【艦これ】磯風居候記 (52)

鎮守府もなければ深海棲艦もいない世界でちょっとハッチャケ気味の磯風が一般人とワイワイやるだけ

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青年「朝起きたら裸の女が隣に寝ていた」

青年「何を言っているか分からないかもしれないが、俺もまったく分からない」

??「私にも分からないな」

青年「お前はちょっと黙ってろ」

??「むぅ......」

青年「確かに俺は今年21歳になる大学生なのに彼女の一人もいねぇし、女友達だってほぼいないに等しいさ」

青年「アニメや漫画やゲームみたいに可愛い女の子がある日突然現れることに憧れもした」

青年「けど普通に考えてみろよ! 朝起きたら見知らぬ裸の女と一緒に寝てたとか心臓止まるだろ!?」

??「私に言われてもな......」

青年「しかも今日が何の日か知ってるか!? クリスマスイヴだよ! サンタは俺に喧嘩でも売ってんのか!!」

??「なら嬉しくないのか?」

青年「どんな痴女でも美少女だぞそりゃ嬉しいだろ常識的に考えて」

??「怒ったり嬉しかったりいったいどっちなんだ」

青年「とまぁ、一通り言いたいことを言ったところでーーーお前は誰なの?」

磯風「陽炎型駆逐艦12番艦の磯風だ。 あと痴女ではない」

青年「最近のデリヘルはそんな設定で来てくれるのか」

磯風「でりへる、というものが何かは知らんが設定などではないぞ。 私は歴とした大日本帝国海軍の艦船だ」

青年「あーもしもし? お前さ俺ん家に勝手にデリヘルとか仕向けただろぶっ飛ばすぞオラ」

磯風「聞いているのか?」

青年「あ? 仕向けてない? 嘘つくんじゃねぇぞ、こんなタチの悪い悪戯すんのなんざお前しか『テイトクー!!』ってうるせぇ! 誰かいんのか!? は、お前切るっておい! 話はまだ終わって......ちっ、切れやがったいぃぃぃだだだだだだっ!?」

