【咲SS】界「宮永家日和」 (84)
インハイ出立前、ある日の宮永家
咲「ねぇ…お父さん…?」
界「ん?」
咲「聞きたいことがあるの…」
界「何だよ?暗い顔して」
咲「私とお姉ちゃんって……本当に姉妹?」
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界「おいおい何言い出すんだ。そりゃ確かに離れて暮らしてはいるがな、お前と照はれっきとした姉妹だよ!神様も言ってるんだ!」
咲「う、うん…(神様?)」
界「なんだ?やっぱりインハイで照に会うの、不安か?」
咲「そんなことないよ!今なら…麻雀を通してなら、きっとお姉ちゃんとお話できる!」ギュ
界「……咲。…そうだな、お前がその気なら、きっと照とも仲直りできるさ。」
咲「ありがとう、お父さん。」
界「まぁ…咲と照が仲直りしても、照は俺のこと“お父さん”って呼んでくれるかはわからんがな…(こんな頼りない男が父親じゃなぁ…)」
咲「や、やっぱり!」
界「え?」
咲「そうだったんだ…だから…お母さんは…お姉ちゃんと一緒に…」
界「お、おい、どうした?」
咲「お父さん……お姉ちゃんは…宮永照はお父さんの子供じゃないんだね…」
界「は?」
咲「お母さんが…他の男の人との間に作ったんだね…」
界「おい…」
咲「だから、私だけこの家にお父さんと残して、出てっちゃったんだね…それなら説明がつくよ」
界「おーい…」
咲「アレでしょ?
今ニュースでもやってるDNA鑑定上の親子と、法律上の親子の問題が家でも起きてるんでしょ!?
私とお姉ちゃんは異父姉妹なんでしょ?」
界「いや違う…そうじゃない」
咲「ええっ!?違う?」
咲「まさか…私もお父さんの子供じゃないの?」
界「なんでそうなる?」
咲「うぅ…ひどいよ、お母さん。よその男と子供作って、それでお父さんに養育させるなんて…あんまりだよ!」
界「いい加減にしろ!」デコピン
咲「あぅ!」
界「お前も照も、俺と母さんの間にできた子供だよ!!」
咲「ほんとに?ちゃんとセックスしてから生まれるまでの日数合ってる?」
界「残念だったな…照の時も、咲の時も、毎日のように愛し合ってたから数えようが…って何言わせんだ!」
咲「…」
界「それにな…お前の言ってることは母さんを侮辱してることなんだぜ。
俺は、まぁ、こんなだから、ダメ親父っていわれてもしかたないけどな…」
界「俺が…その…好きな人のことを、それも娘の口から悪く言われるのは我慢ならんわけよ」
咲「……」クス
界「!?」
咲「やっぱり、お父さんは、まだお母さんのこと好きなんだね。」
界「お、おう…」
咲「変なこと言ってごめんなさい、お父さんの気持ちを知りたくて…」
界「お前なぁ…ったく」ぷいっ
咲「(拗ねちゃった…)じゃあ、おやすみ、お父さん。よーしインハイがんばるぞーっ!」
界「おやすみ……」
界「頑張れよ…」
インハイ終了後
咲「…と、まぁお父さんはこんな感じだったかなぁ…」
照「…ひどい」
咲「違うよ、冗談だよぅ。」
照「…だから、その冗談がひどい。お父さんが可哀相。」
咲「あぅ…」
原作で界がクズだって発覚したら晒し上げ対象SSだな、こりゃ
照「でも…私が咲のこと避けてたのも原因だから…」
咲「おねえちゃん…」
照「私も大会が終わったら、夏休み中に長野に帰るよ…」
咲「えっ、本当?」
照「うん」
照(お父さんが可哀相だから、ナデナデしてあげようっと)
そして宮永家
照(帰ってきたはいいけど…)
照「あの…咲は?」
界「今はご飯の買い物に行ってる。」
照「そ、そう…」
界「…」
照(…お父さん、私のこと避けてる?)
