優希「やさぐれ京太郎の失敗談を通して学ぶ雀荘のマナー」京太郎「どうせ俺なんて」 (173)



-清澄麻雀部部室-


咲「………」ペラッ

和「Zzzzzzzzzzzz」

優希「ん…この味は…また腕を上げたな…やるじゃないか京太郎!」

京太郎「ああ。お前らが勢いのまま頂点まで駆け抜けたIHの間、ほんと暇だったからな…」

京太郎「それくらいしかやることがなかったんだよ…ははっ…」

優希「じょ!?きょ、京太郎…哀愁が凄いじぇ…」

京太郎「麻雀部員としてもうすぐ半年経つが、俺は未だド初心者さ…」

優希「す、すまん京太郎。だがもうこうしてIHも終わったし、そろそろお前の指導も…」

京太郎「どうだか…」

優希「き、きっとだじぇ!約束する!」

京太郎「それになぁ…上手いやつなら練習しなくても上手くなるもんだろ?やっぱ俺にはツキとかセンスとかがないんだよ」

優希「そ、そんなことはない!仮にそんなものがなくても、練習は嘘は付かないぞ!だって、だってお前の…」


まこ「おーう。やっとるかー」ガチャッ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428335658


優希「染谷先輩!…いや、染谷部長!」

京太郎「部長、お疲れ様です」

咲「お疲れ様です」パタン

和「ふあ…………」

まこ「おお、いやー…やっぱわしゃ部長って柄じゃないのう」

まこ「ただでさえ久からの引継ぎだけで精一杯じゃというのに、まだまだ忙しいと来たもんじゃ…」

まこ「おぉ、そういえば京太郎。あそこの備品がないんじゃが…」

優希「ぶ、部長…それは…」

京太郎「………あー…今度買ってきますよ……」

まこ「すまんな、恩に切るけぇ」

京太郎「いーえー。どうせ俺は雑用が似合ってますよー」

京太郎「たまーに出てきたと思ったらシロ亜種とか言われる始末ですからねー」

京太郎「画面外で声優の無駄遣いでもしてれば良いんですよー」

まこ「………どうしたんじゃあいつ」ヒソヒソ

優希「…あ、その…。京太郎、私たちが忙しかったから…麻雀教えてやれなくて…」

まこ「……あー……」


まこ「確かにちょっとかまってやれなすぎたのぅ…」

優希「で、でもこれからは京太郎にも指導出来るじょ!?夏は終わったんだし…」

まこ「………いや、それがのぉ」


久「やっほー!みんなお久しぶりー!」バターン

美穂子「お邪魔致します」ペコッ


咲「部長…じゃなかった、竹井さん」

優希「風越のおねーさんもいるじぇ!」

和「ふあぁ…おはようございます…」


久「何だコクマエントリー3人組!もっと元気出していきなさい!」

美穂子「うふふ。皆さんおめでとうございます」


咲「こ…」

和「く…」

優希「ま…?」


和・優希「あああああああああああ!?」

咲「?」

京太郎「えー…これとこれとこれ…一番安いところはどこかなー」


咲「え、コクマって?」きょとん

和「し、知らないんですか咲さん!」

優希「秋の国民麻雀の略称で、夏のIHより歴史ある大会なんだじょ!?」

久「あ、ちなみに私も美穂子も選ばれたわ」

美穂子「宜しくお願い致しますね」

まこ「わしも何とか滑り込みじゃった。しかし龍門渕の何人かを抑えてのエントリーは…嬉しいものがあるのう」

久「何言ってんのよー。IH決勝で緑一色を上がったまこがエントリーされないわけがないでしょ!」

美穂子「各県の学年ごとに5人ほどエントリーされるのよ、宮永さん」

咲「ぜ、全然知らなかったです…。お姉ちゃん何にも教えてくれないし…」

久「いやー、引退かと思ったけどまだまだ暴れられるってことよね!」

美穂子「で、近いうちに、うちと練習試合をと思って久を訪ねてきたの」

久「ええ!そりゃーもう望むところでしょ!」

優希「そ、それはまた燃える展開…」ハッ


京太郎「へー。また皆さん揃って大会ですかー。羨ましいことですねー。さーって俺は一人寂しく買出しにでも出かけようかなー」


まこ・優希「……………」


まこ「久」

久「何よーまこ。いや、まこ部長」

まこ「申し訳ないが買出しを頼まれてくれんか?福路さんと一緒に」

美穂子「!」ぴょこん

久「ええー何よ。久々に麻雀部に顔出したのに。OGになんて扱い…」

美穂子「行きましょう!ね、行きましょう久!」

久「むー…。まぁ、美穂子との買出しも悪くないか…」

美穂子「はい!」

久「しゃーない。後輩の頼みとあっては断れないわね。行くわよ、美穂子」

美穂子「はい、行きましょ久♪」


パタン


優希「おねーさんニコニコだったじぇ」

まこ「ふぅ…」

咲「お姉ちゃんも出るのかな?コクマ…」

和「そりゃ、咲さんのお姉さんですから出るでしょう」

京太郎「良いよなーお前ら…どうせ俺なんて…」

優希「代わりに京太郎がやさぐれてる…」

まこ(バッドハーモニーじゃ…)


まこ「それじゃ清澄一行!次の目標…秋のコクマに向けて気合新たに出発するぞ!」

咲・和・優希「おーっ!」

京太郎「……おー…」

まこ「ほんじゃ、打って貰おうかのう。咲、和、優希、京太郎!入れ!」

優希「!!!」

和「須賀君…ですか?」

咲「京ちゃんと打つの久しぶりだねー」

京太郎「へ?いや…まこ先輩…。いや、部長…入らなくて良いんですか?」

まこ「わしゃーわしなりに調整するから構わん。後ろから見といてやるから。はよー座らんか」

京太郎「ぶ、部長自ら俺の指導を!?いよっしゃー!燃えてきたぜ!」

まこ「か、勘違いするんじゃないぞ!人に教えるのも良い練習なんじゃから!」

和「なるほど…一理ありますね…。ならその次は私が抜けましょう。須賀君、良いですね?」

京太郎(こ、ここは天国か!?)

京太郎「ああ!頼むぜ和!」

まこ「先に見るのはわしじゃ」

優希「むぅう…」


優希(ま、まぁこれで京太郎の奴の機嫌も直ったことだし…)

優希(あいつの機嫌が悪いと、私の気分も悪いからな!)

京太郎「おぉ!珍しい!優希がいるのに起親だぜ!」

和「単に1/4を引いただけですよ」

咲「あはは…」

優希(…しかし!こと麻雀においては手加減無用!)

