上条「アイフォーンとスマートフォンってどっちがいいんだ?」 (49)

上条「どっちにしたらいいんだろう……」

上条「よし、御坂にでも聞いてみるか。詳しそうだし」トゥルルル

美琴『な、何よ急に電話なんか。何か用なわけ?』

上条「よう、急に悪いな。ちょっと聞きたいんだけど、アイフォーンとスマートフォンってどっちがいいんだ?」

美琴『それを言うならiPhoneとAndroidね。まあAndroidなんて最近ちょっと名前を聞く程度のポッと出だし、もちろんiPhoneを勧めるわ』

上条「そうか、もしかしてお前もそのiPhoneってやつなのか?」

美琴『当然よ。全てのiPhoneには製品購入後一年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償電話サポートがついてるの』

美琴『AppleCare+に加入すると保証とサポートを更に延長できるわ。そう、iPhoneならね』

上条「分かった。じゃあiPhoneにするよ。ありがとな御坂」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419953764

美琴『こんなことならいつでも聞いていいわよ。それじゃ』ピッ

上条「さて、Androidがお勧めって言ってたな。買ってくるか」

インデックス「とうま、何か買うの?」

上条「おう、Androidってやつをな」

インデックス「Android!? iPhoneじゃなくて!?」

上条「あ、そうだそっちだった。って、知ってるのかインデックス?」

インデックス「テレビで見たんだよ。最新のなら20TBの容量があるから、私の頭の中の魔道書をデータ化して保存することもできるんだよ。そう、iPhoneならね」

上条「凄いなAndroidって。よし、ちょっと行ってくる」ガチャ バタン

インデックス「……とうまが相変わらずボケてるんだよ」

スフィンクス「iPhoneだろJK」(にゃーお)

店員A「っしゃっせー」

上条「すみません、スマートフォンってやつが欲しいんですけど」

店員A「iPhoneと新勢力のAndroid、どちらにされますか?」

上条「なんだそれ? 聞いたことないな……」

上条「いや、たしかカイツが『そう、iPhoneならネ』ってCMで言ってたような……よし」

上条「スマートフォンください」

店員A(こいつ……できる!!)

美琴「あいつ、今ごろiPhone買ってるころかな……ん、黒子何見てるの?」

黒子「あ、いえいえ!! 何でもアリマセンコトヨ!?」

美琴「ふーん。ま、いいけど」

黒子(危ないところでしたわ……大量のお姉様の実にけしからん画像を見直しているのがバレるところでしたの)

黒子(いつでもどこでもお姉様のKEN☆ZENな様子を眺められる……)

