薙切えりな「…歯が痛い」 (72)

えりな「うぅ~…歯が、歯が痛い」ズキズキ

えりな「なんでこんなに痛いのよ…まさか虫歯?」

えりな「高校生になってからちゃんと一人で歯を磨いていたのに…」

えりな「…緋沙子にばれてしまったら」

えりな「いえ、これは虫歯なんかであるはずがありません」

えりな「この薙切えりなともある者が歯の一つや二つ磨き損ねる訳が」

緋沙子「あ、えりな様。こんな所にいらっしゃったんですね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442894590

えりな「!」

緋沙子「…どうかされましたか?」

えりな「へぁっ!?な、なにもないのよ!緋沙子が心配するようなことは!」

緋沙子「は、はぁ…」

えりな「…それで?なにかしら」

緋沙子「ところでえりな様そろそろお時間ですので車に乗っていただかないと」

えりな「そ、そうね…」

車内

緋沙子「本日の予定は午前中に大手氷菓子会社14社の検食」

えりな「…」

緋沙子「午後は来月行われる世界激辛料理典に出店される29店から依頼が来ております」

えりな「」

えりな「…」ズキズキズキズキ

えりな(…こ、これはまずいわね)

えりな(おそらくこんな状態でアイスクリームや辛い食べ物なんて食べてしまったら…)

ーーーーー

えりな「…うっ!痛い……」ズキッ

緋沙子「えりな様!まさか虫歯に!」

えりな「ち、違うの緋沙子!」

緋沙子「だから申したのです!仕上げは私がすると!」

えりな「だってそれは…」

緋沙子「言い訳は聞きません!今日からまた最後は私が磨きます!」

えりな「そんな…」

ーーーーー

えりな(なんてことに成りかねないわね…)

えりな(まずいわね…一刻も早くこの車から逃げないと)

緋沙子「…」ペラ

えりな(今!緋沙子が資料を確認している今!この時がチャンスよ!)

えりな「ね、ねぇ緋沙子?(シャクリ声)」

えりな(やだ!変な声が出ちゃったじゃない…)

緋沙子「は、はい?」

えりな「今日の占い見たかしら…?」

えりな(もっと上手に話を振れないの!?私は!)

緋沙子「もちろんです、えりな様は本日の占い1位でした」

えりな「そ、そう…」

緋沙子「はい!さすがはえりな様です!占いですら頂点を極めるなんて!」

えりな「…」

緋沙子「…えりな様?」

えりな「わ、私が見た占いだと私が最下位だったのよね…」

緋沙子「!」

えりな「しかも家で大人しくって言っていたのよね…」

緋沙子「そ、それでは…」

えりな(なに言ってるのかしら私…こんなことで)

緋沙子「本日の予定を取りやめた方がよろしいでしょうか?」

えりな「!?」

緋沙子「なににおかれましてもえりな様の体調が一番です」

えりな(…む、胸が痛くなってきたわね)

緋沙子「先ほどからどこかよろしくない様に見られましたし」

えりな「そ、そんなことは…」

えりな(ここで身を乗り出してしまったらもう後に戻ることは出来ない)

緋沙子「いえ!今の声ではっきりわかりました!」

えりな(ひっ!お、怒られる…)

緋沙子「今日はゆっくりとお休みになるべきです!」

えりな「ひ、緋沙子…」

緋沙子「連絡はすぐに済ませますのですぐに戻りましょう!」

えりな(あぁ…なぜかことが大きく……)

私室

緋沙子「えりな様、眠れない時もなるべく横になっていてください」

えりな「…」

緋沙子「私は一度失礼させていただきます」

えりな「緋沙子…」

緋沙子「はい!」

えりな「ごめんなさいね…」

緋沙子「いえ、それよりも早く元気になってください」

えりな「…」

緋沙子「では」

えりな「…」ズキズキズキズキズキズキ

えりな「これはまずいわね…」

えりな「なにか調べる方法があればいいのだけど」

えりな「…!」

えりな「いつも緋沙子が使っているぱそこん?を使えば!」

えりな「…どこにあるのかしら?」

えりな「…うぅ~…痛い」グスッ

えりな「こんなの今日だけで治るわけが…」

えりな「…少なくてもこの連休で治さなくてはいけないのよね」

えりな「…」

えりな「眠れなくても横になっていた方が良いと言っていたけど」

えりな「…」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ

えりな「眠れる訳がない…」

えりな「…な、なにかいいことを考えていれば!」

えりな(あの人の料理をいただいて…)

えりな(次に私の料理を召し上がっていただくの)

えりな(その日はきっと最高の日になるわね!)

