提督「俺やっぱりゲイなんだけど?」 (62)

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提督「俺ゲイなんだけど」 - SSまとめ速報
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提督「……」

電「お、おかえりなさいなのです!」

提督「……」

電「お、お久しぶりにお会いしたけどお元気そうなのです!」

提督「……」

電「え、えーっと……艦隊の練度も順調にあがって海域の攻略も順調なのです」

提督「……」

電「……」

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提督「……ねえ」

電「……はい!」

提督「なんで呼び戻されたの?」

電「そこまでは一介の秘書官に過ぎない電には……」

提督「……そう」

電「あ……アメリカはどうだったのです?」

提督「うん……たのしかったよ……うん、まぁ」

電「それはよかったのです」

提督「俺が連れ戻された当日さ、いい感じのバーで現地の日系のいいやつを口説いてたんだよ」

電(……聞きたくないのです)

提督「そしたらさ、日本のいかにもエリートな外交官が俺のこと捕まえてさ、『日本に帰れこれは命令だ』って」

提督「もう俺民間人だよ?おかしくない?」

電「……」

提督「理由をきいてみたら高度な政治的な問題だとかで……」

提督「つまりどういうこと?」

提督「また俺を地獄に縛りつけるつもり?」

電「お、お国のためなのです!愛国心なのです!」

提督「そのために俺の愛を犠牲にするんだ……」

電「いまは戦時中ですから……」

提督「ねえ?軍法会議はどうしたの?」

提督「なんで当然のようにもとの椅子に座ってるの?」

電(艦娘がクーデター起こしかけたからとは言えないのです……)

電(ここの司令部は軍部全体で腫れ物あつかいなのです……)

電(それでいて結果は残しているから……)

提督「……変わってないね何もかも」

電「は、はい!」

提督「まあ俺のケツの穴は白人受け入れてでっかくなったんだけどな!」

電(うわあ……)

提督「それで?ケッコンカッコカリ?もう俺の性癖ばれてるし、しなくても大丈夫でしょ?」

電「えーっと……そのー……」

提督「えっ」

電「皆さん提督のことはすでにご存じなのですが……ケッコンしてから育まれる愛もあると……」

提督「えっ」

電「これから愛を育んでいく方面に移行しつつあるというか……」

電「最初の頃やさしくされた思い出を忘れられないというか……」

電「と、とにかく、最低一人は決めてもらわないと困るのです!」

電「電が作戦本部から叱られるのです!」

>>7 訂正

提督「それで?ケッコンカッコカリ?もう俺の性癖ばれてるし、しなくても大丈夫でしょ?」

電「えーっと……そのー……」

提督「えっ」

電「皆さん司令官さんのことはすでにご存じなのですが……ケッコンしてから育まれる愛もあると……」

提督「えっ」

電「これから愛を育んでいく方面に移行しつつあるというか……」

電「最初の頃やさしくされた思い出を忘れられないというか……」

電「と、とにかく、最低一人は決めてもらわないと困るのです!」

電「電が作戦本部から叱られるのです!」

提督「……本当のところは?」

電「誰にもバラしてないのです……」

電「こんなこと誰にもいえないのです……」

提督「ああ、うん気を使ってくれたのねありがとう」

電(……下手につついたらモチベーションダダ下がりなのです)

提督「あれ?加賀とかすでに知ってるよね?それでもケッコンしたがってるの?」

電「男の過去を探らないのも妻としての資質だとか……」

提督「うわあ……」

電「そ、それで今夜は艦隊の皆で歓迎会を開くのです!」

電「楽しみに待っててくださいね!」

電「それで……お昼ご飯はもう食べましたか?」

提督「うん……食べたよ」

提督「久しぶりってことで気合の入った手料理作ってもらって……」

提督「やっぱり和食はいいなあ……」

電「何を食べたのですか?」

提督「……」

電「??」

提督「……離乳食」

電「えっ」

提督「将来食べさせる用の離乳食がテーブルに所狭しと並んだ」

提督「だれの子供にあげるんだろうね?おかしいね?」

電「……」

提督「薄味だったけどさあ……大人用に量もしっかりあってさあ……」

提督「満足したよ……うん、満足した」

電「そ、それはよかったのです」

提督「数人で作ってくれたんだけど途中で何人か抜け出したりしたんだよ」

提督「つわりがひどいんだって」

提督「おかしいね?相手は誰なんだろうね?産休取ればいいのに」

電「……」

提督「酸っぱいものとかみんな食べてるらしいね?大変だね」

電「け、健康的でいいじゃないですか!」

提督「それで食後に購買部行ったのよ」

電「なにか面白いものありましたか?」

提督「紙おむつ」

提督「俺が出ていく前はマタニティグッズくらいしかなかったのに……」

提督「ついにいくとこまでいきついたよね」

電「」

提督「廊下歩いてると膨れてないおなかさすりながらこっち見て『ほーらパパでちゅよー』って」

提督「身に覚えがないんだけど?」

提督「ねえ?」

電「……」

提督「今からでも電と偽装結婚……」

電「やなのです」

提督「だよなあ」

提督「それが普通だと思うよ」

提督「異性と同じ部屋で寝泊まりするとかさすがにお断りだよ」

電(……こんな電でもケッコンにあこがれていたことは忘れたいのです)

提督「はぁ……なんでこんなことになってるんだか」

電「司令官さんがさっさと手を出しておけば……」

提督「それは無理」

電「いまからでもそこをなんとか……」

電「とりあえず一人とケッコンすればしばらくは……」

提督「それは不誠実でしょ」

電(逃げ出したくせにどの口で言うのです……)

提督「あっそうだ」

提督「俺アメリカに亡命したことになってるじゃん?」

電(苦肉の策だったのです……)

提督「向こうで妻子持ったとかそういう設定どうよ?」

電「さすがにそれは……」

提督「妻を優先するため結婚は出来ないと突っぱねるのはどうだろうか」

電「苦しくないですかね?」

提督「俺のこと知ってるやつには向こうでバイとして覚醒したことにしようそうしよう」

電「やまとなでしこ……」

提督「えっ」

電「以前大和撫子ならいいと……」

電「みなさん着物の着付けとか勉強してたのです……」

提督「ほら、あれだよ大和撫子って絶対にたどり着けない境地っていうか」

提督「こうあるべしっていう目標というか……」

電(……暴動が起きるのです)

電「じゃあもうどういう人種ならいいのですか!?」

提督「その……見た目だけならがっしりとしたタイプならいいっていうか……」

提督「おれのこと大切にしてくれる人ならなおいいっていうか……」

提督「うん、俺尽くすよ」

提督「がんばって毎日家事とかも担当するよ」

提督「えへへ」

電(この気持ちのほんの少しだけでも女性に向いてくれたら……)

提督「やっぱり最初は事実婚っていうかんじでえ」

提督「二人だけの時間を大切にしたいかな」

提督「それから出来ることなら養子をもらったりして」

提督「子供を大学にまで出してあげたあとはまたふたりで……」

提督「……」

提督「人生設計どうしてくれんの?」

電(辛い)

電(ただただ辛い)

提督「よし、とりあえず目先のことを乗り切るために設定を考えよう」

提督「そうだな……結婚相手の年齢は二歳下の人で」

提督「お互いに一目ぼれですぐに同棲を始めたと」

提督「それから子供ができて」

提督「娘ってことにしとくか」

提督「何か質問は?」

電「もうそれでいいんじゃないですかね」

提督「ふぅ……これをもっと詰めれば乗り切れそうかな」

電「……そうですね」

電(もうだめかもしれないのです)

提督「疲れたなあ……憲兵見ながらお茶でも飲むか」

提督「電もなにか飲む」

電「いただくのです」

提督「たしか前と同じならここの棚に飲み物が……」ゴソゴソ

提督「あっ……」

電「どうしたのです?」

提督「……ここの飲み物の管理とか誰がやってるの?」

電「司令室の手入れは手の空いてる人が……」

提督「大量の赤マムシドリンクが常備されてるんだけど」

提督「メッセージ付きで」

電「……」

提督「わあうれしいなあ」

提督「『今晩お待ちしてますね』だって」

提督「……うれしいなあ」

提督「今日の歓迎会でなくてもいいかな?」

提督「なんかもうあれだよ」

提督「身の危険しか感じない」

提督「うれしくない愛って世の中にあるんだね」

電「……」

提督「ねえ?もし歓迎会でカミングアウトしたらどうなると思う?」

電「……思い出を綺麗なままにするために心中を試みる艦娘が出そうなのです」

提督「うわあ……うわあ……」

提督「やっぱり歓迎会の前に電と結婚を……」

電「やなのです」

提督「知ってた」

提督「もうどうすればいいんだよ!」

提督「憲兵さん助けて!」

提督「憲兵さーん!」

電「すでに買収済みなのです……」

電「そもそもケッコン関連は憲兵さんも黙認みたいで……」

電「家庭を持つと真剣度が変わるという調査結果があるとか……」

提督「もうだめみたいだな」

提督「だめだ……これはもうだめだ……」

提督「いっそのことここで日本男児らしく割腹するしか……」

??「お待ちください」

提督「えっ」

加賀「ここは私にお任せください」

提督「マジで?」

加賀「私にかかれば万事順調です」

電(不安しかないのです)

提督「それで?どうすればいい」

加賀「とりあえずこの書類にサインをお願いします」

加賀「必要なことはすべて記入済みですので」

提督「ん?」

加賀「その後の歓迎会では正式に夫婦として振舞います」

加賀「いままで必要以上にスキンシップをとってこなかった提督ですから」

加賀「大勢の前でそのようにすれば他の子たちの衝撃もおおきいはずです」

提督「いや……俺ゲイ……」

加賀「後は新婚の親密なところをアピールできればいいのです」

加賀「歓迎会のあとは新しい私室で二人の時間を過ごしましょう」

提督「いや……その……」

加賀「いやならいっそばらしましょうか?」

加賀「何人が自殺を図り、何人が心中を試みるでしょうか」

提督「えっ……あっ」

加賀「提督は人よりも多少愛が深いだけなのです」

加賀「私の差し伸べられる手はこれが最初で最後です」

加賀「正しい選択肢を提督ならお分かりだと思います」

加賀「それでは……よくお考えを」

加賀「事実はあとからついてきますから……」

提督「……」

電(いちばん知られちゃいけない人に事情を知られているのです)

加賀「それでは……私は一旦失礼します」

加賀「ふふふ……」

提督「……」

加賀「……あらっだめよお腹の中であばれちゃ……お父様はこれから大事なお仕事のじかんですからね」スリスリ

加賀「部屋にお兄ちゃんも待ってるからそっちで一緒にまってましょうね」スリスリ

提督(いよいよやばい)

電(いよいよやばい)

提督「……もう加賀は行った?」

電「……行ったのです」

提督「おれいつの間にか二児の父親になってたんだけど」

電「……そういうこともあるのです」

提督「身に覚えないんだけど」

電「た、多少の間違いは……」

提督「ない」

提督「絶対ない」

提督「どうするんだよ」

提督「窓の外とか憲兵さんがこっち見ててちょっとうれしいんだけど明らかに逃げないように監視してるよね?」

提督「どうしてこうなっちゃったのかな」

電「邪な気持ちで海軍にはいったのが駄目だったのです」

提督「海の男にあこがれなければなあ」

提督「こんな状況じゃなければあんなにいい男に見つめられてうれしくないわけがないんだけどなあ」

提督「左に立ってるほう好みだわ」

電「もう加賀さんの書類にサインするしかないんじゃないですか?」

提督「……」

提督「……電は憲兵買収とかしてないよね?」

電「あたりまえなのです」

提督「あの左の憲兵さん真面目そうだよね」

電「たしかにしっかりと仕事をしてくれそうなのです」

提督「……」

提督「すまない電、俺はなにも感じないから」ガバッ

電「えっ…ふぁーーーーーーーっ!!!!!」

憲兵「!?」

憲兵「貴様!何をしている!」バッ

提督「うわっ何をする!」ニヤニヤ

憲兵「わざわざ特例で戻されたというのに貴様……!」

憲兵「日本男児の風上にもおけん!」

提督「うわっやめろ!そんなに手荒に扱うな!……へへ」

憲兵「しゃっきりしろ!連行する!軍法会議を待て!」

提督「へへ……悪かったな電」

提督「万が一戻ってくることがあったら何でも言うこと聞いてやるよ」

憲兵「黙れ!さっさと歩け!」

提督「すみませんねえ……へへ」

電(にやにやしてて気持ち悪いのです)

提督は軍法会議にかけられることとなった

しかし既に買収は軍の上層部にまでおよび形式だけに過ぎない

男のやったことは単なる時間稼ぎでしかなく、問題を先送りにしただけである

しばらくの後腫れ物扱いの司令部の制御装置として再び戻されることとなりつつも結婚の話は正式に先送りということになった

建前上は保護観察を含めた特別な措置であり男の身辺には監視として常に憲兵がつくこととなった

提督はささやかな幸せをてにいれたのだ


おしまい

僕はゲイではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月11日 (水) 01:54:59   ID: _pzvFIj8

ホモは嘘つき

2 :  SS好きの774さん   2015年03月16日 (月) 10:46:34   ID: dAb7_76e

司令部の闇は深い

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