妖狐・河童・鬼「「「精をください主様!」」」浪人「出るか!」(165)

妖狐・河童・鬼「「「え~……」」」」

妖狐「まぁ、食料も碌にない中で我らの相手をして頂いておりましたし、致し方ないことではありましょうが……」

鬼「そんくらい若い男なら平気だろ?眠気より食い気より色気のくせに」

河童「愛さえあればなんでもできるんじゃねぇのかー!?愛こそ全てだべ!!心に愛が無ければ英雄豪傑じゃねぇんだべ!!!」

浪人「何日も前から碌にものを食っておらんのに精など出せるわけなかろうが。あと『すぅぱぁひぃろう』とは何だ?またぞろ狐に何か吹き込まれたな?」

鬼「んで?腹ン中には代わりに何を入れりゃあいいってんだよ?腹ン中空っぽじゃあ力出ねぇぞ?」

浪人「それを聞きたいの俺の方だ…… ああ、以前にもキツく申し渡したが盗みや物取りのような真似はするなよ?」

河童「あれ、そんなん言ってたべか?まぁ、主様が駄目だっていうならやらねーだ」

鬼「それならどーすりゃあいいってんだ?金も無い、精も食いもんも無いってんじゃ俺ら全員飢え死にだぜ?」

浪人「もういっそそれでいくか?武士は食わねど高楊枝、腎虚も物取りに身をやつすのも御免被る」

妖狐「しかし、何事も経験であると言いますぞ?人間の言葉にも『やらない後悔よりやる後悔』というものがありましたような……」

浪人「何をほざきおるか!道に背くことなくお天道様に恥じることもないような生き方こそが武士の生き様よ!」

鬼「バーカ、武士の心意気だか何だか知らねぇがそんなもんで腹がふくれるかよ」

河童「死んで花実が咲くものかー、命あっての物種、命に過ぎたる宝なし、だべ!」

浪人「五月蠅い!貴様ら妖怪如きに武士の生き様がわかってたまるか!!それと狐よ、河童に妙なことを教えるなと申したであろうが!!!」

妖狐「ほっほっほ。河童はむつかしい言葉を知っておるのぅ。どれ、頭を撫ででやろう」

河童「でへへぇ~」

浪人「親馬鹿か!」

鬼「んで主様?結局俺らには何を食わせてくれるんだ?」

浪人「……前から思っておったが、どうして俺が勝手についてきた貴様らの食事の面倒まで見てやらねばならんのだ?」

鬼「えぇ~っと…… ああ、あれだ。俺はお前の弟子になってやったんだ。師匠が弟子の面倒を見るのは当たり前だろ?」

浪人「俺がいつお前なんぞを弟子にした!自分の食い扶持にも困っているというのにそんな余裕あるかぁ!!」

鬼「だから俺らが食いもん諦めてやるから、代わりにお前の精を寄越せって言ってんだろうが!」

浪人「だから食うものも食わずして精など出せるか!どうしてもと言うのなら、そこらから鳥なり何なりを捕まえて来んか!!」

鬼「おっと、その手には乗らねぇぞ?そうやってお前の傍から離れた隙に俺らを置いていくつもりなんだろう?」

浪人「しまった、その手があったか…… よし、貴様ら今すぐ何か食いものを取ってこい」

鬼「今のお前の台詞を聞いて『はいそうですか』って行く馬鹿がいるかよ」

妖狐「だそうじゃ。そんな阿呆にならぬよう河童よ、ここにおれ」

河童「ほえ?食いもの探しに行かんでええのか?」

浪人「はぁ…… 今更だが貴様ら何で頼んでもないのに俺についてくるのだ?」

妖狐「本当に今更ですの。まぁ、それは我らが主様をお慕いしておりますからですじゃ」

浪人「そんなふざけた理由は聞いておらん」

妖狐「ふざけてなどおりませぬのに…… ま、理由の一つとして主様のお持ちになっている太刀から離れられぬこととか」

浪人「ならば今すぐもう一度封じられよ。その後は今度こそ誰も封印を解かぬような場所に収めてやる。で、貴様は?」

鬼「俺はお前の弟子だからな、師匠に付き従うのが弟子ってもんだろう?」

浪人「だから俺がいつお前を弟子にした!?ええいもう、弟子だと言うなら今すぐ破門だ!早々に立ち去れ!!で、最後は貴様だ」

河童「主様に助けてもらったからそのご恩返しがしてぇ!」

浪人「相分かった。今すぐ俺の元を去れ、それが一番の恩返しだ!」

河童「えぇ~……」

浪人「というわけで解散解散。ほれ、さっさと散れ、散れ!」

妖狐「前々から申し上げておりますが、主様がその太刀を持っておられまする限り万一我が主様から離れたいと願うても離れられませぬ」

浪人「うむ、ならば金子が手に入ったらまずすべきことは代わりの刀を手に入れることであるな」

妖狐「まあ、なんと」

浪人「そうそう、ついでに煎り豆も買っておかねばな」

鬼「へ、へへっ、おいテメェ、そんなもんがホントに俺に効くとでも、お、思ってんのかよ?」

浪人「……相も変わらずわかりやすい奴だのう、貴様。柊や鰯の頭も苦手か?」

鬼「ぐぅうう~…… 弱みをついてくるなんざ卑怯だぞテメェ!」

浪人「はっはっは、聞く耳持たぬわぁ!! ……うん?」

河童「ぅう~……」

浪人「どうしたバ河童?」

河童「……お、オラ、ご恩返しがじでぇのにっ、恩返ししてぇだげなのにっ、ぐずっ」

鬼「あー、主様泣かせたー。女泣かせたー」

妖狐「主様?言って良い冗談と悪い冗談があることは知っておられましょう?」

浪人「迷惑を被っておるのは冗談ではないのだがな…… ああもう、泣くな!泣くでない、俺が悪かった」

河童「主様ぁ、オラがんばるがらぁ、ご迷惑かげねぇがらぁ、主様ぁぁ~」

浪人「わかった!わかったから…… ええい、貴様らも何か言うてくれぇ」

妖狐「全く、仕方のない主様じゃ」

鬼「おーい、河童。大丈夫だぞ、主様お前のこと捨てたりしねぇぞ。なんたってお前のこと大好きだからな」

浪人「は?」

妖狐「そうじゃ、今はちょいと虫の居所が悪かっただけのこと。主様は我らをちゃあんと好いてくれておるでな。のぉ、主様?」

浪人「……は?」

河童「……ほんとけ?主様」

鬼「なー、主様?」

浪人「あー、うむ、その……」

妖狐・河童・鬼「「「主様?」」」

浪人「……ええいもう、そうだ!大好きだ!!」

河童「主様……」

鬼「な?」

河童「主様ぁ!!」

浪人「どわぁっ!?いきなり抱きついてくるな!!」

鬼「……へへっ、俺も混ぜろ!」

浪人「待てっ!貴様の剛力で抱きつかれるのは洒落になら……ぐえっ!!」

妖狐「ふふっ、愛されておりますのぅ主様は……」

浪人「ぐふっ…… 何だ狐、その顔は?」

妖狐「……少しばかり餅を焼いてしまいましてな」

浪人「はぁ?餅などどこにある?」

鬼「いや、そういうことじゃねぇから」

浪人「はぁ?」

浪人(――――しかし何ということだ。このような武士にあるまじき醜態を晒す羽目になるとは……)

妖狐(醜態などと…… 女の涙に優しい主様は、とても良い男でいらっしゃいますぞ?)

浪人(人の心の中に入ってくるな、化け狐!)

河童「……なぁ、主様」

浪人「……どうした?」

河童「泣いたら、その、皿が乾いてきちまって……」

浪人「早速迷惑をかけるか!ええいもう、水は貴重なのだぞ!!」

妖狐「と、言いつつもちゃんと水をかけてやる辺り、主様はほんに優しい男よのぅ」

鬼「ははっ、優しいってかこりゃもう病気に近いんじゃねぇか?」

浪人「やかましいわ!」

妖狐「ほっほっほ、照れておられる照れておられる。我もそんな主様が大好きじゃ!」

浪人「ぐぇっ!?き、貴様まで抱き着いてくるか!?」

鬼「俺も大好きだぞー、主様ー」

河童「オラだって大好きだぁ~!!」

妖狐・河童・鬼「「「主様ぁ~」」」

浪人「ああもう抱きつくな絡みつくな!何なのだ貴様らは!?」

河童「ちぇ~」

浪人「まったく、どうしてこんなことになってしまったのか……」

鬼「嫌なのか?」

浪人「ん?ああ、いや…… さっきも言ったがとにかく今宵はここで野宿だ。食うもんなどは明日考えることにする」

河童「んー、わかった。じゃあ今日は我慢するべ」

妖狐「ほれ、河童は我慢すると言うておる。お主も我慢せよ」

鬼「……わぁーったよ」

浪人「……はぁ」

浪人(いやまったく、どうしてこんなことに…… 全てはあの日に始まったことか……)

妖狐(主様?過去を振り返るのは良いですが、ただ懐かしむだけでは何の意味もありませぬぞ?)

浪人(ええい、勝手に人の心の中に入ってくるなと言うとろうが!)

―――――
―――


浪人(――――それは正に青天の霹靂であった)

浪人「なんと!殿がご失態を続けられたあまり遂に切腹を申しつけられたと!?」

年寄「然様、それに伴い御家は取り潰し。家来の者らも路頭に迷うことと相成り……」

浪人(幼き俺を背に負いつつ奉公先を求めていた父を召し抱えてくれた今は亡きご先代。その御恩に報いるべく死んだ親父共々殿を盛り立ててきたのだが……)

年寄「今はただ、殿を正しく導けなんだ我が身を悔やむばかり……」

浪人「こう言っては何だが殿はご先代とは似ても似つかぬ大虚け。こうなることはある意味必然かもしれませなんだ」

年寄「すまぬ、相すまぬぅぅ!!!」

浪人「……顔をお上げ下され。拙者は所詮は新参者、拙者より古参の御家来集の皆様にお計らいを……」

浪人(俺は数日の内に家財道具を売り払い、新たな奉公先を求める旅に出た。俺なんぞのために皆様の仕官先が減るのが申し訳なかったのだ)

浪人「幸い俺は身一つ、どうとでもなるさ」

浪人(そんな軽い気持ちで俺は新たな奉公先を求めて諸国を巡る旅を始めた)

浪人(しかし、奉公先を探し求める旅の道中に思わぬ事態が起きたのだ)

??「へへっ、死にたかねぇだろお侍さんよ?有金全部置いて行きな」

浪人「……野盗か。やめておけ、命を落とすことになるぞ」

野盗「へへっ、泰平の世で腑抜けた武士なんぞが気取りやがって…… やっちまえぇぇいい!!」

浪人(野盗に襲われる、それぐらいなら別にどうということはなかった。剣の腕は立つ方だったのでな)

野盗「う、うぎゃぁあああ!?お、オイラの手がぁ!!?」

浪人「手の首で良かったと思え。頭の首ならもう死んでおるぞ?」

野盗「ひ、ひぃぃ~~~」

浪人「……さて、まだ来るか?」

野盗「ちきしょう!!」

浪人(問題は…… 二,三人斬ったところで起きた)

野盗「こなくそ!」

浪人「遅い!ってんなっ!?な、なんと……」

野盗「へ、へへっ…… そんな刀じゃ戦えねぇなぁオイ?」

浪人(唯一手元に残していた武士の魂、刀が野盗と剣を交えるうちにポッキリと折れてしまったのだ)

浪人「なんということだ…… ええい!」

野盗「あっ、待ちやがれぇい!!」

浪人(悔しいが俺は逃げるしかなかった)

野盗「へっへっへ、お侍様と言えども刀も権力も関係ない山ン中じゃ女子みたいに逃げ回るしかできねぇんだなァ!!」

浪人(刺さるような雨降る漆黒の山奥を、俺は野盗の剣を躱しつつ懸命に走った!その最中あるものが目に留まった……)

浪人「これは何かの祠か? ……もしや」

野盗「お、天の岩戸のつもりかい?」

浪人(もしかしたら刀が奉納してあるやもしれぬと、俺は一縷の望みをかけてその祠を暴いた)

浪人「よし、あったぞ!野盗どもめ、目に物見せてくれるわ!」

野盗「うわっ、もう出てきやがった!?」

浪人「せいっ!!」

野盗「ぎゃぁぁあああああ!!!」

浪人「さっきは散々に言うてくれたな?……覚悟せいよ!」

浪人(運良くその祠には太刀が納められていた。年期は入っていたものの、野盗を斬るには十分だった)

野盗「覚えてろぉぉーーーぃ……」

浪人「……去ったか。しかし、この太刀のおかげで助かった」

浪人(何人か斬ってやると野盗はようやく俺を諦めた。祠の主に感謝しつつ太刀を返そうとしたその時のことだ)

??「……なかなか使いよるの、お主」

浪人「何奴!?」

浪人(声のした方に刃を向けると、そこには目の覚めるような別嬪がおった)

妖狐『別嬪か。とうに耳慣れたと思っていたが、改めて主様にそう言われると照れてしまうのぅ……』

浪人『ええい、だから突然俺の心に入ってくるな!』

妖狐『で、どうされましたのかや?』

浪人(……その醜女は先刻まではいなかった。突然現れおったのだ。俺は醜女に何者かと問うた)

妖狐『醜女とな!?もう、主様ったら照れんでもよいではないか……』

浪人『……はぁ、もうよいわ』

浪人「……貴様、何者だ?」

妖狐「お主が握っているその太刀に封じられておった狐じゃよ」

浪人「妖怪、か……」

浪人(あやかしに会うのは初めてではなかったが、目の前にいるのは封ぜられる程度には恐れられていたであろう妖怪。緊張が走った)

浪人「……一つ聞こう。封印が解けたのなら、なぜ直ぐに俺を襲わなかった?」

浪人(もう俺の命はない、そう感じていた。であるからして、俺はどうせなら死ぬ前に心に浮かんだ疑念を晴らそうとした)

妖狐「なに、我を解き放ってくれた者にちと礼を…… そう思っただけのこと」

浪人(下等な物の怪とは一味違うらしい。疑念の晴れた俺は二の太刀を考えぬ一撃必殺の構えをとった。刹那、妖狐が動いた!)

妖狐「封印を解いて頂き感謝しきり。この御恩に報いるべく、主様の在る限りお仕え致します」

浪人「……は?」

浪人(あやかしは突然跪き、俺が生きている間俺に尽くすと言ってきたのだった)

妖狐『あの時は封印の解除を完全なものにするべく、この男を利用してやろうという腹積りでおりましたゆえ』

浪人『ふむ、それでいきなり忠を尽くすなどと言うてきたのか』

妖狐『ええ、己が意のままに操るためにまずは下手に出ようと』

浪人『……そんなことを俺に聞かせてもよかったのか?』

妖狐『構いませぬ。今の我は望みは、主様在る限りお傍に寄り添い続けることですゆえ……ね?』

浪人『何故そうなった……』

妖狐『お聞かせしましょうか?我が主様のどこに惚れたのか、どれほど我が主様を愛しているか……』

浪人『やめろ、そんなもの…… こっ恥ずかしゅうてかなわん』

妖狐『……残念じゃの』

浪人『で、貴様に憑りつかれてしまってしばらくしてからか、河童と会ったのは』

妖狐『おや、そこに至るまでに我が主様に心底惚れさせられ、必死に尽くして主様の心を開かせ、遂に身も心も結ばれるといったことが……』

浪人『そういうのはやめろと言うておる』

妖狐『……御意』

浪人(あれは確か山裾の小さな村に立ち寄った時のこと)

??「ふぇぇ~、もうゆるしてけろぉ……」

浪人(不意に聞こえてきた幼子の泣き声、得も言われぬ憤りを感じた俺は声のした方へと走った!するとそこには……)

村人「くぉんのっ、このっ、このっ!」

浪人(齧りかけのキュウリを持った河童を男が滅多打ちにしている光景があった)

浪人「うーむ……」

浪人(俺は奇妙な違和感を覚えていた。頭の皿こそあるものの、滅多打ちにされている河童は俺の知る河童と微妙に異なる姿をしていたのだ)

妖狐「ふむ、どうやらこの河童、人間の血が流れておる様子。ゆえにより人に近い姿をしております」

浪人「そうか、甲羅は縄を結わえ付けて背たろうとるだけか……って勝手に俺の心を読むな!入ってくるな!!」

河童「…………」

浪人「……ん?」

浪人(ふと、河童と目が合った。俺はなぜかその視線から逃れることができなんだ)

妖狐「どうする?アイ○ル!……といったところですかの?」

浪人「なんだそれは…… 仕方ない」

浪人「すまん、もう許してやってくれ」

村人「くぉのっ! ……あん?なんだなんだ、お侍さんよぉ」

浪人「その河童は実は拙者のものでな。しかし、今だに世の理というものを分かっておらぬ。そこで荒療治をすることにしたのだ」

村人「……はぁ?」

浪人「なぁ、河童よ。これで人の物を盗ったらどうなるかよぉーくわかったであろう?これに懲りたら二度とするなよ」

河童「え……?うぁ…。わ、わがった。わかりました」

浪人「すまなかったな。これくらいあればキュウリの代わりになるだろうか?」

村人「へ、へぇ!こんなに……」

妖狐「多すぎたかの?ならば折角のこの美味そうなキュウリ、あと五つ六つもろうてもよいか?」

村人「へ、へい!」

浪人(キュウリを食みつつ、村から離れたところで俺は河童に別れを告げた。今後二度と盗みを働くなとキツく戒めた上で)

浪人「……まったく、これでキュウリまで不味ければとんだ無駄金だったわ。しかし、改めて思い直せばあの御人の年貢はどうなるのだ?」

妖狐「主様、主様」

浪人「なんだ、このキュウリは俺のキュウリだ。やらんぞ?」

妖狐「いやいや、キュウリでなく後ろでございます」

浪人「後ろぉ?」

浪人(化け狐に言われるがままに後ろを振り向く。するとそこには先ほど逃がしてやったはずの河童がいた)

浪人「貴様…… なぜついてくる?」

河童「さっき助けてもらっただ!恩返しせねばだべ!!」

浪人「いらん、失せろ。仲間のところに帰れ」

浪人(一人旅であったはずがうっかり狐に憑かれて二人旅。さらに道連れを増やす余裕はなかった。だが……)

河童「嫌だ、あそこにゃ戻りたぐねぇ」

浪人「知るか、消えろ」

妖狐「なしてじゃ?なして戻りたくないのじゃ?」

浪人「聞くな、化け狐」

河童「あそこじゃオラは除けもんなんだ…… おっ母が死んじまっでからみんなして出てけ出てけって」

浪人(曰く、この河童は仲間に虐められ川で魚を取ることもできず、やむにやまれず畑で盗みを働いたとのこと)