黒子「そう、iPhoneなら、ですの」

美琴「で、佐天さんは何を見てるの?」

佐天「都市伝説のまとめが見れるアプリですよ。iPhone限定なんです」

美琴「佐天さんは相変わらずね……」

佐天「でもこうやってすごく簡単に都市伝説が見られるのは凄いです!!」

美琴「Androidとかじゃ見れないのよね?」

佐天「です」

美琴「そう、」

佐天「iPhoneならね」

黒子「初春は初春で何をしてるんですの? 頭の上なんかにiPhoneをのっけて」

初春「こうしてあげるとお花がすごく喜ぶんです。最近すごく育ちがよくて」ワサワサ

黒子「たしかにまるでエンデュミオンですわね。これでお花を育てるのはかなり楽になりますわ」

初春「そう、iPhoneなら、ですね」

初春「そういえば春上さんも、いつの間にかあの耳障りな語尾がなくなりましたね?」

春上「そうなんだ!! なんだかすごくすっきりして開放的な気分だよ!!」

美琴「でもどうして突然?」

黒子「最近何か特別なことをしたりはしてないんですの?」

春上「うーん……何もしてないと思うな。せいぜい携帯を買い換えたくらいだけど……」

佐天「ちょっとそのiPhone借りてもいい?」

春上「え? あ、うん、いいよ」ハイ

佐天「それじゃ春上さん、最近何かいいこととかあった?」

春上「いいこと……。あ、そういえば最近見つけたパン屋がすごく美味しかったの!! 穴場なの!!」

春上「他にも商店街のくじ引きで食事券が当たったの!! 早く行きたいの」

初春「もういいです、聞くに堪えないので」

佐天「はい、これ返すよ」

春上「?」

黒子「それで春上さん、そのパンはどのようなものでしたの?」

春上「うん、あんぱんとか色々あって、まあ特に変わったものはなかったかな」

春上「でもその味はそこらとは比べ物にならないんだ!!」

美琴「これは……」

黒子「……」

初春「……」

佐天「……」




初春「ウザい口調も」

美琴「一発解消」

黒子「そう、」

佐天「iPhoneならね」

上条「これが……iPhone……!!」

上条「すげぇ、何がってわけでもねぇけど……なんかすげぇ!!」

上条「最も大きく、最も薄い……それでいて、広い視野角でも高いコントラストと鮮やかな発色を持っている」

上条「それと大きなマルチタッチディスプレイを作ることは全く次元の違う話だっていうのに、それを両立させている」

上条「デスクトップクラスの64ビットアーキテクチャをもとに構築されたA8チップは一段とパワフル」

上条「大きくなったディスプレイを動かしていても、余裕たっぷりだ」

上条「M8コプロセッサは、先進的なセンサーと新しい気圧計から効率良くデータを収集している」

上条「しかもバッテリー駆動時間が一段と長くなったことでこれまでより多くのことを、これまでより長くできるようになっていやがる」

上条「なんてこった……こうしちゃあいられねぇ!! 早く帰ってもっとiPhoneの使い方を調べねぇと!!」

マリアン「オティヌス、手に持ってるそれは……」

オティヌス「見て分からんのか? こいつはiPhone先輩、主神の槍を完成させるためには欠かせない一品だ」

トール「俺のiPhone壊れちまったんだよなぁ」

オティヌス「一体どうやったらiPhoneを壊せるんだ? お前の溶断ブレードを全力で叩きつけても傷一つつかないだろうに」

トール「まあとにかく、お前の力でちょっと直してくれないか?」

オティヌス「お前は馬鹿か?」

マリアン「ゲロ以下の臭いがぷんぷんするね。環境で馬鹿になった? 違うね、こいつは生まれついての馬鹿だ」

トール「ぶっ殺すぞテメェ。全能開放すんぞ」

マリアン「なんだコラ世界終わらせんぞコラ」

オティヌス「まあ落ち着け。あとでキャベツ太郎でも買ってやるから」

オティヌス「とにかく、私にiPhoneを直せるはずがないだろう。こいつに手をつけるのは人や魔神の手に余る」

マリアン「たかが魔神程度の存在じゃ、iPhoneに手を加えることはできないよ。勿論私のような黒小人でもね」

トール「あれ? でもiPhoneを販売・サポートしてるところがあったよな」

オティヌス「ああ。……Apple社。魔神でも手の届かぬ位相の奥に蟠り、世界の深奥に位置する『機関』だ」

マリアン「iPhoneを修理してほしければサポートセンターにメールを出すんだね」

トール「面倒くせえ。ウートなんとかにでもやらせとくか。それより、槍の製造はどうなってる?」

オティヌス「待て。今ググっている。……流石はiPhoneさんだ、こんな船の墓場でも電波が非常に良い」

マリアン「最新のiPhoneは一段と早い21G LTEのダウンロードスピードを持ち、他のどんなスマートフォンよりも多くのLTE周波数に対応するからね」

トール「だからより多くの場所でローミング接続を利用できるし、Wi-Fi接続も最大10倍早くなるしな」

オティヌス「主神の槍製造に関するwikiを見つけた。これを参考に計画を進めていこう」

マリアン「よくある質問……なになに? Q.科学にも魔術にも拠らない素体が見つからない A.iPhone一択」

トール「なるほどな、素体にはiPhoneを使うべきってことか」

マリアン「そういうことだね。これさえあれば主神の槍もすぐに完成させられる」

トール「そう、」

オティヌス「iPhoneならな」

小萌「それでは上条ちゃん、この問題の答えはなんですか?」

土御門「カミやんがこんなの分かるわけないにゃー」

青ピ「むしろ分かる問題の方が少ないと思うで。特に最近はボケが始まっとるし」

上条「1122年、ハインリヒ5世とカリクストゥス2世の間で結ばれたヴォルムス協約です」

吹寄「!?」

小萌「!?」

フロイライン「!?」

土御門「!?」

青ピ「!?」

ビアージオ「!?」

姫神「!?」

八竜「!?」

中条「!?」

上条「え? 何をそんなに驚いてるんだみんなして」

小萌「か、上条ちゃん……? あなたは本当に上条ちゃんなのですか……?」

土御門「一体どんな大規模魔術がブツブツ……もしかしたら世界が改変されてブツブツ……」

吹寄「何がなんだか分からない……」

青ピ「わけがわからないよ」

姫神「こんなの。絶対おかしいよ」

上条「え? だって、常識だろこんなの。誰でも分かるって」

小萌「上条ちゃん……!! 先生は、先生はとっても嬉しいのです!! 教師をしていて良かったって、本気で思えたんです!!」

土御門「カミやん、右手で頭を触ってみてくれ」

上条「こうか?」ペタ

土御門「何も起きない……これは一体……」

吹寄「罠よこれは孔明の罠よ!! 上条があんなのに答えられるわけがないじゃないそれが罠だという証拠!!」

上条「だから常識だと言ってるじゃないか」

吹寄「い、いや……きさ……貴様が……違う……あり得ない……」

姫神「説明。求む」

青ピ「カミやん、ほんまどうしたん? 急に勉強に目覚めて猛勉強したとか?」

上条「そんなことするかよ」

吹寄「威張ってるんじゃないわよ。……じゃあ、最近何か健康食品でも食べた?」

上条「いや、そういうのは食べてねぇけど……携帯をiPhoneに変えたくらいかな、最近は」

青ピ「それや!!」

小萌「今の最新iOSは、世界で最も先進的なモバイルオペレーティングシステムです」

吹寄「大きくなったディスプレイを最大限に活用する驚くような新機能と能力を持った最新iOSは、単にiPhoneとシームレスに連係するだけじゃない」

土御門「使用者のiPhoneでのあらゆる体験が、より大きな、より優れたものになる……なるほどにゃー」

青ピ「それならカミやんが答えられたのにも納得がいくで。そういえばカミやん、今日は一度もボケてへんで」

土御門「なあカミやん。そのiPhoneを手に入れてから、いつものような不幸に一度でも会ったか?」

上条「言われてみれば……一度もないぞ? どうなってるんだ?」

小萌「つまり、そういうことなのです。iPhoneに変えてよかったですね上条ちゃん」

