由比ヶ浜結衣はまた恋をする (145)

※注意点

・結衣人称です
・モノローグ多いです
・想像と自己解釈で書いてる部分が多いので、他の人と解釈が違う部分もあるかと思います
・結衣が好きです

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最初はほんとに偶然だった。

早朝にサブレを連れて、これから通うことになる高校を見ておこうと思っていただけ。

朝も早かったしすぐに帰るつもりだったから、寝るとき着ていたクマさん柄のパジャマのまますっぴんで出掛けていた。

高校の近くまで行ったしそろそろ帰ろうかな、と思っていたところでサブレが野良猫を見つけた。

あたしに似たのかあたしが似たのか、サブレは好奇心が強いのに気がとても弱い。

だから猫とか他の生き物に近付かれると、すぐに逃げ出そうとする。

そんなサブレはとても可愛い。こうやって甘やかしてばかりだから飼い主としての威厳がないって言われてサブレには舐められるんだろうなぁ。

けど、サブレは相手から近付かれると怯えて逃げてしまうのに、相手が逃げると追いかけてしまう。え、もしかしてただの捻くれ者なの?

その時の野良猫は気が弱かったのか、サブレを見てさっと逃げ出そうとしてしまった。

これから通う高校に期待を膨らませて、この道を毎日通るのかなぁとかボーッとしていたんだと思う。

サブレはあたしの手にあったリードを振り切って、野良猫を追いかけて走り出してしまった。

そういうのは散歩中にもたまにあるんだけど、普段の散歩の時は危なくない道を通るようにしてるし、慣れてる道だからそんなに慌てないで追いかけて捕まえてた。

けどこの時は慣れない道で、しかも交通量の割と多い道路がすぐ傍にあった。

走るサブレは楽しくなったのか、慌てて追いかけるあたしからさらに逃げるように走り出す。

待って!サブレ!危ないから!

そう思った時には既にサブレは道路にまで飛び出していて、その前には一台の真っ黒い車が迫っていた。

頭が真っ白になった。思わず目を覆いそうになった。

そこへ、その人は突然飛び出してきた。

自転車から飛び降りるようにサブレと車の間に体を投げ出し、サブレを守るように、衝撃に備えて頭を伏せる。

聞いたことのない嫌な大きな音がして、真っ黒い車は自転車とその人を弾き飛ばした。

そこからのことはあまりにも衝撃的だったせいか、頭が働いてなくて正直なところあんまり細かく覚えてなかったりする。

サブレの無事を確認した後、もう逃げないように抱き抱えてから、あたしのせいで怪我をした、サブレを救ってくれた人の姿を見た。

その人はあたしがこれから通う総武高の制服を着ていて、怪我をしたのか足を押さえて痛みに苦悶の表情を浮かべていた。

あたしは、大丈夫ですか、というような声すらかけられてなかったと思う。

それからその人を跳ねた車から、漫画で見る執事のような運転手の人が降りてきて、落ち着いて対応を始めた。

まず救急車を呼んで、それから…よく覚えてないけど、事情を聞かれてサブレが逃げ出したことをそのまま話したら、あたしは被害者でも加害者でもないからということで早めに解放された気がする。

その時はサブレが無事で安堵していた気持ちのほうが強かったかもしれない。

今にして思えばこのときに名前を聞いておけばよかったと思う。教えてもらえたのかどうかは知らないけど。

ただ、サブレを守ってくれたその人の目と、自分を省みないその行動はあたしの胸に強く焼き付いた。

そして、今日から学校が始まるのに、同じ高校のその人を怪我させてしまったことに罪悪感を覚えた。

しばらくたって落ち着きを取り戻すと、まるで運命の出会いだったのかな、という錯覚をしたりもした。

あたしは高校に入ってから友達との付き合いを続けているうちに、髪も茶色になったし格好もそれに伴って変わっていった。

嫌われたくなくて回りに合わせているうちに、流されるままどっちかで言うとイケイケの女子高生みたいな見た目になった。

けどみんなみたいに男の子と付き合ったことはないし、少女漫画であるような運命の出会いに憧れるところだってある。

恋に恋する、っていうのかな、そういうの。

だから、それからもその人のことが気になって、もう退院したかな、何年生なのかな、あたしのこと覚えてるかな、あたしのせいであんなことになって嫌われてないかな、とか思いながらいつもその人を目で探していた。

