遊矢『俺とデュエルしたい?』 遊馬『やろうぜ遊矢!』 (978)

遊矢「いきなり殴り合いなんて」

遊馬「こっちに決まってるじゃねえか」

遊矢「こっち?あ、ああ・・・そうだよな」

遊馬「先攻は遊矢がやっていいぜ」

遊矢「俺のターン!」

遊馬「ドローしないのか?」

遊矢「こっちルールだったな、ドロー!俺はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

遊馬「・・・」

アストラル「・・・」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439213816

遊矢「俺は手札からレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師をペンデュラム召喚!」

遊矢「レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!」

遊馬「・・・」

遊矢「カードを1枚セットしターンエンド」

遊馬「俺のターン!俺は魔法『ガガガウィンド』を発動!ガガガウィンドの効果で手札からガガガクラークを特殊召喚!ガガガウィンドの効果でガガガクラークのレベルは4になる!そして自分フィールドにガガガモンスターが存在するとき手札からガガガキッドを特殊召喚!ガガガキッドのレベルは自分フィールドのガガガモンスターと同じに変更できる!ガガガキッドのレベルを4に変更!」

遊馬「レベル4のガガガクラークとガガガキッドでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れよ、希望皇ホープ!そしてRUM-ヌメロン・フォースを発動!カオス・エクシーズ・チェンジ!希望皇ホープレイV!!」

遊矢「来たな希望皇ホープ!」

遊馬「俺はこのターンまだ通常召喚を行っていない!ドドドウィッチを通常召喚!ドドドウィッチが召喚に成功したとき手札からドドドモンスターを特殊召喚できる!ドドドドライバーを特殊召喚!ドドドドライバーがドドドモンスターの効果で特殊召喚されたとき自分フィールドのドドドモンスターを選択しそのレベルを一つ上げる!この効果は1ターンに2度まで可能だ!」

遊馬「レベル5のドドドウィッチとドドドドライバーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ヴォルカザウルス!!」

遊馬「俺はホープレイVがホープを素材にしている時にこの効果は発動できる!ホープレイVのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手モンスターを破壊しその攻撃力分のダメージを与える!」

遊矢「くっ・・・」4000→1200

遊矢「エクシーズ召喚されたオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンが墓地に送られたときエクストラデッキからオッドアイズモンスターを特殊召喚できる!俺はオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンを特殊召喚!」

遊馬「さらにさらに豪華特典としてェ!ヴォルカザウルスのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手モンスターを破壊しその攻撃力分のダメージを与えるぜ!!」

遊矢「うわああああああああああああああああ」1200→0

アストラル「やったな遊馬!」

遊馬「ああ!!」

遊矢「まさかあんな負け方するなんて・・・」

遊馬「遊矢は先攻1ターン目で星読みと時読みとオッドアイズが来たとき嬉しかったろ?」

遊矢「ま、まあ」

遊馬「希望を与えられそれを奪われる。その瞬間こそ人間は1番美しい顔をする。それを与えるのが俺のかっとビングさ」

遊矢「一つ歳下なのに遊馬には敵わないな・・・」

遊馬「そうでもねえさ」

遊矢「でも何でデュエルを?」

遊馬「実は」

カイト「それは俺が話す」

シャーク「派手にやったじゃねえか」

遊矢「何か凄い嫌な予感がするんだけど」

シャーク「別にどっちでもいいんだぜ、2人揃って目立つの好きだからよ」

遊矢「それで話って?」

カイト「重大な事だ」

遊矢「イイーッ!イイーッ!」

遊馬「出やがったな怪人・蜘蛛決闘者!俺が成敗してやるぜ!」

カイト「どうだハルト?ちゃんとヒーローショーの顔である仮面デュエリストと蜘蛛決闘者が来ただろ?」

ハルト「あれって遊馬と遊矢だよね兄さん」

カイト「いやヒーローとヒールだ」

ハルト「・・・」

カイト「楽しくないのか?」

ハルト「自分がやればいいのに嫌な事を歳下の2人に押し付ける兄さんは嫌いだ」

カイト「!?」

ハルト「可哀想だよ兄さん」

カイト「そ、そうだな」

シャーク「だっせえな天下のカイトも弟には形無しだぜ」

カイト「いい歳して1人でヒーローショーを見ているお前に比べたらマシだがな」

シャーク「てめえ!」

数日後

小鳥「カイトから聞いたよ遊馬!」

遊馬「何が」

小鳥「ヒーローショーの主役」

遊馬「・・・」

小鳥「どうだったの?ねえ教えてよ遊馬!」

遊馬「・・・」

小鳥「あっ・・・」

遊馬「その話題には触れるな。俺の汚点だ」

小鳥「う、うん」

遊馬「自分だけ楽するなんて許されねえぜカイト」


第1話『汚点』


遊馬「かっとビングだ!俺!」

カイト「元気だな」

小鳥「カイトって夏でもコートを着てるよね」

カイト「ああ」

小鳥「暑くないの?」

カイト「暑い暑いと思えば暑い。寒い寒いと思えば寒い」

遊馬「は?」

カイト「早い話が気の持ちようだ」

小鳥「・・・」

遊馬「何処かに行くのか?工具箱なんか持って」

カイト「クーラーが壊れたから修理してくれと連絡が来た」

遊馬「脱いだ方がいいぜ」

カイト「必要無い」

アストラル「カイトは常にコートを着てるな」

遊馬「そのうち死ぬぜ」

遊馬「この家・・・ここって」

アストラル「専業主婦のツァン・ディレが住む家だ」

小鳥「プロデュエリストのコナミさんの奥さんの」

アストラル「まさかと思うが」

小鳥「でもカイトって硬派一直線だし・・・そうよね遊馬?」

遊馬「クーラー直すだけだぜ?テレビの見過ぎだぜアストラル」

アストラル「しかしな・・・」

遊馬「そんなに怪しいなら覗いてやろうぜ!」

小鳥「けどカイトってモテないから・・・」

遊馬「小鳥」

小鳥「・・・」

遊馬「しかしデカいな豪邸だぜ」

アストラル「カイトとシャークの家だってこんなものじゃないか?」

小鳥「お金持ちって豪邸に住みたがるよね」

ツァン「暑いんだけど」

カイト「我慢しろ」カチャカチャ

ツァン「じゃなくてあんたの格好が!」

カイト「俺が暑くないなら暑くない」カチャカチャ

ツァン「絶対におかしいよ精神状態」

カイト「・・・」カチャカチャ

ツァン「普通さ衣替えするんだよ?なのにあんたはいつもいつも同じ格好で」

カイト「・・・」カチャカチャ

ツァン「遊馬と凌牙でさえ制服と私服で分けてるのにあんたは」

カイト「6着」

ツァン「は?」

カイト「同じのが6着ある。問題は無いはずだ」

ツァン「・・・」

カイト「臭わなければ他人に迷惑をかけない。そして俺がコートを着ようが着まいが他人が暑く感じる事は無い」カチャカチャ

ツァン「暑苦しいの!」

カイト「それは気のせいだ。俺はまるで暑くない」カチャカチャ

遊馬「出てきたぜ」

カイト「・・・」

小鳥「何も無かったよね」

カイト「何がだ」

アストラル「いや我々の話だ」

カイト「飯でも食いに行くか」

遊馬「珍しいなカイトが俺達を誘うなんて」

小鳥「やっぱりカイトだから高級なやつよね!」

遊馬「そうだぜ!」

カイト「ラーメンにでもするか」

遊馬「ラーメン!?」

小鳥「で、でもラーメンでも店の中だし」

カイト「ラーメン屋の屋台がこの辺に来ているな。行くぞ」

遊馬「・・・」

カイト「早くしろ」

遊馬「お、おう」

数日後

小鳥「カイトって暑苦しさ全開だけど不倫とかじゃなくて良かったよね遊馬!」

遊馬「当然だぜ、カイトそんな事するわけねえさ!」

小鳥「うん!」

遊馬「ハハハ!」

小鳥「フフフ」

遊馬「ハハハ!」

小鳥「フフフ」

遊馬「ハハハ!」

小鳥「フフフ」

遊馬「でも狂人だぜ」

小鳥「うん」

遊馬「このクソ暑い時期にコートなんて着るなよ」


第2話『狂人』


遊馬「・・・」ピンポーン

ギラグ「誰だ?何だ遊馬じゃねえか」

遊馬「シャークは?」

ギラグ「ナッシュ?おーいナッシュは何処行っちまったんだ?」

璃緒「凌牙ならプール当番の日だから出かけたわよ」

ギラグ「だとさ」

遊馬「何だプール当番か」

ギラグ「何かナッシュに用か?」

遊馬「どうせ暇してると思ったからクワガタ虫でも採りに行こうか誘ったんだ」

ギラグ「プール当番でも暇なものは暇だろ」

遊馬「それもそうだよな」

ギラグ「遊びに行ってやればいいんじゃねえか?」

遊馬「じゃあ行ってきてやるか」

ギラグ「おう」

シャーク「てめえ!飛び込むなって言ったじゃねえか!」

遊馬「おーいシャーク!」

アストラル「意外と真面目にやっているんだな」

シャーク「どうした遊馬、アストラル」

遊馬「山行こうぜ」

シャーク「山?俺は当番があるんだよ」

遊馬「真面目だなシャークって」

シャーク「これやらねえと璃緒がキレるんだよ」

遊馬「いもシャークが?」

シャーク「うるせえんだよ女ってのは」

遊馬「わかるぜ、姉ちゃんもうるせえから」

アストラル「その分母は遊馬を甘やかしている」

シャーク「てめえら!飛び込むなって言ってるだろうが!!」

遊馬「マジでやってるぜ」

シャーク「もう少し待ってろよ。午前で終わりらしいから」

遊馬「あいつら隅っこで座ってるけど」

アストラル「何かしたのか」

シャーク「プールの中でふざけやがるから蹴っ飛ばしてやったんだよ」

遊馬「そこまでする事ねえだろシャーク!」

アストラル「君なら一睨みで片付くと思うが」

シャーク「最近のガキは俺がシャークって事も知らねえから困るぜ」

遊馬「見た感じ大学生っぽいし」

シャーク「俺の通り名が通じるのは高校生までって事だ」

アストラル「近隣の学校の生徒は君が歩くだけで道を開けるからな」

シャーク「ああ」

遊馬「でもな蹴っ飛ばすってのは」

シャーク「プールの中にザリガニを撒きやがったんだよ」

遊馬「それなら蹴っても仕方ねえか」

アストラル「そうだな」

シャーク「終わり、帰ろうぜ」

遊馬「もういいのか?」

シャーク「午前過ぎたら終わりなんだよ」

遊馬「じゃあ」

シャーク「山行こうぜ、カナブンでもテントウムシでも何でも採ってやるよ」

遊馬「クワガタ虫だぜ」

シャーク「クワガタ?」

遊馬「デカいクワガタが見つかったらしいぜ」

シャーク「どんぐらいだ?」

遊馬「全長6メートルぐらいだってよ」

数日後

小鳥「どうだった?」

遊馬「何が」

小鳥「クワガタ」

遊馬「それがシャークが顎を蹴っ飛ばして再起不能にしちまったんだよ」

小鳥「シャークって喧嘩っ早いもんね」

遊馬「そのくせプール当番を真面目にするんだぜ」

小鳥「プール当番?何それ」

遊馬「・・・」

小鳥「何よプール当番って」

遊馬「・・・」

小鳥「遊馬!」

遊馬「・・・」


第3話『当番』


何気に難しいな
今回も初っ端からスベってるから気長に考えよ

今日はここまで

Ⅳ「ハートランドか、久しぶりに帰って来たぜ」

「あ、Ⅳだ!」

「サインしてよ」

Ⅳ「ええファンサービスは僕のモットーですから」

小鳥「見てⅣが猫被りしてる!」

遊馬「Ⅳ!」

アストラル「久しぶりだな」

Ⅳ「デカい声で猫被りとか言ってんじゃねえ!」

「・・・」

Ⅳ「いや・・・ハハハ!久しぶりだね小鳥」

小鳥「やめた方がいいよ」

Ⅳ「・・・後で覚えてろよ」

遊馬「すっげえ引き攣ってるぜ」

アストラル「紳士のフリをするのは彼の性格では無理な話だ」

遊馬「何処行ってたんだ?」

Ⅳ「遠征に決まってるだろ」

小鳥「テレビで見たよ!」

Ⅳ「そりゃ中継されてるからな」

小鳥「ギミック・パペットは試合では使わないんだよね、さすが」

Ⅳ「・・・」

アストラル「あのモンスター群は試合で使えば放送禁止になる。そうだなⅣ」

Ⅳ「さっきから何か俺に喧嘩売ってねえか?」

小鳥「そ、そんな事無いよ」

遊馬「プロって大変だろ」

Ⅳ「慣れれば余裕」

遊馬「へえ」

Ⅳ「お前もプロになるんだろ」

遊馬「当然だぜ!」

Ⅳ「さてと」

遊馬「もう何処かに行くのか?」

Ⅳ「ま、まあな」

遊馬「何かあったのか?」

Ⅳ「・・・」

遊馬「Ⅳ」

Ⅳ「遊馬、アストラルこっち来い」

アストラル「やはり何かあったのか」

小鳥「私は?」

Ⅳ「これは男同士の話だ」

小鳥「Ⅳが猫被りだって色んな人に言っちゃお」

Ⅳ「チッ、だったらお前も来いよ」

Ⅳ「これ凌牙の妹に渡してやってくれよ」

遊馬「これヒマワリだよな?」

Ⅳ「食虫ヒマワリって言って南米に咲いてるヒマワリだってよ」

小鳥「で、でもこれって璃緒さんも嫌がるんじゃ」

遊馬「何で?」

小鳥「見た目が最高に気持ち悪い」

遊馬「どうして?」

小鳥「遊馬だって見たら!」

遊馬「小鳥」

小鳥「・・・」

Ⅳ「あいつには酷い事したからな。せめてもの罪滅ぼしっていうか」

アストラル「見れば見るほどいい植物だ」

Ⅳ「だろ?俺もいいんじゃねえかなって」

数日後

小鳥「食虫ヒマワリは?」

遊馬「捨てたらしいぜ」

小鳥「ふーん」

遊馬「あんな不気味な物を貰って喜ぶ奴は居ねえよ」


第4話『植物』


遊馬「アチい・・・アチいよな」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

Ⅳ「・・・」

遊馬「どうしたんだ?嫌そうな顔して」

Ⅳ「俺は暇じゃねえんだよ」

シャーク「何が悲しくて草毟りなんかしなきゃいけねえんだ!」

カイト「・・・」シュッシュッシュッ

遊馬「だって姉ちゃんが庭の草を狩れって」

シャーク「その姉貴は!」

遊馬「どっか行っちまったよ。母ちゃーん!カイト達が草取りしてくれるって」

Ⅳ「あれ遊馬のおふくろか?」

シャーク「そういや始めて見るんだよなⅣ」

Ⅳ「ああ」

カイト「お前達は母親の顔を覚えてるか」

シャーク「少しな」

Ⅳ「俺も写真でなら何度か」

カイト「遊馬は恵まれている。両親が共に健在しているなんて俺達からしたら羨ましいものだ」

シャーク「・・・」

Ⅳ「遊馬が13歳で姉貴は20歳・・・おふくろは幾つなんだ?」

シャーク「知らねえ・・・けど40はいってそうじゃねえか?」

カイト「その割りには若い気もするがな」

シャーク「・・・」

Ⅳ「・・・」

カイト「手を動かせ」

Ⅳ「何でプロが草取りしなきゃならねえんだ」

シャーク「知るかよ。俺だって草取りしてんだから」

Ⅳ「こんな猛暑にやらすなよ・・・クソ」

アストラル「・・・」

シャーク「いいよなアストラルは何もしなくて」

Ⅳ「一応聞いておくけど鎌持てねえよな」

アストラル「ああ」

Ⅳ「・・・」

アストラル「身体にいいと思うぞ」

カイト「我儘を言うな、さっさと手を動かせ」

Ⅳ「・・・暑くないのか?」

カイト「ああ」

シャーク「頭おかしいんだ。ほっとけよ」

カイト「お前達のその短パンはまるで似合わんがな」

シャーク「てめえ!」

Ⅳ「少しは暑さ感じねえのか!」

カイト「・・・」シュッシュッシュッ

遊馬「いや助かったぜ、ありがとな」

カイト「・・・」

シャーク「何で俺達なんだ?」

遊馬「暇そうだからだぜ!」

Ⅳ「お前のおふくろっていくつなんだ?」

遊馬「それは言えねえ」

シャーク「何か訳ありか?」

遊馬「・・・」

シャーク「なら仕方ねえ」

Ⅳ「帰ろうぜ」

カイト「・・・」

遊馬「また遊びに来いよ!」

数日後

小鳥「えっ?あの三人が」

遊馬「草取りをしてくれたんだ」

小鳥「そうなんだ」

遊馬「・・・」

小鳥「でも何で三人を?鉄男くん達でも」

遊馬「鉄男はデブだから暑さで死ぬ」

小鳥「あっ」

遊馬「俺らの歳であの体型じゃ早死にするぜ」


第5話『肥満』


ハルト「大変だよ兄さん!」

カイト「どうしたハルト?」

ハルト「遊馬がデュエルしてる」

カイト「遊馬がデュエル?いつもの事じゃないか?」

ハルト「それが負けそうなんだ!」

カイト「何だと」

ハルト「変な仮面被ってて黒いローブを着てるんだ!」

カイト「聞くだけで怪しい奴だな」

ハルト「早く兄さん!」

カイト「わかった」

「ドロー!私はRUM-アストラル・フォースを発動!妖精王アルヴェルドをランクアップ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!妖精騎士イングナル!」

「妖精騎士イングナルのオーバーレイ・ユニットを二つ使い相手フィールド上のカードを全て持ち主の手札に戻す!」

遊馬「な、何だって!?」

アストラル「アストラル・フォースを・・・君は何者だ」

「私は誰でも無い。私は九十九遊馬抹殺のために生まれた存在」

小鳥「アストラルが見えるの!?」

「バトル!九十九遊馬にダイレクトアタック!!」

遊馬「ぐわあああああああああああああああああああああ」

「九十九遊馬のかっとビングは世界を滅ぼす。そう私の頭の中で囁きかけているわ」

小鳥「遊馬!」

アストラル「私が見えているならやめるんだ。争いは何も生まないぞ!」

「私は九十九遊馬抹殺のために生まれた存在・・・それにデュエルでの敗者は死あるのみ!」

カイト「そう簡単に遊馬を殺させはせんぞ」

小鳥「カイト!」

カイト「何処の誰かは知らんが何者だ貴様は」

アストラル「何でも遊馬抹殺のために生まれた存在らしい」

カイト「という事はロボット或いはバイオ兵器か」

「あなたが天城カイトね」

カイト「ああ」

「どうやら私を生み出した者は九十九遊馬と天城カイトをかなり恨んでいるみたいね」

カイト「しっかりしろ遊馬」

遊馬「め、面目無いぜ」

カイト「さあ俺と・・・何処に行った」

小鳥「突然消えたよ」

カイト「これはあいつが纏っていたローブの切れ端か、この匂いは汗・・・少し調べてみるか」

小鳥「何か不気味よカイト」

カイト「遊馬は家まで連れて行ってやれ、それぐらいなら少し寝てれば治るだろ」

Ⅴ「何かわかったかカイト」

カイト「どういう・・・ことだ・・・!?」

Ⅴ「どうした」

カイト「この微量の汗の成分から限りなく身内に近い奴の遺伝子が含まれている」

Ⅴ「汗だけでは何もわからないぞ」

カイト「通常だがな」

Ⅴ「まさか特殊な体構造を持つ者か?」

カイト「ああ」

Ⅴ「だが特殊な体構造のデュエリストなど多いぞ」

カイト「これでロボットの線は消えた。だが・・・どうして奴が」

Ⅴ「・・・」

カイト「あいつに問い合わせてみるか」

カイト「そうか、わかった。その時間は確かに一緒に居たんだな」

Ⅴ「・・・」

カイト「邪魔をしたな」ピッ

Ⅴ「どうだった」

カイト「同じような力を持つ者か、或いは・・・」

Ⅴ「・・・」

カイト「もう一度現場に行ってみるか」

Ⅴ「私も同行しよう」

カイト「頼むクリス」

カイト「俺の予想では間違いなく・・・」


第6話『抹殺』


カイト「ここだ」

Ⅴ「随分と派手にやりあったものだな、実体化したのか?」

カイト「さあな、俺も途中から来たからよくわからん」

Ⅴ「・・・」

ツァン「カイト!何やってるの?」

カイト「今は忙しい帰れ」

ツァン「何よこいつ」

カイト「怪しい奴を見なかったか」

ツァン「目の前に居るけど」

カイト「もういい。行こうクリス」

Ⅴ「いつもカイトに構ってくれてありがとう。カイトは母が居ないから君のような大人が」

カイト「クリス!」

Ⅴ「わかった」

カイト「お前も大人しく家に帰れ、俺達は見ての通り忙しい」

カイト「赤毛だ」

Ⅴ「これは」

カイト「後はもう一つ調べねばならぬ事がある。あれがあれば本人またはクローンである事がわかる気がする」

Ⅴ「だが居場所がわからんぞ」

カイト「そいつの狙いは俺と遊馬だ」

Ⅴ「凌牙は含まれていないのか?」

カイト「知らん。興味が無い」

Ⅴ「もっと素直になった方がいいぞ。お前は凌牙の事を大切な友だと思っている」

Ⅴ「口には出さんがゴーシュやドロワの事だって同じ釜の飯を食べた大切な仲間だと思っている。彼の試合は全て録画しているとハルトが話していたぞ」

カイト「・・・そうだな素直になってみるか」

Ⅴ「それでいい」

カイト「持つか、犯人は現場に戻ってくると相場が決まっている。狙いが俺なら尚更だ」

カイト「案の定、来たか」

「・・・」

カイト「お前は十六夜アキ・・・違うか?」

「・・・」

カイト「何とか言ったらどうだ」

「・・・汗の成分と赤毛とデュエルでわかったのか?天城カイト!」

カイト「声色が変わっただと!?」

「ヒャーハッハッハ!!!何でもかんでも科学の力で判断するなんざ2流のする事よ!」

Ⅴ「何者だお前は」

カイト「鬼柳京介か?」

鬼柳「ああ!驚いたか?」

Ⅴ「なぜ君が遊馬に牙を剥いた!」

鬼柳「言ったじゃねえか、俺はてめえと遊馬を抹殺するために生まれたってな!」

カイト「つまりクローンか・・・そいつが十六夜アキに変装させ俺を」

鬼柳「遊馬にはデュエルで勝った。そしてキレ者のカイトの裏をかいた!俺の勝ちだな、ヒャーハッハッハ!!!」

カイト「くっ・・・」

Ⅴ「恐ろしい技術だな、あの好漢である鬼柳京介の邪悪なクローンを生み出すとは」

カイト「とりあえず敵の正体が鬼柳でわかった事が救いだ」

Ⅴ「倒せるのか?」

カイト「鬼柳は鬼柳でも俺の知ってる鬼柳とは違う」

Ⅴ「そうだな彼はサッパリした気立てのいい男だったな」

カイト「遊星達のリーダーである奴とは程遠い」

ツァン「まだ刑事ごっこしてたんだカイト達」

カイト「・・・」

ツァン「な、何よ」

カイト「ありがとう」

ツァン「や、やめてよ気持ち悪い・・・熱でもあるんじゃないの?」

カイト「俺は素直に言ったぞ」

Ⅴ「いきなりでは不気味がられる」

カイト「それもそうか」

ツァン「何なんだろ。僕はこいつに何かしたのかな」

数日後

小鳥「鬼柳さんだったんだって」

遊馬「そうか」

小鳥「あ、でもクローンだってカイトは」

遊馬「ああ」

小鳥「驚きよね遊馬とカイト抹殺なんて」

遊馬「慣れてるさ敵に命を狙われるなんて、でもシャークが狙われなくて良かったぜ」

小鳥「どうして?」

遊馬「あいつは加減を知らねえから」


第7話『刑事』


ベクター「プッ!何だそりゃ!」

シャーク「うるせえぞベクター」

ベクター「だってよォ・・・なあ?」

ドルべ「ナッシュは似合わないな」

ミザエル「確かにな」

ギラグ「眼鏡はねえよ眼鏡は」

アリト「ああ」

シャーク「じゃあ他の奴がかけてみろよ」

璃緒「じゃあ・・・」

アリト「ミザエル!」

璃緒「アリトね」

アリト「俺!?」

璃緒「はい」

アリト「何で俺なんだよ」

ベクター「何だそりゃ?全然ダメじゃねえか!」

アリト「うるせえな!次だ次」

璃緒「次は」

ギラグ「・・・」

ミザエル「・・・」

璃緒「ミザエル」

ベクター「そりゃいいぜ!でもミザちゃんならガリ勉臭くなっちまうぜェ」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「くっ・・・」

璃緒「ミザエルは賢そうだから似合うんじゃない?」

アリト「何か俺がバカっぽい見てえだぞ、その言い方」

ミザエル「やってみよう」

ベクター「うわぁ・・・悲惨だな」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「くっ・・・」

シャーク「暇だからって色んな奴に眼鏡かけさせても意味はねえだろ」

璃緒「だって暇だから」

シャーク「・・・」

璃緒「次は」

ギラグ「ベクター!てめえがやれ」

ベクター「おいおい、言い出しっぺのメラグがやるもんじゃね?」

ドルべ「確かに一理ある」

アリト「やろうぜメラグ!」

璃緒「私か」

シャーク「やってみろ璃緒」

璃緒「どう?」

アリト「お、おう」

ギラグ「いいんじゃねえか?」

ドルべ「あ、ああ」

ミザエル「・・・」

ベクター「何で赤くなってんだみんな揃って」

アリト「う、うるせえな!」

ミザエル「もう眼鏡はやめよう」

ドルべ「そうだ」

シャーク「璃緒はやらねえぞ」

アリト「べ、別に俺は欲しくねえし!」

ギラグ「そうだぞナッシュ!」

シャーク「同じ屋根の下で暮らしてるから油断できねえぜ」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第8話『眼鏡』


よく考えても次元ごとの関係っていうのが自分でもよくわからない
誰か見てたら教えてほしいな

今日はここまで

単純に同じ事の繰り返しで飽きられたんだろうな
面白ければ人は見るしつまらないならこういう事になる。最近は全部スベって終わるわけだし
デュエルしたってデュエル内容もお粗末だから何やってもダメ

誰も見なくてもたまに1人2人は見てくれてるし自分が楽しんでればそれでいいからひっそりと書いて続けると思う

シャーク「あ?てめえのとこの子供にデュエルを教えてやれだって?」

遊矢「同じ水属性同士何だから」

シャーク「俺はパスするぜ、大体水属性なんて」

遊矢「ケチケチするなよ」

シャーク「何だその言い方は!!」

遊矢「事実だろ?不良のくせに意外と器が小さいんだな凌牙って」

シャーク「てめえ!」

璃緒「やってあげなさいよ凌牙」

シャーク「だったら腕ずくで俺をアユの師匠にしてみやがれ!」

遊矢「上手い具合に挑発に乗った」

カイト「あいつはカッとなるとすぐに熱くなる」

シャーク「どうした遊矢!かかって来い!!」

遊矢「わかったよ。でも凌牙が先攻でいいよ」

シャーク「チッ、ドロー!」

シャーク「俺はハンマー・シャークを通常召喚!そしてハンマー・シャークのレベルを一つ下げ手札から水属性レベル3以下のモンスターを特殊召喚できる!俺はキラー・ラブカを特殊召喚!そしてシャーク・サッカーを特殊召喚!さらにサイレント・アングラーを手札から特殊召喚!」

遊矢「一気に4体のモンスター!?」

シャーク「俺はカードを1枚セットしターンエンド」

遊矢「ドロー!俺はEMディスカバー・ヒッポを攻撃表示で召喚!ディスカバー・ヒッポ召喚に成功したとき通常召喚に加えレベル7以上のモンスターをアドバンス召喚できる!俺はディスカバー・ヒッポをリリースしオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを特殊召喚!」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでキラー・ラブカに攻撃!」

シャーク「罠発動!ポセイドン・ウェーブ!相手モンスターの攻撃を無効にし自分フィールドの魚族・海竜族・水族の数×800ポイントのダメージを与える!俺のフィールドのはその効果に適用するモンスターが4体!よって、てめえに3200ポイントのダメージを与えるぜ!!」

遊矢「うっ・・・」4000→800

遊矢「速攻魔法!ダブル・アップ・チャンスを発動!モンスターの攻撃が無効になったときそのモンスターを対象に発動できる!選択したモンスターはもう1度攻撃ができ攻撃力がこのターン倍になる!」

シャーク「てめえ!」

遊矢「キラー・ラブカに攻撃!そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが戦闘で与えるダメージは倍になる!」

カイト「キラー・ラブカの攻撃力は700そしてオッドアイズの攻撃力は現在5000」

璃緒「4300のダメージが8600も凌牙に直撃!?」

シャーク「遊矢アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」4000→0

遊矢「ありがとうございました。いいデュエルでした」

遊矢「じゃあ約束通り」

シャーク「約束は守ってやる。だがこの借りは必ず返すぜ!」

遊矢「うん」

カイト「フッ」

シャーク「何笑ってんだよ」

カイト「お前は口下手だからな」

シャーク「てめえは何が言いたいんだ」

カイト「別に」

遊矢「遊馬の姿が見えないけど」

璃緒「そう言えば最近姿を見せませんわね」

遊矢「・・・何で口調がたまに変わるんだ」

シャーク「あまり触れるな」

カイト「・・・」

遊矢「二重人格か何か?」

シャーク「お、おいさっさと行くぞ」

柚子「ほら凌牙のお兄ちゃんが来たよ」

アユ「ええーっ!カイトお兄ちゃんじゃないの!?」

タツヤ「カイト兄ちゃんだって言ったのに!」

フトシ「痺れるゥ~!」

遊矢「アユは水属性使いだから凌牙の方がいいんじゃないかなって」

タツヤ「甘いよ遊矢兄ちゃんは」

アユ「そうだよ」

シャーク「・・・」

柚子「あ、あのね」

シャーク「恥かかせやがって」

遊矢「いや・・・何かごめん」

シャーク「帰る!」

遊矢「今度飯奢るから勘弁してくれよ凌牙!」

シャーク「うるせえ!」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第9話『幼女』


Ⅳ「よぉ凌牙」

シャーク「アアン!?」

Ⅳ「何キレてんだお前」

シャーク「キレてねえよ」

Ⅳ「まさかと思うけど遊矢に負けてムカついてんじゃねえか?」

シャーク「うっせえぞ」

Ⅳ「いい場所に連れてってやるよ」

シャーク「いい場所?」

Ⅳ「ああ」

シャーク「どうせロクでも場所だろ」

Ⅳ「俺もお前もロクな生き方してねえからちょうどいいだろ?」

シャーク「・・・それもそうだな」

シャーク「な、何だここ」

Ⅳ「地下デュエル場」

シャーク「地下デュエル場?」

Ⅳ「非公式のデュエル場だ」

シャーク「俺は黒咲じゃねえんだぞ」

Ⅳ「そういや黒咲のやつ見ねえよな、どうしたんだ」

シャーク「あいつはいきなり現れていきなり消えるじゃねえか」

Ⅳ「飛び入り参加して王者をぶっ潰してやれよ凌牙」

シャーク「上等だぜ」

Ⅳ「まあ遊矢に負けた事は気にするなよ。野郎は強えし」

シャーク「気にしてねえ」

Ⅳ「何たって彼女持ちだもんなぁ・・・なあ凌牙」

シャーク「少し黙ってやがれ!」

Ⅳ「10連勝すりゃ王者が出て来るらしいぜ」

シャーク「問題ねえ!」

黒咲「9連勝目か」

Ⅳ「ああ・・・本当に出やがった」

黒咲「俺はこっちの地下デュエル場の事情は知らんが王者は何者だ」

Ⅳ「知らねえ」

黒咲「カイトから鬼柳のクローンの話は聞いたが動きはあったか?」

Ⅳ「いや」

黒咲「そうか」

シャーク「潜航母艦エアロ・シャークでダイレクトアタック!!」

Ⅳ「よし」

黒咲「あの程度の相手では凌牙も退屈しているだろうな」

Ⅳ「何処行くんだ」

黒咲「王者だろうと何だろうと勝つのは凌牙だ」

Ⅳ「だな」

黒咲「だから俺は帰る」

シャーク「黒咲が来てたのか?」

Ⅳ「どうせお前が勝つだろうとか言ってどっか行っちまったぜ」

シャーク「何だあいつは」

Ⅳ「王者はまだ出て来ねえんだな」

シャーク「ああ」

Ⅳ「っつうか居るのか?」

シャーク「てめえが誘ったんじゃねえか!」

Ⅳ「落ち着け」

シャーク「てめえ・・・」

Ⅳ「まあ気長に待とうぜ、てめえのデュエルで客も盛り上がってる」

シャーク「俺のがエンタメじゃねえか遊矢」

Ⅳ「すっかり対抗意識燃やしてるなお前」

シャーク「俺が?冗談言うなよ」

Ⅳ「いや燃やしてるぜお前」

シャーク「・・・」

シャーク「・・・」

Ⅳ「行って来い凌牙!」

シャーク「ああ!」

「・・・」

シャーク「てめえが王者だな?」

「そうだ」

シャーク「・・・てめえ何っつう格好してんだ!全身タイツって!?」

「き、君には関係無い事だ」

シャーク「ちょっと待てよ。どっかで聞いた事がある声だぜ」

「デュエルだ!」

シャーク「・・・ドロワか?てめえドロワだよな!カイトのダチのドロワじゃねえか!」

「くっ・・・」


第10話『地下』


シャーク「で?何があったんだ」

ドロワ「・・・」

Ⅳ「相棒のゴーシュは一緒じゃねえのか?」

ドロワ「実はあいつが怪我をして入院したんだ」

シャーク「怪我?あの頑丈な大男が?」

ドロワ「デュエル中に巨大隕石が落ちて来て押し潰され全身大火傷で」

Ⅳ「そりゃ怪我するわ」

シャーク「わかるぜ、入院生活ってのは暇だからな」

Ⅳ「だからって地下デュエルか?」

ドロワ「ゴーシュはノリで動く。一山当てようと私が目を離した隙に膨大な借金を作ってしまった。だから私は地下に身を落とした」

シャーク「おいおい」

Ⅳ「で?ゴーシュは」

ドロワ「少しは頭が冷えるだろうとコールドスリープ装置に放り込んだら地割れが起こり」

シャーク「行方不明ってか」

ドロワ「ああ」

シャーク「入院してる奴をコールドスリープ装置に放り込みやがって」

ドロワ「君達はゴーシュの底無しの体力を甘くみている。あいつは入院中もトレーニングを欠かさなかった」

Ⅳ「・・・」

ドロワ「誰だって腹が立つはずだ」

シャーク「案外過激だなこいつ」

Ⅳ「あ、ああ」

シャーク「ゴーシュの格好してゴーシュのデッキで戦うなんて見上げた根性だぜ」

ドロワ「とりあえず借金を返済しなければならない」

Ⅳ「真っ当に働けよ。それが一番いいぜ」

ドロワ「それもそうだな」

シャーク「ゴーシュはどうするんだ?」

ドロワ「放っておけば勝手に出て来る」

シャーク「地割れに飲まれたんだろ?」

ドロワ「あいつは簡単には死なない」

シャーク「まさか地下王者に君臨するとは思わなかったぜ」

Ⅳ「繰上げだけどな」

シャーク「・・・おい」

Ⅳ「何だ?」

シャーク「あれ」

ゴーシュ「ドロワもいきなりやってくれるな、驚きだぜ」

シャーク「おい!」

ゴーシュ「おっす」

Ⅳ「あいつが行ってた通り生きてやがった」

ゴーシュ「女ってのは恐ろしいぜ、加減ってのを知らねえから」

シャーク「その女がお前の作った借金を返済しようとしてるぜ」

ゴーシュ「そうなんだよな・・・悩んでたって仕方がねえ!前に進むしかねえんだ!」

シャーク「相変わらず元気だな」

ゴーシュ「ドロワはあっちか?」

Ⅳ「ぶっ殺されるかもしれねえぞ」

ゴーシュ「おう!ありがとよ!」

シャーク「そういやあいつら何歳なんだ」

Ⅳ「見りゃわかるだろ」

シャーク「確か30ぐらいだったな」

Ⅳ「30代後半ってところだろ」

シャーク「だろうな」

Ⅳ「だって無理があるだろ?例えばお前の妹や小鳥が全身タイツならまだセーフだろ?」

シャーク「確かにな」

Ⅳ「ありゃキツい」

シャーク「・・・」

Ⅳ「じゃあな王者」

シャーク「その呼び方はダサいからやめろ」

Ⅳ「じゃあな・・・チャンピオン」

シャーク「だからやめろって言ってんだろ!」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第11話『王者』


ドロワ「いつも貴女にはカイトがお世話になっていると聞いて」

ツァン「そうでもないよ。どうしたの?」

ドロワ「実は」

ゴーシュ「借金作っちまったんだ俺」

カイト「凌牙から聞いた」

ドロワ「今度この街で人妻デュエリスト選手権というのがあると聞いて」

ツァン「あれ?結婚してたっけ?」

ドロワ「私は普通の10代にしては老けてる老けてると何度も言われてるから意外と行けるのではないかと」

ツァン「ふーん」

ゴーシュ「昔はドロワもカイトに惚れてたのに今じゃサッパリだな」

ツァン「いい子なのに勿体無い」

カイト「・・・」

ドロワ「今は色恋よりも仕事の方が楽しい。そうだなゴーシュ」

ゴーシュ「お、おう」

ゴーシュ「しかし人妻デュエリスト選手権ってのは何だ?」

ドロワ「何でも人妻デュエリストで誰が一番いいかを決めるそうだ」

ゴーシュ「どうすんだお前?」

ドロワ「はっきり言って私は自らの身体に自信がある」

ゴーシュ「お互い死ぬほど鍛えたもんな」

ドロワ「だから人妻らしさを表現してみたい」バッ

ゴーシュ「おいおい」

ドロワ「エプロンを着てればそれっぽく見える気がしてならない」

ゴーシュ「ギリギリだぜ」

ドロワ「さあ受付に行くぞ、今日の昼から開催されると言っていた」

ゴーシュ「大暴れしてやろうぜ!お前のノリなら選手権優勝だぜ!」

ドロワ「ああ!」

ドロワ「何?」

ゴーシュ「それはどういう事だ?係員の兄ちゃん」

「いやキツいっす」

ドロワ「何か問題でもあるのか?」

「いやぁ」

ゴーシュ「いいじゃねえかノリだぜノリ」

「・・・」

ドロワ「エプロンはダメなのか?」

「だって人妻じゃないでしょ」

ドロワ「・・・何故わかった」

「人妻特有の匂いがしませんから」

ゴーシュ「どうすんだ」

ドロワ「潔く引くしかない・・・残念だ」

ドロワ「優勝者は遊馬のお母さんか」

ゴーシュ「遊馬の母ちゃん?嘘だろ!?若すぎじゃねえか!!」

アリト「さ、探したぜ」

ドロワ「君は確かアリト」

ゴーシュ「どうした?」

アリト「これ宝クジなんだけどさ、当たったんだ一等が」

ドロワ「当たった?」

アリト「2人には迷惑かけた事があるからな。やるよ」

ゴーシュ「お前・・・最高にいいノリしてるじゃねえか!」

アリト「へっ?」

ドロワ「言うほど私もゴーシュも気にしていない。ありがとう」

ゴーシュ「よし!これで何か食いに行こうぜ!」

アリト「マジか!?」

ドロワ「先ずは借金返済が先だ。それで一等はいくらなんだ?」

アリト「60億」

ドロワ「!?」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第12話『返済』


シャーク「てめえ今何か言ったか?」

カイト「いやホープを見た」

シャーク「ホープ?遊馬がデュエルしてたんじゃねえか」

カイト「いや遊馬ではなかった」

シャーク「だったら知らねえな」

カイト「だろうな」

シャーク「一々下らねえ事で俺を呼び出すんじゃねえよ。じゃあな」

カイト「・・・」

シャーク「調査に手伝えってか?」

カイト「そうではない」

シャーク「勿体ぶるな、何か他にあるんじゃねえか?」

カイト「同時にE・HEROの反応も感じられた。この次元に存在しないE・HEROのな」

シャーク「何かきな臭い話になって来たぜ」

アリト「カイトとナッシュじゃねえか!暇してんのか?」

シャーク「悪りいな今遊んでる暇じゃねえんだ」

アリト「何だよそれ」

シャーク「じゃあな」

カイト「待て」

シャーク「何だ」

カイト「アリトその隣の女は誰だ」

アリト「何でも昨日からハートランドに越して来て迷子になったんだとよ」

シャーク「新参者か?」

ゆま「宮田ゆまと言います。よろしくお願いします!」

カイト「こいつだ」

シャーク「ああ俺も感じるぜ、遊馬のホープと同じデュエルエナジーだ」

カイト「お前ホープを持っているか?」

ゆま「はい!これですね」

シャーク「紛れもないホープだぜ」

カイト「そうかツァンと同じ学校の出身者なのか」

シャーク「宮田ゆま・・・ゆま・・・遊馬・・・だからホープ持ってんのか!?」

カイト「アストラルを知っているか?」

ゆま「?」

カイト「おそらく激しい激戦からホープの破片が飛び散り生まれたホープなのだろうな」

シャーク「遊馬はホープを酷使するからな」

ゆま「あそこが私の借りてるアパートです」

カイト「そうか」

ゆま「どうぞ!」

シャーク「何だこりゃ?」

ゆま「鍵ですよ鍵」

カイト「・・・」

シャーク「まさかと思うけど鍵をそこら辺の奴らに配ってるんじゃねえだろうな」

ゆま「はい!」

カイト「とんでもないバカが引っ越してきたな・・・」

シャーク「回収できたか?」

カイト「ああ」

シャーク「あれで女子大生だとよ笑っちまうぜ」

カイト「・・・」

シャーク「他にもホープ持ってる奴が居るかもしれねえぞ」

カイト「問題は遊馬がホープを使いすぎた事だ」

シャーク「あいつ最近姿すら見せねえぞ、どうすんだ」

カイト「遊馬の家に行くか」

シャーク「まさか説教でもするのか」

カイト「だったら何だ」

シャーク「そこまでする必要はねえよ」

カイト「誰かが怒らねばならん事だろ」

シャーク「てめえだってワンパターンみたいに銀河眼使うじゃねえか!」

カイト「それとこれとは話が違う」

シャーク「一緒じゃねえか!」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第13話『引越』


遊馬「かっとビングだ!俺!」

カイト「どうした」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

カイト「おい」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

カイト「何かあったのかお前」

遊馬「いや何も」

カイト「そうか」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

カイト「・・・」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

シャーク「久しぶりじゃねえか遊馬!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

シャーク「何かあったのか」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

シャーク「遊馬!」

遊馬「何も無いぜ」

シャーク「何もねえのか」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

シャーク「どうしたんだあいつ」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ゆま「あなたが九十九遊馬くんですね!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ゆま「私は宮田ゆまです。私が前に住んで居たところでも遊馬くんは」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ゆま「かっとビングです!私!」

遊馬「おう、よろしくな」

ゆま「はい!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ゆま「本当に元気な人ですね」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊矢「遊馬?」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊矢「何か落としたぞ遊馬!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊矢「聞いてるのか遊馬!」

遊馬「後は頼んだぜ」

遊矢「何がどうしたんだ遊馬は」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊矢「手紙?俺に何か伝える気だったのか」

遊矢「えーっと」

柚子「やたら元気だったよね遊馬くん」

遊矢「南米で深刻なかっとビング不足を感知したから旅に出る。遊馬」

柚子「え?何なのかっとビング不足って!?」

遊矢「さあ」

柚子「そもそもかっとビングってそういうものなの?」

遊矢「俺にもかっとビングって言うのがよくわからない・・・」


第14話『南米』


遊矢「遊馬・・・」

ユート「遊馬にも何か考えがあるんだろう」

遊矢「かっとビングって何?」

ユート「君は俺より遊馬との付き合いが長いはずだ」

遊矢「何となくわかる気がするけど」

ユート「エクシーズ使いにとってかっとビングとは一つの合言葉だ」

遊矢「ふーん」

沢渡「こんなとこで油売ってやがったのか!」

遊矢「どうした沢渡」

沢渡「融合次元だ融合次元!出やがったんだよ!!」

遊矢「融合次元!?」

権現坂「あの仮面の戦闘員とは桁外れだぞ」

セレナ「奴らはアカデミアにおいても別格の連中だ」

デニス「11人のデュエリストって言うんだ」

権現坂「何故それをお前が知っているんだ」

デニス「いや」

黒咲「俺にも身に覚えがある!奴らはエクシーズ次元襲撃の際に持っても暴れていた融合次元の奴らだ!!」

沢渡「呼んで来たぜ」

ユート「あいつら・・・」

黒咲「殲滅だ」

遊矢「待てよ!いくら敵でも命を奪うなんて」

黒咲「奴らに人権など無い。殺すまで」

ユート「隼!」

黒咲「殲滅だ!!」

ユート「やめるんだ隼」

黒咲「何故止める」

ユート「過激なやり方は良くない」

黒咲「腑抜けたか!」

ユート「俺達は遊馬と出会って命の尊さを思い出したはずだ」

黒咲「その命を踏み躙った奴らに権利など無い!」

沢渡「11人・・・何か減ってるぞ」

デニス「彼らはそれぞれの背中に同じ刺青があってそこから飛び移り移動したりするんだ」

沢渡「どういう意味だ?」

デニス「プロフェッサー直系の殺し屋集団さ」

権現坂「喧嘩している場合か!来るぞ!」

黒咲「皆殺しにするまで!」

ユート「隼!」

遊矢「危ない!」

パンパンパンパンパンパンパンパンパン

権現坂「奴ら拳銃を撃っているぞ!」

月影「ここは拙者達に」

日影「任せろ」

沢渡「やっちまえ!」

黒咲「おいユートは何処に行った!?」

遊矢「黒咲を止めようとして俺とぶつかった衝撃で」

黒咲「また同化したのか!?」

遊矢「多分」

日影「火遁!」

月影「水遁!」

沢渡「ぶっ飛ばせ!!」

沢渡「野郎!逃げやがったぜ!」

権現坂「特異体質なのか何なのか知らないが恐るべき連中よ」

月影「すまぬ」

黒咲「奴らは俺が片付ける」

遊矢「また!」

黒咲「あれは俺にしか倒せん奴らだ」

沢渡「いいじゃねえか本人だってやる気見せてんだし」

遊矢「・・・」

黒咲「命の重さを知らん奴らなど俺が蹴散らしてくれる!」


第15話『同化』


柚子「またユートと!?」

遊矢「そうなんだよ」

柚子「大変ね」

遊矢「大変なのは黒咲の方だ」

柚子「また黒咲か・・・」

遊矢「あいつはかなり過激な性格だから」

柚子「案外遊馬くんの言うことは聞いてたよね」

遊矢「性格が一番合わない感じがするのにな」

柚子「で?また黒咲は何かしようとしてるのね」

遊矢「あの11人の殺し屋は自分にしか倒せないとか何とか言ってさ」

権現坂「お前にしか倒せぬとはどういう事だ」

黒咲「ライズ・ファルコンだ」

デニス「ライズ・ファルコン?」

権現坂「そういう事か」

黒咲「ああ」

デニス「?」

権現坂「確かにやれるやもしれぬ」

黒咲「ならば特訓を始めるか」

権現坂「うむ」

デニス「何が何やら」

沢渡「お、頑張ってるな」

黒咲「邪魔だ」

沢渡「何だその言い方!俺はな」

月影「現れたぞ」

日影「例の11人が」

黒咲「なら行くか」

権現坂「もういいのか」

黒咲「十分だ」

沢渡「一言礼があってもいいだろ!」

黒咲「お前に礼を言うほど安っぽくはない」

沢渡「まるでパシリじゃねえか!」

黒咲「立派な称号だ」

沢渡「てめえ!」

パンパンパンパンパンパンパンパンパン

デニス「相変わらず派手にやるな」

権現坂「そもそも何という名だ」

デニス「えーっとタトゥーユー」

月影「お主は融合次元に詳しすぎる」

デニス「・・・」

黒咲「エクシーズ召喚!ランク4!ライズ・ファルコン!」

沢渡「そんなモンスターで何ができるってんだよ!」

黒咲「ライズ・ファルコンは特殊召喚されたモンスターの数だけ攻撃力が上がりさらに連続攻撃を可能にする」

沢渡「?」

権現坂「つまり連続攻撃で奴らタトゥーユーとかいう能力を打ち破る!」

黒咲「貴様らは長く生きすぎた!バトルだ!!」

権現坂「見事だ!黒咲」

沢渡「無茶苦茶やりやがるぜ」

数日後

遊矢「って事があってさ」

柚子「さすが黒咲よね」

遊矢「やりすぎだけどな」

柚子「うん」

ユート「いやライズ・ファルコンの効果は書き換えられたはず・・・何をやっているんだ隼」


第16話『逆襲』


遊矢「鬼柳さんのクローン?」

シャーク「そういや何も言って無かったな、出たんだよ鬼柳のクローンが」

遊矢「誰が作ったんだ?」

シャーク「知らねえよ目的は遊馬とカイトの抹殺だってよ」

遊矢「あれ?」

シャーク「俺はって言いたいんだろ?抹殺リストに入ってねえんだとよ」

カイト「狙われんだけマシだろ」

シャーク「気に入らねえんだよ」

カイト「だが鬼柳の居場所はわからんぞ」

シャーク「てめえを囮に使うんだよ」

カイト「好きにしろ」

シャーク「てめえはどうすんだ遊矢」

遊矢「俺は遠慮しとくよ」

シャーク「チッ、腰抜けが」

遊矢「何でも派手にやるよりマシだと思うけど」

シャーク「てめえ!」

遊矢「だってそうだろ?命が狙われないだけ遊馬やカイトより」

シャーク「何で2人は狙われて俺は狙われねえんだよ!軽く見られてるに決まってるじゃねえか!!」

カイト「早い話が俺と遊馬に強い殺意を持っている奴だ。お前が横から出しゃばらなくても」

シャーク「てめえは黙ってろ。こいつは俺のプライドの問題だ」

遊矢「凌牙!」

カイト「放っておけ」

遊矢「でも」

カイト「そんなに追いたければ追えばいい、だがお前も首を突っ込めば柚子やアユ達も狙われるかもしれんがな」

遊矢「・・・」

カイト「あいつも頭が冷めたら大人しくなるだろ」

遊矢「やっぱり俺、追うよ」

カイト「なら好きにしろ」

遊矢「凌牙ー!」

カイト「どいつもこいつもお人好しばかりだ」

シャーク「ついて来るんじゃねえよ」

遊矢「遊馬に凌牙の事も任されてるから」

シャーク「あっち行け」

遊矢「だから俺は南米に行った遊馬の代わりに」

シャーク「なれるわけねえだろ!エンタメ野郎が遊馬に!」

遊矢「だから」

シャーク「何がエンタメデュエルだ。結局は親父の二番煎じじゃねえか」

遊矢「・・・」

シャーク「てめえの親父の事はカイトから聞いたぜ、何でカイトが知ってるが知らねえけどよ」

シャーク「てめえ根暗のくせに無理して明るく振舞ってんじゃねえぞ!エンタメなんてイラっとするぜ!」

遊矢「エンタメを・・・父さんはバカにするな!」

シャーク「喧嘩で俺に勝てると思ってんのか!!」

遊矢「だったらデュエルだ!」

シャーク「どっちにしろ勝てるわけねえだろ。てめえを見てるとイライラするんだよ!」

シャーク「バトルだ!リバイス・ドラゴンでダイレクトアタックだ!!」

遊矢「ううっ・・・」

シャーク「だから言ったじゃねえか」

遊矢「エンタメをバカにするな・・・!」

シャーク「チッ」

カイト「もういいだろ」

シャーク「てめえ見てたのか」

カイト「最初からな」

シャーク「言っとくが」

カイト「どうでもいい」

シャーク「まだ何も言ってねえだろ!」

カイト「言いたい事は大体わかる。お前は遊馬以上に単純だからな」

シャーク「何だとてめえ!」

カイト「事実だ」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!」

カイト「出たな鬼柳」

鬼柳「そいつらは知らねえ顔だ。誰だ?」

シャーク「俺は神代凌牙だ!よく覚えとけ!!」

鬼柳「・・・てめえは?」

遊矢「お、俺は榊遊矢・・・遊馬の代わりにこの次元を守る為にあいつに頼まれた!」

鬼柳「強そうには見えねえな、てめえは」

カイト「こいつを甘くみたら痛い目に合うぞ」

シャーク「どうすんだ鬼柳!いやニセ鬼柳!!」

鬼柳「俺を満足させてくれるってならいつでも相手になるぜ、なあカイト」

シャーク「来いよニセ鬼柳!」

鬼柳「今日はこれで引いてやるよ、てめえの名を覚えとくぜ神代凌牙、榊遊矢」

シャーク「今度会うときはボコボコにしてやるよ!」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!」


第17話『標的』


遊矢「マズい事になったな・・・何やってんだろ俺」

シャーク「結局巻き込まれちまったな」

遊矢「で、でも鬼柳さんのクローンなら」

カイト「奴と同じだと思うな、あいつの眼を見たか」

遊矢「眼?」

カイト「冷酷なドス黒い眼をしていた」

遊矢「・・・」

シャーク「どうせクローンなんだ。ぶっ潰したって問題はねえだろ」

遊矢「クローンはクローンでも鬼柳さんと」

シャーク「だから鬼柳じゃねえんだ。俺らの知ってる鬼柳はあんな眼してねえだろ!」

遊矢「・・・」

カイト「いつ命を狙われるかわからん。お前も気をつけろ」

シャーク「転けんじゃねえぞ」

遊矢「・・・」

遊矢「はあ・・・」

ユート「凌牙か」

遊矢「ユート!?」

ユート「落ち着くんだ。君の脳内に直接語りかけている」

遊矢「あのクローン鬼柳に俺まで狙われるハメになった」

ユート「それは災難だったな」

遊矢「災難どころじゃ・・・オッドアイズが何かと共鳴してる」

ユート「あっちだ」

遊矢「何なんだ・・・ユートやユーゴの時とは少し違う気がする」

ユート「まさか新しい俺達と似た人物が」

遊矢「とりあえず行ってみよう」

遊矢「ここは確か」

ユート「決闘庵だな」

遊矢「ここから反応が」

ユート「入るか?」

遊矢「と言っても俺には嫌な予感しかしない」

ユート「前に進まねば道は切り開けないぞ」

遊矢「・・・だな」

ユート「入ろう」

遊矢「お邪魔します」

ユート「この判断が吉と出るか凶と出るか」

遊矢「ふ、不吉なこと言うなよ」

遊矢「何か反応が消えたんだけど」

ユート「確かに何も感じなくなった」

遊矢「どうする?」

「紅き竜がもたらすのは勝利にあらず可能性なり」

ユート「何か言ったか?」

遊矢「え?」

ユート「いや気のせいか」

遊矢「今日はもう帰ろう」

ユート「・・・そうだな」

遊矢「クローン鬼柳か・・・」

ユート「何だったんだ今の声は」

数日後

柚子「何か進展は?」

遊矢「それが全く無いんだ」

柚子「エクシーズの方も大変よね」

遊矢「遊馬も南米に行くし俺が2人をどう纏めればいいんだ」

柚子「ほら遊馬くんも2人は放し飼いにしてる感じだったし」

遊矢「凌牙は狂犬でカイトも案外好戦的なところがあるからな」

柚子「エクシーズ使いって武闘派が多いから」

遊矢「そうなんだよな・・・何かみんな好戦的で困る」

ユート「自分だって以外と好戦的なのに何を言ってるんだ」


第18話『共鳴』


ツァン「遊馬の学校ってどうなってるの?」

カイト「いきなり呼び出したかと思ったら」

ツァン「校則とかかなりヤバいんだってあの子が言ってるけど」

恵「・・・」

カイト「こいつには教師という職に向いていないだろ。大体コナミの奴が」

ツァン「何よその言い方!」

カイト「・・・あいつらの学園で何かあったのか」

恵「何も無い」

ツァン「誰も言うこと聞かないんだって」

カイト「どうせ凌牙辺りだろ」

恵「・・・」

ツァン「あんたももう少しガツンと言ってやればいいのよ!凌牙の1人や2人ぐらい」

恵「言う必要が無い」

ツァン「何とかしてあげなよカイト」

カイト「だったら着いて来い」

アリト「おっす恵先生」

ミザエル「カイト?」

ドルべ「そうか君も学園に」

カイト「勘違いするな」

アリト「どうしたんだ?」

カイト「こいつの担当クラスは何処だ」

アリト「俺と一緒だぜ」

カイト「なら遊馬と同じだな、原因はこいつらか」

恵「違う」

カイト「違う?だったら何でお前は」

恵「別に私は困ってないから大丈夫」

カイト「そうか」

ミザエル「帰るのかカイト」

カイト「あまりに迷惑をかけるな、いいな」

アリト「どうしたんだあいつ」

ツァン「それで帰って来たの?何やってんのよカイト!」

カイト「あいつは感情の起伏が無さすぎる。お前は古い友人だったな」

ツァン「うん」

カイト「昔からああなのか」

ツァン「そうなんだよね僕が知る限りじゃ昔からあんな感じでさ」

カイト「前から気になっていたが何で同居しているんだ」

ツァン「他に居るところが無いんだって」

カイト「行くところが?」

ツァン「不思議な子なんだよね」

カイト「・・・」

ツァン「それがどうしたの?」

カイト「いや何でも無い」

恵「遊馬はまた休み」

Ⅲ「何でも南米に行ってるらしいですよ」

アンナ「小鳥もな」

恵「そう」

アリト「先生さ何でテンションがいつも低いんだ?」

恵「?」

アリト「いやテンション低いからな、こうもっと明るく」

恵「笑顔?」

アリト「そう笑顔!」

ベクター「ハッ!そりゃ遊矢じゃねえか」

鉄男「違いねえぜ!」

恵「・・・」

カイト「あいつのルーツを調べてみるか」

鬼柳「よォ天城カイト」

カイト「クローン鬼柳」

鬼柳「そのクローンってのはやめろ」

カイト「だったら何だ」

鬼柳「俺は鬼柳だ」

カイト「本物の鬼柳は遊星達のところにいる」

鬼柳「だったら取って代わってもいいぜ!ただしてめえらを潰したらな!」

カイト「聞かせろ俺や遊馬を憎む理由を」

鬼柳「そんなの俺が知るかよ」

カイト「だったら決着をつけるか、遊馬と遊矢を貴様相手にさせるわけにはいかんからな」

鬼柳「満足させてくれよ天城カイト!」

カイト「デュエル!」


第19話『教師』


鬼柳「ドロー!俺は永続魔法『煉獄の虚無』を発動!そしてこのカードを墓地へ送り自分の手札またはフィールドから融合素材モンスターを墓地に送りその融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!俺はインフェルノイド・ネヘモスとインフェルノイド・リリスとインフェルノイドモンスターを3体墓地へ送りインフェルノイド・ティエラを融合召喚!!」

カイト「インフェルノイドだと!?」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!驚いたか、天城カイト?こいつの効果でお互いのデッキから上から3枚まで墓地に送るぜ!ターンエンド!」

カイト「お前が誰が何の目的で生み出したかわかった気がする。ドロー!」

カイト「俺はフォトン・スラッシャーを特殊召喚!そしてフォトン・クラッシャーを通常召喚!俺はこの2体をリリースし銀河目の光子竜を特殊召喚!そして銀河遠征を発動!俺はデッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!そしてフォトン・カイザーが特殊召喚に成功したときデッキからもう一体のフォトン・カイザーを特殊召喚!」

カイト「さらに自分フィールドにギャラクシーモンスターが存在するとき手札から銀河騎士を特殊召喚!」

カイト「レベル8のフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の時空竜!そしてレベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士でオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の光子竜皇!」

鬼柳「一気にエクシーズモンスターを2体・・・やるじゃねえか」

カイト「驚くのはまだ早い!銀河眼の時空竜をランクアップ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン!!」