照「あの…お父さん?」
界「…ん?」
照「私の部屋、以前のままなんだね。びっくりしちゃった。」
界「…あぁ、咲がな…きっと戻ってくるから、そのままにしといてほしいって言ってな…
咲が食材の買物から帰ってくるまで、部屋で休んでていいぞ。」
照「う、ううん…リビングにいるよ…」
界「そっか…んじゃ…」スタスタ
照「あっ…」
照「行っちゃった…」
照(お父さん、やっぱり私のこと、怒ってるのかな……
私が咲とケンカして、その上お母さんと一緒に出ていっちゃったんだから当然だよね…)ショボン
照「…」
照「……」
照「……グスッ」
界「ほい、お待たせ!」コトッ
照「!? (お菓子?)」
界「な、何だ?泣きそうな顔して。これお前の好きなお菓子だっただろ?」
照「あ…」
界「自分の部屋に戻らないなら、一緒にどうかと思ってな。」
照「私の好きなお菓子、覚えててくれたんだ…」
界「あったりまえだ。お前は俺の娘なんだからな。」
照「お、お父さぁん!」ダキツキ
界「おいおい…どうしたんだ?そんなに甘えん坊だったか?」ナデナデ
照「うぅ…」
照(ホントは私がお父さんを慰めるつもりだったけど…)
一てるてるの当初の予定一
照「ただいまー」
界「おぉ、照ぅ、よく帰ってきたなぁ」
照「もーお父さんてば、私がいなくてそんなに寂しかったの?」ナデナデ
照(…って、つもりだったんだけど、まぁいっか。)
照「お父さん、大好き!」ギュウッ
まだ続きます
照「ろくに顔も出さなくって…ごめんなさい」
界「まぁ、あんなことがあったんだ…咲との間もぎくしゃくしちまうだろうし、帰ってきにくいのは仕方ないさ。」ナデナデ
照「でも…」
界「それにな!お前の活躍は雑誌の特集で、これでもかって伝わってくるしな!元気でやってるってわかるだけでも十分さ。」
界「ホント、すげーよなぁ、照は。自慢の娘だよ。」
照「お父…さん…」ウル
咲「ただいまー、お姉ちゃん、帰ってきて…る…」
照「あ、咲…ぐすっ」ポロポロ
咲「」
一咲さん脳内会議一
咲「わわっ…お姉ちゃんが泣いてるよ」
サキ「何か嫌なことがあったのかな?」
さき「きっとお父さんが、ひどいことを言ったんだよ!」
咲「ちょっとお父さん!お姉ちゃんにひどいこと言って泣かせたんでしょ!許せないよ!」
照「え?」
界「え?」
咲「どうせ『今頃ノコノコ顔を出しやがって』とか、娘に言うとは思えないこと言ったんでしょ!
大丈夫だよ、お姉ちゃん!私が守ってあげるからねっ!」
照「…咲、違うよ」
咲「え」
タタタッ ダキツキ
照「私はお父さんのことが大好きだよ!」ギュウ
界「ハハ、まいったなぁ…」ナデナデ
咲「……」ポカーン
界「よぅし、照。父さんのことを「寝とられ夫」とか「暴言親父」とか言っちゃう咲は放っといてお菓子食べよう!」
咲「わーん!ごめんなさい!私もお父さんのこと大好きだよぅ!」ダキツキ
界「よしよし」ナデナデ
咲「うぅ…」
照「ふふ」
界「そういえば、咲、ご飯の支度は大丈夫なのか?」
咲「そうだった…お姉ちゃんが帰ってくるから、豪華にしようと思って、食材用意しにいったんだった…
頑張って作るから、お父さんとお姉ちゃんは待っててね。」
照「あ…じゃあ私も手伝うよ。」
咲「いいから、いいから。お姉ちゃんには、私の作ったご飯食べてもらいたいんだもん。」
照「咲……ありがとう。それじゃあ、こうしよう…」
咲「?」
照「お父さんは楽しみに待ってて!じゃあ台所に行こう、咲。」スタスタ
咲「あっ、待ってよ、お姉ちゃん」トテテ
界「?」
照「台所も変わってない…」
咲「うん。」
照「前によく二人でお母さんの料理を手伝ったよね…」
咲「う、うん…」
照「そんな顔しないで。私も咲と仲直りできた…お母さんも、きっと帰ってくる。
