妹「なでれ」(37)

兄「なんスか突然」

妹「なでれ」

兄「いや、見た通り食事中なので、お断りします」モグモグ

妹「なでれ」

兄「いや、だから」

妹「なでれ」

兄「…………」ナデナデ

妹「んー」

兄「満足しましたか」

妹「やや」

兄「満足してください」ナデナデ

妹「んー」

兄「どうでしょうか」

妹「ん。満足」ムギュー

兄「何故抱きつく」

妹「満足の結果?」ムギュー

兄「なるほど。しかし、飯を食いにくいのでやめてほしい心持ち」モグモグ

妹「見てたら腹減った。私にも飯を」アーン

兄「ふむ。口を開ける所作がひな鳥に似てるのであげよう。はい、どうぞ」

妹「もぐもぐ。おいしい」

兄「うまかろううまかろう。存分にうまがるがいい」

妹「なんか偉そうだけど、私が作ったような」

兄「そうだった。いつもありがとう」ナデナデ

妹「なでれって言ってないのになでられた。らっきー」

兄「で」

妹「で」

兄「いつまで抱きついているのでしょうか」

妹「……死ぬまで?」

兄「手に永劫に取れない接着剤か何か付着していたのですか」

妹「いや、心積もりを」

兄「日常生活に支障をきたすのでやめるのがオススメ」

妹「そればかりは否定できない。仕方ない、離れよう」

兄「ん」

妹「…………」

兄「…………」

妹「…………」スリスリ

兄「おい」

妹「ん?」

兄「離れてませんが。それどころか兄の背中にすりすりとしているような」

妹「気のせい」

兄「気のせいか」

妹「ん」スリスリ

兄「…………」(気のせいじゃないように思えるが、断言されたので指摘できない)

妹「ふぅ。満足」

兄「やはり抱きついていたように思えて仕方がない」

妹「気のせい」

兄「…………」(不満)

妹「さて、後ろから抱きつくのはとりあえず満足したので、次は前から抱っこしてもらおう」

兄「さっき気のせいと言ったのに」

妹「抱っこしろ」(ずりずりと兄の前に移動しつつ)

兄「兄の話を聞いているのか」

妹「抱っこしろ」

兄「いや、だから」

妹「抱っこ」(手をこちらに伸ばしつつ)

