夕張「クルマ買いました!」 (902)


コンコン

叢雲「入るわよ。遠征の報告なんだけど……って」ガチャ

叢雲「誰も居ない……あの馬鹿、またサボってるわね」


※注意※

・初スレ、初SSです

・趣味満載、キャラ崩壊有り

・そもそも>>1は艦これ初心者

もし良ければお付き合いください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431673886


夕張「だから提督、この際だから大きめのタービンに換えてパワーアップを図るべきです」

提督「いや、これ以上は要らないよ。むしろ今のでもちょっと大げさな位だと思ってるんだから」

夕張「でも折角ここまで仕上がっているんだから勿体無いですよー」

提督「そうは言ってもなぁ」

夕張「ここは一つ、更なる高みを目指してもっと貪欲に 叢雲「何をしているの」

提・夕「「あ」」

叢雲「工廠を私的な理由で使うなと何回言ったら分かるのかしら、アンタら……!!」

夕張「アハハー……」

提督「いや、まあ……」メソラシー


深紫色の180SX←提督のクルマ

黄色の180SX←夕張のクルマ


叢雲「いいこと?ここは建造・開発をする施設であって、アンタら馬鹿二人のガレージじゃない」

提・夕「ハイ」

叢雲「しかもやるべき執務を放って愛車の整備に没頭とは随分いいご身分ね」

提督「でもさ、むらk……」

叢雲「あ゙?」

提督「スミマセンでした」

叢雲「で、夕張。秘書艦の役目はあくまで執務の補佐であって提督個人の趣味にまで付き合う必要は無いの」

夕張「ハイ」

叢雲「自由時間内なら構わないけど、今は執務中よ。それ位分かっているわよね?」

夕張「仰る通りです……」

叢雲「だったら……さっさと片付けて持ち場に戻りなさい!」

提・夕「は、はいいぃぃっっ!!」

叢雲「それと……瑞鳳」

瑞鳳「!?」ビクッ

叢雲「隠れているつもりだろうけど、バレバレだからね」

瑞鳳「ア、アハハー……面白そうだったからつい」

叢雲「あのねぇ……アナタもそういうのに興味を持つことは構わないけど、上司と秘書艦が職務放棄しているのを物陰から見ているだけだったら、アナタもあの馬鹿二人と同罪よ。分かった?」

瑞鳳「はぁい、気をつけまーす」

叢雲「全く……頭が痛くなるわ」


執務室

提督「やれやれ、相変わらず叢雲は怒らせると怖いよなぁ」

夕張「私達に非がある以上仕方ありませんね」

提督「でも、ウチは普段装備の開発位しか工廠を使わないし、設備も充実しているんだから余っているスペースも使わないと勿体無いよな」

夕張「懲りませんねぇ」

提督「だって勿体無いのは事実じゃん」

夕張「確かに。溶接機器もあるから、板金作業も出来ますし」

提督「あとはリフトがあれば最高だな」

夕張「それも同意しますが、ますます何の為の工廠か分からなくなりますね」

提督「というか、強制撤去された上めちゃめちゃ怒られそう」

夕張「ですが提督、リフトは無理ですが先日あるモノを発注しておきました」

提督「ほぅ……して、あるモノとは?」

夕張「エンジンクレーン」

提督「何でまたそんなもんを」

夕張「折角だからエンジン降ろして色々手を入れようかと」

提督「スゲエなお前……流石に自分でそこまでやる気力は無いわぁ」

夕張「あと、タイヤチェンジャーも一緒に」

提督「お、そっちは有り難い」

夕張「安価な製品なので手動ですが、無いよりマシかと思いまして」

提督「ビート落とすの面倒だからなぁ」


夕張「驚くにはまだ早いですよ、提督」

提督「まだ何かあるのか」

夕張「実はですね、ゆくゆくあのワンエイティでやりたいことがあるんですよ」

提督「やりたいこと?」

夕張「ええ。実はRB26を載せようと画策しておりまして……」

提督「え、お前それ本気で言ってるの?」

夕張「モチのロンです。出力を上げるなら一番手っ取り早い方法かと」

提督「そりゃあRB26ならSR20以上に頑丈でパワーもあるけど」


RB26=R32~R34までの第二世代GT-Rに搭載されていた直列6気筒エンジン。強い。速い。

SR20=180SXを含む様々な車種に搭載されていた直列4気筒エンジン。素ではそこそこだけどパーツは豊富。たまに化ける。


夕張「小さい車体に大出力のエンジン!これこそ最大にして究極の形!実に試し甲斐があるってものじゃないですか!」キラキラ

提督「夕張らしいと言えばらしいな、そのコンセプト」

夕張「そうでしょそうでしょ?」

提督「今となってはそこまで珍しくない気もするが」

夕張「実践しているのは一握りです」


提督「しっかし、以前から工作や機械弄りが好きなのは知ってはいたが……クルマ買った途端見事にどハマりしたなぁ」

夕張「提督の影響も大きいです」

提督「うーむ……仲間が出来て嬉しい反面、引き釣り込んでしまった罪悪感も少々」

夕張「提督が気に病む必要は無いでしょ。遅かれ早かれこうなってましたよ」

提督「そうかなぁ」

夕張「そうですよ。むしろ、感謝している位です」

提督「感謝?」

夕張「私は艦娘、元はと云えば人間とはいえ、やはり兵器として戦うことが前提です」

提督「そんなこと……っ」

夕張「勿論、提督が私達をそんな風に見ていないことは分かっていますよ」

提督「あ、ああ……」

夕張「提督から色々教わって私はクルマを、時雨ちゃんはギターを弾く様になったりしてますし」

提督(凛として時雨ってネタのつもりで教えたとは云うまい……)

夕張「何よりこうして提督と過ごす時間はとても楽しくて、私……いえ、私達にとって、かけがえの無い日常になっているんです」

提督 ←何故か涙ぐんでいる

夕張「本当に……ありがとうございます」

提督「夕張……!」

夕張「提督……さぁ行きましょう、スピードの向こう側へ!」

提督「いや、その台詞は無いわぁ」シレッ

夕張「 」


談話室

叢雲「全く。あの馬鹿二人はホンットにどうしようもないわね」

古鷹「また……提督と夕張、かな?」

叢雲「ええ、一人ずつなら何てことないけど、組んだ途端一気にタチが悪くなってウンザリだわ」

古鷹「提督と夕張って一番趣味が合うみたいだし……」ニガワライ

叢雲「クルマ、音楽、蕎麦屋の食べ歩きにマンガと、やったら合うのよねアイツら」

古鷹「でも、ここの艦娘は提督の影響受けた子は結構居るよね」

叢雲「だから余計に腹が立つのよ。初期艦であるこの私を差し置いて」

古鷹「あ、気にしてるのそこなんだ……」

叢雲「……今の無し」

古鷹(可愛い)

古鷹「でも、私も実は夕張のこと……ちょっと羨ましいなって」

叢雲「羨ましい?古鷹さんが?」

古鷹「うん」

叢雲「どうして?」

古鷹「提督と趣味の話で盛り上がっているのを見ていると、スゴく楽しそうだから。私はこれといって特に趣味は無い分、余計に……かな」

叢雲「古鷹さんでもそんなこと思うのね」

古鷹「これでもこの鎮守府では古参だからね。叢雲ちゃん程ではないにしても」

叢雲「それって関係あるのかしら……」

古鷹「そういうものなの。ねっ?」

叢雲「何か釈然としないわね……」


夜・鎮守府裏

夕張「提督!準備完了です!」ビシィッ

提督「よし!ではこれより、湾岸線に向けて出発する!」ビシィッ

夕張「了解です!」

「ちょーっと待ったー!!」

夕張「ムムッ!?」

提督「ナニヤツ!?」

青葉「呼ばれなくても登場!青葉ですぅ!」

提督「なんだ青葉か。この前頼まれたスクエアプッシャーのCDなら山城が返してくれないから無いぞ」

青葉「頼んだ覚えないですけど!?」

夕張「というか山城さんって、そういうのも聴くんだ……」

提督「ん?意外か?」

夕張「バーガーナッズやシロップ16gが好きなのは知ってました」

提督「元はと云えば俺の趣味だけどな」

夕張「毒されてますねぇ」

提督「でもアイツ邦洋問わず割と何でも聴くぞ。この前なんかマンサンの『ネガティブe.p.』持ち出してたし」

夕張「それはむしろイメージ通りなんですが(タイトル的な意味で)」


その頃の山城―

山城「トゥデーイ……バリ島で死にたいよー……」

時雨「その選曲、山城が歌うと余計に重いよ」

気体

提督のワンエイティは純正のミッドナイトパープルか、良い趣味だな。
しかし夕張よ、ワンエイティにRB26載せるならリアのタイヤとボディ剛性が全然足りてないから相当強化しないと前に進まんぞ。

SRエンジンは至高

半端知識で改造描写すると車オタに総ツッコミ受けそうな題材だけど大丈夫なんか

おぉ、反応が!

>>9 有難うございます!なにぶん手探りですが頑張ります。

>>10 正直、夕張ならば魔改造にしなくちゃ!と頭の中で何かが言ってます。

>>11 禿同。まだまだ前線張り続けるんでしょうね……。

尚、>>1のクルマの知識はかなり偏っている為、間違い等ありましたらご指摘頂けると幸いです。
再開します。


青葉「山城さんの音楽の趣味なんかどうでもいいですよ!」

提督「俺としては勝手にCD持って行くから、かなり困ってるんだけど……」

青葉「それより!最近お二人が夜な夜な出掛けているとの情報を掴んだので、事実関係の調査をですね……」

夕張「随分と今更ね……」

提督「だなぁ」

青葉「えっ」

提督「最初に言っておくが、別に逢引してるとか恋仲になっているとかそういうアレじゃないぞ」

夕張「一緒に出てはいるけど、別行動というか別空間というか……」

青葉「??」

提督「要するに、それぞれのクルマで夜中の高速をドライブ。深夜徘徊だ」

青葉「……ど、ドライブデートってことですか?」

提督「広く取ればそう言えるかもしれんが……」

夕張「世間一般的におけるドライブデートで、わざわざクルマを2台出す必要はある?」

青葉「無い……ですね」

提督「だろう?やましい事なんて一つも無いっ」ドン

夕張(公道を[ヒエー]キロで走ることはやましい事ではないのかしら……)



青葉「グヌヌ……折角良いスクープが手に入ると思ったのに……!」

提督「まあ夕張と二人だけで出ているから、そう捉えられても仕方ない」

夕張「むしろ今まで知らなかったことに驚きね」

青葉「しかしこの青葉……このまま引き下がるわけにも行きません」

提督「うん、お前の性格からしてそうだろうな」

青葉「なので今夜は、お二人に同行させて頂きます!」

提督「別にいいけど」

青葉「意外とアッサリ!?」

夕張「提督がいいのであれば構わないけど……」

提督「いや、だって見られて困ることもないしな」

夕張(公道でゼロヨンをやっているのは見られても困らないのかしら……)


提督「とりあえず青葉は俺の横に乗りな。夕張の隣はまだ危ない」

夕張「下手だと言いたいんですね」

提督「いや、青葉乗せたらうるさくて集中出来ないだろう?」

夕張「んー……確かに」

青葉「ひどっ」

提督「行けば分かるさ。さて、ぼちぼち行こう」


青葉「あのー……提督」

提督「ん、何だ?」

青葉「どうして提督はそんなジェットコースターのガードみたいなシートベルトをしているんですか?」

提督「何でって、そりゃあ運転中に身体をしっかり固定する為だ」

青葉「では何故青葉の席には無いのでしょうか?」

提督「普段助手席に人乗せないから着けてないんだ……一応純正とはいえRのシートだから、普通のクルマに比べればホールド性は高いと思うぞ」

青葉「では、この後部座席とシート横に張り巡らされた鉄棒はなんでしょうか?ジャングルジムですか?」

提督「ボディの剛性アップと横転時の保護にも役立つ5点式ロールバーと後付のサイドバーだな」

青葉「……横転するんですか?」

提督「俺は無いけど、もしもってこともあるからな。ホントは着けたくないのヨ」

青葉「……青葉は生きて帰って来れますか?」

提督「生きて帰る事はクルマの運転においての鉄則です。お、夕張が踏み始めた」

青葉「え、ちょっとクルマってあんな速く加速するものなんですか……」

提督「あれでもまだ全然。というか、喋ってると舌噛むぞ」

青葉「いや、待ってやっぱり降りイヤアアアアアァァァァ!!!!」


某パーキングエリア

青葉「 」チーン

夕張「あらら、やっぱり伸びてますね」

提督「見出しはあれだな、『深夜の都心高速に木霊する絶叫!青葉・提督のクルマで失神事件!』ってとこか」

夕張「イニDじゃないんですから……」

提督「しかもド初期のネタだ」

青葉「 」

提督「まあ、普通あんなスピードで走り回るなんて恐怖以外の何者でもないだろう」

夕張「慣れって怖いですねー……」

提督「おっと、慣れた頃が危ないんだ。慢心ダメ、ゼッタイ」

夕張「精進しますね」

提督「そもそもこんな事しないのが一番なんだけどな」

青葉「ダメ……クルマが……壁が……迫ってくる……」


青葉「うぅー……この青葉、気絶するとは情けない」

提督「その割には走行時の動画はバッチリ撮れているのには驚きだ」カメラチェック

夕張「よく見えますねぇ」カメラチェック

青葉「それは青葉の台詞ですよ!?」

提督「ハハハ、で感想は?」

青葉「未知との遭遇とでも云いましょうか……お二人はいつもこんなことを?」

提督「そうだな。夕張がクルマ乗るようになってから週1、2日ペースかな」

夕張「たまに箱根の方にも行きますしね」

青葉「鎮守府内で他に同じ事をする人は?」
 
提督「今のところ夕張だけだな」

夕張「でも、時々瑞鳳が物陰から覗いている時もありますよ?」

提督「え、マジ?」

夕張「艦載機が好きな分、実は機械そのものにも興味あるんじゃないかしら」

提督「全然気付かなかったー……」

夕張のことだからドラッグカーでも作るんじゃなかろうか


青葉「そういえば、今まであまり気にしていませんでしたがお二人は同じクルマなんですね」

提督「そ。年式で細かい違いはあるけど同じ180SX……通称、ワンエイティだ」


提督のワンエイティ

ミッドナイトパープルに塗装された中期型

それなりにチューニングを施しているが見た目は恐ろしく地味

前期バンパー+R32リップ、スモークテールが特徴

必死で探したインパルのホイールがポイントらしい

約400ps程度


夕張のワンエイティ

パステルイエローに塗装された後期型

開口部の大きなFバンパー、カーボンボンネット、低めのGTウィングを装備

まだ実験・製作途中の為パワーは控えめで、空力や足回りを重視しているとか

約300ps程度


青葉「同じ車種でも随分対照的ですねー」

提督「コイツみたいに見た目を派手にするのが嫌なんだよ」

夕張「提督が地味過ぎるんですよ。何でわざわざ前期のバンパーにしているんですか」

提督「俺の中で180SXと云えばこの顔なの!」

夕張「ただでさえ古臭いのに暗い色にするから余計に地味じゃないですか!」

青葉(クルマ知らない人からすればどーでもいいですねー)

>提督「俺は無いけど、もしもってこともあるからな。ホントは着けたくないのヨ」
語尾が湾岸仕様になってて草


>>20 HKSのドラッグ仕様180SXがまさにそれでしたねw


提督「グヌヌ……この渋さが分からんとは。これでも現役の頃は有名だったんだぞぅ」

青葉「現役って……提督は以前から?」

提督「免許取ってから4年位はしょっちゅう来てたよ。もう10年以上前だ」

青葉「ほえー……」

提督「当時は黒だったから『ステルス』とか言われてたらしい」

夕張「今でも変わらないじゃない……」

提督「あと『環状のインターセプター』とか、紫にしてからは『紫電』とかもあったな」

夕張「……通り名って、ゲームだけじゃなかったのね」

青葉「紫電に至っては安直ですねぇ」

提督「ま、深海棲艦が出るようになってから、それどころじゃなくなったったけどな」

青葉「あー……なるほどぉ」メモメモ

夕張「ところで提督、この後どうしましょうか?」

提督「そうだな……もういい時間だし、あと一周したら帰るか」

夕張「了解です……って、あら?」

書き溜め分が無くなったので少々お待ちを。

>>23 拾ってもらえたww地味に嬉しいww

間違えた
>>22だった……


ブーン……

夕張「赤い……雨宮エアロのFDですね」

提督「随分気合入ってそうだな。この時間に珍しい」

青葉「FD?」

提督「車名はRX-7なんだけど、あれは三代目のFD3S型だから通称FDなワケよ」

青葉「どうして型式で呼ぶんですか?」

提督「一口にRX-7と云っても、初代のSA22C、二代目のFC3Sもあるから、混同するのを避けて……かな。別にセブンでもいいんだけどさ」

夕張「私達のワンエイティはS13型の一代限りだから、そういうことは無いんだけどね」

青葉「なるほどー……」メモメモ

提督「でもこれもまた時々面倒で、シビックにもFD型があるからなぁ」

夕張「普通FDと云ったらセブンですよ」

提督「そうなんだけど、前にもナナマルっていうから70スープラの話かと思ったら、実は70ランクルだったってこともあったから……」

夕張「そしたら、セブンと云ったらスーパーセブンとかもあるんですか?」

提督「それも体験済みだが」

夕張「いやいやいや……」

青葉「???」


提督「ところでさー……」

夕張「はい?」

提督「もしあのFDから艦娘が出てきたら面白くない?」

青葉「まっさかー」

夕張「そうですよー。こんなことしてるの私達位……」ハッ

提督「……気付いたか、夕張」

夕張「いえ、まさかとは思いますが、色は違えどあのエアロって……」

提督「そうだ。例の兄弟の弟が乗っていたFDと同じだ」

夕張「そして……彼らが元々ホームにしていたのは……」

提・夕「「赤城山!!」

提督「……って、あるわけないってwww」

夕張「幾らなんでもそれはwww」

青葉「あのー……何の話ですか?」

提督「ああスマンwww後で俺の部屋にあるマンガを見せるからwww」

夕張「もー提督くだらな過ぎですよwww」

青葉「あ、ドライバーが降りてきました。女性のようd……」

提督「んwwwどうした青葉www」

青葉「 」ユビサシ

提督「ん?」

夕張「へ?」

赤城(私服)

提督「 」

夕張「 」




提督「イ、イヤーキレイナオネーサンデスネー」

夕張「ソーデスネーアコガレチャウー」

青葉「いや、あれ私服ですがどう見てもあk 提督「言うな!言えば現実になる!」

夕張「えー、そんな同じ赤城だからって、えー……」

提督「いや、きっとあれは赤城さんによく似た綺麗なお姉さんだ。そうに決まってる」

青葉「ではもう一人助手席から降りたサイドポニーの女性は加賀さん似の綺麗なお姉さんですね」

加賀(私服)

提督「 」

夕張「うわー……」

青葉(とりあえず写真撮っておこう)

赤城「あら?」

加賀「ふむ……」

赤城「あそこに居るのはもしかして、以前演習で相手になった……」

加賀「どうやらそのようですね」


※赤城さん・加賀さんの私服は各自補完でお願いします


提督「おー……やっぱり気付いた」

夕張「そういえば、私も私服の方がいいでしょうか?」

提督「うーん……考えたこと無かった」

青葉「あのお二人の格好は外を出歩くには流石に不自然ですからね」

提督「思いっきり浮くよな、どう考えても」

夕張「それにしても、艦娘でこういうクルマに乗ってる人が他にも居たなんて……」

提督「そういえばあそこの鎮守府の提督もクルマ好きなんだよなー。確かエリーゼに乗っていたハズ」

夕張「エンジンがトヨタのヤツでしたっけ」

提督「2ZZだな」

青葉「どうするんですか?」

提督「どうするもこうするも、顔を合わせた以上挨拶はしておこう」

夕張「逃げる方が怪しいですからね」

提督「そうそう。たまたま見知った顔に会っただけの話だ」

青葉「その割には随分慌てていたような……」

提督「そりゃあだって、こんな夜中に高速で[ヒエー]キロで走ってるなんて公に出来ないだろ」

夕張「ましてや他の鎮守府の人達だし……」

青葉「出る前に『やましいことは無い!』って言ってませんでしたか!?」

赤城がそう来るなら榛名はハチロクトレノで来るとみた。

今日はここまで

>>12 レス気付かなかった……スミマセン。
半端知識なのは間違いないので、叩かれるのはある程度覚悟はしています。
今後無理の無いようにはしますが、正直一番の不安要素ではあります。
そもそも艦これでやる必要があるのかと言われればそれまでですが……それでも書いてみたかった!

ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

イニDと艦これが好きな俺にとっては楽しみなスレ

POWEEEEEERRRRRRRRRRRRR!!!!!!!!って叫びながらアクセル踏み込む霧島ネキ

湾岸と艦これ好きな(ry
イッチよ、そりゃ語尾には突っ込むわw

提督は羊の皮を被った狼の良さをよく分かってらっしゃる

島(風)が黒い911に乗るわけだな

フォーミュラマシン乗りたいってせがむ島風想像した

おつー
180にrb積むとか物好き通り越して変態レベルじゃねえかw


おはようございます。
意外と沢山の反応があって嬉しいです。
本編は書き溜め最中なので、艦これは知っててもクルマは知らんという方向けの車種紹介という名の小ネタを投下。


由良「ワンエイティこと180SXは1989年、S13シルビアの姉妹車種として発売されたスポーティ・クーペです。発売当初の言い方をすると、スペシャリティ・カーに分類されます」

由良「車名の180は排気量、SXは当時の日産に存在したNX・SX・ZXのクーペがあり、この内の中型車両を指すのがSXでした。ZXは言わずもがなフェアレディZのことですが、NXクーペって日本では……うん」

由良「生産期間はおよそ10年。当初は車名の由来ともなるCA18エンジンを搭載していましたが、91年にマイナーチェンジを受けた際にお馴染みのSR20にスイッチ。さらに96年には外観に大幅な改修を受け、今でも見かけるあの丸テールになりました」

由良「排気量が2Lになったらワンエイティじゃないじゃんとは言ってはいけないお約束。ねっ?」

※シルビアの最終型になったS15の輸出名は200SXだったりします

由良「さて、特徴はリトラクタブル・ヘッドライトにハッチバックのスポーツカーらしいスタイル。前代のS12にもリトラ・ハッチバックのスタイルはあったので、それを踏襲したものともいえますね。ちなみにアメリカでは名前や外見の類似性から『240ZXの再来』とも言われていたようです」

由良「日本においても人気は絶大で、姉妹車種のシルビアと共に小型かつ当時としては高出力なFRとしてスポーツ走行の定番となり、あらゆるシーンにおいて活躍しました」

由良「特にドリフトにおいては、ハッチバック故にシルビアよりタイヤを多く積める利点もあったそうです。恐らく提督のワンエイティも>>1が栃木出身ということもあり、ドリフト界隈においてワンエイティ使いとしてその名を轟かせた古口・平岡両氏のかつての仕様を参考にしたものと思われます」

由良「余談になりますが、幼い頃の>>1はワンエイティという名称を知らず、『イチハチオーエスエックス』と呼んでいて、シルエイティが流行りだした頃にその呼称が間違いだったとようやく気付いたり」

由良「街中で見かければルーフ(正確にはピラー部分)が黒く、リトラのライトと外見に微妙に共通点のあるNSXだと思い込んだりと今となっては微笑ましい勘違いエピソードが多数あったようです」クスクス

由良「以上で簡単ながら、180SXの紹介を終わりにしたいと思います。ご清聴有難うございました」

http://imgur.com/KeyEvxB.jpg
http://imgur.com/rp4cDhB.jpg
180SXって検索したら似てるけど違うのが出てきた
オリジナルは下の車?

>>30-31まあ、そうなるな

>>33-34 有難うございます!楽しんで頂ける様頑張ります。
実は残念ながら、自分はイニDより湾がry
改めて思いますが、イニD人気パない。

>>35-37 ホントだ!助手席で叫ぶ比叡が頭から離れないぞ!可愛いじゃないか!
ちなみに金剛姉妹にもネタを考えてあります故(榛名はバレバレだけど)

>>38-39 湾岸風にしようとすると自分ではくどくなりそうな悪寒。
でも、北上が「ククク」と笑ってもあんまり違和感無い不思議。
ところどころには湾岸ネタもぶち込んでいこうと思ってますw

……夕張サイクル、とか。

>>40 同志!
正直やたらめったら派手なエアロ着けるのって説得力が無くて苦手です。
カッコいいのはどうあってもカッコいい。

>>41 想像したら吹いたw
島(風)に幻のF1タービンを付けてあげよう(ゲス顔)

>>42-44 島風には思い切って隼ターボでも……w
しかし雪風はドロップと建造で出てきたけど、島風さんは一向にウチに来てくれナス。

>>45 これぞ夕張クオリティ。
夕張自体トンデモ発想な艦だったからアリかなー、とw


本編はもう少々お待ちを。
イニDや湾岸だけじゃなく、オーバーレブ!勢とかも居ていいのよ?


鳥山明のCMを見てからはスズキのハスラーが欲しくなった。

とりあえず書いてある分だけ投下。

>>48 下の写真が純正後期ですね。
上は……どこのエアロだっけ。


赤城「こんばんわ。以前お会いしたこと、ありましたよね?」

加賀 ペコリ

提督「ええ、その節はお世話になりました。そちらの提督さんはお元気で?」

赤城「はい。元気過ぎて困るくらいですよ」

加賀「少しは年齢を考えて落ち着いてほしいものです」ハァ

提督「いやあ……あの方が静かになったら、それはそれで怖いですよ」

赤城「ウフフ、それもそうですね」

青葉「結構普通に談笑してますね」ヒソヒソ

夕張「提督って意外とコミュ力高いから」ヒソヒソ

青葉「その割には浮いた話がありませんね」ヒソヒソ

夕張「基本ヘタレだからいつも良い人止まりなのよ」ヒソヒソ

青葉「押しが弱そうですもんねぇ」ヒソヒソ


提督「(全部聞こえてるぞクソが)ところで随分気合の入ったFDに乗っているみたいだけど……」

赤城「ええ。当初は普通のクルマを買おうと思っていたのですが、提督に相談したら『是非乗ってみてくれ』と勧めてきまして」

提督「勧められたって、それ多分……」

加賀「恐らく、ウチの提督が乗ってみたかったってだけでしょうね」

提督「だよなぁ。あの人昔からロータリーも好きとは聞いていたが……」

赤城「それ以上にロータスが好きでエリーゼにしたみたいですが、心の何処かに引っかかっていたのでしょう」

加賀「赤城さん、最初は気乗りしなかったみたいですが……日を追うごとにのめり込みましたね」

赤城「お恥ずかしながら、今ではあのような形になりました」

提督「いえいえ、ウチの夕張も似たようなもんですから」


>>51
なるほどこれが純正のものなのかいいね

とりあえず雨で暇だし湾岸借りてきてSS読んだほうがおもしろそうだな


青葉「夕張さん、ロータリンだかロリータだかとは一体何ですか?」ヒソヒソ

夕張「ロータリーとロータス。ロータリーはエンジンの形式で、ロータスはイギリスの自動車メーカーのことよ」ヒソヒソ

青葉「で、そのロータリーって普通のエンジンとはどう違うんですか?」ヒソヒソ

夕張「通常のレシプロエンジンは一つの燃焼室で圧縮・燃焼・爆発・吸排気と4つの工程を分別してピストンを動かし、動力を得ているの。これが現在主流の所謂4サイクルね」

夕張「一方ロータリーはその名の通り、おにぎり型のローターが繭型の燃焼室を一回転する間にその工程をほぼ同時にこなすことが出来るの」

青葉「同時に、ですか」

夕張「そういう意味では2サイクルも似たようになっちゃうけど、今はロータリーの話だから説明はナシ」

夕張「ロータリーの利点はレシプロみたいにピストンの上下運動を回転運動に変換する必要が無い分、エネルギーのロスも少ないことね」

青葉「うーん……分かったような分からないような」

夕張「本当は図で書いた方が分かりやすいんだけど」

青葉「でも要するに、スゴく効率の良いエンジンってことですね」

夕張「とりあえずそう思ってもらっていいわ。更に構造もシンプルで軽量。水素燃料でも動かせるらしいの」


青葉「へえぇ……その割にはあまり普及しているようには思えませんが」

夕張「レシプロに比べるとデリケートだったのよ」

青葉「ほう」

夕張「とてつもない精度が必要だったの。当初は未来のエンジンと期待され、各国のメーカーはこぞって開発に乗り出したものの、とても採算が取れるものではないと見放された」

夕張「最終的に残っていたマツダだけが実用化に成功したのよ。開発秘話はプロジェクトⅩにも取り上げられたわね」

夕張「その後ル・マンで日本車唯一の総合優勝を飾った787Bを始め、小型車からレーシングカー、果てはマイクロバスまでマツダは様々な車種に載せられたわ」

青葉 メモメモ

夕張「あと燃費が悪くなりやすい、低回転域が弱いというのもデメリットね。RX-8の生産が終わっているから今現在ロータリーエンジンは途絶えてしまったけど、その魅力に取り憑かれるファンは後を絶たないわ。赤城さんもその口じゃない?」

夕張「まあ、若干語弊があるかも知れないけど、大方こんな具合ね」

提督「長々と説明有難う」ツーバーメヨー

夕張「あれ?聞いてました?」タカーイソーラカーラー

提督「呼びかけても応じなさそうだから、終わるまで待ってたんだ」オシエーテヨー

夕張「あら、それは失礼しました」チジョウノホシヲー

提督「それより……って青葉歌うな。帰る前にちょっとした演習だ」

夕張「演習?」


赤城「私と夕張さん。ここから環状線までの一周を一緒に走らせてもらおうと」

夕張「それって、もしかしてバトルじゃ……」

提督「バトルってそんなゲームやマンガじゃあるまいし。ただいつもよりハイペースで並走するだけだ」

夕張「同じじゃないですかぁ!!」

赤城「どう?加賀さん?」

加賀「……入電が来ました。現在流れは良好」

加賀「通行量も少なく、事故・工事・移動オービス等の取締りをしている箇所も無いそうです」

赤城「了解です。行けますね」

青葉「あの、加賀さんは何を……?」

加賀「彩雲を飛ばして交通状況の確認をしていました」ドヤッ

青葉「使い方!」


赤城「では、私が先行しますね」

夕張「……了解です」

提督「どうした、浮かない顔して」

夕張「そりゃあ、勝手に演習という名のバトルをさせられることになったんですから……」ハァ

提督「だからバトルじゃないって」

夕張「いい加減引っ叩きますよ?」

夕張「というか!私提督以外の人と走るの初めて!」

提督「そうだっけ?前に俺の友達の岩崎に乗せてもらったことあるじゃないか」

夕張「私の意識が速攻で壱・撃・離・脱したからノーカンです!」

青葉「なんだ、夕張さんも気絶してたんですね」プッ

提督「アイツは色々キレ過ぎだからなぁ」

加賀「盛り上がっているようですが、そちらの提督はどうするんですか?私は赤城さんに同乗しますが」

提督「折角だから、後ろに着いてって観戦させてもらうよ」

青葉「撮影は青葉にお任せ!」

赤城「ふふ。では、行きましょうか」

夕張「もー……」

一旦投下終了。
ロータリーの説明はかなり噛み砕いたつもりだけど、正直ツッコミどころが色々ありますねorz

>>50 すっごい分かります、それ。
鳥山さんの描く機械の絵ってコミカルなのに精密だから凄い。

>>54 是非是非。
そういえば、湾岸にも180SXってチョロっと出てましたね。


S13系はフレームが途中で切れてるから剛性強化しても限界がなぁ
NAの13B載っけて300馬力、225のタイヤ履かせても5速でもホイルスピン止まらん1000馬力のGT-Rより怖いカプチ(実際に作ったショップがある)出してもええんやで?

乙です!
隼ターボとか聞くとY2Kもいいかなと。

ロータリーはサウンドにも突っ込んでほしかったww

SKYACTIV-RE待っとるんよ

おつー

ロータリーの説明、たしかに文章だとヒジョーに難解な事になるなぁw

ちょっと投下。

>>61 昔そのフレームを繋げて剛性アップなんてパーツもありましたね。あれよく考えたら効果があるのか謎。
ロータリーカプチもどっかで見た記憶が……!

>>62 ロータリーサウンド失念していた……スミマセン。
おわびにウチのでち公にオリョクルさせるので許してくだち。

>>63 実物見ると本当に画期的な機構だと思いましたね。
ただこの手の説明、いかに分かりやすくしたらいいのか非常に困ります。

夕張180SX VS 赤城RX-7編!

>>63 スカイアクティブの機構を未だによく理解していない>>1です。
ミラーサイクルの発展型になるんでしたっけ、アレ……。

そして>>65>>63>>64でした。
ゆるしてくだry

投下しようと思ったら電車くりゅうううぅぅ

>>1はラリーとか見る?
昔はSA22C型がグループBに出てたんだけど

この提督迅帝と知り合いっすか。わお

ついでに無駄知識もどきで外国だとシルビアとかのスポーツカーに平気で(マッスルな)V8に載せ変えたりするっていう

似たような提督が集まるスレになってる…
スレチであれかもだけど、アメリカだとバイパーのV10エンジンを載せたバイクとかもネジぶっ飛んでるよねw

艦これログインし忘れて、ピャピャッと軽巡レシピ回したら、
ぜ か ま し 降 臨 ヒャッホイ。
今度こそ投下します。

>>67 また忘れてた……ご指摘有難うございます。
だが、マツダのラリーカーといえば真っ先にファミリアGT-Rを連想してしまいます。

>>68 アメリカ人とか好きですからね、そういうのw
とか言いつつ、日本でもかつてはS30にV8載せてる方がチラホラ居たようですね。
あと昔、アジアの何処かの国で車種関係無くSRか2JZに載せ換えてしまうという記事も見たことありました。


青葉「それで、夕張さんに勝機はあるんですか?」

提督「どうだろな。パッと見た限り赤城さんが優勢かな」

青葉「と、言いマスと?」

提督「FDとワンエイティではクルマの基礎からして違うのだが、ここはサーキットじゃないんだからそこはあえて考慮しないとして」

提督「クルマの動きを見ている限り、赤城さんは無駄が無い。策敵で鍛えたのか、周りの流れがよく見えている。この場所を走る上で大きな武器だ」

青葉「今はまだ流す程度の速度ですが、それでも分かるんですか」

提督「まあね。青葉もよく見ていてごらん。ホラ、今何かちょうど……」

青葉「言われてみると、夕張さんは少し躊躇しているようにも見えますね」

提督「アイツは感覚だけで判断するのを嫌うからな。まあ、無理はしないと散々教え込んだってのもある」

青葉「ふむ……」

提督「何が起こるか分からない以上、行かないと決めたら絶対に行かない。それも大事なことなんだけど、アイツの場合良くも悪くも慎重過ぎるんだよ」

青葉「一方の赤城さんはスパッと行きますね」

提督「クルマも良く作りこまれているから、足も綺麗に動いているな。FR乗りなら誰もが見習いたいものだ」


青葉「まるで地上の戦闘機、といったところでしょうか」

提督「良いこと言うな。実はFDってゼロ戦を参考にしているんだ」

青葉「ゼロ戦を?」

提督「ゼロ戦と云えば、徹底的な軽量化を施して性能を向上させたことで有名だろう?」

青葉「ええ、開戦当初は無敵でした」

提督「FDの開発チームはわざわざ渡米して、僅かに残っていたゼロ戦を見て、軽量化の技術を学んだらしい」

青葉「なんと……現代にまで技術が繋がれているんですねぇ」

提督「終戦後に飛行機屋がクルマ屋になっていたりする例もあるぞ。BMWのエンブレムも元はと云えばプロペラがモチーフだ」

提督「日本では中島飛行機が解散した後、スバルとプリンス自動車に別れている。まあ、プリンスは日産と合併したけど」

青葉「そう考えると、感慨深いものですね」

提督「その大戦で沈んだ艦の魂を背負う艦娘に言うのも変だけどな」

青葉「艦娘も元は人間ですから」

提督「ん……そうだ、ちょっと夕張に電話を繋いでくれ」

青葉「今運転中ですよ?」

提督「ハンズフリーだから大丈夫だ。早くかけてかけて」


ピロリロ

夕張「あーっ!こんな時に電話なんて誰よ!」ピッ

提督『もしもーし、夕張ー聞こえるかー』

青葉『青葉も居まーすっ』

夕張「何ですか提督!もうすぐスタート地点なんですから!」

提督『おお怖い怖い』

夕張「チャカすだけなら切りますよ!」

提督『いいから落ち着け。冷静さを欠いたら勝てるモンも勝てん』

夕張「……私、勝てるんですか?」

提督『俺の見込みでは7:3でお前の負けだな』

夕張「キーッ!!」

提督『だから落ち着けって。いいか、赤城の方がクルマも腕も恐らく上だ。ソレばかりはどうしようもならん』


夕張「じゃあ、どうすればいいんですか……」

提督『言ったろ?これは演習だって。お前なら勝てはしなくても離されることもない。いつも通り楽にすればいい』

夕張「楽に……」

提督『深呼吸してからいつもの三か条、言ってごらん』

夕張「スー……ハー……」

夕張「一つ、周りをよく見ること」

提督『うむ』

夕張「一つ、迷った時は止めること」

提督『よし』

青葉『スタート地点到達!赤城さん加速を始めました!』

夕張「一つ……楽しむこと!」

提督『そうだ!行って来い!』

夕張「はい!」


青葉「あわわ……は、はやいぃっ……」ガチガチ

提督「ワハハ!赤城さん完全バトルモードだな!お淑やかな顔してとんでもねえ踏みっぷりだ!」

青葉「スピードが違いすぎるゥ!」

提督「青葉うっさい!」

青葉「でっでででも、さっきより夕張さんの動きにキレがありますね」

提督「流石青葉!しっかり見とけよ!」

青葉「……っ!……っ!」

提督「今俺達がやっていることは救いの無い愚かな行為だ!」

青葉「はいぃ!」

提督「だが今この瞬間は全員本気だ!例え一瞬で全てを無に返してしまうことになったとしても!」


提督「こんな飛び切りの時間、人生において味わえる機会なんざ早々ねえ!」


提督「その目で!カメラで!しっかり焼き付けておけ!」

青葉「提督!何かキャラ違いませんかあぁぁぁ~……っ」


青葉『ヒエエエエエエー……』ピッ

夕張「心が軽い……いつもより動ける……」

夕張「もう何も怖く……ってフラグ乙っと」

夕張「無駄口を叩ける位、リラックスできているわ 」

夕張「それでも、体の中の圧が高くなる感じ……テンションとは違う」

夕張「奥底から湧き上がるような、この高揚感」

夕張「……悪くないわね」

夕張「こうして見ると、赤城さんのFDってホント良く出来てるわねー……」

夕張「FDとワンエイティの差かしら?パワーは向こうの方が出ていそうだけど……」

夕張「出口からのトラクションの掛け方が上手いわね。見習うべき点は多そう……」フム

夕張「でも、私の方が入り口で一瞬追いつく。ブレーキングは私の方が上?」

夕張「ああ、向こうは加賀さんも乗っているんだった。それを差し引いたらほぼ互角ってことね」

夕張「よし!ピッタリ着いてデータを取って、私のワンエイティの礎にさせてもらうわ!」


赤城「ふふっ」

加賀「楽しそうね、赤城さん」

赤城「勿論。普段の戦闘とはまた違った緊張感、何だか心地良いの」

加賀「……やはり私には理解しかねるわ」

赤城「あら、どうして?」

加賀「無益だからよ」

赤城「趣味なんて大抵無益なものじゃない?」

加賀「それは分かります。が、これは得るものより失うものの方が遥かに勝る」

加賀「出来れば降りて欲しいの、私は」

赤城「それが……いつも横に乗る理由?」

加賀「分かりましたか?」

赤城「長い付き合いだもの」

加賀「勿論、この程度で降りてくれるなんて思っていません」

赤城「そうね。とっくに止めていると思うわ」

加賀「だから……どんな形であれ、いずれ訪れる最期の時まで、隣で見届けましょう」

赤城「……ゴメンなさいね、ワガママで」

加賀「お互い様です」

仁も湾岸もオーバーレブも網羅した俺が通りますよっと。


提督「オイオイ、マジー……?」

青葉「 」ミギニフラレ

提督「夕張のヤツ、いつもより速いんじゃないのー……?」

青葉「 」ヒダリニフラレ

青葉「って、提督ー」

提督「どしたァ!」

青葉「何ですかその青い炎を操る赤髪のバンドマンみたいな返事!百八式ですか!?」

提督「お前また人のゲームを勝手にやってたな!ネタが分かりづらいんだからヤメレそういうの!」

青葉「それより!都心高速って!何でこんな入り組んでいるんですかぁー!?」

提督「突貫工事で作ったからだよ!新規に道路を通す暇が無くて、川を埋め立てたりして作ったからな!今となっちゃ欠陥だと認める始末だ!」


青葉「な、なんでー!?」

提督「一番はオリンピックじゃないか!?当時はクルマが増え始めた頃でもあったから、それに対応するためにも大慌てだったらしい!」

提督「だが当時のクルマはてんとう虫だのそんなんばっかだ!出しても精々60キロ!こんな造りでも充分だった!」

提督「ところが今はどうだ!同じ軽自動車の括りでもパワーは十倍近い!この狭い国で横幅1.8メートルあるクルマもザラにある!」

提督「交通量は格段に増え、一家に一台どころか一人一台持っていてもおかしくない時代!」

提督「半世紀近くで自動車は格段に性能が上がった!しかし縦横無尽に無理くり繋げてしまった道をイチから建て直すことも出来ない!」

提督「そして今では高速道路とは名ばかりの、都会の迷宮となったわけだ!」


青葉「その結果がこれですかぁ!?」

提督「このジャンクションのコーナーを抜ければ、外回りで一番速度がノる下りのストレートだ!」

提督「下った先に川だった頃の名残の橋桁がある!」

青葉「な、何で橋桁が!?」

提督「無理矢理作ったって言ったろ!ここからが難所よ!」

提督「ただでさえ見通しの悪いS字に橋桁の威圧感ったら、規制速度内でも怖いぞぉ!」

青葉「ならスピード落としてぇ!」

提督「アホ言え!丁度一般車両も居ない!間違いなく二人とも踏み抜く!」

青葉「うひぃいぃいぃぃ」

提督「下りのストレート……!オールクリア!」


夕張「前方車両無し……オールクリア」

夕張「ここから先なら、この子でもFDに着いていける……っ」

夕張「いける……並べる……っ」


加賀「……並ばれましたね」

赤城「そうね」

加賀「本当に楽しそうなんだから……」

赤城「これでも抑えている方よ?この状況では、流石に気分が高揚します」

加賀「え、それ私の……」


夕張「もう少しで……っ!」

夕張「ああーっ!もう!もっとパワーが欲しい!」


提督「あ、マズイ」

青葉(え、急に声のトーンが)

提督「夕張、そっちのラインを選ぶと……飛ぶぞ」

青葉「と、飛ぶって……!?」

提督「文字通りだよ。橋桁抜けた直後のS字は酷くうねっているんだ」

提督「角度によっちゃあ最悪出口で分離帯に……刺さる」

青葉「さ、刺さる!?」

提督「夕張め、赤城さんのペースに釣られて、実力以上の域に入ってる!」

提督「事によっては二台が絡むぞ!」

青葉「えええぇぇぇっ!?ヤバいじゃないですかぁ!」

提督「……そこは引けぇ!夕張ぃ!」


夕張「S字手前で前に出れる……そういえば、こっちのラインってあんまり通らないようにしていたな……」

夕張でも「今なら行ける……かつてない程乗れている……」

夕張「行け……行けっ……行け――っ!」


赤城「……!?」

加賀「どうかしました?」

赤城「………」

加賀「?」

赤城「……ここは譲れませんっ」

加賀「また……私の……」


コーナー入り口、先に進入したのはワンエイティだった。

赤城のラインを潰す様に鼻先を突っ込む。

前へ、前へ、前へ―っ

夕張(動きがスローモーションに見える……)

夕張(タイヤが跳ねている……手に取るように分かる)

夕張(フロントの接地感が無い……)

夕張(……飛ぶっ!)

コンマ数秒の中、夕張の頭の中でこの後起こりうるクルマの挙動は予測できた。

車体全体がスライドしたまま宙に浮き、制御不能に陥る。

この速度では、無理に立て直そうとすれば余計に悪化する恐れがある。

更にすぐ後ろには赤城のRX-7……続けて提督の180SXが。

自分に何かあれば、最悪後続を巻き込みかねない。

ならば最小限の被害に抑えるためには……


ガツンッ!!

夕張「~~~っっ!!」


青葉「横から壁に突っ込んだーっ!!」ギャー

提督「おいいぃぃっっ!!それ元々俺が買ったエアロだぞーっ!?」

青葉「……え?」


加賀「……赤城さんっ」

赤城「終わり、ですね……」


夕張の選択。

コーナー出口の側面に車体を押し付け、無理矢理体勢を整える自滅の方法だった。

ただ壁に当てるだけではダメ。角度が深ければ反対方向に吹っ飛ばされかねない。

無残にも壁に車体を打ち付けるワンエイティを尻目に、赤城の赤いRX-7が通り過ぎる……。

夕張「……やっちゃった」

夕張「一番近いランプは芝ふ公園か……何とか自走はできそうだけど」

今こそ提督の男気が試される時!か?

一旦中断。
うおぉぉ……急に地の文なんか入れたから180SXとワンエイティで表記揺れがある……。

>>69 軍艦好きなんだからクルマも好きなハズ(暴論)
4L位のフォードV8積んだアメリカンなら見たことありますが、まさかのバイパーw
空でも飛ぶ気ですかね?

>>78 やっぱり居ましたたレブ勢!www
涼子ポジと佐和子ポジはすぐ思い浮かんだけど、愛香と沙璃は誰が良いかな……。

>>87 それより提督は自費で買ったエアロの方が気になるようです。

乙ー

>>66
スカイアクティブはマツダの環境技術の総称
次世代技術に頼る前に基礎を徹底的に磨きあげる。その対象はエンジン、トランスミッション、シャシーにボディなど様々
CVT嫌い、HV嫌いには期待の技術
スレチすまん

乙、アキオやノブみたいに提督がスライドしながら壁に向う夕張にぶつけて止めるのかと思ったら違ったか……。
昔けいおんオーバーレブなら考えた事があるが艦娘だと誰がマッチするだろうか?

一旦乙です

中身よりエアロ気にするクソ提督ww
しかし芝ふ公園と見てどんな変態的な公園なんだとか思うあたり、大分脳が腐ってきてるようだわ…

夜更かしモードだからまた投下。
赤城FDエピローグ。

>>89 有難うございます。
詰まるところ、通常のガソリン車で如何に効率を高めるか、という解釈をしていますが合ってますかね?

>>90 場所的に3台突っ込めるような所じゃないですからね……。
首都高バトルで知っていたとは云え、道のど真ん中に突如現れる橋桁→S字は実際見たら狂気の沙汰でした。

>>91 狙ったワケでもなく、ランプの位置関係から偶然起こった奇跡ww
これから毎日芝公園でパンツ見ようぜ!


芝ふ公園ランプ

提督「夕張ー!!」ドアバン

青葉「夕張さーん!!」ドアバン

夕張「アッハハー……やっちゃいましたー……」

提督「こんの馬鹿!何ともないか!?」

夕張「全然、ピンピンしてますよ」

提督「俺の買ったエアロ……テメ、割れてたら弁償だからな!」

夕張「 」

青葉「薄情な人ですねぇ。さっきは貶すようなこと言っておいて」

夕張「使ってないからって私が勝手に着けちゃったから、仕方ないです」


青葉「そう云えば、赤城さんと加賀さんは?」

夕張「あの二人なら、あそこに……」

赤城 ペコ
加賀 ペコ

提督「赤城さんにも感謝だな……最悪FDも巻き込むところだった」

夕張「私が体勢を崩す中、上手く避けてくれましたからね……ビックリしました」

提督「とりあえず挨拶してくる。夕張はそのままでいいから。青葉、行こう」

青葉「ハイ!」

タッタッタッ……

夕張「それにしても……」

夕張「最初の台詞がホントにフラグになるとはネ……」フッ

夕張「もう何も怖くないって……メチャメチャ怖かったんですけど!」


提督「とりあえず、赤城さん達には帰ってもらったよ」タバコトリダシ

夕張「青葉は?」

提督「コンビニに行ってもらってる。喉渇いたしナ」ジッポーシュボ

提督「それと赤城さんからの伝言。『楽しかった。またご一緒しましょう』だと」

夕張「………」

夕張「……提督」

提督「なんだ」フー

夕張「負けちゃいました……」

提督「完膚無く、お前の負けだ」

夕張「乗れている……と思ったんですけどねぇ」

提督「そうだな。見事に赤城さんにノせられていた」

夕張「……そう、ですよね……」

夕張「あの瞬間……凄く怖かった」

提督 スパー

夕張「でもそれ以上に……負けたことが悔しいです」

提督「あァ」

夕張「僅かでも自惚れていた、自分にも腹が立ちます」ジワッ

提督「あァ」

夕張「自分のミスで……この子もボロボロにしたことに……もっと腹が立ちます」
ポロポロ

提督「……なら、やめるか」フー


夕張 グシュッ

提督「お前が今片足突っ込んでいるのは、こういう世界だ」

提督「俺が現役の頃にもナ、事故起こしたヤツは何人も居た」

提督「何人かはケロッとした顔でまた戻ってきた。中には、重い障害を持ったヤツ、死んだヤツも居た」

提督「お前だって艦娘である前に一人の人間だ。本音を言えば、ただでさえ明日も分からない場所に居るのに、わざわざこんなキナ臭い所に置いておきたくはないのヨ」

夕張「じゃあ、どうして……提督はここに……」

提督「さぁねェ。気付いたらココに居たし、また気付いたら舞い戻っちまった」

提督「本当はお前をダシに、戻りたかっただけかも知れん」

提督「夕張。さっきは完膚無く負けたとは云ったけどな、でも勝者は居ないんだ。誰一人として」

提督「残るか降りるか……選択肢はそれだけ」

夕張 ウゥッ

提督「これを機会に降りるのなら俺は止めはしない。丁度良い機会だしナ」

提督「それでも残るというなら、それを咎める気も無い。俺にはその権利は無い」

提督「いつだって、お前次第だ……」


さあ――お前はどうする――?


夕張 ウエェェェン

提督 タバコポロッ

提督「ちょ、え。何で泣くんだよ」

夕張「だってぇぇ~……」ウエェェン

提督「ああ、もう落ち着けって。今このタイミングで青葉が帰って来たら……」

青葉「提督ぅー!ウーロン茶ー……って、ああ!提督が夕張さん泣かしてるー!」

提督「ちがっ……夕張が勝手に……ってオイ!写真撮るな!」

青葉「ナイスデスネー。ナイスデスネー」パシャパシャ

夕張 オーイオイオイ

提督「ギャーッ!ヤメレー!」


夕張180SX vs 赤城RX-7

対戦結果……D 敗北


GSしとくかい?

YES ←
NO


昔サーキットやらなんやらでインプでGT-Rに噛みついたり煽り倒したりぶち抜いたりした過去を思い出したわ
しかし>>1よ、レブと仁と湾岸もだがナニワトモアレを忘れてないか?

乙乙

隣に夏美乗せとけばワンチャンあったかもww
あのころの藤島は二輪、四輪多くてよかった

乙、GS満タン、ハイオクで頼む。

おはようございます。
読み返すと、艦これ要素は添えるだけなアレ。

>>99 わお、精々モンキーで友人のNS-1やエイプを追いかけていた程度の自分にとっては羨ましい体験です。
実は>>17青葉のロールバー=ジャングルジム発言はナニトモ由来で忘れていたワケではないのですが、どう入れ込もうか考えている次第です。
ゼンちゃん的キャラが居ても面白そうなのですがw

>>100 足ブレーキですねw
色々な作品に絡ませてましたからねぇ……魔改造も多かったようなw

>>101 しまった、レーラグ未プレイのクセにネタ入れたから、どう返せばいいか分からないっ!

軽い鎮守府日常パート。


翌日 工廠

夕張「ハアァァァー……」

由良「ああ居た居た夕張……って何その顔!?」

夕張「なにー……なんかよーうかーい……?」

由良「夕張の顔が妖怪じみてるわ。目は真っ赤だしクマはスゴいし……」

夕張「あー……昨日思いっきり泣いたから寝不足で……」

由良「その顔、女子としては色々アウトよ」

夕張「いや、うん……分かってるけど……コレ見たらまた泣けてきた……」


左サイド全体に大きく擦り傷がついたワンエイティ

酷い所は塗装の下地まで剥げ、凹みもある


由良「ああ、コレ。話には聞いていたけど、随分派手にいったみたいね」

夕張「……誰から聞いたの」

由良「今朝早くから、青葉が動画付きで皆に吹いて回っていたから」

夕張「アオバワレェ……」


由良「で、コレどうするの?」

夕張「直すに決まってるじゃない。この際だからボディ補強もしっかりやって……」

由良「ということは、まだ夜中のドンチャン騒ぎを続けるってことね」ハァ

夕張「ドンチャン騒ぎって」

由良「提督もそうだけど、ウルサイのよこのクルマ。夜中にウルサイのは川内だけで充分ですっ」

川内「なにー……よんだー……?」

由良「呼んでないからっ。どっから出てきたの、この夜行性の生き物」

川内「呼んでないのー……今は眠いんだからさー……」フアァー

由良「もう昼過ぎよ」

夕張「川内と同レベル……不幸だわ」

川内「ねむねむねむ……」

由良「何なのウチの軽巡は……っ」


若葉 トコトコ

由良「また増えた」

川内「夕張を励ますんじゃないのー……」

由良「タンバリン持ってるけど?」

川内「……陽気に踊るんじゃない?」

由良「若葉ってそんなキャラじゃないでしょ」

若葉 ツンツン

夕張「なーに……若葉ちゃ 若葉「いじけるなベイビー」

若葉 トコトコ

夕張「……?」

川内「……え」

由良「今の何」

若葉 クルッ

若葉「エレクトリックサーカス」

ピシャッ

夕張「 」

川内「……もう一回寝直してくるわ」

由良「由良も……」


鎮守府・外

青葉「ですからっ!青葉見たんです!」

古鷹「そ、そう……」

最上「もう、朝から聞いてるよー」

青葉「深夜の都心高速は、ドラマが一杯だったんです!」

青葉「不肖、青葉!感動しました!」

古鷹「う、うん……」

最上「それはいいんだけどね」

青葉onママチャリ

青葉「さっきからどうしたんですか二人とも。青葉の話も上の空じゃないですか!」

最上「いや、だってさ……」

古鷹「ねえ青葉、その自転車で何処へ行くの?」

青葉「取材に決まってるじゃないですか!」


最上「まさかとは思うけどさー……青葉、それ乗って都心高速行く気じゃ……」

青葉「何を今更」シレッ

最上「うわぁ!?」

古鷹「やっぱり!」

青葉「これから様々な都高ランナーの方達に突撃取材を敢行して!」

青葉「同乗させてもらい、その様子を撮影していく所存です!」

古鷹「待って青葉!それ自転車だよ!?」

最上「そうだよ!それに都心高速は高速道路だよ!?」

青葉「それ位知ってます」ハン

古鷹「 」

最上「 」

青葉「幸いこの鎮守府から湾岸線は近いですからね!いざ、出撃しちゃいま~す!」チリンチリン

古・最 ハッ

青葉「ぱーぱーぱぱぱ・ぱーぱーぱっぱ♪」←ロッキーっぽいテーマ

最上「う、うわあぁ~!!?」ガシッ

古鷹「ダメェ~!」ガシッ

青葉「何ですかさっきから!離してくださいよぉ!」ググッ

摩耶「……ああ?さっきから、うるせえなぁ……」

最上「あ!摩耶!いい所に!」

古鷹「お願い!青葉を止めるの手伝ってぇ!」

摩耶「止めるって……コイツ何する気だよ」

古鷹「自転車で都心高速に行こうとしてるの!」

摩耶「提督っ!それか叢雲呼べっ!この馬鹿どうにかしろーっ!!」


―余談。

その後、深夜になると多数の撮影機材を持ったセーラー服の少女が出没し、

出くわすやいなや「画を撮らせてください!青葉の趣味なんです!」と同乗走行を求められるという噂が実しやかに噂され、

某自動車雑誌の読者投稿コーナーにおいて「湾岸の青葉さんを探せ!」という題目で大喜利のネタにされるようになるのは、また別のお話である。


執務室

ワーギャー

提督 カリカリ

叢雲 カリカリ

提督「……何か呼ばれた気がする」

叢雲「気のせいじゃない」カリカリ

提督「ちょっと行って来る」ガタッ

叢雲「待ちなさい」

提督 ピタッ

叢雲「昨晩、夕張が事故起こしたそうじゃない」カリカリ

提督「まあ、盛大な自爆だな。青葉の映像でも見るか?」

叢雲「その映像を見て知ったのよ」カリカリ

提督「さいですか」

叢雲「アンタ、自分の立場を分かっているんでしょうね?」

提督「一応、小さい鎮守府ながらも提督であります……」

叢雲「そうよ。アンタがこの鎮守府の代表。責任者よ」

提督「ハイ、そうですね……」


叢雲「個人の趣味だからとやかく言うつもりは無い。だけど、アンタの場合は度が過ぎている」

叢雲「挙句部下の艦娘を連れ出し、その艦娘が事故を起こした。大したスキャンダルだわ」

叢雲「今回は幸い怪我人は無し。夕張は……まあ見れたモンじゃないけど」

叢雲「しかし、一歩間違えれば大惨事。護るべき立場の人間が壊す・犯す」

叢雲「この言葉の意味、分かるわよね?」

提督(ヤッベェ……これ一番怒ってる時の顔だ)

コンコン

時雨「提督!凛として時雨の『テレキャスターの真実』を間違えずに弾けるようになったよ……って、あ」ガチャ

提督「やぁ時雨……おめでとう」

時雨「……お邪魔だったかな?」

叢雲「いいえ、そんなことないわ。丁度終わったところよ」

時雨「そう……ならいいんだけど」

叢雲「ところで、さっきから外で騒いでいる連中は何をしているの?私と提督を呼んでいたみたいだけど」

提督(さっき気のせいって言ってたじゃん)

時雨「ああ……青葉が自転車で都心高速に行くって聞かないんだ。最上や古鷹が必死で抑えているところさ」

提督「何してるんだアイツ……」

叢雲「あまり黙らないようなら、酸素魚雷をお見舞いしてやりなさい。私が許可するわ」

提督「え、ちょ」

時雨「了解。ちょっと入渠させて頭を冷やしてもらおう」

叢雲「お願いね、時雨」

時雨「大丈夫、行ってくるよ」バタン

提督「え、えー……」

叢雲「いつまでつっ立ってるの?片付ける書類はまだあるんだから、早く執務に戻りなさい」

提督「は、はーい……」

とりあえず投下終了。
>>107で噂を二回入れてしまった……ちゃんと推敲したつもりでもコレだorz

それにしても、青葉のキャラって汎用性がスゴい。

提督の飲物が案の定ウーロンで草
提督「アオバーっ!ウーロンだ俺!」

ワカバユウスケ「未だに鎮守府っていう字が書けない…」

おつです

青葉ぇw

夕張活躍してるのが嬉しい

おはようございます。
昨夜に少し投下しようと思ったら寝てました。

しかしこんなニッチなSS読んでくれてる方が居ることに驚きと感動を隠せません。
若者のクルマ離れと叫ばれる中でも、やっぱりクルマ好きな人って多いんだなぁ。

ということで鎮守府パートを少し投下。


>>111 提督「でも、青葉から勇気は貰えないなぁ」

>>113 若葉を一目見た時からグレッチを持っている姿が浮かんで離れません。どうしよう。

>>114 いずれこの青葉も雨さんやスモーキーを追跡し始めたり、ラーマン山田に蹴りを入れるに違いない。

>>115 初っ端から事故ってしまいましたが、これから成長してもらわないと。


そういえば、青葉も若葉も元ネタの人物が「チバ」ですね。
やってから気が付いた。そして謎の「葉」繋がり。


鎮守府・外 喫煙所

提督「あー……やっと一服できる」

山城・摩耶・龍驤 スパー

提督「……何だこの組み合わせ」

龍驤「いや、何でただタバコ吹かしてるだけでそんな顔されなアカンの」

提督「だって妙な威圧感があるんだもん、この面子」

龍驤「そらまあ、こんな綺麗どころが集まっとるんやし?怖気づくのもしゃーないで自分」

提督「そういう意味じゃねーよ。どう見てもレディースの集会だよコレ」

摩耶「つーかさぁ、ここで吸ってるのアタシら位しか居ないんだから今更文句言うんじゃねーよ」

提督「ならせめてキティッパ(キティちゃんのスリッパ)履いてうろつくの止めてもらえませんかね」

摩耶「関係ないだろ。それに楽だし可愛いから別にいいじゃん」

提督「可愛いって言う割にはキティちゃんの顔、汚れてないか?」

龍驤「ホンマや。それやただの野良猫やんけ」

摩耶「うわ、ホントだ。しかもちょっと剥がれてる」

山城 スパー


提督「で、我関せずみたいに振舞ってる山城よ。お前また勝手にCD持ち出したろ」

山城「あら、そうでしたっけ」

山城「最近CDがやたらと増えて、部屋にあるカラーボックスに収まりきらなくなって不幸だと思っていたけど……提督のCDも混ざっていたから急に増えたのね」

提督「どんだけ持って行っているんだよ」

山城「さあ?今まで食べたパンの枚数よりは少ないんじゃない?」フー

提督「ハァ……まあいいや」

山城「提督は簡単に折れてくれるから楽だわー幸運だわー」

提督「黙ってればつけ上がりやがってコイツ……美人だけど」

摩耶「結局顔かよ」

龍驤「まあ、たかがCD如きでネチネチつまらんこと言うても、器が小っさく見られるだけやしね」

摩耶「そもそも提督に器なんてあったのか?」

龍驤「そらーアレや、どんな海より深ぁい色の器を持っとるわ」

摩耶「へー……そうは見えないけどな」

提督「いや、よく聞け摩耶。海より深い色だからね?器の深さじゃなくて色の深さだからね?」

摩耶「ああ色か。ややこしい」

山城「今の楽しみは、提督が予約しているシロップ16gの新譜を先に聴いて独占することね。ウフフ……幸福だわ」

提督「おい!」

若葉「スモーキン・ビリー」

龍驤「今の何?」

摩耶「知らね」モウイッポンスオウ


談話室

瑞鳳 ジー

瑞鳳 ジーー

浜風「瑞鳳さん、まだ青葉さんの映像見てらしたんですか」

浦風「ほんまによう飽きんわいねぇ」

瑞鳳 ジーーー

浜風「聞こえていない……?」

浦風「もっしもーし?」

瑞鳳 ジジジー

浜風「ダメね」

浦風「ごっつい集中力じゃ」

瑞鳳 ボソボソ

浜風「??」

浦風「何じゃろ?」

瑞鳳「赤城さんのFD……サイドポート加工で約400馬力位かな。そうするとタービンは多分T04Z辺りを組んでいるハズね。だとすればまだ余力がある。足回りはそれほど締めてなさそう……フロント10にリヤは8キロ……いや、それよりもう少し硬いか。判別が難しいところね……」ブツブツ

浜風「!?」ビクッ

浦風「怖っ!なんか怖いわっ!」


瑞鳳「あら?二人とも、どうかしたの?」

浜風「それはこちらの台詞ですよ」

浦風「急に呪文みたいなもんぼやき始めよるき、ビックリしたわ」

瑞鳳「赤城さんのFDを研究していただけで、何をそんなに驚いているのよ」キョトン

浜風「研究……ですか」

浦風「研究してどうするん?」

瑞鳳「え?面白くない?」

浜風「ごめんなさい、よく分かりません」

浦風「ウチには警察24時で流れとる暴走族の映像にしか見えんわ」

瑞鳳「それは……行為自体は褒められたものではないけど」

瑞鳳「この映像には様々な情報が集約されているの。提督と夕張のワンエイティは大体の仕様は知っているからいいんだけど、他の鎮守府の、それも一航戦として名高い赤城さんよ。その赤城さんのFDならば実に興味深いじゃない?例えばここのシーン、夕張のワンエイティが跳ねているギャップも赤城さんのFDはショックをスッと吸収している。夕張はまだ仕上がっていないから仕方ないにしても、この動き一つとっても得られることは沢山ある。これは私の推測だけど、赤城さんは都高環状線に絞ってFDを弄っているわ。都高環状で通用すれば、どんなステージでも対応出来るなんて聞いたことあるけど、大袈裟でもなさそうね。あとこのシーンもうんたらかんたら」

浜・浦「はぁ……」

若葉「サタニック・ブンブン・ヘッド」

浜風「何ですか今の」

浦風「知らんわ」


浜風……書けば出る書けば出る……

今回で鎮守府パート一旦終了。
次回登場する艦娘は皆大好きあの姉妹。
赤城さんの時点で察しはつきますね。

C1ってレースできるレベルで空くことがあるんだ(無知)

おつです

山城ww


ゼンちゃんの代わり?そこにたけぞうがいるじゃろ?

お疲れ様です。
予告通り、あの姉妹が大暴れ回です。

>>122 舞台になってるのは首都高じゃなくて都心高速という架空の場所だから……(震え声)
深海棲艦が出没してから輸送業や交通量の流れが変わったというご都合主義でお願いします。

>>123 山城さんって不幸不幸呟く割には、いい性格してそうだな、とw
艦これをやる前から扶桑姉妹はお気に入りだったのですが、山城さんは>>1が戦艦レシピを試して一発目にやって来た初戦艦なので、
建造時間を見て狂喜したのは言うまでもありません。例え2-2浜風掘りの間、大量に拾っても……。

>>124 武蔵「喧嘩と環状は祭りじゃあ!そうりゃあ!!」バチーン
うん……何の違和感も無い。カメレオンワンダーはよ。

本格的に艦これを始めて一ヶ月弱、大型建造は未だに一回しか回したことがないチキン野郎です。
投下を開始します!


夜・執務室

提督「んん~……っ、さて、今日はそろそろ休むかなぁ」

叢雲「そうね。キリもいいし終わりにしましょ」

提督「何か一杯呑みたい気分」

叢雲「呑むの?今日も出るかと思ったのに」

提督「流石に昨日の今日では出ないって」

叢雲「あら意外。ま、大人しくしてくれるなら何よりだわ」

提督「じゃ、とりあえず何かもっt 川内「提督!」バアン

提督「どわっ!?何だよ川内」

叢雲「ノックくらいしてから入りなさいよ」

川内「そんなことよりさ!私に隠れて夜戦してるでしょ!」

提督「……はぁ?」

叢雲「何を言ってるの」

川内「とぼけても無駄だからね!夜に夕張と一緒に出掛けて、夜戦しているの知ってるんだから!」

提督「……叢雲、コイツも俺と夕張が何をやってるのか知らないクチ?」

叢雲「さあ?この様子じゃ本気で知らないんじゃない?」

提督「朝から青葉があんだけ宣伝しておいて?」

叢雲「この子、昼間は寝惚けているから憶えていないんじゃないの?」

提督「んなアホな」


川内「二人でコソコソ何話してるのさ……あ!さてはこれからの夜戦の打ち合わせね!ずるい!」

提督「行かないっての。今日はもう休むんだから」

叢雲「いいんじゃない?口で説明するより、実際に見せてあげた方が早いわ」

提督「いやいや、お前俺のこと止める側だろ?促してどうするんだよ」

叢雲「言ったでしょ?節度さえ守ってくれれば口出ししないって。それに……」チラ

川内 ジトー

叢雲「川内が黙って退くタイプに見える?」

提督「ええぇぇー……」

川内「さあさあさあ!」

提督「ああー……もう分かったよ!可愛い川内の為だ!着いて来い!」

工廠

夕張 ワンエイティ修復中

提督「夕張ぃ」

夕張「ん?どうしたんですか提督?」

提督「前に買ったアレさ……何処に置いたっけ?」

夕張「アレ……?もしかして、買うだけ買って放置してるアレですか?」

提督「そうそう。と言うか、今すぐ動かせる?」

夕張「提督が放置しているから、代わりに私が面倒見てますので大丈夫です」

提督「ああ……すまん」

夕張「そうですよー?感謝してくださいね」

川内「うわっ!?夕張のワンエイティ傷だらけじゃん!ナニコレ!?」

夕張「アンタ昼間も見てるでしょうが」

提督「……ホントに何も知らないんだな」


夕張「……っと、アレでしたね。持って来ますよ」

提督「ああ、頼むよ」

川内「てーいーとーくー。それより何の為にココに来たのー?早く行こうよぉ」

提督「せっかちさんだな。お前に渡したいモノがあるから少し待ってろって」

川内「それって夜戦に関係あるの?」

提督「あるとも。これが無くちゃあ始まらない」

川内「……じゃあ待つ」

提督「よしよし……っと、来たな」

川内「?」

パアアァァァァン……

夕張「お待たせしました。例のアレです」

提督「おおう、スゴい調子が良さそうだな。アイドリングも安定しているし」

夕張「でしょー?色々苦労したんですよ?」


川内「ねえ、なにこれ?」

提督「NSR250、しかもまさかのハチハチ(88年式)だ!今となっては超貴重だぞ?」

夕張「古さは否めないけど、バッチリ仕上げてあるから峠辺りなら良い線行くんじゃないかしら?」

川内「え?峠……?」

夕張「あとは装備ね。まずはこのヘルメット。半ヘルじゃ危ないから当然フルフェイス」

川内「ああ……うん???」カポ

夕張「それとコレ、ツナギも着ておきなさい。いくら艦娘だからと言っても、肌を露出したまま乗るのは危ないし」

提督「これらの装備は妖精さん達が一瞬で作ってくれました」

妖精ズ イエーイ

川内「着替えればいいの?」

提督「おう。俺達はここで待ってるから」

川内「よく分からないけど分かった」

艦娘着替え中


川内「終わったよー」←ライダースーツ&フルフェイス装備

提督「おお、カッコいいカッコいい」

夕張「似合うじゃない」

川内「え、うん。ありがと……?」

提督「事態を飲み込めていないようだな」

夕張「それでもちゃんと着て跨る辺り律儀ね」

川内「ねえ、これどういうこと?何で今私バイクに乗せられているの?」 

提督「だからお前ご所望の夜戦装備だ。なかなか様になってるぞ」

川内「これと夜戦がどう繋がるのか、さっぱり分からないんだけど……」

提督「だから、俺と夕張が普段やっていることを体験してもらう為さ」

川内「???」



提督「夕張のクルマは今修復中で出せないから、代わりにそのNSRに乗ってもらって、川内にも体験してもらおうという俺の粋な計らい」

川内「ええと……これはアレなの?所謂走り屋ってヤツ?」

提督「今あんまりその言葉使わない気もするが、まあそうなるな」

川内「で、たまに提督と夕張が出かけていたのは、峠を走り回る為?」

夕張「基本は都高だけど、たまに行くわね」

川内「つまり、夜戦じゃない……?」

提督「ある意味夜戦だけどな」

夕張「間違ってはいないですね」

川内「………」

川内「騙したなあぁっ!!!」


提督「騙したも何も、お前が勘違いしてただけだろうに」タバコスパー

夕張「皆知ってると思ったんだけど、アンタといい青葉といい知らない子もいるみたいだけど」

提・夕「ねー?」

川内「何か腹立つ!特に提督!いい歳して何が『ねー?』だよ!」

提督「人は誰でも平等に歳を取るものさ。特にハタチ越えたらあっという間だよ」

夕張「あんまり怒ると肌荒れるわよ?アンタは只でさえ夜型なんだから」

提督「夜な夜な走り回っているお前も変わらないだろ」

夕張「そこが悩みというか、ジレンマなんですよね。お肌の曲がり角も実は20歳位から始まるらしいし」

川内「ムキー!私まだピチピチの十代だもん!那珂程じゃなくても多少は気使ってるし!」

提督「十代がピチピチて」

夕張「ちゃんと気にしている辺りは川内も単なる夜戦馬鹿じゃないんですね」

川内「うぅー……っ」

川内「何なら触る!?触って確かめる!?見てこの肌の輝き!」ヌギヌギ

夕張「止めなさい馬鹿!」


5分後……

川内「取り乱しました」

提督「落ち着いて何よりだ」

夕張「け、軽巡の中じゃアンタが一番錬度高いんだから、暴れられると困るのよ……」ゼーゼー

提督「それでも被害を出さずキッチリ止めたのは、常日頃の鍛錬の賜物だな」

夕張「どうも……」ハーハー

提督「でも、本人同意の上で川内の肌に触れられるチャンスだったのに……惜しいことをした」チェッ

夕張「なんだとこの野郎」

提督「悪ノリが過ぎたな。で、どうする川内?」

川内「何が?」

提督「いや、お前が望んでいた夜戦ではないのは分かってもらえたわけだし、今日はお開きにするか?」

川内「うーん……確かにそうだけど。ねえ、このバイクって私が乗ってもいいの?」

夕張「元は提督がたまたま見つけて、盆栽にでもしようと思ってたみたいだから、アンタが乗っていても別にいいんじゃない?」

川内「盆栽?植えるの?」

夕張「盆栽みたいに、自分で手を入れて飾り物にすることね」

提督「2ストってあんまり乗ったことないから怖いんだよ」

川内「へー……」


夕張「ただでさえ貴重なレーサーレプリカだから気持ちは分からなくもないけどね」

提督「おうよ。国内で2ストが絶滅した今、こんな刺激的なモノは二度と出ないだろう」

夕張「でも走る為のバイクなんだから、乗らなきゃ勿体無いわ」

川内「うーん……二輪の講習は訓練時代に受けたから、一応乗れるんだよね」

提督「え?そんな講習あったの?」

夕張「有事の際、陸での移動手段として運転講習が組み込まれていました」

提督「マジか」

夕張「大型は乗れませんけど、免許もありますよ」

川内「折角貰えるんなら、貰っちゃおうかな」

提督「誰もあげるとは 夕張「決まりね!今日からそのNSRはアナタのモノよ!」

川内「わーい!やったー!」

提督「それ、100万近くしたんだけど……」

夕張「あら?あの子の顔見ても断れます?」

川内 キラキラ

提督「無理」

夕張「でしょ?」

川内「ねえ!これから出かけようよ!」

>>135 ×訓練時代 ○訓練生時代


Hakone

提督「ということでHakoneにやって来た」

川内 フンス

提督「ここまでそこそこの距離があったけど、運転には慣れたか?」

川内「そうだなぁ……最初は戸惑ったけど、一定の回転数以下に落とさなければ良いんだね」

提督「2ストはパワーバンドに入った途端別次元の加速だからな。俺はその感覚に慣れなくて未だに怖い」

夕張「それが楽しいんじゃないですか」

提督「クルマも二輪も全域フラットな特性の方が乗りやすくて楽だ」

川内「じゃあ提督は、それが弱点だと思うの?」

提督「言い方を変えれば、な」

川内「でもさー、それを分かっているんだったらそれに合わせればいいだけじゃない?」

提督「ぬ?」

川内「その特性を理解してるんだったら、別に弱点っていう風にはならないと思うけどなぁ」

提督「ぬおっ!乗り始めて小一時間程度の娘っこのクセに、鋭いことを」

夕張「なかなかの着眼点ね」

提督「……ま、まあこんな所で立ち話してもなんだしな。早速上ってみようか」

川内「オー!」

「Hey!ちょーっと待つデース!」


提督「このパターンは……」

夕張「昨日の青葉と同じですね」

提督「でも今日は居ないぞ」

夕張「湾岸にチャリで行こうとしてたらしいじゃないですか」

提督「時雨に酸素魚雷ぶち込まれてドッグ行きだ」

夕張「何それ怖い」

「ゴチャゴチャウルサイですネー!シャラップ!」

提督「ところでさ、このカタコトな口調って……」

夕張「どう考えても、あの鎮守府の……」

川内「誰だ!姿を見せろ!」

ライトピカーッ!

提督「うおっ眩し」

夕張「なにアレ」

川内「クッ……照明弾!?」

提督「よく見ろ、クルマのヘッドライトだ」

夕張「四台分ですね」


「アナタ達ですネー!最近この辺りを荒らしているというのは!」カーン

川内「あ!武器持ってる!ヤる気!?」

提督「何で角材持ってるのあの人」

夕張「というか何この茶番」

川内「誰だ!」


「一号!金剛!」

「二号!比叡!」

「さ、三号!榛名です!」

「四号!霧島!」


四人「我ら、金剛レーシング!」ビシィッ


提督「 」

夕張「 」

川内「こ、金剛レーシング!?」


コンゴウレーシングダ!
ココイラデハトップトウワサノアノ!?
キャーステキー!
バーニングラーブ!

提督「い、いつの間にギャラリーが!?」

夕張「私帰ってもいいですか?提督は川内とタンデムして帰って来てください」

提督「置いてかないで。あとレーレプでニケツは無理」

川内「それで、その金剛レーシングが何の用よ!?」

金剛「フッフッフッ。ワタシ達はこの辺りではナンバーワンを自負させてもらってマース」

比叡「そして最近、何処の馬の骨とも分からないヤツが暴れ回っていると聞いて!」

霧島「この金剛レーシング!キッチリ落とし前をつけさせるべく立ち上がったのよ!」

三人「ワーッハッハッ!」

提・夕(帰りたい……)

榛名「……あの、金剛お姉さま」

金剛「どしたネ榛名」

榛名「いえ、あちらの方って以前演習でお会いした市川鎮守府の提督さんでは?」

金剛「ワッツ?」

提督「ヘロー、ミス・コンゴー。ハウワイユー?」

金剛「 」

比叡「 」

霧島「 」

金剛「……ち、違うネー。ワタシ、イギリス人と日本人のハーフ、カレンといいマース」

金剛「ホラ、見てくだサーイ。このユニオンジャックのパーカー。可愛いデショー?」

提督「おう、各所で言われているネタを自分から言うのやめーや」

川内「何の話?」

夕張「中の人の話よ」

川内「中?那珂?」


提督「お前達はあの鎮守府の金剛姉妹か。ホントに何やってんの?」

金剛「Oh……まさかこんな所で」

比叡「どうしましょう、お姉様」

提督「別に上に報告するとかそうことはしないよ。俺らだって普段同じ様なもんだからな」

夕張「私なんか昨日事故ってますしね」ズーン

金剛「それなら安心デース!」

提督「……で、見たところ金剛はハチロクか」

夕張「赤城さんもFDだったし、流れ的に榛名さんがハチロクに乗っていても別に不思議は……あれ?」

金剛レビン
比叡レビン
榛名86
霧島86

提督「……違う86だな」

霧島「私はBRZです」

提督「ハチロクですらない!」

夕張「せめてそこは統一しましょうよ!」


夕張「せめてそこは統一しましょうよ!」

金剛「そんなことより!ワタシ達自慢のマシーンを紹介しまショウ!」

提督「いや、もうホント結構ですから……」

金剛「遠慮しないネー!」


金剛のAE86レビン
前期型のホワイトツートン
4A-G改スーパーチャージャー仕様で推定260馬力
内装は不必要なものは全て取り外され、ロールゲージが張り巡らされたスパルタンな仕様
見た目はノーマル風だが、N2仕様同等の幅まで拡がる純正形状ワイドフェンダーを装備
自慢はオルガン式フットペダルとサイド管

比叡のAE85レビン
ホワイトツートンの後期型
金剛とほぼ同仕様ながらパワーが若干下で推定250馬力
違いはフットペダルとサイド管か否か
見た目には分からないが、実はハチゴーベースなのは内緒の話


提督「思っていた以上に本気仕様だぞコレは」

川内「中がガラガラ」

夕張「金剛さんなんかサイド管ですよ。車検通らないんじゃ……」

金剛「その時は通常のモノに戻していマース」

提督「ご苦労なことで」

ハブられたトレノカワイソス

>>125
架空なら芝(ふ)公園でもしょうがないな(メソラシ


榛名の86
カラーはレッド
ボルトオンターボ仕様で約320馬力
金剛・比叡とは違い内装や快適装備も残っている

霧島のBRZ
カラーはブラック
遠心式スーパーチャージャー仕様で約300馬力
後部座席を取り払いロールバーを装備しているが、榛名同様快適装備は残したまま


提督「民間造船所組は86とBRZか」

夕張「榛名さんはてっきりパンダトレノだとばっかり」

榛名「確かに以前はトレノに乗っていましたが、数ヶ月程前にエンジンブローしまして」

霧島「榛名が今の86に乗り換えたのはつい最近なんですよ」

提督「だから榛名の方は作りかけな感じがするのか」

榛名「トレノの時は5A-G仕様にしていました」

提督「イナゴか。そりゃまた渋い」

川内「イナゴ?バッタ?」

提督「5A-G仕様の排気量だよ。1750ccだからイナゴ」

川内「成る程」

一旦終了。
金剛姉妹書いてて楽しいけど、書き溜めからのコピペミスって夕張の台詞ダブってるし脱字はあるし……。
さらに描写を忘れていましたが、金剛&比叡のハチロクは3ドアです。
ちなみに、ブローしたという榛名のハチロクトレノは土屋圭市号を想像してもらえればおkです。

>>142 世間ではAE86=トレノな風潮が否めないと勝手な被害妄想に囚われている>>1です。
トレノ様スミマセン。

>>143 せやで工藤。

>>137
そこはドッグじゃなくてドックなんだよなぁ

おつー
じゃじゃ馬と言えば5000から過激に変わるスタリオン4WDラリー(SS読者並みの感想)


買ったインプが最初ほぼ直管で車検の時に一度サイレンサー外して計測したら137db出てて陸運で盛大にワロタな
サイレンサー着けて98dbで無事通ったけど

乙ー。コンセプトだけど現実にある86の方が過激だから困る。>SPORTS FR CONCEPT

乙、金剛たちほぼ西川レーシングじゃねーか!

ハチロクはイニ始まる前までは軽くて硬い2ドアレビン1択で、トレノはホンダ某ナンパカーに似てたせいど不人気だったそうな。

おつです

知識が車偏重で二輪は門外漢なんだが、川内はNinjaに乗せなかったんだねww

こんばんわ。
ちょいと投下しようと書き溜めてたら、いつの間にか寝ていてこんな時間に。

>>146 なんという凡ミス。ドッグじゃ犬やん……orz
ご指摘有難うございます。

>>147 そもそもGr.Bはお化けの宝庫。
SSは全編通してはまだ未読であります……。

>>148 サイレンサー仕事し過ぎwww

>>149 出たw86みたいな何か。

>>150 これも分かる人居ますよね。モデルは西川レーシングですw
確かにトレノ(特に2ドア)って、ホンダさんの前奏曲に似てますね……考えたこと無かった。

>>151-152
川内はNinjaにするか最後まで迷いましたが、やっぱり安直過ぎるかな、とw
二輪に関してはまだ少しネタを練っているので楽しみにしてもらえれば。
天龍ちゃんも出ますよ。

それにしても……しょーもないミスが多いのはきっと、いくら2-2回しても出てくれない浜風のせいだ!
そうに違いない!


