イッキ「ロボトルは…」 (141)


お父さんからメダルをもらった後…

パシャ

パシャパシャ!

イッキ「アリカ!カメラ買ったの?」

アリカ「あたし、ジャーナリストになるんだもん!」

アリカ「イッキこそ、メダロッチなんかしてるじゃない」

アリカ「ロボトルはじめたの?」

イッキ「え?うん、まあ…」

アリカ「あー、もしかしてまだロボトルしたことないでしょ」

アリカ「なんなら相手になってあげようか?」

イッキ「え!?ちょっとまってよ。ぼくはまだ…!」

アリカ「わかってる!パーツとられたら困るっていうんでしょ?」

アリカ「じゃ、遊びでロボトルね。遊びだから勝っても負けてもパーツはの取り合いはなし!」

アリカ「だったら安心でしょ?じゃいくわよ!」

ロボトル開始!




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423736447


敵リーダーを倒した

アリカ「いいメダロット持ってるじゃない。でも次は負けないからね!」

イッキ「次もボクが勝ってみせるよ!」

アリカ「…イッキ、ロボトルを楽しんでね」

イッキ「? うん」

イッキ「(どうしてだろう…。今アリカが悲しげな表情を浮かべたような…)」

アリカ「あー!!」

アリカ「こんなコトしてる場合じゃなかった」

アリカ「今日は学校でロボトル大会があるのよ!」

アリカ「先に学校行ってるからね!」

イッキ「あっ!ちょっとアリカ!」

イッキ「(ボクも急いで追いかけよう)」



学校

イッキ「ねえアリカ、ロボトル大会どうなってる?」

アリカ「遅かったじゃない。もう終わっちゃったわよ」

アリカ「ほら、ワルガキ3人組のリーダーが優勝したみたい」

アリカ「あいつらすっかり調子にのってるわよ」

スクリューズ「ぎゃははは」

イッキ「(本当だ…。盛り上がってるなあ)」ジー

キクヒメ「ん?何よ」

キクヒメ「あたしに遊んでもらいたいの?いいわよぉ、かわいがってあげる」

イッキ「(えっ!?ど、どうしよう…?逃げようかな?でも、アリカにかっこ悪いところを見せられないよ!)」

イッキ「や、やってやろうじゃないか」

アリカ「イッキ、チーズッ!」

パシャ

キクヒメ「あらぁ、写す相手を間違えてるんじゃなぁい?勝つのはアタシたちぃ」

キクヒメ「カガミヤマいくのよ!」

カガミヤマ「お前の服をどろんこにしてやる」

ロボトル開始!


カガミヤマ、イワノイ、キクヒメ撃破

左腕パーツ「ギガントレーザー」頭部パーツ「ヘッドキャノン」右腕パーツ「ライトジャブ」を手に入れた

キクヒメ「冗談がずぎるわねぇ」

アリカ「すごいじゃない!」

アリカ「ロボトルの様子はばっちり写真にとったわよ!」

アリカ「校内新聞のトップニュースね『奇跡の勝利!』ってね」

イッキ「奇跡なのぉ?」

キクヒメ「まちなさいよぉ」

イッキ「なんだよ、もう決着はついただろう」

キクヒメ「勘違いしてんじゃないわよ、イワノイ!」

イワノイ「へい!」スッ

イッキ「これは…?」

イワノイ「こいつは『ロボロボメダル』ってんだ。持ってけ」

イッキ「…ありがとう」

キクヒメ「初心者への餞別(せんべつ)よ」

イッキ「負けたくせに…」

キクヒメ「うるさいわねー。さっさと行きなさい」シッシッ


イッキの一人称

ゲーム=ボク
アニメ=俺

だったはず。間違ってたらごめん


イッキ「まあいいや。行こうアリカ」タッタッ

アリカ「うん・・・」チラッ

アリカ「ありがとう、キクヒメ」タッタッ

キクヒメ「…」

男の子「スクリューズが負けた?」

女の子「狙うなら今ね」

男の子「ふへへへへ」

キクヒメ「はぁ…。カガミヤマ、イワノイ」

イワノイ「準備万端ですぜ、姉御」

カガミヤマ「どろんこにしてやれる」

男の子「…」ザッ

女の子「…」ザッ

キクヒメ「かかってきな!」



教室

わいわいがやがや

アリカ「…」カキカキ

イッキ「なんだよアリカ『すごいメダロット登場』って」

アリカ「ん?何が?」

イッキ「校内新聞の見出しだよ!『すごいメダロッター登場』だろ」

アリカ「…」

アリカ「…今はこっちの方がいいのよ」

男の子「あれ?お前メダロッチ持ってたのか?」ヒョイ

アリカ「!」

イッキ「え?ああ、うん」

アリカ「だめよイッキ!逃げて!!!」

男の子「じゃあ…、勝負だ!」

イッキ「大丈夫だよアリカ。任せてよ」

ロボトル開始!



敵メダロットの編成

カネハチまーく2
マクドスネイクA
マクドスネイクB

イッキ「えっ!?」

イッキ「3対1なんて卑怯だよ!」

男の子「あ?何言ってんだ?公式ルールだぜ。いくぞ、覚悟しろ!」

イッキ「ちょっ、ちょっとまっ…」

リーダー機能停止 勝者 男の子

イッキ「こんなの…勝てないよ…」

男の子「やりぃ!じゃあ、頭部パーツ『ミサイル』はもらっていくぜ!」

イッキ「そ、そんな…」

アリカ「…」

男の子「落ち込むなって?仕方ないだろ?ロボトルなんだから」

女の子「そうよそうよ。じゃあ、次は私とねイッキ君」

イッキ「え!?」

イッキ「ちょ、ちょっと待ってよ!今さっきパーツを取られたばかりなんだよ!」

女の子「知ってるわよ。だからこそ今が狙い時なんじゃない」

イッキ「!」


女の子「ほら、早く」

イッキ「嫌だ…」

女の子「クスッ。そんなこと言っても、ほら」

リーダーを決めてください

イッキ「え!?なんで?」

女の子「ロボトルに両者合意はいらない。片方が挑めば強制的にロボトルとなる。知らなかったの?」

イッキ「でも、ボクはさっきパーツを取られたから組まれたメダロットはいないはずなのに…」

女の子「そうならないように特殊設定がされているのよ。パーツが奪われた後でも、すぐ自動的に残っているパーツで組まれる。そういう設定にね」

イッキ「そんな…」

イッキ「(このままじゃ負ける…。このままじゃ…)」

女の子「さあ早く!」

イッキ「くっ…」ギュ

アリカ「イッキ!ロボロボメダルを使うのよ!」

イッキ「え?」

アリカ「早く!」

イッキ「う、うん!」スッ

ピカー!