磯風「人の話を聞け」

青年「分かった! 分かったから耳を引っ張るな!!」

〜数十分後〜

青年「......それじゃなんだ、お前は自分がその磯風って船の人間になった姿だと言いたいのか」

磯風「そうだが、何か問題はあるか?」

青年「問題大有りだこのスットコドッコイ。 普通に考えて船が人間になるわけねぇだろうがお前の体はナノマテリアル製か何かよ」

磯風「私も自分がなぜ人間をしているのかさっぱり分からないさ。 だがなってしまったものは仕方ないだろう」

青年「仕方ないってお前な......これからの生活はどうする気だよ。 お前の言う通りなら戸籍だって存在しないだろ」

磯風「君と生活するに決まっているだろう? 何を言っているんだ」

青年「お前が何を言ってるんだ!!」

青年「昨日今日いきなり湧いてきたお前をなぜ俺が養わなけりゃならんのだ!」

磯風「君が私を産んだからに決まっているだろう。 責任を持て」

青年「誤解を招く言い方をするな! 男の俺がどうやってお前を産むんだよ!」

磯風「人体錬成」キッパリ

青年「それは産んだんじゃないくて作り出したって言うんだ!」

磯風「なら黒魔術か?」

青年「お前には俺がそういうことする顔に見えるのかなぁ?」ピキキ

磯風「言ってはなんだが悪人面だな」ハハハ

青年「この野郎......!」

磯風「冗談はさておき、君に選択肢はないと思うぞ」

青年「......どういうこだ」

磯風「考えてもみろ......万が一、私がここを出で行って街をうろついていたとしよう」

青年「おう」

磯風「こんな美少女が君に貸してもらっている布一枚で歩き回っていれば、すぐに警察が私に声をかけるだろう」

青年「自分で美少女と言うのか......」

磯風「警察はこう聞くだろう」

警察『ああ、百合の花のように美しいお嬢さん、どうしてそんな姿で歩いているのですか?』

青年「まず取り押さえられそうだがな」

磯風「そこで私はこう答えるんだ」

磯風『〇〇アパートの102号室に住む人にこの姿で追い出されたんです......』ウワメヅカイ

磯風「君は社会的に死ぬ」ニッコリ

青年「貴様なんて恐ろしいことを......!」

磯風「さぁどうする! 社会的に死ぬか、美少女と同棲してキャッキャウフフするか! どちらか選ぶがいい!」

青年「くっ、家主なのに決定権がほぼ無いに等しい......!」

磯風「早く楽になるにゃしぃ......!」

青年「誰の真似か知らんがお前がやると気味悪いから止めろ!」

磯風「......磯風、抜錨する」ダッ

青年「だぁぁぁ分かった! 分かった! 居候させてやるからその格好で外に出るな!!」

磯風「フッ、完全勝利だな」ドヤァ

青年「くそぅ......結局押し切られてしまった」

磯風「気にすることはない......君はただ運命に従っただけなのだから」ポン

青年「こんな運命は認めたくねぇ......」

磯風「大人しく認めろ。 日本男子だろう、覚悟を決めたら最後までやり通せ」

青年「覚悟云々の前に選択権が無かったんですがそれは......」

磯風「なに大した問題ではない」

青年「そのセリフは言うならお前じゃなくて俺が言うべきものだ」

磯風「ところで何か着るものはないか? さすがにこの格好は寒いぞ」

青年「早くも自分の家モードかコイツは......そこのタンスの上から二番目の棚にジャージが入ってるからーーー」

磯風「ん? 一番下のタンスの奥にあるスライドする板の裏から薄い本が出てきたぞ」

青年「テメェすっとぼけたフリして人の家のタンスを物色してんじゃねぇぞ! ニヤニヤすんな!」

磯風「安心しろ、私は男の性に関しては理解がある。 軽蔑などはしない......ほほう、君は控えめな胸のメガネっ子が趣味なのか」ジー

青年「やめろォ!」

磯風「養ってくれるせめてもの礼に君の趣味に合った姿でいるように努力してやるんだ。 多少の性癖の露呈は我慢しろ......あ、でもケモノ耳とか尻尾は室内だけで我慢してくれ」

青年「もうやめてぇぇぇ!!」

青年「もうお婿に行けない!」

磯風「だったら嫁になればいいんだわんっ」

青年「......なんだその語尾は」

磯風「君の特殊な性癖をカバーしてみたんだが、どうかな?」

青年「」

磯風「......さてと、着替え終わったことろで君の性欲を満たすアイテムと私の服を買いに行こう」

青年「前半の言葉をあえて無視をするが......俺の服があるのにわざわざ買いに行く必要性がわからないぞ」

磯風「君は自分の着た服を女に着せて興奮するタイプだったか......」

青年「買いにけばいいんだろチクショウ!」

磯風「ありがとうだわん。 感謝するわん」ニコニコ

青年(......悔しいけど普通に可愛いなおい)

磯風「当然だ。 私は武勲艦磯風なのだからな」

青年「心を読むな!!」

初投下だから短め
適度に早くまったりと更新していきます

荒らしはスルーって別のスレで習った(小並感)

投下していきます

〜服屋〜

磯風「ほほーう......私が船の頃とは全く違う服でいっぱいだな」

青年「そりゃそうだろうよ、今ググってみたら駆逐艦磯風って100年以上前に沈んだ船らしいじゃん。 服どころか全てにおいて違うと思うぞ」

磯風「確かに。 私が船の頃はあんなに過激な春画は無かったぞ」

青年「その話は止めろ......んで、お前はどんな服が欲しいわけ?」

磯風「耳と尻尾が欲しいぞ」

青年「適当に選んでくる」スタスタ

青年「これなんてどうだ」

磯風「シャツ、羽織もの、ズボン......それが今時のスタイルというわけか」

青年「Tシャツとカーディガンとジーパンな。 これが無難なんだよ、いいから着てみろ」

磯風「了解した」ヌギヌギ

青年「よぉーしお前に一般常識がないのはよーく理解出来たからまずジャージを脱ぐのを止めるんだ」

磯風「......問題あるか?」

青年「問題しかねぇんだよお前はマジもんの痴女か!」

磯風「自分で言うのもなんだが容姿のレベルはかなり高いぞ。 誰にも迷惑をかけてないだろう」

青年「そういう問題じゃねぇの! ちょっと来い!」

青年「着替えるならここでしろ!」

磯風「なんだこの白いロッカーは」

青年「試着室だよ。 店でとりあえず気に入った服を着てみたいって時はここで着替えるんだ」

磯風「面倒なシステムだな......」ムゥ

青年「面倒もクソもあるか! さっさと着替えた着替えた!」

磯風「了解だ」

青年「はぁ......せっかくの休日にどうしてこんなに疲れなきゃならねぇんだよ」

青年(いくら見た目がいいからっつってもあれじゃいつかうっかり逮捕されかねんぞ)

青年(まぁそれに関しては後々教えこめばいいか......)

磯風「着替え終わったぞ」シャッ

青年「おう......ほぉ、元がいいだけにやっぱり似合っーーーって、ちょぉぉぉぉぉぉっと待てぇぇぇぇぇぇ!?」ドンッ

磯風「むおっ」

磯風「急に個室に押し込んできてどうした、私の可憐な姿に発情したか?」フフン

青年「発情どころかあまりの驚きに萎えたわ! テメェ、ズボンを履かずに出てくるとはどういうことだ......!」

磯風「このじーぱんとやらの締め付けが気に入らないから履いてないだけだ」

青年「いいか!? 昔だか船だかがどうだったかは知らねぇが、現在の日本国に住む人間は服を着ないといけないの! 下着で歩き回れるのは戦前の日本かどっかの世界のウィッチーズくらいなんだよ!」

磯風「馬鹿を言うな、戦前の日本だって下着で歩けば詰所へ連行されるぞ」

青年「ならなんでその詰所に連行される行為をするんだアンポンタン!」

磯風「あんぽんたん......新しい餅の種類か?」

青年「だぁぁぁもういい! スカート持ってくるから大人しくしてろ!」

磯風「よろしく頼むぞ」

磯風「スカートを履いてみた率直な感想を述べるようーーーひらひらスースーで落ち着かん」

青年「我慢しろ」

磯風「......さっきのジャージでいい」

青年「あれは俺が着るんだよ。 お前は女で見た目もいいんだからジャージなんかよりこういうのを着ろ」

磯風「ふむ、君が言うならそうするよ」


青年「あ、すいませーん、こいつの着てる服をそのまま買って着ていきたいんですが......」

店員「はーい......まぁ! お客様、とても美人さんですね!」

磯風「フッ、自覚はある」ドヤァ

青年「あ、コイツの言葉は無視してください」

店員「そちらの服もお似合いだと思いますけど、お客様にはこちらの服も合うと思うんです!」

磯風「これは......羊毛か?」

店員「はい! 今年流行のセーターなんです! お客様は体のラインがほっそりとしているのでそれを全面的に押し出せるこのセーターはとても似合うと思うんです!」

磯風「......だ、そうだが?」

青年「どうせもう何着は買わなきゃダメだったんだ、それも買うぞ」

店員「ありがとうございまーす!」

青年「あのセーター、8000円もしやがった......」

磯風「8000円? あのセーターには魚雷の半分ほどの価値があったのか?」

青年「今と昔を混同するな......円の価値は昔とかなり変わってる」

磯風「......日本も変わったな」

青年「良くも悪くも、な」

磯風「では良い面の変化として食事をしてみようではないか」

青年「そうだな、ならファミレスにでも入るか」

磯風「ふぁみれす?」

青年「行けば分かる」

〜ファミレス〜

磯風「......なるほど、レストランのことだったのか」

青年「ファミリーレストラン、略してファミレスだ。 安くて場所が取れてそこそこ美味いからよく家族連れが来るんだ」

磯風「この国も豊かになったのだな。 国家の存続をかけて戦った身としては国民が豊かに生活できるのは喜ばしい限りだ」

青年「ちょっといいこと言ってるみたいだが、その口から垂れてる涎で台無しだぞ」

磯風「私はこの包み焼きハンバーグとやらを食べてみたい!」

青年「聞いてねぇし......俺はカルボナーラにするか」

磯風「ーーーこりぇはなひゃなひゃ美味いふぉ!」モグモグ

青年「そりゃようござんした」モグモグ

磯風「君のそれも一口くれたら胸くらいなら触らせてやっても良いぞ!」

青年「んな貧相な胸なんざ触りたくねぇよ......ほらよ」スッ

磯風「あーんっ......ふぅぉぉぉ! 美味いぞカルボナーラとやら! イタリアも中々やるじゃないか!」

青年「少しうるさいぞ、公共の場なんだからボリュームを下げろ」

磯風「はっ!? この磯風としたことが......反省だな」

青年(一年の終わりも近いのに俺はなんつう拾いもんしてんだ......)

磯風「次はこれを頼んでみてもいいか!?」キラキラ

青年(けど、まぁ......)

青年「程々にしろよ、残念美人」

磯風「美人は認めるが残念は余計だ。 あ、すみませんこのーーー」

青年(うるさい拾いものも......悪くはないな)

投下完了
なるべくパッパと物語を進めたいから割とあっさりした部分が多いかも許してくだいなんでも島風!

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