穂乃果「ことりちゃんの机にお花を飾っといたよ!」 (172)

穂乃果「えへへ、喜んでくれるかなことりちゃん」

海未「はい、綺麗ですね、穂乃果」

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海未「これならきっと、ことりも喜んでくれると思います」

穂乃果「やったぁ!海未ちゃんのお墨付きだよ!」

穂乃果「きっとことりちゃんにぴったりだと思ったんだ、白くてちっちゃいお花」

海未「はい…ことりはその名前の通り、小鳥のような可愛らしさと、場を和ませるオーラの持ち主でしたから…」

穂乃果「海未ちゃん…?」

海未「本当にことりにぴったり…ことりの代わりに、ここにいるにはこれ以上ないくらい…」

穂乃果「う、海未ちゃん!?なんで…」

穂乃果「なんで泣いてるの…?」

海未「泣いてなんか…いません」

穂乃果「うそ!だって…」

海未「泣いていません」

穂乃果「海未ちゃん…」

穂乃果「もう、変な海未ちゃん」

穂乃果「じゃあ行こ?ことりちゃんが待ってるよ!」

海未「はい…」

ガララ、パタン

ヒデコ「ねえ、あの2人…」

フミコ「…」フリフリ

穂乃果「ね、久しぶりだね、ことりちゃんのお家」

海未「はい、最近はことりに会うときはいつも病院でしたから」

穂乃果「やっぱり嬉しいだろうなぁ…久しぶりのお家だもん」

海未「そうですね、やっぱり自分の家というものは落ち着きますし…何より、他の何事にも代えられない家族がいますから」

穂乃果「む…それだと穂乃果たちはその次?」

海未「そんなことはありません…私も、自分の家族の誰かか、穂乃果やことりのどちらかを選ばないといけないことになったら…」

海未「きっと、いつまでも答えは出せません」

海未「きっと、ことりも同じだったと思います」

海未「穂乃果はそうではないのですか?」

穂乃果「ううん、私も同じだよ、海未ちゃん」

穂乃果「お父さんやお母さんと、海未ちゃんたちのどっちが大事かなんて…決められないや」

穂乃果「うん、穂乃果がばかだったよ…ことりちゃんもきっと、そうだったに決まってるよね」

海未「はい、ですから…」

海未「ちゃんと見送ってあげましょう、私たちで」

穂乃果「…もうすぐだね」

海未「はい、その角を曲がれば…」

ザッ…

穂乃果「…っ」

海未「…」


穂乃果「…いっぱい、人がいるね」

海未「…はい」

穂乃果「私たちも行こう、海未ちゃん」

海未「…」

穂乃果「海未ちゃん…?」

海未「…駄目です」

穂乃果「何が駄目なの?ことりちゃん、きっと海未ちゃんのこと待ってるよ?」

海未「わ、私…やっぱり帰りますっ!」ダッ

穂乃果「あ!」

海未「…っ!」タッタッタッ…

穂乃果「ちょっと!なんで逃げるの!?海未ちゃん!」タッタッタッ

海未「無理ですっ!だって、あの中には…っ!」タッタッタッ

穂乃果「海未ちゃんはことりちゃんに会えなくてもいいのっ!?」

海未「!」

海未「あっ!?」ガク

ドサッ

穂乃果「海未ちゃんっ!?」

海未「くう…っ、痛っ…」

穂乃果「大丈夫?海未ちゃん」

海未「はい…すみません、穂乃果」

穂乃果「でも海未ちゃん、血が出てる…」

海未「平気です」

穂乃果「もう!急に逃げたりなんてするからだよ!」

穂乃果「ことりちゃんから逃げるなんて、ことりちゃんが聞いたら泣いちゃうよ、きっと」

海未「そうですね…本当にすみませんでした…」ヨロヨロ

穂乃果「歩ける?」

海未「はい、大丈夫です」

穂乃果「無理しちゃダメだよ、海未ちゃん」

穂乃果「ハンカチしかないけど…」ゴソゴソ

海未「穂乃果…」

穂乃果「こうして…こう」キュ

海未「ありがとうございます、穂乃果」

穂乃果「えへ、どういたしまして」

穂乃果「どう、落ち着いた?」

海未「はい…」

穂乃果「じゃあ…行こっか」

海未「…」コクリ


ザッ…

「うぅ…いい子だったのに…どうしてこんな…」

「若いのに可哀想になぁ…」

「まったくです、アイドル、軌道に乗ってたんでしょう?」

海未「…」ギュ

穂乃果「手、痛いよ…海未ちゃん」ギュ

理事長「あら、2人とも…」

穂乃果「あ…」

海未「…っ!」

理事長「来てくれたのね…ありがとう」

理事長「さ、こっちよ…あの子に、会ってあげてね…」

穂乃果「は、はい!」

海未「お邪魔します…」ペコリ

理事長「この部屋よ」

海未「…」ガタガタ

穂乃果「海未ちゃん…」ギュ

理事長「ことり、穂乃果ちゃんと海未ちゃん、来てくれたわよ」

ことり「」

穂乃果「ことり…ちゃん…」

海未「…」

穂乃果「えへ…よく眠ってるね、ことりちゃん」

理事長「…っ」

海未「穂乃果…」

穂乃果「ね、ことりちゃん…今日はどんな夢を見てるのかな」スッ

海未「ほ、ほの…うぅっ…」

穂乃果「ことりちゃん、よく私をお部屋まで起こしに来てくれたでしょ?」ナデナデ

穂乃果「これじゃ逆だよね…そろそろ起きてよ、ね…?」

海未「ぐすっ…うぁぁ…ことりぃ…っぐ」

穂乃果「もう、海未ちゃん!海未ちゃんも一緒に、ことりちゃんを起こしてよ!」

海未「ぐすっ、ぐすっ、うぅぅぅ…」ガクリ

穂乃果「ちょっと、海未ちゃん!?」

海未「うわあああぁーっ!!ことり、ことりぃーっ!うあぁあぁぁ…!!」ボロボロ

穂乃果「だめだよ…海未ちゃん…」ジワ

穂乃果「ことりちゃんは…っく、ことりちゃんはまだ…うぅぅぅ…」

海未「うわぁあぁぁあぁ…ことりぃ…うあぁぁあぁああぁ…」

穂乃果「海未ちゃん…ないちゃダメだよ…っく、ぐすっ、えぐっ…」ポロポロ

穂乃果「…っ!」

穂乃果「うぇぇぇぇん…ことりちゃぁん…」ボロボロ

海未「ぐすっ…ぐすっ…」ゴシゴシ

穂乃果「っく…ひっく…」

理事長「ありがとう、2人とも…ことりも、こんなに想ってくれるお友達がいて、幸せね…」

理事長「ほら、もう遅いわ…お家の人も心配しちゃうから、そろそろ…」

穂乃果「…」フルフル

理事長「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ことりちゃんと…一緒にいさせて」

穂乃果「お願い!」

海未「私からもお願いします」

海未「どうか、今晩…」

海未「私たちを、ことりといさせてください」

理事長「…わかったわ」

理事長「お家の人にも、ちゃんと連絡するのよ」

穂乃果「はい…」

穂乃果「…」

海未「…」

ことり「」

穂乃果「…ことりちゃん、本当にもう…ずっと起きないんだね」

海未「…」コクリ

穂乃果「ぐすっ…でもよく頑張ったね、ことりちゃん…」ナデナデ

海未「はい…私たちがお見舞いに行っても、ことりはいつも笑顔でしたね…」

海未「本当は苦しかったでしょうに…痛かったでしょう、ことり…」ナデナデ

海未「どうか、安らかに…」

穂乃果「うぅぅ…でも、もう一度ことりちゃんと遊びたかったよぉ…」

穂乃果「もう一度、ことりちゃんとステージに立ちたかった…」ポロポロ

海未「私もです、穂乃果…」

穂乃果「ぐすっ…ぐすっ…」

海未「っく…」ギュー

~~~~~~~~~~~

穂乃果「すぅ…すぅ…」Zzz

…ちゃん…果ちゃん…きて…

穂乃果「…?」

…乃果ちゃん…きて…起きて…穂乃…

穂乃果「…え」

…起きて…穂乃果ちゃん…ねぇ!…

穂乃果「ことりちゃん!?」ガバッ

ことり「あ、よかったぁ、やっと起きた」

穂乃果「嘘…ほんとに…!?」

ことり「うん、ことりだよ!」

穂乃果「こと…むぐっ!」

ことり「しーっ、静かに!」

ことり「おっきな声出しちゃダメだよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「…っ!」コクコク

穂乃果「ほんとに…ほんとにことりちゃんなんだ…」

ことり「うん!」

穂乃果「もう、びっくりさせないでよ…みんな、ことりちゃんのこと、死んじゃったと思ってるんだよ?」

ことり「うん、そうなの…」

ことり「みんなひどいんだよ…ことりのこと、死んじゃったって言って泣いたり…」

ことり「それに、明日にはことりのこと…」ブルッ

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「燃やしちゃうつもりだって…」

穂乃果「ええっ!?」

穂乃果「そんなのおかしいよ!よし、私、今からみんなに言ってくる!ことりちゃんは生きてるって!」

ことり「待って、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「ダメだよ、穂乃果ちゃん…そんなこと言ったって、誰も信じてくれないの」

穂乃果「嘘…」

ことり「だって、私だってじっとして死んだふりしてたわけじゃないんだよ?」

ことり「私は生きてるって…まだ死んでないんだって散々言ったのに…」

ことり「周りの人…お父さんもお母さんも、みんな、ことりが死んだって泣いてるだけだったの」

穂乃果「そんな…どうして」

ことり「わかんない…ねえ、穂乃果ちゃん…」

ことり「私、怖いよぉ…」

穂乃果「大丈夫だよ、ことりちゃん」

穂乃果「私がついてるよ!」

穂乃果「それに海未ちゃんだって」チラ

海未「すぅ…すぅ…」Zzz

穂乃果「もう、海未ちゃんたら」

穂乃果「ことりちゃんが生きてるって知ったら、きっと海未ちゃんも喜ぶよ!」

穂乃果「海未ちゃ…」

ことり「待って!」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「ほら、海未ちゃんは今起こしちゃうと…ね?」

穂乃果「あ、そっかぁ…」

穂乃果「怖いもんね、海未ちゃん」

ことり「うん、海未ちゃんが目を覚ましたら、またお話したいな」

ことり「ところで穂乃果ちゃん」

穂乃果「なに?」

ことり「ことり、このままここにいたら…明日には燃やされちゃうの」

ことり「だから、今のうちにどこかへ逃げようと思うの…だから」

ことり「一緒にきてくれる?穂乃果ちゃん…」

穂乃果「もちろんだよ、ことりちゃん!」

今日はここまで

ことり「やったぁ!穂乃果ちゃんが一緒だったら怖くないよ!」ギュー

穂乃果「もう、ことりちゃん、苦しいよ」

ことり「あ、ごめんね…嬉しくって、つい…」

穂乃果「そういえばことりちゃん、体は大丈夫なの?ずっと寝てなきゃいけないって…」

ことり「うん、もう平気」

ことり「じゃあ行こっ?穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!」

ことり「みんなを起こしちゃったら、ことり、またあそこに寝かされちゃうかもしれないから…」

ことり「そーっと、ね?」

穂乃果「うん、まかせて」スック

穂乃果「ごめんね、海未ちゃん…また、あとで連絡するからね」

海未「すぅ…すぅ…」Zzz

海未「すぅ…うぅ…穂乃果…ことり…」Zzz

穂乃果「!」ビク

海未「すぅ…すぅ…」Zzz

穂乃果「ほっ…びっくりしたぁ…」

ことり「ふふっ、海未ちゃんたらぁ」

ことり「こっちだよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「…」コク

スッ、パタン

ことり「…」クイクイ

穂乃果「…」コクン

ヒタヒタ…

「うぅぅ…うぅぅぅ…」

穂乃果「!」ドキ

穂乃果(この部屋からだ…)ソッ


理事長「うぅぅ…ことり…ことり…わぁぁぁん…」ポロポロ

ことり父「…」ナデナデ


穂乃果「う…」ズキ

ことり「…」グイ

穂乃果「わっ…」

ことり「…見ちゃダメ」

穂乃果「…ごめん」

ことり「ほんとどうしちゃったんだろ…お父さんも、お母さんも」

ことり「ことりは…ちゃんとここにいるのに」

穂乃果「ねえことりちゃん、やっぱりみんなに…」

ことり「ダメ…見たでしょ、お父さんとお母さん…」

ことり「ことりを死んだことにしちゃってるんだよ?」

ことり「今見つかったら…何されるかわかんなくて、それが怖いの…」

穂乃果「でも…」

ことり「行こ、穂乃果ちゃん」グイ

穂乃果「わ、待ってよ」

今日はここまで

ことり「こっち…裏口から出よ?」

ことり「表には今…μ'sファンの人たちが徹夜で詰めかけてるんだって」

穂乃果「わかった!」コソコソ

ガチャ

穂乃果「わっ…寒いなぁ…」ブルッ

ことり「きて、穂乃果ちゃん」

ことり「ひとまず、あそこの公園まで行こうよ」

穂乃果「うん!」

ことり「あそこから出られるよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん、見つからないように気をつけてね…結構、親戚の人とか来てるんだよね?」

ことり「そうだよ…どうしてみんな、ことりに酷いことするのかな…」

穂乃果「考えたって仕方ないよ…でも」

穂乃果「落ち着いてお話したら、きっとわかってくれるはず!」

穂乃果「だからそれまで隠れるんでしょ?」

ことり「うん…でも、どこに行こうかなんて、全然思いつかなくて」

穂乃果「じゃあとりあえず、電車に乗ってみようよ!」

ことり「穂乃果ちゃん、もうこの時間じゃ電車は動いてないよ…」

ガチャガチャ、ギイイ

穂乃果「…っと、開いたぁ…」

ことり「ここの門なんて、もう何年も使ってなかったもんね…結構錆びちゃって…」

「なんか音がしなかったか?」

「えっ、どこで?」

穂乃果「!」ビク

ことり「…」

「…、……」ボソボソ

「…」ボソボソ

「…」

シーン…

穂乃果「…ふぅ」

ことり「あは…びっくりしたね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「行こう、ことりちゃん」

ことり「えへへ…なんかドキドキするね、こんな時間に穂乃果ちゃんと二人で逃げ出すなんて」タッタッタッ

穂乃果「もう、こんなときに何言ってるの…」タッタッタッ

ことり「えへ、ごめんね…はぁ、はぁ」タッタッタッ

穂乃果「大丈夫!?ことりちゃん!」

穂乃果「ちょっと休もっか」

ことり「うん…じゃ、そこで」ハァハァ

穂乃果「やっぱり体、あんまりよくないんじゃ…」

ことり「ううん、平気…でも、ちょっと疲れちゃったかな」

穂乃果「懐かしいね、この公園」

ことり「うん、ちっちゃい頃はよくここで遊んだね」

穂乃果「ことりちゃん、つらかったらそこのブランコにでも…」

ことり「うん!」ストッ

ことり「思い出すなぁ…穂乃果ちゃん、よくこのブランコから飛び降りて遊んでたよね」

穂乃果「う…それは思い出さなくても…」

ことり「それでたまに失敗して…」

穂乃果「あーあー!聞こえなーい!」

ことり「あははっ…」

ことり「ほんと、穂乃果ちゃんとの思い出は楽しいことばっかり…」

ことり「私、幸せだなぁ…」

穂乃果「も、もう…私にとっては思い出したくないことだってあるもん」

ことり「うん、ごめんね穂乃果ちゃん」

ことり「あ、そうだ」

穂乃果「どうしたの?」

ことり「ね、穂乃果ちゃん…ここの裏山、行ってみない?」

ことり「ほら…穂乃果ちゃん、一緒に木に登って夕焼けを見たことがあったよね?」

穂乃果「そういえばあれ、ここだっけ」

ことり「そうだよぉ…」

穂乃果「でもなんで急に…」

ことり「うん…私、最近はずっと入院してたから…」

ことり「せっかくこうして穂乃果ちゃんと思い出の公園まで来たんだもん」

ことり「たまにはあの頃みたいに、無茶なことしてみるのもいいかなって」

ことり「…だめかな?」

穂乃果「そっかぁ…お外、久しぶりだもんね」

穂乃果「じゃあ行ってみよっか、まだあの木があるかわかんないけど」

ことり「やったぁ!」

今日はここまで

穂乃果「さすがに暗いね…こっちは」

ことり「うん…ごめんね、ことりのわがままに付き合わせちゃって」

穂乃果「ううん、私もことりちゃんと一緒にお外で遊ぶなんて久しぶりで嬉しいよ」

穂乃果「ことりちゃんと一緒なら怖くないし」

ことり「ありがと!穂乃果ちゃん!」ギュ

穂乃果「えへ…こうしてると、ことりちゃんがちゃんとここにいるんだって安心だね!」

ことり「もう、当たり前だよぉ」

ザッ、ザッ…

穂乃果「うーん…あの木ってこんなに遠かったっけ…」

ことり「暗いからそう思うだけかも」

穂乃果「そうかもね…あ、ことりちゃん、ちゃんと手をつないでて」

ことり「うん!」ギュ

穂乃果「はぁ、はぁ…」

ことり「…」

穂乃果「あ…」

穂乃果「見えた!あの木!あそこだよ、ことりちゃん!」クルッ

穂乃果「ことり…ちゃん?」

シーン…

穂乃果「あれ、ことりちゃーん!?」

穂乃果「え、さっきまで手をつないでたのに…あれ?」キョロキョロ

穂乃果「ことりちゃーん!おーい!」

穂乃果「ことりちゃん!」

ヒュウゥゥゥ…ザワザワ…

穂乃果「どこ行っちゃったの…?」

このssは没にします。お付き合いありがとうございました。

しといた

どういう構想だったのか教えて欲しいわ

>>84
ことりちゃんは幽霊で、毎晩穂乃果にだけ見える
現れるたびに、穂乃果に要求することが洒落にならなくなっていき、穂乃果も命の危機に
穂乃果を守るために、μ'sメンバーvsことりちゃんみたいなバトル勃発
結末は考えてない

他のssとネタが被ってそうな上に長くなりそうで面倒になった
あと、スレが荒れないのはつまらない

ヒュウウウ…

穂乃果「う…寒…」ブルッ

穂乃果「もう、ことりちゃん!ふざけてないで出てきてよ!」

穂乃果「ことりちゃん…?」

穂乃果「やだ…ことりちゃん!ことりちゃん!」ダッ

穂乃果「どこなの!?ことりちゃん!ことりちゃんってば!」ガサガサ

穂乃果「どこ…痛っ!?」

穂乃果「くぅぅ…」ズキズキ

穂乃果「なにこれ…」

ポタ…ポタ…

穂乃果「い…や…」ザッ

穂乃果「いやあああ!い、痛い…痛いよぉ…」

穂乃果「ことりちゃぁん…助けてぇ…ううぅ…ぐすっ…」

…ノカ…

穂乃果「うぅぅ…?」

…ホノカー!…ホノカー!ドコデスカー!?…

穂乃果「あ…」

ザッ…

海未「穂乃果っ!?」

穂乃果「海未ちゃん…」ブルブル

海未「大丈夫ですか穂乃果っ!?」ダッ

穂乃果「う、うみちゃ…うええええん…」

海未「穂乃果っ!血が出てるじゃないですか!見せてください!」ザッ

穂乃果「っ…」

海未「折れた木の枝が刺さっています…早く病院に行かないと」

海未「歩けますか、穂乃果?」

穂乃果「うん…」ヨロヨロ

海未「肩を貸します…ふもとまで下りたら、タクシーを呼びますよ」

~病院

医者「処置はしておきました、化膿さえしなければ問題はないでしょう」

海未「ありがとうございました」ペコリ

穂乃果「…」

海未「痛みはどうですか、穂乃果」

穂乃果「わかんない…さっき縫われたときに、麻酔打ってもらったから」

海未「そうですか…それにしても」

海未「あなたは…何をやっているんですか」

海未「なぜあんな…バカなことを…っ!」ワナワナ

穂乃果「…ことりちゃん」

穂乃果「そうだ海未ちゃん!ことりちゃんはっ!?」バッ

海未「!?」

海未「あ、あなた…何を言って」

穂乃果「生きてたんだよ!ことりちゃんが!」

穂乃果「ことりちゃんは生きてるのにね、みんなひどいんだよ!あんなお通夜ごっこまでして!」

穂乃果「それでことりちゃんと、二人で逃げようって…」

海未「穂乃果っ!!」


海未「…いい加減にしてください」

海未「ことりは、ことりは…」

海未「…もう、亡くなったんです」

穂乃果「嘘だよ!!」

海未「っ!」

穂乃果「穂乃果、さっきまで一緒だったもん!」

穂乃果「ことりちゃんと、ことりちゃんのお家から逃げ出してあそこまで行ったんだもん!!」

穂乃果「海未ちゃん、ひどいよ!なんでことりちゃんを信じてあげられないの!?」

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんを死んじゃったことにして、焼き殺して…!」

海未「…穂乃果」

海未「では、ことりは今、どこにいるのですか?」

穂乃果「わかんないよ…はぐれちゃったもん」

海未「そうですか…」

海未「そろそろあなたのご両親が迎えに来る頃ですね」

海未「ことりの家に戻りますよ」

穂乃果「…どうして」

穂乃果「どうしてそんなに冷たいの、海未ちゃん…」ポロポロ

海未「穂乃果…」

海未「とにかく、ことりの家に戻りましょう…そうしたらわかります、きっと」

~ことり宅前

穂乃果母「ごめんなさいね、海未ちゃん…うちのバカ娘が迷惑かけたわね」

海未「いえ…」

穂乃果「…」

穂乃果母「ほら、海未ちゃんにはお礼を言わないと駄目よ、穂乃果」

穂乃果母「まったく、こんな夜中に急に抜け出すなんて…何かあったらどうするの」

海未「穂乃果を責めないでください…ことりのこと、私たちは本当に…」

穂乃果母「そうね…」

穂乃果母「ほら、ことりちゃんとのお別れ、悔いが残らないようにしっかりなさい」

穂乃果「…」ヨロヨロ

ガラ…

穂乃果「…あ」

ことり「」

穂乃果「…」

海未「穂乃果…」

穂乃果「…」スッ

ガッ

海未「穂乃果っ!?」

穂乃果「起きて!ことりちゃん!」バサッ

海未「!?」

ことり「」ゴロン

穂乃果「起きて!寝てちゃダメ!燃やされちゃうよ、ことりちゃん!!」

海未「穂乃果!やめなさい、穂乃果ぁっ!」

穂乃果「邪魔しないでっ!」

海未「ああっ!?」ドサ

穂乃果「ことりちゃん!目を開けてよ!穂乃果だよ!」ユサユサ

海未「ほ、ほの…」

「何の音だ…ああっ!?」

「きゃああああああっ!?」

「こ、こらあっ!何をしてるんだっ!」

穂乃果「わあっ!?あっ、は、はなしてっ!」

「おとなしくしろっ!」

トリオサエロ!ツマミダセー!

ワーワー…

海未「穂乃果…」ボーゼン

~数日後

「高坂さん、今日も休みなんだって」

「可哀想に…おかしくなっちゃったんだって」

「しっ…園田さんに聞こえるよ」


海未「…」

キーンコーン

海未「…」トボトボ

ザッ…

希「海未ちゃん」

海未「!」ピタ

海未「何の用ですか、希」

希「あ…」

希「あのな海未ちゃん…」

海未「…用がないなら帰ります…穂乃果のところによらないといけませんので」スタスタ

希「あ…」

希「…」

うん

~穂むら

海未「お邪魔します」

穂乃果母「いらっしゃい、海未ちゃん」

穂乃果母「毎日…悪いわね」

海未「いえ…今日はどうでしたか、食事」

穂乃果母「…」フルフル

海未「…そうですか」

海未(穂乃果の部屋の前にラップをかけられた食事がそのまま置かれています)

海未「穂乃果?入りますよ」

シーン…

海未「失礼します」ガチャ

海未(鍵が…)

海未「穂乃果?そろそろ、食べ物くらいは…」

「…いらない」

海未「穂乃果!」

「…帰って」

海未「…帰りません」

海未「あなたが、何かを口にするまでは」

海未「…………」

「…………」

海未「…穂乃果」

海未「ことりは、明日、お墓に入るそうです」

「…………」

海未「あなたはことりのお葬式には出られなかったわけですから…せめて…」

ドンッ!

「帰って!!」

海未「帰りません」

「海未ちゃんなんか…嫌い」

海未「…」

「ことりちゃんは…生きてるもん」

「穂乃果、お話したもん…」

海未「…じゃあ、出てきてことりに会ってあげてくれませんか?」

海未「そこにいても、ことりは会いに来れませんよ?」

「…そんなことないもん」

「それに、ここから出たらまた…穂乃果に見せるんでしょ?」

「ことりちゃんの…死んじゃった世界を」

海未「穂乃果、世界は私たちがこうしている世界ひとつだけです」

海未「私たちは、何があろうともこの世界で生きていかなければなりません」

海未「このままでいると、あなたは…」

「帰ってよ!」ダン!

海未「ほの…」

「帰れ!帰れえぇっ!」ガシャーン

海未「…」ジワ

海未「…」テクテク…

穂乃果「…」キキミミ


穂乃果母「海未ちゃん…よかったら…」

海未「いいえ、結構です…それでは、明日、また来ますね」

ガララ…


穂乃果「…帰ったみたい」

穂乃果「いいよ、ことりちゃん、出てきても」

ことり「ほんと?」ピョコ

ことり「はぁ~、怖かったぁ…」

ことり「もう、安心できるところ、ここしかないよ…」

ことり「海未ちゃんまで…ことりのこと、死んじゃったって…」グス

穂乃果「泣かないで、ことりちゃん」

穂乃果「穂乃果は何があってもことりちゃんの味方だよ!」

ことり「穂乃果ちゃん…」ウルウル

ことり「ありがとう!」ギュ

穂乃果「わ、っと…もう、苦しいよことりちゃん」

ことり「でも…いつまでもここにいるわけにはいかないよね…」

穂乃果「そんなことないよ!」

ことり「でも…」

穂乃果「大丈夫、大丈夫だから…」

穂乃果「絶対、どこにも行っちゃだめだよ!」

ことり「うん…行かない」

穂乃果「約束だよ!この前みたいにいきなりいなくなるの、なしだよ!」

ことり「うん、うん…あの時はほんとごめんね、穂乃果ちゃん…」

穂乃果「もう、ほんと怖かったんだよ…ことりちゃん探してたらケガしちゃうし」

ことり「うぅ…」シュン

穂乃果「だから絶対、穂乃果のそばから離れちゃだめだからね!」

ことり「うん!」

ことり「えへへ…うれしいなぁ…」

穂乃果「当たり前でしょ、ことりちゃんは一番のお友達だもん!」

穂乃果「はぁ…暗くなってきたね」

ことり「うん…ね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「なに?」

ことり「もう何日も穂乃果ちゃんのお部屋に泊めてもらってるけど…」

ことり「たまには…お外に出てみたい、かな」

ことり「あ、だめならいいんだよ?でも…」

穂乃果「ことりちゃん…」

ことり「ね?ずっとそばにいるから…それに夜なら、あんまり人にも見られないと思うんだ」

穂乃果「…危ないよ?」

穂乃果「もし、また他の人に見つかっちゃったら…」

ことり「そのときは…」ギュ

ことり「穂乃果ちゃんが守ってくれるもん…」

ことり「ね、穂乃果ちゃん…お願ぁい」

穂乃果「も、もう…しょうがないなぁ、ことりちゃんは」

ことり「ほんと?やったぁ!」

穂乃果「じゃ、もうちょっと暗くなってから、ね?」

寝る
完結までにスレがhtml化されればまあ、それまでだったってことだ

~数時間後

穂乃果「すっかり…暗くなったね」

ことり「うん…」

穂乃果「じゃ、いこっか」

ことり「えへ、やったぁ!」

ことり「ね、穂乃果ちゃん…こっそり、窓から出ようよ」

ことり「見つかっちゃったら…」

穂乃果「うん、わかってるよことりちゃん」

ガラ…

穂乃果「うーん…でもここ2階だし…どうやっておりよっか」

ことり「あ、あの雨どいを伝っていったらいけるんじゃないかな」

穂乃果「ほんとだ、届くかなぁ」

穂乃果「うーん…」ググ

ことり「頑張って、穂乃果ちゃん…」

穂乃果「うーん…んっ…と、届いたぁ」

穂乃果「っと、よいしょ…」

ことり「だ、大丈夫?穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!これで外に出られそうだよ…あれ…」クラッ

ことり「穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「あれ…力が…」ズルッ

穂乃果「あ…」

ドサァッ!

雪穂「えっ、何の音!?」ザッ

穂乃果母「何か落ちたみたいな…きゃあ!」

雪穂「お姉ちゃん!しっかりして、お姉ちゃん!」

穂乃果「う…うぅ…」

穂乃果母「なにやってるのあんたは!お父さーん!」

穂乃果父「…!」

医者「今のところ命には別状ありません…しかし頭を打っていますので、しばらくは絶対安静です」

医者「それにしばらく何も食べていなかったので、衰弱の傾向も見られます…入院して様子を見ましょう」

穂乃果母「ありがとうございました…」

雪穂「もう…お姉ちゃんのばか…」グスッ

穂乃果父「…」

穂乃果母「

穂乃果母「じゃ、ちゃんと先生のいうことを聞いて、早く治して帰って来なさい」

雪穂「おやすみ、お姉ちゃん」

穂乃果「…」コクリ

ガララ…パタン

穂乃果「…」

穂乃果「…ことりちゃん、どうしたのかな」

穂乃果「まだ私の部屋に隠れてたら、みんなに見つかっちゃったかも…」

穂乃果「今、どうしてるかな…すっごく心配だよ」

穂乃果「もし見つかってたら…どうなっちゃうんだろ」

穂乃果「また、死んじゃったことにされて…燃やされちゃうのかな」

穂乃果「いやだよぉ…ことりちゃん…」

穂乃果「お願い…無事でいて…」グス

穂乃果「ぐすっ…ぐすっ…」

穂乃果「…」

穂乃果「…」Zzz…

ことり「穂乃果ちゃん、起きて、ねえ、起きてよぉ」ユサユサ

穂乃果「んん~…あと5分…」ゴロ

ことり「もー、穂乃果ちゃんったら…」クス

ことり「穂乃果ちゃん、寝ぼけてる場合じゃないよ、起きて」ユサユサ

ことり「起きないと…おやつにしちゃうちゅん♪」ツンツン

穂乃果「ひゃっ!?」ビクン

穂乃果「…あ」

ことり「おはよ、穂乃果ちゃん」ニコ

穂乃果「ことりちゃんっ!?」ガバ

ことり「えへへ…ここまで来ちゃ…わぷっ」

穂乃果「よかったぁ…よかったよことりちゃん…」ギュー

ことり「く、苦しいよ穂乃果ちゃん」

穂乃果「だってぇ…」ギュー

穂乃果「心配したんだよぉ…ことりちゃん、また他の人に見つかっちゃったら…」

穂乃果「今度こそ捕まって、燃やされちゃうのかもって思ったもん…」ポロポロ

ことり「うん…心配かけてごめんね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「大丈夫だった?途中で誰かに見られなかった?」

ことり「うん、大丈夫…だと思う」

穂乃果「ほんとに?私、すっごく心配したよ?」

ことり「うぅ…ごめんなさい…」シュン

穂乃果「でも無事でよかった…」

ことり「うん…ねえ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」

ことり「心配かけたお詫びに…いいもの見せてあげるね」

穂乃果「いいもの…?」

ことり「うん!」

ことり「ついてきて、穂乃果ちゃん」クルッ

穂乃果「あ、待って…」モゾモゾ

ことり「歩ける?」

穂乃果「うん、大丈夫だよっ」

穂乃果(ことりちゃんが誘ってくれてるもん…少しくらい痛くても我慢しなきゃね)ヨロッ

ことり「穂乃果ちゃん、こっちこっち!」

穂乃果「はぁ…はぁ…待ってよ、ことりちゃん…」ヨロヨロ

穂乃果「それにしても詳しいね、病院の中の道」

ことり「うん!だって、ここにも入院してたことあるもん」

穂乃果「そっかぁ…」

ことり「大丈夫?穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん…でも夜の病院の廊下って、ちょっと怖いって言うか…」エヘヘ

ことり「大丈夫だよ穂乃果ちゃん、ことりがついてるよっ!」

穂乃果「はぁ、はぁ…で、どこまで行くの、ことりちゃん…」

ことり「ん…もうすぐだよ」

ことり「ほら、エレベーターに乗ろう?」

グィーン…

ピンポーン

穂乃果「ここ…屋上…?」

ことり「うん!」

穂乃果「わぁ…きれい…」

ないな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月09日 (月) 20:02:55   ID: OtRjlGdr

楽しみです

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