P「トリガー、オン」 (268)




ダダダッ



ガガガガガ…



亜美「律ちゃん! 弾幕厚すぎて突破できないよぉ」

律子「泣き言言わない! ここを抜ければラン[ピザ]ーポイントよ」



伊織『援護するわ! 駆け抜けなさい!』


律子「GOGOGO!!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421496447





ワールドトリガー×アイドルマスター
※WT設定のみ




美希「正面からなんてミキもなめられたもんなの」

千早「斬り捨てるけれど……かまわないわよね?」



春香「いきますっ!」ポン



ドンッ!!!


出鼻くじかれた感




?「君がP君だね」

P「ええと……?」

?「私が君の身柄を預かることになった○○だ」

P「……高木さんですか」

?「む?」

P「あ、すいません。自国の言葉に訳すとそうなるもので」

高木「タカギ、タカギか。うむ、気に入った。私のことは、これからそう呼んでくれたまえ」

P「ええっ、いやでも……」

高木「なに、コードネームは必要だろう」



高木「君は元々、ニホンという国にいたそうだね」

P「はい。ボーダーという組織で一応兵士をしてました」

P「裏方に移ったあと近界のスパイに拉致されまして……」

高木「ふむ……異世界間の戦争において、君のような他国の情報を持つ人材は貴重だ」

P「捕虜交換なんかで三ヶ国ほど経てここへ」

高木「多くの国を見た君から見て、我が国の感想はどうだい」

P「と、言われましても……」

高木「なに、そう難しく考えずともいい」


P「そうですね……活気がない、というのが第一印象です」

P「あとは……女性兵士が多い……いや、男が少ない……」

高木「うむ、我らが国家<バンナム>は長い間他国と交わる機会があまりなかった。それが、ここ十数年で急激に他国の侵入が増え……兵器開発の遅れた我が国は蹂躙された」


高木「時に確認だが、君の知る戦争において、最も重要な資源とは?」

P「人です。というか、人の持つ生体エネルギーですね」

高木「そうだね。生体エネルギーを利用した兵器が通常兵器を寄せ付けない以上、如何にして生体エネルギーを集めるかがキモとなる」

P「弱い国はいい狩り場……と」

高木「うむ。生体エネルギーの軍事利用に疎かった我々は、エネルギー量に関係なく成人男性の徴兵によって軍をまかなっていた」

高木「が、今や私のような老人や女子供まで駆り出す始末……はっきり言って今や我が国は、存亡の危機を迎えているのだ」


高木「君には、その知識と経験で我が国を立て直す手助けをしてほしい」

P「……資源としてリサイクルされないようがんばります」


高木「まず試験的に、君にある部隊を任せたいと思っている」

P「部隊ですか、指揮の経験はあまりないんですが」

高木「なに、大丈夫さ。これが、メンバーのリストだ」

P「はぁ」





??『あの、お茶をお持ちしました』

高木「む、この声は……。ちょうどいい、入ってきてくれたまえ」

??『は、はいっ』


??「と、わっ、きゃぁっ!」

高木「あ」

P「え」


ドンガラガッシャーン!!

ガシ

バシャ

P「あっつぅ!」


ガタン

ガシャーン!

ギャアアアア


oh…

 

P「つつ……これがバンナムの洗礼か……おそるべし」

高木「ははは、お茶も滴るいい男だね」



春香「うう……ごめんなさい……」


高木「この子が、××君だ。君の国の言葉だと…」

P「春香、ですかね」

春香「は、はぅか?」

P「……」

 


高木「彼がこれから君の直属の上官となる。仲良くやってくれたまえ」

春香「あの……よろしくお願いします!」

P「ああ……」


P(見たとこ、いかにも普通の女の子だな。こんな子に戦闘ができるんだろうか?)

春香「?」

P「あの、訓練室とかってありますよね?」

高木「ほぉ……モチロンだとも」



―――訓練室



高木『この部屋は特製のエネルギー壁で出来ている。ちょっとやそっとでは壊れないから、存分に暴れてくれたまえ』


P「だって。遠慮しなくていいから、君の本気を見せてくれ」

春香「……はいっ!」



『戦闘開始!』


春香「いきますっ」

P(起動と同時に肉体を戦闘体に転換……そのあたりはうちの武器と同じだな)


http://i.imgur.com/XmD6lOc.jpg



バッ

P(拳銃型……となると主兵装は別にあるか?)

春香「は、速い」

カチカチ

春香「はれ?」

P「………この国のトリガー、安全装置がついてるのか」


タッ


ズドン!


高木『うぅむ、容赦ないねえ』

『頭をぶち抜かれましたね~。戦闘体破壊。春香ちゃんダウンです』



春香「あいたた……うう、痛覚完全オフにしとけばよかった…」

P「その武器は初めて?」

春香「いえその、緊張しちゃって……」


P「えーと、もう一度戦闘体を作れる?」

春香「すいません、ムリです……しばらく時間を置かないと」

P「だよね」



P(今もう一度引き金を引いたら……このコは成す術もないわけだ)



P「君は……何でこの部隊に?」

春香「………ごめんなさい……」

P「いや、ただ気になったからなんだけど」

春香「私……アイドルになりたくて」

P「…………ん?」

春香「アイドル事務所にいたんですけど、そこが潰れて、スカウトされて…」

P「ち、ちょっと待って」

パラパラ

P「このリスト……よく見たら、全員実戦経験がない……しかも半分以上ついこの前まで素人だったようなメンツだ」



P「隊長、いくらエネルギー量が多くても全員実戦経験なしは極端でしょう。いったい、どんな部隊に仕上げればいいんです?」

高木「ああ、まだ言ってなかったね。我が765部隊の目的は、アイドルになることだ」

P「………へ?」



高木「国のために立ち上がった、強くてかわいい少女たち。国民たちの永遠の憧れ。765部隊」

高木「戦えるに越したことはないが、勝てない戦いなどせずとも良いのだ。戦闘は腕力自慢の961あたりに任せておけばいい」

高木「君の役目は、彼女たちをうまいこと守り、活躍させ、宣伝してやること。まぁ、いわばプロデューサーというわけだ」


P「つまり、戦意高揚のための御神輿部隊ですか……。なん……と、いうか、自分には荷が重いような」

高木「大丈夫さ。君たちを見たとき、ピーンと来た。君たちならこの国の救世主になってくれるとね」

 


P「そんないい加減な……いや? 隊長、あなたのエネルギー量は」

高木「ざっと君の三倍!」

P「では、ただの勘ではなく」

高木「ちょっとすごい勘だ」+



P(エネルギー…トリオン量が多いと、まれに特殊な感覚が芽生えることがある)


P(とはいえ、こんな命令は初めてだ。どうすればいいやら)


高木「では、あとは任せたよ」

P(ともかく……他のメンバーを見ていくとしよう)







あずさ「あの~、おてやわらかに、お願いします」

P「はぁ」

P(こりゃまた大人っぽい美人だなぁ、アイドルにするため集められただけはある)


『戦闘開始!』


あずさ「いきま~す」

P「おっと」チャキ

ガガガッ

あずさ「ひゃっ」

P「接近戦主体ですか、意外ですね」


あずさ「あの、隊長が、剣が絵になるからって…」

P「はは…」

ブン

P「っと」

P(でかいな剣。それに、速い。相当のトリオン量だろう)

あずさ「えいっ、もう、動かないでくださいっ」

P(でも動きは単調だし……武器に振り回されてる感じだ)


P「あずささん、運動、苦手ですか?」

あずさ「あの、おさんぽは得意なんですけど…」

P「射撃戦のが向いてるかもですね。じゃ、終わらせます」 

あずさ「!」ム



あずさ「プロデューサーさん」

P「お、なんです?」

あずさ「い………痛くしないでください、ね」

カク

P「痛かったら右手を云々…」

スパ



『伝達系切断! あずささんダウンです』



P「あずささんは、なぜこの部隊に?」


あずさ「私、よくま…街を散策したりするんですよ~」

P「はい」

あずさ「ある時、路地裏にまよ……路地裏を散歩してたら、社長にスカウトされまして」

P「えっ、はい」

あずさ「こういうのも、運命なのかな、と………」

P「…………そ……ですか…。あの、もう今は軍人なんですし、知らない人に声かけられても、ついてかないでくださいね」


あずさ「もぅ、大丈夫ですよ。私だって子供じゃないんです」

P(ふ、不安だ)




『戦闘開始!』


真「セイッ!」ブォン

P「う、おっ」



真「へへっ、春香と同じだと思ってると痛い目見ますよ」

P(……良かった、まともに動ける隊員もいた)



P「格闘技経験があるんだっけ?」

真「はい! 父さんの……方針で、小さい頃からやってました」



真「は!」

P「っ」

ギャリッ

真「……! プロデューサー、剣も使えるんですね」ググ

P「オールラウンダーなもんで……武器はイロイロ使えないとな」

タッ

ガガガッ

真「うわっ、ずるい!」

バチッ


バチバチバチ

P「あずささんのと同じ剣か。あずささんよか小さいとはいえ十分盾に」

バキン

真・P「「あっ?!」」


真「わわ、折れちゃっ……まずい」

P「いや、待った。中断しよう」



P「見せてもらっていいかな」

真「はい」


P「……トリオン量に応じて大きさの変わる剣か。しかし、なんだってこんな脆いんだ? バランス悪くて扱いづらいし」

真「そうなんですか? 一応これ、この国の接近戦用正式兵装なんですけど」

P「兵器開発で遅れをとってると言うだけはあるなぁ…」


P「真、こっちの武器使ってみるか」

真「え、いいんですか?」

P「それほど特別な技術は使われてないけど、バランスはいいよ」

カチャカチャ…

P「よし、いいぞ。音声起動は『トリガー、オン』ね」

真「トリガー、オン!」


真「うわあ、やっぱりカッコいいですね、この剣」

P「『弧月』は日本刀……俺の国の刀をモデルにしたトリガーなんだ。細身で盾代わりにはできないけど、丈夫で受け太刀してもそうそう壊れない」



http://i.imgur.com/JjkXW3b.jpg




真「へぇ~」

ヒュン

ヒュヒュッ


真「うん……素直ないいコだ」


P「うん、それで今度」

真「じゃ、さっそくならしに付き合ってもらえますか?」

P「マジか」




ガガガッ

真「なんの!」

ダッ

P(突撃銃型の連射力のあるトリガーなんだけど、かわすなぁ。戦闘体の特性……生身とは比べものにならない速さ、力、感覚……活かしきってら)

真「ちぇい! さー!」

P「連撃!?」ビッ

真「へへっ、たしかに使いやすいですね」


P(く……傷が増えてきた。次を考えて防御主体でやったのが裏目に出たな。このままじゃ細かい手傷と弾幕にトリオン浪費してジリ貧だ)



P「決着つけるか」ス

真「!」ピク


真(銃を下ろして……プロデューサーも、弧月…)

真「エネルギーの剣に、抜刀術とかあるんですか?」

P「いやー…………かっこつけ」

真「……!」


真(距離をとって銃に……? いや、刀を降ろしたら切られちゃうなタブン)

真「……うん。決着、つけましょう」


ジリ…



P「………」

真「………」


『………、、、クシュッ』

!!


ザン!


真「っぐ」

グラ

真「っそぉ!」

P「しまっ」ビッ



『トリオン漏出過多。真ちゃんダウン。っていうかごめんなさ~い』



真「あーもう! クヤシいなぁ~」

P「いやいや。これなら真はすぐに俺を抜くな」イテテ


真「っと、ごめんなさい! ボク、ついムキになっちゃって……真っ二つになった後切りつけるなんて反則ですよね」

P「いや、油断した俺が悪い。実戦じゃ、生身に戻ったあと切られないとも限らないからね。往生際は悪くないと」

真「でも……。痛くないですか?」ジ

P「ち、近い近い。大丈夫だって」


P「真は……何でこの部隊に?」

真「ボクはけっこう、普通ですよ。ほら、一応、そこそこ動けてましたよね」

P「ああ」

真「だからです。みんなの役に立てたらって、軍に志願したらここへ」

P「……そうか」

真「はい」

P「……みんなの役に立てるなら………」

真「……? なんですか?」

P「……や、なんでもない」



P「左手、動かないな。伝達系をやられたか……」

『直せるんですか? プロデューサーさん』

P「いや、戦闘体を作り直さないとなんで……いいです。このままやりますよ」

『次のコは、甘くないですよ』

P「ほほぅ」






あずさ「まぁまぁ、意外な展開ね~」


P「なにくそ!」ガガッ

千早「シールド」

バチバチバチ

P「隙がない…!」



ダンダン

P「シールド!」バチチッ

タッ

千早「……」タッ


P(近づかせてもらえないうえ、逃がしてもくれないか)



P「なら……これはどうだ」

ボン

千早「!」

P(炸裂弾『メテオラ』……多少目くらましに)


千早「っ!」スチャ



ドンドンドンドン!!