ほんとは入院してるその人のお見舞いにいけたらよかったんだけど、名前もわかんない人の入院先を知る方法があたしには思い付かなかった。

もしかしたらそこまでしようとは思っていなかっただけかもしれないけど。

結局なかなか見つからなくて、もう会えないのかなという思いが頭をよぎった頃、その人を学校の廊下で見つけることができた。

あの目だ、と思って見つけたときは胸が高鳴った。

その人は同じ学年で一年生だった。

でも、あんなことがあったのにお見舞いにも行けてないあたしが、気軽に話しかけられるはずがなかった。

その人はあたしとは別のクラスだった。

だから、その人がいるクラスに軽く話せる程度の友達を作って、用もないのに話しかけに行った。

その友達と話しながら、その人のことを横目で何度も、何度も見ていた。

あたしに気が付いてくれないかな、という思いも少しだけあった。それは叶わなかったけど。

何度も見ているとはっきりとわかったことが一つだけあった。

それに気が付いたとき、甘い錯覚はあたしの頭から消えた。

その人は、いつも一人だった。

その人から何も言われてないのに、胸に痛みを感じた。

その人の名前を知りたくてクラスの人に聞いてみたけど、最初の数人の子は、さぁ…なんだったっけ?とか言っていて本当に苦しくなった。

きっと自分が怪我をさせてしまったせいで学校に来れなかったからクラスに馴染めてしないんだ、きっとそうだ。そうなら、なおさらちゃんと謝らないと。

あたしがその人のことを気にしているのがなるべく周りの人に気付かれないよう、期間を置きながら少しずつ調べてようやく名前を知ることができた。

比企谷八幡くん。比企谷くんか。ひきがや…ヒッキー…かな!

その人のあだ名はあたしの中ですぐに決まった。

あたしには、学校ではずっと一人でいるヒッキーに話しかける勇気が出なかった。

自分が悪いんだけど、事故について謝ることから始めて、拒絶されることを思うと動けなくなった。

それでもなんとかしなきゃと思って、ヒッキーのクラスの先生に事故のことを話して住所を聞き、一度だけ勇気を出して家に菓子折りを持ってお礼と謝罪をしに行ったことがある。

これで自然にヒッキーと話ができるかもしれない。そういえば同級生の男の子の家に行くなんて小学校以来だなぁとか考えて、謝りに行くだけのはずなのに違う意味でドキドキしたのを覚えている。