さあ、咲は料理の準備を始めて……」
咲「うん?お姉ちゃんはどうするの?」
照「私は……」
そしてご飯時
咲「お待たせー。ご飯できたよー。」
界「おおっ、豪勢だな。結局、照も手伝ったのか?」
照「ううん。折角だから、咲の手料理をいただこうと思って…
私は別のものを作ろうと思って…」
界「お、これは」
照「クッキー焼いたの。食後に紅茶でもいれて食べてほしいな…」
咲「お姉ちゃん、白糸台でお菓子作るの上手になったんだって、凄いね。」
界「へぇ、お菓子作りも上達するのか。流石、全寮制の学校はオシャレだなぁ。」
咲「きっと優雅に午後のお茶会とかあるんだよ!」
一界と咲のイメージ一
尭深「みなさん、お茶がはいりましたよ。」
菫「フッ、頂こうか」
誠子「尭深のお茶が来たとなれば当然…」
照「私の手作りお菓子もどうぞ」
淡「テルーすごーい!」
一一一一
咲「きっとこんな優雅なひと時を過ごしてたんだねっ!」
照「う、うん……」
一実際の白糸台の状況一
菫「いかん!照に小麦粉、砂糖、バターその他諸々を渡すな!」
尭深「あっ、もう調理室が使われてます!」
誠子「くっ、購買で買ってきたお菓子は全部取り上げたのに!」
菫「お菓子を食べ過ぎて健康に悪いから節制させようとしたのに…
まさか自分で作り出そうとするとはっ!?」
淡「テルーすごーい!」
一一一一
照「…」
照(お父さんと咲には内緒にしよう…)
照「咲、よかったら買い物にでもいかない?」
咲「えっ、ほんと?わーい、お姉ちゃんと買い物にいくなんて久しぶりだよ。」
照「お父さんが車出してくれるって。」
界「おう、みんなで出かけるか…」
咲「ねぇ、お姉ちゃん、服買おうよ、服。」
照「うん、いいよ。私が咲のコーディネートしてあげる。」
咲「わぁい。ついでに、お父さんもかっこよくコーディネートしてあげよう!」
界「え?いや、俺は別にいいよ…」
照「まぁまぁ、折角だし…ね」
界「やれやれ…」
ショッピングモール
界「よーし、到着。まずはお前達の買い物から始めようか…」
咲「うん。」
界「迷子になるなよー」
照「はは…まさか…」
テクテクテク
界「あれ?ところで…お目当ての店はどこなんだ?」クルッ
コツゼン
界「おいおい…」ポツ-ン
一一一一
咲「ここどこ…」オロオロ
一一一一
照「もー、お父さんも咲も迷子になっちゃうなんて…」ウロウロ
インフォメーションコーナー
ピンポンパンポーン
『お客様に…迷子のお知らせをいたします…
○○からお越しの、宮永照ちゃん、宮永咲ちゃん。お父様がお待ちですです。店内にいらっしゃいましたら、最寄りの店員にお知らせください。』
・
・
・
係の人「いましたよー」
界「あっ、照、咲!」
咲「お、お父さん!何で迷子の放送なのー!?」///
照「普通に待合場所をアナウンスしてもらえばいいのに…」///
界「お前たちじゃあ、待合場所にたどり着く前に日が暮れちまうだろうが…」
係の人「お会いできてよかったですね」
照、咲「あ、ありがとうございました」ペッコリン
界「いやー、係の人も迷子が高校生だとは思わなかっただろうから、びっくりしただろうな。」
咲「もー、お父さんが迷子の放送なんて頼むからでしょ!」ポカポカ
界「あはは」
服屋さん
照「気を取り直して、お買い物…」
咲「うーん、どんな服がいいかなぁ…」
照「咲は、私服はボーイッシュなのが多いよね。今日は女の子らしいのにしよう…」
咲「あぅ…でも私…胸ないから…女の子っぽいのは自信ないよぅ…」
照「大丈夫…そんな咲に朗報。こういう服なら…」
咲「あっ…胸のした部分でしぼってあるデザイン!」
照「これなら多少はあるように見える…」
咲「わぁぁ、肩の袖口もしぼってある。お姫様っぽい。」パァッ
界「あくまで“あるように見える”だけだろ…」