提督「さて、金剛達のクルマも見終わったし、俺達は帰らせてもらおうか」

夕張「そうですね」

川内「えーっ?もう帰るのー?」

提督「……いや、なんかもう疲れたし」

夕張「これ以上居ると厄介事に巻き込まれそうですしね」

川内「まだ全然走ってないけど!」

提督「帰ろう。帰ればまた来れるから。な?」

霧島「……『ステルス』に『インターセプター』」メガネクイッ

提・夕 ピクッ

霧島「かつて都高ランナーの間では『迅帝』と並び、誰しも一度は耳にしたと伺っています」

金剛「何のことデスか?」

榛名「『迅帝』なら榛名も聞いたことがあります。800馬力を優に超える青色のGT-Rを操っていた、とか」


霧島「ええ。そのモンスター級のRと同等の実力を持ち、環状においては敵は無しと謳われた脅威のワンエイティ」

霧島「互いに壱撃離脱をモットーとしていた為、実際にその姿を見た者はごく僅かとも」

比叡「文字通りの存在だったのね」

霧島「それ故噂だけが独り歩きして、通り名も幾つかあったようですが」

金剛「それで、その話に何の関係があるデスか霧島」

霧島「分かりませんか?『ステルス』と呼ばれたのはブラック、そして『インターセプター』と呼ばれたのはミッドナイトパープル……それぞれカラーリングは違いますが、同一人物と見て間違いないでしょう」

榛名「そのワンエイティって……」

比叡「え、嘘……」

金剛「そう云えば、提督もパープルのワンエイティネー」


霧島「しかし、二台は突然姿を消しました。『迅帝』はクルマが炎上する程の大事故を起こし死亡。『インターセプター』も同時期に行方をくらませています」

夕張「死亡って……岩崎さん生きてるじゃないですか」ヒソヒソ

提督「コラ、シーッ!」ヒソヒソ

霧島 メガネキラーン

夕張 ムグッ

提督「ほら見ろ……」

川内「ねえ?さっきから何の話?」

提督「あー……うん。まあ……」

霧島「そちらの提督の過去の話ですよ」

金剛「霧島、それリアリー?」

霧島「あくまで憶測でしたが、その反応を見るにカマ掛けて正解だったようですね」


提督「夕張が余計なこと言うから……」

夕張「ごめんなさーい……」

比叡「ということは、ホントに提督がその『インターセプター』なの!?」

榛名「す、スゴい……そんな話が、本当にあるなんて」

霧島「以前演習で伺った際、そのワンエイティを見かけてふと、今の話を思い出したんです」

霧島「何せ十年以上前の事だから、それを知る人も少なく……確たる証拠も見つけていません」

提督「精々都市伝説程度にしか思っていないヤツが殆どだっていうのに、よく調べたなぁ」

霧島「戦況分析が得意なものですから。そのテの話は勝手に舞い込んで来るんですよ」

提督「そういうもんかね……」


金剛「ヌッフッフ……そんな話を聞いてしまったら、こちらも黙っていられませんネ!」

提督「ホレ見ろ、完全に面倒臭そうな方向に進んでるぞ」

夕張「冗談じゃねえ」

提督「これは最早避けられないディスティニーなのさ……」

川内「二人して急に何なの、その口調……」

金剛「こちらもナンバーワンとして……そーんなレジェンドな人を目の前にしたら、居ても立ってもいられませんヨ!」

金剛「さあ!ワタシと勝負しt 提督「断る」

金剛「ワッツ!?」

提督「やる気無い」

金剛「 」

提督「まあ、それで退くとは思えんからな。仕方ないから相手してやろう」

提督「夕張が」

夕張「……え?」


提督「頑張れよ夕張」

夕張「アイエエエエエ!?ワタシ!?ワタシナンデ!?」

提督「しんどい」

夕張「嫌ですよ!私のはあんあ状態ですし、提督のクルマに乗って来ただけですよ!?」

提督「俺のでやればいい。同じワンエイティだ、苦労はしないだろ」

夕張「……仮に私が乗るとして、金剛さんに勝てますか?」

提督「100パー無理。相手が悪過ぎる」タバコスパー

夕張「尚更拒否します!」

提督「拒否を拒否!」

夕張「ひでぶ」


提督「考えてみろ。相手はここらで一番だぞ。どうしたってお前が敵う相手じゃない」

夕張「なら提督が行けばいいじゃないですか」

提督「話は最後まで聞け。その一番の走りを間近で見るチャンスだ」

夕張「そりゃあ、まあ……そうですけど」

提督「しかも、以前から俺のワンエイティを運転してみたかったんだろ?ダブルチャンスだ」

夕張「う……それは……」

提督「これからまた新しくクルマを作り直すんだ。何かの参考になればと思い、俺はあえてお前を推しているんだぞ」

夕張「ああ、もう……分かりました。分かりましたよ。私が乗ればいいんでしょ乗れば」

提督「それでこそ我が艦隊の一員だ!」

夕張「何でこんなことに……」

提督「これが逃れられないディスティニーさ。あ、そうそう」

夕張「……まだ何かあるんですか?」

提督「さっき100パー勝てないって云ったけど、俺のクルマに乗る以上負けは認めない」

夕張「……は?」

提督「繰り返す。負けは認めない」

夕張「慈悲は無いんですか」


「おい!金剛さんが出るぞ!」
「マジかよ!相手は誰だ!」
「都高から来たワンエイティだってよ!」
「急げ!見逃すぞ!」

提督「おうおう、スゴい人気だ。流石金剛姉妹」

夕張 ←顔面蒼白

提督「どうした夕張。真っ青だぞ」

夕張「アハハー……ホント、誰かさんのせいで」ナミダメ

提督「心配するな。心細いと思って隣に川内を乗せてやった」

川内 サムズアップ

夕張「ちょ!?仮にも昨日事故ってる人の横に乗せますか!?」

提督「だからこそだ。川内が乗っていることでストッパーになる」

夕張「あとついでに撮影係も兼ねてるからな。川内はウチじゃ一番肝が据わってるし、青葉みたいに気絶することもないだろ」

川内「ま、よろしくねっ」

夕張「もう帰りたい……」


提督「いいか夕張。お前は日が浅い分、まだまだ未熟だ」

夕張「今度は何ですか……」

提督「お前は未熟だ。未熟故に勝負所を見誤る」

夕張「ウッ」グサッ

提督「昨日の結果がまさにそれだ。普段は慎重過ぎる位なのに、無理して突っ込めばどうなるか、分かることだろ」

夕張「ウゥッ」グサッ

提督「ま、そもそも相手のペースにノせられていただけなのに、それを自分の実力と勘違いしていた時点でお察しだな。胸は小さいクセに自意識過剰だな」

川内「何それダサい。胸は小さいクセに」

夕張 チーン

川内「夕張轟沈確認。合掌」

提督「南ー無ー」


金剛「ヘイヘイ!敵を前にして戦意消失デスかー?情けないデース」

夕張「もう止めて……私のライフはゼロよ……」

提督「ではここでいつもの三か条。峠編復唱開始」

夕張「ひとーつ。センターラインは割らないこと……」

提督「基本中の基本。対向車が来ることを常に想定しろ」

夕張「ひとーつ。スローインファストアウトを心がけること……」

提督「そうだ。出口が見えてからアクセルオンだ」

夕張「ひとーつ。交通ルールを守ること……」

川内「え?最後ウソでしょ?」

提督「おっと。今日は相手が居るから違うな」

夕張「え?何ですか?」

提督「テールライトを追うな。前を見ろ、だ」


比叡「お姉様!比叡も着いていってよろしいですか!?」

金剛「んー……夕張さんは、イエスorノー?」

夕張「別に構わないですよ……その代わり私を後追いにさせてください」

比叡「よしっ!気合!入れます!」

金剛「比叡は元気だけど、夕張さんはダウナーですネ」

夕張「お気遣いなく……ああ、不幸だわ……」

川内「山城みたいになってる……」


夕張with川内(提督の)180SX vs 金剛レビン&比叡レビン


榛名「上り一本勝負!二本目の街灯を目安に加速開始のローリングスタートでお願いします!」

金剛「イエーイ!すぐにミラーの点にしてあげますヨー!」

比叡「お姉様が見てる前で無様な真似は出来ない!最初から全力で行きますよ!」

荒々しい咆哮を上げる二台のレビン―


川内「夕張。目標は?」●REC

夕張「谷底に落ちないこと……」フフフ

川内「冗談でもやめてよ」

テンションだだ下がりの夕張……


提督「流石にサイド管はウルサイな」

霧島「比叡姉さんもほぼストレートの直管ですよ」

提督「マジか。それ聞いたら余計やかましく感じる」

傍観者気分の提督―


金剛「さあ!ワタシの実力、見せてあげるネー!」

頭が回らない……キリもいいし一旦投下終了。
いよいよ金剛&比叡ハチロクとのバトル突入です。

それにしても、さっきから何故か書き込めなくなるのどうして。

乙ー

>>1は湾岸派か…じゃあ豆腐屋的なのは出てこないのかな?

おつです

100パー負けるのに負けるの厳禁とか禅問答かな?夕張に合掌ww

乙、金剛レビンのフェンダーとペダルで西川号だと分かった。
岩崎のヤツはC1だと直ぐ事故っちゃうし仕方ないね。
しかし当時のワンエイティをどうやってそのレベルまで持って行ったんだ?
やはり北見……それともLPSか?

たまにエラーが出るのはここではよくある事、エラーが出ても実際には書き込み出来てる場合も多いしな。

唐突なレーラグに草を禁じ得ない
しかし大抵の車漫画抑えてるなw
ナニトモもかよ

おつー
ここの艦娘たち運のステータス真逆だろ

こんばんわ。
新型ロードスター、ついに発表されましたね。
何気にNCって十年間作ってたんですね……最近のクルマだと思ってたからビックリしました。
>>118で山城が挙げていたシロップの新譜を聴きながら投下します。

>>167 稲妻シフトが得意技の、うどん屋か牛乳屋なら出るんじゃないですかね(すっとぼけ)
イニD要素ももう少し出した方が面白いですかね……?

>>168 何気にここの提督って結構鬼畜ですよねw
まあ提督のワンエイティだし大丈夫でしょう。

>>169 迅帝のC1追い込み漁は基本。
榛名のクルマ
→榛名繋がりでハチロク
→どうせなら金剛姉妹皆ハチロクにして西川レーシングにしよう!という謎の連想w

>>170 実はレーラグはプレイ動画しか見ていません……が、台詞一つにしても汎用性が高いもんですからw
マンガも含め、拾えるネタはとにかく拾うスタイル。

>>171 運なんて飾りです!偉い人にはry


VS金剛・比叡レビンの続きと、
提督ワンエイティの謎編。


夕張「うぅ……」

川内「ちょっといい加減にしなよ。乗ってる私まで不安になるでしょ」

夕張「だって勝てない相手に負けるなって、ただの嫌がらせじゃない……」

川内「ええー?そうは思わないけど」

夕張「他人事だと思って適当なこと言ってるでしょ」ジトー

川内「違う違う。要するに心理戦じゃない?」

夕張「……心理戦?」

川内「クルマはよく分からないけど、勝負事なら私にも分かるよ」

川内「つまりさ、相手に『勝った』と思わせないことが重要でしょ」

夕張「……言ってることが分からないんだけど」

川内「じゃあ夕張はこの場合、どうやったら勝ちなのさ?」

夕張「それは……金剛さん達を抜いてトップでゴール」

川内「でもセンターラインを越えちゃダメなら、抜くのは無理でしょ」

夕張「そうね……登山車線で抜くって方法もあるけど、余程のパワー差がなければ無理だろうし、みすみすそんなチャンスを貰えるとも思えない」

川内「そしたら、夕張の言う条件だと負け確定だね」

夕張「結局ダメじゃない……」


川内「じゃあ、抜く事が無理でも終始後ろに着けていたら、相手はどう思う?」

夕張「……ん?」

川内「ここって云わば、金剛さん達のホームでしょ?」

川内「戦艦クラスの艦娘は大抵そうだけど、よその話を聞く限り、とりわけ金剛の艤装に適合した人達は自分に絶対の自信を持っていて、あらゆる面で積極的な性格の人が多いみたいでさ」

川内「それでいて、あの金剛さんは走りの実力もトップレベル」

川内「でも、そのホームでよそ者相手に完全に振り切ることが出来なかったら」

川内「そんな性格の金剛さんなら、この事実をどう思うかな?」

夕張「……多分、悔しがるわね」

川内「ピンポーン」

夕張「……うそ?そういうことなの?」

川内「抜けないなら離されなければいい。そしたら、あの二人は内心勝ったとは思わないんじゃない?」

夕張「……川内。アンタただの夜戦馬鹿じゃなかったのね」

川内「ふふん。勝負はココも使わなきゃ」アタマトントン

川内「相手をよく見て状況を把握する。戦闘においての基本でしょ」

夕張「それでもキツいことには変わらないけど……」

川内「そこはそれ。でも、少しは見方が変わったでしょ?」

夕張「そうね……何とか喰らいつかなきゃ!」


二つ目の街灯を過ぎた途端、金剛・比叡の駆る二台のレビンは猛然と加速を始めた。

上りでの勝負なので一見すれば出力の高い180SXが有利に見える。

しかし、相手は自他共に認めるこの場所トップの実力者二人組。

とりわけ金剛レーシングのリーダー、金剛の速さは頭一つ飛び抜けている。

パワーの差は当然考慮した上で、むしろその程度の要素は彼女にとっては些細なことかも知れない。

川内も語る通り、金剛の性格は云わば情熱的。明るく親しみやすい人当たりで、妹達を含め尊敬の念を集めている。

ドライビングにもその性格は現れており、積極的にガンガン攻めるタイプ。

比叡はそんな金剛仕込みのドラテクで、豪快かつ攻撃的。

どちらも一度波にのってしまえば手が付けられない、凄まじいまでの速さでコースを駆け上がるのだ。

そんな彼女達が駆るAE86もまた、彼女達のスペシャルマシンに仕立てあがっている。

元々1トンを切るAE86に徹底的な軽量化を施し、パワーも推定ながらノーマル比の2倍以上(AE86の馬力表示はグロス値=エンジン単体での計測。現代はネット値=車体搭載時に近い状態での計測。AE86はグロス値で130馬力、ネット値に換算すると約110馬力程度になる)。

ロールケージで張り巡らされた室内は、まさにレーシングカーの様相。

――これで遅いわけがない。

点と点を飛ぶように旋回する様は、研ぎ澄まされた日本刀の如く。

小型な車体のレビンながら、高速戦艦・金剛型の愛機として相応しい圧倒的な戦闘力を有していた。


夕張「何なのアレ!ホントにハチロク!?」

川内「おーっ!はっやーい!楽しーい!」

夕張「こっちの方が出力が上な分、なんとかついて行けているけど……離されるのは時間の問題だわ……!」

川内「あのハチロクっていうの?漫画とかで有名みたいだけど、実際そんな速いもんなの?」

夕張「まさか。このワンエイティも20年以上前の古いクルマだけど、ハチロクはそれより更に前。もう旧車の域よ」

夕張「今となっては有利な部分は車体の軽さだけ。4A-Gは確かに良いエンジンかもしれないけど、それ以外はほぼ並よ」

川内「でも素人目の私から見ても速いって」

夕張「だから驚いているのよ!」

川内「クルマってあんな動きするんだ……もうワープだね」

夕張「あのコーナリングは反則モノだわ……見た目以上に何か仕込んでいる様ね……」

麓付近

提督「あの二台……特に金剛のハチロク、リヤの足回りごっそりと変えているだろ」

霧島「よく気が付きましたね。以前金剛姉さんが何処からか廃車のS14を持って来て、リヤメンバーを移植しました」

榛名「比叡お姉様も同じ様なことをしようとしたのですが、あまりに挙動が違い過ぎるからと見送られ、ホーシングの強化程度に留めています」

提督「馬鹿だねえ……そこまでやるかね普通」

霧島「目下の目標として全国制覇を掲げていますから、生半可なモノには乗れないそうです」

榛名「ですが、それ故代償も大きく……」

提督「代償?」

霧島「見ての通り内装はドンガラ状態、快適装備も一切無し。加えて直管の爆音マフラーにSタイヤ……日常生活では到底乗れる代物ではありません」

榛名「その為金剛お姉様も比叡お姉様も、普段の移動手段はオンボロの小型スクーター……」

提督「……うん?」

榛名「しかも半ヘルで二人乗り……」ブワッ

霧島「金剛型の長女・次女ともあろう人が情けない」ハァ

提督「……想像するとシュールだな」


提督「それにしたって、ハチロクのマルチリンク化なんて最早魔改造じゃねえか」

榛名「お姉様達は、一度決めたらとことん一直線ですから」

霧島「既にハチロクの形をした何かです」

榛名「私と霧島は、そこまで踏み切ることが出来ませんし……流石としか言いようがありません」

提督「で、廃車のシルビア持って来たんだろ?その内4A-G捨ててSR20でも載せるんじゃないのか?」ハハハ

霧島「……どうやらそれも計画してるみたいですね」

榛名「流石に次はナンバー切って、サーキット専用にするとも言っていました」

提督「ハチロク乗るのやめちまえよ、もう」

榛名「でも、提督もワンエイティにかなり拘りがある方だとお見受けしますが」

提督「他のクルマより愛着があるって程度だよ。そこまで拘りがあるわけじゃない」

霧島「ふむ……」


榛名「どうしたの霧島?」

霧島「成る程、今の提督の発言で一つ確信が得られました」

榛名「確信?」

提督「………」タバコクワエ

霧島「確かに『ステルス』はワンエイティとしては奇跡的な速さを誇っていたのは事実です。これは間違いありません」

霧島「しかし、それにも限界があります。ましてや都高という他に類を見ない特殊なステージです」

霧島「仮に極限までチューニングされたとしても、ワンエイティで800馬力級のGT-Rと肩を並べるというのは、到底不可能だと考えます」

榛名「それはそうだけど……」

霧島「……実は『ステルス』と『インターセプター』の調べを進めている内に、時期によってある食い違いがありました。それは『インターセプター』は色だけでなく、全く別の姿であったと」

榛名「別の姿?」


提督「回りくどいな……何が言いたい」シュボッ

霧島「真の『インターセプター』は青いBNR32……いいえ、『魔王GT-R』と呼ばれていた」

榛名「魔王……GT-R……」

提督「オイオイ、何だその魔王Rって。大鶴義丹がやってた頃のVシネ版湾岸ミッドナイトか?」

霧島「ええ、名前の由来はまさにそれです。劇中では悪魔のZに代わって主人公が新たに託されたクルマでしたね」

霧島「RB26改2.7LにTD06ツインターボ……ブースト2キロ時には800馬力。これは劇中での設定ではなく実際に同仕様の車両を製作、撮影に使用されていた。90年代においては魔王の名に恥じぬスペックです」

霧島「一方実際に都高に存在した魔王は詳細こそ不明ですが、一説によると800馬力弱。これでも充分以上ですね」

霧島「そんな魔王を従えていたのが、それまで『ステルス』『インターセプター』と呼ばれていた人物……他でもなく提督、貴方です」


提督「……750」

提督「………2.8L仕様のRX6タービン二機掛けで750馬力」スパー

榛名「……え?」

提督「魔王の仕様だ。全部説明したら夜が明ける」

霧島「否定しないんですね」

提督「……そこまで調べたのには改めて驚かされたが、それも十年以上前だ。昔乗っていたクルマを知られたところで、別にどうってことはないよ」

榛名「確かにそれほどまでのGT-Rなら、ワンエイティでトップレベルだった提督ならば本当に敵無しになりますよ」

提督「ああ。ワンエイティが途端に色褪せたヨ」

霧島「それが何故またワンエイティに?」

提督「言ったろ?愛着があるって。ただそれだけの話だ」

霧島「ですが、それだけが本当の 提督「霧島」

提督「これは俺がまだ一般人だった頃の話だ。軍に入ってからの経歴なら兎も角、これ以上の詮索は不躾だとは思わないか?」

霧島「……出過ぎた真似をして、申し訳ありません」

提督「いや、こちらこそスマンな。あのクルマにはどうにも良い思い出が無くてな……出来れば忘れたかったんだ」


提督「調べの通り、迅帝とは交友関係があってな」

提督「『ステルス』は黒くて目立たないからっていつの間にか勝手に呼び始められたけど、『インターセプター』は自分から名乗ってたんだ」

提督「考えたのはアイツだけどな。隠密偵察機よりも迎撃機の方が似合うってね」

提督「その友人が大事故を起こした。それも目の前でな」

提督「ま、今じゃアイツもピンピンしているが、名が知られて粋がっていた小僧からすれば、ショッキングな出来事には違いない」

提督「次は自分がそうなるかもしれない……そう考えたら、とてもじゃないが正気で居られなかった。心底恐怖した俺はやがてRを手放し、都高を降りた」

提督「それから歳を取ってある程度心に余裕が出来た。クルマは嫌いになれなかったし、今度は無理しない程度に……どうせなら、青春時代を共に駆け抜けた思い出のクルマにもう一度乗ろうと」

提督「それが今のワンエイティってわけ。どうだ、よくあるオッサンの小話だろ?」

榛名「い、いえ……」

提督「長くなったナ。どうだ霧島、これで納得してもらえたか?」

霧島「ええ……」

提督「それなら良かった」ニコ

霧島「………」

提督「それよりも今走っている連中を気にしようぜ?今どうなってるかな」

思いの他進まない上、バトルの描写より提督の過去の方が長くなってしまった。
今夜中にもう一回投下します。

乙ー
……また初代プリメーラ乗りてぇ


またGCインプに乗りたくなるわ
軽くてパワーあって四駆なのによく曲がる良い車だった…

おつです

魔王とか付くとどこぞの峠伝説みたいだなw

ん?今夜中にもう一回投下する?
今日はもう金曜日だけど?

>>184 プリメーラも隠れた(?)名車ですよね。
JTCCのプリは特にカッコ良かった。

>>185 インプはGCが一番インプらしくて好きです。

>>186-187 自分はホットバージョンの峠シリーズ始まる前から魔王Rの存在を知っていたので、魔王と聞くとRが浮かぶんですよw

金剛ハチロクの元ネタである西川レーシングのハチロクもとんでもないシロモノで、あれも魔王と呼ぶに相応しい気がw
今はどうか分からないですが、最後に雑誌で見た時にはSR20が載ってたハズ……もうハチロクじゃない。

言及するの忘れてましたが、扶桑姉妹掛け軸には大いにフイタw
小ネタと本編投下しますー。


小ネタ 湾岸の青葉さん


「フッフッフッ……潜入成功」

青葉「やって来ました湾岸線!いやあ、それっぽいクルマも多いですねぇ」

青葉「古鷹さんと最上さんには全力で止められましたが、やはり知ってしまった以上は自分の目で!五感で!取材するべきです」

青葉「そういえば来る途中、料金所から大量の白煙が出ていたけど……あれは何だったのでしょう?火事ではないみたいだし、それに何だかゴムの焼き切れる匂いがしたけど」

青葉「後で映像を確認してみましょう……何か映っているかも」

青葉「さて、ただパーキングに来ただけでは何の意味もありません。早速取材を受けてくれそうな人を探さないと!」

青葉「お、あの人なんか良さそうですね。見た目は中々の爽やかなイケメンさんです」

青葉「スミマセーン!そこのお兄さん、ちょっとお時間よろしいですか?」

「ん?僕のこと?」

青葉「そうです!ずばり聞きますがお兄さんは走り屋の人ですか!?」

「一応、そうなるかな……最近はあまり来ないけどね」

青葉「ビンゴ!実は青葉、走り屋さん達の取材をしたくてですね。記念すべき第一号として、是非お兄さんを取材させていただければと」

「走り屋の取材なんて珍しいね。で、僕はどうすればいいかな?」

青葉「そうですね。まずはお兄さんのクルマを拝見させてください」

「いいよ。ちょうどそこに停めてある青いのが僕のクルマだよ」


青葉「これは……インプレッサですね?それも最新型!」

「んー、ちょっと惜しい。これはインプレッサじゃなくて、WRXっモデルだね」

青葉「それは失礼しました。まだまだ勉強不足ですね」

「ベースはインプレッサだから、間違いないではないけどね。正直僕も人に説明する時にはインプって言っちゃうし、他の人もそう呼んでいるんじゃないかな」

青葉「なるほどぉ。それにしてもカッコいいですね。何か手を入れられているんですか?」

「車高落としてブーストアップをした位だよ。今のクルマってこれだけでも相当速いから驚いたよ」

青葉「以前はどのようなクルマに?」

「インプレッサはGDB……二世代前の丸目から順に乗り継いで、これで三台目。その前はサンヨンのRに乗っていたよ。Rも速かったけど、インプは軽くてよく曲がってくれるから、操る楽しさみたいなのはこちらが上かな」

「あとV35のクーペにも乗っていたけど、パワーがあってもちょっと重かったね。快適だけどさ(笑)」

青葉「ほほう。そういえば、元レーサーの土屋圭市氏が90年代当時の国産各メーカーのスポーツカーを試乗した際に、初代インプレッサでドリフトしながら『楽しーい!GT-R要らなーい!』とはしゃいでいたことがありましたね。動画サイトで見ました」

「それ僕も見た。当時とはモデルが違うとはいえ、乗り継いでみて気持ちが分かったヨ」

青葉「いやあ、しかしカッコいいですねえ。このリヤバンパーに小さく貼られた『壱・撃・離・脱』のステッカー……も?」

「どうかしたかい?」

青葉「あ、いえ。おかまいなく」

青葉(この言葉、最近何処かで聞きましたね。はて?)


青葉「それよりお兄さん、折り入ってお願いがあります。よろしければ青葉を横に乗せていただいて、走行シーンを撮影させてもらうことは可能でしょうか?」

「本当に変わってるね、君。そんなお願いされるの初めてだ」

青葉「画を集めるのが好きなんです。趣味なんです。勿論決して悪用したり、お兄さんに害を与えることはしません。何なら誓約書も用意してありますよ!」ピラ

「そこまでしなくても、こんな可愛い子のお願いなら喜んで受けさせてもらうよ。じゃあ、この辺を軽く回る感じでいいかな?」

青葉「本当ですか!?有難うございます!」

青葉「そういえばお兄さんのお名前を伺っていませんね」

「そういえばそうだね。君は……青葉ちゃんでいいのかな?」

青葉「はい!この近くの鎮守府に所属する艦娘です!」

「艦娘……もしかして、提督の所の?」

青葉「おや?提督をご存知なのですか?」

「彼とは十年来の付き合いがあるよ。昔は一緒に無茶もしたもんだ」

青葉「ほえー……まさかこんな形で提督のご友人に会えるとは。世間は狭いもんですねえ」ハッ


>>58回想

提督「そうだっけ?前に俺の友達の岩崎に乗せてもらったことあるじゃないか」

夕張「私の意識が速攻で壱・撃・離・脱したからノーカンです!」

青葉「なんだ、夕張さんも気絶してたんですね」プッ

提督「アイツは色々キレ過ぎだからなぁ」

回想終了


青葉 ダラダラ

「そういえば、ちょっと前にも艦娘……夕張ちゃんだっけ。会ったことがあるよ。彼女、ワンエイティぶつけちゃったらしいけど、大丈夫だった?」

青葉「え、ええ……幸い怪我などは無かったのですが、クルマ以上に本人の方が凹んでいます」

「そうだよねえ。僕も昔はよくクルマをぶつけたりして……その度に泣きたくなったよ」シミジミ

青葉「あ、あははー……」

「さて、じゃあ早速行こうか。乗って乗って」

青葉「ところで……お兄さんのお名前は……」

「そうだったね。危うく忘れるところだった」


迅帝「僕は岩崎。宜しくね、青葉ちゃん」

青葉「 」


ホンペンダヨー


夕張「あーっもう!コーナー抜ける度にジリジリ離されてる!」

川内「あはは、夕張が焦ってるー」

夕張「アンタは何でそんな楽しそうなのよ!」

川内「こんな非現実なスピード感、つまらないワケないっしょ。艤装もこれ位のスピード出たら楽しいのに」

夕張「戦闘の前に身体が吹っ飛ばされるわ!」

川内「というかさ、何でそんな焦ってるの?」

夕張「このままじゃ負け確定だからよ!今あんまり話しかけないで!」

川内「いや、負けたところで別に命取られるんじゃないんだからさ。気にしなくていいと思うけど?」

夕張「……提督の性格を考えてみなさい」

夕張「ただでさえ昨日は事故ったのに、今日提督のクルマで負けたりしたら……一週間位は延々とバカにし続けてくるわ」

川内「まあ、そうなるね」

夕張「あと、三式爆雷と三式ソナーを駆逐・軽巡全員分一晩で作れとか長10センチ砲作れとかもあったわ。次は53センチ艦首魚雷でも作れとか言い出すんじゃ……」

川内「それは酷い」


夕張「……っと、無駄話してたら余計に離される!」

川内「あ、そうそう。私気になってたんだけどさー」

夕張「今度は何!?」

川内「出る前に提督が最後に言ってた『テールライトを追うな。前を見ろ』ってどういう意味かな」

川内「運転してたら前を見るなんて当たり前でしょ?何でわざわざそんなこと言ったのかなーってさ」

夕張「そういえばそんなこと言ってたわね……あまり気にしてなかった」

川内「提督って普段は適当だけど、こういう事に関しては意味の無いことってあまり言わないでしょ」

夕張「うん……まあ……そうだっけ?」

川内「とにかく、現状打破するヒントがあるかもよ?」

夕張「うーん……」


金剛「ちゃんと着いて来ている。意外とデきるみたいネ」

比叡『お姉様!悠長に構えていると追いつかれますよ!』デンワゴシ

金剛「何も焦る必要ないデスよ比叡。ジリ貧なのはアチラの方ネ」

金剛「それにあの子のテクニックというより、あのワンエイティの性能に助けてもらっている……そんな風に見えるネ」

比叡『流石お姉様!バトルの最中でも素晴らしい観察眼です!』

金剛「それでも油断はノーよ比叡。ワタシ達はパワーで劣る以上、少しミスでワンチャンありマスよ」

比叡『お姉様!ワンチャンは英語ではないと思います!』

金剛「そんな事気にする暇があるなら集中するネ比叡」

比叡『ハイ!スミマセン!』


金剛(それにしても……)

金剛(あのワンエイティ、いくらオーナーではない夕張が乗っているからとはいえ、あの程度なの?)

金剛(最も、彼女自身のテクニックは別に悪くない。充分評価出来るレベル)

金剛(それでも、どうにも腑に落ちない)

金剛(仮にも難関とされるループウェイで一時代を築いたマシン。確かに完成度は高いようだけど、それでも常識の範囲内。特に際立った『何か』を感じない)

金剛(どれだけ提督の腕が立つかは知らないけど、あのマシンでトップになるには難しい。実は何か隠して……いや、意図的に抑えている?)

金剛「比叡」

比叡『何でしょうかお姉様』

金剛「より注意深く後ろの動きを見てほしいヨ。変わったことがあればすぐフォローするネ。OK?」

比叡『了解です!任せてください!』

金剛(杞憂であればいいけど、このままイージーに終わるのもつまらない)

金剛(さあ、夕張さん。私をもっと楽しませてくれることが出来るかしら?)


夕張(確かに提督の言葉も引っかかるけど、それ以上にこのワンエイティが気になる)

夕張(エンジンは私のより全然力があるし、足もしなやかに動く。これだけパワーがあるのに動きが破綻することもない)

夕張(すごく乗りやすい。本当によく出来ている)

夕張(その反面……何か違和感があるのよね)

夕張(思えばこのクルマ、結構大きめのタービンが組んであった。提督はもっと小さいのに変えたがってたけど)

夕張(どうも、タービンの大きさに対してブースト圧が低く設定されている気がする)

夕張(そういえば、このセンターコンソールに付いてるキルスイッチは何に使うのかしら?聞いた事無かったな)

川内「どしたの夕張。何か考え事?」

夕張「まあ、ちょっと気になることが」

川内「ダメだよ集中しなきゃ。また少し差が開いてるよ」

夕張「それはそうだけど……というか、アンタはホント平然としてるわね」

アッサリーシッジミーハマグリサーン♪

川内「あ、提督から着信だ」

夕張「何よ今の歌……」


川内「こちら川内です。こんな時にどうしたの?」

川内「今?少しずつ離されてるよ。うん。分かった」

夕張「なに?冷やかし!?」

川内「提督が夕張に伝えたいことがあるって。スピーカーに切り替えるよ」

提督『おう夕張。今どの辺だ?』

夕張「中腹を過ぎた位です!というか、こんな時に電話なんか掛けて来ないでよ!用件は何ですか!?」

提督『じゃあ簡潔に言うけど、そこにキルスイッチがあるじゃろ?』

夕張「あ、ちょうど気になってたんですよ。コレ何ですか?」

提督『そのクルマの隠し機能♪それをONにして、シフトノブのとこのフタを開けて、中にあるスイッチを押せば起動だ』

夕張「何この無駄なギミック……」カチッパカッ

川内「スゲー!カッケー!」

提督『ワハハ、川内はコレの良さを分かってくれたか。ところで、さっきの三か条ちゃんと憶えてるか?特に最後』

夕張「『テールを追うな。前を見ろ』ですか。何だったんですかアレ」

提督『目が良くなるオマジナイかナ。そのボタン押した後は特に意識しろ』

夕張「どういうことですか……じゃあ、押しますよ」ポチッ

提督『最後に一つ……振り落とされるなよ?』プツッツーツー

ブースト圧1.2キロ→1.7キロ

夕張「……は?え――っ」

川内「~~っ!??」


ピッ

提督「やれやれ、アイツ上手く使えるかな」

榛名「あの、何が起きるんですか?」

提督「あのワンエイティね、普段の状態だと半分位しかエンジンを使い切れてないのヨ」

榛名「半分……ですか?」

提督「まあ半分ってのは言い過ぎだけど、実際乗ると全然違うからなぁ」

霧島「つまり……意図的に押さえていた性能を開放する、ということですか」

提督「そういうこと。あのクルマの場合、ブースト圧の増加とそれ用に合わせた燃調セッティングにECUのマッピングを変更だ」

榛名「それで、どれ位の差が?」

提督「んー。普段が400ちょいなんだけど、確か500馬力超える位は出たかなぁ」

榛名「ご……ッ!?」

提督「だって東名の2.2LコンプリートSRにT67だぜ?この組み合わせでパワーが出ない方がおかしい」

霧島「そこは流石に、かつて『インターセプター』と呼ばれていたワンエイティ……と云ったところですか」

提督「俺の名が売れたのは、Rじゃなくてワンエイティのおかげだ。あの場所を走る以上パワーはある程度必要になる」

提督「まあ、当時とは違うクルマだけどな」

提督「エンジンは買った方が安いからってコンプリートエンジンにして、あとは手元に残っていたパーツを使って組んだ。差異はあれど仕様はほぼ一緒だヨ」

ちょっと休憩。
タービンがT67ってやっぱりやりすぎだろうか。

やり過ぎなくらいでちょうどいい


実際インプの中で運動性能が一番高いのって、GCでもGDB-C~GでもGVBでもなくGDの丸目なんだよなぁ
マキネンがそんなこと言ってたはず…記憶曖昧だけど

おつです
着信音ワロタww

gc初期→gd涙目→grと乗り継いで来てるけどそれぞれ良さがあると思うよ。確かにgdからは重いけどねww
現行も試乗だけしたけどレスポンスの良さにビックリしたし

乙ー
なぁに、バスとバトルしてバスのボディ手に入れたりせん限り大丈夫だ

乙、川畑ワンエイティの例もあるし脚とボディをしっかり造り込めば大丈夫だろ。

>>204
ミニのシャシーに載せようぜ!


ちょっと休憩だって……?ククク、もう深夜じゃねえか。

>>201 クルマの仕様に関してはなるべく現実的な内容にしようと注意しております。
それでも充分ぶっ飛んでる気がしますが……

>>202 マキネンが言うなら間違いない!
GDはどの型でも速そうなイメージ。

>>203 もしやスバリストですか……っ!?
重さに関しては時代の流れもあるので仕方ないとは思いますが、それを補えるだけのポテンシャルを持っているんですよね。

>>204 それで更にCカーエアロ装着ですね、分かります。

>>205 やめたげてよぉ!
今の仕様知らなくて調べたら、2008年仕様がTD06で500オーバーとか……ヒエー。
しかし最近のドリ車はパワー出し過ぎじゃないですかね。


上部がパカッと開く構造のシフトノブ……昔OPT2で連載していたスクートの4ローターFDに付いていたと記憶していますが、
あのノブってまだ売ってるのかな。
ちょっと投下して寝ます。



夕張 ←エンジン特性が急に変わって驚いてる

川内 ←体感する加速Gが強くなって驚いてる

夕張「速い速い速い!目が追いつかないって!」

川内「おぅ……」

夕張「何なのよコレ!もう違うクルマじゃない!」

川内「アッハハー……マジで凄いや」

左コーナー出口、アクセルオンで滑り始めるリヤタイヤ――

夕張「――ッ!」

まるっきり性格が変わった180SXを必死で乗りこなそうとする夕張。

右に左に振られる車体を何とかコントロールしていく。

夕張「……3速からホイールスピンってバカじゃないの!?どれだけパワー出てるのよコレ!」

川内「ハラショー。コイツは力を感じる……」

夕張「無理しておどけなくていいから!」

川内「いや……どうなってるのコレ」

夕張「さっきのボタン押したらブーストアップしたのよ!多分これが本来のこの子の姿ってことでしょ!」

川内「……行ける?」

夕張「戻し方分からないし、やるだけやってみせる」

川内「無理しないでよ?ホントに谷底なんて嫌だからね」

夕張「わ、私だって嫌よそんなの!」


比叡『お姉様!ワンエイティの挙動が不安定になっています!』

金剛「Mu……オーケー、そのまま様子を見ててネ」

比叡『何かトラブルでしょうか?』

金剛「それは分からないケド、何か動きがあったと見て間違いないヨ」

比叡『タイヤの熱ダレやモチベーションの低下も考えられますが』

金剛「確かに有り得るネ。バット、もう終盤……何か仕掛けてくる可能性も充分ありマス」

比叡『用心するに越した事はない、ということですね!』

金剛「イエス。引き続き警戒をお願いしマス」

比叡『分っかりました!』

金剛(さて、どうなりますかね……)

金剛(比叡の言う通り、何かトラブルがあったと考えるのが普通だわ)

金剛(しかし……私の中で何かが告げている。まだ終わりじゃない、と)

金剛(まだまだ足りないの……もっと、もっとよ!)


バトルは終盤に差し掛かっていた。

当初は予期せぬ出力特性に翻弄されていた夕張だが、ある程度落ち着きを取り戻し、徐々にこの180SXを理解し始める。

自らが所有する180SXと、同じ車種だとは到底思えない。

何から何まで似ても似つかないのだ。

それは同時に今後自分のクルマを仕上げていく上で、大いなる指針になったと後に彼女は振り返る。

大型タービンを軽々と回す2.2Lの強靭なエンジン。

意のままに無駄なく動く完成されたサスペンション。

それらに対して若干柔いが、芯がブレることなく入力を受け止めるボディ。

どれ一つとっても、夕張にとって新鮮だった。

夕張(乗り方が分かってきた……この子は乗り手次第で、善にも悪にもなる)


夕張(決して誤魔化さず、きちんと乗れば想像以上に応えてくれる……いや、この子が応えているのか、私が導かれているのか)

夕張(だからこそ、少しでも楽をしようとすれば、途端に牙を向く)

夕張(アクセル、ブレーキ、ハンドル……一つ一つの動作で、この子の意を汲み取って)

夕張(捻じ伏せるのではなく理解する。これが『クルマとの対話』ってことかしらね)

夕張(ワンエイティでも、ここまで出来るんだ……)

夕張は、このクルマに惹かれていた。

そして同時に、これは自分と愛機の一つの可能性でもある――と

川内「追いついてるよ!やるじゃん!」

夕張「まだ気は抜けない……最後まで分からないって!」

夕張(終わりも近い……お願いっ!力を貸して!)


比叡『………!?お姉様!ワンエイティが近付いてきています!』

金剛「やはり来たネ……随分待たせてくれたじゃないデスか」

比叡『いずれ抑えることが出来なくなる……しかし、このまま何とか逃げ切って 金剛「退きなさい、比叡」

比叡『……お姉様?何を?』

金剛「ソーリーね比叡……ちょっと1on1でバトルしてみたくなったヨ」

比叡『……私ならまだイケます!だからそんなこと……』

金剛「違うデス比叡。貴方のせいじゃない……」

比叡『ならば、どういう……!?』

金剛「私がね、抑えられないのよ。この昂ぶる感情を、この湧き上がる高揚感を。血肉が沸騰しそうで……ゾクゾクしてくるの(英語)」

比叡『お姉様……?』

金剛「自分でもおかしいとは思うのよ?でも、こうなってしまってはもう止められないし、止まらない。私の性格を分かっているでしょ?欲しいものはどんな手段でも手に入れる。徹底的にやらないと気が済まないの」

金剛「強欲なの、とても……こ。れが私の背負ったカルマなのかもね(英語)」クスクス

比叡『ですが……』

金剛「……これは私自身の問題なの。良い子だから、一歩退いてもらえる?(英語)」

比叡『分かり……ました』

金剛「サンクス。後でとっておきの紅茶を入れてあげるネー」

比叡『お姉様……どうかご武運を!』


川内「左ウインカー……?比叡さん、どうしたんだろ」

夕張「道を譲ってくれるみたいね……」

川内「何かあったのかな?」

夕張「トラブルでもなさそうだけど……譲ってくれるなら、遠慮なく前に出ましょ!」


麓付近

霧島「しかし、ちょっと心配になるわね……」

榛名「そうね。何も起こらなければいいけど……」

提督「何の話だ?」

榛名「実は金剛お姉様、相手が強ければ強い程燃えてくるタイプなのですが……」

霧島「先程の電話のせいで、火に油を注いでしまっていないかと心配で」

提督「要は負けず嫌いなんだろ?別に珍しくもない」

榛名「それが普通の負けず嫌いなら良いのですが……」

霧島「良くも悪くも、金剛という人物は快活で積極的。非常にエネルギッシュかつアグレッシブな女性です」

霧島「しかし裏を返せば熾烈とも言えます。まるで全てを焼き尽くす業火のように……火に油とは、まさにこのことです」

榛名「かつて艦だった頃は『鬼の山城』と並び『地獄の金剛』と謳われ恐れられていました。一度はお聞きになられたことがあるのでは?」

提督「戦艦は出撃が無い分、乗組員への訓練が半端じゃなかったらしいな。というか訓練というよりただのシゴキ、イジメみたいなもんだったと」

榛名「金剛お姉様の名誉の為にも申し上げますが、勿論普段その様なことはありませんよ?」

榛名「いつも相手を気遣い、時には一歩退いて相手を立てることも出来る、素敵な女性です!」

霧島「ただ自分が興味有る事には一切の妥協無く徹底的に熱を入れるものですから……」

提督「まあ、あんな思い切りのいいハチロク乗ってる時点で察しがつくナ」


今日は寝ます。おやすみなさい。
明日こそ浜風ドロップして、執務室でツンツン出来ますように……。

乙、この感じだとそのうち湾岸辺りにもハチゴーの姿をした何かが沸いて来そう。


タイベル切れてパンストで代用があるのかな
水平対抗だとタイベル長すぎだけど

乙ー
500psの180SXで峠攻めるって考えたら夕張さん凄すぎ


親父が乗ってたギャランGTO良い車だった


昨日ヤビツ走ってたら青色の180SX見たよ
かっこよかったなぁ

おつでしたー

浜風だと2-2かしら…出ると良いね^^

どうせ提督のクルマも壊される

>>201 魔改造は人の限界超えない程度にな
グループB…デルタS4…グループC…R92CP…(ボソッ)

……ランチア・ECV(ボソッ

>>222
アカン(アカン)


・・・とりあえずそいつ等グループS車両は世に出回ることがなくてよかったと思う

バイクもあることだし、夕張でバリバリ伝説……

すいません三式爆雷食らってきます。

お疲れ様です。
相変わらず浜風が来てくれません……弥生は出るのに何でや。

>>214 ボディは飾り。はっきり分かんだね。

>>215 イシダさんはテスタでやってるんですよね……叢雲の使用済み黒タイツなら言い値で買おう。

>>216 そもそも峠で500も要らん!という事実。
そこは艦娘の高い身体能力あってのことという後付補正でお願いします。

>>217 ギャランGTOカッコ良いですよね!あの時代のクルマはどれも魅力的でした。
ちなみにウチの父はセリカLBだったようです。あとR31も乗ってたけどあんまり憶えていない……。

>>218 ヤビツは行ったことないのですが、今でもそういう系の人達は居るのでしょうか?

>>219 そもそも2-2ボスマスでヲ級が出てきてくれないからドロップしようがないという有様でして。
やっぱり性能じゃなくて胸部装甲目当てなのがバレているのだろうか……。

>>220 チューナーは壊して経験を積むんやで(適当)

>>221 トヨタ7「せやな」

>>222 ランチアのエコカーだっけ?(すっとぼけ)
グループSはアカン。

>>223 グループBの時点でやりすぎでしたからね。
でもスタリオン(っぽい何か)やMR2(という名の別種)が活躍する機会が無くなったのは残念な気もしますが、同時にインプやランエボは生まれなかっただろうなぁ。

>>224 バリ伝は未読故、やりたくても出来ないです。
艦これ的にだったら、トンネルを抜けたら空はあんなに青いのに……
調子に乗った上あんまり面白くなかった許してくだち。


投下!投下です!



――バトルは最終局面に突入する。

提督の180SX「インターセプター」に順応し、確実に差を詰めてきた夕張に対して、金剛は突如比叡を下げて一対一の真っ向勝負を仕掛けた。

勝負の流れは夕張に向きつつある。

それでも金剛は不敵な笑みを浮かべていた。

このステージは高速コーナーが主体で道幅も広く、スピードレンジは周辺のステージと比べても圧倒的に高い。

そんな環境でも、自らの名前を用いた金剛レーシングを率いる金剛は無類の強さを誇っている。

一見すれば不利とされる旧式のAE86をベースに、レーシングカーさながらのボディワークにS14のリヤメンバー移植と、ストリートマシンとしては過激なメイキングを施し、どんなに最新鋭の車種だろうと、どんなにパワーがある相手だろうと難無く蹴散らしてきた。

勿論、金剛自身の驚異的なドライビングテクニックが重なった上での結果であることも付け加えておこう。

特にブレーキングの技術と思い切りの良いコーナーへの進入は、後に川内が撮影した映像を確認した提督が「同じクルマでも俺にはムリ」と圧倒されたほどだ。

「あの場所にはハチロクの皮を被った魔王が住んでいる」と冗談交じりに揶揄されているのも納得出来る(全くの出鱈目でもないが)。

常に格上の車種を手玉にしてきた彼女にとって、所詮2L級のターボ車を相手にするのはいつもの日常……ごく当たり前のプロセスなのだ。


では、今回はどうだろうか。

提督本人が相手をしていたら状況はまた変化していただろう。

しかし、実際に乗り込んでいるのは彼の部下であり、自分と同じ艦娘の夕張だ。

彼女も同じく180SXに乗り、提督の手解きを受けながら腕を磨いてはいるものの、経験が浅く際立った技術を持っているわけでもない。

金剛からすれば、いつも軽くあしらう凡庸な連中と然したる差は無い。

ましてや他人のクルマで、しかも助手席に同僚の艦娘・川内を乗せているのだ。

いくら都高で「忘れられた伝説」の逸話を持つ180SXであっても、自分が負ける要素は無い。そう考えていた。

しかし現に、夕張が背後に迫っているのだ。

金剛「いい。いいネ……最高ヨこのバトル!」

彼女の熱量はピークに達していた。

自らが追い込まれている状況でも尚、沸き立つ感情を曝け出す。

それは走りにも表れ、より攻めの姿勢となりペースが上がる。

追随する夕張達の眼に映るのはレビンのテールランプが残す一閃の赤い光だけだった。

逃げる、逃げる、逃げる。


夕張「ムリムリムリムリ!」

川内「流石に向こうも本気だねえ……追いつきそうで追いつかない」

夕張「何であんな速度で平気なのよ!?」

川内「でも、このままじゃ負けちゃうよ?」

夕張「それは嫌……ってうわ!?もうあんなトコに!?」

川内「残りあとどれ位?」

夕張「このコーナー含めてもあと数箇所!最後に短いストレートで終わり!」

川内「ふーん……それにしても、こんな暗い所をよくこんな速度で走れるよね」

夕張「夜戦馬鹿のアンタがそんなこと言っても説得力無いっての」

川内「いやいや、感覚が全然違うもん。ホラ、夜戦って風の匂いや波の立ち方とか、兎に角五感フルに働かせて相手の状況を察知したりするじゃん?」

川内「でも今は助手席に座って撮影しているだけだからね。自分で運転しているならまた違う感覚だろうけど、さっきから金剛さんのテールランプしか見えなくてこう……視界が狭まる感じがして怖いもん」

夕張「……あっ」

川内「ん?どしたの?」

夕張「提督の言ってたことって、そういうことだったんだ……」

川内「え?何が?」

夕張「『テールを見るな、前を見ろ』よ!それどころじゃなくなって意味を考えてなかったけど!」

夕張「ただでさえ暗い峠道をこの速度で走るのよ?自ずと視界が狭まる状況で前のテールランプばかりを見ていたら……!」

川内「見えるものも余計に見えなくなるってことね」

夕張「そういうこと!それに相手との距離を意識し過ぎて焦ってミスをする可能性も高くなる!」

川内「でも今更分かっても遅くない?もう終わりでしょ?」

夕張「意味は分からなくても実践していたから問題無し!」

川内「あ、そう……」


金剛「このまま終わってしまうのが勿体無いデス……最高の夜だったネ」

金剛「でもバトルはバトル!これでフィニッシュするネー!」

金剛「このコーナーでラスト!踏み抜くヨ!」

「おい!来たぞ!」
「どっちが前だ!?」
「金剛さんだ!」
「速えぇ……あれホントにハチロクか!?」
「コウチャガノミタイネー」

コーナーを抜け、猛然と加速するレビン。少し遅れて180SXが続く。

二台はゴール手前の短いストレートに突入……パワー差があっても追いつくには厳しい距離だ。

川内「これが最後のストレート?短っ!」

夕張「ダメ……届かないっ」

誰しもが金剛の勝利を確信し、夕張も自身の敗北を悟った。

あの提督、今度は何を作れと言い始めるのだろうか……そこまでシミュレートしていた。

金剛「アイ!アム!ザ!ゴーッッッド!!」


――ボフンッ!


夕張「へ?」

川内「なに?爆発?」

夕張「私じゃないよね……?」

川内「うわっ、あれ下から火噴いてない?」


金剛「NOOOOOOOOOOOO!!!!!??」


山頂付近に、エンジン以上の音量で金剛の絶叫が響いた。


ゴール地点

霧島「一体何回目だと思ってるんですか!エンジンだってタダじゃないんですよ!?」

金剛 シュン

霧島「だから毎回熱くなり過ぎるなと毎回毎回ッ!」

金剛「霧島ヨぉ……声が聞こえるんデース」

霧島「何ですか?言い分があるならどうぞ」

金剛「……頭の中で『もっと熱くなれよぉ』って声が聞こえるんデース」

霧島 プチッ

霧島「姉さんの頭には炎の妖精でも住んでいるんですか!?それともディアブロですか!?難波先輩ですか!?そもそも貴女は今怒られている自覚はあるんですかぁ!?」グリグリ

金剛「ノー!ふざけた事は謝るからグリグリはノーよ!」

霧島「そんなにお望みならば横浜の海にダイブして頭を冷やしてもらいましょうか!?」グリグリ

金剛「イタイイタイ!ちょ、やめアッー!」

比叡「ヒエー!霧島、ストップストップ!」

ギャーギャー

夕張「この幕切れは予想外だったわ……」

川内「試合に勝って勝負に負けたって感じだね。あ、コーラ買ったけど飲みゅ?」クピクピ

夕張「頂くわ。あと瑞鳳の真似のつもりなら止めなさい。アンタがやるとキモい」

川内「………」クピクピ

夕張「なに?何見てんのよ」

川内「キャハッ☆」

夕張「決めた。はっ倒す」

提督「おう、お疲れ二人とも」

川内「あ、提督だ」

夕張「お疲れ様です。どうやって来たんですか?」

提督「榛名の86に乗せてもらってな。金剛のハチロクが大破炎上なんて比叡が電話掛けてくるもんだから、大慌てで飛んできたんだがな……」

榛名「大事にならずに済んで良かったです」


夕張「それにしても……霧島さんのあの怒り方を見るに、もしかして金剛さんは何度も?」

榛名「ええ、今回で11回目ですね」

夕張「じゅ、11回も……」

提督「どうしたらそんな回数になるんだよ。俺だって2回位しかないってのに」

榛名「金剛お姉様は熱くなると周りが見えなくなるタイプですので、エンジンの不調も気付いてなかったのかと」

川内「エンジンってそんなに壊れるもんなの?」

夕張「個体差にもよるけど、よほど無理なことしなければそんなに壊れることはないわ……」

提督「まさか榛名のエンジンブローも金剛のせいだったりして」

榛名「はい。金剛お姉様が試乗中、シフトチェンジをミスしてオーバーレブを……」

提督「マジだった」

夕張「お気の毒に……」

比叡「お、お姉様あぁぁ……」

霧島「フン!」

金剛 チーン

酉付け忘れてた……
ちょっと出かけてきます。


俺も1回だけ山で遊んでた時にエンジンぶっ壊したことあるなぁ
SR20DETで18万とかなのに、EJ20だとエンジン本体だけで40万、工賃入れて計60万もしたな
RB26並の値段に泣いた記憶あるわ

おつー
川内は何しててもカワイイだろメロンちゃんこそ張っ倒すぞw

86がエンジンブローするのは伝統芸なのか(イニ感

エンジン壊れるってどゆこと?
熱でエンジンが融けたの?

乙、実はあの時の難波さんには勝てるんだぜ、勝ってもストーリーは変わらないけどな。


ヤビツは走ってる人はいるけどガッツリ攻めるって人はほとんどいないな
あそこは自転車もバイクもいるしね・・・
そういう人は箱根ターンパイクに行くんじゃないかな

一体何処まで出かけてたんでしょ。

>>234 ヒエー……

>>235 まあ、ハチロク自体古い車ですし……
川内って黙ってれば正統派美少女なのにww

>>236-238 バーニングラブ注入し過ぎてエンジンもバーニングしたんですよ、きっと。

>>239 チーム内選考会で負けた挙句、ディアブロチューンで負けたら先輩カワイソス。
赤碕よぉ……赤碕よぉ……

>>240 やっぱりそうですよねぇ……むしろ今のご時世に人が集まるターンパイクが異常というか。

暁改二のようですが、ウチに改二の錬度を満たしている娘は居ません。
いい加減浜風掘り止めてレベリングしようか……。


金剛「まだ頭が痛いネー」

霧島「自業自得です!」

金剛「ただでさえエンジンブローしてバトルにも負けたのに、この仕打ちはあんまりデース」

夕張「ちょっと待ってください!私の勝ちなんですか!?」

金剛「先にゴールしたのは夕張さんネ。バトルは結果が全てヨ」

夕張「えー……勝った気なんて全然しないんだけど……」

川内「相手が負けって認めているんだし、ここは素直に喜んでおけば?」

夕張「でもさぁ……」

川内「そうじゃないと提督からの条件未達成ってことで、明日から烈風作れとか無茶吹っかけてくるんじゃない?」

提督 ニヤリ

夕張「……わ、わーい勝ったー嬉しいなー(棒)」

金剛「イエース!ユーアービクトリー!」

比叡「全く嬉しそうじゃないんだけど……」

霧島「向こうにも何か事情があるようですね」

提督「で、金剛のハチロクはどうするんだ?とても自走して帰れるような壊れ方じゃないぞ」

霧島「ご心配には及びません。金剛姉様がクルマを壊すのは日常茶飯事なので、牽引ロープは各自一本必ず載せてあります」

榛名「普段だったらローダーを手配するところですが、流石にこの時間に頼むのは非常識ですし」

霧島「そもそも今回のブローも本人の責任ですから、独りで押して帰ればいいんですよ」ケッ

金剛「やめてください死んでしまいマス」

提督「それなら別に構わんが、金剛よ」

金剛「ワッツ?」

提督「公道で走るなら、自走して帰るまでが一つのコースだと思え」

提督「今回は大した事にならなくて良かったが、ただでさえ一般住民に迷惑を掛けるようなことをしているんだ。責任感っていうのもおかしいけど、走る以上はその意識を強く持たないと」

提督「もしかしたら壊れた拍子に操縦不能になって事故、最悪関係のない人までも巻き込みかねなかったんだからな」

金剛「反省しマス……」

夕張 グサッ

川内「何で夕張まで落ち込んでいるの?」

夕張「いやホラ、昨日の今日だからさ……」


金剛「それにしても、途中でワンエイティが速くなったのは一体どんなマジックデスか?」

比叡「あ、それ私も気になる!途中で挙動がおかしくなっていたし……」

夕張「ああ、あれは急にパワーが出るようになったから、ちょっと戸惑っちゃいまして」

提督「俺が電話を掛けて、ブースト圧を上げる為の操作をさせたのよ。普段は400よりちょい上だけど、フルで使ったら500馬力以上は難いな」

金剛「ワオ!」

夕張「500!?そんなに出るなんて初めて聞きましたけど!?」

提督「ん?そうだっけ?」

夕張「そうですよ!乗ってみて分かりましたけど、今までサバ読んでましたね!?」

提督「約400馬力(400とは言っていない)」

夕張「括弧を使うな!」

比叡「ヒエー。急に100馬力も上がったら、誰だってああなりますねぇ」

金剛「ハチロク一台分のパワーアップネー……」

提督「まあここは高速コースだけど、普段の仕様じゃあ夕張だとちょっちキツいと思ってね」

川内「提督ならそのままでも行けたの?」

提督「さあて、どうかな?」ニヤリ


金剛「……都高には提督みたいな人が沢山居るんデスか?」

提督「今はどうだか知らないけど、現役の頃は俺より速いヤツなんてゴロゴロ居たよ。それこそさっき言ってた岩崎もそうだし、カリスマと呼ばれた白いFDとか、環状の四天王と言われていた33Rの福田さん、アリスト乗っている佐々木に、フザけた見た目してるけどバカっ速な赤い34Rの宮川だろ。ハチロクで有名な小早川兄は確かレーサーになったらしいし。あと、S14の黒江って子や帰国子女の美津江も速かった。それとBMW乗ってる志穂ちゃんとか可愛かったなぁ……あとレースクイーンのマミちゃん(ry」

金剛「ストップ!もう沢山デス」

夕張「最後の方女性の名前ばっかりでしたけど」

川内「都高に出会いを求めるのは間違っているだろうか?」

提督「……兎に角、それだけ多く居たってことだ」

金剛「Mu……」

比叡「お姉様、どうかしましたか?」

金剛「He that stays in the valley, shall never get over the hill.」

提督「なんだって?」

比叡「『井の中の蛙』ってことですか」

金剛「イエス!どうやらワタシはフロッグだったようネー」

榛名「どういうことですか?」

金剛「確かにワタシはココではナンバーワン。ですが、そう言い切れるのはココだけってことヨ。今回のバトルで分かったデス」

提督「だがハチロクでその地位まで上り詰めたのは間違いなくお前の腕だろ。他でも充分通じるハズだ」

金剛「それでも納得出来ないヨ。満足した時点で終わりネー」

提督「満足したら終わり、か……それは一理あるな」

金剛「そこで提督!ゼヒ弟子にして下サイ!」


提督「ハイ?」

金剛「市川鎮守府に異動願いを出しマス!それで手取り足取り教えて欲しいネ!」フカブカー

提督「手取り足取り……ホホウ、悪くな痛いっ!」

夕張「あら、提督どうかしました?」

川内「スカート覗きじゃない?」

夕張「ヤダーキモーイ」

川内「スカート覗きが許されるのは小学生までよねー」

提督「お前ら……どっちがケリ入れたんだ」

夕張「川内」
川内「夕張」

提督「つまりどっちもだな……憶えておけよコノヤロー」

金剛「ダメですか……?」

提督「上目遣いはアカン反則だ……」

金剛「じゃあ脱ぎますか!?」ヌギヌギ

提督「何が『じゃあ』だよもっと止めないでください!」

夕張「本音が出てるわ」

川内「明日叢雲に言いつけてやろう」


提督「まあ走りの部分は置いといて、戦艦が増えると心強いな。今は扶桑姉妹しか居ないし」

金剛「モチロン!比叡達もそれでいいデスよネ!」

比・榛・霧「え?」

提督「ん?」

金剛「ワッツ……?」

霧島「何言ってるんですか?」

金剛「何かおかしいデス?」

提督「ホントに来れるなら有り難いけどさ……」チラ

霧島「いきなり戦艦クラス四隻が異動出来る訳ないでしょう。行くならお独りでお願いします」

榛名「例え金剛お姉様が抜けても榛名は大丈夫です!」

比叡「金剛レーシングの看板は私達が守ってみせます」

金剛「……んん?」

提督「ここまで人望が無い金剛って初めて見た」

金剛「え、嘘?皆本気で言ってる?ホントにワタシだけ?」

夕張「キャラを忘れてかけてる……」

川内「だいぶ動揺してるのね」

金剛「え?マジ?」


叢雲「で?」

提督「そんなワケで金剛が着任しました」

金剛 ズーン

叢雲「で?」

提督「妹達に異動することを止められなかったので、ガチ凹みしています」

金剛 ズーン

叢雲「で?」

提督「ギャグ要員が増えました」

金剛「誰がギャグ要員デスか」

叢雲「そう、分かったわ」

金剛「スルーしないでくださいヨ!」

叢雲「で、何で工廠にクルマが五台も並んでいるのかしら?」

提督「は?」

叢雲「なに?知らないの?」

提督「全く存じ上げません」

金剛「ココにあるクルマは何台あるデスか?」

提督「俺と夕張、あと作業用のサニトラがある。それにお前のが増えたから四台だ」

金剛「アンノウンカーですネ!」

叢雲「そもそも工廠はアンタ達のガレージじゃないって何度も言ってるんだけど」

夕張「提督、何か知らないクルマが置いてあるんですけど」ガチャ

提督「今聞いた」

金剛「どんなクルマですカー?」

提督「……クルマとカーを掛けた駄洒落か?」

叢雲「早速ギャグ要員の仕事をこなしているわね。ギャグはお寒いけど」

金剛「違いマスって!」

提督「で、車種は?」

金剛「無視しないでくだサーイ!」

叢雲「金剛、ちょっとうるさい」

夕張「鉄仮面!鉄仮面です!」

いざ投下すると短いなぁ。
犯人は胸が鉄仮面の人。

乙、R30をガッツリチューンするならフロントグリルが大きい前期のほうが良いらしいな。

比叡にすら引き止められない金剛ちゃん

補足。
>>244で挙げた名前はそれぞれ、

カリスマと呼ばれた白いFD=白いカリスマ
環状の四天王と言われていた33Rの福田さん=真夜中の銀狼
アリスト乗っている佐々木=ブラッドハウンド
フザけた見た目してるけどバカっ速な赤い34Rの宮川=紅の悪魔
ハチロクで有名な小早川兄=ローリング野郎1号→ローリングマスター
S14の黒江=ユウウツな天使
帰国子女の美津江=12時過ぎのシンデレラ
とBMW乗ってる志穂=ラズベリーキッス
レースクイーンのマミちゃん=グラマラスマミ

艦これSSの皮を被った首都高バトルかコレは(今更)

おつです

首都高バトルかー。懐かしいなー(遠い目

>>249 やっぱりグリルの差ですかね。
魔王GT-Rのの名前が出したから、大鶴義丹繋がりで首都高速トライアル1・2で乗っていた前期でもよかったかな。

>>250 この金剛は姉力が足りない。

>>252 SFC版からやり込んでいた自分としては、長らく新作が出ないのは淋しい限りです。

ちょっと小ネタを投下します。
読み返すと湾岸って面白いナ……。


続・湾岸の青葉さん


青葉「うう……酷い目にあいました」

青葉「まさかあの人が夕張さんを気絶させた岩崎さんだったとは……確かに意識が壱・撃・離・脱しても仕方ありませんね」

青葉「しかし!今回は気絶しなかった!青葉、成長しています!」

青葉「……でも次はもう少しソフトな方にしたいですね」

青葉「さて、次は……おおっ?」

青葉「なにやら珍しそうなクルマが入って来ましたねー」

青葉「見た目からすると結構古い型のようですが、丸目のライトが可愛らしいです」

青葉「車種はー……あれは確か、フェアレディZでしたか」

青葉「それにしても、今日は青色のクルマに縁がありますねぇ」

青葉「あ、止まりました。チャンスですね!」

青葉「そこのお兄さーん!ちょっとインタビューさせてもらってもいいですか!?」

――翌日 食堂

提督「そういえば青葉の姿がないようだが、アイツ今日非番だっけ?」モグモグ

最上「よく分からないけど『あれはクルマじゃない……まるで悪魔のような……』って、変なこと呟いて引きこもっていたよ」

提督「なんだそりゃ」

最上「あ、提督。醤油取って」




小ネタ 違いの分かる女


由良「ふぅ……遠征の後に飲むコーヒーは美味しいわ」

コソコソ……

夕張「由良がコーヒーを飲んでいる」

川内「よし。今こそ作戦決行だね」つラジカセ

夕張「カメラのセットもオッケー。じゃあ再生っと」カチャッ


♪ダバダーダーバダバダーダバダー


由良「!?」キョロキョロ

夕張「キタキタ。今の十代には確実に通じない由良ネタよ!」

川内「実際私達もリアルタイムでは見てないからね!」

夕張「でも分かる人には出オチよね」

川内「それは言わないの」

由良 ←満更でもなさそうにコーヒーを飲む

夕張「なんかその気になって優雅に飲んでいるけど、由良がやっても割と様になるものね」●REC

川内「どうでもいいけど由良って美乳だよね」

由良 ←足を組む

夕張「クッ……見えそうで見えない」


♪ダバダーダバダーダー

川内「サバだーイカだーワー(同じ音程で)」

由良 ブハッ

夕張「何よその歌詞」

川内「提督が唄ってた」

由良「サバとイカってなによ……ククッ」

夕張「ツボに入ってるわね」

川内「必死で笑いを抑えようとしてるんだけど」

由良「……って、二人して達影でコソコソと何やってんのよ……」クククッ


今日も軽巡組は仲良しです。

アカン眠い。
由良さんのボイスにユッラユラにされました。
由良張台でもっと書きたい。

あの狂おしく身を捩るように走るあのクルマかw

普通に分かるオッサン提督にサバだイカだは卑怯ww

CV;小栗旬さんが所有するくるおしく身をよじるように走るS30Zに乗ったんすね

ライッツァンエーニモァー
Beatな朝も~

R30と言えばシルエットフォーミュラ。異論は認める

お疲れ様です。
一旦浜風掘りを諦めてレベリングしております。
しかし改二まではまだ遠い……。

>>257 >>259 あくまでZなので、それについては言及しませんwwww

>>258 由良と云えばと真っ先に思いつきましたww
サバだイカだは、ウチの母が突然唄いだしたのを使ってみましたwwww

>>260 すまねぇ、アニメはさっぱりなんだ。
未だにアニメ版未視聴なんですよね……。

>>261 同意!
初期グループCに紛れていたスカイライン・シルエットも好きです。
その後はZと共に名前だけの別車種になりましたがww

もう一回小ネタ投下後、本編行くよ来るよ。


小ネタ 今の十代には分からないレースゲームネタ


夕張「そういえば疑問だったんですが……」

提督「ん?どうした?」

夕張「いえ、提督が若い頃ってどうやってクルマのチューニング費用を賄っていたのかなって」

提督「なんだ、お前金無いのか?」

夕張「……自分でやるとはいえ、今回の修理費だけでも結構な額になりますから」

提督「まあ、この手のクルマだと余計に金が掛かるからな。俺もある程度は自分でやっていたよ」

夕張「なので、同じワンエイティだし一応参考になるかなーと思いまして」

提督「別に特別なことしてないって。バイトだよバイト」

夕張「どんなバイトですか?」

提督「ビルの警備。今思うと面白かったなアレ」

夕張「へー……ホントに普通ですね」

提督「ああ。夜勤だったんだけど、そのビルが最初はおっかないところでさ。デカいネズミが居たり、泥棒が居たり……」

夕張「なんだか物騒ですね」

提督「おお。慣れてきた頃には毘沙門天が出てきてさ。どうしようかと思ったよ」

夕張「……んん?」

提督「その後三人で組んで回ったけど、そこもとんでもない所でさ。死神や自縛霊とかの化け物に混じって女王様だのカーニバル女だの……」

夕張「ちょちょちょ!」

提督「あと金粉に塗れた女も居たな!最初は笑ったけど、ソイツを倒すとなかなか……」

夕張「ストップストップ!何ですかそれ!」

提督「だからビルの警備だって。その時使ってた剣は今でも大切に持っているぞ」

夕張「剣!?警備のバイトに剣!?」

提督「あかねとマリアン、元気かなぁ……」


普通に考えればあのゲームは色々おかしい。


ホンペンハジマリマス


工廠

夕張「ホラ、アレですよアレ」

提督「銀黒のDR30スカイライン後期型……間違いなく『鉄仮面』だな」

金剛「なんで鉄仮面と云うデス?」

提督「ヘッドライトの間にある開口部、つまりフロントグリルだ。前期型には大きなグリルがあるのだが、マイナーチェンジ後の鉄仮面は見ての通りグリルレスになってナ。より無骨な印象になったことから、そう呼ばれるようになったっぽい」

金剛「確かに『カタハ』な感じがするネー」

夕張「硬派って云いたいんですか?」

提督「しっかし渋いなぁ……俺、歴代スカイラインの中だとサンニーと同じ位好きなんだ」

夕張「しかも見た目ピカピカですよ。とても30年前のクルマとは思えない……」

金剛「ワタシのハチロクと大違いヨ」

夕張「金剛さんのは特殊過ぎます」

提督「内装、鉄板剥き出しだもんな」

夕張「ん?中で寝てるのは……瑞鳳?」

瑞鳳 ムニャムニャ……


提督「何でこんな所で寝てるんだ?」

金剛「可愛い寝顔ネ」

夕張「コレ、瑞鳳が買ったのでしょうか?」

提督「とりあえず起こすか。お、鍵開いてる」ガチャ

瑞鳳「ムニャ……」Zzz

提督「ヅホー。起きろー」ユサユサ

瑞鳳「瑞鳳のクルマ……古くても活躍出来るんだからぁ……」Zzz

夕張「起きませんね」

夕張「とても幸せそうヨ」

提督「起きないとチューしちゃうぞー」

夕張「瑞鳳!今すぐ起きなさい!犯されるわよ!」ガシッ

瑞鳳「 」ユッサユッサ

金剛「提督、まさか……」

提督「濡れ衣です。露骨に引かないでもらえますか」


瑞鳳「んぅ……はれぇ、提督さんに夕張ぃ……?」

夕張「おはよう瑞鳳。何でこんな所で寝ているのよ?」

瑞鳳「ああそうだぁ……夕べ納車されたのが嬉しくって、中でそのまま寝ちゃったんだぁ」ファー

提督「気持ちは分かるが、いくら暖かくなったとは云え艦娘といえど風邪引くぞ?」

瑞鳳「ふぁーい……」

提督「で、早速だがヅホよ。この鉄仮面はどうしたんだ」

瑞鳳「えーっとね、提督さんと夕張がいつも楽しそうにクルマの話しているから、つい……エヘヘ」

夕張「よく物陰から覗いていたものね」

金剛「随分な物好きですネー」

提督「その物好きの所に自ら異動して来たのはどこのドイツだ」

金剛「ドイツじゃないヨ。イギリスネ」

提督「そういう意味じゃない」

瑞鳳「何で金剛さんが居るの?」

夕張「話せば長くなるけど、提督の下で修行をしたいって」

瑞鳳「修行?」


提督「それにしてもホントに綺麗だなー。よく見つけてきたもんだ」

瑞鳳「あ、うん。頑張って探したんだから!」


瑞鳳のDR30スカイライン
後期2ドアのシルバーツートン
ダウンサス、エアクリ&マフラー交換程度のライトチューン
お約束のエイトスポーク、R32風大型リヤスポイラーが目を惹く
モデル末期のターボCなのでかなり貴重
パワーは推定約220馬力


夕張「でも、どうして鉄仮面なの?同じ価格帯でもっと良いモノもあったでしょう」

瑞鳳「うーん……最初はZ31や20ソアラ、あとサイバーCR-Xも考えたんだけど、どうにもピンと来るのが無くて」

夕張「どっちにしても古いクルマばっかりね……」

瑞鳳「それにこの目!四角いシルエット!レトロで可愛いでしょ?」

提督「可愛いっていうのか、それ」

夕張「……分からない」

金剛「ワタシは分かるネ。カクカクした形がブロックアートみたいでキュート」

瑞鳳「やっぱり!?流石ハチロク乗り!」

金剛「ヤーヤー、どうもデース」

夕張「思わぬところで打ち解けてる……」


提督「それにしても……今は西暦何年だっけ」

夕張「どうしたんですか急に」

提督「いや、ホラ……並んでいるクルマがさ」

180SX ←89年デビュー

AE86 ←83年デビュー

DR30 ←81年デビュー

提督「夕張のワンエイティは今風だからいいけどさ……」

夕張「ああ、確かに」

瑞鳳「狙ったように昭和のクルマばっかりね」

夕張「ワンエイティも中身はS13だから実質昭和のクルマよね」

提督「ココだけあれか?平成初期の大黒パーキングか、開始当初のいか天か?」

金剛「ハチ○ヒーローとか、高速○鉛が取材に来るかも知れまセーン」



提督「やれやれ、一挙に二台も増えるとは思わなんだ」

夕張「叢雲ちゃんの頭痛が酷くなりそうな……」

提督「だが俺は謝らない」

夕張「何故か瑞鳳と金剛さんは仲良くなってるし」

瑞鳳「うわぁ、金剛さんのハチロクスゴーい!」キャイキャイ

金剛「ベリー苦労したからネ!」

提督「さて……鉄仮面の謎も解けたことだし、お前ら散れ!仕事するぞー」

夕張「あら、提督からそんなこと云うなんて珍しい」

提督「一応提督だからな。書類も溜まっているし、放って置くと叢雲が怖い……」

金剛「尻に敷かれてマスね」

瑞鳳「今に始まったことじゃないよ」


提督「俺は執務室に戻るとして……意気投合したついでだ、ヅホは金剛に施設の案内をしてやってくれ」

瑞鳳「はーい!」

金剛「宜しくデース!」

提督「それと午後には大型輸送船が湾内に入ってくる予定だからそれの受け入れ警備な。お前ら二人とも艦隊に入れるから準備しておいて」

金剛「警備任務にワタシも入れるのデスか?」

提督「戦艦が増えたとなっちゃあ、深海棲艦も迂闊に手を出しづらくなるだろうからな。抑止力の為にも金剛にはドンと構えていて欲しいのヨ」

金剛「了解デス!」

夕張「じゃあ私はワンエイティの整備に戻りm 提督「お前も書類の整理だ」ガシッ

夕張「そういう事務仕事なら由良とか古鷹さんに任せればいいじゃないですかー……」

提督「今日は二人とも非番なの!それに……叢雲と二人だとまたチクチク言われそうで心細いんだよ……」

夕張「尚更行きたくないですよ。冗談じゃねぇ」

提督「唐突なレーラグはやめれ。この前美味しい蕎麦屋見つけたから、奢ってやるって……な?」

夕張「……まだ足りませんね」

提督「よし、じゃあ耳貸せ」ボソボソ

夕張「……っ!仕方ないですねー……今回だけですよ?」ニヤニヤ

金剛「急に態度が変わったネ」

瑞鳳「買収よ、きっと」


瑞鳳案内中……

金剛「ココはそれほど大きな所ではないデスが、艦娘はどれ位居るんデスか?」

瑞鳳「んー……大体20人位じゃないかな?」

金剛「随分少ないデスね」

瑞鳳「鎮守府とは銘打っているけど、あくまで横須賀からの分署だからね。基本的には横須賀のサポートだったり、湾周辺の護衛・警備が主な仕事よ。たまに新人の育成とかもあるよ」

金剛「ワッツ!?そうだったんデスか!?」

瑞鳳「皆略して市川鎮守府って呼んでるから、ややこしいのよね」

金剛「知らなかったデース……」

瑞鳳「こんな感じね。何か質問はある?」

金剛「Mu……そういえば正規空母が居ない気がするネ」

瑞鳳「基本的には私や龍驤、あと千歳さんで賄ってるの。扶桑さん達やモガミンも居るけどね」

金剛「正規空母が居ないとは……驚きネ」

瑞鳳「大体横須賀とかに回っちゃうから仕方ないよ」

金剛「成る程ネー」

瑞鳳「他の所よりは暇だしちょっと退屈かも知れないけど、その分提督さんには色々自由にさせてもらっているの。何だかんだで良い所だよ!」

金剛「提督からしてアレですからネ」

瑞鳳「アハハ。でもそんな所に異動願いを出すなんて、金剛さんも似たようなものじゃない」

金剛「イエース!変わっているのは充分承知ネ!」


浦風「……ありゃ?金剛姉さん?」ヒョコッ

金剛「ワオ浦風!そういえば市川に所属してたネ!」

浦風「浜風もおるよ。しかし急にどしたんけ。突然コッチに異動するー聞いた時は驚いたきぃ」

金剛「この鎮守府に興味が出たんデスよ!元気だったネ?」

浦風「モチロンじゃ!金剛姉さんも相変わらずじゃねえ」

金剛「ワタシはいつでもワタシネ!」

瑞鳳 ジー

浦風「瑞鳳?何見とるん?」

金剛「どうかしましたカ?」

瑞鳳「いや、二人とも羨ましいなーって。何とは言わないけど」ジー

浦・金「??」

瑞鳳(胸……)


執務室

叢雲「ハイ次。ここにサイン」

提督「ん。あ、この任務報告書も送っておいて」

叢雲「こっちの整備記録は?」

提督「それはまだ最終確認が終わってないから出しちゃダメ」

叢雲「了解」

夕張(実際仕事してみると、私が手伝うことってあんまり無いんだよなー……)

叢雲「夕張、手が止まっているわ」

夕張「あ、ゴメン」

叢雲「全く……いつも好き勝手しているんだから、執務の手伝い位しっかりやってよね」

夕張「面目ない」


提督「そう言うなって。元はと云えば俺が巻き込んでいるようなもんだし」

叢雲「それもそうね。どっかのバカが普段から真面目にやれば、私もここまで苦労することもないんだけど」

提督「仰るとおりです……叢雲様にはいつも助けられています。感謝しきれません正に女神様ですハイ」

叢雲「ハイハイ、言ってなさい」

提督「凛とした佇まい、仕事上での実力、あと黒タイツ(ボソッ)、どれをとってもこんな自分には勿体無い程です有難うございます」

叢雲「……ホント、次から次へと口だけは達者ね」

夕張(途中で何か聞こえたけど……)

叢雲「ま、いいわ。これ送ってくるから、ちゃんとやってなさいよ」バタン

提督「………」

夕張「………あの、黒タイツって……」

提督「………」

夕張「……提督?」

提督 ニヤッ

夕張「ヒィッ!?」

瑞鳳は兎も角、夕張はネタになるほど小さくはないよね。
やっぱり名前の所為か。あと黒タイツ。

一旦中断します。

湾岸とイニDは見てたけどレースゲームはやったのは峠MAXという俺以外では周りはやってないようなゲームやってたな
ニコ動であげられてたの見たけど上手すぎワロタ

赤沢提督とかかっこいいと思います。

RLも峠MAXもゼロヨンチャンプもクリアした俺に死角はなかった。
峠MAXは特に初代が最高だったな、ゼロヨンチャンプは恐らくレースゲーム史上初のメーカーから公認とって実車を出したゲーム。
Xボタンでクラッチ、十字キーでシフトレバーを操り9~8秒でケリがつく超短期決戦。
メインのレースがシンプル過ぎて容量余りまくった結果資金稼ぎのバイトが基本ミニゲームで提督がやってた警備員のバイトはかなりガチなRPGで続編ではどっちが本編なのか分からなくなるほどのボリュームだったな。


昔なにわ湾岸バトルってゲームもあったな。新世界のど真ん中もコースになっててワロタけど
セッティングの基礎は初代GranTurismoが鉄板だわ
極端なセッティングにして、これをこうしたらこうなるってモロに出るからわかりやすかった
2からはその傾向が薄くなって分かりにくくはなったけど

>>268
市川鎮守府の構造を細かく書くこたないだろうけどSpee○huntersも取材にきたりしてね
工廠とかをロケにしてイイ感じに撮ったりとかしてね、趣ある写真が出来そう


ナニトモは平成元年だっけか…
アレもワンダーやらハチロク、S13とか昭和だよなぁ
マーボの後期の車はR31だったか

ひたすらプレゼントカーを売って稼いでただけだわ
何台のパジェロエボリューションを見たっけか

おつです

警備員チャンプとか懐かしすぎるな。なぜか仲間との会話内容が本編じゃなくてバイトの話になるという不思議なゲームw

こんにちは。
レベリング中に祥鳳さんドロップしたのですが、一瞬「どなたですか?」と二度見した>>1です。
あと村雨って思ってた以上にデカいのにも驚いた……何とは言わないけど。

>>276 峠MAXはGならよくやってました。
ストーリーモードでは分岐でわざと負けてハーレムルートを堪能していましたww

>>277 あれほど人間臭い主人公はなかなか居ませんからねww
赤沢はホント良いキャラしてた。

>>279 そういえば初代のPCエンジン版から既に実名だった気が……何気にスゴい。
ただRR-Zで赤沢本人もぼやいてましたが、「これレースゲームだよね?」は誰もが一度は思うハズww

>>280 ありましたねwwwwww
自分は結局未プレイですが、あれってオートセレクトと山田英二監修だった覚えが。
GTのセッティングは当時の自分には全く理解出来ていませんでした。
クロスミッション積んで「最高速下がった!何で!?」とか言ってたレベルだったからなぁ……(遠い目

>>281 確かに趣きがありそうですね。
しかし投下後思ったんですが、取材来るとしたらむしろGワークスとかそっち系じゃね?とww

>>282 ナニトモの強みって実は時代背景を明確にしてるとこですよね。
イニDや湾岸みたいに、出た当初は新車だったクルマが次々旧車になるってこともなかったし。
湾岸に到っては時代の流れを何事も無かったように出してましたしねww

>>283 GT2で何台のスカイライン・シルエットを見送ったことか……。

>>284 そのクセ登場車種はちゃんと実名だから、スタッフの気合半端ねえ……ww


ゼロヨンチャンプネタの反響が思いの他あってワロタww
この提督、九龍ビルまで行ってるってことは相当な高レベルだよな……クルマモノなのにまさかの人外設定か!?





