絵里「私達?」「「Trouble Busters!」」 (49)

・亀
・場合によっては鬱
・ベースはアニメ版設定

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ここ、音ノ木坂学院ではある噂がある。



アイドル研究部の前にある白い箱に、いわゆる『トラブル』を書いてた手紙を入れると、ある3人組がたちまち解決してしまうのだとか…












にこ「な〜んて、噂を流してみたけど…」

真姫「今日も…」

絵里「1通もないわね…」



にこまきえり「「はぁ…」」

同時に漏れるため息。



噂を流して1週間、まだ1通も手紙を見たことは無い…



絵里「あ、あれよ。無いってことは、平和ってことじゃない?」

…それもあるわね、だって音ノ木は平和だもの



真姫「単にそんな怪しい噂に乗ろうなんて思わないんじゃない?」


絵里「それもそうね…」



そりゃそうだ。

信憑性もない噂に、私だったら絶対に頼らない。

絵里「にこはどう思う?」

どう思う?と、言われてもね…


そんなことより…



にこ「練習に行くわよ。無いならないでいいじゃない、私達の本業はアイドルよ!」

真姫「…学業が本業だけどね」

絵里「ま、アイドルも本業みたいなものよ」



絵里「そうね、今日はラブノベルズの後半を中心に行くわよ」

にこ「えぇー!?Cute Pantherのまとめじゃなかったの?」

絵里「あれ?そうだったかしら…?」

真姫「どっちでもいいけど早くやりましょう?時間がもったいないわ」

にこ「そうよそうよ!」

真姫「にこちゃんの所為でもあるんだけど…」



………






絵里「お疲れ様、今日はおしまい。水分補給をしっかりね?」

真姫「分かってるわよ!」

にこ「了解にこー☆」

真姫「寒いわ…」

にこ「うっさいわね!」




なんて、たわいのない話をしながら部室へ向かったのよ…


そして、着替えた後に、最後になんとなく覗いた白い箱


その中に…



にこ「あっ!」

絵里「どうしたの?にこ?」

にこ「…」

絵里「にこ?」



あまりの衝撃に言葉を失い、ただただボーゼンとしてしまった


まさか、本当に……



にこ「お、落ち着きなさい…絵里」

絵里「いや、私は落ち着いているけど…」

にこ「あ、あったのよ」

絵里「!?」



…あったのだ、ついに


待望の
















にこ「私へのファンレターよ…やったわ!!」


絵里「…」

絵里「…おめでとう」

恐らくアイドル研究部の前にあるため、μ'sへのファンレターを入れる箱と勘違いしたのだろう…


それでも、嬉しいものは嬉しいのだ。







真姫「もう1通あるけど?」


!?…いつの間にいたのよ?



お手洗いに行ったはずの真姫がいつの間にか私の隣にいた。

…こえーよ




絵里「え?本当?」

真姫「ええ…」



まさか、ね?






にこえりまき「「……」」









そのまさかだった。

差出人はまさかの…星空凛



そして、本文は

>>8




そう、これは私達への…


あの噂への手紙。


初めての『トラブル』だった。




※内容によっては安価下とします

かよちんが、パンに目覚めた

にこえりまき「「!?」」



衝撃が走る。

差出人が凛というだけでも驚いたが、それよりも驚いたのはたった1行のその内容。





ーかよちんが、パンに目覚めた






花陽を知らない人が見れば、なんてことのない、普通の意味合いを持つ。

しかし、私は知っている側の人間だ。



あの、花陽が…パンに目覚めた?

いや…



それに何か問題があるのか…?

というか、おかしい事なのか…?



元々花陽は好き嫌いがない子だ。

別にパンにハマることが不思議ではない…




はずだ。

ひとしきり考えた後、私達は意見を出し合うことになった。



絵里「ねぇ、真姫。これっておかしいことなのかしら?」

真姫「うーん、別におかしいとは思わないわね」

絵里「にこは?」

にこ「同意見よ」

にこ「ところで、最近の花陽の様子はどう?」

真姫「普段は普通ね。最近は作曲で昼休みは音楽室にいることが多かったから、昼食の様子は…分からないわ」

にこ「そう…ところで」





………




結局、収穫は全くと言っていいほど無かった。



絵里「そうね…」

絵里「とりあえず今日は帰りましょう?詳しい話は明日、凛にそれとなく聞きましょう?」

真姫「了解。私も明日は花陽と凛を注意深く観察してみるわ」

にこ「1日のうちに3人が同じようなことを聞いたら不自然よ」

真姫「私がやるわ。同じ1年だし、凛も話しやすいと思うから」

絵里「分かったわ」





特に理由は無いが、この活動は秘密だ。


強いて言うなら、秘密の方がカッコいいからかしら?

