褒美!」


幼咲「……」

理沙「…ばいばい!」


くい


理沙「?」

幼咲「……」


ちゅ


理沙「!」

幼咲「おかえし!」


幼咲「またね!」

理沙「……」



理沙「…生意気!」ぷんすか

以上です、この時から野依プロはぷんすかしてるってばっちゃ(トシさん)が言ってました

>>69さんのお題を

咲「おはようございます!」

インターハイを勝ち抜くために宮永さんが弟子入りしたいとお願いしてから三日が過ぎた。

美穂子「おはよう」

私が何かを教えられるとは思えないし、彼女には何も教える必要は無いと思うのだけれど。

彼女なりに「今」を変えたくて、そしてインターハイが彼女にとって特別な意味を持っているから……

どうしたらいいのか悩んで、一まず私の家で数日過ごしてもらう事にした。

咲「本当ですか?やったあ」

宮永さんは――弟子入りする時に「咲」と呼び捨てにしてほしいと言われたけど、まだ恥ずかしい――

両親ともすぐに打ち解けて、母から料理や裁縫を習っている。

日常の何かが麻雀に通じているのかもしれない、と言って私と同じ生活をしてもらっているけれど、その効果はどうだろう。

でも料理は随分と上達したと思う。元々出来ていたけれど、より美味しくなったと思う。

美穂子「やっぱり、少し大きいかしら」

こちらの部活に出たいとお願いされてコーチと顧問に相談したらあっさりと承諾された。

でもやっぱり清澄高校の制服では目立つだろうから、一年生の頃に着ていた制服を着せてみた。

咲「だ、大丈夫です……胸以外は」

こればかりはどうしようもないかもしれない。スカートならベルトがあるけれど……

咲「あ、鞄持ちます!」

三日間で分かった事はまず、意外と頑固なところ。

咲「いえ、弟子ですから」

それと、笑顔が素敵なところ。


咲「今日は卵焼きが上手に出来たんですよ」

まるで子犬がじゃれつくみたいに、可愛い笑顔で話し掛けてきたりそばをついて回ったり。

物静かで落ち着いた印象だったけれどもそれが改められたのは、こちらにとってもちょっとした収穫なのかもしれない。

咲「ここが風越女子……」

美穂子「あら、来たのは初めてだったかしら」

咲「はい。私立だし、中学生の時は麻雀が嫌いで、麻雀の名門だって聞いてたから……」

宮永さんが幾つか話してくれた秘密の一つが、麻雀の事。

幼い頃から親しんでいた、けれどもそれと同じくらい良くない思い出もあるのだ、と。

きっとそれが原因となって、家族が離れ離れになってしまったと、瞳を滲ませながら話してくれた。

私はそんな体験はしなかったけれど、その気持ちがまざまざと実感されて、胸が酷く痛んで、宮永さんよりも先に涙を流してしまった。

勿論他にも理由はあるけれど、その事を聞いて心から助けになりたいと思った。

美穂子「こっちよ」

忙しなくキョロキョロと辺りを見渡す宮永さんの手を引いて部室へと向かった。

迷子になりやすいのだという話は聞いていたけど、こういったところが原因の一つではないだろうか。

宮永さんはそれから大人しくなって下を向いていた。

―――――
美穂子「大丈夫よ、皆いい人ばかりだし、初対面じゃない子もいるでしょう」

咲「は、はいっ」

先ほどまで少し赤かった顔が、今度は緊張で青くなっている。

美穂子「咲、これも修行の一環と思って。インターハイの会場の卓はこれ以上の重圧なのよ」

私が言える立場でもないけれど、一緒に過ごしてみて宮永さんに一番必要なのは、精神面の強化だと感じた。

臆病だとも言える、引っ込み思案な性格と心の弱さはもしかしたら彼女自身を過酷な状況に追い詰めてしまうかもしれない。

美穂子「おはよう、みんな」

ひとわたり挨拶を交わして宮永さんを招き入れた。

華菜は早速食ってかかっていたけれど、少し話したらすぐに笑って宮永さんを受け入れてくれた。

それから他の皆も少しずつ会話して、宮永さんは徐々に馴染んでいった。

―――――
宮永さんが打っている間にこっそりと抜け出して洗濯などを終わらせた。

帰ってくると華菜達とそれぞれの牌譜を見ながら議論している姿があった。

真剣な顔つきで、華菜と話しながら文堂さんの牌譜を指差しながら何かを言っている。

対局している時は楽しそうで、そして真摯に向き合って……教えることなんて、本当に何も無いのではないか。

精神を鍛えることと、もっと知らないことを知る。その支えになるのが良いのかもしれないと、おぼろげながら思った。

思えば、そういった助けが必要な時期にその役割を担う人と別れて、しかもその性格からいつも一人で……

それがここまで真っすぐに育ったのは奇跡的な事なのかもしれない。

勝手な思い込みだけど、もし彼女のどこか片隅にでもそういった存在を求める心があるのなら、私は……

―――――
美穂子「とっても美味しいわ」

咲「本当ですか!?」

宮永さんは飛び上がるぐらいにはしゃいで、両手を広げて喜ぶ。

咲「やっぱり食べてくれる人が多いと作り甲斐があっていいですね」

美穂子「ええ、そうね」

宮永さんのお弁当は味以上に、色々な感情で溢れているのが伝わってくる。

食べる人の事を想って丁寧に、不安になりながら、一所懸命笑顔になってほしいと願って作ったのだと、そう受け取るような。

―――――
家に帰ると二人で勉強をした。それから家事をして、お買い物をした。

夕食後にまた勉強をして、部活の牌譜を見ながら、宮永さんには友達から借りたらしいゲーム機でネット麻雀をしてもらう。

咲「はい、これです」

河などの細かい情報が見られないから見せて貰う。自分で扱うと壊してしまうかもしれないから触ることが出来ないし……

美穂子「実際に打つ場合とネット麻雀の場合で打ち方がかなり違うみたいね」

咲「それが、ネット麻雀だと牌が全然見えなくて……」

普通は見えないものなのだけれど……この子には一体何が見えているのだろう。

咲「部長にも言われてやってるんですけど、成績が上がらなくて」

少し考える。どうやら苦手を克服する、慣れない状況に対する練習をしているみたいだけど、効果が出ない。

咲「うぅ……なんで和ちゃんはネット麻雀得意なの……?」

美穂子「そうね……咲、ネット麻雀は楽しくない?」

咲「……はい」

美穂子「それじゃあ、楽しくなるようにしましょう」

意識が変われば、そこからきっと何かが変わるはず。

咲「どうしたらいいですか……?」

美穂子「それはね……今日は遅いからお風呂に入って寝て、明日からやりましょう」

こんな時は気分を変えてすっきりするのが良いから。

―――――
美穂子「流すから目を閉じてね」

咲「はーい」

こうして二人でお風呂に入って、お互いの体を洗う。

最初に私が宮永さんの背中を流したら宮永さんがお返しに、と言い出して、そのまま殆ど日課になった。

鏡越しに、宮永さんがゆっくりと目を開けるのが見える。

こんな時、宮永さんはまるで別人になったような雰囲気を纏う。

例えるなら、何か途方もない存在がこの世界を見守っているような。

大きくて、遠くて、そして優しい。何もかもを包み込むような、そんな……

咲「ありがとうございます。次は私の番ですね」

されるがまま、自然と目を瞑る。師弟関係よりも、友人や姉妹関係だったら、なんて事を考えた。

―――――
お風呂から上がると、少しおしゃべりをする。一昨日、最初に来た日、お互いの事を知ろうと思って話した名残。

宮永さんの事を沢山知った気がする。本の事や、お友達との事。家の事と、そこにまつわる宮永さんの想い。

いつも笑って、家族の話で時に落ち込む。そして強い決意を秘めた表情をする。

その姿に心動かされるから、全国大会とは関係無く応援したくなる。それは多分、私に話を持ちかけた彼女も。

美穂子「明日は今日までとはちょっと違った事をしましょう」

咲「はいっ」

床に敷いた布団に座って、握りこぶしを作って元気よく返事をする。

美穂子「それじゃあまた明日頑張りましょう」

咲「はいっ、おやすみなさい」

美穂子「おやすみなさい」

きっと明日もこうして一日が終わるのだろう。何も言わないまま、何も聞かないまま。

まだ話せない事は飲み込んで、それでも少しずつ、ゆっくりと。

いつかこの目も、全ての事情も……そうなってほしい。

そのために、明日は少し違った事をするのもいいかもしれない。

お互いにとって良い物を得られるように…………

終わりです

需要に対しての正しい供給ではないということは把握してます
地の文の違和感については何かの度毎に美穂子さんが感じた言葉になっていない物を無理に文章化した結果だと思っていただきたい
まあそれだけでは何が何やらなので説明させた部分もありますけど