えりな(はぁ…なんだかいい気持ね、これなら眠れそう…)

えりな(それに寝れば治るかもしれないし…)

えりな「…」

えりな「…」zzz

ーーーーー

えりな「結局治らなかったわ…」

えりな「…」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ

えりな「どうしましょう…」

えりな「学校は始まってしまったし、これじゃあ…」

「もう気を付けないとダメだよ?」

「いや、まさか虫歯になるなんてなww」

えりな「!」

えりな「虫歯!?…でもこの声は」

えりな「…いえ話を聞くだけでも」

恵「もう、笑ってるけど歯は大事なんだよ!」

創真「いや、でも俺結構歯医者好きなんだよな」

恵「か、変わってるね…」

創真「あの歯を削ってる感じが好きなんだよな」

恵「そんな風に感じるのは創真君だけだと思うよ…」

創真「でもよかったぜ、小さい虫歯で」

恵「でも、また歯医者さんに行くんでしょ?」

創真「まぁ、流石に一回じゃ終わんないからな」





えりな「…」

えりな「…幸平君」

創真「あ、薙切じゃん珍しい」

恵「な、薙切さん!お、おはよう…」

えりな「おはよう…幸平君ちょっと」

創真「え、なに?」

えりな「いいからちょっと来なさい!」

創真「なんだよ、めんどくせぇなぁ~」

えりな「はやく!」

創真「…わりい田所、ちょっと行ってくる」

創真「で、なんだよこんなとこに連れ出して」

えりな「…」

創真「…薙切?」

えりな「そ、その…虫歯ってどんな感じなのかしら?」

創真「…は?」

えりな「いいから答えなさい!」

創真「どんなって…俺の場合はいつも早めに見つかるからな」

えりな「…」

創真「でも、放っておくとなにもしなくてもズキズキするらしいぜ」

えりな「!」

創真「…え?まさかお前」

えりな「は、はぁぁぁ!?そんなわけないじゃない!」

創真「…」

えりな「この私がなんで虫歯なんて!」

創真「そっか…ま、気をつけろよな…最悪氏ぬらしいから」

えりな「」

創真「んじゃまたな」

えりな「…」

えりな「しんじゃう…わたし…しんじゃうのてん?」

えりな「…」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ

えりな「うそ…」

えりな「…」グスッ

えりな「…うぇ~~~~ん」ポロポロ

えりな「いやだよぉ~…グスッ…うぇ~~ん」ポロポロポロ

えりな「ひさこ~~」ポロポロポロポロ

えりな「…」

えりな「しんじゃう…わたし…しんじゃうの…?」

えりな「…」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ

えりな「うそ…」

えりな「…」グスッ

えりな「…うぇ~~~~ん」ポロポロ

えりな「いやだよぉ~…グスッ…うぇ~~ん」ポロポロポロ

えりな「ひさこ~~」ポロポロポロポロ

緋沙子「…えりな様に呼ばれた気がする」

緋沙子「…」キョロキョロ

緋沙子「ここか?」ガラガラガラ

えりな「うぇ~~~ん、ひさこ~~~」ポロポロポロポロ

緋沙子「!?」

えりな「グスッ…うぅ…」ポロポロポロ

緋沙子「えりな様!どうされたんです!?」

えりな「!」グスッ

緋沙子「どこかお怪我を!?」

えりな「ひさこ~~~~~」ポロポロポロポロポロポロポロ

えりな「ゆ"、ゆきひらくんが~~~」ポロポロポロポロ

緋沙子「なに!幸平創真ですか!?幸平創真にやられたのですか!?」

緋沙子「あの男!少し見直したとたんにこれか!」

えりな「ゆきひらくんがしんじゃうって~~~」ポロポロポロポロポロポロポロポロ