P「な……ロクに見もせず……!」



『トリオン漏出過多、プロデューサーさん、ダウン!』


春香「おお!」

真「勝った!」

P「つー…マジかー…」

P(得意なミドルレンジで押し負けた……すでにB級上位クラスの地力はありそうだ)

P(しかも、クレバーに戦うタイプかと思いきや最後の強引な攻め…)



P「参った。君は強いな」

千早「………」


P「と、あの、俺なんかしたかな」

千早「……できれば、次は本気でお願いします。その方が、訓練になるかと」

P「あぁ、いや、加減したつもりは…」

千早「そうですか」


P「あーと……千早はなんでここに?」

千早「……」

P「う………よかったら、教えてほしいな、なんて……」

千早「それは、命令ですか?」フイ

P「いやその…」

『千早ちゃん。服務中に私情を挟むのは良くないわ』

千早「………」


千早「この部隊にいるのは……命令だからです」

P(不満そうだ)
 
千早「軍に入った目的は…」




千早「すべての近界民の排除」


P「なる、ほ、ど」

千早「もう宜しいですか。できれば、訓練に戻りたいので」

P「ああ、スマン。戻ってくれ」


P(近界民の排除………あの目…)

P(そうか。俺もここでは、近界民……)



小鳥「すいません、決して悪いコではないんですけど」

P「ああ、大丈夫ですよ」


P「彼女、訓練生上がりでしたっけ」

小鳥「ええ。千早ちゃんは、訓練生のなかで断突トップの評価でした。16才になったら正規兵の中心になるはずだったコですよ」

P「正規兵は、年齢制限が?」

小鳥「はい、特殊部隊以外は……本来は、志願兵でも16才未満は裏方なんですよ」


P(その点では、古巣のボーダーより人権派か。ただ、エネルギー…トリオン総量は10代が最も訓練で伸びる。この国の現状を思うと、多少認識も甘かったのだろう)


小鳥「そうでなければ千早ちゃんはもっと早く、最前線にいたと思います」

P「……近界民、他国の人間に、思うところがあるみたいですね」

小鳥「……はい。……あの」


P「いえ、察しはつきます。ああいう目は、見覚えがある」

小鳥「プロデューサーさん」



P(残念ながら、よくあることだ。3年前の侵攻では日本でも多数の死者、行方不明者が出た)

P(ボーダーにも、彼女と同じ動機で入隊した者も少なくない)

P(……復讐、か)



P「………」

小鳥「? …はっ、スイマセン自己紹介がまだでした!」

小鳥「コードネーム頂きまして音無小鳥、高木隊長の補佐官ですがこの度は765部隊のオペレーターを兼任させていただきます!」

小鳥「画面の前の皆々様もよろしくお願いします! 年齢はヒミツ、彼氏募集中です、なんちゃって」


P「…あの……シリアス…」

ピヨ?

 

―――次の日


伊織「よろしくお願いします、プロデューサー♪」

P「君は……14……才…若いな」

伊織「私みたいな若輩者がこの部隊に選んで頂けるなんて光栄ですぅ」


P「ん? 父親が……大統領!?」

伊織「……」ピク

P「なるほど……アメリカ映画じゃあるまいに」

伊織「パ……お父様のことは関係ない、で、すわ」

P「ああ関係ないよ。部隊にいるのは君だ」

伊織「私が強ければ、いいんですよね」
 



小鳥『戦闘開始!』



伊織「いきまー、えっ」ガンッ

          ガ
伊織「ちょ……」 ガ
           ガ
            ガ
伊織「待っ……」  ガ
             ガ
             ガ
伊織「えぅっ」       ガ
              …

伊織「ちょっと! いいかげ、んっにぃ」


ガガガガガ…


バチチチチ…ピキッ

バン!



小鳥『供給機関破壊。伊織ちゃんダウ~ン』




伊織「っ~~~~~~~~」フルフル

P(やべ涙目だ。やりすぎたかな)



伊織「~~、あんたねぇ!」

P「お」

伊織「こんなか弱いレディを顔色一つ変えずに痛めつけるなんてどういう神経してんの!? サイッテーよ!」

P「すまんすまん。ちっちゃい女の子相手にちょっと大人気なかったな」

伊織「なっ」


P「言うだけあって、トリオン量はなかなかだし戦闘能力もその年にしちゃよくまとまってるよ」

伊織「ふん、いまさら――」

P「けどそれだけだ」



P「実戦で通用するレベルじゃない。このくらいじゃ代わりはいくらでも、というかむしろ戦場にいたら邪魔かな」

伊織「……」

P「君は多才そうだし、他にやりたいことがあるならそっちに移ったほうがいいと思う」




伊織「……………勝てば文句はないんでしょ」

P「え、いや」

伊織「好き勝手言って、あんたに何が分かるのよ」

P「俺はただ」



伊織「私は私の意思でここにいるの。私を追い出したらきっと後悔するわよ。あんたや千早より強くなるから」ズズッ


P「ん……………そうか。なら、俺も伊織に賭けるよ。他の子のオモリを出来るくらいになってくれ」

伊織「いいわ、見てなさい」








伊織「ムカつくムカつくムカつく、なんなのよアイツ! 何様のつもりよ!」



ひゃー荒れてんねー

今日も晴れそうだねぇ


ガチャッ

真美「いっちょやったりますかー!」

亜美「そう簡単には負けないよん!」

P「………」


亜美「あり?」

真美「どしたの? おなかいたい?」


P「えーと、君たち、どこから迷い込んだのかな?」

真美「うぇえ!?」

亜美「兄ちゃん、プロデゥサーってのでしょ? 亜美たちの上官じゃないの?」


P「ええええ、君たちも!?」


P「な………このプロフィール…………」

P「12才……いやでもボーダーのあの子も……いやしかし…」


真美「おーい、兄ちゃん?」

亜美「何ぶつぶつ言ってんのさ」



亜美「ショック療法でいっちゃおっか」

真美「そだね、ぴよちゃん、ヨロヨロー」


小鳥『え? いやでも』


小鳥『まぁいいか、戦闘開始っ』


亜美・真美「「X攻撃ー!」」


ダダダダダッ


P「うお、十字放火!?」タンッ

亜美「おっ、兄ちゃんやるねぇ」

真美「そうこなくちゃ!」



ガガガッ


タタタタ


P(ゲーム感覚、なのかな。割合いい動きはしてる)


真美「あり」カチ,カチ

亜美「おりゃ」ダンダン


P(連携もさすが双子、声かけもなしに…)


P「接近戦はどうだ?」ザッ

亜美「うにゃっ」サッ

真美「危ないなあもう!」ブン



P「うーん、やるなぁ」


真美「まだまだ!」

亜美「ンッフッフ~、驚くのはこっからだよ!」




亜美・真美「「ロ~リングローリングー」」ぐーるぐる





真美・亜美「「どーっちだ!?」」

P「ん!?」

亜美「真美は亜美だよ!」

真美「いや亜美のほうが真美っしょ」
 

P「わ、わからない」



亜真美「「んっふっふっふ~」」




P「いやでもどっちも敵だし」ピッ


亜美「あぁ、亜美の手ぇ」

真美「オトリ作戦だっ」



亜美「うわーん、見捨てたなーっ!」ドンドン

P「うっ」

真美「わぁ、真美ごと撃つなぁ」


P「くずれたなぁ」ヒュッ


ドン!

ドン!


小鳥『亜美ちゃん、真美ちゃん、ダウ~ン』



亜美「あちゃー」

真美「やられちった」


P(痛覚完全オフか、ホントに遊び感覚なんだろうな)


P「君たちは……どうして軍に?」


亜美「……んー」

真美「なんで、って……」



亜美「亜美たちサイノーゆかたらしいし?」

真美「なんかおもしろそかなって」


P「………ぇ………それだけ?」


亜美・真美「「そだよ?」」


P「頭痛くなってきた……小鳥さん、次の人呼んでください」

小鳥『はーい』




律子「コードネーム秋月律子、半年の簡易訓練を経て765部隊に配属されました。よろしくお願い致します」

P「おお……?」


P(良かった、とりあえずまともそう)

律子「? どうしました?」

P「ああゴメン、早速腕前を見せてくれるかな」



小鳥『戦闘開始っ』



タンッ

P「お」

P(初手で隠れるか。堅実だな)



P「普段ならこっちもじっくりいくとこだけど……いい加減紹介パートも飽きてきたし…」

タッ



ピン


ドウ!


P「うお!? 罠――」

ドンドン

P「逆かっ」

律子「やりますね」サ


P「燻りださせてもらう。メテオラ」

ボンッ

ボボッ


律子「っ、案外カゲキですね!」

ガンガン


P「おっと……銃か。大剣は使わないのかな?」


律子「あれは私には使いこなせません。というか、うちは基本的にたまたま手に入った他国のトリガーを量産してるだけなので、使う側への配慮がないんですよ」

P「そんなところだと思ったよ。あのピーキーな大剣も、元の使い手ならそれなりだったんだろう」

 


P「けど、トリオン体同士の戦闘でこの距離で銃型のメリットは薄いぞ」

ヒュン

律子「分かって、ます、よっ」

P「手元が甘い!」ガキッ

律子「銃が……でもっ」ス

P「!?」

ズガッ



P「……ダガー型のトリガーか」

律子「っ……止められたかー。シールド、どこでも出せるんですね」


P「武器性能の差で勝つようで悪いけど」

ドドドッ


バン!


小鳥『トリオン漏出過多! 律子さんダウンで~す』




律子「あいたた……さすがですね、プロデューサー殿」

P「大したものだと思うよ。ただちょっと堅いというか、もう少し感覚的な動きも入れられるといいな」

律子「なるほど……ご指導ありがとうございます!」ピ

P「いやー…子供子供子供、と続いたから不安になってたけど、君くらいしっかりしたコがいると大分助かるな」

律子「あー…」



律子「ここだけの話、隊長殿の見立ては大丈夫でしょうか?」

P「え?」

律子「プロデューサーは異世界の方なんですよね。普通なら、技術や情報を提供してもらったりがメインになりますよね」

P「うん」

律子「この部隊の人選にしたって…。私なんか華もないですし、本当に大丈夫かと」

P「え、いや…十二分キレイだと思うけど」


律子「あはは、ありがとうございます。でも私、自分の分は弁えてます」


P「…たぶん、それが律子の華なんだな。派手じゃなくてもさ、花束には必要だ」


律子「……。なかなかお上手ですね……けっこう慣れてます?」ジト

P「ええ? 女性は苦手だけど」

律子「ま、そういうことにしときますよ」



P「ちなみに律子はどうして軍に?」

律子「えーと、うちの親は田舎の窓際駐在官でして」

P「ふむ」

律子「こういうご時世ですから、軍人の家族ともなればまあ……」

P「………」

律子「石を投げられるよりは、軍人になってしまうほうが合理的です。志望は事務方だったんですけどね」アハハ


P「……そうか」

律子「……はい」



P「単刀直入に言おう。君は人を殺せるか」

律子「………わかりません。でも、自分や仲間が殺されるくらいなら……たぶん……」


P「……」

律子「少なくとも、そういうことを聞いてくださる上官の下につけてよかったと思います。これからまだ…」


律子「ちなみにあと残ってるのは…」

小鳥「やよいちゃんと、ミキちゃんですね」

律子「……大変だと思いますけど、頑張ってください。私に手伝えることがあれば、協力します」



やよい「高槻やよいですっ! よろしくおねがいしまーっす」

P「……なるほど」

やよい「? どーかしましたか?」

P「いや、なんでもない」




小鳥『戦闘開始~』


やよい「いっきまっすよ~~!!」

ドウッ

P「なっ!?」サ


やよい「もったいないけど…」ポイ


ドウッ

P「バズーカ…じゃないな。他のコと同じ拳銃型トリガーが一発で壊れるほどのトリオン量ってことか」

やよい「えへへ、私のトリオン量って、きかくがいい? らしいですっ」

P「けど当たらなければなんとやら。大ざっぱすぎて距離つめるのは難しくないぞ」タッ

やよい「わわっ、えと、剣、剣……」


バギン!

