絶対絶望少女野崎くん (33)

時は××××年……野崎史上最悪の絶望的事件が起きた!!!











『どーもー! 前野でっす!!』

『あっれー!? これって僕のアイデアですよね!?』










日本各地でシロクロのタヌキ(CV:前野)が現れたのだ!!

野崎「あああああああああ!!!!」

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野崎「……今やあのタヌキを見ない日はないほどに増えてしまった……」

御子柴「でもよ野崎……そのタヌキって歩いてるだけで誰にも危害は加えてないんだろ?」

野崎「俺にはある! 家の中でも前野さんの声が聞こえる日々が続き……鬱に近い状態になってしまった!!」

若松「それだけその人のことが嫌いなんですね……」

堀「そんで……俺達を呼んだ理由ってのはまさか……」

野崎「はい……俺達四人で未来機関と題した組織を作り……前野タヌキを撲滅します!!」

若松「ぼ、撲滅!?」

野崎「このままだと日本は前野さんに乗っ取られてしまう!! 今は大人しいが後に日本を侵略する!! そうなる前に大人しい段階でタヌキの息の根を止める!!」

御子柴「か、考え過ぎじゃねえか?」

野崎「お前は前野さんのなんたるかを分かってない!!」クワッ!!

御子柴「うおおっ!?」

堀「落ち着け野崎」

野崎「す、すいません……その……みんな、協力してくれるか?」

若松「俺、野崎先輩のためならなんでもやります!!」

御子柴「……この俺が力を貸すんだぜ? 感謝しろよ」

堀「ここは先輩として後輩の悩みを解決してやらなきゃな」

野崎「ありがとうみんな!!」

こうして未来機関は結成された。

佐倉(野崎くん……ここ最近は休んでばかりだ……)

佐倉(家にお見舞いに行ったけど留守だったし……電話にも出ない……)

佐倉(野崎くんだけじゃない……みこりん、堀先輩、若松くんも……)

佐倉(みんな……どこに行っちゃったの?)

ピンポーン!!

佐倉(今、家には誰にもいないし……私が出なきゃ)

佐倉「はーい」

ガチャッ

タヌキ『どーもー! 前野でっす!!』ブン

佐倉「うわあっ!?」

佐倉「な、なんで!? このタヌキって暴力は振るわないんじゃなかったの!?」

タヌキ『どーもー! 前野でっす!』

タヌキ『どーもー! 前野でっす!!』

タヌキ『どーもー! 前野でっす!!!』

佐倉「い、いっぱいいる!!?」

タヌキ『これって僕のアイデアですよね!?』

佐倉「に、逃げなきゃ!!」ダッ

ガシッ

佐倉「きゃっ!」バタン!

タヌキ『都先生!! 締め切りは守ってくださいね!!』

佐倉「は、離して!! お願い!!」

タヌキ『宮前くん! しっかり僕を撮ってね!!』

佐倉「!!」

佐倉(私……死んじゃうの?)

佐倉(お願い……誰か助けて……野崎くん……)

タヌキ『そーれ!』

佐倉「やめてえええええええ!!」

ドゴォン!!

タヌキ『』

佐倉「……?」

堀「大丈夫か佐倉!!」

佐倉「堀先輩!?」

堀「くそ……もうこんなにいやがるのか」

佐倉「先輩……今までどこに行ってたんですか!? 野崎くんは!?」

堀「ああ、今すぐにでも全部話してえが……今はそれどころじゃねえ。 あのタヌキ軍団をなんとかしなきゃな」

佐倉「ど、どうやって……?」

堀「こいつを使う」

佐倉「……定規が二つ?」

堀「こうやってクロスさせて……振りかぶれば……」

堀「……おらあ!!」

ドゴーン!!!

タヌキ『』

佐倉「タ、タヌキが爆発した!?」

堀「こうやって倒すんだ」

佐倉(……あ、アニメのOPの再現かぁ)

堀「佐倉、お前は先に逃げてろ」

佐倉「で、でも! 先輩が……」

堀「俺なら大丈夫だ、それに武器を持ってないやつがここにいたら危険だ」

佐倉「先輩……」

堀「お前はあそこの塔を目指せ、あそこならタヌキは来ねえ」

佐倉「あの……先輩はどうしてこうなったか知ってるんですか!? それに野崎くんは……」

堀「いちいち説明してる暇はねえ!! 早く行け!」

佐倉「は、はいっ!」ダッ

堀「さて……覚悟しろよお前ら!!」

堀「おらああああ!!!」

佐倉「はぁ……はぁ……」タッタッタッタ

佐倉(野崎くん……どこにいるの!?)

タヌキ『どーもー! 前野でっす!!』

佐倉「!! こ、ここにもたくさんタヌキが!?」

ガシッ

佐倉「!」

タヌキ『これって僕のアイデアですよね!?』

佐倉「や、やめて! 離して!」

パッ

佐倉「本当に離した!!?」

タヌキ『……』シーン……

佐倉「あれ……タヌキがみんな止まった?」

〜〜♪

佐倉「! この歌声って……」

瀬尾「〜〜♪」

佐倉「結月!!?」

瀬尾「……! おー千代じゃん!!」

佐倉「結月もタヌキから逃げて来たの!?」

瀬尾「いや、コンクール近いから歌いながら歩いてただけ」

佐倉「ええっ!?」

瀬尾「あ、あとさ。 さっきからタヌキによく会うんだけど私の歌声聴く度に止まるんだよね、タヌキ達」

佐倉「もしかして……私が襲おうとしたタヌキが離して止まったのは……結月の歌声を聴いたから!?」

瀬尾「分かんね」

タヌキ『どーもー! 前野でっす!!!』

佐倉「また現れた!!」

瀬尾「歌ってみよっか?」

佐倉「う、うん! お願い!!」

瀬尾「〜〜♪」

タヌキ『……』ピタッ

佐倉「す、すごい!! 本当に止まった!!」

ゲームが中々進めない時はローレライにチェンジしよう!!

佐倉「と、とにかく安全な所に行こう! 向こうにあるあの大きな塔が安全なんだって!!」

瀬尾「おー分かったー」

佐倉(それにしても……野崎くん、どこにいるんだろう)

佐倉(……そうだ、ダメ元でもう一度電話してみよう)

プルルルル……プルルルル……

佐倉(……やっぱり駄目か)








野崎『……佐倉か?』

佐倉「野崎くん!?」

瀬尾「えっ、なになに、 野崎と電話してんの千代」

佐倉「野崎くん! 今までどこに行ってたの!? 私、心配で心配で……」

野崎『すまない、長い間電話に出れなくて……佐倉は今、どこにいる?』

佐倉「わ、私は……今は結月と一緒に暴れてるタヌキから逃げてて……これからタヌキが来ないでかい塔に向かってるの!!」

野崎『そうか……実は俺もその塔にいる』

佐倉「本当!? す、すぐに行くね!!」

野崎『佐倉……すまない』

佐倉「な、なんで野崎くんが謝るの?」

野崎『タヌキが暴走していると言ったな……実は暴走した原因は俺なんだ』

佐倉「ええっ!?」

野崎『日本各地で前野さんの声をしたシロクロのタヌキが現れたのは知ってるか?』

佐倉「う、うん……ニュースになったしね」

野崎『それを作ったのは前野さんなんだ』

佐倉「やっぱり……」

野崎『前野さんの声を聞くのが嫌になった俺は……御子柴、堀先輩、若松と共に協力してもらってタヌキを撲滅しようとしたんだ』

野崎『お前の電話に出なかったのはこの事件に巻き込んではいけないと思っててな……すまない』

佐倉「野崎くん……」

佐倉(……野崎くんにとってあのタヌキの存在はかなり精神的にくるよね……壊そうとするのも無理はないよ)

野崎『タヌキが破壊され続けるのに怒った前野さんはタヌキを戦闘用に改造……そして人々を襲い始めた』

佐倉「もしかして……それで私達に暴力を!?」

野崎『ああ……そして俺と若松は捕まり……たった今、堀先輩も捕まった』

佐倉「捕まったの!? 若松くんも……堀先輩も!?」

瀬尾「えっ、若捕まったの。 なんで?」

佐倉「み、みこりんは!? みこりんは大丈夫なの!?」

野崎『ああ、残るはあいつだけだ……恐らく御子柴は今、追っ手に追われているだろう』

佐倉「追っ手……?」

野崎『前野さんが御子柴を捕まえる為に『希望の戦士』と言われている女を一人雇ったそうだ……顔を見てないからどんな奴かは知らないが……』

佐倉「希望の戦士……」

野崎『そいつはなんでも開発が得意なんだそうだ。 佐倉も気をつけてくれ』

佐倉「う、うん!」

野崎『……!! 前野さんが帰って来た……佐倉、もう切るぞ!!』

佐倉「えっ!? ま、待って野崎くん! まだ聞きたいことが……」

プチッ

佐倉「切れちゃった……」

瀬尾「ねーねー千代。 なんで若は捕まったの? 万引き?」

佐倉「えっとね……タヌキをやっつけちゃって……それで飼主が怒っちゃった……みたいな感じかな」

瀬尾「へー……」

瀬尾(……ん? 捕まってるってことは……)

注・これは妄想です

バァン!