緋沙子「……え…?」

えりな「うわぁ~~~~~ん」ポロポロポロポロ

緋沙子「…えりな様」

えりな「グスッ…しにたくないのに」ポロポロポロポロポロポロ

緋沙子「…」ギュ

えりな「…ひさこ」グスッ

緋沙子「今は私が傍にいますので…」

えりな「ひ、ひさこ~~~~」ポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロ

緋沙子「えりな様…」ギュゥ

えりな「うぇ~~~~ん」ポロポロポロポロポロ

緋沙子「ゆ、ゆきひら…」グスッ

緋沙子「えっ!虫歯!?」

えりな「…そ、そうなの」グスッ

緋沙子「あの…話がよく見えないのですが」

えりな「だ、だから私が虫歯でひどいときはしんじゃうって幸平君が…」

緋沙子「…幸平創真がしぬのではないのですか?」

えりな「へ?なんで幸平君がしぬのよ…」

緋沙子「…」

えりな「?」

緋沙子「なんだよかったぁ~」ホッ

えりな「!?」

緋沙子「私は幸平がしんでしまうのかと思ってしまいましたよ」

えりな「ちょ!ちょっと!私はしんでもいいってわけ!?」

緋沙子「いえ、そういうわけでは」

えりな「ひ、緋沙子まで…私を…」グスッ

緋沙子「ち、違いますえりな様!」

えりな「もう…いい、緋沙子なんて嫌い…」

緋沙子「え!?ちょ!えりな様!?」

えりな「聞きたくない…」

緋沙子「え、えりな様!虫歯で死ぬなんてことはありません!!」

えりな「…」

えりな「うそ…」

緋沙子「ウソなんかではありません!」

えりな「…ほ、ほんとうに?」

緋沙子「いえ、あることはありますが現代医療であればまずありえません」

えりな「…」

緋沙子「昔は抜歯の技術が低く、それこそ糸を巻いて引っ張って抜いたり」

えりな「ひっ!」

緋沙子「抜かないでも灼けた鉄を虫歯に押し付けるなんてこともありましたが」

えりな「ひいっ!」

緋沙子「今ではそんなことはしません!そもそも抜歯なんてするのは親知らずくらいです!」

緋沙子「そもそもえりな様はいつも夜寝る前に歯を磨いているじゃありませんか!」

えりな「…でも磨き方が悪かったりしたら」

緋沙子「そもそも私が進学の際に見せた磨き方をすればそんな簡単に虫歯にはなりません」

えりな「…でも、歯が痛くて」

緋沙子「えりな様、一度口を大きく開けてください」

えりな「…」

緋沙子「えりな様?」

えりな「も、もし…虫歯があったら」

緋沙子「歯医者に行っていただきます」

えりな「」

緋沙子「さあ!早く口を開けてください!」

えりな「やだ…」

緋沙子「えりな様!」

えりな「だって恥ずかしいもん…//」

緋沙子「…えりな様」

えりな「…//」

緋沙子「今更なにをおっしゃっているんですか?(威圧)」

えりな「え?ひ、緋沙子?」

緋沙子「中学生の頃は私が最後の仕上げの歯磨きをしていたんですよ!?なにをいまさら!」

えりな「う、うるさい!嫌なものは嫌なの!//」

緋沙子「…はぁ」

えりな「なによぅ…そんな目で見て…」

緋沙子「先ほど泣いていたことを幸平に言いますよ?」

えりな「はあぁっ!?えっ!ちょ!?緋沙子!?」

緋沙子「ここで嫌われても私は構いません」

えりな「だからってなんで幸平君に!」

緋沙子「私はえりな様の後ろではなく横に並んで行ける様になると誓いました」

えりな「…」

緋沙子「しかし、えりな様の味覚は日本の!いえ、世界の至宝です!」

緋沙子「えりな様を守るためならば!私は臆することなくこの身を捨てられます!」

えりな「緋沙子…」

緋沙子「さぁ!口を開けてください!」

えりな「…」

