【職業・プロデューサー。】 (17)

職業・殺し屋。の設定を利用させてもらうモバマスSSです

※亀更新です

※職業・殺し屋メンバーが一部出ます

※ここのアイドルは一部、人を殺します

※死にます

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…………
………
……


……………長い……………


…………長い……………



……………夢を……………



……………見ていたみたいだ………………



……………嫌な夢だった……………



………………はやく忘れよう…………………






都内でも有数の見映えする建物。

まるでお城の様な見た目のその建物は女の子なら誰もが一度は考える、シンデレラになれる場所。

プロダクションと言う名のお城にはシンデレラ候補が――



 「プロデューサーさん、アポ取れましたよ♪」


モニターの後ろから自分の思考を遮るように事務の千川ちひろが顔を出した。


 「本当ですか!?ありがとうございます、ちひろさん。」


礼を言いながらプロデューサーは自分の手帳を取り出して言われた日にちにチェックを入れた。


 「うーん、此方のプロジェクトも中々良い感じに進んできましたね。」


 「はい、これも皆さんの努力の賜物です。」


そう答えながらプロデューサーは壁にかかったカレンダーを見ながら少し物思いに耽った。


遂にここまで来れたか……

live。

アイドルとしては当たり前のお仕事だがそこに辿り着くのはなかなかどうして難しい。


プロデュース業として初めての大舞台だ。


気合いを入れないとな!




そう、僕、志賀 了がこのプロデュース業に着いて半年……


前に勤めていた職業はよく覚えていないから分からないけれど今の仕事は何よりもやりがいのある良い仕事だ。

僕を拾ってくれたちひろさんには感謝しなきゃなあ……


そう思っている所にドアをノックする音が響いた。


 「はい。どうぞ。」


プロデューサーがそう言い終わると同時に笑顔がよく似合う普通が取り柄の女の子が顔を覗かせた。




 「えへへ、今レッスンが終わったので立ち寄っちゃいました~お疲れ様です!」


にこにこと眩しい笑顔を浮かべながら担当アイドルの内の1人、島村卯月が入ってきた。

連れられて目付きがつん、としたロングの女の子と若干茶色味がかかった髪に似合った元気そうな女の子も入ってきた。

「「お疲れ様でーす。」」



 「お疲れ様です。島村さん、渋谷さん、本田さん。」


 「聞いてよ、プロデューサ~ベテトレさんったらさ~」

和気藹々と談笑してからプロデューサーはliveの事を伝えた。





数分後、興奮の覚めぬまま出ていった三人を尻目にプロデューサーはふう、とため息をついた。


おっと、幸せがにげちゃうな……


そんな事を考えながらプロデューサーはまた机に向かった。

それにしても、自分の担当するアイドルが一歩一歩成長していく姿を見るのはプロデューサー冥利につきるなあ。

彼女達をシンデレラとすると僕は宛ら魔法使いって所かな?


ファンタジーの一員みたいだな。



嗚呼、なんて美しい仕事なんだ……

昼の部、ここまで

だれか私にレスの色の変え方を教えてください……



【夜】


草木も眠る丑三つ時。

大抵の人間が寝静まった時間に目覚めた蜘蛛は獲物を狩るために動き回る……


アシダカグモならゴキブリを。


ハエトリグモなら小虫を。


そしてそれよりも大分大きい――


“イカれた銀髪の蜘蛛”は

【人間】を。





 「ククッ♪」


高層ビルな合間を飛び回りながらイカれた銀髪の蜘蛛は沸き上がる興奮を押さえきれず、つい笑い声を上げた。


今日の獲物は如何にもと言った様な気性の荒そうな男。


 「殺り甲斐がありそうだ……★」


イカれた銀髪の蜘蛛は舌なめずりをすると獲物の元へと向かっていった。


被害者からの壮絶な怨み、憎しみ、殺意は膨大な情報が流れるインターネットのアンダーグラウンドに存在するあるポップから流れ込んでくる。


そのポップは一見するとただのイタズラや悪ふざけにしか見えない。


例えばネットサーフィンをしている人物がこのポップを見つけたとしよう。


 「……ん、なんだろう?このポップは……」


しかしそのポップを気になってクリックしたとしても“普通”の人間はその先には辿り着けない。

大抵は無関係なサイトに飛ばされるか、なにも反応しないか、のどちらだ。


 「なんだ、ただのイタズラか……」



しかし

“普通ではない”人は

その先に

辿り着ける。

それは

圧倒的な

殺意を持った人物が取り付かれた様にこのポップをクリックし続けたり、

或いは偶然――

その先に進めたり、と様々だ。


そしてその先に待ち受けるのは


殺人依頼サイト


職業・殺し屋。


ここに辿り着いた者のみ殺人の依頼をする事ができるのだ。


そこでは依頼者から提示された依頼料を基準に最も安い値段で競り落とす(但し無料は厳禁)逆オークションと呼ばれるシステムを使い、依頼者からの殺人依頼を請けている。


“彼等”は「大金」に興味はない。逆オークションで獲得したちっぽけな依頼料のみをもらい、殺人という快楽を求めるだけの卑しい闇の住人なのだから…。





 「チッ……」


火山健(ひやまけん)は火が消えた煙草を投げ捨て、舌打ちをした。


最近、また上手くいかなくなってきた。

【アレ】をやってから暫くは自信の気分の好調にも繋がって【業績】がアップしていたのだが、時間が離れると気分がのらなくなってくる。

別に自分は見た目が表す通りに【アイス】に興味がある訳ではない。

髪を剃り込んでメッシュで色を入れているのはナメられない為だ。

図体はただでかいだけ。

【アイス】に手を出そうとしても自分の臆病な部分が邪魔をして出来なかった。

そして【アイス】の売上げに比例するように自分のモチベーションが下がっていたある時――

煙草をポイ捨てしてボヤ騒ぎになった。

そこで赤々と燃える家を見た自分の中に何か火が点いたのを感じた。

それからだ。

俺が度々放火に走る様になったのは――


火を点けている時、俺は最高潮に燃え上がる。

その時の俺は誰にも止められねえ。

だが暫く経つとまた火を求めたくなる。

少しずつ鎮火しているみたいだ。


俺は正に火の様な男――


そんな事を考えながら俺は手にした新聞紙に火を点ける。

明日は古新聞回収の日。

つまり今なら玄関元に……


 「あったか……」


いそいそと近付いて火を点けようとしたその時だった。

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