雪乃「いいでしょう、ならば料理をしましょう」 (83)

“やはり俺の青春ラブコメは間違っている”のSSです

雪乃「いいでしょう。ならば戦争をしましょう」の続き

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-千葉県内スーパー-



結衣「ねぇねぇゆきのん!お菓子買おうよ!」テテテッ

雪乃「由比ヶ浜さん。私たちはカレーの材料を買いに来たのであってお貸しを買いに来たわけでは……」

結衣「あっ。ゆきのん!これ新作ゴーヤプリンだって!買ってみようよ!」

雪乃「由比ヶ浜さん……」フゥ

八幡「諦めろ、雪ノ下。どうせああなった由比ヶ浜を止められるやつはいない」

雪乃「馬鹿なことを言わないでくれるかしら、アマ谷くん。今回の目的はあくまでカレー作りであってお茶ではないの」

八幡「別に菓子くらいいいだろ。そんな馬鹿みたいに買うわけでもあるまいし」







雪乃「今回は由比ヶ浜さんに覚えてもらうために自宅に招くのよ。そのあたりのことは理解しているのかしら」

八幡「別に俺は荷物持ちに来ただけだから、カレーさえ食えればどうでもいいんだが……」

雪乃「手伝え、とは言っていないでしょう。ただ由比ヶ浜さんを甘やかさないで、と言っているの」

八幡「はいはい。おーい、由比ヶ浜。怖い教育ママが怒りそうだから菓子は今度にしとけ」

結衣「ぇー」

雪乃「由比ヶ浜さん?」ニコリ

結衣「はーい……」ショボーン







八幡「……怖ぇよ、あと怖い」

雪乃「……比企谷君?」ニコリ

八幡「」ビクッ

雪乃「では最初にあさりとしじみの選び方ね」

結衣「あさりかぁ……。食べてるとたまにジャリってするからあんまり好きじゃないんだよね」

八幡「ハズレ引くといやだな。まぁ小町が食べなくて済むから俺はいいけど」

雪乃「生き物だからある程度砂が残ってしまうのは仕方ないわ。ただ下拵えをすれば幾分かマシにになるものよ」







結衣「へーそうなんだー。あとヒッキーキモい」

雪乃「えぇ。ただ今由比ヶ浜さんに言っても忘れてしまうでしょうから家に帰ってから教えましょう」

結衣「うん!がんばる!」

雪乃「と言うわけでまずあさりの選び方なのだけれど、大きさは時期によるから選ぶなら貝の模様がはっきりして横幅があるものがいいわ」

結衣「へー」







雪乃「他には水槽にあるなら水をよく噴き出すもの。

生きていて触ることができるのなら殻を堅く閉じているものがいいわね。誰かさんみたいに」チラッ

八幡「……ほっとけ」フンッ

結衣「とりあえず元気なのを選べばいいんだねっ!」

雪乃「……そうね」

雪乃「次にしじみの選び方は基本的にはあさりと同じなのだけれど、加えるなら茶色いものは選ばないことかしら」

結衣「へーなんで?」





雪乃「簡単に言うと鮮度が落ちているからね」

結衣「なるほどなるほど……」

雪乃「今の話を聞いてあさりとしじみを選んでくれるかしら、由比ヶ浜さん」

結衣「はーいっ。……えーと、これが黒くて……縞々がきれいなあさりを……」

八幡「」キョロキョロ






雪乃「何を探しているのかしら、比企谷君?」ジー

八幡「な、なんでもねぇよ……」

雪乃「そう……」ジー

結衣「……ゆきのん!選んだよ!」

雪乃「……えぇ。言われたとおりに選んでいるわね。はい」スッ

八幡「はいはい」ヒョイ





雪乃「何を探しているのかしら、比企谷君?」ジー

八幡「な、なんでもねぇよ……」

雪乃「そう……」ジー

結衣「……ゆきのん!選んだよ!」

雪乃「……えぇ。言われたとおりに選んでいるわね。はい」スッ

八幡「はいはい」ヒョイ







雪乃「次はエビを選びましょう」

結衣「エビフライおいしいよね!」

雪乃「由比ヶ浜さん?」

結衣「ご、ごめんなさい」