緋沙子「さぁ!さぁ!さぁさぁさぁ!」

えりな「わ、わかったわよ…」

緋沙子「えりな様!」

えりな「その…ごめんなさいね緋沙子」

緋沙子「!」

えりな「そこまで緋沙子が私を考えてくれていたなんて思ってもいなかったから」

緋沙子「え、えりな様…」

えりな「じゃ、じゃあ…//」

緋沙子「安心して下さい、例え歯医者に行ったとしても虫歯くらい無痛で完治しますよ」

えりな「い、いいから早くして!//」

緋沙子「まぁ、親知らずは別ですけれど」

えりな「早くしなさいって言ってるでしょ!べつに歯医者なんて怖いわけないじゃない!//」

緋沙子「はいはい、ではあ~ん」

えりな「あ、あ~ん//」

緋沙子(あぁ、またこの可愛いえりな様の姿を目に出来るなんて!…ん?)

えりな「ひ、ひあこ?//」

緋沙子「あ、親知らずだ…」

えりな「」

私室前

緋沙子「えりな様!ここを開けて下さい!」ドンドン

「いや!開けたら歯医者に行くんでしょ!?」

緋沙子「そ、それは…」

「ほら見なさい!」

緋沙子「ですがえりな様…親知らずは一般的に横から生えてきます」

「…」

緋沙子「そしてえりな様のものもそうでした」

「だ、だからなによ!?」

緋沙子「親知らずは磨きにくく虫歯を作りやすいのです」

「…」

緋沙子「しかもえりな様のはかなり大きいので磨き辛さも、歯が他の歯や歯茎に与える圧力もかなり強いのです」

「べ、別に痛くなんか…」

緋沙子「はぁ…」

「ため息つきたいのはこっちよ!」

緋沙子「使いたくはありませんでしたがあの手を使わせていただきます」

「…なにする気?」

緋沙子「…」ポチポチポチ

「あ!こら!緋沙子!無視するな!」

緋沙子「…」prrrrprrrr

「…で、電話?」

緋沙子「もしもし、悪いが薙切邸に来てくれないか?」

「ちょっと!誰呼んでるのよ!緋沙子!緋沙子――!」

創真「で、なんで俺ら?」

恵「わ、私こんな大きな家に入ったの初めて」

緋沙子「田所さんはえりな様とスタジエが一緒だったらしいので」

創真「で、俺は?」

緋沙子「どうせ暇なのだから手伝え!」

創真「ひでぇ理由だな…」

「…緋沙子のばか」

創真「…おい、なんか言ってるぞ」

緋沙子「私のことはいい、それよりえりな様をこの部屋から連れ出してほしい」

恵「そもそもなんで薙切さんは引きこもってるの?」

「だ!誰よ!今私を引きこもり扱いしたの!?」

緋沙子「実は…」

「無視するなーー!」

創真「なるほどね」

恵「親知らずってそんなに痛いの?」

緋沙子「さぁ、私はなったことがないのでなんとも」

創真「俺もねぇな」

「誰も私の気持ちをわかってくれる人なんていないのよ…」

創真「…なぁ」

恵「うん…」

創真「めっちゃ薙切のヤツめんどくさくなってるな」

緋沙子「…」

「ちょっと!緋沙子!否定しなさいよ!」

創真「で、どうするかだが」

恵「説得するしかないんじゃないかな?」

創真「だな、じゃ田所から」

恵「えぇっ!?わ、私!?」

創真「はい、スタート」

恵「え、えぇ…」

緋沙子「お願いします」

「…」

恵「…な、薙切さん?」

「この声は…田所さんね」

恵「ねぇ、歯医者さんにい」

「いや!」

創真「最後まで聞けよ…」

「だって糸巻いて歯を抜くんでしょ!?」

創真「なに時代だよ…」

「あと灼けた鉄を押しつけたり!」

創真「…お前なに言ったんだよ?」

緋沙子「む、昔の治療法を…少しな」

恵「でも、今はそんなことしないよ薙切さん」

「…」

恵「それに麻酔をかけるから痛くもないし」

「ま、ますい?」

緋沙子・創真(これはチャンス!)