やよい「あ゛っ、ひっかっかっちゃった…」

P(なんつうデカさ……対艦刀かよ)



P「しかし、隙だらけだ…」

やよい「解放!」

ドッ

P「!? 全画面攻撃とか反――」



小鳥『あわわわ……モニターが……部屋は大丈夫?』



伊織「さすがやよいね。桁が違うわ」

律子「トリオンブレードを爆散させたのか……普通なら目くらましでも、やよいのトリオン量なら必殺技ね」



やよい「あ……れ……?」

P「ちびるかと思った…」

小鳥『ピヨッ!? で、伝達系切断…? やよいちゃん、ダウン…』


伊織「な、何で!? あんたなんか、ズルしたでしょ!」

P「いやいや。ギリギリだったけどな、やよいの後ろに隠れた」

律子「なるほど、威力の高い攻撃でも、本人なら防げると」


やよい「はわ……全然わかりませんでした…」

P「うん、まだまだ訓練が必要だな。でも、これからさ」


やよい「……あの、私が軍に入ったのは」

P「スカウトされたんだろう?」

やよい「えっ、なんで分かったんですか!?」

P「そのトリオン量なら、徴兵制がない国だって保護名目で手元に置きたがる。前線に出るかは置いても、力の使い方を学んだほうが安全だ」


P「ただ……家族はなんて言ってる? 学校とかあるだろう」

やよい「えっと、家族はその……心配してくれてます。でも、むしろうちは助かったっていうか…それに! 勉強は、軍の学校でさせてもらってます! 苦手ですけど…」

P「……そうか。じゃあ、これから一緒にがんばろうな」

やよい「はいっ、よろしくお願いしまーっす!!」

P(元気なコだな)



亜美「結局勝てたのは千早お姉ちゃんだけかぁ」

真美「あとはサボリ魔のミキミキだけだもんね」




小鳥『戦闘開始!』




小鳥『ええっ!? プ、プロデューサーさんダウン!』




真美「真美たちのせい?」

亜美「立てて即回収!」



P「な……ん、と」


P(銃撃をかいくぐられて速攻の接近戦、とはいえ、油断したつもりはない……)


P(千早のほうがまだ総合的には上だろう。けど、14才、軍歴もなし……底知れないな)


美希「あふ……ツマンナイ。ミキもういっていい?」

P「む……。美希はなんで…」

美希「なんとなく。おもしろいかなと思って」

P「……さいですか」

スタスタ


美希「あ、イッコ忘れてた」ピタ

P「?」


美希「なんでミキ、コードネームもミキなの?」

P「え、いや……たまたま日本名っぽかったからとか一人二人本名と被ってても別にとかいろいろ……」

P「まぁ、なんとなくだな」


美希「へぇ」

P「……(まずかったか)」

美希「上官さん、名前なんだっけ」

P「Pだけど……呼ぶならプロデューサーにしといてくれ」

美希「ふぅん……じゃーね、プロデューサー」ヒラヒラ

P「じゃ、じゃーね」



P「…………心折れそ」


小鳥(この部隊、大丈夫かしら)

あんまり見てないけどニコマス架空戦記みたいなジャンルもありますしね



そんなこんなで訓練が始まった!



ザッザッザッザッ

P「母ちゃんたちには内緒だぞー」


一同「「「かーちゃんたちにはないしょだぞー???」」」




真美「ぜぇ、はぁ……もぉダメぇ」

亜美「はぁ……ひぃ、兄ちゃん、おにぃ」



伊織「なんでこんなっ、戦うときは、戦闘体なのにぃ」

P「トリオン体を動かすのは体を動かすイメージ! 自分は運動苦手、なんて思ってるとハンデにしかならないぞ」

あずさ「は、いっ、が、がんばります~」タユン


P「春香に余裕があるのがちょっと意外だ」

春香「えへへ、アイドルもけっこう体力が大事なんですよっ」

千早「……」タッタッ



真「あれ、そういえば美希は?」

やよい「エスケープしましたー」



律子「どうするんですか、プロデューサー」

P「んー……考えとく」





一同「「「ら~ら~ら~」」」


伊織「な、なんで歌の練習……」

P「ああ、俺もビックリだ」

伊織「え」

P「隊長命令なもので」


P「首尾よく活躍したら歌手デビューだそうだ」

真「ホントですかっ?」

P「さぁー」
 



千早「私、帰らせて頂きます。こんなことに意味があるとは、思えませんから」


P「あ、千早……あーあ仕方ないなー……」

律子「プロデューサー? 少し甘すぎやしませんか。いくら優秀だからと言っても」

P「とはいえ、ムリにやらせたところでな」



P「あずささん、お上手ですね」

あずさ「うふふ、ありがとうございます~」

真「あのさ春香、たまに大事なトコで音外すのなんとかならないかな」

春香「う、ゴメンナサイ……」

真美「うまいからよけーつられちゃうよね」

亜美「いや亜美の隣やよいっちだから分かんない」






P「こういう戦力分散は、防衛戦での警戒か、でなければ陽動目的で行う。この図では攻める側が無闇に戦力を分けた結果、包囲され、各個撃破されてしまった」

P「集めれば強く散ずれば弱い。特にこの国の場合戦力では劣る場合がほとんどだから、奇襲が中心になる。敏速に効率よく戦闘し、即時に撤退しなければならない」


P「と、ここまでで質問あるか?」

やよい「あのー……」

P「ん、やよい、なんだ?」

やよい「えっと、すみません、その、字が読めなくて」

亜美「亜美もわかんにゃーい」

真美「真美も~」


P「まず、そこからか」ガク

 


律子「プロデューサー、これは、我が国の実際の戦闘記録ですか?」

P「お、よく分かったな。その通り。小鳥さんに許可もらって見せてもらったよ」

千早「……」

P「千早、どうかしたか?」

千早「いえ。別に、何もありません」


伊織「寝るなっ」パシッ

美希「ふにゃ……ぼうりょくはんた~い」

真「ボクら、軍人なんだけど…」


P「……」

 



P(……本当にこのコたちが戦えるのか…?)


P(そもそもそれ以前に……俺を含めてこの隊は全員見てるところがバラバラだ)


P(方向が定まらないと、敵と戦う前に空中分解するぞ…)


 




高木「やあ、訓練は順調かね? 遠征の日程だが――」

P「……隊長、遠征、やめましょう?」

高木「な、なんだって」

P「ここ数年の戦果、見ましたよ。この様で他国へ侵攻なんて、無謀にもほどがあります」

P「今のこの国に、それだけの国力はないですよ。核兵器代わりのブラックトリガーも退役軍人が持ってるたったの一本じゃ…」


高木「君の言うことは尤もだ。だが、どうしようもないのだよ」

高木「最早守りに徹したところでこの国の全土は守備できない。死にゆく国を救うための飛躍的成果を求めて特殊部隊が設立されているのだ」

高木「この部隊とて、一年以内に結果をと求められている。敵はどこに現れるか分からない。防衛任務でポイントを稼ぐのは少数精鋭の部隊には難しいだろう?」
 


P「うーん……」


P(打開策は、ある)

P(日本の対異世界戦における防衛の要、ゲート誘導装置……これが作れれば他国の侵入地点を絞れる)

P(問題は、故郷の重要技術を売ってまでする理由があるか、ってとこだけど)

P(ないな)


P「仕方ないですね。出来る限りのことをしましょう」


 




P「……というわけなんだが、遠征のメンバーはどうやって決めようか」

律子「……その権限は、プロデューサーにあるんでしょう? と言うか、隊長との話の内容なんて、私に教えてしまっていいんですか?」

P「律子なら漏らさないだろ」

律子「信頼していただけるのは、ありがたいですけど」

P「隊員の側の意見も欲しいんだよ」

律子「私より千早のほうがいいんじゃないですか」

P「千早は、多分私情を挟んじゃうからね」

律子「はぁ……」

P「で、どう思う」
 


律子「それはそうですよ。特に千早と美希は、戦力としては文句はないですけれど、それぞれ逆方向に不安ですからね」

P「美希は呼んでも来たがらないかもな」

律子「……どうですかね。来るような気はします。ただ、そのままどこかへ行ってしまうような……あのコ、地に足がついてないですから」

P「千早も、深追いしそうなんだよな」

律子「はい。どっちも、目が離せないんですよね」

P「うーん……」


律子「……誰も遠征になんていってほしくないって言ったら、笑いますか?」

P「笑わないよ。でも、それはどうやら難しそうだ」

律子「ですよね。どうしてこんな……いえ。ともかく、まず全員が戦えるように訓練するのが先じゃないですか」

P「ふむ」

律子「お手並み拝見させて頂きますよ」

 




P「……よ、美希」

美希「あれ……プロデューサーさん。訓練は?」

P「今は自主トレ」

美希「ふぅん」

P「……訓練は、つまらないか?」

美希「……お説教?」

P「いーや。ガミガミ言うのは苦手」

美希「あは、ミキも」

P「分かってるけどできないっつーに、分かってないーって何度も何度も同じことを…」

美希「だよねー……プロデューサーさんもよく怒られるの?」
 


P「前の職場でな。戦闘中あくびするなとか、緊張感が足りないとか…」

美希「ミキもおんなじこと言われたの。最近あんまり言わないけど、会ったばっかの頃、律子、うっさくって」

P「んなこと言っても出ちゃうのにな」

美希「ねー」


P「……ミキ、ヤなら、やめてもいいんだぞ」

美希「…………ミキ、やっぱり、ジャマ?」

P「いたくないのにいれば、つらい思いをする」

美希「……いたくないわけじゃ、ないよ」

P「そうなのか?」

美希「うん。この部隊のみんなはね……その辺の人たちより、キラキラしてる」

P「きらきら」

美希「ん。千早さんとか」


P「千早が? ……俺は?」

美希「プロデューサーは、まだまだかなー」

P「そか」


美希「ミキもキラキラするようになりたいんだけど、どしたらいいか、よく分かんない。でもキラキラする人といっしょにいたら、ちょっとは、なれるかもーって」

P「でもつまんないのは嫌?」

美希「うん。全然キラキラできないって思うな」

P「……そっか。でもなミキ、キラキラするためにはしてない時間も、大事なのかもしれないぞ」

美希「えー…」

P「ま……いいや。そうだな、俺ももうちょっと訓練を面白くするようがんばるから、ミキもちょっとは、つまんないのもやってみてくれないか? みんなとさ」

美希「……ちょっと?」

P「ちょっとだけよ」

美希「ん……じゃ、ちょっとだけ」



そんでそんで



真「あれっ美希がいる!」

真美「うわぁ、でたぁ!」

亜美「なんまんだぶなんまんだぶ~」

美希「ヒトをユーレーみたく言わないで欲しいな」

伊織「どういう風の吹き回し?」

美希「なんかー、プロデューサーが今日の訓練はちょっとは面白いはずって」

千早「……面白い?」

やよい「わぁ~っ、楽しみです!」



P「みんな集まったな、では」

P「……今から皆さんには、鬼ごっこをしてもらいます」


春香「お、鬼ごっこ?」

あずさ「あらあら~」





ワー

タッチ!