若松『うっ!!!』

バァン!!

若松『や、やめてください!! そんなにバスケットボールを顔面にぶつけたら……』

バァン!!!

若松『ぐわっ!!』









瀬尾「あははははは!!」

佐倉「なんで笑ってるの!?」

佐倉「とにかく……野崎くん達があの塔にいるから助けなきゃ! 行こう結月!」

結月「おー」

?「うわあああああああ!!!」

佐倉「! 今の悲鳴って……」

瀬尾「あれじゃね?」

佐倉「……あっ!」













鹿島「本当に君はキャワイイね……開発してあげるよ」

御子柴「や、やめろぉ///」

佐倉「鹿島くん!?」

瀬尾「何やってんだあいつ」

佐倉「みこりん! 鹿島くん!」

瀬尾「おーっす」

鹿島「……! 千代ちゃんと先生……」

御子柴「さ、佐倉! 助けてくれぇ!!」

佐倉「も、もしかして……希望の戦士って……鹿島くん?」

鹿島「ち、千代ちゃん……なんで私が希望の戦士って……」

佐倉「お願い! みこりんを捕まえるのはやめて!」

鹿島「私だってこんなことしたくないよ……けど堀先輩が……」

佐倉「もしかして……『堀先輩を解放したければみこりんを捕まえろ』って……前野さんに言われたの?」

鹿島「な、なんで分かったの!?」

瀬尾「すげーな千代」

佐倉「大丈夫だよ! これから私達が野崎くんも堀先輩も助ける所なの! だから……みこりんを襲うのは……」

鹿島「……分かった」

ピッ

御子柴「や、やっと機械から解放された……サンキュー佐倉」

鹿島「でも千代ちゃん……塔に入ってどうやって助けるの?」

佐倉「そ、それは……」

御子柴「……前野さんを説得するしかねーよ」

佐倉「みこりん……?」

御子柴「前野さんは野崎達が捕まってる牢屋の鍵……それとタヌキの動きを止めるスイッチを持ってる」

瀬尾「説得しなくても奪えばいいだろ」

御子柴「無理矢理奪おうとした野崎と若松はそれで捕まっちまった……前野さんを守るでけータヌキがいるんだよ」

瀬尾「マジ?」

御子柴「俺と堀先輩はなんとか逃げれてな……けど先輩もまた捕まっちまったってわけだ」

佐倉「……とりあえず話は塔の中に入ってからでいいんじゃないかな?」

鹿島「そうだね……そこにタヌキはこないし」

鹿島「……御子柴、さっきはごめん。 先輩の為と言えども友達を酷い目に合わせようとして……」

御子柴「別に気にしてねえよ……それにそんな寂しい顔すんなよ? 俺はお前の太陽のような笑顔を見たいんだからよ☆」

鹿島「ありがとう、私が太陽なら君は向日葵だよ。 これからは向日葵のように美しい君を照らし続けるからね……私だけのバンビーノ」

御子柴「///」

佐倉「は、早く行こう!」

御子柴「お、おう……///」

ガシャン!!

御子柴「ひゃい!?///」

瀬尾「すっげー! この機械、腕がいっぱいある!!」

佐倉「ちょっと結月! みこりんを開発しないで!!」

佐倉「ふう……なんとか塔の前まで来たね」

鹿島「それにしても先生の歌声でタヌキが止まるなんて……」

瀬尾「なんでだろーなー」

御子柴(まさか……)









塔・最上階

野崎「前野さん……俺達を解放してください!!」

前野「いやです!」

堀「このでかいタヌキさえいなければ……何か弱点があれば……」

前野「あー、弱点ならありますよ!」

野崎「何!?」

前野「そこにいる君のリアルな弱点がタヌキの弱点!!」

若松「!! 俺……ですか!?」

前野「うん! さっき君に変な機械つけたでしょ!? あれは君の弱点を全てのタヌキにも反映させた機械なんだ!!」

野崎「何故自らそのようなことを……?」

前野「だってさ! めちゃくちゃ強そうで実は弱点があるってさ……ギャップ萌えじゃないですか!?」

野崎「違うと思いますが……」

堀「若松……お前の弱点ってなんだ?」

若松「うーん……しいたけと瀬尾先輩ですかね?」

野崎「堀先輩! 今すぐ俺と一緒にしいたけを買ってばら撒きましょう!!」

堀「牢屋の中でどうやって買えっていうんだよ」














御子柴(まさか若松の性格が反映されてるわけねーよな)