鬼柳「・・・フッ」

カイト「貴様は確かにクローンだ。そして融合召喚・・・お前の生みの親は融合次元の連中だな!」

鬼柳「さあな」

カイト「ならばその身体に聞くまで!バトルだ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

カイト「何だこの音は」

鬼柳「どうやら俺達のデュエルが地震でも起こしちまったっぽいぜ」

カイト「質問に答えろ」

鬼柳「そうかもしれねえな」

カイト「やはりな」

鬼柳「そうじゃねえかもしれねえ・・・デュエルは一時中断だ」

カイト「・・・」

鬼柳「天城カイト!てめえは俺が必ず倒すぜ!」

カイト「オリジナルの鬼柳には誇りがあった。融合次元の傀儡なんぞに負けるわけが無い」

鬼柳「それと神代凌牙と九十九遊馬、榊遊矢もな」

カイト「あいつらも一筋縄じゃいかんぞ、変装して女の真似をしたようなお前にな」

鬼柳「じゃあな」

カイト「ああ」

遊矢「何か凄い地震が」

柚子「来るたびに何か起こってるのよね」

遊矢「あっ」

柚子「どうしたの?」

遊矢「あっちから行こう」

柚子「何?」

遊矢「いいから!」

柚子「何なのよ!?」

遊矢「多分見ちゃいけないから」

柚子「だから」

遊矢「アユ達があの姿を見たら幻滅するだろうな」

柚子「?」

ツァン「何で僕の胸にダイブしてるのよ!」

カイト「転けただけだ狼狽えるな」

ツァン「絶対ワザとやった!」

カイト「誰が好き好んで突っ込むか」

ツァン「あんたさ歳下なんだからもっと歳上を敬いなよ」

カイト「なら礼を言っておく」

ツァン「そ、そう?」

カイト「もしお前の胸がデカくなかったら怪我をしていた。すまない」

ツァン「少しはデリカシーってものは無いの?そんなのだから女の子に相手にされないんだよ」

カイト「別に俺の人生に問題は無い」

ツァン「ふん」

カイト「そもそも俺は人の嫁に手を出す男だと思うか」

ツァン「あんた遊馬一派の中じゃまともに見えて一番おかしい時があるし」

カイト「・・・」

数日後

遊矢「カイト・・・俺は少し見損なったぞ」

柚子「何か様子が変よ」

遊矢「俺はカイトを時にライバルとして時に尊敬できる先輩として見てたのに」

柚子「遊矢!」

遊矢「厳しい時もあったけど稀に優しかった・・・それなのに」

柚子「いい加減教えてよ」

遊矢「柚子は知らない方がいい」

柚子「多分誰かが何かやってたのね、あの人達が少し変人なのは昔からなのに」

ユート「いや昔の君達が1番酷かったぞ」


第20話『誤解』


シャーク「璃緒・・・何処行った?」

ドルべ「メラグなら買い物だぞ」

シャーク「買い物?」

ドルべ「そう買い物だ」

ミザエル「何か用事か」

シャーク「いや腹が減ってよ」

ピンポーン

アリト「誰だ?」

ギラグ「おーいメラグ!」

ドルべ「だから居ないんだ」

シャーク「俺が出てやるよ」

シャーク「何だカイトか」

カイト「暇そうだな」

シャーク「見ればわかるだろ」

カイト「だったら話は早い。俺に力を貸せ」

シャーク「誰がてめえの」

カイト「クローン鬼柳の事だとしたら」

シャーク「鬼柳・・・」

カイト「どうだ」

シャーク「話ぐらいは聞いてやるよ。表に出ようぜ」

カイト「ああ」

シャーク「で?鬼柳が何だって」

カイト「奴は融合次元の奴らが生み出したクローンだ」

シャーク「まだ生きてやがったのか」

カイト「俺とお前で奴を討つ」

シャーク「居場所は」

カイト「つい最近デュエルをしてな、奴に発信機を付けた」

シャーク「抜け目のねえ野郎だぜ」

カイト「それでどうする」

シャーク「決まってるだろ!鬼柳をぶっ潰す!」

カイト「そうか」

シャーク「もっと何か言う事ねえのか」

カイト「無いな」

シャーク「舐めてんのかこいつ」

シャーク「遊馬や遊矢には知らせねえのか」

カイト「いくらクローンでも鬼柳は鬼柳だ」

シャーク「そういう事か」

カイト「汚れ役は俺達で十分だろ」

シャーク「・・・そうだな」

カイト「行くぞ」

シャーク「もう行くのか」

カイト「行って損する事もない」

シャーク「死ぬんじゃねえぞ」

カイト「お互いにな」

鬼柳「はあ・・・はあ・・・」

カイト「どうやら肉体の限界が来ているようだな」

シャーク「どういう意味だ」

カイト「クローンというのは寿命が短いものだ」

シャーク「だってよ鬼柳」

鬼柳「だったらてめえらを道連れにしてやるよ!どっちが来る?カイトか凌牙か!」

シャーク「どっちでもねえ」

カイト「2人だ」

シャーク「俺たち2人が相手になってやるよ!」

鬼柳「面白え・・・だったら俺を満足させてみろ!!」


第21話『共闘』


鬼柳「どうなってやがるんだ・・・俺が・・・この俺が!」

カイト「お前は鬼柳にしては満足が足りなかった。ただそれだけだ」

鬼柳「てめえら・・・!」

シャーク「どうせ死んじまうなら一つ聞かせろよ。何で抹殺リストに俺が加わって無かったんだ」

鬼柳「知らねえよ・・・俺は!」

カイト「だがお前の出現によってクローン技術を使用している事がわかった。2度退治し2度逃げられた・・・3度目は無いぞ」

鬼柳「やるならさっさとやりやがれ!俺は」

カイト「やれ凌牙」

シャーク「命令しやがって、死ぬ前に教えてやるよ。融合次元の連中じゃデュエリストの心意気ってのがわからねえ」

カイト「恨むなら創造主を恨め」

シャーク「シャーク・ドレイクでダイレクトアタック!!」

鬼柳「クソ・・・ふざけやがって・・・」

カイト「・・・終わったな」

シャーク「気に入らねえぜクローンを生み出してまで命を狙うなんて」

カイト「墓を建ててやるか」

シャーク「本物の鬼柳はどうしてるんだ」

カイト「遊星の話ではこの前セキュリティに捕まってプラシドと共に檻の中に入れられたそうだ」

シャーク「相変わらずバカやってんだな」

カイト「翌日2人揃って脱獄したそうだがな」

シャーク「・・・ヘッ」

カイト「帰るか」

シャーク「今度はどんなクローンが出てくるんだろうな」

カイト「もうクローンはいい。敵であっても見知った顔の奴を倒すのは意外と心に来る」

シャーク「ああ・・・」

遊矢「げっカイト」

カイト「何だその顔は」

遊矢「い、いや」

シャーク「もう命を狙われる事もねえよ、良かったな」

遊矢「え?」

シャーク「察しろよ」

遊矢「それよりカイト・・・あれは」

カイト「言いたい事があるならハッキリ」

ピピピピピ

カイト「どうした父さん」

シャーク「どうしたんだお前」

遊矢「カイトってさ」

カイト「それは本当か!?わかった。すぐに行く」

シャーク「どうしたんだあいつ」

フェイカー「すまんなカイト」

カイト「いや」

Ⅴ「我々が気がついた時にはオボット6号が逃走していた」

カイト「・・・」

フェイカー「かつて108体のオボットによって起こった反乱の際、唯一制御しきれなかったオボット6号が」

カイト「誰かが逃がしたのか」

Ⅴ「そのような痕跡も無い」

カイト「・・・」

Ⅴ「まさか」

カイト「とりあえずこの辺り一帯を探す。この事は他言無用だ」

数日後

遊矢「はあ・・・なあ柚子」

柚子「ん?」

遊矢「カイトが不倫してた」

柚子「えっ!?」

遊矢「俺も信じたくないんだけどさ・・・でも」

柚子「カイトさん・・・それで」

遊矢「俺はどうすればいいんだ」

柚子「私だってわからないわよ」

ユート「いや違う。どうして君はネガティブなんだ」


第22話『脱走』


Ⅳ「何だって?」

Ⅲ「ですから夜中になるとデュエリストの霊が現れると」

Ⅳ「霊?寝ぼけた事を言うなよⅢ」

Ⅴ「いや事実だ」

Ⅳ「・・・それで?」

Ⅴ「我々で調査しようと思う。行って来てくれ」

Ⅳ「兄貴は」

Ⅴ「今はまだ私が」

Ⅲ「Ⅴ兄様は連日何かの調査をしているみたいですよ」

Ⅳ「あんまし無理するんじゃねえぞ兄貴」

Ⅴ「ああ」

Ⅳ「何か霊の特徴とかねえのか?」

Ⅲ「何ていうかコートを着てて」

Ⅳ「ああ」

Ⅲ「ハーモニカをぶら下げてる霊らしいですよ」

Ⅳ「そんな霊居るかよ」

Ⅲ「ですがⅣ兄様!」

Ⅳ「ギャグだぜ、俺は帰るからな」

Ⅲ「まさか霊が怖いわけじゃ」

Ⅳ「なわけねえだろ!」

Ⅲ「それもそうですよね」

Ⅳ「ここに出るのか?」

Ⅲ「噂ではこの辺りに出没すると」

~♪

Ⅳ「この音は」

Ⅲ「ハーモニカ・・・まさか!」

Ⅳ「どうやり合うんだ?」

Ⅲ「やはり古来から伝わる塩が最適じゃないかと」

Ⅳ「今どき塩で死ぬ霊なんて」

Ⅲ「霊は元々死んでますよⅣ兄様」

Ⅳ「言われなくてもわかってるんだよ!」

Ⅲ「さあ行きましょうⅣ兄様!」

Ⅳ「何かあいつまで俺をバカ扱いし始めてやがるぜ」

コツコツ

Ⅳ「歩いてやがるぜ、どうするⅢ」

Ⅲ「さあⅣ兄様!」

Ⅳ「霊ってのはすり抜けちまうんじゃねえのか?」

Ⅲ「Ⅳ兄様なら何となく掴めそうな気がします」

Ⅳ「お前な俺を人扱い」

コツコツ

Ⅲ「なら僕が行きましょう」

Ⅳ「いや俺でいい」

Ⅲ「頑張ってくださいⅣ兄様!」

Ⅳ「この押し付け具合が段々父さんや兄貴に似てきたぜ、こいつ」

Ⅳ「オラァ!捕まえたぞⅢ!」

Ⅲ「さすがです!」

Ⅳ「いや待て・・・何で捕まえてるんだ俺」

Ⅲ「あ、あれ!?この人って」

Ⅳ「どうした」

Ⅲ「鬼柳さん・・・鬼柳京介さんですよ」

Ⅳ「鬼柳?鬼柳はこんな死んだ眼してねえよ」

Ⅲ「じゃあクローンでしょうか」

Ⅳ「クローンは確か・・・鬼柳か?」

鬼柳「俺は誰だかわからない・・・俺は誰なんだ」

Ⅳ「まさか記憶がねえのか?とりあえず家に運ぼうぜⅢ」

Ⅲ「はい!」


第23話『幽霊』


Ⅴ「鬼柳?いやクローンの鬼柳京介か」

Ⅳ「お前ビシッとしろよ!鬼柳京介ってのはそんなものなのかよ!?」

鬼柳「何を言われても俺にはわからない」

Ⅳ「満足は!?」

鬼柳「忘れちまったぜ・・・満足なんて言葉」

Ⅳ「コートなんて着てんじゃねえ!いつものダサいジャケットはどうしちまったんだ!!」

鬼柳「さあな」

Ⅳ「野郎!1発ぶん殴って」

Ⅴ「やめろⅣ」

Ⅳ「くっ・・・」

Ⅴ「彼はクローン鬼柳が再誕した姿だと私は思う」

Ⅲ「邪気が抜け落ちて何となく生気が消えた鬼柳さん」

Ⅳ「気に入らねえ・・・そんなんでいいのか、てめえは!!」

Ⅴ「落ち着け彼はクローンであって私達の知ってる鬼柳京介とは違う」

Ⅳ「俺らの目の前に居るのはそれでも鬼柳だ。いつかファンサービスと満足で雌雄を決するって言ったじゃねえか!」

Ⅴ「全然聞いてない」

Ⅲ「Ⅳ兄様と鬼柳さんは次元を超えたライバル同士ですから、いくらクローンでも」

Ⅳ「どうなんだ鬼柳!」

鬼柳「俺に関わるな。俺は俺なんだ」

Ⅳ「いい加減にしろ鬼柳!」

Ⅲ「どうします?」

Ⅴ「あのまま放置しても」

Ⅳ「・・・」

Ⅴ「戸籍すら存在しない彼はあまりにも不憫だ」

Ⅲ「ですね」

Ⅳ「じゃあどうするんだ?」

Ⅴ「・・・加えよう」

Ⅲ「加えるとは?」

Ⅴ「我ら家族に加えよう」

Ⅳ「自分が何言ってるかわかってんのか!?」

Ⅴ「フラフラされても困る。かと言って遊星達の次元に・・・いやある!クローンの鬼柳京介が住める場所がたった一つだけ」

Ⅳ「何処だそこは?」

Ⅴ「遊星の次元だ」

Ⅲ「でもあそこは」

Ⅴ「これは私達が調べた事なのだがエクシーズ次元の他にもう一つ私達の次元そっくりな場所がある」

Ⅳ「って事は?」

Ⅴ「Dr.フェイカーの助手だった瑠那も似た次元の出身者だそうだ」

Ⅲ「でもそこにも鬼柳さんが居るのじゃないでしょうか」

Ⅴ「いや居ないと思う。何故なら瑠那の出身次元には我々が居ないからだ」

Ⅳ「じゃあ決まりじゃねえか」

Ⅴ「いや嫌な予感がするからシンクロ次元に」

Ⅳ「どっちにするんだよ」

数日後

柚子「えぇ・・・まだそっくりな次元があるの?」

遊矢「何でも遊馬の次元にはSNo.が遊星さんの次元には決闘竜があるらしい」

柚子「へえ」

遊矢「たまに召喚するから驚くないけど、お互いがお互い繋がってるんだろうな」

柚子「デュエリストは何処に居ても絆で繋がってるもんね!」

遊矢「あ、別の次元の万丈目さんはかなりカッコいいんだって」

柚子「えっ!?」

ユート「!?」


第24話『再誕』


遊矢「今日もいい天気だな」

柚子「うん」

ユート「遊矢と同化して何日も経つが・・・」

柚子「また行くの?」

遊矢「遊馬に頼まれてるから巡回パトロール」

柚子「大変ね、私も行くけど」

遊矢「いいのか?いつも思うけど」

柚子「遊矢が守ってくれるんでしょ?」

遊矢「ま、まあ・・・うん」

柚子「じゃあ問題無し!」

ユート「この疎外感は何なのだろうな・・・」

ツァン「まだ恵のこと調べてるの?」

カイト「ああ」

ツァン「本当に暇人よね、賢いなら学校に行けば」

カイト「俺からすれば主婦の方が暇に見えるぞ」

ツァン「あのね、僕だって」

遊矢「・・・」

柚子「・・・」

カイト「来てたのか」

遊矢「あ、うん」

柚子「やめた方がいいよカイトさん」

カイト「やめる気は無い」

柚子「そう・・・」

遊矢「行こう柚子」

カイト「何なんだあいつら」

璃緒「また喧嘩して来たのね!凌牙!アリト!ギラグ!」

アリト「喧嘩売られたんだぜ?買うのが常識だって」

ギラグ「俺は止めたぞ」

シャーク「中坊舐めると痛い目に会うって叩き込んでやったんだよ」

ギラグ「俺は止めたぞ」

璃緒「だからって」

シャーク「おう遊矢か」

遊矢「また喧嘩したんだ」

柚子「いつも喧嘩してるよね」

璃緒「困ったものですわ、この3人というか凌牙とアリトは喧嘩っ早くていつも」

シャーク「逃げるぞ」

アリト「メラグの説教は長えからな」

遊矢「あ、逃げた」

璃緒「待ちなさい!」

Ⅳ「お、お前の出身次元には俺らが居ないのか?」

瑠那「ええ」

Ⅲ「何かショックですよねⅤ兄様」

Ⅴ「・・・Ⅱだな」

Ⅲ「はい?」

Ⅴ「彼女を一家の一員にしよう」

瑠那「!?」

Ⅳ「あーあ知らねえぞ兄貴は1度言い出したら聞かねえから」

瑠那「いや遠慮しておくわ・・・だって」

Ⅴ「・・・」

瑠那「・・・何となく恥ずかしいから」

Ⅳ「てめえ馬鹿にしてんのか!!」

遊矢「カイト、凌牙に続く問題児トリオのⅣも無事平穏っと」

数日後

遊矢「何ていうか大変だよな遊馬も」

柚子「他の次元に比べてカイトさん達って頼りになるけど問題行動が多いから」

遊矢「それに黒咲が混ざったら大変なんだよ」

柚子「そうよね、加減を知らないから遊馬くんが上手いこと止めてるけど」

遊矢「あいつ歳下だけど苦労してるんだよな・・・」

ユート「俺からすれば1番の問題児は君達かもしれないがな」


第25話『苦労』


カイト「こいつ学生時代からの経歴が無いのか」

恵「そんなに知りたいなら教える」

カイト「・・・居るなら一声かけろ」

恵「私には記憶や想い出が無かった」

カイト「もういい。湿っぽい話は聞かん主義でな」

恵「・・・」

カイト「お前の経歴が何となくわかっただけで十分だ」

恵「・・・」

カイト「何か言いたげだな」

恵「フン」

カイト「何?」

恵「鳥のフンがカイトのコートに」

カイト「・・・」

カイト「・・・」

恵「私がコナミに出会ったのは」

カイト「お前がコナミに会うまでの経歴や学生時代より前の何をしていたか、どうでもいい」

恵「でも知りたがっている」

カイト「別に」

恵「あれは」

カイト「無理に話す必要は無い」

恵「・・・」

カイト「黒だから余計に目立つな」

恵「フォトンチェンジすればいい」

カイト「あれは体力を消耗する。鳥のフン程度でチェンジできん」

カイト「何であろうとお前が過去に悪さをしていた事は無い。これだけは断言できる」

恵「カイトは」

カイト「俺はお前より歳下だが悪さを多くして来た。永遠に消えぬ罪をな」

恵「・・・」

カイト「言い訳なんてしない。俺の行く末はおそらく地獄・・・だったら」

恵「命を粗末にするのはダメ」

カイト「ああ」

恵「償うなら天命を全うしないと」

カイト「・・・お前の言う通りだな」

恵「これ」

カイト「ハンカチ?すまんな」

鉄男「それで俺らの担任の先生がすげえ可愛いんだぜ」

遊矢「へえ」

鉄男「あ、でも璃緒さんには敵わないな」

遊矢「・・・」

鉄男「ほらあれだあれ!」

遊矢「カイト・・・」

鉄男「どうした?」

遊矢「悪いけど俺帰る・・・」

鉄男「おい!どうしたんだ?」

遊矢「あんなだらしない男だったなんて、どうしたんだよカイト」

数日後

柚子「今度は遊馬くん達の?」

遊矢「ああ・・・」

柚子「げ、元気出してよ遊矢!カイトさんは遊矢の事を一人前だって」

遊矢「あいつは俺が出会った時の誇り高いカイトじゃなくなった」

柚子「・・・」

遊矢「教えてくれよ遊馬・・・俺はどうすればいいんだ」

ユート「別にいいじゃないか、誰と誰が話しても」


第26話『記憶』


アリト「七皇納涼スイカ割りだぜ!」

ギラグ「よっしゃ!」

ミザエル「納涼って意味わかるか?」

アリト「全然」

ミザエル「フッ」

アリト「何だその態度は!」

ベクター「何が悲しくてスイカ割りしなきゃいけねえんだ。このクソ暑いのに」

ドルべ「私は木陰で読書をしよう」

シャーク「夏って言ったら海・・・海は俺のフィールドだから」

アリト「砂浜でスイカ割りするってのは夏なら誰だってするんだってよ」

アリト「メラグは?」

シャーク「あいつなら来ねえぞ」

アリト「・・・何で?」

シャーク「用事だとよ」

アリト「・・・」

ギラグ「・・・」

ベクター「どうしたんだ」

アリト「帰るわ俺」

ギラグ「そうだな」

シャーク「ちょっと待て、てめえら!」

アリト「だって水着見てえし」

シャーク「てめえ」

ギラグ「唯一の女だぜ?」

シャーク「てめえ・・・」

ベクター「ま、貧相だけどな」

シャーク「てめえ!」

ドルべ「やめるんだナッシュ!」

シャーク「どういう目で璃緒を見てんだ!」

アリト「ふ、普通」

シャーク「嘘つけ!」

アリト「・・・ちょっとだけ・・・な?」

シャーク「ぶっ飛ばしてやる!」

ドルべ「喧嘩はやめるんだ!」

ミザエル「放っておけ、少しぐらいなら大丈夫だ」

ギラグ「スイカ割ろうぜスイカ」

ドルべ「いやスイカどころじゃないぞ」

ミザエル「別にいいだろ。あの2人は血の気が多いから多少喧嘩したって」

ドルべ「だがな」

ベクター「いいんだよ」

ドルべ「私が間に入ろうか・・・メラグを呼ぼうか」

ミザエル「呼ぶと怒るだろうな」

ドルべ「やはり私が」

ギラグ「怪我するぞ」

ベクター「しかしアリトがメラグに興味があるなんて初耳だぜ」

ミザエル「興味じゃないだろうな」

ベクター「は?」

ギラグ「観察してればわかる」

数日後

アリト「だから悪いって言っただろ?」

璃緒「悪い?」

アリト「ごめんなさい」

璃緒「そろそろ人間世界のルール覚えてよ」

アリト「売られた喧嘩は借金してでも買うんだよ」

璃緒「また!」

アリト「もう警察沙汰はしねえから、なあナッシュ?」

シャーク「誓うぜ」

ベクター「そういう事か」

ミザエル「親に構ってほしい子供みたいなものだ。アリトは」


第27話『西瓜』


Ⅳ「最近思ったんだけどよ兄貴」

Ⅴ「我ら三兄弟はいつも男ばかりで味気ないと言いたいんだな」

Ⅲ「前にも言ってましたよねⅣ兄様」

Ⅳ「野郎で固まってるなんて俺らぐらいだろ」

Ⅴ「そうだな」

Ⅳ「だから」

Ⅲ「凌牙の妹は無しですよ」

Ⅳ「ま、まだ何も言ってねえだろ」

Ⅴ「顔に書いてある」

Ⅲ「書いてありますね」

Ⅳ「書いてねえよ」

Ⅴ「この前だって瑠那が異常なまでに嫌そうな顔をしていただろ」

Ⅲ「そうですよね」

Ⅳ「わかったよ、その話はもうしねえ!」

ガチャッ

鬼柳「・・・」

Ⅲ「お帰りなさい鬼柳さん」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「結局こっちに残ったのか」

鬼柳「ああ」

Ⅴ「それは置いておこう」

Ⅳ「で?どうするんだ」

Ⅴ「・・・」

Ⅴ「私としては今のままでいいと思う」

Ⅲ「そうですよ、Ⅳ兄様が凌牙に対抗したい気持ちもわかりますが」

Ⅳ「ち、違う」

ガチャッ

Ⅲ「いってらっしゃい鬼柳さん」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「凌牙は7で俺らは3・・・どうよ?」

Ⅲ「いいじゃないですか」

Ⅴ「お前は凌牙に負けて私とⅢは2人揃ってミザエルに負けたんだ」

Ⅲ「それにカイトだって1人で行動してるじゃないですか」

Ⅴ「オービタルが結婚を機に就職してしまったからな」

Ⅳ「・・・」

鬼柳「・・・」

瑠那「・・・」

鬼柳「トロン3兄弟いい奴らだな」

瑠那「?」

鬼柳「入ってやれよ」

瑠那「いや私にもやるべき事が」

鬼柳「いい奴らだぜ」

瑠那「だから」

鬼柳「なあ」

瑠那「なら私にデュエルで」

鬼柳「何でもかんでもデュエルで決めるなよ、たかがデュエルだ」

瑠那「何て荒んだ目・・・何か怖い」

数日後

Ⅴ「そうか、君は私達の仲間に」

Ⅲ「大歓迎ですよ!」

鬼柳「・・・」

瑠那「それで活動内容は?私だってやる事があるからそう頻繁には」

Ⅴ「遊馬、カイト、凌牙の補佐が基本だが」

Ⅲ「特にありませんよね」

Ⅳ「これと言ってって感じだからな」

瑠那「カイトや凌牙に比べたら異質な感じがする・・・特にこの次男はあの2人に近い」

ガチャッ

Ⅲ「いってらっしゃい鬼柳さん」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「ま、わからねえ事があったら何でも聞けよ。Ⅱでいいな?いや俺らより歳上だからⅥだな」

瑠那「それだけは無理よ、普通に呼んで普通に」

Ⅳ「女ってのはワガママだから困るぜ」


第28話『対抗』


遊矢「へえ・・・わかった。じゃあ、また」

柚子「遊馬くん?」

遊矢「滞在中に機関銃で蜂の巣にされたんだって」

柚子「へ、へえ」

カイト「おい」

シャーク「・・・」

Ⅳ「・・・」

遊矢「平穏な日常にいきなり現れる悪魔達だ」

シャーク「誰が悪魔だ!」

遊矢「あ、ごめん」

柚子「どうかしたの3人揃って?」

カイト「こっちの次元に逃げた奴を追ってな」

遊矢「オボット6号?」

カイト「特徴は黒いオボットだ」

柚子「オボットってあのお掃除用ロボットよね?」

カイト「最初期に作られた1号から108号は制御不能の結果、人間達に反乱を起こした」

シャーク「何でもこいつが赤ん坊の頃の時だぜ?俺らが知るわけがねえ」

柚子「赤ちゃんの時のカイトさん・・・」

Ⅳ「想像できねえだろ」

遊矢「多分この髪型なんだって事はわかる」

柚子「そのオボット6号が逃げて来たのね」

シャーク「俺らもとりあえず探すから気をつけろよ」

遊矢「うん」

「その必要は無いぜ」

カイト「誰だ」

Ⅳ「あれ見ろ!」

シャーク「ロボット・・・?」

柚子「あ、あれがオボット6号じゃないよね?」

カイト「自己強化でもしたのだろう」

遊矢「驚きの黒さだ・・・」

Ⅳ「色は黒いってのに乗り物は白か?バイクなのかDホイールなのか、どっちかはっきり」

チャキッ

カイト「こいつ銃構えやがったぞ!」

シャーク「遊矢!柚子!伏せろ!!」

パァンッ

「驚いたか、今のはほんの名刺代わりの挨拶だ」

シャーク「Ⅳ・・・てめえ!よくもⅣを撃ちやがったな!」

カイト「覚悟はできているのだろうな」

遊矢「何でこんな事をするんだ!」

「特に理由は無い。ただ貴様達が正義なら俺は悪・・・ただそれだけだ」

シャーク「ゴチャゴチャ言ってねえでかかって来い!!」

「俺とやり合うよりもそいつを病院にでも連れて行ってやれ」

シャーク「てめえが撃ったんじゃねえか!」

「・・・お前達の顔は覚えた。また会おう」

シャーク「あの野郎!」

柚子「とりあえず病院に連れて行かないと!」

シャーク「心配すんなよⅣ」

柚子「いいから!」

シャーク「お、おう」

数日後

カイト「それでⅣは?」

シャーク「普通の弾丸じゃねえっぽいから、しばらく入院生活だってよ」

カイト「そうか」

シャーク「・・・薄々気づいたんだがよ」

カイト「お前もか」

シャーク「小鳥より柚子の方が絡みやすい」

カイト「あいつはデュエリストだから何となく考えがわかる」

シャーク「お前小鳥にデュエル教えてやれよ」

カイト「嫌がるだろ。あいつ」

シャーク「あいつ根っこは遊馬に似てるから危険なのとそうじゃねえの境目がわからねえんだろうな」

カイト「似た者同士の幼馴染か・・・遊矢と柚子とは真逆なコンビだ」

シャーク「遊馬は俺らと一緒で硬派だからな」


第29話『入院』


柚子「新しい塾?」

修造「そうなんだ・・・」

遊矢「そんなに落ち込まなくたって」

修造「いや違うぞ・・・フトシ達もそっちに行ってしまったんだ!」

柚子「まさか」

修造「俺は猛烈に悲しいぞ!」

柚子「アユちゃん達が」

遊矢「最近構ってやれなかったから」

柚子「遊矢」

遊矢「その塾を少し調べてみるか」

遊矢「ここがそのデュエル塾か」

柚子「どうするの?」

遊矢「そうだな」

ユート「君も柚子もこっちじゃ有名だから変装した方がいいと思う」

遊矢「確かにユートの言う通りだ」

柚子「ユートと対話できるようになったんだ」

遊矢「柚子は見えないのか?」

柚子「うーん・・・何となくぼんやりと」

ユート「じゃれ合ってる場合じゃないぞ」

遊矢「な、何か厳しいな」

ユート「すまない」

遊矢「お邪魔します」

「塾入会希望者ですか?」

柚子「はい!」

遊矢「榊山遊太郎です」

柚子「柊山柚子子です」

ユート「いいのかそんな簡単な名前で」

「ではここに住所を」

遊矢「あ、はい」

柚子「見た感じ普通の塾ね」

柚子「見てアユちゃん達よ」

遊矢「何をやってるんだ」

ユート「あれは」

遊矢「爆発物の扱い方じゃないか!?」

柚子「どうして塾でそんな物騒な事を!?」

ユート「どうもここはきな臭いな」

遊矢「タツヤとフトシも探そう」

柚子「うん」

「撃て!」

柚子「あれは銃器の扱いを覚えているんだ」

ユート「あれを見てくれ」

遊矢「あの紋章は」

柚子「アカデミア・・・」

ユート「爆発物といい銃器といい子供に教え込む卑劣なやり方は奴らしかいない」

柚子「止めさせなきゃ!」

遊矢「待てよ柚子」

柚子「でも」

遊矢「落ち着いて考えよう。大丈夫だから」

ユート「未来ある子供達まで利用するとは」

遊矢「この部屋が塾長室じゃ」

柚子「まさか1人で?」

遊矢「ああ」

柚子「危険すぎよ!カイトさん達を」

遊矢「俺だって怖いさ・・・怖いけどここの塾長と話をつける。俺が代表で」

ユート「大丈夫だ。俺も居る」

遊矢「じゃあ行こうか」

ユート「そうだな」

ガチャッ

遊矢「お前がここの責任者だな!」

「・・・」

遊矢「何だこいつ軍服なんて着て・・・しかも眼帯とかコスプレか何か?」

「お前は榊遊矢だな、ご苦労な事だ」

遊矢「俺の名前を知っている?」

「有名だからな」

遊矢「お前は誰なんだ」

「アカデミアでは大佐と呼ばれてる」

ユート「大佐!?」

遊矢「知ってるのかユート」

ユート「ああ」

ユート「かつてエクシーズ次元で毒ガスをばら撒き多数の死者を出した計画発案者が大佐だと聞いた」

遊矢「ど、毒ガス!?」

ユート「その他にも少年兵を使い攻撃も仕掛けた」

遊矢「お前・・・命を何だと思っているんだ!」

「命?髪の毛一本からでもクローンを生み出せるだろ」

遊矢「お前が鬼柳さんのクローンを」

「いや・・・そういう事にしてやるか」

遊矢「子供達を解放しろ!」

「ダメだな、あのガキ共は貴重な」

ユート「あいつに何を言っても無駄だ遊矢」

遊矢「だったら拳で決着をつける!デュエルを冒涜する奴らには拳で十分だ!」

ユート「相手は隻眼だ。だから」

遊矢「死角を狙う」

ユート「そうだ」

「こいつ本気で拳で戦う気なのか」

遊矢「行くぞデ・・・」

バキッ

柚子「遊矢!」

遊矢「柚子!入ってきちゃダメだって」

フトシ「痺れるゥ~!」

ユート「どうやら彼女は1人で暴れて子供達を解放したそうだ」

柚子「ハリセンで叩いたらみんな正気に戻ったわ!」

大佐「くっ・・・」

遊矢「さあ後はお前だけだ!」

柚子「誰?何か薄気味悪いけど」

遊矢「アカデミアの最高幹部らしい」

柚子「アカデミアの!?」

遊矢「戦おう柚子」

柚子「うん!」

大佐「榊遊矢と柊柚子を相手にするのはマズい・・・この塾はたった今から放棄する!」

大佐「だが忘れるなアカデミアはどんな時でもお前達を狙っている事を!」

数日後

遊矢「結局取り壊されるんだ」

柚子「いつまでも残してちゃ」

遊矢「そうだな」

柚子「・・・いつも遊矢は私を危険から遠ざけようとしてたけど、どうしてこの前は?」

遊矢「やっぱり俺の隣は柚子しかいない。どんな時でも柚子しか」

柚子「遊矢・・・」

遊矢「前に十代さんが言ってただろ?どの次元にもトリオが居るって」

柚子「遊馬くんとカイトさんと凌牙、遊星さんとジャックさんとクロウさん・・・じゃあ」

遊矢「俺は・・・俺達は」

柚子「うん」

ユート「誰でもいい俺をここから出してくれ・・・まるで生き地獄だ・・・」


第30話『不遇』


ツァン「これでしょこれも」

カイト「やめろ」

ツァン「どうせ暇なんだから手伝ってよ」

カイト「俺が本当に暇に見えるか?」

ツァン「うん」

恵「これも」

カイト「・・・」

ツァン「どうせお金は僕が払うんだからカイトも何か選びなよ」

カイト「手が塞がってるのに何か買えると思っているのか」

ツァン「はいジュース」

カイト「・・・」

ツァン「カイトも彼女ができたら」

カイト「俺は女に興味が・・・少しはある」

ツァン「前まで無いって言ってたのに!?」

カイト「それもこれも遊矢達のせいだ」

ツァン「へえ・・・あの子達がこのカイトの価値観を」

カイト「だからと言ってお前には興味は無いがな」

ツァン「人妻に手を出したら犯罪よ犯罪!」

カイト「誰が手を貸すか、家まで運んでやったんだ。俺は帰るぞ」

ツァン「どう思う?」

恵「カイトは根は優しい」

ツァン「それは知ってるけど、カイトが女の子に興味があるんだって」

恵「うん」

ツァン「あいつとの付き合いもいい加減長くなって来たし少し手伝ってあげるか」

恵「?」

ツァン「留守番お願いね」

恵「何処へ」

ツァン「カイトの価値観を壊したあの子達と少し話してくる!」

修造「大変だ!」

柚子「どうしたのお父さん!?」

遊矢「またアカデミアの」

修造「いや胸の大きい可愛い女の人が」

遊矢「む、胸・・・」

ツァン「僕だよ」

遊矢「ツァン・・・さん」

柚子「この際よ、ハッキリさせないと」

遊矢「そうだな」

柚子「お茶です」

ツァン「ありがとう」

遊矢「あ、あのさツァンさんはカイトといつ頃から」

ツァン「えーっと確か破滅の光だったかハートランドの襲撃の時にカイトや遊馬達と」

遊矢「そうなんだ」

ツァン「あいつ女の子にまるで興味が無いんだって」

遊矢「それは何度か聞いた事がある」

柚子「うん」

ツァン「でも2人に出会って家族以外の人を異性を愛する事が理解できたんだって」

遊矢「だからって不倫はダメだろ不倫は」

ツァン「不倫?」

遊矢「いやこっちの話・・・」

柚子「そろそろ本題よ本題」

遊矢「ツァンさん」

ツァン「ん?」

遊矢「旦那さんとは」

ツァン「な、何言ってるのよ!」

柚子「大丈夫ですよね?」

ツァン「まあ・・・うん」

遊矢「じゃあカイトが言い寄ってるのか」

柚子「まさか」

遊矢「女性に興味が出たって事は・・・」

柚子「カイトさんってあれで抜けてる部分があるから・・・違うと思いたいけど」

遊矢「俺達と出会ったからって言うのは」

ツァン「2人が仲良しだから羨ましいんじゃない?あいつ内心」

修造「あ、カイトくん」

カイト「失礼する」

柚子「カイトさん・・・」

カイト「おい余計な事を言ったんじゃないだろうな」

ツァン「え?何が」

カイト「惚けるな」

ツァン「そんなに怒らないでよ!あんたがこの子達に憧れてるって」

カイト「それが余計な事だ」

遊矢「カイト!バカな事はやめてくれ!」

カイト「ああ悪かったな、こいつが迷惑をかけて」

遊矢「そうじゃない!」

カイト「憧れてるいるのは嘘じゃない。お前達を見てると心が穏やかになるのは事実だ」

遊矢「違う!」

カイト「同じ幼馴染でもお前達と遊馬と小鳥では何かが違う。まあ小鳥はデュエリストではないから当然だと思うが」

遊矢「だから俺が言いたいのは」

カイト「だが俺はお前達とは違って普通の生き方なんてできん」

遊矢「まるで話を聞いてない」

カイト「いいものだなお互いがお互いを支える関係・・・そうやって新たな命が宿り俺達が生まれたのだろうな」

柚子「・・・」

遊矢「・・・」

カイト「おい帰るぞ」

ツァン「ちょ、じゃあまたね」

遊矢「・・・」

柚子「・・・」

アユ「大丈夫だよカイトお兄ちゃんが曲がった事は嫌いだって2人がよく知ってるでしょ?」

タツヤ「不倫なんてカイト兄ちゃんがするわけない」

遊矢「そうだよな、カイトがそんな事するわけないよな」

柚子「非常識だけど筋は通す人達だものね」

フトシ「人間って奴は自分が持っていないものに対して羨ましがる生き物だ」

柚子「そうよね」

アユ「あ、フトシくんが喋った!」

フトシ「痺れるゥ~!痺れるゥ~!痺れるゥ~!」

アユ「何だ気のせいか」

数日後

カイト「次はどうするんだ」

ツァン「あれ直してよ」

カイト「電子レンジか?」

ツァン「うん」

カイト「よく電化製品が壊れる家だ」

恵「呪われてる」

カイト「・・・そうだな」

ツァン「誰か紹介してあげようか?僕ってこう見えても」

カイト「いや遠慮しておく」

ツァン「言うと思った」

カイト「いつか俺に惚れる女が現れるか俺が惚れる女が現れるかもしれないな・・・」


第31話『願望』


ミザエル「ナッシュ!」

シャーク「いきなり何だ!?ビックリするじゃねえか!」

ミザエル「最近カイトが腑抜けになってるぞ!いいのか!!」

シャーク「いいじゃねえか腑抜けになろうがなるまいが」

ミザエル「だがナッシュ!」

シャーク「お前はカイトに幻想を抱いてるんだよ。人間らしくていいじゃねえか」

ミザエル「私はバリアンだ」

シャーク「お前じゃねえカイトだ」

ミザエル「ナッシュも私もカイトのライバルのはずではないのか!?」

シャーク「俺はライバルなんてこれっぽっちも思った事はねえよ」

ミザエル「何故だ!」

シャーク「別に理由はねえよ」

ミザエル「それでも我らのリーダーか!まさかとは思うがナッシュも」

シャーク「誰は腑抜けだ!」

ミザエル「それなら良し」

シャーク「ったく」

ドルべ「喧嘩か?」

アリト「俺ら七皇のナンバー1とナンバー2が何やってんだ」

ギラグ「アリト」

アリト「どうした?」

ドルべ「・・・」

アリト「やっべ」

ドルべ「ナンバー2は私だ」

アリト「お、おう」

ドルべ「私だ」

アリト「わかったわかった!落ち着けよ!」

アリト「でもよ俺も羨ましいと思うぜ?いいよな遊矢の奴」

ギラグ「俺は羨ましくねえぜ遊馬見てみろ、男らしくデュエルしか見てねえじゃねえか」

アリト「バカだな遊馬だって小鳥に・・・ねえな」

ドルべ「小鳥の一方通行で遊馬はただの幼馴染か1番の女友達という感じだろう」

ギラグ「想像できねえよな、あいつらが手繋いでるとこって」

シャーク「遊馬は硬派なんだよ。軟弱な遊矢と一緒にすんじゃねえ」

アリト「でも小鳥が可哀想だろ?」

シャーク「遊馬が遊矢なら俺が柚子でいいんだよ」

ミザエル「言ってる意味がわからんぞ!」

シャーク「理解するんじゃねえ感じろ」

ミザエル「それでもわからん」

シャーク「だったらわかるまで感じろ!」

ベクター「あれがねえんだよ遊馬達には」

シャーク「お前に好いたの惚れたの理解できんのか?」

ベクター「遊馬は前へ前へ突き進む野郎だぜ?対して遊矢は」

ドルべ「彼は積極的では無い」

ミザエル「初々しさか!」

ベクター「ミザちゃんにしては上出来だぜ」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「・・・」

シャーク「くっだらねえ何が初々しさだ!昔のあいつらは!」

ドルべ「ナッシュ」

シャーク「悪りい・・・熱くなりすぎた」

アリト「何処までやったんだ?」

シャーク「知らねえよ」

ギラグ「遊矢はハンパじゃないぐらいデカい・・・いやデカすぎるからな」

ベクター「死ぬかもな柚子」

シャーク「チッ」

ベクター「あれれ~?まさかナッシュはまだ遊矢に負けた事を根に持ってんのか?」

シャーク「一勝一敗だ。別にねえよ」

ドルべ「彼は健全なんだ。やるだのやらないだの下品な事は言うんじゃない」

アリト「健全?だって昔は」

ドルべ「アリト」

アリト「そうだったな・・・俺も熱くなりすぎた」

ドルべ「ただでさえ血生臭い我々にとって彼らはある種の心休まる存在なんだ。暖かく見守ろう」

ベクター「無茶苦茶悔しがってるじゃねえか?ナッシュゥ」

シャーク「うるせえ」

ギラグ「俺は嫌だぞ、カップルはあいつら限定だ」

シャーク「女に興味があるデュエリストは少ねえよ」

アリト「俺は興味あるぜ」

ギラグ「だろうな」

アリト「昨日だってメラグを覗い」

シャーク「てめえ!」

ミザエル「覗いたのか?」

アリト「歯磨きしようと思ったら・・・偶然」

シャーク「ぶっ殺すぞ!」

アリト「わ、わざとじゃねえよ!」

ドルべ「しかし休みの日にこうして家の中で集まるのも暇だな」

シャーク「夏休みに突入したんだ。仕方ねえよ」

アリト「」

ギラグ「大丈夫かアリト」

ミザエル「そういえばアカデミアの話は聞いたか?」

シャーク「大佐とかいう野郎だろ」

ドルべ「それにオボット6号の動きも気になる」

シャーク「どうにかなるだろ。俺らはいつだって」

ミザエル「それもそうだな」

ドルべ「相手が誰であろうと全く負ける気がしない」

シャーク「そういう事だぜ!」

璃緒「何やってるの男同士で?」

シャーク「作戦会議・・・だよな?」

ギラグ「ああ」

璃緒「ご飯できたけど食べないの?」

アリト「いてて・・・それ言ってくれよ!」

璃緒「呼んでも呼んでも無反応だったからよ、男同士で何やってんだか」

ベクター「アリトが覗いてたんだってよメラグの事」

アリト「ベクター!」

璃緒「・・・まあ男の子だし普通なんじゃない?」

アリト「やったぜ!」

璃緒「一発殴るけどね」

アリト「・・・」

シャーク「腹減ったぜ、早く食おうぜ早く」

数日後

璃緒「アリトー!買い物行って来て」

アリト「パス」

璃緒「じゃあ夕飯食べられないわね」

アリト「それは困る!」

璃緒「これお金と何か余分に買って来てもいいわよ無駄遣いしない程度に」

アリト「よし!」

シャーク「あいつ単純だな」

璃緒「そう?可愛らしいと思うけど」

ドルべ「アリトは子供っぽいところがあるからな」

璃緒「うん」

シャーク「お前らはアリトの両親かよ、くだらねえ」


第32話『夕飯』


Ⅳ「全身黒く顔に黄色い線が入っていて背丈は兄貴並・・・あれでオボットかよ」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「心配するな、俺の怪我はもう治ったからよ」

Ⅲ「・・・」

Ⅳ「この前の試合も」

Ⅴ「使ったな」

Ⅳ「何が」

Ⅴ「公式試合でギミック・パペットを」

Ⅳ「あのオボットのせいでイライラしてたんだよ、それにWDCでも俺は」

Ⅲ「あれは公式試合では使わないと約束したじゃありませんか!」

Ⅳ「仕方ねえだろ!」

Ⅴ「・・・腹から血が出てるぞ」

Ⅳ「あっ・・・」

Ⅳ「まさかまたベット生活とはな、クソ」

Ⅳ「傷口が開くなんて何がどうなってやがるんだ」

コンコン

Ⅳ「おう入れ」

遊矢「入院したって聞いてさ」

柚子「大丈夫?」

Ⅳ「・・・帰れ」

遊矢「今来たばかりなのに?」

Ⅳ「冗談じゃねえぞ、この狭い空間に・・・」

柚子「リンゴの皮剥いてあげるね」

Ⅳ「好きにしろ」

柚子「はい」

Ⅳ「・・・」

遊矢「前から聞こうと思ってたんだけど、いい?」

Ⅳ「何だ」

遊矢「少し情緒不安定すぎだろ」

Ⅳ「あ?」

柚子「私もそれは思う。だってファンの前では紳士なのに知り合いの前じゃまるで狂犬よ」

Ⅳ「狂犬でいいじゃねえか、俺は元からこういう性格なんだよ」

遊矢「ふーん」

Ⅳ「話はそれだけか?他に聞きてえ事はねえのか」

遊矢「じゃあサイン」

Ⅳ「ブッ!何だこの量の色紙は!?」

Ⅳ「ほらよ」

柚子「さすがプロ!」

遊矢「声は赤馬零児に似てるのに器は大きいよなⅣは」

Ⅳ「あんな無感情野郎と一緒にするな」

遊矢「いや一緒にしてない。あいつは異常者だ」

柚子「普通じゃないよね、あの人」

Ⅳ「倒せばいいじゃねえか、俺はそこまで関与しねえけど」

遊矢「デュエルもしたくない。嫌いなんだよ生理的に」

Ⅳ「どんだけ嫌いなんだよ・・・」

柚子「遊矢がここまで人を嫌うのって珍しい事よ?」

Ⅳ「知らねえよこいつの好き嫌いなんて」

遊矢「例えばさ」

遊矢「あいつ人間味が無いって言うか面白味が無いんだよな」

Ⅳ「相当嫌いなんだな」

コンコン

Ⅳ「おう入れ」

鬼柳「生きてるか」

柚子「鬼柳さん・・・何でコート着てハーモニカぶら下げてるの!?」

Ⅳ「こいつはクローンの方だ」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「十六夜アキの声真似ができる特技があるらしいぜ、俺らの知ってる鬼柳にはねえ特徴だよな」

遊矢「やっぱ鬼柳さんはバンダナとジャケットだよな」

柚子「そうよね」

Ⅳ「何か用か」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「自分の居場所が見つかった?」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「何処だ」

鬼柳「シンクロ次元」

遊矢「シンクロ次元?あそこは」

鬼柳「だからこそ行くんだ。俺の手でひっくり返すために」

遊矢「この鬼柳さんでもユーゴやシンジとなら気が合いそうだ」

柚子「シンジ?」

遊矢「シンクロ次元の過激な男でさ遊星さんとも知り合いなんだ」

柚子「それってこの前遊星さん達と派手に暴れ回って牛尾さんに捕まった人?」

遊矢「ああ!」

Ⅳ「みんなに挨拶したのか」

鬼柳「ああ」

Ⅳ「頑張れよ」

鬼柳「じゃあな」

Ⅳ「またいつか会おうぜ」

鬼柳「Ⅳ!こいつをお前に渡すぜ」

Ⅳ「シンクロモンスターか?」

鬼柳「俺のオリジナルにもよろしく言っておいてくれよ」

Ⅳ「約束するぜ」

鬼柳「お前にも迷惑をかけたな榊遊矢」

遊矢「俺もいつか遊びに行くよ、もう1人の鬼柳さん」

Ⅳ「お前らはいつまで残ってんだ。さっさと帰れよ」

遊矢「何かすごく嫌そうな顔するよな」

柚子「私たち何かした?」

Ⅳ「何もしてねえよ」

遊矢「そこまで言うなら」

柚子「早く身体治してね」

Ⅳ「わかったわかったから行けって」

遊矢「それじゃ明日も来るから」

柚子「また明日」

Ⅳ「来るなら誰か連れて来い!沢渡でも何でもいいから!」

Ⅳ「・・・」

シャーク「入院するなんて情けねえなⅣ」

カイト「・・・」

Ⅳ「てめえら何処から入って来やがった」

カイト「窓からだ」

シャーク「俺もだ」

Ⅳ「鬼柳が去っちまったぜ」

シャーク「さっき会った」

カイト「ああ」

Ⅳ「シンクロか・・・」

数日後

Ⅲ「退院おめでとうございますⅣ兄様」

Ⅳ「あの程度で入院なんてしてられるかよ」

Ⅴ「退院祝いだ」

Ⅳ「何だこれ?」

Ⅴ「防弾チョッキだ」

Ⅳ「いらねえよ」

Ⅴ「だがな」

Ⅳ「今度6号がぶっ放しやがったら避けてやるよ!」


第33話『怪我』


アユ「遊矢お兄ちゃん!柚子お姉ちゃん!」

遊矢「どうした?」

アユ「デュエル教えてよ」

柚子「いいけど、私達でいいの?」

アユ「だって気がついたら2人とも新しい召喚法覚えてるでしょ?ズルいよ」

柚子「うーん・・・そうよね」

遊矢「じゃあ教えるか」

アユ「うん!」

タツヤ「僕も」

フトシ「痺れるゥ~!」

遊矢「よし!みんな俺について来い!」

遊矢「いいか、エクシーズって言うのは同じレベルのモンスターを揃えて召喚するんだ」

アユ「何か今更だよね」

遊矢「例えば俺が所有してるのはオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン、魔人、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」

ユート「俺のだがな」

大佐「フフフ・・・子供の相手とは随分と余裕だな榊遊矢」

遊矢「あ、あいつ」

柚子「アカデミアの大佐!」

大佐「今回は策などは使わん。お前を倒すべくこいつをアカデミアから派遣した!」

タツヤ「何だあのモンスター!?」

大佐「モンスターではない。出て来い!」

「俺は今日という日を待っていたのだ!榊遊矢並びにデュエリストと戦う時を!」

大佐「アカデミアの最新鋭技術により誕生したアリクイとデュエリストの改造デュエリストだ」

遊矢「何て非人道的な奴らなんだ!」

柚子「遊矢!」

遊矢「くっ・・・何なんだこいつは」LP600

アユ「アクションデュエルで鍛えた遊矢お兄ちゃんが」

大佐「行け!その左腕で榊遊矢を殺せ!」

遊矢「そう簡単にやられてたまるか!」

「俺の攻撃を避けただと!?」

大佐「そのまま突っ込め!ガキの1人でもやれば榊遊矢の真の力が発揮されるだろう」

柚子「アユちゃん!」

ユート「遊矢!」

遊矢「間に合え・・・!」

フトシ「何て非道な奴らだ」

タツヤ「えっ?」

フトシ「痺れるゥ~!痺れるゥ~!痺れるゥ~!」

タツヤ「気のせいか・・・」

黒咲「それで遊矢は」

柚子「アユちゃんを助けられなかったショックで」

タツヤ「仇を討ってよカイト兄ちゃん!不審者!」

黒咲「俺には関係のない話だ」

タツヤ「カイト兄ちゃん!」

カイト「アユもデュエリストだ。この程度では死なん」

柚子「・・・」

カイト「放っておけば遊矢が勝手に動き出すだろ。そこまで俺も黒咲も暇ではない」

柚子「だったら私が」

カイト「勝手にしろ」

遊矢「・・・」

カイト「落ち込んでいても何も解決せんぞ」

遊矢「カイト・・・俺は」

カイト「甘ったれるな、アユの仇を討つのはお前だけだ。違うか」

遊矢「それぐらいわかってる。だから俺は今から特訓を開始するんだ」

カイト「特訓?」

黒咲「レジスタンス仕込みの特訓と言ったところだ」

カイト「・・・」

黒咲「来い」

遊矢「ああ!」

柚子「キツい事ばかり言うけど結局は助けてくれるよね皆」

カイト「それだけ俺もあいつらもお人好しという事だ」

権現坂「遊矢は居るか!」

カイト「奴なら特訓中だ」

権現坂「例のアリクイデュエリストが再び活動を始めたぞ」

柚子「でも遊矢は」

カイト「足止めできるか」

権現坂「勿論」

カイト「なら足止めを頼む」

柚子「私も行くわ!」

権現坂「遊矢の事を頼む」

カイト「俺は何もしてないがな」

柚子「行くわよ権現坂!」

権現坂「うむ」

カイト「・・・出て来い、さっきから俺達を見張っている事はわかっている」

「フッ」

カイト「オボット6号か」

「榊遊矢が敗北したと聞いてな」

カイト「あいつを狙いに来たのか」

「笑わせるな、俺はデュエリストだ。卑怯な手は好まん」

カイト「だったら何故」

「特に理由は無い」

カイト「・・・」

チャキッ

「お前と神代凌牙、トーマス・アークライト、九十九遊馬、黒咲隼も俺の獲物だ。それを忘れるな」

カイト「何だったら今この場で決着をつけてもいいぞオボット6号」

「俺の射撃の腕を知らんのか」

カイト「避ければ問題無い」

権現坂「ぐわああああああああああああああああああああ」

柚子「権現坂!」

大佐「この程度・・・ではないか」

「う、腕が・・・腕を折られた!」

権現坂「奴の腕を折ってやった・・・後は頼むぞ遊矢!」

大佐「ここで奴が来ては・・・退け!この場は退くんだ!」

黒咲「そう簡単に逃がすと思っているのか!行け遊矢!」

遊矢「錐揉み状に回転させ敵を穿つ!必殺の蹴り技!」

黒咲「デュエリストの足腰は強靭でな、お前たち無知な融合次元の連中に言っても理解はできんだろうがな」

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああ」

大佐「バカな!改造されたデュエリストが意図も簡単に敗れるとは!!」

遊矢「卍キック・・・それが俺が黒咲との特訓で編み出した技さ」

「さすがは俺達の生みの親であるフェイカーの実子・・・俺の腕を破壊するとは」

カイト「・・・」

「だが俺の勝ちのようだな天城カイト」

カイト「好きにしろ。負けは負けだ」

「ならば命を貰う」

ピキッ

「か、身体が動かん・・・突然・・・何故だ!」

カイト「どうしたんだこいつは」

「まるで何かに・・・」

カイト「命は粗末にするな・・・だったら生き永らえてやる。これも運だ」

「天城カイト・・・!」

カイト「この借りは必ず返す・・・必ずな」

数日後

柚子「退院おめでとうアユちゃん」

アユ「ありがとう柚子お姉ちゃん!」

遊矢「良かったなアユ」

アユ「うん!」

ユート「だがアカデミアはいつでも君を狙っているぞ」

遊矢「わかってる。でも立ち向かわなきゃいけないんだ」

ユート「・・・そうだな」


第34話『足腰』


フェイカー「怪我は治ったか」

カイト「ああ」

フェイカー「すまんな、わしの」

カイト「父さんの尻拭いには慣れている」

フェイカー「・・・」

カイト「それに2度目は無い・・・とは言い切れんがな」

フェイカー「奴には悪魔回路と呼ぶ回路を内蔵していてな」

カイト「悪魔回路?」

フェイカー「標的を追い詰め破壊するまで止まらんのだ」

カイト「立派な清掃ロボットだよ父さん」

フェイカー「・・・怒っているのか?」

カイト「ああ」

フェイカー「・・・」

ピンポーン

カイト「・・・そうか、あいつらは里帰りだとか言って自分の次元に帰ったのだったな」

カイト「・・・」

カイト「思えば俺は常に1人で行動をしている・・・それは別に問題ではないが」

アキ「天城カイト・・・上手いこと飛んできたようね」

カイト「全裸の十六夜アキ・・・それにしては老けている。クローンか!?」

アキ「待って、話を」

カイト「問答無用!今回は騙されんぞ、貴様は誰だ?十六夜アキの皮を被ったジャックだろうと亮だろうと知った事ではない!」

アキ「だから私は」

カイト「デュエル!」

アキ「今も昔もエクシーズ使いが好戦的なのは変わらないのね・・・いいわ、デュエルよ!」

カイト「ドロー!俺は魔法『光子竜降臨』を発動!そして光子竜の騎士を儀式召喚!光子竜の騎士をリリースしデッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!さらに銀河騎士を特殊召喚!俺はレベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、銀河眼の光子竜皇!」

カイト「さらに魔法『銀河の施し』を発動!自分フィールドにギャラクシーと名のつくモンスターが存在するとき手札を1枚墓地へ送りデッキから2枚ドロー・・・ターンエンド」

アキ「私のターン、ドロー!夜薔薇の騎士を攻撃表示で召喚!そして夜薔薇の騎士の効果により手札からレベル4以下の植物族モンスターを特殊召喚できる。私はローズ・ウィッチを特殊召喚!レベル4のローズ・ウィッチにレベル3の夜薔薇の騎士をチューニング!シンクロ召喚!ブラック・ローズ・ドラゴン!」

アキ「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果を発動!シンクロ召喚に成功したときフィールド上のカードを全て破壊する!」

カイト「確かに鬼柳の時のように違うカードを操らんな・・・しかし融合とシンクロのトップは水面下で手を握っているという噂がある」

アキ「さらに魔法『死者蘇生』を発動!墓地のブラック・ローズ・ドラゴンを特殊召喚!バトル!」

カイト「・・・」4000→1600

アキ「カードを2枚セットしターンエンド」

カイト「ドロー!俺は魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動!俺は2体のフォトントークンを特殊召喚!そしてフォトントークンをリリースしフォトン・ワイバーンをアドバンス召喚!」

カイト「フォトン・ワイバーンが召喚または反転召喚に成功したとき相手フィールドのセットされたカードを全て破壊する!」

アキ「!?」

カイト「バトルだ!フォトン・ワイバーンでブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃!」

カイト「たったの100・・・こいつは何者なんだ?新たな資格か?」

カイト「俺はカードを1枚セットしターンエンド」

アキ「いい加減に私の話を」

カイト「そう何度も騙されてたまるか、俺はそこまでお人好しでは無いんでな」

アキ「いつの時代でもコートを着た人って本当に偏屈ね・・・私のターン!私はローンファイア・ブロッサムを通常召喚!そしてローンファイア・ブロッサムをリリースしデッキから姫葵マリーナをアドバンス召喚!」

アキ「さらに魔法『サイクロン』を発動!あなたのフィールドのカードを破壊するわ!バトル!姫葵マリーナでフォトン・ワイバーンに攻撃!」

カイト「・・・」1600→1300

アキ「私はこれでターンエンド」

カイト「このターンで勝負は決する!お前に破壊された銀河眼の光子竜皇は攻撃力を倍にさせ蘇る!!」

アキ「何ですって!?」

カイト「蘇れ銀河眼の光子竜皇!」

アキ「ま、まさか蘇るなんて」

カイト「攻撃力は8000!このデュエルを制しお前の化けの皮を履いでやる!やれ銀河眼の光子竜皇!エタニティ・フォトン・ストリーム!!!」

カイト「俺の勝ちだ・・・何者なんだお前は」

アキ「私は正真正銘の十六夜アキ・・・ううん今は不動だけど」

カイト「不動?暑さで頭がどうかしているのか」

アキ「これ保険証」

カイト「・・・この老け具合と肉体の衰え・・・未来から来たのか」

アキ「さすがエクシーズの頭脳と呼ばれている天城カイトね」

カイト「何故過去に」

アキ「夫婦喧嘩・・・子供の教育方針を巡ってのね」

カイト「全裸である理由は」

アキ「私が過去に家出する事を見越した遊星がタイムマシンを隠したのよ。だから遊星が若い頃に作った人しか転送できない方の装置で」

カイト「夫婦喧嘩で過去にやって来るとは・・・遊星の嫁ならそれぐらい大胆な行動を取っても不思議ではないか」

アキ「とりあえず服を着ないと・・・持って来てくれる?」

カイト「女はどいつもこいつもワガママだな、猛暑だから全裸で彷徨いていても別にいいだろ」

カイト「持って来てやったぞ」

アキ「下着まで?」

カイト「そこの家は俺の知り合いの家でな、鍵もある」

アキ「キツいんだけど」

カイト「デカすぎるのも問題だな」

アキ「小鳥ちゃんが羨ましいわ・・・」

カイト「いやアユぐらいが丁度いい」

シャーク「ん?十六夜アキじゃねえか」

Ⅳ「珍しいな・・・てめえクローンか?」

カイト「こいつは未来から来た十六夜アキだ・・・老けているだろ若干」

シャーク「老けてるっつうか貫禄あるよな」

Ⅳ「あの女がうちの兄貴より歳下だぜ?何食ったらあんな風に貫禄出るんだろうな」

シャーク「遊星は未来でも何も髪型が変わってねえのな・・・」

カイト「いつ帰るんだ」

アキ「遊星が迎えに来るまで無理」

Ⅳ「じゃあ遊星呼ぶか?現代の遊星を」

アキ「やめて!絶対に遊星が来るまで帰らないわ!」

カイト「勝手にしろ。暇人が居れば居るほどこっちも助かる」

シャーク「ところで俺達はどうなってるんだ?遊馬とかは」

アキ「遊馬くんなら筋骨隆々の肉体になってるわ、確か身長は2m10cmだって小鳥ちゃんは鳥になって何処かに」

カイト「俺達は」

アキ「みんな独身よ、でもあなた達の弟と妹が結婚して親戚同士に」

カイト「俺と凌牙が?」

シャーク「ふざけんなよ・・・何が悲しくて盆も正月もこいつとツラ合わせなきゃいけねえんだ」

Ⅳ「俺は」

アキ「プロ引退後は保育士として頑張ってるって聞いたけど」

Ⅳ「・・・」

Ⅳ「遊矢と柚子はどうせ結婚してるから、いいとして」

シャーク「十代は」

アキ「十代さんは・・・」

カイト「独身だ」

シャーク「野郎は独身だぜ」

Ⅳ「絶対にあり得ねえよな」

アキ「・・・」

シャーク「黒咲は」

アキ「あの人は遊馬くんと共に世界をまたにかける冒険家よ」

シャーク「て言うかいくつだお前」

アキ「32だけど」

シャーク「って事はこれから十数年後ぐらいか」

Ⅳ「そんなのすぐにやって来るじゃねえか」

カイト「・・・」

シャーク「しかし驚いたよな未来だぜ」

Ⅳ「あいつ来れからどうすんだ?意地張りやがって、だから女ってのは」

カイト「そこまでは俺も世話は焼かん」

シャーク「なあカイト」

カイト「何だ」

シャーク「勃ってるぞお前」

カイト「俺もそれが不思議だ」

Ⅳ「女に興味がねえお前が・・・マジかよ」

シャーク「遊矢効果じゃねえか?情けねえなカイト!たかがアキの全裸見た程度でよォ」

カイト「女に興味が無いのは変わりはない。それにアキではデカすぎてスピードとバランスに欠ける」

Ⅳ「お前その理論的な言い方やめろよ」

シャーク「じゃあどんなのがいいんだ?」

カイト「女ならアユぐらいのコンパクトな感じが俺には最適だと思ってる」

Ⅳ「・・・帰ろうぜ凌牙」

シャーク「この暑さでイかれてやがるぜカイトの奴」

数日後

柚子「ねえ聞いた?」

遊矢「またカイトがやらかした事?俺はカイトを信じてるから・・・た、多分大丈夫じゃないか?」

柚子「私も一緒だけどカイトさんがアユちゃんを狙ってるって話を」

遊矢「・・・え?」

柚子「で、でもアユちゃんやタツヤくんってカイトさんにかなり懐いてるから・・・そうよね?」

遊矢「ほらカイトって歳下の面倒見いいから・・・」

柚子「何か間違いが起こったら、でもカイトさんだから大丈夫よ」

遊矢「信じようカイトを・・・たまに意味不明な行動や言動があるし」

柚子「滅多に感情を現さないしカイトさんなりのギャグよね」

遊矢「あ、ああ!」

ユート「・・・」


第35話『薔薇』


シャーク「遅えぞ遊矢」

遊矢「仕方ないだろ。俺だって忙しいんだから」

シャーク「南米の遊馬から手紙だ」

遊矢「えーっとアカデミアの刺客と交戦しそいつがそっちに逃げちまった・・・」

シャーク「このご時世に手紙だぜ?」

遊矢「いや手紙云々よりもアカデミアの刺客がそっちでも!?」

シャーク「狼狽えてんじゃねえよ」

遊矢「既に来ている可能性も」

シャーク「あり得る・・・危ねえ遊矢!」

バァンッ

遊矢「銃声・・・これは」

シャーク「銃を使う奴と言えばオボット6号だ・・・出て来い!いきなり発砲しやがって、ふざけんじゃねえ!!」

6号「・・・」

シャーク「出やがったな!」

6号「デュエルだ」

遊矢「デュエル?」

6号「そうだ。俺とデュエルしろ2人纏めてな」

シャーク「2人纏めて?随分と余裕じゃねえか」

6号「どっちにしろお前も俺のターゲットだ。問題は無いだろ」

シャーク「どうする遊矢」

遊矢「俺は別に構わない」

6号「ならば始めるか、デュエル!」

6号「先攻は俺が貰うぞ、ドロー!俺は甲虫装機ホッパーを攻撃表示で召喚!そして甲虫装機ホッパーの効果により手札の甲虫装機モンスターを装備カード扱いできる俺は甲虫装機グルフを装備!グルフを装備する事でホッパーのレベルは二つ上がり攻撃力と守備力共にグルフの数値分アップする!そして装備魔法『甲虫装機の魔弓ゼクトアロー』を装備!装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

6号「俺はカードを1枚セットしターンエンド・・・順番はどうする」

シャーク「律儀な野郎だぜ、てめえが先攻だから俺と遊矢は後攻でいいんだよ、ドロー!」

シャーク「俺はセイバー・シャークを攻撃表示で召喚!そしてシャーク・サッカーを特殊召喚!さらにサイレント・アングラーを特殊召喚!セイバー・シャークの効果でシャーク・サッカーのレベルを一つ上げる!レベル4のセイバー・シャーク、シャーク・サッカー、サイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!海咬龍シャーク・ドレイク!」

シャーク「そして魔法『アクア・ジェット』を発動!シャーク・ドレイクの攻撃力を1000アップさせる!」

遊矢「凌牙!相手はおそらく罠を」

シャーク「装備モンスター、装備魔法と来たらあれはおそらく装備させる罠か何かだ!そして攻撃力が3800のシャーク・ドレイクをそう簡単に破壊できるわけがねえ!」

6号「残念だが違う!罠発動!『ゼクト・コンバージョン』甲虫装機モンスターが攻撃対象にされたとき攻撃対象にされたモンスターを相手モンスターに装備する!」

シャーク「シャーク・ドレイクに装備?何考えてんだ」

6号「この効果で甲虫装機モンスターが装機されている限り俺はそのモンスターのコントロールを得る!」

遊矢「ほら!」

シャーク「うるせえよ・・・俺はカードを2枚セットしターンエンド!遊矢!」

遊矢「何で敵に自分のモンスター渡してるんだよ!」

シャーク「何だと?誰だってミスぐらいするじゃねえか!ゴチャゴチャ言いやがって!」

遊矢「あーもう、俺のターン!」

6号「意外と抜けたところがあるんだな神代凌牙」

シャーク「俺の妹にでも聞いてみろ、シャークは案外間が抜けているってな!」

遊矢「俺はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師をペンデュラム召喚!そしてレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンで海咬龍シャーク・ドレイクを攻撃!」

6号「バカめ!お前にはシャーク・ドレイクの攻撃が見えんのか!?」

遊矢「俺はオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で攻撃を無効にする!」

6号「無効だと!?」

遊矢「そして速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!このターン攻撃が無効となったモンスターの攻撃力をダメージステップ時の間だけ倍にする!再びオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンで攻撃!」

6号「ヌゥッ!」8000→6800

シャーク「使え遊矢!」

遊矢「罠発動『かっとビング・チャレンジ』このターン攻撃を行ったエクシーズモンスターはもう一度攻撃を可能にする!」

6号「ぐああああ!!」6800→4300

遊矢「ターンエンド!」

6号「見事にやってくれたな、だが勝負はまだ終わって居ないぞ」

シャーク「当然だぜ!」

遊矢「勿論だ!」

6号「ドロー!」

アリト「それでナッシュと遊矢がデュエルしてんのか?」

ギラグ「例の黒いロボットと」

ミザエル「結構な人集りが出来ていたぞ」

ギラグ「行くか?」

アリト「おう!」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

ドルべ「何か転がって来るぞ!」

ミザエル「岩か?ギラグ!」

ギラグ「何でこういう時だけ!」

ガシッ

ギラグ「な、何だこれ・・・生きてるぞ!」

ミザエル「生きているだと?危ないから手放せ!」

ギラグ「ったくワガママ言いやがってこいつは」

ポイッ

6号「俺は」

シャーク「おい何か飛んで来たぞ」

遊矢「何だこれ!?」

シャーク「こいつ・・・これじゃねえか!?」

遊矢「遊馬の手紙と一緒に来てた写真?ピンボケしてよくわからない」

シャーク「こいつ例の南米から来た野郎だ!」

遊矢「デュエル中に来るなんて」

シャーク「デュエルは一旦中止だ!」

6号「何だこいつは」

遊矢「アカデミアの刺客」

6号「あの融合次元のか?クズ風情がデュエルの邪魔をする気か!」

シャーク「いいじゃねえか、ぶっ潰してやろうぜ!こんな野郎の1人や2人ぐらいよォ!」

アリト「えらい勢いで飛んでったな」

ギラグ「あ、ああ」

ドルべ「少しは加減すべきだと私は思うがな」

ギラグ「俺のせいか!?」

ミザエル「当然だ」

ギラグ「誰が手放せって言ったんだよ」

ミザエル「私はあそこまでしろとは言っていない」

ギラグ「自分の発言に責任持てよ、だからお前は」

ミザエル「何が言いたい!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「くっ・・・」

ドルべ「投げ飛ばした方向へ行こう」

アリト「そうすっか」

シャーク「硬いぜこいつ!」

遊矢「遊馬が苦戦したのもわかる気がする」

6号「腹を狙え」

遊矢「腹?」

6号「奴は見たところによるとアルマジロだ。アルマジロの弱点は腹だと決まっている」

シャーク「そんなのてめえにわかるのか!」

6号「見た目が硬い奴は中身が弱い」

シャーク「どうすんだ」

遊矢「あいつが丸くなるのはやめたら蹴りを叩き込む!」

シャーク「信用できんのかよ」

遊矢「ああいうのに限って根はいい奴だ」

シャーク「知らねえぞ・・・止まったぞ!」

遊矢「今だ!」

アリト「確かこの辺だったな」

ミザエル「ナッシュ、遊矢」

ドルべ「ここに岩のような何かが飛んで来なかったか?」

シャーク「てめえら!デュエルの邪魔をしやがって!!」

アリト「どうしたんだお前は」

遊矢「行くのか?」

6号「拍子抜けだ。邪魔をされてはな」

遊矢「助かった。ありがとう」

6号「・・・」ブロロロロロロ

シャーク「誰だ投げやがった奴は!」

ギラグ「俺」

シャーク「何で投げやがった!」

ギラグ「俺の責任か!?ミザエルだって半分悪いんだぜ」

シャーク「ミザエル!」

ミザエル「待てナッシュ!」

数日後

遊矢「また襲われて大変だったよ」

柚子「また?どうしたの」

遊矢「色々あって撃退した」

柚子「何か何処からでも狙ってくる感じよね」

ユート「そろそろ出たいんだが・・・聞いてないか」


第35話「甲虫」


Ⅳ「あ?帰るから来れねえ?夏休みだからって、お前!」

Ⅴ「どうした」

Ⅳ「瑠那だ。夏休みだから帰郷するってよ」

Ⅲ「なら仕方がありませんよね」

Ⅳ「弛んでるんだよ」

Ⅴ「別にいいだろ」

Ⅲ「女性にはキツいですよⅣ兄様と同じ空間で過ごすのは」

Ⅳ「どういう意味だⅢ」

Ⅲ「いえ気にしないでください」

Ⅳ「どういう意味だ兄貴!」

Ⅴ「言いにくい事だが教えようか」

Ⅳ「何だ改まって」

Ⅳ「俺が色物?」

Ⅲ「は、はい」

Ⅴ「バリアン七皇はそれぞれの個性を持っているがお前は1人で・・・わかるだろ?」

Ⅳ「兄貴とⅢは常識人なのに俺だけイかれてるってか?」

Ⅴ「ああ」

Ⅳ「いや俺より2人の方がかっ飛んでるじゃねえか!」

Ⅲ「そうでしょうか?」

Ⅳ「ああ」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「胸糞悪りいな」

Ⅲ「何処へ行く気ですかⅣ兄様!」

Ⅳ「散歩」

Ⅳ「何だってんだガキの頃から俺だけ悪者扱いしやがって!」

Ⅳ「誰があいつらの家計を支えてやってると思ってんだ」

璃緒「あら」

Ⅳ「お前か」

璃緒「・・・」

Ⅳ「何だ?俺は今イライラしてんだよ!文句でもあんのか!?」

璃緒「別に何もありませんわ」

Ⅳ「チッ」

璃緒「・・・何か今にも犯罪を犯しそうな顔をしてる」

Ⅳ「聞こえてるんだよ!何でてめえら兄妹は」

璃緒「兄妹は?」

Ⅳ「何でもねえよ、じゃあな」

Ⅳ「ついて来るなってんだよ!」

璃緒「あなたの二重人格はきっと精神的な面の病気ですわ」

Ⅳ「言いやがったな!」

璃緒「あそこに病院があるから行った方がいいかと」

Ⅳ「病院?」

璃緒「アキさんが開業したとか」

Ⅳ「病院・・・お前マジで俺のこと狂った奴と思ってんじゃねえだろうな」

璃緒「別にそこまでは言ってない」

Ⅳ「病院・・・そんなの行ってたまるかよ」

璃緒「大丈夫ですわ、一週間ほど無料だってアキさんが」

Ⅳ「金の問題じゃねえ!」

Ⅳ「・・・」ピッ

ガタッ

Ⅳ「お、当たりだ!何か選べよ」

璃緒「え?いらないけど」

Ⅳ「人がせっかくやるって言ってるのに」

璃緒「結構よ」

Ⅳ「めんどくせえ女だぜ、意地の張り方なんか凌牙そっくりだ」

璃緒「ま、兄妹だから双子の」

Ⅳ「見ればわかるっつうの」

璃緒「・・・あなたさっきからやたら喧嘩腰だけど何か文句でもあるの?」

Ⅳ「ねえよ、何だこいつ」

璃緒「文句があるならデュエルで決めるわ!」

Ⅳ「わかったよ、やりゃいいんだろ。先攻はてめえでいいぜ」

璃緒「ドロー!私はオーロラ・ウィングを通常召喚!そして自分フィールドに魚族または鳥獣族が存在するとき霊水鳥シレーヌ・オルカを特殊召喚!私はオーロラ・ウィングのレベルを5に変更!」

璃緒「レベル5のオーロラ・ウィングと霊水鳥シレーヌ・オルカでオーバーレイ!エクシーズ召喚!零鳥姫リオート・ハルピュイア!」

璃緒「カードを2枚セットしターンエンド」

Ⅳ「ドロー!ギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティを通常召喚!そしてハンプティ・ダンプティの効果で2体目のギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティを特殊召喚!魔法『タンホイザーゲート』を発動!これにより2体のギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティのレベルは4から8へと変更!そして相手フィールドにモンスターが存在し自分フィールドにギミック・パペットモンスターのみの場合ギミック・パペット-マグネ・ドールは特殊召喚できる!」

Ⅳ「レベル8のギミック・パペット-ハンプティ・ダンプティ2体とギミック・パペット-マグネ・ドールでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ギミック・パペット-デスティニー・レオ!」

璃緒「デスティニー・レオ・・・確かあのモンスターは」

Ⅳ「凌牙から聞いたならわかるだろ?3ターン後、てめえの負けは確定する!俺はデスティニー・レオのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事でデスティニー・カウンターを一つ置く!カードを1枚セットしターンエンド!」

璃緒「さすがはⅣ・・・言動は狂犬だけど腕前は」

Ⅳ「人がムシャクシャしてるってのに何でデュエル挑んで来るんだ」

璃緒「それは私がデュエリストだからよ」

Ⅳ「一丁前の口聞きやがって!てめえは!」

アキ「コラ!!」

璃緒「アキさん!?」

Ⅳ「お、驚かすんじゃねえ!」

アキ「こんな所で大声荒げてデュエルしちゃダメでしょ!」

Ⅳ「こいつが悪い」

璃緒「申し訳ございませんアキさん」

アキ「ううん璃緒ちゃんは別にいいのよ」

Ⅳ「それ贔屓じゃねえか!」

アキ「昔から男って言うのは騒ぐだけ騒いで後は知らん顔なんだから」

Ⅳ「俺に言うなよ」

アキ「反省してるなら別にいいけど・・・あなた達もしかして暇?」

璃緒「いいえ私は、この人は暇そうだけど」

Ⅳ「俺だって暇じゃねえよ、何かあるのか?」

アキ「実は助手を探していて」

Ⅳ「1人で経営するのは難しいからな、大人しく未来に帰れよ。じゃ」

アキ「待ちなさい」

Ⅳ「・・・わかったよ。何だよこの女」

Ⅳ「って事でよ」

璃緒「あなたしか居ないのよ」

カイト「なぜ俺だ」

Ⅳ・璃緒「無職だから」

カイト「・・・」

Ⅳ「ちゃんと金も出るってよ、良かったな」

カイト「金ならある」

璃緒「そういう問題じゃありませんわ!労働意欲というものを」

カイト「もういい。助手でも何でもやってやる」

Ⅳ「いやに素直だな」

カイト「ハルトにも何度も何度も言われていたからな」

璃緒「あ、確か免許だったかライセンスが」

カイト「俺も凌牙も無免許でバイクに乗っているだろ。あれと一緒だ」

Ⅳ「じゃあ問題ねえな」

Ⅳ「これで万事解決」

璃緒「ええ」

Ⅳ「・・・」

璃緒「・・・」

Ⅳ「言っとくがあのデュエルは俺の勝ちだぜ」

璃緒「デュエルは最後まで何が起こるかわかりませんわ」

Ⅳ「・・・」

璃緒「・・・」

Ⅳ「帰る」

璃緒「・・・そうね」

Ⅳ「このケリは絶対つけてやるぜ」

数日後

Ⅲ「どうですかⅣ兄様」

Ⅳ「何だその髪型!?」

Ⅴ「Ⅳの気分を味わうため私達も髪型をⅣ使用にしてみた」

Ⅳ「アホっぽいぞ」

Ⅴ「そうか?」

Ⅲ「父様も同じ髪型にして出て行かれましたよ?」

Ⅳ「何つったお前」

Ⅲ「ですから」

Ⅳ「止めろよ!行くぞ」

Ⅴ「よし頑張れⅢ、Ⅳ」

Ⅳ「兄貴も来い!」

Ⅴ「今はまだ私が動く時ではない」


第36話「色物」


ユート「何処かへ行くのか?」

遊矢「近所で祭りがやってるから行くんだ」

ユート「柚子とか?」

遊矢「塾メンバーと零羅それに素良も」

ユート「そうか」

遊矢「祭りは行った事」

ユート「まだ平和だった頃に」

遊矢「何かごめん」

ユート「いいんだ別に」

柚子「遊矢ー!」

遊矢「さあ行こう。お楽しみは今からだ!」

ユート「・・・」

柚子「零羅くんはお祭始めてよね?」

零羅「うん」

素良「珍しいね」

遊矢「何かボコボコだけどどうかしたのか」

素良「遊馬の次元でね」

遊矢「遊馬が居ないと融合次元の出身者を目の敵にするからなあの人達」

柚子「現にナチスっぽい大佐みたいな悪い人も居るのに」

遊矢「俺が注意するよ。誰にやられたんだ?」

素良「ハートランド学園に火を付けようとしたら神代凌牙に散々蹴り飛ばされてこの様さ」

タツヤ「自業自得だね」

アユ「この裏切り者!」

素良「ふん」

遊矢「それはお前が悪い」

素良「何とでも言えばいいさ」

ユート「・・・」

零羅「あれ」

遊矢「射的か?やるか零羅?」

零羅「う、うん」

パンッ

パンッ

パンッ

パンッ

パンッ

パンッ

アユ「あの人凄い全部命中させてる」

遊矢「オボット6号・・・」

6号「フッ」

タツヤ「あれでお掃除ロボットなんだって完全な人型なのに」

アユ「カイトお兄ちゃんの話じゃ悪魔回路を内蔵されてるんだって怖いよね」

遊矢「今日はあまり関わりたくない。あっちに行こう!」

零羅「あれ」

遊矢「金魚掬い・・・金魚が居ないけど」

「あそこに居るお兄さんが全部取ってったよ」

遊矢「・・・」

シャーク「何だその目は」

柚子「・・・食べないよね」

シャーク「食うか!」

遊矢「素良蹴り飛ばしたんだって、何度も」

シャーク「こいつの面倒ぐらい見ろ、柚子といちゃついてばかり居ねえで」

遊矢「余計なお世話だ。1人で祭なんて」

シャーク「てめえ!喧嘩売ってんのか!!」

遊矢「何で居るんだよ凌牙が」

シャーク「沢渡がカツアゲされたって聞いてよ取り返してやったんだよ」

タツヤ「意外と優しいんだね」

シャーク「そんなんじゃねえ」

アユ「カイトお兄ちゃんは?」

タツヤ「カイト兄ちゃんは居ないの?」

シャーク「居ねえよ」

タツヤ「何だ居ないんだ」

黒咲「・・・」

アユ「不審者は居るんだね」

黒咲「暇だからな凌牙と共に暴れて来た」

シャーク「誰がカツアゲしたか知らねえからよ片っ端からぶっ飛ばしてやったぜ」

黒咲「ああ」

遊矢「よく遊馬は凌牙を上手いことコントロールできるな・・・」

ユート「隼・・・」

遊矢「つ、次は何がしたい?」

零羅「あれ食べたい」

遊矢「焼きそばか?」

柚子「今度こそ大丈夫よ誰も居ないと思うから」

Ⅴ「いらっしゃい」

遊矢「居た・・・」

柚子「でもⅤさんだし良かったじゃない?」

遊矢「焼きそばを」

Ⅴ「すまないがセルフなんだ」

柚子「セルフ!?どうして!」

Ⅴ「それは私が焼きそばなんて作った事が無いからだ」

遊矢「・・・」

柚子「わかったわよ、私が作るからあっちに行って」

Ⅴ「すまないな」

遊矢「楽しいか零羅?」

ミザエル「綿あめでドラゴンを作ったぞドルべ」

ドルべ「恥ずかしいからやめろミザエル」

ミザエル「・・・」

柚子「今回は零羅くんのお祭入門みたいな感じだし次は」

零羅「楽しい」

アユ「慣れだよ慣れ」

タツヤ「みんな面白い人ばかりなんだ」

零羅「うん」

素良「そうかな?何かエクシーズ使いって低レベルなんだよね、十代とかカイザーなんてかなりカッコいいのに」

タツヤ「相手にもされてないのに大口を叩くなよ」

アユ「最低!」

フトシ「低レベルなのはどっちだろうな」カチッ

フトシ「・・・」フゥー

素良「喋ったけど」

フトシ「痺れるゥ~!痺れるゥ~!痺れるゥ~!」

アユ「喋ってないよ」

素良「・・・」

遊矢「見ろ零羅」

零羅「?」

柚子「花火よ」

零羅「花火・・・」

遊矢「そう花火!」

素良「ねえ何でこの子って暗いの」

アユ「人を傷つけて無いだけマシだよ」

タツヤ「遊矢兄ちゃんや十代兄ちゃんの温情で今があるって忘れないでよ」

素良「そんなの知った事じゃない」

アユ「今度カイトお兄ちゃんに根性を叩き直してもらわないとね」

タツヤ「うん」

素良「・・・」

零羅「花火・・・」

数日後

柚子「今度プール連れて行かない?」

遊矢「零羅を?」

柚子「うん!」

遊矢「行こうか」

柚子「零羅くんも色々と覚えて」

遊矢「やっぱり最初が肝心なんだよな」

ユート「まるであの子の親だな君達は」


第37話「花火」


カイト「これは何処に置けばいいんだ」

アキ「あそこに置いて」

カイト「・・・」

アキ「何?」

カイト「誰も客が来んぞ」

アキ「それだけ平和・・・って感じでもないわね」

アリト「いたた・・・マジでやべえよ先生!」

アキ「見せて」

アリト「へへへ」

カイト「未来から遊星が来ても知らんぞ」

アリト「未来の遊星ってどれぐらい強いんだ?」

アキ「強いと言われても・・・とりあえず100mを5秒台で走れるわ」

アリト「さすが遊星だぜ」

Ⅲ「先生よろしいでしょうか?」

カイト「今度はお前か」

Ⅲ「実はⅤ兄様のだらけ病の治し方を聞きたくて」

カイト「クリスは昔から動く時は動いて動かない時はまるで動かないだろ」

Ⅲ「実は最近酷いんだ。昨日だって回覧板を回さないで放置してたし」

アキ「そういう時は放置するのが1番よ、Ⅴさんは若い頃のジャックに比べたら世間に貢献してるんだから」

Ⅲ「そうでしょうか?」

アキ「うん!」

Ⅲ「ありがとうございます!」

カイト「・・・」

Ⅲ「アキさんはお医者さんだから腕とか吹き飛んでも治してくれそうだよね」

カイト「多分な」

アンナ「先生!」

カイト「厄介なのが来たな」

アキ「えーっと」

カイト「簡単に言えば殺し屋みたいな女だ」

アキ「殺し屋?」

カイト「遊馬と小鳥を大砲で撃ち殺そうとしてな」

アンナ「そんな話はどうだっていいんだよ!」

カイト「・・・」

アンナ「あのミザエルとかいう奴を撃ちたいんだよ俺は!」

アキ「こ、この子もしかして」

カイト「だから殺し屋だと言っただろ」

アンナ「教えてくれよ先生!」

アキ「撃つなんて物騒な」

カイト「大砲程度でミザエルを倒せると思ってるのか」

アンナ「何だと!」

カイト「事実だ」

アキ「武装解除しなさい」

アンナ「むっ」

カイト「そんな事をしているから遊馬に相手にされんのだ。少しは人の迷惑を考えろ」

アンナ「お、俺だってわかってる。でも根がそういう性分なんだ」

アキ「だったらデュエルであなたを構成させてあげるわ」

アンナ「デュエル?」

アキ「デュエルよ」

アンナ「いいのか助手」

カイト「勝手にしろ」

アンナ「先攻は俺だぜ、ドロー!フィールド魔法『転回操車』を発動!」

アンナ「自分フィールドにモンスターが存在しないとき爆走特急ロケット・アローは特殊召喚できる!そして自分フィールドに地属性・機械族モンスターが召喚または特殊召喚に成功したとき重機貨列車デリックレーンを特殊召喚!」

アンナ「さらにフィールド魔法『転回操車』の効果によりデッキから攻撃力1800以上の地属性・機械族モンスターをデッキから特殊召喚できる!無頼特急バトレインを特殊召喚!転回操車の効果によりバトレインのレベルは4から10に変更!」

アキ「レベル10のモンスターが3体・・・エクシーズね」

アンナ「俺はまだ通常召喚を行ってない!俺は深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトを通常召喚!リリース無しで特殊召喚した場合の攻撃力は0だ!」

カイト「4体のレベル10のモンスター・・・確かこいつのエースは!」

アンナ「俺はレベル10の爆走特急ロケット・アローと重機貨列車デリックレーンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!」

アンナ「さらにさらにレベル10の無頼特急バトレインと深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!」

カイト「マズいな」

アンナ「超弩級砲塔列車グスタフ・マックスのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で1ターンに1度相手に2000ポイントのダメージを与える!2体だから」

アキ「4000!?」

アンナ「正解!俺の勝ちだぜ!」

アンナ「まあ俺も運が良かったから」

アキ「ううん凄いわねアンナちゃん」

アンナ「へへへ」

アキ「エクシーズか」

アンナ「俺より胸が大きい奴なんて久しぶりに見たぜ」

アキ「大きすぎるのも」

カイト「おいミザエルはどうするんだ」

アンナ「あんな奴の事なんてどうでもいいぜ」

カイト「・・・」

アキ「私もエクシーズ覚えてみようかな、遊星を驚かせてあげるわ」

アンナ「どうせ暇なんだから教えてやれよ助手」

カイト「俺は助手ではない」

カイト「まあ教えてやってもいいか、俺が手本を見せてやる。ドロー!自分フィールドにモンスターが存在しないときフォトン・スラッシャーは特殊召喚できる。そして魔法『フォトン・リード』を発動!手札からフォトン・クラッシャーを特殊召喚!レベル4のフォトン・クラッシャーとフォトン・スラッシャーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!輝光帝ギャラクシオン!」

カイト「俺はギャラクシオンのオーバーレイ・ユニットを二つ使いデッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!そして魔法『銀河遠征』自分フィールドにレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスターが存在するときデッキからレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーを特殊召喚できる!俺はフォトン・カイザーを特殊召喚!フォトン・カイザーがデッキから特殊召喚されたときデッキからフォトン・カイザーを特殊召喚できる!」

カイト「魔法発動!『銀河の施し』!手札を1枚墓地に送りデッキからカードを2枚ドロー!自分フィールドにギャラクシーモンスターが存在するとき手札から銀河騎士は特殊召喚できる!さらに銀河魔導師を通常召喚!銀河の魔導師は1ターンに1度レベルを4つ上げる!」

カイト「俺はレベル8の2体のフォトン・カイザーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の時空竜!そしてレベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士と銀河の魔導師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!」

カイト「どうだ」

アキ「どうって早すぎて何が何だか」

カイト「さらに」

アキ「まだ何かやるの!?」

カイト「これはまだ一つ上の段階だ。とりあえず俺の真似をしてみろ」

アキ「ドロー!ローン・ファイアブロッサムを通常召喚!そしてこのモンスターをリリースしデッキから植物族モンスターを特殊召喚!私は桜姫タレイアを特殊召喚!」

カイト「何の真似だ」

アキ「デッキから特殊召喚しろって」

カイト「その真似ではない。同じレベルを揃えろという事だ」

アキ「えいっ!」

カイト「待て」

アキ「今度は何」

カイト「歳はいくつだ」

アキ「32だけど」

カイト「子供は」

アキ「居る」

カイト「えいっはやめろ。それを言っていいのはハルトやアユや零羅ぐらいの年齢の子供達だ」

アキ「・・・」

カイト「いいな」

アキ「わ、わかったわよ」

カイト「もう1度やってみろ」

数日後

遊矢「なあカイト」

カイト「何だ」

遊矢「念の為に聞いておくけどカイトの理想のタイプって誰?弟のハルト抜きで」

カイト「そんな事か俺を呼び出した理由は」

遊矢「気になってさ」

カイト「そうだな、アキのようにデカすぎるのはダメだ」

遊矢「いや身体つきじゃなくて」

カイト「性格は身体を表すツァンやドロワのようなデカいのもダメだ」

遊矢「うん」

カイト「かと言って恵のような体系や小鳥やゆまのようなのもダメだ」

遊矢「だったら」

カイト「近い人間の話だったな、女限定で」

遊矢「・・・」

カイト「・・・アユだな」

遊矢「」

ユート「」


第38話『理想』


アリト「怪我したらアキ先生のとこで一発だぜ」

ギラグ「俺らの次元で居そうで居なかった医者だよな。喧嘩っ早いの多いからエクシーズ使いは」

ドルべ「そういう下心で行くのはやめるんだ」

アリト「下心?誰だってあるじゃねえか、ドルべもそうだろ」

ドルべ「わ、私は違う」

ベクター「こういうのに限ってムッツリスケベなんだぜ」

アリト「スケベ!」

ドルべ「やめてくれ」

ミザエル「その点カイトは侍だな。女に興味が無いなんて」

ベクター「知らねえのかミザちゃん?」

ギラグ「あいつでもちょっと勃ったんだってよ」

ミザエル「私への裏切りだ!今すぐに銀河眼の時空竜を返してもらうぞ!!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「・・・」

璃緒「スイカ切れたわよ」

アリト「7つ?ナッシュが居ねえぞ」

璃緒「凌牙は?」

ドルべ「ナッシュなら用事があると言って」

ベクター「どうせ警察沙汰を起こしてるんだろうぜ」

ミザエル「ナッシュはお前ほどマヌケではない」

ベクター「今日までのナッシュの行動を考えろよ、ホントに鈍いなァ」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「・・・」

ガタッ

璃緒「ほら帰って来た」

ドルべ「どうしたんだその怪我は!?」

シャーク「別に」

ドルべ「別にって怪我では無いぞナッシュ!」

アリト「んじゃあアキ先生のとこに」

璃緒「これぐらいの怪我なら自然回復するわよ」

アリト「でもよ」

璃緒「そうやって下心出してばかりだと一生彼女できないわよ」

アリト「そんなのいらねえよ!」

ベクター「おいおい誰にやられたんだ?ん?」

シャーク「何でもねえって言ってんだろ!」

璃緒「あ、凌牙」

ギラグ「どうしたんだあいつ」

ドルべ「どうしてナッシュがあのような怪我を」

ベクター「やられちまったんじゃねえの?」

アリト「ナッシュだぜ?ナッシュが喧嘩で負けるわけねえよ」

ギラグ「どうすんだ」

ミザエル「仇を討ってもナッシュは喜ばんだろ」

ドルべ「だが」

アリト「俺はナッシュをボコった奴らに興味があるぜ」

ドルべ「まさかとは思うが」

アリト「喧嘩で負けたならその辺の奴らから聞けばいいんだよ、俺もこの辺の顔だぜ?」

ミザエル「ならば調査するぞ」

ドルべ「ま、待つんだみんな!」

「アリトさん!」

「チーッス!」

アリト「少し話聞きたいんだけどよナッシュ・・・シャークがボコボコにされちまってよ」

「あのシャークが!?」

アリト「何か知ってるかなって」

「そう言えばシャークが2人組の男と歩いてるの見ましたぜ」

アリト「2人組?」

「それがハートランド水産高校の竜虎兄弟でして」

アリト「ハートランド水産高校!?あのヤクザの予備校って言われてるあそこか!」

「へい」

アリト「しかも竜虎兄弟って言えばそこの頭じゃねえか、ナッシュはそいつらに」

ミザエル「竜虎兄弟?何だそれは」

ギラグ「通称へび次とねこ次って言ってな」

アリト「腕っ節は竜と虎そんでもって執念深さは蛇と猫の極悪兄弟だぜ」

ドルべ「たったの2人に?あり得ないナッシュが」

ベクター「バーカ!優等生の癖にそんなのも知らねえのかよ?」

ドルべ「私は君達のような武闘派ではないんでな」

ミザエル「私もだ」

アリト「多分奴らだな、ちょっと行ってくるか」

ギラグ「おいアリト!」

アリト「2人で1人をボコすなんて許さねえ!」

ミザエル「1人でハートランド水産高校に殴り込むつもりか」

ギラグ「仕方ねえな、俺も行くぜ!」

ドルべ「こういう時は警察に相談・・・待ってくれ!どうしてこうも好戦的なんだ!!」

「てめえら!」

「たったそれだけで殴り込みだァ!?」

アリト「夏休みなのに何で居るんだよ」

ミザエル「どうせ補習とかだろ」

アリト「竜虎兄弟出せよ!」

「こいつらハートランド学園の」

「所詮は中坊じゃねえか、やっちまえ!」

ギラグ「全部まとめてぶん投げてやるぜ!!」

ドルべ「いや何を言ってるんだ!」

ミザエル「仕方が無い」

アリト「全員纏めてぶっ飛ばしてやるぜ!」

ドルべ「頭が痛くなって来た・・・」

ギラグ「ハァハァ・・・」

アリト「てめえとてめえが竜虎兄弟だな」

「てめえはハートランド学園のアリトだったな」

「中坊が・・・こんな事してただで済むと思ってんのか!!」チャキッ

アリト「ナイフ何か出しやがって!」

シャーク「派手にやったなお前ら」

ミザエル「ナッシュ!」

ベクター「来るのが遅えよ」

シャーク「しこたま殴りやがって、てめえだてめえ!」

アリト「じゃあナイフ持ってる方は俺がやるぜナッシュ」

シャーク「竜と虎程度が鮫に勝てるわけねえんだよ」

ギラグ「最近の中坊は恐ろしいって事を思い知らせてやれ!」

ミザエル「やれナッシュ!アリト!」

ドルべ「・・・」

シャーク「あー疲れた」

アリト「な、中々やりやがるな。こいつら」

ミザエル「我々の勝ちだ」

ベクター「ハートランド水産高校も俺らの物ってか?」

シャーク「そんなつもりで暴れたわけじゃねえよ」

ギラグ「最初に喧嘩売って来たのはそっちだもんな」

シャーク「帰ろうぜ、璃緒がムチャクチャ怒ってるぞ」

アリト「マジで!?」

シャーク「こいつらより璃緒の怒りのが怖えよな」

ギラグ「晩飯抜きの可能性もあるぞ」

アリト「それは困る。ムチャクチャ困る」

ドルべ「・・・」

数日後

アキ「ストレスが原因ね」

ドルべ「はあ・・・」

アキ「何か心当たりは?」

ドルべ「沢山」

アキ「そう・・・」

ドルべ「右にも左にも問題児ばかりで」

アキ「お薬出しておくわね」

ドルべ「お願いします」


第39話「下心」


Ⅳ「てめえ・・・何しに来たんだ」

6号「これを受け取れ」

Ⅳ「何だこいつは?」

6号「地図だ」

Ⅳ「見りゃわかる」

6号「アカデミアの前線基地だ」

Ⅳ「アカデミアの!?」

6号「例の大佐がそこに居るはずだ」

Ⅳ「何でてめえがわざわざ」

6号「勘違いするな、ただ俺に絡んできた奴を問い詰めたらこいつを落としただけだ」

Ⅳ「ここが前線基地か」

「走れ!稲妻!!」

遊矢「うわあああああああああああああああ」2000→0

柚子「遊矢!」

「ウワッウワッウワッ!どうだ榊遊矢」

柚子「この奇妙な見た目は」

「俺はアカデミアのエイの改造デュエリストだ!」

遊矢「こ、今度は何をする気だ」

「様々な次元の発電所を破壊し全ての次元を暗黒に包むのだ!」

柚子「そんなこと絶対にさせない!」

「同胞の恨みを晴らしてやる・・・死ね榊遊矢!」

柚子「遊矢!」

「な、何だお前は・・・!」

Ⅴ「私はⅤ」

柚子「Ⅴさん!」

「走れ!稲妻!!」

遊矢「あ、危ない!」

Ⅴ「・・・」

「こ、効果が無いだと!?」

Ⅴ「日頃から動かない私はほぼ自然と同じだ。お前の電気を全て地面に流した」

柚子「さすがⅤさん!」

「こいつは分が悪い・・・退却だ!」

遊矢「あ、ありがとう」

Ⅴ「君に重大な話がある」

遊矢「アカデミアの前線基地!?」

Ⅴ「これが地図だ」

遊矢「ここが」

Ⅴ「子供達への催眠教育、対デュエリスト用に改造されたデュエリスト、南米での武力活動そして今回の次元暗黒作戦」

柚子「あの大佐がここに」

遊矢「大佐・・・今回は絶対に逃がさない!」

柚子「うん!」

Ⅴ「ⅢとⅣが先に向かった」

遊矢「他のみんなは?」

Ⅴ「後から来るそうだ」

大佐「この愚か者!」

「すみません」

大佐「それで逃げ帰って来たというのか!!」

「し、しかし!」

大佐「敵前逃亡は死あるのみ」

「お許しを!」

首領「待て大佐よ」

大佐「首領」

首領「戦闘員の1人が地図を落とし恐らく榊遊矢を筆頭にこの基地へ来るだろう」

大佐「・・・基地諸共奴らを」

首領「一網打尽にするチャンスだ」

大佐「ここが奴らの墓場になりそうだ。ククク」

Ⅳ「さあてひと暴れするか!」

Ⅲ「お待ちくださいⅣ兄様!」

Ⅳ「何だ」

Ⅲ「みんなが来てからにしましょう」

Ⅳ「どうせ来るのが遅えよ」

Ⅴ「それはどうかな」

Ⅳ「兄貴にしては早えじゃねえか」

Ⅴ「この人数で行く」

Ⅲ「ですがカイトや凌牙達を」

Ⅴ「何かの罠が待っているかもしれない。この人数で突っ込もう」

Ⅳ「仕方ねえ・・・行くか!」

遊矢「ああ!」

パーンパーンパーン

大佐「案の定やって来たな」

「今度こそ倒す!」

大佐「行け!ここでお前が敗れれば俺まで処刑にされてしまう!」

「ははあ!」

大佐「ここが墓場だと知らずに奴らも呑気な物よ」

首領「わかっているな大佐よ、しくじれば死が待っているぞ」

大佐「はい」

首領「一つだけ教えておこう。お前の後任は既に向かっている」

大佐「後任?まるで私が負けるとでも」

首領「改造デュエリストの第一人者でもある男だ。お前とも顔馴染みのな」

大佐「ま、まさか奴が」

「走れ!稲妻!!」

遊矢「お前の攻撃は既に見切っている!」

柚子「遊矢!」

ガシッ

「走れ!稲妻!!」

遊矢「ハァッ!」

「ハリセンに俺の電撃を!?」

遊矢「デュエリストは1度受けた攻撃を2度も食らう事は無い!」

Ⅳ「やっちまえ遊矢!」

遊矢「掟破りの稲妻返し!!」

「ぎえええええええええええええええええ」4000→0

Ⅲ「やった!」

大佐「まさか倒されるとは」

遊矢「大佐!」

大佐「どのみち俺は処刑される・・・ならば!」ポチッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

Ⅴ「やはり」

大佐「俺と共に地獄に落ちろ!」

Ⅴ「生憎だが既に脱出ルートは確保していてな」

大佐「何だと!?」

ゴソゴソ

Ⅴ「この何処でも行ける扉が我らの切り札だ!」

Ⅳ「1人で死にやがれ!」

大佐「おのれ・・・おのれええええええええええええ!!!」

数日後

柚子「これでアカデミアの野望も終わったのね」

遊矢「どうだユート」

ユート「いや俺達は何かを見落としている気がしてならない」

遊矢「何か?」

ユート「何なんだこの胸騒ぎは」


第40話『大佐』


遊矢「あれ髪型変えたんだ遊星さん」

遊星「夏休みだから坊主にしてみた」

柚子「そ、そうなんだ」

遊星「じゃあ」

遊矢「もう帰るの?」

遊星「すまないな俺も忙しくて、ところでカイトがアキっぽい女性と一緒に居た気がするんだが」

遊矢「気のせいじゃない?」

遊星「確かに胸のサイズがアキより少し大きかったな、気のせいか」

遊矢「だってカイト・・・ロリコンだから」

遊星「いい事だ。俺は帰る」

遊矢「またね遊星さん!」

遊星「ああ!」

カイト「・・・」

シャーク「鼻水出てるぞ」

カイト「誰かが噂でもしてるのだろう」

Ⅳ「カイトの噂?」

シャーク「無愛想とか変人とかだろ」

カイト「お前には言われたくないがな」

シャーク「てめえ!」

遊矢「おい」

シャーク「遊矢じゃねえか、どうした」

シュッ

シャーク「おっと!いきなり何しやがる!」

遊矢「フッ」

シャーク「ぶっ飛ば」

カイト「貴様は遊矢ではないな」

Ⅳ「遊矢じゃねえ?」

カイト「遊矢の拳はもう少し早い」

Ⅳ「じゃあ何者だ?てめえは」

遊矢「こんなに早くバレるとは思わなかったぞ」

バッ

シャーク「てめえは」

大佐「化粧は得意でね」

カイト「声まで真似たが魂までは不可能だったようだな」

Ⅳ「死んだと思ってたのによォ・・・何か用か!」

大佐「榊遊矢を呼べ!奴との決着をこの手で付ける!」

遊矢「まさか大佐が生きていたなんて」

大佐「俺には後が無い。お前を倒しせめてもの手柄にしてやる」

遊矢「つまりデュエルか、わかった」

大佐「だったら面白い物を見せてやろう」

遊矢「面白い物?」

大佐「お前達デュエリストの中に変身できる者が居るがこの俺もまた変身ができるのだ」

遊矢「何?」

大佐「見せてやろう」

ピシッ

「ウオオオオオオオオオオオオオオン!!!」

シャーク「何だあれは!!」

カイト「まるで狼だ」

「そう俺は狼の改造デュエリスト!さあデュエルだ!!」

遊矢「デュエル!」

遊矢「先攻は俺だ!ドロー!俺はEMヘイタイガーを攻撃表示で召喚!そしてEMモンスターが召喚または反転召喚に成功したとき手札からEMヘルプリンセスを特殊召喚!レベル4のEMヘイタイガーとEMヘルプリンセスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

遊矢「カードを2枚セットしターンエンド!」

「ドロー!俺は剣闘獣ラクエルを攻撃表示で召喚!そして自分フィールドに剣闘獣モンスターが存在するときスレイブタイガーを特殊召喚!スレイブタイガーの効果を発動!このモンスターをリリースし自分フィールドの剣闘獣モンスターをデッキに戻し自分のデッキから剣闘獣モンスターを特殊召喚できる!剣闘獣ムルミロを特殊召喚!」

「ムルミロが特殊召喚に成功したとき相手モンスターを一体選択し破壊する!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを破壊!」

遊矢「ダーク・リベリオン!」

「所詮エクシーズはエクシーズだという事だ!そして魔法『剣闘獣の底力』を発動!これにより攻撃力が500ポイントアップする!ムルミロでダイレクトアタック!」

遊矢「くっ・・・」4000→2700

「そしてムルミロをデッキに戻しデッキから剣闘獣ラクエルを特殊召喚!カードを2枚セットしターンエンド!」

「エクシーズなどという負け犬の召喚法を使ってるだけデュエルの腕前はカスだな榊遊矢」

シャーク「バカ丸出しだぜ、あいつ」

カイト「エクシーズの底力を見せてやれ遊矢」

ユート「遊矢・・・俺と変わってくれ」

遊矢「どうやって?」

ユート「今ならあの時の声の秘密がわかる気がする」

ユート「・・・」

Ⅳ「ユートじゃねえか!」

ユート「ドロー・・・罠発動!『レッドアイズ・スピリッツ』!」

遊矢「レッドアイズ・スピリッツ!?俺の伏せたカードとは違う」

ユート「俺は墓地の真紅眼の黒竜を特殊召喚!」

「バカな!俺が破壊したモンスターとは違うぞ!!」

カイト「お前たち外道もルールを守らんだろ。ガタガタ騒ぐな」

Ⅳ「変化したんだろ?て言うか遊矢とユートじゃ違うじゃねえか」

ユート「そして伝説の黒石を通常召喚!俺はこのカードをリリースしデッキから真紅眼の黒竜を特殊召喚!」

「この俺が命を賭けたデュエルを・・・それでもデュエリストか!」

シャーク「てめえの命に何か価値でもあんのか?さっさと地獄に落ちやがれ!」

ユート「さらに魔法『黒炎弾』を発動!真紅眼の黒竜の攻撃力分のダメージを与える!」

「ぬわああああああああああああああああ」4000→1400

ユート「レベル7の真紅眼の黒竜2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7!真紅眼の鋼炎竜!!」

ユート「バトルだ!真紅眼の鋼炎竜で攻撃!!」

「罠発動!」

ユート「真紅眼の鋼炎竜は相手の効果、魔法、罠が発動するとき相手に500ポイントのダメージを与える!」

「ぬうう!!」1400→900

ユート「そしてオーバーレイ・ユニットの持つ真紅眼の鋼炎竜は破壊されない!!行け真紅眼の鋼炎竜!!」

「おおおおおおおおおおおお」900→0

ユート「アカデミア最高幹部であるお前の最後が融合を使えぬまま終わるなんて、悲しい話だな」

シャーク「やったぜ」

ユート「元に戻ろうか」

遊矢「どういう原理なんだ?」

ユート「俺にもわからない」

カイト「とりあえず大佐は2度と蘇らん」

Ⅳ「それでいいんじゃねえか?」

遊矢「・・・うん」

カイト「アカデミアの最初の攻撃は終わったってところか」

遊矢「最初の攻撃?」

カイト「こいつが最高幹部の一人なら他にも幹部が居るのが妥当だ」

シャーク「誰が来たって問題ねえぜ」

Ⅳ「融合次元の連中なんざ片っ端からぶっ潰しちまえばいいんだよ!」

遊矢「まさかあの時の声が真紅眼の黒竜だったなんて」

ユート「俺も正直言って驚いている」

シャーク「遊馬は今ごろ何してるだろうな」

Ⅳ「南米だったか?」

カイト「そのうち帰って来るだろ」

シャーク「だな」

数日後

遊馬「かっとビングだ!俺!!」


第41話「狼男」


沢渡「これがエクシーズ山か」

シャーク「気をつけろよ落ちたら死ぬぞ」

遊矢「でも休火山なんだろ?」

シャーク「いつ噴火するか、わからねえんだよ」

沢渡「しかし珍しいじゃねえか、お前が山登りに誘うなんて」

シャーク「てめえは遊矢とガキ達と一緒について来ただけじゃねえか!」

沢渡「はあ?冗談言うなよ」

アユ「あ、帽子が!」

遊矢「取ってくるよ」

柚子「気をつけてね」

遊矢「ああ!」

沢渡「柚子の前だからってカッコつけやがって」

シャーク「おい落ちてみろよ」

素良「触るな!」

柚子「やめてよ素良ばかり虐めて!」

シャーク「融合次元のデュエリストはとりあえず一発殴っとかないと気が済まねえんだよ!」

沢渡「戦争おっ始める野郎ばっかだからな」

シャーク「今度セレナも連れて来い、俺が世間の恐ろしさって奴を叩き込んでやるから」

沢渡「あいつは生意気だからな、やってやれ!」

アユ「遅いね遊矢お兄ちゃん」

沢渡「何やってんだあいつは」

シャーク「仕方ねえな、行けよ沢渡」

沢渡「俺が?何言ってんだ!」

シャーク「甘ったれのボンボンじゃ行けるわけねえよな、情けねえ奴」

沢渡「うるせえ!行けばいいんだろ行けば!」

遊矢「何だここ」

沢渡「服が汚れちまったじゃねえか!」

遊矢「何だ来たのか」

沢渡「お前が帰って来ねえから・・・っつうか何だここ」

遊矢「俺も驚いているんだ」

沢渡「まるで人工的に作った感じだぜ」

ユート「遊矢!」

遊矢「どうした?」

ユート「あのマーク」

遊矢「あれはアカデミアの!?」

沢渡「独り言なんて言っちまって、いよいよ頭がおかしくなって来たのか」

「フーッ…フーッ」

沢渡「な、何だあ」

遊矢「静かにしろ沢渡」

ユート「あれも改造デュエリストだろう」

遊矢「早くも新しい刺客?」

ユート「多分だがな」

遊矢「だったら」

ユート「倒そう俺達の手で」

遊矢「沢渡は凌牙を呼んできてくれ」

沢渡「おいおい俺じゃ」

遊矢「いいから行けよ!」

沢渡「わ、わかったよ!行けばいいんだろ行けば!」

遊矢「改造デュエリスト!」

「お前は榊遊矢!?どうしてここを」

遊矢「たまたま出くわしただけだ!」

「まあいい面白い事を教えてやる。このエクシーズ山を噴火させここら一帯を焦土化させるのが俺の使命よ!」

遊矢「わざわざ言うなんて大した自信だ」

「5000℃の高熱に耐える俺の力を見ろ!」

遊矢「あいつは何がモデルなんだユート」

ユート「俺にもわからない」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオ

ユート「遊矢!」

遊矢「あいつの攻撃は火炎放射か、だったら真っ向から勝負する!」

ユート「大丈夫か遊矢!?」

遊矢「こいつの身体・・・硬すぎる!」

「俺は溶岩の改造デュエリストよ」

ユート「溶岩!?」

遊矢「溶岩ってあの・・・一体どういう事なんだ!?」

「誰であろうと俺を倒す事はできんぞ!」

遊矢「沢渡は何をしてるんだ。早く凌牙を」

ユート「来るぞ遊矢!」

遊矢「あ、ああ」

「逃げているだけでか!!」

遊矢「このままじゃ」

遊馬「かっとビングだ!遊矢!!」

遊矢「遊馬!」

ユート「戻って来たのか!?」

「九十九遊馬だと!?お前は南米で」

遊矢「気をつけろよ遊馬あいつは」

遊馬「話は後だぜ!」

ユート「あいつの身体は頑丈だ」

アストラル「ならば遊馬と遊矢の2人で攻撃すればいい」

ユート「確かに2人がかりなら」

遊馬「行こうぜ遊矢!」

遊矢「同時攻撃だ!!」

遊馬・遊矢「かっとビングだ!!俺!!」

遊矢「やったぞ遊馬!」

遊馬「粉々だぜ!」

ユート「いつ帰って来たんだ?」

アストラル「さっきだ」

遊馬「俺達はアカデミアの博士を追って帰って来たんだ。あいつはヤバいぜ」

遊矢「じゃあこれも?」

アストラル「私達は南米で博士と交戦した。その改造デュエリストを含め全部で6体だ」

遊矢「残り5体の改造デュエリストが何処かに潜伏してるわけか」

沢渡「おーい!」

シャーク「遊馬!」

遊馬「久しぶりだぜ!」

シャーク「そうか、それで帰って来たんだな」

柚子「小鳥ちゃんは?」

遊馬「置いてきた」

シャーク「せっかくエクシーズ山に来たってのにアカデミアの野郎!」

ゴスッ

素良「いったいな!」

シャーク「てめえが俺の前に居るからじゃねえか!着いて来やがって!」

アストラル「このエクシーズ山を中心に奴らが居るはずだ。手分けして探そう」

遊馬「おう!」


第42話「帰還」


シャーク「おい遊馬は?」

遊矢「さあ」

シャーク「何処行ったんだあいつ」

柚子「何か探してるんじゃない?」

シャーク「あいつは本当に・・・」

遊矢「俺達も調査しないと」

シャーク「カイトはどうしたんだ。あいつも肝心な時に居ねえから」

柚子「何だかんだ言ってカイトさんが好きよね」

シャーク「ざけんな!」

柚子「冗談よ冗談」

シャーク「冗談でも言っていい冗談と悪い冗談があるぜ」

沢渡「早く来いよ!何やってんだお前は!!」

カイト「急かすな」

沢渡「遊馬が帰って来たぜ」

カイト「知っている」

沢渡「もっとテンション上がらねえのか!」

カイト「上げて意味でもあるのか?」

沢渡「だから」

カイト「探すのだろアカデミアの刺客を」

沢渡「ああ!奴らに俺の力を見せつけてやるぜ!」

カイト「無理に背伸びしてもお前の実力では」

沢渡「何だとこの野郎!!」

遊星「知っているかジャック」

ジャック「どうした遊星」

遊星「遊馬達の次元やスタンダードではアカデミアが活動しているらしい」

ジャック「何だと!?」

遊星「俺達はどうする」

ジャック「行ってやるか」

遊星「そうだな」

クロウ「遊星!街に巨大モンスターが出て来たぞ!」

遊星「何!?」

ジャック「どうする遊星」

遊星「行こう」

ジャック「例の件は」

遊星「遊馬と遊矢が居るなら大丈夫だろ」

沢渡「・・・」

カイト「・・・」

沢渡「・・・」

カイト「・・・」

沢渡「・・・」

カイト「・・・」

沢渡「おい!」

カイト「何だ」

沢渡「何か言えよ、息が詰まるんだよ」

カイト「別に意味も無く喋る必要は無いだろ」

沢渡「あいつらもよくこんな無愛想な野郎とつるめるぜ」

シャーク「言え!遊馬が追ってきた奴の居場所は何処だ!」

「し、知らん!」

シャーク「嘘ついてんじゃねえ!ぶっ殺すぞ!!」

「わかったわかった!」

シャーク「嘘ついたらわかってんだろうな」

「あ、案内する」

遊矢「大丈夫なんだろうか」

シャーク「罠だろうと何だろうと突き進むしかねえんだよ」

柚子「確かに一理あるわね」

シャーク「さっさと行って片付けようぜ」

シャーク「ここが敵のアジトだな」

遊馬「シャーク!」

シャーク「脅かすなよ、声デカいしよ」

アストラル「私達もここにあると聞き出してな」

シャーク「よし!殴り込みだ!!」

遊馬「カイトは?」

遊矢「沢渡が呼びに行ってるんだけど音沙汰無しなんだよな」

遊馬「カイトはいつも来るのが遅いんだよな」

シャーク「あいつカッコつけるために絶対に狙ってるぜ」

遊矢「ほら行くぞ、喋ってる前に行動だ」

アストラル「遊矢も逞しくなって来たな」

シャーク「遊馬のかっとビングが移っちまったんだよ」

遊馬「うおおおおおおおおおらああああああああああ!!!」

「し、侵入者だ!」

「何て堂々とした侵入者なんだ」

シャーク「出て来い!てめえらをぶっ潰すために来てやったぜ!!」

遊矢「あ、相変わらず派手にやるな」

シャーク「出てきやがれ!!」

「出たなデュエリスト共!」

シャーク「こいつは何だ」

遊馬「こいつだ南米で俺達に襲いかかった奴だ!」

アストラル「雪男の改造デュエリストだそうだ」

遊矢「雪男?あのヒマラヤに住むって言われてる」

「またお前か九十九遊馬!南米で敗れた事を忘れたか!?」

遊馬「確かに俺は1度やられた・・・でもな!」

アストラル「この2人のかっとビングであの溶岩の改造デュエリストすらも吹き飛んだ!」

遊馬「2度はねえぜ!」

「ならばやってみろ!ただの人間が伝説の雪男に勝てると思っているのか!!」ゴンッ

遊矢「勝てる・・・そうだよな遊馬!」

遊馬「勿論だぜ!」

ユート「今こそ力を合わせる時!」

アストラル「行け遊馬!遊矢!」

遊馬・遊矢「かっとビングだ!!俺!!」

沢渡「沢渡参上!」

シャーク「遅えよ」

カイト「もう終わったのか」

遊馬「来るのが遅いぜカイト」

カイト「それで何をしてるんだお前達は」

遊矢「アカデミアの最高幹部を探してるんだけど見つからないんだ」

カイト「どうやら今度の敵は狡猾で用心深い奴だろうな」

アストラル「そうらしいな」

遊馬「とりあえずアジトはどうする」

カイト「爆破しておくか」

数日後

遊矢「南米に戻るのか?」

遊馬「小鳥置いて来ちまったからな」

シャーク「別に放っておいてもいいじゃねえか」

カイト「危機的状況に陥っていれば自然とデュエリストに目覚めるだろう」

遊馬「またな」

シャーク「じゃあな」

カイト「・・・」

遊矢「早く切り上げて帰って来てくれよー!」

遊馬「ああ!」


第43話「雪男」


カイト「右だ!」

シュッ

カイト「次は左!」

シュッ

カイト「左右へのワンツー!」

アキ「待って!」

カイト「何だ」

アキ「エクシーズ召喚にこれ必要なの?」

カイト「エクシーズ使いはどういう人種が多いかお前もよく知ってるだろ」

アキ「確かに武闘派が多いけど、まるでボクシングじゃない」

カイト「つべこべ言うな、未来から遊星が来た時に鼻を明かすんだろ」

アキ「・・・」

アキ「105・・・106・・・107・・・!」

カイト「まずは腕っ節からあげる事が・・・待て」

アキ「今度は何?」

カイト「胸を使うな腕を使え腕を」

アキ「暴露てた・・・」

カイト「甘えは許さん。俺はお前より歳下だが問答無用に叩き込むぞ!」

風也「失礼します」

カイト「お前はエスパーロビン」

風也「エスパーロビンとしてではなく奥平風也として来たんだけど」

カイト「表の立札が見えなかったか?今日は休みだ」

風也「どうして十六夜先生に頼みがあるんだ!お願いします!!」

カイト「鳳王獣ガイルーダが怪我をした?」

風也「撮影中に崖から落下して1週間ほど入院するハメになったんだ」

アキ「鳳王獣ガイルーダ?」

カイト「エスパーロビンを知らんのか」

アキ「知らないけど」

風也「知らない人って珍しい」

カイト「この女は夫婦喧嘩の末に過去に家出して来た。仕方が無いと言えば仕方が無い」

風也「十六夜先生は名医だって聞いたから、お願いします!」

カイト「エスパーロビンはハルトも見ている。鳳王獣ガイルーダが居ないのでは話にならん」

アキ「そんなに必要なの?それって」

カイト「ガイルーダが居ないと空からの攻撃は誰がするんだ」

アキ「捻挫ね、すぐに治るわ」

風也「何をしてるの?」

カイト「早い話が超能力みたいなものだ」

風也「ふーん」

アキ「これでよし!」

風也「ありがとうございます!」

アキ「治療費はいらないわ」

風也「そんなタダだなんて」

アキ「治療費の代わりに私とデュエルよ!」

風也「デュエルですか!?」

アキ「うん!」

風也「・・・わかりました!」

風也「なら先攻は僕から、ドロー!僕は手札の異次元エスパー・スター・ロビン、野獣戦士ピューマ、鳳王獣ガイルーダ、鉄巨人アイアンハンマーを墓地に送り異次元ジェット・アイアン号を特殊召喚!」

風也「そして異次元ジェット・アイアン号をリリースする事で墓地の異次元エスパー・スター・ロビン、野獣戦士ピューマ、鳳王獣ガイルーダ、鉄巨人アイアンハンマーを特殊召喚!」

風也「そして魔法『ギャラクシー・クィーンズ・ライト』を発動!自分フィールドのレベル7以上のモンスターを1体選択し自分フィールドに存在する表側表示モンスターのレベルを全て選択したモンスターと同じレベルにする!僕が選択するのは異次元エスパー・スター・ロビン!」

風也「レベル10となった野獣戦士ピューマ、鳳王獣ガイルーダ、鉄巨人アイアンハンマーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!超次元ロボギャラクシー・デストロイヤー!僕はこれでターンエンド!」

アキ「私のターン!同じレベルのモンスターを揃える・・・永続魔法『種子弾丸』を発動!植物族モンスターが召喚・特殊召喚・反転召喚に成功するたびに相手に500ポイントのダメージを与える!」

アキ「さらにフィールド魔法『ブラック・ガーデン』を発動!ブラック・ガーデンの効果以外でモンスターを召喚・特殊召喚に成功したとき、そのモンスターの攻撃力を半分にし相手フィールドにローズ・トークンを1体攻撃表示で特殊召喚する!」

アキ「そして永続魔法『世界樹』を発動!フィールド上の植物族モンスターが破壊されるたびにこのカードにフラワーカウンターを置く!」

アキ「そして魔法『フレグランス・ストーム』を発動!フィールド上の植物族モンスターを1体破壊しデッキから1枚ドローできる。そしてドローしたカードが植物族だった場合さらにカードを1枚ドロー!」

アキ「そしてブラッド・オーキスを攻撃表示で召喚!そしてブラッド・オーキスの効果でデス・デンドルを特殊召喚!レベル4のブラッド・オーキスとデス・デンドルでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ブラック・コーン号!」

アキ「ブラック・コーン号のオーバーレイ・ユニットを一つ使いブラック・コーン号より攻撃力の低いモンスターを破壊し相手に1000ポイントのダメージを与える!ローズ・トークンを破壊!さらに種子弾丸の効果を発動!プラントカウンターを全て使い一つに付き500ポイントのダメージを与える!合計2500ポイントの攻撃を受けなさい!」

風也「一気に3500のダメージを与えるなんて!」4000→500

アキ「そしてフラワーカウンターを二つ使いフィールド上のカードを1枚破壊する!超次元ロボギャラクシー・デストロイヤーを破壊!」

風也「!?」

アキ「私はカードを1枚セットしターンエンド」

風也「ブラック・ガーデンの効果以外で召喚・特殊召喚したモンスターの攻撃力は半分にされてしまう・・・そして召喚に成功してもブラック・コーン号の効果で破壊され1000のダメージを受ける・・・僕はモンスターを裏守備表示で召喚しカードを1枚セットしターンエンド」

アキ「ドロー!魔法『守備封じ』を発動!」

風也「そう来たか!」

アキ「そしてブラック・コーン号のオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手に1000ポイントのダメージを与える!」

風也「負けた・・・」500→0

アキ「どう」

カイト「まあまあと言ったところだな」

風也「負けるなんて久しぶりだよ」

カイト「遊馬にもミザエルにも負けているだろ。ヒーローは無敵ではないって事だ」

風也「ハハハ・・・」

「エスパーロビンがさっきデュエルしてたんだってよ」

「へえ」

「でも勝ったんだろ?」

「いや負けたんだって」

「負けた!?」

「っぽいぞ」

「どういう事なんだ負けたって!?」

「わからんが負けたそうだ」

「ロビンが負けるなんてな・・・」

「どんな奴なんだ一体」

Ⅲ「聞きましたかⅤ兄様」

Ⅴ「エスパーロビンが負けたそうだな」

Ⅲ「驚きましたねエスパーロビンが敗北するなんて」

Ⅴ「時には敗北する時もあるさ」

Ⅲ「ですがね」

Ⅴ「ところで誰がロビンを」

Ⅲ「アキ先生ですよ」

Ⅴ「彼女が!?」

Ⅲ「はい!」

Ⅴ「遊星の話では黒薔薇の魔女だとかいう異名があったと聞くが・・・若い頃の記憶が蘇ったのだろうか」

ミザエル「ロビン?誰だそいつは」

ドルべ「エスパーロビンだ」

ミザエル「まるで知らん」

アリト「時代遅れだなお前って」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「・・・」

ドルべ「ロビンを倒したのは十六夜アキだと聞いたが」

アリト「そりゃ大人だから倒せるぜ」

ドルべ「だが国民的人気を誇るエスパーロビンを倒すなんて世間が黙って居ないぞ」

数日後

遊矢「あの未来から来たアキさんが特撮番組に」

カイト「エスパーロビンこと奥平風也を倒してな」

遊矢「へえ・・・誰だか知らないけど」

カイト「一つ問題があってな」

遊矢「問題?俺達の知ってる遊星さんには黙っとくよ」

カイト「そうじゃない。それが深夜帯の時間にやる特撮でな」

遊矢「何かパチンコになりそうな勢いだ」

カイト「こんな衣装だ」

遊矢「うわっ・・・これはキツい。32だっけ?」

カイト「いつか未来から遊星が迎えに来るかもしれない。あいつはこれを見て何と思うだろうな」

遊矢「俺には何とも言えないよ」


第44話「特撮」


アリト「見ろよナッシュ」

シャーク「何だ」

アリト「あれだあれ」

シャーク「遊矢と柚子じゃねえか、それがどうした」

アリト「羨ましい」

シャーク「羨ましい?あれがか」

アリト「すっげえ羨ましい」

シャーク「変に影響されんじゃねえぞアリト」

アリト「ナッシュは羨ましくねえのか?」

シャーク「全然」

アリト「それってホモじゃねえか」

シャーク「てめえ!」

ギラグ「いやアリトの言う通り羨ましいぞ」

シャーク「チッ、てめえらはどうなんだ」

ベクター「俺は別に」

ミザエル「くだらん質問だな」

ドルべ「男だから私も」

シャーク「羨ましい羨ましいってそういうのを無い物ねだりって言うんだよ!」

ギラグ「まあ今は普通のカップルだが昔は」

ミザエル「ギラグ」

ギラグ「そうだったな・・・悪りい」

ベクター「だったら合コンをすればいいんじゃね?なあドルべ」

ミザエル「合コン?あんなものに参加すれば魂が汚れる」

ベクター「あれれ~?ビビってんのか?」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

シャーク「合コンなんて下らねえよ、行こうぜ」

アリト「いや俺はやる」

シャーク「はあ?」

ギラグ「俺もだ!」

ミザエル「私は恐れてなどいない!」

ドルべ「私もやろう」

シャーク「お前ら」

ベクター「面白そうだから俺も参加してやるか」

シャーク「お、おい!」

アリト「よく知らねえけど頭数揃えりゃいいんだろ?」

ギラグ「そういう事だぜ」

当日

璃緒「ドルべはみんなが無駄遣いしないようにちゃんと見張ってて」

ドルべ「任せてくれ」

璃緒「それとミザエルはあそこに居る四人の世話を」

ミザエル「あの単細胞達か?」

シャーク「てめえ!俺まで単細胞扱いしてんのか!!」

ミザエル「いやナッシュは頭はいいが言動が単細胞な感じが」

シャーク「言いやがったな!」

ドルべ「ところで相手は誰なんだ?」

ベクター「頭数揃えてやったよ」

アリト「さすが策士ベクターだぜ!」

ベクター「まあ楽しみにしてろよ」

シャーク「沢渡」

ドルべ「月影」

アリト「黒咲」

ギラグ「権現坂」

ミザエル「デニス」

ベクター「どうだ?」

アリト「男だらけじゃねえか!!」

セレナ「私も居るぞ」

ベクター「セレナが居る」

シャーク「帰ろうぜ」

アリト「女が居るならいいじゃねえかよ」

シャーク「勝手にしろ!俺は帰るからな!」

ベクター「お前って結局残るよな」

シャーク「うるせえ!」

沢渡「合コンだって言うから来てやったら何だこれ!バカばっかじゃねえか!!」

シャーク「少なくともてめえ以上のバカは居ねえよ」

黒咲「バカの中のバカだろお前は」

シャーク「・・・デニス」

デニス「な、何?」

シャーク「これ終わったらとりあえずボコボコにしてやるから覚悟してろよクソ野郎」

黒咲「死んだな」

デニス「・・・」

権現坂「いい肉体をしているな」

ギラグ「鍛え方教えてやろうか」

ベクター「見ろ仲良くなってるぞ」

シャーク「・・・」

シャーク「セレナこれ飲んでみろ」

セレナ「何だこれは?」

シャーク「大人の水だ。飲めよ」

セレナ「お酒じゃないのか!?」

シャーク「さっさと飲め!」

セレナ「何でこんなの飲まなければいけないんだ!」

黒咲「凌牙!」

シャーク「瑠璃だからやめろって言うんじゃねえだろうな」

黒咲「別にいいだろ。これぐらいなら」

ドルべ「ナッシュが融合次元嫌いなの知ってるだろ。どうして彼女を連れて来たんだ」

ベクター「何か面白そうだからに決まってるだろ」

ドルべ「この愉快犯め・・・!」

セレナ「ぐーぐー」

シャーク「寝ちまったよ」

アリト「アルコール入ると眠っちまうんだな、可哀想に」

シャーク「し、死んでねえからいいだろ。睨むなよ」

ギラグ「今度からナッシュを呼ぶのはやめよう」

アリト「ムチャクチャするからな」

権現坂「けしからん男だ」

デニス「ふふふ」

シャーク「笑ってんじゃねえぞ!」

ミザエル「解散しよう」

ドルべ「誰かセレナを家まで送ってやってくれ」

ベクター「プッ」

シャーク「何だ俺の顔見て」

ベクター「しばらく休暇が取れると思うぜ、お前って入院するのが好きだったよな?」

シャーク「何言ってんだこいつ」

数日後

璃緒「誰にやられたの?」

シャーク「知らねえよ」

ギラグ「セレナに酒を飲ませた罰が当たったのかもな」

璃緒「酒?あの子にお酒飲ましたの!?」

シャーク「少しだけ飲ませたんだよ!」

アリト「まさかナッシュが病院送りにされちまうなんてよ、誰にやられたんだ?」

シャーク「さあな俺にもわからねえ。いきなりだぜいきなり」

ドルべ「ナッシュを病院送りにするなんて」

ミザエル「相当な手練れの者だ」

シャーク「見つけ出して絶対にぶっ潰してやるぜ」


第45話「制裁」


ツァン「邪魔するよ!」

Ⅳ「いきなり入って来るんじゃねえよ!」

ツァン「何か帰って来たら僕の家が病院っぽくなってるんだけど」

Ⅴ「それはカイトが彼女に貸したんだろうな」

Ⅲ「まさか勝手にですか!?」

Ⅴ「カイトはこうと決めたらジャイアニズム精神の塊だからな」

Ⅳ「お前の物は俺の物ってか」

ツァン「あいつ!」

Ⅳ「ハハハ!」

Ⅴ「彼女に着いてやるんだ」

Ⅳ「俺が!?」

Ⅲ「他人の不幸を笑うのは良くないですよⅣ兄様」

Ⅳ「何で俺が・・・」

シャーク「やっと退院したってのに何で誰も居ねえんだ」

遊矢「退院おめでとう!」

柚子「おめでとう!」

シャーク「こいつらかよ」

遊矢「よし帰ろう」

柚子「そうね」

シャーク「待て」

遊矢「いや俺も忙しいから」

柚子「これから」

シャーク「忙しい?どうせデートだろ!」

遊矢「デートだよ」

シャーク「誰がデートなんてさせっかよ!てめえはここに居ろ!ふざけやがって!!」

ツァン「カイト!他人の家を勝手に改造するなんて何やってんのよ!」

カイト「一時的な事だ。ちゃんと直しておく」

ツァン「そういう問題じゃない!」

カイト「未来からやって来た宿無しを何処に住まわせばいい?一つしかないだろ」

ツァン「あんたの家があるじゃない。あの大きい家が」

カイト「俺の家が病院に見えるか?」

ツァン「バカ!」

カイト「俺はバカではない」

ツァン「とりあえず謝りなよ僕に」

カイト「すまんな」

ツァン「何かムカつく言い方」

カイト「これでいいな」

ツァン「やっぱり許さない!この無職!」

Ⅳ「ダサい事しやがってカイト」

カイト「お前も何か俺に言いたいのか?」

Ⅳ「別にねえよ」

カイト「俺は普段こいつの買い物に付き合ったりしてるんだぞ、これぐらい」

Ⅳ「まあ仕方ねえよな」

ツァン「だからって無許可で改造するなんて!」

カイト「一応電話しただろ。そしたらお前はいいと」

ツァン「はあ?してないじゃん!」

カイト「した」

Ⅳ「謝っとけよカイト」

カイト「すまんな」

ツァン「やっぱりムカつくこいつの謝り方」

Ⅳ「知ってるか?こいつ勃ったんだぜ」

ツァン「やだ嘘・・・」

カイト「少し俺自身の事を調べてみてな、どうやら俺は三十代辺りの女または四十代辺りが適していると思えて来た」

Ⅳ「男だもんなお前も」

カイト「だからと言って好いた惚れたとかいうわけではない。結婚している女と安心する」

ツァン「ま、まさか僕を狙ってるんじゃないよね」

カイト「誰が狙うか」

Ⅳ「俺もこいつも母親ってのが居ねえから、安心するんだよ」

ツァン「ふーん」

カイト「だからドロワの事は何となく気に入っている俺より一つ上だがな」

ツァン「あの人あんたと歳近いの!?う、嘘だよね!」

カイト「事実だ」

シャーク「話は聞いたぜカイト!」

柚子「そうよね、私もお母さん居ないからわかるわ」

遊矢「ちなみに好みのタイプなんだっけ、ハルト抜きで」

カイト「アユだな」

ツァン「うわぁ・・・」

シャーク「手出すなよ」

カイト「誰が出すか」

シャーク「てめえは社会不適合者っぽいからよ」

カイト「俺はお前の将来の方が心配だがな」

シャーク「てめえ!」

ツァン「けど女には」

カイト「興味が無い」

カイト「願わくは俺はお前達のような関係を築いてみたい」

遊矢「そんなに羨ましい?」

カイト「お互いがお互いを支え合い励まし合う・・・理想の男女だ」

柚子「あ、何処に行くの?」

カイト「こいつに迷惑をかけたなら待つのも面倒だ。俺が未来から遊星を連れて来る」

シャーク「わかんのかよ!」

カイト「あのアキは32歳だと言っていた。ならば今のアキは確か16または17だ。要するに16年後の時代に飛べばいい」

シャーク「時間は!」

カイト「夏だろ。普通に行けば普通に辿り着く」

柚子「だ、大丈夫なの?」

ツァン「ねえ」

シャーク「カイトがそう簡単に死ぬかよ、てめえらはカイトを舐めてんのか?」

柚子「そういうわけじゃないけど」

シャーク「待ってやりゃいいんだよ、カイトの帰りを」

ツァン「で?僕はどうすればいいの」

Ⅳ「知らねえよカイトの家にでも行ってろよ」

ツァン「て言うか何者なの?未来って」

シャーク「十六夜アキ知ってるだろ」

ツァン「あの子でしょ?」

シャーク「何でも遊星と結婚してんだとよ」

ツァン「遊星?遊馬の先輩のあの変な髪型した!?」

Ⅳ「ああ」

ツァン「結婚するんだ」

シャーク「だったよなⅣ」

Ⅳ「多分な」

ツァン「ふーん」

遊矢「あ、あのさ」

シャーク「何だ」

遊矢「お、俺は」

Ⅳ「そんなの知るかよ!」

遊矢「だって気になるし・・・アキさんに聞いて来よ」

Ⅳ「楽しみが一つ減るぞ」

遊矢「いや気になるし」

シャーク「聞いちまって歴史が変わるかもな、悲惨だぜ」

遊矢「わかったよ!じゃあ聞かないから、そこまで言うなよ!!」

シャーク「破局してくれたら嬉しいんだけどよ、じゃあな色ボケ野郎」

遊矢「・・・自分がモテないからって僻むなよ」

シャーク「もう許さねえぞ!こうなったら決着をつけるぜ遊矢!」

Ⅳ「凌牙もムキになりやがって、別の意味でイラっと来るんだろな遊矢の事」

数日後

Ⅴ「遊矢と凌牙のデュエル・・・これで何度目だ」

Ⅲ「そんなに腹が立ちますかね?僕は好きですよ遊矢の事」

Ⅳ「あの手のタイプは凌牙と合わねえんだ」

Ⅲ「何故です?」

Ⅳ「気に入らねえんだろ。遊馬みたいに前へ前へ突き進むタイプじゃねえしウジウジする時もあるし」

Ⅴ「遊矢と凌牙は同い年でありながら生き方がまるで違う。光と闇というわけか」

Ⅳ「遊矢ってのは珍しいタイプだぜ、俺らにねえ物を持ってるからよ」

Ⅴ「あの十代も遊星も彼には期待しているからな」

Ⅳ「そういう事だぜ」

Ⅲ「それでは見に行きますか」

Ⅴ「今回ばかりは見てみよう」

Ⅳ「ああ」


第46話「願望」


シャーク「何か遺言はあるか遊矢」

遊矢「遺言って大袈裟な」

シャーク「大袈裟?てめえバカにしてんのか」

遊矢「すぐにムキになるし」

璃緒「そうなのよね、すぐにムキになって」

ドルべ「ナッシュは頭に血が上りやすいから」

ミザエル「かと言って黙っていると変な威圧感もある」

アリト「誰にでも噛み付くよな」

ギラグ「お前もナッシュとつるんで警察沙汰ばっかじゃねえか」

ベクター「ほら始めろよ」

シャーク「先攻はどうする」

遊矢「俺が先攻を貰う!」

シャーク「だったら始めようじゃねえか!!」

遊矢「ドロー!俺はEMフレンドンキーを攻撃表示で召喚しフレンドンキーの効果で手札からEMジンライノを特殊召喚!レベル3のEMフレンドンキーとEMジンライノでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!弦魔人ムズムズリズム!」

遊矢「俺はカードを2枚セットしターンエンド!」

シャーク「俺のターン!俺はハンマー・シャークを攻撃表示で召喚!そしてハンマー・シャークのレベルを一つ下げ手札からビッグ・ジョーズを特殊召喚!レベル3のハンマー・シャークとビッグ・ジョーズでオーバーレイ!エクシーズ召喚!バハムート・シャーク!」

シャーク「さらに永続魔法『水神の護符』を発動!バトルだ!バハムート・シャークで攻撃!」

遊矢「罠発動!業炎のバリア-ファイヤー・フォース!」

シャーク「永続魔法『水神の護符』の効果で相手の効果では破壊されねえ!やっちまえバハムート・シャーク!」

遊矢「くっ・・・!」4000→2900

シャーク「そしてバハムート・シャークのオーバーレイ・ユニットを一つ使いエクストラデッキから水属性ランク3以下のモンスターエクシーズを特殊召喚する!俺はナイトメア・シャークを特殊召喚!ナイトメア・シャークが特殊召喚に成功したとき手札の水属性レベル3以下のモンスターをナイトメア・シャークのオーバーレイ・ユニットとして使用できる!」

シャーク「ナイトメア・シャークで一気に押し切ってやるぜ!」

遊矢「罠発動!『EMピンチヘルパー』!相手の攻撃を無効にしデッキからEMモンスター一体を特殊召喚する!俺はEMリザードローを特殊召喚!」

シャーク「カードを2枚セットしターンエンド!」

ユート「どうだ遊矢」

遊矢「どうと言われても単純にワクワクする」

ユート「凌牙のフィールドにはセットされたカードが2枚ある。あれは恐らく激流葬と激流蘇生」

遊矢「だったらあの2枚をどうにかしないとな、魔法『サイコロン』を発動!サイコロを振り2から4の目が出れば相手の魔法・罠を1枚破壊、5が出れば2枚破壊、1か6が出れば俺は1000ポイントのダメージを受ける!」

シャーク「運に身を任すってか」

遊矢「ああ!そこから大逆転だ!」

シャーク「だったらやってみろ遊矢!てめえの運を!!」

遊矢「よし行くぞ」

コロコロ

シャーク「・・・」

遊矢「・・・」

ユート「・・・」

遊矢「出た目は3!1枚破壊する!」

シャーク「案外対した事がねえな、運がありゃ2枚同時に破壊できたのによ!」

遊矢「だったら運をまた呼び起こすまでだ!そして俺はEMラ・パンダを攻撃表示で召喚!レベル3のEMリザードローとラ・パンダでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!鍵魔人ハミハミハミング!」

遊矢「鍵魔人ハミハミハミングが召喚に成功したとき墓地の魔人エクシーズモンスターを特殊召喚できる!俺は弦魔人ムズムズリズムを特殊召喚!この効果で召喚された魔人エクシーズは自分の手札を2枚までオーバーレイ・ユニットとして使用する!」

ユート「凌牙からの動きは無いな」

遊矢「俺は弦魔人ムズムズリズムのオーバーレイ・ユニットを一つ使いムズムズリズムの攻撃力はエンドフェイズ時まで攻撃力が倍になる!ムズムズリズムでバハムート・シャークを攻撃!」

シャーク「てめえ・・・!」4000→3400

遊矢「そしてハミハミハミングのオーバーレイ・ユニットを一つ使い自分フィールドの魔人エクシーズモンスターは相手にダイレクトアタックができる!行けハミハミハミング!」

シャーク「チッ」3400→2300

シャーク「罠発動!『激流蘇生』!戦闘または効果で破壊されたモンスターを特殊召喚しモンスターの数×500ポイントのダメージを与える!」

遊矢「カードを1枚セットしターンエンド」

シャーク「1枚残してやがったのか」

遊矢「念のためにね」

シャーク「ドロー!」

シャーク「粘りやがって、しぶとい野郎だぜ。お前は」

遊矢「しぶといのは凌牙の方だろ」

シャーク「そうで無ければシャークなんてあだ名じゃねえんだよ!相手フィールドにモンスター2体以上存在するときイーグル・シャークはリリース無しで召喚できる!そしてパンサー・シャークを特殊召喚!レベル5のイーグル・シャークとパンサー・シャークでオーバーレイ!エクシーズ召喚!シャーク・フォートレス!!」

遊矢「ま、また新しいエクシーズモンスター!?」

シャーク「いい事を教えてやるよ、俺のデッキにはエースモンスターってのが存在しねえ」

遊矢「存在しない?」

シャーク「その意味がわかるか」

遊矢「いや全然」

シャーク「その時の気分でエースが変わるんだよ!俺はシャーク・フォートレスのオーバーレイ・ユニットを一つ使い自分フィールドのモンスターを1体選択する!そのモンスターは2度の連続攻撃が可能だ!!」

ユート「2度!?」

シャーク「てめえはまだ俺のモンスターを引き摺り出してねえ・・・60点」

遊矢「え?」

シャーク「60点ってとこだ!俺はカイトみてえに単調なデュエルはしねえ!縦横無尽に暴れ回る!それが海の王者である鮫のデュエルだ!!バトル!!!」

遊矢「負けたか」

シャーク「始めて会った頃は2点ぐらいだったけど、今は60点だ」

遊矢「その点数は何なの?」

シャーク「デュエリストのレベル」

遊矢「60か」

ギラグ「しかしお前の応援は誰も来なかったな」

遊矢「いいんだ」

璃緒「どうして?」

遊矢「離れていても俺と柚子は繋がってるから」

シャーク「ハハハ・・・ぶっ飛ばす!」

ドルべ「やめるんだナッシュ!」

アリト「マジで繋がってるから見て来てやろ」

柚子「そう・・・負けたんだ」

アリト「は?わからねえのか?」

柚子「だって見に行けなかったんだもん学校の用事があって」

アリト「あいつハッタリこきやがったな」

柚子「どうかしたの?」

アリト「別にねえよ」

柚子「でも遊矢がデュエルしてるって言うのは何となく感じたかな?」

アリト「やっぱ繋がってるんだ」

柚子「繋がってる?」

アリト「きっと見えないへその緒みたいなやつなんだろうな」

ミザエル「どうだった」

アリト「へその緒だへその緒」

ギラグ「何言ってんだお前」

ドルべ「さあ帰ろう」

ミザエル「帰るぞナッシュ」

シャーク「人のツラに何発も決めやがって」

遊矢「お前だって俺は蹴っただろ。先に手を出す方が悪い」

シャーク「手じゃねえ!足だ足!」

遊矢「一緒だろ!」

シャーク「てめえもう勘弁ならねえ!!」

ドルべ「やめてくれナッシュ!」

数日後

柚子「気分でエースが変わるの?」

遊矢「って本人が」

柚子「でも大体」

遊矢「シャークなんだよ」

柚子「鮫への拘りが強いよね」

遊矢「だからシャークなんだろ?あの問題児め・・・今度あったら」

ユート「いや君もかなりの問題児だと思うがな」


第47話「鱶鰭」


ツァン「それでカイトってば、未来に行っちゃったんだよね」

恵「そう」

ツァン「あのさ心配とかしないの?遊馬やカイトには僕達は」

恵「カイトは不死身だから心配いらない」

遊星「すまない少し聞きたい事がある」

ツァン「!?」

遊星「ここら辺に十六夜アキという女性は居ないか?赤い髪の」

恵「その人なら」

ツァン「ちょっと待って変態よ変態」

恵「?」

ツァン「だって全裸じゃない」

遊星「少し事情があって全裸なんだ」

ツァン「あ、あんた不動遊星だよね?」

遊星「遊星は遊星でも未来の世界から来た遊星だ」

ツァン「未来?じゃあカイトも」

遊星「カイトとも会った」

ツァン「あいつは?」

遊星「俺は全裸で移動する方の転送装置で来た」

恵「カイトは自前のタイムマシン」

遊星「ああ」

ツァン「ちょっと凌牙たち呼んでくるからそこに居なよ、ほら行くよ」

恵「・・・」

遊星「こっちの次元では全裸は珍しいのか」

シャーク「遊星か?」

アリト「髪のボリュームがさらにデカくなったな」

遊星「アキは」

アリト「アキ先生なら」

ツァン「ちょっと服着なよ」

アリト「何言ってんだよ服ぐらいいいじゃねえか、夏なんだし」

ツァン「いやいやダメだから絶対に」

シャーク「ついて来いよ案内すっから」

ツァン「服着ないの?」

遊星「実は見えない服を纏っている」

ツァン「・・・本当?」

遊星「嘘だ」

アリト「アキ先生!遊星が来たぜ遊星が!」

アキ「ゆ、遊星!?」

遊星「帰ろうアキ」

アキ「帰る?今さら帰れないわ!」

遊星「どうして」

アキ「デュエリストだからよ!」

遊星「夫婦喧嘩の末に家出をし過去の時代まで来るなんてな、エクシーズはマスターしたのか?」

アキ「どうして知ってるの?」

遊星「そう顔に書いてあるからだ」

アキ「・・・」

遊星「みんなが心配してるぞ、帰ろう」

カイト「どうやら上手いこと纏まったようだな遊星」

遊星「世話になったな、みんなには」

シャーク「しかし居なくなったら怪我とか誰が治すんだ」

アキ「あなたは大丈夫よ、尋常じゃない回復力だから」

遊星「アキがエクシーズを覚えた事だ。家に帰ったらジックリ教えてもらうとするよ」

シャーク「遊星!」

遊星「どうした」

シャーク「いや・・・何でもねえよ」

アキ「あなたには特にお世話になったわ、それと家を勝手に改造してごめんなさい」

カイト「また・・・あと数年生きれば会えるか」

アリト「じゃあな!」

カイト「帰るか」

シャーク「そうするか」

ツァン「ちょっと!」

カイト「何だ」

ツァン「直してよ、家」

シャーク「アリト」

アリト「俺ら知らね!」

ツァン「カイト!」

カイト「安心しろ直す」

ツァン「あんた忘れてたとか言うんじゃないでしょうね」

カイト「・・・」

ツァン「あんた凄く嫌そうな顔してる」

カイト「別に」

ツァン「ほら直してよ」

カイト「大体3人で暮らしているのにデカすぎるだろ」

ツァン「あんたの家も一緒じゃん」

カイト「俺の家にはオボットが無数に」

ツァン「いや言い訳はいいから」

カイト「おい」

ツァン「何?」

カイト「どういう構造だった」

ツァン「・・・バカ」

カイト「・・・」

恵「私の頭の中に家の構造をインプットしてる」

カイト「ならそれを参考に」

ツァン「いや頭の中って・・・まあいいや」

カイト「こうなっているのか」

ツァン「僕は何をすればいい?」

カイト「・・・」

ツァン「ねえ!」

カイト「特に無い」

ツァン「こいつ・・・」

カイト「飯でも作ってくれ」

ツァン「僕はあんたの家政婦じゃないんだけど」

カイト「俺は便利屋ではない。それぐらい別にいいだろ」

ツァン「わかったよ、このワガママ小僧!」

ツァン「ほら」

カイト「ああ」

ツァン「ああじゃなくて美味しいとか不味いとか」

カイト「じゃあ美味い」

ツァン「じゃあって何さじゃあって!」

カイト「お前の手料理を食えるなんてコナミも幸せな奴だ」

ツァン「そ、そんなに?」

カイト「ああ」

ツァン「感情が篭って無いんだけど、何時もの事だけど・・・そうだ!」

カイト「言っとくが下らん事は全て却下だ」

ツァン「くっ・・・」

カイト「さっさと直してやるか」

数日後

遊矢「カイト」

カイト「どうした」

遊矢「いや何でも無い」

カイト「だったら一々呼び出すな俺は忙しい」

遊矢「絶対に忙しくないくせに」

カイト「・・・」

遊矢「カイトが面白い事になってるって報告が来たけど」

「仕事募集中」

ユート「あんな張り紙をコートに貼られて意外と気がつかないものなんだな」


第48話「修理」


シャーク「どうしたんだドルべ」

ドルべ「いやさっき近所の主婦がコソコソ話していたのを聞いてな」

シャーク「どうせ下らねえ事だろ?女ってのは」

ドルべ「それでなナッシュ」

シャーク「何だよ話してみろよ」

ドルべ「我々は評判が悪いそうだ」

シャーク「今更じゃねえか、何言ってんだ」

ドルべ「改善しよう」

シャーク「改善?」

ドルべ「そう改善だ」

ドルべ「最初はミザエル」

シャーク「ミザエルはまだマシじゃねえか」

ドルべ「いやいやミザエルも中々酷いぞ」

シャーク「例えば?」

ドルべ「ドラゴンの事になると性格が変わる」

シャーク「それも昔からじゃねえか」

ドルべ「カイトに時空竜を預けた行為はミザエルにしては進歩したと私は思っている」

シャーク「だったらそれでいいじゃねえか」

ドルべ「ミザエルはドラゴン好きさえ治せば後はどうにでもなる」

シャーク「そうか?」

ドルべ「私はミザエルを信じている」

ドルべ「次にギラグ」

シャーク「あいつは」

ドルべ「髪型が威圧的すぎる」

シャーク「ま、まあな」

ドルべ「どういう髪型がいい?」

シャーク「七三分け」

ドルべ「それにしよう」

シャーク「それでいいのか?」

ドルべ「ギラグは言えばちゃんと言う事を聞く・・・はずだ」

シャーク「多分な」

ドルべ「きっと聞く」

ドルべ「アリト!一番の問題児であるアリトだ」

シャーク「仕方ねえよアリトは遊馬に似てっから」

ドルべ「大体君だってアリトと一緒に暴れ回るから」

シャーク「仕方ねえだろ!喧嘩売ってくる奴が悪りいんだからよ」

ドルべ「アリトはメラグの言う事はギリギリ聞く」

シャーク「あんまし聞かねえだろ」

ドルべ「いや御使いだって行くぞ」

シャーク「言われてみれば」

ドルべ「時々ビンタされている。君も」

シャーク「言うな」

ドルべ「アリトはメラグに言い聞かせてもらおう」

シャーク「ああ」

ドルべ「そしてベクター」

シャーク「ベクターか」

ドルべ「ベクター・・・」

シャーク「ベクター」

ドルべ「ベクター・・・」

シャーク「ベクター」

ドルべ「ベクター・・・」

シャーク「ベクター」

ドルべ「何かあるか?」

シャーク「あいつは手遅れだろ」

ドルべ「それもそうだ」

ドルべ「メラグは」

シャーク「ねえな」

ドルべ「彼女は近所でも評判がいい」

シャーク「炊事洗濯なんでもやるからな」

ドルべ「全くだ」

シャーク「情けねえ話だぜ」

ドルべ「私は不器用だから包丁を持てば怪我をしてしまう」

シャーク「だから璃緒が1番いい。手先も器用だしな」

ドルべ「彼女には欠点が見当たらない」

シャーク「何もねえよな」

シャーク「次はドルべ」

ドルべ「いや私は何も」

シャーク「お前は鈍臭いんだよ」

ドルべ「ナッシュ!」

シャーク「心当たりあるだろ?」

ドルべ「・・・」

シャーク「キャッチボールをすれば」

ドルべ「他所の家に投げ込んでガラスを割ってしまう」

シャーク「徒競走すりゃ」

ドルべ「転ける」

シャーク「直した方がいいぜ、鈍臭いところ」

ドルべ「そしてナッシュ」

シャーク「俺か?」

ドルべ「君は全体的に悪事を働く大元締みたいな感じだ」

シャーク「どういう意味だそれ!」

ドルべ「騒動あるところには君がいる」

シャーク「お前たちも居るじゃねえか」

ドルべ「そ、それは」

シャーク「ほら見ろ」

ドルべ「・・・」

シャーク「それに七皇だけじゃねえだろ」

シャーク「カイトはカイトでおかしいしよ」

ドルべ「トロン兄弟も何処かネジが外れているな」

シャーク「・・・」

ドルべ「・・・」

シャーク「カイトやⅣに比べたら普通だぜ」

ドルべ「た、確かに」

シャーク「俺らは誇りを持って生きて行こうぜドルべ!」

ドルべ「ああ!」

シャーク「俺達は意外と普通なんだ」

ドルべ「そう普通なんだ」

数日後

Ⅴ「どう思う」

Ⅲ「そうですね」

Ⅳ「どう見たって凌牙達の方がおかしいじゃねえか」

Ⅴ「そういう事だ」


第49話「改善」


Ⅴ「そうか、わかった」

Ⅳ「どうせまた来れないだろ。どんだけトロン一家嫌いなんだよ」

Ⅲ「フフフ」

Ⅴ「さて早速だがⅣ」

Ⅳ「パス」

Ⅴ「まだ何も言ってない」

Ⅳ「どうせロクな事じゃねえよな!」

Ⅴ「いや大変な事でな」

Ⅳ「大変?」

Ⅴ「そう、大変な事なんだ」

ゴーシュ「よっ!」

Ⅳ「お前かよ、何だ?」

ゴーシュ「どうしちまったんだよお前!相変わらず冷めたノリだな!」

Ⅳ「・・・」

ゴーシュ「何っつうかカイトにしろ凌牙にしろ妙に冷めたノリしてんだよな、お前はどう思うよ?」

Ⅳ「さっさと要件言えよ」

ゴーシュ「そうだったな、実は」

Ⅳ「やっぱパス」

ゴーシュ「待て待て!どうして逃げんだよ」

Ⅳ「どうもこうもねえよ!嫌な予感がすんだよ!」

ゴーシュ「・・・ビビってんのか」

Ⅳ「ビビる?この俺がビビってるだって?てめえ舐めてんのか!!」

ゴーシュ「俺はそのノリを待っていたぜ!」

Ⅳ「アホくさ・・・そんな事で俺を呼んだってのかよ!」

ゴーシュ「悪りいな」

Ⅳ「マジなのか?」

ゴーシュ「俺が言っても聞きゃしねえ」

Ⅳ「カイトは」

ゴーシュ「カイトに頼んでも好きにさせてやれってよ」

Ⅳ「無理じゃねえか?」

ゴーシュ「あいつの性格じゃな」

Ⅳ「いや性格じゃねえよ」

ゴーシュ「だからお前ら兄弟と俺の四人で一気に!」

Ⅳ「ったく、何考えてんだ・・・グラビアアイドルって年齢制限あるだろうが」

Ⅲ「へ、へえドロワさんが・・・」

Ⅳ「ゴーシュのマネージャーやってるだろ?何か色々あってスカウトされたんだとよ」

Ⅴ「無理だな」

Ⅳ「ああ」

Ⅲ「凌牙達にも応援を!確かドルべはドロワさんとデュエルした事があるんじゃ」

Ⅳ「あいつら居ねえよ、何か璃緒が温泉旅行あてて行っちまったんだ」

Ⅴ「グラビアアイドルというのは主に10代から30代前半がギリギリだと思うのだが」

Ⅲ「ドロワさんはどう見積もっても30代後半・・・Ⅴ兄様!Ⅳ兄様!」

Ⅴ「止めよう」

Ⅳ「そこまでする義理があんのかよ!」

Ⅴ「彼らはかつて七皇討伐の時に手を貸してくれたチームみたいなものだ」

ゴーシュ「柄じゃねえだろ?本気なのかお前」

ドロワ「くどいぞゴーシュ」

ゴーシュ「だがよドロワ!」

ドロワ「やると言ったら私はやる!」

Ⅴ「そこまでだ!」

ゴーシュ「来たな三兄弟!」

ドロワ「まさか君達も」

Ⅳ「歳考えろ!無理に決まってるじゃねえか!!」

Ⅲ「今から始めるなんてきっと末代までの恥ですよ!」

ゴーシュ「ほら見ろ、こいつらも柄じゃねえって言ってるじゃねえか!」

ドロワ「くっ・・・」

ドロワ「どうして私が何かしようとすると全力で止めようとするんだ?」

ゴーシュ「みんなお前の為だって思ってるんだぜ?」

Ⅲ「遊馬を呼びましょう」

Ⅴ「いや我ら兄弟にはⅣが居る」

Ⅳ「俺!?」

ゴーシュ「お前この兄弟の中じゃ1番遊馬っぽいからな」

Ⅳ「嬉しいのか悲しいのかわからないぜ」

ドロワ「今回は絶対にやる!誰が何と言おうとも」

Ⅴ「作戦会議」

Ⅲ「はい」

ゴーシュ「どうすんだ」

Ⅳ「知らねえよ」

Ⅴ「・・・」

ドロワ「では私は撮影があるので」

ゴーシュ「おいドロワ!」

Ⅳ「ま、こんだけ腹決めてんだしいいんじゃね?」

Ⅲ「そんな無責任な!」

Ⅴ「Ⅳお前は昔から無慈悲な言動が多いぞ!」

Ⅳ「仕方ねえだろ!って言うかやらせてやればいいんだよ!」

ゴーシュ「面倒だから言ってんな」

Ⅳ「そうだよ面倒くせえから言ってんだよ!大体やれば自分の愚かさに気づいて1回きりでやめるかもしれねえだろ!!」

ゴーシュ「・・・それもそうだな」

Ⅲ「しかし絵面的にキツいかと僕は」

Ⅴ「・・・人間やってみないとわからないな、様子を見ておくか」

ゴーシュ「悪かったな三兄弟」

Ⅴ「気にする事は無いさ」

Ⅲ「あの人にも立派なかっとビングがあると言う事ですね」

Ⅳ「チャレンジ魂って言っても限度があるぜ」

ゴーシュ「昔から1度言い出したら聞かねえからあいつ」

Ⅳ「お前も大変だな、幼馴染だったな?」

ゴーシュ「おう!」

Ⅳ「こいつらは違うな」

Ⅴ「彼らから漂う初々しさがまるで無い」

Ⅲ「2人はどちらかと言うと家族或いは戦友でしょうね」

Ⅳ「カイトの幼馴染万能説ってのも間違ってるじゃねえか、遊馬と小鳥がいい例だぜ」

Ⅴ「遊馬にはアストラルが居るからあり得ない」

Ⅲ「硬派ですから遊馬は」

数日後

Ⅳ「Ⅲは?」

Ⅴ「何処かに出かけたぞ」

Ⅳ「ほらドロワが乗ってるぜ、これに」

Ⅴ「どれどれ」

Ⅳ「・・・」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「・・・」

Ⅴ「・・・熟女も悪くは無いな」

Ⅳ「熟女を舐めてたぜ俺も」


第50話「熟女」


遊矢「うわぁ・・・でも19歳なんだよな、でもな・・・」

シャーク「おい!」

遊矢「お、脅かすなよ」

シャーク「昼間からエロ本見てんじゃねえぞ」

遊矢「いやエロ本じゃなくて、これ」

シャーク「あードロワのか」

遊矢「まあ」

シャーク「ふーん・・・」

遊矢「自分も見てるのに俺を非難するなよ!」

シャーク「てめえ最近生意気すぎっぞ!」

遊矢「同い年だからいいだろ!」

シャーク「うるせえ!」

Ⅳ「何見てんだ凌牙」

シャーク「これだ」

Ⅳ「てめえも見てんのか、勃ってるぞお前」

シャーク「てめえは」

Ⅳ「勃ったに決まってるじゃねえか」

シャーク「このウラスラバカ興味もねえくせにエロ本見やがって!」

遊矢「いいだろ別に」

シャーク「柚子にチクっちまうぞ」

遊矢「やめろ!」

シャーク「やめろだァ?やめてくださいじゃねえのか!」

Ⅳ「熟女ってのも悪くねえ兄貴が言っちまうレベルだからな・・・」

黒咲「こんな昼間から暇人集団か」

Ⅳ「これ見ろよ」

黒咲「噂のグラビアアイドルと化したドロワか」

Ⅳ「ほら」

黒咲「・・・」

シャーク「こいつ勃たしたら大したもんだぜ」

黒咲「認めるしかないな」

シャーク「マジで言ってんのか!?」

黒咲「ああ」

シャーク「てめえ1人だけだぜ遊矢!てめえ頭おかしいんじゃねえのか!?」

遊矢「別にいいだろ!何か問題でもあるのかよ!!」

黒咲「熟女か」

Ⅳ「意外と悪くねえよな・・・」

沢渡「うわっ!すっげえな、このババア!」

シャーク「まあこいつは当然としてだ」

黒咲「ドロワはいくつだった」

遊矢「19」

シャーク「そんなのハッタリに決まってるじゃねえか、39とかだぜ」

Ⅳ「そんなもんだろ」

黒咲「どうして反応するのだろうな」

Ⅳ「デュエリストってのは熟女好きなんじゃねえか?」

沢渡「あのババアがこんな身体してたなんて知らなかったぜ」

シャーク「カイト呼んで来ようぜ」

遊矢「カイト?カイトだったら俺と同じさ」

シャーク「カイトは勃つぜ、あいつはそういう野郎だからな」

カイト「下らんな」

遊矢「やっぱり!」

シャーク「大丈夫かお前?」

黒咲「やはりカイトはカイトか」

カイト「いい事を教えてやろうか、いい女の条件ってやつを」

沢渡「いい女の?」

カイト「そうだ。既婚者がベストだ」

Ⅳ「・・・」

カイト「何故なら既婚者の女とは安心するからだ。そしてドロワのような身体つきは俺は認めん」

沢渡「じゃあお前はどんなのがいいんだ」

カイト「アユぐらいがちょうど良い」

沢渡「・・・」

シャーク「・・・」

シャーク「この部分のドロワの顔を柚子に変えちまったらこいつも」

遊矢「おいやめろ」

シャーク「見てえくせに何言ってんだ」

遊矢「俺は・・・少しだけなら」

Ⅳ「男なら当然だぜ、なあ」

黒咲「ああ」

遊矢「いや柚子を裏切れない」

沢渡「腰抜け!」

シャーク「この沢渡にも言われてるぜ、沢渡なんかにバカにされて悔しくねえのか!」

沢渡「どういう意味だそれ!」

シャーク「何とか言ったらどうだ遊矢!」

遊矢「くっ・・・」

カイト「だったらセレナで試してみればいい」

沢渡「セレナ?」

カイト「そうだ」

シャーク「そのためのセレナみたいな感じだぜ」

遊矢「でも可哀想だろ」

シャーク「柚子のパクリのくせにデカいツラしてんのが気に入らねえぜ!」

Ⅳ「問題はねえ」

黒咲「俺も同感だ。瑠璃は瑠璃でも融合次元の瑠璃なら多少喝を入れてもいいだろ」

沢渡「あいつバカだから脱げって言ったら簡単に脱ぐぜ」

シャーク「脱ぐまではさせねえよ、いや別にいいか」

カイト「なら行くぞ」

シャーク「てめえは」

遊矢「俺は遠慮しとくよ、そういう下らない事」

シャーク「ったく遊矢の野郎は気合が足らねえんだよ気合が!」

カイト「お前そこまで嫌いなのか」

シャーク「ウジウジしてる野郎が大っ嫌いなんだよ!」

ブチッ

沢渡「靴紐が切れちまった」

Ⅳ「先行ってるぞ」

黒咲「だが一つ引っかかる事があってな」

カイト「セレナに何かすると病院送りにされる噂か」

黒咲「ああ」

シャーク「そんなの迷信だろ」

黒咲「だが現に合コンの時に酒を飲ませたお前は病院送りにされただろ」

シャーク「偶然に決まってるじゃねえか」

黒咲「偶然だといいがな」

カイト「言われてみれば遊星もジャックもやられた事があると言っていたな」

Ⅳ「確かお前らもあったんじゃねえか?」

シャーク「万丈目もセレナの胸ぐら掴んで転かしたら病院送りにされたって言ってたな」

黒咲「・・・どうする」

シャーク「そいつを捕まえてやろうか」

Ⅳ「多分そいつはセレナの守護霊だ」

シャーク「俺ら四人も居れば相手が誰でも負けねえだろ」

ピンポーン

セレナ「誰だ?何だまたお前か!この前はよくもお酒を飲ませたな!」

シャーク「とりあえず、悪りいなセレナ」

ポコッポコッポコッポコッポコッポコッ

セレナ「イタッ!何をする!人の頭を何度も何度も!」

シャーク「さあ出て来やがれ!守護霊の正体を今日こそ暴いてやるぜ!」

ザッ

数日後

遊矢「四人揃って入院したなんて」

シャーク「うるせえ」

遊矢「そう言えば遊馬がまた帰国するって」

カイト「遊馬が?」

シャーク「てめえ早く言えよ!!」

遊矢「言える状況じゃないだろ」

Ⅳ「セレナに何かするとこうなっちまうって事か」

黒咲「俺達4人を一瞬、相当の手練れだぞ」

遊矢「とりあえず遊馬に凌牙の悪行は報告しようか」

柚子「そうね」

シャーク「退院したら覚えてろよ真っ先に狙ってやるからな、てめえらを!!」


第51話「守護」


遊馬「久しぶりって程でもねえか」

遊矢「まあ最近会ったばかりだし」

ユート「一体どうしたんだ?」

アストラル「実はアカデミアの博士が再び活動を始めると情報が入ってな」

遊矢「今度こそ正体を暴いてやる!」

ユート「それで居場所は?方々、探しても見当たらなかったぞ」

アストラル「それは」

カイト「手はある」

遊馬「さすがカイトだぜ!」

遊矢「その手って一体?」

カイト「簡単な事だ」

遊馬「勿体ぶらずに教えてくれよ!」

遊矢「カイト!」

カイト「・・・」

ツァン「永続魔法『六武の門』を発動!そして六武衆-イロウを攻撃表示で召喚!さらに真六武衆-キザンを特殊召喚!レベル4の六武衆-イロウと真六武衆-キザンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!H-Cエクスカリバー!」

ツァン「カードを1枚セットしてターンエンド!」

遊矢「いくつだっけ?」

遊馬「確か26だったか27のはずだぜ」

アストラル「カイトは相変わらず彼女に無茶振りをするな」

ユート「その歳で制服を着るなんてな」

アストラル「強くて可愛い女子高生がデュエルしていたら勝手に湧き出る・・・とカイトは言っていたが」

カイト「出る」

ユート「その根拠は?」

カイト「俺の睨んだ感じではアカデミアの連中は最高幹部、戦闘員、改造デュエリストを含め女しか居ないからな」

小鳥「ド、ドロー!」

遊矢「しかも小鳥を囮に使って」

カイト「人間叩かれれば叩かれるほど強くなる。そうだな遊馬」

遊馬「勿論だぜ!」

遊馬「でも男だらけって保証あんのか?」

カイト「あれを見ろ」

「女がデュエルしてるぞ」

遊矢「アカデミアだ!」

カイト「猿に毛の生えたような連中だ。行動は単純で短絡的に決まっている。おい!」

「何だ?」

カイト「あそこでデュエルしている2人組はライフを削られると服を脱ぐ脱衣デュエルをしている」

「脱衣!?」

カイト「じっくり見ていろ」

遊矢「それでどうするんだ?」

カイト「ちょうど頭数が揃った・・・こいつらの衣類を剥ぎ取る」

「イイーッ!」

遊馬「イイーッ!」

遊矢「以外とアッサリ吐いたな、カイトが殴り飛ばしたら」

カイト「・・・」

遊馬「交代の時間だって言ってたぜ?」

「交代?さっきしたばかりだぞ」

カイト「頭の悪い奴らだな、既に時間は過ぎている」

「そ、そうか?」

カイト「所詮は猿に毛が生えただけだなクズ共が」

遊矢「あ、あっちで脱衣デュエルしてるから!」

「あっちか」

遊矢「いいのか小鳥脱がして?」

遊馬「別にいいんじゃねえか?だって人間って生まれた時は全裸なんだぜ」

遊矢「確かにそうだけど」

首領「デュエリスト石化光線銃の完成はまだか」

博士「首領あと一歩で完成します」

首領「九十九遊馬が再び帰って来ている。気をつけるのだ」

遊馬「俺ならここに居るぜ!」

博士「九十九遊馬!?どうやってここまで!」

カイト「間の抜けた犬の飼い主か、少しは賢そうだ」

遊矢「お前が博士だな!アカデミアが送った第2の最高幹部の!」

博士「そうだ。だがここがお前達の墓場になりそうだぞ」

遊馬「行くぜ遊矢!」

遊矢「来い!」

博士「わしではない。お前達の相手はこいつだ!」

「アェアェアェ!」

遊矢「な、何あれ」

アストラル「イソギンチャックの改造デュエリストだ」

ツァン「何かいっぱい集まってるんだけど」

「脱げ!ライフ減ってんのに何で脱がないんだ!」

「早く脱げ!」

ツァン「カイトのやつ変な事を吹き込んだね」

小鳥「はあ・・・どうしよう」

ツァン「僕は僕の身体に自身があるから大丈夫だけど小鳥ちゃんは」

小鳥「えぇ・・・」

ツァン「仕方ないな、僕は大人だから小鳥ちゃんの代わりに脱ぐよ」

「早くしろ!」

ツァン「とりあえず靴下から」

「アェアェアェ!」

ゴォォォォォォッ

アストラル「気をつけるんだ。この改造デュエリストはまるで掃除機のように吸い込むぞ!」

遊矢「ひ、引っ張られる!」

博士「わしはここで失礼させてもらう。お前達に構っている暇など無いんでな」

カイト「・・・」シュッ

遊馬「しっかりしろ遊矢!」

遊矢「でもどうやってあいつを?」

遊馬「うーん」

ユート「身体でぶつかろう!奴の口を封じ破裂させるんだ!」

遊馬「そうか!」

遊矢「さすがユート!」

遊馬・遊矢「かっとビングだ!!俺!!」

カポッ

「ううっ!」

遊馬「それでどうするんだアストラル!?」

遊矢「教えてくれユート!?」

ユート「だから破裂するまで待つんだ」

アストラル「頑張ってくれ遊馬、遊矢」

遊矢「無責任すぎるだろ!」

遊馬「カイトもどっか行っちまったし!」

「うごぇ・・・」

ユート「そろそろ破裂しそうだ」

アストラル「ああ」

小鳥「さすがツァンさん!アカデミアの戦闘員を全滅させるなんて」

ツァン「こう見えても学生時代は天才とか言われて人気者だったから」

カイト「・・・何で脱いでるんだお前」

ツァン「出たよ元凶」

カイト「お前もいつの間にかデュエルするようになったんだな」

小鳥「南米の激戦区じゃデュエルは必須だから、これで幼馴染カップルが2人組誕生だね!」

カイト「無理だな」

小鳥「どうして!」

カイト「初々しさが足りない。見ていて新鮮味も無い・・・以上だ」

小鳥「酷い!」

ツァン「そんな事ばかり言ってるからあんたモテないのよ!」

カイト「・・・」

数日後

小鳥「せっかくデュエル覚えたのに酷すぎると思うよね遊馬」

遊馬「小鳥」

小鳥「だ、だって」

遊馬「小鳥」

小鳥「・・・」

遊馬「好いたの惚れたの言ってる時点で二流の考えだぜ」

小鳥「でも!」

遊馬「反論は認めねえ」

小鳥「・・・」

遊馬「本気で喝入れねえとな」


第52話「吸引」


シャーク「例の博士に発信機を付けたんだとよ、カイトが」

アリト「あいつ隙ついて何だってやるな」

ギラグ「それでカイトは」

シャーク「調査だとか言ってたぜ」

ミザエル「調査?おかしいな」

シャーク「何かあったのか」

ミザエル「いやカイトならハルトの通う学校のプールの監視当番だと言っていたぞ」

シャーク「この忙しい時に何やってんだ!」

ドルべ「大変だぞみんな!」

シャーク「どうしたドルべ!」

アリト「またカツアゲでもされたのか?」

ドルべ「そんなんじゃない!早く来てくれ!!」

シャーク「な、何だってんだ、これは!?」

遊馬「・・・」

遊矢「・・・」

アリト「遊馬と遊矢が」

ギラグ「石になっちまってる」

ベクター「2人だけじゃねえぞ」

璃緒「どういう事?」

ベクター「だから街の人間が全員石になっちまったんだよ」

シャーク「また何かしたのか」

ベクター「俺じゃねえよ、どうせアカデミアだろ?俺ならもっと大胆にやってやるよ」

ドルべ「そうだ。ベクターならもっと狡猾にやる」

ミザエル「こいつには心が無いからな」

シャーク「カイトの奴から借りたあれで追うぞ」

ミザエル「博士をか?」

シャーク「当然だぜ!」

アリト「便利だよな、こういうの」

シャーク「ふざけやがって融合次元!俺の獲物を2人も」

ドルべ「2人?」

シャーク「な、何でもねえよ!」

璃緒「じゃあ私は留守番してるから」

シャーク「頼むぜ璃緒」

璃緒「うん」

アリト「ボッコボコにしてやんよ!殴り込みだ!!」

シャーク「オラァ!」

「何だこいつら!?」

「こいつら・・・バリアン七皇だ!!」

「バリアン七皇!?」

「リーダー格の神代凌牙は狙った獲物は逃がさねえ鮫のように凶暴で恐ろしい野郎だ」

「そんで色黒のチビはアリトだ、こいつは特攻隊長みたいな奴で真っ先に殴りかかってくる」

「あのツンツン頭はベクターだ、頭の回転が異常なまでに早くて悪魔のような智略を巡らす外道よ」

「デカいのはギラグだ、メンバー随一のパワーファイターでアリトと共に武闘派と言われている」

「あそこに居るのがミザエルだ、あいつは他の七皇の中でも神代凌牙とは別に一目置かれているらしい」

「ふーん」

アリト「ゴチャゴチャ喋ってねえで、俺らと戦え!」

シャーク「てめえらの頭引きずり出して遊馬達を治しやがれ!!」

ギラグ「これで全部か」

シャーク「まだだ!最高幹部はここに居ねえのか!」

ベクター「居るわけねえだろ」

ドルべ「どういう事だ」

ベクター「考えても見ろよ?カイトが発信機付けたのはそいつの衣類から何かだろ?」

シャーク「多分な」

ベクター「それにアカデミアの博士ってのは用心深い性格だって言うじゃねえか?だったら」

ミザエル「このアジトは囮か」

ベクター「当たり」

シャーク「何でそれ早く言わねえんだ!」

ベクター「だってよォ・・・そっちの方が盛り上がるじゃねえか」

シャーク「てめえ!」

ドルべ「石化させる兵器も無いのか!?」

ベクター「そりゃそうだろ、帰ろうぜ」

シャーク「いやまだだ!」

ミザエル「どうやら私達を抹殺するために」

「ガァールッ!!」

シャーク「出たぜ改造デュエリスト!」

「俺は見ての通りユニコーンの改造デュエリスト!まんまと罠にかかったな神代凌牙!」

シャーク「罠だろうと何だろうと突っ込まねえと意味がねえんだよ!」

アリト「最初にてめえをぶっ飛ばす!」

ギラグ「そして遊馬達を絶対に戻してやるぜ!」

ミザエル「我々の団結力を甘くみるな!!」

ベクター「・・・」ピッ

Ⅳ「そうか、わざわざ悪りいな・・・負けんじゃねえぞ」

Ⅴ「上手くいったのか?」

Ⅲ「しかし悪い気がしますね」

Ⅴ「ベクターが買って出てくれたんだ、感謝しよう」

Ⅳ「こっちの次元の主力でもある凌牙ら七皇とカイトを囮にすりゃ奴らも気を抜くだろうぜ」

Ⅲ「しかし博士の居場所はわかるのですか!?」

Ⅴ「既に調べはついている」

Ⅳ「本当かよ兄貴?」

Ⅴ「伊達に動かないわけではない」

Ⅳ「じゃあ期待させてもらうぜ兄貴」


第53話「石化」


Ⅴ「みんなも知っての通り博士は前任者の大佐とは違い基本的にこっちの次元で計画を発案している」

Ⅲ「南米で猛威を振るいエクシーズ山の噴火や今回の石化騒動だって」

Ⅴ「それだけではないぞ」

Ⅳ「どういう事だ?」

Ⅴ「数日前の連続カード護送車襲撃事件にも関与している」

Ⅳ「あれにもか!?」

Ⅴ「それと遊馬の友人達が狂人になって暴れた事も」

Ⅳ「遊馬の友人?カイトと凌牙は何もなってねえだろ」

Ⅴ「彼らだ」

Ⅲ「ほら遊馬と小鳥の取り巻き四人組ですよⅣ兄様」

Ⅳ「あー・・・知らねえや」

Ⅲ「では真のアジトを」

Ⅴ「行こうか」

Ⅳ「本気でわかってんだろうな?」

Ⅴ「問題無い」ピーッ

Ⅳ「笛なんて吹いてどうしたんだ兄貴」

Ⅲ「見てください!UFOですよ!UFO!」

Ⅳ「ま、まさか」

Ⅴ「そうかⅢは見た事が無いんだな、あれはUFOではなく蛇型のロボットだ」

Ⅳ「まだ生きてやがったのか、あいつ」

「ピピピピピ」

Ⅴ「こいつは私が初めて父から貰ったものでな。ちょうどⅢが生まれた時に行方不明になって最近見つけ出した」

Ⅴ「やはり、ここだったのか」

Ⅳ「やはり?」

Ⅴ「一連の事件を線で結ぶと中心がここだ」

Ⅲ「では博士は」

Ⅴ「間違いなくここが真のアジトだ」

Ⅳ「乗り込もうぜ!」

Ⅴ「まだ乗り込む時では無い」

Ⅳ「凌牙達の犠牲はどうなるんだ!!」

Ⅴ「まだ死んでない」

Ⅳ「呑気な事言いやがって!俺は行くぜ!」

Ⅲ「Ⅳ兄様!」

Ⅴ「・・・」

Ⅲ「行ってしまいましたね」

Ⅴ「・・・」

Ⅲ「Ⅴ兄様」

Ⅴ「まだだ」

Ⅲ「いえ、僕も行きます」

Ⅴ「落ち着け」

Ⅲ「落ち着いてなんて居られませんよ!Ⅳ兄様が凌牙がみんな遊馬達のために命を賭けて居るというのに!」

Ⅴ「Ⅲ」

Ⅲ「行ってきまーす!」

Ⅴ「反抗期真っ盛りのⅣはわかるがⅢにまで反抗されるとは」

「ピピピピピ」

ガタッ

「誰だ!」

Ⅳ「俺だよ俺」

「お前は・・・トーマス・アークライト!?」

Ⅳ「てめえら覚悟しろよ?ファンサービスの時間だぜ!」

「1人で何ができる!」

Ⅲ「僕も居る!」

Ⅳ「Ⅲ」

Ⅲ「Ⅳ兄様だけ死なせはしませんよ!」

Ⅳ「いや死なねえよ、感謝しろよてめえら!兄弟ダブルのファンサービスなんて滅多に拝めるもんじゃねえ!!」

Ⅴ「実はⅢに反抗されてな」

カイト「弟とはいつか兄を超える・・・それを教えてくれたのがクリスだ」

Ⅴ「・・・」

カイト「それで殴り込んだのか?」

Ⅴ「ああ」

カイト「俺は凌牙の方へ行ってくる。凌牙やミザエルがそう簡単に敗北するとは思えんがな」

Ⅴ「そうだな」

カイト「・・・」

Ⅴ「・・・」

カイト「行くか」

Ⅴ「ああ」

シャーク「くたばれユニコーン野郎!!」

アリト「やったぜ!」

ミザエル「恐ろしい奴だった」

ドルべ「」

ギラグ「改造デュエリストってのは普通のデュエリストの10倍らしいぜ」

シャーク「だったら俺らの5倍じゃねえか」

ミザエル「どういう意味だ?」

シャーク「俺らは普通じゃねえ」

アリト「なるほど!」

ベクター「ボケっとすんな、トロン兄弟のとこ行くぜ」

シャーク「何言ってんだお前」

ベクター「ほら来いよ」

「カーッ!」

Ⅳ「出やがったな!」

Ⅲ「鳥の改造デュエリストですね」

「バカめ!俺はカラスの改造デュエリストよ!」

Ⅳ「同じじゃねえか!」

「まるで違う!地獄へ落ちろ!!」

バシュッバシュッ

Ⅲ「上空からの攻撃・・・これは」

Ⅳ「飛ぶぜⅢ!」

Ⅲ「飛べば狙い撃ちされますよ!」

Ⅳ「それでもやるしかねえんだよ!」

バァンッ

Ⅲ「銃声・・・?」

「つ、翼が・・・俺の翼が・・・!」

Ⅳ「銃って言えば・・・やっぱりオボット6号か」

6号「人の獲物に手を出すとは無粋な連中よ」

Ⅲ「今ですⅣ兄様!」

Ⅴ「トドメは私が刺す」

Ⅲ「Ⅴ兄様!」

Ⅳ「遅えよ」

「ピピピピピ」

カシャッ

Ⅴ「変身・・・!」

Ⅲ「Ⅴ兄様の姿が変わっていく!?」

Ⅴ「兄の判決を言い渡す・・・死だ!!」

Ⅴ「この装置のダイヤルを逆に回し空に向かって照射すれば元に戻る」

Ⅳ「長い1日だったぜ」

Ⅲ「結局博士はまた姿を見せませんでしたね」

シャーク「Ⅳ!」

カイト「無事か」

Ⅲ「全て終わったよ」

アリト「博士は?」

Ⅳ「また消えちまったよ、最初から居ねえって感じだったがな」

シャーク「チッ」

Ⅴ「では照射するぞ」

カイト「やってくれ」

シャーク「しかし俺達はよく無事だったな」

Ⅲ「みんな普通じゃないからね」

首領「またしても失敗に終わったぞ博士よ」

博士「首領」

首領「言い訳など聞かん!改造デュエリストの第一人者でもあるお前が何というザマだ!」

博士「実は人工重力装置GXが完成間近でして」

首領「人工重力装置GX・・・あの地球の地軸すらも変える装置をか?でかしたぞ博士!」

博士「度重なる計画の失敗は必ずやわしの手で・・・!」

首領「それでいい、我らアカデミアがエクシーズやシンクロに遅れを取ってはならんからな」

博士「はい」

首領「それと東南アジアより新しい幹部を招集した。頭脳派のお前と武闘派の奴が手を握れば負けはせん」

博士「東南アジア・・・まさか」

首領「近いうちに大使がやって来る」

博士「あの男が・・・くっ」

数日後

柚子「大丈夫なの?」

遊矢「まだフラフラするかも」

柚子「ほらしっかりしなさいよ!」

バシッ

遊矢「イッテ!何するんだよ」

柚子「気合よ気合」

遊矢「背中って叩かれると痛いんだから」

柚子「はい」

遊矢「手を?」

柚子「疲れてるんでしょ?だったら家まで送ってあげる」

遊矢「・・・内緒だからな、恥ずかしいし」

柚子「うん!」

ユート「そろそろ出てもいい頃合いだろ。俺の心が痛い」


第54話「長男」


ジャック「大変な目にあっているのか」

遊馬「そうでもないぜ」

遊矢「そっちはどうなの?」

ジャック「忙しいに決まっているだろ!」

遊矢「遊星さんは?」

ジャック「野暮用があるとか言って未来に行ったぞ」

遊馬「未来?」

アストラル「彼の思考は未来人寄りだからな」

ユート「ああ」

ジャック「気を抜くな、気を抜けば一気に喰われるぞ」

遊馬・遊矢「ああ!」

黒咲「入るぞ」

赤馬「・・・」

黒咲「何の用だ」

赤馬「実は彼女を連れて来てほしい」

黒咲「自分で連れて来い、俺は知らん」

赤馬「彼女は何か重大な秘密を隠しているはずだ」

黒咲「こいつは遊馬達の学園の教員だ。バカバカしい」

赤馬「アカデミア打倒」

黒咲「何?」

赤馬「大を生かすために小を犠牲にする。何も問題は無いはずだ」

黒咲「・・・」

カイト「恵を渡せ?」

黒咲「ああ」

カイト「あいつの考えそうな事だ。自分の手は汚さず他人には汚させる・・・立派な親子だ」

黒咲「アカデミアの打倒など奴の力の力を借りぬとも果たせる」

カイト「零児の事なんぞ放っておけ、あいつは何処か壊れている」

黒咲「そのつもりだ」

カイト「話はそれだけか?」

黒咲「ああ」

カイト「だが零児は何故あいつを狙っているんだ・・・」

黒咲「また何か考え込んでいるのか、こいつの考えは長いから退散しよう」

シャーク「何やってんだ黒咲」

アリト「まさか何か」

黒咲「いや人攫いをしろと赤馬零児が」

シャーク「てめえ!赤馬の野郎の犬になっちまったってのか!?」

黒咲「俺を見くびるな」

アリト「俺あいつ嫌いなんだよ」

璃緒「アリトには合いそうにないわよね」

シャーク「大体2代目ってのは無能なんだよ」

黒咲「あいつは自分が優秀だと内心思っているが所詮は赤馬家の男だ。根っこから腐ってる」

シャーク「どうせロクな野郎じゃねえさ」

黒咲「お前達は何処かに行くのか?珍しい組み合わせだが」

璃緒「この2人が怪我させた人に謝りに行きますわ」

黒咲「・・・そうか」

黒咲「あいつらはいつも元気だな、やはり居心地が」

Ⅲ「黒咲さん!」

黒咲「どうした」

Ⅲ「いや面白い物が見つかったのですよ」

黒咲「お前の面白い物というのはオーパーツとかいう奴だな」

Ⅲ「はい!」

黒咲「・・・」

Ⅲ「では僕は」

ドドドドドドドドドドド

Ⅲ「じ、地震!?」

黒咲「いや・・・人数を集めろ!何か来るぞ」

Ⅲ「黒咲さん!」

博士「隠れるのはやめだ。根絶やしにする!この次元を」

「イイーッ!」

黒咲「そこまでだ!」

博士「お前は黒咲隼・・・エクシーズ次元では最後の最後まで抗った」

黒咲「アカデミア最高幹部の博士だな」

博士「この次元は今に沈む!何故ならわしが開発した人工重力装置GXが完成したのだ!」

黒咲「御託はいい」

博士「そして、この人数の戦闘員!いよいよ最後の時だ!」

黒咲「黙れ!遊馬達の次元をエクシーズ次元の二の舞にはさせん!」

博士「ならば、ここで死ね!やれ!!」

「イイーッ!」

黒咲「もう誰1人として死なせはせんぞ・・・!」

沢渡「黒咲がピンチだって?マジか?」

権現坂「うむ」

沢渡「目立ちやがって!行こうぜ」

赤馬「待て」

沢渡「出たよ、仕切り屋が」

赤馬「私の掴んだ情報では人工重力装置GXという脅威の破壊兵器を所持しているそうだ。それにアカデミアのトップは零王から首領と名乗る者に変わっている」

沢渡「で?」

赤馬「私達が動く必要は無い。ここは彼らを犠牲にし遊星や十代達と対抗策を」

沢渡「おいおい、相当のバカだなお前!」

権現坂「他人を利用し自分は何もしないような男が大口を叩くな、お前は既にランサーズのリーダーとしての権利は無い」

赤馬「ならば誰が纏める」

沢渡「俺!」

権現坂「遊矢だ。遊矢の事だから既に動いているだろう」

沢渡「社長なんだから椅子に座ってボーッとしてろよ、そっちの方がお似合いだぜ赤馬零児!」

博士「戦闘員では持たんな、なら!」

「ギエーッ!」

黒咲「改造デュエリストか、何度も何度も」

博士「こいつは融合次元に生息する巨大サンショウオの改造デュエリスト」

「言っておくが俺は今までの改造デュエリストとは違う!」

博士「わし自身が自ら生み出した!お前たち抹殺のために・・・やれ!」

ヒュッ

黒咲「消えた・・・!?」

「俺は身体を液化させる事ができるのだ!背後がガラ空きよ!」

黒咲「ぐわっ!」4000→2000

黒咲「たったの一撃で俺のライフを削るとは・・・只者ではない!」

「ほらほら!守ってばかりじゃ俺は倒せんぞ!」

黒咲「万事休すか・・・!」

沢渡「待ち」

遊馬「待ちやがれ!」

シャーク「人の庭でデカいツラしやがって!!」

遊矢「大丈夫か黒咲!」

カイト「・・・」

Ⅲ「呼んで来ましたよ黒咲さん!」

黒咲「でかしたぞⅢ・・・」

沢渡「人の出番掻っ攫いやがって!」

シャーク「黙ってやがれ!!」

博士「勢ぞろいか・・・この次元とスタンダードのデュエル戦士達が」

博士「九十九遊馬、榊遊矢、天城カイト、バリアン七皇、トロン一家・・・」

沢渡「あいつまで俺をシカトしてやがる」

黒咲「気をつけろ奴は肉体を液化させる能力を持っている」

シャーク「さっき人工重力装置GXとか吐いた野郎がいたんだけどよ・・・探して来いよ沢渡」

沢渡「誰に命令してんだ!」

博士「どいつもこいつも!」

カイト「融合次元のお前達にはわからんだろうが人は1人では生きていけんぞ」

黒咲「人としての心も持たぬ奴らが俺達に勝てると思っているのか!」

シャーク「液化だか何だか知らねえがよ、ぶっ倒しちまえば一緒じゃねえか!!」

遊馬「俺達のかっとビングは液体なんて通用しねえ!」

遊矢「行こうみんな!」

シャーク「決めてやれ黒咲!今回はてめえのターンだ!」

黒咲「呼吸を合わせろ!一気に行くぞ・・・かっとビングだ!」

「俺!!!!!」

博士「ば、ばかな!最高傑作の改造デュエリストが消滅しただと!?」

シャーク「人間と割り合うなんて1000年早えんだよ!融合次元で賢くたって意味はねえんだよ!」

カイト「猿のような連中の中で字が書けると自慢しているようなものだ・・・いや猿に失礼か、お前達と猿と一緒にするなんてな」

博士「くっ・・・だがまだ人工重力装置GXがある!今すぐに起動させこの次元を破壊する!!」

シャーク「沢渡!」

沢渡「走って見つけろっていうのか?冗談じゃねえぞ!」

シャーク「ガタガタ言ってんじゃねえ!」

博士「もう遅い!」ポチッ

遊馬「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

博士「・・・」

黒咲「何も起こらんぞ」

ユート「装置は既に破壊しておいた」

遊馬「ユート!?」

遊矢「いつの間に俺の中から」

黒咲「出たいという思いが」

ユート「俺は遊矢から解放された」

シャーク「てめえ一体何しやがった」

遊矢「何もしてない」

シャーク「なわけねえだろ!どうせ」

遊馬「博士が居ねえ!」

カイト「何処に行った」

黒咲「逃げ足だけは早いな」

沢渡「俺の活躍あってだな」

シャーク「ねえよ」

カイト「毎回毎回お前は何もしないな」

沢渡「すっげえムカつく。こいつら何様だってんだ!」

遊馬「あー疲れたぜ」

赤馬「見事だな相変わらず」

カイト「退け」

シャーク「邪魔なんだよ、てめえは」

赤馬「どうやら君を一丸に集まっているようだな榊遊矢」

遊矢「知った風な口聞くなよ、何も知らないくせに」

赤馬「君達は私を勘違いしているようだ。私は」

遊馬「なあ社長ちょっといいか」

赤馬「いいだろう」

遊馬「何か無理してるぜ、若いのに背伸びしちまってさ」

遊馬「今度、俺とデュエルしようぜ!なあ社長!!」

赤馬「・・・」

ツァン「何やってんのよゾロゾロ集まって」

恵「不良集団」

カイト「騒動を鎮圧しただけだ」

Ⅳ「お前どっちがいいんだ」

カイト「どっちも興味がない」

遊馬「じゃあハルト抜きでカイトの好みのタイプは?」

遊矢「ゆ、遊馬!」

カイト「アユだな」

遊馬「ロリコン最高だぜ!」

シャーク「いつかパクられるな」

黒咲「そうなるとお前は友人B辺りで取材されるぞ」

Ⅳ「じゃあカイトの師匠の俺の兄貴もインタビューされちまうじゃねえか」

シャーク「じゃあな俺らはここで帰るぜ」

カイト「またな」

黒咲「ああ」

沢渡「沢渡シンゴを筆頭にしたネオランサーズだな」

遊矢「何でもかんでもネオって付ければいいと思うなよ沢渡」

ユート「エクシーズはどうだろう」

沢渡「俺エクシーズ使わないし」

黒咲「安心しろお前は補欠だ」

沢渡「俺が補欠!?」

遊矢「いやエクシーズはストレートすぎる・・・よな?」

遊馬「最高にイカしたセンスをしてるぜ!」

ユート「君もそう思ってくれるか、俺は嬉しいよ」

シャーク「なあツァンと恵先生・・・どっちがいいんだ」

カイト「どうした突然」

シャーク「てめえ気に入られてるのに異性として認識されてねえから笑ってやろうと思ってよ」

カイト「一つ参考になる話でも教えてやろうか」

シャーク「てめえの御託は長えからいい」

カイト「人妻には人妻特有の熟した匂いというのがあって恵にはそれが無い」

シャーク「じゃあツァンか?やっぱ檻の中が似合ってるぜお前は」

カイト「なら聞くがお前はどっちだ」

シャーク「歳上には興味ねえ」

カイト「なら小鳥と柚子は」

シャーク「そんなの決まってるじゃねえか、てめえも俺と同じだろ」

カイト「ああ」

カイト・シャーク「柚子」

数日後

遊馬「ヨーロッパ!?」

ユート「博士はヨーロッパに行ったという情報が入ってな」

黒咲「しばしの別れだ」

遊矢「元気でな、無茶するなよ2人とも」

遊馬「結構見知らぬとこに行くってのは大変なんだぜ?」

ユート「大丈夫さ」

黒咲「カイトや凌牙にもよろしく言っておいてくれ」

遊馬「また会おうぜ!」

遊矢「ちゃんと帰って来てくれよ!」

ユート「ああ!」


第55話「欧州」


遊馬「あれが猿山だぞ零羅!」

柚子「まさか動物園に誘ってくれるなんて」

遊馬「俺が居ない間、シャークの面倒を見てくれた礼だぜ!2人は遊んでこいよ、俺が子供達を見てるから」

遊矢「いいのか?」

遊馬「当然だぜ!」

遊矢「じゃあ・・・」

柚子「みんなはそれでいいの?」

タツヤ「いいよ、気を使うのは疲れるから」

アユ「2人だけで遊びたいくせに何言ってるんだか」

遊矢「・・・」

柚子「・・・」

遊馬「ライオンの檻の中に突っ込もうぜ、零羅!!」

零羅「い、嫌」

遊馬「かっとビングだ!」

遊馬「どうだった?」

零羅「こ、怖かった」

遊馬「最初は怖いよな、でも恐れず勇気を持って進めばライオンだって怖くないんだぜ?」

零羅「だって」

遊馬「そんなに怖かったのか」

アストラル「最初からライオンはランクが高すぎるぞ遊馬」

遊馬「ダチョウとかにすれば良かったな」

零羅「・・・」

遊馬「あれ?素良が居ないぞ」

アユ「いいよいいよ放っておいても」

タツヤ「あいつ裏切り者だしロクな大人にならないよ」

アユ「私達に優しいカイトお兄ちゃんだって素良の事は毛嫌いしてるよね」

タツヤ「どうせ仲間のフリしてるだけだよ。やだね、ああいうタイプの人間は」

素良「あ、あなたはアカデミアの」

大使「アカデミア最高幹部の一人、大使とはわしの事だ」

素良「どうして僕を」

大使「榊遊矢・・・いや九十九遊馬を殺れ」

素良「あいつらを?」

大使「そうだ。お前なら出来るだろ」

素良「簡単ですよ、エクシーズの1匹や2匹ぐらい」

大使「期待しているぞ」

「大丈夫ですか?あんな半端者で」

大使「もしもの時はあのガキごと始末するまでよ」

アユ「探さなくていいよ遊馬お兄ちゃん!」

遊馬「でも迷子になっちまったら大変だぜ」

タツヤ「そんなの知らないよ」

フトシ「シビッ」

遊馬「どうしたフトシ?」

フトシ「痺れるゥ~!」

タツヤ「素良が近づいて来てるって!」

遊馬「あいつ心配させやがって」

アストラル「何か様子がおかしいぞ遊馬!」

素良「僕とデュエルしろォ!九十九遊馬!!」

遊馬「な、何だ!?」

素良「光栄に思いなよ、この僕が君のような下等デュエリストとデュエルしてあげるんだから!」

アストラル「どうする遊馬」

遊馬「受けて立つしかねえ!」

遊馬「俺のターン!フィールド魔法『希望郷-オノマトピア』を発動!そして俺はドドドウィッチを攻撃表示で召喚!そしてドドドウィッチの効果でドドドボットを特殊召喚!」

遊馬「レベル4のドドドウィッチとドドドボットでオーバーレイ!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

遊馬「俺はカードを1枚セットしターンエンド!」

素良「出たよ、エクシーズ・・・頭の悪い君には簡単な召喚だよね、でも融合は違う!ドロー!僕はファーニマル・マウスを攻撃表示で召喚!そしてファーニマル・マウスの効果でデッキから2体のファーニマル・マウスを特殊召喚!」

素良「そして手札のエッジインプ・シザーと融合!融合召喚!デストーイ・シザー・タイガー!デストーイ・シザー・タイガーは融合素材にしたモンスターの数だけ相手フィールドのカードを破壊する!」

アストラル「遊馬!」

素良「大した事が無いね、何がかっとビングだよ。君も僕のコレクションにしてあげるよ!エクシーズの負け犬!!バトルだ!」

アユ「遊馬お兄ちゃん!」

遊馬「だ、大丈夫だ!」4000→2100

素良「ターンエンド!ほら君の番だよ、さっさとドローしなよ!」

遊馬「ドロー!」

遊馬「このカード・・・まだデッキにあったのか、俺はVサラマンダーを攻撃表示で召喚!Vサラマンダーの効果で墓地の希望皇ホープを特殊召喚!」

素良「オーバーレイ・ユニットの無いエクシーズモンスターなんてクズ以下さ!そんな事もわからない何て」

遊馬「お前は余裕かましてカードを伏せようともしなかった。子供だから仕方ねえけどな、カイトやシャークが言ってた通り相当性格が悪いな、魔法『ホープ・バスター』!相手フィールドの攻撃力が1番低いモンスターを破壊しその攻撃力分のダメージを与える!」

素良「!?」

アストラル「融合次元のデュエリストはデュエリストであらず・・・そうだな遊馬」

遊馬「カードに愛着ねえ奴にデュエルを戦争の道具にするような奴がデュエリストを名乗るんじゃねえ!!行けホープ!」

アストラル「ホープ・剣・スラッシュ!!」

素良「うああああああああああああああああああ」

アユ「やった!」

タツヤ「さすが遊馬兄ちゃん!」

遊馬「大丈夫か?」

素良「こんなデッキ!」

遊馬「おい!」

素良「何でこの僕が何度も何度も負けなくちゃいけないんだ!」

シャーク「雑魚だからだろ」

カイト「自分の実力を何一つわかっていない典型的な小物だな」

素良「君達は僕を知らない・・・僕はアカデミアでは特待生だったんだ!」

シャーク「てめえが?その辺の野良犬でも特待生になれちまうぜ!」

カイト「放っておけ猿が意気がっても所詮は猿でしかない。あそこに猿山があるだろ?仲間がいっぱい居るぞ」

シャーク「猿じゃねえよ、融合次元がゴミ溜めならこいつらはそこに沸くゴキブリだぜ」

カイト「紫のゴキブリか・・・薄汚いこいつらには似合いの称号だ」

素良「くっ・・・」

遊馬「もういいじゃねえか、相手は子供なんだぜ?」

素良「十代に言いつけてやる」

アストラル「次に我々に牙を剥けば十代は君を見捨てると言っていたな」

シャーク「結局てめえは仲間にもなれねえ敵からも見捨てられた半端者って事だ」

素良「遊矢と柚子が居る・・・」

カイト「貴様のような異常者を仲間だと思う御人好しが何処に居る。お前は孤独だ・・・これからもこの先も」

シャーク「誰からも愛されねえってどういう気分だ?ゴキブリ野郎」

素良「ち、違う!アカデミア最高幹部の大使が僕を」

カイト「利用しているだけだ、お前達の辞書に仲間だとか想いやりなんてものは無いだろ」

シャーク「とっとと失せろ!てめえらが居るだけで空気が悪くなんだよ!」

遊馬「言い過ぎだぜカイトもシャークも」

カイト「図太い奴だから、どうせコッソリ仲間に紛れこもうとするだろ」

シャーク「セレナ見たらわかる事だぜ」

遊馬「セレナ・・・すっげえワガママだよな」

シャーク「だからさっきビンタしてやったぜ、スタンダードに行ったついでに見かけてよ」

遊馬「シャーク!」

ゴスッ

素良「うぐっ・・・」

カイト「さっさと失せろ」

素良「お、覚えてろよ!」

アストラル「いくら何でも女の子をビンタするのは」

シャーク「セレナには少し借りがあるからな、今日こそはセレナの守護霊をボコボコにしてやるぜ!」

数日後

遊馬「大丈夫かシャーク」

シャーク「・・・」

璃緒「私達が発見した時は徹底的にやられてて」

カイト「何者だった」

シャーク「・・・」

小鳥「身体中包帯だらけよ」

アストラル「何者か知らないがシャークをここまで痛めつけるなんて」

遊馬「余程シャークに恨みがあったんだろな・・・」


第56話「動物」


遊星「何をしてるんだ」

カイト「洗濯だ・・・何だその髪型」

遊星「夏だから坊主にした。知らなかったのか?」

カイト「何か用か」

遊星「エクシーズサイドは問題が起こって大変だろうと思って様子を」サッ

カイト「そうか」

遊星「カイトもコインランドリーを使うのか」

カイト「アルバイトみたいなものだ」

遊星「では俺はこれで帰る」

カイト「お前は暇なのか」

遊星「毎日が忙しいぞ」

カイト「ほら」

ツァン「ありがとカイト」

カイト「自分の事は自分でしろ。大体」

ツァン「はいアルバイト代」

カイト「・・・」

ツァン「ただでさえ働かない学校行かないの二重苦なんだから・・・無い」

カイト「何が」

ツァン「僕の下着が1着無いの!」

カイト「そこまでは俺の管轄外だ」

ツァン「・・・盗んだ」

カイト「誰が盗むか、ふざけた事を言うな」

ツァン「出しなよカイト!」

カイト「まさか遊星か?そう言えば妙な手を動きをしていたな」

ツァン「カイト!」

カイト「知らんな」

ツァン「僕だってあんたがやったって事は考えられないよ。でも・・・いつかは警察のお世話になるって評判だよ?」

カイト「だから俺は知らんと言っているだろ」

ツァン「そうだよね、1番まともなあんたが盗るわけ無いよね」

カイト「わかればいい」

ツァン「じゃあ、これは何なのよ!ポケットに入ってるブラは!」

カイト「・・・まさか遊星」

ツァン「何とか言いなよカイト!」

カイト「・・・」

カイト「だったらデュエルで決めてやる。ドロー!」

ツァン「いや逃げてるだけ何じゃないの?問い詰められるのが嫌になって」

カイト「魔法『フォトン・リード』を発動!デイブレイカーを特殊召喚!そして特殊召喚されたデイブレイカーの効果により手札からデイブレイカーを特殊召喚!2体のデイブレイカーをリリースし銀河眼の光子竜を召喚!」

ツァン「勝手に始めるし・・・」

カイト「そして魔法『銀河遠征』を発動!デッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!さらにフォトン・カイザーの効果でデッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!」

ツァン「ううっ・・・」

カイト「俺が勝ったら下着の事なんぞ忘れろ!ターンエンド!」

ツァン「超銀河眼の光子龍はモンスターエクシーズのくせにエクシーズ殺しの効果を持ってる・・・て言うかカイト自体エクシーズ殺しを地で行ってるし」

カイト「一つ借りだぞ遊星・・・何故こいつの下着を奪った」

ツァン「ドロー!」

カイト「遊星・・・!」

ツァン「僕は真六武衆-ミズホを攻撃表示で召喚!そしてミズホがフィールドに居る事で真六武衆-シナイを特殊召喚!六武衆モンスターが自分フィールドに存在する事で真六武衆-キザンを特殊召喚!さらに魔法『六武衆の荒行』を発動!選択したモンスターと同じ攻撃力を持つ六武衆モンスターにデッキから召喚する!僕はキザンを選択し六武衆-ザンジを特殊召喚!」

カイト「こいつの六武衆はエクシーズに頼らず魔法やこいつらの団結力でフィールドを制圧する・・・予想通り」

ツァン「そして魔法『六武式三段衝』を発動!六武衆モンスターが3体以上居るとき3つの効果から1つ選ぶ。僕は相手フィールドに存在するモンスターを全て破壊!」

カイト「・・・」

ツァン「残念だったね、あんたフィールドはガラ空きだよ!」

カイト「見たいだな」

ツァン「六武衆で一斉攻撃!」

カイト「俺はライフを2000払い手札のクリフォトンを墓地へ送る!」4000→2000

カイト「このターン俺が受ける全てのダメージは0になる!」

ツァン「・・・ッッ!六武衆の荒行の効果でザンジが破壊されちゃう。だったらレベル4の真六武衆-キザンと六武衆-ザンジでオーバーレイ!エクシーズ召喚!H-Cエクスカリバー!僕はカードを1枚セットしてターンエンド」

ツァン「絶対に許さない!このデュエルが終わったらコナミにも言うしあんたのお父さんやハルト君にも報告するから!」

カイト「親父に言うのは構わんがハルトだけはやめろ、俺のターン!」

カイト「俺は魔法『銀河零式』を発動!墓地の銀河眼の光子竜に装備!そして自分フィールドにフォトンまたはギャラクシーモンスターが存在するとき銀河騎士は特殊召喚できる!レベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士でオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の光子竜皇!!」

カイト「魔法『ギャラクシー・サイクロン』を発動!お前のセットされたカードを破壊する!そして銀河眼の光子竜皇のオーバーレイ・ユニットを1つ使う事でフィールド上のモンスターエクシーズのランク×200ポイントアップする!エクスカリバーのランクは4!よって800ポイントアップする!」

ツァン「攻撃力4800!?」

カイト「お前がエクスカリバーのオーバーレイ・ユニットを使っていたらお前の勝ちだったかもしれんが・・・これで形勢逆転だな、バトルだ!!銀河眼の光子竜皇でH-Cエクスカリバーを攻撃!!」

ツァン「くっ・・・」4000→1200

カイト「ターンエンド」

ツァン「下着を盗んだのに・・・相変わらず強い」

カイト「俺ではない」

ツァン「じゃあ誰なのよ!」

カイト「同じ男としてあいつを売るわけにはいかん」

ツァン「この意地っ張り!ドロー!」

ツァン「形勢逆転どころか、僕の勝ちだよ。ミズホの効果でシナイをリリースし相手フィールドのカードを1枚破壊!」

カイト「・・・」

ツァン「そして六武衆-ヤリザを攻撃表示で召喚!」

ヤリザ「オォー!カイト殿ではござらんか!」

ツァン「真六武衆-ミズホで攻撃!六武衆-ヤリザで攻撃!」

カイト「・・・」2000→0

ツァン「やったね!」

カイト「俺の負けか・・・久しぶりに負けたな」

ツァン「吐きなよ!」

カイト「・・・」

ツァン「カイト!」

カイト「・・・」

ツァン「意地っ張りよね、そんなに言いたくないの?」

カイト「ああ」

ツァン「わかったよ、あんたが庇うって事は遊馬・・・遊馬は無邪気だからそんな事はしないよね」

ツァン「遊矢!あの子?」

カイト「あいつは柚子のパンツ以外盗まん」

ツァン「じゃあ凌牙?」

カイト「凌牙なら庇う必要は無い」

ツァン「Ⅴとかミザエル」

カイト「盗むと思っているのか」

ツァン「じゃあ」

カイト「俺が盗んだ事にでもしておけ」

ツァン「まあ・・・いいか」

数日後

小鳥「カイトが下着盗ったんだって」

遊馬「は?」

小鳥「だからカイトが」

遊馬「盗むわけねえだろ。少しは現実見ろよ」


第57話「下着」


シャーク「やっと退院だぜ」

沢渡「よっ」

シャーク「てめえかよ」

沢渡「何だその言い方!」

シャーク「他の連中は」

沢渡「知るかよ」

シャーク「俺が入院ばっかするから出迎えもしねえのか、よりにもよって」

沢渡「じゃ帰るわ」

シャーク「ああ」

沢渡「止めろよ!」

シャーク「てめえとつるんでるとバカが移るんだよ」

沢渡「どいつもこいつも俺をバカにしやがって!」

シャーク「クソバカ野郎がカツアゲなんかされやがって」

沢渡「仕方ねえだろ。俺は金持ちなんだからよ!」

シャーク「金持ちでもカイトはされねえよ、てめえって本当にバカだな」

沢渡「ほら駄賃だ」

シャーク「ぶっ殺すぞ」

沢渡「う、嘘だよ!睨むなよ」

シャーク「止まれ」

沢渡「ああん?」

シャーク「止まれって言ってんだよ!」

沢渡「な、何だ?」

シャーク「あの野郎・・・!」

沢渡「赤馬零児か?」

シャーク「あの無感情野郎・・・」

沢渡「喧嘩売るのか?」

シャーク「ああ」

沢渡「どうやって」

シャーク「ぶん殴る」

沢渡「ぶん殴る?」

シャーク「気に入らねえんだよ、ああいうバカ野郎だけは」

沢渡「・・・よ、よし!俺もやってやるよ」

シャーク「赤馬零児!」

赤馬「神代凌牙か」

シャーク「ぶっ飛ばす!」

赤馬「何を言っているのか私にはわからない」

シャーク「気に入らねえ!」

赤馬「何を」

シャーク「てめえの全てがだ!」

赤馬「私の?」

シャーク「その慇懃無礼な言い方も他人を利用するところもイラっとするぜ!」

赤馬「それで何が言いたいんだ」

シャーク「てめえ!」

赤馬「・・・」

柚子「申し訳ありません!」

遊矢「ほら凌牙」

シャーク「沢渡の野郎!」

遊矢「さっき電話で聞いたけど、喧嘩売ったんだろ?沢渡は真っ先に逃げたらしいけど」

シャーク「一応蹴っ飛ばしてやったぜ、赤馬の野郎を」

遊矢「そう・・・何か俺もスカッとした」

シャーク「眼鏡割って鼻血まで出しててよ。社長って言っても大した事はねえよ」

柚子「でも何で?」

シャーク「ムカつくからだよ!それ意外に何かあるってのか!?」

柚子「いくら腹が立つからっていきなり殴るのは良くないわよ!」

シャーク「て、てめえ!殴ったんじゃねえ!蹴っ飛ばしてやったんだよ!!」

遊矢「どっちも一緒だから」

シャーク「だったらデュエルするか?来いよ、スタンダードカップル!」

遊矢「また凌牙と!?」

シャーク「2人まとめてかかって来いよ!最近入退院繰り返してポリの世話になってイライラしてんだよ!」

柚子「自業自得よ!」

シャーク「舐めんじゃねえ!」

遊矢「凌牙は荒っぽいから男の俺がやるよ、女の子の柚子・・・」

柚子「ドロー!」

シャーク「女の子の柚子のが生き生きしてるぜ」

柚子「魔法『独奏の第1楽章』を発動!デッキから幻奏の音女アリアを特殊召喚!そして幻奏の音女カノンを特殊召喚!さらに幻奏の音女オペラを通常召喚!」

柚子「レベル4の幻奏の音女アリア、幻奏の音女カノン、幻奏の音女オペラでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!色の支配者ショック・ルーラー!」

柚子「このモンスターのオーバーレイ・ユニットを1つ使う事で相手のモンスター効果・魔法・罠を次の相手エンドフェイズ時まで無効にする!私はモンスター効果を指定!」

柚子「カードを1枚セットしてターンエンド!」

シャーク「柚子のモンスターエクシーズ・・・って言うか柚子じゃねえか」

遊矢「俺も何となく思った」

柚子「今はそういう話いいから!」

シャーク「モンスターの効果を封じるってか・・・俺の手をほぼ封じた見たいなもんだぜ」

シャーク「俺のターン!俺はモンスターを裏守備表示にしカードを2枚セットしターンエンド!」

柚子「私のターン!バトルよ!ショック・ルーラーで裏守備表示モンスターを破壊!」

シャーク「かかりやがったな!てめえの破壊したモンスターはシャクトパス!シャクトパスは戦闘によって破壊され墓地に送られたとき破壊したモンスターの装備となって攻撃力が0になり表示形式を変更できねえ!」

柚子「・・・ターンエンド」

シャーク「柚子には負けねえ・・・っつうかこいつらに負ける気はねえ!」

璃緒「凌牙!」

シャーク「り、璃緒!?」

璃緒「本当に申し訳ありませんわ」

柚子「いいのよ別に」

璃緒「アリトも警察のお世話になって凌牙を迎えに行くのを遅れちゃって」

シャーク「邪魔すんじゃねえ!」

璃緒「少し黙って」

シャーク「・・・」

遊矢「俺達は気にしてないよ」

柚子「こういうのには慣れてるから」

シャーク「てめえ・・・絶対にこの借りは返してやるぜ、柚子!てめえら2人で1人だからいつかケリをつける!てめえもだぞ遊矢!」

遊矢「ケリなら前に」

シャーク「何度だってやってやるんだよ、俺のプライドをズタズタにしやがったのはカイトに続いて2人目だ!」

遊矢「大変だぞ凌牙はしつこいから」

柚子「た、確かに」

遊矢「俺なんて何度も絡まれてるから」

柚子「でもカイトさんも凌牙くんも昔とは印象が違いよね」

遊矢「始めてあった頃は怖い奴らだと思ったけど」

柚子「あの無愛想なカイトさんも遊矢の事を一人前だって認めてくれたし」

遊矢「あいつら以上に怖いデュエリストはあまり居ないだろうな」

柚子「きっと居ないわね」

遊矢「頑張れよ柚子」

柚子「うん!」

数日後

小鳥「シャークが柚子さんに狙いを定めたんだって」

遊馬「そうか」

小鳥「それで遊矢くんと柚子さんは2人で1人なんだって」

遊馬「俺らにも真似しろってのか?」

小鳥「だって」

遊馬「俺らの関係はあいつらとは違う。光と影だって前に言ったな」

小鳥「・・・」

遊馬「カップルはあいつらで十分なんだよ、俺は硬派を貫くぜ」


第58話「標的」


Ⅴ「カイトも凌牙も彼らに出会って若さとは何なのかを学んだな」

Ⅲ「僕達だってそうじゃありませんか?」

Ⅳ「遊馬からはかっとビングを遊矢からは異性を愛する意味ってのをな」

Ⅲ「しかし小鳥は気の毒ですね、遊馬に見向きもされなくて・・・」

Ⅳ「性格の問題だろ」

Ⅲ「言われてみれば」

Ⅴ「遊馬と小鳥があんな感じだったらどうだ?私は嫌だ」

Ⅳ「俺も嫌だぜ」

Ⅲ「ですが兄様方」

Ⅴ「ならば、この相対する幼馴染の日常風景を覗いてみようか。私が撮った隠しカメラの映像で」

Ⅲ「さすがⅤ兄様!」

Ⅴ「先ずは遊馬から」

Ⅲ「落ちてる100円を拾ってますね」

Ⅳ「中学生の小遣いなんて少ねえからな、あそこの姉ちゃん厳しいしよ」

Ⅲ「お母さんは優しいですよね」

Ⅳ「げっ車に撥ねられた」

Ⅴ「さすが遊馬だ。ピンピンしてる」

Ⅲ「しかも万札を拾いましたよ!」

Ⅴ「100円は逃したが万札はしっかりゲット」

Ⅳ「ラッキーな野郎だぜ」

Ⅴ「どうやら万札を交番に届けに行くようだ」

Ⅲ「きっとアストラルに注意されたのでしょうね」

Ⅴ「そして小鳥」

Ⅲ「学友と一緒ですね、ナンバーズクラブの」

Ⅳ「お前こいつらの同級だったな?」

Ⅲ「ええ」

Ⅳ「名前言えるか?」

Ⅲ「・・・」

Ⅳ「さすがに」

Ⅲ「も、勿論!」

Ⅳ「じゃあデブから」

Ⅲ「えーっと・・・」

Ⅳ「兄貴はわかるか」

Ⅴ「いやサッパリわからない」

Ⅴ「遊矢の様子だ」

Ⅳ「メールしてるな、相手はどうせ柚子だぜ」

Ⅴ「ズームしよう」

Ⅲ「おやめください!」

Ⅳ「何々・・・今度の土曜日に子供達連れて水族館に行こう」

Ⅲ「こ、子供!?」

Ⅳ「説明しろ!」

Ⅴ「彼らには子供は居ないはずだ・・・いやカイトに聞かねばわからぬ事だ」

Ⅲ「確かカイトの話ではやれるとしたらキスぐらいで、やってもしばらく口が聞けないぐらいだと」

Ⅳ「初心かよ」

Ⅴ「子供とはどういう事なんだ・・・」

Ⅳ「知らねえ・・・」

Ⅴ「今度は柚子だ」

Ⅲ「・・・あれ?」

Ⅳ「柚子の親父がすっげえカメラ目線だぞ」

Ⅴ「バレては居ないが父親としての勘が働いているのだろう」

Ⅲ「どうやら柚子は子供達に何かを教えているようですね」

Ⅳ「子供ってこいつらか?ビビらせやがって!」

Ⅴ「いや目元が似ている気がする」

Ⅳ「なわけねえよ、フトシの苗字は原田でアユは鮎川でタツヤは山城、零羅は赤馬じゃねえか?っつうかハルトも混ざってるじゃねえか!」

Ⅴ「だが似ている・・・よく見てみろ」

Ⅳ「・・・似てるな」

Ⅲ「逆算すれば柚子が子供を産んだのは幼稚園児ぐらいですよ?」

Ⅴ「・・・」

Ⅴ「次は遊馬と小鳥の光景だ」

Ⅲ「遊馬の目が死んでますね」

Ⅳ「何か深刻な話でもしてるんじゃねえか?」

Ⅲ「きっと寝不足か何かですよ」

Ⅳ「あの遊馬がこんな目をするわけねえよな」

Ⅴ「ああ」

Ⅳ「音声は出ねえのか」

Ⅴ「そこまでは気を回さなかった」

Ⅳ「1番必要な場所だぞ、それ」

Ⅲ「気になりますね」

Ⅳ「大した話じゃねえよ、どうせ小鳥に説教されてんだろ遊馬が」

Ⅴ「とりあえず次はアフレコをしてみよう」

Ⅳ「ああ」

Ⅲ「ではⅤ兄様が遊矢をⅣ兄様が柚子を」

Ⅳ「せめて逆にしろ」

Ⅴ「まさか子供の世話がこんなに大変だとは思わなかった」

Ⅳ「あ、あの子達も大きくなったわよね・・・やめだ!何で俺は女にならなきゃいけねえんだよ!」

Ⅴ「でも早いうちに子供が居れば後は楽だって言うし」

Ⅲ「すっかり、あの子達が2人の子供ですね」

Ⅳ「・・・」

Ⅴ「Ⅳ」

Ⅳ「言えるかよ!」

Ⅲ「もしかしてですが子供の中にはハルトも?」

Ⅴ「私の推測だがカイトとハルトの真の両親はこの2人なんじゃないか?」

Ⅲ「そんな無茶苦茶な!」

Ⅳ「だってDr.フェイカーからあんな美形兄弟が生まれるか?生まれねえよ」

Ⅴ「実は遊矢と柚子の年齢が私よりも上の可能性だってあり得る」

Ⅲ「うーん・・・世の中は不思議だらけですね」

Ⅴ「私はカイトの師だからわかる。カイトが彼らに拘った理由は父と母を見ているのだろう」

Ⅲ「な、なるほど」

Ⅳ「ギャラクシーアイズとオッドアイズだしよ、しかも柚子の幻奏は光属性でカイトのフォトンとギャラクシーも光属性」

Ⅲ「これは濃厚な線ですね・・・間違いありません!」

Ⅴ「今日の今日まで気がつかなかった私が憎い・・・!」

Ⅲ「結論は」

Ⅴ「遊矢は柚子が隣に居るのがしっくり来る。そもそもデュエリストだからデュエリストの気持ちがお互いわかる」

Ⅳ「遊馬はカイトや凌牙が両隣にいる方がしっくり来る。そもそもガキの頃からの馴染みでこの御時世にデュエリストじゃねえ小鳥が悪りい。自業自得だぜ」

Ⅲ「小鳥は向こう見ずな行動が多すぎますよね、遊馬と似ていますよ」

Ⅳ「ま、ガキの恋愛ごっこだ。小鳥だってそのうちいい奴が見つかるよ」

Ⅴ「初恋は実らないものだ」

Ⅲ「遊矢達は」

Ⅳ「子供居るじゃねえか」

Ⅴ「それに初々しいのがいいと私は思う」

Ⅲ「これぞ青春って感じですよね」

Ⅳ「遊星にはジャックとクロウが十代は基本的に孤軍奮闘・・・こんな感じだろ」

Ⅴ「まともな感性を持ち妻も居る遊矢だ・・・だからこそ私達の総大将的な存在なのだろうな」

数日後

遊馬「子供のわけねえだろ」


第59話「対比」


沢渡「・・・」

遊馬「何やってんだ沢渡?」

沢渡「別に何でもねえよ」

アストラル「何でも無いって言うわりには深刻な顔をしているが」

遊馬「だよな」

沢渡「また独り言言ってやがるよ」

小鳥「あれ?沢渡ってアストラル見えないんだっけ」

沢渡「見えねえよ!」

小鳥「どうして?」

沢渡「人間だからに決まってるだろ!」

アストラル「その言い方だと遊馬達が人間では無いような言い方だ」

遊馬「だよな」

カイト「沢渡がどうすればアストラルを見えるようになれるのか」

遊馬「ああ」

カイト「こいつがアストラルを認識できて何かいい事があるのか」

沢渡「てめえらが見えて俺だけが見えねえのはズルいんだよ!」

カイト「それがどうした」

沢渡「大体お前は俺のことバカにしてんのか?いいか、俺のパパは」

カイト「貴様の親父に何か価値でもあるのか?お前を見ていれば親父も大した事はない奴だろうな」

沢渡「言いやがったな!」

遊馬「やめろよカイト」

沢渡「行こうぜ遊馬」

遊馬「もう少し仲良くしてやろうぜ沢渡と」

カイト「あんな口先だけの奴と親しくなって何かいい事でもあるのか」

シャーク「沢渡?やめとけやめとけ」

小鳥「どうして?」

シャーク「こいつビビりだからアストラル見たら腰抜かすぜ」

沢渡「アストラルってそんなに」

シャーク「ああ」

沢渡「お、面白え!何がアストラルだ!」

遊馬「いやそんなに怖い奴じゃねえからな」

シャーク「どうすんだ沢渡?見たらトラウマ物だぞ」

小鳥「やめなよ脅かすのは」

沢渡「お、俺がビビると思ってんのか!」

シャーク「ブルってるくせにでかい口叩きやがってよ」

沢渡「チッ・・・」

Ⅲ「へえ沢渡が」

遊馬「アストラルを見たいんだって言うから」

Ⅲ「小鳥も確か一緒に居たら見えたんだよね?」

小鳥「うん」

Ⅲ「なら遊馬と一緒に居れば自然と見えるようになるんじゃないかな?」

沢渡「そりゃそうだ!俺は」

Ⅲ「どういうタイプのデュエリストなんだっけ?」

沢渡「あらゆるデッキを扱える天才って呼んでくれよ」

Ⅲ「いや君は天才じゃないよ。良くてお調子者さ」

沢渡「何だと!」

遊馬「Ⅲまで沢渡を毛嫌いしなくてもいいじゃねえか」

Ⅲ「だって、彼っていつも口先ばかりでしょ?そんな生き方じゃロクな大人にならないよ」

沢渡「あいつら徹底的に舐めてやがるぜ!そうだろ遊馬!」

遊馬「その意気だぜ沢渡!」

沢渡「じゃあカイトの野郎をぶっ潰してやる!」

遊馬「いやいや待てって」

沢渡「止めるってのか!」

小鳥「いきなりカイトはちょっとね」

遊馬「カイトに勝てる奴なんて滅多に居ねえから」

沢渡「だったらどうすんだ!」

アストラル「・・・」

遊馬「そうだなぁ・・・」

小鳥「そうだ!」

遊馬「何か方法があるのか?」

小鳥「うん!」

カイト「沢渡を武藤遊戯の次元にか」

遊馬「だからタイムマシン借りたいんだ」

カイト「タイムマシン?」

アストラル「バトルシティという大会があった事を十代から聞いた事がある」

遊馬「その中に沢渡を放り込むんだ!俺も参戦するけど」

カイト「好きにしろ」

小鳥「やった!」

沢渡「見てろよカイト!俺の実力って奴をしっかり見せてやる」

カイト「期待はしない」

沢渡「おい行こうぜ遊馬!」

遊馬「じゃあ借りるからなカイト!」

カイト「ああ」

シャーク「バトルシティ?何だそれ」

カイト「知らん」

シャーク「知らねえのか」

カイト「武藤遊戯の次元の大会がどうとか言っていたが」

シャーク「武藤遊戯?あー十代の先輩だとかいう奴だったな」

カイト「十代と遊星が尊敬するレベルのデュエリストだ。沢渡が倒せるわけがない」

シャーク「沢渡だもんな」

カイト「どうせ負ける」

シャーク「勝っても負けてもマヌケのままだろうよ沢渡は」

カイト「そうだな」

数日後

カイト「何だと?」

シャーク「優勝したってのか!?」

遊馬「ああ!」

カイト「だが浮かない顔をしているな、沢渡に負けたのか」

遊馬「沢渡は準優勝だけど・・・手加減されたんだぜ」

シャーク「手加減?」

遊馬「普通はエクシーズやシンクロ、融合なんか出すだろ?何もやらねえんだ遊戯さん達」

カイト「・・・つまり勝ちを譲ったというわけか」

遊馬「あんなデュエル俺は認めないぜ」


第60話「小物」


カイト「・・・」ピンポーン

カイト「・・・」

カイト「・・・」ピンポーン

カイト「・・・」

カイト「・・・」ピンポーン

カイト「・・・留守か」

ガチャッ

ツァン「な、何!?」

カイト「いや・・・服が乱れているがお前」

ツァン「ち、違うから!今日は遊べないから、じゃあね!」

カイト「・・・見慣れない靴があったな。まさかコナミ不在時に浮気でもしているのかあいつ」

ハルト「あれ?今日は家に居るんだね兄さん」

カイト「ああ」

ハルト「いつも出かけるのに」

カイト「・・・唯一の遊び相手が用事だとか言って兄さんは暇なんだ」

ハルト「働きもせず学校にも行かず人妻を遊び相手と言ってしまう兄さんは嫌いだ」

カイト「!?」

ハルト「不順すぎるよ兄さん!」

カイト「兄さんは一匹狼だから遊馬や凌牙のようにゲームセンターに行ったり外で缶蹴りなんてできないんだ」

フェイカー「カイトよ、わしも言おう言おうと思っていたが」

カイト「やめてくれ、父さんもハルトも」

フェイカー「オービタルはロボット株式会社に就職したというのにお前はいつも」

カイト「仕事ぐらい探してやる。だから安心してくれ」

カイト「そう啖呵を切ったが俺に何があると言うんだ」

カイト「それにツァンの件だ・・・誰かと密会でもしてるんじゃないか」

遊馬「カイトー!」

カイト「どうした」

遊馬「何か暇そうにしてたからさ」

カイト「確かに暇だが」

遊馬「なら野球しようぜ!」

カイト「野球?」

遊馬「野球だぜ!」

カイト「いいだろう」

アストラル「カイトは野球が得意だったな」

カイト「天城家は代々カープファンだ」

カキーン!

アストラル「またホームランだぞ遊馬!」

遊馬「さすがカイトだぜ!」

カイト「・・・ん?」

雪乃「・・・」

遊馬「あれって雪乃先生じゃね?生徒へのセクハラで解雇された」

カイト「確かシンクロ召喚を学ぶとか言って、旅立ったはずだが」

アストラル「どうかしたのだろうか、こっちへ来るぞ」

雪乃「大変よ坊や」

カイト「お前の大変は当てにならない。いきなり帰って来たと思ったら」

雪乃「ちょっといらっしゃい、ほら早く」

カイト「誰か代走を頼む」

遊馬「じゃあ委員長」

委員長「えぇ・・・」

カイト「デュエルしろとか言うんじゃないだろうな、俺は草野球をやっているんだ後にしろ」

雪乃「間男よ」

カイト「間男?」

雪乃「さっき、あの子の家に行ったのよ。そしたら喘ぎ声が聞こえてね」

カイト「・・・」

雪乃「コナミ一筋だった子が・・・まあ若いし仕方ないわよね」

カイト「悪かったな、わざわざ知らせてくれて」

雪乃「ってわけで私とデュエルを」

カイト「そこで待ってろ後でしてやる」

雪乃「シンクロ召喚を覚えてね」

遊馬「大丈夫かカイト?」

カイト「少しバットを借りるぞ」

シャーク「バットなんか持って何やってんだお前」

カイト「見ればわかるだろ」

シャーク「殴り込みか」

カイト「男と男の約束があってな」

シャーク「・・・バット使った事あんのか、お前」

カイト「いや」

シャーク「何か知らねえが男と男の約束なら仕方ねえよな、俺も手助けしてやるよ」

カイト「必要無い」

シャーク「突っ張ってんじゃねえぞ!バットの扱い方も知らねえくせに」

カイト「お前はあるのか」

シャーク「こっちは伊達に不良やってねえんだよ」

シャーク「ツァンの家じゃねえか、邪魔するぜ!」

カイト「・・・」

シャーク「カイトから事情は聞いてんだよ!旦那が海外言ってる間に人の女房に手を出しやがって!」

ツァン「こら!人の家のドアを破壊するなんて!」

バシッ

カイト「・・・」

ツァン「な、何するのよ!いきなりビンタするなんて」

カイト「見損なったぞ、コナミ一筋だと俺はお前を信頼していた」

コナミ「どうした?」

ツァン「カイトがいきなりビンタしたのよ!」

シャーク「てめえか!ぶん殴ってやるぜ!」

コナミ「な、何だ!?」

カイト「お前が帰って来ていただけか」

シャーク「さすがにプロだよな、バットの方がへし折れちまったよ」

ツァン「篭ってばかりのあの子をプロデビューさせるんだって」

カイト「恵をか?」

コナミ「そうなんだ」

カイト「そうか・・・あいつを」

シャーク「まあ教師より似合うよな」

カイト「それにこの街に居るよりは安全だ。あいつは」

シャーク「何だ?」

カイト「何でも無い」

ツァン「それよりもビンタするなんてバカなんじゃないのあんた!」

カイト「悪かったな、この借りはいつか返すが口がイカ臭いから歯磨きしてくれ」

ツァン「くっ・・・」

恵「・・・」

カイト「急に背後に立つな」

恵「私行かない」

コナミ「行かない?どうして」

恵「ここに居れば楽しい事がいっぱいある。それに先生じゃね仕事は楽しい」

コナミ「そ、そうなのか?てっきり俺は」

カイト「ゆっくり話し合ってみる事だな、帰るぞ凌牙」

シャーク「悪かったな、ぶっ叩いて」

ツァン「フン」

カイト「・・・」

シャーク「すっげえ怒ってるな」

カイト「ああ・・・」

数日後

遊馬「あいつら俺が目を離すとやりたい放題し始めるよな」

小鳥「・・・」

遊馬「ふふ・・・笑っちまうぜ」


第61話「約束」


アリト「腹減ったぞメラグ」

ギラグ「メラグー!」

ドルべ「彼女なら居ないぞ」

アリト「何処行ったんだ」

ミザエル「知らん」

シャーク「たまにはお前らで作ってみろよ」

アリト「ええーっ!」

シャーク「作れよ」

ギラグ「じゃあナッシュが手本見せてくれよ」

シャーク「言っとくが俺は何だってできるんだぜ」

アリト「本当かよ」

シャーク「見てろよ」

アリト「へえ美味いもんだな」

シャーク「だろ?」

ギラグ「リーダーのくせに普段何もできねえから何もできねえ人種だと思ってたぜ」

シャーク「てめえ!」

ミザエル「しかし違う」

シャーク「何が」

ミザエル「愛情がこもっていない」

シャーク「男が男に料理作って愛情込める奴が何処に居るってんだ!!」

ドルべ「それもそうか」

アリト「やっぱ愛情って大事だよな」

シャーク「こいつら・・・」

シャーク「遅いな」

ドルべ「ああ」

アリト「出かけるって行っても限度があるぜ、そう思わねえか?」

ミザエル「メラグだって子供じゃないんだ。狼狽える事は無い」

シャーク「・・・」

アリト「彼氏だったりして」

シャーク「!?」

ギラグ「メラグって可愛いもんな・・・」

シャーク「ちょっと行ってくる」

ドルべ「行くとは探しに行くのか」

シャーク「当たり前だぜ!」

アリト「待てよナッシュ!」

シャーク「何処のボンクラだってんだ。人の妹に手を出しやがるなんて!」

アリト「ぶっ飛ばしてやろうぜ!」

ドルべ「まだ断定はしていないぞ」

シャーク「だったら若い女が何で帰ってくんのが遅えんだよ!」

アリト「そうだぜドルべ!」

ドルべ「だがな」

アリト「許さねえぜ!」

シャーク「徹底的に探し出すぞ」

アリト「おお!」

ドルべ「・・・」

アリト「もしかしたら俺らに恨みのある奴が拉致ったかもしれねえぞ」

シャーク「だったら手当たり次第ぶっ飛ばしに行くぞ!」

シャーク「てめえら!璃緒の居場所知ってんならさっさと吐きやがれ!!」

アリト「吐きやがれ!」

ドルべ「待ってくれ!どうしてそうなるんだ!?」

シャーク「ハートランド工業はワルが集まるとこだからよ」

アリト「俺らを目の敵にしやがるんだ!」

ドルべ「だからってメラグを拐った事には」

シャーク「問答無用だぜ!」

「こいつらハートランド学園の神代凌牙とアリトだぜ!」

「あの中坊のくせにやたら強いって評判の!?」

ドルべ「彼らとは初対面なのか?」

シャーク「だが敵も居る」

アリト「先手必勝だぜ!!」

璃緒「ただいま」

ギラグ「おう帰って来たか」

璃緒「あれ?何か人数が足らないような」

ミザエル「ナッシュとアリトはメラグを探すとか言って何処かへ行った」

ギラグ「ドルべは2人だと何をするか分からんと言って」

璃緒「あ、あの2人とドルべ!?」

ミザエル「ああ」

璃緒「・・・ちょっと探しに行ってくる。留守は頼むわよミザエル」

ミザエル「任せてくれ」

璃緒「ギラグ!」

ギラグ「お、俺も行くのか?」

璃緒「いいから!」

アリト「次は何処行く」

シャーク「ハートランド商業高校に北ハートランド高校・・・それと」

ドルべ「まるで高校生狩りだぞ!」

シャーク「仕方ねえだろ。あいつらツッパってるくせに俺やこいつを目の敵にしやがるんだから」

ドルべ「だが」

Ⅲ「何かあったの?」

シャーク「Ⅲか、こんな遅い時間に何やってんだお前」

Ⅲ「火の用心の夜回りだよ。今週はうちが当番だから」

アリト「メラグ見なかったか?」

Ⅲ「さあ?」

シャーク「だったら狩りだぜ!あいつら夜行性だからどっかに潜伏してるはずだぜ!」

アリト「手当たり次第にやってやるよ!」

Ⅲ「火の用心ー!」カチカチ

璃緒「あ、ここら辺で凌牙とアリトを見かけなかったかしら?」

Ⅲ「入れ違いだよ、君を探してたよ」

璃緒「私を?」

Ⅲ「うん」

ギラグ「あいつらの事だから大暴れしてるぜ」

Ⅲ「何か手当たり次第にぶっ飛ばすとか言ってたよ」

璃緒「やっぱり・・・」

ギラグ「早く行ってやらねえと今度こそ鑑別所行きだぜ」

璃緒「ありがとう!」

Ⅲ「あの子も兄に悩まされているんだろうな・・・」

璃緒「パ、パトカーが止まってる・・・まさか」

アリト「離せよ!俺らはメラグ探してんだよ!!」

シャーク「てめえらタダじゃすまさねえぞ!」

ドルべ「どうして私まで・・・」

ギラグ「どうすんだ」

璃緒「はあ・・・帰る」

ギラグ「いいのか」

璃緒「しばらく檻の中に入っていれば反省もするわ」

ギラグ「でもよ」

璃緒「ギラグ」

ギラグ「わ、わかったよ」

璃緒「どうしてあの2人はすぐに問題を起こすのかしらね・・・」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「・・・」


第62話「狂犬」


Ⅴ「・・・」

Ⅳ「おっ」

Ⅲ「あ・・・」

遊矢「な、何」

柚子「どうしたの?」

Ⅴ「いや」

Ⅲ「べ、別になんでも」

Ⅳ「何でもねえよ」

Ⅲ「何処かへ行くの?」

遊矢「ちょっとカイトのとこに」

Ⅴ「カイト・・・」

Ⅳ「そりゃ見たくなるよな」

遊矢「?」

柚子「家に行っても居ないって事はツァンさんの家に行ってるよね」

Ⅴ「カイトの行き場所と言えば自宅か彼女の家以外に無いからな」

Ⅲ「2人からしたら、そんなカイトはどうなの?」

遊矢「いや何が」

Ⅲ「カイトにとってツァンさんは数少ない女友達だけど」

Ⅳ「お前らは人妻を友達だと言ってるカイトをどうなんだって言ってんだ」

柚子「人それぞれだから別に」

Ⅳ「無責任なこと言ってんじゃねえぞ!!」

遊矢「いきなり怒鳴るなよ」

Ⅴ「落ち着け」

Ⅳ「チッ・・・」

柚子「カイトさんは昔から一匹狼だってハルトくんも行ってるし」

遊矢「好みのタイプはアユだって言ってるんだから俺達は別に」

Ⅲ「でも気になる事がありますよ」

Ⅴ「気になる事?」

Ⅲ「この前カイトがコンビニで」

Ⅳ「エロ本見てたんだぜ」

Ⅴ「男なら誰でも見る。我々とて例外ではないはずだ」

Ⅳ「それが人妻物をジロジロ見てたんだよ」

Ⅴ「・・・何だと」

遊矢「そ、それって」

柚子「でもカイトさんはクールで硬派を貫いてるから」

Ⅳ「カイトだって男なんだよ」

Ⅴ「遊矢、柚子、Ⅲ」

Ⅲ「はい!」

Ⅴ「現場に急行してくれ」

Ⅲ「ラジャー!」

Ⅴ「Ⅳは遊馬を呼んできてくれ」

Ⅳ「兄貴は」

Ⅴ「私は待機」

遊矢「俺も?」

Ⅴ「君と遊馬が2人で説得すればカイトも折れる。カイトは凌牙以外の歳下には甘い」

柚子「どうして凌牙以外の?」

Ⅳ「あいつらお互い毛嫌いしてるからな、利害が一致しねえと険悪なんだよ」

柚子「ふーん」

Ⅲ「ほら早く!」

Ⅲ「カイト!僕だよⅢだよ!」ゴンゴン

柚子「ちょ、ちょっと!」

Ⅲ「お願いだから開けてください!ツァンさん!!」ゴンゴン

遊矢「意外と過激だなⅢって」

柚子「大人しい顔してるけどね」

遊矢「考えてみればⅣの弟なんだよな」

Ⅲ「開けてください!!」ゴンゴン

ツァン「何よ!」

Ⅲ「カイトは!?」

ツァン「あそこに居るけど」

柚子「や、屋根に乗ってる」

遊矢「カイトー!」

柚子「何してるの?」

カイト「日に当たってるだけだ」

遊矢「カイト・・・バカな考えはやめてくれ」

カイト「また勘違いか、お前は勘違いが多すぎる」

Ⅲ「いや君は間違ってる」

カイト「またクリスの差し金か」

遊矢「だってカイトは」

Ⅲ「ツァンさんはハートランドの抱きたい女性で6年連続1位なんだよ?君は」

カイト「興味が無いな」

遊矢「それはそれでおかしい」

カイト「我儘な奴だなお前もお前達も」

Ⅲ「怪しい・・・怪しいよ君は」

ツァン「人の家の屋根で騒がないでよ!」

Ⅲ「ツァンさん僕とデュエルしましょう」

ツァン「ここで?」

Ⅲ「はい」

遊矢「何考えてるんだ?」

Ⅲ「ツァンさんとデュエルしてカイトの事をどう思っているか不倫じゃないか確かめるんだ」

ツァン「あんたの友達って本当に好戦的だよね、この子意外と」

Ⅲ「さあ」

ツァン「じゃあ先攻は僕からね。ドロー!永続魔法『紫炎の道場』を発動し真六武衆-エニシを通常召喚!そして魔法『六武衆の荒行』を発動!デッキから六武衆-イロウを特殊召喚!」

ツァン「レベル4の真六武衆-エニシと六武衆-イロウでオーバーレイ!エクシーズ召喚!機甲忍者ブレード・ハート!僕はカードを2枚セットしターンエンド」

遊矢「Ⅲ!」

Ⅲ「うん!僕のターン!」

Ⅲ「永続魔法『先史遺産-ピラミッド・アイ・タブレット』を発動!これにより自分フィールド上の先史遺産モンスターの攻撃力は800ポイントアップ!そして相手フィールドにモンスターが存在し自分フィールドにモンスターが存在しないとき手札から先史遺産クリスタル・ボーンを特殊召喚!」

Ⅲ「先史遺産クリスタル・ボーンの効果で手札から先史遺産クリスタル・スカルを特殊召喚!レベル3の先史遺産クリスタル・ボーンと先史遺産クリスタル・スカルでオーバーレイ!エクシーズ召喚!先史遺産クリスタル・エイリアン!」

ツァン「罠発動!『六武式風雷斬』!自分フィールドの武士道カウンターを一つ使い相手フィールドのモンスターを破壊する!」

Ⅲ「・・・」

ツァン「破壊されない!?」

Ⅲ「僕は既にクリスタル・エイリアンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手の効果または戦闘では破壊されない耐性を身につけた!」

ツァン「って事は罠は」

Ⅲ「無効だ!」

ツァン「この子可愛い顔してやりたい放題ね・・・」

Ⅲ「遊矢!」

遊矢「ん?」

Ⅲ「お楽しみはこれからだ!」

パキッ

カイト「遊矢、柚子ここから離れた方がいいぞ」

柚子「どうして?」

カイト「屋根でデュエルするなって事だ」

遊矢「まさか」

カイト「崩れる」

柚子「崩れるって!?」

遊矢「Ⅲ!屋根が崩れるぞ!」

カイト「多少崩れてもⅢはクリスの弟だから平気だろ」

柚子「ツァンさーん!」

カイト「あいつも大丈夫だ」

柚子「でも」

カイト「問題なのは屋根の修理を俺がやるはめになるぐらいだ」

数日後

遊馬「ふふ」

小鳥「へへ」


第63話「不信」


遊馬「わかったよ、じゃあ」

アストラル「ユートからか?」

遊馬「博士がこっちに戻って来たらしい」

遊矢「博士が!?」

遊馬「ってユートが」

遊矢「博士・・・今度こそ俺達で」

遊馬「当然だぜ!」

アストラル「しかし博士が何でまた」

遊馬「南米で俺にこっちでは遊矢に追い詰められたからな」

遊矢「逆恨みか?」

遊馬「そうかもしれねえぜ」

遊矢「気を引き締めないとな!」

遊馬「ああ!」

首領「お前を呼び戻したのは他ではないぞ博士」

博士「首領」

首領「他の国ではこのエクシーズ次元の制圧はほぼ完了しているが中心でもあるハートランドは今だ攻略不可だ」

大使「そこで不本意だがお前を呼び戻したというわけだ」

博士「お前ではどうにもならんからだろ。あの素良とかいう小僧を騙した作戦も失敗したそうだな」

大使「くっ・・・」

博士「しかしあのアカデミアの面汚しを使う作戦はいい事だ。わしも既に手は売ってある」

大使「何だと?」

博士「既に奴の仲間を1人殺したというわけだ。最も人では無いがな」

大使「人では無い?改造デュエリストか?」

博士「いや未来からの贈り物だ。何せあいつは現代のデュエリストでは無いからな」

大使「何を言っているんだお前は」

博士「まあ見ていろ」

カイト「ツァン!どうなっている!?」

ツァン「し、知らないよ!いきなり襲いかかって来て」

恵「」

カイト「・・・」

ツァン「こ、この子ロボットだったんだ・・・ずっと知らなかった」

カイト「俺も薄々勘付いて居たが・・・まさか」

ツァン「直せるよね!ねえカイト!!」

カイト「完全に破壊されている・・・俺では」

ツァン「この子せっかく先生の仕事が楽しいって言ってたのに、何で!」

カイト「教えろ。こいつを破壊した奴の姿形を・・・ツァン!」

ツァン「子供だった・・・変な人形のモンスターを」

カイト「それだけわかれば十分だ・・・紫雲院素良・・・俺がこの手で地獄へ送ってやる!!」

シャーク「先生・・・ロボットだったのか」

ツァン「僕もよくわからない。でも」

ミザエル「カイトは」

ツァン「鬼のような形相で地獄へ送るって」

シャーク「・・・紫雲院素良っつったんだよな」

ツァン「うん」

シャーク「あのクソガキ・・・もう許さねえ!!」

アリト「探そうぜ俺達も、先生は無表情だったけど優しかったし」

ギラグ「機械だっていいじゃねえか、なあドルべ」

ドルべ「私の悩みも聞いてくれていた」

璃緒「うん」

シャーク「融合次元のくせに・・・絶対に生かしちゃおかねえ!!」

素良「これで僕もアカデミアに戻れる・・・あんなガラクタを破壊するだけで」

ベクター「あれれ~!紫雲院素良君じゃねえか?」

素良「誰?」

ベクター「なるほどな悪そうな顔してるよ、なあ楽しかったか?」

素良「何が?」

ベクター「遊矢との友情ごっこ」

素良「・・・まさか、遊矢の」

ベクター「十代からの伝言だ。もうお前はダメだって」

素良「はあ?何がダメなのさ!」

ベクター「所詮2流は2流ってか、中途半端に善人ぶってんじゃねえぞ・・・人様の学園の先生ぶっ殺しやがって」

素良「あんなガラクタを先生だなんて、エクシーズってやっぱり負け犬がお似合いだ!」

ベクター「その遺言忘れねえで居てやるよ。カイト!」

カイト「久しぶりだな紫雲院素良」

素良「カ、カイト!」

カイト「懸命に生きようとする者の命を奪うなんぞクズはクズのままだな」

素良「懸命?でもロボットじゃないか!いつかは機能が停止する・・・だからこそ僕は引導を渡してやったんだ!」

素良「僕は優しいから苦しまずに死んだだろうね!あ、ロボットだからスクラップになっただけか!」

カイト「そうだな、だがお前は死ぬ」

素良「やってみなよ!僕を殺しなよ!」

素良「君達はいつも口だけだ。殺す殺すと言いながら殺せやしない!」

素良「それがかっとビング?まるで牙を抜かれた犬だ!惨めで哀れで生き物だよ!!」

ベクター「精一杯言ってるよ、懺悔を」

遊矢「お前・・・そんな事をしたのか?」

素良「遊矢・・・」

遊矢「お前はいつだって人を裏切る・・・俺はもう決めたよ、人を人と思わない融合次元もシンクロ次元のトップスも笑顔にはしないって」

遊矢「人から笑顔を奪う奴らにデュエルをする資格なんてない!俺達は聖人なんかじゃないんだ!ふざけるな!!」

カイト「だそうだ。良かったな孤独のまま地獄へ生きるぞ紫雲院素良」

素良「デ、デュエル!」

素良「はぁはぁ・・・」

カイト「お前は俺達をエクシーズだけだと思っているようだが違う。俺達には俺達の戦い方って奴がある・・・俺はギャラクシー・サーペントを攻撃表示で召喚!」

カイト「レベル7のフォトン・ワイバーンとレベル4のギャラクシー・ドラグーンにレベル2のギャラクシー・サーペントをチューニング!シンクロ召喚!現れよ、星態龍!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

素良「な、何だあれは」

カイト「お前が知る必要は無い」

素良「ゆ、遊矢!」

遊矢「都合のいい時だけ友達面するなよ」

素良「助けてよ遊馬!君なら」

遊馬「俺は・・・俺は!命を面白半分で奪う奴は絶対に許さねえ!!命ってのは一つしかないんだ・・・それをお前はお前達は!!」

カイト「すぐに地獄へ次々と融合次元の奴らが落ちるだろう。お前はそいつらより先輩だ・・・行け星態龍!」

素良「待ってよ!僕はまだ」

カイト「貴様の懺悔なんぞ聞く耳を持たん!さっさと地獄へ落ちろ!!」

恵「カイト!」

カイト「お前・・・生きていたのか」

遊馬「星態龍が消えて行く」

アストラル「カイトは怒りのあまりレベル計算を間違えたようだ。一瞬だけカイトの怒りに反応し現れたのだろう」

カイト「しかし、何故」

遊馬「何だあの数の遊星さんは!?」

カイト「遊星が6人・・・まさか」

遊星「アキが残した忘れ物を取りに来たら彼女が破壊されていて、俺1人では直せんから各時代の俺を連れて来た」

遊矢「坊主の遊星さんが俺の知ってる遊星さんか」

遊星「ああ!」

素良「ま、まだ本気じゃ無いよ」

遊矢「もういいよ、どっか行ってくれ頼むから」

遊馬「少し男らしくねえぞ」

カイト「・・・」

素良「次は負けない!負けてたまるか!!」

アストラル「消えた」

シャーク「何処だクソガキ!」

ベクター「遅えよ」

シャーク「あいつは!?」

カイト「消えた」

シャーク「チッ、今度会ったらぶっ殺してやるぜ!」

数日後

遊馬「あの手の人種を許しちゃある意味人間じゃねえよな」

小鳥「徹底的に痛めつけないとね」

遊馬「ああ」


第64話「逆鱗」


遊矢「そういうわけで素良が」

柚子「そうなんだ・・・」

遊矢「俺達にとって複雑だけどあいつは人じゃない」

柚子「ドン・サウザンド以上の悪魔・・・カイトさん達はそう言ってた」

遊矢「だからさ」

柚子「平気よ・・・素良は何処か壊れてる。だから私だって覚悟決めなきゃ」

遊矢「・・・」

柚子「遊矢は大丈夫なの?」

遊矢「俺も少しは・・・でもアカデミアとトップスの奴らは確実に俺達を狙ってくる」

柚子「うん」

遊矢「何とかしないとさ・・・」

カイト「アカデミア、トップスこの二つは俺達の敵であり今までの敵とは違う」

シャーク「んな事は知ってるっての」

カイト「ドン・サウザンドとの唯一の違いは冷酷非常まさに悪魔のような連中だ」

ドルべ「ドン・サウザンドはまさに悪魔だったが彼らは人だ。人が人とは思えない人間狩りを家畜のように扱う行動を取る」

アリト「いよいよ戦争ってか」

カイト「陰湿ではあるが雑魚は雑魚だ。遊星とジャックが言うにはトップスのデュエリストのデュエルは大した事は無いと」

シャーク「アカデミアもそうだぜ、雑魚ばっかじゃねえか?」

ミザエル「しかし最高幹部はどうだ」

カイト「アカデミア最高幹部の大佐は己の肉体を改造しそして敗れた」

Ⅳ「あの博士や大使ってのも改造デュエリストだ。間違いねえよ」

カイト「ああ」

Ⅲ「対抗策は」

カイト「殴るかデュエルだ」

Ⅴ「シンクロ召喚を覚える案はどうだ」

シャーク「一理あるぜ」

ベクター「で?どうすんだ」

シャーク「話に水差してんじゃねえよ」

ベクター「俺らは構わねえよ?ハッキリ言って俺らは相手の命を奪うのに躊躇はしねえ」

カイト「だから何だ」

ベクター「遊馬と遊矢はどうすんだ?あいつらは非情になれねえだろうよ」

シャーク「巻き込まねえ極力な」

ベクター「って言うけど勝手に来るぜ、あいつらは」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

カイト「お前の言う通りだ。あいつらは巻き込まん」

シャーク「もし本気でやり合うとしたら俺らが1番似合ってるぜ」

Ⅳ「俺達は今では善人に近いが元を辿れば連中と同じ悪よ、どうせ死ねば地獄だぜ」

カイト「これは十代や遊星にも決してできない。腐っても同じ人間だ・・・それができるのは」

シャーク「俺らエクシーズ組ぐらいだぜ!」

Ⅲ「思い起こせば僕達は大切な人を救うため多くの犠牲を出しました」

アリト「そうだよな、何人傷つけたかわかりゃしねえ」

ドルべ「私は賛成だ。元よりこの命はそんな悪から彼らを守るためにあるもの!」

ミザエル「いくら汚れようとも本望だ」

Ⅴ「未来を切り開くためならばアカデミアやトップスのデュエリストの屍の山を作ろうともだ」

シャーク「これで決まりだな、カイト」

カイト「今日はこれで解散だ」

シャーク「何処行くんだカイト」

カイト「見舞いだ」

シャーク「先生か」

カイト「ああ」

シャーク「・・・」

カイト「何か言いたげだな」

シャーク「先生も守るべき奴に入ってんのか?」

カイト「だろうな」

シャーク「お互い増えちまったな」

カイト「守るべき者か?」

シャーク「ああ」

カイト「・・・そうだな」

カイト「俺もお前も長男だ。俺はハルトをお前は璃緒を」

シャーク「それが遊馬と出会って遊馬と小鳥が増えちまった」

カイト「そして俺にはツァンや恵のような友人が生まれた」

シャーク「それに遊矢と柚子、後はクソ生意気なガキ共だ」

カイト「次元を超えた気をおける友も生まれた」

シャーク「黒咲にジャック、クロウ、鬼柳、カイザーそれに十代と遊星・・・ついでに沢渡と万丈目も」

カイト「蘇ったドン・サウザンドが相手の時も奴らは一歩も引かなかったな」

シャーク「すっげえ奴らだぜ、十代のコンタクト融合なんて」

カイト「色々な奴らとの出会いが俺達をより高みへと導いた・・・だからこそ」

シャーク「俺らしかいねえ本気で命の奪い合いができるのは」

カイト「充実した日々への恩返しというやつだ。あいつらへの借りはあまりにも大きすぎる」

コンコン

カイト「入るぞ」

シャーク「元気・・・ってわけねえよな」

恵「元気・・・じゃない」

カイト「1度破壊されたんだ。ゆっくり休め」

恵「機械だから平気」

カイト「機械にも感情がある。そうだろ」

シャーク「カイトのとこのクソロボットなんてカイト以上に感情爆発させてんだぜ?こいつは何だ」

カイト「俺は人間だ」

シャーク「見りゃわかる」

カイト「お前は何だ?鮫か?」

シャーク「てめえ!俺の何処が鮫だってんだ!どう転んでも人間じゃねえか!!」

恵「ロボットの先生」

カイト「ロボットだがお前は人を敬い優しくできる」

シャーク「融合次元の奴ら見てみろよ、あれで人間か?笑っちまうよ」

カイト「だから先生を続けろ。1度進んだ道ならそう簡単にやめるな」

シャーク「かっとビングってやつだぜ、先生」

カイト「俺が本気であの子供を始末しそうな時にお前は大声を出した。お前は俺と出会った頃からあまり声を荒げなかったな」

シャーク「それって人間らしくねえか?先生」

カイト「コナミは言っていたお前は本当に優しい奴だと」

シャーク「早く元気になってくれよ、夏休み明けで先生いねえと悲しむ野郎が沢山居るんだぜ?」

カイト「既に感情は芽生えて居るが案外恥ずかしがり屋という奴なんだろうな」

シャーク「じゃあな先生!また来るから楽しみにしててくれよ」

数日後

遊馬「あいつら俺らを庇ってくれてるんだよな」

遊矢「俺は・・・覚悟ができてる!」

遊馬「あいつらだけに手は汚させねえ、俺だってエクシーズ使いなんだぜ!」

遊矢「俺もだ!」

アストラル「なら2人はどうするんだ」

遊矢「やれるだけの事をやるさ」

遊馬「ああ!」


第65話「決意」


遊星「これが星態龍か、なるほどカイトが言う通り赤き竜に似ている」

ジャック「何故お前が」

カイト「知らん。だが俺の銀河眼と俺の怒りに共鳴した気がする」

クロウ「何か一際ジャックと遊星の痣が光ってるな」

ジャック「つまり俺達と遊馬を戦わせるというわけだな」

カイト「それが1番手っ取り早い」

遊星「なら俺は遊馬だ」

ジャック「俺は凌牙だな」

クロウ「じゃあ俺はカイトか?」

カイト「いや俺以上にお前には適したエクシーズ使いが1人居る。最も今は居ないがな」

クロウ「黒咲か?」

カイト「ああ」

遊星「では早速」

シャーク「何つった?」

ジャック「俺とデュエルしろ凌牙」

シャーク「久しぶりに会ったと思ったらデュエルってか?」

ジャック「カイトの星態龍の事は聞いたな」

シャーク「聞いたぜ、それが何だってんだ!」

ジャック「お前達にも新たな力が宿る時が来たというわけだ。始めるぞ凌牙!」

シャーク「上等だぜジャック!」

シャーク・ジャック「デュエル!」

シャーク「先攻はどうする」

ジャック「・・・どうする」

シャーク「じゃんけんで決めようぜ、手っ取り早いしよ」

ジャック「何だと!?」

シャーク「じゃんけーん!」

ジャック「待て!」

シャーク「ドロー!俺は永続魔法『ウォーターハザード』を発動!自分フィールドにモンスターが存在しないとき手札からレベル4以下の水属性モンスターを特殊召喚できる!俺はキラー・ラブカを特殊召喚!そしてキラー・ラブカをリリースしシャーク・ザ・クルーを守備表示でアドバンス召喚!さらにサイレント・アングラーを特殊召喚!」

シャーク「カードを1枚セットしターンエンド!」

ジャック「凌牙はエースと呼べるモンスターが多数存在し何れを出すかまるでわからん技巧派だ・・・だが俺は力で押しきるのみ!相手フィールドにモンスターが存在するときバイス・ドラゴンは特殊召喚できる!そしてダーク・リゾネーターを通常召喚!」

ジャック「レベル5のバイス・ドラゴンにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

シャーク「出やがったなレッド・デーモンズ!」

ジャック「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでサイレント・アングラーを攻撃!」

シャーク「ぐわっ!」4000→1200

ジャック「そしてレッド・デーモンズ相手モンスターを破壊したとき相手フィールド上の守備表示モンスターを全て破壊する!」

シャーク「・・・」

ジャック「何故サイレント・アングラーを攻撃表示に・・・まさか」

シャーク「シャーク・ザ・クルーが相手モンスターの効果で破壊されたときデッキからレベル4以下の水属性モンスターを特殊召喚する!俺はスピア・シャークとセイバー・シャークを特殊召喚!」

ジャック「カードを1枚セットしターンエンド」

シャーク「ここからが反撃だぜ、鮫の怒涛の攻撃を舐めんなよ!」

シャーク「罠発動『リビングデッドの呼び声』!俺は墓地のサイレント・アングラーを特殊召喚!そしてレベル4のスピア・シャークとセイバー・シャークでオーバーレイ!エクシーズ召喚!S・H・Ark Knight!S・H・Ark Knightのオーバーレイ・ユニットを二つ使う事で相手フィールドに特殊召喚されたモンスターを自身のオーバーレイ・ユニットに使用できる!」

ジャック「レッド・デーモンズ!」

シャーク「さらに魔法『黒白の波動』を発動!シンクロモンスターをオーバーレイ・ユニットとして扱っているエクシーズモンスターが存在するときフィールドのカード1枚を除外しデッキからカードを1枚ドロー!」

ジャック「・・・丸腰とは俺も焼きが回ったな、だが」

シャーク「俺はまだ通常召喚をしてねえ!竜宮の白タウナギを通常召喚!S・H・Ark Knightが喰らったレッド・デーモンズ・ドラゴンが奇跡を起こしてくれたみてえだぜ!レベル4のサイレント・アングラーにレベル4の竜宮の白タウナギをチューニング!シンクロ召喚!」

ゴゴゴゴゴゴ

ジャック「何だこの地鳴りは」

シャーク「シンクロを極めるからには俺らしく水属性だと思ってたがこいつはこいつで最高だぜ!現れろ、琰魔竜レッド・デーモン!!」

ジャック「こいつは俺のレッド・デーモンズに似た2体目の・・・吸収したS・H・Ark Knightとバリアンである凌牙の力が共鳴したと言うのか!?」

シャーク「ありがとよジャック!2体のモンスターでダイレクトアタック!!」

ジャック「フッ・・・」4000→0

柚子「最近、小鳥ちゃんと一緒に居ないのね」

遊馬「小鳥は置いて来た」

アストラル「はっきり言って彼女はこの戦いに着いて行けない。そもそも小鳥はデュエリストでは無いから連れて行かない方が妥当だ」

遊馬「考えてみれば小鳥は留守番が似合ってるぜ、すぐに首突っ込みたがるから」

遊矢「今さら気づいても」

アストラル「気がついたら寄ってくるんだ。油断も隙も無いぞ小鳥は」

遊馬「エネルギー弾くらってもビクともしねえし少し人間離れしてるんだぜ小鳥って」

アストラル「高いところに落ちたりもした」

遊馬「明らか危ねえ敵が現れても出てくるし忍者みたいな女だぜ小鳥は」

遊星「・・・」

遊矢「遊星さん!久しぶり」

遊星「おいデュエルしろよ」

遊馬「デュエル?」

遊星「俺と遊馬のデュエルだ!行くぞ!!」

遊星「俺は手札からモンスターを墓地へ送りクイック・シンクロンを特殊召喚!そして墓地からボルト・ヘッジホッグを特殊召喚!レベル2のボルト・ヘッジホッグにレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!ニトロ・ウォリアー!」

遊星「そして俺はジャンク・シンクロンを通常召喚!さらに自分フィールドにジャンクモンスターが存在する事でジャンク・サーバントを特殊召喚!レベル4のジャンク・サーバントにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!シンクロン召喚!ジャンク・デストロイヤー!」

遊星「カードを1枚セットしターンエンド」

遊馬「付き合いもいよいよ長くなって来たけどデュエルは初めてだぜ!」

柚子「考えてみれば遊星さんっていつもポケットから何か出して問題解決してるよね」

遊矢「即興で道具作ったり徒手空拳で戦うから遊星さんは」

遊馬「ドロー!俺はゴブリンド・バーグを通常召喚!そしてゴブリンド・バーグの効果でタスケナイトを特殊召喚!レベル4のゴブリンド・バーグとタスケナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

遊矢「出たホープ!」

遊馬「驚くのはまだ早え!さらに俺はガンバラナイトを通常召喚!そしてレベル4モンスターの召喚に成功した事でカゲトカゲを特殊召喚!レベル4のガンバラナイトとタスケナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!希望皇ホープ!」

遊星「何!?」

柚子「2体目の希望皇ホープ・・・!?」

遊馬「ここからが本番だぜェ!限界を超えてるぜ遊星さん!!」

遊馬「RUM-ヌメロン・フォースを発動!カオス・エクシーズチェンジ!希望皇ホープレイV!!」

小鳥「遊馬ー!」

アストラル「小鳥・・・どうやって」

小鳥「関節を外して縄抜けしたの」

遊馬「そしてシャイニング・エクシーズチェンジ!希望皇ホープ・ザ・ライトニング!」

遊矢「俺の知らないホープだ」

柚子「あれが噂のSNo.・・・」

アストラル「今回はダメだ。危険だから着いて来ては」

小鳥「これ」

アストラル「そ、そのカードは」

小鳥「アストラルと遊馬が私を縛り付けた時にアストラルを噛んだでしょ?その一部がカードになったみたい」

アストラル「スターダストそっくりだ」

遊馬「さあ・・・宴の始まりだァ!!!」

アストラル「閃珖竜スターダストか」

遊星「アストラルは遊馬の半身だ。その一部がカードに変化しても何ら不思議ではない」

遊矢「ほら小鳥だって頑張ってるんだから」

柚子「そうよ遊馬くん」

遊星「シンクロ召喚は数学ができれば簡単だからな」

遊矢「確かに」

柚子「融合が1番難しいかもね」

遊馬「俺達の関係は何だ」

小鳥「クールでドライな関係」

遊馬「ああ」

小鳥「私達って渇いてるから、あの子達とは違うのよ。恋愛ごっこに現を抜かさない大人なのよね」

遊馬「お互いワイルドに生きようぜ」

遊馬「閃珖竜スターダスト」

シャーク「琰魔竜レッドデーモン」

遊矢「まさか2人のエースに似たモンスターを遊馬と凌牙が」

小鳥「どういう気分?」

シャーク「知らねえよ」

小鳥「嬉しいのね」

遊馬「チューナーモンスター無いんだけどどうすりゃいいんだ?」

アストラル「遊星は?」

柚子「さっき帰ったよ」

遊矢「何か用事ができたって」

シャーク「あいつらはあいつらで忙しいらしいからな」

黒咲「ハートランドか、久しぶりに上陸したぞ」

クロウ「見つけたぜ黒咲!」

黒咲「クロウか、そう言えばカイトが電話でクロウとデュエルしろと言っていたが何か用か?」

クロウ「デュエルしろだとよ。遊馬も凌牙も」

黒咲「そんな事は後にしろ」

クロウ「おい黒咲!」

黒咲「俺は先にハートランドに降り立った博士を追うために帰って来ただけでな。悪いなクロウ」

クロウ「ちょっと待てよ!」

黒咲「アカデミアの打倒は俺達エクシーズと十代のやるべき事だ。お前達はシンクロ次元を救ってやれ」

クロウ「なら俺らがピンチの時は助けに来ねえのか?」

黒咲「・・・違うだろうな」

クロウ「俺らは仲間なんだよ。仲間見捨てるような野郎が俺らの中に居るか?」

クロウ「で?何処に行くんだ黒咲」

黒咲「エクシーズ山にアカデミアの要塞があると戦闘員が吐いてな。そしてその要塞にスーパー破壊光線砲が製作されていると」

クロウ「何だそりゃ?」

黒咲「ハートランドを一気に壊滅させるレベルの破壊光線だ」

クロウ「おいおいマジかよ」

黒咲「俺がそこを叩く!シンクロ召喚など後からでもできる」

クロウ「カイト達は呼ばなくていいのか?」

黒咲「既に知らせてある」

クロウ「それじゃ行くとするか」

黒咲「徹底的に叩き潰す」

クロウ「おお!」

カイト「ああ・・・わかった。すぐに行く」

ツァン「またアカデミアね」

カイト「見ればわかるだろ」

ツァン「そうだけど、あんたもよくやるよね」

カイト「最近家に帰れて無いぞ。俺は」

ツァン「あんたが色んな人に構うからでしょ」

カイト「たまには俺の頼みも聞け」

ツァン「ハルトくん?」

カイト「そうだ」

ツァン「ったく、わかったよ。じゃあ頑張りなさいよね」

カイト「すまんな」

ツァン「すまんなだって、変に素直になるのが怖いんだよね」

アリト「こいつが琰魔竜レッドデーモンか!?」

ギラグ「凄えじゃねえかナッシュ」

シャーク「まあな」

璃緒「ええ・・・凌牙!」

シャーク「どうした?」

璃緒「全員出動よ!黒咲さんが!」

ミザエル「黒咲?黒咲が顔を出すと大体アカデミアの大攻撃が始まるな」

ドルべ「彼とアカデミアの相性は最悪だからな」

アリト「徹底的にやってやるんだろナッシュ!」

シャーク「当然だぜ!俺らで二大幹部をぶっ潰してやろうぜ!」

Ⅴ「モタモタするんじゃない!」

Ⅳ「今日はヤケにやる気満々じゃねえか兄貴」

Ⅴ「早く!」

Ⅲ「落ち着いてくださいⅤ兄様!」

Ⅴ「どうして私が動くとみんなが動かないんだ」

Ⅳ「とりあえず張り切りすぎなんだよ」

Ⅲ「そうですよ」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「行こうぜ」

Ⅲ「さあⅤ兄様!」

Ⅴ「よし行こう」

「イイーッ!」

黒咲「邪魔をするな!」

クロウ「どきやがれ!!」

「こいつら強い!?」

「あの顔面落書き野郎は・・・」

クロウ「落書きじゃねえ!マーカーだ!」

「そうだクロウ・ホーガンだ!」

クロウ「何かユーゴ見てえになっちまったじゃねえか!」

黒咲「スーパー破壊光線砲は何処だ」

「し、知らん!」

黒咲「いいから吐け!」

首領「何たる様だ!早々に要塞の居場所がバレてしまっているぞ!」

大使「首領すでに手筈はできております」

首領「ならば奴らの誰かでも仕留めてみせよ」

大使「はい」

「イイーッ!完成しました」

大使「これぞアカデミアの技術を結集させ作り上げた改造デュエリスト」

「キーリー!」

大使「カミキリムシの改造デュエリストだ」

「その強さはアカデミアの最強だと言われていたサンショウウオの改造デュエリストの数倍の強さを誇っているですね」

大使「さあ行け!邪魔者を全て抹殺せよ!」

「キーリー!」

カイト「派手にやっているな。黒咲1人ではないのか」

シャーク「カイト!」

カイト「お前達か」

遊馬「黒咲は!?」

カイト「先に進んでいるようだ」

シャーク「今度はどっちだ?博士か大使か」

カイト「さあな」

Ⅳ「どっちでもいいじゃねえか!とりあえず倒して倒して倒しまくってやりゃよ!」

アリト「ギタギタにしてやろうぜ」

カイト「遊馬」

遊馬「俺だって覚悟はできてるんだ!」

カイト「なら進むぞ」

「キーリー!」

黒咲「くっ」4000→1000

クロウ「黒咲!」

黒咲「こいつ・・・今までの改造デュエリストとは違うぞ」

「それはそうだ!俺はこの日のために生み出された最強の改造デュエリストなのだ!」

黒咲「最強だと?」

「エクシーズの顔役でもある黒咲隼!まずは貴様から血祭りにあげてくれる!!」

黒咲「俺がそう簡単に!」

「死ねえええええええええ!!!」

クロウ「危ねえ!黒咲!!」

グサッ

クロウ「がはっ・・・」

黒咲「ク、クロウ」

クロウ「こいつの腕は掴んでやったぜ・・・ぶっ潰しちまえよ黒咲」

黒咲「だがお前が」

クロウ「気にするな・・・いつか誰かがこうなっちまう事は目に見えてた・・・最初が俺だって事だ」

「う、腕が抜けん!」

クロウ「遊星とジャック、ブルーノ達によろしく言っておいてくれよ・・・なあ黒咲」

「この死に損ないが!離せ!離さんか!!」

黒咲「クロウ・・・さらばだ・・・!」

クロウ「やっちまえ黒咲・・・頑張れよみんな・・・」

「バ、バカ!やめろ!!」

黒咲「地獄へ落ちろ!!化け物が!」

遊馬「な、何だこれ・・・何なんだよ!」

黒咲「・・・」

シャーク「説明しろ黒咲・・・何でクロウが」

黒咲「俺が不甲斐無いばかりにクロウは死んだ・・・」

シャーク「そんなこと言ってんじゃねえんだ!何でクロウが死んじまってんだよ!!」

遊馬「目を開けてくれよクロウさん!クロウさん!!」

黒咲「・・・」

カイト「誰かクロウの亡骸を外に運び出してやってくれ」

遊馬「カイト!」

カイト「誰かがいつかはこうなった・・・最初の犠牲者はクロウだ」

シャーク「てめえ!」

カイト「喚いている暇があったら前へ進め!この要塞を破壊する!そしてこの要塞に存在する融合次元のクズ共を1匹残らず根絶やしにしろ!!」

数日後

遊矢「クロウが死んだ・・・!?」

遊馬「すまねえ」

遊矢「何でクロウが」

遊馬「わからねえ・・・アカデミアとの戦いの果てにクロウさんは」

遊矢「・・・」

遊馬「何で死んじまったんだよ・・・何で!」

遊矢「くっ・・・許さない融合次元をアカデミアを・・・俺は!」

アストラル「・・・」

遊馬「俺だって絶対に許さねえ!」

カイザー「ちょっといいか十代」

十代「カイザー?久しぶりだな!どうしたんだ?」

カイザー「・・・」

十代「悪りいな先に帰っててくれよセレナ」

セレナ「何だ?何かあるのか?」

十代「男同士の話ってやつだ」

セレナ「・・・おい行くぞ」

ファラオ「ニャッ」

十代「・・・話してくれよ」

カイザー「クロウが死んだ・・・アカデミアとの戦いで」

十代「そうかクロウが・・・死んじまったのか・・・」

璃緒「ねえ凌牙」

シャーク「要塞はぶっ潰した・・・だが最高幹部の影も形もねえ!」

ドルべ「・・・」

シャーク「何が俺らにしかできねえ事だ!クロウ死なせちまって・・・何が!」

ミザエル「落ち着くんだナッシュ」

シャーク「ふざけんじゃねえ!!」

アリト「俺も悔しいぜ・・・」

ギラグ「クロウはいい奴だった。あいつは本当に」

璃緒「クロウさん口は悪かったけど面倒見が良かったもの」

ベクター「稀に見るいい奴だったよな・・・あいつ」

シャーク「クロウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」

沢渡「そうかクロウが・・・」

権現坂「・・・」

沢渡「遊星を含め罰当たりな事ばっかしてたからな!自業自得だぜ!」

権現坂「何だと!」

沢渡「だってそうじゃねえか!」

権現坂「お前という男は!!」

沢渡「うるせえ!離せってんだ!」

月影「やめるんだ」

沢渡「俺だって・・・俺だって泣きてえんだよ!泣きてえけど・・・俺が泣いちまったらマジで死んだみてえになっちまうじゃねえか!!」

権現坂「沢渡・・・」

沢渡「クロウの大馬鹿野郎!死ぬなんてらしくねえんだよ!!」

シンジ「遊星・・・どうしたんだ?」

遊星「・・・」

シンジ「さっき鬼柳とプラシドがずっと空見ててよ、何かあったのか?なあジャック」

ジャック「クロウが死んだ」

シンジ「クロウが?何言ってんだ」

遊星「事実なんだ」

シンジ「だってあいつは」

ブルーノ「・・・どうして死んだんだよクロウ」

シンジ「・・・何でだ!何でクロウが死んじまったんだ!答えろよ遊星!ジャック!ブルーノ!」

遊星「一つ言える事はアカデミアの策略で・・・あいつは」

シンジ「アカデミアの野郎・・・許さねえ!!」

ユーゴ「・・・」

リン「ユーゴ」

ユーゴ「ちょっと向こう行っててくれよリン」

リン「クロウさんは」

ユーゴ「いいから行けよ!」

リン「ごめん・・・」

ユーゴ「クロウ・・・どうしちまったんだよお前」

ユーゴ「俺ら何度だって死ぬ思いしたのに生きて来たじゃねえか、なのになのによ・・・」

リン「・・・」

ユーゴ「馬鹿野郎・・・死ぬなんて反則じゃねえか!クロウの馬鹿野郎!」







第66話「戦死」





シンジ「てめえが黒咲か」

黒咲「誰だお前は」

シンジ「俺はクロウと同じ釜の飯を食った仲間だよ!」

シュッ

黒咲「クロウの!?」

シンジ「そうだ!お前がドジ踏んで死なせたクロウの!」

黒咲「・・・」

シンジ「死の間際にクロウはBFをお前に託したんだってな!全部聞いたぜ」

黒咲「事実だ・・・殴りたいのなら殴れ」

シンジ「そうさせてもらうぜ!」

黒咲「・・・」

遊馬「シンジ・ウェーバー?」

遊星「ああ」

小鳥「誰なの?」

遊星「俺達の古い馴染みでな」

遊馬「その人がどうかしたのか?」

ジャック「子供の頃から特にクロウとは仲が良くてな、分かりやすく言えば遊星と鬼柳を合わせたような奴だ」

アストラル「なるほど」

遊馬「いや意味わからねえし」

遊星「クロウの死の原因が黒咲だと思い込んでいる」

ジャック「少し荒っぽい奴でな、一際上へ登る事に執念を燃やしていた」

遊星「俺達がハウスを出た頃から会って居なかったが再会するとは思いもしなかった」

シンジ「少しは手を出せよ!舐めてんのか!」

黒咲「全て俺に責任がある」

シンジ「こ、この」

遊星「やめろシンジ!」

シンジ「止めるな遊星!」

遊馬「大丈夫か」

黒咲「問題無い」

小鳥「無抵抗の人間を殴るなんて酷い!」

シンジ「くっ・・・」

ジャック「シンジ」

シンジ「離せ!だったらデュエルだ!立てよ黒咲!」

黒咲「いいだろう・・・そのデュエル受けて立つ!」

黒咲・シンジ「デュエル!」

シンジ「先攻は俺だ!ドロー!俺はフィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』を発動!俺はスクラップ・サーチャーを攻撃表示で召喚!そして自分フィールドにスクラップモンスターが存在するとき手札からスクラップ・オルトロスを特殊召喚!この方法で特殊召喚したとき自分フィールドのスクラップモンスターを破壊する!」

遊馬「スクラップ?」

遊星「俺のジャンクに近い言葉だ・・・俺もあいつもジャックやクロウ、ハウスの仲間だって幼き頃から苦渋を舐めて来た」

シンジ「スクラップ・ファクトリーの効果を発動!スクラップモンスターがカードの効果で破壊されたときデッキからスクラップモンスターを特殊召喚する!俺はスクラップ・ケルベロスを特殊召喚!」

シンジ「レベル4のスクラップ・ケルベロスにレベル4のスクラップ・オルトロスをチューニング!シンクロ召喚!レベル8!スクラップ・ドラゴン!!」

シンジ「カードを1枚セットしターンエンド!さあ来い黒咲!」

黒咲「ドロー・・・永続魔法『RR-ネスト』を発動!そしてRR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!そしてRR-バニシング・レイニアスの効果で手札からRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!さらにRR-ネストの効果でRRモンスターを手札に加える。俺はRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス3体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!!」

シンジ「闇属性で鳥獣族・・・まるでクロウだ」

黒咲「・・・バトルだ!!」

シンジ「・・・」4000→3900

黒咲「・・・カードを1枚セットしターンエンド」

シンジ「俺のターン!墓地のスクラップ・サーチャーが存在し自分フィールドのスクラップモンスターが破壊されたときスクラップ・サーチャーは墓地から特殊召喚できる!そしてスクラップ・ファクトリーの効果でデッキからスクラップ・モンスターを特殊召喚できる!俺はスクラップ・ソルジャーをデッキから特殊召喚!」

シンジ「そしてスクラップ・ハンターを攻撃表示で召喚!レベル1のスクラップ・サーチャーとレベル3のスクラップ・ハンターにレベル5のスクラップ・ソルジャーをチューニング!シンクロ召喚!レベル9!スクラップ・ツイン・ドラゴン!!」

シンジ「スクラップ・ツイン・ドラゴンの効果を発動!自分フィールドのカード1枚を破壊し相手フィールドのカード2枚を選択し手札に戻す!」

黒咲「くっ」

シンジ「スクラップは何度だって蘇る!世の中に不要な物なんて存在しねえんだ!俺らはガキの頃から苦しい思いをして来た・・・俺はシンクロ次元の生まれだ。ずっと酷い目にあって来た・・・だがある日だ俺は次元の渦に巻き込まれこいつらと出会ってしばらく生活した!充実した日々だったぜ!」

シンジ「てめえらにわかるのか!?俺らの絆を俺らが味わって来た苦しみを!」

遊馬「自分だけが被害者ぶってんじゃねえ!」

小鳥「そうよ!黒咲さんだって故郷を壊滅させられたんだから!」

シンジ「故郷を・・・どういう事だ遊星」

遊星「まだ黒咲やユート達の事を話してなかったなシンジには」

シンジ「お前そんな事が・・・」

黒咲「お前が遊星との出会いで光を見出したように俺も遊馬との出会いで光を見出した」

シンジ「だからって俺は」

黒咲「クロウの事を許してもらおうなんて気は毛ほどもない!」

シンジ「・・・スクラップ・ツイン・ドラゴンでダイレクトアタック!」

黒咲「うっ・・・」4000→1000

シンジ「ターンエンド!」

黒咲「ドロー!俺はBF-蒼炎のシュラを攻撃表示で召喚!そしてBF-疾風のゲイルを特殊召喚!疾風のゲイルの効果で相手フィールドのモンスターの攻撃力を半分にする!」

黒咲「レベル4の蒼炎のシュラにレベル3の疾風のゲイルをチューニング!蘇れクロウ!シンクロ召喚!レベル7!BF-アーマード・ウィング!!」

シンジ「ク、クロウ」

黒咲「俺が生きている限り黒き翼は決して地に落ちぬ!クロウ・ホーガンの魂は俺と共にある!!」

遊馬「俺にも見えるぜ、あれはクロウさんだ!」

遊星「クロウ・・・お前は死しても俺達を見守ってくれてるんだな」

シンジ「・・・やめだ」

ジャック「どういう事だ?」

シンジ「こんな風に人を憎んでデュエルするなんて、面白くねえよ」

遊星「シンジ」

シンジ「悪かったな黒咲」

黒咲「俺がお前の立場なら同じ事を確実にやっていた」

シンジ「本当にすまない!」

黒咲「いや気にするな」

小鳥「案外まともな人なのね」

遊星「温厚な分だけ1度怒ると手がつけられないんだ」

遊星「これを受け取ってくれ」

黒咲「こいつはクロウのブラックバード」

ジャック「お前ならあいつも喜ぶだろう」

黒咲「お前達じゃなくていいのか」

シンジ「ああ」

遊星「ユーゴや龍亞達には俺らから話しておく。あいつも黒咲なら納得するだろう」

黒咲「・・・」

遊馬「受け取ってやれよ黒咲」

アストラル「彼もそれを望んでいるはずだ」

黒咲「・・・わかった。こいつは俺が貰う!」

遊馬「やったぜ!」

数日後

遊馬「自分もDホイールに乗る?やめとけやめとけ」

小鳥「どうして?」

遊馬「どうせデュエルしねえんだろ?そういう中途半端なとこがカイトやシャークの神経を逆撫でするんだぜ」

小鳥「熱くならないでよたかがデュエルじゃない」

遊馬「小鳥」

小鳥「デュエルなんて猿でもできるわよ、くだらない」


第67話「黒羽」


Ⅲ「・・・」

Ⅴ「・・・」

Ⅲ「Ⅳ兄様」

Ⅳ「どうした」

Ⅲ「いえ別に」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「何処に行くんだ兄貴」

Ⅴ「散歩だ」

Ⅳ「・・・俺も気晴らしにどっか行くか」

Ⅲ「では僕も」

カイト「どうしたクリス」

Ⅴ「どうだ調子は」

カイト「別に・・・という程でもない。俺も俺で考えている」

Ⅴ「クロウか」

カイト「だが悲しんでいる場合ではない。そんな事をするぐらいなら仇を討つ」

Ⅴ「お前の言う通りだなカイト」

カイト「ああ」

Ⅴ「どうやら私も迷いが吹っ切れたようだ」

カイト「アカデミアの命がクロウの供養になる。俺はそう思っている」

Ⅴ「必ず私達の手で」

Ⅳ「凌牙は居ねえのか?」

璃緒「凌牙ならさっき出かけたけど」

Ⅳ「チッ」

ベクター「まさか今だにクロウの事を考えてんのか?諦めろ死んでんだ」

アリト「てめえ!」

ドルべ「やめるんだ2人とも」

Ⅳ「考えちゃいねえよ、俺らが落ち込んでても意味はねえ」

ギラグ「こいつの言う通りだ。前を向いて歩いて行かなきゃならねえ」

Ⅳ「ここで立ち止まっても浮かばれねえだろうしよ」

璃緒「うん」

Ⅳ「しかし凌牙の野郎は何処に行っちまったんだ」

遊馬「俺とデュエルを?」

Ⅲ「うん!」

遊馬「ああいいぜ!」

Ⅲ「先攻は君からでいいよ」

遊馬「ドロー!俺はゴブリンドバーグを攻撃表示で召喚!そしてゴブリンドバーグが召喚に成功した事でデブリ・ドラゴンを特殊召喚!」

アストラル「レベル4のモンスターが2体・・・やるんだな遊馬」

遊馬「レベル4のゴブリンドバーグにレベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング!シンクロ召喚!閃珖竜スターダスト!」

Ⅲ「これが遊馬のシンクロモンスター・・・遊星さんのスターダストと色々似てる」

遊馬「ターンエンド!」

Ⅲ「カイトも凌牙もそして遊馬も・・・僕だって!」

アストラル「あれは・・・」

Ⅲ「相手フィールドにカードが存在し自分フィールドに存在しないとき先史遺産モアイキャリアは特殊召喚できる!そして先史遺産モアイは自分フィールドに先史遺産モンスターが存在することで手札から特殊召喚!」

Ⅲ「先史遺産ゴルディアス・ユナイトを攻撃表示で召喚!そしてゴルディアス・ユナイトの効果で手札から先史遺産モンスターを特殊召喚できる!僕は先史遺産コロッサル・ヘッドを特殊召喚!ゴルディアス・ユナイトの効果で特殊召喚した事でゴルディアス・ユナイトのレベルはコロッサル・ヘッドと同じになる!」

Ⅲ「レベル4のゴルディアス・ユナイトとコロッサル・ヘッドでオーバーレイ!エクシーズ召喚!先史遺産-超機関フォーク=ヒューク!」

Ⅲ「さらにレベル5の先史遺産モアイキャリアと先史遺産モアイでオオーバーレイ!エクシーズ召喚!先史遺産-超兵器マシュ=マック!」

アストラル「一気に2体も!?」

Ⅲ「フォーク=ヒュークのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドのモンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする!」

Ⅲ「そして超兵器マシュ=マックのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドの攻撃表示モンスターの攻撃力と元々の攻撃力分ダメージを与える!そしてマシュ=マックはその数値分攻撃力がアップする!」

遊馬「Ⅲ・・・俺もまだまだって事か」

Ⅲ「だからこそ今から強くなるんだよ遊馬!バトルだ!!」

アストラル「シャークのレッド・デーモンと遊馬のスターダスト・・・まさかⅢ・・・君も」

Ⅲ「もしかしてこれの事?」

アストラル「よく似た竜だ・・・何処で?」

Ⅲ「遊馬と凌牙のカードをⅤ兄様が調べてⅣ兄様が力でねじ伏せた事で生まれたんだ」

遊馬「この2枚は遊星さんのところの双子のに似てるぜ」

アストラル「あの綺麗な双子か」

遊馬「綺麗な双子?」

Ⅲ「あの子達は純真無垢なのに凌牙は汚れきってるからね」

遊馬「あ、そういう事か!」

Ⅲ「お互いシンクロを極めようね遊馬」

遊馬「勿論だぜ!」

アストラル「これで四人目か」

Ⅴ「奇遇だなⅣ」

Ⅳ「どうせカイトのとこ行って来たんだろ?」

Ⅴ「そういうお前は凌牙のとこだな」

Ⅳ「居なかったぜ凌牙は」

Ⅴ「Ⅲは」

Ⅳ「決まってるじゃねえか遊馬のところだぜ」

Ⅲ「兄様ー!」

Ⅳ「ほら来たじゃねえか」

Ⅴ「ああ」

Ⅲ「何の話をしているんだろ・・・まあいいや」

Ⅴ「見ろ夕日が綺麗だ」

Ⅳ「何言ってんだ兄貴」

Ⅴ「こういう時は汚くても綺麗でもとりあえず夕日を褒め称えるのが風流なんだ」

Ⅳ「あっそ」

Ⅲ「さあ帰りましょう」

Ⅴ「そうだな」

Ⅳ「ったく凌牙は何処に行っちまったんだ」

Ⅲ「彼は世話焼きですから遊馬以上に困ったデュエリストのとこですよ」

Ⅳ「遊馬以上・・・あいつか」

Ⅲ「多分ですけどね」

数日後

小鳥「シンクロ召喚ってどうなの?」

遊馬「算数ができれば誰でもできるぜ、そんな深く考えなくてもな」

小鳥「どの召喚方も同じような物よね」


第68話「末弟」


コナミ「退院おめでとう」

恵「うん」

コナミ「良かった良かった・・・そういうわけで俺は」

ツァン「今度はヨーロッパ大会だよね、ユートに会ったらよろしく言っといてよ」

コナミ「わかった。恵の事を頼むぞ」

ツァン「わかった・・・って居ないし!?何処行っちゃったのよ!」

コナミ「あいつは昔からいきなり姿を消すから」

ツァン「僕が探してくるから、あんた行ってきなよ」

コナミ「しかしだな」

ツァン「早く行かないと飛行機に乗り遅れるんじゃないの?」

コナミ「あ、そうだ!」

カイト「久しぶりだなオボット6号」

6号「これだったな」

カイト「そうだ」

6号「これでまた一つ借りができたが」

カイト「お前は今の生き方をどう思う?他のオボット達とは違う」

6号「俺が掃除するのはゴミではなくゴミのようなデュエリストだ」

カイト「しかし今度こそ本当なんだろうな」

6号「手当たり次第に臭そうな場所を襲撃したからなアカデミアなど大した事は無い。みんな地獄へ落ちた・・・最高幹部はお前達にくれてやる」

カイト「・・・」

6号「そういうわけだ。またな」

カイト「ハートランド学園の地下か、灯台下暗しというわけだ」

遊馬「先生が姿を消した?」

ツァン「退院したばかりなのに、あの子は」

小鳥「でもロボットだし大丈夫よ、そうだよね遊馬」

遊馬「小鳥」

小鳥「・・・」

遊馬「わかったぜ!俺も探すから安心してくれよ!」

ツァン「カイトは?」

アストラル「今日は見てないな」

小鳥「無職なのに家に居ないのよね」

遊馬「無職は無職でエクシーズ一カッコいい無職だぜ」

カイト「すぐにでも遊馬に報告してやるか」

恵「・・・」

カイト「退院したのか」

恵「うん」

カイト「どうかしたのか」

恵「私もデュエルしたい」

カイト「そうか、なら真っ直ぐ家に帰って」

恵「ドロー、私は冥界騎士トリスタンを攻撃表示で召喚しトリスタンがフィールドに居る事で冥界の麗人イゾルデを手札から特殊召喚、そしてイゾルデの効果によりトリスタンとイゾルデのレベルを4から8に変更する」

恵「レベル8となった冥界騎士トリスタンと冥界の麗人イゾルデでオーバーレイ!エクシーズ召喚!不乱健!」

カイト「やるしかないようだ。ドロー!」

遊馬「本当に何処行っちまったんだか」

アリト「おーい!」

遊馬「悪いな手伝ってもらって」

Ⅲ「気にしないでよ遊馬」

アンナ「先生ー!」

ベクター「こんなとこ探したって意味ねえよ」

アリト「だったら居場所がわかるってのか?」

ベクター「学校かこいつの家か・・・あと一つ」

ツァン「こいつこいつって何でカイトの仲間は礼儀知らずばっかりなんだろ」

ベクター「カイトのとこだろ。こういう時に交友関係の狭さってのは楽だよな」

アリト「マジで頭いいな」

遊馬「さすがベクターだぜ!」

カイト「魔法『光子竜降臨』を発動!手札からレベル4になるようにリリースし光子竜の聖騎士を儀式召喚!そして光子竜の聖騎士をリリースしデッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

カイト「そして魔法『銀河遠征』を発動!デッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!さらにフォトン・カイザーの効果で2体目のフォトン・カイザーを特殊召喚!」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!」

カイト「超銀河眼の光子龍がエクシーズ召喚に成功したときこのカード以外の相手フィールド上モンスターの効果を全て無効にする!そして超銀河眼の光子龍のオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で相手フィールドのエクシーズのオーバーレイ・ユニットを全て取り除きその数×500ポイント攻撃力がアップする!」

恵「そしてその数だけ攻撃ができる」

カイト「そうだ!バトルだ!!不乱健を攻撃!!!」

恵「・・・」4000→3000

カイト「病み上がりでも俺は手を抜かん!ターンエンド!」

恵「ドロー、フィールド魔法『アンデットワールド』を発動しフィールド及び墓地のモンスターは全てアンデット族として扱う」

恵「ゾンビ・マスターを攻撃表示で召喚、ゾンビ・マスターの効果で手札を1枚墓地に送り自分または相手墓地のレベル4以下のアンデット族モンスターを特殊召喚する。冥界の麗人イゾルデを特殊召喚・・・そしてイゾルデの効果でイゾルデとゾンビ・マスターのレベルを4から8に変更」

恵「レベル8となった冥界の麗人イゾルデとゾンビ・マスターでオーバーレイ!エクシーズ召喚!冥界の霊騎士ランスロット!」

恵「オーバーレイ・ユニットを持った冥界の霊騎士ランスロットは直接攻撃できる」

カイト「くっ」4000→2000

恵「そして相手にダメージを与えたとき相手フィールド上のモンスターを破壊する!超銀河眼の光子龍を破壊」

ベクター「ほら居るだろ」

遊馬「デュエルしてるじゃねえか!」

アリト「おーいカイト!」

カイト「俺は手札の光属性モンスターを墓地に送る事で銀河戦士を特殊召喚!そしてギャラクシー・サーペントを通常召喚!」

遊馬「星態竜だな!」

アストラル「いや違う」

カイト「レベル5の銀河戦士にレベル2のギャラクシー・サーペントをチューニング!シンクロ召喚!月華竜ブラック・ローズ!」

Ⅲ「新しいドラゴンだよ遊馬!」

カイト「月華竜ブラック・ローズ特殊召喚に成功したとき相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを手札に戻す!そして魔法『銀河零式』を発動!俺は墓地の銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

恵「これは」

カイト「銀河眼の光子竜・・・少し加減をしてやってくれ!バトルだ!!」

遊馬「このカードってアキさんの」

カイト「そうだな」

アリト「はあ・・・すっげえな」

カイト「こいつを見ろ」

アストラル「これは」

カイト「星態龍が白紙になった」

Ⅲ「覚醒した事で消えたのかな?」

カイト「どうだかな、立てるか」

アリト「怪我人相手にデュエルしやがって、敬えよ!」

カイト「これでも少し加減したつもりだ」

ツァン「ほら帰るよ」

恵「楽しかった」

アリト「カイト!てめえモテモテじゃねえか」

カイト「こいつらは俺を異性として見ていない」

ツァン「そうだよ」

恵「うん」

アリト「へへへ・・・残念だったなカイト」

遊馬「どっか飯食いに行こうぜカイト」

カイト「俺は腹が減ってないからいい」

小鳥「何か奢れって事よカイト」

Ⅲ「振り回したのだから」

カイト「勝手にしろ。何でも好きな物を食えばいい」

数日後

遊馬「カイトは女運悪りいな」

小鳥「そうよね」


第69話「女難」


シャーク「遊矢居ねえか」

権現坂「遊矢か」

シャーク「何かあったのか」

権現坂「それがだな」

シャーク「どうせクロウの事だろ?あの野郎やっぱり」

権現坂「俺も何度か説得したのだが」

シャーク「だったらボコボコにしてでも元通りにしてやるよ!」

権現坂「待たんか凌牙!」

シャーク「待てと言われて待つ奴が居るってのか!」

権現坂「あいつめ・・・」

シャーク「遊矢!てめえ落ち込んでんじゃ」

遊矢「どうしたんだ凌牙?」

シャーク「てめえ・・・落ち込んでんじゃねえのか!?」

遊矢「いや別に」

シャーク「何だそりゃ・・・だったら話は早いぜ遊矢」

遊矢「?」

シャーク「潰しに行くぞ」

遊矢「これから!?」

シャーク「問題あんのか」

遊矢「実は零羅が」

シャーク「また、あのクソガキか」

シャーク「そんなの柚子にでも任せとけばいいんだよ」

遊矢「でもクロウは」

シャーク「てめえはクロウと違って一本筋が通ってねえだろ!一緒にしてんじゃねえぞ!!」

遊矢「・・・子供に優しくない奴が何言ってんだ!」

シャーク「口を開けばガキの事や柚子!てめえは何かに縋ってねえと生きてけねえのか!!」

遊矢「お前だって遊馬無しじゃ何もできないタダの不良だろ!」

シャーク「アカデミアの前にてめえを本気でぶっ潰してやるよ、デュエルだ!!」

遊矢「いい加減にしてくれよ、何度も何度も」

シャーク「ドロー!」

遊矢「ここはスタンダードだから先攻はドローできないんだよ!それぐらいわからないのか凌牙!」

シャーク「うるせえ!!」

シャーク「シャクトパスを攻撃表示で召喚!そしてサイレント・アングラーを特殊召喚!レベル4のシャクトパスとサイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!バハムート・シャーク!!」

シャーク「バハムート・シャークのオーバーレイ・ユニットを一つ使いエクストラデッキから水属性・ランク3以下のモンスターを特殊召喚する!俺はナイトメア・シャークを特殊召喚!そしてナイトメア・シャークが召喚に成功したとき手札の水属性・レベル3モンスターをオーバーレイ・ユニットとして使用できる!」

シャーク「カードを1枚セットしターンエンド!」

遊矢「ドロー!俺はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラム・スケールをセッティング!レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師をペンデュラム召喚!」

遊矢「レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと竜穴の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!」

シャーク「出やがったなオッドアイズ!罠発動!『エクシーズ・リバーサル』!自分フィールドと相手フィールドのモンスターエクシーズを入れ替える!くれてやるよナイトメア・シャークを」

遊矢「俺はカードを1枚セットしターンエンド」

シャーク「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンか、水属性でホープとほぼ効果が似てるなんて運命を感じるぜ!」

遊矢「どんだけ遊馬が好きなんだよ」

シャーク「てめえと柚子の絆な何かより俺と遊馬の絆のがデカいんだよ!!」

シャーク「ガキの恋愛ごっこなんざくそくらえだぜ!!」

シャーク「ドロー!バハムート・シャークのオーバーレイ・ユニットを一つ使いトライエッジ・リヴァイアをエクストラデッキから特殊召喚!こいつはオーバーレイ・ユニットを持たなくても特に問題はねえモンスターだ!」

シャーク「そしてバハムート・シャークをリリースしシャークラーケンを特殊召喚!アドバンス召喚じゃねえ特殊召喚だ!」

シャーク「そして俺は深海のディーヴァを攻撃表示で召喚!」

シャーク「ディーヴァって歌姫って意味なんだとよ、歌姫がエンタメ野郎に引導を渡すなんて皮肉な話だぜ!レベル6のシャークラーケンにレベル2の深海のディーヴァをチューニング!シンクロ召喚!琰魔竜レッド・デーモン!」

シャーク「柚子がシャークとくっ付いてジャックの誕生だぜ」

遊矢「何て悪趣味な奴なんだ・・・それでも人間か!!」

シャーク「俺は人間じゃねえ」

遊矢「鮫とか言うなよ」

シャーク「言うわけねえだろ!俺はバリアンだ!!」

シャーク「レッド・デーモンでナイトメア・シャークを攻撃!」

遊矢「ぐわっ!」4000→3000

シャーク「ぶっ飛べ遊矢!」

遊矢「『EMピンチヘルパー』を発動!相手の直接攻撃を無効にしデッキからEMモンスターを特殊召喚する!俺はEMカレイドスコーピオンを特殊召喚!」

シャーク「チッ、ターンエンドだ」

カイト「凌牙はどうせ遊矢と遊んでいるんだろ。放っておけ」

ミザエル「しかしナッシュ抜きで行くのか」

カイト「問題無い。どうせ2人揃って遅れて来るだろ」

遊馬「黒咲も居ねえぜ?」

カイト「あいつは別の場所で動いているだろ」

ギラグ「しかし驚いたぜ、ハートランド学園の下に作ってるなんて」

Ⅳ「何処に居たって潰すのには変わりねえ・・・Ⅲ!危ねえ!!」

Ⅲ「Ⅳ兄様!?」

Ⅳ「ぐわっ・・・」

遊馬「て、敵の攻撃か!?」

璃緒「あそこよ!」

「キィーッ!」

Ⅴ「あの醜悪な見た目は改造デュエリストか!?」

「ここから先は行かさん!お前達をここで倒す!」

アリト「上等だぜ!」

カイト「見たところイカだな」

小鳥「水棲の生き物に関して何でも知ってるシャークが居ないのに」

Ⅲ「また居たんだね小鳥」

アストラル「来るな来るなと何度も何度も言っても一向にいう事を聞かないから仕方がない」

カイト「こいつが言う事を聞いたのは遊馬がアストラル世界に出向いた時ぐらいだろ」

アリト「逆に小鳥が行かない世界って何だよ・・・アストラル界ってすっげえヤバいんじゃね」

ドルべ「私達もよく戦おうとしたものだ」

遊馬「行くぜイカ野郎!かっとビングだ!俺!!」

「かっとビング殺し!」

遊馬「ぐわあああああああああああああああああああああ」

小鳥「遊馬!」

「さらにさらに!私は隕石を自在に操る効果を持っているのだ!吹き飛べデュエリスト!!」

カイト「小鳥!今度こそ逃げろ!」

ギラグ「隕石はやべえぞ!」

アストラル「頼むから逃げてくれ君はデュエリストではなく一般市民なんだから」

小鳥「嫌!」

カイト「なら勝手にしろ!しっかりしろ遊馬」

遊馬「かっとビング殺し・・・恐ろしい効果だぜ・・・」

「やれ戦闘員!究極の秘密兵器を発動せよ!!」

「イーッ!アストラル吸引装置発動!」

アストラル「なっ・・・吸い込まれる・・・!」

小鳥「隕石って凄いのね、あのタフなみんながこうもアッサリと」

カイト「おい起きろ」

遊馬「はっ!アリトはギラグは・・・ドルべ!」

Ⅲ「どうやら僕達だけのようだ・・・Ⅴ兄様も僕を庇って」

遊馬「アストラルが居ねえ!?」

カイト「アストラル吸引装置とか言っていた・・・奴ら!」

遊馬「お前タンコブできてるぞ」

小鳥「仕方ないでしょ!隕石が頭に直撃したんだから」

璃緒「私もアリトやギラグ、ミザエルそれに珍しくベクターが庇ってくれて」

カイト「運動神経0のドルべもか」

璃緒「ドルべは躓いて頭を打ったみたいですわ」

Ⅲ「君だけ別件なんだね」

ドルべ「」

柚子「やだ・・・何言ってんの」

遊矢「だから凌牙が」

シャーク「言葉の綾っての知らねえのかよ」

柚子「・・・」

遊矢「・・・」

シャーク「遊馬達がやられたんだ。早く行こうぜ」

遊矢「・・・」

シャーク「前みてえに寝取られるかもしれねえな!ユーゴのときみたいによ」

権現坂「やめんか!」

シャーク「っつうかユートやユーゴの方がいいんじゃねえか?なあ柚子」

沢渡「プッ」

権現坂「こら!喧嘩している場合か!?遊馬のピンチなんだぞ!!」

首領「アストラルを」

博士「アストラル抜きの九十九遊馬などワイトのような物です首領」

首領「だが他の連中はどうする特に天城カイトと神代凌牙、黒咲隼はかなり危険だぞ」

博士「問題はありません。奴らなんぞ例の改造デュエリストの力で」

「イーッ!博士!奴らが殴り込んで来ました!」

首領「もう後は無いぞ博士よ、失敗すれば死だ」

博士「・・・」

アストラル「何度もアジトに侵入されるなんてザル警備だな」

博士「同時にここが奴らの墓場となるのだ」

アストラル「奴らの墓場・・・アカデミアの連中が好んで使う言葉だな」

博士「九十九遊馬そして榊遊矢よ、長きに渡る因縁に終止符を打つ時が来たぞ」

カイト「邪魔だ!」

「イーッ!」

シャーク「遅れてすまねえ!」

カイト「何をやっていた」

シャーク「デュエル」

遊矢「聞いてくれよカイト」

柚子「この変態鮫がね」

小鳥「またやらかしたのねシャーク」

遊馬「シャーク・・・」

Ⅲ「バカやってる場合じゃないよ!」

博士「ミハエル・アークライトの言う通りだ九十九遊馬以下デュエリストの諸君」

権現坂「こいつが博士か・・・何と薄気味悪い男だ」

遊馬「お前はクロウさんの仇だ!そしてアストラルを返せ!!」

小鳥「あのイカの改造デュエリストは何処よ!」

博士「ククク・・・」

カイト「何がおかしい」

博士「お前の目の前に居る」

バッ

「キィーッ!」

シャーク「てめえイカだったのか」

「アカデミア最高幹部はそれぞれ別の姿を持っているの!デュエルでお前達に思い知らせてくれる!」

遊馬「俺はデュエルを復讐には使わねえ!」

遊矢「敵が悪なら俺達は拳で戦う!何が悲しくてお前なんかとデュエルしなければならないんだ!」

「だったらかかって来い!」

遊矢「何て頑丈なんだ・・・」

遊馬「思いの外タフだぜ!」

「当たり前だ!私は改造デュエリストの第一人者!他の改造デュエリストとは一味違うのだ!」

カイト「ならば聞くが人をカード化させる機械も転送装置も」

「私が作ったものよ。エクシーズ次元はいい研究になった」

権現坂「なら改造デュエリストというのは」

「エクシーズ次元の人間はその犠牲となった・・・ククク」

シャーク「野郎・・・!」

遊馬「もう許さねえ!」

遊矢「同時攻撃だ遊馬!」

小鳥「・・・かっとビングよ!私!!」

柚子「あ、小鳥ちゃん!」

ゴスッ

シャーク「小鳥!何やってんだ!」

小鳥「隙をつけると思って」

カイト「改造デュエリストが頭突き程度で」

Ⅲ「あ、あれ!」

「ぎやああああああああああああああああ」

権現坂「酷い苦しみようだ」

シャーク「小鳥の石頭のせいか?」

カイト「いや奴の弱点は頭だ!」

遊馬「一か八かやるしかねえ!」

遊矢「ああ!」

遊馬・遊矢「かっとビングだ!!俺!!」

「こんなガキ共にアカデミアの頭脳であるわしが・・・!」

アストラル「助かった。ありがとう」

遊馬「このアジトどうすんだ」

カイト「博士すれば上の学園も吹き飛ぶ」

シャーク「放置しとこうぜ」

遊馬「それが1番だぜ」

遊矢「これでクロウも」

柚子「安らかに眠れるね」

カイト「いやまだ残っている」

シャーク「気を抜くのはまだ早いって事だぜ」

権現坂「まだアカデミアの本元は残っているのだからな」

数日後

小鳥「シャークって変な性癖があるのかもね」

遊馬「ドン引きだぜ」


第70話「烏賊」


ツァン「ねえカイト」

カイト「何だ」

ツァン「何か面白い事ないの?」

カイト「そんな事で俺を呼んだのか?無いな」

ツァン「あっそ・・・」

カイト「プロデュエリストの女房なら他にやる事があるだろ」

ツァン「例えば?」

カイト「テレビの前で応援でもしてやれ」

ツァン「応援なんてしなくても勝てるからコナミは」

カイト「だったら大人していろ」

ツァン「無愛想!」

カイト「愛想のいい俺が見たいか?」

ツァン「・・・ちょっと見せてよ愛想のいいカイト」

カイト「無理だな俺の性格はそう簡単に治らん」

ツァン「そんなこと言ってるから彼女ができないのよ、遊矢見なよ仲良くやってて」

カイト「・・・」

ツァン「見合い!見合いがあるじゃん」

カイト「前に親父に見合いをさせられた」

ツァン「結果は?」

カイト「全員デュエルモンスターでな、無理に決まってるだろ」

ツァン「ふ、ふーん」

カイト「俺はあいつらやお前たち夫婦のように器用には生きていけない」

ツァン「・・・」

カイト「そういうわけだ。俺は帰るぞ」

ツァン「・・・そうだ!」

遊馬「カイトに幸せを?」

ツァン「何度もやったけど今度こそ」

小鳥「エクシーズ使いは硬派なんだよツァンさん」

遊馬「俺と小鳥だってただの友達なんだから」

小鳥「私達に愛なんて無いんだよ?」

ツァン「でも、あんた達の中でカイトって1番虚しい感じするでしょ?」

遊馬「そうだよな、無口だし人付き合いも何か苦手だし」

小鳥「でもシャーク以外の歳下の面倒見はいいよね」

遊馬「シャークとはいつもいがみ合っててさ似た者同士なのに何言ってんだか」

ツァン「僕はあいつに借りがあるから、借りは返すってカイトも良く言ってるし」

アストラル「難しいぞ、これはドン・サウザンドとの攻防よりも」

ツァン「凌牙には相談しないでおこう。犬猿の仲だし」

シャーク「何やってんだお前」

ツァン「げっ」

シャーク「主婦はいいよな、暇で暇でよ」

ツァン「うるさい!」

ミザエル「そういう人を挑発する言い方はやめるべきだぞナッシュ」

アリト「メラグも言ってるだろ?」

ドルべ「アリトには言われたくはないだろうな」

ツァン「あんたってカイトのこと嫌いよね」

シャーク「当たり前じゃねえか!俺らには友情なんてものはねえ!」

ドルべ「だが2人でよく殴り込みをかけたりする目撃情報も」

シャーク「余計なこと言ってんじゃねえ!」

ツァン「やっぱカイトの師匠だよね」

Ⅲ「ツァンさん」

ツァン「Ⅴ居る?」

Ⅲ「Ⅴ兄様ならお昼寝中ですよ」

ツァン「何だお昼寝か」

Ⅲ「Ⅳ兄様なら居ますよ」

ツァン「あいつはいいよ、デリケートな話なんだから」

Ⅳ「どうしたⅢ」

Ⅲ「ツァンさんが」

Ⅳ「ツァン?居ねえじゃねえか」

Ⅲ「あれ?何処に行ったのでしょう」

Ⅳ「クソ暑いしボケたんじゃねえか?」

Ⅲ「まさか」

ツァン「あいつは黒咲・・・何やってんだろ」

黒咲「ドロー!ドロー!」

ツァン「ドローの練習か、あれはDホイール?クロウって子の遺品だったよね」

黒咲「誰だそこに居るのは!」

ツァン「鋭い・・・何かカイトっぽいし」

黒咲「何だお前か」

ツァン「あんたって妹居るよね?」

黒咲「ああ」

ツァン「じゃあ凌牙派か」

黒咲「それがどうかしたのか?」

ツァン「ううん何でも無い」

黒咲「何だあいつは」

ツァン「考えてみれば誰も彼も恋愛面には疎いんだよね。あの子が1番かも」

遊矢「それで俺達に」

ツァン「カイトもあんたには一目置いてるし唯一張り合おうとしてるらしいから」

柚子「カイトさんは何かと遊矢の事を気にかけてくれるから」

遊矢「遊馬よりも危なっかしいって俺の事を」

ツァン「カイトってあまり自分から話さないけど遊矢の事は話すんだよね」

遊矢「俺の事を?」

ツァン「遊馬もハルトくんも俺抜きでも逞しくなったが遊矢は詰めが甘いって、メンタルもダメダメだって」

遊矢「・・・」

ツァン「で、でも誇り高きデュエリストの1人だって」

柚子「そのカイトさんの悩みって言うのは?」

ツァン「実は」

遊矢「た、多分無理なんじゃないかな」

ツァン「まだ何も言ってない!」

遊矢「1番難しいよ、それ」

ツァン「やっぱり」

柚子「でもカイトさんの好みのタイプってアユちゃんとドロワさんだったじゃない?」

ツァン「幼女と熟女・・・」

柚子「女の私から見れば一緒に居た時に楽しい人がいいと思う」

遊矢「そうだよな、遊星さんもカイトもかなりのイケメンなのに無口だからまるでモテないって」

柚子「遊星さんは死ぬ前に1度でいいからモテたいって言ってたよね」

ツァン「十代は?」

遊矢「十代さんは子供っぽいし遊馬も同じような感じだから」

ツァン「子供っぽい熱血漢もモテないよね」

遊矢「でもモテたって最後は1人の女性を愛して行くんだから別にって感じだけど」

ツァン「この子しっかりしてる・・・カイトとは両極端だ」

ツァン「そりゃカイトも対抗意識燃やすよね、あまりにも生き方が違うし」

ツァン「そういうわけで何も解決しなかった」

恵「そう」

ツァン「でもカイト自身絶対に乗り気にならないよね」

恵「カイトはいつも堂々としてて口が悪い」

ツァン「相手が態度崩さないよね」

恵「でも優しい」

ツァン「あんたにはね、僕にはたまに優しさを見せるけど」

蚊忍者「天城カイトが優しい?あの鬼のような男が優しいってか?」

ツァン「こ、こいつ」

恵「蚊忍者」

蚊忍者「アカデミアのために天城カイト以下エクシーズのデュエリストを抹殺する!最初の標的はお前達よ!」

ツァン「カイトに負けたくせに何言ってんのよ!このゾンビデュエリスト!」

蚊忍者「1度敗れた奴に負けないのが四悪人の強みよ!」

カイト「だったらもう1度地獄にでも落ちて考えろ。自分の何が弱いのかを」

ツァン「カイト!」

蚊忍者「カカカ!俺の攻撃を素手で受け止めるとわ!」

カイト「お前程度の攻撃など小さな子供でも止められる」

蚊忍者「ならば見るがいい!蚊学忍法・・・!」

カイト「随分と余計な事をしてくれたようだな」

ツァン「このまま行けば青春を無駄に終えるんだよカイト!」

カイト「俺の人生は俺が決める」

蚊忍者「見ておけよ、アカデミアの科学力と地獄で身につけた忍法の凄みを!」

ゴスッ

蚊忍者「なっ・・・何だと」

カイト「話が長い。お前の故郷でもある地獄に帰っていろ」

蚊忍者「相変わらず非情な奴だ・・・」

ツァン「何よ、たまにはカイトのために何かしてあげようと思ったのに」

カイト「・・・なら俺にいい奴でも紹介してくれ」

ツァン「え?」

カイト「言っておくがお前の顔を立ててやるだけだ。勘違いするな」

ツァン「へ、へえ・・・まあいいか」

カイト「俺が気に入るか、どうかは知らんがな」

恵「カイト」

カイト「どうした」

恵「この前カイトと凌牙がお見舞いに来てくれたけど、2人は仲良しなの?」

ツァン「あんたって凌牙のこと嫌いじゃないの?」

カイト「当たり前だ。俺達に友情なんてものは存在しない」

恵「でも」

カイト「余計なことを言うな」

数日後

遊馬「カイトをちゃんと見てくれてる奴が居るなんて涙が出てくるぜ」

小鳥「ああいう大人って大事だよね遊馬」

遊馬「ああ・・・」


第71話「大人」


ドルべ「どうしたメラグ」

璃緒「あれ」

アリト「・・・」

シャーク「・・・」

ドルべ「な、何かあったのか?酷い落ち込みようだぞ」

璃緒「誰だか知らないけど負けたんだって」

ドルべ「負けた!?」

ギラグ「ま、負ける事だってあるぜ」

シャーク「・・・」

ミザエル「しかし世の中とは広いな2人揃って負けるなんて」

ドルべ「誰なのか気になるところだ」

ドルべ「うーん」

ミザエル「まだ考えてるのかドルべ」

ドルべ「誰なのか気になってな」

ベクター「誰がやったか教えてやろうか?」

ミザエル「知っているのか?」

ベクター「この街で起こった事は全部この耳に入ってくるんだぜ」

ドルべ「誰なんだ」

ベクター「クラゲ野郎」

ギラグ「クラゲ野郎?クラゲ野郎って言えばナッシュがやりあったって言うあの」

ミザエル「最近カイトが1匹地獄へ返したと言うが」

ベクター「何処かで動いてるんじゃねえの?ああいうプライドのねえ奴らは」

ミザエル「お前が言うな」

ドルべ「行こう」

ミザエル「行くってクラゲ退治にか?」

ドルべ「勿論だ」

ベクター「おいおい話はまだ終わってねえよ、考えてもみろよ?腕っ節の強えナッシュとアリトがボコられてんだぞ」

ドルべ「だからクラゲが」

ベクター「クラゲじゃねえよ」

ミザエル「勿体ぶるんじゃない!さっさと言え!!」

ベクター「嫌だね」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「くっ・・・」

ドルべ「居場所を教えてくれ」

ベクター「仕方ねえな、着いて来いよ」

ドルべ「ああ」

ドルべ「ここは札付きのワルが集まるハートランド工業高校」

ミザエル「ナッシュやアリトのような荒くれ者が集まる最終地点」

ギラグ「バットなんか持ってだらしねえぞドルべ」

ドルべ「私は肉弾戦や格闘はまるでダメなんだ。これぐらいいいだろ」

ギラグ「ベクターはいつの間にか消えたし」

ミザエル「頼もう!」

「何だお前は?」

ミザエル「この学校にクラゲともう1人、強い奴が居ると聞いてな」

ギラグ「早い話が殴り込みってわけよ!」

ミザエル「バリアン七皇に挑むとは無知な輩よ!」

ギラグ「てめえら覚悟しやがれ!!」

璃緒「いつまでも落ち込んじゃって、らしくないわね」

シャーク「うるせえ」

璃緒「ツッパってるくせに、いざ負けちゃうとてんでダメよね2人揃って」

シャーク「知った風な口聞きやがって!俺を誰だと思ってやがる!俺は神代凌牙だぜ!?」

璃緒「アリトは」

アリト「やってやらァ!今度こそぶっ倒してやるよ!!」

璃緒「うん」

シャーク「行くぞアリト!」

アリト「おう!」

璃緒「今回だけよ。見て見ぬ振りするのは、それと夕飯までにはみんな揃って戻ってくる事」

シャーク「勿論だぜ!!」

ドルべ「」

クラゲ先輩「コラァ!殴り込みとはいい度胸してんじゃねぇか!アァン!?」

ミザエル「こいつがクラゲか、なるほど単細胞の塊のような奴だ」

ギラグ「そんでもって、てめえは勝鬨だったな。何でスタンダードのてめえが」

勝鬨「たった1度の敗北で自分はエクシーズを知らぬ愚か者の烙印を押された!だったらエクシーズなど無くなればいい!!」

クラゲ先輩「恐ろしい奴だろ?こういう狂気さが今日日のデュエリストには足らねえんだ!」

ミザエル「それがどうした」

クラゲ先輩「それがどうした?てめえ!先輩に対しての口の聞き方ってのを知らねえのか!!」

勝鬨「このクラゲはアカデミアの改造手術により改造デュエリストに変貌している。そして神代凌牙一派の大将そこに転がっている副将は自分達に敗北した」

クラゲ先輩「次はどいつだ!てめえか?てめえか?それとも2人纏めて先輩に殺されちまうかァ!?」

シャーク「俺らだよ」

アリト「さっきの借りは返させてもらうぜ、てめえら!」

ギラグ「遅えんだよナッシュ、アリト」

シャーク「てめえの相手は俺だぜクラゲ野郎!!」

アリト「武道齧ってるからって調子に乗ってんじゃねえぞ!」

クラゲ先輩「相変わらず口が悪りいな!」

勝鬨「やはりあの時トドメを刺すべきだったな」

シャーク「知ってるか?蚊の野郎がカイトに地獄に送られたってよ」

クラゲ先輩「だから何だ!」

シャーク「てめえも後を追わせてやるよ」

アリト「ほら来いよ、スタンダードの拳法野郎」

勝鬨「1度負けたくせに随分と強気だな」

アリト「俺に2度目はねえ」

クラゲ先輩「上等だ!」

勝鬨「地獄へ落ちるのはお前達だ!!」

ベクター「帰って来ねえな」

璃緒「放っておいたら帰って来るわよ」

シャーク「舐めやがってクラゲ野郎が」

ギラグ「お前顔面ボコボコだぞ」

アリト「勝ったんだから問題ねえよ」

璃緒「ほら!」

ベクター「あらマジだ」

ミザエル「ドルべ」

ドルべ「すまない相変わらず非力で・・・」

シャーク「ざまあねえよ」

アリト「当分喧嘩は懲り懲りだけどよ・・・」

数日後

小鳥「璃緒さんが甘やかすからバリアン七皇は荒くれ者ばかりなのよね」

遊馬「保護者失格だぜ」


第72話「海月」


Ⅴ「では今回は誰に突っ込みを入れようか」

Ⅳ「ダーツで決めるか?」

Ⅴ「では早速」

Ⅲ「おやめください他人が写ってる写真にダーツを投げるなんて」

Ⅳ「じゃあ沢渡なら問題ねえよな」

Ⅲ「まあ彼なら別に」

Ⅴ「なら標的は沢渡だ」

Ⅳ「覚悟しろよ、お坊ちゃん!」

Ⅲ「僕も投げよう」

グサッ

グサッ

グサッ

Ⅳ「あいつは・・・とりあえずウザい」

Ⅴ「自分の実力と態度が見合ってない」

Ⅲ「あそこまで愚かなデュエリストは久しぶりに見ましたね」

Ⅴ「しかも知能が足りない」

Ⅳ「バカの世界チャンピオンだぜ」

Ⅲ「稀なタイプですよね」

Ⅴ「・・・」

Ⅳ「・・・」

Ⅲ「・・・他には」

Ⅴ「無い」

Ⅳ「ねえよ」

Ⅲ「たまに他の次元のデュエリストと集まりますよね?」

Ⅳ「それがどうした」

Ⅲ「集まった時の沢渡と言えば」

Ⅴ「万丈目と居る」

Ⅳ「そういや」

Ⅲ「思い出してください。万丈目さんと沢渡の事を」

Ⅴ「常に後ろで騒いだり驚いたりしてるな」

Ⅳ「あいつら同レベルだからな」

Ⅲ「ですが万丈目さんは大人ですよ?しかもプロ」

Ⅳ「こっちのプロとあっちのプロじゃレベルが違うんだよ」

Ⅴ「万丈目も万丈目で子供っぽいところが多々ある」

Ⅲ「そのワリには仲が悪い感じもありますよね」

Ⅴ「同族嫌悪だな」

Ⅳ「あの系統はアホなのにプライドは全開だからな」

Ⅲ「ですが万丈目さんは十代さんのライバルでは」

Ⅳ「ねえよ」

Ⅴ「あり得ないな」

Ⅲ「なら十代さんのライバルと言えば」

Ⅴ「亮」

Ⅳ「カイザーだろ」

Ⅲ「なるほど」

Ⅳ「っつうか、あいつの着てるコート臭えんだよ」

Ⅴ「何でも洗った事がないそうだ」

Ⅳ「でも悩み事がまるでねえって生き方は羨ましいぜ」

Ⅴ「そうだな」

Ⅲ「ありますよ人間ですから」

Ⅳ「だったら万丈目が塞ぎ込んでる姿想像できるか?」

Ⅴ「沢渡がため息をついている姿はどうだ」

Ⅲ「そ、それは」

Ⅳ「ねえだろ?ある意味無敵だろあいつら」

Ⅴ「人類が絶滅しても彼らだけは生き残ってそうだ」

Ⅳ「しぶとそうだぜ」

Ⅴ「タフな感じがしてならない」

Ⅴ「こんな感じに次元を超えて似たようなデュエリストも居るという事だ」

Ⅲ「ええ」

ピンポーン

Ⅳ「誰だ?」

遊矢「俺」

Ⅳ「何だお前か、どうかしたのか」

遊矢「今度さ海に行くって言ってただろ?」

Ⅲ「え?」

遊矢「いや俺はちゃんと遊馬に回したけど」

Ⅴ「私で止まったのだろうな、遊馬からは聞いている」

Ⅳ「何やってんだ兄貴!」

数日後

遊馬「沢渡と万丈目さんなんてまだ常識人の部類だぜ」

小鳥「もっと酷いデュエリストが沢山居るよね」

遊馬「ああ・・・」


第73話「馬鹿」


6号「甲虫装機エクサスタッグで攻撃!そして甲虫装機エクサビートルでダイレクトアタック!」

「ぎゃあああああああああああああああああああ」

大使「モニターを消せ!」

「イーッ!」

大使「おのれオボット6号め・・・!」

首領「大使よ」

大使「首領」

首領「アカデミアの成績優秀者とジャガーの能力を合わせた改造デュエリストがあっさりと倒されてしまったようだな!」

大使「オボット6号が我らに牙を剥くのは想定外の事・・・申し訳ない」

首領「このまま行けばお前も大佐や博士のように奴らに負けるやもしれぬな」

大使「くっ・・・わしは簡単には死なんぞ!こうなれば必殺の改造デュエリストで奴らを血祭りに上げてくれる!」

遊馬「かっとビングだ!俺!!」

シャーク「海ってのは俺のテリトリーだからよ!派手に暴れてやるぜ!!」

Ⅲ「しかし海なんて久しぶりですね兄様達」

アリト「見ろよギラグ」

ギラグ「いい乳してんな」

ツァン「あんた・・・似合わないよ海パン」

カイト「黙れ」

遊矢「ほら零羅!浮き輪ができたぞ浮き輪が!」

零羅「泳ぐの始めて」

柚子「だったら私達と泳ごうか?」

アリト「水着の上からでも目立つな遊矢は」

ギラグ「ギンギンじゃねえか」

遊馬「へえ権現坂って褌なのか」

権現坂「男児たるもの褌なのは必然!」

沢渡「俺はデリケートなんだぜ?何が悲しくて海に行かなきゃいけねえんだ!」

シャーク「だったら着いて来るなよ、言ってる事と行動が合致しねえんだよ」

柚子「ファラオは海に入れちゃダメよセレナ」

セレナ「こいつは遊泳禁止なのか!?」

デニス「黒咲が居ないね」

ミザエル「あいつならサーフィンをしているぞ」

ベクター「真顔でサーフィンして楽しいのかよ」

Ⅳ「じゃあ満面の笑みの黒咲見たいか?俺は嫌だぜ、夢に出てきそうだから」

遊矢「遊星さんや十代さん達も来ればいいのに」

遊馬「十代さんは新たな戦いに向けて修行中で遊星さんはパクられちまったらしいぜ」

アリト「見ろよ沢渡」

沢渡「何だ?」

ギラグ「得してるだろカイト」

雪乃「坊やは私がどうすれば教職に復帰できると思う?」

カイト「とりあえず服を着ろ。なぜ全裸なんだ」

雪乃「あらあら」

ツァン「大体生徒に手を出すからクビになっちゃうのよ、あの子なんて真面目にやってんだから」

アキ「見つけたわ天城カイト!」

アリト「やったぜ!もっと凄えのが来ちまったよ!!」

ギラグ「よっしゃ!」

黒咲「何をやっているんだ・・・あれは十六夜アキか」

アキ「私とデュエルしなさい!」

カイト「意味はわからんが受けて立つ」

シャーク「泳ぎなら俺が教えてやるって言ってんだろ!」

遊矢「凌牙じゃどう考えたって無理だ!」

シャーク「何だとてめえ!!」

Ⅲ「やめなよ2人とも」

権現坂「喧嘩をして何になる!」

シャーク「チッ」

Ⅳ「しかし凌牙もよくやるぜ」

明日香「神代凌牙!」

ギラグ「見ろアリト!またまた凄えのが来ちまった!」

アリト「やったぜ!」

明日香「デュエル!」

シャーク「デュエル?何言ってんだこいつ・・・まあやってやってもいいけどよ」

遊馬「どうしたんだ?」

ツァン「あれよあれ」

カイト「ドロー!俺はオーバーレイ・スナイパーを攻撃表示で召喚!そしてオーバーレイ・ブースターを特殊召喚!オーバーレイ・スナイパーとオーバーレイ・ブースターをリリースし銀河眼の光子竜を特殊召喚!カードを1枚セットしターンエンド」

アキ「私のターン!私は夜薔薇の騎士を攻撃表示で召喚!夜薔薇の騎士の効果で手札からレベル4以下の植物族モンスターを特殊召喚できる。私は返り咲く薔薇の大輪を特殊召喚!レベル4の返り咲く薔薇の大輪にレベル3の夜薔薇の騎士をチューニング!シンクロ召喚!ブラック・ローズ・ドラゴン!」

アキ「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!フィールド上の全てのカードを破壊する!!」

カイト「・・・」

アキ「さらに魔法『偽りの種』を発動!手札からレベル2以下の植物族モンスターを特殊召喚!私はフェニキシアン・シードを特殊召喚!フェニキシアン・シードを墓地へ送り手札からフェニキシアン・クラスター・アマリリスを特殊召喚!バトルよ!」

カイト「・・・」4000→1800

アキ「カードを1枚セットしてターンエンド!ここがあなたの墓場よ、天城カイト!」

雪乃「おっぱい大きい・・・大きすぎよ、始めて見たわ」

ツァン「あれで女子高生なんだってさ、そうだよね遊馬」

遊馬「ああ!」

カイト「俺は手札の光属性モンスターを墓地に送り手札から銀河戦士を特殊召喚!そしてギャラクシー・サーペントを通常召喚!さらに魔法『銀河遠征』を発動!俺はデッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!そしてフォトン・カイザーの効果でフォトン・カイザーをもう1体召喚!」

ツァン「出たカイトの勝ちパターン!」

遊馬「あれ?あのアキさん何か違うぞ」

アストラル「彼女にはシグナーの痣が無い。そして何よりブラック・ローズ・ドラゴンの目が死んでいた!」

遊馬「だってよカイト!」

カイト「それぐらい宣告承知だ。一気に決めるぞ、レベル5の銀河戦士にレベル2のギャラクシー・サーペントをチューニング!シンクロ召喚!月華竜ブラック・ローズ!ブラック・ローズが特殊召喚に成功した事で相手フィールドのモンスターを手札に戻す!」

カイト「そしてレベル8のフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の時空竜!銀河戦士の特殊召喚時に墓地に送られたカードは銀河眼の雲篭!墓地のこのカードは自分フィールドのギャラクシーとなのつくエクシーズのオーバーレイ・ユニットとなる!」

カイト「そして墓地のオーバーレイ・ブースターを除外する事で自分フィールドのモンスターエクシーズの攻撃力はオーバーレイ・ユニット×500ポイントアップする!」

アキ「攻撃力4500!?」

カイト「バトルだ!偽者には偽者に相応しい最後を与えてやる!!」

遊馬「やったぜ!」

「ブブ!」

カイト「やはり改造デュエリストか」

遊馬「じゃあ明日香さんも」

カイト「改造デュエリストが化けた姿だろうな」

雪乃「あの人も胸が・・・何なの一体」

「ブゥン・・・」

カイト「俺はどうにも蚊に縁があるようだ」

ツァン「これ蚊なの!?」

カイト「どう見たって蚊だろ」

遊馬「シャーク!」

雪乃「偽者・・・こんな胸の大きいデュエリストなんて居るわけないわよね」

遊馬「その明日香さんは偽者だぜ!」

シャーク「本物だろうと偽者だろうと関係ねえよ、関わりもあんまねえしな」

沢渡「知らねえのか?あいつ万丈目が片想いしてる相手なんだぜ」

シャーク「だったら何だってんだ!偽者は偽者じゃねえか!!」

明日香「ドロー!魔法『リチュアの儀水鏡』を発動!手札からリリースしイリビリチュア・テトラオーグルを儀式召喚!」

明日香「カードを2枚セットしターンエンド!」

シャーク「こいつは儀式なのか?まあ構いはしねえがな!俺のターン!」

シャーク「俺はセイバー・シャークを攻撃表示で召喚!さらにシャーク・サッカーを特殊召喚!そしてサイレント・アングラーを特殊召喚!」

シャーク「セイバー・シャークの効果でシャーク・サッカーのレベルを3から4に変更!レベル4のセイバー・シャークとシャーク・サッカーとサイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!海咬龍シャーク・ドレイク!」

シャーク「バトルだ!海咬龍シャーク・ドレイクでイリビリチュア・テトラオーグルを攻撃!」

明日香「くっ・・・」4000→3800

シャーク「そしてシャーク・ドレイクのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で破壊したモンスターを相手フィールドに特殊召喚する!この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンし2度目の攻撃を可能にする!!」

明日香「か、敵わない!」

シャーク「無理して儀式使うからじゃねえのか?頭の悪りい融合次元なら融合でも使ってやがれ!」

明日香「逃げるしか」

シャーク「逃がさねえぞ!てめえのフィールドにモンスターが2体以上居る事でイーグル・シャークはリリース無しで召喚できる!そしてイーグル・シャークが自分フィールドに存在する事でパンサー・シャークを特殊召喚!」

シャーク「レベル5のイーグル・シャークとパンサー・シャークでオーバーレイ!エクシーズ召喚!激瀧神アビス・スプラッシュ!!」

「ひえええええええええ」

シャーク「上手い具合に姿が変わりやがったな、万丈目の惚れてる相手の姿のままじゃ殺りにくいからよ!」

ギラグ「あれは何だ?」

ドルべ「あの左右非対称の鋏はシオマネキだな」

シャーク「ったくクラゲも蟹も図に乗ってんじゃねえぞ!てめえら程度が鮫に勝てるってのか!!」

シャーク「海の王者を舐めんじゃねえ!!」

シャーク「やったぜ」

ドルべ「しかし2人揃ってどうして」

カイト「答えはあれだ」

アリト「敵は敵でもいい目の保養になったぜ」

ギラグ「生きてて良かった」

ミザエル「確かにな」

黒咲「唯一の誤算は俺達の大半が女に興味が無いって事だ」

Ⅳ「アカデミアってのはバカの集まりかよ」

ベクター「バカしかないなくね?セレナも素良も頭悪すぎて笑っちまうレベルによ」

シャーク「頭悪りいってのは悲惨だぜ、だからこそ融合次元って言う猿の惑星があるのかもしれねえけどな」

遊馬「さあ海水浴の続きしようぜ!」

シャーク「遊矢は」

遊矢「いいぞ零羅!」

零羅「・・・」バシャバシャ

柚子「その調子よ!」

シャーク「野郎!」

アリト「脱がしちまおうぜ」

ベクター「柚子に遊矢のデカチンを拝ませねえとなァ~!」

ギラグ「ひっくり返るだろうぜ!」

ミザエル「どうするドルべ」

ドルべ「見守るしかない」

遊馬「ハハハ!」

ツァン「何で黒咲って真顔なの」

カイト「あいつが笑顔なら俺は縁を切る」

セレナ「お前も猫が好きなのか?」

恵「うん」

セレナ「こいつは私の猫ではないが主人に似て優しい奴なんだ!」

恵「誰なの?」

セレナ「そ、そんなの言えるわけないだろ!」

ツァン「アキと明日香見て雪乃もすっかり自身失くして帰っちゃったよ。まあ無理も無いよね」

カイト「フッ・・・あいつにはいい薬になるだろ」

黒咲「カイト!お前もサーフィンをしろ!」

カイト「いいだろう。原理がわかれば簡単だ」

シャーク「な、何でお前」

遊矢「それは俺の台詞だ!いきなり脱がすなんて何考えてるんだ!!」

シャーク「いや・・・タメだよな」

遊矢「何だよ改まって」

ギラグ「こいつ見てると自信失くすぜ」

アリト「デカすぎだろ」

シャーク「勃ってんのか?」

ベクター「普通ぐらいなんだろ・・・寒気がするぜ」

シャーク「・・・」

遊矢「返せよ!」

シャーク「・・・」

ミザエル「男にとって巨根とはある種のステータス」

ドルべ「遊矢は巨根どころか、何かを超越している」

ミーンミーンミーン

Ⅲ「みんなが海を満喫しているというのに」

Ⅳ「俺達は何で調査してるんだよ!」

Ⅴ「いや十六夜アキと天上院明日香の偽者が出たという事はここにもアカデミアのアジトが存在している気がしてならない」

Ⅳ「予感なんだろ?」

Ⅴ「そう予感だ」

Ⅲ「信じましょうⅤ兄様を」

Ⅴ「すまないなⅢ」

Ⅳ「ったくよ、いい加減全滅しねえかなアカデミア」

「イーッ!」

Ⅳ「本当にいやがったよ」

Ⅴ「奴らのマスクとタイツを剥ぎ取るぞ」

遊馬「帰って来るのか!?わかった!みんなに言っとくよ」

アストラル「ユートか」

遊馬「ああ!」

アストラル「きっと驚くだろうな」

遊矢「ちょっと聞いてくれよ遊馬」

遊馬「遊矢!ユートが帰って来るぜ!」

遊矢「ユートが!?」

遊馬「しばらく音沙汰ねえと思ったら、あいつ!」

遊矢「あっちの件は片付いたの?」

遊馬「そうでもらしいけどアカデミア三大幹部が2人も倒れたんだ。だから」

遊矢「骨休みって事か」

遊馬「そういう事だぜ!」

Ⅴ「蚊、クラゲと来れば」

Ⅳ「まあ蝉だよな」

蝉丸「くっ!」

Ⅳ「恥ずかしくねえのか?融合次元なんかに身売りしやがってよ!」

蝉丸「お前達を倒すためなら悪魔にだって魂を売る!」

Ⅴ「順当的に言えばMr.ハートランドが来るな」

Ⅳ「あのインチキ眼鏡またまた出やがるってのか」

蝉丸「俺はアカデミアによって改造された!見ていろ、今までの俺とは」

Ⅴ「先に地獄に落ちた仲間もそう言ってたそうだ」

Ⅳ「こいつはお前と因縁があったな?やっちまえよⅢ」

Ⅲ「わかりました!」

黒咲「そうかユートが」

遊馬「黒咲は先に帰って来てたのにな」

黒咲「あれとあいつは基本的に別行動をとっていてな」

遊矢「ふーん」

沢渡「おい!スイカ割るぞスイカ!」

黒咲「はしゃぐな」

遊馬「やろうぜ、スイカ割り!」

沢渡「早く来いよ!」

遊馬「やろうぜ黒咲」

黒咲「仕方が無い・・・やってやるか」

Ⅲ「見てください!スイカ割りですよスイカ割り!」

Ⅳ「ほら見ろ、俺らがフラフラしてたら先に進んでるじゃねえか」

Ⅴ「そう文句を言うな」

カイト「何処に行っていたんだ」

シャーク「早く来いよ!」

沢渡「先攻は俺だ!ほら回せ回せ!」

シャーク「このまま海に落としてやろうぜ」

権現坂「そうすれば少しは頭が冷えるだろ」

沢渡「早くしろよ!」

ベクター「回せ回せ!」

Ⅳ「こいつを海に叩き込んじまえ!」

遊馬「何かいよいよアカデミアとの戦いが最後って感じだな」

遊矢「何で?」

アストラル「何と無くだが私達はそう感じるんだ」

柚子「やっとって感じよね」

遊馬「アカデミアを倒したらどうする?」

遊矢「俺は・・・今度は遊星さんの手助けをする」

アストラル「シンクロ次元に巣食うトップスとの戦いか」

遊矢「それに十代さんとの因縁があるユーリとだって」

遊馬「あいつには負けるなよ遊矢」

アストラル「あの男はまるで邪悪の塊だ。君やユート、ユーゴとは違う・・・例えるなら君達の紛い物だ。それも相当の粗悪品」

遊矢「あんな奴に負けてたまるか、俺は絶対に勝つ!」

遊馬「日も暮れてきたし帰ろうぜ」

シャーク「今日も充実した1日を送ったよな」

カイト「そうだな」

Ⅲ「今度は山だね遊馬」

遊馬「山?いいな山」

黒咲「山か」

アリト「山ってお楽しみねえじゃん」

柚子「今度はアユちゃん達も連れて来ようね」

遊矢「そうだな!」

沢渡「てめえら俺をシカトしやがってよ!溺れてるんだよ!」

数日後

遊馬「やっと帰って来る・・・俺の唯一の理解者のユートが・・・フフフ」


第74話「海水」


遊馬「遅えなユート」

シャーク「本当に来るのかよ」

遊馬「だって連絡が来たんだぜ!」

シャーク「だからって」

遊馬「絶対に来る!」

カイト「来るのはわかったが何で来るんだ?船か飛行機か」

Ⅲ「問題はそこだよ遊馬」

遊馬「何で来るんだアストラル?」

アストラル「それは私に言われても困るな」

遊馬「じゃあ空港まで走ろうぜ!」

シャーク「マジで飛行機なのか?」

Ⅲ「さあ」

黒咲「遅かったな」

シャーク「お前も空港をはってたのか?」

黒咲「何となく空から来ると感じてな」

沢渡「おい!この前はよくもやりやがったな!!」

シャーク「生きてたのか、てめえ」

アリト「連絡ねえのか?顔そっくりなのに」

遊矢「そっくりでもわからない事だってあるんだ」

アリト「来るまで何してりゃいいんだ?」

Ⅲ「そうだね・・・」

カイト「何もせず気長に待っていれば勝手に来るだろ」

ユート「まずは遊矢に会って驚かそう。みんなは俺がスタンダード次元から来る何て知らないだろうし驚くだろうな」

修造「遊矢!探したぞ!!」

ユート「いや俺は遊矢では」

修造「実は梁山泊塾の奴らが遊矢不在の時に殴り込みをかけて来たんだ!」

ユート「だから」

修造「早く来い!」

ユート「わ、分かった」

修造「どうして肝心な時に連絡ができないんだ」

ユート「何か面倒な事になって来たぞ」

修造「さあ走るぞ遊矢!」

ユート「あ、ああ」

フトシ「痺れるゥ~!」

アユ「遅いよ遊矢お兄ちゃ・・・あれ?」

タツヤ「黒い遊矢兄ちゃんだ!」

修造「黒い?」

タツヤ「早い話が2Pカラーだよ」

勝鬨「さっさと始めろ!自分は気が短いんだ!」

アユ「仕方が無いからバシッとやってよ黒い遊矢お兄ちゃん」

タツヤ「お願い!」

勝鬨「さっさとしろ!!」

ユート「仕方が無い。やろうか、デュエルを」

勝鬨「自分は永続魔法『炎舞-「天枢」』を発動!これにより通常召喚に加え獣戦士族モンスターを召喚できる!自分は喑炎星-ユウシを召喚!そして炎舞-「天枢」の効果で勇炎星-エンショウを召喚!」

勝鬨「レベル4の喑炎星-ユウシと勇炎星-エンショウでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!魁炎星-ソウコ!ソウコが特殊召喚に成功したときデッキから炎舞と名のつく魔法または罠をセットする事が可能!そしてオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で相手ターン終了時までこのモンスター以外の効果を無効にする!」

勝鬨「ターンエンド!」

ユート「ドロー!魔法『炎の護封剣』を発動!自分フィールドにモンスターが存在しない場合、相手は攻撃ができない。俺はカードを1枚セットしターンエンド!」

勝鬨「ドロー!言い忘れていたが・・・このスタンダード次元にはアクションデュエルというのがあってな!ハイイイッッ!!」

ユート「それぐらい・・・知っている!」

キンッ

勝鬨「なにぃ!?」4000→3400

ユート「君の道場拳法と戦場で磨かれた俺の拳とでは格が違う。だからアクションデュエルはやめた方がいいな」

勝鬨「くっ・・・英炎星-ホークエイを召喚!そして天枢の効果により速炎星-タイヒョウを召喚!レベル3の英炎星-ホークエイと速炎星-タイヒョウでオーバーレイ!」

ユート「まさか彼がエクシーズを身につけるなんて・・・しかし相変わらず過激な男だ」

勝鬨「榊遊矢!今日こそは勝つ!ターンエンド!!」

ユート「カードを1枚セットしターンエンド」

勝鬨「防戦一方とはこの事だな!ドロー・・・いつまでも炎の護封剣に守られていると思うな!男なら堂々と戦え!ターンエンド!」

ユート「なら、そうさせてもらう!ドロー!魔法『ガガガ学園の緊急連絡網』を発動!デッキからガガガマジシャンを特殊召喚!そしてガガガマジシャンの効果でレベルを7に変更!さらにガガガガールを通常召喚!ガガガガールのレベルは自分フィールドのガガガマジシャンと同じになる!」

ユート「レベル7のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7!幻想の黒魔導師!!」

勝鬨「お前の身を守っていた剣は消えた!やっと戦う気になったようだなぁ!」

ユート「幻想の黒魔導師のオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で手札またはデッキから魔法使い族通常モンスターを特殊召喚する。俺はブラック・マジシャンを特殊召喚!」

ユート「そしてガガガガールをオーバーレイ・ユニットとして使用した場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする!」

勝鬨「!?」

ユート「耐えて耐えて耐え忍ぶ事も大事なんだ。バトル・・・!」

柚子「もしもしアユちゃん?えっ!?」

カイト「どうした」

柚子「ユートがうちに来てるって」

シャーク「あの野郎!」

アリト「3時間ぐらい待ってんだぞ!」

黒咲「ユートめ・・・!」

Ⅲ「まあまあ」

遊矢「まずはユートに会わないと」

カイト「だがなぜ奴が塾に」

柚子「何でだろ」

遊矢「うーん」

ユート「また彼は俺達を誤解したまま何処かに」

修造「すまなかった!」

ユート「いや俺は」

遊馬「ユート!」

遊矢「ユート!」

ユート「遊馬、遊矢」

黒咲「やっと帰って来たなユート」

ユート「隼」

柚子「久しぶりねユート」

ユート「柚子・・・それにカイトに凌牙、Ⅲ、アリトまで」

沢渡「露骨に無視しやがって!」

ユート「遊馬達の活躍はみんな聞いているぞ」

遊馬「何か照れるぜ」

ユート「それとクロウの事も」

黒咲「あいつはいつだって俺達デュエリストの心の中に生きている」

ユート「・・・そうだな」

遊矢「元気そうで良かった」

ユート「いやしばらくしたら、また南米に戻るよ」

遊馬「何で!?」

ユート「少し不穏な動きがあってな、アカデミアとは違う別の何かの」

遊馬「それならバッチリ骨休みしねえとな!」

アストラル「あまり働きすぎるのもダメということだ」

数日後

遊馬「やっと常識人が帰って来てくれて良かったぜ」

ユート「ああ」

遊馬「どうよ久しぶりに見て」

ユート「何とも言えないな、どう変わったのか確かめるまでは」

遊馬「マジで助かるぜユート」


第75話「炎星」


ユート「何処へ行く隼」

黒咲「少しDホイールの練習にな」

ユート「クロウの・・・そうか、隼は」

ジャック「迎えに来てやったぞ」

黒咲「余計な世話だ」

ユート「俺も行ってもいいか?」

ジャック「久しぶりだなユート」

黒咲「遠慮などするな、来い」

ユート「なら行かせてもらおう」

黒咲「お前も乗るか?」

ユート「いや俺は」

ジャック「遊星!ユートを連れて来たぞ」

遊星「何!?」

シンジ「誰だこいつ?」

ユーゴ「ユートってんだ」

シンジ「お前や遊矢そっくりだ」

ブルーノ「慣れたら見分けがつくよ」

シンジ「・・・サッパリだぜ」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!それはまだまだ満足度が足らねえって事だ」

ユート「この感じも久しいな、遊馬達は単独で動く事が多いが遊星達はまさにチームで動く」

遊星「しかし良いところに来てくれたなユート」

ユート「?」

ユート「黒薔薇の痴女?何だそれは」

遊星「ここ最近現れる謎の通り魔デュエリストだ」

ジャック「かつての十六夜の模倣犯だと遊星は言っている」

遊星「これが原因で俺達はあまり遊馬の手助けができないんだ」

ユート「そうだったのか」

ジャック「ああ」

ユート「ところで昔の彼女はそんなに」

遊星「俺が唯一恐れた女はアキしかいない。今も怖いがな」

ユート「俺はどうすればいい」

遊星「俺達の手助けをしてくれないか?」

ユート「こういう時こそデュエリストは助け合いだからな」

ユート「出る場所はわかるのか?」

遊星「神出鬼没なんだ」

黒咲「十六夜アキではないのか?この前だって未来の十六夜アキや偽の十六夜アキが現れたんだぞ」

遊星「遊馬から色々と聞いている」

ジャック「言っておくが十六夜ではない」

黒咲「根拠は」

遊星「黒薔薇の痴女が出現した時刻には何度か俺達と一緒に行動をしていた」

黒咲「なるほど」

ユート「アリバイがあるという事か」

遊星「ああ」

黒咲「いつ出るか、わからんようじゃ対抗策ができんぞ」

ユート「どうして痴女なんだ」

遊星「狙いは女ばかりでデュエルで負かした相手を全裸にするんだ」

ユート「全裸!?」

遊星「ああ」

ユート「女である証拠は?」

遊星「髪が長かったらしい」

ユート「それだけで女なんのか!?」

遊星「多数決の結果、女になった」

ユーゴ「細かい事は気にすんなよ!」

ユート「・・・」

龍亞「遊星!黒薔薇の痴女が現れたよ!!」

遊星「何!?」

ジャック「行くぞ遊星!」

遊星「みんなも着いて来てくれ!」

シンジ「何か面白そうだぜ」

ユーゴ「久しぶりの大物って感じだぜ!」

鬼柳「派手に満足しようぜ!」

黒咲「どうしたユート」

ユート「いや別に」

ジャック「覚悟するがいい黒薔薇の痴女!」

遊星「お前の快進撃もここまでだ!」

ボマー「ぐわああああああああああああああああああ」

クロウ「ボマー!」

遊星「何て事を」

ジャック「あの怪力無双のボマーを」

「デュエル!」

遊星「ドロー!手札からモンスターを墓地に送りクイック・シンクロンを特殊召喚!そしてボルト・ヘッジホッグを特殊召喚!さらにブースト・ウォリアーを特殊召喚!俺はレベル2のボルト・ヘッジホッグ、レベル1のブースト・ウォリアーにレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!スターダスト・ドラゴン!さらにガントレット・ウォリアーを通常召喚!ガントレット・ウォリアーをリリースしターレット・ウォリアーを特殊召喚!ジャック!」

ジャック「ダーク・リゾネーターを通常召喚!レベル5のターレット・ウォリアーにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!レッド・デーモンズ・ドラゴン!クロウ!」

クロウ「俺はBF-東雲のコチを通常召喚!そしてBF-黒槍のブラストを特殊召喚!レベル4のBF-黒槍のブラストにレベル4のBF-東雲のコチをチューニング!シンクロ召喚!ブラックフェザー・ドラゴン!」

遊星「遊びはここまでだ」

ジャック「バトルだ!」

クロウ「やっちまえ!!」

「いやああああああああああああああああああああああああ」

遊星「これで無事に解決だな」

ユート「クロウ!?なぜ君がここに」

クロウ「あ?」

黒咲「クロウ!」

シンジ「お前何で生きてたのか!?」

ユーゴ「心配かけさせやがって!」

クロウ「へへへ悪りい悪りい。これでも1度は死んだんだぜ?赤き竜がよ引っ張り出してくれたんだ」

遊星「さすが赤き竜」

クロウ「土の中に居たんで汚れまくってるぜ、風呂に入りてえよ!」

遊星「積もる話もあるが・・・黒薔薇の痴女の正体を見てみよう」

ジャック「そうだな」

遊星「何だ龍可か」

ジャック「その背丈は未来から来た龍可だな」

クロウ「自分の胸が成長しねえから腹いせにやったのか?ったく仕方のねえ奴だな」

龍可「未来じゃタイムマシンで過去や未来に行ったりするのが流行ってるのよ。ごめんなさい」

ユーゴ「なあ!俺とリンって結婚してるよな!?」

シンジ「俺は革命に成功してるよな?」

龍可「それ言ったらタイムパトロール隊に捕まるからダメよ」

遊星「全裸になる事はこの街じゃ蚊に刺された程度だ。クロウも蘇ったし今日は大目に見よう」

黒咲「遊馬達にも報告しなければな」

クロウ「本当に迷惑をかけちまったぜ、すまねえ!」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!」

ユート「・・・」

数日後

遊馬「もう行っちまうのかユート」

ユート「ああ」

遊馬「だったらこれをユートに渡すぜ」

ユート「ズババジェネラル?これは」

遊馬「いいから受け取れよ」

ユート「すまないな」

遊馬「・・・」

ユート「・・・」

遊馬「シンクロ組のノリが1番理解できねえよ」

ユート「ああ・・・」


第76話「貧乳」


遊馬「ハートランド?Mr.ハートランドか?」

カイト「ああ」

シャーク「この前目撃した奴が居るんだと」

アストラル「なるほど、だから」

カイト「探し出して叩く」

シャーク「野郎も地獄に送ってやろうぜ!」

遊馬「地獄地獄って・・・って言っても何処に居るか、わからねえしな」

カイト「あいつは能無しだから勝手に出てくる」

シャーク「ハエ野郎だからクソにでもくっ付いてるんじゃねえの?」

遊馬「そういやハエだったな、あいつ」

アストラル「すっかり忘れていた」

ハートランド「私はハエの化身・・・言ってみれば病原菌塗れなのです」

大使「こいつの分身蝿を街に解き放ち病原菌を撒き散らすのが今回の計画なのです首領」

首領「もうお前には何も期待せん」

大使「な、何ですと!?」

首領「九十九遊馬と幾度も戦った四悪人を呼び出せば勝てる。そして優れたデュエリストでもある十六夜アキと天上院明日香のコピーすらも敗北したのだぞ」

大使「ですが首領!」

首領「最早このアカデミアに見切りを付ける日も近いな」

ハートランド「随分とご立腹の様子で、しかし私に失敗は無いのです!」

大使「黙らんか下っ端デュエリストが!」

ハートランド「この計画を成功させた暁には私めを是非アカデミア最高幹部の座に」

首領「善処しよう」

大使「ぐぬぬ・・・」

ブーン

ブーン

ブーン

ブーン

ブーン

ブーン

小鳥「な、何あれ!?」

鉄男「うわあああああああああああああああああああああああ」

委員長「トドおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

徳之助「ウラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

小鳥「みんな!」

アストラル「遊馬!」

カイト「何だあの空を覆う物は」

シャーク「は、ハエだ!」

カイト「ハートランドめ」

シャーク「ぶっ殺す!」

カイト「啖呵を切る前に前に進め」

遊馬「絶対に許さねえぞハートランド!」

アストラル「シャークはバリアンのみんなを」

カイト「なら俺はクリス達を呼んでくる」

遊馬「俺達は先に行ってるぜ!」

ハートランド「ファンタスティックッ!どうです!この蝿の大軍を!!」

大使「悍ましい男だ」

遊馬「見つけたぞハートランド!」

ハートランド「おや九十九遊馬・・・それに遅れて登場か」

カイト「そういうわけだハートランド」

シャーク「やってくれたな!」

ハートランド「相も変わらず揃いも揃って!」

ベクター「小蝿が随分とノリノリじゃねえの!」

アストラル「アカデミアの大使まで居るのか」

ハートランド「蝿の病原菌で死ね!」

大使「お前たちエクシーズの悪運もここまでよ!」

ハートランド「バカな!?何故だ何故効かない!?」

シャーク「てめえと違って俺らは幾多の死闘を乗り越えて来たんだぜ!」

ハートランド「だが遊馬の仲間である奴らは!」

カイト「武田鉄男以下ナンバーズクラブの連中は野球で例えれば二軍だ」

シャーク「日頃の鍛錬が足らねえから転けちまうんだよ!」

Ⅳ「のわりには小鳥はピンピンしてるな」

Ⅲ「小鳥は頑丈ですから」

カイト「そういうわけだ。地獄でお前の仲間と反省会でも開いていろ」

シャーク「行くぜ遊馬、みんな!」

「かっとビングだ!!!俺!!!」

小鳥「やったー!」

大使「なっ・・・」

遊馬「もう追いかけっこはやめようぜ大使!俺が相手をしてやるよ!!」

大使「退散だ!」

シャーク「チッ、逃げやがって」

カイト「クリス」

Ⅴ「ハエの病原菌ぐらい何とかなるだろう」

アリト「さすがだぜ!」

遊馬「アカデミアの大使か」

アストラル「奴もいつか必ず」

遊馬「ああ!」

大使「首領・・・!」

首領「言い訳など聞かぬわ!」

大使「・・・ッッ」

ギィッ

「ケケケ!」

大使「誰だ貴様!」

首領「見ての通りの改造デュエリストだ」

大使「わしの知らない改造デュエリスト・・・!?」

首領「アカデミアの終焉の時が近づいて居るな大使」

大使「いや次こそは・・・次の作戦で九十九遊馬を榊遊矢を必ず・・・!」

「ケケケ!」

数日後

小鳥「そろそろ鉄男くん達を鍛えてあげないとね」

遊馬「最近たるんでるんだよ、あいつら」


第77話「二軍」


アユ「わあーい牧場だ!」

柚子「あまり走っちゃダメよ」

タツヤ「でも何で牧場に?」

遊矢「商店街の福引で」

零羅「・・・」

フトシ「痺れるゥ~!」

アユ「見てよ牛が居るよ」

タツヤ「ブタも居るし馬もニワトリも居る」

柚子「乳搾りの体験か」

遊矢「零羅もやるか?」

零羅「・・・うん!」

遊矢「何かこの牛」

柚子「アキさんに似てる気がする」

アキ牛「モーッ」

遊矢「こっちは明日香さんだ」

明日香牛「モーッ」

アユ「ドロワおばちゃんっぽいね」

タツヤ「うん」

ドロワ牛「モーッ」

遊矢「き、気のせいだ・・・よな?」

柚子「そ、そうよ!」

遊矢「気にせず乳搾りしよう」

タツヤ「何かこっち見てる牛が遊星兄ちゃんっぽいね」

遊星牛「モーッ!モーッ!」

柚子「あれは遊星さんよ」

遊矢「遊星さん好きだから、そういうの」

アユ「隣で喜んでる牛なんて十代お兄ちゃんに見えるね」

柚子「別の牛が尻尾引っ張ってるわ」

遊矢「何かセレナに見えるぞ」

十代牛「モーッ」

セレナ牛「モーッ!!!」

柚子「零羅くんのために色々やらないと」

遊矢「こいつは牛なんだ・・・俺達の知り合いじゃない」

小鳥鶏「コケコケ!コケコケ!」

遊馬「小鳥」

小鳥鶏「・・・」

アユ「あそこの馬なんて交尾してるよ!」

タツヤ「遊矢兄ちゃんと柚子姉ちゃんだ!」

遊矢「・・・帰ろうか」

柚子「そうね・・・」

アユ「照れちゃって可愛いんだから!」

タツヤ「この初心コンビ!」

フトシ「痺れるゥ~!痺れるゥ~!」

数日後

フトシ「相変わらず痺れる奴らだぜ」


第78話「牧場」


小鳥「鉄男くん達は?」

遊馬「決闘庵で心身共に鍛えるってよ」

小鳥「やっとやる気になったのね!」

アストラル「遊馬!」

「ケケケ!」

小鳥「改造デュエリスト!?」

遊馬「てめえ!アカデミアの刺客だな!!」

「そうかな、そう思うかな!」

アストラル「アカデミアでは無いのか!?」

「さあ何かな!」

アストラル「気をつけろ遊馬!」

「ケェーッ!」

遊馬「こ、こいつ・・・強い!」

アストラル「落ち着くんだ。改造デュエリストとは動植物とデュエリストを合わせている。その動植物の弱点を突くんだ!」

遊馬「そうか!」

小鳥「でも何の改造デュエリストなんだろ」

遊馬「蟹だぜ!」

アストラル「いや蝙蝠に見える」

小鳥「どっちなの!?」

「その答えを知る日は近い!そして、その時が九十九遊馬!お前の最後だ!ケケケ!!」

遊馬「飛んでっちまったぜ」

アストラル「今までの改造デュエリストとは別だ・・・何か異様だぞ奴は」

カイト「・・・俺の湯呑みにヒビが」

ツァン「何で自分の湯呑みまで持ち込んでるんだろ」

カイト「・・・邪魔したな」

ツァン「はあ?もう帰っちゃうの」

カイト「何か問題あるのか」

ツァン「別に無いけど」

カイト「だったら帰る」

ツァン「何やってんだろ」

カイト「おい」

ツァン「ん?」

カイト「気をつけろよ、ハルトもお前の事を気に入ってるから死んだら困る」

ツァン「自分が一番死にそうなくせに何言ってんだか・・・ま、気をつけるよ」

ゆま「あ、遊馬くん!」

遊馬「えーっと・・・」

アストラル「遊馬と小鳥が南米に行く前に会った宮田ゆまという女子大生だ」

ゆま「実は大学をやめちゃいまして」

遊馬「やめた?何で」

ゆま「通っている大学が・・・アカデミアに」

遊馬「許さねえ!」

ゆま「でも今はOLとして頑張ってます!コネですけど」

遊馬「そうか、俺もいつか大学に行くもんな」

アストラル「君が?」

遊馬「何か楽しいし行ってみたいぜ!でもプロにもなりてえし父ちゃんみたいに」

シャーク「レッド・デーモンでミザエルにダイレクトアタック!!」

ミザエル「くっ・・・!」1500→0

シャーク「よし!」

ドルべ「もうシンクロは身につけたって感じだなナッシュ」

シャーク「まだだぜ、何か足りねえんだよ」

アリト「そりゃレッド・デーモンってナッシュっぽい感じするけど」

ギラグ「何か引っかかるのか?」

シャーク「何か俺のレッド・デーモンも遊馬のスターダストも遊星とジャックみたいに進化したらって思ってよ」

ドルべ「進化?」

シャーク「俺らはいつだって進化して来たじゃねえか、それに・・・何か嫌な予感するしよ」

大使「首領はアカデミアに完全に見切りをつけようとしている!」

「イーッ!」

大使「こうなればわし達の全総力を結集させ九十九遊馬達を倒すまで!アカデミア最高傑作の改造デュエリストよ!」

「お任せください大使」

大使「融合次元の海に多数生息する人食いウニの改造デュエリスト・・・そして!」

バッ

「ガーラァッ!このガラガラ蛇の改造デュエリストであるわしが直々に始末してくれる!」

「ケケケ!最後の足掻きを見させてもらうぞ」

「進め!最早、策など使わぬ!老若男女嬲り殺しにするのだ!!」

「イーッ!」

「ケケケ!」

Ⅲ「しかしクロウさんが生きてるとは」

Ⅳ「それより薔薇の痴女か?よくやるぜ」

Ⅴ「龍可だったな」

Ⅲ「そうでしょうか?僕は好きですよ」

Ⅴ「Ⅲもそういう年頃か」

Ⅲ「だって貧乳ってレアじゃないですか?」

Ⅳ「レア?アユだって貧乳じゃねえか」

Ⅴ「子供を引き合いに出すものじゃないぞ」

Ⅳ「女なら何だって一緒だぜ」

Ⅲ「ダメですよⅣ兄様」

Ⅳ「いいや一緒だぜ」

カイト「何?街でアカデミアの連中が」

恵「暴れてる」

カイト「だったら行くしかないな」

恵「待って」

カイト「何だ」

恵「死相が見える」

カイト「俺はそう簡単に死ぬような男じゃない。そうだろ」

恵「カイトは私の弟のような存在だから、それにドロワにも頼まれてるって」

カイト「ツァン・・・余計な事を吹き込んだのか」

恵「気をつけて」

カイト「ああ」

シャーク「オラァァ!!」

グサッ

シャーク「痛ッ!こいつ・・・!」

「ウニィー!俺はウニの改造デュエリスト!得意の蹴りも通用せんぞ!」

シャーク「ウニ?また海の生き物か!」

「お前を倒し俺はアカデミアの最高幹部となる!死ね神代凌牙!」

シャーク「そんな事をほざいて何人の改造デュエリストがやられたと思ってんだ!!」

ドルべ「ナッシュ!」

ミザエル「大丈夫だ」

アリト「タイマンでナッシュが負けるか?負けねえよ」

ギラグ「俺らは雑魚退治だぜ!行くぞォ!!」

Ⅳ「ちょっと散歩に出たら、これだぜ」

Ⅲ「多いですね数が」

「イーッ!」

「イーッ!」

「イーッ!」

「イーッ!」

「イーッ!」

Ⅳ「どうなってんだ兄貴」

Ⅴ「奴らもそれだけ本気なんだろう」

Ⅳ「だったらファンサービスで地獄に送ってやるぜ!」

Ⅲ「今日だけはⅣ兄様のファンサービスに僕も乗りますよ!!」

遊馬「急げ!」

大使「お前とだけは直々に決着をつけるぞ九十九遊馬」

アストラル「大使」

遊馬「邪魔だ!」

バッ

「ガラガラ!」

アストラル「これは・・・大使の正体は蛇の!?」

「わしはガラガラ蛇の改造デュエリスト!」

アストラル「遊馬!」

遊馬「ゼアルだな!」

黒咲「酷い有様だな」

勝鬨「アチョーッ!」

沢渡「何でこいつが居るんだ」

遊矢「みんなは無事なんだろうか」

柚子「遊馬くん達なら大丈夫よ!」

勝鬨「ボヤボヤするな!」

黒咲「こいつの言う通りだ!雑魚を殲滅し遊馬達の元に急ぐぞ!」

沢渡「お、俺パス」

勝鬨「ハイイーッ!」

黒咲「遊馬!カイト!凌牙!無事でいろよ・・・!」

「バカな・・・何故だ九十九遊馬・・・何故わしが!」

遊馬「デュエルを戦争の道具に使う奴がデュエリストに勝てるわけねえんだ」

アストラル「お前達はかつてエクシーズ次元を滅ぼしたようだが今の有様はどうだ」

「な、何・・・?」

遊馬「人は進化するんだ。早い奴も居れば遅い奴だって居る・・・だよなアストラル」

アストラル「ああ」

「くっ・・・九十九遊馬ァ!!!」

遊馬「これで最後だ!行くぜアストラル!!」

アストラル「受けるがいい!全身全霊のかっとビングを!!!」

遊馬・アストラル「かっとビングだ!!俺!!」

「ぬわああああああああああああああああああああ」

カイト「遊馬」

黒咲「どうやら無事のようだ」

遊馬「みんな・・・穴だらけだぞシャーク」

シャーク「何て事ねえよ」

大使「おのれ・・・最後の改造デュエリストすらも・・・」

沢渡「てめえ!やるってのか!?」

大使「アカデミア・・・万歳ーーーッッッ!!!」

Ⅳ「爆発しやがった」

遊矢「最後の改造デュエリスト・・・って事は」

アストラル「いやまだ正体不明の改造デュエリストが居る」

遊馬「あいつはヤバいぜ・・・久しぶりに寒気がしちまった」

数日後

遊馬「これ読んでみろよ」

遊矢「親愛なるデュエリスト諸君、我々アカデミアは新たにサウザンドアカデミアとして生まれ変わった。その結成式に案内しよう・・・首領」

遊馬「サウザンドアカデミア・・・嫌な名前だぜ」

カイト「クリスの調べではドン・サウザンドを崇める海外のテロ組織とアカデミアが手を組んだそうだ」

シャーク「舐めてるぜ、完全に」

遊馬「出るしかねえよ。なあ遊矢!」

遊矢「そうだ!」

カイト「それが敵の罠でもか?」

遊矢「罠だとしても」

遊馬「俺達がやらなきゃいけないんだぜ!」


第79話「大使」


遊矢「うっ・・・何だこれ」

カイト「アカデミア戦闘員の死体か」

シャーク「何で死体なんか転がってんだ?それも大量に」

カイト「不要になったからだろ。奴ららしい簡単な思考だ」

遊馬「たったそれだけで、こんなにもの人間を」

シャーク「チッ」

遊矢「な、何踏んでるんだよ」

シャーク「こんな奴ら道端に落ちてる糞みたいなもんだろ」

カイト「さっさと行くぞ」

シャーク「わざわざ俺らを結成式に呼び出しやがって、何考えてんだ」

遊馬「・・・」

首領「我々アカデミアは新たにドン・サウザンドを崇めるドン・サウザンド団と結託し新たにサウザンドアカデミアとして生まれ変わった」

将軍「旧アカデミアとは違い我らはヘマをしませんぞ」

首領「期待しているぞ将軍」

将軍「そして決定的な違いはアカデミアの改造デュエリストとは違い我々の改造デュエリストは2種類の動植物を融合させた融合改造デュエリスト」

「その第1号がカニとコウモリの融合改造デュエリストである俺ですな」

「ギーッ!予定通り九十九遊馬以下デュエリストが集まりました」

将軍「行け!行ってお前の強さを知らせてやれ!!」

「ケケケ!」

首領「今日が奴らの命日よ」

将軍「はい」

「ケケケ!」

アストラル「あいつは!」

遊馬「あの時の改造デュエリスト」

「この前の続きをしようか、九十九遊馬!」

「ギーッ!」

カイト「戦闘員か」

シャーク「出やがったな戦闘員!」

遊馬「こいつは俺達に」

カイト「ああ」

シャーク「雑魚退治は俺らがやってやるよ!」

遊馬「デュエル!」

遊馬「ダラァ!」

サッ

「ケケケ!」

遊馬「こいつゼアルのスピードに着いて来てやがる!」

ガシッ

「力も互角よ。ケケケ!」

アストラル「落ち着け遊馬」

遊馬「わかってるって!」

「ソラァ!」

バッ

遊馬「かっとビングだ!」

「かっとビング殺し!!」

遊馬「ハァハァ・・・」

「これがサウザンドアカデミアの強さ!誰も止める事はできん!」

アストラル「かくなる上は・・・遊馬」

遊馬「覚悟はできてるぜアストラル!」

「ケケケ!」

遊馬「かっとビング!」

アストラル「最大出力!!」

「か、身体が黄金に輝いているだと!?」

遊馬「行くぜカニコウモリ野郎!!」

アストラル「これがこの世で最後のかっとビングだ!!」

「ケェーッ!」

遊矢「遊馬・・・遊馬ァ!!!」

カイト「ゼアルとなった遊馬と相討ちか・・・」

シャーク「感心してる場合じゃねえ!遊馬を」

将軍「九十九遊馬並びにアストラルは死んだ!」

カイト「何者だ貴様」

将軍「俺はサウザンドアカデミアの最高幹部・・・人は俺を将軍と呼ぶ」

シャーク「てめえ!」

将軍「良くぞ結成式に来てくれたな・・・その礼にお前達に死をプレゼントしてやろう!」

シャーク「どういう意味だ」

将軍「こういう意味だ!このアジトにはデュエリストを死に至らしめる毒ガスを撒き散らす装置があるのだ。爆破させても生きているのならガスだ」

ガシャッ

将軍「さらに、その檻からは逃げられんだろう。旧アカデミアとの戦いでお前達の攻撃力は全て計算済みだ!」

将軍「九十九遊馬は死に天城カイト、神代凌牙も風前の灯」

「今こそハートランドを攻めるチャンスですね将軍」

将軍「ああ」

「ならば」

将軍「行け!行ってお前の強さを他のエクシーズのデュエリスト共に知らしめてやれ!!」

「毒トカゲとサソリの融合改造デュエリストの私が全デュエリストを抹殺してくれる!!」

将軍「フハハハハハハ」


第80話「融合」


黒咲「遊馬達が」

小鳥「何か見つけたとか言って行っちゃったの」

黒咲「そうか」

鉄男「そうか・・・って心配じゃねえかよ!」

徳之助「薄情者ウラ!」

委員長「トドのつまり怯えていますね」

黒咲「負け犬の遠吠えとは良く言ったものだ。遊馬の仲間の中でもお前達は特筆すべき点がまるで無い」

鉄男「何だと!」

黒咲「お前達は関わるな、素人は素人らしく隅っこで遊んでいろ」

黒咲「これは俺達のようなデュエリストの戦いだ。ごっこ遊びなどではない!」

鉄男「だったらデュ・・・どこ行った!?」

黒咲「そういうわけだ。何か聞いているか」

璃緒「私は特に何も」

黒咲「・・・邪魔したな」

璃緒「待って!」

黒咲「待てと言われて待つ奴が何処に居る。俺は何か嫌な予感がしてならない」

璃緒「まさか遊馬や凌牙が」

黒咲「無いとは言い切れぬ」

璃緒「・・・」

黒咲「だが奴らの事だ。何も心配はいらぬだろうな」

璃緒「そうですわね、あの3人がそう簡単に」

黒咲「遊矢も居るらしい」

璃緒「あ、あの子も無事ですわ」

黒咲「着いて来るのか」

璃緒「あなたは凌牙とカイトによく似ている。2人の危ない部分なんて」

黒咲「そっくりだ・・・そう言いたいのか」

璃緒「ええ」

黒咲「よく指摘される」

璃緒「だから人付き合いの苦手な2人と馬が合うのね」

黒咲「俺はあいつらを心の底から友だと思っている。そして遊馬も」

黒咲「長い人生で友と言える人間にはそうで出会う事は無い・・・だがカイトも凌牙もⅣも」

璃緒「だったら尚更、手伝いますわ」

黒咲「いいのか」

璃緒「だって私は神代凌牙の妹よ?」

黒咲「・・・そうだな」

Ⅳ「ったく俺を置いて行きやがって!」

「ソーリー!」

Ⅳ「改造デュエリストか」

「半分当たっているが違う!正式には融合改造デュエリスト!」

Ⅳ「気取るなよ、同じじゃねえか!」

「いいや違う!毒ガス攻撃を受けるがいい!!」

Ⅳ「毒なんてデュエリストには通用しねえんだよ!」

「それはどうかな」

Ⅳ「何だと!」

「この広い世界にはデュエリスト殺しの毒も存在するのだ!」

「うぐっ・・・何だこれは・・・!」

鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!」

Ⅳ「うるせえな・・・鬼柳じゃねえか」

鬼柳「久しぶりだな」

Ⅳ「ハーモニカ・・・クローン鬼柳か」

鬼柳「こんなとこで寝てちゃ満足できねえぞ?」

鬼柳「オリジナルのこいつの言う通りだ。お前は死ぬべきデュエリストじゃない」

Ⅳ「2人揃って改まっちまってよ、どうかしたのか」

鬼柳「お前が死にかけだからよ」

鬼柳「発破をかけに来てやったのさ」

Ⅳ「こんなとこで死ぬわけがねえ・・・俺は行かせてもらうぜ!」

「ざっと、こんなものよ」

Ⅳ「それは・・・どうかな」

「生きていたのか!?」

Ⅳ「てめえは誰を相手にしてると思ってんだ・・・地獄の鬼も裸足で逃げるⅣを相手にしてんだぞ」

「だったら何だと言う!九十九遊馬は死に天城カイトと神代凌牙もおそらくは死んでいる!エクシーズの中で要注意人物なのはお前ぐらいよ」

Ⅳ「あいつらが?冗談は顔だけにしやがれ!」

「事実だ」

Ⅳ「・・・」

「もう一度喰らえ!」

黒咲「そうはさせんぞ!」

「黒咲隼!?そ、そうか!こいつが残っていたか」

シャーク「黒咲だけじゃねえ!」

カイト「・・・」

「な、何だと!?お前達まで!」

カイト「間一髪のところでジャックが現れてな、檻をへし曲げた」

シャーク「遊馬の弔い合戦だ!!」

黒咲「どういう意味だ凌牙」

カイト「その話は後だ」

「ソーリー!ソーリー!」

カイト「こいつを地獄へ送る。俺達4人でな」

シャーク「覚悟しろよ!俺の怒りは大爆発してんだぜ!!」

璃緒「そう・・・遊馬とアストラルが」

シャーク「俺達の眼前で爆破しちまった」

黒咲「俺達4人が一気に攻撃してやっと倒せたな・・・」

Ⅳ「ああ・・・サウザンドアカデミアか」

黒咲「遊矢はどうした」

シャーク「落ち込んじまってよ」

カイト「先にスタンダードに置いてきた」

黒咲「遊馬・・・俺達が必ず奴らの血で清算させてくれる!」

シャーク「遊馬の仇は他の誰でもねえ!俺達で討つぜ!!」

Ⅳ「Ⅲやアリトら七皇にも報告してやるか・・・クソ」

カイト「遊馬の家族には俺が言っておく」

数日後

遊矢「希望皇ホープそして閃珖竜スターダスト・・・」

遊矢「・・・」

遊矢「遊馬・・・何で無茶な事をするんだよ・・・死んだら何も残らないだろ・・・遊馬・・・」


第81話「脅威」


ツァン「聞いたよカイト・・・遊馬が」

カイト「ああそうだな」

ツァン「そうだなって・・・友達が死んだのに!」

カイト「デュエリストなら生き返る。俺がそうだろ」

ツァン「どんな生き方すれば、そうなるのよ!」

カイト「茨の道だ」

ツァン「カイト!」

カイト「くどいぞ」

ツァン「ハルト君に言うからね」

カイト「・・・」

ツァン「言うからね」

カイト「それはやめろ」

カイト「お前コナミが落ち込めばお前はどうなるんだ」

ツァン「何が?」

カイト「質問してるのは俺だ。さっさと答えろ」

ツァン「僕は別に・・・て言うか励まさないとダメだと思う」

カイト「お前は強いからな」

ツァン「だから何なの」

カイト「独りよがりのグズとそれを支える女が落ち込んでいるだろうな」

ツァン「?」

カイト「それが夫婦と中学生の違いって事か」

ツァン「こいつ本当に疲れるな・・・」

カイト「叩きのめしてやるか、邪魔したな」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

カイト「何故ついて来る」

シャーク「そいつは俺の台詞だぜ」

カイト「あのエンタメバカの世話焼きか」

シャーク「クソエンタメ野郎の世話をすんのはてめえだろ」

カイト「デュエルで笑顔・・・馬鹿馬鹿しいな」

シャーク「キャラに合わねえんだって事を叩き込んでやろうぜ」

カイト「だったらエンタメの方はお前がやれ、譲ってやる」

シャーク「てめえは」

カイト「その相棒だ」

柚子「ねえ遊矢!」

遊矢「悪い・・・今は」

柚子「まだ何も言ってない!」

遊矢「どうせ遊馬の事だろ。やめてくれよ」

柚子「だって」

シャーク「情けねえな」

カイト「何を言ってもお前は未熟でつまらん男だな遊矢」

遊矢「カイト、凌牙」

シャーク「呼び捨てにすんなよクソエンタメ野郎」

カイト「くだらんエンタメごっこをしたいなら他所でやれ、何がエンタメだ。笑わせるな」

シャーク「てめえデュエリストに向いてねえよ。自己満のクソエンタメ野郎!てめえの親父もどうせロクな奴じゃねえって事だぜ!」

遊矢「何だと!?」

シャーク「あ?自分の考えを他人に押し付けてる時点でクソじゃねえか!」

カイト「それに寄り添うお前もロクな奴じゃない・・・なあ柚子」

遊矢「取り消せ!父さんを柚子を馬鹿にした事を!」

カイト「いいやお前達は本当に進歩がない。猿でも理解できるぞ」

柚子「さっきから言いたい事ばかり言って・・・遊馬君が死んじゃったっていうのに!」

カイト「それがどうした」

柚子「それがどうしたって・・・友達なら少しは」

カイト「泣けば喚けば遊馬は帰って来るのか、ぬるま湯に浸かっているお前達らしい思考だ」

シャーク「大切なものってのは失ってからわかるもんだぜ、どうよエンタメ野郎!親父の次は柚子をバラバラにしてやろうか!?」

シャーク「てめえがへたばるたびにぶっ殺してやってもいいんだぜ!何とか言ってみろエンタメ野郎!!」

カイト「別に拳と拳でもいいがな、お前はどうだ柚子」

遊矢「デュエルだ!凌牙!」

柚子「人の命はそんなに軽くない!」

カイト「先攻は俺が貰うぞ、ドロー!魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動!自分フィールドにフォトン・トークン2体を特殊召喚!そして2体のフォトン・トークンをリリースし銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