照「お父さんは黙ってて!」
照「さぁ咲、後はボトムにこのハーフパンツを合わせよう。足のラインがピッチリ出るから、ほっそりした咲にはピッタリ。」
咲「お姉ちゃん、すごーい!オシャレ通!」
界「さすがにWEEKLY麻雀TODAYの写真映りが良いだけはあるッ!」
照「ふふん」ムフー
一実際の撮影現場一
カメラマン「うーん、宮永さん、表情固いよ」
照「あぅ…」
記者「撮影終わったらケーキあげるよ」
照「えっ!?」
ニコォッ
カメラマン「はい、その表情いただき!」
照「ケーキ、ケーキ」ワクワク
一一一一
照(べ、別にケーキのためじゃない…あくまで麻雀で力を発揮した結果だよ。
可愛くなると雑誌の特集が増えて、お菓子もらえるからとかじゃ…)
咲「じゃあ、今度はお姉ちゃんの服だね。あっ、このワンピースなんて似合いそう。」
照「ヒラヒラしてる…」
咲「お姉ちゃん、タイトな服が多いじゃない?たまにはゆったり系のも良いんじゃないかな、と思って…」
界「うん、キリッとした照もいいが、優しそうな照もいいな。」
照「そ…そうかな…」テレテレ
咲「よーし、それじゃあお会計に行こう、お父さん!」
界「えっ?俺が払うの?」
咲「うっ…家族麻雀で巻き上げられたお財布の傷が疼く…」
界「あれはお年玉を貯金に回してあるの!お前達の将来の為の蓄えなの!」
咲「えー…」
照「でも、『お父さんが服を買ってくれた』って言えば、お母さんの好感度もきっと上がる…」
界「わかった、わかった、今日は特別だぞ。」
咲「わーい」照「やった」ハイタッチ
咲「今度はお父さんの服だね」
界「俺は適当に買うからいいよ…」
照「そう言わずに……カッコイイの選んであげる。」
咲「メンズのお店はちょっと離れてるね」
界「今度ははぐれるなよー」
咲、照「「はーい」」ギュ
界「お、おい…何も手を繋がなくても…」
咲「こうすれば、はぐれないでしょ。」
照「両手に花でうれしいでしょ。」
界「う、自惚れんな…」///
移動中
プラモデル屋前
界「ん?」
咲「パーフェクトグレードのアストレイレッドフレームがどうかした?」
界「いや…ちょっとな…」
ゲームショップ前
『趙子竜の槍捌き、受けてみよ!』
『火計部隊、今です!』
界「ん?」
照「真三國無双シリーズがどうかした?」
界「いや…聞いたことある声だと思って…」
メンズ服屋
照「…うん、このワイシャツなんか似合うんじゃない?」
咲「こっちのネクタイカッコイイかも…」
界「ふーむ、選んでくれるのはありがたいが…
お前達も高校生なんだから、彼氏相手にしてあげたほうがいいんじゃないか?」
咲「もぅ…私、彼氏なんていないよぅ」
照「うーん…私もまだいいかな…」
界「ま、父親としては安心だが…10年後も同じこといってられるかぁ?」
照「う…」
咲「うぅ…」
界「とりあえず、買い物はすんだな…」
照「あ…」
咲「どうしたの?」
照「ご当地限定のアイス…今はこんなのあるんだ…」ジュルリ
咲「よだれ、よだれ!」
界「んじゃ、帰省記念に食べてみるか?」
照「やっぱりお父さん大好き!!」
次の日
界「よーし、会社いってきまーす」
咲「はーい」照「いってらっしゃーい」
界「家のこと頼むなー」
咲「うん!」
照「気をつけてね」
照「咲、お家のことって何してるの?」
咲「ん?お掃除とかお洗濯だよ。夏休みの間はお昼ご飯も自分で作るの。」
照「えらい…」
咲「そんなことないよ、私とお父さんの二人分だけだし、お休みの日はお父さんも手伝ってくれるし…
それに、お母さんの大変さもわかるようになったしね。」
照「…」
一白糸台寮てるてるの個室一
菫「おーい、照ー」
照「開いてるよ」
菫「おじゃましま…って、おい、ゴミだらけじゃないか!?」