御子柴「そんじゃ、塔に入るか」

佐倉「……待って!!」

瀬尾「どうしたんだよ千代」

佐倉「あそこの建物から人の声が聞こえる!!」

鹿島「……本当だ。 ……入ってみる?」

佐倉「うん! 何か情報を掴めるかもしれないしね!」

ガチャッ

佐倉「こ、こんにちはー……」

宮前「……!」

佐倉「剣さん!?」

瀬尾「すっげー、人がいっぱいいる」

佐倉「どうしてここに!?」

宮前「タヌキに追われた人達はみんなここで隠れていて……俺はここにいるレジスタンスってグループのリーダーで……」

佐倉「そうだったんですか……」

宮前「前野の野郎……どうすればあのタヌキを……」

佐倉「じ、実は……タヌキはここにいる私の友達の歌声が弱点なんです!!」

宮前「!?」

佐倉「だからタヌキに怯える心配はもうないんです!」

佐倉「そこで……ここにいるみなさんにお願いがあります」

宮前「お願い……?」

佐倉「私達の友達を一緒に救ってほしいんです! だから……みんなであの塔に……一緒に行きませんか!?」

鹿島「上手くいけばタヌキの暴走を止められるかもしれないんです! お願いします! 私の先輩も捕まってるんです!」

瀬尾「若も危ないんでおなしゃーす」

御子柴「ちゃんと言えよ……」

宮前「……分かりました」

大人達「うおーーーーー! やるぞーーーー!!」

佐倉「あ、ありがとうございます!!」

塔・最上階

前野「そろそろ希望の戦士が帰ってくる頃かなー」

堀「御子柴……」

若松「だ、大丈夫ですよ! なんとかなりますって!!」

野崎(佐倉……無事でいてくれ)

野崎(塔の中は安全だ……だが最上階には来るな! 俺達の用に前野さんに捕まってしまう!)

前野「それにしてもこのジャイアントモノタヌキ……僕みたいにかっこいいなー」

〜〜♪

前野「……ん?」

ガシャーン!!

前野「うわあっ!? ジャイアントモノタヌキが倒れた!!?」

野崎「今の歌声……まさか!!?」










宮前「前野ぉ!!」

前野「宮前くん!?」

佐倉「野崎くん!! 助けに来たよ!!」

野崎「佐倉!!」

若松「zzz……」

瀬尾「なんだよ若、寝てんのかよ……ボコボコにされてるかと思ったのに」

鹿島「堀先輩!」

堀「鹿島! 無事だったんだな!!」

御子柴(あれ……俺の心配は?)

佐倉「前野さん! もうやめてください!!」

前野「嫌に決まってるじゃないか!! タヌキと僕の魅力を全国に広めるためにやったのに……それを邪魔されたんだからね!!」

宮前「前野ぉ……」

佐倉「な、なんとか説得させないと……」

御子柴「……俺に任せてくれ」

佐倉「……みこりん?」

御子柴「……大人しくやめな? ワガママなやつは……俺がオシオキしちゃうぜ?」

前野「あっれー? もしかして君、僕がイケメンだから嫉妬してる?」

御子柴「ぐはっ!」

佐倉「みこりん!?」

鹿島「こうなったら私が……」

佐倉「鹿島くん……」

鹿島「もう怒らないから……私の側においで……あなたの全てを包み込んであげるよ」

前野「もしかして君も僕に嫉妬してるのかな?」

鹿島「ぐはっ!?」

佐倉「鹿島くん!?」

堀「おい鹿島ぁ!! もっと本気を出せ!! そんなんじゃ女も堕とせねえぞ!!」

野崎「指導してる場合じゃないと思うんですけど……」

瀬尾「おっさん、スイッチ押して暴走止めて」

前野「やだ!!」

瀬尾「じゃあボール投げる」ブン

前野「!」ヒョイ

若松「うーん……あれ、俺はなんで寝てたんだ……?」

ガン!

若松「ぐはっ!?」

佐倉「若松くん!?」

若松「うーん……」バタッ

瀬尾「あれ、若のやつ、まだ寝てんだ」

野崎「お前が眠らせたんだ」

宮前(なんで夢野さんの周りはこうも変なやつばっかなんだよ)

前野「全く……邪魔されちゃあ困るなぁ」

佐倉(どうしよう……みこりんでも鹿島くんでも……結月でもダメだなんて……)

御子柴「佐倉……お前からもなんか言ってやってくれよぉ……」

佐倉「わ、私が……? でも私なんかが……」

佐倉(……! そうだ!!)

佐倉「せ、説得してみるね!!」

御子柴(……? なんか閃いたのか?)

御子柴「……おう、頼むぜ」

佐倉「……前野さん! 今なら間に合います!! やめてください!!」

前野「やだ!!」

佐倉「このままだと……タヌキも前野さんも……イメージが悪くなる一方ですよ!」

前野「!!」

佐倉「タヌキは暴力的な生き物で……前野さんも最低な人……そんなことが世間のイメージになっていいんですか!!?」

前野「た、確かに……それはまずいね」

野崎(揺らいだだと!?)

前野「僕が悪かった……暴走はやめよう」

プチッ

前野「これでタヌキの暴走は止まったよ」

野崎(もう解決しただと!!?)

佐倉「良かった……ありがとうございます」

御子柴「すげーな佐倉……」

前野「それじゃあ牢屋の鍵を開けてっと……」

カチャカチャ……

堀「やっと解放されたか……」

鹿島「堀先輩!!」ギュウウ

堀「ちょっ……いきなり抱きつくな!!」

若松「……あれ、俺はなんで寝てたんだ……?」

瀬尾「よー若!! やっと目が覚めたか!!」

若松「げえっ!? 瀬尾先輩!?」

野崎「佐倉……」

佐倉「野崎くん……怪我はない?」

野崎「ああ、大丈夫だ……本当にありがとう……そしてすまなかった」

佐倉「気にしてないよ! それに野崎くんが無事で本当に良かった!」

大人達「うおーーーーー!」

佐倉「!!?」

大人達「千代ちゃん万歳! 千代ちゃん万歳!!」

大人達「ありがとう千代ちゃん!!」

佐倉「う、うわああああ!?」

鹿島「千代ちゃんが大人達に胴上げされてる!?」

佐倉「……」

佐倉(どうせなら野崎くんに胴上げされたいなぁ……)

大人達「おい! 千代ちゃんが不満そうな顔をしているぞ!!」

大人達「もっと高く上げてくれってことだな!? 任せろ千代ちゃん!!」

佐倉「わわわっ!?」

瀬尾「すっげーな千代、天井ギリギリまで飛んでる」

御子柴「軽いからな、あいつ」

佐倉(は、恥ずかしいよ……)

佐倉(もしかして……野崎くん、私を見て笑って……)チラッ

野崎「……」スラスラ

佐倉(スケッチ!!?)

野崎(甲子園で優勝して胴上げされる鈴木……いいのが描けそうだ)スラスラ

前野「そういえばさ宮前くん、君ってここに来る時に先陣を切ってたよね? なんで?」

宮前「まあ……俺があのグループのリーダーだったからな……お前を止められなかったのは同級生の俺に責任があったし……」

前野「またまたー……僕には分かるんだよ?」

宮前「……は?」

前野「タヌキのメカを作れる僕の絶望的センスに嫉妬して……タヌキのメカを君のメカにしてもらおうとしたんでしょ?」

宮前「……は??」

前野「とぼけても無駄だよ! ……しょうがないなー、じゃあ特別にタヌキ達を君用に改造してあげよう!!!」

宮前「……は???」

時は××××年……野崎史上最高の事件が起きた!!!












『メールでお願いします』

『漫画家なめてんのか』









日本各地で等身大のシロクロのメカ剣さんが現れたのだ!!

宮前「前野おおおおおおおおおお!!!」

野崎(幸せだ……///)

〜おまけ〜

野崎「まさか全員が希望ヶ峰学園に呼ばれるとはな」←超高校級の漫画家

瀬尾「つーか野崎、お前って漫画家だったんだな。 知らなかったわ」←超高校級のローレライ

御子柴「それよりも俺は佐倉が超高校級のパラスってことに驚いたけどな……」

佐倉「パラスじゃねーし! ……そういうみこりんは何で呼ばれたの?」←超高校級のパラス

御子柴「言わせんじゃねえよ……超高校級のイケメンに決まってんだろ?」

野崎「ヒロインだろ」

佐倉「ヒロインだね」

御子柴「な、なんで分かったんだよ!?」←超高校級のヒロイン

鹿島「私は堀先輩は超高校級のバイオレンスかと思ったのに……」←超高校級の王子様

堀「そんなわけねーだろ……」←超高校級の足フェチ

若松「野崎先輩……俺、なんで超高校級の幸運なんでしょう……いっつも瀬尾先輩に酷い目に合うのに……不幸の間違いじゃないですか?」←超高校級の幸運

野崎(いや……ローレライの正体を知っていないのはある意味幸運だぞ)

若松「それにしても瀬尾先輩が超高校級の助っ人だなんて……」

野崎(そして未だに知らないのは本当に幸運だと思う)

〜終わり〜

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