柚子「来る・・・カイトさんのギャラクシーエクシーズが・・・」

カイト「ターンエンド」

柚子「ターンエンド!?」

カイト「お前のターンだ。早くしろ」

柚子「ドロー!魔法『独奏の第1楽章』を発動!自分フィールドに幻奏モンスターが存在しないとき手札またはデッキからレベル4以下の幻奏モンスターを特殊召喚できる!私はデッキから幻奏の音女セレナを特殊召喚!セレナは天使族モンスターをアドバンス召喚する場合2体分のリリースが可能!」

柚子「幻奏の音女セレナをリリースし幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトをアドバンス召喚!幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトの効果で手札から幻奏の音女タムタムを特殊召喚!幻奏の音女タムタムが特殊召喚に成功したときデッキまたは墓地から融合カードを加える事ができる」

柚子「私は幻奏の音女タムタムと手札の幻奏の音女タムタムを融合!融合召喚!幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァを融合召喚!タムタムが融合素材として墓地に送られたときその融合モンスターの攻撃力を500ポイント下げ相手に500ポイントのダメージを与える!合計で1000よ!」

カイト「・・・」4000→3000

柚子「バトル!幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァは戦闘または効果では破壊されず戦闘で発生する戦闘ダメージは0になる!そしてこのモンスターが特殊召喚されたモンスターと戦闘したとき相手モンスターとブルーム・ディーヴァの元々の攻撃力の差分のダメージを与え相手モンスターを破壊する!」

カイト「・・・」3000→1000

柚子「カードを1枚セットしターンエンド!わからせなきゃカイトさんに命の重みを」

カイト「やはりお前とはやりにくいな・・・俺のターン!」

カイト「永続魔法『ギャラクシー・ウェーブ』を発動!そして自分フィールドにモンスターが存在しないときフォトン・スラッシャーを特殊召喚!自分フィールドのフォトンまたはギャラクシーが存在するとき銀河騎士を召喚!この方法で銀河騎士を特殊召喚したとき攻撃力を1000ポイント下げ墓地の銀河眼の光子竜を特殊召喚できる!」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士でオーバーレイ!エクシーズ召喚!銀河眼の時空竜!銀河眼の時空竜のオーバーレイ・ユニットを一つ使いこのモンスター以外の全ての効果を無効にしその攻撃力と守備力は元々の数値となる!さらにギャラクシー・ウェーブはエクシーズ召喚に成功するたびに相手に500ポイントのダメージを与える!」

カイト「フォトン・スラッシャーは自分フィールドにこのモンスター以外のモンスターが存在するとき攻撃ができない。だがそれも銀河眼の時空竜の効果で無効になった。そして魔法『ギャラクシー・サイクロン』を発動!」

柚子「フォトン・スラッシャーのデメリットを銀河眼の時空竜でカバーしてさらにダメージを与えるなんて」

カイト「おい」

柚子「な、何?」

カイト「こういう時に言うだったな」

柚子「何が?」

カイト「お楽しみはこれからだ」

柚子「いやいや全然違うから!」

カイト「だったら・・・後でゆっくり教えてもらうか、バトルだ!!」

遊矢「俺はEMディスカバー・ヒッポを通常召喚!そしてディスカバー・ヒッポをリリースする事で通常召喚に加えもう1度アドバンス召喚ができる!俺はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをアドバンス召喚!」

遊矢「そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンのレベルを3つ下げ貴竜の魔術師を手札から特殊召喚!レベル4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにレベル3の貴竜の魔術師をチューニング!シンクロ召喚!レベル7!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」

遊矢「俺はカードを2枚セットしてターンエンド」

シャーク「ドロー!セイバー・シャークを攻撃表示で召喚!そしてサイレント・アングラーを特殊召喚!セイバー・シャークの効果でセイバー・シャークとサイレント・アングラーのレベルを4から5に変更!レベル5のセイバー・シャークとサイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!激瀧神アビス・スプラッシュ!」

シャーク「バトルだ!てめえを粉々にしてやるよ!」

遊矢「罠発動!『聖なるバリア・ミラーフォース』!悪いけどアビス・スプラッシュを破壊させてもらう!」

シャーク「てめえ・・・!」

遊矢「俺は・・・許さない父さんを柚子を馬鹿にしたお前を!」

シャーク「だったらかかって来いよ!カードを1枚セットしターンエンド!」

遊矢「ドロー!」

シャーク「マジでキレちまってんのか・・・それでこそやり甲斐があるぜ!」

遊矢「俺はサニー・ピクシーを攻撃表示で召喚!レベル7のオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンにレベル1のサニー・ピクシーをチューニング!」

シャーク「閃珖竜スターダスト・・・」

遊矢「遊馬が残したカード・・・そして遊星さんの力が乗り移ったカード!俺は多くのデュエリストとの出会いで変わったんだ!父さんには父さんの!俺には俺のやり方があるんだって!」

シャーク「だったらてめえのやり方ってのは何だ!」

遊矢「よくわからないけど・・・全力を出せば相手も全力で答えてくれるし見ている人も喜んでくれる。俺はそう思うんだ」

シャーク「どんな形でもか」

遊矢「凶悪な敵の時は違うけどカイトやジャック、カイザーみたいな強いデュエリストなら尚更ワクワクする!」

シャーク「その中に何で俺が居ねえんだ!」

遊矢「だから俺は全力を出す!誰が相手でも先ずは自分が楽しまないと意味が無い!スターダストで攻撃!」

シャーク「チッ」4000→1500

遊矢「ターンエンド!」

シャーク「罠発動!『リビングデッドの呼び声』!墓地のサイレント・アングラーを特殊召喚!そして竜宮の白ウナギを通常召喚!レベル4のサイレント・アングラーにレベル4の竜宮の白ウナギをチューニング!」

シャーク「本当は遊馬相手に出したかったんだぜ、こいつを」

遊矢「スターダストとレッド・デーモンズ」

シャーク「遊星とジャックどっちが強えんだろうな」

遊矢「互角?」

シャーク「だろうな、案外ジャックのが強え気もするけどよ」

遊矢「遊馬は生きてる・・・きっと生きてる」

シャーク「誰だと思ってんだ?あいつは九十九遊馬だぜ」

遊矢「遊馬は死なない・・・でも凌牙」

シャーク「1度しかねえ命を大事にしろって話だろ?わかってんだよ」

遊矢「それなら俺も文句を言わない」

シャーク「全力で行こうぜ全力で!そうだろ遊矢!!」

遊矢「ああ!お楽しみはこれからだ!」

カイト「どっちが勝った」

シャーク「見りゃわかるだろ」

カイト「あまりこいつを心配させるな、わかるな遊矢」

遊矢「妙に優しいなカイト」

カイト「お前達は運命共同体みたいなものだ。例えるなら」

シャーク「クジラとコバンザメ」

カイト「そんな感じか」

遊矢「何か違う!」

シャーク「細けえ事はいいんだよ」

カイト「つまり2人で1人と前にも言っただろ。遊馬とアストラルみたいなもんだ」

シャーク「片っぽ死んだらマジで自殺しそうな感じだぜお前ら・・・まあ羨ましいってのもあるけどよ」

カイト「変に落ち込まず前向きに生きろ。お前はお前だからな」

シャーク「こいつ妙に甘いな、何かあったのか」

カイト「話は終わりだ。ちょっと来い」

遊矢「俺?」

カイト「お前は先に帰ってろ」

シャーク「言われなくても帰るっつうの」

柚子「何だろ?」

カイト「・・・」

遊矢「・・・プッ」

カイト「笑うな、お前ぐらいにしか聞けん事だ」

柚子「な、何だろ」

遊矢「わかったよ俺が」

カイト「ああ頼む」

数日後

柚子「カイトさんがそんな事を」

遊矢「あの人も悩み事があるんだよな・・・」


第82話「共生」


沢渡「そりゃ遊馬はいい奴だったぜ?何たってエクシーズのアホ達は俺をマヌケだの三下とか言うのに普通に接してたからな」

勝鬨「・・・」

デニス「何で彼が」

権現坂「何でもランサーズの人員補充にこの男が選ばれたそうだ」

デニス「どうして」

黒咲「早い話が腕っ節だ」

デニス「なるほど」

遊矢「ごめん待たせて」

沢渡「遅えんだよ!」

勝鬨「榊遊矢!」

権現坂「やめんか!」

沢渡「遊馬の敵討ちのためだろ?やってやろうぜ!」

月影「そうではない」

沢渡「に、忍者!?いつの間に」

黒咲「この中で赤馬零児を見た奴は居るか?」

デニス「見てないね、権ちゃんは」

権現坂「いや」

黒咲「俺はこいつら兄弟にあいつを見張らせておいた」

月影「今は兄者があの男の同行を追っている」

沢渡「野郎の腰巾着が何を言ってやがんだ!」

月影「忍とて使命より義を選ぶ・・・拙者達も1人の人間だ」

権現坂「大丈夫なのか?1人で」

月影「兄者なら大丈夫だ」

赤馬「あなたがアカデミア首領の片腕でもある将軍」

将軍「うむ」

日影「やはり奴とアカデミアは繋がっているのか」

将軍「この奥で首領がお待ちしている。失礼の無いように」

赤馬「ええ」

日影「・・・」シュッ

将軍「そこに居るネズミ」

日影「!?」

将軍「お前が奴を着けて居る事は宣告承知だぞ」

日影「・・・なるほど忍の隠密を見抜くとはお前もまた改造デュエリストか」

将軍「私はそんな事を言っているんじゃない。我らの姿を見た者には死あるのみ!」

黒咲「連絡は」

月影「連絡が来ぬという事は兄者は」

遊矢「まさか」

月影「・・・」

遊矢「だったら尚更助けに行くべきじゃないのか?」

月影「下手に動けば皆が死ぬ」

遊矢「案内しろよ」

月影「それはできん!」

遊矢「仲間が死ぬかもしれないって言うのに動かないなんておかしいだろ!さっさと居場所を教えろ!」

月影「断じてできぬ」

遊矢「教えろ!!」

黒咲「俺が教えてやる」

月影「何故!?この作戦は奴らに気取られず」

黒咲「俺達は道具じゃない人間だ。お前は違うのか?」

月影「・・・」

黒咲「自分達は人間だと言った。人間ならば仲間を家族を救うためなら命を賭ける」

月影「だが」

黒咲「だがではない。たった1人の兄を救うのに答えはいらない」

月影「・・・」

沢渡「でもまだ死んだって決まってねえんだろ?」

黒咲「それはお前がぬるま湯で生きて来たからだ。この中で甘ちゃんなのはお前ぐらいだぞ」

沢渡「何だと!」

黒咲「いいな月影」

月影「・・・わかった」

日影「火遁!」

「ファンファンファン!ただの人間が融合改造デュエリストに勝てると思っているか!」

日影「拙者の忍術が通用しない・・・!?」

将軍「こいつはイソギンチャクとジャガーを融合させ生み出した改造デュエリストでな、勝てるわけがない」

日影「万事休すか・・・」

ポンッ

月影「兄者ァ!!!」

日影「月影!?何故ここに!」

月影「兄者のマスクの裏に時空間忍術の術式を書き込んでおいた」

日影「それにランサーズの面々まで」

沢渡「てめえら!覚悟はできてんだろな!!」

将軍「マズいな、このままでは首領の正体が奴らに・・・!」

将軍「ここはお前に任せたぞ!」

「ファンファンファン!」

黒咲「逃がすか!」

「ギーッ!」

沢渡「将軍の首はこの俺が!」

権現坂「ここは俺達に任せ遊矢と黒咲はあいつを追え」

黒咲「行くぞ」

遊矢「気をつけろよ!」

勝鬨「あれが榊遊矢なのか・・・自分とデュエルした時とはまるで違う。否!見るたびに変わっていく」

沢渡「そりゃそうよ、何たってこの俺と張り合える唯一の」

権現坂「話は後だ。あの改造デュエリストと戦闘員を片っ端から沈めるぞ!」

将軍「首領!お逃げください奴らが奴らが!」

黒咲「首領!貴様の首を今日こそはもらう!!」

遊矢「赤馬零児・・・それにお前は」

長官「お久しぶりですね榊遊矢そして黒咲隼」

黒咲「お前はシンクロ次元の治安維持局で暴虐の限りを尽くしていた長官」

将軍「首領」

長官「何はこうなる事がわかっていました。遅かれ早かれ最終決戦の日は近いと」

黒咲「ならば聞かせろ何故アカデミアの名を語った」

長官「早い話がエクシーズと融合を戦わせるために本物のアカデミアは既に・・・ククク」

赤馬「この男の演技力は中々のものだった」

長官「いえ君の所持する記憶改竄装置があればこそですよ。彼らは頭が鈍いですからね、アカデミア三大幹部もデュエル戦士達も」

黒咲「奴ら畜生には相応しい最後だ。だが気に入らんのはお前達もだ!」

遊矢「結局お前はそういう奴なんだ。人の皮を被った悪魔だ!」

長官「だそうですよ」

赤馬「勘違いするな、私は彼と取り引きしただけだ」

遊矢「取り引き?」

赤馬「我々は彼らと手を組み不動遊星達と戦う。手始めに邪魔な九十九遊馬達にアカデミアをぶつけ調査したまでだ」

長官「武藤遊戯は論外そして遊城十代は一部を除けば簡単に倒せそうなデュエリストばかり」

赤馬「厄介なのは不動遊星と九十九遊馬だ。あそこには一筋縄では行かないデュエリストが多すぎる」

黒咲「宣戦布告という事か」

長官「ええ」

遊矢「だったら俺達は戦う!全力で真っ向から戦ってやる!!」

赤馬「それが君達の決意か、なら私は第三者の立場を取らせてもらおう」

長官「ここからは私の組織と九十九遊馬、不動遊星、遊城十代そして榊遊矢らデュエリスト達との戦い」

将軍「我々にはとっておきの切り札があるのだ。奴を動かせばデュエリストは戦えまい!勝ったとしても」

長官「将軍それ以上は」

将軍「はい」

黒咲「アカデミア首領の正体はこの目で見た・・・そして」

遊矢「赤馬零児!お前もだ」

長官「フハハハハ!」

将軍「フンッ」

黒咲「消えた・・・」

遊矢「あいつは外道だ。大した奴じゃないと思ってたけど・・・根っこから腐ってる!」

沢渡「ざまあ見ろ!」

権現坂「大半は月影と日影と勝鬨が倒したぞ」

デニス「権ちゃんもかなりの人数を投げ飛ばしたよね」

月影「沢渡は」

日影「何とも言えない」

沢渡「何だと!」

デニス「見て!遊矢と黒咲が」

権現坂「首領の正体は」

黒咲「ジャン・ミシェル・ロジェ」

沢渡「そいつ・・・俺らが会ったシンクロ次元の!?」

黒咲「ああ」

デニス「詳しく聞かせてよ」

権現坂「アカデミアの名を語り奴が動かしていたと」

デニス「でも待ってよ。大佐も博士も大使それにあの将軍はアカデミアの最高幹部だったんだよ?それがシンクロ次元なんかと」

黒咲「おそらく記憶を改竄されたのだろう。赤馬零児ならそれをやってのける」

デニス「融合次元の中でも神聖視されてた四人があっさりと」

沢渡「何でてめえが知ってんだよ」

デニス「ゆ、有名だから」

権現坂「狙いは俺達の殲滅か」

黒咲「それぞれ三つの次元に飛び奴らをサポートする。俺と遊矢、沢渡は遊馬の次元」

黒咲「権現坂、月影、日影、勝鬨は遊星の次元だ。あの長官は遊星を特に根に持っている腕っ節の強いお前達なら役に立つ」

黒咲「そして十代の次元にはデニスが行けランサーズ黒咲部隊の3人と瑠璃と十代を連れてな」

沢渡「こっちがも抜けの殻だぞ」

黒咲「スタンダードは赤馬零児の根城だ。ここはまず攻撃されない」

沢渡「って言うか何でお前が仕切ってるんだよ!」

黒咲「俺達のリーダーは口下手だから、こういう演説が下手糞だ。そうだな権現坂」

権現坂「フッ」

沢渡「おいおい!俺の何処が口下手だってんだ!」

デニス「遊矢の事じゃない?」

黒咲「それと・・・これはお前が言った方がいいな」

権現坂「バシッと言ってやれ遊矢!」

遊矢「ここに居る俺達は寄せ集めの集団で最初は絆なんて無かった。でもさ遊馬や遊星さん、十代さん何かと出会って変わっただろ?」

遊矢「仲間とは何か絆はチームワークって言うのは・・・それがあるから今があるんだ」

遊矢「力だけを求めた赤馬零児とは違う・・・俺は・・・俺達は・・・何処にも居ないランサーズって仲間でありチームなんだ!」

黒咲「生きて再びこの地に帰るぞ。誰一人として死ぬな!」

沢渡「よっしゃー!!」

デニス「十代苦手なんだよなぁ・・・はあ・・・」

日影「遊星とはどういう男なんだ」

権現坂「漢という字は不動遊星のためにあると俺は思っている」

月影「会おうのが楽しみだ」

沢渡「ボケっとするな!さっさと行くぞ!」

黒咲「ああ」

勝鬨「榊遊矢」

遊矢「勝鬨・・・」

勝鬨「強ち嘘では無いかもな、お前の言うデュエルとは」

遊矢「また戻って来たら俺とデュエルしよう・・・今度は喧嘩腰じゃなくて正々堂々と」

勝鬨「無論だ」

黒咲「遊馬・・・何処で見ているのだろうな。お前の後輩は今や立派なチームのリーダーだぞ」

黒咲「スタンダードに居る間は俺がこいつを見てやる。お前が見たかったであろう榊遊矢の成長を」


第83話「真実」


ドロワ「趣味と特技は」

カイト「そんなものは無い」

ツァン「機械弄り」

ドロワ「せっかくツァンさんが見合いをセッティングしてくれたのに」

ゴーシュ「お前はノリが悪りいな」

ツァン「ごめんなさいドロワさん」

ドロワ「いえいえこちらこそ」

ツァン「本当にカイトには困ったもので」

ドロワ「ええ」

ゴーシュ「何でドロワには敬語なんだろうな。あ、俺にも敬語だ」

カイト「知るか」

ツァン「ドロワさん心配してるんだけど」

カイト「そうだな」

ツァン「あんたさ・・・やっぱりいいや」

カイト「俺の最大の欠点は無愛想なところだったな」

ツァン「そうだよ。お金持ちで顔も良いし頭も良いしデュエルは強いしパンチ力も信じられない程あるのに」

カイト「だが俺に柚子みたいな女が居ればどうだ」

ツァン「きっと愛想つかされるね」

カイト「だろうな」

恵「でもカイトは内に秘めた優しさがある。表に出さないだけで」

ツァン「ダメだよ、こいつ甘やかしちゃ・・・けど優しいところだってあるんだよねカイトは」

カイト「・・・」

ピンポーン

ガチャッ

雪乃「あらお揃いね」

ツァン「雪乃・・・何て格好してるのよ!」

雪乃「何って学生時代の制服だけど」

カイト「それをやって何になるんだ」

雪乃「相変わらずの態度ね」

ツァン「この子の学校の制服っておかしいのよ、腋丸出しで太もも丸出しでさ」

雪乃「あなたはどうかしら?普通の制服だってわよね。太ったとか言ってたけど今じゃ着れないわよね」

ツァン「ムッ」

雪乃「着れないわよね」

ツァン「見てなよ!僕だって着れるんだから!」

雪乃「今にもはち切れそうね」

ツァン「き、キツいんだけど・・・」

雪乃「結婚すればムチムチするって言うのも本当ね」

カイト「下らんな、俺は帰る」

雪乃「?」

カイト「何だ」

ツァン「言っとくけど太ってないからね、僕は」

雪乃「まさかと思うけど坊や」

カイト「言いたい事があるなら言え」

雪乃「ふふふ・・・やっぱり男の子ね。可愛いところもあるじゃない」

ツァン「何?何かしたのカイト?」

カイト「何でも無い」

黒咲「邪魔するぞ!」

沢渡「おいカイト!」

遊矢「重大な・・・カイト」

ツァン「ちょっと僕の方向きなよカイト」

カイト「話があるなら外でするぞ」

沢渡「うおっ・・・いいな遊馬の次元は」

ツァン「ねえカイト」

カイト「いいから外に出るぞ!」

黒咲「あ、ああ」

沢渡「大変だって言ってんのに」

遊矢「カイト・・・」

沢渡「お前・・・ムチャクチャ勃ってるぞ」

カイト「話とは何だ?」

遊矢「アカデミア首領の正体は長官だったんだ」

カイト「長官?あいつか」

沢渡「説得力ねえなカイト」

カイト「俺も男だ。何か問題でもあるのか」

沢渡「ねえよ」

ツァン「家で話せばいいのに・・・うげっ」

カイト「何だ」

ツァン「・・・あんたも男なんだよね、たまに安心しちゃうよ」

遊矢「話を続けても」

カイト「ああ」

カイト「いつ来るのか・・・放っておいても来るか、悪かったな」

沢渡「俺達はここに滞在して迎え討つんだよ」

遊矢「何か秘密兵器もあるっぽいしさ」

ツァン「大変よねカイトも」

カイト「いい加減着替えろ」

ツァン「わかったよ、全くこいつは」

カイト「秘密兵器か」

遊矢「カイトは何だと思う?」

カイト「相手がシンクロ次元の寄生虫なら・・・」

黒咲「まあ何が出ようと恐れる事は無い」

カイト「そうだな」

恵「・・・」


第84話「制服」


シャーク「シンクロ次元?敵が誰でも何だっていいぜ」

黒咲「お前ならそういうと思った」

シャーク「どっちにしたって相手はクソ野郎だぜ、生かすも殺すも俺ら次第よ」

ミザエル「いつかはシンクロ次元を黒く塗り潰そうと考えていたところだ」

遊矢「それはそうだけど」

シャーク「そんだけか?しかし融合次元の奴らも惨めなもんだぜ、情けねえったらねえよ」

沢渡「笑っちまうよな!」

シャーク「所詮クズはクズってことだ」

黒咲「フッ」

遊矢「過激だな凌牙は」

シャーク「それだけなら俺は帰るぜ、じゃあな」

シャーク「しかし長官ってあの変な髪型したみみっちそうな野郎だろ?」

ミザエル「あんな小物が我々と何度も戦ってきたアカデミア首領だったなんて」

ギラグ「早い話が小物界の大物なんじゃね?」

アリト「そりゃ・・・そうだな」

柚子「・・・」

シャーク「何だ柚子も来てたのか」

柚子「お願いがあるの」

シャーク「お願い?パスだぜ」

柚子「何で!」

シャーク「絶対にめんどくせえ気がするから」

柚子「まあ・・・かもしれない」

シャーク「ほら見ろ。とりあえず言ってみろ」

ドルべ「君もランサーズに入りたいと」

ミザエル「そもそもランサーズじゃなかったのか」

柚子「うん」

シャーク「入りゃいいじゃねえか、なあ」

ギラグ「女の子のセレナも居るんだしよ」

柚子「みんなから見て私の実力ってどんな感じ?」

アリト「メラグと同レベル・・・だよな?」

ギラグ「可愛さも同レベル・・・だよな?」

ドルべ「私に聞かないでくれ」

ミザエル「柚子はドルべと同じ天使族使いだからアドバイスでもやったらどうだ」

ドルべ「何で私が」

柚子「お願いします!」

ドルべ「・・・」

ドルべ「うーん」

柚子「・・・」

ドルべ「うーん」

柚子「あ、あの」

ドルべ「!」

シャーク「何か思いついたのか」

ドルべ「いや考えても何も思いつかないんだ。すまない」

アリト「何だそりゃ!」

ドルべ「ならば、このカードを君に送ろう」

柚子「白天馬スカイ・ペガサス・・・?」

シャーク「いいのかドルべ」

ドルべ「同じ天使族使いなの私のデュエルは君達に比べて地味だからな」

ギラグ「いじけてやがる」

シャーク「鍛えりゃいいじゃねえか・・・いやお前は十分か」

アリト「だったら俺とやるか?デュエル」

柚子「うん」

ミザエル「お前」

アリト「じゃ先攻は俺だ!ドロー!BKヘッドギアを通常召喚!そしてBKスパーを特殊召喚!レベル4のBKヘッドギアとBKスパーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!BK拘束蛮兵リードブロー!」

アリト「カードを1枚セットしターンエンド!」

柚子「私のターン!ドロー!相手フィールドにモンスターが存在し自分フィールドにモンスターが存在しないとき幻奏の歌姫ソロを特殊召喚!そして自分フィールドに幻奏モンスターが存在するとき幻奏の音女カノンを特殊召喚!」

柚子「ドルべさんのカードを使ってみよう・・・レベル4の幻奏の歌姫ソロと幻奏の音女カノンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!白天馬スカイ・ペガサス!!」

シャーク「どういう気分だ」

ドルべ「何というか感慨深いな・・・嬉しい」

ミザエル「なぜ感動しているんだ」

柚子「バトル!幻奏の音姫マイスタリン・シューベルトでダイレクトアタック!」

シャーク「負けちまったなアリト」

アリト「何かいい・・・いいよな!柚子って凄くいいぜ!」

ギラグ「柚子はダメだろ」

アリト「やべえよ久しぶりに女に惚れちまいそう、健気なとこって言うか身体張るとこっていうか」

ギラグ「お前そういう女に弱いよな、小鳥とか」

柚子「小鳥ちゃんは?」

シャーク「デュエルする気も無いしどうせ遊馬も帰って来るだろうから今のうちに身体を鍛えておくってよ」

柚子「そ、そうなんだ」

ミザエル「それでランサーズの件は」

シャーク「めんどくせえけど俺に任せとけよ、近くに居るだろうし」

沢渡「同じ顔の奴をランサーズに?冗談じゃ」

黒咲「俺は構わんがな」

シャーク「てめえは」

遊矢「俺もいいと思う。心強いし柚子が居ると」

シャーク「多数決で決まりだな」

沢渡「待て!何が多数決だ!!」

シャーク「あ?男らしくねえな、ビビってんのか?」

沢渡「誰がビビるか!勝手にしやがれ!!」

シャーク「だとよ、良かったじゃねえか」

柚子「うん!」

シャーク「同じチームって言っても俺らバリアン七皇から見りゃまだまだってとこだけどよ」

ドルべ「しかし君も世話好きだなナッシュ」

シャーク「どいつもこいつもお互い様じゃねえか」

ミザエル「確かにそうだな」

シャーク「遊馬の仲間は俺の仲間、遊馬の敵は俺の敵・・・遊馬の後輩は俺の後輩だぜ」

ギラグ「後輩って言っても一つ上だぜ」

シャーク「社会に出れば歳下の上司なんていくらでもいるんだよ!」

アリト「可愛いな柚子」

ミザエル「この単細胞をどうにかしろ」

ギラグ「そのうち別の目標に変わるだろ。我慢しろ我慢」

ミザエル「それまで鬱陶しいぞ」

将軍「案の定ランサーズメンバーは散り散りになりましたね」

ロジェ「・・・」

将軍「首領」

ロジェ「狙いはエクシーズからだ」

将軍「それはそうですが不動遊星は」

ロジェ「不動遊星は後回し」

将軍「あなたは最も憎んでいると仰ってましたが」

ロジェ「黙りなさい!不動遊星は最後!あの男だけは・・・遊星の直系の後輩である榊遊矢並びにエクシーズの殲滅からです!」

将軍「首領がどんな大物かと思えば中々の小物・・・これは俺がアカデミア首領の座に就く事も可能だぞ」

ロジェ「私は許さない・・・不動遊星のあの目を私を侮蔑するような目を・・・!」


第85話「加入」


Ⅲ「はい了解しました!兄様にはそう伝えておきますよ黒咲さん」

Ⅳ「黒咲?」

Ⅲ「ええアカデミア首領の正体はシンクロ次元の長官とかいう人らしいですよ」

Ⅴ「あの中間管理職の見本のような男か」

Ⅳ「誰だっていいぜ、悪党ってのは昔から対した奴じゃけち臭い奴って相場が決まってるじゃねえか」

Ⅴ「あの男は確か遊星らと敵対していたという話だったが」

Ⅲ「ですが遊星さんはまるで相手にしてないとか」

Ⅳ「だって遊星だぜ?そんな小物相手にするってのかよ」

Ⅴ「私もそう思う」

Ⅲ「小物だってわかるのですか?」

Ⅳ「話聞いてるだけでショボそうだろ」

Ⅳ「一気に近場の奴になったな首領」

Ⅲ「最初はきっとドン・サウザンドのような悪の化身かと思ったら」

Ⅴ「何て事はないタダの中年だった」

Ⅲ「ですが秘密裏にアカデミアを支配したから案外」

Ⅳ「戦うだけしか能がねえ奴らだぜ?バカすぎるから気がつかねえんだよ」

Ⅴ「セレナがその例に当てはまる」

Ⅲ「まあ確かに彼女はかなり」

Ⅳ「バカだぜ」

Ⅲ「今だに十代さんの猫をコンビニやデパート何かに連れ込むらしいですよ」

Ⅳ「本当に悲しいぐらいにバカだな・・・さすが融合次元の出身って感じだ」

Ⅳ「あいつ頭足らねえのか知らねえけど胸デカい方なんだぜ」

Ⅴ「柚子と比べたら少し大きいな」

Ⅲ「さすが兄様方!ちゃんと見てらっしゃるのですね」

Ⅴ「頭に行く栄養が胸に行ってるのか」

Ⅳ「十六夜アキとか天上院明日香程じゃねえけどな」

Ⅲ「あの2人は別次元ですよ」

Ⅳ「何でだ兄貴」

ガラッ

遊星「それは俺が答えよう」

Ⅴ「遊星!?」

Ⅳ「てめえ何処から」

遊星「俺の得意分野を語り合ってるんだ。ここで出なければいつ出ればいい」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

