アメリカ イタリア ロシア艦について (36)



アメリカ艦 アイオワ級 戦艦 アイオワ から

ロシア(ソ連)艦 ガングート級 戦艦 ガングート まで



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【 アイオワ 】


洗濯機とケンタッキーは関係ない。

倦怠期とケンタッキーも違う。

ピリ辛チキンを頬張りながら思う。 日本語は難しい。


あと、チキンちっちぇ。



【 サラトガ 】


身に纏いし純白の軍装は、勝利へのウェディングドレスか、敗北の死装束か。



バースについて尋ねられたら、レジェンドと答えなさい。

エルドレッドについて聞かれたら、ヒーローだと言いなさい。

提督のアドバイスは意味が分からなかったけど、とりあえず言われた通りにしておいた。


数日後。


駆逐艦の二人と仲良くなれた。

懐いてくれて、とても嬉しい。



【 イントレピッド 】


食べても食べても太らない。まるで魔法みたいだと、アイオワが笑顔で教えてくれた。

和食とは、そんなに素晴らしいものなのか。

期待に胸を膨らませ、はるばる日本にやって来た。



着任初日の歓迎会で比叡カレーを振舞われ昏睡状態に。

一晩で10キロと21グラムのダイエットに成功する。



【 ガンビア・ベイ 】


アイオワ「和食は最高よ!」

サラトガ「繊細で美味しくて、しかもヘルシーなの」

ガンビア・ベイ「すご~い!楽しみ~」

イントレピッド「あ、でもカレーは食べちゃダメよ。死ぬから」

ガンビア・ベイ「死ぬのっ!?」



さんざん迷子になりつつも、なんとか鎮守府へと辿り着く。

着任の挨拶もそこそこに、食堂へと舞い降りる。

憧れの和食はもう目の前だ。



矢矧「ようこそ佐世保へ!」

赤城(幼女)「佐世保バーガー美味しいです!」

時雨「トルコライスはどうかな」

武蔵「角煮まんじゅうもオススメだぞ」

足柄「任せといて!ほら、カツよ!」ドサッ!


ガンビア・ベイ(おスシ食べたいなぁ……)



【 サミュエル・B・ロバーツ 】


遠くアメリカからやって来た水色の髪の駆逐艦。 愛称はサム。
しっかり者だが、意外とおっちょこちょいな一面も。


サム「さぁ、まずはコーヒーですね!お持ちしまあぁぁーっ!」ドンガラガッシャーンッ!


今日も元気に提督に、淹れたてのコーヒーをブチ撒ける。



五月雨「負けてられません!」

夕張「五月雨ちゃん!」

五月雨「わたし、頑張っちゃいますから!」

夕張「五月雨ちゃん落ち着いて」

五月雨「コーヒーを淹れて、提督に……」

夕張「ゆっくり!五月雨ちゃん、ゆっくりだよ」

五月雨「きゃああぁぁーーーっ!」ドンガラガッシャーンッ!

夕張「五月雨ちゃーーんっ!」



【 リベッチオ 】


出会って五分で清霜と親友になる。

イタリア艦なのにナポリタンが好き。

餅入り明太子ピザや牛カルビ焼肉ピザなど訳の分からない物を覚えて帰ってきては、リットリオを困らせる。



【 ルイージ・トレッリ 】


つるつるぺったんこ界のゴールデンルーキー。


ピザパン、ピザまん、ピザポテト。
日本には不思議な食べ物がいっぱいある。
初めて見た時は驚いたけど、食べてみるとなるほど美味しい。

でも、ピザアイスはさすがに違うと思うんだよね。


「……」モグモグ


「……!」


……日本って、スゴイかも。



【 ザラ 】


お腹を空かせた猫の前に、アイオワがドヤ顔でビッグマックを置く。


食べない。


猫がそんなもの食べる訳がないだろう。馬鹿か。

考えの及ばないメリケンの愚行にため息をつく。



美味しいパスタを持ってきて猫の前に置く。


食べない。


そんなもん食べる訳ないだろ。馬鹿か。みたいな顔をされた。

予想外の展開に声も出ない。この猫は病気なのか。



鳳翔がやって来てご飯に味噌汁をぶっかけたゴミみたいなのを置く。


猫大喜び。




衝撃の事実に言葉を失う。

ありえない。信じられない。けれどもきっと間違いない。


日本の猫は、パスタを食べない。



アクィラ「いやいや」

ローマ「流石にそれはない」

リットリオ「パスタを食べない猫なんて……ねぇ?」

ザラ「ホントなんだってば!見たんだから!」



【 ポーラ 】


咥え上手。

酔ってすぐにグラスを割るので、ワインは最初からラッパ飲み。



常に酩酊状態で予測のつかない動きをするので、目には見えないが妖精さんが頻繁に踏み潰されている。



【 アクィラ 】


アクィラはグラーフと仲良くしたい。
けれども勤勉なドイツ艦は、呑気なイタリア艦と波長が合わない。


アクィラ「お茶にしましょう~」

グラーフ「すまない、今忙しいんだ」

アクィラ「シエスタの時間ですよ~」

グラーフ「何を言っている、執務中だぞ」

アクィラ「……」ショボーン

明石「いいものがありますよ」

アクィラ「これは……コターツ?」





アクィラ「はい、おやつをどうぞ」

グラーフ「ありがたい、頂こう」ゴロゴロ

アクィラ「お茶もいかがですか~」

グラーフ「ああ、ちょうど欲しかったんだ。ありがとう」ヌクヌク

アクィラ「少しお昼寝しますか」

グラーフ「うむ、少しくらいならいいかな」ウトウト

アクィラ「よしよし、さぁ、アクィラの膝にどうぞ~ ///」


大好きなグラーフで満たされて、アクィラは毎日幸せ気分。
気難しいグラーフも、これ一台で仔猫ちゃん。
買ってて良かった家具調こたつ。
今ならお値段そのままで、オシャレ座椅子も付いてくる。


明石「注文待ってま~す」



【 リットリオ 】


日本の男性は優しいと聞いていたのだけれど。

髪型を褒めてはくれないし、エスコートだってしてくれない。
花束も贈ってくれないし、愛の言葉も囁かない。 ないない尽くしでつまらない。


リットリオ「アンミラーリオー!聞いていますかー!」

提督「ハイハイ、ティアモ ティアモ」


酔うと意外に絡み酒。



【 ローマ 】


初対面の日本人のほとんどがナポリタンについて聞いてくる事に辟易している。


雪合戦の時、雪玉に石を詰めるのは万国共通なのだなと薄れゆく意識の中で知る。目が覚めたら殺しに行こう。


扇風機の前で宇宙人の声真似をするリベの姿にため息をつく。
また日本の駆逐艦からおかしな事を教わってきた。

呆れ顔で部屋に戻るが、誰もいない所でこっそり自分もやってみたのはリットリオにも言えない秘密だ。



【 ヴェールヌイ 】


灼熱の日差しに不快な湿気。
眠らぬ藪蚊と鳴り止まぬ蝉。
奇声を発し走り回る島風。

日本の夏は甘くない。


星の降る夜。
カラコロと鳴る下駄の音色。
涼しげに揺れる花柄の浴衣。
お囃子の溶ける夜に皆は集い、櫓の周りを輪になり踊る。


その歌が楽しそうだったから。その踊りが簡単そうに見えたから。
ヴェールヌイは一歩、前に進んだ。


慣れない下駄で足をグネらせ、転んだ拍子に膝を痛める。

湿布を貼りつつ涙目で空を睨む。

どこまでも続く祭の景色。

日本は今日も甘くない。



【 タシュケント 】


酷寒の地に生まれしこの身には、日本の暑さはやや辛い。
縁側で毎日アイスをかじる日々の中でロシアの駆逐艦は遂に気付く。

ガリガリ君の梨味こそが最強だという事に。



雪と氷に閉ざされた死の国に育ったせいか、虫や花の知識に疎い。
初めてカブトムシを見た時には無反応だったが、ゴキブリの時は絶叫して一斉掃射した。

知識ではない。計算ではない。
戦場で己を守る為に必要なものは何なのか。

空色の巡洋艦は知っている。



【 ガングート 】



まるで、小娘のように。



大きな鏡を前にして、ガングートは動けない。


頬に残る深い傷痕。
入渠をしても消せないし、明石でも治せない。


もとより隠すつもりも無い。
この痕は誇りであり、勇気の証なのだから。


だのに何故、自分は動けずに ここにいる。


気にならなかった小さな痕が、どうしてこんなに大きく目立つ。どうしてこんなに醜く見える。


不安そうな。泣き出しそうな。
鏡に映る、この弱き女は誰なのか。



人を、好きになるとはこういう事か。


愛されたいのだと知った夜。


ガングートは動けない。


以上です。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年06月01日 (金) 12:25:20   ID: wfbB7l-I

好きやわ〜こういうの
ガングートが可愛いすぎる

2 :  SS好きの774さん   2018年06月03日 (日) 02:04:44   ID: x45IY8WO

今回もいいもの見せてもらいました。グラッチェ

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