【咲×?】寄ってらっしゃい見てらっしゃい咲SSの時間だよ【百合】 (1000)

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50のお題で、宮永咲がメインの百合SSをみんなで書くスレです

○お題

1:追いかける  2:諦める  3:懐かしむ  4:輝く  5:甘える
6:出会う  7:戯れる  8:慕う  9:眠る  10:照れる 
11:惚れる  12:狙う 13:抱きしめる  14:狂わせる 15:夢見る 
16:叶える  17:逃げる  18:囁く(ささやく)  19:弄ぶ(もてあそぶ)  20:ときめく 
21:拗ねる(すねる)  22:寄り添う  23:妬む 24:惹かれる  25:騙す
26:傷つく  27:壊れる  28:奪う  29:微笑む  30:求める
31:見つめる 32:悩む 33:守る  34:恋する 35:待つ 
36:手に入れる  37:秘める  38:確かめる  39:撫でる  40:捨てる
41:振られる  42:望む  43:願う  44:想う  45:探す
46:呼ぶ  47:持て余す  48:焼き付ける  49:茶化す  50:気にする

○ルール
1キャラ2回まで(照咲と和咲は1回、複数は1回とカウントして4回まで)

○他注意
カプお題は名前欄で表記 … 例【咲和 44:想う】
長編や中編の方は書き溜めを、鬱・18禁描写など見る方を選ぶ話は初めに注意書きを
投下開始と終了は宣言して投下が被らないように


元スレ
【咲×?】玄「おもちは妹産に限る!」【百合】
【咲×?】玄「おもちは妹産に限る!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358809872/)

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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377085288


投下しますよーぅ

-インターハイ準決勝
-臨海控室

咲『ツモ、嶺上開花』


智葉「宮永咲、か…」

監督「いいねぇ、ほしいわあの子」

ダヴァン「またデスカ…」

監督「いやほんと、真面目にほしい。来年の先鋒を任せたい」

智葉「インハイの真っ最中だというのにもう来年の話ですか」

監督「まあ、来年も監督させてもらえるかどうかも分からないけど…」

-10月

ジリリリリリリ

智葉「……朝か。まったく、呆れるな」

智葉(未だにインハイの夢を見る…。女々しいことこの上ないな)

インターハイは結局、白糸台の連覇で幕を閉じた
臨海は3位となったが、決勝まで残ったことで監督は留任した

そして…

咲「」Zzzzz

智葉(ルームシェアを初めて2週間、か…。まさか本当に引き抜いてくるとは思わなかった)

インハイが終わってからの夏休みをつぎ込み、監督は長野に通い続けた
どんな説得をしたのか知らないが、宮永咲の引き抜きに成功した

成功の報告と共に、監督は私にこう言った

監督「というわけで智葉。宮永の面倒を見てやってくれ。どうせ寂しい一人暮らしだろ。可愛い妹ができたと思って、な」

そこで引き受けてしまったのは、どういう心境だったのだろう

智葉(可愛い妹、か…)

すやすやと眠り続ける咲
なんとも言えない、幸せそうな表情。起こすのがもったいなく思えてしまう

――妹は、いません

意識はしないようにしても、心のどこかでは引っかかっていたのだろう

監督が引き抜きの際に咲の身辺調査をした結果、宮永照の妹だというのは間違いないということだった
なのに、妹がいることを否定する、宮永照

智葉(こんなに可愛いのにな…)

何があったかは知らないし、むやみに口を出すことではないのかもしれないが

智葉「咲、そろそろ起きろ」

咲「……あと5分」

智葉「学校に迷わず行けるなら、好きなだけ寝ていろ」

咲「ううぅ、起きます…」

体を揺さぶっても反応は乏しかったが、突き放すように言うと起きようと体をユラユラと揺らし始めた
起きるとは言ったものの、まだ完全には覚醒していないようだ

監督がルームシェアを押し付けたのは、咲のその類稀なる方向音痴が大きな要因のようだった
学校の寮もあるにはあるが、学校から少し離れている。それに寮に入っているのはほとんどが留学生で、咲のサポートをできる状態ではない

咲「智葉さんはすぐに起きれて羨ましいです」

智葉「まだ生活に慣れていないんだろう」

咲はようやくノロノロとベッドから降りた
今までは私が使っていたベッドだが、咲が来てからは咲に譲って私は床に布団を敷いている

咲「でも、智葉さんのおかげでだいぶ慣れてきましたよ」

智葉「それはなによりだ。とりあえず着替えてこい、ご飯の支度はしておく」

咲「ごめんなさい、いつも任せてしまって」

智葉「夜は作ってもらっているんだ、お互い様だよ」

ペコリと頭を下げて、咲が着替えに行く

今までは、ただ黙ってご飯を用意し静かに食べるだけの、味気ない生活
朝に弱い、道に迷う。けれど、気配りのできるいい子じゃないか…

智葉「なぁ、与太なんだろう…。宮永照」

2週間共に暮らしただけと言えばそれだけなのかもしれないが、それでも言わずにはいられない
こんな妹をいないと言えるなんて、与太話でなかったらいったい何だというんだ…

-2週間前

咲「あ、あの、よろしくお願いします。つじがいひょっ…さん」

監督に連れられてきた咲の第一声は、盛大な噛みから始まった

智葉「……智葉でいい」

咲「…よろしくお願いします、智葉さん」

涙目になりながら、咲は頭を下げた

これが、インハイで大暴れした宮永咲なのか…
あの闘牌からは想像もつかない弱々しい姿に、そう思わずにはいられなかった



智葉「荷物はこれだけなのか?」

数日分の着替えが入った大きなカバンをその細い腕で部屋の隅に運ぶ咲に尋ねると、咲は困ったような笑みを浮かべた

咲「あとは、住みながらお父さんに送っておうと思います。本当はたくさん本を持ってきたかったんですけど」

智葉「どのくらいだ」

咲「…この部屋じゃ入らないと思います」

智葉「…世の中には電子書籍というものがあってだな」

咲「携帯電話もよく分からないのに電子書籍なんて無理です」

智葉「…世の中にはおじいちゃんおばあちゃんにも使える携帯もあるから、な」

咲「これですよね…。でもよく分からなくて」

しゅんとする咲が、ポケットから真新しい携帯電話を取り出した
あー、それすらよく分からないレベルなのか…

智葉「…とりあえず番号を登録するところから覚えような」

引き受けるんじゃなかったかなと思えど、もう後の祭り
手のかかる妹と思って割り切るしかなかった

-夜

智葉「ごちそうさまでした」

咲「お粗末様です」

いろいろと難点もあるけれど、父親と二人で暮らしていたというだけあって家事は一通りこなしてくれた
むしろ一人暮らしに慣れていろいろ雑な私よりも、家事においては咲の方が上だった

咲「食器は洗いますから、置いておいてくださいね」

智葉「じゃあ風呂の用意をしておく」

ふとした思い付きが、浴室に向けた足を止める

智葉「一緒に入るか?」

咲「えっ、何言ってるんですか、突然…」

智葉「じゃあ1週間後に一緒に入るか?」

咲「予約が必要とかそういうことじゃなくてですね…」

動揺して食器を洗おうとする手を止めた咲は、顔を真っ赤にしてうつむいていた

智葉「嫌ならいい。スキンシップにどうかと思っただけだ」

咲「…その、嫌じゃないですけど」

智葉「私は先に入っているから、気が向いたらおいで」

咲「は、はい…」

なんでこんなことを言ってしまったのだろう

智葉(可愛い妹、か…)

妹がいたら、こんな気持ちになるだろうか…
もっとお前のことを深く知って、そして守ってやりたいだなんて…

-浴室

来ないかもしれないと思いつつ、いつもよりもゆっくりと髪を洗い、そして体を洗った

智葉「まあ、いきなりは無理か…」

残念なような、ほっとしたような複雑な気持ちを抱えながら、たっぷりのお湯を張った湯船に体を沈めた
その瞬間、脱衣所に人の気配がした

微笑みながら、胸が高鳴るのを感じた
…まったく、私はもうのぼせたのか?

扉がゆっくりと開き、バスタオルに身を包んで咲が中を覗き込んだ

咲「失礼します…」

智葉「そんなに遠慮しなくてもいい。背中を流してやるから早く中に入れ」

咲「え、そんな。自分でできますから」

智葉「スキンシップと言っただろう、そのくらいやらせてくれ。あとバスタオルなんて巻いてたら体が洗えないぞ」

咲「は、はい…」

観念したのか、一度扉を閉めると咲がバスタオルを置いてまた中に入ってきた

智葉「…細いな」

咲「小食で…」

智葉「まあいい、座れ」

いくら小食でも細すぎる咲の体
その透き通るような白い肌も相まって、幻想的にも見える

あまり力を入れすぎると折れてしまいそうだな…
掛け湯をした後、泡立てたスポンジがゆっくりと咲の背中に触れた

智葉「痛かったら言えよ」

咲「うん…」

智葉「ネリーたちとは仲良くなれたか?」

咲「ネリーちゃん、人懐っこいから。ハオちゃんと明華さんとは、もうちょっと時間がかかりそう」

智葉「そうか」

一通り背中を洗い終わる
流石にこれ以上は自分で洗ってもらうか

そう思い、私はスポンジを咲に手渡そうとした

智葉「じゃあ、あとは一人で洗えるか?」

そういった瞬間、咲がつかんだのはスポンジではなく、私の手だった

智葉「…どうした?」

咲「ごめんなさい。つい、思い出しちゃって」

智葉「何を?」

咲「こうやってお姉ちゃんに、背中を洗ったもらったこと。あとは自分で洗えるって聞かれて、まだ小さかった私は全部洗ってって答えて…」

智葉「……しょうがないな、咲は」

咲「同じこと、言うんですね」

智葉「それくらい分かるさ」

幼い妹にそう言われたら、答えなんて限られている

なあ、咲…
お前は未だに姉を想うのに、どうして姉はお前を拒絶するんだ…

私はゆっくりと、スポンジを咲の胸元へと動かした

智葉「痛かったら言えよ」

咲「…大丈夫です」

智葉「なら、なんで泣く?」

咲「思い出したら、他のこともいろいろ思い出しちゃって…」

震える咲の体を抱きとめる
咲はそれに気づいて、逃げずに体を預けてきた

智葉「心配するな、できる限りのことはしてやる」

咲「……ごめんなさい」

智葉「謝る必要なんてない」

咲「…ごめんなさい」

咲のお腹まで来たスポンジを動かすことも忘れて、私は咲が泣き止むまで抱きしめ続けていた

智葉「…落ち着いたか」

咲「はい、ごめんなさい」

智葉「だから謝るなと言っているだろうに」

咲「ごめんなさい、つい…」

智葉「また…。まあいい、体を流して湯船に浸かれ」

泡を流し切って咲がゆっくりと湯船に入ると、私も隣に体を沈めた
それほど広いわけではないから、どうして体は密着してしまう

咲「…お姉ちゃんと入ったときは、こんなに狭く感じなかったんですけどね」

智葉「いつまでも同じではいられないさ」

咲「そう、ですね…」

智葉「ところでなんとなく聞けなかったんだが、どうして監督のスカウトを受けたんだ?」

初めの1週間はまずは新生活に慣れるためにバタバタしていた
ここ1週間で少しは落ち着いたけれど、これまで踏み込んだ話はしてこなかった

一緒に風呂に入ろうと思ったのも、そろそろ次の段階へ踏み込むべきだと感じたのかもしれない

咲はうつむいてしまう

咲「インハイが終わって、和ちゃんが引っ越しをするって知りました。私が最後にまくられたから…」

智葉「原村か。だが、まくられたから?」

咲「お父さんに優勝したら長野に残っていいって言われてたみたいです。私、そんなこと知らなくて…」

智葉「それで?」

よほどのことが無ければ、一人で東京の学校に転校しようなどとは思わないはずだ
続きを促すと、咲はまた細い体を震わせた

咲「私は、逃げたんです…。私が負けたから和ちゃんが転校することになったんだって言われるのが、怖くて」

智葉「転校すると分かっていたら、勝てたのか?」

咲「……それは」

智葉「本当にお前が逃げたのなら、東京まで来て麻雀なんてしていないさ。違うか?」

優勝が条件とは、その親には初めから留まらせる気がなかったとしか思えないな…
だが、咲が手を抜いて打ったわけじゃないのは分かる。咲に非は無い

咲「……でも」

智葉「長野にいるよりは宮永照に会える可能性が高い。本当に逃げるんだったら、東京なんて来ないさ」

咲「……東京にいても、お姉ちゃんに会えるかどうかなんて。インターハイでも結局しゃべってくれなかったし」

智葉「さっき言ったばかりだろう。できる限りのことはしてやる」

咲「智葉さん……」

智葉「さて、そろそろ上がるか」

逃げているのは、一体誰なんだろうな…

咲が臨海に来たのは、清澄に居辛くなったというのも理由の一つなんだろう
だけどまだ、咲は宮永照に会いたがっているんだ。あれだけ拒絶されても

咲は弱い自分と向き合って、自分を変えたかったんだろう

だから、もう理由なんて知らない

智葉(少しくらい向き合え。逃げるなよ、宮永照っ)

姉のように振る舞うことはできるかもしれないが、それは咲の本当の望みじゃない
なら宮永照の首根っこをつかまえて、無理やりにでもしゃべらせてやる

逃げたって、後悔しか残らないんだからな  (終)

以上です
こんな感じでいいのだろうか…

佳織(宮永さん、今日も同じ席に座ってる…)

佳織(声、かけようかなぁ…)

佳織(でも……)

咲「…さて。本も読めたしそろそろ帰ろうかな」てくてく

佳織(あ、行っちゃった…)

佳織(……)



宮永さんを最初に見つけたのは、たまたま遠出して訪れた町の図書館

奥まった場所にある席で、物静かに手にした本に視線を落とす宮永さんから何故か目が離せず

その横顔に見とれている間に、彼女は読み終えた本を持って去っていった

ひょっとしてよく利用している図書館なのかと次の週も足を運んでみると、前と同じ場所にまた宮永さんがいた

私は遠くの席からそんな宮永さんに密かに視線を送っていた

話しかけようか否か、ひたすら悩みながら

でも結局その日も声をかけられないまま彼女は帰っていった

そんな日が何日か続いたある日


佳織「…はぁ。何で私こんなストーカーみたいなことしてるんだろ…」

智美「誰がストーカーだって?」

佳織「きゃっ!?」

佳織「って智美ちゃん!びっくりしたぁ」

智美「ワハハ、驚かせたちゃったかー。すまない佳織」

佳織「ううん。私ちょっと考え事してたから。大げさに驚いちゃってごめんね」

智美「考え事?そういや佳織最近元気ないな。何かあったのか?」

佳織「…うん、ちょっとね…」

智美「話し辛いことなら無理には聞かないけど」

佳織「……ううん。智美ちゃんになら話せる、かな」

佳織「えっとね。気になってる人がいて…」

智美「うん」

佳織「でもその人は雲の上の存在で、声をかけることもできなくて…」

智美「雲の上の存在って、佳織は神様にでも惚れちゃったのか?」

佳織「ええっ!?宮永さんは神様じゃなくって人間だよ!!」

智美「なるほど、宮永さんかー」

佳織「っ///」

智美「ああゴメンな佳織、別に誘導尋問するつもりじゃなかったんだ」

佳織「う、うん、分かってるよ。智美ちゃんそんなことする人じゃないし」

智美「そっかー、良かった」

智美「…なあ佳織。何でそんなにためらってるんだ?」

佳織「え、だって宮永さんはこないだのインハイ全国優勝の立役者だし。牌に愛された子ってメディアに騒がれるような凄い人で…」

佳織「私みたいな麻雀初心者とは比べ物にならなくて…」

智美「佳織は宮永さんの麻雀に惹かれたのか?」

佳織「えっ!?ち、違うよ!!」

佳織「静かに本を読んでる宮永さんが…その、綺麗に思えて///」

佳織「その表情をずっと見ていたいなぁって、そう思ったの」

智美「それじゃあ麻雀の強さなんて関係ないじゃないか」

佳織「うっ、で、でも私はそうでも宮永さんはやっぱり麻雀の上手い人の方が…」

智美「じゃあもし佳織が凄い雀力を持ってて、宮永さんが麻雀初心者だったら」

智美「佳織は『麻雀ができない人なんて』って見下しちゃうのか?」

佳織「そ、そんなことしないよ!!麻雀が強い弱いなんて関係ないもんっ!!」

智美「それは宮永さんも同じなんじゃないか?」

佳織「……!!」

智美「宮永さんが麻雀力で人を判断するような子に見えるか?違うだろ?」

智美「佳織は自分と宮永さんとの間に勝手に壁を作ってるだけだ」

佳織「……」

智美「そうやってうだうだ悩んでばかりいたら、誰かに先を越されちゃうぞー」

佳織「っ!!そ、そんなこと…」

智美「思い切って話しかけてみなって。まずは知り合いから友達レベルになる一歩だ!!」

智美「佳織の方から行動しないと何も始まらないぞ!!」

佳織「……そう、だね」

佳織「分かったよ智美ちゃん!私もう逃げない!!」

智美「ワハハ。その意気だ佳織!!」

数日後 図書館


佳織(いつもの席に宮永さんは……いた!!)

咲「…」ペラッ

佳織(心臓がバクバクしてる…でももう逃げないって決めたんだ)

佳織(が、頑張れ私!!)スーハー



佳織「あ、あのっ!宮永さん!!」


カン!

かおりんウジウジさせすぎちゃってすんません
咲さんほとんど出てないし…

※同じ学校に通っているという設定で


友香「フルハウスでー!」

咲「私はフォーカードだよ」

友香「トランプでも同じカードを4枚集めるとかずるいんでー!」

咲「そんなこと言われても…」

友香「今度は花札にする」

咲「いや、花札は持ってきてないよ…。ところで、でーって何かそろそろ教えてよ?」

友香「でーはでーでー」

咲「うん、ちょっと説明になってないかな」

友香「でーはでーの上にでーを作らず!」

咲「…真面目に教えてくれる気ないでしょ?」

友香「うん、冗談だよ」

咲「じゃあ教えてくれる?」

友香「でも、咲と同じだよ?」

咲「同じって言われても、私口癖とか無いし…」

友香「咲が嶺上開花を大切に思っているみたいに、私もでーを大切に思ってる。すると、でーが自然に集まってくれるんでー」

咲「そんなどこかのドラゴンロードさんみたいなこと言われてもなぁ…」

友香「一度でーを切ってしまうと、しばらくでーが集まってくれなくなるんでー」

咲「だからドラゴンロードさんはもういいから」

友香「さらに、カンすると裏ドラは必ずでーになるんでー」

咲「それ違う人になってるよ。っていうか裏ドラがでーって点数どうなるのかな」

友香「こうやって髪の毛をうねうねさせると調子が上がるんでー」ウネウネ

咲「髪の長さが違うけど、雰囲気は似てるかも。って、そんなことはいいから!」

友香「咲はからかうと面白いね」

咲「もー、そんなこと言う口は塞いじゃうからね」チュ

友香「んんっ。って、いきなりキスするなんて反則でー」//

咲「ちゃんと教えてくれないからだよ」

友香「えー、教えたらからかえなくなるんでー」

咲「じゃあ、もっとキスされてもしょうがないね」

友香「うん、しょうがないね…」


【戯れる】
1 遊び興じる。何かを相手にして、おもしろがって遊ぶ
2 ふざける。また、冗談を言う
3 みだらなことをする

短くてもいいんだよね?
こんなんで被った人がいたら申し訳ない

「謀反、謀反です!!」

怜「…騒がしいな、どないしたん」

「宮永軍およそ1万がこちらに侵攻中とのことですっ!」

怜「…………ちょい待ち」キュイィィン

怜「これはウチは逃げられへんな。あんたらだけでも逃げや」

「しかしっ」

怜「命令や、従わへんならウチがその首切ってやってもええんやで?」

「…わ、分かりました」タタタ

怜(……宮永軍、か)

ワーワー オンジョウジトキヲサガセー

怜「来よったか…」

咲「こんばんわ、怜さん」ニコ

怜「時間的にはおはように近いかもわからんな」

咲「じゃあ、おはようございます」

怜「こんな早い時間にモーニングサービスなんて頼んどらんで」

咲「早起きは3文の得ですからね」

怜「3文じゃ割に合わんなぁ。あと、その手に持っとる物騒なもんしまってくれへんかな?」

咲「物騒だなんて…。いい小太刀でしょ? 今日のために新調したんですよ」

怜「さよか…。まったく、竜華と違って気が利かへんな」

咲「…なんでここで竜華さんの名前が出てくるんですか?」ギリッ

怜「ちゅうか、そもそも竜華の援軍に行けってゆうたはずなんやけどな」

咲「竜華さん竜華さん竜華さん竜華さん。そればっかり!」

怜「まあ、竜華は有能やしなぁ。冬の寒い日なんかには、ひざを温めて帰りを待ってくれたなんてエピソードもあるし」

咲「そ、それだったら。私は全身温めて待ってますから!」

怜「分かっとらんな、まったく分かっとらん。竜華のムチムチな太ももやから至高の膝枕が味わえるんや。咲ちゃんが全身温めても竜華の域に到達するのは無理や」

咲「分かってます…。どうやっても、竜華さんには敵わないって。だったらもう、2人だけの世界に行くしかないって、そう思ったんです」ギュッ

怜「……分かっとらんな、ほんま」

咲「鳴かぬなら、殺してしまえ…。でしたっけ?」チャキ

怜「ホトトギスはなぁ…。あんなもん、いくらでも代わりおるし。でもな、代わりのおらんもん、殺したらアカン! それにな、咲ちゃんの代わりなんておらへんで」

咲「で、でも。怜さんは竜華さんのことが好きなんですよね?」

怜「ああ、好きやで!」

咲「じゃあやっぱり、私のことなんか眼中にないんですよね…」

怜「いや、ある!」

咲「え?」

怜「咲ちゃんは分かっとらん。この時代、できる武将は側室取り放題なんやで!」

咲「なるほど! その手がありましたね!」

怜「さすが咲ちゃんや、理解が早くてええ子や」ナデナデ

咲「それほどでも」///

怜「さあ、じゃあちゃっちゃと竜華の援軍に行くで。次の獲物は安芸のちゃちゃのんや!」 (了)

マイナーカプ書くのは好きですが…、そろそろ他の人のSSが見たいです(遠い目

-長野4校合同合宿

華菜「迷ったし」

華菜(うーむ、鶴賀の大将に部屋を聞いたのに迷うとは、どうやら華菜ちゃん筋金入りだし…。文堂はあれからプロ麻雀カードに夢中になって部屋から出ようとしないから置いてきたけど)

咲「……」

華菜「お、今度は清澄の大将発見! おーい」

咲「あ、風越の…」

華菜「ちょうどいいところにいたな。風越の部屋を教えてほしいし」

咲「……」ジワ

華菜「ちょ、何でいきなり涙目になるし!」

華菜(大将戦ではすごい迫力だったのに、普段は随分弱弱しいな…)

咲「あの、ここどこですか?」

華菜「お前も迷子か!!」

咲「ご、ごめんなさい…」

華菜「まあ謝ることじゃないし。っていうか私も人のこと言えないしな」

咲「どうします、とりあえず歩いてたら誰かに会いますかね?」

華菜「んー、ちょうどいい機会だし、ちょっとそこに座るし」

咲「え、はい」

華菜「…大会が終わってからな、お前にはどうしても言いたいことがあってな」

咲「な、なんでしょうか」オドオド

華菜「私が0点になったときチャンカンであがったけど、あれわざとだろ?」

咲「ごめんなさい」

華菜「謝ることじゃないし…。あのときは、あれが最善だったんだろ」

咲「0点のままじゃ、私も身動き取れませんでしたから」

華菜「鶴賀の大将があがったとき、チャンカンが成立するのも、そもそも狙うのも意味分かんなかったけど。今なら分かる気がするんだ」

咲「どういうことですか…」

華菜「もし天江衣が手加減せずに私を飛ばしていたら、私は麻雀すら諦めていたかもしれない。0点になって、そのときの私はもう諦めてた」

華菜「それに、お前だって私が0点じゃツモもできないし無理だって諦めてたら、私はそのまま天江にいたぶられて終わってた…」

華菜「自分が何をすべきか、最後の最後まであがいて諦めない。オーラスでそう思えたのも、あのときのチャンカンがあったからだし」

咲「そんな大それたことじゃないですよ」

華菜「お前にはそうかもしれないけど、私には大事な1局だったんだよ。…ありがとな」

咲「池田さん…」

華菜「この借りは来年返す。そのためにも、絶対優勝しろよな。この池田華菜を倒した清澄の大将は半端無かったって証明してくれ」

咲「はい、分かりました。…でも、ひとつだけいいですか」

華菜「ん、なんだし?」

咲「その。大将とか、お前とかって呼ぶのやめてもらえませんか…」

華菜「それもそうだな、宮永」

咲「じゃなくて…」

華菜「あー、名前なんだったけ?」

咲「咲、宮永咲です」

華菜「ん、じゃあ言いたい事も言ったし、そろそろ行くぞ。咲!」

華菜ちゃん空気読まないからこの流れでも投下するし!
でも他の人にも書いてほしいなぁ…

~インハイ団体戦県予選決勝 終局~

『優勝は龍門渕! 2年連続全国出場――』


咲「すみませんでした!」

久「謝らないの。仲間と団体戦に出る夢は叶ったわ。私としてはそれだけでも十分よ。それ以上望んだらバチが当たっちゃうわ」

煌「すばらでしたよ」

和「それにこれは団体戦です。私達皆の責任です」

優希「咲ちゃん……タコス食うか?」

咲「……すみません。少し失礼します」

タッタッタ

和「宮永さん!?」

煌「……部長、私は――」

久「ええ、行ってあげなさい」

~~

~~

咲(ハァ……私、何やってるんだろう。入部でゴネて練習時間も少なくなって……何で私は「それでも勝てる」なんて思っちゃってたんだろう……。原村さんと約束もしたのに)

煌「咲さん、こんな所に居ましたか」

咲「花田先輩……すみませんでした。せっかく誘っていただいたのに……」

煌「気にすることはありません。原村さんの言ってたとおり、皆で戦ったのですから。それとも私達のことを信頼していなかったのですか?」

咲「そんなことっ――! でも、それでも私がもっと早く入ってたら、もっと早く勇気を持てたら……もっとたくさん練習ができて、もしかしたら今日も勝てたかもしれないのに……」

煌「……楽しかったですか?」

咲「……え?」

煌「この一週間楽しめましたか?」

咲「それは――はい」

煌「それならすばらです」
咲「でも」

煌「部長には誠に申し訳ありませんが、私の一番の目標は貴女の笑顔を見ることでしたから」

咲「……っ」

煌「幻滅しましたか?」

咲「……いえ」クスッ

煌「それなら良かっ「あら、それはちょっと聞き捨てならないわね」」

咲「部長!?」

煌「部長、申し訳ありませんでした」

久「そうねー、じゃあ罰として煌と咲には学生議会に入ってもらいましょうか」

咲「え……」

煌「それは少しスバラじゃないですね」

久「ま、それは追々考えるとして……今日はとりあえず帰りましょうか」

スタスタ

煌「はい。咲さん、行きしょうか」スッ

咲「――はい!」ギュッ


――すばらです。麻雀部に入りませんか?――

      ――私、麻雀はちょっと……――

    ――どうしても部長の、皆の夢を叶えたいのです。ですからどうか、貴女の力を貸してください――


カン

お題に沿うのが微妙にむずい

~全国大会団体戦決勝前日~

咲「~♪ あ、あの服」

ピト

咲「ふぁ! す、すみません!」

灼「大丈夫、こっちこそごめん」

咲「!」

咲(この人の服……野山シリーズ限定版『たぬティー』!)