夜・食堂

扶桑「ごちそうさまでした」

山城「姉様、もう召し上がらないんですか?」

扶桑「ええ。ちょっと出掛けて来るわ。デザートのプリンあげる」

山城「えっ、ウソそんな……!姉様がプリンを!?こ、幸福だわ!」

提督「……あいつの幸福指数って低すぎやしないか」モグモグ

最上「だって山城だもん」モグモグ

時雨「仕方ないよ」モグモグ

夕張「あれ?川内が居ないんだけど」

由良「摩耶さんとバイクで何処かに行ったわ」ズズー

提督「ん?摩耶も単車乗ってたっけ?」

最上「昔から乗ってたみたいだよ。ボクはよく分からないけど、ファミマレプリカだっけ?」モグモグ

提督「『エディ・ローソン』のローソンな。色合い似てるけどコンビニじゃない」

夕張「カワサキか……」


山城「……ちょっといいかしら」

提督「どうした山城。プリンならやらんぞ」

山城「違うわよ。姉様のことなんだけど……最近夜外出することが多くて」

提督「え?そうなの?」

山城「昨夜も喫煙所に向かう途中、マッドハニーの『ヒア・カムズ・シックネス』を口ずさんでいたら……姉様がフラッと出掛けて行くところを見かけて……」ハァ

提督「それより、お前のその選曲の方が気になるわ」

山城「元はと云えば提督の趣味じゃない」ムスッ

最上「どんな曲なの?」

夕張「『レンコン好きです!』って空耳で有名な曲よ」

時雨「シアトル出身のガレージバンドさ。ニルヴァーナのカート・コベインにも影響を与えたんだよ。演奏は下手だけどカッコいいんだ」

最上「へー。皆詳しいね」

若葉 ヒョコッ

由良「あら、若葉」

若葉「THERE GOES SICKNESS IN MY DADDY'S CAR」ヒュンッ

由良「!?」ビクッ


山城「マッドハニーはどうでもいいの。姉様が夜に何してるか知らない?」

提督「姉バカのお前が知らないのに俺が知るわけないだろ」

由良「若葉はなんだったの……」

時雨「気にしなくていいと思うよ」

提督「そもそも、何で俺に聞けば分かると思ったんだよ」

山城「提督が無理矢理連れ出して、やらしいことしているんでしょ!」

提督「俺のこと何だと思ってるんだ」

山城「クルマと音楽好きのオッパイ星人」サラリ

提督「ぐっ……当たりだよチクショウめ」

夕張「昼間、黒タイツがどうとか言ってましたよね……?」

提督「女性の美しさを愛でて何が悪い」

夕張「その結果が胸と黒タイツ?」ジトーッ

山城「兎に角、姉様に何かあったらただじゃおかないから!覚悟なさい!」

提督「そんなに心配なら扶桑さんに首輪でも付けておけよ」

夕張「ちょっ……!」

山城「姉様に首輪……?」

モウソウチュウ……

シミュレーション

山城「アリねそれ……ウフフ、ウフフフフ……」

提督「うん、たまんねえ。しょーりゅーけんだ」

夕張「ダメだコイツら、早く何とかしないと」

若葉「サタニック・ブンブン・ヘッド」

由良「若葉まだ居たの!?」ビクッ


工廠

夕張「ああー……今日はやたら疲れた。でもクルマ直さないとなぁ……」

金剛「Mu……今回ばかりはダメかしら……(英語)」

夕張「あら?金剛さん?」

金剛「Oh!夕張さん!どうしましたカ?」

夕張「私はワンエイティの修理を。金剛さんこそ、難しい顔してどうしたんです?」

金剛「エンジンを見てたんデスが、ハチロクも限界かナーって」

夕張「そんなことないですよ。とてつもなく速かったじゃないですか」

金剛「デスが、エンジンだけじゃなくボディもボロボロネ。これを機に乗り換えも考えてマース」

夕張「まだまだイけると思うけど……」

金剛「……この子には少し無理させ過ぎたネ。それに都高に上がるなら、その内限界が来るヨ」

夕張「そうですか……新しいクルマに候補はあるんですか?」

金剛「考え中ネー。S2000かNSXか……」

夕張「また随分性格が違うクルマを」

金剛「都高、特にループウェイにステージを絞ったら、ハイパワーよりもトータルバランスが大事だと思うネ」

金剛「しっかり踏めて、ちゃんと曲がる。何よりスタビリティが必要ヨ」

夕張「スタビリティ……安定性ですね」

金剛「イエース。AWD(オール・ホイール・ドライブ)の方が有利なのは分かりマスが、ワタシはあくまでリヤ・ドライブのマシンで勝負したいネ」


夕張「金剛さんは、そもそも何で走るようになったんですか?」

金剛「ワタシ?最初はマンガの影響ネ」

夕張「ああ……だからハチロクですか」

金剛「デヘヘ……でも、ある時見たんですヨ。スゴいクルマを」

夕張「スゴいクルマ?」

金剛「古いフェアレディZとポルシェ。たまたまシーサイドをドライブしてたら見かけたネ」

夕張「そ、その組み合わせって、まさか……」

金剛「ノンノン!Zはレッド!ポルシェはマルーンだったヨ!」

夕張「流石にそうですよね……ハハ」

金剛「イエー。その二台が目の前を通り過ぎた時、ゾクッと来ました」

金剛「とてもビューティフルで、震えたネ。ワタシが知らなかっただけで、こんなマシンが本当に存在するんだって……感動したんデスよ」

夕張「そんなクルマが……提督なら何か知ってるかな」

金剛「だから、都高は少し憧れだったネ。ワインディングにも速い人は沢山居たけど、あの二台のようなマシンは未だに見たことないヨ」

夕張「じゃあ、今はその二台に会うことが目的ですか?」

金剛「それもありマス。でも、ここまでやった以上はハンパな状態で終わらせたくないからデスね」

金剛「それに……降りる時はきっと、自分で分かるハズデース」


金剛「夕張さんはどうデスか?」

夕張「え、私?」

金剛「イエス。夕張さんは何で走っていマスか?」

夕張「私かぁ……何でだろ。元々機械弄りが好きだから、その延長だったけど」

夕張「クルマ買って色々弄っていたら、提督が『じゃあ都高に上がってみる?』って云われて、何となく走って」

金剛「そこで都高に上がろうと誘う提督もどうかしてるネー」

夕張「そうですよね。でも、誘いに乗って走っている内にどんどん楽しくなって今に至るんですけど……あんまり理由になってないですね」

金剛「グッド!良いと思うヨ!」

夕張「そうですか?」

金剛「理由なんて無理に探す必要無いネ!やってる内にきっと見つかるヨ!」

夕張「うーん……そんなもんですかね?」

金剛「まずは何事も楽しまなくちゃ!損デスよ!」

夕張「……なんだか金剛さんと話してると、元気がもらえるなぁ」

金剛「よく言われるネ。それってどういうことデス?」

夕張「言葉通りですよ。まるで、太陽みたい」

金剛「Oh!サンシャイン!それは嬉しいデース」

夕張(走る理由か……あんまり考えたことなかったけど、私にも見つかるかな)

金剛「でもまず、お互い修理デスね」ハァ

夕張「……ですね」


喫煙所

提督 写真を眺めてる

龍驤「なんや、まだ起きとったんかい」

提督「そういうお前はどうなんだよ」

龍驤「それもそうやな。で、何見とったんよ?んん?」

提督「……昔の写真だよ」

龍驤「ほっほう。見してみぃ……って、扶桑さんが写っとるやん」

提督「やっぱ似てるよな。別人だぜソレ」

龍驤「似とるゆうレベルちゃうで!瓜二つやん!誰だれ!?」

提督「……昔の恋人。たまたま見つけてさ」

龍驤「不躾かも知れへんが、なんで別れたん?」

提督「俺があまりにもクルマにのめり込むもんだからさ。愛想尽かされて居なくなった」タバコスパー

龍驤「キミも罪作りな男やなぁ。こんな別嬪さん放って置いて」

提督「だろ?で、今こうして眺めてたわけ。女々しいだろ」

龍驤「ホンマや。あまりに女々しうてコッチが辛いわ」ワハハ

提督「……だから時々、扶桑さんを見るとドキっとするんだよ。仕草から口調からソックリでビビるんだ」

龍驤「ほーん。でもまあ、キミには叢雲みたいなキツめの性格の方が合ってるわ」

提督「やっぱり?分かる?」

龍驤「そらウチかて付き合い長いんやから見てれば分かる」タバコトリダシ

龍驤「……大方、何も言わずに受け入れてくれるもんやから、調子こいて走り回っとったんやろ。で、爆発」

提督「大正解。流石我が隊のご意見番」

龍驤「誰が呼んでんねんソレ」


龍驤「夕張もそやけど、ウチには分からん世界やで。同じトコグルグル周って何がオモロイん?」

提督「そりゃあ、やってみないことには分からないわな。今度横に乗るか?」

龍驤「嫌や。あんなケッタイなクルマ、乗りとうないわ」

提督「ケッタイ言うなや。あれでも相当金掛かってるんだぞ」

龍驤「知らんわそんなん。嫌なもんは嫌や」

提督「なんだよ、たまにはドライブデートにでも誘ってやろうと思っても皆断るんだから」

龍驤「……ホンマに何でやねん。付きおうた恋人にもそれが原因で逃げられとるのに、何で降りようとせんねん」

提督「……さて、ね。降りる気が無いからじゃないか?」

龍驤「阿呆。答えになっとらんわ」

提督「俺自身が分かってないんだ。一回降りたってのに、いい歳してまた戻ってるんだ。自分でもワケ分からん」

龍驤「なんや。一回は止めてるんか」

提督「つるんでたヤツが目の前で事故ってな。その時は二度と走らないと思ってた」

龍驤「せやけどまた戻ってるやん」

提督「だーかーら、自分でも分からないんだよ」


龍驤「……ウチのオトンが若い時、浪速環状でヤンチャしとったらしいんや」

提督「親父さん環状族だったのか?」

龍驤「写真しか見とらんから知らんわ。当時シビック云うたら環状族みたいなノリやったんやろ?」

提督「らしいな。府警のシビック狩りは有名だったみたいだし。で、それがなんだよ」

龍驤「そこそこ大きなチームに入って、先輩にもそれなりに着いて行けるようになった頃な、大事故に巻き込まれてん」

龍驤「まあオトンとクルマは無傷やった。けどその事故の当事者やった連れのクルマはアタマからひしゃげてしもてな。助手席乗ってたヤツが前のガラス突き破って明後日の方向向いて転がってたらしいわ」

提督「何したらそんなになるんだよ」

龍驤「止まってたトラックに突っ込んだらしいで。危うくオトンもぶつけるトコやったと」

龍驤「で、そんなんやから助手席のヤツは即死。運転してたのもロールバーやっけ?あれに頭を強く打って間もなく死んだそうや」

龍驤「その光景見たオトンは大層震え上がってその場でゲーゲー吐いたそうや。人の命なんてこんな簡単なもんなんかって。んで、ほとぼり冷める頃には降りたと」

龍驤「ああ、それ以来肉がダメになったとも言っとったわ」


龍驤「ここまで聞いて感想は?」

提督「人の命は尊いものだなぁ。僕にはとても出来ない」

龍驤「小坊が無理矢理書いた作文かいっ。しかもワケ分からんし」

提督「……別に、よく聞く話だからな。実際、顔見知りに死んだヤツも居たし」

龍驤「そんなら、何でや」

提督「……ケリ、つけたいのかね」

龍驤「ケリ?」

提督「ああ。あの日置き忘れてしまった自分に、ケリをつけたいのかも」

龍驤「うわっ、クッサ~。鼻が曲がる~」

提督「人がちょっとセンチメンタルな気分に浸って喋ったっていうのに台無しじゃねえか」

龍驤「ウォエ~」

提督「そんなに!?と言うか、年頃の女の子がそんな声出しちゃいけません!」

龍驤「冗談や。でも、そんなん要らんねん。君が死んだらどうするんやって話や」

提督「けどそんなこと云ったら、お前らだって明日轟沈して居なくなるかもしれないだろ」

龍驤「そんなんキミは望んでないやろ」

提督「ああ。誰一人欠けるのは嫌だ」

龍驤「ウチかて誰かが死ぬところなんて見とうない。ウチだけやない。皆そう思っとる」

龍驤「だからこそ、これだけは約束してな。ちゃんと帰って来ること。そうすれば、多少のお痛は目を瞑ってやるわ」

提督「……約束するよ」

龍驤「もし死んだりしたら、あの世まで艦載機飛ばしたる。安心して寝れると思わんことや」

提督「お前ならやれそうで怖いわ」

龍驤「……そんで一生恨むからな」

提督「そうしてくれ。出来る限りナ」

扶桑姉様に首輪……?うっひょお!たまんねぇ!
しょーりゅーけーん!!

一旦投下終了。


車もバイクもはよ免許とりたいわ


昔とあるバイパスでバトルしかけられたことあったのも思い出した
こっちの峠仕様のインプにがっつり食らいついてくるガチ仕様のKPのGT-R
RBでも載ってんのかと思ったぐらい速かったな
ゴールエリアでお互いに全く知らんのにサムズアップして別れたあの瞬間は熱かったわ

おつです

田舎者だから首都高とか夜走ったこと無いからわかんねぇなぁ。渋滞してるイメージしか想像できないww

公道でレース始めるバカと過積載トラックは死んだほうがいい

このスレ全否定じゃねーかww
まあ俺もリアルで走り屋とか自称してる奴らはそれだけで軽蔑するけど創作の場でくらいはいいだろ

MTガシャコガシャコするだけで楽しんでるけどサーキット行きてぇ

扶桑や五十鈴がトラック野郎をするような展開は無いんですか?

>>303
ミニサーキットならまだ安くて済むぞ
ただ最低でもタイヤとオイル(エンジン、ブレーキ、ミッション)は行く前には交換しておいたほうが愛車のためにはいい
車高調なんぞなくても楽しめる

>>300
さすがに車巻き込む死に方はしてほしくない
公道でレースやってるバカと過積載トラックの奴は「ひっそりと辞めて老衰で死ね」と罵ってやりなさいナ

公道でレースやってるばかじゃないが、前に高速走ってたらエライ速度(推定200km以上)で抜いていったフェラーリがいたわ
10分後ぐらいに白と黒のツートーンカラーのクラウンさんに捕まってたけど

速く走れる所は当然警戒されてるからね
仕方ないね

こんばんわございます。
ようやく時雨が改二になりました。
次は古鷹が先か川内が先か……。

>>297 自分も中型二輪が欲しいです。
もう原付で坂登れなかったり煽られるのは嫌だお。

>>298 ホントにそんなことってあるんですね。インプ相手に箱スカってのがまた……。
L型でも速い人は速いんでしょうけど、ホントにRBが載ってたりして。

>>299 そもそも構造のせいで渋滞するという悪循環。
実際夜中に何度か通ったことありますが、そこそこ交通量も多かったです。
あんな道でスピード出すなんて狂気沙汰だと思いました。
銀座辺り特に怖い。

>>300 それについては全てではありませんが同意です。
自分もクルマは小さい頃から好きですが、雑誌やマンガ、ゲームなどで美化されすぎている嫌いがあると。
湾岸の原田じゃないけど「何が走り屋だ。笑わせる」と云いたいところです。
こんな内容のSS書いといてアレですが。

>>301 確かに自称さんは嫌ですね。一時期増えすぎてスポットが荒れたなんて記事も見ました。
かと言って放っておくと洒落にならないし……節度を持ってもらいたいところです。

>>303 先日久々にMT車(軽トラ)運転したら楽しかった反面、バックでエンストしまくりましたw
よく日光サーキットまでチャリンコ漕いで見に行ったなぁ……。

>>304 扶桑さんは出番ありますよ。トラックじゃないけどw
そう言えばピクシブに扶桑トラック艤装仕様と五十鈴+べレットの2ショットを書いてた人が居ました。
特に扶桑さんは色々吹いたw

>>305 補給は大事(艦これ的にも)
ドリフトやるような人は荷物多くなりそうで大変でしょうね……クラッシュ大破なんか悲惨。
友達にはルーフ部分の鉄板が落ちてきたなんてヤツも居ました。そして某誌に載ったww

>>306 ほんとそれ。
ただでさえ迷惑かけてるんだから、事故ってもせめてひっそりと自爆してくれ、と。

>>307 関係ないけど、先日ドラゴンボール見に行った時、エンドロール終わってから後ろの席のお子様が、
「悪いことするからダメなんだよ~」
この場合も、フェラーリ=フリーザ様ですかねw
ウチの前でも真夜中に1JZ系のクルマ(多分チェイサー辺り)が、交番の前だというのにシグナルスタートかまして行くもんだから煩いのなんの。

>>308 お巡りさんがちゃんと仕事している証拠ですね。
でもスポットでも何でもない山の中でネズミ捕りしていた時は驚いた。

この類の内容のSSを書いておいて説得力無いかもしれませんが、あくまで自分は公道での暴走行為を助長したりするつもりはありません。
自分自身も違反はしたことあるので決して優良ドライバーとは云えないし、実際にこういう世界に憧れていた時期もありましたが、やはり公道では節度を持って、本格的なスポーツ走行を楽しむのであればサーキットに行くべきだろうと考えます。
気持ちは分かりますが、結局軽率な行動が自分達の首を絞めかねないですからね。
というか、リミッター当たる前にビビりリミッターが作動するので例えR35とか持って来られようと自分には無理ですw


梅雨グラ目当てに村雨に浮気していますが、投下しますよー。


工廠

夕張「とりあえず、今日はこんなもんかな」

金剛 Zzz

夕張「金剛さん寝ちゃってるし……毛布あったっけ?」

由良「夕張?まだやってたの?」

夕張「ん?何か用事?」

由良「用事も何も、時計見てる?」

夕張「ゲッ、もうこんな時間なの」

由良「没頭するのもいいけど、普段の仕事に支障が出ないようにね」

夕張「アハハー……努力はする」

由良「それとコレ、提督からの預かり物」ヒョイ

夕張「おっと。キー?」

由良「提督のクルマのスペアキーだって。修理している間なら乗っててもいいって」

夕張「んふー。そうそう、この為に今日の執務手伝ったんだから」

由良「あと伝言。『交通ルールは守りましょう』だって」

夕張「自分から嗾けといてよく言うわ……」

由良「全くよ。川内も帰って来ないし」

夕張「えー……あの二人まだ帰って来てないの?」

由良「明日非番だからじゃない?この鎮守府は暴走族しか居ないのかしらね」

夕張「否定できない……」

由良「あ、でも直ったら隣乗ってみたいかな」

夕張「モチロン」

夕・由「「後で感想聞かせてね」あげる」

夕張「分かってるじゃない」

由良「付き合い長いからね」

金剛「ダメダメ……ワタシが前を走るネー……」Zzz

夕張「あー……とりあえず、金剛さん運ぶの手伝って」

由良「そうね」


その頃の川内・摩耶in埠頭

川内「っぷー……」

摩耶「だいぶ慣れてきたみたいだな」

川内「番長!ハングオンの仕方が分かりません!」

摩耶「上半身だけで動くからダメなんだ。腰で移動だ腰で。あと番長言うな」

川内「というかさぁ、摩耶さんのバイク速過ぎだよー。何なのそれ」

摩耶「そりゃあ排気量からして全然違うからな」

川内「どれ位違うの?」

摩耶「それ(NSR)4台分」

川内「なにそれずるいー」

摩耶「ズルでもなんでもねーよ。リッターとニーハン比べること自体間違ってるっての」


摩耶のZRX1200
カラーはライムグリーン(ローソンレプリカカラー)
パッと見では分からないが、色々と改造されているらしい
エンジン周りよりも足回り、ブレーキ等を強化している

川内のNSR250
カラーはホワイト/レッドのレプリカカラー(所謂赤テラ)
提督が買って来て放置していたものを川内が譲り受けた
レストアついでに夕張がキャブとチャンバーを交換した以外はほぼノーマル


摩耶「そもそも、20年以上前のレーサーレプリカ相手に摩耶様が負けるかっての」

川内「摩耶さんのだって古そうじゃん……」

摩耶「そりゃ確かに10年前の型だから古いことには違いないけど、NSRよりマシだ」

川内「88年式とか言ってた」

摩耶「マジかよ。またとんでもないモン見つけてきたな」

川内「提督も自慢げに言ってたけど、これってそんなにスゴいの?」

摩耶「アタシが驚いてるのは程度が良いってとこなんだが……まあ、88に限らずNSRは確かにスゴかったらしいぜ」

摩耶「かつてレーサーレプリカブームってのがあってな。今と比べモンにならない位二輪が売れてた時代にヨ、ホンダはまんまレーサー仕様を放り込んできたって。とりわけ、ハチハチが一番過激だったと。あまりに市販車の状態で速過ぎるもんだから他のメーカーからバッシングを受けたって話だ」

川内「へー。じゃあこれスゴいバイクなんだ」

摩耶「あくまで当時の話だ。その後NSRは色々改良してより速くて扱いやすくなったみたいだし、バイクそのものも進化してるからな。今じゃインジェクション、ABSは当たり前だ。昔じゃ考えられないぜ」

摩耶「だから伝説と謳われた88も、今となっちゃただピーキーなだけの古いバイクだってこと」

川内「えー。何かショック……」

摩耶「何言ってんだ。確かに過去のバイクにはなったが、今でも充分速くて楽しいと思うぜ?」

川内「……そりゃあ、訓練生時代に乗ったバイクよりは全然速いけどさ」

摩耶「だから腕次第じゃ峠で最新SSにも……って流石に無理か。まあ格上相手でも結構イイ線行くと思うわ」

川内「そっかー。でも乗ってる分には楽しいから別にいっか」

摩耶「そうそう。結局は自分が気に入ったモンに乗るのが一番だ」


川内「よーし!もう一本!川内、行きます!」

摩耶「オイオイ勘弁してくれよ……お前は非番だろうけどアタシは出撃だってーの」

川内「そんなこと言わずにぃ。これでラストにするから」

摩耶「カーッ……そういうヤツは絶対言うこと守らないってのが相場なんだよ」

川内「ホントにこれで最後!お願い!」

摩耶「わーったわーった……ったく。ただ、何もなけりゃあな」

川内「??」

摩耶「一台なんか来るぞ……ヨシムラの音だなこりゃあ」

キィッ!

「おうおう、俺のシマを荒らしてるのは何処の誰だ!?」

摩耶「あん?」

川内「変なの来た」

天龍「俺の名は 川内「あ、天龍だ。久しぶり」

摩耶「なんだお前か。こんな時間に何やってるんだよ」

天龍「 」


川内「あれ?摩耶さん、天龍のこと知ってるの?」

摩耶「一応な。お前らは同期だっけ?」

川内「そうだよ」

天龍「せ、川内に摩耶さん……二人して何やってんだよ……」

川内「摩耶さんにバイクの乗り方教わってた!」ドヤ

摩耶「アタシは付き合わされてる。眠い」

天龍「あ、そう……」

摩耶「で、お前はなんだ?シマがどうとか」

天龍「あぁ、いや言葉の綾っつーか何ていうか……」

摩耶「いや別にどうでもいいんだけどさ。そのカタナ、まだ乗ってたのか」

天龍「いやあ、最近暇になったからまた乗り始めて」

摩耶「ふーん……」

川内「どしたの天龍?さっきから挙動不審だけど」

天龍「ばっ……バカ言うな!俺に怖いもんなんてねえ!」

川内「何言ってんの?」

天龍「大体、何でお前が単車乗ってんだよ!しかもNSRて」

川内「いやさぁ、ウチの提督が物好きで。買ったはいいけど乗ってなかったのが余ってたから、譲ってもらったんだ」

天龍「そう云えばお前んとこの提督はそんなんだったな」

川内「で、乗ってみたら楽しくてさ」


天龍「ところで川内……ちょっとこっち来い」ガシッ

川内「なに?夜戦?」

天龍「いいからっ」

摩耶「眠ぃ……」オオアクビ

天龍「お前、摩耶さんに乗り方教わってるって正気か」ヒソヒソ

川内「なんでさ。問題あるの?」

天龍「大アリだっ!摩耶さんはかつて『荒武者』と呼ばれ、地元では泣く子はもっと泣くトンでもないお方だったんだぞ!」

川内「訳が分からないよ」

天龍「走りに関しちゃ色々逸話があるってことだよ!俺なんか恐れ多くて目も合わせられねえ……」

川内「5へぇ」

天龍「ふざけんな!いいから、乗り方なら俺が教えてやっから。あの人は止めとけって」

川内「そんなこと言っても、天龍とじゃ所属が違うし」

天龍「そんなもん予定合わそうと思えばいくらでも合わせられるだろ。兎に角、怪我する前に止めとけ」

摩耶「……天龍」

川内「別に摩耶さん優しいよ?口は悪いけど」

天龍「バッカ、お前は全盛期のあの人を知らないから…… 摩耶「天龍!」

天龍「ひゃい!?」ビクゥ

摩耶「……火ぃ貸せ。オイル切れた」

天龍「は、はい!」

川内(番長と子分……)


摩耶「……お前、川内に余計なこと吹き込んでるんじゃないだろうな?」フー

天龍「滅相も無い!」

摩耶「あ、そ。別にどーでもいいけど」

天龍「はぁ。しかし何でまた川内に……」

摩耶「ただの興味本位。2ストって乗ったことなかったからな。教えるついでに乗らせてもらった」

天龍「ところで、前のマークⅡはどうしたんスか?」

摩耶「古くなったから売った」フー

川内「摩耶さーん。ラスト一本はー?」

摩耶「吸ったら行くよ。あ、折角来たんだからお前も付き合え」

天龍「あの、何を?」

摩耶「川内の相手。アイツ呑み込み早いし、お前となら結構良い勝負になると思うけど」

天龍「……ハッ。摩耶さんであっても流石に聞き捨てならないッスね。アイツと俺とじゃ歴が違いますよ歴が」

摩耶「速いヤツは最初から速いぜ?」

天龍「そんなヤツ摩耶さん以外で見たことないスねぇ……川内如き、俺の敵じゃねぇ!」

摩耶「おーおー言い切ったな。じゃあやってもらうか」

川内「なになに?」

摩耶「喜べ川内。天龍が夜戦の相手してくれるってよ」


川内「ホント?天龍が?」

天龍「おうよ。お前との力の差を見せてやるぜ」

摩耶「あ、そいつのカタナな。パッと見ヨシムラ1135Rだけど、中身はナナハンのパチモンだからNSRでも充分勝てる見込みがあるぞ」

天龍「ちょっ」

川内「そのヨシムラなんたらを知らないからよく分かんない」

摩耶「乗ってるヤツと同じでビッグマウスってことだ」ケラケラ

川内「ふーん?」

天龍「ぬぐぐ……」


天龍のGSX750カタナ改
カラーはブラックメタリック
一見するとヨシムラのコンプリートマシン「1135R」だが中身は別物
だが改造点は多岐に渡りパワーはそれなりに出ている模様
自慢はクァンタムのサスと完全コピーの外装


天龍「ま、中身は違えどこのカタナも世界水準軽く超えてるからな。四半世紀前のレーレプなんて子供騙しだぜ!」

摩耶「カタナの方が古いだろうがアホ」

川内「やったー!夜戦だー!」

天龍「ブッちぎってやんぜ!」

摩耶「(ブッちぎるなんて久々に聞いた)で、コースだがその辺周って先にここに戻って来たヤツが勝ち」

川内「番長!説明が大雑把過ぎてコースが分かりません!」

摩耶「うっせぇ眠ぃんだ。最初の信号左行って二個目を右。しばらく道なりに行った後、S字の先でUターンで帰ってくる。分かったか?」

川内「押忍!」

摩耶「あと対向車来るかもしれないからセンター割るなよ。特に天龍」

天龍「げっ、俺?」

摩耶「お前は昔から先走ってすっ転ぶようなタイプだからな。直線勝負ならお前の方が分があるんだから、無理に抜こうとすんなよ」

天龍「うーっす……」

一旦終了。
毎回膨大な量書いてる人達は一体何者なの……。
皆大好きフフ怖さんはやっぱりカタナだった模様。
しかし眼帯で深夜にバイク乗るとか怖すぎる。

おつでしたー
川内カワイイにゃあw

摩耶サマが言ってるけど、不人気だろうが周りが何言おうが自分のお気に入り乗ってるのが一番楽しいと思うなぁ

乙です!つい先週バイクで富士山5合目に行ってきた自分にはタイムリー!
大型乗ってるくせにビビりなもんで、おまわりさんに止まられることのない優良ドライバーですが
のんびりツーリングも楽しいよね!
あ、ちなみにGSX-R600です

乙乙
バイク楽しそうだな
ついつい調べてしまったよww

乙ですよー、バイクは更に趣味性が増しますからねぇ
平日には通勤快速PCXを楽しみ休日にはX4を回して楽しんでおります

天龍の子分っぷりに草

1100Sしか知らんかったからウィキペディア見てみたら刀大杉

乙乙
バイクほとんど知らないけど家にRZV500?ってのがある

こんばんわございます。
先ほど遂に古鷹が改二になりました!
次は川内、叢雲……今月来る重巡改二は果たして青葉かテンダーさんか。
高雄・愛宕の可能性もあるけど、割と初期の重巡ってなったらこの二人だと思うんですが、どうだろう?
とりあえず青葉と予想しているので育てないと。

>>319 川内は素直で可愛い。
クルマやバイクに限らず、まずは気に入ったモノからが一番良いと思います。

>>320 R600なんか乗った日には速攻で捕まりそうな気がしますw
ミドルSSでツーリングも楽しそうですね、裏山。

>>321 自分は精々カブやモンキー乗り回して遊んでいた程度ですが、バイクには速さだけじゃない気持ち良さがありますね。
今ならニンジャやCBRみたいな取っ付き易そうな車種もあるし、乗ったらハマると思いますよww

>>322 6輪生活に憧れていますww
ところで、X4って聞くとストーリアかブーンしか出てこないんですが合ってますかね?

>>323 天龍「フフフ……怖いし(後が)」

>>324 カタナは歴史が長い分、色々ありますからね。
中には名前だけのカタナも居ましたがw

>>325 RZV500……?知らない子ですね。
と思って調べたらヤマハのレーレプだった!
この世代のヤマハってどうしてもRZ350のイメージが強いから本気で知りませんでした……。

川内vs天龍の前に、小ネタ投下しまっす。


小ネタ 鈴谷建造したから前から考えていた鈴谷ネタ雑談


提督「オーバーレブ!ってあるじゃん」

夕張「ああ、前から>>1がネタ出しに困っているマンガですね」

提督「放って置いてやれ。湾岸とかの汎用性が高すぎるんだ」

夕張「内容はMR2乗ってる女の子が主人公で、確かそのMR2に名前付いてましたね……パトリックさんだっけ」

提督「それブルヴァールだから。確かにあれもMR2だけど、SWだから」

夕張「知ってて言ってます」

提督「まあいい。それで、もしオーバーレブの主要キャラを艦娘に置き換えたら誰だろうと思ってナ」

夕張「ふむ……ではまず主人公の涼子ですね。元陸上選手ということで、スポーツ女子となれば……」

提督「やっぱり長良だろう。多分異論は無いと思う」

夕張「同感です。じゃあ次。S14のサワコ」

提督「足柄」

夕張「ほう。そのチョイスは何故に?」

提督「イメージ的にはイケイケお姉さんって感じだから」

夕張「あー……あの人がお立ち台女王とか言われても、何か想像出来るかも」

提督「だろ?今は何かお局様みたいな扱いばっかりな印象だけど、サワコのキャラにピッタリだと思うんだ」

夕張「では次。EG6のアイカさんは?」

提督「こっからが難しいんだよなぁ。最初の二人はすぐ思い浮かんだんだけど」

夕張「私的には、那智さんとかあなぁって」

提督「男勝りでクールな感じってなると、その辺りだよなぁ」

夕張「プジョーのサリは?」

提督「天然お嬢様だから、熊野か?」

夕張「熊野さんがメイド喫茶で働いたりネットアイドルやったりしますかね」

提督「それな。ノリの良さで云ったら愛宕だろうけどなぁ」

夕張「難しいですね……最後、FDの亜美」

提督「関西弁キャラだからな。それだけなら龍驤か黒潮だけど無理がある」

夕張「あの二人がセクシーパブ従業員だったら完全に犯罪の匂いしかしませんからね」

提督「となると……浦風」

夕張「いや、彼女駆逐艦ですよ。しかも広島弁だし」

提督「だって他に目立った方言キャラって思いつかないし」

夕張「確かに胸は戦艦クラスだからセクシーパブでも売れっ子になるでしょうけど、どのみちアウトでしょ」

提督「最初の二人が決まりすぎてるだけに、難しいなぁ」


夕張「で、それがタイトルの鈴谷さんとどう繋がるんですか?」

提督「いやね、実は鈴谷にピッタリなオーバーレブのキャラ居るんだよ」

夕張「ほぉう」

提督「単行本が手元に無いから巻数は忘れたけど、中盤で出て来た青木カンナってヤツ」

夕張「あれ?どんなキャラでしたっけ?」

提督「あれ、最後に涼子とド突き合いしてたサンニー乗ってるビッチ」

夕張「アウトォ!」

提督「でも、鈴谷にピッタリだと……」

夕張「謝れ!今すぐ全国の鈴谷提督に謝りなさい!」

提督「で、熊野を掛けて長良とバトルする、と」

夕張「熊野さんは沙璃じゃないの!?」

提督「だから熊野か愛宕で悩んでたんじゃん。鈴谷がカンナだとしたら、奪い合いになる秀明ポジは熊野にしかならんし」

提督「涼子=長良に嫉妬ってなったら、それまで自分がアイドルだったのにって感じで那珂でも良いかなって思ったけど……流石に那珂にビッチキャラには合わないからなぁ」

夕張「鈴谷さんだって勝手にビッチ扱いされたら迷惑ですって!」

提督「でも鈴谷のエロ同人ってプリンツや愛宕並に多い気がするけど。>>1が好きなサークルでも鈴谷本出てたしな」

夕張「ノリも良いし重巡トップクラスの巨乳だからでしょうけど、そういうの風評被害っていうんですよ!」

提督「じゃあ鈴谷は処女ビッチ?」

夕張「せめて耳年増程度の表現にしてください」

夕張「というか散々引っ張ってこんなオチ!?信じられない!」


何かスミマセンでした。


キヲトリナオシテホンペン


ウォンウォン……

天龍「やっぱ2ストはうるせぇなぁ。その辺にオイル撒き散らすなよぉ?」

川内「天龍のだって充分うるさいよ!」

摩耶「ハイハイ、やるぞー。3、2、1……」


摩耶「GO!」


川内「いっけえぇぇ!!」

天龍「行くぜオラァ!」

フロントをリフト気味にスタートする川内NSR。
750ccの排気量を持つ天龍のカタナに引けを取らない加速だ。

摩耶「おー速い速い。天龍のヤツ、口だけじゃないみたいだな」

摩耶「川内にはまだキツかったかぁ。でも天龍だしなぁ」スパー

最初の信号、左の直角コーナーに先に飛び込んだのは天龍のカタナだった。
スタートこそ互角だった両者だが、直線が続くにつれ徐々に排気量による地力の差が出始め、コーナー手前では天龍のカタナが前を行く形となった。
決して軽くない車体をヒラリと倒し、後輪を僅かに滑らせながらクリアーしていく。


続く川内は――

川内「うわっ、後輪滑ってた!あんなのアリ!?」

川内「でもあれで行けるってことは、私にも出来そうね」

2サイクルエンジン特有の乾いた音を響かせ、川内もコーナーへ進入。
まだぎこちないライディングフォームだが、持ち前の運動神経を武器に見よう見真似で天龍のラインをなぞる。
後輪が滑り出す予兆はみられない。

川内「……いけたっ!よしっ!」

直線を挟んで次の右コーナー。
再び天龍は後輪を滑らせつつ駆け抜ける。
負けじと川内も突っ込み重視のラインで暴れるNSRを捻じ伏せる。
年々進化していたNSRの中で最もピーキーな特性を持つと云われた88年式MC18型だが、既に彼女の手中に収まっているようだ。

2コーナー目を抜けたところで、カタナが直線で稼いだアドバンテージは削られ、さながら戦闘機の攻防を思わせる接近戦と化していた。

天龍「なんだよアイツ、しっかり着いて来てんじゃねぇか」

天龍「フフフ……そうじゃなくっちゃ面白くねぇ。ここからが俺の本気だ!」←既に割と本気

パワーに任せて逃げようとする天龍のカタナ。
しかし川内のNSRは全く離れない。

川内「集中集中……」スーハー

川内「勝負どころを見誤るな、テールを追うな、前を見ろ……今は着いて行けているんじゃない、まだ引っ張られているだけ……」ブツブツ

自他共に認める夜戦バカな川内は、裏を返せば好戦的な性格とも取れる。
しかし夜戦という特殊な環境下。漆黒の闇の中で肌に受ける感覚を常に研ぎ澄ましてきた彼女は、同時に状況を冷静な判断力と大胆な即決性を身に付けていた。
特に改二改修を受けてからはその能力は更に磨かれ、豊富な運動量と相まってか冗談でも何でもなく正に「忍者」と呼ぶに相応しい。
最も、それが走りに直接影響するかは別問題ではあるが。


摩耶「そろそろUターン付近か」スパー

摩耶「アイツ、普段はああなのに勝負事に関しちゃクレバーだからなぁ……仕掛けるとしたら、案外あの辺りだろうな」

Uターン前のS字コーナー。
天龍のカタナがアプローチで挙動を乱す。

天龍「ちぃっ!言うこと聞けってぇ、の!」

思いの他離れない川内NSRに焦りが出たのか。強引に車体を引き戻す。
一瞬のロス……川内がほぼノーブレーキで追走する。

川内「ブレーキミスったね……逃さないよ!」

天龍「流石に見逃さねえか……やっちまったな。だが!」

Uターン間際で二台が並ぶ。
インを取ったのは川内NSRだ。
しかし天龍のカタナがラインを潰すように被せて来る。

天龍「これでどうよ!?」

川内「………っ!」

逃げ場が無くなる川内。


しかし彼女は――笑った。

川内「待ってました!」

天龍「……は?」

川内NSRがアウト側へ……二台のラインが交差する。

天龍「なんだそりゃあ!?」

仕掛けたつもりが思わぬカウンター攻撃。
突っ込み重視のライン取りをしていた天龍のカタナはまたも体勢を崩し、その隙にNSRが悠然と旋回。
2ストの瞬発力を活かして一気に加速する。

天龍「クソッ!なめた真似を……!」

慌てて加速体勢に移行する天龍だったが時既に遅し。
NSRは遥か前方へ。

川内「バイバーイ!」ノシ

天龍「ヌガーッ!潰す!絶っっ対潰す!」

しかしこの差は大きかった。
コツを掴んだのか、川内NSRは往路時よりも高いスピードレンジで旋回していく。
直線区間では天龍のカタナが若干差を詰めるものの、結局川内を捉えるまでには至らなかった。


……パァーン

摩耶「おつ、来た来た。ああ?川内が頭かよ」

キィッ!

川内「勝利のV!」

摩耶「あれま。まさか勝てると思わなかった」

川内「えぇっ!?摩耶さん勝てる見込みあるって言ったじゃん!」

摩耶「見込みであって断言はしてねえよ」

天龍「チックショー!川内なんかに負けたぁ!!」

摩耶 m9(^Д^)

天龍「ええいっ指差して笑うな!」

摩耶「だってあんだけ大口叩いといて結局負けてんじゃねえか。てか、何で負けてんだよ」


天龍「……摩耶さんはどっちが勝つと思ってたんスか?」

摩耶「普通に考えればお前だろ。あらゆる面で川内の方が分悪ぃし」

天龍 ガーン

摩耶「で、どこで差したのよ?」

川内「Uターン手前」

摩耶「やっぱそこか」

川内「その前に天龍がミスったから並べたけど、あれ無かったらちょっとキツかったかなぁ」

天龍「……Uターンする時、俺が川内のライン潰したんスよ。そしたら裏をかかれて、アウトからそのままスパーンと」

摩耶「お前のミスが発端か。ザマぁねえな」

天龍「ぬー……」

摩耶「まあソレ抜きで考えても、川内の大金星には違いないな」

天龍「確かに全然振り切れなかったから……どっかでヤられてかもしれないしなぁ」

摩耶「なんだ、今日は随分素直だな」

川内「Uターンまでは天龍の圧勝だったじゃない」

天龍「いや、そもそもミスったのだって俺自身が未熟だったんだし、あんだけ綺麗に抜かれりゃ認めざるを得ないっつーか……」

摩耶「ハハ、こりゃあ明日は嵐だな」

天龍「ひでぇ」

川内「でも楽しかったぁ。こういう夜戦もアリだね」

天龍「まあ、何だかんだで俺も楽しかったよ。またやろうぜ」

川内「うん!次も私が勝つからね!」

天龍「何言ってやがる。次は俺が勝つに決まってんだろ!」

摩耶「眠……」ファー


戦果報告

川内NSR vs 天龍GSX750カタナ改

対戦結果……S 勝利!!

改めて見ると鈴谷ネタの内容が酷いのでこれから頑張って鈴谷育てます。

乙です
今のスタイルも面白いけど、>>1の車やバイクの実体験やツーリングスタイルなんかをネタにも書いてほしいな、と思ったり


オンロードだけじゃなくてダートラみたいなオフロードも見てみたいかも
友人のとある会社の社長が友人に煽られて納車3日のハスラー(普段はジムニー)でコースインして横転廃車したりとかラリー系はトラブルいっぱいネタいっぱいだぞ

オーバーレブの天然お嬢っていうと熊野よりクマリンコの方な気がする
それだともがみんとやたらぶつけてそうだがw

おつですー
フフ怖さんが俺の脳内で板金王になったwナメてんじゃねーぞ!!外かr(ry


はよ免許とりたくなるな

デイリー消化に気紛れで大型建造回したら、矢矧さんが来ました。
が、相変わらず浜風は来ません……周っている間に叢雲が改二になりそうな気がしてきた。

>>337 そうしたいのは山々ですが、正直語れるだけの経験が無いんですよねぇ……。
友人達のエピソードなら幾つかあるのですがww

>>338 うわぁ……ww
ダート系は少し考えているのですが、どう組み込もうか悩んでいるところです。

>>339 くまりんこ……そうか、その手があった。
悪ノリもしてくれそうだし、合ってるかも。衝突は兎も角ww
ちなみに、決めたところで本編に出るかどうかは未定ですw

>>340 板金=32Rのイメージを作った中里の業は深い(憤怒
まあ、天龍のイメージはそれでやりましたがww

>>341 有ると世界が広がって楽しいですよ。
金掛かるけど……。

画力があったらそれぞれのクルマ描いた方がイメージしやすくなるんだけどな……。
中学位までは狂ったように毎日描いては、友人と共にOPT2に投稿していましたww
何回か掲載されたけど、10年以上経った今でも画力は殆ど変わらない謎。


小ネタ そういえば赤城FDの紹介してなかった

「おう赤城ちゃん。よく来たね」

赤城「こんにちはオジ様」
 
「クルマ見せてもらったけど、だいぶ上手くなったみたいだね」

赤城「分かるんですか?」

「伊達に長くこの業界やってないからね。丁寧に乗ってくれているみたいで嬉しいよ」

赤城「いえいえそんな。オジ様方の手腕があってこそです」

「なんのなんの。赤城ちゃんみたいな美人さんに頼まれたらさぁ、こっちもやる気になっちゃうからねぇ!」

赤城「もう、お上手なんですから」

「で、今回ちょっと仕様変更してみたよ。もう少し下からトルクが出るようになったから、だいぶ乗りやすくなってるハズだよ」

「それと、エアロも手を加えてみたんだ。カッコいいでしょ?」

赤城「ええ、流石の一言です。だいぶ印象が変わりました」

「FDも古さは否めないからねぇ。勿論見た目だけじゃないよ。効果は僕自身が実証済だww」

赤城「オジ様もまだまだ元気ですね」

「いやあ、やっぱり好きだからね。でもやってることはタダの暴走行為なわけだし、赤城ちゃんも無理は禁物だよぉ」

赤城「肝に銘じておきますわ」

「まあ僕が云える義理じゃないけどねぇ。頑張ってよぉ赤城ちゃん」

赤城「ハイ!有難うございますオジ様」

「いやぁアッハッハッハ」

加賀(あの人……髭の無いジャ○おじさんみたい)


赤城FD3S RX-7改
RE雨宮フルエアロの赤いV型
内装や快適装備を残しつつ、サイドポート加工、V字マウントの冷却系、大型シングルタービンで武装した本気仕様
パワーは最大450馬力
 


小ネタ 時雨がバンドやったらめっちゃエモそうという妄想

~~♪

提督「ん?なんだこの音」

金剛 ジー

提督「金剛?なにやってんだそんな所で」

金剛「シャラップ提督。今良いトコロネー」

提督「なんだよ、何があるってんだ……」

金剛「バンドよバンド。時雨がギターで浦風がベースネ」

提督「そういえばアイツ、永ちゃんのファンだったな……前に琵琶型ベースを自慢された」

金剛「えいちゃん……?榮倉奈々デスか?」

提督「その発想は無かった」

金剛「でも二人ともカッコいいネ!ブンブンサテライツみたいデース」

提督「ブンブンってことは打ち込みか?というか、金剛もそういうの聴くんだ」

金剛「ドライブ中にかけるとテンションMAXネ!」

提督「お前のハチロク、カーステはおろかエアコンすら無いじゃん……」

金剛「MP3プレイヤー持ち込んで聴いてマース」

提督「素直にオーディオ載せとけよ。どれ、二人の演奏は……?」

浦風 ←踊りながら機材を操作

時雨 ←不規則なステップを踏みながらテレキャスターを振り回している

提督「なにこれ」


提督「え?え?おっぱい揺れてるのは嬉しいけど……え?」

金剛「ワンダフォー。リズムにノってるヨ」

提督「いや、時雨はハードコアバンドのギタリストか?ATDIの頃のオマー・ロドリゲスみたいになってるじゃん」

金剛「もしくはレディオヘッドのトムかジョニーネ」

提督「あんだけ暴れて音外さないとかどういうことなの」

金剛「OH!浦風もベースに持ち替えたネ!」

提督「ピックガード無しのプレベってやっぱり永ちゃんか……つうか浦風も上手ぇな」

金剛「浦風はスティングも好きでしたヨ」

提督「アイツの趣味、年齢的に渋すぎだろ」

金剛「イイヨイイヨ!」

提督「……時雨が絶叫してる……」

金剛「FOO!」

提督 ←衝撃的過ぎて呆然

金剛「曲が終わったネ」

時雨「ん?やあ提督、金剛。どうしたんだい?」

提督「……むしろコッチがどうしたんだって聞きたい」

金剛「二人ともカッコ良かったデース!最高にエキサイトネー!」

時雨「え?二人とも僕達の演奏を見ていたのかい?ちょっと恥ずかしいな……」テレテレ

浦風「まだまだ下手じゃき、隠れて練習しとったのにぃ」

金剛「演奏終えたらいつもの二人ネ」

提督「……ど、どうしたんだ時雨!何か嫌なことでもあったのか!?山城にいびられたのか!?」ガシッ

時雨「??」


朝・工廠

夕張「ボディは何とかなりそうね。良かったぁ……リヤゲート歪んでる位は覚悟してたけど」

夕張「あとはエンジンホルダーも来たことだし、一回エンジン降ろしてみようかしら。そうなるとやること多いなぁ」

川内「あ、夕張だ。またやってるの?」

夕張「またっていうか、夜通しやってたから……そっちは?摩耶さんと出かけてたんでしょ?」

川内「まあね。天龍に会ったから一戦交えちゃった」

夕張「マジ?どうなったの?」

川内「勝ちっ!」ブイッ

夕張「おーやるぅ」

川内「ま、実のところあっちがミスってくれたおかげで勝てたようなもんだけどね」

夕張「それにしたって、乗り始めて数日しか経ってないんだから上々じゃない」

川内「まあまあ、そんなに褒めないでよ」テレテレ

夕張「それに比べて私は……初戦でぶつけて……」

川内「夕張って結構自虐的だよね」

夕張「あ、でNSRはどう?」

川内「バッチリ!直線は天龍の……カタナだっけ?ちょっと離されたけど、思った通りに動いてくれるし」

夕張「それなら何より。でも只でさえ古いバイクだし、2ストは今となっては気難しい所もあるから、メンテナンスは怠っちゃダメよ?」

川内「えー。夕張が直してくれるんじゃないのぉ?」

夕張「工具貸すから自分で直せる様にしなさい」

川内「ぶーっ。ケチ」

夕張「私は私で忙しいの。ワンエイティもこんな状態だっていうのに」


川内「そっちはどうなの?」

夕張「奇跡的に見た目ほどダメージは無いわ。正直ダメかと思ったけど」

川内「ふーん。どうせなら新しいボディにしちゃえばいいのに。こうパカッと」

夕張「……チョロQか何かと勘違いしてない?」

川内「え?出来ないの?」

夕張「アンタねえ……」

川内「ね、ね。直ったら、私と勝負する?」

夕張「一回勝った位で調子に乗らない」

川内「テヘッ。だよね」

夕張「そもそもバイクとバトルなんて怖すぎるから嫌だ」

川内「なんで?」

夕張「スピードレンジ、ブレーキのタイミング、ライン取り……全部が全部違うもの」

川内「そうなの?」

夕張「提督が言うにはね。確かに都高で見かけることもあるけど、お互いのことを信頼してないと絡んで走るのも難しいわ」

川内「夕張は私のこと信頼できないの?」

夕張「川内のことは信頼してるわよ。でもアンタはまだまだ初心者、私は……自分の腕そのものにまだ自信が無いし、当分は無理ね」

川内「ふーん。そんなもんかぁ」

夕張「ところで、立ち話する位なら手伝ってもいいのよ?」

川内「別にいいよ。どうせ暇だし」

由良「夕張、差し入れ持って来……って、川内も来てたの?」


執務室

提督「ヅホー。鉄火面乗らせてくんない?」ヘケー

瑞鳳「えー……どうせ都高とかで飛ばすんでしょ?」

提督「否定はしない」

瑞鳳「じゃあヤダ」

提督「何でだよぉ。夕張にクルマ貸しちゃったから乗るもん無いんだよぉ」

瑞鳳「嫌ですぅ。私は提督さんや夕張と違って普通に乗りたいからダメ」

提督「お前RSターボだぞ?ちょっとは踏みたくなるだろ」

瑞鳳「気持ちは分からなくないけど、公道でレースするような人は信用出来ませーん」

提督「サーキットだったら?」

瑞鳳「タイヤとオイル代出してくれるなら考えてあげる」

提督「むぅ……」

コンコン

瑞鳳「ハーイ、どうぞー」

金剛「Hey提督!ご機嫌イカがー!?」

提督「イカは嫌いなのです」

瑞鳳「そうなの?」

提督「いや、普通に食べるけど」

金剛「今はイカの話じゃないネ!ちょっと相談にのって欲しいヨ」


提督「は?クルマ買い換える?」

金剛「イエス!それで、どんなクルマがベストチョイスか考えているネ」

瑞鳳「ハチロクはどうするの?」

金剛「使えるパーツは比叡に譲るつもりデス」

提督「あんな仕様じゃ売るに売れないだろうしなぁ。で、候補はあるのか?」

金剛「NSXかS2000で考えてるヨ。他に良いのがあればそれも検討するネ」

提督「その二台を選択した理由は?」

金剛「コーナリング性能と、何処からでも踏めるパワーが欲しいヨ」

提督「フム……その二台ならS2かな」

瑞鳳「NSXじゃないの?排気量も大きくてミッドシップだし、条件的には有利だと思うけど」

提督「どっちに乗りたい?って聞かれたらNSX一択だけどナ、そういう次元の話をしてるわけじゃないだろ?」

金剛「イエー。どちらがより実戦的かデス」

瑞鳳「どういうこと?」

提督「どっちも乗ったこと無いから、あくまで仮定の話になるけどな。二台ともホンダが送り出したピュアスポーツには違いないけど、スタート地点が異なる」

提督「特に初期のNSXはラグジュアリー思考が強い。本気になったのはタイプR以降と考えて良い。それでも最初から本気だった32Rのニュルのタイムが殆ど変わらないってのもスゴいけどナ」

提督「一方S2は最初からマジだ。ホンダのFRはS800が最後だったせいか、過剰な程にナ」

提督「ただ瑞鳳の言う通り、NSXが有利な部分もある。排気量の差はどうしたってデカい」

提督「本当に速いエンジンってのは、俺はトルクが重要だと思ってるのヨ。だからってディーゼルが良いって話じゃないぞ?」

提督「金剛は分かるだろ。ハチロクにスーパーチャージャー付けてたしな」

金剛「イエス。低回転域からでもパワーが出るようにしたかったからネ」

提督「どんなにパワーがあるエンジンでも、ピークまで回せるトルクが無きゃ宝の持ち腐れだ。まあパワー出せばトルクはある程度ついて来るし、ノーマルならさほど気にしなくていいだろうけど」

瑞鳳「ああ……だからレブチューンモーターの評価ってボロクソなのね」

提督「ありゃあ最高回転数も低い上に上位互換が多過ぎるから……ってお前、ミニ四駆やるんか」

瑞鳳「嗜む程度にねっ☆」


提督「で、話を戻すと……S2が優れていると思うのはパッケージングだ。それに尽きる」

瑞鳳「NSXは?」

提督「本気で造る気があったら既存のシャシーなんて使わずに最初からエンジン縦置きだろ。ちょうどホンダはF1で常勝、日本経済もバブル期で上昇中の頃だし。その分クッソ高くなるけど、ポルシェやフェラーリの層は取り込めたハズだ」

金剛「途中で韻を踏みましたネ」

提督「うるせえ。事実、JGTCでは最速の車両と評されたが、初年度はマクラーレンF1にはRとスープラと共にフルボッコにされて、後年は横置き故の重量バランスに頭を悩まし、結局は縦置きになった。他のMRもそうだったけどな」

瑞鳳「マクラーレンは仕方ないんじゃ……」

提督「まあな。でもNSXだって最初はル・マンGT2車両使ってたんだぜ?スープラに到っては原型が無いし」

瑞鳳「あー……エンジン3Sだし、グループCの足回り使ったりしてたものねぇ」

提督「別にNSXのネガキャンをしたいわけじゃないけど、その点S2のパッケージングは最初から完成されている。S2の方がよっぽど採算度外視ってわけ」

提督「あとは整備性だな。横置きミッドは狭くて面倒だし」

金剛「ふむ……」

提督「最初にも言ったけど、俺はどっちも乗ったことないからあくまで仮定の話だ。所詮スペックの数字だけで判断するガキンチョと変わらない意見だと思ってくれ」

金剛「例えば……排気量アップしてターボorスーパーチャージャーを付けたとして、ループウェイでインターセプターに勝つ事は可能デスか?」

瑞鳳「インターセプター?月光?雷電?」

提督「……まあそこまで仕上げることが出来るなら、な。NSXでもS2でもお前なら圧勝だろう」

提督「勿論、タダで墜とされないけどな」ニヤッ

金剛「上等ネ」ニヤリ

ドドドドドド……

瑞鳳「ふぇ!?なに!?ジョ○ョ!?」

叢雲「うっさい!仕事しろ!」←非番

提・金「アッハイ」

若葉「ブライアン・ダウン」

S2000ネタの為に湾岸の「地上のゼロ編」とHVのアミューズ、J's、アルボーとそれぞれの動画を見まくったけど、峠シリーズは最早S2販促映像じゃないかと思えてきた。
あとMCRもS2持って来てたことに驚いた。

一旦終了。

おつですー

FDは中坊の頃に見たパトカーが衝撃的すぎていまだに乗りたい車トップだわぁ。維持費と生息地の関係で諦めたけど…


サーキットに行ったときに1台だけF1マシンみたいな音させて走ってるS2見たことあるな
他のS2はいかにもチューンドS2の音だったのに異様に高い音させるそのS2にピットレーンの人みんな (;´゚д)ポカーンだったな

乙ー。ブンサテはリッジレーサーVで知ったな
S2000とグラベル仕様のランエボWRカーの峠バトルでS2000が勝った時は本当に販促かと思った。ターマック仕様でやれよと

乙!
大丈夫!雨おじさんの作った緑色したFDの方が速いから。

妖怪浜風オイテケと化した>>1です。
案の定浜風が来るより先に叢雲嬢が改二になりました。
金剛姉妹が改二になるまでには来てくれるかな……全員まだ40台だけど。

>>352 FDのパトカーは数県あったけど何処だっけ……。
栃木にはNSXパトがあるのですが、普段はイベントにしか現れないのに、近所を普通に走っていた時はおったまげましたw

>>353 F1みたいな音のS2……ゴクリ。
直管だったんですかね?(小並感

>>354 流石にターマック仕様じゃ相手にならないでしょうし、そもそもWRカーって時点で反則ですからねww
ただグラベル仕様でもあれ程までに速いランエボと、それに着いて行くS2の構図は充分驚愕ですよ。
そういえばリッジVにブンブンが関わっていたの忘れてました……ww

>>355 赤城さんのFDは雨宮・藤田の魔王号を参考にしました。
あれもなかなかおかしな速さですよね……Sタイヤ履いたラック・インプレッサに勝った時はホントかよ!?と思いました。


赤城「ディズニーコーナーはどれ位のスピードで入ればいいですか?」
??「それはな、なるたけ速くだな」

きっとこんな会話が行われたに違いない。


夜・由良部屋

由良「……何でいつの間にか私の部屋が溜まり部屋になってるの」

川内「気にしナーイ」ピコピコ

夕張「ちょっと!ぶつけてこないでよ!」ピコピコ

由良「ゲームなら自分の部屋でやりなさい!」

川内「だって夕張の部屋散らかってるし」

夕張「川内の部屋は何か……うん」

由良「……ほっんとにもう。コイツらは……」

川内「あ、ここってこんな感じで曲がれる?」

夕張「あー。そこ出口に大きめのギャップがあるから実際に通ったら死ぬ」

川内「おk、把握」

由良「さっきから何のゲームやってるの?」

川内「都高速バトル」

夕張「イメトレよ。イ・メ・ト・レ」

由良「ホントに自分の部屋でやってよ……んもぅ」

川内「由良もやる?」

由良「結構です」

夕張「由良さんったら付き合い悪いと思いませんこと?川内さん」ヒソヒソ

川内「ええ全くですわね夕張さん」ヒソヒソ

由良「いい加減にしないと引っ叩くわよ」

夕・川「キャーコワーイ><」

由良「何なのこの無駄に息の合ったコンビネーション……あとその顔やめて」


由良「というか、所詮ゲームでしょ?そんなんで何か分かるの?」

川内「んー……道を覚えてられる」

夕張「ぶっちゃけ私もこれで覚えました」

由良「地図でも見てればいいじゃない」

川内「でもさー、ほら……地図上じゃ予測は出来ても、見える風景って見ないと分からないしさ」

夕張「これが結構リアルでさ、行って見ると『ああ、ここか』って分かるのよ。十年前のゲームだけど、よく出来てるわ」

由良「ふーん……」

川内「いっそハンドル型のコントローラーでも使ってみよっか?」

夕張「アリねそれ」

由良「それは自分の部屋でやってよね、マジで」

夕張「それでも由良が言う通り、所詮ゲームっては思うよ。いくらリアルって云っても、やっぱり仮想現実でしかないから」

由良「クルマぶつけてもリスクがないって?」

夕張「そー。だからコイツ、わざと私にぶつけて無理矢理コーナリングしようとするし」

川内「勝てば官軍っしょ!というか、夕張が遅いんだって」

夕張「アンタがオーバースピードで突っ込み過ぎなだけでしょ」

由良「リアルファイトになりそうね」

夕張「……それと、百聞は一見にしかずでさ。実際に目で肌で経験したことには勝てないのね、やっぱり」

川内「ゲームでは最速でも実際は鈍足的なね」

夕張「ありがちww」


由良「じゃあ二人に質問。体験した結果、何処が違ったの?」

夕張「……視点かな。当たり前な話だけど、仮想と現実はイコールではないじゃない」

夕張「やっぱりゲームはゲームで楽しむ為に作られているからさ、全体がハッキリ見渡せるるように出来ている。で、いざ現実を目の当たりにすると見えないものの方が多い。カーブの曲線率や圧迫感も全然違う。初めて走った時は、こんなん命が幾つあっても足りないわって思ったわ。今でもそうだけど」

川内「私はまだ乗り始めたばっかりだからあんまり小難しいこと考えられないけど、空気感っていうのかな。それかなぁ」

川内「でも夕張の云うこともすっごく分かる。実践したらやっぱ怖いもん。特にバイクじゃ生身だし、伝わってくる空気は体験しなくちゃ分からないよね。所詮コントローラーじゃただ押すだけで何も伝わってこないよ」

由良「あら、川内にも怖いものがあるのね」

川内「艦娘とはいえ人間ですからww」

川内「一歩間違えれば命を落とす。戦場だってそれを忘れたら怪我だけで済まないでしょ。それと同じじゃない?」


夕張「と言うか、由良のその質問の意図がよく分からないんだけど」

由良「ん?なんとなくね、気になったから」

夕張「さいですか」

由良「夕張はまだしも、川内までハマり始めてるんだもの。ちょっとは理解したいかなって」

夕・川「……ほー」

由良「な、なによ二人して」

夕張「いや、だってやってることは違法行為だよ?普通止めない?」

川内「由良は真面目だからねー」

由良「止めたって聞かないじゃないアンタ達」

夕張「この前だって私のクルマ見てドンチャン騒ぎって言ってたじゃない」

由良「それはそうよ。ホントにウルサイんだから。川内のバイクはもっとウルサイし」

由良「でも頭ごなしに否定するより、相手を知ることもしなくちゃね。いつまで経っても、何で二人がそこまで入れ込むのか分からないもの」

夕張「むぅ……」

由良「本音を言えば賛成出来ないけど、そんなに楽しそうにされちゃ嫌でも気になっちゃうでしょ」


由良「それにホントは、私も巻き込みたいんじゃない?」

夕張 ギクッ

川内「え?マジなの?」

夕張「だってぇ……やっぱりウチで一番信用出来る人ってやっぱり由良だし、川内はバカだし……」

川内「オイコラww」

由良「うん。それで?」

夕張「その……由良が居たら、ちょっと……心強いなぁって……///」

由良「……なんでそんな乙女な顔してるのよ」

川内「もはや愛の告白だねこりゃ」

夕張「そ、そんなんじゃないもん!」

川内「ヒューヒュー」

夕張「うっさい!」

由良「もう……別に作業を手伝う位ならいつでもやってあげるから」

夕張「ホント!?」

由良「タダじゃやらないけど」

夕張「う……何が条件……?」

由良「そうね……じゃあ、今度の休み、ちょっと付き合って欲しいの。あ、川内もね?」

川内「え?私も?」

夕張「なにするの?

由良「ふふっ。秘密。ねっ?」


工廠

由良「ところで、ワンエイティは何か手を入れるんでしょ?」

夕張「まあねぇ……最初はいっそ全部作り変えてやろうと思ったけど、ちょっと考えが変わった」

川内「ああー……提督のせい?」

夕張「正解」

由良「どういうこと?」

川内「正確には提督のクルマ、だね」

夕張「この前Hakone行った時に、提督のクルマでバトルしたのよ、金剛さんと」

川内「ゴール手前でハチロクがエンジンブロー。姉妹にまで呆れられる始末で散々だったよね」ニヒヒ

由良「ああ、それがキッカケで金剛さんはココに異動したんだっけ」

夕張「そー。それはいいとして、提督のワンエイティがさ……スゴかった。ホントに同じクルマかって位に」

夕張「ワンエイティってさ、基本的にはスポーツカーじゃないのよ。あくまでスポーツも出来る安価なクーペなの」

由良「あおつらむきにスポーツカーな格好してるのに?」

夕張「確かに見た目はね。足回りも『901活動』のお陰で実は凝った造りをしてるんだけど」

川内「901活動?」

夕張「90年代までに、シャシー性能世界一を目指そうっていう日産独自の取り組みよ。R32系を筆頭に様々な車種にこの考えが取り入れられたわ」

夕張「で、S13系の発端はホンダのプレリュードにあるの。シルビア自体は元々人気車種だったけど、プレリュードの登場によってメインターゲットである若い世代の顧客をガバっと取られたの。そこで日産はそれを奪還しようと、割と本気で作ったのがS13シルビアであり、姉妹車のワンエイティね」

夕張「結果は当たりどころか、大ヒット。見た目もさることながら、素性の良いFR車ってこともあって、見事にプレリュードをやっつけたの。更に売れれば中古市場にも安価で出回るから、そこに走り屋系の兄ちゃん達が目を付けてまた人気が上がる。売れている車種だから色んなメーカーからもアフターパーツが販売されて……という具合に、今日までのイチサン人気を支えているってわけ」


夕張「これは余談だけど、プレリュードはデートカーとして市場を席巻していたワケですが、実は運転席側から助手席を倒せる機能があったらしくて……」

川内「ほう!」

由良「何のメリットがあるのよそれ」

夕張「分からない?若い男女がドライブデート、良い感じになったところで突然シートごと押し倒されたら……」ガバッ

川内「……優しくしてね///」

夕張「と、このように最強のナンパマシンとして大ヒットしたわけです」

由良「川内の小芝居はなんなの?」

夕張「そして車名の通り、まさに男女の前奏曲が……」ドヤッ

川内「これは夜戦突入不可避ですわ」ドヤッ

由良「顔がうるさい」


由良「話がとんでもない勢いで脱線しているんだけど」

夕張「おっと、そうだった。まあそんな時代背景もあってかS13って割と本格的に作られているんだけど、やっぱり走りが良いクーペってだけでスポーツカーではないのよ」

由良「でも人気があってアフターパーツも多いなら、ある程度は補えるでしょ?」

夕張「そうね。事実S13系はステージ問わずあらゆる所で使われているし、クルマ自体の懐はかなり広いわ」

夕張「で、提督のワンエイティね。そういう意味ではワンエイティ離れしているのよ」

由良「どういうこと?」

夕張「このクルマ、最大で500馬力オーバーなんだけど……」

由良「500って……あんまりピンと来ないんだけど、そんなにスゴイの?」

夕張「あー……艦とは桁が違うからねぇ。言うなれば、軽巡が戦艦クラスにまでパワーアップさせた機関を載せていると思って」

由良「つまりノーマルに対して遥かにキャパオーバーってことか」

川内「最初めっちゃ振り回されてたもんね、夕張」

由良「川内も乗ったの?」

川内「隣にね。面白かったよ」


夕張「それでも何とか乗りこなせたのが今では不思議でね……その時はあまりに必死で考えられなかったけど」

由良「ちなみに、夕張のクルマでどれ位出てるの?」

夕張「300ちょいってとこかな。エンジンはあんまり手を入れてないけど、ノーマルのカダロク値が205だから、およそ100馬力の差。コンパクトカー一台分のパワーアップね」

由良「クルマってそんな簡単にパワーが上がるんだ……」

夕張「車種にもよるけど、ワンエイティはターボ車だからね。今となってはSR20で500馬力を出すこと自体は難しくないわ。遥かに手間がかかるだけで」

夕張「私が注目したのはボディ。これがワンエイティ離れしている要因と考えているわ」

夕張「見てもらえば分かる通り、ワンエイティはファストバックスタイル……つまり、荷台との区切りが無いハッチバックなんだけど、後ろの開口部が広いからボディ剛性が弱いの。それがワンエイティの特徴であり弱点とも云えるわ」

夕張「ところが提督のワンエイティはその弱さを感じられない。だから私でも500馬力の高出力車でも乗ることが出来た」

川内「なんで?」

夕張「結局どんなにパワーがあっても、それを伝え受け止めるのは四つのタイヤとボディでしょ。ハチハチのNSRがピーキーと呼ばれる所以もそこにあって、足回りの剛性が高過ぎるから、その分限界を越えると一気に破綻するの」

由良「力の逃げ場が無い分、反動が一瞬で自分に返って来るってことね」

夕張「そういうこと」

川内「よく分からない……」

夕張「手押し相撲だと思えばいいわ。お互いが押している分には倒れたりしないけど、少しタイミングを外されたら押していた方がバランスを崩しちゃうでしょ?」

川内「あー……なるほど」


夕張「提督のクルマは、それが絶妙なの」

川内「剛性って結局硬さなの?」

夕張「半分正解。それだけならむしろ強度って云うべきね」

夕張「例えばダイヤモンド。鉱物最高の硬度を持っているけど、それはあくまで摩擦や引っかき傷だけで、瞬間的に与えられる力……靱性って云うんだけど、これはそんなに強くないの」

川内「靱性?」

由良「ダイヤは刀で切ることは出来ないけど、ハンマーでは簡単に砕くことが出来るってこと」

川内「マジで!?勿体無い!」

由良「驚くポイント間違っているわよ」

夕張「クルマにおける剛性はボディの強度は勿論だけど、この靱性も重要なの。いかに強大な入力を効率良く受け止めることが出来るか……その点に置いて、提督のワンエイティとしては有り得ない程ズバ抜けている」

由良「海外のクルマは兎に角強度重視らしいね」

夕張「おっ、よくご存知で。特に欧州車は硬さを重視する傾向があって、力を「いなす」っていうのはどっちかと云うと日本的な考えだね」

川内「なんでそんなこと知ってるの?」

由良「TVでヨーロッパの工業特集みたいな番組があったんだけど、向こうだとクルマをガンガンぶつけるのが日常茶飯事だって……」

川内「うわぁ……」

夕張「その国の交通事情もあるけど、バンパーはぶつける為に付いているって考え方だからねww」

夕張「提督のクルマはパッと見だとリヤ周りにロールバーが付いているだけだけど、見えない所には丁寧な補強がされていたの」

夕張「それもただ補強をするだけでは、さっきの靱性が失われてしまう。そこで力をいなす、逃がす部分を作ってあった。これによって粘りを生んでいたの。クルマをよく知り尽くした素晴らしい内容だったわ」

川内「それと夕張が乗れたことに何の関係があるの?」

夕張「さっきも言った通り、ハチハチのピーキーさは剛性の高さに関係しているもの。つまり、限界を超えるとあっという間に破綻するんだけど、ここに粘りが加わることで限界を超えても破綻するまでにまだ幅がある」

夕張「全体的に踏んで安定させる方向に振ってあるけど、それを作り出しているのがボディだったのよ!」


川内「お、おー……」

夕張「フッ、私としたことが熱くなり過ぎたわね……」

由良「理屈は分かったわ。要するに、提督のクルマを参考に改めて作り直すってことね?」

夕張「まあそういうことね。特にシャシー側に重点を置いて補強を見直していくわ」

由良「ふーん……じゃあ、エンジン関係はやらないの?」

夕張「うーん……今回はまずそっちかな」

由良「じゃあ、あそこにあるエンジン用と思われるクレーンはなに?」

夕張「そ、それは後々やりたいから買っておきました……」

由良「あんまり工廠を私物化すると、また叢雲に怒られるわよ」

川内「今更な気がするけどね」

夕張「あと、なるべくクルマ全体の重心を下になるようにすれば、少ないパワーでも充分速くする事が出来るはずよ」

川内「ハーイ。重心を下にすると何が起こるの?」

夕張「一番の恩賜は安定性ね。車高を下げても重心は下がるけど、あくまで車高が下がっただけだから効果は薄いわ。更にサスのストローク量が足りなくなったり、最悪それが原因で姿勢を崩す可能性もある。サーキットならまだしも、都高がメインである以上、それは避けるべきよ」

由良「具体的にはどうするの?」

夕張「まずはボディ各部の軽量化ね。上が軽くなれば自ずと重心は下がるし。勿論ただ軽くすればいいってわけじゃないから、各部のバランスを見ながらね」

夕張「それで……実はここに、余っているボーキを使って作り上げたルーフパネルがありまして……これを使おうかと」フフフ

由良「資源を勝手にくすねるな」

夕張「欲を言えばカーボンが良いんだけどね……工廠にオートクレープ(焼き入れする釜)置かせてくれるなら、いくらでも作れるんだけどなぁ」

由良「ピザ釜でも作ってなさい」

川内「カーボンってススのことでしょ?砲身掃除すれば幾らでも出るけど?」

由良「そのカーボンじゃないって」

夕張「やることは沢山あるわよぉ。ウフフ、燃えてきたぁ!」スパナクルクル

由良「ま、手伝うって言っちゃったからね……やりますか」

川内「私のNSRは?」

由良「工具貸すから自分でやりなさい」

川内「えーっ!贔屓だ差別だ横暴だー!」

提督ワンエイティも充分反則仕様になってきてるじゃないですかやだー

一旦終わり。
次は小ネタ挟んでまた本編やります。


まー欧州車はガワだけは強いわな
知り合いのS600はオイル漏れ起こしてそのオイルがツインターボのタービンに付着して交差点のど真ん中で大炎上全損
アウディもクーラントよく吹き出してるしやっぱり日本車が一番いいよ

乙!確かにボーキ余ってる鎮守府ならアルミパーツ自作余裕だな。
180はリアウインドウをアクリルに出来ればだいぶ軽く出来るんだがなぁ。しかし代償としてドリフトした瞬間にウインドウが吹っ飛ぶ可能性が……。

おつでしたー
川夕か…悪くないw


車の剛性って調整出来るものなんだね
俺はてっきりボディだけは弄れないところかと思ってたよ

乙ー
プリメーラも901運動のおかげで産まれたクルマだし。P10は見た目普通のセダンなのにハンドリングが気持ち良くて最高だった。広かったし

内容はいいけど草生やすのはいただけないな

こんばんわ。
いつになったら浜風ドロップの報告が出来るのでしょうか。
気が付いたら弥生が4人居ました。

>>369 ボルボやベンツ辺りは戦車状態ですからね……今の型は知らないけど。
流石に売れている車種ならそこまで心配する必要はないんでしょうけど、一昔前なら窓が落ちるとかトンデモトラブルが多かったみたいですからね。
それでも日本車を育てたのは欧州系のメーカーかなと思います。

>>370 むしろクローズドコース以外でアクリルウインドウはリスクががが。
ワンエイティのバランス的にリヤはノーマルの方がトラクション掛かりそうな気がします。

>>371 夕張内の三水トリオがジャスティス。
潜水艦狩りはいつもこの三人です。

>>372 最大値的なものは車種によってマチマチですが、例えば本編で挙げている例だと足回りのブッシュをピロボール化するというのも、ある種補強ですね。
流石にスポット増しなどボディに直接加工するようなのを調節するのは無理ですが、補強する部分や材質を変えるだけでも調節は効くかと……と、知識はあっても経験皆無の童貞野郎が申しております。
ぶっちゃけポン付けパーツなら兎も角、ボディ本体の加工って色々無理がありますしね。

>>373 元を辿れば、VWサンタナのノックダウン生産が無ければ初代プリメーラも生まれなかったでしょうね。
あれも何かデカいトラッドサニーみたいな見た目だけど、日産が学んだ点は多かったのでしょう。

>>374 草は表現技法的にどうかと思いましたが、SSだし(笑)じゃ湾岸意識し過ぎかなーと、あえて草にしてみました。
なるべく使わないようには心掛けていますが、やっぱり見ている方には不快でしたかね……?