妖狐「半分人間であるがゆえに迫害されたか。人でなく妖怪でもない半妖の辛きところよの……」

河童「うぅ、ぐずっ、ひぐっ……」

浪人「…………」

妖狐「主様……」

浪人(見ればこの化け狐、河童の肩を抱いておった。此奴の性格からして俺が連れて行くと言わん限りは手を離さんだろう)

妖狐『まぁ!主様は河童を連れて行くことにしたのを我のせいにいたされますか!?』

浪人『実際そうであったろうが!無言で凄みおってからに!!』

浪人「……化け狐ごと放って行くもいいがそれでは刀が無くなってしまう。今、刀を手放すわけにもいかんな」

妖狐「主様?」

浪人「ええい、泣くな!とりあえずこれでも食え!」

河童「あむ…… キュウリ?」

浪人「俺の食べかけだがな。それ食ったら一緒に行くぞ」

河童「ふえ……?」

浪人「恩返しをしてくれるのだろ?」

妖狐「……主様!」

河童「……んだ、んだ!絶対ご迷惑はかけねぇだ!!」

妖狐『こうして河童も連れての三人旅になったのでしたなぁ……』

浪人『しかしあのバ河童め、やれ皿が乾いた、やれ土の上は歩き慣れてないやら迷惑ばかりかけおってからに!』

妖狐『で、その憂さを晴らすためにも褥の上ではねちっこく河童を虐められるのですかや?』

浪人『黙れ醜女。まったく金の無駄遣いだったわ……』

妖狐『ほっほっほ、心にもないことを仰られて…… で、この一連の流れを見るに最後は鬼との出逢いですかの?』

浪人『ここまでやったら最後までやるしかなかろう』

妖狐『ですよなー』

浪人(それは少し大きな村に立ち寄った時のこと)

浪人「なになに……?相撲大会とな」

妖狐「五穀豊穣を祈念してのものとありまする。それに村からは活気が感ぜられますゆえ、何ぞ食い物にありつけるやもしれませぬな」

河童「食いもんかぁ?じゃ、オラ行ってくるべ!」

浪人「あ、こら待たんかバ河童!」

浪人(走り出したバ河童を追いかけて村の広場らしきところに出た俺の眼前には異様な光景が広がっていた)

巨漢「のわぁぁああああ!!?」

若者「もう一番! ……ってぐはぁああああ!?」

青年「なんとぉおおおおお!!?」

?「はっはーっ!どうしたどうした!?てんで相手になりゃしねーぜ!!」

浪人(大の男たちがサラシと腰巻だけの別嬪に次から次へと千切っては投げ千切っては投げされていたのだ)

巨漢「うぬぬ…… なんと強かな女人じゃッッ」

若者「しかし土俵を牛耳られては神事が執り行えんッッ」

青年「何としてもあの女人を土俵から引き摺り下ろさねばッッ」

浪人(男たちの目には裸同然の別嬪とぶつかり合えることへの助平心は既に無かった。皆が皆、打倒別嬪に燃えていた)

ご老体「……ぐ、ぐふっ」

若者「爺様ッッ、目をお覚ましになられたかッッ」

村長「うむ…… いいかよく聞け、お前たちの体力は既に限界ッ!最早これ以上取り組みは出来んッッ」

巨漢「うぬぅッッ、でっ、ですが、神事が行えなければ今年の祈念がッッ」

妖狐「なるほど、あの娘っ子を土俵からどかせたいのじゃな?」

青年「むむっ、何方ですかなッッ!?」

妖狐「旅の者じゃ。どれ、うちの旦那があの娘っ子を退けて見せよう」

浪人「おい、勝手に話を進めるでない。それと俺は何時から貴様の夫になった?嘘を申すな」

妖狐「そして見事追い払った暁には何か馳走してはもらえぬかの?あぶらげがあると尚良し」

浪人「聞けって」

村長「……良かろうッッ、あの女人を土俵から下ろせるのなら、わたしは一向にかまわんッッ」

浪人(こうして俺は化け狐の思惑通り、怪力女と相撲を取らされる羽目になった)

?「次はお前かぁ?新顔だな」

浪人「旅の最中、たまたまここに来たら巻き込まれてしもうてな」

?「そっか。ま、何でもいいや…… さっきの奴らよりは歯応えがありそうだ!」

浪人「ガキ大将のようなことを言う…… ん?何やら外野が騒がしいが……?」

巨漢「む、無理じゃッッ、その身体では行司などもうとてもとても……ッッ」

村長「構うなッッ、例え此処で我が命尽きようと……わたしは一向にかまわんッッ 両者見合ってェェ……ッッ」

浪人「……やかましいな」

村長「八卦良いッッ」

?「っしゃあ!!」

浪人「うぉぉおお!!?」

村長「んのぉこったぁッッ、のぉこったぁあッッ」

浪人(女に負けるわけにはいかぬ、その想いで俺は何とか踏み止まった)

?「へへっ、やるじゃねぇか!」

浪人「どうも……!」

浪人(話などしとる場合ではなかった。気を抜けば一瞬で投げられる、油断は禁物であった)

?「くぉ…のぉおお……」

浪人(凄い力ではあったが気合を込めれば何とか耐え凌げるくらいだった。俺は好機を辛抱強く待った)

?「…………っはぁ」

浪人「今ッ!せいやぁあああ!!!」

?「うぇえええ!?」

浪人「ダッシャアッ」

浪人(一瞬の隙を突いた俺の勝ちだった。連戦続きの影響か、女の持続力が弱くなっていったのが大きな勝因だった)

若者「やったッ!!さすがお侍!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」

青年「いや、さすがにそりゃ言い過ぎだろ」

?「……ったはぁ~、いやー、参った参った!粘り腰ってヤツか」

浪人(そこには負けたというのにカラカラと胸がすくような笑みを浮かべる女人の姿があった)

?「本気出してなかったとはいえ、まさか人間に負けるなんてなぁ」

浪人「……人間に?」

浪人(女の口から出てきたまるで自分が人でないような物言い、嫌な予感がした)

村長「はぅあああああああああああ!!?」

巨漢「なんとぉおおおおおおおおおお!!?」

若者「きぃえええええええええええええ!!?」

青年「うひょおおおおおおおおおおおおお!!?」

浪人(いつの間にやら女の肌が薄青くなり、赤く染まった髪をかき分け生えるは二本の尖った角)

村長「お、鬼じゃぁあああああああああああ!!?」

巨漢「鬼ぃぃいいいいいいいいいいいいいいい!!?」

若者「鬼じゃとぉおおおおおおおおおおおおおお!!?」

青年「うひょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」

浪人(村人たちの言葉通り、別嬪の正体は鬼だったのだ)

鬼「うるせぇぞ!」

村人たち「「「「ひぃいいいいいいいいいいいいいい!!?」」」」

鬼「っと、アイツらはどうでもいいや。それよりお前だ」

浪人「……俺か」

鬼「まさか俺を負かす人間がいるとはな!気に入ったぜ、旅の者って言ってたよな?」

浪人「ああ……」

浪人(……嫌な予感が再びした)

鬼「お前が人間のくせして強い理由はその旅の中にあるとみた!俺もその旅について行ってやるよ!」

浪人「いらん、失せろ」

鬼「おいおい、笑えねぇ冗談はやめろって」

浪人(そういって俺の首に回してきた腕から伝わってきた力は先刻ぶつかり合った時とは桁違いであった)