兄「…………」ムギュー

妹「んー」ムギュー

兄「まあ、いい。だけど、食事中に抱っことか求められるとちょっと困ります」

妹「排便中は遠慮しているが?」

兄「が? じゃねえ。当然だ」

妹「びっくり。きっきょー」

兄「うるせえ。吃驚じゃねえ」

妹「きっきょーまん」

兄「キッコーマンだ」

兄「とにかく、そういうわけなんで、一時抱っこをやめて食事を再開していいか?」

妹「許さん」

兄「…………」

妹「ただ、口移しで私に飯を移すのであれば、考えなくもない」

兄「…………」モグモグ

妹「飯を再開。私に飯を移す心積もりか。当方に移される用意アリ」

兄「…………」ズズズ

妹「む。味噌汁。汁を移されるのか。初めての体験に、ちょっとドキドキ」

兄「ごちそうさま」ゲフー

妹「…………」

兄「…………」

妹「…………」ションボリ

兄「よしよし」ナデナデ

妹「うううううー」

妹「どうして私に汁を移さない。今か今かとワクワクしながら待っていたというのに。返せ、私のワクワクを返せー」

兄「さて、皿を洗うか」

妹「私の話を聞けー」

兄「よっこらしょっと」

妹「よっこらshotを回避」モゾモゾ

兄「勝手に人の背中に乗るでない」

妹「乗っていい?」

兄「いい。ああしまった、優しく聞かれたから思わず許可してしまった」

妹「しめしめ」

兄「まあ、背中に奇形のこぶができたと思えばこれも悪くないな」

妹「奇形ではない。可愛い可愛い妹との噂」

兄「可愛い妹型のこぶができたと思えば」

妹「ぬぬぬ」

兄「じゃあシンクに皿を持って行きましょう」

妹「紅茶を淹れて頂戴、jun」

兄「その真紅ではない」

妹「しんくー、しんくー」

兄「違います天子様」

妹「……うう。もうネタがない」

兄「素直に兄の背中に負ぶされていなさい」

妹「仕方ない、通常おんぶで我慢しよう。……あっ、おんぶとおんぷが似ている。……プルルンプル」

兄「黙ってないと下ろす」

妹「もうちょっとで変身できたが、降ろされるのは勘弁してほしいので黙っていよう」

兄「夏場は水仕事が楽でいいね」ゴシゴシ

妹「ふむ。つまり、こうか!」ブシャー

兄「こうじゃない」ビショビショ

妹「おお。水も滴るいい兄」ウットリ

兄「どうして水道を指で塞ぎ、上手に水しぶきを全て兄にあてる」

妹「建前は色々あるが、本音はびしょびしょにさせてお風呂に入れさせ、隙を見て一緒に風呂に入ろうと画策したから」

兄「建前をうやむやにしたまま画策しないでください」

妹「画策ってボスの腰巾着の名前みたい。カクとサク」

兄「人の話を聞け。あと水戸黄門を馬鹿にするな」

妹「この紋所が目に入らぬか」グリグリ

兄「それは紋所ではなく、後ろから頬ずりしているだけだ」

妹「間違えた。しっぱいしっぱい」

兄「さて、妹のせいですっかり濡れてしまった」

妹「お兄ちゃんとなら……いいよ?」

兄「何が」

妹「雰囲気を作っているのだから、しばし逡巡してから私を抱きしめるべき」

兄「だから、何が」

妹「子供は野球チームを作れるくらい?」

兄「ていうか普段俺のことをお兄ちゃんなどと呼ばぬくせに」

妹「ここぞという時なので、媚びた」

兄「別に今はここぞという時ではない」

妹「がーん。誤った」

兄「さて、濡れてしまったので皿洗いは後にして、風呂に入るか」

妹「私も入ろう。いいね、兄?」

兄「だめだよ。はい下りた下りた」

妹「うまくいかない」ションボリ

兄「次は上手にやりましょう」ナデナデ

妹「分かった、次はあらかじめ風呂場に潜んでる」

兄「慰めるんじゃなかった」

────

兄「さて、風呂場へ移動したわけだが」

兄「軽くシャワーでも浴びてとっとと出ようと思ってたら」

妹「やあ」

兄「冗談だと信じていたのに、宣言通り妹がすでにいる。しかも、スク水を着て」

妹「ただのスク水ではない。伝説と言われる、旧スクだ。その違いは、大きい……!」

兄「ああ、水抜き穴がある方な」

妹「詳しい」

兄「しまった、兄の性的嗜好がばれた」

妹「中に手、入れる?」グイー

兄「はい」スポッ

妹「!」

兄「あ。あまりのごちそうに、思わず何も考えずに手を入れてしまった。でも、妹はこんな感じだし、別に」

妹「…………」///

兄(イカン)

妹「べ、別に全然ちっとも全く驚いていない。そもそもそうさせる目的であったし」///

兄「まさぐる」サワサワ

妹「兄の頭がおかしい!」

兄「しまった、本能が強すぎた」

妹「でも、まあ、お腹側だったので一安心。これがスジ側に手をやられていた日には、明日には挙式でしたよ旦那」

兄「スジとか言うな」

妹「もう寿司屋に行けない」

兄「そういうことじゃない」

妹「いつかあの動くレーンの上に鎮座したまま、店を一周するのが夢だ」

兄「人の夢と書いて儚いと読むので諦めましょう」

妹「運ばれてえ」

兄「それにしても、妹のお腹はすべすべして気持ちいいな」サワサワ

妹「兄が妹の腹をスク水の水抜き穴越しに触る」

兄「……捕まるかな?」

妹「捕まるね」

兄「やめるべきかな?」

妹「兄はどしたい?」

兄「理性と本能のせめぎあい」

妹「なるほど。とりあえず、お風呂にざんぶとつかればよい考えも浮かぶかと」

兄「それは名案だ」ザンブ

妹「わっしょい」ザンブ

兄「はふぅ……」

妹「はふぅ……」ギュー

兄「はっ。気がつけば妹とお風呂に入っている」

妹「ふはははは、ばーれーたーかー」スリスリ

兄「まあ水着着ている、いっか」

妹「兄は着てない」ジーッ

兄「しまった。こっちを見ないで」

妹「さきほどから私の下腹部にあたるこの固いモノは……!」

兄「勃ってませんが」

妹「ちっ。露出が足りんか」ヌギヌギ

兄「脱ぐな!!!」モドシモドシ

妹「貧乳だから男の子と間違えたとかって理由でなんとかならないかな?」

兄「ああもう、先っちょ見えちゃったよ……」

妹「まあ、兄が見ないでと生まれたての子鹿のように震えながら懇願するので、今回は兄の息子を見ないようにしてあげよう」

兄「鹿力を発揮した覚えはないが、好都合なのでそうしてください」

妹「ただ、その代わりに、なでれ」

兄「濡れますよ?」

妹「こちとら兄に触れてるだけで既にびしょびしょだ」

兄「……髪の話ですよ?」

妹「私もだが?」

兄「…………」

妹「…………」スッ

兄「目を閉じるな」

妹「ぐぬぬ。絶対そうだと思ったのに」

兄「まあ、いいや。で、なでればいいのか?」

妹「や、髪がぬっそりと濡れるのは好ましくないので、なでなではいい」

兄「お前がしろと言ったのでは。あと擬音がおかしい」

妹「んー……じゃ、抱っこしろ」

兄「既にしてます」

妹「むぎゅーってしろ。すりすりしろ。結婚して下さいって言え」

兄「はいはいいいえ」

妹「巧みな誘導尋問だったのに……」ションボリ

兄「さて、そろそろあがるか」

妹「まだ何もされてない」

兄「ちっ」

兄「じゃあ、抱っこからな」

妹「ん」コクコク

兄「……冷静に考えると、風呂場でスク水着た妹を抱っこしてるのか。すごいな」

妹「はやくしろ」

兄「はいはい」ギュー

妹「んー」

兄「で、なんだっけ。これで終わりか」

妹「すりすり!」

兄「ちっ」

妹「このようにやる」スリスリ

兄「なるほど」スリスリ

妹「んー。じゃあ最後にプロポーズを」

兄「それは断りました」

妹「残念なこと大雪山おろし……」

兄「まるで分からないが、残念なのは伝わった」

妹「ゲッターは偉大だ」

兄「それは関係ない」

妹「登場人物全員頭おかしい原作漫画版がすき」

兄「女子なのに」

兄「じゃあ、そろそろあがりますか」

妹「もっとイチャイチャしてえ。ちゅーとかしてえ。ちゅーしろ」

兄「お断ります」

妹「スク水で頼んでるのに……」

兄「そこを強調されても」

妹「分かった。水抜き穴に差し込んでもいいからちゅーしろ」

兄「何を」

妹「…………」ジーッ

兄「分かった。分かったから見るな」

妹「ち」

兄「分かったと言ってます!」

妹「じゃあ、ちゅー」

兄「分かった、分かったよ。ほら、ほっぺこっち向けろ」

妹「口のハズだが?」

兄「そんな約束はしていない」

妹「隙間なく互いの口唇同士を塞ぎ、まるでそれ自体が別種の生き物であるかのように舌を絡ませ合うハズだが?」

兄「そんな約束もしてない」

妹「ちゅー……」ションボリ

兄「まあ、嫌ならしなくても」

妹「そうは言ってない!」プンプン

妹「かなりの不満だが、あまり言ってへそを曲げられては元も子もない。今日のところは頬で我慢してやろう」

兄「なんでうちの妹はこうも偉そうなんだろう」

妹「じゃあ、はい」ズズズイッ

兄「寄り過ぎだ」

妹「私の兄に対する愛情度を距離で示してみた」

兄「目と鼻の先ですね」

妹「じゃあ、軽く顔を寄せればちゅーになるのでしてみてはどうだろう。その際、偶発的に横を向いてしまい、口にちゅーしてしまうかもしれないが、あくまで偶然なので責めてはいけない」

兄「その偶然が起きたら一ヶ月は口きかない」

妹「なんて酷い刑罰を思いつくんだ、この兄は」(涙目)

兄「そんなんで泣くな。やらなきゃ済む話だろ?」

妹「しかし、ちゅーがとてもしてえ」

兄「諦めてください」

妹「ぐぬぬ。なんて意思が強いんだ。こうなってはいつものように夜、兄が寝てる時にちゅーするしかないのか」

兄「聞き捨てならねえ」

妹「しかし、あれはとても良いが、反応がないのが悲しい。やはり起きてる時にちゅーしてえ」

兄「兄の話を聞け。どういうことなのか説明を求める」

妹「兄が寝ている時にちゅーをしているだけだが?」

兄「何その当然みたいな反応」

妹「一つ屋根の下に兄がいるのだ、ムラムラしてちゅーの一つや二つしたくなっても当然では?」

兄「当然ではない。ああ、だから最近朝起きたら顔中べったべただったのか。何か怪しい奇病にでもかかったのかと思ってたよ」

妹「舐めまくりだが?」

兄「もう言っても無理だろうからするなとは言わないが、せめて終わったら拭いてください」

妹「ん」コクコク

兄「しかし、知らない間に兄のファーストキスは奪われていたのだなあ」

妹「後生大事にするものでもなし、問題無いだろう。だから今ここで妹にちゅーしても問題無いだろう」

兄「…………」

妹「わくわく」

兄「しません」

妹「がーん」

兄「じゃあ、ちゅーされまくってたようだし、ほっぺにちゅーもしなくていいな」

妹「そんな!?」

兄「それとも、もう夜に兄にちゅーしないか?」

妹「する」(即答)

兄「…………」

妹「今日からは起きててもする」

兄「眠れる獅子を起こしてしまったようだ」

妹「がおー」

兄「あら可愛い」ナデナデ

妹「がおんがおん」(嬉しい)

兄「はぁ……問題は山積みのようだが、まあいいか」

妹「髪がぬっそりする」

兄「あがったら乾かしてやるよ」

妹「兄が妹の髪を燃やそうとする」ブルブル

兄「もうちょっと安全な方法で乾かすよ」

妹「兄が焼身自殺する際の熱量で私の髪を乾かそうとする」

兄「……えっと、そうだな。極めて安全な方法で乾かすよ」

妹「どらいやー」

兄「当たり」ナデナデ

妹「ふふん」

妹「じゃあ、ドライヤーで乾かして、それからブラシでくしくしもしてくれるか?」

兄「うけたまわろう」

妹「…………」(嬉しい)

兄「じゃ、そういうわけで、そろそろあがるか?」

妹「ん。ちゅーはまた後でいい」

兄「ちっ。覚えていたか」

妹「忘れるハズないわけだが?」

兄「まあ、ほっぺだし、いいか……」

妹「夜には口にするわけだが?」

兄「…………」

兄「……ああもういいや。腹据えた。分かった。やりましょう」

妹「おおおおお。ほ、保健体育の勉強をしなければ」アワアワ

兄「何を慌ててんだ」

妹「子作りのおさらいを」

兄「しません」

妹「そういう雰囲気だったハズだが」


おわり

なんか妹なでたくなったからそういう話を書いたのだけど、気がついたら妹がスク水着てた。でも、まあ、夏だからしょうがないよね。

おいふざけんな
続け



隅っこの人?

喋り方きもすぎだろ

姪の口調がウザいに通ずるものを感じる
好きです


個人的にはかなり好みだった

ファミファミファ�・

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