優希(お前から貰ったタコスを糧に、私は加速する!)ゴッ

和「それじゃ、始めましょうか」パアアアアアアア

咲「うん、始めよう!」ゴッ

京太郎「おう!サイコロ回して~頭も回して~」












京太郎 3半荘 3ラス 3トビ 3焼き鳥



優希「よ、弱すぎるじょ京太郎…」


京太郎「お前らが強すぎるんだよチキショー!」


和「戦えない牌じゃなかったとは思うんですが…かなり変な切り出しがありましたね…」

和「あそこは6sが4枚見えだったので8sの対子落としを…」

京太郎「いや、その場で言ってくれない!?」

まこ「ちょっと染め手にさせすぎたかのう…」

まこ「とりあえず配牌で6枚同色があったら向かうのは、やはり今のお前さんには無理そうじゃ」

京太郎「いや、やはりって後で言ってくれませんか!?」

咲「や、やりすぎちゃったかな…?」

京太郎「嶺上開花の責任払いを5回もさせて2回も飛ばした奴が言うことじゃないよねそれ!」

優希「ま、まぁ京太郎…そういうこともあるじぇ!麻雀なんだから!」

京太郎「それ絶対お前のセリフじゃないよね!?和が言うべきセリフだよね!?」

和「咲さん…カッコイイです…!」

咲「えへへ」

京太郎「こいつらあああああああああああああああああ……!」

京太郎「………ふっ、お前らは良いよな…どうせ俺なんて」

優希「ま、また京太郎にやさぐれたオーラが!」

まこ「あ、わしゃ今回入るのパスな。面倒になりそう」ボソッ


優希(京太郎の奴…大丈夫かな…)

京太郎「どうせ俺なんて…」

和「何でも良いですが、対局中は口より頭と手を動かしてくださいね」

咲「優希ちゃんの起ち親だね!」

優希「あ、うん…」カシャッ

優希(!)

優希「来たじぇっ!Wリー!」リーチ!

京太郎「は?いやこんなん当たったら事故だし」タン

和「良くあることです」タン

咲「流石の東場の優希ちゃんだね…あ、カンしとくね。で、安牌…っと」

優希「………ツモっ!Wリー三色赤々ドラドラドラ!裏は…なし!8000オールだじぇ!」

京太郎「は?」

和「咲さんのカンで4000点助かりましたね。でもそんなオタ風四枚なんて安牌に使うべきでは?」

咲「あー…。何となく、ね…」

咲(決勝を経て、嶺上牌だけじゃなく王牌が全部見えるようになったなんて言っても和ちゃんは信じないだろうなぁ)


京太郎「いや、こんなんただの運じゃん。俺だってその席座ったらそれくらい出来るわ。ツイてるなー優希」


咲・和・まこ「!!!!!」


和「は?」

咲「きょ、京ちゃん…」

まこ「きょ、京太郎!そればっかりは…」

優希「うぐっ…ぐすっ…」

和「ゆーき!ゆ、許せません…このっ…!!」

優希「い、良いんだじぇのどちゃん!…ぐすっ、す、すまんな京太郎!ちょっと今日はツキまくってるようだじぇ!」

まこ「ゆ、優希…!」

優希(京太郎はこれまで私たちのために尽くしてくれた…そんな京太郎に、私は怒ることなんて出来ないじぇ…)

京太郎「だろー?その馬鹿ヅキ分けて欲しいぜ」

和「こっ…この………!!」

咲「……………次の局、行こうか」

優希「え、えへへ…い、一本場だじぇ!……ぐすっ」

地獄兄弟でいいのか?



-東1局1本場-


咲「カン」

京太郎「うぐっ」

咲「ツモ。満貫の1本付けで8300の責任払いだよ、京ちゃん」

京太郎「お前はまた嶺上開花かよ…はぁ、ついてねぇなぁ…」チャラッ

咲「京ちゃん?」

京太郎「あ?」

咲「点棒300点、足りてないよ?」

京太郎「あーあーあー!細かいことうるせぇなぁ。ほらよっ」ヒョイッ ジャラッ

咲「……………」

和(何で止めるんですかまこ部長!あいつをぶん殴らせてください!)

まこ(その気持ちは分かる!けど一番我慢してるのはあんたじゃなくて優希と咲じゃろ!)

まこ(その二人が我慢しとるんじゃ、あんたもあの二人が我慢してる限り我慢せんか!)

和(うぐぐぐぐぐぐぐ!!)


-東2局- 親番・咲 ドラ六


京太郎(おお!形は悪いけど満貫聴牌したぜ!)


③③③④⑤赤⑥ 六六 68北北北


まこ(役なしのカン7s待ち…)

京太郎(多面になってからリーチで良いよな)

まこ(……とか考えとるんじゃろうな…)

まこ(こんなもん即リーでええじゃろ…有効牌は場に1枚切れの8sとドラ、2枚切れの5sしかないというのに…)

まこ(誰も手を緩めんぞこんなダマテン…)

優希「り、リーチ…」7s切り

京太郎(げっ!)

咲(京ちゃん…顔に出すぎだよ?)タンッ

京太郎(ま、まずい…けどこの待ちじゃ勝てる気がしねぇ…)タンッ

まこ(とか思ってるんじゃろうな。なら今の牌は何で押したんじゃ)

まこ(思えば、本当にわしらはこいつに何にも教えてやれんかったのう…)

まこ(その集大成がこれか…わしらにも問題があるな、これは…)

和「では…私も、リーチです」打北

まこ(対局が終わったら色々と言ってやるけぇ、今はボコボコにされ…)

京太郎「おっと!その北、カンだ!」


まこ・咲「!!!!????」

>>12
教養(笑)スレです。次男もプチ三男のぼっちゃまも出ずにすぐ終わります。
>>13
名前欄②忘れ。


京太郎「咲、捲ってくれよ」

咲「あ、うん…」新ドラ表示牌西

京太郎「よっしゃ!モロ乗り!」

咲「あー…そうだねー…うん…」

まこ(役はどうするんじゃ役は!)

京太郎「嶺上開花してやれば倍満!和の得点を0に出来るって訳だぁ!」

まこ(アホか!?あんたは咲じゃないじゃろ!)

咲「あー…うん…そうだねー…うん…。どこまで読んだっけなー」ペラッ

京太郎「嶺上開花!…………だーっ畜生!ダメか!」タンッ 打8s

まこ「!!!!!!??????」

まこ(しかも共通安牌の④じゃなくて8sじゃと!?)


京太郎(嶺上牌は惜しくも隣の6sだったが…これで対々に向かえるぜ!)

京太郎(赤⑤を重ねれば対々ドラ8!これに嶺上開花チャンスも加われば三倍満のチャンスも…)


和「ツモ。1300・2600ですね」

京太郎「ぐあああああああああ!やられた」

まこ(下家のツモ増やしてただの自滅じゃ…)


-東3局- 親・京太郎


京太郎「かーっ。ついてねーなぁ」

まこ(いやいやいや…!前局は明らかにおんしの問題じゃろ!)