キャー




小鳥「なるほどこうしてみると、鬼ごっこも強い子はトリガー戦も強いですね」

P「駆け引きとか体捌きとか、まんま近接戦の要素ですからね。生身だとやっぱり多少差は出ますが」

小鳥「真ちゃん美希ちゃんは好調。千早ちゃんはいつもに比べると苦戦してるかな」

P「見たとこ、イレギュラーに弱いですね。こういう和やかな状況だと気合も入りにくいんでしょう」

小鳥「あずささんやよいちゃんも苦戦してるわねぇ」

P「意外と春香がやるなぁ……」


美希「とっ、このっ」

春香「はっ、わわっ」



あずさ「春香ちゃん、すごいわ~」

伊織「そういえば春香って、戦闘訓練でもけっこうかわすわよね」

千早「そうね、狙いは今一だからやられはしないけれど、倒すのは難しいわ」

小鳥「分かるわ……。私もむかし、ドッジボール最後まで残ったなぁ…」


P「やるな春香」

春香「えへへ、ダンスやってましたから!」

律子「何よそれ?」

P「相手の呼吸とリズムを読んで合わせる、か。なるほど」


P「ボーカルレッスンもあるんだ、今度はダンスレッスンも入れるか」


亜美「わっ、なにそれ! チョ→楽しそ~」

真美「でも、そんなんでいいの?」

P「実際効果があるならいいさ。楽しみながらやったほうが身に付く」


真「春香、かくごっ!」ザザッ

春香「わわわっ」


千早「捕まったわね」

美希「ナニソレ! 真クンかっこいーの!」

やよい「すごいです! しゅぱしゅぱーって!」

P(武術の足運びか? すごいな)



P「よしみんな、ここまで。1200より休憩」

P「今まではトリガー戦中心の訓練だったらしいけど、それだとトリオン体が壊れたらお終いであまり時間をかけられない。これからは色々取り入れてくから、意見があったら聞くからな!」


「「「はーい」」」

「「「了解!」」」


P「ま、そういう訳でならべく柔軟に対応するから、その代わり命令した時はちゃんと聞けよ」


律子「なんというか……申し訳ありません」

P「別れっ」





―――休憩中



春香「あの、プロデューサーさんって、あんまり軍人らしくないですよね」

P「……ぐいぐい来るなぁ」

春香「っ、すいません…。よくお節介って言われちゃってます……」

P「いや、いいんだけどさ。俺の前いたところがあんまり軍らしくない…ってか軍じゃないのか。特殊警備隊みたいなとこだったからなぁ」

春香「へぇ~、どんなとこだったんですか?」

P「ん―? ボーダーって組織だったんだけど、まぁ、なんだろな。面白い奴が多かったよ」


春香「ボーダー…」

P「お馬鹿でやたら強い女の子とか妙に老成してるスナイパーとか小生意気な預言者気取りとか狸みたいな技術者とか……」

P「こう言っちゃ不謹慎だけど、ボーダーにいた頃は、楽しかったな。向こうは俺なんか忘れてるかも知れないけど、今でも俺は、仲間だと思ってる」


春香「へえぇ……私も会ってみたいです。ボーダーの皆さんに」

P「おいおい…」


千早「楽しそうね」

春香「ち、千早ちゃん…」

千早「理解できないわ。この人は近界民よ。いつ私たちの敵になるか」

春香「で、でも」

千早「春香。もし戦場で近界民の側に立つのなら。あなただろうと、斬るわ」

春香「あ、ち、千早ちゃん……」


P「……」

春香「……」


P「あー、なんだ、キツいなぁ千早は」

春香「……いいところもたくさんあるんですよ」

P「ほぅ、例えば?」

春香「え、えーと……歌、とか」

P「歌? たしかにキレイな声してるけど、ボーカルレッスンもしてないし、いつ……」


春香「時々一人でこっそり歌ってるんですよ」

P「へぇ……盗み聞きか?」

春香「あ、ぇと、その……」

P「今度俺も連れてってよ」

 



――後日


コソ

春香「ほら、あそこです」

P「……あれって……墓、か」

春香「……はい」

P「そうか…」


~♪


P「上手だな」

春香「はい。私よりずっと」

P「でも、悲しい歌だ」

春香「……」

P(これだけ上手いのに、聞かせる相手は亡くなった家族だけ、か)



パチパチパチパチ

千早「誰っ!?」

P・春香「!?」



響「わわ、ごめんごめん、驚かすつもりはなかったんだけど…」



P「誰だあれ」

春香「知らないです、初めて見ました」


千早「あなたは?」

響「通りすがり! それにしても…」

千早「?」


響「キミ、歌、うまいな~! 自分、ビックリしたぞ!」

千早「……別に」フイ


P「お、照れてる?」

春香「千早ちゃんも無邪気には弱いですからね」



響「自分もけっこー自信あるんだ! 家族にもいっつも褒められるんだぞ!」

千早「そう……家族に。それは、いいわね」

響「ちょっと聞いてみてよ!」


~♪


千早「初めて聞くわ。不思議な感じの歌ね……」


P「勝手に下パートハミングしだしたぞ」

春香「千早ちゃんは、まっすぐなので」
 



響「いきなり合わせるなんてすごいな!」

千早「あの、ごめんなさい。つい」

響「ねぇねぇ、そっちの歌も教えてよ!」



P「……ああしてると、普通の女の子だな」

春香「普通の女の子じゃなきゃなんなんですかー…っ」ムズ

ハ…ハ…

オイマサカ




くしゅっ!


響「誰かいるのか!?」

千早「そこの茂みね。三秒以内に出てきて下さい」

3…2…


P(いってらっしゃい)

春香(えっ!?)

ドン


春香「わわわ」

スッテーン!


千早「春香……」

響「キミの友達?」
 



千早「同じ職場の同僚よ」

響「へ~もう働いてるんだ」

千早「春香、どういうこと」

春香「ち、違うの千早ちゃん……その」

響「ねぇねぇ、春香だっけ。春香も歌が好きなのか?」

春香「あ、うん……大好き。ちっちゃい頃、憧れてる人がいて……」

千早「ちょっと春香、話を」


響「まぁまぁ二人とも! 歌が好きならみな兄弟! なんくるないさー!」




P(このあと三人は、しばらく仲良く歌って過ごした。きっとこっちのほうが、彼女たちの本来の姿なんだろう……)

P(というか千早、押しに弱いぞ)

 
今夜はここまでです。誰も見てないかもしれないけど

一応明日昼ごろ再開予定

 

再開

期待してたらスイマセン、Pはオリジナルです。

話し作りながら大分設定がついちゃいましたが元々キャラってほどでもない顔なしです

 




数日後



真「あれ……千早、ボーカルレッスン参加するの?」

千早「……」

P「俺が呼んだの。士気高揚だって、戦争に勝つには大事な要素だからな」

千早「直々に命令とあれば、違反する訳にもいかないわ。軍紀が乱れますから」

P「そうそう、軍紀がね」

千早「……」ジト

やよい「全員集合です! うっうっ~!」

あずさ「千早ちゃん、いっしょにがんばりましょ~」

P「上手いやつは、他の子の指導を頼む、な」



更に数日後


―――765部隊・隊室



亜美「おはろーん」

真美「亜美真美さまのおなりだよー」

美希「……あふぅ。いま美希しかいないよ?」

亜美「えー兄ちゃんいないの?」

美希「寝る前はいたけどー、出かけたって隊長が」

真美「なーんだ、せっかく遊んであげようと思ったのに」

亜美「兄ちゃんが出かけてるのって、珍しいね」

真美「いつもいるのにねー」


美希「真美たちこそ、最近いっつもいるね?」


亜美「だって……家にいても仕方ないし」

真美「ガッコももう、ほとんど誰も来ないし」

美希「……ま、ね。どこいってもくらい顔ばっかりでやんなっちゃう」



小鳥「あら、みんなどうしたの? 三人とも今日はお休みでしょ?」

亜美「ぴよちゃん!」

真美「ねー兄ちゃんはー?」

小鳥「プロデューサーさんなら、真ちゃんとお出かけしたけれど…」

亜美「ずるい! まこちん抜け駆けだーっ!」

真美「続けミキミキ!」ダッ


美希「……んー…じゃあ、いってくるね~」

小鳥「気をつけてねー」




亜美「……ところで真美、兄ちゃんたちどこ行ったの?」

真美「ええっ!? 知ってて出てきたんじゃないのぉ!?」

亜美「亜美が知るワケないじゃん! 真美こそ自信ありげに飛び出てきたっしょ」

真美「亜美こそ知ってそうな顔して、真美を騙した!」

亜美「それは真美っしょ!」

真美「亜美のせいだよ!」


亜美真美「「むむむむむ~~~~~!」」



真美亜美「「……ところで、ミキミキは?」」





美希「……あれ、亜美と真美は…?」


美希「……ま、いっか。先生のトコでもいこっかな」


スタスタ


美希(……やっぱり、街、暗い)


美希(昔はもっとみんな……キラキラしてたのにな)


美希(あれ? なんだろ、あっちのほうちょっとキラキラした感じなの)


ワーワー


全力アターック!!だめかー!

うーん……やるなぁ



美希(……誰だろ、あれ。久しぶりに、きらきらーって感じ)



美希「ねぇ、何してるの?」

貴音「三分間で、わたくしの体に触れられれば勝ち……たまった参加費、お渡しします。いかがですか?」


美希「いいの? 美希、遅くないよ?」

貴音「ええ……触れてごらんなさいませ」


美希「……いくよ」タン!

サッ

美希「む」

貴音「ふふ」


タタン

ヒラ

美希「なかなかやるの…。メンドクサイけど、ホンキ、出すね」

貴音「……これは、心しないとならないようですね」


キュッ

タン

タタッ

バッ


わーきれー…

すげー、踊ってるみたいだな



美希(うそ、ミキのホンキでも……)

貴音「……汗をかかされたのはあなたが初めてです。ですが、もうあとわずか…」フフ


美希(そだ、この前真くんがやってたやつ…)


ザザッ

貴音「!」

ギュ

美希「あは、つかまえた☆」

貴音「むぅ……つかまってしまいました……」


ワー

ダンスカッコヨカッター

ブラボー





美希「おひねりもらっちゃったね」

貴音「面妖な……」

美希「ミキたちさっき、すっごくキラキラしてたの!」

貴音「きらきら、ですか」

美希「うん! プロデューサーの言うことも、ちょっとだけ分かったかも」

貴音「ぷろでゅうさあ…?」


きゅるるるるるる


 



美希「……おなかすいてるの?」

貴音「恥ずかしながら、財布を預けた連れ合いとはぐれてしまい、路銀を稼いでいたのです」

美希「じゃ、いっしょにごはんいこっ」

貴音「ですがわたくしは手持ちが……施しを受けるわけには」

美希「ショーブはミキの勝ちだから、これはミキのお金。でも、こっちは、二人で稼いだ分だよ」

貴音「なんと」

美希「ミキのよくいくお店近くだから、いこっ」




店員「「「ッセー!!!」」」


コソコソ

美希「何隠れてるの?」

貴音「なにやら威嚇されたようですが……わたくしは入っても大丈夫でしょうか?」オズオズ

美希「今のはアイサツだよ」

貴音「あいさつ、ですか……では……」


貴音「…せー?」ニコ


店主「ッセエエエエエ↑」

貴音「」ビクッ


店主(日本から拉致されて早三年……流れ着いたこの国でラーメン屋を始めて良かった)

 



美希「いつものねー」

貴音「えぇと、わたくしも同じものを」



店主「お待ちっ」

トン

貴音「これが……イツモノ。初めて見る料理です」

美希「違うよ、こっちがらーめんで、こっちがおにぎり! 最近流行の至高の料理なの!」


パク

貴音「……なんと」

ズルルルー

パクモグ

ゴクゴク



美希「気に入った?」

貴音「……!」コクコク



美希「ね、美味しかったでしょ」

貴音「はい、まこと、美味でありました。この」


美希・貴音「「おらにあぎめりん」」


美希「……」

貴音「……」


美希「……貴音とはいずれ決着をつけないといけないね」

貴音「ふふふ……今度は負けません」



店長「あぁっしたぁ!」

貴音「あ、明日ですか? 明日また来られるかは」

美希「また来てねってイミだよ」


貴音「えぇ………わたくしもそう……願っております」


亜美「あーっ! ミキミキ発見!」

真美「もー探したんだよっ」

美希「あ、迷子ちゃんたちみっけ」

亜美「それこっちのセリフ!」


真美「あれ、トモダチ?」

貴音「わたくしは…」

美希「うん、友達!」

貴音「……!」

真美「したら、真美たちの友達でもあるね」

亜美「なんか、お姫様―って感じだね! あだ名はお姫ちんで決まりっしょ!」



貴音「……」

美希「どしたの?」

貴音「いえ……人の縁というものは、良いものです」




―――少し前・隊室



P「……基礎訓練は順調。だがこのままじゃ……課題は山積みだ。それぞれの心構え……トリガーの問題……それに……」フゥ

真「あれプロデューサー、早いですね」

P「ん? 真、今日は休みだぞ?」

真「へへっ、弧月を早く使いこなしたくって! うかうかしてると、美希に抜かれちゃいますからね」

P「あのコの天賦はすごいからな……しかし、休むのも大事だぞ」

真「プロデューサーこそ、大丈夫ですか? 大分お疲れみたいですけど…」

P「んー……いろいろな」

真「……」!


真「プロデューサー、気分転換に、お出かけしませんか?」

P「外にか?」

真「はい! いつも基地のなかじゃ息が詰まっちゃいますよ」

P「……そうだな、外出許可がもらえるか、聞いてみるよ」

真「! 許可とか、必要なんですね」

P「そりゃそうだ。ふつう軍なら…というか俺は捕虜みたいなもんだぞ」

真「……プロデューサー、行きましょう。絶対隊長にうんと言わせて見せます」

 

 

―――基地の外


真「許可もらえて、良かったですね!」

P「真が口添えしてくれたおかげだな」

真「ホントですか? へへっ、やーりぃっ」


P「……真はさ」

真「ω?」

P「俺のこと、嫌じゃないのか? 近界民だぞ」

真「……関係ないですよ。そんなの」

P「そうか?」

真「……正直ね、少し前まで、うちの部隊の雰囲気、あんまり良くなかったんです」


真「みんな、全然タイプも違うし、やる気もそうで、経験も。しょっちゅうケンカしては、何でこのメンバーなんだろうって思ってました」

真「でも、プロデューサーが来てから、みんな楽しそうで……ケンカも減りました。プロデューサーの愚痴で仲良くなったりもありましたけど」

P「なんだよそれ」;

真「えへへ。でも、だから、期待しちゃってるんです。プロデューサーなら、この部隊を良くしてくれるんじゃないか、ついでに、この国も救ってくれるんじゃないか……なんて」

P「……この国を、か……」


P「……初めてじっくり見たけど、復興、全然進んでないんだな」

 


真「それは、そうですよ。現に今だって、いつゲートが開いて近界民が現れるのか……みんな、怖がってます」

P(俺の住んでた家も、さらわれる前、壊れたまんまだったっけ)

P(しかし、ひどいもんだ。みんな、目に生気がない…)

P(……ん?)


P「あれ、あずささんじゃないか?」

真「あれっ、本当だ……」

P「一人で……路地裏のほうへ……大丈夫か?」

真「あとをつけてみますか」+

P(最近そんなんばっかだ)



わー

あずさおねーさん!



あずさ「あらあら~みんな元気だった~?」



あやしいヤツっ

つかまえたでごぜーます!


あずさ「真ちゃん、プロデューサーさん…?」

真「うーん……不覚」

P「子供の感覚はたいしたもんだなぁ……」



あずさ「ごめんね、この人たちは私の仲間なの、離してくれるかしら~」



真「すいません、あずささん…」

あずさ「二人そろってどうしたんです?」

P「いや、偶然お見かけして……また迷子かと」

あずさ「む。ばかにしないでください! なんて、私も最初ここに来たのは、迷っちゃってなんですけれど」

真「このコたちは……?」

あずさ「このコたちは、近界民の攻撃で、家族を…帰る家を亡くした子供たちです」


P「ここは……公的な施設では、ないですよね」

フルフル

あずさ「国の施設は、とてもじゃないけれど、今の被災者の数を支えきれません」

P「……なんてことだ。……亜美真美が、いつも隊舎にいるのももしかして」

あずさ「……ご両親はお医者様として軍に。今は行方不明です」

P「っ、それで、よく」

あずさ「強いコたちです。自分たちには、お互いがいるから、と……」



雪歩「あ、あのっ、ご飯を持ってきました~」

ワー

雪歩「じゅ、順番ですー」


真「ボク、手伝ってきますね」



P「彼女は?」

あずさ「ここの護衛をしてくださってる自警団の団長さんの、娘さんです」

P「自警団」

あずさ「ええ……それも、かなり数を減らしてしまいました。近界民が現れるたび、働き盛りの動ける人が囮になり、さらわれ……」


P「……話には聞いていましたが、これほどとは……」


あずさ「……昔は、音楽や演劇が盛んな平和な国だったんですよ。トリガー技術もだから、そっちのほうばかり発達してしまって」


あずさ「まだ私の小さい頃は、きらめくステージで輝くアイドルたちがいたのだけれど……今のこのコたちは、それを知らない世代になりつつあります」

P(……春香も、事務所が潰れてって言ってたっけか)




あずさ「さぁ~みんなでお歌を歌いましょ~」

P「…………」





―――後日・基地



P「これから、お前たちの使えるトリガーを増やしていこう」

P「俺の国のトリガーは、汎用性に優れている。作ったこれらの中から、自分に合ったトリガー、戦闘スタイルを見つけ出せるはずだ」

P「パワーアップはできるときにしといたほうがいい」


千早「……新しい、力…」

真「うわ、なにこれ、どっからでも剣が出るの?」

真美「こっちは曲がる弾だって! すごーい」

律子「戦術の幅が広がるわね」

春香「………」


P「まずは一通り、訓練していこう」

 



隊長「……良かったのかね」

P「……この国は、拷問で吐かせようとはしませんでしたしね」

隊長「私はムダなことはせんよ」

P(……もう、ボーダーの仲間だとは、言えないな)



P「あ、それと、一対一で俺に勝てない奴は遠征には連れていかないから」


亜美「ナニソレ! 横暴だー!」

伊織「望むところよ」



P「……春香? どうした?」

春香「プロデューサーさん……」


春香「べつに、なんでもないですよっ!」グ

P「分かりやすいな。教えてよ」

春香「……ごめんなさい、私……」

春香「このままでいいのかなって……」

P「………」

春香「今は、アイドルがやれる時代じゃないですし、私だって、みんなを守りたいとは思ってるんです」

春香「でも、どうしても……戦いで他の国の人を傷付けるっていうのは……」

春香「新しい力って聞いても、それで、どっちかと言うと……怖くて」


P「それは……そうか」

春香「……」

P「……春香には春香の道がある。もしも辞めるのであれば、俺は止められない」

春香「っ……はい……」

P「でもな、まだ辞めないのであれば、力は付けとけ」

P「自分のやりたいこと分かんなくて、このまま進んでいいのかって悩むのは分かる。でも、頭ン中ぐるぐるさせとくよりは、目の前にあるもんに全力でぶつかれ」


P「やりたいことを見つけた時、力は役に立つ。動けば力がつく。じっとしててもつかん」

春香「はぁ……そういう、ものですか…」

P「そうだ」
 


P「……なんてな」

春香「えっ!?」

P「俺も受け売りだ。どうすれば正解なんて言えるほど達観してないわさ」

春香「もっ、もう……かっこつかないですね」

P「ま、実際俺は今ボーダー時代半信半疑で身に着けたことで身を守ってる。話半分で参考の一つにしてみれくれ」

春香「……そうですね。ありがとうございますっ」




―――射撃訓練



春香「えと……曲がる弾か追いかける弾、威力を調節して……はれっ?」

あずさ「春香ちゃん、あんまり考えず、なんとなくでやったほうがいいかも~」

P「銃型なら戦闘中の使い分けは限られるけど安定する。春香もトリオン量あるし、そっちのがいいかもな」


律子「うーんこっちはフルオートで高威力だけど、ブレードとの取り回しがなぁ」

千早「近接主体なら、ハンドガンのほうがいいわね」



やよい「すごいですっ全力で打っても壊れませんっ」

小鳥「あわわ……基地がもたないかも…」



―――近接訓練



P「甘い!」バキッ

真「わぁっ、刃が」

P「弧月とは特性が違うんだ、うかつに受けちゃダメだ。さてトドメ…」

真「なんのっ!?」ガッ

P「!?」


真「どうです!?」

P「いや、戦闘体に関節技極めてもな……」

真「あ、そっか。すいません、つい咄嗟に」


P「気をつけろよ、それに、女の子なんだから…」

真「?」

P「当たってる」

真「え?」

真「うわぁっ!!」ババッ



真「プ、プロデューサー………ひょっとして、意識しちゃってたりしたんですか」

P「うぐ………まぁそりゃ、するだろ。俺も男だし…セクハラかこれ」

真「……」

P「ま、真さん? 違うんだ、なにもやましいことは全然」



真「えへ」

P「ん?」


真「えへへ……」


真「へへっ、しょうがないなぁも~。今度やったら、怒りますからね!」


P(……許された?)

真「プロデューサーのえっち!」タッ

P「……………セーフ」


ポン

律子「………」ニコ

クイ


P「最近の律っちゃん………キツいや」



―――狙撃訓練



亜美「ねーねーいおりん、ぜんぜんターゲットでないよー」

真美「ヒマだよー」

伊織「……あんたたちねぇ。頼んでもないのに観測手やってんだから少しは」

亜美「あ、でたっ!」


ズガンッ


真美「おぉっ、命中ゥ!」

亜美「さっすがいおりん!」



伊織「ふぅっ……」ファサ


伊織「あーあ、汗でべとべと」

真美「千早おねーちゃんみたく戦うときは結べば?」

伊織「狙撃のときはなるべく感覚をぶらしたくないの」

亜美「デコサイト!」

ウツワヨ


伊織「それにしても、泥臭くってヤね。狙撃手は向いてないわ」

真美「と言いつつ律っちゃんに勝つまで粘るいおりんだった」

亜美「今や千早おねーちゃん律っちゃんと三大なんでも出来子ちゃんだね」


伊織「親のコネだけでここにいる、なんて言われたくないもの」

真美「ふーん」

亜美「いおりんに付き合って亜美たちもだーいぶ器用になりましたなぁ」

 


伊織「………」

真美「何ワサワサしてんの?」

伊織「はぁ!? 誰がそわそわ…」


P「おっ、伊織見たぞー、またハイスコア更新したじゃないか」

伊織「! ふん、なによ四六時中監視してるわけ?」

P「いや、伊織は最近ドンドン上達してるからな。見てて楽しい」

伊織「トーゼンよ。みんなお守が必要なのばっかりだもの」


P「頼もしいな」

ナデナデ

伊織「もぅ、気安く触らないでよね」



亜美「むむむ……」

真美「………しよっか? トックン」

亜美「ですな」



―――ある日の風景



真「や、雪歩」

雪歩「あ……真ちゃん。また来てくれたんだ。今日は訓練はいいの?」

真「うん、プロデューサー、休むのも大事な訓練って」

雪歩「そっか……いつも、お疲れ様」コト

真「んっ、ありがとう! これ、差し入れ!」

雪歩「わぁ……いいの? 今食べ物だって貴重なのに」

真「へーきへーき! あんまり、お給料の使い道もないしね」

雪歩「真ちゃん……えらいなぁ。それに比べて、私は…」

真「ゆ、雪歩?」


雪歩「ううっ……こんなダメダメな私は、穴を掘って埋まってます~!」


ボコォ


真「って、ええっ、ホントに掘ってる!?」

雪歩「ううっ私の間抜け……掘削用トリガー、起動しっぱなしだったよぅ……」

真「掘削用トリガー…! それにしてもこの威力、もしかして、雪歩もけっこうトリオン量あるんじゃないかな」

雪歩「わ、分からないけど…」ヒョコ

真「もしかしたら、ボクらの部隊に参加してもいい線いくかも」

雪歩「ええっ、ムムムム、ムリだよお~…私に戦いなんて」

真「そうかな。雪歩だって今も、戦ってるじゃない」

雪歩「……え……?」


真「こうやってずっと、お父さんの手伝いで、ちっさい子たちを助けてさ」

雪歩「そんな、私はただ……私みたいなのに出来るのって、これくらいしかないから……」

真「そうやって出来ることをしてくのは、立派な戦いだよ。今のこの国なんてさ、大人でも、もう何をやってムダだーなんて、何にもせず諦めてる人ばっかし」

雪歩「……そう、なのかな。私が、戦って…」

真「………」


雪歩「あの、私……」

真「ゴメンゴメン、そんなに困った顔しないでよ。大丈夫。危ないことはボクらに任せてさ」

雪歩「……真ちゃん」

真「雪歩には、銃とか剣よりも…」

スッ


雪歩「……? あ……お花…」

真「へへっ、やっぱりこっちのほうが似合うね」

 



―――ある日の風景・その2



響「お、来たねっ」

春香「やっほー」

響「今日は何から歌う?」

春香「どうしよっか……ね、千早ちゃんは何か希望ある?」

千早「……なぜ当然のように歌う流れに……」

春香「まぁまぁ、今更今更」

響「千早も歌、好きでしょ?」

千早「私はただ……」


千早(……あのコが……私の歌を好きだと、言ってくれたから……)


響「一人より、みんなで歌えばもっと楽しいぞ! きっと、聞こえてるよ!」

千早「……」

響「自分の父さんも、向こうで千早の家族と仲良くなってればいいな」

千早「我那覇さん……あなたも……」


響「自分、まだ小さかったから……顔も思い出せないんだ」

春香「響ちゃん……」

響「……ある日海の向こうから戦がやってきた♪」

 



響「……戦争なんてさ。嫌だよね」

春香「そう……だね……みんな、こうやって仲良くできれば、いいのにね」

千早「………敵がいなくなれば。戦争は終わるわ」



春香・千早・響「「「……・…」」」





―――ある日の風景・その3


P「……律子、伸び悩んでるみたいだな」

律子「プロデューサー……。はい……器用貧乏と言うか…訓練の成績はそこそこなんですけど、戦闘ではどんどん他の子たちに抜かれていっているようで」

P「そんな悲観することはないぞ。律子は戦術論も分かってるし。一対一で負けが増えたのは、単に急に伸び始めたみんなに一時的に対応できなくなってるだけだ」

律子「そうでしょうか……自分でも、引き出しが少ないというか…」


律子「以前プロデューサーに言われたとおり、感覚的な動きが不足していると思うんです。それが、どうしたら身に着くか分からなくて」


P「焦ることはない。それに、元は裏方志望だろ? 息抜きにトリオン船の操縦やオペレーター技術なんかも学んでみたらどうだ」

律子「え……いいんですか?」

P「いいさ。765部隊もバックアップの人材は不足してるし、やりたいことはやっちゃえ」

律子「でも隊長は」

P「訓練は俺に一任してくれてんだ。いろいろやっといたほうが後でつぶしきくし。組織なんて利用してなんぼだぞ」

律子「……ありがとうございます。では利用しちゃいますよ、プロデューサー殿」

P「おーとも」



―――???




千早(……? あの部屋は訓練に使ってないはず…プロデューサーと、高槻さんの声?)



やよい「そんな……こんなの訓練じゃないです」

P「これを弟たちに知られたくないだろう?」

やよい「やだ……はずかしいです………」


P「ほら、やってごらん」

やよい「そんな……あっ」



千早「何をしているんですか?」ユラ


P(避け否無理死)

やよい(あ…………お父さんお母さんかすみ長介浩太郎浩司……みんな、ごめんね………)




千早「……これは? テスト?」

やよい「うー…見ないでくださいー」

P「普通の勉強もできなきゃ、軍人やめたとき困るだろう」

千早「……そう、ですが…」

P「良かったら千早も教えてやってくれ。年が近いほうが教えるにもいいだろ」

千早「……私は…………いえ。今は時間が惜しいので」

P(おしい)



―――訓練室



P「っうりゃっ!!」ザン

小鳥『トリオン漏出過多、真美ちゃんダウン!』


真美「うあーやられた!」

P「っし」

真美「兄ちゃん真美たちのときだけ手加減なくない!?」

P「いやいや。律子、真、伊織にやられたからな。そうそうこれ以上やられるわけには……」


あずさ「プロデューサーさ~ん」

P「? あずささん?」


あずさ「えいっ」ギュッ

P「!? な、なにを…」

真美「うあうあ、せくはらだぁ!」

スパ

P「え」

小鳥『伝達系切断! プロデューサーさんダウン!』


あずさ「うふふ、勝ち~」

P「……いや確かに持ち味を活かすように言いましたけど。これだと暗殺教室になっちゃうんでちょっと」


あずさ「あら~やっぱり、ダメですか~」

P「……あずささんらしくないですね。焦ってます?」

あずさ「……また数人、あのコたちがいなくなりました。つい先日です」

P「なんですって。目撃者は?」

あずさ「……」フルフル

P「……遠征に参加しても、さらわれた人に出会える可能性は低い。それよりむしろ今ならまだ……調べておきます」

あずさ「お願いします、プロデューサーさん…」



小鳥「なるほど……事情は分かりました。でも、どこから当たりましょう」

律子「目撃者は、いないんですよね?」

P「トリガー技術で圧縮ができるにせよ、大量の人をさらうとなれば兵器の小型化には限度があります」

小鳥「それで目撃者がないということは……ステルスですか?」

P「おそらく。そうなるとそれなりのトリオンのかかる代物だ。単独運用するとは考えにくい」

律子「トリガー使いが来ているかもしれませんね」

P「ゲートの探知は可能ですか?」

小鳥「開いた際の、おおまかな位置だけですよ」

P「距離、時間的に現場に近い順で出してください」

律子「虱潰しですか?」

P「近辺で目撃情報を探す。トリオン兵器やさらわれる瞬間じゃなく、見慣れない人物を見なかったか。今の状況だ、人が減るのには鈍感でも、増えればどうしても気付くだろう」



P「……と、いうわけで、今敵国トリオン兵器の探索を行っている。近いうちに戦闘になるかもしれない」


伊織「……いよいよね」


P「まだ訓練途中だが、お前たちは全員強い。自信を持っていい。けど、ムリはしないこと。お前たちの無事が第一だ」


「「「はい!!!!」」」」


P「それと、トリオン兵器はもちろんだが、見慣れない人物を見たら俺に報告すること……近界民である可能性がある」


千早「……近界民……まさか」

春香「……千早ちゃん」



亜美「見慣れない……といえば」

真美「……いやでも、ええ…」

美希「………」


P「ま、緊張しっぱなしだと疲れるからシフト通り待機メンバー以外解散。別れっ」




カチャカチャ…

伊織「ここのとこ色々作ってるわねアンタ、クマすごいけど……大丈夫?」

P「ボーダー時代の俺はどっちかってーとこっちが売りだったからな。このくらい」

あずさ「あの、あまりムリをして、体をこわさないでくださいね」

やよい「なにをつくってるんですかぁ?」

P「んー…この国、音響に関するトリガー技術は発展してるからな。使わせてもらおうかと」

律子「というと?」

P「通信機を拡張したソナーと盗聴器……MGSのソリトンレーダーもどき…支援は任せろって感じだ」

伊織「時々よくわかんない言葉使うわよねあんた…」

P「まぁ見れば分かるよ……試作機を春香に試してもらってる」



P「春香の周囲の地形表示、それから足音や声から個別認識で人や兵器を識別できる。千早がいるな。やけに静かだ、もうちょい広い範囲で音拾うか」


ザザ…

響『……しかしこいつ、隠れてばっかりだなー』

貴音『そうですね…』

響『これが無事帰還できるように守るだけーなんて、簡単な任務だね』

貴音『そう…ですね……』

響『これで認められれば、国に帰るのに一歩近づくね!』

貴音『響……くれぐれも』


律子「プロデューサー…これ……」

P「ああ……。っと、千早から通信だ」


千早『プロデューサー…敵兵器および敵兵二名、発見しました。交戦します』

P『……千早、落ち着け』

千早『プロデューサー…あなたも近界民。かばっているのですか』

P『そうじゃない』

千早『逃げられる前に、戦闘に入ります』



千早『私たちを…騙していたのね……』

響『ち、千早……』

貴音『響……つけられましたね』

春香『千早ちゃん…! 響ちゃん…!』

響『……二人の仕事って……』

貴音『わたくしはこれを逃がします。響は足止めを』

響『う、うん』


響『千早、春香…………ごめん』


ドン!

ザザッ――


P「予想はしていたが……事態の進み方が早いな」

伊織「……どうするのよ」

P「まずは全員の所在確認」



―――路地裏


真『……はい、分かりました。ボクが一番近くなんですね』


真『大丈夫です。行きます…!』

雪歩「真ちゃん」

真「雪歩。ボク、行かなきゃ」

雪歩「た、戦うの……?」

真「うん。近界民が……見つかったみたいなんだ。みんなを外に出さないようにしてね」

雪歩「そんな、だってまだ、訓練の途中なんでしょ? 危ないよ…」

真「ボクが逃げたら他のみんなが危ない。……いかなきゃ」

雪歩「真ちゃん…」


雪歩(や、やっぱり私じゃムリだよ。考えただけで……足が、竦んで)

雪歩「真ちゃんは……どうしてそんなに強いの?」

真「そう、見える?」

真「良かった」

カタカタ

雪歩(! 真ちゃん、震えて……?)

真「ホントはさ」


真「痛いのはヤだし、怖い思いもしたくない、んだ」

真「似合わないかも知れないけど……可愛い服を着て。歌って踊って。甘いもの食べながらお喋りして…そういうのが好きなんだ」

真「強さとかたくましさとか、早く要らなくなって欲しい」


真「だから、がんばる」

ダッ



雪歩「真…ちゃん……」



雪歩「私、も………」ギュゥッ




P「真が千早たちに近い。援護に行かせる」

P「兵器を叩くのが最優先だ、律子と伊織は貴音を追って――」

あずさ「プロデューサーさん」

P「! あずささん」

あずさ「私に、戦わせてください」

P「……冷静に戦えますか?」

あずさ「……やってみせます」


真美『兄ちゃん!』

亜美『お姫ちんが敵だったって、ウソだよね?』

真美『お姫ちんは、友達なんだよ』

亜美『なにかの間違いだよっ』

P『……』

亜美『ミキミキは?』

P『連絡がつかない』

真美『多分……お姫ちんのとこだよ』


P『亜美、真美。貴音を追え。お前らの任務は、仲間を守ることだ』

P『あずささんと合流して、美希のところへ行け。いいな』



P「隊長のトリオン飛行艇を借りる。律子、援護頼むぞ」

律子「了解です」

P「やよいも援護だ。俺と来てくれ」

やよい「……はいっ」


伊織「ちょっと、私は?」

P「……いおりん耳貸して」

伊織「な、なによ……」オズオズ

P「……」

フッ

伊織「ぴゃう!」


伊織「殺すわよ!?」

P「すまんつい。今度こそホント」ブキ,シマッテ



P「あのな……」ゴニョゴニョ


伊織「あんたそれ………本気?」

P「ああ、頼む。フォローはするから」

伊織「……それだけ?」

P「え?」

伊織「ま、いいわ……あんたのことだもの、なにか考えがあるんでしょ。貸し一つね」


P「スマンな……さあ、行くか」




響「行かせるわけにはいかない……!」

千早「よくもそんなことが、言えたものね」

トリガー,オン

千早「春香。やるわよ」

春香「ち、千早ちゃん……そんな、響ちゃん……」

千早「一人で相手しようなんて、なめられたものね」

響「一人じゃ……ないよ」

春香「! 千早ちゃん危ない!」バッ


ばう!

千早「っ、これは……トリオン兵? いえ……」

春香「武装した、動物?」


響「たった二人で……自分たちの相手をしようなんてね」


シャ-

ブゴ

千早「くっ」

春香「わわ……囲まれた…」



千早「速さは……それほどでもないわね」

春香「戦闘体じゃない……自分でトリガーを起動してるわけじゃなさそうだね」

千早「武装は……犬が背中に砲、ワニがホバー移動風の鎧……両方爪と牙がトリオン製」

春香「えと、こっちはヘビがトゲトゲの鎧で、ブタさんがキバと装甲、かな」

千早「追わなきゃいけないのは、あの空へ逃げたトリオン兵のほうよ」

春香「う、うん。でも…」

グルル…


響「大人しくしてたほうがいいよ。ヘビ香やワニ子は待ち伏せ型のハンター。瞬発力が違うぞ」

千早「……このままでは……」

春香「でも、どっちにしても空を飛ばれたんじゃ私たちには…。……」


春香「響ちゃん、これから、アレと逃げる気なの?」

響「え? た、多分……。帰還するエネルギーはあるし、見つかっちゃったし……て! 誘導尋問か!」

春香(素直)

千早「させない…!」タン

響「!」

春香「千早ちゃん!」シールド!

ギャリッ!

響「ぐぐ…」

千早「春香、下がって。一人なら……こう近付けば、四方からの攻撃はムリね」

響「ちいっ」



ブギー!

春香「下がってっ、とっ」サッ

ドッ

春香「言われてもっ」サッ

バク

春香「きゃあ!」

グルルル…ビッ


千早「春香!」

響「あ……と、トリオン体の腕がとれちゃったね! ワニはおっきい獲物を取る時は回転して肉をひきちぎるんだ……どう、諦めて降参しなよ」
 


千早「降参……? 笑わせないで」

ゾク

千早「近界民は排除する」

ヒュッ

響「!」ギッ

ギャギャッ

響(っ……なんて猛攻、このままじゃ受けきれない…!)

千早「すぐに片付けて春香の援護に行くわ」

響「それはちょっと、気が早いぞ!」

千早「!」



キンッ

千早「二刀流……」

響「そう簡単に倒せると思わないでよね」


春香「っ、とっ」

バウ!

千早(このままじゃ春香が……)



真「春香! 千早!」


千早「真!」

響「!?」

春香「…! 弧月!」

スパッ

グルゥ…


響「ワニ子!!」

千早「春香あなた……攻撃は苦手だったのに、いつのまに…」



真「ナーイス春香! っ後ろ!」
 


春香「っ!」

シャ-

スパッ

春香「あ……」

真・千早「「春香!!」」

ドン


真「まずい、敵の真ん中で戦闘体が破壊されて生身なんて…!」


響「ワニ子は下がって! ヘビ香、いぬ美、ブタ太、新しい相手を!」


パァァ…

真「空のトリオン兵器から光…!?」


春香「っ、体が……」

ふわ…

千早「春香!」

響「え…?」


真「浮いて……まずい、さらわれる! 春香手を!」ダッ

春香「真!」

真「え? …!」サッ

がるるる…



千早「ぁ……春香……」


千早「許さない…!」

響「……っ」

ビッ

ギン

ガガッ


真「春香……」

シャー

ガルル…

真「いや……君たち相手に余計なこと考えてたらボクもあそこ行きか」



―――


貴音「……!」

ハッ…  ハァ…

貴音「なんの御用ですか……」


貴音「美希」

美希「貴音……」


美希「貴音……ウソだよね」


美希「貴音が近界民だなんて、ウソだよね」


美希「人をさらってるなんて、ウソだよね」




貴音「……」


貴音「あなたの言う“きらきら”……少々、わたくしなりに考えてみましたが……」


貴音「おそらく…あなたにそれが足りないというのであれば」


貴音「真摯に向き合うことが不足しているのでしょう」


貴音「わたくしの何を見、何を知り、友達などとのたまったのですか」

美希「だって、だってだって! 二人で遊んで、ご飯食べて、楽しかったよ!? それじゃ、ダメなの……!?」


貴音「それだけで友と思っていいかどうか。その答えは、今、あなたが持っているハズです」


貴音「ああ……そうですね。わたくしにきらきらは見えませんが……」

貴音「あの方は、そう、きらきらしているのではないですか」スゥ


美希「あ…ず、さ…?」


あずさ「追いついたみたいね~」


美希(黒……ううん、怒ってて、でも抑えて……深い青紫)

貴音「強い覚悟を感じます。…良い目です」


あずさ「あのコたちを、返してもらうわ~」

貴音「もう……いえ、とうの昔に。遅すぎたのです」

あずさ「ごめんなさい、答えは聞いていないのよ」

トリガー,オン

貴音「わたくしを倒しても同じ事……しかし、そうですね。せめてお相手いたしましょう……」

キン


美希「そんな、待ってよ、二人とも……」



ドウッ!!



亜美「うあうあ、もう始まっちゃってるぅ」


カッ

ドドドド…




あずさ「アステロイド……」

ビュアッ

貴音「わたくし同様トリオンをビーム状に射出するシンプルなトリガー…しかし、それゆえはっきりと分かります。素晴らしいトリオン量です」

参考
http://i.imgur.com/SG0jvZ8.jpg


ドウッ

ビュアア

ドドド…


真美「うわっ、ち、二人ともタイ産巨峰だよ~」

亜美「亜美たち、加わるスキマがないね」



貴音「しかし、無駄なことです。トリオン量が多かろうと、その程度では」

真美「あずさおねーちゃん!」

亜美「危ない!!」

 



あずさ「っ」タン

ビュオオッ

亜美「空から!?」

真美「アステロイドみたいなビーム…」


貴音「トリオン兵器マンダーレイ……あれは降らすのです。光の雨を」


ドドドドドド



――上空・トリオン船内


律子「トリオン兵器、見えました!」

P「……あの空飛ぶ巨大クロワッサンか?」

小鳥「こっちの船の倍くらいありますね」


ドン!

P「うわっ!?」

小鳥「撃ってきました! かすっただけです」

P「こっちの武装は!?」

小鳥「トリオン不足で撃てません! シールドもロクにはれません!」

P「よしかわせ律子!」

律子「わ、私無免許ですよっ! 小鳥さん、代わってください」


小鳥「無理です! 本物の飛行艇なんてもう十年も操縦してないペーパーパイロットです!」

律子「そんなぁ」

小鳥「大丈夫、律子さんセンスありますよ!」

律子「んな無責任な!」

小鳥「あっ間違えました十年前じゃ6才でした」

律子「冗談言ってる場足ですか!」

P「まずいぞ律っちゃん、上昇!」

律子「了解です! 誰が律ちゃんですか!」

P「右上45°へ!」

律子「了解!」
 


P「左cos60°!! 南南東!!!」


律子「り、りょうか…!?」

P「上上下下左右左右BAっ!!!」


律子「アホかーっ!」





小鳥「な、なんとか……逃げ切りましたね~」

律子「はぁ……はぁ……生きてるのは奇跡だわ」

P「船で近づくのはムリだな」



亜美『うぁ~ん、兄ちゃんたちの役立たず~!』

腹減った。中断します

用事入っちゃったので続きはまた明日夜投下します




がう!

ドン

真「ちぃっ」タン

゙ブゴ!!

キンッ!


真(近距離のブタに遠距離の犬……感知と攻撃力に優れたヘビ……)

シャー

真(隙がない…! このままじゃ……!)


真(やられないだけじゃダメだ、ボクらは守らなきゃいけないんだから)


 



真「一か八か!」ヒュッ

ドッ


ギキン!

ブギー!


真「っくう……ダメ、か…」シュゥゥゥ



響「均衡が崩れた……いぬ美たちの勝ちだ」

千早「真!」



真(くっ……一気に来た、まずい…!)


ヒュン


響「!?」

千早「真が……消えた?」





―――???



真「……つつ、何だ?」


真「真っ暗だ……これは…」

ボォ

真「わあっ!」

雪歩「ま、真ちゃん…」

真「ゆ……雪歩?」

雪歩「良かった、間に合って……」


真「これは一体……」

雪歩「わ、私……ごめんなさい、こっそり真ちゃんの後を付けて……た、助けになれればと思って。それで、掘削用のトリガーで」

真「じゃあ、ここは地面の下かぁ」

雪歩「うん……あの、トンネルを掘っておいたから、ここなら」

真「! のんびり話してるヒマはないみたいだ」

ブゴ

バウ!

雪歩「ひぃっ!?」

真「さすが動物……鼻が利くみたいだね」



雪歩「ひぅっ……! こ、こわ……い……」ガタガタ

真「十分助かったよ。大丈夫、あとはボク一人で」



雪歩「真ちゃん……私……あ、あ…穴を掘って……」




雪歩「うめます~!!!」



へび香「!?」

ザバァ!


真「………」ポカン

ハッ

真「いいぞ…! 戦闘体でもない動物じゃ穴を掘るより雪歩が生き埋めにするほうが速い!」

ばう!

真「おっと、させないよ」


スパン!

真「狭いここじゃ連携も出来ないね。その物騒な砲は壊させてもらった」ニ

 



雪歩「真ちゃん!」

真「雪歩」


雪歩「私……私ね」

真「うん」



雪歩「………必殺技が生き埋めってアレだよね」

真「…………そうだね…」





―――地上・少し前



響「地中にっ、逃げたみたいだね」キン

タッ

千早「……もう、べつに、なんでも、いいわ」

響「心配じゃないの? いぬ美やブタ太は穴掘りも得意だぞ」

千早「私はあなたを倒す。今はそれだけ」

タン

響(! 距離をとった……)

ドンドン

響「銃型か! でも戦闘体なら…!」

ヒュッ
 


響「ほらほら、そんな弾幕じゃまた接近戦だぞ!」

千早「……」サ

響(銃を背に……新しい武器かもう一本剣か)

ドンドンドン

響「なっ……!」

響(自分の体ごと打ち抜いて…!?)

千早「失敗のリスクを考えれば……うまみは薄いけれど」

スパ

千早「撹乱にはなったわね」

響「っっっ……利き腕を……」



響「その戦闘体……痛みがないようには、見えないけど……」

千早「それが、何か?」

響「……ふらー……」

千早「一刀でどこまでもつかしら」ヒュ

ギィ

響「くっ」

千早「終わりよ」


響「……断したね」ビッ

千早(足に爪状の刃…!?)

ピタ

ピク

ズシャ


響「……ぁ………」


千早「……敵兵士戦闘体、破壊」





千早「……」


千早「……なぜ……」


千早「なぜ手を止めたの」

響「……止めてない」


響「止めたハズない」

響「止めていいワケない」

ヒック

響「止めたら、自分は、裏切り者…」

響「止めたら、もう二度と故郷に帰れない」

響「止めたら、自分も、家族も……お、オシマイ…」


千早「……」

千早「自業自得ね。あなたがしていたこととどう違うというの」

響「っ、自分、知らな……ん……そう、だよな……」


響「……おんなじだ…」



?「ふんっ! よおやくケリを付けたか!」

千早「?」



千早「あなたは確か……961部隊の黒井隊長……」

黒井「ウィ。私を知っていたのは感心だが、この程度の敵にてこずるようではな」

千早「……」


黒井「まあいい。さっさと殺してしまえ」

千早「!」

響「っ」ビク


千早「……しかし、規定では捕虜は」

黒井「捕虜ではない。武装解除したが国民に危害を加える恐れのある敵兵だ」


黒井「未だ敵兵器も健在。迅速な任務遂行のため処分は致し方あるまい」

千早「……しかし」

黒井「命令だ、やれ!」

千早「…現在作戦行動中です。命令権は現場指揮官が上になります」

黒井「ならばさっさと確認を取れ! 賢明な者ならば私の命令に従うよう答えるだろうよ」




千早『……プロデューサー』

P『どうした』

千早『敵兵士一名……戦闘体を破壊しました』

P『よくやった。それで?』

千早『961部隊の隊長から、敵兵を処刑する旨の命令を受けました。しかし現在指揮権はプロデューサーにあります』

P『……』

千早『プロデューサー、指示を』


P『……任せる』

千早『……は?』


P『千早、君の好きにしていい』

千早『し、しかし私の権限では』

P『どうするにしても俺の命令ということでいい』


P『千早、どうしたい?』


千早『私、は……』


黒井「なぁにをいつまでもやっているのだ!」


黒井「こいつは敵だぞ。ためらうことさえ恥だ。散っていた英霊たちに申し訳ないと思わんのかっ!」


千早(そうだ……彼女は近界民。しかもこの国の人たちをさらおうとしていた)

千早(敵だ。仇だ。何を迷うことがある)

千早(私はこの時のために……)


千早「私は……彼女は…………」

ギュゥ

千早(報いを……!)

響「……!」


ズダッ




響「……?」

千早「なぜ……なんで……!」

響「千早……」



千早『プロデューサー……私は、彼女を……』


千早『殺したくない、です』


千早『……あの子の前で手をあわせてくれた』

千早『あれは、嘘じゃなかった』



P『そうか』


P『安心したよ』


千早「黒井隊長。彼女は、捕虜にします」

黒井「もういい…! 私が始末してくれるわ!」

千早「なっ」

黒井「それと貴様! 所属と階級を言え! 処分は覚悟してもらふごっ!?」バシッ

千早「!? 狙撃!?」バッ



伊織『隠れることはないわよ。にひひっ、伊織ちゃんでーす』

千早『な、水瀬さん…? なんてことを、相手は上官よ』

伊織『最低威力だから軽く気絶してるだけよ。それに、責任はあいつが取るらしいしね』

伊織『うちの部隊のデビュー戦の邪魔になる相手は敵味方問わず撃て、なんて、まったく無茶な命令してくれるわ』


千早『ずっと見ていたなら何で春香を!』

伊織『春香は小鳥たちがフォローしてるわ。あんたあいつがわざと捕まったのに気付かなかったの?』

千早『え……』

伊織『それにしても良かったわ。敵とはいえ命令でもないのに殺したがるようじゃ、おっかなくて背中を任せられないもの』



千早『……そう……』


千早(今は考えるのはよそう。まだ、終わっていない)


真「千早! 勝ったんだね?」

響「あ……いぬ美……」

千早「真、無事だったのね。そっちは…」

真「彼女、民間人なんだけど、協力してもらって。あの動物たちは生き埋めだよ」

響「生きてるのか!?」

真「大丈夫だと思うケド」

響「そっか……」


千早「あとは、空のあ、れ……」

真「え……!?」



―――少し前



ビュオオオ

ドドドドド


あずさ(……負ける…ワケには……)

貴音「素晴らしい覚悟とトリオン量です……わたくし一人であれば、敗北していたでしょう」

ドン

あずさ「……っ」シュゥゥ…


亜美「ああっ戦闘体が!」

真美「あずさおねーちゃん!」


ビュオッ

美希「危ない!」


バキン!

美希「……!」

亜美「ミキミキ、ナイッシー!」

真美「大丈夫? あずさおねえちゃん」


美希「………」


美希「貴音…」

貴音「はて……次はあなたがお相手ですか」

美希「……うん、貴音。また勝負しよう」


貴音「勝負」

美希「ミキが勝ったら、貴音はミキたちの仲間になる」

貴音「……生憎ですが…」

美希「答えは聞いてないよ!」タッ


亜美「真美、ミキミキが攻撃をかいくぐって戦いに! ミキミキなら援護できるよ」

真美「でもあずさお姉ちゃんも守らないと!」


亜美「真美」

真美「亜美」

コツン

真美「あずさおねーちゃんは任せろ!」

亜美「ミキミキは任された!」


亜美・真美「「………」」

タッ



ビュオオオオ…

貴音(……光の雨をかいくぐり、こちらへ向かってくる)

貴音(まるで舞っているかのよう)

貴音「………うつくしい……」


美希「貴音!」

ガキン!

貴音「ふふ……わたくし、剣もたしなむのです」

ギャッ

貴音「トリオンも不足してきた頃合い……接近戦はこちらも望むところ」


ギギッ

美希「っ」タン

貴音「サーベルのパワーはこちらのほうが上のようですね」


貴音「それと、距離を取ると…」

ビュアッ

美希「もう!」


亜美「ミキミキ!」

美希「亜美」

亜美「亜美も戦うよ!」

美希「ふじゃ、援護よろしくなの」


亜美「らじゃっ! モード千早お姉ちゃん!!」


貴音「たった二人ではっ」

ドン

タッ

タタッ

美希「えいっ」

貴音「素直に打ち合うとは限りませんよ」タン

美希「っ」

ビュワ

ガキン

亜美「頭上は気にしなくていいわ。思い切りやりなさい」

美希「あはっ、似てる似てる♪」


貴音「すばらしいコンビネーション。一と一の組み合わせが二に収まらない好例ですね」


ドドド

ガキン

ビュアア


ギリッ

貴音「美希……ほんのわずかな時間で……別人のような顔つきになりました」

美希「そ…かな?」ググ

貴音「何があなたを……ここまで…」

美希「そんなの決まってるの…!」

ピキッ

貴音「!」


ビキキ

貴音(寸分違わず同じ箇所を……狙われていた!?)

美希「敵のはずのあずさを助けちゃうようなお人よしの貴音を……守るため!!!」

バキン!

貴音「な……んと…」


亜美「やったぁ!」


真美「さっすがミキミキィ!」

あずさ「美希ちゃん…」


美希「今度も、ミキの勝ち! さっ、投降して」


貴音「……美希……」

ニコ



貴音「申し訳……ありません」

キィィィ

亜美「危ない!」

バキン


美希「貴音……なんで…」

貴音「わたくしが戦うのをやめてしまえば……彼女はひとりになってしまいます。」


貴音「ともに故郷から引き剥がされ、流れ着いたこの国で、わたくしと彼女は友になったのです」


美希「じゃ、じゃあその友達もいっしょに」



亜美「……上?」


貴音「あれは、わたくしたちを補助するためにいるのではありません」


貴音「自律行動するあれの任務は他国民を捕獲することと、わたくしたちを記録し試すこと」


貴音「あれこそが上司であり、監視役なのです」



P『ならぶっ壊そう』



やよい「ブースト、オーン!!!」


ゴオオオッ


貴音「あれは……」

美希「プロデューサー?」

あずさ「…そらを……」



律子『春香の反応でました!』

小鳥『さらわれた人たちは中央後部区画、そこだけ切り離してください』




P「旋空弧月」


ヒュッ

スパン


真美「弧月がのびた!?」スコープ

貴音「なんと、あれほど巨大なマンダーレイを切り取るなど!」



千早「あれは」

真「月が欠けた…!」

ぶ、ブースト?スラスターじゃなくて?
ブーストはUMAの黒トリ能力やで



P「律子、確保を」



律子『空中で漁なんて、ムチャさせますねもう!』



美希「やった!!!」

貴音「ダメです! そう簡単には墜ちません。いざとなれば一区画だけ切り離してでも帰還し情報を伝えるのです」



P「だとさ。やよい、思いっきり頼む」

やよい「はいっ!!!」

やよい「いきまーすっ!!」

 



ドドドドドドドド




亜美「わーキレー」



貴音「な………なんという……トリオン量」



雪歩「すごい………きれい」

響「………そうだね…ホントに」




――

――――

>>243


スラスターですね
脳内変換ヨロ



―――765部隊・隊室



隊長「黒井のほうは、敵の攻撃ってことで済んだよ。君もなかなか、大胆だねぇ」

P「助かります、隊長」



伊織「それにしてもあんた、よくあんなことできたわねぇ」

春香「じ、実は半分たまたまというか……せっかくプロデューサーさんに言われて頑張って、役に立った! と思ったところでやられちゃったから、何か取り返せないかなーって」

真「あはは、転んでもタダじゃ起きないね」

千早(……半分は、実力だわ。春香は戦場で冷静に情報を聞き出して、相手の兵器が帰還前に私たちの回収を狙っていることに気付いた)



雪歩「で、でも……怖く、なかったの……?」

春香「ちょっとは、怖かったけど。落ち着いてたかな」


春香「だって、みんなが仲間で、敵が響ちゃんたちだよ? きっと、なんとかなるって」

ウウ…フクザツダゾ


あずさ「私……結局なんにもできなかったわ~」

亜美「そんなことないっしょ! あずさお姉ちゃんがお姫ちんのトリオン減らしてなかったら」

真美「そうだよ! ミキミキ勝てなかったよ!」



律子「やよい、よく頑張ってくれたわね」

やよい「すっごく怖かったです! でも、プロデューサーが行き帰りついててくれたから…」


千早・真・美希「「「あの、社長、プロデューサー…」」」

雪歩「……」

響「……」

貴音「……」



P「ピーンと来ました」+

高木「ピーンと来たね」+



P「君たちさえ良ければ、どうかな。この765部隊に、参加しないか」

高木「何、上層部は私がどうにかするよ」ハハハ


雪歩「あの、自信はないですけど……良かったら、是非」

響「自分………前の国は、嫌いだったし。いつか故郷に帰れればって思うけど、方法もない。みんながいいなら…」

貴音「わたくしも、あなた方とともに、歩んでみたくなりました」


隊長「決まりだね。では、私はちょっと報告をまとめてくるよ」

キィ

バタン



P「さてお前たち!」


一同「「「「ハイ!」」」」


P「ずっと迷ってたんだ……この隊についてね。けど、今回のお前らの行動を見て、自分の中の方針が決まったよ」


P「まあお前ら…ムチャクチャだよな」

P(……律子から物言いたげな視線を感じるが……)



P「お前らと来たら」

P「ロクに指示にも従わず」

P「歌って踊って、他国民と仲良くなって」

P「敵を傷付けないように戦って土地や自分の戦闘体を破壊」



P「そんな軍人がいていいと思うか?」


一同「「「………」」」





P「それでいいよ」



P「お前らの今日の戦果は、国民の拉致を阻止し、一人の死者も出さず敵秘密兵器を破壊し、更に新しくトリガー使い三名を味方につけた」

P「勲章モノだな」


P「歌って踊って、場合によっては戦って」

P「敵と仲良くなりながら、自分の国を守る」


P「どうせ神輿だ。それくらい贅沢でド派手な部隊のほうがよかろうさ」


P「実はな、この頃他国との接触が増えたのはこの国だけじゃない」

P「俺の国もそうだったし、渡り歩いてきた国にもあった」


P「もしも、隣り合って遠くにあった世界が近づいているなら……」

P「ぶつからないよう、橋渡しがいる」

P「隊長や国にはそれぞれ思惑があるだろう。でも俺はお前たちに、そうなって欲しいと思ってる」

P「同調することはないさ。うまく使え」



春香「私……それ……なりたいです! 国と国の架け橋…!」

あずさ「…ステキな目標ですね~」

千早「……そういう復讐の仕方も、あったんですね」

真美「いいねいいね!」

亜美「亜美たちも渡し橋になる!」

律子(…マナー違反?)



真「いいですね! 敵をやっつけるより、女の子らしいや」

雪歩「で、できるか不安ですけど……」

やよい「がんばろーって! なりますね!!!」

伊織「ふん。まぁそれくらい伊織ちゃんなら楽勝ね」

響「自分の国も、バンナムと仲良くしたいぞ!」

貴音「ともすれば……他の国の希望ともなるやもしれませんね」


美希「あは……みんな、きらきらしてる」


ワー


ワイワイ…






小鳥「お疲れさまです、一段落ですか?」

P「……前途は多難ですよ」

小鳥「そうですね。765部隊が今のままでいられるのは、それこそ今だけかもしれない」

小鳥「でもあたし……今ここに一緒にいられて、良かったって思ってます」

小鳥「それに」

小鳥「みんなで国と国を繋いで、この国を平和に。たいそれた目標ですけど」

小鳥「なんだかみんななら、もしかして本当に、できちゃうかもしれない。そんな気がします」


P「さぁ、どうでしょう」

P(でも俺も、彼女たちの可能性を信じたい)

P(彼女たちを、見ていたい)



P「……あいつの言うとおりだったな」



『大丈夫だよPさん。そのうち、Pさんも本気でいられる場所が見つかるから』



http://i.imgur.com/t60JudN.jpg


to be continued...

 
はいオシマイ


次回はワートリ人物ほぼ全登場の完全クロスをやるつもり
だったけどわかんね



ワートリアイマスどっちか知らなかった人が興味持ってくれると嬉しいな


では


春香「ボーダーですよっ! ボーダー!」の予定

>>86
の後抜けてた部分があったので一応補足



律子「単純に現時点での実力で言えば、美希、千早……私と真、あたりですか」

P「不安そうだな」

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