恵「?」

創真「あれ~?もしかして麻酔も知らないの~?(棒)」

「は、はあぁ!?知ってるのき、決まってるじゃない!」

緋沙子「おい幸平~えりな様がそんなこと知らないわけないだろ~(棒)」

恵「ど、どうしたの二人とも?」

創真「そうだよな~まさかあの薙切えりなともあろうお方が知らないわけないもんなぁ~(棒)」

「あ、当たり前でしょ!」

緋沙子「そうだぞ~えりな様をバカにするな~(棒)」

「そうよそうよ!もっと言ってやりなさい!緋沙子!」

創真「でも~、麻酔のこと知ってるんだったらこの扉を開けるはずなんだけどな~(棒)」

恵(…二人とも演技が臭すぎるべ)

「そ、それとこれとは…」

緋沙子・創真(やばい!押しすぎたか!?)

創真「ま、まぁ~薙切じゃ~無理かねぇ~(棒)」

緋沙子「さ、さっきから言わせておけば~(棒)」

「い、いいじゃない…行って見せればいいんでしょ?歯医者に」

緋沙子・創真・恵「!」

「だ、大丈夫よね?だって麻酔があるんだもの」ガチャ

緋沙子「はい、もちろんです!えりな様!」

創真「当たり前だろ!薙切!」

恵(茶番だべ…)

えりな「…緋沙子」

緋沙子「はい!行きましょう!」

えりな「…うん」

創真「…じゃ、俺ら帰るわ」

緋沙子「あぁ!ありがとう!」

恵「な、薙切さん頑張ってね!」

えりな「べ、別に頑張るほどのことじゃ…」

緋沙子「では、行きましょう!えりな様!」

帰り道

創真「あぁ~あっと!変に疲れたな!」

恵「な、なんだったんだろうね?」

創真「普通に歯医者に行きたくなっかただけだろ」

恵「薙切さんも結構普通だね」

創真「え?どこが普通なんだよ、あの削られるのがいいのに」

恵「…普通じゃないのは創真君の方だよ」

創真「でも俺も無理だな親知らずの抜歯は」

恵「え、そうなの?」

創真「いや、さすがに歯茎切り開いて歯切ってピンセットで取り除くのはちょっとな」

恵「改めて耳にするとやってること相当すごいよね」

創真「それに抜いた後がやばいらしいからな」

恵「あ…」

創真「どうした?忘れ物か」

恵「抜歯後のこと教えてあるのかなぁって…」

創真「…」

恵「…」

創真「田所…」

田所「うん…」

創真「帰るか!」

恵「うん!」

歯科病院

医者「ではこちらがさっき撮ったレントゲンです」

緋沙子「えりな様これがえりな様の親知らずですよ」

えりな「…はやく麻酔してちょうだい」

医者「本来、来てその日に抜歯ということはあり得ませんがここはご都合主義ということで」

えりな「…麻酔」

緋沙子「では、お願いします」

医者「はい、わかりました」

えりな「ま、ますい…」

術後

医者「はい、お疲れさまでした」

えりな「…」

緋沙子「どこかおかしなところはありますか?」

えりな「…」

医者「しばらくは喋れないかもしれませんね」

緋沙子「そうですか…」

医者「今日は湯船につからずにシャワーで済ましてください」

緋沙子「わかりました」

医者「詳しくは精算するときに用紙を渡しますので」

緋沙子「ありがとうございます」

医者「では、お大事に」

緋沙子「さ、肩につかまってください」

えりな「…」

緋沙子「それからしばらくえりな様は私を無視するようなった」

緋沙子「…」

緋沙子「覚悟はしていたがかなりきつい」

緋沙子「私室に入られて一番最初に交わした言葉は“緋沙子嫌い”だった」

緋沙子「あの時の胸を抉られたような痛みと喉が変にしめられた感触が未だに忘れられない」

緋沙子「もちろん口ではなく筆談だ」

緋沙子「…えりな様」

緋沙子「え、えりな様…おはようございます」

えりな「…」

緋沙子「本日の予定は午前に食戟で学園の方に行っていただきます」

緋沙子(あれからもう1週間経つ…もう喋れるはずなのに)