照「後で捨てる。寮監の先生が来る前には片付ける…つもり。できなかったら手伝って。」
菫「ふざけんな!今から片付ける!!」メッ
照「あーい」
一一一
照「……」アタマカカエ
咲「?」
照「気を取り直して…私も手伝おう」
咲「ありがとう…私は洗濯機回してくるから、お姉ちゃんは、各部屋からゴミを集めてきてね」
照「おまかせあれ」
回収中
照「リビング、台所、咲の部屋と、私の部屋…は帰ってきたばかりだからゴミはないか…」
照「後はお父さんの部屋…」
照「入るの久しぶりだな…ごみ箱は、と…」キョロキョロ
照「ん…?」
咲「お姉ちゃーん、ゴミ集まった?って、何してるの?」
照「あ…ごめん。お父さんの部屋に、こんなのがあったから…」
咲「アルバムと、麻雀の雑誌?」
照「私たち家族の昔の写真と、私の特集が載ってる雑誌…わざわざとっておいたんだ」
咲「お父さんも、口ではお母さんとお姉ちゃんが帰ってくるのは諦めたようなこと言ってたけど…ホントはまた家族で暮らしたいって思ってるんだよ」
照「お父さん…ホントに私のこと想っててくれたんだね…」
咲「うん。だって私たちのお父さんなんだから。」
照「そうだね。あ…ゴミ捨ての途中だった。片付けなきゃ…」ドサッ
咲「あれ?他にも雑誌が…」
照「ほんとだ……って、これ」
咲「………エッチな本だね…」
照「…」
咲「…」
照「し、仕方ないよね。お父さんだって男だし、お母さんと長いこと離れてるし…」アセアセ
咲「う、浮気とかするよりは誠実だよね…」クルシマギレ
照「…」
咲「…」
照、咲(何か色々と台なしだよ)
その夜
界「ただいまー」
咲「あ…おかえり、お父さん」ジト
照「……おかえりなさい」ジト-
界(あれ?なんか娘たちの視線が冷たいような…)
界「照ー、忘れ物はないか?」
照「うん、だいじょうぶ」
咲「うぅ…お姉ちゃんが帰っちゃうと寂しいよぅ」
照「そんな顔しないで…今度は咲とお父さんが東京に遊びに来てね」
咲「…うんっ」ダキツキ
照「よしよし…連休とかお正月には、また帰ってくるから…」ナデナデ
照「その時はお母さんも一緒に帰るように説得してみる…」
界「あ、あぁ」
照「だからエッチな本は程々にね」
界「ナ、ナンノコトカナー」
咲「今度は私とお父さんが東京に来たよ」
界「とは言え、流石に寮にお邪魔する訳にはいかんからな。さて、照との待ち合わせ場所は…」
照「あっ…いたいた…咲ー、お父さーん」オーイ
咲「あっ!お姉ちゃん!」
照「あっ、咲、前に一緒に買った服だね」
咲「うんっ、お姉ちゃんも私の選んだの着てくれてるんだ」
照「ふふ…似合ってる」
咲「お姉ちゃんもね!」
界「さて、照、これからどうするんだ?案内してくれるって言ってたけど…」
照「うん…二人ともご飯まだでしょ。一緒に食べに行こう。でもその前に……」
界「?」
照「あ…来た来た」
??「ごめんなさい、照、遅くなっちゃっ…て…え!?」
界「ッ!?」
咲「お母さん!?」
宮永母「咲……界さん……」
界「…照、これはいったい?」
照「サプライズ……せっかく咲とお父さんが東京に来てくれたから」
宮永母「久しぶりにお母さんとお出かけしたい、って言ったのは…こういうことだったのね」
照「ごめん…」
宮永母「いいのよ…貴女と咲にはさびしい思いさせちゃってるもの…」
咲「お母さーんっ!」ダキツキ
宮永母「あらあら」ナデナデ
界「……」
宮永母「折角だから、今日は家族4人で過ごしましょう……言いたいことは…あるでしょうけど…」
界「いや、俺のほうからも頼む……話は後でゆっくりしよう」
照「よかったよかった…」
咲「また…家族みんなで過ごせるんだね!」
家族で食事中
咲「それでね、それでね……」
宮永母「あら、そんなことがあったのー?」