まこ(そ、その問題の理由も…監督不責任のわしにあるのかもしれんが…)

京太郎「気分変えるために左手でツモって良いか?」

優希「い、良いんじゃないか?なぁ、の、のどちゃん…?」

和「(どうでも)良いんじゃないですか」

咲「とりあえず、この半荘は自由にやってみたら?こ の 半 荘 は ね ? 京 ち ゃ ん ?」

まこ(咲ぃ!今にも麻雀を楽しませようとする、その殺気しまわんかぁ!!!)

京太郎「いよっしゃ!俺の幻の左手ツモぉ!…おっし!好牌ゲット!」

和「」ゴゴゴゴゴゴゴ

まこ(和ぁ!おんしそんな天使じゃなく悪魔みたいなオーラ、どこで身に付けてきたぁ!?)

咲「」ゴゴゴゴゴゴゴ

優希「」あたふた

京太郎「更に左手…よし!カンチャンずっぽし!」

和「……………」タンッ

優希「………うぅぅ…」タンッ

咲「………………」

京太郎(よし!次のツモぉ!)


ガッ


咲「ん」河に牌を置き戻そうとする右手

京太郎「ん」咲の山からツモろうとする左手(やや早い)


ぶつかる腕と腕


和「はぁ!!!!!!!!!!!!?????????????」

優希「あぁぁ……………」


京太郎「おい咲、お前右手引っ込めるの遅すぎだぞ」

和「はぁ!!!!!!!!!!!!?????????????はぁ!!!!!!!!!!!!?????????????」

まこ「キャラ壊れすぎじゃぁ!!!」

咲「あははー。ううん、ごめんねー。京ちゃん。私すっごくノロマだからー」にっこにこ

京太郎「次からは気を付けろよ?」

咲「うん、ごめんねー」にこにこ


咲「でも、京ちゃんも 気 を 付 け て ね ー ?」にこにこ


京太郎「へいへい。おりゃ!…ったく、無駄ヅモだぜ」

優希「あわわ…あわわわわ…」

和「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

まこ「おやすみのどっち!!落ち着いて!!」


-東4局- 親・和 ドラ発


京太郎(ちっ…まーた焼き鳥ペースで東場が終わっちまう…)

まこ(京太郎…お前凄いのぉ…。全然気付いとらんのか?)


咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

和「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


まこ(真後ろにいるわしも勿論、周囲にまでとんでもない殺気が飛んでるんじゃが…)

まこ(一番最初に可哀想な想いをしたはずの優希なんて、怯えてて麻雀になっとらん…)

優希「」ガタガタ

まこ(これが無知ゆえの力か…。これが終わったら、ちゃんと指導してやるからな…)ホロリ

京太郎「!」チャッ

京太郎(テンパイ!)

②③④⑥⑦⑧ 33 三四五(赤)六 発 ツモ七

まこ(ふむ、綺麗な手じゃのう)

まこ(手変わりも殆どないし、京太郎は点棒が少ない局面じゃ。こんなもんドラ叩き切ってリーチ以外あるまい)


京太郎「よっしゃ!俺が切る牌はこれだ!」スッ

打 発

まこ(当然じゃな。で、リーチじゃろ?)


シーン


京太郎「おっし…発声はないな?」


まこ(ん?リーチはないんか?)


京太郎「いやー。鳴かれたら困るからな。誰にも鳴かれなくて良かったぜ)

まこ(おぉ…意外じゃ…。京太郎の奴、一発が消されるのを嫌がって一巡回s)


京太郎「ほんじゃ一発消されないし気兼ねなくリーチな」発横に曲げてリーチ!




和「はぁ!!!!!!!!!!!?????????????!!!!!!!!!!!!???」





まこ「」


京太郎「ちっ…流局しちまったぜ…」

京太郎「見ろよこの3面張がツモれないとかさ。やっぱついてねーわ」バラッ

優希「あー……そ、そうだなー。お、惜しかったな京太郎…?」

京太郎「いやほんとついてねーわ」

咲「そうだねー。ついてないねー。京ちゃん、頭ついてないんじゃないかなー?」ニコニコ

和「あ、辻垣内さんですか?ええ。清澄の原村です。えっとですね、獲物を一振り、至急長野に届けて欲しいんですが…」

まこ「お前は何をする気じゃああああああああああああああああ」








-オーラス- ドラ5s

京太郎(ちっ…結局未だに焼き鳥でラス目だぜ…)

咲「」にこにこ

和「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

優希「」ガタガタ

京太郎(咲と和の2トップがぶっちぎりだ…)

まこ(優希…これも試練じゃ…頑張るんじゃぞ…)

京太郎(だが幸い、優希が失点しまくりで満貫出上がりでも三着にはなれる状況だ!)

京太郎(やったろうじゃねぇか!)


京太郎(おっと)チャッ

③④⑤ 三四五 224589東 ツモ6

京太郎(うっわついてねーわ。満貫で足りるのにこっちかよ)

まこ(確かにこれはついてないかもしれんのう。ソーズの真ん中ならそこは引きたくない牌じゃな)

京太郎(とりあえずは聴牌取っておくか…)打東

まこ(ここは手変わり待ちじゃな…赤引きもあるし、6sをまた引けばタンヤオを組みつつ三色が手広くなる)

京太郎(ん)ツモ7s

まこ(そこを引くか…。それを引いてしまったら500・1000じゃ。ラス確上がりになってしまう…)

まこ(となるとやるべきことは打9sのフリテンリーチ…。これなら6sツモでも優希をまくr)



京太郎「ツモ。500・1000だな!焼き鳥回避っ!」



まこ「だああああああああああああああああああああああああああ」

和「…………」

まこ「落ち着け!落ち着くんじゃ和ぁ!」


和「え?別にこれは良いんじゃないですか?」


まこ「あら?」


和「私なら即9s切りリーチしますが…まぁ…ツモ上がる人の気持ちも分からなくもないです」

和「人の上がりに文句言えるほど私は偉くありませんからね」

和「それにこれはあくまで練習です。次の半荘…次の上がりのために上がるというのも悪くありません」

まこ「昔の和からはとても出てこなそうなセリフじゃな…」

和「………べ、別に良いんじゃないですか、そんなこと。私も多少は変わったんです」

和「ただし………マナーについては…見逃せませんよ?」


京太郎「!!」





京太郎『いや、こんなんただの運じゃん。俺だってその席座ったらそれくらい出来るわ。ツイてるなー優希』

優希『うぐっ…ぐすっ…』





咲『点棒300点、足りてないよ?』

京太郎『あーあーあー!細かいことうるせぇなぁ。残りの俺の人生と等価交換な!』 ジャラッ

咲『京ちゃん…』キュンッ





咲・京太郎『うわっ!』ギュッ

咲『うわっ、ご、ごめんね京ちゃん…』ドキドキ

京太郎『お、おう…。気にしてないからな?』ドキドキ





京太郎『気分変えるために、左手に指輪付けてくれないか?』ウインク

優希『い、良いんじゃないか?和ちゃんも…私も…』ドキドキ

和『(どうあっても)良いんじゃないですか?』ドキドキ

咲『自由にやってみたら?』ドキドキ




まこ「……何最初の以外、都合の良いように改変しとるんじゃ」


京太郎「そうか…俺は…俺は………」

咲「……京ちゃん、分かった?」

和「………あなたに指導をしなかったのは私たちの責任でもあります」

和「ですが、この半荘のあなたのマナーは酷すぎます…」

和「麻雀をする以上…自分のことだけでなく…他の三人の方の考えて…気持ちよく戦いたいじゃないですか…?」

京太郎「俺、まだまだ麻雀する資格なんてなかったって事だな…」

京太郎「他の対局者の事も考えず…自分勝手なことばっかり…」

優希「京太郎…」

京太郎「ごめんみんな!やさぐれたからって酷いマナーで対局してしまった俺を許してくれ!」土下座


咲・和・まこ「…………」


優希「…………………京太郎…」


優希「馬鹿犬!そんなしょぼくれた顔をするな!」

京太郎「うぉう!?」

優希「お前は難しいことは考えずにやりたいようにやれば良いんだ!」

優希「何か間違ったことがあったら、みんなが。私が…正してやる!」

優希「だから…だから、腐るな!やさぐれるな!へこたれるな!」

優希「私の知ってる京太郎は…!もっと、もっと諦めの悪い奴だったはずだ!」

優希「のどちゃんがいて…咲ちゃんがいて…染谷部長がいて…たまに竹井先輩も来て…そしてお前がいてこその清澄麻雀部だ!」

優希「だから、例えお前一人だけコクマに出てなくても…みんな一緒に戦ってるものと思え!」

優希「ツキがないと思うのなら、それを凌ぐ腕を身に付けろ!」

優希「お前は、その努力が出来るはずだ!」

優希「だって…だって………お前の…京太郎の作ってくれたタコスは…」

優希「初めは物足りないとまで思った、そのタコスが今は…!」

優希「私にとって…一番美味しい…掛け替えのない物になったんだから!!!」

優希「お前の応援が!笑顔が!私の一番の力になったんだからぁ!」

優希「はーっ!はーっ!はーっ!」



京太郎「ゆ、優希…っ」ドキッ


<ふふ。優希ちゃんと京ちゃん…。青春だねぇ、和ちゃん?

<ですねぇ…

<ええもんじゃのう……



-部室前-


久「いやー良い話ねぇ。良い後輩を持って私は嬉しいわ」

美穂子「ええ…。ホント、羨ましいくらいです…」ぐすん

久「それじゃ、雰囲気を壊さないように、荷物置いて帰ろっか!」


美穂子「………あら?何言ってるんですか、久?」

久「」ギクッ

美穂子「久もマナーについては心当たりがある点が沢山ありますよねー?」

久「な、何のことかしら?」

美穂子「私ね、今回長野のジュニアAのチームリーダーをやることになっててね…」

美穂子「特に、あなたの牌飛ばしについて矯正させるよう、藤田プロにとにっかく沢山言われたの!」

久「いや、あれって私の調子のパラメータの良し悪しの表れだからね…?ね、だから美穂子…近い…近ーいっ!!」

美穂子「全部治るまでうちから帰しませんよっ、久♪」

久「いーーーーーーーやーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」





カンっ!

①思ってても口に出すな。
②点棒投げるな。
③謎のカンやった後に手牌開けて説明されても困る。
④左手はともかくどんだけ先ヅモすんのお前。
⑤(ドラの役牌切って)発声がないのを確認してからリーチとかアホなの?

殆ど今年付けのピン雀で喰らった出来事でした。④≧⑤>②>①>③の順に困ります。ラス確上がりは別に構わないと思います。いや人それぞれか…。
でも①やってる咲キャラばっかりですね…。①くらいは親しい仲ならまぁ…。
※常時くっちゃべってるフリー雀荘は雀荘じゃないです。その面子で店の片隅でセットやって、どうぞ。

朝起きたら申請します。読んで頂いた方、ありがとうございました。

マナーに縛られすぎるものあれですが最低限のマナーを守って麻雀を。
この場合は京ちゃんと清澄の面々は親しい仲なんでその場で指摘してあげれば良いと思います。許せ京ちゃん。

夜くらいに粛々と部キャプで他のマナー書きたいと思います。粛々と。
今度は部長がターゲットです。

お前ら京ちゃん好きだなww
少なくとも原作京太郎は打ち込んだ咲の手牌を勝手に広げるウザキャラなんだけどな

>>60
国士のやつだろ?
あれはちゃんと咲に確認取ってただろ

>>62
勝手に確認しただけで了解されてませんから
広げられて咲「あっ」って言ってるし
咲にしてみりゃ国士見逃しがバレる可能性があるんだから言われただけじゃ見せるわけがない

その前にも「三色捨ててそれってどうなん!?」だの「下手すぎにもほどかあるよ!」だの、強引に連れてきた癖に無礼この上ない態度だったわけだが

三味線申し訳ない。何もかんも残業だらけのうちの職場が悪い。


-福路宅-


美穂子「さ、上がって?」

久「お、お邪魔しまーす…」

美穂子「あぁ、今は遠慮しなくても良いわよ?」

久「へ?」

美穂子「今日はうちのご両親、帰ってこないらしいから」

久「へ、へー…。そうなの…。へぇー…」

美穂子「その代わり、マナーについては厳しくいくわよ?」

久「お、お手柔らかにお願いします…」


美穂子「それじゃ、晩ご飯の用意してくるから…」

美穂子「私の部屋で申し訳ないけど、くつろいでいてね?」

美穂子「あ、何かリクエストとかあるかしら?」

久「何でも良いわ。美穂子の料理なら、何でも美味しいだろうし」

美穂子「あ、それも実は失礼なのよ?何でも…って作る側からすると、何を作れば良いのか…って、困っちゃうものなの」

久「え…じゃあ……簡単なもので…パスタとか、お願いして良い?」

美穂子「うん、かしこまりましたっ。じゃあ、ごゆっくり?」

久「あ、うん…」

美穂子「明日天気になあれ、てるてる坊主みたいに…♪」

久「うーむ…。簡単なものとは言ったけど…楽しみね、美穂子の料理…」



~♪


久「美穂子、歌ってるわね…」

久(しかし…)

久(何というか、美穂子の部屋らしいというか…)

久(すっごく綺麗にされていて、ホコリ一つ見当たりやしない」

久(服も綺麗に整頓されてるし、床に余計なものは一つもない)

久(今どきPCもスマホもない部屋ってのは殺風景かと思いきや…なかなかどうして…)

久(そして目を引くベッドのシーツはとっても綺麗)

久(流石にシワ一つもないってことはないけど、使い込んでるはずのベッドなのに毛の一つも見当たらない…)

久(おまけにフワフワ。ホントマメに洗濯して干してるんでしょうね…)

久「いやー、流石美穂子って感じね。一家に一人欲しいわ」

美穂子「何が?」

久「はっ!?」


久「ちょ、入るならノックしてよ!」

美穂子「え、何度もしたのだけれど…」

久「え、そうなの…。…じゃなくて、どうしたのよ?料理は?」

美穂子「ええ。パスタって言ってもミートソースだったりカルボナーラだったりで…」

久「ミートソースで!ミートソースでお願い!」

美穂子「了解っ♪」

久「び、びっくりした…」

久(な、何度も?そんなに上の空だったのかしら…)

久「ちょっと疲れてるのかもね…須賀君の代わりに買い物行ったりしたし…」

久「……」

久「ふーんだ。美穂子から招いたんだから、しーらない」ボフッ

久「…………」


久(美穂子のベッド…とっても良い匂い…)

久(何だか、安心…す……る…)

久「」スー スー


美穂子「出来ましたよ、久♪」

久「」スー スー

美穂子「あら?久、こんなところで寝ちゃって…」

美穂子「こんなところで寝ちゃうなんて…雀荘じゃないけど、マナー違反ですよ?」

美穂子「くすっ。…でも、まぁ…良っか♪」

美穂子「冷めちゃうかもしれないけど…久が起きたら、暖めて一緒に食べましょう」

美穂子「それじゃ、私も失礼して…」

美穂子「ふふ、麻雀マナー講座はまた今度ね…」

美穂子「それじゃおやすみ、久…」


久「」スー スー

美穂子「」クー クー




カン。2槓子目。

すまぬ…すまぬ…。今度の土日のどっちかに後はまとめて…。
キャラdisに感じられた方がいらっしゃったら申し訳ないです。書き手の文章力不足です。精進します。

久「ん……」

久(あ、そうか…私…美穂子の家で寝ちゃったのか…)

久(美穂子の事だから、私を無理に起こそうとしなかったのね…)

久(悪いことしちゃったわね…今、何時かしr…)グッ


むにゅっ


久「むにゅっ?」


美穂子「」クー クー


久「はいっ!?」

美穂子「……ふぁ。……あ、おはよう久」

久「ちょちょちょちょ、何この状況!?」

美穂子「えーっと…料理が出来て、久を呼びに行ったら…久が寝てたから…」

久「いやいやいや!起こしてくれれば良いじゃない!

美穂子「ああっ!いけないっ!」

美穂子「お料理、ラップかけるの忘れてたわ!久、ちょっと待ってて!」

ぱたぱた

久「………」

久「何よ、少しくらい動揺してくれたっていいじゃない…」ぽつり







美穂子「ごめんなさいね、結局有り合わせの朝食になってしまって」

久「…別に、私は美穂子が昨日作ってくれたパスタでも良かったけど…」

美穂子「そんなのダメ!埃をかぶってるかもしれないし、お客さんに出す物としては相応しくないわ」

久「……まぁ、これも十分美味しいから…美穂子がダメって言うならそれで良いけど…」

美穂子「ほんと?良かったぁ」にこにこ

久「………無邪気な顔しちゃって」

美穂子「?」

久「何でもありませーん」







久「御馳走様でした」

美穂子「お粗末様でしたっ」


美穂子「片付け、手伝って貰ってありがとうね?」

久「いや、流石にここまでしてもらって私が何もやらないのは変だし…」

久「……さ、ちゃっちゃとそのマナー矯正講座とやらをやっちゃいましょうか?」

久「今日は休みとは言え、うちの部活は多分行われてる…部活終わるまでには、様子見に行きたいし…」

美穂子「あ、そのことなんだけど…華奈も呼んで良いかしら?」

久「え?」

美穂子「あの子も二年生の代表としてエントリーされてて、ちょっと指導しないといけないと思って…」

久「あー…池田さんね…」

美穂子「ホントは昨日の夜、久と一緒に指導したかったのだけど…あの子の家、妹さんが多くて夜出れないのよ」

美穂子「でも、結局昨日は久と一緒に寝ちゃったから…」

久「み、美穂子が私の寝てるところに潜り込んできたんでしょ!?」

美穂子「ふふ。で、結局やるのは昼近くになっちゃったでしょう?だったらあの子も来れると思うから…」

久「……別に、私は良いけど」

美穂子「良かった♪ただ、なるべく短い時間で終わることが出来るかどうかは…二人次第かしら?」

久「……牌投げなきゃ良いんでしょ?だったら簡単よ」

美穂子「どうかしら?じゃあ、電話してくるわね」


久「…………」

久(……私だけの指導…って訳じゃないのね)