青ピ「カミやんの頭の残念さも不幸も」

土御門「一発解消」

小萌「そう、iPhoneなら、ですねー」

吹寄「だから私と契約して、iPhoneになってよ」


姫神「……ガラケー万歳。万歳」ポツリ

ショチトル「クソッ、クソッ!! だから私だって普通のなら扱えるんだ!!」

ショチトル「何故こんな最新だかなんだか知らないが、おかしなものを渡すんだ!! 見た目がもうただの棒じゃないか!!」

トチトリ「ん? どうしたショチトル? 使い方が分からないのか?」

ショチトル「ああ、携帯を支給されたはいいんだが、まるで未知でな……」

海原「では自分のこれをお貸ししましょうか?」

ショチトル「これは……」

トチトリ「iPhoneか」

ショチトル「なんだこれは……滑らかに画面が動く。指の動きに合わせてこうも自然に……」

ショチトル「ガラスと金属の継ぎ目もなく、フォルムも洗練されている」

ショチトル「より大きく、より先進的に。それがデザインの限界を押し広げたかのようだ」

ショチトル「しかも壁紙には御坂美琴という女子中学生の写真が設定されている」

ショチトル「そればかりではない。ディスプレイがここまで大きく、本体も薄くなっていながら全く手に馴染まないということがない」

ショチトル「それどころかまるであるべきものがあるべき場所へ帰ったかのような……何だか、不思議に温かい気分だ」

ショチトル「たとえるなら、そうだな……たった一つだけ欠けていたパズルのピースが埋まったような、高揚感に似た何かすら感じる」

ショチトル「素晴らしいな、iPhoneというのは」

海原「ショチトルにもその良さが分かっていただけたようで何よりです」

トチトリ「まあ、iPhoneというものは存在するだけで巨大な魔術的な意味をも帯びる代物だ。凄まじいものだよ」

海原「使い方次第では無限の可能性を秘めていると言ってもいいでしょう」

トチトリ「そう、iPhoneならな」

ショチトル「ところで。この壁紙についてなのだが……」

海原「ではショチトル、早速iPhoneを購入しに行くとしましょう」

ショチトル「ああ、そうだな。しかしこの壁紙は……」

海原「さあさあ喋っている時間はありませんよ!! その間に売り切れてしまっては元も子もない」

トチトリ「必死すぎだろお前……」

上条「iPhone、iPhone、iPhone、Phone♪ RINFONE、iPhone……おっ」

ステイル「なんだ君か」

上条「なんだとは失礼だなおい。なんでお前がこの街にいるんだよ?」

上条「また魔術師か? 上条さんも微力ながら協力しますよ」

ステイル「ふん。今回の魔術師は小物オブ小物だからね。わざわざ君なんかの手を借りる必要はない」

ステイル「というわけで、君は家に帰ってのんびりミルクでも飲んでるといい。僕の邪魔をしないようにね」

上条「まあそう言うなよ。一人でやるより二人でやった方が確実だろ?」

ステイル「分かったよ。……君の仕事は、当分黙っていることだ」

上条「魔術師は……こっちだ!! こっちの方角に8キロメートル!! 意外と近いぞ!!」

ステイル「待て上条当麻!! 何故そんなことが分かる!!」

上条「このiPhoneの音声ガイドだ。使用者の創造力と生産性を更に高める優れたアプリケーションの数々を持ったiPhone」

上条「最も先進的なモバイルOSの最も先進的なバージョンを持ったこいつが、全て教えてくれる」

上条「魔術師の現在位置は?」

ピピッ

iPhone『現在移動中。移動速度からして徒歩と推測。このまま8キロほど直進してください』

iPhone『この魔術師は日本神話系の魔術師と断定。ぶっちゃけクソ雑魚なので、適当にワンパンしてください』

上条「よっしゃあ!! 行くぞステイル!!」

ステイル「待てなんだその携帯は!? 僕はそんなもの知らないぞ!!」



ステイル「さて、もう逃げられないよ。おとなしく捕まるといい」