照「咲ったら、お母さんにベッタリ…」
咲「だって、久しぶりに会えたんだもん。いっぱいお話したいよー」
宮永母「……ごめんね。さびしい思いさせちゃって…」ナデナデ
咲「お母さん…家には帰って来ないの?」
宮永母「…っ、それは…」
界「…」
咲「お父さんも、お母さんのことまだ好きなんでしょ、この間言ってたじゃない。」
宮永母「あら…」
界「う…」
照「照れてる…」
界「か、からかうなよ……」
その後
界「なぁ、照、咲…帰る前に、母さんと二人で話をする時間をもらっていいか?」
宮永母「…」
咲「う、うん」
照「じゃあ、私達はあっちの本屋で時間を潰してる………頑張ってね、お父さん。」
界「あぁ」
宮永母「…」
界「……今日は楽しかったよ。また家族で過ごせて…」
宮永母「お礼は照に言わなきゃ…あの子が考えてくれたんだし…」
界「だな」
宮永母「ねぇ、私のこと、まだ好き?」
界「ああ…俺の嫁さんだからな」
宮永母「…ありがとう。気持ちは嬉しいけど…私は…まだ…」
界「いいんだ…今日だって照がお膳立てしてくれなきゃ、俺からは何もできなかったからな……
次は俺から会いに行くから…少しずつ話しあってもらえると嬉しい」
宮永母「そうね…このままじゃ先へ進めないもの……」
界「その上で、今後のことを決めよう」
数ヶ月後
咲(この後、お父さんはちょくちょくお母さんのもとへ顔を出すようになりました。)
咲(その甲斐あって、お父さんとお母さんは仲直りできました。お姉ちゃんが白糸台を卒業するまでは東京に残るみたいですが…)
咲(とにかく、一度はバラバラになった私の家族は、また一つにまとまりそうです!)
界「~♪」
咲「お父さん、この間お母さんのところへ行ってからご機嫌だね」
界「まぁな」
咲「お母さん、帰ってくるの待ち遠しいね。」
界「あぁ…それなんだがな…」
咲「?」
東京
宮永母「あら、照、いらっしゃい」
照「ただいま、お母さん、大丈夫?この間、お父さんとデートしたとき、気分が悪くなって病院にいったんだって?仲直りして嬉しいのはわかるけど、はしゃぎすぎちゃ駄目だよ。」
宮永母「そうね…というか、はしゃぎすぎちゃった後なのかも…」
照「?」
宮永母「照、ごめんね。さびしい思いをさせちゃうかもしれないわ?
実はね……」
照「なっ!?」
TELLL…
宮永母「あら、電話」
咲「もしもしお母さん!」
宮永母「あら、咲、どうしたの?」
咲「ど、どうしたの、じゃないよ!お母さん…」
咲「妊娠したんだって!?」
宮永母「え、えへへ…お父さんと仲直りできたから、コウノトリさんがきてくれたのね、きっと。」
咲「…つまり、お父さんが会いに行ったときに、子供が出来ちゃうようなコトしてたと…」
宮永母「そ、その…仲直りできたし…久しぶりだったから…燃え上がっちゃって…お父さんが来てくれる度に…」
咲「惚気話は聞いてないよ!まさか、この歳でお姉ちゃんになるなんて…」
電話後
咲「もー、お父さんもお母さんも元気なんだから…」アキレルヤラウレシイヤラ
界「ははっ、というわけで、母さんは予定より早く帰ってくるよ。」
咲「まぁ、お姉ちゃんは寮だから大丈夫だとは思うけど…」
界「バラバラになっちまったと思ったけど、一人増えた状態でまとまるとはな。俺も家族のために頑張らないとな!」
界「あ…そうそう、咲」
咲「?」
界「心配しなくても、父さんと母さんの間にできた子供だからな」
咲「最初のほうの話を引っ張らなくていいよ!」
カン
終わり。
もう何度か書いた宮永家もの。
原作だと離婚寸前みたいだけど、俺は仲のよい家族が見たいのです!だから界さんをかっこいい父親にするんだ!
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