メカニカル部分の描写はボロが出そうで正直綱渡り感が半端ないのですが、クルマモノである以上避けて通れないし……
NSRユーザーの人が見たらツッコミ飛んできそう。

ちょっと投下します。


小ネタ 時雨の演奏動画投稿

時雨「青葉に手伝ってもらって、演奏動画を撮ってみたよ」

提督「ほう、動画ねぇ……」

時雨「映像によって客観的に見ることで、また新たな発見があると思ったんだ」

提督「そうだな。自分では普通だと思っていたことが実は悪癖だったりすることもあるしな」

時雨「ただ……それを青葉が勝手に投稿サイトにアップしてしまったらしいんだ」

提督「またアイツは……」

時雨「僕もアップされたものはまだ見てないんだ。よければ提督も見てみないかい?」

提督「おう。いいぞ。そういえば何を弾いたんだ?」

時雨「ミッシェルのシャンデリヤだよ」

提督「お前、よくあんな鬼畜カッティング曲を弾く気になったな……」

時雨「カッティングはちょっと自信があったからね。でも右手首が捥げるかと思ったよ」

提督「とりあえずシャンデリヤだな……検索っと」


【TMGE】艦娘(白露型)のコスプレでギターを弾いてみた【シャンデリヤ】


時雨「……コスプレ……」

提督「まあ、青葉なりに気を使ったんじゃないか?」メソラシ

時雨「でもコスプレとは心外だね」

提督「とりあえず、動画を見てみよう」


登録タグ 演奏してみた TMGE 時雨(艦娘) カッティングの鬼 駆逐弦鬼 全編ギターソロ
俺の時雨がこんなにアベフトシなわけがない 時雨ちゃんprpr


時雨「タグからしてバレてるじゃないか……」

提督「最後のタグは見なかったことにしよう」

再生……

提督「おー、綺麗に撮れてるな」

時雨「なんだか恥ずかしいかな……」///

提督「しっかし、ホントよく弾けるなこんなん……俺なんか速攻で諦め……ん?」


しぐれぇぇぇ    時雨ちゃんマジ天使  しれぇ    カッケエェェェ
     那珂ちゃんのファンやめて時雨ちゃんのファンになります
  カッティングスゲー 上手い       何で弾けるのwww


提督「おお、コメントも賞賛の嵐だな」

時雨「ぼ、僕はあくまで技術の評価をしてもらいたいんだけどな……」


  時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr
 rpr   時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr   時雨たーん  prpr
 白露型って意外とおっぱい大きいよね しれぇ  さっきから雪風が混じってるぞwww
     この右手でシコシコされたい  ←憲兵さんコイツです


提督「」

時雨「」


この動画は、現在ご視聴することが出来ません(BGM 蛍の光)


朝・食堂

山城「ハァ……不幸だわ……」

最上「山城のソレ、久々だね……急にどうしたのさ」

山城「あら最上……居たの。ハァァァァー……」

最上「今に始まったことじゃないけど、人前でそんな大きな溜め息吐かれると、こっちまで気が滅入っちゃうよ」

山城「ならば他人にこの不幸をばら撒くまでよ……ウフフ……」

最上「ただのテロだね」

山城「私より幸福な人間は皆肥溜めに落ちて養分になってしまえばいいのよ……」

最上「今ドキ肥溜めがある所の方が少ないんじゃないかな……」

山城「だからこそよ……不幸の極みじゃない」

最上「それにホラ、溜め息吐くと幸せが逃げるって言うじゃないか」

山城「逃げるだけの幸せが私にまだ残っているのかしらね……」

最上「……ボクで良ければ、はn 山城「聞いてくれるの!?」

最上「え、あ、うん。ボクと山城の仲じゃないか」

山城「流石最上ね……後で山城スタンプを贈呈してあげる」

最上「山城スタンプって何!?」

山城「姉様が夜な夜な何処かに出掛けているの……帰って来るのはいつも朝方だし」

最上「ボクはスタンプの方が気になるんだけど」

山城「問い詰めても上手い具合にハグらかされるの……こんなこと今まで無かったのに」

最上「扶桑にだって知られたくないこともあるんだよ。山城にだってあるでしょ?」

山城「私が姉様に隠し事……?そんな罪深いこと出来るわけないじゃない!」

最上「あ、そう……」


山城「いっそのこと尾行でもしようかしら……」

最上「瑞雲飛ばせばいいんじゃない?」

山城「ダメよ。すぐバレるわ」

最上「じゃあ……川内に頼んでみる?」

山城「何で夜戦バカが出て来るのよ……」

最上「ホラ、改二になってから忍者っぽくなったでしょ。尾行なんかもお手の物かなーなんて」

山城「あのねぇ……いくらそれっぽい格好してるからって、流石にそれは無理でしょ」

川内「出来るよ」

最上「うわ、ビックリ」

川内「扶桑さんの尾行でしょ?多分出来るよ」

山城「どうやって?」

川内「例えばー……こんなんとか」

ヒュンッ

最上「す、スゴいっ!天井から逆さになってぶら下がってる!忍者だ!」

川内(反転)「どう?名付けて忍法『逆さまになっても髪の毛下がらない』の術」

最上「そっちなの!?」

川内(反転)「夕張が見てたアニメにこんなん出てきて、試しにやったら出来ちゃった」

最上「え、えー……」

山城「ふざけないでちょうだい」

最上「山城……」

山城「スカートも下がってないじゃない!」

最上「真顔で何言ってるのさ!?」

川内(反転)「まあ、どうせ下はスパッツだから捲れても問題ないけどねぇ」ピラ

最上「川内は少し恥じらいを持とうよ!」


川内「で、なんだっけ。扶桑さんの尾行?」

山城「ええ、お願いできる?相応の謝礼なら出すわ」

最上「あのー山城……提案しといてなんだけど、やっぱり扶桑にだってプライバシーがあるんだし……」

山城「……貴方も西村艦隊の一員なら、姉様の最期は分かっているハズでしょ?」

最上「……!」

山城「私はもう……二度と姉様を見失うようなことはしたくないの」

川内「でも艦娘じゃなかったら赤の他人でしょ」ケロ

最上「 」

山城「余 計 な 言 わ な い で く れ る ?」

川内「ま……艦娘である以上、艦の頃の因果からは逃れられないよねぇ」

最上「ボク、時々川内の性格が怖いとさえ思うよ……」

川内「で、さ。尾行するにしても何か前情報みたいなのないの?何時頃出掛けるとか、行きそうな所とか」

山城「いつも23時頃に出かけているわ。行き先はサッパリね」

川内「ふーん……出かける日に法則性は?何曜日に出るとかさ」

山城「以前は週の中頃だったけど、ここ最近はほぼ連日よ。恐らく今日も出るわ」

川内「了解。じゃあ今夜早速だね」

最上「ホントに大丈夫なの……?」

川内「どうだろうね……尾行するのって初めてだし」

山城「少しでも何か情報が手に入れば構わない。深追いはしなくていいわ」

川内「あら、いざという時はとっ捕まえる位は考えていたけど」

山城「それは貴方の判断に任せる。私用で同僚を使っているのだから、事を大きくするのは避けたいもの」

最上「その辺りの分別はあるんだね」

山城「これでも旗艦経験者ですから。例え姉様であっても冷静さを欠いてはダメよ」

最上(川内を尾行につける時点で冷静では無い気がするけど……扶桑のことだから仕方ないか)

川内「ま、やるだけやってみるけど、期待しないでよね」

山城の台詞がぁぁぁ……

>>380は、

山城「余 計 な こ と 言 わ な い で く れ る ?」

で、補完お願いします。
読み返すと誤字脱字酷いなこのSS……

まあ、それもSSの醍醐味ってもんよ

おつですー
下にスパッツとか許されないy…いや、まぁそれはそれでいいか。あ、山城スタンプ僕にも下さいw

こんばんわ。
資材が結講溜まっていたので、大型建造最低値で回したら矢矧さんが出ました(二度目)。
お前ホロ艦じゃねえのかよ!阿賀野姉ぇだと思ったのに!
最低値で雪風出たりするし、こんな所で運使わせずに早く浜風に会わせてくださいお願いします。

>>382 気を付けてはいるつもりでも、ガッタガタなんですよねぇ……ちくせう。

>>383 山城スタンプ(物理)

小ネタやってから本編投下します。


小ネタ 鈴谷リベンジ

鈴谷「ちょっと提督!この前の何よアレ!」

提督「んん?なんのことですかな?」

鈴谷「惚けるなっ!>>327の鈴谷雑談!建造記念とか言ってひとッつも鈴谷が出てきてないじゃん!」

提督「何を言ってる。ネタとしてちゃんと出ているだろう」

鈴谷「私そのものを出せ私をぉぉぉ!!」

提督「そんなこと言っても、基本的には由良張内の軽巡三人で話を進めたいみたいだしなぁ」

鈴谷「それなら最上型も一応軽巡!艦これでは重巡・航巡だけど!」

提督「とは云ってもなぁ……」

鈴谷「キャラ的にも鈴谷は動かしやすいでしょ!ホラ、出番を!」

提督「仕方ない、こんなこともあろうと一応用意しておいたモノが……」

鈴谷「なになに!?」

HCR32スカイラインGTS-t タイプM

提督「どうだ。バリモンのサンニーだぞ」

鈴谷「 」

提督「やっぱりお前に似合うクルマはこれしか無いと思ってな。いやぁ、探すの大変だったわぁ」

鈴谷「提督……このクルマってさ……」

提督「ああ、そうだ。例のビッt 鈴谷「鈴谷パンチッ!」ドゴォ

鈴谷「鈴谷パンチッ!鈴谷パンチッ!鈴谷パンチッ!」ドドドド

最上「いけない!鈴谷が寝惚けて鈴谷パンチを乱発している!」

熊野「起きなさい鈴谷!今日の占い・カウントダウンが始まりますわよ!」


ネタにしているけど、鈴谷は結構好きなんだ。




昼・執務室

金剛「ヌワー……デスクワークは慣れてない分、疲れるネー……」グデー

提督「慣れてないって、前の鎮守府でやってなかったのか?」

金剛「榛名と霧島がやってたヨ」

提督「全く、お前もココに来た以上はそれなりに秘書艦の仕事もしてもらうからな。ちゃんと覚えろよ」

金剛「Mu……出撃するか走りたいデース……」

提督「そういえば気になっていたんだが、Hakoneで会った時に『この辺荒らしまわってるヤツが居る』とか言ってたよな」

金剛「Oh!そうデース。ワタシは会ったことないデスが」

提督「ふーん……じゃあ、どんなヤツか分からないのか」

金剛「イエース。霧島はエンカウントしたみたいだけど、着いて行けなかったと言ってたネ」

提督「霧島もそこそこ腕は立つ方だろ?それが着いて行けなかったって相当だな」

金剛「そうネー。そこらの連中に負けることはまず無いデス。例えプロジェ○トDが来ても沈まないヨ」

提督「ハイハイ。で、俺らを見て反応したって事はソイツもワンエイティなのか?」

金剛「……ん?」

提督「車種だよ車種。霧島のことだから調べてある筈だろ」

金剛「アー……うん、そうですネー……」メソラシ

提督「お前、まさか知らないのに絡んで来たのかよ」

金剛「イヤー……アンノウンなワンエイティが居るから、てっきり……」

提督「あのなぁ……」

金剛「そのお陰で思わぬ大物が掛かったのでノープロブレムネー!」

提督「まあ、そういうことにしておいてやる」

金剛「でもでも、ちゃんと霧島が調べてくれたネ。確かグレーのGTOヨ」

提督「は?GTO?」


提督「よりにもよって一番峠に似合わないのが来たな……」

金剛「ワタシ、そのGTOってクルマをよく知らないのデスが、速いんデスか?」

提督「ノーマルはな。当時32Rと真っ向から張り合えた数少ないクルマだ」

提督「3LのV6ツインターボで280馬力にトルクは43.5キロ。80スープラの2JZが登場するまで国内最高値だ。三菱らしく電子制御満載の4WDに、国産初のアルミ4ポット異径対向キャリパー、マイチェンしてからはこれも国産初のゲトラグミッション、純正でも18インチで武装して……挙句オプションにAPロッキードの6ポットまで用意していた。このキャリパーのせいでRがブレンボを付けるようになったとも言われている」

金剛「聞くだけだとかなりのハイスペックネー」

提督「そう、数値上はな」

金剛「どういうことデス?」

提督「兎に角重いんだよ。そんだけ詰め込んだせいか車重は1.7トンだ。今となっては35Rもそれ位あるから気にならないだろうけど、重さの大半がフロントに寄ってるもんだから、まあフロントヘビーで曲がらない。しかもエンジンルームはFFベースの横置きだからギッチギチに詰まっていて整備的にも排熱的にもしんどい。本気で速くしようとするとそれらが足を引っ張るのよ」

提督「そんなもんで三菱の旗艦は後発のランエボに奪われ、GTOはマイナー扱い。今ではGTOと云えば鬼塚になり、ネットでは『神のGTO』とネタにされる始末。華々しいデビューとは裏腹に、実に淋しい終わりを迎えている」

金剛「どこぞの不幸姉妹の様ですネー」

提督「だが性能そのものは侮りがたいぞ?エンジン自体は頑丈、戦車のようなボディ、何よりハイパワー4WDだ。N1耐久(スーパー耐久の前身)ではRキラーの筆頭として凌ぎを削っていた。結局勝てなかったけどな」

金剛「それでも、霧島が負けるとは思えないヨ」

提督「それな。確かにちょっと考えにくい」

金剛「マシンがモンスターか、ドライバーがモンスターか……」

提督「本当にGTOだとしたら、どっちも当てはまりそうだな」


夜・工廠

川内「夕張ー、夜偵って何処置いてあったっけ?」

夕張「何に使うのよ」

川内「山城に扶桑さんの尾行を頼まれた」

夕張「何の為に……」

川内「扶桑さんが夜中黙って出掛けるから、何処に行ってるのか突き止めて欲しいってさ」

夕張「どうせ安請け合いしたんでしょ」

川内「だって山城スタンプ貰えるって云うからさあ」

夕張「山城スタンプってなに……」

川内「そもそも最初に質問していたのは私!で、夜偵何処だっけ?」

夕張「ハイハイ……右の棚の上から三段目。これ、鍵」

川内「ホイホイ、サンキュ」

由良「なに?どうしたの?」ガラガラ

川内「うわっ!由良がクルマの下から出て来た!」

由良「そんなに驚かなくたっていいでしょ。足回りを弄ってたのよ」

川内「何に乗ってるのそれ。楽しそう」

由良「この油塗れの姿を見て楽しそうと思うの?」

川内「でも楽しんでるでしょ」

由良「ええ、まあ」キリッ

夕張「それよりアンタも少しは手伝ってくれてもいいのよ?」

川内「私のNSRは?」

夕張「工具貸すから以下略」

川内「絶対やるもんか」

由良(その台詞、湾岸が元ネタだって何人気付いているのかしらね……あえて突っ込まないだけかもしれないけど)


鎮守府外

扶桑(私服) キョロキョロ

川内「目標確認。これから尾行に当たります」

山城『了解。くれぐれも注意するように』

川内「あいよー。いやぁ、私服の扶桑さんって新鮮だわぁ。何あの超弩級美人」

山城『何を今更。姉様の美しさは今に始まったことじゃないわ』

川内「ところでさー」

山城『何よ。あんまり無駄口叩かないで頂戴』

川内「いや、今時トランシーバーて……」

山城『倉庫に転がってたのを拝借してきたわ』

川内「携帯あるんだから、そっちにすればいいじゃん」

山城『こういうのは雰囲気作りも大事なのよ』

川内「実は結構楽しんでいるでしょ……」

山城『細かいこと気にしてないで、黙って姉様を追いなさい』

川内「へいへーい……とりあえず目標は市街地に向け移動中」

山城『姉様の様子は?』

川内「何か妙に警戒しているね」

山城『姉様は案外目ざといから、気を抜いたら見つかるわよ』

川内「分かってるってもう……」

川内 トランシーバーを見つめる

川内 トランシーバーを口元へ

川内「ドラーゲナイ……ドラーゲナイ」

山城『ぶっ飛ばすわよアンタ』


川内「目標、大通りから埠頭方面へ移動」

山城『姉様の様子に変化は?』

川内「んー……鼻歌交じりに歩いているね」

扶桑「未来だの……願いだの……今にも……ああいう風になりそう……」

川内「でも何か唄が暗いって云うかダークな感じ」

山城『それはいつものことよ。カラオケに行こうもんなら空気を一瞬で御通夜モードに叩き込むことが出来るわ』

川内「扶桑さんもカラオケ行くんだ……」

山城『お世辞抜きで半端じゃなく上手いわよ』

川内「へー……って、あれ?」

山城『どうしたの?』

川内「目標消失。どっか建物入った?」

山城『ちょっと何してるのよ!?』

川内「おかしいなぁ……今まで居たのに」

山城『アンタがお喋りばっかりしてるから!』

川内「山城だって普通に会話してたじゃんよ……」

山城『いいから探しなさい!草の根分けてでも探しなさい!』

川内「草の根って……この辺倉庫ばっかだし」

山城『倉庫ですって?何でそんな所に』

川内「こっちが聞きたいよ。着けてったらココだったんだもん」

山城『周辺に不審な点は?』

川内「なーんも。人っ子一人居ないし……待って。何か聞こえる」

山城『……なに?』

川内「野太い獣の咆哮の様な……なんだろ。動物が居るとは思えないし」

山城『それより姉様!姉様は!?』

川内「だからちょっと待ってって。近付いて来る……」

ヴォオォォォォー……

川内「なに……あれ……」ゾクッ

山城『ちょっと何この音!?』

川内「クルマ……クルマ……なの?」

山城『川内!川内!?何が起きてるの!?』

川内「はは……あんなのが居るんだ……あんなのが……」

山城『応答しなさい川内!川内!?』


朝・工廠

川内「……ということで、写真の解析お願いします」

夕張「はぁ。まあお疲れ」

川内「いやー、あんなトンでもないクルマが居るんだね。柄にもなくビビッたわぁ」

夕張「結局扶桑さんは見つからなかったんでしょ?」

川内「まあね。明け方まで粘ったけど成果無し。念の為夜偵を飛ばしてそのクルマを追跡したけど、何枚か写真撮った後に振り切られちゃったみたい」

夕張「夜偵を振り切るって、どんなクルマなのよ……」

川内「だから解析してもらうんじゃない。せめてあのクルマの正体だけでも知りたくて」

夕張「ハイハイ。お、取り込み完了っと」カチッ

川内「で、どう?これで何か分かる?」

夕張「画像が暗いから、車種位しか分からないわね」カタカタ

川内「何てクルマ?」

夕張「これは……三菱のGTOね。最近殆ど見ないけど」

川内「だからロンリロンリー切なくてぇ」

夕張「そっちじゃねえ」

川内「だってクルマは全然知らないし」

夕張「それにしても、そんなに怖がるようなシロモノではないと思うけど……これが一体どうしたのよ」

川内「何て云うかさ……コイツが居る間鳥肌が止まらなかった」

夕張「風邪でも引いたんじゃない?」

川内「レ級を目の前にして同じこと言える?」

夕張「考えたくないわね……」

川内「つまり、そういう寒気がしたのよ。このGTOとかいうのに」

夕張「へー……だとしたら、ある意味レアなモノを見たわね」

川内「どうせならもっと面白い方が良かったけどなー。山城スタンプも貰えなかったしさぁ」

夕張「欲しかったのね……スタンプ」


提督「GTOねぇ」

夕張「ええ。提督なら何かご存知かと思いまして」

提督「俺が現役の頃なら兎も角、今聞かれたところで大した情報は持ちえてないぞ?」

夕張「ですよねー……」

提督「岩崎にでも連絡してみるかー……まだアイツの方が詳しいだろうし」

川内「あんな只ならぬ雰囲気を持ったクルマなら、提督も知ってると思ったのにぃ」

提督「しっかしHakoneに現れるっていうののと恐らく同一だろうなぁ」

夕張「Hakoneでも?」

提督「ホラ、最初金剛姉妹と遭遇した時、この辺を荒らしている~とか言ってただろ?どうやらそれも黒いGTOなんだと」

夕張「車種が車種だけに、そう考えるのが妥当ですよね」

川内「そんなにマイナーなのコレ」

提督「ここまで本気仕様のGTOは、現役の頃でも滅多に居なかったな。昔はRと並ぶ湾岸マシンだったんだけど」

夕張「どっちかって云うと、ドレスアップマシンですからねぇ……白色のフルエアロでN 提督「神ネタは嫌いなのです」

川内「丁度扶桑さんを見失ってからコイツに出くわしたんだけど、まさかこれに扶桑さんが乗ってるとか有り得ないよね?」

夕張「まっさかー」

提督「……境遇的に似ているし、何より三菱だからな。有り得なくない」

夕張「ああ、『フソウ』繋がりで……って馬鹿!」

川内「はぁしれはしれ~いすゞのトラック~♪」

夕張「川内も歌わない!しかも違うし!」

夕張「そもそも!ホントに不幸なクルマと云ったら、ST205セリカでしょ!異論は認めない!」

川内「なにそれ」

提督「レギュレーション違反をやっちまった挙句、美味しい所を全てインプやランエボに持って行かれた悲しきWRCマシンよ……先代がチャンピオンマシンだから、余計に悲惨に見えるのな」

川内「違反は自業自得じゃないの?」

提督「トヨタはWRC復帰するみたいだし、次は『バレないように』やれよと言いたいところだ……」


提督「あと個人的にはパルサーGTi-Rとかも不幸キャラっぽい気がする。外車ならフォードRS200とか」

川内「へー。よく知らないけど」

夕張「何で全部ラリーカーなんですか」

提督「だってお前がセリカとか言うから。WRCは珍車・迷車・不幸車の宝庫だぞ?」

夕張「どうでもいいですよ。それにF1だって充分酷いじゃないですか。ファンカーとか六輪車とか」

提督「ティレルP34は名車だろいい加減にしろ」

川内「話に全く着いて行けないんだけど」

提督「おっとスマン。まあGTOについては知り合いに聞いてみるわ」

川内「結局扶桑さんもクルマも分からず仕舞いかぁ」

提督「さっきは冗談のつもりで言ったけど、扶桑さんを見失ってからソレが現れたんだろ?偶然かも知れんが、その辺りも調べてみた方がいいかもな」

夕張「流石に扶桑さんがそういうのに乗るとは思えませんけど……」

提督「人通りの無い埠頭で、入れ替わるように出て来たならちょっとは疑いもするさ」

川内「ねえ提督。提督が現役の頃にも、こういう雰囲気のクルマって居たの?こう見るとゾクッって来るような」

提督「……居たよ」

川内「どんなのどんなの?」

提督「魔物さ……Rの形をした、な」

川内「ふーん?」

夕張「提督?」

提督「いや、何でもない。とりあえず扶桑さんも気になるけど、この件は一旦保留だ」

夕・川「ハーイ……?」


一旦終了。
個人的に好きなF1マシンはラルースLC90です。

関係ないけど、N1時代最期までGTOはRの前に出れなかったけど、
実はギャランが一度だけ勝った事があるんですね。ビックリだ。


だからロンリロンリー切なくてぇ
ってヒトリノ夜?
知ってる曲きたと思ったのにつながりが分からんくて悔しい

ラリーカーはどれも変態さとかっこよさを両立してて大好き
にわかっぽいけど一番はにゃんこが好きだけどRS200は次に好きなモデル!
ラリー回期待してます(小声)

おつでしたー。いつも川内が可愛くてニヨニヨする
w
いやぁまさか神のGTOの話が出てくるとは思わんかった。これはマシンガンシフトも期待できる(白目

>>395
使われたアニメのタイトル

乙!川内にはそのGTOが纏う震える空気が視えたのか。
GTOのチューンドで真っ先に浮かんだなはBee☆Rの1380kgまで落したヤツだなぁ、もしくは岩崎の先輩ミッドナイトローズ。


タイレルP34はF1史上初の6輪車で結果も出した名車だと思う


あくまでGTOはアリストとかセドグロと同様のグランドツーリングカーであってスポーツではないんだよな
日本ではGTとスポーツを混同しがちでコンセプトが全然違うのに変な批評されちゃってるのが残念だわ

ラルースLC90…亜久里が表彰台取ったマシンだな
俺はティレル020が好きかな、カラーリング含め
当時空力のいいティレルとホンダV10とかくっそ強いやんけ!と思ったんだが蓋を開けてみると…
つくづく車って総合バランスなんだなぁと思わされたわ
たらればを語っちゃいかんけどタイヤがピレリじゃなきゃな…と良く考えたもんだよ
しかも翌年、パワーは無いけど軽いイルモアV10に変えて(ガワは020のまんま)調子良かったのをみてなおのこと思わされたw


山城も姉様と同じで超弩級美人なんだよなぁ
言動がアレなだけで

こんばんワニ。
加古改二……誰だあのおっぱいのついたイケメン。
それより、由良さんと最上型の改二はまだですか?

>>395 >>398様の仰る通り、ヒトリノ夜はアニメGTOのOP曲として使われていました。
GTO連載当初、ガチで三菱GTOのことだと思っていた小学生ワイ。

>>396 艦これまとめサイト回ってたら「艦娘に合う職・仕草」みたいなスレにラリースト夕張と出ていてワロタw
これは本格的に軽巡三人娘でラリー回やるべきですかねww

>>397 川内は天然素直な性格だと思っています。
神のGTOの彼は今どうしているのでしょう……勘違いに拍車が掛かってなければいいけど。
最初は笑ったけど、読めば読むほど呆れてきました。

>>399 え?フェラーリ288GTOがどうしたって?(すっとぼけ
あとは、ピットロードMのゴールド号ですかねぇ……。

>>400 次以降はボッコボコでしたけどね。
P34はホント好き。
ただし、ウィリアムズとローラは乗り遅れた模様。

>>401 GTOの最も不遇たる原因はそれなんですよね。
北米意識の結果ああなったのかもしれないけど、FTO共々まともな評価はされていない気がします。
あ、でもFTOは一応カーオブザイヤー受賞したか。

>>402 ティレルもカッコいいのを作るんですよねぇ……ホント、せめてピレリじゃなかったらと思ってしまいますよね。
ちょうどF1ブーム真っ只中に幼少期を過ごした自分としては、あの頃のF1マシンは特別な思い入れがあります。
そういえばラルースもイチャモンつけられてポイント剥奪されましたね。ああ、不幸だわ。

>>403-405 二周年ボイスの笑い方のせいで病みっぽさ倍増でしたがww
ウチの山城……というか、まだ誰もケッコン出来る練度の娘は居ません……。

補足として>>390で扶桑さんが口ずさんでいるのはグレイプバインの「スレドニ・ヴァシュター」です。
書いてる時たまたま聴いていたのですが、何か姉様に唄わせたくなった。
あと、ラリースト夕張の他に小さなバイク屋の看板娘明石&夕張もあったけど、何故か恋ヶ窪ワークスが思い浮かんだのは多分俺だけ。

はじめマウス。


都高速・湾岸線 大黒々PA

夕張「さて、大黒々に来たわけだけど」

由良「何しに?」

川内「勿論、聞き込み調査!」

由良「何の?」

川内「GTOに決まってるでしょ!」

夕張「川内たっての希望です」

由良「何で私まで……」

川内「まあまあ。たまには三人で出掛けるのもいいでしょ?」

由良「いいけどさ……でも、ここに来てどうするの?」

夕張「実は提督の友人、岩崎さんにアポを取ってもらってあるの」

川内「その岩崎って人の方が詳しいこと知ってるかもって、提督が言ってたからね」

由良「じゃあ、提督はどうして来なかったの?」

川内「面倒だって」

由良「ハァ。で、岩崎さんってどんな人なの?」

夕張「提督と同年代の、爽やかイケメン開業医。ちなみに未婚」

川内「これはなかなかの優良物件ですよお姉さん」

由良「ふむ……確かにアリね」

川内「思いの他喰いついた」

夕張「ただしスピード狂だけど」

由良「……やっぱ無いわ」

川内「手のひら返しキタ」

由良「イケメン開業医でも、スピード狂の方はちょっと」

夕張「でも実物はホントにカッコいいよ?提督なんて鼻くそレベル」

由良「由良はリアリストなので、そういうことする人はご遠慮願いたいわ」

夕張「さいですか」

川内「でもそんなにカッコいい人なら、ちょっと気になるかな」

夕張「そういえば川内も初対面よね。ビックリするよ?」

川内「マジか」

由良「むしろ川内の方が喰いついてる気がするんだけど」

川内「これでも女ですからねっ!」


由良「で、その岩崎さんは何処に居るの?」

夕張「約束した時間はそろそろだけど……あの人、気配消すの上手いから」

川内「そうなの?」

夕張「かつて都高で名を馳せた時は『ある暑い夜の日、突如現れて最速になった』なんて噂があったらしいし……現れる時はいつも唐突なのよ」

「そうかなぁ」

夕張「そうですよ。最後に会った時も提督と一緒になって私にドッキリ仕掛けてくるし……」

川内「結構お茶目な人なのかな」

由良「その辺はやっぱり提督さんの友達ね」

「まあね。提督とは気が合うんだ」

夕張「提督もだけど、歳を考えてちょっとは自重してください!」

「善処はしてみるよ」

夕張「お願いしまs……って!?」バッ

由・川「へ?」クル

岩崎「やぁ夕張ちゃん。久しぶり」

川内「うわっ!いつの間に背後に!?」

由良「全然気付かなかった……」

夕張「ちょっと岩崎さん!居るなら普通に声掛けてくださいよ!」

岩崎「アハハ、ゴメンゴメン。ところで、君達二人は初めましてだね」

川内「あ……川内型軽巡洋艦、一番艦の川内です!」

由良「同じく軽巡洋艦、長良型四番艦・由良です。はじめまして」

岩崎「うん、よろしく。ところで由良ってことは改長良型で由良型一番艦になるんじゃなかったっけ?」

由良「細かく分類するとそうなりますが、艦娘としては長良型に属しています」

岩崎「そうなんだ。やっぱり勝手が違うのかな」

川内「へー。だから長良達と制服違うんだ。知らなかったよ」ポエ

由良「おい現役艦娘」

夕張「岩崎さん、何でそんなことを知ってるんですか?」

岩崎「読書が趣味だからね。大戦期の本や小説も色々読んで、気になったことは自分で調べていたんだよ」


川内「それにしても……」

由良「ホントにカッコいい人が来た……」

岩崎「そうかな?提督だって、なかなか男前だと思うけど」

夕・由・川 ( ´_ゝ`)

岩崎「三人とも、どうしたんだい?」

川内「いや、提督おっぱい星人だし」

由良「タバコ臭いし」

夕張「最近お腹出てきてるし」

川内「聴いてる音楽はみんな変なのばっかりだし」

由良「オナラも臭いし」

夕張「その上子供っぽいし」

夕・由・川「ナイナイナイ……」

岩崎「見事な全否定だね。提督泣いちゃうよ?」アハハ

川内「それより!聞きたいことがありまーす!」

岩崎「川内さんは元気だね。僕に分かることであれば」

川内「まずはコチラの写真をご覧ください……」ピカー

夕張「なんで探照灯なんか持って来てるのよ。下から照らすな」

由良「小芝居入れないと死ぬ病気なの?」

川内「雰囲気が大切って山城が言ってたから」ピカー

夕張「いいからソレしまって。眩しい」


岩崎「ふむ、これが提督が言っていた例のGTOかい?」

夕張「ええ。岩崎さんなら何か知ってるんじゃないかと提督が……」

川内「ね!ね!どうなの!ねぇ!」

由良「川内は少し落ち着きなさい」

岩崎「残念だけど僕も詳細は分からないな」

川内「そんなぁ……」

岩崎「ゴメンね。僕も何度か見かけた位だから」

夕張「……え?」

川内「見かけたって、ホントに!?」

岩崎「うん」

川内「どうだった!?どうだった!?」

由良「さっきから川内は何でそんな食い気味なの?」

夕張「知らない」

岩崎「そうだね。確かに川内さんはどうしてこのGTOが気になるんだい?」

川内「……そのクルマを見た時、すっごい寒気がしたんだ。夜戦でも体験することがない程の、強烈な寒気」

岩崎「うんうん」

川内「でもその寒気の正体が分からないのも嫌だし……それに、何て云うのかな。すごく、惹かれる」

岩崎「惹かれる?このクルマにかい?」

川内「うん。だからこそ、このクルマが何なのか知りたい。じゃないと気持ち悪い」


岩崎「……成る程。よく分かったよ」

由良「私には川内の言ってることがよく分からないんだけど……」

岩崎「由良さんの言う事は最もだと思うヨ。クルマは所詮機械、無機物の集合体でしかない」

岩崎「だけどね、あまりに高度な機械は時として得体の知れない何かに変貌するのも事実さ。例えば君達が使っている艤装……だっけ。愛着を持ったりしないかい?」

由良「え、それはまぁ……」

岩崎「ならばその逆の感情。川内さんが感じた寒気を覚えるような機械があっても不思議ではないと思わないかい?」

由良「ちょっとオカルト染みてませんか?」

岩崎「うん。僕もそう思うよ」クス

夕張「私はちょっと分かるかな。たまにこう……感動したり高揚感を覚えたり、無機物なのにまるで意思を持って問いかけられるような、そんなことがあるの」

由良「そりゃあ、造りに感動したりはするけど……」

岩崎「実はね、僕も昔そういうクルマに出会ったことがあるんだ。そういう魔力みたいなものを持ち合わせたクルマって、確かに存在するよ」

岩崎「そして……このGTOにも、同じものを感じた」

川内「やっぱり!」

岩崎「僕もコイツを見た時は身体が震えたね。川内さんと同じく寒気で震えたのか、それとも武者震いか、あるいは両方か。ああいう感情は久々に体験したよ」

夕張「………!」

由良「どうしたの、夕張」

夕張「ううん……何でもない」


岩崎「そういえば、夕張ちゃんのワンエイティは大丈夫なの?」

夕張「え、ああハイ。あともう少しで直りそうです。でも、どうしてそれを?」

岩崎「黄色のワンエイティが事故ったって聞いたから、もしかしてと思ったんだ。そういう情報って案外耳に入るんだよ」

夕張「えー……じゃあ私がぶつけたって話、結構広まってるのー……恥ずかしい……」アタマカカエ

岩崎「広いようで狭いコミュニティだからね。あと、この前青葉ちゃんって云ったかな。その娘に会った時にも聞いたんだ」

川内「何故ここで青葉の名前が……」

由良「都高に自転車で行こうとして、時雨に酸素魚雷を撃たれてドッグ行きになったハズじゃなかったっけ」

川内「言葉だけ聞くとまるで意味が分からないね」

岩崎「じゃあ、今日は何で来たの?代車かい?」

夕張「代車と云えば代車ですね……提督のクルマですから」

川内「私は自分のNSRで来たよ!」

岩崎「若いのにまたスゴイのに乗ってるね。懐かしいなぁ」

川内「岩崎さんもNSRに乗ってたの?」

岩崎「いや、僕が乗っていたのはスズキのガンマっていう、NSRのライバルだよ」

川内「へー、やっぱりライバルとか居るんだぁ」

夕張「……あの、岩崎さん。もしかして、あのGTO……」

岩崎「うん。撃墜す(おとす)よ」

夕・由・川「!!」

岩崎「まあ、僕も歳を取ったからね。相手になるかは分からないけど」

夕張「……負ける気なんか無いのに。さっき笑ってましたよ」

岩崎「よく気付いたね」

夕張「何て云うか……GTOを見たって話をしている最中、ふと岩崎さんの雰囲気が変わったんです。そしたら、少し笑っていたから……」

岩崎「……いい歳して、公道レースなんて馬鹿げているだろう?」

夕張「いえ、そんな」

岩崎「……僕はもう降りれない。死んでも悲しむ人は居ないからね。例え愚かな行為だと分かっていても尚、どうしようもなく血が滾るんだ」

岩崎「皆も僕みたいになっちゃダメだよ。折角可愛く生まれたんだから」

夕・由・川「………」

岩崎「それと、提督に伝えておいてくれ。『ケリを着けるなら今だ』って」

夕張「……ケリ?」

岩崎「詳しいことは本人に聞いてごらん。なかなか口を開かないと思うけど」

艦これSSなのに迅帝が出てくるのは>>1のSSだけ!
思ったより短いので書き溜めして後でもう一回投下します。


今のF1好きな人には悪いけどあの頃はホント面白かった
スバルもエンジンサプライアーとしてボクサー12出してたし、W12(Vじゃないぞ)エンジンとかあってホントにカオスだったわ

話がなかなか進まないから、ラリースト夕張編も同時進行しちゃえ☆

>>415 スバルF1……キャスピタ……うっ、頭が
ホント今考えると無茶苦茶ですよねー……ww

新BGM、雨音の鎮守府がアンビエントっぽくて癒される。


執務室

コンコン

夕張「夕張です。提督、起きてますか?」

提督「ん。おお早かったナ。入っていいよ」

夕張「失礼します」ガチャ

提督「おかえり」

夕張「ただいまです」

提督「で、どうだ。岩崎のヤツ何か知ってたか?」

夕張「数回目撃しただけで、詳しい事は何も……」

提督「ま、だろうな」

夕張「ただ、自分が撃墜すると言ってました」

提督「それも予想通りだ」

夕張「あと……ケリを着けるなら今だ、とも」

提督「……それは俺宛か」

夕張「ハイ……」

提督「余計なことを」チッ

夕張「あの、提督……」

提督「ああ、どうせ聞きたいんだろ?顔に書いてある」

夕張「……スミマセン」

提督「ま、別にいいけどさ。昔のことだし」ボリボリ

夕張「提督?何処へ?」

提督「黙って着いて来な。見せたいモンがある」


街外れ・貸しガレージ

夕張「あの、ここは?」

提督「俺が借りてるガレージ。たまに来ては中のモンを動かしている」

夕張「中のモノ……?」

提督「まあ、見てみりゃ分かる」

ガラガラガラ……

夕張 ゾクッ

夕張(な、何よこの威圧感……っ)

提督「……昔、俺が乗っていたクルマだ」

シャッターを開けた途端、むせ返るような……それでいて鋭利で冷たい空気に、思わず夕張は慄いてしまう。

狭く薄暗いガレージの中、ひっそりと佇むソレはまさしく得体の知れない機械だった。

ただ息を殺し、しかしいつでも飛びかかれる臨戦状態を保った獣……
いや、獣という表現すら生ぬるい。

これは、本当にクルマなのか――?

提督「魔王……かつて、そう呼ばれたクルマだ」

夕張「魔……王……?」

ミッドナイトブルーに包まれたBNR32――。

月夜の仄暗い空の下……魔王と呼ばれるクルマが、そこに居た。


夕張「なん……なんですか、これ……」

提督「Rだよ。今更珍しいもんでもないだろ」

夕張「見れば分かりますよ!そうじゃなくて……!」

提督「それ以上に何があるんだ」

夕張「こんな殺気を放つようなR、普通なワケがないでしょ!」

提督「クルマは機械だ。人間と違って、殺気なんか放つわけないだろ」

夕張「でも、この雰囲気は異常です!深海棲艦じゃあるまいし、こんな……!」

提督「なあ夕張。アイツ、GTOを撃墜(おとす)って言ったんだろ?」

夕張「え……ええ、ハイ……」

提督「それな、遠回しに『関わるな』っていう忠告だぞ?」

夕張「……は?」

提督「アイツ女には甘いからなぁ。だから結婚出来ないんだよ」

夕張「どういう意味ですか……あとその言葉、完全にブーメランですけど」

提督「人間の感覚ってのは案外正確なもんでさ。お前にとってこのRが本当に殺気を放っているように感じるなら、それは事実でもあり、場に呑まれているだけでもある」

夕張「どっちですかそれ……」

提督「まあ聞け。川内がGTOに感じた寒気みたいなもんは、今まさにお前が感じているものと同等だろう。で、そういうモンに関わると大抵ロクでもない目に合う」

提督「そりゃあ、普段深海棲艦とも対峙するお前らにとったら何を今更って思うだろうが、たかが移動手段の機械がそんな空気を放つなんてやっぱり異常なわけ」

夕張「だから、そう言ってるじゃありませんか!」

提督「もう一度言うぞ?機械が殺気を放つなんて有り得ないんだ」

夕張「っ!?」

提督「お前、神社にあるお稲荷さんとか壊す事出来る?」

夕張「触らぬ神に祟りなし……ってことですか?」

提督「そういうこと。ま、勉強になったろ」

夕張「……全然納得いかないんですけど」

提督「いずれ分かるさ。今の生活を続ける限り、な」


それから数日後!

夕張「……で?」

由良「なあに?」

川内「何でクルマ屋?」

夕張「むしろショップって感じね」

由良「ちょっと考えていたんだけど、二人ともダートに興味ない?」

夕・川「ダート?」

夕張「なに?ダートラでもやるの?」

由良「正確に言えばラリーね。まずは地方大会のラリーに出てみようと」

夕張「ラリーねぇ……」

川内「卓球やテニスで打ち返し続けることでしょ?」

由良「そっちじゃない」

夕張「面白そうだけど……やっていいものなの?」

由良「提督さんに確認したよ。そしたら……」

(提督「米空軍だってNASCARのスポンサーやってたんだし余裕っしょ」)

由良「……って、鼻ほじりながら応えてくれたわ」

川内「容易に光景が想像出来る分、絵面が酷い」

由良「念の為大本営にも確認したら、常識の範囲であれば普段の趣味にまで言及しないし、艦娘のイメージアップにも繋がるからって快くOKしてくれたよ」

夕張「という事は、スポンサーも……!?」

由良「あ、流石に普通の部費程度しか出ないって。但しちゃんと宣伝してこいとのご通達です」

夕張「そういうことなら金をくれ!!」デチクショオォ

川内「でさー、このクルマ屋に来たのは何の為?」

由良「提督さんの知り合いに、そういうのに強い人が居るからって紹介してもらったの。ベース車両も見つけてもらったの」

夕張「妙に仕事が早いわね……実は結構前から計画してたでしょ」

由良「ふっふーん♪」


川内「ねえねえ。そのラリーに強いってどんな人?哀○翔?」

由良「その人はカブトムシに強い人じゃない?」

夕張「SSの撮影した後、ホントにラリーやるようになったんだっけ……」

由良「えーとね、その人元艦娘らしいんだけど、今はこのショップの専属ドライバーとして雇われているんだって」

川内「元艦娘!?スゴいじゃん!」

「どーもー。お待たせしましたー」

由良「あ、はじめまして。市川鎮守府所属、長良型軽巡四番艦の由良です。本日は宜しくお願いします」フカブカ

「ワタシはフランスから来た元・アッガーノ型四番艦、ピャン・ラニョティです。どうぞゴヒイキに」

夕張「おうコラ待てや」

「なんですカー。そんなに怖いカオしてー」

夕張「色々アウトだからでしょ!何よアッガーノ型って!?」

川内「むしろイタリアっぽい」

「退役こそしていますが、これでも貴方達の先輩ですヨー」

夕張「アンタ男じゃない!私達は艦・娘!これじゃあ漢隊コレクションになるでしょうが!」

由良「なにをグダグダ言っているの夕張。折角ピャンさんのご好意でクルマも安く譲って頂けるのに」

夕張「このツッコミ所しかない状況で何でそんな普通なの!?」

由良「ピャンさんはスゴい人なのよ。モンテカルロラリーをルノー・5で制したり、晩年はクリオ・マキシを巧みに操りFFの神様とまで呼ばれていたの」

「後輪?なにそれ?美味しいの?」

夕張「完全にジャン・ラニョッティじゃない!」ガビーン

夕張「愛称で考えたらジャコウでも良かったでしょ!?シャポウ・ジャコーみたいな!」


由良「よく分からないけど、まずはクルマを見せてもらいましょう。お願いします、ピャンさん」

「OK!こちらネー」

川内「アハハ。楽しいね」

夕張「私がおかしいの……?この状況に着いて行けない私がおかしいの……?」

由良「もう。夕張ったら、いい加減にしなさい」

川内「細かいこと気にしすぎだよぉ」

夕張「アンタ達が大雑把過ぎるのよ……」

「今回キミ達に紹介するのは、このマッスィーンさ!」

由・川「ぉおーっ!」

夕張「何よもうー……って、インテR?」

「ウイー!DC2インテグラ・タイプR!98スペックですヨー」


DC2インテグラ・タイプR
インテRをラリー競技用に改造したマシン。
内装はロールケージが張り巡らされ、助手席側にはラリーコンピューターも装備。
エンジンはレギュレーション上ほぼノーマルだが、その他必要な装備は全て揃っている。
ラリーカーなので勿論ナンバー付き。
カラーはホワイト。


夕張「……思っていた以上に本格的ぃ……」

「このままでも充分ラリーに参加できますヨー」

「ただし、パーツは殆どリビルド品や他の選手が使わなくなった余りモノだから、古いモノも多いヨ。気に入らない所は自分達でどんどん変えてクダサイ」

川内「スッゲー!カッコイー!」

由良「まさかここまでのモノを……本当にあの金額でいいんですか?」

「ウイー!提督さんにはお世話になったから、大丈夫ハカセよ!」

夕張「アンタ絶対日本人だろ」

川内「ねえ由良。どれ位の金額なの?」

由良「ちょっと耳貸して」ゴニョゴニョ

川内「うー……それって安いの?」

夕張「え?幾ら?」

川内 ゴニョゴニョ

夕張「……は?ここまで揃ってるのに?ウソでしょ?」

川内「あ、やっぱ安いんだ」

夕張「ピャン様。先程までの数々の非礼、心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」ドゲザ

「全く気にしてないので顔を上げてくださーい。ワタシこまりんこネ」


こうして我らが三水軽巡トリオは新たなマシンを手に入れ、
未踏のステージに向け着々と準備を進めるのであった!

頑張れ軽巡!負けるな軽巡!
市川鎮守府艦娘ラリー部の戦いは、これからだ!

続く!

一旦投下終了。
変にシリアスな感じにしようとすると、途端に進まなくなる……
このまま三水ラリー部を本編にした方が楽しそうでゴワス。

インテRになった理由はメロンブックスがインテRで全日本ラリーに出場していたので、
メロン=夕張繋がりで。
艦娘の服装的には高崎くす子っぽいけど。
念の為レギュレーション確認したけど、DC2でも全日本にはまだ出れる……ハズ。

乙、インテR……雨上がりの首都高の壁によく刺さってたというあの……。

おつです
ぴゃんが艦漢になってる(白目

ラリー本当にやってくれるとは...ありがとう!

つまりこれから乗るのはペイントがメロンブックス仕様なんですね(ゲス顔)

スバル・キャスピタ…こいつは知らなかったわw
ヤマハOX99-11は知ってたけど結局市販されなかったのが残念だ
正直マクラーレンF1なんか目じゃないんだが実績の差だわなぁ

浜風出ないから睦月育て始めました。
ちょっとだけ投下。

>>428 そのぉ……誰かと間違えていませんか?
冗談じゃないのです。

>>429 酒匂は犠牲になったのだ……。

>>430 カラーリングはどうしましょうかね、ホント。
勢いで考えたからコ・ドライバーも未定です……。

>>432 ありましたねぇ、懐かしいw
せめてトムス・エンジェルとか我来也が発売されていればなぁ。


夕立「ワンハングレット、3ライトっぽい」
夕張「どっち!?」

ここまでは考えた。
ニューマシーンが登場するヨー!


小ネタ ジャン・ラニョッティ

フランスの英雄。元プロレーサー。
ラリードライバーのイメージが強いが、ル・マン等の耐久レース、フォーミュラにも参戦していたりする。
ルノーのワークスドライバーとしてその名を轟かせ、96年に引退後はルノー名誉広報部長に任命されている。
WRCドライバーの例に漏れず、頭のネジが全部ぶっ飛んでいるようなドラテクの持ち主だが、特に晩年のクリオ・マキシでのドライビングは圧巻で「これホントにFF?」と目を疑いたくなる、有り得ない挙動と速度でドリフトをかましていた。
その前は5ターボを操っていたので駆動方式は問わず人々を魅了していたが、一部では彼をFF神と崇めているとか。
陽気でサービス精神旺盛な人柄。得意技は360度ターン。
ちなみに、TAXiのスタントドライバーもこなしている。


「これがワタシの簡単なプロフィールです」フゴフゴ

夕張「何でメロン熊の頭被っているのよ」

※被り物が好きらしい。


小ネタ2 重大な事実

工廠にて夕張ワンエイティを整備中……

由良「ところで夕張」

夕張「ん?どっか分からないことある?」

由良「じゃなくて、提督のクルマ。>>364で軽巡が戦艦並みの機関を載せた感じって説明したでしょ?」

夕張「ええ。ワンエイティはミドルクラスだし、例えとしてはピッタリだと思うけど」

由良「由良って九万馬力あるんだけど」

夕張「へ?」

由良「長門さん(=八万二千馬力)より出力あるんだけど、この場合ってどうなのかな?」

夕張「 」←五万七千馬力

全 く 知 ら な か っ た 。


朝・工廠

夕張「あー……っ」

由良「やっと終わったね……」

夕張「長かったぁ……ありがとね、由良」

由良「どういたしまして」

叢雲「夕張、装備開発依頼書よ……ってアンタ達、またやってたの」

夕張「あ、おはよー……」

由良「眠ーい……」

叢雲「徹夜明けの割には随分清々しい顔してるわね。修復終わったの?」

夕張「何とかね。由良が手伝ってくれなきゃ、まだ半分も終わってなかったわ」

叢雲「そう。ところで……何でまたクルマが増えているのかしら」

由良「ああ……その件については提督さんにも許可を貰っているけど」

叢雲「それはおかしな話ね。私が聞いたのはあくまで競技用のクルマだけで、そこのオレンジ色のオープンカーについては知らされていないわ」

由良「オレンジ?」

夕張「へ?そんなの何処に……」

提督のワンエイティ
瑞鳳の鉄火面
金剛のハチロク
ラリー用インテR

何処かで見たようなオレンジ色のS2000 ←New!

夕張「何か有名レースゲームにも出てきた某峠の魔王号みたいなS2が居るーっ!?」

由良「そんな!?いつの間に……!?」

叢雲「あんな派手なクルマなのに、今まで気付かなかったわけ?」


叢雲「アンタ達じゃないなら、一体誰のクルマなのよ?」

夕張「そういえば金剛さんがS2かNSXに乗り換えるとか言ってたような……」

叢雲「へえ。じゃあそこのオンボロは処分するのかしら」

夕張「さあ……どうだろ」

叢雲「ま、この際どうでもいいわ。いちいち注意するのも面倒になってきたし。はいコレ、今日中にお願いね」

夕張「あ、うん」

叢雲「……それと」

夕張「?」

叢雲「ラリーの方だったら、私も応援するわ。頑張ってね」ニコッ

コツコツコツ……

夕・由「………」

夕張「……デレ?」

由良「由良、わかんない」

夕張「あの娘、ホントに駆逐艦よね……?」

由良「改二になってから色気増したよね」

夕・由良(私達も改二……なりたいなぁ)


提督「お、ようやく直ったか」

由良「あ、提督。おはようございます」

夕張「……おはようございます」

提督「何か立ち姿が変わった様な……気のせいか」

由良「補強の部分を見直したので、その影響もあるかもしれないですね」

夕張「………」

由良「夕張?」

夕張「ひゅいっ!?」

由良「どうしたの、ボーっとして」

夕張「寝てない!寝てないってば!」

由良「え?寝てたの?」

提督「ま、どうせ今日も徹夜してたんだろ。今日は暇だからのんびりしてな」

由良「それはちょっと嬉しいかも」

金剛「Hey!提督!ワタシのニューマシン見てくれました!?」バァン

提督「むしろ年中通して暇な方だから、平常運転とも云えるけどな。アイツみたいに」

由良「アハハ……」

金剛「ムム、何かバカにされた気がするデース」

提督「そんなことはないよ。ハハッ」


金剛のS2000
カラーはオレンジ。
どう見てもアレにしか見えないが別モノである。
エンジンは2.4L化、ボディ各部にカーボンを奢る。勿論GTウイングもカーボン。
ハチロクとは違い今回は快適装備も残している。
NAながら約300馬力を発生。

提督「あれ・スーチャーは?」

金剛「とりあえずNAのまま様子をみて、改めて考えるネ」

提督「どうせ付けるだろ」

金剛「タブンネ」

由良「カッコ良いですね、このクルマ」

金剛「イエー!良いマシンに出会えましたヨー!」

一旦ここまで。
ラリー編にまで手を出したら、SSでSSを書くことになるのか。

乙!扶桑長門型は特にパワーが無いから仕方ないね。因みに佐世保アンソロ3巻とかに各艦の出力、速度が載ってたりする。

おつですー
叢雲はラリーならokてのは公道じゃないからってことかにゃ…?

こんな時間に出現。
本編ではないけど、ラリー同様面白そうなネタがあったので小ネタとして投下。

>>441 アンソロ読んでいたのに全く憶えてなかったです。
そりゃ扶桑姉様の速力も足りなくなるよ……。

>>442-443 まあ、そうなるな。
非合法な公道レースなんかより遥かに健全ですからね。


小ネタ ここの人達ならやりかねない

瑞鳳「んぅ~……」

川内「あれヅホにゃん。難しい顔してどうしたの?」

瑞鳳「今ネットオークションで競り合ってるんだけど……何なのコイツ、サクラかな」

川内「私のこと?」

瑞鳳「何の話?」

川内「で、どんなの落とそうとしてるの?」

瑞鳳「中古のザウルス・ジュニア」

川内「なにそれ」

瑞鳳「日産の入門者向けレーシングカーだよ」

川内「へー。ヅホにゃんレースに出るの?」

瑞鳳「んっとね。レースはレースなんだけど、これを使って面白いことしようかなって」

川内「なになに?」

瑞鳳「これをベースに、小さなグループCレプリカを思ってるんだ」

川内「グループC?」

瑞鳳「プロトタイプスポーツカーとも云うんだけど、80年代から90年代初期まであったカテゴリーで、速さだけじゃなく燃費の良さも要求されたレーシンカーよ」

瑞鳳「日本車ではロータリーとして唯一ル・マンを制した787Bが有名ね。でもこのカテゴリーで特に猛威を振るったのはポルシェの956/962Cかな」

瑞鳳「基本的には長距離の耐久レースなんだけど、最終的に予選セッティング用のブースト時には1000馬力を軽くオーバー。最高速は富士のストレート(約1.5キロ程度)で400キロを超えたりと、グループBと並ぶモータスポーツ狂気の歴史と云っても過言ではないわね」

川内「なにそれこわい」

瑞鳳「全くね。当時日産ワークスとして参戦していたレーシングドライバー、星野一義氏と長谷見昌弘氏に『生きて帰って来れてて良かった』と言わしめるほど、アホみたいな速さだったらしいわ。ぶっちゃけ終わってくれて心から安堵したって」


川内「……で、何で終わっちゃったの?速過ぎるから?」

瑞鳳「それもあるだろうけど、終了直前に当時F1がターボを禁止したこともあって、F1と一部を共有出来るような大幅なレギュレーション改正を行ったの。でも、それまでのグループCの有り方を全面否定するような改正だったし、日本のメーカーもバブル崩壊によってそれどころじゃなくなったからねぇ……目論見は大失敗して、グループCは衰退。あっけなく幕を下ろしたわ」

川内「はー……そんなのがあったんだねぇ」

瑞鳳「カテゴリ自体は無くなったけど、今でもプロトタイプスポーツカーは数多く存在するし、スーパーGTに出場していた紫電やモスラーなんかは見た目はまんまグループCだったけどね」

川内「ほんでほんで?それがどうしたの?」

瑞鳳「うん。FRPで新しくボディを形成して、それをザウルスのシャシーに載せ変えて小さいグループCマシンを作ろうかなって。だからザウルスじゃなくてもいいんだけど……あっ」

瑞鳳「やったー!落とせたーっ!」

川内「おお、おめでと」

瑞鳳「よーし。これでマーチ85Gジュニアが作れる……っ!」

川内「あ、それが作ろうとしているグループCのクルマ?」

瑞鳳「うん。85年に日産がマーチ社のシャシーを使って作製したマシンで、参戦初年度はスカイラインとシルビアの名を冠していたの」つ模型

川内「スカイラインってヅホにゃんのクルマだよね?前面に名前が書いてあるのに、全く面影無いんだけど……」

瑞鳳「あくまで名前だけ借りた別のクルマだよ。次の年からはR85Vって名前になってたし」


川内「でさ、それ作ってどうするの?」

瑞鳳「最終的な目標はK4GPっていう耐久レースに出場することだね」

川内「また知らない単語が……」

瑞鳳「富士スピードウェイで軽自動車を使って行われる草レースよ。規模は国内でも随一と云っていいわ」

川内「軽でやるんだ。何か面白そう」

瑞鳳「このK4GPは基本的に市販車をベースにするんだけど、軽のエンジンであればほぼ何でもアリの上位クラスが存在するの」

川内「えっ、何でもアリ?」

瑞鳳「そうなの。このザウルスジュニアみたいな小型フォーミュラのシャシーをベースに軽のエンジンを載せて、オリジナルのレーシングカーを作っちゃうの」

瑞鳳「往年のレーシングカーを模したモノ、子紫電みたいなオリジナルのボディを架装したもの、中には軽自動車の形のまま中身だけフォーミュラだったりと、兎に角バラエティに富んでいて見るだけでも飽きが来ないわ」

川内「じゃあ完成したら皆でそれに出ようよ!」

瑞鳳「勿論!幸いドライバーが出来そうな人はウチに沢山居るからね」

川内「提督、夕張、あと岩崎さんも誘ったら来そうだなぁ……ヅホにゃんは?」

瑞鳳「私はメカニックでいいかな。川内も乗ってみりゅ?」

川内「乗りゅー」

瑞鳳「よーし!じゃあ頑張っちゃおっかな!」

川内「おー!」


三水ラリー部に続き、耐久レース部発足か!?

続く?

たまたま子紫電あーるの動画見て突発的に思いついた。
ぶっちゃけ夕張ならこっちに喰いつきそう……ww
流石にイチからマシン製作は無理だけど、小型車量を使った耐久レースは一度出てみたいものです。

参加車両はK4GPで検索すると面白車両がボロボロ出てくるので見ていて飽きませんww


耐久のカテゴリーとは外れるかもだけど、マーチとかヴィッツとかプリウスのワンメイクならまだコストはマシかも
やっぱり金かかるしディーラーからも車両出てくるからあれかもだけど
ポルシェカップよりはマシか

乙!知っている、知っているぞおぉぉ!
ザウルス以外にもサンバーベースのマシンも居るよね、一杯。

おつですー
どうすんだ種目が増えてきたぞ収拾つくのか?(いいぞもっとやれ

もうおしまいなの?
悲しいなぁたのしみだったのに

ヴォー……気が付いたら一週間経ってる。念の為生存報告をば。
リアルで色々起きてしまって更新する暇がありませんでした。スミマセン。
こんなSSでも、楽しみにしてくれている方が一人でも居るならば続けて行く所存です。

ちなみに今後の展開としては、

①都高のモンスター編
②水雷ラリー部編
③ターボCジュニア(1/1プラモ)耐久部編

……を予定していますが、場合によっては追加要素、
もしくはこの艦娘&クルマを出せよ!などといったことも是非お聞きしたいと思っております。

とりあえず今日か明日に少し投下出来ると思いますので、宜しくお願いします。





五十鈴とベレットなんかいいんじゃね

ゆっくり待ってるからリアル生活大事にしてね

ヒャッハー!投下だーっ!

>>449 ワンメイク系は確かに登竜門だけに安く済みそうですよね。
でもヴィッツレースなんかは特にレベル高そうなイメージが。

>>450 サンバーベースでも面白そうですね!
ここまで来るとホントに大人の道楽だなぁ……羨ましい。

>>451 既に収集ついてないDEATH!
どうしよ、マジで。

>>452 まだだ!まだ終わらんぞ!

>>455 五十鈴にベレット……
で、考えた結果はこの後すぐ!

>>456-458 有難うございます!
正直私生活はボロボロですが、書くこと自体はすごく楽しいので頑張ります!

しかし、艦これ要素は何処にあるんだろ。


夜・環状線外回り

夕張「うん。パワーよりシャシーが勝っている感じかなぁ」

由良「そうね。何となく安定感があるね」

夕張「いい仕事してますねぇ、由良さん」

由良「いえいえ。そういえば、エンジンは結局手を加えたの?」

夕張「鏡面加工とバランス取り、ついでにポート研磨。ホント、地道な作業だった……」

由良「真摯に機械と向き合う以上、それは仕方ないじゃない」

夕張「まあねぇ。別に苦じゃなかったしね」

由良「じゃあ、特別何か変えたわけじゃないんだ?」

夕張「ピストンをRNN14用のクーリングチャンネル付きに、アウトレットパイプをもう少し抜けが良くなるように形状を変更。あとはフライホイールを軽量化した位かな。劇的な変化はないけど、充分アップデートされていると思う」

由良「ホント、短い期間によくそれだけやったわね……」

夕張「……というかさ」

由良「なあに?」

夕張「いや、随分平然としてるけど……横に乗ってて、怖くないの?」

由良「え?なんで?」

夕張「提督の横に乗った青葉は気絶してた」

由良「そうなんだ」

夕張「クールね……」

由良「一応夕張のことは信頼しているし、私が乗っている以上はまた無理して事故を起こしたりすることもないだろうから」

夕張「あははー……」グサッ

由良「それに私もこのクルマに携わった以上、ちゃんと見届ける義務があると思わない?ね?」

夕張「んー……まぁそういうことならいいんだけど」


由良「それにしても不思議な感覚ね」

夕張「なにが?」

由良「明らかに周りとスピードがかけ離れているのに、恐怖心をあまり感じないの」

由良「……何て云うか、このクルマも通常のスピードで自然と流れているような、そんな感覚」

夕張「明らかに速度差があるのに?」

由良「だから不思議なのよ。こういう風に飛ばす人達って、やっぱり周りを威圧するような走り方をするじゃない」

夕張「あー……うん」

由良「隣で見ているからっていうのもあるんだろうけど、夕張の運転は無理矢理こじ開けるような感じがしない。すっごく自然」

夕張「それは多分、提督からの受け入りだと思うな。不必要な敵を作るなって」

由良「敵?」

夕張「そう。由良の言う通り、所謂走り屋と呼ばれる人って自己を中心に走る人が大半なの。遮るモノがあればホーンやパッシングでどかしたり、小さな隙間があれば無理にこじ開けたりしてね」

夕張「そうやって自分に都合の良いことだけ主張を繰り返してると、世の中上手く出来てるもんで、しっかり自分に返ってくるって」

由良「因果応報ってことかな」

夕張「そういうこと。公道を走る以上、全てのクルマはガレージや駐車場にちゃんと帰ることが大前提だから、無理は絶対しない、敵を作らないっていうのは散々言われてたわね」

夕張「その為には見極めることが必要で、退く場面ではキッチリ退くこと。一時的に譲ったフリをしただけじゃ、意味が無いって」

由良「ちょっとややこしくない?」

夕張「そう思う。だから、いつも意識しながら走ってるかなぁ」

由良「ふーん……あ、無理した結果が事故に繋がったってこと?」

夕張「……うん」ズーン

由良「あ、ゴメン」


夕張「とりあえずテスト走行の結果は上々ね」

由良「みたいね。そろそろ帰る?」

夕張「そうねぇ……今夜はもうこれくらい……」ゾクッ

由良「どうしたの?」

夕張「……後ろ、何か来る」

由良「え?」クルッ

夕張「……速いっ!」

由良「何よ……あれ……」


由良は思わず絶句した。

徐々に存在感を増して近付いて来るソレはまるで――


由良「化け物……」

夕張「何がクルマは只の機械よ……この前のRといいコイツといい、まるで魔窟じゃない!」

由良「な、なんなのよアレ!ホントにクルマ!?」

夕張「私だって分かんないわよ!兎に角、ちゃんと三点(ハーネス=シートベルト)着けて!追うわよ!」

由良「追うって……冗談でしょ!?」

夕張「行けるトコまで!無理はしないから!」

由良「ちょっ……!」

只のクルマに、存在するだけで寒気を覚え、圧倒されるなど理解しがたい。

しかし、彼女は知っている。

提督の青い“魔王”R……そして今目の前に現れた、黒銀の凶獣。


夕張「コイツが例のGTOってわけね……いいじゃない!」


七色大橋手前――。

臨戦態勢を整えた夕張のワンエイティが加速する。

今回エンジンを組み直すに当たって、夕張が特に意識したのはトルク感とレスポンスだ。

公道……とりわけ都高というステージにおいて、最高速の数字よりも到達するまでのスピードが重要と考えたのだ。
足回りとボディの見直しに合わせて、エンジンはあえてピークパワーを追わず、踏めば即ブーストが立ち上がるように施工した。

期待通りの結果だった。大成功といえる。

しかし今は、パワーが欲しい。
ありったけの大出力が。

ワンエイティが先導するも、後ろに居るGTOはまるでこちらの様子を伺うように悠然としている。

一方の夕張は既に全速力……隣に由良が乗っている為、これ以上のペースアップは無謀だ。余力など殆ど無いに等しい。

大橋を越え、しばらくすれば湾岸線への分岐点にぶつかる。
パワーはどう考えてもあちらが上。当然最高速勝負になってしまえば、夕張のワンエイティは一瞬で置いて行かれ、あっという間に消えてしまうだろう。

まるで赤子と大人―
いや、イージス艦を相手に大戦期の軽巡で突っ込むようなものか。

夕張はつい、自嘲気味に笑った。

夕張「余裕見せてくれちゃって……冗談じゃないっての」

由良「まるで姫や鬼クラスに遭遇した様なプレッシャー……追われているからってだけじゃ、ないよね」

夕張「川内がコイツを見た時、寒気が止まらなかったって。ようやく共感できたわ。色々存在がおかしいもの」

由良「勝ち目は……聞くまでもないよね」

夕張「せめて環状線なら何とかなったかも知れないけど、ココじゃ流石に無理」

由良「なら、もう諦めた方が……」

夕張「少しでもデータが欲しいの。ただの機械が、どうしてあんな空気を纏い、生きているようにさえ思えるのか……それだけでも充分興味深い事例じゃない」

由良「でも、あんまり深入りすると危険だわ」

夕張「提督にも言われた……岩崎さんも遠回しに関わるなって言ってたんだって」

夕張「でも出逢っちゃった以上、ハイそうですかとはいかないでしょ!」


湾岸線に突入と同時に、それまで大人しかったGTOが一変する。

まるで遊戯は終わりだとでも云う様に……大柄な車体をよじらせつつ加速して、生き物の如くエンジンが咆哮する。

正真正銘の化け物だと、夕張は思わず笑った。
得体の知れないドロドロとした熱気で、今にも息が詰まりそうになった。

それでも夕張は何とか喰らいつこうと、新たにハンドル部分に用意していたスクランブルブーストのスイッチを押した。

プラス50馬力のパワーアップ……マージンを考えると、僅か数十秒ほど。
あのGTOの前では、子供騙しにしかならないであろう。

それでも、ただ置いていかれるのは気に食わない……データを取るというのは、最早建前でしかない。

250……260……270……

徐々に速度は上がるものの、やはりGTOは更にその上を行く圧倒的な加速で、ワンエイティを突き放す。
まるでこちらが止まっているかのようだ。


夕張「やっぱり相手にならないか……」


警告のアラームが鳴り始める。
GTOは既に闇に紛れてしまい、姿を確認する事は出来ない。

アクセルを緩めると、同時に張り詰めていた緊張が一気に解けた。


夕張「ホントに何なのあの加速……いくらなんでも反則でしょ……」

由良「ほんのちょっとの間だったハズなのに、生きた心地がしなかったわ……」

夕張「ねー……岩崎さん、あれを撃墜する気なんだよ?」

由良「あんなの相手にするって、狂ってるとしか思えないんだけど……」

夕張「しかも提督達が現役の頃、ああいうのがゴロゴロ居たんだって」

由良「……無理っぽいー……」

夕張「ホント、都高は魔の巣窟だわ……」


朝・夕張の部屋

川内「え、じゃああのクルマに会ったの!?」

夕張「まあねぇ……すぐ置いて行かれちゃった」

川内「で、実物見てどうだった?」

夕張「言ってた意味が分かったわ……ホント、何なのかしらあのGTOは。まるで魔物よ。後ろに居る間、ずっと睨まれている気がしたもの」

川内「でしょ?だから言ったじゃん」

夕張「悔しいけど、私の手に負える相手じゃないわアレ……」

川内「およ?いつもなら『さぁどうしてくれようか』ってなるところなのに」

夕張「クルマ乗り換えるか、ワンエイティ辞めるかどっちかね」

川内「それって、どっちも一緒じゃないの?」

夕張「ワンエイティのガワを被った何かを作れっていうの」

川内「え?作んないの?」

夕張「……確かに最初は思っていたわ。RB26に載せ変えて、リヤメンバーも移植して、全く違うクルマにしてやろうって」

夕張「でもこの前、提督のワンエイティ乗ったら考えが変わったのよ。現状のままでも速くすることが出来るなら、まずは一通りやってみようって決めたの」

川内「で、その時になったらまた手段を考えるってことだね」

夕張「そういうこと。あくまで選択肢の一つに留めておくことにしたのよ」

川内「ふーん」

夕張「まあインテRが来ちゃったし、瑞鳳も何か始めるみたいだから、ワンエイティに関わる時間が減っちゃいそうねぇ……」

川内「あ、インテで思い出したんだけど……この前五十鈴から連絡来てさぁ」

夕張「何でインテから五十鈴が出てくるのよ。で、それで?」

川内「何か見せたいものがあるから、演習ついでに今日コッチに来るって」

夕張「見せたいもの……?なんだろう?」

川内「改二で大きくなったおっぱいでも自慢するんじゃない?」

夕張「それはうざい」

川内「元々大きいのにね」チラ

夕張「ちょっと。何で今私の胸を見たのよ」


執務室

コンコン

提督「どぞー」

長良「こんにちはぁ」ガチャ

五十鈴「失礼します」

提督「おお、お前らか。久々だな」

長良「ご無沙汰しておりますっ」ビシッ

五十鈴「なんだか懐かしいわ」

提督「ああ、そうだな。演習は午後からだし、それまではゆっくりしてくれ。ただ演習をしに来たわけじゃないだろ?」

長良「あれっ?バレました?」

提督「何故か皆俺のトコに報告してくるのよ。この前なんか、どっかのビス子がシンガー・ポルシェ買ったとかなんとか」

五十鈴「それって確か一千万以上しますよね……」

提督「中身は964以降のモンとはいえ、不安なくナローポルシェに乗れるなら安いもんだろ」

長良「それより、由良と夕張は?」

提督「知らん。どうせ工廠に居るだろうから、覗いてみるといいさ」

長良「了解ですっ!じゃあ、ちょっと行ってみますね」

五十鈴「ではまた後で」ガチャ

若葉「ウェルカーム」ドンッ

長良「うわっ、ビックリした」

五十鈴「若葉じゃない。何でそんなトコに立ってるのよ」

若葉「ウェルカムマシュマロモンスター」

長良「??」

若葉「ウェルカーム」

五十鈴「な、なに?」

若葉「ウェルカムマシュマロモンスター」ムニッ

五十鈴「~~~~っ!?」

長良「若葉さん!?何してんの!?」

提督「なんだ、どうした?」

長良「わ、若葉が歌いながら五十鈴の胸を鷲掴みに!」

提督「なんだって!?そりゃあ大変だ!」カメラカマエ

長良「何撮る気ですか!?」

若葉「………」ムニムニ

五十鈴「……あっ、ちょ……んぅ……ダメ///」

長良「コラ!いつまで揉みしだいてるの!離れなさい!」

若葉 ピタッ

五十鈴「はぁ……はぁ……な、なんなのよぉ」ナミダメ

若葉「ドントクラーイ。ママはマシュマロモンスター」スタスタ

長良「コラー!待ちなさーいっ」

提督「ガッデム!撮り逃した!」

叢雲「また工廠にワケ分かんないクルマが……って、どういう状況なのコレ……?」


工廠

瑞鳳「うーん……また随分渋いのが来たものね」

由良「自分だって年代的に変わらないじゃない」

瑞鳳「まあね」

長良「どもー。誰か居ますかー?」

由良「あら、姉さん達。久しぶりね」

瑞鳳「でも何で五十鈴の顔は真っ赤なの?息も荒いし」

五十鈴「き、気にしないで……」

由良「姉さん達が居るってことは、もしかしてこの二台って……」

長良「うん。私と五十鈴のクルマ」

五十鈴「折角だから見てもらおうと思ってたの」


長良のAW11 MR2
スーパーチャージャー付きの後期型。
見た目は普通のMR2だが、中身も普通。
運転を学ぶ為にとノーマルの素性を生かしたチューンが施されている。
AE101ヘッドの4A-Gが自慢。
カラーはホワイト/グレーのツートン。

五十鈴のジェミニ
初代PF60の後期型。
長良と同様、見た目は至って普通。
ローダウン、吸排気系交換、軽量化とライトな仕上がり。
FCRキャブがポイント。
カラーはダークグリーン。


長良「どう?カッコいいでしょ。ミスターっていうんだ」

瑞鳳「まんまで来たわね」

長良「どういうこと?」

瑞鳳「なんでもない」

由良「五十鈴姉さんはジェミニなのね」

五十鈴「そう。FRの初代ジェミニ」

由良「てっきりベレットかと思ってた」

五十鈴「い、いいじゃない!気に入ってるんだから!」


夕張「おっはよー……って何コレ。タイムスリップでもしたのかしら」

川内「うわ、古いクルマが増えてるっ」

長良「あ、夕張に川内だ。久しぶり!」

五十鈴「二人とも元気そうね」

夕張「そっちこそ。いつ以来だっけ?」

長良「この前の大規模作戦以来じゃないかな」

五十鈴「そしたら二ヶ月近いわね」

夕張「ああ、そっかぁ……何だかもっと前のような気がするわ」

川内「ところでさー。このクルマ、二人のなの?」

長良「うんっ!ミスターとジェニーだよ」

五十鈴「ちょっと。勝手に名前付けないで」

川内「え?名前付けない?」

夕張「私は特に……アンタ付けてるの?」

川内「ヌー子さん」

夕張「由来が分かんない」

川内「NSRだからヌー子」

夕張「だからなんでよ」

由良「あれ?夕張も最初チャッピーって名前付けてなかった?」

夕張「それは提督が黄色のワンエイティだからって、勝手に呼んでただけよ」

長良「あ、確か小池○子がVシネで乗ってたヤツ?」

夕張「そうそう、ドリフトウォーズ。なんで知ってんのよ」


瑞鳳(人が多いからゴチャゴチャしてるなぁ……)

一旦終了。
五十鈴はベレットでも良かったんだけど、80~90年代のクルマが好きな>>1としては、
やっぱりジェミニは外せなかった!

尚、FFかFRかで悩んでいた模様。
ピアッツァでもいいけど……。

いすゞというとトラックかジェミニしか出てこないおっさん世代
ジェミニのCM面白かったなぁ

乙、四駆ターボのイムルシャーRって選択肢もあったと思うが他の登場車種を考えると初代のが合ってるかも。

おつです
ダジャレネタで来たかw


若葉のフリーダムっぷりに草


ジェミニ懐かしいな PA9も好きだった
乗用車の撤退は悲しい

トラックかと

32乗ってたから懐かしいな
知り合いに900馬力ちょいのドラッグ用32を運転させて貰ったが、まあねえ…あんなの踏めないわw
1100馬力のドラッグ33は動かすのが怖くて押して移動させてるが、いつかエアロを割りそうで怖い
周回をに比べて人気ないけど、ドラッグネタも入れてくれると嬉しいな

てす
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira080965.jpg

うp出来たのはいいけど、画像大き過ぎてビビる。
今回はこんなコースが出ます故、覚えてもらえると幸いです。

投下する前に返すの忘れてたw

>>471 いすゞと聞くと真っ先にビークロスが出てくる自分は少数派でしょうか……。
しかしジェミニと云ったら街の遊撃手、五十鈴は潜水艦の遊撃手(こじつけ)

>>472 イムルシャーRと非常に悩んだのですが、あえてこちらで。
二代目も好きですが初代はもっと好きなんですよ。

>>473 五十鈴にいすゞ車乗せるとネタバレになりそうだから避けてはいたのですが……って、多分バレてますよねw

>>474 最近ウチの鎮守府内で若葉の出番が少ないから、せめてここではと……w

>>475 いすゞが撤退してから随分経ちましたからねぇ……。
ミューとか結構売れていた気がするのですが、販売面だけの問題じゃなかったのでしょうか?

>>476 五十鈴のエルフ……ではないのですw

>>477 幼少期を首都高バトルとゼロヨンチャンプで過ごした>>1としては、是非組み込みたい……というか、実はやる予定ですw
しかし900馬力のRとか恐ろしすぎワロエナイ……。

一ヵ月半程掛かりましたが、ようやく浜風と出会えました!
2-2周回に嫌気が差して2-5回り始めて6回目のことでした……ウゴゴ。


小ネタ 鋼鉄の朝

真っ暗な海の上、二対の塔が燃えていた――

こんな所に塔?

また一つ、炎が灯る

何故か酷く幻想的にさえ思えた

そうか、これはきっと夢なんだ

沈んでいく、沈んでいく

耳鳴りが止まない

消えてくれ、消えてくれ

もう止めてくれ、お願いだから

朝が来る、光が――

時雨「……ああああああああぁあぁあぁっっ!!」


ガバッ

扶桑「キャッ」

時雨「ハァ……ハァ……え?」

扶桑「時雨、大丈夫……?」

時雨「あれ……扶桑?どうして?」

扶桑「ベンチでウトウトしている所を見かけたものだから……」フトモモポンポン

時雨「………」

扶桑「あ、あら?もしかして私、余計な事をしちゃったかしら……実は何か用事があったのに、私のせいで寝過ごしちゃったとか……」オロオロ

時雨 ギュッ

扶桑「……し、時雨?珍しいわね、どうしたの……?」

時雨「……扶桑。扶桑は今、ちゃんとココに居るんだよね……?」

扶桑「ええ、私はココに居るわ」ナデナデ

時雨「もう僕らを置いて行ったり、しないよね……?」

扶桑「………」

時雨「扶桑……?」

扶桑「……ええ。当たり前じゃない」ニコ
 
時雨「そう……だよね、うん」ギュウッ

扶桑「もう、本当にどうしたの?」

時雨「何でもないんだ……本当に……何にも……」

扶桑「フフ。変な時雨」


夕張「で、もしかして二人が見せたかったものってコレ?」

長良「だけじゃないんだなー。コレも見てっ!」

川内「何これ、何の免許?」

夕張「ちょっ、これA級ライセンスじゃない!」

五十鈴「一応私も」サッ

長良「どう?驚いたでしょ?」

夕張「……いつの間に」

由良「ということは、一度は競技に参加したことがあるってことよね?」

川内「なんで分かるのー?」

夕張「B級ライセンスなら講習を受ければすぐ貰えるんだけど、A級ライセンスは後任競技に参加後、試験を合格してようやく取得出来るの」

由良「A級になれば全ての国内競技に有効だから、全日本タイトルにも出場することが可能よ」

川内「なるほどー。レースをする為の免許証ってことだね」

長良「まあ面倒だったけどねー」

夕張「でも何でまた」

長良「たまたま知り合いの人にヴィッツの競技車両を貰ったんだけど、乗ってみたら面白くなっちゃって」

五十鈴「で、長良の性格だからね。どうせならトコトンやろうってなってライセンスを取っちゃったってワケ」

夕張「既に前例が居たのね……」

由良「思いもよらなかった……」



長良「ちょっと聞いたんだけど、夕張達もラリーに参戦するってホントなの?」

夕張「誰から聞いたのよ」

長良「ピャンさん」

夕張「ま た ア イ ツ か」

長良「ピャンさんには色々お世話になってるんだ」

五十鈴「元・艦娘ってこともあって、各地の艦娘からの相談にのってるみたいよ」

由良「クルマ好きな艦娘って、そんなに居るものなの?」

長良「その辺の事情はよく分からないけど、軍関係の人にはクルマ好きな人は結構多いみたいだし、その影響で興味持つ娘も多いんじゃないかな」

川内「なんだ、夕張と同じじゃん」

夕張「まあ、そうなるわね」

五十鈴「それで、さっきから気になってたんだけど、もしかしてこのハチロクで出る気なの?滅茶苦茶本気仕様じゃない」

川内「それ、金剛さんのクルマだよ」

五十鈴「ウソ!?」

夕張「パッと見下手な競技車両より作り込まれてるからねぇ……」

由良「私達のクルマは奥にあるインテRよ。いずれはアレで出場しようと思っているわ」

長良「ドライバーは夕張、ナビは由良ってとこかな?」

夕張「順当に行けばそうなると 川内「ハイハイ!私も出たい!」ノシ

五十鈴「え?川内走れるの?」

川内「夕張が行けるなら私にも出来るんじゃない?」

五十鈴「どっから来るのよ、その自信」

由良「あら、川内もなかなかの腕前よ?天龍にも勝ったみたいだし」

長良「天龍にって……あのカタナに?」

川内「まあね。結構ギリだったけど」

夕張「でも、クルマは一台しかないけど」

由良「誘った手前、川内にも乗せる機会をあげたいんだけど……」


瑞鳳「じゃあ勝負しましょう」ニパー

長良「わっ、ビックリした」

五十鈴「今まで空気だったものね……」

夕張「勝負って、私と川内で?」

瑞鳳「うん。タイムアタックで速かった方がドライバーの権利を得られるの」

由良「そうね……確かにそれなら互いの実力も見られるし、いいかもしれない」

川内「いいじゃーん!やるやるっ!」

夕張「それは構わないけど、どういうルールでやるの?」

瑞鳳「そうね。ただやるんじゃ場数を踏んでいる夕張の方が有利だから、クルマはインテRを使って、コースは……」

長良「それなら私達がいつも使っている練習場があるから、そこでやるのはどう?」

瑞鳳「ホント?じゃあ、そこを使わせてもらいましょ」

川内「フッフッフ……まさか私が夜戦以外で燃えることがあるなんてね」

夕張「あら。仮にも現役の首都高ランナー相手に勝てると思ってるの?」

川内「現役って言っても数ヶ月じゃん」

夕張「アンタなんか数週間もないじゃない!」

五十鈴「白熱してるわねぇ」

長良「面白いことになってきたね!私も参加していい?」

由良「それじゃあ姉さんの一人勝ちでしょ」

瑞鳳「でも、参考として一本走ってもらった方がいいんじゃないかしら」

長良「そうそう!」

川内「負けないよ!」

夕張「私だって!」


夕張「ここが練習場?」

長良「そうだよ。カート用のサーキットなんだけど、今は辞めちゃって空き地になってる所を使わせてもらってるんだ」

五十鈴「民家からも離れてるし、結構遠慮なく走れるのよね」

川内「そんなことより!早く勝負!」

瑞鳳「まずは長良に走ってもらうのが先じゃない?」

由良「そうね。参考が欲しいところだし」

長良「よっし。じゃあやりますか!」


長良MR2タイムアタック開始――!


瑞鳳「では解説に五十鈴さん、お願いします」

五十鈴「さっきからノリノリね、アナタ。さっきも言った通り、ココは元々カート用だから一般的なミニサーキットと比べると道幅はちょっと狭いわね」

瑞鳳「これがコース全体図(>>478)ね。結構オーソドックスな構成だと思うけど」

五十鈴「道幅の狭さに加えて複合コーナーになっている箇所もあるから、難易度もそこそこ高めだと思うわ」

瑞鳳「目安となるタイムは?」

五十鈴「んー……45秒を切れれば結構速いと思う。私のベストが44秒2だけど、長良なんか43秒半よ」

瑞鳳「速っ」

五十鈴「試しに私もMR2で計ってみたけど、そこまでのタイムは出なかったわ……ココでの長良はある意味化け物よ」

瑞鳳「五十鈴が遅いだけじゃないの?」

五十鈴「最初はそう思ったわ。だけど、一度ピャンさんが走った時は慣れてないとは云え、ようやく44秒切る位だったから……」

由良「姉さんのタイム、43秒6」

瑞鳳「元プロを負かすって、どういうことなの……」

夕張「よし!次は私ね!」

瑞鳳「いよいよ夕張選手がコースイン!この後じっくりお伝えしますっ」

五十鈴「ホント、そのノリはなんなの?」


その頃の青葉――

青葉「ハッ!なんだか役目を奪われた気がします!」

古鷹「あ、役揃った。五光」

青葉「え、ちょ」

一旦終了。
睦月が可愛すぎて生きるのが辛い。

おつ&浜風おめです!
物欲センサー全開でしたねw

先日見に行ったジムカーナの大会で久しぶりにモータースポーツの熱感じたわ。裏日本はこういうの少ないから…


浜風おめです

こんにちは。
最近更新が滞っていて申し訳ないです。

今月は阿武隈改二が来るとのことなので、レベリングを開始。
由良さんじゃないのかと落胆したのは内緒ですがww
しかしデイリー消化ついでに軽巡レシピ回したら、まさかの阿武隈二連続……アブゥはいいんだよ、鬼怒が欲しかったんだよぉ。

>>487 海外と比べると、日本のモータースポーツは育ちにくいなぁと思いますね。
もっと盛り上がればいいのに。

>>488 春イベでドロップしていた浦風についで、ようやく17駆二人目……全員揃うのはいつのことかw
そして次なる標的は大鯨ですが、こっちはもっと難航しそう……スゴイ勢いでバケツが減りましたw


ようやく扶桑姉様・金剛・睦月を改二に出来たことだし、次は加古かなぁ。
思えば重巡でマトモに育ってるの、古鷹と青葉しか居ないし。
しかし比叡・榛名・霧島も改二で並べてあげたい。

夕張・川内タイムアタック編です!


夕張コースイン――!


夕張「何気にサーキットって初めてなのよねぇ……しかもワンエイティじゃなくてインテRだし……どうしたものかしら」


右に大きく回る1コーナー。

まずは様子を見る為、定石通りのアウト・イン・アウトで旋回していく。


夕張「軽っ。クルマ軽っ。なにこれ」


早速、愛機である180SXとの違いを体感する夕張。

駆動方式の違い、ターボの有無――相違点を挙げていけばキリが無い。

加えてこのインテグラは競技車両。元々軽いDC2の車体は更に軽く仕上がっている。

夕張の180SXとの車重差は推定200キロ以上。戸惑うのも無理もない。

1コーナーの出口から、間髪入れずに2コーナーの右ヘアピンに進入する。


夕張「これ、ライン取り考えないと旋回しながらのブレーキングになるわね……ちょっと嫌だなぁ」


3速から2速に落とし、クリップポイントを抜けてからアクセルオン。

まだ慣れない車両での走行故か、無難な操作で乗り切るつもりのようだ。


夕張「うわ、アクセル踏んでてもベタッと曲がってく……これホントにFFなの?」


一般的なイメージとして、駆動と旋回の両方を前輪で担うFFはアクセルオンでアンダーステア。つまり車体が外に逃げてしまい、曲がりにくいとされている。

しかしそれも遠い過去の話。

とりわけDC2インテグラ・タイプRは格上の相手でさえも引けを取らず、コーナリングマシンとしても名高い。
新車発表から20年近く経過した今でもその性能は今でも充分な戦闘力を有すると痛感する。

そして立ち上がったところで……


夕張「VTEC切り替わった!面白ーい!」


ホンダ伝家の宝刀、VTECエンジンである。

その性能は周知の通り。B18Cが噂通りの鋭い吹け上がりを見せ付ける!


夕張「この感じをワンエイティにも……って、無理よね流石に」


左の3コーナーをアクセルオフで抜ける。

一瞬落ちた回転数が盛り返し、再び高回転側のカムに切り替わる。

そしてこのコースでは数少ないストレートに突入――。


夕張「ホンダのNAに拘る人の気持ちが分かる気がする……これはちょっと癖になるわぁ」


どこまでも伸びていくようなエンジンに酔いしれそうになりつつも、すぐさま4コーナー目の左ヘアピンが立ち塞がる。

3速に入ったギヤを2速に入れ、立ち上がり重視のラインを選択。


夕張「スローイン・ファストアウト。基本よね」


破綻する様子が一切無い挙動。

ブレーキを残しつつ曲がり、出口が見えたらアクセルオン……引き渡されて以降、基本的な整備以外は殆ど行っていない。

若干サスペンションにヘタリを感じるものの、これ以上何処を弄れば良いのか分からない程の高い完成度だ。


夕張「正直コレ、やることあるのかしら……」


続く右の5コーナー。

このコースでは最もキツいヘアピンである。


夕張「1速……じゃダメね、このまま2速かな」


僅かなブレーキングで体勢を整え、綺麗な弧を描きつつ駆け抜ける。

流石にギヤ比が合わない所もあるようだが、致命的でもなさそうだ。

5コーナーを過ぎ、右の6コーナー、そして出口でRが絞られる右の高速7コーナーに突入。

少し車体が振られるようだが、それでも難なく曲がっていく。


夕張「うわ、出口がキツくなってるじゃない」


アクセルオフでノーズがインを向け、最終のS字に備える。

旋回しながら再びアクセルオフ。

思った通りのラインに乗り、ホームストレートに向けアクセルを踏み込む。


夕張「よし!コースとクルマは分かってきた!次は本気のアタック!」


五十鈴「初めてのクルマに初めてのコースだというのに、ちゃんとレコードラインが構築できている感じがするわね。流石現役の都高ランナーといったところかしら」

瑞鳳「それにしてもあのインテR、良く出来てるねぇ。グイグイ曲がっちゃうんだもの」

五十鈴「そうね。このコースとの相性はかなり良さそう」

長良「でもセオリー通り過ぎて面白みが無いなぁ」

川内「ねー。どうせなら思いっきり横向ければいいのに」

瑞鳳「長良は兎も角、川内がそういうこと云うのはどうなの……」

川内「ん?いやさっきの長良の走り方と比べると、夕張のタイムはあまり伸びなさそうだなぁって思ってさ」

五十鈴「根拠は?」

川内「何となく」

五十鈴「アンタねぇ……」

川内「駆動方式の違い?っていうのはよく分からないけど、多分夕張よりかは踏んでいけると思うな、私なら」

瑞鳳「川内らしい自信溢れる発言ね……」

五十鈴「その自信が何処から来るのか謎なんだけど」

長良「アハハ。面白くていいじゃない」

瑞鳳「あ、そろそろ帰って来るね。タイムはどうかな?」

由良「んー……」ピッ

川内「どう?どう?」

由良「45秒フラットね。五十鈴姉さんの言う通りなら、ある程度速いタイムじゃないかな」

長良「おー。初めての割には中々だね」

五十鈴「そうね。44秒台に入れられるかも」


その後、5周する間に44秒5を記録。

流石に五十鈴のベストには届かなかったものの、初めて尽くしの環境では充分な成果と云える。


夕張「私のタイム、どうだった?」

由良「44秒5がベスト。上出来よ」

夕張「よっし!これなら川内に負けないでしょ!」

川内「ふっふーん。それはどうかな~?」

夕張「あらぁ?随分と自信があるようだけど、初心者の貴女に破れるかしら?」

川内「まあね。長良と夕張の走り方を見てちょっと分かっちゃったんだよねぇ」

夕張「ム。何が分かったって云うのよ」

川内「ヒ・ミ・ツ♪」

夕張「何よそれ」

川内「結果が語ってくれるんじゃないかな。まあ見ててよ」ノリコミ

夕張「……外から聞くと乾いた良い音ねぇ。それにしても川内のヤツ、いつもながら随分自信有り気みたいだけど」

由良「最近練習してるみたいだし、何か策があるんじゃない?」

夕張「練習って云っても、二輪とワケが違うのよ?ヒール&トゥだって出来るかどうか……」

由良「あら、知らないの?最近サニトラを使って走り込んだりしてるみたいよ」

夕張「マジですか?」

由良「あくまで基本的な部分みたいだけどね。この前も提督さんと一緒に定常円旋回と8の字周りをしているのを見かけたわ」

夕張「そ、それが何だっていうのよ。私だって走りの面は散々提督から教わってるし……」

由良「そうは言っても川内のセンスはかなり有るみたいだし、悠長に構えてると追い越されちゃうかもしれないよ?」

夕張「うー……」

川内、コースイン――ッ!


ウォームアップを済ますと、早速と云わんばかりに全開モードの川内。


川内「おー。流石にトラックとは違うなぁ……これなら振り回しても大丈夫そうね」

川内「夕張はあんまりやらなかったけど、このクルマは積極的に向きを変えていった方が速い気がするんだよねぇ」

川内「最初の右ヘアピンなんかもぉ……よっと!」


派手なことをはせずグリップ走行に徹した夕張とは対照的に、さながらジムカーナを彷彿とさせるテールスライドで2コーナーをクリアしていく。

しかし無闇にリアを流すドリフトというわけでもなく、車体が出口に向いた瞬間即座にアクセルオン。

鋭い立ち上がりを見せ、続く左の3コーナーへ。

アクセルは踏んだまま、左足ブレーキで突っ込んで行く。


川内「それにしても、エンジンの回り方がヌー子にソックリだなぁ。高回転に入った瞬間の感じとか……同じメーカーだから?」


短い直線からのブレーキング。

特訓の効果か、ヒール&トゥもしっかり出来ている。


川内「ここは良いとして次のコーナーだね……よし!」


クリッピングポイントを奥目に取り、次の右ヘアピンに備える。

そして先程夕張がシフトダウンを躊躇ったポイント。

川内は1速に落とすと、更にサイドブレーキをポンピングの要領で引き、強引に曲げていく。


川内「そんでっ!2速!」


一瞬で吹け上がろうとするエンジンにも即座に対応。

スパッと2速に上げると、そのままホームまで続く一連のコーナーを駆け抜ける!


川内「いいじゃん!キッチリ着いて来てくれる!楽しーい♪」


長良「おお~。やるねえ川内」

五十鈴「何だか一昔前のターマックラリーでも見ているようだわ」

瑞鳳「見ていて気持ちが良いね」

夕張 ポカーン

由良「……っと。川内のタイム、44秒5」

一同「「「おぉ~」」」

瑞鳳「あっさり45秒切ったどころか、夕張のタイムと並ぶとはねぇ」

長良「多少荒削りだから、もう少し乗れば44秒切りも出来るかもしれないよ」

五十鈴「……ところで、夕張が口開けたまま固まってるんだけど」

瑞鳳「それは大変。口の中が乾いて雑菌が繁殖する可能性があるから、水を入れてあげましょ」

五十鈴「それ、どっかの鎮守府が寝ている雪風にやったヤツ……」

瑞鳳「実は丹陽かも知れない」

五十鈴「同一艦じゃない!まだ本家に実装されてないものは禁止!」

長良「本家って何?」

瑞鳳「それにしても、あれだけ滑らせてる割には速いわねぇ……どうして?」

長良「このコースってカートだと充分な広さだけど、クルマじゃやっぱり狭いからね。夕張みたいな正攻法でやっても、コース幅が邪魔して案外タイムが伸び難いんだ」

瑞鳳「??」

五十鈴「思ってる以上にスピードが乗らないってことよ」

長良「そういうこと。だから、ヘアピンなんかでは思い切って向きを変えてあげた方が速くなるんだよ」

五十鈴「でも、それで云ったら夕張も割と早めに向きを変えていた気がするけど」

瑞鳳「そうよね。普段は先の見えない都高で走ってるんだし」

長良「んー……それでもやっぱり滑らせることに抵抗があるっていうか、何処かで決め付けてたんじゃないかな。FFだから、サーキットだからグリップ!みたいなさ」

夕張「うっ……」グサッ

由良「図星みたいね」


最終的に、川内のファステストタイムは44秒2を記録。

43秒台入りはならなかったものの、彼女が持つ潜在能力の高さを見せ付ける結果となった。

一旦中断。
駆け足な展開の割には進まない……。

VTECのカムの切り替わりは、2ストのパワーバンド入った瞬間に似ていると思うのは自分だけでしょうか?

乙!SRにはDEだけじゃなくVEというヘッドがあってだな……。

おつー
俺VTEC乗りじゃないけど、1回乗せてもらったシビックは楽しかったの覚えてるわ。あの音が切り替わる瞬間がたまらんよねww

VTECじゃない可変リフト乗ってたけどアレはホントに気持ちいい(トヨタの2ZZ)
吹き上がりと共にエンジン音が甲高くなるのがたまらん

FFなら左足ブレーキもだけど、タックインを使った方が速いのかな?
教えてエロい人

DC2欲しくなったけど今だったらDC5の方が良いのかな…


こんばんわ。
夕立の水着グラを見て、ようやく夕立を改二にする決心がつきました。
あと如月も育成開始。
一方、阿武隈は錬度&設計図が無くて無事>>1が爆死した模様。今ようやく66。
しばらくは4-3で潜水艦を狩る生活を送ることになりそうです。

>>497 VEは圧倒的にパルサーN1のイメージが。
それかN2仕様のSRは……また違いますね。
日産党なので一度は乗ってみたいです。

>>498 自分も前に友人のDC5を運転させてもらいましたが、あれはたまらんですねww
切り替わった瞬間、景色さえも変わったような気分でした。

>>499 2ZZもいいですね!
何気にトヨタも凝ったエンジン作ったりしますからね……どこまで自社生産かは置いといてww
86も売れてるみたいだし、セリカ復活はよ。

>>500 タックインに関しては、さりげに夕張が使ってるような描写を入れてみましたが……車種によりけりな気がします。
特にインテRは積極的に使わなくてもスイスイ曲がるイメージがあるので、今回は大々的に取り入れることはしませんでした。
実際のトコどうなのか自分も分からないので「我こそは!」と思うFF乗りの方、ご指導ご鞭撻よろしゅう!
それと程度の良いDC2となると、今ならDC5探した方がまだ早くて安上がりかもしれませんね。いっそFD2か。


で、何であれだけ言及してたのに由良さんの水着グラは無いんですか(血涙)


小ネタ 祝!阿武隈改二

川・由「おーっ」

阿武隈 ドヤッ

川内「久しぶりに会ったと思ったら、改二になってる!」

由良「おめでとう阿武隈。私も嬉しいわ」

阿武隈「えへへ……今までと勝手が違うから、慣れるまでちょっと大変そうだけど……」

川内「え?そんなことなかったけど」

由良「川内は殆ど変わらなかったじゃない」

川内「ところでさ、これ何するの?飛行甲板?」

阿武隈「大発と甲標的に対応する為の艤装だって」

川内「マジ?甲標的も積めるなんて反則じゃん」

阿武隈「流石に雷巡程の火力は出せないけど……」

川内「そこまで行ったらもう軽巡じゃないでしょ」

夕張「いいわねー……私にも使える様にしてくれないかしら」

阿武隈「ちょ、急に出てこないでよ」

夕張「ねえ、ちょっと私にも……」

阿武隈「貸すわけないでしょ!」

由良「私も……ちょっと気になるかな……」テレッ

阿武隈「いくら由良の頼みでもダメ!」

川内「じゃあ夜戦しようよ夜戦!」

阿武隈「やらないったら!」

夕・由「改二……改二……」ジリジリ

川内「やーせーんー!」

阿武隈「あーもう皆うるさーい!」


由良改二もあんな格好になるのかな?


川内「どうだったー?」

由良「44秒2よ。夕張より全然速い」

川内「ふっ、こんなトコだね」

夕張「 」

長良「おーっ、やるねぇ」

五十鈴「私のベストにも並ぶなんて……」

瑞鳳「じゃあ、今回の勝負は川内の勝ちだね」

夕張「 」

由良 夕張の口に水を注ぐ

夕張「……ンッブィ!ゲホゲホッ!」

由良「いつまで呆けてるの。終わっちゃったよ」

夕張「ゲホッ……もうちょい優しくしてよ……」

由良「丁度良いかと思ったから。で、何か言いたいことは?」

夕張「はぁ……私の方がスローリィ?」

由良「そうなっちゃうわね」

夕張「悔しいけど……負けは負けね……」

川内「あれ、何かアッサリ」

由良「終わりってことでいいの?」

夕張「泣きの一戦、お願いします!」

由・川「ですよねー」

瑞鳳「そんなにドライバーになりたいの?」

夕張「川内に負けたまんまなのが気に食わないだけっ」

瑞鳳「ああ、そういう……」


長良「でも、再戦したところで今の夕張じゃ勝ち目無いと思うよ?」

五十鈴「川内の方がインテRとの相性良さそうだしね」

瑞鳳「もうお互いの愛機で一戦やっちゃうのは?」

長良「あ、それアリ」

五十鈴「でも川内はバイクでしょ?クルマの方が有利なんじゃない?」

長良「川内のバイクって何だっけ?」

川内「ヌー子だよ。本田ヌー子」

由良「NSRね」

瑞鳳「で、夕張はワンエイティ。結構良い勝負になると思わない?」

川内「……その案乗ろうかな。一度夕張と本気でヤリ合いたかったんだよね」

由良「今のは本気じゃなかったの?」

川内「あ、今だって本気だったよ?そうじゃなくて、夕張とあの黄色いワンエイティを墜としたいわけ。それも、都高でね」

川内「勿論リスクは承知の上。でもどうせなら、自分が不利な所でやった方が燃えるでしょ」

長良「すっごい分かるソレ!」

瑞鳳「おなじく」

五十鈴「アンタ達は黙ってなさい」

夕張「………」

川内「で、どうする?あとは夕張が決めていいよ」

夕張「――ソレ、遊びで云ってるんじゃないわよね」

川内「当然」ニヤリ

ゴゴゴゴゴ……

瑞鳳「何で不穏な感じになってきてるの?」

由良「これじゃあ、どっちが再戦望んでいるのか分からないわね」

長良「都高かぁ……私も参加していい?」

五十鈴「バレたらライセンス取り消されるわよ」

長良「でもさー、アレ使ったら結構良いセン行くと思わない?」

五十鈴「そりゃあ、AWに比べたらねぇ……」

瑞鳳「何の話?」

長良「秘密兵器ってとこかな」

由良「それはいいけど、あんまりあの二人を煽るようなことしないでよね?」

長良「大丈夫大丈夫!」


数日後・夜、都高深峰線

叢雲「で?何で私を連れて来たの?」

提督「偶には長年世話になってる秘書艦様とドライブデートがしたくてな」

叢雲「無理矢理クルマに押し込むような真似をしないと、女を誘うことも出来ないワケ?」

提督「だって、そうでもしないと乗ってくれないだろ?」

叢雲「アンタから誘われたことなんて今まで記憶にないんだけど」

提督「そうだっけ?」

叢雲「別にいいけど。で?」

提督「で……って?」

叢雲「私を横に乗せた本当の理由」

提督「……今度だけは、独りじゃ怖くてなぁ」

叢雲「今回に限らず、いつも怖がってるんじゃなかったの?だから毎回夕張達を連れて行くんでしょ」

提督「……察しがいいこと」

叢雲「今更何を怖がる必要があるのよ。とっくの昔に失くしたもんだと思ってたけど?」

提督「バカ言え。今まで一度足りとも怖くないなんて……思ったことはあるけど、恐怖心は常に持っているよ」

叢雲「ふーん」

提督「なんだよ。何か言いたげだな」

叢雲「ちゃらんぽらんのクセに、随分気弱な発言だと思ってね」

提督「……俺は小心者だよ」

叢雲「知ってた」

提督「テメェ……」

叢雲「結局は不安や恐怖から逃れる為でしょ。とっくの昔から知っているわ」


叢雲「それでも解せないわ。別に夕張や川内でも乗せておけばいいじゃない。何で私なの?」

提督「……お前となら、まだ乗り越えられると思ったんだよ」

叢雲「はぁ?」

提督「一番長く付き合いがあって、俺のことを一番理解してくれているお前だから、今夜は隣に居て欲しかったんだよ」

叢雲「私は統計的にアンタの性格を当てはめただけ。勝手なイメージで私を見ないでちょうだい」

提督「それでも、内面を一番読めてるのはウチじゃお前だ」

叢雲「今アンタとの距離が近い立場に居るのは夕張でしょ」

提督「……今はお前じゃなきゃダメなんだ」

叢雲「どうしても?」

提督「どうしても」

叢雲「……まあ、どのみちこの状態じゃ降りることも出来ないしね。貸しにしとくわよ?」

提督「すまんな。ワガママで」

叢雲「何を今更」

提督「……だな」

叢雲「もう一つ。本当に乗り越える気があるなら、今夜でしっかりケリをつけなさい。こんな煩くて乗り心地の悪いクルマ、二度と乗りたくないから」

提督「分かってるよ」


西行きの湾岸線合流。

提督の前に現れたのは、一台の青いクルマだった。


提督「ああ……やっぱりお前はインプよりそっちの方が似合うわ」


BNR34スカイラインGT-R・改 “迅帝”

VS

RPS13 180SX・改 “インターセプター”


同時刻・湾岸線大黒々PA


長良「お待たせー」

由良「姉さん、遅い。全然遅い。見てよコレ」

夕張 ガルル

川内 ガルル

長良「おー、睨み合ってるぅ」

由良「ホントにこの二人は……一度火が付くと面倒なのよね」

長良「アハハ。由良も大変だねぇ」

由良「そういえば五十鈴姉さんは?」

長良「明日遠征入ってるから寝るって。瑞鳳はどうしたの?」

由良「今日はこの近辺の空母揃って飲み会ですって。ただその代わり……」

青葉「恐縮ですっ!」ヒョコッ

由良「青葉さんが来たわ」

青葉「何やら愉快なことになっていると聞いたので、同行取材をと思いまして!」

長良「確かに愉快な状況ではあるね」

由良「で、何で姉さんのクルマが変わってるの?」

長良「ああ、コレ?ピャンさんからステップアップを勧められて、ちょっと借りてるんだ」

青葉「ほぉ……これは……」


長良のメガーヌRS

まさかの元ニュルFF最速マシン。
ピャン氏が所属するショップの開発車両らしい。
ノーマルから比べて若干のパワーアップ、足回りの変更もあるようだ。
カラーはグレー。


青葉「何ですかコレ」

由良「ルノーのメガーヌRS……実車は初めて見るわ」

長良「いやぁ、こんな凄いクルマがあるなんて知らなかったよ。ミスターじゃ太刀打ち出来ないわ」

青葉「見た目からして只者では無さそうなのは分かりますけど、そんなに凄いんですか?」

由良「ニュル・ブルクリンク北コースでFF最速タイムを保持していたの。今はシビックに抜かれちゃったみたいだけど」

長良「7分54秒だったかな。昔のGT-RやNSXよりも速いんじゃない?」

青葉「日本を代表するスポーツカーの記録を破るなんて、やっぱり世界は広いんですねぇ」

由良「どちらも20年位前の記録だけどね。今のGT-Rは……7分8秒だって」ケンサク

青葉「おおぅ……最早別世界」

夕張「ニュルならBMWのM3CSLに乗りたい!」

川内「その前にニュルって何!?美味しいの!?」

長良「喧嘩してても仲が良いよね、アナタ達」


長良「ところでさ、川内ってバイクじゃなかったの?」

由良「提督さんに相談したら、バイクで都高は不利な上に危ないからせめて四輪にしてやれって」

長良「その結果がアレ?」

青葉「あのクルマなら青葉を知ってます」

由良「まあ、条件としては悪くないと思うけど」


Z34フェアレディZ・ニスモ

まさかのニスモZ。勿論新車。
流石にガタが目立つワンエイティに代わり、提督が鬼の72回ローンで秘かに購入。
変更点は少なく、ほぼノーマル。
慣らし完了後、まだ数回しか乗ってないらしい。
川内にキーを渡した際の顔は、FXで金を溶かした人のようだったとか。
カラーはホワイト。


夕張「何で川内がZなのよ!私だって運転どころか、存在すら知らなかったのに!」

川内「へっへーん!羨ましいだろー。新車だぞー」

夕張「羨ましいわよ!後で感想聞かせなさいよ!?」

長良「うっひゃあ。ニスモZじゃない。あれ提督さんのクルマ?」

青葉「みたいです。青葉が思うに、両者のいがみ合いが深まった原因の一端になってますよねアレ」

由良「夕張にバレたら確実にオモチャにされそうだからって隠してたらしいの」

長良「それにしても太っ腹だなぁ。確か600万近いでしょ」

青葉「ろっ!?」

由良「そうね。私が同じ立場なら貸さないわ」

青葉「で、でも乗換えを考えているなら、いつものワンエイティの方が良いと思いますけど……」

由良「あのクルマは相当ピーキーで、いくら川内でも乗るのは厳しいみたいよ。かと云ってサニトラじゃ相手にもならないし、インテRで行くにも車検切れだし、泣く泣くといったところね」

※前回の練習場にはローダーで持って行きました。

川内「夕張でも乗れたんだから私も乗れると思うけどなぁ」

夕張「あそこは道幅広いから何とかなったのよ。あんなの都高じゃ怖くて乗れないわ」

メガーヌとニスモZ……唐突な現行車種の登場に>>1も困惑気味。
いよいよこのSSも500を突破したことだし、更新ペースを早くしたい。

続く!


更新ペース遅くてもいいから失踪だけはなしで...

現行車なんてこのSSじゃ珍しい
これワンエイティで勝てるんですかね...?


夕張には勝ってほしいがどうなるかね

乙!きっと前回旧車増やし過ぎたからその反動だな。>>497は夕張のSRもVEヘッドに換装しようぜ、ってことだな。

>>501
>何気にトヨタも凝ったエンジン作ったりしますからね……どこまで自社生産かは置いといてwwww
だいたいYAMAHAだからなw
良く2Jなんて化物作れたもんだよ…

おつです!
ゆっくり待ってるからw

値段といえば新型シビックも値段おかしいよねぇ。そりゃ装備見れば普通かもしれないけどさww


リランカで潜水艦狩りしてたらレベルがサクサク上がるー。
早くも夕立が脱ぐ……もとい改二目前。はっやーい。
でもボスマスに行かないから、あ号の消化が。

>>511 頑張ります。
キッチリ終わらせることが目標なので、展開が疾走しても失踪はしないです……多分ww
そういえば現行車種って今まで86/BRZ位しか出てきてなかったですね。今気付いたww


>>512 相手が相手ですし……クルマ的には夕張不利っぽいですね。
川内は夜戦の勘と運動神経(回避)で、むしろこういう場所の方が速そう。

>>513 VEヘッド……考えもしなかった。
現行車種でも出せそうなのは沢山あるし、やっぱり反動でしょうかww

>>514 M型も大概でしたが、2JZは間違いなくオーバーキャパですねww
でも1JZはヤマハだし、元を辿ればヤマハの技術の応用な気が。
実は3.4L仕様のお化けスープラを登場させたいのですが、誰が乗るのかを模索中です。

>>515 何でシビックが500万以上するんだよ!と叫んだのは自分だけではないハズ。
その点、メガーヌの価格はまだ良心的ですかね。
むしろ同クラスならパルサーニスモを選びたいです。ホントに日本導入されるか微妙ですが。


投下っぽい。
久々にあの人が出ます。


川内「で、どう行く?」

夕張「そうね。横羽経由で環状線に入って一周。最初の案内板を越えたらスタート。内か外かは……」

川内「内がいい!」

夕張「……内回りね。分かったわ」

由良「何か理由あるの?」

川内「提督が有利なのは内回りって言ってた」

長良「何で?」

夕張「殆ど3速で行けるからでしょ。シフトチェンジが少なければ運転に集中出来るもの」

長良「あ、そっか」

川内「コッチは新型だからね。悪いけど、今回も勝たせてもらうよ」

夕張「言ってくれるじゃない……」

長良「じゃあ由良と青葉さんは私のクルマに」

青葉「了解ですっ!」

由良「二人も乗って大丈夫なの?」

長良「いやぁ……正直着いて行くだけで精一杯だと思うけど、離されないように頑張るよ」

青葉「フフフ……これは中々良い画が撮れそうです」

長良「ん?画って?」

青葉「最近、都高を走る方々に声を掛けて同乗走行をさせてもらっているんです。その際カメラを回して走行シーンを撮影しておりまして」

由良「前は自転車で侵入してたみたいだしね」

長良「え?マジ?」

青葉「流石に今はバイクで移動してますよ」

由良「バイク?いつの間に買ったんですか?」

青葉「陸自払い下げのオフロードバイクなんですが、弱m……いえ、交渉したところ、快く譲って頂きました」

由良(今弱みって言いかけた……)


長良「時に青葉さん。都高については詳しいよね?」

青葉「青葉は走り屋さんではないですが、情報についてはそれなりに」

長良「じゃあさ。夕張ってココだと結構速いの?」

青葉「そうですね……『美少女が乗っている黄色のワンエイティ』として、そこそこ名前は売れているみたいです。しかし都高は人外魔境ですからね。格付けしたら恐らくB級といったところでしょうか」

長良「じゃあ本気でかかれば私でも何とかなるかな」

青葉「それは青葉の口からは何とも」


川内「じゃあ、ケリつけようよ」

夕張「当然。これ以上負けっぱなしは尺だからね」


Z34 フェアレディZ・ニスモ

VS

RPS13 180SX・改 “快速メロンちゃん”


夕張「……って、ちょっと!誰が呼んでるのよソレ!」

青葉「一部の方達がそう呼んでるらしいです。正体がバレてるわけでもないのに、偶然の一致といいましょうか」

夕張「どうせなら何かこう厨二臭い通り名にしてよ!色物じゃない!」

青葉「青葉に言われましても。ちなみに、メロンっていうから巨乳なのかと思ったら、貧相だったという報告も……」

夕張「ソイツ連れて来なさい!今すぐ!実験台にしてあげるから!」

ギャーギャー

由良「……ん?」

長良「どうしたの由良。早く乗りなよ」

由良「あ、うん……」

由良(今、扶桑さんっぽい人が居た気がするけど……まさかね?)


夕張180SX・車内

夕張「さて、と……まさか川内がニスモZに乗ることになるとはね」

夕張「でも、いくらメーカー直系のワークスチューンとは云え、私のワンエイティが劣るという理由にはならないわ」

夕張「ただ黙って今を迎えたワケじゃない……各部を手直ししているし、パワーもZと同等」

夕張「それに、都高ならまだ私に分がある」チラッ

夕張「……そう言ってこの前は負けてるし、油断は禁物ね」

夕張「水温、油温、油圧、ブースト……全て正常」

夕張「行こう、ワンエイティ」

夕張(それにしても、快速メロンはないわぁ……)


川内Z・車内

川内「んふふー。新車だ新車ー。何事も新しいモノは気持ちが良いよねぇ」

川内「しっかし夕張が本気を出してきた以上、こういう速そうなクルマじゃないと勝てそうにないしね」

川内「普段意識してなかったけど雰囲気あるよねぇ……どう見たって速いもん、夕張のクルマ」

川内「でも提督だって、このZだったら負けることはないって言ってくれたし」

川内「……あれ、もしかして提督が乗ったら負けないってことだったりして」

川内「うーん。ま、何とかなるか」

川内「さあ……」クスッ


私 と 夜 戦 し よ ?


長良メガーヌ車内

長良「いいねえ。二人とも、何か速そうなオーラ出してるじゃない」

由良「でも川内はまだ初心者よ?いくらZに乗っていても分が悪いんじゃない?」

長良「確かにね。でもこの前のタイムアタックだって、川内がひっくり返しているんだし、やってみないと分からないよ」

由良「それはそうだけど……」

♪ヒャクマンゴクノォホコリヨカ~ガ~ミィサキィ~

青葉「おや、メールが」

由良「何故に加賀岬……」

青葉「最新の情報は常にチェックしておかないと。それに結構良い歌ですよ?」

由良「ふーん」 ←提督の影響でコールター・オブ・ザ・ディーパーズにハマった

長良「私、音楽には疎いから……」←と言いつつ、ランニング時に聴くのは主にピロウズ

青葉「何やら誰も得をしない裏設定が公開された気がしますが、それよりちょっと大変なことが都高で起こっているようですよ」


由良「大変なこと?」

青葉「迅帝と遭遇したという報告が入りました」

長良「何それ?」

由良「迅帝って……確か提督さんの友達の岩崎さんのことよね」

青葉「そうです。ただ、目撃者の証言によると青いR34型だったそうなんです」

由良「でも岩崎さんのクルマは新型のWRXでしょ?」

青葉「その通りです。青葉も以前お会いしたことがありますが、その時も確かに青いWRXでした」

青葉「そもそも、今現在岩崎さんのことを迅帝と呼ぶ人は当時を知る人以外は殆ど居ません。あくまでやたらと速いWRXの人という程度です」

青葉「一方、迅帝の話は人によって差異はあれど、確実に根付いています。真偽は分からずとも、かつて最速と謳われた青いR34型が居た、と」

長良「ねえ、何の話?」

由良「似たクルマという可能性もあるでしょ」

青葉「否定できません。迅帝Rはアブフラッグエアロのフルチューンと云われています。今回目撃されたRも仕様も同じ。外見だけなら真似しようと思えば真似できますし、青いR34型は今でもそう珍しくはありません」

青葉「ですが恐らく本物でしょう。何せ一緒に走っていたのが紫色のワンエイティのようですから」

由良「……それって、まさか」

青葉「間違いなく司令官です。迅帝の伝説とは違い、司令官の話は殆ど知られていませんが」

長良「ねえ、だからどういうこと?」

由良「要するに、ウチの提督さんとその友達が競り合ってるってこと」

青葉「しかもそのどちらも、かつて都高でトップクラスの実力を誇った、と」

長良「でもそれって随分前の話でしょ?」

由良「そう。提督さんの話は夕張から聞いたけど、何で今更……」

青葉「そこまでは分かりませんが、もしかしたら鉢合わせる可能性もありますよ」


何やら不穏な情報に戸惑う由良達をよそに、夕張の180SXと川内のZは完全なバトルモードに突入していた。

先行するのは川内Z……ほぼテール・トゥ・ノーズの接戦である。

大黒々線から横羽線に合流――一般車両はかなり少ない。

パワー的にはほぼ互角だが、3.7Lの大排気量によって生み出されるトルクと、空気抵抗に勝るZがやや有利か。


川内「流れが良いね。環状線に入る前に勝負付いちゃうかな!?」


一方の夕張はブースト圧を最大限にして追走。こちらも負けていない。

夕張「ブースト1・2キロで380馬力。今度はスクランブルじゃなくて、キッチリ出せる最大パワーよ!」


♪カガミィサキィ~

青葉「またしても新情報……イッ!?」

長良「変な声上げてどうしたの?」

由良「今度は何?」

青葉「……最近トップクラスの実力と噂されている“暴食の殲滅者”がこちらに近付いてきているとの情報が……」

長良「随分物騒な名前だね」

由良「そもそも、その情報は何処から来ているのかしら」

青葉「青葉が地道に構築したネットワークですよ。それより気を付けてください。何せその人は……」ピカッ

長良「っ!?」

由良「な、なに?」

青葉「来ました。あの赤いFD3S型……間違いありませんっ」


「フフ。またお会いしましたね、夕張さん」


青葉「横須賀所属の正規空母……赤城さんです!」

補足。

・迅帝RはJGTCカルソニックもどきではなく、首都高バトル0のOPに出てきた34Rのイメージ。
・快速メロンちゃん……実は夕張がとっさに名乗った偽名が原因っぽい。

赤城さんの通り名、自画自賛ですが気に入ってますww
では、夕立のレベリングしてきます。

久々に見たらMEGANE出ててびっくり
トロフィーRを一度だけ街中で見たけどかっこかわいかったなあ

乙!良いね実に湾岸的な盛り上がりかただ。

>>526書き込み時にエラーが出たら一度更新して書き込まれてるか確認するんだ、だいたいちゃんと書き込まれてるから。

おつー
快速メロンちゃんとかwww全然メロン色でも形でもないから普通付かない…おや誰か来たようだ

お疲れ様です(大淀ボイス)

夏イベに向けて資源とバケツを貯めていますが、どうにもバケツが貯まらない。
新規実装艦も気になるところですが、個人的には 秋 月 と 春 雨 が来てくれれば勝ちかなと思ってます。
来ると思うんだよな……秋月。もしくは姉妹艦。

>>524 メガーヌはイベントでしか見てないので……というか、日本で走ってるもんなんですね。
ちなみに今まで遭遇した中で一番たまげたのは、ジャガーXJ220ですww

>>527 意識してますからねぇww
スタンド使いが引かれあう様に、速い人も引かれるという思い込み。

>>528 そう云えば数日前に夕張が主砲ガン積みで出掛けて行きましたが、、まさか……?


小ネタ挟んで本編がちょっと進みます。


小ネタ 鈴谷アフター


鎮守府裏・ガレージ


鈴谷「……うーむ」

摩耶「あっちぃー……クソあっちぃー」ダラダラ

熊野「暑いのは同意ですが、流石に言葉遣いが下品ですわよ」

摩耶「しゃーねぇだろー……暑いもんは暑いんだっ」

鈴谷「あれ?二人とも何してんのさ」

熊野「あら鈴谷。貴女こそこんな所でどうされたの?」

摩耶「……あ、ガジガジ君買ってこようぜ」

鈴谷「今確実に鈴谷の髪見て連想したよね」

摩耶「で、難しい顔してどうしたんだよ」

鈴谷「いやさ、これなんだけど……」


HCR32スカイライン

>>385にて提督から譲り受けたスカイライン。2ドア。
吸排気、車高調、ブーストアップ+αのお約束仕様。
見た目は羽無し&GT-Rバンパー。ガンメタのTE37Vがポイント。
カラーはブルーイッシュシルバー。


摩耶「へえ、サンニーか。見た目からして馬鹿(提督)の趣味かコレ」

鈴谷「何か鈴谷に是非乗ってもらいたいって云って、無理矢理押し付けられた」

熊野「色合いは鈴谷に合いますけど……もっとエレガントなデザインの方がよろしいんじゃなくて?」

鈴谷「エレガントは兎も角、確かにこんな厳つい感じは趣味じゃないしねー」

摩耶「タダで貰えるんだったら貰っとけばいいだろ。クルマは有って困らないんだし」

鈴谷「えー……後で何かありそうで怖い」

熊野「あら、そんな些細なこと。一捻りで黙らせてしまえば解決しますのに」

摩耶「お前が言うと冗談に聞こえねぇ……」

熊野「私、冗談を言ったつもりはありませんが」

摩耶「やめてやれ」


鈴谷「でさ、どうしようか」

摩耶「お前が乗らないならアタシが乗る」

鈴谷「も、貰ったのは鈴谷だしっ!」

摩耶「でも趣味じゃないんだろ?」

鈴谷「そうだけど……色合いとか、後ろのランプは丸くて可愛いし……」

摩耶「実は気に入ってるのか?」

熊野「ところで、ガジガジ君はどうされたの?」

摩耶「今それ聞くのかよ。最上型マイペース過ぎるだろ」

鈴谷「えー……どうせなら32アイスが良いー」

熊野「でしたら、このクルマでガジガジ君を買いに行きませんこと?」ポンッ

摩耶「あー……もうそれでいいや。ホレ、運転」

鈴谷「え?摩耶が運転するんじゃないの?」

摩耶「コレは鈴谷のクルマなんだろ?なら運転するのは持ち主がするべきだ」

鈴谷「ちょ、マニュアルなんて運転出来ないって!」

続け


小ネタ 市川鎮守府のクルマ達

①サニートラック

丸目のロングボディ。
主に輸送用として設立当初から配備されていたが、今ではタダのオモチャ。
夕張が整備を覚える為にあちこち手を加え、川内が練習の為に振り回しているので結構ガタガタ。
1.3L化、ワタナベ・エイトスポーク、室内には小型扇風機を設置。
提督の趣味で東名サニーを模したカラーリングにされてしまったので、無駄に派手。


②キャラバン(E24)

ハイエースでダンケダンケなら、ウチはキャラバンでウラウララーじゃ!
……等と、意味不明な供述をry
主に艦娘達の遠征・お出掛け用にネットオークションで購入。落札価格5万円。
最近クーラーの効きが悪くなったと不評が出ているとか。
ブラックのボディにインパル・シルエットホイールが特徴。


夕張「ホント日産の旧型車が好きですよね」

提督「何を言う。どちらも実に機能的なクルマだろうが」

夕張「キャラバンは同意しますが、サニトラは完全にオモチャ扱いじゃないですか」

提督「率先してオモチャにしているお前が言うな」

夕張「ところで、仮にですけど今後本編に増えそうなクルマを予想してみてくださいよ」

提督「そうだな……唐突にメガーヌが出て来たから、外車はもっと出していいかもな」

夕張「やっぱりポルシェとかフェラーリですかね?先日>>1が湾岸でナローとディーノに遭遇して大興奮していたみたいですし」

提督「それもアリだが、もうちょいマニアックなトコにいきたくない?」

夕張「マニアック……例えば?」

提督「パンテーラ」

夕張「古っ」

提督「国内で初めて300キロ突破したのはパンテーラだぞ?」

夕張「ゲーリー・アラン・光永パンテーラですね」

提督「国産ならスープラ・シルビア・ランエボの定番所もいいけど、マークⅡ兄弟やセフィーロみたいな4ドア勢があってもいいよな」

夕張「それまでこのSS続きますかね?」

提督「それは知らん」


>>1が通っていた幼稚園の送迎バスは、この型のホーミーでした。


夕張「あのFDって……もしかして」ピッ

夕張「川内、聞いてる?後ろからとんでもないのが来ちゃったんだけど」

川内『なに?あの赤いの、夕張の知り合い?』デンワゴシ

夕張「あれ多分赤城さんよ。前に私がぶつけた時、一緒に走ってた……」

川内『ああ、そうなの?ウチだけかと思ったら、他の鎮守府でもこんな事してる艦娘って居るんだね』

夕張「そういえば青葉さんの映像見てなかったわね、アンタ」

川内『しっかしさぁ……気に食わないなぁ』

夕張「なにがよ」

川内『折角夕張と夜戦を楽しもうと思ったのに、空母が横からしゃしゃり出てくるなんてさー……うん、ウザい』

夕張「ちょっと?川内?」

川内『で?赤城さん、速いの?』

夕張「少なくとも私よりは速いわ、間違いなく」

川内『ふーん。私とどっちが速いと思う?』

夕張「一応言っておくけど、アンタが敵う相手じゃないし、そもそもZは提督のクルマなんだから無理しちゃダメよ」

川内『あのねぇ、私怒ってるの。水差されて。ホンット最悪』

川内『だからさー。環状まで多少はセーブしようと思ったけど、もう本気で踏むからね。いつまでも後ろに居られても邪魔だし』

夕張「本気って……今の話聞いてた?」

川内『夕張もちゃんと着いて来てよね。今夜を楽しみにしてたんだから』プツッ

夕張「川内!?ああ、もう……今の、完全にキレちゃった時の声だ……」


川内が駆るニスモZは、名前の通りメーカー直系のチューニングマシンではあるが、あくまでノーマル。

購入後に変更した点といえば、精々機械式LSDが追加した程度である。

夕張180SXだけならば実力的に互角の勝負が出来るものの、赤城RX-7の闖入によって状況は一転。

実力・経験・クルマの完成度……どれも赤城が上回る。


川内「……ああー、どうしてやろうかなぁ」


しかし、彼女にとっては些細な事だった。

唐突に現れて我が物顔で抜きにかかるRX-7が気に入らない。

道を譲って先行させてしまえばいいが、どう見ても喧嘩を売られている。

チラチラとミラーに映るRX-7のライトが腹立たしい。

川内の顔から、笑みが消えていた。


川内「当然……墜とされる覚悟はあるんだよね?」


VQ37が低く吼える。


長良「ちょちょちょっ!川内速いって!」

青葉「流石、夜戦ニンジャーと呼ばれるだけありますね。まるで流れるようです」

長良「赤城さん入った途端、ペース上がりすぎだよぉ」

由良「でも……キツいのは川内の方だと思う」

長良「確かに。赤城さんはまだ余裕ありそうだし……」

青葉「あとは最後尾につける夕張さんがどう動くか、ですが」

由良「今は様子見ってとこなのかな」

青葉「それでもこのペースに着いて行く辺り、流石ですね」

長良「とにかく!このままじゃ引き離されちゃうから、本気で行くよ!」

青葉「わわっ!」

由良「姉さん、これ借り物でしょ!」

長良「ちょっと黙ってて!」

青葉「コッチも火が点いちゃってますよぉ!」


狭い横羽線を驚異的なペースで駆け抜ける川内Z。

猫の目のように目まぐるしく状況が変わる都高で、まるで全てを見切っているかのように一般車両の間を縫う様は、流石歴戦の艦娘……取り分け夜戦に情熱を注ぐ川内型一番艦と云うべきか。

しかし由良の言葉通り、余裕は微塵も無い。


川内「……っ!」


どんなに必死で踏み込んでも、まるでサーチライトの如くRX-7のヘッドライトが室内を照らしてくる。

離れない――。

大粒の汗が首筋を伝う。


赤城「なかなか良い腕前ね。だけど、詰めが甘い」


空港西トンネル手前の下り左コーナーで、いよいよ赤城が動きを見せる。

ブレーキングのポイントを奥に取り、アウト側からZを抜きに掛かった。

荒れた路面をものともせず、ほぼカウンターステア無しの見事なコーナリング。

一方無理なペースと重い車重が祟ってか、Zのタイヤは熱ダレ気味。

ズルズルと外に逃げて行く車体は、川内が思い描くラインと大きな誤差が出ていた。


川内「~~~っっ!!」


あっさり先行を許してしまったことが更に彼女の気に触れたのか、尚もアクセルを緩めようとしない。

必死に食らいつこうとするものの、コーナー出口で挙動が乱れてしまった。

赤城RX-7は既に遥か前方。

たった一つのコーナーで、ここまで差が付いてしまうのか。

云い様もない敗北感が込み上げる。

修正に気を取られている内に、今度は夕張180SXが抜いて行った。


夕張『無茶し過ぎよ!諦めなさい!』

川内「やだっ!」

夕張『タイヤもエンジンもタレてきてるでしょ!それ提督のクルマなんだから、これ以上無理すると何が起きるか分からないわよ!?」

川内「このまま負けるなんてヤダッ!」

夕張『意地張るなっ!今回ばかりは相手が悪過ぎる!』

川内「うぅ~っ……!!」


由良「赤城さん、流石に鮮やかね……」

青葉「一方の川内さんは大きく乱れてしまいました」

由良「むしろ、ここまで走れたことが驚異的よ」

長良「同感っ。正直私もキツい」

由良「Zがアレだものね。二人乗っているコッチだって相当厳しくなるわよ」

長良「これ以上はリスキーかな……川内も諦めてくれるといいけど」

青葉「しかし何で赤城さんも夕張さんも、まだ余裕があるのでしょう?川内さんに離れることなく着いて行っていたのですし、条件は同じハズでは?」

長良「クルマの差もあるけど、一番は『自分のクルマじゃない』ってトコじゃないかなぁ」

青葉「どういうことでしょう?」

長良「例えば、艤装に限らず普段使っているモノを変えると、勝手が分からなくて扱いにくかったりするでしょ?」

青葉「そうですね。性能も大事ですが、やっぱり使い慣れたモノが一番です」

長良「それと同じで、普段使っていないモノ。ましてや初めてのクルマで慣れないコースを走るワケだから、本人が気付かなくても負担は大きかったんだと思うよ」

青葉「しかし、先日行ったというタイムアタックは?川内さんと夕張さんの差をなるべくイーブンにする為、初めてのコース・初めてのクルマで走ったとお聞きしましたが」

長良「小さいとは云えサーキットを走るのと、都高を走るのは全く違うよー」

由良「サーキットと違ってエスケープゾーンゾーンは無いし、一般車両の動きも見なないといけないし……見ている以上に磨り減っちゃいそうよね」

長良「そういうことっ。ホント狂気沙汰だよ」

青葉「確かに命が幾つあっても足りないと思います」

長良「それに、あっちの二人は慣れている分ペース配分も出来ているんじゃない?短距離ランナーが長距離走れないのと同じでさ」

青葉「そうなると、ここから先は夕張と赤城さんの一騎打ちですか」

由良「提督さん達の動きも気になりますね」

青葉「もしかしたら、この先の大井Uターンで鉢合わせる可能性もあるし……ん?誰か携帯鳴ってますよ?」

由良「あ、大井からラインだ」

青葉「……監視されてるんですかねぇ」

長良「なにそれ怖い」

いつもの如く短いですが、今回はここまで。
パンテーラとスープラは是非本編に出したいところ。

如月より先に、同行している二航戦が改二になりそうなワイ鎮守府(如月57、飛龍76、蒼龍74)。


旗艦ボーナスよりMVPボーナスのが高いからなぁ


パンテーラは前にモーターショーで復活したし是非販売までこぎ着けて欲しい

おつー
地味にバラスト積んで走ってる長良がすげえと思うw

>>529
>来ると思うんだよな……秋月。もしくは姉妹艦。
照月出るみたいよ?

照月出るのかーどんな娘になるのかなー。

>>540 随伴艦のクセにさりげなくMVPをかっさらう二航戦と金剛姉妹ェ。
案の定如月より先に飛龍が改二になりましたが、蒼龍には勝った!
しかしイベントは空母勢を育てておけと発表されているにも関わらず、駆逐艦を育てている>>1に未来はあるのか。

>>541 パンテーラ復活は知りませんでした……。
超弩級の高額スーパーカーより、パンテーラやエスプリみたいな安価なスーパーカーの方が魅力を感じます。
それでも高いモンは高いのですがww

>>542 長良は改でも改二勢に匹敵する性能だし……(目そらし)
正直マトモな状態だったら皆喰える位ですよね、これだとww

>>543 公式発表を全然チェックしていなかったので、知りませんでした。
これで演習で秋月を見る度嫉妬する日々からオサラバや!

違うSSを検索していたら偶然まとめサイトにこのスレが載っているのを発見したのですが、コメント欄を見て凹む>>1……。
艦これというアイコンに趣味を押し付けているのだから仕方ないとは思いつつ、それでも書くのは辞めない。


小ネタ 浜風いじり

浜風←本日の秘書艦

提督 カリカリ

浜風 カキカキ

提督 ハンコポン

浜風「提督、サインお願いします」

提督「ん」

浜風「……ここの計算は……」デンタクパチパチ

提督「時に浜風よ」

浜風「何でしょうか」

提督「その前髪さぁ……」

浜風「『前が見えるのか』という質問ですか?よく聞かれますが、特に差し支えは……」

提督「いや、バンドでもやってた人なのかなと。銀髪だし」

浜風「……は?」

提督「ということで、メインストリーム嫌い御用達だったハズが、テレキャスに代わってすっかりギタボの定番ギターになってしまった、この白いフェンダー・ジャズマスターを持ってみてくれ」

浜風「あの……提督?意図が全く見えないのですが……」E:ジャズマス

提督「おお、似合う似合う。ストラップでパイスラッシュとは中々エロいな」

浜風「何処見てるんですか」

提督「どうせマカロンが好きなんだろ。で、お気に入りのカフェでよく分からん作家のよく分からん小説とか読んでるんだろ」

浜風「い、いいじゃないですか別に!」←図星

提督「しょっちゅう空の写真とか撮ってそう」

浦風「お、よう分かっとるねぇ。なんやトイカメラ持って花だの高架線だの撮ってるきぃ」

提督「やはりな」

浜風「浦風は何処から出て来たの!?」

提督「海外旅行に行くならインドかロンドン」

浦風「『モデル』ではなく『被写体』と呼べ」

提督「行く気も無いイベントのフライヤーを部屋に貼っている」

浦風「好きな漫画家は○本大洋と南○太」

提督「服を買う時は下北か高円寺」

浦風「メガネでカーディガンを着こなす細身の男が好み」

浜風「アーーッ!!アーーッ!!私は何も聞こえなーいっ!!」

提督「コピペにあるようなの適当に言ったのに、全部当たりかよ」

浦風「そういうのを通過したんよ」


wikiのコメ欄に「(浜風は)シューゲイザーが好きそう」と書いた人、怒らないから名乗り出なさい。


夕張「川内はこのまま降りてくれればいいけど……アイツやたら負けず嫌いだからなぁ」


川内Z、スローダウン――。

夕張180SX……ブースト、タレ無し。油温・水温、正常の範囲。

タイヤの接地感、充分。その他異常、無し。

まだいける。


夕張「由良から言ってもらった方が言う事聞きそうね。ちょっと任せておこう」ピッ

夕張「もしもし由良?ちょっと川内にTEL入れて、この先どっかで降りさせて」

由良『それはいいけど、夕張はどうするの?』

夕張「このまま赤城さんを追うわ。リベンジもしたいしね」

由良『分かった。無理しないでよね』

青葉『あ、夕張さーん。ちょっとよろしいですか?』

夕張「どうしたんです?」

青葉『実は青葉の情報網によると、司令官と迅帝を見かけたという情報が入ってまして』

夕張「迅帝って岩崎さんのことでしょ?何で今更その呼び方を……」

青葉『いえ、この呼び方だからこそ意味があるんです。情報によると青いR34型と紫色のワンエイティが競り合っていたそうなので、片方は恐らく司令官、青いR34は……』

夕張「そっか……今岩崎さんのことを迅帝って呼ぶ人は居ないけど、現役時代の岩崎さんと同じクルマだから……」

青葉『そういうことです。迅帝が復活したと既に大騒ぎになってますよ』

夕張「でも、何で今それを?」

青葉『目撃場所から考えて、もしかしたらこの先で遭遇する可能性があるからですよ。低い確率だとは思いますが、念の為ご報告をと思いまして』

夕張「了解です。仮に遭遇する可能性があるポイントは?」

青葉『大井ですね。湾岸からのUターン』

夕張「……それ、確実にぶつかるわ」

青葉『なんとっ!?』

由良『どうして言い切れるの?』

夕張「R相手に最高速勝負なんか持ち込むハズないでしょ。岩崎さんが前でも多分Uターンするよ」

青葉『成る程っ。確かに』

夕張「というかね……」


夕張「 既 に 遭 遇 し ち ゃ っ た っ ぽ い 」


赤城「おや、あの二台は……」


大井ジャンクション。

先頭を走る赤城の前に現れたのは、二台のクルマだった。

一台は見覚えがある。以前PAで見かけた提督の180SXだ。

そしてもう一台、見覚えの無いR34GT-R……。

見ているだけでヒリつくような空気を放つソレは、何処かで聞いたことがある。


赤城「そう……これが、迅帝……」


かつて都高の帝王として君臨していた、伝説として語られている存在。

大事故によって死亡したとも伝えられているが、今目の前に居る。

では、あのワンエイティは……?

他者を圧倒する存在感を示すR34に対し、まるで闇に溶け込むあのクルマ……。

存在感が無いハズなのに、まるでナイフの切っ先を向けられているような、静かな狂気。

さながらステルス戦闘機。

以前見た時は、こんな雰囲気は感じなかった。


赤城「……そういえば、かつて環状において迅帝以上とも云われたワンエイティが存在していたらしいですね」

赤城「確か、インターセプター」


そうか、それならば納得がいく。

俄かに信じられないことだが、御伽噺だと思っていたあのワンエイティも実在していたのだ。

血沸き肉踊る……昔やったゲームの魔王も、こんな気分だったのだろうか。


赤城「本来の予定とは違いますが、まさか伝説級の二台に逢えるとは。これだから、都高は面白いわ」


赤城RX-7、撃墜体勢。

加速、加速――っ!!


提督「言うなれば、俺とアイツは陰と陽だ」

叢雲「どういうこと?」

提督「アイツが都高で名を上げていく一方、やっぱりワンエイティで速いってうのは絵空事みたいでさ。当時、誰も信じてくれなかったのヨ(笑)」

叢雲「こんな地味なクルマに乗ってるせいじゃない?」

提督「まあな。むしろ乗り換えてからの方が売れたなぁ」

叢雲「そもそも、ここで名前が売れたところで何が残るの?」

叢雲「プロとして稼げるわけでもない、非合法の上にしか存在出来ないアンタ達は何を理由に?」

提督「さあな。結局は自己満足でしかないし」

提督「ゲームのハイスコアと一緒じゃないか。名前を刻んだところで誰が得するわけでもないし、リセットされれば消えちまう。それでもスコアを伸ばそうとあの手この手でプレイを積み重ねる。後になって振り返れば無益な時間だろうが、その瞬間はそれが全てなワケだ」

叢雲「本当に無益ね」

提督「まあな。でも伝わるヤツには伝わる。だがクルマなんて走ればいい。こんな行為は何とも馬鹿げていて無意味だ」

叢雲「そこまで分かっていて尚、か。救いようがないわ」

提督「俺もヤツも救って欲しいなんて思ってないさ。気が付いたら戻れなくなった、ただそれだけだよ」

叢雲「あら、私には降りる理由を探しているようにしか見えないけど?」ニヤニヤ

提督「……お前ホンット、可愛くねえなぁ」

叢雲「後ろ、何か来てるわよ」

提督「っと……なんだ。タイミング良過ぎないか、夕張ぃ」


提督・岩崎組と夕張・赤城が邂逅する頃――。


川内「………」

由良「いつまでブスくれてるのよ。充分走れていたじゃない」

川内「でも負けた。あの赤いのはおろか、夕張も平然と私を抜いた……」

由良「ココは夕張のホームよ。不利なことなんて分かっていたハズでしょ?」

川内「でも、悔しいものは悔しい……」

由良「全く。なら次負けないようにすればいいだけのことでしょ。こんな所でイジけているだけなら、誰でも出来るわ」

川内「別にイジけてなんかっ……ないし……」

長良「ハイ川内。ポカリ飲みな。奢ってあげるから」

川内「ソルティライチが良かった……」

長良「図々しい!」ペットボトルでゴン!

川内「痛っ!」

長良「あーっ!でもホント疲れた!こんなの二度とやりたくないっ!(笑)」

由良「姉さんもお疲れ様」

長良「でも素直に降りてくれて良かったよ。正直私も目一杯だったからさ」

川内「……それでも着いて来てたじゃん」

長良「たまたまだよ。夕張のラインをなぞったから上手く行っただけだから」

川内「………」クピクピ

青葉「ああ、どうもコンバンワ。ええ、ハイ……え!?それは確かなんですか!?」

長良「どうしたんだろ?」

由良「さあ……」

青葉「んー。またまたトンでもないことになりそうですよ」ピッ

長良「なになに?今度はお化けでも出たの?」

由良「お化けって……」

青葉「いえ、あながち間違いじゃないですよ。この写真を見てください」つスマホ

由良「これは……?」

青葉「最近巷を賑わす謎のクルマです。その見た目から“戦艦”と呼ばれています」

長良「陸にも戦艦っているんだね」

由良「これが一体?」

青葉「どうにもコレが湾岸線で目撃されたらしいんですよ。いや、今日は一体何なんですかねぇ」

長良「もしかして、これもヤバめなヤツ?」

青葉「ヤバめもヤバめ。曰く付きとでも云いましょうか。見たら不幸になるとか、一週間の間に事故に合うとか、ドライバーは深海棲艦とか……」

由良「最後は流石に嘘でしょ」

青葉「人の噂なんて面白くなる様に尾ひれ羽ひれ付いて伝わるものです」

長良「青葉さんが言うと説得力あるね……」


青葉「ドライバー、目的、出現する日時など全て不明。逆にエンカウントするのが珍しいので、そんな噂が出たのでしょう」

青葉「分かっているのは、三菱のGTOということだけ。何でもつばさ橋で340キロ近く出ていたなんて話も……」

川内「GTO……?」ピクッ

由良「川内?」

川内「ちょっと、それ見せて」ガバッ

青葉「あっ、優しくぅ」

由良「変な声出さないでくださいよ」

川内「……やっぱり、アイツだ」

青葉「ご存知なのですか!?」

川内「ちょっと前に山城から扶桑さんの尾行調査を頼まれたことがあったんだけど、その時にコイツと出くわしたんだ」

青葉「で、では正体を!?」

川内「それは分からないけど、扶桑さんを見失った直後にコイツが現れたから、何か関係あるかもしれないなかなって」

青葉「確かに夜中扶桑さんが出掛ける姿を何度か目にしましたが、まさか扶桑さんが“戦艦”のドライバーという可能性が……」メモメモ

川内「だから分からないんだって」

由良「……そういえば、さっきパーキングで扶桑さんっぽい人を見かけたわ」

青葉「な、なんとぉ!?」

由良「私服だし遠目で見ただけだから断定は出来ないけど、あんな綺麗な人はそうそう居ないと思うし……」

青葉「こ、これは大スクープですよぉ!謎の“戦艦”は戦艦・扶桑だった!」

長良「でも決定的な証拠が無いよ」

青葉「今から湾岸に行っても会えないですかね……」

川内「会えたところで、着いて行くのは無理だよ。あのクルマは……異様過ぎる」

長良「異様……?」

川内「長良が最初に言ってたじゃん。お化けでも出たのって」

川内「あれは間違いなく……化け物だよ」


~~♪ピッ

夕張「あ、もしもし提督!?こんな所で何やってるんですか!?」

提督『おお夕張。奇遇だな』

夕張「奇遇だなじゃないですよ!何で岩崎さんがR乗って、しかも提督とバトってるんですか!?」

提督『ん?何であのRが岩崎だと思ったんだ?』

夕張「どう見たってかつての迅帝のクルマじゃないですか!そもそも提督と一緒に走りそうな人なんて、岩崎さん以外居ないでしょ!」

提督『失敬な。俺にだって一緒に走る知人位……』

夕張「黙れボッチスター」

提督『うるせえ!まあこっちもワケ有りなんだよ。というかお前も、厄介なモン連れて来るんじゃねえか』

夕張「私は本当に偶然です!今夜川内と決着つけようと思ったら、赤城さんに会っちゃって……」

提督『今やってたのかよ!?Zは?俺のZは!?』

夕張「戦線離脱しただけですよ。無事だから安心してください」

提督『ホッ……』

叢雲『アンタ達、またバカな事やってたの?』

夕張「アイエッ!?叢雲なんで!?」

叢雲『この馬鹿に拉致されたのよ。いい加減解放してもらいたいわ』

夕張「それはご愁傷様……」

叢雲『冗談じゃないわ、全く』


提督『とりあえず先に言っておくけど、見ての通り俺と岩崎とで勝負してるの。余計な真似すんなよ』

夕張「私は邪魔する気ありませんよ。どうせ着いて行けないし。だけど……」

提督『赤城さんだなぁ……やる気満々じゃねえか』

夕張「まさかこのまま三つ巴ですか?」

提督『だから俺の相手は岩崎であって、お前らなんかお呼びじゃねえの。散れ散れ』

夕張「そんなこと言われても……」

提督『ああ、じゃあもう何とかして赤城さんを抑えろ。その間に逃げるから』

夕張「どの道無茶な注文ですねコンチクショー」

提督『泣き言なんて聞きたくないよ。何とかしな』

提督『あ、それと同じ相手に二回も負けたり、この前みたいに事故ったりしたら承知しねえからな。負けたら罰としてアイス一週間抜き!』

夕張「ぐっ……分かってますよ!」

叢雲『何なのそのしょうもない罰』

提督『じゃあ震電10個作るまで帰れまテンとか?』

叢雲『悪くないわね』

夕張「せめて作れるものでお願いします」


提督と夕張が馬鹿な会話をしている間にも時間は進む。

赤城RX-7は180SXとGT-Rを標的として捉え、撃墜体勢に移行。

最大420馬力を搾り出す13B……数字上では迅帝Rはおろか提督180SXにすら及ばない。

しかし、赤城もココで出会ってしまった以上、避けて通ることなど出来なかった。


赤城「都高を突き詰めれば、セブンはRに敵わない……確かにその通りでしょう」


分かってはいる。

RX-7の動きは、自身の見慣れた艦載機と同様。

急降下、急旋回……高度なチューンドマシンを地上の戦闘機と例える者が居るが、それが一番似合うのは他ならずRX-7である、と赤城は確信している。
そしてGT-Rは戦闘機ではなく、対地用の爆撃機だ、と。

だがここは地上だ。
クルマは空を飛ばない。

三次元的に動き回る戦闘機とは違い、クルマは平面状を走るもの。

ノーマルで徹底された車体の軽さが、かえって仇となる。

ネガティブに捉えれば、安定性に欠いた不安定な機体。

戦闘において重要視すべきことは、最大限の能力を常に発揮できる安定性と信頼性。
GT-Rの美点はそこにある。

それでも、赤城はRX-7を選んだ。
このクルマを信用して。

RX-7の美点とは何か。

軽量コンパクトなロータリーエンジン?

50対50の最適な前後重量バランス?

いや、違う。


赤城「不完全だからこそ、進化してきたんです。分かっているから付き合えるんです」


そしてもう一台、180SXが居ることがより彼女の闘志を燃えさせた。

成り立ちは違えど、同じFR……現状の都高で考えられる、最高のFR使い。

意識しないハズがない。


赤城「まずは前に出させてもらいますよ、インターセプター!」


一方の夕張。

実力派どころか、かつてのトップランカー二人と現役のトップランカーの中に居るワケだが……


夕張(場違い感半端ねぇぇぇぇっ)


青葉の情報通りなら、夕張の実力も決して侮れない位置まで来ているものの、この面子を相手にするのは厳しいところ。

しかし赤城へのリベンジを果たしたいのもまた事実。


夕張「と云うか、提督も岩崎さんも速過ぎ……どうなってるのアレ」


環状線外回りに入っても尚、三台のペースは変わらないどころか更に加速する。

芝ふ公園の複合コーナー。

迅帝、提督、赤城、夕張と続けざまに進入。

突っ込みでは提督・赤城が迅帝に肉薄する。

しかし、圧倒的なパワーとトラクションで迅帝Rが引き離そうとする……が。

提督が離れない――。


夕張「ええー……何で着いて行けるのよ。どういうことなの……」


目を疑う光景だった。

あろうことか、後輪を滑らせながらコーナーを脱出する。

スピードレンジが高い都高では、多少の空転は致し方ない、が。

あの速度は何だ。

提督の180SXに機能的なエアロは装着されていない。

速度が上がれば上る程、如何に空気の流れを制するかがポイントとなる。

特に後輪駆動でリヤが軽くなりがちな180SXには、大型のGTウイングは挙動の安定・抑制の為にも有効な手段だ。

しかし夕張の知る限り、フロントのアンダーパネルとリヤに装着された小型スポイラー程度。

ほぼ足回り等のメカニカル部分のみでトラクションを稼いでいることになる。

常軌を逸脱し過ぎて理解が追いつかない。


夕張「でも、なんて綺麗なの……」


ミッドナイトパープルの流麗な車体に映りこむ、水銀灯とビル郡の光。

一切の隙も無くコントロールされるその姿。

刹那に広がるその光景に、思わず息を飲んだ。


夕張「これが、インターセプター……」

バトルになると展開が進まない……。
一旦ここまで。

おつー
ふそ姉が来るのか…

乙!バトルはこのスレでは戦闘シーンなんだから自然とこうなるさ。

湾岸原作だとRは鍾馗やP-51の様な高いエンジンパワーと瞬間火力を活かした高高度からの急降下攻撃を得意とした重戦闘機と評されていたな、そしてFDは良くも悪くも零戦を参考にし過ぎているよな、過剰な軽量化による強度不足といいスロットルを開けると勝手に左に曲がっていくところまで(笑)
でも雨さんトコの魔王はもはや完全に手が付けられない速さなんだからそこがチューニングの醍醐味なんだよなぁ。

芝ふ公園のおかげでシリアルなバトルシーンになったやろ

今更になって首都高速トライアルMAXを見た>>1です。
毎回人が死んでる気がするけど、エンタメ作品として見れば今でも面白い……かも?
しかしステッカーの貼り方とかに時代を感じるww

>>558 GTO=不幸キャラ。異論は認める。

>>559 雨宮号は……何なんですかね、あれww
ちなみに赤城FDはほぼ同仕様と考えて頂ければ。

>>560 首都高っぽい架空の高速ですし(震え声
少しふざけ過ぎましたかね……。

設計図が欲しいよぉぉぉっ!!


川内「青葉ぁ、それ何見てるの?」

青葉「リアルタイム中継ですよ。こちらが夕張さんのクルマに付けられたカメラの映像を。合わせてGPSを介した位置情報を表示しています」タブレット

長良「見せて見せてー」

青葉「コレは出撃時に使用している中継システムを簡素化したものですが、やはり精度抜群ですね」

由良「あ、成る程」

長良「それって提督が使ってるヤツ?」

青葉「その通りです。今となっては珍しいモノではありませんが、私達艦娘を陰から支える技術の一つですね」

夕張『速い速いぃ~っ!置いてかないでぇ!』

長良「音もバッチリだね」

由良「完全にテンパってる」

青葉「コレを応用すれば、スピードやタイム計測は勿論、装着しているクルマの状態……例えばアクセル開度やGの掛かり方、水温・油温等のあらゆるデータを確認することが出来るそうですよ」

長良「すっごーい。私も欲しいなぁ」

青葉「夕張さんがテストしている最中なので、仕上がれば装着してもらえると思います」

川内「で、今どの辺なの?」

青葉「霞トンネルに入った所です。迅帝、司令官、赤城さん、夕張さんの順ですね」

長良「でもスゴいもんだね。何だかんだ離されずに着いて行ってる」


霞トンネル――。

白銀に輝くトンネル内を駆ける3台の獣……と、夕張。

近未来的な景色とは裏腹に、右へ左へ連続する先の見えない高速コーナーのせいで、精神は確実に削がれる。

しかし、走ることを止めない。

瞬きをすれば、途端に姿を消してしまうような“迅帝”と“インターセプター”

かつての伝説を目の前にして、虎視眈々と墜とす機会を伺う赤城。

そして、この狂乱に紛れ込んでしまったと言わざるを得ない夕張。

漫画的な表現をすれば、体験したこともないスピード域に対応出来ずにグルグルと目を回しながらマシンを操っているような。

それでも最後尾で必死に喰らいつき、三台から離されずに留まり続けているのは見事だ。


夕張「死ぬ!死ぬ!無理無理っ!」

提督『夕張ー、無理しなくていいぞー』

夕張「こんな時に話しかけないでください!何でそんなに余裕なの!?」

提督『いつも岩崎相手にしてたら、自然とこうなる』

夕張「んなバカな!」

提督『しっかし俺もヤツも歳かなぁ。赤城さんはまだしもお前すら振り切れないとは、昔よりキレがなくなったかなぁアッハッハ』

夕張「あーっ!ムカつく!その言い方すっごいムカつく!」

叢雲『アンタも充分余裕ありそうね……』

夕張「と云うか、どうする気ですか。どう見ても膠着してますよコレ」

提督『時機に終わるさ。正直エンジンがタレてきてるし。アイツと赤城さんも苦しいハズ』

夕張「それならさっさと終わって欲しいもんですけどねぇ……」

提督『だから、お前も無理しなくていいんだって。降りるなら今の内だぞー』

夕張「意地ですよ!意地!」

提督『そんなもんトイレに捨てて流しちまえ。こんな所で使う言葉じゃない』


夕張「そもそも何で今更こんなことしてるんですか!?」

提督『俺が都高走るなんて今に始まったことじゃないだろ』

夕張「そうじゃなくて!今になって岩崎さんがRを引っ張り出して、提督とバトルになってるかってことですよ!」

提督『ああ、そっち?それ今無理』

夕張「ハァ!?」

提督『赤城さんが来た』


トンネル出口、上りながら急旋回する左コーナー。

赤城RX-7が提督のインに着き、提督180SXと並ぶ。

ブレーキング勝負はほぼ互角。

旋回性とトラクションで有利なRX-7が、CPから引き離しにかかる……が。


赤城「……っ!?」


グリップを失い乱れる挙動を抑えつけクリアーしようとするも、提督180SXは既に眼前に居た。

そして不幸にも、出口先の数百メートル先に進路を塞ぐ一般車の影。オーバーテイクするにも、距離が足りない。

テンポを乱された赤城は減速。その隙に提督180SXは射程圏内から離脱していく。


赤城「……最も得意とする区間で決めきれなかった」

赤城「マシンの熱ダレ……いえ、これは勝負所を見誤った私が未熟。セブンは応えてくれていた」

赤城「これがかつての伝説。まだまだ精進が必要ね」


赤城RX-7、スローダウン――。


青葉「赤城さんが退きましたね」

由良「夕張は?」

青葉「まだ着いてっていますよ。やりますね」

長良「でも、夕張もそろそろキツいと思うなぁ」

青葉「それでも迅帝と司令官のペースは変わらないのですが、それは……」

由良「もうお化けね」

川内「赤城さん退いたんでしょ?じゃあそろそろ終わるよ」スマホポチポチ

青葉「して、その根拠は」

川内「勘」

長良「わー、すっごい根拠」

由良「で、川内は何見てるの?」

川内「中古車情報サイト」

由良「何でよ」

川内「夕張と勝負する為だよ。シルビア……か。良いかも」

青葉「勝つことが目的なら、もっと速いクルマを選べばいいんじゃないでしょうか。ランサーとかインプレッサとか」

川内「だーかーらー。それで勝っても面白くないじゃん」

青葉「勝負はより確実で最善の方法を取るべきだと思いますが……」

川内「ワレアオバに言われてもなぁ」

青葉「ほっといてください!」

川内「CBR900かぁ。これ速そう」

由良「バイクは普通に速いヤツに行くのね」

川内YZF600……サンダーキャットだって!雷猫!カッコ良い!」

由良「サンダーキャットって、山猫のことよ?」

川内「……え?」


数日前・市川PA

提督「おう、コッチだ」スパー

岩崎「いい加減、タバコ止めたらどうだい」

提督「それは医者の視点か?」

岩崎「一般論として、かな。僕らもいい歳だからね」

提督「それをお前が言うのかよ。インプはどうしたんだ」

岩崎「あっちは街乗り用だからね」

提督「何が街乗りだよ(笑)。で、何でまた今更Rなんだ」

岩崎「別に今更なんて思っていないさ。僕らより上の人達だって乗っているんだから」

岩崎「しばらくインプレッサを乗っていたけど、やっぱり僕はRが好きなんだなって再認識出来たよ。いや、むしろ―」

提督「本当に好きなのはRB26、だろ」

岩崎「お、ご名答」

提督「ホントに変わらないなぁ……お前は」

岩崎「君こそ全く変わっていないじゃないか。あのワンエイティが証拠だよ」

提督「いやいや、俺だって好みも変わるさ。それに、いい加減ガタも来てるからさ……つい買っちゃったんだよね」

岩崎「何を?」

提督「Z」

岩崎「魔王の次は悪魔かな?」

提督「アホ言え。34のZだよ。ニスモのヤツ」

岩崎「似合わない」

提督「うっせ」


岩崎「……魔王はどうする気なんだ?」

提督「どうするも何も、今までと変わらねえよ」

岩崎「このままガレージの肥やしかい?」

提督「今更乗れって云うのか。アレに」

岩崎「夕張ちゃんなら、喜んで乗ってくれそうだけど」

提督「絶対嫌だ」

岩崎「分からないね。いつまでも過去に捉われていたら、進むモノも進まないよ」

提督「……そんなんじゃねえよ」

岩崎「誰よりもあのRが好きだったじゃないか」

提督「Rは今でも好きだよ。クルマが好きになったキッカケだしな。でも……あのRは別だ」

岩崎「まだ忘れられないのかい?彼女のことを」

提督「………」

岩崎「元々アレは彼女のクルマだったしね。手元に置いておきたいのも分からなくもないが……」

提督「これ以上、あのクルマのせいで誰かが狂うのを見たくないんだ」

岩崎「狂う?僕らはとっくに狂っていると思っていたけどなぁ」

提督「お前、ココを走ることに抵抗は無いか?」

岩崎「……あるよ。どんなに取り繕っても、僕らの行為は正当化出来ない。出来るはずもない」

岩崎「それでも、僕らはここに居る。いつだって忘れたりしないさ」

提督「だから何だってんだよ。口では認めていようと、やってることは結局同じだろ」

岩崎「だからだよ。僕らはその業を一生背負って生きていくしかない。愚か者としてね」

岩崎「それに、身体に悪いものは旨いものって言うしね」

提督「本音はそれかい」

岩崎「元々そんな所から始まってるんじゃない?そして引き返せなくなった。自分から登っておいて降りることが出来なくなった猫みたいなものさ」

提督「降りれない猫ね……確かにその通りだわな」


岩崎「久々に走ろうか」

提督「はぁ?」

岩崎「いつまでも吹っ切れないなら、さっさと終わらせようじゃないか。“環状のインターセプター”さん」

提督「終わらせる?」

岩崎「そのままの意味だよ。僕のRがワンエイティを潰す」

岩崎「完膚なきまで叩き潰して、その次は……魔王だ」

提督「ああ?お前、環状で俺に勝ったことないだろ」

岩崎「それ以外では負けた記憶がないなぁ」

提督「オメーのハンペンRに俺が千切られるワケねぇべ」

岩崎「ハンペンって……何処の方言なのソレ」

提督「おっと。つい地元の方言が」

岩崎「君は茨城出身なのかい?」

提督「いや、神奈川生まれの神奈川育ち」

岩崎「ああ、そう……」

提督「まあ、いいや。受けてやるよ」

岩崎「……本気で来い。僕らの因縁、いい加減ケリをつけよう」

提督「そうだな。終わらせるか、俺らの青春を」


叢雲「男ってバカな生き物ね……」


夕張「赤城さんが道を譲ってる……前に出るのはいいけど」

夕張「出たら出たで何すればいいか分からないわ……」

夕張「さて、と……どうしたものかしら」

夕張「竹橋を過ぎたし、環状線なら江戸橋、京橋、銀座……京橋か」ブルッ

夕張「でも今の私なら大丈夫だ。問題ない」


環状線で屈指のツイスティック区間を抜け、神田橋ジャンクションへ。

先頭の迅帝、夕張の予想に反して左側の深峰・向島方面のレーンを選択。

多少ペースを落とす……。


夕張「深峰線?また湾岸へ出るのかしら?」

提督『あー、夕張。多分このまま横浜まで行くから、先に帰ってもいいぞ』

夕張「横浜までって、湾岸で勝負したら提督が不利じゃないですか。だから大井でUターンしたんでしょ?」

提督『そんなこと言ってたらアイツの相手なんか務まらねえよ。このクルマでもある程度の最高速勝負は出来る』

夕張「で、でもぉ……」

提督『いいから帰れって。今日はこれで仕舞いだ。じゃあな』ピッ

夕張「あ、ちょっと!?なんなのよもう!」

夕張「でも……何か嫌な感じ。少し寒気がするような」


ジャンクションを過ぎた辺りで、無意識にルームミラーを確認する。

今しがた抜いた商用車のバンのライトが見えた。

クルマの通りは少ない。渋滞の情報も無い。流れは最良である。

それでも、胸につっかえる不安感。

以前見かけた、あの黒いGTOを見た時のような……。

そしてもう一度、確認……環状の方からクルマが来るようだ。影も見える。

しかし、やたら低く幅が広い。

――何より、速い。


夕張「まさか……」


Z15A GTO・改 “戦艦”

出現――


漆黒に染まったそのGTOの姿は、かつての大日本帝国の戦艦を髣髴とさせる、圧倒的な存在感を示していた。

しかし、この寒気は何だ。

ゆっくりと夕張の背後に着く。

まるで周りだけ時間の流れが違うような、この空気は……。


夕張「またコイツ……一体何なの!?」


青葉「せ……“戦艦”が……」アワワワ

川内「!?」ガバッ

川内「やっぱりコイツだ……!」


叢雲「後ろに何か来たわよ……知り合い?」

提督「いや、全くの初対面だ」

叢雲「何なのアイツ……このプレッシャー、まるで深海棲艦じゃない」

提督「赤城さん以上にややこしいヤツが来ちまったなぁ……どっから嗅ぎつけたのやら」

叢雲「どうする気?」

提督「さてね……見逃してくれるようなヤツでもなさそうだし、このままランデブーかね」

叢雲「アンタの目的はどうするのよ。決着つけるんでしょ」

提督「とは言ってもねぇ……来るぞ」


小ネタ ある日の峠

川内「んーっ!夜通し走ったけど、やっぱりヌー子に乗るのは楽しいなぁ。提督に感謝だね」

川内「でも、もう少し低回転からパワーが出てくれると楽そうだなぁ……」

川内「摩耶さんはリッターのSSに乗れって言ってたし、いっそ大型免許も取ろうかな」

川内「ま、いっか。今度夕張に相談してみよっと」

「アナタが最近売り出し中のNSRさんっぽい?」

川内「ぽい?」

夕立「おはようございます。もしかして川内さん?」

川内「およ、夕立じゃない。何してるのこんな所で」

夕立「それは夕立の台詞っぽい。川内さんが噂のNSRだったの?」

川内「え、私噂になってるの?照れるなぁ」

夕立「みーんな噂してるよ。NSRに乗ったすっごく速い女の子。まさか川内さんとは思わなかった」

川内「私は気紛れに走ってるだけだよ。で、夕立は?」

夕立「同じっぽい。たまにココに来るの」

川内「へー。もしかしてあのバイクがそう?」

夕立「うん。ZX9Rなんだけど、ちょっと扱いづらいっぽい」

川内「うわー、速そうだね」

夕立「ところで川内さん。夕立、お願いがあるっぽい」

川内「ん?なになに?」

夕立「ココは夕立のテリトリーだから、あ ん ま り 調 子 に 乗 ら な い で く れ る ?」ザワッ

川内「……それは私への宣戦布告かな?」

夕立「最近なかなか速い人が居なくって、夕立つまんない。でも、川内さんが相手なら楽しめるっぽい!」

川内「勝負したいのなら受けて立つよ。でも……」


川内「噛 み つ く 相 手 を 間 違 え る な よ 、犬 っ こ ろ 」

夕立「さあ……」クスッ


素 敵 な パ ー テ ィ ー し ま し ょ う ?


夕立には夢繋がりでユメタマを。
こんな展開考えたけど、続けるかは微妙っぽい!

今日中に続き投下出来るかも?
そういえば、金剛が完全に空気や……。

乙 
まとめで見つけてこっち来ちゃったよ
車全然知らないけど面白いわ


違うとわかっていても、霞や大井という単語を見ると艦これキャラの方が出てきてしまう

乙、金剛もメガーヌに乗せてやれば良かったんだがな。

おつ
待ちに待った夜戦だーっぽい!?w

昨日の間に投下出来るかと思ったけど、結局一晩経ってしまった……。
ようやく金剛姉妹全員を改二にすることが出来ましたが、羅針盤に嫌われまくって3-4も4-4もボスマスに辿り着けない>>1です。
資材とバケツばかりが減っていく……。

>>573 有難うございます!
艦これしか知らない人でも楽しんでもらえるよう心掛けていますが、そう言って頂けると幸いです。
更新速度はまるゆ並ですが、是非暇な時にまた読んでもらえれば嬉しいです。

>>575 むしろ大井と聞くと、真っ先に東京の大井が出てきますww
霞は……デッドオアアライブだな、うん。

>>576 余談ではありますが、金剛は英国生まれの日本艦ってことで、当初はトミーカイラのZZや我来也も考えましたww
我来也は市販化されてませんけど、そこは二次創作だし……。
ぶっちゃけメガーヌの登場は全くの想定外で、長良が乗ったのも本当に偶々ですww

>>577 夜戦ライダーが登場するのは当スレだけ!
最近、夕張より川内が主人公なんじゃないかと思えてきました……。


このまま白露型の水着グラが続けばいいのに……。


提督「しかし、とんでもねえなアイツ……コイツで勝てるかなぁ」

叢雲「確かに雰囲気は凄いけど……ホントにクルマなの、アレ」

提督「都高ってのは面白いモンでさ。時々居るんだよ、ああいう得体の知れないヤツが」

叢雲「……前の人は?」

提督「あれは自他共に認める化け物だよ。ただ、アイツが正統派なら後ろのGTOは……異形だな」

叢雲「異形?」

提督「そうだな。何だろな……三式機龍化したメカキングギドラ」

叢雲「……よく分からないわ」

提督「いや、俺にも分かんね。上手い例えが見つからねえや」

提督「要するに、有り得ないのよ。少なくとも今まで生きてきた中であんなGTOは知らないね」


深峰線に突入する四台。

新環状線と呼ばれる中でも、高速コーナーを主体に構成された区間だ。

新木場ランプ手前、夕張180SXをあっさりパスするGTO……提督180SXに照準を合わせる。

S字進入で二台が並ぶ。


夕張「パワーは岩崎さん位ありそうね……でもっ」

夕張「GTO相手にブレーキングで負けられないでしょ!」


パワーは劣っていても、重量級のGTOならばコーナーで勝負出来ると踏んだ夕張がブレーキングで差を詰めた……だが。


夕張「ちょちょちょっ!立ち上がり速すぎでしょ!」


コーナー脱出時には、有り余る強大なトルクと四輪駆動の利を活かし、夕張を置き去りにする。

加速するGTOの巨体が揺れる。


夕張「はっやーい……何の冗談よ」

夕張「詰められたのは入り口だけ……コーナーまで速いんじゃ、どうしょうもないじゃない」


高速域は、迅帝RとGTOの独断場。

2Lターボ車の180SXはじわじわと離されていく。

250キロ級のハイスピードバトル……夕張はまだ、これより先のスピードは知らない。


夕張「計算上280キロ位までは出せるはずだけど……そこまで持って行ったことないのよね」

夕張「最高速トライ……行けるかっ」


湾岸線、合流――!



提督「こっから先はヤバい領域だぜ……湾岸じゃ、あの二台には勝てそうも無い」

叢雲「……ちょっと、今何キロ出てるのよ」

提督「290!」

叢雲「に……っ!?バカじゃないの!?」

提督「40ノットの島風だって、時速に直せば約74キロだしな。軽く4倍だ」

叢雲「海上だから出せるんでしょ!ココは公道よ!」

提督「一応300はギリで越えるんだよ、このクルマ。でも、そこから先に持って行くのは無理……」

叢雲「あの二台は……?」

提督「320は出るだろう。もしかしたらGTOの方が上かも知れん。元はと云えば高速ツアラーだしな」

叢雲「高速って言っても限度があるでしょ!」

提督「……並ぶぞ」


最高速トライ。

何かあれば一瞬で全てが吹き飛ぶ狂気の世界。

水を得た魚のように、GTOの速度が増していく。

海底トンネルに入る頃には、下り勾配も相まって既に300キロに迫っていた。

提督の180SXとGTOが横並びになる。

300、301、302……いかに提督といえど、180SXに余裕は無い。


一瞬、提督は横に並ぶGTOを見た。

ハッキリ言って、最高速勝負に持ち込めるようなクルマではない。

抜かされるのも時間の問題。ならばせめて、ドライバーの顔だけでも拝んでやろうと、そう思ったのだ。

オレンジ色のナトリウムランプに照らされるその横顔は、彼のよく知った顔だった。


扶桑 ニコッ

提督「……ふ……そう……?」


扶桑が微笑んだその直後――

ガシャン!


提督「ッ!?」

叢雲「な、何よ今の音!?」


エンジンルームから突如鳴り響いた破壊音。


提督「エンジン死んだわ……クラッチ間に合って良かったぁ」

叢雲「ちょ、そんな急に壊れるもんなの!?」

提督「こんな使い方してるんだ。壊れる時は壊れるさ」

叢雲「……一応聞くけど、もしクラッチ切ってなかったらどうなってたの?」

提督「エンジンロックして、どっかに吹っ飛んでたな。おお怖い怖い」

叢雲「き、気楽に言うわね……」

提督「しっかし、前兆は無かったんだけどな。俺だけじゃなく、コイツも鈍ってたのかね」


夕張「ちょ、提督白煙出てる!何!?なんなの!?」

提督『あー、もしもし夕張?生きてるかー?』

夕張「コッチの台詞ですよ!どうしたんですか!?」

提督『分からん。ロッカーアームが飛んだのかね』

夕張「白煙出てますって!どう考えてもロッカーアームどころじゃないですよ!」

提督『マジでか。そりゃあ吹けないワケだ。中から死んだかなぁ』

夕張「何でそんなに落ち着いてるんですか!?信じらんない!」

提督『生憎SRのブローは慣れっこだからねぇ……』

夕張「兎に角、このままじゃ立ち往生ですから出口まで押しますよ!」

提督『凹ませるなよぉ』

夕張「保障できません!大人しくしててください!」

提督『俺のワンエイティが死んでいく……』

夕張「うっさい!」


大井ランプ出口付近

提督「うーむ……やっぱりバラさないと分からんな」

夕張「………」

提督「何でお前がそんな顔してるんだよ。理由はどうあれ、いずれは壊れたんだ。それが偶々今日だったってだけだろ」

夕張「それは……そうですけど……」

叢雲「で、今夜はどうする気?夕張のクルマ、二人しか乗れないみたいだけど」

提督「お前は夕張に乗せてもらえ。俺は適当に帰る」

夕張「適当にって……ワンエイティはどうするんですか?」

提督「明日ローダーで持って行ってくれ」タバコ

夕張「人任せですか」

提督「ま、適当にやっといてくれ」

夕張「あっ、ちょっと!何処行くんですか!」

提督「テキトーに帰るわ。じゃな」ノシ

叢雲「この辺ってタクシー拾えるの?」

夕張「多分居ないと思う……」

叢雲「ま、アイツなら何ともないでしょ。さっさと帰りましょ」

夕張「え、ええ……」


叢雲「……何なのかしらね」

夕張「エンジンが壊れた理由?詳しく見てみないことには……」

叢雲「違うわよ。アイツといい扶桑さんといい、何でこんな馬鹿げたことしてるのかってことよ」

夕張「扶桑さん……?」

叢雲「あの黒いクルマ、ドライバー扶桑さんだったわ」

夕張「ハァ!?」 

叢雲「私も見たから間違いないはずよ」

夕張「おおう……もうワケが分からない」

叢雲「それはコッチの台詞だわ。どういうことなの」

夕張「まさか本当に扶桑さんがGTOのドライバーだったなんて……」

叢雲「それと……クルマってあんなに速くなるものなの?」

夕張「車種によるね。提督のクルマでもギリギリ300キロ出るみたいだけど……」

叢雲「出てたわ。304キロ。バカかと」

夕張「そんなに出るの!?ヒエー……」

叢雲「このクルマは?」

夕張「め、メーター読みで270キロ……」

叢雲「話にならないじゃない」

夕張「 」

叢雲「離れていった……公道で300キロだっていうのに」

叢雲「ホント、狂ってるわ」

夕張「………」


翌日

夕張「うーん……ロッカーアームは外れてるけど、これだけが原因とは思えないわ……」カチャカチャ

川内「ロッカーアームって?」

夕張「簡単に言えばバルブを支える部品なんだけど、SRは高回転域でコレがズレることがあるのよ。でも提督のエンジンはラッシュアジャスターを廃しているし、下手するとバルブスプリングが波打ってブローした可能性もあるわね」

川内「???」

夕張「要は、持病の尺が悪化したってこと」

川内「ふーん……」

夕張「と云うか、何で着いてきたのよ」

川内「私もさ、クルマ買おうと思ってるんだ」

夕張「マジ?」

川内「大マジ」

夕張「何買うのよ」

川内「考え中ー。シルビアとか良いなって思うけど」

夕張「ランエボとかにしとけばいいじゃない」

川内「皆それ言うんだけど、そんなに良いの?」

夕張「ワンエイティよりはよっぽど速いよ。四駆だし」

川内「じゃあ、何で夕張はワンエイティに乗ってるの?」

夕張「パーツは多いし、人気車種だから色々なノウハウもあるからね。運転も含めて沢山の技術が学べると思ったからよ」

夕張「でも単純に速い車に乗りたかったら、ランエボやインプレッサ、二駆ならFDやS2なんかが良いんじゃない?シルビア・ワンエイティは年式の割に高くなってるし」

川内「じゃあ、やっぱりシルビアにしよっと」

夕張「人の話聞いてた?」

川内「ただ速いだけじゃ面白くないし、FDは赤城さん、S2は金剛さんのクルマでしょ?被るじゃん」

夕張「それはそうだけど」

川内「うん!決めた!シルビアにする!」

夕張「それはいいから、ローダーに積むの手伝ってよ」


執務室

金剛「ヘーイ!提督ぅ!私とバトルしてくだサーイ!」バンッ

叢雲「アイツなら帰って来てないわよ」カキカキ

金剛「ワッツ?何処行ったデース?」

叢雲「知らないわ。昨夜大井で別れたっきりだもの」

金剛「何かあったデスか?」

叢雲「アイツのエンジンがおシャカになって一晩放置。今夕張と川内が取りに行ってるわ」

金剛「リアリィ?じゃあ、私とのバトルは?」

叢雲「さあ?壊れ方の程度が分からないけど、あの様子じゃ当分無理じゃない?」

金剛「シット!折角ループウェイを走りこんだっていうのに!」

叢雲「あのねぇ……アンタもいい加減にしなさいよ」

コンコン

叢雲「はーい。どなた?」

扶桑「失礼します」ガチャ

叢雲「悪いけど金剛。席を外してもらえる?」

金剛「どうかしましたカ?」

叢雲「いいから。あとコレ、今度の哨戒任務の内容だから確認してちょうだい」

金剛「……オーケー。提督が帰って来たらバトルの件伝えてくださいネ」


扶桑「ふふ、提督は人気者ね」

叢雲「ココの連中は揃いも揃ってバカばかりで嫌になるわ」

扶桑「あら。皆素直で良い子達ばかりだと思うけれど」

叢雲「……で、昨夜のアレは何なの?」

扶桑「アレ……とは?」

叢雲「昨夜の都高での件よ。貴女は良識のある大人の女性だと思っていたけど、私の見当違いだったかしら?」

扶桑「ああ……都高、ですか。提督のクルマはどうなったの?」

叢雲「さあ?今夕張達が取りに行っているけど、クルマに関しては無知だから知らないわ」

扶桑「そう。じゃあ、当分あのワンエイティが動かないのかしら。だとすれば……」


扶桑「……ようやく“魔王”に逢える……」


叢雲「魔王……?貴女何言って……」

扶桑「……昨夜でようやく証明された。私のクルマは、インターセプターはおろか迅帝さえも凌駕する……」

扶桑「私も伝言お願いします。私を相手にするなら、魔王でなければ話にならない、と」

叢雲「ちょっと!まだ何も聞いちゃいないわよ!」

扶桑「ねえ叢雲さん。提督の目に、私はどんな風に映っていたのでしょうか」

叢雲「知らないわ、そんなこと」

扶桑「そうよね……では、失礼します」ガチャ

バタン

金剛「………」

扶桑 ニコッ


夜・工廠

夕張 カチャカチャ

金剛「バリー。居ますカー?」

夕張「あら、金剛さん。どうしましたか?」

金剛「提督のクルマがブローしたって聞いたヨ。昨日、何があったネ」

夕張「湾岸で踏み抜いたらブローってトコですね。エンジン降ろしてみましたが、クラッチはイってるわバルブは欠けて腰下までヤられてるわで、もうズタズタですよ」

金剛「Oh……なかなか酷い有様ネー」

夕張「もう新たにエンジン作り直さなくちゃダメかも知れません。ただ、提督はZ買ったみたいだし、もしかしたらこのまま廃車ってことも考えられますね」

金剛「ワッツ?Z買ってたんデスか?」

夕張「34Zのニスモですよ。私も昨日知りました」

金剛「それで、肝心の提督は……」

夕張「帰って来ませんね……負けて凹むような性格では無いと思うのですが……」

金剛「負けた?誰にデスか!?」

夕張「負けたっていうのは語弊がありますけど、例のGTOと走っている最中に壊れたんで……」

金剛「Mu……昼間扶桑と叢雲が話していた件デスね。GTOのドライバーが扶桑だったとは」

夕張「……私も驚きました」

金剛「実はそれで一つ聞きたいことがあるヨ」

夕張「何でしょう?」

金剛「魔王……とは、何デスか?」

夕張「……!!」


金剛「知ってる顔ですネ」

夕張「ええ……」

金剛「扶桑が言ってたヨ。『やっと魔王に逢える』と」

夕張「扶桑さんが?何でソレを……」

金剛「I Don't know.よく分かりませんが、ターゲットはその魔王ネ」

金剛「その魔王とは何デスか?まさか、ツチヤケーイチのDVDじゃないハズですネ?」

夕張「……私もちょっと前に知っただけですから、詳しいことは分かりませんが……」

夕張「かつて提督が乗っていたという青い32Rです。今でも離れたガレージに保管されています」

金剛「ワオ」

夕張「2.8LにRX6のツインターボ。あまりの速さから、畏怖を込めて魔王と呼ばれたそうです」

夕張「一度だけ実物を見ましたが……ハッキリ言って異常な雰囲気なクルマでした」

金剛「異常?」

夕張「佇んでいるだけなのに……まるで喉下にナイフを突き立てられているような、そんな空気を纏っていたんです」

金剛「オカルトっぽいネー」

夕張「そう思います。悪魔のZが実在したら、きっとこんな妖しさを持っているんだろうなって」

夕張「でも提督はただ保管しているだけで、ずっと乗っていないそうなんです」

金剛「どうしてソレを扶桑が知っていたか……デスね」


夕張「でも、扶桑さんが魔王の為にあのGTOを仕上げたというのなら、少し納得出来ます。あのGTOも、大口径を直に向けられるような殺気がありましたから」

金剛「Mu……」

夕張「私が知っているのはこれ位です。大した情報ではないですが……」

金剛「ノンノン。充分ヨ」

夕張「いえ……」

金剛「それにしても、提督がそんなモンスターを隠していたとは驚きネ」

夕張「そして扶桑さんのGTO……これからどうなっちゃうのかな」

金剛「ところでバリー!Hakoneのリベンジネー」

夕張「……へっ?」

金剛「ワタシはインターセプターとバトルする為にココに来ましたが、インターセプターがサタンになってしまっては流石にクラス違いヨ」

金剛「バット、いずれはサタンにも勝ちますが、その前に……バリーにパーフェクトウィンをしておかないとネー」

夕張「ええっ!?私アレで勝ったなんて思ってませんよ」

金剛「コレはワタシの問題ネ。バリー、いざ尋常に勝負!デスよ!」

夕張「え、えー……」


小ネタ 現在の夕張ワンエイティの仕様を妄想する

エンジンはGT-SSタービンとポンカムの定番仕様。
なるべく高額にならないように流用パーツや、自作品が目立つ。
エンジン本体は手を加えていないものの、バランス取りはしたらしい。
その内排気系も自作したり、I/Cを中置きにしたりと色々企てている。
パワーは最大約380馬力。

足回りは車高調は勿論、S14用のメンバーを使って強化。
ブレーキはローターとパット、ブレーキホースを交換。そろそろキャリパーも交換したい。
タイヤはフロント215-17インチ、リヤは235-17インチでギリギリか。
ホイールはガンメタの5本スポーク。勿論5穴化してある。

ニスモのカッパーミックスクラッチとLSDを装備。
ミッションはノーマルだが、ファイナルは色々変えてるようだ。
フライホイールは自分で軽量化した。

エアロは提督に派手と言われたが、実は後期純正風エアロ。
低めのGTウィングが無かったら東北仕様に見えなくもない。
パステルイエローに穴開きカーボンボンネットが映える。

ロールバー装着の為、後部座席は取り払い。
快適装備は残しているので、街乗りも出来る(燃料ポンプの音がうるさいが)。
シートは中古の黒いセミバケ。ハンドルはナルディ・クラシック。
MP3プレイヤーを繋いで、お気に入りの曲をかけては熱唱している。

一旦終わり。
バトルシーンをもっと濃厚にしたいけど、ボキャブラリーが……。

夕張ワンエイティの仕様は、なるべく現実的な仕様で考えました。
考えている間は凄く面白かったのですが、一番困ったのはホイール……合うサイズを考えたらキリが無いww
あと燃料ポンプのくだり、友人のS14がスゴく喧しかった記憶があるので付け足しました。

おつ
俺のワンエイティが死んでいく……>これはウザいwww

乙でした
魔王…いったい何月なんだ

相変わらず羅針盤に嫌われている>>1です。
いよいよバケツが200切った……イベ前だってのにどうするんだコレorz

>>596-597 あのシーンは自分も大好きですが、この温度差は何なのでしょうねぇww
でも海底トンネルでブローしたなら言わざるを得ない。

>>598 菊月「共にゆこう……Z」
こうですか、わかりません。

Rの名称、魔王じゃなくて青鬼でも良かった気がする。
グループAの32Rみたいな。


夕張「金剛さんとバトルかぁ……もう少しサスと燃調詰めたいんだけどなぁ」カチャカチャ

夕張「提督の足回り研究すれば、碓氷SPLならぬ都高SPLとして売り出せそうよね、うん」

夕張「とりあえず、何日か待ってもらって実走で詰めていくしかないわね」

由良「夕張ー。居る?」

夕張「ん?どうしたの?」

由良「川内見なかった?今度の哨戒任務の件で話があったんだけど」

夕張「さっきヌー子に乗って何処か行ったわ」

由良「えぇ?もうホントに落ち着きがないんだから」

夕張「と・こ・ろ・で。ちょっとお願いがあるんだけど……」

由良「断る」

夕張「ちょっと。まだ何も言ってないけど……」

由良「どうせ私にメリットが無いようなお願いでしょ」

夕張「うっ……確かに実走セッティングだから、由良に得はないけど」

由良「セッティングなら一人でやればいいじゃない」

夕張「運転しながら空燃比とPCモニター見るなんて、阿修羅にでもならなきゃ無理です」

由良「阿修羅って……ああ、顔が四つあるからってことね。空燃比ってCPUでも弄るの?」

夕張「そそっ。昨日走った時にちょっとモタつくところがあったから、燃調と点火を見直したいのよ」

由良「そうねぇ。何か奢ってくれるなら考えてあげる」

夕張「……間宮さんとこでいい?」

由良「よろしい」


喫煙所

山城 フゥー

叢雲「山城」

山城「……どうかした?」

叢雲「一本頂戴」

山城「あら珍しい。アークロイヤルだけど」

叢雲「変なの吸ってるわね」アリガト

山城「気に入ってるんだけど、あまり売ってないのよね」つライター

叢雲「……意外とキツい」

山城「そう?結構甘いと思うけど」

叢雲「タバコなんて暫く吸ってなかったし。ああ……クラっときた」

山城「それで?何か話が有って来たんじゃないの?」

叢雲「大方予想はついているでしょ。扶桑さんのことよ」

山城「それなら私も聞きたいことだらけよ。何で姉様が暴走族になっているのかって」

叢雲「姉様大好きなアンタでも分からないの?」

山城「皆目検討もつかないわ。クルマに興味があったことさえ驚きなんだから」

叢雲「……そう」


山城「姉様が前に言っていたの。提督とは信頼関係は築けているのに、何処か距離感があるって」

叢雲「そんなこと言っていたの……あのバカはどうしようもないわね」

山城「何か思い当たることがあるの?」

叢雲「……アイツが酔っ払った時に、少し聞いたことあるわ」

叢雲「扶桑さんは、見た目や仕草も昔の彼女と瓜二つだって。まともに顔が見れないと」

山城「……想像以上に女々しい理由ね。その人とはどうなったのよ」

叢雲「死んだわ」

山城 タバコポロッ

叢雲「都高で事故を起こしたそうよ。一緒に走っていたクルマはその人を庇って大破」

叢雲「でも大破した方は生き残って、今でもピンピンしてるわ。この前会ったし」

山城「ちょっと待って……状況が分からないわ」

叢雲「……不可解な話だけど、それだけの事故にも関わらず彼女が乗っていたクルマは小傷が付いた程度。それでも、ドライバー彼女は亡くなってしまった」

叢雲「そして、そのクルマは未だアイツが所有・保管している」

叢雲「扶桑さんの狙いはそのクルマ……魔王とか言ってたわね」

山城「魔王……」

叢雲「忌み嫌っているのか、忘れたくないからなのかは知らないけど、今でもたまにエンジンだけ掛けてるみたいよ」

山城「それで……何で姉様がその魔王を狙う必要があるのよ」

叢雲「さあね。肝心の当事者達が行方をくらましている以上、私達にはどうすることも出来ないわね」


都高・湾岸線

夕張「いやー助かるわぁ。由良が理解ある人で本当に良かった」

由良「夕張と一緒に居たら嫌でも覚えちゃったわよ」

夕張「でも、燃調と点火まで見れるなんて大したものよ」

由良「パワーFCってそういうものじゃないの?簡単に弄れるって感じで」

夕張「付けてる人が皆平等に弄れるワケじゃないわ。やっぱりある程度の知識と経験が無いと」

由良「知識と経験ねぇ……」PCカタカタ

夕張「あ、ココちょっと息継ぎある」

由良「うん……少し濃くなってるわね」ホセイ

夕張「それにしても……」

由良「なぁに?」カタカタ

夕張「私達、艦娘だよね……」

由良「何を今更」

夕張「最近、艤装よりクルマ触ってる時間の方が長いんだけど……マジで」

由良「その内憲兵さんの立ち入りがあるかもね」

夕張「考えるだけでも恐ろしい……」

由良「世間一般で見たら問題児しか居ないからね、ウチの鎮守府」


由良「タービン換えたんだっけ」

夕張「うん。GT-SSにね。だからCPUも改めてセットアップし直す必要が出ちゃったのよ」

由良「何馬力位出てるの?」

夕張「常時320馬力位で、最大380ってトコね」

由良「ふーん。結構出るんだ」

夕張「それでもやっぱり湾岸はキツいよ。岩崎さんどころか、提督にもトップで離されたもん」

由良「あの人達が異常なだけでしょ」

夕張「それもそうね」

由良「それにしても、このクルマに幾ら掛けたのよ」

夕張「え、えーっとぉ……幾ら位かなぁアハハ……」

由良「全く、給料日近くになると毎回ご飯せびられるコッチの身にもなってよね」

夕張「反省してまーす」

由良「本音は?」

夕張「今月も多分お願いしまーす……」

由良 ハァ


由良「何か音楽掛けてもいい?」

夕張「別にいいけど、セッティング中なのを忘れないでよ」

由良「ハイハイ。再生っと」

♪~

由良「凄い低音……なにこれ」

夕張「提督お薦めのデス・フロム・アバヴ1979ね。テンション上がるわぁ」

由良「これベースの音なの?」

夕張「ベースとドラムの二人組だからね。シンセ通して音を作ってるみたい」

由良「へぇ~。結構カッコいいかも……」

♪~

由良「次は音像がキラキラしてる……昔の邦楽?」

夕張「これは首都高速トライアル2の主題歌、斉藤さおりの『目がすべて』ね」

由良「ジャンルに節操がないわね」

夕張「目がぁ全てさぁ♪」

♪~

由良「急に歌謡曲になったわよ」

夕張「ああー、コレは『ヘドラをやっつけろ』だわ」

由良「アンタのプレイヤーの中身、どうなってんのよ」

夕張「トンボもぉ♪鳥もぉ♪」

夕張「みなごぉろぉしぃ~♪」

由良「曲調と歌詞がここまで合ってない曲も珍しいわ」

夕張「シュールでしょ?」

由良「あとは何が入ってるの?」

夕張「リッジやワイプアウトのサントラとか、ルースターズの『恋をしようよ』とか」

由良「最後何でそれピックアップしたし」


夕張「ゲッタップルーシー!」

由良「ゲットアップルーシー」カタカタ

夕張「ゲットアップルーシー!」

由良「ちょっと踏み込んで」

夕張「あ、ハイ」

由良「ハーフで開けて……」

夕張「……おっ」

由良「レブまで全開で加速」

夕張「お、おおぅ……」

由良「うん。反応を見るに良い感じみたいね」

夕張「由良ったら、ROMチューンの才能があるんじゃない?」

由良「元のデータがあるから詰められるのよ」

夕張「じゃあ、私の成果?」

由良「でもガバガバ。今までよくこれで走れてたわね」

夕張「しょうがないじゃない……一人で全部やろうとすると難しいのよ」

由良「このFCコマンダーは飾り?」

夕張「……待って。後ろ、何か来てる」

由良「また赤城さんじゃないの」

夕張「それはそれで嫌だけど……この音、ロータリーじゃない」


夕張「――来るっ!」


♪~(某ブルーベリー色の全裸の巨人が出現する時の音)

夕張「うひゃあ!?」ビクゥ

由良「あ、川内からメールだ」

夕張「なな、なんでそんな怖い音を着信設定にしてるのよ……!」

由良「分かりやすくていいかなって思ったんだけど」

夕張「センスを疑うっ!」

由良「あ、でも青色のGT-Rよ。あながち間違いでもないようね」

夕張「青色のR……?」

由良「すっごく速そう。それに綺麗な青色……」

夕張「……提督……」

由良「え……?」

夕張「由良っ!ブースト圧マックスに設定して!追うわよ!」

由良「ちょっと。どうしたの急に」

夕張「あれ提督のRよ!」

由良「ウソ!?」

夕張「前に一度見せてもらったから間違いない!あんなR……他に居るわけがない!」

由良「でも、このクルマで追いつけるの!?」

夕張「無理かもしれないけど!それでも追わなきゃ!」

夕張「今見失ったら、二度と提督に会えない気がする!」


BNR32 スカイラインGT-R・改


“魔王”


――再始動。

例えしょーもなくても、ネタを挟まないと死んじゃう病気なのかもしれない。
パワーFCって一時期やたら流行っていた気がするけど、それを出していたアペックス(アペクセラ)って今どうなったんだろう。

今回はここまで。
短くともなるべく更新していきたい所存です。

おつ
このスレを見て久々に湾岸やり始めたぜ
でもSAに乗ってるひといなくて寂しい

乙!首都高Rとドリキャス首都高1と2のテーマソングもヨロシク!

>>610
フルチューンのSA持ってるけどもう一年くらい乗って無いな、何故デイトナ仕様のペイントはあって未だにエアロは無いのか……

おつー
夕張は反省促すために震電開発できるまで車乗るの禁止w

アペックスは民事再生?してからパーツ販売しかしてないんかな。昔ほど名前は聞かないし…APEXFD大好きだった(遠い目


姉様は攻殻の素子みたいな感じで艦娘にでもなったのかな

こんばんわ。
いか天クラッシュ映像を見て笑い転げている>>1です。
でもV-OPTは水戸納豆と湾岸の千葉君が好き。あと自動車サッカーww
織戸氏は水戸納豆のロケ、嫌だったみたいだけど。
土日は更新出来ないかもしれないので、僅かではありますが投下。


>>610 一時期ハマっていた頃にSA作ったけど、結局600馬力にして放置してます……でもSAはカッコいい。
そんな>>1の愛車は3の頃から使っている33Rですww
たまにやると面白いけど、近場は客層が悪くてやりずらい……。

>>612 そういえば無いんでしたっけ、あのエアロ。
あのゲーム、エアロのチョイスが極端過ぎる気がしますww
でも、Z32のインパルスポイラーのみのエアロは評価したい。多分Vシネ版の再現なんだろうなぁ。

>>614 調べてみたら、昔ほどではないにしろパーツは出ているようですね。
トップページもちゃんと更新しているみたいだし、ちょっと安心しました。
特にdin-3という1Dinサイズの液晶多連メーターに萌えた。
今村FDは一つの象徴でしたねぇ……ぶどうの樹ハチロクも好きでしたが。

>>615 扶桑姉様の経緯は……勿論、追々にww
と云っても、大ドンデン返しみたいなことは自分の技量では無理なので、暇な時にまったり読んで頂ければ。


いか天見ていて思いついた小ネタ&魔王R編。


小ネタ 鈴谷とドリフト

夕張「えっ、ドリフト?」

鈴谷「うん!バリちゃんなら出来ると思って」

夕張「一応それなりには出来るつもりだけど……急にどうしたの?」

鈴谷「ホラ、提督からクルマ貰ったじゃん?それでこの前、熊野と摩耶と一緒に出掛けたんだけど……」


~回想~

鈴谷「あーもう!マニュアルめんどーい!」

熊野「ちょっと鈴谷。もっとマトモな運転は出来なくて?」

鈴谷「そんなこと言ったってクルマ乗るの実習以来だもん!」

熊野「ガックンガックンで酔いそうですわ……」

摩耶「別に難しいことなんかないだろ。半クラで発進したら、あとはギア変える時以外は殆ど使わないし」

鈴谷「摩耶はあんなバイク乗ってるからでしょ!何でこんな目に……」

熊野「信号が変わりましたわ」

摩耶「ホレ、発進して右折」

鈴谷「分かってるよー……ってウワ!?」

摩耶「アクセル踏み過ぎだバカ。カウンター当てろ」

鈴谷「うわわわっ!?」

熊野「グエッ」←頭ぶつけた

鈴谷「……と、止まった。死ぬかと思った……」

熊野「有り得ませんわー……」キュー

摩耶「流石にヤバかったぜ」

鈴谷「今のなにー……?」

摩耶「急にアクセル入れて曲がりゃあそうなる」

鈴谷「ああ……ドリフトってやつ……?」

摩耶「あれじゃただのタコ踊りだ。ま、何事もなくて良かったな」

~終了~


鈴谷「なーんてことがあって……チョー焦ったよぉ」

夕張「ホントによく事故らなかったわね……」

鈴谷「で、二度とあんなこと起きないようにドリフトを覚えようと思ったのです!」ビシッ

夕張「いや、その理屈はおかしい……か?あれ?」


夜・埠頭

夕張「結局教えることになってしまった……」

鈴谷「バリちゃん!早く早く!」

夕張「分かったって……じゃあまず基本から。今回は私のクルマだけど、FRであれば操作自体は変わらないからね」

①パワースライド

夕張「ハンドル切りながらガツンとアクセル踏む。すると……」

鈴谷「おお、滑ってる滑ってる」

夕張「これがパワースライド。アクセルの踏み過ぎによって起こるオーバーステアね。鈴谷がやったのはコレじゃない?」

②サイドターン

夕張「コーナー手前で減速、ハンドルを切りつつサイドを引く。すると後輪がロックすることによってテールが流れ始めるから……」

鈴谷「お、おぉー……」

夕張「あとはアクセルを開けてカウンターを当てる。これがサイドターン。低速でもやりやすいし、ドリフトではポピュラーなやり方ね」

鈴谷「さっきよりも横向いてる時間が長かった……」

③クラッチ蹴り

夕張「進入時にクラッチを蹴ると一瞬高回転になる。すると後輪が空転するから……」

鈴谷「うわわ、速いぃっ」

夕張「これもテールを流すキッカケ作りの一つね。サイドターンよりもスピードがある分、最初はちょっと難しいかも」

夕張「でも、回転数が落ち込んだ時にコレを使えば飛距離が伸ばせるわ。覚えておいて損は無いね」

④直ドリ

夕張「これは応用編。とりあえずクラッチ蹴ってキッカケを作り……」

鈴谷「直線で横向いてるぅっ!」

夕張「溜めたらアクセル抜く。すると今度は反対方向に振られるから逆ハン」

鈴谷「ギャー!!事故る事故る!!」

夕張「で、もう一回振ってコーナー進入。この時角度が足りないと思ったらサイド引くのもアリね」グイッ

鈴谷「 」

夕張「あとは同じね。ハンドルとアクセルで調整。そしてコーナー脱出」

夕張「今のは簡単なヤツからやっていったけど、普通にブレーキからキッカケを作ったり、慣性を利用する速いドリフトの方法もあるけど、やってみる?」

鈴谷「も、もうイッパイでち……」チーン


おまけ

夕張「ある程度なら勝手に戻ろうとするから、ハンドル持たなくてもいいのよね」パッ

鈴谷「やめてーーー!!!!」


深夜の埠頭にこだまする鈴谷の絶叫……鈴谷は無事にドリフトを習得出来るのか!?

続かない!


夕張「台場線に入っていく……?」

由良「着いて来いってことかな」

夕張「それならまだ好都合よ。湾岸じゃ勝ち目はないけど、環状だったら着いて行ける!」

由良「それにしても速い……」

夕張「パワーの差で云ったら、この子の倍は出てるでしょうしね」

由良「古くてもそこはGT-Rってことかな」

夕張「峠ならまだしも、都高でR相手にワンエイティで追いかけるなんて無謀だもの」

夕張「虹色大橋手前のS字……詰めるならココ!」


会心の慣性ドリフトでクリアーする夕張。

今までで最高のコーナリングだと自信を持って言える。

それでも……魔王Rに届かない。


夕張「追いつかない……っ」

由良「どんどん離されてるよ!」

夕張「まだチャンスはある!ココから先はテクニカル区間……タダでは済まさないんだから!」


虹色大橋を渡りきると、芝浦の下り連続コーナー。

直線で離された分を少しでも取り戻そうと、夕張は持ちうる力の全てをぶつける。

右、左、そして右……スリッピーな路面も相まって、都高でも屈指の難所である芝浦コーナーを丁寧に捌いていく。

抜ける頃には僅かではあったが、その差は確実に埋まっていた。

初戦の赤城の時とは違う。

自分の走りが出来ている。

そして、ちゃんと成長している――!

テールを追うな。前を見ろ。

いつか提督に投げかけられた言葉を頭の中で復唱する。

特徴的なリング状のテールランプはまだ遠い。

それを追ってはダメだ。目指すのはその先だ。

クルマは自分が向いた方向にしか進まない。

ハンドルを握る手は、若干汗ばんでいた。


夕張「内回り……集中集中」フー

由良「うん。空燃比、排気温度、共に問題無し。まだ行けるよ」カタカタ

夕張「了解!お願い、ワンエイティ――ッ!」


環状に入っても夕張の集中力は途切れない。

それどころか、この緊張感が心地良くさえ思えた。

その原因はやはり、前を行く魔王Rによってもたらされたものだろう。

あまりの速さから魔王と恐れられた、迅帝と並ぶアンダーグラウンドの主。

しかし名前とは裏腹に、摩天楼の灯火に浮かぶ姿は無骨な印象の強いR32とは一線を画す。

どこまでも深く、見ていれば溺れてしまいそうな……妖艶とも取れるブルー。

それはこの都高が持つ独特の空気に飲まれているのか、あるいはRの魔力によって脳髄から犯されてしまったのか。


夕張「怖い話とかさ、時々無性に見たくならない?」

由良「どうしたのよ急に」

夕張「私が思うに……あれって現実の延長線上にある非現実を、少しでも垣間見たいっていう意識が何処かにあるんじゃないのかなって」

夕張「何であのクルマが魔王と呼ばれているのか……少し分かった気がする」

本当に短いですが、一旦ここまで。
鈴谷のドリフトネタは何気にやりたかった……ドリフトをやりそうな艦娘第1位ですしおすし(>>1調べ)

あと個人的に、何気に夕張と鈴谷は仲がスゴく良さそうなイメージ。
中の人や絵師繋がりのせいかもしれないけど。

チョロQのアクマのタイヤ装備してそうな武蔵

おつ
熊野がコーナリングのたびに奇声上げるとこまで妄想した

夏の戦い、いよいよ始まりましたね。
かくいう>>1は何とかE-4まで進み、無事江風と速水を迎えることが出来ました……丙で。
甲・乙でやったら空母足りないんだもの……。

>>625 アクマのタイヤ……懐かしいですねww
HG2で履かせると、あまりの速さにバグりまくったなぁ。

>>626 容易に想像出来てしまう……ww

短いですが、小ネタを挟んで投下します。


小ネタ 江風と邂逅

江風「改白露型の江風だ!ま、よろしく頼むよ」

夕・由「おおー」パチパチ

夕張「制服がスタイリッシュ」

由良「カッコカワイイ」

江風「おいおい、褒めても何も出ないぞ」

江風「まあ、何て言っても改白露型だからな!バランスの良い身体だろ?」

夕・由「バランス……」

白露「江風来たってホントー!?」バーン

夕立「ぽいーっ!」ドタドタ

村雨「失礼しまーす」

江風「おお、姉貴達。よっす」

夕・由 ジーッ

白露「ん?どしたの二人とも」ボイン

夕立「ぽい?」バイン

村雨「……視線が……」ボイーン

江風「何だよ。何処見てんだよ?」ストーン

夕張「そうね。確かにバランスの良い身体ね」ホロリ

由良「大丈夫。まだまだこれからよ」カタポン

江風「分かんねえけどスッゲェムカつく」


むしろ姉貴共がアンバランス。
何がとは言わない。


二台は環状・内回りに突入。

魔王Rのテールランプは赤く尾を引き、浮かんでは消える。

コーナーの進入で差を詰めても、クリップ~出口では魔王Rが圧倒的優位。

暴力的な加速の前に、夕張180SXは為す術もなく。

タービンを交換し、CPUのリセッティングによってワンランク上の速さを手に入れたハズなのに、今ばかりは非力な軽自動車のようにさえ思えた。

パワーが足りない。スピードが足りない。

埋まらない差は夕張を苛立たせ、それが呼び水の如くヒリヒリと焦燥感を煽ってくるのだった。


夕張「もーうっ!!全然追いつかない!!」

由良「落ち着いて。離されてはいないよ」

夕張「環状ならどうにかなると思ったのに……!」

由良「インターセプターだっけ。簡単にはいかないよね」

夕張「どうせならもう少し大きいタービン入れれば良かったかしら。T518とかGT2835とか……」

由良「多分結果は変わらないと思う」

夕張「……うぅっ」

由良「したらばは後。今は提督さんでしょ」

夕張「……うんっ」


由良「それにしても提督さん、何であのクルマに乗っているんだろう。折角Zがあるのに」

夕張「扶桑さんを止める為……だと思う」

由良「扶桑さん?どういうこと?」

夕張「あの黒いGTOのドライバー……扶桑さんだったみたい」

由良「……冗談でしょ」

夕張「叢雲はハッキリ見たって。まさかとは思ったけど……」

由良「でも止めるって言っても、どうやって?」

夕張「それは分からないけど、扶桑さんの狙いはどうやらあのRらしいの。ワンエイティはブローしちゃったし、Zじゃ勝負にすらならない」

由良「出し惜しみしている場合じゃない……ってことね」

夕張「多分。何があったか知らないけど、あのクルマには嫌な思い出があるみたいだから、ずっと放置していたみたいだし」

由良「とても放置していたようには見えないけど……」

夕張「そうね。いくらガレージに入れていても、綺麗過ぎる」

夕張「提督は『これはただの機械だ』なんて否定していたけど、やっぱり何か特別な力があるとしか思えないわ」

由良「魔王なんて呼ばれている位だから、魔力でも持ち合わせているのかもね」

夕張「魔力……そうね。確かに魔力があるわね」


夕張「深峰線へ?」

由良「また湾岸に出るのかな」

夕張「そのまま市川に帰ってくれないかなぁ……」

由良「だったらいいけど、それはないでしょ」

夕張「そうよねぇー……」

由良「でもまた湾岸に出られたら、追いつけっこないね」

夕張「その前に銀座で差が埋まらないんじゃ、深峰線の間に置いて行かれそう」

由良「弱気になるなっ。気持ちで負けたら終わりだよ」

夕張「それはそうだけど……って、あれ?」

由良「……この上って行くのが深峰線よね?」

夕張「うん。コッチは向島線……」

由良「真っ直ぐ行ったら何処に繋がるの?」

夕張「中央環状にぶつかるわ。でも何で……」

由良「……箱崎出口で降りたわね」

夕張「え、あれ?もしかして……」

由良「どうしたの?」

夕張「ココで降りると下がロータリーになっているんだけど、そこにパーキングエリアがあるのよ」

由良「そんな案内標識あった?」

夕張「あまりに小さい所だから、混雑を避ける為にわざと表示してないの。Uターンがてらに使うこともあるんだけど、偶に閉鎖されている時もあるわ」

由良「知らなかった……」

夕張「でも好都合だわ。いい?提督がクルマから降りたら即拘束よ。聞きたいことが山ほどあるからね!」

由良(さっきまで不安と焦りで一杯の表情だったのに……急に元気になっちゃって)クスクス

夕張「……何で笑ってるの」

由良「べっつにー」


箱崎パーキング

提督「おーっす夕張。由良も居たn 夕張「食らいやがれぇ!!」トビゲリ

提督「ひでぶっ!」

夕張「何が『おーっす』ですか!丸一日勝手に鎮守府空けるし!Rは動いてるし!」

提督「ちょっ!痛い痛い」

夕張「ホントに心配したんですからね!」

提督「悪かったって。ホントは昼前には帰るつもりだったんだけど、コイツの整備が遅れちゃってさ……」

「あら、職務放棄を人のせいにする気ですか?」

由良「え?」

提督「おー居た居た。来てくれないかと思ってましたよ」

「守る気が無いなら最初から約束しませんよ」フフ

提督「へいへい。そういう人でしたね」

「貴女達は彼の所の艦娘ね」

夕張「あ……ハイッ。市川所属の兵装実験軽巡、夕張です」

由良「同じく、長良型軽巡洋艦・4番艦の由良です」

「夕張さんに由良さんね。はじめまして」

夕張「あのぅ……失礼ですが、貴女は?」

「あらいけない。うっかりしていたわ」

朝日「敷島型二番艦、朝日と申します。工作艦に改装された戦艦……って言えば、分かるかしら」

提督「俺のワンエイティとRを組み上げた張本人だ。昔っから世話になってるのヨ」

夕・由「……え?」

一旦ここまで。
翔鶴居ないから照月に会えるか不安だ……。

乙、どうやら夕張は首都高編ではレイナポジになってしまった様だな。


提督が組んだわけではなかったのか
といっても運転技術は変態クラスなんだろうけど

おつおつ
ふそ姉がとんでもチューンドカーから降りてきたりしたら泣いて神に感謝する自信あるw

山城と同じ銘柄吸ってた…重いけど甘いんだよねぇアーク

燃料が……弾薬が……鬼のように減っていく……
海風目当てにE-4行ったら、明石をドロップした>>1です。
ようやく装備の改修が出来るようになったけど、本命が出ない以上複雑な心境……ww


>>635 意識していなかったけど、確かにレイナポジですねww
湾岸ならエイジとマキ、オーバーレブならアイカに対しての涼子みたいな関係を考えていたのにっ。

>>636 ある程度は自分でも出来ると予想。
自分で組むより技術のある人に任せたいという感じですかね。

>>637-638 新ジャンル、女神のGTO……。
扶桑姉さまの見た目なら、宗教染みたファンクラブが発足しそうww

>>639 普段からキツめの吸っているせいか、重さは意外と気にならなかったです。
デビルみたいに大げさな甘さじゃないし、時々吸いたくなるのですが全然見ないんですよねぇ。
一度自分がアーク・友人がブラストをそれぞれ同時に吸った時は、それはもうスゴいことに……ww


新規実装艦全員に川内への言及があったので那珂ちゃんのファンやめます。


小ネタ 川内と江風

川内「うーん……キャブ絞り過ぎたかなぁ」カチャカチャ

江風「川内さーん。夜戦行かないの夜戦ー」

川内「これ終わったら行くよー」

江風「マジ!?じゃあ早く早く!」

川内「慌てない慌てない。峠は逃げないよー」

江風「……は?峠?」

川内「うん。峠」

江風「何しに?」

川内「夜戦しに」

江風「いやいや、アタシら艦娘だよ?山に行ってどうするのさ?」

川内「あー、カウル付けるの面倒だし、このままでもいっか」

江風「ちょっと!質問に答えてって!」

川内「そうだ。江風に着任祝いがあるんだ。夕張ー」

夕張<ハーイ

江風「え?なになに?新しい装備?」キラキラ

夕張「お待たせー?これが江風ちゃんの装備よ」

スズキ・RGV250Γ

江風「……なにこれ」

夕張「VJ22の後期型よ。規制でカタログ値は40馬力だけど、きっちり整備してあるから50位は出ているハズよ♪」

江風「え?え?」

川内「これでようやく、『SRTいちかわ水雷魂withSP夕張』が始動ね」

夕張「ハイこれ。江風ちゃんのメット」つドラヘル

江風「あ、ちょっと可愛い……」


江風の色合いが何となくガンマを彷彿させる。


小ネタ 川内と江風・その2 ~多分知られていないレースゲーネタ~


今日も峠が私を呼んでいる。

どうした……もうお仕舞か……
もっと速く走れないのか……もっと深く倒せないのか……

目にもの見せてやるから待ってろよ!

私は眠い目をこすりながらイグニッションキーを捻る。

相棒は一発で目を覚ます。
コイツはいつも目覚めがいい。

高回転型エンジンが不安定にむずかりアクセルを強請る。

イヤと云う程回してやるからお前の方がヘバるなよ!

エンジンに火を入れた私は暖機の間に缶コーヒーで、
自分のハートに火を入れる。

オイルの焦げる匂いに心が躍り、
私も一気に目覚める。

――行くぜ、相棒!

アクセルを捻るとキャブレターが鳴き、
レブ・カウンターが躍る!

心地良いエキゾースト・ノートに酔いしれながら、
いつものワインディングロードを目指す!

私はいつしか、バイクと一体になり
エンジンもタイヤも私のハートも熱くなった!!

私は心の中でフラッグを振る。


……そして今、私は熱い風になった。


江風「ヤッベェ……バイク、チョー楽しい」

川内「そうでしょそうでしょ?」

江風「川内さん!こうなりゃ全国制覇目指しましょう!いちかわ水雷魂の名を全国に!」

川内「お、いいじゃん。江風ったら、やる気だねぇ」

夕張「洗脳が完了しました」

由良「ロクでもないわね、アンタ達」


文の元ネタは「峠・伝説 最速バトル」より
首都高バトルを生み出したBPSよりスーファミ末期に発売されたバイクゲーです。

説明書無しでは一見さんお断り状態だけど面白い。
あと、Nチビで首都高走れます。オヌヌメ。


夕張「こ……工作艦・朝日って、私達の大先輩じゃないですか!」

由良「何で提督さんと……」

提督「昔、大黒で知り合った」

夕張「いやいやいや……」

提督「俺だって最初は驚いたんだぜ?朝日さんが元艦娘だって知ったのは着任してからだ」

提督「今でこそ艦娘の存在はのっぴらきになったが、当時は重要機密でな。軍関係者の中でもごく一部にしか伝わっていなかった。当然、一介の暴走族風情の俺が知る由もない訳ヨ」

朝日「彼と出会った時には既に退役した身でしたし、一応守秘義務もあったものでしたから」

由良「では何故、提督さんのクルマに手を入れるようになったのですか?」

提督「『Mid-knight』ってチーム、知っているか?」

夕張「都高を走っていて知らない方がモグリですよ……って、まさか」

提督「おうよ。L28改ツインターボのS130。それが朝日さん」

夕張「 」

由良「え?どういうこと?」

夕張「……かつて湾岸に君臨していた伝説のチームよ。その中でも有名だったのはワークスチューンの930ターボと、ABRエアロのZ……同チームの看板マシンね……」

提督「湾岸で実測300キロオーバー。Rやスープラが台頭し始めた頃に、130でこの数字は驚異的だった。ガキの頃に憧れたZが目の前に現れた時は、ホントに興奮したよ」

朝日「懐かしいですね。実際にそこまで出ませんでしたが」

由良「もしかして、そこに止まっているZがそうですか?」

提督「おう。今は赤くなったけど、当時はグレーだったな」

夕張「ちょっと見て来ていい!?」

由良「後にしなさい」

提督「……で、聞けばチューニングはほぼ自分でやっていると。ワンエイティのチューンに悩んでいたこともあって、兎に角拝み倒して以来付き合いが出来たってとこかな」

朝日「最初は自分以外のクルマには責任が持てないと断っていたのですが、彼の走りや考え方を知り了承したのですよ。彼はちゃんと、分かってくれると」

夕張「分かってくれるとは……?」

朝日「正確には知ろうとする姿勢ですね。作業する際は必ず手伝わせていたのですが、一つ一つの作業の意味を考え、キチンと自分の言葉として消化して発する。コレって案外難しいのですよ」

提督「そうですかね?」

朝日「先入観や予備知識というのは、時として価値その物を歪めてしまいます。やがて個が構築されていくと、自分の価値観に無いモノはまず否定してしまう。その方が楽ですからね」

朝日「彼にはそれを感じなかった。若さ故の無知ということもあったのでしょうが、何処かセンスがあったのでしょうね」


夕張「センス……ですか」

朝日「これはあくまで私の考え方ですが、センスというのは情報の取捨選択の上手さだと思っています」

朝日「言い換えれば本質を見極める力ですね。だからセンスがある=上達の早さに繋がると」

朝日「人は分かりやすい結果を求めがちです」

朝日「極力無駄を省き、最良の結果を得たい。その考え方は間違いではありません。占いなんかがそうですね」

朝日「ですが……無駄だと決めつけ切り捨ててしまうと、案外それなりの結果しか得られないものです。彼はそれが許せなかったみたいですね」

提督「大事なことは、自分で気が付かなければ意味がない。ただ教わるだけでは身に付かない……ってね」

朝日「あら、それは誰からの受け売り?」

提督「朝日さんからですよ。ここでの走り方、クルマに対する姿勢、考え方……みーんな都高と朝日さんとから教わったんです」

由良「つまり、朝日さんは提督さんにとって師匠みたいな人だったんですね」

提督「まあな。Zを買ったのだって、朝日さんに憧れていたって部分も大きい」

朝日「嬉しいこと言ってくれますね」

提督「事実ですから」

夕張「ところで、朝日さんは何故ココに?」

朝日「Rの様子を見に来ました。この様子だと、問題は無いようですね」

提督「問題があるとすれば俺の方かな。夕張如きを離せないなんて、やっぱり鈍ったんだなぁ……」

夕張「ムカーッ!人がどれだけ心配したかも知らないで!」

提督「だからそれは悪かったって」

朝日「さて、ココで立ち話をしていても他の方に迷惑が掛かりますし、私のガレージに移動しましょう。良ければ、お二人もどうですか?」

由良「いいんですか?」

朝日「ええ。提督としての彼の話も聞きたいですからね」

由良「では、お言葉に甘えて」

夕張「あの130を間近で見れるチャンス……流石に気分が高揚するわっ!」

提督「お前なぁ……」

朝日「ウフフ。では、参りましょうか」


朝日のガレージ

夕張「……まさかココまで来るのにも全開だなんて……」ゼィゼィ

朝日「夕張さんも中々の実力をお持ちのようだったので、つい踏んでしまいました」

夕張「それは素直に褒められていると思っていいんですよね……」

朝日「勿論。彼の部下だけあって、昔の彼の走りにソックリ」

提督「俺の方が速かったと思うけどナ」

朝日「いえいえ、夕張さんの方が速い位」

提督「いーやっ、そんなことないねっ」

夕張「何ムキになってるんですか……」

朝日「大人げないというか、子供っぽいところは昔からですね」

由良「ところでこの建物……ガレージと云うより貸倉庫に見えるのですが……」

朝日「作業も出来る広いガレージとなると、こういう所の方が都合が良いのですよ。さあ、どうぞ」ガラガラ

夕・由「お邪魔しまーす……」

朝日「明かりを点けますね」

ラーイトアーップ!!

夕張「お、おおー……っ!!」

由良「スゴい……プロのショップみたい」

提督「むしろプロだよ、この人。そこにあるヨーロッパだって、レストアついでにロータリー載せようとしてるんだし」

夕張「ふえぇぇぇ……」

由良「31、32、33……歴代Zが並んでるズラリと」

朝日「Zは特に思い入れがあるんですよ。でも、純粋なZは32までだと思いますね」

夕張「え?どうしてですか?」

提督「33はルノー提携後のクルマだからな。スポーツカーとしては成功した部類とは云え、朝日さんなりに思う所があるんだろ」

朝日「概ね当たりです。よく出来たクルマではあるのですが」

夕張「な、成程……」


朝日のS130フェアレディZ

ABRエアロのレッドパール。
L28改3.1L+TD06タービン×2仕様。
インジェクション+モーテック制御等、各部に現代のパーツを奢る。
NAでも充分速いらしい。
最大出力は約600馬力。


夕張「ノスタルジーな見た目に反して、中身はかなり現代的ですね」

朝日「思い出に浸るのではなく、速いZを作ることが目的ですから」

提督「でもL型って以外は最早別物だよなぁ。これでゼロヨン11秒前半出るし」

夕張「11秒!?下手な四駆より速いじゃないですか!」

提督「しかも、ちゃんと公道で乗れる仕様だからな。驚異としか言えん」

夕張「ヒエー……魔王Rがあんなに速くなったのも納得出来るかも……」

提督「……そうだな」

朝日「組んだ人間からすれば、このクルマが曰く付になってしまったのは悲しいですが」

提督「………」

朝日「その様子だと、まだ話していないみたいですね」

提督「……どうしてもなぁ、このRを見ると思い出しちまうから……」

夕張「……提督。結局このRは何故魔王と呼ばれるのか、どうしてこのRを頑なに拒否するのか……いい加減、話してくれませんか?」

由良「これ以上は執務や士気にも悪影響ですよ。観念してください」

提督「……観念って」

朝日「向かい合うと決めたから、私の元に来たのではないのですか?」

夕張「提督!」

由良「提督さん」

提督「……ああ、もう分かったよ。でも、あんまり他の奴に言うなよ?特に青葉」


その頃の青葉――

青葉「動かないから『あれ?』と思い、ギア弄ったらローに入ってもうウイリーです……」

青葉「おのれkwsk……」ガクッ

摩耶「何だとこの野郎」


提督「そもそもこのRは、俺のクルマじゃないのよ」

夕張「え?」

提督「正確には、その当時付き合っていた彼女のクルマだ」

提督「まあ変わり者でさ。華奢で線の細い見た目のクセに、機械科の大学出でな。知り合った時には、既にこのRに乗っていた。まあ、殆どノーマルだったけど」

提督「その頃、俺も岩崎も都高では名前が売れていた。で、何処から聞きつけたのか、実際にそんな速いワンエイティが居るのか見てみたかったと」

由良「本当に変わった人だったんですね……」

提督「そっから意気投合して、男女の関係になるまでにもそう時間は掛からなかった。お互いクルマが好きだったし、同い年だったから話題も事欠かない」

朝日「私の所にもよく顔を出しては、作業を手伝ってくれていました」

提督「一方でワンエイティでは限界を感じ始めていた。乗り換えを考えていると打ち明けたら、このRに乗れと勧められたんだ」

提督「色を塗り替え、エンジン・足回り・ボディ……出来ることは全てやった。完成した時には、感極まって泣いていたな」

朝日「これが当時の写真です。岩崎君も一緒に写っていますね」

由良「……え!?」

夕張「扶桑さんにソックリ……!?」

提督「最初に扶桑と会った時は腰抜かしたよ。生まれ変わって艦娘になったのかって思ったわ」

夕張「生まれ変わって……?」

提督「……死んだよ。このクルマでな」

夕・由「……!?」

提督「このRが組み上がった時は、そりゃあもう速かった。あれだけ苦労していたワンエイティは一体何だったんだって程にな」

提督「で……俺と岩崎が見た目と速さから、Vシネ版の湾岸ミッドナイトに肖って魔王Rと呼び始めた。今思えば、それがコイツを本当に魔王にしてしまうキッカケだったのかもな」


提督「そんなもんだから、俺とRは連戦連勝。湾岸じゃあついて行くことが出来なかった岩崎のRとも対等になった」

提督「あの迅帝とタメを張るんだ……噂はあっという間に広まり、最初はシャレで呼び始めた魔王の名が、いつしかコイツを表す通り名になった」

朝日「とてもじゃないけれど、私のZでは太刀打ち出来なくなりました。嬉しい反面、少し寂しくなりましたね」

提督「ところが……アイツが乗ると何故かグズる。最初はABSの誤作動で危うく突っ込みかけた」

提督「まあ当時でも32Rは既に古いクルマだったからな。ちゃんと原因も調べてたこともあって、その時は特に気にしなかった」

提督「しかしその後も不調は続いた。ドライブシャフトが折れたり、エキマニが割れたり、サーモスタッドが壊れたり……アテーサのヒューズがトんだ時は流石に引いたわ(笑)」

朝日「でも彼女が乗ると高確率で不具合が起きるから、君は故障センサー扱いしていたじゃないか」

夕張「え、ひどっ」

提督「余計な事言わないでください……」

由良「でも不思議ね……まるでクルマに拒絶されているみたい」

提督「ああ。だがそれでもアイツはこのRを心底愛してやまなかった。時間があればコイツに向き合い、その細い指を油で黒くしていた」

提督「ついにコイツも観念したのか、次第に不可思議な故障は無くなった。そもそもアイツのクルマだけどな」

提督「すると、今度はアイツの方がRに乗る時間が増えた。まるで取り憑かれたように、寝ても醒めてもRのことばかりだ」

朝日「実は都高における魔王Rの逸話は、殆ど彼女が作り出したものでした。つばさ橋で340キロ出ていた、内回り霞ストレートで300キロオーバー、環状6分切り……実しやかに囁かれた噂は、数多く存在していました」

提督「確か、横浜でゼロヨン10秒切ったなんて話もあったな」

朝日「私が聞いた話では、筑波の走行会で58秒フラットを叩き出したなんていうのもありましたよ」

夕張「どれも出来そうだから怖い……」

提督「いや、いくらなんでも大げさ過ぎだ。ゼロヨンは10秒中盤、筑波は精々1分フラットってとこだ」

夕張「それでも充分とんでもない記録じゃないですか……」

由良「じゃあ、最高速もそこまでは出なかったんですよね?」

提督「……メーター読みで近い速度は出た」

夕張「 」

朝日「確か、330キロは出ていたハズですね」

由良「 」


提督「それからしばらく経ったある日だ。アイツから電話があった」

提督「これから岩崎と走ってくる……今日は凄く調子が良いなんて、いつにもなく興奮気味だったよ」

提督「それで翌朝のニュースだ。都高で事故があったなんて流れていて、ふと見たら岩崎のRがグチャグチャになって転がっていた」

提督「あのバカやりやがったのかと思ったら、女性が一人死亡なんて出た。年齢も同じ。連絡しても繋がらない」

提督「頭が真っ白になったよ……」

朝日「二人が事故を起こしたのは環状外回りの京橋ランプ付近。ブレーキ痕は、岩崎君のものしか確認出来なかったそうです」

夕張「きょ、京橋!?」

提督「お前が赤城とヤった時と、ほぼ同じ場所だ。偶然とは云え心臓が止まるかと思ったぜ」

夕張「……そんな……」

朝日「翌日、私が魔王Rを引き取りに行きました。彼は心神喪失状態ですし、関わった者として、自分にも責任がありますからね」

朝日「引き取り自体は警察が渋ったので多少時間は掛かりましたが、現車を見ることは出来ました」

朝日「岩崎君のRがあんな状態では、魔王Rも当然再起不能だろうと思ったのですが……まるで何事も無かった様に、ほぼ無傷」

朝日「警察の方も少し気味悪がっていましたね。今まで何回も悲惨な現場を見て来たが、こんなケースは初めてだ……と」

提督「せいぜい擦り傷があった程度だからな……笑えたよ。笑い過ぎて壊れるかと思った」

提督「そして気付いた。最後の最後に、またコイツは裏切りやがった。アイツを身代わりにして生き残ったんだってな……」

提督「後はお前が知っての通りだ。あのガレージに押し込んで、生かさず殺さず置いていたのヨ」

夕張「でも……提督言ってたじゃないですか!クルマはただの機械だって……!」

提督「……そうだ。それに気付いたのは、お前達艦娘のおかげだよ」

夕張「え……?」

提督「人によっては、艦娘を兵器だと云うヤツがいる。だがそれを操っているのは紛れもなく、感情を持った人間なんだ。機械は結局、人間があってこそだ」

提督「それに気付いたのは……最初に叢雲を預かり、そして小さいながらも艦隊を任されるようになってから……」

提督「やっぱりさ、俺はクルマが好きなのよ。例え連れが大事故を起こし、付き合っていた女が死んでいても……やっぱりクルマは好きだった。憎めなかった」

提督「何より、アイツが愛したクルマだ。これ以上無下にしていたらアイツが悲しむかもしれない。それでも向き合えるようになったのは、ようやく今になってから……随分時間が掛かったけどな」

由良「それで……提督さんは、このRで何をする気ですか?」

提督「……扶桑を止める。何処でRの存在を知ったのかは置いといて、これ以上放っておいたら、かつての俺みたいになっちまう」

提督「クルマのせいで狂う人間なんて、もう見たくもないからな……」


提督「俺が話せるのは概ねこんなモンだ」タバコ

朝日「火気厳禁」ヒョイ

提督「へいへい……」

夕張「………」

由良「………」

朝日「言葉が出ないようですね」

提督「だからあんまり話したくなかったんだよ。この二人は特に古株で付き合い長いし」

朝日「ルールの無い喧嘩は殺し合い」

夕張「……?」

朝日「私が艦娘として学び、都高で再確認したことです」

夕張「どういうことですか?」

提督「……あの頃の都高は熱気が異常でさ。毎日何処かしらのチームが走っていた」

提督「中には白熱しすぎて、とんでもない化け物を連れて来る奴が居るのヨ。岩崎しかり、俺しかり」

朝日「しかし事故も増大していました。古参の人達からすれば、実に走りにくくなりましたね」

提督「……そうだな。WRCにおけるグループBみたいなモンだ」

由良「無秩序ですね……」

提督「ああ、まるで制御が効かない。正直なところ、アイツと岩崎の事故も起こるべくして起きた」

夕張「つまり、扶桑さんのGTOみたいなのが沢山居て……」

提督「そう。事故ったり、死んだりだ」

提督「あのGTOは怖いよ。正にその頃を思い出させる」

由良「だからこそ……末路が分かっているからこそ、何としても止めるべき、と」

提督「そういうことだ。特に夕張……出来ればお前には関わって欲しくないと思っている」

提督「これは俺自身の決着と後始末だ。ましてや、相手は俺の部下だしな」

夕張「……最後まで」

夕張「最後まで見守ることは……ダメなんですか?」

提督「……それをお前が望むなら、止めないよ。止める権利は無いさ」

小ネタとのテンションの差が辛いお……。
さて、春雨と海風を掘る作業に戻ります。

おつ
中身だけ逝ってしまうとは…

乙、この世界では朝日=北見的な感じなのか。

教習行ってる段階じゃわからんこと多いな
かすり傷しかつかないけど乗り手が亡くなるってどういうことが起こったんだ?

クラッシャブルゾーンがなくて衝撃がモロに行ったんやろ(適当)

乙今日読み始めて追いついた
このスレ痛車乗りの金持ち多そう
免許取って1年経たない若造だけど楽しく読んでる!
走り屋美女同士の戦う漫画でないかなー(棒

扶桑さんの戦艦GTOって前期型だっけ?

青葉は後ろにダルマでも乗せて安全第一の看板に衝突したのか

E-7どころかE-6で詰まっている>>1です。
そして翔鶴姉が来ないとE-7にも進めません。何で瑞鶴二隻目来るの。

>>653 実際にこういうケースがあるかどうかは分かりませんが、そこはフィクションということで。
でもエアバッグが原因で亡くなる方も居るみたいだし、無いとは言い切れませんね。

>>654 北見だけではなく、色んな人がモデルになってますww
勿論S130にも元ネタが居ますよ。

>>655 バイクだと稀にあるみたいですね。
自身はそこまでの大事故を起こしたことがないので、何とも言えませんが……。

>>656 迅帝が出してる青いスパークに当てられた説(適当)

>>657 有難うございます。
女の子の走り屋漫画なら、やっぱりオーバーレブ!でしょうかね。
あとはVシネに女の子が主人公の作品が何本かあったはず……。

>>658 そういえば描写していなかったような。
詳しい設定は後々として、戦艦GTOは黒目の後期型MRがベースです。

>>659 古いカワサキ恒例のN芋→ウイリーという奇跡のコンボ。
普通それでウイリーするはずないのですが、乗っているのが青葉だしなぁ……ww


首都高速トライアルは毎回死者が出ていたけど、
まさかこのSSでも同じようなことをやろうとは……。


補足的な小ネタ

由良「朝日さんのS130って、元ネタがあるのよね?」

夕張「そう。知っている人にはすぐ分かると思うけど、ABR細木のミッドナイトレーシングS130ね」

由良「どんなクルマなの?」

夕張「キャブ仕様のL28改ツインターボ。悪魔のZのモデルになったと言われているわ」

由良「そういえば、彼女のカレラに同じくミッドナイトのポルシェが出ていたような」

夕張「コレも有名なクルマね。途中でも語られている通り、Zと並んでミッドナイトの930ターボも全国的な知名度があったの」

由良「わざわざ本国のポルシェにエンジン送って組んでもらっていたらしいしね……」

夕張「ちなみに、彼女のカレラは>>1は断片的にしか読んでいませんっ」

由良「大鶴義丹主演のVシネマ版湾岸ミッドナイトには、同じくABRボディの白いS130も登場していました」

夕張「ネタバレすると、原作では北見ポジションの人物がS130のドライバーで、悪魔のZとのバトル後に、魔王Rを残して行方を眩ませてしまう……って感じだったハズ」

由良「大昔に視聴したっきりだから、内容はうろ覚えね」

夕張「朝日さんは、一応それを意識しての登場だったけど……ねえ?」

由良「まさかのオリジナル艦娘だし……」

夕張「朝日さんの容姿はご想像にお任せします!ただし、元艦娘ということもあってか、実年齢より遥かに若く見えるということだけ追記しておきますね」

由良「では引き続き、本編をお楽しみください」


帰路 都高深峰線

由良「……提督さんにも、色々あったんだね」

夕張「そうね……」

由良「……夕張」

夕張「なに……?」

由良「夕張?大丈夫?ファ○通の攻略本よ」

夕張「……は?」

由良「ゴメン。今の無し」

夕張「お、おう……」

由良「……今のは完全にスベった。死にたい……」

夕張「手で覆い隠す程恥ずかしくなるなら最初から言わないでよ……こっちまで恥ずかしい」

由良「……由良のキャラじゃなかった」

夕張「ああ、もう。そういうのいいから!」

由良「……提督さん、今日はちゃんと帰るって言ってたよね」

夕張「そうね。帰らなきゃ叢雲にボコられそうだし」

由良「酸素魚雷の刑ね、確実に」

夕張「……結局、走ることって何なのかな」

由良「さあ……私には分からないわ」

由良「朝日さん……いつでもおいでって言ってたし、聞いてみればいいんじゃない?」

夕張「そうする。艦娘の頃の話とかも聞きたいし」

由良「……で、さっきから後ろに居るのって……」

夕張「やめてよ……気にしないようにしてたんだから……」


由良「緑色のハチロクね」

夕張「そうね……」

<おねえさまあああああああ

由良「何か聞こえるよ」

夕張「どんな声量してるのかしら……」

由良「知り合い?」

夕張「多分、由良も知ってる人……前会った時と色が違うけど」

<黄色いワンエイティ!噂は本当だったんだ!

由良「……横に並んだ」

夕張「あー……」

「やっぱり!夕張さんですね!」

夕張「ああ、うん……案の上だわ」

由良「あの人は……」

比叡「初都高!気合!入れて!!行きます!!!」

夕張「何で比叡さんがココに居るのよ……」

由良「都高走行中でも聞こえる声ってスゴいね」


鎮守府最寄りのコンビニ

比叡「お久しぶりです!夕張さん!」アクシュ

夕張「どうしたんですか比叡さん。わざわざココまで……」

比叡「お姉様が心配になって来ちゃいました!」テヘッ

夕張「はぁ。ところで、前とクルマ変わってませんか?」

比叡「ハコ換えしました!これでバッチリです!」

夕張「そ、そうですか……」

由良(やっぱり声大きい……)


比叡のAE86カローラ・レビン改二

ボディ剛性で有利な2ドアに乗り替え。
グリーンメタリックに全塗装。
時代を逆行する直管の爆音マフラーがトレードマーク。
中身は以前のハチゴー改のままと見せかけて……


比叡「エンジンはSR20!リアメンバーもマルチリンクに換装!以前とは別モノですよ!」

由良「つまりシルビアですよね、中身」

夕張「ついにハチロクとしては禁断の領域に……」

比叡「これもひとえに金剛レーシングの名を受け継ぎ、そしてお姉様を目指す為です!」

由良「でも金剛さん、S2000に乗り換えましたよ?」

比叡「……えっ?」

夕張「知らなかったんですか……」


比叡「そ、そんな……金剛レーシングは……ハチロクで売っていたのに……」ガクゥ

夕張「でも、榛名さんと霧島さんは86とBRZじゃないですか」

比叡「榛名は元々ハチロクのトレノですよ。お姉様がエンジン壊しちゃったけど……」

夕張「ああ、そういえばそんな事言ってたような……」

比叡「あ、そうそう。その榛名のハチロク、新しいエンジンを組んだので復活したんですよ。今度はフォーミュラトヨタ用の4A-Gです」

夕張「うわ、マニアならヨダレものじゃないですか」

比叡「それもまた速いんですよー。お姉様程ではないけど」

夕張「今度Hakoneに行ったら、是非見させてもらいたですね」

由良「盛り上がってるとこ悪いけど、ちょっといいかな?」

夕・比「??」

由良「いや、中に居る人って……」チラ

金剛@マンガ立ち読み中

比叡「お、お姉様!?」ガビーン

夕張「あの人こんな時間に何してんの……」

由良「金剛姉妹ってフリーダムね」


<アリアッシター

金剛「やっぱりToL○veるはサイコーネー」

比叡「お姉様あああぁぁぁぁぁ」ダダダダダ

金剛「ん……OH!比叡!比叡じゃないデスか!」

比叡「お姉様!お久しぶりです!」ダキッ

金剛「どしたノ比叡。草木もスリープなウシミツアワーですヨ」

夕張「そのウシミツアワー?ってのにコンビニでT○Loveる立ち読みしている方が驚くわ……」

由良「さっきから伏字が仕事してない気がするんだけど」

比叡「ああ……久々に体感するお姉様のお胸の感触……感激ですっ!」グイグイ

金剛「くすぐったいヨ比叡」

夕張「で、ホントに何してたんですか」

金剛「ダカラ、ToLove 夕張「それはもういいですって」

比叡「私もお姉様とトラブりたいです!」パフパフ

由良(この人何言ってるのかしら)

金剛「実は暑くて寝付けないからミッドナイトウォークしてたヨ。バリー達は?」

夕張「CPUのセットアップがてら、都高に行ってました。提督にも会えましたよ」

金剛「リアリィ!?提督は!?」

夕張「今晩中には戻るそうです。これ以上鎮守府を空けていると叢雲の報復が怖いみたいなので」

金剛「既に手遅れな気がしマース」

由良「今は朝日さんという元艦娘の方のガレージに居ます。その帰りに、比叡さんと会ったんですよ」

金剛「ワオ!朝日デスか!?」

比叡「ご存じなのですか?お姉様」モゴモゴ

金剛「ネームだけネ。同じルーツを持ってマスし」

夕張「そう言えば、戦艦・朝日も英国生まれでしたね」

比叡「でもその朝日さんとやらが、市川の提督とどんな関係があるんですか?」ムニムニ

由良「比叡さんはそろそろ金剛さんの胸の中で話すの止めませんか?」


金剛「提督のクルマは朝日が……驚きネ」

比叡「それに魔王Rと戦艦……都高は恐ろしいです……」ヒエー

夕張「……いや、比叡さんのハチロクの方がブッとんでますって」

由良「魔改造の度合いで云ったらトップクラスですよ……」

金剛「でも、ようやく謎が解けたヨ。前に見た赤いZは朝日だったんデスね」

夕張「そういえば、都高に来るキッカケの一つでしたもんね」

金剛「イエス。ポルシェの方も聞いたら分かるかもネー」

夕張「それで、扶桑さんを止める為にRを復活させて、最終調整といったところです」

金剛「そうなると、都高は暫くブレイクですネ」

比叡「どうしてですか?」

金剛「そんなモンスターが居る中にアタックしたら迷惑が掛かりマース。流れを見ることも大切ネー」

比叡「そんなのお姉様らしくないですよぉ。蹴散らしちゃいましょう!」

金剛「ノンノン。今は扶桑が先決ヨ。二人のバトルを邪魔しないことネ」

比叡「ブー……」

夕張「でも、失礼ですが私も意外です。扶桑さんより先に自分とバトルしろって言うかと思いました」

金剛「ワタシも今は市川の艦娘ヨ。自分のことばかり言ってられないデス」

金剛「それにHakoneでもよくありましたが、横からチャチャ入れられるのは気に食わないヨ」

夕張「……流石Hakoneの女王」

由良「少し見直したかも……」

比叡「素敵です!お姉様!」

金剛(話を聞く限り、今の私じゃ勝てそうにないし……せめてS2をパワーアップしてからね)メソラシ


その頃――どっかの峠

川内「やるじゃん江風。私に着いて来れてる」

江風「まだまだ全然でしょー……川内さん、本気じゃなさそうだし」

川内「あ、バレた?」ニシシ

江風「チェッ、悔しいけどしゃーないなぁ」

川内「もっとスパッと曲げちゃっていいと思うよ。そっちの方が低速は速そうだし、出口でグワっとさ」

江風「うーん……右のヘアピンとか、もっとギャーって行きたいんだけど、対向車来ないか怖くって」

川内「そこは気配を感じ取るしかないよ。夜戦と一緒で」

江風「気配ねぇ……」

川内「今だって耳を澄ませば……」

江風「あ……クルマの音だ。コッチに来てる?」

川内「上って来てるね。夕張だったら車種分かるんだろうけど」

江風「それにしても、随分飛ばしてない?タイヤ鳴いてるし」

川内「うん。間違いなく速いねコレ」

江風「どうすんのさ?」

川内「折角だから待ってみようか。もしかしたら一勝負出来るかも」

江風「いいねぇ。そろそろバトルってのをしてみたかったんだ」

川内「ま、相手を見てからだね」


「やった♪やった♪トレノが直った嬉しいな♪」ランランルー

「ブローした時は本当に悲しかったけど……少しずつ直していって良かったなぁ」

「86も素敵なクルマだけど、トレノは見た目も可愛いし」

「それにこの4A-Gのサウンド……ああ、堪らないっ」


江風「随分独り言が多い奴だな。大丈夫かアレ」

川内「何か聞き覚えのある声だなぁ……あ、そうだ」

江風「どしたの?」

川内「何かトラブルがあった時でも対処出来るように探照灯持ち歩いているんだ。これで照らしてみよう」テレレレッテレー


夕張特製LED小型探照灯!
赤く光らせることも出来るから夜戦は勿論、天体観測にも使えるぞ!
ライトセーバーごっこにもモッテコイ!
軽量アルマイト仕立て。単四電池を二本使用。


江風「って、ただの懐中電灯じゃん」

川内「こういうのは気分が大事なのよ。じゃ、行ってくる」ピカー

江風「顔を下から照らすな!怖いって!」

ガサッ

「あら?何だろう……?」

川内「ドーモ。ヤセン=ライダーです」ピカー

「~~っ!?血!?血塗れの顔がーーっ!!」

川内「あ、間違えてレッドライトにしちゃってた」

「はわわわわわ……艤装……艤装を……」ガタガタ

川内「落ち着いてって。私だよ私。市川の川内だって。榛名さん」

榛名「……え?」


榛名「ううっ……怖かった……」

川内「アハハ、ゴメンゴメン」

榛名「本当に驚いたんですよ!お化けかと思って……ちょっと腰が抜けちゃいました……」

江風(お化けって聞くと白くて丸くて尻尾がニョロニョロしてて舌ベローンって出してるイメージだな……)ソウゾウチュウ

川内「で、随分嬉しそうだったけど何かあったの?」

榛名「ハイ。ブローしてしまったトレノに新しいエンジンが搭載されたので、つい嬉しくなっちゃって……」ハッ

川内「そういえば金剛さんに壊されたんだっけ」

江風「もしかしてウチの金剛さん?」

川内「そうそう。前は榛名さんと同じ所だったけど、ちょっと前に一人だけ異動して来たんだ」

江風「へー。その割にはメチャメチャ馴染んでるよな、あの人」

榛名「あ……あの……」

川内「ん?どしたの?」

榛名「もしかして……見てました……?」

川内「見てた?パンツなら見えたけど」

江風「あれじゃない?クルマ降りた直後から小躍り気味で跳ね回ってたこととかさ」

榛名「わああああああ!!!!」

川内「しょうがないじゃん。こんな時間に山の中で人に会うことなんかまず無いし、エンジン組み上がった直後じゃテンションも上がっちゃうよね」

江風「というか、パンツ見えたの?何色だった?」

川内「黒に白地のラインが入ってた。コ○プのと色が反転した感じ」

江風「ほうほう……黒とはまたエロエロっすなぁ」

榛名 orz

川内「でも私も今黒だよ。ホラ」ピラ

江風「あ、ホントだ。てか、少しは恥じらい持とうぜ」

榛名「色々見られていても……榛名は大丈夫です……」


榛名「何だか色々失った気がします……」

川内「まあまあ。それにしても、そのハチロク随分良い音してるね」

榛名「分かります!?」パァ


榛名のAE86スプリンター・トレノ改二

後期型3ドアのホワイトツートン。
金剛にエンジンを壊されたトレノを修復した。
フォーミュラ・トヨタ用の5バルブをベースにしている。
金剛・比叡号がイロモノならば、こちらは正統派に仕上がっている。
パワーは推定200馬力。


榛名「この4A-Gは元々フォーミュラ・トヨタ用のエンジンなので本来はウェーバーのキャブ仕様なのですが、それを4連スロットルのインジェクションに変更、更にドライサンプ化してあります。当初はキャブも面白いかと思ったのですが、やはり信頼性の面ではインジェクションの方が扱いやすいですからね。それと一部分ではありますがグループA仕様のパーツも使っているので9千近くまで回せますよ。ブロー以前の仕様は所謂イナゴだったのですが、良質なレース用エンジンということもあり、排気量はあえてそのままにしています。それと4連スロットルなので吸入方式は当然Dジェトロになるのですが」ペラペラ

江風「あ艦これ」

川内「エンジン以外の所にも火が入っちゃったみたいだね」

榛名「……あっ、失礼しました。4A-Gのことになるとつい夢中になっちゃって」エヘヘ

江風「お、おう……」

川内「好きなんだねぇ」

江風「そういえばコレ何だっけ。マンガとかで有名なんでしょ?」

榛名「イニDですね。主人公も同じハチロクのトレノですが、あちらは前期型です」

江風「やっぱり速いの?」

川内「夕張は今となっては並以下って言ってた」

榛名「流石に30年以上前のクルマですから……」

川内「私達のバイクもそれ位前だけどね」

榛名「そもそもイニDの4A-GはグループA仕様のエンジンを搭載しているという設定ですが、実はよく見るとエキマニが変わっていたりと純粋なグループA仕様ではないんです。公式でフォーミュラトヨタのパーツが使われているとの発表があったので、私とは逆にインジェクションをキャブ化した格好ですね。また劇中では『1万1千までキッチリ回せ』という台詞で4A-Gは超高回転型のイメージが着きましたが、そもそもそこまで回してもパワーのピークは過ぎているしエンジンに負担を掛けるだけなのであまり意味は無いように思えます。事実途中からは9千回転でレブリミットが設定されました。それと、これはあくまで個人的な意見ですが、あのマンガによってハチロクの中古価格が不必要なまでに高騰したことが残念で」ペラペラ

川内「わー、また火が入った」

江風「トーキングマシンだな」

榛名「あくまで4A-G搭載車に乗りたい人は、ハチロクではなくトイチ以降のカローラ系がおススメです!最終のカリーナも穴場ですよ!」

江風「この人トヨタの回し者か?あと誰に言ってるんだ」

川内「戦艦・榛名って川崎造船所出身なのにね」


榛名「そういえば川内さんはNSRでしたね。江風さんは……」

川内「何て言ったっけ、コレ」

江風「スズキのガンマでしょ」

川内「そう、それそれ」

榛名「ガンマ……確かNSRと並ぶ、レーサーレプリカを代表する一台でしたね」


江風のRGV250Γ

川内同様の手口で乗せられた夜戦用決戦兵器。
青白ワークスカラーの90年式VJ22型。
夕張の手によりオーバーホールはされているが、ほぼノーマル。
今後、江風の成長次第でステップアップしていく予定。


江風「気に入ってるのはこのヘルメットだっ」

榛名「あら可愛い。ドラえ○ん風ですね」

川内「私何故かポ○モン風にされた。コイツなんだっけ」

江風「多分ゲッコウ○じゃね?」

榛名「ピ○チュウなら偶に見ますけど……」

川内「ルビサファまでしか知らないから分かんない」

江風「それよりさ!榛名さんと夜戦したい!」

榛名「夜戦というのは……砲撃戦ですか?それとも……」

江風「もっちろん!あたしのガンマと!」

榛名「ええっと……バイクとの勝負はあまりしたことはないのですが……」

川内「待って。それなら私がやりたい。だってさ……」

川内「速そうな雰囲気がプンプンするんだ。金剛さんと同等か、それ以上にね」

江風「ええー!?川内さんズルいー!」

川内「多分江風じゃ勝てないよ。マトモにやったら夕張より上じゃないかな?」

榛名「……そんな。金剛姉様の方が速いと思いますけど……」


榛名「ど う し て も と 云 う な ら 、榛 名 は 大 丈 夫 で す 」ニコッ


江風「………!?」ゾクッ

川内「ねっ?言ったとおりでしょ?」

江風「さ、さっきまでと全然違うじゃん……ホントに同じ人!?」

川内「痺れちゃうよねぇ。最高だよ」

終戦の日に榛名をネタにするという。

そういえば小学生の頃、父が111系カリブに乗っていましたが、あれも4A-G搭載モデルだ。
道理で速かったわけだよなぁ……小田厚を[ヒエー]キロ前後で駆け抜けた思い出。

ところで、川内×江風は何と呼べばいいのでしょう。
川江?かわ・カワ・皮?

おつー
確か拓海の最後の相手は後期型ハチロクなんだったっけな(ネタバレ

乙、スイッチ入る前の榛名かわいい。
今度の比叡車も水戸納豆ネタかな?
あと4A-Gはセダンのカローラにも積まれてたと思うけどあれはイマイチなのかな?


江内でかわうち?でも逆か

面白いスレですね!見させて頂いてます!>>1さんは栃木出身という事でちょっと親近感ですw

おつー
ここの川内は黒、と…

個人的に頭文字の主役は高橋弟だと思ってる(特に後半


すっかり江風がお気に入りになった>>1です。
ちなみに今日は阿賀野が着任しました。やったぜ。

>>674 未だにハチロクの前期・後期の見分けがつきません。
覚えたハズなんだけどなぁ……。

>>675 お察しの通り、西川ミドハチがモデルです。
ぶっちゃけ榛名のおススメ車両は深く考えないでの発言ですww
セダンでもワゴンでも、ハチロクに比べればまだタマ数も程度も良さそうですね。

>>676 江川……いや、何でもない。
川風なら読みもそのままだけど、口頭では区別がつきませんねww

>>678 有難うございます。
元は神奈川生まれですが、思春期を過ごしたのは栃木なので栃木出身と言っています。
ですが、しもつかれは未だに食べれませんww

>>679 川内は割とオープンそう。
啓介が主人公……プロD編での成長を考えると、確かにそうですね。
今まであまり意識していなかった……。

そういえばこのスレも夕張が主役のハズなのに、
時々「あれ?これ川内が主人公じゃね?」と混乱するww


小ネタ 水雷魂 ←90年代の走り屋チームに実在しそう

江風「SRTいちかわ水雷魂withSP夕張の江風っていうんだ。よろしく」

江風「最速の走り屋になるため、全国の走り屋スポットに遠征し峠を攻めている」

江風「応援してくれ」

江風「……って、これ何なのさ?」

川内「うんうん。上出来上出来」

※SFCソフト「峠・伝説 最速バトル」より引用

江風「しっかし、チームとは云ってもあたしと川内さんしか居ないってのもなぁ」

川内「もう一人位誰か入らないかなー」


瑞鳳「うわ、何でこんな所にオイルが溜まってんのー……」

夕張「何そのボロいバイク。どうしたのソレ」

瑞鳳「ネトオクで見つけたんだ。暇な時にレストアして遊ぼうかなって」カチャカチャ

夕張「それ50Fでしょ?今ホンダの2スト選ぶなんて、苦行もいいところね」

瑞鳳「……そんなにヤバい?」

夕張「NSRの時……純正部品無さ過ぎて禿げかけた」ハイライトオフ

瑞鳳「えー……折角良いオモチャが見つかったと思ったのにぃ」

夕張「ヤマハだったら希望があったのに……」

<どーもー。AKSツール出張サービスでーす

夕張「ハーイ。今行きまーすっ」

瑞鳳「あ、私も欲しい工具があったんだ」パタパタ


速水「ここ、鎮守府ですよね……?」

叢雲「頭痛い……」

若葉「暴かれた世界」トコトコ

速水「何ですか今の」


瑞鳳はクルマより原チャリ弄って遊んでいる方が似合うと思い始めた。


スタート地点

榛名「スタートのタイミングはそちらに任せます」

川内「随分余裕そうだねぇ」

榛名「まさか。川内さんの噂は存じていますので」

川内「へえー……ま、いいけどさ」

江風(スッゲェ緊張感……これが峠の夜戦かっ)

川内「夜戦を楽しめれば満足だしね。じゃ、行くよ!」


絶妙なクラッチミートで、ロケットスタートを決める川内。

僅かにフロントタイヤを浮き上がらせ、矢の様に飛んでいく。

しかし榛名のトレノはすぐ後方。

遅れて江風のガンマだ。


川内「やっぱりタイミング合わせて来たかぁ。大人しそうなクセに走りはマジだね」

川内「江風は……ああ、だいぶ離されちゃってる」

川内「あんまり気にしてられないなぁ……あの子、無理しなきゃいいけど」


最初のコーナーまでの直線。

2サイクルエンジンの鼓動と4A-Gの甲高い音が合わさり、さながら管楽器のオーケストラのよう。

ふと後方の江風は、ある違和感に気付く――


江風「ええええ!?川内さん、何でアクセル全開のままシフトアップ出来るんだよ!?」

江風「NSRに出来るなら、ガンマにも……って無理無理無理!」

江風「たまに火吹いてるし……一体どうなってんだ?」


まるでレール上を走るように、一切のブレも無い滑らかなコーナリング。

タイヤの性能をフルに使い、僅かに後輪をスライドさせて駆け抜ける様は、時代を築き上げた往年のGPレーサー達を彷彿とさせる。

NSRを手に入れてからの短い期間。

徹底的に研ぎ澄まされたその走りは、日本刀の如く。

闇夜の中でも鋭く、鮮やかに光る。


榛名(速いっ……ライダーとは何回か交えたことはあったけれど、これは間違いなくトップクラス)

榛名(安心感さえ覚えるライディング。特に切り返しが異様に早い)

榛名(それにこの立ち上がり……四駆を相手にしているようだわ)

榛名(テクニックだけじゃない。私のトレノと同様、マシンも細部まで作りこまれている)

榛名(見た目こそアンダーカウルが無い普通のNSRのようだけど、中身は峠に絞ったセッティングのようね)

榛名(シフトアップの度にアフターファイヤーが出ているのは、恐らく点火カットを利用したセミオートシフト……)

榛名(そうすればアクセルを戻すことなく、途切れずに加速することが出来る)

榛名(本当に走り慣れている……走りのリズムが違う分、抜くことは難しそうね)

榛名(しかし、勝てない相手ではない!)


川内「よっ、ほっ……と。やっぱ簡単には引き離せないかぁ」

川内「まあ、このコースは短いし、スピードも結構ノるから、このまま逃げ切れれば……いや、そういう考えが通用する相手じゃないな」

川内「見えなくする位に考えないとね。集中集中っと」


レーサーレプリカのヘッドライトは、あまりに頼りない。

照らす為の装置は意味を為さずに、鈍色の道路をほんの少し白濁色に切り取るだけ。

頭上に瞬く星空の方が、遥かに明るく思える。

先の様子さえも掴めない。

それでも右へ左へ……躊躇いもなく突っ切る。

艦娘としての能力か、天賦の才か。

躍るテールランプは、さながら優雅に宙を舞う赤い蝶……


江風「……って言うのは中二臭いか」

江風「しっかし、何であんなスピードで突っ込めるかねぇ」

江風「榛名さんもキレッキレだな。どうなってんだよ、あの二人」

江風「コーナー一つで差が開く。これは流石にあたしの練度不足ってことか」

江風「……つうかこのまま差が開いて、こんな辺鄙な所に一人置いて行かれたら……」

江風「………」

江風「……お、お化けなんてないさ♪お化けなんて嘘さぁ♪」←既に涙目


川内「お、江風着いて来てる。やるじゃん」チラ

川内「しかし参ったな。もうすぐゴールだってのに離れないし」

川内「立ち上がりはコッチが上。でもコーナーのスピードは向こうの方がちょっと速い……かな」

川内「クルマの安定感は羨ましいなぁ。タイヤが多いんだから当たり前か」

川内「さて……仕掛けて来るなら、そろそろかな」


ギャラリーコーナー手前。

長く続いたランデブー走行も、いよいよ終盤。

ここに来てついに照準を合わせたのか、榛名トレノが牙をむく。

コーナー入口。榛名トレノは、あろうことかほぼノンブレーキで進入!

慣性によって外へ逃げようとするトレノ

しかしそれを見越していたのか、川内は早めに車体の向きを変えてクリッピングポイントを手前に取る。

自身が有利な脱出からの加速で、詰められた差を帳消しにしようと試みる。

コーナーで繰り広げられるドッグファイト。

タイヤ・トゥ・バンパーとでも呼ぶべき超接近戦。

これで決着か――








ズルッ




川内「あっ……マズい……」


ギャラリーコーナー出口

川内「ゴメンッ。大丈夫だった?」

榛名「榛名もトレノも大丈夫です。川内さんの方は?」

川内「コッチも平気。いやぁ冷や汗出たわ」

江風「ええっと……何が起きたんだ?あたしには榛名さんがスピンしてる所しか見えなかったんだけど……」

川内「コーナーの出口でリアが滑っちゃってさ。危うくコケそうになって、それを避けようとした榛名さんがスピン。危なかったぁ……」

榛名「でもお互い怪我が無くて良かったです」

江風 アングリ

川内「それにしてもよく止められたね。あんなの普通突っ込んじゃうよ?」

榛名「いえ、川内さんにも驚きました。まさかあの状態から立て直すなんて」

江風(あたしにゃ、どっちも化けモンに見えるわ……)

川内「ま、今回は私の負けかな。センター割ってたら、とっくに抜かされていただろうからね」

榛名「そんなことありません。こちらも目一杯でしたし、ましてや抜くなんて……」

川内「謙遜しないでって。最後は詰められてたし、ミスったのは私なんだから」

榛名「でしたら、また次の機会に決着をつけましょう」

川内「うーん……そうね。今夜は楽しかったし、また走ろうっ♪」

榛名「はい!勿論です!」



川内NSR・江風Γ vs 榛名トレノ

対戦結果……C 戦術的敗北


翌日・談話室

川内「……ってなことがあってさぁ」

夕張「アンタも染まったわね」

川内「まあねぇ。実際楽しいし」

夕張「そういえば、クルマ買うとか言ってたけど結局どうしたの?」

川内「ん?ちょっと良いモノ見つけたから、今度見に行く」

夕張「ふーん。やっぱりシルビア?」

川内「まあね。そうだ、夕張も着いて来てよ。私一人だと、ちょっと不安だからさ」

夕張「うん。いいわよ」

川内「それより提督も大変だねぇ。さっき執務室行ったら叢雲にシバかれてた」

夕張「あー……でしょうね」

川内「結局あの黒いクルマも扶桑さんだったんでしょ?それにあの青いR……存在感が半端じゃなかった」

夕張「今思うと、よくあんなの追いかけようって気になったなぁ……」

川内「私なら道譲るね。怖いもん」

夕張「真っ先に飛び掛かりそうなヤツが何言ってんの」

川内「……これからどうなるんだろうねぇ」

夕張「分からないわよ、そんなこと……」

川内「あ、今までのクルマはどうするんだろ?」

夕張「ワンエイティ?今はZもあるし、廃車かもね……勿体無い気もするけど」

川内「パーツ貰っちゃえば?使える所もあるでしょ」

夕張「ミッションは確かに欲しいわね……R33用とはいえ、容量的に強化されるし……」ムムム

川内「それで、夕張が二代目インターセプター名乗るとかどう?」

夕張「無茶言わないでよ……」


執務室

提督「……ホントにスミマセンでした」ボロッ

叢雲「全くよ!このクソ忙しい時期に職務放棄なんて……どういう神経してるのよっ!?」

提督「おっしゃる通りです、ハイ……」

叢雲「それで?扶桑さんについてはどうする気?」

提督「……直に止めてみせるさ。その為にRを引っ張り出して来たんだ」

叢雲「前に言っていたヤツね……」

提督「……あれ?お前に話してたっけ?」

叢雲「あのクルマは当時の彼女のモノ。そして事故を起こして亡くなったこと。クルマは手放さずに今も持っている……要約すると、こんな具合でしょ?」

提督「ああ……うん。そうだな」

叢雲「昔アンタが珍しく泥酔していた時に聞いたわ」

提督「うわ……全然覚えてねぇ」

叢雲「普段お酒を呑むことなんてないから印象に残ってたのよ」

提督「酒呑んだら運転出来ないだろ?」

叢雲「危険運転もアウトよ馬鹿」

提督「……本当にすまなかった。無理矢理お前を連れ出したっていうのに、ケリ着けられなかった」

叢雲「別にいいわよ、そんなこと。二度と乗らないけど」

提督「ハハッ。大丈夫だ……次はもう無いよ」

叢雲「……ようやく?」

提督「ああ」

叢雲「そう。私は役に立った?」

提督「おかげさまでな。ホント、お前にはいつも迷惑掛けっぱなしだ」

叢雲「もう慣れたわ……とっくにね」


金剛「………」ドア越し

金剛(降りる……かあ。その前に、私と勝負してくれないかしら?)

青葉「おや金剛さん。そんな所でどうしたんですか?」

金剛「Oh!何でもないデースHAHAHA!」

青葉「??」


休日・国道沿い

川内「着いた着いたっ。ココだよ」

夕張「何でこの道って中古車販売店が多いのかしらね?」

由良「途中に金色のクルマが並んでいる所があったけど、あれもクルマ屋さん?」

夕張「あー、確かにクルマ屋ね。全国的にも有名なショップなの」

川内「えーっと、何処にあるのかなー。スミマセーン」

「ハイ。いらっしゃいませ」

川内「あ、先日電話した“カワウチアヤネ”なんですが」

「カワウチ様ですね。ご来店有難うございます。どうぞこちらへ」

由良「今の本名なのかしら……」

夕張「私も外じゃ“綾瀬”って名乗ってるよ。お……このS15、オーテックバージョンね」

由良「それ夕張の没ネームじゃない」

川内「何の話してるの?さ、行こ行こ」

「お問合せ頂いたのはコチラになりますね。どうぞご覧ください」

川内「ありがとう」

夕張「S15ね。見た目は綺麗だけど……」

川内「そ。どうかなぁ?」

夕張「ふーむ……」ギシギシ

夕張うーん……」ノゾキコミ

由良「どうなの?」

夕張「悪くはないけど、結構使い込まれているみたいね。ホラ、ココなんか溶接が剥離しちゃってる」

由良「ホントだ。ちょっと浮いているね」

夕張「ゴム類の劣化は仕方ないとして、この値段を考えるとちょっと割高かな。最も、シルビアを買おうと思ったらこういう点はある程度覚悟しないといけない部分ではあるけどね」

夕張「同じS15なら、そこにあるオーテックバージョンの方がまだ良さそうかな。真っ先に目に入ったのはそっちだったから」

川内「出来ればターボの方が良いんだけどなぁ……やっぱすぐには見つからないかぁ」

夕張「S15も十年以上前のクルマだし、気長に見ていかないと」

川内「ちぇっ。まあ仕方ないか……ん?」


由良「川内?ボーっとしちゃって、どうしたの?」

夕張「あんまり遅いと置いて行くわよー(たまには言ってみたかったのよね、この台詞)」

川内「……ねえ。コレはどうかな?」

夕張「どれどれ?」


SW20・MR2

国産量産車では初となるミッドシップ・レイアウトを採用したMR2の二代目モデル。
初代のAW11から車格を上げ、2Lの3Sエンジンを搭載。
90年代のトヨタを代表する一台である。


夕張「MR2じゃない。奥にあるから気付かなかった」

由良「長良姉さんが乗ってるよね」

夕張「あっちは初代のAWで、これは二代目のSW20……Ⅰ型かな?」

由良「Ⅰ型?何か違うの?」

夕張「SWは大きく分けるとⅡ型までの前期型、Ⅲ型以降の後期型になるんだけど、後期型との見た目の違いはサイドモールの有無とリアガーニッシュかな」

夕張「それでこのⅠ型は最も危険なクルマと云われていたの。一瞬でスピンモードに入って、プロでも手を焼いていたそうよ。プレスを招いたテスト走行時には、半分以上がクラッシュしたなんて話も……」

由良「たんに欠陥なんじゃないの?」

夕張「実際にそう言われていたわ。それ以降は徐々に改善されて、Ⅲ型のターボモデルでは20馬力アップ。車体そのものも熟成が進んでいる分、Ⅰ型はちょっと見劣りしちゃうかもだけど。未だにⅤ型のNAが完成形という意見も強いしね」

夕張「でも、世界でも貴重な2Lのミッドシップマシンだからね。3Sは結構丈夫、ピーキーな特性はタイヤのサイズを変えるだけである程度は軽減出来るみたいだし、チューニングベースにはうってつけじゃないかしら」

由良「ふーん……で、川内が全く動かないのですが」

夕張「年式の割に程度は良さそうね。大きな修理跡も無いし、結構良いかも」


川内「……にする」

夕張「え?」

川内「コレ買います!コレにする!」

由良「清々しいまでの即決」

夕張「川内の思い切りの良さ、結構尊敬してるわ」

川内「ね!?ね!?良いでしょ!?」

夕張「低年式な分各部のヤレはあるだろうけど、これなら問題無いと思うわ。キッチリ整備してあげるから任せなさいっ」

川内「やったぁ!待ちに待ったクルマだぁ!」

由良「でも本当にいいの?当初の目当てはシルビアだったじゃない」

川内「直感」キリッ

由良「ホントにもう……流石ね」

夕張「でも、直感っていうのもアリだと思うな。自分が乗りたいと思えるモノが一番でしょ」

川内「スミマセーン!これ買うんでキー下さいっ!」

夕張「いきなり納車出来るワケないでしょ!」


バトルシーン、特にラストはもっと書き込める余地があったと投下してから気付く。
全体的にアッサリし過ぎてしまった……。

川内のクルマですが、ニーハンのレプリカみたいなクルマって何だろうと考えた結果、こんな車種になりました。
最初は本当にS15の予定でしたが……

・これ以上SR搭載車増やしても変わり映えしない(比叡までSRだし)
・SW20は色々書けることが多い

以上の点から、直前で変更しました。尚、次点はFCだったり。

一応このスレの着地点も見えて来ましたが、ちゃんと終われるのかコレ……。

乙!まさかの殺人マシーンSW20初期型だと!?
やりたいようにやるのが一番捗るから良いと思う。
S15のオーテックは今でも本気で欲しい一台、今となっては唯一といっていい日産のハイパワー?NA5ナンバーFRだしな。

扶桑編で完結するもよしだし、地方遠征して新キャラ出すもよしよ
オチさえしっかりつけば自由にやっていいと思うよ

個人的には日向さん欲しいです

おつー
江風はフフ怖枠だったw

レースとかサーキットとか続く状態のネタの回収も忘れないで

E-4丙、高波出たけど……何か、何か違う。

>>693 S15なら自分も今ならオーテックを選びますね。
でも同じ価格ならSWにすると思いますww

>>694 有難うございます。
伊勢・日向も考えては居るのですが、果たしてこのスレに間に合うかどうか……ww

>>696 舎弟が出来たよ!やったね川内ちゃん!
改白露型は何気に川内の指揮下にも所属していたんですね……調べて分かった。

>>697 正直に云うと、広げ過ぎた感はありますww
やりたい事が多過ぎて散乱していますね、ハイ。


このスレでは扶桑編の終了をもって、一つの区切りとして考えています。
その後、他に色々広げた部分を出来る限りやって行こうと……。
何処まで出来るかは分かりませんが、もう少しだけお付き合い願います。


数週間後・工廠

川内「ふっふふーん♪」

夕張「納車された途端、ココに入り浸りね……」

川内「だーってカッコいいんだもーん。ねぇー?ミーちゃん」

夕張「ミーちゃん?」

川内「名前っ!NSRはヌー子だし、MR2はミーちゃん!」

夕張「相変わらずよく分からないセンスだこと」


川内のSW20・MR2 改

ブラックメタリックのⅠ型。
パワーはそこそこに、足回りを中心に手を加えた。
前後異形タイヤ、一部Ⅱ型のメンバーに変更等、定番のモディファイ。
パワー系統は吸排気系の交換、タービンをOHついでにハイフロー化。
外装は大型Fリップ、エアロミラー、Ⅴ型純正Rスポイラーを装備。
パワーは推定280馬力。


夕張「で、乗ってみてどう?」

川内「やっぱ難しいね。気を抜くと簡単にスピンするし。それが面白いんだけどさ」

夕張「ミッドシップは私も初めてだから、どうしても手探りなのよねぇ……今度、長良に色々聞いてみようかしら」

川内「そうだねー。乗り方のコツもあるだろうし」

春雨「あ、由良さーん!川内さん居ましたよーっ!」

夕張「あれ?春雨ちゃん?」

川内「ヤベッ。見つかった」

由良「やっぱりココに居た!今日は偵察任務だって言われてたでしょ!早く準備しなさい!」

川内「ヤーダー。ミーちゃんと一緒に居るーっ」

由良「子供かっ!クルマなら帰って来てから眺めなさいっ!春雨ちゃん、そっち掴んで!」

春雨「は、はいっ!」

川内「アイエエエエー……」ズルズル

パタン

夕張「あんなのでも、ウチでは練度トップを誇るエースなのよねぇ……」


提督「おーっす。夕張居るかー?」

夕張「あ、提督。お疲れ様です」

提督「おう。とりあえずコレ。本部に整備記録上げなきゃならんから、明後日までに纏めておいてくれ」

夕張「いつものですね。分かりました」

提督「頼むわ。で、これが川内のSWか」

夕張「ええ。各部をリフレッシュして、ようやく形になってきました」

提督「これⅠ型だろ?ここまで綺麗なの、よく見つけられたもんだ」

夕張「でも、私もミッドシップの整備は初めてだから、どうも勝手が分からなくて……」

提督「ワンエイティに比べるとエンジンルームは狭いし、整備性悪いだろう?」

夕張「想像以上でしたね。話には聞いていましたが……」

提督「FFベースの宿命だな。いずれ慣れるさ」

夕張「……ところで提督。扶桑さんの件は……?」

提督「オイオイ、今はSN作戦の真っただ中だぞ。扶桑も制圧部隊に駆り出されているし、当分は何も進展しないよ」

夕張「そうですか……」

提督「とりあえず、燃料の在庫が心もとないから、近々遠征班に回すかもしれんからそのつもりで」

夕張「了解です」

提督「あ、それと。俺のワンエイティ、潰すことにしたわ。何かパーツ欲しかったら持って行け」

夕張「えっ、本気ですか?」

提督「今はZもあるしな。じゃあ、書類よろしくー」

パタン

夕張「………」

夕張 チラ

夕張「エンジンとボディ以外、殆ど残らないと思いますよーっと……」


夜・夕張の自室

夕張「あー……今日も疲れた。ようやく明日はオフかぁ」

夕張「とりあえず今日は寝ておこう。また遠征だの残党狩りだのありそうだし……」

コンコン

夕張「………」

夕張「嫌な予感しかしない……」

<ユウバリーヤセンシヨー

夕張「………」ウナダレ

夕張「ああーっ、もう。たまには寝かせてよ……」

<ユウバリガデテコナーイ

<テコノゲンリヲツカエッテキイタゼ

夕張「……不穏な会話が聞こえてくる」

夕張「舎弟(江風)が来てから、やたら活発になったわね……不用意にガンマを渡すんじゃなかった」

<アケロアケロー

<ヤセンヤセンー!

夕張「………」

<ワーッショイ!ワーッショイ!

夕張 ワナワナ

ガチャッ

<ヤカマシイッ!

<ワーニゲロー

夕張「由良に怒られてる……」

夕張「何はともあれ、これでゆっくり眠れるわ……」

夕張「………」

コンコン

夕張 プチッ

夕張「……いい加減にっ!」

夕張「しなさいよっ!」バアーン

「きゃっ!?」

夕張「……あれ?」

扶桑「……御免なさい。やっぱり日を改めた方がいいかしら」

夕張「ふ、扶桑さん……」


鎮守府外・海辺

夕張「戻っていたんですね」

扶桑「ええ。制圧も一段落着いたものだから」

夕張「今回はかなり苦戦するだろうと聞いていたので……最初はどうなるかと思いましたよ」

扶桑「そうね。今までに例を見ないタイプも居るし、完全制圧にはまだ時間が掛かりそうだけど……」

夕張「私は精々露払い位しか出来ないので、少し歯痒いです」

扶桑「そんなことないわ。夕張さん達が支えてくれているからこそ、ここまで進めることが出来たのよ。お礼を言いたいのはこちらの方よ」

夕張「いえっ、そんな……」

扶桑「でもね。今日はそんなことを話に来たわけじゃないの」

夕張「……何となく、分かります」

扶桑「そう。それに夕張さんも、何か私に聞きたいことがあるんじゃない?」

夕張「……あり過ぎて、何から質問したらいいか……」

扶桑「そうよね。自分でもビックリしている位だから。私はこんなに積極的になれるのかって……」

夕張「……どうして、扶桑さんが都高を走っているんですか?」

扶桑「あら。じゃあどうして、夕張さんも走っているの?」

夕張「そ、それは……」

扶桑「うふふ。ちょっと意地悪な質問だったわ」


扶桑「ここも、だいぶ賑やかになったわね」

夕張「え、ええ……私の後にも、着任した子も居ますしね」

扶桑「最初は提督の指揮の下、私や山城、古鷹さんに龍驤ちゃんが戦力の中心で……叢雲ちゃんが全体を纏めていて」

扶桑「ココに移ってからは、水雷戦隊がだいぶ充実して。最も、ウチは遠征中心の分署だから、規模は大きくないけれど」

扶桑「あの頃は毎日大変だったけど、楽しかったわ……」

夕張「………」

扶桑「でもね、提督は……山城と口喧嘩したり、叢雲ちゃんには甘えたりしているけど……私の所にはあまり来なかった……」

扶桑「あの人、私とは何処か一線を引いていた。最初は気のせいかと思っていたけれど、何処か引っかかっていたの」

扶桑「でもある時……偶然執務室であるモノを見てしまったのよ。まだ若い提督と……私ソックリの女性が並んだ写真……」

夕張(亡くなった……彼女さんだ……)

扶桑「それを見て、確信したわ……ああ、私はこの人に似ているから距離を置かれているんだ、と」

扶桑「それと同時に、気付いてしまったの。この胸の引っかかりは、私が提督を慕っている……好きだからだって」

扶桑「でも近付けば近付くほど、提督は離れていった……」

夕張「………」

扶桑「実はね、一度夜這いを仕掛けたことがあるの」

夕張「ブッ!!?」

扶桑「それでも、あの人は拒んだ……私にはそういう事は出来ないって、そう言われたの」

扶桑「女として否定されたようで悲しくなったわ……」

扶桑「……私ね、一人の女として見てもらいたかった。例え昔の人に似ていたとしても、その人とは別人なんだって……分かってもらいたかった」

夕張「でも、それが都高とどんな関係が……」

扶桑「だって、あの人の前を走ればずっと見てもらえるでしょ?」クスッ

夕張「……!?」

扶桑「私が前を行く限り……あの人は私のことを見てくれる。私のことを考えてくれる」

扶桑「それが独りよがりであっても、私はそれで満足なの」

扶桑「だから……どんな結果になっても、止めないでね。私と、提督を」

夕張「扶桑さん……」

扶桑「長話に付き合わせて御免なさい。そろそろ戻りましょうか」

扶桑「夜風は……やっぱり冷たいものね」


夕張「何か私、板挟みになってる気がする……」ハァ

夕張「それにしても扶桑さんの考え方、メン○ラじゃないんだから……」

夕張「もうマヂ無理……ワンエイティいじろ」

江風「テールカチ上げ!峠スタイルはやっぱコレだぜっ」

川内「外見よりまず中身っしょ。ホラ、そこのボックスとラチェット取って」

江風「ほいほーい」

夕張「……無邪気なアンタ達見てると、色々どーでもよくなるわー」

江風「あ、夕張さんチーッス」

川内「うーっす」

夕張「田舎のヤンキーみたいな挨拶ね」

川内「ん?何かあった?」

夕張「何で?」

川内「いや、空気が澱んでるからさー」カチャカチャ

夕張「空気て」

川内「何があったか知らないけど、あんまり溜め込むのも良くないよー」

夕張「……そうね。気を付けるわ」

川内「人間好きな事して生きるのが一番だしね。うわ、プラグ真っ黒」

江風「あーあ……道理で吹けないワケだ」

夕張「で?アンタ達は何してたのよ」

川内「江風のガンマ見てあげてた。やっぱヌー子と作り違うんだね」

夕張「そりゃあメーカーが違うもの。でも基本さえ分かっていれば後はどうにでもなるものよ」

夕張「まあねー。あ、それとミーちゃんなんだけど、頭が逃げるの何とかならない?」

夕張「アンダーってこと?どれ、ちょっと見てみますかっ」ウデマクリ


鎮守府の夜は更ける――。


小ネタ 若葉がロボットダンスしている姿を想像してください

若葉「残念ながらロボットさ」

若葉「それの心ここには無い」

若葉「軌道を逸れたロケットさ」

若葉「それの心ここには無い」

若葉「宣伝ばかりで文句ばっか」

若葉「今、ここに心は無い」

若葉「非常によく出来た嘘さ」

若葉「それの心ここには無い」

若葉「ドゥードゥードゥー」

若葉「踊りだす心ここには無い」

若葉「ドゥードゥードゥー」

若葉「今感じる」

若葉「どこで!」クワッ

若葉「誰が!」バッ

若葉「何を!」ズギャァァン


浜風「……何してるんですか、あれ」

浦風「打ち上げの時に披露する出し物じゃて」

浜風「はぁ……」


小ネタ 若葉がry

若葉「僕は何処かの提督」

若葉「君の背後にそっと近づいて、ポツリ」

若葉「LOVE」ビシッ

若葉「君は逃げたね」

若葉「君は敏感な駆逐艦だな」

若葉「だけど」

若葉「僕は君に恋してる」

若葉「暇じゃないのにわざと近付いて、ポツリ」

若葉「LOVE」ビシッ

若葉「君に恋してる」

若葉「とても濃厚な僕の墨で」

若葉「君の身体を白く染めたい」

若葉「嘘」

若葉「ホントは食べてみたい」

若葉 ピタッ

若葉「生き物さ……生き物さ……生き物さ……」


浜風「………」

浦風「内容が意味深じゃね」

浜風「そろそろ誰か止めた方がいいんじゃないの……?」


川内「私もヒョットコのお面着けて阿波踊りした方がいいっ?」キラキラ

夕張「うるさい」

一旦終了。
由良由良帝国の住人になりたい。

おつー
インターセプター潰しちゃうか……あれ?提督まさか魔王Rに……?

乙、これはミーちゃんのフロントサスのバンプストッパーをウレタン製に変更かな?

NSR、Γと出てきたらやはりTZRも…。

おつ
若葉なにしとんww

姉様はヤンでらっしゃるようで…


俺なんて赤城さん3人ドロップしたんだぜ・・・レア度段違いだけど違うんだよ

ちょっと質問何だか、扶桑GTOのカラーってグレー?ブラック?
霧島によればグレーらしいけど、都高で漆黒に染まってたんだけど黒よりのグレーってことかな?

ルート固定要員の比叡と霧島がどんどんレベル上がる……海風!海風はまだか!

>>708 そのまさかですねー……。

>>710 赤岡社長呼ばなくちゃ!
実際の効果が気になりますね。

>>711 乗せる艦娘を考えていますが、誰がいいのか……。
性能でいったら3XVだけど、このスレ的には3MAを出したい。

>>712 惚れたら一直線になりそうな扶桑姉妹。
若葉は……まあ、うんww

>>713 赤城さんドロップって逆に奇跡じゃ……ww
まとめで海風泥しまくってる人を見ましたが、諸行無常を感じました。

>>714 限りなく黒に近いグレーですね。
当初は正体が不明瞭で、霧島の情報網も錯綜していた……といった具合です。


若葉「ミッシェル好きだと思われているが、キングブラザーズの方が好きだ」


工廠

夕張「……むぅ」

由良「あら。提督さんのクルマ、バラしてるの?」

夕張「うん。予想はしてたけど……やっぱり廃車にするって」

由良「そうなんだ。少し寂しいね」

夕張「まあ……でもクルマ増え過ぎだから、ちょうどいいのかも」

由良「ああ……確かに。トラックとか含めると結構な数よね」

夕張「この前比叡さんが来た時にハチロク引き取って行ったけど、それでも多過ぎだわ」

由良「で、何か移植するの?」

夕張「最初はゴッソリ持っていこうと思ったけど、案外使えそうな所が無いのよ」

由良「そうなの?」

夕張「ホラ、リヤゲートの所見て。クラック入っちゃってる」

由良「うわっ、酷い……」

夕張「見れば見るほど、この子が限界に近かったっていうのが分かるわ。ここまで走れていたのが奇跡のよう」

由良「オーバーホールすれば、使えるところもあるんじゃない?」

夕張「それはそうなんだけど、無意識の内に提督の仕様に近付けてたみたいでね。わざわざ変えなくてもいいかなって」

由良「ふーん?」

夕張「とりあえずミッションとブレーキ一式かな。純正流用とは云え私のより良いの入ってるし……足回りはパーツの違い位で、殆ど変わらないから」

由良「あら、そういう微々たる違いが積み重なっていくものなんじゃない?」

夕張「………」

由良「あら、どうしたの?」

夕張「……もう一回見直すから、ちょっと手伝って」

由良「ハイハイ」


執務室

提督「なあ、金剛」カキカキ

金剛「何デスか?」カキカキ

提督「お前、走りから降りるって考えたことあるか?」

金剛「……やっぱり、止める気デスね」

提督「なんだ、知ってたのか?」

金剛「叢雲とトークしてるの聞いたネ」

提督「そっか。で、そこんとこどうよ」

金剛「その前に、提督は何年走ったのヨ」

提督「15の頃から単車転がして山で遊んでたから……もう20年近いかな」

金剛「……無免?」

提督「私有地だから問題ないっ」

金剛「ソレ、ホントに私有地ネ?」

提督「そこは気にするな。所詮田舎のガキだったからよ」

金剛「まあ、いいネ。クエスチョンのアンサーはノー、デスよ」

提督「全くか?」

金剛「全くではないヨ。アウトローなことしてるし」

提督「アウトローねぇ。Hakoneの女王はゴッド・セイブ・ザ・クイーンでも聞いてるのか?(笑)」

金剛「ワタシ、ピストルズよりクラッシュの方が好きデス」

提督「あっそ……」


金剛「そもそもワタシ、Hakone行くようになってから一年位だから分からないヨ」

提督「おいおい、それであの実力と人気か。スゲェな」

金剛「フフン、まあネ」

提督「でもさ、相手が居なくてつまらないんじゃないか?」

金剛「そんなことないヨ。いつの間にかクイーンなんて呼ばれていたケド、他にも速い人なんて沢山居るデスよ」

提督「へぇ。ま、Hakoneも都高と同じ位の魔境だし、知らないだけでトンでもないのも居るだろうな」

金剛「ターンパイク辺りなら提督より上のジェントルメンが、ハイスピードで走ってるヨ」

提督「で、皆やっつけたのか」

金剛「フルチューンのR35やラディカルにハチロクで着いて行けと?」

提督「無理ゲー(笑)」

金剛「それで、提督はどうしたいネ?」

提督「それな。人生の半分近くを費やしちまったから、今になって降りようって思っても、どうすればいいのか分からん」

金剛「アプローチが変わるだけじゃナイの?」

提督「アプローチねぇ……」

金剛「別にクルマを遠ざける必要はないヨ。さっきも言ったけど、ターンパイクなら提督よりオールドな人なんてゴロゴロ具沢山ネ」

提督「なんだよ、具沢山て」

金剛「そこはどうでもいいヨ。別にクルマそのものを降りる必要は無いってことネ」

金剛「提督にとって、それはもうライフワーク。ドライビングしない提督をイメージ出来ますカ?」

提督「うん、それ無理」

金剛「じゃあそれでいいじゃないデスか。意識が変われば、アプローチも変わるハズよ」

提督「ふむ……」

金剛「むしろ、提督が何に悩んでいるのかアイドントノウよ」

提督「俺も分からんっ」

金剛「じゃあワタシに聞くなデス」


金剛「ヘイ。提督」カキカキ

提督「なんだー?」カキカキ

金剛「もし今みたいならなかったら、何になってたネ?」

提督「お前はどうだ?艦娘じゃなかったら」

金剛「お嫁さん」

提督「うわぁ」

金剛「どういう意味デスか?」

提督「俺は……ふむ、ガキの頃からクルマ好きだったからなぁ」

金剛「クルマ以外に趣味はないノ?」

提督「あー……でもあったわ。音楽で飯食いたかったな」

金剛「そういえば、やたらマイノリティなミュージックばっかり聞いてるネ」

提督「マイノリティ言うな。これでも割と本気だったんだぞ?」

金剛「ヘー。パートは何デース?」

提督「ベース。SGベース振り回してさ。今でもたまに弾くぞ」

金剛「ああ。そういえばそこに飾ってあったネ」

提督「ガリガリに歪んでないと物足りなくてさー。ギターと音域被っちゃって棲み分け大変だったわ」

金剛「それ、ホントにベースの役割果たしてたんデスか?」

提督「挙句オクターバー(一音階上か下の音が出る機材)繋いで弾いたら、ギタリストと殴り合いよ」ワハハ

金剛「やっぱりマイノリティじゃないデスか」

提督「俺より上手いヤツはゴマンと居るが、俺よりカッコいいベーシストは居ないと冗談抜きで思ってたぜ」

金剛「ナルシスト?」

提督「自信家じゃなきゃバンドなんぞやっとれんわ。ぶっちゃけ今でも『コイツらが売れるなら俺ならもっと売れる』って思うし」

金剛「うわぁ」

提督「何だその反応は」


夜・芝ふ浦PA

由良「うん。こうして見ると結構絵になるよね」

夕張「そう?」

由良「なんだか二台とも速そうに見える」

川内「ミーちゃんの方がカッコいいっ!」

夕張「ホントそのMR2気に入ってるのね……」

川内「うんっ」

由良「川内自身がMR2に慣れてなさそうだけど」クスッ

川内「うっ……頑張りまーす」

夕張「それにしても、由良も最近よく来るようになったよねぇ」

由良「アンタ達だけじゃ、何しでかすか分からないもの。監視よ、監視」

川内「おっ、ツンデレですか?」ムフフ

由良「そういうオメデタイ頭してるから言ってるんだけど」

夕張「どうせだったら自分のクルマ買っちゃえば?」

由良「うーん……それはちょっと考えたけど、やっぱり二人のを見ているだけで充分かな」

夕張「さいですか」

川内「えー何でー?一緒に夜戦しようよー」

由良「違法行為をしていることを自覚しましょう」

川内「お堅いなぁ……」

夕張「でもさ、由良だったら何乗るんだろう?」

川内「あー、確かに」

由良「シュパン962CR」

夕張「真っ先に出てきたのがソレってどういうことよ……」

由良「じゃあロードスター。NBで」

夕張「急に普通になったわね……良いと思うけど」


夕張「そういえば川内。フロントちょっと変えたけど、どう?」

川内「うんっ。前よりいいかも。何したの?」

夕張「前より少しトーをインに振って、キャンバーもほんの少し寝かせたの。本当に調整って感じね」

川内「???」

夕張「……タイヤの向きをちょっと変えたってこと」

川内「へ?そんなこと出来るの?」

夕張「アライメント調整はそこら辺のタイヤ屋さんだってやってるわ。ほんの数ミリの差だけど、これが意外と大きいのよ」

由良「バイクでもある程度はイジるんじゃないの?」

川内「あー……そこまで気にしてなかった」テヘペロ

夕張「NSRも一度見た方が良さそうね……」ハァ

川内「お願いしまーすっ」

由良「ところでさ……今日は何だか静かじゃない?」

夕張「やっぱりそう思う?」

由良「うん。それらしいクルマも全然居ないし……」

川内「あー。そういえばそうかも」

夕張「そうね……まるで嵐の前の静けさのような……」ハッ

川内「!!」ダッ

由良「この音って……!?」


芝ふ浦PAは、僅かながらフェンス越しに反対車線が覗ける。

川内はフェンスに張り付き、夕張と由良は静かに見守る。

現れたのは、巨体を震わせる陸の戦艦……。

V6ツインターボのおどろおどろしい咆哮と共に、虹色大橋へと回遊していく。


由良「探しているのかな……提督さんを」

夕張「多分……」


都高・環状線内回り

夕張「うーん……川内の上達ぶりがヤバい」

由良「コーナーの出口がすっごく速いよね。ミッドシップだから?」

夕張「それが一番ね。同じ二駆でも、ワンエイティには無理な芸当だわ」

由良「やっぱりエンジンが後ろにあると、動きが全然違うんだー……」

夕張「でもイジっていて分かったんだけど、MR2って殆どRR(リヤエンジン・リヤドライブ)に近いのよね」

由良「そうなの?」

夕張「FFベースの横置きだから仕方ないんだろうけど、リヤタイヤのほぼ真上にエンジンがあるのよ。あれだと重量が一か所に集中し過ぎて悪癖が出てしまう」

由良「悪癖?」

夕張「長良に聞いたら、MR2は踏み方間違えると出口でアンダーが出やすいんだって」

由良「アンダーなの?オーバーステアじゃなくて?」

夕張「結局リヤに重量が寄り過ぎて、フロントの接地が少なくなるのが原因みたい。足回りはリヤよりフロントに気を遣えって言われたわ」

由良「そっか。前輪が浮いたら舵が効くワケないものね」

夕張「簡単に言えばそういうこと。3Sは特に重たいエンジンだし、フロントは抑えるモノが無いからね」

由良「でも、その割には……」

夕張「うん。キッチリ乗りこなすことが出来てるのよねー……」

由良「もう艦娘辞めてレーサー目指した方がいいんじゃない?」

夕張「それ言ったらまたツケ上がりそうね……あ」

由良「あれって……もしかして」

夕張「魔王……」

ピカ・ピカ・ピカ

由良「ブレーキランプを三回……って、速っ。もう行っちゃった」

夕張「五回でア・イ・シ・テ・ル……だっけ」

由良「じゃあ、三回だと?」

夕張「カ・エ・レ……じゃない?」

由良「ああ、納得」

川内『ねえねえ今の提督でしょ!?追っかけよう!』デンワ

夕張「アンタ何見てたのよ。あからさまなサイン送ってたじゃない」

川内『分かってるよ。ヤ・セ・ンでしょ!?』

由良「ホント、厄介な思考回路してるわ……」ハァ

夕張「 撤 収 っ !」アーッモウ

一旦終了。
このスレ始めた頃は、妖怪浜風オイテケだったんだよなぁ……。


ヤセンwww
山にラディカルとかエキシージとかやめろよ…やめろよ…

乙、おいそのラディカルV8のやつじゃないよな?

支援代わりにGT6で撮ったやつ
http://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/72/image.jpg

なんかもっと簡単な貼り方あった気がするけどこれで我慢しておくれ

海風出た……夏が終わったんや……
照月?知らない子ですね。

>>725 ケータハムもあるんやで……
よし、清霜に乗せよう(錯乱)

>>727 そもそもラディカルなんて本当に走っているのだろうか。
新しく出るクローズドモデルがカッコいい。

>>728 ウォーッ!スゲー!!
速攻で保存しましたっ!有難うございます!


よし、E-2に行って春雨ちゃんと大鯨だ。
イチソ艦狩りじゃあ!


小ネタ 海風着任っ!!

海風「改白露型、海風。本日よりお世話になりますっ」

提督 ジー

海風「えっ、あの……」

提督「B」

海風「ふぇっ!?」

提督「流石白露型だなぁ……時雨位はあるかな」

海風「な、何の話ですか!?」

提督「そのクセ、江風は平家だし……何処で差がつくんだろうな」ウーム

江風「誰が平らだオラァッ!」バーン

リベッチオ「リベはー?」

提督「ん?リベはいいんだよ」ナデナデ

リベ「わーいっ」

江風「何でだよっ!贔屓だ贔屓っ!」

提督「ところで、実家にガンマ用の耐久カウルがあるのだが……」チラ

江風「そうです。江風の胸は平らです」シュタッ

提督「清々しいなオイ」

海風「えっ?えっ?」


白露型はスケベ。


突撃!湾岸の青葉さん

●REC

青葉「どーもぉ。青葉ですぅ!今日は三京に来ています!」

青葉「実はココに艦娘が出没するという情報をキャッチしましたので、調査にやって来た次第です!」

青葉「さてさて……その艦娘はぁ、っと」

川内「あれ?青葉じゃん。何してんの?」

青葉「ややっ、川内さんじゃありませんか。こんな所で何を?」

川内「とりあえず、アイス食べる?」ハイ

青葉「あ、いただきます」

川内「前から三京には来てたよー。ドライブにはちょうどいいんだよねぇ」

青葉「神出鬼没ですねぇ」ペロペロ

川内「青葉に言われたくない」

青葉「ところで、もしや川内さんが噂されている“三京の悪魔”ですかっ?」

川内「悪魔?何それ」

青葉「最近三京はその話題で持ち切りですよ?」

川内「ふーん。それって速いの?」

青葉「それはもう。ふらりと現れたと思ったら、一瞬で姿を眩ますことから別名イリュージョンとも呼ばれているそうです」

川内「へぇ。面白そう」ニヤリ

青葉「しかし困りましたねぇ。出現パターンが唐突過ぎて、なかなか正体が掴めないんですよ」

「あらあら。噂だと黒いMR2って話よ?」

川内「ふーん。ミーちゃんと同じかぁ」

青葉「一方で、三京には引退したハズの“エキゾースト・イヴ”が出没するらしいですし……」

川内「なにそれ?」

青葉「かつて湾岸のトップに君臨していた、ワイドボディの80スープラを駆る女性ですよっ」

「あらあら。私と同じね」

川内「で、陸奥さんは何してるの?」

陸奥「見知った顔が居たからものだから、ね」


青葉「ヴォーッ!?陸奥さん!?」

陸奥「そんなに驚かなくてもいいじゃない。ちょっと傷付くわ」

青葉「いやスミマセン……あまりにも自然に溶け込んでいたものですから……」

川内「で、そのエキゾースト・イヴってのは陸奥さんなの?」

陸奥「身に覚え無いわね。たまたま同じ車種だから、間違われているんじゃないかしら?」

青葉「じゃ、じゃあ悪魔の正体が黒いMR2というのはっ!?」

陸奥「それは本当よ。そしてそれは間違いなく、貴女」

川内「へっ?私?そんな呼ばれ方されてるの?」

陸奥「ええ。私も以前見かけたことがあるの。水雷魂なんて書かれたステッカーを貼ったMR2なんて、他に居ないでしょ?」

川内「ああ。じゃあ私だわ」

青葉「な、なんと……“三京の悪魔”の正体は、まさかまさかの川内さんだったとは……っ!」

川内「でも、ミーちゃんでココに来るようになったのなんてホントに最近だよ?」

陸奥「それだけ貴女の登場はセンセーショナルだった――そういうことよ」

川内「ふーん。まあ、いいけどさ。ココは夕張の方が速いと思うなぁ」

陸奥「あら、そうなの?」

川内「今は、だけど」

陸奥「フフ。やっぱり面白いわ貴女」

川内「で、どうする?私と夜戦したいんじゃないの?」

陸奥「……今日は遠慮しておくわ。またの機会にしましょ」

川内「ええーっ。夜戦YASENヤセンーッ!」

陸奥「いずれ、ね。どっちかと云うと、楽しみは後に取って置きたいタイプなの」

川内「……今のうちに沈めておかないと、後悔するかもよ?」

陸奥「それもそれで、面白いじゃない」

青葉「待ってる間に砲塔爆発しちゃったりして」ペケー

陸奥「 」

川内 ジトッ

青葉「あれ?どうしたんですか二人とも」

陸奥「……今日はこれで失礼するわ。あと青葉借りてく」

川内「どうぞどうぞ」

青葉「え?あのー……何で青葉、頭を掴まれているのでしょうか?」ス

陸奥「また会う時を楽しみにしているわね。それじゃ」

川内「うん。またね」

青葉「ちょ、ちょっと痛っ!割れる!青葉の中身がパンパカパーンしちゃいますって!陸奥さん!陸奥さーん!?」ズルズル

川内 ノシ

青葉「アッーーー!!」


夕張「こ、こんばんわー……朝日さん、いらっしゃいますかー……?」キョロキョロ


鉄製の重い扉を開くと、埃と油の匂いが鼻につく。

朝日さんからの反応は無く、私の声だけがガレージ内に反響する。

留守だろうか?
しかし、奥で白熱灯が光っている……気付いていないのだろうか。

足元を確かめつつ、ソロリソロリと歩を進めつつ、辺りを見渡した。

それにしても、なんという設備だろう。

低床のリフト、大型のサンドブラスター、溶接機材に金属加工用の旋盤まである……隔離された空間はエンジンブース?

薄暗いので正確なことは分からないが、確認できただけでもコレである。

プロのショップでも、ここまで充実しているのは珍しい。


「ほえ~……イチからレーシングカーも作れそうね……」


しかし、鍵も掛けないとは随分不用心だ。

現在時刻、フタマルヨンイチ。
この時間なら居ると言っていたのに……今回は出直した方が良いかもしれない。

――コトン。

「朝日さん?」

ふと物音がする方へ向かうと、淡い光に照らされる魔王Rが佇んでいた。

作業中だったのかボンネットは開けられ、フェンダーの両側には傷予防のカバーが掛けられている。

暗闇に慣れた目には、魔王Rの濃いブルーメタリックは恐ろしく鮮やかで妖艶に思えた。

最初に見た時に感じた「刃物の様な空気感」は和らいでいる。
しかし、ひとたび魅了されてしまえば水面の奥底に沈んでしまいそうな……。

それは、このクルマが持つ魔力というか毒性の質が変わっただけで、依然として危険な存在には違いないことを意味している。

それでも目が離せない――。
離せるわけがない。

魔王Rはただ静かに、その時を待っているようだった。


夕張「見れば見るほど不思議なクルマ……」

「わっ!」

夕張「みゃろっ!?」

朝日「フ……フフ……みゃろって……」クククッ

夕張「あ、朝日さん!?驚かせないでくださいっ」

朝日「御免なさい。でも夕張さんったら私が話しかけても気付かないで、ずっとRを見ていたものだから」

夕張「え……?」

朝日「少なくとも10分位はそのままだったと思いますよ」

夕張「う、嘘っ!?私が来たのはほんの数分前で……って9時半!?」

朝日「何時に来たんですか?」

夕張「8時半過ぎ……です」

朝日「一時間近くRを眺めていた、ということでしょうか」

夕張「……見ていて、飽きないんです。何ででしょうね」

朝日「彼女も同じことを言って眺めていましたよ。その椅子に腰掛けて……延々と」コーヒードウゾ

夕張「都高で初めて見た時、魔王と呼ばれる理由が分かった様な気がしました」アザッス

朝日「理由、ですか。お聞きしてもよろしいですか?」

夕張「……凄く、綺麗だったんです。今もそう……目が離せなかった」

朝日「作り手としては嬉しい限りですね」

夕張「どうして……このRはこんなにも特別な雰囲気を持っているのでしょう?」

朝日「それは私にも分かりません。当たり前のことを、当たり前のように組んだまでですよ」

夕張「何かスペシャルなパーツを使ったとかは……」

朝日「いいえ、何も。どれも普通に手に入るばかりですよ。強いて上げればサージタンクとエキマニがワンオフ品です」

夕張「そ、それだけですか!?」

朝日「ええ。彼は音に拘っていましたからね」

夕張「音……」

朝日「どうせ直6に乗るならと、BMWを引き合いにしてきましたからね……当時は困りましたよ」

夕張「あー……私も乗り始めた頃、吸排気はちゃんと選べってやたら念を押されました……」


朝日「良ければ乗ってみませんか?」

夕張「ふえっ!?私がっ!?」

朝日「実は可変バルブ仕様にしたのですが、セットアップがまだなんですよ。夕張さんが乗ってくれるなら、私も色々専念出来ますからね」つキー

夕張「そりゃあ本音としては乗ってみたいとは思いますけど、とても私が乗れるような代物じゃ……いやいや、でもこれ程までのRなんてこの先乗る機会なんてまず有り得ないし」ブツブツ


都高・東雲ランプ


夕張「ぬおおおー……クラッチ重いぃぃー」プルプル

朝日「トリプルプレートですからね。仕方ないですよ」

夕張「強化クラッチには慣れていたつもりだったのに……」

朝日「でもエンストせずに来れたじゃないですか」

夕張「こんな状態で湾岸に乗って大丈夫かしら……」

朝日「むしろ楽になると思いますよ。遠慮せずに踏んでください」

夕張「分かりました……行きますっ」

短いけど、ここまで。
先日筑波の風返しに行ったのですが、面白いんだけど異様に疲れましたww
よくあんな所攻めようと思えるなぁ……恐ろしい。

おつ
海風…か…あそこに掘りに行く元気が残ってないな(白目

乙でした
堀の中だと楽な方なんだよな…連合的に考えて

イベント延長だって?知らないねえ、そんなこと。
海風が来てから燃え尽きている>>1です。

>>738 実はE-6で詰まって掘りに変更したなんて言えないっ!

>>739 E-2は確かにまだ楽ですね……風雲掘りとか考えただけでも恐ろしいww
資材も回復してきたし、ラスト一週間は本格的に掘りに専念しようかと思います。

照月はいない。いいね?


夕張「あわわわわ……」

朝日「大丈夫ですか?」

夕張「何処から踏んでも加速するっ!目が追いつかないぃ」

朝日「ピークよりも中間を厚くしています。トップまでの到達時間を如何に速くするかが、このクルマのテーマですね」

夕張「ちなみに……パワーどれ位出ているんですか?」

朝日「そうですねぇ。確か750は出ているハズですよ」

夕張「私のワンエイティの倍出てる……」

朝日「トルクは80キロを超えていましたね」

夕張「80ッ!?」

朝日「確かにとてつもないパワーですが、恐れることはありません。例え魔王と呼ばれていても、クルマには違いないですから」

夕張「そうは言ってもぉ」アセアセ

朝日「身体が強張っていますね。それではどんなクルマでも乗りこなすことは出来ませんよ」

夕張「ぬぬぬ……」

朝日「まずは自分から歩み寄らなければなりません。さあ、深呼吸してください」

夕張「すぅー、はぁー」

朝日「彼から学んでいるハズです。都高という場所を、このクルマの走らせ方を」

夕張「走らせ方……」

朝日「それに基本の方針は、あのワンエイティと同じですよ」ニコ


少しずつ視界が開けると同時に、魔王Rというクルマがより見えた気がした。

朝日さんは、提督のワンエイティと同じと云った。

この奥底から湧き上がるようなパワー。
確かに提督のワンエイティにも同じモノを感じた。

むしろクルマ自体の素性の差か、ワンエイティよりも遥かに余裕を感じる。

勿論ハイ・チューンドマシンであることには変わらない。
扱いやすさに感けていると、このRは簡単に裏切るに違いない。当然と云えば当然だ。

しかしこちらがキチンと向き合えば、このクルマはちゃんと応えてくれる。

何と優しい魔王だろう――。

それと同時に、このクルマが持つ本質が分かった。

この優しさは危険だ。

まるで甘い言葉で誘惑し、奈落の底に貶めるような。
嗚呼、それは正に悪魔や魔王の所業じゃないか。

それを理解しても尚、アクセルを緩める気が起きない。

景色が止まって見える。

このクルマとならば、運命を共にしてもいいとさえ思えた。

追い越すクルマが迫ってくる。

そういえば、提督が大事なことを言っていた気がするけど……

オ モ イ ダ セ ナ イ ヤ 。


「夕張さん」

不意に朝日さんの声が聞こえる。
それはとても優しくて。

「公道は生き残ることが全てよ。分かっているハズよね」

――意識が戻る。
そして、異常に気付いた。

「さ、300超えてる……」

現実離れした数字に血の気が引き、アクセルを抜いた。

私の知っているスピードとは、とっくにかけ離れている。

「あら。アクセルを抜いてしまうんですか」

隣の朝日さんが残念そうに言い放つ。

この人は何で平気な顔をしているんだ。
今の今まで何事も無く、セットアップを続けていたのだろうか。

私はと云うと、動悸が収まらない。
汗でハンドルが滑りそう。

やっぱり、このクルマは魔王だ。
次元が違う。

「ですが、おかげで良いデータが取れました。有難うございますね」

「は、ハハ……いえ……」

いつも通りの柔和な表情を浮かべる朝日さん。

多分私の顔は、馬鹿みたいに引きつっていただろう。


翌日 鎮守府・外広場

夕張 ボケー

由良「あ、こんな所に居た」

夕張 ヌボー

由良「夕張?夕張ったら」

夕張 ホゲー

由良「えい」ズボッ

夕張「ふごっ!?な、なに!?」

由良「アポロチョコを鼻の穴に突っ込んでみました」

夕張「汚っ!勿体無い!」

由良「で?何を呆けてたの?」

夕張「あー……昨夜さ、魔王Rに乗らせてもらったんだけど……」

由良「ふむふむ」

夕張「すっごい乗りやすくて怖かった……」

由良「どうゆうこと?」

夕張「乗りやすいっていうか、安心感があってね。どこまでも踏めそうな」

由良「それなら別に怖くない気がするけど」

夕張「……逆。安心して踏めるからこそ、危ないのよ」

由良「どういうこと?」

夕張「それだけ深みに嵌れるってことよ。このクルマとだったら死んでもいいとさえ思ったもん」

由良「あー……何しても大丈夫、みたいな?」

夕張「うん、そんな感じ。気付いたら300キロ超えてたし……」

由良「怖っ!そっちの方が怖いっ!」

夕張「簡単にそんな領域まで持って行けるんだから……怖いよ、マジで」

由良「しかもそれ、無意識にでしょ?」

夕張「無意識。頑張って~じゃないもの」

由良「怖ぁ……」

夕張「でも、彼女さんがあのRに入れ込んだのも分かるよ。あれ程完成されたクルマ、ちょっと他に無い」

由良「ワンエイティしか知らないでしょ……」

夕張「ええ、まあ」

由良「どうでもいいけど、これでRに乗り換えるなんて言わないわよね?」

夕張「あんなR作ろうと思ったら、もっと戦果上げて稼がないとねー」

由良「じゃあ提督さんに警備の仕事紹介してもらう?」

夕張「ああー、提督が昔やってたっていう……って、掛け持ちはダメでしょ常考」

由良「でも、たまに民間業者からの依頼で夜中たまにやってるよ。賃金が別で発生するし、バイト感覚でやってる艦娘も居るみたい」

夕張「うそ、んなバカな」


出撃 深夜の沿岸部哨戒任務!
深夜の沿岸部を警備、不審者は撃退せよ!

※勿論ありません。


喫煙所

提督 zzz

山城「居た……と思ったら寝てるし」

提督「俺はセナよりはっやーい……」ムニャムニャ

山城「起きなさい。このバカ提督」ビンタ

提督「んん……ああ、山城?何か用か?」

山城「何呑気に寝てるのよ。いつ仕掛けるわけ?」

提督「さあなぁ……時が来れば、かな」スパー

山城「ここ最近、姉様は毎晩のように出てるのよ。そんな悠長な……!」

提督「……お前なぁ、何で俺が眠そうにしてるか分からないのか?」

山城「はあ?いつもじゃない」

提督「普段の俺はどういう風に見えてるんだよ」

山城「クルマと音楽が好きなおっぱい星人」

提督「ああ正解だよクソが」

山城「どうでもいいから、いい加減何とかしてよ!もし姉様に何かあったら提督の責任ですからね!」

提督「オイオイ……勝手に上がって来たのは扶桑の方だぞ?」

山城「関係無いわよ。その魔王とやらに姉様が勝てばそれで終わりでしょ。ならさっさと負けてきなさい」

提督「バカ云うな。負ける気なんて更々ねえよ」

提督「そもそも年端もいかない小娘じゃないんだ。何でこんな愚かな真似してるのか、テメエ自身で分かってるハズだろうに」

山城「なっ!?そもそもアンタが 提督「……なあ、山城」

提督「アイツのクルマさ……俺は冗談かと思ったのよ」フー

山城「なにそれ?どういう意味よ」


提督「お前達が背負う艤装……まあ言わずもがな、先の大戦で実在した国産初の超弩級戦艦、扶桑・山城が元になってるよな」

山城「今更ね」

提督「扶桑型は攻撃に偏重し過ぎて速力・防御は疎か。艤装がデカすぎて全体の五割以上が被弾危険個所と来た。まあその他色々問題があって、欠陥戦艦のレッテルを貼られる、と」

山城「……だから何よ」

提督「ところが速力は当時としては実は最速。浮かぶ違法建築と呼ばれるジェンカみたいな艦橋も、海外じゃ大人気だそうだ」

提督「……で、扶桑が乗るGTOだ」

提督「色々と国産初の装備を引っ提げ、性能は当時国産トップクラスを誇った。しかし実際はどうだ……」

提督「ただでさえクソ重たい車重の上に致命的なフロントヘビー。直線は速いがコーナーは遅い、曲がらない。何処でも速いRやNSXと違い、スポーツカーとしては駄作、欠陥呼ばわりだ」

提督「そんで、三菱の旗艦はⅣの辺りからランエボに取って変わられていた。言うなりゃ扶桑型に対しての伊勢型みたいなもんだな」ククク

山城「話が長いし興味持てないんですけど。何が言いたいワケ?」

提督「知ってか知らずか、要するに立ち位置が似てるのよ。何となく」

提督「間違いなくトップクラスの戦闘力を有していたのに、正当な評価を受けず沈んでいった。あ、海外でのウケが良いってトコもな」

山城「ふーん……」

提督「まあ何で数あるクルマの中から、マイナーにカテゴライズされるGTOを選んだのか不思議だったんでな。案外、同じような境遇だからこそ引き込まれたのかと思ってねぇ」

山城「じゃあ、提督のクルマは?GT-Rだっけ?それは何になるのよ」

提督「そうだな……当時の基準だったら、間違いなく大和型だわな。しかも引き籠らせずに、ガンガン出てくるんだぞ。おっかないねぇ」ケラケラ

山城「うわっ……」

提督「だが、それはあくまでノーマルの話だ。大戦期の戦艦がどんなに頑張っても現代のイージス艦には届かないが、クルマはまた別だ」

提督「正直Rを以てしても、ちょっとキツそうなんだよねぇ……アレ」

山城「さっき負ける気は無いって言ったじゃない」

提督「最初から負けること考えて喧嘩買う奴が居るかってことよ」

提督「それに焦らずとも、もうすぐ終わるさ……」

山城「ハァ。講釈垂れてる暇があるなら、さっさと……」ン?

提督 zzz

山城「ちょっと!寝るんじゃないわよ!」


小ネタ 警備のバイトを実際にやってみた

夕張「うえぇ……結構不気味ねぇ」

由良「そうね。でも深海棲艦の群れよりマシじゃない?」

夕張「どっちもどっちよ……」

コトンッ

夕張「い、今物音が……!?」

由良「この辺りね……照らすわよ」

ピカー

由良「あっ!メタル泥棒!」

夕張「メタル泥棒ってなに!?」

由良「その名の通り、メタリックな泥棒よ!てーいっ!」バキィ

夕張「木刀持って突っ込んだー!?」

由良「コラ!逃げるなっ!」

夕張「砲撃は!?砲撃はしないの!?何の為の艤装!?」

ドカバキ

夕張「あわわわ……」

♪~(何処かで聞いたことあるようなファンファーレ)

由良「やったぁ。捕まえたっ」

夕張「なに!?何処から流れてるのこの音楽!?」

由良「さあ、警察に突き出してやりましょ。これでボーナスが貰えるハズよ」グイグイ

夕張「もうわけがわからない……」


でも実際、艦娘は陸での運営・展開も考えられると思うの。


小ネタ もし由良がクルマを買ったら

夕張「……小粋なクーペが良いと思う」

由良「何の話?」

夕張「由良に合うクルマよ。何かこう、洒落た感じのさぁ」

由良「またそれ?別にクルマを買う予定なんか無いわよ」

夕張「前にロードスターとか言ってたじゃない」

由良「適当に言っただけよ」

夕張「ロードスターも良いと思うケド、ビートやカプチーノみたいな小さいのも似合うと思うのよねぇ」

由良「嫌いではないけど、実用性皆無ね」

夕張「CR-Xも有りかな……」

由良「どうでもいいけど、せめて現行車種にしない?」

夕張「うーん……あっ!コレとか!」

由良「何よ、もう……」

夕張「セラ!トヨタのセラ!」

由良「ええー……」

夕張「スペックはパッとしなくてもライトウェイトだし、ベースがスターレット系だからマイナー車種の中ではパーツも意外と有る方だし、何よりガルウイング・ドア!」

由良「一人で盛り上がってる所悪いけど、買わないからね」

夕張「さて、見積もり依頼を~♪」

由良「人の話を聞きなさい、おバカ」


走るビニールハウスと揶揄されるセラだけど、今となってはスペック的に悪くない気がする。

次回辺り、扶桑GTOと最終決戦かもっぽい。

おつ
セラとか最近の若い人は見たこともねえだろww

どうやらこのスレの時代設定は30年くらい前のようだな

由良ならトミーカイラZZだけど
売ってないよなさすがに。

セラとかのTバールーフなんて剛性皆無だろw
下手すりゃ雨漏りもあったらしいし

アルシオーネ「雨漏りするなんて車として最低だぜ」

>>754
それは由良違いだw
まぁ名前つながりだしそれでも良さそうだけどw

雲龍ドロップしてひっくり返りそうになった>>1です。
その後もう一回ドロップしたけど、春雨ちゃんと大鯨ちゃんはどうして来ないのですかね……。

>>752 近所のゲーセンで毎日のように目撃するので、レア度がダダ下がり中ですww
でもイベントとか行くと、結構見かける気がします。

>>753 86とかBRZも出てますし……(震え声)
いくら個人的な趣味とは云え、年代が偏り過ぎましたね……。

>>754 ZZはむしろ帰国子女枠かなーと。

>>755 普通に乗る分には剛性なんて気にしなくても……。
雨漏り?当たり前じゃないんですか?(すっとぼけ

>>756-757 スーパー7「屋根なんかあるから雨漏りするんだよ」

>>758 CCIあめんぼうシルビア(ボソッ
ドライバーも大井繋がりだったし、真面目にS13も考えましたww

阿武隈を先に改二にしちゃった……ゴメンよ山城……


都高・市川PA

夕張「岩崎さん!」

岩崎「やあ、夕張ちゃんじゃないか」

夕張「良かったぁ……今日あたり居るんじゃないかと思ったんですよ」

岩崎「僕に会いたかったのかい?連絡してくれればいいのに」

夕張「……何回も電話しましたよ」

岩崎「え、ホントに?」

夕張「それより、お願いがあるんです」

岩崎「ん?なんだい?」

夕張「……私を乗せてください」

岩崎「上にかい?」

夕張「ち、違いますよ!変なこと言わないでくださいっ!」

岩崎「なんだ、残念」

夕張「GTOを撃墜するって話ですよ!前に言っていたじゃないですか!」

岩崎「ああ、そのことかい」

夕張「バトルの時、私を隣に乗せて欲しいんです!お願いしますっ!」

岩崎「うん、いいよ」ポエ

夕張「危険は承知していm……って、え?」

岩崎「別に構わないよ。多分、そう言うだろうと思ってたし」

夕張「えっと、ホントにいいんですか?」

岩崎「勿論……とは言い切れないけどね。何か起きたら責任取れないし」

岩崎「でもね、僕自身にもメリットもあるのかなーって」

夕張「メリット?」

岩崎「うん。夕張ちゃんみたいな可愛い女の子とドライブデートが出来るんだからね」

夕張「かっ……///」

岩崎「それにね……血肉が沸き立つのを抑えられないんだよ」


あのGTOは久々に――全力で遊んでも壊れなさそうだから。


夕張 ゾクッ

岩崎「自分でも愚かだと思うけどね」クス

夕張「それはつまり、ストッパー……って、ことですか」

岩崎「うん。利用するようで悪いけど」

夕張「い、いえ……」

夕張(やっぱりこの人も生きた伝説……都高の絶対王者と呼ばれた、迅帝だ……っ!)


岩崎「それに、実は提督からも言われていたんだ」

夕張「……提督から?」

岩崎「あのGTOのドライバー、艦娘なんでしょ?」

夕張「ハイ……私と同じく、市川所属の艦娘、扶桑型一番艦の扶桑さんです」

岩崎「みたいだね。それで多分、夕張ちゃんが僕の隣に乗せて欲しいと頼んでくるはずだって、聞かされていたんだ」

夕張「……お見通しってことですかね」

岩崎「僕が同じ立場なら、恐らく同じことをしたと思うよ」

岩崎「云わば今都高で一番速い者を決めるバトルだ。しかも当事者が上司と同僚となったら、近くで見たいという気持ちも分かる」

岩崎「でも、それだけじゃないだろう?」

夕張「……ハイ」

岩崎「君はどうやら“魔王”に魅せられてしまったようだね」

夕張「そう、見えますか?」

岩崎「この前乗っていただろう?朝日さんと一緒に」

夕張「見てたんですか!?」

岩崎「製薬会社主催の学会の帰りに、たまたまね。WRXだったんだけど、気付かなかったかい?」

夕張「全然……」

岩崎「僕はね、正直なところGTOには興味無いんだ。あくまで対象は魔王Rだけなんだよ」

岩崎「十年……いや、それ以上か。僕は魔王と再会出来る日を心待ちにしていた。それがGTOに横取りされるとなったら、黙っていられない」

夕張「……まるで扶桑さんは眼中に無いような言い方ですね」

岩崎「ああ、いや。誤解しないでほしいのは、あのGTOだって簡単にはいかないこと位分かっているよ」

岩崎「それでもね……君があのRに魅せられてしまったように、僕も虜になってしまったんだ。あの圧倒的なスピードにね」

岩崎「そして、あのRを墜とすことが出来るのは、僕のRだけだと思っている」

岩崎「君も知ってしまったんだ……分かるだろう?」

夕張「何となくですが……」

岩崎「うん。少しでも伝わってくれているなら、それでいいんだ」

夕張「それにしても岩崎さんって、結構子供っぽい性格ですよね……もっと落ち着いた人だと思ってました」

岩崎「アハハ。痛いところ突かれちゃったなぁ」

夕張「要するに、オモチャを取り上げられそうになって駄々をこねているってことじゃないですか」

岩崎「全くだ。でも生憎、僕は強欲なんだ」

夕張「えー……」

岩崎「フフ。話している間に頃合いだね。そろそろ行こうか」

夕張「……ハイッ」


鎮守府・入口

提督 スパー

川内「あ、提督だ。何してるん?」

提督「タバコ吸ってる」

川内「見れば分かるよ」

提督「じゃあ、お前は何してたんだよ」

川内「日課の走り込みだよ」

提督「へー。意外だな」

川内「そこは軍人だしさ。それにバイク乗るのにも体力つけた方がいいしね」

提督「また夜戦夜戦と騒いでるのかと思ったわ」

川内「えー……私ってそんなにうるさいかなぁ?」

提督「他所だと酷いらしいぞ。下手すりゃ砲撃騒ぎだとかなんとか」

川内「そっちの方がうるさいじゃんか」

提督「お前の場合は毎晩の様に2ストの音を響かせているんだから、あんまり変わらん気がするがな」

川内「流石に毎日は行ってないけど」

提督「いーや。江風が来てからなんてほぼ日だね」

川内「でもさでもさ、夕張のワンエイティの方が絶対うるさいって」

提督「クルマやバイクに興味の無いヤツからすればどれも同じよ。無駄に騒音と排ガス撒き散らしてるだけの迷惑な存在だ」

川内「ぶー……」

提督「ま、あれだ。バイクはうるせぇとか言うクセに、その後ランボやフェラーリが来たら良い音とか抜かすヤツも居るけどな」

川内「それこそ違いが分からないよ。フェラーリも2ダボも大差無くない?」

提督「オイオイ、2ダボなんて未だに言うのかよ。俺らの世代の言い方だろソレ」

川内「だってCBRだと今のヤツになっちゃうし。混同しないように2ダボ4ダボって言うようにしてんの」

提督「ほーん。しっかしお前もすっかり峠小僧……いや、峠娘?」

川内「艦娘ですぅっ」


川内「で、今日出るんでしょ」

提督「ああ。SN作戦も落ち着いたしな」タバコトリダシ

川内「勝算はあるの?」

提督「さぁてね」

川内「誤魔化さないでよっ」

提督「そうは言ってもなぁ……その場その場で状況なんて変わるし、何とも言えねえよ」

川内「……さっき夕張が出掛けてったよ」

提督「ほお。何処にだ」

川内「多分、都高」

提督「ふーん……」

川内「それでさ、ちょっとお願いがあるんだけど」

提督「断る」スパー

川内「……まだ何にも言ってないけど」

提督「どうせお前も夕張みたいに、隣に乗せろーとか言うんだろ?断るっての」

川内「なんでさっ。いいじゃん、減るもんじゃなしに!」

提督「減りますぅー。俺の気が散りますぅー」

川内「夕張だって、今頃岩崎さんの隣に乗せてもらってるハズだよ!何で私はダメなのさ!」

提督「ホントだったら夕張だって関わらせたくねえよ、こんなことに」

川内「全っ然意味が分かんない!」

提督「とりあえず川内。ちょっと見てみろ」

川内「何を……って、提督……手震えてる……?」

提督「……怖いんだよ、正直。こんな状態でお前らを隣に乗せることなんか出来ない」

川内「………」

提督「昔はこんなこと無かったんだがなぁ」ハハ

川内「提督でも、やっぱり怖いんだ」

提督「怖いね。今日出たら最後、今度こそお日様拝めないんじゃないかって、いつも思うよ」


提督「それでもバカなもんでさぁ。クルマに乗ると、純粋だった頃を思い出してしまうわけよ」

川内「純粋、ねえ……」

提督「時に川内よ。今、楽しいか?幸せか?」

川内「何よ、急に」

提督「戦場に身を置く艦娘にこんなこと訊くのも悪趣味だと思うが、今の暮らしは楽しいか?」

川内「うーん……確かに数え切れない位に危ない目にも合ったけど、何だかんだで楽しんではいるかな」

提督「後悔はしたか?」

川内「どうだろ。結局艦娘になるって決めたのは自分自身だし、そこはあまり悔いていないよ」

提督「そうか。なら今のところは安心だ」

川内「そうなの?」

提督「そもそも、お前は悩みがあっても悩むタイプじゃなさそうだし」ククク

川内「ひっどーい!言っとくけど、私にだって悩みの一つや二つはあるからねっ!」

提督「へえ。例えば?」

川内「えっ……おっぱいもう少し大きくなったらいいなー……とか……」

提督「ほーう、どれどれ。オジサンが見てやろう」ワキワキ

川内「何その手の動き。引くわー」

提督「ちょっとした悪ノリだ。反省はしている」

川内「別にいいけどさ。じゃあ提督は今幸せなの?」

提督「こんな美少女達に囲まれて、不幸なワケないだろ」

川内「聞いて損した……」

提督「でもまあ、俺は今も昔も恵まれているよ。後悔なんて山ほどした。それでも好きな事をして生きていられたんだ」

提督「これ以上の幸せが何処にあるよ」

川内「よく分かんない」

提督「ま、オッサンの戯言だ。ごま塩程度に程度に憶えていれば、将来きっと理解できるよ」


提督「さて、そろそろ行くかな。ありがとよ」

川内「何のお礼?」

提督「何でもないさ。じゃあな」

川内「あ、提督!」

提督「んー?なんだ?」

川内「負けたら承知しないよ!絶対だからね!」

提督「……俺を誰だと思ってるんだよ」ニヤッ


叢雲「………」ムスッ

時雨「提督、大丈夫そうだね」

叢雲「し、時雨っ!?いつからそこに!?」

時雨「タバコを吸ってる提督を見つけて、話しかけようとしたけど止めてしまった……って辺りかな」

叢雲「つまり最初からね……」ハァ

時雨「随分と膨れっ面をしていたけど、どうしたんだい?」

叢雲「……別に。何もないわ」

時雨「あの場に居るのは川内ではなく、自分だった……とか思っているのかな?」

叢雲「どうしてそう思うの?意味が分からないわね」

時雨「何となくさ。そんな風に見えたんだ」

叢雲「……憶測で人を図るのは感心しないわ」

時雨「でもね、叢雲。君が髪を弄る時は決まって誤魔化そうとしている時だよ。知っていたかい?」

叢雲「……う、うそでしょ?」

時雨「うん。嘘さ」

叢雲「アンタねぇ……」

時雨「君はあまり、本心を出してくれないからね。カマをかけてみたんだ」

叢雲「……嫌な性格」

時雨「フフ。お互い様だよ」

叢雲「きっとココで私達を待つアイツも、同じ気持ちだったんでしょうね。次こそは帰って来ないんじゃないかって……」

時雨「心配するな……は、無責任な言葉だけどさ。信じてあげようよ」

叢雲「そうね……ホント、こんな良い女を待たせるなんて、良い度胸しているわ」

時雨「うん。それでこそ叢雲だ」


時雨(提督、扶桑を……頼んだよ)

み、短い……進まない……
川内は可愛いし、叢雲はイイ女。異論は認めない。

乙!この湾岸的な独特の空気感、最高に盛り上がりますな。


このスレに出てくる男二人は変態ですよ憲兵さん!

夏イベ、終わりましたね……。
結局心が折れて完走は出来ませんでしたが、白露型コンプリートできたし良いかなと思っています。
春雨ちゃんも迎えられたし。新規実装艦?知らんなぁ。

>>768-769 ありがとうございます。
見ての通り、湾岸を強く意識した結果ですねww

>>771 え?むしろ男なら正常な反応では……。

浜風・浦風の浴衣グラを見て、そういえば艦これって一応R-18だったことを思い出す。


湾岸線

岩崎「さて、と。流れは良さそうだね」

夕張「あの……勘で来ちゃいましたけど……」

岩崎「本当に今夜、会えるかってことかい?」

夕張「……ハイ」

岩崎「どうだろうね。そればっかりは僕にも分からないよ」

夕張「そうですよね……」

岩崎「何事にもプロセスがある。夕張ちゃんが今夜を選んで僕を訪ねて来たのも、ある種の必然かもしれないよ」

夕張「クサい台詞ですね」

岩崎「そうかな?」

夕張「ところで、このRも随分乗りやすそうですよね。スゴく安定しているというか」

岩崎「おっ、分かるのかい?」

夕張「何となく……でしかないですけど。比較の対象に出来るとすれば、ワンエイティしかありませんし」

岩崎「僕はね、スタビリティという点でRに勝るモノは居ないと思っているんだ」

夕張「安定性、ですね。インプレッサじゃダメなんですか?」

岩崎「うーん……これはあくまで個人的な好みの問題かもしれないけど、やっぱりインプはRに比べるとまだ線が細い印象かなぁ」

夕張「今の型なら、あまり華奢だとは思いませんが……」

岩崎「そうだね。でも僕にとってインプは振り回すクルマなんだよ。対してRは軽快感は薄いけど、揺らぐことのない幅の太さがある……すなわち、スタビリティだね」

岩崎「特に僕らが走るのは何が起こるか分からない公道だ。一点の速さを求めるよりも、幅の太さを選択した方がリスクが少ないと思うね」

夕張「確かに……提督のワンエイティも、どちらかと言えば破綻しない様な方向性だった気が……」

岩崎「じゃあ同じく第二世代のRがベースの魔王だ。R32とR34という違いはあるけど、基本的には同種だ」

岩崎「魔王Rも確かにスタビリティは高い。だけどいつか裏切られる気がする……そんな感じではなかった?」

夕張「そうですね……でも何故か、それを許せてしまえる気分でした」

岩崎「それがあのクルマの怖いところさ。まるで人喰い花だよ」

岩崎「だからこそなのか、一発の速さは魔王の方が上だったんだよね」

夕張「……それは、今もですか?」

岩崎「今なら負けないよ。それに僕は、負けると分かっている勝負はしない主義だ」


夕張「岩崎さんから見て、扶桑さんのGTOはどう思います?」

岩崎「そうだねぇ……本当に速いGTOって、全国的に見ても数は少ないよね」

夕張「そうですね。むしろマイナー車扱いですから……」

岩崎「RにFD、80スープラ……同世代のこれらは、今でも現役でトップを張れるポテンシャルを持っている、が」

夕張「あえてGTOを選び、それらと同等以上のレベルまで持って行った……」

岩崎「その点は本当、尊敬に値するよ。むしろ近年では突出している程だ」

夕張「でも岩崎さんの評価は低い気がするんですよね。身震いするような存在感を持っているのに」

岩崎「うーん……速いことは速いんだけど、それだけかなぁっていう感じ」

夕張「どういうことでしょう?」

岩崎「じゃあさ。仮にグループAのRに乗ったとして、全盛期の星野より速く走れるかい?」

夕張「えっ……多分無理です」

岩崎「うん、僕も自信無い。ある程度近いタイムは出せると思うけどね」

岩崎「四輪のレースはクルマ8のドライバー2なんて言うけど、突き詰めたらやっぱり操るのは人間なんだよ」

岩崎「あのGTOはすぐに消える。クルマとドライバーが一致していないんだ」

夕張「技量が追いついていない……と、いうことでしょうか?」

岩崎「いやいや、技量は十分だよ。でも……結局そこまでというか」

岩崎「職業柄沢山の人を見てきたし、ここにも長く居るものだから、何となく分かるんだ。場違いな程綺麗な人だしね」

夕張「もしかして……扶桑さんに会ったんですか?」

岩崎「偶然ね。最初は、彼女が蘇ったんじゃないかと目を疑ったよ」

夕張「………」

岩崎「僕から見ると、彼女にとってココに上がる意味があやふやなようにも思えた」

夕張「……上がる、意味……」

岩崎「あれ程までのクルマに仕上げたというのに、彼女自身は虚空のようだった。勿論、チューニングという行為自体も虚しい自己満足かもしれないけど、皆それぞれ思いがある」

岩崎「まるで微睡んでいるような、そんな印象だった。あれじゃあ戦艦というより、幽霊船だよ」

夕張「……扶桑さんは、提督の前を走ればずっと見てくれるからって……そう言っていました」

岩崎「見てくれる……かぁ。何であれ、今夜が何事も無く終わることを願うよ」


夕張「岩崎さんは、都高を走ることにどんな価値を見出しているんですか?」

岩崎「どうしたんだい、藪から棒に」

夕張「正直に云うと、私もよく分からないままなんです。何でココを走るのか……」

岩崎「そんなモノは無いよ。あるとすれば、それを考えることかな」

夕張「岩崎さん程の人でも、ですか」

岩崎「いくら正当化しても、やっていることは反社会的な行為だからね。それを理解しても尚この場所に上がる……ただの矛盾だ」

夕張「まるで禅問答みたい……」

岩崎「全くだね。僕は精神医学は専門外だけど、もし答えを明確化出来たなら……それが都高を降りる時だ」

夕張「私は……どうなんだろう……」

岩崎「でもね、深く考える必要は無いと思うなぁ。つまるところ『そこに山があるから』とか、そんなレベルだよ」

夕張「そんな乱暴な……」

岩崎「何年、もしくは何十年か先に今を振り返った時にようやく、価値というのは見出せるんじゃないかな。今はきっと、我武者羅な位が丁度良いよ」

夕張「え、えー……」

岩崎「納得いかないかい?でもこればかりは、僕も相応しい回答を持っていないんだ」

岩崎「このバトルが終わってから、提督に聞いてごらん。僕よりかはまだマシな回答を得られるかもよ」

夕張「ちゃんと答えてくれますかねー……」

岩崎「大丈夫だよ。現にホラ……」シフトダウン

夕張「……ッ!?」

岩崎「彼は今、その答えを出そうとしている」


湾岸線西行き、辰巳JCT
魔王R、合流――


岩崎「うん、いい音だ魔王」

夕張「て、提督……何処から……」

岩崎「一旦朝日さんの所にでも寄ったんじゃないかな」

岩崎「さて、夕張ちゃんの勘は当たりだよ。この調子なら間違いなくGTOも現れる」

夕張 ゴクッ

岩崎「十年以上経ったというのに、今なお色褪せないね……それどころか、洗練されている」

夕張「昔とは違うんですか?」

岩崎「うん……何かもっと、ギラギラしていたかな」

岩崎「でも本質はやはり同じだね。純度の高い、本物のチューンドカーだ」

夕張「本物のチューンド……」

岩崎「僕にとって、あのRは対等なライバルであり、憧れでもあったんだ」

夕張「憧れって……岩崎さんのRだって、とてつもないクルマじゃないですか」

岩崎「やっぱりねぇ……グループAをリアルタイムで見た世代としては、R32というクルマは特別なんだ」

岩崎「出来ることなら、僕があのRに乗りたかったよ」

夕張(そういえば、岩崎さんの師匠も32R乗りだったって聞いたことあるような……)

岩崎「これからもクルマと向き合っていくなら、よく見ておくといい」

岩崎「何処までも突き詰めた機械がどんな動きをするのか。そして、それを操る人間は何を考え、感じているのか」

岩崎「君ならきっと、見えてくるはずだよ」

夕張「……ハイッ」

岩崎「さて……僕らの因縁を、そろそろ断ち切らせてもらおうか」


魔王GT-R――ッ!!


「シーサイドFMよりお送りします、ナイト・オン・ザ・チェック。お相手は私、霧島奈央です」

大井パーキング。
提督と別れた後、どうにも落ち着かなくて、つい来てしまった。

ラジオから流れる聡明な女性の声が耳をくすぐり、幾数多のヘッドライトは光の運河となり目の前を通り過ぎて行く。

そんな景色をぼんやりと眺めつつ、甘ったるい缶コーヒーを口に運ぶ。
眠気覚ましのつもりで買ったのに、かえって眠くなってしまいそうだ。

それにしても、シートを倒せないのは辛いなぁ。

せっかくサンルーフ(夕張曰くTバールーフと云うらしい)が付いているんだから、寝転がって星を見れれば最高だったんだけど。

峠に登れば、それはもう綺麗に見えるはずだ。

「……夕張は提督に会えたのかなぁ」

「それより、何で私まで連れて来たのよ」

冬の高い空にも似た瑠璃色の髪をかき分け、助手席に座る叢雲が言う。
言葉の節には棘が目立ち、あからさまに不機嫌そうだ。

「だってさ、提督のこと気にならないの?」

「アイツ自身はどうでもいいの。ここで問題を起こしたり、ましてや事故を起こして死なれたりでもして、私達にも飛び火するのが嫌なだけ」

「そんなこと言って、さっき物陰から見てたじゃん」

「あれは指定の場所以外で煙草を吸っていたから、注意しようとしただけよ」

「へぇー」

「なにをニヤニヤしているの」

鋭い眼光が私に向けられる。
あんまり揶揄うと後が怖いな。

不意にクルマの音が聞こえてきた。
これだけの交通量の中でも聞き取れる程に、存在感を放つエキゾースト。

おもむろにドアを開けて外に飛び出し、本線側のガードレールに身を乗り出す。
近付いて来る……かなりのスピードだ。

「来たかな……」

「何がよ」

怪訝な顔をして、叢雲が尋ねてきた。

「多分提督と岩崎さん……かな」

「そんなの、分かるもんなの?」

「GT-Rのエンジン……RB26だっけ。あの音って、結構分かりやすいんだ」

「ふーん……」


ヘッドライトの運河から、それらは現れた。

水銀灯に照らされる二台の青い狂獣――
並走するその姿は、まるで統率の取れた艦隊のようだ。

下手に飛び込めばズタズタのボロ切れにされそうな、そんな緊張感が伝わる。

魔王Rの前を行く迅帝Rの助手席には、よく見慣れた同僚の姿があった。

夕張だ。
やっぱり岩崎さんのクルマに乗せてもらったみたいだ。

ということは、やっぱり今夜決着なのか。

あとは扶桑さんが来れば、役者は揃うのだが……。

「……あれがアイツが隠し持っていたクルマ、か。何なのあの存在感」

「魔王って呼ばれてるんだって」

「仰々しい名前ね……でも、何でそう呼ばれるのかも分かる気がするわ」

「まあ、ねぇ……私も最近色んな所周っているけど、あんなクルマ他で見たことない」

あるとすれば、あの“戦艦”か……今頃あのGTOに乗って、都高を回遊しているのだろうか。

そう思った矢先、出口から鈍い炸裂音とスキール音が響いた。
カタパルトから射出されたように、黒銀の物体が勢いよく飛び出したのだ。

あれは紛れもなく扶桑さんのGTO……いつの間に居たのだろう。
あんな派手なクルマなのに、今まで気付かなかいワケがない。

「行きましょう、川内」

「そうだね。早くしないと見えなくなっちゃう」

「誰も追えなんて言ってないけど」

「だって夕張ばっかりズルいじゃん。こんな夜戦、後にも先にも見れないかもよ?」

「やっぱり無理にでも降りるべきだったわ……」

項垂れる叢雲を車内に押し込め、私達もパーキングを後にした。
どうでもいいけど、今までで一番良いスタートが出来たと思う。

「それでは本日、最初の曲です。Deepsea Drive Machine『Ray Of Light』」

終わりに近付けば近付くほど、書きたいことが増えていく……。
唐突なラノベ形式(?)も、その一環です。
拙い上に読みづらいかもしれませんが、ご容赦ください。

都高の戦艦編、次回更新で終われる……かなぁ?

おもすれーからなんでもよすよす( ^ω^)

乙、今宵の走りには、この曲こそが、相応しい(個人的見解)

http://m.youtube.com/watch?list=PLlBPZoYDI2kOkD_kpTiXDMhiV7BC0OQFb&v=zKmlPmsxRbk&itct=CAYQxjQiEwjn4cTwxOjHAhXHblgKHZueB_8yCnBscHBfdmlkZW9aJFZMUExsQlBab1lESTJrT2tEX2twVGlYRE1oaVY3QkMwT1FGYg%3D%3D&client=mv-google&gl=JP&hl=ja


ああぁ、ふそ姉フラグ立ちすぎてて怖い…

一般車両はたまったもんじゃねぇ

更新まだですか(血涙)

前回から二週間経っちゃったよ!
とりあえず、都高の戦艦編……いよいよ終盤になります。

>>781 ありがとうございます。
更新ドン亀で申し訳ないです……。

>>782 懐かしいww
今回の選曲は完全に自分の趣味ですが、あえて艦これで選ぶと夜戦アレンジ曲とかもいいかもです。

>>783 書いておいてなんですが、アッチコッチにフラグ立ててますね……ww
姉様の運命や如何に。

>>784 全くですね……。
と、こんな内容のSS書いといていうのも可笑しなモノですが。

>>785 お待たせして申し訳ありませんでした。
終わりまで何とかやっていこうと思うので、温かく見守って頂ければww


春雨ちゃんの秋グラが可愛すぎて死ぬに死ねない。


小ネタ 江風vs長波

江風 ナンダコラ

長波 ヤンノカコラ

夕張「……何してんの、あの二人」

川内「ガンの飛ばし合い?」モグモグ

夕張「いや、それは見て分かるんだけど」

川内「どうも長波もバイクに乗ってるみたいでね」

夕張「へー。何乗ってるんだろ」

川内「何だっけ。SRXとか言ってたかな」パクパク

夕張「あら、また懐かしいものに」

川内「で、江風も最近一人でアチコチ遠征してるみたいなんだけど、たまたま行った所が長波のホームだったと」

夕張「つまり、殴り込み?」

川内「そんな感じじゃない?」ガサガサ

夕張「どーでもいいけど、さっきから何食べてんの?」

川内「ミスド。食べりゅ?」

夕張「食べるけど、その口調やめれ」

川内「ハイこれ。新作だって」

夕張「……何この青いドーナツ……」

川内「新作のハレンチクルーザーだって」

夕張「うーん……何処かで聞いたような……」


川内「でさー。長波はどうしたいの?」モグモグ

長波「コイツがあたしの縄張りで調子こいてるのが気に食わねえんスよ」

江風「ハッ。縄張りだって?何様のつもりだよ」

長波「ア゙ァ゙!?」

江風「んだコラ!?」

夕張「はいはいストップ。年頃の女の子がそんなコテコテの不良マンガみたいなやり取りしないの」

川内「いけーやれーそのままキスだー」

夕張「ダチョウ倶楽部か」

江風「大体さぁ、ヨンヒャクの単発相手にアタシのガンマが負けるワケないじゃんかさ」

長波「バッカ、ゴヒャクだっつうの」

夕張「え?SRXに500なんてあったっけ?」

長波「ああ。ハヤシのシリンダーとクランクを組んであんだよ。ちょうどボアとストロークが1:1になるらしくて」

夕張「ほほう。それはまた」

長波「ヨンヒャクの時と比べてパンチがあって面白くなったよ。トルクも下からガツンと出るしな」

江風「云うだけならタダだよな」

長波「口だけかどうか試してみるか?」

江風「上等だコラ」

川内「アッハッハ。最近の駆逐は元気があってイイね」

夕張「血の気が多いのは結構だけど……」

江風「何だよ夕張さん。何か言いたい事でもあんの?」

夕張「……何でお互いの制服着てるの?」

長波「興味があったから」

江風「面白そうだったから」

夕張「アンタ達、実は仲良いでしょ?」

江・長「ええ、まあ」


この二人は気が合いそう。
ただし胸のサイズはry


夕張「このまま湾岸ですね……」

岩崎「うん。提督なら横羽を選ぶと思ったんだけどなぁ」

夕張「そうなんですか?」

岩崎「得意みたいだよ。ワンエイティでもちゃんと勝負出来るって」

夕張「湾岸ならどっちが速いんでしょう?」

岩崎「どうだろ。上の伸びは若干僕の方が良いと思うケド。ホラ、コッチはT51Rだから高回転は強いと思いたいんだよね(笑)」

夕張「パワー出ているとは思っていたけど、まさかそんな大きいの入れてたとは……」

岩崎「ボンネット開けた時にさ、ドーンと大きいカタツムリが居るのってロマンが溢れていると思わないかい?」

夕張「でも一昔前なら兎も角、シングルとツインでそこまで差は出ないんじゃないですか?プラシーボ効果みたいな感じで」

岩崎「それで片付けちゃったら勿体無いさ。チューニングは積み重ねが大事だよ」

夕張「それはそうですけど……」

岩崎「提督はツキが良いからってツインにしているんだよ。ホントはRX6より、もう少し小さいタービン使いたいんじゃない?」

夕張「ワンエイティでも似たようなことを言ってたような……」

岩崎「M3のCSLみたいなワンエイティに仕立て上げたいなんてよく口にしていたよ」

夕張「外装をカーボンにでもする気だったんですかね?」

岩崎「そういう意味じゃないでしょ(笑)。そうだな、さしづめ完成されたFRってことかな」

夕張「あー……それは共感出来ますね。CSLは間違いなく、FRの完成形ですから。BMW乗ったこと無いですが」

岩崎「アハハ。僕もBMWは教習所で乗ったっきりだなぁ。日本も大概だけど、ドイツの偏執っぷりは尊敬に値するよ」

ピカッ

夕張「え……?」

岩崎「さて、役者は揃ったね。後ろを見てごらん?」

夕張「……GTO……」

岩崎「大井から飛び出して来てたんだよ。気付かなかったかい?」

岩崎「それにしても参ったなぁ。このペースで走っていて追いついて来るなんて……これは本気で行かないとね」


空港トンネル手前――。

規則的に並ぶ水銀灯の光は白く線を引き続ける。
まるで往年の縦スクロールシューティングの様に景色が飛んでいく。

それだけで、今このクルマは非常識的なスピードで走行していると理解できた。

大井JCTから続く長い直線からの左コーナーは、一見すると緩やかなカーブだ。

しかし魔王・迅帝・戦艦の超弩級とも云うべき三台のマシンには、このカーブでさえも恐ろしい急カーブになる。

ただでさえスピードが乗りやすい区間。
加えて東海JCTを過ぎてからの下り勾配。

三台の速度は、既に300キロに迫っていた。

……未知の領域だ。

近い速度は知っている。
しかし300キロを超えた途端、ココまで世界が変わって見えるのか……と。

両足に力が入る。
グリップを握る手がジットリと汗が滲む。

先頭を走る魔王Rが最初にコーナーへ飛び込み、次いで迅帝・戦艦が雪崩れ込んだ。

肢体を包むようなセミバケットシートもあって、身体は殆ど固定されている。
それでも強烈な横Gのせいか、はたまた現実味の無い景観のせいか、血の気が引いてクラクラしていた。

「やっぱり速いね」

この人はこんな状況でも涼しい顔を崩さない。
それどころか、うっすらと笑みを浮かべている。

経験の差……とはまた違う。
危機感と云うか、そういうものが欠落しているとしか思えない。

「GTOがですか?」

「それもあるけど、魔王もさ」

空港下トンネルに入る。
青いボディに反射する照明は、さながら空を巡る飛行機雲のように淡く線を描く。

二台の青いスカイラインGT-R……元を辿ればスカイラインもゼロ戦と同じ血筋。
連なり合って駆け抜ける様は、地上の戦闘機そのものだと思えた。

しかし馴れ合いはない。
前を行く魔王に対して迅帝Rは車体を半分ほどずらして走行する。

モータースポーツにおいて、この行為は一見無意味に見えるだろう。
長い直線では前車の真後ろに着き、スリップストリームと呼ばれる空間に入ることが定石だからだ。

それにより本来自身が受けるべき空気抵抗を低減し、最高速を伸ばすという効果をもたらす。

国内最長のストレートを持つ富士スピードウェイでは、この効果を駆使して第一コーナーで勝負を仕掛けるという光景が何度も見られる。

超高速のドッグファイト、そしてフルブレーキングからのコーナーでの応酬。
見ていて胸が熱くなる。


しかし、ここは公道。
競技上の300キロとは意味が違う。

勿論、後ろに着けばスリップの効果で最高速が伸びて追い越すことも可能だ。

前方で何かあっても対応出来るように、わざとずらしているのだ。
同時に、いつでも抜けるという牽制の意味もあるのだろう。

それにしても、提督……魔王Rに動きが見えない。
遭遇してからの加速は確かに目を見張るものがあった。

でも、それだけ。
これでは、ただ速いだけ……。

「GTOが前に出るよ」

岩崎さんの言葉で、意識がそちらに向く。
中央車線を走るトラックを挟み、左側から抜きにかかる黒銀の巨影が見えた。

「この速度から差がつくもんかなぁ……」

速度差は推定5キロ前後。
やはり最高速ではGTOが有利か。

魔王Rと横並びになりながら、空港の直下を疾走する戦艦。

喰らいつく――

「いいねえ、彼女」

相変わらず岩崎さんは笑っていた。
子供のような純真な眼差しで。

「でもね、そのクルマは仮にも魔王だよ?」


戦艦が僅かに前に出た途端、魔王が再び差を詰めた。
いや、前に出た。

「どんなに追っても追いつけない……魔王Rは、そういうクルマだったんだよ」

多摩川トンネルを抜けると、大黒々JCTまで延々と直線が続く。

トップランナーにもなると、つばさ橋までで320キロを優に超えてくる人も居るらしい。

神奈川方面に近付くにつれ、クルマの流れはまばらになっている。
この三台なら間違いなく320キロの大台に入れてくるだろう。

魔王Rを中心に、三台が横並びになる。
前方に影は無し……オールクリア。

「夕張ちゃん」

不意に岩崎さんが呼びかけてきた。
彼の横顔に緊張の色は見られない。

「僕達みたいになってはいけないよ」

「どういう意味ですか?」

「そのままの意味さ」

タコメーターの針が頂上付近に近付く。

310……311……312……
エンジンが悲鳴を上げてもなお、少しずつその速度が上がっていく。

均衡は崩れない。

誰が一番速いのか。

その答えが出たところで、何の功績も称号も得られない。

この場に身を置けた……この経験が、いつか何かに変わるのだろうか。

315……316……317……
扇島のコンビナート群がやけにあっさり視界から消えていく。

「君は艦娘だ。それは君にとって生涯誇れることだろう」

エキゾーストや風切り音が遠のいていく感覚。
そのせいか、岩崎さんの声はやけに透き通って聞こえた。

「でもね、こんなことは精々酒の肴で良い。酔っぱらいが零した、嘘かホントか分からない程度のね」

319……320……321……
つばさ橋手前、ついに320キロを超えた。


私は、本当に頑張ったのでしょうか――


思えば私には何の取り柄も無かった。

何かに夢中になったことも、やりたいことも思いつかない。

誰も愛せないし、愛された記憶も無い。

それなら、無理して生きることもなかったのかもしれない。


艦娘としての適性があると分かった時、直感した。

ああ、きっと私はこの為に生かされたのだと。

不思議と恐怖は無かった。

いつかは花も枯れていく。

それが早いか遅いかの違いでしかない。

誰かが私を必要としてくれる。

本当はそれだけを望んでいたのかもしれない。


例えば今、ここで舞い散ることになっても、

それでも良いように思っている。


明日を落とすことになっても、

別に構わない。


私は、どんな風に頑張れば良かったのでしょうか――


スピードメーターの表示は320キロを超えている。

そういえば、提督はいつも何て言っていたっけ。


ああ――そうだ。


岩崎「……ちょっとマズいかな」

夕張「えっ?」

岩崎「GTOが揺らいでる」

夕張「それって……」

岩崎「うん。このままだと危ないね」

夕張「………!?」

岩崎「ココで大黒々線に入って、一旦休めたいところではあるけど……問題は提督だ」

夕張「……提督が?」

岩崎「かつてない程乗れていることには間違いないんだけどねぇ」

夕張「??」

岩崎「何事も『過ぎて』しまうと毒なんだよ」

夕張「……度が過ぎているってことですか?」

岩崎「そうそう。正直僕も、隣に夕張ちゃんが乗っていて話をしているから冷静でいられるけど――」

夕張「……それ以上は言わないでください」

岩崎「そうだね……今は目の前に集中しようか」


300キロオーバーから、一気に半分以下まで減速……都高ではよくあるシチュエーションだ。

この先は道幅も狭くなり生麦JCTでは一車線になるから、ある程度クールダウンすることも出来るだろう。

それでも戦艦はピッタリと魔王の後ろに着け、パスする機会を伺っているようだった。

――まだ息は抜けない。

肌を焼きつくようなヒリヒリとした緊張感が、それを教えてくれる。

これ程のバトルを、この先体験することは早々に無いだろう。

いや、これは本当にバトルなのだろうか?

先ほど岩崎さんが口にしかけた言葉……。

傍観者でしかいることの出来ない私は……ただ一瞬でも早く、この夜が終わってくれることを願うしかなかった。


なあ……見ているか?

お前のRはまだ、あの頃と変わらない姿で走っているぞ。

岩崎だってそうだ。

相も変わらず、涼しい顔をしてココを走っている。

お互いいい歳になったっていうのに、笑えるだろう?

このRは最高だよ。

この存在は俺が死ぬまで、きっと塗り替えられることは無いだろう。

それでも俺がこのクルマに乗るのは、これが最後だ。

こうして都高に上がることも最後になる。

お前が死んでから、コッチは色々変わったよ。

深海棲艦と名付けられたワケの分からない連中が世界の海を蹂躙して、

何の因果か、今じゃ俺も司令官様だ。

誰かを守れる、そういう人間になりたかったのヨ。


そういえば、お前ソックリの女に会えたよ。

お前も顔を会せたら、きっと驚くさ。


あれから10年以上か……早いよナ。

何だかこのRに乗っていると、お前と話しているような気分になるよ。


今夜が終わったら、それで最後だ。

ありがとう。


その瞬間は唐突にやって来た。

生麦JCT、合流手前の急な右カーブ。

工事の影響もあり、一車線になるこのコーナーで戦艦がスピンを喫した。

何の前触れもなく挙動が破綻し、制御する暇もなく大きく半回転。

ゼブラゾーンに沿って設置されたゴム製のポールをなぎ倒し、壁寸前のところで戦艦の車体はようやく止まった。

「クルマを止めよう。大したことはなさそうだけど、このままじゃ危ない。僕は発煙筒置いて来るから、夕張ちゃんはGTOをお願い」

「わ、わかりましたっ」

クルマを降りて戦艦に駆け寄る。

暗くてハッキリとは確認できないが、車両に損傷は無さそうだ。

それでも、戦艦はピクリとも動かない。

「扶桑さん!大丈夫ですかっ?」

「あら、夕張さん……どうしてココに?」

「いわ……あ、いえ。迅帝さんのクルマに乗せてもらっていたんです。それより怪我はありませんか?」

「ええ、私は大丈夫……クルマも、ぶつかっていないし……」

「そうですか……よかったぁ」

扶桑さんの顔は、今の今までハイスピードバトルを繰り広げていたとは思えない程、穏やかな表情だった。

魔王Rの姿は既に闇夜に紛れ、同時にこの狂乱の夜が終わりだということを実感する。

私はようやく、安堵した。

「兎に角、ココで止まっているワケにも行きませんし、近くのランプで降りましょう。クルマ、動かせます?」

「大丈夫よ。ごめんなさい、心配かけて」

「謝るのは後でもいいですから、急ぎましょう」


一方その頃――

叢雲「ちょっと!全然見えなくなっちゃったじゃない!」

川内「揺らさないでよー事故るー」ユッサユッサ

叢雲「もっとスピード出ないワケ!?」

川内「無理無理。ファイナル換えてるからスピード伸びないし」

叢雲「何それ」

川内「ギア比。パワーも無いし、多分220キロ位しか出ないよ」

叢雲「 」

川内「あ、でもやろうと思えばMR2でも300キロ狙えるって夕張が言ってたわ」

叢雲「今出ないと意味ないでしょうがっ!!」

川内「そんなこと言ってもさぁ。私峠とか環状とかが中心だから、トップスピードはあんまり求めてないんだよね」

叢雲「……完っ全に誤算だわ……」

川内「そうは言うけどさぁ、アレに着いて行けるのなんてウチには居ないよ。せめて環状辺りだったら何とかなったけど」

叢雲「……夕張や金剛のクルマでも?」

川内「似たり寄ったりだね」

叢雲 コメカミオサエ

川内「まあまあ落ち着きなって。私らはあくまで安否を確認するだけなんだから」

叢雲「……それもそうね……」

川内「そして次の瞬間、我々は衝撃の瞬間を目撃する……っ!」

叢雲「縁起でもないから止めてっ」

川内「そう云えば前にヅホにゃんから見せてもらったけど、クルマって結構簡単に宙を舞うのね」

叢雲「……な、なにそれ」

川内「何だっけ、ル・マンだったっけ?ベンツのレーシングカーがストレートでこう……」

叢雲 ゴクリ

川内「……離陸したのち、縦に大回転……」

叢雲「冗談でしょ……」

川内「マジマジ。今頃誰かがつばさ橋辺りで~」

叢雲「……止めろっつてんでしょ!」ビンタ

川内「顔はやめてよぉ」

叢雲「やかましいっ!」


川内「うーん……大黒々にも居ないか」

叢雲「それにしても、こんな時間だってのに結構人が居るものね」

川内「都高だと一番大きいパーキングだしね。あ、何か飲む?もしくは食べりゅ?」

叢雲「別に空腹ではないわ。あとその語尾止めなさい」

川内「夕張にも気持ち悪いって言われたんだけど、そんなに変かなぁ?」

叢雲「……アンタが云うとウザい」

川内「酷っ」

叢雲「事実を述べたまでよ」

川内「ブー……ん?あれ?」

叢雲「何よ?」

川内「あそこに居るの、由良じゃない?」

叢雲「え?」

川内「おーい。由良ぁ」ガバッ

叢雲「私服でもあのポニーだとすぐに分かるわね……」

由良「へ?川内に叢雲ちゃん?どうしてココに?」

川内「叢雲がさ、提督が心配だーって私に運転させたのよ」

叢雲「そ、そんなこと一言も言ってないでしょ!?」

川内「で?由良は何してたの?というか、何で来たのさ」

由良「クルマよ。当たり前じゃない」

叢雲「……ウチには自転車で行くようなバカも居るでしょ」

由良「ああー……」


川内「クルマ!?どれどれ!?どんなのに乗ってるの!?」

由良「どんなのって……あそこにあるスカイライン」

川内「あれ?ヅホにゃんのクルマじゃん」

由良「うん。借りたのよ」

叢雲「で、何で由良さんはココに?」

由良「何だか寝付けなくてね。ちょっと散歩してたら、ちょっと出てみないかって誘われたの」

川内「誘われた?ヅホにゃんに?」

叢雲「クルマを借りたって言ってるんだから、瑞鳳ではないでしょ」

川内「あ、そっか」

由良「さっきまでココに居たんだけど、ソフトクリーム買いに行くって売店に……」

川内「あ、いいなぁ。私も買ってこよっかな」

叢雲「太るわよ」

川内「私食べても太らない体質だし」

叢雲「あ〝?」

「お待たせー」トテトテ

由良「あ、帰って来た」

川内「……あれ?」

叢雲「……ちょっと待って……何で……」

「あっ――」コケッ

ベチャッ

由良「わっ、大丈夫ですか――」


由良「扶桑さんっ」


扶桑「心配要らないわ。ソフトクリームとフランクフルトは無事よ」

由良「いや、ソフトクリームより……って、どんだけ買ってるんですか」

叢雲「……折角の登場シーンだってのに、締まらないわね……」

一旦ここまで。
プリンにルポGTⅰ乗せたい。昔のヤツ。

乙ー
99年ル・マンのメルセデスCLRの話はやめるんだ!

乙です
こんなSSあったんだ

戦これは詳しくないからスルーしてた

待ってました乙ですよ
まぁ長波サマと勝負できる駆逐なんてそうはいn(ry

ふそ姉無事でよかった!

乙!これで都高編のバトルはひとまず終了?かな、都高編エピローグ後に次のステージといったところか。

警察仕事する

次は走りにツヤが無くなった夕張がマフラー作りに大阪へ行く話だな

そういえばラリー部…

また二週間近く経ってる……スミマセンでした。
秋刀魚が全然捕れない……でも村雨が可愛いからそれでいいや。

>>805 ザウバーC8「全くどうかしてるぜ」

>>806 むしろ艦これの要素が殆ど無い有様ですww

>>807 だから駆逐艦は最高だと。
ん?何か飛んできry

>>808⁻809 いや、サーキットで土屋圭市とバトルかも(首都高速トライアル感)

>>810 むしろ憲兵仕事しろと。

>>811 そして前世がティラノサウルスだと豪語するシビックに乗った武蔵に張り倒されるんですね、分かります。

>>812-813 あっ……


どっかのダートコースで川内と一緒にドリフトの練習がしたいでゴザル。


小ネタ ある人の呟き

瑞鳳「ハァ……」

夕張「どうしたのよ、溜息なんか吐いて」

瑞鳳「……私、最近出番が全然無い……」

夕張「あ、ああ……」

瑞鳳「K4GPだってとっくに終わっちゃってるし、ラリーネタも……」

夕張「うっ……そういえば」

瑞鳳「なんか私、忘れられているんじゃないのかなぁ」

夕張(何も言えねぇ……)

「忘れられているって……?」

夕張「そ、その声は……!?」

千歳「ウフフフフ……」

夕張「ち、千歳さん……!」

千歳「割と最初の頃に名前が出ていたのに、待てど暮せど出番は無し……言葉を借りるなら、まさに『不幸』だわ……」

瑞鳳「そういえば私が名前を口にしたんだっけ……」

千歳「私もクルマ買ったら出れるのかなー……でも、このスレもうすぐ終わっちゃうしなー……」フラフラ

夕張「と云うか千歳さん、また呑んでますね!」

千歳「呑みたくもなるわよー……ああー出番欲しいー……」

バタッ

瑞鳳「あ、倒れちゃった」

夕張「千歳さーんっ!」


なかなか出せるポイントが無かった……


産業道路沿い・とある店

提督「おう、来たな。お疲れ」タバコスパー

夕張「提督、何か久々に会った気がしますね……」

提督「確かに、都高で会わない方が珍しいからな」

夕張「そうじゃなくて、出番的に……」

提督「そういうこと言わない」

夕張「あ、ハイ」

提督「さてと、どういうことか説明してもらえるか?」


提督「山城よ」


夕張「……は?」

扶桑?「………」

提督「由良から連絡が来た。俺達はまんまと騙されていたってことだよ」

夕張「ちょちょちょ、待ってください。ココに居るのは間違いなく……」

提督「だから、それが間違いだったのよ。本物の扶桑は今頃、大黒々で由良と一緒に居るよ」

扶桑?「……そうね。バレちゃったなら仕方ないわ」ファサッ

夕張「……ウィッグ……!?」

山城「ええ。ココに居るのは間違いなく、扶桑型戦艦、妹の方の山城よ」

提督「まさかのキャスティングだったな」

夕張「……どういうことなんですか……」

山城「どうもこうも、私が姉様のフリをして走っていた。ただそれだけの話」

提督「……由良から連絡が入った時は驚いたよ。まさかお前だったなんてな」

夕張「い、一体何の為に……」


山城「そうね。ソイツが持っている写真が原因かしら」

提督「……ああ」

夕張「もしかして……亡くなった彼女さん、ですか」

山城「本当に偶然だったけど……正直驚いたわ。姉様ソックリな女の人が写っているんですもの」

提督「しかし分からんな。お前が扶桑のフリをして走ることと、どう繋がる」

山城「私はあくまで姉様の為に動いたまでよ」

提督「だから、それがどうしてこの現状になるんだ」

山城「アンタが姉様を遠ざけるからじゃない。昔の女をいつまでも……女々しいったらありゃしない」

提督「……ま、そこは否定できんわ」

山城「だから、その思い出を潰してあげようと思ったのよ」

夕張「いや、あの……それだとちょっと端折り過ぎじゃ……」

山城「あ、クルマは元々姉様が所有しているものだから」

提督「へえ、それは意外だな」

山城「私は反対したのよ、危ないし。でも、提督と同じ趣味を持ちたいからって」

夕張「その結果があんなモンスターマシンですか……」

山城「やり過ぎよね、正直」

提督「で、どうだ?目的は果たせたのか?」

山城「……さて、ね。どうでもよくなってきたわ」

岩崎「ちょっといいかな?」

山城「ああ、貴方が噂の迅帝さん?」

岩崎「岩崎だよ。ところで、魔王Rのこと……何処で知ったんだい?」

山城「……姉様がね、普段このクルマを預けている人から教えてもらったらしいの」

岩崎「その人は、もしかして――」

提督「十中八苦、朝日さんだろ」

山城「そう。あの人、元艦娘なんですってね。世間は狭いものだわ」

提督「こんなクルマを組めるとしたら、あの人しか居ないだろうしな」

夕張「……やっぱり、凄腕なんですね。朝日さんって……」

提督「腕もそうだが、ただでさえ元艦娘……しかも工作艦だぞ?案外妖精と一緒にクルマを組んでいるんじゃないのか?」

夕張「んなアホな」

提督「そうじゃなきゃRといい、このGTOといい……作るもんが毎度毎度速くなり過ぎだっての」

岩崎「そう云えば朝日さんが作業している姿って、あんまり見かけなかったね」


山城「ま、結果としては私の負けね」

提督「負け、ねえ……本当にそう思っているのか?」

山城「あんな所でミスっているんだもの。認めるしかないじゃない」

提督「そうは言っても、このGTOの方がRより速かっただろう」

山城「誰が速いかじゃなくて、誰が生き残ったか、でしょ」

山城「あのまま壁に突っ込んでたら最悪お陀仏よ」

岩崎「ふむ、確かに」

山城「……別に私としてはそれでも良かったけどね。死に場所が海上か陸上かの差でしかないわ」

提督 ピクッ

山城「所詮私達は兵器なワケだし、いずれお役目御免で捨てられるでしょうからね」

夕張「そんな言い方……っ!」

山城「何よ、事実でしょ。しょうもない希望を見る位ならいっそ……」

提督「チョップ」ズビシ

山城「痛っ!?」

提督「今のは身勝手な思いに振り回されたクルマの分だ」

山城「ハァ!?」

提督「それとGTOの持ち主である扶桑の分。そしてGTOを組んだ朝日さんの分」

山城「ちょ、ちょっ……痛っ!止めなさいよ!?」

提督「それとコレは自らを兵器と称した事へのチョップ。ウチの人数分な」

山城「多過ぎでしょ!?や、やめ……」

提督「そしてコレが、俺の怒りを込めた一撃だっ!喰らえ!モンゴリアン!」

山城「――ッ!」

プニュ

山城「……は?」

提督「ふむ、文句なし」ムニュムニュ

夕張「……提督……?」

提督「Fカップ」モミモミ

岩崎「ほぅ」

山城「~~~~~~っっっ!!!!???」

夕張「な、何してやがるんですか!?憲兵に突き出しますよ!?」

提督「鎮守府の外だから。大丈夫だ、問題ない」ムニムニ

夕張「なら警察ですっ」

提督「それはアカンな」パッ

岩崎「いいなぁ……」

夕張「自重しろっオッサン共!」


提督「ま、理由はどうあれ。お前はもう都高に上がるな」

山城「アンタがそれ言えるの?」

提督「俺だから言えるの。散々やってきた俺だからな」

山城「何それ」

提督「ついでに、俺はもう走らん。都高は今日で終わりだ」

山城「は?」

夕張「本気ですか!?」

提督「マジマジ。降りるよ」

岩崎「やっぱりか」

提督「あ、分かってた?」

岩崎「うん。そんな気はしてたよ」

提督「なので、ただのクルマが好きなオッサンに戻ります♪」

夕張「ええー……」

山城「じゃあそのRも用済みよね?確かZも買ったんでしょ」

提督「用済み、か……確かにな」

山城「なら、ココで壊しても問題ないわよね?」スッ

提督「オイオイ。流石に破壊するのはやめてくれ。スト2のボーナスステージじゃないんだから」

山城「元はと云えば、アンタがいつまでもこのクルマを持っているのが原因でしょうが」

提督「やめろって。それに、そのクルマの行先はもう決まってるんだ」

夕張「へ?何処ですか?」

提督「舞鶴。多少手直しをした後、朝日さんの知り合いに売られるよ」

夕張「マジですか」

提督「昔の同僚が程度の良い32Rを探しているらしくてさ。腕も良いみたいだし、あの人なら問題無いだろうって」

夕張「同僚……ってことは、その人も艦娘なんですかね?」

提督「同じ元敷島型だってよ」

夕張「わお」

提督「そんだけ離れてくれていりゃあ、二度と見ることもないだろうからな。ようやくこのRともお別れだ」

岩崎「そうか、寂しくなるなぁ」

山城「……まあ、それならそれでいいわ。後は、姉様への態度を改めてくれれば、私もココに来る必要はないしね」

提督「ん。それならいいさ。ちょうど本人も来たみたいだし」

山城「え?」

夕張「あれは……瑞鳳の鉄仮面と川内のMR2?」

提督「アイツら、今まで大黒々に居たらしい。そんなに距離もないから呼んでおいた」


扶桑「山城。お疲れさま」

山城「……ごめんなさい姉様。勝手にクルマを持ち出した挙句、負けました」

扶桑「勝ち負けなんてどうでもいいのよ。貴方が無事なら……」ギュッ

山城「ハイ……」

扶桑「方法はどうあれ、私を思ってのことだったのでしょう?咎めるつもりなんてこれっぽっちもないわ」

山城「……ハイ」

提督「ま、とりあえず一件落着かな?」

川内「ところで提督。扶桑さんって何であんなに速いの?全然着いていけなかったんだけど」

由良「隣に乗っていましたけど、凄過ぎて何が何だか……」

提督「……あー。それは俺にも分からん」

夕張「そ、そんなに凄いんですか?」

提督「前に横に乗った叢雲が失神していたな」ワハハ

叢雲「ちょ!?言わないでよ!」

川内「マジで!?勝負してくれないかなぁ」

提督「やめとけ。マジになったら俺でもキツい」

夕張「ええー……」

提督「女には秘密の一つや二つはあるもんなんだろ?扶桑の方から語らん限り、無理には聞かないさ」

夕張「それを提督がいいますか」


一週間後 執務室

提督 カリカリ

叢雲 カリカリ

提督「はぁ~……」

扶桑「溜息なんて吐いて……どうかしましたか?」

提督「ヲウ、扶桑=サン。居たの?」

扶桑「今日の秘書艦ですから」

提督「そりゃ溜息だって出ますよー……」

扶桑「私で良ければ、お聞かせください」

提督「だって昨日もハンコポンポン。一昨日もハンコポンポン。その前もハンコポンポン」

扶桑「色々バタバタしちゃいましかたからね」

提督「多分、今度の東京モーターショー開催期間もハンコポンポン。毎日毎日同じことの繰り返しで、生きている気がしないんだよぉ」

扶桑「ところで提督?芸風を変えたんですか?」

提督「ハァ……クルマ乗りたい」

扶桑「クルマ、処分しちゃったんですよね?」

提督「まあね。Rは今頃舞鶴だ」

扶桑「私のGTOに乗りますか?」

提督「……結局、何であのクルマを仕上げたんだ?」

扶桑「気が付いたら……ではダメですか」

提督「……まあ、俺も気が付いたらこうなってたしなぁ」

扶桑「フフ。休憩がてら、色々お話を聞かせてください」

提督「おっ、語らすと止まらないぞ?」

扶桑「ええ。是非」


工廠

瑞鳳「じゃあ結局Rも売っちゃったんだ」

夕張「うん。ワンエイティも使える所は取っちゃったし」

瑞鳳「そういえば結局魔王号見れてないよ」

夕張「あれ?そうだっけ?」

瑞鳳「それで、夕張は何してるの?」

夕張「泥落としついでにパッド交換」

瑞鳳「泥?インテ乗ってたんだ」

夕張「たまにね。DC2だと来年から出れなくなるみたいだから」

瑞鳳「へ?そうなの?」

夕張「規定が改正されて殆ど旧車は締め出し状態だよ。地方戦とかは出れるけどねぇ」

瑞鳳「えー、参加車両減っちゃいそうー……」

夕張「結構てんやわんやしているみたいだよ?だからこのインテも練習用に格下げ」

瑞鳳「折角仕上がってるのに、勿体無いねぇ」

夕張「まあね。どうせ練習用にするならもっとボロいのがいいかな」

瑞鳳「解体屋に転がってるような?」

夕張「そうそう。インテRだと良いクルマ過ぎるのよ」

瑞鳳「その言葉を待っていた」

夕張「……え?」

瑞鳳「実はN1仕様のスターレットを見つけちゃったんだけどー……共同で買わない?」

夕張「……また何か企んでるんでしょ」

瑞鳳「んー?そんなことないよー」

夕張「まさか、由良も絡んでるんじゃないでしょうね」

瑞鳳「……テヘッ」

夕張「ま、いっか。で、そのスターレットって?」

瑞鳳「うん。これなんだけどねー」


談話室

川内「あ、お疲れー」

由良「お疲れ。どう?そっちは」

川内「大変だよ、秋刀魚捕り」

由良「やっぱり?コッチも全然」

川内「だよねー。ああ、夜戦したいなぁー」

由良「そういえばMR2預けたんだって?」

川内「うん。ちょっとばかしリメイクを」

由良「へえ。何する気?」

川内「ただの整備だよ。ちょっと手直しもするけど」

由良「パワーアップはしないの?」

川内「うーん……今のパワーでも充分かなぁ。流石に湾岸みたいなトコだとキツいけど」

由良「そんなもんかしら」

川内「提督にも言われたんだけど、下手にイジってお金をつぎ込む位ならタイヤとオイル替えろってさ」

由良「自分はつぎ込んでるクセにね」

川内「アハハ。むしろ自分が散々やってるからじゃないの」

由良「それもそっか」

川内「由良こそ何か裏でやってるんでしょ。ヅホにゃんとダートコース行ってるって聞いたよ」

由良「あら、バレてたの?」

川内「ねえねえ、何してるの?」

由良「ただの練習よ。提督から練習場所を教えてもらったの」

川内「マジ?由良も走るの?」

由良「私には無理よ。でも、少し理解してあげようと思ったの」

川内「ふーん。クルマ買わないの?」

由良「うーん、それはまだ分かんない」

川内「えー?どうせなら買おうよー」

由良「いずれ、ね?」

川内「それは期待していいのカナ?」

由良「秘密」

川内「えー」

変にシリアスにしようとした結果がコレだよ!
3-3で秋刀魚が出なくなってきた……。

この艦娘たちに某300キロオーバーのタクシーを見せてやりたい

>>814
間違いないですわー
何でナニトモのゼンやねんw

おつー
おう提督、山城の装甲の詳細報告書提出しろやはよ!

東京モーターショー楽しみだけど、最近電気自動車みたいばっかなのが残念…


川内がNinja乗らないから俺が免許とったら乗る
てかこのスレ二スレ目は行かないんだっけ?もったいない
村雨に免じて続けてほしい

まとめから来ました。

艦これ×車 ありじゃないか・・・貴様・・・
出来れば2スレ目もお願いしたいです。ラリーで活躍する艦娘見てみたいです。

友達もDC2でJRCAに出るつもりがまさかの規定変更で出れない事態に・・・
JN2クラスに出れる車を選択中ですが来年には間に合わないですね。

ここでの由良はJN5クラウで出る予定だったのかな?

磯風どころか秋刀魚が出ないんだよクソがぁぁぁっ!!
最近日産党じゃなくてトヨタ派なんじゃないかと思ってきた>>1です。
違うんや……技術の日産って云われていた頃が好きなんや……。

どうでもいいけど、一番好きなレビンはトイチです。
トレノなら111後期、もしくは92。ハチロク?ああ、BRZね。

>>826 夕張「このギミック超欲しい……」
NYが好きな自分は異端でしょうか。

>>827 最近武蔵とゼンちゃんのイメージが被っちゃってしょうがないですww
ホラ、カメレオンワンダーとか超似合うって。

>>828 前回のモータショー行った時は、ハスラーがこんなに売れるとは夢にも思わなかったです。
正直に云うと、オートサロンの方が見ていて楽しいかなぁとww

>>829 おお、GPz900に乗るんですね(ニンジャ違い)
この話はこのスレで終わりになりますが、設定とかちょっと整理してまたやるかもです。

>>830 ありがとうございますっ!
レギュレーションに関してはニワカ知識なのでアレですが、やっぱり面食らいますよねぇ。


2スレ目に関しては、設定を若干リセットしたのちやろうかと考えています。
正直風呂敷を広げ過ぎた上、艦これの要素を上手く取り入れることが出来なかったなぁと……力量不足です、ハイ。
こんなニッチなSSでも読んで頂けたのはとても嬉しかったです。
有難うございました!

でも、まだ若干続きますww



小ネタ 扶桑GTOの仕様

ダークグレーの後期型。
3.2L化された6G72にT88を装着して推定800馬力。
各部軽量化を施してはいるものの、エアコン等の快適装備は残されている。
白いワーク・マイスターが映える。


提督「こうして見るとその辺に居るような湾岸・ゼロヨン仕様って感じだな」

夕張「こんなハイ・チューンドマシン、その辺に居るワケないでしょ……」

扶桑「最初はココまでするつもりはなかったのだけど……」

提督「しっかし速かったよなぁ。平気で直線置いて行かれるし」

扶桑「あら、GTOはノーマルでも速いんですよ」

夕張「そういえば、N1でもGT-Rとほぼ互角でしたっけ」

提督「しっかし、何でGTOを選んだんだ?」

扶桑「そうですね……このクルマって私に似ているなーって」

提督「ああ、ボン・キュッ・ボンだしな」

夕張「そこ!?」

扶桑「境遇とかなんですけど……」


関係ないけど、N1のGTOを調べていたら馴染みのあるKORGのロゴ……。
そう云えばJGTCにも同じカラーリングのポルシェが居たなと思い調べたら、サザンの野沢氏のチームだったことを今更知る。
そうか、だからコルグのシンセばっかり欲しくなるワケだ(本当に関係ない)


小ネタ 調べてたら懐かしくなったので

由良「何見てるの?」

夕張「JGTCのムック本。こうして見ると面白いのよね」

川内「へー、SR載せたスカイラインって面白そう」

瑞鳳「えっ!?GTに037出てたの!?」

提督「おー懐かしい。初期のGTはホントごった煮だったからな」

夕張「CカーにJSS、N1、グループA……ホントに異種格闘技戦ですね」

瑞鳳「このZってIMSAの?」

提督「スゴい時なんかR30からR33までのスカイラインが同時に走ったりしてたなぁ」

由良「提督はこの辺リアルタイム世代ですよね?」

提督「まあな。何回か富士まで見に行ったもんだ」

夕張「じゃあ、一番印象に残っているのはレースは?」

提督「あー、いや……実はさ。レース当日は見るので精一杯というかさぁ。帰って来た後雑誌で知るってこともあったわ」

川内「えー?見てれば分かるもんじゃないの?」

提督「そりゃあホームで見たり、サーキット内放送とか聞けば分かるさ」

提督「でも例えば富士の100Rとか、ちょっと外れたトコで見るともうダメ。特にピットストップとかで順位が入れ替わるとサッパリだ」

瑞鳳「見えないもんね」

提督「あと朝早いから途中で眠くなる(笑)」

夕張「何しに行ったのか分かりませんね、それじゃあ……」

提督「ワハハ。でも初めて行った時は本当に驚いてさ。音もデカいし、思わず耳塞いじゃったよ」

川内「自分のクルマだって相当じゃんか」

提督「筑波とかだと音でスタンドが揺れた」

川内「何それ怖い」

瑞鳳「でも生で見てみたいなぁ」

提督「そうだなぁ。俺も久々に行きたくなってきた」


>>1が初めて見たのは02年のJGTC富士。
HKSベンツが成績的にも物理的にも炎上した年だから間違いない。


夜・工廠

夕張「ふーむ……」カチャカチャ

由良「夕張?また何かやってるの?」

夕張「あ、良い所に。ちょっと手伝ってー」

由良「お風呂入ったばかりだから、汚れるような事は嫌よ?」

夕張「大丈夫。ブレーキ踏んでもらうだけだから」

由良「ああ、エア抜き?」

夕張「うん。フルード交換したからね」

由良「で、熱心に整備しているみたいだけど何かあったの?」

夕張「近い内にやるであろうバトルに向けてね」

由良「バトル?」フムヨー

夕張「川内よ。前のが有耶無耶になっちゃったし」モウイッカーイ

由良「ああ、だからMR2預けたんだ」

夕張「短期間で上手くなったしね。難しいクルマでよくやるよ」

由良「で、アンタはどうするの?」

夕張「私は私。出来うる限りのことをするだけだよ」

由良「ふーん」

夕張「な、なによ」

由良「別にぃ。楽しそうだから羨ましいかなって」

夕張「そうかな?」

由良「さっきからニヤけているわよ」

夕張「あらー?」

由良「フフ。まあ事故を起こさないように頑張りなさいな」

夕張「き、気をつけまーす……」


江風「へー。川内さんも自分でイジるようになったんだ」

川内「自分のクルマだから、やっぱりある程度はね」

江風「単車だってイジってなかったでしょうに」

川内「最近は自分でやってるよ。ホラ、艤装みたいなもんだから」

江風「艤装かぁ。確かに」

川内「ま、流石に夕張みたいなことは出来ないけどね」

江風「それでこの人に、かぁ」

明石 イエーイ

江風「大丈夫なの、この人」

明石「任せなさいって。本職ですからっ」

江風「いや、本職は工作艦だよね」

明石「今回はエアロや剛性アップが目的だから、ある意味本職同様だって」

江風「本気で言ってるの?ねえ?」

川内「で、モノは出来てるんだっけ」

明石「バッチリ。ボンネットにエンジンフード、それにアンダーカバーも」

川内「さっすが。仕事が早い」

江風「ライトも変わったんだ」

明石「空力を考えて固定式にしてみました。どうせならがっつりエアロ組み込みたかったけど」

川内「今の見た目が良いんだよ」

明石「あ、でもちょっとワイド化しちゃった♡」

川内「え、ウソ」

明石「フェンダーを叩き出したの。ついでにトレッドも拡がったから、前より踏ん張りが効くと思うよ」

江風「見た目変わんないじゃん」

明石「それは私の技術力」フンス

明石「それとフロント周りを見直して、足も一部ピロ化してあるから、初期応答性がよりクイックになったと思う」

江風「ロールバーだけじゃないんだ」

明石「車体が捻じれ易い所に手を加えたの。ただでさえ古いクルマだから、気を使わないとね」

川内「ありがとね。あとは走って様子を見るよ」

明石「いいのいいの。良い暇潰しになったわ。何かあったらまた来てくださいな」

川内「さて、これで夕張をやっつけますか」


芝ふ浦PA

金剛 ジッポートリダシ

金剛 フー

陸奥「あら、貴女ってタバコ吸うのね」

金剛「ムっちゃん?久々ネー」

陸奥「お久しぶり。隣いい?」

金剛「イエー。カモーン」

陸奥「それにしても意外だわ。吸っているところ、初めて見たわ」

金剛「人前で舌を出したい気分ヨ」

陸奥「それ手巻きなの?」

金剛「イエース」

陸奥「ハイハイ。そういえば貴女のクルマってハチロクじゃなかったかしら?」

金剛「買い替えたヨ。流石にボロボロだからネ」

陸奥「ふぅーん」

金剛「ムっちゃんこそ、どうしてココに居るネ?」

陸奥「真夜中のドライブって気持ちいいじゃない?」

金剛「ドライブ、デスか」ニヤッ

陸奥「なぁに、その意味ありげな笑いは」

金剛「三京の白いスープラと云えば有名ネ。しかも操っているのはセクシーダイナマイトな女性とか」

陸奥「ふうん。それで?」

金剛「オーケー。つまり貴女が三京の白いスープラってことデスよ」

陸奥「あらあら」

金剛「で、実際のところドウデス?」

陸奥「買い被り過ぎ。言っとくけど、貴女のハチロクと違って私のは殆どノーマルだからね」

金剛「でも噂があるのは事実ヨ」

陸奥「ま、悪い気はしないわ」

金剛「そこで一つお願いがありマス」

陸奥「お断りします♡」

金剛「まだ何も言ってまセーン!」

陸奥「どうせ勝負しろって言いたいんでしょ?私はただ、真夜中の散歩を楽しんでいるだけですもの」

金剛「ならその散歩に同行させてヨ」

陸奥「それなら構わないけど……はぐれても知らないわよ?」クスッ

金剛「言うネー」

陸奥「あ、そういえば。インターセプターってまだ走っているの?」

金剛「……彼ならもう居ないヨ」

陸奥「そう、残念だわ」

金剛「狙ってたノ?」

陸奥「興味があっただけよ」


青葉 カキカキ

江風「青葉さん?何を書いてるんだ?」

青葉「これはですねぇ、この周辺で所謂走り屋さんをしている艦娘を纏めたデータでして」

江風「え、そんなに居るもんなの」

青葉「ちょっとドライブ程度からガチな方まで様々ですけどね」

江風「へぇー。ちょっと見せてもらっていい?」

青葉「どうぞどうぞ。最新のデータですよ」

江風「うわ、多いな。こんなバカな事ウチの連中位かと思っていた」

青葉「Hakoneの金剛レーシングは内外で有名ですしね。陸奥さんが80スープラ、伊勢・日向さんのお二人は共にランエボに乗っていたりしますね」

江風「足柄さんがS14の後期、三隈さんがプジョー106……葛城さんはルノー・V6ターボって何だそりゃ?」

青葉「意外と外車に乗っている方も多いようですよ」

江風「こうして見ると戦艦や重巡が多いなぁ。水雷だと……清霜がシビック?」

青葉「そうなんですよ。バイオレットのカッティングが派手なサイド管で車高短ペッタンコなシビックに乗っていました」

江風「……はぁ?」

青葉「何でも武蔵さんに勧められたそうですよ。クルマはやっぱりワンダーとか何とか」

江風「ああ、もうワンダーの時点で察しがついた」

青葉「水雷戦隊の方ですと、クルマよりバイクの方が多いですね。先日の長波さんはSRXですし、菊月さんはポケバイのレースに出ているそうです」

江風「意外と多いんだなぁ。島風がR1-Zに、木曾さんはニンジャ?」

青葉「GPzの方ですよ。天龍さんに影響されたそうです」


青葉「しかし濃ゆさでいったらやはりウチがダントツですね。夕張さんを筆頭にアチコチで名前が売れています」

江風「提督からしてアレだもんな」

摩耶「ん?お前ら何してんだ」

青葉「おや摩耶さん。秋刀魚漁お疲れ様です」

摩耶「うっせ。あたしらが獲ってるワケじゃねえよ」

江風「青葉さんがこの辺で走ってる艦娘を纏めたらしいスよ」

摩耶「暇なことしてるなー。どれどれ」ヒョイ

青葉「摩耶さんもヤビツや湘南辺りでは未だに名前を聞きますよ」

摩耶「昔ヤンチャしてた頃になー……そう云えば川内ってバイク乗り換えんの?」

江風「ウソ、聞いてない」

摩耶「なんかCBRとYZFのこと訊かれたからさ」

江風「えー……そんなもん乗られたらますます敵わないじゃんかー……」

青葉「大型の取得は検討しているみたいですよ?今はMR2がありますし、あくまで将来的に、といったところでしょうか」

江風「うーん……アタシも取ろうかなぁ」

摩耶「大型は殆ど趣味の領域だぞ。どうしてもってのが有るなら良いと思うケドな」

江風「油冷乗りたい!油冷!」

摩耶「すっかり染まったな、お前も……」

青葉「しかし意外ですね。NSRはかなり気に入ってるように思っていましたが」

摩耶「アイツはああ見えて誰かと張り合ってないと気が済まないタイプだからな。ま、当面は変えないだろ」

江風「張り合う相手?」

摩耶「ちょうど近くに居るだろ。アイツを走りに引き込んだ張本人」

青葉「ふむ、なるほど」

摩耶「いずれ単車でも勝つ気でいるんじゃないか?だからリッターもちょっと考えてるんだろ」

青葉「はっはーん。面白くなりそうですねぇ」


小ネタ 若葉が弾き語りしている姿を想像してください

若葉「ラット1つを商売道具にしているさ」

若葉「そしたらベンジー、あたしをグレッチでぶって~」

………

若葉「………浅井健一にグレッチで殴られる……」

若葉「……悪くないっ!」ハァハァ



夕張「ウチの若葉ちゃんは何処に向かっているのだろう」

由良「ドキドキするようなイカれた人生を送りたいんじゃない?」


むしろ時雨がラット使いそう。
ターボラット。

秋刀魚になって村雨に釣り上げられたい。
続きは明日っ!

乙、足柄と三隈がオーバーレブ勢か。



スープラとかいうかわいい顔してとんでもない威圧感出す車すき


木曾がNinjaか
あの改二の衣装でH2とか乗ってんの想像すると興奮する

乙です。
自分は秋刀魚じゃなくて磯風が出ない・・・
毎日30回以上出撃してるのに(´・ω・`)

乙ー
清霜が車とか犯罪臭ハンパないな…かわいい

ようやく秋刀魚集まった!
でもバケツがヤバい……。

>>842 バレましたかww
割と最初の方から考えていたけど、結局長良しか出してませんね。

>>843 スープラはエロい。異論は認めない。

>>844 何処のヒーローだろうかww
しかし86と一緒で、今ニンジャって云うとややこしいですね。

>>845 陽炎型の後半が殆ど居ないんですよねー……。
一方あれだけ出なかった浜風が期間中に二人も……。

>>846 清霜は可愛い。でもウチには居ない。
あの子、勢いに任せて何でもやっちゃいそうだなーとww


昨日のウチに更新する気だったのに……
今回が本編のラストです。


小ネタ ワンダー清霜

江風「……うわぁ……何だこれ」

長波「言うな……みなまで言うな……」

清霜 フンス

江風「見てる……めっちゃ見てるよ……」

長波「見たらダメだぞ。調子にのるから」


清霜のワンダー・シビック

どう見てもアレなシビック。後期型。
エンジンは殆どノーマルだが、内装は外されているので意外と速い。
ホワイトのボディにバイオレットのラインがやたら派手。
清霜自体はクルマについて無知だが、メルセデス・アルトとかは貼らない。


江風「また何ちゅうクルマに乗ってんだよ……」

長波「武蔵が昔乗ってたんだと」

江風「それを聞いて乗り始めたって感じか」

清霜「どうかなどうかな?カッコいいでしょ!」

江風「お、おう……」

清霜「試しに乗り始めたけど、クルマって速いんだねぇ!」

長波「いいからエンジン止めろ。うるせぇんだよ」

江風「サイド管だろ、コレ……子供泣くわ、この音量……」

清霜「でもさぁ、何かすんごいピョンピョン跳ねるの。スピード出してると気にならないんだけどね」

江風「オイオイ、タイヤがもうボウズだぞ!?」

長波「Sタイヤなんだぜ、それ」

江風「勿体無いな……」

清霜「でねでねっ。ぶいてっく?っていうのが気になるんだけどさ」

江風「ワンダーに載るもんなの?」

長波「武蔵は載せてたらしい。B18Cだったかな」

清霜「これを乗りこなして最速になったら、戦艦になれるかなぁ」キラキラ

江風「アイツにとっての戦艦って、どんなイメージなんだよ」

長波「単純なんだよ、頭の作りが」


今だったら、あえてシングルカムのVTⅰに乗るのが渋いと思う。


市川PA

由良「ハイ、MAXコーヒー」

夕張「何故にそのチョイス」

由良「嫌いだった?」

夕張「いや、いいけど……」

由良「それにしても、ワンエイティ随分変わったね」

夕張「……私ね、少し分かったことがあって」

由良「何よ急に」

夕張「チューニングって、結局代償というか……因果応報なんだなって」

由良「え……ホントに何なの」

夕張「いいからっ。例えばさ、パワーを上げたいのでブーストを上げます。するとタービンが壊れたので交換しました」

由良「ふむ」

夕張「そしたらエンジンが壊れたので直すついでにピストンやらコンロッドを強化品に変えました」

夕張「そしたら今度はエンジンブロックが割れました。もう再起不能です、と」

夕張「なんて云うかこう……イタチごっこみたいなことを繰り返した上に、全て無になったというかさ」

夕張「そもそも良かれと思って強化品に変える事自体がクルマの寿命を縮めることになるんだけどさ」

夕張「だからチューニングって因果応報でさ。お金は勿論だけど、何も残らないんだって」

由良「本当に何なの、アンタ」

夕張「少しは語らせてくれてもいいじゃないっ」

由良「ひくわー。夕張さんひくわー」

夕張「何なのよそれっ」

由良「夕張さんひくわーフライアウェーイ」ファサッ

夕張「由良さん、腰のライン綺麗ッスね……」


由良「と、こんな分かりづらいネタはどうでもいいのよ」

夕張「せめて川内か那珂にやらせるべきよね」

由良「それで?結局何が言いたかったの?」

夕張「いや、まあ大したことじゃないんだけどさ。オチも無いし」

由良「じゃあいいや」

夕張「酷いっ」

由良「それを分かっていても尚止める気なんて無いじゃない。それに大したことじゃないんでしょ」

夕張「まあ、ね」

由良「いいんじゃない?少しは何かを考えられるキッカケが出来たんだから」

夕張「そうだね……うん、その通りだわ」

由良「語りたいなら、後から幾らでも聞いてあげるわよ。今は……」チラッ

由良「川内との決着、でしょ?」

夕張「来たわね、夜戦号」

由良「最近『ステルス』って通り名が付いてるらしいわよ」

夕張「マジで?提督と同じじゃないの」

由良「ちなみに夕張は黄色のワンエイティ」

夕張「まんまじゃん!」

由良「アンタのはパッと見ドリ車にしか見えないからじゃない?」

夕張「こんな高い車高でドリ車なワケないでしょ」

由良「大して変わらないわ」


川内「ようやく、自分自身でも納得出来るようになったからね。改めて勝負させてもらうよ」

夕張「なーんか随分派手になっちゃって……」

川内「そうかな?かなり大人しめな見た目だと思うケド」

夕張「確かにエアロを組んだとはいえ、そこまで派手な外見ではないけどさ……」

夕張「バンパーの飛び石跡、ホイールに付いたブレーキダスト、というかSタイヤじゃないコレ」

川内「あ、やっぱりバレた?」

夕張「とにかく、ちょっと見ればコレがどんな走り方しているのか大方見当がつくわ」

夕張「無論、速いってこともね」

川内「ん~……何か褒められてるみたいで嬉しいなぁ」テレッ

川内「でもさぁ、そっちはどうなのさ」

夕張「私のは普通よ普通。どうせドリ車だもんね……」

由良「何で急に拗ねてるのよ」

川内「ただのドリ車がそんな雰囲気纏っているワケないでしょ」

夕張「ふーんだ……」

由良「めんどくさいわね、ホント……」


それぞれの仕様

川内のMR2改

外装は明石製のシンプルなエアロで纏められている。
低いGTウィングとエアダクトが目を引く。

エンジン本体はノーマル。
吸排気系交換、純正改ハイフロータービン、大容量ラジエター&オイルクーラー装備。
CPUは何気にフルコン。

足回りはジオメトリーを見直し。車高調は勿論ロアアームも交換。
大径ブレーキローターに交換する為、前後17インチのTE37(ブロンズ)を装着。

駆動系は1.5WAY機械式LSD、シングル強化クラッチ、フライホイール軽量化。
ファイナルもローギヤード化(加速寄り)している。

アンダーコートを剥がし、軽量化。
前後タワーバー、ロールケージを装着。

足回り中心のライトチューン+αで纏められている。
コーナー一つで姿を消すことから“ステルス”とも呼ばれているとか。


夕張の180SX改

外装は後期純正フルエアロ。
フロント部分にはMA70のターボAダクトを装着。
GTウイングを外した分、自作のアンダーパネル&ディフェーザーを装備。

エンジンは腰下ノーマル。
ポンカムとGT-SSタービンで耐久性とレスポンスを重視。

足回りはS14純正アームを利用し剛性アップ。一部ピロボール化している。
R32用キャリパーを流用しブレーキも強化。

R33ミッション、2WAY機械式LSD、強化クラッチに変更。

リヤシートを取り外し、ロールケージを装着。
剛性アップはバランスを考慮しているので難しいらしい。

純正パーツを流用しつつ、全体的に手を加えている。
本人曰くR35にも負けないらしい。
しかし由良からはドリ車扱いされている。


喫煙所

提督 スパー

叢雲「まだ仕事残ってるんじゃないの?」

提督「今日の分は終わり」

叢雲「あっそ」

提督「……吸うか?」

叢雲「貰うわ」

提督「おう」

叢雲「で?結局、ケリはついたの?」

提督「何だよ急に」

叢雲「納得出来たから降りたんでしょ。ちゃんと答えは見つかったのかって」

提督「……まあ、一応な」

叢雲「なによ、その微妙な反応」

提督「ハハ。自分でも納得できたか分かんないだよ」

叢雲「釈然としないわね」

提督「案外そんなもんじゃないか?充実感はあるし」

叢雲「ふうん」

提督「それに、もう公道で300キロを出す根性無いわ」

叢雲「どの口が言ってるのよ」

提督「気持ちが切り替わったせいか、いかに自分が恐ろしいことしてたか気付いたワケよ」

叢雲「あの子達はどうするの?」

提督「何が?」

叢雲「軽巡のおバカ達よ。ストッパーだと思っていた由良さんですら悪ノリしてるし」

提督「ワハハ。アイツらもいずれ、今を笑えるようになるさ」

叢雲「笑える程度ならいいんだけどね」

提督「俺は都高で色々なことを教わったよ。クルマの動かし方は勿論、人間関係とかもな」

提督「俺はさ、因果応報って言葉が一番好きなのヨ」

叢雲「は?」

提督「何事も過ぎると毒だろ?食べ過ぎ、飲み過ぎ、遊び過ぎ……過ぎると悪い方向で跳ね返る」

提督「当然スピード出し過ぎればお巡りさんに捕まる。よく出来たシステムだよ」

叢雲「何を今更」

提督「でも、良い事もちゃんと返って来るんだぜ?」

叢雲「何よ、良い事もあったの?」

提督「ああ。だから今の俺が居る。積み上げて巡ったからこそ、今の俺が有る」

叢雲「それの折り合いがついたから、ようやく降りれた……って解釈で良いのかしら?」

提督「流石。よく分かってらっしゃる」


叢雲「これからどうする気?」

提督「勿論、世の中が平和になるまで心身捧げるつもりであります」

叢雲「ウソおっしゃい」

提督「ウソジャナイヨー」

叢雲「アンタがそんなタマ?この不良司令官」

提督「じゃあ将来への妄想を暴露すればいいか?素敵な家に犬が居るような」

叢雲「何よ、素敵な家って」

提督「そうだなー……ちょっと田舎の所に住んでさ。立派じゃなくてもガレージがあって、休みの日にはそこでクルマをイジるのよ」

叢雲「あんまり今と変わらないじゃない」

提督「バッカ、気持ちの問題だよ」

叢雲「それで?」

提督「金は不自由しない程度で良いな。大金持ちになんかならなくていい。ま、クルマを趣味にしてたら金は飛ぶんだけどさ」

提督「いっそ庭に畑を作るのもいいな。時々仲間が集まったりしてさ。そんで笑いながら、最後は煙になるのよ」

叢雲「それはアンタ一人で?」

提督「勿論、家族も居るよ。子供はー……俺育てられるかなぁ」

叢雲「バカね。それを誰と築きたいかって聞いてるのよ」

提督「ふむ」

叢雲「な、何よ。何で私を見るのよ」

提督「……ダメ?」

叢雲「おととい出直してきやがれ」

提督「ああ、でもアレだ……叢雲さんがもう少し胸が大きければなぁ」

叢雲「死ね」


時雨「結局この一連の騒動って、何が原因だったんだい?」

扶桑「そうね……一番は私かしら」

時雨「そうなの?」

扶桑「多分、クルマに乗るようになったのは……提督に近付きたいからって、そんな風に思ったんじゃないかしら」

扶桑「あんまりお金の使い道が無かったこともあって……エスカレートしちゃっただけなのにね」

時雨「それが何で扶桑のフリをすることに?」

扶桑「提督の写真のこともあるけど……いつまでも煮え切らない態度に苛立ったのかもしれないわね」

時雨「つまり山城が勝手に――」

扶桑「それでも発端が私にあることは間違いないの。だから、ね?」

時雨「……扶桑は甘いよ」

扶桑「ええ……でも、人を責めたりしても何もならないじゃない」

時雨「それともう一つ気になるんだけど、扶桑自身は元々クルマに興味があったのかい?」

扶桑 キョロキョロ

時雨「??」

扶桑「これは内緒……ね?」

ゴニョゴニョゴニョ

時雨「……へっ!?」

扶桑「ウフフ」

時雨「ちょ、ちょっと待ってよ!それって……!?」

扶桑「今あの人には私じゃなくて、叢雲ちゃんみたいな人の方が似合っているわ。それに……」

時雨「それに?」

扶桑「意外と私、幸福だから」ニコッ

時雨「う~ん……」

扶桑「そうだ。今度乗せてあげましょうか?」

時雨「え、遠慮しておこうかな……」


小ネタ ワンダー清霜

川内「ひゃあ。すっごい音だね」

夕張「まだこういうクルマが居るんだ……スゴいなぁ」

江風「コレどう思う?」

川内「まんまレーシングカーみたいだね。いいんじゃない?」

夕張「音はともかく、中身は結構マジだしね」

江風「ええー……」

清霜「ねえねえ!これなら戦艦になれるかな!?」

夕張「あー……戦艦にはなれないけど、下手な戦艦には勝てると思う」

清霜「戦艦に勝てる……つまり!私も戦艦ってことだね!」

江風「何その誤変換的なポジティブ思考」

清霜「ん?ということは軽巡である夕張さんと川内さんにも勝てる……ってことかな?」

夕張「……おや?刃先が此方に向いた?」

川内「いいねぇ。夜戦なら受けて立つよ」

清霜「よっし!勝負です!」

江風「 」


数十分後……

清霜 チーン

江風「……まあ、そうなるな……」

清霜「何故だぁ……ホームだっていうのに……」

江風「ちょちょちょ!何普通に勝っちゃってるんだよ!大人げない!」

夕張「いやー、ついうっかり……」

川内「挑まれた以上は全力でやらないと失礼でしょ」

江風「見てみろよ、清霜の顔!本気で落ち込んじゃってるじゃんっ!」

清霜 ズーン

夕張「清霜ちゃん、このワンダーって乗り始めてからどれ位経つ?」

清霜「……二週間……」グスッ

夕張「ということは、まだまだクルマに慣れ切ってないわね」

清霜「……毎日乗ってるけどなぁ……」

川内「ちょっと足も硬すぎて跳ねちゃってたよね。乗りずらくない?」

清霜「そういうもんだと思ってたから……」

夕張「いい?大和さんや武蔵さんだって最初からあの艤装を上手く扱えたワケじゃないわ。自分に合わせて、少しずつ慣らしていったの」

夕張「それに同じ大和型の艤装でも、皆それぞれ調整の仕方が違うの。大和さんが武蔵さんの艤装を使っても全然ダメなんだって」

川内「あー、私も神通の艤装は扱える気がしないわ」

江風「え?そうなの?」

川内「那珂はどうだか分からないけど、あの子のはピーキー過ぎる」

夕張「だから清霜ちゃんも自分に合わせた、自分が使いやすいようにセットアップしたら、もっと速くなると思うよ」

清霜「……ホント?」

夕張「バッチリよっ。戦艦も余裕でやっつけられちゃうわ」

清霜「……うんっ!じゃあ頑張る!」


で……

江風「……ってなことがあったんだけど、あれからキヨシーどうなん?」

長波「ああー……それがさ」

江風「うわっ、何だこの音!?爆撃!?」

長波「噂をすれば……」

清霜「ヤッホー!二人ともーっ!!」

江風「……この前と音違くない?」

長波「いや、インテRだっけ?そのエンジンに載せ替えたんだわ。あたしには違いが分からねえんだけど」

江風「悪化してねえか?」

長波「あたしはもう知らん……」


のちに、Rキラーと呼ばれるとか何とか。


川内「さて、じゃあやりますかっ」

夕張「そうね。決着つけさせてもらいますかね」

「ストーップ!」

夕・川「!?」

金剛「何やら面白そうなことになってるみたいだから、ワタシも混ぜてヨ!」

夕張「こ、金剛さん!?」

陸奥「こんばんわー」

由良「あ、陸奥さん。お久しぶりです」

川内「待った待った。これは私と夕張との勝負だよ。いくら金剛さんとはいえ、邪魔させないよ」

金剛「それは分かりマース。バット、貴女方は幸せ者ネー」

川内「……へっ?」

金剛「提督と勝負したくて市川に異動したのに……肝心の提督が降りちゃったネー……」

夕張「あ、ああー……」

川内「そういえば最初そんなだったね」

金剛「なのでっ!せめて提督の弟子達に勝たないと気が収まらいヨ!」

夕張「いつから私達が提督の弟子に……」

川内「そういうことなら……受けてやろうじゃないっ!」

夕張「あっさり受けちゃうんだ!?」

ワイノワイノ

陸奥「フフ、楽しそうね」

由良「やってることは暴走行為ですけどね」

陸奥「そうね」

由良「はぁ……ところで、陸奥さんは何で?」

陸奥「夜のお散歩♪」

由良「………」


自分の考えを理解してもらおうとは思わない

結局外れてしまったことへの言い訳だから


それでも――

あの時間を過ごせたことを、決して忘れない


あの頃の自分を――

きっと誇れる時が来るから


今日もまた夜が来る

あの領域に行くことは、もうない

本編は一旦これで終わりになります。
残りは小ネタやら何やらで埋めていこうと思います。

お付き合い頂き、ありがとうございました!!

乙でした!おもしろかった

車の知識ないけどすごく面白かった! スピンオフのような形で続きが見たい!
小ネタとして、映画や特撮・アニメの車を見て興奮する夕張たちが見たい!
某300キロタクシー(フランス版)、仮面ライダードライブのトライドロン(変形シーン)、ライドクロッサー(合体シーンなど)

>>848
メルセデス・アルトは92レビンだろ!いいかげんにしろ!
…当時92のGT-Z乗ってて悲しくなった記憶
本編おしまいかー
名残惜しいけど仕方ないわな

乙!
車の知識は無いけどスゲー楽しめたし面白かったぜ!

乙乙
俺も車なんてほとんど知らなかったけどすごくおもしろかったよ
色々解説も入ってて分かりやすかった

ラリー編待ってます

乙!最高に楽しかった!

乙でした
小ネタと新スレも楽しみにしてますよ?よ?

むっちゃんとお散歩したいだけの日々だった

こんぬつわ。
秋刀魚漁も終わって後は磯風掘りか……と、気が滅入っている>>1です。
思っていた以上にこのスレが読まれていたみたいで本当に驚きました。
ちょっと思いついた小ネタを投下しますー。

>>863 ありがとうございます!
そう言ってもらえるのは何よりです。

>>864 ありがとうございます!
TAXIは兎も角、特撮などはあまり詳しくないのでネタに出来るかどうか……メ、メカ○ジラじゃダメっすか?

>>865 何気に一番売れたレビトレなのに、92ってどうにも不遇な扱い受けてる気がしますよね……。
次回作はもう少し練ってからやろうかと思いますので、期待せずに待っていて頂ければ幸いですw

>>867 ありがとうございます!
知らない人は正直置いてけぼりじゃないかと不安だったので……。

>>868 人に説明するのが苦手なもので、分かりやすくすることには本当に苦労しました。
ラリー編は勢いで考えたけど、ちゃんと形にしたいですね。

>>869 ありがとうございます!
そう言ってもらえるなら、やって良かった……。

>>870 次は気長に待ってもらえればww
むっちゃんとドライブデートがしたい人生だった……。


外車を出したいと思っても、ドイツ車はまだしもアメ車は難しいですね。
葛城は名前繋がりですぐにアルピーヌが浮かんだけど……ww


見た目は大事

夕張「ディフューザー外そうかしら……でも羽根が無い分抑えが足りないのよねぇ……」

由良「そういえば何で見た目純正風にしたの?いつの間にかGTウイングも無くなってるし」

夕張「んー……ホラ、提督のワンエイティって見た目ほぼノーマルっぽかったじゃない?」

由良「そうね。車高は低いけど」

夕張「てっきりワンエイティの見た目が好きだから変えてないのかと思ったんだけど、ちょっと違うみたいなのよ」

由良「そうなの?」

夕張「元々クルマって改造が全面的に禁止されていて、車検を通すにしてもマル改申請をするかヤミ車検かのどちらかで、凄く手間が掛ったの」

夕張「提督の世代では既に規制緩和された後だけど、それ以前は箱スカの純正オバフェンですらアウトなんて時代だったらしいわ」

由良「今じゃ考えられないわね」

※95年より規制緩和

夕張「じゃあ当時の人はどうしていたのかというと……外見を派手にすることは避けて、ノーマル風を装っている人が大半だったんだって」

由良「単にパーツが出回っていなかったんじゃないの?」

夕張「それもあると思うわ。昔の雑誌とか見ていると、エアロに限らず純正品を加工・流用するかレース用を持ってくるかだし」

夕張「基本的に中身と腕で主張する感じだったみたいね。それに見た目だけだと、初日の出暴走みたいで嫌だったんじゃないかな」

由良「あっ。つまり提督さんがあまり見た目を変えないのは、その頃にならって?」

夕張「そういうこと。速いクルマはどんな見た目してても速いっていう意思表示だったみたい」

由良「ふーん。じゃあ夕張も?」

夕張「私は実験的な意味合いが強いかなぁ。ちょっと意識はあるけどね」

由良「でもね、夕張」

夕張「なあに?」

由良「そうは云っても、ワンエイティの後期ルック、しかも黄色ってやっぱりドリ車にしか見えないわよ」

夕張「……色だけは変えないわよ」


人によって好みや諸事情はあるとはいえ、エアロレスにGTウイングとか着けているのには個人的には疑問符が。
決して否定はしないし、カッコいいと思えるクルマも沢山ありますが、今現在の自己主張の激しい派手な外見はちょっと苦手です。


時々混乱する

時雨「ちょっと質問があるけど、いいかい?」

夕張「時雨ちゃん?珍しいわね」

時雨「クルマやバイクを改造することをチューニングするって言い方をするというのは本当かい?」

夕張「確かに云うわね。でもどうして?」

時雨「チューニングって、本来は調律って意味じゃないか」

夕張「ああ、そっか。時雨ちゃんは提督からギターを教わったんだもんね。それで違和感があるんだ」

時雨「うん。何か意味があるのかい?」

夕張「うーん……詳しい語源は私にも分からないわ。でもちょっと見方を変えると納得出来るかも」

時雨「見方を変える?」

夕張「例えばココにバケットシートがあります。元々のシートを外して、バケットに変える……これは改造、カスタムね」

時雨「ふむふむ」

夕張「じゃあ今度はシートの位置を自分に合った位置に決めます。コレって調律……つまり、チューニングにならないカナ?」

時雨「それはむしろ調節……セットアップにならないかい?」

夕張「んー……一理あるわ。クルマの場合、どれが正しいってことはないから難しいのよねぇ」

時雨「ギターのチューニングだと、EADGBE(※ドレミでいうとミラレソシミ)って基準があるからね」

夕張「私の中では……そうね。セットアップって作業を指す言葉で、チューニングは用途に合わせることって解釈をしていたんだけど……」

時雨「用途?」

夕張「直線主体のコースでコーナー重視の調律はしないってことよ。ギヤ比を加速寄りに変えたり、ダウンフォースを減らしたり……」

時雨「えっ!?ダウンフォースが有ればマシンは速くなるんじゃないのかい!?」

夕張「それはミニ四駆……しかもマンガだけの話よ……」

時雨「兎に角、そのコースに応じた仕様に調律するって意味だと思っていたわ」

時雨「要するに、ただパーツを付け替えるのはあくまで改造=カスタムってことだね」

夕張「そうそう。でもコレは私も勉強不足だったわねー……」


某女子高生バイク漫画ではカスタム=乗りにくくするなんて言い方をしていましたね。
あながち間違いじゃないのが何とも……ww

余談ですが、ミニ四駆の速度では空気抵抗はあってもダウンフォースはあまり発生しません。土屋博士ェ


飼い主に似る

赤城「ではオジ様。宜しくお願いします」

「おうっ。任せておきなっ」

加賀「……またクルマのメンテナンスですか」

赤城「ええ。定期健診みたいなものかしら」

加賀「改造車は、そこまでしないといけないの?」

赤城「他のクルマはよく分からないけど、ロータリーは特に気をつけないといけないのよ」

加賀「煩わしくないんですか?」

赤城「確かに大変かもしれないけど、常に100%の実力が出せないと勿体無いじゃない」

加賀「ガソリンもすぐ減るようですし」

赤城「それは……仕方ないです」

赤城「ロータリーは代替えの効かない、素晴らしい魅力を持ったクルマだもの。それ位、苦労にはなりません」

加賀「………」

よく食べて……
赤城=ボーキサイトの女王
ロータリー=燃費が悪い

よく寝る……
赤城=入渠時間が長い
ロータリー=すぐショップ入り

加賀「クルマも持ち主に似るのね……」

赤城「かっ、加賀さんまで私が大喰らいだって云うのっ!?」


そしてエロボディも共通。


突撃!湾岸の青葉さん

青葉「どもっ!青葉ですぅ!今回はなんと……大阪に来ています!」

青葉「いやぁ活気があってご飯も美味しいですねっ。青葉気に入っちゃいましたっ」

青葉「さてさて。ココはとあるスポットなのですが、何やらココにも艦娘が出没するとの情報をキャッチ……?」

青葉「のわっ!?闇夜を切り裂く複数台の直管サウンド!シビックです!シビックの群れです!」

青葉「ほえー……今でも環状はホンダ車がメインですか。しかしこの音量では近所迷惑になりそうですねぇ」

青葉「おや?反対側からも一台来ました。あれはまた、随分古いシビック……清霜さんと同じですね」

ドスンッ

青葉「ええっ!?街路樹にぶつかっちゃいましたよ!?まさかの事故遭遇!?」

青葉「おっと、ドライバーが出て来ました。どうやら無事みたいですね……しかし、何故道の真ん中に立っているのでしょう?」

「何やワレェ!邪魔じゃどかんかいっ!」
「いてまうぞコラァ!」

青葉「もう一触即発ムードです。しかしあのツナギを着たメガネの……女性ですかね?長身ですが美人……って、あれ?」

武蔵「オドレかぁ~うるさくて眠れへんわボケェ~」

青葉「武蔵さーん!?何してるんですか、あの人!?」

青葉「というか武蔵さん長崎出身ですよね!?何でそんな任侠映画みたいな口調なんですか!?」

「何やコラ!やるんかワ 武蔵「そうりゃあ!」バチーン

青葉「引っ叩いたぁーっ!?出てきた人を躊躇もなく引っ叩いたぁ!!」

武蔵「ワーッハッハッハ!祭りじゃ祭りじゃあ!!」

青葉「はわわわ……もう大乱闘スマッシュ娘状態です……とりあえず逃げなきゃ……」

武蔵「んん~?オドレも仲間かぁ~?」

青葉「ギャーッ!?武蔵さん!?そんな……何で……」チラッ

死屍累々

青葉「一人残らずシバいてらっしゃるーっ!?」

武蔵「人様に迷惑かけよってからにぃ~。そうりゃあ!」


――その日の記憶は、そこで途切れました。
後日撮影した映像を確認すると、ヒエーと悲鳴を上げながら吹っ飛ばされる私・青葉と、

「何や。オドレは金剛型やったんかい」

という冗談なのか本気なのかよく分からない武蔵さんの音声が収録されていました。
青葉があの領域に行くことは、もう……無い。

……それにしても、青葉は毎回酷い目にあってませんかね?

武蔵がどこまでも違和感が無い(自画自賛)

いまのミニ四駆ってダウンフォースを発生させてコースに張り付かせないとそもそもゴールできない世界なんやろ?

ミニ四駆のサイズ・スピードからではダウンフォースなぞあって無きが如し。

重量&パワーで押し切るか、軽量化に軽量化を重ねて走らせて盛大にコースアウトするかのどっちかだそうなw

ところで、扶桑x提督x叢雲はまだでs(通信はここで途切れている

乙ー
武蔵さん何があったwww

FDはヤバイ…あんなんもう二度と出てこない…

持ち主に似る車……赤城の同類はどんなものでもあるということだ。
ミニ四駆……ヤフーニュースで知ったけど、一分の一サイズのミニ四駆、実車として走れるというからすごいよな。販売したらいくらになるのか……
≫871
とりあえずユーチューブで レオンチャンネル トライドロン を見てみては? 販売している玩具の画像ですが概要はつかめます。(ライドクロッサーも)
後、トライドロンのカスタムベースはホンダNSXだそうです。(原型ねぇな~)ライドクロッサーの合体前であるライドチェイサーとライドマッハーはホンダのNM4-01。そう考えると、特撮のカスタムって凄まじいなぁ。(これもヤフーで ライドチェイサー 原型 で検索すれば出てきます)

乙、夕張180の黄色ってS15とかのライトニングイエローとは違うオリジナルの黄色なんだろうなきっと、だからドリ車扱いされてるとか?

>>864

西武警察を忘れているな。

>>880
あの手の特装車のベースを見抜くコツはピラー周りの形状をよく見ることだな、あそこだけは簡単には弄れないからな。

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20151018_726198.html

正直かっこいいと思います。

やっと読み切った!
>1乙でした!

乙です!
今回も面白かったですw

個人的には派手なエアロよりも控えめなエアロが好みだなぁ
S15の純正フルエアロにLEDテールの組み合わせとか大好き

ここの連中がモーターショー見に行ったらどうなるんかな

ズイも改二かぁ……カタパルト関連任務も発生していないワイ、低みの見物。
レス返しのついでに短いながらも次回予告的なものをば。


>>877 マジレスすると、重量バランスと衝撃吸収が一番の問題っぽいです。
提灯とかもう訳ワカメです……。

>>878 なにその3P超俺と……うわっ、何するやめろ!

>>879 ココの武蔵は前世はティラノサウルスらしいので……(目そらし
FDに限らず、今でも現役な90年代のクルマはどれも褪せずに輝いてます。

>>880 そういえば昔、ガンブラスターだったかを1/1スケールにして鈴鹿を走らせていたような。
そもそも仮面ライダーが何でNSX乗るんだよ!というツッコミは野暮でしょうか。
これ見てふと思い出しましたが、自分が幼い頃の特撮ヒーローって結構クルマ乗ってたなぁと。
コルベットとかAZ-1と見せかけキャラとか……年齢がバレますねww

>>881 ただでさえワンエイティ=ドリ車的なイメージと、所謂東北仕様な見た目も相まってってところでしょうか。
色合い的には、ワンエイティ後期に設定されたイエローが何気に近いです。

>>882 何これカッコいい。
そしてローラーww

>>883 ありがとうございます!
次回作にご期待しないでくださいww

>>884 ありがとうございます!
次も考えてはいるので、気長にお待ち頂ければ幸いです。

>>885 禿同。
昔東京で見た白いS15がパッと見ノーマルエアロだけど、さり気無くワイドフェンダー着けていて痺れましたww
どんなに派手なエアロでも、機能的な説得力があればいいんですけどね。

>>886 夕張なら企業ブースの方に食いつきそうですねw
そういえば前回、イケヤフォーミュラのシームレスミッションを食い入るように見ていたポニテの女の子が居たけど……まさか。


小ネタ 扶桑姉様の台詞集


MVP時

扶桑「主砲の火力だけは自慢なの。防御力と速力?そんなの……欲しい、けど……」


GTO搭乗時

扶桑「エンジンの出力だけは自慢なの。アフターパーツと旋回性?そんなの……欲しい、けど……」


由良「扶桑さんのゼロヨンベストタイム、10秒2だって」

夕張「いくらなんでも速過ぎでしょ……」


ゼロヨンチャンプでの愛車は決まってGTOでした。


予告!

噂の黒いMR2って知ってるか……

妙に速い黄色いワンエイティってのが居て……

あの二人、仲間なんだろ?

どっちも若い女の子で、しかもめっちゃ可愛いって……

ココだけの話な……その二人って艦娘らしいぜ……


青葉「恐縮です!青葉です!」●REC

青葉「今回は青葉が所属する鎮守府の紹介を致しますっ」

青葉「まずは我らが司令官の登場です!」

提督「私が、湊川です」


吹雪「この鎮守府って、クルマが好きな方が多いんですか?」

由良「……正確に云うと一部というか……バカ二人がねぇ」

吹雪「??」


「へぇ……私と夜戦したんだ?」

「言ったでしょ?夜はまた別の顔だって」


かみんぐすーん。

次回……というか次レスの件ですが、以前にもお伝えした通り一旦整理しようと思います。
由良張内のメイン三人はほぼそのままですが、

・提督のキャラ変更
・登場艦娘の変更
・それに合わせて一部搭乗車種も変更

……などなど、世界観はそのままに手直しします。
完全リセットではありませんが、現スレとの繋がりはあまりありません。

ほったらかしになっているラリー編などは、正直なところ未定です。
というのも、書いてるとラリーというよりダートラっぽくなるので……。

自分の技術不足を痛感しましたが、それでも沢山の人に読まれたことは何より励みになりました。
近い内に次スレという形で改めて上げていこうと思いますので、その際はまた立ち寄って頂ければ幸いです。

とりあえずこのスレはまだそのままにしておきますので、意見・質問などがあればお気軽に。
ではでは。

携帯からテスト

よし、書き込めたw
そしてまさかの次。

【艦これ】夕張と180SX
【艦これ】夕張と180SX - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446250411/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月20日 (土) 02:21:17   ID: nymJ0RJn

にわか知識をひけらかしたいだけのSS

2 :  SS好きの774さん   2015年06月20日 (土) 02:31:35   ID: kjjxN46V

普通におもしろい

3 :  SS好きの774さん   2015年07月06日 (月) 01:51:10   ID: PxXtAd8G

>>1 出たー(笑)他の人をすぐにわかとか言って見下して自分の方が知識ありますよアピール

4 :  SS好きの774さん   2015年08月02日 (日) 02:27:59   ID: YKdHwNGj

センチュリーのv12をs15に載せたい
と思う今日この頃。

5 :  SS好きの774さん   2015年08月13日 (木) 02:13:04   ID: ppnq0gw9

MR2出して(血涙

6 :  SS好きの774さん   2015年09月02日 (水) 20:34:37   ID: nbqzcSnr

車と艦これ好きにはオススメのssだと思う

7 :  SS好きの774さん   2015年09月06日 (日) 21:47:09   ID: SaPCmJU9

車の事は全くわからないけど、続きが見たい。

8 :  SS好きの774さん   2015年10月05日 (月) 17:24:47   ID: Jnc5W7XM

おもしろい(ノ∀`)

9 :  SS好きの774さん   2015年10月16日 (金) 21:58:50   ID: 5xJU0jg4

FDはやはりヴェイルサイドが一番好きかな

10 :  SS好きの774さん   2015年10月18日 (日) 10:33:08   ID: 2RDTZ6Ef

夕張の台詞から魔王って言うよりローレライって感じを受けた。

11 :  SS好きの774さん   2015年11月18日 (水) 23:38:18   ID: aOg5zpId

おもしろいから何回でも見れる。

12 :  SS好きの774さん   2015年12月18日 (金) 01:47:09   ID: LZv4ih9w

面白かったが魔王とGTOの辺りがもう一押し欲しかったなーなんて・・・
でもこんなに面白いSSは初めてかもしれない、特に提督は今までのSSで一番好きなキャラしてる

ありがとう!

13 :  910ブルーバード   2019年12月25日 (水) 02:38:49   ID: Vyth4ft6

恐らく湾岸線をぶっ飛ばすならGTRも良いですが車重がありキツいカーブでは不利な事が多いですがシルビアや180SXをボディ強化(スポット溶接やロールを組んだり)してRB30(セフィーロオーテック)のエンジンや一つ下のRB25などはバランスが高いため5ナンバー車のサイズにはうってつけです。個人的にはフェアレディZのVG30がサーキットや首都高に向いています。

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