咲「あ、あの……その服……」

灼「何、あなたもこの服馬鹿にするの? どうせ私はセンス無い」

咲「い、いえ。その服、何処で買ったんですか!? 私探したんですけど全然見つからなくて……」

灼「……これは奈良で買った。それとごめん。いつも後輩からダサいって言われてたから……」

咲「そんなことないと思います『アニマル』は正義です!」

~近場の公園~

灼「でも私以外にも『アニマル』愛好家がいたなんて驚いた。正直自分でもズレてるって思ってたから……それにあなた、フリフリの服着てるし」

咲「この服ですか……。お友達と一緒に買ったんですけど、正直何と言うか――趣味じゃないというか……服に着られている感じがするんです」

咲「でも『アニマル』は違うんです。確かにデザインは万人受けするものじゃないと思います。でも昔に、楽しかった頃に戻れるというか……まだ子供でいても良いというか……」

灼「分かる気がする。私は昔からおばあちゃんが服買ってきてくれた。今はもう『自分で買って来なさい』ってお金渡されるだけだけど……やっぱり自然と手が伸びる」

灼「きっと私もいつか大人になったらこのブランドを着れなくなると思う。だから私は子供でいられる最期の時までこの服を着たい」

咲(す、すごい信念――格好いいっ!)

灼「じゃあ私は用があるから……じゃあまたね、宮永咲さん」

スタスタスタ……

咲(あれ? 名前……。でもそれより……連絡先……)

~団体戦決勝終了後~

灼「優勝おめでとう。宮永さん」

咲「鷺森さん! 阿知賀女子だったんですね、控え室でびっくりしました!」

灼「灼でいい。それより……これ」

咲「わぁ、たぬティー! いいんですか? ありがとうございます! ……あ、灼さん」

灼「いい。その代わり……連絡先教えて///」

咲「はいっ///」

――

照「……あれ……感動の再会は?」


かん

お目汚し失礼します
書いたものがどのテーマになるのかイマイチ判らない。どれにも当て嵌まるような、当て嵌まらないような

淡「サキってヤンデレっぽいよね」和「そうですね」咲ハー
咲「洋菓子店リッツ」咲キャップ
咲「和ちゃんの胸を支えるアルバイトかぁ」和咲

まとめサイト見てたら分かると思ってスレタイあげなかっただけなんだが
荒れた原因になったのならすまない


>>3-9咲智葉 17:逃げる

>>12-17佳織咲 32:悩む

>>26咲友香 7:戯れる

>>34咲怜ハー 23:妬む

>>53咲華菜 2:諦める

>>81-83煌咲 25:騙す

>>88-90咲灼 6:出会う




咲「……ツモ。2300オールです」



「……試合終了ーッ!圧倒的ッ、正に圧倒的!」

「他選手に一度も和了らせることなく終局ッ、その凄まじさは若かかりし頃の小鍛治プロを思わせます!」

「い、今でも若かい……よね?」



咲「ありがとうございました」スッ


「……」

「あ、ありがとうございました……」

「~~ッ、何でや!何でこんな……ッ!」


咲「……」スタスタ


「ま、待たんかいッ!シカトするんか!?随分と天狗に…


咲「……」クル



ハイシャニカケルコトバハアリマセン。


「!?」

「ちょ、今のは言い過ぎ……」


咲「……」スッ


「……ッ!み、宮永ァ!」


咲「……」クル


咲「……」スタスタ


咲「……」ピタ



咲「……何か……用ですか?」



咲「福路さん……」


美穂子「……」


咲「……」

美穂子「……」


咲「……」ハァ


咲「用がないなら、もう…


美穂子「……いつまで、自分を傷つけ続けるの?」


咲「……」


美穂子「今の貴女は、麻雀を打つ度に冷たい瞳をしている……心を殺し続けている……」

咲「……」

美穂子「何があったかは知らないけれど、そんな風に戦う貴女を…


咲「それだけですか?言いたいことは」


美穂子「……」


咲「明日に備えてやることが沢山あるので、失礼します」スッ

美穂子「み、宮永さん……」


咲「あ、それと…



モウ、ツキマトワナイデクダサイ。



美穂子「……」


美穂子(……本当は知っていたの……宮永さん、貴女が何を求めて、そんな風になってしまったのかを)



美穂子『……あら?……でも彼女、確か妹はいないって』


咲『~~ッ!』


美穂子『……宮永さん?』

咲『す、すみません……お先に失礼します……』チャポ



美穂子「……あの時……私は貴女を、傷つけてしまった」ツー



美穂子『ふぅ……団体戦では負けてしまったけれど、なんとか個人戦は……でも、これで良かったのかしら?』

美穂子『もっと私は、皆と…


咲『ふ、福路さんッ!』


美穂子『……ッ、宮永さん?』

咲『先程の対局……凄かったです……ッ!』

咲『何度も仕掛けたのに受け流されて……そ、それに福路さんの瞳ッ、とても綺麗でした!』

美穂子『えっ』

咲『え、えと……と、とにかく!私また、福路さんと戦いたいですッ……次は、全国で!』


美穂子『宮永さん……』ジワ



美穂子「貴女の言葉に、勇気を貰ったのに……」



美穂子「わ、私はッ……貴女に何も、してあげられない……ッ!」ポロポロ


お わ り

まぁ…なんだ…微妙でも許してくれよ

淡「サッキーは私の嫁なんですからね!」照「なんだと?」
淡「サキーたんじょーびおめでとー!」
憧「巫女さんプレイ?なら別料金で2万ね」
淡「クリスマス会?」
淡「サキにプリン? ないない!」
淡「私ってサキを愛でる権利があるよね」
淡「サキなんて大嫌い!」
咲「私、今日から麻雀部の癒し担当です…」
咲「早く行かないと遅れちゃ う!」恭子「お弁当忘れとる!」
恭子「は?咲に告ってこい!?」洋榎「せや」
玄「小さいおもちも良いよね」咲「えっ」
小蒔「私、未来視が出来るようになったみたいです!」咲 「!?」
由暉子「そのままの貴方でい いと思う」
モモ「リンシャンさんとヤってる所を先輩に見られたっす」
咲「洋菓子店リッツ」
咲「暇だし、衣ちゃんにイタズラしよっかな」
衣「働かない衣なんて誰も必要としないのだ」
咲「女の子との火遊びが辞められない……」
久「具合が悪いのでちょっと医務室行ってくるわ」咲「えっ」
宮永咲(22)「あっ、また和ちゃんテレビに出てる」淡 「ほんとだー」
淡「サキってヤンデレっぽいよね」 和「わかります」
咲「お姉ちゃんがシスコンだった……」
久「全国姉巡り」

?「こんなカップリングありえません」
?「NTRもありですね」
???「そんなオカルトありません」

↑まだあるかも知れないけれどこの手のコメントが書かれてるSS一覧

人気の証拠かも知れないけれど見ていてカプ厨に見える不思議

自分で調べもしないでソースソースいうゆとり乙

淡咲SSと恭咲SS書いてる人が同一人物ってことじゃなくて淡咲SS、恭咲SSそれぞれ毎回同じ人が書いてるってことだろ?ゆとりすぎて草不可避

誠子「崖の上の淡?」淡「そうそ う」照「虎姫前夜」淡「みんなの旅行記っ!」淡「この中にいらない人が一人いまーす」淡「すこやんて名前ちょーかっこいいよね」健夜「え?えへへ」淡「決勝負けたら性奴隷?」淡「先輩は寝相悪いなー」誠子 「うう体が痛い」照「金髪美少女かわいい」淡「100歳じゃよっ!」尭深「私が白糸台の後輩を食い散らかしてるという風潮」淡「先輩は寝相悪いなー」誠子「うう体が痛い」淡「セーコ!戻ってきてよ!」誠子 「…いやだ」誠子「人が多くてしにくいなあ」淡 「えっ?」誠子「釣りに行くぞー」淡「いぇーい」淡「クロチャー捕った!」誓子「ひっ!」
他にもあるがここ一月の淡メインSS

静乃「おしっこしたい」穏乃「消費税8%で和菓子屋なんてやっていけないよ」憧「>>5」憧「しずはビアンカとフローラのどっちを選んだの?」穏乃「デボラ」憧「きんたまモザイク」憧「Sizumons;Gate深山幽谷のインカーネーション」照「高鴨穏乃を私のモノにする」穏乃「憧の胸ってどんぐらいなんだろ?」穏乃「胸大きくしたい!」和「はあ……?」憧「絶対シズのぱんつくってやる」穏乃「がんばれー」【安価で】穏乃「薄皮(ジャージ)1枚で生き残る」【脱雀】憧「シズと合体した」穏乃「夏休みの宿題がまだ終わって ない・・・」
とりあえず見つけた一月の穏SS

んで話そらしゆとりは淡SS穏SSより咲SSが多いソース提示してくれるんだよな?

じゃあ俺が空気読まずに投下するわ

煌「いやー、寒くなりましたねー」

咲「そうですね」

煌「……」

咲「……」

煌「あの、宮永さん?」

咲「なんですか」

煌「私のこと嫌いですか?」

咲「どうしてですか」

煌「いや、さっきから私と一度も目を合わしてくれないので嫌われてるものかと思いまして」

咲「……そんなことより早く優希ちゃんの為にタコス買っていきませんか?」

煌「そうですね!」スバラッ

咲(言ってもいいのかな……笑顔が眩しく直視できないって)

咲(室内だとそうでもなかったんだけどなー。今日晴れてるからかな?)

咲(むぅ、私の見つけた七不思議にランクインだよ。すばらさんの笑顔は眩しいが)

咲(まだ七つも不思議見つかってないんだけどね)

咲(むしろ今日初めてランクインしたんだけどね)

咲(なにか話題振らないと……)

咲「そういえばすばらさんは和ちゃんたちとどんな……あれ、ここどこ?」

咲「すばらさーん?」

咲「も、もしかして、迷子!?」

咲「ど、どどどどどうしよう!」

咲「……そうだ、北へ行こう!」

煌「ストーップ! ストップですよ!」

咲「あれ? すばらさん?」

煌「すばらくないです! 大変すばらくないですよ!」

咲「うぅ、ごめんなさい……」

煌「いいですか? 私と一緒にいるときに迷子になったらまず辺りを見回してください!」

煌「そしたらひときわ輝いてる人がいますから! それが私です!」

咲「……はい」

煌「なぜなら私はいつも煌いていますから! キラキラ星みたいに!」

煌「……さて、優希のタコス買って帰りましょうか」

咲「そうですね」

煌「あ、ちなみにですが」

咲「?」

煌「宮永さんの笑顔も私並に輝いてますよ」

咲「へ?」

煌「つまりかわいいってことです!」

煌「咲さんかわいい!」

おしまい。
正直すまんかった。今度真面目に考えてくるから堪忍してな

ごく短い短編思いついたので投下します

衣「咲! 遊びに来たぞ!」

咲「あ、天江さん。こんにちは」

衣「……咲?」

咲「はい、何でしょうか天江さん」

衣「えっと……咲、何か怒ってるのか?」オロオロ

咲「いえ、そんなことないですよ。ただやはり他校の先輩相手に馴れ馴れしい態度はやめようと思いまして」

衣「こ、衣は今までどおりで構わないぞ!」

咲「そうですか?」

衣「あ、ああ! だから名前で……」

咲「あ、すみません天江さん。今は少し忙しいので失礼します。では」ペッコリン

衣「え、あ……咲! 待ってくれ!」

咲「……」スタスタ

衣「咲! 咲、咲ぃ!」

一「衣、衣」

衣「咲ぃ、咲ぃ……」グス

一「衣? 大丈夫?」

衣「……ん?」

一「あ、起きた。何か大分うなされていたみたいだけど、大丈夫?」

衣「衣のベッド……なんだ、夢だったのか」ホッ

一「?」




咲「あ、りゅーもんさん、おはようございます。突然清澄にお邪魔したいなんて、どうしたんですか?」

透華「ええ、急なことで申し訳ありません。どうも衣が怖い夢を見たとかで、今すぐ宮永さんに会いたいと駄々を捏ねて……」

衣「咲ー!」ダキッ

咲「わっ。衣ちゃ……さん、大丈夫?」

衣「……咲」

咲「え?」

衣「いや……これからは、さんではなく……」

終わりです
多分被ってはないはず

とうかとうか

淡「サキってさーツンデレだよね、ツンデレ!」

咲「そうだねー」

淡「でもさ、一回もサキがデレてくれるとこ見たことないんだよね」

咲「そうなんだ」

淡「ツンツンしてるのも可愛いよ? でもデレデレしてるとこもみたいなーとか思うわけで」

咲「すごいねー」

淡「……本読まずに私の話聞いてよー!」

咲「聞いてるよ」

淡「あ、聞いてたの? じゃあつづけるねー」

淡「えっと、デレデレしてるサキがみたいのでもっとデレてくださいお願いします!」

咲「そんなこより淡ちゃん」

淡「なにー?」

咲「クリスマスプレゼント欲しいものある?」

淡「サ」

咲「サキとかいうつまらないギャグ禁止で」

淡「えー……じゃあ内緒」

咲「内緒にしちゃうんだ」

淡「もちのろんだよ!」

咲「いや、うん、まぁいいんだけどね?」

淡「なにその言い方ー。サキがサキはダメっていうから内緒にしてるのにー」

淡「ちなみにだけど、サキは何が欲しいの?」

咲「普通に新しい本かなー」

淡「本とか夢が小っちゃすぎるよ! せっかくサンタサンが来てくれるんだからもっと大きなことにしなきゃ!」

咲「サンタサンとかいないよ?」

淡「絶対に居るから! それで私の欲しいものをくれるって信じてるから!」

淡「サンタさんが通れるように寮の屋根にも煙突つけて貰ってるから!」

淡「ちゃんと九時には寝るようにしてるし、いい子にしてるから絶対来るから!」

咲「う、うん」

淡「なんか信じてないでしょ。絶対信じさせてやるんだから!」

咲「頑張ってね?」

淡「頑張る!」

クリスマスイブ

淡「絶対来る……絶対に来て」

淡「そして私の欲しいものをくださいサンタ様!」

淡「明日になったら手に入ってることを願っておやすみなさい!」



咲「サンタさんかー……私にも信じてる時期があったなー」

咲「淡ちゃんの欲しいもの結局わからなかったし、どうしよう」

咲「……うー、淡ちゃんが喜びそうなものってやっぱりあれかな。物じゃないけど」

咲「私にできるかなー?」

クリスマス

咲「いい加減起きてよー淡ちゃーん!」

淡「……あと少し……」

咲「むー、起きてってばー!」

淡「ったー……なにすんのよサキ! ってサキ?」

咲「おはよっ淡ちゃん! 起きないほうが悪いんだよー」

淡「あ、おはよ。 っていやいやいや、普通に挨拶してるけどなんでここにいるの?」

咲「居たら駄目だった?」

淡「私としては嬉しいけど……ハッ!」

淡(もしかして私のあの願い事が叶った?)

『明日一日だけでもデレデレしてくれるサキ』

淡「まさか本当に叶うなんて……」

咲「どうしたの?」

淡「い、いやなんでもない! それよりお腹減ってるからどこか食べに行こうよ」

咲「あの、お昼ご飯作ってるんだけど……」

淡「サキのご飯!?」

淡「食べる食べる!」

咲「よかったー今日は腕によりをかけて作ったんだよ」

淡「へぇー、なかなかおいしそうじゃん! それじゃいただきまーす」

咲「……はい、あーん」

淡「ふぇ!?」

淡(え、なにこれ。やばい。上手くいきすぎててやばい。サンタさんの効果高すぎてやばい)

咲「食べないの?」

淡「あ、食べます食べます」

咲「はい、あーん」

淡「あ、あーん……」

咲「どうかな?」

淡「おいしいよ! 全く問題ないぐらいにおいしいよ!」

咲「えへへー、よかったー」

その後、サキはいつもはしてくれないような膝枕や耳かきなど様々なことをしてくれた。

正直、実はこれは夢じゃないのだろうかと何度も疑った。

淡「ねぇ、サキ。本当に一緒のベッドで寝るの?」

咲「やっぱりダメかな?」

淡「いや、全然問題ないよ! それじゃおやすみ!」

咲「うん、おやすみ」

翌日

淡「……おあよーサキー」

咲「おはよー」

淡「朝ごはんはー?」

咲「私はもう食べたよ?」

淡「私のは?」

咲「自分で作ってね」

なるほどなるほど、まぁわかってた。わかってたけども!

淡「デレデレなサキの方が優しかったー!!」

咲「だってあれ一日限定でしょ?」

淡「うー……サキのばーか、また本ばっか読んでる」

咲「はいはい」

淡「でもそんなところもスキー」

咲「私も淡ちゃんのこと好きだよ」

淡「うぅー……ばーか」

この後、二人は幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし

かん

お題に沿ってないかもごめんね

夜、暇を持て余した宮永咲がテレビをつける。

たまたまやっていた番組では麻雀の日本代表戦を中継していた。

アナウンサー『さて、このままいけば○○プロの日本代表が決定でしょうか』

解説『まだまだわかりませんよ、麻雀はオーラスで逆転なんてざらですからね』

一昔前の咲ならば麻雀の番組など見ようとすら思わなかってであろう。

ただ今の咲は変わった。麻雀が楽しくて仕方ない。

そしてとあるプロの打ち筋を見て戦慄した。

咏『リーチ』

アナウンサー『ツモ切りリーチ!?』

解説『三尋木プロが逆転するには一発をつけるか、裏ドラを一枚以上載せないといけませんね』

アナウンサー『そうなると手を張り替えた方が良かったのでは?』

解説『そうですね、ですがそんな暇はないと賭けに出たのでしょう』

咲(違う、この人次の牌がわかってる!?)

当然相手もプロだ、三尋木咏のリーチは警戒するだろう。

プロA『ポン』

下家のプロは鳴いて一発を消していく。そして現物を切る。

咲(順番もずらされてるから、上がれないだろうな)

咲(ゾクッてきたのは思い違いなのかな?)

次のプロのツモル牌は、

咲(あっ、三尋木プロの当たり牌だ)

当然抱えて現物切り、

次のプロは、

咲(えっ!?)

またしても咏の当たり牌。当然抱える。

そして咏のツモ。

咲(すごい、すごいよこのプロ!)

咏「ツモっ」

裏ドラをめくるとそこにあるのが当たり前のように裏ドラが乗る。

咏「私の逆転だねぃ」

手にした扇子を開き、

咏「私の火力堪能したかい?」

そのまま勝利者インタビューが始まった。

それをボケーっと眺めなら、先ほどの対局を思いだす。

咲(これがプロ!)

咲は興奮していた、圧倒的な存在に、更なる高みが見えたことに。

それと同時に憧れが産まれた。

咲(いつか打ってみたいな)

もっと打ち筋を見てみたいと思った。

咲「お父さーん、三尋木プロが出てる雑誌て家にないー?」

咏と打つ日は意外と早くやってきた。

数週間後、清澄高校麻雀部部室にて。

麻雀部の扉を勢いよく開き、久がやってきた。

久「みんな、揃ってるわねー、今日はゲストを連れてきたわ」

まこ「おんしはまたかいな」

和「ゲストですか?」

引退したはずの久であったが何かある度に部室に顔を出しては厄介事を押し付けてくる。

優希「どうせまた藤田プロだじぇ」

咲「またとか言っちゃだめだよ」

と苦笑いを浮かべつつ優希を嗜める。

久「ふっふっふ、今日は一味違うわよ」

入口から着物を来て、髪を前で留めている小柄な女性が入ってくる。

咏「前口上が長いんじゃねー?知らんけど」

まこ「み、三尋木プロ!?」

和「まさか日本代表を連れてくるなんて…」

咲「う、咏プロ」

咲「ほ、本物!?」

咏「生憎とドッペルゲンガーにはまだ出会ったことがないから本物じゃねー?知らんけど」

咲「わ、私三尋木プロのファンなんです!!」

咲「さ、サインとか貰ってもいいですか!?」

咏「わっかんねーけど、インターハイ優勝の立役者に慕われるのは悪い気はしないかな」

その日は咏に指導をしてもらい、

咏「さすがインハイ優勝校はさすがだねぃ」

まこ「今日はご指導いただきありがとうございました」

咏「わっかんねーけど、やりがいあるし暇がある時ならいつでも手伝ってあげるよん」

一応の社交辞令としてだろうか、咏は前向きな対応をする。

咲(すごかったな、今の私じゃ全然かなわないや)

その日はそこで解散となった。

咲はため息をつきつつ、

咲(もう少し咏プロとお話したかったな…)

と俯きながら、昇降口から出ると、

咏「よっ咲ちゃん」

扇子で肩を叩かれる。

咲「う、咏プロ!?どうしたんですか?」

咏「サイン渡し忘れたからね」

そう言って色紙を差し出してくる。

咲「ありがとうございます!一生の宝物にします!!」

興奮冷めやらぬ様子であった。

咏「なんで咲ちゃんに慕われるかしらんけど、明日暇かい?」

咲「部活も休みの日ですし、時間はありますけど」

咏「実は明日まで長野にいる予定なんだけど、やることなくてねーよかったら案内してくんね?」

咲「私でいいんですか?」

咏「わっかんねーけど咲ちゃんがいいんだよ」

咲「是非お願いします!」

翌日、

咏「お待たせー」

待ち合わせ場所に咏がやってきた。

今日も着物を着ている。

咲「私も今来たところだから大丈夫です」

咏「おっ今のデートっぽいねぇ」

咲「で、デート///」

頬を赤らめながら俯く。

咏「それに咲ちゃんの中では三十分前から待ってる程度は今来たって事なんだね」

咏はニヤニヤしている。

咲「み、見てたんですか?」

咏は答えないが、沈黙は肯定であろう。

咲「えっと、あの、案内したいのは山々なのですが、実は観光する場所なんてなく…」

露骨に話をそらしたようだ。

咏「そんくらい私も把握してるよん、咲ちゃんが普段行くようなところ教えてくんね?」

咲「わかりました」

その日は、咲がよく行く図書館や、本屋、和とよく行く喫茶店等を案内した。

そしてその日の最後によく本を読みに来る小高い丘にやってきていた。

咏「景色いいねー」

咲「すいません、こんな場所しか案内できなくて」

咏「わっかんねー。頼んだのはこっちなわけだし畏まんなくてもいいよん」

咏「それに今日は楽しかったよ」

咲「そう言ってもらえるのは嬉しいです」

風に髪をなびかせながら、

咏「実は咲ちゃんに言いたいことがあるんだよね」

咏「インハイの咲ちゃんの打ち筋見てね、久しぶりに震えたんだよ」

咏「他人の対局なんてなんとも思ったことがない私がね」

咏「それからこうやって咲ちゃんと話したいと思ってた」

咏「指導のオファーを受けたのも咲ちゃんに会いたかったからだよ」

咏「それに今日咲ちゃんと遊んで確信した」

咲「それって…」

一回り小さい咏が咲の胸に飛び込む。

咏「わっかんねーとは言わせないぜぃ」

夕日に照らされた2人の影はしばらくと離れることはなかった。

憧れが恋心に変わった瞬間であったそうだ。

[カン]

慕うって目上の人への憧れの意味もあったのでこれで大丈夫でしょうか?

お目汚し失礼いたしました。

 思い出の場所、満天の星。この場所に来るといつも思い出す。

(あの子もよくここで魚を見ていたっけ)

 あの子と同じように、あの子が魚を見ていたように、湖面を覗きこむ。
 水面に映える星空はどこか儚いのに、星ひとつひとつの存在感は何故か際立っている。
 何故だか引き込まれる。
 あの星は彼女の星だろうか? 人は亡くなると星になる。そんな事を本で読んだ覚えがある。
 手を伸ばす。あの光をすくい取れたら、彼女は戻ってくるのだろうか? 彼女に会えるのだろうか?
 ふと体が浮翌遊感に包まれ、光に手が届く。涙が溢れた。

(あぁ、これで私も――)

健夜「で、弟子!?」

咲「お願いします!私どうしても強くなりたいんです!!」

健夜「そんなこと言っても…私他人に師事したことなんてないし…」

健夜「それにえぇと、咲ちゃん…だっけ?」

健夜「あなたの対局見せてもらったけど高校生にしてはかなり強いと思うよ?」

咲「まだ…まだまだ届かないんです、今の何倍も強くならなくちゃいけないんです…」

健夜「ねぇ、咲ちゃんがそこまで強くなりたい理由はなに?」

健夜「麻雀なんて強くてもいいこと全然無いよ?」

咲「……倒したい人がいるんです」

健夜「倒したい人…か…」

健夜(私は…なんで麻雀を打っているんだろう…)

健夜(目標なんてとっくの昔に無くしてしまって……)

健夜「……」

健夜「今から一局打てる?それでどうするか決めるから」

咲「はい!」

――――――――――――――
――――――――――
―――――――


対局後



咲「はぁ…はぁ…ど、どうですか?」

健夜(全力では無いとはいえ私の支配を一部上回ってきた…)

健夜(これは…想像以上に面白いことになるかもしれない)

健夜(目標…か…)

健夜「分かった。いいよ、咲ちゃん」

咲「ほ、本当ですか!?」パァ

健夜「ところで咲ちゃん家事はできる?」

咲「え? えっと…一応一通りはできますけど…」

健夜「本当!?」

咲「?」

健夜「実は最近お母さんにいい加減一人立ちしろって言われたんだけど、私家事やったことなくて…」

咲「えっ」

健夜「だからその…私の代わりにやって欲しいんだけど…」

咲「ふふっ、分かりました。これからよろしくお願いしますね?師匠」クスッ

健夜「し、師匠って呼び方はちょっと…」





数年後




健夜「咲ちゃん本当に強くなったよね」

咲「本当ですか?嬉しいです」エヘヘ

健夜「うん、私も気を抜いてると少し危ないぐらい」

健夜「あっという間にどんどん強くなっていくんだもん驚いちゃった」

咲「健夜さんはいつまで経っても家事上手くなりませんよね」クスクス

健夜「そ、それは……」アセアセ


健夜「あ!ね、ねぇ、まだ咲ちゃんの目標の人には届かないの?」

咲「うーん、まだ少し…届かないですね…」

健夜「その人って一体どんな人なの?」

咲「……強い人ですよ」

咲「本気を出せる相手がいないほどとても強い人です」

咲「怖がられたりしているところもあるけど、家事が出来なかったりと可愛いところもある人です」

咲「あと、私の自慢の師匠です」




健夜「えっ」









健夜「えっ?」

咲「どうかしました?」

健夜「私!?」

咲「はい」ニコ

咲「もう少しだけ待っててください、健夜さんの本気を受け止められるほど強くなってみせますから」

咲「そして健夜さんよりも強くなってみせます」

咲「私が、あなたの目標になりますから」

健夜「でもそう簡単にいくかな?私は強いよ?」

咲「はい!それでも絶対、絶対勝ちますから!」

健夜「ふふ、分かった、楽しみにしてるね」


カン

つかぬことをお聞きしますが、SSの投下は最大何レスまでが許容範囲でしょうか?