浪人「ぐおおおお!?わかった!連れて行ってやるかrぬぐぁあああ!!?」

鬼「ったく、始めっから素直にそう言やぁいいんだよ」

妖狐「……なかまがふえるよ、やったねた○ちゃん」

河童「オラ、『○え』って名前じゃねーべ?」

浪人『こうして無理矢理鬼が加わってきたのであったな……』

妖狐『あの時は鬼めが村人たちを震え上がらせおったせいで食い物にもありつけず散々じゃったのぉ……』

浪人『化け狐、貴様女の正体が鬼だということ見抜けなんだのか?』

妖狐『お恥ずかしい限りですじゃ……』

浪人『……やれやれだ』

妖狐『……それで主様、過去を振り返ってみてわかったことはありましたかや?』

浪人『こんなことになった原因は貴様にあると改めて得心いたした。河童然り、鬼然り』

妖狐『まぁ、なんと』

浪人『全く、野盗を追い払った時分に貴様の口車などに踊らされずこの太刀を祠に戻しておれば良かったわ』

妖狐『封印を完全に解いてもらいたいがためにかなり強引に詰め寄りましたからのう、あの時は。平にご容赦を』

浪人『土地の者も存在を殆ど忘れているくらいであるからして、野盗の刀を納めていてもばれぬなどと言いおって……』

妖狐『とは申されましても、あの祠自体我を封じ込めた太刀を祀るためだけのもの。封印が解けた時点で最早無用の長物』

浪人『そうは言うが、結局祠から盗み出してしまったことには変わりないだろう?その辺のことも引っかかっておるしなぁ』

妖狐『ですからあの太刀は我を封じる為のものであって誰のものでもありませなんだ!であるからして、我を解いた主様こそこの太刀の真の所有者!』

浪人『そういうものか?』

妖狐『そういうものですじゃ!』

浪人『……ところで、貴様の封印は今どうなっておるのだ?あの時は不完全だったと言うておったが』

妖狐『主様に太刀を抜いていただいた時から変わっておりませぬ』

浪人『真か?』

妖狐『左様、重ねて申し上げますが我の力の殆どは今も鞘の方に封じられておりまする』

浪人『……それを解くには?』

妖狐『封印を完全に解くつもりはなかったのでは?』

浪人『解くつもりがないからこそうっかり何かの弾みで解いてしまわんように聞いておるのだ』

妖狐『正直さは美徳と言いますがのぉ…… 腕の立つ術師に任せるか、乱暴ですが我以外の者が鞘を壊すかですかの』

浪人『相わかった、この鞘は絶対壊さぬようにしよう。そしていずれまたあの祠に戻す』

妖狐『なんとぉー…… まぁ、それで我と離れられるやもしれませぬが残りの二人はどうされるおつもりで?』

浪人『うーむ…… それはその……』

妖狐『主様、過去を振り返り懐かしむだけでは意味はないと申し上げたはずですぞ?過去から学び、それをこれからのことに活かすことが肝要』

浪人『ええい、わかっておるわそんなことくらい! ……ん?』


―――
―――――

河童「――――ぁ、主様ぁ!聞いてんのけ?」

浪人「ん、あぁ、どうした河童?」

河童「あんな、向こうの方から水の匂いがするべ」

浪人「ん?しかし貴様先刻はそんなこと言っておらんかったではないか。だからここで野宿すると……」

鬼「風向きが変わったからじゃねーか?確かにさっきまでは聞こえなかった水の音がするしな」

浪人「水…… 川か池があるということか。ならばこうしてはおれん、釣りでもいたして魚を捕らねば!」

妖狐「御意」

―――
――


鬼「おーい、こっちだぜー」

浪人「け、結構遠かったではないか……」

妖狐「我らは人より感覚が優れておりますからな。かなり先の音であったり匂いであったりを感じ取れまする」

浪人「で、あるか……」

河童「見れ見れ!魚もいっぺぇいるべ!!」

浪人「うむ、月明りでよう見える。では早速……」

妖狐「主様、お気を付けあそばせ」

浪人「何だ? ……ってうぉおお!!?つべたぁ!?」

妖狐「河童が飛び込みますゆえ、水しぶきが来ると申し上げようとしたのですが……」

浪人「もっとはよ言え!ええいもう、魚が逃げてしまったではないか!」

鬼「いや、逃げても大丈夫だろ」

浪人「何を言う、それでは釣れぬだろうが!ええい、次はどこで釣ろうか……」

鬼「何で釣るのにこだわってんだ?魚とりなら河童に任せときゃいいだろ」

妖狐「はて?男の子の意地とでも言うべきかの」

鬼「ふ~ん」

浪人「うむ、ここなら…… ムムッ、怪しげな魚影!大きさはかなりの……んぁ?」

河童「ボココ……主様ぁ~!!」

浪人「どわぁぁああ!!?って貴様かーっ!!」

河童「見てけろ、いーっぱい獲れたべ!」

浪人「…………ん、そーか」

河童「あっ、やぁだなぁ主様、どこ見てるんだべ?やらし~」

浪人「阿呆、貴様の獲った魚だ。しかし貴様、なんということを……」

河童「……なんかオラ悪いことしちまっただか?」

浪人「いや、悪いことではないのだが…… そのな?ここは俺の釣りの腕の見せ所で……」

鬼「何言ってんだよ主様、お前いくらやっても全然釣れねーじゃねぇか」

浪人「そんなことないわい!というか貴様は俺への敬意がないのなら様付けするな!腹の立つ!!」

鬼「ははっ、八つ当たりすんなって」

浪人「笑うなぁ!!」

妖狐「まぁまぁ主様、魚は河童に任せて我らは山菜を採りに行きませぬか?」

浪人「そんなもの貴様一人で行ってこい!」

妖狐「主様?我が主様から…… いえ、その太刀の傍から離れられぬのは知っておいででしょう?」

浪人「ぐぬっ…… ええい、仕方のない」

鬼「頼んだぜー、主様ー」

浪人「……河童は魚、狐は山菜の知識に火も扱える。一番役立たずの穀潰しは鬼だの」

鬼「お、言ったなお前?言っちまったな?じゃあ見てろ、こいつらよりよっぽどいい食いもん獲ってきてやるよ!」

浪人「おいおい、盗みや物取りする気じゃなかろうな?」

鬼「楽しみに待ってやがれ!!」

浪人「おぉい、人の話ちゃんと聞いとったのかーっ!!?」

妖狐「鬼とてその辺の分別はちゃんとついておりましょう。でなければ主様に本当に嫌われてしまいますゆえな」

浪人「俺はそこまで惚れ込まれるような器ではないと思うのだが」

妖狐「ご自身が気付かれていなくとも、我ら皆主様の魅力をよく存じておりまする」

浪人「……何だかこそばゆいの」

妖狐「ほっほっほ…… さて、こちらにありそうですじゃ」

―――――
―――


浪人「……俺はてっきり熊やら猪やらを獲ってくると思うておったのだがなぁ」

妖狐「兎でしたな」

鬼「なんでぇ、文句あるのか?」

浪人「いや、見当が外れただけだ」

妖狐「実際熊やら猪やら獲って来られても大きすぎて持ち運びには不便じゃしの」

鬼「へへっ、俺はその辺も考えて兎にしたんだぜ?」

浪人「……ホントはそれしか獲れなかったのであろう?あれだけの大口を叩いた手前、恰好がつかぬものな」

鬼「余計なお世話だ、兎返せ!」

浪人「ま、待て!まだ一口も食っておらんのだ!」

鬼「やなこった!」

河童「主様ぁ、オラの獲った魚はどうだべ?」

浪人「ん、ああ、魚はうまいぞ?でも今は兎も食べたい気分でな。ええい、返さぬか!」

妖狐「ほっほっほ」

―――
――


鬼「はぁー、喰った喰った」

妖狐「残った魚は燻しておきましょうかの」

浪人「頼む」

河童「もっと魚いるかぁ?」

妖狐「いや、獲り過ぎはいかん。主様がお許しになるまいて」

浪人「そうだ、近隣の民の分がなくなる」

河童「そっかー」

浪人「とは言え、この量ではもって数日か…… 早いとこ仕官先を見つけねばなぁ」

鬼「しかし、火の近くにいたせいで汗かいちまったな。水浴びでもすっか」

河童「オラもー」

浪人「……貴様は水浴びせんのか?」

妖狐「燻すとなればまた汗もかきますし、匂いもついてしまいますゆえどうせなら燻した後からにいたします」

浪人「そうか」

―――
――


鬼「――――すかー、すかぁー」

河童「すぅ…… すぅ……」

浪人「あれだけ好き勝手しておいて、もう寝おったわ……」

妖狐「よいではないですか、こうして腹が膨れたのもこの者たちが頑張ってくれた故のこと」

浪人「であるな」

妖狐「っと…… これぐらい燻せばよろしいですかの?」

浪人「おう、上出来だ」

妖狐「では、ひと眠りする前に我らも汗を流すとしましょうか」

浪人「ああ……」

妖狐「――――」

浪人「…………」

妖狐「……どうされましたかや、主様?我が衣を脱ぐ様をじっと見ておいでのご様子」

浪人「何を白々しい、わざと艶めかしく焦らすように見せおって…… 俺を誘っておるのだろ?」

妖狐「ふふっ、その通りでございます。それで、主様は我を抱いてくださるのですか?」

浪人「ああ、久々の魚や兎で精が付いたところに貴様が色っぽい仕草や姿を見せつけおるからな。収まりがつかぬ」

妖狐「汗やら魚の匂いで臭うございますが……」

浪人「はっ、それより貴様の女の匂いの方がきついわ。触ってみよ、こんなにもいきり立っておる」

妖狐「まぁ、主様がこんなにも我を欲して…… 嬉しゅうございます」

浪人「まったく化け狐め、その色香で一体何人の男を惑わしてきたのだ?」

妖狐「そんなこと…… 聞かないでくださいませ……」

鬼「あーっ!?ずりぃぞ女狐!!」

河童「オラも混ぜてけろ!」

浪人「んなっ!?寝たのではなかったのか貴様ら!?」

妖狐「ふふっ、久々に二人きりでと思うたのですが…… そうは問屋が卸さぬようですな」

河童「んだ、主様の独り占めはいけねぇだ!」

浪人「ええいもう、がっついてくるな!貴様らも少しは女らしくしおらしい態度をだな……」

鬼「んなこと言ったってお前、乳さえ見せればすぐギンギンだろうが」

浪人「ええい、そもそも貴様らが精を欲するのは飯の代わりであろうが!先刻腹いっぱい食ったのではないのか!?」

河童「魚をいっぱい獲ったごほうびがほしいべ」

鬼「俺は兎を獲ってきたぞ」

妖狐「我は山菜を取ったり魚を焼いたり燻したり……」

浪人「……わかったわかった!斯くなる上は皆まとめて相手してやるわい!!」

妖狐「流石は主様じゃ!」

河童「主様ぁー!」

鬼「へへっ、たっぷり出してもらうかんな」

浪人「はぁ…… こうなったからには俺も存分に楽しませてもらうぞ?」

―――――
―――


浪人「うむ、良く晴れたいい朝だ。どれ、出立前に景気づけの水浴びでもしていくか」

鬼「……なんでそんなに元気なんだ、テメェはよ」

浪人「なんだ貴様ら、あれだけ精をやったというのにへっぴり腰ではないか」

鬼「いや、確かに精はついたが、お前が無茶苦茶するからまだ腰が……」

河童「主様、すごかったべ……」

妖狐「我も身体にうまく力が入らん……」

鬼「どうした女狐!?俺たちを尻目にいつも余裕綽々のお前が……」

妖狐「ふふっ、今までの余裕は術を使っていたからじゃよ…… しかし流石は我らの主様、妖怪以上の絶倫」

浪人「いやいや、貴様らの方が絶倫だろう?どうせ今夜にはまた精を欲してくるのだろうが。俺はもうちびとも出んぞ」

鬼「いーや、そんなはずねぇ。俺ら全員腰砕けにしといてテメェは余裕綽々。『ちびとも出ん』とはどの口が言うかって話だよ」

河童「主様、すごかったべ……」

妖狐「……皆もそう言っておりまするが?」

浪人「……まぁ、何はともあれ貴様らも水浴びしてこい。朝飯を食ったら出立だ」

―――
――


浪人「おお、町だ。久々に町だ」

妖狐「……ほう、町並みはなかなかの様子。ですが」

鬼「ああ、それにしちゃあ活気がなさすぎる」

河童「なんかこわいべ……」

浪人「ひっつくなひっつくな」

妖狐「人の気配もほとんど感じませぬ。この規模の町にしてはあまりにも奇妙」

浪人「確かに不気味だ…… 何ぞあったのか?」

妖狐「誰ぞ捕まえて聞いてみますかや?」

浪人「うむ、何やら単なる薄気味悪さ以上のものが潜んでおるような……」

鬼「――――で、捕まえたのがこの爺さんだ」

老人「ひぃぃい……」

浪人「あまり怖がらせてやるな…… すまぬご老人。見ればこの町はあまりに静まり返っておる」

妖狐「ここで何ぞあったのかや?」

鬼「若い奴もいなけりゃガキすらいねぇ。寂れてるわけでもないのによぉ……」

老人「…………」

浪人「……ご老人!」

老人「――――それはのぉ」

―――
――


浪人「知行取りのお殿様が若い衆を女子供問わず連れ去った、か……」

妖狐「しかもその領主を薄気味悪がって藩の者は城下町に呼び寄せることもせず一切近寄りもせぬ有様とのこと」

浪人「代官は立てておらぬようだし、良からぬことを企てるにはちょうどよい状態ではないか」

鬼「で、あんまりにもキナ臭ぇからこれからその領主のところに行こうってわけだな?」

浪人「うむ。しかし、女を三人も連れているのでは怪しまれるであろうな」

河童「ならどーすんべ?」

鬼「俺たちをここに置いてくってのは無しだぜ?」

浪人「うーむ、なかなか難しいことを言う。刀を手放すわけにはいかんだろうから狐は連れて行かねばなるまいが……」

妖狐「ならば主様、我ら一時的にその鞘の中へ隠れまする」

河童「そんなことできんのけ?」

妖狐「おそらくな。元は我ほどの者を封じておけるような代物、中に妖怪の二,三匹は入れるじゃろう」

鬼「ちゃんと出てこられるんだろうな?」

妖狐「やってみなければ断言はできぬが、主様に妖怪を封印する技はない。刀さえ抜けばまた出てこられるはずじゃ」

鬼「じゃあ、それで決まりだな!」

河童「がんばんべ!」

妖狐「よろしいか、主様?」

浪人「……相わかった。そうするとしよう」

鬼「しかしあれだな、別にどうにかしてくれって頼まれたわけでもねぇのに物好きだなぁ、主様はよ」

妖狐「ふふっ、そこが主様の良いところじゃ」

浪人「あの老人、俺たちが余所者だったからか口にこそしなかったもののあの目…… 確かに助けてくれと言うていた」

河童「ほえ~」

浪人「それにな、物好きというならこんな俺なんぞについてくる貴様ら妖怪の方が余程物好きだわ」

鬼「ははっ、違いねぇ」

河童「んだんだ」

妖狐「では主様、怪しげなる領主の屋敷へ参るといたしましょう」

浪人「おう」

―――
――


浪人「頼もぉぉぉおおお!!」





浪人「……頼もう!!」





浪人「……誰もおらぬのか?いや、そんなはずあるまい」

鬼『……上から来るぞ!気をつけろぉ!!』

浪人「なにっ!うぉおおっ!?」

??「…………」

??「…………!」

浪人「な、何者だ此奴…… 太刀より伝わる力、人のものではないぞ!?」

妖狐『妖気は僅かに感じるものの、さりとて妖怪に非ず!生気も在らず!!』

鬼『生気も無い?じゃあなんだ、あれは動いてるのに死んでるってのか!?』

河童『わけわかんねぇ!』

浪人「だな!確かにあの者の姿、人の形こそしているもの……のぉっ!!」

人形「…………!」

浪人「背丈と胴に対して手足が長すぎる!ぐぅぅっ…… はぁっ!」

浪人「はぁ、はぁ……」

鬼『おいおい、やばいんじゃねぇのか!?俺が出るか!?』

浪人「いや…… このままでよい」

鬼『なんでだ!?』

浪人「どうも此奴の動き…… 俺を試しているようなのだ」

妖狐『試す……?』

浪人「何やらそんな気がするのでな…… ここは俺一人で斬り抜ける!」

鬼『……わかった。でも、危なくなったりもっと数が増えたりしたら』

浪人「ああ!その時は頼むぞ!!」

河童『ま、負けんなぁ!主様ぁ!!』

浪人「はっ、泣くには早すぎるぞバ河童!!」

人形「…………!」

浪人「おぉっと!?」

浪人(まともに受けていてはマズイ…… ここは!)

人形「…………!」

浪人(受けて……ッッ)

人形「…………?」

浪人(流すッッ)

浪人「チェイリヤァァアアアアア!!!」

人形「……!!?」

浪人「どうだぁ!!」

鬼『やるじゃねぇか!さすが俺の師匠!主様だぜ!!』

河童『んだんだ!』

浪人「しかし、この手応えは斬ったというより壊したというような……」

妖狐『……やはり人間、いやさ生き物ではないと?』

浪人「わからん。わからんが、もし俺の腕を試していたのだとしたらこの一部始終を見ていた奴が……」

???「フフン、使いおるなお主……」

浪人「何者だ!」

謎の男「フハッ、それはこちらの台詞よ。答えよ、貴様は藩の手の者か?いやさ、幕府の手の者か?」

浪人「拙者は浪人でござる!仕官先を求める旅の最中、この屋敷の不穏なる噂を聞き参上仕った!」

謎の男「ほほぅ、不穏なる噂か。どこまで知っている?」

浪人「若い衆が女子供問わずご領主に連れ去られたとだけ聞いている!なぜそのようなことをするのか!領主殿にお伺いしたい!!」

妖狐『そんな馬鹿正直に答えんでも…… それでは中に入れてもらえんじゃろ』

鬼『まぁ、主様はバカだからな』

河童『そーなのだー』

浪人「黙れ」

謎の男「フハハハハハッ!面白い、然らばその旨我が殿に直接問い質してみるがよい!!」

妖狐『うそーん……』

河童『? 屋敷ン中入れるのけ?』

謎の男「それと仕官先を探していると言っておったな?試してみたがなかなかの剣の腕、我が殿も気に入ってくれるかもしれんぞ?」

鬼『おいおい、何だか話がウマ過ぎるぜ……?』

妖狐『主様、ここは慎重に……』

浪人「……いいだろう!御免!!」

鬼『いいのかよ!』

河童『虎穴に入らずんば虎子を得ず、だべ』

妖狐『おお、よく覚えておるのぁ!……しかし、敵地の奥深くに入るというのはそれ相応の危険が付き物』

鬼『まぁ、とにかく気ぃつけろよ』

浪人「うむ、油断せずいこう」

謎の男「……連れて参りました」

領主「ご苦労。おい、貴様は下がれ」

女人「……はい」

妖狐『主様、ここまで連れてきた男は恐らく人間。ですが、あの領主は……』

鬼『ああ、何だアイツ?人間の匂いはしてるけどよ……』

浪人「うむ、只者では無いことは間違いないな」

領主「ふふふ、まぁそう固くなるな。もそっと近う寄れ」

浪人「然らば御免」

領主「聞いたぞ、お主が我が屍人形を生身で斬り倒したとな」

浪人「屍人形……?」

領主「左様」

浪人「……その屍人形とやらとご領主が若者たちを集めたこと、関係があるのでしょうか?」

領主「ふふっ、ところでお主…… 今の世をどう思う?」

浪人「は……?」

領主「今この国は幕府の庇護の下、天下泰平の世として平和を謳歌しておる……」

浪人「……はぁ」

領主「武士は刀を握る必要も殆ど無うなり、今やその手に在るのは筆であったり算盤であったり……」

浪人「そうですな、故に剣しか能のない拙者には仕官の口がどうも……」

領主「然様であったか…… お主、そんな世の中は間違っているとは思わぬか?」

浪人「は……?」

領主「武士とは、もののふとはそういうものではなかったはずだ…… 侍の本分とはそうではないはずだ!」

領主「刀を持たずして何が武士か!戦をせずして何が武士かぁっ!!」

領主「泰平の世など狂っておる!そんなものが武士の世であるはずがない!!武士の世とは戦乱の世であるべきよ!!!」

浪人「ご領主……?」

領主「であるからこそ儂は!儂はこの世の中を真の武士の世とせんがために今一度天下に戦乱を齎すことに決めたのよ!!」

浪人「ほほう、なかなか大それたことを仰られる」

領主「大それたこと?確かにその通りじゃ。だがな、儂には秘策がある!見よっ!!」

浪人「おおっ!?こ、これは先刻の……!?」

領主「そう、これこそ儂の秘策・屍人形共よ!奴らこそがこの世を再び戦火に包む者なり!!乱世を導く者也!!!」

浪人「……何?」

領主「人より強く!人より硬く!人より速く!人より高く!人より重し!当に無敵のつわものよ!!」

浪人「これと若い衆を連れ去ったこととどんな関係が…… 真逆ッ!?」

領主「そう!屍人形の材料は人間の血と骨!!皮を剥ぎ肉を削ぎ骨を砕き、恨みと痛みと呪いを煮詰めて創り上げた人形よ!!!」

領主「若い衆を拐かしたのはその材料にせんが為!老い耄れでは強度と怨嗟が足りぬでなぁ……」

領主「殺された者らの怨念を動力とし、その怒りを以て生者を切り裂く死神人形…… 儂はこの屍人形を以て天下に宣戦布告致す!!」

浪人「な、なんと……」

領主「どうだ?お主も儂と共に立たぬか?」

領主「お主も屍人形を倒すほどの剣の腕を以てしても、武士として身を立てることのできぬこの巫山戯た世に飽き飽きしておろう?」

領主「そうじゃ、この間違った世の中を儂らの手で正すのじゃ!!」

浪人「むぅ……」

領主「手始めに我が藩を戦火に包み、然る後に日の本全てを乱世とする。今こそ武士の本来の姿を、もののふの世を取り戻すのだ!!」

領主「戦場にて刀を振るい槍で貫き、弓矢で撃ち抜き馬で駆け抜け、天下に遍く戦乱を巻き起こす!」

領主「終わりなき闘争の続く天下!それこそが真の武士の世というものよ!!」

浪人「真の…武士の…世……」

領主「さぁ、この手を取れ!儂と共に来るのじゃ!!」

妖狐『……主様?』

浪人「……………」

鬼『お、おい…… どうしたよ?』

河童『主様ぁ……』

浪人「ははっ、どうにも俺は妙な奴に好かれるらしい。真の武士、もののふの世か……」

領主「そうだ、それこそ儂の…… いや、儂らの目指すべきもの!!」

領主「さぁ、この手を取るのだ!そして共に真なる武士の世を!!」

浪人「ああ…… あんたこそ真のもののふだ」

領主「……うむ!」

妖狐『主様!?』

鬼『おい!?お前そんな奴じゃなかっただろうが!!』

河童『主様!』

浪人「……おっと、すまぬ。一字違っていた」

領主「む……?」

浪人「貴様は『真のもののふ』などではない…… 『真のもののけ』だぁ!!」

領主「ぐぬぅっ!?貴様!儂に刃を向けるかっ!!」

浪人「ああ、向けるとも!確かに今の世は本当の武士の世としちゃ間違ってるかもしれぬ!だがなぁ!!」

浪人「そういうことはテメェみたいな気狂いだけでやりやがれ!無関係な奴や女子供を巻き込んでやっていいことじゃねぇだろうが!!」

領主「吠えよったなぁ……ッッ」

浪人「吠えるともさ、例え貴様の目指すものが本当の武士の道だったとしても…… お天道様に背くような人の道を外れたことしてよいはずがないッ!!」

謎の男「ええい、屍人形共!出合え出合えィ!!」

屍人形「…………」

屍人形「…………」

領主「ふふふ、此奴らは先刻貴様が斬った仮組みとは訳が違う…… 冥土の土産に屍人形の真の力、思い知るがいい!」

浪人「上等ォ!数だけは多いな!」

鬼「……おいおい、暴れるんだったら俺も混ぜろよ?」

河童「助太刀するべ!」

浪人「貴様ら……」

妖狐「頼もしき我らが主様と言えど、流石にこれだけの数を一人で相手はできませぬでしょう?」

謎の男「此奴等いつの間に…… 鬼に河童に化け狐、おのれ貴様妖怪使いであったか!」

浪人「全く…… 無茶はするなよ?特に河童」

鬼「馬鹿にすんなよ?相撲じゃ後れを取ったが、本気の俺はあんなもんじゃないんだぜ?」

河童「オラだって!」

浪人「本当に大丈夫なのだろうな?特に河童」

河童「馬鹿にするなぁ!」

浪人「っと、すまんすまん!」

領主「面白い、儂の屍人形と妖怪ども…… どちらが上か見比べてくれよう!」

謎の男「御意に!さぁ行け!屍人形ども!!」

屍人形「…………!」

鬼「へっ、こっちだ!」

謎の男「追え!逃がすな」

河童「ひぇぇっ!?」

屍人形「…………!」

謎の男「あのちっこいのも逃がすでないぞ!」

浪人「貴様は何処へも行かんのか?ああ、太刀から離れられぬのであったな」

妖狐「いえ、それは違います…… 太刀から離れられぬのではなく、主様のお傍を離れとうないのです」

浪人「こっ、こっ恥ずかしいことをよくもまぁぬけぬけと!!」

謎の男「見せつけおって!ならば二人まとめて殺してくれるわぁ!!」

屍人形「…………」

浪人「なるほど、無辜の民の命で造られた物か。改めて見ればなんと悲しげでなんと怒りに満ちた形相よ……」

屍人形「…………!」

浪人「しかしその悲しみ、その怒りをこれ以上広げるわけにはいかぬ、許せ!」

屍人形「……!?」

浪人「何だ?何やら身体が軽い……」

妖狐「申し訳ありません、勝手ながら主様に我が力の一部をお貸ししておりますれば」

浪人「余計なことを…… と、言いたいところだが、あの外道を斬るには有難い。礼を言う!」

妖狐「嬉しきお言葉…… 狐火!」

屍人形「……?!」

領主「ほほう…… 妖怪の力添えか。実に興味深い…… よし、此奴は儂が相手してやる!貴様は他の妖怪を追えぃ!!」

謎の男「御意に!」

鬼「おらおらおらおらおらぁっ!!」

屍人形「……!?」

屍人形「……?!」

屍人形「……!!?」

鬼「はっ、いくら人より強かろうが硬かろうが速かろうが!その程度じゃ鬼にゃあ勝てねぇな!!」

屍人形「…………」

鬼「おおっと!!」

屍人形「…………」

鬼「……悪いな。俺、お経とかわかんねぇからさ?後でアイツに頼んで坊さんでも呼んでやるからさ」

屍人形「…………」

鬼「今は、とりあえず大人しくぶっ壊れててくれな…… おらぁっ!!!」

屍人形「……!!?」

鬼「おらおらどうした!?かかってこいよ!!」

屍人形「…………」

鬼「受け止めてやるぜ…… 何もかんも全部まとめてなぁ!!」

河童「ひぃ!?」

屍人形「…………!」

謎の男「おのれ、チョコマカと!」

河童「とうっ!」

謎の男「むむっ、池の中に飛び込みおったか!怯むなぁ、貴様ら屍人形は水の中とて戦えるのだからなぁ!!」

屍人形「…………」

河童「へぇ、水ン中でもお前ら動けるんかぁ……」

屍人形「…………?」

河童「でも、水ン中ならオラ負けねぇぞ!」

屍人形「……!?」

屍人形「……?!」

謎の男「な、なんと!正しく水を得た河童か!?ええい、退け、退け!池から離れれば河童は無害よ!!先に鬼やら浪人者の方を……おがぁっ!?」

屍人形「…………?」

謎の男「何だこれは!?水がまるで蛇のように絡み付いてきおるだとぉっ!?」

河童「へへっ、逃がさねぇど!」

浪人「チェイリヤァァアアアアア!!!」

屍人形「…………!?」

妖狐「狐火!そして舞え…… 狐炎!!」

屍人形「…………?!」

妖狐「……力が戻ってさえおれば、もちっと主様の負担を減らせたんじゃがのぅ」

浪人「いや、これで十分だ。残るは外道只一人!」

領主「うーむ、妖怪の力か。実に素晴らしい…… その力をも手に入れれば、儂の屍人形は何人にも止められぬ天下無双の兵士と成ろうぞ!」

浪人「貴様、この期に及んでまだそのような戯れ言を!」

領主「ふふふ、貴様らは捕らえた上で妖怪と人間の力の重ね方を骨の髄まで調べてくれるわぁ!!!」

浪人「うぉおおお!?な、なんという馬鹿力だ!!」

妖狐「主様!此奴自らをも屍人形にしておりまする!!」

領主「よう見抜いた!そうよ、儂自身こそが最強の屍人形なのよ!!」

浪人「ははっ、やはり貴様はもののふではない!もののけよ!!」

領主「かもしれぬなぁ!!」

浪人「はっ、武士どころか人間をやめたその姿で何がもののふだ!!」

領主「言ったであろう!儂が目指すのは武士そのものではない!!儂が求むるは真の武士の世也!!!」

領主「儂自身の姿などどうでもよい!武士が武士でいられる世とすることが我が悲願なりぃ!!」

浪人「そういえばそのようなことを言っておったやもしれぬ!なぁっ!!」

領主「んなっ、ちゃんと聞いておらなんだのか貴様ァ!?」

浪人「そんな与太話、聞く耳持たんわ!そも人の道を外れて何が武士の道だ!!」

領主「ぐぬぅっ!?これが妖怪の力を借りた剣技の冴えっ!!!」

浪人「技は己よ!!」

妖狐「くっ…… こうも二人が近うては……」

領主「クカカッ、死合いはよい!血沸き肉躍る!!死が直ぐ隣で嗤うておる、それが面白うてならぬ!!」

浪人「死こそが武士の道とでも謳うか!?その先に何が残るものかぁ!!」

領主「残るだとぉ?否!断じて否ァ!!死して屍拾う者無し、武士が死して後に残すもの等何も在らぬ!!」

浪人「それは貴様の独り善がり!ぜぁっ!!」

領主「ほう、為らば貴様は侍者でありながら今までこのような死合いを所望したことなど只の一度もないと?」

浪人「死合うておるのは貴様を見過ごせぬから!!」

領主「戦乱の世を望んでいるのは儂だけではッ!!」

浪人「ならばっ!まずは貴様を黙らせるッッ!!」

領主「出来るのかぁ?よしんば儂は倒せても、真の武士の世を求むる者は両の指では足りんであろうぞ!!」

浪人「でぇいやっ!!」

領主「ふんっ!甘いわッッ!!」

浪人「くっ…… 戦いこそが武士の本懐とのたまうが、先達がみな戦を望んでいたわけではない!わかっておるはずだ!!」

領主「そんな情けないことを言う愚か者が天下を取ってしまったからこうなったのだ!」

浪人「なんだとっ!?それが旗本の言うことか!!」

領主「何が旗本かっ!彼奴は武士から戦を取り上げ、もののふの志を踏み躙りおった大罪人よ!!」

浪人「ぐぅぅ……!?」

領主「斯様な阿呆の強いた不条理に与する貴様如きに儂は負けん!!!」

浪人「根拠の足りない、屁理屈ッッ!!」

領主「大義である!!」

浪人「殺された者らの無念がっ!!」

妖狐(離れた……!!)