華奈「お待たせしました!キャプテン!」

美穂子「こら。もう私はキャプテンじゃないでしょう」

華奈「それでも私にとってキャプテンはずっとキャプテンです!」

華奈「いえ、私だけじゃなく…今の二年・一年にとってキャプテンはずっとキャプテンだし!」

美穂子「はぁ…仕方ないわねぇ…」

華奈「キャプテン!キャプテン!」

久「…漫才はもう終わったかしら?」

華奈「むっ!出たな竹井!キャプテンに変なことしなかっただろうな!?」

久「何もするわけないでしょ!大体、美穂子の方が私が寝てたところに…」

華奈「どうあれ、私がいる限りお前にキャプテンは指一本触らせないし!」ビシッ

久「手なんて出さないっての…」

美穂子「こーら」ぽかっ

華奈「にゃっ!」


美穂子「そういう煽るのを止めなさいっていつも言ってるでしょ!それに、上級生には敬語!」

美穂子「片岡さんに言うからには自分から正しなさい!」

華奈「そ、そうだったし…。た、竹井……さん」

久「……別に良いわよ、言いやすい方で」

華奈「……いえ、こういうのはきちんとしないといけないんで…」

美穂子「よしよし。じゃ、三麻しながら講義しましょうか…三麻用にセットしないとね…」

美穂子「萬子抜き、萬子抜き…」


久「……いつも思うのだけれど、雀卓は触れるのよね、美穂子」

華奈「……どこまでが家電なのか、どこまでがキャプテンは使えるのかは未だに良く分からないし…」

華奈「たまに連絡網がキャプテンの自宅にかけても繋がらず、伝達が途中で途切れる事もあるんで…」

久「え、風越も連絡網電話なの?」

華奈「キャプテンが携帯使えないから仕方な……『も』?」

久「うちも咲が持ってないからね…大会中は貸してあげたけど…」

華奈「………竹井さんも色々と大変だし」

久「そっちもね。…意外と私たち…似たようなものなのかしら?」

華奈「確かに!二人ともマナー良い方じゃないですし!」

久「褒められたものじゃないけどね!」

久・華奈「HAHAHAHAHAHAHA」


美穂子「二人とも、三麻セット出来ましたよ~」


久「だってさ、行こうか」

華奈「はいだし。……あ、でも竹井さんに一言良いですか?」

久「?」

華奈「………竹井さんにキャプテンは譲らないし」

久「………別に、そんな気はないわよ」

華奈「ホントにぃ?」


美穂子「どうしたの、二人とも?」

華奈「竹井さんと打ち解けてきたし!」

久「まぁ、そんなところね…」

美穂子「あら、二人が仲良くなれて私も嬉しいわ」

美穂子「それじゃ早速、始めましょうか。どこでも良いので、二人とも席に付いてくれる?」


美穂子「まずはとにかく一番大事なことから。麻雀をする上では…とにかく、相手を敬うこと」

美穂子「麻雀は決して一人では出来ない。相手を敬い尊敬する気持ちを忘れずに」

美穂子「その気持ちさえあれば、相手を煽るだの失礼な態度を取るだのはありえないわ」

華奈「……はいだし」

久「……はい」

美穂子「どんなことがあろうと、雀卓に座ったら卓外のことは一旦忘れないとダメ」

美穂子「卓外の事を理由にふてくされようが腐ろうがそんな事、対局者は知る由もない」

美穂子「くれぐれも同卓者を不快にさせるような事はしないように」

美穂子「また、そういう人がいたら出来る限りその場か…もしくは、対局後に指摘してあげてね」

久「うーん、あの子たち…あの後きちんと指導出来たかしら…」

美穂子「多分染谷さんはあの後私たちが離れた後に指導したでしょう」

美穂子「気になるなら、連絡してみたら?」

久「ん、いいや。止めとく。もうほぼ引退した私が出しゃばるのもあれだし」

久「これが終わった後見に行けば分かることだし」

美穂子「……さて、それで指摘しても直らなかったら…うーん…ちょっと困っちゃうわね…」

華奈「キャプテンの言うことを聞かないような部員はいませんよ!」

久「ま、大抵の人は美穂子に言われれば正すでしょうね…」

美穂子「私みたいに何度もお節介を焼くなと、うざがられる事もあるけど…とにかく根気良く指導してあげてね」


美穂子「次に…必ず一つの行動のみ行うこと。二つ以上の行動は一辺にやらないこと」

美穂子「例えば、鳴きたい牌が出たとします」

美穂子「この場合、行う動作は」


美穂子「①発声」

美穂子「②牌を晒す」

美穂子「③鳴いた牌を持ってくる」(この時鳴いた場所を横向き牌で示す)

美穂子「④不要牌を切る」

美穂子「⑤出来上がった面子を右端に持ってくる」


美穂子「以上の順番だけれど」

美穂子「幾つかの行為を同時に行うと、他の三人に対局者が確認しきれない場合があるわ」

美穂子「審判がいるような大会ならともかく、麻雀では普通対局者同士で審判の役も兼ねています」

美穂子「分かりやすく、間違いや粗相が起こらないように…二つ以上の事はやらないようにね」

華奈「ふーむ…」

久(咲も和も優希もまこも出来てたから何も言わなかったけど…これ、全く説明してないわね、私…)


美穂子「次に…対局が始まったらまっ先に、自分の手前にある牌山を、右斜めに出すことね」

美穂子「井桁に組むって言うけど…まぁ、この名称は覚えなくても構わないわ」

美穂子「これは死角をなくすためと、相手が牌を取りやすくするためのもの」

美穂子「相手を敬い思いやる気持ちがあれば、自然と行われる行為よ」


美穂子「くれぐれも円形に組まないように」


久「いや、そんな事やる人いないでしょ…」

華奈「ですよ!」


美穂子「あと、対局の後半で…海底牌を分かりやすくするために、牌山を他の山から付けて区切ったりする人がいるけど」

美穂子「これはあんまり良くないわ」

美穂子「カンが入れば海底は変わるわけだし、自他共になるべく止めておきましょう」


(これは人によるのかな…でも、止めた方が良いと思います)


美穂子「次に6枚切りね。捨て牌は1列6枚で並べる」

美穂子「サイコロボックスがある自動卓なら、丁度区切ることが出来るけれど」(※全員が全員ぴったりやると困る)

美穂子「自動卓がない場合なんかに、目安がない時に守られないことがあるわ」

美穂子「まぁ、6枚切りは割とみんな守ってる気がするけど…」

美穂子「この場合も理由はいくつかあって、他の対局者の手牌や牌山に捨て牌がぶつかるのを回避するのが一番の理由ね」

久「まぁ、これも…」

華奈「ばっちりだし!」


美穂子「次にツモ動作について」

美穂子「上家の打牌後の手が引っ込んでから、自分の手を伸ばすのが基本よ」

美穂子「これが守られないと、他の対局者が鳴くタイミングもないし」

美穂子「牌山のタイミングによっては、上家と手がぶつかってしまう」

美穂子「あと、対局時に使う手はなるべく片方だけにしましょう」

美穂子「例外としては点棒を仕舞うときや理牌の時くらいかしら…」

美穂子「左手でツモって右手で切ったりとかすると、自分にそういう気はなくてもイカサマかと思われてしまうの」

美穂子「基本は、利き手でツモって利き手で切れば問題はないと思うわ」


久「あ、でも北海道の…」


美穂子「さっきまでツモってた手じゃない方で突然ツモりだすのは…本来なら出来る限り止めた方が良いと思うわ…」

美穂子「許可取るとか取らないとかの問題じゃなくて、ね…」

美穂子「どっちの手でツモっても結果が変わるわけじゃないし…」


華奈「原村がいたらSOAとでも言ったかもしれないし」

久(やりそうなんだよなぁ…2年後くらいに…いや、何年後か分からないけど…)


美穂子「それじゃ実践的なところから。副露・リーチ」

美穂子「副露の順番は先ほど述べたとおりよ」

美穂子「リーチの順番は」


美穂子「①発声」

美穂子「②牌を横に向ける」

美穂子「③リーチ棒を出す」


美穂子「全部一辺にやれれば見た目は格好良いかも知らないけど…これも一つ一つを早く丁寧にやるように」

美穂子「副露もリーチも、とにかく一番最初が発声。これを守ってね?」

美穂子「この理由は…昨日これが問題になった現場を見てた久なら分かるわよね?」

久「あー…須賀君がドラの役牌を打って、その後他の発声がないかどうか確認して改めてリーチしたあれね…」

華奈「そりゃー酷いし…」


美穂子「この順番が守られないと、ポンの確認を待ってからリーチが出来てしまうし」

美穂子「宣言牌で打ち込んだ場合はリーチ棒が何故か場に出てることになる」

美穂子「………で、久」

久「ん?」

美穂子「引きヅモは禁止よ。牌投げるのなんて、以ての外」

久「うぐっ」

美穂子「…格好いいかもしれないけど…」

美穂子「牌が可哀想」

久「………反省してます」

美穂子「…………コクマでは、止めてね?」

久「善処します」

美穂子「良し♪」

華奈(止めるとは言ってない…キャプテン…)