>>327
20・30以上いくならスレ立てたほうが良いと思うけど
投下少ないし個人的には多少長くても歓迎するよ

>>328
ありがとうございます
10と少しなので、確認したらぼちぼち投下させていただきます

咲「う……ん」

久「咲、咲」

咲「うーん……部長……?」

久「咲、起きて」

咲「なんですか……私の番ですか…?」

久「そうじゃなくて、周りを見て」

咲「んー……?」キョロキョロ

咲「え?」

久「どう?起きた?」

咲「こ、ここ、どこですか!?」

久「その前に起きてくれないかしら?足が痺れてきちゃった」

咲「え、あっ、すいません!」ガバッ

久「いいのよ。私も咲の可愛い寝顔が見られたし」ニコ

久「なんて、気休めにもならないわね……この状況」

咲「ここって……島、ですか?」

久「見た感じではね。この時代で本州にこんな場所があるなんて思えないもの」

咲「そう、ですよね……砂浜があって、大きな木に囲まれてて……」

久「見渡す限りは海……それに、丘の上のここからなら少しは見えるけれど」

咲「向こうの方が見えますね」

久「そうね。狭い……島だとしたら、かなり小さいわ。地図に載ってるかどうか」

咲「……」

久「それで考えてみたのだけど、そもそも私達は普通に部活してただけよね?」

咲「はい……少なくとも、こんなところに来る様な何かは無かったと思います」

久「そうよね。旅行に来てたわけでもないし……一体、何がどうなってるのかしら」

咲「他の皆は……」

久「分からないわ。ここにいるのが私達だけならいいのだけど……」

咲「えっ……」

久「だって、何があるか分からない危険な場所よ。他の皆がいたら探しに行かなきゃ…でも」

久「迂闊に動き回れない……そもそも、私は咲を守るだけで手一杯で…頼りにならないわね」

咲「そんな……部長がいたら心強いですよ!それに、私も部長と二人だけで良かったと…///」

咲「と、とにかく!これからどうするか話し合いましょう」

久「そうね。とりあえず、食料と寝る場所の確保が優先されるわ」

咲「そうですね」

久「まずは水を探しましょう。食事は数日抜いてもいいけど、真水が無いと駄目だから」

咲「探すのは……森の中……しかないですよね」

久「危険だけどね……岩場とか、湧水があれば御の字ね」

咲「恐いです……」

久「大丈夫よ、咲は私が守るから。さ、行きましょう」ギュッ

咲「はい///」

―――――
久「運が良かったわ、すぐに見付かって。あ、ちょっと待って……うん」ゴクゴク

咲「?あの、何を」スッ

久「まだ飲まないの。見た目は大丈夫でも雑菌とかでお腹を壊すかもしれないでしょ」

咲「でも部長は」

久「飲まなきゃ安全かどうか分からないけど、危険な水だったら咲が飲んだらダメよ」

咲「でも、もし部長に何かあったら……」

久「大丈夫、悪運が強いってよく言われるの……ほら、なんともないでしょ?」

久「もう飲んでもいいわよ」

―――――
久「住む場所は、洞窟が楽でいいって言うけど、個人的には避けたいわね」

咲「どうしてですか?」

久「暗いから何が住んでるか分からないもの。蛇や、奥に熊なんかいたらたまらないわよ」

咲「……そうですね」

久「二箇所。海の側か、それとも周囲が見渡せるこの島で一番高い場所…どっちにする?」

咲「わ、私ですか?」

久「どちらを選んでもメリットは大きい。それになんでも私が決めちゃうと不公平だもの」

久「私達はこれから共同生活をしていくのだから、一方的な関係は禁物よ」

咲「じゃあ、そうですね……高い場所で」

久「分かったわ。とりあえずはここを中心に、果物なんかを探しながら歩きましょう」

咲「はい!」

久「一緒に頑張りましょう。二人きりだけど、それならそれで嬉しいわ」

咲「それってどういう……」

久「それはね……」

――――――――――
久「『それはね……』あら、ここまでなのね」ペラ

久「そうねぇ……この竹井さんはちょっと格好良すぎるわね。私とは大違い」

咲「うーん……」ゴロン

久「咲」

咲「んー……部長…?」

久「おはよう。よく寝れた?」

咲「あれ……他の皆は……」

久「もう帰っちゃったわよ」

咲「今何時ですか……?」

久「はい時計」

咲「わっ、もうこんな時間!すいません、遅くまで寝ちゃって!」

久「いいのよ。私も咲の可愛い寝顔が見れたし」ナデナデ

咲「か、かわっ…///」

久「それより、そろそろ起きてくれないかしら?足が痺れてきちゃった」

咲「……?」

咲「……あ」

咲「すいません……起きます……///」ムク

久「助かるわ」

咲「なんでこんな時間まで……あれ、部長」

久「どうしたの?」

咲「その…手に持ってる……ノート………」

久「ああ、これ?机に置いてあったから誰のかと思って。宮永咲って書いてあるわね」

咲「あのー…………もしかして……見ました?」ビクビク

久「何言ってるのよ。人の私物よ?勝手に見るなんて失礼じゃない」

咲「そ、そうですよね……流石に部長はしっかりしてるなあ」ホッ

久「でも、可愛い後輩の日頃の勉強ぶりを見ないわけにはいかないわよね」

咲「」

久「見られて困る物を不用心に置きっ放しにしておかないこと、いい?」

咲「はい……」

久「よろしい」

久「しかし、まさか咲がねえ」

咲「うぅ……///」

久「オーケーオーケー、あなたの気持はしっかり伝わったわ」

久「いくら何でも流石に気付くわ。おっと、逃げないでよ。もうすぐに答えるから」

咲「もう死にたい……」

久「まあいいじゃない、自分と好きな人が二人っきり無人島生活する自作小説を見られたぐらい」

咲「恥ずかしい……」

久「……ね、続きは?」

久「あの後二人はどうなるの?」

咲「え……え?」

久「あの後私は愛しの後輩を守れるのかしら?」

咲「えっと、それは…………っ……まだ……こ、これから……」チラ

久「じゃあ、あの後の台詞は何?教えてくれてもいいでしょ?」

咲「…………『貴女が好きだからよ』……です」

久「んー、全然ダメね。私はそんな言葉で済ませられるぐらいの『好き』じゃないもの」

久「いい?」

久「それはね……私は咲のことが世界で一番好きだから、よ」

久「ずっと近くで見てきた……接してきた……いつしか恋に落ちた……」

久「最初に会った時……入部……合宿、そしてあの……」

久「知れば知るほど好きになったわ。もう全部好きよ。咲の…貴女の弱さも愛せる」

久「初めてこんな気持ちを抱いたわ。好きになって、一緒にいて嬉しくて、一人で不安で」

久「鼓動が速くなったり胸が熱くなったり、叫びたい程の衝動に駆られたり……」

久「全部あなたのせい。咲が私をこんなにめちゃくちゃにしたのよ」

久「ずっとそばにいて頂戴。私を見て、もっと笑って」

咲「……はい」

久「……不安なの。あなたとってもかわいくて、でも脆いから、母性本能がくすぐられるの」

久「それで、私みたいな人が同じようになるかもしれないって思うと泣きそうになる」

久「自分勝手だけど、あなたを誰にもとられたくない」

久「私をあげるから、あなたを頂戴。いい?」

咲「はい……好きです、部長」

久「私はもっと好き……名前で呼んで、咲?」

咲「久さん……」

久「咲……」

―――――
久「そろそろ帰りましょう?」

咲「はい……」ショボン

久「そんな顔してもダメ。下校時刻よ……明日またしましょ?」

咲「はいっ」

久「家まで送って行くわ」

咲「あ、ありがとうございます」

久「ふふっ、暗い夜道は危険だものね」

咲「は、はい…///」

久「大丈夫よ、咲は私が守るから」ギュッ

咲「久さん///」

久(ああ……なんて愛しいの、この子は)

久(この子は私の全て、私の全てがこの子を愛する)

久この子は私が守る……どんなことからも、必ず)

以上で終わりです
部長と咲さんは相性がいいですね

短々編ですが、お目汚しに投下させていただきます

姫子「……やったとー!もうぶちょーがばいやーらしかけん」

煌「そうなんだ」ニコニコ

姫子「んー……いっつもぶちょーの話聞かしゅうとも申し訳無かやね」

煌「そんなことないよ」ニコニコ

姫子「花田は、好いとう人おらんと?」

煌「え?」

姫子「こっちばっかい話しゆうのも、てごなしすっとう気がすっけんが、花田の話も聞いちゃるけん」

煌「じゃあ、うん……そうだね、好きな人……いるよ」

姫子「だれ?」

煌「さあ」

姫子「分からんと?なして?」

煌「うーん……昔からね、目を閉じると見えるんだ。その子の姿が」

煌「夢の中でその子が笑いかけてくれたり、傍にいてくれたり……大好きなんだ」

姫子「名前も分からんとに……どんな子?誰に似ゆう?」

煌「誰……あえて言うなら…………チャンピオンかな?」

姫子「宮永照?」

煌「あの人を柔らかくした感じかな。雰囲気もちょっと似てるかも」

姫子「へー……初恋?」

煌「……うん///」

姫子「そっか。いつか会えっと良かやね」ナデナデ

煌「うんっ……皆には」

姫子「ヒミツ、だいじょーぶ」ニコ

姫子「ばってん、昔からち言ーよったけどそん子も成長しとっとやろ?そいやったら」

煌「分かる。分かるよ。成長してても……多分ね」

姫子「花田……」

煌「夢に見るぐらい大好きだから」ニコッ

――――――――――
どれだけ待ちわびたことだろう。愛しいあなた。名前も年も知らないあなた。

煌「どうなさいましたか?」

私の心のよりどころ。私の心の何もかも。

「えと……迷ってしまって」ウルウル

やっと見つけた。もう手放さないから、さあ、こちらに。

煌「それはすばらくない。よろしければお助けしましょう」

大丈夫、後悔はさせないから。一緒にいよう。

「ありがとうございます!えっと……」

待ち続けた。涙と一緒に何年も。

煌「申し遅れました。花田煌といいます」ニコッ

私は今日、あなたに出会った。愛しいあなたに。

咲「私は、宮永咲ですっ」ニコッ

失礼いたしました

佐賀弁はいくつかの参考ももらいましたが雰囲気です
それと誤解のないように言っておきますと、「やーらしか」は可愛いという意味です

今現在速報で連載してる咲さんスレってここだけ?

>>362

咲「世紀末能力バトル」
咲「安価で彼女作るよ」和「全力で阻止します」
咲「魔王の宅急便違います!」【安価あり】
【咲-Saki-】盲目の少女
咲「ファイアーエムブレム?」

~全国個人戦~

咲「ありがとうございました。楽しかったです」ス

やえ「有難う。私も楽しかったよ」ギュ

咲(この手……)

やえ「……私の手が何か?」

咲「す、すみません///」パッ

やえ「私の指は小3の頃からマメすらできない。……君の手は柔らかいな」

やえ(さぞ滑稽だろう。こんな指の皮が硬く厚くなるほど努力してきたのに、こんな細くて柔らかい指に負けるなんて……)

咲「そ、そうですか?/// 小走さんの手は、なんだかお姉ちゃんの手みたいです」

やえ「フッ……こんな手でもチャンピオンと似てると言われると悪い気がしないな」

咲「はい。きれいで格好良くて、それに温かいです」

やえ「そ、そうか///」

咲「きっとこの手は――この手でいろんな人を引っ張ってきたんですね」ギュ

やえ「……そうかな? そうだと良いな」

咲「はい」ニコッ

やえ「~~っ///」

咲「そ、そろそろ次の試合ですね///」

やえ「それじゃあまた――決勝トーナメントで会おう。その時はお見せしよう……本物の王者の打ち筋を!」

咲「……はい!」

~~~~
~~

やえ(結局私は決勝トーナメントまで生き残ることが出来なかった。彼女に合わせる顔があるわけもなく、挨拶もせずに帰っ

てきてしまった。連絡先くらい聞いておいた方が良かっただろうか? いや、そもそも私は何故、手を褒められたくらいで…

…)

やえ(まあ良い。取り敢えずいつかまた逢った時のために、自らを磨き続けるとしよう。……ひとまず阿知賀に合同練習でも

申し込もうか)


カン

お目汚し失礼しました。 王者の口調が…

咲「う~ん……」

和「どうしたんですか? 咲さん」

優希「のどちゃん、へるぷみーだじぇ~」

和「英語ですか。良いですよ」

久「ダメよ、和。二人とももう少し自分達で頑張ってみなさい」クスクス

咲優希「「そんなぁ~」」

まこ「ちょっとは自分らで考えんさい」

和「少しくらい教えてあげても良いのでは?」

久「まぁ、こっち来なさい」

和「はい、でも……」

久「いいからいいから。見てれば判るわ」

咲「う~ん、このエドゥって誰かな」

優希「何か凄い人みたいだじぇ」


和「」

久「ね、面白いでしょ? あの子達Edoをエドゥって読んでるみたいなの」クスッ

和「優希はともかく咲さんまで……」

まこ「咲も意外と抜けてるからな~」


咲「エドゥの時代……約250年続いた……」

優希「エドゥ凄すぎだじぇ!」


久「まぁでも、そろそろ良いかしらね。咲、優希……エドゥじゃなくて、“江戸”よ!」

咲「……」

優希「……?」

咲「~~っ///」

優希「エドって誰だじぇ? 鋼のお兄さんか?」

和「ゆーき……」

~説明中~

優希「誰だじぇ! 最初にエドゥなんて言ったの!」

咲「もうムリ……帰りたい……///」グスン

和「でも咲さんがこんな間違いするなんて珍しいですね(ドジっ娘咲さんも可愛らしいですけど)」

咲「うん、確かクラスで誰かが言ったんだよ。エドゥが何とかって……。それが頭に残っちゃって」テレ

和「そ、そうですね。時々ありますよね///」


久「――さ、咲の可愛らしいところも見れたことだし、今日の部活始めるわよー」

咲「ふぁっ?///」

和「ぶ、部長!? 何を言ってるんですか!」


優希「私は~?」

もこ「あんたがボケボケなんは何時もの事じゃろ」


かん

山なしオチ無し意味なし
たぶん百合?

~合同合宿・夜~

衣「さきー、起きているか?」

咲「……衣ちゃん? 起きてるよ。どうしたの?」

衣「話をしよう」

咲「うん、いいよ。外行こうか」


咲「りゅーもんさん達は一緒じゃないんだね」

衣「皆寝入っているよ」

咲「衣ちゃん寝るの早かったもんね」

衣「何時もは朝まで目を覚まさないのだが……目が冴えてしまったのだ」

咲「寂しくなっちゃったんだ?」

衣「馬鹿者、衣はお姉さんだぞ! ……大体皆が遅すぎるのだ。人間、日の出とともに起き、日の入りとともに眠るのが一番なのだ!」

咲(やっぱり寂しかったんだね)シミジミ

衣「…何だその目は?」

咲「なんでもないよ?」

衣「ふん、まあ良い」


咲「……実は私も眠れなかったんだ」

衣「何故だ」

咲「うーん、何でだろう? 楽しかったり、嬉しかったり、不安だったり、頑張ろうって思ったり……いろんな事があって、いろんな事を思って、いろんな事を考えてる内に何だか目が冴えちゃったんだ」

衣「不安な事があるのか?」

咲「うん、いろいろ。例えば……眠れないこととか。みんな寝てるのに、ひとりだけ眠れないと、凄く寂しくなるよね。独りだけ取り残されたような……」

衣「そうだな、あの感覚には慣れそうもない」

咲「やっぱりそうだったんだ」クス

衣「謀ったな!」

咲「騙してないよ。私は自分の話してただけ」

衣「さき~」グヌヌ

咲「ごめんなさい」アハハ

~~

咲「寝ちゃった?」

ハギヨシ「その様ですね。宮永様、有難うございました」

咲「いえ、私も楽しかったですから」

ハギヨシ「それでは――」

ギュ

衣「さき~」ムニャ

ハギヨシ「申し訳ありません、宮永様」

咲「はい、もう少し一緒にいようと思います。すみません、毛布をお願いしてもいいですか?」

ハギヨシ「畏まりました。衣様を宜しくお願いします」

~朝~

和(名前で呼び合うようになりましたし、もうそろそろ同じ布団で寝ても良い頃ですよね。それに今なら寝惚けていたことに出来ますし)

和(気配は――皆寝ています。それでは失礼して……はっっ!?)

カン

初投稿です

初投稿です


二回投稿してしまいました・・・。
ごめんなさい。



小蒔「ふぁぁ・・・」

永水高校の麻雀部の部室で、神代小蒔は目を覚ました。

小蒔「また、眠ってしまいました・・・」


神代小蒔は、ここ最近、自分がよく眠るようになったのを感じていた。

麻雀を打っているときに眠ることは多々あったし、
その時に神をその身に降ろしていることも知っていた。

だが、最近はそれ以外の時にもよく眠るようになっていた。

以前はそんなことはあまり無かったはずなのに、である。

そして最近、石戸霞に何か警戒されていることも知っていた。

彼女が自分を警戒しているということは、ただ自らに起きた異変が
眠くなりやすい、ということだけでは無いということ。

この異変が起きたのは、あのインターハイの後。

自らが恋心を抱いた少女、宮永咲にあった時期と、全く同じだった。


インターハイ後・・・



小蒔「もうすぐ帰らなければなりませんね・・・」

霞「あっという間だったわね」

小蒔「霞ちゃんが当たった、清澄の大将の方。
   どんな感じでしたか?」

霞「・・・うーん。すごい魔翌力を感じたわ。
  小蒔ちゃんが神を降ろしている時と同格か、それ以上の」

小蒔「つまり、すごく強かったんですね?」

霞「まあ、そんなところね」

霞(正直、すごく強いどころの話ではないのだけれど・・・)

春「でも、攻撃翌用の神を降ろしていたのでしょう?
  防御用の神を降ろしていたら・・・」

霞「多分、無駄だったと思うわ」

小蒔(・・・霞ちゃんがそこまで言う清澄の大将。
   一体どれくらい強いのかしら・・・?)

コンコン

初美「誰か来ましたよー」

春「はーい」

ガチャ

咲「あっ、あのっ!
  永水さんのところで間違いないですか?」


誤字ありました。×魔翌翌翌力、攻撃翌翌翌用 ○魔翌力、攻撃翌用


霞「・・・なるほど。
  清澄の待合室がどこか分からなくなって、
  適当に歩いていたらここにたどり着いたと」

咲「はい・・・」

春「・・・あの、これ、食べます?」

咲「これは・・・黒糖・・・ですか?」

春「」コクリ

咲「ありがとうございます。
  ・・・あ、甘くておいしい」

春「よかった」

霞「それにしても、対局してた時とずいぶん違うわね」

初美「もっと怖い人かと思ってました」

咲「・・・そうでしょうか」


小蒔「あの、宮永さん」

咲「は、はい、何でしょうか?」

小蒔「・・・もう少し、お話していきませんか?」

霞「小蒔ちゃん?」

小蒔「せっかく会えたのです、もう少し親睦を深めようと思うのですが・・・」

咲「・・・はい!
  皆さんの都合さえよろしければ」



なんか文字がおかしくなってるようです。
ごめんなさい。


小蒔(あの後、たくさん話をして、たくさん笑って・・・)

いつの間にか、彼女を好きになっていた。

いつかは分からなかった。

でも、迎えにきた清澄の人たちに連れられて、彼女が出ていった時、
胸がチクリと痛んだ気がした。

その後も、咲ちゃんは時々遊びに来てくれていた。

今日も、咲ちゃんが来る日のはず。

とても、うれしくて仕方なかった。

春「姫様、うれしそうですね」

小蒔「春ちゃんも、うれしいのでしょう?
   咲ちゃんに渡すつもりの黒糖をすでに準備しているあたり」

春「こ、これは・・・」カァァ

小蒔「ふふっ。
   思っていたより、ライバルは多いみたいですね・・・」

春「・・・」


霞「・・・やはり」

初美「・・・なにがやはりなのですか?」

霞「最近、小蒔ちゃんの笑顔に、一瞬ですが陰りを感じました。
  あれは、小蒔ちゃんが九面様を降ろした時の感じに似ています」

初美「・・・そ、それって・・・」

霞「・・・いや、初美ちゃんの考えとは、おそらく真逆です。
  小蒔ちゃんはおそらく・・・」

初美「・・・」

霞「神の力を、小蒔ちゃんが無意識のうちに引き出している、と考えられます」

初美「姫様は、起きているのに・・・」

霞「・・・初美ちゃん、しっかり聞いてください」

初美「は、はい」

霞「あくまで推論ですが、
  おそらく小蒔ちゃんは、宮永咲に思いを寄せています。
  そして、その感情が生まれた時・・・
  あの待合室での時間の中で、神が宮永咲の力に
  興味を持ってしまった」

初美「・・・九面様が、宮永さんの力に?」

霞「最近姫様がよく眠るのは、九面様のほうから
  小蒔ちゃんに干渉しているから、かもしれません」

霞「あくまで推論ですが」


初美「ということは、姫様と九面様が協力して
   宮永さんを狙っている、ということですか?」

霞「いや、おそらく小蒔ちゃんは、純粋に宮永咲を狙っています。
  ただ純粋に、宮永咲という少女を自分のものにしたいと思っています」

初美「・・・じゃあ」

霞「ええ。あの子の宮永咲に対するありとあらゆる行動に、
  九面様の力が宿っている。
  『止める』ことは困難でしょう」

初美「姫様は、これから何をするのでしょうか・・・」

霞(そう、良くも悪くも純粋。恋を一切知らなかった小蒔ちゃんが、
  溢れ出る宮永咲への恋の感情を持った)

それは、とても清らかで

霞「今日は咲ちゃんが遊びに来る日です。
  注意して見張りを行うように伝えてください」

初美「・・・分かりました」

だれにも邪魔することのできない、純粋な感情

霞「・・・いらっしゃい、咲ちゃん」

咲「・・・?」ブルッ




小蒔「・・・ふふふっ」



あなたは、わたしのもの。

なんだかヤンデレっぽくなってしまった。
誤字多くて申し訳ありません。

おだやかなヤンデレっていいね

~春 清澄高校前庭並木道~

咲「おはようございます、まこ先輩。こんなところで朝食ですか?」

まこ「おお、お早うさん。咲は知らんかったか。わしゃ店があるけん、いつも学校で食べとるんよ」

咲「そうだったんですか。気付かなかったです」

まこ「気分と時間で場所変えとるからのー。流石にわしも全校生徒の前で食べる勇気はないわ」

咲「確かに。それは恥ずかしいですね」

まこ「じゃろ?」

咲「はい……えっと、いつもパンなんですか?」

まこ「まぁのー。全国終わった頃から店が忙しゅうて、つくってる時間がなくてなー。まぁ、家計的には問題ないからええんじゃけど」

咲「…あの、迷惑じゃなければ私がつくってきましょうかっ?」

まこ「おお?」

咲「やっぱ朝はしっかり栄養のあるものを食べた方が良いと思いますし、まこ先輩は部長ですから……あのその、ダメならいいです!」

まこ「いや、むしろこっちからお願いしたいくらいじゃ。でも大変になったら言いんしゃい。可愛い後輩に無理はさせとぉないからの」

咲「か、かわ――っ///」

まこ「――なんてな。って咲?」

咲「な、何でもないです。また明日ー!」ドヒューン

まこ「お、おう……何じゃ、部活休みよるんか?」

~翌日~

咲「ま、まこ先輩、おはようございます」

まこ「おお、お早うさん。ほいで有難う」

咲「どういたしまして……あの、私もいいですか?」

まこ「一緒してくれるんか」

咲「はい、お邪魔じゃなければ」

まこ「しかしわしも捨てたもんじゃないのぉ。可愛い後輩にこんな良くしてもらって。正直上手くやれてる自信は無かったんじゃが――お、美味い」

咲「えへへ……それならよかったです」

まこ「ホント……毎日つくって欲しいくらいじゃ」

咲「そ、それじゃあ、私も毎朝一緒に食べてもいいですか?」グイッ

まこ「ち、近いわ。ええから離れんしゃい///」

咲「す、すみません……///」


まこ(ホンマこの子は……気ぃ付けんと勘違いしそうになるわ///)


かん

オチがつかなかった…。まこは多属性持ち

自由でいいと思います。
姫様に食われるなら、神様か姫様のどっちが前面に出てくるのかとか、バッドかハッピーかとか。

投稿します


予感がする

霞「いらっしゃい、咲ちゃん」

複雑な気分に支配される

あの子は・・・小蒔ちゃんは、
咲ちゃんに何をしようとしているのか


私には、分からない


咲「・・・?」ブルッ



小蒔「・・・っ」

体が、思いが、猛烈に焦がされていく。

小蒔「はぁ・・・はぁ・・・」

自分の体に、何か膨大な力が集まってくる。

それは、思い人が近づいてくるたびに強くなっていく。

小蒔「さき、さん・・・」



霞「・・・咲さん」

咲「・・・はい、何でしょうか」

霞「・・・お気をつけて」

咲「・・・はい」

宮永咲は、神代小蒔の待つ部屋に向かう。

自身の思いを、決意を、伝えるために。


小蒔「はっ、あ・・・ぁ・・・」

全身に力が集まってくる。

未だかつてない量の力だった。

小蒔(・・・)

自分の中に、自分のものではない何かの
意思が流れ込んでくる。

小蒔(・・・欲しい)

体が、熱くなる

小蒔(・・・欲しい欲シい)

湧き上がる感情が、小蒔の体を支配していく

小蒔(・・・欲しい欲シい欲しイ欲しい欲シイ)




コンコン

小蒔「!」

咲「小蒔さん。
  ・・・そこへ行ってもよろしいでしょうか」

小蒔「・・・どうぞ」


ガラッ

咲「・・・失礼、します」

部屋に入る。

咲(・・・この気配・・・)

目の前にいる神代小蒔から感じられるこの気配は・・・

咲(あのときみたいだ)

インターハイで見せた、神を降ろした時の小蒔に、よく似ている。

咲「・・・?
  小蒔さん、大丈夫ですか?」

小蒔「・・・だいじょうぶ、です。
   心配しなイで、くだサい」

咲(・・・大丈夫には、見えない)

小蒔は、かすかに体を震わせ、頬は上気し、眼は虚ろで、
何を見ているのか計り知れない状態だった。

咲「休みましょう、布団を敷きますから」

小蒔(・・・だめダ、そんナことをしタら、咲さンが傷ツく)

小蒔は、必死に湧き上がってくる衝動を抑えていた。

気を抜けば、自分は目の前の少女に襲い掛かり、そのすべてを
奪ってしまうだろう。

小蒔(それだけは・・・絶対に・・・)



小蒔さんは、何かに耐えているかのように震えている。

咲(どうして・・・)

自分の中に、答えは出ない。

咲「小蒔さん・・・」

小蒔「っ、ありがトう、ごザいまス」

ふらりとよろめきそうになる小蒔を、咲が支える。

綺麗に敷かれた布団に、近づく。

小蒔「・・・」

  あそこにいけば・・・

ゆっくりと、小蒔の理性が焼き切れていった。



ピタリと、小蒔が歩むのをやめた。

咲は、小蒔を見る。

いつの間にか、小蒔は汗だくだった。

咲は、呼びかける。

咲「こまきさ・・・っ!?」



どさり



咲(なっ、何が・・・?)

咲は、小蒔に押し倒されていた。

布団の上で、咲に覆いかぶさっている小蒔。

その顔を、咲はうまく見ることができなかった。


咲には、小蒔を押しのける、という選択肢が
思いつかなかった。

咲「どうしたんです、か・・・」

ゆっくりと、小蒔の体が下りてくる。

小蒔「・・・んっ」

咲「・・・!」


チュッ


咲「・・・」

柔らかいものが、自分の唇に触れる。

咲は、それが小蒔の唇なのだ、ということに、ようやく気付いた。

咲(・・・小蒔、さん)


トクン



しばらくして、小蒔は唇を離した。

いつまでキスをしていたのかなんて、頭の中には一切、存在しなかった。

ただ、

自分が宮永咲から大切なものを奪ってしまった。

そんな考えが、頭の中に広がっていた。


小蒔「・・・っ」

不意に、目の前の景色が歪む。

それは溢れ出て、咲の顔にぽたり、ぽたりと落ちていく。

咲「こまき、さん?」

小蒔「・・・ごめん、なさい・・・っ」

私は、

小蒔「私はっ」

あなたを、

小蒔「あなたを、傷つけて・・・」

咲「・・・」

小蒔「わたしはっ」



ぎゅっ



いきなり、抱き寄せられた。

小蒔は、何が起こったのか、分からなかった。



咲「ふふっ」

小蒔「さき・・・さん・・・?」

なぜ私を抱きしめているんですか?

咲「・・・言い出すのが、遅れてしまいました」

なにを、言っているんですか?

小蒔「わたしはっ、あなたに、嫌な思いをっ」グスッ


チュ


小蒔「!」

咲「小蒔さんはずるいです。
  自分だけ、気持ちを伝えて、逃げるなんて」

小蒔「さきさ・・・っ」


咲が、笑う。

それは、

まるで、

咲き誇る花のように。



咲「好きです、小蒔さん。
  誰よりも、ずっと」


小蒔「あ・・・っ」


小蒔を包んでいた、邪悪な気配が晴れていく。


小蒔「わたしもっ・・・!」


変わっていく。


小蒔「私もっ!」


穏やかで暖かい気配に、変わっていく。


まるで、二人の少女を、祝福するかのように。


小蒔「私も、大好きです!」