妖狐「今じゃっ!狐炎・灼!!」

領主「うぬぁあ!?」

妖狐「腕で防いだか…… ですが主様、今こそ勝機!!」

浪人「おう!!」

領主「何の、腕の一本くらい……」

妖狐「なっ、腕を……」

領主「くれてやるわぁ!!」

妖狐「うぐぁぁっ!!?」

妖狐(ゆ、油断した…… 使いものにならんようになった腕を千切って投げつけてくるとはっ!)

浪人「狐ッ!?」

領主「片腕あれば十分!腕など、また造り直せばよいだけのことぉ!!!」

浪人「造り直す……?また何の罪のない者等を殺す気かキサマァァァアアア!!!」

領主「なんと!太刀筋が見えぬ!!読めぬ!!?」

浪人「せいっ、セイッ!セイヤァッッ!!」

領主「うぬぁああっ!?がっ、はぁああッッ!!?」

領主(この屍人形のカラクリを以てしても剣閃を追い切れぬだとぅ!?)

浪人「腕のもう一本、貰い受ける!!」

領主「ぬがぁあああッッ!!?」

浪人「――――斬り裂く!!」

領主「ぬぅぅ…… 甘いわぁッッ!!!」

妖狐「なっ、腹から隠し腕!?」

浪人「フンッ!!」

領主「んなぁっ!?」

領主(膂力が乗りきる前に腕を差し出して刀を…… まさか儂の秘策を見切っておったのかッッ!?)

浪人「腕の一本くらい、くれてやる……」

領主「ふっ、不覚!!?」

浪人「チェイリヤァァアアアアア!!!」

領主「ブゥルァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

―――
――


領主「くくっ、最高の屍人形たる儂が一介の浪人風情に破れるとはのぉ……」

浪人「いらん小細工に頼ったのが運の尽きだ」

領主「くかかっ、返す言葉も…ない……」

浪人「……貴様の狂った野望はここで仕舞だ」

領主「ぬふぅ… そうか、これで終わりか……」

浪人「ん?」

領主「これでやっと…… 終われる…… かたじけ…ない……」

浪人「なに……?」

領主「…………」

浪人「忝い……?どういうことだ?なぜ野望を阻まれて感謝する?」

妖狐「はて…… とんとわかりませぬ」

浪人「……それはそうと、先ほど腹に受けた傷は如何程だ?」

妖狐「ご心配なく、腹を強く打ち付けられただけのこと。それより主様の左腕の方が……」¥

鬼「――――おーい!」

河童「主様ァーーー!!」

妖狐「およ、皆も無事のようですの」

浪人「鬼めの馬鹿力ならあんな人形に負けはせぬよ。河童は大方逃げ回っておったのだろ?」

河童「主様!ケガはねぇか?」

浪人「どこを見てそんなことを聞いてくるのか…… ほれ、左の腕を見てみぃ」

河童「ひぇっ!?ずっぱし斬られとう!!」

浪人「かろうじて動きはするものの、この先使い物になるのかのぉ……」

河童「で、大丈夫だぁ!おっ母が死んじまう前にくれた薬があるべ!!」

浪人「河童の妙薬か?それなら助かる」

鬼「……で、終わったのか?」

浪人「ああ、近くにもう動く屍人形はおらんだろう」

河童「ああそうだ、変なおっさんはオラがやっつけたどー!」

浪人「……真か?」

河童「真だ!!」

妖狐「…………」

鬼「どうしたんだよ女狐?いつものお前なら『えらいの~』とか言って河童を褒めるとこだろ?」

妖狐「……主様、ここの領主はあの屍人形を造る術をどうして知ったのでしょう?」

浪人「ム……?」

妖狐「呪物にも似たあれほどの代物を呪い師でもない侍が…… そして『忝い』などという感謝の言葉」

河童「どうかしたんけ?」

妖狐「そして、屍人形の節々を繋いでいたこの頼りないほど細く、それでいて恐ろしく強靭な糸……」

浪人「どれ、貸してみろ。……何だこれは?べたついていてまるで蜘蛛の――――」

女人「うふふ、ご名答ぉ~!」

浪人「んなっ!?」

妖狐「しまった!?」

鬼「うぉわぁ!?」

河童「あれれぇ!?」

鬼「何だこりゃあ、蜘蛛の糸か?クソッ、動けねぇ!」

河童「ふぇぇん、オラも動けねぇだぁー!」

妖狐「そうか、死体を糸で繰る技、生者を己が意のままにする術!真に戦乱を望んでいたのは……ッッ」

女人「そう、この私、絡新婦の一族の者さね!」

浪人「絡新婦!?おい狐、今生者を意のままに操ると言うたな?」

妖狐「左様にございます、主様」

浪人「ということは…… 貴様がご領主を操っていたのか!!」

女人「そうさね、だって今の天下泰平の世の中じゃ美味い腐肉が喰えないからねぇ」

浪人「腐肉、だと?」

女人「あの頃は良かった…… 戦で負けた者の恨み辛みや狂気に塗れた屍がそこら中に山のようにあった」

浪人「そんなもののために……」

女郎「アンタみたいな人間にゃあわからない味さ。そこの三匹はわかるだろ?あの喰ってるだけでイッちまいそうな極上な味!」

鬼「けっ、味の趣味ワリィーなお前。碌なもん喰ったことねぇんだろ?」

河童「? 人間ってうめぇのけ?」

妖狐「……あまりオススメできぬの」

鬼「人間よか人間が作ったメシの方が美味いぜ?」

河童「そーなのかー」

女人「……もうちょっとアンタら、緊迫感持ってくれるぅ?」

鬼「がぁっ!?」

河童「いいっ!!」

妖狐「かはっ……」

浪人「し、締め付けがぁ…… ぐぅう…」

女人「けっこー頭にキてんだよ?あの馬鹿殿様に取り入って、玩具の造り方教えてさぁ…… 戦の世になるよう苦労してここまで準備してきたんだよ?」

女人「それをテメェら無茶苦茶にしやがって……!楽にゃあ殺してやらねぇぞ!!」

妖狐・河童・鬼「「「うぁぁああああ!!」」」

女人「う~ん、人間の悲鳴の方が好みだけど妖怪の悲鳴もそれなりに乙なもんだねぇ……」

鬼「……けっ、『きんぱくかんがたりないからきんばく』かよ。ひねりがねぇなぁ」

女人「うるさいよ」

鬼「ぐはっ!?こ、この野郎、調子に乗んなよぉぉ…… ってあれ?本気出してんのにぃぃ…… くそっ!」

女人「馬鹿力だけで引き千切れるようなもんじゃないさ、私の糸は。あと野郎じゃないし」

河童「う~ん……」

女人「陸に上がった河童はまぁそんなもんだろうさ」

妖狐「我が身可愛さに裏でコソコソすることしかできぬような三下が、偉そうに……」

女人「……なに?」

妖狐「表立って動いて人を襲わんのは己が槍玉に挙げられるのが怖いからであろう?故に人を裏で操って人同士で殺し合わさせる」

女人「…………」

妖狐「そして出来上がった死肉と糞尿を横から掠めてこっそり喰らう。まるで蛆虫、いやそれ以下じゃな…… のぉ、三下?」

女人「……アンタみたいな獣からの成り上がりに三下呼ばわりされたくないねぇっ!!」

妖狐「ぐはっ!」

浪人「狐ぇっ!」

女人「あらあら、どうしたんだい?そんな悲痛な声出してぇ?」

浪人「貴様……ッッ」

女人「それにしても、大した法力もないアンタみたいな男がどうして三匹も妖怪を従えてるんだか……?あぁ、ここ?」

浪人「うぐっ!?」

女人「なるほど、なかなか立派なものを持ってるじゃないか?濃厚でドロドロしたのがいーっぱい…… 溜まってそう」

浪人「ええい、触るな!」

女人「これでアイツらを手懐けてたわけ…… くくっ、どんな味がするのかしら?味わってみたいわねぇ……」

浪人(うぬっ、此奴の手技並ではない!……ってんなこと考えておる場合かっ!!)

女人「アハッ、もっと大きくなった。すごく硬くて太い…… お殿様とは比べ物にならないわぁ」

浪人(ええい、何と不甲斐無いやら情けないやら……)

女人「どう?私と一緒にならない?私のために尽くし続けますって、無様な命乞いと一緒にお願いしてくれたら……」

浪人「……ぬふぅっ!?」

女人「アンタのこと、助けてあげる。ついでにものすごぉく、気持ちよくしてあげる……」

浪人「う~む…… 乳良し、髪良し、肌良し、尻良し、くびれ良し!」

女人「そうさね、私は美を高めることへの努力を惜しんだことはない…… 常に美を磨いているのさ。だから私は余すところなく美しい」

鬼「おい、テメッ!」

河童「主様ぁ!」

妖狐「…………」

女人「さぁ、どうする?私の身体と手練はあんな雌共とは比べ物にならないよぉ?」

浪人「う~む、なかなか…… いや、極上と言うても良い肉付き……」

女人「くふふ、でしょお?じゃあそろそろ聞かせて?貴方の惨めで無様な命乞いと、色に狂った雄叫びを……」

浪人「いや、結構。身体は兎も角やはりブスは無理だ。ブッサイクな女が相手ではいくら肉付きが良かろうが上手かろうが興が乗らん」

女人「――――へぇ…… 他の奴にそんなこと言えるようなツラしてんのかよテメェ!!」

浪人「ぐぁぁああああああああああ!!!」

妖狐・河童・鬼「「「主様!?」」」

女人「いい音がしたねぇ…… 骨が何本イッちゃったんだろうねぇ?」

浪人「ぐふっ…… あばらが少々…鞘も、折れた……な」

女人「鞘ぁ?なになに、わざわざそんなこと言うなんて、余程大事な鞘だったのかい?親父様の形見とか?」

浪人「いや、そうではないが『大事』ではあったな。まぁ、『だいじ』と言うより『おおごと』かもしれん」

女人「おおごと? ……!?」







妖狐「――――ふぅ」

女人「何だこの嫌な感じ!?身体が内側から焼けるような、この感じは!?」

妖狐「なぁに、我が本来の力を取り戻しただけのことよ」

女人「!?」

妖狐「ふむ、まずは邪魔な糸屑を取っ払うか」

女人「嘘っ!私の糸をいとも簡単に……」

妖狐「それ程大げさに驚くことでもなかろう?貴様と今の我とでは力の桁が三つ四つ違うだけじゃよ」

鬼「しかし『いとをいともかんたんに』にか、あんまり面白くねぇな」

河童「なー」

女人「そ、そんなわけあるかぁ!!もう一度味わうがいい、私の自慢の糸を!!!」

妖狐「……そのくらいのこともわからぬから三下なんじゃよ」

女人「そんな!?漏れ出る妖気に触れるだけで私の糸が燃えてゆく!?」

鬼「……今のアイツとの力の差ァくらい俺にだってわかるぜ?」

河童「んだんだ」

女人「そうか、アンタのその妖気…… 姿、尾の数と色…… アンたぁっ!!?」

妖狐「……もう喋るな。貴様如き三下に我の名を呼ばれとうない」

女人「――――!?――――!!?」

妖狐「塵の一片も残すなよ……? 狐火!!」

妖狐「――――と、いきたいところじゃがの?喉を灼くだけにしておいてやろう」

女人「……!……ッッ!?」

妖狐「主様、今糸を焼きます。決着は主様の手で……」

浪人「ああ…… しかし、腕とは存外と千切れんものなのだな。まだ繋がっとるわ」

女人「…!……」

浪人「さて、ご領主の心を狂わせその命を弄び、更に無辜の民の幸せを徒に奪わせた貴様の所業…… 断じて許せん」

女人「……!!…ッッ!!」

浪人「罵倒か命乞いかはわからぬが、貴様に情けをくれてやる理由はない…… いざ、参る!」

女人「……!!」

浪人「ははっ、不意を突かねばこの程度か?道理で今まで潜んでおったわけだ!正しく三下だな!!」

女人「……ッッ!!?」

浪人「自慢の糸とやらで簀巻きにせねば当てることもできんか!遅いっ!!」

浪人「チェイリヤァァアアアアア!!!」

女人「……!? ……――――フシャァ」

浪人「なんだ、腕が増えておるだと……?」

絡新婦「フシャァァァアアアアアア!!!」

浪人「ほう、それが貴様の本性か。大蜘蛛…… その醜い姿を持ちながら美しいなどと嘯いておったとは、全く笑わせてくれる」

絡新婦「シャァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

浪人「ははっ、図体を大きくしたとて当たらなければ詮の無いことよのぉ!」

絡新婦「シャッ、シャッ!シャァア!!」

浪人「しかしデカいだけあって刀が首まで届かぬな…… まずは脚から斬っていくか!」

絡新婦「シャィィイッ!?」

浪人「まず一本!しかし化け狐を封じておっただけあってこれほど斬っても切れ味は鋭いままだの」

絡新婦「シ、シッ、シィィィイイイイイイイ!!!」

浪人「なっ、逃ぐるか貴様ぁ!?」

妖狐「……させんよ」

絡新婦「!?」

妖狐「狐炎・罪無救天!!」

絡新婦「――――!!?」

浪人「ようやった狐!」






絡新婦「…ア……アア…………」

浪人「貴様と違うて動けぬ者を嬲る趣味はないのでな。一息に……」



絡新婦「シャッ―――――              」



浪人「……成敗」




―――――
―――


妖狐「ほっほっほ、よう燃えておりますなぁ」

浪人「これだけ燃えていれば、屍人形に使われた者らの骨も燃えような。せめてもの弔いになればいいのだが」

鬼「……後で坊さん呼ぶか、主様?」

浪人「近場に居ればよいがな。……ところで」

妖狐「何か?」

浪人「貴様…… ほんに只の化け狐なのか?本当の名は何だ?なぜ封ぜられておったのだ……?」

妖狐「ふふっ、主様?女に昔のことを聞くのは野暮にございます」

河童「そうだー、野暮だべ。やぼやぼだべ!」

浪人「河童、貴様野暮の意味わかっておらんだろ?」

河童「でへへ……」

妖狐「……して主様、貴方様と我を繋いでいた封印はもう完全に無くなりました。最早我と主様をつなぐ」

浪人「そこから先は言わずともわかっておる」

妖狐「え……?」

浪人「ついてくるなと言うたのに、貴様らは勝手についてきたのだろうが。これから先もそうなのだろう?」

妖狐「主様……!」

浪人「あいたぁっ!?だ、抱きつくな…… あ、あばらが……」

鬼「まぁ、そういうこったな。一生ついてくぜ、主様!」

河童「オラもー!」

浪人「ええい、抱きつくなと言うに!骨が折れとるし節々も痛むのだ!!左手に至ってはもうもげそうで……」

鬼「お、ワリィワリィ」

河童「ごめんなさいだ……」

妖狐「それで主様、今後はどうされますかや?」

浪人「そうさのぉ…… 御上の裁きもないままに屋敷の者全て斬ってしまったしのぉ」

鬼「しかも全部燃やしてるしな」

浪人「暫く後にはこの藩内の、いや天下のお尋ね者になってしまうだろうな……」

河童「なら、どーすんだべ?」

浪人「お天道様に背を向けるようなやり方をしてしまった以上、今までのようにやっていくわけにもいかんな」

妖狐「しかし、主様の成されたことは人の世にとって正しいことなのでは……?」

浪人「人の世では正しいことが善とは限らん。善を成すために悪に成らねばならん時があるのだ」

鬼「悪を斬ったのに悪になる?悪を斬るのは悪なのか?悪を斬る悪…… なんかよくわかんねぇな」

浪人「……待て、悪を斬る悪、か」

河童「あくをきるあく……?」

浪人「ああ、そうだ。一度違えた道は後戻りできぬというのなら、そういう道を行くのも悪くない」

妖狐「……主様」

浪人「道に背き、お天道様の下を歩けぬような悪を成しながら尚も面の皮厚く生きる者共らを斬る」

浪人「それにご領主を操っておった化け蜘蛛のように、再び戦乱の世を齎さんとする輩も斬って捨てる」

浪人「御正道で裁けぬような妖怪やら悪漢を斬り捨てる『悪』としての生き方…… よいではないか!」

浪人「そうよ、俺と同じようにお天道様に背いた妖怪やら悪漢やらを斬って斬って斬りまくるとするか!!」

鬼「……悪かねぇ。それなら思いっきり暴れられそうだしな」

河童「主様がそうするならオラもそうするべ!!」

妖狐「……しかしながら其の道は険しく辛く苦しいものになるかと存じます。其れを識った上で尚進まれますか?」

浪人「今更真っ当な生き方はできまいて…… で、貴様らも俺についてこの道を行く覚悟はあるか?」

妖狐・河童・鬼「「「当然!」」」

浪人「ははっ、物好きどもめ…… 勝手にせい!」

――――――――――――――――

――――――――――――

――――――――

――――

その後、巷にはこんな噂が流れ始めた

別嬪さんを三人も引き連れた浪人者が、世の悪を斬っていると

浪人者の剣の腕も確かだが、付き添う美女たちもまたすごいと

妖しげな術を用いて火焔を操る金の目の女

大木をも突き倒す怪力無双を誇る青肌の女

そして、ちと頭の足りない緑の髪の馬鹿女









河童「……馬鹿って言うなぁ!」

――――彼らの戦いはこれからだ!
                         〈 ̄ヽ
                   ,、____| |____,、
                  〈  _________ ヽ,
                   | |             | |
                   ヽ' 〈^ー―――^〉  |/
                      ,、二二二二二_、
                     〈__  _  __〉
                       | | | |
                       / / | |    |\
                   ___/ /  | |___| ヽ
                   \__/   ヽ_____)



