DIO「いけなァい! 遅刻、遅刻ゥッ!」 (177)

その男―――『ディオ』は走っていた!
何故か!
それは彼が今日から通う『学校』に『遅刻』しそうだからであるッ!

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド

彼はラグビーで鍛えた、今現在も鍛えられている身体で疾走する。
サバンナのライオンのようにしなやかに、アスファルトを駆けるのだ!

DIO「急げッ! 急がねば! なんという失態!
 朝食のパンの枚数を数えていたら、予想外に時間を食ってしまったぞ!
いや、このディオに『失態』などない!
在るはずがないのだ!
これはそう―――完全な存在の中の、人を魅了する絶妙な『隙』ッ!
小粋なジョークだ!」

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その疾走するディオの前に、一人の青年が通りかかった。

???「ん、ややッ? 随分慌てて走ってくる人がいるぞ………?」

DIO「あっ、危なァ―――いッ!」

???「えっ? う、うわッ」

『ディオ』はその青年と衝突した!
その際ッ!
あろうことかディオは!
青年の顔を殴り抜けた!

ドッギゴオアッ! メコッ

???「がはっ」

DIO「悪いな通行人! 
  実に悪いぞッ! 
貴様の『間抜けさ』が悪いんだなァ―――ッ!

このDIOが悪いわけがないだろうがーッ!
貴様は道草を食ってろー!
オオバコでもワルナスビでも貪っているのが似合いだーッ」

???「う、うう………ひどいッ!
  なんていうことをするんだ!
  一体僕が何をしたと言うんだ………
  この町の治安は悪すぎるぞ………!」

その男が向かった先―――それは学校の教室!

「それでよぉー、そのスケのケツがこう………」

「あれは俺も見たぜえ、ゲロマブだったなァーッマジでグンバツだぜェ」


先生「座れーッ!! 座らんかーッ!」

クラスメイトA「うっ、やべえ! シュトロハイム先生だ!」

クラスメイトB「相変わらず五月蝿いなあ………」

クラスメイトC「しかもサイボーグなんだぜ………」

ワイワイーーーッ、ガヤガヤーーーッ

シュトロハイム先生「やかましいぞーッ 静粛に!『規律』が全てだーッ 軍人はァーッ」

クラスメイトA「先生、俺たち軍人じゃないっすよォー!」

クラスメイトB「そ、そうっス! 『生徒』ですよ、この学校の」

シュトロハイム先生「んんゥ!? そうかァ! まあいい!
今日は貴様らにビッグなニュースがある!
心して聴けェ―――ッ!!
『転校生』の紹介だ―――!!」

クラスメイト一同「て、転校生だって………!」

 
ザワッ ドヨドヨォーーーーーッ!!! 
ドヨォーーーーーーーzーーーーーー!!

エリナ「あら、まあ。 転校生ですって。楽しみね、ジョナサン」

ジョナサン「はぁ………」

スピードワゴン「どうかしたんですかい、ジョースターの旦那。
        朝っぱらからブルー入ってますぜ」

ジョナサン「ああ、ちょっと朝からひどい目にあってね。
     ………でも、まあいい。嫌なことは忘れよう
     転校生か、どんな子かな」

スピードワゴン「可愛い子だといいですなあ」

エリナ「もう、スピードワゴンったら」

シュトロハイム先生「よぉ―――し! さっそく、入り給え!
転校生の『ディオ・ブランドー』くんだ。みんな、仲良くするように!」

果たして教室のドア、その天井に擦れそうなほどの長身!
荒々しい金髪の下に存在する、
矢の先端のように鋭い双眸!
その男は一瞬にして!
教室の生徒の心を鷲掴みにした!

DIO「ウリィイイイイ―――!!」  バァーー――――――ンッ

クラスメイト一同「う、ううう………ウリィィイイイー―――!!」

しかしッ

ジョナサン「あぁー―――ッ! お前は、あ、朝の!!!」

一人の生徒だけが、違う反応を見せた!

DIO「んん………? おや、君は」

ジョナサン「お、お前が転校生だったのか!」

スピードワゴン「どうかしたんですかい?ジョースターの旦那」

エリナ「お知り合いなのかしら………」

ジョナサン「わ、忘れたとは言わせないぞ!
      登校中にこいつは、この男は僕を殴ったんだ!
      思いっきり!
      いきなり走ってきて………食パンを咥えながら走っていたんだ!」

DIO「………………………」

ジョナサン「転校してきたのか! よりによってこのクラスに!
    僕と同じクラスに!くっ くそう、」

DIO「ぶつかったことに関しては、謝るよ」

ジョナサン「え………?」    

DIO「急いでいたんだ。先生に挨拶をするために職員室に寄らなければ、ならなくてね………」

ジョナサン「………」

DIO「転校生というものは、いざ自分でなってみると、中々どうして怖いものだ
よ………不安だったんだ。
前の晩はほとんど眠れなかった。
前を見ずに歩いていて、君にぶつかってしまったことは認めよう。
済まなかった」

ジョナサン「………い、いや、君は確かに僕をその手で殴った!
叩いたんだ!」

その時!
教室のドアが開いた!

ツェペリ「静かにしないか! なんなんだ! このクラスは!」

ショトロハイム先生「む………ツェペリ先生」

ジョナサン「君が殴った!間違いなくだ、君が、」

ツェペリ先生「そこぉ! ジョースター! ちょっとこっちに来なさい!」

ジョナサン「え、ええっ!? 僕ですか?」

ツェペリ先生「お前以外に誰がおるか!」

スピードワゴン「ああッ ちょ、ちょっと先生! 待ってくだせえ!
ジョナサンの話も聞いて、もらいたいなんて思うんですが………」
      
ツェペリ「アンタは黙ぁっとれェ!」

スピードワゴン「ううっ………」

ジョナサン「ま、待ってくれ! 待ってくださいツェペリ先生!
彼が………彼が朝、パンを咥えた状態で僕を!走ってきて殴ったんだ」

ツェペリ「なぁーにをいい加減なことを口走っとる!
    いいから来なさァい!」 

パパウ パウ!!!!

ジョナサン「ぐああああああ!? か、身体が痺れる………!?」

クラスメイトA「で、出たー―――ッ!」

クラスメイトB「波紋だァーッ ツェペリ先生のぉ!」

ツェペリ「ちょいとこの坊主を借りてくよぉ! シュトロハイム先生」

シュトロハイム「了解したァーッ!」

ジョナサンは、ツェペリ先生によって午前中ずっと生徒指導室に収容された!
その間!
ディオ・ブランドーは授業、特に体育のラグビーにおいて!
非凡なる才能を発揮した!
既に彼は、鶏群の一鶴となりつつあった!
昼食の時間になって、ジョナサンはようやく、地下に存在するその生徒指導室から解放された!

ジョナサン「うう………あの部屋嫌いだよぉ………」

スピードワゴン「災難でしたな、ジョースターの旦那」

ジョナサン「あの部屋怖いよ………柱に変な男が埋め込まれてたし………」


エリナ「でもジョナサン、教室で大声で騒ぐのは、やっぱり良くないわ。
しかも転校生の悪口を言うなんて………」

スピードワゴン「ハイになりすぎじゃあないですか、旦那」

ジョナサン「違うんだ! 本当にやつはひどいんだ! 僕の頬の傷!
  見えないのか!」

エリナ「そういえば………でもあなた、よく転ぶじゃない」

ジョナサン「こ、今回はそんなドジじゃないんだ! 信じてくれ」

スピードワゴン「あー、わかりますぜ」

ジョナサン「わ、わかってくれるのか?」

スピードワゴン「あっしの頭。 この辺ですがね………」

自分の頭の、帽子に隠れている左上の部分を指差すスピードワゴン。

ジョナサン「え………? そ、それがなにか?」

スピードワゴン「でっかいタンコブがあるんでさぁ。今は痛みは引いてますが」

エリナ「あら、大丈夫?」

スピードワゴン「もう慣れっこでさあ、―――いやねえ、天井にぶつけちまってェ
   たまにあるんでさあ」

スピードワゴン「いやあね、身長が無駄に高いとこういうことがたまにあるんですわ。
たまにというか、人間、うまくいかない時期ってのがあってねぇ、
その『時期』に入ると一日に四回くらい、出入り口が
そう、多いですねぇ―――人様の家の玄関だとか。そこにガァーン、といく訳ですわ。」

エリナ「あらあら………背が高いものねぇ」

スピードワゴン「ジョースターさんも190くらいでしょう、身長?」

ジョナサン「………ま、まあ」

スピードワゴン「よく、身長が高いと女にモテる、だとかいう話がありますがねえ、無責任というか、なんというか。
実際世の中そんなもんじゃないですわぁ。
こちとら天井とキスした回数の方が多いんですよ、ね、ジョースターの旦那」

ジョナサン「い、いや………そういう話じゃないんだけど」

スピードワゴン「あ、もう学食につきますぜ」

学食!
それは生徒たちのオアシスであり、交流の場でもある!



トニオ「ハァーイ、今日のオススメは娼婦風スパゲティーでェーす。
自信作ですよォー!
美味しくて天井に歯が刺さりますよォーッ」

スピードワゴン「おお! あのパスタは最高ですよねぇ、ジョースターの旦那ァ!
この学食に来てからというものの、トマトが好物になりましてねェ、
私はァ!」

エリナ「あれ、でもあの人………」

スピードワゴン「どうかしたんですかい、エリナさん」

エリナ「彼、第一部の人じゃないと思うのだけど………」

スピードワゴン「いいじゃないですかい、とにかく飯にしましょう」

スピードワゴン「飽きないですなぁ、この味」

エリナ「どうしたの、食べないのジョナサン」

ジョナサン「ううん………僕は少し、怖いんだよ………
なんだか奇妙じゃないか、この学校の『学食』は………」

エリナ「すごくクオリティが高いじゃない。
違う高校に行った友達も、羨ましいって言うのよ?
イタリア料理だなんて。それも学食で」

ジョナサン「ううん………僕はもっと、ラーメンとかがいいなあ
あと、料理が美味しいから天井に歯が刺さるのは流石に意味がわからないよ………」





「お、おい聞いたか、第三校の奴らが………」

「また喧嘩だってよ、病院送り」

「やった奴は、刑務所に送られたらしいぜ」

「うへェー、マジかよ………」


ジョナサン「なにやら、物騒な話をしているなぁ………」モグモグ



To Be Continued ………

今日はここまでだッ

ここで時間は朝まで遡る!
ジョナサンがディオと衝突し、殴られたその時間帯に!
そこから数キロ離れた第三高校の校下では、同じく生徒が学校に向かって歩いていた!

ポルナレフ「ふぁー………眠い眠い。流石に、日を跨ぐ前には寝たほうがいいのかねえ」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド………

ポル「うん? エライ足音が、」

女の子「いっけなぁああい!! 遅刻、遅刻ゥ!!」

ポル「なッ、ちょっと、」

女の子「きゃあ!?」

 ド ガッシャ バッココア !

ポル「い、いってて………! ア、あんた危ないよ………!」

女の子「ご、ごめんなさい………」

ポル「     」

恋!
ポルナレフはその女性を見て直感する!
ついに自分にも春が訪れたのだと!
尻餅をついているその女性から放たれた電流に、貫かれたのを感じた!


ポル(す、すげえ美人だ………まるで絵に描いたようだぜ。
  ドラマの紹介ページから切り取ってきたのかもしれねえ
   どっかの雑誌で見たような人だぜ………)


女の子「ご、ごめんなさい………急いでいたもので………!
   私、今日から第三高校に通うんです」

ポル「ああ………そうなの!」
   (もうちょっとでパンツ見えそうだ!)

女の子「ごめんなさいなんとお詫びを言っていいか」

ポル「あー、いいのいいの!しかし転校!道理でねェ!
  こぉんな美しいお方がウチの高校にいたらすぐに覚えて
  丸暗記確実だよねェ!」

女の子「うつく………いえ、そんな」

ポル(目を逸らすところもキュート! あざとい?
  知るか! もうこの子以外見えねえぜぇ、俺はァ!)


ポル(何から何まで俺のツボっていうか男のツボをわかってやがる!
  身体の丸いトコの凄さ、出てる感じなんてもう作られたような完璧さだぜェ………いや、作られたってのは少しばかり角の尖った言い方かぁ………?)

女の子「………」

ポル「あー  ゴホン。
  俺の名はポルナレフってんだ。
  ジャン・ピエール・ポルナレフ」

女の子「はぁ………」

ポル「何か困ったことがあったらね、俺に聞いてくれ。
  俺のクラスに来てくれ。
  この高校のことなら何でも案内しよう」

女の子「本当ですかぁ! 嬉しい!」

ポル「ああ。この高校、「第三絵自府都高校』はねェ、
癖が強いっつうか、まあムサイ連中がたくさんいて、君をエスコートできる男っつったら強いて挙げるとすれば俺くらいなもんなのよォ。
まあ及ばずながら、手伝いを………
学校生活の手伝いをしてあげよう!
さ、手を貸してあげるよ」
 
スッ

「あ、ありがとうございます………」

ガシッ………………。

ポル「さ、道を急ごう。クラスに案内してあげるよ、えと
あー………君、失礼ですが、お名前を頂戴しても宜しいかしらん?」

「………ああ、申し遅れました」

ポル「さぞ高貴なお名前なんでしょうなあ
   なあんて言ってみたりして………
   いえいえ、あくまで、名前だけで判断はしませんよォ?」

「………」

ポル「うん? どうかしたの? 黙っちゃって………
 もしかして強く掴みすぎたのかな、腕を………
 すまねぇ、女性の腕はもっとデリケートに」


べちゃッ


ポル「うん? 何か、あれェ、ゴミが付いてるのか?黄色いゴミが、
  なんだかベチャベチャするなあ………」

べちょ ねちょ

「………」  ブチュル ブチュ

ポル「あれ? お嬢さん?
   お嬢さんの腕にもたくさんついてますよ!?
   ちょッ………拭き取らないと、早く………!!」

べちゅるろッ

ポル「な、なんだァ!? ネチョネチョが増えてるう!
  お嬢さっん!お、おじょうさ」

「名前ですか………?」

ポル「………え? いやだから、ネチョネチョが」

「『この俺の』名前がそんなに知りたいかァ?」

ポル「へ、ヘぇ!? ヘドロが、溢れてくるーッ!?」

ぶちゅるぶちゅっ

「教えてあげるわァ、俺様の名前はァ―――ッ!!」

ホル「うあぁーー―――ッ!?」

「俺の名は『ラバーソール』ッ
「イエローテンパランスのスタンドを使いこなすスタンド使いだぜェ!
 ポオオルゥ ナァレフゥ!!!」

ネチョバァーーーーーンッ!!

ポル「なッ なにィ―――ッ!?
  お、男ォになったァーー!?」

ラバーソール「まーーだわかんねェのか!
      女に化けて近づいたんだよォ
      俺のスタンドは姿を変えることができるんだ!
     わかったか! チョロいんだよ この 女好きの銀色トーテムポール・ヘッドがァ!」

ポル「ゲェーーーッ!?」

ラバーソール「ポォルナレフゥ! 承太郎は今『刑務所』に入ってるぅ!
      適当なヤンキー何人かと喧嘩したせいでなァ!
      ハッ 助けにこねえんだよ、テメーをぶっ倒すには最適の時期って訳だァつまりはァ! 
      ドゥ ィユウゥー   アンダァ      スタァンド !!?      」



To Be Continued ………

ラバーソール「[ピーーー]ぇ―――ーッ!」 ズニュルズニュウルニ

ポル「うあああああァーーー!?」


前回までの『ジョジョの奇妙な冒険』ッ!!
パンを咥えて走ってきた女の子に恋をしてしまったポルナレフ!
しかし!! 実はハンサム顔のスタンド使いだったのだ!

ポル「クソッたれーッ 『銀の戦車』(シルバー・チャリオッツ)!!」

バシュウウン ズバッ!!

ラバーソール「そいつがテメーの『銀の戦車』かぁ!
    だが俺様の能力にそんな棒っきれは通用しねェーッ」

ズニューウウウン

ポル「なにぃ!? 硬い! いや、硬くはないが、刃が通らねえッ」

ラバーソール「だァっはははーー! この黄金の鎧に刀なんて通用しねえんだよォーッ 黄金聖闘士も真っ青の防御力だぜェーッ」

グニュル グニュンア

ポル「ぐああああッ ヘドロが、増える!? きったねえな畜生ッ!」

ラバーソール「貪ってやるぜェー!!」

ポル「承太郎、助けてくれーッ!」

ラバーソール「ハッハァ!! 馬鹿なゲリウンコめェ 助けを呼ぶなら他だろうがーッ
アブドゥルとか花京院とかよォーッ プッフフークスクス………」

承太郎「………」

ポル「じょ、承太郎! ああ、助かったァー」

ラバーソール「だから承太郎は刑務所なんだよォーッ ムショショホーッ
ひぃーっひっひ 腹痛おかしい、なあ、アンタもそう思うだろォ!?」

承太郎「―――ああ、そうだな」

ラバーソール「………」

承太郎「………」 ド ン

ラバーソール「あっ あれえ………?」

(な、なんだこいつは?こいつはっていうか、承太郎じゃねえか!
ナマ承太郎だぜ、どういうこった………もう少年院から出てこれた、出所し

たってわけか?いやあ、ありえねえ………こいつがヤったっていう不良達の

やられ方
、骨の粉砕のされ方から言って2、3日でオーケーなんて話はありえねェ、

まさかブッ壊したのか刑務所を?こいつならやりかねねえのか?法の番人にも楯突いちゃう感じですか?
………ハッ、 待てよ………!)

ラバーソール「に、ニセモノか!」

承太郎「………………」

ラバーソール「偽物だろう! 俺は騙されねーぜッ つうか知ってるんだよォ!『変装』ができるスタンドなんて山ほどいるわァ!山ほどはいねえかもしれねえがウチの絵自府都高校の生徒会、通称『九栄神』にもいるんだよォー!な、オインゴの旦那ァ? もーう、紛らわしいんだからァ びっくりしましたよォ あっれェー、 あら、弟の方がオインゴさんでしたっけェ ごめんなさいねェ、私モノ覚えが悪くてェ………」

承太郎「………『星の白金』(スタープラチナ)!」バシュウン

ラバーソール「おおッ!? スタープラチナじゃないですかァ あっれェ それスタプラじゃあないですかぁ すっげえや先輩、承太郎のスタンドまで『再現』しちまうなんてお見逸れしますわァ」

スター・プラチナ「………」

ラバーソール「マジすかァ先輩ぃ! そっかぁ 俺もこれからはそうしよっかなぁ スタンドも真似したいっすねぇ いやあ しかし、承太郎のスタンドを再現なんてすごいっすねェ 私ィぁ細かいところまで見る暇がなくってねェ どうもデティールってやつが」

承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

ラバーソール「アドゥベッシバ!?」

スター・プラチナ「オオオオッ ラオラッ!!!」

ラバーソール「アゲェイエエエエエエエ!!!!!!!!!」


『黄の節制』ラバーソール ボコボコに殴られて 再起不能!

ポル「じょ、承太郎!」

承太郎「こいつは戦うのが長引くと面倒だからな………一発で気絶させた方がいい」

ポル「し、しかしどうして………刑務所に入っていたんじゃあ」

承太郎「ジジイとアブドゥルに追い出されてな………」

ポル「―――はあ」

承太郎「どうやら俺は『ディオ』という男を探さなければならないようだ」

ポル「『ディオ』?ディオって言うと………聞いたことがあるぜ。ウチの高校の生徒会長だろぉ? 生徒会をまとめているっていう―――」

承太郎「そうらしい。生徒会長だったらしいが今は行方がわからなくなっている。生徒会室にも顔を出さないらしい。今頃どこで何をしているのか………」

ポル「なんだろうなァ、引きこもりにでもなっているんじゃねえか?」



―――第一高校。

女子「ディオくん、この問題わからないから教えてくれないかなー?」

ディオ「うん、いいよー!」

To Be Continued ………
今日はここまでだ!

ある日の放課後、クラスで会議が行われた!
会議の内容は「文化祭の出し物」についてである!


ディオ「それでは、出し物について意見のある人は」

ジョナサン、スピードワゴンたちが通う第一高校!
その学校に、文化祭の時期が迫っていた!
年に一度、生徒たちが協力し合い、屋台の出店やクラスの出し物を考える。
学外の人間も多数来校する、一大イベントなのだ!
生徒たちの精神は高翌揚していた!

「教室でお化け屋敷! これしかねえ!」

「町の祭りとかでやるやつを真似しようぜェ」

「ばっかやろォおめえメイド喫茶だろォが―――ッ」

スピードワゴン「メイド喫茶ですかあ、良くないですか、旦那ァ」

ジョナサン「ううん………僕は、屋台ってやってみたいよね。焼きそばとかの屋台が面白そうだなー」

エリナ「こういう機会ってなかなかないものねえ」

????「弟よ、漫画喫茶はどうだ………お前の『漫画』でよォ」

????「ううん、でも兄ちゃん、あれは売り物にはならないよ」

???「無性にジャンケンがしたいよォ………」

ジョナサン「………みんな色んな趣味嗜好があるんだなあ………それにしても、個性的なクラスメイトだなあ………」

議論は白熱し、投票も熾烈を極めた!

ディオ「投票の結果………出し物は『お化け屋敷』に決定しましたァ―――ッ!!」

クラスメイト一同「オォオォ―――――――――ッ」

ドヨォー―――ッ
ドゥドゥドゥ   ド゙ォヨォオァ―――ッ

シュトロハイム先生「投票結果は以下のとおりだァーッ 『お化け屋敷』が20票! 次に『喫茶店』もしくは『メイド喫茶』、『漫画喫茶』、『エフ・メガ喫茶系』………計15票、『占い』、『迷路』が共に3票、『スティール・ボール・ラン』2票、『賭けポーカー』3票、『ペット・ショップ』1票、『ジャンケン・ゲーム』1票………」

「ぐああああッ 畜生てめーッ裏切りやがって」

「はァ? 何言ってやがるてめーが」

「くそう! 『手相』を………『手相』を見たいィ! たくさんの人間のォ」

女子「ディオくぅん、『お化け屋敷』ってぇ、みんながお化けに変装してお客さんを『驚かす』ってことでいいんだよねェー?」

ディオ「うん、そうだねェ、『お化け』と、あとは『火の玉』なんかも作ればいいと思うよ」

女子「お化けってどんなァ?」

ディオ「例えば―――そう、『口裂け女』とか………」

女子「キャハハーッ 何それあたしがヤんのォー!?」

ディオ「大丈夫、似合うと思うよ」

女子「もぉーッ っディオくんったらァー でもお願いされたらやっちゃおうかなァーッ」

女子B「ディオくん、私思うんだけど、ディオくんはなんか『ドラキュラ』とか似合いそうだよねェ」

女子C「あ、それスゴイ分かるゥー 超理解るゥーッ」

女子「『吸血鬼』って感じだよねェーッ 悪い意味じゃなくて、なんかクールなイメェージ? っていうのかしらァー」

ディオ「いやぁ、そんなことないさ」

女子「ううん! スゴイ似合うってぇー! 『吸血鬼』になりなよォ」

ディオ「いやいや、無理だって。 『吸血鬼』なんて、この『僕』に果たして務まるかなァ………?」

女子B「出来るよォー ミステリアス? って言うのォ? いい感じに仕上がるってェ」

ディオ「それってヨーロッパのかい………?和風なテイストには、しないんだね」

女子「そうそう! あたし決めたァーッ ディオ君は吸血鬼なのォ」

女子B「あたしィディオくんなんだか華があるから主役推薦んー」

ディオ「いやいやぁ 僕には 『吸血鬼』なんて無理だよォ、他にもできる人はいないのかい?」

女子C「ううん、私決めたァ、ディオくんが吸血鬼役ぅ」

女子「ちょっとアンタ、lくっつきすぎィ」

女子C「えーっそうかなァ」



男子たち「………」

ディオ(ふう………下らん。 この空気にはうんざりさせられる)

To Be Continued ………

女子「ディオくん、イベントのここだけどー………」

ディオ「うん、これから決めるよ」

女子B「ディオくうん、あたし『吸血鬼』に襲われる役とかやりたいんだけどォ」

ディオ「いや、そういうものは脚本にはないのだが」

女子B「エーッ」

男子「………」

それは消して大声ではなかった。
しかしそれは大気中に存在するもののように、見えないが確実に蓄積されていった。

クラス男子A「あーはいはいすごいねー」

クラス男子B「顔だよなー………やっぱ」

クラス男子C「よせよせ」

女子「ちょっとォ あんた ディオ君にくっつきすぎよォー」

女子C「えぇーっ!? なによぉあんたこそォ」

ディオ「ハハハ………とにかく部屋は暗幕で『暗く』しよう」

ディオ(ククク………楽しみだ)


ディオは考える!
この『文化祭』にどういう『結末』が似合いか。

ディオ「このディオが通常の文化祭で満足するわけがない………。できるわけがないのだ。 貴様ら―――このまとわりつくような視線、唯々、餌を待つ犬のような人間どもよ………悦べ………! 貴様らはこの学校の歴史に残る祭りに同席することができるのだ………」
  

ディオ(猿の脳味噌を詰め込んであるようなメスどもには興味がない。 そんなものに興味はない。この俺が本当に欲しいものはーーー)

ディオの視線の先には。三人の姿があった!


ジョナサン「お化け屋敷かあ………それも面白いかもなあ」

エリナ「スピードワゴン、あなたはあの帽子を被っただけでも大丈夫そうね」

スピードワゴン「げえ、あの刃が仕込んであるやつですかい?キツいなあ

エリナさん、アタシぁお化けじゃないですぜ」

ジョナサン「ハハハ………」

かくして!
その日は文化祭はついに訪れた!

第一高校文化祭!
年に一度、個性豊かな生徒たちが協力して開催する一大イベントであるッ!

規律を重んじる校風でありながら、抑えきれない熱気が校内を満たしていた!

特に後者に囲まれた中庭は、その激戦区!
各部活メンバーが競いあう屋台を中心に一触即発、覇を争った!

「オイ!ライブは何時からだった?」

「ヘイラッシャイぃい良いーーッ!」

「わぁッ! 『スープ』の中に!屋台のスープの中にぃ、『サメ』が泳いでいるッ」

ジョナサン・ジョースターはラグビー部の出しているたこ焼き屋で、奮闘していた!
慣れないたこ焼きの作業のコツを、徐々に掴んでいった!

ジュワァァアアアアー―――ッ

肩幅が広い生徒A「たこ焼きをくれェーッ たこ焼きがないと生きていけないよォーー! 4ダァースだ今すぐにッ」 

ジョナサン「は、はぁい!」

肩幅が広い生徒B「オイ注文したのまだかぁ!」

ジョナサン「はぁい、今すぐぅ! ふう………忙しいなあ」

スピードワゴン「入れ食いですなぁ、ジョースターの旦那!」

ジョナサン「ああ―――、天気も良いし、よかったよ」 ジュワアアアッ―――ッ

「ライブは昼からだってよォ」

「ハンパねぇぜェ、洋楽のコピーバンドだってよォ、『キラー・クイーン』とかもやんのかなぁ」

「マジかよォ」

ジョナサン「へえ、バンドかあ。 音楽はやっぱり人気なんだなあ―――」

スピードワゴン「やっぱ軽音楽ですよ、ウチらも組めばよかったかもしれませんねえ!」

ジョナサン「いやあ、僕はそんな………あれ、そういえばスピードワゴン、君のところは屋台とかやっているのかい?」

スピードワゴン「ええ、地下柔道場の前で薬屋をやっていたんですが、何人か中毒症状が出たのがいた様で、販売中止になりましたよぉ―――ハハ、参った参った。 暇ですわァ」

ジョナサン「………」

スピードワゴン「そんなことよりも、あっしにもたこ焼きくださいよぉラグビーボール型になってんですねェこれ」

熱気が渦巻く中、ジョナサン・ジョースターは回ってくる注文を懸命にさばいていた。
たこ焼きの傍ら、鉄板の焼きそばにも取り掛かる。
しかしその時、校舎に放送が響いた!

ピィー―――ガガガ ガガ………
『ジョナサン・ジョースター、ジョナサン・ジョースタァ、『今すぐ』自分の教室に来て頂けますか―――? 繰り返しまぁす、』

ジョナサン「え、僕………?」

スピードワゴン「おっとお旦那、何かやらかしたんですかい?」

ジョナサン「ううん、多分教室の『お化け屋敷』を手伝えって事じゃあないかな?」

スピードワゴン「おお! 成程、きっとそうですぜ」

ジョナサン「済まないけど、ここはみんなに任せて行ってくるよ」

スピードワゴン「ふうぃ………『お化け屋敷』か………例の転校生が上手く捌いていくものだと、てっきりアッシはそう思ってましたが―――」

ジョナサンの背中を目で追うスピードワゴン。
しかしその後ろ姿も、他の生徒たちの張り上げる声の中に霞む。

スピードワゴン「しかし―――」

周りを見やるスピードワゴン。

「賭け事で勝負は如何かな………?」

「『金魚すくい』の店、『ビィチ・ボォーイ』をよろしくゥ―――!」

「商品は弾むよォーッ」


スピードワゴン「しかし、個性豊かな面子だぜ……さぁて、どこから回るとするか………」

ジョナサン・ジョースターは、自分の教室に近づく時に、既に微かな違和感を感じ取っていた!
放送で呼び出されたこともそうだが、それよりも、廊下の状態についてである。

ジョナサン「薄暗い………?」

付近の廊下が、暗幕がかかりほとんど太陽が見えなくなっていた!

ジョナサン「お化け屋敷の演出が廊下にまで―――? そういうものなのかな、それにしては人がいないけれど」

ジョナサン以外に、お化け屋敷目当ての客らしき人物はいない。
中庭の喧騒が遠く聞こえるのみ、静寂である。
ジョナサンは、教室のドアを開けて入口の暗幕の下をゆっくりと進んだ。

ジョナサン「お邪魔しまーす………、あ、違うか………僕のクラスだし………」

ジョナサン「おーい、みんなー、ジョースターだけど、ジョナサンだけどー………みんなー?」

暗い教室内を恐る恐る進む。
寒気がする。白い煙が床に蠢いているが、あれはドライアイスだと、一緒に作業したジョナサンは知っていた。

ジョナサン「放送で呼ばれてきたんだけどー………おーい?」

火の玉がぶら下がっている―――確か蛍光テープ等ではなかったか。

墓石がある―――上手く古そうに作ってあるが、ダンボール製のはずだ。

ジョナサン「結構クオリティが高いなァ………ハハ、うわあ、本物みたい。」

『―――ィィ………』

ジョナサン「うん? 誰か、そこにいるのか?」

電灯のスイッチの位置も暗幕で覆われているので、ジョナサンにはわからなかった。
それにお化け屋敷が明るかったら台無しなので、点ける気もなかった。

ジョナサン「ちょっと待ってくれ、暗くて足元もわからない、なんとなく、僕も手伝ったから勘で道はわかるけどそう、勘なんだ―――迷路だね、ははは」

どん、と足に何かが当たった。
というよりも、落ちているものにジョナサンが足をぶつけたのだ。

ジョナサン「………うん? なんだ、これは」

蝋燭はいくつか燭台に立っていて、その微かな明かりの力を借り、足元に目を凝らした

ジョナサンは。
白い煙の海の中に転がっていたもののその感触から、最初は布の塊かと思った。

しかし、それはよく見ると、制服を着た人間。
同じクラスの女子生徒だと認識するのに、数秒かかった。

ジョナサン「わぁッ!? ご、ごめん蹴っちゃって。 なんでこんなところに!」

動かない生徒を起こそうとしたが、その生徒は眠っているように脱力して、重みがあった。

ジョナサン「おい、君………?」

よく見ると、他にも何人か、床に倒れている生徒がいるらしかった。
ようやく闇に目が慣れてきたジョナサン。

ジョナサン「おい! どうしたんだよ、君、起きてくれ、起きて、くれ」

ジョナサンはその生徒の首筋に、はっきりとは見えないが複数の穴が空いているのを見てとった!
それはまるで、吸血鬼に血を吸われた人間のように。
生徒は、目を開けたまま口をだらしなく半開きにし、唾液が教室の床と唇を細く繋げていた。

ジョナサン「な………ッ!? これは!」

『―――ィ………』

ジョナサン「!? 上に何かいる!?」

『WRYYYYYYYYYYYYY………………』

ジョナサンは、天井から何者かが、吊られているのを!
何者かの身体が逆さに下がっているのを視認した!
その何者かが人間とは違う、もっと圧倒的な存在であることを、体中に突き刺さる悪寒でもって瞬時に理解した!


To Be Continued ………

スピードワゴン「へぇい寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」

肩幅が広い生徒A「なんだなんだ!」

肩幅が過剰な生徒A「たこ焼き屋の間で何かやってるぞ!」

首も太い生徒A「なんだあれ、大道芸かー?」

スピードワゴンはラグビー部の屋台の前に立ち。
帽子を操ってパフォーマンスをしていた。
逆さになった帽子が回転しながらスピードワゴンの右腕、背中、左腕を行き来する。

スピードワゴン「ほーらほら目をつぶってやっちゃうよぉ」 ビュンビュン

服装が世紀末な連中「ヒューヒュー! いいゾーもっとやれぇ」

スピードワゴン(畜生ーッ あっしは自由の身を活かして文化祭を満喫しようとしていたのによォー客として!ラグビー部の連中に捕まっちまったよォートホホ………)

ラグビー部の屈強なモブA「いいぞてめえオラァ!キリキリ働け」

ラグビー部の屈強なモブB「ジョセフの野郎がどっか行ったんだ、その代

わりになる働きはしてもらうぜェ………客寄せパンダだ、へっヘェ」

スピードワゴン「もういいでしょう、働きました、あっしはこれで―――」

チャリンチャリンッ

スピードワゴン「ん?これはカネの音! 硬貨が跳ねる音だ」

目つきが不健康そうな子供達「すげー、もっと見せて!」

シブい物乞い「儂の財産をくれてやる」

見れば、コインを投げる人々が徐々に増えつつあった!

スピードワゴン「うおおおっこいつァいいや!」


スピードワゴン「祭りのノリってやつはいいなあ!最高だぜェ、俺は情には熱いつもりだがお金も大好きなんだ、うひょォーッ」

ラグビー部の屈強なモブC「おい、こっちにも寄越せ!」

スピードワゴン「おぉい! コイツはあっしの取り分だ近づくなゴキブリ野郎! 皆さぁん! この帽子に入れてください!お気持ちを!皆さんの高ぶったお気持ちをぉ!」

体格のいい通行人「お、おい、見ろよ」

ザワ………ッ ザワァ………ッ

幕内力士のような通行人「なんだあれは………!」

マツコ・デラックス似の外人「燃えていまス!」

スピードワゴン「うん?なんだか騒がしいな」

スピードワゴンがその、観客の指差す方向を見ると、そこには―――!

騒ぎ出した人々。
生徒たちが指差す方向、そこには火の手が上がっていた。
文化祭真っ最中のこの高校で、校舎の一室が燃えているのだ!

スピードワゴン「な、なんてことだ、校舎が、燃えている!?」

屈強なモブ「消防車、消防車をぉーッ」

なんだ、火事か!?この文化祭で、どっかのクラスがガスコンロでも使っ

ていたのか!?し、しかし―――火の扱いについては教師陣がしつこくチェックしているはずだが、それよりなにより! あの一番激しく燃えている部分!あれは『うちのクラス』じゃあないか!

大変だ!
あのクラスにはクラスの連中が、そしてジョースターの旦那が向かったばかりだ!


中庭の校舎で生徒たちが騒ぎ出す頃―――!

炎の中で対峙する男が二人いた!

教室内には多数の生徒がいたが、みな倒れていた。
炎に隠れつつあるその肉体に、命の輝きはない。

ジョナサン「この倒れている生徒はなんだ―――こんなに大勢」

ディオ「ジョジョ………!」

ジョナサンは目の前の男からただならぬ気配を感じる。
(ディオ? ディオなのか? しかし僕の知っている彼とは違う………劇的に変わっている。何かが!)

天井に吊り下がる彼はこの炎の中でも圧倒的な冷気を放っているように見えた。

「ジョジョ―――この俺は、最初からお前を狙っていた」

「ッ!?」

ディオ「フフフッ………『いけなァい、遅刻遅刻』………か。ククク………我ながら、なんというか―――いやあ楽しかった」

ジョナサン「ディオ………君は一体………! 聞きたいことは山ほどあるが、クラスのみんなは!」

ディオ「ここに転がっているモノのことなら、既に『終わっている』としか言い様がないなァ………血を吸ったからな」

ジョナサン「なッ………!?」

ディオは、懐から石仮面を取り出した。

ジョナサン「………どうして君がそれを!」

ディオ「この俺は欲しいものを手に入れたのだ。そのためなら全身全霊を

尽くす―――ただそれだけだ」

ジョナサンが厳重に保管してあったはずの石仮面であった。

ジョナサン「盗んだ―――のか!しかし、どうやって! そもそもなぜ知

っている!」

ディオ「いい加減うんざりなんだよ!」

歪んだ家庭環境が、ディオの、激しい嫌悪感を! 人間を排除せんとする精神を養った!

ディオ「ジョジョ………人間とは下等なものはとことん下等になれるのだよ。俺はそれを間近で見て一緒に暮らし観察してきた。盆を並べて飯を食ってきたことさえある。が―――しかし今となってはそうだなぁ、どうでもいい。『楽しい』としか言い様がない。新しい力を手に入れてとにかく使いたいという感情がな」

ジョナサン「な、何を言っているのか」

ディオ「人間をやめたのだ―――貴様も一枚のパンにしか見えん」

ジョナサン「なんなんだ………わからないぞ!」

ディオがその身体を、人間離れした動きで動作する。

ディオ「もういい―――もういいのだ! 全ては解決した! 貴様は『ゾンビ』になるからなァーッ!」

襲いかかるディオに、ジョナサンは狼狽える!

ジョナサン「う、うわああああああ!?」

ディオ「ハッハァ―――ッ!」

ジョナサンは、ディオが人ならざる力を身につけた事を、石仮面の所有者として理解していた!
それゆえに!
その力を使うしかないと、覚悟を決めた!

ジョナサン「あああああああ―――山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)!!」

ディオ「!?」

To Be Continued ………

スピードワゴン「急げッ!急がねえとジョースターの旦那がァーッ」

廊下を走るスピードワゴン!
最初は走っていたものの!
逃げ帰る生徒たちの人ごみに、うまく逆らえなくなってきた!

スピードワゴン「くそっどけェーッ死んじまうよジョースターの旦那がー!おおい!ジョースターの旦那ァーーー!」

シュトロハイム先生「準備は出来たかァーッ!」

生徒たち「ハァイィーーーッ!!」

スピードワゴン「むむッ!?」

果たして!
スピードワゴンの前には!シュトロハイムを始め、屈強な生徒たちの集団

がいた!
その前には、教室から吹き出している炎がある!

シュトロハイム先生「消火器部隊ィ整列ゥ―――ッ 安全ピンを抜けェーーッ!!」

屈強な生徒たち「ハイィーーー―――ッ」 カチッ ピィン!!

スピードワゴン「ああッ! 先生!」

シュトロハイム先生「おあッ! スピードワゴンか! 下がっとれい! ここは我々 文化祭対策委員が消火する! 怪我人は出させんぞォーッ 総員! 消火開始ィイイイイアアー―――ッ!!」

かくして!
火元に向けられたノズルから白い薬液が強烈な噴流となって炎に降りかかった!

噴射される炭酸カリウムの嵐!

シュトロハイム先生「我が校でこのような事態が起こったのは至極残念だがァ! この俺の活躍によって被害を最小限に食い止めることで自体は収束に向かったと! そのような記事を新聞に書くんだマスコミどもォ―――ッ!! ダァーハッハッハッ!」

シュトロハイムが半ば白目を剥きながら叫んだその時に!
炎と、消化器の煙の中に何かが動いているのを、スピードワゴンは目視した!

スピードワゴン「なんだ………? まさか、人がいる!?」


「ぎゃあああ―――ッ!!」

屈強な生徒たちの中から、悲鳴が上がった!

「なんだ!噛み付かれた!?」

「人だ! おい、お前、無事か―――ぎゃあああッ!」

スピードワゴン「なんだ………?襲われている! 生徒が、生徒に?」

炎の中から突如!
甲高い音が発せられた!
それは人の叫び声ではなく!
音だった!

シュトロハイム「な、なんだァーッ! この『音』、いや、『曲』は、吹奏楽部のものだァーッ」

炎の中から、トランペットやサックスを携え、吹奏楽部の生徒たちが現れた!
さながら『ゾンビ』のように、虚ろな目をして、足をふらつかせながら!

教室内―――!
燃え盛る机と黒板!
落ち始めた天井!

ジョナサン「なんだ! 廊下から吹奏楽部の『演奏』が聞こえるぞッ ………こんな時に、 学校が燃えている時に!」

ディオ「くくく………ジョナサン さっきのお前の『反撃』には多少驚かされたが、だが俺はこの程度でくたばりはしない」

ジョナサン「くっ………やはり生徒指導室での修行はまだ、足りなかったのか―――?」

ディオ「外は………始まったか―――『死の演奏団』とでも言うべき作品―――俺様の最初の食事だった」

ジョナサン「なッ………ディオ、まさか」

演奏に混じって生徒の悲鳴が聞こえてくる!

ジョナサン「君が関係しているのか!? 火事だけでなく!」

ディオ「聞こえるだろう―――この俺のための『ファンファーレ』がなァ

―――ッ!!」

ジョナサン「ディオォ―――ッ 貴様ァーッ!!」

ディオ「完成した あの『ゾンビ吹奏楽部』はァッこの俺のために命尽きるまで音を奏で続けるのだァーッ!!! そして貴様もだジョジョォ―――『ゾンビ』になってしまえェ――ッ!!」

襲いかかるディオ!



To Be Continued ………

ジョナサンたちが死闘を繰り広げている頃。
この第一高校には、校外からの参加者があった。
そう、今は文化祭。
基本的に、別の高校や地域住民の入場は自由とされているのだ!


承太郎「やれやれ。 俺はなジジイ。文化祭っていう奴を嫌いじゃあなかったぜ」

ジョセフ「んん―――そうかあ? ワシはてっきり、お前は騒がしいところが苦手だとばかり思っていたがなあ。 いつもムスっとした顔をしおって―――ワシが少年の頃はだなぁ、もっと活発に騒ぎ立てて―――」

承太郎「やかましいところは確かに嫌いだぜ―――だがな。『学校の教室が火事になっている』よりは―――、ただのやかましい文化祭が好きだぜ」

承太郎たちの視線の先には、ディオによって火を放たれた教室があった。

ポルナレフ「なんてこった―――急ごうぜ!」


ジョセフ「ふうむ………どうやら読み通り、『ディオ』はこの学校に潜伏しているようじゃ―――」

ポルナレフ「ええッ………? 火事になっていて異常事態なのはわかるけどよォ」

承太郎「ディオがやったっていうのか、ジジイ」

ジョセフ「タイミングから考えてそう考えるのが妥当じゃろう。
奴の異常性は隠しきれるものではない。いずれ犯罪行為に走るだろうことは読めていた」

承太郎「ジジイも人のことは言えないと思うがな」

ジョセフ「さあて―――ここが入口だな。廊下を通り、階段を上がって行けばすぐに現場にたどり着く」

承太郎たちは、廊下を進んでいった。
火事が起こっている現状、急いで現場に向かおうとしたが、どういうわけか、異様にその校内は広かった!
探しても探しても、上に向かうための『階段』が見つからないのだ!

ポルナレフ「はあ、はあ―――くそぅ! まだ階段はないのか!最近の高校っていうのはややこしいもんだなあ! 郊外にある大型のショッピングモールみたいだぜ!」

ジョセフ「もう火事のあった教室から距離的にも離れてしまった―――」

承太郎「………」

ジョセフ「おい承太郎!聞いているのか。 最近の高校っていうのはこうなのか、エレベーターくらいついていないのか」

承太郎「少し静かにしてくれないか、ジジイ―――あと、もう走るのはやめにしようぜ」

ポルナレフ「えっ………!?」

ジョセフ「何を言っているんじゃ、承太郎! ワシらは早く燃えている教室に向かって行かなければ―――」

承太郎「一生懸命に走ったがたどり着けない。たどり着けないんだ、おそらくこれからもだ―――何しろこの学校には『階段』がない。『エレベーター』がついているような金がかかってる校舎にも見えねえ―――よくある普通の高校に見える。
普通の高校に見えるように作られている」

ポルナレフ「はあ?承太郎、お前一体―――」

承太郎「どうなっているのかはそろそろ聞いてみることにする。 回りくどい『スタンド』だぜ」

ジョセフ「………スタンド!?」

承太郎は窓の外から教室まで、どこを凝視するでもなく、見回しながら独り言を言い始めた。

承太郎「なかなか精巧だな―――だがアンタ、『タロットカードの暗示』なのか、『九栄神』なのか―――せめてそれくらい教えてはくれないのか」

それは独り言というには大きすぎた。

ジョセフ「お、おい………?」

ポルナレフ(どうしたんだ―――承太郎のやつ、とうとうおかしくなっちまったのか?この変な学校のせいで!それとも最近あった奇妙な色々が、承太郎の脳に悪影響を―――)

『アーッハッハッハッハ!!』

ジョセフ&ポルナレフ 「「!?」」

『ウフフフ………フフ………『承太郎』………いいわねェ、もういいわあ、足止めは『ディオ様』に言われた通りに出来ているわけだしィ………!
だからお喋りしたいわァ………ちょっと私の『タイプ』よぉ………!
『ヘイッ』 『承太郎』ォオ―――!!」

廊下に響き渡る、甲高い女の声。
それは唄い上げるような声だった!

ポル「なっなんだ、敵か、てめえ―――どこだ!?」

『あなたの『チャリオッツ』は無駄よォ! 私の『ハイプリエステス』には通用しないわ―――ッ!?」

ジョセフ「何!? 女教皇(ハイプリエステス)………!? 貴様ッどこにいるかは知らんが、ディオの手先か!」

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