ー翌日



今日はμ'sとしての全体練習を行った。

練習の際に花陽を用心深く観察していたけれど…



にこ「…」



至って普通、逆に何がおかしいのよ?

アイドルのトークもいつもの調子だし、動きに不自然な点はない。



特に何か問題がある訳でもなく、練習は終わりを迎えた。

絵里「ちょっとBiBiの打ち合わせをするから、真姫とにこは残ってくれるかしら?」

真姫「…分かったわ」

にこ「ええ」



海未「打ち合わせ…?今から?」

絵里「ええ、すぐに終わるから」

海未「?…そうですか」




帰りの挨拶をすませ、私達は部室に残った。

勿論打ち合わせなどする訳もない。



するのは、今日の結果報告だ。

絵里「帰った、わね」

真姫「じゃあ始めましょう?」

にこ「私から言うわね…」




すでに言うことはまとまっている。

なぜなら…






にこ「無し、何にもなし!全然普通じゃない!」

絵里「そうね…特に私も分からなかったわ」

さらっと報告を済ます絵里。

3年はダメダメだったようだ。







真姫「エリーまで…本気?」


真姫「はぁ…いいわ。とりあえず、私の報告を聞いて」


真姫「まず、始めに…」



私はゴクリと唾を飲む。

場は緊張に包まれる。








真姫「異常事態よ」

今日は以上

真姫「いえ、違うわね」


にこえり「「…」」

違うのかよ。
違うのかよ!



