ジョナサン「みんなー!ケーキを買って来たぞー!」承太郎「!」 (65)

・細かいこと気にせずに1~4部が一つ屋根の下に暮らしてる
・キャラ崩壊がダメな方は逃げるんだよォォ~~!!

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ジョセフ「ウッソォー! マジー!? さっすがじいちゃん太っ腹ァ~!」

仗助「え~~っと、今日誰かの誕生日でしたっけ?」

ジョナサン「いやあ、そういうわけじゃあないんだけどね」

ジョナサン「たまにはこういうのもいいかと思って、いくつか詰めてもらったんだ」

ジョナサン「みんな甘いものは好きだろう?」

仗助「はあ……」

承太郎「……」ゴゴゴゴゴゴ



承太郎(この空条承太郎は……いわゆる『マッチョ』のレッテルを貼られている……)

承太郎(いや……貼られていた……か……)ゴゴゴゴゴゴ



ポルナレフ『承太郎~~おめー最近腹出てきた?』

承太郎『!?』



花京院『馬鹿なこと言うんじゃあない、ポルナレフ』

花京院『見れば分かるだろう、承太郎は非の打ち所のない体格だ。脱いだらそこの取り巻きたちが鼻血を出して失禁する』


\JOJO! JOJO! ウギャァァーー!!/


ポルナレフ『けど承太郎ってずっとガクラン? で全然ぬがねえよなあ』

花京院『当たり前だろうが気持ち悪い』

ポルナレフ『おれの経験から言わせりゃあ承太郎、着込んでるとついつい油断しがちになるんだぜ』

ポルナレフ『おれのよーに常日頃肌を見せてるやつの方がセクシーな体つきなわけよ』

花京院『承太郎はセクシーだ』

ポルナレフ『今はそうかも知れねえ。だが油断してると引退したスポーツ選手のように将来ぶくぶく太っちまう可能性がある、っつうーことをおれは忠告したいわけ』

承太郎『……』プニ

花京院『承太郎は太らない』

ポルナレフ『太るっつーの』

花京院『承太郎が太ったとしてもそれは脂肪ではない! ファンタジーやメルヘンじゃあないんだぞ!!』バンッ

ポルナレフ『お、怒んなよ……ってかなんで怒るんだよ』

花京院『承太郎言ってやれ! そんなことはないやれやれだぜって!』

承太郎『そんなことはないのぜ……』

花京院『ないのぜ!?』



ポルナレフ『オイオイオイオイ、この反応はもしかして~~』

花京院『まさかッ! 承太郎、本当に……』

承太郎『……』

承太郎『やーれやれだぜ!』バンッ

承太郎『ここまで言われて黙ってるわけにはいかねえな……いいぜ……てめーら夏を楽しみに待ってろぜ……』

花京院(どうした……動揺しているぞ承太郎……)

承太郎『見せてやるぜ。この空条承太郎の圧倒的な肉体美をな……』

ポルナレフ『期待』

花京院『期待』



承太郎(それからおれは産まれて初めて体重制限というやつをやってきた)

承太郎(そしていよいよ季節は初夏! プール開き! という大事な時期に……ケーキ……だと……)

承太郎(しかもこんな夜中に……やれやれ……まったくやれやれだぜ)



ジョセフ「早く食おうぜ! 食おう!」ウキウキ

ジョナサン「はいはい、みんな手を洗ってからだよ」

仗助「でもいいんスか、ジョナサンさん」

承太郎「!」

ジョナサン「ん?」

仗助「だってこんな夜中っスよぉー? エリナさんも虫歯になるから夜に甘いものはダメって言ってたじゃあないっスかぁー」

ジョナサン「あー……」

承太郎「……」

ジョナサン「ハハ、そうだね。だからこれは皆の秘密だよ」

承太郎(くっ、やはりダメか)

仗助「うっス……わかりました……」

仗助「……く」ゴゴゴゴゴゴ


仗助(グレート……まずいことになっちまったぜェェ~~!)


仗助(この東方仗助は別にいわゆる『マッチョ』のレッテルを貼られてなんていねえ)

仗助(けれどもうすぐサマーシーズン! 海だって行きたい! プールだって行きたい! キレーなオネーちゃんの視線を集めたい!)

仗助(そのためにはこの冬についついバカ食いして溜め込んじまった脂肪をなんとかする必要があった)

仗助(食べ盛りな時期に無理してここまで絞ってきたのに……ケーキ……ケーキだとぉぉ~~チクショォ~~!)

承太郎(たかがケーキ一個……されどケーキ一個だ……)

仗助(脂肪と糖分に飢えた体にこれはキピシーッ!)

承太郎(なんとか回避してえところだが……!)


ジョセフ「なんだぁ~~? おめーら突っ立ってよ~~食わねえの?」


承仗((食べたい……ッ!!))



仗助(ヤッロォォ~~!! あのクソジジイ! 箱を食卓に置いちまいやがった!)

承太郎(これでみんなで茶でも飲みながらケーキを食べて家族団らんって流れになっちまったか……)


ジョナサン「フンフン」


承太郎(事実、ジジイのジジイはさっそく紅茶の用意を始めているようだ)

仗助(ヘビィな状況だぜ……確実にこのままじゃあヤベエ……がッ!)

承太郎(体重制限のことは……血族の誰にも知られたくは……ねえ。プライドがある)

仗助(こんな『まるで女』みてえな悩みをよぉ~~! 特にこの人らマッチョの代表みてえな人種にはよぉ~~!)



承太郎(それにおれには想像できるぜ……たとえ恥を忍んで打ち明けてこの『夜中ケーキ』を回避しようとしても……)


ジョナサン『ええ? ぼくにはそんなに太ってるようには見えないけどなあ……大丈夫大丈夫、ケーキの一個くらい。ぼくが君ぐらいの年の頃はもっと沢山食べてたし恰幅も良かったよ』

ジョセフ『ぎゃっはー!! マジぷーッ!? おめーがダイエットォォ~~!? に、似合わねぇぇ~~! ワーハハハハハハハッ!! ……ふぅー笑った笑った。じゃ、ケーキ食おうぜー』


仗助(上から順にこうなるに決まってるぜ……!)



ジョセフ「へっへっへ~~言っておくが一番に選ぶのはおれ! おれおれ! おれだかんねー!」

ジョナサン「ほらほら、ちゃんと人数分は買ってあるから」


承仗(くッ……!)

承太郎(さすがはジョナサン……ぬかりは……ねえか……)

仗助(完璧! 包囲されたって感じだがよォ~~……この仗助くんには見えているぜ。『希望』ってやつがよぉ~~!)

承太郎(おれの記憶に間違いなければ……今日は新月……そしてこの時間帯ならば……)


DIO「もてなされに来てやったぞ! ジョジョーッ!」

ジョルノ「お邪魔します」ペコ


仗助(! やっぱし来たァァ~~!)

承太郎(小にくらしいボディ二人組……だが今日は……歓迎する……ぜ……)



ジョナサン「ウゲッ! ディオ! いらっしゃい!」

DIO「フフフ……ジョジョ、随分な歓迎じゃあないか、こら塩をぶつけるな塩を」

DIO「ンー? なんだ、妙に甘ったるい匂いがすると思えば」

ジョセフ「だー! ダメダメ! これはうちの子達の分ですー!」

DIO「けちけちしおって、一つくらい構わんだろう……と言いたいところだが、このDIOは吸血鬼だからな。そんなものは喰わん」

DIO「茶だけもらおう」

承仗「!!」




仗助(な、なんスってぇぇ~~ーー!?)

承太郎(野郎……どこまでも役に立たねえ蚊トンボだ……)

仗助(いや、大丈夫だ! まだいるぜ、もう一人がよォー!)


仗助「いやぁー!! DIOさんはともかくジョルノはちゃんと人間だし? もてなさねぇーわけにはいかねえっスよねえー!」

仗助「ねえジョナサンさん!? ここぁひとつ年が近いおれがガマンして譲ってやりますよー……ケーキ」


承太郎(なッ……!)ドドドドドド



ジョルノ「しかし、押しかけてきた身ですし……」

仗助「いいからいいから! 遠慮すんなってェ~~!」

承太郎「ちょいと待ちな」

仗助「!」

承太郎「年下に我慢させてのうのうとケーキを食うなんざ許されねえことだぜ……」

承太郎「ここは二人ともに面識のあるおれが」

仗助「いやいや! そんなぁー! 承太郎さんにそんなことさせられねぇーっスよぉー!」

承太郎「……」カチャッ シュボッ

承太郎「目上の厚意ってもんは……黙って受け取っておきな……仗助」フゥーッ

仗助「……!」ゴゴゴゴゴゴ



仗助「……目上っつーのはよぉ~~」

承太郎「……?」

仗助「目上っつーのは年は関係ないんじゃあねっスかねぇ~~」

仗助「おれと承太郎さんは血縁的には叔父と甥っスよねぇー! 『目上』っつうんならよぉ……おれの方じゃあねーんですかいーッ! 承太郎さん!」

承太郎「何ッ……!」

仗助「叔父さんが甥っ子にこーゆーの(夜のおやつ)譲ってやるのは当然じゃあないっスかぁー!?」

仗助「そっちこそ……グダグダ言わんと黙ってもらってやってくださいよーッ! 承太郎さん!」

承太郎「ッ!」

仗助(やった! モタついている! あの承太郎さんが!)

仗助(勝ったッ! 第三部完ッ!!)


ジョルノ「ちょっと待ってください」


承仗「!?」



ジョルノ「さっきから二人の会話を聞いていましたが……ぼくこそが二人に譲るべきなんじゃあないんですか?」

ジョルノ「ぼくは仗助にとって大叔父ですし」

仗助「!」

ジョルノ「と、いうかケーキはもともと君らのために用意されたものですし……二人で食べてくださいよ。それでいい、それがベストだと思いますがね」


仗助「ウ、ウグゥーッ!」

仗助(しまったぁ~~! 墓穴を掘ったぁ~~!)

承太郎(……しめたぜ)



承太郎(光明が見えた……!)

承太郎(これで仗助が血族の序列を否定する発言をすれば、また年上だからということでおれが一人『夜中ケーキ』を回避できる……)


仗助(今のこれは……八方塞がりってやつだぜ! チクショォ~~!)

仗助(ジョルノ! こいつさえいなけりゃあ……!)


ジョルノ「……?」

ジョナサン「ほらほら、三人とも譲り合いはもうやめるんだ」

ジョナサン「ぼくがジョルノに譲るよ。それで解決だろう?」


承仗「!?」ドォンッ



承仗(な、な、な、何ィィィ~~!?)

承太郎(しまった! 忘れていた! 侮ってはならねえジョナサンの紳士力を!)

仗助(完全に逃げ場を絶たれたッ! ウウッグゥー……!)ドドドドドド


DIO(なぜ『たかがケーキ』であんなに凄みを出しとるんだヤツ等は……)

ジョセフ「まだー?」チンチン

ジョルノ「……」



ジョルノ(マズイ……非常にマズイぞ……この状況!)

ジョルノ(このジョルノ・ジョバァーナはいわゆる『いくらプリンを食べても太らない恵まれた体質の美少年()』のレッテルを貼っている……自分で)

ジョルノ(組織の者達にもそういうイメージがつくように陰ながら努力してきたんだ)


 ミスタ『おめーもっと食えるだろ? 太らねえし』

 シーラE『キャーー!! 細マッチョ素敵! ジョルノさまァァァ~~!!』

 ムーロロ『ジョルノさま! ジョルノさま!』

 フーゴ『ジョジョ! ジョジョ! うおおおおおおおおおお!!!』


ジョルノ(ふざけるなよミスタ! 万年ヘソなんぞ出している貴様に分かるかッ! 表紙で脱ぐためにぼくのしてきた血の滲むような努力をッ!)



ジョルノ(美少年()は太ってはいけないし……ボスは必死こいているところを部下に見せてはいけないんだ……!)

ジョルノ(今の体型を維持するためにはもちろん『夜中ケーキ』なんて論外! 今までの苦労が無駄になる!)

ジョルノ(回避しなければ……なんとしてでも『夜中ケーキ』は回避しなければ……)


ジョルノ「お気持ちはありがたく受け取っておきます、ジョナサンさん」

承仗「!」

ジョルノ「けれど申し訳ない、ぼくはケーキが苦手で……」

DIO「うそをつけ、おとといムシャムシャ食っていたじゃあないか」

ジョルノ(ビチグソが……ッ)



ジョルノ「いきなり嫌いになりました。特にあの生クリームと果実のハーモニーが生み出す圧倒的甘味空間の小宇宙は大嫌いです」ブルブル

DIO「お、おう……」

ジョナサン「安心するんだジョルノ! そんなこともあろうかと……」

ジョナサン「ケーキのほかにプリンを買ってある!」ドバァンッ

ジョルノ「ぐ、ぐぐぅーーっ!」







ジョルノ(なんてことだ……よりにもよってぼくの好物を! これでは断る理由がない!)

ジョナサン「さあみんな、そんな戦闘態勢みたいなポーズで間合いをとっていないで、席につくんだ」

DIO「ウム。そろそろ紅茶も頃合だな」

承仗ジョル「……!」

ジョセフ「……」

ジョセフ「おめーらさあ~~さっきからなぁーんか挙動がおかしいけど、もしかして気にしてんのか?」

承仗ジョル「!」

ジョナサン「え?」

DIO「どういうことだ。説明しろジョセフ」

ジョセフ「いやぁーだからさあー、夜中にケーキなんか食って太らねえかなーってのを気にしてんじゃあないのって言ってんだよォー」

承仗ジョル「まさか!」

ジョルノ「ぼ、ぼくはいくら食べても太らない神に愛され体質の美少年()ですよ!?」

仗助「おおおれだって体型とか今まで一度も気にしたことなんかねーですしーーッ!!??」

承太郎「やれやれ! 馬鹿馬鹿しいぜ! やれやれだぜ!」

ジョナサン「? じゃあ席につこうか」

承仗ジョル「」


 バァァーーz___ンッ




ジョセフ「やっピー! ケーキだケーキだぁ~~!」チンチン

ジョナサン「ジョセフ、マナー!」

仗助「グゥーウウッー……!」


ジョルノ(万事休すか……このままでは……)

承太郎(何かねえのか……突破口は……!?)

仗助(食うしかねえのかなぁ~~夜中に! ケーキをよォ~~……!)


ジョセフ「じいちゃん! プリンのほかは何買って来たんだよォー! 早く開けて開けてー!」

ジョナサン「はいはい、それじゃあ……」


 パッカァァ…


承仗ジョル「!!」



承太郎(心の中心にしのびこんでくるような芳醇な香り……)

仗助(黄金色に輝くフルーツ……透き通るような白いクリーム)

ジョルノ(高カロリーとは思えないような爽やかさ……)


承仗ジョル(『夜中ケーキ』を本当に恐ろしいと思ったのはそのときだった……やつらはなんと……おいしそうなんだ! 甘い誘惑があるんだ……! だからこそ……恐ろしい!!)


ジョセフ「じゃあおれこのチョコケーキ! もらったぜー!」

ジョナサン「オーケー、他のみんなは……」

承仗ジョル「ウオオオオオオオオオ!!!」


 グワシャァッ


ジョナサン「!? み、みんなー!?」

DIO「妙にデジャヴな逃げ方だったな……」

ジョセフ「うめー! このチョコとケーキがアレして……これうめぇーわグー!」



承太郎(おれたちは必死に走った……食おうなどとはちょっと考えた……)

仗助(でも……なんでっスかね、承太郎さん……ケーキを食うより、走っているほうが安心感があるのは……)

ジョルノ(確実に痩せるという安心感……それがぼくたちの望んでいたものなのか……)

承太郎(こいつら……直接脳内に……)



承太郎(おれたちは一晩走り……そして長い夜が明けた……)

仗助(ジョギングを終えて帰ったらケーキは全部食われてたからジジイは二三回小突いといた……)

ジョルノ(だけどぼくたちに絶望はなかった……ただ、満足感だけが……)



  ――数週間後


ジョセフ「オーッ! ノォーッ!!」

ジョナサン「どうしたんだいジョセフ、大声出して」

ジョセフ「どおしたもこーしたもねーよぉー! おれの! おれの逞しい腹筋ちゃんがぁ~~ッ!」

ジョセフ「あ、あ、あ、……『ない』ッ!」

ジョナサン「これは……」


仗助「あーあーバカ食いするからそーいうことになるんスよぉ~~」

ジョルノ「基礎代謝以上に食べれば太るのは当然なんだ……スポーツをオススメします」

ジョナサン「最近は夜食も増えてたからなあ……」

ジョセフ「ウググゥ~~! でもあーんなにチョッピシだったのによー!」

承太郎「……フン」


承太郎「『その一口がブタのもと』ってワケだ……やれやれだぜ」



<おしまい>



ジョセフ(……なんでジョルノおれんちにいるんだろ……)


おしまいです。
ありがとうございました。
特定はカンベンしてください。

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