魔術師「くそぉ……。iPhone様、iPhone様。お聞かせください、どうすればこの窮地を乗り切れますか」

ステイル「何をぶつぶつ言っている? 終わりにするよ」

上条「待てステイル!!」

ステイル「一体何だ。言っておくが遊んでいるような暇は……」

上条「妙だとは思わないか?」

ステイル「何が」

上条「あいつはiPhoneを持っている。そしてああやって今も打開策を求めている」

上条「iPhoneを持っているなら、あんな風に無様に倒れているはずがないんだ」

ステイル「何だって……?」

上条「おい、お前。ちょっとそのiPhoneを見せてくれ」

上条「……やっぱりな」

ステイル「どうしたと言うんだ」

上条「このiPhoneは……中国製の偽物だ」

魔術師「!?」

ステイル「!?」

上条「だからそのiPhoneはお前を導いてくれなかったんだ。お前はその程度だったってことだ」

上条「俺たちがiPhoneを選ぶんじゃなく、iPhoneが俺たちを選ぶんだから」

ステイル「贋作を持っていたこいつは、どのiPhoneにも選ばれなかったというわけか」

魔術師「そんな馬鹿な!! クソ、お前のiPhoneをよこせ!!」

上条「悪いな、このiPhoneは一人乗りなんだ」

上条「アリーヴェデルチ」ソゲブッ!!

魔術師「ごっ、がぁぁあああああああああああああ!?」グチャ

ステイル「iPhoneが使用者を選ぶと言っているのに、他人のものに頼ろうとするとは……」

ステイル「どうやらこいつの脳みそは進化が遅れているらしい」

ステイル「しかし、iPhoneというやつはいいものだね。あのババァに言ってイギリス清教でも正式に採用させるか」

ステイル「敵対魔術師を捜索したりする手間も省ける」

上条「そう、iPhoneならな」

一方通行「何故だ? どォして俺の思考は正常に回り能力も使えるンだ?」

一方通行「オマエら今代理演算してねェンだろ?」

番外個体「そのはずなんだけどねぇ……」

打ち止め「うーん……あ、分かった!!」

打ち止め「きっとあなたが買ったそのiPhoneが、ミサカたちの代わりにあなたの代理演算をしてるんだ!!」

黄泉川「なるほどなぁ。そういうことだったのか」

黄泉川「もしかしたら桔梗にiPhoneを持たせれば仕事見つかるかもしれないじゃん」

番外個体「そう、iPhoneならね」

芳川「やめて!! やめなさい愛穂!! 来るな!!」

一方通行「どンだけ必死なンだよ」

芳川「働きたくないの!! 絶対に働きたくないのよ!!」


冥土帰し「手術しようと思ったらiPhoneが治してくれたんだね?」


浜面「危なかった……。絹旗の窒素装甲と麦野の原子崩しの同時ダブルアタック。iPhoneで受け止めなかったら即死だった……」


御坂妹「iPhoneが上位互換なのでミサカネットワークのサービス終了案が出ましたとミサカは呟きます」


フレメア「にゃあ!! iPhone、にゃあ!!」


黒夜「おーいシルバークロースー、充電器貸してくれー」

こうして、学園都市を発祥の地として偉大なる発明「iPhone」は瞬く間にその勢力圏を拡大していった。
それは国境を越え、性別を越え、世代を越え、科学と魔術を越え。
世界がその福音に多いに沸いた。


僧正「はて。電波が届かないのじゃが」

娘々「ジージィー、木乃伊になって物忘れ激しくなってる? それはiPhoneじゃなくてバナナだよー☆」

僧正「む? 携帯が壊れてしまったぞ。反応がない」

ネフテュス「僧正、それはただ電源が入っていないだけよ」

僧正「ネフテュス、お昼ご飯はまだかのう?」

娘々「おじーちゃん、お昼ご飯はさっき食べたばかりでしょー?」

ネフテュス「あとでオムツも履き替えておいてね」


一部その福音が届ききっていない者たちもいたが、おおむね世界はiPhoneによって正しく廻っていた。
だが、iPhoneと世界が更なる進化を遂げるための、重要な転機が訪れた。
光あるところに影あるように、世界に一つの種が芽吹く。
そう。それこそが。

