【安価】エレン「オレが最強の兵士に?」アルミン「家族になりたい」3【育成】 (1000)

※このスレはエレン・イェーガーの育成シミュレーションです。

※原作10巻までのネタバレ有りなので未読の人は注意。

※おおよその流れは原作通りですが、ルートは様々あるので好みのエレンきゅんに育てましょう。

※恋愛要素 育成によるエレンTUEEEE要素 ライナーによるガチホモ要素を含みます

※また、スレ民による呪われた低コンマも発生しているとかしていないとか

※スレはのんびり更新 


※前前スレ 
【安価】エレン「俺が最強の兵士に?」【育成】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369459993/)

※前スレ
【安価】エレン「オレが最強の兵士に?」 ミカサ「エレンは私のモノ」2【育成】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369666467/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369761098


スレの大まかな流れ

【訓練兵時代編】
まずエレンの実力を決定する為に特訓を行います。
ここでステータスを上げたり色んな女の子にフラグを立てることができます。
人類最強の兵士にして、巨人化させないのも一つの選択肢。

【兵団選択】
エレンが進む兵団を決定します。(巨人バレしている場合は調査兵団確定)
選択した兵団に所属しながら、原作をなぞります。(オリジナル展開あり)

【ED】
今まで建ててきたフラグや行動によりED決定。
BADになるのかGOODになるのかは頑張り次第。

【ループ】
条件次第で一部能力を引き継いで二週目。
何周やるかは未定。



<ステータス表>

SSS 100
SS 90〜99
S 80〜89 
A 70〜79
B 60〜69
C 50〜59
D 40〜49
E 30〜39
F 20〜29
G 10〜19
H 0〜9

<立体起動>
・攻撃の直撃判定&回避判定
<馬術>
・敵との交戦を回避する 
<対人格闘>
・相手に与えるダメージの判定 (コンマ+幸運)×(10×ランク)
<座学>
・特殊選択肢などの判定
<幸運>
・全てのコンマ補正


※ステータス例(訓練兵終了後時点)

【リヴァイ】
・立体機動 SS
・馬術 S
・対人格闘 SS
・座学 S
・幸運 A

【ミカサ・アッカーマン】
・立体起動 S
・馬術 A
・対人格闘 S
・座学 A
・幸運 A

【アルミン・アルレルト】
・立体起動 E
・馬術 D
・対人格闘 F
・座学 SS
・幸運 S

<一週間の流れ>

【朝食】
・食事をする相手を選択 好感度関連や休日イベントなどに関わります

【訓練選択】

・その週に力を入れる訓練を選択します(ときめも制度)

【夕食】
・食事をする相手を選択 好感度関連や休日イベントなどに関わります

【自由時間】
・誰かと話したり、会って秘密の行動を行えます

【就寝】
・セーブして次の週へ

【コンマ安価】
・基本的に一つ下(複数指定の場合を除く)
・同一IDの連続取得可(あまりにも多い場合は変更予定)
・kskや誤爆などでも取得とみなします

【選択安価・自由安価】
・二つ下(複数指定の場合を除く)
・余りにも内容とかけ離れている内容は安価下
・連投、連取での取得は不可
・kskや誤爆などによる誤取得も安価下

<現在のステータス>


【エレン・イェーガー】

<立体起動> F27 <馬術> F22 <対人格闘> D47 <座学> F25 <幸運> F24

<スキル> 
・超大型巨チン(コンマが補正込みで100を越えた時、得られる効果倍増)



        |  H  |. G |  F |  E | . D |. C | . B |. A | . S | SS |SSS
————┼—————————————————————————
立体機動|lllllllllllllllllllllllllll
馬術    |llllllllllllllllllllll
対人格闘|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll

座学    |lllllllllllllllllllllllll
幸運    |llllllllllllllllllllllll
————┴—————————————————————————



【現在の好感度表】

──────────┬───────────────────────────────
SSS【恋の奴隷】..    │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
SS【恋の下僕】      │
━━━━━━━━━━┿━━━━━━(文字通り)なんでも言うこと聞いてくれる壁━━━━━━━
S【ストーカー】.        │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
A【家族】            │❤ミカサ
──────────┼─────────────────────────────
B【カップル】.        │◆アルミン
━━━━━━━━━━┿━━━━━━自分の為に命をかけてくれる壁━━━━━━━━━━━━
C【友達以上恋人未満】 │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
D【親友】            │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
E【友達】           │◆ベルトルト ❤クリスタ ◆ピクシス ❤サシャ
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

F【知り合い】        │❤アニ ◆ライナー ◆コニー ◆サムエル ◆ジャン ❤リコ ❤ハンジ
                    │❤ミーナ ❤ハンナ ◆フランツ ◆エルヴィン ◆リヴァイ ◆ナイル ◆キース
━━━━━━━━━━┿━━━━━━何かに誘うことが出来る壁━━━━━━━━━━━━━━

G【他人】             │◆マルコ ❤ユミル
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
H【嫌いな人】.        │◆トーマス
──────────┴───────────────────────────────
◆=男性  ❤=女性

素で20センチだと巨チン化した際に大きすぎて相手の女の子(とは限らないのが恐ろしいけど)の壁を突破できない可能性があるな


人おるか分からないけど少し始めようかね
夕飯買いにいくまでの間だけど




【10週目 食堂 朝食】

エレン「おはよう、アルミン」

アルミン「おはようエレン!」ニッ

エレン「今日から、その……改めてよろしくな」

アルミン「うん。すぐに、エレンと家族になってみせるよ」

エレン「ああ、楽しみにしてるぜ」

ミカサ「(アルミン、よかった)」ホッ



ライナー「それでいい、エレン」

ベルトルト「ライナー、君もお人好しだね」

ライナー「さて、なんの話だ?」


アニ「……」ジーッ

ミーナ「アニ? こんなところで何してるの?」

アニ「別に」スタスタスタ



エレン「さて、今日はどうっすかな」


選択安価 ↓2

1 エレン「さっさと飯食って訓練の準備するか」モグモグ


2 エレン「お、今日のスープは味が濃いな」ズズズッ
※ 好感度F以上の名前も忘れずに 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」
※ さらにそのレスでコンマ一桁判定


0トーマス
1オルオ
2マルコ
3安価↓
4安価↓
5安価↓
6ユミル
7ダリス
8安価↓
9安価↓






エレン「適当に座るか」スタスタ

アニ「……」

エレン「お、今日のスープは味が濃いな」ズズズッ

アニ「……」チラッ

エレン「ん? 何見てんだよアニ?」

アニ「別に、なんでもないよ」

エレン「そう言っても、無茶苦茶ガン見してたじゃねぇか」モグモグ

アニ「なんだいうるさいね」プイッ

エレン「まぁ、別に見られるくらい構わねぇけどな」

アニ「……アンタさ」

エレン「ん?」

アニ「最近馬術、よく頑張ってるそうじゃないか」

エレン「ああ。調査兵団には馬術が必須だからな」

アニ「……そう」

エレン「……」

アニ「えと……」

エレン「んー?」



コンマ安価 ↓2 補正6

00〜49 エレン「もしかしてお前……」ハッ
(アニ好感度ちょっぴり上昇)

50〜79 エレン「アニ、馬術嫌いなのか?」
(アニ好感度上昇)

80〜99 エレン「約束、ちゃんと覚えてるからな」ポンポン
(アニ好感度大上昇)

>>
 なんか少し仕様を変えるとすぐ失敗するね
 これはもう笑いの神降りてますわ


エレン「もしかしてお前……」ハッ

アニ「?」

エレン「そうか、そうだよな。お前も気持ちも分かるぜ」ニコニコ

アニ「一体何の話だい?」

エレン「遠慮しなくていいさ。お前、気になってるんだろ?」ニヤニヤ

アニ「っ!? ……否定はしないけど。そういう言い方は気に入らないね」ジトッ

エレン「だって事実だろ。確かに夢中になるのも仕方ないさ」フフフッ

アニ「……どんだけ自意識過剰なんだい?」

エレン「え? ウマゴンはどう見ても可愛いだろ?」

アニ「……は?」

エレン「えっ?」キョトン

アニ「うま……ごん?」

エレン「……お前、もしかしてオレのこと」

アニ「〜〜〜〜〜っ!!」ダダダダダッ

エレン「あ、おいアニ!?」


ライナー「アニ……」ホロリ

ベルトルト「アニは昔から乙女だった。今もそうだ」ウナヅキ


エレン「なんだったんだアイツ?」


アニの好感度がちょっぴり上がりました。
アニと友達になりました。


【10週目 訓練選択】

エレン「今週はどれに力いれるかな」

アルミン「座学がいいんじゃないかな?」ニッコリ

クリスタ「馬術がいいよっ!」フフ

ジャン「おいおい、たまには立体機動も真面目にやれよ」


   アニ「……対人格闘」ボソッ

マルコ「エレン、苦手分野もきた……」

ミカサ「エレン、私ならエレンに新たな力を与えることが出来る」

エレン「そう言われてもなぁ……まだ基礎が弱いのに発展は危険だろ」

ミカサ「……そう」ションボリ

エレン「もうちょっと体がしっかりしてきたら、お願いするかもな」

ミカサ「任せて」キリッ


※ 全ステC以上で能力取得特訓が解禁となります


エレン「とにかく今週はこれだ!」




エレンの頑張る科目選択 ↓2

更にそのコンマで合否判定 補正6 
立体機動 補正+2
対人格闘 馬術 補正+3
座学 補正+6

00〜29 失敗 
30〜59 普通+1
60〜89 成功+3
90〜99 大成功 +5

対人

パピーウォーカ?


【対人格闘 訓練】

エレン「おいアニ、ペア組もうぜ!」

アニ「……!?」

エレン「ん? 嫌か?」

アニ「別に、嫌じゃないよ……」ブルブル



ライナー「アニの奴、震えてるな」

ベルトルト「でもよく見ると口元が緩んでるよ」


エレン「行くぜアニ! この前みたいにはいかねぇぞ!」シュッ

アニ「(早い!?)」ヒュッ

エレン「お、やるな!?」アシバライッ

アニ「ハッ! 私に足技が効くとでも!?」バシィッ

エレン「くっ!?」グルグル


ライナー「決まった、エレンの負けか?」

ベルトルト「いや、違う!?」


エレン「はぁぁぁっ!!」グルンッ

アニ「ぐっ!?」ドガッ



アルミン「凄い!? エレン、身体が回転する勢いを利用してオーバーヘッドキックを!?」

ミカサ「だけど、直撃じゃない。肩を掠っただけ」


エレン「おわぁぁ!?」ドゴォッ


ライナー「結局頭から落ちたな」ヤレヤレ




エレン「いでで……」グググッ

アニ「……(危なかった……)」ドキドキドキ

エレン「くっそぉ、後もうちょっとで直撃だったのに」クソー!

アニ「当たるわけないだろ、あんな無謀なケリ」

エレン「言ったな!? 掠った癖に!」

アニ「次は当たらないよ」スッ

エレン「お、悪いな」ギュッ

アニ「別に。次は私がアンタを襲う番だね」

エレン「おう、かかってこい!」



ライナー「いい感じだな」

ベルトルト「ああ。アニの嬉しそうな顔、久しぶりに見たよ」


 スパァァァァン!


エレン「」グルグルグル

アニ「まだまだ甘いね」


対人格闘が上達した。
アニの好感度がちょっぴり上達した。

知り合い以上から、その人に関する訓練で上昇するんかな?


>>60
【確実に上がる場合】
・カップル以上
・コンマで大成功

【その他の場合】※カップル以下
・話の流れに沿っている場合(今回で言うアニが期待してる状態)
・なんとなく書いてて気分が乗った時
 


【10週目 食堂夕食】


エレン「いてて……」

コニー「おう、エレン。随分絞られたみたいだな」

エレン「畜生、次は絶対にアニを倒してやる」

アニ「……出来るもんならやってみな」

ミカサ「エレン。この女に勝つ為には私と特訓するべき」

エレン「え? やだよ、お前もいずれ倒すんだから」

ミカサ「(嬉しいけど、少し寂しい)」ションボリ



エレン「とにかく今は飯だ。食って力をつけるんだ」


選択安価 ↓2

1 エレン「今日はシチューか」ウマソウ

2 エレン「おっ、一緒の席いいか?」
※ 好感度F以上の名前も忘れずに
※ 訓練生(キース含む)のみ 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」
※ さらにそのレスでコンマ一桁判定

0トーマス
1オルオ
2マルコ
3安価↓
4安価↓
5安価↓
6ユミル
7ダリス
8安価↓
9安価↓

安価上下のコンマがマルコ……

>>69
 クッソワロタwwwww



エレン「おい、一緒の席いいか?」

サシャ「お、よく来ました最高のスパイス!」ニッ

エレン「なんだよそれ?」アキレ

サシャ「さぁさぁ! 一緒に食べましょう!」ムフー

エレン「相変わらず飯のことになると元気だな、お前」

サシャ「グヘヘ、今日は美味しいシチューですからね」モグモグ

エレン「お、確かに今日のは旨いな」モグモグ


サシャ「ああああああああああああああああああ!!!!!」


エレン「なんだよ!? うっせぇな」キーン


サシャ「エレンのシチューお肉が入ってるじゃないですか!?」ジーッ

エレン「肉? あっ、このちっこい欠片が肉か」スッ

サシャ「ラッキーですねエレン……」ヨダレダラダラ

エレン「……」

サシャ「本当にラッキーですね」ゴクリッ

エレン「はぁ……」


コンマ安価 ↓2 補正6

00〜49 サシャ「人参ならくれてやるよ……」ポイッ
(サシャ好感度ちょっぴり上昇)

50〜79 エレン「分かった、やるよ」ポイッ
(サシャ好感度上昇)

80〜99 エレン「しょうがねぇな。ほら、あーん」ズイッ
(サシャ好感度大上昇)


※【巨チン発動時 口移し】


※【巨チン発動時 口移し】

サシャ「いいなぁ! いーなー!!」バタバタ

エレン「あーもう、うっせぇ!!」

サシャ「え、エレン? お、怒りました?」ビクビク

エレン「は? ちげぇよ。こんなくだらないことで怒るかよ」ハァ

サシャ「ごめんなさい。くだらないことで騒いで」ションボリ

エレン「しょうがねぇな。ほら、あーん」ズイッ

サシャ「!?」

エレン「早く食え。オレの気が変わるぞ」

サシャ「い、頂きます!!」バクリッ

エレン「美味いか?」

サシャ「ヒック……グスッ……おいひぃ」ポロポロ

エレン「な、泣くなよこれくらいで!?」アセアセ

サシャ「うわぁぁぁぁぁん!」ビエーン

エレン「だから泣くなっての!!」


クリスタ「え? 今のって間接……///」カァッ

ミカサ「私はキスしたことがある私はキスしたことがある」ブツブツブツ

アルミン「エレン、少しは恥じらいを持ってよ……」イガイタイ

アニ「……」

ライナー「アニ? お前も肉が欲しいのか?」

ベルトルト「ライナー、君は一度死ぬべきだ」

ライナー「なぜっ!?」


サシャ「エレン、ありが、ヒック……ございます……グスッ」エグエグ

エレン「たくっ、もうちょっと落ち着けよ」ナデナデ

サシャ「え、えへへ……優しいですねエレン」ニッコリ



サシャの好感度が大上昇しました



【10週目 自由時間】

エレン「さて、明日は休日か」

アルミン「誰かを誘って街にでも言ってみれば?」

エレン「んー? どうしよっかな?」

ライナー「お前は最近頑張りすぎだ。少しは休め」

エレン「それもそうだ」

ベルトルト「街で買い物なんていいかも」

コニー「女子にプレゼントをあげると、好感度が上がるかもな」

マルコ「オレが一緒にえらび……」

サムエル「エレンは女泣かせだからな」

ジャン「ミカサにサシャに、アルミンを泣かせたしな」

アルミン「ジャン? それどういう意味?」ゴゴゴゴッ

ジャン「じょ、冗談だろ?」ビクビク

 称号:女泣かせのイェーガー を手に入れました


エレン「さて、どうすっか」

選択安価 ↓2

1 このまま寝る

2 誰かに会いに行く (再安価)
※ 誘えるのはF以上 
※ 確実に遊べるのはE以上
※ 特訓に誘えるのはE以上 確実に特訓できるのはD以上

3 特訓する (再安価)

4 食料庫に忍び込む (再安価)


>>
 そういえば称号の説明をしてなかった。
 まぁ、いっか


エレン「折角の休日だしな」ガチャッ

 誰かを誘って遊びに行くか、特訓するのも悪くないか。

エレン「じゃあ、誰を誘う?」


選択安価 ↓2

※ 誘えるのは好感度F以上

順調にサシャとのコミュを育ててるな


エレン「さっきの事もあるしサシャに会いに行くか」

アルミン「エレン、誰か誘いに行くの?」

エレン「ああ、ちょっとな」

ベルトルト「頑張ってね」

ジャン「ミカサは誘うなよ? 後でオレが誘うんだ」

ライナー「(無理に決まってるだろ)」アキレ

コニー「エレンなら大丈夫だろ」

サムエル「結果報告待ってるぞ」



マルコ「あはは、それじゃあエレンがOK貰えるか賭ける?」ドーセキコエナイダロウケド

アルミン「マルコ、最低だよ」


   
      !?



フランツ「うん、普通そういうこと言うかな?」

トーマス「無いよな、普通は」

ダズ「というか誰?」

ライナー「関心しないな」

ベルトルト「どっか行けばいいのに」

サムエル「まぁ、擁護できん」

コニー「空気読めよな」

ジャン「ちげぇねぇ。何考えてんだよ」



マルコ「」

そろそろ当ててやれよwwwwww


【食料庫前】

サシャ「ふんふふ〜ん♪」コソコソ

エレン「おーい、サシャ!」

サシャ「ひっ!? って、エレンじゃないですか」ホッ

エレン「驚かせてわりぃな。それよりちょっといいか?」

サシャ「はい、どうしたんですか?」

エレン「えと、実はな……」

サシャ「?」

エレン「……」



選択判定 ↓2 補正6

1 エレン「明日一緒に街に行かないか?」
(成功確定)

2 エレン「明日一緒に特訓しないか?」
(レスのコンマが50以上で成功)
※失敗時は一人で特訓となります


エレン「明日一緒に特訓しないか?」

サシャ「えっ? 特訓ですか?」パチクリ

エレン「折角の休日に悪いとは思うんだけど……」

サシャ「えー、嫌ですよ」キッパリ

エレン「……そうか?」

サシャ「普通そういう時は遊びに誘うもんじゃないですか」ジトーッ

エレン「うっ、だってそういうのよく分からないんだよ」

サシャ「……」ムスッ

エレン「ああ、悪かったな、サシャ」スタスタ

サシャ「あ、エレン!」

エレン「なんだ?」

サシャ「その……」モジモジ


コンマ判定 ↓2 補正6


00〜49 サシャ「今日はありがとうございました!」ニコニコ
(サシャの好感度ちょっぴり上昇)

50〜79 サシャ「また、誘ってくださいね」ニッコリ
(サシャの好感度上昇)

80〜99 サシャ「しょうがないですねぇ、全く」クスッ
(サシャの好感度大上昇 特訓参加)

s

こい!

>>153
お前が神か!!

ん…とこれがようするにさっき言ってた流れに沿ってるってことなんかな?

>>165
 それもあるけど、このコンマ判定どれを取得してもサシャの好感度が親友になる。
 そうなったら、特訓参加確定になるので……まぁ、おまけの感覚で付けてあげたのよ。



サシャ「しょうがないですねぇ、全く」クスッ

エレン「えっ?」

サシャ「特訓付き合いますよ。今日、お肉も貰いましたしね」

エレン「あんなに嫌がってたのに、いいのか?」

サシャ「勘違いしないでください。特訓は嫌いですけど……エレンは好きですから」カァッ

エレン「ありがとな、サシャ!」

サシャ「だって、私達友達じゃないですか」エヘヘ

エレン「一緒に食料庫に忍び込む仲だしな」アハハ

サシャ「はい! それじゃあ明日の英気を養う為にも!」

エレン「ああ、忍び込むか!!」ニィッ

サシャ「行きますよ相棒!」ダダッ

エレン「任せろ!」グッ


サシャの好感度が大上昇しました
サシャと親友になりました

そんな死に急ぎ野郎よりオrジャンと街を見て回ろう



【休日2 午前特訓】


エレン「というわけで、今日は特訓だな」

サシャ「昨日たくさん食べたお陰で調子もばっちりです!」ニコニコ

エレン「そんじゃまぁ、どの特訓をやる?」

サシャ「私はエレンに合わせますよ」

エレン「んーと、それじゃあアレにするかな」

サシャ「(えへへ、エレンと二人きりで特訓……あれ? それがどうして嬉しいんでしょう?)」ハテ


エレン「よーし、頑張るぞ!」


エレンの頑張る科目選択 ↓2

更にそのコンマで合否判定 補正+6 サシャ補正+4

00〜29 失敗 

30〜59 普通+1 好感度ちょっぴり上昇

60〜89 成功+3 好感度上昇

90〜99 大成功 +5 好感度大上昇


確かクリスタよりも良かった筈


エレン「座学を頑張るか」

サシャ「うげっ!? 座学ですか?」

エレン「いいからやるぞ」カリカリ

サシャ「うぅ、座学ならアルミンを誘えばいいじゃないですか」

エレン「いいからやろうぜ。オレ、座学苦手なんだよ」

サシャ「はい……まぁ、エレンよりは得意だと思いますけど」カリカリ

エレン「そういや、お前とこうして勉強するのって、初めてだな」カリカリ

サシャ「そう言われるとそうですね……」

エレン「……」ジーッ

サシャ「……」カリカリ

エレン「お前……、黙ってると綺麗だな」

サシャ「えっ、そうですか? って、それ酷い!?」

エレン「冗談だっての」アハハ

サシャ「もう……なんなんですか」ハァ

エレン「でも、割と本気だぞ」

サシャ「え?」


エレン「お前が綺麗だって話」


サシャ「ぶふっ!?」

エレン「おい、きたねーぞ」

サシャ「す、すいません……(私、どうしたんやろ?)」ドキドキ

エレン「よし、続けるぞ」カリカリ



座学がちょっぴり上達した
サシャの好感度がちょっぴり上昇しました

>>199
下手に好感度上げてストーカー化が一番怖い

>>202
 そのまま突っ切って恋の下僕にしてしまえば問題ないお
 何しても怒らないし、なんでもヤってくれるよ



【休日2 午後特訓】

エレン「サシャのお陰で色々分かったよ」

サシャ「そうですか? アルミンに聞いた方が分かりやすそうですけど」

エレン「アルミンはアルミンで、お前にはお前のよさがあるんだよ」

サシャ「そういうもんでしょうか?」

エレン「いいから、もっと特訓しようぜ!」

サシャ「次は何をするんですか?」

エレン「んと、どれにしようか?」

サシャ「(エレンと一緒なら、どれでも面白いんやけど……)」ジーッ


エレン「これにすっかな」



エレンの頑張る科目選択 ↓2

更にそのコンマで合否判定 補正+6 サシャ補正+4

00〜29 失敗 

30〜59 普通+1 好感度ちょっぴり上昇

60〜89 成功+3 好感度上昇

90〜99 大成功 +5 好感度大上昇

関西弁っつーか九州方面なんだよな、サシャのお国(?)言葉は

>>216
そうなのか?関西人の俺は関西弁だと思ってた

跳べねえ兵士は只の餌さ

マルコ「安価をとって、>>1にこの身を捧げることです!」

>>234
 お前の体なんぞ欲しくない


エレン「立体機動やろうぜ」

サシャ「いいですね、やりましょう」

エレン「そんじゃ、どっちが目的の場所まで早く行けるか勝負だ!」

サシャ「望むところです! さぁ、行きましょう!」ギュィィン

エレン「おい!? 待てよ!」ギュィィィン

サシャ「ほらほ〜ら、捕まえてくださいよ〜」

エレン「まだスタートって言ってないだろ?」

サシャ「あはは! 油断する方が悪いんですよー!」

エレン「くそっ! おい、待て!!」

サシャ「わーいわーい!」ピョイーン

エレン「おい!? 木にぶつかるぞ!?」

サシャ「えっ?」クルッ

 
 大木「」オレダヨ


エレン「ちぃっ!?」 ギュァァァン!!

サシャ「きゃぁああああ!!」

エレン「間に合えっ!!」バッ


 バキッ ドゴォッ!?

 バキバキバキバキッ  ズサッ

サシャ「いたたた……一体何が?」キョロキョロ

エレン「……ぐっ」

サシャ「エレン!?」バッ

エレン「サシャ? 大丈夫か……うぐっ!?」ドクドク

サシャ「エレン、血が……!?」 

エレン「これくらい、カスリ傷だ」グラッ

サシャ「あ、えと……私……」オロオロ

エレン「サシャ怪我はないか?」

サシャ「はい! でも、エレンが!?」




エレン「そっか……よかった」ニコッ

サシャ「!?」ドキッ


マルコが死んだ!

教官、アッカーマン訓練生が扉を破壊しました



サシャ「エレン、その……」ドクンドクンッ

エレン「今日はもう戻ろうぜ」フラフラ

サシャ「私、えと……」ドクンドクンドクンッ

エレン「これくらい気にするな。友達だろ」ポンポン

サシャ「……はい」ドキドキドキ

エレン「それじゃあ、オレ医務室に行ってくる」

サシャ「それなら私も!!」ガバッ

エレン「いいって。これくらい一人で」タタタッ

サシャ「あっ」

エレン「今日はありがとうなサシャ! また一緒に特訓しようぜ!」タタタッ

サシャ「エレン……」ドクンッドクンッ


 なんなの、これ。
 どうして、心がこんなに痛くなるんやろ?

 エレンは友達やのに
 エレンは……友達……


サシャ「私、エレンのこと……」


サシャがエレンの事を意識し始めました。



【休日2 自由時間】

ライナー「エレン、怪我は大丈夫か?」

アルミン「全く、どんな無茶をしたんだい?」

エレン「ちょっとな」アハハ

ベルトルト「気をつけてねエレン。特訓で命を落としたら元も子もないよ」

エレン「ああ、分かってるさ」

マルコ「エレン、怪我したならこのくす」

コニー「お、いいもん持ってんじゃん。エレン、薬だぞ」パシッ

エレン「ああ、ありがとう」スッ

ジャン「早く怪我治せよ。そんなんじゃ潰す気がおきねぇからな」

エレン「言ったなコイツ!」

 アハハハ ガヤガヤ


マルコ「……駆逐してやる……一匹残らず」ゴゴゴゴッ

ダズ「邪魔なんだけど……?」


エレン「今日はどうっすかな」

 怪我もしてるし、無理はしない方がいいか?


選択安価 ↓2

1 このまま寝る

2 誰かに会いに行く (再安価)

3 特訓する (再安価)

マルコと親密になると
気配遮断スキル:ザ エアーの習得イベント発生

>>275
 ハッキリ言っておく
 マルコと仲良くなっても……

 なんの成果も得られませんでしたぁぁぁぁ!!!」



エレン「今日はゆっくり休むか」

アルミン「あ、エレン。もう寝るの?」

エレン「ああ。ちょっと体がきついしな」ゴロン

ライナー「少し早いが灯りを消すか」

ベルトルト「みんないいかい?」

サムエル「構わないさ」

コニー「いいに決まってるだろ」

トーマス「いいよ、別に」

ジャン「んじゃ今日は寝るか」

エレン「ありがとう、みんな」

アルミン「気にしないでよエレン。みんな仲間なんだから」

エレン「おう、サンキューな!」



コンマ安価 ↓1 補正6

00〜49 マルコ「駆逐してやる……駆逐してやる」ブツブツブツ
(次の訓練時 補正0)

50〜79 エレン「……」スーッスーッ
(次の訓練時 上昇値+3 補正+5)

80〜99 エレン「じんるい……さいきょう……」ムニャムニャ
(次の訓練時 上昇値+5 補正+10)

補正って大事なんだな(小並)


エレン「じんるい……さいきょう……」ムニャムニャ

アルミン「ふふっ、よく寝てる」クスッ

コニー「相変わらずこればっかりだよな、エレンの奴」

ライナー「コイツならきっとなれるさ」

ベルトルト「でも、そうなったら僕は……」

ライナー「ベルトルト……よせ」

ベルトルト「ああ、ごめんよライナー」

コニー「何の話だお前ら?」

フランツ「とにかくエレンは頑張ってるってことでいいじゃないか」

サムエル「きっといつか主席にも届くさ」

ジャン「ま、このバカがミカサを超えられればの話だがな」

アルミン「超えてくれるさ、必ず」


エレン「……」ムニャムニャ


アルミン「僕の自慢の……家族だから」




熟睡できました。
次の訓練時 上昇値+5 補正+10

ちょっと飯買ってきて食う
一時間ほどお休みください


その代わり、マルコがなんでもしてくれるって

おいマルコ、現人類最強と背比べして鼻で笑って来いよwwww

 半額弁当取るのに苦労したけど、なんとか買えた
 というわけで再開します

 

【11週目 食堂 朝食】

エレン「もう二ヶ月か」

 オレが兵士を目指して、二ヶ月。
 母さんが死んで、父さんと離れ離れになってからはもう2年以上だ。

ミカサ「エレン、どうしたの?」

エレン「……お前との差。どれくらい縮まったんだろうな」

ミカサ「?」

エレン「なんでもねぇよ。一年後の成績発表、楽しみにしとけ」

アルミン「うぅ、僕ちゃんと来年残れるのかな?」

ミカサ「大丈夫。アルミンはとても優秀」

エレン「ああ、頼りにしてるんだぜ」ポンポン

アルミン「うん!」パァッ


サシャ「エレン……」ポーッ

クリスタ「サシャ? どうしたの?」

サシャ「うぇっ!? なんでもないですよ」アハハハ

クリスタ「?」


エレン「さて飯だ、飯」




選択安価 ↓2

1 エレン「相変わらずかてぇパンだな」バリッ

2 エレン「ん? オレと飯が食いたいのか?」
※ 好感度F以上の名前も忘れずに
※ 訓練生(キース含む)のみ 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」
※ さらにそのレスでコンマ一桁判定

0トーマス
1オルオ
2マルコ
3安価↓
4安価↓
5安価↓
6ユミル
7ダリス
8安価↓
9安価↓


素晴らしいクリスタ人気だな



エレン「今日はあんまり美味そうじゃねぇな」

クリスタ「あの、エレン」

エレン「ん? どうしたんだクリスタ?」

クリスタ「えとね、その……」モジモジ


アルミン「(可愛い)」

ライナー「(結婚しよ)」


エレン「ん? オレと飯が食いたいのか?」

クリスタ「うん、ダメ……かな?」ウワメヅカイ


ライナー「」ゲフッ

アルミン「」ゴフッ

ベルトルト「相変わらずクリスタは天使だね」ホッコリ


エレン「オレはいいけど、ユミルがうるさいんじゃないか?」

クリスタ「ユミルもエレンと食べたいハズだよ!」

エレン「そうなのか?」チラッ

ユミル「!?」ドキッ

エレン「なぁ、ユミ……」

ユミル「サシャ、あっちで食べるぞ!! 急げ!!」」ダダダッ

サシャ「ええっ!? 私はエレンと……!?」グイグイグイ

クリスタ「あれ? ユミル?」

エレン「ああ、アイツ。あの時のことまだ……」

クリスタ「あの時のこと?」

エレン「……いや、話したらユミルに殺されそうだからやめとく」

クリスタ「?」


※ ユミルとエレンの密会 がエピソードフォルダに追加されました

閲覧はよ!

天使で安価を取ったつもりがユミルの隠しエピソードが解禁された
何を言ってるのか(ry
まいっか!

そのフォルダの中身ってjpgだよな?

>>355
 前スレ1000ね

>>358
 形にするのは君達の役目だ……後は分かるな?



エレン「それでクリスタ、なんでオレと飯を?」モグモグ

クリスタ「友達とご飯を食べるのって、そんなに変?」ニコッ

エレン「悪かねぇけどよ……」チラッ


アルミン「」ギリギリギリ

ライナー「」ギリギリギリ


エレン「なんかすげぇ視線を感じるんだ」ハァ

クリスタ「?」

エレン「お前って意外と鈍感だな」

クリスタ「ええ?エレンがそれを言っちゃうの!?」

エレン「?」

クリスタ「私の方こそ……」チラッ


ミカサ「」ギリギリギリ

アニ「」チラッチラッチラッ ソワソワ


クリスタ「うん。これは酷いね」ハァ

エレン「うーん、よく分からねぇけど」

クリスタ「それが鈍感って言うんだよ」モグモグ

エレン「……そうか」

クリスタ「うん」

エレン「……」


コンマ安価 ↓1と見せかけて↓2


00〜49 エレン「とにかく食おうぜ、覚めちまう」
(クリスタの好感度がちょっぴり上昇)

50〜79 エレン「お前と飯食うの、悪くないな」ニッ
(クリスタの好感度が上昇)

80〜99 エレン「ん? クリスタ、ほっぺにパン屑付いてるぞ」ヒョイパクッ
(クリスタの好感度が大上昇)

どうかな?



エレン「とにかく食おうぜ、冷めちまう」

クリスタ「うん、食べよう!」モグモグ

エレン「いい食いっぷりだな。負けてられないぜ」モグモグ


サシャ「食いっぷりなら私の方が……」ボソッ


クリスタ「ご馳走様!」

エレン「よし、それじゃあ訓練の準備しようぜ」

クリスタ「今日はエレンに負けないよ?」フフッ

エレン「ああ、楽しみにしてるぜ!」

クリスタ「ふふっ」ニコニコ



ユミル「……」ジーッ




クリスタの好感度がちょっぴり上がった。


【11週目 訓練選択】

エレン「よし、今日も張り切って行くぜ」

アルミン「エレン、怪我は大丈夫?」

エレン「ああ、アルミン達が気を使ってくれたお陰だ」


ミカサ「エレン、怪我したの!?」クワッ

エレン「大丈夫だよ、カスリ傷みたいなもんだ」

ミカサ「……あのハンカチに付いてた血、エレンのだったんだ。こんなことなら血のついた部分だけ」ブツブツブツ

マルコ「」


サシャ「エレン……怪我大丈夫ですかね」コソコソ



エレン「さーて、修行するぞ!! 修行するぞ!」ポアッ


エレンの頑張る科目選択 ↓2

更にそのコンマで合否判定 補正+6 
立体機動 補正+3
対人格闘・馬術 補正+4
座学 補正+6

>> ごめん、途中で切って送信してしまった
  お詫びにもう一度チャンス
 
 あと、失敗は無くしておいた。 一度普通を取ってるしね。


立体機動訓練 ↓2

補正+6  立体機動補正+3 睡眠補正 10


00〜59 普通+6

60〜89 成功+8 好感度上昇

90〜99 大成功 +10 好感度大上昇




【立体機動 訓練場】

キース「さっさと身体を動かせ!! 何をモタモタしている!!」

モブH「ひぃっ!?」ギュィィン


エレン「ハァッ!」ギュィィィン


ジャン「(エレンの野郎、まだ体が治ってねぇみたいだな)」チラッ

ミカサ「エレンの動きが遅い……」

サシャ「エレン……」ギュッ

エレン「うぐっ!?」フラッ

アルミン「エレン!?」

エレン「くそっ!?」

ジャン「何やってる!? ガスを噴射して体勢を変えろ!!」

エレン「!?」ブシュゥゥ

サシャ「エレン!? そっちの方向じゃ……」


 大木「ヤァ、マタキミカ」


エレン「くそっ!? ぶつかる!?」

 ドゴッ!?  グラッ

 ヒュゥゥゥゥン 


ミーナ「ちょっと、エレン大丈夫!?」ギュィィィン

ジャン「あの馬鹿野郎が!!」ギュィンッ

ミカサ「ジャン!?」

ジャン「うぉぉおぉぉ!!」ギュィィィン!



 
【数十分後】 


エレン「……ん?」パチクリ

 ここはどこだ?
 オレは確か、立体機動で失敗して……

ジャン「よぉ、無事か」

エレン「ジャン!? って、ここは医務室か?」

ジャン「ああ。気を失ったお前をここまで連れてきたんだ」

エレン「お前がか? おいおい、冗談だろ?」

ジャン「んだと!? てめぇ、恩人に向かってその言い草はなんだ!」

エレン「……その、悪かったな」

ジャン「……ふん。次は無様な姿見せるなよ」スタスタスタ

 ガチャッ バタンッ

【医務室前廊下】

ジャン「……」

ミカサ「ジャン、ちょっといい?」

ジャン「ん? どうしたんだミカサ?」

ミカサ「エレンを庇ってくれてありがとう。そのせいで……」チラッ

ジャン「あ? オレはピンピンしてるぜ、あの死に急ぎ野郎と違ってな」ニヤリ

ミカサ「ありがとう。ジャン……見直した」ニコッ

ジャン「っ!? よ、よせよ……」テレッ

ミカサ「じゃあ、私はエレンの様子を見てくる。ジャン、今日はゆっくり休んで」ガラガラ


 バタンッ


ジャン「たく……そんなこと言うから、痛みが戻ってきたじゃねぇか」ズキズキズキ

 あの時、エレンをかばうことには成功したが、その代わりにオレは地面に叩きつけられた。
 全く、天才のオレが……立体機動で事故っちまうとはな……



ジャン「(いっでぇぇぇぇぇ!? 体がバラバラになりそうだぁぁあ)」ググググッ



アルミン「ジャン、君は男だよ」コソコソ



ジャンの好感度が上昇しました


【11週目 食堂 夕食】

ジャン「だからガスを噴射する時はな……」

エレン「なるほどな。そうすれば……」

ジャン「お前はバランスの取り方が……」

エレン「つまり体の軸を……」

  ガヤガヤ

アルミン「すっかりジャンとも打ち解けたみたいだね」

ミカサ「エレンが成長してくれて私も嬉しい」ホッコリ



サシャ「エレン、怪我大丈夫なんでしょうか?」ソワソワ


アニ「……」チラッ


エレン「ありがとうなジャン。これで立体機動もうまくいきそうだ」

ジャン「ふん、聞いただけで上達できれば世話ねぇよ」


※エレンの立体機動が大きく上達した!


エレン「……」

ジャン「……」


 イッパツナグラセロ!! ナンデダヨ!?
 ウルセーテンサイヤローガ! ハァッ!?


アルミン「あはは……」



エレン「たくっ、ジャンの野郎……覚えてとけよ」ブツブツ


選択安価 ↓2

1 エレン「っつぅ……飯を食うのも一苦労だぜ」ズキズキ

2 エレン「ん? 何チラチラ見てるんだ?」
※ 好感度F以上の名前も忘れずに
※ 訓練生(キース含む)のみ 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」

芋(運)の圧倒的人気!!

ベルさんはなんの補正があるの

>>440
 ライナー・ベルトルトは巨人関連


サシャ「エレン……」コソコソ

エレン「いてて、スプーン持つだけで体がいてぇ」ズキズキ

サシャ「うぅ……」チラチラ

エレン「ん? 何チラチラ見てるんだ?」

サシャ「うぇっ!?」ドキッ

エレン「そんなとこいないでこっち来いよ。飯、まだだろ?」

サシャ「あ、はい!」ダダダッ

エレン「慌てなくても飯は逃げねぇよ」

サシャ「あはは、そうですね……」ソワソワ

エレン「?」

サシャ「うっ! えっと……エレン、その、私……」ドキドキ

エレン「なんだ?」

サシャ「う〜〜〜〜っ!!!」


コンマ安価 ↓1と見せかけての↓2と思わせての↓3  補正6

00〜49 サシャ「き、昨日はごめんなさい!!」
(サシャの好感度がちょっぴり上昇)

50〜79 サシャ「エレン……」ギュッ
(サシャの好感度が上昇)

80〜99 サシャ「わ、私が食べさせてあげます!!」ズイッ
(サシャの好感度が大上昇)

しかしサシャの幸運補正ってどこで上がってるんだ?
親友になっても補正は6から上がってないし
もっと好感度上げないといけないのか盗み食い(幸運上昇)の成功率が上がるのか


>>447
 食料庫イベが他で言う訓練だからそれで合ってる。運を上げない限り補正は6のまま
 でもどうせやるなら好感度上げて成功率上げてからの方が効率いいかも?


エレン「何唸ってるんだよ?」

サシャ「エレン……」ギュッ

エレン「ん?」

サシャ「私のせいで、今日もエレンが危ない目に……」

エレン「なんだそんなことか? 気にしてねぇよ」

サシャ「で、でも……」

エレン「バーカ。今日オレがドジったのはオレの責任だ。お前のせいじゃない」

サシャ「だけど、昨日の怪我は!!」

エレン「あのな、この怪我は大切な仲間を守る為に付いた傷だ」

サシャ「えっ?」

エレン「誇ってもいいと思ってるくらいだぜ」ニカッ

サシャ「あぅ……//」カァッ

エレン「さぁ、食おうぜ」モグモグ

サシャ「はい……//」チビチビ


アルミン「あのサシャが、あんなにちまちまと食べてる!?」

ライナー「おいおい、どういうことだ?」

ベルトルト「恋……かな?」

クリスタ「……」



サシャの好感度が上昇した。

天使が堕天使になるのか(歓喜)



【11週目 自由時間】

エレン「今日は何をするかな」

アルミン「まさか特訓する気じゃないよね?」

エレン「それも悪くないな」

ライナー「筋金入りだな、お前」アキレ

エレン「今日失敗した分を取り戻すくらいいいだろ」

ベルトルト「たまには身体をいたわってよ」

エレン「とは言っても、強くなりたいんだ」

ジャン「放っておけ。こいつに何を言ってもきかねぇよ」

コニー「エレン、お前が頑張ってるのは認めるけど、少しは肩の力を抜け」

エレン「……」

コニー「今日だってみんな心配してたんだぞ。お前の身体は、お前一人のものじゃない」

アルミン「君が傷つけばそれを悲しむ人がいるって、ちゃんと覚えておいて」

エレン「……ああ、そうだな」グッ



選択安価 ↓2

1 このまま寝る

2 誰かに会いに行く (再安価)

3 特訓する (再安価)

4 食料庫に盗みに行く

>>1
sageがsagaになってるよ
あえてやってるなら申し訳ない


エレン「ちょっと出かけてくる」スタスタ

アルミン「エレン? 特訓でもするの?」

エレン「違うよ。ちょっと夜風に当たってくる」

ライナー「ウソじゃないよな?」

エレン「おいおい、オレだってたまには休むさ」

ベルトルト「気をつけてね」

エレン「ああ、行ってくる」


 ガチャッ バタン


【食料庫前】

エレン「なんとなく恥ずかしくて出てきちまったが……ん?」

サシャ「……」コソコソ

エレン「(なにやってんだサシャ? また盗みか?)」

サシャ「えへへ、肉を盗んでエレンにあげれば……」コソコソ

エレン「ようサシャ」

サシャ「うっひゃぁぁあぁぁ!!?」ビクッ

エレン「どうしたんだ急に」キョトン

サシャ「あ、あわあわわ!? エレンなぜここに!?」

エレン「なぜって、お前こそ今日も盗みか?」ハハハ

サシャ「あぅ……」


>>474
sagaはフィルター解除だから問題ない

>>479
そうなんだ知らなかったありがとう
>>1さんすいませんでした

>>482
 かまわへんでー


エレン「折角だし付き合ってやるよ」

サシャ「えっ? それはありがたいですけど……」

エレン「ん? 何か問題あるのか?」

サシャ「いや、なんでも……(私が盗ったのをあげたかったんよ……)」モジモジ

エレン「じゃあ、忍び込むか」ワクワク

サシャ「エレンも随分と手馴れてきましたね」ヤレヤレ

エレン「よし、鍵を開けるぞ!」ガチャッ



 コンマ判定 ↓1 補正6

サシャ補正+4

00〜19 キース「何をしているエレン・イェーガー?」ゴゴゴゴッ
(大失敗 一週間営倉行き 一週間訓練補正無し)

20〜49 キース「何をしているサシャ・ブラウス?」ゴゴゴゴッ
(失敗 一週間訓練補正無し)

50〜89 サシャ「やりました! 成功ですよ!」
(成功 幸運上昇 サシャの好感度上昇)

90〜99 エレン「やった!! 盗ったぞ!!」
(大成功 幸運大上昇 サシャの好感度大上昇)



エレン「お、誰もいないな」ニヤリ

サシャ「さっさとお目当ての物を持っていきましょう」ガサゴソ

エレン「お、燻製肉があるぞ!」

サシャ「やりました! 成功ですよ!」ワーイ

エレン「よし、さっさと出よう……」ガチャッ

サシャ「フヒヒヒ、これで今夜は満腹で寝られますね」ニコニコ

エレン「ああ、そうだな……ん!?」ビクッ

サシャ「エレン、どうし……!?」ビクッ


 キース「ふむ、最近イェーガーの調子がよくないな」コツコツ

 教官A「彼は最初と比べるとかなり伸びましたからね」コツコツ



エレン「やべぇ教官だ! 隠れるぞ!」ギュッ

サシャ「あ、ちょっと……//」ギュッ

 バタンッ


キース「ん? 今変な音が?」チラッ


掃除用具入れ「」


キース「……」ジーッ


掃除用具入れ「「((せ、狭い……))」」ギュウギュウ


サシャの壁が破られる……!?


【掃除用具入れ内】


エレン「(おい、サシャ! もっと身を縮めろ!)」ギュウギュウ

サシャ「(エレンこそもっと小さくなってください!)」ギュウギュウ

エレン「(やれるならやってる!!)」ムニュン

サシャ「(あっ……//)」ドキッ

エレン「(あ、わりぃ……)」ドキッ

サシャ「(い、いえ……粗末なものですいません)」ムギュムギュ

エレン「(いや、そんなことはないぞ。柔らかかったし……)」ムギュムギュ

サシャ「……//」

エレン「……」


【掃除用具入れ前】


キース「……」ジーッ

教官A「どうしたんですか?」

キース「いや、今……」


【掃除用具入れ内】

<Sideサシャ>


エレン「(くそ、暑いな)」ダラダラ

サシャ「(エレンの汗の匂い……)」クンクン

エレン「(悪い、臭うか?)」

サシャ「(いえ、不思議と落ち着きます……)」ギュッ

エレン「(はっ?)」


 どうして、こんなにエレンの傍は心地いいんやろ。
 なんで、こんなに心がドキドキなる?


サシャ「(エレン)」チラッ

エレン「(……じっとしてろよ)」ギュウ

サシャ「あっ……」ドキッ


 ああ、そっか。 こんな簡単な事だったんだ。


エレン「……」ギュッ


 エレンと話しておるのが楽しい

〜〜エレン「サシャ! 今日もいい食いっぷりだな」〜〜

 エレンと一緒にいるのが心地いい

〜〜エレン「また訓練しような」ニカッ〜〜

 エレンの顔を見ているのが幸せ。

〜〜エレン「……」〜〜


サシャ「今更、気づいちゃいました」ボソッ




 私、エレンが好きなんだ





サシャ「エレン……」スッ

エレン「(ん? なんだサシャ? 大きな声出す……!?」



 チュッ







エレン「」

サシャの好感度が上昇しました
サシャの好感度が友達以上恋人未満になりました

運が上昇しました

教官、アッカーマン訓練生が床を粉砕してます

まぁこれだけ狙い撃ちしてたら早いよねwwww



【12週 食堂 朝食】

エレン「サシャの奴……あれは一体なんのつもりなんだ?」ブツブツ

アルミン「え、エレン? どうかしたの?」

エレン「いきなりあんなこと……狭かったからか? それとも偶然?」ブツブツ

ベルトルト「エレンがこうなるなんて珍しいね」

ミカサ「一体昨晩何があったの?」

アルミン「分からない。散歩に行って帰ってきたらこれだったんだ」

ミカサ「?」


サシャ「えへへ……」ニヤニヤ

クリスタ「サシャ? 何がそんなに嬉しいの?」

サシャ「ふふふっ、秘密です♪」

クリスタ「ふーん……そうなんだ」




エレン「と、とにかく気にしない方向で行こう!」

 エレンは考えるのを放棄した


選択安価 ↓2

1 エレン「あ、あまり食欲が沸かないな」グヌヌ

2 エレン「はぁ……やっぱ気になるな」
※ 好感度F以上の名前も忘れずに
※ 訓練生(キース含む)のみ 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」
※ さらにそのレスでコンマ一桁判定
0トーマス
1オルオ
2マルコ
3安価↓
4安価↓
5安価↓
6ユミル
7ダリス
8安価↓
9安価↓

>>533
今しがた大きな音が聞こえたが…誰か説明してもらおうか?

>>567
ライナー・ブラウンの放屁です


 ガヤガヤ ワイワイ

 ザワザワ ドヤドヤ


エレン「はぁ……やっぱ気になるな」

 サシャの奴、どうしていきなりオレのほっぺにキスを?
 パン屑でも付いてたのか?

 それとも……


マルコ「やぁ、エレン。隣いいかい?」

エレン「ん? お前は……マルコ!」

マルコ「あはは、覚えていてくれたのか。嬉しいよ」ニッコリ

エレン「どうしたんだ急に?」

マルコ「うん、君は調査兵団希望だろ? だから、仲良くなろうと思ってね」

エレン「はっ? どういう意味だ?」





マルコ「オレも……巨人を駆逐したいんだ」ギリッ

エレン「!?」


周囲「「「「「!?!?!?!?」」」」」


マルコ「人類最強の兵士になるのは、オレだって宣言しにきた」

エレン「え、えぇぇ?」


ジャン「マルコ、お前一体どうしまったんだ?」コンワク

>>567
ライナーが特に理由のない暴力に襲われた音です

あらら、これでマルコは完全なモブになってしまうじゃないか!

>>567
ミカサ「サシャが放屁した音です……!身も出ているに違いありません……!」ギリギリギリ

2人に何が起きたか知ったらこれくらいは言いそう

>>569
>>571
ライナー「」



エレン「マルコ、冗談だよな?」

マルコ「違う、オレは気づいたんだ。王に誓いを立てても、どうせ無視されるだけだ」

エレン「……はぁ?」

マルコ「だから調査兵団に入って巨人を殺しまくってやる! そうすればみんなオレを認める!」ギリッ

エレン「お前、そんな目的で……」

マルコ「だから、オレは、オレは!!」

エレン「……やめろよマルコ」スッ

マルコ「どうして!? 君ならこの気持ちを分かってくれるだろう!」

エレン「ああ、分かる。分かるからこそ、認めるわけにはいかねぇ」

マルコ「!?」



エレン「お前が戦ってるのは誰だ? 巨人か、それとも俺達か?」

マルコ「!?」

エレン「オレは巨人が憎いから、巨人を殺す為に命を賭けてる。だけど、お前はなんだ?」

マルコ「それは……」

エレン「相手してくれない俺達が憎いから、巨人と戦う? ふざけんなっ!!!」ガタッ


ジャン「エレン……」


エレン「悔しかったら俺達に相手されるような人間になれよ!! 自分を見失ってんじゃねぇ!!」

マルコ「エレン……」

エレン「オレが知ってるマルコは人の為に気を使えて……そいつの長所を見つけてあげられるやつだった」

マルコ「……」

エレン「戦えよ……相手は巨人じゃねぇ!! 自分自身だろ!!」

これはマルコからの好感度が大変な事になりそう
空気扱いからの熱い説教だから変な化学反応が起きる

>>602
マルコ「エレン……(結婚しよ)」
そして好感度がストーカーに


エレン「成長して、俺達に認めさせてくれよ!」

マルコ「……グスッ、エレン……」ウルウル

エレン「オレは……お前は最高の指揮官になれると思ってる」

マルコ「エレン、あの、オレ……」

エレン「知ってるんだぜ、お前が他の連中に標的譲ってるの」

マルコ「!?」


 オイオイマジカヨ シラナカッタゼ
 マルコヤー アノクウキガ?


エレン「表には決して出ないけど、そういう優しい人間がいないとオレらは生きていけない」グッ

マルコ「エレン……」ボロボロ

エレン「だからさ、マルコ。オレの知ってるマルコのままでいてくれないか?」ポリポリ

マルコ「うん! エレン、ありがとう!!」

エレン「よせよ、仲間だろ」テレッ

マルコ「ありがとう……!!」ギュッ




マルコが親友になりました
訓練成功上昇値が底上げされました


【12週目 訓練選択】

エレン「怪我もほぼ治ったし、これで全力が出せるぜ」

サシャ「エ〜レン♪ 頑張りましょうね♪」ダキッ

エレン「お、おいサシャ!? 離れろよ!?」

サシャ「えへへ、獲物を離す狩人はいませんよ」クスクス

ミカサ「サシャ、エレンが嫌がってる。離さないと削ぐ」ギラリッ

サシャ「あはは、冗談ですよ冗談」ヒョイッ

エレン「ほどほどにしろよなー」

サシャ「はい!」ニコニコ


クリスタ「ふーん……」ガリッ

ユミル「クリスタ?」

クリスタ「なに、ユミル?」ニッコリ

ユミル「いや、なんでも……」


エレン「さて、やるか」グッ

エレンの頑張る科目選択 ↓2

更にそのコンマで合否判定 補正6 
立体機動 補正+2
対人格闘・馬術 補正+3
座学 補正6


00〜29 失敗 
30〜59 普通+3
60〜89 成功+5
90〜99 大成功 +7


【進撃の巨チン発動】 


エレン「よし、アニ組もうぜ!」

アニ「ハッ! アンタも懲りないね」

エレン「前みたいに行くと思うなよ?」ニヤリ

アニ「ハッ、どうだか」ニヤリ

 ザッ

エレン「まずはオレが暴漢をやる」

アニ「御託はいいからかかってきな」

エレン「行くぞ!!」ダダッ

アニ「ふっ!!」シュバッ

エレン「ハァッ!!」ダンッ

 

アルミン「エレンが!?」

ライナー「飛んだだと!?」

ベルトルト「高い!? なんて飛距離だ!!」

ジャン「だが、あれじゃアニのけり技で狙い撃ちだぞ!?」


アニ「驚いたけど……愚策だよ!!」ブンッ

エレン「うわぁぁぁぁぁ!!!」ヒュゥゥゥゥン


ミカサ「エレン!!」










エレン「なんてな?」ニヤリ



エレン「ハァァァァアッ!」グルンッ

アニ「んなっ!?」


アルミン「空中で、一回転!?」

ミカサ「あの動きは……まるで水鳥!?」

アニ「しまっ……蹴りをとめられ……っ!」

エレン「うぉぉぉぉ!!」シュバッ

アニ「きゃあっ!?」ドサッ



ライナー「あれは、バランスを崩したアニの上にエレンが馬乗りに!?」

ベルトルト「あれ絶対に入ってるよね? 的な体勢だよ!!」


エレン「アニ、つーかまえた」ニッ

アニ「くっ……ど、どいてよ……//」カァッ

エレン「おい、オレが勝ったんだ。何か言うことねーのかよ」

アニ「……」ドキドキ

エレン「おい、アニ? 顔が赤いぞ、大丈夫か?」ズイッ

アニ「や、やめて……顔が近い」ドキドキ

エレン「ああ悪い。嫌だよな」スッ

アニ「……//」

エレン「でもなんかお前、いい匂いするな」クンクン

アニ「!!!????」ビクンッ



エレン「香水でも使ってるのか?」

アニ「つ、使ってないよ……//」モジモジ

エレン「そうか。んじゃ、これアニの匂いか」

アニ「〜〜〜〜っ!!」ジタバタ

エレン「おい、暴れるなよ!!」グラグラ

アニ「バカ! 変態! いいからどいてよ!!」マッカッカ

エレン「お、おわぁぁぁ!?」ドシャッ

アニ「今だ!!」バッ


 ガシッ



アニ「はぁっ、はぁっ……短刀を奪った。これで逆転だ……ね」ムギュッ

エレン「おうふっ!?」ビクンッ

アニ「あれ、この短刀やわらか……」ニギニギ



ライナー「おい、アニが握ってるのって……」

ベルトルト「ああ、アレだね」

トーマス「」ガタガタガタガタ


アニ「な、ななななっ!? なぁっ〜〜〜〜///」ドキドキドキ

エレン「あ、アニ……離してくれないか?」

アニ「」ボンッ

エレン「おい、アニ? アニ!! しっかりしろ!」



ミカサ「」ギリギリギリギリギリギリ

サシャ「いいなぁ、アニ。羨ましいです」ムスッ



アニ「超……大型……巨チン……」ブクブク

エレン「アニィィィィ!!!」



対人格闘が超人的に上達した
アニの好感度が爆発的に上がった


アナウンス忘れ

※エレンの対人格闘術がBになりました
※アニの好感度が親友になりました


【12週目 食堂 夕食】

アニ「あんなの人間のモノじゃない人間のモノじゃない……」ブツブツ

ライナー「確かにな。あんなモノ見たのは初めてだ」


ミカサ「エレンJr、大丈夫? 怪我はない?」

エレン「おい、なに人の股間に話しかけてんだよ!?」

ミカサ「よかった。元気そう」ホッコリ

アルミン「ミカサ、落ち着くんだ」ドンビキ

ジャン「ていうかジュニアってサイズかよそれ」ドンビキ

エレン「別に普通だろ?」


男性陣「「「「ねーよ!!!」」」」



アニ「私、アイツのアレ触っちゃったんだ」ドキドキ




エレン「さて、今日の飯はっと」


選択安価 ↓2

1 エレン「相変わらずかてぇパンだな」バリッ

2 エレン「うーん、空いてる席がねーな」キョロキョロ
※ 好感度F以上の名前も忘れずに
※ 訓練生(キース含む)のみ 
※ 名前が無い場合安価↓

3 エレン「お? あれは……」
※ さらにそのレスでコンマ一桁判定

0トーマス
1オルオ
2安価↓
3安価↓
4安価↓
5安価↓
6ユミル
7ダリス
8安価↓
9安価↓


エレン「また相変わらずかてぇパンか」バリッ

アルミン「仕方ないよ。こうやって食べられるだけでも感謝しないと」モグモグ

エレン「まぁ、そうだよな」

 ザワザワ ガヤガヤ

 ヒェエエエエ ヤベェ、ヤベェヨ!

エレン「騒がしいな」

アルミン「誰か来てるのかな?」

エレン「お? あれは……」



???「ここにエレン・イェーガーはいるかね?」



エレン「オレを呼んでる? 誰だあのおっさん」

アルミン「」ブルブルブルブル

エレン「アルミン?」

マルコ「え、えええええエレン!? 逃げるんだ!」

エレン「はっ?」

ジャン「お、お前とんでもねぇ人を呼び込みやがって!!」

エレン「いや、だから誰だよあのおっさん」


アルミン「ダリス・ザックレー総統……」ボソリ


エレン「え?」

アルミン「三つの兵団のトップ! ダリス総統だよ!!」

エレン「」


ダリス「さて、どの子かね?」スタスタ



エレン「」ガタガタガタガタガタ

ダリス「ん? あの子か」

エレン「」ビクッ

ダリス「私はダリス・ザックレー。君がエレン・イェーガー君かね?」

エレン「は、はい!!」ビシッ

ダリス「ふむ……」ジロジロ

エレン「」ブルブルブル



ミカサ「エレンを守る」ジャキッ

アルミン「やめるんだミカサ!! そんなことしたら全兵士を敵にまわすんだよ!!」

ミカサ「関係ない。エレンに危害を加えるようなら削ぐ」

サシャ「……」ジーッ



ダリス「君は随分と有名人のようだね」

エレン「え? そ、そうなんですか?」

ダリス「いや、君が悪いわけではない。そう怯えなくてもいい」

エレン「は、はぁ……?」

ダリス「とある者から君の名前を聞いてね、丁度近くを通る予定があったから来てみた」

エレン「それは、光栄であります!」ビシッ

ダリス「ふむ……君の成績表は拝見したが、かなり優秀のようだ」

エレン「身に余る光栄です」

ダリス「(だが、とてもピクシス達の言うレベルではない。この少年の何が一体……?)」ジロジロ

エレン「」

ダリス「一つ聞かせてもらおう。君はどうして巨人と戦う道を選ぶ?」

エレン「え?」

ダリス「私に遠慮は必要無い。正直に答えなさい」

エレン「はい……オレ、いえ。自分は……」



 台詞自由安価 ↓3 

 内容が余りにもかけ離れているのは安価↓



エレン「巨人が憎い……」グッ

 母さんを殺した巨人が憎い。
 俺達人間を、こんなちっぽけな世界に閉じ込めている巨人が憎い。

エレン「祈ったところで何も変わらない、今を変えるのは戦う覚悟です!!」

ダリス「……」

エレン「オレ達は家畜じゃない。人間だ……!」

ダリス「ふむ」

エレン「だから巨人を全て駆逐したい!! そう思うからです」グッ

 ザワザワ マタカヨアイツ
 ガクシュウシロヨナー シニイソギヤロウガ


ダリス「そうか。よく分かった」スタスタスタ


エレン「あ、えっと……」

ダリス「私には君が特別な兵士には思えない。よって、今日の査察はもう意味が無い」

エレン「そ、そうですか……」ションボリ

 ザワザワ ヤッパアイツハフツーダヨナ
 ソリャソーダ 

ダリス「だが……」

エレン「?」



ダリス「久しぶりに人間に会った気がするよ、イェーガー君」



 ガチャッ バタン


エレン「……」ヘナヘナ

アルミン「エレン!!」

ミカサ「大丈夫?」

エレン「心臓止まるかと思ったぜ……」ガクガク




【訓練所 施設前】

ダリス「……」スタスタ

ピクシス「どうでしたかな? エレン・イェーガーは?」

ダリス「ピクシスか。確かに、普通とは違うように見えた」

ピクシス「ほぅ……それはよかった」

ダリス「だが、特別目をかける程の逸材には見えん」

ピクシス「そりゃ、そうじゃろうな。贔屓目でも見ても天才とは言い難い」

ダリス「なら、何をそんなに高く買っているピクシス?」

ピクシス「そりゃあ、ここじゃろ、ここ」トントン

ダリス「そうか……」





ダリス「      心          か」





【食堂】

エレン「」チーン

アルミン「エレン、しっかりするんだ!エレン!!」

ミカサ「エレン、気絶してる姿も可愛い」ホッコリ




ダリスと知り合いになりました。



【12週目 自由行動】


エレン「」

ライナー「エレンの奴、まだ魂が抜けてるのか」

ベルトルト「そりゃそうなるよ。あれだけ凄まじい体験をすれば」

アルミン「ほら、エレン。そろそろしっかりしてよ」ユサユサ

エレン「はっ!?」 

ジャン「やっと目を覚ましたのか」

エレン「オレ、今まで何を?」キョロキョロ

コニー「総統に会った後気絶してたんだよ」

エレン「そ、そうだったのか。悪い、迷惑かけたな」

アルミン「そんなこといいよ。それより、大丈夫?」

エレン「ああ、もう大丈夫だ」

ライナー「今夜はどうするんだエレン?」


エレン「……何をしようか」



選択安価 ↓2

1 このまま寝る

2 誰かに会いに行く (再安価)

3 特訓する (再安価)

4 食料庫に忍び込む




エレン「誰かに会いに行くか」

 なんか最近色々あったからな。
 誰かと話して、ゆっくりするのも悪く無い。

エレン「誰と話そうか?」


選択安価↓2

1 誰かに直接会いに行く
※ 好感度F以上の名前も忘れずに 
※ 訓練生orキース
※ 名前が無い場合安価↓


2 適当に散歩する コンマ一桁

0トーマス
1オルオ
2ユミル
3トーマス
4オルオ
5ユミル
6トーマス
7オルオ
8ユミル
9安価↓


エレン「トーマスにするか」

 アイツ、なんだか最近オレのことを避けてる気がするし。

エレン「おい、トーマス!」

トーマス「」ビクッ

エレン「一緒に便所でも行かないか?」

トーマス「ひぃぃぃぃぃっ!?」ブルブル

エレン「おいおい、なにをビビってるんだよ?」

トーマス「あ、あぁぁ……違う、大きくなれば僕だって」ブツブツ

エレン「いいから行こうぜ、な?」

トーマス「う、うわぁぁあぁぁ!」

エレン「そんなに騒ぐなよ、便所くらいで」



アルミン「トーマス……」ホロリ

ライナー「可哀想にな」ホロリ


【男子便所】

エレン「ふぃー、スッキリするな」ジョボジョボ

トーマス「う、うん」チョロチョロ

エレン「ふぅ」

トーマス「……」チラッ


エレンのエレン「」ドドドドドドドドドドドドッ ←25〜30cm



トーマス「(なんで臨戦態勢になってるのさぁぁぁああああ!!!)」ガクガクブルブル



トーマス「エ、エレン?」ビクビク

エレン「なぁ、トーマス」

トーマス「な、何かな?」ビクビク

エレン「ずっと気になってんだけどさ?」

トーマス「うん……」ブルブルブル



コンマ安価 ↓3 補正6


00〜49 エレン「なんでお前のチンコって皮かぶってるんだ?」
(トーマスの尊厳がブレイク)

50〜79 エレン「ションベンって、我慢しすぎると逆に出にくくなるよな?」アハハ
(トーマスの好感度が知り合いに)

80〜99 エレン「ションベン我慢するとチンコ硬くなる現象、あれなんて言うんだろうな?」ウーン
(トーマスの好感度友達に)



エレン「なんでお前のチンコって皮かぶってるんだ?」

トーマス「」

エレン「それ、ションベン出にくくならないか?」

トーマス「」

エレン「トーマス?」

トーマス「」

エレン「おーい」

トーマス「……」

 その日、彼は思い出した……

 サイズに支配されたていた恐怖を……
 皮に囚われた屈辱を……

エレン「おーい、トーマス? なんで皮かぶってるんだー?」

トーマス「う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」ダダダダッ

エレン「トーマス? 一体どうしたんだ?」キョトン


 トーマス・ワグナー。
 彼は心の中で誓った。

 いずれ、自分は巨チンになってみせる。


 いつかきっと……自分の巨チンで女性のウォール・マリアを奪還してみせると



トーマス「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



トーマスの尊厳が粉々になりました

>>
 トーマスに罪は無いんや……
 このスレにいる何人かの男性にもダメージが行ったかもしれないが、安心してくれ
 書いている自分が一番……いや、なんでもない。

 というわけで今日はここまで。
 ちなみにサシャとの恋愛イベントみたいなのは、女性全員、同じ様に親友〜友達以上恋人未満で発生します。
 ようは友情→恋愛にベクトルが変わった証明ね。


 明日の再開は未定。 予定がなければやります。
 今日もありがとうございやした!



【エレン・イェーガー】

<立体起動> E35 <馬術> F22 <対人格闘> B64 <座学> F25 <幸運> F27

<スキル> 
・超大型巨チン(コンマが補正込みで100を越えた時、得られる効果倍増)

<称号>
・死に急ぎ野郎
・人類最弱の兵士
・女泣かせのイェーガー



        |  H  |. G |  F |  E | . D |. C | . B |. A | . S | SS |SSS
————┼—————————————————————————
立体機動|lllllllllllllllllllllllllllllllllll
馬術    |llllllllllllllllllllll
対人格闘|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll

座学    |llllllllllllllllllllllllll
幸運    |lllllllllllllllllllllllllll
————┴—————————————————————————





【現在の好感度表】
──────────┬───────────────────────────────
SSS【恋の奴隷】..    │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
SS【恋の下僕】      │
━━━━━━━━━━┿━━━━━━(文字通り)なんでも言うこと聞いてくれる壁━━━━━━━
S【ストーカー】.        │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
A【家族】            │❤ミカサ
──────────┼─────────────────────────────
B【カップル】.        │◆アルミン
━━━━━━━━━━┿━━━━━━自分の為に命をかけてくれる壁━━━━━━━━━━━━
C【友達以上恋人未満】 │❤サシャ
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
D【親友】            │◆マルコ ❤アニ
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
E【友達】           │◆ベルトルト ❤クリスタ ◆ピクシス  
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

F【知り合い】        │◆ライナー ◆コニー ◆サムエル ◆ジャン ❤リコ ❤ハンジ ◆ダリス
                    │❤ミーナ ❤ハンナ ◆フランツ ◆エルヴィン ◆リヴァイ ◆ナイル ◆キース
━━━━━━━━━━┿━━━━━━何かに誘うことが出来る壁━━━━━━━━━━━━━━

G【他人】             │◆マルコ ❤ユミル
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
H【嫌いな人】.        │◆トーマス
──────────┴───────────────────────────────
◆=男性  ❤=女性


>>1

ちと表がずれてる?
それにしてもマルコが二人wwwwwwww

>>904
 修正しました、さーせん


【現在の好感度表】
──────────┬───────────────────────────────
SSS【恋の奴隷】..    │❤ウマゴン
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
SS【恋の下僕】      │
━━━━━━━━━━┿━━━━━━(文字通り)なんでも言うこと聞いてくれる壁━━━━━━━
S【ストーカー】.        │
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
A【家族】            │❤ミカサ
──────────┼─────────────────────────────
B【カップル】.        │◆アルミン
━━━━━━━━━━┿━━━━━━自分の為に命をかけてくれる壁━━━━━━━━━━━━
C【友達以上恋人未満】 │❤サシャ
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
D【親友】            │◆マルコ ❤アニ
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
E【友達】           │◆ベルトルト ❤クリスタ ◆ピクシス  
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

F【知り合い】        │◆ライナー ◆コニー ◆サムエル ◆ジャン ❤リコ ❤ハンジ ◆ダリス
                    │❤ミーナ ❤ハンナ ◆フランツ ◆エルヴィン ◆リヴァイ ◆ナイル ◆キース
━━━━━━━━━━┿━━━━━━何かに誘うことが出来る壁━━━━━━━━━━━━━━

G【他人】             │❤ユミル
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┼‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
H【嫌いな人】.        │◆トーマス
──────────┴───────────────────────────────
◆=男性  ❤=女性

●2年生の1年間見てきたクラスメイトについて自分の言葉で紹介しましょう。
●学級通信に載ることを考えて書きましょう。
●男女混合の名簿順で、自分の次の人について書きましょう。
●1番の相葉君の紹介は、40番の林崎君が書きます。



男子一番・相葉優人
「おー俺のこと林崎がどう書くのか今から楽しみだなぁ!
 芥川はねー、俺はあんま喋ったことないけど、よく女子には声掛けてるよな。
 最近赤メッシュ入れたよな、銀髪赤メッシュ、似合ってるよ」


男子二番・芥川雅哉
「あー、相葉気付いたの。どーも。
 紗羅ちゃんは小さくて元気で可愛いね、あと新体操上手いらしいねー。
 城ヶ崎の取り巻きなんてやめて、俺と付き合わないー?」


女子一番・朝比奈紗羅
「雅哉みたいに女の子なら誰彼構わずそんなこと言う軽いヤツはお断りっ!
 悠希はすっごい良いヤツだと思うよ、頭良いし運動できるしイケメンだしね!
 まあ、麗には負けるけど♪」


男子三番・雨宮悠希
「え、俺麗には負けないけどなぁ。まあ朝比奈さんは麗一筋だから仕方ないか!
 麗一筋と言えば、池ノ坊もずっと麗と一緒にいるボディーガードみたいだね。
 あまり喋ったことないけど、律義な良いヤツってのはわかるよ!」


男子四番・池ノ坊奨
「ありがとう雨宮。自分は麗さんの傍にいるのが当然なんだ。
 咲良さんも自分と似た家の生まれ。昔から可愛らしくてとても優しい人。
 口下手な自分のことをわかってくれる人」


女子二番・上野原咲良
「奨くんにそういう風に思ってもらってたんだ、嬉しいな、ありがとう。
 千世ちゃんはとってもおっとりしてて、すごく癒されるの。
 ほんわかした関西弁も、とっても可愛いよ」


女子三番・荻野千世
「いややわぁ、上野原さんの方が万倍可愛いのに。
 川原くんはどこにいても聞こえるくらいおっきい声しとる。
 体育会とか球技大会とかって、川原くんのための行事やんなぁ」


男子五番・川原龍輝
「おっ、千世ってば言ってくれるなぁ、確かに俺のための行事だけどな!
 如月はなんかすっげー頭良いよな!!
 インテリ眼鏡美人!!…こんな風に書いて大丈夫なのか、俺」


女子四番・如月梨杏
「川原くんのような学力レベルの人に頭が良いと言われてもね。
 川原くんといい木戸くんといい、暑苦しい人は苦手だわ。
 木戸くんは部活だけではなくて勉強もそれなりに頑張ってるだけマシかしら」


男子六番・木戸健太
「如月あのさ、これ学級通信に載るんだろ?いいのかよ。
 小石川のイメージは、よく騒いでる、なんかいつもジャージ、あと頭良い!
 よく話しかけてきてくれるよな、ありがとな!」


女子五番・小石川葉瑠
「そりゃー健太くんはあたしのお気に入りだもんね、彼女いてもオーケイよん♪
 永佳は超クールでツンツンってしてるけど昔よりは丸くなったかな?
 卓也くんのお陰じゃないかと睨んでるんだけど、正解?間違い?」


女子六番・財前永佳
「はぁ?意味不明、てかそういうの書かないでよ小石川さん馬鹿じゃない?

大東亜共和国の中ではトップクラスの歴史と偏差値を誇る、大東亜国民であるなら知らないものはいない有名な学校であり、初等部から大学部までの一貫教育を行っている共学校である。
初等部から大学部までをずっと帝東学院で過ごす生徒もいるが、中等部・高等部・大学部から推薦入試や一般入試を経て入学する者も少なくない。
初等部からの生徒には、政治家の子息息女や経営する会社の跡取や社長令嬢などの比較的裕福な家の子どもや、“帝東学院出身”という肩書を与えたいと願う親にわけがわからないままお受験をさせられた子どもが多い。
一方中等部からの生徒は、難関と言われる通常入試を勝ち抜いての入学を果たすため学力が総じて高い。
同時に部活動が盛んなため、通常入試で合格するには学力が及ばなくとも、何らかの特技を活かして一芸入試で合格して入学する者も多い。
つまり帝東学院とは、家柄、学力、スポーツなど、何か1つは秀でているものを持つ者たちが集う場所である。

そのような学校ではあるが、朝登校して授業を受け、授業の後に部活動を行う——このサイクルは他の学校と大差ない。
財前永佳(帝東学院中等部三年A組女子六番)も6時間の授業を終えた後は部活動のために美術室へ向かい、キャンパスと油絵用の画材を用意し、前方に置いた果物たちを描くことに没頭していた。
美術が好きかと言われれば、普通、としか言えない。
中等部に上がった時、あまり人と関わらずに時間を忘れて取り組めることがしたいと思い、それが叶うだろうと最初に思いついたのが美術部だった、というだけだ。
人と関わることが嫌いというわけではないのだが、初等部の後半から中学1年生の頃にかけてはとある事情で女子の中で浮いた存在になっており、そんな中で例えばバレーボールやバスケットボールのようなチームプレイができるとは思えなかった。
もっとも、ほとんどが全国クラスである帝東学院の運動部で活躍できるような能力が自分にはないことは自覚しているのだが。

どれくらい時間が経っただろうか。
一応満足できる絵が完成して我に返ると、いつの間にか日は傾き、赤い日差しが永佳を背中から照らしていた。
時計に目を遣ると、長針と短針が真反対を指して午後6時を示そうとしていた。

今日も、あと6時間…か。

ちらり、と美術室の端に置いている鞄に目を遣った。
教科書類はほとんど教室に備え付けられた個人ロッカーに置きっ放しにしているので1,2冊程しか入っておらず、いつもはぺちゃんこに近いのだが、今日はいつもより少し膨らんでいる。
いつもは入れていない“ある物”が入っているのだ。

…多分、無駄になるんだろうな。
しょうがないか、タイミング逃しまくったし、もうすぐ下校時刻だし…
…大体、キャラじゃないよね、そんなの。

小さく溜息を吐く。
“しょうがない”という言葉で色々な理由を作ってやるべきことから逃げる悪い癖。
治るどころか年々捻くれて助長されていくこの癖を持つ自分が、永佳は嫌いだった。

「ひーさかちゃんっ」

心の中に渦巻き始めていた黒い靄を優しく包み消していくような柔らかく温かい声が永佳の名前を呼び、永佳は顔を上げた。
きっちりと着こなした制服、胸元まで伸びた艶やかな黒髪、小さな口とすっと通った鼻筋、大きく優しい瞳——クラスメイトでもあり部活仲間でもある上野原咲良(同・女子二番)がにっこりと笑みを浮かべて永佳を見下ろしていた。
初等部の頃から類い稀なる愛らしい容姿をしていた咲良は、今や中等部どころか高等部にまでファンクラブができている程異性からの人気が高く、帝東学院のマドンナと称されているのだが、当人は自分の人気の高さを自覚していない。

「ねえ永佳ちゃん、テニスコート行かない?
 さっき家庭科部にちょっとお邪魔して、マドレーヌ作ったの。
 帰りがてら、差し入れに行こうと思うんだけど」

「…行かない。
 咲良が1人で行ったらいいじゃない」

「そんなこと言わないで、お願い、ね?
 みんなで外で食べようよ。
 さっき華那ちゃんも食べてくれて、美味しいって言ってくれたから味は大丈夫!」

“華那ちゃん”——クラスメイトの佐伯華那(女子七番)は確か家庭科部に所属していたと記憶しているので、華那に頼んでお邪魔させてもらったのだろう。
のんびり屋でぼーっとしている印象しかない華那のことだ、何も深く考えることなしに咲良のお願いを受け入れたのだろう。

「…わかった、片付けるから待ってて」

永佳は諦めて画材を片付け始めた。
クラス内で一緒にいることはあまりないのだが、部活で付き合いを始めてから丸2年を超えたので、咲良のお願い事はやんわりとしているようで有無を言わせないところがあるためにどうせ断ることはできないことがわかっている。
それなら、早々に折れた方が時間を浪費せずに済むという話だ。
それに、咲良が永佳を誘う理由はわかっている。
ストレートに言えば永佳が意地になって拒否することを咲良もこれまでの付き合いで知っているから、わざわざお菓子を焼いて自分の用事を作りそれに永佳を連れて行く、という状況を作ったのだ。

片付けを終えると、永佳と咲良は美術室を出た。
美術室のある校舎からテニスコートまでは少し離れているし、様々な部活動が終わる時間帯なので、歩いていると多くの人と出会う。
男子生徒の半分以上は、すれ違い様に咲良に声をかける。
さすがは男子生徒憧れの的。
愛らしい容姿に穏やかな性格で気配り上手、更に頭も良ければ運動もできるという、欠点らしい欠点のない神様に愛された子。
そんな咲良の隣を歩くのは、少し辛い。
襟足を長く伸ばしたツンツンとした漆黒の硬めの髪も、決して大きくないやや鋭い目も、中性的と言われる顔立ちも、全てを隠してしまいたくなるし、両耳に開けた沢山のピアスは馬鹿にしか見えないのではないかと思う。
強い光に当たれば当たる程濃い影ができるのと同様で、咲良の隣にいると自分の悪い面がより一層強調されてしまいそうで、自分のことが嫌になる。
もちろん、咲良が悪いわけではないし、永佳も咲良が好きだ。
そんな暗いことを考えてしまう自分こそが、憎むべき対象なのだ。

テニスコートに着いた。
女子テニス部はもう部活を終え、友達とのお喋りを楽しんでいる数人が残っているだけだったが、男子テニス部はミーティング中らしく、全員が一ヶ所に集まり顧問の話を聞いていた。

「あ、咲良ちゃんと永佳ちゃんだぁ」

「やっほー! 2人も部活終わったんだぁ!
 あれあれ、咲良、それ何ー?」

永佳たちに気付いた2人の小柄な女子が声を上げて寄ってきた。
女子テニス部に所属する鳴神もみじ(女子十二番)と広瀬邑子(女子十五番)で、もみじは普段咲良と仲が良く一緒に行動しており、邑子は永佳とは物心ついた頃からの幼馴染で妹のような存在だ。
もみじは少し眠たそうにしているが、これはいつものことだ。
咲良の手にある袋に興味を示した邑子が跳ねると、桃色の飾りのついたヘアゴムで留めたツインテールが一緒にぴょんぴょんと上下に揺れる。

「ふふっ、マドレーヌ焼いたの。
 一杯あるから、もみじちゃんと邑ちゃんも一緒に食べようね」

部活後のお菓子の登場にはしゃぐ邑子ともみじの声に、男子テニス部数人が驚いてこちらを見てきた。
その内の1人の視線が永佳とかち合う。
彼は永佳に満面の笑みを向けてきたが、永佳はふいっと視線を逸らしてしまった。
ああ、せっかく気付いてくれたのに。
ホントに可愛くないな、あたしは。

ミーティングが終わったらしく、気合の入った挨拶の後部員たちは散っていった。
その中の数人が、永佳たちの方へ近付いてくる。

「麗さま、お疲れ様ー!!」

先程まで眠たそうにしていたもみじが、ぱあっと顔を輝かせた。
駆け寄ってきたもみじの頭を優しく撫でた“麗さま”こと城ヶ崎麗(男子十番)は、後から近付いてきた永佳たちに赤みの強い瞳を向け、咲良で視線を止めた。

「なんだ咲良、この俺様に差し入れか?」

「やだなぁ、麗くんにじゃないよ、みんなに差し入れ」

「ま、わかってるけど」

テニス部にいながら色白の肌に茶髪と赤みの強い切れ長の瞳(聞いた話では、これらは全て母親からの遺伝らしく自然の色だという)、口許にあるほくろ、低すぎない甘い声、自信に満ちた言動——麗は帝東学院中等部の生徒会長とテニス部部長を兼任しており、その知名度は中等部に留まらない。
女子人気は異常に高く、今も麗の姿を見ようとあちらこちらで女子生徒が様子を窺っており、一緒にいる永佳の背中にもちくちくと視線が刺さる。
咲良とは幼馴染でありお似合いのカップルに見えるのだが、この2人は付き合っていないどころか、咲良が言うには一度も恋愛の相手として麗を見たことがないのだという(麗は永佳のタイプではないが、こんな幼馴染がいながら一度も恋愛対象として見ることがなかったというのは聞いた時には驚きだった)。

プログラムとか、マジ意味わかんない。
チーム戦で仲間がいるだけ、ほんのほんの少しはマシなのかもしれないけど。

朝比奈紗羅(女子一番)は、不機嫌さを表情に出して歩いていた。
修学旅行に行くはずだったのに、連れて来られたのは観光地ではなく小さな島で、しかも殺し合いをしろと強要された。
どうしてこんな目に遭わなければいけないのか。

プログラム本部である小中学校を出ると、木々が覆い茂りその枝に括りつけられている電球が申し訳程度に足元を照らしていた。
一応人が通れるように木々の間は開いているのだが、長い年月をかけて幾人もの人がそこを踏むことによっていつしかできた道のようで舗装は全くされておらず、都会育ちの紗羅は歩きにくさに眉を顰めた。
これだけ鬱蒼としているということは、昼間には虫が多く出そうだ、そんなの絶対に耐えられない、気色悪いったらない。

「とりあえず腰を下ろすか」

前を歩いていた城ヶ崎麗(男子十番)の声が耳に入り、紗羅は視線を地面から前に向けた。
麗の強気な笑みを見ると、心が少し落ち着く。
麗ならこの状況を何とかしてくれるのではないか、そんな気にさせるのだ。

人が踏み慣らして出来た道を外れて木々の間に入っていくと、少しだけ広いスペース(といっても、5・6人が円になって座るのがやっとくらいの広さだけれど)があった。
麗は自分のスポーツバッグを地面に置いてその上に腰を下ろした。
地べたに座るのは、彼の育ちの良さが許さなかったのだろう。

その隣に鳴神もみじ(女子十二番)がちょこんと座り、麗の向かいには木戸健太(男子六番)がどさっと腰を下ろし片膝を立てた座り方をした。
紗羅も2人に倣って荷物を置いて座った。

「とりあえず…だ。
 誰がリーダーなのか確認しとかねーとな」

麗は紗羅たちの顔を順番に見た。
確かに、リーダーが誰なのかということは非常に重要な問題だ。
リーダーが殺されると他のメンバーの首輪は自動的に爆発するというルールがあるのだから、誰が全員の命を握っているかということを知っておかなければ動くに動けない——ハッ、誰かに殺される?馬鹿みたい、ありえないでしょ。
しかし、紗羅の耳にはアキヒロ(軍人)の放った言葉がしっかりと残っている。
“殺らなきゃ、殺られるよ?”
実際、これまで何年も行われてきたプログラムの中で、誰も殺し合わずにタイムオーバーになった例はほとんどなかったという——つまり、ありえないと思っていても、誰かに殺されそうになることがあるかもしれないし、逆に誰かを死に至らしめるかもしれないということなのだ。
ぞっとする。
離れていたものの、ルール説明中に反抗した田中顕昌(男子十一番)が撃たれる様を紗羅は見てしまった。
弾かれるように頭を仰け反らせ、そのまま後ろの席の広瀬邑子(女子十五番)の机に一度倒れ込むような形でぶつかり、そして床へと体を沈めていった。
あんな風になるかもしれない。
あんな風にしてしまうかもしれない。
考えただけで吐きそうになる。

「…紗羅…おい、紗羅、大丈夫か?」

健太に肩を揺すられ、紗羅ははっと我に返った。

「あ、うん…大丈夫、ごめん」

大丈夫であるはずがない。
それを健太もわかっているのだろう、それ以上は何も言わなかった。

「ああ、麗ごめん、話逸れちゃったね。
 リーダーが誰かって確認するんだよね?
 ま、このメンツなら普通は麗以外あり得ないと思うんだけどね」

ハハッと紗羅は笑ってみせた。
かなり表情筋が引きつっていたような気がするけれども。
その無理に気付いたのか、麗は紗羅の頭をくしゃくしゃに撫で回した。

「わかってんじゃねーの、紗羅。
 当然だろ、俺は前に立つために生まれてきたんだからな!」

ああ、麗はいつもと変わらないな。

強烈なリーダーシップとカリスマ性。
麗に初めて会った小学生の頃のとある出来事(これが、紗羅や健太やもみじが帝東学院に入学しようと受験勉強を始めるきっかけだ)、視線を麗から外すことはいけないことではないのかと思わせられてしまう程の存在感があり、ずっと麗ばかりを目で追っていた。
その出来事の後は帝東学院に入学するまで一度も会うことはなかったのだが、忘れることができないくらいに強烈な印象を残していた。
恋愛感情なんてものは全く無い、身分違いも甚だしい。
紗羅にとって麗は絶対無敵完全無欠のヒーローであり、この人に従っていれば間違いはないと思える主君なのだ。

「確か…左腕、だったな」

麗はカッターシャツの袖のボタンを外してブレザーの袖と一緒に押し上げ、テニス部とは思えない白い腕を露出させた。
シンプルだが高級感漂うシルバーの腕時計と内肘の丁度中間部分に、直径3cm程度の黒い印があり、よくよく見るとそれは王冠を模していることがわかった。

「…刺青? 王冠とか、お前の趣味っぽいじゃねーか」

「バーカ、刺青自体が趣味じゃねーよ。
 俺は馬鹿みたいな模様刻まなくても十分すぎる程にイケてるからな」

「言ってろ、アホ」

「…ってことは、麗さまが、もみじたちのリーダーなんだね?」

麗と健太の冗談のようなやりとり(いや、これは普段と変わらない冗談の応酬か。麗の大きすぎる発言に「アホ」と返す健太、あまりにも見慣れた光景だ)の間も、もみじはじっと麗の腕の印を凝視していたが、顔を上げてじっと麗の顔を見つめた。
いつもは眠たそうに目をとろんとさせていることの多いもみじだが、麗を見つめるその瞳はしっかりと開かれ、強い目力すら感じさせた。
それは、麗に対する厚く揺るがない信頼。
紗羅以上に、いや、誰よりももみじは麗を崇めている。
プログラムという状況下であってもそれは変わらないだろうし、仮にチームが別れていたとしてもその崇拝は揺るがなかったはずだ。

「やっぱり、麗さまがもみじたちのリーダー…うん、当たり前だよね!
 麗さまはいつだってもみじたちの前に立ってなきゃいけないもん。
 麗さまは、何があっても、どんな時でも、麗さまなんだもんね」

「ああその通りだ、よくわかってるじゃねーか、もみじ」

麗はもみじのふわふわの猫っ毛を撫でた。
その手を止めると、麗は身動ぎしてスポーツバッグの上に座り直すと、紗羅たちの顔を順に見ていきしっかりと視線を合わせ、一呼吸置いてから口を開いた。

「ルールによれば、俺はお前らの命も背負ってることになる。
 だから、最初に俺の意見を言っておく」

先程までとは違う真剣な表情に、紗羅はごくりと息を呑んだ。
麗の発言に横槍を入れることが多い健太も沈黙し、じっと麗を見ていた。

「ま、教室出る時にも言ったけどな。
 俺は、こんなモンには乗らない。
 俺は俺のやりたいようにやる」

「やりたい…ように?」

もみじが言葉を反芻し、じっと麗を見つめて返事を待つ。

「ああ、やりたいようにしてやるよ。
 チームが違うから敵だとか、そんなの馬鹿馬鹿しいったらないだろ。
 だから、咲良たちと合流する。
 咲良と奨と瑠衣斗と撫子は同じチームだと俺は見てる。
 こっちがこの4人だしな。
 ま、アイツらがチームだろうがバラバラだろうが、そんなことも関係ないけど。
 とにかく、アイツらが出てくるのをここで待ちたい。
 お前らは、どうだ?」

「そんなの、反対する理由ないじゃん、あたしは麗に賛成」

紗羅は即返事をした。
そう、それでこそ紗羅のヒーローだ。
麗はプライドが高くゴーイングマイウェイで自己中心的で傲慢で超俺様な性格で——麗と深く付き合っていない者ならそう思っているかもしれない。
それは間違ってはいないのだが、麗はそれだけの男ではない。
それだけの男なら、これ程までに惹かれはしない。
紗羅が麗に惹かれるのも、もみじが異常なまでに麗を崇拝するのも、健太が文句を言いながらもずっと麗と一緒にいるのも、全ては麗が仲間を大切にする人だと知っているからだ。
仲間を認め、信頼し、自分の誇りとする——麗はそういう人なのだ。

「俺も賛成。
 『今頃どうしてるだろう』ってやきもきするより、傍にいてくれた方が安心できる」

健太も同調した。
まあ健太のことだから、頭の中は彼女の上野原咲良(女子二番)のことで一杯で、とにかく咲良に会いたくて仕方がないのだろうけれど。

…それは、麗も同じ、か。

紗羅は麗にちらりと視線を向けた。
麗は、幼馴染の咲良に長い片想いをし、健太に取られてしまった。
取られた、という言い方は正確ではないが。
麗は咲良を想い、健太を認め、身を引いたのだ。
このことを知っているのは紗羅と高須撫子(女子十番)だけなので、麗が自分の気持ちを胸に秘め続けるのなら、墓の下までこの秘密は持って行くつもりだ。

「もみじも賛成、麗さまは正しいもん」

「…ありがとな。
 ま、無茶はするつもりはねえよ。
 お前ら巻き添えにするとかは、絶対にしない」

どくんっ、と紗羅の心臓が大きく脈打った。
麗の真剣な表情に、胸騒ぎがした。
その胸騒ぎの正体が何なのかは、わからないけれど。

「なあ、麗。
 武器くらいは確認しといた方が良くないか?」

健太の声に、紗羅は顔を上げた。
どうやら健太は何も感じていないようだ——紗羅の中に渦巻いた不安も、ただの気のせいであれば良いのだけれど。

「健ちゃん…みんなを疑うの…?」

もみじが悲痛な面持ちで健太を見つめた。
健太は眉間に皺を寄せた。

「疑いたくない…けど正直怖い…ってのが俺の意見。
 こんなモンに乗りそうなヤツとかいるはずないって思いたい…
 けど、あのアキヒロってヤツの言葉が頭から離れない。
 “殺らなきゃ殺られる”…って。
 だから万が一の時には身を護る準備は必要だと思うんだ」

「…まあ、健太の言うことが正しいな。
 備えあれば憂いなし、だ」

麗は頷くとデイパックのジッパーを引き、中に手を突っ込んだ。
暫くデイパックの中を弄った後、何かを見つけたらしく、それを高々と掲げた。
麗は自信たっぷりに掲げてから自らの手にスプレー缶が握られているのを目で確認し、眉間に皺を寄せた。

「…何だ?」

「いや、『何だ?』じゃねーよ、アホか。
 確認してから自信満々に披露しろよテメェ」

呆れた表情を浮かべた健太が腰を浮かせ、麗の手から何かをもぎ取った。
頼りない電球の灯りを頼りに、健太はスプレー缶に書かれた文字を読んだ。

「さい…るい……ああ、催涙スプレーだってよ」

麗に支給されていたのは、痴漢撃退にも使えそうな催涙スプレーだった。
自信満々で掲げるような代物ではない気がするが、誰かに攻撃する意思のない麗にとっては決して外れの武器ではないだろう。

「ふーん…ま、悪くはないな。
 お前らは?」

「…あっれ、ねえねえ麗さまー。
 もみじの武器って…これかなぁ?」

もみじの両手に乗せられているのは、紙製だが高級感のある箱。
怪訝な表情を浮かべた麗がその箱を取り蓋を開け——舌打ちをした。

「政府の連中、ふざけてんのか、あぁん?
 これで戦えって、笑えねぇよ」

「まあ…投げたら痛いだろうけど」

箱に納められていたのは、計12個のゴルフボールだった。
ゴルフボールはスポーツで使用する球であって、武器ではない。
当たり外れがあるとは聞いていたが、これは無しだろう。

催涙スプレーにゴルフボール、幸先の悪い武器の出に辟易しつつ、紗羅は自分のデイパックを引き寄せて開けると、中に手を突っ込んだ。
すぐに、それに手が当たった。
片手で持ち上げることはできず、両手で掬うように持ち上げた。
木製の箱で上には十字マークが描かれており、蓋を開けるとアルコール消毒液や包帯や絆創膏などの救急道具が詰め込まれていた——救急箱だ。
武器ではないが、これはある意味かなりの当たり武器だ(武器ではないのに“当たり武器”と呼ぶのはおかしいことだが今はその矛盾は置いておこう)。

「催涙スプレーにゴルフボールに救急箱か…健太、お前は?」

麗をはじめとして6つの瞳が見つめた先で、健太はデイパックに手を突っこんだまま硬直していた。

「健太…?」

紗羅が声を掛けると、健太は錆びたブリキ人形のようにぎこちなく首を回して更に視線を向け、ゆっくりと手を鞄から出した。
その手に握られていた物に、全員が息を呑んだ。
健太の決して大きくはないがやや骨ばった日に焼けた手に握られているのは全長20cm程の黒い物体——自動拳銃ワルサーP99だった。

「は…ははっ…マジかよ…」

健太が引きつった笑みを浮かべ、震える手でワルサーを皆に見せるように前に出した。
紗羅ともみじは反射的に仰け反り少しでもワルサーから距離を取ろうとしたが、麗は真剣な面持ちでワルサーをじっと見つめ、健太を見据えた。

「健太…わかってんな?
 それは、人の命を一瞬で奪うかもしれない代物だぞ。
 持つ時も、万が一撃つ時になっても、それを絶対忘れるなよ。
 田中もそれで…死んだんだ」

アキヒロに射殺された顕昌の名前が出た瞬間、健太はびくっと身体を大きく震わせ、手からワルサーを落としそうになった。
顕昌の撃たれた瞬間の光景がまたもフラッシュバックし、紗羅はうっと呻いた。
健太の持つそれは、他のクラスメイトをも顕昌と同じ状態に変えてしまうかもしれない凶器——そう考えると、決して大きくない黒いそれが、とても邪悪な物に見える。

「はは…っ…これ、俺が持つのかよ…こんな恐ろしい物…——ッ!!」

乾いた笑いを交えながら健太はワルサーから麗へと視線を向け——目を見開いた。

「麗、後ろッ!!」

健太の声に、麗が振り返る。
健太が声を上げる前に異常を察知した紗羅は、麗の腕を自分の方へ引っ張った。
麗が体勢を崩す。
そのすぐ脇を何か銀色の物が上から下へと煌き、麗が腰掛けていたスポーツバッグに吸い込まれた。

「何、誰、何なのッ!?」

訳がわからず叫ぶ紗羅の首に、何かが触れた。
温かみを感じる布——人の腕だ。
首を圧迫され、紗羅はそれから逃れようと必死にもがく。
もがく紗羅の頬に、今度は冷たい何かが触れた。
それが頬を撫でると、ピリッとした痛みが電流のように走る。

「紗羅ちゃん、紗羅ちゃん…ッ!!」

涙声でもみじが紗羅を呼ぶ。

まさか、これ…斬られたのッ!?
うそ、やばい、怖い、これまずいよ、あたし、あたし…ッ!!

「紗羅を離せッ!!」

麗が紗羅の背後にいる何者かに向けて手を伸ばした。
紗羅の首を絞めつけていた腕の力が弱まる。
紗羅はその腕を掴むと服で隠れていない手の甲を探り当て、思いっきり噛み付いた。
背中で呻き声を聞きながら、紗羅は束縛から逃れた。

ばんっ

耳を劈くような轟音が鳴り響いた。
健太が右手を掲げているのを見て、それが銃声だと知った。
健太が空に向けて発砲したのだ。

「麗馬鹿かテメェ、無茶しないってさっき言ったばかりだろうがッ!!」

そうだ、麗は紗羅を助けようと襲撃者に掴み掛ろうとした。
しかし、メンバー全員の命を背負う麗は、本来そのような行動に出るべきではない。
麗に万一のことがあれば、紗羅たちの首輪は爆発するのだ。
麗も十分に承知していたはずなのだが勝手に体が動いてしまったのだろう、「ああ」と思い出したかのような声を洩らした。

戦闘記録

1 ○ アキヒロ(軍人) v.s.  田中顕昌(男子11番) ×
(5/31 2:29a.m. 田中顕昌 退場)

2 ○ 榊原賢吾(男子7番)
  湯浅季莉(女子20番) v.s.  木戸健太(男子6番) ×
 城ヶ崎麗(男子10番)
 朝比奈紗羅(女子1番)
 鳴神もみじ(女子12番)
(木戸健太・城ヶ崎麗・朝比奈紗羅・鳴神もみじ 撤退)

3 ○ 室町古都美(女子18番) v.s.  横山圭(男子18番) ×
(5/31 3:45a.m. 横山圭 退場)

4 ○ 財前永佳(女子6番) v.s.  相葉優人(男子1番) ×
 宍貝雄大(男子8番)
 荻野千世(女子3番)
 小石川葉瑠(女子5番)
(5/31 4:21a.m. 宍貝雄大 退場)
(相葉優人・荻野千世・小石川葉瑠 撤退)

5 ○ 池ノ坊奨(男子4番)
  真壁瑠衣斗(男子16番)
  上野原咲良(女子2番)
  高須撫子(女子10番) v.s.  内藤恒祐(男子12番) ×
 林崎洋海(男子20番)
 如月梨杏(女子4番)
 星崎かれん(女子16番)
(5/31 5:27a.m. 如月梨杏 退場)
(5/31 5:28a.m. 内藤恒祐 退場)
(5/31 5:28a.m. 林崎洋海 退場)
(5/31 5:28a.m. 星崎かれん 退場)

 

 

チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十一番・田中顕昌 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子  

男子1番 相葉優人
(あいば・ゆうと) 女子1番 朝比奈紗羅
(あさひな・さら)
男子2番 芥川雅哉
(あくたがわ・まさや) 女子2番 上野原咲良
(うえのはら・さくら)
男子3番 雨宮悠希
(あまみや・ゆうき) 女子3番 荻野千世
(おぎの・ちせ)
男子4番 池ノ坊奨
(いけのぼう・しょう) 女子4番 如月梨杏
(きさらぎ・りあん)
男子5番 川原龍輝
(かわはら・りゅうき) 女子5番 小石川葉瑠
(こいしかわ・はる)
男子6番 木戸健太
(きど・けんた) 女子6番 財前永佳
(ざいぜん・ひさか)
男子7番 榊原賢吾
(さかきばら・けんご) 女子7番 佐伯華那
(さえき・かな)
男子8番 宍貝雄大
(ししがい・ゆうた) 女子8番 阪本遼子
(さかもと・りょうこ)
男子9番 松栄錬
(しょうえい・れん) 女子9番 鷹城雪美
(たかしろ・ゆきみ)
男子10番 城ヶ崎麗
(じょうがさき・れい) 女子10番 高須撫子
(たかす・なでしこ)
男子11番 田中顕昌
(たなか・あきまさ) 女子11番 奈良橋智子
(ならはし・ともこ)
男子12番 内藤恒祐
(ないとう・こうゆう) 女子12番 鳴神もみじ
(なるかみ・もみじ)
男子13番 原裕一郎
(はら・ゆういちろう) 女子13番 蓮井未久
(はすい・みく)
男子14番 春川英隆
(はるかわ・ひでたか) 女子14番 平野南海
(ひらの・みなみ)
男子15番 日比野迅
(ひびの・じん) 女子15番 広瀬邑子
(ひろせ・ゆうこ)
男子16番 真壁瑠衣斗
(まかべ・るいと) 女子16番 星崎かれん
(ほしざき・かれん)
男子17番 望月卓也
(もちづき・たくや) 女子17番 水田早稀
(みずた・さき)
男子18番 横山圭
(よこやま・けい) 女子18番 室町古都美
(むろまち・ことみ)
男子19番 芳野利央
(よしの・りお) 女子19番 山本真子
(やまもと・まこ)
男子20番 林崎洋海
(りんざき・ひろみ) 女子20番 湯浅季莉
(ゆあさ・きり)

 
戦闘実験第七十二番プログラムのルール


●対象クラス
  東京都私立帝東学院中等部3年A組(男子20名・女子20名、計40名)



●会場
  東京都沖御神島



●基本ルール
  4人1組のチーム戦
  原則チーム同士で戦い、最後の1チームのみが生きて帰ることができる



●チームリーダー
  チームの中の1名がリーダーに任命されている(左腕に印がある)
  リーダーが殺害された場合、チームメイト全員の首輪が爆発し、チームは敗北となる



●下剋上ルール
  リーダーを、同じチームのメンバーが殺害した場合はメンバーの首輪は爆発しない
  リーダーを殺害したメンバーが、新しいリーダーとなる



●優勝条件
  1)生き残りが1チームのみになった場合
  2)生き残りがチームリーダーのみになった場合
  3)最後の退場者が出てから24時間以内に新しい退場者が出なかった場合



●定時放送
  0時、6時、12時、18時の、1日計4回



●禁止エリア
  放送時に発表
  2時間に1つずつ禁止エリアが指定されていく
  指定後に侵入すると、警告音の後首輪が爆発する
  尚、プログラム本部は最後のチームが出発した20分後に禁止エリアに指定される

プログラム本部となっている小中学校から見て真東にあたるE=06エリアのほぼ中心には、御神島唯一の神社が存在し、そこに4人の男女がいた。

島の名前に“神”が入っているが、特別な神様を祭っているものなのかどうかは不明である(この島に昔から住んでいる人に聞けばわかるかもしれないが、生憎プログラムのために島民は全て追い出されてしまっているので聞きようがない)。
まあ、何を祭っていようが関係ない。
たとえ神がいようが何だろうが、現在ここは戦場なのだから。

1時間半前にあった定時放送では7人の名前が呼ばれた。
その中で実際に亡骸を確認したのは、教室で全員の眼前で射殺された田中顕昌(男子十一番)と、小中学校から僅かしか離れていない場所で倒れていた横山圭(男子十八番)のみで、後はこの島のどこかで斃れているらしいが実感が湧かない。
本当に自分たちが殺し合いなんてしなければならないのだろうか、これは全部悪い冗談で、放送で名前を呼ばれた人たちもドッキリに加担していて後でひょっこり顔を出すのではないだろうか——人の亡骸を見ても尚そう思えてしまう。
そう思えてしまう大きな要因は——

佐伯華那(女子七番)は右手に持っている卓球ラケットをじっと見つめた。
家庭科部に所属し運動は苦手でのんびり屋の華那には卓球を趣味にした覚えはない——これがデイパックに入っていた支給武器らしきものだった。
スポーツの道具にしても、例えば野球のバットやホッケーのスティックであったなら武器と言われても頷くことはできるのだが、卓球のラケットで何ができるというのか。

「華那、ラケットがどうかした?
 へへっ…それがバドミントンのラケットだったら、バドミントンしたいんだけどなー」

華那の隣で膝を抱えて座っていた山本真子(女子十九番)がにこりと笑んだ。
真子はクラスの中では目立たないグループに属する華那とは違い女子主流派グループの中でいつも騒いでいる、広瀬邑子(女子十五番)に次いで小柄な女の子で、確かバドミントン部に所属していたと記憶している。
教室ではライド(担当教官)に、「自分の父親は国会議員なのに、どうしてプログラムに選ばれてしまったのか」という趣旨の質問をしたが責められるように言葉を返されて泣いてしまい、今も目が腫れてしまっている。
笑顔にも元気は感じられないし、活発さを表しているかのようなサイドポニーも今はセットが乱れてしまっている(そう言う華那自身も、天然パーマの短めのツインテールが大いに乱れているのだが、鏡を見ていないので気付いていない)。
そんな真子の傍には、これさえ捲れば大抵の言葉の意味を知ることができるであろう大東亜広辞苑が置かれているのだが、そんな知識の本こそが真子の武器だ。

「いいねーバドミントンかー…俺結構強いと思うんだけど!
 ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ガンニョムー♪
 ああっ、ちょ…顔に嵌めるパーツ落ちた!!」

地面と砂を被ったコンクリートの地面と睨めっこをする川原龍輝(男子五番)の右手には、組み立てかけのプラモデルが握られている。
それは、1970年代に初めてテレビ放映されてから幾度も様々なシリーズが放映され、大東亜人ならその名を知らない者はいないであろう世代を超えた人気アニメ『機動戦士ガンニョム』シリーズで、登場人物たちが登場して宇宙で戦う人型機動兵器を模したプラモデル、通称・ガンプラ——卓球ラケットや広辞苑も大概だと思うが、信じられないことにこれが龍輝に支給された武器だ(武器でも何でもないが。そして卓球ラケットや大東亜広辞苑にもそれは言えることだが)。
華那と龍輝は同じ小学校の出身という縁もあってそれなりに親しいのだが、ガンプラの箱がデイパックから出てきた時の第一声が「とりあえず…組み立てとく?」だったのは、お気楽な性格の龍輝らしいと思い、いつもと変わらない様子に安心した。
帝東学院にはバスケットボールの一芸入試で入学を果たした龍輝は、当然バスケットボール部に所属しているのだが、その運動能力は群を抜いているためにバスケットボールに限らずあらゆるスポーツでエース級の活躍ができ、スポーツテストでは龍輝の右に出る者はいない。
まあ、地面に落ちたガンプラのパーツを探すために地面に這いつくばる様子からは、とても想像できないのだけれど。

「あったあった…なんか汚れたなぁ…
 悠希、なんか拭くモン貸してくれよ」

「あったあった…なんか汚れたなぁ…
 悠希、なんか拭くモン貸してくれよ」

「んー…俺今忙しいんだよねー…」

「……悠希さーん、今プログラムなのに何悠長に眉毛抜いてんだよ」

「ふはっ、悠長にプラモデル組み立ててる人の言う台詞じゃないねー」

龍輝との会話の間も手鏡とピンセットを用いて自分の眉毛を整えることに必死になっているのは雨宮悠希(男子三番)、龍輝の親友の1人だ。
纏う空気がとても爽やかで文武両道でサッカー部に所属し性格も容姿も良い悠希は、帝東学院中等部屈指のイケメンで人気を二分する城ヶ崎麗(男子十番)と春川英隆(男子十四番)と違って家柄が普通なので(麗も英隆も大企業の御曹司だ、とても普通とは言えない。比べて悠希の父親は公務員らしいので、その普通さに安心感を憶える)、とっつきやすいイケメンだと言われそれなりに人気がある。
難があるとすれば、悠希自身が自分の容姿の良さを自覚している上に、麗や英隆には人気が及ばないことに心から疑問を抱いているというナルシストなところだろう。

「悠希、眉毛抜いてるお前の顔、なかなかおもれーぞ、いいのかよー」

「えー、それは良くないなぁ…
 俺のかっこよさが台無しになっちゃうね」

「あ、そこ笑うところ?」

「何でだよもー俺すっごい真剣なのに」

悠希のナルシスト発言は普段からよく耳にはしているのだが、どうもそれが厭味ったらしく聞こえないのは、悠希の爽やかな雰囲気もあるだろうが、傍にいる龍輝がそれを茶化すことで冗談めかしてしまうからかもしれない。
冗談めかしても悠希は怒らないどころか笑って返すので、ただの親友同士の冗談のやりとりにしか聞こえなくなるのだ。

そんな悠希の傍には、サッカー少年には不似合いな中華包丁が置かれている。
4人の中では唯一武器になりえる支給武器だ。

卓球ラケット、広辞苑、ガンプラ、中華包丁——4人のデイパックから出てきた物たちがあまりに戦闘を連想させない物ばかりのため、いまいちプログラムという実感が湧かないのだ。
湧かないからこそ龍輝はガンプラ作成に没頭し、悠希は眉毛を抜くことに全神経を集中させることができている。

華那たちは第3班として名前を呼ばれた。
芥川雅哉(男子二番)・日比野迅(男子十五番)・奈良橋智子(女子十一番)・水田早稀(女子十七番)が第2班として名前を呼ばれた時点で、残り2つの班のうちの1つはこのメンバーになることは全員が予想できていただろう。
何しろ残るメンバーは華那たちの他には、城ヶ崎麗を取り巻くグループの残りの4人だったのだから。
龍輝と悠希は普段から一緒にいる親友同士だし、華那と龍輝は同じ小学校出身で縁があるし、華那と真子はグループが違うが言葉は交わす間柄だったので、チームとしては悪くなかった。
既に8チームが戦場におり何度か銃声も響いていたので恐怖はあったが、とにかく走って小中学校から離れれば的にはされないだろうという悠希の提案で4人は走った(走るのが苦手な華那は龍輝に手を握られ引き摺られるように駆けた)。
プログラムという状況に慄き、辿り着いた神社の裏側に身を隠し、今に至る。
恐怖に慄いていたはずが、いつの間にかこんなにも平和な空気になってしまったが。

「真子ー、ここんトコにそのシール貼ってくれる?
 俺の指じゃできねーわ、真子の指細そうだから、ぺたっといってくれよ」

「え、あう…うん、えっと…変になったらごめんね」

「あははっ、山本さんってば、シール貼るだけなのに緊張してる、可愛いねー」

大体出来上がったガンプラの仕上げの作業を龍輝に依頼され、狼狽する様子を悠希にからかわれ、真子は顔を真っ赤にしていた。
真子は女子相手では非常に元気のある子で人当たりも良く、このクラスの中ではどちらかというと取っつきにくい女子とされるギャルグループの湯浅季莉(女子二十番)とも出席番号が前後であるからか気軽に話しかけているところをよく目にする位には積極的なのだが、男子が相手になるとやや萎縮しているように感じる。
意外にも男子が苦手らしい。
そんな真子こそが、華那たち第3班のチームリーダーだ。
腕にある王冠型の印を見た時には青褪めていた真子だったが、龍輝があまりにもあっけらかんと「なんとかなるって、あっははっ」と笑い飛ばし、悠希があまりにも爽やかに「山本さんのことは護るからね」と王子様のように告げ、華那があまりにも呑気に「みんなで生きればいいだけの話だよー」と述べたこともあり、今はリーダーとして全員の命を背負っているというプレッシャーはあまり感じていないように見えた。

龍輝は口を噤み、視線を下に向けた。
恒祐が既にこの世にいないということを思い出したのだろう。
冗談ではないか、ドッキリではないかと思っていても、顕昌や圭の亡骸を目撃してしまっている以上はプログラムが本当に進行しているということを頭の中のどこかで認識しているのだ、華那も、龍輝たちも。

「…実際さ、どうなんだろうな。
 プログラムに乗るヤツがこのクラスにいるってことが信じられないんだけど」

龍輝が先程までガンプラを作成していたとは思えないような真剣な面持ちで呟いた(しかしその手にはガンプラが握られている。緊張感が台無しだ)。
真子と悠希の表情も曇る。

「…なんか想像できないね、みんなが銃撃ったりしてるのとか…」

悠希が溜息混じりで呟いた。

「なー、優人とか逃げる姿は想像できても追う姿は想像できねーし。
 たっくんもこんなの絶対嫌がってるだろうしな。
 迅とヒデなんて俺らのオトンとオカンみたいなモンだからな、できるわけねーよ!
 あーあ…会いたいな、また馬鹿みたいなことで騒ぎたいなぁ」

龍輝が指折り親しい友人の名前を述べていった。
龍輝たちの知らない所で、春川英隆と望月卓也(男子十七番)の属する第10班が相葉優人(男子一番)のいる第1班と迅のいる第2班を襲ったということなど、当然龍輝たちは知る由もない。

「真子も想像できないなぁ…
 邑子とか南海とか葉瑠とかは明るい子だし。
 未久はすっごい優しいし…遼子はキツいところもあるけど根は良い子だもん。
 プログラムなんてありえないこと、できるわけないよ…」

真子は友人たちの名前を出して様々な楽しかった思い出を想起したのか、徐々に涙声になり、最後には俯いてしまった。

龍輝たちのグループも真子のグループも、共にクラスの中心になって盛り上がっている集団だっただけにその結束力は強く、信頼は揺らがないのだろう。
しかし、プログラムは既に進行しており、7人のクラスメイトが還らぬ人となった。
全員が自殺でもしない限りは加害者が存在し、その加害者になりうる人間はクラスメイト以外にはいないのだ。
命を奪いあうという実感は湧かなくとも、華那はそれくらいは理解している。

華那は人よりワンテンポ遅れているのんびり屋と周りから言われることが多いが、その印象に反して幼い頃から頭の良い子だった。
それは学校の勉強が得意だとか試験に強いだとかそういう物差しで測るレベルに留まらない(もちろん、勉強もそこそこできる。もっとも、成績優秀な生徒の多い帝東学院においてはあまりぱっとした成績ではないのだが)。
様々なことに対して思慮深く先見の明があるのだが、それを言葉として発する技術が乏しいので、結局周りの華那に対する評価は“意外と頭は良いけどぼーっとしてる子”というものに落ち着くのだ。

「…い、おーい、華那、聞いてるか?」

龍輝に名前を呼ばれ、華那は我に返って龍輝に視線を向けた。
生まれつきの寝ぼけたような垂れ目を見て、龍輝はははっと笑った。

「華那起きてるかー?」

「起きてるよー、考え事してただけー」

「考え事って…千世とか室町とか鷹城のこと?
 心配だよな、特に千世と室町…班のヤツが…雄大と圭が…呼ばれたんだ。
 怪我とか、してなきゃいいよな」

龍輝は気遣わしげにそう言うと、華那の色素の薄い天然パーマの頭を優しく撫でた。
いくら昔からの縁があるからとはいえ、年頃の男の子が彼女でもない女の子にするような行為ではないと思うのだが、気遣ってくれてのことだから文句は言わない。

龍輝の言う通り、華那とペースが似ているのんびり屋の荻野千世(女子三番)と同じ班の宍貝雄大(男子八番)と、非常に大人しく内気な室町古都美(女子十八番)と同じ班の圭が名前を呼ばれていることは気に掛かる。
華那が言える立場ではないのだが、2人共鈍くさいところがあるので、怪我などしていなければ良いのだが。

「それに鷹城のことも心配だろ?俺あんま喋ったことないけどさ、大人しい感じだし…」
「…うーん……まあ……」

華那は言葉を濁した。
その反応が予想とは違うものだったからか、龍輝が怪訝な表情を浮かべ、悠希と真子も顔を見合わせて首を傾げていた。

華那は、鷹城雪美(女子九番)に対して苦手意識を持っていた。

雪美は自分のことをあまり語らないミステリアスな部分もあるが、基本的にはとてもおっとりとしていて穏やかな笑顔を絶やさない穏やかな人だ。
それでいていつも華那たちの手を引いて導くような優しさのあるリーダーシップを持っているので、千世はいつも雪美を頼っているし、古都美は雪美にべったりだ。

しかし、華那はそんな雪美に違和感を憶えていた。
穏やかな笑顔はいつも貼り付けているだけの上辺だけのものに見えたし、おっとりした口調でたまに冷たい言葉を吐くことがあるのだけれどそれが妙に板についていたし、いつもどこか冷めた目で華那たちを見ているような気がしていた。
古都美なんかは「雪ちゃんの笑顔は優しいよね」と絶賛するけれども、華那に言わせれば、どんなに表情が笑っていても目がちっとも笑わないあの笑顔は不気味だ。
とにかく、怖いのだ。
鷹城雪美という、友人カテゴリーに入るはずの同級生のことが。

「佐伯さん…?
 大丈夫? 顔色悪いけど…」

悠希が心配そうに華那の顔を覗き込んだ。
一般的な女の子が向けられれば赤面するであろう端正な顔が華那の視界いっぱいに広がり、華那はへらっと笑みを浮かべた。
悠希は華那のタイプではないけれど、その気遣いはありがたかった。

「あ、うんー、ありがとう雨宮くん。
 かな大丈夫だよー…——ッ!!」

華那は小さな目を大きく見開いた。
華那だけでなく、その場にいた全員が戦慄した。
何者かの足音が近付いてきたのだ。
クラスメイトが襲ってくるということが想像できなくとも、やはり戦場における第三者の気配は心地良いものではない。
神社の拝殿の裏側にいる華那たちに身を隠す場所はない——建物の裏側までわざわざ誰も来ないだろうと高をくくっていたのだが、それは甘すぎる考えだったと後悔するがもう遅い。
拝殿の角を曲がり、その何者かが姿を現した。

華那たちに刺すような鋭い視線を向けたその人物——榊原賢吾(男子七番)は、右手に携えていた刀を鞘から抜くと、一直線に突っ込んできて距離を詰めてきた。
剣道部に所属している賢吾が刀を持っているというのは、たとえ剣道という型をはみ出た動きをしていても恐ろしいことこの上ない。
賢吾は普段と変わらない硬い表情を崩さず、華那の頭上目掛けて刀を振り下ろした。

「華那ッ!!」

刹那、華那は龍輝に腕を引っ張られてその身体を龍輝の胸の中に埋めた。
その勢いのまま2人は抱き合った状態で地面を転がった。
刃は空を切り、地面に当たって不快な音を鳴らした。

「華那、川原くん…ッ!!」

「甘い甘いっ、他所見してたら駄目よ、真子ッ!!」

華那と龍輝に気を取られていた真子は、名前を呼ばれ振り返り、目を見開いた。
賢吾が現れた角とは反対側から、別のクラスメイトが襲い掛かってきていたのだ。
金髪を巻いたツインテールに赤いピアス、紫色のセータという派手な容姿をした、ギャルグループの1人である湯浅季莉(女子二十番)が、真子に掴み掛ろうとしていた——その手に、鎌を持って。

鷹城雪美(女子九番)は、少し大人しめで目立たないごくごく普通の女の子——と周りから見られるように生活してきた。

雪美の実家は少々という修飾語がとても似合わない程に特殊だ。
何を隠そう、雪美の家は、関東一円でその筋の者からは恐れられている極道“鷹城組”。
祖父が組長を務めており、雪美も家を出入りする祖父の部下たちからは“お嬢”と呼ばれ祭り上げられている。
怪我をしている人間を見るのは日常茶飯事で、時には銃撃戦なども起こり、父は抗争に巻き込まれて既にこの世にはいない。
雪美は、そんな特殊な家庭が、嫌いだった。
誰にも知られたくなかった。

帝東学院は名門校で良家の子息息女が多く通うからか、親の職業などを気にする子どもは少なくない。
特に初等部では、それがとても顕著だった。
出る杭は打たれるという諺があるが、確かに少し周りより突出すれば、それに僻んだ者たちはその者の家柄を知りたがり、例えばそれがごく普通の庶民であれば『家が大したことないくせに、良い気になるな』と嫌がらせを受けるのだ。
しかし、雪美の場合は家のことを知られると恐れられ、悪い意味で目立ってしまう。
奇異の目で見られるのも後ろ指を指されるのも御免なので、雪美は極力目立たないように生活を送ってきた。

化粧などをして目立つことはしない、髪も大きくいじらずに黒いウェーブのかかった髪を後ろで束ねるだけにする、制服も着崩さずスカート丈も無難な長さにする——雪美の顔立ちは誰もが振り返るような恵まれたものでもなければ後ろ指を指され笑われるような落ち目でもないものだし、背丈や横幅も平均的なので、これで良い意味でも悪い意味でも目立つことはなかった。
そして所謂主流派グループと呼ばれるような、クラスの中心になってイベントなどで盛り上がり目立つ集団には決して属さなかった。
だからといって、孤立してはいけない。
孤立しても目立ってしまい、あることないこと噂を立てられてしまう。
目立たない友人を作り、目立たない位置にいるのがベストなのだ。
友人を作ってべたべたとすることなど面倒なことこの上ないのだが(特に女子はどうしていつもどこでも集団行動をしようとするのか。移動教室ならまだしも、トイレにぞろぞろと集団で向かうなど、鬱陶しいことこの上ない)、家庭の事情がバレる方が余程面倒なので仕方がない。
お陰様で、校内で雪美の素性を知る者はほんの一握りしかいない。

クラス替えの度に良さそうな友人を作ってきた雪美が現在のクラスで最初に目を付けたのが、出席番号が近く且つ大人しそうに見えた佐伯華那(女子七番)だった。
物事を深く考えていなさそうだし、中等部から入学してきたという華那であれば人の家柄を気にすることもないだろう——そう考え、声を掛けた。

「あの…佐伯さん…よかったら、お友達になってくれない?
 あたし…あんまり人に声掛けるの得意じゃないんだけど…
 佐伯さん可愛いなって、お友達になりたいなって、そう思って…」

しどろもどろ言葉を紡ぎ出し、大人しく人見知りをするけれども華那には良い印象を持ったから勇気を出して声を掛けてみた、そんな自分をアピールする。
笑顔を浮かべて好意を見せれば相手は受け入れてくれる、これまでの経験で雪美はしっかりと学んでいた——友達を作るなんて、ちょろいものだ。

「あーえっと…鷹城さん…だっけ?
 うん、ありがとー、よろしくね」

ほら、すんなりと友達になることができた。
少し警戒しているような表情を浮かべていたけれど、初めてクラスメイトになった子に話し掛けられれば大抵はそういう反応を示すものなので、気に留めなかった。
同じような手法で、のんびり屋故か友人作りに乗り遅れていた荻野千世(女子三番)と、見るからに自分に自信がなさげで大人しくて1年生の時からクラスメイトだったという星崎かれん(女子十六番)から嫌がらせを受けていた室町古都美(女子十八番)にも声を掛け、1つのグループを作った(奈良橋智子(女子十一番)にも声を掛けても良かったのかもしれないが、彼女の頭の良さは知っていたのでやめておいた。頭の良い人間は厄介だ)。

3人共リーダーシップをとるような性格ではなかったこともあり、いつの間にか何となく雪美がグループのリーダーのような存在になっていたが、それでも目立つことはせずにクラスで浮くようなこともしないように、イベント事には消極的ながらも参加して他のグループと確執ができないように皆をさり気なくリードした。
千世はいつも頼ってくるし、古都美はいつも雪美の傍にいるようになった。
正直、隠れ蓑のために作った友人なので、頼られ過ぎると面倒に感じるし、いつも付いてくるのは鬱陶しいことこの上ないのだけれど、そんな気持ちはおくびにも出さずに優しく頼れる雪美像を崩さないようにしてきた。

しかし、華那だけは違った。
華那は初めて声を掛けたあの日以来、一度たりとも雪美に対して心を開いていない。
いつも一緒にいるように周りからは見えるだろうけれども、雪美と華那が2人きりになることは殆どなかったし(例えば2人組を作りなさい、と言われると、さり気なく華那は雪美を避けるのだ。もっとも、避けなくとも古都美が雪美にべったりなので、自然と雪美と古都美が組み、華那と千世が組むのが自然の流れになっていたのだけれど)、会話も交わしているのだけれど、華那の声には警戒心が見て取れた。
和を乱すことを良しとしない華那は抱く警戒心を華那なりに隠そうとしていたのだろうけれども、雪美は人の接し方には敏感なのでそれを感じることができたし、華那は華那で雪美が心の中に隠している黒く渦巻く感情を感じていたと思う。

だからこそ、雪美は華那に一目置いていた。
ぼーっとしているようで頭が良く(言動に殆ど活かされていないがそれは勉強の範囲に留まらず頭の回転が速いという意味でだ)、和を乱さないように自分の言動を制御する能力がある。
正直、のろまな千世や雪美がいなければ何もできない古都美などいつ縁が切れようがどうでもいいのだが、華那とは友人関係を続けても良いと思っていた(まあ、華那は嫌がるだろうけれど。表立って拒否はしなくとも)。

プログラムに選ばれたと知り、チーム対抗戦という特殊ルールで行われるということが分かった時、華那とならば同じチームでも良いと思った。
運動能力を考えれば華那が足を引っ張ることは間違いないのだが(まあ、雪美自身も人のことは言えないのだけれど)、彼女の頭の良さは役に立つ。
結局、チームは別れてしまったけれど。

まあ、敵となるのならそれでいい。
それでも、できるなら一度会っておきたかった。

それがこんなにも、早く叶うなんて。



「誰かと思えば華那ちゃんじゃない…会いたかったわ」

「…かなは、会いたくなかったよ…雪ちゃん」

雪美の言葉に、華那は拒絶の言葉を返した。
華那が面と向かって雪美を拒絶したのは初めてだったので、雪美は目を丸くした。
千世や古都美が傍にいないし、命を懸けた戦場にいるのだから、もう和のために自分の気持ちを押し隠す必要がなくなったからだろう。
のんびりしているようで、ぼーっとしているようで、何も考えていないようで、華那はやはり現実を見ている。
華那のそういうところに、雪美は関心を持っている。

…まあ、もう少し楽しませてよね、華那ちゃん。

雪美は目に涙を浮かべた(嘘泣きなんて朝飯前だ)。

「酷いわ…華那ちゃん…どうしてそういうこと言うの…?
 あたし、ずっと、華那ちゃんを探してたのに…!!」

今しがた雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)に襲われたばかりだというのに、雪美の涙声での訴えに、雨宮悠希(男子三番)と川原龍輝(男子五番)の顔には動揺が見て取れた。
ホント、男って女の泣き落しに弱いんだから。
しかし、華那は眉をハの字に下げたものの、その瞳から警戒の色は薄れなかった。

「…探してくれてありがとうね。
 でも、雪ちゃん、かなたちのこと襲ったよね…?
 かなたちの…かなのこと、殺そうと思って探してたの…?」

思っていた以上に警戒されているようだ——雪美は一瞬ぴくりと眉間に皺を寄せたがすぐにそれを解き、ふるふると首を横に振った。

「ち…違う…そんなわけないじゃない…!
 賢吾と季莉ちゃんも、悪気があったわけじゃなくて…
 あ、あたし、リーダーだから…護ってくれようとしただけで…ほら…!」

雪美はセーターとブラウスの袖を捲り上げ、リーダーの証である黒い王冠の模様を華那に見せた。
リーダーが誰かということを他の班の人間に見せるのは百害あって一利なしなのだが、まあ問題ないだろう。

「ねえ、鷹城さん…訊いてもいいかな…?」

あたしと華那ちゃんの会話を邪魔しないでほしいわね、まったく——という本心はもちろん口にも顔にも出さず、雪美は問いかけてきた悠希に視線を移した。
山本真子(女子十九番)を庇って季莉に刺された肩は相当痛むようで、端正な顔は苦痛に歪んでいる。お気の毒に。

「俺たち、鷹城さんたちの班と麗たちの班しかまだ出発してなかった時に、銃声を
 聞いたんだけど…
 あれは…鷹城さんたちなの?
 麗は『やらない』って言ってたのに、それでも護るとか言って、攻撃したの…?」

雪美は再び僅かにぴくりと眉を上げた。
成程、いつも主流派グループの中で馬鹿みたいに騒いでいる馬鹿な集団の一員だという認識しかなかったが、悠希は痛みに苦しみながらも頭はしっかりと働いているらしい——少々侮っていたようだ。

悠希の指摘通り、雪美たちは教室を出発してそう時間が経たないうちに、本部から左程離れていない場所で、一足早く教室を出発していた城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を発見した。
このメンツを見た時に、リーダーに指名されていそうな人物はどう考えても麗しかいないという予想をし、雪美は賢吾に指示をして麗を襲わせた。
しかし賢吾が襲いかかる直前に健太と紗羅に勘付かれてしまい、季莉に紗羅を攻撃するように依頼したのだがこれも麗に阻まれ、結局逃走を許してしまった。

「ハズレ、逆にあたしたちが撃たれた側なんだけど。
 あれ、木戸よ?
 ま、誰にも当たらなかったから良かったけど」

口を挟んできた季莉を睥睨した。
どのように話を運ぼうか考えることを楽しみながら言葉を紡いでいるというのに、季莉に邪魔されては興醒めするではないか——と思ったのだが、独りでべらべらと喋るのも怪しまれるかもしれないので、視線が合った季莉には笑顔を見せ、視線を華那たちに戻した。

「あたしたち…逃げたの…城ヶ崎くん、『乗らない』って言ってたから、声を掛けようとしたのに…」

流石にこの情報には衝撃を受けたようで、とろんとしていた華那の目が小さいながらもいっぱいに開かれていた。

雪美は再び僅かにぴくりと眉を上げた。
成程、いつも主流派グループの中で馬鹿みたいに騒いでいる馬鹿な集団の一員だという認識しかなかったが、悠希は痛みに苦しみながらも頭はしっかりと働いているらしい——少々侮っていたようだ。

悠希の指摘通り、雪美たちは教室を出発してそう時間が経たないうちに、本部から左程離れていない場所で、一足早く教室を出発していた城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を発見した。
このメンツを見た時に、リーダーに指名されていそうな人物はどう考えても麗しかいないという予想をし、雪美は賢吾に指示をして麗を襲わせた。
しかし賢吾が襲いかかる直前に健太と紗羅に勘付かれてしまい、季莉に紗羅を攻撃するように依頼したのだがこれも麗に阻まれ、結局逃走を許してしまった。

「ハズレ、逆にあたしたちが撃たれた側なんだけど。あれ、木戸よ?ま、誰にも当たらなかったから良かったけど」

口を挟んできた季莉を睥睨した。
どのように話を運ぼうか考えることを楽しみながら言葉を紡いでいるというのに、季莉に邪魔されては興醒めするではないか——と思ったのだが、独りでべらべらと喋るのも怪しまれるかもしれないので、視線が合った季莉には笑顔を見せ、視線を華那たちに戻した。

「あたしたち…逃げたの…城ヶ崎くん、『乗らない』って言ってたから、声を掛けようとしたのに…」

流石にこの情報には衝撃を受けたようで、とろんとしていた華那の目が小さいながらもいっぱいに開かれていた。

いつも勝気で元気一杯に馬鹿なことをしている龍輝が、驚愕と悲愴を混ぜたような打ちのめされた表情を浮かべ、唇を震わせていた。

「まさか…ケンがそんなことするはずない…ッ!!
 会長はやらないって言った、会長が自分の意見を曲げるはずがないッ!!
 紗羅ももみじも、会長の意見に従わないわけがないッ!!」

自分の心の中に浮かんだ疑心を打ち消すように龍輝は必死に叫んでいた。
あらあら、さすがは生徒会長様とその取り巻き、信頼は厚いのね——反吐が出る。
大体あのグループは気に入らない者だらけだ、特に——
まあ、今はこの場にいない人間に憎悪を滾らせている時ではないのでよしとしよう。

「…いいよ雪ちゃん…嘘吐いて誤魔化したりしなくても。
 かなのこと、簡単に騙せると思った…?」

「はァッ!?
 華那、アンタ、雪ちゃんの友達のくせに、さっきから酷くない!?」

警戒心を露わにし続ける華那の態度が癇に障ったらしく、季莉が怒鳴って鎌を持つ手を振り上げかけたが、雪美は目でそれを制した。
季莉は納得いかない様子だったが口を閉じたので、雪美は視線を季莉から華那へと移し、言葉の続きを待った。

「雪ちゃん…痛いトコを突かれると、眉間がぴくってなるよね…知ってた?
 あと、都合の悪いことを誤魔化す時、喋る前に口の端がヒクッてなるの…
 多分ちーちゃんもことちゃんも知らないだろうけど、かなは知ってるよ。
 …木戸くんが撃ったのは本当かも知れない…けど、正当防衛じゃないの?
 雪ちゃんたちが、先に仕掛けたんじゃないの…?」

「ちょっと華那、言い掛かりもいい加減に——……ッ!!」

季莉は再び声を荒げたが、口を噤み、目を丸くして雪美を見つめた。
賢吾も同じように、いや賢吾だけでなく、龍輝や悠希や真子までもが雪美を怪訝な表情を浮かべて見つめていた。
それは当然だろう、友達から酷い言葉を浴びせられているはずの雪美が、ぱちぱちと拍手をしていたのだから。

「ふふ…あっはは…っ」

雪美は口から洩れてしまう笑いを抑えることができない。
拍手を止めると、口許に手を添え、華那ににこりと笑みを向けた。

「さすが華那ちゃん…やっぱり、あたしの目に狂いはなかったわ…貴女、最高よ?
 千世ちゃんや古都美ちゃんとは違う…貴女となら、あたし、友達になれたわ。
 ふふっ、まあ、貴女は心底嫌がるでしょうけど」

「うん、かな、雪ちゃんとは…友達になりたくないな」

華那は雪美の心を読めるのではないだろうか、そう感じさせるほどに、華那は普段からしっかりと雪美のことを見ていた。
もしかしたら、この世の誰よりも雪美のことを理解しているのかもしれない。
雪美が華那たちのことを心から友達だと思っていないことを知っているからこそ、雪美の言葉に顔色一つ変えず答えることができている。
周りの面々は、わけがわからないという様子で見ているというのに。

「か…華那…何言ってんだお前…鷹城も…
 お前ら、ダチじゃないのかよ…いつも一緒にいただろ…?」

問う龍輝の声は震えていたが、答える華那は落ち着いていた。

「違うよ龍くん。
 雪ちゃんは、誰のことも友達だと思ってないんだよ。
 だから、かなも、雪ちゃんを友達だと思って見たことなんて一瞬もない。
 表情も嘘だらけ、言葉も嘘だらけ…そんな子と、友達になれるはずがないもん」

「そうね、華那ちゃんはいつもあたしを警戒してたものね。
 華那ちゃんは本当に頭が良くて物事をしっかり見てるのね。
 華那ちゃんの予想、全部正解、特大の花丸あげたいくらいよ?
 あたし、自分がリーダーだっていうこと以外は本当のことを1つも言ってないわ。
 城ヶ崎くんたちには逃げられちゃったのよ…運動能力の高さは侮れないわね」

くつくつと笑う雪美に対し、華那の後ろで龍輝たちが腰を浮かせるのが見えた。
まあ、ここまでバラしても逃げようとも戦おうともしないのなら、それは非戦論者などではなくただの馬鹿で愚か者だ。

「ありがとう華那ちゃん。
 初めて、華那ちゃんと腹を割って話ができた気がするわ」

「…雪ちゃん、あんまり割ってないじゃん」

「ふふっ…そう、そうね、華那ちゃんはお見通しよね?
 ああ、もっともっと、華那ちゃんとこういうお喋りしたかったわ…
 プログラムなんかに巻き込まれて…本当に残念。
 とてもとても楽しかったわ、本当に、会えてよかった。

 …賢吾、季莉ちゃん」

雪美は視線を賢吾と季莉に移し、笑みを向けた。
その視線と笑顔の意味を、賢吾も季莉も理解していた。
そしてそれは、華那や、龍輝たちですら感じ取ることができていた。

「逃げるぞッ!!」

賢吾と季莉が地面を蹴ったと同時に、龍輝が声を上げながら華那の腕を掴み、悠希は真子の手を引いて雪美たちに背を向けた。

この中で最も運動能力の劣る華那はこけそうになっていたが龍輝にひきずられるように走っていたし、悠希は一度真子を庇って傷を負ったというのに懲りることなくまだ真子を護り続けている。
ああ、なんて、うすら寒い光景。
雪美は「かーなーちゃんっ!」と叫んだ。
龍輝に引きずられていた華那がはっと振り返ったので、雪美は華那が厭っているであろう感情を伴わない笑顔を浮かべてみせた。

「ねえ華那ちゃん、何か、忘れてなぁい? 違和感、感じなかったぁ?」

華那は眉を顰め——目を見開き、辺りをきょろきょろと見回した。
本当に、利口な子。
命の危機に瀕しても、状況を冷静に見ることができている。

「華那ッ!?」

足を止めかけた華那を批難するように龍輝が叫び、2人の様子がおかしいことに気付いた悠希と真子も速度を緩めた。
その間に賢吾と季莉が距離を詰める。
龍輝と華那に向けて刀を振り被った賢吾の懐に、龍輝が渾身の力を込めた体当たりを喰らわせて賢吾を地面に這い蹲らせた。
そのまま悠希と真子に襲いかかろうとしていた季莉に横から体当たりを喰らわせると、季莉は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、拝殿の壁に身体を打ちつけた。

「多分アイツらにも飛び道具はねぇっ!!
 逃げるぞ、逃げ切ってやるッ!!」

龍輝が叫ぶ。
さすがはクラスのムードメーカーだ、皆を鼓舞することは十八番らしい。

でも、甘いわ。

「龍くん、前…ッ!!」

雪美がほくそ笑んだのと華那が叫んだのは、ほぼ同時だった。
雪美が言った“何か忘れていないか、違和感はないか”、その言葉の意味を、華那はすぐに理解していた(本来全員が疑問に思うべきなのだと思うが、クラスメイトに襲われた恐怖で頭からぽろんと抜け落ちていたのだろう。だからこそ、言葉の意味を瞬時に理解した華那は、やはり最高なのだ)。

華那たちが逃げようとしていた方向から、人影が現れた。
黒くサラサラとした坊ちゃんヘアー、縁なしの眼鏡とその奥の弱々しい瞳——雪美の班の4人目、これまでずっと姿を隠していた松栄錬(男子九番)が、黒い銃身とブラウンのグリップの小型自動拳銃、S

突如前方に現れた、S

「雨宮くんと山本さんは?」

華那の指摘に、龍輝は振り返って2人の姿を確認した。
親友の1人である雨宮悠希(男子三番)は、丸く縮こまってしゃがむチームリーダーである山本真子(女子十九番)を覆うようにして真子を護っていた。
2人の様子を見る限り、どうやら銃弾は誰にも当たらなかったらしい。

龍輝は発砲した張本人である錬に目を遣った。
発砲した衝撃が大きかったのか、そう大きくなくともひ弱な錬にはとても耐えられる力ではなかったのかは定かではないが、とにかく錬は地面に尻餅をついていた。
右手にチーフスペシャルはまだ握られているが、その手はガタガタと震えており、とても再び発砲できるようには見えない。
本人には悪いが、錬が非力であることに感謝した。

「悠希、真子ッ!!」

龍輝に呼ばれた悠希は身体を起こし、錬が発砲できない状態であることを確認すると、ガタガタと震える真子の身体を抱えるように起こした。
逃がすまいと掴みかかる季莉の手を払い除け、季莉がバランスを崩したところで足を払った(さすがサッカーの推薦で合格して入学しただけのことはあり、その足払いは芸術的だった)。
季莉は悲鳴を上げ手をばたつかせながらその場に倒れた。

「山本さん、頑張って走って、大丈夫だから、俺が護るからっ!!」

悠希は真子を抱くように肩に手を回しながら真子を走らせた。
怪我をしてもなお真子を護るその姿は、まるで姫を護る騎士のようだった。
悠希は誰にでも持ち前の優しさを振り撒くことのできるヤツだが、特に女の子に対しては非常に紳士的で優しい。
顔が良くて頭も良くて運動もできて性格も良い——彼女の1人や2人いないのが不思議なくらいだが、どうも意中の女の子には振り向いてもらえないらしい。
なんて残念なんだ。
いやとにかく、悠希が残念だろうが何だろうが、こんなにも良いヤツがこんな所で命を落としていいはずがない。

悠希に護られる真子は、泣きじゃくりながら震える足を必死に動かしていた。
足が縺れて2,3歩おきに倒れそうになっているが、その度に悠希に支えられて何とか踏み止まり、また足を動かし始めていた。
可哀想に、小さな女の子がこんなにも震えて。
いつも元気で、グループの中で楽しそうに笑っている真子。
身体を恐怖に震わせる姿も、恐怖や悲しみで涙を流す姿も、真子には似合わない。
龍輝や悠希には、というよりはどうやら男子には苦手意識が少しあるように見えるが、それはそれで可愛らしいではないか。
悠希が護ろうとする気持ちはとてもよくわかる、真子は思わず護ってあげたくなるようなタイプだと思う(いや、別に華那がそうでないというわけではないが)。

華那も、悠希も、真子も、こんな所で死なせるわけにはいかない。
全員で揃ってここから逃げて、もっともっと生きたい。
生憎戦うための武器は龍輝たちにはない(榊原たちは刀だの鎌だの銃だの持ってて、こちとら唯一使えそうなのが中華包丁だぜ?不公平にも程があるだろ。いっそあのガンニョムエキュシアの1/144のプラモデルが等身大に変化して搭乗でもれきればいいのに。喜んで乗るっての。『川原龍輝、ガンニョムエキュシア、目標を駆逐する…!!』とか言ってさ。憧れだろ、ガンニョムファンのさ)ので、逃げる以外に生きる方法はない。
とにかく、逃げてやる。
賢吾と季莉さえ撒くことができれば、運動能力の低い雪美と錬は問題ではない。
やればできるはずだ。

「逃がすか…ッ!!」

賢吾の低い唸り声が聞こえ、龍輝は振り返りざまに華那の手を引っ張って自分の後ろへ隠し、振り下ろされた刀の刃をデイパックで受け止めた。
剣道部で活躍する賢吾に刀を持たれるというのは恐怖でしかないが、反射神経なら龍輝は誰にも負けない自信があるし、真剣白刃取りはできなくとも大きな物でその刃を遮ることくらいなら難しいことではない。
賢吾の舌打ちが聞こえ(おーおー、真面目な榊原もそんなモンするんだな、初めて知った)、何度も刀を振り下ろすが、龍輝はそれを悉く受け止めてみせた。
それを離れた場所で見る雪美が「ふふっ、川原くんすごいすごい」とぱちぱちと拍手をしているのが非常に腹立たしいが、今は賢吾の相手をすることで手一杯だ。

「…龍くん、榊原くんを相手してて」

後ろで、華那が囁いた。

「雪ちゃんがリーダーなのは本当…なら、雪ちゃんを捕まえよう。
 …雪ちゃんを人質にして、交換条件で逃がしてもらうことができるかもしれない。
 かなが、雪ちゃんを押さえるよ」

「おい…華那…ッ!?」

落ち着いた口調で何を大胆なことを言っているんだ、華那は。
止める間もなく、華那は龍輝の陰から飛び出し、雪美の方へ向かった。
確かに、班員の命を握るリーダーを押さえれば、賢吾も季莉も手出しはできなくなるはずだし、華那の言うことは理に適っている、適っているのだけれど。

賢吾が華那の動きを見逃すはずがない。
龍輝は華那に言われた通りに賢吾の動きを止めようとしたのだが、賢吾は同じように刀を振り下ろすと見せかけてデイパックに当たる直前に刃を止め、龍輝の動きがびくりと止まった隙を見逃さず、刀を横に薙いだ。
龍輝は咄嗟に身体を後ろに逸らしたので刃は鼻先を掠めただけで済んだのだが、避けた勢いそのままに仰向けに倒れそうになった。
龍輝は持ち前の運動能力で何とか倒れずに踏み留まった——が、賢吾の次の動きへの反応が、少し遅れた。
龍輝が賢吾を押さえようとするよりも、間に合わないと判断して声を上げるよりも早く、賢吾の刀が、華那を背中から突いた。
華那の華奢な背中に刃がずぶずぶと入っていくのが見えた。
刃が抜かれると、華那は肩越しに自らを貫いた犯人の姿と刃をてらてらと濡らしていた紅い液体を限界まで見開いた小さな目に映し、そのまま地面に倒れ込んだ。

「華那…華那ああぁぁぁッ!!」

龍輝は華那に駆け寄ろうとしたが、賢吾がその行く手を阻んだ。
華那の血で汚れた刀の切っ先を龍輝に向け、龍輝を突き刺さんと突っ込んできた。
龍輝はデイパックをぶんっと振り回し、狙いを逸らさせた。
しかし賢吾は身体のバランスを僅かに崩したものの踏み止まり、再び龍輝を狙う。
振るわれた刀を、今度はデイパックで受け止め、押し合いが始まった。

「どけ、邪魔なんだよ榊原ッ!!
 華那、華那ぁッ!!!」

華那の返事はない。
そんな、まさか。
さっきまで後ろにいて、いつもと変わらないのんびりした口調で喋っていたのに。
小学生の頃からの縁もあって一緒に登下校することもしばしばあって、まあ時には周りから『付き合ってるの?』とか言われる位には仲が良くて(まあ、華那はそこそこ可愛いし頭も良いし、鈍くさいところだって可愛いと思うけど、思えばそういう空気になったことは一度もなかった)——そんな華那が、死ぬだなんて、まさか。

一方、真子と悠希は季莉から必死に逃げていた。
悠希1人なら季莉から逃げるのもそう難しいことではないだろうし、真子が普段の運動能力を発揮できればその可能性は決して低くはなかったはずだが(それでも季莉はクラス内では足が速い方で、真子は出席番号の関係で何度か季莉と並んで走ってタイムを計ったことがあるのだが、勝てたことは一度もなかった)、真子の足はガタガタと震えて言うことを聞かず、悠希の枷のような状況になっていた。

「…真子っ、雨宮ぁっ!!
 絶対、逃がすもんか、今度こそ…ッ!!」

“今度こそ”というのは、季莉たちが城ヶ崎麗(男子十番)らの班を逃がしたことを指しているのだと思うが、麗たちを逃がした腹いせに殺されるだなんて絶対にごめんだ。

「うあ…ッ!!」

真子は悲鳴を上げた。
前に出そうとした右足が左足に引っ掛かったのだ。
前のめりに倒れそうになるが、咄嗟に悠希が後ろから抱き支えたために地面への激突は免れた。
支えられたことにほっとして真子はお礼を言おうと振り返り——目を見開いた。
悠希の後ろ、季莉が鎌を振り上げていた。

真子を見ていた悠希の口が、小さく動いた。

「逃げて」、と。

悠希の手が真子から離れ、支えを失った真子は前のめりに倒れた。
両手を突き出したので顔面が地面に激突するということにはならなかったが、掌に砂利がめり込む感触が伝わり、真子は顔をしかめた。
しかし、そんなことはどうでもよかった。

背後から聞こえた、水の音。
家のシャワーとは違うけれど勢い良く液体が噴き出す音、水滴が地面にぼとぼとと落ちる音。

真子はばっと振り返り——絶叫した。
悠希のすらりとした長い足、ベージュのニットベストに包まれた決して逞しくはないけれど頼もしい背中、さらさらと風に靡くダークブラウンの髪——先程までと変わらない後姿なのだけれど、その向こうには、紅い噴水が迸っていた。
悠希の身体がぐらりと揺らぎ、真子の方へと倒れてきた。
咄嗟に手を伸ばしてその身体を受けると、悠希の首(丁度、あの忌まわしい首輪の少し上だ)から噴き出す鮮血のシャワーが、真子の愛らしい童顔を汚した。

綺麗な髪も、部活動で少し日に焼けた端正な作りの顔も、耳に光る青いピアスも、1番上のボタンだけを外したカッターシャツも、少しだけ緩めた赤いネクタイも、ベージュのベストも、全てが真っ赤に染まっていた。
プログラム中に眉毛をいじる程に容姿を気にしている悠希には我慢ならない汚れ方をしているが、悠希はもう何も言わなかった。
悠希はうっすらと目を開けていたのだけれども、その目には、何も映っていなかった。

「雨宮くん…雨宮くんッ!!
 いやああああああぁぁぁっぁぁあっ!!!」

何度も助けてくれて、何度足を引っ張っても護り続けてくれた悠希が、死んだ。
『山本さんのことは護るからね』と言ったその言葉を最期の最後まで貫いて。
『逃げて』と言われたけれど、動けるはずがなかった。
魂が抜け落ちたとしても、普段関わりがほとんどなかったはずの自分のことを正真正銘命懸けで護ってくれた悠希を捨て置くだなんて、できなかった。
真子は自分の顔や服が紅く汚れるのも気に留めず、悠希に縋って泣いた。
これまでに感じたことのない程の悲しみと罪悪感が、真子を襲っていた。



その様子を、龍輝は目の当たりにしていた。
季莉の鎌が振り下ろされる刹那、悠希は真子を手離して振り返り、季莉の攻撃を受け止めようと手を伸ばしたがそれは叶わず、鎌の刃が悠希の首に突き刺さった。
鮮血を撒き散らし、悠希は倒れた。
親友の死を目の当たりにしたのは、田中顕昌(男子十一番)に続いて2人目だ。

「悠希…ッ!!」

今まで悠希が「俺ってイケメンだよね」というような趣旨の発言をする度にからかったり茶化したりしてきたが、今は土下座して謝りたい。
『護るからね』と言った女の子(しかも彼女でも、普段親しかったわけでもない、ただのクラスメイトだ)を本当に護って命を落とすだなんて、並のヤツには絶対できっこない——正真正銘イケメンだよ、悠希。

「くそ…くそっ、くそぉッ!!
 何なんだよお前ら、意味わかんねぇよ、この、人殺しッ!!!
 華那と悠希がテメェらに何したよッ!!?」

龍輝は精一杯の力で賢吾の刃をデイパックで払うと、右手の拳をぐっと握り締め、賢吾の左頬を殴りつけた。
普段殴り合いの喧嘩などしたことがなかったが、龍輝の拳は良い角度で賢吾の頬に入り、賢吾は横向きに吹っ飛び倒れた。
これまでに感じたことのないどす黒い憎悪が身体の中を渦巻いているのがわかったが、今はその感情に流されまいと必死に耐え、真子に駆け寄った。

「真子、立て、逃げるぞッ!!」

せめて真子だけでも、ここで死なせるわけにはいかない。
リーダーである真子の死は自らの死に直結するのはもちろんだが、仲間をこれ以上失いたくなかったのだ。

華那がいない、悠希がいない。
鼻の奥がツンと痛み、視界が潤む。
口許に込めた力を僅かでも抜けば、嗚咽が漏れてしまいそうだった。
しかし、今は泣いている場合ではないと、手の甲で強引に涙を拭った。

クリアになった視界に入った真子は、泣き腫らしたくりくりとしている大きな目を見開き、龍輝を——いや、その後ろを指差し、慟哭したせいで若干枯れた声で「川原くんッ!!」と叫んだ。
龍輝は真子の指先を視線で追い、肩越しに振り返り——目を見開いた。
倒したはずの賢吾が既に立ち上がっており、刀を振り被っていた。

次の瞬間、龍輝の背中に鋭い痛みが走った。
右肩から左脇腹に掛け、背中を大きく切り裂かれ、龍輝はその場に倒れ込んだ。
起き上がろうとするが、動こうとする度に背中の傷が悲鳴を上げ、腕に力が入らない——これは、非常にまずい。

「や…めて…ぇ…ッ!!
 さ…榊原くん……川原くんを…助けて…ッ!!」

真子の震える声。
龍輝は首を動かし、真子を視界に入れた。
悠希の亡骸を抱えたままの真子は、ぼろぼろと涙を零しながら身体をガタガタと震わせて、誰が見ても一目でわかるような怯えた瞳で賢吾を見上げていた。
もしも龍輝が賢吾だったとしたら、こんな真子の様子を目の当たりにしたら、とてもこれ以上誰も傷付けようだなんて思えない(端から思ってないけどさ)。
もしかしたら、賢吾も——そんな淡い期待を抱かずにはいられない。

「…悪い……けど、それは、聞けない」

賢吾の低い声が降ってきた。
この、人でなしが。

「真子!!!
 俺はいい、いいから、お前だけでも逃げ——」

龍輝の言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
ざくっ、という野菜を包丁で切るような小気味よい音が、耳から或いは骨を伝わって聞こえたような気がして、一瞬首の後ろ側がかあっと熱くなるような感覚に襲われた。
それが、龍輝の最後の知覚となった。



ぼんやりとした視界。
うっすらと漂う、生臭い鉄のような臭い。
遠くに聞こえる、誰かの泣き声。
そして、ぼんやりとしたそれらの感覚とは違ってはっきりと感じる、腹部の痛み。

…そ…っか…かな…刺されたんだ……

鉛のように重い腕を動かし、精一杯の力を込めて、上半身を起こした。
それは数センチに留まったのだが、先程より僅かにクリアになった視界に飛び込んできた光景に、華那は目を見開いた。

E=04エリアの御神島小中学校は現在行われているプログラムの本部となっており、未だに田中顕昌(男子十一番)の亡骸が転がったままの6年生教室の隣の多目的教室は普通の教室の倍程の広さがあるのだが、今は多数のモニターや機材が運び込まれているためにそう広さを感じない。

「おー、怖い怖い」

つい先程まで動きのあった3班と6班のメンバーの盗聴(生徒たちがはめている首輪には盗聴機能が付いており、これで行動の詳細を知ることができる。もちろん、不穏な発言をする者を警戒することも可能だ)をスピーカーで聞いていたライド(担当教官)は、彼らの会話の内容を聞いた感想をそう表し、肩を竦めた。

「雨宮君、川原君、佐伯さん、山本さん退場…3班は全滅かぁ。
 結構良いチームやってんけどなぁ、相手が悪かったな」

シン(軍人)がソファーに腰掛けて生徒資料をチェックしながら呟き、死亡が確認された雨宮悠希(男子三番)・川原龍輝(男子五番)・佐伯華那(女子七番)・山本真子(女子十九番)の資料をバインダーから抜き、報告書の作成の準備を始めていた。
向かいに座っていたアキヒロ(軍人)が、シンの抜いた資料を手に取り、「ふーん」と鼻を鳴らして眺めた。
アキヒロの手からライドはそれを取り、アキヒロの隣に腰掛けた。

「確かにバランスは良かったな。
 佐伯さんの頭脳は勉強の面以外でもええ感じやし、雨宮君もおるし。
 運動面なら万能な川原君と、サッカー推薦の雨宮君、山本さんも中々やしな」

「ま、武器が最悪だったね」

アキヒロが溜息混じりに呟くと、モニター前に座る軍人たちに指示をしていたエツヤ(軍人)の背中に向けて、声を掛けた。

「エツ君、もうちょっとバランス良い武器の渡し方できなかったの?
 いくらなんでも3班の武器は気の毒だよ」

「え、俺!?
 そんなん、俺のせいちゃうよ、別に中身確認して渡してへんやんか!」

エツヤは振り返りながら言葉を返すと、唇を尖らせながらライドたちの方に来ると、シンの隣にどかっと腰掛けた。
「エツくじ運悪いもんなぁ、でも自分のくじ運の悪さに子どもを巻き込んだらあかんわ」というシンの言葉に「それ関係あらへん!」と声を荒げて言い返すと、ライドの前に広げられた資料に視線を落とした。

「…まあ、確かになぁ…悪かったなぁ…俺のせいちゃうけど。
 …あ、この子、川原…やっけ、ガンプラ当てたん!
 確か作ったんやんなぁ、いっやーこの子マジ熱いな!
 死んだのが惜しすぎるわ、ガンニョムについて語ってみたかったわぁ。
 でもエキュシアな、エキュシアもえぇねんけどな、やっぱ赤ザキュよな!
 赤い彗星ジャアの…あ、でもギュフもえぇよな、ザキュとは違うんだよザキュとは!
 なんせ3倍の——」

「エツ、エーツ」

シンにファイルでぱこっと頭を叩かれ、エツヤは機動戦士ガンニョムについての熱いトークを中断し、またも唇を尖らせてシンを睥睨した。

「睨まんといてぇや、今仕事中やねんからガンニョムの話は後。
 ほんまエツは昔っからガンニョム好きやもんな。
 ジャア好きすぎて、ずっと赤いTシャツ着てたもんな、エツのおかん呆れてたわ。
 『ジャア専用Tシャツやー』言うてはしゃいでなぁ…
 そうそう、シャツだけやなくて、確かランドセルも——」

「わああ、もう、シンちゃん今その話いらんっ!!
 もうせぇへんから、ガンニョムの話!!」

慌ててシンの口を押さえるエツヤの様子に、ライドはくくっと笑った。
アキヒロも溜息を吐いているものの、唇の端がくいっと上がっていた。
ライドとシン・エツヤとの出会いは専守防衛軍の養成学校に入って1年程経った頃だったのだが、シンとエツヤは幼馴染ということでいつもじゃれていた。
エツヤはライドやシンの1つ年下だというのにしょっちゅうシンのところに遊びに来るほどシンに懐いていたし、シンは昔からの付き合いの後輩ということでエツヤには少し厳しい面もあるのだが大切にしているのは見ていてすぐにわかった。
ちなみにアキヒロとの出会いはライドが担当教官という仕事を任されるようになってからで、同い年ながらもプログラムに携わっている年月はライドやシンやエツヤよりも長いのでプログラムに関しては先輩にあたる。

誰か1人が飛び抜けた才能がある、もしくは強烈なリーダーシップを持っているというわけではないが、全体のステータスを見ればバランスの取れた班がこの4つだ。
1班の相葉優人(男子一番)と小石川葉瑠(女子五番)、3班の雨宮悠希と川原龍輝または龍輝と佐伯華那、7班の阪本遼子(女子八番)と蓮井未久(女子十三番)、9班の原裕一郎(男子十三番)と横山圭(男子十九番)または圭と平野南海(女子十四番)のように、普段から仲の良い生徒を同じ班にして、そこを中心にまとまることができるように配慮もした。
結果として、方向性はそれぞれあれど、全ての班で中心になるように配した生徒たちが班をまとめてくれたと思う。
9班の室町古都美(女子十八番)による内乱は完全に予想外だったが、良いデータが取れたということでこれも良しとする。
1班は宍貝雄大(男子八番)が、3班は全員が、7班は顕昌が、9班は圭が既に退場しているので(尤も、顕昌の退場はアキヒロが彼を射殺したからなのでプログラムの進行とは無関係だが)、人数が欠けた班がどのように動いていくのかはこれからも注目しておかなければならない。
偶然か必然か、今残っている班の中でメンバーが欠けているのはバランス型とした1班・7班・9班のみなので、これもデータとして残しておく必要があるだろう。

「じゃあその真逆は8班?
 あの班はチームワークの欠片もない感じやったよなぁ」

シンの苦笑しながらのコメントに、ライドは頷いた。

「うん、8班の内藤・林崎・如月・星崎班は、自己中そうなメンバーで固めてん。
 まあ、内藤君は担任の塚村センセの資料で見たよりは仲間想いやったけど。
 どうなるかなー思ったけど、やっぱチームワークって大事やな。
 まあ、あれはあれで良いデータになったわ」

最初に全滅することになった8班。
やはりチーム戦においてはチームワークは必須なのだろう。
上辺だけで繋がっていたこの班がもしももっと協力して戦うことができていたなら、全滅は避けることができたかもしれない。
まあ、これが1回目の事例なので今後のプログラムでもデータを取らなければ一概には言えないのだけれど、今回に限って言えば、戦闘におけるチームワークの大切さを彼らは身をもって教えてくれた。

「なあライド、2班は?
 俺、あの班が一番謎やねんけど。
 いやまあ日比野君と水田さんはともかくとして、後の2人が。
 バランス型かなぁとも思ったけど、ちょっと頭弱いし、この班。
 運動も芥川君と奈良橋さんが足引っ張るし…ステータスとしては悪いやろ、これ」

エツヤはライドがノートパソコンを自分の前に置くスペースを確保するために他の場所に散らかした資料を集めながら(几帳面なエツヤらしい行動だ)訊いた。

「2班の芥川・日比野・奈良橋・水田班は、そういうのちゃうねん。
 クラスで孤立してる芥川君と奈良橋さんやねんけど、塚村センセの話やと、どうも
 2人は孤立はしてるけど互いを気にしてる節があるみたいってことやって。
 芥川君は病気のコンプレックスが酷い、奈良橋さんはいじめられっ子…
 あんま生きようって意思見せなさそうな2人やけど、一緒にしたらどうかなぁってさ。
 人の心の成長…っての? そういうの見られへんかなぁって思ってん。
 そのきっかけを作ってくれそうかなって思ったんが、水田さんみたいに人の関係に
 興味津津な子かなって思ってくっつけてみてん」

他の班の襲撃に遭って今は別行動をしているが、気遣い上手な日比野迅(男子十五番)と意外に面倒見の良い水田早稀(女子十七番)が一緒にいたことによって、盗聴を聞いた限りでは自身がリーダーであることに絶望していた奈良橋智子(女子十一番)も自身の命に対して投げやりになっていた芥川雅哉(男子二番)も、今は生きて迅と早稀と再会しようとしているようだ。

誰か1人が飛び抜けた才能がある、もしくは強烈なリーダーシップを持っているというわけではないが、全体のステータスを見ればバランスの取れた班がこの4つだ。
1班の相葉優人(男子一番)と小石川葉瑠(女子五番)、3班の雨宮悠希と川原龍輝または龍輝と佐伯華那、7班の阪本遼子(女子八番)と蓮井未久(女子十三番)、9班の原裕一郎(男子十三番)と横山圭(男子十九番)または圭と平野南海(女子十四番)のように、普段から仲の良い生徒を同じ班にして、そこを中心にまとまることができるように配慮もした。
結果として、方向性はそれぞれあれど、全ての班で中心になるように配した生徒たちが班をまとめてくれたと思う。
9班の室町古都美(女子十八番)による内乱は完全に予想外だったが、良いデータが取れたということでこれも良しとする。
1班は宍貝雄大(男子八番)が、3班は全員が、7班は顕昌が、9班は圭が既に退場しているので(尤も、顕昌の退場はアキヒロが彼を射殺したからなのでプログラムの進行とは無関係だが)、人数が欠けた班がどのように動いていくのかはこれからも注目しておかなければならない。
偶然か必然か、今残っている班の中でメンバーが欠けているのはバランス型とした1班・7班・9班のみなので、これもデータとして残しておく必要があるだろう。

「じゃあその真逆は8班?
 あの班はチームワークの欠片もない感じやったよなぁ」

シンの苦笑しながらのコメントに、ライドは頷いた。

「うん、8班の内藤・林崎・如月・星崎班は、自己中そうなメンバーで固めてん。
 まあ、内藤君は担任の塚村センセの資料で見たよりは仲間想いやったけど。
 どうなるかなー思ったけど、やっぱチームワークって大事やな。
 まあ、あれはあれで良いデータになったわ」

最初に全滅することになった8班。
やはりチーム戦においてはチームワークは必須なのだろう。
上辺だけで繋がっていたこの班がもしももっと協力して戦うことができていたなら、全滅は避けることができたかもしれない。
まあ、これが1回目の事例なので今後のプログラムでもデータを取らなければ一概には言えないのだけれど、今回に限って言えば、戦闘におけるチームワークの大切さを彼らは身をもって教えてくれた。

「なあライド、2班は?俺、あの班が一番謎やねんけど。いやまあ日比野君と水田さんはともかくとして、後の2人が。バランス型かなぁとも思ったけど、ちょっと頭弱いし、この班。運動も芥川君と奈良橋さんが足引っ張るし…ステータスとしては悪いやろ、これ」

エツヤはライドがノートパソコンを自分の前に置くスペースを確保するために他の場所に散らかした資料を集めながら(几帳面なエツヤらしい行動だ)訊いた。

「2班の芥川・日比野・奈良橋・水田班は、そういうのちゃうねん。クラスで孤立してる芥川君と奈良橋さんやねんけど、塚村センセの話やと、どうも2人は孤立はしてるけど互いを気にしてる節があるみたいってことやって。芥川君は病気のコンプレックスが酷い、奈良橋さんはいじめられっ子…あんま生きようって意思見せなさそうな2人やけど、一緒にしたらどうかなぁってさ。人の心の成長…っての? そういうの見られへんかなぁって思ってん。そのきっかけを作ってくれそうかなって思ったんが、水田さんみたいに人の関係に興味津津な子かなって思ってくっつけてみてん」

他の班の襲撃に遭って今は別行動をしているが、気遣い上手な日比野迅(男子十五番)と意外に面倒見の良い水田早稀(女子十七番)が一緒にいたことによって、盗聴を聞いた限りでは自身がリーダーであることに絶望していた奈良橋智子(女子十一番)も自身の命に対して投げやりになっていた芥川雅哉(男子二番)も、今は生きて迅と早稀と再会しようとしているようだ。

これは、2人に心の変化が生まれているのではないだろうか。
極限状況の中での人間の成長を見るという意味で、この班の様子も具にチェックしておかなければならない。

「4班と5班の城ヶ崎グループの班分けは…結構酷いよね、ライド君。
 木戸と朝比奈…だっけ、アイツらが怒鳴ったのも感情としてはわからなくないよ」

「よう言うわ、アッキーってば朝比奈さんに銃向けてたくせに。
 4班の池ノ坊・真壁・上野原・高須班と5班の木戸・城ヶ崎・朝比奈・鳴神班。
 これは結構悩んでんけど、まあええ分け方になったと思うわ。
 5班は、城ヶ崎と幼馴染3人組。
 これは10班の春川・望月・財前・広瀬班とも対比になってるしな。
 幼馴染の中に入るその1人が、リーダーかそうでないかの違いしかないけど。
 ま、どっちも3対1の構図にはならんかったのは、ちょっとつまらんけどな。
 まあ5班は能力的には1番有利ちゃう?
 運動能力は全員高いし、勉強的な意味での頭の良さもあるし。
 絶対的リーダーの城ヶ崎が全員を落ち着かせてまとめあげてるしな」

ライドは無糖マシュマロを1つ口に入れ、続けた。

「対する4班はバランスがあんま良くない…というか繋がりが少し弱い班やな。
 塚村センセの資料によると、いつも一緒にいるけども、互いの関わりは少ない。
 池ノ坊君と上野原さんは、先祖代々城ヶ崎君の家に仕えてきた家の末裔。
 高須さんは上野原さんとは仲良しやけど、城ヶ崎君以外とはほとんど会話もせん。
 真壁君は城ヶ崎君がグループに引き込んだけどグループの輪の一番外側におる。
 …つまり、全員城ヶ崎君がおるからこそ一緒に行動してたってことやな。
 その絶対的リーダーがいない今、どう動くかなぁって思って」

4班に関しては、いつも一緒にいただけのことはあり思ったよりもまとまっている。
これは真壁瑠衣斗(男子十六番)が前情報以上にグループのメンバーを普段からよく見ていたことが大きいのかもしれない。
特に気が合わなさそうだった高須撫子(女子十番)を叱咤激励するとは思っていなかった。
行動面では瑠衣斗がリーダーらしさを発揮して、今は城ヶ崎麗(男子十番)ら5班のメンバーを探しているらしい。
そして撫子が誰よりも大切に思い、池ノ坊奨(男子四番)が身を挺して護り、瑠衣斗もその人柄を認めている上野原咲良(女子二番)が精神面で班を一つにしている。
絶対的リーダーが不在でもまとまるあたりは、麗が認めていたメンバーたちというだけのことはあるのかもしれない。

「絶対的リーダーといえば、まあ鷹城さんもそうなるな。
 6班の、榊原・松栄・鷹城・湯浅班…まああそこまで恐怖政治みたいになるとは
 思ってなかったけど。
 榊原君は、親同士の因縁…というか借りがあって絶対鷹城さんには逆らえへん。
 松栄君と湯浅さんは鷹城さんに恩があるから裏切らへん。
 対照的なリーダーやな、城ヶ崎君と鷹城さんは」

麗はその強烈なリーダーシップでもって、木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を引っ張っている。
資料によれば、どうやら健太たちは帝東学院入学以前から麗とは顔見知りだったらしく、そもそも帝東学院を受験したきっかけは麗にあったらしい。
それだけ強い絆で結ばれているのだから、班が分裂するということはないだろう。
4班と再会することがあればどうなるかわからないが。

一方鷹城雪美(女子九番)のリーダーシップは、モニターしている軍人たちや担当教官歴の長いライドたちでさえも戦慄させる恐ろしさだった。
恐怖で縛り付けるだけならまだしも、最初に全員に殺人という禁忌(まあプログラムではそれが許されるのだけれど、突然プログラムに放り込まれたごく普通の中学生の持つ常識としては、やはり殺人は禁忌に当たるだろう)を犯させたというのは、共犯として自分の傍から逃がさないようにする手段としてはなかなかのものだ。
松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)は覚悟を決めたようなので、プログラム進行の台風の目になるだろう。

同じようにプログラムに乗る10班。
全員が乗るわけではなく、春川英隆(男子十四番)と財前永佳(女子七番)がその意思を見せ、望月卓也(男子十七番)と広瀬邑子(女子十五番)は2人のその意思を知ったものの恐らく戦うことはないだろう。
全員がプログラムに乗る6班と、2人が乗り残る2人には人を殺させたくないとしている10班——この2つの班の動きは注意しておかなければならない。
プログラムのスムーズな進行のためには、しばらく出遭わないでほしいものだ。

「ふーん、成程…
 ライドなりに色々考えてんな。
 俺的には、落ち着いた芳野君と蓮井さんがおる7班が優勝やと思うな。
 今は様子見らしいけど、体力温存して後半から頑張ってくれるんちゃうかな」

エツヤはそう言いながらコーヒーを飲み干した。

「あれ、トトカルチョ?
 エツ、そういうの好きとちゃうんちゃうの?」

「うん、人の命で賭け事とか、お偉いさんはやってるみたいやけど俺は嫌やで。
 そういうんちゃうくて、単に俺が思ってるだけ」

シンの疑問にエツヤは眉を顰めて答えた。
国の上層部ではプログラムの優勝者を予想して金を賭けるトトカルチョが行われており多額の金が動いている。
現場でもその真似事をする担当教官や軍人たちも多々いるのだが、ライドはそれを好まなかった。
プログラムは子どもたちの命懸けの戦いを通して国防のために必要なデータを収集するためのものであるのでプログラム自体に反対することはないが、子どもたちの命を賭け事の対象にするのは彼らに失礼ではないかと思うのだ。
ライドのこの意見を『真面目すぎる』『プログラム担当教官に向かない』と揶揄する者もいるが、担当教官仲間に同じような意見を持つ者はいるし、いつも一緒に仕事をするシン・エツヤ・アキヒロはこの意見に賛同してくれている。

「僕はやっぱり6班が有力候補だと思うけど?
 鷹城のリーダーシップが続く限りは、早々負けたりしないでしょ」

「アッキーは鷹城さんと気が合いそ——あっはは、何でもない!
 俺はねー、個人的には4班に頑張ってほしいかなぁ。
 上野原さんと高須さん…女の子のレベルが高い! 可愛い女の子は正義!!」

「…何言ってんの、シンちゃん。ま、武道の心得がある2人は注目すべきといえばすべきだよね。ライド君は、誰に注目してるの?」

6つの瞳が向けられたライドは、視線をパソコンの画面から上げ、笑みを浮かべた。

「俺は、早々に自分の意志でプログラムに乗ることを決めて行動した10班かな。でも、みんなに頑張ってほしいな、ってのが本音…いつもやけど。大東亜のために戦うみんなが、俺たち大東亜の国民の誇りやからね」

頑張れ、子どもたち。
君たちの血が、肉が、命が、大東亜の未来を切り開くのだ。
嘆いても悔やんでも何も変わらない。
生きたいのなら、行動あるのみだ。

執拗に特定キャラdisする荒らし・レッテル貼りで対立をあおる荒らし・ネタバレコピペ荒らしが常駐しています
人気投票の結果やファンの男女比関する話題とそれによる特定キャラdisや腐女子・○○厨等の煽り単語を出すのも荒れる原因になるので控えましょう
荒らしに構うのも荒らしです スルー推奨

6 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/29(水) 20:51:45.97 ID:DW8vmXUD0
さあ日向クン、ボクと>>1乙してくれるよね?

7 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/29(水) 20:56:04.06 ID:fS7dhGPe0
>>1おーつおーつ

8 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/29(水) 21:02:57.46 ID:bs6jN28J0
>>1乙の銅像を立ててくれ!

9 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/29(水) 21:49:46.52 ID:yARZhBbv0
>>1乙ビーム!

10 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/29(水) 23:07:22.86 ID:Gg792v7A0
>>1乙の先制攻撃だべ!

11 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 00:40:34.83 ID:Yb h22SP0
霧切フィギュアの画像出てるけどなんか微妙な顔のような

12 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 00:59:34.06 ID:Wl7dfQ1N0
1等とはいえクジの景品ならだいたいあんなもんだよ

13 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 01:02:59.78 ID:5Cg7VKMg0
無印の方の漫画読んでみたけど
桑田のおしおきカットは
ひどいなと思った

14 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 01:14:47.00 ID:/bi8fq6m0
やはり霧切さんの美脚は最高だということを再確認した

15 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 04:25:49.22 ID:rFq75d2FP
フリューだしな・・・・
霧切さんの場合はたとえ泥っても他にもフィギュア出るだろう

16 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 04:30:34.69 ID:5fhNKNpb0
霧切さんに僕の股間の調査を頼みたい
検死しかやってくれなそうだけど

17 :枯れた名無しの水平思考:2013/05/30(木) 06:21:46.64 ID:BnPPl6Mw0
これは霧切さんもう駄目か…

1000 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2013/05/29(水) 20:21:19.45 ID:EpEU1bGS0 [2/2]
>>1000ならアニメでは舞園さんが生存してメインヒロインになる

タイムテーブル

 

日時

被害者

加害者

凶器

死因

死亡場所

第1回放送

12/20

PM6:00

PM4:07 朝倉伸行(M1) 牧山久美(F12) ボウガン 頭部損傷 D=06
PM4:11 矢口宗樹(M21) 金坂葵(F5) ブローニング・ベビー 頭部被弾 D=06
PM4:36 赤木明子(F2) 水城蓮(M16) シグ・ザウエルP230 胸部被弾 D=06
PM4:44 西野葵(M12) 笠原飛夕(M5) コルト・ロウマン 胸部被弾 E=05
PM5:02 実月裕太(M18) 相原香枝(F1) 釣り糸 窒息死 E=07
PM5:32 遠藤圭一(M4) 江原清二(M3) ミニウージー 全身被弾 E=05
PM5:40 湯中天利(F17) 今村草子(F4) ジェリコ941 胸部被弾 E=05
第2回放送

12/21

AM0:00

PM7:02 平馬美和子(F11) 高原椎音(F8) ワルサーP99 頭部被弾 D=03PM8:17 宝田義弘(M9) 福屋和行(M15) 文化包丁 失血死 C=06PM8:19 福屋和行(M15) 江原清二(M3) ミニウージー 全身被弾 C=06PM10:07 新藤鷹臣(M8) 都竹航(M11) シグ・ザウエルSP2340 頭部被弾 C=06PM10:07 楠本章宏(M7) 都竹航(M11) シグ・ザウエルSP2340 頭部被弾 C=06
第3回放送

12/21

AM6:00

AM0:51 鈴原架乃(F7) 高原椎音(F8) ワルサーP99 失血死 F=02AM2:05 宇津晴明(M2) 江原清二(M3) サバイバルナイフ 失血死 E=07AM2:05 雪倉早苗(F16) 今村草子(F4) 日本刀 頭部損傷 E=07AM2:06 結木紗奈(F15) 江原清二(M3) ミニウージー 全身被弾 E=07AM2:58 相原香枝(F1) 都竹航(M11) シグ・ザウエルSP2340 頭部被弾 C=05
第4回放送

12/21

PM12:00

AM6:29 高原椎音(F8) 水城蓮(M16) シグ・ザウエルP230 頭部被弾 G=05AM7:10 小泉洋子(F6) 牧山久美(F12) ボウガン 首損傷 C=06AM7:11 宮脇一希(M19) 牧山久美(F12) ボウガン 頭部損傷 C=06AM8:44 今村草子(F4) 江原清二(M3) グロック19 頭部被弾 F=05
第5回放送

12/21

PM6:00

PM0:06 都竹航(M11) なし(自殺) 毒薬 毒物飲用 G=05PM1:32 藤村優(F10) 水城蓮(M16) シグ・ザウエルP230 頭部被弾 C=06PM1:41 水城蓮(M16) 日向翼(M14) シグ・ザウエルP220 胸部被弾 C=06PM2:42 牧山久美(F12) 江原清二(M3) ミニウージー 頭部被弾 D=07PM4:28 森川達志(M20) 笠原飛夕(M5) Vz61スコーピオン 失血死 C=08PM4:29 笠原飛夕(M5) 金坂葵(F5) ブローニング・ベビー 頭部被弾 C=08PM4:36 藁路文雄(M22) 金坂葵(F5) 文化包丁 失血死 C=08
第6回放送

12/22

AM12:00

PM6:28 日向翼(M14) なし(自殺) カッターナイフ 失血死 C=05PM7:22 陸社(M6) 江原清二(M3) グロック19 頭部被弾 E=06PM7:24 依羅ゆた(F18) 金坂葵(F5) 文化包丁 首損傷 E=05PM8:40 朝霧楓(F3) 江原清二(M3) ミニウージー 失血死 E=05PM9:20 土谷和(M10) 金坂葵(F5) ブローニング・ベビー 胸部被弾 E=04PM9:31 金坂葵(F5) 水原翔(M17) ベレッタM1934 頭部被弾 E=04PM11:59 江原清二(M3) 春野櫻(軍人) マシンガン 失血死 E=05AM0:46 睦月麻(F14) 渦巻鳴門(軍人) 手裏剣 失血死 D=06
 

キルスコア

1位 江原清二(M3) 8人 遠藤圭一(M4)福屋和行(M15)宇津晴明(M2)結木紗奈(F15)今村草子(F4)牧山久美(F12)陸社(M6)朝霧楓(F3)
2位 金坂葵(F5) 5人 矢口宗樹(M21)笠原飛夕(M5)藁路文雄(M22)依羅ゆた(F18)土谷和(M10)
3位 都竹航(M11) 3人 新藤鷹臣(M8)楠本章宏(M7)相原香枝(F1)
水城蓮(M16) 3人 赤木明子(F2)高原椎音(F8)藤村優(F10)
牧山久美(F12) 3人 朝倉伸行(M1)小泉洋子(F6)宮脇一希(M19)
3位 笠原飛夕(M5) 2人 西野葵(M12)森川達志(M20)
今村草子(F4) 2人 湯中天利(F17)雪倉早苗(F16)
高原椎音(F8) 2人 平馬美和子(F11)鈴原架乃(F7)
4位 日向翼(M14) 1人 水城蓮(M16)
福屋和行(M15) 1人 宝田義弘(M9)
水原翔(M17) 1人 金坂葵(F5)
相原香枝(F1) 1人 実月裕太(M18)

1位 江原清二(M3) 8人 遠藤圭一(M4)
福屋和行(M15)
宇津晴明(M2)
結木紗奈(F15)
今村草子(F4)
牧山久美(F12)
陸社(M6)
朝霧楓(F3)
2位 金坂葵(F5) 5人 矢口宗樹(M21)
笠原飛夕(M5)
藁路文雄(M22)
依羅ゆた(F18)
土谷和(M10)
3位 都竹航(M11) 3人 新藤鷹臣(M8)
楠本章宏(M7)
相原香枝(F1)
水城蓮(M16) 3人 赤木明子(F2)
高原椎音(F8)
藤村優(F10)
牧山久美(F12) 3人 朝倉伸行(M1)
小泉洋子(F6)
宮脇一希(M19)
3位 笠原飛夕(M5) 2人 西野葵(M12)
森川達志(M20)
今村草子(F4) 2人 湯中天利(F17)
雪倉早苗(F16)
高原椎音(F8) 2人 平馬美和子(F11)
鈴原架乃(F7)
4位 日向翼(M14) 1人 水城蓮(M16)
福屋和行(M15) 1人 宝田義弘(M9)
水原翔(M17) 1人 金坂葵(F5)
相原香枝(F1) 1人 実月裕太(M18)

3年1組席順

 

牧山久美(F12)

福屋和行(M15)

睦月麻(F14)

湯中天利(F17)

遠藤圭一(M4)

宮脇一希(M19)

楠本章宏(M7)

鈴原架乃(F7)

相原香枝(F1)

朝倉伸行(M1)

高原椎音(F8)

都竹航(M11)

日向翼(M14)

西野葵(M12)

実月裕太(M18)

赤木明子(F2)

矢口宗樹(M21)

雪倉早苗(F16)

平馬美和子(F11)

依羅ゆた(F18)

森川達志(M20)

藤村優(F10)

今村草子(F4)

小泉洋子(F6)

水原翔(M17)

水城凛(F13)

水城蓮(M16)

宝田義弘(M9)

土谷和(M10)

江原清二(M3)

土方涼太(M13)

新藤鷹臣(M8)

結木紗奈(F15)

宇津晴明(M2)藁路文雄(M22)陸社(M6)

———

朝霧楓(F3)鳥江葉月(F9)

金坂葵(F5)笠原飛夕(M5)

———

プログラム——それは生徒同士を戦わせ、生き残った一人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。
中学3年生で知らない人はいないと思う。
そして、みんなはそれを恐れている。
雪倉早苗(女子16番)は顔面蒼白となった。
まさか、こんな暴力的なものに選ばれるなんて。

早苗はクラスメイトが騒ぎ出した声で目を覚ました。
何事かと後ろの席の小泉洋子(女子6番)に訊くと、洋子は「プログラムに選ばれたかも」とだけ答えた。
早苗の横、矢口宗樹(男子21番)が「ちくしょう」と険しい顔をしていた。

しかし、早苗は信じなかった。
1年間でプログラムの対象となるのは、全国で何万クラスとある中学3年生のクラスの中のたったの50クラス。
選ばれる確率なんてほとんど0%に近い。
宝くじで1等を当てるような確率だって誰かが言ってたような気がする。
どうせ冗談好きな土谷和(男子10番)あたりが言った冗談だと思った。

しかし、これは嘘ではないようだ。
今しがた東田晴樹(担任)が入ってきた。
片目を隠した男と、金髪の髪を逆立てた(宗樹のようだ、と思った)早苗たちと年齢差がなさそうな少年と、黒髪のクールそうな少年と、ピンクの髪のかわいらしい少女も一緒に。
片目を隠した男が言った。
対象クラスに選ばれたんだ、と。

「みんな、静かに」

東田がパンパンと手を叩いた。
その表情はとても暗い。
こんな表情の先生は初めて見た。
うるさくしていた生徒たちも静かになった。
東田は続けた。

「えっと、まずはこの人たちの紹介からするぞ。
 右から渦巻鳴戸君、内刃佐助君、春野櫻さん。
 この3人は今回のプログラムを補佐してくれる軍人さんたちだ。
 みんなより1つ年上なだけだけど、えらい人たちなんだよ」

東田が言うには、金髪少年が渦巻、黒髪少年が内刃、桃髪少女が春野らしい。

「それから、こちらの方が畠案山子(はたけ・かかし)さんだ。
 この方は至らない僕のサポートをしてくださる方なんだよ。
 僕は今回のプログラムの担当教官でもあるからね」

片目のおじさんは軽く会釈した。

「おい、東田!」

早苗の2つ後ろの席、不良グループリーダーの江原清二(男子3番)が声を上げた。

「なんでテメェ、そんな事してんだよ?
 ただの数学教師なだけのくせしてよぉ!
 テメェはただ数学だけ教えてりゃいいんだよ!!」

「同意見だ、俺たちには理由を聞く権利があるんじゃないのか?」

早苗の前の席、同じく不良グループの都竹航(男子11番)も発言した。
確かに早苗も納得できない。
東田がこんな事をしている理由がわからない。

「それは…」

言葉を濁した東田の代わりに、横にいた畠が前に出た。

「先生は自ら担当教官になることを望んだんだよ?
 いいかい、これから発言する時は手を挙げるんだよ。
 じゃないと殺しちゃうからな!」

東田は下を向いた。
畠は手裏剣を出した。
清二がちっと舌打ちをしたのが聞こえた。
航は椅子に深くもたれかかった。
東田は話を始めた。

早苗の聞きなれた声がした。
その方を見ると、幼馴染の新藤鷹臣(男子8番)がおずおずと手を挙げていた。

「新藤、質問か?」

「あ、はい。
 その…ペアってどうやって決めるんスか?」

鷹臣の声は震えていた。
こんな震えた声を出す鷹臣は久しぶりだと思う。
最後に聞いたのはいつだったか、早苗を虐めていた楠本章宏(男子7番)と平馬美和子(女子11番)を制止してくれた時だろうか。
鷹臣は虐められていた早苗をいつも守ってくれた、早苗の大事な人だ。

「新藤君…だっけ?
 君はせっかちさんだね、今から説明しようと思ってたのにネ。
 ペアはこちらで決めさせてもらったよ。
 仲良い子と組めたらいいね、そうじゃない子もいるしさ」

畠は笑顔で答えた。
東田は畠の顔を見、また話を始めた。

「えっと…じゃあとりあえずみんな、自分の首に付いている物に注目」

早苗は言われて初めて首輪の存在に気付いた。
金属製らしいその首輪、あるとわかると息苦しくなる。

「それは耐水・耐ショック性で絶対に外れないんだって。
 心臓パルスをチェックして、みんなが生死がわかるんだ。
 位置もわかるらしいよ、すごいね、最近の科学は…」

一人で何を納得しているんだ。
早苗はツッコミを入れたくなった。
東田は続ける。

「いい? 絶対に外そうとしちゃダメだからね。
 首輪が…その、爆発するから…」

少し教室がざわついた。
高原椎音(女子8番)が横にいた航に何かを語りかけていた。
聞き取れたのは「土方の言った通りね」というところだけ。
土方涼太(男子13番)は何を言ったのだろうか?

女子16番・雪倉早苗(ゆきくら・さなえ)

演劇部。大人しい性格で、非暴力主義者。
新藤鷹臣(男子8番)とは幼馴染。
昔自分を苛めていた人物に怯えている。



ペア:新藤鷹臣(男子8番)
支給武器:うちわ
kill:なし
killed:今村草子(女子4番)
凶器:日本刀
 

鷹臣と共に学校から離れる。
D=08エリアで宇津晴明(男子2番)・結木紗奈(女子15番)と合流するが、鷹臣と別れてしまう。
放送で呼ばれた鷹臣を見つけて供養するため、移動を始めるが、E=07エリアで江原清二(男子3番)・今村草子(女子4番)に見つかり、停戦を呼びかけるが額を刀で刺され死亡。

よし、最期まで非暴力主義者だった!・・・と思うんですけどどうでしょう?
この子サブメインのはずだったんですけどね・・・出番が少ない(汗
最期も怯えてたと思うんですけどね・・・勇気がある子だった、と(いいのかそれで。

女子2番・赤木明子(あかぎ・めいこ)

バレーボール部リベロ。低身長。
いつも明るく元気ではじけている。
水城蓮(男子16番)に恋心を抱いている。


ペア:水城蓮(男子16番)
支給武器:花火セット
kill:なし
killed:水城蓮(男子16番)
凶器:シグ・ザウエルP230
 

出発直後、突然蓮に銃を向けられる。左胸部に被弾しながらも必死に逃げようとするが、力尽きる。

この子も可哀相な子ですよね。
好きな人に突然殺されて、思いは全く届いてなくて・・・
明るさの欠片もありませんでした(苦笑
 (by 水金翔)

女子3番・朝霧楓(あさぎり・かえで)

部活は無所属。少々クールな性格。
友達は多い方だが、いまいち溶け込めていない。
運動神経・頭脳共に人並み。


ペア:土谷和(男子10番)
支給武器:ピコピコハンマー
kill:なし
killed:江原清二(男子3番)
凶器:ミニウージー
 

D=10エリアで森川達志(男子20番)・藁路文雄(男子22番)ペアと合流。脱出計画に同意。
文雄と共に材料探しへ。文雄から過去の話を聞く。
C=09エリアで鳥江葉月(女子9番)を救う。
禁止エリア指定のため、移動開始。
C=08エリアで笠原飛夕(男子5番)・金坂葵(女子5番)に襲われる。和たちを逃がし、文雄を助けようとしたが遅かった。文雄の死を見取った。コルト・ロウマン、イングラムM11入手。
E=05エリアで清二に襲われる。清二にすべてを託し、事切れる。

お気に入りの女の子でした。本当は虐待の記憶はプログラム内で徐々に蘇る、って感じだったんですが・・・最初から覚えていてもらいました。。
別にワラ君のことを男として好きなんではなくて、同じ親のいない人間として尊敬できて「好き」という感じなんですよ。 ・・・クールというより怖いもの知らずでした(苦笑

女子5番・金坂葵(かねさか・あおい)

部活は無所属。
小さい頃にイジメにあい、人を信用できなくなった。
クラスに親しい人はいない。


ペア:矢口宗樹(男子21番)
支給武器:ブローニング・ベビー
kill:矢口宗樹(男子21番)
笠原飛夕(男子5番)
藁路文雄(男子22番)
依羅ゆた(女子18番)
土谷和(男子10番)
killed:水原翔(男子17番)
凶器:ベレッタM1934
 

出発直後、宗樹に襲われる。戦闘の末、宗樹を殺害。自分の存在を示すためにやる気になる。文化包丁入手。
D=05エリアで睦月麻(女子14番)らを発見。殺害しようとしたが、曽根崎凪紗(ADGI)のマシンガンに怯み、逃げ出す。
C=08エリアで飛夕を銃殺。それを見て逆上した文雄を刺すが、とどめを刺そうとしたところで朝霧楓(女子3番)に邪魔され逃げ出す。Vz61スコーピオン入手。
E=05エリアでゆたを発見。銃で襲った後、文化包丁で刺殺。
E=04エリアで和を発見。逃げられそうになるが銃殺。矢印を追う。その先にいた翔・鳥江葉月(女子9番)を襲うが、翔に頭部を撃たれ死亡。

自分の存在を示すために犯罪を犯す、これは子供の犯罪心理らしいですね。今日の朝ニュースで知りました。12歳の子がねぇ・・・いやいや、それは置いといて。
もっと早く葉月ちゃんなり別の人なり言っていれば、もっと違う結果があったかもしれないですね。可哀想な子です。。

場所はADGI神奈川県支部。
パソコンとにらめっこを続けていた井上稔(ADGI・元神奈川県平沢市立菊谷中学校3年A組男子2番)はポケットから煙草を取り出し、それを咥えた。
坂出慎(故男子5番)が吸っていた物と同じ銘柄のものだ。
麻生咲(故女子1番)が『煙草は二十歳になってから!』と昔慎に説教していた記憶がある。
なので、稔は20歳で初めて煙草を吸った。
まあ、その話は今はいい。
「なぁ、おっさん…
 まだ始まって2時間なのに、もう7人も…」

おっさんこと大槻正樹(ADGI)が2人分の鍋焼きうどんをお盆に乗せて慎重に歩いてきた。
大槻は稔が今見ている画面——今やっている茨城県北浦市立桜崎中学3年1組のプログラムのタイムテーブルだ——を覗き込み、険しい表情を浮かべた。

「…早いペースだな…
 土方君は?」

「アイツは死んでねーけど…
 まだ通信の準備はできてないみたいだな」

稔と何度かメールを交換した事がある土方涼太(茨城県北浦市立桜崎中学3年1組男子13番)は、どうにかして(その辺の知識は向こうの方が上だからオレは知らん)連絡を取れるようにしてくれるらしい。

「…生徒資料にも機械いじりが得意、と書かれてるな、土方君…
 政府にも警戒されてるんじゃないか?」

「多分な…だから、首輪に盗聴器があるってことは伝えといたぜ。
 怪しい発言は控えてくれるはずだけど…」

 

「ねー、稔さぁん!
 何深刻な顔してるの?」

 

突然背後から明るい声が聞こえ、稔の分の鍋焼きうどんに手が伸びた。
そして背後でうどんをすする音。

「あ、テメェ…凪紗!!
 俺の飯食うな!!」

「いいじゃない、ケチケチしないでもっ!」

「こら、凪紗、今深刻な話してるんだから…」

「え? おっさんが深刻な話?
 似合わないなぁ!」

「大槻さん、だ!
 お前も稔も礼儀が——」

「ねー、稔さぁん!
 何してるのさぁ?」

曽根崎凪紗(そねざき・なぎさ/ADGI)は大槻の言葉を遮って稔に抱きついた。

「離れろ、邪魔だっての!!」

「連れないなぁ、稔さんv」

よくわからないが、凪紗は稔に好意を持っているようだ。
しかし稔はなんとも思ってない。
7年経った今でも咲のことが忘れられないので。

凪紗は2年前にADGIに入ってきた17歳の女で、稔や大槻と同じくプログラム経験者である。
17歳といっても、身長は150cmもなく、小学生に間違えられても不思議ではない。
ただ、ネックレスにピアス、リストバンドに指輪と、稔を凌ぐ派手っぷりだ。
昔は不良グループのリーダーで、男子3人を従えていたとか。
身長の割には武術に長けていて、稔も1度投げ飛ばされた記憶がある。

「…それってプログラムのヤツ?
 稔さん、またハッキングしたの?」

「…まぁな」

「へぇ…」

凪紗の表情が暗くなった。
というのも、の父親の曽根崎匠(そねざき・たくみ/元ADGI)がここで反政府運動をしていて、今回の稔のようにプログラムを壊すために会場へ乗り込み、そこで殺されたからだ。
そのプログラムでの生き残りが、娘の凪紗である。
匠は自分の命と引き換えに、娘を救ったのだ。
凪紗がここにいるのは、父親が死んで母親も既に死んで身寄りがおらず行く当てもないので、大槻が引き取ったことと、本人の意思による。

稔を抱きしめる凪紗の手にぎゅっと力がこもった。

「だって…お父さんみたいに稔さんが死んだら…あたし、もう立ち直れないよ…」
「凪紗…」

稔は凪紗の手を離させて、頭をポンポンと軽く叩いた。
凪紗が稔を心配そうに見つめるので、にっと笑ってやった。

「平気だって、俺はしぶといぜ?まあ…凪紗が嫌って言うなら…今回は本部じゃなくて会場に乗り込むかな」
「オ、オイ!」

大槻が持ってた湯飲みを落とした。

「稔、それもかなり危険だろうが!」
「んなコトわかってるって。でも、先にガキたちの戦いを止めないといけないだろ?あの時は、首輪の機能を停止させても戦い止めなかったヤツとかいたし…」
「まあ…そうだけど…でもお前1人じゃ…」

大槻が続きを言いかけた時、凪紗が大槻の腹に軽くパンチをした。

「1人じゃ行かせないよ!あたしが稔さんを守ってあげるんだからっ!一応武道だって嗜(たしな)んでるし、銃器を使うのも得意だし。なんせお父さんと一緒に射撃場とか行ってたからねっ!」

また凪紗が稔に抱きついてきた。
何かと凪紗は抱きついてくる。
稔も男なので何も感じないわけではないが、やはり凪紗は稔にとっては妹みたいな存在だ。

「あ、メール来た!」

稔は凪紗を無理矢理引き剥がして、パソコンに向かった。
見ると、それは涼太からのものだった。

「あ、誰から!?まさか女!?」
「ちげーよ、馬鹿!」

稔は凪紗の額を軽く叩き、またパソコンに向き直った。
メールの内容はこうだった——

『井上サンへ。

 とうとうプログラムが始まってしまいました。俺はとりあえず凛と一緒に建物の中にいます。今はちょっと細工したPHSでネットしてます。衛星を通じて電波を…まあ、詳しいこと言ってる余裕ないんでまたいつか(^^ゞまだ2時間くらいしか経ってないのに、もう死んでるやつがいます。俺たちの側にも1人死んでるやつが…

 

 ここからどうすればいいですか?
 政府のやつらに目付けられてるんで、大きいことはできないみたいです。
 土方』

ということだそうだ。
近頃のガキはすごいな。
衛星だなんだって、細工までしちゃって…
まあ、コイツが特別なんだろうけど。

「おっさん、これからどうすればいいか、ってさ」

大槻は少し考え、自分のパソコンをいじりだした。

「よし、とりあえず土方君らの首輪を外したいね。こっちで資料探すから、ちょっと待ってもらってよ」
「うぃーっす」

稔は返信を打ち始めた。

「あ、稔さん打つの早いねっ!かっこいいv」
「どーも」

タイピングの速さはそこそこ自信アリだ。
メールも打ち終わって、稔は伸びを一つした。

「じゃあ、おっさん。俺買出し行ってくるよ」
「そうか?じゃあブラックガム買ってきてくれ」

そう言って大槻は100円玉を放り投げた。
それを稔は見事にキャッチした。

「うぃーっす。凪紗、お前は何かいるか?」
「あ、あたしピザマンお願いしまーす!」
「ん、わかった。金はいらねぇ、奢ってやるよ」

稔はダッフルコートをクローゼットから取り出して、外に出た。
もうすぐクリスマス、ツリーを飾っている家も少なくない。

キーンコーンカーンコーン♪
 

学校でほぼ3年間聞き続けたチャイムの音が聞こえてきた。
F=06エリアの南村役場にいた鳥江葉月(女子9番)は、デジタルの腕時計を見て時計を合わせた。
午後6時、最初の放送だ。

「あの2人だけだといいけどな…」

ポソッと目の前に座っていた水原翔(男子17番)が呟いた。
葉月は頷いた。
しかし、その望みは少ないだろう、銃声が数回聞こえた。

『皆、ちょっと行動を止めて聞いてくれ…名簿と地図を出しなさい』

これもずっと聞き続けてきた東田晴樹(担任)の声。
ただ、スピーカーの質が悪いのか何なのか、かなり歪んだ声だ。
そして、かなり暗く沈んだ声。

「…東田訳わかんねぇよ…そんな嫌なら、こんなトコ来なけりゃよかったんだ…俺ら見捨てて家に帰りゃよかったんだ…生徒と教師なんて、赤の他人じゃねぇか…」

翔が地図と名簿の入った透明のファイルを出しながら言った。
葉月も同感だった。
わざわざこんな事に付き合わなくてもいい、東田には東田の家庭があって、家族がいるのだから、いくら生徒とはいえ赤の他人のためにこんなことにまで付き合ってもらわなくてもいいのに。

『まず、し…死んだ生徒の名前を言っていくぞ…死…んだ順番…だから…男子1番、朝倉伸行…男子21番、矢口宗樹…女子2番、赤木明子…男子12番、西野葵…男子18番、実月裕太…男子4番、遠藤圭一…女子17番、湯中天利…以上だ…これは冗談じゃなく…皆…』

葉月は愕然とした。
持っていたペンが床に落ち、その音で翔が自分を見たのも気づかなかった。
たった2時間で7人のクラスメイトが死んだ。
あまりに多すぎる。
自然とぼろぼろと涙が溢れてきた。

『あと、禁止エリア…よく聞いて、そこにいる人はちゃんと出て行くように…1時間後、午後7時にF=06…午後9時にF=09…午後11時にC=03…皆、ゴメンな…頑張ってくれ…』

チャイムの音と共にブツッとマイクの電源を切る音がした。

あぁ…明ちゃん…天利ちゃん…

葉月は丸いメガネを外し、両手で顔を覆った。
涙が止まらなかった。

「シューキ…マジかよ…クソッ!何かの冗談だ、信じられるわけねぇだろ!!」

翔は拳で床を殴った。
その音に驚いて葉月は顔を上げた。

「鳥江、行くぞ…ここも禁止エリアだとよ…」
「水原くん…」

葉月は立ち上がった翔の涙を見逃さなかった。

水原くんも泣いてた…そうだよね、矢口くんと仲良さそうだったし…
辛いのはあたしだけじゃないんだよね…

「水原くん、ちょっと待って…これ、着てて…」
「…何だそれ?」

葉月が取り出したのは、葉月に支給されていた防弾チョッキ。
翔はそれを見た後、葉月を見た。
そしてしゃがむと、葉月の胸倉を掴んだ。

「何だよ…あんだけ名前が呼ばれてたから…もう誰がいつ襲ってくるかわからないから…だから着ろってことかよ…」
「違う…あたしそんなつもりじゃ…っ」
「俺は信じない!!あんなの嘘だ、冗談だ!!シューキも誰も死んでないんだ!!」
「落ち着いてよ…落ち着いて!あたしも信じたくない…でもこれは現実なの…水原くんだって見たじゃない…朝倉くんと明ちゃんの…その…」

葉月の目から再び涙が零れ落ちた。
それを見た翔が手を離した。

「ゴメン…わかってる…わかってるんだ…でも…信じたくないんだよ…何で俺たちが…殺し合って…死ななきゃなんねぇんだよ…?あのクソ忍者、絶対許さねぇ…」
「うん…」

葉月は涙を拭って頷いた。
そして、万一の時のため、と防弾チョッキを手渡した。

D=10エリアにある島の端まで来た藁路文雄(男子22番)は、茂みの中に腰を下ろしている。
横では幼馴染の森川達志(男子20番)がぼーっと前を見ている。
恐らく考え事だろう。
島の1番東にあたるこのエリアは、文雄たちのいる茂みを抜ければ、切り立った崖になっている。
『この島の1番東で落ち合おう』

文雄が、前の席に座っていた土谷和(男子10番)に渡したメモにこう書いた。
全く、どうして東と手紙に書いてしまったのか。
建物も何もない。
こんなところでは何も出来ない。

「和…誰とペア組んだのかな?」

達志が口を開いた。

「さぁ…な。
 とにかく、正常なヤツであることを祈るよ」

和とペアになったのは誰なのか、それは結構問題になってくる。
和と仲の良かった男子と組めるとすると、文雄たちが出た時点で残っていたのは、宝田義弘(男子9番)・土方涼太(男子13番)・水原翔(男子17番)。
畠案山子(担当教官補佐)曰く、仲のいい子と組める子もいれば組めない子もいる、らしい。
ということは、和が全く喋ったことがない人とペアを組んでいる可能性もあるわけだ。

とにかく、正常な男子がペアであることを祈る。
文雄が今からやろうと考えていることは、力仕事も入ってくる。
非力な女子がペアならはっきり言ってお荷物だ。

「和ー…早く来いよー…」

文雄は小さな声で和を呼んだ。

 

 

「ねぇ、文雄…一体どうやってここから逃げ出す気?」

達志が首輪を指差した。

「これが爆発しちゃうよ、島から出たら…」

「だろ?」

文雄はニッと笑って見せた。

「普通に島から出れば、首が吹っ飛ぶ…
 なら、コンピューターをブッ壊せばいいと思わねぇか?
 ハッキングとか…でも、それは俺には無理だ、知識がないからな。
 なら、あの学校ごと吹き飛ばせばいい!
 そうすりゃ、システムもぶっ飛ぶはずだ!
 あの校舎、見たか?
 運がいいことに木造建築だったぜ!
 さらに、タツの支給武器にはガソリンがある!
 もう少しガソリンをかき集めて…
 あとはどうにかして首輪を外せばいい!」
「すごいや、文雄…」

達志の顔がぱあっと明るくなった。

もちろん、成功率は低いし、危険性も高い。
都合よくいくかもわからなければ、首輪の外し方もわからない。
それでも可能性がある限り、やらないといけないと思う。

>>1000なら
エレンと誰か訓練すると必ずエレンからユミル…強制ラッキースケベ発動

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月02日 (金) 22:44:08   ID: fAT_Qael

2chはクズと業者とサクラの集まり。

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