向日葵「ゆるゆり短編集ですわ」櫻子「大室家多め!」 (88)

【なつの おおむろけ】


ミーンミーン……


櫻子「あぢぃ……」


撫子「ただいまー」ガチャ

花子「あっ、撫子お姉ちゃん」


撫子「暑そうだね櫻子」

櫻子「あっったりまえじゃん!! 誰だって暑いよこんな日は!」

撫子「そんな櫻子に良いものがあるよ」ごそごそ

櫻子「えっ! なになに!? 何か道具を出してくれるの? なでえもん!」


撫子「誰がなでえもんだよ ……はいこれ」ばさっ

花子「なんだしこれ?」


櫻子「あーー! ビニールプールだ!!」

撫子「私の友達が貰ったものらしいんたけど……その友達も使わないからって、私が貰ったんだ」

櫻子「やったーーー! プールー!!」

花子「まあビニールプール程度でも今は大助かりだし」

撫子「よし、作るか」

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向日葵「はぁ、暑いですわね……」みーんみーん


ワーワー
キャハハハ……


向日葵(な、なにか櫻子の家から黄色い声がしますわ……)こそこそ


向日葵「!!」




櫻子「きゃーーー!!」びしゃびしゃ

花子「ちょっと! 服が濡れちゃうしー!」

撫子「後でまとめて洗濯するからいいでしょもう」びゃーっ


向日葵(す、すっごい遊んでますわ……)



楓「撫子おねえちゃん、つめたいの!」

撫子「楓も後でうちの風呂に入っていってね」

向日葵(あれ!? 楓さっきまで家にいたのに、いつの間に一緒に遊んでるんですの!?)

櫻子「くそっ、このままじゃねーちゃんのホース捌きに勝てない! 花子、そこにある水鉄砲とって!」

花子「わかったし!」ばっ


花子「櫻子、パス!」

櫻子「よっしゃ!」ざぶん

撫子「なっ、リロードが早い!」



櫻子「くらえーねーちゃ…………ん?」


撫子「…………! 誰かそこにいるな!」びゃーっ

櫻子「わーー誰だ!!」ばしゅばしゅ


向日葵「きゃーーーー!!」




向日葵「…………」ぽたぽた


撫子「なんだ、ひま子か」

向日葵「なんだじゃないでしょう! 誰かもわからない人に水かけないでください!」

櫻子「いやあ、変態が覗き見てると思って」

向日葵「まったくもう……間一髪防いだものの、カメラが壊れたらどうするんですの」

櫻子「変態じゃねえか!!」

楓「おねえちゃんも一緒に遊ぶの!」

花子「ほら早く裸になるし」

向日葵「は、裸になることはないでしょう!」



撫子「よーし、ひま子の胸を透かしてやる」びゃーっ

櫻子「そうだ、向日葵は我々の敵だ!」ばしゅばしゅ

向日葵「きゃーーっ!!」


楓「おねえちゃん、ここにバケツがあるの」

向日葵「ナイスですわ楓!」

櫻子「あっ、やばい!」


向日葵「らあああぁっ!!」バシャア

櫻子「うわーーー!! 馬鹿力!」

向日葵「櫻子のパンツまで透かしてやりますわ!」

撫子「やばい、この変態強いぞ」

花子「みんな何を目当てに戦ってるんだし……」

【おえかきの とっくん】


向日葵「な、なんてこと……!」


櫻子「なに、どしたの?」

向日葵「ついに……ついに美術の成績で3をとってしまいましたわ……!」がくっ

櫻子「なーんだ3ぐらいで落ち込むなよ」

向日葵「わたくしは今まで体育以外で3を取ったことかなかったんですのよ!? 絶対この前の絵の課題のせいですわ……」

櫻子「まー確かに向日葵の絵はあまりうまくないよね。小学生の頃から進歩しない、可愛い絵」

向日葵「これから先もずっと今のような絵しか描けないのは困りますわ……どうせなら絵が上手ですねって言われたい」


向日葵「よし、特訓ですわ!」ばっ

櫻子「ん?」


向日葵「絵が上達するように特訓! 描いて描いて描きまくりますわ!」

櫻子「いいねー、私もお絵かきしようかな♪」

向日葵「あなたはダメですわよ」

櫻子「は、なんで?」


向日葵「あなたにはモデルをやってもらうんですから。私の注文通りのポーズを取っていてくださいな」

櫻子「下手くその分際で……モデルなんていらないでしょ! 適当にリンゴとか持ってきて描いてなよ」

向日葵「私櫻子以外のものを描く気は全くありませんので」きっぱり

櫻子「う、嬉しいんだかどうだかよくわからないな……///」




櫻子「いきなり全身描いても仕方ないし、まずは顔を描く練習しよう」

向日葵「そうですわね。じゃあ櫻子、笑顔になって?」


櫻子「んー……♪」にこー

向日葵(可愛い……///)



向日葵「…………♪」うっとり


櫻子「…………早く描けよ!! 何見惚れてんだよ!///」

向日葵「み、見惚れてたわけじゃありませんわよ! あなたのバカ面が面白くて目が離せなかっただけですわ」

櫻子「モデルやめてもいいんだぞ……」ゴゴゴ

向日葵「あ、ごめんなさい……」



櫻子「よぉーーく見てその通りに描けば、絵なんてそこまで下手にならないから。あとバランスとか意識してね」

向日葵「はい……ではいきます」しゃっしゃっ

櫻子「…………」にこー


向日葵「…………」しゃっしゃっ



櫻子「…………」


向日葵「…………」けしけし



櫻子「ひまわり……」

向日葵「はい?」


櫻子「疲れた」

向日葵「早すぎですわよ……まだ輪郭しか描けてませんわ」


櫻子「じっとしてるの苦手ー! 私も何かしたいよ!」ぎゃーぎゃー

向日葵「モデルなんですからおとなしくしててください! 顔を崩さないで!」


コンコン


撫子「何やってるの?」がちゃ

向日葵「あっ、撫子さん……」

撫子「……何やってるの櫻子、そんなにひま子と睨めっこするのが楽しい?」

櫻子「これ楽しいから笑ってるわけじゃないよ! 笑顔のモデル!」


撫子「あー、絵描いてるんだね」

向日葵「でもさっきからモデルがわんわんうるさいんですわ。じっとしてられないとかいって」


撫子「じゃあ写真撮ればいいんじゃない?」

向日葵「あ……」

櫻子「そーだよ! なんでもっと早く気付かなかったの」

撫子「デジカメ持ってくるね」

向日葵「これなら私の家に戻ってもできますわね」

櫻子「ちゃちゃっと撮っちゃおうぜ」



〈一ヶ月後・古谷家〉


楓「おねえちゃん、ちょっとおつかいで出掛けるって」

櫻子「あ、そうなの? じゃあ楓と遊ぶか」

楓「わぁい♪」


櫻子「そうだ楓、ちょっと前に向日葵が絵の練習を始めるって言ってさ、私も写真とか撮ったんだけど……あいつちゃんと練習続けてるのかなぁ? どうせ三日坊主だよね?」

楓「おねえちゃん、毎日お絵かきしてるよ?」

櫻子「えっ、毎日!?」

楓「いつも楽しそうに頑張ってるの!」

櫻子「マジかよすごいな……! 一ヶ月も毎日やってたら流石に上手くなってるでしょ」

楓「お姉ちゃんのスケッチブックこれなの」ぱさっ


櫻子「どれどれ?」ぺらっ



櫻子「は…………」


櫻子「…………なっ、なんじゃこりゃあああああああああ!!!」

楓「どうしたの?」


櫻子「わっ、私の絵しか描いてないじゃん! しかも後半渡した写真とか関係ない、勝手に私にエロいポーズ取らせてる絵ばっかりなんだけど! 裸の私ばっかりなんだけどー!!///」

楓「おねえちゃん、いつもニコニコしながら描いてたの」

櫻子「こんなの向日葵の妄想日記じゃんか! あいつ一ヶ月間何やってんだよ!///」



向日葵「ただいま、ちょっと忘れ物しちゃいましたわ」がらっ

楓「あっ、おねえちゃん……」


向日葵「あっ…………ああああ~~~~!!!///」かああっ


櫻子「おい! どういうことだこれは説明しろ!!///」

向日葵「あっ、あなたなに人のスケッチブック勝手に見てるんですの!?」ばっ

櫻子「答えろー! なんで私のエロい絵しか描いてないんだ!!」

向日葵「うるさいですわね、芸術としての裸体ですわよ! ミロのヴィーナスとかも裸でしょう!」

櫻子「絶対そういうのと違うよね!? 綺麗な裸体ならまだしもエロいポーズ取らせてるもんね!?」

向日葵「でもおかげでとても絵が上達しましたから、 結果オーライですわよね!」てへべろっ

櫻子「よくなーーーい!!!///」

【なでさくの あさごはん】


櫻子「ねーちゃんと二人きりで朝ごはんなんて久しぶりだなー♪」

撫子「花子は?」

櫻子「公園で夏休みのラジオ体操だってさ」

撫子「へぇ……」



櫻子「ほら、ねーちゃん、あーん♪」

撫子「……なにやってんの」

櫻子「ご飯食べるんでしょ! だからほら、あーん」

撫子「いや……なんで? 自分で食べるよそんなの」

櫻子「えーせっかく二人きりなのにー」

撫子「ったく……」


撫子(せっかくってどういう意味なんだろう……)

櫻子「これうまい! やっぱねーちゃんのご飯おいしい!」もぐし

撫子「そりゃどうも」

櫻子(……ツンツンしてんなぁ)



撫子「あー! こぼした!」

櫻子「ふぇっ?」

撫子「なにやってんのほら……服についてるよ」

櫻子「うぉーやべえ! でも今日は日曜日だからセーフ!」

撫子「いやアウトでしょ! すぐに洗えば落ちるから、早くシャツ脱ぎな!」ばっ

櫻子「あーっ……!///」すぽーん

撫子「あっ……」


撫子「し、シャツ一枚しか着てなかったんだ……」

櫻子「夏だからねぇ……」

撫子「…………」

櫻子「仕方ない、シャツは水に漬けといてこのまま食べよう」

撫子「だめ! 着替えもってきな!///」

櫻子「えーだって私この後すぐシャワー浴びようと思ってたし、要らないよー」

撫子「も、もう……」


櫻子「もぐもぐ……んー! これほんとおいしい!」

撫子(上半身裸で言われてもねぇ……)はぁ



花子「ただいましー」がちゃ

撫子「あっ!」


櫻子「おかえりー」もぐもぐ

花子「……何やってるし櫻子……///」

櫻子「ねーちゃんに脱がされた」

撫子「間違ってないけど!!」

楓「撫子おねえちゃんはどうして櫻子おねえちゃんのシャツを脱がせちゃったの?」

撫子「お、楓来てたのか……じゃなくて! 脱がせたってのはそういう意味じゃ……!」



向日葵「お邪魔しますわー……って」

櫻子「よー」もぐもぐ

向日葵「な、何やってるんですの!?///」


向日葵「いくら家の中だからって……服を着なさい服を!///」

櫻子「ねーちゃんが服脱がして持ってっちゃったんだもん」

向日葵「えっ」

撫子「違うよ!?そういうのじゃないよ!?」

花子・向日葵・楓「…………」


櫻子「こりゃあ信じて貰えそうにないね」ニシシ

撫子「あんたのせいだよ」



向日葵「楓、カメラの用意を」

楓「了解なの!」すちゃっ

花子「これは大室家のメモリアルにも載せるべき一枚になるし……」パシャパシャ

櫻子「なんで撮ってんの!?///」


花子「タイトルは……『撫子お姉ちゃんの朝ごはん』」

撫子「ごはんってそういう意味!?///」

【えっちなDVDの みすぎ】


めぐみ「バイト仲間に誘われてさー、この前初めてマッサージのお店に行ってきたんだよ」

撫子「」ぶーっ

美穂「ごほっごほっ!けほっ!」

めぐみ「うわっ!どしたの二人とも急にむせて!」


撫子「ばっ、バカ!何あんたマッサージとか……!///」

美穂「めぐみったら、まだ高校生でしょ!?」

めぐみ「確かに高校生だけど……でも結構若い子も多いんだよ?私たちが知らないだけで」

撫子「そっちの世界のことは確かによくわかんないけどさ……!」

美穂「めぐみって意外とイケイケなのね……」

めぐみ「いや、とっつきにくいだけで、意外と良いものだよ?」

美穂「まーっ!///」

めぐみ「ほんとに気持ちいいから。病みつきになっちゃうかもよ」

撫子「や、やだ! あたしはもっと、そんなんじゃなくて……心の繋がりを大切にするというかさ……///」

美穂「そ、そうよ……めぐみ、若いうちから遊びすぎるのは良くないと思うわ……」


藍「二人とも! 変なDVDの見過ぎー!///」


めぐみ「今度皆も行ってみない?」

撫子「本当に大丈夫なんだろうね、そこ……」

めぐみ「大丈夫って何が? 値段も手頃だよ」

美穂「背中から腰へ、腰からおしりへ、おしりから……ってズレていくんでしょ!? 知ってるわよそのくらい私だって!///」

藍「ストーップ! もうこの話題やめーー!!///」




めぐみ「最近新しいバイトやっててさー、家庭教師!」

撫子「」ぶーっ

美穂「ごほっごほっ! けほっ!」

めぐみ「うわっ! またむせた!」


撫子「か、家庭教師って……嘘でしょ!?」

めぐみ「ほんとだよ?小学生相手だけど」

美穂「小学生!? めぐみ小学生が好きだったの!?」

めぐみ「いや好きっていうか……私でも小学生くらいなら教えられるからさ。お手伝い的な感じでちょっとやってるの」


撫子「相手はどんな娘なの!?」

めぐみ「相手って……ああ、生徒さん? 普通の子だよ。結構元気よくて、私とも気が合うんだー」

美穂「なっ……もうすっかり大好きなんじゃない!」

めぐみ「大好きって何が?」


撫子「だからあんた家庭教師ってあれでしょ! 次のテストで良い点取れたら、先生と……とか」

美穂「先生、どこ見てるんですか? 早くこの問題教えてください……とか」

撫子「保健体育の実技指導、お願いします……とかなんでしょ!?///」

藍「んなわけないでしょーがっ!///」




めぐみ「ゆくゆくは私も、ケーキ屋さんになりたいなーって思ってるんだー」

撫子「」ぶーっ

美穂「ごほっごほっ!」

めぐみ「さっきからむせすぎでしょ二人とも!」


撫子「け、ケーキ屋さんって……なかなか無いジャンルだよ!?」

めぐみ「ジャンルって何!? つーかこの話、前もしたよね!」

美穂「け、ケーキ屋さんってあれでしょ? ふわふわのやつに白くて甘い魔法のふわふわを塗りたくるやつでしょ!」

めぐみ「ふわふわ二回出てきちゃってよくわかんないけど、それのことだよ」


撫子「ついに新ジャンル開拓かい……でもなんとなく想像つくよ!」

撫子「こんなところに生クリームつけちゃって……私はスポンジケーキじゃないんですよ……? とか!」

美穂「キスしたときに『あれ、なんでこんなに甘いんですか? また私の見てない所でつまみぐいしてたんですね……?』とか!」

撫子・美穂「「そういうのでしょどうせ!!」」


藍「二人とも、いい加減にしなさい……!!///」ぷるぷる

【おおむろけと おさけ】



向日葵「櫻子の20歳の誕生日を祝って……」

『かんぱーーい!』かちゃーん



撫子「ついにあんたもハタチかぁ……こんなにおっきくなっちゃって」

櫻子「えっへん!」

花子「その割に、中身は中学生ぐらいの時とあんま変わんない気がするし」

櫻子「失礼なー! 立派な大人になったじゃんか」



向日葵「ところで櫻子、20歳といえば?」

櫻子「え、なに? 20歳といえば……?」


向日葵「お酒が飲める年なんですわよ!」じゃーん

撫子「わっ! ひま子どしたのそれ」

楓「立派なお酒を貰ったから、今日まで大事にとっておいたの!」

花子「ひま姉おっとなー!」

櫻子「わー考えたことなかった! そっか、お酒飲んで良いんだ!」

撫子「ひま子お酒飲める方なの?」

向日葵「私もまだ飲んだことは無いんですわ。初めては櫻子の誕生日のときにしようと思ってたので」

楓「おねえちゃん楽しみにしてたの!」

櫻子「へーそうだったのかぁ……」


花子「いきなりたくさん飲んじゃダメだからね?」

櫻子「わかってますよーそのくらい」

向日葵「ドキドキしてきましたわ」

撫子「どれ、めでたい席だし私も少し貰おうかな」

楓「お注ぎしますなの♪」とくとく



向日葵「では、改めて乾杯といきましょうか」

櫻子「初めてのお酒、いただきまーす!」かん



<30分後>


向日葵「さくらこぉ、あなた昔はよく私につっかかってきたじゃないの、ほら私と張り合ってみなさい、もっと飲めるんでしょう?」とくとく

櫻子「や、やべえ……やべえ……///」きゅー

花子「ひ、ひま姉がかつてないモードに突入してるし!」

楓「櫻子お姉ちゃんピンチなの」


花子「撫子お姉ちゃん、ひま姉を止めた方が……!」

撫子「櫻子が生まれた時はね、こーんなに小さくてね、どこへ行くにも私の後をついてきてね、ねーちゃんねーちゃんっていつも……それがこんなに立派になって……ううう」しくしく

花子「こっちもダメだし!!」

楓「意外にも泣き上戸だったの」

【ひまママと かわいいこどもたち】


櫻子「ママいいでしょー?」

花子「ねえママー」

向日葵「…………」


櫻子「だって犬可愛いじゃーん!」

花子「ママも犬好きでしょ?」

楓「犬飼いたいの!」


向日葵「はぁ……パパに聞いてちょうだい」

花子「パパは、ママの言う通りにするって言ってたし!」

向日葵「ええ?」

撫子「ひまママが良いなら、私はいいよ? 飼っても」

櫻子「ほら! なでパパは賛成派だよ!」

楓「あとはひまママだけなの!」

花子「ママーお願いだしー」


向日葵「もう、まったく……」はぁ


向日葵「じゃあちゃんと約束を守ってもらいますわよ。ママとの約束」

櫻子「うん!」


向日葵「ちゃんとあなたたち皆で協力して、面倒をみること」

向日葵「可愛がるだけがペットじゃありませんわ。あなたたちが好きな時に好きなように接するだけじゃダメなんですのよ?」

花子「わかってるし!」

楓「約束するの!」

櫻子「絶対守る!」


向日葵「パパ……」

撫子「まあ、いいんじゃない? ペットを飼うことによって見えてくるものとか……そういうのを知るのってやっぱり大事だし、一生モノの糧になると思うよ。犬はパパも好きだしね」


向日葵「パパがそこまで言うなら、わかりました。ママも協力しますわ」

櫻子「やったー!!///」

楓「いぬー♪」




向日葵「こら!みさきちの散歩は誰か行きましたの?」

櫻子「えーだって雪ふってきたよー」

花子「お外は寒いしー」

向日葵(こんなことになるんじゃないかと思いましたわ……)


撫子「しょうがないな、パパと行くか、みさきち」

みさき「ワンワン!!」





なでパパ:撫子
ひまママ:向日葵
長女:櫻子
次女:花子
三女:楓
犬:みさき


おとなりさん

あいパパ:藍
みほママ:美穂
双子長女:未来
双子次女:こころ
犬:めぐみ

【といれの さくらこちゃん】


櫻子「あっ、紙がない!」カラカラ


櫻子「トイレットペーパー確かこの前買ってたよなぁ……」


櫻子「はなこー! 花子きてー!」



花子「なにしてるし?」

櫻子「紙が無いんだけど。トイレットペーパー持ってきて」

花子「300円だし」

櫻子「金とるな!///」

花子「仕方ないなぁ」とてしとてし



撫子「ちょっと誰ー? トイレの電気つけっぱなしなの」

櫻子「あ、入ってるよー」


撫子「……なにやってんの」

櫻子「トイレットペーパーがないの! 今花子に取ってきてもらってる」

撫子「家のトイレで身動きとれないって、バカっぽいね」

櫻子「だったら補充しといてよ!///」

向日葵「こんにちは~」

撫子「あっ、ひま子来た」


向日葵「撫子さん、櫻子いますか?」

撫子「ここにいるよ」ガチャッ

櫻子「うわっ! おい開けるな!///」


向日葵「な、何やってるんですの……?」

櫻子「見てわかるだろ! トイレだわ!」

撫子「紙が無くて身動き取れないんだってさ」

櫻子「いいから閉めてよ!///」



「に゛ゃーーーーー!!!」


撫子「あっ、花子の悲鳴だ!」ばばっ

向日葵「何かしら!?」

櫻子「おい! ドア閉めてけ!///」

花子「クモ! クモがいるしー!」

撫子「で、でかっ! なんでこんなところに!?」

向日葵「ちょ、ちょっと! 誰かクモ大丈夫な人はいないんですの!?」

花子「櫻子なら大丈夫だし」



向日葵「櫻子! ちょっと来てくださいな、でかいクモがいるんですのよ」

櫻子「それはここからも聴こえてたけどさ、その前にトイレットペーパー持ってきてよ!///」

撫子「だめなんだよ、クモがちょうどトイレットペーパーの上にいるから」

櫻子「なんとかしろーー!!!///」

【ねんまつドッキリ だいさくせん】


撫子「年末は櫻子がテレビばっかり見ててさ……どうしたもんかねぇ……」はぁ


藍「撫子はどうしたいの?」

撫子「んー……あの子もまだ13だしさ、もっとテレビだけじゃない文化的なこととかを体験してもらいたいんだよ、本当は」

めぐみ「親ですかあなたは!」


美穂「なるほどね。でもそんなの簡単じゃない?」





櫻子「あははははは!!」げらげら


めぐみ(テレビ見て爆笑してるよ、櫻子ちゃん)

美穂(よし、いくわよ!)

バン!

撫子「餅つき大会ーーー!!」

藍「はじまるよーーー!!」


櫻子「うわっ!何っ!?///」びくっ


めぐみ「お餅をつきますよーー!!」

美穂「はいテレビ消してーー!」



櫻子「なになに!? なんなの!?」

向日葵「お餅の準備はしておきましたわよ!」

撫子「ナイスひま子!」


花子「さあほら早く杵を持つし!」

めぐみ「れっつぺったん!」

撫子「これつかないと今日の夕飯無いからね」

美穂「どんどんやっちゃってー!」

櫻子「待って待って何これー!?///」



櫻子「もー、よくわかんないけどやってやるー!!」どかどか


美穂「テレビより楽しいことをさせてあげればいいのよね♪」

撫子「なるほどね……ありがと美穂」


向日葵「ふふ、あなた以外の全員で仕掛けたドッキリなんですのよ」

めぐみ「櫻子ちゃん頑張ってー!」

櫻子「みんなして私に秘密で面白いこと企むなーー!」




櫻子「あははは! やっぱり大晦日のテレビが一番面白いなー!」



バン!

撫子「そば作り大会ーーー!!」

藍「はじまるよーーー!」


櫻子「なに!? 今度はなに!?///」ばたばた

美穂「さあ、ありったけのお蕎麦を作るわよ!」

めぐみ「今日の私たちの夕飯全部作ってもらうからね!」

花子「がんばれし櫻子」

楓「がんばれ~!」


向日葵「ちゃんと細く切ってちょうだいね」

あかり「指切らないでね~」

ちなつ「櫻子ちゃんおなか減ったよ~、はやくして~?」


櫻子「だから私に秘密で遊ぶ計画をたてるなー! というかなんであかりちゃんたちもいるのー!?///」ざんざん


美穂「とりあえずこれで年末はクリアね」

めぐみ「お正月はもっとイベントあるから頑張ろうね!」

撫子「櫻子のために……みんなありがとう……」うるうる



〈元旦〉


櫻子「…………」むにゃむにゃ



撫子「起きろーーー!」バン

花子「あけおめしーーー!」

櫻子「んぇっ!? 何!?///」びくっ



楓「今日もみんなで遊ぶの!」

めぐみ「羽根つき凧揚げ福笑いー!!」

藍「とりあえず着物に着替えましょ? 気分出るわよ」

向日葵「お雑煮できましたわよ~」


櫻子「だからさ、いきなりやるのやめてよ! 予め教えておいて!? あと一個ずつ処理して!? 着替えながらお雑煮食べれないよ!!///」ばたばた

撫子「今年はテレビ見させないよ。櫻子にお正月を全力で楽しませるからね」

藍「私たちも楽しいから協力するわ」

向日葵「学校始まるまで毎日遊ぶから、覚悟しなさい?」

櫻子「ドッキリテイストでやるなー!!///」

【おしょうがつの ひまさく】


向日葵「……zzz」



バン!

櫻子「はっぴーーにゅーやーーー!!」


向日葵「…………」

櫻子「こら起きろ! あけおめ!」ゆさゆさ

向日葵「ん~なんですの……新年だからってこんな朝早くから」

櫻子「早くねーわ! もうすぐ12時だぞ!?」

向日葵「仕方ありませんわね、起きますか……」


向日葵「ふう、昨日はあなたの夜更かしに付き合ってたからすっかり寝正月ですわ」

櫻子「私は早起きできてるぞ。元旦ぐらい睡眠時間削りなよ」

向日葵「まあ過ぎたことは仕方ない……さて、撫子さんたちに挨拶に行きますか」

櫻子「ちょっ、その前にまず私に挨拶でしょうが!」

向日葵「ごめんなさい、忘れてましたわ。まあ昨日の夜も言いましたけど……改めて、あけましておめでとうございますわ、櫻子」

櫻子「はい、おめでとー!」


向日葵「……これでいい?」

櫻子「もひとつ! 今年の抱負でも言ってもらおうかな」

向日葵「えぇ、抱負……?」むむむ


向日葵「……目立った目標は特にないですけど、今年も今のような日々が続くようにしたいですわね」

櫻子「なんだそりゃ。なんにも変わりがないじゃん」

向日葵「変わりがないんじゃなくて、変わって欲しくないんですわよ。あなたにはわからないかもしれないですけど」

櫻子「?」

向日葵「さて、それじゃあ撫子さんたちの所へ行きますか」

櫻子「待て待てまてーい! 私の抱負を聞いてよ!」

向日葵「ああそう……言いたいならどうぞ?」

櫻子「えーどうしようかな~何にしようかなぁ……///」てれてれ

向日葵「決まってないのに何で言おうとしたんですの」

櫻子「やばい、全然出てこないや」


櫻子「他の人の抱負をいろいろ聞いてから決めよう!」

向日葵「別にお願い事じゃなくて目標なんですから何でもいいのに……」




撫子「新年の抱負? そんなの決まってるでしょ、大学合格だよ」

櫻子「あーそっか、ねーちゃん受験生だ」

向日葵「もうすぐ本番ですもんね。応援してますわ」


撫子「私の場合、合格したとしても春にはまた高3に時空が戻るから一生このままだけど、それでも落ちたくはないよね」

櫻子「メタいな!」

向日葵「撫子さん特有の悩みですわね……」



撫子「なに、櫻子が今年の抱負決まらないの?」

向日葵「何にするかをさっきからずっと悩んでるみたいですわ」


撫子「私が決めてあげようか? 櫻子の抱負」

櫻子「あっ、それいいかも!自分で決めるより目標に向かって頑張れそう!」

撫子「じゃあ櫻子は今年、絶対にひま子と離れないようにすること」

櫻子「……はあ?」


撫子「目標になってないって? でも変化を起こさないことってのは、意外と難しいことなんだからね」

向日葵「さすが撫子さん、私と同じことを言ってくれましたわ」

撫子「あ、ひま子もなの? やっぱりわかってるねアンタは」


櫻子「もー二人とも意味わかんない! そういうのじゃないじゃん抱負って! 学年一位取る、とかでしょ普通は!」

撫子「無理じゃん」

櫻子「はっきり言うなーー!///」


撫子「立派な目標立てるのもいいけど、そのせいで大事なものを無くさないようにって言いたいの。はいよ、お餅焼けた」

櫻子「あっちぃ!」


向日葵「櫻子はとりあえず、私たちの会話の意味がわかるようになるっていう目標にしましょう」

撫子「あーそれいいねぇ……いよいよ大人になる時が来たか」

櫻子「わけわからん……」はふはふ

花子「櫻子ー、羽根つきするしー」

櫻子「おーやるやるー!」たたたっ


向日葵「櫻子は難しいこと考えるよりも、ああして遊んでる方が似合いますわね」くすくす

撫子「姉としては早く大人になって欲しい気もするけど……まあ櫻子だけは例外かな」

向日葵「私が櫻子の分まで、頑張らなきゃですわね」



花子「とりゃっ!」すぱん

櫻子「わー負けたー!」


楓「花子おねえちゃん、墨用意してきたの♪」

櫻子「えっ、なんか書くの!?」

花子「負けたんだから言うこと聞けし」ぺたぺた

櫻子「く、くそー!///」


向日葵「ふふ……今年も楽しい正月になりますわね」

撫子「あの子のおかげでね」

【こうこうせいの はつもうで】


藍「みんなで初詣に来ました」


めぐみ「始終ご縁がありますように、って意味で、45円をお賽銭とする人もいるんだって~」

撫子「めぐみ、縁を結びたい人がいるの?」

めぐみ「えっ!? いやまあいないわけではないというか……その……///」もじもじ

美穂「あ、順番きたわよ。確か二拝二泊一拝よね?」





めぐみ「皆はなにお願いした~?」

撫子「お願いっていうか、まあ学業成就を」

めぐみ「あっ! 学業!?」どきっ


撫子「……嘘でしょ? 忘れてたの?」

美穂「……どうやらめぐみは学業そっちのけで縁結びに走ったみたいね」

めぐみ「いやそういうわけじゃないけど! 学業忘れてた……!」

撫子「あーあ」

藍「大丈夫よめぐみ。私も学業は特に気にしなかったわ」

撫子「えっ、藍が!?」


美穂「あのね撫子、藍は自分の力でどうこうできることは、自分の力だけで成し遂げたいタイプなのよ」

めぐみ「わ~流石だね~。じゃあ何をお願いしたの?」

藍「ふふっ、秘密♪」

めぐみ「えー気になるー!」



美穂「せっかくだからおみくじ引いていきましょう?」

撫子「ん、いいね」





撫子「吉か……」

藍「私も吉。まあこんなものね」

めぐみ「わ! 大吉だ!」

美穂「うそ! 犬吉と間違えてるんじゃない?」

めぐみ「犬吉って何!? わーい大吉ーー!///」


撫子「ちょ、ちょっと詳しく見せてよ」

藍「内容が大事よね」


めぐみ「恋愛……すすんで行えば必ず叶う、だって! やったー!///」

撫子「なんで真っ先に恋愛見たの……?」

美穂「むー、大吉は良いことしか書いてないわね」


藍「ちょっとマイナス評価もあるわよ? ほら旅行」

めぐみ「帰路に注意……だって。旅行行くかなあ今年は」

美穂「きっと温泉に旅行した帰りに、熊に追いかけられたりするのね」

撫子「あー……めぐみドンマイ」

めぐみ「ドンマイで済まないんだけど!!」



藍「あっ、みんな少し急いで? 次の電車が行っちゃうわ」

撫子「うそ、大変」

美穂「待って待って~! 私の凶を結んでから行きましょ!」

藍「凶だったのね……」




撫子「ギリギリ間に合いそうだね」


ぴんぽーん

めぐみ「わーっ! パスモにお金がない!」


美穂「あら! めぐみが取り残されちゃったわ!」

藍「めぐみ、次の電車は30分後よ!」

撫子「降りたとこで待ってるからー」

めぐみ「え!? みんなで次のに乗る選択肢はーー!?///」



めぐみ「帰路に注意、これか……」がくっ

【はじめてのおつかい】


<はじめてのおつかい特別編!

今日挑戦するのは、そのかわめぐみちゃん、18さい!

なでしこママに言われて、今日のお昼を買って来いと頼まれました。

めぐみちゃん、大丈夫かなあ??>



美穂「み、見て撫子! めぐみがテレビに映ってるわよ!!」

撫子「」ぶーっ

<あらら~?どうしたのでしょう、めぐみちゃんが泣き出してしまいました!

どうやらめぐみちゃん、お財布を教室に忘れてきちゃったようです。

お金がないと、なでしこママに頼まれたものが買えません、どうしよう!>


撫子「泣いてないで戻って来い!///」

美穂「こ、これ生放送なの……?」



「めぐみ~!」

「あっ、藍!」


<なんと、泣いているめぐみちゃんの前に偶然現れたのは、お友達の藍ちゃん!

わけを話すと、藍ちゃんはおこづかいをわけてくれました。優しいお友達にお礼を言って、めぐみちゃんはまた歩き出します。>


美穂「ナイスよ藍!」

撫子「なんで藍まで出てんの……」

<なでしこママに頼まれたものは、焼きそばパンと、ジャンプです。めぐみちゃん、ちゃんと買えるかなあ?>


撫子「そんなの頼んでないんだけど!」

美穂「す、すっごいパシリ感出てるわ!」



めぐみ「これ、かなあ……?」ひょいっ


<ああ~っ、めぐみちゃん、間違えてコミック百合姫を買ってしまいました。

でもなでしこママは百合姫が大好きなので、恐らく結果オーライでしょう。

お金を払って、笑顔でお店を後にします。>


撫子「無茶苦茶だよこの番組……」

美穂「あっ、めぐみ帰ってくるわよ」

めぐみ「ママ~買ってきた~~!」

撫子「誰がママだ」


めぐみ「はい、どうぞ!」

撫子「はいはいどうも……よくできました」

めぐみ「えへへへ……///」


<めぐみちゃんはなでしこママに褒められるのがだ~いすき!

無事におつかいを終えることができました。よかったね、めぐみちゃん!>


めぐみ「ママ、ごほうびのちゅーは?」

撫子「……は?」

めぐみ「いつもしてくれるでしょ? ほら、早く……」

撫子「いや、したことないんですけど!///」

美穂「撫子、せっかくカメラもあることだし、やってあげたら?」

撫子「カメラがあるからできないんでしょうが!///」




キャーキャー……


櫻子「……何だこの番組」

【わらってこらえて】


『日本テレビの、笑ってコラえて! って番組なんですけど……』


美穂「きゃー嘘!? 笑ってコラえて!?」

めぐみ「え、あの!? 所さんの!?///」


『ダーツの旅でですね、今回この七森町が選ばれて……』


美穂「きゃああああ嘘ーーー!!///」

めぐみ「ちょっと撫子! 撫子呼んでぇーー!!」ぶんぶん


『撫子さんってどなたですか?』


めぐみ「ちょっと今呼んできますから!」

美穂「すっごい可愛い子なんですよ~! あ、来た来た!」

撫子「な、何……?」


『あなたが撫子さん?』


めぐみ「笑ってコラえてだってよ! ダーツの旅!」

美穂「来たわよ、七森に!」

撫子「えっ、これテレビ!?///」どきっ


撫子「や、やだ私困るよ! 撮らないで……!」

めぐみ「大丈夫よ可愛いから!」

美穂「これが撫子です! 可愛いでしょ!?」


『確かにすごい可愛いですね!』


めぐみ&美穂「ほら~~~!!」

撫子「うっさい!!///」

藍「ちょっと二人とも~、あんまり撫子を困らせちゃダメよ?」

めぐみ「あっ、藍!」


『こちらは?』


めぐみ「この子は藍です~! みんな同じクラスなんですよ!」

藍「な、何これ、撮影?」

撫子「藍もあんまり映らない方が良いって……! 逃げよう?」

美穂「逃がさないわよ? テレビが来る機会なんて滅多にないんだから! みんなでバッチリ映るのよ!」


『仲良いですね~皆さん』


『それじゃあ、この町の人気スポットとか教えてもらえますか?』


美穂「はいはい! 人気スポットあります! 大室家!」

めぐみ「あー大室家! めっちゃ楽しい大室家!」

撫子「はぁ!?///」

『大室家って何ですか?』


めぐみ「撫子の家です!」

美穂「可愛い妹ちゃんたちがたくさんいるんですよ!」

藍「に、人気スポットっていうのかしら……?」


『あなたのお家がこの町の人気スポットなんですか?』


撫子「いやそんなわけないじゃないですか、何信じてるんですか!」

めぐみ「でも楽しいじゃん!」

美穂「今日行っていい!?」

『撮らせていただいても大丈夫ですか?』

撫子「ダメに決まってるでしょう!!?///」




キャーキャー……


櫻子「なんだこの番組……」

ちなつ「櫻子ちゃん、昨日テレビ出てたのってもしかしてお姉さん!?」

櫻子「うー……朝から同じ話題ばっかり」

向日葵「仕方ありませんわよ、あれだけしっかり出ちゃったら」





未来「花子様見たよ~! 昨日の笑ってコラえて!」

こころ「おもしろかったー」

花子「は……? 何だし?」

【おねえちゃんの ベッド】


撫子「じゃあ出かけてくるね。夕方までには戻るから」

櫻子「はいはい、じゃーねー」

花子「行ってらっしゃい」

撫子「行ってきます」



ぱたん


櫻子「よーし! ねーちゃんの布団で寝るぞーー!///」

花子「まだベッドを出てから2時間と経ってないし! 温もりも残ってるはず!」

櫻子「急げーー!」

櫻子「うにゃあ~~~!///」ごろごろ

花子「て、天国だし……///」くんくん

櫻子「ねーちゃんの匂いが! ねーちゃんの匂いに包まれて私もう死んでいい~!」

花子「なっ! 花子の方が櫻子より先に死んでいいし!」

櫻子「花子はまだ若いからだめ! 私の方が先にこの幸せにつつまれて死ぬの!」

花子「櫻子ずるい! 花子だって撫子おねえちゃんのぬくもりにつつまれながら最高の状態で死にたいし!」

櫻子「なにをー!?」



撫子「やばい、忘れ物しちゃった」ガチャ


櫻子「あっ」

花子「あっ」

撫子「あっ」


櫻子「…………」

花子「…………」

撫子「…………」

櫻子「あ、あれ~? 二度寝しようと思ったらベッド間違っちゃった~あはは……」

花子「し、シーツ洗濯しようと思ったら布団に飲み込まれちゃったし~……」


撫子「……あの、帰ってきたら、色々聞くね。じゃあね」


ぱたん



櫻子「…………」

花子「…………」


櫻子「死のう……」ばたっ

花子「[ピーーー]るし……」ばたっ

【りょうりのとっくん】


櫻子「料理が……うまくなりたい……」

撫子「え?」


櫻子「私も料理がうまくなりたい! 美味しいご飯作れるようになりたい!」

撫子「ど、どしたの急に……」

櫻子「だって嫌なんだもん! 将来、仕事から帰ってきた向日葵に美味しいもの出してあげられないとか、お弁当もたせてあげられないとか!」


撫子「ま、まあ料理上手くなるに越したことはないよね。私も櫻子が料理できるようになったら助かるし」

櫻子「よし、私がんばる! 絶対将来、向日葵に毎日おいしいお弁当作ってあげる!」

撫子「櫻子……///」


櫻子「でもそのためにどうすればいいのか1ミリもわからない!」

撫子「ちょっ!」


撫子「料理上手になるには、やっぱり経験だと思う。正しい調理法通りに作って、それをしっかりと身につける。あとはいろんな献立のパターンを持っておくとかだね」

櫻子「よーし、明日からねーちゃんのお弁当は私が作るよ!」

撫子「えっ!?」

櫻子「私、早起きして頑張るからね!」

撫子「う……///」




美穂「あら撫子、今日のお弁当はなんだか豪華ね」

撫子「う、うん」

藍「おいしそ~」

めぐみ「ちょっとちょうだい!」

撫子「いいよ、食べても」



めぐみ「な、なんか味がない……」

撫子「だよね……」

藍「な、撫子自分で作ったの?」

撫子「いや、実はね……」


藍「……なるほど。料理の特訓の一貫として、撫子のお弁当を櫻子ちゃんが担当することになったのね」

撫子「ひま子には内緒に特訓するんだーって張り切ってて……それはいいけど、早いとこ実力が追いついて欲しいよ……」はぁ

めぐみ「ま、まあ毎日やればすぐ上達するって!」

美穂「ファイトね、櫻子ちゃん♪」




美穂「あら撫子、今日のお弁当はサンドイッチなの?」

撫子「うん。これならそこそこ美味しい」


めぐみ「本格的になってきたね~、頑張ってるんだね櫻子ちゃん」

藍「愛の力ね♪」

撫子「夕飯もマシになってきててさ……なんか信じられないよ。ひま子にお礼言いたくなるくらい。まあ秘密なんだけど」

美穂「よかったわね~」

めぐみ「いいな~私もちょっと食べたい~!」




撫子「…………」とすっ

美穂「きゃっ! どうしたの撫子このバスケットは!」


撫子「昨日サンドイッチ評判良かったよって伝えたら、今日は作りすぎちゃったから皆にわけてって……」

めぐみ「え~嬉しい~!」

藍「それじゃあ私もひとつ貰おうかしら」


美穂「何個あるの?」

撫子「20個……」

美穂「に、20個!?」




撫子「……」どすん


美穂「きゃーっ! どうしたの撫子このお重は!」

撫子「みんなでわけて食べてって、櫻子が……」

めぐみ「き、気合入ってるねぇ……!」

藍「お、お弁当に重箱……!」


撫子「きれいに食べてあげないと、櫻子悲しむよね……」

美穂「みんな! 撫子と櫻子ちゃんのためにも協力するわよ!」

めぐみ・藍「「おーー!」」




撫子「よっ……こらせ!」どっすん

美穂「きゃーっ!重箱が増えてるわ!」

藍「三段になってるわ……!」

めぐみ「もはやお弁当の域超えてない!?」


撫子「ちゃんと食べてあげなきゃ……櫻子悲しむよね……」はぁ


めぐみ「だ、大丈夫! 協力するから!」

美穂「ちょっとみんな~! お腹減ってる人撫子手伝ってあげて~!」




「撫子がお昼ご飯くれるんだって~!」

「楽しみ~!」


撫子「…………」

美穂「すっかりお昼の名物みたいになっちゃったわねぇ」


藍「撫子、さすがにこれは……」

めぐみ「そろそろ櫻子ちゃんを止めないと……」

撫子「だ、だよね……」




撫子「ただいま」

櫻子「あっ、ねーちゃんおかえり! お弁当箱洗うから出して?」


撫子「はい」すっ

櫻子「うわっ、軽い! また全部食べてくれたの!? ねーちゃん食いしん坊だな~♪」

撫子「櫻子、あの……」

櫻子「明日も頑張るね!」にこっ

撫子(うっ……///)


撫子「う、うん……」




櫻子「みんな、夕飯できたよ~」


ぴんぽーん

櫻子「あ、誰か来た」

撫子「櫻子出て?」



ガチャ

向日葵「こんばんは」

櫻子「わっ、向日葵!」


向日葵「ちょっと失礼しますわね」ずかずか

櫻子「おーいちょっと! うち今からご飯なんですけど!///」

向日葵「まあ! すごい豪華な夕食ですわね……!」

櫻子「う、うぅ~……」


向日葵「今日は何か特別な日なんですの? 撫子さん」

撫子「いや、特に何もないよ。それに作ったのは私じゃなくて……櫻子なんだ」

櫻子「ね、ねーちゃん! 秘密にしてって……!!」

向日葵「まあ櫻子が……どれどれ」


向日葵「お、おいしい……! これを本当に櫻子が!?」

櫻子「ま、まあね……///」

撫子「ひま子、櫻子はね、ひま子に美味しいご飯を食べさせてあげられるようになりたいって毎日頑張ってたんだ」

櫻子「ちょっ! だからなんで言っちゃ……!」

撫子「ここまで来たよ……どうだったひま子は?」


向日葵「……ふふ、文句無しの合格点ですわ」

櫻子「えっ」

向日葵「これなら誰に食べさせても喜ばれるでしょう。よく頑張りましたわね、櫻子」

櫻子「う、うん……///」


向日葵「だからもう、頑張りすぎなくて大丈夫ですわ」


向日葵「最近あなた、家に帰っても料理ばかりしているでしょう?」

向日葵「この頃じゃ一緒にいる時間も減って……寂しかったんですからね、私。たまにはまた一緒に勉強したりしましょう?」

撫子「そうだよ櫻子。ちゃんと目の前のひま子を大事にしてあげて」

櫻子「そっか……そうだよね。私周りが見えなくなってた」


向日葵「さ、じゃあ冷めないうちにご飯を食べましょうか!」




美穂「あっ、普通のお弁当に戻ってるわ!」

藍「どうやら戻ったようね、櫻子ちゃん」

撫子「なんとかね。ひま子に打ち明けてよかったよ……これで重いお弁当地獄から抜け出せる」


めぐみ「…………」


藍「めぐみ、どうしたの?」

めぐみ「な、撫子にわけてもらえると思って、お昼持ってきてないの……」

撫子「…………」

【なでさー】


撫子「櫻子も小学生になったんだから、きちんとやることやらないとひま子に笑われちゃうからね?」

櫻子「はーい!」


撫子「家に帰ってきたらまずどうするの?」

櫻子「ただいまーって言う!」

撫子「そしたら?」

櫻子「くつそろえる!」

撫子「そう、次は?」

櫻子「てあらい!うがい!はしばこ出す!」

撫子「そうそう。それで?」


櫻子「おねえちゃんにただいまのちゅーするーー!」ぎゅっ

撫子「はいよくできました~」なでなで





撫子「懐かしいなぁ……」

櫻子「そ、そんなことしてたっけ!?」

向日葵「撫子さんずるいですわ!」

櫻子「ずるいって何!?///」

【あめのひの ひまさく】


向日葵「雨やみませんわね……」しとしと


向日葵(そうですわ! 櫻子の傘を隠しておけば今日は相合傘で帰れるんじゃ……!)





櫻子「あっ、傘盗られてる!」

向日葵「もう、ちゃんと名前書かないからですわよ」

櫻子「あれ~、書いた気がしたんだけどなあ……もうやんなっちゃう!」ぷんすか


向日葵「ほ、ほら、無いものは仕方ないですわよ。私の傘にお入りなさい? 」

櫻子「ありが……ってあれ!? これ私の傘じゃない!? 私の名前書いてあるじゃん!! お前か盗ったの!!」

向日葵(し、しくじりましたわ……隠す方間違えた……)

【ひみつの ばいと】


藍「うう、お財布事情がきつくなってきたわ……」

めぐみ「藍もバイトしようよ!」

藍「そうね、ちょっと真剣に考えてみないとかも」


藍「撫子と美穂はどう? 結構まだ余裕ある?」

撫子「うっ」ぎくっ

美穂「そ、そうね、私たちはまだ大丈夫かな~……」

藍「二人とも、意外と節約上手なのねぇ」


めぐみ「私からすれば、みんなバイトしてないのにすごいよ~。たまに短期でやってたりとかするの?」

撫子「ま、まあやってなくはないかな……」

美穂「た、たまーにね……?」


藍「……二人とも、さっきから何か隠してる?」

撫子「えっ!?///」どきっ

美穂「な、なんにもないわよ!?」

藍「……なんかあやしいんだけど」

「ちょっと撫子~! 美穂~! これ雑誌出てるのあんたたちじゃない!?」

撫子「わーっ!!///」

美穂「ちょっ、なんでそれ持ってるの!?」


藍「なあに、これ? ファッション誌?」

撫子「み、見ちゃだめ!!」

めぐみ「えーなにか載ってるの? 貸して!」



藍「えっ!? これ……二人が載ってるー!」

めぐみ「どゆことどゆこと!? なんで二人がモデルやってんの!?///」


美穂「いや、あの……私が友達に頼まれちゃって、私一人じゃ怖いから撫子誘って……」

撫子「わ、私も乗り気じゃなかったけど、お財布ピンチだったから仕方なく……」


藍「さっきから二人が隠してたのは、これね?」

美穂「はい……」

撫子「知らなかったんだよ、こんなに有名な雑誌なんて……だから知り合いにバレるの恥ずかしくて……」

めぐみ「その話題すら出さないようにしてたってわけか……ってか純粋にすごくない? ふつう出たくても出れないでしょこんなの……」

【ちなえもん】


ともこ「はあ、期末試験のお勉強は大変ね……」

ともこ「でもあかねちゃんに教わったとこくらいは完璧にしておかないと!」

ともこ「うう、眠気との戦いだわ……」


「どうしたんだいともこちゃん?」

ともこ「あっ、ちなえもん!!」


ちなえもん「珍しいじゃないか、君が勉強なんて」

ともこ「もうすぐ期末試験だから、頑張らないといけないのよ」

ちなえもん「ふふふ、ともこちゃんは頑張り屋さんだねぇ」

ともこ「そうだちなえもん、私今眠くて仕方ないのよ。何か眠気を飛ばしてくれる道具とか出してよ~!」

ちなえもん「それならいいのがあるよ!」


ちなえもん「ねむけざまし~!」てっててー

ともこ「あら直接的!」

ちなえもん「これを飲むとほどよく寝なくても大丈夫になるんだ。未来のドラッグストアに売ってるんだよ」

ともこ「いたって普通の薬なのね! ありがとうちなえもん! 私これ飲んで頑張るわ!」ごくっ

ちなえもん「あ、でも副作用があるんだ」

ともこ「?」


ちなえもん「これを飲むと、思ってることを勝手に喋ってしまう副作用があるんだ」

ともこ「ええっ!?」

ちなえもん「まあでも心の綺麗なともこちゃんなら大丈夫か」

ともこ「ちょっ、ちょ、ええ!?」

ちなえもん「じゃあぼくは寝るね」

ともこ「ちょっとちなえも~ん! 副作用がメイン作用なんじゃないの~!?///」




あかね「おはようともこ。今日のとこちゃんとやってきた?」

ともこ「おはようあかねちゃん! 私昨日寝ないで遅くまで頑張ったのよ! ほめて! 抱いて! キスして!」


あかね「え……?」



ともこ「………………はっ!!?///」


あかね「が、頑張ったのねともこ……偉いわ」

ともこ「い、今のは違うのよ! 違くないけど、薬のせいだけど!」

あかね「と、ともこ……?」

ともこ「きゃーーー!///」ぶんぶん


あかね「だ、大丈夫? 頑張りすぎて体調崩しちゃったんじゃ……」ぴとっ

ともこ「あっ近い! 近いわ! 久しぶりに近いわ! 近くで見るあかねちゃん可愛すぎる~!」


あかね「…………」

ともこ「…………」




ちなえもん「あれえ? ともこちゃん、こんな時間にどうしたんだい? テストはもう終わったのかい?」

ともこ「恥ずかしすぎるから早退してきたの……あとで追試受けなきゃだわ……」


ちなえもん「ご、ごめんね……」


ともこ「いいのよ、ちなえもんは悪くないわ。変なこと考えちゃう私が悪いのよ」

ちなえもん「でも、ともこちゃん頑張ってたのに……」


ともこ「ちなえもん、いつも側にいてくれてありがとう。ちなえもんが応援してくれるから、私はいつだって頑張れるのよ?」

ちなえもん「ともこちゃん……!」


ちなえもん「うふふ、今の、本心からの言葉だね! ありがとうともこちゃん!」

ともこ「どういたしまして♪」



ともこ「それよりちなえもん、あの薬もう一個もらえる? あかねちゃんに飲ませてみたいの」

ちなえもん「あ、もう一つの本心が出ちゃってるよ……」

【あやのちゃんの たんじょうび】


櫻子「あっ、杉浦先輩! お誕生日おめでとうございまーす!」

綾乃「おはよう大室さん、古谷さん。私の誕生日覚えてくれてたの?」

櫻子「もちろんですよ~!」

向日葵「櫻子のお姉さんが明日誕生日なんですわ。それで近いから覚えてたんでしょう?」

櫻子「おい! 言うなよ」

綾乃「ふふ、それでも嬉しいわ。ありがとう」


櫻子「プレゼントあるんですよ! 放課後渡しますから、楽しみにしててくださいね~」

綾乃「大室さんが私に……?」

綾乃(き、気になる……)




綾乃「お待たせ」

櫻子「あ、来た! 今日の主役ー!」

千歳「待ってたで~」

向日葵「それじゃあ早速用意しましょうか」



櫻子「まずはこれ、どーん!」

綾乃「な、なにこの大きいの!?」

向日葵「バケツプリンですわ」

櫻子「すごいでしょー!」


綾乃「で、でかすぎよ! 作ったの!?」

向日葵「せっかくお誕生日ですし、これくらいしないと」

櫻子「ちゃんと美味しいと思いますよ!」

綾乃「えー嬉しい……///」

櫻子「他にもいっぱいプレゼントあるんですよ! 杉浦先輩の周りの人にいろいろ聴いて好きなもの調べたり、内密に杉浦先輩のお母さんに会ってどんなものが欲しいか聞いたりしたんです!」

綾乃「え!? 嘘!?」

向日葵「欲しがってた服とか本とか、だいたい用意しましたわ」じゃーん

綾乃「え、ええええぇぇぇ!?///」



櫻子「これらは全部商品ゾーンです。次はハンドメイド!」

綾乃「ハンドメイド……手作り?」


櫻子「みんなでこれ作ったんです。生徒会腕章!」

綾乃「あ……」


向日葵「私たちの名前と、メッセージと、刺繍して……私たちの自慢の副会長に付けてもらいたくて」

綾乃「そ、そんな、あなたたち……///」うるっ

櫻子「あとは私から個人的に、杉浦先輩に手紙を書いてきました!」


綾乃「…………て、手紙っ!?///」



櫻子「感謝の手紙です! 杉浦先輩には本当によくしてもらってるので!」

綾乃「そ、そんなのまであるの!? 大室さんそんなに私のためにしてくれるの!?」

櫻子「そりゃあ先輩のためですもん!」


綾乃「待って待って! こんなにされちゃって私……大室さんたちの誕生日に何してあげればいいわけ!? こんなのに釣り合ったことできる自信無いわ!!」

櫻子「いいんですよ、日頃の感謝を受け取ってください!」

綾乃「そうは言ったって……!」

櫻子「手紙読みますね? ……杉浦先輩、お誕生日おめでとうございます!」


櫻子「―――入学して、右も左もわからないままに入った生徒会で私たちが見たのは、とても1歳しか違わないとは思えないほど素晴らしい人でした」


綾乃(やめて……泣いちゃうわ……)


櫻子「―――単なる後輩ではなく、杉浦先輩はまるで本当の姉のように私たちを……」


綾乃(そ、そんなの読まないで……!)うるうる


櫻子「日頃先輩からの優しさを受け取るばかりの私たちですから、今日くらいは言わせてください。杉浦先輩、あなたは私たちにとって一番自慢のせんぱ……」


綾乃「やめてぇーーーー!!!///」ぽろぽろ





綾乃「はっ!!!」


綾乃「あれ……夢……?」ちゅんちゅん

綾乃「た、誕生日の朝からなんて夢を見るのかしら……」とぼとぼ

綾乃(でももしあんな盛大に祝われたら……どうすればいいの……?)


櫻子「あっ、杉浦せんぱーい!」

綾乃「っ!!///」どきっ



櫻子「先輩おはようございます! 今日お誕生日ですよね?」

向日葵「おめでとうございます」

綾乃「あ、ありがと……」

綾乃(こ、この展開は~……!!)


櫻子「ちゃんとプレゼントあるんですよ~」ごそごそ

綾乃(あぁぁーー!!///)

櫻子「じゃーん! キーホルダー!」


綾乃「…………え?」


櫻子「先輩ネコ好きでしょ? 可愛いやつ見つけたから買ったんですよ! プレゼントします」



綾乃「あ……ぁ……」


綾乃「ありがとう大室さん~~~~!!」ぎゅっ

櫻子「え!?///」どきっ



綾乃「ありがとう!キーホルダーありがとう! 私これが一番欲しかったのよ!」

櫻子「そ、そんなに?」

綾乃「あなたは世界一空気の読める自慢の後輩だわ……ううう」

櫻子「な、泣くほどですか!?」

綾乃「大室さん、古谷さんもありがとう! 私いま、一番幸せよ!!」

向日葵「こ、こんなに喜ばれる……?」



~fin~

ありがとうございました。

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