美穂子「上埜さんに毎日お金を払いに行けば毎日遭ってもらえるわ!」 (49)

美穂子「これは名案ね!そう思わない、華菜?」ぱぁぁ

池田「・・・どうでしょうかね、キャプテン・・・」

美穂子「そう?私は名案だと思ったのだけど・・・」シュン

池田「・・・毎日は難しいんじゃないですかね?相手の都合もありますし」

美穂子「ううっ、それもそうね」

池田「・・・そもそも、どうしてキャプテンがアイツにお金を払ってるんですかね?」イラッ

美穂子「それは・・・上埜さんがお金に困っているって言うから」

池田「大抵の人間は、お金に困っているんじゃないでしょうか?程度の差はあるかもですが」

美穂子「そうだとしても、私上埜さんが困ってたら放っておけなかったから」

池田「・・・どうして、どうしてそうなるんですか、キャプテン」

美穂子「上埜さんが言ってくれたの!『私しか頼れるような人はいない』って♪」

美穂子「あの上埜さんが私にすがるような目で訴えてきたのよ?」にこにこ

美穂子「もう、そんなの助けるしかないじゃない♪」うっとり

池田「・・・嘘に決まってる、そんなの」ギリッ

池田「あの女の嘘に決まってます、キャプテン!」

美穂子「ど、どうしてそんな事言うの、華菜?」おろおろ

池田「キャプテン!キャプテンは騙されてます!そうに決まってる!!」

美穂子「ひどいは華菜っ!上埜さんを悪く言わないでっ!」

池田「悪くも言いますよ!人にお金をたかる人間は悪い人に決まってます!」

美穂子「上埜さんはそんな人じゃないわっ!!」

池田「だったら、何でキャプテンはそんなにあの女に会うために必死なんですか!?」

美穂子「そ、それは・・・///」かぁぁ

池田「あの女が、お金の受け渡し日の前後にしか連絡をよこさないからでしょう!?」

美穂子「そ、それはっ!上埜さんは生徒議会長をしていて、すごく忙しい人だからで・・・」

池田「どう考えたっておかしいでしょう!?ちゃんと現実を見て下さいキャプテン!」

美穂子「ううっ、華菜・・・」ぐすっ

池田「!!?」

美穂子「どうして、華菜はそんなにいじわるな事を言うの?」ぽろぽろ

池田「な、泣かないでくださいよ・・・キャプテン・・・」ぐすっ

美穂子「なっ、泣いてなんかないわ!」ぐしぐし

美穂子「華菜こそ!今涙目じゃない・・・」ぽろぽろ

池田「はい・・・」ぐすっ

池田(キャプテンを泣かせてしまった・・・)

池田(私、最低だ・・・)ぽろぽろ

池田「すみませんでした、キャプテン・・・キャプテンのお友達に、ひどい事を言ってしまいました」ぐすっ

美穂子「ううん。いいのよ華菜」

美穂子「華菜は私の事を心配してくれたのよね?」

池田「・・・はい」

池田(心配、なのかな?)

池田(いや、違う。これはただの僻みだ。嫉妬だ)

池田(私はキャプテンを心配しているのではなく、ただ竹井久と会いたがっているキャプテンが嫌なだけなんだ・・・)

池田(私は、最低だ)ぽろぽろ

美穂子「あなたも上埜さんの事をもっとよく知れば、誤解も解けるわよ♪」

池田「・・・そうかもしれませんね」

美穂子「上埜さんはとっても優しい人なのよ?この前もね?」ぱぁぁ


池田(私と話してる時よりも、ずっと輝いているキャプテンの笑顔。とても素敵だ)


美穂子「・・・上埜さん、大学は私と同じところに行けたら、なんて言ってくれてっ!」にこにこ

池田「はい」


池田(いつも素敵なキャプテンだけど、あの女の話をしている時の笑顔は、一番素敵な笑顔)

池田(思わず見惚れてしまう)

池田(だが、その笑顔はけして私には向けられていない顔だ)

池田(そう思うと居ても立っても居られなくなり、私は質問をしてしまった)


池田「・・・キャプテンは」

美穂子「なぁに華菜?」

池田「キャプテンは、あの女に会って何をしたいんですか?」

美穂子「えっ?何をって・・・///」かぁぁ

池田「毎日会いたいと思える程、あの女といる時はどんな事をしているのでしょうか?」

美穂子「それは・・・」

美穂子「たいした事はしていないのよ?」

美穂子「逢いに行ったら、まずは挨拶をして、近況や今日の体調なんかをたずねたり」

美穂子「いっしょのソファに、隣に座ったり、そのままお茶を飲んでお喋りしたり」

美穂子「ならんで歩いたり、私が上埜さんについて歩いたり」

美穂子「いっしょにご飯をいただいたり、たまに買い物に連れて行ってくれたり」

美穂子「本当に、ただそれだけなのよ?」

池田「・・・そう、ですか」


池田(・・・聞いていて辛いだけだった)

美穂子「うん、私決めたわ!」

池田「何が、ですか?」

美穂子「私、やっぱり毎日上埜さんにお金を届けに行こうと思うの!」

池田「・・・どうしてですか?」

美穂子「上埜さんとただいっしょにいるだけで、こんなに幸せな気分になるんだもの♪」

美穂子「これが、毎日逢うようになって、もっと上埜さんと仲良くなれたら、きっともっと素敵だと思わない?」ぱぁぁ

池田「・・・そんなに、いっしょにいたいんですね」

美穂子「ええ、そうみたい!」にこっ

池田「・・・。」

美穂子「そ、それでね華菜?あの、恥ずかしいお願いなんだけど、ね?///」もじもじ

池田「・・・何でしょうか?」

美穂子「私、銀行のお金を下ろす機械が使えないじゃない?」

池田「そうですね・・・」



美穂子「だから、華菜に銀行までついて来て欲しいの。出来れば、毎日」にこっ


池田「・・・・・・ッ!」

池田「・・・わかりました。お供しますよ、キャプテン」

美穂子「本当?ありがとう華菜っ!」ぱぁぁ

美穂子「でも、ごめんね華菜?こんな面倒な事を頼んでしまって」

池田「いいんですよ。キャプテンがATM苦手なの、知ってますから」

美穂子「本当にありがとう華菜」

美穂子「『こんな事を頼れるの、華菜しかいないから』」にこっ


池田「・・・!!」

池田(私は、さっきの質問に対する答えを聞かなければ良かったと後悔している)


美穂子「そうだ華菜っ!」

池田「はい?」

美穂子「駅で電車が来るまで、まだ時間もあるはずだから。お金を下ろしたらどこかでお茶でもしましょう♪」にこにこ

池田「はい、いいですね。それ」

美穂子「駅前に私がよく行く喫茶店があるの♪華菜を一度そこへ連れて行きたかったのよ!」にこにこ

池田「嬉しいです、キャプテン。私なんかを連れて行ってもらえるなんて///」にまっ

美穂子「華菜は大事な後輩だもの♪他の誰にも紹介したことないお店なの。華菜と真っ先に行きたいって思ってたから」

池田「アハハッ!すごく、すごく嬉しいですキャプテン・・・」


池田(キャプテンがあの女を思う気持ちと、私がキャプテンを思う気持ちが全く同じものだったから)

【駅】


美穂子「それじゃあ華菜、行ってくるわね」

池田「・・・お気をつけて」

美穂子「もう、子どもじゃないんだから、道に迷ったりしないわよ?」

池田「あはは、そうじゃないですけど、ともかく気をつけて行ってくださいね」

美穂子「うん、行ってくるわ。華菜、ありがとう。これからもよろしくね?」

池田「はいっ!」にゃー!

池田(私は今日もキャプテンの横顔を見つめる)

池田(私じゃない人に向けられた、その笑顔を)

池田(私は今日もキャプテンの横を歩く)

池田(他の女に貢ぐ金を取りに行く道すがらを)

池田(私は今日もキャプテンを見送る)

池田(私ではない、思い人に逢いに行く彼女の後ろ姿を)

池田「私は、今日も・・・」

部キャプを書こうと思ったのに、どうしてこうなった?
ここで終わる方が切りが良さそうだよね

池田が久に文句いいに行く展開じゃねえのかよ

>>39
そうすると「久にお金を届けに行く美穂子と毎日いっしょに駅前でお茶する」事が出来なくなるので、池田は久を咎めない
というのがこの話の重要なポイントです

>>42
池田の想いはその程度なのね、って冷めるわぁ

>>43
それは同時に「美穂子の久への思いもその程度」であるということにつなげたい
この二人は今の段階では『百合っぽい』程度で、まだガチレズなわけではないので『略奪愛』のような展開になるという前提が存在しません

この後の展開は雰囲気が異なる感じになりそうなので、後日別にスレ立てる事にする

最近書いた
・美穂子「上埜さん、今月のお金です!」久「いつも悪いわね」
・モモ「先輩と別れて欲しいっす!」久「じゃアナタが代わりになる?」

のSSと同じ世界のつもりで書いてるので、久が実はいい人の可能性は無いです

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