鬼「さぁて、お優しいお前らのことだ。わかってて今まで黙ってくれてたんだろうが…… このスレはID腹筋スレだぜ?」

河童「えと、>>1の一文字目から、右ナナメ下に読んでみれ。【妖狐そ愛日腹聞んすれ経!】って書いてあるべ!」

妖狐「つまりは【妖狐そ愛日腹聞んすれ経!】=【ようこそあいデーふっきんすれへ!】=【ようこそID腹筋スレへ!】ということじゃ」

 ∧,,∧
 (`・ω・)ようこそID腹筋スレへ!
 / ∽|
 しー-J
ここはとにかく書き込み、出たIDの数字の回数だけ基本の100回に+αして腹筋をするという、
きのこの山派なトレーニングスレだ。
例1 ID:wwh7KM12ID抽出 の場合7+12=19なのでそこに基本の100回を足して119回頑張れ。
例2 ID:bicycle.ID抽出の場合 数字がないので基本の100回頑張るのだ。
さあ!回復してやろう!全力で腹筋するがよい!↓(`・ω・´)BGM:○ルベーザ四○王とのバ○ル

おうふ……














やあ(´・ω・`)

ようこそ、ID腹筋スレ休憩室へ。
このプロテインは一杯目は無料だから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このスレタイを見たとき、君は、きっと「どうせID腹筋スレだろ?」という「あきらめ」と、
「もしかして……」と言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このスレを建てたんだ。

じゃあ、大事なところが抜けてると言われていたのでその辺についてちょっと報告を。

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_l_l_l_/   そう かんけいないね                            .|(.:.:.:.:.:)(
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  l    殺してでも うばいとる                                .|(.:.:.:.:.:)(
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  ヽ    腹筋やるから たのむ!!                         |(.:.:.:.:.:)(
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>>44と >>45の 間の話

パチパチと音を立てて焚火が燃えている。

ユラユラと揺れる炎が明かりとなって照らすのは三つの女体。

肉付きはそれぞれ違うが…… やはりどれもウマそうだ。

これだけの別嬪たちとまぐわえる…… 普段は兎も角このひと時だけは俺は幸せ者なのかもしれぬな。

妖狐「ふふっ、お待たせしました。主様」

河童「主様すっげぇな、ビンビンだぁ……」

浪人「仕方なかろう。そんなウマそうな乳やら尻を見せつけられては情欲を抑えられん」

河童と鬼は惜しげもなくその裸体を晒しているが、狐だけは手で胸を隠していた。

しかしそれは恥ずかしさ故に隠しているのではなく、俺の情欲を煽るためにわざと見えそうで見えないギリギリの状態にしているのだ。

鬼「抑えられんって、飯喰う前はそれどころじゃないみたいなこと言ってた癖によぉー」

浪人「ここのところ碌に食っておらんかったからな。その上で精など出せるはずもなかろうが」

此奴め、精は勝手に出てくるものと思い込んでるんじゃなかろうか?

鬼「へぇ~?じゃあ、あれだけ喰ったなら当然……」

浪人「おう、それに今宵は狐のせいで少々昂っておる。……覚悟せいよ?」

鬼「へ?」

妖狐「まぁ、それは頼もしゅうございますな」

鬼は少したじろぎおったが、狐は余裕綽々か。河童はまぁあれだしな。

河童「へへっ、主様ぁ、オラが気持ちよーくしてやるだ!」

浪人「おう、頼む」

鬼「あぁっ、テメェまた一番乗りかよ!」

妖狐「やれやれ、仕方ないのぅ…… では、我は主様の乳首を弄らせてもらおうかの」

鬼「じゃあ俺は口吸いだ。んっ……」

ええい、これ幸いと此奴ら好き勝手しおって……

河童「んん~、やっぱ主様のは立派な形してんな~」

なぜ此奴は俺の逸物に頬擦りしたがるのか…… まぁ、水辺の妖怪だからか冷やっこくて柔こくて気持ちいいのでよしとする。

河童「へへっ、どんどん硬くなってきたぞ主様」

浪人「うぐっ……」

手の動きは拙いものの、他の奴らにはない水かきの感触が一味違う快感を与えてくる。

しっとりとした肌がピタッと吸い付いてくるように纏わりついたかと思うとヌルヌルと亀頭を這いずり回る。

ここに技が加われば恐らく今以上の快楽を与えてくれるのだろう。

一物から快感がじわじわと広がってくると同時に胸の辺りにも小さな疼きが生まれ始めてきおった。

妖狐「ふふっ、乳首が立ってきましたぞ?」

チロチロと軽く舌で舐められていた乳首が、いつの間にか狐めの口の中で転がされているようだった。

しかし、これはこそばゆいとも気持ちよいともつかぬ妙な心地よ。

だが、己の乳首を狐の赤い舌が這い回っている光景というのはなかなかグッとくるものがある。

鬼「はぁっ……んちゅっ、くちゅる……」

鬼めがまるで狐ではなく俺を見ろと言わんばかりに軽く触れては離れてを繰り返す立った口吸いを深いものへと変えてきた。

かつては舌を入れてやっただけでブチギレていた鬼だが、今では舌をしっかりと絡めてやらんと逆にブチギレる有様だ。

普段のガサツさはどこへやら、懸命に俺の唾液を求めてくる様は可愛らしいとまで言える。

だが、それだけ一生懸命な姿を見去られると悪戯をしてやりたくなってしまうのもしょうがあるまい。

鬼「んむうう!?」

不意打ちで手の平に収まりきらない鬼のでかい乳を鷲掴む。

鬼が怯んだ隙に口の中を俺の舌の触れていないところなどどこにもないくらいに舐め上げ唾液を塗り込んでやる。

すると鬼めは息すらも忘れたかのように目をトロンとさせ、俺の成すがままに喉を鳴らして唾を飲み込む。

まったく襲ってくるときは色気もへったくれもないくせに、いざ交わるとなればまるで生娘のようになりよる。

河童「ん~、それじゃ主様、いーっぱい、飲ませてけろ…… んちゅっ」

浪人「うおっ……」

十分に大きくなったと判断したのか河童が俺の一物を口に含んだ。

しかし相変わらず小さい口だ。呑み込むのとて一苦労だろうに……

河童「じゅっ…ちゅっ、んぢゅ……んふ」

なんとか俺のモノを口の中に収めると河童は唇を窄めて尺八をかましてきた。

懸命に竿をしゃぶってきおる…… うまいとは言えぬがなかなかどうして……

河童「んちゅっ、ぇろぉ…ぷはっ…… あるじさまのおっきいなぁ、くちんなかいっぱいになっちまう……」

河童めの狭い口の中で己の一物が更に大きくなっていくのを感じていたその時だ。

妖狐「ふふん、感じだしてきたのでしょう……?」

悔しいが狐の言う通りであった。

先ほどまでは何とも言えぬ心地であった乳首への刺激が明らかな快感へと変わっていた。

河童の尺八と狐の指が這うのがまるでつながっているような……

河童「じゅずっ、んはっ、あるじさまの、あじ、くちんなかひろがってぇ…… たまんねぇ…んじゅ」

妖狐「我が主様の魔羅を慰めておったならもっと良くすることもできるんじゃがの。どれ、歯も使うか」

浪人「んぶぅぅっ!?」

強く吸われたと思えばすぐさま乳首の先端を噛まれた。

一瞬痛みが来るものの、その後優しく労わるかのように舌が這いずり回るとそれがたまらなく気持ちいい。

いつしか歯を立てられる痛みすら心地よく……

鬼「ぷはっ、……おい、こっちにも集中しろ!」

浪人「む、無茶を言うな!くそっ……、んぶっ!?」

ムギュッと唇を強く押し付けられる。

舌の根元や裏側まで味わい尽くすかのように鬼の舌が貪りついてくる。

もっと舌を絡ませてこいと鬼が熱い視線を俺に送りつつ、息が苦しくなるくらいに積極的に口の中を舐め回す。

男勝りな鬼が見せる雌の貌と漂わせてくる女の匂いに応えてやらねばと俺は乳房を揉んでやった。

鬼「ん、んんふぅ、あむ……んぐっ」

河童「う…んっ、ぢゅずっ……ふむっんんう……」

妖狐「ん、れろっ、ぬりゅ、れろぉ……」

三者三様に俺を求めて舌を蠢かせている。

鬼は俺に胸を弄ばれつつも必死に口を吸い、河童は俺の一物を味わいながら自身のの股間を弄り、狐は俺の乳首を舐めつつもう片方を指で弄ってくる。

しかし、その…… ええい、もどかしい!

