のび太「ドラえもん!コピーロボット出してよ!」 (14)

ドラえもん「え?なんで?」

のび太「うん……ちょっとね……」

ドラえもん「……」

のび太「……」

ドラえもん「……また、ジャイアンたち?」

のび太「……」コクリ

ドラえもん「はぁ……。で?今日は何があったの?」

のび太「……うん。実は――」

~1時間前、下校~
のび太『し~ず~か~ちゃん!』

しずか『あら、のび太さん』

のび太『今日一緒に遊ばない?』

しずか『ええ。いいわよ』

のび太『やった!じゃあすぐに行くからね!』

しずか『ええ。わかったわ』

のび太『しずかちゃんを待たせないようにしなきゃ!早く帰ろう!』

タタタタ……

ドン

のび太『あいた!人にぶつかっちゃった!ご、ごめんな――』

ジャイアン『お?のび太じゃねえか』

のび太『あ、ジャイアン。それにスネ夫』

ジャイアン『ちょうどよかったぜ。おいのび太。今から我らがジャイアンツの試合なんだよ。お前も来い』

のび太『ええ!?今日は、ちょっと……』

スネ夫『来られないって言うのか!?のび太のくせに生意気だぞ!』

のび太『そ、そういうわけじゃ……』

ジャイアン『じゃあ大丈夫だな。2時間後、河原に来いよ』

スネ夫『遅刻すんなよ!』

スタスタ……

のび太『……どうしよう……』

ドラえもん「……つまり、ダブルブッキングしちゃったってこと?」

のび太「……うわああん!どうしよう!」

ドラえもん「まったく!行けないなら断ればいいだろ!」

のび太「無茶言わないでよ!断ったら何をされるか分かったもんじゃない!」

ドラえもん「まあ、それはそうだけど」

のび太「ドラえもん!なんとかしてよ!」

ドラえもん「……もう。しょうがないなぁ」ゴソゴソ……

のび太「コピーロボット出してくれるの!?」

ドラえもん「コピーロボットは、修理中でないんだよ」

のび太「え!?じゃあどうするの!?」

ドラえもん「いいものがある。ええと……」ゴソゴソ…

パンパカパーン!!

ドラえもん「分身植物培養セット~!」

のび太「なにそれ?」

ドラえもん「うん。これはね、分身を作る植物を育てる道具なんだ」

のび太「分身を、育てる?」

ドラえもん「そうだよ。まあ口で言ってもわかんないだろうから、とりあえずやってみようよ」

ドラえもん「まず、キミの髪の毛をもらうね」

プチッ

のび太「痛っ!」

ドラえもん「で、この髪の毛をこの種の中に入れる」ゴソゴソ…

のび太「ふんふん」

ドラえもん「それで、この種をこの植木鉢に植える」ゴソゴソ…

のび太「へえ」

ドラえもん「後はこの水をかければ……」サァァァ……

ピョコン

のび太「あ!芽が出た!」

ムクムクムク……

のび太「うわぁ。どんどん成長してる」

ドラえもん「あっと言う間に大きくなるんだよ」

のび太「うわぁ……大きな木の実……」

ドラえもん「そろそろいいかな。これを、落とす」

ブチッ
……ポトン

ドラえもん「それで、この実を割ると……」

パカッ

のび太「こ、これは……!?」

ノビタ「……」

のび太「僕が、出てきた!?」

ドラえもん「簡易的なクローンみたいなもんだよ。はいノビタくん。自己紹介」

ノビタ「……はじめまして。僕、ノビタ」

のび太「声までそっくり……」

ドラえもん「分身だからね。じゃあノビタくん。河原に行って、ジャイアン達と野球してきて」

ノビタ「……うん。わかった」スタスタ……

のび太「……なんか、やけに大人しいね」

ドラえもん「ああ、そうなってるんだよ。分身ではあるけど、あんまり自我が強いと、色々面倒なことになるからね」

のび太「面倒なこと?どんな?」

ドラえもん「う~ん……説明は難しいけど……。ま、とにかく面倒なんだよ」

のび太「ふ~ん……。まいいや。しずかちゃんちに行ってこよ!」ダッ

ドラえもん「あ!のび太くん!……もう……」

~河原~

スタスタ…

ノビタ「……」

ジャイアン「おいのび太!遅ぇぞ!」

スネ夫「試合が始まっちまうだろ!」

ノビタ「ごめん……」

ジャイアン「ほら!さっさと守備につけ!試合始めるぞ!」

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