~~~~~~~

咲「あ、あの・・・」

小蒔「は、はい、何でしょうか」

結ばれたばかりの二人は、以前のような雰囲気に戻っていた。

それが、本来の姿だというように。


咲「・・・さっきの、キスの続き」


汗が、鎖骨のあたりに流れ落ちる。

赤く染まった顔に浮かんでいるのは、切なそうな表情。


咲「・・・私に、教えてください」


消え失せたはずの気配が、戻ってくる。

小蒔「・・・咲さん」

咲「・・・はい」

小蒔の表情が変わっていく。

小蒔「さきさんっ!」ガバッ

咲「きゃあぁぁっ!」ギュウッ


~~~~~~~~


小蒔「・・・ふふふっ」

あれからしばらく経って、



咲さんがここに引っ越してきたり、

咲「宮永咲です。
  不束者ですが、よろしくお願いします」



姉の照さんがあいさつにきたり、

照「妹がお世話になってます」



いろんなことがありました。


咲「どうしたんですか?」

小蒔「・・・なんでもないですよっ」

咲「嬉しそうですね」

小蒔「ふふっ、そう?」

咲「はいっ、とても嬉しそうです!」

小蒔「そういう咲さんこそ、とっても嬉しそうですよ?」

咲「だって」


小蒔「咲さんと一緒なら、」

咲「小蒔さんと一緒なら、」


とても、うれしいです。


すごく長くなりました。
バッドエンドにしようかとも思ったのですが、やっぱり幸せになってほしかったので、
ハッピーエンドにしました。

次は怜か宥あたりを書こうかな・・・

この勢いで投下させていただきます

――――――――――高校三年 夏
咲「もうそろそろかな……あ!」

ハオ「咲さん!」タッタッタッ

咲「ハオちゃん!」

ハオ「ごめんなさい、おまたせしました」

咲「うん、待ってたよ……ずっと、一年間」

ハオ「……終わりましたね、夏が」

咲「うん」

ハオ「大会、おめでとうございます」

咲「ありがとう」

ハオ「いつ帰るんですか?」

咲「明日だよ」

ハオ「そうですか……」

咲「……うん、少し散歩しようか」

ハオ「はい」

咲「終わっちゃったね、最後の夏」

ハオ「そうですね」

咲「インターハイ……私達の青春」

ハオ「二人だけの夏」

咲「ハオちゃんは卒業したらどうするの?」

ハオ「一度帰ります」

咲「そっか。そうだよね」

ハオ「またこちらに来たいですけど、どうなるかは」

咲「麻雀はやるよね」

ハオ「でないと、咲さんに会えませんから」

咲「アジア大会かな、アンダー20の世界大会かな」

ハオ「なんでも」

咲「あ、でも闘うのもいいけど、やっぱり同じ仲間になりたいなあ」

ハオ「我儘ですか?」

咲「まあね。どうかな、駄目かな」

ハオ「私の我儘も聞いてくれたら、いいですよ」

咲「なんでも聞くよ」

ハオ「じゃあ……名前を付けてください、咲さんだけが呼ぶ特別な名前を……駄目ですか?」

咲「……いいよ。ちょっと待ってね…………」


ハオ「あの、無理しなくても」

咲「ごめんね……」

ハオ「いえ、謝らないでください」

咲「そうじゃなくてね。本当は特別な名前を付けてあげたかったけどね」

咲「親から貰った素敵な名前が勿体無いと思ったんだ」

咲「だから、ありきたりというか、ちょっと変えただけになっちゃった」

ハオ「じ、じゃあ」

咲「    」

ハオ「!」

ハオ「」チュッ

ハオ「……ごめんなさい」

咲「なんで謝るの?」チュッ

ハオ「!」

咲「ありがとう、でしょ?」ニコ

ハオ「……はい」ニコ

―――――
咲「そろそろ帰らないといけないね」

ハオ「そうだね」

咲「明日はもう会えないだろうから、ここで一旦お別れだね」

ハオ「次はいつ会えるかな」

咲「さあ、分からないね。でも会えるよ」

咲「だって、こっちに来て仲間になってくれるんでしょ?」

ハオ「仲間でいいの……?」チラ

咲「どこまでならいい?」

ハオ「どこまででも」

咲「じゃあずっと一緒にいてね」ギュッ

ハオ「勿論だよ、咲」ギュッ

咲「ありがとう、嬉しいよ」

ハオ「最後に、もう一つだけいい?」スッ

咲「何?」

ハオ「中国語では咲という字は、笑うという意味があるんだよ」

咲「そうなんだ」

ハオ「満開の花の様に笑ってほしい」ポロ

ハオ「離れてもその美しさを、光景を、いつまでも心に焼き付けていられるように」ポロポロ

咲「いいよ」

咲「    」ニコッ

ハオ「……」

ハオ「ありがとう」ニコッ


お目汚し失礼

今回は対等な関係として書きましたが、ハオさんの姉らしさ、年上の雰囲気を取り上げても良いように思われますね

県予選団体 決勝


咲「一緒に、楽しもうよ!」

……

咲「麻雀て、楽しいよね!」

衣「うん!」


咲「ごめんね? ウソ」ボソ

衣「え?」

咲「本当は麻雀なんてつまらない。だってこの世界には色々な娯楽があるんだよ? もっと他の事をしたいとは思わない?」

衣「……」

咲「でもさっきはちょっと楽しかったよ? 天江さん、んーん、衣ちゃん、すっごく強かったから」

衣「ほんとか?」

咲「うん、ドキドキした。でも、本当はもっとドキドキしたいかな。最初から最後まで全力で、命の削り合いみたいなのがしたい」

衣「衣も……」

咲「ん?」

衣「衣もしたい。最初から最後まで、満月の下、全力で」

咲「じゃあ衣ちゃん、さっきのオーラスが限界なんだ?」

衣「ち、違うぞ! 衣はもっと強い!」

咲「そうなんだ。じゃあ他の面子はどうしようか。あ、龍門渕さんはどうかな? 見た感じだと、本当はかなり強そうだけど」

衣「うむ! 衣ほどじゃないが、トーカは強いぞ! ……でも、本人は嫌がってるのだ」

咲「じゃあ引き出してみよう? きっと衣ちゃんの為ならやってくれるよ」

衣「……そうかな?」

咲「うん、だって家族だもん。それに透華さんの相手してれば、衣ちゃんも強くなれるでしょ?」

衣「確かに……あ、今のはナシに――」

咲「大丈夫。麻雀なんか無くたって、衣ちゃんは友達だもん」

衣「そうだな! 咲と衣は友達だ! それで後ひとりは誰にする?」

咲「原村さんかな、やっぱり」

衣「原村ののか? 力量不足ではないか?」

咲「んーん、原村さんは私達と違って、本当の意味で麻雀に愛されてる人だと思うから」

衣「そうか、羨ましいな」

咲「そうだね……」

衣「そうではなく、咲がそこまで言うとは……」ゴニュゴニュ

咲「ん、何?」

衣「なんでもない!」

咲「じゃあ、今度遊びに行こう?」

衣「ハミレスがいい!」

咲「うん、そうしよう」


咲(国広さんと沢村さんと先鋒さん、大丈夫かな? ま、いっか)


カン

失礼しました
悪魔王咲で突っ走って心身ともに征服、最終的に家を乗っ取るか迷ったけど、無理でした。


>>3-9咲智葉 17:逃げる

>>12-17佳織咲 32:悩む

>>26咲友香 7:戯れる

>>34咲怜ハー 23:妬む

>>53咲華菜 2:諦める

>>81-83煌咲 25:騙す

>>88-90咲灼 6:出会う

>>118-121美穂子咲 42:望む

>>226-230咲煌 4:輝く

>>247-248咲衣 46:呼ぶ

>>268-278咲淡 30:求める

>>292-297咲咏 8:慕う

>>303-304咲? 41:振られる

>>311-316咲健夜 1:追いかける

>>330-340咲久 33:守る

>>354-356咲煌 6:出会う

>>364-365やえ咲 50:気にする

>>371-373日常? 19:弄ぶ

>>377-380咲衣 9:眠る

>>386-391咲小蒔 30:狙う

>>401-403咲まこ 42:望む

>>413-424咲小蒔 36:手に入れる

>>430-435咲ハオ 48:焼き付ける

>>443-446咲衣 14:狂わせる



○お題

3:懐かしむ
5:甘える
10:照れる
11:惚れる
13:抱きしめる
15:夢見る
16:叶える
18:囁く(ささやく)
20:ときめく
21:拗ねる(すねる)
22:寄り添う
24:惹かれる
26:傷つく
27:壊れる
28:奪う
29:微笑む
31:見つめる
34:恋する
35:待つ
37:秘める
38:確かめる
39:撫でる
40:捨てる
43:願う
44:想う
45:探す
47:持て余す
49:茶化す


○キャラ

智葉:1
佳織:1
友香:1
怜:1
華菜:1
煌:3
灼:1
美穂子:1
衣:3
淡:1
咏:1
その他:2
健夜:1
久:1
やえ:1
小蒔:2
まこ:1
ハオ:1

どれだけ探しても咲×憩が見つからないので
投稿します


~~~~~~~~

部屋の窓から、月の光が差し込んでくる。

その冷たい光は、しかし確実に夜を照らす。

荒川憩は、真夜中の暗がりの中で目を覚ました。

憩「ん・・・」

横に向き直る。

そこにあるのは、いつもと変わらない彼女の寝顔。

憩「・・・ふふっ」

起こさないようにゆっくりと、頭を撫でてやる。

憩「・・・こんなことになるとはなー」


~~~~~~~~

『私に、妹は居ません』

憩「・・・え?」

荒川憩は、テレビに映っている宮永照を、
こいつは何を言ってるんだ?とばかりに見ていた。

憩「え?あいつ、何で・・・」


ーーー回想ーーー


照「・・・」ブツブツ

憩「(こいつ・・・強すぎる・・・
   それにしても、さっきから何をぶつぶつ言ってんのやろ)」

照「・・・よう」

憩「・・・?」

照「・・・どうしよう」


照「・・・これじゃ、咲にいいところ見せられない」

憩「」


<試合終了後、しばらくした後>

憩「(あの宮永が言っとった『咲』って子・・・
   いったい何者?)」

憩「聞いてみるか」

prrrrrr

憩「なあ、チャンピオン」

照「・・・何?」

憩「咲って誰や?」

照「知ってるのか」

憩「試合中にぶつぶつ言うとったやん」

照「咲は私の妹」

憩「へえ、あんたの妹さんか。
  どんな子なんや?」

照「かわいくて優しくてかわいくて気遣いが出来てかわいい妹」

憩「・・・そ、そうなんか」

照「今は長野にいる。
  合いに行ってみるといい、きっと咲のかわいさがすぐに分かるはず」

憩「は、はあ・・・」





憩「とか言うとったのに・・・」

なにかあったのだろうか。

憩「聞かなあかんな・・・」


prrrrrrr

照「・・・もしもし?」

憩「おい宮永。どういうことや、あれは」

照「・・・」

憩「あんだけ妹ちゃんの事言っとったのに、
  いったいどうしたんや?」

照「・・・どうしよう」

憩「え?」

照「・・・プリンを麻雀部の新入生に勝手に食べられて腹が立ってたんだ・・・
  咲が傷ついたらどうしよう・・・」

憩「・・・」




憩「なら・・・」

照「?」

憩「私が長野に行ってくる!
  そして妹ちゃんにあんたの気持ちを伝えてやる!」




憩「・・・というわけで長野に来たんやけど・・・」

照曰く、妹の宮永咲という少女は清澄高校にいるらしい。

が。

憩「清澄ってどこやねん・・・」


念のために持ってきた地図を見ながら歩くこと30分。


憩「も少しで・・・ん?」

目の前を、少女がふらふらと歩いている。

栗色の髪。そのサイドは、角のようにハネている。

見覚えのある髪型だった。

そう。

あの宮永照のような。

憩「・・・!」

あの子が・・・

憩「宮永、咲・・・?」


憩(・・・とりあえず、早く声を・・・ッ!)


プップー!


けたたましいクラクションが鳴る。

トラックが鳴らしたようだ。

宮永咲は、ふらふらと歩き続けている。

まさか・・・気付いて、ない!?


憩「・・・!」

憩は、走り出していた。

他の全てが、意識から外れていた。

憩「・・・間に合えっ!」


キキーッ



咲「・・・!?」

憩「はあ、はあ、はあ・・・」

間に合った。

咲がこちらに振り向いた一瞬、憩は咲を抱くようにして跳んだ。

トラックは、数メートル先のところで急停止していた。

咲「だれ、ですか・・・?」

咲は、困惑と恐怖の表情を浮かべていた。

咲「いったい、なにを・・・」



憩「うるさいっ!」



咲「・・・!?」

憩「姉が姉なら・・・妹も妹やな・・・!」キッ

咲「ひッ・・・」ビクッ



憩「そんなことして、宮永が喜ぶとでも思っとるんか!?」

咲「!!
  ・・・お姉ちゃんのことを・・・」

憩「ああ、知っとる! 
  妹なんかいないって、間違って言ってしもうたことも!」

咲「?!
  ・・・もう・・・わたしは・・・」

憩「あんたはそれでええんか!?
  あんた自身が終わってしまえば、どうにかなるとも思っとるんか?!」

咲「わたしは・・・」

憩「ふざけんな!」

咲「!?」ビクッ

憩「そんなこと・・・そんなこと・・・」


ぎゅっ


咲「・・・!」

憩「させるわけ・・・ないやろ・・・」ポロポロ




憩「・・・すまんな、急に怒鳴ってしもうて」

咲「・・・謝るのは私の方です。
  あなたを、こんな目に合わせてしまって・・・」

憩「咲ちゃん、やったか。
  宮永は、『ただ気分が悪かっただけ』って言うとった」

咲「・・・そうですか・・・」


憩は、まだ自分のしたことに驚いていた。

自分は、あんなに他人を怒るようなことをする人間ではなかったのに・・・


相手が、咲だから、だろうか。



咲「あの・・・」

憩「なんや?」

咲「お名前を、教えてください。」

憩「憩。
  荒川憩や」


咲「荒川さん。
  今日はありがとうございました」ニコッ

憩「なに。なんてことないで」ニコッ



~~~~~~~~


照「・・・で?」


照「何で二人は手をつないでるの?」

全国大会が終わり、咲と照は完全に和解し、

そして照のところに咲があいさつに来た・・・のだが。

咲「あ、お姉ちゃんはこの人知ってるよね?」


憩「咲ちゃんとお付き合いさせていただきたく
  やって来ました、荒川憩と申します」


照「え?
  何で二人が・・・」

憩「いやあ、あの後、ちょくちょく合って話したり、
  一緒に出かけたりを繰り返してるうちにな?」

咲「いつの間にか、こんな感じになってました」


照「おい、憩」


憩「何や」

照「本気、なんだな」

憩「当り前やろ」



照「・・・はぁ」


照「構わないよ。
  お姉ちゃんが許そう」

咲「ほ、ほんと?やったぁ!」

憩「やったなー咲ぃ!」ギュウ

照「でも咲。
  あんまりそういう事はやっちゃだめだぞ?」

咲「うん。
  『まだ』やってないよ」

憩「そうや。
  『まだ』やっとらんよ」

照「・・・『まだ』?」





~~~~~~~~


咲「憩さん」

憩「何や?」

咲「私、今、とっても幸せです」

左手の薬指に光る指輪を付けた咲は、
目に涙を浮かべながら、幸せそうな笑みを隠せなかった。

憩「ふふっ。
  ・・・咲」

咲「・・・はい」

憩「もっと、こっちに寄り」

咲「・・・はい!」


二人は、これからもずっと、寄り添い続ける。

それが、彼女たちの幸せだから。


長文失礼しました。
咲さんとネリーちゃんの絡みが見てみたいです。

~大学 昼休み~

洋榎「なあ、あんたらってどっちなん?」

恭子「どっちて、何がですか?」

洋榎「なんつーかほら、主導権てやつ?」

恭子「そんなんうちに決まってるやないですか。年上ですよ?」

洋榎「……そか」

恭子「なんや気になってるみたいですね。いいですよ? 放課後見といて下さい」

咲「あ、恭子さん!」

トテトテ

恭子「おー、咲。休み時間に会うなんて珍しいな」ナデナデ

洋榎「うちもおるで」

咲「すみません。こんにちは、洋榎さん」

洋榎「ええでええで、咲は相変わらずキョウコスキーやな」

咲「えぇ!? それはその……お付き合いさせてもらってますから」

恭子「うちもサキスキーや」

咲「///」

洋榎「ハイハイ、アツイアツイ」

恭子「せっかく会えたんやし、お昼一緒せぇへん?」

咲「はい! ……あっ」

数絵「私もいます」

咲「ごめんね、数絵ちゃん」

数絵「いいよ、咲は末原先輩を見るといつもこうだから」

洋榎「うちもおるし、数絵も一緒に行こーや」

数絵「はい、おじゃまします」

――

恭子「どうです? しっかりリードしてるでしょ?」フフン

洋榎「このまま行けばええんやけどな」

――

「「「「いただきます」」」」

恭子「咲、たこ焼きなんか買ったん? うちに来ればつくってやるのに」

咲「時々無性に食べたくなりませんか? 学食のたこ焼き」

洋榎「ああ、確かに。……でもそれ業務用の冷凍やで?」

咲「え、そうなんですか? 数絵ちゃん知ってた?」

数絵「いえ、長野じゃあお祭りくらいでしか食べなかったから」

洋榎「そいやぁうちでたこ焼きやった時、驚いとったな」

恭子「咲も南浦も面白いくらい不器用やったな」

咲「みんなが上手すぎるんですよ」

恭子「まぁ、主将が唯一得意な料理やから。それに生地は絹ちゃん製やし」

洋榎「うっさい。咲、一個ちょうだい」

咲「はい、どうぞ」

洋榎「あーn「調子乗らんといてください」

洋榎「けっ、ヤキモチさんやなー。ほな……あっつ」

洋榎「……うん、このチープな感じがなんとも」

咲「そうですか? よかった」

恭子「うちも食べたくなってきたわ」

咲「はい、あーん……」

恭子「あーん……あつっ」
咲「」ゾクッ
恭子「……でも美味いわぁ」

咲「もう一個、あーん」

恭子「あーん……アツ」

咲「はい、あーん」

恭子「? あーんアツ」

咲「あーん」

恭子「あーアツ」

咲「あーn「ってひょっと待ひぃ!」

咲「どうしました?」

恭子「熱い! それに早いわ!」

咲「」ゾクゾクッ

咲「あはは……ごめんなさい」

恭子「まぁええけど、お返ししたるわ」

咲「や、自分で食「ほれあーn」

咲「待っ」


洋榎「ふむ」

~放課後 部室~


咲「恭子さん……ペロレロ…チュ」

恭子「あ、あかんて、恥ずいわ……」

咲「恭子さんが言ったんじゃないですか。足舐めろって……レロ」

恭子「あれは冗談で……」

ガチャ

洋榎「みんな集まっ――」

咲「……」

恭子「……」

洋榎「……」

咲「チュパ」

恭子「ヒャッ!」

洋榎「」

洋榎「スンマセンっしたーーっ!!」

――

洋榎「うちがトイレ行ってる間に何しとんねん」

恭子「いや、あれはちゃいます」

咲「そうなんです、あれは恭子さんがやれって……」

洋榎「恭子……」

恭子「あれは罰ゲームの冗談で言ったんです。それに咲だってノリノリやったし」

洋榎「スマンな、咲。うちが恭子を焚き付けたばっかりに、こんな……」

――

絹恵「で、結局どっちなん?」

尭深「咲ちゃんかな」

数絵「確かめるまでもなかったですね」


カン

拙作ですが投下させていただきます

花が見たかった。あの白く華やぐ百合を。

久「いらっしゃい、ようこそ」

智葉「急ですまない。これから一週間世話になる」スッ

久「こちらこそ。是非有意義な合宿にしたいわ」グッ

智葉「そうだな」

久「そちらのメンバーはインハイのレギュラーだけなのよね?」

智葉「多くは連れていけないからな。それに、あいつらはまだ伸びる」

久「それは恐ろしいわね」

智葉「そっちのもまだまだだ、あいこだよ」

久「ええ、そうね。他の学校もすぐに来ると思うから、ゆっくりしていて」

智葉「ああ。ところで」

―――――
怖がらないでほしい。あの事は何度でも謝るから、どうか笑ってほしい。まずは一歩。

久「咲、お客さんよ」

咲「はい……わっ!」

智葉「久しぶりだな」

咲「は、はい……」ササッ

久「あら」

智葉「……」

久「咲、お客さんに失礼よ。ごめんなさい」

智葉「いや、いい。こっちも大会で怖がらせてしまった様だし……慣れてる、気にするな」

咲「お、お久しぶりです……辻垣内さん……」オズオズ

智葉「怖がらなくていい、今日は大会とはわけが違うんだ」

咲「は、はい……」

智葉「まあなんだ……楽しくやろう」ポン

咲「……はい」

―――――――――――
もう一歩歩み寄ってもいいだろうか。こんな時に傍にいてもいいだろうか。

智葉「三日目……午前の分も終わったな。牌譜はこれか」

智葉「原村はこれでいいか。染谷は最終日までは待ちだが……基礎も固まっている」ペラ ペラ

智葉「片岡は目に見えて伸びている。二年後が楽しみだ」

智葉「室橋も中々だが、夢乃は結果が出ないな……また指導方法を変えるか」

智葉「まあこんなところだな。咲は……また、なのか」


智葉「咲、いるか」

咲「あ、はい」

智葉「今から時間があるなら、少し歩こう。気分転換だ」

―――――
咲「聞きたい事、ですか?」

智葉「話したくないならそれでいい。プラマイゼロについてだ」

智葉「責めるわけじゃない。面白がってやってるのでもないと分かってる」

智葉「ただ、出来れば聞きたい。出来るなら力を貸したい」

咲「……はい」

―――――
智葉「そうか…………よく話してくれた」

咲「人にあんまり話さないんですけど……智葉さんならいいかなって」

智葉「……」

智葉「もし…………いや……いつでも私を頼れ、遠慮するな」ナデナデ

咲「はいっ」

――――――――――
翳りも何も無く笑う。そんな姿に惹かれる。もう一歩だけ許してくれるだろうか。

久「シークレットゲストのご到着よ!」

照「こんにちは」

咲「お姉ちゃんっ!」

照「咲」

咲「お姉ちゃん!」ダキッ

照「咲」ナデナデ


智葉「…………」

咲「智葉さんっ!」

智葉「…………ん……なんだ」

咲「打ちましょうっ」キラキラ

智葉「…………ああ。終わったらまた出かけよう」

――――――――――
いつか夢見た楽園に手を伸ばし、しかし最後を踏み留まる。最後の一歩は―――

智葉「明日で最後か……」

智葉「はあ…………どうしたものかな」

照「どうしたの?何か悩みでもあるの?」

智葉「ん……ちょっとな」

照「よかったら聞くけど」

智葉「……いや、いい…………なあ、一つ聞くが」

智葉「ある行動の成果と、行動のリスクと更にその後の困難を比べて、どっちがいい?」

智葉「恐れや不安が現実になったとしても行動をするべきか?」

照「…………はっきりした答えは出せないけど……うん。それでも行動したいならするべきだと思う」

智葉「……」

――――――――――
―――さん、智葉さんっ

懐かしい夢を見ていた。

その時までの様々な事が鮮やかに思い出され、その後の喜びが劇的に蘇った。

智葉「ん……」

そして目を開けた時、夢の続きを見る。

咲「おはようございますっ」

咲「ご飯出来てますから、早く起きて下さいね」

智葉「……」

咲「どうしましたか?」

智葉「……好きだ、咲」

半歩で良かった。そのわずかな歩みが打たれた鐘の様に返ってくる。

咲「はい、いつも聞いてますよ」

私は夢を叶え、今、二人だけに広がる楽園で過ごしている。

咲「私も大好きですっ、智葉さん」ニコッ

衣「咲、着いたぞ」

咲「ここは?」

衣「旧天江家――私と父君、母君が住んでいた家の近くだ。どうしても咲と行きたい場所があるのだ……少し歩くぞ」


衣「此処だ」

咲「……きれい。それにせせらぎが心地良い……」

衣「うむ。父君と母君が健在だった頃、よく連れて来てもらったのだ。父君も母君も出不精だったからな、外出といえば此処だった。3人で蛍を見たんだ。衣と母君は水遊びをして、父君は相も変わらず、蛍雪ではないが本を読んでいたのだ……」

咲「衣ちゃん……」

衣「咲ともっと早く知り合ってれば、一緒に蛍、見れたかもしれないのに……」

咲「……来年、一緒に来ればいいよ」

衣「……そうかな」

咲「……うん。そうだよ」

衣「うん、そうだな」

咲「そうすれば皆も来れるし」

衣「む~」ムスッ

咲「どしたの?」

衣「何でもないっ、好きにしろ!」

咲「えー、衣ちゃんが『一緒に』って言ったのに……」

チャプチャプ

咲「ほら、衣ちゃん。冷たくて気持ちいいよ」

衣「ふふふ、咲は子供だな」

咲「また変に大人ぶって。おいでよ」

パシャッ

衣「ふあっ、こら! 衣はお姉さんだぞ。ちゃん付けは許したが少しは敬えー!」

パシャパシャ

咲「あははっ」

衣「おのれ、河底撈魚ー!」バシャッ

咲「キャ」キャッキャ

衣「全く!お前という奴は!人の気も知らずに!透華だって、私の事を、敬うというのに!人で、遊びおってからに!」パシャ

咲「ふわっぷ、ちゃんと、尊敬してるってば!」

衣「ならば何故、こんなにも乱される! こんなにも、熱くなるのだ!」

咲「それって……」

衣「~~っ///」

咲「えっと……」

衣「咲のばか~! ハギヨシ、帰るぞ!」

ハギヨシ「畏まりました」

咲「え? ちょっと待って私は!?」

衣「知らん! 徒歩で帰れ!」



咲「ふぅ、ホントに置いてかれるかと思ったよ……」

衣「ふんっ、感謝するんだな」

咲「あ、あのね、衣ちゃん」

衣「……」

咲「私も連れて行きたい場所があるんだ」

衣「……皆でか?」

咲「んーん、ふたりで」

衣「……」

咲「昔一度行ったきりだから、迷っちゃうかもしれないけど……それでも……」

衣「ふ、ふんっ、仕方無いから行ってやる。仕方が無いからな!///」


かん

由暉子「咲さんは神です」

由暉子「神は信じている者の願い事を叶えてくれるとどこかで聞いた気がします」

由暉子「つまり、咲さんは私の願い事を叶えないといけないのです」

由暉子「わかりますか? 私は咲さんに膝枕をされたいです」

咲「うーん……私は神様じゃないからそれは違うと思うな」

由暉子「咲さん いず ごっど」

咲「だから違うよー」

由暉子「わかりました」

咲「あ、やっとわかってくれた?」

由暉子「私の頭を撫でてくれることで妥協しましょう」

咲「…………」

由暉子「背が低いですから撫でやすそうではないですか? さぁどうぞ」

咲「もー頭押し付けてもきても撫でてあげないよ」

由暉子「じゃあどうやったら私の頭を撫でてくれるんですか!?」

咲「別に撫でなくてもいいんじゃないかなーって」

由暉子「むぅ」

咲「そろそろ電気消して寝るよ? 明日も選抜メンバーとして選ばれた人は合宿なんだから」

由暉子「せっかく二人っきりになれたんですよ? もっとこうイベントがあってもいいじゃないですか」

由暉子「例えば、一緒にお風呂に入ったり耳かきしたりしてもらったり色々あるじゃないですか」

咲「早く寝ないと明日に響くよ?」

由暉子「……咲さん」

咲「なに?」

由暉子「私一人だと寝れないんです」

咲「えっ」

由暉子「いつもはお母さんに後ろから抱きしめてもらって寝てるのですが」

由暉子「今日は抱きしめてもらえません」

由暉子「このまま一睡もできなかったら私は合宿についていける自信がないです」

咲「そういうことならしょうがないね。 こっちの布団に入っていいよ」

由暉子「いいのですか?」

咲「寝れないならしょうがないよ」

由暉子「で、では失礼します」

由暉子「抱き心地はどうすか?」

咲「ユキちゃんが小っちゃいからかな? 抱き枕を抱いてる感じだよ」

由暉子「咲さんが寝にくかったりしませんか?」

咲「全然平気だよ? ユキちゃんは眠れそう?」

由暉子「いつもよりぐっすりと眠れそうです」

咲「そっか。 それじゃおやすみなさい」

由暉子「はい。おやすみなさい」

由暉子「咲さんもう眠りました?」

咲「……」

由暉子「私はこんな嘘をついてまで咲さんと一緒に居たいんです」

由暉子「咲さんの優しさに付け込んで、甘えて、最低なことをしてると思います」

由暉子「でも我慢できないんです」

由暉子「誰よりもどんなものよりも貴女を愛しているから」

咲「クスッ」

由暉子「!?」

由暉子「もしかして起きてます!?」

咲「あー聞いてるこっちが恥ずかしかったよー」

由暉子「ひどいですよ! 起きてるなら起きてるって言ってください!」

咲「あははー、嘘ついてる人にひどいなんて言われたくないでーす」

由暉子「本当に。本当に意地悪ですね」

由暉子「もういいです! 寝ます!」

咲「うん。おやすみユキちゃん」

この後、二人は幸せに暮らしました

終わらし方が分からない
そんな時は誰かのマネをすればいいってばっちゃが言ってたからおしまい

照「すこし話があるんだけど」

菫「どうした」

照「最近淡咲要素が少ないと思う」

菫「そうか? 結構あると思ったが」

照「少ない。このままだと私は死んでしまうかもしれない」

菫「で、どうしたいんだ?」

照「淡と咲を私の目の前でいちゃいちゃさせたい」

菫「そうか、頑張れよ」

照「グフッ……」

菫「吐血しても無駄だぞ。そもそも咲ちゃんがこっちにいないだろ」

照「電話で呼んだ。それじゃ菫あとは任せる」

菫「ん? どういう意味だ?」

照「……」

咲「お姉ちゃん大丈夫!?」

照「……咲……私はもうだめかもしれない……」

菫「さっきまで元気だったろ」

咲「うぅ、お姉ちゃん私にできることはない?」

照「咲にできること……・それは菫が知ってる……あとは任せ……た……」

咲「お姉ちゃん!」

咲「菫さん、私はいったい何をすればお姉ちゃんを治せますか?」

菫「淡と仲のいいところを照に見せればもしかしたら治るかも知れない……」

咲「淡ちゃんと仲のいいところ? 別に喧嘩なんてしてないですよ?」

菫「と、とりあえずだ! 照の目の前で淡と咲ちゃんが仲良くしてたら照が治るんだ! 深くは考えてはいけない」

咲「わかりました。とりあえず淡ちゃん呼びますね」

咲『もしもし淡ちゃん? うんすぐお姉ちゃんの部屋に来てほしいんだけど。 来れる? ありがとう待ってるね?』

咲「来れるらしいです!」

菫「そうか……」

淡「おーい、愛しの淡ちゃんがやってきたよー」

菫「入っていいぞ」

淡「お邪魔しまーすってなんで菫先輩がいるの?」

菫「深い事情があるんだ。 この光景を見て察しろ」

淡「んーよくわからぬ!」

咲「淡ちゃん私と仲良くしてほしいの」

淡「どういう意味?」

咲「お姉ちゃんを治すには私と淡ちゃんがお姉ちゃんの目の前で仲良くするしか方法がないらしいの」

淡「あー……なるほどー……」

淡(そういえばテルーが言ってたなー……)


照『淡、もっと咲といちゃついて』

淡『そんな急にいちゃついてって言われてもなー』

照『これは先輩からの命令。実行せねば淡の練習メニューは筋トレ一色になるだろう……』

淡『いやいや。私はいちゃついてもいんだよ? でも咲が嫌がったらショックだしなー』

照『それについては私に考えがある。任せておいて』


淡(こういうことだったかー。まぁ役得だけどさーなんかなー)

咲「淡ちゃん?」

淡「ん、ごめんごめん少し考えごとしてたからさ」

咲「そうなんだ、それならいいんだけどさ」

淡「さてと、それじゃまずは膝枕かなー」

咲「ひ、膝枕!?」

淡「そうそうー。千里山ってとこも膝枕してたし仲が良かったらふつうにするでしょ」

咲「うーん……」

淡「もー! テルーを助けるためだとおもって! はいそこ座る!」

咲「はい!」

淡「この時頭おを撫でてくれるとなお効果が高まる模様……」

咲「わかったよ淡ちゃん。頭を撫でればいんだね!」

淡(ふむ、ありだね)

照(……まだ弱いかなもう少しいちゃついてるのお願い菫)

菫(こいつ脳内に直接……)

菫「二人とももう少し仲良さげなことはできないか?」

淡「例えば?」

菫「そうだな……」

照(お互いに見つめあうとか)

菫「お互いに見つめあってみてくれないか?」

淡「はーい。ほらサキこっち見てー」

咲「……なんだか照れるよ」

淡「サキもっと顔近づけて」

咲「どうして?」

淡「いいからいいから」

咲「どれくらい近づければいいかな」

淡「おでことおでこがくっつくくらい」

咲「そんなに近くに!?」

淡「なんだか私熱っぽいしサキに測ってもらおうかなって」

咲「そうだったんだ、それならもっとはやく言ってよー」

咲「んー熱はないかな? たぶんだけど」

淡「本当? もっとよく測ってよ」

咲「そんなに長く当ててもキチンと測れないよ」

淡「やっぱ体温計じゃないとだめかー」

咲「正確に測りたいならね」

照(キマシ……キマシ……)

菫「二人とも照の調子もだいぶよくなったみたいだ」

照(次は菫咲がみたいなー……)

菫「今日はいろいろ迷惑かけてすまないな」

淡「いいよいいよ、可愛いサキの顔も堪能できたし」

咲「もぉー照れるよー」

菫「それじゃ気を付けて帰るんだぞ」

淡「はーい、それじゃサキ行こうか」

咲「菫さん。あとはお願いします」

菫「あぁ任せておけ」

菫「……ふぅ、これで満足か照」

照「満足したけど次は菫咲でいこう」

菫「淡が怒りそうなんだが……」

照「大丈夫。私にいい考えがある」

おしまい

卒業式が終わった後の、誰もいない体育館の裏で、咲ちゃんを見つけた。

私より大分背は高いはずなのに、心なしか小さく見えた。

花びらが舞い散る桜の木の下で、咲ちゃんは膝を抱えて泣いていた。


優希「…咲ちゃんがそんなにこの学校を愛していたとは知らなかったじぇ」


座り込む咲ちゃんの隣に、少し間を空けて座る。

私の声に少し肩を揺らして驚いていたが、膝に顔を埋めたまま

違うよ、というように首を横に振った。


優希「…………そうか」


本当は、泣いている理由は知っていた。

少し前に、のどちゃんが体育館裏から出てきたのが見えたから。

2人の関係は知っていた。

特に否定も肯定もするつもりはなかった。

ただ。

咲ちゃんが、幸せでいてくれればそれでよかった。

でも、今咲ちゃんは泣いている。

誰も来ない、体育館の裏で。

たった一人で。傷ついた顔をして。


優希「……咲ちゃんなら、もっといい相手が見つかるじぇ」


言った後で後悔した。

典型的な、無責任な慰めの言葉。

こんな言葉、咲ちゃんはきっと望んでいない。

咲「………」

案の定、咲ちゃんは言葉を発さない。

当然だ。

咲ちゃんが一番望んでいるのは、のどちゃんが、ここに戻ってくることだ。

でも、きっとのどちゃんが戻ってくることはない。

私にはどうすることもできない。

無力な自分に腹が立つ。

ざあっと、春の強い風が吹き抜けた。


優希「……私の隣なら、空いてるじぇ」

咲「………」

優希「………」

咲「……………ぷ」

優希「な!笑ったな!」

咲「………ご、ごめん。優希ちゃんがそんな冗談言うなんて思わなかったし」

優希「失敬な。………冗談じゃないじぇ」

膝に隠した顔で、咲ちゃんが息を詰めたのがわかった。

ああ、しまった。

余計に困らせてしまった。

咲「………」

優希「………」

咲「……ありがとう、優希ちゃん」

優希「…………」

咲「でも私は、そんなすぐに切り替えられない……」

優希「知ってる」

咲ちゃんがのどちゃんを、どれほど大切に思っていたか知っている。

同時に、私にそんな感情を抱いていないことも知っている。

優希「だから、いつ咲ちゃんが来てもいいように、私の隣は空けておくじぇ」

咲「……」

優希「……」

咲「……そんな日は、来ないかもしれないよ」

優希「そうだな。その時は、迎えに行ってみるじぇ」

咲「………」


もしも。

迎えに行った先で、咲ちゃんが笑っていたなら。

私は何も言わないで、そっと見守ろう。

でも、もしも。

今日のように一人で膝を抱えているなら。

また、こうして隣に座ろう。

咲「…ありがとう、優希ちゃん」

やっと膝から上げてくれた咲ちゃんは、涙でぐしゃぐしゃで。

でも、うっすらと笑った咲ちゃんの顔を見れて、私はひどく安心した。


それが、桜の木の下で交わした、淡い約束。







それから1年後、空いていた私の隣には、咲ちゃんが居る。

迎えに行ったわけではなくて。

咲ちゃんの意志で、私の元に来てくれた。

それまでには、いろいろなことがあったのだけれど。

それはまた、別の話。

カン

咲には優希のようなグイグイ引っ張っていってくれるタイプが似合うんじゃないかなと思って書きました。
お目汚し失礼しました。


怜「なかなか可愛かったで咲ちゃん?」ナデナデ

咲「ふあ……」

がちゃ

竜華「おはよーけほっ、なあウチ最近ちょっと風邪気味やけほっ、病院つき合っt」

怜「……」

咲「ん、んっ……」スヤスヤ

竜華「……」


竜華「どういうことなん?こほっこほっ」

怜「そ、それははは……」アワアワ

怜「!」


怜「

ウチの戦友がくれた初めての妹

それはミヤナーガオリジナルで

ウチは入院中で欲求不満でした

その身体は敏感でスウィートで

こんな素晴らしい妹をもらえるウチは

きっと特別な病人なのだと感じました

今では私がお姉ちゃん

戦友にあげるのはもちろん

ミヤナーガオリジナル

なぜなら彼女もまた……

特別な病人だからです




竜華「……」

怜「……」

竜華「せやな、特別な病人ならミヤナーガオリジナルならしゃーな」


竜華「いわけあるか!」

怜「ひっ!」


竜華「これ完全な浮kげほげほっ」

さすさす

咲「だ、大丈夫……ですか?ごめんなさい……私のせいで」ジワッ

竜華「……」

咲「園城寺さんには貴女がいるって分かってたんですけど……必要とされることが嬉しくて……私っ」ポロポロ

竜華「……」


竜華「ごくり」


怜「……竜……華?」

竜華「怜、咲ちゃん借りてくわ」

怜「へっ?」

竜華「

ウチ特別な病人やし……

え え よ な ?



怜「は、はいいっ!!」

竜華「ほな行こか、咲ちゃん」

咲「ふぇ?で、でも……」

竜華「ええからええから、お姉ちゃんに任しとき!」

がちゃ

ばたん



カン!ニンヤデー


>>3-9咲智葉 17:逃げる

>>12-17佳織咲 32:悩む

>>26咲友香 7:戯れる

>>34咲怜ハー 23:妬む

>>53咲華菜 2:諦める

>>81-83煌咲 25:騙す

>>88-90咲灼 6:出会う

>>118-121美穂子咲 42:望む

>>226-230咲煌 4:輝く

>>247-248咲衣 46:呼ぶ

>>268-278咲淡 30:求める

>>292-297咲咏 8:慕う

>>303-304咲? 41:振られる

>>311-316咲健夜 1:追いかける

>>330-340咲久 33:守る

>>354-356咲煌 6:出会う

>>364-365やえ咲 50:気にする
()
>>371-373日常? 19:弄ぶ

>>377-380咲衣 9:眠る

>>386-391咲小蒔 30:狙う

>>401-403咲まこ 42:望む

>>413-424咲小蒔 36:手に入れる

>>430-435咲ハオ 48:焼き付ける

>>443-446咲衣 14:狂わせる

>>452-463咲憇 22:寄り添う

>>478-484咲恭子 38:確かめる

>>495-500咲智葉 16:叶える

>>506-510衣咲 21:拗ねる

>>521-527咲由暉子 43:願う

>>534-543咲淡 16:叶える

>>562-567咲優希 26:傷つく

>>574-576怜咲 24:惹かれる



○お題

3:懐かしむ
5:甘える
10:照れる
11:惚れる
13:抱きしめる
15:夢見る
18:囁く(ささやく)
20:ときめく
27:壊れる
28:奪う
29:微笑む
31:見つめる
34:恋する
35:待つ
37:秘める
39:撫でる
40:捨てる
43:願う
44:想う
45:探す
47:持て余す
49:茶化す


○キャラ

智葉:2
佳織:1
友香:1
怜:2
華菜:1
煌:3
灼:1
美穂子:1
衣:4
淡:2
咏:1
その他:2
健夜:1
久:1
やえ:1
小蒔:2
まこ:1
ハオ:1
憇:1
末原:1
由暉子:1
優希:1

>>588は厨って言葉使って自分の気に入らないスレ荒らしてるよな
おまけに和咲が大嫌いらしくて、咲さんスレに和が出てくるだけで和咲厨くっさとか言ってくるんだよ
俺の立てたスレも何度荒らされたか…

俺も>>591に荒されたわー
憧咲書いてりゃ「そんなオカルトありません」
玄咲書いてりゃ「和ちゃん…」「和かわいそう…」
霞咲書いてりゃ「咲和じゃないなら続かなくていいです」
それとなく他の人が注意しても「ネタにマジレスwww」「すぐ和キチにするよね」
もう萎える萎える

人に接する時に重要なのは肯定しても共感しない事。理解しても分からない事。

さもなくば相手に「飲まれる」と聞かされ、この身で体感もした。

なのに。私は彼女にかくも完璧に鮮やかに飲まれた。それを喜ぶぐらい、完全に。

――――――――――
憩「調子はどう?……そう、そら良かった」

憩「睡眠時間を固定して、おんなじリズムで一日を過ごすとええよ」

憩「ご飯は……まだもうちょっとみたいやね」

憩「ああ、謝らんでな。誰も責めてない、大丈夫やから」

私が接した当初は会話さえ無かった。なんとか打ち解けて簡単な会話をするようになった。

それ自体は自然な感情で、嬉しくなったしもっと役に立ちたいと思った。

その内にエスカレートしていった。自業自得の、人生の狂い始めだった。

――――――――――
憩「……そっか。よう出来ました」

憩「あ、ちょっと眠いんとちゃう?」

憩「……それやったら、ここでちょっと寝てもええよ?なんなら一緒に、寝る?」

憩「うん、待っとってな、今…………これで良し。さあ寝よ」

憩「もうちょっと寝やすい格好になろか」

こんなのは仕事に入ってない。個人の感情で、しかも外出中の紙を貼ってまで一緒に寝た。

そうしたいと思ってしまった。

彼女と同じベッドに入って、枕を半分こして彼女を抱きしめて、寝るまで頭を撫でた。

彼女は少し顔を綻ばせてよく眠った。私も気持ち良かった。

今にして思えば、この時点で深入りし過ぎていると自覚してもおかしくなかったのに。

――――――――――
憩「久しぶり。家に来たのは初めてやね」

憩「可愛らしい部屋やねえ。住んでる子が可愛いからやろか」

憩「なー」

前はこんな事は絶対に言わなかった。いや、接してる人の家に行く事さえ無かった。

この後も料理を振る舞って一緒に風呂に入って、やっぱり一緒に寝た。

それを彼女が感じていたのと殆ど変らないぐらい自分も幸せだと感じた。

もう手遅れだったかもしれない。こんなにプライベートでも関わるなんて。

やがて彼女は段々と明るくなり、体調は元の様に戻っていった。

でも心はまだ溶けきっていなかった。それを何とかして一つの仕事が終わる。

そのためにもう一人の人物に会いに行った。

――――――――――
照「……話は分かった」

憩「ありがとうございますーぅ」

照「でも、私はそれでも咲と関わるのは抵抗がある」

憩「それは……彼女への誤解からで」

照「詳しい話も真実も、全て聞いていた」

憩「な、なら!」

照「……」

憩「あの日……あなたは何て言ったんですか?人の心を折るなんて」

照「何も言って無い」

照「……黙殺した」

憩「どうしてや!」

照「私自身……どうしたらいいのか分からない」

照「どうするべきか……まだ判断出来ていない」

憩「……あんたは……それであの子を…………」

照「……」

憩「一週間後、また来るわ。今度は彼女を連れて来る、逃げたら殺す」

憩「あと一週間考えて結論を出すんや。どっちでもええから」

憩「このまんま答え保留にしとっても状況は変わらん。一週間でどっちか決めろ」

照「……」

憩「あんたの出した答えが否定でも、うちは文句言える立場やない……とにかく」

憩「そんなアホくさい理由でこれ以上あの子を壊し続けんなや」

照「……」

憩「帰る」

そしてこの一週間、怯える彼女を宥め賺し照と二人きりで話す事を了承させた。

そのために一週間丸々彼女の側にいた。幸せだった。

――――――――――
約束の一週間がやって来た。

照は来るだろう。それは脅しをかけたからでなく、彼女の心にも微かな動きがあったから。

今日のために共通の知り合いに無理を言って邸宅の一室を借りて取次ぎをお願いした。

憩「さ、この部屋や」

憩「あと五分……」

憩「怖いやろうけど、ここだけ我慢しよ、な」

憩「戻ってきたらまたこうしてあげるから、行こうな?」

憩「心配せんでも、きっと大丈夫や。もう前みたいな思いはせんよ」

憩「もし駄目やったらその時は……そやね、一緒に死のか」

そして儚く笑った彼女を送り出してようやく一息ついた。

多分戻ってくるまでにそう時間は掛からない。

そして結果次第で、もう一人も追っ付け救われることだろう。或いはもう一人も。

それにしても自分がここまで変わるとは思わなかった。今までの事だけじゃない。

照に向かって脅しを掛けた事も、中立でないといけないのに片方の側に立って言った事も。

本当に咲は私を狂わせる。私を心から凄惨な幸せに満たしてくれる。

まさか一緒に死ぬなんて言ったり、実は密かにそれもいい、なんて思ったりするなんて。

元々が長めで書いてる分を短編用にアレンジして要所要所をぶつ切りにしたものなのでクオリティも低く申し訳ない

咲「菫さん、最近ちょっとお疲れ気味ですね」

菫「ああ。受験勉強で忙しくてな」

咲「あの、元気がでるおまじない…しましょうか?」

菫「おまじない?そうだな、それじゃあ頼もうかな」

咲「目を閉じてくださいね。絶対開けちゃ駄目ですから!」


真剣な咲の様子を見て、菫は言われたとおりに目を閉じる。

ふと柔らかい感触がくちびるに触れた。

目を開けると、頬を真っ赤に染めた咲の顔。


咲「じ、じゃあ私、今日はもう帰ります!」


菫に何かを言われる前にと思ったのか、早口でそう言い捨て。

咲はそのまま走り去った。


菫「…おかげ様で疲れが吹っ飛んだよ」


咲が触れた唇に指で触れながら、菫はそっと呟いた。

数日後

菫「咲。私からもして良いかな?」

咲「えっ、何をですか?」

菫「咲にもっと私を好きになってもらえるおまじないだ」


咲が何かを言うまえに、菫は早業でその柔らかなくちびるにキスをした。

かあっと顔を赤く染めながら、小さい声で咲は呟いた。


咲「そんな…ことしなくても……好きなのに、これ以上…困ります…」


そんな咲に菫はくすっと笑んだ。


咲「なっ、嘘だったんですか?」


菫の笑い声に、咲は敏感に反応する。


菫「まあ、嘘と言えば嘘になるかな」

咲「そんな…ひどいです」


口を尖らせて、咲が拗ねた態度で抗議する。


菫「だって、私の方がもっと咲を好きになってしまったからな」


にこりと顔を綻ばせて菫が言う。

数日前の時以上に真っ赤になった咲が、そこにはいた。


カン

目の前で泣いている少女がいる。トヨネが拾って来た少女。

皆が一生懸命慰めているけれど、涙は一向に止まらない。私は見ていることしか出来ない。

シロみたいな包容力も無い。塞みたいに安心させられる言葉も浮かばない。

絵も上手には描けない。トヨネがそうしているみたいに、抱きしめて頭も撫でてあげられない。

手を伸ばしてもただ滝の中の一粒を掬い取るだけ。何の意味もない。

だから見ているしかない。ないけど、皆がどう頑張っても泣き止ませられない。

皆がチラチラと私を見る。皆が無理ならどうしたって無理なのに、何かさせようとする。

私には彼女をあやすなんて出来ない。慰めるなんて出来ない。

叱ることしか、出来ない。

「こら!いいかげん泣かないっ!」

いつも以上に声を張り上げて彼女を黙らせた。彼女はびっくりして息を詰まらせた。

泣き止んだとは決して言えない、泣く事も出来なくなっただけとしか思えない。

目を見張る彼女の目の前で仁王立ちで、いつもらしく振る舞った。

「早く詳しい事情を話す!どうして泣いてたの!」

拙作ですが

明華『ここはどこ?……ニホン、ニホンというの。ナガノ?』

明華『ワクワクするものはおおいけど……』


明華『ここはどこ?ホ…どうして?……そう、わかったわ。ううん、いいの』


明華(しらないいえ…しらないことば…あれは…なに…?)

「          」

明華『わからない…ごめんなさい、わからないの。それより、あれはなに?』

「             」

明華(……わからない……なにをするの?)

明華『……なにをするものなの?おべんきょうではないみたいだけど』

「                 」

明華『おんなじえがみっつ……ふたつ……ならべるの?そうやってあそぶのね?』


「                  」

明華『わたしもやるの?わかったわ。でも、なにもわからないから、ここにいてね?』


明華『たのしかったわ。またあそびましょう。でも、こんどははなしたりしたいわ』

明華『わたしがニホンのことばをおぼえてまたくるわ』


明華(なまえ、なんていうのかきいてなかったわ。でも、またきてきいたらいいわね)

――――――――――
智葉「それでその子を探すために日本に来たのか」

ハオ「日本に来たのも麻雀を始めたのも、その女の子がきっかけなんですね」

明華「はい、そうなんですよぉ」

智葉「その子には会えたのか?」

明華「いえ……手がかりも何も無く。というか、殆どを忘れてしまっていますから」

ハオ「ですけど、きっとまた会えますよ。長野っていう事が分かっているなら」

智葉「インハイが終わったら探しに行くのもいいんじゃないか」

明華「いえいえ、きっとインターハイで再会出来ます。長野県から東京へやって来ます」

智葉「言いきるじゃあないか。根拠があるのか」


明華「あの子は私と近い歳でした。そして年上にそれらしい人はいませんでした」

明華「だから、今年か来年か……必ずインターハイに出場してくるはずです」

ハオ「……それだけですか?」

明華「とても……とても麻雀が強くて、そして、笑顔で楽しそうでした」

智葉「だが家族麻雀で強いかどうかは分からんだろ」

ハオ「今でも麻雀を続けているかは……」

智葉「そもそも引越しとかで他の県やら、国に行ってるかもな」

ハオ「そもそも、会えたとしてその子が覚えているかどうか」

明華「……」

智葉「悪かったよ……」

ハオ「な、泣かないで下さい、ね?」

明華「……きっと、会えます…………きっと……」

――――――――――
智葉「インハイ出場校だが……白糸台は当たり前として今年もでかい番狂わせは無かった」

智葉「大阪の千里山と姫松、福岡の新道寺、鹿児島の永水……想定通りと言える」

ハオ「そうですね……ですけど」

智葉「初出場、それに近い高校が多い。個人戦は別にして団体戦だけで見ても例年よりな」

智葉「特筆すべきは奈良の阿知賀女子だ」

明華「晩成高校を破り十年ぶりに出場、ですか」

智葉「奈良は激戦区じゃないが、気にしておく必要はある」

ネリー「大将が強いかどうかだけでいいよ。強いといいなあ」

智葉「さあな。だが県予選決勝の映像を見る限り、岩手の宮守は強いだろう」

ネリー「本当に!?」

智葉「気になるなら後で映像を見ておけ」

明華「この有珠山高校は」

智葉「南北海道の有珠山は気にする必要は無い、中堅まででケリが付く」

ハオ「強くないんですか?」

智葉「副将と大将はそこそこだが、前三人ははっきり言って全国レベルじゃない」

メグ「……」

智葉「長野が気になるか、メグ」

メグ「ハイ……龍門渕ハ」

智葉「個人戦にも誰一人出てない。風越と天江衣を倒して出場したのは清澄だ」

ハオ「初出場ですね」

智葉「中々面白いチームだぞ」

ハオ「面白い……注目している選手は誰ですか?」

智葉「中堅だな。一筋縄ではいかない相手だろうよ」

ネリー「大将は?強いよね?」

智葉「県予選の決勝の映像が途中から不鮮明な上最後まで映ってない」

智葉「が、数字だけを見ても強いのは確かに分かる」

智葉「龍門渕の面子は去年と同じ天江衣が大将。それを相手にプラス収支で優勝だと」

ネリー「期待していいんだよね……?」

智葉「個人戦も風越の部長とインターミドル優勝者に次ぐ三位、程度の情報しか無いがな」

明華「その映像はありますか?」

智葉「一応な」

――――――――――
私の愛しい人、私はあなたを愛しています

名前も年も、何も知らないけれど、私の全てをあなたに捧げます

私の苦しみを終わらせてくれると分かる、私の隣を歩いてくれる人

早く私のそばに来てください、私の全てを捧げる愛しいあなた


ハオ「ここまで声が聞こえてくるなんて、余程良い事があったんでしょうね」

智葉「見付けたんだろう」

ネリー「何を?お金?」

智葉「本人に聞け。他人が言うのは野暮だ」

ハオ「ある意味似たようなものですね」

――――――――――
「ツモ、嶺上開花」

あなたへの愛があふれてくる

「えっ?」

ああ、私と一緒に来て

「そうなんですか……?」

わたしに抱きしめさせて

「あっ……」

どこにも行かないで

「……私も」

一人で泣いていました

「はい……」

ずっと待っていました

「はい」

愛しいあなた

「はいっ」

13巻でみょんみょん泣いてたのはそういうことじゃないかな

投下しますよーぅ

ゆみ「……そろそろ機嫌を直してくれないか?」

咲「………」

ゆみは自分に背を向ける咲に何度目かのお伺いを立ててみる。

だが返って来るのは無言ばかりで小さくため息をついた。

レースのカーテンが風を受けてふわりと揺れる。

大きなベッドに2人並んで横になって、お互い身に着けているものは何もなくて。

真っ白いシーツから覗く咲の肩が朝日を浴びてゆみの目に眩しく写った。

邪な気持ちが少しだけ芽生えるが、今そんな場合ではない、と頭を振って気持ちを切り替えた。

ゆみ「顔を見せてくれないか?」

せめてこっちを向いてほしい。

そう思いながら、形の良い丸い後頭部を撫でた。

咲「……ゆみさんが悪いんです」

ぽつりと落とされた言葉に、ゆみはハッと目を見開く。

数時間ぶりに聞けた咲の声に、責められているというのに思わず笑みを浮かべてしまった。

咲「………私。すごく楽しみにしてたのに」

ゆみ「そうだったな」

咲「荷物も昨日のうちにちゃんと用意したし」

ゆみ「ああ」

咲「朝起きてすぐに出かけられるようにサンドイッチだって作ったんです」

ゆみ「うん」

咲「せっかくいい天気なのに……。ゆみさんのバカ」

枕に埋めた顔をちらりとゆみに向け、咲は精一杯の悪態をついた。

今日は久しぶりに2人の休みが重なった貴重な日で、

二人でピクニックに行く約束だった。

お互い学校も住んでいる地域も違うので、会える時間は限られてくる。

当然フラストレーションも貯まってくるわけで。

久しぶりの休前日、つまり昨夜は大層燃え上がってしまった。

求め、求められ、正直最後の方はどちらもよく覚えていない。

少しだけ「あ。これはやばいかも」とゆみは思ったが、自分の欲望には勝てなかった。

ずっと会いたかった可愛い恋人が、目の前でなりふり構わず乱れている姿を見て我慢できるはずがなかった。

途中、何度か咲が「もう無理です」と言っていたが、聞こえないフリをして行為を続行した。

存分に恋人の身体を堪能して、意識を失くすように眠りについた。

目が覚めてもまだ腕の中に居る恋人に幸福感を感じていると。

咲「……腰が重くて動けません」

それはそれは恨めしそうな顔でそう言われて、そっぽを向かれてしまった。

そして冒頭に戻る。

ゆみ「すまなかった」

咲「全然悪いと思ってないですね」

ゆみ「思っているよ」

咲「ウソです。目が笑ってます」

そう言うと、またぷいっとそっぽを向いた咲はもぞもぞと布団に入り込んでしまう。

そんな咲をなんとか引き留めようと、自分よりも華奢な肩に腕を回して引き寄せた。

ゆみ「本当にすまなかった。今日は何でも言うことを聞くから、許してくれないか?」

肩口に顔を埋めて懇願する。

ゆみ「咲」

ちゅ、ちゅ、と瞼にキスを幾度も落とす。

ゆみ「今度の連休は2日とも一緒にいるから。今度こそピクニックに行こう」

咲「……本当ですか?」

少しだけ咲の声が明るくなる。

ゆみ「ああ」

咲「朝から夜まで?」

ゆみ「もちろんだ」

だから機嫌を直してくれないか?

そう言って、もう一度咲の髪を撫でる。

すると、もぞもぞと動いて振り向いた咲がシーツからひょこりと顔を出した。

咲「……ごめんなさい」

ゆみ「どうして謝るんだ?」

咲「ゆみさんをちょっとだけ困らせたかったんです。本当は一緒に居られるなら、何でもいいんです」

そう言って、上目使いでゆみの表情を伺う咲。

その様子が愛らしくて、ゆみは眉を下げて笑った。

ゆみ「知っているよ。だから今日出かけるのを楽しみにしていてくれたんだろう?ありがとう」

ぎゅうっと、腕の中にすっぽり収まる身体を抱きしめる。

苦しいと抗議の声が聞こえてくるけれど、クスクスと笑う声も同時に聞こえたから、

ゆみは少しいたずらに抱きしめる力を強くした。

咲「お腹すきました」

ゆみ「ああ。私もペコペコだ」

咲「サンドイッチ食べましょうか」

ゆみ「そうだな。だがその前に風呂に入ろう」

咲「じゃあ、連れてってください」

そう言って子供のように腕を伸ばして、甘やかしてくれるんですよね?と咲が首を傾げる。

その仕草がどれほどゆみの心を揺さぶったか、本人は分かっていないのだろう。

ゆみ「もちろん」

シーツごと咲の体を抱き上げてバスルームに向かう。

結局、お風呂でもたっぷり隅々まで甘やかされて、

サンドイッチを食べたのはお昼を過ぎてからでしたとさ。


カン!

微エロ入っちゃいました。苦手な方いたらごめんなさい。

こんにちは、宮永咲です。わたしは今、インターハイに出ています。そこで麻雀したり他校の人と仲良くなったりしています。そんなある日のこと。
「う~、また道に迷っちゃったよ~」
わたしは何故か迷子になりやすく、そのたびに周りの人に助けて貰っています。今日はホテルから徒歩5分のコンビニに行くだけなのに、見知らぬ公園に来てしまいました。
わたしはそこで姫松高校の愛宕絹恵さんを発見しました。以前会場内でトイレを探しているところを、助けてもらったことがあります。
その時に、実の姉が大好きな共通点から、仲良くなりました。でも今日は今にも泣きそうな顔をしています。なにかあったのでしょうか。
「実は今日、いとこがいる高校を応援しにいったんや。そこでその子が、お姉ちゃんとキスしてるところを見てしまったんや。あまりのショックで、その場から逃げ出してしもうてん」
「わかりますよ。わたしもお姉ちゃんが後輩の子と付き合ってると聞いた時は、かなり泣きましたから」
わたしが絹恵さんを抱きしめると、絹恵さんは子供のように泣き出しました。わたしより10cmも背が高く、胸も大きな絹恵さんが、とても小さく見えました。
インターハイが終わると、絹恵さんはわたしと一緒に清澄に通うことになりました。家にいるとお姉さんと顔を合わせるのがとても辛いからだそうです。部室に入ると和ちゃんが鋭い目つきで絹恵さんを睨んでいる気がするのは気のせいでしょうか。
それから数ヶ月後、染谷先輩の喫茶店で絹恵さんの誕生日パーティーをすることになりました。私達が恋人同士になってからはじめてのことです。
その帰り、わたしたちは手を繋いで2人きりで話しながら家に帰りました。
「咲ちゃん、またあの時みたいに抱きしめてな」
「いいですよ」
「咲ちゃんってホンマ、あったかいわ」



咲「……」

胡桃「……」


咲「どうして私の膝に座ってるんですか?」

胡桃「これは……」


胡桃「充電という特訓の一貫!」

咲「と、特訓ですか?」



胡桃「そう、特訓!私は膝に座ることで、椅子になった相手の雀力を吸収する力を持つ!そして今年度インハイチャンプの貴女は強大な力を持ってる、だからこうして座ることで膨大な力を慣らし自分のものにするという特訓をしているの!」

咲「は、はあ……」



塞「と、言うのは口実で宮永さんに甘えたいだけなんだけどね、胡桃は」

豊音「ちょーうらやましいよー私も宮永さんに抱っこされたいよー」

エイ「クルミサキヒトリジメ!ズルイ!」

白望「ズルい……いやダルい……」


久「確かに咲の膝は気持ち良さそうよね、長野に戻ったら膝枕して貰おうかしら?」

和「もが!もがもが!」

まこ「気持ちは分かるが落ち着かんか!」

優希「……もう黙ってられるかー!咲ちゃんは清澄の部員なんだから離れるんだじぇ!」


胡桃「うるさいそこ!静かにする!」

優希「静かになんかしてられるわけないじぇ!せめて片脚だけでも譲れ!」


胡桃「わーわー」

優希「わーわー」


咲(……なんか、二人とも可愛いかも?)


胡桃「ぎゃーぎゃー」

優希「ぎゃーぎゃー」


咲(えへへ、妹でいるよりお姉ちゃんになった方がいいかな……)



照「!」ガタ

菫「?」

淡「どうしたの?テル?」



おしり


>>3-9咲智葉 17:逃げる

>>12-17佳織咲 32:悩む

>>26咲友香 7:戯れる

>>34咲怜ハー 23:妬む

>>53咲華菜 2:諦める

>>81-83煌咲 25:騙す

>>88-90咲灼 6:出会う

>>118-121美穂子咲 42:望む

>>226-230咲煌 4:輝く

>>247-248咲衣 46:呼ぶ

>>268-278咲淡 30:求める

>>292-297咲咏 8:慕う

>>303-304咲? 41:振られる

>>311-316咲健夜 1:追いかける

>>330-340咲久 33:守る

>>354-356咲煌 6:出会う

>>364-365やえ咲 50:気にする

>>371-373日常? 19:弄ぶ

>>377-380咲衣 9:眠る

>>386-391咲小蒔 30:狙う

>>401-403咲まこ 42:望む

>>413-424咲小蒔 36:手に入れる

>>430-435咲ハオ 48:焼き付ける

>>443-446咲衣 14:狂わせる

>>452-463咲憇 22:寄り添う

>>478-484咲恭子 38:確かめる

>>495-500咲智葉 16:叶える

>>506-510衣咲 21:拗ねる

>>521-527咲由暉子 43:願う

>>534-543咲淡 16:叶える

>>562-567咲優希 26:傷つく

>>574-576怜咲 24:惹かれる

>>607-612咲憩 14:狂わせる

>>673-674菫咲 49:茶化す

>>684-690胡桃咲 43:願う

>>705-712明華咲 44:想う

>>728-731ゆみ咲 5:甘える

>>739絹恵咲 13.だきしめる

>>754胡桃咲優希 20:ときめく



○お題

3:懐かしむ
10:照れる
11:惚れる
15:夢見る
18:囁く(ささやく)
27:壊れる
28:奪う
29:微笑む
31:見つめる
34:恋する
35:待つ
37:秘める
39:撫でる
40:捨てる
45:探す
47:持て余す


○キャラ

智葉:2
佳織:1
友香:1
怜:2
華菜:1
煌:3
灼:1
美穂子:1
衣:4
淡:2
咏:1
その他:2
健夜:1
久:1
やえ:1
小蒔:2
まこ:1
ハオ:1
憇:2
末原:1
由暉子:1
優希:2
菫:1
胡桃:2
明華:1
ゆみ:1
絹恵:1

あるSSを読んで酷くダメージを受けたのでセルフ癒しとして投下

二人で会うのはいつもの場所。二人きりで、今日も。

咲「じゃあ、ちょっとこれを着てみて」

この人はたまに変わった事を言ってくる。

由暉子「これ、清澄の制服ですか。どうして着なきゃいけないんですか」

咲「似合うかなって思ったんだけど……駄目?」

少し困ったように眉を下げる仕草にはどうしても勝てない。卑怯です。

由暉子「……仕方無いですね」

咲「やったあ!早速着替えてね」

由暉子「いいですけど、向こう向いてください」

咲「はいはーい」クルリ

由暉子「はぁ……」

咲「嬉しいなあ、岩舘さんの作った服を着る条件を飲んだだけはあるよー」

由暉子「はあ、そうですか」

それで先輩がさっきあんなに上機嫌だったのかと納得した。

咲「もういい?もういいよねっ!?」クルッ

由暉子「まっ、まだ途中です!」バチン

思わず頬を叩いてしまった。乾いた音が大きく室内に響いた。

咲「あたっ!」

由暉子「あっ……」

と思った時にはもう遅くて、彼女は頬をさすりさすり前に直った。

咲「痛いよユキちゃん……」

泣きそうな声で呟く。罪悪感で一杯になって何とか謝ろうとする。

由暉子「ごめ

咲「これは後でたっぷりお返ししないと……覚悟しててね?」

由暉子「……」

前を向いたままだから、どんな顔で言ったのか分からない。でもきっと暗い顔をしてる。

咲「?」

いつも、こういう空気を感じたらすぐに変な事を言って私の気を逸らそうとする。

由暉子「着替え終わりましたよ」

咲「どれどれ……わあ」

由暉子「ど、どうですか……?」

訳もなく緊張してしまう。何でもない制服なのに。

咲「可愛いっ!すごく似合ってるよユキちゃん!」

由暉子「そ、そうですか……」

本当は蕩けそうなほど嬉しい。でもだらしない姿を見られたくないから取り繕う。

咲「じゃあ早速お返しの時間だよ」

由暉子「……あ」

咲「ユキちゃん?」

由暉子「あんまり……酷い事しないでください……///」ギュ

咲「っ」

咲「もう可愛すぎだよユキちゃん!」ガバッ

由暉子「あわわわ」カアアア

咲「気にしてないから安心してよユキちゃん」ナデナデ

由暉子「で、でも、顔赤くなって」

咲「ユキちゃんはちょっと驚いただけだよ。これぐらいで嫌いになんてならないから」

咲「安心していいよ」

由暉子「……」

こうして優しくしてくれる。あなたに甘えてばかりの私を認めてくれる。

由暉子「別に、宮永さんに嫌われても」

だから、だからこんな、心にも無い事を言ってしまう。本当は嫌われたくなんてないのに。

咲「失礼します」ススッ

由暉子「どっどこに潜り込んでるんですかっ!」

いきなり何をするんですかあっ!

咲「ユキちゃんの制服だよぉ」ギュッ

由暉子「やめて下さい抱きつかないで下さい頭を押し付けないで下さい!」

恥ずかしいです!くすぐったいです!

咲「これ!この空間だよ!」

由暉子「早く出て下さい!」

息がお腹にかかって変な感覚です!

咲「そう言いながら引き剝がさないユキちゃんが好きだよ」

由暉子「~っ!!」

咲「落ち着くよ~」

由暉子「どっ、どうしてこんな事を!」

咲「うん、一昨日制服姿の和ちゃんを見てふと気付いたんだ」

咲「前に聞いたんだけど、和ちゃんの制服って特注らしいんだ。詳しいことは忘れたけど」

咲「それで思ったんだ、この制服とお腹の間の空間に入れるんじゃないかって」

由暉子「それなら原村さんに頼んで下さい!」

咲「私はユキちゃんがいいの」

由暉子「……」

不意に真面目なトーンで言われると、思わず黙ってしまう。

咲「こうしてユキちゃんに触れて、ユキちゃんを確かめたいんだよ」

咲「滑らかさ、柔らかさ、温かさ……少し速くなる鼓動だとか、匂いだとか」

咲「ユキちゃんがユキちゃんで、ここにいるって」

由暉子「咲さん……」

何かがあったらしいとは聞いた。それが原因でこんな風な事をしたのなら、私は……

咲「それにね、安心するんだ……ユキちゃんがいてくれると」

咲「あ、他の人には内緒だよ?こんな恥ずかしい事、ユキちゃんにしか言えないんだから」

由暉子「私に言うのは恥ずかしくないんですか」

そういえば、先輩方の前ではこんな振る舞いは全くしていない。私だけが知っている。

咲「うん。こんな事を言っても笑わないし許してくれる、だから安心するんだ」

咲「だから私はユキちゃんが好きなんだよ」

由暉子「っ!///」

それはきっと、自然な笑顔。きっと、嘘は言っていない。だから、惹かれる。

咲「そろそろ出るよ。あんまりお邪魔したら迷惑だし」

由暉子「是非そうしてください」

やりたい放題だったくせに、今更そう言ってやっと出てきた。

咲「ふう……今のも良かったけど、ユキちゃんの顔が見られる今の方がいいかな」

由暉子「何ですかそれ」

照れ隠しになっているだろうか。でも逆に愛想が悪いと思われてないだろうか。

咲「ふふっ何だろうね」

柔らかく笑ってる。やっぱりあなたにはその顔が一番似合っていますよ。

咲「……ところで、ユキちゃんはどうかな?」

咲「私はユキちゃんのこと、好きなんだけど」

何かを期待する目で私を見るけど、ごめんなさい。

由暉子「私、は……嫌いじゃないですよ」

今はまだ、そんな勇気はありません。でもいつかきっと、私から伝えますから。

咲「そっか、良かった。ちょっと安心したよ」

不安にさせてごめんなさい。もう少し待ってください。

由暉子「……そうですか」

咲「あれ、何かおかしい事言った?」

由暉子「いえ、別に」

私はちゃんとあなたの事が好きです。それは変わらないし、その事を間違いだとも思いません。

咲「そう?」

由暉子「はい」

ただ、まだ少し、もう少しだけはこのまま、淡い秘密にさせてください。

以上です

10何時間しかかけてないのでこの程度のクオリティですが勘弁してください

シャワー浴びたら予想以上にストレスを受けてたと知って憂鬱になったのでまた投下

咲「ごちそうさまでした」

美穂子「お粗末様でした」

咲「ふぁ……眠い」

美穂子「あらあら。食べてすぐに寝るのは良くないわ、お風呂に入りましょう」

咲「うん……」


美穂子「痒い所は無い?」

咲「うん、気持ち良い」


美穂子「あら、私の背中を?」

咲「うん」

美穂子「折角だからお願いするわ」

咲「うん!頑張るよー」

美穂子「お願いね」


美穂子「肩までしっかり浸かって……」

咲「お姉ちゃあん」ギュッ

美穂子「あら」

咲「お姉ちゃん……」

美穂子「どうしたの?」

咲「……」

美穂子「何かあったの……?」

咲「……イヤな夢を見ちゃった」

美穂子「……そうだったのね」ナデナデ

咲「うん……お姉ちゃんに嫌われる夢……」

美穂子「……」

美穂子「大丈夫よ。咲がお姉ちゃんを好きな気持ちと同じぐらい……」

美穂子「いいえ、それよりももっともっとお姉ちゃんは咲が好きなんだから」

咲「ほんとうに……?」

美穂子「ええ。だから安心して」ニコッ

咲「うん……」

美穂子「よく温まったわね」ポカポカ

咲「うん」ホカホカ

久「ただいまー」

咲「お姉ちゃん!」ダダッ

久「おっと。遅くなってごめんねー。あらいい匂い。お風呂上りね」

咲「お帰りなさい」

美穂子「お帰りなさい」

久「ただいま。大丈夫だった?」

美穂子「ええ、何も無かったわ」

咲「お姉ちゃん」

久「はいはい」チュッ

咲「えへへ」

美穂子「ご飯の用意しますね」

久「ええ、お願い」

久「咲、今度の日曜に本屋さんにでも行く?そろそろ本も全部読んだんじゃない?」

咲「うん!」

久「よしよし、じゃあついでにお昼ご飯も食べていきましょうか」

咲「うん!でも夜ご飯はお姉ちゃんのご飯がいい!」

久「あらまあ。どうして?」

咲「だって、お姉ちゃんのご飯が一番おいしいもん」

美穂子「あら嬉しいわ」

咲「本当だもん」

美穂子「じゃあ明日はうんと頑張らなくちゃ」

久「ええ、そうね」

美穂子「何か食べたい物はあるかしら?」

咲「えっとね……ハンバーグ!」

久「大きくて上に目玉焼きが乗ってるのね」

咲「うんっ」ニンマリ

美穂子「うふふ、分かったわ」

久「咲、咲」ユサユサ

咲「うん……?」

久「寝るなら布団で寝なさい」

咲「うん……」

美穂子「お布団敷いておいたわ、こっちよ」

咲「はーい……」

久「おやすみなさい」

咲「おやすみなさーい……お姉ちゃんもあとで来てね」

久「分かってるわよ。それと、明日はもっと早く帰るわ」

咲「うん……待ってる……」

―――――
久「お疲れ様」

美穂子「そんなこと、楽しかったわ」

久「そう言ってくれると助かるわ」

美穂子「いえ……それに、私があの時あんなことを」

久「美穂子。何度も言うけれど、あなたには何の責任も無いのよ。それこそ、

美穂子「……例えそうだとしても、例え過去に責任を取るつもりだったとしても」

美穂子「今はもう別の気持ちがありますから」

久「美穂子……ありがとう」

美穂子「久……二人であの子を守りましょう」グッ

久「ええ。必ずあの子を……二人で」ギュッ

美穂子「あ、いけない。布団で待たせたままだったわ。ちょっと行ってきます」

久「いいわ、後はやっておくからそのまま先に寝ていて。お風呂に入ってから行くから」

美穂子「はい、それじゃあおやすみなさい」

久「ええ、おやすみなさい」

以上でー
そもそもこんなにすっと浮かんで書けてるのが異常という矛盾

あるSSは荒れるからタイトルは挙げないけどハオが酷い目にあってる描写があるやつで
いくら二次創作といえど好きなキャラが…というのは非常に心が痛むわけで
もうメゲる寸前

ところで、久咲はそれだけでストーリーを作れるのにキャプ咲を考えようとするとどうしても部長を入れて
三人で幸せになるストーリーしか浮かばないのは何故

投下します

咲「ねえねえ和ちゃん」

和「何ですか咲さん?」

咲「私のこと咲って呼び捨てにしてみて?」

和「えっ・・・」

咲「・・・駄目?」ウワメヅカイ

和「わ、わかりました!///」

和「さ・・・」

咲「・・・」ワクワク

和「さき・・・」

咲「・・・っ」パアッ

和「・・・・・・・・・・・さん///」

咲「・・・」

和「・・・」

咲「・・・・・・もういいよ。和ちゃんのヘタレ」

和(うう、咲さんに拗ねられてしまいました・・・」シュン

咲「ねえねえ和ちゃん」

和「何ですか咲さん?」

咲「その卵焼き一つちょうだい」

和「いいですよ」

咲「あーん」

和「えっ」

咲「あー」

和「・・・」

咲「・・・」

和「・・・・・・こ、ここに置いておきますね///」

咲「・・・」ジトー

和(私って、ほんとヘタレ・・・)

咲「ねえねえ和ちゃん」

和「何ですか咲さん?」

咲「そのペットボトルちょっとだけ飲ませて?」

和「いいですよ。はい」

咲「ありがとう。んくんく・・・」

咲「・・・ぷはっ。ふふ、これで間接キスだね」ニコッ

和「・・・っ///」ボッ

咲「ね、和ちゃん」

和「」

咲「・・・和ちゃん?」

和「」

咲「気絶してる・・・ヘタレにも程があるよ和ちゃん・・・」

カンッ!

咲和はまだ出てなかったかなーと。
お目汚し失礼しました。

感想どうもです
※以下ここまで未使用のお題

3:懐かしむ
11:惚れる
15:夢見る
18:囁く(ささやく)
27:壊れる
29:微笑む
31:見つめる
34:恋する
35:待つ
39:撫でる
40:捨てる
45:探す
47:持て余す

菫「照に嘘を吐かれた」

菫「淡には本当の事を言ったくせに私には妹はいない発言。舐めてるとしか思えない」

菫「よって、日頃の苦労の分も兼ねて懲らしめてやる。協力してくれ」

久「……」ペラ

菫「あいつ、公には妹はいないと言っていたが……その実、重度のシスコンだ」

菫「そのあいつを、あいつにとってこの上なく残酷なやり方で罰する」

久「……どんなやり方を考えてるのか知らないけど、自分でやればいいじゃない」ペラ

菫「私だけだと確率が低い……恐らく失敗する」

菫「だが久が協力してくれるなら確率は格段に跳ね上がる。しかも久自身にも旨みがある」

久「……何をするの?」パタン

菫「あいつから、あいつの妹を取り上げるんだ」

久「え?ちょ、ちょっと待ってよ!それってつまり、照から咲を奪うって事でしょ!?」

菫「実際にやるのは私だ。連絡を取って適当にしてくれたらそれでいい」

久「いやいやいやいや……私は最上級生で議会長で部長、いわば咲を保護する立場なのよ?」

久「しかも!咲はようやく照と和解したばかりで毎日その事を笑顔で話してくるのよ!」

久「それまでの苦悩とかその後の二人の幸せは私達の想像を遙かに超えているわ!その咲を!」

菫「略奪する」

久「乗った」


菫「淡によると、照の部屋には生まれてから中学生までの妹の写真が飾ってあるそうだ」

菫「さらに私も見た事があるが、あいつは服に隠していつもペンダントを着けている」

菫「どうやら中に妹と自分のツーショット写真を挟み込んでいるとかいう噂だぞ」

菫「インハイ後も部員の前ではいつも通りを装っていたが時折顔が緩んでいた」

菫「そんなに可愛い妹が自分を姉と慕わなくなったら……かなりのダメージだろう」

久「それはそうでしょうね」

菫「さっきも言ったが、お前には妹に取り次ぐ役をしてもらいたい」

菫「用件は何でもいい、あいつの昔の話を聞きたいとか逆にこっちの話をしたいとか」

菫「後は上手く取り入るさ。姉と呼ばれるくらいの関係になればいい、それでも充分だろう」

久「それだけでも照には大ダメージよね、咲からの愛情が薄れた~とか思って」

久「それで、私の旨みは咲を可愛がれて、何ならお姉ちゃんて呼んでもらえるって事でいいのね?」

菫「いや後半は言ってな……ああ。姉と呼ばれるのは多い方がいい、好きにやれ」

菫「何なら他の物でもいいがな……他のチームを含めたうちと練習試合とか」

久「じゃあそれも遠慮なく」

菫「交渉成立だ」

久「よろしくね、菫」スッ

菫「頼むぞ、久」グッ

菫(久を通じてなら必ず咲に取り入れる。そして今の時期。私に対しても隙が生まれている筈)

菫(絶望を味わえ、照……!)

まあこんなとこで
当事者が一切出てないのは仕様なんでー

―――――
菫「好きにやれとは言ったし作戦も成功はしたが……」チラッ

照「」

咲「久お姉ちゃんっ」ダキッ

久「よーしよしよし、咲は可愛いわねぇ」ナデナデ

咲「久お姉ちゃんも可愛いよ」ナデナデ

照「」

久「えへへ」ニヘラ

菫「腑に落ちない」

久「咲ぃー」ゴロン

咲「あ、久お姉ちゃん、その手に持ってるのって」ナデナデ

久「そうよー」スッ

久 咲「「手作りクッキー!」」

咲「美穂子お姉ちゃん来てたんだね」スリスリ

久「用事があるから、って。『皆で食べて下さいね。それと、今度咲に泊まりに来てほしいです』だって」ガバ

久「ほら、菫も照もいらっしゃい」

菫「どうも何か……不二雄智内」

照「菫……」

菫「何だ」

照「これが……これが貴様の望んだ未来かっ……!」ギリッ

菫「いや違う」

照「……賀天外香内」ショボン

久「あーん」

咲「あー、んっ」パクン

咲「美味しいっ!」ニコリ

菫「もう少しだな、こう……」

咲「菫お姉ちゃーん」タタタタ

久「二人とも何やってるのー?」

咲「菫お姉ちゃん、はいっ」ニコッ

菫「」プツン

照「さ、咲……私には……?」

咲「お姉ちゃんはお菓子食べすぎだよ。だから我慢して」

照「」

菫「咲!」グイッ

咲「わわっ、なに?」ギュッ

菫「別荘に行こう」

咲「別荘?」

菫「南の離れ島に買ってあるんだ。そこに二人だけで住もう」

咲「えー……」

菫「私じゃ……いやか……?」ウル

咲「イヤじゃないよ!でも……」

菫「でも……」

咲「……み、皆と一緒がいいの///」

咲「ダメ……?」

菫「」ガクン

咲「菫お姉ちゃん!?」

菫「……これだ」

咲「大丈夫!?ごめんね、私が」

菫「いいぞ、皆ずっと一緒だ」ニタア

久「私も一生一緒よ咲ー!」ギューッ

咲「うん///」テレテレ

照「うぅ……」ジワ

照「ぁ……ああああんまりだあああああ!咲のお姉ちゃんは私なのにいいいいいいい!」

照「咲いいいいいいいいお姉ちゃんを捨てないでええええええええええええええええええ」


尭深「なんたるカオス」

誠子「誰も彼も壊れてるな……これじゃあ当分近寄らない方がいいだろう」

昼寝をしていただけで最初に全部書いてました

―――――
照「もうやめてよぅ……あやまるから……いじわるしないで…………」メソメソ

咲「お、お姉ちゃん……」

照「ごめんね……いもうとはいないっていって、つらいおもいさせちゃったよね……」サメザメ

咲「お姉ちゃん……泣かないで、お姉ちゃん。もういいんだよ」フワッ

咲「お姉ちゃんの本当の気持ちを知ってるから……お姉ちゃんも苦しかったもんね」

咲「私は皆とずっとずっと一緒にいたいけど、その中にはお姉ちゃんがいないとダメなんだよ?」

咲「お姉ちゃんがいるからいいんだよ?捨てないし、飽きる事も無いから、ね?」ナデナデ

照「グス……うん……」コクン

咲「私も姉ちゃんも、久お姉ちゃんも菫お姉ちゃんも皆弱いんだよ」

咲「だから皆一緒に寄り添って生きていかないといけないんだ」

照「……」

咲「はい、クッキー。一緒に食べよ、お姉ちゃん」

照「……おいしい」

以上です

膿出しの様に投下

健夜「はぁ……もういいよ、疲れちゃった」

恒子「へ?すこやんついに更年期障害?」

健夜「……」

健夜「そうかもね……私、人より早く歳を取っちゃったみたい」ニコッ

健夜「それじゃあね、こーこちゃん」

恒子「……すこやん?」

―――――
健夜「私も人の子だから、傷付くし疲れるよ……それに、もういいんだ」

健夜「もう許してくれるよ」

健夜「そう思わない?」

咲「さぁ……私には」

健夜「それとも、咲ちゃんはまだ生きてないといけないって思ってる?」ジッ

健夜「まだ死ぬな、生き続けろって、そんな声が聞こえる?」

咲「……」フルフル

健夜「でしょ?分かるんだよ。咲ちゃんも私と同じ目をしてる」

咲「そうなんですか……?」

健夜「そうだよ……疲れて、絶望して、怖くて、怯えて……それでいて、希望を捨てない」

健夜「誰も信じられなくて、それでも信じたくて、投げ出したくて逃げたくて、出来ない」

健夜「現実を思い知って、悪意に満ちた世界を見て、それでも善意に溢れる世を忘れない」

健夜「そんな、矛盾だらけで見るに堪えなくて歪で哀れで醜悪で気持ち悪い……そんな目」

咲「あはは……それは酷いですね」

健夜「咲ちゃんは、今にも壊れそうで、溢れそうで……それをほんの薄い膜が抑えてる」ソッ

咲「……」ツイ

健夜「私はもう壊れちゃった」

咲「そうなんですか……」

健夜「私達はきっとね……弱いんだよ。人を、この世界を受け止めるには弱過ぎたんだ」

健夜「善い事を貰う程には強くなくて、悪い事を跳ね除けるにはあまりに脆くて」

健夜「そうして、それを正す厳しさも持ち合わせてなかったから……今こうなってる」

咲「……そうだとしたら……」

健夜「……」フイ

健夜「……少しは抗ってみたよ。人と交わって娯楽と愉悦を味わってみたり、孤独と倦怠の渦に溺れたり」

健夜「でも、そのどれも私を生かしてはくれなかった」

咲「……」

健夜「どんな生き方も世間は許さなかった」

健夜「そしていつも恐怖と不安と後悔……誰かの怨嗟の声を聞いた」

健夜「私はもう、生きてはいけないんだよ」

咲「……それでも、私は」ググッ

健夜「……そうだよね。死にたいと思っても死にたくないんだもん」

咲「……きっと、誰かが」

咲「誰かが必要なんです……こんな人間を理解して、受け入れてくれる……認めてくれる誰かが」

健夜「そう……なのかな」

咲「きっと……それだけで」

健夜「違ったのかな……?」

咲「逃げましょう、二人で」キュッ

健夜「逃げる……?」

咲「どうしようも無くなって、でも[ピーーー]ない……逃げるしかないです」

咲「生きるためになら……逃げることだって許されますよ」

健夜「そうかな……」

咲「……はい、きっと」

健夜「そっか……咲ちゃんがそう言うんなら、そうなんだろうね」

咲「はい……どこか遠くに」ジワ

健夜「そうだね……行こうか」

健夜「誰にも見つからない、誰も見つけられない場所へ」

咲「はいっ……」ポロポロ

続ける気は無い
最初は酔った時に書いたけど最後は素面の時に書いたから変に明るい内容になって困る

どんな人と結ばれる咲ちゃんも見たいけどその前に

裕子「失礼します」

咲「お疲れ様、わざわざ残ってもらってごめんね」

裕子「いえ。しかしどうしてわざわざ旧校舎に?」

咲「大事な話があってね。とりあえずこっちに来てくれるかな」

裕子「はい」

咲「ここに座って」

裕子「あ、はい」

咲「分かるかな、これで」

裕子「?」

咲「この席はね、いつも部長が座ってたんだ」

裕子「はあ」

咲「来年の部長をお願い」

裕子「私が、ですか?」

咲「うん。現部長からの最後のお願い」

裕子「いや、でも……私じゃなくても他にもいるじゃないですか」

咲「副部長とも、三年生全員とも話し合った結果だよ」

裕子「どうして私なんですか?」

咲「一番しっかりして皆を纏められるし、下級生のこともよく見てるから」

咲「私なんかよりよっぽど部長に向いてるんだよ、室橋さんは」

裕子「いえ……部長の方が」

咲「それは原村副部長のおかげかな」

咲「私は部長だったけど、実際に指示したり纏めてたのは原村副部長だよね?」

裕子「そういえば……」

咲「彼女が部長になると部の雰囲気は締まるけどその分息苦しくなってしまう」

咲「あんまり加減が出来るタイプじゃないし、自分にも他人にも厳しくしがちな性格がね?」

咲「だからうまく部内をコントロールするために私を部長にしたんだ、先輩達の考えでね」

咲「彼女にはその分苦労をかけたけど、実際うまくいったんじゃないかな?」

裕子「……」

咲「不満は全部彼女に向けられてたみたいだし」

裕子「それは……」

咲「片岡さんが部員を引っ張る。原村さんが引き締めて、私は皆の後ろにいるんだ」

咲「それで、何かを抱えてる子や麻雀が嫌になった子に話したりアドバイスしたり」

咲「彼女が全体を見て、私は個人を見る。そうして部を固めてきたんだ、皆で歩くように」

咲「あ、勘違いしないでほしいけど、ちゃんと話しあった上で副部長になったんだよ」

咲「自分で選んでなったんだよ……本当に和ちゃんは」

咲「少し話が逸れたけど、つまり室橋さんの代には原村副部長みたいな人材がいないんだ」

咲「悪いことじゃないけど、皆優し過ぎてあまり締まらない。適度に締める人がいない」

咲「だから私達とは違うやり方で清澄高校麻雀部を纏めるしか無いんだ」

咲「……出来れば、竹井先輩みたいに……」

咲「って、勝手な押し付けだね、今のは忘れて。でも本当に室橋さんにやってほしいんだ」

裕子「…………正直、今の私には出来ないと思ってます」

咲「……そう」

裕子「……ですが、やります」

咲「!」

裕子「出来るようになって、必ず次の清澄高校麻雀部を引き継ぎます!」

裕子「尊敬する先輩の想いも、全て……!」

咲「……ありがとう」

――――――――――
咲「さて、こんなところかな」

裕子「はい。ありがとうございました」

咲「もう教える事は殆ど無くなったけど……二週間付いてみて、どう?やれそうかな」

裕子「まだ学ぶことが多過ぎて不安です」

咲「出来ないとは言わないんだね。ううん、それでいいよ」

咲「今日は息抜きにどこかに寄って帰ろうか」

裕子「いいんですか?」

咲「私が誘ったんだよ。ついてきて」

―――――
咲「お気に入りなんだ」

裕子「分かります……いいお店ですね」

咲「何かの時には皆で来たんだよ。インターハイの時も、合宿の時でも」

咲「部の方針を話し合ったり、疲れを癒したり……休日にここで本を読んだりもしたよ」

裕子「そうなんですか」

咲「うん。私達三人の特別な場所」

裕子「特別な……」

―――――
咲「今日は楽しかったよ」

裕子「私もです」

咲「裕子ちゃんとはあんまり話をしなかったから、特に楽しかったよ」

裕子「そうですね、部長はいつも誰かと一緒にいたり話をしてましたから」

咲「うん……教える事はこれが最後かな」

裕子「……」

咲「部長の仕事も、心構えも、旧校舎の眺めも……私達の想いも、全部」

咲「あとは自分で感じて経験して学んでいくしかないと思う」

咲「それで疲れたらここに来るといいよ」

咲「なにかあったら私でも他の人でも呼んでくれたら皆助けるからね」

咲「裕子ちゃんなら大丈夫だよ、大丈夫」

咲「だからね……泣かないで?」

裕子「でもっ……」

咲「困ったなあ……ちょっと公園に行こう?」

―――――
咲「落ち着いたかな」

裕子「……はい……」

咲「うん。じゃあもう少しだけ話すよ」

咲「っていっても、私も偉そうに話せるほど経験したことじゃないけど」

咲「そうだね……私も竹井先輩と染谷先輩が引退した時、すごく悲しかった」

咲「本人の前で泣いて、それでやっぱり慰められて諭されてね」

咲「でもやっぱり駄目で困らせたよ。裕子ちゃんよりも全然ね」

咲「……どんなに悲しんでも引退するし卒業しないといけない」

咲「その時その時で立ち止まってもいいけど、いつか歩きださなきゃ。未来に向ってね」

咲「裕子ちゃんはそんなのは分かってると思うけど……私じゃこんなことしか話せないから」

咲「それとあとは…………ありがとう、かな」

咲「和ちゃんだけじゃない、裕子ちゃんにも沢山助けられたよ、気付いてないだろうけど」

咲「言葉には出来ないけど、感謝してるよ。ありがとう」

咲「…………」

咲「……もう少し。日が暮れるまでここにいるよ」

裕子「……っ……」

――――――――――
裕子「お疲れ様でした」

「お疲れ様でした」

あれからすぐにその日がやってきて、光よりも速く流れていった。

部長職を引き継いで新入生も入って新レギュラーの構成も固まってきた。

環境の違いにも徐々に慣れて麻雀の腕も確信が持てるようになった。

それでもまだ宮永先輩はずっと遠く大きな存在だった。

咲「こんにちは」

裕子「先輩!?」

咲「今日は休みだから様子を見に来たよ。どう?うまくやれてる?」

裕子「そこそこ出来るようになってきました」

咲「そう。良かった、安心したよ」

突然の来訪に驚きながらいくつか会話を重ねた。

咲「裕子ちゃん、ちょっとかっこよくなったね」

そんな風に言われて驚きと他の感情が混ざった複雑な気持ちになる。かっこいいって……

咲「でもあんまり頑張り過ぎないでね。たまには休まないと駄目だよ」

ああ、この人は……分かってくれる。きっとどんな私も気付いてくれる。

だから私は……そして遠いと感じる。それでも、いつか。いつかは背中ではなくて。

裕子「はい……大丈夫です。何とかしてみますよ」

咲「頼もしいね」

頭を撫でられる。あの時の事が蘇ると同時に、あの決意を改めて握りしめる。

いつかこの関係から抜け出して、立派に肩を並べてやる、と。対等な位置で見て貰う、と。


でも今は、今はまだこのまま……あなたの背中を追いかけていたい……

冒頭の旧校舎に、の部分は翌年以降部員が増加して新校舎内で広い部屋を与えられた事情があっての事でー
投下する前の調整で消去した数行があると分かりやすかったかと思う反面説明臭いとも思うジレンマ




あとムロ咲がわかるのは俺だけでいい

尊敬していた。強くて、凛々しくて、優しい人。

私よりも高く遠い所に立っていても、こんなに小さな私も見てくれた。

夢見た。あつく憧憬した。いつからか恋い慕う気持ちも生まれて……そして取って代わった。

和「お疲れ様でした」

和「こうして飲むのは久しぶりですね……咲さんはいませんけど」

名前を聞くと脈は跳ね、顔は赤らむ。あの容姿、顔、声、振舞いや会話……懐かしい。

きっと今目の前にいる人こそ、その相手と思った、本当なら。

今の、ここにこうしている私は、あの人に惹かれた。

和「そんな事もありましたね……咲さんは今でも相変わらずです」

和「以前お家にお邪魔した時も……」

私は二人と別れて、他の道を歩いた。高校生の時の、あのいつもの帰り道みたいに。

それ以来あまり会う事も無くて、気持ちも伝えられないままになっていた。

和「そういえば、一昨日照さんと会った時に言っていたんですけど」

和「咲さん、結婚したそうですよ」



和「あ」

和「あの、今のは内緒にしておいて下さいねっ……うっかり言ってしまいました」

和「咲さんも照さんも、他には誰にも言ってないみたいなので」

和「少し前に咲さんが二週間休んだ時に、本人は『家族の~』と言っていましたけど」

和「まだ指輪こそしていないものの、と」

思考停止、沈黙から遅れて理解。意表を突く話に目を回す。

和「私も詳しく聞いたわけじゃないですから、相手とかは……とにかく、秘密ですよ」

昔好きになった……今も恋をしている相手の……結婚。

和「そうですね……」

心の中の思いを置いて、口はよく分からない音を吐いている。

和「……」

昔を思い起こしているのか、遠い目をしている。

和「電話……すいません、ちょっと……」

いつの間にか席を立たれて一人になった。

改めて反芻する。あの声に、聞きたくも見たくもない物を押し付けられる。

何もしないまま、何かをやる前に散ってしまった。心の、壊れそうな軋む音を聞いた。

息は切れそうな速さなのに、心音は止まっているように遅く小さい、と思う。

その内に熱くなる眼と鼻。溢れそうになる汐を引きとめて親友を待った。

和「すみません、お待たせしました」

和「どうかしましたか?」

ようやく帰ってきた。私を見つめる目はとても優しく、心から幸せそうな。

つられて私も笑ってしまう、顔を触らなくても分かるくらい。きっと笑っている。

和「咲さんから、『今度皆で会おうよ』って。きっと……」

その眼に救いを見た。色々な想いや気持を、形にならないそれらを吹き消した。

素直に思えた。

和「はい……祝福しましょう」

たった一つの儚い感傷とたくさんの永久の幸福を込めて夜の空の星月に私の声を託そう。

優希「おめでとう……」

失恋ではないけど先日似たようなことがあったので誤字脱字と仕掛けに気を使いつつ書き殴った次第
お題も難しくさんざん迷ってこれという

一昨日までの雨を越えたら途端に夏になりましたね

今、とても悩んでいることがある。

マホ「センパーイっ!」

マホ「おはようございますっ」

咲「う、うん。おはよう」

それはこの、二つ下の子に懐かれてる、って事で。

マホ「昨日はありがとうございました、とっても楽しかったですっ」

咲「そう、そう言ってくれると嬉しいよ」

正直言って苦手な子。皆のいる場所で腕を組んできたり平気で抱きついてくる。

マホ「あ、今日はマホ、頑張ってお弁当作ってみました!…………卵焼きだけですけど」

元気なのはいいけど、元気すぎてたまにうるさいし、ぐいぐい来る。

咲「ごめんね、今日は補習で昼休みは」

マホ「え……」

おまけに断ろうとするとこの世の終わりみたいな顔になる。

咲「……三十分しかいられないからね」

……。とにかく苦手。

マホ「はいっ!」

百面相で変幻自在に表情が変わるからついて行けない。

マホ「それじゃあ、失礼しますっ」

笑顔が眩し過ぎるのも、問題と言えば問題。

―――――
子犬みたいにずっと待ち続けて、私を見つけると途端にテンションが高くなる。

マホ「お疲れ様です、センパイ」

咲「ごめんね遅くなって」

色々な感情を我慢して無理に笑ってるのが分かる。こういうところは、好きじゃない。

マホ「じゃーん!どうですか?」

咲「うん、見た目はいいんじゃないかな」

マホ「えへへ、ありがとうございます」

一々些細な事で喜ぶ。疲れないのかな。

咲「じゃあ早速いただきます」

私の一挙一動を大きく開いた目で追ってくる。

マホ「……」

咲「……」

マホ「……」

咲「……」

咲「うん、美味しいよ」

この後は割愛。色々大変だった。本当に、苦手。

―――――
部活中は流石におとなしい。いつも何かしらで手厳しく言われているから。

マホ「うぅ……」

咲「代わるよ」

マホ「……はい……」

咲「見てて。今和ちゃんが言ってた事をやるから」

こうして指導してる時はいい。ただ、麻雀の方はもう少し粗が取れて安定してほしいんだけど。


咲「分かった?」

マホ「……はい。マホ、次は多分出来ます」

前向きなのはいいと思う。欲を言えば、次『から』出来てほしい。

―――――
今日はまだ終わらない。これからが本番だと言っていい。

マホ「おじゃましまーす」

咲「いらっしゃい」

月に一、二度こうして泊まりに来る。その相手を(麻雀以外も含めて)しなきゃいけない。

咲「それじゃあ私は晩御飯の用意をしてくるから、勉強しててね」

何度か泊まって行くうちにお父さんが気を回して晩御飯も振舞う様に言ってきた。

まあ二人分も三人分も変わらないからいいけど。

マホ「あ、あのっ、マホも何か手伝います」

咲「勉強しててね」

本当は受験生の私の方が勉強しないといけないんだけど、他に料理出来る人はいない。

マホ「あ、はい……」

それに、裕子ちゃんによると私以上に勉強しなきゃいけないらしいし。

―――――
マホ「終わりましたー!」

咲「お疲れ様、はいお茶」

マホ「ありがとうございますっ、センパイのおかげですー」

こうやって無邪気に笑うのも、こう……良くない気がする。

咲「先にシャワー浴びてきて、上がったら麻雀だよ」

マホ「お風呂ですか?一緒に入りましょうっセンパイ」

それは色々と駄目。ここだけでも阻止しないと、危ない。

咲「子供じゃないんだから、一人で入れるよね?」

マホ「でも…………はい」

罪悪感で痛む胸を押さえながら見送る。それにしても今日はやけに積極的な気がする。




「きゃああああああっ!」

咲「!?」

間違いなくマホちゃんの悲鳴。万が一という予感が明滅するまま何も考えずに駆けつける。

-――――
マホ「あう……ごめんなさい……」

咲「いや、仕方ないよ……私こそごめんね、忘れてた」

家には何度も泊まりに来たけど、お風呂に入れた事は無かったのを忘れていた。

マホ「でも、マホのせいでセンパイ」

おかげで駆けつけた時に出力最大の冷水を服の上から浴びてしまった。

咲「マホちゃんは気にしないで……痒い所は無い?」

冷静になってみると、少し冷たくし過ぎたかもしれない……だから自業自得。

マホ「はい……気持ちいいですぅ……」

そう思って無心で白い肌を眺めた。無心で。

-――――
咲「今日はここまでにしようか」

マホ「はいっ!ありがとうございました!」

優希ちゃんといい裕子ちゃんもそうだけど高遠原の人達はどうして体育会系なんだろう。

咲「そろそろ寝ようか。今布団出すから待ってて」

マホ「センパイっ!」

不意に声の上がった方を見ると、いつにない真剣な顔をしていた。

咲「どうしたの?」

マホ「今日だけ……今日だけ、一緒に……寝たいです……」

段々と萎れて、最後は小さすぎてよく聞き取れなかった。目は弱弱しく不安げに揺れている。

はっきり言って、こういうのは良くない。こういう事は本当に問題だと思う。

マホ「……」

-――――
咲「んん……」

悩ましい。悩みで頭痛さえ覚える。

マホ「えへへ……せんぱぁい……」

咲「はぁ……」

結局のところ、問題は単なる事象には無かったという事らしい。

後輩のお願いも、それを聞いた事も問題でなくて。

一つはこの可愛い後輩のお願いを聞く事が嫌いじゃないという事と。

この笑顔が好き、という二つが。私がどう思っているのかが問題なのだった。

そしてこの事実に気付いてしまったら、きっとすぐに新しい問題に直面するだろう。

この未だ才能が開花しない、日に一度はチョンボする、人の読書を邪魔する、私に懐いている明るくて元気な年下の娘を。

好きなのではないか、という問題は。しかしすぐそこまで迫っているのかもしれない。

咲「悩ましい……」

マホ「だいすきです……」

考えてみると書いた中で咲さんの方が意識してるのは珍しいかもしれない

旅立つ前に一篇

仕事を終えてすぐに向かった。何度も行った、見慣れた家。道を曲がるとすぐ見えてくる。

幾度も鳴らしたが、まだまだ緊張する。この家に住んでいるのは二歳下の恋人。

充分に躊躇ってゆっくりと押した。可愛らしい声が響き小走りで近づいてくる足音。

耳にしただけで鼓動が跳ね上がった、これでもう幸せだった。

咲「はーい」

目に飛び込んでくる愛しい恋人。エプロンを纏って何かを待ち望んでいたような顔。

咲「竜華さんっ!」

満面の笑みで懐に飛び込んでくる姿、抱き付いて顔を埋めて、見上げて微笑む仕草。

存在の全てを五感で感じ取ると、それらが余さず至上の喜楽となる。

咲「…おかえりなさい、竜華さん」

蕩けそうなほど甘美な雷が耳朶を打った。客人でなく、家族として迎え入れられる。

この何気ない言葉が如何にも聖歌の余韻を伴って体を震えさせる。

咲「寒かったでしょう?早く中に入って下さい」

冷たい手に仄かに温かく、気持ちの良い触り心地の手が握られる。

咲「手がこんなに冷たい…」

右の掌を合わせて、手の甲をそっと撫でるように擦る。愛しむ眼差しが、何より温かい。

衝動的に二本の腕がたおやかな体を包んだ。狂おしく、優しく、壊れるほど柔らかく。

彼女は可愛く小首を傾げて、頬を寄せる。決してか弱く可愛いだけではない。

この子を甘えさせたい。思いを全て受け止めたい。けれど、同じぐらい甘えたくなる。

弱く脆いようでいて、奥底には確かな強さ、誰かを支えられる優しさを秘めている。

咲「ご飯はもうすぐ出来ますから、飲んでてください」

小さい器に注がれたスープを両手で持って、一口を味わう。優しい味が沁みる。

目の前で後姿を見せて楽しそうに料理をする人の愛情が冷えた体にとめどなく流れ込む。

咲「はい、出来ました!」

こちらを振り返る。思わず空腹も忘れて見つめていた。

咲「はい、竜華さんのお箸とご飯」

渡されてはたと気付いた。いつの間にか食卓に並んでいる料理。

取り皿も、自分の分のご飯と箸とも、何もかも用意させてしまった。

ただ、彼女が用意する様をじっと目で追っていたと後で知った。

咲「いただきます」

二人で手を合わせて一緒に食べる。美味しい料理と愛する人がいて、今更に食欲が湧く。

色々な思念が頭をよぎるけれど、今は全て忘れてこの時間を楽しむ。

そう心に決めて、料理に舌鼓を打ち、会話を楽しんだ。

竜華「ごちそうさまでした」

心からの笑顔で告げる私の恋人は、可愛い。

二つ年上で、思い切り甘えたくなるぐらい頼りになるけれど、こんな顔も好きだ。

竜華「これで二人ともあったかいな」

お湯で温まって赤くなった顔で温風を髪に撫でつけながらそんな風に言う。

無邪気な笑顔に、ついつられて笑ってしまう。何気ないけれど幸せな時間が出来上がる。

竜華「久しぶりに二人っきりや……嬉しいなぁ」

そう何でもないように言うけれど、私はその言葉で落ち着かなくなる。

私にとってあなたはたった一つの光で、希望で、傍にいられるだけで、それだけで。

それなのに、私に、私だけのためにそんな笑顔を見せてくれるなんて。

竜華「明日も明後日もお休み貰ったから、どっかに行こか」

とても魅力的な提案。きっとどこに行っても素晴らしい休日を過ごせる。

竜華「それとも、家でゆっくりする?」

すぐに答えられなかった。二人でどこにでも行きたいし、二人だけの時間も過ごしたい。

一杯甘えて可愛がってもらいたいけど、私のために疲れたあなたに負担をかけたくない。

それ以上に、今は疲れたあなたを癒したい。沢山甘えてもらって、楽になってもらいたい。

竜華「私の事は気にせんで、何でも言って」

私の頬を両手で挟むようにして、まるで子供に言い聞かせるみたいに言ってくれる。

私の漏らす言葉やちょっとした動作を見ていて、心にまで気付いてくれる。

そんな優しい彼女に、私は釣り合っているのだろうかと不安になったりした。

竜華「……うん、分かった。咲ちゃんがそれがええって言うんなら」

一瞬だけ寂しそうに微笑んで、すぐに心から楽しそうに笑ってくれる。

無理をして、我慢して私を優先しているのかとも思った事もあったけど……

いつからかそれが本当に私の事を想ってくれているからだと理解出来るようになって。

私との間のどんな事や物、人生でも自分のそれとして受け入れてくれているのだと分かって。

竜華「まだまだ元気やで。それに折角の時間が勿体無いしなあ」

言葉に、仕草に、心に。一つ一つ……触れるたびに溢れてくる気持ち。幸せな、福わう気持ち。

普通じゃ伝わらない人の気持ちを伝えたくて、そして同じように受け取りたくて、そう願って、求めて。

大好きで、とても愛しくて、どんな言葉でも行動でも表せないくらい愛おしくて、だから。

竜華「……愛してる、咲」

だから私は、そのために私達は……ただ寄り添う。

竜華さんの部分がくどすぎるのはわざととはいえここで力尽きた感は無いでもない

ちょっと横浜行って聖地巡ってくるんで他の方の投下に期待してます

投下します

咲「あの、智紀さん」

智紀「どうしたの?咲」

咲「ちょっとご相談があるんですが…」

智紀「ん。わかった」




純「………」




純(最近咲のヤツ、二言目には“智紀、智紀”って言いやがって)

純(恋人の俺を差し置いて、なんで相談なんかしてんだよ。相談するなら俺にしろよ)

純(つーかなんでそんなにくっついてんだよ!離れろ咲!)

純(てか智紀!どこ触ってんだよ!腰とか触る必要ないだろ!)ゴゴゴ…




一「純くんがジェラシーの炎に包まれてる」

透華「そっとしておきましょう」

咲「ありがとうございました。智紀さん」

智紀「うん」

一「咲、そろそろ純くんの所にいってあげて。殺気だってるから」

咲「えっ?はい」タタッ




咲「純さん」

純「……何だよ」

咲「どうしたんですか?何だか機嫌が悪いみたいですけど」


こてん、と咲が首を傾げる。

純は言葉に詰まる。


純「いや、その……」

咲「?」


聞きたい。

智紀と何話してたのかすごく聞きたい。

いや。でも何話してたかとか、いちいち聞かれたらうざいよな。

女々しいよな。


でも聞きたい。

どうしよう。

聞くか。

誤魔化すか。

純「お前、智紀と何話してたんだよ」


聞いてしまった。

すると咲はきょとんと目を丸くして答えた。


咲「こないだの練習試合のことですけど……」

純「……ふーん」


純(なんだ。試合のことか)


内心ほっと胸を撫で下ろす。

同時に、しょうもないことを疑っていた自分が急に恥ずかしくなる。

わけもなく言い訳を探し始めた。

だが上手く言葉が出てこない。


純「べ、別に何話してようと俺には関係ねーんだけどよ。たまたま目に入ったから、その……」

咲「純さん。もしかして、智紀さんと話してるのを見て、やきもち焼いてました?」


あっさり図星をつかれた。

純の頭はスパーク寸前だ。


純「は?違ぇし!そんなんじゃねーよ!」

咲「そうなんですか?」

純「当たり前だろ。なんでお前らが喋ってるの見てヤキモチやかないといけねぇんだよ!おかしすぎてへそが沸騰するぜ」

咲「それを言うなら、へそで茶を沸かすです」

純「うるせぇ!」

もう何も言ってくれるな!

純は内心涙目になっていた。

すると目の前の咲は、あきらかに落胆した表情を浮かべた。


咲「そうなんですか…。ヤキモチじゃなかったんですね。ちょっと残念です」

純「は?」

咲「純さんがヤキモチ焼くくらい私のことを想ってくれてるのかと勘違いしてました。すみません」


ぺこりと頭を下げて、踵をかえす咲。

純は思わずその細い腕を掴んだ。


純「………待て。咲」

咲「なんですか?」

純「悪ぃ」

咲「何に対してですか?」

純「嘘だ。焼いた」

咲「!」


純は咲に目を合わせてないが、その顔はみるみるうちに朱色に染まっていく。

純「ヤキモチ、焼いた」

咲「本当ですか?」


咲は思わず純に飛びつく。

背伸びをして、ずいっと近づいてきた顔に純はおもわずのけ反る。


純「うぉっ!」

咲「本当に?本当ですか?」

純「ほ、ほんとだよ!つか、お、お前近すぎ!」


かああっと音が聞こえてきそうなほど真っ赤な顔の純。

それを見て、咲も僅かに頬を染めながら、花が開いたように綻んだ笑みを浮かべた。


咲「嬉しいです」

純「…………そうかよ」


照れ隠しに、純はぐしゃぐしゃと咲の頭を撫でた。


カン

ここまで全員乙
このスレも残り100切ったが次はどうする?

拝啓
熱い陽射しが照りつける日々ですが、健勝に過ごされているでしょうか。

私は休日に外で作業していますが、帽子のおかげで熱中症にもならずに過ごせています。

今度、その成果を送りますね。

照先輩は相変わらずです。でも、最近は食べるお菓子の量が増えてきたみたいです。

もしかしたら寂しいのかもしれません。電話してあげてはどうでしょうか。

それでは体調にお気を付けて。

敬具




ペンダント大事にしています

――――――――――
謹復
お久しぶりです、お手紙ありがとうございます。

お元気そうで何よりも嬉しいです。こちらは山の方なので少し涼しいです。

帽子が役立っているなら、買った甲斐があります。一度見てみたいですね。

その時は是非作業も一緒にしてみたいです。

遠慮してもきっと送ってくれると思うので、成果を楽しみ待っています。

お礼に、いつかいらっしゃった時は精一杯おもてなしします。

電話は勉強の邪魔になると思って控えていましたけど、逆効果みたいですね。

これからはもう少し電話してみようと思います、教えて頂いてありがとうございました。

それでは、病気などしないように祈っています。

拝具





近頃はとらつぐみがうら鳴いています


――――――――――
雨の日が続く。そのためか皆も私もどこか浮かない表情に見える。

特に今日は、珍しく私以外の全員に予定があって部活が休みになってしまった。

図書室で本を借りて家路に就く。名前も知らない赤い花がそっと咲いているのが見えた。

少し思い出して、寄り道をしてみる。小高い丘はいつも街を見下ろしている。

灰色に褪せた街から空を見ても、何かが変わることも無くて。

悲しくなるとあの言葉を思い出す。それでも雨が一しずく落ちるたびに心がふるえる。

人は空を飛ぶことは叶わない。それでも空を見上げる……だって

咲「……流れた涙は天に昇って……また雨になって還る……」

どのくらい経ったのだろうか、人気の無い道を歩く。

西風が吹く。雲まで吹き流してはくれないだろうか。

雨の止むことに期待してか、鳥が木陰から顔をのぞかせている。

家の少し手前の角で立ち止まる。微かに、ほんの僅かに胸が高鳴る。

影がすぐそばまで長く伸びていた。そして曲がった時、光が射した。

咲「尭深さんっ!」ダッ

尭深「咲ちゃん」ギュッ

咲「尭深さんっ…………会いたかったですっ……」

尭深「うん……私も…………」

咲「尭深さん……えへへ」ニコ

尭深「ふふっ……咲ちゃん」スッ

咲「何ですか?」

尭深「泣いてた?」サワ

咲「……はいっ」

咲「でも大丈夫です。だって」

尭深「……」

咲「私は泣いた後笑える筈だから」ニコッ

尭深「……うん」

咲「上がって行って下さい、そこが私の家です」

尭深「うん……咲ちゃん、見て」

咲「わっ、虹だ……奇麗ですね」

尭深「うん……とっても奇麗で……微笑んでるみたい」

咲「そうですね……」

尭深「さあ、入ろう。きっと今からも明日も流した涙より多くの喜びがあるよ」ニコッ

咲「はいっ……」ニコッ

とりあえず取り急ぎ書いたものの書き始めたのが誕生日が終わる3時間前
渋谷尭深さんお誕生日おめでとうございました
しかし少しでも増えるかと思って前にも書いたのに尭咲が増えないのは何故

>>920
個人的にはこういうお題があるのはいいけど必ずお題に沿った物を書かなきゃいけない縛りがあると
どうしてもそこに当てはまらないSSが書けないので自由に、という方向性だと嬉しい

投下します

マホ「マホ、宮永先輩に惚れました!」

マホ「というわけで、付き合ってください!」

和「何言ってるんですか、私だって咲さんが好きなんです。引っ込んでください!」

マホ「いくら和先輩相手でもこれだけは譲れません!」

和「咲さんも何満更でもないって顔してるんですか!この際はっきり決めましょう!私とマホ、どっちと付き合うか!」

咲「というかわたし、モモちゃんと付き合ってるし」

和「なななな、何言ってるんですか、そんなの初耳です」

咲「これが証拠だよ、モモちゃんと二人っきりで撮ったプリクラ」

優希「ほう、これはかなり仲が良さそうだじぇ」

和「SOASOASOASOASOA…」

マホ「SOASOASOASOASOA…」

優希「二人とも壊れてしまったじょ」

久「放っておきなさい、その内もとにもどるでしょ」

近日中に宥咲/懐かしむを投下予定です

突貫で書いた校正も無しの濁酒を投下

咲「あの、すいません」

智葉「ん?妹じゃないか。どうした」

咲「ハオさんはいますか?」

智葉「いや、こっちにはいないな」

咲「そうですか……ありがとうございました。お邪魔しました」

智葉「ああ……そうだ、公園を探してみるといいかもな」

咲「公園ですか?」

智葉「どこかは知らないがそんな事を言っていた気がするな」

咲「はい、探してみます。ありがとございました」ペコリ

智葉「気を付けて行けよ……咲」

咲「はい」

智葉「仲直り出来て良かったな」

咲「はいっ」ニコッ

―――――
臨海女子高校の留学生のハオ ホェイユーさんは私と同じ一年生。

でもそう思えないぐらい大人びて美人で包容力があって優しい、お姉さんみたいな人。

お姉ちゃんとの間にあった問題で、きっかけは偶然でも一杯助けて貰った大切な恩人。

そして、かけがえのない友達。国籍も何もかもを超えた、得難い友達。

彼女は個人戦には出られなくて、その後は私が忙しくて会えなかったから今になってしまった。

でもその代わりに感謝の気持ちを込めた贈り物を用意して、気持ちを伝えにきた。

慣れない携帯電話を使って地図や案内を見ながら、歩きまわって三か所目。

咲「ここにも……いないや」

もう近くに公園なんて無いし、時間もあんまり無い。

咲「でも、絶対に見つける……夕暮れに見つけられなかったらまた智葉さんのとこに行けばいいし」

「咲……?」

呟いてたら、探していた人の声が!

咲「ハオちゃん!」ギュッ

ハオ「咲、どうしてここに?」ナデナデ

そうやって聞きながら、思い切り抱きついた私を受け止めて頭を撫でてくれる。

咲「智葉さんが教えてくれたんだ、公園にいるかもって」

咲「どこの公園か分からなかったから探したけど」

ハオ「探したって……もしかして、私に会いたかったんですか?」

からかって目を細くして聞いてくる。前はこれで子供扱いされて恥ずかしかった。

でも今日は前とは違う、とっておきの作戦があるんだから!

咲「うん、そうなんだ!ずっと会いたかったよ」ニコッ

ハオ「っ!」ドキン

とっておきの「作戦」に、顔を赤くして目を泳がせるハオちゃん。可愛いっ!

ハオ「そ、そうですか……///それで、何か用事ですか?」

咲「うん。ずっとお礼がしたくて、でも時間が無くて……」

ハオ「お礼、ですか……あのぐらい気にしないで下さい」

咲「そんなわけにはいかないよ。ハオちゃんはあのぐらいでも、私は……すごく助けられたんだからっ」

ハオ「……そ、そういうことなら……それで、お礼とは何ですか?」

咲「うん……ずっと考えたんだけど、浮かばなくて……一応買ったんだけど」ガサ

咲「はい、これ」スッ

ハオ「ありがとうございます、大切にします」

咲「中身を見てもないのに?」

ハオ「嬉しかったので、つい。開けてもいいですか?」

咲「はっ、はいっ!どうじょ!……どうぞ///」

緊張でもしているのか、勢いあまって噛んでしまう咲。可愛い。

袋を開けると、中から赤い耳かきのような道具の一端に花の装飾が付いている物が姿を見せた。

これは確か……

ハオ「鈿……ですか」

咲「うん。簪ならその髪に似合うかと思って」

ハオ「この白い花は百合ですね」

咲「好きな花なんだ。それに赤はハオちゃんの黒髪と、白は青い服と合ってると思って」

咲は百合が好き……覚えておこう。それにしても……私の事を考えて買った贈り物……

ハオ「ありがとうございます。一生大切にします」ニコ

熱くなる身体と加速する鼓動を隠して微笑む。先程会ってからずっと咲に好きにされている。

咲「一生だなんてそんな……嬉しいな」ニコ

また一段と症状が酷くなる。このままでは倒れてしまうかもしれない。

咲「あ、でもそれだけじゃなくて。何かしてほしい事ってあるかな?」

……。


咲「私に出来る事だったら何でも……本当に、何でも。それぐらい私は……救われたから」

本当に何でもしてくれるのだろう。それなら……

ハオ「そうですね……本当に何でもいいんですか?」

咲「あるの!?うんっ、何でもいいよっ!」グイッ

ハオ「では、ちょっと手を後ろで組んでみて下さい」

咲「こう?」キョトン

ハオ「はい。ではそのままで」

手を背中で組んで可愛く首を傾げる少女に、私は。

ハオ「頂きます」チュッ

唇を交わした。

咲「!?」ビクン

咲の小さな顎を少し上に向けて、口付けをした。

咲が事態を理解して手を解いて私を押しのける直前まで、体感では十秒程も。

咲「~~っ!!」バッ

ハオ「ごちそうさまでした」ペロ

すぐに下がって咲を見る。恥じらう姿が可愛い。

咲「何するんですかっ!」ウルウル

ハオ「何でもするって言いましたよね?だから今の行為を許して下さい」シレッ

咲「うぅぅ~っ!」

涙を目尻に浮かべてこちらを見る。

ハオ「そんなに怒らないで下さい、こちらでは挨拶みたいなものですから」

無論そんな事は無い。日本や中国だけでなく世界中どこでも、口と口の行為は特別な筈だ。

咲「ハオさんっ!」

それに気付いたのか気付いてないのか、声を立てる。

咲「そういうのを、日本じゃ弄ぶって言うんですよ!」ダダッ

言いながら追いかけてくる。ならば、追いつかれないように逃げる。

ハオ「私に追いつけたら謝ってあげますよ!」タッ

そう言って手を抜いて走る。滑り台の上に辿り着いたら追いつかれるだろう。

咲「絶対に捕まえますからね!」

本当は捕まっても謝る気は無いけれど。

ハオ「そもそも、最初に私を弄んだのは咲の方なんですよ」ボソッ


夕暮れの公園の一番高い場所で、私達は重なって、想い合って、誓い合った。

まだ描いた部分はあるけどキリがいいからここで終わり
ちなみにハオは智葉によって公園に向かわされた模様

ところでハオの発言は ハオ「」か 慧宇「」か、どちらがいいでしょうか
個人的には後者の方がと思いつつ前者にしたけど

ちょっと長いけど

何度目だろう、ここを訪れたのは。

緑の中、穏やかな風情に囲まれた旅館。

扉を開くと年若い女将さんが出迎えてくれる。

礼儀正しい挨拶と深いお辞儀をする彼女は私の……

―――――
玄「本日は遠方よりご足労頂きありがとうございます」

玄「まずはお部屋へ案内いたしますので、どうぞ」


玄「姉は所用により失礼ながら欠席しておりますが、このまま……」

―――――
玄「咲ちゃん」

咲「く、玄さん!?どうしてここに」

玄「ちょっと人手が足りなくなってお手伝いに」

玄「それに、ああいうの苦手だったから。逃げてきちゃった。咲ちゃんは?」

咲「私もちょっと……」

玄「だよね」


玄「そろそろ行かなきゃ。それじゃあ、また夜にね」フリフリ

咲「はい、また。お仕事頑張ってください」ペコ

玄「うんっ」

玄「あ、そうだ。時間があるならちょっとついて来てほしいんだけど」


玄「ちょっと、お姉ちゃんにおにぎりを差し入れてほしいんだ」

咲「宥さんに?」

玄「うん、ボイラーの調子が悪くて、朝からずっといるから」

咲「分かりました、すぐ作ります」

玄「ありがとう。そこに炊飯器があるから。具は冷蔵庫の中のを好きに使ってね」

咲「はい」

玄「ちょっとお客さまの応対してくるね。戻ったら案内してあげる」

咲「はい」

―――――
玄「お待たせ。ちょっと待っててね」パタパタ

玄「はい、水筒」

玄「こっちだよ」


咲「……」スタスタ

玄「……」スタスタ

咲「……ぉ……」ボソ

玄「?」

咲「おねえ……ちゃん……」

玄「!」ピクン

咲「……って……二人の時どんな感じなんですか?」

玄「はぁ……」ガク

玄「普通……かな?無口で本読んでてお菓子ばっかり食べてるよ」

咲「お姉ちゃん……」

玄「お姉ちゃんがもう一人増えたみたいで嬉しかったり大変だったりだけど」

玄「でもやっぱり私といる時は他の方々とは違うところがあってそれで……」

咲「玄、さん……お姉ちゃんをよろしくお願いします」ペコリ

玄「うん」

玄「着いたよ、ここがボイラー室」

咲「ありがとうございます」

玄「皆さんには伝えておくから、倒れない程度にゆっくりしてね」

咲「は、はい……///」

玄「あ、そうだ。咲ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」ペコリ

咲「ふぇっ?あ、ああああのそれどういう意味で」

玄「咲ちゃんが言ったのと同じ意味だよ。それじゃあね」

咲「……///」

―――――
咲「お、お邪魔します……」ガチャ

宥「さ、咲ちゃん!?どうしてここに……」

咲「玄さんに言われて、差し入れを持ってきました。朝から何も食べてないんですよね?」

宥「玄ちゃんが……そうなんだ、ありがとう」

咲「一応、私が握ったおにぎりです……あったかいうちに食べてほしいけど、忙しいなら」

宥「今頂くね……あ」

宥「どうしよう……手が汚れてて食べられない……」ウルウル

咲「……じ、じゃあ……あ、あーん……なんて……その……///」

宥「///」

宥「……いっ……いただきます……///」

咲「あ……あーん///…………どう、ですか?」

宥「……」モグモグ

宥「あったかくて美味しい~」

咲「そ、そうですか?」テレ

宥「うん、とっても美味しい」ニコッ

咲「もっと食べますか?」

宥「うん、食べたいなあ」

咲「はい、分かりました」

咲「はい、お茶どうぞ」ススッ

宥「んっ……~っ……はぁ」ゴクン

宥「ごちそうさまでした」

咲「もう少しありますよ?」

宥「晩ご飯が食べられなくなっちゃうよ……お夜食で食べるね」

咲「はい、後で冷蔵庫に入れておきますね」

宥「うん。差し入れありがとう、それじゃあ私作業に戻るから」

咲「はい、分かりました」

宥「えっと……ここをこう……?」

咲「~♪」ニコニコ

宥「う~ん……ねえ、咲ちゃん?」

咲「はい♪」

宥「戻っていいんだよ?というか、戻らないと……咲ちゃんには熱いんじゃないかな……」

咲「大丈夫です。玄さんに冷たいお茶も貰ってるから」

宥「そ、そう……」


咲「……」

宥「咲ちゃん、大丈夫?」

咲「はい」ニコ

宥「それならいいけど……あ、お茶ちょうだい」

咲「あっ、はーい」コポコポ

宥「咲ちゃん……」

咲「え、あ、はい。何ですか?」

宥「見てて楽しい?」

咲「はい、とても!」

宥「っ///」

宥「で、でもっ、二人きりだとあんまり話さないし、玄ちゃんとお料理したり照ちゃんと話したりっ」

宥「本とか……読んでた方が……」オドオド

咲「玄さんと料理するのもお姉ちゃんとのおしゃべりも、勿論読書も……楽しいですけど……」

咲「こうやって……宥さんと、話さなくても一緒にいるのが……楽しいですから」ポスッ

宥「で、でも……いつもこたつでだらけてるよ?玄ちゃんに助けてもらってるし、いいお姉ちゃんじゃないのに……」ナデナデ

咲「そんなとこも……可愛いです……それに…………」パタン

宥「咲ちゃん!?」

咲(それに……真剣な顔で何かをやってるところ……とか……)

宥「咲ちゃんっ!しっかりして!今外に連れて行くから!」

咲(いざ……って時に頼りに……なるところとか……いっぱい…………)フフッ

―――――
……さんにも心配掛けて!」

玄「お姉ちゃんの監督不行き届きなんだからね!」

宥「……ごめんなさい」

玄「罰として今日はずっとついておくこと!」ビシッ

宥「ずっとって……?」

玄「明日の朝まで、寝る時もお風呂もだよ!」

宥「う……うん……分かった」

玄「嬉しそうな顔しちゃダメ!これは罰だから!」

玄「それと咲ちゃん!もう目が覚めてるの知ってるよ!」

咲「ごめんなさい……」

玄「一緒にいたくてもこんな事になって皆に心配とか迷惑かけちゃダメだよ」

咲「反省してます……」シュン

玄「……体は大丈夫?」ギュッ

咲「……はいっ……ごめん、なさいっ……」ジワ

玄「……」ナデナデ

―――――
宥「大丈夫?何ともない?」

咲「はい……何ともないです」

宥「念のためにもう少しお水飲んで」

咲「はい、ありがとうございます……それより、お仕事は」

宥「大丈夫、玄ちゃんが咲ちゃんの看病してる間に終わらせたから」

咲「そうですか……」

宥「ごめんね、私がもっとちゃんと見てたら……」

咲「いえ、私が悪いですから……でも、もっと見てほしい……とは…………思ってます///」

宥「ど……どのくらい、かな///」

咲「……言わせないでくださいよ///」

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