櫻子「ありったけのありがとうを」 (38)

櫻子「私あかりちゃんにいつものお礼がしたい!」

向日葵「突然なんですの……確かにあなたはいつもお世話になってますけれど」


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櫻子「だから向日葵も料理作るの手伝え!」

向日葵「全くあなたは……もしわたくしがいなかったらどうするつもりですの」

櫻子「なに言ってんの?下僕なんだからいなきゃだめに決まってんじゃん」

向日葵「な、何を言ってますの///でも仕方ないから手伝ってさしあげますわ///」

櫻子「顔赤いぞ向日葵。おっぱいは風邪ひかないって言うのに」

向日葵「そんな言葉あってたまるかですわ」

向日葵「それより何を作るか決まっていますの?」

櫻子「あかりちゃんオムライス好きみたいだからオムライス!」

向日葵「作り方知ってますの?」

櫻子「卵混ぜて焼くだけでしょ?簡単じゃん」

向日葵「あなたはオムライスをなめすぎですわ」

向日葵「しょうがないですわね。明日一緒に作りますわよ」

櫻子「さっすが私の下僕!」

向日葵「だから誰が下僕ですの」

数日後



向日葵「ごめんなさい、風邪をひいてしまいましたわ」

櫻子「え!?それじゃ今日あかりちゃんにオムライス食べさせられないじゃん!」

向日葵「この前一緒に作ったじゃありませんの」

櫻子「一回で覚えられるわけないじゃん!向日葵も来てよ」

向日葵「あなたと違って赤座さんは馬鹿じゃないですから風邪をうつしてしまいますわ」

櫻子「なんだとー!向日葵だっておっぱいのくせに風邪なんて引いてんじゃねーよ!」

向日葵「おっぱいは関係ないでしょう!」


ギャーギャーワーワー


向日葵「はあ……あなたと喧嘩してたら熱上がってきましたわ」

向日葵「私はもう寝るので切りますわ」

櫻子「おい待てよ向日葵!……こうなったら一人で作るしかないのか……」

ピンポーン


櫻子「うそ!もうあかりちゃん来ちゃった!」

櫻子「うう……結局できなかった……もう諦めよう」

ガチャ

櫻子「い、いらっしゃいあかりちゃん」

あかり「えへへ、おじゃましまーす!」

櫻子「今日は突然呼んじゃったけど大丈夫だった?」

あかり「全然大丈夫だよぉ」

あかり「でも今日はどうしたの?」

櫻子「本当は今日あかりちゃんにオムライス作ろうと思ってたんだけど……」

櫻子「向日葵が風邪ひいちゃってさ」

あかり「!」

櫻子「一人でも絶対作ってやるって思ってたのにさ……」

櫻子「全然できなかったんだ……」

櫻子「それで気づいたんだよ、私ってずっと向日葵に助けてもらってたんだってこと」

櫻子「今までいるのが当たり前、助けてくれるのが当たり前だったからさ、全然気付かなかったよ」

あかり「櫻子ちゃん……」

あかり「じゃあ向日葵ちゃんのためにオムライス作ってあげようよ!」

櫻子「え…?」

あかり「結衣ちゃんのオムライスってとってもおいしいんだよ!」

櫻子「そういえばお花見のときのお弁当もおいしかったよね!」

あかり「だから結衣ちゃんに教えてもらったらきっと作れるようになるよ!」

櫻子「私でも作れるようになるかな?」

あかり「結衣ちゃん教えるのも上手だから大丈夫だよ!」

あかり「結衣ちゃん今日暇みたいだから教えてもらいに行こうよ!」

櫻子「分かった!私頑張るよ!」

ー船見家ー


あかり「おじゃましまーす!」

櫻子「おじゃましまーす!」

結衣「いらっしゃい二人とも」

櫻子「なんかいいにおいがしますね!もしかしてオムライスですか?」

結衣「うん、もうすぐお昼だから先にご飯食べてからにしようと思って」

あかり「わぁい!あかり楽しみだよぉ」

櫻あか「「いただきまーす!」」

あかり「やっぱり結衣ちゃんのオムライスは最高だよぉ!」パクパク

櫻子「ふわっふわでおいしー♪」ガツガツ

結衣「ふふ、そこまで言ってもらえると嬉しいな」

櫻あか「「ごちそうさまでした!」」

結衣「お粗末さまでした」

櫻子「私にもこれ作れるようになりますかね……」

結衣「特別なことはしてないし大丈夫だよ」

あかり「うん、櫻子ちゃんいつもご飯作ってるしきっと作れるよぉ」

結衣「その年でご飯作ってるのってすごいことだと思うよ」

結衣「京子なんてじゃがいもの皮むき出来なかったし」

櫻子「そうなんですか?歳納先輩何でも出来る人だと思ってました」

結衣「あいつは器用だからちゃんと教わればすぐ出来るようになると思うんだけどね」

櫻子「船見先輩!これならどうですか!」

結衣「うん、もう大丈夫だと思うよ……」

あかり「あかりもうお腹いっぱいだよぉ……」

櫻子「ちょっと食べてみてくださいよ!」

結衣「本当はもうお腹いっぱいなんだけど……」

櫻子「…」ワクワク

あかり「あんな目で見られたら断れないよねぇ」

結あか「い、いただきまーす…」パクッ

あかり「あっ、今までのより卵ふわふわになってるよぉ!」

結衣「ちゃんと形も整ってるし」

櫻子「本当ですか!?うれしいです!」

あかり「これなら向日葵ちゃん喜んでくれると思うな~」

櫻子「別に喜んでほしいわけじゃ……いや、やっぱり喜んでくれたらうれしいかな」

あかり「うんうん、素直が一番だよぉ」

櫻子「船見先輩、あかりちゃん本当にありがとうございました!今から向日葵にオムライス作ってきます!」

結衣「がんばってね、古谷さんはきっと喜んでくれると思うよ」

あかり「櫻子ちゃん一生懸命作ってたから大丈夫だよ!」

櫻子「ありがとう!私がんばるよ!」

櫻子「向日葵大丈夫かー?」

楓「あっ、櫻子お姉ちゃんなの!」トテテ

櫻子「楓は元気だな~、向日葵は今何してる?」

楓「お姉ちゃんは今はお部屋で寝てると思うの」

櫻子「そうか、じゃあ今日は櫻子様が晩ごはんを作ってあげよう」

楓「櫻子お姉ちゃんの料理……ちょっと心配なの……」

櫻子「楓にまでそんなこと言われるとは……さっき花子にも『オムライスなんてやめとけし。ひま姉の風邪が悪化するし』って言われたのに」

楓「櫻子お姉ちゃんかわいそうなの……」

櫻子「6歳児に同情されてる……こうなったら絶対向日葵が思わず櫻子様と呼んでしまうほどのオムライスを作ってやるからな!」

楓「じゃあ楽しみに待ってるの!」

向日葵「ふぁあ……つい寝てしまいましたわ……晩ごはん作らないといけないのに……」

楓「あっ、お姉ちゃん!今櫻子お姉ちゃんが晩ごはん作ってくれてるの!」

向日葵「わたくしが寝てたから代わりに…いくら櫻子でも申し訳ないですわね」

櫻子「起きたか向日葵!今櫻子様がスペシャルなオムライスを作ってやるからそこで待ってるがいい!」

向日葵「いや、それは……」

櫻子「ん?まさか向日葵まで私の料理を……そんなに信用ないのか私は」

向日葵「でも櫻子この前よりだいぶうまくなってますわよ?」

櫻子「え?まじか!」

向日葵「ええ、本当ですわ」

櫻子「そうだろうそうだろう、だから向日葵はおおむねに乗ったつもりで待ってるがいい!」

向日葵「誰が大胸ですの。それを言うなら大船ですわ」

向日葵「それではわたくしは楽しみに待っていることにしますわ」

櫻子「向日葵、楓オムライスできたぞーー!!」

向日葵「あら、きれいにできてますわね。楓のは」

楓「お姉ちゃんのは少し焦げてるの……」

櫻子「一つに集中してたらもう一つが焦げちゃった」

向日葵「まあ櫻子らしいといえばらしいですけどね」

櫻子「味はおいしいはずだから早く食べてみてよ!」

向日葵「そうですわね、それじゃあ」

「「いただきます!」」

向日葵「卵がまろやかで…」

楓「とってもおいしいの~!」

櫻子「ほんと!?よかった~、味見してないからどうなるかと…」

向日葵「味見ぐらいしなさいよ」

櫻子「今日は朝からずっとオムライスつくってたからさ、もうしばらくオムライスは食べたくないよ……」

向日葵(よく見たら櫻子の指に絆創膏ありますわ……あの娘よっぽど頑張ったんですのね)

向日葵「そういえば赤座さんの分はうまくつくれましたの?」

櫻子「あの電話のあと頑張ってつくったんだけどあかりちゃんが来るまでに間に合わなかったんだよね」

向日葵「そうだったんですの……」

櫻子「そのときに向日葵さえいればこんなことにならなかったなって思ってさ、やっと向日葵のその…大切さに気付いたというか」

向日葵「!」

櫻子「そのことをあかりちゃんに話したらさ、じゃあ向日葵にオムライスをつくってあげようって言ってくれて」

櫻子「それで船見先輩に教えてもらってつくれるようになったんだ」

向日葵「そんなことが……」

櫻子「このオムライスつくったおかげでいつもの向日葵がどれだけすごいのか少しだけ分かった気がするんだ」

向日葵「そんな……わたくしはたいしたことなんて……」

櫻子「勉強教えてくれたりお菓子やごはんつくってくれたり私のわがままにつきあってくれたり……」

櫻子「いつも言えないけどすっごく感謝してるよ」

櫻子「今までほんとにありがとう、向日葵」

櫻子「そしてこれからも迷惑いっぱいかけると思うけど一緒にいてくれたらうれしい…かな///」

向日葵「そ、そ、それじゃまるでプロポーズみたいじゃないの///」

櫻子「プロポーズか…まあそれでもいいんだけどね」

向日葵「え?それはどういうこと……」

櫻子「いや、やっぱりそれならちゃんと言わなきゃだめだよね」

櫻子「ひ、向日葵!」

向日葵「は、はひぃ!」

櫻子「今まで気付かなかったけど……多分私はずっと向日葵のことが好きだったんだと思う」

櫻子「だからこれからもずっと……私の隣にいてください!」

向日葵「…………ふぇぇ」グスッ

櫻子「お、おい!なんで泣くんだよ!もしかしてそんなに嫌だった……?」

向日葵「その逆ですわよ!うれしすぎて泣いてるんですわ!」

向日葵「わたくしの夢は小さいころからずっと櫻子の……さーちゃんのおよめさんでしたから……」

櫻子「なんだそうだったのか……今まで待たせてごめんな、向日葵」

撫子「もし櫻子の料理が失敗してたらと思っておかゆ持ってきたら」ヒソヒソ

花子「まさかこんなことになってるとは思わなかったし」ヒソヒソ

撫子「今日は楓もつれて帰ろうか」

花子「そのほうがよさそうだし」

花子「楓、こんばんはだし」

楓「あれ、花子お姉ちゃんなの!」

花子「楓今日うちにお泊りしないかし?」

楓「いいの?うれしいの!」

楓「今日お姉ちゃんたちを二人きりにさせてあげたいの!」

撫花(よくできた子だ……)

数日後



撫子「ただいまー」

花子「お姉ちゃんおかえりだし」


向日葵「絶対にこっちですわ!」

櫻子「こっちのほうがおいしいって!」


撫子「あの二人なんでケンカしてんの?」

花子「あれはプッキーゲームにつかうプッキーの味でケンカしてるだけだからほっといていいし」

向日葵「ここは王道のチョコにするべきですわ!」

櫻子「私はいちごのほうが好きなの!だからいちご!!」


撫子「あの二人せっかく付き合いはじめたのにあんまり変わらないねえ」

花子「でもそのほうがあの二人らしいし」


櫻子「じゃあ間をとってこの大人のミルク味だ!」パクッ

向日葵「どう間をとったらそうなるんですのよ……むぐっ」

向日葵「ちょっとはってにくひにつっほまないでくだはる!?」

櫻子「いいはら始めるぞー!」サクサク



花子「そういえばそれ花子のプッキーだしーーー!!」




おしまい

ありがとうございました

更新遅くてすいません

題名は放課後ティータイムのU&Iからです

あとこのSSにはあまり出せなかったけど撫子さん誕生日おめでとう

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