――提督執務室

提督「おかえり飛鷹、今月もサーモン海域お疲れ様」

飛鷹「どういたしまして提督」

提督「そして99Lvおめでとう」

飛鷹「それはまぁ……ありがとう」

提督「……こうして二人きりだと昔を思い出すな」

飛鷹「昔？ 貴方が酔っ払ってセクハラしてきた時のことかしら」

提督「それは……忘れてくれるとありがたい」

飛鷹「嫌よ。これでも一応貴方との思い出だもの」

提督「……最初に会った時を覚えているか？」

飛鷹「まぁね。正直あの時はこの艦隊で大丈夫かなって心配になったわ」

提督「俺はむしろ安心したな。初めての軽空母で、あの頃は軽巡が主力だったからな」

提督「そして君は、私の予想以上の活躍をしてくれた」

提督「バシー島沖を初め、沖ノ島海域では赤城と制空を支え、艦隊を勝利に導いてくれた」

飛鷹「……懐かしい話ね」

提督「それだけじゃない」

提督「アルフォンシーノ。カレー洋。カスガダマ。珊瑚海域」

提督「そして毎月のサーモン海戦……飛鷹にはいくら感謝しても足りないぐらいだ」

飛鷹「……提督、これだけは忘れないで」

飛鷹「頑張ったのは私だけじゃない」

飛鷹「共に制空を支えてくれた空母の皆」

飛鷹「妖精さん達に貴方の指揮」

飛鷹「どれか欠けていたら成し遂げることは出来なかったわ」

飛鷹「何が言いたいのかと言うと、その……」

飛鷹「貴方にも感謝してるわ。提督」

提督「……なんだかむず痒いな」

飛鷹「そうね」

飛鷹「でも、あれはどうかと思ったわ」

提督「あれ？」

飛鷹「本土近海防衛戦」

提督「……あぁ」

飛鷹「せっかく応急修理要員を積んでいたのになぁ……」

提督「すまないあの時は嫌な予感がしてな」

飛鷹「積み忘れたと思ってた。慢心ね」

飛鷹「初心忘るべからず、よ」

提督「耳が痛いな」

飛鷹「また同じ間違いしたらダメよ？」

提督「そうだな」

提督「さて飛鷹、君には渡したい物がある」

飛鷹「……何？」

提督「この指輪を受け取ってくれないか？」

飛鷹「……」ﾎﾛﾘ

提督「君との思い出は特別だ」

提督「他の子もだが、君には感謝してもしきれないほどだ」

提督「だから、受け取ってくれないか？」

飛鷹「……」ｸﾞｼｸﾞｼ

飛鷹「まあ受け取っておくわ」

提督「ありがとう飛鷹」

飛鷹「まったく……一体私で何人目かしら？ 貴方とケッコンしてる艦娘は」

提督「ああ……18？」

飛鷹「節操ないわね」

提督「ケッコンカッコカリは絆の証。友情、信頼、愛情。絆の形は一つじゃないから……」

飛鷹「言い訳かしら？」

提督「……」

飛鷹「まあ、いいわ。それで問題はちゃんと私にも愛情を注いでくれるの？」

提督「ああ、これからも末長くよろしく頼む」

提督「愛してるよ、飛鷹」