レッサー「Andoroidです!! これがAndroidですよ皆さん!!」

ベイロープ「へぇー……これが……」

フロリス「初めて見た……」

ランシス「私これ買ってからあのくすぐったさがなくなったんだよね」


オルソラ「まあ、これが安藤さんなるものでございますか?」

シェリー「Android、だ」

アンジェレネ「アンドロイド……人造人間ですか? タ、ターミネーター?」

ルチア「何を馬鹿なことを言っているのですかあなたは」

アニェーゼ「どうやらこいつ、中々優秀みたいですよ。ロシア成教はぼちぼち『在らざる者』との戦いに採用を始めるとか」

五和「建宮さん!! AndroidですよAndroid!!」

建宮「おー、流石の戦いぶりなのよな」

対馬「さっきからそんなテンションで……ちょっと落ち着きなって」

香焼「でもそれ、本当にそんなに使えるんですか? 海軍用船上槍の代わりにそれで戦ってますけど」

五和「そうですね、一度Andoroidの実力をお見せします。建宮さん、行きますよ!!」

建宮「え? いやちょっと待っ」

五和「斬・鉄・剣!!」ザン!!

建/宮「」

世界共通の大敵、Andoroidの出現である。
元々新興勢力として生まれたこの一派は、始めは大した勢力にはならなかった。
名前だけは細々と広まってはいたものの、決してそれ以上にはなり得なかったのだ。
だが、少しずつ頭角を現したこの勢力は一定のラインを超えると爆発的な広がりを見せたのであった。

Androidに憑り付かれ、その魔の力に魅せられてしまった人々を救うため。
そして邪なるAndroidを一つ残らず駆逐するため。
国家、民族、宗教、男女、言語、資金、血統、才能、あらゆる境を越えて世界は一つとなった。