出てきたのは本人ではなく妹の小町ちゃんだった。兄を呼びましょうかとも言われたけど、おもわず断ってしまった。最初からヒッキーが出ていてくれればよかったのに……。

伝えてほしいと謝罪の言葉を話すと、兄のことなんてぜーんぜん、ほんと気にしないで下さいねーと言われてしまった。

この時はもしかしてヒッキーは妹さんと仲が悪いのかな、なんて思ってしまった。実際は引くほどのシスコンだったけど。

ヒッキー本人にもちゃんと伝わるかな。小町ちゃんには名前も言ったし。もしかしたらそれを聞いてヒッキーの方からあたしを探してくれるかも。

そんな都合のいいことも考えたけど、待てども待てどもそんなイベントは起こらなかった。

これは恨まれているか、嫌われているか、その両方なのかな。

でも、そうだったとしても、やっぱり助けてもらったあたしからちゃんと話すべきだと思った。

それからも機会を見つけては、声をかけようとヒッキーを眺めていたけど話しかけることはなくて、いつ見てもやっぱりヒッキーは一人だった。

たまにクラスの男の子なんかが話しかけるのを見たこともあった。でもヒッキーはめんどくさそうに、無愛想な返事をするだけ。

もしかしたら、周囲を寄せ付けないようにしているよう見えるのは気のせいじゃなくて、ヒッキー自身がほんとにそうしているのかも。なんのためかはわからないけど。

あんなに勇気のある行動をしてくれたのに、ヒッキーのクラスの誰も事故の内容を知らないようだった。凄いことをしたのに、人に言いたくなったりとかしないのかなぁ。

やっぱり話して聞かないとわかんないよね。ヒッキーと話がしたい。何を思っているのかいろいろ聞かせてほしいな。

結局何も言えないまま時間が流れ、そうこうしている間に二年生になった。
結局あたしは謝ることも何もできないまま、ほぼ一年を過ごしたことになる。

その間、朝礼や体育、何かのイベントがある度に、常に目でヒッキーを追っていた。

見つける度に、何をしてるのかな、どんなこと考えてるのかな、と想像を巡らせるようになっていた。

だから、あたし自身もだんだん気が付きはじめた。

もう、謝らないといけないはただの口実になりつつあって、この人の考えていることを、この人自身のことを、もっと知りたいと思うようになっていたことに。

錯覚から始まったあたしの想いは、自分でも気付かないうちに別の形に変わり、いつの間にか恋が始まっていた。

けど、少しの罪悪感は消えていなかった。

二年生の新しいクラス分け発表の掲示板を見るときに一番に探したのは、自分の名前じゃなくて比企谷八幡の文字だった。

F組にその名前を見つけ、同じクラスに自分の名前を探す。

あった。あたしとヒッキーは同じクラスだ。

嬉しい。これで話しかけることもできるかもしれない。

けど、二年生になって新しいクラスになっても、やっぱりヒッキーは一人だった。

休み時間には誰とも話さず、昼になるとふっとどこかへ消え、放課後はすっといなくなる。

たまに誰かと話してると思ったら、ものすごく挙動不審になってまともに会話できてるとは思えなかった。

毎日が同じだった。

でもあたしもそれは同じで、クラスで仲良くなった友達と空気を読みながら付き合ってはいたけど、相変わらずヒッキーに話すきっかけは掴めなかった。

あたしは少しだけ、人に合わせることに、流されることに疲れていた。勇気を出せないでいる自分にも。

そんな時、家庭科の授業で調理実習があった。

周りでなんとか君にお菓子作ってあげたいなー、とか声が聞こえて、それで思い付いた。

そうだ、クッキーでも作って食べてもらおう。それを口実にお礼を言って、ちゃんと謝るんだ。ヒッキーとお話できるようになるんだ。でもクッキーなんかあたし作れないな……。

優美子や姫菜にはこんなこと相談なんかできない。こんなの、あたしには似合わないし。こんな乙女みたいなことバカにされちゃうかもしれない。

困った私は平塚先生に相談することにした。そこで奉仕部の存在を教えてくれた。

なんでも、生徒の悩み相談を受けて手助けしてくれる部活らしい。

ほとんど行くことのない特別棟の、しかも初めて入る部屋。

おそるおそる扉を開ける。

そこには噂でよく聞く美少女の雪ノ下さんと、なぜかヒッキーがいた。

これが奉仕部と、ヒッキーとゆきのんとあたしの出会い。

初めて話したヒッキーの印象は、それはもう最悪だった。ほんとに。なんなのこの人、と思った。

同じクラスなのに、まさか自分のことを認識してもいなかったなんて。

あたしはずっと前から見てたからよく知ってたけど、まさか名前まで知らなかったなんて。

ていうかあり得ないよ……。もう二年生になって何ヵ月もたってるのに、まだクラスの人のこと知らないとか……。

話し始めてすぐ、いきなりビッチとか言われた時にはどうしようかと思った。怒りのあまり物凄く恥ずかしいことまで口走って超後悔した。

ヒッキーは事故の原因はあたしだって知らないみたいだった。

でも、それからのあたしは、少しだけ変わることができた。

クッキーは結局うまく作れなかったけど、元々食べてもらおうとしてたのはヒッキーだし、結果的にあたしから奉仕部へ出した最初の依頼は解決してもらえたってことになるのかな。

