執事「だからバカだと言われるのでございます」(30)

女「いやだってさ、私は間違ってなじゃん」

執事「お嬢様はまんまとハメられたのですよ」

女「えー…」

執事「お嬢様は人が良すぎるのでございます」

執事「もっと人をよく見て…」

女「せっきょーはもういいでーす」

執事「…」

ことの始まりは学校の昼休みだった

学校、昼休み

女「ねーねー」

友「なになにー」

女「このプリント渡しに行くから手伝ってー」

友「来年ねー」

女「いや今だよ」

友「じゃあgショック買って」

女「いいよ」

友「…ごめん、冗談です」

女「いや別にいいよ?」

友「いやその…いいです、行こう」

女「う、うん」スタスタ

職員室前廊下

性悪男「…ククッ」

女「でもgショックって何?」

友「確か時計じゃなかった?」

女「へー」

性悪男「ヒヒッ」トトト

ドンッ

性悪男「うわぁっ!」ドンガラガッシャーン

女「えっうわっ!大丈夫!?」

性悪男「いってー…あ、花瓶が…」

女「あっ…」

校長「なんの音だね?」

女「いやっあのっ…」

友「あちゃー…」

校長「…ん?」

性悪男「…ヒヒッ」ススス

校長「ああああ!私の花瓶が!」

友「いやあの校長、それは…」

校長「だ、誰がやったんだね!?」

女「えっと…」

校長「君かね!」

友「あたしじゃないですよ」

校長「女くんはそんなことする子じゃないんだよ!君だろ!」

友「違いますって!」

友「さっきまでそこにいた変なやつが…ってあれ?」

校長「人のせいにするんじゃない!大体、証拠もないのに決めつけるな!」

友「はぁ!?こっちのセリフなんですけど!」

女「あわわわ、あ、あの…」

校長「そこに落ちているのが証拠だろ!」

友「落ちてるからって何であたしになるんですか!」

友「ふざけないでくださいよハゲ!」

校長「なっ!だ、誰がハゲだ!」

友「あんたですよ!」

校長「き、きみ…私を侮蔑するのか!」

女「あの!!」

女「そこの割ったの私です!」

友「ちょ、あんた何いって…」

校長「本当かね?」

女「はい、私がふらついて割ってしまったんです」

校長「…このことは後ほど話し合わせていただく」スタスタ

女「ふう」

友「あんた何いってるのよ…」

女「でも私があの変な人とぶつかったんだし…」

友「あっちがぶつかってきたんじゃん」

女「だとしても友が犯人扱いされるなんて私やだもん」

友「…はぁ、校長はこの学校で一番頭おかしい人なのよ?」

友「下手したら停学までさせられるかもしれないし…」

女「ははは、それはないよ、それよりプリント配りにいこ?」

友「…」

15分後

ピーンポーン

『女さんは至急校長室まで来てください』

女「お、きた」

友「いい?何言われても割ってないって言うんだよ」

女「うー…」

友「わかったなら行ってくる」

女「はーい」テクテク

校長室

女「え?」

校長「だから、退学」

女「な、なんでですか!?」

校長「君の日頃の行いを知らない訳じゃない」

校長「だが最後の最後で私が犯人ですというのはおかしい」

校長「それにあの花瓶は800万もするんだぞ!」

女「…だって…」

校長「だってもくそもない!」

女「…」

教室

友「退学…?」

女「うん」

友「たいがっ…あんた否定しなかったの!?」

女「どのみち先にいっちゃったし…」

友「…っとに…このバカッ!」

女「えっ…」

友「もう会えなくなるんだよ!?」

女「で、でもまた遊べば…」

友「…知らない!」タタタ

女「と、友…」

性悪男「ヒヒッ」

そして現在に戻る

執事「はぁ…どうするのでございますか」

女「どうもこうも…退学しちゃったんだし…」

執事「…お嬢様は悔しくないのですか?」

女「悔しいけど…もうどうしようもないじゃん」

執事「…もし残りたいのであれば、私の言う通りにして下さい」

女「…どうするの?」

執事「明日、いつも通りに学校に向かってください」

翌日

女「フツーっていったって…」

学校

校長「む、君!」

女「はひっ!」

校長「困るねぇ、ここの生徒じゃない子が入ってきちゃあ!」

女「…」

いいですか?学校についたらしらを切ってください

女「…なんのことですかー?」

校長「な、なにを言ってるんだね!」

女「日本語ですけど」

校長「そーゆーこちじゃないんだよ!」

女「じゃあ何ですか?」

校長「あの花瓶のことだ!」ビシッ

女「…え?」

花瓶のことは大丈夫ですので、そのまましらを切り続けてください

女「そういうことか」ボソッ

校長「こ、これは一体…」

女「何ですか?花瓶がどうかしました?」

校長「君!いつの間にすり替えたんだ!?」

女「すり替えた?」

校長「性悪男くんとぶつかって壊した花瓶のことだ!」

女「!」

それで相手がぼろを出したら畳み掛けて下さい

女「何でぶつかったってわかるんですか?」

校長「なに?」

女「校長は壊れたあとに来ましたよね?」

女「何でぶつかったってわかるんですか?」

校長「あ、あのときぶつかったって…」

女「じゃあなぜ性悪男くんとって」

女「わかったんですか?」

校長「そ、それは…」

校長「その時性悪男くんもそこにいたからで…」

女「あの人は無視して私達に疑いをかけましたよね?」

女「もしかして…ぐるだったんじゃ…」

校長「…」

――――――夕食

女「やった!退学取り消しだって!」

執事「それはようございました」

女「でもなんでグルじゃないかってわかったの?」

執事「昨日、お話を聞いたとき不明な点がありました故」

執事「グルではないかと、思ったわけでございます」

女「不明な点?どゆこと?」

執事「お嬢様、謎解きはディナーのあとに致しましょう」

女「…」

執事「…」

女「それ言いたかっただけ?」

執事「申し訳ありません」ペコリ

――――夕食後

女「で、何で?」

執事「恐らく百人聞けば百人同じ答えが帰ってくるような単純な不明です」

女「???」

執事「なぜあのとき、性悪男はその場から逃げ出したのか」

執事「そしてなぜ、校長先生はその事に気がつかないのか」

執事「ここでございます」

女「そりゃあ…逃げたんじゃないの?」

執事「ではどちらに逃げたと思われますか?」

女「どっちって…」

女「私達の方じゃ絶対気づくし…校長の方に…って、ああ!」

執事「お気づきになられましたか?」

女「わかっちゃった!」

女「あの人忍者だったんだ!」

執事「…」

女「え、違う?」

執事「……………」

執事「だからバカだと言われるのでございます」

女「それとこれとは関係ないじゃん!」

執事「…ではお嬢様、性悪男が逃げたのがなぜお嬢様達にバレ無かったのでしょう?」

女「忍者だからよ」

執事「違います」

女「…」

女「じゃあなんで?」

執事「こう考えるのが一般的でしょう」

執事「物陰に隠れてた、と」

女「やっぱ忍――」

執事「違います」

執事「ですが考えてみてください」

執事「場所は廊下、あるのは花瓶が置いてあった台だけ」

執事「しかし台には隠れられない」

女「うん、だから?」

執事「こうなると隠れる場所は限られるのでございます」

女「限られる?なくなるじゃなくて?」

執事「はい、唯一隠れられるのは…校長先生の後ろ、となります」

女「ごめん、わかんない」

執事「校長先生が割った音を聞き、そして現場に向かったのなら、その場にいる人を逃がしません」

女「うん、そこまでわかる」

執事「しかし、性悪男がいなくなったのは校長先生が来たあと」

女「そうなるよね」

執事「ではなぜ校長先生は逃がしたか、簡単です、グルだからでございます」

女「ちょっと待って、目を離した隙に…ってのは?」

執事「廊下のような両者に挟まれた空間で見落としますでしょうか?」

女「普通…ないわよね」

執事「動機は恐らく…妬み…ではないでしょうか」

女「妬み?」

執事「御学友の中にお嬢様がお金持ち、と言うのを知っているのは少ないはず」

女「少ないって言うか知らないと思うよ、みんな」

執事「…ですが教師は殆ど知っているといってもいいでしょう」

執事「そして、お嬢様が通学されてる間に調べたのですが…」

女「なになに?」

執事「校長先生は莫大な借金を抱えていたようです」

女「え、ホントに?」

執事「はい」

執事「総額壱億二千万也」

執事「なぜこの様な借金を抱えたのかはわかりません」

女「それで…何で性悪男くんを使ったの?」

執事「恐らく、成績を上げる…とでもいったのでしょう」

女「えっそれだけで?」

執事「左様です」

執事「ですがその為だけに利用されるのは嫌だったと思われます」

執事「ですが」

執事「頭脳明晰、容姿端麗なお嬢様…」

女「いやぁそれほどでも…」

執事「と、嘘八百でも悪い気はしません」

女「……」

執事「そんな言葉をかけ、彼を利用したのでしょう」

女「そっか…」

執事「お嬢様はそのような手に引っ掛からないで下さいね」

女「だーいじょーぶ!」

執事「では、信用させていただきます」ペコリ

――――数日後

女「大変!何かおだてられたら調子にのってレイプされるとこだった!」

執事「……」

一部完

続けていいかな…

迷惑だったりつまんなかったらやめるけど…

>>22入れるところです

執事「お嬢様を退学にさせる、それはつまり親御さんも呼ばれます」

執事「これはなぜだかおわかりですね?」

女「うん、校長の一存で決めれても、やっぱり親と話して理由を言うべきだから…でしょ?」

執事「まぁその様な感じですね」

執事「それで親御さん…つまり旦那様ですね」

執事「旦那様にこう告げるつもりだったのでしょう」

執事「退学にはさせない、その代わり花瓶を弁償しろ、高校にかかる費用を三倍にしろ、と」

女「いくらなんでも…それは無理があるんじゃないの?」

女「そんなこと言ったら転校させられちゃうだろうし…」

執事「人間、追い詰められると正しい判断ができなくなるのでございます」

執事「そこで性悪男に話を持ちかけた」

女「何て?」

執事「あくまで推測に過ぎませんが…」

執事「悪い気はさせない、なんなら登校免除もしてやる…」

以上です

了解です
夜やります

―――――ある日の午後

女「ねぇ…何でかな…」

執事「…何か恨まれるようなことは…」

女「し、してないわよ」

執事「ですがお嬢様は鈍感ですゆえ…」

執事「無意識に傷つけたという線も有りうるのでございます」

女「…その言葉に傷ついたんですけど」

執事「失礼いたしました」

女「でも何で…」

校長の件から1週間、女の家にある手紙が届けられていた

絶好だ 呪い対

ころころ態度変えやがって カ巣

女「何かいてあるのかさっぱり」

女「最後の…リキス?ってなによ」

執事「恐らくカス、だと思われます」

女「カス?」

執事「この手紙を書いた人物は暗号らしくしようとしたが」

執事「結果的にもろわかりの文になっています」

女「??」

執事「最初と最後、会わせて読むと」

絶対 ころ巣

執事「絶対殺す、となるわけです」

女「はー…」

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