緋沙子「以上です…」

えりな「…」

緋沙子「…く、車を回してきます」ダッ

えりな「…」





えりな「…はぁ…どうしよう」

えりな「なんであんなこと書いてしまったのかしら…」

えりな「緋沙子とは仲良くしたいのに」

えりな「なんて言うのかしら…会話をするタイミングがわからないわ」

えりな「だいたい緋沙子も悪いのよ!だって…あんなこと書いたのに私に良くしてくれて」

えりな「そんなの…ずるい」

えりな「…誰か相談できる人は」

えりな「…」

えりな「…こんなこと話せる人なんて」

極星寮

緋沙子「こんな風になるなんてぇ~」グスッ

創真「ちょっと落ち着けよ!なっ!?」

緋沙子「あぁ~~~えりな様に嫌われたぁ~~~~」

創真(こいつに飲ませた水酒じゃねぇよな…)

緋沙子「…わかって、わかっていたさ嫌われてしまうかもと」

創真「べつに嫌われるようなことなんしてないだろ」

緋沙子「けれど、えりな様に術後のことまでは教えなかった」

創真(あ、やっぱ教えてなかったんだ)

緋沙子「うぅ…でも、でもそれは教えたらえりな様は怖がって歯医者に行かないと思ったからで」

創真「…」

緋沙子「べつに意地悪をしようとかそんなつもりでやったわけじゃないんだ…」

創真「なぁ、なんでここに来たんだよ?」

緋沙子「お前も関係者だからだ」

創真「…え、俺も悪いの?」

緋沙子「…」

創真「それ言うなら田所だって…」

緋沙子「いい…」

創真「へ?」

緋沙子「もういい…」

創真「もういいってお前…」

緋沙子「旅に出る」

創真「!?」

創真「た、旅ってお前!」

緋沙子「幸平止めてくれるなよ」

創真「あぁ!ちょっと待て!そこに座ってろ!」ポチポチポチ

緋沙子「電話なんかとり出して誰に連絡しても私は旅に出るぞ」

創真「はやく出てくれ!田所!」prrrrprrrr

緋沙子「呼んだところで私はえりな様の許しを得るわけではない…」

創真「あ!田所!?悪いけど今新戸が…え?」

緋沙子「東北あたりなんか今の時期いい寒さだな…眠るように逝けそうだ」

創真「ま、マジかよ…こっちも…あぁ」

緋沙子「いっそ即身仏にでもなって…」

創真「じゃあ今からそっちに行く!なるべくばれないように…そう…頼むぞ」

緋沙子「ははっ…幸平どうだ?一緒にお遍路でも」

創真「お遍路行く前にちょっと来い!」

「新戸さんはそんなこと思ってないと思うよ」

「でも、緋沙子に私酷いことしちゃったし…」

緋沙子「おい…なんで三階にまで上がらないといけないんだ?私は今から」

創真「いいから静かにしろって」スッ

緋沙子「…幸平、感心しないぞ盗み聞きなんて」

「新戸さんが直接言ってきたわけじゃないんでしょ?」

「…そうだけど」

創真「お、やってるな…新戸この扉に耳あててみろよ」

緋沙子「…流石にそれは」

創真「今だけ今だけ」

緋沙子「…」スッ

「だからもう緋沙子は…」

「だ、大丈夫だって!新戸さんはそんな風に薙切さんを思ってなんかいないよ!」

「…」

「…それに、二人とも仲良くしたいと、元に戻りたいと思ってるんでしょ?」

「ひ、緋沙子は思ってないかも…」

緋沙子「…」

「そんなことないよ!それにもしそうだとしても薙切さんは仲直りしたいんでしょ?」

「…えぇ」

緋沙子「…」

「じゃあ大丈夫だよ!ちゃんと言葉にしよ」

「た、田所さん…」

創真(さすが田所!)

緋沙子「えりな様!」ガチャ

創真「おい!新戸!」

恵(そろそろ来てよぉ創真君)

恵「じゃあ大丈夫だよ!ちゃんと言葉にしよ」

えりな「た、田所さん…」

恵「ほれ、ちゃんと新戸さんに謝りに」

緋沙子「えりな様!」ガチャ

えりな・恵「!?」

創真「おい!新戸!」

緋沙子「え、えりな様…」

えりな「緋沙子…」

えりな・緋沙子「ごめんなさい!」

創真「…」

えりな「ごめんなさい!私緋沙子に酷いこと言ってしまったし態度だって…」

緋沙子「ごめんなさい!私がえりな様にもっと説明しておけばよかったです!そうすれば…」

えりな「緋沙子…」

緋沙子「えりな様…」

えりな「ひ、ひさこ~~~~」ダキッ

緋沙子「えりなさま~~~~」ダキッ

えりな・緋沙子「うぇ~~~~~~ん」ポロポロポロポロポロ

恵「…う、うまくいったのかな?」

創真「たぶん大丈夫だろ」

えりな「い、いい!?今日見たことは言うんじゃないのよ!//」

恵「そんなことしないよ」

えりな「た、田所さんに言ってるわけじゃなくて…//」

創真「言わねえよそんなこと」

えりな「どうだか」

創真「早く行けよ」

えりな「言われなくても行くわ」

創真「…それれにしても」ジー

えりな「な、なによ…そんなに見つめて//」

創真「片側だけ腫れてて変なリスみたいだな」

えりな「…」

恵(それはフォローのしようがないよ創真君)

緋沙子「ありがとうございました田所さん」

創真「おい、俺にはないのかよ」

緋沙子「幸平もありがとう」

恵「気を付けて帰ってね」

緋沙子「はい!ではまた学校で!」

「緋沙子ーー!早くしなさーい!」

緋沙子「はい!ただいま!」ダッ

創真「なんだったんだあの二人は」

恵「でも、よかったね仲直り出来て。喧嘩別れはイヤだもんね」

創真「喧嘩って言ってもあれは親子喧嘩みたいなもんだろ」

恵「そうかなぁ…私は兄弟喧嘩みたいな感じがしたけどなぁ」

創真「…幼稚園生の妹と大学生の姉みたいなもんだな」

恵「あ、あははは…なんか否定できない」

私室

緋沙子「えりな様…」

えりな「なあに緋沙子?」ニコニコ

緋沙子「今回のことをふまえて、やはりえりな様の歯磨きは私がしようと思うのですが」

えりな「…」

緋沙子「えりな様?」

えりな「それはいや!」

緋沙子「ですが親知らずがまた出てきたらなるべく早めに病院に行かないと」

えりな「嫌なものは嫌なの!」

緋沙子「ダメです!こればかりは譲れません!」

えりな「だって緋沙子に磨いてもらうと9時に寝ないといけなくなるじゃない」

緋沙子「…えりな様、最近は何時くらいにお休みになられていたのですか?」

えりな「い、今そんな話してないじゃない!」

緋沙子「いえ!重要なことです!抜歯後は身体の疲れをしっかり取らないと!」

えりな「いいじゃないそんなこと!」

緋沙子「よくありません!」

えりな「ひ、緋沙子なんて知らな~い」ボフッ

緋沙子「あ!またベットに制服のまま倒れこんで!」

緋沙子「いいですかえりな様!」

えりな「聞こえな~い」ニコニコ

緋沙子「なにを笑っているんですか!虫歯を治すときは今回の10倍は痛いんですよ!」

えりな「じゅ、10倍…」

緋沙子「そうです!ですから今後は私がえりな様の歯を最終的に磨いて」

えりな「で、でも教えてくれた磨き方をすればそんな簡単にはならないんでしょ?」

緋沙子「いえ、今日からは完璧に磨きましょう!」

えりな「だ、大丈夫よ!そんな簡単に虫歯になんか」ズキッ

えりな「」

緋沙子「…?」

えりな「…」

緋沙子「どうされました?えりな様」

えりな「緋沙子…歯痛い…」ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ





おわり

お疲れさまでした

HTML依頼出してきます

皆さんも虫歯、親知らずには気を付けてください!しゃれにならないくらい痛いです!ヨーグルトも飲めないくらいです!

お腹はすいているのに食べ物が食べれないのは辛いです

では自分はロキソニン飲んで寝ます

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