あたしが憧れるぐらい、最初からゆきのんは強くてかっこよかったし、ヒッキーは基本的に最悪だったけど、たまに優しかった。

もう迷うことはなかった。あたしも奉仕部に入ることにした。

ヒッキーがいて、ゆきのんがいた。そこにあたしが入って、今の奉仕部が出来上がった。

それから奉仕部でいろんなことがあった。

あたしとゆきのん、あたしとヒッキー、ゆきのんとヒッキー。

三人の距離は近付いたと思ったら離れて、離れたと思ったら近付いて。

なんでこんな人好きになっちゃったのかな、って思ったことは一度や二度じゃなかった。

罪悪感が少しだけあったのも確かだけど、あたしが奉仕部に入ってヒッキーに近づきたいって思ったのはそんなんじゃないのに拒絶されたこともあった。

同情とかならそんなのはすぐにやめろって。

でもそれから、ゆきのんのおかげで事故のことはとりあえずお互い気にしないことになった。仲直りできて、あたしが奉仕部に戻ることができたのはすごく嬉しかった。

二人とも一緒に過ごすうちにどんどん好きになっていった。

ヒッキーはいろんな依頼に対して、屁理屈みたいなよくわかんないこと言って、わけわかんないこともたくさんやって…。

あたしには真似の出来ない方法で、ヒッキー自身が傷だらけになりながら問題を解決してた。

そんなヒッキーを見るのはとても辛かった。けどあたしには何もできなかった。見ているだけだった。

悲しいこともたくさんあったけど、それ以上に楽しいことや嬉しいことがたくさんあった。

あたしの学校生活で一番楽しくて、嬉しくなって、安心できる場所。

あたしがいて、一番大好きな友達がいて、たくさん知って前よりももっと好きになった人がいる場所。

奉仕部はあたしにとってかけがえのない存在になった。

そんな奉仕部がなくなっちゃうかもしれない。そう思ったのは生徒会長選挙の時。

今度こそあたしもちゃんとやらなきゃと思った。

ゆきのんが生徒会長になったら奉仕部はきっとなくなる。

だって、あたしとヒッキーだけじゃ奉仕部は成り立たない。ヒッキーがいなくても成り立たない。

いなくても奉仕部が成り立つとしたら、それはあたしだけ。

これまでで大好きになった奉仕部と、ヒッキーと、ゆきのんと、あたしの場所。

もしあたしが奉仕部に行けなくなっても、あの場所はどうしても守らなきゃと思った。

だからゆきのんにも負けないつもりで立候補しようとしてたんだけど、結局ヒッキーが奉仕部を守ってくれた。

ヒッキーが守ってくれたのは嬉しかった。

でもあたしはまた、何もできなかった。

そしてそれがきっかけで、奉仕部はあたしにとって安心できる場所じゃなくなってしまった。

またあたしは空気を読むふりをして、場を繋ぐことばかりに一生懸命になっていた。

奉仕部はこんなはずじゃなかったのに。ゆきのんが変なのはわかってるのに。

あたしは何も言えなかった。違う、言わなかった。

ヒッキーはゆきのんに気を遣ってか、あたしたちに嘘をついてまでいろはちゃんの、生徒会の手伝いをしてた。

もうどうしようもなくなるぐらい奉仕部の空気が冷たくなった頃、ヒッキーが来て一つの依頼をした。

本物が欲しい。

それはたぶん、初めてのヒッキーの本当の願いだった。

ヒッキーがちゃんと本当に願っていることを話してくれた。

そのヒッキーの求める本物に、あたしが含まれているかは深く考えないようにした。

奉仕部としての三人の関係のことなら、あたしも含まれるんだけどさ。

ほとんどがゆきのんに向いている言葉なのかなって思った。あたしはあの時、別にヒッキーと喧嘩なんかしてなかったし、そんなに気まずくはなかったから。

でも、あたしもゆきのんとあのままは嫌だった。

本物とか偽者とかよくわかんなかったけど、ゆきのんとまた前みたいに戻りたいって気持ちをぶつけた。

ヒッキーの気持ちは、あたしにも、ゆきのんにもちゃんと届いた。

だから仲直りできて、奉仕部はまた前みたいに戻った。けど少しだけ変化があった。

ゆきのんはその依頼はまだ終わってないと言っていた。ヒッキーはわかってなかったみたいだけど、あたしにもわかった。

それをきっかけに、ゆきのんは少し変わった。

ゆきのんとヒッキーは、一歩距離を縮めた気がして、あたしの胸に締め付けるような痛みを残した。

その後ヒッキーから湯飲みのお礼ってことで、あたしとゆきのんがクリスマスプレゼントを貰った後、ゆきのんとこんな話をした。

「シュシュかー、ヒッキーも可愛いの選んでくれたもんだねー」

「そうね、仕方がないから大事にしてあげるわ」

「あはは、ゆきのんも素直じゃないなー。でもほんとなんでこんな色なんだろーね。やっぱりあたしがピンクでゆきのんが青って感じしない?」

「結局、どう思ったのか本当のところは聞かないとわからないんでしょうけど……」

「けど?」

「彼が……比企谷君が、自分で考えて選んでくれた、というのが重要なのだと思うわ……」

「そっか……そうだね」

ゆきのんはとても穏やかで、嬉しそうな顔をしてた。

なんてことはない会話だったんだけど、やっぱり前までのゆきのんと違うのかな、と思った。

確信したのはマラソンの後、保健室での出来事。

盗み聞きみたいになっちゃったけど、ヒッキーはゆきのんに一歩踏み込んで、ゆきのんはそれに応えた。

葉山君とゆきのんが噂になったとき、ヒッキーにちょっとした探りを入れた時はうーん、違うのかなって思ったけど、ヒッキーも少しだけ変わっていた。

あたしともちゃんと向き合おうとしてくれてるのはわかるんだけど、ヒッキーから一歩踏み込んだのはあたしじゃなくてゆきのんの方だった。


☆☆☆

あたしはこれからどうするべきなんだろう。

奉仕部も、ゆきのんも、ヒッキーも大好きで、全部大事。

ゆきのんも、たぶんそう。今はヒッキーに応えようとしてる。

ヒッキーが求める本物って何なのかな。結局そこに行き着く。

そうなると、あたしはそこに入っているのかとても不安になる。

とりあえず一つだけあたしにもわかることがある。

それは、ずっとこのまま、っていうのは無理だっていうこと。

あたしがそれをいくら望んでも、ヒッキーも、ゆきのんも、きっとあたしを置いて変わっていく。

変わらない関係なんて、きっとない。
ヒッキーが、ゆきのんが、お互い歩み寄っているなら。

あたしももう少しだけ、踏み込んだほうがいいのかな。

そうしないとあたしだけ、置いていかれるのかな。

そうなったら奉仕部は、あたしだけを残して変わってしまうのかな。

嫌な考えが頭に広がり、マイナス思考に陥って涙が滲む。

ダメだ、こんなんじゃ。しっかりしろ結衣。

あたしはゆきのんのことも大事。きっとゆきのんもそう思ってくれてる。これはあたしの中で確信に近い。

だから、ゆきのんの気持ちの変化をわかりつつもヒッキーに近づこうとする自分に、ちょっとだけ罪悪感と嫌悪感がある。

あたしって卑怯だな、やっぱり。

でも、あたしだけ置いていかれるのはやだよ。

ゆきのん、ヒッキー、あたしを置いていかないでよ……。

あたしのここまで 終わり

続きはまたそのうち

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