女の子「なっ!?」

男の子「ちっ…」

アリカ「(イッキ逃げて!できるだけ遠くまで逃げて!)」



男の子a「逃がすなぁ!そいつは鴨だぞ!」

男の子b「レアパーツを奪え!」

女の子a「そっちに逃げたわよ!」

イッキ「(逃げなきゃ!人に見つからない場所まで逃げなきゃ!)」



イッキ「(とりあえず閉鎖中の工場にあった段ボール箱に隠れたけど…)」

イッキ「(これからどうすれば…)」

イッキ「…」

ガチャ

ザッザッザッ

イッキ「(近くに誰かいる…)」ドクッ

ザッザッザッ

イッキ「(誰だろう?見つかりませんように…)」ドクッドクッ

ザッザッザッ

イッキ「(お願いします!お願いします!)」ドクッドクッドクッ

ザッザッザッピタッ

???「安心しな。あたし以外誰もいないよ」

イッキ「(誰だろう…?)」

???「いつまでビクビクしてんだ」

???「おら出てきな!」ダン

イッキ「!」

キクヒメ「なんだ、元気そうじゃないかイッキ」

イッキ「キクヒメ…」


キクヒメ「どうだい?ロボトルは楽しいかい?」

イッキ「…」

イッキ「キクヒメ、取ったパーツ返すよ…」

キクヒメ「あん?どういうことだ?」

イッキ「わかったんだ。パーツを取られた絶望が…」

キクヒメ「…」

イッキ「きっとキクヒメもこんな惨めな気持ちに…」

キクヒメ「なってないわよ」

イッキ「…え?」

キクヒメ「私はちゃんと予備のパーツを持ってるし、何よりあんたみたいに簡単には負けやしない」

イッキ「…」

イッキ「ボクだって…1対1なら負けないさ…」

イッキ「でも、3対1なんて無理だよ!こっちが1回攻撃してる間に向こうは3回も攻撃できる!戦略の幅も違う!こんなの…」

キクヒメ「…」

イッキ「こんなのってないよ…」


キクヒメ「だからって、いつまでここでウジウジしてるんだい?」

イッキ「…」

キクヒメ「次は負けないようにすればいいだろ?」

キクヒメ「さっさと立ちな」

イッキ「…」

イッキ「キクヒメはメダロットを3体持ってるからそんな余裕があるんだ」

イッキ「メダロットが1体しかいないボクじゃ、絶対勝てっこない!」

キクヒメ「…」

キクヒメ「あんた、勘違いしてるよ」

イッキ「…え?」

キクヒメ「メダロットはあたしも1体しか持っていない」

イッキ「…嘘だ」

キクヒメ「ほんとっ」

イッキ「それならどうやって…」

キクヒメ「はぁ…。なんのためのスクリューズだと思ってるのさ?」

イッキ「え?」

キクヒメ「教えてやる、スクリューズを。1体しかメダロットを持たない奴がどうやって生き残るのかを」


キクヒメ「あたしがスクリューズを立ち上げた理由はあんたと同じ境遇だったからさ。あんたと同じメダロットを1体しか持っていない弱者だったんだ」

キクヒメ「同じメダロットを1体しか持たない者同士が集い、3体持ちに対抗する。それがスクリューズさ」

イッキ「そんな…。でも、それじゃあおかしいじゃないか!弱者を助けるスクリューズが嫌われているなんて!」

キクヒメ「別におかしくなんてないさ。考えてみなよ」

キクヒメ「スクリューズのせいで弱者狩りができないんだ。3体持ちメダロッターは当然嫌うさ」

イッキ「キクヒメ…」

イッキ「ボク今まで何も知らなかったよ。本当に無知だった…」

キクヒメ「じゃあ、無知だったせいで奪われたモノを取り返しに行くよ」

イッキ「キクヒメ…」

キクヒメ「どうだい?少しは希望は持てたかい?」ニカ

イッキ「うん!」

イッキ「ありがとうキクヒメ」ニコ

キクヒメ「…」

イッキ「キクヒメ…?」

キクヒメ「いや…、なんでもない!なんでも!!」



キクヒメ「さっさと行くわよ」

イッキ「うん!」

ガチャ

イッキ「…」

イッキ「キクヒメ…」

キクヒメ「なによぉ?」

イッキ「ありがとう。本当に…」

キクヒメ「別に大したことじゃないわよ」

イッキ「ううん。キクヒメはボクの希望だよ。本当に…ありがとう」

キクヒメ「///」カァ

キクヒメ「うるせぇ!いちいち恥ずかしいこと言うなあ!///」

イッキ「ご、ごめん」

キクヒメ「…」

キクヒメ「あのさあ」

イッキ「うん?」

キクヒメ「あんたさえ良ければさあ」

イッキ「うん」

キクヒメ「スクリューズのナンバー2にならない?」


イッキ「え?」

キクヒメ「いや、ごめん!いやあっはっはっ…。なーに言ってんだろあたし…」

キクヒメ「あんたがなるわけないわよねえ」

キクヒメ「あはは…」

イッキ「キクヒメ…」

イッキ「なるよ」

キクヒメ「…え?」

イッキ「ボクは…」

イッキ「ボクはキクヒメから勇気をもらった。だから――」

イッキ「少しでも良いからキクヒメの力になりたいんだ」

キクヒメ「イッキ…」

イッキ「さあ行こう?キクヒメ!」

キクヒメ「おう!」ダッ







イッキ「…」

イッキ「ごめんね、キクヒメ」クルッ


コンビニ

ウィーン

ヒカル「やあ、いらっしゃい」

イッキ「ヒカルさん…」

ヒカル「どうだい?ロボトルは楽しんでるかい?」

イッキ「…楽しくなんか」

イッキ「楽しくなんかありませんよ!」バン

ヒカル「…」

イッキ「知ってたんでしょう!?ロボトル初心者がどんな目にあうか!?1体持ちメダロッターがどんなに悲惨なことになるか!?知っててボクに売ったんでしょう!?」

ヒカル「…そうだよ」

イッキ「どうして…」

イッキ「どうしてこんなことを…」

ヒカル「君に知ってほしかったんだ。メダロットを、ロボトルを」

イッキ「教えてどうするんですか…。そんなモノ知ったところでどうするんですか!!!」ギロ

ヒカル「君に、楽しんでほしかったんだ」

イッキ「その結果がこれですか?楽しくない!楽しくない!!楽しくない!!!」

ヒカル「大丈夫さ、楽しくなるよ」

イッキ「どうやって!?」

ヒカル「メダロットで重要なのは知恵でも勇気でもない」

ヒカル「ただ、ただただ…。力だけだよ」

ヒカル「そして、これが君の力となるメダロットさッ!」スッ


学校 グラウンド

イワノイ「姉御、イッキの奴逃げたんじゃないんですかぁ?」

キクヒメ「イッキは絶対に来る!!!」

イワノイ「でも、途中までは一緒だったのに気づいたらいなかったんでしょ?」

キクヒメ「…」

イワノイ「やっぱり逃げたんすよぉ」

キクヒメ「ふん!」ボゴオ

イワノイ「キャイン!」

カガミヤマ「…」

キクヒメ「イッキ…どうして来ない…」ギリッ



男の子a「ん?あれは…」

イッキ「…」

女の子a「見つけた!みんな見つけたわあ!」

男の子b「イッキだ…」

男の子c「イッキだ…」

「鴨が来た…」

「どのパーツを奪ってやろうか?」

「KBT型だったなあ」

「僕は『サブマシンガン』が欲しい」

「じゃあ僕は『オチツカー』をもらおうかなあ」

「パーツが無くなったらどうする?」

「無くなる前にわざと負けて、どこにも売ってるようなパーツを渡せばいい」

「なるほど。そうすればレアパーツは手に入るな」

キクヒメ「イッキ!」

イワノイ「来やがった。おとなしくしていればいいのに…」

カガミヤマ「仲間助ける」

キクヒメ「そうとも!イッキはあたし達の仲間さ!」

キクヒメ「スクリューズの一員だ!」


男の子a「ちっ、スクリューズが邪魔だ…。スクリューズとイッキを合流させるなぁ!」

女の子a「私達はスクリューズとやるわぁ!そっちはイッキをお願い!」

男の子b「装甲の高いメダロットで時間を稼げ!」

キクヒメ「いくよ!イッキを助けろぉ!」

スクリューズ「うおおおおおおおおおおお!!!!」

キクヒメ「(頼むイッキ。持ちこたえてくれ…)」



男の子c「戻って来たってことは覚悟を決めてきたってことだよなあ?」

イッキ「…」

ロボトル開始!

男の子c「(イッキのチーム編成はもうわかっている!負けることはない!)」

スターペンタゴン
トイワールドA
トイワールドB

男の子c「さあて、イッキのチームはっと」

ブラックメイルA
ブラックメイルB
ブラックメイルC

男の子c「な?!そんなバカな…」

イッキ「いくよ」

男の子c「くっ!予想と違うが、この戦いもらった!」

男の子c「ブラックメイルは強力なゴースト(がむしゃら)を持つが、逆にそれが好都合だ!」

男の子c「スターペンタゴンの反射攻撃があれば、十分勝てる!」

男の子c「推進に難はあるけど…、こっちは装甲もそこそこ高いし。頼むぞ!スターペンタゴン!」



ブラックメイルAの攻撃 がむしゃら

トイワールドAの脚部・頭部パーツが破壊されました

ブラックメイルBの攻撃 がむしゃら

トイワールドBの脚部・左腕・頭部パーツが破壊されました

男の子c「うっ…。一発一発の威力がやばすぎる…」

ブラックメイルCの攻撃 がむしゃら

スターペンタゴンの脚部・左腕・右腕・頭部パーツが破壊されました

敵リーダー機能停止

男の子c「くっそおおおお!!」

女の子b「まだよ!まだ私がいる!」

イッキ「来なよ」

ロボトル開始!

女の子b「イッキ君の編成わかっている!ブラックメイルの一発一発は確かに強いけど、両腕はものすごく重い。だから、推進が高く、フィールド『しんりん』に合った脚部を持つメダロットで先手を取り、隠蔽を使えることができればこっちのモノ!」

フラワーチャージA(バンカランの脚部、右腕装備)
フラワーチャージB(バンカランの脚部、ナチュラルカラーの右腕装備)
フラワーチャージC(バンカランの脚部、ナチュラルカラーの左腕装備)

女の子b「完璧な布陣ね…。まず負けることはないわ」



イッキ「…」

ロクショウ
スミロドナッド
エイシイスト

女の子b「まったく別の種類のメダロット!?」

女の子b「一体いくつメダロットを持っているの!?」

女の子b「でも、負けないんだから!」

フラワーチャージBの攻撃 おうえん

フラワーチャージBの隠蔽

フラワーチャージCの攻撃 おうえん

フラワーチャージCの隠蔽

フラワーチャージAの攻撃 まもる

フラワーチャージAは『反撃』態勢を取った!

女の子b「これで…」

女の子b「!」



ロクショウの攻撃 メダフォース!『からたけわり』発動!

フラワーチャージAの全パーツに55ダメージ

敵リーダー機能停止

女の子b「そんな!?メダフォースを溜めていないはずなのに…!」

イッキ「君の負けだよ」

ロクショウ「グオオオン!」シュ



キクヒメ「よし、撃破!」

男の子a「くそぉ!」

キクヒメ「よし、これで…」

キクヒメ「…」

キクヒメ「イッ…キ…?」



イッキ「ねえキクヒメ?ボクは君の力になれたかい?」

男の子c「」
女の子b「」
男の子d「」
男の子e「」
女の子c「」

――
―――
――――

キクヒメ「(あたりはメダロットの残骸で埋め尽くされていた。破壊されたメダル、生死不明のメダロッター)」

キクヒメ「(これって…)」

キクヒメ「(どういうことだ?)」

キクヒメ「(イッキが…?)」

キクヒメ「(なあイッキ?これってあたしのせいか…?あたしがあんたを勇気づけたから…?)」

キクヒメ「(頼むよイッキ…。教えてくれよ…)」

キクヒメ「(このキクヒメ様にとっての希望は、アンタなんだから…)」



アリカ「…」

アリカ「…」

アリカ「…」

アリカ「!」

アリカ「おかえり、イッキ!」

イッキ「アリカ…」

アリカ「無事だったんだ、良かった!」

イッキ「…」

イッキ「ねえ、アリカ…」

アリカ「ん?」

イッキ「どうして…」












イッキ「どうして助けてくれなかったの?」


アリカ「え?」

イッキ「…」

アリカ「な、なに言ってるのよ!私はちゃんとロボロボメダルを使えって助言を…」

イッキ「違う。アリカはボクを見捨てたんだ」

アリカ「最初のロボトルのときだって逃げろって」

イッキ「アリカはボクを餌にしたんだ」

アリカ「いったい何を根拠に…!」

イッキ「ボク知ってるよ。他の人もチーム編成に参加できることを。チームバトルだっけ?」

アリカ「!」

イッキ「あの時アリカはチーム編成に参加せずに、ボクを見殺しにしたんだ」

アリカ「…」

イッキ「なんだかなぁー」

アリカ「…ないじゃない」

イッキ「?」

アリカ「仕方ないじゃない!!」

アリカ「参加したってどうせ勝てないわよ!」

イッキ「そんなのわからないじゃないか!」

アリカ「それに初心者のあんたを庇えば私が狙われるようになる…!」


アリカ「嫌なのよ!」

アリカ「もう…あんな思いをするのは…いや…」

イッキ「アリカ…」

アリカ「ごめんなさい」

アリカ「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

イッキ「…」

イッキ「…」スッ

イッキ「アリカのせいじゃないよ」ギュ

アリカ「!」

イッキ「よくよく考えればボクの言ったことって身勝手だよね?ごめんアリカ」

アリカ「いや…」

イッキ「本当にごめん。お願いだから――」

イッキ「ボクを許して」

アリカ「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい。」


コンビニ

ヒカル「…」

イッキ「…」

ヒカル「さすがだよイッキ君」

ヒカル「やっぱり才能があるよ、君は」

イッキ「…」

ヒカル「その優しさと力で二人の人間を傷つけたんだから」

イッキ「…」

ヒカル「どうしたんだい?もっと誇っていいんだよ?」

イッキ「ボクはただ…、キクヒメの力になりたかった。アリカに許してほしかった。それだけなのに…」

ヒカル「…」

ヒカル「結果的に、キクヒメちゃんは君の力と残酷性に怯え、君から逃げた」

イッキ「…」

ヒカル「アリカちゃんは許したかったんじゃない。許してほしかったんだ。裏切った自分を…」

イッキ「…」

ヒカル「ねえ、これからどうするのさ?」

イッキ「何も…考えてません…」


ヒカル「少なくとも学校に君の居場所はなくなった」

イッキ「…」

ヒカル「君さえ良ければなんだけど…」

ヒカル「ロボロボ団に入るつもりはないかい?」

イッキ「ロボロボ団?」

ヒカル「良いところだよ、特に君みたいな人には」

ヒカル「君は有能だ。きっとすぐにでも幹部になれる」

ヒカル「どうだい?イッキ君」

イッキ「…」

イッキ「ボクは…」





眠いから今回はここまで
また明日書く


ヘベレケ「うむ。若いのに実に有能じゃな。名はなんと言ったか…」

イッキ「…」

???「まだ言ってませんよ。というより、聞かない約束ですよ」

ヘベレケ「まったく、怪盗というのは偏屈ものじゃな」

レトルト「褒め言葉として授かります」

イッキ「…」

レトルト「ん?どうした?怪盗副幹部」

イッキ「ちょっと、夜風に当たりに行ってきます」

レトルト「あまり遅くなるなよ」

イッキ「はい」

ヘベレケ「さて、次はどうしようか」

レトルト「セレクト隊を――」



イッキ「…」

イッキ「(ポケットに何か…)」ゴソゴソ

イッキ「(これは!?パパからもらったカブトメダル!ここにあったんだ…)」

イッキ「(今のボクには…)」

イッキ「(これしか残っていない…)」

イッキ「(ボクの…友達…)」

???「誰?」

イッキ「!」クルッ

???「あら、おかしな格好をしてますのね。仮面なんかつけて」クス

イッキ「君は…?」

???「あら失礼しました。私は――」

カリン「アマザケカリンと申します。よろしくお願いします。えーっと」

イッキ「ボクは…」

イッキ「…」

カリン「?」

イッキ「…イッキ」

イッキ「テンリョウイッキだよ、よろしく」



カリン「イッキ君はどうしてその様な怪しげな格好を?」

イッキ「この格好は決まりなんだ」

カリン「決まり?」

イッキ「うん。ロボロ…うちのグループの」

カリン「おもしろいグループに入ってますのね」クスッ

イッキ「あはは。カリンちゃんはどうしてこんな夜遅くにここにいるの?」

カリン「…」

カリン「私体が弱いんです。だから、中々外に出られなくって。少しでも外に慣れたいんですけど…、一人じゃ危ないって必ず付添い人と一緒じゃないとダメなんです」

カリン「それだと、自由に動けなくって」

カリン「だから、夜中にこっそり家をぬけてきたんです」

イッキ「カリンちゃんって思ってたよりも行動的だね」

カリン「ふふっ、よく言われます。イッキくんはどうしてこんな夜遅くに?」

イッキ「…思い出したくないことが頭をよぎると、落ち着かないんだ」

カリン「…何か嫌なことでもあったんですか?」

イッキ「…」

カリン「良ければお話ください。力になります」

イッキ「カリンちゃん…」


イッキ「ちょっと、夜風に当たりに行ってきまーす!」

レトルト「またか。ここ最近、毎日当行ってるじゃないか」

イッキ「つらいことが多くて…」

レトルト「そうか…。すまない、何も気にせず行って来てくれ」

イッキ「はい」

レトルト「…」

ヘベレケ「信じるのか?」

レトルト「まさか。あんな元気な声で言う『行ってきます』を見逃したりしませんよ」

レトルト「今日中に何とかしましょう」



イッキ「ごめん、カリンちゃん!」

カリン「もう!イッキ君遅刻ですよ!」

イッキ「ごめん、ごめん」

イッキ「お詫びと言ってはなんだけどさぁ」

カリン「?」

イッキ「一緒に夜の街を探検しない?」

イッキ「カリンちゃんのためにおもしろそうな場所見つけてきたんだ!」

カリン「本当ですか!楽しみです♪」

イッキ「さっそく、行こう!」

カリン「はい♪」

カリン「あっ!でも…」

イッキ「うん?」

カリン「何か危険なことがあったら…」

イッキ「…」

イッキ「大丈夫だよ。ボクが君を守るから」

カリン「イッキ君…」

イッキ「行こっ!」

カリン「はい!」


メダロポリス

カリン「夜の街って本当にきれいですねぇ」

イッキ「本当だね。人も結構いるし」

イッキ「えっと、こっちかな」

カリン「どこに連れていってくれるんですか?」

イッキ「ついてからのお楽しみだよ」

カリン「わくわく」

イッキ「あっ!この建物だ!ここに入ろっ!」

カリン「メダロット社?勝手に入ってもよろしいんですか?」

イッキ「うん!今日一日はボク達の貸切だからね!」

カリン「ここを?夢みたいです!」

イッキ「さあっ!早く入ろっ!」

カリン「はい♪」




回想―昨日―

イッキ「ねえみんなお願いがあるんだけど」

ロボロボ団員「ん?何ロボか?」

イッキ「メダロット社を一日貸切にしたいんだけどできるかな?」

ロボロボ団員「そんなことならお任せするロボ!」

イッキ「本当に!?ありがとう!」

ロボロボ団員「いいってことロボよ!」

ロボロボ団員「怪盗副幹部にはいつもお世話になってるからロボねぇ」

ロボロボ団員「大船に乗った気でいるロボ!」




イッキ「(本当にしてくれたんだ)」

イッキ「…ありがとう」ボソッ

カリン「ん?どうかしましたか?」

イッキ「なんでもないよ!それより、ほらここのメダロット達使い放題だよ!」

カリン「本当ですか!?じゃあ、私この『プリミティベビー』とかいう機体を使ってみたいです!」

イッキ「お安い御用だよ!ほら」

カリン「わあ♪」



イッキ「もう12時を過ぎたね」

カリン「本当ですね。時間が経つのが早いですわ」

イッキ「そろそろ帰ろうか?」

カリン「…帰る前に寄りたい場所があるんですけど、良ろしいでしょうか?」

イッキ「? もちろん、良いよ」



イッキ「ここは…」

カリン「イッキ君と初めてあった思い出の場所です」

イッキ「…どうしてここに」

カリン「イッキ君、そろそろ見せてもらえませんか?」

イッキ「…」

カリン「私、見たいんです。イッキ君の素顔を」

イッキ「…ダメだよ」

カリン「どうしてですか?」

イッキ「…決まりなんだ」

カリン「窮屈じゃないですか?」

イッキ「これくらい窮屈な方が好きなんだ」

カリン「…お友達にしたことをいつまでも気にする必要はありません」

イッキ「ダメだよ。頭から離れないんだ」

イッキ「悪夢のような過去に目を向けるのが怖いんだ」

イッキ「自分の顔を見るのも怖い」

イッキ「仮面がないと――」

カリン「私が許します」

イッキ「!」


カリン「私がイッキ君を許しますから」

イッキ「カリンちゃんには関係のないことだよ」

カリン「そんな冷たいことを言わないでください。いつものイッキ君らしくありませんよ」

イッキ「…」

カリン「私がイッキ君の犯した罪の責任を取ります。だから、イッキ君は何も気にしないでください」

イッキ「…」

カリン「だから――」

カリン「素顔を晒らす勇気を持ってください」

イッキ「…」コク

カリン「イッキ君仮面を取りますよ」スッ

イッキ「…」ドクッ

カリン「…」スー

イッキ「…」ドクッドクッ

カリン「…」ピタ

イッキ「…」ドクッドクッドクッ

ドクッドクッドクッドクッ


レトルト「そこまでだ」

イッキ「!?」ビクッ

カリン「あっ!」

レトルト「帰るぞ」クルッ

イッキ「ごめん…」

カリン「イッキ君…」



レトルト「随分とあの娘に熱心だな」

イッキ「友達なんだ」

レトルト「なら、その関係はたった今終わった」

イッキ「えっ…?」

レトルト「明日の朝ニュースを見てみろ。顔を背けたくなるモノが見れるぞ」

イッキ「それっていったい…?」

レトルト「では、おやすみ」シュッ!

イッキ「…」

イッキ「(いったい何が…?どうして…?)」

イッキ「(明日のニュース?見ないと…)」

『明日の朝ニュースを見てみろ。顔を背けたくなるモノが見れるぞ』

イッキ「(いや、やっぱり見なくても…)」

『勇気を持ってください』

イッキ「(!)」

イッキ「(逃げないぞ!ボクを待ってくれている人がいるんだ!)」



ロボロボ団員「うーん、大した番組はやってないロボねぇ」

ロボロボ団員「あっ!今メダロットの再放送やってるロボ!」

ロボロボ団員「変えるロボ!変えるロボ!」ピッ

ババンバン!ババンバン!ババンバンとバトルだ!

ロボロボ団員「良かったロボ!間に合ったロボ!」

イッキ「ごめん、ちょっとニュース見せて!」ピッ

ロボロボ団員「酷いロボよー」シクシク

イッキ「ごめん!でも、譲れないんだ!」

アナウンサー「いやー怖いですねー。火事には十分お気を付けください」

イッキ「どれだ…、どれだ…」



レトルト「やあ、どうだい?わかったかい?」

イッキ「…」

レトルト「どうやら見れたようだね」

イッキ「どうして…?」

レトルト「もう君は普通の道には戻れないんだ」

レトルト「君に与えられた道は一つ。ロボロボ団として生きること」

レトルト「あの娘は君に希望・勇気・免罪符を与えようとした。それはロボロボ団にとって迷惑なんだ」

レトルト「もし君に、今回の様に近づく者がいれば…」

イッキ「…」

レトルト「逃げても無駄だってことはわかっているな?」

イッキ「…」

レトルト「では、作戦に戻りたまえ」

イッキ「…」クルッ

イッキ「(全部ボクのせいだ…全部…)」



サケカース「まったく、怪盗幹部が手柄を一人占めするから褒賞が出ないロボ」

サラミ「仕事のほとんどを怪盗幹部がこなしてるから仕方ないロボよ」

シオカラ「ワシらだって仕事が回されれば、きちんとこなすロボよ!まったく、嫌なやつロボ!」

ロボロボ団員「でも、怪盗副幹部はシオカラ様と違って、優しいからとっても慕われてるロボよ」

シオカラ「うるさいロボよ!」ボゴォ

ロボロボ団員「あーれえー!?ロボよー!!」




学校

アリカ「…」

アリカ「…」

アリカ「…」

アリカ「(私が…)」

アリカ「(私が裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。裏切ったから。)」

アリカ「イッキ…」

キクヒメ「イッキのことが気になるのかぁ?」ヒョイ

アリカ「!」

アリカ「キクヒメ!」

キクヒメ「なら、あたしも混ぜてもらおうか」ドッコイショ

アリカ「えっ?」

キクヒメ「何ボケッっとしてるんだい?」


キクヒメ「連れ戻すんだろ?イッキを!」

アリカ「…」

アリカ「でも、イッキの居場所すらわからないのにどうやって…」

キクヒメ「はぁ…。情けないねぇ、お得意の情報収集でなんとかしなよ!」

アリカ「『なんとかしなよ!』って、無茶言わないでよ!」

キクヒメ「ジャーナリスト志望がそんなんでどうするのよぉ!」

アリカ「…でも、きっと無理よ」

キクヒメ「やりもしないで、あきらめてんじゃないわよ」

キクヒメ「イッキにもう会えなくてもいいのかい?」

アリカ「…」

キクヒメ「あんたがそれでいいなら、構わないよ。あたし一人で行くから」

キクヒメ「その代わりおいしい所も全部もっていっちゃうからね!」

アリカ「キクヒメ…」

アリカ「やっぱり、あたしやる!イッキにまた会いたいもん!!」

キクヒメ「そうこなくっちゃね!」ニカ




キクヒメ「おいおい、本当にここら辺でイッキを見かけた人がいるのかぁ?」

アリカ「ええ、間違いないわ。ちょんまげ頭の男の子と言ったらあいつくらいだもん」

キクヒメ「そのちょんまげ頭の男の子がツインテールの女の子と話をしているところを、何度か目撃された場所が…ここ」

アリカ「ツインテールの…」

キクヒメ「女の子…」

アリカ「あいつ…」イライラ

キクヒメ「元気そうじゃねーか」イライラ



アリカ「どうするの?ここでしばらく待つの?」

キクヒメ「それしかねーだろ。今日からここで野営だな」

アリカ「来てくれればいいけど…」

キクヒメ「来るまで待つさ。いつまでもな」

アリカ「幸せものねイッキは…」

???「イッキ?イッキ君のことをご存じなのですか?」スッ

キクヒメ「あん?誰だぁ?」

アリカ「あなたは…?ツインテールの女の子?」

???「申し遅れました」

カリン「私はジュンマイカリンと申します」

カリン「お願いします!イッキ君に会わせてください!」


キクヒメ「なるほどなぁ。あんたとイッキはここで」

アリカ「仮面ねえ…」

カリン「はい。でも、突然会えなくなってしまって…。イッキ君はどこにおられるのですか?教えてください!」

アリカ「…ごめんなさい、私達も今の居場所までは」

カリン「そう…ですか…」

キクヒメ「安心しな!必ず見つけてやるさ!」

カリン「イッキ君は良いお友達に恵まれていますわね…」

アリカ「あら?あなただってイッキの良い友達でしょ?」

カリン「! はい!もちろんです!」ニコ

キクヒメ「あたし達は同じ目標を持つチームだ!チーム名は『ネオスクリューズ』!」

カリン「ネオスクリューズですか?」

アリカ「あのねえ…」

キクヒメ「文句あっか!?」

アリカ「あるわよ!もうちょっとまともな名前にしなさいよ!」

カリン「あら、私は好きですけど」

アリカ「えぇ!?」

キクヒメ「あんた…見る目あるよ!」

アリカ「し、信じられない…」



数日後―

アリカ「来ないわねえ…」

キクヒメ「ちっ、仕方ねえ。アリカ!お得意の情報収集を見せてやれ!」

アリカ「私がッ!?って、私しかいないわよねー」

カリン「お願いします、アリカさん」

キクヒメ「頼むよ、アリカ!」

アリカ「はいはい」



アリカ「私が手に入れた情報によると、仮面をつけた怪盗レトルトと名乗る不審人物がメダロッ島に現れるらしいわよ」

キクヒメ「仮面かぁ」

カリン「イッキ君に間違いありません!」

アリカ「うーん、間違いないとは言い切れないけど可能性は高いわね」

キクヒメ「よっしゃ!いくぜ!いざ、メダロッ島に!!!」

キクヒメ「『ネオスクリューズ』出動!!!!」

カリン「はい♪」

アリカ「おー…」




ミルキーランド

レトルト「怪盗副幹部ミルキーランドは君に任せた。私はメダロポリスに用事があるからしばらく出かけるよ」

イッキ「はい」

レトルト「うむ、ミルキーも頼みましたよ」

ミルキー「はいはーい!」



イッキ「…」

ミルキー「ねえ、君名前は?」

イッキ「…怪盗副幹部『怪盗レトルト』」

ミルキー「えぇ?それ君の本名じゃないでしょ?」

イッキ「これが今のボクの名前です」

ミルキー「んもう、かわいくないなぁ。あっ!でも、仮面の下の顔によっては、考え方変わるかも」

イッキ「その手にはのりませんよ」

ミルキー「かわいくなーい!」




ミルキー「じゃあ、怪盗君は入口で客の案内をしといてね♪」

イッキ「はい、任せてください」


イッキ「いらっしゃいませー」

女の子「ねえねえあの人仮面つけてるー!おもしろーい!」

お母さん「ほんとね、係の人もコスプレしてるのねえ」

イッキ「順番にお並びくださーい」

イッキ「(疲れる…、ロボロボ団になってやることが係員って…。なんだかなぁー)」

イッキ「(そろそろ夜だ、この客で最後かな?)」

イッキ「ミルキーランドへようこそ!中へお進みください」

女の子達「…」コク



イッキ「ここから先は案内人ミルキーの指示に従い・・・・」

女の子達「イッキ?」

イッキ「!?」

女の子達「やっぱりイッキだ!」

イッキ「誰?誰なの?どうしてボクの名を…?」

女の子達「私よ!」

アリカ「アマザケアリカよ!」

イッキ「アリカ!?」

キクヒメ「まさかこの『フウリンのキクヒメ』を忘れたワケじゃないだろーね?」

イッキ「キクヒメ!?」

カリン「ジュンマイカリンもここにいますわ」

イッキ「カリンちゃん!?」

イッキ「みんなどうして…?変装までしてここに…?」

アリカ「あんたを連れ戻しに来たのよ!」

イッキ「ボクを…?どうして…?」



キクヒメ「イッキ、すまなかった!」

イッキ「…」

キクヒメ「あたしとしたことが・・・・。ビビって逃げちまうなんて…」

イッキ「いいんだキクヒメ。ボクはもう何も気にしてないよ」

イッキ「むしろ、感謝してるよ。キクヒメのおかげで勇気もついたし!」

キクヒメ「そうか…、なら良かったよ」

アリカ「イッキ、あたしもあんたを見捨てたりして…。ごめんなさい!」

イッキ「アリカ…」

イッキ「ならさぁ、いつかボクに付き合ってよ!それでチャラっていうのは?」

アリカ「うん!」

カリン「イッキ君、どうして…?どうして来てくれなくなったのですか?」

イッキ「カリンちゃん…。ごめん、ボクのせいで」

カリン「イッキ君のせい?」

イッキ「ボクのせいなんだ!カリンちゃんの家が放火されたのは!!」

カリン「…例えそうだとして、私はイッキ君を責めたりはしません」

カリン「イッキ君の犯した罪の責任は何度だって私が取ります。だからもう――」

イッキ「(同じだ。前と同じことを…)」

イッキ「優しいねカリンちゃんは…。ありがとう」


イッキ「大丈夫だよ。ボクはもう過去から逃げたりしないよ。責任もボクが取る」

イッキ「カリンちゃんは何も心配しなくていいよ」

カリン「…」

アリカ「じゃあ、イッキ戻ってきてくれるのね?」

イッキ「…」

イッキ「(戻る?)」

イッキ「(ボクが逃げてた理由は…)」

イッキ「(…!)」

『あ?何言ってんだ?公式ルールだぜ。いくぞ、覚悟しろ!』

『ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい』

『明日の朝ニュースを見てみろ。顔を背けたくなるモノが見れるぞ』

イッキ「(何を言ってだんよ…。勇気?チャラ?何も心配しなくていい?)」

イッキ「(何一つ…できてないじゃないか…)」

イッキ「(キクヒメを思い出すのも怖い!アリカとの関係はまだ根深く残ってる!カリンちゃんには今も心配させてる!)」

イッキ「(ダメだ、ダメだ、ダメだ)」

イッキ「ダメだよ…」

キクヒメ「どうして!?」


イッキ「ダメだなんだ!何一つできていない!やり遂げていない!」

カリン「どうしたんですかイッキ君?」

イッキ「ロボトルなんて始めなければよかった…」

イッキ「そうすれば、いつもの生活でいられたのに…」

カリン「やっぱり、無理していらしたんですね…」

イッキ「…」

アリカ「イッキお願い!帰ってきて!」

イッキ「…」

キクヒメ「頼むよイッキ!」

イッキ「…」

カリン「イッキ君!」

イッキ「…」ギリ

アリカ「イッキ!」

キクヒメ「イッキ!」

カリン「イッキ君!」

イッキ「うるさい!!!」

イッキ「ボクがどうしようとボクの勝手だろ!?もうボクに関わるなぁ!!!」

アリカ「イッキ…」

キクヒメ「自暴自棄になってやがる…」

カリン「いったいどうすれば…」

イッキ「みんな嫌いだ。メダロットなんて嫌いだ。ロボトルなんて嫌いだ。嫌いだ!」

アリカ「…」


アリカ「イッキ!」

イッキ「…」

アリカ「そんなに私達が嫌い!?メダロットが嫌い!?ロボトルが嫌い!?」

アリカ「いいわ!目の前から消えてあげるわ」

キクヒメ「おい、アリカ!」

アリカ「ここは任せて」

イッキ「消えて…くれるの?」

アリカ「ただし、条件があるわ」

イッキ「…なに?」

アリカ「ロボトルで勝負よ!」

アリカ「勝ったらお望み通り消えてあげる!負けたらウダウダ言わずに一緒に帰る!」

イッキ「な!?なんだよそれ!」

イッキ「無茶苦茶だよ!どうしてロボトルで勝負なんてしなくちゃならないんだよ!」

キクヒメ「アリカどういうつもりだ?第一、イッキにロボトルで勝てるはずが…」

カリン「…」

カリン「私はアリカさんに賭けてみます」

キクヒメ「…ちっ、しょうがねえなあ」

アリカ「勝負を受けるまで離れないわよ!」


イッキ「…」

イッキ「…いいよ、それで消えてくれるなら」

イッキ「やってあげるよ、ロボトルを…」

ロボトル開始!

イッキ「ボクに勝てるわけないよ、絶対に」

ゴッドエンペラーA
ゴッドエンペラーB
ゴッドエンペラーC

アリカ「負けられない!絶対に!」

プリティプライン
ペッパーキャット
ホーリーナース

ペッパーキャットの攻撃 なぐる

ゴッドエンペラーAは脚部で防御した 脚部に56のダメージ 停止効果

キクヒメ「よし!リーダーの足止めに成功!」

ホーリーナースの攻撃 そのほか

ホーリーナースの『完全防御』

カリン「守りは任せてください!」

プリティプラインの攻撃 なぐる

ゴッドエンペラーBは右腕で防御した 右腕に35のダメージ 停止効果


アリカ「よし!二匹目も停止!」

イッキ「ようやくボクの番だ」

イッキ「まずは、完全防御から潰す」

ゴッドエンペラーCの攻撃 メダフォース!『いっせいしゃげき』発動!

ホーリーナースの脚部・右腕・頭部パーツが破壊されました!

カリン「ホーリーナース!!」

キクヒメ「一発目からメダフォース!?どうなってんだ!」

イッキ「リミッター解除…と言ってもわからないか」

イッキ「そういう風になってるだけだよ」

キクヒメ「なってるだけって…これじゃあ…」

カリン「勝ち目なんてありません…」

アリカ「…」

キクヒメ「くっ!やるだけやってやるさ!」

ゴッドエンペラーAの停止効果解除

キクヒメ「遅い!二発目だ!ペッパーキャット!!」

ペッパーキャットの攻撃 なぐる

ゴッドエンペラーAは左腕で防御した 左腕に44のダメージ 停止効果

イッキ「また止められちゃったか…。でも…」


イッキ「こっちも二発目行かせてもらうよ?」

ゴッドエンペラーBの停止効果解除

ゴッドエンペラーBの攻撃 メダフォース!『いっせいしゃげき』発動!

ペッパーキャットの脚部・右腕・左腕・頭部パーツが破壊されました!

キクヒメ「ペッパーキャット…!」

ゴッドエンペラーAの停止効果解除

アリカ「早い!?」

イッキ「よし!行けゴッドエンペラー!!」

プリティプラインの攻―― 

イッキ「ちぇっ、そっちの方が早かったか。でも次で終わりだぁ!」

アリカ「くっ…」

プリティプラインの攻撃 まもる 

プリティプラインは『反射』態勢を取った!

イッキ「!」

キクヒメ「反射!?でも、次でゴッドエンペラーAのメダフォースを喰らっちまうぞ!」

カリン「アリカさん!」

アリカ「…」



アリカ「イッキ…」

イッキ「…」

アリカ「私、自分勝手でわがままで、人の気持ちもよく考えないし、それにあまりかわいくないけど…」

アリカ「でも、こんな私にも好きな人がいるの!その人に戻ってきて欲しいの!」

アリカ「お願いよイッキ!戻ってきて!!」

イッキ「…」

イッキ「…約束」

アリカ「…」

イッキ「約束したよね…、『負けた』ら戻るって」

アリカ「それは…その…」



イッキ「約束通り…戻るよ」

ゴッドエンペラーAの攻撃 ねらいうち

ゴッドエンペラーAの攻撃を反射 

ゴッドエンペラーAの頭部パーツが破壊されました!

リーダー機能停止 勝者 アリカ

イッキ「ボクの…負けだ…」

イッキ「(はぁ…。難しいなぁ、メダロットは…)」






キクヒメ「…嘘…だろ?勝っちまった…」

カリン「夢…じゃないですよね…?」

アリカ「やった…やったあああ!!!!」

イッキ「…」

イッキ「(ゴッドエンペラーAのメダル…)」

イッキ「(パパからもらったメダル…)」

イッキ「(唯一の友達…)」

イッキ「(ごめん、負けちゃった…)」

イッキ「(でも、次こそは…)」

アリカ「イッキ!」

イッキ「アリカ…」

アリカ「もう!いつまでこんな仮面つけてるワケ!?」グイ

イッキ「あっ…」

カポ

イッキ「(どのくらい付けてたんだろう?全然覚えてないや)」

イッキ「(本当の自分になって、現実を直視することになるんだ…)」

イッキ「(現実ってどんなものかな…)」

イッキ「…」


イッキ「何も変わらないや…」

カリン「ようやく見れましたわね、イッキ君の素顔」

カリン「とっても素敵ですわ」

イッキ「…ありがとう」

アリカ「ねえイッキ私達のこと嫌いって…」

イッキ「…」

アリカ「本当なの…?」

イッキ「…」

イッキ「…ううん」

イッキ「やっぱりボクみんなのことが好きだ!」

アリカ「よかった…」ホッ

キクヒメ「ああ、私の美貌がイッキを虜にしちまった」

アリカ「あれー?真っ先に恋の虜になったのは誰でしたっけー?」

キクヒメ「んだとぉ!?」

イッキ「ちょっとケンカは――」

カリン「恋の虜にはなったのはみんな一緒ですわ」

キクヒメ「///」

アリカ「///」

アリカ「そうね…」

アリカ「みんなイッキにトキメいてるもんね!///」

イッキ「///」カアァ

イッキ「もう早く帰ろうよぉ!///」

アリカ「なーに?照れてんのぉ?」ニヤニヤ

キクヒメ「イッキをからかうとおもしろいねー」ニカ

カリン「あらあら」クスッ



アリカ「ねえ、イッキ」

イッキ「うん?」

アリカ「もうどこにも行かないでよね…、バカ」

イッキ「アリカ…、ごめん」

アリカ「ダメ!謝っただけじゃ許さない!」

イッキ「そんな…」

アリカ「罰として!」ギュッ!

イッキ「えっ…」

アリカ「今日はずっと手つないだまま!」

イッキ「えぇ!?」

カリン「あら?でしたら、私にも同じことをしてもらわないと不公平ですわ」ギュッ!

イッキ「カリンちゃんまで…」

キクヒメ「ええ~と…」オロオロ

イッキ「ごめん、キクヒメの分がないや…」

キクヒメ「え…。べ、別に手なんか握ってもらいたくないわよぉ!」

イッキ「そっか…」

キクヒメ「でも、これじゃあ不公平よねえ?」

キクヒメ「だから――」


ちゅっ♡

イッキ「!///」

キクヒメ「これで許してあげる///」

アリカ「あぁぁっ!」

カリン「ずるいですわぁ!」

キクヒメ「やったもん勝ちに決まってるだろ!」

ぎゃーぎゃー



ミルキー「ああ、副怪盗君を盗られちゃった。ミイラ取りがミイラになるってわけ?」

ミルキー「怪盗幹部、全部カメラから見えてたでしょう?どうするのー?」

レトルト『…そのまま帰ってもらって構いません』

ミルキー「りょうか~い!」

ミルキー「でも…、副怪盗君の顔中々良かったから、もたいなかったなぁー」



レトルト「…」

ヘベレケ「良いのか?君が見込んだ弟子だろ?」

レトルト「博士、もう良いんです…」

レトルト「ていうか、もう終わりです…」

ヘベレケ「なぬっ!?」

レトルト「ゴッドエンペラーが倒され、ボクの弟子が奪われた今、やる気も何もかも失っちゃいました…」

ヘベレケ「これ!しっかりせぬか!」

レトルト「はあ…。ビーストマスターを超える機体…、期待してたけどこんなものかぁ」

レトルト「しばらくの間はまた一般人の生活に戻ります。ゴッドエンペラーを超える機体が出来たらまた呼んでください。それでは…」シュッ!

ヘベレケ「おい待て!」

ヘベレケ「くっ!これだから怪盗は!」

ヘベレケ「と言っても、ゴッドエンペラー無しではワシのほうも…」

ヘベレケ「仕方ない。しばらくの間大規模な計画は中止じゃ…。じゃが、裏で少しずつ準備しておこう…」

ヘベレケ「時が来たらまた役にたってもらうぞ、怪盗共」




イッキ「(ヒカルさん怒るだろうなぁ)」

イッキ「(もしかしたら、報復しに来るかもしれない…)」

イッキ「(でも…)」

イッキ「(今はアリカ達の悲しい顔を見たくない)」

イッキ「(それでいいよね)」

キクヒメ「なあ、イッキ」

イッキ「うん?」

キクヒメ「私達との激戦!必死の攻防!1ターン1ターンの惜しみ!」

キクヒメ「いやー、中々ものだったねぇ!」

キクヒメ「で」

キクヒメ「どうだい?ロボトルは楽しいかい?」

アリカ「…」

カリン「…」

イッキ「…」

イッキ「ロボトルは…」


イッキ「最高だよ!」


レトルトとのロボトル期待してたのに残念だな…
どうせならゴッドエンペラーとビーストマスターの新旧対決をみたかった…


今の年代で深夜向けにメダロット作るならこんな感じだろうなってのが想像出来た

むしろこの世界のロボトルはなぜこうなったのか
昔(ヒカル時代)からこうだったとしたらヒカルも同じ目にあいイッキみたいになったんだろうな
ただイッキみたく差し伸べられた手を取ったんじゃなく払い退けて悪の道を突き進んだ結果だと予想

ミスターうるちが居ないだけでこんな世界になってしまうのか・・・

>>98
ビーストマスターとゴッドエンペラーの夢の対決をしても、
思い入れで絶対に『ゴッドエンペラー』を勝たせてしまうからおもしろくないんだよなぁ

最強メダロットは『ゴッドエンペラー』一択でしょ

>>99>>102
ヒカルの過去話書こうと思ったけど、『メダロットPE』やってないから不服なことになりそうでやめた

>>103
ミスターうるちが居ないんじゃなくて、
ゲーム同様、合意無しでの強制ロボトル設定にしてみた

個人的にヒロインは

アリカ>カリン>キクヒメ
だから、喧嘩せずみんなアリカを崇めようぜ!

なお、アニメではヒロインがいない


蛇足


イッキ「ふぁ~、よく寝た」

ソルティ「ワンッ!ワンッ!」

イッキ「おはようソルティ!」

イッキ「さあ、今日も学校だ!」

イッキ「おはようママ!」

ママ「あらイッキおはよう。もうすぐ朝食ができるからね」

イッキ「うん、わかった」

パパ「ふぁ~、ねむい…」

イッキ「おはようパパ!」

パパ「う~ん、おはよう」ムニャムニャ



イッキ「それじゃあいってきます!」

ママ「あら、ちょっと待ってイッキ!」

イッキ「うん?」

ママ「これでいいかしら…」シュッシュッ

イッキ「うわっ!何すんのママ!?」

ママ「じっとしてて。今日はバレンタインなんだから目一杯おしゃれしなきゃね」

パパ「そうかぁ…。今日はバレンタインだったか…」

イッキ「うーん…」ムニュムニュ

ママ「…」ペタペタ

イッキ「もういいよ!じゃあ行ってきます!」ダッ

ママ「あっ、ちょっとイッキ!」

パパ「…」

パパ「ママからのチョコはまだかなぁー」



???「イッキ!」

イッキ「アリカ!」

アリカ「ちょうど迎えにいこうと思ってたの。さあ学校に行きましょ!」

イッキ「うん」

イッキ「(ボクが『あの事件』を起こしてから学校のメダロット勢力図が変わった)」

イッキ「(今学校には三つの勢力がある)」

イッキ「(①メダロットを1体しかもたない弱者、リーダーは『スクリューズ』)」

イッキ「(②メダロットをたくさん持つ強者、リーダーは『アリカ』)」

イッキ「③そしてボク、テンリョウイッキ」

イッキ「(本当はリーダーなんていなかったんだけど…)」

イッキ「(ボクのせいで変わった)」

アリカ「それで、今度シノビパークに行くんだ!」

イッキ「いいなぁ、ボクも行きたいよぉ。帰ってきたら感想聞かせてね!」

アリカ「楽しみに待って…ん?」クンクン

イッキ「な、なに?」

アリカ「…」クンクンクンクン

イッキ「アリカ近いよ!///」

アリカ「イッキ香水つけてる?」


イッキ「え!?えっと…」

アリカ「よくみたら、なんか肌も…」ペタペタ

イッキ「やめてよアリカ///」モニュモニュ

アリカ「もしかしてバレンタインだから?」

イッキ「べ、別にそんなわけじゃ…」

アリカ「説得力なーい」

イッキ「うっ…」

アリカ「ふーん、やっぱりイッキも欲しいんだ」

イッキ「まあそりゃあ、もらえるなら…」

アリカ「もらえるといいね♪」

イッキ「あはは…」

イッキ「(アリカはくれないのか…トホホ)」




学校 玄関

アリカ「さあイッキ君、第一関門の下駄箱にやってまいりました!」

イッキ「アリカやめてよぉ。恥ずかしいよ」

アリカ「何言ってんのよ!下駄箱と言えばチョコの第一関門!ここをクリアするかどうかで今後が大きく変わるのよ!」

イッキ「やだなぁ、こんな思いするくらいならバレンタインなんて無い方がましだよ」

アリカ「そんな負け犬台詞は後の方に取っときなさい」

イッキ「はいはい」スッ

アリカ「おおっと!イッキ君下駄箱の扉に手を掛けました!!!」

イッキ「なんでこんな恥ずかしい思いをしないといけないんだろ…」ガチャ

ドサッドサッドサッドサッ

イッキ「えぇ!?」

アリカ「…」

男の子a「す、すげえ…」

男の子b「さすがイッキだぜ…」

イッキ「(ボクがこんなにチョコをもらえる理由…)」

イッキ「(ルックスでも、性格でも、家柄でもなくて…)」

イッキ「(あの事件が影響している)」


イッキ「(あの事件以来ボクに対する見方は変わった)」

イッキ「(強者は、ボクへ媚びるようになり)」

イッキ「(弱者は、ボクを英雄として崇めるようになった)」

イッキ「(そして、各勢力はボクとのいざこざを避けるために…)」

イッキ「(ボクの友達をリーダーにした)」

イッキ「(このチョコはボクへの挨拶かな…)」

アリカ「私先に行ってる!」プイ

イッキ「えっ!?ちょっと待ってよアリカ!チョコ拾うの手伝ってよぉ!」

アリカ「いーだ!」

イッキ「もう、何怒ってんだよ…」


スクリューズの集い

キクヒメ「よーし、お前ら集まったか」

ワイワイガヤガヤ

キクヒメ「さーて、お前らに問題だぁ!今日は何の日だ!?」

「バレンターイン!!!」

キクヒメ「せーかいだぁ!というわけで、受け取れお前らぁ!私からのチョコだぁ!!!」バアッ

「チョコだ!チョコだ!」

「キクヒメ様からのチョコよぉ!」

「拾え!拾えー!」

「これアポロチョコじゃねーか!」

「一人一粒ぐらいしか量ねーぞぉ!」

「もっとよこせー!!!」

キクヒメ「今日の集会は終わりだ―!ゴミはきちんと拾って帰れぇ!」

「はーい!!」

キクヒメ「解散!!!」

イワノイ「本日もご苦労様です!姉御!」

カガミヤマ「ご苦労様っす!」


カガミヤマ「姉御、スクリューズの女子達からこんなにチョコが来てます」ヨイショ

キクヒメ「あら…。じゃあ、カガミヤマに全部あげるわ。私からのバレンタイン」

カガミヤマ「ありがとうごぜぇまっす!」

イワノイ「ええと姉御、俺には…」

キクヒメ「カガミヤマ!そのチョコの中から一つイワノイにやりな!」

イワノイ「それはねーぜぇ、姉御…」シクシク

キクヒメ「さてと、それじゃあこの本命チョコをイッキに…」

キクヒメ「ん?」

女の子e「私イッキ君の下駄箱にチョコ入れちゃった!」

女の子f「私も私も!」

女の子g「私なんて――」

キクヒメ「…」ピキピキ

イワノイ「あれぇー?姉御、手にチョコなんて持って何してるんすか?」

イワノイ「あっ!?もしかしてまたチョコもらったんすかぁ?」

イワノイ「しょうがねぇ、じゃあオレがもらってあげますぜ」スッ

キクヒメ「あぁん!!!?」

イワノイ「ヒッ…」

キクヒメ「さわんじゃねえええええええええ!!!!!!!!!!!」ボゴオ

イワノイ「キャイン!」

キクヒメ「これは普通に渡したんじゃダメだなぁ…。何かこう思い出に残るような…」

キクヒメ「そうだ!」ポン


教室

イッキ「結局アリカはボクを置いて行っちゃった…」

イッキ「それにしても…重い…」チョコギッシリ

男の子c「よぉイッキ!」

男の子d「今日も元気だなイッキ」

イッキ「あ、おはよう!」

女の子d「イッキ君おはよう!」

イッキ「おはよう!」

女の子d「絶対に机の中見てね」

イッキ「(? なんだろう?)」

イッキ「うん、わかったよ」



イッキ「アリカ酷いよ、置いていくなんて」

アリカ「ふーんだ」プイ

イッキ「もう…」チラ

イッキ「げっ!?」

イッキ「机の中に…チョコが…ぎっしり…」

アリカ「…」ムー


昼休み

イッキ「やっとお昼だ」

ドドドドドドッ

イッキ「ん?」

男の子d「なんだなんだ?」

女の子達「イッキくーん!!!」ドドドドッ

男の子c「ヒッ…」

アリカ「あらー、モテモテねイッキ」ニヤニヤ

イッキ「あ、アリカたすけ…」

アリカ「また後でね~」フリフリ

女の子x「イッキ君私のチョコ受け取って!」グイグイ

女の子v「イッキ君私のを!」グイグイ

女の子m「私のが先!」グイグイ

女の子k「私が先よ!」グイグイ

イッキ「く、苦しい…。た、たすけ…」

グイッ!

イッキ「!」

???「手をしっかり握ってなよ」ギュ


体育館裏

???「どうだい?落ち着いたかい?」

イッキ「た、助かったよ…。ありがとうキクヒメ」

キクヒメ「なぁに大したことじゃないよ」

キクヒメ「それでぇ…そのさぁ…」

イッキ「…」

キクヒメ「…」

イッキ「キ、キクヒメ?」

キクヒメ「あ、いやそのぅ…。調子はどうだい?」

イッキ「うーん、まずまずかな。キクヒメの方はどう?落ちメダ狩りとか」

キクヒメ「安心しな!あたしがいる限り好き勝手はさせないよ」

イッキ「頼りになるなぁ、キクヒメは」

キクヒメ「なんたって、スクリューズのトップだからね!!!」

イッキ「(落ちメダ狩り。あの事件の影響で、メダロットを失った人は多い。メダロットをやめた人までいる。でも、彼らは元々強者だったんだ。そんな彼らに反感を持つ弱者は…)」

イッキ「(少なくない…。弱者に落ちた彼らに復讐しようとする人々。そんな人々を止めようするスクリューズ)」

イッキ「キクヒメには頭が上がらないや。ありがとうキクヒメ」ニコ

キクヒメ「その顔…」


キクヒメ「くっ…///」カアァ

イッキ「?」

キクヒメ「れ、礼ならお返しとして約束を守って欲しいところだね」

イッキ「え、でも…」

キクヒメ「わかってる。あんたをスクリューズに入れたらアリカが困るってことは」

イッキ「…」

キクヒメ「バランスを保つためとはいえ…嫌な立場だねぇアンタも…」

イッキ「ごめんね」

キクヒメ「別に気にしてないさ。でも、あたしは待ってるよ」

イッキ「…うん。いつか約束は守るよ」

キクヒメ「絶対だよ」

イッキ「うん!」

キクヒメ「…」

イッキ「…」

イッキ「(どうしたんだろう?急に黙っちゃった…)」

キクヒメ「…」

イッキ「じゃあ、ボク行くね?」

キクヒメ「…」


キクヒメ「イッキ!」

イッキ「?」

キクヒメ「ば、ばばばばばばばばば」

イッキ「キクヒメ!?だ、大丈夫?」

キクヒメ「ばばっばば、バレンタイン!!!」

イッキ「えっ?」

キクヒメ「バレンタインチョコやるよ!!!」

イッキ「…うん!ありがとう!」

キクヒメ「それ…本命だからな…」

イッキ「大切に食べるよ」

キクヒメ「今食え!食って感想置いてけ!」

イッキ「う、うん。じゃあ、いただきます」

イッキ「ボリボリ」

キクヒメ「…あ、味はどうだ?」ゴクッ

イッキ「とってもおいしいよ!」パァ

キクヒメ「ほ、ほんとかぁ~?」フラッペタン

イッキ「だ、大丈夫キクヒメ?」

キクヒメ「ちょっと、疲れちまっただけだ。先いっててくれ」


イッキ「え、でも…」

キクヒメ「いいから…」

イッキ「…本当に何でもない?」

キクヒメ「うるせぇ!さっさと帰れ!!」

イッキ「…わかったよ」

イッキ「…ありがとう」ボソッ

キクヒメ「…」

イワノイ「姉御イッキのやつ行きましたぜ」

キクヒメ「…」

イワノイ「体育館裏でのチョコ渡し。くぅー!王道中の王道!最高でしたぜ!」

キクヒメ「…」

イワノイ「姉御?いつまで顔を手で押さえてるんですかい?」

キクヒメ「…」

イワノイ「姉御?」

キクヒメ「うるせなぁ!!てめーもさっさと消えちまえぇ!」

イワノイ「キャイン!」ダッ

キクヒメ「…」

キクヒメ「とっても…、おいしい…、か…」ニヨニヨ


放課後

女の子達「イッキくーん!また明日ねー!!!」

イッキ「…」チョコドッサリ

アリカ「うわぁ…。すごい…」

イッキ「ねえアリカ、このチョコ…」

アリカ「頑張って全部家に持ち帰ることね」

イッキ「うぅ…」

アリカ「イッキ今日の夜空いてる?」

イッキ「夜?うーん、たぶん」

アリカ「じゃあ、夜の10時に波止場で待ち合わせね!」

イッキ「えぇ!?なんでそんなところに…」

アリカ「いいから!わかった?」グイ

イッキ「う、うん…」

アリカ「じゃ、また明日!」

イッキ「うん、また…明日…」オモイ





イッキ「た、ただいま…」

ママ「おかえ…。きゃっ!すごい!!」

イッキ「よっこい…しょ…っと」ドサッ

ママ「うちの子ったらモテモテじゃない!」

イッキ「ふぅ…。疲れた…」

ママ「お疲れ様♪」

イッキ「じゃあ、遊びに行ってくる!」

ママ「遅くならないでね」

イッキ「うん!」



コンビニ

ヒカル「やあ、いらっしゃい」

イッキ「ヒカルさんも普通にしていればただの一般人なのに…」

ヒカル「そりゃあ、一般人だもん」

イッキ「元ロボロボ団幹部でしょ」

ヒカル「あはは、君もね」

イッキ「ヒカルさん、もう怪盗レトルトにならないんですか?」

ヒカル「今はならないよ。『ゴッドエンペラー』を超える機体の話も聞かないし」

イッキ「じゃあ、もし現れたら…」

ヒカル「もちろん、欲しいね。どんな手を使ってでも…」

イッキ「ヒカルさん…。ヒカルさんがそこまで力を求めるのって…」

ヒカル「まあ、色々あったんだよ。昔にね」

???「ヒカルさん」

ヒカル「ん?」クルッ

???「お久しぶりです」

ヒカル「げっ!?」

イッキ「あっ!ナエさん!」

ナエ「イッキ君もお久しぶりですね」


ヒカル「どうして君がここに…」

ナエ「ヒカルさんにお渡ししたいモノがありまして…」ギュッ

ナエ「一緒に研究室まで来てもらえますか?」

ヒカル「え…あっ…と…」

ヒカル「(助けてイッキ君!)」チラッ

イッキ「(邪魔になりそうだなぁ…)」

イッキ「ボク帰りますね!ヒカルさん、ナエさんまたね!」フリフリ

ヒカル「…」ガクッ

ナエ「さようならイッキ君」フリフリ

ナエ「さあ、ヒカルさん早く」

ヒカル「はぁ…。星でも見るのかい?」

ナエ「もっと良いモノですよ」



メダロット研究所

ナエ「これは最近開発されたメダロット『エレメンタルシリーズ』です」

ヒカル「へぇー、変化形かぁ」

ナエ「どうです?欲しくありませんか?」

ヒカル「ちょっと欲しいかな」

ナエ「いいですよ。さしあげます」

ヒカル「ほんとかい!?それじゃあ――」

ナエ「ただし!」

ヒカル「えっ…」

ナエ「私と真剣ロボトルで勝つことできれば、が条件です」

ヒカル「もし負けたら…」

ナエ「今日一日付き合ってもらいます」

ヒカル「はぁ…。タダじゃくれないのかぁ」

ナエ「ヒカルさんにとってはタダみたいなモノじゃないですか」

ヒカル「まあね、それじゃあ行くよ!」

ロボトル開始!



ロボトル終了

ナエ「うぅ…わかっていた結果とは言え、悔しいです」

ヒカル「わーい!『エレメンタルシリーズ』!ゲットォ!」

ナエ「お約束通りそれは差し上げます。ここからは私のお願いなんですが…」

ヒカル「?」

ナエ「えっと…その…」

ナエ「思い切っていいます!いつもわたしの傍にいていただけませんでしょうか??」ドキドキ

ヒカル「あはは、それ子供の時にも言ったよね」

ナエ「覚えていてくれたんですか」

ヒカル「答えは今も昔も変わらないよ」

ナエ「…そう…ですか」

ヒカル「ん?」

ナエ「なんでもありません。あっ、これ」スッ

ヒカル「チョコ?」

ナエ「ハッピーバレンタイン」

ヒカル「…ハッピーバレンタイン。ありがとう」

ナエ「いつもお世話になっていますから」


ヒカル「今度会うときはきちんとお返し持っていくからね」ニコ

ナエ「(変わらない、あなたの笑顔)」

ナエ「はい、楽しみにしています♪」

ヒカル「♪」

ナエ「…」

ナエ「ヒカルさん、あなたはいつまで…」






















「子供時代に籠っているのですか」


カリン「はい、イッキ君」スッ

イッキ「これって…チョコ?」

カリン「はい、チョコはお嫌いですか?」

イッキ「ううん、大好きだからうれしいんだ!」

カリン「よかったぁ」

カリン「…」

カリン「イッキ君」スッ

イッキ「え?」モニュモニュ

カリン「イッキ君のお顔、きれいですね」ペタペタ

イッキ「えっ…と、カリンちゃん?」モニュモニュ

カリン「イッキ君は…」

カリン「私を選んではくれないのですか?」

イッキ「選ぶ…?」

カリン「私イッキ君のことを…」

カリン「…」

カリン「その…これからもずっと…そばにいていいですか?」

イッキ「うん!もちろん!」

カリン「…」

カリン「…イッキ君はまだ子供なんですね」

カリン「でも…、そんなイッキ君が好きですよ」




夜―波止場―

イッキ「うぅ…寒い…」

アリカ「イッキーっ!こっち!こっち!」

イッキ「どうしたのさアリカ?こんな時間にこんなところで」

アリカ「…はい」

イッキ「これは?」

アリカ「チョコレートよ!チョコレート!まだあげてなかったでしょ」

イッキ「そういえばそうだっけ…」

アリカ「そういえば…って。あーあ、あんだけチョコもらっていれば私ぐらいどうだって良いってことね」

イッキ「べ、別にそういう意味じゃ…」

アリカ「ふーん、いいもん別に」

イッキ「そんな怒んないでよ…」

アリカ「…目つぶって」

イッキ「え?」

アリカ「早く目つぶって」

イッキ「う、うん…」

イッキ「(なんだろう…)」


イッキ「(まだかなぁ…)」

イッキ「(長い…)」

イッキ「(長すぎる…)」

イッキ「(ちょっとくらい目開けても良いよね?)」スッ

イッキ「あれ?アリカ?」

イッキ「アリカがいない!?」



イッキ「アリカー!!!」

イッキ「おーい!!!」

イッキ「まったくどこいったんだろう…」

イッキ「アリカーー!!!!」

イッキ「波止場で隠れられそうな場所と言えば倉庫くらいだけど…」

ガチャガキッ

イッキ「閉まってるし…」

イッキ「…まさか置いて帰った?」

イッキ「そんなわけないよね…」

イッキ「…」

イッキ「アリカん家に行って確かめてみるか」

イッキ「(頼む…!無事でいてくれ!)」



ちゅっ♡

イッキ「ちゅって、いま…」

アリカ「ばぁ♪びっくりした?」

イッキ「アリカ!どこ行ってたんだよ!?」

アリカ「えへへ、ごめんね。びっくりさせようと思って隠れてたの」

イッキ「もう本当に心配したよぉ…」

アリカ「イッキ…。ありがとう」

イッキ「さあ帰ろう?もう時間も遅いよ」ギュ

アリカ「イッキ…」

イッキ「もう勝手にどこかに行っちゃダメだからね」

アリカ「…うん♪」

アリカ「イッキ、ずっとっずっと――」










「一緒にいようね」


帰宅

イッキ「ただいまー」

ママ「もうイッキたら!こんな夜遅くまでに何してたの!?」

イッキ「ごめん、ママ」

パパ「次からは気を付けるんだぞ」

イッキ「うん」

パパ「よし、じゃあおやすみ」

イッキ「おやすみ!」

ママ「もうパパったら…」


それから一ヶ月…

イッキ「えぇーと…」

イッキ「ホワイトデー…」

イッキ「どうすればいいんだろう…」




バレンタインだったことを思い出して速攻で書いた。
稚拙な分で申し訳ない。

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