美穂子「後は、リーチする際に1000点棒がない!とかあるけど」


久「ん」

華奈「ん?………あぁ、了解だし」

久「1000点棒ないんで5000点棒から貸してください!」

華奈「お前にくれてやる点棒はない!」

久「ぐぬぬ…」


美穂子「あ、ありがと…そう。そういった状況になった場合」

美穂子「そもそも、なるべくそうならないようにしておきたいわね」

美穂子「その場合点棒の払い方にも注意しないといけないわ」

美穂子「……ということで、並行して点棒の支払いと受け渡しについても説明していくわ」


美穂子「例えば、1300オールを親がツモりました」

美穂子「全員が全員、1300点を払った場合」

美穂子「親の手元には100点棒が14本あることになるわ」

美穂子「余裕があれば、誰か一人くらいが気付いて1500点払いの200点お釣りの受け渡しが出来るようになると良いわね」

実際の雀荘だと進行をスムーズにするために鳴く時の手順は
1発声2ターツ晒し3打牌までやってから下家がツモッたのを確認してから河から鳴いた牌を持ってくるのが多い


美穂子「また、1000点棒を常に一本以上持っておけるようにしておきたいわね」

美穂子「誰かが上がった際にゲームの進行が止まってしまうのは仕方ないわ」

美穂子「けれど、リーチ発声後に1000点棒ない!なんて状態になって進行を止めてしまうのは余り良くないわ」

美穂子「ぴったり払えるけど、ぴったり払うと1000点棒がなくなる!」

美穂子「そんな場合には、5000点棒を加えてお釣りを頂きましょう」

美穂子「そこで時間がかかってしまう事もあるけど、対局の途中で進行を止めてしまうよりよっぽどマシよ」


美穂子「なるべく同じ点棒を一人が持ちすぎないようにする」

美穂子「常に1000点棒を切らさない」


(※ただし供託に1000点棒が増えると面倒な状況になることもしばしば…)


美穂子「そして、一番大事なこと」

美穂子「点棒は上がった人から見て、その人の牌山よりも手前に置くこと」

美穂子「基本は、下家は、右側にへ。対面は、真ん中へ。上家は、左側に」

美穂子「優しく支払いましょう。投げるなんて以ての外よ」


久「うん…絶対言うと思った…」

華奈「竹井さん、牌だけじゃなくて点棒も投げるのか…知らなかったし…」

久「私じゃなくて私の後輩がね!?直させてるから!多分!」


美穂子「これで大体基本的な事は言ったかしら…」

美穂子「後はとにかく、相手に嫌な気分を持たせる行為はしないことね」

美穂子「煽るとか…」

華奈「………」

美穂子「牌投げるとか…」

久「………」

美穂子「相手の上がりに文句付けるとか…」

華奈(口には出してないからセーフですよね?)ひそひそ

久(態度に出てなきゃ良いんじゃない?)