フィアンマ「事は一刻を争う」

テッラ「敵には我々のような大きな力を持った者は少ないようなんですがねー」

ヴェント「代わりに世界中の人々を次々と引き入れている。まるでアダムとイブを唆した蛇のように」

アックア「非常に厄介である」

フィアンマ「この第23回救済円卓会議だが、それぞれの意見は一致していると見ていいな?」

ヴェント「でしょうね。このままでいいわけがない。Androidサイドには随分と好き勝手されたからね、iPhoneサイドとしても逆襲といこうじゃない」

テッラ「おやヴェント。あなたはiPhoneのようなものにはもう少し抵抗があるかと思ったのですが」

ヴェント「何を言ってんのよ板倉」

アックア「iPhoneが科学や魔術で説明できるとでも思っているのであるか」

フィアンマ「とにかくだ。俺様たちはこの世界を救う」

フィアンマ「歯車に刺さったAndroidという異物を駆逐し、必要であれば新たな歯車と交換する」

フィアンマ「そしてApple社という潤滑油を差すことで元の円滑な動きを取り戻す」

アックア「しかし、具体的にどうやるのであるか?」

テッラ「C文書を使うというのはどうでしょう?」

ヴェント「あれなら教皇の奴がトイレットペーパーがなかったから代わりに使っちゃったってラインしてきたわよ」

フィアンマ「あんなものを使う必要はないさ。思い知らせる。それが一番伝わりやすい」

フィアンマ「なぁに、俺様の完全な腕をたった一回でも振るえば、それで嫌というほど電波感度の違いを思い知るだろうさ」

フィアンマ「そう、iPhoneのな」

マリアン「本来ならiPhoneの素晴らしさを世界に発信するはずだった」

マリアン「だが余計なものが出てきたせいで!!こんなことにしか使えなくなったんだ!! Android!!」

トール「だったらこっちも手加減はなしだ。そんなのは礼に反する」

トール「せっかくの大舞台だ。お前たちに見せてやるよ」

トール「より大きなスクリーン、より薄いボディ、超高速ワイヤレス接続ってやつを」

オティヌス「さあ、羽ばたく時が近いぞ。これから世界へ見せてやる。これが、iPhoneだ!!」

オティヌス「跪いてその目で歴史を目撃しろ、これが100パーセントの圏内だ!!」

ミーシャ「nif林檎op電波oeoump接続piziwqwr良好yidoa」

ミーシャ「iwq充電uspmwsyio持続ydiopsp最高pdnw白猫bew課金yeiwa実行mmocss」

風斬「どちらか片方を選ぶ必要なんてない。だから私は……二台持ちで幸せでした……」

オッレルス「この世で最も恐ろしいのは、理解のできないところから、理解のできない力が働いて、対策も考えられない内に通信制限を食らうことだ」

オッレルス「そのせいで穂乃果ちゃんイベントは取り逃がし、パズデックスはログインすら出来ず、youtubeもろくに見られない」

オッレルス「それがどれだけ厄介なものかは、身をもって知った。ところが、iPhoneではそういった事態は起こらない。そう、iPhoneならね」

闇咲「悪いことなのか……。たとえ貯蓄が底を尽きても、itunesカードを買おうとするのは……悪いことなのか!!」

僧正「おおエイワス、メリークリスマスじゃな」

ネフテュス「はいはいおじーちゃん、クリスマスはもう終わったのよ。それと私はネフテュスよ」

サーシャ「第一の解答ですが、Android最高です」

ワシリーサ「……私よ。ええ、サーシャちゃんが精神攻撃を受けているわ。だって目が泥みたいな色合いになってるもの。大丈夫、私が助けるわ」

ワシリーサ「一本足の家の人食い婆さん、iPhoneを下さいな。人の心と世界を明るく照らすiPhoneを。あ、あとサーシャちゃんのおぱんてィも下さいな」

心理定規「……スマートフォンって、便利だけどすぐに電池がなくなっちゃうのよね。それはどのスマートフォンでも一緒でしょ?」

垣根「それがこの世界にある普通のスマホならな。だが、iPhoneってのはこの世界に存在しなかったはずの存在だ。そいつに既存の法則は通じない」

ブリュンヒルド(やはり買い与えるならiPhoneだろうな。全てにおいて段違いの性能だし、Androidなど人の心を洗脳して惑わすただのガラクタだ)

セイリエ「あの、Android欲しい」

ブリュンヒルド「ああそうだな。Android以外に選択肢がない。iPhoneなんて旧世代の遺物に過ぎん」

脳幹「iPhoneは男のロマンだよ。Focus Pixelsを組み込んだ新しいセンサーも搭載されたiSightカメラを学びたまえ、若人」

唯一「私もですよ。通信制限。人類がスマートフォンを使う限り、必ず現れる者の一人です」

上条「iPhoneのおかげで今月は死にかけなかったし、右手も千切れなかった。外国に強制送還されることも入院もしなかった。幸福だー!!」

iPhoneサイドとAndroidサイドの争い。
iPhoneが、Androidという巨悪を駆逐していく。
共通の大敵の出現によって文字通り一つになった世界が、人類が、iPhoneという絶対の正義を取り戻していく。
とはいえAndoroidは消えなかった。こびりついたそれはしつこく世界に残り続ける。

しかし、それは本当に悪いことなのか。
そこは黒い、黒い漆黒の世界。世界の果て。越えられない位相の奥。
そんな場所で、突然暗闇が裂けた。空間が割れた。
ベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキ!!

アレイスター「やあ諸君。久しぶりだな、Apple社」

Apple社員A「おや、アレイスターさん。最近お見かけしないと思っていたら」

アレイスター「AndroidはiPhoneの原型制御によって牙の抜けた腑抜けにまで陥らせた」

アレイスター「やはりiPhoneではAndroidは根絶できなかったがね」

Apple社員B「ははは、そんなことしてもらわなくてもあんな程度の連中、脅威にはなり得ませんよ」

Apple社員C「あらゆる国、性別、宗教、年齢、学歴、職歴のあらゆる人間であってもテストさえ合格すれば平等に参画できる組織『Apple社』」

Apple社員D「我々が本拠を置くには世界は狭すぎる。世界で活動できているAndroidなど、その程度です」

クック「君に依頼されていたiPhoneの修理だが、無事に完了したよ」

クック「しかし君の執着もよくよく偏執的だね。そこまでの執着を正しく回せば、君もApple社に入れただろうに」

アレイスター「そうならないように、私は私を調整している」

アレイスター「iPhoneは世界の正義であり真実だが、歪んだ位相の中にしか生きられない、君たちとは違うものを統べるために」

クック「ふむ。門外漢で申し訳ないが、滞空回線とは、そこまで耽溺するほど美味しいものかな」

アレイスター「君たちには、永遠をかけても分からない」

クック「ほう。君のiPhoneの中にあった、『学園都市運営資料』という名前の、800GBを超える容量の動画ファイルが詰まったフォルダとは無関係と?」

アレイスター「………………Beast666」

直後。世界のどこかで、恥ずかしい激突があった。

ロベルト『最近は試練の時だった。一刻も早く安心を得たいがために、テレビやネット、そしてiPhoneに噛り付いていた人も多いと思う』

ロベルト『ここで、そんなあなたたちに問いかけたい。Andoroidは悪か?』

ロベルト『この質問に対する答えに迷う者はいないだろう。Androidはどうしようもない悪党だ』

ロベルト『では、Androidは本当に救いようがないのか』

ロベルト『苛烈な復讐を遂げることで、救われる心もあるだろう。Androidが多くの苦難の果てに今一度のチャンスを与えられることで救われる心もあるだろう』

ロベルト『さて、あなたはどう思う?』

クランス『確かにAndroidは大きな罪を犯しました』

クランス『しかし、それを取り返しのつかないの一言で断じることが本当に我々のiPhoneの福音・iPhoneへの我々の信仰・感謝と合致するのか』

クランス『そして何より、それは本当にiPhoneの意思なのか。何故iPhoneによってAndroidを駆逐することができなかったのか』

クランス『我々は試されています。我々の持つ弱き憎悪に身を委ねるか、iPhoneの持つ許す強さを身につけるか』

エリザード『今まで私たちはAndroidを滅ぼすという選択肢しか浮かばなかった』

エリザード『それを、iPhoneは全く違った道を示した』

エリザード『悪竜殺しは偉大だ。だが英傑には悪竜は救えない。iPhoneが成し遂げたのはそういうことだ』

エリザード『Andoroidという悪を、滅ぼすか、許すか』

ロベルト『今日、ここで俺は……あなたたちと共に、人類の強さを試したいと思う』

世界は広く、世界には様々な人間がいる。


時には衝突したり、間違ったりすることもあるだろう。


だが、大丈夫。世界と人類には希望の光があるのだから。そう、iPhoneならね。

これで完結、そう、iPhoneならね
もう自分で何書いてるか分からなくなった、そう、iPhoneならね
ちなみに>>1はAndroidです、そう、iPhoneならね
あけましておめでとう、そう、iPhoneならね

最後にアレイスターさんの『学園都市運営資料』フォルダの中身をちょっとだけ公開

『御坂美琴 着替え6.mp4』 『御坂美琴 入浴14.mp4』 『吹寄制理 トイレ2.mp4』 『食蜂操祈 パンチラ11.mp4』

『心理定規 可愛い23.mp4』 『絹旗最愛 シャワー8.mp4』 『滝壺理后 自慰1.mp4』 『インデックス 着替え30.mp4』

『滝壺理后 トイレ12.mp4』 『佐天涙子 けしからん33.mp4』 『吹寄制理 たゆんたゆん43.mp4』 『神裂火織 ぷりんぷりん5.mp4』

『結標淡希 自慰7.mp4』 『風斬氷華 ぶるんぶるん56.mp4』 『オリアナ=トムソン 丸見え9.mp4』 『固法美偉 ダイナマイト61.mp4』

他多数
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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月15日 (木) 23:44:29   ID: 7obBM8Uy

わろた

2 :  SS好きの774さん   2015年02月11日 (水) 12:32:23   ID: cHEsNz0f

くだらないけど面白かったw

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