真姫「異常事態じゃないわね、緊急事態よ」

真姫「そうね…私達のことがバレたわ」



と、さらっと言ってのける真姫。


にこ「そ、それってあの噂のことよね?」




真姫「それ以外なにがあるのよ?」

にこえり「「おいっ!」」






真姫「ごめんなさいね、でも秘密にする必要って無くないかしら?」

そう言って、真姫は開き直った。


絵里「それはそうだけど…カッコイイってみんな賛成だったじゃない?」

真姫「わ、私はそもそも反対だったのよ。大体ね……」


と、言い訳を初めてしまった始末。

…………


ひとしきり言い訳が済んだところで、真姫は語り始めた。


真姫「休み時間の事よ。私は……




……
……………

1年教室、今は休み時間


花陽は板書が終わっていないため、机の上に向かっている。

現在私は、凛に昨日やっていた番組の、ラーメン特集について聞かされていた。

花陽と距離はあるため、例のことについて話すには絶好の機会のだ。






凛「でね、その店は関東では珍しい純粋な博多トンコツなんだって!今度みんなで行きたいなー」


どのように切り出すかを考え、考えに考えていたため凛の言うことは90%頭に入っていなかった。


真姫「そ、そうね。ところで凛?」


凛「何、真姫ちゃん?」

















真姫「花陽がパンにハマってるて本当?」


考え、考えに考え、考え抜いた私の口からはそんな言葉が出てきたのだった。

凛「あれ?何で真姫ちゃんが知ってるの?」


真姫「あ…」



凛「あぁー!分かった!真姫ちゃんが噂の…ムグッ」


真姫「違うわよ、やめて、違うの!」


……………
……






こうして、呆気なくバレてしまったようだ。
…幸い花陽にはバレずに済んだらしい。



絵里「…ぷぷっ、考え抜いてそんな…ふふふっ…」

真姫「し、しょうがないじゃない…頭がこんがらがっちゃったんだから!」


にこ「流石、真姫ね…」ボソッ

真姫「聞こえてるわよっ!」




こうして、小一時間ほど…

いや、1時間は無いわね。


暫く真姫を弄り回していたら、最終下校時刻のチャイムが鳴ってしまった。







無論、話は全くと言っていいほど進まなかった。

家に帰り、我が愛しの妹達、弟を寝かしつけた午後9時頃。


2通のメールが来ていることに気が付いた。
いや、気が付いてはいたのだか見る暇が無かったのだ。



1通はケータイの契約会社からのお知らせメール。


もう1通は真姫からだった。

案の定、内容は例のことだった。




要約すると…


花陽がパンしか食べていない。
(少なくとも昼は)
こんなの、凛の知る花陽では無い。
絶対におかしい。




こんな所だ。




にこ「ふむ…」



長年付き合ってる凛だからこそ、おかしいと感じるのだろう。


でも、別に悪いことでは無いはずだ。

成長に伴う好き嫌いの変化。


こう片付けることは簡単だ。

しかし、そういう問題でも無いのかも知れない…





にこ「うーん」


にこ「ダメね…」








分からない。


私は考えることを放棄し、眠りについた。

ー翌日



今日は土曜日だ。

幸い、練習は雨で中止となっていた。


よって…








凛「待ってたよ、みんな!」




凛の家に集まった。

みんな、というのは勿論…私、真姫、絵里の3人だ。

最初はたわいのない話をした。

している内に時刻は正午を越えていた。


家には凛以外居ないようで…





凛「ちょっと待ってて、凛がご飯作ってくるね!」



と、言い残し、凛は部屋を飛び出していった…



ちなみに、今、私達は凛の部屋に居る。

女の子女の子した部屋ではないが、所々に女の子らしさが散りばめられている可愛らしい部屋だ。



絵里「凛って料理出来たのかしら?」

にこ「少なくとも、どこかの誰かさんみたいに茹でる前のパスタを出したりはしないんじゃない?」

真姫「う…」

絵里「ふふっ…それもそうね」

…………


凛「お待たせー!出来たからみんな来るにゃー!」


と、満面の笑みの凛。


期待と不安を抱きつつ、私達は凛に案内されるがままに階段を降りた。










そこには…




食卓には…







あったのだ。














カップラーメンが…

今日も以上。

全然、進まねぇ…

にこえりまきりん「「いただきまーす!」」




にこ「やっぱり、凛に料理は出来ないわよね…」

凛「カップ麺が作れれば生きていけるにゃー」

絵里「そうね…でも美味しいわよね?」

真姫「インスタントにしてはいいんじゃない?」

凛「でしょ?でしょー!これはね、凛の特別なんだー!」



凛いわく、このカップラーメンは凛が食べた数多のカップ麺の中でも特別にお勧め出来る一品だそうだ。

固めの細麺に濃厚なトンコツ醤油のスープ、具もカップ麺にしてはしっかりとしている。



確かにカップ麺としては満足のいく出来だ。

…………


絵里「さて、と…」



ラーメンを食べ終えた私達は部屋へ戻った。



凛「始める?」

にこ「ええ、そうするわよ」



話し合うのは…例のことだ。



真姫「いきなりだけど、これのどこが問題な訳?好みなんて変わるでしょー」

凛「ううん、かよちんがお昼におにぎりを食べてないなんておかしいよ!」

絵里「でもパンを食べたい気分にだってなるのかもしれないわよ?」

凛「うーん…凛の知ってるかよちんはお昼はごはんだよ」

にこ「で?結局何が問題なの?」

凛「だからね、凛の知ってる…

こうして約30分が経った。

そして…



絵里「ねぇ、結局それってエゴの押し付けなんじゃないかしら?」

凛「え…」

絵里「花陽がパンを食べるのも、ごはんを食べるもの自由でしょう?ごはんを食べないとおかしいなんて、そんな訳ないもの」

凛「そ、それは…」

真姫「そう言われればそうかもね、自分の理想の他人像を他人に押し付けるのは良くないわ」

凛「でも、かよちんは…」


凛「…」








凛「そう、なのかも」

凛「これは凛のエゴなのかも知れない…」

凛「はは…どうしよう、親友失格だよね」




凛の目からはポツリ、ポツリと何かが滴り落ちていた。



だから私は…


にこ「…」ギュッ

凛「え、にこちゃん?」


抱きしめた。



にこ「大丈夫よ、凛。間違いなんて誰にでもあるじゃない。間違ったら謝ればいいだけ」

凛「…そ、そうだね!」



グスグスっと目を拭った凛は立ち上がり…




凛「よし、今から謝ってくるにゃー!」



と、部屋を出て行った。

はぁ、はぁ、はぁ…






ピンポーン



「はーい…って、凛ちゃん!」

「ちょっと待っててね」



緊張するな…罪悪感って言うのかな?

…ちょっと会いたくない

でも、謝らなくちゃ


かよちんに、「ごめんなさい」って言わなくちゃ!





…ガチャ




「「ごめんなさいっ!」」



凛「…え?」

花陽「凛ちゃん…?」

凛「なんでかよちんが謝るの?」

花陽「凛ちゃんこそ…え?……ええっ?」


凛「凛はね、自分の中のかよちんをかよちんに押し付けてたの…」

凛「だから…ごめんね。凛はどんなかよちんも大好きだよ…」


花陽「押し付けてた?…?」


凛「えっと……この前…凛、かよちんに『パンを食べるかよちんなんて変だよ!』って言っちゃったでしょ?」

凛「ごめんね…凛こそ変だった。ごめんなさい…」



花陽「あ、私も…そのことでね……」







花陽「実はね………あれ、嘘だったの…」

凛「え?」

花陽「実は…朝練の後、おにぎり食べちゃって…」

花陽「お腹空いちゃって…購買で買っちゃったの」

花陽「それで凛ちゃんに見つかって…慌てて嘘ついちゃって…」

花陽「凛ちゃんが協力してくれてたのに……ごめんね、凛ちゃん」





凛「そうなんだ…」



花陽「うん…」











凛「ふふっ…あはははっ」

花陽「…ふふっ」




凛「かよちんらしいにゃー!」

花陽「凛ちゃんこそ…そんなの気にしてなかったのに」



凛「ねぇ、かよちん。仲直りの印に…デートしよっ?」

花陽「うん、そうしよっか?」

りんぱな「「 キャッキャ♪ 」」






仲直り出来たみたいね

でも…







にこ「あれってどういう意味?」

絵里「さあ…?」

真姫「まぁ、今日のところはいいんじゃない?」

絵里「それもそうね…」

ー後日


にこ「ねぇ、凛。花陽が言ってたことってどう言う意味なの?」

凛「あー、えっとね…かよちんは凛と一緒にダイエット中だったの。だからお昼はおにぎり1個だけって、凛と約束してたの」

にこ「…ダイエット、ね」

凛「それで、凛に見つかって…パン派だって嘘ついちゃったみたいだにゃ」

絵里「なるほど…ね」



凛「それにしても流石『とらぶるばすたーず』だね!」

真姫「?…何言ってるのよ?」

凛「凛のトラブルをババッと解決しちゃって…トラブルをやっつけるから『とらぶるばすたーず』だにゃ」


絵里「ふふっ、案外いいかもね」

にこ「そうね…『Trouble Busters』か」

真姫「何よそれー…まぁ、いいんじゃない」










こうして最初のトラブルは無事に解決した。


なにはともあれ…




『ハッピーエンドね!』

真姫「エリー、にこちゃん!」



今は昼休み。


希、絵里と共に教室で昼食を食べていると真姫がやってきた。


3年の教室になに食わぬ顔で押しかけるって、よく考えたら度胸あるわよね…



絵里「希、悪いけど、BiBiの新曲についてのミーティングをしてくるの。私達は部室へ行くわ」

希「えー…エリチもにこっちも行っちゃうの?」

にこ「悪いわね…また明日、食べましょう?」

希「ぶー!」





と、膨れる希を置いて私達は部室へと向かった。

いえ、違うわね。


正確には部室の前のBOXへ向かった、よ。





真姫「ほら、ね」




真姫が封筒を取り出してみせる。



絵里「簡単なトラブルだといいけど…ね」




ビリッ




中から出てきたのは1通の手紙。



宛先は勿論、『Trouble Busters』

内容は大体こんな感じだった



宛名は
>>41
※ほのうみことぱなのぞ限定


内容は
>>43
※場合によっては安価下








…面倒なことになったわね

賽銭泥棒に遭った

一応、報告です

諸事情により最低15日までは書けません

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月09日 (木) 14:43:51   ID: MAqSM24G

うっふん

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