雪乃「わかってくれればいいの。この時期だとバナメイエビかしら」

結衣「ばななえび……?」

八幡「………………偽装」ボソッ



ちょっと休憩

しばらくして買い物編を一気に投下して、明日以降に料理編を投下します






結衣「ゆきのん、やさしい!」

雪乃「べ、別に由比ヶ浜さんに特別優しいというわけではなく、あくまで由比ヶ浜さんでも選びやすい……」

八幡「はいはいわかったから選び方を教えてやれよ」

雪乃「……全く。と言っても冷凍が主流のバナメイエビで選び方もないのよね……。

強いて言うならまとめ売りか否か、というくらいかしら」

八幡「なんでだ?」

結衣「なんかヒッキーが食いついてるし!?」

八幡「いや、ほら……小町に旨いもん食わせてやりたいだろ」





結衣「キモッ!小町ちゃんへの愛が重すぎてキモいよ、ヒッキー!」

雪乃「児童相談所の番号は何番だったかしら?」

八幡「おい、やめろバカ。最近千葉県の某兄妹のせいで千葉県が近親相姦推奨都市みたいな扱いになってるんだから」

雪乃「まさかそれを狙って千葉県に移住を……?」

結衣「うわぁ……」

八幡「ちげーよ。第一生まれも育ちも生粋の千葉っ子だから!」

雪乃「比企谷君をいつ通報するか、というのは今度にしてどうしてまとめ売りがよくないかね」

八幡「通報するの確定かよ……」


雪乃「まとめ売りだと塊になっていて適量を解凍する、という点で不便になってしまうの」

結衣「へー」

雪乃「由比ヶ浜さんのように滅多に料理する機会がないならいいのだけれど、毎日料理するとなると意外と煩わしくなるの」

結衣「ゆきのん一人暮らしだもんねー」

雪乃「というわけで次に行きましょう」スッ

八幡「」ヒョイ

結衣「はーい」






結衣「はーい」

雪乃「貝柱を選ぶときは身が大きくてふっくらと張りのあるものを選びましょう」

結衣「大きいほうがいいの?」

雪乃「私は小さいものが好きなのだけれど、刺身にするなら大きいほうが食べ応えがあるでしょう」

結衣「へー。ゆきのんはさしみ派なんだねー」

雪乃「いいえ。私は醤油焼き派よ」

結衣「あれ?」

雪乃「えっとその……」

八幡「……由比ヶ浜、さっさと選べよ」

結衣「……うん?うん。じゃあこれかなー。大きいし」

八幡「よし、次行くぞ」スタタ

結衣「あ、待ってよヒッキー!」







雪乃「次は牡蠣ね」

結衣「うん!……あれ?カキって冬が旬じゃないの?カキ鍋とかあるし」

雪乃「驚いたわ、由比ヶ浜さん。カレーに桃を入れようとした人とは思えないわね」

結衣「えへへ、ゆきのんに誉められた……。あれ?」

雪乃「由比ヶ浜さんでも気がついたように牡蠣には旬が二つあって、一つは11-3月が旬の真牡蠣と6-7月が旬の岩牡蠣があるの」

結衣「あれ?今あたしバカにされた!?」

雪乃「牡蠣にはノロウイルスのように食中毒になりやすい食材で、生食できる牡蠣は洗浄や放射能によって滅菌処理が施されているわ」

結衣「ゆきのん!?今あたしのことバカにしたよね!?」

雪乃「牡蠣鍋や焼き牡蠣にする場合は特に気にする必要はないのだけれど、生食する場合は必ず生食用と表示された牡蠣を選ぶこと」

結衣「ゆきのん……」







雪乃「選び方は殻付きなら口が閉じていて殻に厚みがあり、重いものを選ぶといいわ」ナデナデ

結衣「ゆきのん……」ニコニコ

雪乃「というわけで牡蠣は私が選ぶわ」

結衣「うん!……あれ?」

雪乃「剥き身の牡蠣を選ぶ場合は光沢があって乳白色のものを選ぶことね」

八幡「~~~~」ゴニョゴニョ

結衣「……え?……あぁ、なるほど!けどなんでヒッキーがゆきのんの好きなもの知ってるの?」

八幡「さて、次はたまねぎとにんじんだな」

結衣「ヒッキー!?ねぇヒッキー!?」







雪乃「次は玉ねぎね」

結衣「あたし知ってるよ!新玉ねぎだよね!」

雪乃「えぇそうね。ただ正確に言うなら新玉ねぎは2-4月で今並べられているのは北海道産の新玉ねぎではないわ」

結衣「そっかぁ……」

雪乃「ただ今が季節外れかと言えばそんなこともなくて、九州…特に佐賀県の玉ねぎがおいしいの」

結衣「へー」

八幡「」ソー タタタッ






雪乃「他にも淡路島・湘南・愛知・静岡なども玉ねぎが特産品だから季節にあった玉ねぎを選ぶといいわ」

結衣「いろんなところで作ってるんだねー」

雪乃「さて玉ねぎの選び方なのだけれど、

球体に近い・外皮に傷が少ない・芽や根が出ていない・重みがある・芽の付け根を押しても凹まない

この五つを覚えておけばいいわ」

結衣「なるほど」フムフム

八幡「」シレッ







雪乃「というわけで……」

結衣「ゆきのん、ゆきのん!これなんかいい感じ!」サッ

雪乃「……え、えぇ。きちんと言われたことを実践しているわね」スッ

八幡「」ヒョイ

結衣「次はにんじんかな?」

雪乃「そうね。次はにんじんを選びましょう」

雪乃「というわけでにんじんの選び方なのだけれど、色が鮮やかで根がなくて艶のあるものを選びましょう」








結衣「根?」

雪乃「にんじんは根野菜で根の生えているものは収穫の時期を逃してしまったというサインよ」

結衣「へー。じゃあこれかな」

雪乃「これでいいわ。必要なものは全部選べたわね。お店に入る前より選び方は上達したわね、由比ヶ浜さん」

結衣「バカに……されてない!?」

雪乃「私は正しいことをすれば馬鹿にしないし、誉めもするわ。その言い方は心外ね」ムッ

結衣「そ、そうだよね!ゆきのんはいつでも正しいもんね!」アワワ









雪乃「別に怒ってはいないわ」

結衣「ごめんね、ゆきのん……」

雪乃「と言うわけでこれからレジに並ぶわけなのだけれど、比企谷君?」ニコリ

八幡「」ビクッ

雪乃「さっき目を盗んでかごの奥に隠したMAXコーヒーとプリンを戻してくれるかしら?」ニコリ

八幡「はい……」ショボ-ン



これで買い物編終わりです

明日・明後日くらいには投下終わります

明日の夜から残り落とします

19時頃から投下します
できれば夜中のお腹の空いている時間に読むの推奨

料理編



雪乃「いいでしょう。ならば料理を始めましょう」

結衣「がんばるっ!」

雪乃「と言うわけで最初は魚介類の下拵えからしましょうか」

結衣「はーい」

雪乃「まずはあさりとしじみの砂抜きね」

結衣「うん……」

雪乃「しっかりと下拵えすれば平気よ、由比ヶ浜さん」

結衣「うん!」








雪乃「まず500ccの水と5グラムの塩を用意して、溶けるまで混ぜて薄めの塩水を作ってくれるかしら」

結衣「はーい。まぜまぜ……できた!」

雪乃「次にバットにしじみを丁寧に寝かせて、しじみが少し隠れるくらい塩水を流しましょう」

結衣「作った塩水全部いれないの?」

雪乃「すべて入れてしまうとしじみが窒息して、砂抜きができなってしまうから浸るくらいで大丈夫よ」

結衣「海にいるのに塩水に窒息するって変だねー」

雪乃「しじみは内湾にいるから別におかしくはないのだけれど、説明をすると生物の授業になってしまうからやめておきましょう」







結衣「勉強……そうだね!今は料理しないとね!」

雪乃「由比ヶ浜さん……」

結衣「え、えへへ……?」テヘッ

雪乃「しじみを入れたバットの上に新聞紙かふわりと軽くラップを乗せて冷蔵庫に入れて1-3時間放置ね」

結衣「なんで新聞紙を乗せるの?」

八幡「」つ新聞紙

雪乃「塩水に浸けて砂を抜くのだけれど、新聞紙を乗せないとしじみが水を噴いて冷蔵庫が汚れるからよ」






結衣「へー。あと冷蔵庫に入れるのは?」

雪乃「室温が高いとしじみが痛んでしまう可能性があるからね。ならば冬は出したままでいいのかと言えばそんなことはないわ」

結衣「寒いのに冷蔵庫に入れるの?」

雪乃「誤解されがちなのだけれど、寒いのは気温であって冬でも暖房具を使っていることが多いから意外と室温は高いの」

結衣「なるほどー」

雪乃「次はあさりの砂抜きね」

結衣「しじみと同じじゃないの?」







雪乃「簡単に言うと方法は同じなのだけれど、塩水の濃度が違うわ」

結衣「へー?」

雪乃「しじみが1%の濃度に対してあさりは3%強といったところね」

結衣「一緒じゃダメなの?」

雪乃「ええ。食材には適切な下拵えがあって、適当な下拵えをすることでおいしくなるの」

結衣「へー」

雪乃「というわけでまず水500cc塩15グラムの塩水を作ってくれるかしら?」




結衣「はーい……できた!」

雪乃「できた塩水に塩を二抓み入れてあさりをバットに並べて、さっきと同じように浸るくらいに注いで……」

結衣「あれ?なんで塩をふたつまみ入れたの?」

雪乃「さっきは濃度は3%と言ったけれど、正確には3.5%くらいが適切だからよ」

結衣「へー」

雪乃「バットに新聞紙を被せて冷蔵庫で3時間寝かせましょう」

結衣「はーい」






雪乃「これであさりとしじみの下拵えは終わりね。次はエビの下拵えをしましょう」

結衣「エビフライ!」

雪乃「生と冷凍では下拵えの手順も違うのだけれど、今回は冷凍のエビの下拵えの方法ね」

結衣「ゆきのん……」

雪乃「まず最初に凍ったエビを流水にさらしましょう」

結衣「流水にさらす……?」

雪乃「ボウルにエビを入れて水を満たして、蛇口を締め切らずに少し流すようにすることよ」

結衣「へー」






雪乃「というわけでここに解凍したエビがあるから次の下拵えをしましょう」

八幡「」つエビ

結衣「なんかお料理番組みたい」

雪乃「次は牡蠣の下拵えね」

結衣「はーい」

雪乃「最初は剥き身の牡蠣をバットに入れて塩を振って揉みましょう」

結衣「もみもみ……」

雪乃「身が痛まないように優しくよ」

結衣「やさやさ……」






雪乃「一度水で塩を洗い流して水気を切りましょう」

結衣「はーい」

雪乃「次は大根おろしを混ぜて同じように牡蠣を揉むのよ」

結衣「はーい」

八幡「」つ大根おろし

結衣「……できた!」

雪乃「終わったら15分程度寝かせましょう」

結衣「はーい」






雪乃「というわけで寝かせておいた牡蠣・エビ・イカ・ホタテの下拵えをするわ」

結衣「けっこう大変なんだね……」

雪乃「最初は誰でもそんなものよ。作りなれてきたら自然とできるものよ」

結衣「ゆきのん大人っぽい……」

雪乃「……さ、さぁ次は魚介類の下拵えだったわね」

結衣「あ、照れた!」

雪乃「さっき下拵えしておいた魚介類をボウルに並べましょう」

結衣「はーい」

雪乃「次にレモン汁・塩・白ワイン・ローリエを合わせて混ぜましょう」

八幡「……ロリエたん」ボソッ



http://i.ytimg.com/vi/HrcJfOJVkcQ/maxresdefault.jpg





雪乃「比企谷君……?」ニコリ

八幡「」ビクッ

雪乃「あら?ローリエはどこにあったかしら……」

八幡「」つローリエ

雪乃「どうも。ローリエを混ぜたこの液をボウルに注いでさっきと同じように混ぜてくれるかしら」

結衣「まぜまぜ……」

雪乃「混ぜ終わったらキッチンペーパーで包んで魚介類の下拵えは終わりね」

結衣「はーい」

雪乃「次は出汁を取りましょうか」

結衣「だし?」







雪乃「冷蔵庫で寝かしていたあさりとしじみを煮出すのよ」

結衣「あーなるほどー」

雪乃「水1リットルに対してあさり・しじみをそれぞれ300グラム、昆布5グラム、白ワイン100cc、ローリエを鍋に入れて弱火にかける」

結衣「はーい」

雪乃「水が大きな気泡を作り始めたら昆布を取り出して、さらに煮出していきましょう」

結衣「こんぶだけ仲間外れなの?」

雪乃「えぇ。昆布で出汁を取る場合は沸騰したら取り出すというのが基本よ」

結衣「へー」

雪乃「沸騰したらタイマーを10分にセットして、その間に次の下拵えに移りましょう」

結衣「はーい」







雪乃「玉ねぎを二玉切っていくわ」

結衣「玉ねぎって切ってると涙出てくるんだよね……」

雪乃「それは玉ねぎに含まれる『硫化アリル』という催涙成分が出るせいね」

結衣「へー」

雪乃「これからみじん切りにしていくのだけれど、涙を流さなくて済む方法を教えるわね」

結衣「そんなのあるんだー」

雪乃「……というわけで比企谷君、キッチンから出て行ってもらえるかしら?」ニコリ

八幡「へいへい」トボトボ

結衣「あれ?なんでヒッキーはあっちにいくの?」

雪乃「……あまりいい格好ではないからよ」







結衣「へー」

雪乃「さっき言ったように硫化アリルという成分が涙を流す原因になるわけなので、この成分は鼻から作用するわ」

結衣「あぁなるほ……あぁ!そっか!」

雪乃「というわけでこれをつけてくれるかしら」

結衣「……はーい」

雪乃「玉ねぎは1つはみじん切り、半分は串切りにしていきましょう」

結衣「なんで切り方を変えるの?」

雪乃「みじん切りはコクを出すために使って、串切りは食感を残すためよ」

結衣「へー」

雪乃「まず芽と根を切ってから皮を剥いて半分に切りましょう」









結衣「はーい」

雪乃「みじん切りはまず付け根を残すように縦に刃を入れて繊維に添って切り込みを入れましょう」

結衣「へー?」

雪乃「次に横に刃を入れて同じように付け根を残すように切る」

結衣「ふむふむ」

雪乃「最後に付け根を押さえて反対側から切っていけば簡単にみじん切りができるわ」

結衣「ほんとだ!ゆきのんスゴい!」

雪乃「べ、別に私がこの方法を思いついたわけではないのだけれど……」

結衣「みじん切りできたよ!」

雪乃「もう一玉も半分にきって端から8等分を意識するように串切りにしていきましょう」







結衣「はーい」

雪乃「切れたらフライパンにバターを一欠けら入れて溶けたら炒めていきましょう」

結衣「ふむふむ」

雪乃「最初は強火で炒めて火が通ったら弱火で20分程度飴色になるまで根気よく炒めるの」

結衣「へー」

雪乃「焦がさないようにかき混ぜながら炒めるのよ」

結衣「結構大変なんだね……」

雪乃「と言うわけで比企谷君後はおねがい」つお玉

八幡「はいはい」

雪乃「次はにんじんね」






結衣「はーい」

雪乃「にんじんは皮を剥いてから半月切りにしましょう」

結衣「テレビでにんじんの皮には栄養がたくさんって言ってたけど、ゆきのんは捨てるの?」

雪乃「確かに皮に栄養が豊富なのだけれど、食感と言う点から言えばカレーには使わないわ」

結衣「へー」

雪乃「ただ皮もきんぴらごぼうにするつもりよ」

結衣「へー。なんかゆきのんおばあちゃんみたい」

雪乃「お、おば……そこは料理上手と言ってもらえないかしら?」

結衣「あ、そっか……ゆきのんはお料理上手だもんね!」

雪乃「切ったにんじんはボウルに入れておいて次に移りましょう」

結衣「はーい」








雪乃「ちょうどタイマーが鳴ったから次は出汁の下拵えね」

結衣「さっき煮込んだのに下拵えするの?」

雪乃「えぇ。むしろ次が大切よ」

結衣「へー」

雪乃「まずローリエ・しじみ・あさりを取り出しましょう」

結衣「はーい」

雪乃「取り除いた出汁を目の細かいざるに通しましょうか」

結衣「へー?」

雪乃「ざるに通すことで由比ヶ浜さんが苦手と言った砂を取り除くことができるの」



ちょっと休憩して一気に投下します


雪乃「ざるに通すことで由比ヶ浜さんが苦手と言った砂を取り除くことができるの」


結衣「へー!」

雪乃「濾した出汁を鍋に戻して粗熱を取りましょう」

結衣「はーい」

雪乃「次はバットに寝かしている魚介類ね」

結衣「はーい!」

雪乃「魚介類をキッチンタオルに包んで水気を切りましょう」

八幡「」つキッチンタオル

結衣「ふきふきー」

雪乃「水気を切った魚介類にレモン汁・塩・コショウを振って軽く揉んでくれるかしら」

結衣「はーい」






雪乃「フライパンにバターを一欠けら溶かして下味をつけた魚介類を炒めましょう」

結衣「まぜまぜー」

雪乃「火が通ったら白ワインを一振りして終わりね」

結衣「……あれ?お酒を入れたのにボー!ってならないね」

雪乃「フランベのことね。フランベはアルコール度数の高いウイスキーのような蒸留酒でないと火は立たないわ」

結衣「へー。あれってかっこいいけど意味あるの?」

雪乃「あるわ。あれはアルコールを飛ばして風味をつけるものであって、きちんとした調理方法よ」

結衣「へー」

八幡「」つウイスキー






雪乃「比企谷君?」

八幡「へいへい……」ショボーン

結衣「ヒッキーしたかったんだね、フランベ」

雪乃「そして最後に仕上げ……」グゥ

結衣「」

八幡「」

雪乃「」

八幡「……あー腹減ったなー。腹が減りすぎて腹が鳴いてるわー」

結衣「……あ、あはは。ヒッキーお腹すきすぎてお腹なっちゃったねー」

雪乃「……///」キッ







八幡「……ほら、仕上げだろ。さっさと作って食おうぜ」

雪乃「………………」ウルウル

結衣「あ、あたしもお腹すいたー」

雪乃「……最後の仕上げね。粗熱を取った出汁を火にかけて、飴色になった玉ねぎを入れましょう」

結衣「あ、ゆきのん元気になった!」

八幡「おい、バカ、やめろ」

雪乃「……煮立ったらにんじんを入れて、さっき炒めた魚介類から出た出汁とカレールーを入れて煮込んでいきましょう」

結衣「あれ?さっき炒めたのは入れないの?」






雪乃「イカやエビは火を通しすぎると固くなるから、煮込まずにカレーに乗せたほうが味を楽しめるのよ」

結衣「へー」

雪乃「と言うわけであと少し煮込むから二人はリビングで待っていてもらえるかしら」

結衣「はーい」

八幡「先に皿出しとくわ。あそこの棚だとお前取れないだろ」つ皿

雪乃「あら。比企谷君にしては気がつくのね。お願いするわ」

結衣「………………」

八幡「ほら行くぞ、由比ヶ浜」

結衣「あ、待ってよ!」

雪乃「さて、私もあと三皿ほど作らないと」テキパキ






-リビング-



八幡「腹減ったな」

結衣「……うん。そうだねー」ウーン

八幡「どうかしたか、アホの子」

結衣「あ、アホの子って言うなし!……うーん」

八幡「でどうした?お前には難しすぎたか?」

結衣「そうじゃなくて、さっきヒッキーお皿取ったでしょ」

八幡「あ、あぁ……」ダラダラ

結衣「あそこってヒッキーなら届くけどゆきのんじゃ届かないっぽいでしょ」

八幡「……かもな」

結衣「あのゆきのんが取りにくい場所にお皿を置いておくのかなーって」






八幡「………………」

結衣「うーん……」

八幡「………………あれだろ」

結衣「?」

八幡「一人暮らしだとカレーって量があるからあまり作らないんだろ。で棚の奥底で眠ってたんだろ」

結衣「へー?」

八幡「まぁ料理したことないお前はわからないかもしれないがな」

結衣「あ、あたしだって作ったことあるし!……今日とか千葉村とか」

八幡「カレーに桃を入れようとしてたあの頃よりかは半歩くらい進歩したんじゃねーの」

結衣「あ、ヒッキーヒドい!あたしだってレベルアップしてるもん!」






八幡「今進歩したんだろ。部室でダークマター作ろうとしてたくせに」

結衣「あ、あれは……!」

雪乃「バカなこと言ってないで食べる用意をしてくれないかしら?」つカレー

八幡「おう。思ったより遅かったな」ヒョイ

結衣「あ、ゆきのんごめんね」ヒョイ

雪乃「大丈夫よ、由比ヶ浜さん。あなたも労いの言葉を1つくらいかけたらどうなのかしら」

八幡「へーへーお疲れさん」

雪乃「結構よ。あなたの労いなんてほしくもないわ」

八幡「お前ってやつは……」

結衣「あ、あはは……食べよっか!」




雪乃「そうね。いつまでもこの男に無駄な時間を費やしたくはないもの」

八幡「へーへー」

雪乃「それじゃあいただきましょうか」

結衣「いただきまーす」
雪乃「いただきます」
八幡「いただきます」

-メニュー-
・シーフードカレー
・サラダ
・しじみとあさりの佃煮
・きんぴらごぼう








結衣「」モグモグ

雪乃「」チラッ

八幡「」モグモグ

結衣「……く」

雪乃「?」

八幡「」チラッ

結衣「くさくない!」キラキラ

雪乃「ご飯を食べて第一声が『臭くない』ってどういうことかしら……?」ゴゴゴゴ

結衣「あ、ち、違うのゆきのん!なんか食べたことのあるシーフードカレーってなんかくさくって好きじゃなかったっていうか……」

八幡「」モグモグ




雪乃「あぁ、そういう意味ね。まぁ下拵えを疎かにしたり、下拵えをしても鮮度が悪ければ臭みが出てしまうのは致し方のないことね」

結衣「けどこのカレーはおいしくてびっくりしたっていうか……」

八幡「」モグモグ

雪乃「口に合って何よりね」モグモグ

結衣「あたしでもおいしいカレー作れるってことにびっくりしたっていうか……」

八幡「」モグモグ

雪乃「料理はレシピ通りに作れば失敗なんてそうそうないわ」

結衣「へー」

八幡「」モグモグ

雪乃「料理がおいしくできない人というのは大半がレシピ通り作らず、変なアレンジをしてしまうことが原因ね」




結衣「そっか」

八幡「」モグモグ

雪乃「人の好みは千差万別なのだからアレンジするな、とは言わないわ。ただアレンジと言うのはきちんとしたレシピを作れる人がするものよ」

結衣「ふーん」

八幡「」つ皿

雪乃「はいはい」スッ

結衣「あれ?ヒッキーおかわり?」

八幡「おう」

雪乃「どうぞ」つ皿

八幡「おう」モグモグ






結衣「」モグモグ

雪乃「」モグモグ

八幡「」モグモグ

結衣「」モグモグ

雪乃「」モグモグ

八幡「」モグモグ

結衣「ごちそう様でしたー」

八幡「ごっそさん」

雪乃「お粗末さまでした」

結衣「はーお腹いっぱい。もう食べられないかも」




雪乃「それは残念ね。せっかくプリンを作ったのだけれど、由比ヶ浜さんはいらないわね」

結衣「プリン!?食べる食べる!」

八幡「……太るぞ」ボソッ

結衣「ヒッキーヒドい!嫌い!あとキモい!」

雪乃「比企谷君……?」

八幡「」ビクッ

雪乃「はぁ……。気を取り直して食べましょうか」

結衣「ゆきのん大好き!」

雪乃「はいはい。あなたが好きなのは私ではなくてプリンでしょう」

結衣「そんなことないよ!ゆきのんもプリンと同じくらい好き!」




八幡「……やっぱうめぇ」モグモグ

雪乃「……ふふ」

結衣「……ゆきのん?」

雪乃「なんでもないわ。さて私たちも食べましょうか」

結衣「うん!」

結衣「」モグモグ

雪乃「」モグモグ

八幡「」モグモグ

結衣「」モグモグ

雪乃「」モグモグ




八幡「」ジー

雪乃「全部食べたのだからおとなしくしていなさい」

八幡「わかってるよ」

結衣「そう言えばヒッキーって思ったより食べるよね」

八幡「そうか?」ズズズ

雪乃「全くよね。作る人間の身にもなってほしいものね」

結衣「ゆきのん、ヒッキーにご飯作ってるの?」キョトン

雪乃「わ、私が比企谷君のご飯を作ると言う意味ではなくて、彼の料理を普段から作っている小町さんのことを思っていったのであって、決して私が彼のご飯を作っていると言うわけでは……」

結衣「そっかー。そうだよねー」

雪乃「え、えぇ」





八幡「」ズズズ

結衣「そう言えば話は変わるけどヒッキーの使ってるマグカップかわいいよね。魚のイラストで」

雪乃「そ、そうかしら?たまたまマグカップが足りなくてなんとなく買ったのであって他意は別にないのだけれど……」

八幡「」ズズズ

結衣「けどこの魚どこかで見たことあるような気がするんだよねー。んー特にこの腐った魚みたいな目が……」

雪乃「ゆ、由比ヶ浜さんプリンがまだ残っているのだけれど、よかったら食べてくれないかしら?」

結衣「え?いいの!?食べるたべるー」モグモグ


雪乃「」フゥ
八幡「」フゥ


やはり俺の青春ラブコメは間違っている。


Fin,




おまけ

Prrr

雪乃「はい」

結衣『あ、ゆきのん今大丈夫かな?』

雪乃「えぇ今ちょうどお風呂を出たところよ」

結衣『そっかー。なんかね、うちのお父さんがゆきのんにお礼を言いたいらしくって代わってほしいんだってー』

雪乃「別にお礼を言われるようなことは何もしてないのだけれど」

結衣『だからお父さんに代わるねー』

雪乃「そんな急に……はじめまして、いえ料理を教えただけですから」






雪乃「え?由比ヶ浜さんが作ったカレーを食べてもお腹を壊さなかった……?」

雪乃「いえですから、本当に基本的なことを教えただけなのでお礼を言われるようなことは何も……」

雪乃「正露丸を手放せた……?お、おめでとうございます……?」

雪乃「できればお菓子作りも教えてほしい?……いえ、お菓子作りは少し……由比ヶ浜さんはもう少し練習したほうがいいと思うのですが……」

雪乃「試作品を食べていたら身が持たない……?教えるのが無理なら作らないように言ってもらえないか……?」

雪乃「それはご家庭のほうで……無理?……わかりました、言って聞くかはわかりませんがそのように由比ヶ浜さんに言っておきます」

雪乃「いえ、そのくらいなら……。もしかして泣いてます?これでトイレの神様にならなくて済む?……はぁ?」

雪乃「お礼がしたい……?いえ、ですからあくまで友人として教えただけであってお礼をされるようなことでは……」

雪乃「今度由比ヶ浜さんにお礼を持たせる?あの、本当に結構ですから……あ、電話が切れてしまったようね」

雪乃「………………」

雪乃「由比ヶ浜さん……」






おまけ2




平塚「わ、わたしが何をしたっていうんだよ……真面目に教師をしてるじゃないか……」

平塚「ただでさえ教師っていうのは出会いが少ないっていうのに、教え子はわたしの目の前でイチャイチャと乳繰り合いやがって……」






平塚「わ、わりゃしはなぁ……あいちゅりゃを乳繰り合わしぇるために奉仕部を作ったんららいんだよ……」

平塚「わりゃしは出会いもにゃいっていうにょに、友人らちはりょんりょん結婚していっちぇだなぁ」





平塚「なにが『静も早く結婚しなよ、はいこれブーケ』だりょ!こちとりゃなぁ!おまえりゃからもらっりゃブーケでいっぱいなんだよぉ!

平塚「ブーケをどうしたりゃいいのかわかりゃなくてぜんぶ防腐処理してかじゃってあるんだよぉ……」





平塚「こりゃぁ、はりゅの!わりゃしのはにゃしを聞いてりゅのかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」ウルウル

陽乃「め、めんどくさいなぁ……」フゥ


終わり

と言うわけで終わりです
やおいで申し訳ない

書くつもりなかったけどリクがあったのでプロットの消えた状態で書いたらこうなった どうしてこうなった

一応コンセプトは娘に料理を教えるゆきのんとそれに付き添う八幡って感じです


次は前回のより少しマイルドなでれのんを書こうかなーって思ってます
タイトルは八幡「最近雪ノ下の毒舌が辛辣すぎる」です
また見てもらえれば幸いです
お疲れ様でした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月16日 (水) 21:50:11   ID: x4f_FxNp

昔父親がカレーに桃入れてたなあ…
見た目がジャガイモで騙されたのも
今となってはいい思い出

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