誰か由暉子と暗くて綺麗な話を一つ

投下します

クリスマス当日に街中で咲を待ちながら、憧ははぁ、と一つ溜息を吐いた。

外気に触れて白く立ち上るそれを見上げて、ついでに空模様を確認する。

重い曇天が空を覆っていて、今にも雪が降りそうだった。

やっぱり傘を持って行くべきだったろうか。

ぼんやりと考えていた憧の肩にぽんと手が置かれる。

その感触に振り返れば、満面の笑みを浮かべた咲が立っていた。

咲「寒い中待たせちゃってごめんね。憧ちゃん」

憧「ううん、私もさっき来たところだから。じゃあ行こっか」

咲「うん!」


今日は憧から咲を誘った。

クリスマスに誘うなんて如何にもデートという感じがして躊躇した。

だが咲はあまり気にした様子も無い。

憧(デート…でいいのよね、今日は)

そんな風に思っているのが自分だけのようで、憧は少し面白くない。

思えば、咲とちゃんと想いを伝え合ってから三ヵ月。

二人だけで出かけるのはこれが初めてではないだろうか。

そう思えば、胸の動悸がいっそう早くなりそうで。

憧は慌てて頭を振って、その浮ついた考えを押し出す。

これまで和や穏乃を交えて、咲と外出なんて何度もしてきた筈なのに。

そこに冠される名前がただの買い物からデートに変わっただけで、こんなにも動揺する自分がいる。

咲は何故平気で居られるのだろうか。

ちらりとその表情を確認しようとして、思い止まる。

咲「憧ちゃん…?」

落ち着きのない憧に咲は少しだけ首を傾げたが、自然に憧の手をとって歩き出した。

街並みはすっかり赤と緑と白で染め上げられている。

周囲を歩くのはやはり恋人たちが目立ち、そういう所もクリスマスらしいと言えなくもない。

咲「今日は雪が降るかなあ」

ぽつりと咲が呟く。

それに空を一瞥して憧は答えた。

憧「予報では降ると言ってたけど。…咲は降ってほしいの?」

咲「だって、今日はクリスマスでしょ」

憧「それは…そうだけど」

余りに普段通りだった咲に、クリスマスなんて意識していないのかと思っていた憧は軽く瞠目する。

憧のその反応に、咲はちょっとだけ不満そうな顔をした。

咲「憧ちゃんは私がクリスマスも意識しないような朴念仁だと思ってたの?」

憧「だって、咲があまりにも普段通りだったから。…だから緊張しているのは私だけかと思ったのよ」

俯いてそう続けた憧に、ずっと繋いでいた手に改めて力を込めて咲は言う。

咲「…そんなの当然だよ」

憧「え?」

咲「好きな人と一緒にいて、緊張しない訳なんてないよ」

憧「…っ!」

咲「私は憧ちゃんといると、いっつも緊張してるから。…だから今日がいつも通りだと言われても仕方がないよ」

咲の言葉を受けてその顔を見上げれば、寒さの所為だけではなく頬が赤かった。

それに何だかひどく安心してしまって、憧はくすりと笑う。

憧「私もよ」

咲「憧ちゃんも?」

憧「ええ。私も咲と居るといつも緊張する。今日は特別緊張してるけどね」

二人でそんなことを言い合って、顔を見合わせて笑う。

何だかやっと落ち着けたような気がした。

憧も繋いだ手をしっかりと握り返した。

買い物をしていたら予定よりも少し遅れてしまい、映画館に入る。

席に着けば時間もぎりぎりだったらしく、すぐに映画が始まった。

今日観に来たのはSF映画で、最新の3Dを駆使したリアルな映像が売りらしい。

クリスマスに二人で観に来るような映画ではないような気がしたが、

前評判を聞いてずっと観たかったのだから別に構わないかと憧は思っていた。

それに恋愛映画など見てはお互い意識しまくって映画どころではなくなるだろうから。


そっと隣を盗み見れば、スクリーンに集中している横顔が見える。

子供のようなきらきらとした目で映画に集中している咲に愛おしさが募る。

それと同時に咲の視線を独り占めするスクリーンにほんの少し嫉妬した。

馬鹿馬鹿しいと思いながらも何か悪戯を仕掛けてやろうと思った。

少し考えて、徐に肘掛に置かれていた咲の手を取った。

唐突なスキンシップに咲が振り向くタイミングを狙って、軽く触れるだけの口付けをする。

一拍置いて、暗い映画館でもはっきりと分かるほど赤面した咲。

してやったり、と思いながら憧は口の端を吊り上げる。

そのままスクリーンに視線を移せば、隣で咲も再び映画のストーリーを追い始めたらしい。

それでも意趣返しだと言わんばかりに肘掛の下で憧の手に指を絡ませる咲に、憧は小さく笑って応えた。


薄めにした化粧の中、少しだけグロスの剥げた唇を舌でなぞる。

甘いような、何の味もしないような、そんな味がした。

憧(この映画が終わったら…)

誰も居ないであろう非常階段に咲を連れて行こう。

そこで思う存分キスをするのだ。

そう心に決めた憧は咲のポケットにしまわれたままの、

今渡そうかいつ渡そうか、と渡す機会を伺っているクリスマスプレゼントの存在など知らない。

殊更にクリスマスデートを意識していたのは、憧一人では無かったのだった。


カン!

以上、クリスマスは過ぎてしまいましたが、憧咲クリスマス小話でした。


淡「どうしたらサキと仲良くなれる?」

照「……」

淡「ねえねえテル!どうしたらサキと仲良くなれる?」

照「ん?」

淡「だから!どうしたら!サキと!仲良く!なれるか!って話だよ!」

照「……」

照(淡と咲が仲良くなる?)

淡「テルー?ねー?聞いテルー?」

照(つまり淡と仲良しな私も咲と仲直り出来るってこと?)

照「!」

照(それは淡も咲も妹に出来るってこと!)

照「一つだけ方法がないこともない、ああ見えて咲は頑固だからーーーー」

淡「ふんふむ」


咲「それで話ってなんですか?」

淡「せっかちだなー、まあいいけど。サキってさ……」

咲「?」

淡「おもちないよね!私と違って!」

咲「……」

淡「見た目も地味だし!私と違って!」

咲「……」

淡「あと友だちも少ないよね!私と違って!」

咲「……」

淡「テルには嫌われテルし!私と違って!」

咲「」

淡(キいてるキいてる、テルの言う通りだ!)

淡「ほんとかわいそー!でもサキかわいそーだから器が大きい私が仲良くなってあげ……」

淡(こうして煽ってれば、頑固なサキはお姉ちゃんを盗られたくなくてーーーー)

咲「……よね」

淡「るえっ?」

咲「そうだよね。みんな私みたいなの嫌だよね」

淡「えっえっ」

咲「ごめんね、大星さんに言われるまで気づかなかったよ。お姉ちゃんを……ううん、照さんを宜しくお願いします」ペコペコ

淡「えっえっえっ」


淡「えっ」


淡「ーーーーってことになったんだけど、どうしよう!」

照「」


照「い、いや……今からでも本当のことを言えば……」

淡「ねぇ、どうしよう!テルー!」


照「とにかく早く咲に説明しないと」

淡「だ、大丈夫だよね?サキと仲良くなれるよね?」

照「きっと大丈夫。咲なら、咲なら分かってーーーー」


由暉子「ここ跳ねてますよ?ふふ、咲さんはおっちょこちょいですね」

誓子「もう。仕方ないわね、咲は」

咲「あわわ!ユキちゃん、寝癖じゃないよ!あっ、誓お姉ちゃんも撫でないで!」


照「」

淡「」


カン忍したってやー

すばらな憧咲のあとにこんなんですまない
久しぶりに書いたから許してくれ
あとチカセン×咲ちゃん増えろ!

>>127さんのお題に応えて由暉子と咲の暗い話を


――――――――――
お願いだから、誰か……!

―――はい、私がきっと……





――――――――――
爽「おぉユキ、こんなところで出会うとは。これも神の思し召しか」

由暉子「当たり前じゃないですか。私のクラスの前ですから」

爽「いやいやまさかここがユキのクラスだったなんて、これは運命かな」

由暉子「爽先輩が扉の前で仁王立ちをしていて困っていると聞いたのですが」

爽「ドッペルさんだなそれは」

由暉子「彼女の様子が気になって仕方無いんですね」

爽「……今は」

由暉子「保健室に連れて行きました。午後から復帰します」

爽「そっか……じゃあ昼飯は保健室だなっ」

由暉子「そう言うと思っていました。迷惑にならない範囲でお願いします、だそうです」

爽「保健医にまで私の思考がバレているのか……」

由暉子「はぁ……皆分かりますよ」

――――――――――
―――私は……反対。

―――正直、こっちに来るより地元で身内や友達といた方がいいと思うよ。

でもっ……

―――それに、私達が卒業したらどうするんだよ。それでまた傷ついたら

それは分かってます!でも……

――――――――――
揺杏「おーユキ、おはよーさん。咲は?」

由暉子「寝てます」

揺杏「そりゃ残念。じゃあ前に言ってた通り、服作ったから置いてくぞ」

由暉子「はい、伝えておきます」

揺杏「頼んだぞ。…………ああ、あとさ」

由暉子「はい?」

揺杏「自信持て、って」

由暉子「はい」

――――――――――
―――私も反対だな。

……

―――ここに来たって何も解決しやしないって。

でも……

―――そりゃ気持ちは分かるけどさ……

――――――――――
誓子「はい、これ」

由暉子「何ですか?」

誓子「聖書とロザリオ。もしかしたら必要になるかもしれないから、咲に渡しておいて」

由暉子「分かりました」

誓子「それと、明日部屋に遊びに行ってもいいかな?」

由暉子「狭いですけど、大丈夫ですよ」

誓子「大丈夫、私一人だから」

由暉子「お一人ですか」

誓子「ええ。今度はちゃんと話したいから」

由暉子「そうですね」

誓子「それじゃあ頑張ってね」

由暉子「はい」

――――――――――
―――一応、賛成だけど……

―――個人的には、反対。

そんなっ……

―――理由は、もう言わなくても分かるでしょ?……もちろん、家は教会だから来る人を拒みはしないけど。

――――――――――
成香「お二人で一度泊まりに来ませんか?」

由暉子「お泊りですか?確か成香先輩の家は」

成香「牧場です。たまには外で過ごすのも素敵ですよ」

由暉子「そうですね……では、今度の土曜日にお邪魔してもいいですか?」

成香「はい!牛乳やチーズも沢山作れてしまったので食べに来て下さい」

由暉子「はいっ、ありがとうございます」

――――――――――
―――私は……

……

―――……

―――私には選べません……助けたい気持ちも、彼女のためを思って、という心も……どちらも理解、出来てしまうので……っ

―――でも、出来るなら……

――――――――――
由暉子「咲さん、そろそろ目薬の時間です」

咲「そう……ごめんね、いつも」シュルシュル

由暉子「目を開けて下さい……はい、出来ました」

咲「んっ……」

由暉子「沁みますか?」

咲「痛いんだ……胸が痛くて苦しいよ……私なんで、あんな……っ……」

由暉子「咲さん」

由暉子「大丈夫です、目が治ればその痛みも引きます」

由暉子「それより散歩に行きましょう。今日は暖かいです」

咲「でも……」

由暉子「お昼寝したら、きっと気持ち良いですよ」

咲「そうじゃなくて……その……由暉子ちゃんに迷惑だし」

由暉子「迷惑、ですか?」

咲「私がいるせいでどこにも行けないし、好きな事も出来ないし、お世話だって大変だし」

咲「部活動も……由暉子ちゃんだけじゃなくて他の皆にも……ごめ

由暉子「そこまで!」

咲「っ!」

由暉子「咲さん」

由暉子「今私がどんな顔をしているのか、分かりますか?」スッ

咲「……」ペタ

咲「分からないよ……」

由暉子「私は今……咲さんがそんな風に思っていたのが悲しいです」

由暉子「そんな感情をため込んでいるのが苦しくて、何も言ってくれなかったことに胸を痛めています」

由暉子「……最初に約束、しましたよね……何でも話すって」

由暉子「もっと思ってること……わがままでも何でも嫌なことも、話して下さい……」

咲「……うん、ご

由暉子「それに、「ごめんなさい」も言わないって」

咲「……」

由暉子「……さあ、外に行きましょう。陽の光を浴びるのは体にも心にも良い事です」

咲「うん……」

―――――
咲「ねえ……皆、何をしてるのかな」コツ コツ

由暉子「何をしていると思いますか?」

咲「何だろう……分からないよ」

由暉子「答えは……目が治った時に自分で確かめて下さい」ギュ

咲「……ん」カツン


由暉子「着きました」ピタッ

咲「気持ち良い……もう木陰、かな……?」

由暉子「はい。あと五歩です」

咲「うん」

由暉子「これが話していた木です」スッ

咲「これが……すごく、すごく大きいんだね」ピト

由暉子「はい。読書するにもいい場所です」

咲「そう……なんだろうね」

由暉子「少し休んでいきましょう」

―――――
由暉子「目が治ったらまたここに来ましょう」

咲「……」ギュゥ

由暉子「どうかしましたか?」

咲「……」グッ

咲「こ……怖いんだ……周りの人が何か言ってるんじゃないかって」

咲「ずっと私のことを見て陰で笑って悪口言ってるんじゃないかって……」

咲「友達が皆私を笑って、責めて、恨んだり笑ったり……そんな風に見えて」

由暉子「……だから、目を」サワサワ

咲「……」

咲「……でも、前と同じぐらい…………もっと辛いんだ」

咲「ずっと仲の良かった人達も……今こうして話してる由暉子ちゃんでさえも……誰も信じられない」

咲「由暉子ちゃんと一緒に声を掛けてくれた爽さんも」

咲「私なんかに服まで作ってくれた揺杏さんも」

咲「手を握って泣いてくれた成香さんも」

咲「抱きしめてくれた誓子さんも」

咲「誰のことも……」

由暉子「……」

由暉子「……確かに先輩方についてはそう思っても仕方無いかも知れません」

由暉子「……実は、咲さんがここに来る事には……皆さんは反対でした」

由暉子「面倒だからなどではなくて、ちゃんと咲さんの事を考えて、です」ソッ

由暉子「ですが、こうも言ってくれました」

由暉子「ユキが彼女を助ける手伝いをする、って」

由暉子「先輩方はちゃんとした考えで咲さんと距離を取っているんです」

由暉子「ですから嫌われているとか、迷惑を掛けている、なんて思う事は無いですよ」

由暉子「……ただ、どうしても信じられないならそれでもいいと思います」

由暉子「でも……私だけは信じてほしいです。無理、ですか?」

咲「……」

由暉子「……では、こうしましょう」

由暉子「目が治ったら、今度は私が漂白剤を浴びます」

咲「そ、そんなっ」

由暉子「そうしたら咲さんがお世話してください」

咲「やめてよ!」

由暉子「大丈夫です、ちゃんと薄めますから」

咲「どうしてそんなこと言うの……」

由暉子「咲さんが信じてくれるのなら。それで咲さんが少しでも楽になるなら」

由暉子「このくらい何てことありません」フワッ

咲「っ……」

由暉子「私は咲さんを信じていますから、躊躇うことなく身を任せられます」ナデナデ

咲「……っ……」ポロポロ

由暉子「大丈夫ですよ……例えどうなっても、私はあなたのそばにいますから……」

由暉子「私だけでも信じていいんですよ」



少しずつ、何かが壊れる音がする。それはあなたの壁か、私の心か

――――――――――

終わりです



暗い話について迷った結果もう1本書いてしまったので後で投下します
といっても明るい話のような気もしますけど

ではもう1本をば

咲「由暉子ちゃん、もっと寄って」

由暉子「で、でも……」

咲「ね、ほら」

シャッターの音が鳴る。間隔を開けてそれから四度、同じ音が誰もいない公園に響いた。

腕を組んだり、彼女が私の背に合わせて屈んで頬を寄せたりした。

咲「さっきまで明るかったのに、急に日が落ちてきたね」

外は赤から薄紫に変わって、もうすぐ青色が暗くなっていくだろう。

―――――
咲「食事にしようか。もう空いてる頃じゃないかな」

由暉子「あ、はい」

咲「何が食べたい?」

由暉子「なんでも食べられます」

咲「えっと、好きな食べ物は?」

由暉子「和食全般好きですよ。洋食も好きですけど」

咲「えぇ……」

由暉子「冗談です。咲さんが食べたい物がいいです」

咲「ん……それじゃあどんなお店がいい?」

由暉子「じゃあ……静かな所がいいです」

咲「うん、分かった」

端末で少し調べてから私の手を引いて歩きだす彼女。

言ってから、少し後悔した。もし私が一番好きなのはあなたの手料理だと言ったら、作ってくれましたか?

―――――
咲「夏でも、夜はちょっと冷えるね」

由暉子「そうですね」

歩幅が揃わなくて、話しながら下ばかり向いていたら、少し立ち止まる。

咲「ね、空を見て」

言われて空を見る。月も見えない空に、星が万華鏡のように煌いている。

由暉子「奇麗ですね」

咲「うん。都会から少し外れてるからかな、良く見えるよね」

由暉子「はい」

本当はこんな風景よりも北海道はもっともっと奇麗なのだけど、この景色を二人で見ているとまた違って見える。

咲「こうして二人でずっといられたらいいね」

私もそう思っています、と、言えなかった。笑いかける顔があまりにもきれいで、儚くて。

―――――
咲「これからどうしようか。私は皆に言っておけば大丈夫だけど」

由暉子「あの、今夜は二人きりでいたいです……もし良ければ私の部屋に泊まってください」

咲「うん、いいよ」

歩きながら様々な言葉を交わす。

咲「そういえば、泊まったことは無かったね」

由暉子「あんなに何度も打ったのに、言葉も交わしたのに……不思議です」

咲「そうだね。最初はこうなるなんて思わなかったよ……色んなことがあったね」

交わす言葉から繋いだ手から、二人の思い出が彩りと匂いを伴って溢れてくる。

まだお互いを知らなかった時から、こうして二人だけの時間を求める今まで。

寄り添うように、握りこぶし一つの分だけ二人が近くなった。

―――――
咲「由暉子ちゃん、髪長いね」

由暉子「すみません、ドライヤーかけてもらって」

咲「ううん、こういう事も一度してみたかったから」

目を瞑って声と指に意識を向ける。

咲「思い出の場所があるんだ……お姉ちゃんに嶺上開花を教えて貰った場所でね」

咲「青空と山に囲まれて、澄んだ空気と風が気持ちいいんだ」

咲「森林限界……木なんて生えない高い山に花が咲いてた……お姉ちゃんと私の思い出の、大切な秘密の場所」

咲「そこにいつか、由暉子ちゃんが長野に来たら……連れて行ってあげたいな」

由暉子「そうですね……いつか、行きたいです」

いつか……いつになるか分からない、先の話。

髪を梳く櫛の動きも、流れる髪に通す指も、私に触れる全てが優しい。

私を心から大事にしてくれているのが伝わる。

お互いに想いあって、お互いを求めて、願って……そして。

―――――
咲「由暉子ちゃん、冷房効きすぎじゃないかな」

由暉子「厚手の布団を用意したので大丈夫です」

咲「それでもちょっと」

由暉子「じゃ、じゃあ……こうしましょう」

咲「ん……あったかい」

由暉子「はい」

抱きしめられて、緊張で鼓動が跳ねあがる。顔が赤くなって、息が少し乱れる。

そして、きっとそれを全部知られている。でもそれも心地良いと感じる。

咲「由暉子ちゃん」

由暉子「はい」

咲「……」

由暉子「どうしたんですか?」

咲「由暉子ちゃんも、私の事呼んでみて」

由暉子「?」

咲「そうしたら分かるよ」

由暉子「では……咲さん」

咲「はい」

大切な人を呼ぶ。それに応える声がある。その安心感や穏やかな、静かで奥深い気持ち。

嬉しくて、陶酔したり浮き立つような気持ちが津々と……そして今は、どこか物悲しい。

咲「……」

由暉子「……」

それからしばらく何も喋らなかったけれど、言葉を交わす以上に心は触れ合った。

きっとこれが、一つになる、ということなのだと思う。

咲「おやすみなさい、由暉子ちゃん」

由暉子「おやすみなさい、咲さん」

―――――
咲「着いた」

由暉子「私達が出会った場所、ですね」

昼前、インターハイの会場。手を繋いで、でも何も話す事は無かった。

まるで、もう何も話す必要は無い、もう何も語らなくてもいい、と言っているみたいに。

咲「うん。今から大事な話をするよ」

由暉子「……はい」

そして事実、私達の間に言葉はいらなかった。

何を考えているのかも、この後何を言うのかも、全て分かっているのだから。

お互い告白は無かったものの、そのような関係として心を交わしてきた。

咲「えっと……まずは、一日付き合ってくれてありがとう」

咲「おかげで、最後に楽しい思い出がいっぱい出来たよ」

由暉子「私も楽しかったですよ。一生忘れられないぐらいの、特別な時間でした」

咲「……ここで出会って、個人戦で対局して、国体で一緒になったりもしたね」

咲「そしてそれから何年も、何度も闘ってきた。最初は話も続かなかったけど、少しずつ仲良くなった」

咲「そうしたらいつの間にか何がどうなって、なんて分からないぐらい由暉子ちゃんに夢中になってた」

咲「その事に気付いた時、最初はすごく怖かったけど……由暉子ちゃんも同じ気持ちを持ってくれてたって気付いた時」

由暉子「……」

咲「山が笑ったんだ。暖かい風と優しい陽射しに包まれて、ああ、とても幸せだな、って思ったんだよ」

由暉子「……はい、私

咲「ね、待って」

咲「……真屋由暉子さん。好きです。あなたに出会えて、同じ時間を過ごせて幸せです」

咲「きっとこの先に出会う誰も、あなた以上の人はいません」

咲「だから……だから」

だからこの直後に何を言うのか、耳をふさいでも聞こえる。

由暉子「……」

咲「……だから私と……」

咲「別れて、ください……」

由暉子「……咲さん」

ずっと考えて、勇気を振り絞った告白。きっと、最初で最後の……

だからそれに答える言葉も、ずっと考えて何度も悩んで恥ずかしさも忍んで手を握りしめて、精一杯伝える気持ち。

由暉子「真屋由暉子は宮永咲さんを心から慕っています」

由暉子「私の喜び悲しみはあなたと共にあり、あなたの喜び悲しみは私も同じく感じられます」

由暉子「私があなたを選んだ正しさは、あなたと歩いた距離によって証明されるでしょう」

由暉子「あなたが私を知っている程に私もあなたを理解しています」

由暉子「だからあなたがどんな考えで、どんな思いを抱えているのか分かります」

言葉にすると、案外呆気ない。何か体の一部が抜け出てしまったような空虚さと、いっそ清々しい脱力感。

由暉子「……これでお別れですね」

どちらからともなく笑顔になって、抱きあう。

咲「うん、ありがとう……私は東京で」

由暉子「私は北海道で」

咲「お互いの道を」

由暉子「進みましょう」

どこまでも笑顔で。

最後にたった一度だけの、痺れるほど苦く痛いくらい酸っぱい、それでいて幸せに満ちた、甘い甘い口づけを……

―――――
咲「それじゃあ、さようなら」

由暉子「お元気で」

言い合って踵を返す。きっとこのまま―――

咲「いつか」

足が止まる。

咲「ここで……」

待って……お願い

咲「もし、また」

お願いですから……それ以上、何も言わないで

咲「……」

由暉子「……」

咲「……」

由暉子「……さ」

咲「ううん、なんでもない……ごめんね」

ああ……ありがとうございます。何も言わなくて……ありがとうございます。

もしも続きを聞いてしまったら、きっと私は……

由暉子「いいえ……」

だけどもう遅いのかも……。だって、私の事を想って、理解してくれているのだと、もう……

咲「それじゃあ、由暉子ちゃん」

だからきっと、この後に連なる言葉も、私が望んだ言葉と……心と、一つ。

由暉子「はい、咲さん」




そして私達は今度こそ本当に……それぞれの道を歩んだ。

私達の未来へ、希望へと。きっとその道は長く困難で平坦ではない。

それでも、前だけを見つめて歩く。その先に続く道で、再び出会うために。

終わりです

暗い話といっても前のような人物が暗い、いわゆる鬱系に属するものと
後者のように絶望的な状況の暗さとそこへ向かう人との対比、という類の話もあるので迷った末に両方提示した次第
個人的には暗さでは前者、より奇麗なのは後者ではないかと

1本目の話は設定を若干変えて新しく書けるぐらいストーリーが固まってるのでいつか書くかも

投下します

智葉「さっ、咲!」

真っ赤な顔の智葉から勢いよく差し出された両手。

咲「はっ、はい!」

彼女に呼応するように無駄に大きな、緊張した声で答える咲。

智葉「て、てて手を!繋いでもいいか!?」

手を繋ぐのに両手を差し出す必要も、ましてや恋人に一々確認する必要も無いのだが。

生憎今の自分達にはそれを気付ける程の余裕は無かった。

咲「は…はいっ!もちろん喜んで!」


付き合って四ヶ月も経つ恋人同士には思えないかもしれないが、それでも咲は嬉しかった。

緊張から恐る恐る手を伸ばし、互いの指先が触れ合う。

指先に伝わる体温、それだけで幸せに溶けそうだった。

夕暮れに染まる温かい色をした帰り道で、咲は幸せに頬をふにゃりと緩ませる。

智葉「さ、咲」

咲「何ですか?」

智葉「あ、いや、何でもない…その、呼んだ、だけだ」

咲「そう、ですか…」

ぎこちなく繋がれた右手を見ながら、隣を歩く彼女を見る。

本当は歩く早さは自分よりも、もっと速いのに。

自然に合わされた歩幅にさりげない優しさが溢れてる。

いつも毅然とした智葉の意外な一面。


智葉『…恥ずかしいんだが、恋というものは初めてなんだ』

智葉『だからどう接すれば良いかも解らないし、君を見るだけで心臓破裂しそうなくらい幸せで…おかしくなりそうだ』

照れたように、初恋なのだと智葉は言った。

智葉『こんな感情初めてで…でも、大事にするから。ずっと一緒にいて欲しい』

真っ直ぐに想いを伝えてきたその力強い瞳に、照れながら咲も小さく頷いた。


咲(ねぇ智葉さん。あなたは私が思ってた以上に照れ屋で奥手で、四ヶ月付き合った今もキス一つ出来ないヘタレかもしれないけど…)

微笑みながら、緊張したままの智葉の横顔に優しく咲は目を細める。

絡めたままの右手を、少しだけきゅっと強く握った。

咲(これが私達なりの速さなら、こんなに心地いい速さはありません)


恋人としての進展が遅くても、その間に培われていく絆を感じて咲は幸せに微笑む。

だってこれが二人だけの標準速度。

この速さが大好きなのだから。

カン

ヘタレ智葉好きなので、いずれまた書きたいです。

憧「一月は正月だから咲を食べるわね」咲憧
健夜「二月は豆まきして咲ちゃんを食べる」咲すこ
桃子「三月はひな祭りだしリンシャンさんを食べるっす」咲モモ
咲「四月は花見で私が食べられる!?」咲ハー
優希「五月は子供の日だ咲ちゃんを食べるじぇ」咲タコ
尭深「六月は田植えして咲ちゃんを食べる」咲尭
エイスリン「シチガツハタナバタサキチャンタベル」咲エイ
冷やし透華「八月は暑いから咲を食べます」咲冷やし
明華「九月は台風ですし咲ちゃんを食べますね」咲ミョン
成香「十月は運動会だもん咲ちゃん食べたいな」咲成
洋榎「十一月は何もあらへんけど咲ちゃん食べたるわ」咲洋
恒子「十二月はドサクサで咲ちゃん食べちゃおっかな」咲こーこ

文は浮かばないけどスレタイが浮かんだから出してみた、どうだろう?
ちなみにちゃんとキャラと行事はかかってるはず、憧は巫女だから正月すこやんは鬼強だから豆まきモモは桃の節句だからひな祭りとかね


咲「私は鳥になりたい」

私がただ一つ持っているもの


それは、柵


お父さんとの間に


お母さんとの間に


お姉ちゃんとの間に


そして


麻雀との間に


柵の以外、私には何もない

それとは逆に


皆がたくさん持っているもの


それは、絆


友達との間に


家族との間に


大切な人との間に


そして


麻雀との間に


何かを通じて、皆には絆がある

誰かには必ず想ってくれる誰かがいる


お父さんにはお母さんが


お母さんにはお姉ちゃんが


お姉ちゃんにはお父さんが


京ちゃんには優希ちゃんが


優希ちゃんには和ちゃんが


和ちゃんには高鴨さんが


高鴨さんには新子さんが


それぞれに


家族が、仲間が


身近に存在している


私には?

やっぱり何もない


この手にあるのは


この胸にあるのは


過去への後悔と


他人への渇望だけ


だから私は


私じゃない何かになりたい

そう、例えば


鳥になりたい


鳥は自由だから


自由にごはんを食べて


自由にものを見て


自由にそらを飛ぶ


何者にも囚われない鳥に


何者にも縛られない鳥に


私はなりたい



咲「だからお父さん、お母さん、そして皆さん」


咲「いままでありがとうございました」


咲「いままでごめんなさい」


咲「さようなら、これまでの私、これからの私」


ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー




「あれ?今年の長野代表は龍門渕なんだ?」

「へぇー。確か去年は清澄だったよな?」

「あぁ、あそこは廃部になったらしいよ。なんでも部員の一人が自



おしまい

色んなスレがエタってむしゃくしゃしたからやった

俺が咲宥とか書くからGoogle先生を許してやってくれ


咲(はあ、寒いなあ……サークルサボろうかなあ……)

トントン

咲(うう……誰だろ、話すのもめんどくさいよう……)

宥「こんにちは、咲ちゃん。今日も寒いねえ」

咲(あ、宥さんか……)

宥「咲ちゃんも寒いよね?」

咲「えっ?はい、まあ……」

宥「だよねえ、じゃあ特別だよ?」エヘヘ



宥「おいでえ?」

咲(んん?なんでハグ?)

宥「さあ、さあ」

咲(まあいいや、抱きついちゃえ!)

ギュー

宥「どうかなあ?咲ちゃん」ドキドキ

咲「あ、えっと……あったかーい、です?」

宥「~っ!」カァ

タタタ

咲「……いっちゃった。なんだったんだろ?」

咲(よく分からないけど、なんか興奮しました。お姉ちゃん、これが恋かな?)

咲「もしかして宥さん、私のこと好きなのかなあ?」


第一話 カン

※ユウチャーは最近よくサボる咲ちゃんを迎えに来ました。

スレ立てるのもめんどくさいのでたまーに投下したいと思います。


宥「~~~」

菫「~~~」

咲「……」ボー

淡「ねえねえーサキ、またユウのこと眺めてるわけ?」ギュ

咲「そ、そんなことないよ!別に!」

淡「うっそだー!私がサキを眺めてる時は必ずユウを眺めてるしねー!」

咲「も、もう……あんまりからかわないでよ……」

咲「んん?」

咲「どうして私のことを眺めてるの?」

淡「!」カァ

淡「ししし、しらない!!!!」

タタタ

咲「……」

咲(ななな、なんなの!その返しは!)

宥「あ、咲ちゃんだあ。おはよおー」

咲「私は宥さんが好き私は宥さんが好き私は宥さんが好き私は宥さんが好き」

宥「!」ボン

咲(おもちラブ!ノーおもちノーラブ!)

照魔鏡「」

照「こ、これから育つから……成長期だから……」カタカタ

第二話 カン

※おもちとは「お」っぱい「もち」のことです。

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira100987.png
[ゴンベッサ・先原直樹]

ネット上でゴンベッサと呼ばれている、都道府県ssの後書き「で、無視...と。」の作者。
2013年に人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者は自分であると自称し、物議を呼んだ。
詳しくは「ゴンベッサ」で検索

1990年3月30日生 岡山県津山市出身 血液型B型
実家の住所 岡山県津山市大田277-1 ℡0868-27-1823

【都道府県SS】ゴンベッサ総合★8【先原直樹】

ちょいと変り種を

ハオ「道案内をしていたら遅くなってしまった……」

「……ますっ」

「……かし……」

ハオ「お客…この声は、咲か」

ハオ「……二人だけの時は、何を話しているのだろうか」


咲「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいですから」

智葉「だがな……んん…」

咲「すぐ済みますから、ハオらせて下さいっ」


ハオ「ハオる!?」ドキン


智葉「と、言われてもな」

咲「外に持って行ったりしませんし、目の前で少しハオるだけですから」


ハオ「目の前で、ハオる!?」ビクン

ハオ「私の事で言い争いを…しかも私は智葉に許可を貰えたら借りる事が出来る…?」

ハオ「ハオるとは一体…しかし私が当事者であるならこうしているより行った方がいいのだろう」


智葉「しかしな…傷ものになったら」

咲「傷つけたりしませんからっ」


ハオ「傷もの!?」ビクゥ

ハオ「き、傷ものというと……そ、そのような…///」モンモン

智葉「む…そこまで言うならしょうがないな」

ハオ「智葉!」ガランガラン

智葉「どうしたハオ、珍しく騒々しいな」

咲「あ、こんにちはハオさん」ペコリ

ハオ「あ、その…こんにちは、咲」

ハオ「ではなくて、智葉!何故私に相談も無く決めるのですか!」

智葉「いや別に、構わないだろう?………というか、何の話だ」

ハオ「今の話です!どうしてですか!?」

ハオ(当然といった顔をしてる!?智葉に何の権限があるんだ!)

智葉「…ああ?ハオらせたくないのか?……おお」ポン

智葉「そうかそうか。咲、どうせならこいつにハオらせてもらえ」

咲「え?」

ハオ(え?)

智葉「自分でハオるより他人にハオらせてもらった方が貫録が出る。そういうのがいいんだろ?」

咲「は、はいっ!一度見た時にかっこよくて…ってさっきも言いましたけど」

智葉「というわけで、折角だから自分でハオらせてみろ」

ハオ「は…?」

ハオ(自分で…?もしかして、私ではなく智葉が出来る事だったのか…?)

智葉「本人が傷つけたりしないと言ってる事だし、いいじゃないか」

ハオ(しかし、自分でと言っているのはやはり私が関係しているからだろう)

咲「お、おねがいしますっ」クルッ

ハオ(後ろを向いた?ハオるとは後ろから何かをする事なのか……分からない。聞くしかないか…)

ハオ「しかしですね、ハオると言っても…その」

ハオ「智葉、どうしたら…」ボソボソ

智葉「ああ…こういう感じでな」バッ

ハオ(手を肩幅に開いて前の方に……)

ハオ「な、なるほど……では」

ハオ(つまりこういうこと…!)

ハオ「ど、どうですか…?」ギュッ

咲「わわっ」

ハオ「?」

咲「ハオさん?」

ハオ(違うのか?いやしかし……体勢が逆?前からやってみるか)

ハオ「こうでしたか?」

咲「ぅわわ///」

智葉「な、なあ……咲…っ………感想は…っ…?」プルプル

咲「気持ち良いです…」モソモソ

―――――
咲「はい、お水です」

智葉「ありがとう…フゥー……いやすまん、ついからかいたくなった」

ハオ「……」ジト

智葉「しかしまあ、聞かれて困る内容でもなかったとはいえ盗み聞きは良くない」

ハオ「それは…すみません」

智葉「これにて両成敗、手打ちにしてくれ」

咲「どういうことですか?」

智葉「つまり、私達の会話を途中から聞いて上着を羽織る話が自分に関連する話だと思ったんだろう」

咲「羽織る…ハオる?」

智葉「話がかみ合ってないもんですぐにピンときた。そこで試みにハオらせてみた」

咲「後ろから抱き締めるのが?」

ハオ「それは智葉があんな身振りをするからで!」

智葉「あれは羽織る動きだ。ほら、この通り」スルッ

咲「傷つけるとか傷ものって…」

ハオ「いやそれは……………///」

智葉「はは、日本語は難しいな」

ハオ「まだまだのようです……」

ハオ「ところで、上着を羽織るだけならどうしてあそこまで渋っていたんですか?」

咲「そうですよ!ほんの少しだけなのに」

智葉「いやそれはお前…上目遣いでねだる咲が可愛かったから、つい」

咲「そ、そんな///」テレテレ

智葉「そう照れるな」

智葉「さてこれにて三方一両損、いや三方一両得と言うべきか。まあ何にせよ

咲「一両…?」ハッ

ハオ「得…?」ピク

―――――
咲「私の方が背が低いから…どうかな?」ムギュッ

ハオ「中々に…いえ、とても気持ちいいです」サワ

咲「あっ…」

ハオ「ずっとこうしていたい」

咲「しばらくはこのままで、いいよ」


ハオ「咲は料理が出来るんですか?」

咲「和食っていうか、家庭料理とかなら。肉じゃがとか」

ハオ「それはいいですね。一度食べてみたい」

咲「じゃあ明日作って持ってくるよ。知り合いの人が宿舎の台所を借りてお弁当作ってきてたみたいだから」

智葉「……なあ」

ハオ「作り方を教えてほしいです。出来たら作りながらがいいので…どうです?時間がある時私の寮の部屋に」

咲「うん、いいよ。じゃあその時は…お泊りかな?」チラ

ハオ「咲の良いように」ニコッ

智葉「私もそろそろハオらせてもらえないだろうか」

咲「駄目ですよ、一人だけ二両も三両も得した智葉さんは」

ハオ「我慢してもらわないと釣り合いが取れませんよ」

智葉「…そうですか…」

終わり!

というわけでよく分からない組み合わせでした
ちなみにこの後どんなわけか「ハオる」が流行したとか

ところでハオ咲って把握してる限り自分以外書いてないみたいなんですがハオさん人気無いんでしょうか

>>457
お前さ他スレでも怜や照を好きな人に喧嘩売ってるよね。あっちこっちに敵作るのやめてくれ。咲好きにも京ちゃんやてるてる好きな人だっているんだから。

>>458
咲スレ見てみたらあぼーんだらけでワロタ

【安価】咲「うっ、もれそう。」和「・・・」
【安価】咲「うっ、もれそう。」和「・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457101069/)

西垣「よし、できたぞ赤座! >>2するスイッチだ!」 あかり「わぁい」
西垣「よし、できたぞ赤座! >>2するスイッチだ!」 あかり「わぁい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457096700/)

誕生日だからというわけではないけど折角なので

咲(やっぱり広いなあ……)ペタ ペタ

咲「明かり……こんな時間に……?消し忘れかな……」スッ

咲「……あ」

「?」クルッ

咲「あの……半開きだったから消し忘れかと思って……勝手に入っちゃって、ごめんなさい」ペコ

智紀「気にしてない」

咲「あ、はい……あの、寝ないんですか?」

智紀「まだ戦える」

咲「は、はあ…‥でもあんまり夜更かししてたら健康に良くないですよ」

智紀「……」コク

咲「それじゃおやすみなさい」ススッ

智紀「衣は」

咲「?」

智紀「一度寝たら朝まで起きない」

咲「はあ」

智紀「あなたは、眠れない?」

咲「……はい。なんだか目が冴えちゃって」

智紀「眠れない時は温めた牛乳を飲むといい。用意するから」ギィ

咲「いや、そこまでしてもらわなくても」

智紀「すぐ出来るから。入って待ってて」カチャカチャ

咲「あ……」

智紀「衣がいつも世話になってるお礼だから」

咲「……ありがとうございます」ペコ

咲「でも私なんか何も……わ、冷蔵庫なんてあるんですね」

智紀「コンロもある。徹夜する時はコーヒーを飲むから」

咲「すごいですね」

智紀「ここはキッチンまで遠いから」

咲「ああ、それで……ところで、衣ちゃんは学校でどうしてるんですか?」

智紀「衣はいつもニコニコしてる。ただ、国語の教師を困らせる」

咲「あはは……」

智紀「体育の後は必ず居眠りして、昼は食べた後日なたぼっこする。たまに放課後まで起きない」

咲「衣ちゃん……」

智紀「……衣は、よくあなたの話をする」

咲「私の?」

智紀「衣はあなたの事をいつも嬉しそうに話す」

咲「何て言ってるんですか?」

智紀「言うと怒られるから秘密」

咲「き、気になる……」

智紀「あなたは」

智紀「衣と何を話してる?」

咲「麻雀の事とか、衣ちゃんがいつも思ってる事とか、あとおすすめの本とかが多いですよ」

智紀「本……衣の本の趣味は異常」

咲「あはは……最初は驚きましたけど、分かりやすく説明してくれたり、読みたくなる話をしてくれるので」

智紀「……」

咲「?」

智紀「衣の趣味に合う人は初めて見た」

咲「そうですか?」

智紀「これからも衣と仲良くしてあげて」

咲「はい、喜んで」ニコッ

咲「……パソコン、得意なんですか?」チラ

智紀「一応、そこそこは」

咲「すごいなあ……私携帯もパソコンも苦手で持ってないから不便で」

智紀「……良かったら、今度教える」

咲「本当ですか?ありがとうございますっ」パアッ

咲「使えるようになりたいんですけど、皆に聞くのは恥ずかしくて」

智紀「すぐに使えるように教える。任せて」コポコポ

咲「はい、よろしくお願いします」

智紀「出来た。熱いからゆっくり飲んで」

咲「ありがとうございます……おいしいです」

智紀「今日は少し寒いから」スルッ

咲「あっ……」ファサ

智紀「薄着だと風邪を引く」

咲「あったかい…………あの」

智紀「なに?」

咲「その、名前で呼んでもいいですか……?」

智紀「いい」コクリ

咲「私……ずっと衣ちゃんとばかりで、りゅーもんさん達とは全然で……」

智紀「衣の友達で、衣のために呼ぶから……それが普通」

咲「でも、折角ですし、衣ちゃんを通じて皆さんとも仲良くなりたいと思ったんです」

咲「だって、こんなに優しい人なのに、今までほとんど知らなかったなんて勿体ないですから」

智紀「……」

咲「智紀さんのお話を聞きたいです」

智紀「……分かった」コクン

―――――
智紀「……それからここに住んで透華や衣に仕えてる」

咲「そう……なんですね……」

智紀「眠い?」

咲「はい……少し」クシクシ

咲「すいません……また今度ゆっくり」

智紀「外は寒いから眠気が覚めるかもしれない……ここで寝ていって」

咲「えっ……そんな、悪いですよ」

智紀「いいから」

咲「……じゃ、じゃあ……ありがとうございます」

智紀「気にしないで」

咲「じゃあすいません……お先に」

智紀「……」コクリ

咲「……」ジー

智紀「……」カチ カチ

咲「……」ウト

智紀「……」スク スタスタ

智紀「……」モゾモゾ

咲「……もう寝るんですか?」

智紀「眠くなったから」

咲「うそ……いつも明け方まで起きてるとか徹夜するって聞いてます」

智紀「……」ナデナデ

咲「ん……」

咲「……あの」

――――――――――
誰もいない場所、町中の狭い路地の奥、夜とも朝ともつかない、仄暗い道上。

立っている足元が背後から崩れ落ちていく。そこから追い出されるように走る。

目を瞑って一心不乱に走って、ふと立ち止まると、大通りに着いていた。

立ち並ぶ店や家々は暗く、そこに空は輪をかけて虚ろに、ただ看板のネオンが不気味に輝いている。

大通りを歩くと道はすぼみ、元来た道を戻ろうと振り向くと家も大通りも消え、寂れた小道になっていた。

道なりに歩くと、何人かの人が切れかかった電灯の立ち並ぶ下で何かを話し合っている。

声は聞こえず、目を向けるとそっぽを向かれ、それでいて私をじっと見つめている気がする。

不気味に思って横道を曲がると、四つ角と電柱があった。過ぎて歩いても同じ道にたどり着く。

私の目の前を横切る人があって、長いコートの襟を立てて俯いたまま早歩きで通り過ぎていく。

三つ目の交差路で角にしゃがんでいる人を見た。何かに怯えるように耳を塞いでいる。

それは私と同じような道を辿ったのではないかと思って、そちらを見ずに早歩きで通り過ぎた。

しばらくすると遠大な通りに出た。空は明るく人が沢山いて、中には知った顔もあった。

ほっとしてそこに駆け寄る。知り合いの楽しそうに話している中へ混じり今までの体験を話そうとした。

けれど私の話を聞く者はなく、どころか誰も私の姿を見てもくれなかった。

その後どこに行っても誰に話しかけようとしても反応がなく、街全てが私を忘れてしまったようで―――

怖ろしくなって走り回って、見慣れた道をずっと進んで最後に、たった一つの居場所に着いた。

清澄高校の旧校舎の階段を駆け上り、大きな扉を開けた先。皆はいた。

四人で楽しそうに卓を囲んでいた。大きな衝撃を受けた。五人で全員、私の入る隙間さえも無く……