美穂子「弓で相手射抜いたり」

美穂子「ボーリングの玉を卓に向かって投げたり」

美穂子「ドラで牌燃やしたり」


華奈「何言ってるか分からないし」

久「これこそSOAの使いどころね」


美穂子「あら、もうこんな時間…。二人とも、お腹空いたでしょう?良かったらお昼…」

華奈「あ、ホントだ!もうお昼だし!私は妹たちと一緒に食べないとなんで!」

華奈「キャプテンの手料理を食べたいのは山々ですが、失礼致しますし!」

美穂子「あら、そうなの?妹さんたちも呼んで一緒に食べたら良いのに…」

華奈「お気持ちはありがたいですが、妹たちが待ってるんで…ありがとうございました、キャプテン!」

美穂子「気を付けてね」


パタン


美穂子「あ、これも言い忘れてたわ」

久「?」

美穂子「久、準決勝で対局前の『宜しくお願いします』を忘れてましたよ?」

久「うぐっ…。いや、あの時は…何か誰も言わなかったし…」

美穂子「初めは宜しくお願いします、最後はありがとうございました」

美穂子「これは忘れないようにしてね?」

美穂子「誰かがやれば、それに続いてくれる人が必ずいるから」

美穂子「率先して出来る人になりましょう」

久「美穂子が言うと重みが違うわね…了解でーす……」


美穂子「それじゃ、改めてお昼にしましょう」

久「何か悪いわね…。朝もお昼も頂いちゃって…」

美穂子「ううん、私がやりたくてやってることだもん。気にしないで?」

久「いや、でも何か…私に出来ることがあれば…」

美穂子「んー、それじゃ…もう二度と、牌投げはしない!久がそれを守ってくれるだけで、良いわ」

久「牌投げを、ねぇ…」


美穂子「あのね、久…。私だって、あなたのあれが調子の良し悪しを表してることくらい分かってるわ」

美穂子「決して人を嫌な気分にするためにああしているわけじゃないことも分かってる」

美穂子「でも、久が。私を中学時代あそこまで苦しめ、高校時代には風越の団体決勝の最大の敵として立ちふさがった…あなたが」

美穂子「あれのせいでとやかく言われるのは…悪く言われるのは…嫌なの」

美穂子「その一局だけであなたの人間性が分かるわけじゃない。でも、見ている人が得られるあなたの情報は、その一局の様子しかないの」

美穂子「私が見惚れた麻雀を打つ、あなたが。再び出会えて、色んな事を知って…仲良くなれて…こんなに親しくなれて…」

美穂子「とっても良い人だと知った。これからも、あなたと仲良く…深く繋がりたいと思った…」

美穂子「私の親友である…竹井久が……そんな人間なんだって…思われるのが……嫌なの」

久「………美穂子」


久「…………うん、分かった。頑張ってみる」

美穂子「絶対よ?」

久「そうね、美穂子の顔に泥を塗るわけにはいかないものね…」

美穂子「別に、私のためじゃなくて…」

久「ううん、違うの。美穂子のために、私は頑張るのよ」

久「ここまで私のことを思ってくれる人なんて、今までいなかった。そして、これからもいない」

久「私もあなたと一緒の時間を過ごして、仲良くなって。あなたの色んな良いところを知った」

久「可愛いところを知った。これからも、一緒に…隣で支えていたいと思える人物…」

久「そんな美穂子が私に期待してるんだもの。コクマ、絶対に牌投げはしない」

久「今、ここで…私竹井久は…大好きな美穂子の前で、誓うわ…」

美穂子「ひ、久…」

久「美穂子……」


PLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL


久・美穂子「」バッ


まこ『おーい、頼んでた備品は何処にあるんじゃー』

久「ま、まこ!?いや…部室の横に…」

まこ『丁度良いから、こっちに来て教えてくれんかのう?』

久「え、今から?」

まこ『ついでに面白い物が見れるけぇ。ニュー京太郎がな』ブツッ

久「ちょ、まこ!?……切られたか…」

美穂子「い、急ぎの様子みたいね?」

久「え、あ…うん…。部長に呼ばれちゃってね…あはは…」

美穂子「……昨日の今日だけど、私も一緒に行って良いかしら?」

美穂子「今日は、風越の練習もなくて…暇だから…」

久「う、うん!大歓迎よ!?」

美穂子「そ、それじゃ行きましょうか…」

久「え、ええ!」



-清澄麻雀部室-


久・美穂子「お、お邪魔しまーす…」

まこ「おう、来たか」

優希「風越のおねーさんも京太郎の進化した姿を見に来てくれたのか!」

咲「京ちゃん、今日は凄いんですよ」

和「漸く須賀君も麻雀部員らしくなったって事ですね…いえ、おめでとうございます…須賀君」

京太郎「ふふふ…。見てくださいよ、竹井さん!このスコア!!」

久・美穂子「んー?」


京太郎…4半荘 2321 飛びなし


久「おお!凄いじゃない!?何これ!?魔法!?雪でも降るの?」

美穂子「ひ、久…」


京太郎「昨日、部長たちが買出しに行ってる間に…ちょっと態度悪い対局を行なっちゃいまして…」

京太郎「それで、みんなにとっても迷惑をかけてしまいまして…」

京太郎「その後、対局後に何がいけなかったのかをみんなから説明して貰ったんです」

和「……まぁ、初心者の須賀君がマナーについて全然理解していないのは…私たちが問題でもありますからね」

和「少々取り乱してしまった面もありますし、きちんとその後教えるのは当然です」

咲「優希ちゃんがとりわけ優しく教えてあげたんだよねー」

優希「さ、咲ちゃん!!」

まこ「まぁ、そんな感じで記念すべき麻雀部初となる、京太郎指導講座が始まったわけじゃが…」


京太郎「俺は二度とそういった過ちは犯すまいと、意識を根本から変えました」

京太郎「例えどんな事があっても、二度と卓上で私情を挟むまいと。紳士たる態度で、対局に当たろうと」

京太郎「そしたら今日、対局してみたらこの結果ですよ!配牌もなかなか、ツモもなかなか!まだラスなしとか快挙ですよ!」

京太郎「やっぱ根本から変わるとこうも変わるもんですね!」

京太郎「いずれ麻雀部で一番強くなるのは俺ですよ!」


優希「そうだ。お前はそうでなくっちゃ!やさぐれてたらお前らしくない!」

和「意識を変えたからこの結果が出た、というのはいかにもオカルトな話ですが…」

和「…………そういうのは、嫌いじゃありません」

咲「うんうん。京ちゃん、その調子だよ。…でも、調子には乗りすぎないでね?」

まこ「とまぁ、こんな具合じゃ」

久「ふふっ、良い話ね」

美穂子「ホントです…ぐすっ、良い話です…」

久「また泣いてる!」


久「よっしゃ、じゃあそのニュー須賀君とやらを確認しようじゃない!私が入るわ!」

美穂子「それじゃ、私も折角だから同席しても良いかしら?」

まこ「おお、勿論。お願いします」

京太郎「よっしゃ!今度も連対…いや、一着になってみせる!」


久「宜しくお願いします!!」

美穂子「ふふ。宜しくお願いします」

京太郎「宜しくお願いします!!」

まこ「おお、二人とも大きな声で…良いのう。宜しくお願いします」




京太郎(これまでの俺は、確かに麻雀に対して紳士ではなかった)

京太郎(意識を変えたから強くなるなんて、勿論そんなことを本気で思っているわけではない)

京太郎(でも、強くなる以前の問題として、マナーを知っていない人間が強くなれるはずもない)

美穂子「ツモ。1300オールね」

まこ「渋いのう…。その多面をダマとは…」

美穂子「手変わりが沢山ありますから。それに…」

久「……うん、じゃあ1500払いね」

美穂子「うん、ありがとう。久」


京太郎「今のは、こうした方が良かったか?」

優希「うーん、特に間違っていなかったと思うじぇ?」

和「そうですね。強いて言えば…あそこで2mを入れ替える必要はないです。出来面子がバレます」

咲「私だったら竹井さんのあの牌をカンしてるかなぁ…そうすると嶺上牌が」

京太郎「とりあえず咲は後で話聞いてやるから黙って見ててくれ」

咲「」ガーン

京太郎(だから、俺はこれからも続けていく…麻雀打ちとして…正しいマナーを…!)

京太郎(そして、いずれ…お前たちに…)

優希「よし親番だ!頑張れ京太郎!」

京太郎「……任せろ!」

京太郎(優希に、並び立つ打ち手になれるように…!!)


久「ツモっ!!」バシーン


美穂子「…………」

まこ・京太郎・咲・和「…………」


久「あ」

美穂子「久?今日も私の家でマナー講座ね?」ニコニコ

久「いや、違うの!そう!コクマじゃないから!コクマではしっかりやるから!」

美穂子「しーらないっ♪」

久「きゃーーーーーーーーーーーっ!!!」


優希「見たか京太郎。あれが反面教師だ」

京太郎「勉強になるわ…」


カン!3槓子目。


穏乃「よし!新しい山が立ち上がってまた新たな一局だ!」

灼「……………」

宥「ぽわぽわ」

憧「こらシズ!ちょっと!」

穏乃「ん?」

憧「北あっちでしょ!」

灼「…」←仮親

宥「…」

穏乃「…」←(仮南)


うーわー


穏乃「き、気分で!」

憧「ダメだろ!」

灼「あ、でもサイコロ7…」

穏乃「ほらここ北じゃん!」

憧「いやあんたはそしたら南家だから!マナー守って!」


カン!4槓子目ということで終了です。

補足は>>130とかで。間違ってたら誰か修正してくれる…はず…。
他にも細かいマナーは沢山ありますが、対局者の事を敬う気持ちを持って、卓外の事を卓上に持ち込まなきゃ大抵何とかなります。
ワザとじゃないでしょうから。ただし同じことを続けてやったり、直らないどころか加速したら問題ですけど。

そんなこんなで誤字脱字確認してHTML依頼してきます。読んで頂いた方、ありがとうございました。

>>140
×京太郎「昨日、部長たちが買出しに行ってる間に…ちょっと態度悪い対局を行なっちゃいまして…」
○京太郎「昨日、竹井さんたちが買出しに行ってる間に…ちょっと態度悪い対局を行なっちゃいまして…」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom