提督「んんんあああああ!!!補給は大好きよおおおおおおお!!!」 (27)

やってしまった。

やってしまった。

これは裏切り。明確かつ決定的な裏切り。
彼女の信頼を、彼女の敬愛を俺は最悪の形で裏切ってしまったのだ。

脳髄を溶かす匂い、可愛らしい小さな鼻、宇宙のように俺を魅惑する瞳、心を焼いて離さない髪、アマガミしたくなる耳、艶やかな愛を形作った唇、鼓膜と心を震わせる甘い声。

そのすべてを俺は裏切ったのだ。他でもない彼女の愛を俺は侮辱してしまったのだ。

素直に受け入れればよかった。彼女の言葉を信じることが怖くて結果こんなことになってしまった。

溜まり続けた俺の行き場のない欲望は抵抗することもできないまま最悪の形で発散させてしまった。

今のこの状況をただ呆然と眺めるしかない。背徳感と強い快感に支配された俺の脳みそはすでに責任感のない冷たさに満たされている。

普段俺への愛を囁いてくれる声が怖くて仕方ない。暖かく俺を想う視線が怖くて仕方ない。

だが俺はそれだけのことをしてしまったのだ。

たとえ彼女がすべてを許し俺の謝罪を受け入れたとしても俺は一生彼女の目を見れない。
逃避、罪悪感、自己否定、怒り、すべての負の感情が俺を襲うだろう。
なんと情けない人間なんだろう俺は。

だがそれだけのことをしてしまったのだ。

まさか。

阿賀野のフィギュアに射精してしまうなんて……。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443277711

拭った。当然汚れは落ちたが俺の心の汚れまでは拭えなかった。ハハッ我ながらうまいうまい。
最悪だ。俺のお気に入りだったのに。お気に入りのフィギュアだったのに。
今まで湿気、日照りに気を配り極度の乾燥を防ぎほこりによる損壊を避けるため掃除を欠かさず手入れしてきたのにこのザマだ。
阿賀野フィギュアに伝う俺の精液の跡がなんとも言えない哀愁と異臭を漂わせている。さっきまであれほど愛執があったフィギュアもなんか悲しいかな哀集としてしか見れない。アイス食べたい。

一目見れば秘書艦の冷たい視線も事務的な態度も全部脳内キャンパスの片隅にあっちいってこいできたのにこれじゃあもう今までの様にはいかないじゃないか。この阿賀野のフィギュアを見るたびに俺は今日の最高の射精感と高揚感を思い出してって違う違う罪悪感と絶望感を思い出して泣くことになるのだ。
これほどまでに罪悪感があるのは初めて女児向けアニメを見た幼少期、ドハマりしたにもかかわらず友達にからかわれるのが嫌で必死になってさくらちゃんを馬鹿にしてた時ぐらいだ。
あのアニメたぶん今の世代に見せると確実にマスコットが某魔法少女の白い耳毛猫ポジだと思われるよな。かいじゅうじゃないもん!

ああもう普段から一日二回は抜かないとやっていけないくせに無闇にオナ禁なんかするからこうなる。女だらけの職場で人間として理性を働かせることがどれだけ難しいやら。
なんか変な目覚めに悪ノリしてオナ禁なんかするんじゃなかった。性への欲を我慢することで人間として成長しようとか考えていたころが懐かしい。なにが修行だよなにが経験値だよ一体ナニが役立つんだよオナ禁の。
つまりまたも俺はあの時と同じ失敗をしてしまったのだ。こうして結局浅い意識が大切なものを白く汚していくのだ。
ああもうあんなに反省したのにい!いまだに如月と目を合わせ辛いのにい!

というか俺の意識が吹っ飛んだのもこのフィギュアの容姿がやばいからだ。阿賀野のわがままボディをそのまま凝縮した造形。硬質なはずなのになんだか柔らかくすら感じられる黒髪の質感。フィギュアではたまに作りこみの浅い目は本物と見まがうほど深淵を覗く。
そして何よりその腹の作りこみ。へそ回りのファンタスティックでエキセントリックな肉厚感。包み焼ハンバーグを目前にした時と同じ高揚感がある。食欲と性欲は必ずしも同化しないがこれに限っては「おいしそう」という表現がぴったり当てはまる。むしゃぶりつきたい。
ああもう眺めまわすだけで視界がクラクラする。

大本営の軍イメージアップ戦略による艦娘の公式メディア展開及びグッズ展開の一環で製作された阿賀野のフィギュア。
今まで公式あにめーしょんやら那珂を中心としたアイドル活動などで賛否両論あれどそこそこ高評価を得た大本営が次に立ち上げたのがこの企画。そう、模型。
なんというか狙いがどこへ向かっているのかマジでわからんが世間的にはまあまあ受け入れられているのだろうか。どう考えても一般層にはイメージダウンしか起きないと思うのだが。


ともかく俺の手元には試験段階として製作されたものの模倣品がある。模倣品といっても明石作なため非常に出来がいい。むしろ下手したら明石製のほうがクオリティがいいんじゃなかろうか。
ところで明石、なんとか秘書艦に見つからずに手に入れたが頼むからAmazonの段ボールにいれて届けるのはやめろ。しかも品目が「PCパーツ」とかマジでやめろ。つい先日加賀にまたしても俺の秘蔵のオナホールがこんにゃくに変えられていたばかりだからやめろ。

もう最近秘書艦と顔合わせるだけでもなかなか辛い。かといって今更加賀を秘書艦から降ろすのも変な話だろうし。というかあいつ最近長期休暇が妙に多い。ついでに化粧直しも長い。しまいには「タバコ吸ってきます」とか適当な嘘ついてまで執務室からいなくなる始末。おまえ一度も喫煙室来たことないだろうが。
そんなに俺と顔合わせるのがいやか。まあ嫌なんだろうけど。この前もオナニー見つかったし。これが恋する乙女が照れて「同じ空気を吸うのが恥ずかしい」的な感じならまだ全然いいんだけど加賀の場合は真剣に同じ空間にいるのが嫌なんだろう。泣きたい。
ああマジで涙出てきた。この前タウンワーク読んでたし。仕事辞めたくなるほど嫌ですか俺と顔合わせるの。
もちろん原因は俺にあるのだから何を言うこともできないけどさ。執務室でムーンウォークの練習してたことは謝るからさ。そんなキチを見るような目で見ないでくれ。加賀のタオルと俺のタオルを素で間違えて使ったのは悪かったからさ。そんな睨まないでくれ。


はあ、悲しくなってくると自然と目が阿賀野のフィギュアに向かう。すでにフィギュアを眺めるだけで俺は精神的に安定を得るようになってしまったのだ。
……ん?おっとっと、胸の谷間に精液の取り残しがあったじゃないか危ない危ない。乾くと掃除が面倒くさいからな。というか拭き残しがまだ結構あるなこれ俺どんだけ出したんだよ我ながら。
しかし…………なんか阿賀野のフィギュアのおっぱいの谷間に垂れた精液を拭いてるとこう……興奮してきた。
なんてこったこんなところにトラップがあるなんて聞いてないぞ。おまえは小学生の作ったマリオステージかよポンポン隠しブロックばっか配置してんじゃねえ。
でも実際問題賢者モード過ぎてからこの様子を見るとマジで背徳的だなこれめっちゃ背徳的やんけ。

想像もしてみろ豊満なおっぱいに垂れた俺の分身を蠱惑的に微笑みながら拭う阿賀野。普段のほんわか元気な阿賀野と合わせて妄想するとそれだけでイきそうになる。
しかし今はとにかく掃除。できれば水洗いがしたいがフィギュアへのダメージを考えるとなかなかそうもいかない。まずは拭きとってから考えるべきなのだ。
しかしそれにしても拭きにくい。おっぱいと上着の間が微妙にひらいているせいでなかなか奥までティッシュが差し込めない。初めて床オナした時と同じもどかしさを感じる。それはそう、まるで初めて女の子のブラジャーを外すときのような。まあ俺童貞だからわかんないけど。
そもそもこの半端な開きは何なんだ。リアルなのはいいことだがこれでは劣化も早まるだろうに。

興奮と同時に謎のむなしさが去来するが必死で目をそらす。今は阿賀野のフィギュア、略してフィギュ野をきれいにすることだけを考えるんだ。ほらなんかソープみたいでいい感じじゃない!行ったことないけど。
……だめだ。拭き辛い。だいぶ濃いのをだしたからなかなかとり辛い。精液で大事なのは濃いことより誰かに恋することなんだけどなってうおああああ!!!バキっていった!!嘘やん!フィギュア壊れた!?ひぃ!嘘やん嘘やん!!!勘弁してくれよほんと涙が出るからやめてくれよほんと!!!!
ってあれ?え……あれ?なーんだフィギュ野の上着が外れただけか。ハハハ驚かせやがって。へえすごいなこれ上着どころか下のスカートもキャストオフできたのか。普段最新の注意をもって手入れしてたからわからなかったよ損した気分だ。
うわめっちゃ作りこまれてる。きれいな乳首にかわいらしいパンツ。ふう……壊れてなくてよかった。
…………は?
え?
ちょっと待ってこれ。
え?


気が付くと目の前に白濁としたタンパク質に塗れたフィギュ野がいた。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom