透明ガール(65)

耳を劈く風は冬の始まりを告げる


夏のコンクールでは惜しくも銀賞だった僕達は
また来年に向けて特訓が続いた


男「ふぅ……うわぁ外超寒い!!」


思わず歯がカチカチと震えだす
チューバなんて重たい楽器を担当することが決まってから
「音がうるさい」と言われ練習場所は決まって屋上だ



いつもなら放課後の屋上は僕だけを待ってくれているのに
今日はどうやら違うようだ



男「……あれ?先客がいる」

後輩「あ、お疲れ様です」


彼女は後輩

まだ一年生にも関わらずその腕を買われ1stを担当している
トランペット吹きだ

男「お疲れ。寒くない?」

後輩「全然」


見る者全てを虜にすると言われている
彼女の殺人スマイルは相も変わらずだ



後輩「先輩いつも屋上で練習してますね」

男「そうなんだよ…教室で吹いているとフルートとかの奴等が文句言ってきてさ」

後輩「あはは!確かに先輩のチューバ、凄くうるさいです」

男「こらこら」




なんて他愛もない会話をしていると風が強く吹く
突然背後から大きな音が鳴り響き僕と彼女は思わず肩を大きく上げた




後輩「っビックリしたー!風で扉が閉まった音だったんですね」

男「いやマジ心臓に悪いわ…」

どうやら今日の屋上さんはご機嫌斜めらしい
そしていつも使っているイスは大きな欠伸をしてそこら辺で寝転んでいた



後輩「寒っ…私もう教室戻りますね」

男「やっぱ寒いんじゃん」



振り返った彼女は長い髪をはためかせ笑った



霞んだ太陽が鈍く彼女を包み込む
透明人間になった彼女はいつの間にか屋上から姿を消していた





男「ふぅ……練習すっか」


体が温まるよう恋のカーニバルのソロをひたすらやり続ける
冬の透明感はまるで彼女のように僕を包み込んだ

ガチャリ

男「あれ?」

男「誰だよ鍵掛けやがって……」


既に18時前になり僕は相棒を片付けに廊下の隅にある楽器室に入った
もう学校には殆ど人はいない……鍵が勝手に閉まるなんてことはないだろうけど




後輩「うふふ……お片付けご苦労様です」


男「後輩さん?」

後輩「先輩……実は先輩に話したい事があって……」

男「え?う、うん」ドキッ




驚いた……学校一美人と呼ばれる後輩さんにこうして
密室に閉じ込められるなんて…


すらっと伸びた長い足は僕の帰りを拒むようにそびえ立つ

後輩「……目ぇつぶってください」

男「は、はいっ」


思わず瞼を強く閉じる
凛とした彼女の空気が近くにあるように感じる…


これは一体なんてご褒美なのだろうか
僕は学校内でも屈指に入る三大美人こと後輩さんに
それはまるでドラマのキスシーンかのように演じさせられているんだ






後輩「よいしょっと……もうちょっと待ってくださいねー」

男「うん、待ってます」




そわそわと胸が躍る
君のキスならばいつまでも待てます
そう、いつまでも……

5分後

男「……あのー?」



ガチャリッ



男「え!?」

後ろに組んでいた手に違和感だ
無機質な拘束具らしきものが僕の手の自由を奪う

それどころか目を開けようとすると目隠しまでもつけられてしまう



後輩「はーいこの目隠しもしてくださいねー」

男「何?話があるんじゃなかったの!?」

後輩「とーっても大事な話ですよ?」




本当にとっても大事な話をするようなテンションじゃない…
僕は彼女の張り巡らせた罠にまんまと引っ掛かってしまったのだ

後輩「てーいっ」ドンッ

男「痛っ」



両手の自由を奪われた僕はいともたやすく押し倒され仰向けに寝転ばされる




男(だ、ダメだ……手が後ろで拘束されて上手く立ち上がれない……)

後輩「んーそそりますねぇ」

男「こ、これからリンチでもするつもりか!?」

後輩「リンチ?ある意味そうなるのかもしれないですね」

男「そんな……君はそんな事するような子じゃないと思ってたのに……」



やっぱり甘い罠だったんだ……
きっとこれから部活の女の子達が一斉に僕を罵倒しに来るのかもしれない
明日までに5万円持ってこいと裸にされて写真を撮られるのも……



それはそれで悪くないな

後輩「よいしょっ……お邪魔しまーす」



仰向けの僕の体にスレンダーな体を乗せてきた


一体何がしたいんだ?


男「お、重い……」

後輩「あ、それ地味に傷付くんですけど」


彼女の長い髪が耳に触れるのが分かる


今彼女は、僕に抱きついたまま耳元で話しているらしい






後輩「先輩……いつも練習中私の顔見てるの気付いてましたよ?」ボソッ

男「!!」ビクッ

男「そんな事は……」

後輩「そんな事ありますよ?あなたはいつも練習中先生の指揮なんか見ないで向かいに座ってる私の唇ばかり見ていますね」

後輩「それはもう他の皆も知っている事実なんです」


静かにしかし艶やかな彼女の囁き声が甘く響く



男「……それは」

後輩「先輩いつも私の可愛らしい唇を見て興奮してるんでしょ」

後輩「チューバで上手く誤魔化しているつもりかもしれませんが……」サワサワ

男「そ、そこは……!」





後輩「先輩の汚いあそこはいつもこんな風に元気ですもんねー」サワサワ

確かに僕はいつも彼女のその可愛らしい唇を見ていた
でも彼女の視線はいつだって先生の指揮棒を見ていたはず

ピストンバルブの隙間からバレないように覗いていたんだ…
僕の作戦は完璧だったはずなのに



男「や、やめてくれ……そんなつもりじゃなかったんだ」

後輩「やめてくれ?」ピクッ

男「……やめてください」

後輩「先輩……私の奴隷になってくれる?」

男「奴隷?」


いつもの清楚で可愛らしい彼女はどこに行ってしまったのか

今僕にのしかかる彼女はまるで悪魔のように契約を提示する…



後輩「これから私の奴隷になってくれるのなら先輩がいつも愚息おっ立てて練習してる事……」

後輩「誰にも言わないであげる」アムッ

男「ひゃあっ!?」

彼女は俺の耳をそっと甘く噛み、ねっとりとその小さな舌で
奥まで侵入を試みる……



男(き、気持ちいい……耳の中舐められるのってこんなに気持ち良かったんだ……)


後輩「んっ……」チロチロ



僕の股間に違和感を感じたのか、ゆっくりと腰を動かす

学校中のマドンナが、今僕の上であそこを息子に擦りつけオナニーしている……?




初めての快感に、さっきまで感じていた悪い妄想を全て謝りたくなった

それと同時に、心地よい背徳感に僕の体は少しずつ犯されていくようだ

彼女の執拗な舌責めは一体何分続いたのだろう……




男「はぁ……はぁ……手錠、解いて……」

後輩「んむっ……解いて?」

男「……外してください」

後輩「それは無理かな」

男「なんでっ」




後輩「てーいっ」ブチブチ

男「え?え?」


シャツのボタンが弾け飛ぶ音だ
中のインナーを捲り上げ彼女は顔を近付けている

彼女の息が胸部に…いや、乳首周辺に気持ちよく降り注ぐ

後輩「先輩……私、ずっとトランペット吹いてるんですけどね」

後輩「この前友達に言われたの」

後輩「トランペット吹いてる人は舌使いがエロいって」ニヤァ






後輩「……んっ…………れろ」

誰も来ない楽器置き場で
ピチャピチャと彼女の唾液の音だけが響きわたる

今度は乳首を舐めるのにご執心のようだ




後輩「……先輩のここ、苦しそうですね」サワサワ

男「も、もう無理…………我慢出来ない……」ハァハァ

後輩「だから?」ペロッ

思わず体が小さく跳ねた

ちろちろと乳輪をなぞるようにしたと思ったら
急に吸い付いてきたりと緩急をつけられて……



男「このままじゃ…………後輩さんの事襲っちゃうよ……」

後輩「……へぇ?奴隷なのに主人とセックスしたいって言うんですか?」

男「うっ……」

後輩「よいしょっと……ねぇ?したいの?」グリッ

男「あっ……」ビクッ

後輩「先輩今私のむれむれ靴下で苛められてるのにまだ感じてるんですか?」

後輩「どうなの?したいの?」グリグリ



彼女の靴下から素足のぬくもりがズボン、パンツを通り越して伝わってくる

適度にリズムを合わせ僕の愚息を楽しそうに虐めてくるんだ
こんなの誰にも我慢なんて出来ないと思う…




男「したいっ!セックスしたいです!!」

ぴたりと足が止まる

後輩「ふーん?」

後輩「可愛い……もっと私におねだりして……」

後輩「先輩の威厳とかプライドとか全部……」



後輩「私が脱がせてあげる」


女王様の攻撃はまだ続くようだ


後輩「んっ……クサイ」サスサス


慣れた手つきでズボンを脱がされた後
彼女はその柔らかな長くて白い指で僕のあそこをぎゅっと握りこむ

男「うぁ……気持ちいい」

後輩「マジクサイ……ちゃんと洗わなかったらもうしてあげないけど」

男「ちゃんと洗います……」

どうやら次回もあるらしい
きっとこれから彼女の玩具として僕は生きていかなければならないのだろう

彼女は責めるのが好きらしい
かれこれ学校一の美人が行う手コキは10分以上無言で行われていた

時折僕が声を洩らすと彼女も合わせて感嘆の声を上げる

「あっ…ぴくってした…」とか
「意外とぐろくない…ていうか可愛い」などと
聞こえるようにひとり言を喋っている時もあった


男「……後輩さん」

後輩「しないけど一応聞いてあげる」

男「その……口でしてください」

後輩「嫌」

男「そんな……」

後輩「……ま、まぁ先輩が可哀想だしちょっとだけ…?」


急に暖かい液体が先端を包み込む


後輩「……私の唾で我慢してください」シュッシュッ

男「うお、ぬるぬるして気持ちいいよ……」

後輩「うふふ……また子犬みたいに鳴いて?」レロッ

男「あっ……また乳首も……」

後輩「一緒に責めたらすぐイッちゃう?」シュッシュッ

男「い、いかない!だからどっちも……」

後輩「よくできました」レロッ




何度も声が漏れる

この教室は暖房なんて付いていないはずなのに
暑さで体から汗が溢れ出て来るんだ





男「い、イキそう!!」

後輩「……」シュッシュッ

後輩「イったらお仕置きですから」

男「いい!お仕置きされていいから!」

男「もう我慢出来ないんだ!!」

後輩「一生私の奴隷でもいいんですか?」

男「うん!後輩さんの奴隷なら一生でもいい!!」



後輩「契約成立ですよ」ニコッ




彼女の細い指が絡みつき前立腺を刺激する
一時間以上我慢していた分が一気に解放された……

後輩「……先輩」


ようやく目隠しが外されると、目の前にはすっかり雌の顔をした彼女が
だらしなく涎をたらしていた


そしてねだるように顔を近づけてくる
僕からしてくるのを待っているようだった

互いに息を感じる距離はおよそ1cm

彼女のくりんとした瞳を覗き込むと瞳孔が動いてる

僕からはしない……
だって僕は彼女の奴隷だから


待つこと数分、ようやくご褒美のキスが貰えたんだ








すかさず舌が侵入してくる

男「!?」

後輩「んっ……」

男「……」レロレロ

彼女の舌がじっくりと口内を責める

ガッチリと頭を掴まれ隅々まで
たっぷりと味わっているようだ

後輩「……ぷはっ」

後輩「変態なんだから……」

男「ごめん……」

後輩「許さない」シュルシュル

片足ずつ下着を脱ぎ捨て露わになった彼女の秘部は
ねばねばと糸を引き蜜がたっぷりと塗りたくられている

後輩「あはは!また大きくなってますよ?」ギシギシ

男「そ、そこは……」

彼女は生殖器を僕の息子に擦りつけ腰を動かす

ねちゃねちゃといやらしい音とともに、
彼女の喘ぎ声が少しずつ大きくなる

男「……気持ちいい」

後輩「興奮してるの?早く私のあそこにその臭くてみっともないの挿れたいの!?」 ギシギシ

男「……はい」

男「後輩さんのおまんこに僕の臭くてみっともないおちんちんを挿れさせてください」

後輩「……合格」ニヤァ

後輩「……んっ」

僕のあそこを彼女は入口にあてがう

何度も入りそうになっては彼女の蜜で侵入は拒まれ
そのたびに顔を赤らめながら、したり顔で僕を見下ろす


後輩「入りそう……先輩の汚いアレが入りそうですよ……」ハァハァ

男「……挿れてください」




後輩「私の処女が欲しいんですか?」

男「処女って……うん」

後輩「…………変態」




勢い良く腰を下ろした彼女はびくんと跳ねあがり
思わず痛みに口元を歪める…

本当に初めてだったんだ

後輩「はぁ……はぁ……」



後輩「…………よし」

後輩「んっ…………はぁんっ!?」ビクッ

男「はいった……」

後輩「動かないで…………」ハァハァ

男「痛い?」

後輩「はぁ?こんな小さいのが入って痛い訳……ないですよ」



精一杯の強がりがまた愛おしくなり何とか両の手の自由を奪い返そうともがいてみる



後輩「…………動かして」

男「うん」

手を拘束されたまま腰だけを
動かすのは難しい……

けど、それよりも彼女の蔑む声を聞くためなら体の不自由なんて関係ない

必死に円を描くように腰を動かす

男「こう?」

後輩「んっ……」

後輩「……もっと激しく」


無茶な命令だ
だけど彼女のためなら僕は無理をしてでもやらなければならない


後輩「はぁんっ!!」ビクッ

男「気持ちいい?」

後輩「うるさいですよ……先輩は黙って惨めに腰を振っていればいいんです」



そう言って乳首を思いっきり抓られる

男「ああっ!」ビクッ

後輩「んっ……先輩の方こそ随分と気持ちよさそうですね」

それはさっき君が開発してくれたから…
何度も強く抓られては思わず体が小さく跳ねる

段々と彼女はぴんと張った背中を丸めこちらに顔をうずめてくる



後輩「先輩…いつも私でオナニーしてますよね?」

男「しっしてない……!」

後輩「嘘……だって先輩いつもイカくさい匂いプンプンさせてるから」


そんなはずは……
確かにいつも朝早く起きては後輩さんのことを妄想してしごいていた



だけどバレないようにシャワーを浴びてから学校に向かっているんだ



男「……そんなに匂う?」

後輩「やっぱり」



まんまと騙されてしまった

だけどもうそんなことどうだっていい……

後輩「あはっ!膣でビクビクしてますよ?」

男「だって……」



後輩「本当は嬉しいくせに」


悪戯に笑う彼女は落ちてきた太陽の光に包まれ再び透明と化す

加速していく彼女の動きはあまりに官能的で情けないけど我慢の限界だ…


男「ダメっ……もうイキそ……」


後輩「はーい」ピタッ


男「え?」ハァハァ



後輩「先輩……そんな簡単にイカしてくれると思ってたんですか?」




後輩「私が気持ち良くなるまで絶対にイカせてあげませんから」

何度もイキそうになっては動きを止められその度に彼女は
輪郭を出したり消えたりしながら僕の様子をじっと窺う


男「はぁ……はぁ……」

後輩「ねぇ先輩?」

男「はい…」

後輩「責任取ってくださいね」

男「……うん」




後輩「はぁんっ……まだ……」

男「もう限界だ……」

後輩「まだだめぇ……」ギュッ

男「……うん」



もうどれぐらい時間が経ったか分からない

でも確実に彼女は絶頂に向かっている

後輩「んっ……」チュッ


熱い口づけをかわしながら下半身に力が入る

後輩「はぁ……はぁ……先輩っ」

どうやら彼女も限界のようだ


後輩「一緒にっ……」

男「うん」



三度ほどの激しいピストン運動の後
僕たちは溜め込んだ快楽を解き放つ……


後輩「やぁ……先輩の熱くてクサイ精子がいっぱい出てる……」

男「……ごめん」

後輩「許さない」




後輩「浮気とかしたら……刺すから」ギュッ

男「うん、いいよ……」

後輩「……馬鹿」



外を見ると粉雪が降り注いでいた

まだ寒い冬の中、後輩は耳元でとある言葉を囁き
そのまま眠りにつく……




後輩「…………んっ」



男「おはよう」パンッパンッ

後輩「アレ?いつの間に私……ていうか!」

後輩「何勝手に挿れてるんですかっ……」

男「だって俺拘束されて腰しか動けないし」

男「後輩さん挿れたまま寝てたからつい……」

後輩「はぁー……だからって寝ている可愛い私に許可なく二回戦ですか」



後輩「クスッ……」


後輩「必死に腰振ってバカみたいですよ先輩」クスクス



僕は彼女に忠誠を誓った


後で聞いた話だけど彼女はずっと僕のことを考えて一人でしていたらしい
でも告白なんて照れくさいから無理矢理犯して既成事実を作りたかったんだって


それから僕は毎日彼女にたっぷりと全身を舐められ躾されている

そう、学校一のマドンナに……

誰も彼女がドSな女王様だということは知らない



部長「……なんで」



はずだったんだ

それから半年ほどの時間が過ぎ、僕たちにとって最後の夏がやってきた



僕たちのブラスバンドは万年可もなく不可もないごく普通の成績しか残したことがなかった

例の如く今年も銀賞だったけど特に悔いもない
全国大会を目指していた訳でもないしそもそも凡人がいくら努力したところで所詮は凡人なのだ




だから凡人の僕たちはさっさと引退して下の子たちに万年銀賞のたすきを掛けてあげるんだ




部長「はい!今までお疲れさまでした~!」パチパチ

後輩達「先輩方!今までありがとうございました~!」パチパチ



という訳で打ち上げだ
長年汗を流してきたこの合奏室にはチープな金銀のモールで飾り付けされ
隣の教室から拝借した学習机を四つずつ合わせ大きなテーブルがいくつも設置されていた

モブ「男先輩!ポテチの袋が開かないんでお願いします~!」

男「うん、いいよ」

男「よいしょ……」

開かない…


モブ「……もういいです」

男「あはは…」

部長「こら~男くん!君は唯一の男子なんだからいいとこ見せろよ~!」


明るく元気いっぱいな彼女は中学の時からずっとユーフォニウムを担当し
すぐにこの冴えない部活の中心人物となった
当然先輩たちは彼女を部長に推薦し後輩達も皆それに納得した

おっちょこちょいなところがたまにキズだけど

男「部長に言われたくはないかな」

部長「てへぺろ~」

男「またそれだよ」

後輩「…………」ムッスー

後輩友「まーた拗ねてる」

後輩「拗ねてなんかいないっ」

後輩友「あんた意外と分かりやすいけどね」

後輩友「ほら、男先輩に告白する最後のチャンスかもしれないよ」



後輩「……別にいいの」チラッ



男(後輩さん……凄い顔でこっち見てるよ……)

部長「……ねぇ男くん?」

男「え?どうしたの?」



小さな体を思いっきり伸ばして部長は僕に耳打ちした



部長「去年の冬にさ……見ちゃったんだよね」

心臓がきゅっと締め付けられる


男「……え?」

部長「後輩さんとさ……その……」





部長「え、えっちなことしてるのを///」





思わず部長の手を握り締め合奏室を出る

部長「ちょっと!?男くん!!?」


モブ「あー!ついに部長と男先輩がくっついたかも!!?」

モブ「マジで!?いやぁやっとですなぁ」ウンウン


後輩友「……先越されるかもよ」

後輩「…………」

僕と後輩さんが主従関係を結んでいることなんて誰にも言っていないし
今までバレたこともなかった……何せ初めてしたあの日以来誰からもそれを咎められたことがなかったから


部長「痛いっ!!男くんっ」

男「はぁ……はぁ……」



嫌がる彼女を連れて辿り着いた場所は誰も近寄らない茶道部の部室だ

男「鍵は……掛かってるか」

部長「……実は私、スペア持ってるの」チャリンッ

蒸し暑い部室に入ると畳の匂いが大量に溢れ出てくる
懐かしい香りのせいか鼓動も落ち着きだし、静かにドアを閉め鍵を掛けた

男「……誰かに言った?」

部長「ううん……誰にも」

男「そっか…良かった」

一安心したところで合奏室に戻ろうと鍵に手を掛ける


部長「……待って」

男「何?」




部長「二人はさ……付き合ってるの?」



後ろから小柄な彼女の腕がそっと絡みつく


男「……うん」

部長「そっか……」



重苦しい空気が一人の少女の恋心を発覚させるのに時間はかからなかった


男「……早く戻らないと」

部長「好き」

男「……ごめんなさい」


背中から顔を埋めた彼女の涙がシャツに染み渡るのを感じた

男「後輩さんと付き合ってるから」

部長「知ってる」



強い力で引っ張られ畳に思いっきり叩きつけられる

彼女は小さなその体で馬乗りすると僕の頭を掴み全力のキスをした



お世辞にも上手とは言えない彼女のキス
懸命に僕の口内へ侵入を試みるがそれを必死に拒む



男「やめてくれ」

部長「お願い……今日だけ」

ぎこちなくリボンを、ブラウスのボタンを
ゆっくりと外していく彼女の瞳には涙が浮かんでいた


部長「私さ、後輩ちゃんみたいに身長も高くないし美人でもないけど」

部長「胸だけは勝ってると思うの」


はだけたシャツの隙間から見える白いブラジャーははちきれんばかりの
二つの椰子の実を支えている



男「……いつから僕のことを?」

部長「初めて会った時から…男くん頼りなさそうだけど意外としっかりしてるなって思ったりしてる内に」

男「それで体を差し出して好きになると思ってるの」

部長「後輩ちゃんとの関係バラすよ?」


言葉に詰まる



男「……ひどいね」

部長「だってこうでもしないと男くんはずっと後輩ちゃんと付き合うでしょ!!!」

部長「そんなの嫌だよ……私の方が男くんと一緒にいる時間、長いし」

男「でも」


僕の手を掴み柔らかい乳房にあてがわせる

部長「これで浮気だね」



きっと彼女は本気で僕を落とそうとしている
ダメだと分かっていても体は正直だ


部長「え!?か、硬くなってる…」

男「僕だって健全な男だから」

部長「嬉しい…感じてくれているんだ」



拒もうと思えば拒めた
でも確かに部長と過ごした日々は後輩さんよりも長い

いつも低音同士ということで僕の事を気にかけてくれていたし
たまに一緒に屋上で練習したりもしてきた

部長「男くんって責められるの好きなんでしょ?」

部長「私、頑張るから」

ホックを外すのはとても上手だった
飛び出した大きな胸はスレンダーな後輩さんにはないものだ

部長「ほら……いっぱい吸っていいよ?」

今目の前にあるのは彼女の武器だ
その威力は凄まじく正直今すぐしゃぶりついてしまいたい


部長「んっ…私は誰にも言わないから」

部長「お願い……滅茶苦茶にしてほしいの」

だけど


男「部長…」

部長「なぁに?」


男「ごめんね。僕はやっぱり真性のМなんだ」

ガチャリ

後輩「あはは!部長ー嫌がる男の人に迫るなんてどんだけ飢えてるんですかー」カシャカシャ

部長「え!?」

男「後輩さん……」

彼女の右手には携帯が、左手の人差し指には茶道室の鍵がくるくると回っている

部長「どうしてっ」

後輩「茶道部室の鍵なんて夏休みの間なら誰も使わないし簡単に持って帰れますからね」

部長「いや!来ないで!!」

後輩「それに先輩の扱い方が分かってない」

僕の体に抱き付く部長を無理矢理剥がし、彼女は僕の股間に足を添える

そうだ
これが僕の求めていた答えなんだ

部長「ちょっと!!そんなことしたら男くん嫌がるでしょ!?」

男「あっ…」

部長「ええええ!!?」

後輩「先輩は私の奴隷なんです」

後輩「例え部長でも私の奴隷に手を出すのは黙ってられないですね」

男「もっと…」



部長「……歪んでる」

後輩「人の奴隷を奪おうとした人に言われたくないですね」

後輩「何ならこの写真、合奏室にいる皆に見せてきましょうか?」

部長「ううっ……何でこんな奴と付き合ってるの男くん…」



男「Sだからかな」

部長「……私がSじゃないと言いたいの」




後輩「いや自分のおっぱい舐めてとかどう考えてもドМですよね?」

いつもは僕に向ける冷たい視線が今はか弱い乙女に向けられた
しかし負けじと部長も鋭い視線を送り返す


部長「何でそうなるのよ!?私はただ男くんに馬鹿みたいにおっぱい吸ってもらって…」

後輩「だーかーらっその考えがもう甘い」

後輩「いいですか?私はあなたみたいに皆から愛されて当然と勘違いしてるメンヘラスイーツ女が大嫌いなんです」

後輩「好きな男を奪われたからってじゃあ体を差し出して自分の方へ向いてくれるようにとか気持ち悪くて鳥肌が立ちますね」

後輩「挙句の果てには先輩を脅すような台詞でも囁いてここまで導いたんでしょ?」

後輩「誰にも気付かれない場所で可愛い後輩との性行為を誰にもバラされたくなかったら今ここで私とセックスしなさいってあー気持ち悪い」

後輩「そんな姑息な事しか出来ないからあなたはずっと処女なんですよ!さっさとそのボブカットを剃り落して惨めたらしく私と先輩のプレイを見て指をくわえながらオナニーでもしといたらどうですか?」



部長「うわあああああああん!!!!」


部長へ罵詈雑言を浴びせながらも彼女の足は止まることはなかった
泣きじゃくる部長を尻目に僕はパンツの中で射精してしまった

後輩「うふふ……もうイッたんですか?」

男「ご、ごめん…」ハァハァ

後輩「いつも先輩の精子って臭いですよね」

後輩「一体どんな食生活をしてたらそんな匂いになっちゃうんでしょうか」



部長「うぅ……もうやめて…」

後輩「あーそれにしてもここ暑いですね」

後輩「私汗かいちゃいました…」シュルリ

男「部長がいるけど」

後輩「関係ないですよ」




熱気で曇るこの部屋で後輩さんは白いソックスを脱ぎ捨てぺたりと座りこむ
壁にもたれて足を組みながらこちらに足を向ける


後輩「舐めて」

男「うん」

部長「ちょっと!?男として恥ずかしくないの!?」

後輩「指の間もしっかりと汗を舐めとってくださいね」



蒸れた足の匂いが僕の頭を刺激する

男「んっ」ペロッ

部長「やだ…男くんのそんな姿、見たくないよぉ…」



まずは親指の先から咥え込む
それから小指に向かって舌を這わせながらじっくりと汗を舐めとる



後輩「……どう?」

男「ぷはっ……おいしいよ」

後輩「変態」クスクス



部長「こんなのおかしいよ…」グスッ

足の裏を舐めようとすると後輩さんの口元が緩む

後輩「あははっ!そ、そこはくすぐったいからやめて!」

男「ごめん」


仕方がないから太ももから臀部にかけてのコースを決めた


後輩「んっ……いいですねぇ」


ひんやりとした贅肉の弾力を楽しみながらも僕は丁寧に彼女を綺麗にする



部長「…………」



一体この部屋の温度はどれぐらいあるのだろうか
額から汗が止まらずついうっかり後輩さんの足に滴り落ちてしまった

男「あ、ごめん」

後輩「冷房ないみたいだからしょうがないですよ」

後輩「先輩も暑いでしょ?服、脱いでいいですから」

許可が出たのでシャツもズボンも勿論パンツも脱ぎ捨てた

部長「男くんの裸……」

後輩「さぁ、寝ころんで」

男「うん」


ここからが彼女の見せ場だ

まずは僕の愚息を握りながら首筋をねっとりと舐めとる



男「うあっ……そこ、気持ちいい」

後輩「ふふ」


そして彼女のコースはどうやら僕の顔面らしい
顎から唇、鼻と責められ何とも言えない高揚が押し寄せる


僕がイきそうになったのを察したのか、玉袋をきゅっと握られる


後輩「またイきそうになったの?」

男「だって後輩さんの舌、気持ちいいから…」

後輩「年下にいじめられて部長に見られながらでも?」

男「うん、それがいいんだ」




部長「男くん……」クチュ…



後輩「そうですね、ギャラリーもいることだし…今日はどんな変態プレイがお望みですか?」

男「後輩さんが好きなのでいいよ…」





背後から裸の彼女が僕のものをしごく
目の前には長年一緒にいた部長がぼんやりとこちらを眺めている


後輩「うわぁもうこんなに我慢汁出てますよ?」

男「あ、汗だから」

後輩「ふぅん?」ペロッ

彼女お得意の耳責めはここ半年間でめっきり成長した

耳たぶを甘噛みすると息をすっと吹き込みやがて穴の中へ舌を滑らしてくる
それに加えて彼女の手コキは絶品で僕は情けない声を何度も上げてしまう



部長「男くんのおちんちんだ……」クチュクチュ

男「部長…」

後輩「本当にオナニーしだすなんて部長もなかなかの変態ですね」シュッシュッ



目の前では大きな乳房をいじりながらオナニーをする部長
後ろには耳を舐めながら手でしごいてくれる後輩さん


今までにないシチュエーションに僕のあそこは二度目の絶頂を迎えようとする



男「後輩さんっ…もう…」

後輩「またですか?」

男「イっていい?」

後輩「まだ駄目」

いつの間にか部長は下着以外の物を身に纏ってはいなかった
ブラからあふれ出した胸を自分で揉みながらだらしなく涎をたらしている

部長「んっ……男くん……おちんちんちょうだい?」クチュクチュ

後輩「なんてみっともない人なんでしょう」

男「そ、そろそろ…」

後輩「今イッたら今日はここまでにしますよ」

男「分かった…」ハァハァ


熱気だけが溜まり続ける密室の中、異様な空気がついには部長までも蝕んでいく

部長「お願いっ…後輩ちゃん……ちょっとだけでいいから男くんを…」

後輩「自分ですっきりしてください。お触りは厳禁ですよ」

部長「そんなっ……」クチュクチュ


男「ぼ、僕ももう限界だよ…」

後輩「イキたい?」

男「イカせてください!!」

後輩「よくできました」

右耳にいやらしい音が鳴り響く
後輩さんが思いっきり吸い付いてきた音だ

彼女の右手は次第に加速していき亀頭を高速で責め立てる


男「あっ!!も、もうっ……!!」

後輩「汚い精子いっぱい出しましょうねー」




畳の上に数滴の白い液体が落ちる



部長「えへへ……男くんの精子こぉんなに出たよぉ」クチュクチュ

後輩「……マジですか」



小さな部長の指先には畳から掬い上げた僕の精子が絡みつく
それを膣に押し込みそのまま何事もなかったかのように自慰行為を再開したんだ

部長「男くんの精子、こんなにいっぱい入ったよぉ…」

部長「見てぇ?これで妊娠確実だね♪」

後輩(いやないない…)


男「後輩さん…」

後輩「欲しがりですね」


下着を脱いだ彼女は僕にそれを被せてくる

後輩「何も見えない?」

男「うん、見えないよ」

後輩「仰向けになって」



彼女の言うとおりにごろんと体を寝そべらせる

ゆっくりとそびえ立つあそこを温かいものが包み込む


部長「んっ……男くんの、あったかいよぉ」クチュクチュ

後輩「うふふ、どうですか?部長のあそこは?」

男「……凄い締め付けだ」

後輩「先輩は動いたらダメですよ」



しばらくは挿れたまま動くことはなかった
慣れてきたのだろうか、やがて少しずつ腰を振る彼女はまるで
初めてした時のことを思い出させる


部長「おちんちんとってもあったかい……」クチュクチュ

部長「もっと!もっと男くんのいっぱい感じたいよぉ!!」クチュクチュ

男「いいよ!いっぱい動いて!」



後輩「これは立派な浮気ですよ?先輩」

男「うん、ごめん……」

後輩「許さない」


怒った後輩さんのことなんて気にしないかのように激しくなる動き
ついさっきまで処女だったとは思えない彼女の腰使いは淫らになる一方だ

部長「あんっ……男くん…キスしてっ…」クチュクチュ

男「……僕からはしない」

部長「そんなっ……」クチュクチュ



落ち込む暇もなく腰を振り続ける彼女はやがて我慢できなくなったのか自ら舌を絡ませてくる



後輩「……んむっ」レロレロ

男「あっ……」

後輩「まだイッたらダメ……」



ぴたりと動きを止めぎゅっと抱きしめられる
僕からも優しく抱きしめ返した



後輩「先輩っ……部長とのセックス、どうでした?」

男「僕はやっぱり後輩さんが一番だよ」

後輩「……馬鹿」ギュッ

後輩さんとの妄想プレイは呆気なく終わりを告げる

やはり僕には後輩さんしかいないことを
後輩さんにも僕しかいないことを確かめ合えた


ずっと一人でしている部長なんてもうこの部室にはいない


後輩「ほらっ!私のあそこは気持ちいいんでしょ!?」パンパン

男「うん!!気持ちいいよ!!」

後輩「イキそう?」

男「イキそう!」

後輩「クスッ」




後輩「必死に腰振ってバカみたいですよ先輩?」


あの時と同じ台詞だけど今日の後輩さんの声はどこか満たされた声だった

男「でっでる!!!」

後輩「いいよっ!先輩のきったないミルク、全部飲んであげるから!!」

後輩「だからいっぱい出して!!!」

部長「私にもちょうだい!!!」




男「んっ……」

後輩「やっと目が覚めましたね」パンパンッ

男「あはは…あの時とは逆だね」

後輩「私が先輩を犯してあげてるんですよっ…あぁんっ」パンパン

男「部長は?」

後輩「今は私だけを見て……」



真っ暗な部室の中、僕に跨る後輩さんは月明かりによってその輪郭をはっきりとさせていた

そして卒業式…


男「はぁ…何とか大学合格できてよかったよ」

部長「男くんと離れ離れになるの寂しいなぁ」

男「部長はいろいろ危険だから助かるけどね」


あのあといつの間にか帰っていた部長はすぐに大学の先輩に初めてを捧げたらしい
もう僕に恋愛感情は抱いてないから安心してとは言うけどたまに僕と後輩の
プレイを見せてほしいと言うあたりこの人も大概だなぁと思った


卒業証書を受け取りクラスの皆と写真を撮った後、
僕は屋上に一人向かった


いつもここで僕はずっと練習していたんだなぁ
そう思うと色々な感情が込み上げてきて涙が溢れそうになった


引退した後の部活は部長となった後輩さんがビシバシと鍛えあげたおかげで
来年度のコンクールは金賞を狙えるほどの実力がついたらしい

噂通り、卒業式が終わった後の退場の演奏は素晴らしかった

きっと後輩達の一生懸命な姿のおかげでもあるのかもしれない

やはり僕は涙を我慢することなんて出来なくて





「だーれだっ」



「……よく頑張ってるみたいだね」



振り向くと長い黒髪をはためかせた君が泣いていた


後輩「先輩…私は万年銀賞のブラバンなんて嫌ですよ」

男「いいんじゃない?頑張れることはいいことだと思う」



僕は何だか恥ずかしくなってそっぽを向く

後輩「……先輩っ」


後ろから抱き締める彼女の手は僕のあそこを触っていた




男「ちょっやめて!感動が台無しじゃんか!!」

後輩「えへへ……私も同じ大学目指しますよ」

男「……うん」

後輩「今度は大学でいっぱい調教してあげますから」

男「なんだよそれー」

後輩「私がいないと先輩は満足できないでしょ?」

男「まぁね」

後輩「浮気したら刺すから」

男「はいはい」





これからも僕は万年銀賞の人生を歩み続けるのだろう
努力しても凡人は所詮凡人なのだから


でもこれだけは言える


人より少しМで良かった


だって冴えない僕の透明な毎日をこんなにも可笑しくしてくれる人と出会えたのだから




終わり

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