ふと気付けば、暗闇がすぐ背中まで迫っていた。抗うことも逃げることも出来ず、世界が崩れ落ちて闇へと転落した。

そして奈落の底で姉を見つけた。彼女は私を一瞥すると背を向け歩き去る。叫んで追い縋って泣き叫ぶ。

けれど彼女は―――いや、誰も私を見てはくれない。


――――――――――
怖い。一言で表せばそんな心境なのだろう。全国で闘うこと、姉とのこと。

そして何より私たちにまつわる話を聞いて部の皆に嫌われたり、居場所を失うのが怖い。


全てを聞き終わった彼女はゆっくりと私の頭を撫でてくれた。

そして静かに言った。



―――私が見てる



他にも慰める言葉を言ってくれた。

本当にどうしようもなくなったら龍門渕に迎え入れてくれるとも。

その優しさがどうしてなのか、胸にじくりと沁みて無性に痛んだ。


しばらくして気持ちの良い柔らかな感触と優しい匂いで、そして優しさに安心したのか眠気に誘われた。

すると呼吸で察したのか、私の頭を胸に抱き寄せて包み込んでくれた。


次第に微睡んで眠りに落ちていく中、全身でただ優しさだけを感じていた。

大分前から書きながら熟成しつつあったのを、本日沢村智紀さんお誕生日との事で地の文を基にやっとこ書きつけました

冒頭の悪夢を見て夜中に起きた咲さんが邸内を散歩中に智紀さんの部屋にたどり着いた部分は端折りました

夢の内容は「社会が問題やメッセージを無視するというフラストレーションと不安」というフレーズを受け書いたものです


では改めてともたんイェイ~

マホ「宮永先輩!」

咲「あれ?マホちゃん…?どうして清澄に?」

マホ「マホ、宮永先輩にお願いがあって来たのです...」

咲「お願い?」

マホ「はい!マホの麻雀人生を左右する大きなお願いです!」

咲「そ、そんなに!?」

マホ「はい、そんなにです!」

咲「……わかった!何でも言ってよ!」

マホ「何でもですか!!」パァ

咲「うん。力になれるかは分からないけど、大切な後輩候補だもん!頑張るよ!」

マホ「じゃあ、キスしてください!」

咲「うん!分かったよキスねキス……………………」

咲「………………は?」

マホ「宮永先輩……」スッ

咲「ちょっ、ちょちょちょちょっと待って目を瞑って寄ってこないで話をさせて!?」

マホ「むー///焦らすなんてイジワルです」ウルウル

咲「えっと、ちょーっと待ってね?外見はマホちゃんだけど中身は和ちゃんとかじゃないよね?」

マホ「な、何言ってるんですか?」

マホ「それより宮永先輩……早くキスを……」ンー

咲「おかしい!この子ちょっとおかしいよ!マホちゃん、ちょっと聞いて!」

マホ「なんですか……?」

咲「ど、どうしてキスなの……?」

マホ「あっ!マホとしたことが理由を言ってませんでした!」コツン

咲「仕草があざといよ…」

マホ「えっと、マホ漫画を読んだんです!」

咲(うわぁ、嫌な予感しかしないよ)

マホ「その漫画では、キスをしたら2人の中身が入れ替わるんです!」

マホ「だからマホ思ったです!あれ?宮永先輩とキスしたら入れ替わるのは無理でも、県予選やインターハイの宮永先輩の様な麻雀が打てるようになるのでは!?……と!」

咲(頭が残念な子だよおおおおお!!)

マホ「理解してくれましたか?」

咲「できないよ!?よく今ので説得できると思ったね!?」

マホ「じゃあキスしてくれないっていう事ですか……?」

咲「当たり前だよ!」

マホ「残念です……」

咲「良かった諦めてくれt マホ「じゃあ武井先輩に頼みにいくです」

咲「ちょっと待って」

マホ「ふぇ?」

咲「いや、え?次は部長に頼みに行くの?」

マホ「はい!武井先輩もマホの目標ですから!」

咲「……それはちょっと私に失礼じゃないかな?」

マホ「へっ?」

咲「いや、マホちゃんが部長にキスを頼むのが嫌とかじゃないよ?ただ、これじゃあなんだか私が捨てられた子みたいじゃない?」

マホ「ええっと……どういう意味ですか?」

咲「私にキスを頼んできた以上、私をその気にさせる努力くらいするべきじゃない?」

咲(何言ってるの私ーーーーー!?)

マホ「そ、それってつまり宮永先輩にマホのことを好きにさせてみろ!って事ですか!?/////」

マホ「きゃー!////マホ、宮永先輩に告白されちゃいました!/////」

咲「いや告白とかじゃないんだけどね?なんかキス頼まれた後すぐに他の人の所に行かれると癪っていうかね?そんな感じだからね?」

マホ「マホ、宮永先輩のこと……好き、ですよ?」(上目遣い)

咲「ーーーーッッッ////」カァ

マホ「だから……宮永先輩……」スッ

咲「ま、マホちゃん!?」

マホ「マホとキス……してくれますよね?」ギュ

咲「ま、マホちゃん手離してっ/////」

マホ(宮永先輩可愛いです……)キュン

マホ「先輩……」ススススス

咲(私のファーストキスが……)

咲「マホちゃん…」スッ

マホ(あと少しで唇が触れる…)スス

咲「/////」ドキドキドキ




和「あ・れ・れ〜?咲さんとマホじゃないですか!何やってるんです?」

咲「うひゃ!!!!」バッ

マホ「ぁ...」

咲「の、和ちゃん!」

マホ「……和先輩」

和「ほら、咲さん早く部活に行きますよ!」ギュッ

咲「ちょ、ちょっと和ちゃん!?」

和(私が先月考えついて明日実行に移す決心をした事と同じことをマホがやろうとするなんて……!!)

マホ「待ってください」ガシ

和「どうしました?私達はこれから部活なんです」

マホ「和先輩1人でも行けますよね?」バチバチ

和「いえ、万が一咲さんが迷子になってしまうといけないので一緒に行かないといけないんですよ」バチバチ

咲「ちょっと2人とも……腕、腕痛い……!!」

マホ「……負けません」

和「こちらのセリフです」

咲「あう……手首が取れちゃう……ロールケーキ出てきちゃうからぁっ!」

マホ「あ、ごめんなさい宮永先輩」バッ

和「すみません咲さん」バッ

咲「取れなくて良かった……」サスサス

衣「あ!咲だ!」

咲「あれ、衣ちゃん?」

衣「咲ーーーー!」タッタッタ

咲「なんだか今日は色々な人と会う日だね」

衣「えい!」チュッ

咲「んっ!?」

マホ「」

和「」

衣「…ぷはっ、どうだ!?咲!!」

咲「ど、どうって!?衣ちゃん!なんでいきなりキ、キスなんて!?///」

衣「女の子同士でも仲の良い者同士は口付けを交わすらしい!!智紀が言っておった!」

智紀『……桜tr○ck最高』

咲「こ、衣ちゃん?それは多分アニメの影響を……」

衣「咲……嫌だったか?……」ウルウル

咲「そ、そんなことないよ!!」

咲(はっ、あまりに可愛くて……)

衣「そうか!よし!」

咲「あれ?衣ちゃんもう行くの?」

衣「うむ!口付けを交わしたかっただけだからな!」

咲「そっか、気をつけてね」フリフリ

衣「うむ!ではまたな!」フリフリ

咲「ふぅ…衣ちゃんは知識が浅いし仕方ないのかな…………って2人とも?」

和「」

マホ「」

咲「???…まあ、そっとしておこう」

次の日から、衣はどこからともなく嫉妬、羨望の視線を感じるようになるのだが……それはまた別の話


カン!!

正直すまんかった

でも愛され咲さんを書くのはやはり楽しいですね

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