鬼めの接吻如きで気をやるなどできるはずもなく、狐めの弄ってくる乳首もそこまでのものでなし。

肝心要の一物は河童の拙き舌使い、腹の奥底の迸りを解き放つには余りにも物足りぬ。

とりあえずは鬼めを啼かせて大人しゅうさせることにした。

鬼「んぁ、んれる、んちゅ…おむ、んむぅうう!!?あはっ、や、やめっ、指やめろぉ!」

案の定しとどに濡れていた鬼の秘所は俺の指をすんなりと受け入れた。

身体を重ねるうちに覚えた此奴の泣き所を弄り回しつつ小さな豆を親指の腹でやんわりと押し潰してやるとすぐさま喘ぎだす。

鬼「あっ、ああぁ!あぁ、はぁぁぅ、な、なかひっかくなぁ!あはぁっ…んふぅぅ……っ! な、なんれおれのよわいとこばっかぁぁ……っ」

浪人「こういうとき、貴様の身体は素直だからな。どこがいいのか、どうすれば悦ぶのかすぐわかる。ほれ」

鬼「んくぅ、またくちすいぃ…… んむぅううん、んふ、ちゅるっ、んちゅるるる……」

俺の指から身を捩らせて逃げようとしていた鬼だったが、好物である口吸いをしてやると程なく僅かばかりの反抗をとりやめた。

妖狐「およ、いつの間にやら蚊帳の外。どうやらお邪魔なようじゃの」

そう言って少しだけ名残惜しそうにしつつ狐が俺から離れた。

河童「むぅ…ちゅっ、んじゅっ、れるるる……じゅぽっ、じゅずずずっ」

しかし河童は俺の一物から口を離そうとはせん。

河童め、そちらに気を取られるなと言いたいのだろうが…… もどかしくてかなわん。

俺の気を自分に向かわせようとより激しく口を上下に動かしてモノを扱いてくるのだが、やはり稚拙。

さっさと一物を女体にブチ込んでやりたくてたまらないので、まずは鬼の気をやらせてやる。

浪人「じゅるるるっ、じゅず…… 逃げるな鬼め、舌を出せ」

鬼「……んん…んぁ」

口の中を舌で一層強く掻き回してやると涎が、秘裂に突っ込んだ指を掻き混ぜてやると女の蜜がにちゃにちゃと音を立てる。

気をやらせたくないのか鬼がふんばっているのが息遣いと膣肉の締め付けから伝わってきた。

しかしそうは問屋が卸さぬ、俺は止めを刺してやるべく舌に軽く噛み付くと肉の豆を抓んで強くひねってやった

鬼「ふむぅっ!?ふぐっ、ふむぅぅうううんんっ!!!」

陰所が指を強く食い締めてきよる…… 派手に気をやったようだ。

背を弓形に反らせながらブルブルと震えていた鬼であったが、暫くすると高みから戻ってきた。

鬼「くしょお…… ゆびなんかれいかされひまったぁぁ……」

浪人「あとでかわいがってやるからそのまま大人しくしてろ。狐もな」

妖狐「仕方ありませんの……」

今だ呂律の回っていない鬼を傍に転がしつつ狐に釘を刺す。

俺が今一物をブチ込んでやりたいのはこの二匹ではなく……

浪人「河童」

河童「んちゅるっ…… ふぇ?」

浪人「よっ、と」

河童の身体をひょいと持ち上げる。

身体付きはまるで童のようで至極軽いくせに、女の部分は熟しておるのが奇妙である。

河童「ああ!?主様、まだ精を飲ませてもらってねぇだ!」

浪人「すまんな河童、懸命に奉仕してくれるのは嬉しいし、気持ちよいのはよいのだが少々昂ぶり過ぎておってな?」

河童「あ、主様?」

浪人「悪いが貴様の尺八は今の俺にはもどかし過ぎる。自分でも弄っておったようじゃし、陰所もすっかり濡れておろう?」

河童「あうう…… ばれとったべか……」

浪人「ああ、それとすまんが今宵俺は貴様らを思い切り善がらせ啼かせたいのだ。構わぬだろう?」

河童「……しょうがねぇなぁ主様は。いいべ、オラの腹ン中にたっぷり出すとええ」

浪人「すまんな……っと」

自分で弄っておったせいで河童の秘所は十分に湿りを帯びていた。

ぐいっと亀頭を押し付けるとその入り口は普段の小ささからは信じられん程に広がり、ずるりと一物を飲み込んだ。

河童「んぁぁ…… ふ、太くて、お、おっきいなぁ……あうっ」

浪人「くうっ…… いつもながら何という狭さとキツさか。ようも俺の逸物が全て入るもんだ」

河童「んぁっ、は、腹がもう、パンパンだべ…… なぁ、気持ちええか?主様ぁ……」

浪人「ああ、たまらんな…… 動くぞ」

両手の指ではきかん程に交わってはいるものの、やはりこの体格差は些か不安になる。

ゆさゆさと弱めに腰を揺らしてやると河童は気持ちよさそうに溜息を洩らした。

河童「ふぁぁ…主様のチンチンが…… 奥まで届いてるだぁ……」

顔立ち、声色、小柄な体躯…… どれも稚児のようだというに身体はしっかりと女なのがやはり不思議だ。

段々とこなれてきたのか一物と陰所の間から蜜がだらだらと漏れてきた。

もういいだろう、俺は河童の腹の底を勢いよく突き上げた。

河童「んひゃああっ!?」

奥の方をガンガン突いてやると河童は声を上げて乱れ、腰をくねらせながら悶える。

突き上げるたびにグチャグチャと濡れた音を立てる陰所の肉が収縮し、俺のモノを締めつけた。

河童「お、おかしくなるぅ…… んはぁ、あ、あっ、あんっ」

浪人「小ぶりではあるが突き上げるたびにしっかり揺れるのぉ、どれ……」

河童「あんっ、あ、主様いっつもそれだ。おっぱい好きなんけ?」

浪人「大好物だ」

河童「んぁっ、あっ、で、でもっ、オラのは、みんなにくらべて…… ちいさいだ……っ、んんっ」

浪人「乳の大きさに優劣などあるものか、俺は乳ならどのようなものであろうと好きだ」

先ほど弄っていた鬼の乳と違い鷲掴むことなどできもせん大きさだが、揉んでやれば十分すぎるほどに触り心地がよい。

手の平で軽く押し潰すようにしながら固くなっておる乳首をズリズリと擦ってやると河童が可愛らしい悲鳴を上げる。

河童「んやぁ、主様ぁ、さわり方やらしーべ…… んっ、んふっ」

浪人「やらしさ抜きで乳を揉める男など居るかよ」

乳をこねくり回される快感も合わさったのか河童の身体の反応が変わってきた。

この感じ、どうやら河童めの絶頂が近いようだ。

河童「あ、あ、あっ、主っ、様ぁ!」

浪人「すまんすまん。貴様は奥を突くとすぐに気をやるのであったな」

河童「……ふぇ?」

浪人「あんまりすぐにイッてしまっては楽しくなかろう?もそっと虐めてやろう」

河童「ふやぁん、あるじさまぁ……」

浪人「そして何より俺がまだイケそうにない。もっと楽しませてくれよ」

河童「んやぁ、あっ、主様のいじわるぅ…… んっ」

浪人「何を言いおる、その『いじわる』をしてほしいのだろうが」

再び緩慢に腰を動かす。

河童は気持ちよさそうに蕩けた笑みを浮かべているが、その目はまだまだこんなものでは物足りぬと言っているようだ。

河童「あん、入り口ばっかりぃ……」

浪人「身体が小さいだけあって締め付けがキツくてええのお」

河童「ふぁぁ、主様ぁ、なんかせつねぇだぁ、もっと、もっとぉ……」

ウネウネと河童が腰を蠢かせる。

何度も交わってきたせいか、河童がこんなにも艶めかしい動きをしてくるとは……

浪人「いや、まだ足りん。我慢せぇ」

河童「は、んくっ、んんっ……」

尚も入り口の浅いところをゆっくりと内側の肉を削るような責めを続ける。

しかし、そういつまでも続けられるはずもなく、絡み付いてくる肉襞から与えられる快感で俺の一物が熱く火照ってきた。

浪人「くっ…… そろそろいいか……」

俺の我慢も河童の我慢も効かなくなってきた。

乳房から手を離し腰の辺りを掴むと、俺は一物を勢いよく河童の一番奥に叩き付けた。

河童「んぁああっ!!あぅっ、もっろ、もっろ奥まれぇ…… あんっ」

浪人「よいよい、思いっきり突いてやるわ」

河童「ま、まだだ、足りねぇっ、主様もっと奥まで……っ」

浪人「貪欲じゃのう…… よぉし、覚悟せいよ」

河童「やぁっ、あっ、主様が、オラん中でっ……暴れて…ひぁぁっ!」

河童「はふぅっ、あっ、あ、はぁぁ……んんっ!」

浪人「甘い声を出しおって……ッッ」

河童「ひにゃ、あ、あひっ、んん、んぁ! そこっ……んひぃ!!」

浪人「うぉっ、中がうねりよる……ッ」

河童「はぅっ!?うっ、主様っ…… くはぁっ、あるじさまぁ……!」

浪人「くっ、いいぞっ、もっと締め付けろ!」

河童「あんっ、あ、あっ…… ふゃあんっ!!おら…おらぁ……っ」

浪人「出すぞ…… 貴様の腹の奥に出すぞ……!」

河童「ひゃぅぅっ!んんっ、あ、す……すげぇぇっ、腹ン中でゴリゴリって……ひぁぁああっ!」

浪人「ぐっ、ぐぉおおっ!!」

ビクンと背筋を仰け反らせ、河童が果てた。

それと同時に齎された河童の柔肉の激しい痙攣に俺もたまらず精を吐き出した。

河童「ふわぁあああっ!あっ、ああ…… 熱い……」

浪人「まずは……一発といったところか」

三匹がかりで焦らされに焦らされたからか。俺の吐き出したせいはかなりの量であった。

河童の膣は全て飲み込もうと懸命に口を開いていたが、小さな中に収まりきるはずもなく隙間から白濁がどろりと垂れ落ちた。

河童「主様の…熱いの…… オラん中にいっぺぇ入って…… はぁぁ……ん」

満足そうな笑みを浮かべて河童が自身の腹を撫でている。

だが、俺の一物はまだまだ満足してはおらんかった。

浪人「……さて、と」

河童「あんっ…… はれ?主様の、オラの中でまだ固ぇまんまだぁ……」

浪人「おう、まだまだ出し足りぬ。もう一戦交えてもよいか?」

河童「ええぞ。オラ、気持ちいいのは大好きだ。でも……」

浪人「でも?」

河童「主様は、もぉっと大好きだ!!」

浪人「……ははっ、愛い奴よのぉ貴様は」

河童「あはっ、主様がまたオラの腹の底まで届いてる……」

浪人「む…… 先ほどよりずっと熱を持っておるな」

河童「あ、主様のもさっきよりぃ…… んんっ!おっきぃだぁっ」

浪人「折れた刀で戦などできるもの、かよっ!」

腰を強く叩き付けるとばちゅんという音とともに河童の蜜と先ほど出した俺の精が混ざった液体が飛び散った。

一度気をやってこなれたのか河童の中は先ほどよりも艶めかしく蠢き、思わず我武者羅に腰を振ってしまう。

河童「つ、強すぎるだっ!あっ、ひああぁん! あ、主様ぁ、お、オラ壊れちまうだ!!」

浪人「そう簡単に壊れはせん」

河童「あっ、そ、そんなこといったってぇ…… ひぁああっ!!」

河童「いいっ、きもひいぃ…… あるじさまのちんちんでつかれてぇ、いひっ!!」

浪人「どうだ?どこがよいのだ?どうされるのがよいのだ?」

河童「わ、わがってるくせにぃぃ……! んひぃっ!!そこっ、そこらめぇ!!?」

浪人「そうかそうか、ここか!」

河童「あっ、ふぁっ、あぁっ、あひぃ……らめら、こんな……もうっ!」

襲い来る快感から逃げようとしているのか河童の手が空を切る。

しかし、此奴を逃がすつもりなど俺には毛頭ない。

小さな腰を強く掴み、それ以上に強く俺のモノを寸分の隙もなく河童の柔肉に叩き付けた。

河童「あひゃぁぁぁっ、いっ、いっくぅぅううう!!!」

一際甲高い声を上げてとうとう河童は俺の眼前で二度目の絶頂を晒した。

しかし繋がったままの淫肉はヒクヒクと蠢き、また精液を寄越せと言わんばかりに俺を誘ってくる。

これに応えぬは腑抜けのすることだ、俺は先ほどよりも更に速く腰を動かした。

河童「はぁぁっ!?あ、あるじさまぁ、オラまだイッたばっかでぇ……んひぃっ!!」

浪人「何を言う、貴様のここはもっともっと欲しいと泣いておるぞ!」

河童「ふひぃぃいいっ!ま、またあるじさまがよえぇとこさずんずんって、ずんずんってぇ……くるぅ!!」

浪人「いいぞ河童、きつさが弱まって熱い肉が吸い付いて絡み付いてきおる……!!」

河童への気遣いなどとうに失せていた。

此奴の腹の底を突き破らんばかりに我武者羅に突く。

河童「あっ、あ、ひぁっ!ああっ、ま、まらイクッ、イグゥゥ!!」

激しい突き込みに河童はあっさりと絶頂を極め、俺の一物に柔肉がより淫らに絡み付いてくる。

まだまだ河童の女を味わうべく腰を動かし続ける。

幼い童のような顔の河童が成熟した雌の痴態にいよいよ俺の昂ぶりも二度目の頂点を迎えつつあった。

浪人「ぐ…… 出すぞ河童!こぼさんように気張れよ!!」

返事を待たずに最後の攻勢に打って出た。

河童「んあぁっ!あぅ、ふっ、うぅんっ、っは、はぁ、はあぁ、ああっ!!」

河童めは最早意味のない言葉しか洩らせぬようだ。

快楽に乱れ泣く河童も貌と肉を味わいながら俺は――――

浪人「くっ…… 出るっ!」

河童「ひぃぁぁぁああああ―――――っ!!!」

子種を河童の腹の中にぶちまけた。

河童の子を成すための肉が吐き出された精液を飲み下さんと必死に蠢く。

しかし、すぐに限界を迎えてしまい飲み干せなかった白濁を逆流させる。

河童「あひっ、は、あぁ……」

恍惚の表情を浮かべる河童はもうまともな意識は残されていない様子であった。

浪人「……ふぅ」

鬼「へへっ、じゃあ次は俺の番だな」

乾く暇なし、といったところか。

次は鬼の相手をしてやらねばならん。

浪人「まぁそうなるが、もそっと色香は出せんのか?しなくらい作ってみせい」

鬼「そーいうのは俺の柄じゃねーよ。お前もわかってんだろ?」

浪人「まぁな。しかし偶にはそういうことをしてみても」

鬼「ごちゃごちゃうるせーな。やることは変わんねーだろ……」

鬼の張りのよい柔らかな乳房が俺の一物を挟みこんできた。

むにゅむにゅとまとわりつく肉の感触がたまらない。

鬼「ほら、河童にゃできねぇ紅葉合わせだ」

浪人「乳の大きさは貴様が一番だからな」

鬼「これ以外使い道がねーけどな……っと」

浪人「大は小を兼ねると聞くぞ?」

浪人「ふーん…… ま、どうでもいいや。そんなことより今はこれだろ?」

ペロリ、と鬼の舌が亀頭の先を軽く舐める。

続けて河童の淫水と精液に濡れた亀頭全体に丁寧に舌を這わせてきた。

鬼「ちゅっ、ちゅるるる…… んふふ、これも貴重な力の源だ」

嬉しそうにピチャピチャと音を立てながら鬼は亀頭を舐め回す。

しかし、相変わらずどうにもわからん。

なぜこんなものが、俺の精が此奴らの糧となるのか。

化け狐曰く、命そのものを喰らうのが妖怪だとか。

鬼「他のこと考えてんなよ…… れろっ、んちゅ」

頭に浮かんでいたよしなしごとが鬼の舌から伝わってきたむず痒い快感で隅に押しやられる。

浪人「そうか、ならばそろそろ乳も使え」

鬼「あいよ」

自身の大きな胸に手を添えると、鬼が乳房で一物を擦り上げてきた。

俺に悦を与えようと乳肉がむにゅりむにゅりと形を変える。

乳が動くたびに青肌に滲んできた汗と鬼の唾液、そして先ほどの行為の残りが竿に塗りたくられる。

鬼「ちゅぱっ、ふむぅ……ちゅずっ、えろぉ」

初めての頃はぎこちなかった舌と乳の動きだったが、今ではそれなりの腕にはなったようだ。

激しくした舌の動きに合わせて乳肉の擦りつける動きも淫らなものに変わっていく。

もっとも、狐のそれには遠く及ばぬが。

同時に動かしていた乳房を右と左交互に動かして鬼がまた一味違う快感を与えてくる。

鬼「んはぁ、はぁ、はぁっ、はふっ、んちゅぅぅう…… くぅぅん!」

乳を捏ね回しているうちに鬼めも感じてきたようで息遣いが荒くなり始めた。

先ほど啼かせてやった時のように瞳は潤み、乳首は固く尖っている。

それをちょいと抓んでやると――――

鬼「ひゃぁぁああんっ!?い、いきなり抓むな…ぁ……っ ひっ、ひぃィィンッ!!」

全身をわななかせながら鬼がはしたない声を上げた。

鬼「く、くそっ、邪魔すんじゃねぇよ!このままイカせてやるから!!」

浪人「いや、このままでは物足りぬ」

俺の一物は固く天を衝いているものの河童相手にたっぷりと精を吐き出した後である。

さらに言えば、拙き手練では早々子種を出せるわけも無し。

鬼「なんでだよ……!」

浪人「なに、貴様の泣き顔を見るまでは意地でも出す気がないだけのこと」

鬼「そうかい、わかったよ…… そんなら逆に俺がお前を泣きっ面にしてやるよ」

そう言って鬼は勢いよく立ち上がるとついさっきまで一物を挟んでいた乳肉を弾ませながら跨ってきた。

蜜をとろとろと垂れ流す淫処の入り口に亀頭を触れさせると鬼はズブリと一息に俺のモノを飲み込んだ。

鬼「はぁっ、ああ、はっ、くぅぅ…… あぁあああああ!」

俺を泣かせてやるとはどの口が言うたのか、一物を銜え込んだだけで鬼めは甘く蕩けるような声を漏らす。

軽く身を震わせているその様は明らかに俺以上に感じておった。

鬼「ぜ、全部、入った…ぞ……」

大きく開いた鬼の股の中心に一物が深々と突き刺さっているのがよく見える。

中心から上の方を見やると、既に息も絶え絶えで余裕など欠片もない雌の貌があった。

鬼「へへっ、覚悟しろよ……!」

強がりをひとつ言って鬼が腰をゆっくりと前後に動かしてくる。

鬼「はぁ、あんっ、ど、どうだ?キュウキュウ締めつけてきて……んくっ、たまんねぇだろ?」

溜まらないのは鬼の陰所の方で繋がったところの隙間から愛液が滲み出ている。

鬼の腰の動きに合わせてぐちゅぐちゅと粘ついた水音を響かせているのだ。

徐々に鬼の腰が浮き上がり、肉棒を扱く動きが大きくなっていく。

鬼「んぁっ、ああっ!あはっ、は、腹の中が…掻き出されそっ…… っは、あぁんっ!!」

頬を真っ赤に染めながら悦の入った顔を浮かべる鬼。

淫水に塗れた一物を空気に一瞬晒すとすぐさま淫穴の奥深くまで飲み込む。

熱くうねる柔肉がへばり付き、吸い付きながら竿を包み込み扱き上げる。

辛抱溜まらなくなった俺は鬼の腰が一番深くまで沈み込んだ時を見計らい、一気に一物で突き上げた。

鬼「ひぁっ!?あっひぃいっ!!」

突き上げられる衝撃が脳天まで響いたのか、鬼が背を仰け反らせて驚愕と喜悦の叫びを上げる。

目を白黒させていた鬼だったが、しばらくすると気を持ち直したのこちらをキッと睨みつけてきた。

鬼「テメッ、何勝手に動いて……あぁんっ!お、大きくなったぁ!?」

浪人「俺を泣かせると言っておいて隙を見せる貴様が悪い。やるからには反撃の余地を与えるな、っと」

鬼「くぅん…… く、くそっ、俺がお前を犯してるんだぁっ!ひっ、ひぁぁ…… 俺がぁ…んんっ!!」

挑発が効いたのか負けじと鬼が腰を振り動かし主導権を握ろうとしてくる。

奥底まで貫いていた一物が半ばまで見えるぐらいに引き抜くと、グッと腰を下ろし一気に腹の中に仕舞い込む。

怪力の持ち主ゆえか、肉棒を扱いてくる柔肉のキツさは河童の中の狭さによる締め付けとはまた違うものだ。

鬼「ほらっ、あ、でたりっ、はいったりぃぃ…… これが、んぁっ、いいんだろっ!」

上下に激しく腰を振り動かし、淫水の飛沫をそこらに撒き散らす鬼。

俺を追いつめるためなのだろうが、追い詰められているのは自分自身というのが何とも滑稽だ。

鬼「はひぃっ、ひっ、はひぃぃん……っ!ふぁぁ、ああっ、あああっ!!!」

どうやら鬼めは俺より先に限界を迎えそうらしい。

辛そうなその姿を見かねて今一度腰を動かして淫らに蠢く肉壺の一番奥を思い切り突いててやった。

すると鬼の膣肉がギュウウウと締まり、銜え込まれた一物が危うく潰されそうになる。

それと同時に鬼の身体がビクンと跳ね――――

鬼「あっっ、ああッ! あっあっ、あっッ、ああっ! あッあッあアァアアアッ!!」

尿のような透明な飛沫を派手に吹き出し声を裏返させながら気をやった。

膣襞が出てもいない精液を飲み下そうと本能的に蠢いている。

脳髄まで快感に焼かれてしまったのか鬼の口はだらしなく開き切ったままで涎まで垂らしていた。

鬼「ひぅぅ…… あっ、はぁ…… ちくひょぉ…なんれおれだけぇ……」

暫しの間を置いて絶頂の高みから鬼がようやく帰ってきた。

精を出さなかったのが余程気に入らなかったらしく呂律の回らない舌ながら俺を責めてくる。

浪人「まぁ、河童にも言うたが今宵は貴様らを存分に善がり啼きさせたくてな」

鬼「んくっ、……んぁ?」

浪人「すぐに出してしまっては貴様の啼き顔を満足いくほどには見れぬだろ?」

そう言いながらまだまだ固くそそり立っておる己が一物で鬼の柔らかな膣肉を擦り上げる。

鬼「ひぁっ!?ま、まれ!待っれくへぇ!まだ奥が痺れてて……」

浪人「言ったであろう?存分に善がり啼きさせたいと……な!」

鬼「かっ……はっ…………はぁああっ!!?」

ズンッ、と音がしそうなほど力強く鬼の雌の象徴を深く突き上げる。

その衝撃で肺の中の空気を無理矢理押し出されたか鬼が声無き嬌声を上げた。

軽くイッてしまったらしく膣肉がヒキヒクと痙攣しつつも肉棒に吸い付き貪欲に精を欲している。

浪人「全く助平な陰所だな、貴様一体何本の逸物をその股座に銜え込んだのだ?」

鬼「そ、そんなっ、してなっ、いぃ、ひっ、お、お前のだけだよぉっ!」

浪人「そうであったそうであった、貴様も河童と同じで俺とまぐわうまで生娘であったな!」

鬼「いっ、いうなぁっ!!」

浪人「俺と狐のまぐわいを見ただけで顔を真っ赤にしとった奴が、今ではこんな助平になりおってからに!」

鬼「いうなぁっ!あっ、ああっ……!!!」

言葉で責めてやると面白いほどに陰所をヒクつかせる鬼。

こうも淫らな反応を返されるとさらに虐めてやりたくなってしまうではないか。

浪人「俺の一物で貴様の腹の底まで貫かれるのがたまらないのだろ?ええ?」

鬼「しょ、しょんなわけぇ…… はぁっ、ああんっ!な、ないぃぃいんっ!!」

浪人「よし、ならば終いにするか」

鬼「ひぁんっ、あ、はぁっ…… ふぇ?」

膣肉を抉る腰の動きを止めてやると鬼が不思議そうな目でこちらを見てくる。

そしてすぐに俺の意図に気付いたのか、顔どころか耳まで真っ赤にさせた。

浪人「コイツで突かれたところで別に気持ちよくないのだろ?」

鬼「ひぁっ!?」

少しだけ動いてやるとあっさりと甘い喘ぎを漏らすが、先ほど自分だけ気をやらされた怒りからか意地でも自分から突いてくれと言おうとせぬ。

このまま鬼が落ちるのを待つのもよいが、それだけの間俺も焦らされるのは正直辛抱がきかん。

ならば、どうするか―――――

浪人「仕方あるまい、こうなれば貴様がつまらぬ意地など張れぬよう徹底的に責め抜いてやるわ!」

鬼を素直にさせる為、また己が快楽を求めんが為、膣奥をガンガンと突き上げてやる。

腰を叩き付ける度に、パンパンと小気味よい音を立てながら張りのある鬼の丸尻が波打つ。

鬼「あ、あっ、ああっ!…も、もぉらめっ、らめらめらめぇっ、んぅううっ、ふぁあああッッ!!!」

三度目の強い絶頂が近づいてきていることを俺に教えるかのように、鬼の柔肉がキツく締まり全身の筋肉が強張る。

これ以上精を我慢させるのは流石に不憫に思い、己が一物に射精を促さんと膣襞を激しく抉り穿つ。

すると、俺の腹の上で鬼めが豊満な乳房を千切れ飛ぶかと思うほど上半身をくねらせ腰を跳ね動かした。

鬼「ふやぁぁああっ!!ち、チンチンふくらんでる、ふくらんでっ、るぅぅ……んひぃぃぃいいっ!!」

俺の射精が近いことを鬼も感じ取ったのか喜悦の声を上げると共に柔肉が一段と激しく痙攣し収縮する。

浪人「ぐ…… 出るっ、出るぞ…… おおっ!」

鬼「んひゃあ、ああっ、あ、だっ、だせっ!はやくだせぇえええっっ!!っはぁん、ふぅぅううんッ!!!」

もう互いに辛抱溜まらんようだった。

深く強く繋がり合ったままで、昂ぶる快感に身を任せた。」

浪人「ぐぉぉおおおっ!!」

鬼「あぁぁあああアアアアアアッ!!で、でてる!んぁぁあああァアアアアアアッッ!!!」

獣のような雄叫びを上げ、鬼が絶頂を極める。

吐き出された精液を子宮まで送り込もうと鬼の膣肉が別の生き物のように激しくうねる。

浪人「ぐぬぁああっ!!?」

これには溜まらず次の精まで吐き出してしまった。

鬼「はひっ、ま、またぁあああっ!!またでてるぅぅううんんんッッ!!!」

膣奥に雄の精を注ぎ込まれる快感にその身を委ね、喜悦の笑みを浮かべながら乱れる鬼の姿は美しくささえ感じるものであった。

快楽に咽び泣く鬼であったが、もはや受け止めきれるだけの気力がなかったのか痙攣を続けている身体を俺に預けてきた。

鬼「はぁっ、はあ、ああっ…… はら、いっぱい、いっぱいだぁ……」

俺の腕に抱かれながらイキ過ぎてぐったりとしながら幸せそうに頬を緩ませる鬼。

しかし、鬼には悪いが狐にも精をくれてやらねばならん。

秘裂から一物を抜き出すと鬼の身体を横に転がす。

蓋代わりになっていた肉棒が抜けたことで陰所からは精と蜜が混ざりあった白濁がこぽこぽと溢れだしていた。

よく見ると、今宵はまだ一度も弄っていない尻穴がうっすらと口を広げヒクヒクと蠢いていた。

浪人「何と淫乱な尻穴よ…… ここにも精が欲しいのか?」

軽くからかってやるつもりであった。

だがしかし、呆けておったはずの鬼めは何と自ら腿を抱えると尻穴を見せつけてきおった。

浪人「……そうか、そうかそうかそうか。こちらにも欲しいのだな」

コクリ、と鬼が無言で頷く。

俺は今も尚硬さを失わぬ怒張を鬼の肛門へと押し当てた。

期待に震え吸い付いてくる菊門に応えてやるべくメリメリと尻穴を押し広げ貫いてやる。

鬼「ひっ、い、いぃ…… け、ケツに主様が入って、くる……うぅっ」

前の穴から先ほどの精を垂れ流しながら尻を穿たれる感覚に鬼が身体を痙攣させる。

既に数えるのも馬鹿らしいほど俺と交わったことのある鬼の菊門は一物をすんなりと奥まで受け入れた。

根元まで突き入れてやった竿に絡み付いてくるのは膣とはまた違う味わいの腸肉。

膣肉以上の強烈な圧迫感と締めつけを齎すそこは容易に一物を離してはくれぬようだ。

肩で息をしながら鬼が腰をゆるゆると動かし出した。

切なげな吐息が言葉以上に鬼の心の内を、早く突いてくれと伝えてきおる。

ゆっくりと腰を引き、またゆっくりと腰を押し進める。

腸壁をやんわりと擦り上げられた鬼の乳がたぽたぽと波打ち、甘い声が漏れる。

鬼「あっ、ああっ…… んっ、ああっ…あっ……」

己の尻の中は先ほどの交わりの火照りが引いていないのか、とても熱くうねっている。

少しずつ腰の動きを速めていくと、甘い声は淫靡な喘ぎへと変わった。

鬼「ひあっ!やあぁ…かふっ…… へあぁっ……くぅうんっ!……はふぅうっ!!」

プルプルと跳ねる乳房を見ているとどうにも弄り回してやりたくなる。

柔乳を両手で鷲掴むと俺の指に青肌が吸い付き、いやらしく形を変えた。

鬼「んっ、ふぁ、あっ、ふぁあ…… んぅぅ…あっ、あ、あぁんっ!」

駄々をこねる幼子のように鬼がいやいやと頭を振る。

尻肉をグリグリと抉られ、乳房を捏ね回されてどうしようもない悦びを感じているのであろう。

もっと悦ばせてやらねばと、尻汁を泡立たせるくらいに速く激しく腰を前後に大きく動かす。

鬼「ふぁああアアアアッ!?さ、さっきよりもっ…奥っ……奥までぇぇっ!!」

先ほどよりも奥まで突き上げると鬼の尻肉が更にぐにぐにと蠢き、肉棒を扱いてくる。

反対に腰を引くと、今度は一物を尻の奥に引きずり込もうと菊門がうねりついてくる。

鬼「んひっ、ひっ、んひぃぃいいっ!!」

涎を垂らし、目には涙を浮かべて身悶える鬼。

突く度にギュウギュウと肉棒に絡み付くり尻肉が、鬼めがどれほど快楽を感じているのかを伝えてくる。

その強い締め付けと圧迫感に腹の奥底で煮え滾るものが疼き始めた。

尻穴から抜け落ちそうなくらいに引いた腰を一息に押し戻しゴリゴリと腸奥を抉ってやる。

鬼「ふぐぅぅううううっ!?んっひぃっ、んぁぁあああアアアア!!!」

一番善がるところを刺激された鬼が歓喜の叫びを上げた。

その返礼とでもいうように腸壁がうねり、一物に絡み付きながら締めつけながら扱き上げてくる。

溜まらず俺の肉棒もビクンと跳ねた。

鬼「んぁっ、はっ、な、なかであついのがっ!はねてぇっ…… はぁぁああんっ!!」

それを尻肉を通して感じたのか鬼が背を戦慄かせる。

精をぶちまけられることを期待して菊門がキュウキュウと締めつけてくる。

浪人「しかしなんとはしたない尻穴か…… 俺以外の逸物でも悦んで食らいつくのであろうな。一度試してみるか?」

鬼「んあっ、あ、や、やらっ!そんなのやらぁぁああっ!!」

浪人「どうしてだ?」

鬼「あ、あるじさまじゃないやつなんてっ、やらぁ!あるじさまがっ、ひぃいいっ!!」

浪人「ははっ、心配いらんぞ!俺以外の男には指一本触れさせんから、安心して尻穴で果てろ!!」

さらに熱く滾り始めた劣情に任せて腰を振り動かす。

鬼の尻の奥を只管突いて突いて突きまくってやる。

鬼「ひっ!?ひぃっ、もぉ、だめっ、だめ、っだ、いっちゃ、いっちゃぅうウウウッ!!」

鬼が尻穴をビクビクと痙攣させる。

菊門の締め付けてくる間隔が短くなり、肉棒を圧迫する力も一気に強くなる。

今際の際を思わせる激しい尻肉の蠢きに俺の昂ぶりもいよいよ限界が近づく。

鬼「……ひうっ」

唐突に身体から力が抜けたかのように鬼の全身が弛緩した。

だが、すぐにブルブルと震え出し、鬼の尻が万力のように俺の一物を締め付け――――

鬼「んぁああっ、ああぁアアアアアアアアーーーーーッッ!!!」

獣のような――――しかし、雌の悦びに塗れた――――咆哮を上げて鬼が盛大に絶頂した。

全身が淫肉となったかのような淫らな締め付けに俺も溜まらず鬼の尻奥に熱く煮えたぎった精を注ぎ込む。

鬼「あぅぅ…… れてる、れてるぅ………うぅっ、んひっ」

俺の放った精が余程美味かったのか、尻肉が大いにうねり奥の方まで飲み込もうとする。

鬼はというと蕩けた笑みを浮かべてだらしなく口を開いたまま肛門絶頂の余韻に浸っていた。

腰をゆすって竿に残っていた最後の一滴まで絞り出し、肉棒を鬼の尻から抜こうとした正にその時。

鬼「ふぁっ、ああ…………」

己の菊の花がキュッと窄まり、一物を逃がすまいと吸い付いてきた。

浪人「うぬ、なんと淫乱な尻穴よ…… まだ精を欲しがっておるわ」

鬼「ふぇ……?ひゃぁんっ!?ま、まっれ、おれまらイッてぇっ、んひぃっ!!」

浪人「貴様の尻がもっともっとと吸い付いてくるのだ。応えてやらねばなるまいよ」

鬼「あ、ああっ、な、なんれかたいままぁ!あっ、ヒゥゥッ!!

こうなってしまっては仕方ない。

俺は鬼の尻が満足するまで奥をついて突きまくってやることにした。

―――
――


浪人「……ふぅ、やっと満足したか」

鬼「あはぁ…… あ、んっ、んふぅ……あるじ、さまぁ…………」

吸いついて離れようとしなかった鬼の尻肉がようやく一物を開放した。

普段はキュッと閉じている菊門はぽっかりと口を開け、白く濁った汁をどろりと垂れさせている。

その淫靡な光景に結構な量を出したにも拘わらず、肉棒がまたも雄々しく天を仰ぎながら聳え立つ。

妖狐「……鬼をも参らせる腰遣い、いやはや末恐ろしいですなぁ主様は。河童も伸びたまま目覚めませぬし」

今まで傍にじっと控えていた狐が口を開いた。

半妖の河童はさておき、体力自慢を誇る鬼を腰砕けにさせてしまうのは己のことながら確かに恐ろしい。

まぁ、一番恐ろしいのはあれだけしょぼくれておった我が一物が一向に萎える気配を見せぬことなのだが。

久しぶりに良いものを食ったとはいえこれは少々、いやかなりおかしいのでは?

妖狐「これだけ女として悦ばされたのでは、我ら皆主様からますます離れられぬようになりますぞ?」

浪人「なんだ、貴様らが俺から離れぬのはそのせいだというのか?」

妖狐「勿論それだけではございませぬが…… 主様との交わりは女を骨抜きの腑抜けにしてしまいますゆえ」

浪人「その割には貴様はいつも随分と余裕がありそうだがな」

妖狐「ほっほっほ」

浪人「なんじゃその含み笑いは?」

妖狐「何でもありませぬ。さて、もう動くこともままならぬ哀れな鬼めは置いておいて……」

しなをつくりながら狐がスススッと近づいてくる。

妖狐「主様、我にご奉仕させてくださいませ……」

濡れた瞳の色っぽさと艶めいた唇が紡ぐ言霊の魅力に少しばかり気圧される。

浪人「お、おう」

妖狐「ふふっ、それにしても逞しゅうございますな。主様の身体は…… お着物で隠しておられるのが勿体無いほどに」

浪人「勿体無い?裸でうろつけとでも言うのか?」

妖狐「いえ、それで風邪でもお引き召されては一大事。ただ、我らの前でだけ見せてくだされば……んっ」

浪人「ま、またそこか!?」

狐の舌が乳首を舐め上げてくる。

程なくして俺の乳首が勃たせると、今度はもう一歩の乳首を口に含み、離れた方を指先で弄り始めた。

妖狐「乳首の快を主様の身体に覚えさせて差し上げると申したではありませんか?」

浪人「俺は了承しとらん」

妖狐「そう仰らず……」

そう言うが早いか、急に狐が乳首を抓り上げてきおった。

浪人「うぐっ!?き、貴様何をむぐぅぅっ!?」

文句の最中に狐に唇を奪われ舌も絡め取られてしまい、抗議の声を遮られてしまった。

妖狐「……ぷはっ、少し我慢してくださいませ、主様。その痛みがやがて……んふぅ」

口吸いを続けたまま狐が更に乳首を引っ張ったり捻ったりして痛めつけてくる。

男と言えどそれなりに敏感である乳首をこれほど無造作に弄ばれてはたまらない。

浪人「ぷはっ!はぁっはぁ…… 貴様、加減をしろ!」

妖狐「じゅずっ…… 申し訳ありませぬ。では腫れ上がってしまったここをこうして、れろっ」

浪人「うぬっ!?」

妖狐「んりゅ、れろれろ…… んむ、んんっ……」

赤くなった乳首を再び舐られたとき、今までとは違う間隔がゾクリと背筋を走った。

そしてまたカリカリと爪で引っかかれると痛みの中に確かな快感が混じっていた。

妖狐「ふふっ、なかなかよいでしょう?乳首を責められるのも……」

浪人「ぬぐっ、う、五月蝿いっ!!」

妖狐「そうですか…… まぁ、いずれは主様が乳首だけでもイケるようにして差し上げるとして」

浪人「やめろ、頼むから」

妖狐「残念じゃの。では。乳首を弄られてより大きく腫れたこちらを慰めると致しましょうかや」

狐は妖艶に舌なめずりすると俺の股間に顔を埋め、肉棒へと舌を這わせた。

水飴を絡めた棒を舐めるがごとく、実に美味そうに一物を味わう狐。

妖狐「じゅるっ、ふむぅ…… あれだけ河童と鬼を啼かせておいて、まだこれだけ大きいとは…… あむ」

舐めるだけでは物足りないのか狐は肉棒をぱくりと銜え込む。

妖狐「ぐぷっ…じゅるる…… ぷぁ、主様、気持ちようございますか?あむっ、むちゅ、んちゅうう」

浪人「うぅっ、あ、ああ…… よいぞ」

此奴の舌技は先の二匹とは比べ物にならぬ。

身体はすぐに熱くなり、一物から下腹を抜けて頭にまで快感が込み上げてくる。

俺の態度と言葉に気を良くしたのか、狐は貪るように喉の奥まで肉棒を銜え込んでは吐き出すという行為を繰り返す。

妖狐「んん、んぐっ、じゅるぅっ…… はぁっ、主様のは逞しくて、いつまでも舐めていたくなる程で…… 夢中になってしまいます、はぁ…れるっ」

ヌルヌルとした生暖かい唇と頬肉とで亀頭から根元まで激しく扱かれる。

その合間合間に舌が一物全体を這い回り、快感を与えてくる

妖狐「んふっ、そろそろ限界ですかの?主様の精、私に飲ませてくだされ…… んぢゅっ、ぢゅずるるるぅっ」

ズズッと一際強く啜り上げられた瞬間、あえなく狐の口の中で果てた一物は大量の精を放った。

妖狐「んぐううっ!?んぐっ、んっ、んっんっん……」

狐は嬉しそうに体を震わせながら精液をそれはそれは美味そうに飲み干していく。

妖狐「んちゅ、ぷはっ…… はああ…… 主様の精、美味しくて身体中に力が漲るようですじゃ……あぁっ」

精液を全部飲み下した狐は恍惚の表情を浮かべながら俺の臍へと舌を這わせてきた。

そのまま舌は腹から胸板、乳首へと這い上がっていく。

妖狐「ちゅっ、んちゅっ、主様っ、我の主様ぁ…… れるっ、んちゅっ」

愛おしむように俺を呼びながら狐は情熱的とまで言える舌使いで丁寧に愛撫してくる。

そして、顔を高騰させながら上目遣いで俺の目を見つめてきた。

妖狐「あ、主様っ、せ、接吻してもよろしいですかの?」

浪人「……好きにいたせ」

妖狐「主様!」

ぱあっ、とまるで花が開くような笑みを浮かべ狐が唇に吸いついてくる。

妖狐「んむ……んちゅぅううっ、じゅるる……ふむぅ、んちゅっ」

根元や裏側までも味わうように積極的に舌を絡ませ、口の中を余すところなく舐め回してくる。

口吸いの間は声を出せないからか、狐は熱い視線をこちらに向けていた。

献身的な狐の奉仕にまたも股間が熱く滾ってきてしまう。

妖狐「ふふっ、嬉しゅうございます。またこんなに大きくして……ちゅっ」

天を仰いでいた一物を再び咥えて、狐がゆっくり且つ丁寧に舌を絡ませた。

河童や鬼のように精を貪るような動きではなく、あくまで俺を悦ばせようとする濃密な尺八。

妖狐「あむ……ちゅぷ、ちゅぷ…… んふっ、ふぅぅ……」

いつしか狐は口と舌だけでなく胸まで使って俺に奉仕してきた。

大きさでは鬼に負けるもののその豊かさは見事なもので、柔肉がまとわりつく感触にて一物がさらに熱くなる。

淫らに形を変えながら乳肉が竿を擦り上げ、舌が亀頭や鈴口を撫で上げ、喉と頬肉が肉棒の奥にあるものを吸い上げる。

狐の手練手管から与えられる射精の時の激しい快感とは違う緩やかな喜悦はそれからしばらくの間続いた。

妖狐「――――ん、んくっ、んむぅ…… ちゅるっ、ちゅっ、ちゅるるぅ」

いつまでも味わっていたかったが、奉仕を受け続けていた一物はもうはち切れんばかりに脈打っていた。

妖狐「はふぅ、んっ…… そろそろらしたいのれひょう?んあ、魔羅が張ってきておられますぞ……れるっ」

悔しいが化け狐の言うとおりで、今すぐにでも熱く煮え滾った精をぶちまけてしまいたかった。

妖狐「んふふ、頂きまぁ~ふ…………ずずっ、じゅるるつじゅじゅぅぅうううう~~~~!!」

浪人「ぬぁっ!?……がああっ!!」

我が限界を見切った狐が肉棒を根元まで飲み込んで唇と頬肉と喉とで締め付けてきた。

そこから強烈に一物を啜り上げられてしまってはもう辛抱溜まらず、俺は狐の口の中で果てた。

妖狐「こんらにたくひゃん……んぐっ、ありがとうございまふ……んく、ごく、ごくごく……」

狐は顔をほころばせながら実に美味しそうに俺の精をゴクゴクと飲み下している。

しかし、それだけでは飲み足りないのか肉棒を再び吸い上げ、僅かに残っていた精まで貪欲に欲する。

妖狐「じゅちゅるっ、じゅるぅ……っと、これ以上は精どころか主様の生気まで吸ってしまいますな」

一物の中がすっからかんになったところで漸く狐が口を離した。

妖狐「あん、もったいない…… ん、んちゅっ、れるる……」

溜まりに溜まった快感の余波で常よりも大量に出て口元に溢れ出ていた精液をも指で掬い取り余さず舐め取る狐。

その何とも色気のある仕草と白濁で汚された狐の美貌を見ているうちにまたも節操無く一物が天を衝く。

妖狐「ふふふっ、主様の魔羅が女の肉を食らわせろと言うております……」

恍惚とした笑みを浮かべながら化け狐が俺の身体の上に跨ってきた。

狐の言葉通り、口だけでまぐわいを終わらせるなど言語道断。

陰所を味わわずして男児の立つ瀬があるものか。

妖狐「それに、我の女も主様の精を飲みたいと申しております…… よろしいですな?」

愛撫もしていないのにしとどに濡れた秘所からとろりと落ちた淫液が亀頭を濡らす。

そして一息ほどの間を置いて狐の蜜壺が俺の肉棒を銜え込んだ。

妖狐「はぁぁ…… は、入りましたぞ……固くて、熱くて、大きな主様の魔羅が……」

一物を根元まで受け入れた化け狐は全身を喜悦に戦慄かせ、白い肌を赤くさせる。

妖狐「ふふっ、我の中を全て埋め尽くしておられる…… では、存分に味わってくださいまし」

浪人「くっ」

きつい締め付けと熱く柔らかい肉の壁が一物を包み込む。

あらゆる方向から肉襞が快感を齎そうとして肉棒をねっとりと撫で上げる。

妖狐「あんっ…… まだ大きくなられるのですか……?では我も張り切らねばなりますまい」

言って狐が下っ腹のあたりに力を込めると、いきなり内側がグネグネとうねり出した。

秘処の中の細かい襞がかなりの勢いで蠢き、絡み付いてくる。

妖狐「んくっ、う、動きますぞ…… んんっ!」

狐が腰を百合動かすとぬめぬめとした感触が容赦なく一物の表面を擦り上げる。

妖狐「くふふ…… もっと、もっと我の内へ潜ってくるがよい……んふぅっ!」

情熱的でいて丁寧に、そして淫らに腰を振りながら一物を締め付けて俺に快感を与えてくる狐。

妖狐「ん、んんっ…… 主様ぁ…… これぐらいでいかがですか?気持ち良いですかや……?」

浪人「ああ、なかなかにいいぞ…… だが」

妖狐「んふぅ、ふぅ、わかりました。主様の好きなところを責めて差し上げましょう……」

そう言って狐が腰の動きを殊更に遅くする。

そして俺の方に倒れ込んでくると胸板に舌を這わせ乳首をチロチロと舐めてきた。

浪人「いや、待て、そこはそんなに好きでは……」

妖狐「本当にそうですかの?あふっ、我の中で、魔羅はピクピクと跳ねておりますが?」

今度は腰を振る速度を上げて、一物を出し入れする動きに緩急をつけてきた。

今までのまぐわいの中でツボを十分心得ている狐めは、様々な手管で俺を昂ぶらせてくる。

浪人「うぐっ、まずい、そろそろ…… ぬぁっ!?」

妖狐「はぁ、あっ、はぁっ…… たっぷり飲ませてくださいませ、主様ぁ……!」

射精が近いことを感じ取ったのか、狐の腰振りが荒々しく激しいものに変わった。

淫らに収縮し絡み付く肉襞の感触にあっという間に限界を超えさせられて、俺は思い切り化け狐の腹の奥底に精を吐き出した。

妖狐「ふぁぁあああっ!?ああっ!あ、入ってきております。主様の精が……我の腹の中にビュルビュルと……入ってきてぇ……あんっ」

尚も狐は腰を動かし続け、最後の一滴まで絞り上げてくる。

妖狐「んはぁ、はぁ、はぁ…… 主様の精が、我の身体に染み渡ってきておりますぅ……」

俺の射精が終わった後、狐は俺に跨ったまま恍惚としていた。

だがしかし――――

浪人「…………」

これだけ肌を重ねておきながら狐めはいつもどこか余裕のある顔をしている。

俺自身、どんな女でも悦ばせる程の腕前を持つわけではないがこれはどうにもおかしい気がしてならぬ。

妖狐「ふぁ、主様、どうされました?」

狐が不思議そうな顔で俺の目を覗き込んでくる。

妖艶な女でありながら無邪気な童女のような姿を見せてくる狐に例のごとく一物がいきり立つ。

しかし、そこを敢えて抑えて俺は狐めに問い質した。

浪人「……狐、貴様妙な術を使っとるだろ?何時も貴様は俺が全部絞り出すまで決して気を遣らぬ」

妖狐「……はて?」

浪人「それに河童や鬼を抱くようになってから気付いたのだが、貴様最後の方は焦らした時のように果てたくても果てられぬという貌をしておる」

妖狐「な、何のことですかの?ああ、そうじゃ!きっとそれは主様が快楽の熱に浮かされてみた幻ですじゃ!あは、あはは……」

一瞬目を逸らしたかと思うとすぐさま妙なことを捲し立ててくる狐。

此奴も熱に浮かされておるのかいつもなら軽くあしらってくるだろうに、今宵は明らかに慌てている。

これは好機、一気に追い詰めて何故化け狐はいつも気を遣る素振りを見せぬのかを暴いて見せよう。

浪人「何故だ?何故貴様ははいつも辛そうな顔をするのだ?どうして俺だけが気持ち良くて、貴様は気を遣らぬのだ?」

妖狐「そ、それは……」

浪人「何故だ」

言い淀む狐の腕を取って地面に押さえつけ、その目をじっと見据える。

繋がったままというのが些か滑稽だが、今はそんなことを気にしている時ではない。

暫しの時を経て、狐が徐に口を開いた。

妖狐「……主様のお気づきの通り、今までは術で快楽を抑えておりました」

浪人「……何故?」

浪人「我が己の快楽のみを求むれば、主様を気持ちよくできませぬので」

浪人「何を馬鹿な、貴様のような女を抱いて気持ち良くならん男などおるか。本当の理由はそうではなかろう」

妖狐「ですが、河童や鬼は男の悦ばせ方をまだ分かってはおりませぬ。ですから我がんんっ!?」

嘘ばかり言う狐の口に舌を入れて黙らせる。

一通り舐め回したところでもう一度強く狐を見据え、その真意を問うた。

浪人「本当のことを言え」

妖狐「…………」

目を逸らして押し黙る狐であったが、やがて観念したようにか細い声で答えた。

妖狐「……主様の前で気を遣ってしまえば醜態を晒してしまいます。その顔を見られたらきっと嫌われてしまう」

狐から返ってきた言葉を聞いて思わず拍子抜けした。

浪人「ははっ、何を言っておる。イキ顔を見たくらいで嫌いになるのなら今頃河童や鬼はここにおらんぞ?」

妖狐「ですが…… 我はあの娘たちより浅ましく卑しい貌を」

浪人「それがどうした?貴様の主はそんなことで貴様を嫌いになるような奴なのか?」

妖狐「そ、それは……」

もう一押し、と言ったところか。

狐のふさふさした毛に覆われた獣の耳に口を寄せ、そっと囁いた

浪人「……俺は一度貴様が善がり狂う様を見てみたい。俺の女が感じてるところを見たいのだ」

妖狐「ああ…うぅ…………」

化け狐はもういっぱいいっぱいという感じであった。

普段は余裕綽々といった態度の此奴もこういう顔をすることがあるのだな、と思う。

長い逡巡の後、狐は覚悟を決めた目を見せた。

妖狐「……では主様、術を解きます。ですが、どうか嫌いにならないでくださいまし」

浪人「ははっ、ますます惚れ込むかもしれんぞ?」

妖狐「もう、主様ったら…… では」

狐が何がしかの呪文のようなものをぶつぶつと呟く。

術を解くと言ったのでもっと何か光るとかそういうことがあるとか思っていたがどうやら違うらしい。

妖狐「……これで術は解けました」

浪人「そうか、どれ」

妖狐「あひぃぃいいいっ!」

軽く腰を動かしただけだが、狐はかなり大きな声を上げた。

妖狐「あ、いや、こんな声っ、はしたない……」

顔を真っ赤にして慌てふためく狐の様子を見るにどうやら演技ではないらしい。

一番奥を小突いてやると狐は大きく喘いで背の仰け反らせた。

妖狐「くひぃぃいいっ!あぐっ、あ、主様の大きいのが奥までぇ……あぁぁああん!!」

浪人「くくっ、本当の貴様は随分とはしたない声を出すのだな」

妖狐「いやぁっ、ひぁぁっ!こ、こえおさえたいのにぃぃ……ひぃっ!」

浪人「抑えんでもいい、もっと啼き声を聞かせろ!」

少々乱暴に腰を振って狐の秘所を掻き回す。

いつもなら俺の動きに合わせて上手い具合に締めつけてくるのだが、今は全くの出鱈目だ。

妖狐「いいっ、イイッ!か、かきまわされてぇ……ひぁああああっ!!」

腕を狐の白い腿に回して大きく股を開かせ、秘裂を叩き潰すくらいのつもりで肉棒を出し入れさせる。

膣内に溜まっていた甘露がブチュブチュと音を上げながら泡立つ。

妖狐「あうっ、あん、ぐうぅっ!し、子宮まで響いてっ、んぃぃいいいい!!」

浪人「それが貴様の善がり顔か…… だらしない貌だな」

妖狐「だっ、だってぇ!主様がキモチイイところをごりごりってこするからぁっ、ああアアアアッ!!」

浪人「いつもの澄まし顔がグズグズだ。ほれ、ここがいいのか?」

妖狐「ああぁんっ!あっ、うぁあああ!!い、いいですそこぉっ、そこぉぉおおおおっ!!!」

浪人「ぐううっ、普段と違って中の肉が一物に喰らい付いて離れんぞ!」

妖狐「あ、あるじさまのふとくてあついのがぁ、きっ、きもちよくてぇ…… かってにぃぃいいんっ!!」

浪人「そうか、勝手に動きおるのか!」

妖狐「んぁっ、あぁ……ぬいちゃダメェっ!」

一旦肉棒を狐の中から引き抜いて、蜜でテラテラと淫靡に濡れ光る一物を眼前に見せつける。

さっきまで肉棒を銜え込んでいた陰所は確かにパクパクと口を動かしていた。

浪人「どうだ、此奴が欲しくてたまらんのか?」

妖狐「はっ、はい、これでわれのほとをじゅぽじゅぽとついてくださいませぇ!!」

理性の箍が完全に外れているのか、狐がはしたない淫らな言葉を嬉々として叫ぶ。

俺を悦ばせるために卑猥な言葉を言うことはあったものの、今の狐はただただそうしてほしいから叫んでおるのだ。

浪人「ふはは、ならば存分に突いてやる!好きなだけ乱れろ!」

妖狐「あっひぃいいいい!?また大きいのがはいってきたぁあああああっ!!!」

再び覆い被さって肉棒をぶち込んでやると狐めはすぐに嬉しそうな激しい喘ぎ声を上げ始めた。

妖狐「んひぃっ、いぃっあっ、ふぐぅぅううう!!あるじさまのすごいっ、すごいぃぃ……はぁああああん!!!」

浪人「くぅっ、何といううねりだ……!」

妖狐「んああっ、はげしいれすっ!にくがひきずりだされて、めくれてしまいまふぅうううう!!」

浪人「それは貴様の方だろう!俺の一物をぎゅうぎゅう締め付けて食い千切ろうとしておるではないか!」

妖狐「くひぃっ!ああ、あっ、だめれすぅ…もうだめれすあるじさまぁ!せいを、せいをそそいでくださひぃぃいいいい!!!」

狐の喘ぎが甲高い嬌声に変わる。

淫肉の蠢きもいよいよ限界なのか、我武者羅に締めつけてきた。

妖狐「らしてぇ!あるじさまのあついせいを、びゅるびゅるらしてえええ!!」

浪人「よし、出してやる!しっかり味わえよ!」

妖狐「あうっ、ふぐうう!!きて、われのなかにくらさい!いぱいくらさいいいい!!!」

浪人「うぬぅっ、ぐ、出すぞぉ…… 受け取れ!」

妖狐「あっ、あっ、あ、ああああアアアアアッ!!!」

一物を一番奥まで突き込み、狐の腹の中にたっぷりと精をぶちまけた。

同時に派手に絶頂した狐が全身を震わせ淫蕩に蕩けた笑みを浮かべただらしない顔を晒す。

妖狐「いっ……ひ、いぃ………… あるじさまのがぁ、しきゅうであふれてぇ……」

あの化け狐が喜悦に塗れた淫乱な雌の貌をしている。

今までになかった荒々しい昂ぶりが俺の中で爆発した。

どろりとした白濁を垂れ流す淫所のその下に狙いを定める。

浪人「尻穴を穿ってやればどんな声で啼くのだ?聞かせろ」

妖狐「んっひいいいぃぃぃぃ!!?」

絶頂の余韻で惚けていた狐の目が一瞬で見開かれ、絶叫が木霊した。

妖狐「かふっ、あう、はぐうう…… うぐぅぅっ!!」

狐の尻穴に俺の一物が根元まで収まっている。

その衝撃の影響か、狐は小水をちょろちょろと漏らしていた。

妖狐「はひっ、はぁ、はああっ…… し、尻が…熱いぃぃっ!!」

浪人「ふふふ、なかなかかわいい声で啼くではないか。だが、もう少し乱れてほしいところだ」

妖狐「んひぃぃいいいいい!!うごかないでっ……ぐりぐりだめえええっ!おっ、おうぅぅぅ!!!」

前後の動きだけでなく、尻穴を押し広げるように円を描くように腰を回して蹂躙する。

狐はだらしなく広げた口から涎を垂らし、今にも絶頂を迎えそうな無様な顔を見せている。

妖狐「んほぉぉおおおおっ!!お、おほっ、おぐうううううう!!!」

先ほど秘裂を抉ってやった時と同じように激しく力強く腰を動かす。

余程刺激が強かったのか半ば白目を剥きながら化け狐が悶え善がり喚き狂う。

妖狐「あぎいいっ、いいいいいいっ!!ふぎぃいいいいイイイイイッッ!!!」

尻穴が壊れるくらいに大きく強く腰を動かし、肉棒で中の肉を抉る。

狐めは激しくしてやればしてやるほど淫らに喘ぎ悦楽を感じてきていた。

妖狐「おひっ!おひぃぃっ!ひううぅっ!おおううぅぅ!!!らめぇ、きもひいいいのぉおおおおお!!!!」

浪人「そんなに尻穴を突かれるのがよいのか!」

妖狐「イイッ!いいのじゃ!もっろ、もっとしてぇっ!めちゃくちゃにしてえええええ!!!」

浪人「いいだろう!突いてやる、尻穴が壊れるほどに突いてやる!!」

妖狐「ひっ、あひっ!あひいぃぃ!あちゅいのっ、しりあなあついのぉ…… おお、おほぉっ、いくっ!いってしまいますっ!しりあなで、いってしまいまふうううう!!」

浪人「んなっ!?もっと突けと言っておきながら貴様…… 許せんな!」

妖狐「そ、そこぉ!らめ、らめぇ!!そこ、いじめないれぇ、かんにんしてぇぇ…… あぎぃっ!おっ、おかしくなるっんひゅうぅ!んひいぃぃ!!」

秘裂から蜜をだらだらと溢れさせ、綺麗な顔を涙と涎でグチャグチャにさせて善がり啼く狐。

尻肉を巻き込みながら奥まで突き上げ、抉るように上下左右に引っ掻き回す内に俺も限界が近づきつつあった。

浪人「むうぅ、くっ!出るぞっ!貴様も……イケッ!!」

妖狐「はい、はいっ!イキます、イキますからあるじさまもぉ、おおっ、ぎゅひゅうぅぎいいぃいいぃ!!」

浪人「おお、出してやる!一滴たりとも零すでないぞ!」

妖狐「ぐひゅっ!ぎひいいぃぃいいぃいいいぃっ!ひぐううぅぅうぅ!!!」

浪人「イクぞっ、うぐうううっ!!」

妖狐「ぎひぃいいぁぁっ、ふぎゅうぅぅううぅぅうゥゥウウウウ!!!」

狐の身体を貫くぐらい勢いよく腹の底に肉棒を突き立てて、大量の精を吐き出した。

それと同時に狐もまた嬌声を上げて、だらしない顔を晒しながら絶頂した。

妖狐「お、ぉぉぉ……おぉぉぉおおお………… れれる、いっぱいれてる……」

浪人「ぐぅぅ…… よし、もう一度陰所に出すぞ!」

快感の余波でまだ弛緩している狐の身体を無理矢理起こして四つん這いに、獣の交尾の体勢を取らせる。

そしてまだ絡み付いてくる尻肉を引き剥がし、尚もそそり立ったままの肉棒を淫裂に突き刺してやった。

妖狐「ほひぃぃいいっ!!ひぁっ、ひゃあんっ、あぁぁっ!ま、まらはいってくるぅ、ふといのくるううっ!!」

一物が奥に入り込むにつれ、淫蜜がぼたぼたと地面に落ち、淫肉がきゅうきゅうと締めつけてくる。

妖狐「んほぉおおっ!ふっ、ふとくてかたいのがっ、おほぉ、おくに、おくにくるぅぅ!!」

浪人「ふふ、この様子では入れただけでイキそうだな」

妖狐「ひゃ、ひゃい…… いきましゅ、いれてもらったらけでっ、おっ、いぐっイグイグッ!おほおおおおおお!!!」

化け狐の膣が俺の肉棒を食い千切らんとばかりに収縮する。

止めを刺してやるべく、思い切り一物を奥までねじ込んで叩き付けてやった。

妖狐「んほぉぉおおおおっ!!イグぅううう!!!」

腕と脚がピンッと突っ張って狐の身体がビクビクと小刻みに震える。

どうやら軽く絶頂を迎えてしまったようだ。

精液を求めて無意識に収縮する淫肉の締め付けを味わう。

妖狐「あっ、ああぁああぁ…… あ、あるじさまぁ、もっと、もっとずぽずぽしてぇ……」

一頻り絶頂を楽しんだのか更なる凌辱を求めて秘裂がおねだりするようにヒクつく。

俺はその願いに応えてやろうと淫らにくねる腰をしっかりと掴み、怒涛の勢いで一物を突き込んでやった。

妖狐「あっぐぅぅうううああああ!!んぁあっ、ほぉぉおおぉんん!!!ずぼずぼっ、ずぼずのしてりゅうううっ!!!」

強い快感に翻弄され力が入らないのか、支えてやらねばならないほどに化け狐の手足ががくがくと震える。

しかし俺は尚も激しい腰の動きで淫らな肉壺を擦り上げ抉る。

掻き出された淫液が立てる音がどれだけ強く中を撹拌されているのかを如実に伝えてくる。

妖狐「んほぉおおっ、お、おおおっ、ひゅごいぃぃ!こわれりゅ、こわれりゅぅぅうううう!!!」

浪人「壊れては大変だな。やめるか?」

妖狐「いやぁああっ、やめないれぇ、もっともっとついて!こわしてええっ!!!」

髪を振り乱しながら狐めは貪欲に快楽を欲してくる。

尚もきゅうきゅうと一物を圧迫してくる淫肉の感触に俺の余裕もどんどん無くなっていく。

俺は腹の底で煮え滾る衝動に身を任せて腰の動きを更に加速させた。

妖狐「ほひぃぃいぃいいいっ!?あがっ、あぐぅ、えぐれりゅうううううう!!!」

浪人「いいぞ、たまらんっ!」

妖狐「おごぉっ、そごいぃいい!きもぢいぃいいっ!!しきゅうにぶつかってきもぢいいぃぃいいい!!!」

限界以上に膨れ上がっているだろう肉棒で蜜壺を滅茶苦茶に擦り、子を成すところの入り口をガンガンと突き上げる。

妖狐「ふ、ふかいぃぃいっ!くしざしにしゃれてぇ、つらぬかれてイグッ!いちばんイグのぉおおおっ!!!」

浪人「いくっ、いくぞ化け狐ェ!!」

妖狐「は、はひぃぃいいっ、いっでぇ!あるじさまのせいをくらひゃいっっ!!」

狐の秘所の締め付けと痙攣の感覚が極端に短くなる。

そして俺の射精欲も一気に競り上がる。

妖狐「おごっ、おおおっ、らめっ!イグッ、ひゅごいイグッ、おほぉぉおおおぉおおっっ!!!」

化け狐が背を弓形に仰け反らせ、淫肉が今日一番の締め付けを見せてくる。

俺もそれに負けじと一物を突き込むと、子宮の入り口の更に奥までねじ込まれてしまった。

妖狐「ひぎひひぃぃいいいぃいいいいいいっっ!!!おぼぉっっ!!あはああぁあぁアアアアアアッッ!!!」

白目を剥いて、化け狐が断末魔のような絶叫を轟かせる。

膣の奥の更に奥底に俺は熱く滾る精液を直接ぶちまけた。

妖狐「おほぉおおおおおっ!れっ、れてるっ!いちばんおくにせいえきがでてイグっ、イグイグイグイグウウウウウウウウ!!!」

狂ったように激しく収縮し、狐の淫肉が俺の一物から精を啜り上げ絞り出させる。

妖狐「あっ、あっ、ああっ!あ゛ぁあああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

最後に止めの一撃とばかりに最奥を突き上げてやると狐は大きく吠えて今日一番の絶頂を見せた。

妖狐「えひぇ……ひゃはっ……あへひゃへぇぇ…………」

意味を成さない言葉しか吐けなくなった狐の肉壺の中で絶頂の余韻をたっぷりと楽しむ。

妖狐「おひっひぃいいンンッッ!!!」

満足のいったところで肉棒を引き抜くとその刺激だけで狐の身体がビクンビクンと絶頂の波に呑まれる。

そして、尻を高く掲げたまま前に倒れ込んだ化け狐は卑猥な雌の貌を晒してヒクヒクと全身を戦慄かせている。

確かに狐の浮かべている表情は鬼や河童もかくやといっただらしないイキ顔だった。

鬼「うわ、すげぇ……」

いつの間にか目を覚ましておった鬼がビクンビクンと痙攣している狐の惨状を見て何事か呟いていた。

だが、今はそんなことはどうでもよかった。

浪人「ちょうどよかった。目が覚めたなら今一度相手せい」

鬼「え、おっ?ちょっ、ちょっと待て!無理だ!さっきあれだけやられたんだ!!もう無理だって!」

浪人「たっぷり出してもらうかんな、と言ったのは貴様だろうが」

鬼「ま、待てっ……んひゃぁああああああ!!?」

――――この後目を覚ました河童や狐を交えて三匹と滅茶苦茶まぐわった。

今度こそ
                         〈 ̄ヽ
                   ,、____| |____,、
                  〈  _________ヽ,
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                   ヽ'  〈^ー―――^〉  |/
                      ,、二二二二二_、
                     〈__  _  __〉
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