黒咲「全員集めて会議とは・・・アカデミア対策か」

遊星「いや胸の話をしようと思う」

沢渡「胸だって!?何の」

遊星「アキや明日香さんのな」

Ⅳ「って言い出すんだぜ」

黒咲「お前は十代の右腕だ。何か考えがあるのだろう」

カイト「この状況で間の抜けた話をするような男じゃない」

遊矢「いや遊星さんって結構」

遊星「では話そうか」

遊星「この中で胸を触った事または揉んだ事がある者は手を挙げてくれ」

スッ

カイト「・・・」

シャーク「てめえ!」

遊星「驚いたなカイトだけとは」

カイト「事故でな、転けた拍子になら」

遊星「他はいないようだ」

遊矢「どうせツァンさんだろ?」

カイト「ああ」

遊星「巨乳だからこそ揉まれやすいんだ。もし貧乳なら転けた時に地面に激突している」

Ⅴ「なるほど」

遊星「ではアキについて説明しようか」

Ⅳ「おう」

遊星「みんなも知ってる通りアキは16歳だ」

ギラグ「今だに信じられないよな」

黒咲「本当なのか」

カイト「あの格好はどうにかならないのか」

アリト「俺は最高にいいと思うぜ」

遊星「アキは例えるならムチムチタイプだな」

ドルべ「ムチムチタイプ?そんなタイプがあるというのか!?」

遊星「あるぞ、そうだなカイト」

カイト「ツァンは人妻だからか、それに該当するがアキは女子高生・・・未来のアキは人妻だからムチムチしていて当然だが」

遊星「奥が深いんだ」

遊星「そして明日香さんはスレンダータイプ」

Ⅲ「スレンダータイプ?」

遊星「若い頃の制服なんて腋や太ももを惜しげも無く出していたらしいぞ」

Ⅴ「彼女の職業は」

遊星「教師だ」

Ⅳ「まるでAVの世界だぜ」

遊星「主に分ければこういう感じになる」

シャーク「だったらアンナ何かはどうなるんだ」

遊星「ロリタイプだな」

Ⅳ「ロリタイプ?」

遊星「そうだ。今から3タイプに分けてみる」

Ⅲ「お願いします。しかし遊星さんはⅤ兄様やカイト以上に博識ですね」

Ⅴ「彼の知識にはいつも驚かされる」

カイト「ムチムチタイプはドロワ、小鳥の母、アキ、マーサ、ゾラ、ボマー、ツァン」

シャーク「スレンダーは遊馬の姉貴、遊馬の母ちゃん、ミスティ、シェリー、明日香、藤原雪乃、遊矢の母ちゃん、メリッサ」

Ⅳ「ロリはアンナ、リン、セレナ、早乙女レイ」

Ⅴ「マーサとゾラは?」

遊星「マーサは俺やジャック達の母親代わりの人でゾラは俺達の住む家の大家だ」

Ⅲ「こう見るとムチムチタイプは熟女が多いですね」

Ⅳ「メリッサってのは?」

遊星「シンクロ次元のおっぱいだ。ユーゴが見せてくれたが良かった」

沢渡「そうだ!シンクロ次元で思い出したけど、遊星!」

遊星「どうした」

遊矢「アカデミア首領の正体は長官なんだよ遊星さん!」

遊星「長官?」

遊星「ジャン・ミシェル・ロジェ・・・覚えが無い」

遊矢「いや覚えが無いじゃなくて」

遊星「どんな奴だ」

黒咲「そうだな・・・馬鹿面だ」

遊星「すまない覚えが無いんだ」

Ⅳ「やっぱ大した事がねえんだな」

Ⅲ「ですね」

Ⅴ「どうする黒咲」

黒咲「だが改造デュエリストの力だけは甘くみてはならない。俺達は滞在する」

遊星「だったら俺は注意するか、長官という男の事を」

数日後

遊矢「一向に来ないなアカデミア」

柚子「そうね」


第86話「種類」


ロジェ「ペット作戦?」

将軍「そうです。この新しい改造デュエリストによる作戦です」

ロジェ「なるほどカナリアとコブラの融合改造デュエリストと」

「ヒューヒューヒュー!将軍この男が本当に首領なのですか」

将軍「俺も信じたくは無いが首領だ。あの日護衛をしていた俺がその正体を知ったのだからな」

ロジェ「何か言いましたか」

将軍「いえ」

「まあ見てください俺の殺人超音波で必ずや」

ロジェ「期待しよう」

将軍「この男が我らアカデミアを束ねる全能の首領であるはずがない。調べてみるか」

ロジェ「おや2人も改造デュエリストが居るようだ。こっちは」

将軍「別の作戦です」

ロジェ「ふふふ・・・二段構えですか、さすがは融合次元にその人ありと言われた将軍!」

鉄男「見ろよカナリアが居るぜ」

委員長「可愛いですね」

徳之助「愛くるしいウラ」

ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ

鉄男「ギエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」

委員長「な、何ですか!?頭が割れそう!」

徳之助「死んじゃうウラァ!!!」

「ケケケ!可愛いカナリアだと思うのは人間だけよ!」

小鳥「あ、改造デュエリスト!」

「見たな貴様!」

小鳥「だ、誰か助けて!!」

カイト「そこまでだ化け物」

遊矢「大丈夫か小鳥!?」

「出たな天城カイト、榊遊矢!」

遊矢「見た目が凄いよカイト」

カイト「不気味なのは旧アカデミア時代から何も変わらん」

「俺の右腕を喰らえ!」

カイト「気をつけろ。奴の腕のコブラにはおそらく毒が仕込まれているはずだ」

遊矢「あ、ああ!」

カイト「なら恐れずへし折ってやれ」

遊矢「タイミングを掴むんだ・・・タイミングを!」

ゴキッ

「ぐええええええええええええええ」4000→100

遊矢「やった!」

ロジェ「な、何たる様だ!全く役に立たん!」

将軍「ですが今一度チャンスを与えるべく右腕を再改造しました」

ロジェ「リサイクルですか・・・その不動遊星のようなやり方は即刻中止せよ!」

将軍「何ですと」

ロジェ「私はアカデミアの首領として旧アカデミア三大幹部の無様な死に様を見て来た!だが今回は違う!私は」

「馬鹿者がお前は表向きの首領にしかすぎん」

ロジェ「な、何者だ」

将軍「この声は首領・・・そうかそういう事だったのか」

ロジェ「何?」

「敵を欺くにはまず味方から、最初からお前は私に利用されていたのだ!思い出せ私の声をお前に力と知恵を授けた私を」

ロジェ「・・・ッッ!」

「首領の正体は決して知られてはならぬのだ。ロジェ!お前はアカデミア首領で有り続けるのだ、命尽きる日まで」

ロジェ「わ、わかりました・・・くっ・・・まるで私がバカみたいではないか」

カイト「そういうわけだ」

ツァン「やるじゃないの遊矢!さすがはあんたの一番弟子」

カイト「で?何故、恵は荷物を纏めているんだ」

恵「故郷へ帰る」

カイト「何だと?」

ツァン「この子が未来に帰るんだって」

カイト「帰るのか?」

恵「私の生きる時代で大変な事が起こった・・・だから私は」

カイト「誰だって故郷を守りたい場所がある・・・帰っても教師であり続けろ。それと遊馬達には挨拶しておけ」

恵「うん」

カイト「たまには帰って来い。ここはお前の第2の故郷でもあるんだ」

恵「帰ってもカイトや遊馬が居る。大人だけど」

カイト「それなら安心だ。頑張って来い」

「ヒューヒューヒュー!」

「さあ手始めに」

沢渡「見つけたぜ!さあデュエルだ!!」

「あのコンビは何処だ!?」

沢渡「俺じゃ不服ってのか!」

「出て来い!出て来なければ無差別にやってやるぞ!」

遊矢「俺ならここだ!」

「出たな榊遊矢よ」

遊矢「腕が変わってる」

「もう折られんぞ!」

遊矢「だったら別の場所を狙う!」

「ヒュー!」

沢渡「しっかりしろよ!」

遊矢「強化された影響か?少し強くなってるぞ」

「2度は無い!」

遊矢「そうさ2度は無い!」

「お前の負けだ!」

遊矢「それはどうかな?」

「何だと!?」

遊矢「確かに強化されたがまだ強化改造されて時間は経ってない!」

沢渡「そうか!付け根を狙うんだな!」

遊矢「ああ!」

「な、何て事だ!お、俺の腕が!!」4000→500

沢渡「やるじゃねえか!」

遊矢「ハァハァ・・・」

「チューッ!」

沢渡「あ、新しい奴が来たぞ!」

「派手にやられてしまったな兄弟」

「お、お前か」

遊矢「新しい改造デュエリスト」

「俺はネズミとコンドルを融合させた融合改造デュエリスト!」

「沢渡シンゴは戦力にならん・・・形勢逆転だ!」

沢渡「戦力にならねえかどうかはやって見ねえとわからねえだろ!」

遊矢「1対2じゃ分が悪い・・・誰か居ないのか・・・!」

黒咲「後ろがガラ空きだぞ!」

ドスッ

「ぎゃあああああああああああ」

遊矢「黒咲!」

「チュッ!」

沢渡「形勢逆転だな!3対1だぜ!」

「融合改造デュエリストである俺でも榊遊矢と黒咲隼を倒すのは難しい・・・撤退だ!」

遊矢「待て!」

黒咲「深追いはするな、カイトから事情は聞いている」

沢渡「ビビって逃げちまったな!ざまあ見ろ!!」

黒咲「カナリアを使っての超音波か、遊馬の仲間達は完全に病院送りになった。他にも」

沢渡「遊馬の仲間!?凌牙とⅣ達か」

黒咲「太いのと口先だけが達者の2人だ」

沢渡「何だあいつらか・・・」

黒咲「小鳥は無事だった」

沢渡「良かったじゃねえか」

黒咲「小鳥に万が一の事があれば遊馬に申し訳無い」

遊矢「それどころかカイトや凌牙が怒り狂って街をムチャクチャにしそう」

黒咲「あの新しい融合改造デュエリストも必ず新しい作戦を実行するぞ」

遊矢「気を引き締めないとな」


第87話「故郷」


シャーク「やっぱ行っちまうんだな先生」

ドルべ「だが未来にも私達が居るそうだ。上手くやって行くだろう」

ミザエル「長生きすればな」

ギラグ「・・・何持ってんだベクター」

ベクター「ネズミ」

シャーク「ハツカネズミ?捨てろよ」

アリト「いいじゃねえか、白くて綺麗だぜ」

シャーク「ハツカネズミってのは子供バンバン産んでウジャウジャしやがるんだよ」

ドルべ「そうだぞベクター」

ベクター「あーあ!せっかく喜ばせてやろうって思ったのによ」

アリト「だったら外で飼おうぜ!俺が住めそうな場所を探してやるよ!」

ロジェ「・・・」

将軍「今回のペット作戦は前回とは違います首領」

首領「前回とは違う?」

将軍「我らサウザンドアカデミアの科学者が作り出した新型細菌を体内で培養するネズミなのです」

首領「そのネズミでハートランドを」

将軍「勿論デュエリストにも通用する細菌でしてね」

首領「ロジェ」

ロジェ「は、はい首領!」

首領「何をぼんやりしている。気を引き締めろ」

ロジェ「わかりました・・・」

将軍「フフフ悲しい男だ。シンクロ次元の中間管理職よ」

ロジェ「くっ」

アリト「ネズミの住む場所っと」

柚子「どうかしたの?」

アリト「柚子!」

遊矢「?」

アリト「何だ遊矢も一緒か、どうしたんだ」

遊矢「この前のネズミコンドルがいつ現れるか、わからないからさ」

アリト「パトロール?」

遊矢「そうパトロール」

アリト「頑張るな、俺もついでに手伝うぜ!」

柚子「ありがとう!」

アリト「ふへへへ」

アリト「ずっと滞在してるんだよな?家は」

遊矢「俺と沢渡と黒咲は遊馬の家で厄介になってる」

柚子「私は小鳥ちゃんの家」

アリト「ふーん」

柚子「それハツカネズミ?」

アリト「そうだぜ」

遊矢「ハツカネズミはかなり増えるって言うしな」

アリト「お前も同じこと言うよな」

柚子「でも事情なんだって」

アリト「何かマジっぽい気がする」

遊矢「何か様子が変だな」

黒咲「遊矢!瑠璃!」

柚子「黒咲?」

黒咲「アリト!そのネズミを何処かに捨てろ!」

アリト「可哀想なこと言うなよ!こいつは」

黒咲「いいから捨てろ!」

遊矢「落ち着けよ、どうかしたのか?」

黒咲「そいつはアカデミアのネズミだ。戦闘員を捕まえて殴り飛ばしたら吐いたぞ」

アリト「こ、こいつがアカデミアの!?」

黒咲「だから捨てろ」

アリト「チッ、何て事しやがるんだ!許さねえ!!」

黒咲「アカデミアめ・・・またペットを使っての作戦か!」

「チューッ!」

アリト「こいつは」

黒咲「貴様はこの前の!」

遊矢「出たな!」

「ネズミはその1匹だけでは無いぞ!」

黒咲「まだ居るのか」

「そうとも!前回のカナリアのように1匹ではない!」

黒咲「アリトと瑠璃は凌牙達に知らせろ!ネズミを探せと」

柚子「わかったわ!」

アリト「死ぬんじゃねえぞ!」

黒咲「俺とお前で奴を倒す」

遊矢「わかった!」

「受けてみろ!死の菌を!!」

黒咲「お前がコンドルの改造デュエリストなら勝敗はわからなかった!だがネズミと融合した時点で弱体化している!」

「弱体化だと?あの九十九遊馬を倒したのは俺の同胞だぞ!」

「同胞だけでは無い!」

黒咲「まるで違う!お前達は別の動植物同士の融合により長時間は戦えぬ事をⅤの調べで判明した!」

「何だと!?」

黒咲「だから愚かだと言うのだ融合次元もシンクロ次元も猿以下の脳を持っているお陰で弱点が丸わかりだ!!」

遊矢「黒咲と一緒なら・・・黒咲!」

黒咲「受けてみるがいい!エクシーズの至宝である奥義を!」

「奥義だと!?」

遊矢・黒咲「かっとビングだ!!」

黒咲「そうかネズミは全て」

シャーク「退治したぜ」

黒咲「これで奴らの計画も阻止できたな」

シャーク「それとアリトが話があるってよ」

黒咲「俺にか?」

シャーク「遊矢に」

黒咲「アリトがお前に話があるそうだ」

遊矢「俺に?もしもし」

アリト「俺、柚子に惚れた」

遊矢「は!?」

アリト「早い話がお前は俺のライバルだ!じゃあな!」

遊矢「な、何なんだ一体」

数日後

ロジェ「将軍ついに完成したのですね。秘密兵器が」

将軍「首領」

ロジェ「少し立場が変わっただけで無視か・・・私は表向きの首領だぞ」

将軍「完成致しました。エクシーズデュエリスト抹殺の必殺デュエリストが」

首領「そうか!それはいい事だ」

将軍「こいつを差し向ければ奴らは・・・フフフ」

首領「だが将軍よ。もしこの作戦が失敗すればお前に待っているのは死だ」

将軍「私が先に散った幹部と同じではありませんよ」

ロジェ「しかし似ている。そっくりだ」

将軍「当たり前だ!何せこいつは」

「かっとビング…」


第88話「繁殖」


遊星「ジャン・ミシェル・ロジェか」

ジャック「何だと!?」

クロウ「知り合いか?」

遊星「いやカイト達が言った事が気になってな」

ジャック「そうか」

ブルーノ「ほら遊星が珍しくバカにした変な髪型の」

遊星「あいつか」

ジャック「あのマヌケ顔の」

クロウ「思い出したぜ!クソダサい服着てたよな!」

遊星「やっと思い出したぞ」

ロジェ「来ましたね戦闘員諸君」

「ギーッ!」

「お話とは」

ロジェ「君達には語りましょう私と不動遊星の因縁を」

「どうする」

「察してやれ、この人は今やアカデミアでは何の地位も持たないガラクタなんだから」

ロジェ「思えば私と遊星の出会いはあの日でした」

「・・・」

ロジェ「私は忘れない!不動遊星のあの私を侮蔑した目を!」

「・・・」

「・・・」

ジャック「何だと!?あのカイトが勃起したというのか!?」

遊星「かなりの勃起力だったそうだ」

クロウ「嘘だろ?だってカイトだぜカイト」

ブルーノ「どうしてカイトが」

遊星「遊馬の次元にツァンと言う女性が居るな」

クロウ「居るな」

遊星「原因らしい」

ジャック「まさかカイトが勃起するとは」

ブルーノ「始めて聞いたよカイトが」

クロウ「何かこの世の終わりって感じだぜ」

遊星「男なら誰だってするさ」

ロジェ「私は華やかな生き方をしていた。治安維持局長官としてね」

「・・・」

「・・・」

ロジェ「だが不動遊星らデュエリストが私の眼前に立ったとき私を哀れな男だと罵った!」

「・・・」

「・・・」

ロジェ「あまつさえ私を紛い物だとも言った!ゴドウィンは立派だったと!」

「・・・」

「・・・」

ロジェ「そのような男を私は知らん!知らんのに私をバカにした眼と言動・・・何なんだ奴らは!!」

「・・・」

「・・・」

ジャック「何だと!?アリトが柚子に惚れた!?」

遊星「ああ」

クロウ「マジかよ」

ブルーノ「一波乱起きそうな予感だね」

遊星「そうだな」

ブルーノ「前のユーゴ事件を思い出すよね」

遊星「あれは酷かったな・・・」

クロウ「見てるこっちもどうしたらいいかと思ったぜ」

ジャック「今度は大丈夫だ。そうだな遊星」

遊星「ああ!きっと大丈夫だ!」

ロジェ「そして遊星は私の顔を殴った」

「・・・」

「・・・」

ロジェ「親にも殴られた事の無い私の顔を!」

「まだ続くのか」

「知らんよ」

ロジェ「どう思う・・・ジャック・アトラスは私を中間管理職と罵り、クロウ・ホーガンには死ねと吐き捨てられた!」

「それは悲惨ですね」

「可哀想に」

ロジェ「私は!」

「・・・」

「・・・」

ジャック「何だと!?トロン3兄弟が兄弟を増やそうとしていたのか!」

遊星「ああ」

クロウ「女っ気ねえもんな」

ブルーノ「対してこっちはアキさん、龍可、リン」

遊星「豊富な人材が揃ってる」

ジャック「情けない!」

ブルーノ「そうかな?」

クロウ「女いねえチームってあいつらぐらいだぜ」

ジャック「そんなに辛いか」

クロウ「辛いだろ」

遊星「辛いぜ」

首領「そこまで言うならロジェよ。次の攻撃目標は不動遊星の次元に変えてやってもいいと私は思っている」

ロジェ「首領!やはり私は首領の影武者程度でおさまる器ではありません。ですが何故」

首領「私はかつて九十九遊馬と神代凌牙に敗北した。そして次は九十九遊馬とは違う次元の連中にもだ」

ロジェ「では首領にとっても不動遊星は」

首領「敵だ。遊城十代と榊遊矢を含めてな・・・奴らが存在しなかったら勝てたはず!それを何度も何度も我の邪魔を・・・!」

ロジェ「しかしサウザンドアカデミアも今や」

首領「愚か者!サウザンドの名は伊達ではない」

ロジェ「し、失礼しました!」

首領「何もアカデミアだけが組織ではない。バレットを既に不動遊星の次元に潜伏させているのだ」

ロジェ「アカデミアだけが組織ではない・・・首領はまるで悪魔だ。平気で部下を斬り捨てようとしている」

首領「将軍の今度の作戦が失敗に終わればサウザンドアカデミアの敗北は間違い無い。だからこそ私が信頼するロジェよ、お前が次の指揮官となるのだ」

ロジェ「わかりました!やはり大物の器は大物がよくご存知ですね首領」

首領「・・・」

ジャック「何だと!?ユートのデッキが変わったのか!?」

遊星「魔法使い族主体だそうだ」

クロウ「あいつ魔法使いっぽいもんな」

ブルーノ「ユーゴと遊矢に比べたら知的でクールだからね」

クロウ「ユーゴも見習えよな」

遊星「もしユーゴがクールになったら」

ジャック「似合わんだろうな」

クロウ「た、確かに」

ブルーノ「何か嫌だね」

ジャック「あいつはあのままでいいか」

遊星「ああ」

数日後

ジャック「しかし何も起こらんな」

クロウ「第一目標があの荒くれ者揃いの遊馬達だからな。多分来ねえよ」

シンジ「俺は断然アキだぜ!」

ユーゴ「おっぱいならアキさんだよな!」

勝鬨「自分はこっちだな」

日影「拙者はこっちを」

月影「こちらでござる」

遊星「シンジとユーゴはアキで勝鬨と月影、日影は明日香さん」

権現坂「女子の乳房選びなど、けしからんですぞ遊星殿」

遊星「だが健全な男子ならば興味を持つはず・・・違うか?」

権現坂「やはり遊星殿は真の漢・・・俺はすまないが遊星殿」

遊星「おっぱい勝負は引き分けだな。権現坂はアキがいいのか」

遊星「みんなは十六夜アキと天上院明日香のおっぱいならどっちがいい?」


第89話「因縁」


ロジェ「アカデミア少年兵?だがそれは旧アカデミアが失敗した作戦じゃ」

将軍「見くびるな、前とは違うのだ前とは」

ロジェ「前とは違う?例の改造デュエリストか」

将軍「いいや違う。手始めにこいつを送り込む」

「ムヒョーッ!」

ロジェ「この改造デュエリストは」

将軍「ムカデと虎を融合させた融合改造デュエリストだ」

ロジェ「今回は失敗しないだろうな将軍」

将軍「無論」

ロジェ「ならば見せなさい!その改造デュエリストの底力を!!」

将軍「エクシーズ攻略の第一段階であった九十九遊馬は死んだ。次の狙いはエクシーズの頭脳と力を司る天城カイト!」

ツァン「ワッ!」

カイト「・・・お前か」

ツァン「お前がって何よ。今日コナミが帰って来るんだけど」

カイト「断る」

ツァン「まだ何も言ってないし」

カイト「晩御飯でも食べないか?と言う気なんだろう」

ツァン「暇だから誘ってるだけだからね」

カイト「だったら断る」

ツァン「ふん」

カイト「それとこいつを雪乃に渡してやれ」

ツァン「教員免許・・・偽造したんだ」

カイト「偽造ではない創造だ」

遊矢「カイト!大変だ!!」

カイト「また柚子を取られたか」

遊矢「違う違う!」

カイト「だったら何だ」

遊矢「ハルトの乗ったバスがジャックされたんだ!」

カイト「何故それを早く言わない!?」

遊矢「だってさっき」

カイト「行くぞ!」

遊矢「行くってどうやって」

カイト「走れ!!」

「聞け!お前達は今日よりアカデミア少年兵となるのだ!」

ハルト「そんなのならないよ」

「お前は天城カイトの弟だったな、何故だ!」

ハルト「兄さんだ!」

「天城カイトだと?」

カイト「ハルトオオオオオオオオオオオオオオオ」

「化け物か・・・バスに追いつくなんて、バスを止めろ!」

「ギーッ!」

「アカデミア最強改造デュエリストの俺の力を見せてやる!」

ハルト「兄さん!やっぱり来てくれたんだね」

カイト「ああ!」

「俺の指名はアカデミア少年兵をかき集める事だ。だが俺の実力を持ってすれば天城カイト!お前など容易いぞ!」

カイト「だったらやってみろ」

「ムヒョーッ!」

ゴスッ

カイト「ッッ!確かにいい拳だ」4000→2900

「俺とお前の拳の勝負だ!行くぞォ!」

カイト「来い!」

遊矢「カイトの拳の強さは俺が1番良く知ってる」

ハルト「頑張れ兄さん!」

ゴスッ

「ムガッ!」

カイト「まだまだ!」

「な、何て奴だ・・・この俺が!」

カイト「こいつ・・・強い」

「こうなれば・・・やれ!ハルトを人質にするのだ!」

「ギーッ!」

ハルト「ダッシャァッ!」

「通常のデュエリストの5倍の力を持つ戦闘員が意図も簡単に!?」

カイト「ハルトは俺の弟だぞ」

「おのれ・・・天城カイト!」

カイト「遊矢チェンジだ」

遊矢「俺!?」

カイト「こいつの耐久力は異常だ・・・あの遊馬とアストラルを死至らしめた奴と同等ぐらいだ」

遊矢「わかった!カイトが与えたダメージを無駄にはしない!」

ハルト「兄さんが結構傷だらけになるなんて」

遊矢「お、俺も久しぶりに見たよ」

カイト「良くやった」

遊矢「融合改造デュエリスト・・・強いな」

カイト「そうでも・・・無い事は無いか」

ハルト「に、兄さん、遊矢」

カイト「どうしたハルト?」

ハルト「あ、あれ!」

遊馬「かっとビングだ!俺!!」

遊矢「遊馬!」

カイト「帰って来ているなら言え」

遊馬「悪りい悪りい!」

遊矢「足もある!」

ハルト「本物だ!」

カイト「アストラルはどうした?」

遊馬「いいじゃねえか別に、何か食いに行こうぜ。腹が減ったよ」

カイト「そうだな」

遊矢「その前に病院行かないとカイトが傷だらけだから」

遊馬「そうするか」

遊矢「でも驚いたよな遊馬が」

ハルト「うん!」

遊馬「かっとビング…」


第90話「兄弟」


シャーク「驚いたぜ遊馬」

アリト「ちゃんと足もあるしな」

遊馬「そんなにジロジロ見るなよ」

Ⅲ「本当に生きてて良かった!」

シャーク「けど雰囲気変わったな、何か違うっていうか」

遊馬「そうか?」

シャーク「まあ気のせいか」

カイト「・・・」

ギラグ「アストラルはどうしたんだ?」

カイト「ちょっと来い」

シャーク「あ?何だ」

カイト「話がある」

シャーク「てめえ何っつった」

カイト「あいつは遊馬じゃない」

シャーク「遊馬じゃねえ?ボケてんのか!どう見たって遊馬じゃねえか!」

カイト「だったら何故アストラルが居ない」

シャーク「何か事情があんだよ」

カイト「なら遊馬の前髪をよく見てみろ」

シャーク「前髪?何か変わったとこなんて」

カイト「・・・」

シャーク「あるじゃねえか」

カイト「そうだ。遊馬の前髪の色が赤ではなく黄色になっている」

シャーク「って事は偽者か!?」

カイト「かなりの確率でな」

遊馬「じゃあ早速」

カイト「待て」

シャーク「この偽者野郎!!」

遊馬「な、何すんだよ!」

シャーク「てめえは偽者じゃねえか!」

アリト「何言ってんだナッシュ!」

ベクター「いやナッシュの言う通りだぜ、良くみろよ遊馬の前髪を」

Ⅳ「黄色!?遊馬の前髪hq確か赤!」

遊馬「ケケケ!バレちまったら仕方がねえ!」

カイト「お前は何者だ」

遊馬「俺はアカデミアの技術により生み出されたクローン遊馬!さあデュエルしようぜ!!」

シャーク「何がデュエルだ!笑わせるんじゃねえ!!」

遊馬「かかって来いよシャーク!」

シャーク「見た目も声もそっくりだぜ」

カイト「だが遊馬の皮を被った化け物だ!」

シャーク「わかってんだよ、そんな事ぐらい!」

遊馬「来いよ」

ギラグ「だったら俺が行くぜ!」

遊馬「かかって来い!」

カイト「アカデミアの奴・・・遊馬のクローンまで生み出すとは」

シャーク「やることなすこと薄汚い奴らだぜ!」

ドルべ「」

カイト「遊馬よりも力も技も格上か」

遊馬「だってクローンだぜ?驚いたかカイト」

カイト「ああ驚いている」

シャーク「だが魂がねえ!」

遊馬「だったら試してみるか?カイト!シャーク!」

カイト「クローン風情が生意気な口を叩くな」

シャーク「人形野郎が!」

遊馬「本当にエクシーズの奴らは口汚いな」

カイト「貴様を潰す」

シャーク「覚悟しろよ!」

遊矢「ほら」

柚子「遊馬くん!?」

遊馬「ああ!」

遊矢「凌牙達には挨拶したのか?」

黒咲「待て偽者!」

遊矢「何だよいきなり」

黒咲「遊馬の前髪をよく見ろ」

柚子「あれ!?赤のはずなのに白い!」

黒咲「そしてアストラルも不在だ」

遊矢「どういう事だ遊馬」

遊馬「・・・」

遊馬「トゥッ!」

カイト「俺たち2人を相手にして」

シャーク「遊馬のクローンってのは満更嘘じゃねえ」

遊矢「うわああああ」

カイト「遊矢」

シャーク「てめえ何処から突っ込んで来た!」

遊矢「ゆ、遊馬が偽者だ!」

シャーク「そんな事ぐらい知ってんだよ!」

カイト「いや遊馬が2人居るぞ」

黒咲「何だと」

遊馬「2人だけじゃねえ!」

遊馬「アカデミアが誕生させた俺は俺達を見せてやるぜ!」

遊馬No.1「九十九遊馬No.1!」

遊馬No.2「九十九遊馬No.2!」

遊馬No.3「九十九遊馬No.3!」

遊馬No.4「九十九遊馬No.4!」

遊馬No.5「九十九遊馬No.5!」

遊馬No.6「九十九遊馬No.6!」

カイト「6人の遊馬だと!」

シャーク「アカデミアの奴ら・・・!」

遊馬No.1「九十九遊馬軍団の脅威のコンビネーションを見せてやるぜ!」

遊馬No.2「全員まとめてぶっ殺してやるぜ!!」

遊矢「遊馬ァ!!」


第91話「遊馬」


遊馬No.1「カイトォ!」

カイト「その程度か!」

シャーク「何ボケっとしてんだ遊矢!」

遊矢「相手は遊馬なんだぞ!」

黒咲「甘ったれるな!あいつは遊馬であって遊馬であらず!気を引き締めろ!!」

遊矢「でも!」

カイト「黒咲・・・遊矢を連れてここから離れろ」

黒咲「何だと」

カイト「俺達が転けたら遊馬を救えるのは遊矢とユートしかいない」

シャーク「こいつは遊馬のライバルと親友の頼みだ。ちなみに俺が親友だぜ」

黒咲「わかった。ただし転けようが転けまいが生きろ!天城カイトと神代凌牙はそう簡単に死なんと思うがな」

シャーク「死なねえって言っても数が多すぎだぜ、なあカイト」

カイト「お互い遺言を言い合うか」

シャーク「演技でもねえ事言いやがって」

カイト「それを言ったら意地でも死ねんだろ」

シャーク「俺は・・・色々ありすぎるぜ」

カイト「俺もだ」

シャーク「3人の遊馬なら勝てたかもしれねえ」

カイト「それが6人も居るんだ」

シャーク「気合入れようぜ」

カイト「ああ」

将軍「見てください首領!天城カイトと神代凌牙が」

首領「そうか!ついに奴らが」

将軍「これがクローン九十九遊馬の力です」

首領「我の悲願がついに成就した。あの憎き2人を遊馬が殺したのだ!」

ロジェ「・・・」

将軍「あの2人さえ討ち取れば勝ったも同然ですな」

首領「まだだ。バリアン七皇のナンバー2のミザエルやⅣと言った強者が揃っている」

将軍「しかし九十九遊馬の軍団ならば」

首領「フハハハハ!奴らの最後は奴らが慕った遊馬によってその生涯を終える!これほど愉快な話があるか将軍、ロジェ」

ロジェ「嬉しい限りですね首領」

将軍「戦闘員よ、引き続き奴らの同行をカメラで記録するのだ」

首領「我・・・いや私をコケにした罰だ!フハハハハ!!」

遊矢「カイトと凌牙を!」

黒咲「やめろ!」

遊矢「でも」

黒咲「今のお前に6人の遊馬に勝つ術があるのか!?」

遊矢「そ、それは」

黒咲「なら勝つための特訓をするぞ」

遊矢「特訓・・・」

黒咲「かつてアリクイの改造デュエリストとの一戦で己を鍛えたのを忘れたか!」

遊矢「・・・そうだ!今の俺にできる事は特訓だけだ!」

黒咲「なら始めるぞ」

遊矢「頼むよ黒咲!」

Ⅳ「遊馬・・・せっかく帰って来たと思ったのに」

アリト「許さねえ!」

Ⅴ「なら答えは簡単だ。遊馬を」

ユート「みんな」

ミザエル「ユート!」

ドルべ「いつ帰国を」

ユート「さっきだ。アカデミアがいよいよ本格的に動き出したらしい」

Ⅳ「本格的に?じゃあ海外のアカデミアは」

ユート「ほぼ壊滅し残りはハートランドに拠点を置くここだけだ」

Ⅲ「遊馬のクローンにカイトと凌牙が」

ユート「詳しく聞かせてくれ」

ユート「そうだったのか」

Ⅴ「それとアカデミア首領の正体は融合次元の者ではなくシンクロ次元の男だそうだ」

ドルべ「赤馬零児と結託しアカデミア最高幹部の記憶を改竄したらしい」

ギラグ「それだけじゃねえ改造デュエリストがさらにパワーアップしちまったんだ」

ユート「大体わかった」

Ⅳ「遊矢と黒咲は何処行っちまったんだ」

ユート「大丈夫だ。隼の行動パターンなら読める」

ミザエル「本当か?」

ユート「確かこの辺りに広い場所があったな」

Ⅲ「随分とアバウトだね」

ユート「そこに」

黒咲「もっと走れ!走るんだ!!」

遊矢「こんな事をして勝てるのか」

黒咲「そこで飛べ!」

遊矢「トォッ!」

黒咲「全然ダメだ!」

ユート「スパルタだな隼」

黒咲「ユートか」

ユート「遊馬が居なくなった時に遊馬の意思を引き継ぐのは遊矢だけじゃない。俺だって」

黒咲「そうだったな。ならお前も来い」

ユート「その前に特訓内容を教えてくれ」

黒咲「いいだろう」

ユート「デュエリスト車輪」

黒咲「こう円を描くように走る。そして飛ぶんだ」

ユート「タイミングが遅れれば自爆する荒技だぞ」

黒咲「本来ならコンビを組んでやる技だ。お前が帰国して良かった」

ユート「俺が?」

黒咲「これはコンビネーションを試される技だからな。ユートは幾度か遊矢と統合している」

遊矢「だから可能なのか」

黒咲「休憩は終わりだ。行くぞ!」

遊矢「ユート!」

ユート「遊矢!」

黒咲「デュエリスト車輪!始め!!」

ロジェ「これはこれはオボット6号」

6号「お前は治安維持局長官だったな、わざわざエクシーズに何の用だ」

ロジェ「実はあなたのセンスを見込んで」

6号「断る。俺には俺のやるべき事がある。強者であるデュエリストと戦うのが俺の使命」

ロジェ「ならば貴方以外の107体のオボットを呼び寄せる事は」

6号「俺以外の奴らは普通に生きている」

ロジェ「これは命令です。機械じかけのロボットごときが・・・粋がるんじゃない!」

ロジェ「心を持たぬロボットが私を蔑むような眼を・・・私をバカにするな!私は生まれながらの選ばれた民だぞ!」

6号「だったらどうした。俺と戦うのか」チャキッ

ロジェ「何という野蛮な、ですが跪くのは私ではなく、お前だ!このガラクタ人形に世間の厳しさを教えてやりなさい!」

6号「改造デュエリスト共か」

将軍「何処へ行っていた」

ロジェ「手柄を立てに」

将軍「この紛い物が!勝手に出歩くなと」

ロジェ「融合改造デュエリストの最大の弱点は2種類の動植物が上手く噛み合わない事にあり・・・それを見抜かれましたね」

将軍「それがどうした」

ロジェ「もしも機械と動植物の合成ならどうでしょう」

将軍「それこそ馬鹿げている」

ロジェ「原理は同じなのですよ将軍」

将軍「負け犬の分際で生意気な事を抜かすな!」

ロジェ「融合次元のみなさんは手のひら返しが実に上手い。本当に哀れで民度の低い次元だ」

遊矢「完成だ!」

ユート「やったな遊矢!」

遊矢「遊馬軍団とのデュエルだ!」

ユート「必ず必ず・・・カイトと凌牙の仇を」


第92話「車輪」


Ⅳ「遊馬軍団は何処行っちまったんだ」

アリト「さあな」

Ⅲ「気をつけてくださいよ。何処かで僕らを狙っている気がしてなりません」

Ⅳ「みんな、よく聞け!カイトと凌牙そして遊馬が居ねえ今、俺がリーダーになる!文句ある奴は手を挙げろ!」

ドルべ「意義無しだ」

ミザエル「お前には他者を先導して行く才能がある」

璃緒「かなり凶暴だけど」

ギラグ「カイトもナッシュも凶暴じゃねえか」

ベクター「俺らの仲間で凶暴じゃねえ奴なんて遊馬しかいねえだろ」

Ⅴ「元気者の方がリーダーに相応しいからな」

Ⅳ「兄貴が言うと褒めてるのか貶してるのかわからねえよ」

沢渡「待て待て!何でリーダー勝手に決めてんだ!俺は!?」

Ⅳ「てめえは俺と髪の色が似てるから無理だ」

沢渡「そういう問題じゃねえ!」

ドルべ「君はランサーズの行動隊長とかでいいんじゃないか?」

沢渡「わ、悪くねえな」

Ⅳ「遊馬の数は6人だ・・・手分けして探す。見つけても深追いするなよ」

ミザエル「特訓を終えた遊矢とユートに倒させるんだな」

沢渡「また俺の知らないとこで何かやってんな」

Ⅳ「まず俺とベクターが」

Ⅴ「やめろ!」

Ⅳ「何が」

Ⅴ「チーム分けは私が決める」

Ⅳ「俺がリーダーじゃねえのか!?」

Ⅴ「ベクターとお前のコンビは危ないだろ」

ドルべ「その組み合わせはダメだ」

璃緒「やめなさい!」

ベクター「何が悪いってんだ」

Ⅳ「意味がわからねえ」

アリト「行こうぜ沢渡」

沢渡「くだらねえ話ばかりしやがって」

ドルべ「それもダメだ!」

アリト「何で!?」

ドルべ「ダメなものはダメだ」

Ⅳ「わかったよ!だったら勝手に決めやがれ!!」

遊馬「その必要はないぜ」

遊馬「俺らから出向いてやったよ」

Ⅳ「来やがったな!」

遊馬「お前達もカイトやシャークと同じ場所に送ってやるよ」

Ⅳ「死ぬのはてめえらだ」

遊馬「何言ってんだよⅣ」

Ⅳ「ついて来い、てめえらを終わらせてやるよ」

遊馬「何の話だ?」

Ⅳ「てめえらの墓場だぜ」

Ⅳ「終わったか特訓」

黒咲「完璧だ」

遊馬「ユート!」

ユート「やめろ!お前は遊馬じゃない。気安く俺の名前を呼ぶな」

遊矢「お前達の組織が遊馬を殺したんだろ!」

遊馬「だったら見せてもらおうじゃねえか」

遊馬「その特訓ってやつを」

遊馬「どうせ遊馬は死んでるんだ」

遊馬「俺達の誰かが遊馬になればいい」

遊馬「たとえ共食いをしてでもな」

遊馬「始めようぜ、デュエルを!」

遊矢「失敗は許されない」

ユート「失敗をすれば俺と遊矢どちらかが死ぬだろうな」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

遊矢「円を描くように走る」

ユート「クローン遊馬はアカデミアの邪悪な心を持っている。仲間意識など皆無だ」

遊矢「だからこそ俺達が死んだ遊馬の名誉のために戦わなくちゃならないんだ!」

沢渡「何グルグル回ってやがんだ!ちゃんと戦え!!」

黒咲「お前はあれがただ回っているように見えるのか」

沢渡「当たり前だろうが!」

黒咲「あれは2人のタイミングを必要とする荒技だ」

Ⅳ「円を描くように走る事でクローン遊馬の感覚を鈍らせるんだ」

黒咲「そして遊矢とユートが同じタイミングで上空へ飛び上がり交差する」

沢渡「そうすりゃ・・・激突する!」

黒咲「ああ」

Ⅳ「やれ、遊矢!ユート!」

沢渡「ぶちかませ!!」

遊馬「走ってるだけじゃ俺らに勝てねえぞ!」

遊馬「聞いてんのか!」

遊馬「だからお前は半人前なんだよ遊矢!」

遊馬「デュエルで笑顔なんてくだらねえんだよ!」

遊馬「さっきからシカトばかりしやがって!」

遊馬「ふざけんじゃねえ!!」

遊矢「このタイミングだ!」

ユート「飛ぶぞ!」

遊馬「飛んだぞ!」

遊馬「何考えてんだ!」

遊矢「さよならだクローン遊馬」

ユート「そして2度と姿を見る事が無いだろうな」

遊矢・ユート「デュエリスト車輪!!!!」

沢渡「派手に吹き飛んじまった」

アリト「けど複雑だぜ、見た目は遊馬なんだから」

Ⅳ「一番複雑なのはあいつらだ」

遊馬「何やってんだ?」

Ⅳ「てめえ!まだ生き残りが居たのか!!」

遊馬「生き残り?何言ってんだよ!」

黒咲「何処まで遊馬を馬鹿にすれば気が済むんだ!!」

遊馬「ちょっと待てって!意味がわからねえよ!」

沢渡「うるせえ!今度は俺達が相手してやるよ!」

遊馬「何だよ一体!」

カイト「こいつは正真正銘の遊馬だ」

シャーク「アストラルだって居るじゃねえか」

黒咲「悪かった」

遊馬「悪かったじゃねえよ!ボコボコだぜ俺!」

ユート「アストラルが居る」

遊矢「紛れもない・・・本物だ!」

遊馬「しかし死ぬかと思ったよな」

アストラル「凄まじい勢いで飛ばされたからな私達は」

遊矢「カイトと凌牙も生きてる」

カイト「勝手に殺すな」

シャーク「俺らは不死身なんだよ」

遊矢「みんな・・・みんな生きてる!」

数日後

遊馬「・・・」

小鳥「やっぱり生き返ったね」

遊馬「どうだ最近」

小鳥「別に」

遊馬「そうか」


第93話「生還」


将軍「首領・・・ダメだ応答が無い」

ロジェ「何と無様な」

将軍「やはり遊馬達が敗北した事で私を見捨てたのか、だが次こそは」

ロジェ「何か手はあるのですか?」

将軍「デュエリストが誕生するためには女が必要だ。ならば未来を生きるデュエリストが誕生しないようにすればいい」

ロジェ「まあ頑張ってくださいよ」

将軍「出て来い!」

ロジェ「この改造デュエリストは」

「ジーグー!」

将軍「ハエトリ草と蜂の融合改造デュエリストだ」

「俺の能力を使えば女を操る事も可能!」

ロジェ「気の毒なほど哀れですねえ」

カイト「お前の姉と母が消えた?」

遊馬「昨日買い物に行ったきり居ねえんだよ」

小鳥「私のママも!」

カイト「・・・」

遊馬「探すの手伝ってくれよ」

カイト「落ち着け」

小鳥「でも!」

カイト「何事も順序が必要だ。違うか?」

アストラル「カイトの言う通りだ」

カイト「足取りを追う3人の」

アストラル「もしかしたら遊馬達だけでは無いかもしれないな」

カイト「ああ」

カイト「ここで足取りが途絶えた」

遊馬「ここって」

小鳥「下着専門店だよね?」

カイト「入るぞ」

遊馬「おう!」

小鳥「待ってよ!男の2人が入っちゃダメだよ!」

カイト「ならどうするんだ」

小鳥「私が行くよ」

遊馬「それもそうだな、頑張れよ小鳥」

小鳥「うん!」

アストラル「出て来ないな小鳥」

カイト「やはり突入するか」

遊馬「行こうぜカイト!」

アストラル「やはり小鳥だけではダメだったか」

カイト「身体を鍛えるているはずだが」

遊馬「やっぱり鍛えるだけじゃダメだぜ」

アストラル「下着専門店とは男だけで入ったらどうなるんだ」

カイト「変態のレッテルを貼られる」

遊馬「変態上等だぜ」

カイト「いや待てよ・・・女装をすればいい」

アストラル「さすがはカイトだ。咄嗟の閃きでそんな事を思い浮かぶとは」

カイト「これでいい」

ツァン「僕の下着までつけて頭おかしいんじゃないの」

遊馬「これは俺の家族と小鳥の命がかかっているんだ!頼むよ!!」

ツァン「小鳥も?」

カイト「そうだ」

ツァン「ったく、やる事ムチャクチャよね」

カイト「いつもの事だ。行くぞ遊馬」

ツァン「化粧濃いのね」

遊馬「モデルはドロワだぜ!」

カイト「ドロワなら子供に見えないだろ」

ツァン「そりゃ僕より歳上だし見た目的にも綺麗な熟女だから」

遊馬「これで殴り込みができるぜ!」

遊馬「おかしいな誰も居ないぞ」

カイト「試着室か」

ガラッ

アストラル「どうした」

カイト「こういう場合は試着室が怪しいと相場が決まってる」

遊馬「さすがカイトだぜ!」

カンカン

カイト「やはりな」

遊馬「って事は」

カイト「ここが隠し通路って事だ」

アストラル「この中に攫われた人々が」

遊馬「母ちゃん!姉ちゃん!小鳥!」

カイト「何故ミザエルが」

アストラル「Ⅲも居るぞ」

「ジーグー!」

アストラル「融合改造デュエリスト!?」

将軍「早くも嗅ぎつけるとはな」

カイト「大幹部自ら出現するとは余程、切羽詰まっているようだな」

将軍「ああそうだ!アカデミア遊馬が全滅した事で私の信頼はガタ落ちだ!」

カイト「あんな間の抜けた男に従っているからだ」

将軍「あんな馬鹿面・・・いや首領を馬鹿にする事は私が許さん。行け!お前の性能を見せてみろ!」

「ジーグー!」

カイト「俺がやる」

「俺の毒液を喰らえ!」

ジュワァッ

カイト「恐ろしい威力だな」

「さらにこいつはどうだ!」

アストラル「今度は毒針だぞカイト!」

カイト「だったら俺との相性はいい。何故なら俺には毒なんぞ効かんという事だ」

遊馬「カイト!」

カイト「融合改造デュエリストの活動時間は凡そ3時間程度・・・何か薬のような物を投与する時間じゃないか」

「な、何故それを!」

カイト「やはりな」

将軍「馬鹿者!」

カイト「どうやらアカデミア崩壊の日は近いぞ」

「ジ・・・ジグ・・・」

カイト「時間切れだな」

アストラル「無理に働かせるから倒れたんだ。まさにブラック企業」

将軍「勝ったと思うなよ!既に第二の作戦が発動しているのだ!」

遊馬「第二の作戦?」

カイト「そうやって何度作戦を失敗すれば気が済むんだ。少しは頭を使え」

将軍「次は対処不能だ!」

遊馬「何だって受けて立つぜ!」

アストラル「さあ起きるんだ小鳥」

カイト「ミザエル」

遊馬「母ちゃんも姉ちゃんも起きてくれよ!」

数日後

遊馬「何で女装してんだカイト」

小鳥「・・・」


第94話「女装」


ロジェ「九十九未来?確か九十九遊馬の母親」

将軍「作戦が心配した時のためにこいつの卵を埋め込んでおいた」

「ブロロロ!」

ロジェ「改造デュエリストの!?」

将軍「こいつはエイと蛾の融合改造デュエリストでな」

「そろそろ妊娠しているだろう」

ロジェ「随分と躍起になってますね将軍」

将軍「黙れ!」

ロジェ「あなたは完全に首領から見限られている。かつての幹部のようにね」

将軍「九十九未来は九十九遊馬を産んだ女だ。その母体から誕生した融合改造デュエリストは確実に最強のデュエリストだ」

「ブロロロ!」

ロジェ「彼はもう終わりですね」

シャーク「なあミザエル」

ミザエル「どうした」

ドルべ「太ったんじゃないか」

アリト「あ、本当だ!」

シャーク「食い過ぎじゃね?」

ミザエル「私はちゃんとした食生活をしている!ふざけるのもいい加減にしろ!!」

シャーク「でも太ってるじゃねえか!!」

ミザエル「いくらナッシュでも許さん!」

ドルべ「やめろミザエル」

ミザエル「くっ・・・」

シャーク「何で太ったんだろな」

アリト「知らね」

遊馬「太った!?ミザエルが?」

アリト「信じられねえだろ?」

アストラル「まさか彼が」

アリト「笑っちまうぜ」

遊馬「だったらダイエットさせねえとな」

アストラル「ダイエット?」

遊馬「太ったらダイエットだぜ!」

アリト「いいな遊馬!お前天才だぜ!」

遊馬「やろうぜ!」

アリト「日頃から馬鹿にしやがるミザエルをギャフンと言わせてやるぜ!」

遊馬「っつうわけでミザエルをダイエットさせに来たぜ!」

シャーク「それが見てみろよ」

ミザエル「」

ギラグ「ピクリとも動かなくなっちまって」

アリト「おーい」

璃緒「完全に気絶してるわ」

遊馬「何でなんだアストラル」

アストラル「体内へ入って原因を突き止めよう」

ドルべ「私はカイトを呼んで来よう」

シャーク「何か久しぶりだぜ、他人の腹ん中に入るなんて」

遊馬「ああ!」

シャーク「カイトは?」

ドルべ「客人がどうとか言って」

アストラル「収縮ライトか、久しぶりに見る」

遊馬「遊星さんに影響されてカイトが製作したんだったよな」

ドルべ「ではミザエルの体内へ行くのは」

シャーク「俺と遊馬だ」

ドルべ「無事を祈る」

ピッ

遊馬「お、小さくなった」

アストラル「人の体内へ入る時に1番安全な入り口は」

シャーク「肛門だ」

遊馬「うげっ・・・何だよこれ!」

シャーク「気持ち悪りいな」

アストラル「改造デュエリストの幼体じゃないのか」

遊馬「シャーク!」

シャーク「ぶっ潰す!」

アストラル「だが無理に」

遊馬「久しぶりのコンビだぜ!」

シャーク「せーので行こうぜ!」

遊馬「おう!」

アストラル「いや・・・まあいいか」

将軍「どうなっているんだ・・・九十九未来は妊娠してないぞ!」

「し、しまった!」

将軍「まさかとは思うが」

「どうやら俺は勘違いしていたようだ。九十九未来があっちだったとは!」

将軍「何をした!?」

「前の作戦にて俺は九十九未来だと思い別の金髪の奴に卵を」

将軍「別の金髪だと?」

「ギーッ!それはバリアン七皇のミザエルかと」

将軍「この大馬鹿者!奴らに作戦を知られたも同然だぞ!」

「何て事だ・・・かくなる上は」

将軍「ええい!私は知らんぞ、お前1人で落とし前をつけて来い!」

遊馬「あ、腹がへっこんでる」

ドルべ「何があったんだ」

アストラル「ミザエルの体内に改造デュエリストの幼体が」

ギラグ「寄生虫かよ」

「寄生虫とは失礼な!」

ドルべ「改造デュエリスト!?」

シャーク「てめえ!覚悟はできてるんだろうな!?俺の仲間にこんな目に合わせてタダじゃすまねえぞ!」

「ブロロロ!調子に乗るな!」

シャーク「ぶっ殺してやる」

遊馬「シャーク!」

シャーク「こいつは俺の獲物だ!手を出すんじゃねえ!!」

「さ、さすがはバリアンだ・・・!」

シャーク「能書き垂れてる場合じゃねえだろ!」

「こ、このままでは」

「シュルルル!」

アリト「何か別の奴が来たぞ!」

「援軍か、助かった!」

「将軍からの伝令だ!失敗した貴様を処刑してくれる!死ね」

「ぎえええええええええええええ」

アリト「ドロドロに溶けちまったよ・・・何だこの液体」

アストラル「迂闊に触るな!」

遊馬「怒鳴る事ねえだろ」

シャーク「腐っても仲間だろうに、イかれてるぜ」

シャーク「逃げられちまったな」

ドルべ「ここ最近ずっとアカデミアの攻撃が日に日に増しているぞ」

シャーク「そんだけ切羽詰まってるんだろ」

ギラグ「どうせ勝つのは俺らだってのに」

シャーク「何かアカデミアの情報はねえのか?」

アストラル「そう言われても、いつものようにアジトが何処かにある・・・これは何だ」

シャーク「身体は溶かされたってのに何か残ってるぜ」

ドルべ「何かのキーじゃないか?」

シャーク「案外アカデミアをぶっ潰す鍵になるかもな」

アストラル「これをⅤのところへ持って行こう」

遊馬「わかったぜ!」

数日後

遊馬「何で肛門から入るのか今だに意味不明だぜ」

小鳥「・・・」


第95話「妊娠」


Ⅴ「これはアカデミアの鍵か何かだろう」

Ⅳ「そうだとしても意味ねえよ」

Ⅲ「何故です?」

Ⅳ「あいつら逃げるだろ。首領だって」

Ⅲ「ですよね」

Ⅴ「こいつを奪還しに来るだろう。そこで私は思いついた」

Ⅲ「教えてくださいⅤ兄様」

Ⅴ「爆弾だ」

Ⅳ「爆弾!?」

Ⅴ「次にアカデミアが攻め込んで来た時にセットし逃がす」

Ⅲ「そうすれば一網打尽ですね」

将軍「首領・・・次なる作戦は」

ロジェ「もう諦めなさい。首領はあなたを完全に見限った」

将軍「次なるキノコとナメクジの融合改造デュエリストの作戦は改造デュエリストの素体となるデュエリスト集めだ」

ロジェ「そうですか」

将軍「確かに今までの作戦は全て失敗に終わったがだが」

ロジェ「もう終わりですよ将軍」

将軍「知った風な口を聞くな!」

ロジェ「私は首領の代行なのですよ」

将軍「お前の代わりなど幾らでも居る!」

ロジェ「実は首領に頼まれて新しい改造デュエリストの改造を頼まれていましてね。首領から直々にですよ直々に」

将軍「くっ」

ロジェ「さすがは私だ。下劣な戦闘民族よりも高貴な身分の私を首領は信頼してくれるのだ」

ロジェ「オボット6号の改造手術は」

「元が機械じかけですからね、簡単ですよ」

ロジェ「それに素材がいいですからね。このロボットは」

「さすがは元治安維持局長官!限界までその強さを引き上げるとは!」

ロジェ「彼は甲虫装機使い・・・ですがアカデミアの野望を陰ながら潰した憎きロボ!」

ロジェ「たかが機械の分際で!ですから強くて私のいう事に忠実な醜い姿に変化させましょう」

「ゴキブリとかムカデですか」

ロジェ「バッタです」

「バッタ!?」

ロジェ「バッタって気持ち悪いですからね・・・こいつは私の勧誘を断り剰え改造デュエリストを破壊した!」

ロジェ「魂を持たぬ機械のくせに私を見下したような言動!絶対に許さん・・・死ぬまでこき使ってくれる!!」

遊馬「この野郎!」

「シュルルル!お前にも改造デュエリストの素体になってもらうぞ!」

Ⅳ「派手にやってんな遊馬」

遊馬「Ⅳ!」

Ⅳ「兄貴が面白え事を考えてな」

遊馬「面白い事?」

Ⅳ「この爆弾を野郎の何処かにくっ付けてやるんだ」

アストラル「吹き飛ばすのか」

Ⅳ「もしかしたら首領や幹部も一緒かもしれねえからな・・・徹底的に痛めつけてやろうぜ!」

遊馬「やってやるぜ!!」

「お、覚えとけよ!」

Ⅳ「これでいいな」

遊馬「上手くいくのか?」

Ⅳ「やってみねえとわからねえ」

遊馬「何でも挑戦しなきゃ始まらねえもんな」

Ⅳ「そういう事だぜ」

遊馬「何かずっと戦いっぱなしで疲れちまったよ」

アストラル「祈ろう。吹き飛ぶ事を」

ロジェ「何ですか!?この爆発音は!」

「ギーッ!帰って来た改造デュエリストが突然爆破を!」

ロジェ「そんな馬鹿な話があるか!!」

「事実です!」

6号「お前達に幸福は訪れぬということだ」

ロジェ「オボット6号!?完全に眠っている状態では」

6号「なるほど俺を改造デュエリストに変化させたのか・・・パワーアップした気がする」

ロジェ「脳改造はまだだ・・・取り押さえろ!」

「ギーッ!」

6号「貴様らが俺を倒せると思っているのか!!」

ロジェ「取り押さえねば・・・このままでは私まで首領の信頼を失ってしまう!」

6号「ハアアアッ!!!」

ロジェ「ぜ、全滅・・・」

6号「俺は何の改造デュエリストになった」

ロジェ「バッタ・・・」

6号「愚かな男だ。お前は俺が敗れたと勘違いしていたんだな」

ロジェ「わざと私達に」

6号「見ればわかるだろ」

ロジェ「・・・機械の分際で!」

6号「お前は俺の獲物に手を出しすぎた。だが殺しはしないお前達は必ずデュエリスト共に敗れ去るだろうな」

ロジェ「ど、何処へ行く」

6号「この新しい力を試してやる。バッタの改造デュエリストに生まれ変わった俺の最初の仕事は各地で散らばるアカデミアの残党の処刑だ」

ロジェ「何て奴だ・・・更なる脅威を・・・私のミスで・・・クソ」

ロジェ「それもこれも不動遊星が私に楯突いたからだ!私は悪くない不動遊星が・・・不動遊星!!」

数日後

遊馬「最近バイクに乗ったバッタのデュエリストが各地でアカデミアのアジトを壊滅させてるんだってよ」

小鳥「へえ」


第96話「飛蝗」


アリト「俺ってどう思う?」

遊馬「は?」

アリト「夏休みも終わって、何か変わったろ?」

遊馬「そうか?」

Ⅲ「そうか遊馬は知らないんだったね」

遊馬「?」

アンナ「こいつ柚子に惚れたんだって言ってるんだぜ」

アストラル「アリトの病気とはこの事だったのか」

遊馬「遊矢が黙ってねえぞ、あいつキレたらヤバイから」

アリト「だったら正々堂々と戦うぜ!」

Ⅲ「果たし状?」

アリト「おう!」

遊矢「俺と戦え・・・アリトから?」

ベクター「ま、気にするな。あいつの病気みたいなもんだ」

遊矢「事情は大体わかってるけど、こんな時にこんな」

ベクター「ビビってんのか?なあ遊矢」

遊矢「誰がビビるか!」

ベクター「おー怖っ」

遊矢「デュエルすればいいんだろ!」

ベクター「そうそう」

遊矢「何なんだよアリトの奴は」

ベクター「頑張れよ。カイトやナッシュに比べりゃ話がわかるし楽だから」

遊矢「嘘つくなよ。お前が嘘吐きって有名なんだぞ」

アリト「よっしゃあ!燃えて来たぜ!!」

Ⅲ「頑張って!」

アンナ「おい来たぞ」

遊馬「悪かったな遊矢」

遊矢「珍しい組み合わせだ。同学年同士で一緒に居るなんて」

アンナ「何たってナンバーズクラブだから、俺達は」

遊矢「ナンバーズクラブ?」

Ⅲ「僕とアリト、アンナそれに遊馬とアストラルのクラブなんだ」

ベクター「それと俺」

遊矢「ふーん」

アリト「始めようぜ!」

アリト「ドロー!俺はBKヘッドギアを攻撃表示で召喚!そしてBKスパーを特殊召喚!レベル4のBKヘッドギアとBKスパーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!拘束蛮兵リードブロー!」

アリト「カードを1枚セットしターンエンド!」

遊矢「ドロー!俺はEMフレンドンキーを攻撃表示で召喚!フレンドンキーが召喚に成功した事で手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する!俺はEMプラスタートルを特殊召喚!EMプラスタートルの効果でEMフレンドンキーのレベルを一つ上げる!」

遊矢「レベル4のEMフレンドンキーとEMプラスタートルでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

アリト「出やがったな!っつうか何でユートのモンスターなんだよ!」

遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのオーバーレイ・ユニットを二つ使い相手モンスターの攻撃力を半分にしその数値分アップする!」

遊矢「そして魔法『オーバーレイ・キャプチャー』を発動!相手フィールド上のエクシーズモンスターと自分フィールド上のエクシーズモンスターを選択し発動!相手モンスターのオーバーレイ・ユニットを全て自分フィールドのエクシーズモンスターに重ねる!」

遊矢「さらに俺は二つ使い!相手モンスターの攻撃力を半分にしその数値分アップ!」

アリト「お前・・・えげつねえな」

遊矢「これが俺のエンタメデュエル!力で真っ向勝負で相手を叩きのめす!その時じゃ無くて後で楽しかったと言われるデュエルを記憶に残るデュエルをするのが俺のスタイルだ!!」

アリト「上等だ!来いよ遊矢!!」

遊矢「行くぞ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで攻撃!!」

アリト「派手にやりやがって」

遊矢「あ、あのさ」

アリト「言っとくが柚子は諦めねえよ」

遊馬「悪りいなアリトって」

遊矢「別にいいさ俺も人の自由を奪う事はしたくないから」

ベクター「アンナでいいんじゃね?」

アリト「アンナ・・・嫌だ」

アンナ「どういう意味だ!」

Ⅲ「翻訳するとね、おっぱい大きいだけだって」

アンナ「何だよそれ!」

遊矢「楽しそうだなナンバーズクラブ」

遊馬「ランサーズには負けないぜ!」

数日後

小鳥「ナンバーズクラブのメンバーってアリトやⅢ達だっけ?」

遊馬「鉄男達は結果が残せねえから降格させた。何か問題あるか?」

小鳥「ううん華が無いから、あのメンバーじゃ」

遊馬「でもお前は鉄男達の側に居てやれよ」

小鳥「どうして」

遊馬「お前が居なきゃあいつら存在感無くしちまうからさ」

小鳥「うん!」

遊馬「鉄男だけは俺達について行けると思ったのに・・・どうして差がついちまったんだろな。なあ鉄男・・・」


第97話「鉄男」


ロジェ「うっ・・・何だこの改造デュエリストは!?」

「ギーッ!アカデミア本部が破壊された時に唯一残っていた改造デュエリストだそうです」

ロジェ「そうですか・・・将軍に全ての責任をなすり付けて正解だった。まさに死人に口無しですね」

首領「ロジェよ」

ロジェ「首領!お久しぶりでございます!いや将軍の馬鹿さ加減にはほとほと」

首領「最早このアカデミアも時間の問題となった。そこでロジェよ、こいつを使い最後の計画を発動するのだ」

ロジェ「最後の?最後とは」

「キェーッ!デュエリストには0.5秒の死角があるのだロジェ」

ロジェ「呼び捨てはやめなさい。私は首領の片腕でもあるのですよ」

「そこで俺は考えた。奴らの感覚を鈍らせる必殺の作戦を」

ロジェ「そ、それは」

「今にわかる」

ロジェ「何故だか私の言うとこは全て無視されている・・・だが首領に最も信頼されているのは私なのだから」

遊馬「うっ・・・」

アストラル「どうした遊馬」

Ⅲ「わ、わからない・・・給食を食べた途端に」

アリト「か、身体が重く・・・」

アンナ「何なんだよこれ!」

小鳥「みんな!」

アストラル「君は平気なのか!?」

小鳥「健康体だから私」

アストラル「・・・給食・・・まさか!」

小鳥「何処に行くのアストラル!」

アストラル「給食だけでは無いかもしれない!私の予想が正しければ」

アストラル「やはり街の人々全てが・・・何故だ」

「その答えは私が教えてやろうアストラル」

ロジェ「何を言ってるんだこいつは」

アストラル「私が見えるのか?」

「私はアカデミア最後の改造デュエリスト!そして最強の融合改造デュエリストでもあるのだ!」

アストラル「な、何だと!?」

ロジェ「おかしな奴だな、こいつは」

「俺は見ての通りのヒルとカメレオンの融合改造デュエリスト」

アストラル「ヒルとカメレオン?」

「お前ならわかるだろう。私の能力を」

アストラル「吸い取った血を何らかの毒物に変換させ食べ物や飲み物に混入させた」

「良くぞ、わかったな」

アストラル「どうすればいい・・・遊星や十代を呼びに行く時間もない・・・どうすれば」

「だが安心しろアストラル」

アストラル「何?」

「数時間もすれば毒の効力は切れる」

アストラル「なら何故こんな」

「やるからには意味がある!九十九遊馬らが目覚めたら伝えておけ」

アストラル「断る」

「断れば今よりも酷い毒を撒き散らすぞ、お前のちっぽけなプライドで大勢のデュエリストが死ぬぞ!」

アストラル「くっ」

「この地図に書いてある場所に来い。時間厳守だ」

ロジェ「アストラルが見えるのか?」

「お前と私とでは違うのだ」

ロジェ「何て傲慢な態度なんだ・・・」

遊馬「何が起こったんだ?」

アストラル「アカデミアの襲撃だ」

アンナ「アカデミアの野郎!」

シャーク「完全に舐めてやがるぜ!」

アストラル「奴はここに来いと」

ミザエル「行くしかないだろう。そうだなカイト」

カイト「ああ」

Ⅳ「あいつら俺らを殺せたって事だよな」

アストラル「これは敵の罠だ」

遊馬「たとえ罠でも行かなきゃならねえんだ!」

アストラル「そうか・・・なら私は何も言わない」

遊馬「来てやったぜ改造デュエリスト!」

シャーク「何処に隠れてやがる!出て来い!!」

カイト「あそこだ」

「キェーッ!来たな三勇士!」

遊馬「三勇士?」

「お前達3人の異名だ!3人纏めて倒してくれる!!」

Ⅳ「舐められてるぜ」

カイト「だったら望み通りやってやるか」

シャーク「ぶっ殺す!」

「既に必殺の罠が出来上がっていると知らずに、マヌケな奴らよ」

カイト「い、いつもより身体が重いぞ・・・これは」

シャーク「まさか毒がまだ」

遊馬「そんなの・・・行くぜ!カイト!シャーク!」

「無駄な足掻きだ!」

遊馬「何で俺達の動きが先読みされるんだよ!」

カイト「知らん」

シャーク「でも奴は俺達の動きを読んでいる」

カイト「そうだ」

遊馬「うおおおおおおおおおおお」

「キェーッ!かっとビング返し!!」

シャーク「遊馬!!」


第98話「最強」


ガシッ

「なっ・・・」

ユート「もう1人のエクシーズ使いを忘れていたな改造デュエリスト」

遊馬「ユート!」

「しまった!」

ユート「お前達はいつも詰めが甘い」

「キェーッ!」

遊馬「消えちまった!?」

ユート「カメレオン特有の保護色を使ったのだろう。追おうか遊馬!」

遊馬「でも居場所が」

ユート「姿は消してもデュエリスト特有の気は消さない」

遊馬「さすがユートだぜ!」

カイト「 待て遊馬」

シャーク「その身体で行くつもりか?」

遊馬「だって早く追わないと!」

シャーク「みんな!遊馬に俺達のデュエルエナジーを分け与えるんだ!」

カイト「そうすれば遊馬にかけられた毒が消えるはずだ」

Ⅳ「やろうぜ!」

遊馬「でもそんな事すれば」

カイト「今が大事だ」

シャーク「あいつをぶっ倒したら後は野となれ山となれだぜ」

遊馬「すまねえ・・・すまねえ!」

ユート「君達は実にいいデュエリストだ」

「ユート・・・またまた帰って来てたのか」

ユート「あそこだ遊馬!」

遊馬「ここか!」

アストラル「いや右だ!右ストレートで奴を倒せ!」

遊馬「そこだ!」

「ギッ」

アストラル「最強なのか何だか知らないが工夫をすればどんな強いモンスターでも撃破できる!」

ユート「もう保護色は使わせない!攻撃だ!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ユート「かっとビングだ!俺!」

遊馬「かっとビングだ!俺!」

ユート「かっとビングだ!俺!」

将軍「ぐはっ・・・何故だ・・・俺はアカデミア最後にして最強の」

アストラル「あの改造デュエリストの正体は将軍だったのか」

将軍「見事な奴らだ・・・私をここまで・・・追い詰めるとは」

遊馬「将軍!」

ユート「近づいちゃダメだ!」

将軍「フフフ・・・光栄に思うぞ・・・九十九遊馬以下エクシーズデュエリスト諸君・・・」

ユート「・・・」

将軍「我が偉大なる首領に・・・栄光あれ!!」

遊馬「くっ」

アストラル「敵ながら見事な最後だった」

ユート「もし道を踏み外して居なかったら・・・良きデュエリストになっていたんだろうな」

ロジェ「うはっ!何と無様な!無様すぎる姿ですね!」

シャーク「うるせえ!」

バキッ

ロジェ「は、鼻が・・・私の鼻が!」

シャーク「いくら大量無くてもてめえ程度なら余裕なんだよ」

カイト「何しに来た」

ロジェ「な、何って」

シャーク「おら立てよ、どうするよ」

カイト「首領がこいつだろ。生かしてもためにならん」

シャーク「じゃあ殺してやるよ。楽に死ねると思うなよ、てめえは」

ロジェ「ま、待って!首領は私じゃない!私は首領の影武者なんだ!!」

カイト「何だと」

ロジェ「だ、だから許してくれ!首領は既にハートランドに来ている!そもそも私のような人間が何が悲しくてアカデミア何かに」

カイト「惨めな奴だなお前は」

シャーク「なあお前って馬鹿だから知らねえと思うけどクソって言葉何処から生まれたか知ってるか」

ロジェ「は、はあ?知りませんよ」

シャーク「てめえらだよてめえら!少し頭捻ればわかるじゃねえか?アァン!?」

カイト「ちなみにクズは融合次元だ。お前はそんな奴らと共に居た最も下劣で憐れで惨めな下等生物だ」

ロジェ「くっ・・・」

カイト「そうやって這いつくばってるのがお似合いだ」

シャーク「遊星が相手にしねえのも無理ねえよ、こいつ惨めすぎるぜ」

ロジェ「遊星・・・今こうして私が見下されているのも全部・・・あの不動遊星と関わった事が原因だ・・・」

シャーク「っつうか何で土下座してんだ?最高に頭悪りいな、てめえは」

ロジェ「うわあああああああああああああああああああああああ」

カイト「戻って来たな遊馬」

遊馬「何か失神してるぜ、そいつ」

シャーク「首領の尻尾を掴んだ」

ユート「首領?そこに居る」

シャーク「影武者らしいぜ」

遊馬「影武者?」

カイト「そして真の首領はこのハートランドの何処かに潜伏している」

シャーク「起きろ!てめえが案内するんだよ!!」

ロジェ「は、はい!そうすれば私は」

シャーク「生かしてやるよ。俺をイライラさせりゃ死ぬけどな」

ロジェ「ありがとうございます!是非とも案内させてください」

ユート「ついに首領のとこへ」

アストラル「長かったな」

遊馬「ついに首領のところへ」


第99話「栄光」


ロジェ「こ、ここです!」

遊馬「ここ俺の家じゃねえか!」

アストラル「前にも学園の地下にアジトを構えていたが」

黒咲「遊馬の家にか」

カイト「いつの間に来た」

沢渡「おいおい!アカデミア絡みは俺らにもぶっ倒す権利があるんだぜ!」

シャーク「遊矢は」

黒咲「瑠璃や子供達と何処かに行ったぞ」

アリト「それじゃ行くか」

ユート「ああ」

遊馬「ただいまー!」

明里「こら遊馬!友達連れて来るにも限度ってものがあるわよ!何よこの人数」

カイト「何処か不審な場所は無いか遊馬」

遊馬「って言われてもな」

アンナ「ここで俺の出番だぜ!」

Ⅲ「ダメだって、大砲なんて!」

アリト「馬鹿野郎!」

ドルべ「地下」

Ⅴ「地下だな」

ギラグ「さすがエクシーズの頭脳派コンビ」

シャーク「チッ、姉貴がうるせえしよ」

遊馬「確か地下の蔵に梅干しが大量にあるけど」

黒咲「そこが秘密の隠し通路に通じているかもしれんぞ」

遊馬「これ」

カイト「明らかに怪しいな」

シャーク「じゃあ早速」

遊馬「首領との決着は俺達でつけたいんだ」

Ⅳ「大丈夫なのか?」

ユート「待機してくれた方が俺としても心強い」

黒咲「ついにアカデミアとの戦いに終止符が打てる」

遊馬「・・・」

ユート「・・・」

ガチャッ

ユート「行こう」

遊馬「ああ」

遊馬「お前が首領か!?」

首領「そうだ・・・私こそアカデミアを影から操っていた首領だ」

ユート「赤い頭巾にマント・・・」

遊馬「その姿を見てやるぜ!」

バッ

アストラル「な、何だと」

遊馬「蛇が絡まってやがる・・・しかも一つ目だぜ!?こいつ人間じゃねえ!」

ユート「醜悪で悍ましい姿だ・・・まさにアカデミアとは融合次元とは何かを体現した薄気味悪さだ」

首領「私の野望もここで潰えた!私と共に死ねぇ!!」

ユート「い、いかん!自爆するつもりだぞ!!」

遊馬「堂々と戦え!逃げてんじゃねえぞ!!」

アストラル「遊馬!早く逃げるんだ!!」

首領「フハハハハハ!!!」

遊馬「終わったんだな」

ユート「ああ」

カイト「大佐、博士、大使が指揮した旧アカデミア」

シャーク「そして将軍が指揮したアカデミア」

Ⅳ「長え戦いだったぜ」

黒咲「だが終わった事だ。これで平和な日々が戻る」

沢渡「もう俺はごめんだぜ」

ユート「吹き飛んでしまったな遊馬の家」

遊馬「ああ」

アストラル「あまりにも大きい代償だ」

数日後

首領「我の恨みがそう簡単に消えると思うなよ九十九遊馬」

「シザァーズ!」

「ズゥーカァー!」

首領「我の組織が簡単に終わると思うな・・・次なる組織はこの次元をエクシーズ次元の如く廃墟に変えるだろう」

「ギギーッ!」

「ギギーッ!」

「ギギーッ!」

首領「せいぜい平穏な日々を過ごすがいい・・・我の復讐を必ず」


第100話「崩壊」


遊馬「悪りいな止めてくれて」

シャーク「仕方ねえだろ。家が吹っ飛んだんだから」

アリト「デカいブラ・・・遊馬の姉ちゃんのか?」

璃緒「こら!」

シャーク「これだけ人数が集まってんだから銭湯でも行くか」

ギラグ「いいな銭湯」

遊馬「行こうぜ銭湯」

アリト「おう!」

ミザエル「たまにはいいか」

ベクター「銭湯か、いいんじゃね?」

遊馬「銭湯へ出発だぜ!」

遊馬「どうよ最近」

シャーク「おっさん臭えこと言ってんなよ」

遊馬「いいじゃねえか別に」

カイト「・・・」

シャーク「・・・何で居るんだ」

カイト「さあな」

アリト「カイト!?カイトが居るって事はツァン居るよな?なあ?」

カイト「ああ」

アリト「覗こうぜ」

ギラグ「メラグに怒られるぞ、お前」

アリト「やろうぜ遊馬!」

遊馬「ったく仕方ねえなアリトは」

ガラッ

Ⅲ「みんな居ますね」

Ⅳ「暇人ばっかじゃねえか」

遊馬「Ⅲ達も銭湯か?」

Ⅴ「たまには良いかと思って、彼らは何を」

遊馬「覗きだぜ」

アリト「ん?アンナの声も聞こえるぜ」

シャーク「バカばっかだろ?どうよⅣ」

Ⅳ「てめえは覗かねえのか?ビビりやがって」

シャーク「あ?誰がビビってるだって、やるよ。やりゃいいんだろ!」

Ⅳ「ほらやれよ」

アリト「よじ登ればバレるよな?」

シャーク「だったら、穴開けるんだよ」

ギラグ「穴?いい考えだぜ」

Ⅳ「どうやって開けんだよ」

遊馬「カイト」

カイト「蹴り壊せばいいだろ。得意の蹴りで」

シャーク「てめえは沸いてんのか!バレるじゃねえか!」

カイト「だったら諦めろ」

ドルべ「あそこはどうだ」

Ⅲ「ボイラー室?」

ドルべ「ああ」

ガラッ

黒咲「話は聞いたぞ」

ユート「覗きはやめた方がいい」

カイト「フッ」

アリト「じゃあ、お前はツァンとかアンナのおっぱい見たくねえのか?それでも男か!」

ユート「そ、それは」

ガラッ

遊矢「何か勢ぞろいだ」

シャーク「出やがったよ、デカい奴が」

ギラグ「何食ったらそうなるんだ」

ミザエル「まさにドラゴンだぞ」

遊矢「覗き!?」

遊馬「ああ!」

アリト「柚子も居るのか?」

遊矢「隣に居るけど」

アリト「やろうぜ、遊矢も」

遊矢「俺はいい」

シャーク「ビビってんのか?なあ遊矢」

遊矢「何が」

シャーク「ビビってんだろ?何とか言えよ!ビビってるならよぉ!」

遊矢「わかったよ!やればいいんだろ!やれば!!」

シャーク「へっ」

遊馬「もう小細工抜きでやろうぜ!」

シャーク「突撃する気か?」

遊馬「当たり前だぜ!俺達はいつだってそうだったじゃねえか」

ギラグ「真っ向勝負ばっかだもんな」

ミザエル「何と言っても私達は武闘派エクシーズ!」

Ⅳ「上等だぜ」

黒咲「・・・」

遊矢「や、やっぱりダメだ!」

シャーク「てめえ!」

遊矢「俺は絶対にやらないからな」

シャーク「だったらそこで指咥えて見てろよ!」

柚子「さすがツァンさん胸大きいよね」

セレナ「・・・」シャカシャカ

ツァン「ま、昔から自信あるし」

璃緒「それにアンナさんもですわ」

アンナ「おう!」

「かっとビングだ!俺!!」

柚子「な、何!?」

遊馬「やったぜ!」

シャーク「これで満足したろ?」

アリト「セレナも居るじゃねえか」

遊馬「あ、本当だ」

セレナ「その声は遊馬達か!?」シャカシャカ

ツァン「カイト!あんた、この子達のリーダー気取ってるなら馬鹿な事させないでよ!」

カイト「俺の管轄外だ」

柚子「遊矢!」

遊矢「な、何で俺が!」

セレナ「みんな怒っているな」

ユート「色々あるんだ。男の性というか」

璃緒「ドルべとミザエルはさすがね、それに比べて凌牙達は」

シャーク「裸の付き合いってやつだぜ」

遊馬「そうだぜ!いもシャーク!」

Ⅳ「そんなに怒るもんじゃねえだろ」

シャーク「減るもんじゃねえんだ」

数日後

遊馬「今回だけは大目に見てやるか」

小鳥「・・・」


第101話「銭湯」


ドルべ「頼む!私を君の弟子にしてくれ!!」

カイト「なぜ俺だ」

ドルべ「君は頭脳派であり武闘派だからだ」

シャーク「ケチケチすんなよ」

遊馬「そうだぜカイト!」

カイト「俺は弟子は取らない主義だ」

ドルべ「しかし遊矢は君の弟子みたいなものだろ」

遊馬「なあカイト」

シャーク「何か言えよ、まさかドルべにビビってんじゃねえよな」

カイト「1日だけなら師になってやってもいい」

シャーク「やったじゃねえか、ドルべ」

ドルべ「ありがとう・・・ありがとう!」

遊馬「何するカイト?」

カイト「頼み事をされていてな、お前がクリアしてみろ」

ドルべ「私が?」

カイト「そうだ」

ドルべ「それで一体何を」

カイト「下着泥棒退治だ」

ドルべ「下着泥棒!?」

シャーク「驚くなよ、たまに俺らやってるじゃねえか」

遊馬「そうだぜドルべ」

ドルべ「しかし下着泥棒なんか・・・」

シャーク「そういう奴が新しい敵かもしれねえんだからよ」

ドルべ「あ、ああ」

彰子「遊馬さん、凌牙さん、カイトくん」

ドルべ「彼女は」

遊馬「下着泥棒を良くされる宇佐美彰子さんだよ」

ドルべ「そうなのか」

シャーク「あの性根が腐った徳之助や遊星が盗んだりしたんだぜ」

カイト「遊星は拾ったと言っていただろ」

シャーク「あ、そうだったな」

彰子「実はまたまた盗まれて」

シャーク「徳之助じゃねえか?あいつ病気だからよ」

遊馬「徳之助はそんな事しねえ!」

シャーク「信じられるかよ、あいつ根っこから腐ってやがるから」

ドルべ「犯人探しか」

カイト「ああ」

ドルべ「犯人というものは現場に戻ってくると相場が決まっている」

遊馬「そうなのか?」

シャーク「そうじゃねえか」

ドルべ「だが待っているだけでは埒が明かない。そこで・・・餌を蒔こう」

遊馬「餌?」

ドルべ「下着泥棒は下着が好きだ。だから下着を撒こう」

シャーク「さすがだぜドルべ!」

ドルべ「ではお願いします!」

彰子「えぇ・・・」

カイト「これで全てか?」

彰子「だ、大丈夫だよねカイトくん」

カイト「それはドルべ次第だ」

シャーク「安心しろよドルべはバリアンの頭脳だからよ。ちなみに俺の右腕」

バサッ

アストラル「案の定引っかかったぞ!」

徳之助「つ、捕まったウラ!」

シャーク「てめえ!」

アストラル「やはりシャークの言う通り徳之助か」

遊馬「何で・・・何で徳之助が!?」

徳之助「ウラァ・・・」

遊馬「理由を話してくれ」

徳之助「欲しいから取った。ただそれだけウラ」

シャーク「てめえには良心ってもんはねえのかよ!」

徳之助「はあ?何を言ってるウラ!」

アストラル「君の熱い拳を徳之助の顔面に叩き込んでやるんだ遊馬!」

遊馬「かっとビングパンチ!」

徳之助「ウラァ!」

遊馬「かっとビングパンチ!」

徳之助「ウラァ!」

遊馬「かっとビングパンチ!」

徳之助「ウラァ!」

カイト「どうだった」

ドルべ「どうと言われても」

カイト「これでお前も俺と同じだ」

シャーク「今の推理は良かったぜ」

ドルべ「そ、そう思ってくれるかナッシュ!」

シャーク「当たり前じゃねえか!お前抜きのバリアンなんて頭のねえ鮫だぜ!」

ドルべ「ナッシュ!」

カイト「徳之助はどうする」

遊馬「俺は見捨てねえよ。徳之助の事を」

カイト「そうか」

遊馬「たとえ世界中の人間が徳之助を見捨てても俺は見捨てねえ!」

数日後

遊馬「徳之助はもう手遅れだ。どうでもいいぜ、あんな奴」

小鳥「だよね」


第102話「泥棒」


璃緒「・・・また散らかってる」

シャーク「お、帰ったか璃緒」

アリト「別に散らかしたくて散らかしたわけじゃないぜ?」

ミザエル「これには少し事情があってだな」

ドルべ「すまないメラグ」

璃緒「・・・」

シャーク「何処行くんだ!」

璃緒「たまには羽を伸ばしたいのよ。片付けは自分達でしてね」

シャーク「璃緒!」

アリト「メラグ!」

ベクター「あーあ怒らせちまった」

遊馬「それで委員長が蜂の巣に突っ込んでよ」

カイト「・・・遊星」

遊馬「遊星さん?」

遊星「アキを見なかったか」

カイト「居たとしてもどうせ別人か何かだ」

アストラル「すまないな、カイトはアキに対して疑心暗鬼になっているんだ」

遊星「推定GカップまたはHカップの方のアキだ」

カイト「なら未来から来た方では無いな。あいつはそれ以上だったが・・・お前が探しているという事は偽者ではない」

遊馬「アキさんがどうかしたのか?」

遊星「いや実は璃緒に凌牙達を調教してやってくれとアキが頼まれてな」

遊馬「調教!?」

遊星「アキは調教と聞けば徹底的に相手を屈服させてしまう。相手が凌牙なら安心だが他の連中は」

カイト「大事になる前に止めに来たのか」

遊星「ああ」

遊馬「じゃあシャークの家に行こうぜ!」

アストラル「しかし酷いタンコブだな」

遊星「セレナのコラ画像作成に勤しんでいたら背後から殴られた」

カイト「凌牙が言っていたセレナの守護霊か」

遊星「守護霊というか保護者みたいな人だ」

アストラル「君は知っているのか!?」

遊星「ああ・・・それよりも急いで凌牙の家に行こう!」

カイト「そいつは誰なんだ」

遊星「天下無双とはその人のために作られたとも言われている」

遊馬「サッパリわからねえぜ」

シャーク「てめえが璃緒に頼まれて?」

アキ「あなた達の性根を叩き直しに来たわ」

ドルべ「私も!?」

アキ「あなたは璃緒から勘弁してあげてと言われたから大丈夫」

ミザエル「私はどうなんだ!」

アキ「あなたは・・・アウトよ!」

ミザエル「何故だ!」

ギラグ「どうするよ」

アリト「俺に任せてくれよ!」

ベクター「ほら行って来い!てめえの得意分野だろォ~?」

シャーク「お前は本当に煩悩の塊だな」

アリト「だって男だから、俺!」

遊星「アキ・・・頼むから犯罪はやめてくれ」

ガチャッ

遊馬「シャーク!」

シャーク「ノックぐらいしろよ」

カイト「十六夜アキは」

シャーク「あれだ」

アリト「」

遊星「アリト・・・アキ!」

アキ「だって、この子が私に襲いかかって来たから!」

遊星「やってしまったか」

シャーク「悪りいがこいつは俺らのヤマだぜ!次は俺だ!!」

遊星「やめるんだ凌牙」

ギラグ「凄いもんだったぜ遊馬」

遊馬「何が凄かったんだ?」

ギラグ「いきなりアリトが回転して、床にドスンよ」

カイト「サイコパワーだろ」

遊星「いや合気だ」

カイト「合気?」

遊星「サイコパワーは暴走する恐れがあるから普段は培った合気道で相手を押さえつけているんだ、アキはよく痴漢される」

シャーク「ぐはっ!」

アキ「もうやめなさい、あなたの喧嘩殺法じゃ私の学んだ術には勝たないわ!」

シャーク「勝てねえかどうかは・・・やってみねえとわからねえんだよ!技のシャークを舐めんじゃねえ!!」

遊星「・・・胸だ!アキの胸を狙え凌牙!」

シャーク「行くぜぇ!」

アキ「もぉ・・・何で私の応援しないのよ」

遊星「1人の男として」

アキ「本当に鮫のように獰猛ね、まだ胸が痛いわ」

遊馬「でも何で胸が?普通アキさんの胸って絶対防御になるんじゃねえか?」

カイト「衝撃だ」

遊馬「衝撃?」

カイト「凌牙の蹴りの衝撃がアキにダメージを与えたんだ」

遊馬「さすがカイトだぜ!」

アキ「あなた達も女の子の璃緒に全て任さないで、自分達でちゃんと炊事洗濯をしなさい」

シャーク「チッ、わかったよ!やるから早く帰って来いって言っといてくれよ」

遊星「すまないな」

ドルべ「いやこちらこそ」

数日後

遊馬「あれで女子高生なんだぜ?」

小鳥「絶対サバ読んでるよ。だって普通じゃないよ」

遊馬「確かに」


第103話「合気」


ベクター「そこで十六夜アキの殴り込みってわけよ」

Ⅲ「へえアキさんが」

アンナ「男前だよな、惚れちまうよ俺」

ベクター「ありゃ遊星も尻に敷かれてるだろうぜ」

アリト「付き合ってんの?」

ベクター「バーカ!結婚してるって言ってたじゃねえか!未来のアキが」

アリト「あ、そうか」

小鳥「結婚してるって未だに信じられないよね」

遊馬「遊星さんって女にモテないって言って悩んでたのに」

ベクター「世の中ってやつは何が起こるかわからねえもんよ」

Ⅲ「そうだよね」

アリト「アカデミアもぶっ潰れて暇だよな、張り合いがねえって言うか」

Ⅲ「何を言ってるんだよ。平和が1番だよ」

アリト「そりゃそうだけど」

Ⅲ「でしょ?」

アリト「・・・」

Ⅲ「こうして平和を感じるのが1番なんだ。ドン・サウザンドもアカデミアも居なくなった今なんだから」

アリト「でも俺らって戦う以外で何かやる事あるか?」

Ⅲ「言われてみれば」

アリト「俺たちエクシーズ使いは武闘派の集まりだからよ」

Ⅲ「やる事と言えば犯罪スレスレの事ばかりで」

アリト「何かねえかな・・・」

Ⅲ「うーん」

アンナ「でもデコハゲが残ってるじゃねえか」

Ⅲ「長官?」

アリト「あんな小物を倒したって」

アストラル「それに奴は1人じゃ何もできない典型的な男だぞ」

遊馬「弱い者いじめはダメだぜ」

アリト「・・・」

Ⅲ「君もプロになったらいいんじゃないか?」

アリト「俺がプロ?」

Ⅲ「うん!」

アンナ「年齢制限があるじゃねえか!」

Ⅲ「・・・そうだったね」

アリト「そういえば未来から遊星やアキさん来たろ?」

Ⅲ「うん」

アリト「何で俺らは来ねえんだ」

遊馬「生きてるらしいよな俺ら」

小鳥「みんな早死にタイプなのにね」

アリト「未来の俺は何やってんだろな」

アンナ「お前は喧嘩強えからボクサーでもやってんじゃねえか?」

Ⅲ「それかプロ」

アリト「遊馬は冒険家だっけか?」

遊馬「って言ってた気がするぜ」

アリト「ふーん」

アリト「とりあえず俺もお前達も次のステップに進もうぜ!」

Ⅲ「次のステップ?」

アリト「シンクロだよシンクロ!遊馬とナッシュみたいに」

遊馬「慣れないもんだぜ、シンクロって」

アリト「小鳥はデュエルする事から始めねえとな」

小鳥「絶対に嫌!」

アンナ「シンクロか」

遊馬「遊星さんや遊矢に詳しく聞かないとなシンクロを」

ベクター「お前らはいいよなぁ、目標とかあってよォ」

遊馬「ベクターはねえのか?」

ベクター「いずれわかるさ・・・いずれな」

シャーク「ブッ!?何つったお前!」

カイト「また未来から十六夜アキがやって来た」

シャーク「あいつらシンクロ使いは賢いから家出もダイナミックだな・・・なあ」

カイト「なぜ未来の俺達がやって来ないかわかる気がする」

シャーク「何で?」

カイト「俺達は一つの事にしか集中できんからだ」

シャーク「・・・確かにな」

カイト「俺達エクシーズが武闘派ならシンクロは頭脳派だ」

シャーク「ジャックも頭いいのか?あいつ結構バカだぞ」

カイト「ジャックは融合を使うからか遊星やクロウに比べて賢くない」

シャーク「いつ見てもあいつだけ何も考えてねえ顔してるよな」

カイト「ああ」

数日後

遊馬「一つ言える事は委員長はロクでもねえ大人になるって事だぜ」

小鳥「遊馬って本当に委員長のこと嫌いだよね」

遊馬「あいつは口先だけなんだよ。違うか?」

小鳥「1人だけいつも何もしないで態度だけは大きいよね。どんな育ち方したんだが」

遊馬「ったく少しはつるんでる鉄男を見習えよ。太りすぎてヤバいけど」


第104話「将来」


Ⅳ「病院できてたぞ」

Ⅴ「知っている。彼女は名医だから我々の怪我などあっという間だ」

Ⅲ「僕達は怪我が多いですから」

Ⅳ「目の保養になるし繁盛してんぞ」

Ⅲ「アリトも言ってましたね。最高だぜって」

Ⅴ「今回の喧嘩の原因は」

Ⅳ「知ってるか?」

Ⅲ「わかりません」

Ⅴ「なら考えてみようか」

Ⅳ「俺達でか?」

Ⅴ「無論」

Ⅴ「私は性の不一致ではないかと思っている」

Ⅲ「性の不一致ですか?」

Ⅴ「夫婦だから」

Ⅳ「子供の教育方針なんじゃねえの?前だって」

Ⅴ「悩ましいところだな」

Ⅲ「カイトなら事情に詳しいんじゃないでしょうか」

Ⅳ「あいつ遊馬と凌牙が学校に行ってる間はカイトが街の様子を見張ってやがる。無職だし」

Ⅲ「ではカイトに」

Ⅴ「これは我ら三兄弟のヤマだ。我々で考える」

Ⅳ「変なプライド出しやがって」

Ⅴ「さあクイズの続きだ」

Ⅳ「青春じゃね?」

Ⅲ「青春?」

Ⅳ「遊星らのとこ行けば色々と問題になるだろうし俺らが1番派手やってるから楽しいんだろ」

Ⅴ「それも一理あるな」

Ⅳ「どうよⅢ」

Ⅲ「何とも言えませんよ」

Ⅳ「どうだ兄貴!」

Ⅴ「私としては性の不一致を推したい」

Ⅳ「何でだよ」

Ⅴ「何となくだ」

Ⅳ「なーにが何となくだ」

Ⅲ「何となくの可能性だってあり得ますよね」

Ⅴ「何となく?」

Ⅳ「女ってのはワガママだからアキの方が悪りいかもな」

Ⅴ「そうだな」

Ⅳ「だろ?小鳥だって凌牙の妹だってワガママなんだしよ」

Ⅴ「どっちにしても何らかの事情なのだろう」

Ⅳ「そういう事だぜ」

Ⅲ「僕も1人の男としてああいう女医さんが居てくれると嬉しいですよ!」

Ⅴ「Ⅲも立派な男だな」

Ⅳ「男ってやつはそういう生き物なんだよ。兄貴だってそうじゃねえか」

Ⅴ「ああ」

遊馬「へえ喧嘩の原因は遊星さん達なのか」

アキ「そうなのよ、久しぶりにみんなが揃ってね・・・酔った勢いで全裸になったのよ」

シャーク「遊星、ジャック、クロウ、ブルーノ、鬼柳、プラシド、ボマー、ユーゴ、シンジか?」

アキ「それに龍亞を加えたメンバーで全裸になって牛尾さんに取り押さえられたのよ」

カイト「いくつになっても何も変わらずだな。あいつらは」

シャーク「それで家出か?お前・・・大目に見てやれよ!」

遊馬「遊星さんが全裸になるなんて何時もの事だぜ」

アストラル「それにシティでは遊星達が全裸になっても許されると聞いたが」

アキ「スタンダードでよ。全裸のまま遊矢と柚子の家に入り込んで」

シャーク「大暴れってか?やるじゃねえか」

アキ「それが原因よ。しばらくは帰らないわ」

遊馬「ま、遊星さんも放っておけば迎えに来るだろうし」

アキ「どうかしらね、遊星は色々と超越してるから」

アリト「いってえ!怪我しちまったよ」

アキ「また?良く怪我するわね」

アリト「ま、まあな」

遊馬「困った事があればカイトが居るからさ」

カイト「俺か」

遊馬「学生同士の抗争はシャークで大人の問題はカイトだからさ」

カイト「揃いも揃って俺を暇人か何かと思っているのか」

シャーク「ああ」

カイト「好きにしろ」

遊馬「さすがカイトだぜ!」

数日後

遊馬「アキさんにお前の未来聞いたぜ小鳥」

小鳥「どうなってるの?」

遊馬「火山怪鳥になってデュエリスト相手に猛威を振るってるんだとよ」

小鳥「やった!」


第105話「暇人」


勝鬨「頼もう!」

ギラグ「何だよ、うるせえな」

勝鬨「ここに榊遊矢が居るはずだが」

ギラグ「遊矢ならナッシュと出かけちまったぞ」

勝鬨「何処へ」

ギラグ「適当にぶらぶらしてみろよ。出会えると思うぜ」

勝鬨「すまんな」

ドルべ「しかし彼の格好は奇抜だな」

ミザエル「まるで三国志の世界の住人だ」

ベクター「それをお前が言っちゃうか?ミザちゃん」

ミザエル「貴様!」

ドルべ「やめろミザエル」

シャーク「てめえとだけはそろそろ決着をつけてやるよ」

遊馬「シャークもあんまりムキになるなよ」

アストラル「君はすぐに熱くなる」

シャーク「うるせえ!来いよ遊矢!」

遊矢「そんなこと言われてもな」

勝鬨「見つけたぞ榊遊矢!」

遊矢「勝鬨・・・そうか、アカデミアとの決着もついたし俺との約束を」

勝鬨「デュエルだ!」

カイト「どうやら先客のようだな」

シャーク「チッ」

遊矢・勝鬨「デュエル!!」

勝鬨「ドロー!自分は永続魔法『炎舞-天枢』を発動!このカードは通常召喚に加え獣戦士族モンスターを召喚する事が可能だ。自分は英炎星-ホークエイと炎星師-チョウテンを召喚!」

勝鬨「レベル3の英炎星-ホークエイに炎星師-チョウテンをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!炎星候-ホウシン!炎星候-ホウシンがシンクロ召喚に成功したときデッキからレベル3以下の炎属性・獣戦士族モンスターを特殊召喚できる!自分は立炎星-トウケイを特殊召喚!」

勝鬨「立炎星-トウケイが特殊召喚に成功した事でデッキから炎星モンスターを手札に加える事ができる。そして魔法『真炎の爆発』を発動!墓地の炎星師-チョウテンを特殊召喚!」

勝鬨「レベル3の立炎星-トウケイと炎星師-チョウテンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!炎星皇-チョウライオ!」

勝鬨「カードを1枚セットしターンエンド!」

遊矢「ドロー・・・勝鬨!今度こそ俺はお前をスケール2のEMラクダウンとスケール5のEMリザードローでペンデュラムスケールをセッティング!」

シャーク「何が笑顔だよ。笑うツラかよ」

遊馬「顔を笑ってねえけど心は笑ってるぜ。あの勝鬨って奴」

アストラル「他人に笑顔を見せるのが苦手なのだろう。カイトみたいに」

カイト「・・・」

遊馬「頑張れよ遊矢!勝鬨!」

遊矢「レベル3のEMファイア・マフライオンとレベル3のEMラ・パンダでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!菅魔人メロメロメロディ!」

遊矢「そしてレベル3のEMビッグバイトタートルとEMジンライノでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!弦魔人ムズムズリズム!」

遊矢「俺はEMリザードローのペンデュラム効果を発動!もう片方のペンデュラムゾーンにEMモンスターが存在する時リザードローを破壊する事でデッキからカードを1枚ドローする!」

勝鬨「俺がセットしたカードは炎舞-天璇・・・使わずも勝てる!いくらモンスターを並べようとも攻撃力が」

遊矢「俺は魔法『団結の力』を発動!フィールド上のモンスターの数×800ポイントアップする!」

遊矢「そして弦魔人ムズムズリズムのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事でムズムズリズムの攻撃力はエンドフェイズ時まで倍になる!さらに菅魔人メロメロメロディのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で魔人と名のつくエクシーズモンスターは2度の攻撃が可能!」

勝鬨「な、何だと!?」

遊矢「バトルだ!」

勝鬨「団結の力か・・・」

遊矢「とりあえずランサーズ入りおめでとう・・・何て言ったらいいのか俺」

勝鬨「来い!話は俺のライフを0にしてからだ!」

遊矢「ああ!」

遊矢「ほら」

勝鬨「団結の力だと?いらん!」

遊矢「言うと思ったよ」

勝鬨「しかしお前は自分が始めて会った時と何か変わった・・・男前になったというべきか」

遊矢「この人達に揉まれれば嫌でもタフになるものさ」

勝鬨「・・・そのようだな。俺も遊星から男とは何かを教わった」

遊馬「九十九遊馬!」

勝鬨「?」

遊馬「改めて自己紹介するぜ、俺は九十九遊馬だ!」

勝鬨「自分は勝鬨勇雄」

遊馬「よろしく頼むぜ!」

遊馬「すっげえ格好してんな、自前か?」

勝鬨「ユニフォームだ」

カイト「ユニフォームなのか?」

勝鬨「ああ」

シャーク「紫頭だけど融合次元じゃねえよな」

勝鬨「あんな程度の低い次元と一緒にするな」

遊馬「どうするんだ遊矢?」

遊矢「歓迎会開いて無いから開かないとな勝鬨の」

アストラル「すっかりランサーズのリーダーだな君は」

遊矢「俺だっていつかは遊馬みたいに後輩ができるかもしれないんだ。今のうちにまだ見ぬ後輩のために胸を張らないと」

カイト「こいつも大きくなったな」

シャーク「気に入らねえ奴だ・・・でも何となく遊馬っぽくなって来たって感じもするぜ」

翌日

沢渡「俺がランサーズの裏リーダーの沢渡シンゴ!こいつらは」

黒咲「お前の何処が裏リーダーだ」

権現坂「リーダーは遊矢そして副リーダーは黒咲ってところだ」

沢渡「てめえら!毎回毎回」

デニス「君も気をつけた方がいいよ。黒咲は凶暴だからさ」

勝鬨「ああ」

セレナ「せっかくお前のために歓迎会を開いたのだぞ、もっと喜べ」

沢渡「俺の話を聞け!俺は」

勝鬨「これが仲間なのか?」

遊矢「個性的だろ?」

勝鬨「そうだな・・・だが居心地はいい」


第106話「仲間」


ミザエル「オボット6号が得意の銃を捨て徒手空拳で戦うか」

遊馬「オボットに悪い奴は居ねえよ」

小鳥「うん!」

アンナ「世の中何が起こるかわからねえよな」

アリト「本当だぜ」

遊馬「さてと」

ベクター「何処行くんだお前」

遊馬「これ」

アリト「果たし状!?」

遊馬「ちょっと行って来るぜ」

アンナ「死ぬんじゃねえぞ!」

ツァン「それでさ僕の同級生が」

カイト「そうか」

ツァン「あんた聞いてないよね?」

カイト「いや聞いている」

ツァン「あんたも本当に暇人だよね」

カイト「暇じゃない」

ツァン「は?」

カイト「果たし状だ」

ツァン「果たし状!?」

カイト「そうだ」

ツァン「あんたって愛想悪いから恨まれてそうだよね。ちゃんと生きて帰って来なよ、僕も割と暇人なんだから」

カイト「・・・」

シャーク「遊馬見なかったか」

アリト「遊馬なら」

ギラグ「果たし状がどうとか言ってたぜ」

シャーク「あいつもか」

ミザエル「あいつも?」

ドルべ「実はナッシュも果たし状を貰ったんだ」

ミザエル「ナッシュは恨まれてそうだからな」

ギラグ「すぐ手が出る」

シャーク「まあ心配するなよ、一捻りだからよ」

ベクター「だーれも心配しねえよ。お前相手に喧嘩して無事に済む野郎なんてそうそう居ねえだろ」

アリト「メラグにばれねえようにやれよ!」

シャーク「誰もチクるんじゃねえぞ、特にベクター」

Ⅴ「Ⅳ!」

Ⅳ「どうした兄貴?」

Ⅴ「手紙だ」

Ⅳ「手紙?果たし状か?」

Ⅴ「いやファンレターだ」

Ⅳ「んだよファンレターか・・・」

Ⅴ「読み聞かせよう」

「俺はⅣのファンだドン!Ⅳになら掘られていいザウルス!」

Ⅳ「気持ち悪りいな、ホモかよ」

Ⅴ「どうする」

Ⅳ「捨ててくれよ」

遊馬「そうか、俺達の相手は」

シャーク「改造デュエリストって事だ」

「そうだ!俺達は」

カイト「言わんでもいい。勝つのは俺達だ」

「何だとォ!?」

シャーク「この世に悪が栄えたためしはねえって事よ!」

遊馬「ちょうど3対3だ・・・行くぜ!」

カイト「俺は右の奴でいい」

シャーク「じゃあ俺は左でいいぜ」

遊馬「俺は真ん中だ!」

「改造デュエリストの力を見せてくれる!俺たち生き残りの!!」

ユート「ん?」

黒咲「どうしたユート」

ユート「いや・・・何も」

黒咲「そうか」

遊矢「ユート!黒咲!」

黒咲「また事件か」

遊矢「ああ!早く来てくれよ!」

黒咲「行くぞユート」

ユート「いや俺は」

黒咲「お前は半分遊矢みたいなものだから、ほぼランサーズだ」

ユート「それも・・・悪くないか」

数日後

遊馬「しばらく休みたいな」

小鳥「さすがに働きすぎよ遊馬」

遊馬「遊星さん辺りにバトンを渡すか・・・」


第107話「完結」





転載禁止

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom